国鉄決戦へのアピール  

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8・22 四党合意反対!

1047名闘争の勝利をめざす労働者集会

     中野洋・動労千葉委員長が8・26総決起を訴える
       国労闘争団、動労千葉争議団が決意表明

 『前進』1971号掲載記事へ

 


 午後6時 労働スクエア東京(大ホール)

 主催 国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)
 基調提起 中野洋・動労千葉委員長
 発言   佐藤昭夫(早大名誉教授)、宮島尚史(弁護士・法学博士)、宮崎学(作家)、国労闘争団ほか
 決意表明 動労千葉争議団ほか

 

基調報告を提起する中野委員長

「4党合意を粉砕して、国労がゼロから再生できたときに、日本労働運動は生まれ変わり、21世紀にむけて着実に前進することができる」と熱烈に訴える。

 


8・26臨大続開を阻止し、国労の再生をかちとろう

    ――8・22集会での中野洋・動労千葉委員長の基調報告(要旨、文責はHP編集委員会)
 

 8・26決戦前夜。日一日と緊張の度が高まっている。
 国労はもとより多くの労働組合、日本全国の心ある労働者たち、有識者たち、さらには政府・運輸省、JR、JR総連=カクマル、JR連合など国労をなんとかつぶそうという勢力も含めて、これほど注目をあびている労働組合の大会はない。
 国労が、いま日本の労働者にかけられている巨大な攻撃に対してどう闘うか、この闘いの方針をめぐって注目されている。私たちはここに今の時代をみることができる。

 7・1臨大から2か月の闘いの前進

 8・26にむけて、きょう、ここに集まって8・26臨大続開を阻止しようと言えるのも、7月1日の闘いがあったからだ。7月1日の闘い、闘争団を先頭にした演壇占拠の闘いは歴史的壮挙だ。
 7・1から8・26にむけて2か月弱の間にどういうことがおこったのか。
 当初は、7月3日の国労中執の声明にみるとおりの反暴力キャンペーンが吹き荒れた。
 さらに盛岡、長野地本では、闘争団に対する兵糧攻め、つまりカンパを凍結するとか、物販をやらないとか、労働者として組合員として許すことができないことが行われた。
 そのあと、JR連合の大会が7月5、6日に開かれ、国労本部の側にラブコールを送るようなことがおきた。
 しかしそれ以降、闘争団がやったことは暴力じゃないんじゃないか、国労本部の方針の方に問題があるんじゃないかという雰囲気がだんだんと醸成されてきている。
 日本共産党系の全労連の大会では4党合意反対の意見が噴出している。全労協の大会もしかり。社民党大会でも4党合意を破棄せよという代議員の強い要求がでている。
 また、数多くの労働組合が連日のように国労本部に押しかけ、4党合意承認は決めないでほしいと要請している。
 多くの労働者がことの本質を認識しはじめて、国労本部の包囲網が日々大きく拡大していく状況がある。
 なによりも、闘争団が、続開大会は絶対中止すべきだという方針で意志統一できて、8・26にむかう態勢ができてきている。
 さらにエポックメーキングなこととして、8月19日と20日の日本共産党機関紙『赤旗』に「一〇四七人の採用差別と国労の続開大会について」という文書がのった。日本共産党は、5月30日の4党合意からまったく沈黙を守ってきた。しかし、国労内の革同の多数派はチャレンジグループと一緒になって4党合意を積極的に推進した。これに反対する諸君も革同の中にいる。
 その日本共産党が追いつめられてこの時期にきて声明をだし、初めて態度を明らかにした。内容は、「解決案なき4党合意の承認はだめ」という反対派闘争団の大枠に入る考え方だ。こんなことを言わざるをえなくなった。これもこのかんの大衆的な闘いの盛り上がりの反映である。
 7・1のときはなにがどうなるか皆目見当がつかなかったが、大会が近づくにつれだんだん盛り上がって、あそこまでやりきった。
 今回の場合は、それにプラスして大きな陣形ができあがってきている。情勢は7・1よりはるかにいい。しかし、敵もさるものだから、それを倍する露骨きわまる態勢で8・26を強行することは間違いない。それをみすえて8・26に総決起しよう。

 8・26は、国労と日本労働運動の未来を決する

 なぜここまでくるのか。89年に総評が解散し、連合が形成された。日本の労働運動が全体として階級的なものを喪失し、労資協調、資本の代弁者となっていく状況の中で、国鉄闘争を基軸に闘う労働運動の勢力が闘いつづけている。国鉄闘争、国労の進路をめぐる状況がきわめて重要なことになったからこそ、8・26は内外の熱い注目を集めている。
 8・26で国労がどうなるかということが、日本の労働運動のこれからのあり方、労働者の未来を決すると言っても過言ではない。8・26にむかって多くの労働者に訴え、国労組合員の総決起をかちとらなくてはならない。

