ZENSHIN 2005/01/01(No2181
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週刊『前進』(2181号9面1)(2005/01/01)
ファシスト石原に挑戦状
長谷川英憲氏、都議選へ決意語る
戦争と福祉破壊の石原都政 議会に労働者階級の代表を
日帝・小泉政権が米英との枢軸を形成し、イラク侵略戦争にのめり込んでいく中で、05年は重大な決戦を迎えている。その前半決戦を集約する闘いとして都政を革新する会の長谷川英憲代表(元都議)を押し立てた東京都議選が闘われる。長谷川さんに都議選をめぐる内外情勢や石原都政の批判と都議選勝利への決意をうかがった。(編集局)
労働者の国際連帯で闘う時代切り開こう
――まず今年6月の都議選に向かっての決意をお願いします。
長谷川 何よりも今年の都議選がどんな情勢のもとで闘われるかということです。やはり一番大きな点は、2期目のブッシュが再選されるや否や猛然と新しい戦争に突入するような激しさでイラク・ファルージャ攻撃に踏み切ったことでしょう。小泉は、このアメリカと枢軸を組んでどこまでも世界戦争を一緒にやるつもりです。こういう中に石原都政があり、しかもその先端を担っている。「日の丸・君が代」押し付け、教育基本法改悪・改憲はそうした新たな世界戦争体制づくりです。歴史を画する情勢の中で闘われる国政級の選挙になります。階級決戦的性格を持った都議選です。絶対勝利をめざして闘いぬきたい。
12月9日に自衛隊のイラク派兵の期間延長、10日に新防衛計画の大綱が閣議決定されましたが、自衛隊の海外派兵を主要任務にしていくことや沖縄の基地をさらに強化しようとしている。辺野古のヘリ基地建設も重大な問題です。
ここ3年くらいは国政選挙がないかもしれないから、今度の都議選はきわめて重要な選挙になります。真の野党、真の労働者の代表を都議会に登場させることが決定的に重要です。労働者の代表としてなんとしても都議会にのりこんでいきたい。本当に労働者の立場で闘う議員が一人いれば状況を大きく変えられます。
――昨年11月7日に日米韓労働者の大集会が大成功しました。その意義についてどうですか。
長谷川 何よりも労働者階級の国際連帯、団結がうち立てられたことを実感しました。そして民営化と戦争との対決が、アメリカでも韓国でも、そして日本でもまったく同じように労働者階級の課題としてすえられている。国際的な状況が労働者階級にとってまったく同じで、それに国際的に反撃していく、そういう時代が開かれたと思いました。
同時に、国際連帯という場合も抽象的なものではなくて、ブッシュが先頭にたってやっているイラク戦争、それに小泉が全面的に加担して侵略者として自衛隊の存在がますます明らかになっている。これに対して国際的な闘い、内乱的な闘いでこの侵略戦争に反対し、イラク人民と連帯して闘いをやりぬくことだと思います。
この11・7集会に来日したアメリカ代表と交流する機会がありました。そこでトッド・ウィークスさんが「シアトルの教育労働者が賃金の問題、学級の人数の問題をめぐってストライキをやった。地域の住民、父母、生徒たちがストライキに協力して勝利した」という話をし、「日の丸・君が代」で決起している労働者の闘いを高く評価していました。また、ILWUローカル10のジャック・ヘイマンさんが「百万人労働者行進をとおして共和党でも民主党でもない自分たちの党を作るんだ」と言っていました。労働者階級は自分たちの闘いに必要な武器である党を自分たちでつくりだすということが肌身に伝わってきて、非常に新鮮な感動を覚えました。
11・7のもう一つの大きな成果は「日の丸・君が代」闘争を闘いぬいた教育労働者が登壇し、力強く訴えたことです。
20人の教育労働者が11・7の壇上から、世界の労働者に対して「日の丸・君が代」闘争について訴えた。「日の丸・君が代」の強制は戦争協力の強制そのものです。これとの闘いは、職場から戦争協力拒否を貫く闘いです。日本の労働運動の中で今最も果敢に闘っている教育労働者が、他の産別の労働者や市民に対して檄を発してともに闘うことを訴えた意義はものすごく大きい。石原都政の最大の反動的政策が教育に対する攻撃だが、それに対する反乱の火の手が東京で上がったのです。
今春卒・入学式闘争の爆発が石原倒す勝負
――都議選は石原都政との対決ですね。
長谷川 石原都政は2期目に入っていますが、1期目の単なる延長ではないことをしっかりとらえる必要がある。石原知事が出てきたのは99年の4月ですが、それ以後、周辺事態法が通り、有事立法体制になり、イラクへの派兵というかたちで日本が直接侵略戦争に踏みきった。今度のブッシュの再選は、このまま行ったらアメリカ帝国主義は崩壊するという猛烈な危機感から右翼的なものが噴き出しブッシュを支えた。小泉も戦時下の支配体制というのを強烈に意識しており、そうした反動の先頭に石原知事が立っている。
03年10・23通達は、教育現場への「日の丸・君が代」の強制で教育労働者の団結を解体し、「死を強制する教育」に動員しようとするものです。ここをめぐって石原知事との激突が生じている。
昨春決起した教育労働者が、子どもたちにも狙いが定められている以上は絶対に譲れないと言っている。「私は教師として、子どもたちに『日の丸』を敬い『君が代』を歌えと強制することはなんとしても耐えがたい。教師の良心を自分で抹殺するようなものだ」と。
よく「お国のために命を捨てる」と言いますが、被処分者の会の人が「お国のために命を捨てるのではなくて、お国のために人の命を奪う子どもたちをつくれということなんだ」と言っています。そこのところに石原知事の狙いがある。だからこそ「日の丸・君が代」強制へのやむにやまれぬ決起が起こっている。
――あれだけの人が闘ったことは石原知事や都教委にとってはショックだったでしょうね。
長谷川 ある被処分者が言っていましたが都教委は「たかだか10〜20人だろう」と高をくくっていたそうです。昨年の都の教育労働者の決起は本当に情勢を大きく動かしたと思います。だから都労連の労働者が、「これは自分たちの闘いである」と言った。動労千葉の労働者が「おれたちの援軍ができた」と言った。闘いへの共感と連帯が沸き起こったのです。
都高教自身は闘っていないけど、都高教を作り替える決起が中から出てきた。この闘いを引きついで、今年の3月、4月の卒業式、入学式で不起立がどう闘われるのか、昨年を上回ってさらに闘いが広がっていくのかが、大きな意味を持ってくる。そこに勝負がかかっていると思います。
石原知事のファシスト的なやり方の特徴として議会を使うということがある。つまり、議会で民主党や自民党の土屋、古賀、田代などの極右ファシスト議員に、例えば生徒が立たないのはその生徒を指導している教員に問題があるんじゃないかと質問させて、それに教育委員会が、「おっしゃるとおりです。教員に問題がある」「学習指導要領に基づかない誘導的な授業をやっていると思わざるを得ない」と答える。すかさず「そういう教員は処分対象ではないか」と畳み込み、教育委員会に「そういう措置をする」と答弁させる。
昨年6月の定例都議会で「日の丸・君が代」問題が質問に出て、傍聴席でヤジが起こっている。石原知事は「もう一回やったら退場だぞ」と議長でもないのに傍聴人を恫喝した。傍聴席からは質問者の古賀議員(民主)や石原知事に激しいヤジを浴びせている様子が議事録からうかがえる。しかし、その時に議場からなんの反応もない。傍聴席でヤジっている人たちを激励するためにも議員は何かやるべきなんです。そういう対決を共産党も他の野党にしてもできていない。これが議会を使ってなんでもできるという風潮をつくっている。一人でも踏ん張る議員が絶対に必要です。
2期目の石原知事の都の労働者に対する大攻撃が昨年12月に出た第2次アクションプランと財政再建プランです。4000人の労働者の首を切ると言っている。このニュー・パブリック・マネージメント方式は徹底した民営化です。
民営化に対する反対論が、共産党もそうですが自治労も「サービスの切り捨て反対論」なんです。だから闘えない。労働者の職場を奪い、労働者の生活を破壊する攻撃だ、だから反対だ、民営化に対して公務員が闘うことがすべての人の生活を守ることになるんだと言い切れない。そこのところをひっくり返さないとだめです。
――こうした攻撃は、日本の労働運動全体を解体して産業報国会化しようとする攻撃ですね。
長谷川 小泉=奥田路線の「骨太方針W」が郵政の民営化を頂点にして、自治体の制度改革で公共部門の労働者に的を絞って民営化攻撃で組合を破壊しようとしている。それを戦時下における攻撃としてはっきりさせて闘わない限り、絶対に対決にならない。だからこそ労働運動が重要なんです。
保育や福祉切り捨て差別むきだしの都政
福祉の切り捨てという点でも東京都は国を上回る方向性を出している。1期目の石原都政がやったのは認証保育所制度です。これは、国が介護保険の前に保育の問題で措置制度から契約制度へという大きな流れを作ろうという攻撃があったんですが、それはうまくいかなかった。保護者とか、保育園にかかわる運動のために徹底した民営化にはならなくて、自治体の責務という部分が残った。そういう国のやり方の手ぬるさを突いて石原は認証保育所という東京都独自の制度を導入した。
一言でいえば、民間資本をもうけさせるための制度です。保育料が、契約ですから月5万円とかそういう金額に上がった。働く女性労働者の要求を逆手にとり、「0歳から」「駅前」「13時間開所」をうたい文句に、しかし結果的にできるものはビルの中だから園庭がまったくないということになる。およそ非人間的な保育園にならざるを得ない。労働者の労働条件も徹底的に破壊される。これに21億円も予算を投入している。
しかし、2期目の石原都政は保育園についてさらにとんでもない方向を打ち出しました。昨年5月の「東京都児童福祉審議会意見具申」報告書では、昼間労働者向けの保育から24時間型都市構造の労働者向けの保育に転換する、認可保育所も福祉事務所を経由しないで直接契約できるようにするなど、保育の全面的市場化をやろうとしているのです。認証保育所はその突破口だったわけです。保育は、福祉でも子どものためでもなくなるということです。
――福祉施設の廃止という大変な案がでていますね。これについてはどうですか。
長谷川 福祉施設、「障害者」施設を、廃止に向けて順次規模縮小とか、廃止とか、早期に民間移譲とか、ほとんど全部の施設がそういう方向で処理されようとしている。美濃部都政が築き上げた東京の福祉を最後的になくそうとしている。「障害者」とか高齢者に税金を使う必要はないし、使う時には資本の利益のために使うということであり、自治体の責任という考え方を完全に捨てた。憲法25条の健康で文化的な生活を保障するのが国の責任だという考え方をなくすということです。
石原都知事は、1期目に府中の「障害者」施設を視察して「あの人たちに人格はあるのか」とか「(子どもを生まなくなった)ババアが生きているのは悪しき弊害」と発言した。こういう考え方、思想を2期目では都政にがんがん具体化している。高齢者や「障害者」の血が流れるような政治が行われているということです。
女性財団というのが鈴木都知事の時に作られたんですが、それを廃止した。女性団体から猛烈な抗議の声が上がったが、それを無視して石原は廃止した。女性の自立した活動を東京都は援助しないということです。
男女平等、女性の参政権は戦後に誰もが民主主義を実感したものだった。その流れをまったく逆転させようとしている。ジェンダーフリーに対する攻撃もそうです。戦前の、女性が蔑視(べっし)され、人間として扱われなかったそういう時代にもう一度引き戻そうとしている。反動というのは古色蒼然たるものだと言われていますけど、石原知事の場合にはとりわけその感を強くします。
1期目の石原知事は排外主義的な外国人差別をあおり、それと結びつけて防災訓練をとおして治安体制を作った。2期目はさらに治安体制、戦争体制は強められるでしょう。地下鉄に細菌がまかれたということを想定して図上演習が行われた。これに関連して石原知事は都議会で昨年暮れ「東京で細菌テロが起きたら命がけで憲法を破る。天然痘のような遅発性の菌が地下鉄などで使われたらその列車に乗っていた人に名乗り出てもらう。しかし、その名を公表できない(憲法の制約で)。そんな時は憲法を破るのは当然だ」と、ことさらに憲法を攻撃している。
もともと石原知事は「憲法破棄」を唱え、公務員の憲法順守義務などくそくらえという態度を一貫してとってきた。戦時下の様相が強まる中でいっそう反憲法・改憲を声高に叫んでいます。
“とめよう戦争教育・うばうな介護”を訴え
――都議選をどのような政策で闘いますか。
長谷川 まず1番の柱は、戦争反対の闘いです。特に「日の丸・君が代」攻撃との闘いですね。米英日によるイラク侵略戦争、自衛隊のイラク派兵、この戦争と一体で進められている米軍再編と自衛隊の新防衛計画の大綱での戦争体制の強化、沖縄の辺野古での海上基地建設、こうしたものとの闘いとして選挙戦を闘います。その柱として「日の丸・君が代」強制攻撃を粉砕する闘いとして都議選を闘うということです。
戦後の教育労働者、日教組の闘いは、「教え子を戦場に送らない」というスローガンのもとに、全労働者階級、全労働組合の最先端で闘った歴史です。私が活動を始めた頃は、杉並でもあちこちの小学校で組合の役員が処分されて激励していた。先生たちが闘っているときは生き生きしているから、子どもたちも信頼します。教育労働者が生き生きと闘うことが学校にとって一番必要なことです。
「日の丸・君が代」の問題で、石原が学校教育について講演した中でこういうエピソードがある。アメリカでの例を紹介して、親の言うことと先生の言うことが違ったら親の言うことを聞きなさいと言った。ここには子どもたちの自主的な判断というのはまったくない。彼は言われたらそのとおりに実行する子どもたちを作る軍国主義的な教育を考えている。
お上に逆らうような人間はだめだという人間観ですね。そういう意味では労働組合などは絶対に認めない。労働組合こそ労働者の自主的な自己解放の組織ですから。
今年の都議選に至る過程で昨年の11・7で切り開いたような地平を教育労働者の闘いを先頭にして全労働者の闘いに広げていく、労働者や労働組合が、教育基本法改悪や改憲を阻むために全力で立ち上がっていく、その水路を切り開いているのが「日の丸・君が代」強制反対の教育労働者の闘いです。
「日の丸・君が代」をめぐっては、カクマルの「告訴・告発」運動が出てきていますけど、職場からの不起立闘争を「ハミダシ」「挑発」と言って敵視し破壊する許しがたい運動です。そもそも「日の丸・君が代」の闘いを権力が弾圧しているわけですから、その権力にお願いして石原や横山教育長という権力そのものの連中を裁くということがありえようはずがない。彼らを本当に断罪できるとしたら労働者や住民の大きな闘いの戦線が進む時です。それは絶対可能です。
3月をめぐっては去年以上の闘いを爆発させたい。それで教育基本法改悪反対、改憲反対の大きな闘いの筋をはっきりさせていくことだと思います。
2番目の柱は、介護保険の改悪反対を始めとした福祉破壊との闘いです。
われわれは介護保険制度そのものが高齢者から介護を奪うもので反対しています。そして必要な人に必要な介護を全面的に要求していくという立場です。ところが今、介護保険が5年ごとの見直しの時期に入っていて、介護保険制度を作ったときにペテン的に言っていた「介護の社会化」などという理念だとか、趣旨さえ踏みにじるかたちで改悪が行われようとしている。要支援、要介護1という人たちからヘルパー派遣を奪う。杉並区でも8300人の要支援、要介護1の人がいる。この人たちから介護を奪い、筋力トレーニングをやって介護保険にかからないで済むようにしなさいという。そのための金は少し出しましょうというやり方です。それから施設介護で食費とか部屋代を取るということで月にして一人3万円から5万円ぐらい自己負担が増える。そうして介護保険財政の危機を乗り切ろうとしている。
これにはみんな怒っている。保険料は取って介護はしない。それがうち切られたら杉並の高齢者、とりわけ一人暮らしの人たちに介護保険制度になって増大した孤独死がさらに蔓延(まんえん)するでしょう。
この問題を典型にして、年金・医療を含めて社会保障を徹底的に解体しようとしています。戦争と福祉切り捨ては一体です。それを許さない闘いとして都議選でも高齢者の介護を担っている労働者の人たちと一緒に、彼らの怒りと自主的な決起を全面的に信頼して闘っていきたい。
厚生労働省や杉並区と交渉していて感じるのは、向こうも自信がないということです。本当に力関係だと思います。運動が全国的にまき起こったら向こうもできないでしょう。例えば厚生労働省との交渉では、ヘルパー派遣をうち切られたら困る高齢者の現実を突きつけると「ヘルパー派遣を継続できるように検討します」と言わざるをえない。
その点では「介護保険に異議あり、全国ネットワーク」とか杉並住民の会が厚労省交渉を始めとした運動を進めてきた意義がものすごく大きい。高齢者が直接要求に立ち上がった場合にはペテン的な論理でだますというのが通じない。生きるための切実な要求として突きつけますから、答えられない。この運動をさらに全国的に広げていくことですね。
また労働組合も当然自分たちの家族の問題でもあり、高齢者も労働者階級の一員ですから、年金問題と同様に正面課題にすえていくべきだと思います。まずは高齢者が怒りをぶつけ、先頭で決起していくことですね。そういう力で都議選にも勝利していきたい。
――最後に全国の読者に一言。
長谷川 私は都議選決戦を労働者階級の代表として闘う決意です。私が都議会に登場することによって、都政のあり方を決定的に変えたい。真に闘う議員が一人いれば今の都議会の状況は大きく変えられます。労働者階級の代表として石原反動政治にストップをかける。
そのために杉並だけでなく全都の、さらに全国の労働者の力をお寄せいただくように訴えます。都議選決戦に勝利して小泉=奥田、石原の戦争と民営化の攻撃を阻止しましょう。そして労働者階級が主人公となる社会に向けて大きな前進を切り開きましょう。私はそのために全力を尽くします。
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週刊『前進』(2181号10面1)(2005/01/01)
世界の労働者階級と被抑圧民族が団結しブッシュと小泉を打ち倒そう
闘う新年のメッセージ
11・7労働者集会で深化された日・米・韓の国際連帯の地平を拡大しよう。米・英帝と反動的枢軸を形成し、イラク侵略戦争から世界戦争に突き進む日帝・小泉打倒へ! ともに闘う各界の人士、議員から寄せられたメッセージを紹介します。(編集局)
11月集会の地平を豊かに拡大しよう 全国労働組合交流センター事務局長 辻川慎一さん
昨年3月の春闘と3・20反戦集会の高揚から11月労働者国際連帯集会にいたる過程で、実にさまざまな人びととの出会いがあり、心から一致し合う過程がありました。帝国主義社会の危機が深まる中で、多くの人びとがその人間的存在をかけて立ち上がっていることを身近に感じ、励まされながら闘った1年でした。
この活性化・高揚局面に勝利の方向性を示すものこそ、プロレタリアートの意識性と組織性、そして現実の闘いであることも、あらためてはっきり確認できた1年であったと思います。それは、現実の運動が動や反動、紆余(うよ)曲折など複雑な様相を見せれば見せるほど、確固たる指針になるということでした。
かつてトロツキーは、カウツキーを批判する中で「ボルシェビキの根本的な先見性は、乗馬を習得しうるのは、ただ馬の上にしっかりと乗っているときだけだ、という点にある」と言いました。現実の労働者階級の闘いにしっかり踏まえ、関わることなしに階級闘争や革命運動を習得できないと思います。外から、観念論的に、あるいは宿命論的に見たり語ったりしていては何事もなしえないと思います。私も含めこういった点では端緒についたばかりかもしれません。しかし、ともにこの広大な実践の大地に踏み出した仲間たちの存在と闘いこそが、05年の最深の展望を切り開いていると確信します。
ブルジョアジーの戦争と生活破壊、人間存在の極限的蹂躙(じゅうりん)−「地獄」への道を峻拒し、人間が人間らしく生きる「自由の王国」を目指す現実的過程は、どのような困難や紆余曲折があろうとも労働者階級の主体的現実的闘いによってのみ切り開かれます。その意味でも、05年の闘いの核心は、11月集会で切り開かれた地平の意識的全面的拡大−発展にあるということです。また現実の過程において、まさに予想もし得ない幾多の困難があるからこそ、組織性や主体性が強化されていくのだと思います。
05年、革共同が階級の困難と課題を引き受け、真の労働者階級の党として不屈で強靭(きょうじん)な発展をとげていくであろうことを確信しています。(茨城県地域連帯労働組合委員長)
「戦争」への反転攻勢の道を進もう とめよう戦争への道!百万人署名運動 小田原紀雄さん
21世紀は否応なく「戦争の世紀」であると認識しなければならない。経済のグローバリゼーションは、ネグリがイラク侵略戦争を指して「帝国の帝国主義への退行・逆行」などと「帝国」論の一部修正をして把握できるような事態ではなく、地球規模での「実体のない」戦争を激化させるだろう。国境は既に「国民国家」の防衛線ではなくなってしまった。アメリカを頂点とする経済・政治・軍事の一体化した世界体制は「帝国」へと収斂(しゅうれん)して行くのではなく、内部に激しい野望と深刻な対立とを抱え、その意味で「国民国家間戦争が世界内戦として展開される時代」に至ったのである。
