ZENSHIN 2009/04/06(No2386 p08)
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週刊『前進』(2386号1面1)(2009/04/06 )
新入生歓迎特集
300万学生は大恐慌に立ち向かおう
全学連委員長 織田 陽介
不当処分撤回・監獄大学粉砕 4・24法大解放総決起集会へ
世界大恐慌が日々激化する中で、教育の民営化と戦争をめぐる学生たちの抗議の嵐が世界中で広がっている。88人もの逮捕者を出しながら不屈に闘う法政大学を先頭とする日本の革命的な学生運動は、その最先端を開く闘いだ。全国の大学の新入生諸君へ、全学連・織田陽介委員長からの熱いメッセージを送る。(編集局)
300万の学生のみなさん、とりわけ新入生のみなさん! 親のリストラや学費の高騰、寮の廃止によって学生は教育を奪われ、大失業・内定取り消しによって未来まで奪われている。そして、大学を監獄化し、学生を商品と化して団結を破壊し、学生から搾り取って放り捨てる、一言で言って「全国大学の法大化」として、教育の民営化=道州制攻撃が狙われている。学生はこんな攻撃に屈していいのか。教育を取り戻せ! 世界大恐慌に対して立ち向かう300万学生の大反撃として「不当処分撤回! 監獄大学粉砕! 4・24法大解放総決起集会」を大爆発させよう!
ついに情宣活動禁止
88人のデッチあげ逮捕、22人の起訴、退学・無期停学処分、ビラまきも看板も集会も禁圧された法政大学の監獄化は、ついに裁判所と結託した「情宣活動禁止等仮処分命令」にまで行きついた。学生を「確保」するための「営業権」の侵害であり「回復し難い甚大な損害が生じる」として、オープンキャンパスにおけるビラまき等、表現活動の一切を禁圧したのだ。法大資本は、処分撤回の訴えに対して、数十人の暴力ガードマンと暴力職員を雇い、集会についてはキャンパス中央広場を封鎖して圧殺をはかってきた。たった数人であろうと、処分撤回闘争に立った文化連盟の仲間の闘いが学生の団結を回復し、法大資本の暴力的学生支配をぶち破る力を持っている証左だ。4月24日、キャンパス封鎖や暴力ガードマン、それをも超える妨害があろうと、中央広場を埋め尽くす学生1千人の結集が、正義を貫いたがために大学を追われた学生を取り戻し、大学がその本質を取り戻す歴史的事件となる。あなたはその主人公だ。
4・24は第一に、「営業権」を語って教育を破壊する法大当局のあり方、そしてその全大学への拡大としての教育の民営化=道州制を粉砕する全学生の闘いである。
大学は「営業」の場か
「営業権」とはよくぞ言ったものだ、法大総長増田よ! 教育機関の仮面もかなぐり捨て、利潤追求の自由という資本家の権利を叫んでいる! この「営業権」のもとで何が行われてきたか? 人件費は02年からの5年間で14・8ポイントも削減された。多くの職員が解雇され、教員1人あたりの学生数は43・9人と大学では最低レベルとなった。教職員は半年で解雇される派遣労働者に替えられた。新しい価値や文化を生み出すはずの大学で、声すら上げられない労働条件が強制されるなど、あっていいはずがない!
さらに学費は123万〜177万円にもなり、親には「寄付金5万円、4口以上」などと迫る。払えない学生には奨学金を借りさせる。月12万円を4年間、3%の利子で借りると775万円だ。奨学金を「無職・低賃金」などで返済できない学生がこの数年で4倍に跳ね上がった。「教育」を語れば学生も親も、バイトや借金をしてでも金を出すというのが法大資本の本音だ。未来の賃金まで奪い取り、就職できない学生には「エンプロイヤビリティ(雇われる能力)がない」とののしり、奨学金返済の「誓約書」まで書かせる。就職内定取り消しに対しては「10万円でもう1年いられる」とあくまでビジネスチャンスを見いだす。何が「回復し難い甚大な損失」だ。徹底的に搾り取られ、使い捨てられ「甚大な損失」を被っているのは学生の方だ!
そもそも法大資本の「損失」など自業自得である。法大資本は教育を商品化し、「大学に入らないと就職できない」という脅しで学費を高騰させてきた。大恐慌になって学生が国立大学に流れ、もしくは進学をあきらめるや、その構造が破産しているのだ。あげく653億円もの学費を資産運用に投じ、昨年3月段階で8億6千万円もの損失を出している。リーマンショックから半年、この損失がいくらにふくれあがっているのか。まさに新自由主義大学という名にふさわしい金もうけをしてきた法大資本の破産だ。学生へ責任を転嫁するな!
自民党と日本経団連は「教育の自由化」を掲げ、貪欲(どんよく)な資本に教育を解放しようと、道州制を“全国の大学の法大化”として進めようとしている。すでに東北大学や富山大学などで寮生の自治と団結を破壊する廃寮攻撃や、寮を民営化し金もうけの対象にする攻撃が始まっている。しかし教育でもうけようという発想自体が百パーセント間違っている。学生は資本とは非和解だ。資本家階級に教育を語る資格も能力もない。学生が大学の主人公になろう! 教育の民営化=道州制粉砕! 全国大学の法大化を許すな! 正義を貫いたがために愛する母校への入構をガードマンに阻止されている処分された仲間を実力で大学に取り戻し、増田独裁体制が私物化してきた大学を取り戻す、それが4・24だ。4月は全世界の学生が「教育を取り戻せ!」を合言葉に行動に立ち上がる。すべての学生は法大闘争に立て!
大恐慌と戦争に対決
そして第二に、大恐慌に対して改憲・侵略戦争と首切り、民営化・労組破壊を進める帝国主義への大反撃だ。
米大統領オバマは「アフガン・パキスタン包括戦略」を発表し、帝国主義戦争へのさらなる決意を示した。UAW(全米自動車労組)に一層の屈服を要求してGM再建計画をはねつけ、金融サミットには保護主義政策をもって臨んだ。各国帝国主義が決裂したG20は世界戦争の時代の幕開けとなった。日本帝国主義はソマリア沖での自衛隊の武装展開を開始、さらに「北朝鮮のミサイル」への迎撃体制で戦争的機運を高め、国会では共産・社民を含む全会一致で北朝鮮非難決議があがるという異様な空気が覆っている。
アメリカでは、高校が軍隊への生徒名簿提出を拒否すると、補助金をカットされるという攻撃が始まった。道州制攻撃は、新自由主義大学の破産的な赤字を戦争衝動へと転化する、再びの学徒動員の攻撃である。
何より、国鉄分割・民営化型の公務員労働者360万人のいったん解雇・選別再雇用の攻撃で、自治労・日教組の現場組合員の団結を破壊し、労組幹部を屈服させる攻撃だ。国鉄分割・民営化の時に率先して首切りに協力したJR総連カクマル・松崎は「社会主義はすぐにはできない。労働者は理想を食っていけないから軍需産業でもやる」と語っている。民営化と闘えなければ帝国主義戦争と対決することはできない。逆に、このときストライキで立ち上がった動労千葉は「労働者はストライキで戦争を止める歴史的任務をもっている」と訴え、今も団結してストライキを闘っている。戦争が学校から始まる以上、これと対決し止めることは可能だ。動労千葉を先頭にして連綿と闘い抜かれている国鉄分割・民営化反対闘争―1047名解雇撤回闘争に大合流して、戦争と民営化に立ち向かう学生運動をまき起こそう!
ともに革命をやろう
第三に、300万学生が団結を回復し、帝国主義世界支配に内乱的反撃をたたきつける闘いだ。
この間起きていることは、貪欲な資本主義の欲望が戦後憲法を粉砕したことだ。新自由主義政策の破産は、世界中の労働者を「生きさせろ!」のストライキ闘争へと立ち上がらせ、法大でも学生の革命的闘いを生み出した。私たちは、逮捕や処分を覚悟するたびに生き方をかけて団結し、弾圧を打ち破ってきた。法大資本は「表現の自由」を幻想的妥協的に規定した戦後憲法的支配の変更を迫られ、裁判所に「憲法を踏み破れ!」と要求したのである。改憲は、労働者階級人民が内乱を対置すべき革命情勢だ。
FRB(米連邦準備理事会)の国債買い取りへの踏み切りと労働者の大量解雇で「3月危機」をなんとか回避した帝国主義は、一方でドル暴落とますます巨大な恐慌を準備し、他方で労働者階級の怒りと労働運動・学生運動の復権の条件をつくり出している。
私たち学生は徹底的に競争させられ、団結を奪われてきた。大学では刺殺事件や放火という形で“秋葉原情勢”が生まれている。団結を求める学生によって大学生協で『蟹工船』が売れている。「1人の仲間も見捨てない」と仲間の処分に対して立ち上がってきた処分撤回闘争は、300万学生にとって団結を回復する待ちに待った歴史的闘争である。仲間へのみせしめに怒りを燃やし、1千人集会で団結を取り戻そう! 団結して生きる無限の可能性をつかみ取ろう。4月24日は、抗いがたい魅力をもって引き返せない革命的な人生へと踏み出すにふさわしい日となるだろう!
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週刊『前進』(2386号1面2)(2009/04/06 )
今こそあらゆる産別・職場から3・25超反動判決弾劾の嵐を
政治和解路線を断固のりこえ
1987年の国鉄分割・民営化にともなう解雇の撤回などを求めた鉄建公団訴訟控訴審3・25判決は、その一字一句が断じて許すことのできない超反動判決だ。今やすべての産別・職場から徹底的な怒りの弾劾の嵐をたたきつけよう。
「不当労働行為はあったが解雇は有効」だなどと、ふざけるな!
これは裁判の名において、“国鉄分割・民営化に反対した者にはいかなる権利も認めない。解雇撤回など口にするやつは徹底的に粉砕する”と宣言した、すさまじい大反動・反革命にほかならない。
(写真 1047名闘争の原告を先頭に4者4団体の裏切りを弾劾【4月1日 東京大井町】)
「4・1集会」で解雇撤回掲げる闘争団員を排除
こんな3・25判決を、「1審判決より不当労働行為の認定を強めた」「南裁判長は異例のコメントを出して、1047名闘争の早期解決を望むと表明した」と賛美し、「『解決せよ』の声高まる」などと描く4者4団体一部幹部の裏切りは、ついにその一線を越えたのだ。
4月1日、大井町のきゅりあんで開催された「1047名の人権回復を!政治解決の要求実現をめざす4・1集会」で4者4団体幹部は、あろうことか1047名闘争の当該であり、かつ国労5・27臨大闘争弾圧被告を含む2人の闘争団員を「解雇撤回を真正面から掲げている」ということを唯一の理由に集会参加を実力で阻止するという暴挙に手を染めた。
しかも、その排除の先頭に同じ闘争団員を立たせたのだ。これは、実に許し難い、1047名の団結を自ら破壊・解体する卑劣なやり口だ。
この暴挙に、当然にも参加者から徹底した怒りの弾劾がたたきつけられた。2人の闘争団員は、全参加者に対して、「渦巻く怒りに恐怖し国鉄闘争の早期解体を狙う3・25反動判決を断じて許さない!」「4者4団体一部指導部による『政治和解』路線をのりこえ、動労千葉のように闘えば1047名闘争は勝利する」と全力で訴えた。
3・25判決と闘う労働者の間には、折り合う余地など1ミリもない。3・25判決は、4者4団体一部幹部が描くような、「不当労働行為を断罪する」ものとは百八十度、百パーセント違う。
05年9・15判決こそ分断と排除の元凶である!
それどころか、05年9・15一審判決を踏襲し、「採用候補者名簿」作成にあたり組合所属による不当労働行為があったことを認めるかのような形をとって、その実、「不当労働行為がなければ本件解雇もなかったということはできない」「不当労働行為がなかったと仮定しても、JRに採用されたはずだとの証明がされていない」「解雇の無効に係わる主張は前提を欠く」と叫び立てている。解雇という最大の不当労働行為を全面的に容認し、積極的に押し進めているのだ。
3・25判決は、05年9・15判決の反動性をさらに全面的に貫き、「不当労働行為による解雇は無効」という戦後の労働法制の根幹を完全に否定し去ったのだ。「不当労働行為の認定」どころか、「解雇の自由」を認め、“民営化攻撃と闘うな、労組破壊攻撃と闘うな”と、解雇と闘う者へ襲いかかり、その闘いを圧殺する断じて許せないものだ。
この大反動の元凶は、05年9・15判決にほかならない。
4者4団体の一部幹部たちは、「解雇は有効」とした3・25判決の最大の核心点に触れることすらできない。それどころか、3・25判決に全面屈服し、今や、4・1集会に端的に示されたように、解雇と闘う者の撲滅をもくろむ反動集団に転落した。
動労千葉と共に4・25尼崎現地闘争に大結集を
3・25判決で、国家権力・帝国主義ブルジョアジーは、労働者を解雇するのは資本の自由だと真正面から断定したのだ。それは、破産を深める国鉄分割・民営化体制を必死に護持し、分割・民営化とあくまで闘う者に階級的憎悪をむき出しにして襲いかかってきたということだ。
4者4団体派はあたかも「不当労働行為が認定された」かのように強調するが、実際の判決文は「分割・民営化に反対した以上、勤務評価が低くなるのは当然」との主張が貫かれ、現状回復=解雇撤回は認めない、解雇は有効と断定した。1047名闘争を解体するための、9・15判決をもこえる大反動判決だ。これと闘ってこそ労働者、労働組合の勝利はある。
国鉄分割・民営化を突破口として始まった新自由主義攻撃は完全に破産した。ブルジョアジーは大恐慌の前に震え上がっている。JR資本と職場から徹底的な対決を貫いてこそ、解雇撤回はかちとれる。
4者4団体一部幹部の公然たる裏切りをのりこえ、3・25判決に屈した屈辱的な「政治和解」路線を断じて許すな。動労千葉や5・27臨大闘争弾圧被告団とともに闘おう。4・25尼崎事故弾劾の現地闘争に立とう。
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週刊『前進』(2386号1面3)(2009/04/06 )
農地死守誓い決戦の三里塚に大結集
3月29日、三里塚反対同盟主催の全国総決起集会が成田市天神峰の市東孝雄さんの畑で開催され、全国から1580人の労働者・農民・学生が結集した。直前に起きた貨物機炎上事故を弾劾、農地強奪攻撃を実力で阻止し廃港まで闘うことを決意した (3面に記事)
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週刊『前進』(2386号1面4)(2009/04/06 )
前進速報版から
▼PAC3ミサイル実戦配備に反対して秋田で緊急街宣▼ヨーロッパ主要都市でG20抗議デモ▼ハンガリーとチェコで政府が次々倒壊
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週刊『前進』(2386号2面1)(2009/04/06 )
尼崎事故から4年 動労千葉が現地闘争呼びかけ
尼崎事故4周年弾劾、反合理化・運転保安確立、1047名解雇撤回
4・25尼崎現地全国総決起集会への参加のお願い
国鉄千葉動力車労働組合執行委員長 田中康宏
動労千葉が4・25尼崎現地集会への呼びかけを発した。大恐慌下においてJR資本と非和解的に激突し、民営化攻撃に屈した体制内労組執行部を打倒して日本労働運動を階級的に塗り替えよう。全国から尼崎現地に総結集しよう。(編集局)
107名の乗客・乗員の生命を奪った尼崎事故から4年を迎えます。
尼崎事故は、競争原理を至上として民営化・規制緩和に突進した新自由主義政策が生み出した惨事です。真の原因は国鉄分割・民営化という犯罪的政策そのものにあります。また尼崎事故は、労働組合が企業や政府の手先となったときに何が起きるのかを、恐るべき現実をもって今もわれわれに問いかけています。
国鉄分割・民営化がもたらしたのは、20万人に及ぶ国鉄労働者の首切りと組合潰(つぶ)し、そして尼崎事故でした。その結果、総評・社会党は解散に追い込まれ、労働運動は止めどなく後退し、労働者派遣法が改悪され、そして今、国鉄分割・民営化攻撃の全社会化というべき事態が起きています。昨年来、派遣や期間工として働く労働者が端から切られていくような首切りの嵐が吹き荒れ、公務員労働者には警察や自衛隊を除く360万人を一旦全員解雇し選別再雇用するという究極の民営化・道州制導入攻撃がかけられようとしています。現れ方は違っても、200万人にのぼるであろうという「派遣切り」と尼崎事故の根底にあるものは同じです。
JRでは民営化の矛盾が噴出しています。安全の崩壊や信濃川不正取水問題が示しているのはJR体制の末期症状に他なりません。私たちは、国鉄分割・民営化の原点に立ち返り、そこから再出発する決意です。国鉄分割・民営化攻撃に決着をつけるとき、日本の労働運動は間違いなく復活します。
一方、国鉄1047名の解雇撤回闘争も、重大な局面を迎えています。3月25日、東京高裁は、JRへの国鉄職員の「採用」の際に組合所属に基づく不当労働行為があったことを認めながら、「不当労働行為がなかったとすれば本件解雇もなかったということはできない」とする断じて許すことのできない不当判決を行いました。判決が示したのは、この攻撃に込められた今も変わらない敵の階級的意思です。またこの判決は、「解雇撤回」を取り下げて「政治解決」を嘆願する4者4団体路線の破産を示すものでもあります。
今こそ闘いの原点に戻らなければなりません。社会には怒りの声が満ちています。闘いの心棒が立てば、無数の労働者が団結して闘いに立ち上がる条件が生まれています。1047名闘争が全体を率いて闘い抜く大きなチャンスが到来しています。
世界中が「もうたくさんだ!」という怒りの声に包まれています。世界大恐慌が始まり、資本主義体制は壊滅的な破綻にあえいでいます。労働者が社会の主人公として胸を張って登場しなければいけない時代がやってきました。これまでは多くの言葉の一つにすぎなかった「団結」の二文字が、労働者にとって、生き抜くために絶対に必要なものとなっています。今何よりも求められているのは、闘う労働組合が歴史の最前線に登場することです。
私たちは以上の趣旨のもとに、尼崎事故4周年にあたり表記集会を呼びかけることとしました。ぜひとも多くの皆様の賛同と参加をお願い致します。
2009年3月
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尼崎事故4周年弾劾、反合理化・運転保安確立、1047名解雇撤回
