SANRIZUKA 日誌 HP版   2002/01/01〜31    

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 2002年1月

 

〔週刊『三里塚』編集委員会HP部責任編集〕 

(1月4日) 空港公団総裁、年頭会見で抱負「平行滑走路完成へ努力」(1/5毎日、朝日、東京、各紙の千葉版)

 新東京国際空港公団の中村徹総裁は4日、年頭の記者会見で「4月の暫定平行滑走路供用開始が今年一番の目標だが、本来計画の2500メートル平行滑走路完成は大きな課題。『話し合い解決』の基本姿勢を崩さず、引き続き努力を重ねたい」と新年の抱負を語った。
 中村総裁は暫定平行滑走路について「暫定滑走路ができ、滑走路のごく近くが住まいになる方がいる。やれることには限りがあるが誠心誠意、相手の立場に立って騒音などの対策を行いたい」と、平行滑走路予定地内に住む反対派農家などへの配慮も見せた。

 【本紙の解説】
 中村空港公団は年頭に、暫定滑走路の開港で当初計画の2500メートルにすることが2002年の最大課題と宣言した。暫定滑走路の供用開始による騒音で「滑走路のごく近くが住まいになる方」をたたき出す魂胆である。「話し合い解決」が基本といっているが、100デシベルの騒音は暴力的地上げ行為そのものである。
 公団は、人家の頭上40メートルに航空機を飛ばずという国家的犯罪行為を自覚している。その犯罪を隠蔽するためにも、敷地内と周辺農民切り崩しにやっきになっているのである。

(1月7日) 「魅力ある成田空港推進協」発足(1/8千葉日報、各紙千葉版)

 今年4月の暫定平行滑走路の供用開始を前に、国内線の誘致を目指した「魅力ある成田空港推進協議会」が7日発足した。設立発起人は堂本暁子知事や中村徹・新東京国際空港公団総裁、小川国彦・成田市長、相川勝重・芝山町長、千葉滋胤・県商工会議所連合会長ら7人。協議会は、国際交流の拠点にふさわしい魅力ある空港づくりや地域づくりを推進するとともに、国内線の充実による空港機能の向上と地域振興を図ることを目的としている。
 総会後に堂本知事ら推進協のメンバー5人は国土交通省を訪れ、深谷憲一航空局長と会談。堂本知事は「成田空港をより乗り心地がよく、居心地よくしていくため積極的に施策を展開するので、国内線をもっと増やしてほしい」などと要望。国との連携について、堂本知事は取材に「国はできる限り協力するとのことだった。連携しながら進めていきたい」と答えた。
 その後、日本航空・兼子勲、全日空・大橋洋治の両社長をそれぞれ都内に訪ねて、国内線の充実を求める要望書を手渡した。これに対し「皆さんの熱意にできるだけ前向きに対応したい」など、航空会社として地元の動きを歓迎するものの、具体的な回答には踏み込まなかった。

 【本紙の解説】
 国内線誘致のためのイベントやキャンペーンに取り組むというが、深刻な不況の中、イベントやキャンペーンで需要をつくることはできない。潜在的に観光資源があれば別だが、千葉県には残念ながらない。また、観光に依拠していない例外的な県が千葉県なのである。県庁に観光局もなければ、観光部も、観光課もない。観光誘致のための出張所を県外の主要都市に設置するのが、他府県の例だが千葉県にはそれもない。
 千葉県が各航空会社に路線拡大を要望したが、効果は望めない。国交省から直接、国内線充実を要望されたのであれば日航・全日空とも動く可能性はある。国内ドル箱路線の割り振り問題で国交省の意向には逆らえないからだ。
 現在、日航と日本エアシステムの統合による羽田の国内線枠割り振りが問題になっている。主要幹線を3社均等に近い割合で分けていたが、全日空がそのままでは不公平だと主張している。国際線が赤字で、唯一黒字が見込まれるのが国内主要幹線なのだ。それゆえ国交省の意向には逆らえない。
 しかし、千葉県の要望を無視しても航空会社には何の不利益も生じない。県の要望を航空会社が表面的に「歓迎」しても、「具体的な回答」はありえなかった。
 「魅力ある成田空港推進協議会」は、四者協が事実上破産している中で敷地内切り崩し機関になっていくのか。

(1月9日) 暫定開港阻止三里塚ゲリラ戦闘敢行される

 千葉県香取郡神崎町大貫にある千葉県幹部、「成田空港周辺地域対策共生財団」の初代事務局長宅に火炎攻撃が敢行され、車庫などが全焼した。詳細は本紙参照。

(1月9日) 成田空港/テナント料2割減免(1/10読売、東京各千葉版)

 公団は9日、9・11以降、旅客の落ち込みが続く航空会社や飲食店など空港内の約300の事業者に、今月分から3か月間の建物賃貸料と構内営業料金を一律2割減免すると通知した。
 事業者救済の減免措置は1978年の開港以来初めてで、減免総額は10億円を超える見込み。公団幹部は「経営が悪化しているテナントなどが相次いで撤退すれば、旅客サービスの低下となるばかりか、日本の表玄関としての体面にもかかわる」として決めたという。
 同公団によると、昨年10月の旅客数は前年同期比で32パーセント減となり、湾岸戦争時を上回り開港以来最悪の減少率を記録した。旅客の減少が売り上げに直結する空港内テナントの打撃は深刻で、ある飲食店主は「一時期は7割も収入が減った。おまけに不景気のせいか、客の財布のひもは固い」と嘆く。公団には各店から「このままでは春の暫定滑走路オープンまで持ちこたえられない」との声が上がっていた。
 公団では「暫定滑走路の4月オープンや、サッカー・ワールドカップの開催まで、持ちこたえてもらいたい」としている。

 【本紙の解説】
 年末年始でも航空需要の落ち込みが上昇に転じることがなかったため、テナントを維持するための減免に踏み切った。このままでは暫定滑走路のオープンまでにテナントに空きが生まれ、シャッターが閉まったままになりそうなのだ。
 テナント料を3カ月間減免する措置は、暫定滑走路のオープンまで零細テナントを倒産させない方策ではある。しかし4月以降、旅客が増加する保証はない。欧米の経済予測では、航空需要の回復には少なくとも3、4年はかかるとなっている。また3、4年後に、さらに経済そのものが収縮し、回復は根本的に無理ともいわれている。航空旅行者の絶対数が落ち込んでいるので、暫定滑走路の供用開始で発着便が増加しても、赤字が拡大するだけで客は増えない。
 3カ月のテナント料減免という事態は、成田空港の現状の危機を示す大変な数字である。だが、このような方策では、現在の景気後退と航空需要落ち込みの影響はおよそ乗り切れない。

(1月10日) 全日空/フェアリンク、中日本エアと共同運航

 全日空は、名古屋を拠点とする中日本エアラインサービス(本社・愛知県豊山町)、仙台拠点のフェアリンク(同・東京)の2社と組み、4月から国内線で初の共同運航を始める。成田空港の2本目の滑走路供用(4月)に伴い、2社に新規配分される枠が対象。全日空は国際線への乗り継ぎを増やし、2社は集客力向上を図る。
 成田での国内線の配分が近く決まるのを踏まえ正式に決定する。中日本は成田と名古屋を結ぶ路線で、フェアリンクは成田と仙台、札幌と結ぶ路線を、それぞれ就航させる予定。その際、機体は2社の自社機を使い、全日空と共同運航する。
 中日本は、名古屋から四国や山陰などへ1日11便を運航。一方、フェアリンクは仙台―関西を同3便運航している。