この永遠に勝利者のない戦争を遂行し続けるほかなくなった世界は、治安のグローバリゼーション化を生み、果てしもない世界大の警察国家化が進行している。
05年、イラクは確実に泥沼化の様相を呈してくるだろう。傀儡(かいらい)暫定政権が世界体制に恭順の意を示そうとも、イラク民衆の記憶に深く刻み込まれたファルージャの大虐殺は、民衆の間に「新しい物語=抵抗と自立・解放の物語」を生み出すに違いない。
この侵略戦争に加担する国家日本の一員たる我々に課せられた任務は明らかである。このイラク民衆の「新しい物語」に参戦すること、全国にイラクからの自衛隊撤兵を求める闘いを作り出し、米軍のイラクへの出撃拠点の一つである沖縄において米軍基地撤去の闘いと辺野古での新基地建設阻止の闘いを連動させて闘い抜くことがその道である。
05年、教育基本法改悪阻止の闘いの正念場である。百万人署名運動は、この教基法の改悪というより、「戦争国家教育法」制定阻止の闘いの中心軸に新たな署名運動を据えて取り組みを開始した。確実に百万人署名を突破する。そしてここからまったく新しい改憲阻止の戦列形成への展望を切り拓く。これもまた「新しい」物語への参戦にとって我々に課せられた任務である。
05年、とりあえず制定を阻止した共謀罪を含む包括的反テロ法制定に向けた法案の目白押しである。警察国家化の野望を切り裂く、これも参戦の道である。
今年も厳しい闘いの年になろう。共に闘おう。
侵略政策強行する小泉政権の打倒を 国労5・27臨大弾圧事件弁護団副団長 葉山岳夫さん
年頭の御挨拶(あいさつ)を申し上げます。
いよいよ激動の年の幕開けです。米帝国主義の侵略策動は、イラク人民の大抵抗闘争、全世界の人民の闘いによって破綻(はたん)に瀕(ひん)しています。今年こそイラク派兵などの侵略政策を強行する小泉政権を全国、全世界の労働者人民の力で打倒したいものです。戦争と大失業の時代にあって、侵略戦争は内への階級攻撃を激化させるでしょう。むらがる反動と闘い勝利することが大きな課題です。
大量殺人をもたらす、平和憲法への改憲攻撃は、自民党の委員会素案が発表され、第9条を中心とする反革命性をますますあらわにして来ました。改憲阻止闘争の全人民的爆発が要請されています。昨年11・7労働者集会の成功は、改憲阻止闘争の担い手がまさに労働者人民であることをはっきりと示しました。多くの労働者、青年労働者の集会への参加は明るい展望を作り出しました。
日の丸・君が代闘争と結びついた教育基本法改悪攻撃との闘いは、改憲阻止闘争とも不可分一体です。2002年国労臨時大会へのビラまき説得活動に対する国労組合員ら8名に対する不当弾圧刑事裁判は、早くも1月13日から開始されます。この裁判闘争こそ国鉄闘争の中軸をなす闘いです。必勝の決意と確信で弁護団の一員として闘い抜きます。動労千葉は、1047名の解雇撤回原職復帰闘争として、鉄建公団訴訟を提起します。弁護団の一員としてこれに勝利します。
三里塚芝山連合空港反対同盟は、政府、成田国際空港株式会社と対決し、東峰神社裁判の勝利をふまえて、天神峰現地闘争本部収去明渡裁判、一坪共有地強奪裁判に対して、ガッチリと対決し、勝利的に闘っています。暫定滑走路の変更認可取消行政裁判も粘り強く闘っています。
一方、まやかし司法改革は、侵略戦争下での戦時司法体制の一環として強行されていますが、ロースクール志望者の激減、裁判員制度に対する全人民的不評などすでに矛盾を露呈しています。共謀罪の制定策動とあいまって、「憲法と人権の日弁連をめざす会」の一員としてこれらの反動と闘い抜く決意です。
今年は、日本人民の未来を決する正念場の闘いの年です。ともに明るく頑張りましょう。
新防衛大綱粉砕し労働者反戦決起を 東京反戦共同行動代表・三一書房労組執行委員長 三角 忠さん
小泉政権が「新防衛大綱」を発表した。その柱は第一に自衛隊の海外派兵を国土防衛と並ぶ安全保障政策に位置づけたことである。第二に非核3原則に続き武器輸出3原則の見直しを打出したことである。第三に米国が進める在外米軍再編(トランスフォーメーション)に見合った対テロ、朝鮮・中国への日本の侵略シフトの確立を明確に打出したことである。
2005年とは、このような日本帝国主義のアジア侵略プログラムが具体的に発動される年になる。04年は小泉−奥田体制が包括的にアジア侵略と労働者の戦争動員を発表し、資本主義の危機を戦争と弾圧によってのり越えようとした年として刻印されたが、まさに戦時体制への突入、改憲攻撃が改憲草案の完成と国民投票法の成立を待たずに「防衛政策」の名の下に先取りされようとしているのだ。
教育基本法改悪が「心の戦争動員」として侵略戦争に向かう日本帝国主義の一つの柱であるのと同様に、いやそれ以上にこうした「新防衛大綱」が憲法9条を正面から崩壊させることに重大な関心を寄せなければならない。
連合が結成される前に、石川島播磨の労働組合が日の丸の小旗を振ってメーデーに参加したことが、今鮮やかに蘇(よみがえ)る。帝国主義の根幹をなす防衛産業で働く労働者が、労働組合として産業報国会に塗り変えられようとしている。だからこそ連合を打倒し、闘う労働運動の再生が必要だ。
わが反戦共同行動委員会は、この「新防衛大綱」に示される「労働者の侵略動員」を決して許さず、本年を労働者階級の反戦決起の絶好のチャンスととらえ、地を這(は)う労働組合の闘いの組織化に猛然と起ち上がることを宣言する。
むろん、私自身の足元の闘いである三一書房争議においても、こうした決意の上に立って、中労委命令を獲得し、団結を固め、勝利へ向かって飛躍的に前進することを腹の底から決意している。
闘う労働者の国際連帯が全世界の労働者階級・被抑圧人民の本当の合言葉になるのは今年だ。共にスクラム組んで闘おう。
米韓の仲間との信頼にかけ闘おう 反戦共同行動委事務局長 滝口 誠さん
帝国主義による戦争と大失業・貧困が全世界に襲いかかっている今、世界の労働者、被抑圧民族人民の抑えがたい怒りの声が噴きだし、国境を越えて団結を開始しているただ中で05年を迎えました。
私たちはこの間、既成勢力の総屈服という逆流に抗し、血と汗を流して闘いぬく中から、ついに11・7労働者集会で闘う日米韓の労働者の真の国際連帯をかちとり、全世界の数千万労働者の巨大な奔流と合流する画歴史的な地平を切り開きました。このことは疾風怒濤(どとう)のごとく激動する変革の時代に正面から挑みかかる“挑戦権”を握りしめたと言えます。
05年の核心は、現代世界の根底的変革を希求する全世界の労働者の連帯闘争を本格的に発展させるために全力を注ぐことだと思います。「11・7」の感動と「勝利の道」をすべての労働者民衆の中に持ち込もう。これを武器に、イラクへの自衛隊派兵と有事立法の制定で日本を再び「戦争をする国」に変えようとする小泉超反動政権打倒のうねりをつくり出そう。
特に今年は、教育基本法・憲法改悪に向けた政治過程が具体的に動き出す分水嶺をなす情勢です。「誇り高い勇気ある教育労働者として闘う」とキッパリと宣言し、不屈に闘っている教育労働者とともに今春決戦に立とう。そして米軍の世界的再編による在日米軍・沖縄米軍基地の再編強化と命がけで闘っている沖縄の仲間に続こう。
一方、戦時下で差別・排外主義、弾圧の攻撃が強まり、戦時的管理体制がつくられつつあります。敵の反動を打ち破り、すべての戦線で地殻変動的な高揚をつくり出そうではありませんか。それはまったく可能であることを11・7は立証しました。闘う米・韓の仲間とかわした固い信頼にかけて、05年の勝利のためにともに闘いましょう。
大震災から10年の1・16反失業行動へ 阪神被災地・雇用と生活要求者組合代表 長谷川正夫さん
全国の闘う仲間の皆さん! 新年おめでとうございます。
震災から早くも10年を迎えました。全国の仲間の皆さんに支えられて何とか生きてこられたというのが実感です。時あたかも、新潟中越地震では労働者・住民に犠牲が集中し、阪神大震災と同じことが繰り返されています。
阪神大震災で明らかになったのは、都市政策の中で取り残された労働者・被差別部落・在日の居住地区への被害の集中であり、その後の「復興」は、ターミナルと高速道路を優先し、労働者・住民には、600人の「孤独死」の強制でした。
その中で生存権・労働権を掲げて闘いぬいてきた被災地の私たちが気付いたことは、国・行政は労働者・住民のためにあるのではなく、大企業・資本家のためにあるということでした。
さらに、震災10周年を機に神戸市などの行政は、被災者対策を全面的に打ち切り、防災を口実に大資本の金もうけのために戦争体制づくりを進めようとしています。
私たちの10年間の闘いは一昨年来の、日・米・韓の労働者の国際連帯の闘いと結びつき、大きなうねりとなっています。このうねりを大きくするのは、労働者自らが、職場で闘いを築き上げることです。
小泉政権が行っている戦争推進と大失業攻撃の真っただ中で、1月16日に第22回被災地反失業総行動を闘います。全国の労働者の皆さんの結集を心から訴えます。
被爆者自身の団結で国家の責任追及 反戦被爆者の会会長 大槻泰生さん
革共同の皆さん、そして『前進』読者の皆さんに、新年のメッセージを送ります。
昨年、小泉自民党政権は、私たち被爆者の「過ちはくりかえしません…」という誓いと平和への願いを無残にも踏みにじり、社共・民主などの野党の裏切り・屈服と、公明党の支持・協力を得て、自衛隊イラク出兵を強行しました。私はこの暴挙を絶対許しません。
私はかつて日清・日露戦争以来の軍都であった広島で、朝鮮より拉致(らち)・強制連行してきた若者たちに、「お国のために」と労働を強制し侵略戦争を担った一人です。その結果はどうでしょう。米帝が投下した原爆の熱線に身体を焼かれ、家を焼失し、肉親はいまだに骨も見つからず、放射能に射貫かれた身体は皮膚ガンにおかされ、原爆症でいまだに苦しんでいます。帝国主義の戦争で犠牲となり苦しむのは、いつも私たち労働者・民衆です。戦争を担わされ犠牲となるのが労働者なら、それをくい止める力を持っているのも労働者にほかなりません。だから私は、イラク戦争反対−劣化ウラン弾使用弾劾、自衛隊即時撤退を、労働者の皆さんとともに闘います。
また、有事法に反対し、沖縄米軍基地撤去、教育基本法改悪・改憲阻止、社会保障施策の改悪反対、三里塚軍事空港粉砕など、戦争国家化阻止闘争を命をかけて闘います。
そのためには、被爆者自身の自覚と団結によって国家の戦争責任・被爆責任を徹底的に追及し、帝国主義の被爆者差別・抹殺攻撃と容赦なく闘い、被爆者の生活と医療をとりもどすために、高陽病院建設運動と小西記念館運動を成功させなければなりません。また、私自身、部落民被爆者として差別を許さず、朝鮮・中国・アジア人被爆者と団結を強め、ビキニ被爆者を始め世界の被爆者・被曝者と連帯します。
そして、今年こそ、無期刑を宣告され獄につながれている星野文昭さん奪還、富山保信さんの再審闘争の勝利をかちとりましょう。
戦時下の05年を新たな決意でがんばりましょう。
侵略の枢軸国日本の撤兵実現へ闘う 反戦自衛官 小多基実夫さん
イラクの人びとが米英軍によって大勢殺され、家も職場も破壊されて苦しみの中で新年を迎えられており、わが国の自衛隊がその占領軍の一翼を形成しているという戦争下での新年となってしまいました。
国内でも東北地方で派兵隊員を送り出した兵士の家族など「無事帰国するまで、正月はお預け」という状態であることをかみしめ、「今年こそは」という厳粛な気持ちで新しい年を迎えたいと思います。
昨年は、日米韓を始めとする闘う労働者の新しい国際的な陣形も実現し、また日本においても1月の空自・小牧基地闘争を皮切りに、初めての地上軍が派兵された旭川を始めとする陸自の北部・東北方面隊の各駐屯地で果敢に派兵阻止闘争が闘われました。その中でイラク参戦に黙っていられないと元自衛官や自衛官の家族が立ちあがり、「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」という新しい運動も始まりました。
自衛官や家族の気持ちは、撤退を求める世論調査の結果と同じです。昨年の参議院選挙では、小泉首相の自民党から出馬した自衛隊の候補3人は全員落選しました。100万票の自衛隊票から30万票、その半分は創価学会票だから、自衛隊員とその関係者の85%は小泉・自民党を支持しなかったということです。
小泉は、いやがる自衛官に無理やりライフル銃を持たせてイラクで人殺しをさせ、自衛隊を外国を侵略する軍隊に脱皮させようとしているのである。
あまりの不正義が明らかになる中で、スペイン、タイ、フィリピン等に続き、3月中旬にはオランダも撤退し、ポーランドも年内には全軍を撤退させると表明している。その結果500人以上派兵する参戦国は、今年中に米、英、伊、日、韓、オーストラリアの6カ国だけになってしまい、日本は文字どおり侵略の枢軸国になってしまいます。
イラク人民への連帯は、参戦国である自国・日本の撤兵を実現すること抜きには空語です。兵士=自衛隊の中にいる労働者の仲間に1人のイラク民衆も殺させてはならない。自衛官を侵略戦争の手先にも犠牲者にもさせてはならない。一日も早く自衛隊をイラクから撤退させましょう。
「辺野古」の闘いは日本の運命決める 沖縄民権の会 座覇光子さん
辺野古の闘いによって、さまざまなことを気づかされ教えられた。すべての面において、「日本本土と沖縄は温度差を感じる」と、よく聞く。冷笑に終わってはならない。日本全土の0・6%の地に、75%の軍事基地が存在しているとは、何を意味するか! 単純計算すれば、ヤマトゥンチュが1`の基地の重さを背負うとすれば、沖縄の人々は、127・5`の基地の重さを背負わされている。その重さは、女は日常的に強姦、暴行等の危機にさらされ、殺人にまで発展、現実には生きながら殺されている人生。男たちは職を奪われ、生活できず離婚率日本一、二を争う。ヤマトに来ても、ホームレスにならざるを得ない人もいる。
戦時において、疎開船「対馬丸」が学童を乗せて航行中、米軍の爆撃に遭い、1千名近くの児童は海の藻屑(もくず)と消えた。遺された母たちは、「海が怖い」と、引きこもったり、わが子を探し求めて虚(うつ)ろにさまよったり。これが戦争の見返りだ。
また、日本の軍人は、上原トミさんをスパイの容疑で捕らえ、木にくくらせ、朝鮮の軍隊慰安婦に殺すように命じた。命令された軍隊慰安婦はためらいながら短刀で何度も突き刺して絶命させたという。日本の軍隊は自らの手を汚すことなく、よりによって朝鮮の軍隊慰安婦に……。どちらもどんなに胸痛むことだっただろう。憎き日本の軍隊! 恨み骨髄である。
今もイラクの人々を虐待、虐殺したファルージャの海兵隊は、その殺し方を沖縄で訓練したのだ! その痛苦の念をバネに辺野古の闘いで跳ね返して行かなければ……、ヤマトにおいてクビ切りに抗してがんばっている労働者の闘いを知りつつも、もう一歩進めて、沖縄の闘いそのものに共闘して欲しい。
今年こそ平和の道を行くのか、戦争の道を行くのか、一人ひとりが問われる年だ。共闘すればこそ、沖縄、ヤマトの深い溝を埋め、真に人間信頼の道も開けると確信する。
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週刊『前進』(2181号11面1)(2005/01/01)
世界の労働者階級と被抑圧民族が団結しブッシュと小泉を打ち倒そう
闘う新年のメッセージ
糾弾闘争を復権し戦争の時代と対決 部落解放同盟全国連合会書記長 中田 潔さん
2005年、全国連は差別糾弾闘争を復権し、侵略戦争の時代にたちむかう新たな部落解放運動を創(つく)り出します。重大な決戦段階に入る寝屋川弾圧との闘いに総決起し、全国連は差別糾弾闘争への弾圧を粉砕してなんとしても勝利することを宣言します。
部落解放運動をめぐって激動情勢がおとずれています。同和対策事業は2001年の地対財特法の期限切れによる全廃から、今年で3年間の「激変緩和」措置もなくなります。いよいよ解同本部派に代表される既成解放運動の崩壊のはじまりをむかえたのです。
それは部落差別をめぐっての社会的力関係の変化をひき起し、部落差別の強まりを呼び起こしています。また運動の弱体化によって、部落大衆の要求のきりすてがはじまるということです。解同本部派の没落、融和主義化と、部落大衆の既成の解放運動への離反はいっそう進みます。戦後、部落解放運動がよって立ってきた基盤が一掃されるということであり、全国連にとっても非常に厳しい時代の始まりです。
ここで、全国連は部落解放運動の主流派との強い自覚をもって、部落解放運動の責任勢力としての位置を一身にひきうけて立ち上がります。この情勢にたちむかう唯一の闘い方は、差別糾弾闘争を全国各地でどんどん取り組むことです。全国連は、部落大衆の差別への怒りを全面的に解き放っていきます。差別による生活破壊に対して、広範で柔軟な戦術を駆使し差別糾弾闘争への大衆的決起をかちとっていきます。
イラク派兵の継続、本格的な侵略戦争の時代の中、全国連は労働者人民とともに反戦闘争に立ち上がります。11・7労働者集会でより強化された労働者の国際連帯闘争を、部落解放の立場からともに闘います。
3月6日〜7日、第14回全国大会を以上のことをかけて、大成功させます。ともに闘いましょう。
福祉・医療・教育の切り捨て許さない 東大阪市議会議員・解同全国連荒本支部 阪口克己さん
新年あけましておめでとうございます。昨年は、小泉政権による戦争政治、とりわけ、イラク侵略戦争と社会保障制度のきりすて、労働組合と労働運動つぶしをめぐって、激しく闘い勝利した1年間でした。
2005年は、2004年をはるかにこえて、戦争と大失業、部落差別の激化と対決する決戦の年となります。2004年の闘いの勝利をひきつぎ、小泉政権打倒へ猛然と決起しましょう。
小泉政権は、国民の7割をこえるイラクへの自衛隊派兵反対の声を無視し、1年間の派兵延長を閣議決定しました。イラクでは、アメリカ・イギリス・日本の侵略に対して、イラク全土で民族解放・革命戦争に決起しています。このイラク人民と連帯して、今年こそ、小泉政権をぶっ倒しましょう。
また、国と地方の税財政を見直す三位一体改革の全体像が明らかにされました。これは、国の責任を全面的に放棄し、国の負担とつけをすべて自治体と労働者階級に押しつけるものです。とりわけ社会保障・福祉・医療・教育などすべてきりすて、高齢者や障害者、部落民などの社会的弱者の生活と命まで奪おうとする攻撃です。さらには、財政危機を口実にして、民営化の名のもとに、労働組合を徹底的にたたきつぶし、侵略戦争へと動員しようとする大反動攻撃です。
労働者階級と部落民を食わしていけず、侵略戦争によってしか問題を解決できない国家なら、私たちの団結の力で打ち倒してやりましょう。
まさに、昨年の11・7労働者集会は、労働者階級こそ、社会の主人公であることを確認し、日米韓の労働者が国際的に連帯して闘いぬくことを誓い合いました。
2005年こそ、私たちの手で、世界戦争に突き進むブッシュと小泉を打ち倒しましょう。
労働現場の怒りと結び団結の拡大を 杉並区議会議員・都政を革新する会 新城節子さん
昨年11月7日の日米韓労働者集会は、イラク侵略戦争を拡大しようとする日米帝国主義への新たな闘いののろしを打ち上げました。
不況の中、世界各地で、事業の民営化や民間委託化が進み、そのもとで多くの労働者が職を奪われ、不安定な労働条件を強いられています。杉並の山田区政のもとでも、職員の長期病欠や心の病は増加の一途をたどり、経験と実績のある労働者が辞めていかざるを得ない異常な状況です。
こうした中での11月労働者集会の意義は大きく、労働者が自らの力と団結をより所にいよいよ立ち上がる時が来たことを宣言したのです。「日の丸・君が代」攻撃と闘い、処分された教育労働者が「闘うことがこれほどに楽しい」と語られたのを聞いて、あらためて現場の闘いが自己解放性に満ちていることを実感しました。私は、労働現場からわき上がる怒りと結び合い、信頼と団結の力をさらに拡大するために力を尽くしたいと思います。また同時にこれが都議選勝利につながることを確信します。
本年は沖縄・辺野古の闘いを絶対に勝利しなければなりません。新基地・ボーリング調査を阻む闘いが、日本政府・防衛施設庁を激しく追い詰めています。基地阻止がイラクと結ばれているという信念で、9カ月も工事をストップしていることは偉大な勝利です。
私は、東京・全国からこれにこたえる闘いのために歩を積み上げたいと思います。沖縄を永久的基地の島として人間も島もまるごと踏みにじる日米両政府に対して、沖縄人の、全国の労働者の底力を示そうではありませんか。
11月労働者集会で安保・沖縄闘争、辺野古の闘いは日・米・韓の労働者の課題であることを確認しました。本格的な安保・沖縄闘争を労働者の国際連帯で闘う、小さな沖縄が闘いの大きさで米本国や世界の労働者階級に迫る、これほどすばらしいことはありません。
この気概を強め、名護新基地建設・ボーリング調査阻止、都議選勝利、「日の丸・君が代」強制に反対し、教育基本法改悪や「つくる会」教科書の採択を阻むために力を集中して進みたいと思います。
6月都議選勝利で石原都政を倒そう 杉並区議会議員・都政を革新する会 結柴誠一さん
ファルージャで米軍の蛮行(ばんこう)に親兄弟を奪われたイラクの子どもたち、不屈に闘うイラク人民に思いをはせ、胸熱くして新年を迎えました。
11月の日比谷野外音楽堂の感動を忘れることはできません。史上最強の軍事力を独占する帝国主義のもとで熾烈(しれつ)に闘う労働運動と、世界第2位アジアの帝国主義国で闘う労働運動の新たな潮流が手をつないだら、危機を深める米・日両帝国主義を倒すことも可能ではないか!