4・25尼崎現地全国総決起集会
4月25日(土)午後1時 JR尼崎駅 北口駅前広場
主催 集会実行委員会/呼びかけ 動労千葉
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週刊『前進』(2386号2面2)(2009/04/06 )
全国から4・25尼崎現地へ
資本・体制内派との対決貫き大恐慌下の国鉄決戦に立とう
革共同関西地方委員会
動労千葉の呼びかけのもと実行委員会の主催で4月25日に尼崎現地総決起集会が開かれる。この闘いは、「尼崎事故4周年弾劾、反合理化・運転保安確立、JR体制打倒、1047名解雇撤回、道州制粉砕」を掲げて打ち抜かれる。鉄建公団訴訟3・25判決を機に4者4団体が1047名闘争解体へと一層激しくのめり込む中で、4・25闘争は国鉄1047名闘争の勝利をつくり出す決定的な闘いだ。全国から総結集しよう。
(写真 全国から560人が結集し、事故現場【後方マンション)までのデモを闘った昨年の尼崎現地闘争)
尼崎事故は民営化の帰結だ
05年4月25日のJR尼崎事故は、国鉄分割・民営化の破産を衝撃的に突き出した。107人の乗員・乗客の命を一瞬にして奪った尼崎事故は、徹底した労働組合つぶしと規制緩和・競争激化を強行した国鉄分割・民営化の必然的帰結だった。尼崎事故の責任は、政府、JR資本とともに、これに屈した体制内労働運動指導部にある。
JRの労働者はこの1年間、JR西日本をあげた献花や立哨や行事に駆り出されてきた。JR西日本は「尼崎事故は社員の責任だ」として、資本と闘う団結を解体する攻撃そのものとして「4・25」を位置づけている。
4・25当日の事故現場へのデモは、JR西日本主催の「追悼行事」を直撃し、JR資本・全ブルジョア社会との全面激突となる。それが労働者階級、特に国鉄労働者に決定的分岐をつくる闘いとなることは間違いない。
この激突情勢に国労西日本本部を牛耳る革同・日本共産党、そしてチャレンジ協会派、4者4団体派、これに追随する塩川一派などあらゆる勢力が逃亡と敵対を始めている。
4者4団体派の政治和解路線に決着をつけるものとして、また国鉄1047名解雇撤回闘争をJR資本との闘いによって決着させるものとして、4・25闘争を闘おう。
09年尼崎闘争は第一に、第2次国鉄決戦を切り開く決定的な闘いだ。
第2次国鉄決戦の大前進開こう
世界大恐慌は、実体経済を総破綻させ、300年の資本主義の終わりを告げている。資本家階級は、この危機をどこまでも新自由主義で突破しようと、唯一の反革命クーデターとして道州制攻撃をかけている。
われわれはこれに対して、「生きさせろ!ゼネスト」「国鉄決戦勝利、民営化・道州制攻撃粉砕」を掲げて1〜3月を闘いぬき、重大な勝利を実現した。この先頭で動労千葉が、1047名闘争に責任をとる立場に立って2月16日の国鉄集会の勝利を切り開き、3・8結成30周年レセプションで国際連帯・労農同盟を打ち立て、国鉄労働運動の主流派になることを宣言した。そして3月17〜19日のストライキを打ち抜き、3・20闘争を牽引(けんいん)した。
決定的なのは、JR東日本の「ライフサイクル攻撃」と真っ向から激突し、青年労働者の強制配転をストライキ態勢で粉砕すると同時に、平成採の青年労働者を次々と獲得して大結集の展望をつくり出していることだ。
動労千葉30年の歴史は、動労カクマルの白色テロに勝ち抜いて1地本1300余人丸ごとが動労の闘う旗を守り抜いた「第1の奇跡」、少数組合が「闘ったら分裂する」「国家権力の攻撃には勝てない」という戦後労働運動の「常識」を覆し、分割・民営化攻撃に2波のストを打ち抜いて国鉄労働運動に躍り込んだ「第2の奇跡」、そして今、JR資本―カクマルの結託体制を打ち破り、平成採青年労働者の大量獲得をもって国鉄労働運動の主流派・多数派になるという「第3の奇跡」を切り開いている。
この動労千葉の闘いと一体となって国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の階級裁判が闘われ、被告団は有罪論告求刑に対して徹底的に闘い、第2次国鉄決戦を先頭で闘うことを宣言した。敵が「革命派罪」をかけてくるなら、被告団はそれを受けて立ち、断固として革命を対置して闘うのだ。
さらに、派遣切り絶対反対の森精機の闘い、社会保険庁解体・病院売却・全員解雇絶対反対の全社労闘争、2月26日の西郡住宅闘争そのものとして闘い取られた八尾北医療センター労組のスト、3月6日の道州制粉砕・橋下打倒の闘いなど、「生きさせろ!」ゼネストの闘いが続々と爆発している。これらすべてが動労千葉労働運動の実践であり、第2次国鉄決戦を基軸とした4大産別決戦の貫徹だ。
4年目の4・25尼崎闘争は、この1〜3月の激闘が切り開いた関西・全国の闘いの地平をさらに大きく発展させる闘いだ。開始した資本との非和解的激突、体制内指導部との非和解の闘いをさらに徹底して貫こう。動労千葉と並び、5・27被告団を先頭とする国鉄労働者がJR体制打倒・1047名解雇撤回の闘いを切り開こう。
3・25反動判決に大反撃を
09年尼崎闘争は第二に、1047名闘争の責任勢力として4者4団体派に決着をつける闘いだ。4者4団体派との「階級戦争」は決定的段階に来ている。体制内勢力が「資本救済」「革命粉砕」の一点で一致し、87年国鉄分割・民営化時の動労カクマルのように動労千葉と革共同の壊滅に躍起になっている。その軸は1047名闘争をめぐる攻防だ。それは、昨年、4者4団体が主催する10・24集会に機動隊を導入し、5・27弾圧の再発動を狙ったことの中に如実に現れている。
この現実を見据えられず甘く見たら、革命派は血の海に沈められる。国家権力と体制内勢力は、1047名闘争が世界大恐慌に対する労働者階級の総反乱の軸になることを恐れ、1047名闘争の壊滅に総力をあげてきた。4者4団体派は、どこまでも自民党・民主党・公明党にすがりつき、奴隷のごとき屈服的「政治解決」で1047名闘争を葬り去ろうとしている。3月25日の鉄建公団訴訟控訴審判決は、”解雇撤回は絶対に認めない”という敵階級の意思をむき出しにするとともに、4者4団体派の一層の転落と凶暴化をつくり出す一大反動判決だ。
しかし、動労千葉の3・17〜19ストライキと3・20闘争は、労使共同宣言体制を吹っ飛ばした。3・17〜19ストの意義は、90年ストライキが1047名闘争をつくり出したように、「解雇絶対反対派」をつくり出す闘いとして貫徹されたことにある。
4者4団体派との決着をつける巨大な階級情勢の到来だ。4者4団体派の国鉄闘争終結策動を粉砕し、6000万労働者階級の闘いの先頭に1047名闘争を打ち立てるのだ。数百万人の大量首切り情勢においてこそ、1047名闘争はますます光り輝く。1047名闘争こそ道州制を粉砕し、資本家階級を打ち倒す決定的な闘いになるのである。
すべての闘う闘争団員は「1047名解雇撤回! 第2次国鉄決戦勝利!」を掲げて4・25尼崎現地に結集しよう。
国労革同・共産党の打倒へ
09年尼崎闘争は第三に、JR資本との非和解的な闘いを職場で貫いて、体制内労組指導部を打倒する闘いだ。
そもそもJR体制は、動労千葉の分割・民営化絶対反対の2波のストライキをもって、「分割・民営化絶対反対派」がJR体制に乗り込んで闘いぬくところから出発した。JR体制下22年間の基軸的攻防は、分割・民営化体制を突き破ってJR資本と非和解で闘う動労千葉派とJR資本との文字どおりのせん滅戦的やり合いだった。
「日勤教育」などの専制的労務支配は、ある意味で分割・民営化絶対反対派をせん滅するためになされた攻撃だった。JR職場の階級的利害を真っ向から体現してきた動労千葉派の存在は、JR資本を追い詰め、JR内体制内労組指導部、特に国労革同・日本共産党を恐怖させてきたのだ。
国労西日本・革同指導部はJRの攻撃の前に真っ先に裏切り、職場の団結をことごとく売り渡してきた。91年、箱根以西でJR資本がJR総連との結託体制を破棄したのも、革同・共産党の全面屈服があったからだ。分割・民営化直後の89年に出向協定を結んでJR西日本の子会社戦略に賛成、「働こう運動」を組織し、95年阪神大震災の復旧に率先協力することで資本救済の先兵と化した。そして、96年「8・30申し入れ」をもって国労ストを絶滅し、99年の国鉄改革法承認から4党合意、3与党声明を推進したのは、何よりも革同・共産党だ。そして5・27臨大闘争弾圧による組合員の売り渡しも、国労本部中枢の革同・共産党、鈴木・江田・石井らがその中軸を担った。
JR西日本資本は、事故直後から「事故は労働者の責任」「高見運転士の責任」と呼号し、職場にすさまじい攻撃をかけてきた。毎朝の点呼時の黙祷(もくとう)強要、慰霊碑カンパの強制、反省文・献花運動などなど、本当に声すら上げることができない職場状況がつくられようとした。
われわれはこの攻撃に”職場でこそ闘う”と決意し、すべてを拒否し闘いに打って出た。以来、4年にわたる尼崎事故弾劾の闘いを職場闘争と結合して闘いぬいてきた。他の一切の勢力は、職場攻防から逃亡し、敵対を深めてきた。われわれ絶対反対派だけが職場で「尼崎事故の責任はJRにある」と声を上げることができたのだ。
革同・共産党は、「労使安全会議」に参加して「JRの救済」にいち早く名乗りを上げ、「日勤教育」を擁護し、遺族に「腐った労使関係」と言われるまでに転落している。そして大恐慌の今、スターリン主義反革命としてJR資本の防衛隊、革命に対する全面的な敵対者として登場しているのである。
JR体制に対するわれわれの闘いは、JR西日本とそれを支える国労革同・共産党との壮絶な闘いでもあった。尼崎事故弾劾は、JR体制打倒の闘いそのものだ。それは同時に、JR体制を支える体制内労組指導部・革同打倒の闘いだ。その闘いに、職場・生産点から絶対反対・階級的団結・党建設の闘いを断固としてやりぬくことで勝利していこう。
09年尼崎闘争は第四に、動労千葉派が国鉄労働運動の主流派に躍り出る決定的闘いだ。
動労千葉派が今こそ主流派に
国鉄分割・民営化体制は完全に破産している。JR体制は安全・要員・労務支配のあらゆる点で労働者の激しい怒りの対象だ。そして、動労千葉が「ライフサイクル粉砕」を真っ向から掲げて闘い、平成採の青年を獲得していることは、JR体制打倒・体制内労組指導部打倒の圧倒的展望をつかんだということだ。
われわれは、動労千葉が切り開いている国鉄労働運動の主流派への挑戦の闘いを、全国の国鉄職場で実践する。職場に分割・民営化絶対反対派として登場しきって、JR資本と体制内指導部との非和解の闘いを貫こう。この闘いは必ず平成採の青年労働者の決起をつくり、JR体制を転覆する展望を切り開く。動労千葉を先頭に、JR総連カクマルを組織実体的に打倒し、JRで動労千葉派が主流派になることこそが革命勝利の唯一の道筋だ。そしてその絶好の情勢が来ている。われわれはその闘いを、何よりもJR西日本下で「JR資本と闘って組織を拡大する」闘いとして烽火(のろし)をあげる決意だ。
革共同関西地方委員会は4・25尼崎現地闘争を全力で担う。全国からの熱い結集を訴える。1〜3月の勝利をさらに推し進める闘いとして4・25尼崎闘争を爆発させ、第2次国鉄決戦を基軸に据えてプロレタリア革命に進撃しよう!
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週刊『前進』(2386号2面3)(2009/04/06 )
「ミサイル迎撃」大演習許すな
4・21日比谷集会とデモで反撃を
北朝鮮が4月4日〜8日に「人工衛星ロケット」を打ち上げると発表したことに対し、日帝・浜田防衛相は3月27日、自衛隊法82条の2に基づき、「弾道ミサイル破壊措置命令」を発令した。これは日帝の側からの北朝鮮への戦争突入である。戦後日本の安保政策の大転換であり、日帝の侵略戦争政策の新段階である。労働者階級の反戦の怒りを総結集し、4・21日比谷野音集会とデモで大反撃しよう!
麻生の突出した「破壊措置命令」
2月末に北朝鮮が予告したことに対する麻生政権の対応は、米帝などのそれと比べても非常に突出したものである。3月2日に麻生自身が迎撃作戦を打ち出し、その準備に一斉に動き出した。
支持率低迷と麻生降ろしの動きの中で、危機の麻生はこの「ミサイル迎撃」(および民主党・小沢に対する指揮権発動・国策捜査)で起死回生の逆転を図ろうとしているのだ。麻生派議員は「危機管理に成功すれば支持率が上がる」「神風だ」と公言した(朝日新聞3月28日付)。
07年3月に配備した弾道ミサイル防衛システム(BMD)を実際に発動し、日本海にSM3(海上配備型迎撃ミサイル)を積んだイージス艦を配備し、地上ではPAC3(地対空誘導弾パトリオット3)が東北地方に大がかりな移動をした。また、防衛省敷地内にもPAC3が配備された。
まるで開戦前夜のようだ。日本が「攻撃」されるわけでもないのに、今にも日本の上空から北朝鮮のミサイルが撃ち込まれ、とんでもない被害を被るかのような報道が横行している。そして”国土を守るためにミサイル迎撃は当然である”とする宣伝がなされている。
それだけではない。東京都では、「発射情報」を各区市町村に緊急伝達する訓練が3月31日、行われた。まるで、東京が北朝鮮の核ミサイルで今にも攻撃されるかのような騒ぎ方ではないか。
1933年8月、「関東地方防空大演習」が実施されたが、これは「米軍の空襲」を想定し、本格的灯火管制を実施して「非常時」意識を鼓舞するのが目的だった。これと同様のことが今、行われているのだ。
石原都知事は「変なものが(日本の)間近に落ちるなんてことがあった方が、日本人は危機感、緊張感を持つんじゃないかな」と述べた(3月27日)。人民を戦争に駆り立てようとする支配階級の本音がむき出しだ。
さらに31日、衆参両院の本会議で、「ミサイル発射準備を進める北朝鮮に抗議し、自制を求める決議」がそれぞれ全会一致で採択された。北朝鮮に対する「挙国一致」の宣戦布告に等しい。
日本共産党や社民党が「北朝鮮のミサイルが国連安保理決議違反だという文言を削除させた」などと言うのは言い訳にもならない。なぜ日米帝国主義の圧倒的な核戦力、軍事重圧と脅迫が非難されないで、北朝鮮に対する決議が出されるのか。この転倒した議論に異を唱えず、麻生政権に協力するのは大犯罪だ。
「北朝鮮が人工衛星と主張しても、それは弾道ミサイルと同じであり、国連安全保障理事会決議に違反している」と言うのは、日本が打ち上げている人工衛星も大陸間弾道弾に転化できることを自ら認めるものだ。
問題は米日帝の北朝鮮侵略戦争
そもそも北朝鮮の「人工衛星」打ち上げ予告は、金正日スターリン主義体制の米帝オバマ新政権に対するメッセージであり、同時に国内支配体制の強化とイランなどへのミサイル売り込みのための演出である。総じて実に反人民的なものである。しかし、問題の中心は、この北朝鮮のミサイル計画を口実とし餌食として帝国主義が侵略戦争をやり、北朝鮮の体制転覆を図ろうとしていることにこそあるのだ。
圧倒的な核戦力を持っているのは米帝と日帝の側であり、押さえ込まれているのが北朝鮮であることは紛れもない事実だ。沖縄を始めとする在日米軍基地が「北朝鮮有事」に備えて臨戦態勢に入っている。北朝鮮の「ミサイル基地」は米偵察衛星によって丸裸にされ監視されている。
「脅威」と言うなら、日々周辺住民を脅かしている米軍基地の存在、例えばキャンプ・ハンセンの実弾演習の流れ弾の方がよほど脅威だ。
北朝鮮が打ち上げる「人工衛星」を自衛隊が迎撃し、もし撃ち落としたら「大戦果」として称揚し、撃ち落とし損ねたら、「撃ち落とせるようにもっと訓練を」と、総括する。そうしてついには、「究極的には敵基地を先制攻撃しなければ守れない」とする「先制第一撃」戦略に発展することになるのだ。
ミサイル迎撃の暴挙に反対し、ソマリア沖派兵の強行を許さず、「海賊対処法案」の通常国会成立を阻止しよう。道州制、裁判員制度、改憲の攻撃を打ち破ろう。すべての怒りを裁判員制度阻止の4・21日比谷野音集会(要項6面)に大結集し、戦争と改憲の攻撃に反撃しよう。
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週刊『前進』(2386号2面4)(2009/04/06 )
『ソリダリティ』5号が発刊
『ソリダリティ』5号をマル青労同1000人建設のために活用しよう。第1部は、マル青労同第5回大会の報告・決定集。大会基調、総括、感想が収められている。「大恐慌時代に立ち向かうマル青労同の飛躍をやりきった」(大会総括)第5回大会。マル青労同が体制内勢力との党派闘争を貫き階級の指導部へと成長していることを実感できる。
第2部は、同盟員の論文・報告。「世界大恐慌と道州制攻撃−動労カクマルの道進む自治労本部との党派闘争を」の道州制粉砕論文。「資本主義の枠内での民主的改革」論を粉砕しきった日本共産党批判。派遣先ストライキに立った森精機労働者座談会とその教訓。全国の同盟員による『新版 甦る労働組合』の感想文を収録。
第3部は学習講座。『共産党宣言』と『新版 甦る労働組合』を基にした「マルクス主義を貫く労働運動」。「大恐慌下の労働運動」と題した1930年代のアメリカ階級闘争の研究論文である。
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週刊『前進』(2386号3面1)(2009/04/06 )
3・29三里塚 農地強奪攻撃と貨物機事故に怒り
農地死守の原則貫き廃港へ
“現闘本部裁判を実力で闘う”
3月29日、三里塚全国総決起集会が反対同盟の主催で開かれ、快晴の空のもと、会場となった天神峰の市東孝雄さんの畑は全国から結集した1580人の労働者・農民・学生で埋め尽くされた。農地強奪攻撃と危険極まりない欠陥空港への強い怒りが、この日の闘いを爆発させた。日本帝国主義打倒へ向け、三里塚43年の不屈の闘いの真価が今こそ発揮される時だ。
(写真 「農地死守」を貫いた43年の勝利の地平に自信を深め、反対同盟を先頭に長蛇のデモ隊列が集会場から出発した【3月29日 成田市天神峰】) 「決戦の三里塚」に