 【本紙の解説】
 全日空と中日本エアライン、フェアリンク社との国内線の共同運航は、航空業界の危機の中での再編・統合、寡占化の現れである。日航と日本エアシステムの統合に対抗しての共同運航である。
 しかし、仙台―成田、名古屋―成田という路線は営業路線としては成立し難い。仙台、名古屋は新幹線乗車約2時間前後で東京につながっている。便としては、国際線との乗り継ぎ便だけになる。千葉観光もあり得ない。千葉観光で房総半島に行く場合は、成田空港からは不便になる。東京駅からは房総へ特急でつながっているが、空路で成田経由では、千葉まで出なければならい。そのため成田から房総に行くには、東京駅から目的地まで特急列車でいった方が便利で早い。
 国際線の乗り継ぎ便だけでは採算はとれそうにない。全日空の札幌―成田路線、名古屋―成田路線の搭乗率はそれぞれ44パーセント、58パーセントで、採算ベースの60パーセントを切っている。採算ベースを保持しているのは伊丹―成田の66パーセントだけである。
 この札幌、名古屋、伊丹の数字も、全日空機使用の国際線旅行パック料金で乗り継ぎ便費用をサービスしているケースが多い。
 中日本エアライン、フェアリンクも保有機は50人乗りの小型ジェット機で座席数が少なく、安売りチケットは設定しにくい。結局、全日空が買い取り、国際線客への乗り継ぎサービスで搭乗率を埋めていくのか。しかし、国際線チケットもダンピング気味の安売り合戦になっており、全日空に国内線分を出血サービスするだけの体力はない。
 結局、成田の国内線はどうあがいても成り立ち難い。

(1月10日) 総務省/成田空港の改善求める

 総務省関東管区行政評価局は、成田空港を対象にした「空港における利用者の利便性の確保に関する行政評価・監視」結果をまとめ、11日に新東京国際空港公団総裁あてに通知する。出発・到着ロビーのボードをだれもが利用しやすい表示方法にするなど、14項目の改善事項を盛り込んだ。2月末までに文書で対策を回答するよう公団側に求める。
 利用者の利便性向上について、成田空港第2ターミナルビルの出発・到着メーンボードが英語表示のみのため、英語表示と日本語表示が交互に切り替わる表示法を取るよう求めている。またトイレの案内表示が見えにくいことや、総合案内板に警察官詰め所の表示がないことも改善点に挙げた。
 さらにバリアフリーの推進面では、「人工肛門(こうもん)や人工膀胱(ぼうこう)の身体障害者が利用できる便所がなく、手すり付き低床式小便器・洗面器が設置されていない」と指摘した。

(1月13日) 反対同盟の年頭デモと旗開き
 反対同盟の年頭デモが、平行滑走路用地内の天神峰から東峰神社にかけて行われた。その後、芝山町の芝仙会館で150人が集まり、新年旗開き。詳しくは本紙参照。以下は反対同盟の年初の闘争宣言。

 ■「2002年闘争宣言」 三里塚芝山連合空港反対同盟

 4・18暫定滑走路開港と対決する決戦の年、2002年を迎えた。反対同盟は暴虐きわまる追い出し攻撃を粉砕し滑走路延長を絶対阻止する。戦争反対への思いのすべてを注ぎ、本格的に動き出した有事法制―改憲攻撃と闘う決意である。
 9・11反米ゲリラを口実に日本の戦争体制づくりが一変した。小泉内閣はテロ対策法を成立させてアフガン人民虐殺の残忍な侵略に参戦した。さらに「不審船」を銃撃し沈没させるという衝撃的な戦争挑発に踏み切った。21日召集の通常国会では有事法制の段階的制定がもくろまれている。戦争陣地構築のための土地収用、部隊移動のための道路法改悪など人民の権利を侵害する法整備が真っ先に強行されようとしている。
 今すべての人民に、戦争に協力するか否かが問われている。三里塚闘争を闘う者は、反戦・反核の砦としての矜持(きょうじ)にかけて総決起しなければならない。三里塚の敗北は戦争への道である。反対同盟は軍事空港建設を阻止し、沖縄、北富士、関西とともに反戦闘争の先頭にたつ決意である。
 不況は深刻さを増し、リストラと賃下げ、増税と社会保障制度の改悪が労働者人民に襲いかかっている。戦後最悪の資本攻勢と切り捨て攻撃に対して、動労千葉とともに「労農連帯」の旗を高々と掲げ闘おう。
 体を張った実力闘争にこそ人民の未来がある。これが35年間闘い続けてきた三里塚の実感である。われわれは必ず勝利する。暫定滑走路の惨状がその証左である。
 反対同盟は暫定滑走路開港に対して成田空港の破産を宣言する。“平行滑走路は破産した”“短縮欠陥の暫定滑走路は延長できない”――開港はこの惨状を全世界にさらけだすであろう。開港による追い出し攻撃を実力で粉砕する。
 3・31現地闘争、4・14全国総決起集会への大結集を呼びかける。2002年の闘いの勝利へともに前進しよう。
 2002年1月13日

(1月14日) 空港反対・熱田派旗開き(1/15読売、毎日、東京各千葉版、千葉日報)

 成田空港暫定平行滑走路に反対する三里塚芝山連合空港反対同盟・熱田派は14日、2002年旗開きを芝山町香山新田の横堀農業研修センターで開いた。
 旗開きには同盟員や支援者など約60人が参加した。4月18日の暫定平行滑走路供用を目前に控え、柳川秀夫世話人が「今年は試練の年。飛行機が飛ぶことを黙って見ているわけにはいかない」として「実質的に効果のある行動をしていきたい」とあいさつ。
 もう一人の世話人である石井武氏も「飛行機を絶対に止める。個人的に決めていることがある。覚悟して臨んでもらいたい」と支援者の決意を促した。

 【本紙の解説】
 熱田派(脱落派)も、島寛征、石井新二、相川勝重、石毛博道など脱落分子の裏切りを総括し、この「年頭あいさつ」のように闘いぬいてもらいたい。だが、柳川世話人の「実質的に効果のある行動」という言葉は気になる。島や新二らが「実質的に効果ある行動」との言葉で、何度も反対同盟を「話し合い」に引きこもうとし、事実、引き込んで三里塚闘争を決定的に傷つけてきた歴史があるからだ。それにくらべ、病身の石井武世話人の言葉には真実味がある。だが、かつて脱落派は一方で「実力闘争」を押しだし、その裏では常に「話し合い」を探ってきた。
 ひとつのエピソードを明かそう。
 運輸省(当時)と脱落派が、公開シンポジウム(91〜93年の政治的談合)に向かっていた時、石毛博道が中核派に「共闘」を申し入れてきたことがあった。共闘とは「中核派には(収用委員会解体に続く)ゲリラ戦を徹底的にやってもらいたい。われわれは話し合いで事業認定を取り下げさせるから」というもの。われわれは当然にも拒否したが、この石毛の言動に当時の脱落派の本質が現れている。
 彼らの言う実力闘争は「話し合い」の手段でしかないのだ。その結末が円卓会議(93〜94年)での全面屈服だった。何と脱落派は、多くの反対農家が残る平行滑走路の建設を、地権者を無視して「承認」してしまったのだ(円卓会議最終報告)。石毛らはこの裏切りで多くの「見返り」を受け取った。
 現在の暫定滑走路の暴挙は、この運輸省と脱落派の「合意」を口実に進められている。そして、転向した石毛は今や建設推進派の最右翼だ。この「話し合い」の顛末はあまりにも教訓的である。