さらに帝国主義の経済支配と闘う世界最強の労組・民主労総と手を結んで闘えば、国際階級闘争の最強のトライアングルです。
11月14日の民主労総全国大会に動労千葉の訪問団と行動をともにできる機会に恵まれました。前夜ソウルで目の当たりにしたのは、WTO体制によるコメ自由化に反対する農民の激しい闘いです。無関税を指向する自由貿易協定(FTA)は韓国農業を壊滅させます。日韓FTA政府間交渉では、日本側は「ノーワーク・ノーペイ原則」「違法な労働行為に対する厳正かつ迅速な措置」などを要請し、「非関税障壁」として労働運動弾圧を求めています。
14日、国会に向かう大通りを埋め尽くす7万人の参加で、ゼネストを宣言した民主労総大会の震えるような感動。問われているのは帝国主義日本の労働者階級であることをあらためて突きつけられた思いです。
「日の丸・君が代」を強制し教育労働者を処分してきた張本人・石原都政の打倒を掲げて、6月には長谷川代表の勝利をめざして都議選を闘います。
動労千葉、ILWUや民主労総から学んだ労働者魂で、職場や地域に粘り強く踏み込み、卒・入学式闘争の爆発を支え、イラク反戦の全世界的高揚の中で勝利をめざします。労働者階級の自己解放性にあふれる選挙戦こそ勝利の原動力です。アメリカ、韓国の誇るべき労働者の闘いにこたえるためにも、なんとしても勝利しなければなりません。全国の皆さんのご支援を心から呼びかけます。
明々と未来照らす教育労働者の闘い 相模原市議会議員・婦民全国協代表 西村綾子さん
今年は敗戦60年目を迎えます。小泉首相は「いつまでも平和であるとは言えない」と言い、戦争をすることを承認せよと迫っています。そのために憲法を変え、子どもたちを戦争と差別の担い手に仕立て上げるために「日の丸・君が代」を強制して教育基本法の改悪をもくろんでいます。
冗談ではありません。帝国主義支配者たちが、生き残りをかけて侵略戦争に打って出ようと決断している時、私たち労働者階級民衆が取るべき道は、帝国主義倒すべしでありましょう。
米国ブッシュ政権は今もイラクでの残虐な殺戮(さつりく)を続けています。断じて許せません。しかしムスリム人民の命がけの反撃が、アメリカをのっぴきならない泥沼に引き込んでいるではありませんか。
米本国をはじめ世界規模での反戦運動の高揚も確実に広がっています。
その中で小泉政権が自衛隊のイラク派兵を続け、日米安保を本格的な軍事同盟に転換することに対して、日本の労働者階級がこれを打ち破ることこそが真の国際連帯だろうと思います。
私の住む相模原の米軍座間基地への米陸軍第1軍団司令部と海兵隊の移駐が、米軍再編計画(トランスフォーメーション)の最重要課題として浮上しています。なんとしてもこれを阻まなければならないと決意しています。横須賀・厚木基地強化反対はもちろん、沖縄の名護新基地建設反対、三里塚、北富士、そして全国の基地反対闘争と固く連帯して闘います。
外交、教育、経済すべてにおいて、戦時下の政策を推進するための「骨太方針W」は、労働者市民の生活を破壊し、生きる権利を脅かすものです。市民運動、労働運動とともに奮闘する議員の正念場と思っています。
昨年11月7日の動労千葉を先頭にした、労働者集会で実現された日米韓国際連帯の地平と、「日の丸・君が代」拒否に立ち上がった教育労働者の闘いは、今はまだためらっている人びとに勇気を与えました。それは必ず巨大なランク・アンド・ファイルの隊列となって未来を明々と照らし出すでしょう。
その時、その日を目指してともに進みます。「平和」は労働者階級が自らつくり出すものですから。
MWMと11・7で国際連帯の力確信 泉佐野市議会議員・泉州住民の会事務局長 国賀祥司さん
2005年は、国際連帯闘争を画然と強め、労働者階級の力でブッシュと小泉を打倒する歴史的な年としましょう。
昨年10月、私は初めてアメリカに行きMWM(百万労働者デモ)に参加してきました。私にとって本当に貴重な経験でした。闘争観・歴史観を変えられました。サンフランシスコでは歓迎集会を開いていただき感激しました。ワシントンDCではMWM集会に参加し、闘いの激しさ、ラジカルさ、そして集会の楽しさを経験してきました。そこで感じたことは、アメリカ労働者階級の怒りの深さと闘いの激しさでした。また実際にアメリカに行って国際連帯闘争を経験して初めて実感したことは、労働者階級は国と民族を越えて連帯できる、どの国の労働者も連帯を求めているという確信でした。そして国際連帯闘争の拡大こそが帝国主義を打倒し、世界を変える力であると確信しました。
直後の11・7全国労働者総決起集会でJ・ヘイマン氏らと再会し、またまた感動しました。韓国民主労総も素晴らしかった。日本も動労千葉、教育労働者、自治体労働者、民間労働者などの参加と発言は、昨年とは比べものにならない力強さを示しました。国際連帯闘争の発展が生み出した結果です。今年は、この連帯闘争を飛躍的に発展させ勝利の年にしましょう。
小泉政権は、年々深まる日本帝国主義の危機にのたうち回りながら、国内反動攻勢を強め、教育基本法改悪、改憲、労基法改悪、治安弾圧などを強め、イラク侵略戦争に本格的にのめり込もうとしています。他方で教育労働者をはじめ労働者階級の決起が始まっています。いよいよ決戦です。
私の地元の関西新空港闘争も戦時下の反戦闘争として非常に重要な闘いになりました。関空も昨年9月「指定公共機関」に指定され、2期の狙いが明らかになっています。三里塚闘争と共に侵略拠点化を許さない闘いをやり抜きます。全国のみなさん、05年を勝利の年にするためにがんばりましょう。
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週刊『前進』(2181号11面2)(2005/01/01)
闘う新年のメッセージ
05年は〈革令・革運・革命〉鶏声報三革の雄叫び! 在日台僑元日本兵 林 歳徳さん
私が9歳の時、台湾の自宅で日本警官に「天照大神を拝め」と強制されて拒否した時、「バカヤロ、拝め」とひどく殴打された。これが私の最初に習った日本語である。
1868年京都で倒幕クーデターの明治維新革命に脱亜入欧の「天皇制日本帝国」が誕生した。以来、1894年4月17日、日清戦勝利の「下関(馬関)条約」により、日帝は清国から膨大な金銀・資源・文化財などを強奪して近代日本帝国を建国した。すなわち近代日本帝国とは、中国人の血肉で造築された「肉城」である。
現在、小泉ヒットラー政権は「下関条約は今でも有効である」と強弁し、日進月歩の中国を今のうちにたたきつぶすために米英とともに戦争を起こそうとしている。その発火点が釣魚島(尖閣列島)である。日本の領域は四つの島(九州、四国、本州、北海道)に限定されていることは、ポツダム宣言とカイロ宣言に明記してある。
日帝は因果応報で1945年8月15日対日戦連合国、中・露・米・英に無条件降伏した。しかし狡猾(こうかつ)な米帝は、その時から日本を米帝の世界支配戦の猟犬として、1946年6月3日付の米帝の機密文書「日本プラン」=米帝の傀儡(かいらい)「象徴天皇制日本国」の建国案を決定した。ゆえに米帝は中露両国を無視して単独で「日米平和条約」と一蓮托生の「日米同盟」を結んだのである。
以来、日帝は、米帝の朝鮮・ベトナム・中東、今のイラク侵略戦争の各戦場に日本人や日本自衛隊を派遣して米帝の侵略猟犬として忠誠を尽くした。その代償に日帝は、米帝からその侵略戦利益の一部の分配を受けて、今日のような世界第二位の軍備力大国になった。しかしこの米帝の猟犬日帝の運命は、「狡兎尽猟犬烹」(獲物をとり尽くしたら、不用の猟犬は煮て食われること)になるであろう!!
有事三法は中国侵略法、有事七法は国家総動員法。今度の戦争は必ず第三次世界大戦になる。いかに罪悪か! 歴史上最悪の人間がブッシュと小泉だ。
闘う日本人民(星火団)はこの現実をよく認識し、一致団結して、闘っている世界人民と連帯し、日米英三覇の世界支配の野望を粉砕し、日本民主共和国の建国が一日も早く達成することをお祈りして、私の乙酉年元旦のメッセージにいたします。ともに頑張りましょう。
2005(乙酉)年 元旦
在日台僑元日本兵 林歳徳 87歳
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週刊『前進』(2181号11面3)(2005/01/01)
星野文昭同志の新年アピール 団結・結合して解放の未来へ
再審−早期釈放による私の無期からの解放、妻・家族の辛苦からの解放へ向かって、長期の取り組みの上に、大きな飛躍への一歩が踏み出すことができていることに、まず、心からの感謝の気持ちを伝えたいと思います。
私たちへの無期が、昨年1月19日の異議棄却によって今も継続していることに、この無期がけっして70年闘争への弾圧にとどまらず、今日の闘いそのものへの最も過酷な弾圧であることをまず見据えることが、星野(と暁子)闘争の出発点です。
日米安保の基軸としての沖縄の現実を覆す71年の闘いが、アジア人民、沖縄人民、被抑圧民衆との連帯によって、新たな侵略と戦争、人民への圧制を許さず、人間的解放をかちとる奔流をつくりだしました。これを圧殺することを目的とした星野無期は、今日、日米安保の世界安保化、イラク−世界戦争と有事体制・沖縄基地強化、人民の無権利と生活破壊からの解放へ、新たな国際的−国内的連帯の大きな闘いのうねりが生み出されていることへの弾圧でもあります。
この大衆運動へかけられた類例のない過酷な無期弾圧を、すべての労働者人民の力、大衆運動の力で覆す、そうすることで奴隷的意識・敗北主義・官僚主義などをのりこえ、大衆運動の全面的発展をかちとることが問われているのです。
まさに、当初からそのことが問われ、それが対カクマル戦に勝利することなしに大衆運動の勝利がないという歴史的制約性の中で、きわめて制約された取り組みしかなされてこず、しかしそのことこそ、今も無期を許している現実を、今のりこえることが問われています。
71年11・14が、日米帝の新たな侵略と戦争への道を、沖縄−アジア人民への歴史的責務にかけて阻止し、人間解放への気運を解き放つ闘いとして、日帝を決定的に追い詰めたこと、これを圧殺しようと、私が死亡した機動隊員を殴っていた、火炎びん投てき命令をしたという供述をねつ造し、それを供述者が公判で権力から強制された嘘(うそ)だったと証言したのに、裁判所が嘘の供述を根拠に無期を強いたのです。
私は殴ることも命令もしていない。私が殴っていたという供述は、私とはまったく別の服を着ていた別人についての供述であり、私が命令したという供述は、誰かわからなかったけどリーダーだったのでそうだろうと供述させられたにすぎないのです。
そもそも、こんな権力犯罪を一日たりとも許さず、再審無罪をかちとることによってしか私たちの人間的未来もまた開かれないのです。
帝国主義が今や人類史を進歩させるどころか、帝国主義間の弱肉強食的な争闘戦の中で戦争と奴隷的労働と無権利という新たな野蛮を労働者人民に強いる以外になくなり、労働者人民が生きるためには、人間らしく生きようとすれば、この帝国主義を打倒する以外になく、労働者人民が社会の主人公として、人間社会のすべてを人間的なものとして創造していく以外にないのです。この共同の目標に向かって、排外主義・敗北主義をのりこえ、全世界の労働者階級が団結し、被抑圧民族人民と結合し、自己解放・民族解放・人間解放の大奔流をつくりだすことが、唯一、私たちの、そして後のすべての世代の人間的未来を開く時代を迎えています。
このような大衆闘争を圧殺しようとする星野無期を、大衆闘争の力で覆し、そうすることで、大衆闘争の全面的発展をかちとりましょう。そのことに労働者人民の、その党の責任と飛躍がかかっています。ともに闘いましょう。
(71年11・14沖縄「返還」協定批准阻止・渋谷暴動闘争戦士。デッチあげ殺人罪で無期懲役。再審棄却に対する異議申し立てが昨年1月棄却、現在、特別抗告審。徳島刑務所在監、獄中30年)
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週刊『前進』(2181号12面1)(2005/01/01)
三里塚は侵略戦争と闘う最前線 収用委粉砕し暫定路閉鎖へ
反対同盟は05年を大いに闘う
NAA(成田空港会社)による新たな農地強奪攻撃、千葉県の堂本知事による収用委再建などの攻防の渦中にある三里塚芝山連合空港反対同盟に、暫定滑走路閉鎖など闘争勝利の新年の決意を聞いた。(編集局)
40年の闘いは正義 事務局長 北原鉱治さん
04年4月、成田空港は空港完成を成就できないまま民営化された。なぜ空港は完成しなかったのか? 多くの犠牲者を出した国家の暴挙がもたらした結果だ。三里塚の地は、人民のかけがえない闘いの歴史を持ち、信念を持った人びとが闘っているのである。
民営化後も、NAA(成田空港会社)は暫定滑走路の延伸に躍起となり、完全空港化を掲げている。しかし「国があそこまでやってダメなものが民間の手に負えるわけがない」と言うNAA幹部もいると聞く。暴力によって進めてきた空港建設は、完成の日をみることはないだろう。
堂本知事が収用委を再建したが、なぜ16年間も収用委がなかったのか考えてほしい。国家や大企業のために土地を奪うということは人権を無視して農民や労働者に死ねということである。堂本知事は環境問題を掲げて知事になったが、成田空港の環境問題については触れない。空港建設による環境破壊は無惨なものがある。堂本知事の人間性をも疑わざるをえない。収用委は必要ない。そもそも事業認定は完全に失効し、2期工事は完成しない。
天神峰現闘本部、市東さん宅・田畑に対する行政暴力が再び行われようとしている。しかし、現闘本部は当時の石橋副委員長が反対同盟の団結小屋として土地を提供したものであり、建物は登記されている。市東さんの土地も祖父の代から開墾してきた土地だ。
「日の丸」をもう一度復活させ、2千万人が死んだ侵略戦争の時代へ逆行している。すでに第2次世界大戦を知らない人が多い。
こういう状況の中で、40年に及ぶ三里塚闘争を振り返ってみると、私たちの闘いは正義であったと断言できる。今後も、自己の生活と権利を守るだけではなくて、日本の将来のために闘い続けなければならないと考えています。
戦争が間近と実感 本部役員 鈴木幸司さん
堂本知事は土地収用法を「成田空港には適用しない」と言っているが、成田空港の事業認定はあらゆる意味で失効している。堂本はそのことを隠して農民を脅迫している。真実はやりたくてもやれないということだ。もし、どういう形であろうと、三里塚の農地を強奪するなら、ただじゃ済まない。
裁判所は、現闘本部が成田治安法によって封鎖されていることを百も承知で受理している。裁判所が権力と一体となっている。裁判所は中立公正というのはとんでもない話だ。
戦争が間近になってきている実感がある。私が戦争に行ったあの時代の前夜になっている。本当に教育は恐ろしい。マスコミも戦前に似てきた。小泉首相は戦争をするために靖国神社の参拝をしているが、「いざという時には国のために命を捧げろ」ということだ。
私は出征する時、「次に会うのは靖国神社の白木の箱で会いましょう」と言った。当時は「男に生まれて良かった。天皇陛下のために戦争に行ける」と思っていた。これが教育の恐ろしさだ。いま「日の丸・君が代」問題で教育労働者が攻撃されている。これは、われわれが受けたのと同じような教育にしようとしているということだ。戦争には天皇制教育が一番使える。
敗戦後にモンゴルに抑留されて、「なぜ日本は戦争に負けたのか」と考え続けた。1年ぐらい経って「天皇にだまされた」と考えるようになった。天皇は、中国東北部にいる日本軍兵士をソ連への賠償金代わりに使っていいと言ったという。日本に帰ってきた時、すでに天皇は銃殺か自決していると思っていた。戦争の道を再び許してはならない。
92歳、決意は不変 本部役員 三浦五郎さん
反対同盟の闘いも40年になりますが、私も1月6日に92歳になります。高齢で外出もままならず、なかなかみなさんにお目にかかれませんが、闘いの決意は変わりません。
小泉政権は憲法9条を変えて、自衛隊を軍隊にまつりあげようとしています。一切の政治がかつての太平洋戦争のような時代に流れています。このままでは徴兵制にもなりかねず、やがて戦前の二の舞になってしまう。これは絶対に避けなければなりません。
成田空港についても、反対同盟は当初から「軍事空港反対」を掲げてきましたが、成田空港がやがて軍用に使われると心配してきたからです。これが現実になっている。
三里塚闘争が40年に向かう中で、敵もメンツにかけて空港を完成させようと暫定滑走路延長の攻撃をかけてきている。暫定滑走路の開港で反対同盟を崩せると考えていたのだろうが、暫定滑走路は形だけのものであり、誘導路もまっすぐにつくれない。
しかも暫定滑走路に対しては、市東さんと萩原さんら敷地内で土地をもっている人たちが断固反対し、反対同盟も一丸となってまとまって闘っている。反対同盟はいまも意気軒高と闘っています。
千葉県の堂本知事は収用委員会を再建し、事業認定が失効し、土地収用法の成田への適用は不可能にもかかわらず、「成田には適用しない」と言っています。収用委を農民を脅す手段として使っており、絶対に許すことはできません。
収用委員会を粉砕し、戦争目的に使うような成田空港を粉砕しなければならないと思います。ともに闘いましょう。
権力の常套手段だ 中郷 鈴木謙太郎さん
公開シンポジウムだ円卓会議だとあれだけ「謝罪」の言葉を並べて「2度と強制力は使いません」と公の場で約束しておきながら、当事者の農家を無視して着工し、暫定滑走路の開港を強行した。
堂本知事の収用委員会の再建も同じだ。「もうやりません」といって手のひらを返すのが権力の常套手段だ。そういう歴史をいやというほど見てきた。成田空港の強制収用は、事業認定が失効してどうにもならないが、どうにもならない成田の現実を何とかしようというあがきだ。
他の公共事業はどうでもなる。16年間も収用委なしでやってこれた。16年も空白というのは半端ではないが、三里塚闘争の正義性を表している。相手は国だから、力ずくが通らなくなったら権力とは言えない。
成田用水の時も半端な買収攻撃ではなかった。借金を抱え、後継者が少なくなった地域の弱みに政府はつけ込んだ。空港公団の補助金を受け取ったら空港に反対できないことは目に見えていた。そして最後は、武装した機動隊の大群が押しかけてきた。なぜ農業用水をつくるのに機動隊が必要なのか。これが三里塚の現実だ。
敵に頭を垂れない 事務局員 伊藤信晴さん