集会場は動労千葉の動輪旗を先頭に組合旗、大学旗、のぼりなどが林立し、「決戦の三里塚」にふさわしい熱気があふれた。正午から婦人行動隊の宮本麻子さんの司会で集会が始まった。
森田恒一さんが開会宣言を行い、「私はもうすぐ92歳だが、市東さんの土地取り上げの代執行が行われる事態になれば先頭に立って粉砕する」と決意を表した。
北原鉱治事務局長が主催者あいさつに立ち、「今日の参加者は非常に多い。自らの手でこの社会を変えようとする労働者・農民がこれだけ多く集まった。学生は大学キャンパスを自分の手に取り返せ。三里塚は君たちの未来のために闘う」と高らかにアピールした。
続いて萩原進事務局次長が基調報告を行った。「成田空港での3月23日の米貨物機事故は欠陥だらけの空港としての現実を突きだした。ウインドシアによるオーバーランの大事故は03年1月にも起きている(注)。われわれの43年の闘いが空港の惨めな現実を強制している。暫定滑走路北延伸阻止、市東さんの農地を守る闘いから、この成田を廃港へ追いつめていこう」と怒りを込めて訴えた。
さらに「@天神峰現闘本部裁判を実力闘争として闘おう。仲戸川裁判長の常軌を逸した訴訟指揮を許さない。A農地収奪を粉砕し、市東さんの農地を守る陣形を構築しよう。”農地死守・実力闘争”で闘おう。B農地法改悪と闘い、全国農民の決起をつくりだそう。C成田の軍事空港化を阻止しよう」との鮮明な闘争方針を打ち出し、秋の10・11全国集会へのさらなる大結集を呼びかけた。この基調報告に全参加者が奮い立ち、拍手を送った。
続いて動労千葉の田中康宏委員長が特別報告に立った。「動労千葉は闘いの原則を曲げず、国鉄分割・民営化攻撃と闘いぬいたことによって今日勝利の展望を開いている」と結成30年の核心的総括を明らかにした上で、3月25日の鉄建公団訴訟の反動判決を満身の怒りを込めて断罪した。「不当労働行為があったと認めながら『解雇は有効』だって? 冗談じゃない! 絶対に認められない。4者4団体が『政治解決』の幻想をあおることをもう許さない。道州制でこれから公務員360万人に『いったん解雇し再雇用』という同じ攻撃が襲いかかろうとしている。今こそ労働運動の原点に帰るときだ」と体制内労働運動指導部の責任を厳しく追及し、反対同盟との労農連帯を一層打ち固めて闘うことを明らかにした。
次に関西実行委の永井満さん、山本善偉さんが発言。永井さんは「関西は当初から反対同盟に学んできた。三里塚とともに関空の軍事空港化阻止を闘う」と表明した。
反対同盟事務局の鈴木謙太郎さんが「農地法改悪阻止・農民アピール」(別掲)を読み上げた。
さらに沖縄からの現地報告として読谷村議の知花昌一さんが登壇し、「沖縄の闘いのために三里塚から学ぶ」とあいさつした。
農地裁判勝利訴え
市東孝雄さんの登壇で集会の熱気は最高潮を迎えた。市東さんは三つの農地裁判を全力で闘いぬいてきた自信にあふれ、「私は自分の畑を耕すことで、農家切り捨てに対し闘う」と揺るぎない決意を表し、拍手と歓声がひときわ高く響いた(発言要旨別掲)。
市東さんとともに登壇した「市東さんの農地取り上げに反対する会」井村弘子共同代表、農民の会員、「群馬・市東さんの農地を守る会」の方々が市東さんとともに闘う決意を述べた。この中で北総の農民は、農業切り捨て政策を厳しく批判し、「農地法による農地取り上げは、全国農民にかけられた攻撃と連動している。大木よねさんへの代執行のようなことを繰り返させてはならない。腹を固めて市東さんを守る」と決意を表した。
反対同盟顧問弁護団が勢ぞろいし壇上に並んだ。最初に葉山岳夫弁護士が仲戸川裁判長の忌避却下、裁判強行、ビデオリンク方式での証人調べ、反対同盟側証人の採用取り消しなどの暴挙を具体的に挙げて「裁判官としての自殺行為」と弾劾し、4月23日の現闘本部裁判への傍聴・支援の結集を呼びかけた。さらに各弁護士が決意を表明した。
婦人行動隊の鈴木加代子さんが「農地を守り、軍事空港にはさせない」とカンパアピールを行った。
住民団体・共闘団体の決意表明に移り、部落解放同盟全国連、婦人民主クラブ全国協議会、障害者、山谷・福日労の各代表が発言した。婦民全国協の西村綾子代表は「女性労働者の現場に吹き荒れる攻撃の中で労働者も家族も怒りが煮えたぎっている。こんな社会をひっくり返して、生きられる社会を」と訴えた。
全学連の織田陽介委員長は、「成田を廃港にするしかない。市東さんの農地強奪、農地法改悪は道州制攻撃そのものだ。資本家は内定を取り消された学生を”在庫”と呼んでいる。労働者・農民・学生の決起は一つのものだ」と訴え、4・24法大闘争への結集を呼びかけた。
集会の締めくくりに事務局の伊藤信晴さんが集会宣言を読み上げ、太郎良陽一さんがスローガン採択とガンバロー三唱を行った。
長蛇のデモ行進が北総台地を力強く進んだ。この日の大結集に圧倒された機動隊が、一人の青年労働者に襲いかかり不当逮捕した。これに対する抗議闘争が猛然と爆発し、弾圧態勢を破り翻弄(ほんろう)しながら、参加者は攻防の焦点である天神峰字南台の市東さんの耕作地までの実力デモを貫徹した。
労農連帯で大結集
3・29三里塚闘争は、大恐慌のもとで全世界の労働者・農民・学生・人民が陸続とデモ、スト、実力闘争に立ち上がっている革命情勢と完全に一体で闘いぬかれた。三里塚現地の全国集会としては、近年を圧倒的に上回る大結集がかちとられた。
3月23日の米貨物航空機の事故は労働者・農民の闘いに追いつめられた「世界で最も危険な空港」としての成田空港の大破産を露呈した。こんな欠陥空港、軍事空港のために農民が丹精込めて耕してきた農地を奪うことなど断じて許さない。この怒りが、集会・デモを終始貫いた。それは職場でリストラ、賃下げ、解雇、雇い止めと闘う「生きさせろ!」の労働者の叫びと一つのものだ。
三里塚闘争43年の不屈の歴史が、市東さんの鮮明な決意が、そして反対同盟と動労千葉のきずなを中心とする労農連帯が、敵を追いつめていることがあらためてはっきりした。そうであればこそますます成田空港会社(NAA)と千葉地裁は結託して、暫定滑走路北延伸、市東さんの耕作地強奪のためになりふり構わぬ攻撃をさらに激化させるだろう。望むところだ!
「農地死守・実力闘争」の原則を貫いて闘うことこそ勝利のかぎである。
天神峰現闘本部裁判、市東さんの農地裁判を全力で支援し、傍聴に駆けつけよう。仲間を誘い、援農や現地調査に訪れよう。労農連帯・国際連帯の力で三里塚の勝利を実力で闘いとろう!
(注) 03年1月の事故
1月27日、暫定滑走路に着陸したソウル発成田行きのエアージャパンB767―300型機が、追い風の中で速度超過のまま着陸しオーバーラン、滑走路南端を超えて約70b暴走し、過走帯を10b超え航空灯火をなぎ倒し、東峰神社の目の前約50bの草地でようやく停止した。事故当日は、風の速度や方角が急変する「ウインドシア」と呼ばれる状態だった。空港公団総裁・黒野匡彦は会見で、滑走路の短さについて質問されても答えず居直りを決め込んだ。
(写真 市東孝雄さんが登壇するとカメラやマスコミ取材が集中。不動の決意に会場は大きな拍手と歓声に包まれた)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2386号3面2)(2009/04/06 )
市東孝雄さんの闘いの決意
胸を張り畑を耕し続ける
農地法第1条は「耕す者に権利あり」。今話題の映画の中でも、ゲバラが「土地はそこを耕す農民のものだ」と叫ぶそうです。
私は胸を張ってこれまでどおり畑を耕作していきたいと思います。
今国会ではこの農地法の大本を削り取るとしています。私は自分の畑を耕すことで、企業優先、農家切り捨てに対し闘っていきます。
この2月3日に三つ目の裁判が始まりました。これは農地法による農地取り上げ裁判です。先日の現闘本部裁判の暴挙と司法の反動は許さないという気持ちを込めて闘います。みなさんもぜひ傍聴闘争に参加してください。
二つ目に、先日の貨物機の事故を皆さんもテレビなどで見たと思います。実はあれと同じ原因であわや大惨事の事故が6年前の1月、わが家のすぐ前で、100人が乗った旅客機エアージャパンで起こっています。東峰神社の手前で止まりましたが、突っ込めば爆発炎上の大惨事です。力ずくでつくった成田は欠陥だらけ、そしてまた北延伸で進入灯の下を東関道が横断している。こんな空港はありません。廃港にすべきです。
三つ目に、ここに集まった労働者、農民、学生、そして市民運動、反戦運動のみなさん、必ずや勝利しましょう。労働者から職場を奪い農民から農地を取り上げる今の政権に政府をまかせることはできない。戦争に絶対反対、道州制に反対、改憲に反対。反対同盟の原則を守り、労働者の先頭で闘う動労千葉とのきずなを固め、これからも一生懸命闘います。
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週刊『前進』(2386号3面3)(2009/04/06 )
■農民アピール
農地法改悪反対! 労働者・農民は連帯して闘おう
皆さん、ついに農地法の改悪案が国会に上程されました。法案は、「耕すものに権利あり」をかかげた農地法の第1条を削除し、大企業が自由に農地を使えるようにするものです。農民を農業から排除することにほかなりません。政府の農民切り捨てはここに極まりました。戦前からの小作争議と戦後の革命情勢の中で闘いとった農民の権利を、やすやすと明け渡すわけにはいきません。
韓国とEUのFTA(自由貿易協定)が暫定合意したことで、自動車や家電製品が売れなくなると財界は焦りにかられています。「農業改革の遅れが、日本の通商交渉の妨げになっている」と農業に責任を転嫁しようとしています。冗談ではない。恐慌にあえぐ資本の生き残りのために、農産物市場を開放し、農家をつぶしてよいという政策をどうして許すことができるでしょうか。
また、石破農水相は、自由競争を掲げて米価暴落を引き起こす「減反選択制」をにわかにうち出しました。今でも食べていけない米農家に死を宣告するに等しい政策です。
今回の農地法改悪は「52年制定以来の大改革」といわれています。まさに、道州制や裁判員制度と一体の戦後体制の大転換、改憲攻撃そのものです。
日本の農民は大恐慌の時に、実力で闘いぬいた輝かしい歴史を持っています。三里塚は戦前戦後の農民闘争を引き継ぎ闘います。
農地法改悪反対! 労働者と農民は分断をうち破り、団結して闘おう。
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週刊『前進』(2386号3面4)(2009/04/06 )
東京卒業式不起立処分
分限免職許さず勝利
6年目の闘いさらに広がる
(写真左 停職処分の発令後「分限免職を阻んだ!」と勝利感に満ちて報告する根津公子さん【3月31日 水道橋】)
(写真右 「不当処分をやめろ」と抗議)
3月31日午後、卒業式で「日の丸・君が代」強制に反対して不起立・ピアノ伴奏拒否を貫いた教育労働者に対する都教委の処分が発令され、水道橋の東京都教職員研修センター前で、教育労働者を先頭に250人が弾劾行動を闘いぬいた。
03年「10・23都教委通達」以来、不起立を続けてきた根津公子さんは、07年、08年とすでに2回の停職6カ月処分を受けている。今年も不起立を貫いた根津さんの処分がどうなるのか。根津さんの処分発令は午後3時。シュプレヒコールを上げながら緊張して待った。
根津さんが出てきた。満面の笑みだ! そして「停職6カ月!」の声。
「やった〜!! 解雇を阻んだぞ!」 大きな歓声が上がり、拍手が沸き起こった。
まったく不当な処分であることは言うまでもない。しかし、昨年3月は「停職6カ月の次は懲戒解雇」と言われる中で、それを打ち破って勝利。今年は、都教委が昨年7月に新たに「分限対応指針」を作成し、不起立被処分者の分限免職を策動する中で、解雇を阻んだのだ。大勝利だ!
解雇の脅しに屈せず、堂々と不起立を貫く根津さん、河原井さんを先頭とした東京の教育労働者の闘いが、分限対応指針を無力化したのだ。
今年の卒業式の「君が代」不起立・不伴奏を理由に、31日に発令された処分は計13人。文書訓告が1人、戒告処分が4人、減給(10分の1)1カ月が1人、減給(10分の1)6カ月が4人、停職3カ月が1人、停職6カ月が根津さんと河原井さんの2人だ。03年「10・23都教委通達」から6年目の卒業式でも新たな不起立者が登場し、闘いは広がっている。
どれだけ不当な処分を乱発しようとも、教育労働者の誇り、労働者魂をたたきつぶすことはけっしてできないことを、今年の不起立闘争は断固示したのである。
この現実に追い詰められているのは都教委だ。
「10・23通達」直後には、「不起立3回で解雇」といううわさがまことしやかに流され、一切の抵抗が封じられようとした。しかし、東京の教育労働者の6年間にわたる不屈の闘いは、「不起立解雇はできない」という力関係をつくった。
今、道州制攻撃により、教育労働者に大量解雇が襲いかかろうとしている。国鉄分割・民営化型の攻撃を全社会に押し広げ、教育労働者・自治体労働者を大量解雇・非公務員化・非正規雇用化する道州制攻撃は、6000万労働者総体にかけられた大攻撃だ。
道州制攻撃に緒戦で大反撃
この時に根津さんの分限免職を阻んだことは、ひとり根津さんの問題でも、「日の丸・君が代」不起立闘争だけの問題でもない。大量首切りと非正規雇用化と対決する闘いの巨大な突破口を開いた大勝利である。
職場闘争を放棄した裁判唯一主義と決別し、職場に団結をつくり出し、文科省・都教委の先兵と化した組合幹部をぶっ飛ばして、道州制攻撃と全面対決しよう。「不起立で団結しよう」「日教組本部をうち倒し、闘う労働組合を取り戻そう」と闘えば必ず勝利できる。確信も固く闘いぬこう。
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週刊『前進』(2386号3面5)(2009/04/06 )
被処分者の声
都立特別支援学校教員・根津公子さん
3回目の停職6カ月処分 26日の反動判決後、「確実に分限免職だ」と思っていた。停職6カ月にとどめることができて、本当にほっとしています。都教委の意に沿わない教員をクビにするために昨年7月につくられた分限対応指針の初適用がきょうだったはず。それができなかった。分限対応指針の効力は半減しました。大勢の人が不起立していることが大きな力です。本当にみんなでかちとった勝利です。
都立特別支援学校教員・河原井純子さん
2回目の停職6カ月処分
昨年も一昨年も、停職中に「『君が代』解雇を許してはいけない。これは改憲の道、改悪教基法の実体化を許すことだ」と全国行脚した。不当な処分ですが、「君が代」解雇を阻めたという意味では、停職6カ月は「おめでとう」です。私たちの向かう道は「10・23通達」白紙撤回。あきらめないで行動しましょう。
都立高の音楽教員
不伴奏で4回目、減給(10分の1)6カ月 ドイツでは兵士に「任務と良心」の二つの円を見せ、「これが重ならなければ任務に従わなくていい」と研修する。ヒトラーの歴史の教訓からだ。日本では天皇の命令で子どもたちを死に向かわせた教訓を生かしていない。
都立高教員
1回目、戒告 卒業学年の担任として不起立し、初の処分となった。処分で受ける不利益なんかよりずっと、「やりとげた。よかった」という気持ちでいっぱいです。
小学校教員
1回目、文書訓告 道州制で大量首切りが襲いかかろうとしている。組合がストライキで反撃すべき時。だから私は「40秒間のストライキ」に立った。不起立を広げ、みんなで物を言い、行動しましょう。
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週刊『前進』(2386号4面1)(2009/04/06 )
新入生歓迎特集
ブルジョア国家を打ち砕き労働者階級が社会を運営する
レーニン『国家と革命』を学ぼう
はじめに
世界革命の時代が到来している。 世界大恐慌下、資本家階級は首切り・賃下げと戦争で労働者階級を犠牲にして延命しようとしている。こんな資本主義はもう終わりだ。資本家階級を打倒し、労働者階級が社会の主人公となり人類史を新たに切り開く時が来た。
今、労働者階級の闘いは、資本との非和解的激突のみならず、同時に国家との対決へと不可避に発展している。京品ホテルの労働者の自主営業闘争や西郡住宅闘争に対する警察権力の投入、法大当局による情宣禁止仮処分攻撃など、国家に対するあいまいな態度を許さない局面へと進展している。
資本や国家との非和解的激突を恐れ、資本と国家の危機を救おうとする勢力が労働運動の中にいる。国鉄1047名闘争を敗北の沼地に引きずり込もうとする4者4団体指導部や連合・全労連中央、日本共産党、カクマルなどの体制内派だ。彼らは「資本を救え」「国益を守れ」の大合唱に加わっている。そして、澎湃(ほうはい)と決起する労働者階級を圧殺している。労働者階級の進むべき路線を巡る対立は、「国家に対する態度」として最も先鋭な形で表れるのだ。
私たちが現在直面しているこの課題とまったく同じ課題に直面していたのがレーニンとボリシェヴィキのもとに結集したロシアの労働者階級だった。
第1次世界大戦はロシアの労働者・農民に極限的な窮乏をもたらした。1917年2月、その怒りが爆発。労働者のゼネスト・デモ、兵士(農民)の反乱で帝政ロシアは打倒された。二月革命である。労働者・兵士代表ソヴィエト(評議会)とブルジョア臨時政府との二重権力が成立した。ブルジョア政党による臨時政府にメンシェヴィキやエスエルなど口先だけの「社会主義者」=日和見主義者が加わった。体制内派が総結集する連立内閣だ。レーニンは、革命の社会主義革命としての貫徹をかけ、日和見主義者との党派闘争を徹底的に展開、労働者階級に熱烈に呼びかけた。「ブルジョア国家を粉々に打ち砕け! すべての権力をソヴィエトへ! 労働者階級にはそれができる!」と。それが『国家と革命』だ。1917年10月、ロシアの労働者階級は体制内派をぶっ飛ばし労働者階級の自己権力を樹立した。『国家と革命』の内容で十月革命に勝利したのだ。
今こそ『国家と革命』を復権し、プロレタリアートの独裁を打ち立てよう! 資本の鎖を労働者に巻きつける体制内派をぶっ倒す「史上かつてない徹底的な党派闘争」を!