(1月16日) 昨年の出国者3年ぶり減/減少率最大の7パーセント前後に(1/16日経)

 2001年に観光や商用などのために出国した日本人の数が、米同時テロの影響で3年ぶりに前年を下回った。国土交通省所管の国際観光振興会によると、昨年1〜11月の出国者数は前年同期比7・3パーセント減の1519万人にとどまり、未集計の12月分を加えても前年の水準(1781万人)に届かない。前年比の減少率が過去最大になった可能性もある。
 昨年の日本人の出国者数は8月まで過去最高のぺースで増えていたが、9・11後は海外旅行や海外出張を手控える動きが急速に強まり、大幅な減少に転じた。前年同月比でみた減少率は10月に39・9パーセント、11月に41・9パーセントと2カ月連続で過去最大を更新した。
 暦年で前年比の減少率が最大だったのは、アジア通貨危機や日本国内の景気低迷で出国者が減った1998年の5・9パーセント減。湾岸戦争の影響がでた91年は、戦争終結後に海外旅行が急速に持ち直したため前年比の減少率は3・3パーセントにとどまっていた。

 【本紙の解説】
 この出国者の減少はそのまま、航空需要と旅行需要の落ち込みになる。しかし、この落ち込みは1、2年で終わるものではない。回復には早くても数年かかる。もう当分回復しないともいわれている。
 JTBや日航などの景気予測は、今年下半期に航空需要の落ち込みは回復するというものになっている。この甘い予測で事業計画をたてている。需要回復を91年湾岸戦争時にみたてているが、それは間違いだ。今回の需要落ち込みの根拠は、経済の後退を主要な要因としている。契機は確かに9・11だったが、それはきっかけでしかない。世界経済そのものが収縮過程に入り、底なしの景気後退となっている。1929年型の大恐慌過程に確実に入っているのだ。経済規模そのものが縮小している中で、航空需要や旅行業界だけが先んじて回復することはない。
 ちなみにJTBの予測は「海外旅行が早春から急回復し夏場には対前年を上回り、年間では前年比2.7パーセント増の1664万人」(JTBの2002年の旅行動向見通し)というもの。日航は「2001年度下期には国際旅客需要が低迷しましたが、11月中旬には底をうち、需要回復の傾向に転じております。その傾向は、2002年度も継続し、上期中には元の成長軌道に戻るものと想定しています」(日航2002年度の国際線、国内線運航計画)である。
 こんな甘い予測で事業計画を立てた日には、企業の存続もおぼつかなくなるだろう。両業界とも、右肩上がりの神話がいまも続いているとでも考えているのだろうか。

(1月16日) アジア3路線日本航空新設(1/17朝日、読売、日経、千葉日報)

 日本航空は16日、アジア路線の拡充などを盛り込んだ02年度の路線計画を正式発表した。国際線は3路線を新設。国内線でも、羽田の7月の増枠を活用し、3路線を開設する。01年度当初計画比での便数は、国内線で5パーセント、国際線で4パーセント増える。うち成田発着の国際線の便数は18パーセント増となる。ただ、需要回復が遅れている欧米路線を中心に、9・11後の減便・運休を継続したり、追加したりしている。

 【本紙の解説】
 成田発着の便数を「18パーセント増」としているが、数字にペテンがある。減便や休止便はマイナスに数えずに、新設・増設予定分だけをプラスに計算して、18パーセント増となっている。こんな計算方法はない。
 現在は運休しているが下半期には需要回復で再開する「予定」だと。それで減便として計算しないというわけだ。これはウソに等しい。
 また、欧米便とアジア便では価格で半額以上の開きがある。航空機の運用日数も欧米便の方が倍以上になる。それを計算すると、たとえ欧米便と同じ便数をアジア便に振り替えても、運航距離や運賃計算でみた場合はかなりのマイナスになることは確実である。

(1月16日) ハワイ日本人客回復傾向(1/17朝日)

 9・11の影響で減っていたハワイヘの日本人客が戻りつつある。ハワイ観光局が16日まとめた訪問者動向によると、昨年末まで前年の半分の水準だったが、年明けから次第に回復。最近では8割台に持ち直した。同観光局は「世界情勢が安定し、不安が解消されつつあるのではないか」とみている。
 日本からの訪問者は昨年9月が前年の56パーセント、10月46パーセント、11月41パーセントと低迷。12月も50パーセント台にとどまった。だが、1月は徐々に回復し、14日は85パーセントになつた。
 例年、観光客が多い正月休みにかかっているとはいえ、観光局は「安全となれば、いい意味の横並び意識で回復する」と期待。1〜3月期は7割台と見込んでいる。

 【本紙の解説】
 ハワイ観光局と日本の航空業界・旅行業界はハワイ観光の需要回復を心待ちにしている。そのために、正月の特例的需要も「回復」と計算したいらしい。1月下旬からまた、若干は回復するものの、昨年の落ち込みを引き継ぐものとなるであろう。また、正月の「回復」といっても、旅行料金の大安売りで実現したものであり、航空業界と旅行業界の出血大赤字でひねり出したものにすぎない。当然にも利益はなきに等しい。

(1月17日) 成田空港暫定滑走路完成検査合格(1/18全紙)

 成田空港の暫定平行滑走路(2180メートル)が17日、国土交通省の完成検査に合格した。新東京国際空港公団は同省に同滑走路の供用開始日を「4月18日」と届け出、オープン日が正式に決まった。78年の開港以来滑走路1本で運用してきた同空港。新滑走路供用開始による経済波及効果などが期待されるが、本来計画の2500メートル平行滑走路の用地交渉はなお難航するなど課題も残る。
 中村総裁は記者会見で「日本や世界の発展に貢献できる滑走路にしたい」と抱負を語り、「ただ2180メートル滑走路はあくまで暫定。地権者の方と誠心誠意話し合いをはかり、本来の2500メートル滑走路を建設するという重い課題に取り組みたい」と述べた。