成田空港の事業認定は完全に失効しているが、堂本知事は空港会社が再申請した場合の対応は「不透明だ」と発言している。成田の強制収用は法的にも不可能なのに、できるかのような言動で農民を脅している。これが「市民派」を名乗って当選した知事とはあきれる。
有事法制は成立したが三里塚のような闘いがあると戦時体制は空洞化する。三里塚のような闘いは国家として絶対にあってはならない。だから権力は三里塚を目の敵にする。収用委再建の狙いはここにある。
有事法制が発動されれば50万人の米軍が来る。有事法制とはそういう問題だ。日本が侵略戦争の発進基地になる。そういう事態が目の前まで来ている。成田空港の軍事利用を許さず、三里塚闘争を反戦の砦(とりで)として発展させていきたい。そのために労働者と農民が連帯して闘うことが切実だ。
権力への敵愾心(てきがいしん)をなくしたら闘ってきた意味がない。権力に頭(こうべ)を垂れるわけにはいかない。今年もよろしくお願いします。
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軍事使用反対の力 婦人行動隊 宮本麻子さん
天神峰現闘本部裁判はどう考えてもおかしな裁判。自分で封鎖しておいて、撤去を要求している。絶対に許せません。
羽田空港の国際化と中部国際空港の開港で、成田から貨物便がそちらに流れ、成田空港の位置はどんどん低下していく。
反対同盟は暫定滑走路の危険性を指摘してきましたが、そのとおり事故が相次いでいる。農民を追い出すためだけに造った暫定滑走路はいますぐ閉鎖すべきです。敷地内の市東さんも負けないとがんばっている。
イラクへ自衛隊が成田空港から派兵されています。労働組合の軍事協力拒否や反対同盟の闘いで、制服・軍用機で成田から派兵することができない。軍事使用反対の強い力がないとイラク戦争に反対できない。
小泉政権の福祉切り捨ては許せない。介護保険は現場の労働者や高齢者の状況を考えずに、予算を削っている。アメリカでも健康保険が労働者の要求のひとつです。MWMの22の要求は一つひとつが労働者にとって本質的なものです。反対同盟も徹底的に闘います。
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闘って生きる主権 天神峰現闘本部裁判を支援する会代表世話人 戸村義弘さん
東峰神社を村人の団結で取り戻したことに感動して、先日行われた東峰神社の改築落成式に「祝・東峰神社再建落成/開拓魂の守護神に寄せる」と題した詩を奉納しました。
私はキリスト者ですが、アダムという名は土を耕すという意味から来ています。ここからも農業がいかに人間の営みであるか分かります。三里塚の農民の闘いも本源的な意義があるのです。
天神峰現闘本部裁判闘争を支援する会の設立に際して私は「民主主義の本旨は人民が主権を行使することだ」と話しました。三里塚農民の闘いはこれを実践しています。市東東市さんは生前、「絶対に土地は譲らない」を貫きましたが、あれこそが主権のモデルです。後を継いだ息子の孝雄さんにも「私はここに生きる」という主権を感じる。国家権力に主権を行使しているのが三里塚闘争だ。
イラクやパレスチナにも「最後の一人になっても闘う」という闘いがある。それらは狭い民族意識や先祖伝来の土地を守るということではなく、そこには闘って生きていくという主権の行使がある。
アメリカはかつてのローマ帝国のようです。これは滅亡の兆候です。侵略戦争をやめれば、テロはなくなる。成田空港と一緒です。
(三里塚教会信徒代表)
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自信持って闘える 事務局次長・東峰 萩原 進さん
04年は、暫定滑走路の2500b化に向けた天神峰現闘本部裁判や市東さんの土地とりあげ攻撃との攻防に勝利してきた。
どちらも、国や空港会社からすれば本来ならば解決されていなければならない問題だ。先送りして無理を重ねた結果だ。現闘本部裁判もNAA側にはなんの勝算もない。しかし、それしかない。内容的には、われわれの闘いの展開が上回っている。支援する会を強化して、全国の闘いと結びつけて裁判闘争に勝利する。
国と空港会社は、あくまでも平行滑走路の完成を狙っている。暫定滑走路をつくれば農民は崩れると考えていたが、結局、暫定は暫定でしかない。われわれの農地、開拓道路、東峰神社、一坪共有地が空港完成を阻んでいる。
成田空港の位置は、首都圏における軍事の問題に直結している。自衛隊のイラク派兵で成田空港を軍事使用せざるをえない小泉政権は、本来なら自衛隊を「日の丸」で盛大に見送りして、成田空港から大手を振ってイラクに派兵したかった。ところが外国機をチャーターして私服でいかざるをえなかった。
三里塚闘争の存在がそれを強制したひとつだ。だから、これを発展させて、三里塚闘争の飛躍をかちとりたい。三里塚闘争の重要性をもう一度、全国の人たちにアピールする確かな手応えを感じている。
堂本知事が収用委員会を再建したが、恫喝(どうかつ)の材料にも使えない。法律的にみても、事業認定は完全に失効している。政府自ら裁決申請を取り下げた。40年闘ってきた三里塚闘争は脅しに動じない。やるならやってみろということだ。どんな闘いになっても自信を持って闘える。
全国の闘う人民、世界の闘う人民との連帯が大切だ。三里塚は、全国の闘いと積極的に連帯を求める。いま闘わずして、いつ闘うのか。全国に第2、第3の三里塚をつくっていきたい。
農地は絶対に守る 天神峰 市東孝雄さん
現地に戻ってから5年がたちますが、東峰神社の立木伐採から暫定滑走路の開港とめまぐるしく動いてきました。農業に専念してゆっくり考える暇もなかったけど、権力のいやらしさだけはイヤというほど分かりました。
「話し合い」とか何とかいっているけれど、空港公団(現NAA=空港会社)はジェット機の噴射ガスが家を直撃している問題で、結局最後まで反対同盟との交渉を拒否しました。
彼らは、反対同盟と話し合うつもりは毛頭なく、あげくに裁判に訴えて土地を取ろうとしています。力ずくの姿勢はいまも昔も何も変わらない。
堂本知事は今回の収用委員会再建で、成田では収用法を「使わない」と言っていますが、成田空港の事業認定は完全に失効しており、事実は「使えない」のです。「使わない」と「使えない」では大違いだ。県内の道路工事のための収用委再建だと説明していますが、農民を脅迫したい悪意が見え見えです。
機動隊や私服刑事が家の中をのぞくなど、一日中監視している。本当に許すことができない。
現闘本部裁判の必勝のために支援する会への加入をお願いします。農地は絶対に守ります。全国の支援者のみなさん、今年もよろしくお願いします。
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週刊『前進』(2181号12面2)(2005/01/01)
闘う新年のメッセージ
北富士忍草母の会 入会地奪還、イラク派兵に反対し闘う
事務局長 天野美恵さん
全国の闘うみなさん。今年もよろしくお願い致します。
昨年北富士は、03年に亡くなった天野重知忍草入会組合長、渡辺喜美江忍草母の会会長の遺志を受け継いで、新たな決意で入会地奪還、北富士演習場撤去を闘ってきました。
北富士演習場は、静岡県側の東富士演習場と合わせると本州一の広さであり、ここでは常時、自衛隊と沖縄の海兵隊が演習をしています。
北富士演習場に組み込まれている富士山麓の土地は梨ケ原と呼ばれ、先祖伝来の私たち農民の入会地です。この地元農民の生活に不可欠な入会地を、米軍と防衛庁は入会権利者の了解なしに演習場として使用してきているのです。
私たちは、1955年以来、「入会地無断使用反対」のノボリを立てて演習場に突入し、米軍・自衛隊の演習に身体を張って闘ってきました。追いつめられた政府・防衛庁はその度に、私たちへの弾圧と切り崩しをかけてきましたが、私たちはこの攻撃を粉砕して闘い続けてきました。
北富士は、かつて朝鮮戦争、ベトナム戦争のときには海兵隊の訓練と出撃の基地となりましたが、今またイラク侵略戦争の中で、昨年5月に防衛庁は北富士にサマワ宿営地の模擬施設を建設し、ここで3カ月ごとに派兵部隊の訓練をしてはイラクに送っています。また米軍の世界的再編計画の中で、米海兵隊を東・北富士に移転する計画も浮上しています。農民の入会地を取り上げて、戦争の基地にしていくことなど絶対に許すことはできません。
ブッシュや小泉に対して、イラク人民をはじめ闘いが世界でまき起こっています。私たちは動労千葉を先頭とする労働者の闘い、三里塚・沖縄の反基地の闘い、学生や全国の皆さんと連帯し、入会地奪還、北富士演習場撤去の勝利まで闘っていきます。ぜひ北富士にかけつけて、一緒に闘って下さい。
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週刊『前進』(2181号12面3)(2005/01/01)
闘う新年のメッセージ
全関西実行委員会 戦争への道許さず総力あげ闘う覚悟
代表世話人 淡路町空港反対同盟代表 永井 満さん
かつてわが国が侵略戦争へとひた走った道を、今この国の指導者たちはもう一度歩みつつある。かつての戦争が何をもたらしたか、歴史に学ぼうとしない者たちが覇権を夢見て軍備を拡大し、帝国主義の幻を追っている。
戦後60年あらゆる戦争に加担せず、参加せず、ひたすら平和の道を歩むことによって獲ち得てきた世界人民の信頼と共感を投げ捨て、対米追従一辺倒の卑屈な姿は、今、世界の嘲笑と侮蔑を浴びている。
権力者たちは国民を戦争へ駆り立てるために憲法を変え、教育基本法を変えようと企んでいる。今年はそれが具体的な形をとって現れてくるだろう。それを許さぬため総力を挙げて闘わねばならぬと覚悟を新たにしている。
去る10月下旬、私たち「淡路の空を守る会」はじめ関空二期に反対する泉州住民、神戸空港工事の中止を求める神戸市民20名あまりが大阪府庁を訪れ、大阪航空局と財務省に申し入れ行動を行った。その際、期せずして各団体から関空や神戸空港の軍事使用に対する強い反対と抗議の声が上った。それに対して、航空局の担当者は胸を張って言った。「関空はもちろん、神戸空港も民間空港でありますから、絶対に軍事空港として使用することは致しません」。
参加者から軽いどよめきが起こった。「しかし」彼は語を続けて言った。「国が有事に際して、法に基づいて米軍や自衛隊の使用を求めた場合はこの限りではありません。これに協力するのは当然です」。参加者は口々に「それをするなと言ってるんだ」など怒鳴るが、彼は平然としている。
「われわれ淡路島の住民は今から35〜36年前、淡路島に関空を造る計画にたいして、『4千b滑走路を何本も持つ巨大空港は必ず軍事基地として使用されるから反対だ』と言ったが先見の明があったということにならないか」と私が言うと、彼は「そうですね」と無表情に言った。
三里塚反対同盟は、40年にわたる闘いの最初から「軍事基地絶対反対」のスローガンをかかげて闘い続けてきた。これに対して「政治的」と批判する者もあったが、97年のWAR・MANUAL「新ガイドライン」、そして有事法制の中に、明確に朝鮮戦争の際の米軍兵站(へいたん)基地と位置付けられて、関空ともども軍事基地として使用されることが明白になった。三里塚闘争はそれゆえに、戦争に反対する闘いの最前線であると思う。
今、わが国が再び侵略戦争への道を歩もうとするこの時、三里塚の闘いに勝利することはただちに反戦の闘いの大きな勝利につながることを確信し、今年も、反対同盟とともに、そして北富士、沖縄はじめ全国の闘う住民・市民・労働者・学生とともに、私たち関西の住民団体は全力で闘い抜くことを年頭に決意する。
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週刊『前進』(2181号12面4)(2005/01/01)
日程
2005年新年旗開き
1月9日(日)
☆新年デモ
午前10時/東峰十字路北側開拓道路
☆団結旗開き午後1時/肉のハナマサ(成田市並木町大久保台219)TEL0476-23-2328
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2181号D面1)(2005/01/01)
学生新春座談会
教基法改悪阻止・大学改革粉砕へ
東北大 派兵阻止現地闘争を牽引 京大 安保・沖縄軸に日帝打倒を
法大 学館の閉鎖・解体許さない 広大 全学決起で自治会公認へ
全学連は昨年、イラク反戦・有事10法案阻止、安保・沖縄闘争と大学闘争をキャンパス、国会、現地などで縦横無尽に展開し、3・20国際反戦統一行動、11・7労働者集会に全力で結集した。全学連の若いリーダーたちに教基法改悪・大学改革阻止へ向けて、05年決戦の展望を大いに語り合ってもらった。階級的労働運動との連帯を掲げて大きな飛躍をかちとろうとしている全学連運動とともに闘おう。(編集局)
内海佑一(法政大学、全学連副委員長)
矢吹洋平(東北大学)
原田幸一郎(京都大学、全学連書記次長)
伊藤之雄(広島大学)
司会・全学連委員長 大山尚行
11・7に勝利を確信
労働者国際連帯に感動
大山尚行 最初に11・7労働者集会に参加しての感想を聞かせてください。
矢吹洋平 「すべての権力を人民へ」「おれたちが権力を取るんだ」に空気が入りました。アメリカではミリオン・ワーカー・マーチ(MWM)が大成功したし、日本でも3600人を集め、韓国ではゼネストという国際連帯が実現し、05年決戦の展望を開くすばらしい集会でした。こういう闘いをしていけば必ず勝てると確信しました。
内海佑一 労働者による体制変革、ランク・アンド・ファイルの闘いにものすごい展望があると思います。11・7に参加した学生が中心となって、大学キャンパスでもこういう運動を組織していこうという闘いが始まっています。
原田幸一郎 権力や大学当局の攻撃と苦闘している学生にとって、日米韓の労働者が戦争と民営化という共通の課題に対して怒りを爆発させて国際連帯闘争に立ち上がっていく、このダイナミズムを実感と感動をもってつかんだことが決定的だったと思います。
伊藤之雄 労働者のストライキとかを直接目の当たりにしないできた学生にとって、闘いの展望が圧倒的に示された集会でした。動労千葉の春闘ストライキとかアメリカのMWMのような闘いはとても新鮮で、そういった感動が11・7の結集につながっています。
内海 動労千葉や「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者との交流が非常に重要でした。法大でも学生会館解体という大攻撃がかけられていますが、そういう中で動労千葉や教育労働者に学んで闘おうと11・7に結集し、同時に法大決戦での反転攻勢をつくり出してきました。
大山 直前の11・2弾圧はたいへんな大弾圧でしたが、これをはね返していくということではどうでしたか。
内海 11・2弾圧は沖縄で闘う学生への弾圧であり、11・7に結集させないという敵の側の危機にかられた弾圧でした。この弾圧は許せないと怒った学生たちが11・7に決起するということが起きました。11・7の大結集が3人を奪還した力になったし、核心において敵の思惑を打ち砕いたことが重要です。
階級的労働運動と連帯
大山 04年決戦の中で学生が反戦闘争・政治闘争を労働者階級の闘いと連動してやり抜いてきました。この点どうでしょうか。
矢吹 昨年2月に自衛隊が初めてイラク派兵されるということで、北海道現地闘争を全力で闘いました。派兵阻止闘争を闘いぬいてこそ3・20日比谷10万人結集も爆発するんだということで、北海道の各労働組合や人民とともに徹底的に闘いました。さらに8月青 森、11月宮城・山形と、年間をとおしてイラク派兵攻撃と対決してきました。
この現地闘争がイラク反戦闘争の柱を立ててきたと思っています。自衛隊のイラク派兵は帝国主義の侵略戦争なんだ、「復興支援」そのものが戦争の継続なんだ、だから体を張ってでも阻止するんだ、と闘ってきたことは本当に重要だったと思います。
伊藤 昨年の闘いは、単に「こんな残虐な戦争を許せますか」だけではなくて、戦争をしなければやっていけなくなっている体制とは何なんだ、そうした社会を変えていくために階級的力関係を転換していこう、労働者階級が戦争を阻止する力をつけていこう、と訴えてやってきました。3・20がそうだったし、広島大はそこで確信を持った1年生が主人公になって8・6広島大行動を準備しました。労働組合が賛同し、労働組合が結集し、そこに空気が入って取り組んだという実感があります。
原田 04年前半戦では、有事関連10法案との闘いを3・20に対する反動に抗して闘いぬいたことがやはり決定的だったと思っています。キャンパスでも、これが北朝鮮・中国侵略戦争法案であり、またイラク侵略戦争の激化・拡大のための法案なんだ、と真正面から全学に訴えて闘いぬいた経験は、ますます重要になっていくと思います。
日帝・小泉政権が自衛隊のイラク派兵期間の延長を決定したことは、日米同盟をどこまでもエスカレートさせ、米帝の世界戦争計画を自らの戦略としていくということです。その中心は沖縄を始めとした在日米軍基地です。ここにこそ敵の最大の矛盾と弱点がある。
内海 名護新基地建設に対して、何百日も続けられている座り込み闘争、海上での命がけの実力阻止闘争がものすごく重大です。自主法政祭で糸数慶子さんを招きましたが、基地絶対反対の糸数さんが30万票もとって参院選で当選したのは、基地と人間は共存できないという沖縄の人びとの意思の表れだと思います。
伊藤 辺野古で闘っていた学生が不当逮捕された。僕は11・6教基法改悪反対集会でそのビラを配ったのですが、沖縄に駆けつけて闘っていた学生を逮捕して強制的に連れ戻したことに労働者がものすごく反応してきて、その場で千円カンパしてくれる人なども出てきました。労働者のものすごい注目を感じました。
内海 学生の決起が権力にとっては恐怖なんだと思うんです。東京でも、政治にかかわったことのない多くの学生が辺野古現地に駆けつけ、辺野古の住民とともに闘う中で、国家権力とはこういうものなのかということを目の当たりにして、今度は自分の大学で闘いを開始するということが始まっています。そういう中での11・2弾圧だったんです。
法政大学を先頭に
全国大学闘争爆発へ
大山 昨年の全学連大会で、階級的労働運動と連帯する学生運動を打ち出し、教育基本法改悪・大学改革攻撃と対決する決戦論を打ち立てました。
矢吹 東北大が全学連大会で提起したことの核心は、大学が新たな戦争教育の頂点に位置していて、教基法改悪攻撃は大学改革をやりきることで貫徹されるということです。
