ZENSHIN 2008/08/18(No2355 p06) |
週刊『前進』(2355号1面1)(2008/08/18 )
東西革共同集会 11月1万人決起へ戦闘態勢
福田打倒・賃上げゼネストへ
8・3東西革共同集会の成功と夏季特別号の路線・方針提起をもって、革共同は11月1万人総決起に向けた戦闘態勢を打ち固めた。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争と8・15闘争の階級的高揚は、完全に11月総決起への戦闘的なスタートとなった。この間にも、世界金融大恐慌の本格化のもとで、インフレの爆発と景気後退・不況化や、米欧帝とロシアが激突する世界戦争の新たな火点としてのグルジア情勢の緊迫など、世界はまさに激動に次ぐ激動だ。革命的情勢はいよいよ成熟している。福田改造内閣は大恐慌とマイナス成長突入に直撃されてグラグラであり、労働者への階級戦争と外への侵略戦争を絶望的に強めてきている。プロレタリア世界革命の旗を高く掲げ、階級的労働運動の爆発的発展をかちとろう。福田政権打倒、一律大幅賃上げと「生きさせろ!」のゼネスト実現へ、11月1万人大結集へ、今こそ真一文字に突き進もう。
革命の路線が鮮明に 東京 08年前半の大勝利に沸く
東京集会の会場・赤羽会館には920人が集まった。職場・キャンパスでの激闘をやり抜いた若き革命的共産主義者の闘いが全党をとらえ、11月労働者集会1万人決起へ、階級的労働運動路線の爆発的な前進が始まったことを、全参加者が感動的に実感する集会となった。
東西で革共同集会が成功!6大産別先頭に動労千葉派の大躍進始まる 東京・北区赤羽会館講堂(8月3日)
蜂起とプロ独指導する路線
革共同政治局を代表して木崎冴子同志が基調報告を行った。
木崎同志は、まず5・28〜29法大決戦から6・29渋谷デモに上りつめた08年前半を振り返り、@職場生産点で、資本および体制内労働運動と絶対非和解で闘いぬいた階級的労働運動路線の勝利であること、A分割・民営化攻撃を唯一打ち破った動労千葉労働運動が、革命に向かうすべての困難を突破し、蜂起とプロレタリア独裁を目的意識的に指導できる路線を形成してきたこと、B2000万青年労働者が革命の主体であることをとらえ、マル青労同がその全体を獲得する地平を切り開いていること、C警視庁公安部に大打撃を与えた5・29戦闘を闘いとったマル学同が、新自由主義を打ち破る革命的学生運動の再興を成し遂げつつあること、D階級的団結論こそ生きたマルクス主義、共産主義の今日的実現であること、E三里塚闘争、沖縄闘争などが階級的労働運動路線の下に統一して闘い勝利する地平が前進し、三里塚ではプロレタリア革命に向かう労農同盟が始まっていること、F弁護士戦線が国家機構の内側から革命的な前進を成し遂げていること、などを生き生きと確認した。
そして「世界革命の時代が到来した」ことを一点の曇りもなく明らかにし「マル青労同・マル学同1千人建設が一切の成否を決する。レーニンが革命への直線コースで『帝国主義論』『国家と革命』での命がけの飛躍を必要としたテーマそのものに立ち向かおう。そして5・27臨大闘争弾圧裁判と国鉄1047名闘争をめぐる体制内派との路線的大激突に勝ち抜く第2次国鉄決戦が、11月1万人結集を実現する分水嶺だ」と提起。最後に来春闘の大幅賃上げ闘争を含め、「福田政権打倒を射程に入れたゼネスト宣言集会として11月集会をかちとろう」と訴え、満場の拍手がこれに応えた。
続いて革共同の特別アピールで大原武史同志が登壇した。大原同志は「11月1万人結集の展望をつかんでいるか?」と問いかけ、米ILWUの5・1ストや民主労総ソウル本部・起亜自動車のストを決断した指導者たちの火を吐くような決断を紹介し、「自分の職場で火柱を上げる決断を」と鮮烈に提起。「わが革共同には、すべての世代において最も戦闘的で革命的な同志たちがいる。われわれこそが2000万青年労働者と結びつく時だ。不抜の団結で、11月へ徹底的にラジカルに闘おう」と気迫に満ちたアピールを行った。
反対同盟が労農同盟訴え
集会冒頭、「労働者と農民は手を組み闘おう」と、動労千葉ジェット燃料輸送阻止の労農連帯の歴史をたたえる三里塚芝山連合空港反対同盟のメッセージが紹介された(別掲)。続いて連帯のあいさつで、部落解放戦線から西村豊行さんが登壇し、戦前の水平社が侵略戦争に屈服した歴史と同じ道をたどり始めた解同全国連本部との決別を宣言、「階級的労働運動と7月テーゼの立場から帝国主義を打倒する部落解放闘争の路線を進みたい」と決意を語った。
沖縄民権の会の座覇光子さんは「沖縄闘争は本土・沖縄を貫く労働者の問題だと気づいた。沖縄から革命が起きる」と元気な声で語った。さらに法大弾圧弁護団の藤田正人さんが登壇し、法大弾圧との渾身(こんしん)の闘いを報告、「攻めの改憲阻止闘争を」と訴えた。そしてマル学同中核派・法大支部の同志は、法大弾圧を突きぬけて、新しい学生同志が結集していることを報告、「革共同の歴史は法大闘争の歴史。東京拘置所は若き革命家で一杯だ。3全総の原点で革命党を自ら組織する気概で闘う。マル学同1千人建設をやり遂げて11月へ進もう」と熱烈に呼びかけた。
革共同救対部の同志は、法大決戦でわが同志たち全員が1人残らず完全黙秘・非転向で勝利してきたことを報告。「獄中34年目に突入した星野文昭同志の再審特別抗告棄却は絶対に許せない!」と訴えた。(星野同志のメッセージは前号に掲載)。
(写真 11月1万人結集への方針を鮮明にした基調報告に聞き入る参加者【東京・赤羽】)
産別労働者が渾身の決意で
各産別からの決意表明が行われた。革共同国鉄委員会の同志は、鉄建公団訴訟の裁判長「和解案」に対して、国労委員長の高橋が「感謝の意」を表明したことについて、「1047名闘争と動労千葉への解体攻撃であり絶対に許せない」と弾劾。11月1万人決起へ「職場で階級的労働運動路線を実践し、体制内との徹底的な分岐を作る一点で勝負を」と訴えた。
全逓委員会の同志は「体制内との苦闘の連続だったが、もう職場で『前進』を読んでも浮かない。民営郵政打倒に踏み切る。これは革命のスローガン。民営郵政が倒れる時は国家がつぶれる時だ」と戦闘的な決意を述べた。
教育労働者委員会の同志は、党の団結が根津さんの解雇を阻止した力の源泉だと提起、「11月1万人決起へ、職場実力闘争と団結の武器を今こそ使い切る時だ」と決意を語った。自治体労働者委員会の同志は「職場の執行委員でもある20〜30歳代の私たちが革命を言い切る。これは私自身の決意だ」と語った。
医療福祉労働者委員会の同志は、動労千葉労働運動を職場でつらぬくために、「資本・御用組合と非和解にケンカする。経営はつぶれていいと言い切る。弾圧こそ大チャンス。職場闘争で革命家を生まないなんてあり得ない。人生をかけたオルグを」と、明快な職場闘争方針を提起した。
合同・一般労組委員会の同志は、塩川一派が国鉄の4者・4団体路線を賛美するに至ったことを弾劾、「4大産別の闘いと切り離された合同労組運動はあり得ない」との明確な立場を訴えた。
集会は最後に、マル青労同書記局の同志とマル学同中核派から織田陽介全学連委員長が決意表明。マル青労同の同志は「われわれは『労働運動で革命を』の核心をつかみ取った。職場で『決定的な1人』になろう」と訴えた。織田委員長は「11月1万人決起へ、いまこそ福田政権打倒へ腹の底からの怒りを爆発させる時だ。マル青労同、マル学同1千人建設の核心は自分の職場、自分の大学が革命情勢だと言い切ることだ」と提起、「11月へ革命情勢を一気に引き寄せよう」と呼びかけた。
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週刊『前進』(2355号1面2)(2008/08/18 )
“革共同に入ろう!”
関西 全戦線で塩川一派打倒へ
8月3日、大阪の天王寺区民センターで革共同政治集会が開かれた。340人が結集し、階級的労働運動路線のもとに11月1万人大結集へ向かって全力で闘いぬく戦闘態勢を打ち固めた。
「青年労働者の党」が生まれた
参加者の最大の実感は、革共同が「労働者の党」、なによりも「青年労働者の党」に完全に生まれ変わった、ということだ。
冒頭、住宅闘争を闘う部落解放同盟全国連西郡支部から連帯のあいさつが行われた。「応能応益家賃制度絶対反対で闘いぬいてきた。全国の仲間の皆さんの応援を力にして、これからも闘う。11月集会に参加して車線いっぱいのデモに感動した。1万人結集へともに闘いましょう」という感動的な発言だった。
続いて、三里塚決戦勝利関西実行委員会の永井満さん、獄中で闘う星野文昭同志、法大決戦被告の全学連の同志のメッセージが紹介された。
高原洋三同志が基調報告を提起した。高原同志はまず、「党の革命」と塩川一派打倒の闘いをとおして、ついに全国単一党の建設がかちとられたこと、「現代のカウツキー主義」=塩川一派打倒闘争の革命的な意義を強調した。
二つめに時代認識について、新自由主義の破産と世界金融大恐慌の世界史的な意義を語り、まさに世界は革命情勢に突入していること、何よりもこの情勢が11月勢力によって闘いとられていることの巨大な意義を報告した。動労千葉の組織拡大闘争の転機が5月入管交流集会にあったこと、血債主義・糾弾主義を一掃してプロレタリア国際主義が復権した時に、労働者はものすごい力を発揮することを強調した。
三つめに、重要段階を迎えている国鉄1047名解雇撤回闘争―第2次国鉄決戦と、大阪の自治体決戦の重大性を提起した。大阪府知事・橋下は日帝の道州制攻撃の先兵であり、これとの闘いは日本の労働者階級総体の命運をかけた決戦であることを訴え、総決起を呼びかけた。
四つめは、11月1万人結集、マル青労同1千人・マル学同1千人建設こそ革命の道であること、質を量に転化し分水嶺を越えようと熱烈なアピールを発した。
(写真 東西で革共同集会が成功!6大産別先頭に動労千葉派の大躍進始まる 大阪・天王寺区民センター【8月3日】)
労働者同志が地方委報告
基調報告を受けて、関西地方委員会の労働者同志が地方委報告を行った。冒頭、前日の不当逮捕と前進社不当捜索を徹底弾劾した。そして、昨年12・23関西地方委員会再建総会を新たな出発点とする前半戦の闘いが塩川一派との激烈な闘いをとおして大前進をかちとってきたことを報告した。同志は「6・29サミット粉砕決戦の大爆発が、階級的労働運動路線のもとに職場生産点で資本と非和解で闘ってつくられる階級的団結のすごさを証明した」「11月1万人結集は絶対に可能だ」と提起。さらに、この間の実践的前進の一切の土台が、路線的一致のための徹底討論にあること、そこから自己変革と地区党の変革がかちとられたことを報告した。
二つめに、塩川一派打倒は階級的労働運動路線の真価をかけた闘いであり、全戦線で絶対勝利しようと訴えた。そして最後に、第2次国鉄決戦を先頭に動労千葉と団結して6大産別決戦に総決起しよう、マル青労同・マル学同1千人建設、11月1万人結集へ死力を尽くして闘おうと提起した。
法大決戦の勝利を訴える学生戦線からのカンパ・アピールの後、産別委員会の報告とマル学同、マル青労同の同志の決意表明が行われた。この数カ月間、すべての産別でめざましい前進がかちとられていることが感動的に報告された。何よりも全発言者が、「革共同に入党しよう」「マル青労同に入ろう」「マル学同に入ろう」と熱烈に当たり前のように訴えたことの中に、この間の路線的前進がはっきりと示された。”この力があれば革命に勝利できる”とすべての参加者が実感したのだ。そういう革命的主体が登場したのだ。
女性解放闘争を担う労働者同志は婦民総会決戦に向けた決意を表明し、総決起を呼びかけた。星野同志奪還闘争を闘う同志は、星野闘争に敵対する塩川一派を打倒して星野同志奪還に総決起しようとアピールした。
締めの「団結がんばろう」を青年労働者が担った。青年同志はまず、自分の職場の闘いを報告した。組合の役員選挙をめぐって体制内執行部と全面的な激突に突入していること、職場の労働者と団結して闘い抜いていると語った。職場に真の団結をつくり出すかぎは、自分自身の渾身の決起にある――このことをつかんだ喜びにあふれた発言だった。
こうして今年の関西革共同政治集会は、最初から最後まで団結を深め、拡大する素晴らしい集会として闘い取られた。
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週刊『前進』(2355号1面3)(2008/08/18 )
三里塚反対同盟アピール
革共同集会に三里塚芝山連合空港反対同盟から寄せられた熱烈なメッセージを紹介します。
◇
革共同集会に結集されたみなさん!