(写真 1920年5月5日、モスクワのスヴェルドロフ広場で演説するレーニン。カーメネフとトロツキーが演説の順番を待って演壇のステップにいる) 階級対立は非和解 だから国家が生まれるのだ
国家とは何か? それは「階級対立の非和解性の産物」であり、階級支配の機関であり、一階級が他の階級を抑圧するための組織された暴力である。軍隊と警察、そして監獄は国家権力の主要な力の道具である。支配階級はこれらの公的な暴力装置をつくり出す一方、「住民の自主的に行動する武装組織」を解体し暴力を独占する。こうして国家権力は確立される。
支配階級や体制内派は「民主主義」や「選挙制度」をもって国家の存在を正当化するが、それらの本質は「議論」などではなく、「従わないやつには暴力で強制する」ことを合法化し公認することである。それは、この社会が「話し合い」ではけっして一致できない非和解的利害対立をもった諸階級に分裂していることを示す。資本家階級と労働者階級の対立、賃労働と資本の関係を基軸とする近代ブルジョア社会こそ、最も完成された階級社会である。
国家の起源は何か?
人間社会は労働によって成り立っている。他人と協働して自然に働きかけ、さまざまな生産物をつくり出すことで社会を形成してきたのが人類だ。社会の生産力は協働によって発展する。協働によって発展する生産力は、生きていくのに必要な最低限以上の生産物=剰余生産物をつくり出す。
そして剰余生産物を私的に独占し、所有することで自らは労働することを必要としないような人間が存在することも可能になる。これが住民の階級への分裂である。
剰余生産物を労働者ではなく一人の資本家が独占すると、その一人は労働から解放され、剰余生産物を蓄積することができる。1年たってみれば、労働者にはなんの蓄積も財産もなく、相変わらず働くための自己一身、労働力以外には何もないが、一人の資本家には膨大な労働生産物、財産が蓄積されている。こうした関係が構造的に組み込まれた社会が階級社会だ。この階級社会を固定化し、維持しつづけるためにつくり出されたのが国家である。
生産手段の独占所有
資本家は何ゆえに剰余生産物を独占することができるのか? それは資本家が生産手段を独占しているからだ。生産行為=労働のためには、さまざまな生産手段が必要である。生産手段が生産活動の直接の担い手=労働者たちのものではなく、労働しない者=資本家の手に独占されているのが私有財産制度であり、資本主義社会だ。この社会では、私有財産としての生産手段を用いて生産されたものはすべて資本家の所有となる。生産手段が資本家に私有されていることで、労働者は資本家に雇われなければ生きていくこともできない。そして、資本が労働者を雇い入れるのは、労働者の労働が剰余価値を生み出すからであり、資本が剰余価値を取得し増殖するためである。
「われわれが廃止しようとするのは、資本を増殖させるためにのみ労働者が生き、支配階級の利益が必要とする限りにおいてのみ労働者が生きていける、というこの取得の惨めな性格である」(『新訳・共産党宣言』35〜36n)
プロレタリア革命とは、この賃労働と資本の関係を転覆する闘いだ。
階級支配の道具 「公的暴力」を粉砕する革命
労働者が階級的に団結し、資本家による生産手段の独占と生産点における統制を粉砕し、生産手段との結合を自分たちの意思のもとに行えば、賃労働と資本の関係が打ち砕かれ、生産物は剰余生産物も含めてすべて労働者階級のものとなる。そこでは階級社会など一瞬たりとも成り立たないのだ。
資本主義社会、私有財産制度は、労働者の分断と競争の上にのみ成り立ち、労働者の団結によって粉砕される。資本家階級は、これまでのすべての支配階級と同じく、物理的な強制力=暴力によって労働者の反乱を鎮圧し、自らの取得の様式ないし「万人に与えられた生来の権利」としての私有財産権を守ってきた。
この公的暴力=国家を粉砕することなくして、労働者は賃労働と資本の関係、階級支配を覆すことはできない。労働者階級と資本家階級の利害は非和解的に対立している。それゆえに階級支配を貫徹するための暴力装置である国家とも労働者階級は非和解だ。
だが、すべての体制内派は、この「国家に対する態度」において完全に資本家階級に屈服している。
日本共産党は「ルールある資本主義」を標恫(ひょうぼう)している。それは「私有財産制度が法律によって擁護されている」ということではないか! 「格差を是正せよ」だの「福祉を充実せよ」だの言いながら、賃労働と資本の関係には指一本触れない。この「ルールある資本主義」、賃労働と資本の関係の中でこそ、労働者は資本家に雇われ、資本を増殖する限りで労働にありつけ、生きていくことが許されるのだ。自分を切り売りしなければならない労働者とは、他の販売品目と同じ一商品でしかない。人間がモノにされ、賃金奴隷にされる社会、それが資本主義だ!
共産党の求める「ルール」は結局のところ、労働者という「商品」が「あまり乱暴に扱われないように」と資本家に配慮を求めることでしかない。そのために労働者階級には「よく手入れされたミシン」「磨き上げられた工具」として扱われることに満足しろ、永遠に奴隷でいろ、と説くのだ。
国家は、資本が労働者階級を賃金奴隷として搾取するための道具だ。だから国家を、そして結局のところ資本主義を前提とする体制内派の運動は必然的に労働者を「救済の対象」とする。だが、労働者階級の解放は労働者階級自身の事業だ。それは、国家に対する日和見主義を粉砕し、ブルジョア国家を粉砕するなかで貫徹される。
国家と革命の関係 労働者国家は国家死滅の道
階級対立の廃絶
プロレタリア革命の目的は、労働者階級の解放であるが、それは資本主義的生産様式の廃止、賃労働と資本の関係の廃絶をつうじてなされる。労働者が生産手段から切り離されていて、資本家がこの生産手段を独占的に所有している、この所有関係を覆すことだ。所有権とブルジョア的生産関係を専制的に侵害することだ。資本家階級を打倒して新たに支配階級となった労働者階級が、その政治支配を利用して資本家階級から資本を奪い取り、生産手段を社会の共有に変え、社会的共同生産を計画的に組織化することだ。
これは資本家の存在を全否定する。これに素直に従う資本家諸君はいないであろう。だから、労働者の革命は必ず暴力革命となる。
しかも、プロレタリア革命が暴力革命であるのは、それが支配階級の抵抗を打ち砕くことを必要としているためだけではない。暴力革命は、労働者がこの革命の主体となり、新たな支配階級として共産主義社会を実現するために、必須不可欠なことであるからだ。労働者階級が自らを新たな人類社会の能動的主体的担い手として登場させるためにこそ、資本家階級を抑圧し、その抵抗を打ち砕き、私有財産を暴力的に奪い取ることが必要なのである。
「したがって革命が必要なのは、たんに支配階級を他のいかなる方法によってもうちたおせないからだけではなく、うちたおす階級が、ただ革命のなかでのみ、いっさいの古い汚物を払いのけて社会をあらたに樹立する力を身につけることができるようになるからである」(新訳『ドイツ・イデオロギー』50n)
(写真 1917年3月初め、タヴリーダ宮殿での兵士代表ソヴィエトの集会) プロレタリア国家
プロレタリアートがブルジョア国家を粉砕した場合、問題になるのは、「粉砕した国家機構を何ととりかえるか?」ということだ。ブルジョア国家の役割は、資本、私有財産、資本家階級の利益を保護することである。だからプロレタリアートが粉砕すべき国家機構とはまず、直接的に資本を防衛する暴力装置である常備軍、警察、監獄である。この労働者権力が、残存する資本家階級の反抗を最終的に打ち砕き、資本家階級の存立の諸条件をなくしたとき、最後の国家としてのプロレタリア国家は、その役割を終えて死滅する。
スターリン主義
プロレタリアートの独裁は、ブルジョアジーの反抗と存立条件を廃絶するとともに死滅する権力だ。ロシア革命において実現されたソヴィエト権力も、当初はそのような労働者自己権力として打ち立てられた。しかし、それはスターリン主義によって歪曲され、労働者階級と切り離された権力となった。ロシア共産党とソヴィエト権力を内部から変質させ簒奪(さんだつ)したスターリニスト官僚がプロレタリアート独裁や世界革命の名で労働者・農民を抑圧するようになったのだ。国家死滅の過程としてのプロレタリアート独裁=過渡期を歪曲・固定化した。
こうしたスターリン主義の発生の根本原因は、世界革命の遅延、ソヴィエト・ロシアの孤立、ロシアの農業国的後進性という現実への屈服、それを合理化するための一国社会主義論、世界革命の放棄という裏切りにある。こうして帝国主義との共存を自己目的化し延命を図ったソ連スターリン主義は、帝国主義の包囲のもと、一国社会主義的根本矛盾を爆発させて崩壊した。
かくして「共産主義は新たな階級支配を生むだけ」「共産主義は失敗した」という誤った思想が一時的にせよ大きく広がった。現代にプロレタリアートの独裁を提起する場合、このスターリン主義による歪曲を粉砕し、マルクス主義に基づく『国家と革命』の内容を復権することが絶対に必要である。
「しかし、社会主義をなにかある死んだ、硬化した、一度あたえられたらそれきりのものと考えるありきたりのブルジョア的観念は、際限もなく誤っていることを、理解することがたいせつである。実際には、社会主義のもとではじめて、社会生活と個人生活のすべての分野で、住民の大多数が参加し、ついで全住民が参加しておこなわれる、急速な、ほんとうの、真に大衆的な運動が始まるのである。」(国民文庫『国家と革命』 170〜171n)
ここにあるのは、プロレタリアートへの信頼である。資本主義を打倒し生産手段の共有のもとに生産と社会の運営を開始した労働者の社会がいかなるものとなるかについて、公式的に語ることは確かに不可能である。明言できるのは、プロレタリアートの独裁とは、ブルジョア国家を粉砕し、労働者階級が社会の運営を自ら担うことであり、それは生産手段の共有に基づいている以上、徹頭徹尾労働者階級の団結に依拠してのみ成り立つ。だから、過渡期をどのようなものとして考えるかは、プロレタリアートの団結をどのようなものとしてつくり出すのか、ということとイコールである。自分自身、あるいは隣の仲間である労働者階級をどういう存在として見ているか?がそこで隠しようもなく現れる。マルクス主義とスターリン主義の立場はここにおいて決定的に違う。
プロレタリア独裁 労働者の職場支配権が基礎
プロレタリア階級闘争とは、プロレタリアートの独裁を今日的に貫くことである。職場生産点においては労働者・労働組合の支配権の確立を闘いとることである。体制内派はこの職場支配権をめぐる闘いから逃げ回り、「選挙で『人民の意思』が体現される。その枠の中であらゆる問題を解決すべきであり、それ以外ない」という見解を垂れ流す。しかし、これは偽りである。資本主義社会においては取るに足らない少数の支配階級の手に社会的な力が集積され、それが累進的に強化されていく。ブルジョア社会においては、商品交換関係における外見的自由・平等に基づく政治的自由・平等の一方で、社会的経済的には階級間の実質的不平等が生じ拡大する。現実の労働者の闘いを見れば明らかである。
例えば京品ホテルの自主営業闘争。リーマンブラザーズの破綻によってホテル売却が計画され、労働者が解雇された。京品ホテル労働者の闘いは、労働者はこんな理不尽な私的所有を認めないし、資本=「社会的に集積された力」の運営に関して資本家が責任をとれないというなら労働者が責任をとる、ということだ。こうした行動に労働者が出たとき、国家はそれを暴力的に鎮圧し、資本−私的所有を守ろうとしたのである。
「私的所有を認めない。私的所有は必要ない」という見解は、生産点における資本の支配を粉砕し、労働者の支配を確立する中から生まれてくる。労働者の生きんがための反乱、議会的おしゃべりの「外側」でのみ、私有財産制度の粉砕は現実的問題となるのである。だから、プロレタリアート独裁を樹立するというとき、その核心は、資本家階級の支配力の源泉である職場生産点において、その支配を覆していくということである。
労働組合の意義
プロレタリアート独裁は、職場生産点における労働者の支配権の確立をその実体的基礎とする。
「労働組合というのは、階級対立に伴う社会全体の転覆の準備手段である。……労働組合運動の中で、労働者階級は、自分たちが権力を握ったときの能力を身につけるわけだ。動労千葉でいえば列車を動かす能力を身につけるということだ。……『これだけの列車を動かすのに何両の電車が必要か』『何人の運転士が必要か』『修繕する人が何人必要か』すべてを労働組合が十分にわかっている。……そういうふうに自分たち労働者が権力を握ったときの能力を労働組合運動の中で身につけるわけだ。」(『甦る労働組合』176n)
労働者がストライキをとおして生産点における支配権を資本家から奪っていくということは、単に生産における労働者の優位を形成するだけにとどまらない。そのような資本主義の枠の内側での力関係の変革ということをはるかに超えて、労働者階級総体が生産の主人公になっていく。また、それは少数の人間が多数を支配する階級社会であるがゆえに避けられない国家機構の官僚主義化と国家による人間の支配とを根本的に覆す根拠となる。レーニンは以下のように確認している。
「(コミューンは)第一に、行政、司法、教育上のいっさいの地位につくものを、関係者の普通選挙権に基づいて選び、しかもその関係者がこれをいつでも解任できることにした。第二に、地位が高かろうが低かろうが、あらゆる職務に対して他の労働者なみの賃金しか払わなかった」(『国家と革命』133n)
「国家を廃絶するためには、国家公務の諸機能が、住民の大多数のものに、あとでは全住民一人ひとりにも、手におえる、こなすことのできる、統制と計算の単純な作業にならなければいけない。」(同131n)
「実生活では、民主主義はけっして『個別的にある』ものではなく、他のものと『一体をなす』、それは経済にたいしてもその影響をおよぼし、経済の改革を促し、経済的発展の影響をうける、等々。これが生きた歴史の弁証法である」(同135n)
労働者が自ら社会を運営するということは、理想の制度を適用するということではまったくない。「即時の解任制をともなった選挙制」と「労働者なみの賃金」は、社会運営への全人民の参加を可能にする制度である点で重要だが、「国家の諸機能が、一人ひとりの手におえるものになる」ことで保障される。それは「上から」諸制度を保障することではけっして生み出されない。社会の運営や民主主義の貫徹は「個別的にあるのではなく、他のものと一体をなす」。この「他のもの」こそ生産点における労働者の支配権の確立である。
プロレタリア独裁権力は「経済(生産点における力関係)の改革を促し、経済的発展(生産点における労働者支配の強化)の影響をうける」のだ。資本との対決をとおして職場生産点を運営する力を身につけることと、政治権力をとおして資本家の反抗を粉砕していくこととが一体的に進行する中で、プロレタリアート独裁は社会主義建設を爆発的に前進させることが可能になる。
スターリン主義やカクマルなど体制内派の理論(ならざる「理論」)における最大の誤りは、「経済的発展」を団結(共同性の発展)の問題ではなく、技術や制度の問題にすりかえることにある。その結果、労働者は革命とプロレタリアート独裁の能動的主体ではなく、ある特定の思想や方策を追認し実行する受動的存在、客体へとおとしめられる。
まとめ
『国家と革命』に貫かれているのは労働者階級自己解放の思想だ。レーニンは労働者の団結にとことん依拠し、その力を徹底的に引き出そうとしている。『国家と革命』は「労働者は絶対に革命ができる!!」という渾身(こんしん)のアジテーションだ。1917年、ロシアのプロレタリア革命の勝利の鍵は、ソヴィエトが小ブルジョア的体制内派(メンシェヴィキやエスエル)に歪曲されることなく、ボリシェヴィキがそのヘゲモニーを握り、労働者権力として自己を最後まで貫徹することにあった。
現在の日本においても、国鉄1047名闘争が、体制内派によって解体されるか、動労千葉−階級的労働運動派によって不屈に闘われ続けるかが階級闘争の帰趨(きすう)を決する。
労働者階級は社会のすべてをその手に奪い返す存在だ。一切の体制内派を粉砕し、第2次国鉄決戦を軸とする道州制・民営化粉砕の4大産別決戦を全労働者階級の団結で闘おう!
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週刊『前進』(2386号5面1)(2009/04/06 )
新入生歓迎特集
学生の力で世界を革命しよう マル学同中核派の各支部から訴える
4・24法大解放集会で教育の民営化ぶち破る 法政大学支部
マルクス主義学生同盟中核派法大支部は、4・24法大解放集会の爆発をもって全世界で吹きあれる「教育の民営化」をぶち破ることを宣言する!
新入生のみなさん。世界大恐慌が始まり、資本主義が音を立てて崩壊している。労働者が社会の主人公になる時代が来た。この時代にともに闘えることが心の底からうれしい。人間を金で支配し、学生をモノ扱いし、教育を金もうけの道具にしている資本主義をぶっつぶそう。新たな社会を創造する仲間としてともに生き、闘っていこう。
この3年間の法大闘争は資本と国家権力のむき出しの暴力との激烈な闘いだった。さらに「学生には力がない」「闘っても勝てない」と学生の決起を押さえ込む体制内学生団体執行部との闘いでもあった。
法大資本と国家権力は、06年から88人の逮捕、22人の起訴、12人の退学・停学・入構禁止処分――あらゆる暴力と権力を使って大弾圧をしてきた。
この未曽有の大弾圧に対し「21世紀最初の学生暴動」――10・17闘争の爆発で暴力ガードマンを追放し、国家権力・法大資本との力関係をひっくり返してきた。監獄大学と言われる法大キャンパスのど真ん中に闘う火柱をうち立て、革命の拠点としての法大学生運動を継承・発展させてきた。
4・24への激闘は開始された。法大と裁判所は、キャンパス周辺での情宣活動を禁止する仮処分を決定した。ビラまきや演説が大学「営業権」に「回復困難な損害を与える」から禁止というのだ。ビラ1枚が法大資本を破綻に追いつめているのだ。4・24闘争は教育の民営化粉砕の闘いそのものだ。
さらに闘う法大生、倉岡雅美さん(人間環境学部3年)の追加処分を狙っている。これ以上、学生が支配され、処分されてたまるか。情宣禁止の仮処分攻撃を粉砕し、倉岡さん追加処分絶対阻止の闘いで4・24に攻め上ろう。処分撤回闘争は大学・教育の場を学生の手に奪い返していく価値創造的かつダイナミックな闘いだ。勝利はすでに切り開かれている。今こそ反転攻勢に打って出よう!