東北大では「内規」という攻撃があり、法政大と同じようにサークル活動そのものを根絶しようとする攻撃がかけられています。「内規」は50年前の朝鮮戦争過程で作られ、その後ずっと適用されずに死文化していましたが、法人化と同時に復活させてきたわけです。ビラまき、ポスター張り、立て看板までが副学長の許可制となり、さらに団体の結成も副学長が認めなければできない、禁止も解散も命令できるというものです。この「内規」のもとで学生部の職員の対応も一変しています。
7月自治会選挙では、この「内規」を撤廃しようと掲げ、総投票数1800で1200の信任票をかちとりました。大学当局に、学生は自治会を支持していることを示したことが重要です。さらに秋の過程で100のクラス決議・サークル決議が上がりました。当局の激しい妨害の中で「自治会が言っていることは正しい」「自治会に続こう」という学生も次々出てきています。
こういう機運の高まりの中から「学生こそ大学の主人公だ!」というスローガンを掲げ、12・16大行動を打ちぬきました。
内海 法政大学生会館の閉鎖・解体の強行は絶対に許せません。200近いサークルが活動場所を奪われ、つぶされたサークルもあります。大学当局は「学生がボヤを出した」「部室の使い方が汚い」と言っていますが、何でそれが閉鎖・解体に直結するのか。まったく理由にならない。
結局「サークル活動なんて必要なのか」という理事の暴言にすべてが表されています。彼らにとっては、インターンシップとかベンチャーとか資本の利益に直結する活動がすべてで、そのために学生会館をつぶして新たな施設を造るわけです。平林理事の「学館は非知性、非寛容」という暴言は本当に全学生の怒りを買っています。敵の狙いがはっきりと見えてきました。
僕たちは、学生は自信を持ってサークル活動の自由を主張しよう、学館閉鎖・解体を絶対に止めよう、と訴えました。前期はクラス決議と一言カードを集め、各団体からは学館閉鎖撤回の要求、新施設に部室を作れという要求が出され、7月、11月と会見が行われました。1000筆を超える署名も提出しました。長峰学生部長の「新しい施設に部室は作らない」という発言には、本当に多くのサークル員が怒っています。
大山 小泉=奥田=清成路線との闘いであることを鮮明にさせたことが決定的でしたね。
内海 清成総長の「自立型人材」育成論は、もはや法政大は大学間競争に生き残れないという危機感から出されています。だからインターンシップの奨励とか新学部設置を進め、その邪魔になるサークルをつぶすということです。1%のエリートを育成し、残り99%は切り捨てるという教育を進めているわけです。しかし、サークル活動すら認めないというのはものすごい敵の側の危機と破綻(はたん)点です。ここに大反撃のカギがあると思います。
大山 全国の大学闘争にとっても法政大の攻防は重大ですが、実際、12・4全国学生総決起闘争を闘ってどうでしたか。
伊藤 法政大に駆けつけてみて、今年の春まであった巨大な建物をあっという間に取り壊してしまう、しかも理由にならない理由をデッチあげて、話し合いもなしに強行してしまうという攻撃を目の当たりにしました。大学改革攻撃との対決というのは、本当に学生と大学当局との力関係で勝負が決まるということを感じました。
12・4の闘いで、全国の学生が集まり、自分の大学での苦闘と同じ闘いを法大生と共有したことに勝利の展望を感じました。広島大では大学移転の時に学生の自治や権利を奪われ、今は「サークル員名簿を提出しろ」といった新しい攻撃が始まっています。そういう中で、法政大の話をした時に「信じられない」「こんなことがあるんですか」という話になりました。「署名とかやってもいいんじゃないですか」という意見も出てきました。法政大の闘いを持ち込むことをとおして広島大でも大学改革攻撃の本質が見えてきました。
大山 昨年の新歓から自治会運動の本格的展開に踏み切ったことが決定的ですね。
伊藤 そうですね。特に法人化攻撃に対して、「大学の主人公は学生なんだ」ということで、学生の声を大学運営に反映させるための自治会を本格的につくろうとしてきました。実際、アンケート運動をとおして、学生の中でももっと自分たちの意見を主張しようという機運が高まってきました。勝手に上から決められていくとか、単位を取得するためにつまんない授業を黙って受けなければいけないとか、毎日退屈なレポート作業に追われてもう嫌だと。おまけに授業料が値上げされるかもしれないと。こういうことに対して何か言いたい、学生の意見を聞けというものが出てきたと思うんですよ。
原田 京都大でも、法人化でキャンパスでの立て看の設置禁止、サークル活動の禁圧が始まりました。また履修登録の自由度を大幅に制限し、研究も中期目標・中期計画に沿ったものにしか予算を出さなくなっている。大学全体の予算も来年度から毎年3%削減です。学生の自治と権利にかかわる領域が真っ先に削減の対象になるのは明らかです。またローソンやJTBなどの資本を学内にどんどん導入している。大学のあり方自体をつくり変えてしまおうとしています。
これに対して、私たちは公開質問や要求行動、全学的な暴露を重ねました。学生にとって法人化問題が重大な関心事となって、あちこちのクラスやサークルで法人化批判のビラを手にとって議論している姿を見かけるようになりました。05年が、京大から学生全体が当局と権力に対して怒りを爆発させて決起していく年になることは間違いないと確信しています。
歴史塗りかえる闘いを
大山 2期目のブッシュ政権のもとで帝国主義の危機と凶暴化がイラク情勢を展開軸に激しく進むと思います。05年決戦では、これとどう対決し、どういう闘いをつくり出していきますか。
伊藤 決定的なのは米帝足下における巨大な階級的分岐です。05年は、ますます人民とブッシュ政権との非和解性が鮮明になっていくと思います。キャンパスでも、ブッシュや小泉との非和解性を鮮明に打ち出そうということです。
矢吹 ブッシュの言う「オーナーシップ社会」とは、一方でイラク戦争で一握りの資本家連中が大もうけし、他方で労働者は8千万人が健康保険にも入れないという社会です。しかも、イラク侵略戦争は完全に破綻しています。1月の選挙はすでに大破産、しかし撤退することもできない。米帝の危機は完全に深まっています。
原田 ブッシュとともに小泉=奥田との対決を鮮明に訴えることが重要です。日帝は、ブッシュの世界戦争計画と一体化して「外への侵略戦争、内への階級戦争」を徹底的に進めようとしています。そのために労働組合運動、労働者の階級的団結を根絶しようとしている。これに対して、全国の拠点大学から全学総決起をつくり出すことが何より必要です。その最大の決戦が教基法改悪阻止決戦です。「日の丸・君が代」強制と闘う教育労働者と連帯して、学生が教育決戦の当事者になる。僕はその最先頭で闘いたい。
伊藤 「日の丸・君が代」強制・教基法改悪の核心である「愛国心」とは、現にイラクに自衛隊を派兵し、さらに北朝鮮侵略戦争を画策しているこの国のために「自分の命を差し出せ」ということです。積極的に戦争に加担し死ぬこともいとわない人間になれという攻撃です。絶対に許せないという怒りを爆発させることです。
原田 小泉=奥田に対する階級的批判が一切の基礎であり核心です。「改革」なるものへの幻想を吹き飛ばす激しい断罪の言葉を打ち込んでいく。自民党憲法調査会の議論や新防衛大綱などは、驚きと怒りに堪えません。小泉=奥田は敵であり、こいつらとは非和解なんだ、打倒する以外ないんだ、という思想が必要です。
矢吹 「内規」や有朋寮廃寮化の攻撃との闘いも、侵略戦争に突入している中での大学のあり方、学生の主体そのものをめぐる大決戦です。「国家のために進んで命をささげよ」という教基法改悪と対決することなしに、学生の運動の勝利もありません。1〜2月、さらに全学的大運動をつくっていこうと思います。
内海 最大の焦点は3月の卒業式です。被処分者たちが今度は1千人決起で石原・横山を打倒するんだという勢いで闘っています。法政大は1〜2月に学生独自の大集会・デモを実現し、3月の大爆発に向かって全学総決起を打ちぬくことを決意しています。
60年安保の時も教育労働者と連帯して闘う中で全学総決起がかちとられたし、それを世界戦争の時代、労働者に権力をよこせという時代の中で自分たちの力でやるってことです。大学当局にも、教基法改悪に何で反対しないんだと激しく迫るべきです。そういう闘いが教育労働者の闘いへの真の連帯だと思います。
大山 全国で日共・民青が急速に没落・反動化している情勢は決定的です。昨年の12・4闘争への賛同・参加を全大学に持ち込みましたが、民青は「取り組まない」「他大学の問題は関係ない」としか言わない。「それはおかしい」という声が学生の中から上がっているし、法政大の闘いが首都圏と全国の大学の分岐・再編のカギになっている。カクマルも衰退・反動化が著しい。あらゆる大学に闘いを持ち込み、自治会をつくり出していく展望が完全に見えてきています。
伊藤 自治会というものは、学生がその気になればつくれるし、広島大で自治会を確立することで、「学生こそ大学の主人公だ!」ということを全国に示したいと思っています。学生の中からも「広大は『学生の声を積極的に取り入れていきます』とか言っているくせに、なぜ自治会を非公認扱いするのか。自治会を公認すべきだ」という声が出てきています。この大学当局の矛盾を突いて、全学決起で自治会の公認をかちとりたいと思います。
原田 京大では、学生運動の歴史を塗り替える闘いをやる。学生の総決起でキャンパスの支配権を学生の手に取り戻す。文字どおり全学の総反乱が必要です。そのために、全学生の団結形態としての真価を発揮し当局や権力の攻撃と闘う自治会をつくり出していきたい。そのことを全学生に呼びかけ、ともに建設していきたいと思っています。
マルクス派が主導権を
大山 本当に学生の怒りを解き放つためにも、マルクス主義がますます重要ですね。
伊藤 昨年は、新入生との出会いの最初から「マルクスのマルクス主義」での獲得を意識的にやってきました。今日、大学に入学してくる学生は、01年9・11―03年3・20後の世界の中で自分はどう生きるべきかを求めているんですよね。そこで『共産党宣言』と動労千葉労働運動でオルグして、学生を獲得してきた。僕はここに確信を持っています。マルクス主義派、階級的労働運動派が主導権を取っていく中から全学総決起が展望できると思うんです。
原田 京大でも同じです。大学内外で蔓延(まんえん)している思想は、すべて現実社会を見すえない非科学です。資本主義の原理を首尾一貫してつかみとることをとおして変革の道を明らかにする理論は、マルクス主義以外にありません。大衆運動に参加している人のみならず、あらゆる人に大胆にマルクス主義の学習会を呼びかけ、マルクス主義を持ち込むことです。学習活動も一個の闘争領域として、闘争と同じくらい高く位置づけてやっていくべきだと思います。
大山 ありがとうございました。一丸となって05年決戦の先頭で闘おう。
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週刊『前進』(2181号13面2)(2005/01/01)
闘う新年のメッセージ 沖縄の闘う議員から
沖縄の闘う議員から新年のメッセージが寄せられた。イラク反戦、米軍基地撤去、名護新基地建設阻止、沖縄闘争勝利へともに闘おう。(編集局)
一番危険な時代にもう一度問い直す 沖縄反戦地主 読谷村議会議員 知花昌一さん
なまさあんね いちすが わんがさんね たがすが――という沖縄のことわざがある。今やらなければ何時(いつ)やるのか、私がやらなければ誰がするのかということです。今は亡き沖縄の古波津英興大先輩が好んで使っていたことを思い出す。
私も団塊の世代で、激動の時代と言われた70年代を必死で闘ってきた。あの時も危険な時代を感じてきたが、今の時代は、私が生きてきた50年余りの中で一番危険な時代にあるのではないかと思う。
70年代でさえ思いもよらなかった事が次々と成されて行く。日本軍=自衛隊の海外派兵=イラク戦争への参戦、有事法=戦争法の制定がなされ、憲法や教育基本法の改悪等が進められている。
日本の民衆よ、私達よ、どうしたんだ。本来ならば何十万人の民衆のうねりが起こってもいい時代だ。今のままで行けば、行き着く先は見えている。見えるのは人間性を失った阿修羅(あしゅら)の時代だ。それなのに止めきれてない、止めきれないもどかしさがいっぱいだが、時代の光をたぐり寄せるため、一人一人がもう一度自分に問おう。
今為んでえ 何時為が 我が為んでえ 誰が為が
(なまさんでえ いちすがわがさんでえ たがすが)
辺野古の海上基地建設を絶対阻もう 北中城村議会議員 宮城盛光さん
あけましておめでとうございます。04年を全力で闘い抜いた全国の仲間の皆さん、ご苦労さんでした。
沖縄の地上戦から60年が過ぎようとしています。小泉内閣は、新たなる侵略戦争が出来る法整備を急ぎ、国民を侵略戦争に動員しようと狙っています。
小泉首相は、03年3・20の米帝ブッシュ大統領のイラク侵略戦争を正当化して、自衛隊をイラクに出兵した。イラク復興を名目にした永久駐屯が狙いであり、アメリカ軍の物資輸送や武器輸送を行って、イラク人民殺りくに荷担している。弾劾しなければなりません。
私達は、一日も早く自衛隊をイラクから撤兵させる闘いをイラク人民と連帯して発展させよう。イラクはイラク人民にまかそう。
04年の教育労働者の「日の丸・君が代」の不起立の闘いの支援連帯を、闘う仲間の新潮流運動の中で推し進め、05年に引き継ぎ、闘いの柱として頑張っていきましょう。
郵政民営化は、小泉=奥田の路線であり、許すわけにいかない。労働者の賃下げ・リストラ、首切り攻撃であり、反撃の闘いを行う必要があります。
04年の11・7全国労働者集会は国際連帯を意味する決起でした。アメリカの労働者、韓国の民主労総の労働者と全国から結集した労働者の連帯がかちとられた。05年への闘いを誓った国際連帯集会の内容をこれからのすべての運動に生かしたい。
普天間飛行場の辺野古への移設を許さず、基地撤去・閉鎖の闘いを宜野湾市民と連帯して闘い、沖縄の基地強化を許さない大衆闘争をつくり、若者達を社会運動に喚起しよう。
辺野古の海上基地建設の本格工事がいよいよ強行されようとしている中、オジーオバー達が決死の覚悟で闘っている。05年はいよいよ決戦だ。辺野古に連帯して闘いましょう。
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週刊『前進』(2181号14面1)(2005/01/01)
革共同産別委員会の年頭アピール
教労先頭に4大産別決戦に勝利し戦争と民営化(労組破壊)うち破れ 組合権力獲得へ断固として挑戦を
教育労働者委員会
カクマル「告訴」運動粉砕し今春卒・入学式闘争爆発を
闘う日教組の再生かちとれ
東京を先頭に戦争協力拒否の闘いが前進
新年の冒頭にあたり、教育労働者委員会は、04年の4大産別決戦を最先頭で闘いぬき、05年決戦に向けた日本労働者階級の新たな歴史の突破口を、闘う教育労働者とともに切り開いたことを確認したい。そして、今春の卒業式・入学式闘争を、カクマルの「告訴・告発」運動による不起立闘争への敵対を打ち破って、東京を先頭に全国で爆発させることを宣言する。
昨年8・1革共同集会で、国鉄・自治体・全逓・教育の4大産別を軸にした労働組合をめぐる攻防の1年間決戦を闘うこと、その突破口を全党の力で教労決戦からつくり出すことを宣言した。そして、〈新指導路線>のもとに労働運動の本格的組織化と労働者細胞の本格的建設を開始した。
これらすべてが11・7全国労働者総決起集会に凝縮されている。結集した3600人の労働者が見たもの、聞いたことのすべてがわれわれの獲得した地平である。11・7集会は、戦争と民営化と対決する日米韓労働運動の国際連帯と、闘う労働組合の全国ネットワーク運動の飛躍的な発展を押し開いた。
同時に教労戦線にとっては、昨春東京の不起立闘争の爆発とその後の闘いの発展、開始された教育労働者の自己解放闘争と全国の闘う労働運動の新潮流が合流をかちとった素晴らしい歴史的瞬間であった。ここに階級的教育労働運動の進むべき道筋が明々と照らし出されている。05年「日の丸・君が代」闘争の全国的な爆発をかちとり、教育基本法改悪・改憲阻止闘争を大きくつくり出す中で「闘う日教組再生への展望」をつかみとる1年間決戦への勝利の確信と挑戦権を手にすることができたのだ。
04年の階級決戦は、3・20イラク反戦集会に6万人の労働者が日比谷公園を埋めつくした闘いに相呼応して、東京の教育労働者の「日の丸・君が代」闘争の爆発をもって決戦の火ぶたが切られた。数百人の不起立闘争とその後の被処分者を軸とした不当処分を跳ね返す闘いの発展は、教組はもちろんのこと首都の労働運動に分岐・流動を起こしつつ、既成指導部の屈服と裏切りの中で閉塞(へいそく)感を持っていた労働者階級に圧倒的共感と喝采(かっさい)をもって迎えられた。
職務命令を拒否し、処分を辞さない教育労働者の人生をかけた決起が、帝国主義の戦争と民営化攻撃と闘わない連合の支配下で怒りを充満させている労働者階級に限りない勇気を与え、ともに闘う決意を呼び覚ました。今、全国で“東京に続け”という闘いを呼び起こしている。
またこの闘いは、急迫する教育基本法改悪と敢然と対決する闘いでもあった。教基法改悪とは、戦後教育の一切を転覆して「戦時教育」体制下の教育へ大転換するものだからだ。教基法改悪と並んで、学校現場の一切の抵抗を封じ、教育労働者を国家主義・侵略教育の担い手としなければ戦時の「国家総動員体制」は貫徹できない。
東京の不退転の決起は、教育労働者の職場・生産点からの抵抗闘争が教基法改悪を阻止し、日帝の戦争政策と対決する根源的な力であることを示した。教育労働者が、教基法改悪・改憲阻止を闘う主役として登場したのである。
決起した教育労働者は、被処分者を軸にして大量不当処分を跳ね返し力強く前進してきた。とりわけ8月の再発防止研修に対して、被処分者全員が「反省」を拒否し、会場内外を貫く抗議闘争をたたきつけた。そして8・6ヒロシマ大行動と全国教育労働者団結交流会は、大量の不当処分を跳ね返して不屈に闘いぬいてきた広島の組織的闘いと、東京の新たな主体的闘いを結びつけ、そこに全国の教育労働者が合流して、闘う教育労働運動の新たな潮流をつくり出した。さらに8・30都教委包囲行動は、東京の攻防を教基法改悪阻止の最大の焦点へと押し上げ、政治闘争としての発展の第一歩をかちとった。