WTOがついに農業交渉をめぐり決裂した。農業・農民からの収奪を狙って他国を攻めるアメリカの破産である。行き場を失った投機マネーの怪物が、生きるための食糧・穀物市場に流れ込み、飢えと貧困が世界に飢餓暴動を引き起こしている。原油の高騰とインフレが全世界にストライキとデモを激発させている。洞爺湖サミットは強盗同士のぶんどり合いを浮き彫りにした。
「戦後レジームからの脱却」は支配者の危機そのものだが、それは農民、労働者、人民もこのままでは生きていけない時代の到来だ。労働法、教基法、農地法、戦後民主化の柱といわれる法の解体と改憲攻撃。三里塚闘争は、これと真っ向から闘いぬく。
ハブの基軸にあるべき空港が、「成田パッシング」と嘲笑される、このぶざま! 暫定滑走路を北に延伸しても、ジャンボ機は飛べない現実が明るみに出て衝撃を与えている。「へ」の字の誘導路が桎梏(しっこく)だ。三里塚は、侵略と勢力圈づくりのアジア・ゲートウェイ構想の前に立ちはだかっている。
反対同盟は、42年間一歩も引かず闘い続けてきた。その闘いがどれほどのものであるか、三里塚の歴史を知る者にはわかると思う。
農地は人民のものだ。農地は闘いの武器である。だから反対同盟は徹底的に農地を守りぬく。
労働者と農民は手を組み闘おう。三里塚は戦前戦後、連綿と続く労農人民の連帯闘争の歴史を今に引き継いでいる。「労農同盟の萌芽」といわれる動労千葉のジェット闘争はそうして闘いとられた。国境を越えた連帯をつくり出そう!
だからこそFTA反対を掲げる。労農コミューンをつくり出そう! わが反対同盟とともに闘うことを切に訴える。
市東さんの農地を守ろう! 暫定滑走路北延伸と成田軍事化を阻止しよう! 10・5全国集会に総結集するよう訴える。
2008年8月3日
三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2355号2面1)(2008/08/18 )
“福田政権打倒しよう”11月へ広島・長崎反戦闘争が高揚
“ヒロシマ大行動 労働者の団結で核廃絶を”
階級的労働運動路線を貫き1900人
広島市の中心街のアーケードを行進するヒロシマ大行動のデモ隊列(8月6日)
8月6日午後、「被爆63周年8・6ヒロシマ大行動」が行われた。被爆者や労働者ら1900人が広島県立総合体育館に結集、集会を行った。その後、平和公園までデモ行進した。米国からは、米軍の募兵活動と闘う教育労働者のアーリーン・イノウエさんを迎えた。
集会では広島大学名誉教授の北西允さんが「アメリカ帝国主義と福田政権に闘いの矛先を向けよう」と開会のあいさつを行った。
「被爆者の怒り」と題して、まず栗原貞子さんの詩「私は広島を証言する」が朗読された。詩は「生き残った広島の生き証人としてどこへ行っても証言します。もう戦争はやめようと命をこめて訴えます」と結んだ。
反戦被爆者の会の下田禮子会長が「生涯忘れることができない。一瞬にしてすべてが破壊され焼き尽くされた」と被爆体験を語り、今なお核を開発し、戦争を行い、生活を破壊し、高齢者や被爆者に「死ね」と言う帝国主義に対して、「被爆者をなめるんじゃない」とつきつけた。
全国被爆者青年同盟の中島健委員長は、核武装合憲論者である福田首相を弾劾し、イランや北朝鮮への核侵略戦争で延命しようとしている帝国主義の打倒を宣言した。
実行委員会事務局の谷口恭子さんが基調提起を行った。労働者の反戦闘争が職場・生産点から国際的な規模で闘われていることを確認し、「資本家階級と労働者階級とは共存できない。資本家階級を打倒し労働者階級が新たな社会をつくろう」と提起。「新自由主義のもと金融大恐慌に陥った資本主義は労働者を団結させる状況をつくっている」と展望を示した。
国際連帯として、かつて広島大学で学び、現在イラクで劣化ウラン弾による小児がんと闘っているフサーム医師のメッセージが代読された。
アーリーン・イノウエさんが登壇し、米国での募兵官たたき出しの運動と日本の「教え子を再び戦場に送らない」闘いとがつながっていることを明らかにし、「国際的団結を強めよう。私たちは皆さんの闘いを断固支持し、常にともにある。がんばって!」と表明(6面に要旨)、圧倒的な拍手を浴びた。労働者国際連帯の新たな前進だ。
うるまユニオン副委員長の富田晋さんが「一緒に革命やろうぜ」と沖縄からのアピールを発した。カンパアピールを被爆3世の労働者が行い、労働者・学生の決意表明に移った。
動労千葉の田中康宏委員長は「世界金融大恐慌が起こり資本主義が崩れている時に労働者が団結して立ち上がり、支配階級を倒せるかどうかが試されている」と提起。11月労働者集会1万人結集と賃上げゼネストを呼びかけた。
国労5・27臨大闘争弾圧被告の羽廣憲さんは、自らの5・27裁判闘争と国鉄1047名闘争の勝利に向かって、4者・4団体路線を粉砕し解雇撤回を貫いて闘うと述べた。東京の教育労働者の根津公子さん、河原井純子さん、広教組青年部の労働者は、処分をはねのけ、団結して「日の丸・君が代」不起立闘争を継続し、闘う日教組への転換をかちとる決意を表明した。
自治体、郵政の青年労働者が元気よく決意を述べ、5・29法大と6・29渋谷の2回逮捕された広島大学の学生が「闘う主体として自分をつくり変えた。もう1人の自分をつくって11月労働者集会への1万人結集をかちとり、世界にアピールしよう」と熱烈に訴えた。
集会アピールを高揚病院第一診療所労組の委員長が読み上げ、拍手で採択した後、閉会のあいさつを元参議院議員の栗原君子さんが行った。「今年のヒロシマ大行動は、労働者が休みをとって参加して行われた。労働者は社会を変える力をもち、その主体であることを互いに確認できる8・6ヒロシマ大行動にしたいと考えた」
実行委員会事務局長の平岡誠さんの音頭で団結ガンバローを行った。
市内デモに出た。アーリーンさん、下田禮子さん、田中康宏委員長、さらに青年労働者が先頭を占めた。2列縦隊で暴力的に規制する機動隊を圧倒し、沿道の労働者・学生らとエールを交歓した。デモの後尾を包囲する機動隊をものともせず飛び入り参加する人も現れた。原爆資料館前での総括集会で栗原君子さんが今年の大成功と来年の大行動へのさらなる大結集を訴えた。
(写真 実行委員会事務局長の平岡誠さんの音頭で団結ガンバロー【8月6日】)
職場で闘って広島に大結集
今年で10回を数えるヒロシマ大行動は8・6広島における唯一最大の国際反戦反核闘争だ。北朝鮮への排外主義を強め、帝国主義の核と戦争を翼賛する連合(原水禁、核禁会議、民主党系)や原水協(全労連、日本共産党系)を思想・路線的にも、存在力としても圧倒した。
さらに今年の大行動は、資本・当局、体制内派と激突する職場闘争に取り組み、それを基盤としてかちとった。血債主義、糾弾主義を粉砕し、階級的労働運動路線を実践する闘いとして意識的な転換と飛躍をかちとった。労働者階級の団結こそ、帝国主義を打倒して核と戦争を地球上からなくす最大の力だ。
8・6ヒロシマ大行動の成功をバネに青年労働者を大量に組織し、11月労働者集会1万人結集と賃上げゼネストへ攻め上ろう。
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週刊『前進』(2355号2面2)(2008/08/18 )
8・6広島 福田直撃の500人デモ
祈念式典に肉薄し激しく弾劾
「福田の式典参加弾劾!」。平和公園に向かって進むデモ(6日)
「福田の祈念式典参加許さないぞ」――原爆投下時刻の6日8時15分、元安川沿い道路から500人の激しいシュプレヒコールが式典会場に響きわたった。この怒りが昨年は安倍を痛撃し、首相の座から引きずり下ろした。今度は福田を打倒するぞ。その決意がデモ参加者全員の怒りの声となり、福田に向けてたたきつけられた。
8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委が主催する「福田打倒!祈念式典糾弾!」のデモは500人の大結集で闘われた。
東千田公園で集会が行われた。統一実行委の三角忠さんが「福田徹底弾劾、福田を広島で打倒するデモを貫徹しよう。ここを労働者階級の反転攻勢の一大水路として闘おう」と提起。
反戦被爆者の会の大槻泰生さんが「闘うのは被爆者と労働者。みなさんとともに先頭で闘う」と気迫あふれる発言。全国被爆者青年同盟は「核武装しようとするなら職場の労働者が阻止する。今日は福田来広弾劾のデモを闘おう」と怒りを前面に出し決意を表明した。
全学連の織田陽介委員長は「獄中の星野文昭同志、学生の20人の同志も含めて、われわれの怒りは21倍だ」と決意表明。
地元・広島の労働者を代表して、労組交流センターに結集する青年の郵政労働者が決意表明を行った。
デモの出発だ。「福田改造内閣打倒」のシュプレヒコール。デモ隊の熱気が8月6日早朝のヒロシマの街を一気に闘いの雰囲気にしていった。
中国電力の前で座り込む労働者とエールを交換した。1人の労働者が「毎年この時期になるといっそう怒りが増す。原子力発電と核武装はつながっている」と中国電力を徹底的に糾弾する。
いよいよ平和大通り。市民の数もぐっと増えてくる。多くの人がビラを受け取り、デモ隊を写真撮影している若者も。
韓国から来た労働者が歩み寄り、「民主労総は知っている。こういうデモはいい」と語る。デモをじっと見ていた40代の夫婦が「今の世の中は根本から変えないとダメですね」と感想を語る。「迫力ありますね」という声が何人もの市民から寄せられた。迫力あるデモが人民を獲得する時代が来た。それを実感させる闘いだった。
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週刊『前進』(2355号2面3)(2008/08/18 )
アーリーンさん講演 教労集会
“同じ敵と闘ってる”
5日午後、広島市東区民文化センターにおいて、教育、自治体、国鉄、郵政、医療・福祉、合同労組、民間運輸、民間の八つの産別の労働者交流集会(各実行委の主催)が行われた。
教育労働者交流集会にはアメリカの教育労働者、アーリーン・イノウエさんも参加し、全国から145人が集まった。
まず、今年3月の「日の丸・君が代」不起立で非常勤教員の職を奪われた東京教組の米山良江さんが呼びかけ人あいさつ。都教委が7月に打ち出した「分限事由対応指針」を批判し、「これは『不起立が拡大したら大変』という都教委の悲鳴。来春、処分・解雇を恐れない闘いをやろう。11月集会に教育労働者の怒りを結集し、不起立の拡大にすべてをかけて闘おう」と呼びかけた。
続いて今春の不起立で停職6カ月処分を受けた根津公子さん、河原井純子さんからの報告。根津さんは「来年3月も私は起立しない。不起立を絶対にゼロにさせない闘いをやりましょう」、河原井さんは「おかしいことには『おかしい』と言おう。若者とつながっていけば、必ず変革の道は開かれると確信しています」と述べた。
青年労働者は「不起立してから、今まで抑え込んできた怒りが噴き出した。不起立に敵対する組合本部を打倒し、取って代わってみせる。自己解放闘争としての不起立を広げよう」と訴えた。
続いてアーリーン・イノウエさんが講演。「アメリカの労働者も日本の労働者も同じ敵と闘っている。あなたがたの勝利は私たちの勝利」と話を始め、貧しい生徒をイラク戦争に駆り出す募兵活動との闘い、闘う労働組合をつくる取り組みを報告。「『日の丸・君が代』に反対して闘う皆さんこそ英雄です」と述べ、大きな拍手がわいた。
動労千葉の川崎昌浩執行委員の連帯アピール、各地の教育労働者の発言を受けた後、最後に神奈川の教育労働者が「組合幹部と激突し、『万国の労働者、団結せよ』の立場で職場から反乱を起こそう」と呼びかけた。
そのほかの産別集会も11月労働者集会に1万人結集を実現するための熱い議論で盛り上がった。
(写真 生徒をイラク戦争に駆り出す募兵活動との闘いを報告するアーリーンさん【8月5日】)
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週刊『前進』(2355号2面4)(2008/08/18 )
青年労働者交流集会 “団結にかける組合を”
動労千葉平成採らが決意
オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会が5日、広島市東区民文化センターで開かれ、500人が参加した。
「11月1万人集会へむけて盛り上げていこう」――司会は四国の福祉労働者。正社員を要求した3日後に首切り攻撃を受け、就労闘争を闘っている。自治体労働者と沖縄の合同労組の仲間が呼びかけ人あいさつ、アーリーン・イノウエさんが連帯の発言を述べた。
続いて、広島の教育労働者が基調報告。基調は中四国の青年労働者が討議を重ねつくりあげた団結の結晶だ。「明日、福田が広島にやってきます。許せない! 福田こそ核と戦争の超本人だ」と福田の祈念式典出席弾劾のデモ決起を訴えた。さらに「新自由主義攻撃は全国・全世界の労働者がつながり合える状況をつくりだしている」と述べ、「不起立闘争こそ、労働者に差別・分断をしかけてくる資本・国家を真正面から打倒し、すべての労働者とつながっていく闘いだ。それを抑圧する体制内労働組合はぶっ壊していい。労働者との団結にかけきる労働組合をつくる。隣の労働者を連れて11月1万人集会を実現しよう」と呼びかけた。
動労千葉幕張支部執行委員の吉野六郎さんが「11月労働者集会1万人結集へ火の玉となって職場でがんばろう」と檄(げき)を飛ばした。
全国の青年労働者の決意表明が続いた。動労千葉に結集した平成採の青年労働者が「検修業務の外注化と闘うためには動労千葉と一緒に闘っていくのが一番と思い、加盟した。動労千葉は間違ったことはやっていない。青年部結成に向けてがんばる」と発言、会場は満場の拍手で応えた。
大阪の自治体労働者、関東の医療労働者らの決意表明が続いた。合同労組の医療労働者は「地域に職場闘争委員会をつくろう。絶対に仲間を裏切らない団結を」と実践方針を提起。広島の医療労働者は、職場でのビラまき禁止を実力で粉砕、「組合活動に許可はいらない」とビラをまいた。「労働者が運営する安全・安心の職場をつくる」と決意を語る。
「『かもめーる』の自腹買い取りは絶対にやらない」と職場で決起した広島の郵政労働者は、隣の労働者が「おれも買わない」と応えたことに自信を持った。「11月集会で隣の仲間を全国の仲間と会わせたい」。東京の全逓労働者は「ここに集まった仲間が2千万青年労働者の結集軸だ。社会を動かしているのは労働者だ。1万人を超える労働者のデモで絶対に勝てる。福田をぶっとばすデモをやり、11月を闘い、ゼネストを」と訴えた。
中四国の医療労働者が「11月1万人で革命やるぞ」とまとめの提起、団結ガンバローで集会をしめくくった。
(写真 「青年労働者を先頭に11月1万人で革命やるぞ」と団結ガンバロー【8月5日】)
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週刊『前進』(2355号3面1)(2008/08/18 )
“福田政権打倒しよう” 11月へ広島・長崎反戦闘争が高揚
8・9長崎 福田の式典出席を弾劾
“核武装許さぬ”と怒りのデモ
福田と久間が出席し、戦争と核武装に向かおうとする攻撃に対し、祈念式典会場に怒りのシュプレヒコールをあげる参加者(8月9日 長崎市松山町)
8月9日、63年前を思わせる暑さの中、長崎に原爆が投下された午前11時2分、平和公園前にさしかかった「8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会」のデモ隊は、日帝・福田が出席している祈念式典に向けて激しい怒りの声をあげた。「福田の祈念式典の出席糾弾」「原爆はしょうがなかった発言を許さないぞ」と何度も怒りのシュプレヒコールがとどろいた。
日帝・福田政権は、今労働者を生きられない状況にたたき込みながら、一方で世界戦争に向けた核武装政策を進めている。しかも「原爆はしょうがなかった」発言をした久間元防衛相は、昨年は式典に出席できなかったが、今年は臆面もなく出席を強行したのだ。こんな連中は、今こそ労働者の団結した力で打倒しよう! デモ隊はさらに進み、平和公園、爆心地公園に集まった多くの労働者・被爆者の注目と共感の中をこうした思いを訴えながら戦闘的にデモを貫徹した。
デモに先立って平和公園近くの城栄公園でこの闘いに向けた決起集会が開かれた。被青同の労働者、相模原反核市民の会の西村眞さん、全学連の学生、教育労働者、青年労働者が次々と福田糾弾のデモに向け発言した。全学連の学生は法大闘争に断固勝利する決意を表明し、教育労働者は、職場の仲間の決起を実現したことを報告した。青年労働者は、「帝国主義社会はぼろぼろだ。労働運動の力で革命をやろう」と訴え、青年労働者にマル青労同への結集を訴えた。アーリーン・イノウエさんは労働者国際連帯の闘いの意義をアピールした。統一実行委事務局長の三角忠さんが方針を提起しデモに出発した。
80代の益永スミ子さんも元気にデモを貫徹。最後にスタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合の入江史郎委員長の発声で団結ガンバローを行った。
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週刊『前進』(2355号3面2)(2008/08/18 )
8・8長崎反核集会 “労働者が平和の中心に”
アーリーンさんが訴え
被爆63周年長崎反戦反核労働者集会が8日午後、長崎勤労福祉会館で開かれ、115人が結集した。集会には国鉄や自治体、民間の労働者を中心に長崎・福岡の教育労働者が多数参加。11月労働者集会に向けた九州総決起集会となった。
集会は、アメリカのCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)代表のアーリーン・イノウエさんを迎え大高揚。
アーリーンさんは、両親と祖父母を含めた日系アメリカ人が戦争中に収容所に入れられた歴史が、戦後生まれの自分の存在をも規定しており、それが「平和への強烈な切望」を自分に与えているという。そして「私の今を正しく認識し、一人の日系アメリカ人女性としての存在に喜びを感じられるようになった」と振り返った。「『私ってすごいかも』という表現で私たちの直接行動主義に確信を持っていることを表現してきた」と明らかにした。
さらに、「落ちこぼれ防止法」のもとで、教育現場で募兵が公然と行われている状況を許さないためにCAMSの運動が始まり、それが「数百人の若者の入隊についての考えを変える意思表示」をかちとったと報告した。そして「今こそ労働者が、平和と正義のための闘いで中心的役割を演じる時なのです」と訴え、「皆さんこそが世界を変える!」と日米の労働者の国際的団結とその勝利の展望を強調した。
会場との質疑応答をつうじ、日韓米労働者の団結と闘いを一層強めていくことが確認された。
アーリーンさんの発言を受けて「日の丸・君が代」被処分者の河原井純子さんが発言。今年の春の「不起立」闘争と根津公子さんの解雇を許さない闘いの広がりを「とってもうれしい共闘」と評価し、「これで世界を大変革できる」と述べ、東京教組の米山良江さんも含めたその後の闘いの経過などを報告した。参加者は、日米の教育労働者の連帯した運動の重要性をあらためて認識した。
(写真 集会の大成功をかちとり、労働運動の力で革命やろうと固い決意で力強くシュプレヒコール【8月8日 長崎勤労福祉会館】)
ミサイル開発と原発は一体
日本や世界の原発などの核被害を自ら調査している元慶応大学教授の藤田祐幸さんは「迎撃ミサイル配備と日本の核武装」と題して、日本の核武装計画が最初からミサイル開発と一体的に進められていることを明らかにした。また藤田さんは、8月1日に明るみに出た佐世保での原子力潜水艦の放射能漏れ事件に対して「政府は安全だと言っていたが、そもそも安全か否かをチェックする機能さえなかったことがはっきりした」と、徹底的に弾劾した。 被爆2世の労働者は、連合主導下で変質を深め闘わなくなっている原水禁(原水爆禁止日本国民会議)を弾劾し、「私たちは単なる生き証人ではない。労働者として、核と核戦争に対決して闘う主体である」と宣言。「祈りではなく、怒りの長崎として闘おう!」と檄(げき)を発した。
国労小倉地区闘争団事業部で国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告の羽廣憲さんが発言し、「4者・4団体」の中で闘争団の中からも出てきている和解と屈服の動きと対決して、新たな国鉄闘争としてあくまで「解雇撤回・民営化反対!」「新自由主義打倒」を掲げて闘うことを宣言した。
教育労働者は、式場から排除する攻撃を断固打ち破り「日の丸・君が代」強制に不起立を貫いた闘いを報告した。さらに自治体労働者は、職場で進む人事評価制度導入を自らの決起で阻止した闘いを報告した。
これらの発言を主導したのは青年労働者だ。体制内労働運動によって闘わない勢力になり下がっている原水禁の現状を厳しく批判し、「核も戦争もなくすためには革命しかない。その先頭に若者が立つ。青年労働者がこの世界を変える」と高らかに宣言した。動労千葉特別執行委員の滝口誠さんがまとめを提起し、「動労千葉は11月労働者集会1万人結集に命運をかける」と決意表明。集会は大成功した。
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週刊『前進』(2355号3面3)(2008/08/18 )
8・5広島 “全学連大会と11月へ”
全国学生集会が大成功
8月5日、広島市東区民文化センターにサミット粉砕決戦を先頭で闘った学生が結集し、全国学生集会がかちとられた。
「法大闘争を闘い抜いたわれわれこそが世界を切り開いている。この場に結集している学生は300万学生の怒りを代表してヒロシマの地に結集している!」――処分攻防を闘った法大生の司会で集会が始まった。
続いて広島大生が「明日の朝デモで福田を打倒しよう!」と宣言。さらに、8・6ヒロシマ現闘団が、広島市内の大学を大席巻したことを報告。「広島平和研究所」を有するある大学は、8・6ヒロシマのビラまきを大学内に公安警察を呼び入れ弾圧した。まさに法大と同じ状況であったという。「資本主義のもとでの平和学なんてまったくのペテンではないか」と弾劾。だが、そうした中でも広島の大学生と合流できたことが決定的であったと語った。
「11月労働者集会1万人結集で福田を絶対打倒できる、打倒したい、打倒しよう!」「9月全学連大会、10・17法大解放集会を突破口に11月1万人に向けて進撃していこう! 一人の例外もなく組織拡大にうってでよう。獄中の仲間を絶対奪還しよう」という織田陽介全学連委員長の基調提起は、全学連大会大結集に向けて全員のやる気を引き出した。
さらに東北、関西の学生が11月1万人結集への決意を表明。集会の最後に中四国の学生全員が登壇し、「被爆者の怒り、広島労働者の怒りと一つになって闘うことができるのはわれわれしかいない。第一党派として明日の朝デモで福田を打倒しよう」と堂々訴えた。
全学連の鉄の団結は一層強固なものになった。
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週刊『前進』(2355号3面4)(2008/08/18 )
4者・4団体路線に現場の怒り
国労大会 屈服和解策動を徹底弾劾
国鉄1047名闘争は、その存亡のかかった一大分岐点に立っている。7月30、31日、静岡県伊東市で開かれた国労第76回定期大会は、1047名闘争の危機をまざまざと突き出した。
7月14日の鉄建公団訴訟控訴審における南裁判長の裁判外和解の提案と、国交相であった冬柴の「解決に向けて努力する」との発言を受け、国労大会で高橋伸二委員長は「大会の名において裁判所からの提案を受け入れる」と言明した。あろうことか高橋委員長は、「大臣の言明はまさに真夏の日輪がほのかに黎明(れいめい)を兆す朝を象徴するもの」「発言を受け止めた闘争団遺族の思いは、両衫(りょうさん)を湿らせるがごとき感慨にある」と言って冬柴にひざまずいた。公明党出身の冬柴に向けて、ことさら宗教めいた言辞を連ね、こびを売ってみせたのだ。なんとおぞましい光景か。国交省(旧運輸省)こそ、国鉄分割・民営化で20万人もの国鉄労働者の首を切った張本人ではないか!