 4党合意は敵の危機と脆弱性の表れ

 まず4党合意の問題。JRに法的責任がないことを認めるということは、首切りを認めるということ。労働運動にとって首切りを認めるとか認めないとかは、イデオロギーの問題ではない。労働組合である以上、非和解的な対立だ。
 4党合意は、非常に強権的な性格と非常に脆弱な性格の両方がある。
 昨日、動労千葉が国労本部に申し入れに行った。国労本部は申入書も署名も受け取らなかった。
 国労の幹部諸君は負け戦だと思っている。それなりに頑張ってきたけれど、判決がでて負けた、もうどうしようもない、やればやるほど悪くなるという考え方だ。
 はたしてそうなのか。そういう姿勢だから4党合意も生まれたと言える。「JRに法的責任なし」を臨大で決めろ、そうすればJR各社との話し合いの道筋を開けてやる。これほど傍若無人で尊大きわまりないものはない。ところが、国労という誇り高い労働組合がこれほど屈辱的なことをのんでしまった。政治権力にいる人に、“臨大を開け、こういうふうにやれ、やらないとなにもしてやらないよ”と言われて、はいそうですかと言った。国労の自主性はひとつもない。自主性を失ったら労働組合ではない。これほど露骨な政治介入、不当労働行為はない。それを国労本部が認めたことは徹底弾劾されなければならない。
 これとの闘いを国労本部がやらないならば、各機関、闘争団、個人として国労の矜持にかけて闘おうと、動労千葉は呼びかけている。
 98年5月28日の判決は労働委員会の命令をひっくり返したもの。国鉄改革法を憲法や労働組合法より上においた反動判決。JRに法的責任がないことを裁判所という国家権力が決定した。
 2年前に決定したんだから権力がどしどしやればいい。ところが、1年前に国鉄改革法を国労に承認させた。また、その1年後にJRに法的責任はないと決めさせようとしている。
 なんでこんなことをやらないといけないのか。いくら裁判所が決定しても、闘争団の闘いはずっと続いている。びくともしない。そのことに不安で不安でしようがない。国労に決定させないと安心できない。これは敵の脆弱性の表れ。そういうふうに情勢をみる。
 秋の臨時国会にはJR法の改正案を提出する、JRを完全民営化する。法律を変えて、もっている株を放出することが完全民営化ではない。存在してはならない国労とか、動労千葉とか、1047人の闘いがまだ残っている。これを放置して完全民営化はなりたたない。国労の存在、その中心の1047人闘争を一掃しなければならない。この世から抹殺しなければならない。その焦りが表れている。
 日本の政治・経済情勢の深刻さに対して、森ではどうにもならない。森の代わりにだれがいるか。これほどの政治危機はない。経済情勢も同じ。そごうをつぶした。民事再生法など、企業に有利で、労働者の首切りが自由にできる法律をつくった。その発動がこれから始まる。
 失業者が巷に満ちる状況の中で、1047人闘争が南は九州から北は北海道まで脈々と闘いぬかれてきた。そして、多くの労働者・労働組合がわがことのように支援してきた。この構造を許しておいて、政治・経済情勢の危機はのりきれない。権力者はなんとかしないといけないと焦っている。
 だから、4党合意みたいなことをやってきている。本質的には強くない。脆弱性をもっている。労働組合のリーダーはそうみないといけない。
 4党合意の元をただすと、そもそもの考え方がちゃんとしていなかった。国労は89年の大会で全面解決要求をだす。その後、政労資交渉路線をうちだす。これらはすべて話し合い路線。労働組合は団結して闘う中で資本と交渉するということでなければいけない。
 「労使関係の正常化」と言っているが、解雇撤回闘争に勝利したとき、労使関係は正常化する。労働組合の力が増すのだから、相手が非を改めるほかない。ところが、それが逆転している。

 8・26臨大を粉砕し、闘う路線と執行部を確立しよう

 8・26臨大を粉砕し、定期大会にむけて国労が再生しなければならない。そのためにはこの10年来の国労の路線を総括して、闘う路線を形成しなければならない。
 今ほどわれわれに有利な情勢はない。JRの職場にいるとそれがよくわかる。以前では考えられないようなことが今おこっている。JR東資本と東労組・カクマルの結託体制に修復できないほどのヒビが入っている。労務政策だけでなく、列車を動かす業務まできている。今こそ、その責任を追及し、積年の恨み・つらみをはらすチャンスがきた。
 われわれはうまずたゆまず闘いぬいてきた。はねかえされ、はねかえされてもやってきた。40人も解雇されたり、いくつも職場を奪われてきた。今、やれば音がでるなという感覚を現場の組合員が感じている。JR総連の中の若い労働者との接触が強まっている。5年前には考えられなかったことだ。
 このようなときにどうして一番悪い条件で屈服しなければいけないのか。絶好のチャンスではないか。
 8・26は日本の労働運動の命運を決める闘いの日になる。敵が機動隊を大動員しても、大会をつぶす方法はいくつかあるし、いろんなことがおきる。8・26臨大を中止に追いこんで、4党合意を完膚なきまでに粉砕する。
 
そして、国労の組合員は4党合意に対する闘いに総決起する。北海道から九州まで地方労働委員会に不当労働行為で訴える。1047人がやったみたいにやる。そうすると大変なことになる。

 闘う労働運動の新潮流をつくりあげ、国鉄闘争に勝利しよう

 勝利の核心は何なのか。組合である以上、組合員の団結に依拠して闘う。情勢を正しく認識し、正しい方針をだす。それが組合指導者の仕事である。
 かつての総評がない中で、国労を軸とする広範な闘う労働者・労働組合が存在する。闘う労働運動を21世紀にむけてつくりなおしていく。これをやりつつ、国鉄闘争に勝つ。闘う労働運動の新しい潮流をつくりあげていく。そこに合流したときに国鉄闘争が勝っていく展望がつかめる。
 臨大を粉砕したら解決状況が遠のくではなく、2、3年後にもう一回、必ず決戦状況がくる。それに確信をもつのかどうか。そういう立場で闘いぬいたときに勝利することができる。
 4党合意を粉砕して、国労がゼロから再生できたときに、日本労働運動は生まれ変わり、21世紀にむけて着実に前進することができる。

 


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