 【本紙の解説】
 暫定滑走路が国交省に認可され、4月18日の供用開始が決定した。中村公団総裁は2500メートルの滑走路建設という課題にただちに取り組むと表明している。
 これは二重三重に自分の約束ごとを反古にする言葉である。
 そもそもシンポ・円卓会議では「平行滑走路の必要性は認める。その建設は地権者の同意をもって行う」とした。暫定滑走路の工事を地権者の合意なしに強行したことは、この円卓会議の合意事項違反である。
 公団は、暫定滑走路は地権者の土地を外した計画(軒先まで滑走路を造る)だから、合意違反ではないと強弁してきた。では、公団総裁の名で「2500メートル平行滑走路」に取り組むという表明はどういうことか。もう地権者の合意云々は公式に反古にするとの表明なのか。国の責任で立場を明らかにすべきだ。
 公団は昨年11月20日付で、国土交通相に対し、B滑走路の完成予定期日を2001年11月30日から2004年3月31日に変更する申請を行い、同日付で国土交通相の認可を受けている。2年4カ月の延長だ。04年3月31日が平行滑走路の新しい完成予定期日となった。
 しかし、このことを国交省も公団も公表していない。平行滑走路は当初「1990年度完成」を目標に86年に着工したが失敗。92年に第2ターミナルビルなどの完成をもって「二期工事概成」と強弁し工事を中断した。次は「2000年度完成」だといって97年に工事を再開したが、99年5月に断念。
 そして、短縮した「暫定滑走路」に切り替え、「2001年11月完成、2002年6月供用開始」の計画で、1999年12月にみたび工事を再開した。この暫定滑走路は、用地買収のめどが立った場合、ただちに当初計画(2500メートル)に切り替わるとされた。つまり、平行滑走路は「90年度完成」「2000年度完成」「2001年度完成」の3回の計画がすべて失敗に終わったのだ。現在も暫定滑走路のままとん挫している。
 こうなると「2003年度内完成」などと、4度目の完成目標を公表する自信もないということだろう。
 暫定滑走路を当初計画に戻すということは、実際は北にずらした800メートル分があるので、3300メートル滑走路ということになる。さらに、南端にC滑走路分との重なりが約400メートルあり、これも事実上の滑走路となる。これで3700メートルの巨大滑走路になる計算だ。騒音被害もさることながら、巨大軍事基地となる滑走路である。絶対に許してはならない。

(1月17日) 新高速鉄道/土屋地区関係者ら新駅設置へ促進協発足(1/18千葉日報)

 成田新高速鉄道で、成田市士屋地区への新駅設置を働きかける「成田新高速鉄道(仮称)土屋駅誘致促進協議会」(会長・安井民夫土屋区長)が発足、17日、促進協関係者らが小川国彦・成田市長に土屋駅実現への協力を要望した。
 成田新高速鉄道で未着手の北総線・印旛日本医大駅―土屋地区間の停車駅について、国・県などによる検討委員会が昨年末、「中間駅は成田ニュータウン北新駅」とする調査報告書を発表。新年度予算案でも「成田ニュータウン北新駅」設置のみが位置付けされた。
 土屋地区はかつて、成田空港建設のための資材基地や、燃料パイプラインが完成するまでの暫定燃料基地として空港建設に協力。70年2月には市が行った開港に向けた45項目要望の一つとして土屋駅設置も盛り込まれ、当時の運輸省幹部から「十分考慮する」との回答があった。
 このため、「当初は国も約束していたのに、話が違う」として、新駅周辺の土屋、中郷、美郷台、寺台などで昨年秋に署名運動を実施。約5000人の署名が集まったのを受けて、これらの住民代表らで14日に促進協を立ち上げた。
 17日は土屋区役員ら約20人が小川市長を訪れ、協力を要望。小川市長も「当然設置されないといけない駅。市百年の大計に立ち、北新駅とともに一致協力して対処したい」と答えた。

 【本紙の解説】
 成田新高速鉄道は「都心と空港を30分台で結ぶ」とうたい文句なので、途中駅をもうける計画は乏しい。途中駅の設置は、北総公団線の延長であり、きわめてローカルなものになる。つまり、新高速鉄道のBルート案というのは、ローカル線である京成(日暮里―高砂)、北総公団線(高砂―印旛日本医大)と成田空港高速線(土屋―空港)のインフラを使って約10キロを新設し、日暮里と空港をノンストップでつなごうとする計画。一般特急も運行させるが、基本構想はノンストップである。そのために、途中駅の構想はあまりない。
 成田新高速鉄道が完成すると、現行のスカイライナーはすべて新高速鉄道側で運行され、成田本線からスカイライナーはなくなる。これだけでも、成田の観光立地にとってマイナスだ。新高速鉄道ができても、途中駅はニュータウン北駅で成田の中心とは言い難い。それで土屋駅の設置運動を起こしたが、土屋駅ができたとしても、一般特急の多くが新高速鉄道側に回った場合、現在の京成成田駅はますますローカルで不便な駅になる。成田新高速鉄道は成田市の繁栄にとっては有害無益なのだ。
 JR新幹線でも、開通してから前より不便になったという地方の町は数多い。成田市もそうなりそうだ。

(1月18日) JAS、成田で国内線運航せず(1/18読売)

 日本エアシステム(JAS)は18日までに、成田空港の暫定滑走路が4月18日に供用開始された後も、同空港発着の国内線は運航しない方針を固めた。同社は国際路線が少なく、成田での乗り継ぎ客の確保が難しいと判断した。
 同社広報室は「日本航空や全日空にくらべ国際路線が少なく乗り継ぎ客が集まりにくい」と、採算面での不安を挙げる。同社の運航する最も小型の旅客機が134人乗りで、成田空港の国内線には座席が多すぎるのも理由の一つ。
 JASが国内線を就航させないことについて「魅力ある成田空港推進協議会」の関係者の一人は、「採算面を言われるとどうしようもない。本県に来てみようかと思わせる魅力を、何とか打ち出していかなければ」と話している。

 【本紙の解説】
 成田の国内線は、国内線充実対策検討会での検討もむなしく、暫定滑走路完成後も寂しいかぎりとなりそうだ。
 これまで公表された暫定滑走路の国内線増便予定を見てみよう。
 日航は成田―名古屋線を4月18日以降1便だけ。しかもこの路線は、いままで国際線の一部として運航していたものを、この区間だけの利用もできるように4月から独立路線として追加するものだ。差し引き増便はゼロである。
 JASは記事の通りゼロ。
 全日空は、フェアリンクおよび中日本エアとの間でコードシェア結び、成田から仙台、福岡、札幌の3路線を50人乗り小型ジェットで運航する。コードシェアだけなので、全日空本体のリスクはない。各路線で2、3便となる見通し。全日空そのものは既存の成田―札幌、伊丹、名古屋線を維持するだけだ。
 日航、全日空とも既存路線の維持だけ。増便は小型ジェットで1日8便前後だけになりそうだ。ただし、小型ジェット機で採算がとれるかどうかは未知数だ。続くわけがないとの声も多い。
 本紙が再三いってきたように、成田の国内線は、国際線との乗り継ぎ便しか意味がない。その乗り継ぎ便が採算に乗らなければ増便しようもない。国内線充実対策検討会が、千葉県にゲタを預けて逃げだしたのも無理はない。「魅力ある成田空港推進協議会」は、今月7日に発足したばかりだが、最初から暗礁に乗り上げている。「千葉の観光」を空路で呼び寄せるという発想自体が、どだい無理な相談だったのである。

(1月18日) 成田空港/重機にはさまれ作業員が死亡(1/18産経)