国労本部がこうまでして持ち上げた冬柴も、大会翌日に行われた内閣改造で閣外に去った。政治解決などなんの展望もない。にもかかわらず国労本部は、「不採用問題解決の流れはもはや不動のものとなった」と唱える一方、「妨害に動じるな」と叫んでいる。それは、一切の反対を押しつぶして、1047名闘争を敗北のうちに一刻も早く終わらせるということだ。4者・4団体の枠組みで開かれる「10・24中央集会」も、「これで有終の美を飾る」ものとして位置づけられている。
大会議事は「4者・4団体の団結を解決の出口まで堅持する」という大合唱に終始した。
(写真 闘う国労組合員は、大会会場の会議室前で傍聴を求めて会場係に詰め寄った【7月30日 伊東市】)
被告団先頭に本部打倒訴え
だが、鉄建公団訴訟原告を始め、現場の組合員は断じてこんな屈服など受け入れない。
大会会場のホテルに駆けつけた5・27臨大闘争弾圧被告団や、原則的闘いを貫く鉄建公団訴訟原告、国労共闘は、4者・4団体路線を批判するビラを大会参加者に配布して、解雇撤回闘争の貫徹と本部打倒を訴えた。
大会1日目、闘う現場組合員が傍聴を求めて代議員・傍聴者受付まで赴くと、会場係の後ろに公安刑事が並び、弾圧の機会をうかがった。会場内に警察を引き入れるなど、かつてない事態だ。この露骨な権力の介入に、会場係は誰ひとり抗議しない。国労本部は5・27臨大闘争弾圧の再現をあからさまに狙ったのだ。権力の導入を弾劾する闘う組合員の怒りの声が響く中で、会場係は皆、首をうなだれた。
解雇撤回の原則をあくまで貫き闘う者と、これを投げ捨て、警察と結託して闘いを抑えつけようとする者との対比は鮮明になった。4者・4団体路線を推進する者にとって、国家権力は打倒すべき対象ではなく、どこまでもすがりつく相手でしかない。
大会2日目、闘う現場組合員は再度、代議員受付前に登場し、大会傍聴と公安警察の排除、解雇撤回の貫徹を求める申入書を突きつけながら、本部を弾劾し続けた。
九州の鉄建公団訴訟原告も、和解解決を批判し、JR職場における反合理化闘争の強化を訴えるビラを独自に配布した。現場の闘争団員の意思は、あくまで解雇撤回を貫くことにある。
解雇撤回を貫けば勝てる
今日、鉄建公団訴訟原告団の一部幹部は、国労本部以上に4者・4団体路線の積極的推進者に転じている。だが、鉄建公団訴訟は本来、国労本部の裏切りに抗して解雇撤回闘争を貫くために起こされた闘いだ。一人ひとりの闘争団員がその原点に立ち返り、4者・4団体路線を粉砕して、敗北の道を拒否しよう。
解雇撤回の原則を貫いて闘えば、1047名闘争は勝利できる。その絶好機が来ている時に、解雇撤回を捨て、敵にはいつくばれというのが4者・4団体路線だ。
世界金融大恐慌とインフレが世界を覆う中で、労働者階級は至るところで怒りの反乱に立ち上がっている。日本において国鉄分割・民営化を切っ先に始まった新自由主義の攻撃は、青年労働者を始めとする労働者階級の闘いによって迎え撃たれている。1047名闘争が、こうした労働者の怒りを束ね、その先頭に立って闘えば、プロレタリア世界革命に向けた壮大な展望を切り開くことはできる。1047名闘争の勝利は、まさにこうした闘いの中に存在する。
JR体制は今や完全に破産をあらわにした。反合・運転保安路線のもと、JR資本と非和解的に対決してきた動労千葉に、平成採の青年労働者が結集し始めた。これは、JR体制への平成採の反乱がついに開始されたということだ。JR労働運動をめぐる巨大な流動はますます激しくなっていく。青年労働者を闘いの戦列に迎え入れ、JR体制を打倒する第2次国鉄決戦を動労千葉とともに貫いてこそ1047名闘争は勝利できる。
国労本部打倒を掲げて不屈に闘う5・27臨大闘争弾圧被告団は、旧弁護団解任によって4者・4団体路線への屈服を拒否し、国労の中に動労千葉に続く階級的労働運動をつくり出す不抜の拠点へと自らを打ち鍛えた。
国労大会をめぐる攻防で、4者・4団体路線絶対反対派は確固としてその姿を現した。第2次国鉄決戦の突撃路は切り開かれたのだ。
(写真 大会会場内に入り込んだ公安刑事たち)
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週刊『前進』(2355号3面5)(2008/08/18 )
資本攻勢&労働日誌 7・14〜7・31
“年金機構は処分者不採用”
●JR不採用訴訟で「話し合い解決」を東京高裁が提案 鉄建公団訴訟の控訴審で東京高裁は「裁判外での話し合い解決」を双方に提案した。(14日)
●橋下再建案反対で教職員労組がスト 大阪教育合同労働組合の非常勤教職員約20人が橋下知事の財政再建案撤回を求め、ストライキ。公立学校の教職員によるストは府内では24年ぶり。正規雇用の教職員ら約100人も有給休暇を使って参加。(15日)
●夏一時金6年ぶり減 日経新聞がまとめた今夏の一時金調査の最終集計によると、平均支給額は前年比0.30%減で、6年ぶりのマイナス。(15日)
●私鉄総連大会 私鉄総連は17日まで大会を開き、非正社員の正社員転換の強化などを盛り込んだ08年度運動方針を決定した。渡辺委員長、藤井書記長ら新執行部を選出。(16日)
●08年版労働白書 厚労省は08年版労働白書を発表。非正規雇用化は労働生産性向上にはマイナスだったと述べ、成果主義賃金についても仕事への意欲低下をもたらしたと指摘。(22日)
●全労連定期大会 全労連は25日まで定期大会を開催。連合、全労協に共同行動を呼びかけた。新議長に大黒自治労連委員長を選出した。(23日)
●経団連夏季フォーラム 日本経団連が25日まで夏季フォーラムを開催し、「アピール2008」を発表。(24日)
●「今後の労働者派遣制度の在り方」報告書を発表 厚労省は「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」の報告書を発表。日雇い派遣の原則禁止や登録型から常用型への転換促進などを打ち出している。(28日)
●年金機構の基本計画を閣議決定ー懲戒処分職員全員を不採用に 政府は「日本年金機構」の基本計画を閣議決定した。(29日)=要旨別掲
●完全失業率、有効求人倍率ともに悪化 総務省の労働力調査では、6月の完全失業率は4.1%で前月と比べ0.1ポイント上昇。厚労省の一般職業紹介状況によると6月の有効求人倍率は0.91倍と前月を0.01ポイント下回った。(29日)
●グッドウィルが廃業 人材派遣大手グッドウィル・グループの子会社で日雇い派遣大手のグッドウィルが事業を廃止した。(31日)
●タクシー事業の再規制に反対/規制改革会議 政府の規制改革会議は、国交省が7月3日に公表した「タクシー問題についての現時点での考え方」に反対を表明した。(31日)
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日本年金機構の基本計画(要旨)
政府が閣議決定した「日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画」は社保庁職員からの採用について、懲戒処分を受けた全職員約900人の機構への移行を一切認めない、さらに賃金をもらいながら組合活動に専念する「ヤミ専従」の職員や上司なども厚労相直属の「服務違反調査委員会」で調査し不採用にする、としている。
基本計画の当初案は、有識者会議「年金業務・組織再生会議」の最終報告を基に、懲戒処分歴のある職員の採用は有期雇用にするとしていたが、自民党内から「甘すぎる」との批判が続出、最終的には政府が自民党の主張を丸のみする形で修正に応じた。
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週刊『前進』(2355号4面1)(2008/08/18 )
橋下大阪府政打倒へ自治体労働者の総決起を
自治労大会(8月28〜29日千葉市)に向かって訴える
道州制=「国家」丸ごと民営化と徹底対決し11月へ進撃しよう
革共同自治体労働者委員会
反戦旗を掲げ8・6ヒロシマ大行動のデモを戦闘的に闘い抜いた自治体労働者(平和公園)
世界金融大恐慌が現実化し、革命情勢が世界的に成熟しつつある。最末期の帝国主義=資本主義は完全に破産し、全世界で労働者階級のストライキ、暴動、闘争が激発している。資本主義はもう終わっている。新自由主義=市場原理主義は社会を際限なく破壊している。労働者は闘うことなしに生きられない。求められているのは革命だ。動労千葉が呼びかけた6・29サミット粉砕労働者集会・デモは、日本における世界革命派の存在を示した。8月広島・長崎反戦反核闘争は労働者の国際的団結と福田打倒への機運を高めた。08年後半〜09年春闘過程を「生きさせろ!」「権力をよこせ!」「生産手段をよこせ!」のゼネストへ向かう労働者階級と資本―日本経団連、日帝・福田政権との非和解的激突過程としよう。11月1万人労働者集会で日本プロレタリアートの世界革命への宣言、それへのゼネスト宣言を発しよう。闘う自治体労働者は、橋下・大阪府政打倒へ、自治体丸ごと民営化絶対反対、道州制粉砕、人事評価制度拒否を貫いて闘おう。この闘いは日帝の命脈を絶つ決定的な闘いだ。公務員労働者の闘うエネルギーを全面的に解き放ち、11月労働者集会に勇躍登場しよう! 自治労大会(8月28〜29日、千葉市)で地公3単産組織統合=自治労解散への道を進めようとしている自治労本部を打倒しよう。
最末期帝国主義打倒―世界革命へ
われわれの前で展開されている戦争・貧困・失業・格差・荒廃は、すべて資本主義が生み出したものだ。米サブプライムローン問題の全世界的爆発で、帝国主義(資本主義)のバブル創出による延命策は最後的に崩壊した。もはや世界金融大恐慌―ドル信認の崩壊・ドル暴落以外の道はない。そして今、労働者人民の生活を直撃するインフレが世界を覆い、リストラの嵐が吹き荒れている。最末期の帝国主義の最後の延命形態である新自由主義による耐えがたい社会の破壊、団結破壊、生活破壊に対して、全世界で労働者が反撃に立ち上がっている。
日帝は、このような情勢下で帝国主義の「最弱の環」となっている。国と自治体は財政赤字1千兆円を抱え破綻(はたん)している。年金・医療・雇用・教育など、どの分野・領域も完全に崩壊している。「出口なき危機」に直面しているのが福田政権なのだ。しかもなお日帝・福田政権は、小泉構造改革の反革命的骨格を引き継ぎ、社会保障費削減、公務員の大量首切りを打ち出している。日本経団連の主導で、改憲と一体の道州制に向かって、〈「国家」丸ごと民営化>〈社会保障のゼロベース化>〈200万公務員首切り>を強行しようとしている。しかし、公務員バッシング、改憲と道州制以外に日帝・福田は延命策を持たない。自治体現場の職場闘争でこの攻撃を粉砕すれば日帝の命脈を絶つことができるのだ。自治体労働者は革命の決定的な主体だ。
ストライキで団結を固めよう
資本主義のもとでのこれほどの社会の破壊に対して、労働者は闘い、勝つ力を持っている。第一に、労働者こそ社会の生産をすべて実体的に担っている。「国家や会社があって労働者がある」のではなく、逆だ。労働者が生産して、国家も資本も成り立っているのだ。「こんな国(=社会)などつぶしてやる」「われわれ労働者が新しい社会をつくる」という革命的立場に立とう。
労働者は、資本の側に頭を下げて、条件をもらうような存在ではない。労働者と資本とは絶対非和解であり、資本にとって代わって生産手段の主体となるべき〈革命の主体>なのだ。資本・当局の職場支配を覆して、労働者こそが職場のすべての支配権を握らなければならない。
第二に、団結こそ労働者の最大の武器である。ほんのひとにぎりの資本家が労働者を支配することができる理由は、労働者を分断し競争させ、労働者の団結を解体しているからだ。しかし、これには絶対的な限界がある。労働者は人間であり、本質的に共同性を希求するのである。ストライキこそ労働者の団結の最大の表現である。
ストライキの〈成果>はモノが取れることではない。労働者の自らの力への確信であり、「団結すれば勝てる」ことへの確信の深まりと拡大である。日共・全労連や連合指導部が「国民の支持を得られない」などの口実をもってストライキを圧殺するのは、労働者の怒りの爆発、団結の拡大、体制崩壊―革命に心底恐怖しているからである。
第三に、職場に社会に怒りが充満していることである。労働者の圧倒的大多数が、この社会、今の世の中を「もう我慢できない」と感じている。職場生産点での当局との非和解的激突が瞬く間に拡大し、団結が全社会的に拡大していく情勢なのである。今、全世界の労働者がストライキに立ち上がっているではないか。公務員労働者がその先頭に立っている!
