ZENSHIN 2008/08/04(No2354 p10) |
週刊『前進』(2354号1面1)(2008/08/04 )
8・6広島−8・9長崎を闘い11月へ
民主労総ソウル本部・動労千葉と連帯し 8・15集会に大結集しよう
東西革共同政治集会の成功をふまえ、職場で階級的労働運動を闘いぬき、職場の仲間とともに8・6広島−8・9長崎−8・15闘争に総決起しよう。11月労働者集会に向かって、この夏を闘いぬこう。階級闘争の最先端で火を噴く法政大決戦に勝利し、全国学生運動の大爆発をかちとろうではないか。そして、獄中で闘う同志と固く団結し、マル青労同、マル学同各1000人建設を全力でなしとげよう。それが日本革命−世界革命に勝利する道だ。
世界金融大恐慌と革命的情勢の到来
8月闘争は決定的に重大だ。それは、5・28〜29法大決戦−6・29渋谷デモ−7・6札幌闘争、さらに7・24法大闘争集会に示された階級的労働運動路線の爆発的エネルギーを一層発展させる闘いだ。今こそ11月に向かって日本労働運動を根底からつくりかえよう。
賃下げ、リストラ、労働監獄、食料・ガソリンの大幅値上げ、社会保障の解体……。「もう社会の隅々まで燃料は山積みになっている。これに火をつけ、団結をつくり上げることがわれわれの仕事だ」(6・29闘争で田中康宏動労千葉委員長)。
一方、危機を深める日帝・福田政権も、労働者階級の決起を粉砕するために必死になっている。動労千葉と法大学生運動への団結破壊攻撃は、その鋭い現れだ。日帝と資本家階級は、動労千葉の闘いが全国に広がり、巨大なプロレタリア革命に発展することを心底から恐れて弾圧を強めている。だからこの夏の闘いは、絶対に負けられない決戦だ。全力で勝利しよう。
8月闘争は第一に、全世界で激化する失業と貧困、民営化・労組破壊、戦争に総反撃する闘いだ。世界金融大恐慌は労働者階級の生活を直撃している。賃金が下げられ、その一方で、食料品やガソリン、生活必需品が大幅に値上げされている。ブルジョアジーの投機マネーこそ、全世界の労働者階級を襲う「大量破壊兵器」だ。これで、労働者人民はどうやって生きていけというのか。
帝国主義による国内階級戦争は、イラク・アフガニスタン侵略戦争やイランへの戦争策動と一体だ。石油・鉱物資源をめぐる帝国主義間の争奪戦が日増しに激化している。帝国主義は資源の独占的確保のために、最後には戦争に訴える以外にない。
日帝も同じだ。「新自由主義」路線がどんなに破綻(はたん)しようとも、この道を突き進む以外にない。支配階級は、福田政権の支持率低下に示される階級支配の危機にあえぎながらも、労働者階級に一切の矛盾と犠牲を押しつける国内反動と戦争の道を突き進んでいる。
労働者階級は、帝国主義を打倒する以外に生きられなくなっている。時代認識と革命の路線を労働者階級の中に圧倒的に持ち込もう。
8月闘争は第二に、日帝・福田政権を打倒する闘いだ。福田政権はガタガタだ。それは、日帝自体の体制崩壊の危機に基づいている。福田政権がかろうじて生き延びているのは、民主党や日本共産党、連合などの体制内勢力に支えられているからに過ぎない。階級的な労働運動が大爆発すれば、福田政権など一挙に吹っ飛ぶ情勢だ。
8月闘争は第三に、職場で資本・権力、連合などの体制内勢力と対決し職場の仲間と団結し、職場支配権の確立をめざして全力で闘う決戦だ。それが11月1万人決起にのぼりつめる闘いだ。
職場で権力・資本と最も鋭く対決することによって、体制内労働運動の裏切り性を突き出し、体制内指導部を打倒し、労働組合を戦闘的・革命的につくりかえていこう。
どんなに危機が深まっても、帝国主義は自ら権力を手放すことはない。労働者が倒さなければ、必死に生き延びようとする。やつらは全力で「労働貴族」を取り込み、労働者の団結を破壊し分断し、決起を押さえつけようとする。だから労働者階級が勝利するためには、体制内労働運動を粉砕し、労働者の団結を打ち固めることが絶対に必要だ。動労千葉のように闘う労働組合を全国につくりだそう。そうした目標を鮮明にして、8月闘争を闘おう。
(写真 市東さんの農地を守れ 反対同盟先頭に敷地内デモ【7月27日】=記事4面)
資本主義の延命を助ける連合・日共
今、全世界で食糧暴動、ゼネスト、街頭デモが激化している。資本主義はもう、労働者階級を食わせられなくなっているのだ。だからこそ、「いま直ちに革命を」「いま直ちに社会主義を」の革命的路線と気迫で闘うことが重要なのだ。
連合本部は、資本家の手先だ。資本家の利益のために労働者の決起を抑えつけている。しかし、彼らの労働者支配は、決定的に破綻しつつある。また、協会派や日共・全労連なども、労働者階級と資本家階級の非和解性をあいまいにし、資本主義の枠内に労働者の闘いを押しとどめる体制内労働運動だ。彼らの運動は「ブルジョアジーによって引きずり回されるための金の鎖をよろこんでうち鍛える」(『賃労働と資本』)ものでしかない。労働者階級が自らの力で鎖を断ち切り、解放をかちとる運動ではまったくない。その証拠に、協会派や日共・全労連は新自由主義攻撃と何ひとつ対決できず、職場の闘いを放棄し、ストライキのスの字も言わない。
今、労働者階級が求めている思想と運動は何か。それは、「労働者階級こそ社会の主人公だ」「労働者階級こそ、この腐った帝国主義社会を変革できる唯一の革命的階級だ」「資本主義は命脈尽きた。資本家どもは去れ。おれたち労働者がやってやる」という力強い思想と運動だ。それがマルクス主義だ。それを日々の職場闘争で実践しているのが動労千葉だ。
動労千葉は、国鉄分割・民営化による20万人首切り、労組破壊攻撃に対して、全員が首をかけて闘いぬき、組合の団結を守り通した。そして、今日まで「団結を総括軸に」闘っている。動労千葉の闘いは、国家権力がどれほどの暴力で襲いかかってきても、団結して闘えば絶対に労働者は負けないことを示している。動労千葉の闘いは、特別なものではない。労働者が団結すればどれほど素晴らしい闘いを実現できるかを、だれにも分かるように示している。
だから、動労千葉の闘いは労働者を奮い立たせ、全国・全世界に「増殖」する圧倒的展望を持っている。最後に勝利するのは労働者階級だ、ということを確信させるのが、動労千葉の闘いだ。
この対極に「体制内派」がいる。日本共産党・志位委員長は、「社会主義はまだ気が早い」「まずはルールある資本主義だ」などと言っている。こういう考え方こそが、労働者の革命的決起を抑えつけ、危機にあえぐ資本主義を助け、延命を許してきたのだ。こんな奴隷的屈服の思想を、粉みじんにうち砕こう。
動労千葉労働運動で日本の労働運動をつくりかえた時、帝国主義は「体制内労働運動」のつっかえ棒を失ってひっくり返るのだ。
動労千葉のように闘う組合を全国に
社会主義は「まだ気が早い」のか? 絶対にそんなことはない。自治体、学校、鉄道、郵便の労働者は全国に存在している。医療・介護、民間の労働者も全国で働いている。そうした労働者が団結し革命に決起すれば新しい社会を建設できるのだ。現に社会的生産を実際に担い、人民の日常生活を支えているのは労働者階級ではないか。資本家なんか不要だ。団結した労働者が社会のすべてを取り仕切る、労働者の団結が共同体の原理となる――それこそが社会主義(共産主義)だ。
労働者を搾取する資本家階級を打倒することで地球上からあらゆる失業・貧困・飢餓・戦争をなくし、一切の隷属・差別・抑圧を一掃できる。それができるのは労働者階級だけだ。
マル青労同に結集する青年労働者や、法大闘争を闘う学生たちが、動労千葉の闘いから徹底的に学び、自らの血肉と化して前進している。この闘いに続こう。動労千葉労働運動をとことん学び尽くし、全国の職場・地域で階級的労働運動の大前進をかちとろう。
8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争に続き、今年の8・15集会が「蟹工船」をメーンテーマに開かれる。イミョンバク政権打倒へ闘う韓国・民主労総ソウル地域本部の労働者が参加する。11月1万人大結集に向かって日韓労働者の国際的団結を打ち固める重要な闘いだ。実行委の呼びかけにこたえて大結集しよう。
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週刊『前進』(2354号1面2)(2008/08/04 )
国交相にすがる総屈服を弾劾
国労大会 警察導入に組合員の怒り