学生を資本の金もうけの道具にされてたまるか。学生は腐ったルールや「しょうがない」に支配される存在ではない。未来を語り、世界を突き動かす存在だ。資本による競争によって奪われてきた団結を4月24日、監獄大学の象徴―法大キャンパスで奪い返そう。法大生はマル学同法大支部に加盟し、ともに歴史の最前線に躍り出る闘いを作っていこう。全国学生は4月24日に総決起しよう。
(写真 4・24法大集会へ 3年前の3・14弾圧を弾劾して法大を包囲デモ。法大解放1000人集会を訴えた【3月13日】) 学生の分断をうち破りストの爆発切り開こう 東北大学支部
世界大恐慌は、労働者・学生の「生きさせろ!」の闘いを呼び起こし、資本主義の破産を刻印している。もはや資本家の存在そのものが青年・学生にとっての疎外物だ。「資本独占は……この生産様式の桎梏となる。生産手段の集中も労働の社会化も、それがその資本主義的な外皮とは調和できなくなる一点に到達する。そこで外皮は爆破される。資本主義的私有の最期を告げる鐘が鳴る。収奪者が収奪される」(マルクス『資本論』)。プロレタリア世界革命勝利へ、世界の労働者階級とともに学生は立ち上がろう!
その攻防が「大学の民営化」との対決だ。ブルジョアジーが「教育」の名のもとに学生・保護者から搾取している。学生を資本の奴隷とし、侵略戦争へと動員しようとしている。その最先端が88人逮捕−22人起訴をぶっ飛ばして闘い抜かれてきた法大決戦だ。
東北大学生運動は法大決戦の最先頭で全力で決起してきた。00年には国立大学法人化(民営化)に反対して全学ストを打ちぬき、有朋寮廃寮阻止決戦を団結を崩すことなくうち抜いた。
東北大当局は団結の拠点=日就寮、サークル協議会や学生自治会の破壊に絶望的に突進してきている。日就寮の食堂廃止=生協による民営化を推し進め、自治寮解体を狙っている。
民営化された学生寮で何が起きているか? 寮費の高騰、全室のカードキー化、家具のレンタル制など、資本の利潤のために学生が食い物にされる。在寮期限は1年で追い出される。こんなもの寮でもなんでもない!
結局、カネのない学生は大学に来るなということだ。資本主義と新自由主義がわれわれの未来を奪っている。寮生・学生の「自治寮を守りたい。団結して闘いたい。後輩のために安い寮を残したい」の思いは当然だ。だからこそ大学当局の入寮妨害文書による分断をうち破り、食堂廃止反対を闘う日就寮生と受験生の結合が生み出された。
学友会本部が「サークルの勧誘活動禁止」通達を出してきた。サークル同士の競争・分断、恫喝と抑圧は許せない! 他方で授業は学生を奴隷化する支配装置になり、研究室は資本の利潤を生み出す道具に成り下がっている。
この転倒したあり方をぶっ飛ばすのが4・24法大集会だ。1千人の結集でキャンパスを学生の手に取り戻そう。09年、東北地方の全大学にマル学同の真紅の旗をうち立て、全国300万学生ゼネストに進撃する。マル学同中核派に結集し、4・24から東北大ストの爆発を切り開こう。
民営化攻撃を粉砕して大学と教育を取り戻せ 京都大学支部
マルクス主義学生同盟中核派京大支部は、すべての新入生と固く団結し、4・24法大集会に決起する。世界金融大恐慌が激化する中、全世界で労働者・学生の「生きさせろ!」の怒りが爆発している。労働者を片っ端から解雇している資本家どもが教育をダシに金もうけし、学生の未来を破壊し、大学を蹂躙(じゅうりん)している。これ以上認めることができるか。もう黙っていない。法大を1千人の学生で埋めつくし、大学・教育を奪い返す学生蜂起をたたきつける。全国学友は「教育の民営化粉砕! 法大決戦勝利」で団結し、4・24から全国学生ゼネストへ、いざ進撃しよう!
誰も経験がない大恐慌が進行している。資本家の虚構が崩壊し始めた。金融・自動車・電機など全産業が崩壊する時代だ。もはや資本主義は労働者を殺しながらブロック経済と戦争に突き進む以外にない。資本家の時代は終わった。労働者階級が団結して資本主義をぶっ倒す革命の時代の到来だ。
学生が団結して資本家階級との闘いに立ち上がる路線は「道州制・民営化攻撃粉砕! 全国大学の法大化阻止! 法大決戦勝利」だ。道州制は全社会の民営化であり、団結破壊による労働者・学生支配だ。医療・教育・大学を民営化する。キャンパスを資本の論理で蹂躙し、教育を破壊し、学生がモノとして扱われる。こんなものはもはや大学ですらない。爆砕あるのみだ!
私立大学の15%が学生や親から集めた学費で投機に走っていた。理事会や経営協議会の懐に消えているのだ。これが詐欺でなくて一体なんだ!
京都大学の松本総長は、資本による大学の独裁支配を最先頭で推し進めている。全国の大学で非常勤職員の大量首切り攻撃が始まり、自治寮の破壊が本格化している。これほど学生の寮が必要とされる時代に、自治寮をつぶして金もうけの手段にするほどふざけたことがあるか。こんな奴らに「教育」を語る資格は一ミリもない。「頭を下げて折り合いをつけるしかない」という奴隷根性をぶっ飛ばして闘おう。今こそ京大生は大学のすべてを取り戻すストライキをやろう。
最大の方針が4・24法大集会だ。法大当局は、学生がビラをまき、大学当局を批判することは「営業権」侵害であるとして、裁判所に「情宣禁止仮処分」を申し立てた。ふざけるな。4・24は、怒れる学生が大学のすべてを取り戻す集会だ。学問も教育も未来も団結も、すべて取り戻そう。4・24法大集会に総結集しよう。
「自己責任」ふざけるな資本主義に引導渡そう 大阪市立大学支部
4・24法大集会に大結集し、道州制と教育の民営化に一大反撃をたたきつけよう。労働者を搾取し、学生を金もうけの対象としてきた資本家どもの悪あがきを許しておくことはできない。資本主義を粉砕し、労働者や学生の手に社会のすべてを奪い返す時がやってきた。300万学生ゼネストで資本主義に引導を渡そう。すべての学生はマル学同に結集しよう!
内定取り消し1500人! 奨学金による借金が卒業時点で775万円!
これが資本主義体制が学生に用意した「教育」の現実だ。教育に名を借りて、大学を僭称(せんしょう)して競争をあおって学生や保護者から金をふんだくっている。ふざけるな!
新自由主義のもとで、資本家はさんざん自己責任をあおってきた。授業料を払えないのも、就職できないのも、過労死も自己責任。電車が脱線して死んでも、戦争で殺されても自己責任!
だが大恐慌のただ中で、資本家どもは何を言っているのか? 「公的支援」を叫び、何百兆円もの金をのみ込んでいる。すべて労働者から搾り取った税金だ。ふざけるのもいい加減にしろ! 資本主義は破産した。もはや労働者、学生が引導を渡す時だ。
全世界で「教育の民営化」が吹き荒れている。資本主義は、教育をまともに保障できなくなったばかりか貧困ビジネスへと変質させている。
大阪市大でも2部(夜間)の廃止、府立大との統合を、府知事・橋下が画策している。「関西広域連合」のもとで市と府の行政区分を超えた大学統合を行い、道州制を先行実施するのだ。
その狙いは徹底的に団結解体だ。市大、府大生の多くが関西の自治体や学校に就職する。関西の自治労、日教組の中心部隊が市大、府大の出身者で構成されている。市大や府大の学生自治と団結を破壊することは、4大産別解体攻撃に直結する。
自治労、日教組解体を核心とする道州制の先取りとして、市大の2部廃止−府大との統合は狙われているのだ。
道州制・民営化攻撃は、敵の決定的な弱点だ。何より橋下や資本家どもは学生の怒りと団結をなめている。「学生は体制内化される存在」というのが道州制・民営化の前提だ。だが法政大学の闘いを見よ。学生は資本主義の現実にどこまでも怒り、団結できる存在だ。4・24法大集会から、全国学生ゼネストの号砲を打ち鳴らそう。
核戦争を繰り返すな!君の決起が歴史動かす 広島大学支部
大恐慌の時代を、世界の労働者・学生の団結で革命に転化しよう。この時代をともに生き、闘うことができることを心から喜びたい。
世界大恐慌は、史上最大の革命情勢だ。世界中の人びとを搾取し、貧困に落とし込め、金融ギャンブルにふけってきた奴らが、その破産のツケをすべて労働者に支払わせようとしている。支配階級どもは社会を運営することも、まともにモノを生産することもできなくなった。
奴らのやっていることは、クビ切りと公金横領、民営化と戦争だけだ。道州制と民営化で社会のすべてを金もうけの手段に変え、医療や教育などをズタズタに破壊したあげく、行き着く果てはヒロシマ・ナガサキを繰り返す世界核戦争だ。ふざけるな! こんな奴らは一秒たりとも地球上に存在する資格はない。人類史の名において引導を渡す以外にない。社会のすべてを労働者階級の手に取り戻そう。
学生には、腐りきった資本主義に終止符を打ち、新しい社会を建設・運営できる歴史的な力がある。大学を頂点とする現在の学校教育機関は、資本主義体制の存続を前提とし、その中で労働者階級の子弟を資本家階級の支配下に屈従させるための機関に堕落させられてきた。「営業権」を振りかざして学生の情宣活動を弾圧する法大当局こそ、まさに落ちるところまで落ちたとしか言いようのない姿ではないか!
大学で学生が立ち上がり、誇りと団結を取り戻し、ストライキで教育を奪還していく闘いは、資本の支配を根底から揺るがし、世界中の労働者の心を激しくゆさぶる――この確信は、この3年間の法大闘争を通じてつかんだものだ。昨年、広大支部は3人の仲間を半年獄中に奪われながら、一歩もひかずに国家権力・法大当局と対決し、獄壁を突破する団結の力で全員を奪還した。もはや恐れるものは何もない!
広大支部は労働者階級の先頭に立って、昨年の8・6ヒロシマ闘争を大成功させた。階級的反戦闘争の拠点=ヒロシマで闘う学生として、核戦争を絶対に許さない! 保護主義政策とアフガン増派に突撃しているオバマは、就任演説で原爆投下を含めた米帝の侵略戦争の歴史を全面的に肯定した。新たな世界核戦争を準備するオバマを、世界の労働者とともに打倒しよう。
法大闘争勝利―全国300万学生のゼネストを一緒にやろう。君の決起が歴史を動かす。マル学同に結集してともに闘おう!
新樹寮廃寮絶対阻止!実力で自治寮を守るぞ 富山大学支部
全世界の労働者が団結し、世界革命に立ち上がる時が来た。資本主義を打倒し、共産主義革命へと突き進む歴史の大転換点に、われわれは学生として存在している。ともに資本主義を倒す革命を目指そう!
世界大恐慌によって工場閉鎖、大減産が相次ぎ労働者の大量解雇、学生への超就職氷河期の大攻撃が吹き荒れている。自衛隊のソマリア沖派兵に続いて、北朝鮮の「人工衛星」発射への戦時体制への突進と、支配階級は激しく戦争への衝動を強めている。恐慌と戦争をなくすために資本主義社会を根底から変革しよう。
最大の階級的対決点は道州制と民営化だ。道州制導入によって教育、医療、福祉などを民営化し、労働組合を破壊し、地域を丸ごと資本家が好き勝手に金もうけの道具に変えようとしている。労働者は生きられない。今こそ国鉄分割・民営化に勝利してきた動労千葉労働運動が光り輝く時だ。
3年におよぶ法大決戦は、教育の民営化と徹底的に闘い抜いてきた。何が「営業権」だ! 「情宣活動禁止仮処分」を絶対に許さない。これこそ学生を金もうけの道具として見る法大当局の本性だ。4・24法大集会の爆発で監獄大学をぶち壊して解放しよう。
法大決戦の爆発から全国大学で「法大化阻止」の闘いを巻き起こそう。その第一弾が富山大学新樹寮への一方的な「入寮募集停止」と「改修」を粉砕する廃寮阻止の大決戦だ。
学長選で2割しか得票できなかった富山経済同友会の先兵=西頭(さいとう)学長は、警察権力と結託して、闘う学生を逮捕・起訴し、破廉恥にも学長の座に居座っている。そして09年、西頭はついに新樹寮の廃寮攻撃=民営化に手をかけ、大激突が始まった。学生自治会つぶしを粉砕する闘いで培ってきた団結が、全学生の西頭独裁体制への怒りと結合する時が来た。
新樹寮「改修」=民営化の目的は寮自治をつぶし、寮を民間アパートと同じように資本家の金もうけの道具に変えることだ。世界大恐慌の中での「入寮募集停止」など許せない。寮生を強制的に部屋からたたきだす「改修」は断固拒否だ! 闘う新樹寮生は「自治寮つぶし絶対反対」「資本家の金もうけのための『改修』粉砕」の路線を確立して闘いを開始した。マル学同・富山大支部は、法大決戦と一体で新樹寮決戦の先頭に立ち、大学の資本家独裁をぶっ飛ばし革命に突き進む。ともに闘おう!
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週刊『前進』(2386号5面2)(2009/04/06 )
国際労働運動 5月号
道州制攻撃とは何か
日帝ブルジョアジーは、世界大恐慌によって資本主義が崩壊のふちに立たされたところから道州制攻撃の大反革命に出ている。橋下大阪府知事がその先兵だ。道州制攻撃との闘いは、改憲と戦争国家化攻撃との対決であり、09年の最大の激突点になっている。
第1章は、道州制そのものについて、日本経団連の道州制提言を批判する形で展開している。核心は360万人の公務員全員のいったん全員解雇・選別再雇用で自治労・日教組を解体すること、自治体の丸ごと民営化だ。さらに道州とは何か、基礎自治体とは何かについて明らかにしている。
第2章は、橋下の約1年間の言動を取り上げ弾劾している。“大阪発の自治体経営革命”を掲げ、自治体丸ごと民営化の立場から府職労働者への大幅賃下げ攻撃、「分限免職は厳格適用」なる教育労働者への攻撃をかけ、他方では関空などで財界への大盤振る舞いをしてきた。
第3章では、橋下打倒の火柱が3・6大阪府庁前行動であがったこと、橋下の民営化攻撃との対決が市営病院をめぐって激化していること、ここで自治労本部との激烈な攻防が展開されていることを明らかにしている。
資料として日本経団連の道州制第1次提言、第2次提言、関西経済同友会提言を載せた。
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週刊『前進』(2386号6面1)(2009/04/06 )
新入生歓迎特集
大恐慌を世界革命勝利へ
労働者・学生の団結で資本主義を打倒しよう
革共同中央学生組織委員会
はじめに
「ブルジョアジー(資本家)の没落とプロレタリアート(労働者)の勝利は、いずれも不可避である」(『共産党宣言』)。このマルクスの言葉がまさに現実のものになろうとしている。
産業革命による資本主義の確立から約250年、金融大恐慌の直撃で資本主義的生産システムは無残に崩壊した。マルクスは19世紀の恐慌での「過剰生産という疫病」を指摘し、「社会は、突然、一時的に未開状態にひきもどされたかのような状況になる。飢餓や全社会的な破壊戦争がおこり、社会がすべての生活手段から切断されてしまったかのようになり、工業と商業も破壊されてしまったかのようだ」「社会はブルジョアジーのもとでは、これ以上生きていくことはできない。ブルジョアジーの存在は、もはや社会とはあいいれない」と怒りを込めて弾劾したが、21世紀に生きるわれわれの前にまったく同じ事態が起きている。
一方で、運転を止めた膨大な工場や空き家があり、他方で数千万人規模の失業者が街にあふれ、所得格差と貧困は資本主義史上かつてなかったほどに拡大した。生産の主人公である労働者階級がモノのように使い捨てにされ、人類を発展させていくべき巨大な生産力が「凶器」として襲いかかってくる。これこそ、歴史的生命力の尽きた資本主義の倒錯しきった姿だ。
「生きさせろ!」、全世界で労働者・学生のデモ・ストライキ・暴動が爆発している。世界は革命情勢だ! 新入生の皆さん、もはや人間社会の発展にとっての桎梏(しっこく)でしかなくなったこの資本主義という外皮を爆破し、人類史を前進させるのはわれわれ青年・学生だ。プロレタリア世界革命にこそ人生をかけよう。マルクス主義学生同盟中核派に結集し、法大4・24集会と全国学生ゼネストへ決起しよう!
(写真 日韓米の労働者が団結し、労働者党の建設とプロレタリア世界革命に向かって進撃。昨年11月2日、東京・日比谷で) 世界史の大転換=資本主義の終わりの時代が始まった!
昨年9月に米大手証券会社のリーマン・ブラザーズが史上最大規模の負債を抱えて経営破綻したことを契機に、世界金融大恐慌はいよいよ本格的な新しい段階に突入した。それは、1929年世界大恐慌を広さ、深さ、長さのすべてにおいて上回る、底なしの恐慌になろうとしている。
資本主義の矛盾の歴史的大爆発
大恐慌の引き金を引いたのは、米住宅ローンとサブプライムローンの破産だ。労働者に詐欺まがいの手法で住宅購入ローンを組ませ、その住宅を担保に借金をさせて国内消費を増やすという末期的なあり方が破綻したのだ。しかもそのローンを細切れに証券化した商品は約1兆j(100兆円)、損失補填(ほてん)のためのCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は保証金額が実に6000兆円という天文学的な額になった。
束の間のバブルに踊ってきたブルジョアジーどもは顔面蒼白(そうはく)だ。巨額の財政出動によっても危機は解決されるどころか、国家財政赤字は約170兆円へと膨れ上がり、ドルそのものが紙クズになる日が迫っている。そもそも、労働者階級に対する徹底的な首切りと賃下げで延命してきた連中が、いざ自分たちがピンチに陥るや湯水のように公的救済資金(税金だ!)をつぎ込むなど許せるか!
