ZENSHIN 2005/01/01(No2181
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日帝は、一方での世界戦争過程の始まりと他方での大恐慌・長期不況と国際的争闘戦の重圧の中で、経済・金融危機の爆発と国家の財政的破産に直面している。しかしそれは帝国主義の矛盾の爆発として本質的に解決不可能だ。それゆえ日帝は経済危機・財政危機の“打開”と称して、一切の矛盾を労働者階級への攻撃と「東アジア自由経済圏」構想やFTA政策を軸とした帝国主義的対外政策でのりきる方向に突き進んでいる。
このような日帝の政策を具体化したものが、04年6・4閣議決定の「骨太方針W」(経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004)である。
「骨太方針W」は、80年代の中曽根内閣のもとで強行された国鉄分割・民営化による国労(動労)解体・総評解体攻撃を引き継ぎ、日教組(教育労働者運動)、全逓労働運動、自治労(自治体労働運動)、国鉄労働運動という4大産別の官公労系労働組合を、レーガン、サッチャー以来の民営化手法を軸にして、最後的に解体し去ろうとする未曽有の大攻撃である。
「骨太方針W」は04年を「集中調整期間」、05〜06年を「重点強化期間」とし、後者の主要課題として@「官から民へ」「国から地方へ」の徹底、A「官の改革」の推進、B「民の改革」の推進、C「人間力」の抜本的強化、D「持続的な安全・安心」の確立を掲げている。そこには、この間の経済・金融危機(総じてデフレ問題)の克服から「日本経済を新たな成長軌道に乗せていく」とするブルジョアジーの要求がほとんど盛り込まれている。
日帝・金融独占ブルジョアジーはこれまで、高度成長過程やその後のバブル期、長期不況期をとおして国家財政をさんざん食い物にしてきた。その上で今や国家財政の破綻を口実にして「構造改革」や「民営化」を叫び、一方で「官」の切り捨てと徹底的なリストラ、他方で郵政を始めとした公的資産と利権の強奪、独占的金融資本の延命と利益拡大を狙っているのだ。
この攻撃の階級的本質は、一つは労組破壊すなわち教労、自治体、全逓、国鉄の4大産別を始めとした官公労系労働組合の全面的解体と翼賛勢力化だ。いま一つは、戦後的な社会保障制度の「見直し」=根本的解体である。
この攻撃全体の最大の環は、第2次小泉政権が「改革の本丸」と位置づけ07年4月に向け全力で強行しようとしている郵政民営化だ。民営化とは何か。労組破壊と大量首切りである。これが「骨太方針W」の根底を規定している。一足先に強行された国鉄分割・民営化の大反革命を想起せよ。日帝・中曽根は「国労をつぶし、総評を解体する」と叫び、20万人もの国鉄労働者の首を切ったのだ。しかし郵政民営化攻撃は、労働組合の破壊という目的以外に支配階級的にも統一がとれない政策であり、小泉=奥田路線の最大の弱点にも転化するものだ。全逓労働者の死活をかけた下からの決起がいったん開始されれば、一挙に大闘争化する。
「骨太方針W」はまた、「人間力の抜本的強化」とか「教育現場の活性化」などの形で教育と教育労働者への攻撃を宣言している。これは、政治的・イデオロギー的にも戦争攻撃―教基法改悪や「日の丸・君が代」攻撃と一体である。そして「三位一体改革」や「市町村合併の推進」をうたっている。これは地方自治の解体、自治体労働運動解体の攻撃だ。
さらにはアジア各国との「経済的連携」を強調し、奥田ビジョンの「東アジア自由経済圏」構想の内容が強く打ち出されている。アジア侵略と勢力圏化は日帝の死活的要求としてあるのだ。
4大産別決戦を基軸に、「骨太方針W」粉砕の一大階級決戦を爆発させよう。
戦時下への突入で、日帝の治安弾圧との闘いが決定的課題となっている。
第一は、共謀罪新設を絶対に阻止することだ。共謀罪は557の罪について、打ち合わせや協議をしただけで犯罪とされ、関係者とみなされた全員をデッチあげ逮捕できる。密告制度と併せてスパイやおとり捜査・司法取引の導入への突破口ともなる。治安維持法や破防法を超える団結・結社禁止法だ。労働運動・反戦運動・革命運動つぶしの悪法を、労働者人民の総決起で断固粉砕しよう。
第二は、裁判権を奪い戦時司法化を狙う司法改革攻撃、刑法改悪や警察法改悪・警察大増強の攻撃、「団体規制法」の存続(04年12月)など、戦時下のあらゆる治安立法と治安攻撃を粉砕するために闘うことだ。労働法制改悪もこの治安攻撃と一体だ。司法改革攻撃と闘う弁護士戦線の闘いと連帯してともに闘おう。
第三は、闘争破壊のための国家権力によるあらゆるデッチあげ弾圧、不当弾圧の激化を粉砕することだ。権力は04年、全国130カ所にのぼる一斉家宅捜索や、11・7への闘いの前進に恐怖しての「詐欺罪」などのデッチあげによる活動家の11・2不当逮捕、11・7当日の前進社本社捜索など許しがたい弾圧を加えてきた。完黙・非転向を基軸に弾圧への大衆的怒りと反撃を組織し、弾圧を打ち破ることをとおして闘争の大爆発をつくりだそう。
第四は、治安弾圧と最前線で闘う長期獄中同志、指名手配攻撃と闘う同志の防衛と奪還をかちとる闘いだ。福嶋昌男同志を奪還した04年の闘いを引き継ぎ、05年決戦爆発の中で、獄中30年を迎える無実の星野文昭同志を労働者階級人民の力で絶対に奪還しよう。再審の扉を押し開こう。東京高裁の昨年3・30再審請求棄却を弾劾し、無実の富山保信同志の再審無罪へ闘おう。迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧控訴審、水嶋秀樹同志の控訴審での完全無罪獲得へ突き進もう。
05年前半のすべての闘争を集約する最重要な決戦が6月都議選である。都議選は、改憲・教基法改悪をめぐる政治決戦であり、日本における1917年革命をめざす決定的橋頭保を築く闘いだ。革共同は教労決戦を先頭とする4大産別決戦を中軸に据えた05年決戦の一環として、都政を革新する会代表の長谷川英憲氏を押し立てて都議選決戦を闘い、新指導路線の貫徹と発展をかけて絶対に勝利する決意だ。都議選は、労働者階級が自らの党を創造していく決定的な戦場であり、そのバネとなる重要な闘いである。
教労決戦を先頭とする4大産別決戦は、首都・東京が最大の決戦場である。この首都において長谷川氏は、区議18年、都議4年の闘いの経験を持ち、いま4大産別決戦の先頭に立って闘い、石原都知事と堂々と対決できる最も強力な候補者である。この長谷川氏の勝利は、確実に東京と全国の労働運動の革命的再編と高揚を新たな段階に押し上げるものである。