7月30、31日に静岡県伊東市で開かれた国労第76回定期大会は、国労本部だけでなく鉄建公団訴訟原告団や国鉄闘争共闘会議の一部幹部もが、1047名闘争の解体にかじを切ったことを突き出した。東京高裁の和解交渉提案と、「解決に向けて努力する」とした冬柴国交相発言が出される中で、大会で高橋伸二委員長は「大臣の言明はまさに真夏の日輪」などと宗教がかった言葉で全面屈服を表明し、「大会の名で裁判所の提案を受け入れる」と言明した。
かつての4党合意反対派を始めすべての勢力がこの恥ずべき屈服を容認し推進する中で、4者・4団体路線への反対を貫く闘争団員や5・27臨大闘争弾圧被告団らは、屈服和解策動粉砕を訴えるビラ配布を貫徹した。
闘争団・被告団が大会傍聴を求めて大会会議室前に赴くと、私服の公安警察が代議員受付の前までなだれ込んだ。この前代未聞の弾圧体制に対する抗議と弾劾に、本部や代議員は首をうなだれるだけである。闘争団と被告団は、国労本部と警察権力との癒着に怒りの声を上げ、総屈服状況を突き破る闘いを貫いた。
(国労大会会場のホテル前で闘争団員や5・27臨大闘争弾圧被告らがビラ配布【7月30日 伊東市】)
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週刊『前進』(2354号1面3)(2008/08/04 )
今いちど革共同への夏期カンパ訴えます
同志の皆さん。『前進』読者の皆さん。
革共同は、今いちど夏期一時金カンパへの絶大な御協力を心から訴えます。
法政大学弾圧粉砕闘争や11月労働者集会成功の一切の土台は、財政闘争の圧倒的な確立です。そして今期一時金闘争は例年にも増して重大な一時金闘争としてあります。
第一は新自由主義と対決する階級的労働運動路線の闘いとして、法政大学闘争への弾圧を絶対に粉砕することです。
2年間で88人の逮捕者と19人の起訴―多くの同志が現在獄中で国家権力と闘いぬいています。そして何よりも逮捕者全員が完黙・非転向を貫いています。この若き革命家の闘いと連帯し、団結を拡大していく闘いが夏期一時金カンパ闘争です。全国の労働者・学生は弾圧粉砕の団結カンパ闘争に決起しよう。
第二は世界金融大恐慌、世界革命情勢の中で、全世界の労働者階級人民が決起しています。この闘いと連帯し11月労働者集会の大成功を実現することです。
6・29サミット粉砕闘争は、韓国民主労総を始め全世界の労働者と連帯し、「デモ禁止」攻撃を打ち破って戦闘的なデモを実現しました。さらに、この闘いを引き継いで、動労千葉などが呼びかける11月労働者集会1万決起を実現することです。その環は宣伝・扇動です。
「蟹工船」が140万部売れています。新自由主義の賃金奴隷の攻撃の中で、明日の生きる希望や、未来を語ることさえ奪われた青年労働者・学生の怒りは革命を求めています。街頭や職場を数百万枚のビラやポスターで埋めつくすことです。その資金が決定的に必要です。
第三はプロレタリア革命に勝利できる党の建設がまったなしに求められています。自民党・民主党を始めブルジョア政党は、日帝の危機の中でプロレタリア革命に恐怖し、労働者階級の分断、闘いの圧殺に、連合などの体制内指導部を手先にすべてを投入しています。
ブルジョア支配政党のイデオロギーと体制内指導部の反動的攻撃を粉砕し、プロレタリア革命に勝利する闘いは、強大なプロレタリアの政党をつくり出すこと抜きにはありえません。
マル青労同1000人・マル学同1000人建設が当面最大の闘いです。皆さんの熱烈なカンパをお願い致します。
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週刊『前進』(2354号1面5)(2008/08/04 )
おことわり
本号を夏季特別号(10n)として発行し、8月11日付号は休刊します。次号は8月18日に発行します。
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週刊『前進』(2354号2面1)(2008/08/04 )
労働者は死ねと叫ぶ橋下をストライキで倒そう
団結・革命こそ労働者の回答だ
座談会 大阪の自治体・教育労働者はこう闘う
借金作ったのは資本家じゃないか マル青労同に入り世界変えよう
デモに出発する労働者に“ストで橋下を打倒しよう”と訴える(7月22日 大阪城公園)
〈出席者〉
河村智則(自治体労働者)
松木 純(自治体労働者)
坂井健司(自治体労働者)
西田沙織(自治体労働者)
佐伯直人(教育労働者)
木下由美(教育労働者)
岸本紀子(教育労働者)
ファシスト橋下(大阪府知事)との対決は、全国自治体攻防の最先端であり、道州制導入攻撃との鋭い激突点だ。大阪府下の職場から反乱を開始した自治体労働者、教育労働者に当面する闘いの課題、勝利の展望を語ってもらった。(編集局)
6月の7千人集会に続き7・22府労連闘争に5千人が結集(大阪城公園教育塔前)
資本主義そのものが破産している 橋下と闘えない体制内労働組合
――橋下とはどういう人間ですか?
松木 橋下は選挙の時から「公務員のケツを蹴ってやりますよ」なんて言って、公務員を民間労働者の敵に仕立てあげて知事になった。就任して最初にやってきたのも職員の分断でした。役所の職員比率はいま50代の人が多い。そのころは多く採用してるけど、私たちのころは就職氷河期で入るのも難しかった。だけど賃金は下がってて安い。しかも仕事は多い。橋下はそういうところを突いて、3月13日にわざと若者だけを集める朝礼を設定したんです。しかも「細かいことや、いままで上司に言えなかったことも知事に直接メールを送ってくれ。こういう制度ができたことで、あなたの上司も戦々恐々としてるんじゃないですか」なんてメールを全職員に送ってきた。
一同 ええー、そんなメール送ってるの。
松木 「職員が怠けてるせいで借金ができた」という大うそをつくし。そんなこともあったから、みんなの怒りがたまりにたまっていました。その中で3月13日、朝礼での女性職員の「分断攻撃は絶対に許さない」という抗議があった。6月12日の朝礼でも、年輩の職員の方が同じように抗議しました。
――いかに闘いますか。
松木 橋下は「みなさんは破産会社の従業員。民間なら職員の半数や3分の2のカット、給料半減・ボーナスカット・退職金削減など当たり前」と攻撃してきている。これに対して連合系の府労連、全労連系の府労組連の両組合(注)とも「いや破産してないんだ……」と言う。これではダメなんです。破産してたら賃下げも首切りもOKなのか。ここが一番ムカつきます。
――「なんとかやっていける」と言うんですか?
河村 両組合とも「橋下は『うそも百遍言えば真実になる』と思っている。『大阪府の破産』というのは真っ赤なうそ。破産してないのに賃金を下げるのはおかしい」と。でも、そもそも「大阪府の借金なんか、現場労働者になんにも関係あらへん」という話でしょ。
松木 みんな破産してると思ってるし。(笑)
――塩川一派も機関紙で「大阪府は破産してない」論を展開してます。
河村 3月のイラク反戦集会で、民間で闘う仲間が「橋下、民間労働者をナメるんじゃねえ! 『民間だったら首切り・賃下げは当たり前』なんて言うのは絶対に許さない」と発言しました。民間であろうが自治体であろうが「破産したら労働者が路頭に迷うのは当然だ」と橋下が言っていること自体が絶対に許せない。
松木 橋下の攻撃は、常に団結破壊としてあります。団結を強化して闘えば絶対に勝てる。なのに日本共産党は、「崇高な業務」という言葉すら使って民間労働者と自治体労働者の団結を破壊することばかり言う。
佐伯 そもそも公務員とか民間とか、好き勝手に区別して分断するなというのが労働者階級の立場。こっちは労働力を売らないと生きていけないから売ってるだけ。倒産しかかってから本当の闘いが始まるんですよ。
松木 公務員がたたかれてるから闘うというより、「公務員も民間もない。いまこそ労働者がひとつに団結して新しい社会を作っていこう」ということ。
――ある職場ビラで「橋下は最低最悪の知事だ。がまんできない。だけど、あんなやつのおかげで私たちの結束は強まった」という組合員の声が紹介されてます。いいですよね。
河村 いま革命党として言うべきなのは「資本主義そのものが破産してるんだ」ということです。そして大阪府や資本主義が破産したって、私たち労働者階級の力で社会を動かしていける。その基礎となる団結が橋下の「おかげ」で生まれてきている。攻勢的に闘うことだと思います。
――6月20日の府労連7000人集会の様子はいかがでしたか?