しかも実体経済の危機は拡大し、資本主義の屋台骨の大独占資本がバタバタと倒産しようとしている。GM(ゼネラル・モーターズ)は約8兆円の債務を抱えて瀕死の状態、世界最大の米シティ銀行は2月末に事実上の国有化状態に置かれた。CDS販売の主役であった世界最大の保険会社・AIGは、約6兆円の赤字を出している。米雇用者数は昨年12〜2月で200万人以上も減少し、今年の世界の失業者数は2億3千万人に達する。
米バブルに依拠して「輸出立国」で命をつないできた日本経済も、本格的な瓦解過程に入った。2月の自動車生産台数は前年同月比で56・2%減で、もはや一つの産業として成り立っていない。2月の輸出額も前年同月比で半減し、過去最悪の減少率。鉱工業生産は前月比で1割減を繰り返すという垂直落下状態だ。昨秋以降に解雇された非正規労働者は、政府発表でも約20万人。大資本は減産に走る一方で、首切り・賃下げ、内定取り消しにのめり込んでいる。
危機はこれからいっそう本格化
資本主義の歴史的全矛盾が爆発し、もはや資本家は労働者をまともに食わすことすらできない。しかし、金融大恐慌はまだまだ「入り口」だ。万策尽きた資本家どもに、「次」はない。帝国主義が帝国主義である限り、過剰資本・過剰生産力の圧力による大恐慌、そして市場争奪戦をめぐる世界戦争突入という矛盾から絶対に逃れられないからだ。延命しすぎた帝国主義は、革命によって打倒するしかない。
1917年ロシア革命と29年大恐慌を受けての30年代革命情勢を、ソ連スターリン主義の裏切りでのりきったブルジョアジーは、第2次世界大戦後に異例の「成長」を実現する。しかしその特殊的あり方はただちに行き詰まり、71年ニクソン・ショック(金ドル交換停止)と74−75年の世界同時恐慌で帝国主義世界経済の統一性は崩壊、自立的成長が不可能になってからは、ひたすら労働者階級に対する階級戦争(民営化・労働組合破壊)である新自由主義攻撃と、投機(バブル)経済に血道を上げるようになった。
そのなれの果てがサブプライム破産と金融大恐慌だ。そして、全面的な保護主義=ブロック化へと突き進み始めた。米帝の「バイ・アメリカン」(米製品優先購入)条項を先頭に、1月末〜3月までで世界の保護貿易措置は4倍強に急増した。かつての大恐慌の際、世界貿易額が4割以下に落ち込み、世界戦争に至った過程と同じだ。資源・勢力圏争奪戦の中で、米欧日帝はイラク、アフガン、パレスチナ、イラン、北朝鮮へ侵略戦争を拡大しようとしている。
1930年代の激動こえる巨大な世界革命情勢が到来
しかしこれは、ことの半面だ。金融大恐慌は、全世界で労働者・学生の歴史的決起を生み出す。3月19日にはフランスで300万人の大ゼネストが闘われ、20日には日本で動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)を先頭にイラク反戦6周年の戦闘的デモがうちぬかれた。1930年代革命情勢をはるかに超える、全世界プロレタリアートの世界革命に向かっての嵐のような進撃が09年にわき起こる。日本の300万学生がその先頭に立とう。
世界大恐慌下で労働者が進撃
1930年代、アメリカの工業生産は29年から33年までに半減し、失業者はピーク時には1600万人を超えた(実質失業率は67%に達した)。まさに資本主義の全面的な破産状態だ。
アメリカ労働者階級は生きるために続々と労働組合に結集し、座り込みスト−工場占拠、大デモ、地域ゼネストを闘い、資本主義の足元を揺るがした。完全に資本主義的生産力の奪取=革命が問題になっていた。しかし、その闘いに真っ向から敵対したたきつぶしたのがアメリカ共産党=スターリン主義だ。いま金融大恐慌の時代、「資本主義の救済」を叫ぶ体制内勢力やスターリン主義との全面的な党派的激突が再び激化する。
体制内諸勢力の裏切りを許すな
30年代の米帝ルーズベルトのニューディール政策は、革命のうねりを抑え、労働運動を資本主義の枠内に取り込むことが核心だったが、ソ連スターリン主義とアメリカ共産党はこれを礼賛し、労働者の革命的な決起を血の海に沈めた。
体制内勢力こそ、倒壊寸前の帝国主義を支える極悪の先兵だ! 全米自動車労組(UAW)はオバマの恫喝を前に組合員の権利を次々に明け渡し、日本の連合指導部は経団連・御手洗や麻生と握手を交わし、「ワークシェアリング」の名のもとに首切り・賃下げに協力している。日本共産党に至っては、「『ルールなき資本主義』を正し『ルールある経済社会』をつくる」「大企業との関係は、新しい経済体制の下で共存共栄を図る」(委員長・志位)などと、ブルジョアジーにこびを売っているありさまだ。
史上最大の大恐慌であるがゆえに、労働者・学生の怒りはさらに噴きあがり、「革命の現実性」の前に震え上がる体制内勢力は必死にプロレタリア革命に敵対する。徹底的な党派闘争を貫き、マルクス主義の真の労働者党を建設しよう。
人間としての生き方をかけ中核派に結集し共に闘おう
社会変革の力は、労働者・学生の団結の中にある。資本主義を革命で打倒し、労働者が主人公の共産主義社会をつくることこそが唯一の人間らしい生き方だ。
資本主義社会における生産手段は資本家に私的に独占され、生産の動機は利潤追求だ。人間関係は商品と商品の関係におとしめられ、労働者は労働力を商品として資本家に売ることでしか生きていけず、資本家は労働者の労働をとおして膨大な利潤(剰余価値)をせしめている。しかし、この賃金奴隷である労働者階級にこそ、資本の鉄鎖を打破して生産力を奪取し、ただちに社会を運営する力があるのだ。
日本の地では、動労千葉と11月集会潮流が米韓の戦闘的労働者と結合して大恐慌に立ち向かう団結を形成してきた。動労千葉が実践する階級的労働運動こそ、日帝の労働組合解体攻撃としてあった80年代国鉄分割・民営化に勝ちぬき、21世紀に入って組織拡大しながら全世界の闘いの先頭に立っている。
4・24法大集会が歴史を変革する
日帝・麻生政権の道州制攻撃を粉砕しよう!
道州制攻撃の核心は民営化(労働組合破壊)であり、改憲・侵略戦争への突入だ。
06年3月から3年にわたって闘いぬかれてきた法大闘争こそ、教育を資本家が独占して金もうけの手段とし、青年・学生の未来を奪うあり方に真っ向から立ちはだかってきた。学費を高騰させてデリバティブ取引で大損失を出し、自由も自治も破壊する「教育」や「大学」など、つぶして当然だ。学生はストライキをやって、キャンパスを実力で取り戻そう。
4・24法大1000人集会の大爆発を突破口に、全国学友は資本主義・帝国主義を打倒する学生ゼネストに立ち上がろう! 中核派に結集し、プロレタリア世界革命へ突き進もう!
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法大裁判に集まろう!
★4月14日(火)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
第11回公判 午後1時30分開廷
★4月15日(水)5・29デモ弾圧裁判@グループ
第13回公判 午後1時30分開廷
★4月17日(金)7・24建造物侵入デッチあげ裁判
第10回公判(最終弁論) 午後1時30分開廷
★4月23日(木)5・28「暴行」デッチあげ裁判
第10回公判(弁護側冒陳・被告人質問)
午後1時30分開廷
◎いずれも東京地裁429号法廷
開廷1時間前に地裁傍聴券配布所に集合を
★富山大学ビラまき弾圧裁判(富山地裁)
第8回公判(最終弁論)4月17日(金)
午後1時30分開廷
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週刊『前進』(2386号6面2)(2009/04/06 )
新版『甦る労働組合』を読んで
マルクス主義とは何かを動労千葉の闘いから学ぶ
21世紀革命への号砲
本書は、21世紀のプロレタリア世界革命−日本革命を思想的・綱領的に、そして極めて実践的に領導する決定的な書です。国際共産主義運動の歴史には、それぞれ時代を獲得した「時代の書」がありますが、本書は紛れもなく21世紀世界革命への号砲です。
本書は、動労千葉労働運動の今日的到達点から階級的労働運動の全領域が豊かに立体的に展開されています。さらにマルクス主義の原理的再形成においても決定的な踏み込みがされています。
労働組合と労働者党について、また時代認識、最末期帝国主義の新自由主義やスターリン主義の問題、さらに戦後階級闘争、国鉄分割・民営化と動労千葉の闘いなどが縦横に論じられています。何よりも労働組合運動の実践の書ですが、単なる経験主義レベルのものではなく、そうした闘いの教訓と綱領的・路線的な内容が、豊かに一体となって展開されています。
しかも全体が実に平易で、隣の仲間、世界の仲間をオルグする語り口が貫かれています。これこそ理論と実践の統一、宣伝と扇動の融合であり、国際共産主義運動が追い求めてきた境地の今日的到達地平です。
労働組合と労働者党
本書から学ぶべきことは多岐にわたりますが、4点ほど確認したい。
第一は、党と労働組合の関係、労働組合の革命論的位置づけです。
プロレタリア自己解放としての共産主義革命にとって、この問題はマルクス『共産党宣言』以来、一貫して核心問題です。レーニンの『共産主義における左翼空論主義』から「労働組合論争」に至る格闘と到達地平も、もっと対象化されなくてはなりません。
この国際共産主義運動上の苦闘を暴力的に断ち切ったのがスターリン主義反革命でした。以降この領域は理論的・実践的混迷の中にありました。
本書はその大反動をついにのりこえて、このテーマに実践的に回答を与えました。マルクスの『賃金・価格・利潤』や第1インターの文書、レーニンの『左翼空論主義』やコミンテルン文書などを今日的に引き継ぐものであり、マルクス主義の発展にとって決定的な貢献となっています。
体制内派との党派闘争
第二は、全編これ党派闘争の書だということです。対スターリン主義、対カクマルに始まり、全テーマで、体制内派との党派闘争的観点が意識的に貫かれ、壊滅的批判がたたきつけられています。それゆえ、本書は転向スパイ集団=塩川一派打倒の大きな力にもなるものです。何より、最大の党派闘争である権力・資本への戦闘精神をたぎらせつつ。
青年労働者、学生の書
第三は、若者の書、青年労働者と学生の組織化の書だということです。
私を含め、現下の党(革共同)と労働運動を根底で規定するものは、第2次大戦の階級的体験(加害と惨禍)と戦後革命による階級関係、すなわち戦後意識と55年体制だと著者は力説します。
では、それが通用しない若い世代は、何を土台にして21世紀革命を担うのか? その主体的根拠地を、革命運動の側が内的に準備しえて初めて、継承と発展の問題を解決できる――これが著者の問題意識の核心です。
その革命的回答を本書は与えています。すなわち新自由主義−分割・民営化と唯一激突し勝利してきた動労千葉労働運動とマルクス主義の原理的再建、この二つが21世紀革命の震源だし、それを体現する青年労働者こそが21世紀革命の確かな現実性そのものだ、と。
〈動労千葉労働運動とマルクス主義と青年〉−−自らの実践をとおした唯物論的物質力をもって、この命題の勝利性を突きつけているところに本書のすさまじい迫真力があります。
“労働運動を天職に”
第四は、「労働運動を天職と腹を固めよう」と青年労働者に向かって、全員が21世紀革命の革命家たれと熱烈に訴えていること、21世紀革命の革命的指導部建設論として本書全体が貫かれていることです。
だから本書は、時代の風に乗って世界を駆けめぐり、数世代を組織せずにはおかないのです。徹底活用あるのみです。
(長野・K)
(中野洋著、編集工房朔発行、1800円+税)
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週刊『前進』(2386号6面3)(2009/04/06 )
2009年 3月25日〜31日
防衛相がミサイル破壊命令/海自、ソマリア沖で「護衛」開始
爆発は沖縄戦の不発弾 米海兵隊報道部は名護市の米軍キャンプ・シュワブで3月24日に不発弾が爆発して海兵隊員ら3人が死傷した件で、処理準備をして爆発した不発弾は沖縄戦当時の物だったと発表した。(25日)
北朝鮮、ミサイルを発射台に 北朝鮮が、東北部の舞水端里にあるミサイル基地の発射台に長距離弾道ミサイル「テポドン2」と見られる機体を設置した、と韓国政府関係者が明らかにした。北朝鮮は「4月4日から8日までに人工衛星を運搬するロケットを打ち上げる」としている。(25日)
「迎撃できても被害の可能性」 浜田防衛相は参院予算委員会で、北朝鮮が発射したミサイルを地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)で迎撃した場合、破片が地上に落ちて被害が出る可能性を指摘した。(26日)
不起立裁判、原告請求を棄却 「君が代」不起立を理由とした懲戒処分について、都立学校の教諭ら計約170人が東京都に処分取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は原告側の請求を棄却する判決を出した。校長の職務命令は「特定の思想を強制したり、禁止したりするものではない」などとして憲法に違反しないとした。(26日)
ミサイル破壊措置命令 北朝鮮がミサイル発射準備を進めていることを受け、政府は安全保障会議を開き、ミサイルが日本の領土・領海に落下する場合に備えるとして、自衛隊法に基づく「弾道ミサイル破壊措置命令」を初めて発令することを決めた。これを受け、浜田防衛相が自衛隊に対し破壊措置命令を発令した。(27日)
アフガンにさらに4千人 オバマ米大統領はホワイトハウスで演説し、アフガニスタンでのアルカイダやタリバーンとの戦いが「ますます危険な状況になっている」として、アフガニスタン国軍や警察の訓練要員として米軍4千人を追加派遣するなどの包括的な新政策を発表した。(27日)
防衛省敷地にPAC3設置 北朝鮮の「弾道ミサイル」問題で、防衛省は東京・市谷の同省敷地内に地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)の機材を設置した。航空自衛隊浜松基地(静岡県)のPAC3部隊も秋田、岩手両県の駐屯地に向けて出発、首都圏と東北計5カ所に配備された。(29日)
自公、発射なら追加制裁 麻生首相は、公明党の太田代表と会談し、北朝鮮が人工衛星を打ち上げた場合、日本独自に経済制裁を追加することで一致した。北朝鮮が予告どおり4月4日〜8日に打ち上げれば、13日に期限切れとなる現行の経済制裁の延長とあわせて閣議決定する。(30日)
ソマリア沖「護衛」を開始 ソマリア沖の「海賊」から日本の関係船を守るためとして派遣された海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」「さみだれ」の2隻が初の任務としてタンカーなど5隻の船団の「護衛」を開始。(30日)
ミサイル発射準備に衆参が抗議決議
衆参両院は本会議で、ミサイル発射準備を進める北朝鮮に抗議し、自制を求める決議をそれぞれ全会一致で採択した。(31日)
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週刊『前進』(2386号6面4)(2009/04/06 )
日程 裁判員制度実施をみんなで阻止しよう!