日本の自治体労働者はストライキやろう! インフレ下、賃金据え置きの08年度人事院勧告、現業賃金引き下げに対して大幅一律賃上げを掲げ、ストライキの秋闘としよう。
200万人首切り阻止人事評価制度拒否
11月労働者集会へ向かうにあたり、以下の闘いが重要だ。
第一に、大阪府・橋下知事との闘いである。橋下を打倒することは全労働者にとって最重要の課題であり、自治体労働者委員会は総力を挙げて決起することを宣言する。橋下の「大阪府維新プログラム」は、今日の帝国主義による新自由主義、道州制=民営化攻撃の最先端をなすものである。「破産会社なら首切り・賃下げ当たり前」と叫ぶ橋下は、330億円もの賃下げを強行しようとし、これまでの経緯や枠組みを取り払って、労働者に襲いかかっている。この攻撃を許すならば、社会保険庁型、夕張市型に続く、〈橋下型>とも言うべき問答無用の労働運動解体攻撃・リストラ攻撃が、全国・全自治体へ波及することになるのだ。絶対に許すことができない。
橋下は「維新プログラム」において、「全事務事業をゼロベースで見直す」ことを打ち出し、「府県を越える広域的行政組織の実現をめざす」「大阪府の発展的解消をめざす」としている。道州制導入だ。自治体労働者は、敵の側からのクーデターとも呼ぶべき、戦後体制―戦後国家・社会のあり方の〈右からの転覆>攻撃としてある道州制―橋下の攻撃に、〈革命>を対置して闘おう。
府労連・府労組連両執行部は、完全に屈服し、まったく闘えないありさまだ。「大阪府を守れ」「大阪府は破産などしていない」などと言い訳している。労働者にとって、大阪府が「破産していようがいまいが」一切関係ない。大阪府の財政赤字と労働者とは一切関係ないのだ。すでに職場の怒りは爆発寸前だ。大阪府の公務員労働者は橋下打倒の闘いに必ず立ち上がる! 団結強化のために、腐りきった体制内派の反撃を満天下に暴き出し、革命派との分岐を鮮明にさせよう。人事評価制度拒否の闘いが始まっている。処分を辞さず、一人からでも闘いを始めるときだ。自治体労働者委員会はその闘いの先頭に立とう。
第二に、重大情勢を迎えた国鉄決戦を徹底的に闘いぬくことである。国労本部を筆頭とする4者・4団体は、7月14日に高裁で出された裁判外和解提案を公然と受け入れ、国鉄1047名闘争の最終的終結=敗北へ突き進んでいる。
労働運動の命運かかる国鉄決戦
あらためて、国鉄1047名闘争とは何かをはっきりさせよう。国鉄分割・民営化こそ、80年代に開始された戦後労働運動の全面的解体を狙う新自由主義攻撃の中心をなす攻撃であった。しかし、分割・民営化攻撃はストライキで闘い続ける動労千葉の存在と解雇撤回を闘う国鉄1047名闘争を生み出した。日帝・資本の攻撃に対峙し闘う労働運動の一大結集軸となった。この闘いが自治労・日教組の職場の闘う力を保持してきた。当時も現在も、国鉄労働運動の帰趨(きすう)に、日本の労働運動の命運がかかっているのである。
今日、道州制を始めとする民営化―労働運動解体攻撃を強める日帝にとって、国鉄1047名闘争の解体こそ急務なのである。これぬきに自治労―日教組解体の方向・見通しは定まらないと考えている。逆に言えば、今こそ自治体労働運動をめぐる本格的決戦の幕開けだということだ。それは200万首切り強行との全面的な激突へと発展する。
動労千葉は、国鉄分割・民営化反対闘争の中で、団結を固め、勝ちぬき、今やJR青年労働者(平成採)の獲得=組織拡大戦へ猛然と打って出ている。動労千葉とともに国鉄1047名闘争勝利へ、猛然と進撃しよう。動労千葉のように団結強化を総括軸に闘い、社会保険庁解体、被処分者全員解雇、自治労解体の大攻撃を打ち砕こう。
“生きさせろ!”の大幅賃上げストを
第三に、すべてを11月労働者集会1万人結集へ集約して闘おう! 1万人大結集へ攻め上ろう!
ひとつには、11月1万人大結集は、それ自体が巨大な力だ。動労千葉が呼びかける11月労働者集会は、全世界に闘う同志、同志的労組が存在する国際的で革命的な集会だ。ここには、全世界のプロレタリアの革命へ向けた同志的団結がみなぎっている。世界の労働者が団結すれば、戦争を止めることができる。民営化を止めることができる。そして、資本の支配する社会を根底的に覆すことができる! 一切を1万人組織化にかけきろう! そのかぎはマル青労同1000人建設の推進、2000万青年労働者の獲得にある。
ふたつには、このすさまじい資本対労働者の攻防の時代に「生きさせろ!」の賃上げゼネストの必要性を断固としてはっきりさせ、提起する集会である。自治体における秋期賃金闘争の大高揚、ストライキをかちとり、11月労働者集会から09春闘へ向かう過程こそ、最大の決戦だ。11月1万人の力で、〈大幅一律賃上げ>〈民営化粉砕!>〈労働者に権力をよこせ!>の大ゼネストへ突き進もう!
みっつには、資本・当局に屈服し、その先兵となった体制内労組執行部をぶっ飛ばそう。資本・当局と労働者とは非和解だ。職場生産点における非和解的激突は、必ず分岐を生み出し、そして必ず体制内執行部との激突へと発展する。これこそが、労働運動の前進だ。〈既成の秩序・枠組み>〈既成の思想>の前に我慢することが労働運動ではない。労働者の自己解放的決起―革命的決起の前に立ちはだかる者は、なんぴとといえども粉砕して前進しよう。
世界は革命情勢だ。労働者は根底的変革を求めているし、革命はまったく可能だ。断固としてこの道を進撃しよう!
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週刊『前進』(2355号4面2)(2008/08/18 )
高栄運輸で48時間スト
東京西部ユニオン 組合差別に怒りの反撃
7月31日、東京西部ユニオン高栄運輸分会は、高栄運輸(立川市)によるA組合員に対する不当な賃金差別と組合無視に抗議して、午前0時から全組合員8人が48時間のストライキに突入した。
組合員に対する賃金差別は、昨年以来のもの。当該の組合員に対して、会社が業務の一部打ちきりを口実に、立て続けに2〜7万円もの賃金カットを強行し、その一方で非組合員には「調整手当」を出すという露骨な賃金差別が行われた。役員が「賃金は下げない」と明示に約束していた経過も反故にしての賃下げだった。
これに対して高栄運輸分会は、1年に及ぶ抗議と3月、5月と2波にわたる全分会員によるストライキを闘ってきた。
しかし会社は、誠実に話し合うとの約束を踏みにじって弁護士を雇い、「いやなら辞めれば?」(役員)などと暴言を吐き、全面的な居直りを決め込んだのだ。
この日、高栄運輸分会の8人の組合員と西部ユニオンの仲間たち30人が、朝から会社前に陣取り門前闘争を展開した。「ストライキ決行中」の横断幕が掲げられ、「労働者をなめるな!」「会社は誠意ある話し合いに応じろ!」とシュプレヒコールが何度もたたきつけられた。
この後、全員が花小金井の社長宅に移動、抗議行動を行い、門前で「組合員への不当な扱いは許さないぞ!」とシュプレヒコール。社長宅はすでに警察が物々しい警備を敷いていたが、これを弾劾し抗議文を突きつけた。
高栄運輸分会の労働者たちは「会社と俺たち労働者は相いれないことがよくわかった。徹底的に闘う」と晴れ晴れした表情で語っていた。
(写真 ストライキ決行中! シュプレヒコールを上げる高栄運輸分会を先頭とする東京西部ユニオンの労働者【7月31日 東京・立川市】)
こんなすごい組合に青年が注目している 東京西部ユニオン青年部 C
7月31日、高栄運輸分会48時間スト突入と併せて、社前、社長宅前での抗議闘争をぶちぬきました。
会社は分会員8人に「誠意ある対応」を約束しながら、それがいま現在も果たされていません。特に一人の分会員に対する賃下げ攻撃は、本当にふざけている。
この8人の決起に、首都圏の青年労働者が注目しています。48時間ストをやるすごい組合が存在するという事実に、みんな注目している。会社はちゃんと知るべきだ。高栄分会だけではなく、決起は広がっていく。社員全員が決起したらどうなるのか?
この8人の決起はすごいとこに来てるんです。動労千葉の田中康宏委員長が「ともに闘おう、連帯しよう!」とメッセージで訴えてくれたとおり、これは関東から全国・全世界に波及する。決起はどんどん広がっていく。
弁護士や、経営コンサルタントに任せたから会社は安泰、そんな事はありえない。もう労働者の怒りは止められないんだ! 常務の横田勇は考えを改めるべきだ。ふざけんなっ!
賃下げと組合破壊に「もうストしかない」 東京西部ユニオン TK
高栄運輸は昨年4月、長年継続した食品輸送部のオリンピック店業務を打ち切った。A組合員はこの時、会社役員のB部長から「給料は変わらないから(仕事を)続けてほしい」と言われたために異動を受け入れた。しかし、その後会社は2〜7万円も賃金を下げてきた。約束が違うと抗議すると「働いている時間が少なくなったんだから当然だ」と開き直った。
一方で、組合員でない労働者には調整手当てを出しながら、A組合員に対しては「(給料の)調整はできない」と公然たる組合差別の扱いをしてきた。分会は団体交渉を続けたが話にならず、3月第1波、5月第2波とそれぞれ24時間のストライキを打ち、差別賃金と組合無視・組合破壊に抗議の意志を示した。
今回第3波のストライキに踏み切った理由は、7月に常務を呼び、組合三役とこの問題について話し合ったとき、常務は「次週に組合三役と経理部長と5人で話す」と合意した。ところが7月10日の話し合いの場に、会社が雇った弁護士が同席した。この程度の約束も守らないのか! もうストライキしかない!
前日、分会は会社にストを通告した。その直後、組合事務所に会社代理人の弁護士名で「この件でもう組合とは直接話をしない」とのファックスが届いた。許せない!
7月31日朝、8人の組合員と支援者合計30人近くが社前でスト突入集会を行った。「スト決行中」の横断幕と赤旗が翻(ひるがえ)り、街宣車のスピーカーから組合員の怒りが爆発した。「常務! 昨日のファックスは何だ。お前がそんなだから話にならないんだ」と分会長を先頭に分会組合員が次々と抗議の声をあげた。
「会社は“組合は怒鳴るだけ”と言うが、約束は無視だし、声が大きくなるのは当たり前だ。徹底的にやってやる」「弁護士やコンサルタントがいないと何もできない常務! 社員にツケを回すな。社員の生活を少しは考えろ」「俺はあんまり怒る性格じゃないけど、今日は怒っている。労働者をなめんなよ!」「経営が苦しいとか言って、何で2台も高級車を乗りまわしているんだ。従業員の給料を下げる前に役員報酬下げろ!」
前回、あまりうまく言えなかったと、発言内容をメモで準備してきた組合員もいた。結局、常務は一度も出てこない。
社前の抗議集会後、社長の自宅へ抗議闘争に向かった。会社は警察を呼び自宅を警備させ、得体の知れない男女5人を雇って威圧してきたが、組合員は断固として怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
午後、公民館でスト決起集会を行った。各組合員は今までに増して戦闘的な決意を語った。地域の青年労働者同士の連帯も強まった。
今回のスト後、会社は組合三役に「速度超過による戒告」なるデタラメな処分をかけてきた。絶対に許さないぞ! 組合員は直ちに5種類の弾劾ビラや報告ビラを準備し、反撃している。本当の闘いはこれからだ。
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週刊『前進』(2355号4面3)(2008/08/18 )
日誌 2008年7月30日〜8月12日
党幹事長・麻生で福田改造内閣発足/佐世保・各地で米原潜放射能漏れ
●座間市に基地再編交付金 防衛省は、在日米軍再編に伴う基地負担を受け入れた自治体に対する「再編交付金」の支給対象に、新たに神奈川県座間市を加える方針を決めた。同市はキャンプ座間への米陸軍第1軍団前方司令部の新設に反対し、再編に関係する全国39自治体で唯一交付金の対象外だったが、市長が実質的に受け入れ容認に転じていた。(30日)
●F15、米本土で墜落 米西部ネバダ州で戦闘訓練中の米空軍F15D戦闘機1機が訓練区域に墜落、乗員1人が死亡した。同型機は米空軍嘉手納基地にも3機配備されている。(30日)
●普天間移設検討2チーム設置 政府は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画について、政府と沖縄県など地元自治体の実務者レベルによる二つの検討チームを設置した。「普天間飛行場の周辺の危険性除去に関するワーキングチーム」と「代替基地の建設計画と環境影響評価(アセスメント)を円滑に進めるためのワーキングチーム」。(31日)
●福田改造内閣が発足 福田改造内閣と自民党新執行部が発足した。麻生太郎を幹事長に、谷垣禎一を国土交通相に据えた。総務相、外相、厚生労働相、官房長官の4人は留任させ、閣僚17人のうち13人を代えた。新閣僚の13人中8人は閣僚経験者。(2日)
●米原潜が放射能漏れ 米海軍は、長崎県佐世保に3〜4月に寄港した米海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦ヒューストンが、寄港時や日本周辺海域を航行中も含め、数カ月にわたってごく微量の放射能漏れを起こしていた可能性があることが分かったと明らかにした。(1日)