佐伯 完全に革命情勢の一つの表現です。執行部の「5000人動員」方針を突き破って続々と結集した。若い人も多かった。大雨が降ってたけど解散地では「よし、これからだ!」と、みんなすごいいい顔をしてるんですよ。
岸本 世界の労働者の闘いがどんどんニュースで入ってきてます。6・20集会では、そういうものも労働者を後押ししてると感じましたね。
河村 参加してない人も職場で「あんなデモ、初めて見た」とみんな言ってました。これは府の職員、教育労働者の中だけで起こった決起じゃない。世界で始まっている闘いとひとつです。階級的立場に立って闘っていたら、そこのつながりがわかる。だから絶望じゃなくて展望がつかめる。
(注)府労連=大阪府労働組合連合会(連合系。自治労府職、大阪教組、府従業員組合、府水道労働組合で構成。約1万8千人)。府労組連=大阪府関連労働組合連合会(全労連系。府職労、大教組で構成。約2万1千人)
多忙化でとにかく仕事が終わらない
――学校職場の状況はどうなっていますか。
佐伯 例外なく全員が橋下の攻撃に怒ってます。僕らの職場はいまものすごい多忙化で、とにかく仕事が終わらない。必ずしもいいことじゃないけど、非常勤講師の方に入ってもらって何とかやりくりしてるのが現実です。橋下はその非常勤の人たちを「予算がないから切る」と言ってきた。非常勤の人は学期ごとの雇用です。橋下は「そこを削減するのは当然でしょ」と予算案を出してきた。絶対に許せないですよ。
木下 橋下は「予算が決まる7月以降の雇用は保障できない」と言ってきた。校長が講師の人たちに「それでいいです」という念書を書かせている学校まであります。
――非常勤の方は、どれぐらいの割合ですか?
岸本 ほぼ2割ぐらいじゃないかな。「この授業をする人」「この仕事をする人」という形で、すき間を埋めるように非常勤の人が増えてきている。すごく複雑な雇用形態。そこを橋下は攻撃してきている。
――その人たちがもし首になったら現場はどうなるんですか?
佐伯 それはもう成り立たないよね。職場では冗談で「どうするつもりやろ……」という話にはなってるけど。
松木 もう“やらない”ということですよ。現場を回すことを前提にした話じゃなく、「回さない」という前提で話したほうが面白い。
河村 本当ににっちもさっちもいかなくなる前に「そうなったらストだ」とガンガン討論をしていく必要がある。
西田 教育労働者や医療労働者にとって、職員削減の中での残業や多忙化はすごい深刻な悩みだなと思います。人間相手の仕事だから手抜きもできないし、まじめにやろうと思ったらどうしても業務がすごく増えてしまう。そういう中で、マル青労同の医療の仲間がこの間、「労働基準法も守れないような経営なら、そんなものつぶれてしまえ!」と言い切って闘い始めている。私はこの闘いにすごく学ぶところがあります。「経営に労働基準法を守らせる」のが目的じゃない。「そんな経営だったらつぶれてしまえ」と。橋下が「大阪府は破産会社」と言うなら、そんなもんつぶれてしまえという立場に立つことです。
業務拒否闘争、ストライキへ! “ストで労働者は労働者になる”
――職場ビラで「業務拒否闘争」や「有休の一斉取得による事実上のストライキ」が呼びかけられています。
河村 橋下の攻撃は、国鉄分割・民営化攻撃と本当に同じ。大阪府解体−道州制導入は、分割・民営化そのものです。動労千葉が退路を断って決起したような闘いが問われている。業務をみんなが回している限り、攻撃はどんどん進められていくわけだから業務を止めて反撃に立とう、と。
木下 うちの職場では今年4月のスタート段階で、理科の教師がどうしても必要なのに誰も来なかったんです。授業はもう始まる。校長を「どないするねん!」って追及しても、校長は「現場の先生でなんとかしてほしい」なんて言ってくる。その時、職員会議で「こんな無責任な話はない!」とみんな怒りまくったんです。「私らは穴埋めは絶対にしない。理科の免許持っているやつなんかいくらでもおる。管理職でも市教委でも連れてこい!」とね。そしたら2〜3日で来たんです。「決まりました……」って。私らが「絶対に認めない!」「これ以上、仕事できるか!」と必死に突きつけた時、動く。ストライキもこういう闘いの延長にある気がします。
松木 一人じゃなく、みんなが言ったからですね。
――「府民を殺すような労働、断固拒否!」というビラも出ています。体制内労組には絶対に言えないことですね。
松木 もうみんなブチ切れかけてるんです。「やってられるか!」と。これまで日本共産党や政府・当局に「公務員は公僕であって、住民のために働いている崇高な存在だ」と教育されてきた。私もそう思ってきた面もあります。いまも、そう思っている人もいる。だけどもう「特殊な労働者」なんてメッキがはがれ落ち、思いが決壊しだしている。橋下ごときに「タバコ吸うな」「私語するな」なんていわれて「ふざけんなよ!!」と。私は最近、「時間中に、これだけの仕事をこなさないといけない」じゃなくて「こんな仕事を回さなくてもいい」「橋下行革を着々と進めるような業務、むしろやらないほうがいい」ということばかり考えて机に座ってます。重要なのは、マル青労同や革共同のメンバーが「こんな業務、回さんでいい」と言わないかぎり誰も言い出せないということです。最初はそんなことを言うのは私一人でしたが、最近は一緒に言ってくれる人も出てきた。私たちがどういう立場で登場できるかです。
河村 この3〜4月は、橋下行革のもとで予算をカットする仕事が山のようにあってすごい残業になりました。その時に「こんな残業やらなくていい。さっさと帰ろう」と言うのはいい。だけど、例えば友人のAさんは子ども相手の職場で、すごい残業をしてる。そういう職場で「残業なんかもうやめよう」と言うのは簡単じゃない。「これは大事な仕事だ」と誇りをもってやっている人もいっぱいいる。誇りを持っているからこそ橋下の攻撃に怒りをもって反撃しよう、ということだと思う。「その誇りある仕事を、職員が削られても残業して必死でこなすのか。それは違うんじゃないか」と。
――「資本主義のもとでは生きていけない」と革命の問題をガンと据えるということですね。
松木 要するに「いい仕事」「悪い仕事」じゃなくて「もう、やってられへん!」というみんなの怒りがポイントだと思うんです。
岸本 いま教育現場では「うつ」などの病気が3倍ぐらいになってると新聞に出てました。現実にはもっと多いと思う。「違う病名にしといて下さい」とかやってるから。まじめで、手抜きできない人ほど病気になってる。
河村 橋下は「大阪府解体」と言っている。だったら「労働者の側から大阪府なんか解体してやる」ということをストレートに出す。資本主義が完全に破産してるんだ、とはっきり言っていく。しかも破産したのは、「みんなの共同体としての自治体」じゃなくて、資本家による階級支配が全部破産したということなんですから。
――教労の同志でストライキを経験された方もおられますね。
岸本 私も最初は、なんのためにストライキやるのかわからなかった。でも、ストで当局と闘っていく中で、生徒や保護者を見る目も変わってくる。それまでは「こんな仕事やめたい、やめたい」と思ってました。だけどストの経験をとおして「保護者も自分と同じ労働者階級だ」「生徒は労働者階級の子どもなんだ」とわかってくると別のやりがいが出てくる。この仕事を続けていこう、面白いなと思えた。ストというのは労働者を労働者にしていくものです。「誰が頭がいい」とか「授業がうまい」は関係ない。“職場からこぼれ落ちる人がないように、みんなで一緒にやっていこう”という絆(きずな)をつくってしまう力をストは持っている。私はその典型ですけど。
青年一同 へえー、ストやりたいなあ!