裁判員制度実施をみんなで阻止しよう! 4・21日比谷全国集会と銀座デモ
日時 4月21日(火)午後6時開場/6時半開会
午後8時デモ出発
会場 日比谷野外音楽堂
主催 裁判員制度はいらない!大運動
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週刊『前進』(2386号7面1)(2009/04/06 )
西郡住宅闘争を徹底推進し部落解放・日帝打倒へ前進を
旧与田派の闘争破壊粉砕しよう
世界大恐慌は帝国主義の末期的危機の爆発であり、プロレタリア世界革命を闘いとる時代への突入である。全世界で労働者階級が「生きさせろ!」の闘いに立ち上がっている。今こそ階級的労働運動を全面的に発展させよう。日帝権力に屈服し、西郡闘争と革共同の破壊策動にのめり込む旧与田派残党分子を一掃し、プロレタリア革命を闘いとる部落解放闘争の発展をかちとろう。
(写真 西郡での強制執行に対し、ストに決起しガードマンと実力対決する八尾北労組員ら労働者【2月26日 八尾市】) 部落解放の新地平切り開く西郡闘争
この階級的な大激動の時代に、大阪・西郡住宅闘争は部落解放闘争の新たな革命的発展を切り開いている。それは同時に、住宅をめぐる労働者階級と日帝権力・支配階級との激突としての意義を持つものである。
部落解放同盟全国連合会西郡支部は、「部落民は労働者階級の一員である」という階級的路線的確信を決定的な力として、部落解放闘争の歴史を引き継ぎ、のりこえ、発展させているのである。
森本政二さんを住み慣れた住居・店舗から追い出そうとした八尾市当局に対して、2・26強制執行阻止闘争がたたきつけられた。西郡闘争は、今ひとつ新たな発展段階を切り開いた。
帝国主義の危機の中で日帝権力は、国鉄分割・民営化を突破口に、労働者階級に対する搾取と労組破壊、社会保障切り捨てなどの攻撃を決定的に強めてきた。1990年代後半以降、日帝は新自由主義政策にもとづく民営化攻撃の一環として公営住宅制度の抜本的大改悪に踏み切り、公営住宅の民営化、応能応益家賃制度への転換を強行した。これは正規から非正規へ雇用形態の全面的転換を打ち出した95年の日経連プロジェクト報告と軌を一にする攻撃であり、戦後労働者支配の大転換である。それはまた民営化を核心とする道州制の先取りでもある。
応能応益家賃と闘う西郡の住宅闘争は、部落解放闘争の闘いとってきた地平を実力で守りぬくとともに、6千万労働者階級総体にかけられた民営化・新自由主義攻撃と真正面から対決するものである。西郡の部落大衆は労働者階級の最先頭で闘う気概と誇りをもって立ち上がっている。それがより広範な労働者階級の団結と決起をつくり出しているのだ。
2・26強制執行に対して、地元の八尾北医療センター労組は同日、「強制執行絶対反対、八尾北医療センター民営化反対」「道州制攻撃粉砕」を掲げてストライキに決起しともに闘った。このストライキは、西郡の部落大衆の決起と並ぶ、きわめて階級的意義のある実力闘争として打ちぬかれた。
闘えば闘うほど、怒りとエネルギーがわいてきて、労働者の団結が広がるような闘いを西郡は実現している。断固この道を進もう。
この西郡の闘いと八尾北ストに大打撃を受けているのが、部落解放同盟全国連合会に巣くう旧与田派残党だ。
旧与田派が許し難い中傷
日帝権力への屈服・転向を本質として革共同から脱落した彼らは、全国連の部落大衆から「西郡のように闘うべきだ」「西郡と一緒に闘いたい」という声が出ていることに衝撃を受け、その鎮圧に必死になっている。
そのために、全国連のホームページで、2・26闘争を闘った森本さんや西郡の部落大衆に対して、許すことのできない誹謗(ひぼう)中傷を加えている。そして、「逮捕者も出るかと思っていたが、拍子抜けした」と、実に反動的な心情を吐露している。彼らは警察が西郡に襲いかかり、闘いをつぶすことに期待をかけていたのだ。
また、八尾北労組のストライキに憎悪をむき出しにし、権力や資本家階級の手先となって「スト撲滅」論を振りまいている。「患者を犠牲にしてまでなぜやるのか」「もっと別のやり方があるはず」と非難し、「ストライキは許せない、つぶせ」と叫んでいるのだ。
同和対策事業の全廃攻撃の中で、権力にすがって延命しようとしている旧与田派残党分子は、西郡の部落大衆が権力・資本と激しく闘っていることに恐怖し憎悪を募らせ、闘いをつぶすことに全力を挙げているのだ。それは、西郡闘争が続く限り、彼らの裏切り、権力への屈服は誰にも明らかであり、その正体を隠せないからだ。そして、西郡闘争をつぶすために、彼らは西郡とともに闘う革共同を「差別者」に仕立て上げ、西郡闘争への襲撃を正当化しようとしているのである。本当に、どこまで腐り切っているのか! 怒りを抑えることができない。
全国連大会議案を怒りこめ批判する
「部落解放新聞」3月10日号に解同全国連第18回大会(4月に開催予定)の議案が掲載されている。その内容は、旧与田派残党=権力投降分子が全国連を私物化し引き回していること、さらに、彼らが「革共同破壊」を唯一の存在目的とする集団に転落していることを示している。
“反革共同”の反革命に転落
旧与田派残党は、「革共同糾弾」を全国連の運動方針として押しつけることで、部落大衆のプロレタリア革命への決起を圧殺し、帝国主義への転向と屈服の道に引きずり込もうとしている。怒りをもって「革共同破壊」の反革命的運動路線と対決し、粉々に粉砕しなければならない。
第一に、腹わたが煮えくりかえることは、旧与田派残党分子が、06年3月の「党の革命」によって打倒された与田の恐るべき組織的・金銭的腐敗、それと一体の対権力防衛闘争での投降・屈服について、(与田の最も身近にいた者たちでありながら)自己切開的な総括を一切拒否し、開き直っていることである。
さらにいまひとつ決定的なことは、中田書記長の「略式起訴受け入れ―完黙・非転向の思想の崩壊」について、完全に容認し開き直っていることである。
それどころか、旧与田派残党は、与田と中田書記長の問題を厳しく原則的に批判して闘う革共同を憎悪し、「広島差別事件」をデッチあげて「革共同は差別者だ」と攻撃しているのである。
事態の経緯を知る者にはまったく明らかだが、彼らが叫ぶ「革共同による広島差別事件」なるものは、前記の総括も自己批判も拒否し、開き直るためにデッチあげたものでしかない。彼らは学生戦線における、プロレタリア革命運動と部落解放闘争の路線をめぐる真剣な討議を、相当時間が経過してから「広島差別事件」なるものにデッチあげ、「革共同糾弾」なる運動を始めたのである。同志からの批判、特に中田書記長の略式起訴受け入れ問題での批判を「中田書記長打倒の陰謀だ」「部落民への差別襲撃だ」と言って、革共同と全国連の間に分断を持ち込み、デマで部落大衆をだまし、革共同への敵対をあおってきたのだ。これこそ部落解放闘争に対する最も悪質な利用主義、破壊行為である。
だが、デマで労働者階級を組織し動員することなど絶対にできない。実際この1年半、全国連の部落大衆を「差別なき糾弾闘争」に動員しようとした策動は完全に失敗した。それでも、彼らは今でもこれを全国連の運動の基軸に据えるしかない。「権力の軍門に下った革共同を歴史のくずかごに捨て去れ」などと言いなして、革共同への攻撃を公言している。
議案では「路線的位置づけや、これまでの運動との整合性などは後回しにして」「これまでの価値観、考え方を思い切って捨てるべき」と異様に強調している。これは旧与田派残党分子が帝国主義と闘うポーズすらかなぐり捨て、権力に屈服し投降し、帝国主義者のおこぼれで生きていこうということだ。それは、「自民党や解同(本部派)にも呼びかけて、ともに革共同糾弾をやっていく」(08年1月の全国連拡大中央委、小森糾弾闘争本部長発言)という帝国主義擁護、反革命の路線に「思い切って」かじを切るということだ。
労働者階級・被抑圧人民にとって、生きるか死ぬかが問われる大恐慌と戦争、革命の時代に、中間的な立場はない。旧与田派残党は、帝国主義に完全に屈服して生き延びようとしているのだ。その立場から「スト絶滅」「革命反対」「革共同つぶせ」と叫んでいるのだ。
権力への投降深め「スト撲滅」を叫ぶ
第二に、今日の大恐慌突入情勢について、「どこかの軽薄な党派のように、即『革命情勢』と手放しで喜ぶ感性とは、私たちは無縁」「今は恐るべき戦争と差別の時代だ」と暗黒一色に描き上げている。労働者が派遣切りや解雇・失業、賃下げ攻撃に対して激しい怒りを爆発させ、闘っていることへの共感など、どこにもない。
全世界で労働者階級・被抑圧人民が帝国主義の支配に怒りを爆発させて、暴動・ゼネスト・街頭デモ・職場占拠などの闘いに立ち上がっていることなど、まったく問題意識になく、これが日本のプロレタリア革命の援軍であり、部落解放の援軍だというとらえ方が、まったくできない。それどころか、この怒りが革命に結合することに恐怖して、「今は革命情勢ではない」と必死に叫びたて、革命をめざして闘う革共同の打倒を呼びかけている。 そして部落大衆に向かって、「労働者は差別者だ」と絶望と不信をあおり、労働者と部落民の階級的団結を分断しているのである。
階級的労働運動への憎悪
第三に、彼らがストライキについて触れるのは、「労働者の闘いが、部落民や在日アジア人民の排除を要求するストライキのような形で、帝国主義の手先に組織されていくことも起こる」と言っている部分だけである。ストライキが、部落大衆に敵対する、否定すべきものとしてしか語られない。いや、ここにあるのは「ストライキ撲滅」論だ。そして、ストライキで闘う動労千葉に対する憎悪と敵対だ。
ストライキは直接的に資本に打撃を与えるだけではない。ストライキをとおして労働者自身が、自らが社会的生産の主人公であることを自覚し、階級的団結を拡大して、資本主義を根幹からひっくり返す武器となっていくものである。だから、資本家階級は「ストライキには革命のヒドラ(怪物)が宿っている」と恐れおののくのだ。旧与田派は、こうしたストライキの革命的意義を一言も語らず、否定的なものとして言及するだけである。権力への投降・屈服を深める彼らは、帝国主義者と同じ心情でストライキの爆発に恐怖し、「スト撲滅」論を叫んでいるのだ。それが八尾北労組のストライキへの敵対・憎悪として現れているのだ。
賃金制度廃止こそ解放の道
第四に、差別・抑圧との闘いを言いながら、その根源である資本と賃労働の本質的階級関係、搾取の問題、賃金奴隷の鎖について語らない。資本への怒りがなく、資本と非和解で闘う思想が根幹から欠けている。
そして、「差別の激増は、社会の矛盾、不安の広がりが背景にあることは明らかだが、それ以上に問題なのは、糾弾闘争がなくなったこと」であるとして、「私たちのただひとつの回答は、差別糾弾闘争の復権以外にない」と言っている。
旧与田派は、激しい首切り・賃下げ攻撃を強行している日本帝国主義・資本家階級への怒りをそらし、「社会の矛盾」「不安の広がり」というあいまいなものにし、プロレタリア革命闘争に対立させて、差別糾弾闘争の唯一性を強調している。
しかも権力に屈服・投降している旧与田派残党の「差別糾弾闘争」とは、権力とまったく闘わないものだ。逆に、闘う労働者や革共同を「部落差別だ」と言って攻撃する、とんでもなく転倒した「差別糾弾闘争」である。
全国連西郡支部の闘いこそ、差別行政を行う日帝権力・八尾市当局・資本家階級に対する徹底的な差別糾弾闘争であり、部落解放・日帝打倒につながる闘いなのだ。
求められていることは、西郡のような闘いである。プロレタリア革命の勝利の中にこそ部落解放の道があることを確信し、労働運動と部落解放運動の合流・結合をとことんつくり出すことである。プロレタリア革命は部落大衆自身の切実な要求であり、叫びなのだ。
「そこ(プロレタリア革命)では労働者の解放だけが問題になっているかのように見えるが、そうではなく、むしろ労働者の解放の中にこそ一般的人間的な解放が含まれているからである」「生産に対する労働者の関係の中に、人間的な全隷属状態が内包されており、すべての隷属関係は、この関係の単なる変形であり帰結であるにすぎない」(マルクス『経済学・哲学草稿』)
このマルクス主義の原点に立ち返ってこそ、部落解放闘争の勝利の道筋も鮮明になるのである。
部落民労働者は職場・生産点で、そして居住地域で団結を組織し、資本と権力に対する闘いの先頭に立とう。そのようなものとして、部落を闘いの砦としてうち固めよう。西郡闘争と狭山闘争を両軸として、階級的労働運動と固く結合した部落解放闘争を力強く発展させようではないか。解放共闘の旗のもと、無実の石川一雄さんと固く連帯し、狭山第3次再審闘争勝利へ、5・23狭山闘争に総決起しよう。
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週刊『前進』(2386号7面2)(2009/04/06 )
労働者階級の分断うち破り道州制粉砕の5・15闘争へ
革共同沖縄県委員会
道州制攻撃は、民営化・労組破壊、公務員労働者360万人の首切り、そして改憲・戦争国家化の攻撃だ。07年12万人決起を組織した沖縄の労働者・労働組合の闘いに恐怖した日帝が、沖縄と全国の労働者階級の分断を狙ってかけているのが「沖縄単独州」だ。だが、沖縄を見くびるな! すでに沖縄では青年労働者を先頭に「道州制攻撃粉砕」を真っ向から掲げた3・1春闘集会・デモが打ち抜かれた。3・6大阪―5・9東京から一直線に5・15沖縄へ、4大産別決戦そのものとして道州制粉砕、米軍再編=辺野古新基地建設阻止に立とう!
「自立」幻想で道州制に屈服する推進派
沖縄道州制懇話会は昨年5月、「沖縄の『特例型』道州制に関する第1次提言」を発表した。その中で、「沖縄道州制懇話会では、……外海離島に位置する沖縄が単独州となり、変革に果敢にチャレンジすることを通じて地域を活性化し、結果として沖縄単独州の経済・財政基盤が確立するとともに、道州制導入によるこの『新しい国のかたち』もつくることができる、との認識で一致した」と確認している。この認識は、日本経団連や江口克彦(内閣官房の道州制ビジョン懇談会座長)らが主張する「地域主権型道州制」を下敷きにしたものである。
沖縄道州制懇話会の構成メンバーは、仲地博、島袋純(ともに琉大教授)、吉元政矩(元沖縄県副知事、自治労出身)、太田守明(内閣府道州制ビジョン懇談会メンバー)、国場幸之助(自民党前県議)、平良長政(前県議)、宮城宏光(那覇商工会議所前副会頭)、石川正一(県経営者協会副会長)、仲本豊(沖縄経済同友会)、仲村信正(連合沖縄会長)などである。
自民党や経営者団体はともかく、大学教授や「革新」と言われる人たちがこぞって道州制に取り込まれているのはなぜだろうか。それは、「自立」と「自己決定権」で沖縄が中央政府から「独立」し、自前の財源で行政を運営し、米軍基地も撤去や縮小が可能であるかのように幻想しているからである。しかし、産業基盤のない沖縄で自前の財源など確保できるはずもなく、ましてや米軍基地の撤去や縮小は、日米安保体制の根幹にかかわる問題であり、1ミリも解決できるものではない。
だからと言って、「沖縄単独州」が駄目で、九州との合併が良いということではない。そもそも道州制とは何か、道州制は何を目指しているのかが問題である。
丸ごと民営化で首切りと労働組合解体
江口克彦著『地域主権型道州制』のポイントは次の2点である。
@千万人規模の人口を持つ道・州を、全国に9〜13ブロックつくり、市町村を広域化して新しい基礎自治体の「市」を300程度つくる。
A道・州に課税権と徴税権を認め、自前の財源でそれぞれの道・州に合った行政運営を行う。
その上で江口は、次のように暴論を吐く。
「日本株式会社という、いわば国そのものを民営化しなければならない」
「自治体の経営能力を高めるためには、まず経営感覚のある知事、市長を選ぶことだ。知事、市長はその道州や市の行政の最高責任者であり、企業経営者に求められているような手腕が必要となる。『地域主権型道州制』ではいわゆる『道州・市株式会社』という前提だからである」
「一般的には公務員は解雇できないと認識されているが、制度的には懲戒処分と分限処分の二種類の処分方法がある。実際にはほとんど使われていないのが後者の分限処分で、これによれば公務能率が悪い人については、解雇できることになっている」
まったく怒りなしには読めない。つまり道州制攻撃の狙いは、自治体の丸ごと民営化と、公務員労働者360万人のいったん全員解雇・選別再雇用による、自治労と教組の解体、それをとおしての日本労働運動の絶滅に据えられているのである。いわば国鉄分割・民営化攻撃の全社会化である。
実際、関西経済同友会は、国家公務員・地方公務員410万人のうち、警察・自衛隊関係の50万人を除く360万人をいったん解雇し、民間からの採用など、いわゆる「血の入れ替え」を行い、「半分の人員で倍の仕事」をする者だけを採用すると主張している。
その上で、それぞれの道州を資本がやりたい放題にするということになる。「道州株式会社」とはそういう意味である。独占資本(大資本)の経営者が道州知事・市長に就任し、「法律上書き権」「法律修正請求権」を認め、例えば労働法なども好き勝手に書き換えて資本がやりたい放題の「独裁王国」を築くということである。
したがって道州制攻撃とは、教育や社会福祉、医療、雇用、農林水産などがすべて民営化され、道州制のもとで大資本の食い物にされるだけではない。さらに労働者の諸権利などもすべて道州知事の好き勝手にされるという意味で、直接の攻撃対象である公務員労働者だけでなく、すべての労働者にかけられた攻撃なのである。
道州制攻撃は沖縄ではどうなるのか。まず、公務員労働者はすべて民間並みの状態にたたき込まれる。すでに公務員の3割ほどが非正規雇用とされているが、それが全公務員に適用されることになる。非正規の公務員は民間で働く労働者と変わらないか、もっと厳しい条件で働いている。
「資本の論理」とは要するに、「儲(もう)かるか、儲からないか」の一点が問題となるのだから、「儲からない」産業はすべて淘汰(とうた)されるか、本土資本に吸収されることになる。
例えば、専売公社が民営化されて、沖縄のタバコ工場が閉鎖されたという事例や、電電公社の民営化以降の沖縄NTT労働者にかけられている攻撃(離島事業所の廃止、人員の半減と3割の非正規労働者、50歳退職・再雇用時の基本給の3割カット)など、具体例は事欠かない。
製造業などはそもそも採算が合わないということで、資本は沖縄には進出すらしてこない。オリオンビールも本土資本に乗っ取られて淘汰されていくしかない。バスも本土資本の系列に入って、私鉄沖縄は厳しい状況に立たされているが、これもつぶされていくことになる。
沖縄の農業も「資本の論理」では成り立たない。例えば、ウコンも本土資本がアジア産のウコンを使って、CMなどで大宣伝することで、県産ウコンは壊滅状態に陥っている。サトウキビも「資本の論理」では成り立たない。そうすると製糖業で働く労働者は仕事を失うことになり、全糖労はつぶされることになる。
「基地の島」が固定化される大反革命攻撃
では一体、何が沖縄に残るのか。まず米軍基地。それに「カジノ」くらいということになる。要するに道州制攻撃のもとでは沖縄には「基地の島」以外に何も残らないのである。沖縄の労働者は、そもそも沖縄で働いて生きていくことすらできない状況にたたき込まれる。それは21世紀の“ソテツ地獄×沖縄戦直後の米軍政下での労働者の無権利状態”ともいうべき事態となる。道州制攻撃それ自身が、沖縄を21世紀の100年も「基地の島」として固定化する大攻撃なのである。
そもそも道州制は、軍事や外交は中央政府に集中する改憲・戦争国家化の大攻撃でもあるのだ。
なぜ今日、このような攻撃がかけられているのか。それは、今日の世界大恐慌の時代、資本主義の崩壊の始まりという事態に震え上がったブルジョアジーが一切の矛盾を労働者に押し付け、ひたすら自らの延命を求めて、その手段として道州制攻撃にすがりついているということである。しかし今日の世界大恐慌を引き起こして破産した新自由主義攻撃を続行するしかないという意味では、きわめて絶望的な攻撃なのである。
つまり、道州制攻撃の根底には、今日の世界大恐慌の爆発が労働者の膨大な決起を生み出し、革命に転化することへの恐怖がある。革命を未然に圧殺するための反革命クーデターなのである。
07年県民大会を生み出した労働組合の力
沖縄でも、やはり道州制攻撃の核心は自治労と教労(沖教組・沖高教組)の解体をとおした沖縄労働運動の壊滅攻撃としてある。世界大恐慌の時代、日本と世界の労働者階級の闘いの拠点・革命の火薬庫である沖縄の労働運動を壊滅することなしに、ブルジョアジーは一日も安泰ではない。
米軍政下で「復帰」を求めた2度にわたる全島ゼネストや、基地労働者の基地内決起などを闘い抜いた沖縄の労働者の闘いが、いよいよ全世界の労働者階級の闘いの先陣を切る時代が到来しつつあるのだ。
07年9・29県民大会の12万人決起を切り開いたのは、自治労と教組を軸とした労働運動の力であった。「学校」と「役場」が12万人決起の拠点となり、その決起は沖縄を事実上の「ゼネスト」状態にたたき込んだ。
「生きさせろ」を掲げたゼネストがギリシャやフランスなど全世界で闘い抜かれている。いわばその先駆けをなす「07年9・29」こそ、敵の道州制攻撃を引き出しているとも言える。
道州制攻撃は、沖縄でも保育所の民営化(久米島、沖縄市、北中城村など)、県立病院の独立行政法人化として開始されている。県教委は、4月から「新たな職(副校長・主幹教諭)」の設置を強行した。いずれも道州制攻撃そのものとしての、自治労・教組への攻撃である。これに対して現場の労働者は闘いに立ち上がっている。
すでに明らかなように、沖縄「単独州」問題の核心は、沖縄の労働者を本土と全世界の労働者から分断することにある。それは、いわゆる「独立論」の根底に労働者階級への不信と絶望があり、沖縄と本土の労働者の分断に棹(さお)さしていることと一体のものである。なぜ沖縄で歴史的に「独立論」は主流とならなかったのか。それは労働者が、「分断」ではなく「団結」を求めて一貫して闘ってきたからである。
国鉄分割・民営化と闘い勝利した動労千葉の闘いを沖縄現地で実現し、道州制攻撃粉砕・米軍再編粉砕・辺野古新基地建設阻止の沖縄ゼネスト実現のために奮闘しよう。5・15沖縄闘争へ。
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週刊『前進』(2386号8面1)(2009/04/06 )
団結ひろば 投稿コーナー
現場の怒りを一つにストライキ打ち抜く 東京・医療労働者 風間里美
労働者は怒ってますよ。経営は人手不足にしておいて何を言ってくるか。高熱が出ても休むな! 我慢できない腰痛があっても休むな! 残業は自己責任だ! 不採算部門を誘導して廃止にして委託会社を入れようと画策する! 経営は危機だからベアはゼロだ! こうやって労働者から搾り取って、搾り取って生きてきたのが資本だ!