●内閣支持、横ばい24% 福田内閣の改造を受けて朝日新聞が実施した世論調査によると、内閣支持率は24%で、前回7月12、13日の24%から変わらなかった。不支持率は55%(前回58%)だった。(1、2日)
●被爆から63年 広島は被爆から63年を迎えた。全国の被爆者の平均年齢は初めて75歳を超え、75・1歳になった。国内外の被爆者は24万3692人に。広島市の平和記念公園で開かれた平和記念式には福田首相が参加した。9日には長崎も被爆から63年を迎えた。(6日)
●放射能漏れ原潜、横須賀・沖縄にも 外務省は、米原子力潜水艦ヒューストンの微量の放射能を含む冷却水漏れについて、米側から調査結果に関する新たな情報提供を受けたと発表した。漏れの期間は06年6月から2年1カ月間に及び、その間、佐世保(長崎県)、横須賀(神奈川県)、ホワイトビーチ(沖縄県)の3港に寄港していたという。(7日)
●原子力空母、横須賀配備へ作業 原子力空母として日本に初配備されるジョージ・ワシントンと、5月に米海軍横須賀基地を離れた通常型空母キティホークの交代作業が米西海岸サンディエゴ基地で始まった。日本配備空母は73年のミッドウェーから数えて4代目。両艦の交代は6月に予定されていたが、ジョージ・ワシントンが火災事故を起こし、延期されていた。9月下旬にも横須賀に着任する予定。(7日)
●ロシア軍とグルジア軍が武力衝突 グルジア軍が同国からの分離独立を目指す南オセチア自治州に侵攻。これに対しロシア軍機がグルジアの首都トビリシを爆撃するなど報復的に軍事介入し、軍事衝突が拡大している。衝突は同じくグルジアからの独立を求めるアブハジア自治共和国にも飛び火。ロシア空軍機がアブハジア内のグルジア実効支配地域を空爆した。11日にはロシア軍が南オセチアやアブハジア自治共和国以外のグルジア領内に侵攻。(8日)
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週刊『前進』(2355号5面1)(2008/08/18 )
階級戦争と外への侵略
小泉改革=新自由主義攻撃の破産にあえぐ福田改造内閣
階級的労働運動の力で打倒を
8月2日に発足した福田改造内閣は、麻生太郎を幹事長に取り込んで、衆院解散・総選挙を完全ににらんだ、極めて反動的な政権だ。しかしそれが日帝ブルジョア政治委員会としての司令塔を欠いたボロボロの政権であり、また労働者階級人民の怒りに痛撃され、統治能力も喪失した危機的政権であることに、本質的に変わりはない。11月1万人大結集に向け、階級的労働運動を実践する動労千葉派こそが、今こそ福田政権打倒を真っ向から掲げて総決起すべき時だ。
「骨太方針Y」は先送り
そもそも福田政権の危機を根底で規定しているものは、小泉・安倍の構造改革路線―新自由主義攻撃とその破産である。
資本主義・帝国主義の危機の爆発に対して、大企業・大銀行(金融独占資本)の利益と延命を最優先することでのりきろうとした小泉改革は、最末期帝国主義の新自由主義攻撃そのものであった。そしてその推進と破産が生み出したものは、労働者階級への民営化と労組破壊、無慈悲なリストラと賃下げ、非正規雇用化による貧困と格差の耐え難い拡大であり、医療・福祉と社会保障制度の解体、農業破壊と地方の崩壊であった。
このすさまじい現実と労働者階級人民の怒りの爆発に、福田政権は痛撃されて、喘(あえ)ぎに喘いでいるのだ。そしてこの小泉改革を継承するのかどうかをめぐって、今や自民党と支配階級自身が分裂している。
今回の内閣改造で、小泉路線を原理的に引き継ぐ「上げ潮派」なるものが排除されたり、郵政民営化の「造反組」2人が入閣したり、「2011年プライマリーバランス(国債の元利払い分と新規発行分を除いた基礎的財政収支)黒字化」(骨太方針Y)の先送り論が浮上したりという現実に、それははっきりと表れている。
郵政民営化と並んで小泉改革を象徴するものが「骨太方針Y」である。これは日帝の未曽有の財政危機の中で、2011年までに「プライマリーバランス」を「黒字化」すると称して、国と地方で11・4兆円〜14・3兆円の歳出削減を強行し、特に社会保障費を毎年2200億円も削ることや(5年間で総額1兆1000億円)、公務員の大量首切り、公共事業費を削減することなどに核心があり、いわば「日帝再建の絶対綱領」ともいうべきものだった。
しかし今や、これが世界金融大恐慌と景気後退・不況化に直撃されて、完全に吹き飛んでいる。それに何よりも社会保障費の削減が医療・福祉破壊をもたらし、後期高齢者医療制度は全人民的な大反乱にあっている。
そもそも、昨年の7月参院選では金融独占資本本位の小泉改革に対する都市の青年労働者と地方の農民の反乱が巻き起こり、自民党(与党)が惨敗した。そして「ねじれ国会」で政策は遂行不能となり、結局は安倍政権自体がぶざまな形で打倒されたのだ。
大恐慌と不況化が直撃
この小泉改革の無残な破産の中で、福田改造内閣では幹事長・麻生や公明党を先頭に、「大型補正予算」「景気対策最優先」の大合唱が起こり、麻生などは「プライマリーバランス黒字化の先送り」を公然と唱え始めた。こうして「日帝再建綱領」としての「骨太方針Y」は崩壊がいよいよ進み、それと同時に中川秀直(元幹事長)ら「上げ潮派」との支配階級内の分裂が深刻化している。
しかし世界金融大恐慌に直撃され、帝国主義の「最弱の環」としての日帝は、すでに昨年末から今年初めにかけ景気後退と不況に突入している。8月の月例経済報告で政府は「景気は弱含み」とそれを事実上認めた。また4〜6月期のGDP(国内総生産)速報値は年率で2・4%減と、マイナス成長に転落した。輸出も設備投資も個人消費も「総崩れ」になっている。
日帝は、02年2月以来の「戦後最長の大型景気」などと宣伝してきたが、その実態は一方での徹底的な対米・対中国輸出と、他方での無慈悲なリストラ、賃下げ、非正規雇用化で労働者からしぼり上げ、金融独占資本のみが均衡縮小的に「空前の高収益」をむさぼってきたものでしかなかった。だがそれも今や崩壊し、日本最大の製造業で高収益企業であるトヨタさえ、4〜6月期連結決算で営業利益が39%減という事態に陥っている。
こうして恐慌・不況への突入の中で、支配階級の分裂も抱え込み、福田改造内閣の政権末期的な弱体ぶりはさらに深刻だ。「ねじれ国会」というガタガタのボナパルティズム的体制も打開しようがない。今や民主党・連合などの体制内勢力のどうしようもなさによってのみ、日帝・福田は支えられている。今こそ階級的労働運動の爆発的発展の力で、福田を革命的に打倒する時である。
インフレと首切り攻撃
政権末期的な危機にあえぎつつ日帝・福田がやろうとしていることは、一方で労働者階級人民への徹底的な階級戦争だ。
福田は内閣改造で「増税派」(財政再建派)の与謝野(経財相)などを重用し、消費税大増税への攻撃を本格化しようとしている。社会保障費の毎年2200億円削減も貫くと言っている。世界的なインフレの爆発の中で石油や食料品の大幅値上げ攻勢にうって出ている。そして何よりも、公務員労働者に対する200万人の首切りや賃下げ、日本全体を丸ごと民営化する道州制導入攻撃を本格化しようとしている。その突破口となるのが、ファシスト府知事・橋下による「大阪維新」なる大攻撃だ。福田への怒りを今こそ爆発させなければならない。
そして他方で福田の際立った超反動性は、外への侵略戦争攻撃である。福田はすでに宇宙基本法を成立させ、さらに「派兵恒久法」の制定に積極的だ。アフガニスタンやスーダンへの派兵も策動している。そして決定的なのが、来年1月で期限が切れる対テロ新特措法(給油新法)を衆院で「再可決」してでも延長し、インド洋に海自艦隊を派兵し続けようとする攻撃である。秋の臨時国会ではこれが大きな焦点、対決点となる。
11月1万人総決起の決定的な課題として、階級的労働運動の力で日帝・福田政権を打倒し、プロレタリア革命をたぐり寄せるために総決起しよう。09春闘に向けて一律大幅賃上げ闘争の爆発、「生きさせろ!」のゼネストを実現するために闘おう。
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週刊『前進』(2355号5面2)(2008/08/18 )
世界戦争の火点・グルジア情勢
「民主化拡大」で米帝介入 衝突の発端は「夜間作戦」
ロシアが対抗的に軍事侵攻
8月8日未明、グルジア軍がグルジア共和国から事実上の分離独立状態にある南オセチア自治州の首都ツヒンバリに空陸から総攻撃をかけた。夜通し続いた砲爆撃でツヒンバリは壊滅状態となった。これに対しロシア軍は南オセチアに増派、9日未明にかけ、グルジア軍と激しい戦闘を展開した。ロシア軍はグルジアの首都トビリシ郊外の空軍基地などを爆撃した。
9日以後、ロシア軍は、アブハジア共和国(グルジアから分離独立状態にある)や南オセチアに近いゴリや黒海に面するポチ港、軍事基地のあるセナキなどにも空爆を拡大した。ロシア側は「ツヒンバリはグルジア軍から解放された」と発表したが、激戦は続く。
10日、グルジアのサアカシビリ大統領がロシアに停戦を申し入れた。しかしグルジア軍はツヒンバリ周辺にとどまった。ロシアはグルジア部隊の無条件撤退が必要として停戦交渉を拒否した。
11日、ロシア軍は、南オセチアやアブハジア以外のグルジア領内への空爆と地上侵攻を行った。グルジア側はEU議長国フランスの立ち会いで停戦署名を行った。また同日、ブッシュ米大統領は、ロシアのグルジア軍事介入について「主権国家への侵攻、民主政府への脅迫であり、21世紀には認められない」と最大限に非難した。
12日、メドベージェフ・ロシア大統領はロシア軍の「作戦終了」を表明し、サルコジ仏大統領と会談、「紛争正常化」へ兵力引き離しや武力の不行使など、六つの基本原則で合意した。この後、13日にかけて、サアカシビリもサルコジと会談、ロシアとほぼ同様の6項目の和平案に合意した。戦闘が停止した。
軍事的「勝利」と政治的孤立
軍事衝突のバランスシートはどうか。ロシア軍がツヒンバリからグルジア軍を撃退し、グルジア領にも侵攻するなど、ロシア軍が軍事的に「勝利」した。6項目の基本原則は、ロシアが求めた「南オセチアに対するグルジアの武力不行使」を加えたが、グルジアが望んだ「グルジアの領土保全」に言及していない。
しかし、「ロシア市民保護」の名によるロシアの過剰なまでの越境攻撃は、欧米やCIS諸国の非難と警戒を呼び起こした。ロシアは国際的孤立を深めている。
グルジア軍の攻撃によってツヒンバリが破壊され、2千人が死亡し、4〜5万人が避難民になった(南オセチアの人口は7万人)ことについては、ほとんど国際報道されない。ロシア軍のグルジアへの侵攻や空爆、ゴリ市民らの窮状(5万人の市民のうち3万人が避難民となった)ばかりが報道=宣伝されている。
米帝が人道的支援の名でグルジアに輸送部隊を送り始めた。2千人のグルジア部隊がイラクから米軍機で帰還し始めた。EUも南オセチアへのEU部隊派遣を検討している。米欧帝国主義が直接、ロシアののど元に軍事展開しようとしているのだ。その上にブッシュは、「制裁措置」としてG8からのロシアの排除を模索している。
米欧とロシアとの緊張関係は、政治的軍事的にますます激化している。
(写真 グルジア軍の南オセチア攻撃で死んだオセチア人のひつぎの前で悲しむ北オセチアの親類・友人【8月10日】)
石油・天然ガスを狙う米帝
今回の軍事衝突の最大の元凶は米帝だ。米帝とグルジアはきわめて意識的計画的な「夜間電撃作戦」として南オセチアに侵攻した。ロシアはこれに受動的に対抗してグルジアに侵攻した。米帝の支援ぬきに8日未明のグルジア軍による大規模な電撃的総攻撃は不可能だ。攻撃は北京オリンピック開会日に始まった。米帝はロシアと戦略的な提携関係にある中国を牽制(けんせい)しているのだ。
ロシアとグルジアの対立は今年、グルジアが将来のNATO加盟を認められたことや、帝国主義諸国の多くがコソボ「独立宣言」を承認したことで決定的に激化した。
7月、ロシア、グルジア両軍が並行して軍事演習を行った。グルジア軍と米軍は7月15日から2週間、グルジア領内で合同軍事演習を展開、1600人が参加した。ロシア軍も同日からグルジアに隣接する北カフカス軍管区で8000人規模の「対テロ演習」を行った。双方が演習の形で軍事的に対峙し、一触即発の状況だったのだ。
グルジアは、米欧石油メジャーがアゼルバイジャン側の会社と合弁で開発したカスピ海原油・天然ガスを欧州側に運ぶ幾つものパイプラインが通過する戦略的要衝だ。米欧帝国主義とその資本にとって、「民主化拡大」でグルジアをロシアから引き離し、自らの影響下に置いて石油・天然ガスを安定供給させることは重大な課題だ。またメジャーは、石油・天然ガス開発に投じた資金を回収するためにもこの地方の「安定」を必要とする。
帝国主義とロシアの資源、市場、勢力圏をめぐる争闘戦の激化でグルジアは新たな世界戦争の火点となった。排外主義と民族抑圧・分断を強め世界戦争に向かう帝国主義をプロレタリア革命で打倒しよう。