6月の7千人集会に続き7・22府労連闘争に5千人が結集(大阪城公園教育塔前)
職場の怒りを解き放とう 労働者には橋下を倒す力がある
――『前進』読者や職場の仲間に「マル青労同に入って一緒に闘おう」という呼びかけを。
松木 いま、日本全国で最先頭で闘っている人は、必ずマル青労同に入っています。だから「入ってもらって間違いない」と。(笑)
西田 この情勢の中で「労働基準法を守らせることが目的じゃない。経営がつぶれてもいいんだ」と本気で言いきれるのはマル青労同しかない。
松木 その上で、マル青労同のよさは、全員の力で各職場の闘いをつくっていけるところ。一人ひとりは別に英雄でもない。まわりに同志がいてくれるから、私自身も胃が痛くなっても橋下や府職労幹部と闘える。法大での学生の決起も、自分にとっては大きいです。ずっとイラク反戦の闘いを一緒にやってきた学生たちが法大で闘って起訴されています。東京拘置所と大阪で離れているけど一緒に闘っているという思いがあります。闘うときにはみんな、そういう仲間・組織が必要だと思う。闘いたい人は絶対にマル青労同に入らないと負ける。入ったら絶対に負けることはない。
西田 私も、いま職場で本当に厳しい闘いに入っています。その中で自分自身、マル青労同の仲間を切実に必要としている。一人では、いいところまでいってもやりきれない。退路を断って、自分が“絶対に勝ちたい”という立場に立ち切ったとき、先日一人の仲間がマル青労同に入ってくれました。それも私一人の努力じゃなく、組織全体が執念をもってやってくれたことでかちとれた。
――河村君は「橋下との対決の中で体制内労組に我慢できなくなった」と言ってました。
河村 橋下の登場で職場の団結が強まってきている面もあるけど、逆に、団結が揺さぶられている面もある。橋下にチクリのメールを出している人もいる。組合脱退者も出てきている。そういうのが本当に悔しい。みんな「橋下は絶対におかしい」と思っているのに、体制内労組の中で展望を見失ってあきらめてしまう。これを絶対になんとかしたい。「本当に団結できる闘いってなんなのかな」とすごく考えてきました。それは「絶対反対」の闘い以外にない。このことが実感としてわかってきた。もちろん賃金カットや解雇は、すごいでかい問題です。だけど、みんなの怒りは自分の目先の給料がどうこうじゃない。橋下が絶対に許せないんです。7月=2k=23=wa=日に可決された予算案で、人件費削減率がわずか0・5%圧縮された。お話にもならない。しかもその回復分を退職者がとるのか、若年層がとるのか、非常勤職員の解雇を半分にするのか……という条件闘争にしてしまったら団結できるわけがない。「解雇や賃金カットは一ミリも認められない」「橋下は打倒しかない」という立場があって初めて全体が団結できる。組合本部に依拠するのではなく、「府の財政がどうなろうと私らにも生活があるんや。知るか!」という現場のストレートな怒りに徹底的に依拠して闘う。橋下との闘いは新自由主義、帝国主義との闘いです。ここでつくった団結をもっともっと拡大し、労働者の社会をつくろうというのがこれからの闘いです。それができるのは自分がマルクス主義の党にいるからです。
松木 若い人は、たとえ所属はしていてもいまの既成の労組からはもう離れています。体制内の組合だからです。だけど私たち青年が生きていくためには労働運動は絶対に必要です。そこは間違いない。だからマル青労同に結集して一緒に組合を下からつくり変え、本物の階級的団結をつくっていく闘いを始めようと心から呼びかけたい。
労働者と共に怒り感動する組合こそ
松木 必要性だけじゃなく「楽しい」ということもぜひ伝えたいですね。
河村 怒りを抑え込まず、ストレートに敵に向かって言うのは楽しい。
松木 自治体労働者のみんなは、自信と誇りを取り戻すことが必要です。私たちは労働者でしかないし、労働者でいい。業務命令に怒り、「なんでこんな仕事をせなあかんねん=cd=b930」と怒る労働者です。その怒りを絶対的に肯定し、それをみんなの中に広げていく組合はいまありません。逆に組合員の怒りを抑圧してくるのが府労連であり府労組連です。そして、本部が業務命令みたいに降ろしてくる「正しい」方針に従えばいい、と。そうじゃない。みんなの感じてるその怒りこそが大阪府を変えるし、橋下を倒す力なんです。だけど一人で怒ってても、それは暴発するしかない。自殺するか他殺するかしかなくなる。だからみんな、マル青労同に入ろう。
河村 やはりマルクス主義かどうかは決定的なんです。団結したら現場の一人ひとりの労働者にはすごい力がある。「公務員」ということだけじゃなく労働者として国境を越えてつながれる力がある。すごいことだし、楽しいことですよね。それがマルクス主義。
松木 この前、うちの組合幹部に「楽しく活動しないと誰も組合には入りませんよね」と質問してやったら「楽しいだけじゃ無責任だ」って言うんですよ。「橋下を打倒できると思ったら楽しくないですか?」って聞いたら「いやあ……正直しんどいね」と(爆笑)。うちの組合役員は「職場でこんな反乱が起こってますよ」「みんな怒ってこんなこと言ってましたよ」って言っても、全然感動がない。自分が腹立ってることに「そうや、そうや!」と一緒に怒ってくれる組合、一緒に感動してくれる組合がいいじゃないですか。
坂井 大阪市職労の本部は、団結や組合員の怒りを完全に否定してます。査定昇給をめぐる議論でも、本部執行部は当局と一緒になって「査定昇給は必要だ」と組合員を分断している。「みんな怒ってる。そんなおかしな議論してないで、怒りを組織してはね返せばいいじゃないですか」と文句を言うと「怒りが怖い」と言うんですよ。
一同 「怖い」?
松木 日本共産党も似たようなことを言います。あいつらには「労働組合活動というのは整然とやるものだ」という考え方がある。怒りなんて統制を乱す要因になるだけで、組合を強くする要素にはならないと思っている。
佐伯 6月20日の徹夜団交は、どんな状況だったの?
河村 めちゃくちゃストレスたまりましたよ。組合員にはすごい怒りがあるから、一度「ふざけんな=cd=b930」って一斉に橋下を罵倒(ばとう)したんです。そしたら本部の役員が「我慢しろ」と。団交の場にテレビカメラも入ってるじゃないですか。それに震え上がってるんです。“マスコミをとおして発信されてしまうと敵をつくってしまう。府民の反感を買ってしまう”と思っている。民間の労働者を、同じ労働者として団結していける仲間だと思ってない。その結果、参加者はひたすら我慢して、府労連の新居委員長がひたすら7時間しゃべり続けた。組合の会議でも、僕が「ストライキやるべきだ」と発言したら「冷静な判断、情勢分析が必要だ。府民の意識はどうか、世論はどうか……」って言うわけです。「怒りにまかせてストやるのは間違いだ」と。戦術としてはストという手段は認めるけど「それは今じゃない」と逃げる。
松木 府職労の幹部なんか「ここでストライキやったら賃下げを撤回させられるという時にやる」って言うんですよ(笑)。そんな時なんか、あるわけないじゃないですか。
坂井 団交といっても国会でのやりとりみたいで取引そのものですよね。現場に怒りがあふれてることがわかっているからこそ、組合幹部は現場と切り離してやろうとする。団結の拡大を心底恐れている。じゃあ団結を組織するのは難しいのかというと、そうじゃない。体制内労組が抑えつけているから難しいだけです。現場に怒りはあるし、一人でも「やっぱり闘おう。おかしい」と言えば、そこから始まる。それが力関係を変えていく。こういう労働運動をマル青労同はやる。
佐伯 これから、さらにむちゃくちゃな攻撃が出てきますね。
松木 それどころか橋下は大阪府を解体して道州制を導入するとはっきり言っている。「やるんやったら、こっちもやったろやんか!」ということですよ。
木下 チャンスなんよね。
佐伯 「日の丸・君が代」をめぐっても橋下は分断を仕掛けてくる。今年、大阪府下は初めて門真市で「日の丸・君が代」の職務命令が出ました。来年の3〜4月は橋下のもと、おそらく大阪府下で一斉に職務命令が出ます。大阪決戦です。
一同 がんばりましょう。
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週刊『前進』(2354号2面2)(2008/08/04 )
「競争と分断」で団結破壊
「大阪維新」プログラム粉砕を
“破産”突きつけ大阪府を解体
橋下は関西州めざす資本家の手先
「徹底した分断と競争」「大阪府解体―道州制導入」を核心とする大阪府知事・橋下との闘いは、すべての労働者にとって最重要の課題だ。全労働者の力で橋下を絶対に倒そう!