 18日午後2時ごろ、成田市三里塚の成田空港内のエプロン造成工事現場で、鉄くいなどをクレーン車でトラックに積み替える作業をしていた、君津市川谷の軍機オペレーター、広瀬貴則さん(49)がクレーン車を固定する支柱とクレーン車の間に挟まれた。広瀬さんは病院に運ばれたがまもなく死亡。新東京空港署で詳しい事故原因を調べている。

 【本紙の解説】
 暫定滑走路建設で、この1年間で3人目の犠牲者である。昨年3月14日に、アルバイト作業員の福原洋介さん(22)がショベルカーのショベルが頭に当たり即死している。同5月14日に、金沢元好さん(54)がセメントと採石や砂を混ぜ合わせるプラントのミキサーに巻き込まれ死亡した。
 死亡事故の原因はすべて暫定滑走路の早期完成・供用開始を強制し、安全面を軽視した公団にある。このことは事故のたびに警告した。にもかかわらずおこった惨(むご)たらしい死亡事故である。
 公団が突貫工事を下請け工事会社に強制している。そのために安全確認の基礎的事項も守れないことから、事故はおこっている。
 公団はいままで事故のたびに、「今回の事故を踏まえ、再度安全を徹底する」との内容のコメントを発表したが守られたためしはない。今度はそのコメントもない。
 自分の退職前にどんなことがあっても暫定滑走路をオープンさせようとした中村総裁に一切の責任がある。

(1月21日) 横芝中学校の移転予定地 飛行コースの直下に(1/21千葉日報)

 横芝町が移転を計画している町立横芝中学校の予定地が、今年4月に供用開始される成田空港暫定平行滑走路の飛行コース直下になることが指摘され、安全性が問題視されている。町は「憂慮しているが、町内全域が飛行の影響を受ける。各条件から候補地で一番いいところを選んだ」としている。
 選定では、現在の中学校から約300メートル北側を第一候補地に決定。地権者説明会が開かれ、用地価格決定のための不動産鑑定をおこない、町議会の可決を受けて、用地買収の合意へ向けた折衝に入った。
 ここで問題が浮上した。成田空港の暫定平行滑走路に伴う飛行コース下になるということである。
 元町議(66)は「町当局は選定から決定段階では分かっていたはずでおかしい。建設に反対しているのではなく、これから作る学校だから安全第一なはず」と疑問を投げかけ、「一日約170便の離発着がある」とも訴えている。
 越川浩一町教育長は「(飛行コース直下は)町民から指摘され憂慮しているが、これまでの飛行コースと平行のコースに挟まれ町全体が影響を受ける」。また、「『谷間の方が騒音はひどい』『現在から近いところがいい』などの意見や予定地横の県道計画で歩道確保ができる地形、地盤などから侯補の中で一番いいところを選定した」と理解を求めている。
 予定としては02年度の新年度から買収を進め、校舎設計後05年度内の建設、06年度開校を予定している。

【本紙の解説】
 横芝中学移転予定地は暫定滑走路の南端から約15キロの地点にある。移転廃校で問題になった久住中は北端から約4キロの飛行コース直下にある。
 空港という物は、飛行コース20キロまで騒音、落下物で平穏な生活が妨害され、危険にさらされる。昨年11月12日にニューヨークで後方乱気流を契機に発生したアメリカン航空機墜落事故の例などをみれば、空港の周辺20キロまでは完全に危険地帯になる。
 1月21日に、成田空港北側に乱気流が発生したために成田空港に着陸できずに他空港に着陸地を変更した便が35便あった(記事参照)。今回は乱気流の発生を察知できたが、察知できずにニューヨークのような事故がいつ発生してもおかしくない。
 比較的安全な地域への移転も重要だが、空港周辺で確実に安全な地点はない。騒音対象から外されている『谷間の方が騒音はひどい』とう声もあるのも事実である。飛行コースをはずれて飛んでいる航空機も多い。空港建設の経済効果も叫ばれているが、享受できるのはごく一部の人だけである。生活的にも経済的にも、空港はプラス効果より実はマイナス効果の方が大きいのだ。

(1月21日)  乱気流・35便着陸できず(1/22朝日)

 新東京航空地方気象台は21日午後1時過ぎ、成田空港上空でマイクロバーストと呼はれる激しい乱気流を観測した。このため、成田への到着便は次々に目的地を変更。午後7時までに、35便が羽田空港や関西空港などに目的地を変えた。78年の同空港の開港以来、乱気流を理由にこれだけ多くの航空機が目的地の変更を強いられたのは初めて。
 相次ぐ変更の影響で、出発便に回す航空機の機材繰りが難しくなり、出発にも大きな影響が出た。
 空港公団によると、乱気流を原因とする目的地変更は、同空港では過去に3例3便しかないという。

【本紙の解説】
 マイクロバーストとはダウンバーストの分類のひとつ。ダウンバーストは、積乱雲の下で冷気を伴った激しい下降気流ができ、それが地表面にぶつかり強風を伴いながら水平方向へ拡がっていく現象。
 規模により次の2つに分類される。マクロバーストは大型で水平方向に4キロメートル以上の拡がりをもち、マイクロバーストは小型で水平規模は4キロメートル以下だが強風は75メートルに達することがある。そのため、ここを通過する大型航空機の揚力が急変して急激に下降し、最悪の場合は地上にまで落下する。運航上危険で、過去にも何回か事故が発生している。
 埼玉県美里町の突風(94年9月)など、日本でも年に2〜3回のマイクロバーストが確認されている。
 また発生についての定説はなく、予報はできないという。日本では埼玉、千葉の利根川流域がこのマイクロバーストが発生しやすいところである。
 このマイクロバーストによる乱気流とは別に、空港周辺では滑走路を離陸した航空機のすぐ後に後方乱気流が発生する。そのため空港では離陸間隔を最低2分と定めている。しかし、成田空港の過密な現実はその間隔もラッシュ時は守られていない。
 やはり空港と航空機は危険なものである。

(1月21日) 誘致促進協議会が土屋駅設置を陳情(1/22産経、東京千葉版、千葉日報)

 成田新高速鉄道で、成田市土屋地区への新駅設置を求めている「成田新高速鉄道(仮称)土屋駅誘致促進協議会」(安井民夫会長)は21日、県や国土交通省を訪れ陳情した。
 陳情には促進協会員や小川国彦・成田市長、渡邊昭・市議会議長ら約35人が参加した。促進協事務局によると、県への陳情で堂本知事は「検討委員会の報告書は知っているが、新駅についてはなお調査中」と今後の調査結果を見て判断するとの回答。
 国土交通省では、本県選出の林幹雄・水野賢一・実川幸夫の三代議士も同席。小川市長が「将来の成田市の中央駅的位置にある。市としても後背地など周辺整備をしていきたい」と土屋駅の役割を強調した。これに対し「運営上の費用の間題がある」(石一川裕己・鉄道局長)など、同省としては駅を設置した場合の採算性を重視していることを指摘した。