(藤沢明彦)
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週刊『前進』(2355号5面3)(2008/08/18 )
反対同盟が声明
三里塚二期工事差し止め請求 訴訟上告棄却を弾劾する
三里塚芝山連合空港反対同盟が8月10日に発した怒りの弾劾声明を紹介します。反対同盟と連帯し、勝利までともに闘おう。(編集局)
二期工事差し止め請求訴訟に対する上告棄却を弾劾する
最高裁第一小法廷は8月6日、二期工事差止上告審に対して上告棄却を決定するという反動判決を強行した。この判決は、千葉地裁・東京高裁の判決をそのまま踏襲したものであり、実質上門前払いの不当極まりない判決であり絶対に認めることはできない。司法が農地取り上げの先兵となった司法反動化攻撃の現れである。反対同盟は満身の怒りを込めて上告棄却判決を弾劾する。
そもそも二期工事は1985年、地元住民を無視して多くの未買収地を残したままの軒先工事として強行された違法なものである。航空の安全を定めた国際民間航空条約(シカゴ条約)にも違反している。その違法な工事を拡大することによって、住民を大騒音と大惨事による生命の危険にたたき込んでいる。民家上空40メートルのジェット機飛行という国家犯罪を早朝から深夜まで繰り返している。
このような歴然たる生活・営農破壊の現実に対して最高裁は、「まだ病人が出ているわけではなく、被害は社会生活上の受忍限度を超えていない」などという地裁・高裁の不当判決をそのまま踏襲して上告棄却を強行した。
今回の判決は、成田空港会社(NAA)の違法な二期工事を容認したのみならず、連日強行されている殺人的な騒音被害に住民をたたき込むことによってNAAと一体となって空港建設を強行し住民を追い出そうとするものである。まさに43年たった今もなお空港建設が阻止されて追い詰められた政府・NAAと司法とが一体となって強行した政治的な反動判決にほかならない。
しかし反対同盟は、このような反動判決には微動だにしない。追い詰められているのは、政府・国交省・NAAである。今回の理不尽な上告棄却判決への怒りも新たに、市東孝雄さんの農地取り上げ攻撃をはじめとする反対同盟・三里塚闘争つぶし・農業つぶし攻撃を粉砕して、空港廃港の勝利の日まで徹底的に闘いぬくことを宣言する。
2008年8月10日
三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2355号5面4)(2008/08/18 )
国労5・27弾圧公判 検事の質問に完全黙秘
階級的原則貫く裁判闘争に
富田被告 “4者・4団体と対決”
8月1日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第92回公判が東京地裁刑事第10部で開かれ、富田益行被告団長への被告人質問が行われた。この公判は、被告団が4者・4団体路線と対決し、第2次国鉄決戦に打って出ることを真っ向から宣言する場になった。また、検察官の質問に富田さんは完全黙秘を貫いた。裁判闘争は、階級的原則を貫く闘争方針を確立して、新たな闘いに突入した。
最初に、鈴木達夫主任弁護人が、旧弁護団の06年冒頭陳述書を撤回し、新弁護団による更新意見を冒頭陳述に差し替えると表明した。弁護側の立証方針は全面的に切り替わったのだ。
続いて富田さんが「本法廷のあり方についての意見」を述べ、「特別傍聴」という形で権力に庇護(ひご)されて法廷に入っている旧弁護団に怒りをたたきつけた。
西村正治弁護人による富田さんへの質問は、国鉄闘争の現状に関することから始まった。富田さんは、1047名闘争をめぐり現在進行している屈服和解策動を「首を切った政府への屈服だ」と厳しく批判した。
前日まで開かれていた国労大会のことに言及した富田さんは、高橋委員長が冬柴国交相に屈した恥ずべきあいさつをしたことを弾劾した。また、傍聴を要求した現場組合員に対し、公安刑事が代議員受付の前まで入り込んで弾圧を策したことを暴露して、「国労本部は5・27弾圧の再現を狙った」と語気を強めた。
富田さんはまた、本件弾圧から今日までの国鉄闘争の経過を説き明かし、旧弁護団の解任も国鉄闘争の路線的分岐の中で必然化したことを説得力をもって語りきった。
特に、鉄建公団訴訟の05年9・15判決をめぐり、これを「解雇撤回を認めず1047名の分断を図る反動判決」と断罪した被告団に対し、旧弁護団は「国鉄の不当労働行為が認定されたことは歴史的成果」とする立場をとったことを明らかにし、4者・4団体路線は9・15判決への屈服から生み出されたことを暴き出した。「旧弁護団を解任しなければ、私たち自身が4者・4団体路線にのみ込まれていた」と富田さんは述べた。
さらに、松崎被告との弁論分離も、彼が4者・4団体路線賛美に転じたことから不可避となったと断言した。
弁護団は最後の質問として、「検察官の反対質問、裁判長の質問には一切、黙秘するのか」と確認した。富田さんは「権力とわれわれは非和解。完全黙秘・非転向を貫く」と宣言した。
検察官は「5月27日、事件現場のホテル前に行ったか」と聞くが、富田さんは一切答えない。検察官が「何も言う気はないのか」と尋ねると、すかさず鈴木弁護人が立ち上がり、「黙秘すると明言している。無駄な質問はやめるように」と検察官を一喝した。検察官の反対質問はわずか数分で終了した。「法廷においても黙秘を貫く」という闘争方針の勝利性は、ここに鮮明に示された。
次回公判は小泉伸被告への被告人質問が行われる。重大な攻防のただ中にある公判の傍聴に集まろう。
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週刊『前進』(2355号6面1)(2008/08/18 )
“新人だって人間だ” 広島でつかんだ☆ 医療労働者 渡辺理恵
広島で、つかんだものがたくさんあります☆
仕事では新人とゆーことで、毎日まだあれもこれもできないの!?と言われ続け、すいませんすいませんと萎縮する毎日。どーして毎日、こんなに惨めな気持ちでいなきゃいけないんだろう!! どんどん自分が小さな存在に思えてきて、自分なんかいない方が患者さんのためにも先輩の労働者のためにもいいんじゃないかって思えてくる。“看護”だなんて感じられないくらい余裕ない“業務”の中で、仕事にやりがいなんて感じられない。
実はもう何人も患者さんを殺しかけてる。自分がもっとちゃんと見れていれば、まひや脳梗塞にならなくて済んだんじゃないかとゆー患者さんがたくさんいる。その負い目があるから患者さんの家族の顔をまともに見られない。まだ知識も技術も未熟なのに一人前の仕事を任され、自分の手で患者さんを危険にさらしている恐怖。こんな生活がずっと続くのか、自分の人生をこんな労働に費やすことになるかと思うと絶望しかない。仕事やめたいと思ってました。職場の窓から飛び降りたいと衝動的に思うこともあります。
でも実はどこの職場もおんなじだし、“こんなに惨めな気持ちになるのもホントは資本の攻撃なんだ!”と思い、反撃を開始しようと決意しました☆ それはさしあたっては資本の論理で働かされている現場で、上から押し付けられている「仕事に対する責任」とゆーさもさもらしいイデオロギーとの闘いになるので、初めは無責任、甘えてると思われ、バッシングの対象になると思います。目の前の患者さんのためにがんばろうとゆー聖職論との闘いでもあるし、自分なんかダメダメだって思ってしまう自分との闘いでもあります。
広島で全国の労働者や学生と交流して、同期や先輩労働者を信じよう!人間らしく扱ってほしい! 新人だって人間だ!ってゆー自分の怒りに正直に立ち上がろう!!と本気で思いました☆ もうやるしかない☆ 失うものはなにもないんです! ともに闘いましょう。
原爆ドーム前 22カ国の人が法大弾圧署名 東京・西部 TM
全国の仲間のみなさん、なにより法大闘争を獄中で闘う同志に、国際連帯の報告を送ります。
被爆63周年の8・6ヒロシマ大行動に参加し、8月5、6日の午前、短い時間でしたが、原爆ドーム前で外国人に呼びかける法大弾圧救援署名を集めました。
世界中からヒロシマを訪れるので、法大闘争を宣伝し、団結を拡大する絶好のチャンスです。
私は英語は全くダメで不安はありましたが、逮捕覚悟で闘った学生同志の闘いは必ず通じると確信して挑戦しました。
英語の呼びかけ文と署名用紙を使って、片言の英語で「学生を支援してください」「署名とカンパをお願いします」と呼びかけると、関心をもった外国人が次々と立ち止まり、署名・カンパに応じてくれます。「G8サミットに反対して逮捕されました」と身振りを交えて話すと直ちに弾圧の性格をつかみ、賛同してくれます。
日本語が通じるアメリカの教育労働者には、「軍のリクルーターと闘っているアメリカの教育労働者と連帯して、労働者の団結で戦争を止めようと国際連帯の闘いをすすめています」と話すと、「素晴らしい」と共鳴を得ました。
全世界の方々から署名が寄せられました。米、英、独、仏を始め、スペイン、イタリア、北朝鮮、ニュージーランド、ベトナム、ナイジェリア、スウェーデンなどと多岐にわたります。2日間で22カ国、87筆と大成功です。ほぼ全員が、以下のような支援メッセージを書いてくれました。
「私も学生としてあなたたちの行動を理解し、賞賛します。あなたがたは勇敢で信念を持った人たちです」(アメリカ・学生)「勇気と希望を持って」(フランス)「力の限り頑張って」(北朝鮮)「釈放せよ」「がんばれ」(多数)。
同じ場所で星野救援署名も展開され、原爆ドーム前は労働者階級の団結の場となりました。
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「最低裁」を圧倒して 生きる星野さんと面会 岡山 氷室金時
岡山星野さんを救う会を代表して、徳島刑務所に面会に行ってきました。その報告とあわせて、この間の救う会の活動報告をします。
岡山の救う会では7月9日から19日まで絵画展を行い、7月12日には、徳島から加藤明夫さん・河野和代さんを迎えてコンサート形式で集会を行いました。27日には街頭に登場し、再審棄却弾劾行動をやりました。
7月29日、いよいよ初めての星野さんとの面会。岡山の救う会としても初めての面会です。
当日までどんな顔をして会ったらいいのだろうかと緊張していました。しかし星野さんに温かく迎えてもらい、彼の人間性の大きさにあらためてひきつけられました。
星野さんに「岡山は早くから会を立ち上げ、絵画展をやってくれた。それで全国に絵画展が広がった。岡山は心強い存在。ヒロシマと岡山はきょうだいのようなもの。岡山には日本原があるし、ともに頑張って欲しい」と励まされました。
星野さんは、私が以前に送った絵本のことを覚えていてくれて「絵本がよかった。暁子の見舞いにその絵本を贈った」と言われたときは、本当にうれしかった。8・3革共同集会、8・6ヒロシマ大行動にはこれまでより踏み込んだメッセージを送るとのことでした。
星野さんの生きる姿勢の中に、自分たちの生きる確信・姿勢があるように感じました。
面会の後、徳島刑務所に対して暑さ対策の申し入れを行いました。今回は徳島の人、若者と一緒に面会・申し入れ行動をやり、送迎などでもお世話になりました。岡山に戻って、在日の人に面会の話をしました。すると除勝さんの話をされ、激励されました。
徳島刑務所・「最低裁」を圧倒する迫力で生きている星野文昭さんがいます。全国から星野さんに手紙を出そう。
石川さんは無実だ! 狭山現地調査に参加 東京・杉並 飯野依子
7月20日、部落解放東日本共闘会議が主催する狭山現地調査に参加した。家族連れで参加した動労千葉や動労水戸の組合員、首都圏の労働者など総勢10人。全国連杉並支部の青年の案内で、石川一雄さんの怒りを共有しつつ、炎天下9`の道のりを歩いた。
まずは石川さんの事件当日の行動(真実のコース)を歩き、次は自白=デッチあげのコース。警察の描き出した「犯行ストーリー」がいかに荒唐無稽で、デタラメかを確認した。
これまでの現地調査では、あまり行くことのなかった石田養豚場から薬研坂にも足をのばした。「自白」では、19時半に中田家に脅迫状を届け、石田養豚場でスコップを盗み、薬研坂を通り、深さ86pの穴を掘って、死体を埋め、家に帰ったのが22時。たった2時間半で? アリエナイ! 絶対に無理! 1回歩いただけでこれがウソだとわかるのに、裁判官は現地には一度も足を踏み入れたことがないそうだ。国家の威信を守るためなら、人の生活や命なんてどうなってもかまわないということだ。
狭山事件から45年、権力の差別裁判を徹底糾弾して闘っている石川一雄さん。5・23メッセージで「権力打倒に燃え、完全勝利を手中に収めるべく全力で闘い抜く」と述べ、労働者に団結して闘おうと手を差しのべている。狭山闘争は労働者としての団結を取り戻す闘いだ。敵はひとつ! 国家権力がいかに差別で闘いを分断しようとも、私はその手を決して離さない。狭山闘争の勝利も、それぞれの持ち場で、6・29サミット粉砕のスクラムデモを10倍、20倍するような労働者の団結をつくることの中にあると確信! 頑張るぞ!