「ゼロベース」で競争けしかける
橋下は就任直後から「民間の破産会社なら解雇・賃下げは当たり前」と叫ぶとともに「全事務事業をゼロベースで見直す」ことを打ち出した。府政・府予算にかかわる全勢力に「ゼロベース」を突きつけ、“限られた予算”の分捕りあいをけしかけたのだ。
さらに橋下は、330億円もの賃金強奪――人件費予算として329億3千万円を削減。このほかに「物件費」などで計上している非常勤職員の賃金なども削減――を、団体交渉が決裂したまま大阪府議会に提案、民主党もふくめた賛成多数で7月23日に成立させた。
橋下は「『大阪維新』プログラム案」(6月5日公表)で、「大阪府は民間企業でいえば破産状態」「府民のみなさんはがまんを」「府職員は自らの人件費削減を通じて痛みを分かち合う覚悟で」と迫った。
しかし、なぜ5兆円もの借金ができたのか。大阪府の財政危機の理由が人件費なんかにあるわけがない。だから、いくら賃金強奪をしても財政危機は続く。
財政危機は資本主義破産の帰結
「バブル」崩壊後の90年代以降、大企業・大銀行の延命と恐慌対策のために660兆円もの公共事業が実施された。その負担の大半(約8割)は地方自治体に押しつけられ、債務は雪だるま式に膨れ上がった(図)。しかも小泉以来の「三位一体改革」で地方交付税交付金が大幅に削減され、自治体財政は決定的に破綻(はたん)する。
しかも大銀行や大資本は、貸し付けたカネから巨額の金利をむさぼり続けている。自治体が破産しようとも、ブルジョアジーどもはけっして債権放棄しない。こんな借金など、労働者階級が権力を握り、生産を支配して踏み倒せばいいのだ。革命こそもっとも現実的な「解決策」だ。
道州制の推進で弱肉強食社会に
知事室に張った近畿地方の地図を毎日ながめ、「関西州」設立の妄想をふくらませている橋下は、府民の生活をなんとかしようなんてハナから考えていない。任期中に大阪府政を徹底解体して道州制導入の先兵となり、財界・市町村長会をはじめ全反動勢力を道州制推進に糾合しようとしているのである。
日本経団連など道州制推進勢力は、「道州制は究極の構造改革」だと言っている。その中身は「軍事・外交に特化した強権的中央政府」「ブルジョアジーが新自由主義で直接支配する道州」「そのもとで一切の矛盾を押しつけられ、弱肉強食のリストラ競争をけしかけられる基礎自治体」だ。ここには戦後的地方自治も戦後的社会保障もない。ブルジョアジーによる日本全土の「分割・民営化」そのものだ。
橋下の攻撃は、その全面的開始だ。「維新案」は、「府県を越える“広域的な行政組織”の実現をめざす中で、大阪府の“発展的解消”が将来目標。これにより『関西州』へのステップを確かなものにする」と明言。他方で「高齢化社会を乗り切るのは自己責任と互助」と言い切り、府議会でも「住民サービスは市町村、府は産業政策に特化する」(7月8日)として新名神高速道路など大型事業継続を打ち出している。
分断と団結破壊が橋下の生命線
こうした橋下の攻撃の生命線は、府民(民間労働者)と公務員労働者、あるいは公務員労働者同士を競争させ、蹴落としあいをさせるということにある。それなしに橋下の攻撃は成り立たない。橋下が恐れているのは何よりも労働者の団結だ。
そして6月20日7000人集会、7月22日5000人集会の府労連闘争で、橋下の最も恐れる「団結した労働者」が登場した。6月の豪雨の中、そして7月の炎天下、意気軒高と府下全域から集まった組合員は、「このままでは腹の虫がおさまらない」「橋下を倒すまで闘う」を合言葉に集会・デモを貫徹し、職場に戻った。“必ずや一矢報いてやる!”という戦闘意思が、すべての職場にみなぎっている。
連日の職場攻防、現業統一闘争、賃金確定闘争から09春闘、そして09年春の卒業式・入学式での「日の丸・君が代」攻防――団結拡大のチャンスが次々とやってくる。本格的な決戦はこれからだ。橋下よ、「絶対に打倒してやる!」と逆襲をねらう数千人の府労働者を生み出したことに戦慄(せんりつ)せよ!
われわれは橋下の大攻撃に対して、「戦後地方自治を守れ」ではなく、真っ向から革命を対置して闘う。
1947年の2・1ゼネスト前夜、ある自治体労働組合では「2月2日には出勤して、革命政府と人民のために社会を回す」ことを決定していたという。自治体労働者は、ストライキで全社会をぶっ止め、ブルジョアジーに代わって社会を運営する力を持っている。いまこそ、20年前の国鉄分割・民営化攻撃に対して唯一ストライキで闘った動労千葉のように闘おう。今こそ処分を恐れぬストライキに全職場から立つ時だ。
これから全職場で、査定給との本格的な激突が始まる。職場の仲間の分断を絶対に許さない、一人ひとりの生きざまをかけた真剣な実践が問われる。そして、この鉄火の中からつくりだされる団結こそ、組合を革命的につくり変え、橋下を打倒する力となる。団結して橋下を倒そう!
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週刊『前進』(2354号3面1)(2008/08/04 )
金融大恐慌下でインフレ爆発
原油・食糧暴騰が生活直撃
政府・総務省が25日に発表した6月の全国消費者物価指数(CPI、05年=100)は、生鮮食品を除くベースで102・0と、前年同月に比べて1・9%上昇した。これは、消費税率引き上げの影響で物価が上がった1998年1月以来、10年5カ月ぶりの高い上昇率で、消費増税の影響があった時期を除くと92年12月以来、15年6カ月ぶりの高さである。
だがこの数字自身は労働者階級の生活への影響を正しく反映していない。ガソリンの24・2%、灯油の42・2%と大幅に値上がり、食料品もスパゲティが33・2%、チーズが27・3%、チョコレートが22・8%と軒並み値上がりしたことに示されるように、生活に直結する食料品や燃料代がより大幅に値上がりしているのだ。これは実質的な大幅賃下げにほかならない。しかも社会保障解体による保険料負担などが大幅に増大している。世界的な原油や食糧価格の暴騰は、150%、200%という激しさになっており、それが今、国内価格に転嫁され始めているのである。
原油や穀物価格の高騰の原因は、米帝のイラク侵略戦争への突入・長期化とか、気候変動による干ばつやバイオエタノール生産のための穀物消費などに核心があるのではない。米住宅バブル崩壊で巨額の国際的投機資金が原油や穀物市場に流れ込んだことによる。また米政府の景気対策のための資金供給が投機の拡大をもたらした。米政府の昨年12月から今年5月までの緊急の資金供給枠だけで3000億j(32兆円)にも及ぶ。
資本家が原油や穀物への投機で膨大な利益を手にする一方、労働者は実質的な賃金切り下げで、ますます貧困を強制されていくのだ。29日に総務省が発表した6月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり28万1951円と、実質で前年同月比1・8%減少した。4カ月連続のマイナスだ。政府の景気対策が物価上昇を拡大し、それが消費支出減となって資本に跳ね返る構造になっているのだ。
今や帝国主義世界経済は歴史的破局に突入している。アメリカの住宅バブルが崩壊し、それがサブプライムローン問題を引き金に世界金融大恐慌へと拡大し、今や世界経済全体が恐るべき収縮過程に入ろうとしている。しかもインフレの爆発へと転化しているのだ。そうした中で帝国主義は、資源や市場をめぐる争奪戦に突入しており、すでに米帝は、イラク侵略戦争として危機を戦争によって突破し、他帝国主義をたたきつぶすことによって生き残る道へと踏み込んでいる。
その一方で今、全世界で労働者階級が巨大な決起を開始し、ストライキの嵐がアメリカ、ヨーロッパ、アジア、中東、中南米、アフリカと全世界で巻き起こっている。日韓米3国労働者の国際連帯は、膨大に決起する労働者階級の国際的団結の最先端をなすものだ。今やプロレタリア世界革命が、原理的な確認や夢としてではなく、具体的な課題、具体的な目標として据えられる時代が来ているのだ。
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週刊『前進』(2354号3面2)(2008/08/04 )
経団連「夏季フォーラム」批判
資本攻勢と戦争への衝動
日本経団連は7月24、25日の2日間、夏季フォーラムを静岡県小山町で開いた。会長の御手洗冨士夫(キヤノン会長)を始め、日帝支配階級の主要なメンバーが参加した。討議の総括として「アピール2008―グローバル化の中での日本企業の針路」を発表した。
その内容は、日帝が世界金融大恐慌と帝国主義間争闘戦に追いつめられていること、そしてプロレタリア革命の足音におびえながら、労働者階級に一切の矛盾を押しつけて、必死に生き延びようとしている姿を示している。労働者階級が、生きるか死ぬかの階級決戦情勢が煮詰まっているのだ。