【本紙の解説】
 国会議員、小川市長を伴っての陳情であったが、国交省鉄道局に「採算性を重視」といわれ実質上は断られた。国交省はすでに、土屋駅を設置しても乗降客が少なく採算が取れないと判断していたのである。そもそも鉄道局は成田新高速鉄道そのものについて、採算面から反対だったのだ。なにしろJR、京成本線の両方と競合する鉄道なのだ。
 成田市にとっても、新高速鉄道ができればスカイライナーは現成田駅には停車しなくなる。今まで以上にローカルな駅に転落するわけで、成田山参りが頼みの観光都市として大きな痛手であろう。

(1月25日) 四者協/用地問題の「話し合い」は時期尚早(朝日、読売、毎日各千葉版、千葉日報)

 成田空港の「四者協議会」の第3回会合が25日、県庁で開かれ、4月18日の暫定平行滑走路供用開始を控え、平行滑走路当初計画用地内にある反対派農家の土地問題に、それぞれの立場で解決へ向けて努力していくこととした。
 堂本暁子知事はあいさつで「成田空港の機能充実は着実に進められている」と述べながらも、「成田空港はまだ、難しい問題を抱えている。(平行滑走路の)本来の2500メートル整備に向けて四者が最大限努力する必要がある」などと一層の取り組み強化を呼びかけた。
 成田市の小川国彦市長が、平行滑走路の早期実現に向け、首相や国土交通相ら国の責任ある指導者が直接、反対派農家と話し合う場を設けることを提案したが、国、県、空港公団はいずれも「2500メートルの滑走路実現についての思いは同じだが、その時期ではない」と否定的な考えを示し、提案の実現に向けた具体的な検討は行われなかった。
 4月に供用開姶する暫定平行滑走路の飛行コースで、供用開始前に実際に運航する機種を飛ばして騒音調査を行うことを公団が表明した。飛行コースにあたる下総町など地元の要望を受けたものだが、公団は「時期は未定」としている。
  また、会合では国土交通省から暫定平行滑走路供用後の国際線、国内線の運航見通しが報告され、現行で1日の発着回数370回(国際線349、国内線など21)から、暫定平行滑走路供用で同546回(国際線483、国内線など63)となることが示された。空港公団からは防音工事済み民家の防音効果について今年度中に実態調査を行う方針が報告された。

【本紙の解説】
 成田市は空港問題が起こって以来、空港推進の立場だったが、地方自治体の立場としては地権者住民サイドにも立つ義務を負う。そのため政治的には「中間」的な立場を演じてきた。積極的に反対闘争を破壊し、敷地内農民切り崩しの矢面にたつことは控えてきたわけだ。
 しかし今回の4者協での小川市長の発言は、成田市のこれまで立場を超え、国・公団以上に積極的に闘争破壊に手を染めることの表明である。絶対に見過ごすことのできない発言だ。
 今回の小川市長発言は、堂本知事の考えを体現したものだ。堂本知事は一貫して国交省と公団の地権者対策を「批判」し、自分が地権者対策にしゃしゃり出ようとしてきた。東峰神社の立木伐採時も空港公団のやり方に疑問を呈し、公団・国交省側と一線を画した。また、従来は副知事が務めていた地域振興連絡協議会の会長職に自ら就任までしている。
 今年の7日に発足した「魅力ある成田空港推進協議会」の会長にも就任し、国交省に出向いて「成田空港の完全空港化に全力をあげる」などと表明、国交省の協力を取りつけたと記者会見で発言している。どちらが建設主体なのかという漫画的な事態ではある。
 以前、扇国交相が「成田の滑走路が1本しかないのは千葉県の怠慢だ」と発言し、当時の沼田知事などから「建設主体は誰なんだ」と強く批判され、発言を撤回したことがあった。堂本知事はこの扇国交相と同レベルである。
 堂本知事はそもそも、四者協を地権者切り崩し機関として発足させた。しかし国・公団からの同意を得られず、地権者問題は四者協の課題から外された経緯がある。今回の小川市長提案は、この四者協の立場を元に戻すことを意図したものである。

(1月25日) 羽田から昼間もチャーター便/成田―ソウル定期便も6割増(1/26朝日、読売、日経)

 国土交通省は25日、サッカー・ワールドカップ(W杯)期間中の国際航空便の輸送体制を発表した。5月31日から6月30日までの期間中、羽田空港の国際チャーター便乗り入れを昼間時間帯に拡大し、1日あたり20回発着できるようにする。
 このほか、4月から深夜と早朝の国際チャーター便の運航便数を拡大し、成田―ソウル間の定期便も6割増に拡大するとしており、日韓間の輸送力増強により、予想される航空需要の拡大に対応する。
 W杯期間中、日韓間の航空便利用者は、開幕戦や決勝戦などのピーク時で1日あたり片道7000人と、通常よりも3000人程度増えると同省は予測しており、昼間を含めた羽田の国際チャーター便の増強で輸送力の確保を図ることにした。
 また、成田空港の暫定滑走路の供用開始に伴い、4月から成田―ソウル間の定期便を1週間あたり135便と、現在の週84便から61パーセント増便する。W杯向けの国際チャーター便の具体的な路線や発着時間は今後、各航空会社から募集して決める。団体旅行の参加者しか乗れない通常のチャーター便と異なり、W杯入場券の所有者ならば、だれでも搭乗できるようにする予定だ。

【本紙の解説】
 羽田―ソウル間は、W杯開催中は基本的に24時間のシャトル便になる。昼間が10便、夜間は4月から1週間70便になる。1日換算10便である。W杯開催中はすべてソウル便になる。羽田―ソウル間は昼夜で1日20便になる。羽田はジャンボ機使用が可能であり、1日片道換算で、約8000人近くの輸送力となる。W杯のピーク時の移動試算が7000人ならば、すべてまかなう数字になる。
 W杯開催中に限るとなっているが、この運航は羽田国際化の既成事実化を引き起こす。いままであれほどまでに羽田国際化に反対していた千葉県が意見を言わないのは不思議なくらいである。
 成田―ソウルも6割の増便となっているが、これは00年12月の日韓航空当局協議で決定していたものを改めて公表したもの(日誌00年12月15日の項参照)。当時の合意事項は「暫定滑走路が完成する2002年5月以降、成田―ソウル便を現在のほぼ2倍にあたる1日20便に増やす。韓国の航空会社に1日3便、日本側に3便の発着枠を新たに配分(B767=250人乗りで換算)」というものだ。
 この日韓航空当局協議で韓国側は、午後11時から午前6時の時間帯の拡大と、羽田への国際定期便の就航を求めてきた。日本側は無理だと断ったが、その代替として暫定滑走路での増便と羽田の夜間チャーター便利用を提案していたのである。
 羽田の昼間の利用が可能になった場合、成田便を増便したとしても、便利さの違いから多くが羽田に流れることになる。

(1月26日) 成田新高速準備組織2月発足へ(1/26朝日千葉版)

 成田新高速鉄道の事業主体となる第三セクターの設立準備組織が2月中に発足する見通しになった。正式な会社設立は新年度早々になりそうだ。
 共同出資者として県、新東京国際空港公団、周辺自治体、京成電鉄などを予定し、県交通企画課が打診を続けてきた。準備組織はこれらのメンバーで構成し、今後、出資割合や全体の資金フレームを決めていく。同課は「自治体はどこも財政難で厳しいが、理解を求めたい」という。