8人を不当逮捕して「民主主義」とは! 千葉 蓑田敏明
6・29、国家権力がサミット粉砕闘争を断行せんとするわれわれ学生・労働者階級にかけてきた重圧は、並々ならぬものがあった。渋谷において正当なデモを貫徹しようとしたわれわれデモ隊を横から押しつぶすかのように幾度も挑発し、少しでも手足が機動隊の身体に触れようものなら、公務執行妨害で捕まえるという、そこには極めて周到な罠(わな)が用意されていた。
8人の同志を不当逮捕しておきながら、民主主義とは実に便利な言葉ではないか!
環境問題を語るG8とは、実に偽善的であり滑稽(こっけい)である。G8サミットは労働者階級の実力によって粉砕すべき対象である。これに何らかの期待や幻想を抱くものは、G8が積極的に推進してきた労働者殺しのネオリベラリズムの非道に目を背けるものと言わざるをえない。
新自由主義政策のもとで、帝国主義とスターリン主義による侵略戦争と民族抑圧に対して急速に反発と批判が強まり、これらの大国を打倒し民族の独立を支援する動きが全世界に拡大している。労働者の国境を越えた連帯で、これら大国を打倒せんとの意識が根付きつつある。
世界はまさに革命情勢である。大衆の支持を得て、今後の闘争をともに闘っていこう!
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週刊『前進』(2355号6面2)(2008/08/18 )
西郡住宅闘争 八尾市を地裁に提訴
“不当な差し押さえ許さん”
西郡支部と供託者は8月7日、八尾市を大阪地裁に提訴しました。2月と7月の2度にわたる年金や生活費の差し押さえをどうして許すことができようか。市長や住宅管理課を法廷に引っ張り出し、追及するぞ! 裁くのはわれわれだ。
8月7日の提訴行動は弁護士会館での「八尾市の不当な差押えを許さないぞ、供託者と弁護団の集い」から始まりました。西郡からは供託者を先頭に30人が決起。共闘の労働者、弁護団、あわせて50人を超える仲間が集まりました。(写真)
まず弁護団が、供託者と議論しながら一緒に作り上げた訴状について説明。連帯のあいさつが、8・6広島から転戦してきた全国連杉並支部のきょうだい、全学連、泉佐野市議会議員の国賀祥司さんから行われた。全国連品川支部からは「憎き八尾市に対する攻勢に転じた。今日から始まる闘いに心から勇気づけられています。応能応益家賃制度を粉砕しよう」というメッセージ。ス労自主、東京南部労組交流センターからも熱いメッセージが寄せられた。
さらに3人の弁護団から「この事件の本質は応能応益制度にある。それを認めた最高裁が間違っていると思うし、最高裁が絶対ではない。判決も法律も変わる。変える力はここにいる人の力、団結の力です。一に団結、二に団結、三、四がなくて五に一蓮托生(いちれんたくしょう)でがんばりましょう」という、ともに闘う決意の表明。全員が拍手で応えました。
いよいよ供託者の発言です。
「この裁判、何がなんでも勝たなければならない。一緒にがんばっていきましょう」「供託しているのに、滞納といって督促状送ってくるのは許せない」「郵便貯金の差し押さえに、なんとも言えない怒りがこみ上げてきた」「郵便貯金、農協貯金も引かれてゼロにされました。団結の力で絶対に勝利をかちとるためにがんばる」「入院費が押さえられて無くなってしまった。取り返すためにみんなでがんばる」
さらに明け渡し裁判を闘う岡邨さんは「今回の差し押さえ裁判は、私らの側から国と八尾市を裁く裁判です。脅しやだましや、差別をあおることを暴露して闘いましょう。新自由主義に対して“生きてやる”と闘う世界の労働者と連帯し、大きな運動にして勝とう」と訴えました。青年部からは、同じ青年部で供託して闘っているA君のメッセージを代読。A君は、「国は国民に安心できる政治をと主張していますが、うそつきです。預金は生活費と違うと言ったけれども立派な生活費です。許せない。提訴します」と宣言しました。
最後に全国連西郡支部、八尾北命と健康を守る会、八尾北医療センター労働組合から決意表明が行われた。
この後、供託者を先頭にみんなで大阪地裁に行き、訴状を提出。記者会見も行い、この日の行動を終えました。
新たな闘いの始まりです。翌8日には、さっそく八尾市の自治体労働者にビラ入れを行いました。労働者は注目してビラを受け取り、読んでいます。裁判開始は10月と予想されます。11月決起の一環として闘おう
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週刊『前進』(2355号6面3)(2008/08/18 )
7・24法大弾圧 3学生の起訴に反撃を
1学生は“未遂”で起訴の暴挙
東京地検は8月14日、建造物侵入罪でデッチあげ逮捕した内田晶理君、鈴木研也君、市川知寛君の3人を起訴した。7月24日の不当逮捕以来、22日間も警察署の留置場に勾留し、卑劣な転向強要を繰り返したうえに強行された権力犯罪に、煮えたぎる怒りを抑えることができない! 絶対に許さない!
法政大学当局は7月3日、文化連盟の学生に呼び出しをかけ、不当処分を策動していた。起訴された3人は、これに反対する法大生とともにキャンパスで「処分阻止・新自由主義大学打倒・サミット粉砕」を訴え、ビラをまいた。警視庁公安部はこの日の行動について逮捕令状を請求し、7月24日の「法大弾圧ぶっとばせ!7・24全国集会」会場近くの中野駅前で3人を逮捕・拉致したのだ。7・24集会から、法大闘争が300万全国学生―3万法大生、そして2千万青年労働者の怒りと結びつこうとしたことへの大反動だ。
8月4日に行われた勾留理由開示公判で裁判官は、「1人はキャンパスに入ろうとしたが入れなかったので建造物侵入の未遂だ」と言った。しかし「建造物侵入を共謀」したから同罪だと言うのだ。学生が大学の門前に立っただけで逮捕し起訴できるとでも言うのか。さらに検察官は取り調べの場で「法大では防犯カメラで写しているから何度だって逮捕できるし、半年、1年だって閉じ込めておけるんだ」などと言い放った。警察、検察、裁判所と法大当局が手を組めば、いつでも、どこでも、誰でも、ほしいまま監獄に長期投獄できるとでも言うのか。こんな起訴は断じて認めない。
今回の起訴は、国家権力が総力をあげて強行した政治弾圧だ。資本家階級によって使い捨てにされることを拒否し、自らの未来と団結を奪い返す闘いを開始した青年労働者と一体となって、法大闘争がものすごい牽引(けんいん)力を発揮して前進していることに心底恐怖しているのだ。
法大当局は、闘う学生を監視し、監獄に送り込むための暴力装置へと転落した。5月29日の戦闘的なキャンパスデモは、団結した学生の力で大学を解放した闘いだった。法大当局は国家権力を引き込んで学生を大量逮捕させたが、それでも学生の怒りを抑え込むことができず、せっせと監視カメラの映像を差し出し、むきだしの国家暴力のみによって大学支配を維持しようとしている。しかも、売り渡した学生を学外で逮捕させ、一方で「大学は自由で、なんでもできる」と公言しているのが増田総長だ。こんな卑劣な弾圧責任者を断じて許さない。
学生と労働者階級は、こんな薄汚い結託体制と弾圧に黙ってはいない。弾圧の拡大でしか生き延びられない法大当局など必ず打倒し、大学を学生の手に取り戻す。白熱的な職場闘争と大学闘争を闘い、団結の力で国家権力を打倒する。仲間を今すぐ返せ! 11月集会に1万人の怒りの決起をかちとり、すべての獄中同志を奪還しよう!
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週刊『前進』(2355号6面4)(2008/08/18 )
8・6ヒロシマ アーリーン・イノウエさんの発言
平和と連帯求める私たちは一つ 国際的団結で戦争と核なくそう
8・6ヒロシマ大行動でのアーリーン・イノウエさんの発言を紹介します。(編集局)
若者を擁護して闘うことに誇り
広島の被爆から63年目の8月6日、みなさんと一緒にこの場にいることを私は厳粛な気持ちで受け止めています。核戦争は絶対に阻止され、核兵器は廃絶されなければなりません。アメリカとロシアに真っ先に核武装の完全放棄を迫らねばなりません。私たちは全世界の労働者民衆の団結で戦争と核爆弾をなくすよう強く訴えます。
私自身は第2次世界大戦の申し子であると思っています。第2次世界大戦が私を形成し、私に平和への強い願望を植え付けました。私が昨年の教育労働者集会で口にした「私ってすごいかも」「私たちってすごいな」は、私の活動の基盤を意味しています。私は、教育者、労働組合活動家として若者の擁護者として闘うことほどに時間とエネルギーをかける価値があるものはないと思っています。
若者が悲劇をくり返さないために、本当の戦争の歴史を教え、その記憶を絶やさないようにすることは、私たち全員の責務です。今の指導者にその目指す方向を変えることを強制し、緊急に平和を実現していかねばと思います。
発言終了後、日本の教育労働者から檄布と記念品を贈られ笑顔のアーリーンさん(8月6日 広島市)
“野獣の胃の中”にあるアメリカ
私はアメリカが選んだ進路を思うとあ然とします。人類になくてはならないものを犠牲にして核兵器をためこみ、軍事力を最優先させています。アメリカは地球上で最も軍事化された国です。「アメリカ人は野獣の胃の中にいる」という表現があります。子どもたちは、生まれたときから戦争おもちゃや暴力が当たり前のテレビ番組で教え込まれ、さらには軍の宣伝や映画により戦争が美化されます。
アメリカの軍事費は、09会計年度では7110億j(78兆円)に達します。一方、医療、福祉、教育、住宅そして労働関連の連邦人件費は、連邦予算のわずか30%です。アメリカの軍事支出は、2位以下の15カ国の軍事支出の総額と同じになるというのは衝撃的です。今日、世界には2万6千発もの核兵器が存在しており、その95%以上がアメリカとロシアの兵器庫にあるのです。また、日本も世界で6番目に多い軍事支出をしており、国家予算の相当部分を自衛隊につぎ込んでいます。
この30年間、アメリカは社会福祉、教育、医療への支出を大幅に削減する一方で、不公平税制と企業権力を背景に、多数の人びとのための政策・やり方を、一部の富裕層のためのシステムへと転換してきました。
愛国者法により拷問が正当化され、「言論の自由のための憲法修正第1条」が脅かされていることにアメリカ人は気づきだしています。住宅危機が起こり、ガソリンの価格は3倍になり、環境破壊とあからさまな人種差別が引き起こされています。アメリカの労働者人民、貧困層が直面する悲惨な現実が明白となっています。当然のことながら、アメリカ人の間に激しい怒りがわき起こっています。しかし、行動をともなわない怒りは意味ある変化も異なった道筋も生み出しません。
露骨な募兵活動に激しい怒り
「話し方と言語の教師」としてロサンゼルスの高校で働き始めた10年前、私は初めて露骨な募兵活動を目撃して激しい怒りを覚えました。こうした募兵活動は、9・11とイラク侵略の後、全国の高校に広がっているのを知りました。私は、募兵官が授業時間中や昼食時に学生に話しかけ、放課後は家までついていくのを目撃しました。募兵官は無料のビデオゲーム、ポスター、資料、帽子、時には軍の装備まで高校に運び込みます。
「落ちこぼれ防止法(NCLB)」は、01年に署名されました。これは、募兵官が学校に自由に立ち入り、中高生に関する個人情報を入手できるようにした法律です。募兵活動は、どこでも、なんの制限も受けずに行われています。
そのため私たちは「校内の軍国主義に反対する連合(CAMS)」を立ち上げました。創設以来、50の高校を組織し、学生のプライバシー保護が必要であること、さらに学生へのいやがらせや攻撃的勧誘への注意を喚起し、募兵活動の制限などを要求してきました。
私は学生たちに、入隊した兵士たちが実際に体験した事実を話し、「それでもあなたはアメリカ帝国主義が生き残るために罪のない人びとを殺したいの」と聞きましたら、何百人もの学生が入隊を考え直したことは本当に素晴らしいことでした。CAMSは下からの組織化と重層的・組織的働きかけで、学校と社会の軍国主義と対決できると確信しています。
みなさんは希望ガンバッテ!
私たちは活動の範囲を国内外に広げ、みなさんの闘いとも連帯できるようになりました。みなさんの「教え子を再び戦場に送らない」という勇気と決意、新自由主義政策に反対するデモンストレーションに拍手を送ります。私たちは平和への希求と連帯で一体です。
兄弟姉妹のみなさん。今まさに、核をなくし平和を希求する国際的に団結した運動を構築する時がやってきました。闘いを続けましょう。みなさんは私たちにとって平和への道標です。みなさんは次の世代にとって希望への礎です。みなさんは世界を変革します。私たちはみなさんの闘いを断固支持し、常にみなさんとともにあります。
ガンバッテ!
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