アピールは冒頭で次のように述べる。「資源・エネルギー・食料価格の暴騰や地球環境問題への対応、国際金融不安と世界経済の減速など、グローバルな課題が山積し、景気の先行き懸念が強まり、わが国企業をとりまく環境は、厳しさを増している」
このように、ここ20年余りの新自由主義改革が帝国主義に安定をもたらすどころか、一層の危機と矛盾をもたらしていることに悲鳴を上げている。この存亡の危機に対処するために「成長力を強化するため、税・財政・社会保障の一体改革が急務である」としている。
「企業の成長力の強化」とは、企業が労働者を搾取して巨額の利益を上げる力を強化するということだ。だから労働者階級にとって、それは一層の賃下げ、労働強化、首切り、非正規の「使い捨て労働力」化しか意味しない。
また「税・財政・社会保障の一体改革」「消費税率の引き上げを含む、税体系全体の見直し」とは、消費税大増税であり、民営化による公務員リストラであり、社会保障の一層の削減(個人負担増大)だ。社会保障国民会議では「基礎年金全額税方式」が論議されているが、今まで企業が負担していた年間3〜4兆円の拠出金をすべて労働者におっかぶせるものだ。この分を消費税で負担することになれば、消費税は一挙に15〜20%に達する。貧しい者からも搾り取る、本当に許し難い大衆課税だ。
「アピール」の反労働者性はこればかりではない。「官民連携による資源外交力の強化」「原子力の活用」など、帝国主義による資源争奪戦への積極的参戦、核兵器開発に直結する原発政策の強化などを打ち出している。
さらに「農業の改革を推進し、国際競争の力を強化する絶好の機会」とは、トヨタの自動車など工業製品を輸出するために、低価格の農産物を輸入し、日本の中小農家を経営破綻に追い込み、300万戸の農家を十数万戸にまでつぶし、労働者の賃金水準の一層の引き下げをも狙うものだ。
支配階級にとっては「日本企業の針路」こそがすべてであり、その延命のために労働者階級・人民は命を差し出せ、と言っているのだ。
労働者が彼らにたたき返す回答は、資本主義の打倒=プロレタリア革命以外にない。動労千葉のように闘う労働運動を推進しよう。
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週刊『前進』(2354号4面1)(2008/08/04 )
「女性解放と労働者階級解放は別だ」と叫ぶ塩川一派打倒を
闘う女性は今秋11月集会に総決起しよう
革共同中央女性解放組織委員会
世界革命情勢が訪れている。労働者階級が権力をとり、現在の腐りきった社会を根底から変革する時が来た。ところがこの重大な時に、女性解放運動の中から、プロレタリア革命を否定して労働者階級とは別の道を歩もうとする人びとが現れた。これは単なる「誤り」ではない。帝国主義への完全な屈服と転向の道である。このような動きを断固粉砕し、女性解放闘争の進むべき道を明確にしよう。
女性運動に分断を持ち込む塩川一派
世界金融大恐慌の爆発、ドル暴落、原油や食糧の暴騰――新自由主義が、生きられない現実を世界中でつくりだしている。20世紀を生き延びてきた資本主義・帝国主義がついに終わりの時を迎えている。これに対してプロレタリア世界革命こそが唯一の解決の道であることが、何よりも全世界の労働者階級人民の闘いをもって日々明らかになっている。世界中で労働者のストライキ! ストライキ! ストライキ! 食糧暴動、漁民のスト、農民の決起が始まっている。
階級闘争の新しい局面、革命を本当にやりぬく時代、労働者階級の階級的団結こそがすべてを決める時代が来たのだ。サミット戒厳体制を打ち破った6・29渋谷の闘いは、団結した労働者には世界を変えられる力があることを示した。労働者階級が団結すれば、資本家階級の支配を打ち倒し、労働者が権力を握って新しい社会をつくることができる。なんとしても革命をやろう! この一点ですべての闘う人民が労働者階級のもとに団結して総決起する時だ。
ところがこのわくわくするような情勢に逆に意気消沈して、「革命などとんでもない」と考えている人たちがいる。民主党など既成の野党、連合の労働貴族、革命を裏切るのをこととしてきたスターリン主義などがそうした態度をとるのは何の疑問もない。問題は、昨日まで一緒に闘ってきたはずの人たちの中から、いざという時になって革命を否定し、革命への闘いに公然と敵対する人々が現れたことだ。それが革共同から脱落・逃亡した塩川一派だ。
塩川一派は現在、婦人民主クラブ全国協議会を始めとした女性解放運動の中に混乱と分裂を持ち込むことを狙って、実に卑劣な策動をしている。昨年11月労働者集会の戦闘的デモに対し、「あんな怖いデモはやれない」という反対の声を組織して回った。今年の6・29渋谷には参加を拒否し、「革命情勢なんかない」「大衆運動に革命の話を持ち込むのはセクトによる支配だ」などと、革命の否定を公然と主張して回っている。
これは、現に始まっている資本・権力との非和解の激突の真っただ中で、労働者階級の団結を破壊し、闘いを分断する許しがたい行為だ。徹底的に粉砕し、のりこえて、労働者階級の闘いと一体となった女性解放闘争の新たな革命的大前進をかちとろう。
6・29渋谷デモ。婦人民主クラブ全国協の隊列
革命の道か敵階級に寝返るかの分裂
まずはっきりさせたいことは、今始まっているこの分裂と対立の本質である。この対立は一時的で修復可能なものなのか? 「運動のやり方が違うだけで、話し合えば分かりあえる」性格のものか? こうした考えはまったく間違っている。
なぜこんな分裂と対立が生まれたのか。世界革命情勢が急速に成熟しているからだ。この情勢を前に、プロレタリア革命を本気でやりぬくことを決意するのか、それを拒否して現体制にあくまでしがみつくのか。ここに対立の根幹がある。そしてこの対立には、妥協の余地はどこにもない。
確かに、昨日まで同じ旗のもとで闘ってきた人たちが今日は互いに敵として向かい合うという激しい事態が、多くの人に衝撃を与えていることは想像に難くない。だがこれは、階級闘争の歴史の中で幾度も起きてきたことだ。かつて第1次世界大戦時、当時の国際労働者階級の指導部がその直前まで「戦争反対」を掲げながら、一夜にして態度を豹変(ひょうへん)させ、自国帝国主義の行う戦争を擁護する側に回った歴史は有名である。塩川一派の行動は、それとまったく同じなのだ。
今日の時代そのものが、全世界で続々と沸き起こっている労働者階級人民の闘いが、革命の道を選ぶか否かをすべての人びとに待ったなしに突きつけている。中間の道はない。この土壇場で、敵階級の陣営に寝返ることを選択したのが塩川一派だ。これが対立の出発点だ。
塩川一派はこのことをごまかすために、「セクトの介入」がなければこんな対立は生まれないかのような話を流している。ふざけるな! ということである。
問われているのは私たち一人ひとりの階級的立場だ。革命を拒否して自分たちだけは帝国主義国家が許す範囲内での体制内の小運動として生き残ろうなどという、腐り切った考えを粉砕し、今こそ私たち自身が革命の主体としてぶっ立つ飛躍をなしとげよう。
プロレタリア革命こそ女性解放の道
そもそも、女性の解放とは何か。女性の真の解放は、プロレタリア革命による階級社会の廃絶=共産主義社会の建設の中にしかない。なぜなら女性への差別・抑圧の根源は、私有財産と階級社会の発生そのものの中にあるからだ。
労働力の商品化=賃金奴隷制の上に成り立つ資本主義社会は、この女性差別・抑圧を一層耐え難いものにした。女性労働者はこの社会で「子産み道具」であり続けることを依然として強制されながら、資本がより安くいくらでも使い捨てにできる賃金奴隷として徹底した搾取の対象にされている。資本主義のもとでの家電製品やコンビニ弁当の出現による「家事労働の軽減」は、資本の支配のもとでは逆に多くの女性をますます過酷な労働と競争に駆り立てるものでしかない。さらに、資本の労働者支配の一環として強められる性の商品化と女性への性暴力は、女性の人間的誇りを徹底して奪うものとなっている。
重要なことは、資本主義が同時に自らの墓掘り人として、近代の労働者階級=プロレタリアートを大量に生み出したことである。労働者階級は、自分たちを人間ではなくモノとして扱うこの社会を全面的に転覆する革命なしには解放されない。そして労働者階級は、団結して闘うことによって資本主義社会を転覆するだけでなく、この闘いをとおして階級社会のもとで奪われてきた人間的共同性を奪還し、階級社会そのものを廃止できる階級なのである。
〈労働者階級の階級的解放が、同時に全人間の普遍的解放である〉というマルクス主義の核心は、新自由主義のもとで資本主義・帝国主義の社会がその最末期の腐敗した姿をさらけだしている今日、ますます真実となっている。だが実は、塩川一派はこのことを真っ向から否定しているのだ。
「労働者階級の解放と女性の解放は別だ」「プロレタリア革命だけでは女性は解放されない」――これが塩川一派の主張だ。これは、女性解放闘争をプロレタリア革命から完全に切り離し、分断するものだ。現体制のもとでの永遠の「差別撤廃運動」のようなものに変質させるものであり、真の女性解放への道を閉ざすものである。