【本紙の解説】
 第三セクターを立ち上げようしても、出資金や負担金の拠出割合をめぐって、県や周辺市町村、空港公団、民間企業がもめている。総事業費は1286億円で、国が3分の1の427億円、県と周辺市町村が18パーセントの計230億円を負担することになっている。第三セクターへの出資金を205億円、受益団体の負担金を261億円、不足分を借入金でまかなうとしている。しかし自治体が財政難で、出資は不可能に近い。企業も同じである。そのため「最悪の場合、全体の資金のめどが立たないまま、三セク設立に踏み切ることもあり得るが、最後まで全力を尽くしたい」と県交通課は話している。
 理由は不況につきるが、それ以上に成田新高速鉄道の採算がとれそうもないことが最大の理由である。やはり決定はしたが、着工もせず終わっている公共事業と同じ運命になるのか。

(1月26日) 国際空港貨物/12月輸出25.7パーセント減(1/26日経)

 国際航空貨物混載業者で組織する航空貨物運送協会(東京・中央)がまとめた国際混載貨物輸出実績によると、01年12月の輸出量は前年同月比25・7パーセント減の約65000トンとなった。半導体関連部品の輸出減が響いた。輸出量は14カ月連続の前年実績割れで、特に最近7カ月は20パーセントを超える大幅減だ。
 輸出方面別では、北米向けが前年同月比35・1パーセント減、欧州向け同23・2パーセント滅、アジア向け同21・3パーセント減。秋需の盛り上がりも一時的で、「年末にかけて半導体関連や自動車などの部品の動きが予想以上に悪かった」(大手混載業者)。

【本紙の解説】
 全日空の大橋洋治社長は24日、「全日空グループの新経営ビジョン」発表した記者会見で「控えめにみても、今年末には元通りになる期待をもっている」と発言している。また日本航空は、今年の「上期中には元の成長軌道に戻るものと想定しています」(日航2002年度の国際線、国内線運航計画)といっている。
 この考え方は、9・11を事故と同じにとらえ、心理的恐怖心が払拭される時間を計算しているにすぎない。しかし9・11で明らかになったことは、むしろ経済的不況の深刻な現実であり、過剰資本・過剰生産力の現実であり、経済の収縮が急激に始まったことである。経済停滞、不況は航空貨物の動向にてきめんに反映する。前年同月比で25パーセント減というのが、今の経済実態である。安売りチケットで煽っても、航空需要だけが「元の成長軌道に戻る」ことはない。

(1月26日) 新高速鉄道/土屋地区に新駅を/住民が決起集会(1/27読売千葉版、千葉日報)

 成田新高速鉄道の整備事業が来年度からスタートすることで、成田市土屋地区に新駅設置を求める住民グループが26日、総決起大会を開いた。設置について、国や県は採算面などから否定的だが、同地区では土地区画整理事業の一環として、すでに駅前広場が完成しており、住民らは「駅ができることは国との約束だった」などと憤っている。
 国土交通省や県の見解は「都心との時間短縮が最優先。採算を考えても土屋駅設置は厳しい」というもの。県がまとめた調査報告書でも、同区間の停車駅は成田市西部の「成田ニュータウン北駅」だけを想定しており、「土屋駅」は明記されなかった。国交省鉄道局は「建設費を抑えるため、できるだけ複線区間を減らしたい」と指摘している。
 同地区では、「駅設置は運輸省(当時)も了承していたはず」などと反発。土屋土地区画整理組合を中心に「土屋駅誘致促進協議会」(安井民夫会長)を発足させ、地元住民約5000人分の署名を集め、国交省や県、空港公団などへの陳情活動を始めた。26日の総決起大会には、地元住民ら約200人が集まり、駅設置を求めることを確認した。
 同地区はかつて、空港建設の資材基地として、その後は暫定燃料輸送基地として成田空港の発展に協力してきた。開発業者が92年10月、土地区画整理事業を始めたものの、バブル崩壊で撤退、一時中断を余儀なくされた。だが、地権者が土地区画整理組合を作り、大型ショッピングセンターがオープンするなど、事業は着々と進んでおり、昨年3月には、組合が約7200万円の工事費をかけて、約5000平方メートルの駅前広場を完成させた。

 【本紙の解説】
 成田新高速鉄道の完成による「受益団体」は空港公団だけだ。周辺町村には基本的に益はなく、あるのは補助金や出資金の分配だけだ。その代表例が土屋駅設置問題である。
 北総公団線の沿線住民が成田空港と直結すれば運賃が安くなるとの考えから、成田新高速鉄道の建設を要求しているが、直結しても安くならない。むしろ高くなりそうだ。
 事実、昨年6月に新鉄道の採算性を試算している(01年6月1日付日誌参照)。その結論は「第3セクターの収支採算は現行の補助制度では極めて厳しい。第3セクターに対し受益者が払う負担金の導入や無利子融資の実行、特急料金の値上げなどの方策を組み合わせる必要がある」となった。政府の無利子融資は増えたので、借入金はその分減る。しかし、営業利益を上げるには、受益者の負担つまり運賃の値上げしかない。
 結局、新高速鉄道の設置で地元の利益になると考えていた成田市は、いまや顔面蒼白になり、土屋駅設置の運動を始めたのである。それにしても、できもしない駅の「駅前広場」を完成させた責任は成田市と成田市長にある。そのことをまず明らかにしないと、この運動も尻すぼみになりそうだ。

(1月28日) ナリタに新しい翼、10社お目見え(1/29朝日)

 成田空港の2本目の滑走路が4月中旬に供用開始となるのに伴い、モンゴル、パプアニューギニア、ベトナムの3カ国3航空会社が新たに乗り入れることが28日、決まった。また、中国の航空会社4社とエアーニッポンが新規乗り入れするのに加え、羽田空港発着の台湾2社も移転する予定で、「新たな翼」は計10社になる。
 国土交通省航空局によると、新規乗り入れ国では、ニューギニア航空がポートモレスビー線を週1便(往復)開設する。ミアット・モンゴル航空はウランバートル線を週3便、ベトナム国営航空はホーチミン市とハノイ(6月末予定)に計週11便を計画している。
 このうち、ニューギニア航空は、かつて関西空港発着の定期便があったが、98年春に需要の少なさなどから撤退した経緯があり、日本との唯一の定期路線になる。
 航空会社の新規乗り入れでは、中国から南方、西北、西南、北方の4航空会社が、それぞれ週7便参入する。路線は未定だが、広州や西安などが有力という。台北路線も大幅に増強される。羽田から中華航空、エバー航空が移転し1日計6便を運航するほか、全日本空輸系列のエアーニッポンも週7便を飛はす。
 新滑走路は2180メートルで、現在の滑走路(4000メートル)よりも短く、大型機や燃料の積載量が多い長距離路線は運航できない。このため、新規開設路線は経済発展などから需要の多い中国・台湾方面が主体になった。