これらの闘いに共鳴して現場教育労働者の執筆した『教育労働者の戦争協力拒否宣言』が、労働者学習センターから発刊された。新潮流を担う現場労働者が、「『日の丸・君が代』闘争を教育労働者の戦争協力拒否闘争として闘おう! 動労千葉のように闘おう!」と熱烈に呼びかけた。
教育労働者委員会は、開始された教育労働者の決起を全国に拡大・発展させ、05年決戦の突破口を切り開くために04年11・6−7を連続闘争として闘うことを決定し、全国・全党を挙げて猛然と闘いに突入した。
11・6教育基本法改悪をとめよう!全国集会では、日本共産党・全教系による「日の丸・君が代」闘争の後景化策動を打ち破り、「処分覚悟の不起立闘争こそ、教基法改悪を阻止する闘い」であるとするアピールが採択された。
続く11・7労働者集会には「日の丸・君が代」被処分者が大挙してかけつけ登壇し、「日の丸・君が代」反処分闘争を熱烈に訴えた。この間の闘いを牽引(けんいん)してきた被処分者があらゆる反動を打ち破って11・7集会に合流し、新潮流運動の担い手として登場したことの意義は計り知れない。
不起立闘争に敵対するカクマルを許すな
こうした闘いの前進に恐怖したカクマルは、「日の丸・君が代」闘争の破壊を狙って「告訴・告発」運動を仕組み、昨年12月1日に石原、横山ら3人を「被疑者」として告訴した。このカクマルの「告訴・告発」運動とは、「日の丸・君が代」不起立闘争を全面的に否定し、たたきつぶすことを目的としたものであり、被処分者の闘いと団結を破壊するものである。そして、国家権力=警察・検察を自ら呼び込み、「被害者からの事情聴取」と称する介入と弾圧に教育労働者をさらすものである。
都高教カクマルは、昨春卒・入学式で自ら率先して都教委の10・23通達に従い、「本部指示に従って起立し屈辱に耐えた」(『解放』)などと裏切りを開き直っている。そしてカクマルは不起立闘争に対して「ハミダシ」と非難してきたのだ。われわれの批判に追いつめられたカクマルは、「不起立宣言」は「挑発者の扇動」だとか「“派手な”闘争形態だけをおしつけるもの」(同)などと、真っ向から不起立闘争への敵対を宣言している。そして今や、被処分者や被解雇者にまとわりつき、脅しと嫌がらせを強めているのだ。
そもそもカクマルは、JR総連カクマル・松崎を先頭に「日の丸」労働運動を掲げている連中である。松崎は、JR東労組委員長の時、委員長室に「日の丸」の旗を置いて得意になっていた。そして今、軍需輸送も「法律で決まっていることは犯さない」(『創』12月号)と、戦争協力を誓っているのだ。教労カクマルも同様に“職務命令は拒否できない。従え”というのが本音なのだ。
また、カクマル「告訴・告発」運動は、天皇の園遊会での発言に呼応して、“天皇を恐れさせた不逞(ふてい)の輩(やから)をつぶせ”という国家権力の弾圧を引き込むものだ。
このようなカクマルによる敵対を打ち破ることが現下の最大の攻防であり、それが今春の卒・入学式闘争の爆発を切り開くのだ。闘う教育労働者や告発人、賛同人に名を連ねた人びとに、カクマルの「告訴・告発」運動からきっぱりと手を引くことを訴えよう。
教育労働者は革命党に結集して闘おう!
時代は「革命党の解体と階級闘争の絞殺か、内乱による日帝打倒か」という二者択一が問われる決定的情勢に突入した。帝国主義の世界戦争と戦時教育の大攻撃と対決して、教育労働者の総反撃をつくり出すことが求められている。
われわれは今、“本物の試練”の前に立っている。労働者階級の自己解放的決起を組織しうる「労働者の党」たりうるかが問われているのである。一人ひとりが自ら党を体現し、自分たちの力で新しい戦略と闘いをつくり出し発展させなければならない。そのための職場の闘いと組織化を始めることこそが「党の革命」の最大の核心である。
組合権力をめぐる攻防は、執行部や連合路線を批判すること以上に、職場や支部・単組レベルで独自の運動と闘争を組織することなくしては実現できない。
労働者階級こそ社会の主人公であり、革命の主体である。革命の組織者として職場の組織者になる。革命党として自己を変革し、この試練をのりこえてこそ党と労働者階級の共同事業が成し遂げられるのである。
そしてこれらの闘いを推進していく最大のかなめは、〈全国教育労働者委員会の本格的建設>である。04年「日の丸・君が代」・反処分闘争の前進の過程で、全国教育労働者委員会の再建がかちとられたことは決定的であった。
闘う日教組の階級的再生は、戦時下の教育労働運動を闘いぬく指導部を必要としている。全国教労委を闘う教育労働者の全国指導部としての実力を備えたものとして確立することが絶対的な課題である。今こそ闘う教育労働者に「党への結集」を真正面から真剣に呼びかけよう! 労働者に結集を訴え獲得してこそ、われわれは労働者階級の党になる。「画然たる意識転換」を党自身が成し遂げようではないか。
勤評闘争をはるかに上回る戦後最大の教育労働運動の歴史的な決戦が到来している。日帝の戦争攻撃の最大の核心は、労働組合の解体である。05年階級決戦の帰趨(きすう)は、今春の卒・入学式闘争の爆発にかかっていると言っても過言ではない。21世紀の世界革命に向かう国際プロレタリアートと被抑圧民族人民の決起とひとつになり、教育労働者の階級的誇り、人間としての尊厳をかけて立ち上がろう。
東京の闘いを断じて孤立させてはならない。東京の闘いを引き継ぎ全国化すること、全国の日教組の仲間と連帯し闘うこと、さらに地域の他産別、とりわけ国鉄・全逓・自治体の闘う労働者と連帯して闘うことである。05春闘は、教育労働者の「日の丸・君が代」決戦を始めとして、4大産別すべてが激突情勢である。この激突に勝利する中でこそ、教基法改悪・改憲阻止をかちとる内乱的情勢をつくり出すことができる。
全国の教育労働者は、カクマルの「告訴・告発」運動を粉砕し、処分を恐れず不起立闘争に決起しよう! 東京の闘いに続こう! 石原もろとも小泉を打倒しよう!
闘いの中でこそ、労働者の団結は強化される。05年に「闘う日教組再生」の具体的展望をつかみとろうではないか。
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週刊『前進』(2181号14面2)(2005/01/01)
全逓委員会
物ダメ・ストライキ闘争と連合全逓打倒を2大方針に
郵政民営化阻止の大決戦へ
11・7集会の熱気と感動を起点に闘おう
昨年9月10日の小泉政権による「郵政民営化の基本方針」決定に対して、全国全逓委員会は、“小泉=奥田―生田(郵政公社総裁)―連合全逓(JPU)中央による07年郵政分割・民営化攻撃絶対阻止”の路線を確立した。その路線のもとに“大量首切りと全逓労働運動解体攻撃を物ダメ・ストライキで阻止しよう”“連合全逓中央を打倒しよう”を2大方針として、05年、全逓委員会は最先頭で総決起することを冒頭に明らかにしたい。
そのために、昨年の11・7全国労働者総決起集会を新たな出発点として、小泉=奥田路線への荒々しい労働者階級の総反撃をかちとろう。郵政分割・民営化阻止の闘いの成否も、全国から結集した全逓労働者の隊列を打ち固め、それを基礎に、さらに数十倍の絶対阻止派の陣形を全国に拡大させることにかかっている。
11・7集会は、日比谷野音を満杯にする3600人の結集で、労働者の魂を揺さぶり、階級的誇りを呼び覚ました。戦争と民営化に反対する日米韓の労働運動の国際連帯が深まり、信頼と同志的きずなで結ばれ、戦闘的で自己解放性に満ちた躍動感あふれる集会としてかちとられた。日本で階級的労働運動を守り続けてきた3労組の呼びかけによる新潮流運動が大きく花開き始めたのだ。
この新潮流運動は、アメリカのMWM(百万人労働者行進)のランク・アンド・ファイル運動(組合は現場労働者のもの)と同様に、腐敗・堕落した既成指導部から労働組合の権力を奪い返し、労働運動を戦闘的につくり変えていく運動である。また、総評解散―連合発足から15年、労働運動が失っていた体制変革の思想をよみがえらせた。
小泉=奥田は、「骨太方針W」をもって、郵政分割・民営化攻撃を軸に、公務員制度改悪など、公務員労働運動の解体に打って出ている。国家権力機構内にある公務員労働組合を戦前のような産業報国会に変質させ、戦争協力勢力に仕立て上げていく攻撃である。国鉄分割・民営化型の攻撃が全産別に吹き荒れているのだ。これに対して、4大産別を先頭にした労働者が「動労千葉のように闘おう」を合言葉に11・7集会に登場したのである。
われわれ日本の労働者の任務は、11・7の地平を起点に、自国の帝国主義を打倒するために職場・生産点から労働運動の分岐・流動を意識的・組織的につくりあげ、階級的労働運動を復権させ、再編・高揚をさらに大胆に推し進めることである。全逓戦線においても大統一戦線を実現し、郵政民営化を阻止しよう。
アクションプランU―人活センター阻止
小泉政権は、1月末にも郵政民営化関連法案の素案を決定し、3月末に通常国会へ提出しようとしている。07年4月から、純粋持ち株会社のもとに、窓口ネットワーク会社、郵便事業会社、郵便貯金会社、郵便保険会社に4分社化するものだ。重大なのは、すべての郵政公社職員が、07年4月の民営化と同時に非公務員化されることだ。国鉄分割・民営化やNTT大合理化などを集大成した大攻撃であり、経営形態の変更をとおして〈いったん全員解雇・選別再採用>による大量首切りと活動家パージ、労働組合破壊を強行することが最大の狙いなのだ。
この民営化攻撃と軌を一にして、公社は「アクションプラン・フェーズU」の大合理化攻撃を打ち出そうとしている。それは、郵便内務のアウトソーシングと非常勤化により、「余剰人員」を「人材活用センター」に送り込むことなどだ。連合全逓中央は2月中央委員会でそれを承認しようとしている。断じて許してはならない。
すでに、国鉄分割・民営化攻撃において82年から87年に20万人の大合理化を強行したような激烈な決戦過程が始まっている。
第一に、すさまじい合理化による徹底的な人員削減と、国鉄での「緊急11項目」のような攻撃が、民営化法案提出と合わせて05年から激しく襲いかかる。しかし、この攻撃のあまりの理不尽さは、連合全逓中央の反動的裏切りなくして貫徹されない。国鉄分割・民営化での動労カクマルの役割を連合全逓中央が担うのだ。しかし、カクマルのような暴力支配はできない。現場から「もう我慢できない。これでも労働組合か」という公社当局と連合全逓中央・地本をくし刺しにした怒りが必ず爆発する。
第二に、07年の非公務員化による全員解雇―再雇用の攻撃がある。そこで「選別再採用」があり得る上に、再採用後も有期雇用のように首切り自由の状態にする。“去るも地獄、残るも地獄”の状況にたたき込むのである。さらに、公務員身分を奪うとともに「みなし公務員」としてスト権を制限しようとしている。
これに対して、われわれは、“物ダメ・ストライキと連合全逓中央打倒(全逓改革)の2大方針で闘おう”と打ち出した。その方針を現場労働者の要求として具体的にスローガンとしてまとめ、すべての郵政職場で働く労働者にともに闘うことを訴え、組織しなければならない。その中身は、次のようなものだ。
@07年郵政分割・民営化絶対阻止、05年民営化法案提出反対。A首切りのための「非公務員化」=公務員身分の剥奪(はくだつ)反対。B郵政事業を食い物にしている政治家・財界・官僚・労働貴族の癒着構造を一掃しよう。C4・28反処分闘争勝利・職場復帰をかちとろう。スト権を奪還しよう。D連続深夜勤を即時中止させ、仮眠時間・特例休息を確保しよう。E05年人材活用センター設置反対。Fアクションプラン合理化による人員削減反対、12万人の短時間職員、非常勤労働者の本務者化。G人事交流即時中止。HJPS=トヨタ方式によるマル生(生産性向上運動)反対、集配職場での立ち作業の即時中止。I集配への1ネット方式導入による10時間労働(拘束12時間)の即時中止。J賃金の引き下げと差別・分断を狙う能力給制度の即時中止。K郵便局の統廃合反対。L日逓を始めとする輸送部門などの切り捨て反対、労働条件改善。Mイラク戦争反対、労働者の戦争動員を狙う有事法制による「指定公共機関」指定反対。N闘う動労千葉―国鉄1047名、自治体労働者、教育労働者とともに、小泉=奥田の戦争と民営化を阻止し、公務員制度改悪と憲法改悪に反対する大運動を巻き起こそう。Oアメリカ・韓国を始めとする労働者と国際連帯を強め、帝国主義を打倒しよう。
4・28反処分闘争の階級的誇りをかけて
以上の要求・スローガンを掲げた上で、物ダメ・ストと連合全逓中央打倒方針の意義を明らかにしたい。
第一に、郵政民営化は、職場の団結を打ち固めて反撃すべき攻撃である。その団結の力は必ず物ダメ・ストとして爆発する。国鉄分割・民営化に対して動労千葉が闘ったように、首をかけても闘うのだ。労働者は必ず立ち上がるという歴史的・階級的確信をもって、腹を固めて血路を切り開こう。その最先頭に全国の同志、闘う全逓労働者が立つ時に展望は切り開かれる。
そのためには、職場での支配権=力関係の転換をかちとらなければならない。05年〜07年にかけて、郵政民営化の具体的攻撃に対する職場闘争を、前述した路線・方針・要求をさらに自分の職場に合わせて練り上げて闘うことである。
第二に、そのためには郵政民営化攻撃の最弱の環である連合全逓中央打倒=全逓改革と一体で闘うことである。連合全逓中央は、労働条件の切り下げはもちろん、首切りの先兵としての姿をはっきりさせている。委員長・菰田は、昨夏のNTT労組の大会で「自民党の守旧派と手を組んで民営化させない取り組みを行う」と来賓あいさつした。総裁選挙で小泉と闘えない守旧派を唯一の頼りにしている体たらくなのだ。
また、11月には東京の全支部執行委員を前に副委員長・本庄が「(民営化問題で)音の出るようなことはやらない。労働条件の低下はやむなし」と民営化に反対しないことを明言している。労働条件の切り下げ、賃下げ、分担が埋まらないほどの人員削減、綱渡りの業務運行に「こんな職場にした組合と当局は許せない」という怒りが充満している。職場からの反撃を連合全逓打倒=改革と結びつけて闘おう。
民営化されたイギリスのロイヤルメールの郵便労働者は03年10月、賃下げと人員削減に対して、全国的ストが否決されても、現場の新潮流派が軸になって「山猫スト」を闘い、それを次々と拡大していった。その教訓を生かそう。
第三に、物ダメ・ストライキ闘争方針は、戦後労働運動を中心的に担った全逓労働運動の誇りとその復権をかけた闘いである。
その決定的な闘いの環が、25年間、闘い続けている4・28反処分闘争である。78〜79年反マル生越年闘争に対する懲戒免職処分攻撃に対して、路線転換で組合員資格まで奪った連合全逓中央に抗して、被免職者は昨年6月30日、高裁逆転勝利判決をかちとった。
この勝利の核心は、当該の被免職者が苦闘をのりこえ、25年間、あきらめないで闘い続けたことと、それをともに支えた続けた全国の全逓労働者・支援の存在である。全逓労働者の階級的誇りが脈々と生き続けている証左である。職場にはランク・アンド・ファイルの精神が誇り高く宿っている。多くの全逓労働者がこの闘いを支持し、闘いの展望を見いだし始めている。4・28闘争こそが、職場闘争、すなわち物ダメ闘争を闘う陣形を全国に広範につくりだす実体であり、連合全逓中央を打倒する闘いそのものだ。4・28闘争の完全勝利は、郵政民営化阻止と一体のものである。
全逓委員会は、今こそ〈新指導路線>を推進し、労働組合論の革命論的確立の立場に立って、全逓委員会の改革と圧倒的強化をかちとらなければならない。全逓カクマルを打倒しよう。4・28闘争の地平を発展させ、郵政民営化絶対阻止と全逓改革の強固な闘う陣形の再確立をさらに強力に進めよう。その中で青年部運動を再建しよう。
05年の通常国会は、郵政民営化(法案)を決定的な攻防軸とする一大決戦となる。「日の丸・君が代」・教基法決戦はすでに階級的決戦として火を噴いている。この闘いの爆発と重なり郵政民営化阻止闘争の爆発も不可避である。国鉄分割・民営化阻止の闘いで動労千葉が勝利したように、階級闘争全体が革命的情勢へと突入しつつある中で勝利の展望は必ず切り開かれる。許せないことに、1月2日の年賀休配が廃止された。この年始から闘いを開始しよう。2月のJPU中央委の決戦へ闘おう。
この決戦を闘うために、強固な革共同全逓委員会の建設を、マル青労同1000名組織建設と一体のものとして闘いとろう。
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週刊『前進』(2181号15面1)(2005/01/01)
自治体労働者委員会
大量首切りと民営化を狙う公務員制度改悪阻止しよう
「ランク&ファイル運動」を
国家機構内の労働運動を一掃する攻撃
同志の皆さん。闘う労働者の皆さん。全国の自治体労働者の皆さん。05年の年頭にあたり、自治体労働者委員会から闘いの決意を明らかにしたい。
新年冒頭、私たちは、昨年11・7労働者集会で踏み出した労働者階級の新しい闘いの始まりを、あふれる決意、3600人の強固な団結力、アメリカ・韓国・日本の労働者が結んだ国際連帯の固いきずなをもって力強く確認することができる。労働者階級の力で帝国主義を打倒し、社会を変革していく道筋が私たちの目の前にはっきりと見えるのだ。
世界中で帝国主義の戦争と差別、抑圧と貧困のもとで苦闘する労働者が、国境を越え、共通の敵に団結して立ち向かい、打ち倒していく世界革命の時代が始まったのである。04年の闘いの地平に確信を持ち、立ち止まることなく、あらゆる反動を打ち破って、ぐいぐいと前に進もう。自治体労働者委員会は、労働者階級の闘いの前進のために05年を全力で闘う決意である。
小泉内閣は、日本帝国主義の危機ののりきりのために、小泉=奥田路線―「戦争と民営化」の攻撃に打って出てきている。昨年6月に「骨太方針W」を打ち出し、労働組合運動と社会保障制度の解体を民営化の貫徹で成し遂げようとしている。郵政民営化と教育基本法改悪を突破口に、国家権力機構内の労働者階級(公務員労働者)の団結―階級的な労働組合運動を根こそぎにしようとしているのだ。そして、労働者階級の闘いを一掃し、自衛隊の侵略派兵を推し進め、有事法制によって侵略戦争遂行のための国家総動員体制をつくろうとしている。
小泉内閣が教労・全逓・自治体・国鉄の4大産別に攻撃を集中しているのは、そこに日本帝国主義の存亡がかかっているからだ。