揚げ句の果てに理解できない労働者は辞めてもらって結構だと! 許せませんよ。辞めてもらって結構なんて、そっくりそのまま私たちが資本に言う言葉だ。現場を回しているのは労働者だ!
実際のところ経営を代弁している管理職がいないほうが実務はスムーズにいくとみんな言っている。経営は妨害物です! 現場の怒りを一つにして闘っていくのが労働者の生きる道です!
この時に組合を破壊し、労働者に分断を持ち込んでいるのが旧執行部・体制内派だ。経営あっての労働者という、資本が300年間流し続けている奴隷の思想を持ち込んで体制内派が動いている。経営と一緒に経営を良くしようと、青年執行部を個別撃破しようと。だけど「こんな方針は労働者の方針と違う!
経営と労働者は非和解だ」と拒否した!
青年執行部は、同僚の労働者に対して「怒りを闘いにしよう」と話すことが力を持つんだ、「みんなで闘ってこそ勝てるんだ」と話をすることが力を持つんだと、突出して闘ってきた。だから経営だけじゃなく体制内派とも闘っている。
この力を持って執行部は、うちでは初めて早期回答要求・回答前のストライキ方針を大会で確立し、ストを打ち抜きました。”組合の力は現場にある”――このことに確信と執念を持って闘っていきましょう!
青年労働者に『甦る労働組合』16冊目売る 静岡 光岡晋一
中野洋著『甦る労働組合』をこれまで販売した対象は、40代以上の人ばかりだった。でも16冊目でやっと20代の青年労働者に売ることができた。
彼女は教育労働者で、3年前に街宣で知り合い、これまで5〜6回オルグしてきた。いつも「勉強になりました」という感じで終わり。11月集会のオルグも『前進』の購読もだめだった。
『甦る』本で「時代認識を語れ」ということが言われている。まったく異議なし、自分もこれまで実践してきたつもりだった。しかしそれは私の主観でしかなかった。語ってきたはずの「時代認識」は、肝心の自分の闘いが欠落したまま、本に書いてある客観情勢を評論家のように語ってきただけなのだ。
活字で書かれた内容をどんなにうまく話しても、それだけでは相手の心をつかむことはできない。『甦る』本も、体験をとおした中野さんの思想が語られている。自分の職場や地域での闘いとそこで苦闘している現実を語り、自分にしか話せない内容をとおして時代を語ることが大事だと気がついた。彼女との会話もやっとかみ合った。
『甦る』本をもっと売りたいと考えている。11月集会の動員目標を考えれば、20代の青年労働者に10冊以上は売りたい。1万人を集めるためには、全国の販売目標も1万冊を超えよう!
障害患者労働者は“やる時はやる”のだ 北海道 森仁一
障害患者労働者として言いたいのは、非正規でも正規でも一つの労働者であることです。患者労働者にも悩みがある。でも介護労働者自身にも悩みや疲れがある。みな同じ労働者だからです。
私たちみたいな労働者もいれば、アルコール依存の人たちもいる。だけど病気が違っても労働者階級の仲間だと思ってもらいたいです。介護労働者も医療労働者も団結して闘って行きたいと思います。まだまだ弱い私ですけれど絶対に闘ってみせます。
今の時代は高卒でも大卒でも内定が決まらず、今までにもないほどの勢いです。その青年労働者が私たちと同じ考え方で前進していくチャンスでもあると思います。
共謀罪・監視社会粉砕へシンポジウム開催 東京 N・H
3月22日、東京の南部労政会館で「戦争と治安管理に反対するシンポジウム4」が開催されました。最初に主催者あいさつとして足立昌勝さん(関東学院大教授)が大学の監視カメラ設置など監視社会への動きを摘み取ろうと発言しました。
全体集会の講演では、永嶋靖久弁護士が「『反テロ戦争』と『新自由主義』の下、日本と世界の治安政策はどのように変わってきたか」と題して、「治安管理のグローバル化」について分析。70年代以降の「資本の制約なき全面開花」による監獄収容者数の各国での激増。9・11を転機に警察・軍事の一体化を伴いながら世界同時的に進行する治安政策の大再編攻撃。「現代の新しいプロレタリアート」を主ターゲットにした監視・管理・威嚇・隔離の凶暴な治安政策の本質を暴きました。連帯あいさつでは、山下幸夫弁護士が共謀罪絶対廃案をかちとろうとアピール。街宣活動弾圧を狙う「現代の隣組制度」=東京都安全・安心まちづくり条例改悪に反対する市民団体の発言も飛び入りで。
分科会は、@「檻(おり)のなかの『安全・安心』を問う」、A「刑事司法の腐敗を撃て!」、B「社会的排除を打ち砕くために」の三つ。第2分科会では法大弾圧救援会が、法政大における88人逮捕・22人起訴、150台もの監視カメラなどの「監獄大学」の実態と、弾圧をぶち破って進撃する法大闘争を報告。また西村正治弁護士が「現代の赤紙」=裁判員制度を徹底的に批判、4・21日比谷全国集会への参加を訴えました。
最後に宮本弘典さん(関東学院大教授)のまとめの発言、山脇晢子弁護士の閉会のあいさつで締めくくられました。
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週刊『前進』(2386号8面2)(2009/04/06 )
道州制・民営化攻撃と闘い「在留カード」導入阻止へ
在日・滞日外国人労働者と団結を
革共同入管闘争組織委員会
3月冒頭、日帝・麻生政権は入管法改悪案を国会に提出した。外登法廃止と「在留カード」新設を柱に、入管法による在日・滞日外国人の一元的支配を狙う入管法改悪攻撃は、戦争と民営化・労組破壊を狙う道州制攻撃の一環としてあり、粉砕あるのみだ。第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦勝利へ全力で闘いぬこう。動労千葉労働運動を本格的・全面的に実践することこそ、入管闘争勝利の唯一の路線だ。4・19京都大学、5・10横浜市教育会館で開かれる「外登法・入管法と民族差別を撃つ東西研究交流集会」を”春の労働者集会””国際連帯集会”としてかちとり、11月1万人結集の実現に向けて進撃しよう。
全世界でストライキが爆発
世界大恐慌の情勢が日々深まっている。帝国主義=資本主義はついに終わろうとしている。この情勢を労働者階級の側が主導権を握りしめプロレタリア革命に転化し、真の終焉(しゅうえん)を実現する時が来た。
「仕事をよこせ」「食料をよこせ」「住むところをよこせ」「生きさせろ」――世界中で共通の怒りが爆発している。世界の労働者階級は急速に団結を強めている。3・20イラク反戦闘争・渋谷デモは「生きさせろ!」の怒りを貫く闘いを全世界に呼びかけた。動労千葉労働運動は、国際階級闘争の最前線に躍り出、民族・国籍・国境を越えた団結の中軸となり、米ILWU(国際港湾倉庫労組)や韓国民主労総とともに、労働者階級の国際的団結の実現にむけて奮闘している。
動労千葉の3・17〜19全面ストライキを先頭として、今春闘は「生きさせろ!」と叫ぶ青年労働者を軸にストライキが続発した。世界に目を向ければ、フランス300万ゼネスト、ニューヨーク、ロサンゼルスなどアメリカ労働者の決起、韓国・民主労総の闘いなど闘いにあふれている。
日帝・麻生政権と日本経団連は連合を引き込み、3月23日、「雇用維持へ『日本型ワークシェアリング』を強力に推進する」とうたう政労使合意を発表し、資本主義の危機からの脱出を策してあがいている。体制内派こそ、資本主義の延命のために、ブルジョアジーと一体となって労働者の生活と権利を踏みにじり、団結を解体することを自己の任務としているやからである。
入管法改悪を絶対に許すな
第2次国鉄決戦・4大産別決戦勝利、民営化・道州制攻撃粉砕の闘いを大爆発させ、民族・国籍・国境を越えた団結をつくり出す09年入管闘争は、1〜3月決戦の白熱的実践の中で、着実な前進を闘い取ってきた。
3月3日、住民基本台帳法に在日・滞日外国人を組み込む改悪案を閣議決定。3月6日には入管法改悪案を閣議決定し、国会に提出した。
なぜ今、入管法改悪なのか。それは、世界大恐慌情勢の中で日帝が生き残るために道州制攻撃をもって戦争国家への国家大改造に踏み込もうとしているからだ。日帝・ブルジョアジーは破産した新自由主義を絶望的に凶暴化させ、国家主義的イデオロギーのもとで労働者階級の団結を破壊し、労働者は資本のために犠牲になれという攻撃を強めている。
だが、入管体制は今日まで在日・滞日外国人と日本労働者人民の闘いによって粉砕され続けてきた。90年に労働力政策として導入した日系外国人の特例措置は、大恐慌の到来で完全破産。昨年の難民申請者が1599人に上り、難民認定制度そのものが大きく揺らいでいる。さらに今回外登法の廃止が打ち出された。
こうした現実に追い詰められた日帝は入管体制を強化し、”内乱勢力”を一掃しようと乗り出したのである。
今回の入管法改悪の柱は、2年前から策動していた「在留カード」だ。中長期在留外国人を対象とする「在留カード」を新設するとともに、特別永住者には「特別永住者証明書」を発行し、入管法による一元的管理を推し進めるものだ。「特別永住者証明書」は7年ごとの更新と常時携帯・提示義務が課され、刑事罰制度もそのままであり、外国人登録証が本質的に継続している状態を強制するものである。
09年外登法廃止・入管法改悪の狙いは第一に、世界大恐慌突入=革命情勢到来に対応した戦時型治安管理体制の確立だ。道州制攻撃の中で、国の形を変えるとして入管体制を強化し、「不法滞在者を生まない社会の構築」(「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008」より)を狙い、ここに労働者人民を動員しようというのだ。
さらに第二に、究極の分断攻撃である。日本社会で暮らす220万人の在日・滞日外国人を在留資格で分断し、在留資格の有無で分断し、「適法な在留資格を有する外国人」には徹底的に同化を迫る一方、「日本国家に有害な外国人」を日本社会から排除、追放するものだ。
この追放政策と表裏一体のものとして、第三に「適法に在留する外国人」は住民基本台帳に組み込み、「国を守る気概を持て」と迫る同化攻撃なのだ。戦前、日帝は朝鮮人・中国人に参政権を認め、国会議員を生み出したが、在日の利害代表などではなく、専ら「内鮮一体」を体現する存在でしかなかった。
また1938年の国家総動員法の公布と同時に朝鮮人・中国人にも徴兵制が適用され、軍人・軍属として日帝の侵略戦争に駆り出された。
しかし、このような究極の分断−同化・追放政策へと日帝を突き動かしているのは、革命情勢の接近を千載一遇のチャンスととらえ、情勢決定要因として登場している11月集会派、動労千葉派と在日・滞日人民が結合することへの絶望的な恐怖にほかならない。それならば、われわれの回答は一つだ。東西研究交流集会が掲げる「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者は団結しよう!」のスローガンこそ、その回答だ。時代が求める革命のスローガンだ。今こそ団結し、共通の敵である資本主義を倒すために闘おう。
4・19―5・10入管集会へ!
4〜5月入管闘争を、第2次国鉄決戦・4大産別決戦勝利、道州制粉砕闘争そのものとして闘い取ろう。
3月25日に鉄建公団訴訟控訴審で出された判決は、1047名闘争そのものを解体しようとする極反動判決だ。4者4団体派をぶっ飛ばし、国鉄決戦勝利・4大産別決戦に突き進もう。
国際階級闘争は体制内派による資本主義擁護、自国民労働者の保護を主張する勢力の形成をはねのけ、ランク&ファイルの力強い職場闘争へと発展している。
この時、階級的労働運動を憎悪する塩川一派は、転向・スパイ集団として純化し、入管闘争を戦争責任、差別告発のみに切り縮め、血債主義・糾弾主義にのめり込んでいる。そこにあるのは労働者階級に対する不信・絶望だけだ。
70年7・7から本格的に闘われた入管闘争は、入管体制粉砕・日帝打倒の路線を貫いてきた。二重対峙・対カクマル戦争の開始の中で、入管闘争を体制内的な差別・抑圧告発−糾弾の運動へと歪曲していったのが第4インターの潮流だった。今や塩川一派はこの第4インターに自己批判し、三里塚闘争の原則をも解体しようとしている。
われわれは、7月テーゼの実践として、血債主義、糾弾主義を粉砕し、新たな本来の入管闘争への転換をかちとった。入管体制のもとでの民族差別と排外主義の激化、入管収容所や強制送還というすべての入管攻撃に絶対反対を貫き、入管体制による分断を打ち破って階級的・国際的団結を取り戻し、革命に直結する入管闘争の路線を鮮明にさせた。
在日・滞日外国人と結合し、地区党の強化を闘い取ろう。民族・国籍・国境を越えた世界単一党の建設を闘い取ろう。
3・20イラク反戦、3・29三里塚の地平を引き継ぐ4〜5月入管闘争の爆発はその闘いの突破口だ。入管法改悪=「在留カード」導入阻止へ、麻生政権−法務省への抗議行動に立とう。職場で地域で学園で、在日・滞日外国人労働者とがっちりとスクラムを組み、動労千葉労働運動を実践しよう。
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週刊『前進』(2386号8面3)(2009/04/06 )
09外登法・入管法と民族差別を撃つ東西研究交流集会
打ち破ろう分断! 取り戻そう団結!民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り全世界の労働者と団結しよう!
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☆第18回関西集会
4月19日(日)午後1時
京都大学・法経4番(本部構内)
☆第20回全国集会
5月10日(日)午後1時
横浜市教育会館ホール
集会後、桜木町デモ
◎基調報告/全国実行委員会
◎牛久入管収容所問題を考える会
◎韓国・民主労総ソウル本部
◎国鉄千葉動力車労働組合
◎部落解放同盟全国連西郡支部
八尾北医療センター労組
◎闘いの報告/決意表明
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週刊『前進』(2386号8面4)(2009/04/06 )
共産主義者160号
〈大恐慌を革命へ!〉の時代認識と路線の決定的な前進
〈大恐慌を革命へ〉のスローガンほど、今の情勢にふさわしいものはない。「大恐慌は労働者に災厄をもたらすだけではない。それは世界革命の扉を荒々しく押し開く。世界は革命情勢だ。求められているのは、命脈の尽きた資本主義体制の改良ではなく革命である」――革共同政治局の09年1・1アピールの提起のとおり、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の時代認識と路線の実践は、すべての体制内勢力の限界と反動性を暴き出した。そして激烈な党派闘争をつうじて青年労働者・学生の情勢牽引(けんいん)力を爆発させ、3・20国際反戦闘争を中心に今春決戦の高揚を切り開いた。
情勢論を深化させた島崎論文
本号では、巻頭・島崎論文が1・1アピールのこの画期的提起を情勢論の面でさらに深化させた。今日の世界大恐慌情勢を不可逆なものにしている最大要因は何か。それこそ、新自由主義による「『金融帝国』化と過剰消費という80年代以来の米帝の延命のあり方が終わった」ことだ。「米帝の歴史的没落」こそが全世界的に「資本主義の終わり」を刻印しているのだ。労働者の国際的・階級的団結の力で今こそ資本主義・帝国主義を倒せる。このことが島崎論文で一層明確になった。
帝国主義の基本矛盾とは「29年型世界大恐慌の不可避性」と「帝国主義体制の危機と帝国主義戦争の不可避性」である。革共同6回大会報告の提起を塩川一派に突きつけ、〈大恐慌を革命へ〉のスローガンこそレーニン主義の今日的な革命的継承であることを明らかにした。
中央学生組織委員会の論文は、06年3・14法政大弾圧以来3年間の激闘をつうじて学生戦線が切り開いた地平の巨大さと清新な迫力を力強く押し出している。
「3年間の法大闘争は、60年闘争・70年闘争をこえる『21世紀の学生運動像』を生みだし、マルクス主義学生同盟1000人建設の指導部の中核を形成した。今こそ、法大決戦の全内容で3万法大生のみならず300万学生をマルクス主義で総獲得するときだ」――この自信と心意気を生み出したものこそ「動労千葉労働運動のストレートな実践」であり「『労働者・学生は必ず決起する』というマルクス主義的確信」だ。新自由主義大学・法政への痛烈な批判も、突き抜けた明るさと勝利感に満ちている。
07年7月テーゼと階級的労働運動路線のもとで諸戦線の綱領的・路線的深化と実践をさらに闘いとろうという1・1アピールの訴えは、各戦線で路線的再確立への成果をあげ始めている。
路線確立に向け2つの戦線論文
前号の反軍闘争論文に続いて、入管闘争と障害者解放闘争の2戦線で4者4団体派、塩川一派らとの対決軸を鮮明にさせつつ、階級的労働運動路線−プロレタリア革命の中でこそ各戦線の課題が根本的に解決されることを解明している。「動労千葉労働運動の全面的実践が入管闘争の勝利の路線である」と言い切り、道州制攻撃の重要な一環としての新たな入管法改悪攻撃に立ち向かおうと提起した五十嵐論文。07年7月テーゼの再確認を軸に血債主義・糾弾主義を批判し、プロレタリア革命の闘いそのものとして障害者解放をすえきった岩崎論文。ともに重要な路線提起だ。
賃金闘争論復権させる岩谷論文
階級的労働運動路線の実践のために、マルクス主義の学習と復権が強く求められている。本号でも、『賃労働と資本』を取り上げた前号畑田論文の成果に続き、『賃金・価格・利潤』に関する岩谷同志の力作を掲載。労働者にとって賃金とは何か、賃労働とは何か、賃金闘争とは何か、そして労働組合とは何かが現実の実践課題と結びつけて提示された。
「@賃金闘争をはじめとした資本との日常的攻防戦の不断の貫徹、A賃金制度の廃止−労働者階級の究極的解放に向けた闘い、を一個二重のものとして闘いぬくことが労働組合の任務」である。岩谷論文は、賃金闘争がプロレタリア革命につながる決定的な闘いであることをはっきりさせ、両者を分断する体制内派の誤りをえぐり出した。マルクス主義的時代認識と路線の獲得に今号を役立ててほしい。
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