こうした主張の背後には、彼らの労働者階級に対する根本的な不信と蔑視がある。「現実の労働者は帝国主義のもとで差別にまみれていて、社会を変革する力など失っている」というのだ。しかし労働者階級は、資本との非和解の闘いをいったん開始するならば、そこに形成される階級的団結をとおして、旧社会のあらゆる汚物を振り捨てて革命をやりぬき、新社会を建設しぬく力を自ら獲得していくことのできる階級なのだ。多くの労働者がそうした闘いにまだ立ち上がれないでいるとしたら、それは資本・権力と体制内労働運動の抑圧のもとで団結が奪われた状態に置かれているからにほかならない。
塩川一派を始めとする血債主義・糾弾主義の運動は、「差別との闘い」を口実にしながら実際には、労働者階級の団結を破壊し、労働者階級と被差別人民の闘いを分断するために、それらの運動を利用しようとするものだ。絶対に許せない。粉砕、打倒あるのみだ。
階級的団結拡大に一切をかけ闘おう
プロレタリア世界革命を現実に闘いとっていく道は、今日、動労千葉を先頭とする階級的労働運動の発展と、11月労働者集会の日韓米3カ国の国際連帯の発展の中にある。この間の青年労働者の職場での闘いの前進や、法政大学での学生の闘い、サミット粉砕決戦の爆発は、日本階級闘争の中に「動労千葉派」「11月集会派」を無数につくりだす闘いとしてかちとられた。
今秋11月集会を、自らの職場を革命の拠点に変えることを決意した1万人の闘う労働者と、この労働者階級とともに闘うすべての人民の総結集の場として闘いとることが決定的に重要だ。ここでの階級的団結の形成の中に、日本労働運動の階級的再生の道があり、ソビエトの形成とプロレタリア権力樹立を現実に闘いとっていく道がある。
女性解放運動は、この闘いの中で、プロレタリア独裁を準備していく一翼を担って重要な役割を果たさなければならない。「天の半分」を占める女性を、プロレタリア革命の担い手として圧倒的に獲得することだ。そのために職場で、地域で、階級的な労働組合・労働運動と一体となって闘おう。農民・漁民、都市の勤労諸階層などすべての人民の中に分け入って、労働者階級とともに闘う女性たちの巨万の決起をつくりだそう。
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週刊『前進』(2354号4面2)(2008/08/04 )
7・27三里塚 10月全国集会へ
反対同盟 “労働者と結び農民を組織”
7月27日、三里塚芝山連合空港反対同盟主催の現地闘争が闘われ、90人の労農学が「暫定滑走路北延伸阻止、市東さんの農地を守れ」の旗のもとに結集した。会場は空港のフェンスに接する東峰の萩原進さんの畑。午前10時、うだるような暑さの中、伊藤信晴さんの司会で集会が始まった。
冒頭、北原鉱治事務局長が、かつて自らが命がけで闘った地下壕戦を振り返り、「三里塚は必ず勝てる。勝利の日までともに闘おう」と秋の決戦へ檄を飛ばした。本部役員の鈴木幸司さんは「この地に生まれ、この地で闘ってきた。権力に負けず、生涯闘いぬく」と不動の決意を述べた。
農地強奪攻撃と闘う天神峰の市東孝雄さんは、「トンネル工事ができて、用地内に攻撃が来るだろう。みなさんとともに新たなる力を携えて闘っていく」と簡潔に決意を表明した。
萩原進事務局次長は「今年前半、われわれは政府・空港会社の農地強奪攻撃に対して攻勢を取って闘いぬいた。全世界で立ち上がりつつある人びとと連帯するために、大上段から三里塚の闘いを訴えよう。労働者の決起と結び、全国の農民を組織しよう」と力強く訴え、10月全国集会への結集を呼びかけた。
連帯の発言に移り、動労千葉の繁沢敬一副委員長は、「今春闘のストでライフサイクル攻撃を阻止。その後、平成採の青年労働者が加入した」と報告した。婦人民主クラブ全国協議会の西村綾子代表は、「三里塚の闘いと結んで、米軍再編攻撃との闘いを相模原の地で闘う」と決意表明。全学連の織田陽介委員長は7・24法大弾圧粉砕集会の大成功と3人の学友の不当逮捕を怒りを込めて報告、「三里塚で勝利しよう! 10月三里塚全国集会から11月労働者集会の1万人結集へ攻め上ろう」と呼びかけた。
反対同盟を先頭にデモに出発。機動隊と私服刑事の弾圧と規制を実力で粉砕し、東峰部落を通り空港予定地内を縦断、開拓組合道路まで炎天下のデモを力強く貫徹した。
(市東さんの農地を死守するぞ! デモ後のシュプレヒコール。右端が反対同盟の北原事務局長。中央が動労千葉の繁沢副委員長【7月27日 成田市東峰】)
反対同盟と共に団結海辺の集い
午後、九十九里海岸の海の家に集合し「団結海辺の集い」が開かれた。この時ばかりは闘いの緊張感をほぐし、バーベキューとビールで歓談。笑顔で親睦を深めた。
全学連の学生が次々と発言に立ち、5・29法大決戦を闘いぬいた誇りと自信にあふれる展望と決意を語り、三里塚闘争勝利へこの夏の援農にも新しい学生を組織すると約束した。レクリエーションで大いに賑わい、最後に全員で「♪〜誇りも高き農地死守、われらが業に栄えあれ」と『反対同盟の歌』を大合唱した。
最後に、婦人行動隊の鈴木いとさんが「今日はほがらかな一日を過ごしました。明日からまたがんばりましょう」と閉会のあいさつを行った。
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三里塚裁判日程
鈴木幸司・いとさん一坪裁判
第7回弁論 8月28日(木)午前10時30分開廷
千葉地裁
市東さん耕作権裁判
第8回弁論 9月1日(月)午前10時30分開廷
千葉地裁 ※傍聴券抽選のため9時30分結集
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週刊『前進』(2354号4面3)(2008/08/04 )
核空母レーガン寄港弾劾
佐世保 海と陸から迎え撃つ
7月28日、私たち長崎の闘う労働者・学生は、佐世保地区労の労働者とともに、米原子力空母ロナルド・レーガンの佐世保寄港阻止闘争を闘いました。
午前8時20分、佐世保地区労の抗議デモ船団21隻が俵ケ浦漁港から出撃。陸上では野崎の丘から迎え撃ちました。
9時20分、高後崎の佐世保港口に「ロナルド・レーガン」が巨大な船体を現しました。「米原子力空母の寄港反対!」「レーガンは来るな」「横須賀の核空母母港化反対!」「日米安保粉砕!」「米軍再編反対!」「イラク侵略戦争反対!」「憲法改悪阻止!」「港を軍事利用させないぞ!」――力いっぱいシュプレヒコールをたたきつけました。
前日は、佐世保市島瀬公園で、核空母「レーガン」佐世保寄港反対集会とデモが闘われました。主催は長崎平和運動センター、佐世保現地闘争本部(地区労・社民党)。九州ブロックと全国から1千人が集まりました。
印象深かったのは、横須賀で1万5千人を集めた米原子力空母「ジョージ・ワシントン」母港化反対闘争の報告、そして沖縄県議会で、辺野古基地建設反対を決議した闘いの報告、さらに全港湾の労働者からの「軍事物資を輸送させない」との力強い決意表明でした。
原子力空母の佐世保寄港は今年2回目。なんと25年ぶりの動きです。米軍の原子力空母は動く核基地であり、核先制攻撃戦略の中心です。アメリカ帝国主義が、横須賀とともに佐世保を新たに母港化しようとする攻撃であり、泥沼のイラク戦争から、イラン、中国、北朝鮮へ侵略戦争を拡大しようとする攻撃です。
一方、8・6広島〜8・9長崎反戦反核闘争を前にした佐世保への原子力空母寄港は、日帝権力が、労働者人民の反戦反核闘争を圧殺しようとする攻撃です。8・6〜8・9闘争を爆発させ、世界で立ちあがる労働者、農民、漁民、学生と連帯し団結を深め、プロレタリア革命の道を切り開こう。
〔長崎労組交流センター(準)浦上明〕
(写真 空母入港阻止の海上行動に出発する佐世保地区労の抗議船団【7月28日】)
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週刊『前進』(2354号4面4)(2008/08/04 )
日誌 2008年 7月23日〜29日
米原潜寄港、過去40年間で最多に/新基地建設反対決議に米側「拒否」
●嘉手納のF15が共同訓練へ離陸 米軍嘉手納基地は、第18航空団第67飛行中隊のF15戦闘機6機が、航空自衛隊第3航空団と共同訓練を行うため、三沢基地(青森県)へ向けて離陸したと発表した。在日米軍再編に盛り込まれた訓練移転の一環。防衛省によると、自衛隊はF2戦闘機とF4戦闘機それぞれ4機が参加し、三沢東方空域や秋田西方空域での戦闘訓練を30日まで行う。(23日)
●嘉手納に岩国基地から外来機続々 米軍岩国基地(山口県)所属のFA18戦闘機やハリアー戦闘機が続々と飛来し、訓練を開始した。在日米軍再編で「地元の負担軽減」を強調して07年から始まったF15の訓練移転だが、外来機の訓練が絶えない実態が浮き彫りになった。嘉手納町議会基地対策特別委員会は「F15の訓練移転は自衛隊との共同訓練が目的。地元は負担軽減ではなく負担過重になっている」と指摘している。(23日)