さらに小泉内閣は、米帝ブッシュが世界戦争戦略を進める中で、自衛隊イラク侵略派兵の継続強化をテコに、日米安保を「世界安保」へと転換し、自衛隊を米軍と一体化させ、自衛隊の侵略軍隊への飛躍と憲法改悪への道を突き進んでいる。憲法改悪の最大の核心は、9条解体である。連合―自治労中央は、小泉=奥田の動きに合わせて「国の基本政策検討委」で改憲案を作成している。
11・7集会は、こうした攻撃に対して、真っ向から反撃する闘いの力強い一歩を踏み出したのだ。しかも10・17ワシントン―11・7東京―11・14ソウルと日米韓を貫く「ランク・アンド・ファイル」の総決起としてだ。ここにこそ、小泉の戦争と民営化を打ち砕く根底的な力がある。
「身分保障」を奪って解雇の自由化を狙う
自治体現場で激しい攻防が始まっている。敵の攻撃の狙いは何か。戦争と民営化攻撃は、自治体労働運動を解体し、現憲法のもとでの地方自治をも解体・再編するものだ。市町村合併を推進し、道州制を敷こうとしている。そして、徹底した民営化で自治体を資本の市場に明け渡す。さらに、有事法制で国家に権力を集中し、自治体と住民を総動員する侵略戦争遂行の仕組みをつくろうとしている。
「官から民へ」「国から地方へ」「行政のスリム化」のスローガンを貫くのは民営化による首切りと労働運動つぶし、社会保障制度の解体である。
昨秋の「三位一体改革」の「決着」を見てみよ。国家財政の赤字を地方自治体につけ回し、労働者とその家族の暮らしと仕事を破壊し、財政面からも自治体民営化の推進を徹底する。「税源移譲」などと言いながら大増税に道を開く。一方で国庫補助金を温存して省庁の権限を保持する。まさに、小泉改革の本質がはっきりしたのだ。全国知事会などの地方自治体と国の「対立」にだまされてはいけない。この「対立」の根本には、700兆円を超える財政赤字を始めとする国家の危機があり、その突破をかけた国家再編が問題になっているのだ。泥沼の危機にのたうっているのは帝国主義であり、小泉の側なのだ。ここでも、労働者階級の力ある反撃の闘いが真剣に求められている。
民営化攻撃は、「指定管理者制度」や「PFI(民間資金主導)」「地方独立行政法人」などの形で全国的にかけられている。自治体を資本の市場に明け渡し、現場労働者の団結と労働組合を破壊し、福祉・医療・教育など労働者の生活を徹底破壊するものだ。
小泉政権が05年通常国会に提出しようとしている公務員制度改革一括法案は、労働基本権を制約したまま、公務員身分の保障を解除し、当局が「解雇の自由」を獲得しようという恐るべき内容に貫かれている。先行する成績主義や業績主義の導入も、つまるところ不適格職員と称して公務員の大量首切りに道を開こうとするものだ。この恫喝によって総額人件費抑制=大幅賃下げと労組的団結を解体しようとするところに狙いがある。
日本経団連の05年版「経営労働政策委員会報告」は、「徹底した官の効率化・行財政改革を推進すべき立場にある公務員の身分、処遇がいわば聖域におかれてよいのか」として、「身分のあり方などを含めた国家公務員・地方公務員制度の抜本的改革を望みたい」と、公務員の「身分」問題に照準を据えた。郵政民営化に引き続き、公務員の「血の入れ替え」と大量首切りを宣言したのだ。
郵政民営化とともに、自治体労働者の首切りとの対決を正面課題に据えないかぎり、公務員制度改革攻撃と闘うことはできない。
03年夏の自治労大会で「21世紀宣言」を否決した自治体労働者は、ごまかしの「再採決」をのりこえ、自治労本部を打ち倒す「21世紀宣言反対派」=自治体労働運動の新しい流れと闘いをつくりだすために全力で奮闘している。有事法制、公務員制度改革、人事評価制度、指定管理者制度、退職金・寒冷地手当削減……。連続する敵の攻撃に、現場では「断固たる反撃の闘いを!」「全国闘争で闘おう!」という怒りが満ちている。
昨春、首都の教育労働者が、石原―東京都教育委員会の「日の丸・君が代」押しつけの攻撃に対して、卒・入学式の現場で不起立の闘いに決起した。その後の処分攻撃を跳ね返し、全国に闘いを呼びかけ、11・7集会では壇上に並び発言し、全国の労働者に闘いの確信と心からの感動を与えた。自治体現場では、「東京の教育労働者に続け!」の声が高まっている。
また、自治体現場の非正規・不安定雇用労働者は、「指定期間」ごとに首切りの不安に陥れて労働者同士を競争させる指定管理者制度の本質を見抜き、怒りも新たに闘いに立ち上がっている。「公務員は全体の奉仕者」「真の行政改革」を唱える日本共産党系の全労連―自治労連中央やや、「質の高い公共サービス」をスローガンに掲げる一方で「対策を強める」と繰り返すだけの連合―自治労中央に対して、「何のための労働組合なんだ」という現場の怒りは激しい。
この怒りを自治労中央打倒、自治労連中央打倒、自治体労働運動の階級的再生へと組織しよう。
まさに、「分岐・流動」の始まりは、新しい労働者の決起と闘いをつくり出している。私たちは、この現場労働者の怒りを11・7集会に向けて全力で組織した。「ランク・アンド・ファイル運動でMWM(百万人労働者行進)に立ち上がったアメリカの労働者に続こう!」「非正規職差別撤廃へゼネストを闘う韓国・民主労総に学ぼう!」「日米韓労働者の国際連帯でイラク戦争を止めよう!」の訴えは、全国の活動家・労働者の心にガツンと響いた。手ごたえありなのだ。
重要なことは、呼びかけ3労組の現場労働者に根ざした営々たる闘いである。国鉄分割・民営化攻撃にストライキで闘った動労千葉、会社倒産・解雇と闘う港合同、警察権力の弾圧に負けない関西生コンの闘いは、まさに日本のランク・アンド・ファイルの闘いだ。民営化攻撃に立ち向かう全国の自治体労働者にとって、闘いを起こし未来を開く教訓に満ちている。この闘いがアメリカ・韓国の労働者と結びついたのだ。既成労働運動をのりこえる闘いは、まさに「この道をともに進もう」である。
分岐・流動を促進し新潮流運動の奔流を
11・7集会には、初参加者や青年の自治体労働者も多く結集した。初めてのデモが銀座デモという仲間は、「みんなパワフル。必死の訴えに圧倒された。民営化に直面している自分も“頑張ろう”の元気をもらった」「人やチラシが多く、熱気が伝わる。報道されないアメリカや韓国の闘いを実感した」と語る。毎年参加している仲間も「アメリカ・韓国の労働者と出会い感動した。被処分者の闘いに逆に励まされた」と言う。新しい、そして力強い労働者の闘いを実感し、ここから始める自信と決意を話している。そうだ! 今こそ、この息吹を仲間に伝え、全国の自治体現場からランク・アンド・ファイルの大運動を始めよう。
05年、自治体労働者委員会は11・7集会の地平に立って、自らの変革と飛躍をかけて闘いに打って出る。
第一に、〈新指導路線>を全国で実践し、労働組合を労働者の手に取り戻し、青年労働者の結集をかちとり、帝国主義と闘う階級的労働運動の大前進を切り開こう。
第二に、小泉の戦争と民営化に対する闘いを、ランク・アンド・ファイルの力を結集し、労働者階級の怒りの爆発として実現するために全力で闘おう。11・7集会で踏み出した新たな一歩を勢いのある奔流に広げ、自治体労働運動の新しい流れを登場させ、公務員制度改革、戦争協力、民営化攻撃と力勝負で闘う労働者の全国的な闘いを実現するために奮闘しよう。
第三に、どんな反動や弾圧にも負けない、現場労働者に根を張った強靱(きょうじん)な自治体労働者委員会を建設しよう。
今年は、自治体労働運動の勝負の年だ。全世界の労働者が激しく闘いに立ち上がる年である。なぜなら、命脈尽きた帝国主義が一刻も早く打倒され、労働者階級が社会の主人になる情勢が目の前に来ているからだ。11・7集会でつかんだ確信と自信、押しとどめることができない勢いをしっかりと握りしめ、これを数倍・数十倍する労働者の根っこからの決起を実現しよう。
ともに闘い、未来を開こう!
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週刊『前進』(2181号15面2)(2005/01/01)
国鉄委員会
動労千葉排除策動うち破り1047名闘争の大発展を
5・27弾圧粉砕、国労再生へ
11・7集会の勝利の土台にある国鉄闘争
「みな本気だ」と初参加の青年労働者が目を輝かせた。「自分の人生で最もすばらしい労働者集会だった」と、北海道から広域採用に応じて今年定年を迎えたJRの国労組合員が、参加を募った闘争団員の手を握った。11・7日比谷野音を埋めた国鉄労働者一人ひとりが、かつて経験したことのない熱気と勝利感と興奮に浸った。
全日建運輸連帯関西生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3労組の「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」という呼びかけと階級的労働運動再生に向けての苦闘が、ついにこの地平を切り開いた。動労千葉を架け橋とした日米韓3国労働者の国際連帯が、11・7の3600人の大結集となったのだ。
11・7をもって大きな壁は打ち破られた。そしてこの力で、教育労働者の決起を先頭とする4大産別決戦の陣形が確立された。
この勝利の土台には、動労千葉の闘いがあり、国鉄1047名闘争があった。今、世界の労働運動が民営化の嵐と闘っている。国鉄1047名闘争は、18年間にわたって不屈に闘い抜かれてきた民営化反対闘争であり、国際連帯の礎だ。
11・7の地平は、国鉄闘争と国鉄1047名闘争こそが依然として日本労働運動の基軸的闘いであり、階級的労働運動再生の水路であることを示している。戦時下にあって、小泉=奥田の「骨太方針W」―郵政民営化など4大産別を中心に激化する労働組合絶滅攻撃と対決し勝ち抜く階級的反撃の拠点こそ、動労千葉の闘いであり、国鉄1047名闘争である。
反動に抗して鉄建公団訴訟と弾圧粉砕へ
11・7は日本労働運動を根底から塗り替え、それが再生に向けて躍動的に発展していく出発点となった。だからこそ、すべての反動が11・7の勝利的地平に激しく襲いかかったのだ。
11・7への反動は、日本共産党中央による12・1国鉄集会からの動労千葉排除の策動、鉄建公団訴訟を妨害し、1047名の団結を根底から解体する一片の道理もない大攻撃として襲いかかった。
これは、1047名の団結をとおした労働運動の新たな復権の道を守り抜くか否かの激突となった。諸悪の根源である和解路線=4党合意攻撃によってズタズタに寸断された国鉄闘争が、1047名闘争として団結を取り戻すことができるのか否か。そこには、国鉄闘争と日本労働運動の死活と存亡がかかっていた。
この策動は、04年階級闘争における革命的情勢の成熟、その現実的形態としての〈分岐・流動・再編・高揚>情勢が、階級的労働運動の再生へと発展していくことに対する、日共中央の限りない恐怖の現れにほかならなかった。
04年1月、日本共産党は綱領改訂を行い、労働者階級の存在と闘いを根底的に否定し、抹殺した。
この日共綱領改訂が行き着いた先こそ、国労西日本本部(上村委員長)が大会決定までした「国鉄闘争を利用し、自らの組織の利益を策略する団体とはきっぱり整理をしていく」という動労千葉排除方針であり、JR連合と一体となって繰り広げた侵略翼賛の「イラク鉄道復興支援」運動だ。
04年階級闘争は〈分岐・流動・再編・高揚>情勢のもと、動と反動が幾度にもわたり激突した。それは、3・20イラク反戦闘争の巨大な地平と、それを引き継ぐ4・13国鉄集会(日比谷公会堂)に対して襲いかかった「6月反動」、8月国労定期大会を迎えての「8月反動」として現れた。
国鉄闘争が4・13集会を転機に1047名の団結のもとに新たな発展を遂げ、大統一戦線が形づくられようとしていたことに、日共中央と全労連一部幹部は総力で敵対したのである。
これこそ日共新綱領のありのままの姿である。労働者の階級的団結と闘いを根本から否定した日共中央は、首を切られた労働者が不当労働行為を追及し解雇撤回を求めて闘うことに全面敵対するに至った。だから彼らは、わずかばかりの金銭で闘争を終結させる、4党合意以来の和解路線にしがみついたのだ。今や日共中央は、野放図な首切りと争議の解体を狙う労働法制改悪の先兵に転落した。
12・1集会は、「12月反動」を打ち破って4300人が結集した。国鉄闘争をめぐる新たな〈分岐・流動・再編・高揚>情勢が切り開かれたのだ。
およそすべての争議は、階級間・労資間の力関係で決まる。1047名が固く団結し、解雇撤回の闘いを不屈に貫いてこそ、国鉄闘争の勝利をたぐり寄せることができるのだ。
1047名の団結をあらためて宣言した12・1集会は、日共中央と全労連一部指導部を直撃した。「わが党は最初から4党合意に反対だ」(市田書記局長)とうそぶきながら「4党合意は闘いの到達点」「決定された方針に従うのが団結」(革同会議)と叫ぶペテンは、もはや通用しない。
「12月反動」は、11・7の地平から出発しそれを押し広げた1047名の団結によって打ち破られた。この勝利に力を与えたのは、間違いなく、この間に培われた国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いだった。
「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」が主催した12・19全国集会は、星陵会館を埋め尽くす400人の結集で大成功をかちとった。5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いは、国労本部=酒田・革同体制を打倒し、国労を再生する決定的な環である。それは、1047名闘争と両輪をなす、重大な階級的意義をもつ闘いだ。
「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の運動は、自らの人生に照らし国鉄闘争の勝利と国労の再生を心から願う多くの人士が呼びかけ、立ち上がった闘いだ。弾圧と対決して団結を取り戻すための壮大な統一戦線を形成しようと、党派も潮流の違いものりこえて結束したのだ。
この闘いは、国鉄1047名闘争の勝利を希求するすべての労働者と人士の団結のかなめをなしている。日共中央の動労千葉排除=1047名の団結破壊を打ち破る大きな力、国労再生を実現する最善かつ最良の道がここにある。
この弾圧で検察側証人として出廷した長野地本東北信支部前委員長は、若年退職を選択し、酒田=吉田執行部から脱落した。組合員を権力に売った階級的犯罪におののきながら、自ら国労運動に背を向けたのだ。
酒田一派と結託し、権力の弾圧を率先して呼び込んだ革同会議もグラグラだ。国労の破壊者は誰だ! 本当の再生者は誰か! 毎回の公判闘争の成り行きに、闘争団、JR組合員、共闘会議のすべての労働者が注目している。
05年、われわれは全国・全JR職場に「許さない会」を組織し、会員を拡大する。被告とされた8君と家族の闘いを支え抜き、公判闘争に勝利しよう。無実・無罪を実現し、国労再生=酒田・革同体制打倒の道を全力で突き進もう。
1・29中央委で酒田・革同執行部打倒を
当面する闘いの第一は、1047名闘争と国労解体の大攻撃を撃ち破り、1・29国労拡大中央委員会に向けて総決起することだ。
昨年11月30日、岡山地本元委員長の高山(旧太田派)らチャレンジグループが集団脱退(51人)に走った。国労西日本本部=革同上村派とJR連合(西鉄労)がJR西日本とともに画策してきた「九州先行解決」論に自らくみした九州と四国のチャレンジグループも、今やグラグラだ。
破産した4党合意を推進し、闘争団の切り捨てを最先頭で扇動し、「イラク鉄道復興支援」にまで行き着いた革同上村派こそが、内部からの国労破壊者であり、チャレンジ脱退の促進者だったのだ。
また国労本部は、昨年9月2日に東京高裁が下した本州採用差別事件(東京・仙台闘争団)判決に対する最高裁への上告手続きを、「弁護団が忘れた」などという大うそで拒絶した。
闘争団を切り捨て、組合員を権力に売り渡した酒田と革同に、もうこれ以上組合員と国労を蹂躙(じゅうりん)させてなるものか。
酒田・革同執行部の足元を見透かしたJR西日本は、「年齢給を全廃し職務遂行給へ一本化する」とした新たな賃金制度改悪案を提案した。「一定年数同級に在級すると昇給が減少しゼロになる」という、年功賃金−定昇制廃止の攻撃だ。「(定昇制度は)廃止も含めて抜本的な改革を急ぐべき」(05年版経労委報告)と叫ぶ奥田・日本経団連路線のもとで、一層の賃下げに乗り出してきたのである。JR九州やJR四国も同様の改悪を企て、JR貨物は新賃金制度の導入を策している。
国労本部=酒田・革同執行部は、その受け入れに走ることをとおして、統一賃上げ要求を投げ捨て、エリアごとの要求に切り替え、単一体としての国労を解体して連合に合流しようとしている。その最先端には、上村革同の「イラク鉄道復興支援」方針がある。
他方、JR東日本は、国労組合員の粘り強い闘いに追いつめられ、国労活動家の「収容所」としてあったベンディング事業所の廃止を打ち出した。だがJRは、これをもテコに分割・民営化の最後的完遂を狙っている。JR各社の要員削減・安全解体の攻撃もいよいよ激化する。05春闘は重大な決戦となったのだ。
1・29国労拡大中央委員会でこれらの攻撃と真っ向から対決する春闘方針を確立し、1・29を再生国労の「始まりの日」としなければならない。
当面する闘いの第二は、「12月反動」を打ち破った力でJR・カクマル結託体制を打倒し、4大産別決戦に勝ち抜くことだ。
12月反動の背後には、国家権力、JR資本、松崎カクマルがいた。小泉=奥田路線に立ちはだかる国鉄闘争を解体しようとする敵権力の衝動は、今や極点に達している。分割・民営化反対闘争である国鉄1047名の闘いと存在を許しておいて、「骨太方針W」など1ミリも進まないのだ。
04春闘ストライキでJR結託体制に風穴を開けた動労千葉の闘いは、今や鉄建公団訴訟を軸に国労闘争団、全動労争議団との統一陣形を形成し、1047名の団結を取り戻す反転攻勢を切り開きつつある。11・7の地平とこの闘いの力で、JRの資本・カクマル結託体制を打倒しよう。
「軍需輸送を拒否するな」「労組は業務命令に従え」と叫び労働運動破壊と戦争動員を誓うJR総連・松崎カクマルを許すな! われわれはいかなる労働組合の中にも労働者細胞を建設する。とりわけ「平成採」の獲得がJR総連打倒にとって決定的だ。
労働者の反戦決起を心底から憎悪し、「日の丸・君が代」闘争を「告訴・告発」路線にねじ曲げて、教労決戦の圧殺を図るカクマルを打倒しよう。
1・29国労拡大中央委員会に向けて闘い抜き、教育労働者とともに3月「日の丸・君が代」決戦に上りつめ、4大産別決戦に勝利しよう。すべての国鉄労働者は、革共同国鉄委員会に結集し、プロレタリア革命の橋頭保を築こう!