 【本紙の解説】
 暫定滑走路の供用開始で新規乗り入れはモンゴル、パプアニューギニア、ベトナムの3カ国となっているが、この3カ国への直行便はB767などの中型機では飛べない。着陸は燃料がカラなので可能だ。だが離陸は、この3カ国の空港までの燃料を積んだ状態では暫定滑走路を使えない。どうするつもりか。
 ベトナムの11便は日航、全日空とのコードシェアを含めた便数で、実際は4便だ。また、暫定滑走路が韓国、中国、台湾しか直行便が運航できないため、激烈な航空競争、航空戦争になる。
 中国の四つの航空会社が、それぞれ週7便参入するとなっている。これは昨年の日中航空交渉で「日中双方で737機換算では50便を増便」となっていることから計画しているのだが、それだけの路線を開設して採算があうはずがない。
 日航、全日空もアジアシフトと称して、現行アジア便の2〜3割の増便を計画している。また、アメリカのノースウエスト航空が、成田―高雄、成田―釜山、ユナイテッド航空が成田―台北でそれぞれデイリー(毎日)運航を計画している。そこに中国、台北の航空会社も乗り込んでくる。
 完全に供給過多となる。実需の2倍近い供給ともいわれる。航空会社や旅行業界は日本の「アジア旅行ブーム」に期待するが、昨今の不況下で無理な話だ。80年代初頭にアメリカで起きたような航空競争が、日本とアジア路線線で再現されそうだ。結局、体力のある航空会社だけが残り、便数は最終的には実需相応に戻る。

(1月30日) 羽田4本目滑走路了承、第3空港候補地抽出できず(1/31読売、千葉日報)

 国土交通省の首都圏第3空港調査検討会(座長、中村英夫・武蔵工大教授)が30日、羽田空港に4本目の滑走路を新設する同省の再拡張案を了承した。しかし、今年度中に第3空港の複数候補地抽出を目指していたが、今回の議題は羽田空港再拡張が中心で、第3空港予定地の絞り込み期限など具体的議論は出ず、今年度中の絞り込みは難しい情勢となった。
 羽田の4本目の滑走路建設は、年間発着回数を現在の1・5倍の40万回に引き上げるのが目的で、羽田の輸送能力が限界に達する2015年までに早期完成を目指す。
 また、第3空港の候補地は国土交通省が今後、羽田再拡張を前提に(1)国内・国際線を含めた航空需要見直し、(2)鉄道ルート・事業採算性など調査項目の見直しなどを行うとした。

 【本紙の解説】
 羽田再拡張の本決まりにより、第3空港は当面決定しないことになりそうだ。国交省が「国内・国際線を含め航空需要見直し」を持ち出したのは、ここ数十年で初めてではないか。航空需要についてはバブル崩壊後も「右肩上がり」の神話が崩れなかった。
 しかし、9・11以降の航空需要落ち込みの中で、フラッグキャリア(国策航空会社)の倒産や航空機メーカーの生産計画縮小が相次いで発表され、それを受けての航空需要見直しとなった。
 基本的には十数年のスパンで第3空港は棚上げになる可能性が高い。

(1月31日) 公団総裁定例記者会見(2/1読売、毎日、千葉日報)

 新東京国際空港公団の中村徹総裁は31日、成田空港で会見した。昨年1年間に成田空港を利用した航空旅客数が前年比7パーセント減の約2500万人となり、対前年比で開港以来、最悪の落ち込み幅となったことを明らかにした。このうち国際線旅客は、日本人が前年比10パーセント減の約1600万人、外国人は同1パーセント減の約580万人という。
 中村総裁は、2本目の滑走路(暫定滑走路)の供用開始日前日の4月17日に運航が予定されているチャーター機について、鹿児島空港行きに加え、那覇空港行きも計画していることを明らかにした。全日空の中型機ボーイング767で17日午前11時半ごろ、暫定滑走路から離陸する予定。
 また、成田新高速鉄道への拠出金、成田空港への新規乗り入れの航空会社10社などについても明らかにした。

 【本紙の解説】
 中村総裁は暫定滑走路供用開始前に記者会見で航空需要の落ち込みを報告する羽目に陥っている。年末・年始の出国者数も思ったより回復せず、その後も低迷している。
 また、暫定滑走路の使用もアジアの近距離便に限られ、その分を補うことであった国内線も小型ジェット機以外に基本的に新規の運航便もないことになりそうだ。そのために、開港の「景気づけ」に国内へのチャーター便を飛ばすことしかできないのである。しかし、国際空港の新滑走路での最初の便が国内線とは、これも異例なさびしいことではないか。

(1月31日) 公団の成田新高速鉄道拠出は330億円前後(2/1読売千葉版、千葉日報)

 空港公団は31日、成田新高速鉄道の整備主体となる第3セクターに330億円前後を拠出する方針を固めた。公団による負担が決まっている、空港内駅改良費用の281億円を含めて600億円程度の負担になる。
 空港公団が支出を決めたのは負担金の約9割にあたる230億円と、出資金のうち100億円ほどだ。第3セクターの設立にあたっては、大半を公団と県・沿線自治体が出資し、航空会社や金融機関、列車を運行する京成電鉄なども共同出資する予定。公団などは民間の出資比率をできるだけ高めたい意向で、今後の協議で公団の出資額が減ることもありそうだ。
 公団が支出額をほほ固めたことで、今後、自治体分の補助金の分担割合や、出資比率などについて県を中心に詰めていくことになる。

 【本紙の解説】
 成田新高速は、第3セクターの準備組織発足も難航している。理由は資金難。総事業費1280億円のうち、国と地元(県と市町村)の補助金がそれぞれ18パーセントの230億円であったものが、都市再生本部の第2次プロジェクトに取り上げられたことで国の補助が3分の1に引き上げられ、427億円となった。第3セクターとして、県や周辺市町村、公団、民間企業が出資金205億円、受益負担金261億円を拠出する構想、残りの157億円が有利子の借入金となっている。
 このうち公団は、総事業費とは別枠の空港内駅改良費用280億円を負担し、第3セクターの受益負担金261億円の9割にあたる230億円と、出資金の約半分の100億円を拠出する予定。総計で610億円になる。
 この額は政府補助金427億円よりも多い。その理由は、周辺市町村、民間企業が補助金や負担金、出資金を出し渋っているからだ。
 しかし、唯一の受益者といえる公団がこれだけ出しても、周辺自治体の拠出は難しい。補助金は県と市町村で受け持つことになっている。出資金は県、市町村、民間で出すことになっている。
 しかし、それぞれが財政難を理由に出し渋っている。とりわけ成田市は「土屋駅」設置が認められなければ、補助金も第3セクターへの出資金も出さないと噂されている。第3セクター設立の足並みは乱れている。
 これを見て公団は、受益負担金の9割、出資金の約半分の拠出を決定したのである。これで県、市町村と民間団体の三者の拠出は、補助金230億円と負担金31億円、出資金105億円、総計366億円となったが、はたしてこれが可能かどうか。民間航空会社は空前の赤字が予想され、京成電鉄も航空需要落ち込みでスカイライナーの利用者が激減、3月末決算で約10億円の赤字が予想されている。
 結局、残りの366億円は県がほとんど負担する以外にない。新高速鉄道はまだまだ迷走しそうだ。千葉県としても366億円という額は負担できない。新高速鉄道は地元利益がなく、仮に完成すれば、その建設資金と膨大な経営赤字を地元の税金で補う結果になりそうだ。

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