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週刊『前進』(2181号16面1)(2005/01/01)
労働者国際連帯の新たな歴史
世界戦争過程への突入とインターナショナルの展望
村上和幸
米帝ブッシュの大統領再選、ファルージャ総攻撃の強行、これに対するファルージャと全イラクの人民の英雄的な戦いの爆発という情勢の中で、11月7日、第1次世界大戦下のツィンメルワルド会議をも超える歴史的な集会が東京・日比谷で開かれた。戦争当事国である米日韓の階級的労働運動が結集し、世界戦争を世界的内乱に転化し、世界プロレタリア革命をかちとることができる国際的団結がついに登場したのだ。
11・7労働者集会が切り開いた地平
アメリカ帝国主義のファルージャ総攻撃は、日帝の南京大虐殺、ナチスのゲルニカ空爆にも比すべき、すさまじい大虐殺だ。だがファルージャは、この暴虐に対して英雄的な戦いに決起した。それは、あのパリ・コミューンの決死の戦い(1871年)が呼び起こしたのと同じ感動を全イラク、全世界に与えている。
イラク人民は各地で激しい戦いを展開し、米軍に重大な打撃を与え、解放区、半解放区を広げている。石油部門などの労働者が不屈に闘い、民族解放・革命戦争が発展し、占領支配を危機にたたき込んでいる。米軍脱走兵は、公式数字で5500人以上に上る。公然たる命令拒否も続出している。米軍は戦略的に敗北しているのだ。
だが、どんなに戦局が破滅的でも、米帝は撤退できない。帝国主義としての死になるからだ。ブッシュは、イラク侵略戦争を最も強硬に推進してきたライス補佐官を新国務長官にすえる。新司法長官はゴンザレスだ。彼は、イラク戦争開戦前に「敵の捕虜の尋問では、ジュネーブ協定の厳しい制約を時代遅れのものする」というメモをブッシュに渡し、グアンタナモやアブグレイブなどでの拷問を推進した人物だ。
米英日枢軸のイラク侵略戦争は、ますます凶暴になり、独仏やロシアとの勢力圏再分割戦を激化させつつ全中東へ、朝鮮(中国)へと拡大しようとしている。世界戦争の過程は始まっているのだ。
日米韓労働者連帯の意義
この戦時下で新たな労働運動のインターナショナルが始まった。
日本では、動労千葉が切り開いてきた地平がある。動労千葉は、日本帝国主義が国家権力の総力をあげて労働運動つぶしのために襲いかかった国鉄分割・民営化攻撃に唯一ストで反撃した。社民・スターリン主義指導部のもとで国家権力に屈服した既成労働運動をのりこえ、ファシスト=JR総連カクマルとの激闘を闘い抜いてきた。そして、03年のイラク開戦直後のストに続き、04年は、分割・民営化以来の不当配転を打ち破る歴史的勝利をかちとり、日本階級闘争に決定的衝撃を与えている。
動労千葉の闘いは、どんなに国家権力の集中攻撃を受けようとも、職場の組合員をとことん信頼して闘う指導部がいれば負けないことを示した(中野洋著『俺たちは鉄路に生きる2』参照)。日本のランク・アンド・ファイル運動の精華である。
また、ファシスト石原都知事の「日の丸・君が代」通達に対するランク・アンド・ファイルとしての教育労働者のやむにやまれぬ決起が全国の労働者の共感を呼び起こし、さまざまな労組で新たな分岐・流動・再編が開始されている。
基軸国、最強・最凶悪の帝国主義アメリカの中では、帝国主義国家権力と真っ向から闘う要求である、皆保険制度などの要求と反戦を掲げてILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)が百万人労働者行進運動を開始した。1200人のローカル10が全米の労働運動を獲得するために立ち上がったのだ。AFL―CIO(米労働総同盟―産別会議)執行部の制動と正面から対決し、350万人を代表する労組・労組団体の賛同を獲得して大前進している。労働者が独立した勢力として帝国主義国家権力に本格的に挑戦し始めたのだ。
韓国の民主労総は、この11月26日に非正規職労働法改悪阻止・権利保障立法獲得、韓日FTA交渉阻止、イラク派兵延長同意案阻止、国家保安法廃止を掲げてゼネストを貫徹し、盧武鉉(ノムヒョン)政権と激突している。もともと民主労総は、軍事独裁政権の弾圧下で御用組合の支配を現場から覆し、世界最強の戦闘的ナショナルセンターにまで成長したランク・アンド・ファイル運動なのだ。
日帝は日韓FTA交渉で労働組合の弾圧を要求している。FTAによる侵略は労組弾圧と一体なのだ。
また、ブッシュ政権のブレーン集団の機関誌である『ウィークリー・スタンダード』11月29日号は、北朝鮮転覆を叫び、その一環として、南朝鮮・韓国の盧武鉉政権への脅迫さえ始めた。「韓国のいくつかの大財閥は、『自分たちは破産させるには大きすぎる』と大口をたたいていたが、消え去った。……今の大統領が米韓関係が破綻(はたん)させるには大きすぎると言っていることの空疎さもわかるだろう」
こうした中で韓国・民主労総と日米の階級的労働運動とが団結することの意義は、計り知れないほど大きい。戦争当事国の労働者階級の団結は真の「インターナショナル」の形成なのであり、世界革命の闘いの始まりなのだ。
すでに現在、世界のあらゆる所で労働者階級の力強い闘いが巻き起こっている。03年の2000万人、04年の1000万人の全世界一斉イラク反戦デモという歴史上かつてない闘いに現在の階級闘争の高揚の力が示されているではないか。
労働運動の社民的・スターリン主義的歪曲、帝国主義的労働運動化と対決し、労働運動を労働者自身の手に奪還する闘いが巨大な前進を開始しているのだ。資本と真っ向から闘い、国家権力を倒して労働者が社会の主人となるのだ。そのキーワードが「ランク・アンド・ファイル(現場労働者、一般組合員)の闘い」なのである。
「資本とも国家権力ともとことん闘う。資本、国家権力との闘いに遠慮会釈はいらない。労働組合はダラ幹のものではなく、組合員のものだから」と誇りをもって主張する、解放感と戦闘性に満ちた闘いが巻き起こっているのである。
ランク&ファイルで労働運動再生へ
ランク・アンド・ファイル運動は、国家権力に屈服する既成労働運動を真の労働運動に再生させるための激突の中から生まれてきた。その具体的な闘い方は、職場の一般組合員自身の決起にとことん依拠するということだ。
だからそれは当然、労組ダラ幹との関係で鋭い激突性を持っている。同時に、労働運動の活動家層と職場の組合員全体との関係(そして労働者階級の究極的な解放をめざす共産主義者と労働者全体との関係)も提起している。
労働者全体の戦闘性、革命性をとことん信頼し、その先頭に立ち、それを促進し、それに依拠する活動家こそが真の活動家なのだという思想がランク・アンド・ファイル運動の思想である。左翼少数派に甘んじるのではなく、全体を獲得し、権力を獲得する運動だ。真剣に国家権力打倒をめざす運動なのだ。
アメリカのランク・アンド・ファイル運動の精華は、百万人労働者行進運動の中に示されている。
そして、こうしたランク・アンド・ファイル運動が国際的団結を死活をかけて求めるようになってきている。これが現在の世界の階級闘争の特徴だ。
労働者は世界史的な存在
もともと労働者階級は世界史的に生まれ、世界史的に存在している階級だ。
「プロレタリアートは世界史的にのみ存在することができるのであり、同じようにプロレタリアートの活動である共産主義ももともと『世界史的な』存在としてしかありえない。諸個人が世界史的に存在しているとは、すなわち諸個人が直接に世界史と結びついて存在しているということである」(新訳『ドイツ・イデオロギー』43n)
労働者一人ひとりが直接に世界史と結びついているのであり、ひとつの職場の闘いは直接に世界と結びついている。だから、先に「国際的団結を死活をかけて求めるようになってきている。これが現在の世界の階級闘争の特徴だ」と述べたが、それは、そうした本来の姿がよみがえりつつあるというだけのことだ。
戻った「だけ」と言えるのだが、この地平は、激闘の歴史の中で初めて切り開かれたものである。
国家権力を打倒し労働者が主人公に
第一インターの創立宣言
1864年、国際労働者協会(第一インターナショナル)が設立された。第一インターは、欧州諸国の労働者の嵐(あらし)のような決起の中で、諸国の労働組合、協同組合、諸政党によって形成された。労働者階級自体が世界性、革命性を持っていることを確信したマルクスは、創設プランを知るとすぐにその先頭に立った。
第一インターの創立宣言を見よう。
「さまざまな国の労働者は兄弟のきずなで結ばれ……この兄弟のきずなを無視するときには、彼らのばらばらな努力は共通の挫折という懲らしめをうけることは、過去の経験が示すところ」
「民族的偏見にはたらきかけ、略奪戦争に人民の血と財産をそそぎこむような対外政策をもってして、どうしてこの大使命を実現できるであろうか?」
「このような対外政策のためのたたかいは、労働者階級の解放をめざす一般的闘争の構成部分である。万国のプロレタリア団結せよ!」(マルクス「国際労働者協会創立宣言」)
創立宣言は略奪戦争反対を国際的団結の核心にすえている。現在のわれわれの課題とまったく同じだ。
またマルクス起草の「国際労働者協会暫定規約」は、冒頭で「労働者階級の解放は、労働者自身の手でたたかいとられなければならない」と宣言している。
労働者は誰かに救済してもらう対象ではない。客観的条件が有利に変化して労働者が解放されるというのでもない。国家に救済をお願いするのではなく、国家権力を打倒し、国家権力を握って、資本を収奪し、社会の主人になるのだ。
これは、すでに『共産党宣言』で、最初から最後まで貫かれている内容だ。
だが、これを第一インターの規約の冒頭にあらためて明示に宣言したことには理由がある。労働者の解放を掲げながら、労働者自身が闘って国家権力を打倒するのではなく、国家権力に依存し屈服する運動との闘いが不可欠だからである。
戦争に屈した第二インター
パリ・コミューンでは、フランス人労働者だけでなく、ポーランド人、イタリア人、ドイツ人などが国籍の区別なく立って闘った。第一インターの闘いの蓄積があったからこそ、パリ・コミューンの英雄的な闘いが成立したのだ。
だが、コミューンの敗北後、第一インターの時代は終わり、ドイツ社民党を軸にして1889年に第二インターが形成されていった。
ドイツ社民党は、マルクス主義を学び、そのもとで広範な労働者が戦闘的に闘った。だが、マルクス主義の核心である労働者自己解放の思想と実践をあいまいにし、国家権力に屈し、労働者を闘いの主体というよりも社会の変化の利益を受ける対象であると見る傾向に陥っていった。
マルクスは、1875年のドイツ社会主義労働者党(後の社民党)の綱領案(ゴータ綱領)に対して、『ゴータ綱領批判』を書かざるをえなかった。
ゴータ綱領案は、第一インター規約の「労働者階級の解放は、労働者自身の手でたたかいとられなければならない」を、「労働の解放は労働者階級の事業でなければならない」と改悪した。これは労働者自己解放の思想の事実上の否定である。その否定の意味は、その文に続く「労働者階級にたいして、他のすべての階級は反動的な一つの集団をなすにすぎない」という文言ではっきりする。労働者階級の革命性の強調のような雰囲気の言葉だが、実際には、国家権力の打倒をまじめに考えていないからこんなことが言えるのだ。また「さしあたり国民国家の枠の中で活動する」と労働者の国際性を事実上否定し、国民国家に屈している。
ドイツ社民党は、ビスマルクの1878年の社会主義者取締法による弾圧との闘いを経て、欧州諸国の運動と結合して第二インターを形成していくが、国家権力の打倒の問題をあいまいにしたままであった。
そして帝国主義の時代とともに、労組ダラ幹的な変質を深め、第1次大戦に際して、第二インターの主流は、なだれを打って帝国主義戦争に加担していった。それぞれが自国の帝国主義戦争に加担し、「インターナショナル」は崩壊したのだ。
第1次大戦とツィンメルワルド会議
レーニンは、カウツキーをマルクス主義の正統を守ってベルンシュタインらのあからさまな転向と闘ってきた先輩として学んできた。このレーニンにとって、第二インターの右派はもとより、正統派と思われていたカウツキーまで戦争協力の立場に転向したことは衝撃だった。ここからレーニンは、マルクス主義を再び学び直し、復活させていく。
レーニンの格闘と党派闘争
レーニンは、第二インターの裏切りとの党派闘争をあいまいにせず、革命的祖国敗北主義を正面から掲げ、帝国主義戦争を内乱に転化する闘いを推進していく。それは『帝国主義論』研究と不可分一体の作業だった。
このようにレーニンがこの裏切りと断固闘い、マルクス主義を原点に帰って復活し、1917年の革命に勝利することができたことには根拠がある。
レーニンは、ロシア階級闘争の実践の中で、ボルシェビキとメンシェビキの党派闘争を始めとして、さまざまな党派闘争、党内闘争を貫いてきた。第二インター内の諸潮流との闘いも貫いてきたのだ。
日露戦争の敗北情勢の中で闘われたロシアの1905年革命では、労働者階級自身が独自の勢力として圧倒的に決起して国家権力と激突し、ソビエトを形成した。これをレーニンは「臨時革命政府の萌芽」(「われわれの任務と労働者代表ソビエト」レーニン全集第10巻)ととらえ、その現実の中で革命党の任務体系を再構築するために格闘した。
これは、「後進的」「当面はブルジョア革命」と言われてきたロシアにおいて重大な問題だった。この格闘が帝国主義論の確立と1917年の4月テーゼ、そして10月革命勝利の下準備となったのだ。だからこそそれは同時に、第二インターの日和見主義との闘いの過程ともならざるをえなかったのだ。
決定的なことは、ロシアの国家権力との死闘の経験の蓄積だった。レーニンは、もちろん合法的な条件は最大限に活用した。だが、合法活動の根底にも階級対立の非和解性を貫かなければ、合法活動さえ本当には貫けないことを確信していた。
合法主義は結局は、労働者の闘いに確信を持たず、国家権力の力を絶対視するものだ。だから、どんなに合法活動の条件が広範に存在する時であっても、合法主義は、労働者自己解放とは相入れない抑圧的なものなのだ。
ここで現代の韓国民主労総の闘いを見よう。
韓国の法律では、教員の労働組合は違法だった。だが教育労働者は、法律による弾圧と闘いながら実力で組合を認めさせていった。
イギリスでは、03年イラク開戦の直前には鉄道運転士労組、ASLEFの組合員2人が軍需輸送を拒否した。イギリスの法律では違法だ。この闘争は執行部の指令に基づくものではなかったが、執行部は現場の自発的闘争を賞賛し、労組あげて支持闘争を行い、2人を守り抜いた。
この正反対がJR総連の頭目、ファアシスト松崎明だ。
「戦争が起これば軍需輸送ということもありえますよね。……法律で決まっていることは犯さないということ。労働組合としてははっきりしている」(『創』12月号)
こうした軍需輸送=大量虐殺を率先して担い、それに反対する者に襲いかかるファシストが「法律」を振りかざすことも忘れてはならない。
第二インターの裏切りに直面し、帝国主義戦争に反対する潮流の代表38人がスイスのツィンメルワルド村で国際会議を行ったのは1915年9月、大戦勃発(ぼっぱつ)から約1年後のことだ。
第二インター内の戦争協力勢力は圧倒的多数であり、反戦派の勢力は小さかった。ツィンメルワルド会議自体も、戦争に協力する第二インター主流との対決を避ける勢力が多数派だった。
だが、この不利な状況下でもレーニンは、「帝国主義戦争を内乱へ」と「自国政府の敗北」を訴え、ツィンメルワルドの左派を組織して、後のロシア革命の勝利と第三インターナショナルの建設を準備していった。
「現在の戦争は、帝国主義によって生み出されたものである」
「労働者階級は、おおっぴらな日和見主義および社会排外主義とも、またマルクス主義の陣地を排外主義者に明けわたしたいわゆる『中央派』とも、断固として闘争することなしには、自分の世界史的目的を達成することができない」
「社会主義者の責務は、……諸国民間の帝国主義戦争を、抑圧者にたいする被抑圧諸階級の内乱に、資本家階級の収奪をめざし、プロレタリアートによる政治権力の奪取をめざし、社会主義の実現をめざす戦争に、転化させるように努力することである」(「ツィンメルワルド左派の決議草案」レーニン全集第21巻)
これは、現在のわれわれの任務そのものだ。
スターリン主義打倒が必要
スターリン主義は、「一国社会主義論」によってロシア革命と第三インターナショナルを変質させ、世界革命に敵対する反革命となった。世界史的存在としての労働者階級が帝国主義国家権力を打倒することを恐れ、襲いかかってきた。
だが今では、労働者階級の長い苦闘の中でスターリン主義との闘いの多くの経験が歴史的に蓄積されてきている。
今こそ全世界の労働者の団結で反帝国主義・反スターリン主義世界革命を実現しよう。
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