●新基地断念を要請 名護市辺野古沿岸部への新基地建設に反対する決議・意見書を可決した沖縄県議会の代表は、外務省沖縄事務所や在日米軍沖縄調整事務所を訪ね、「新基地は過重な負担や固定化になり、周辺海域の環境破壊につながる」とした決議の趣旨を伝え、新基地建設計画断念を求めた。(24日)
●「沖合移動、暗黙の合意」 沖縄県の仲井真知事は定例記者会見で、米軍普天間飛行場移設の環境影響調査についての政府とのワーキングチーム(作業班)で沖合移設要求の取り扱いについて「沖合に移動させるよ、と(政府と)暗黙の了解があるから実務者で協議がスタートするんだと理解している。米政府にもある程度ボールを投げるというような了解をいただいたつもりだ」と述べ、7月18日の普天間移設措置協議会で沖合移動について政府の了解を得たことを明らかにした。(25日)
●米原潜寄港、年最多に 沖縄県基地対策課に入った連絡によると、うるま市勝連のホワイトビーチに米海軍原子力潜水艦ロサンゼルス級プロヴィデンスが寄港した。県が統計を取っている過去40年間で年間最多の25回に達した。第7艦隊報道部は取材に対し、米海軍横須賀基地(神奈川県)で行われている港湾工事が影響し、潜水艦部隊がホワイトビーチを含む他基地を使用していると回答、寄港増の理由の一つが明らかになった。(26日)
●空自那覇基地、給油機駐機場を整備 航空自衛隊小牧基地(愛知県)へ今年3月に初めて配備されたKC767空中給油輸送機の運用性向上を目的に、防衛省が、空自那覇基地と千歳基地(北海道)の既存駐機場を補強整備する予定であることが分かった。那覇基地では9月から測量などの調査を開始し、09年度末ごろまでに整備する予定。(28日)
●伊波・宜野湾市長の要請書、総司令部が拒否 米軍普天間飛行場の早期返還や危険性除去を要請するため米国ハワイ州を訪問した伊波・宜野湾市長は米太平洋軍総司令部のあるキャンプ・スミスを訪ねたが、要請書の受け取りを拒否された。04年の訪米では同司令部の戦務支援部長が対応し、要請書を直接手渡せたという(29日)
●米側、県外移設は「不可能」 沖縄県議会の野党5会派の代表が在日米国大使館、在日米軍司令部をそれぞれ訪れ、県議会で可決した名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する決議を手渡し、同建設計画の撤回を求めた。米側の担当者は「作戦上沖縄以外への移設は不可能」(司令部)、「海兵隊のグアム移転とパッケージ」(大使館)などと従来の否定的な姿勢を崩さなかった。(29日)
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週刊『前進』(2354号5面1)(2008/08/04 )
“ILWUに続け! 全米ゼネストを”
メーデー港湾封鎖の闘い全米に波及
労働者国際連帯闘争へ
港湾封鎖をしたILWUのメーデー集会(ワシントン州シアトル)
ILWU(国際港湾倉庫労組)は5月1日、西海岸の29の港をすべて止めた。イラクの港湾労働者はそれに連帯し、同日ストで応えた。侵略戦争という究極の分断を越えて、労働者が団結できることを示した世界史的な事態だ。この決起から3カ月、そのインパクトの巨大さが、今ますます明らかになっている。資本・国家権力の攻撃が集中する戦略的要衝である港湾で労働者が勝てたのだから、どこだって勝てる。そしてどんな分断も打ち破り、世界中の労働者が団結できるという確信が、あらゆる産業の労働者に広がっている。6月26日、AFSCME(アメリカ州・郡・市従業員連盟、140万人)に属するワシントン州職員の組合が、「ILWUに続け。イラク反戦、自治体攻撃・社会保障削減反対を掲げてAFSCME全米ゼネストを!」という決議を上げた。本部の統制の厳しさで有名なSEIU(サービス従業員国際組合)でさえ、公然と本部を打倒する闘いが巨大な規模で始まっている。
メーデーの「タブー」を打破
ILWUの西海岸封鎖のインパクトの巨大さを示しているのが、全米的な規模でのメーデーの復活だ。
06年5月1日の移民労働者1000万人の決起によってメーデー復活の突破口は切り開かれていたが、07年には、中南米系を主とする移民と他の労働者との間の分断は打ち破れず、労働者階級全体のメーデーは実現できなかった。だが、08年には、アメリカとイラクの労働者の国際的団結の日となり、同時に米国内でもあらゆる労働者の団結の日となった。
アメリカは、メーデー発祥の地だ。だが、これまで、世界中でアメリカだけ、メーデーのデモがほとんどなかったのは、次のような歴史による。
8時間労働制を求めた1886年5月1日のゼネストとデモは、激しい弾圧を受けた。スト中の労働者を警官が襲撃し虐殺した。ヘイマーケット事件では4名が絞首刑になり、1名が獄死した。これに既成指導部は屈服しメーデーをタブーとしてきたのだ。既成労働運動指導部は、メーデーのデモを、「過激派」「トラブルメーカー」として徹底的に抑圧してきた。
だが、この歴史的な重圧と闘ってきたからこそ、現在のアメリカでメーデーが「労働者の国際的団結の日」として、資本・権力の暴虐と闘う日として復活したのだ。タブーをぶち破り、労働者階級の自信を圧倒的に回復したのだ。
それはアメリカ労働運動の「常識」を破り、AFL−CIO(米労働総同盟産業別組合会議)の州組織のレベルでメーデーに参加するまでにいたっている。ワシントン州、バーモント州、サウスカロライナ州などのAFL−CIO連盟は、ILWUの港湾封鎖に賛同し、自分たちもメーデーに決起する決議を上げた。階級闘争の力関係が激変しているのだ。
最大労組SEIU内で反乱
ローカル10の職場の団結
サンフランシスコ港と隣のオークランド港は、ILWUの発祥の地であり、戦闘的・階級的伝統をもっとも良く引き継いでいる。そこの支部であるローカル10(現業)とローカル34(事務職)が、職場討議に基づいて昨年10月20日に反戦労組会議を主催した。
動労千葉やイギリスのRMT(鉄道・海運・運輸労組)、OEA(オークランド教組)、UTLA(ロサンゼルス統一教組)、サンフランシスコ労組評議会(地域のほとんどの労組が加盟)などが、この会議に参加し、「労働者の行動を通じた国際連帯が戦争を止められる」「労働者の力は職場生産点にある」ことが議論され、各参加者が職場に戻ってストを含む戦争反対の職場の闘いを組織化することを決議した。
ローカル10は、10・20決議に基づき2月のILWU港湾部会にメーデー港湾封鎖決議案を提出し、激論の末に可決された。
そして、港湾封鎖を実際に組織したのも、ILWU本部ではなくて、ローカル10の職場の団結の力だった。ローカル10執行委員であるジャック・ヘイマン氏とクラレンス・トーマス氏を共同議長とする港湾労働者メーデー組織化委員会が指導機関になった。
これが、資本と権力に屈して港湾封鎖行動の撤回を表明したILWU本部を正面から厳しく批判し、全支部の組合員を激励してメーデー決起を組織化していったのだ。
港湾労働者メーデー組織化委員会は、ILWUだけでなく、地域の多くの労組に共に決起することを呼びかけた。
また、動労千葉は、ILWUメーデー決起を支持する声明を真っ先に出し、世界的な支援陣形の形成を助けた。そして昨年の11月集会に参加したUTLAの働きかけで、CTA(カリフォルニア州教員組合)が根津さん解雇反対の決議をあげるとともに、ILWUメーデー港湾封鎖支持の決議もあげた。全米的な支援の波が作り出され、各地のILWU組合員は激励された。
動労千葉を軸とした11月集会の日米韓の国際連帯を築いていた労働者たちが、世界史的な闘いを実現したのだ。
(写真 UHW【西部統一医療労組】解体を策動するSEIU本部に6000人がピケ【7月14日 カリフォルニア】)
オークランド市職労の決起
こうした中で、「初めてのメーデー」が多くの労組で行われた。オークランド教組は、委員長がヘイマン氏らと共に記者会見し、ILWUとともに闘うことを呼びかけ、多くの教職員がデモに参加したり、「メーデー授業」を行った。
オークランド市職員の組合、SEIUローカル1021は、市の車両を市庁舎前に並べ、昼休み抗議集会を行った。
SEIUは組合員190万人の全米最大規模の労組だが、最も統制が厳しい組合でもある。本部の意向に少しでも反したローカル(支部)は、信託統治(事務所等すべての支部資産の接収、本部直轄でローカル運営)されたり、他ローカルとの合併を強いられる。
これまでのSEIU大会では、公然とした反対派はいなかった。
しかし、今年5月31日から始まったSEIU大会では、オークランドが本拠のSEIU−UHW(西部統一医療労組、16万人)が丸ごと反本部派の立場を取った。他の多くのローカルの代議員も反対派の姿勢を鮮明にした。オークランド市職のローカル1021の代議員も、会場前で、プエルトリコ教組(FMPR、4万人)のビラをまいて本部役員と激突した。
SEIU本部は、アメリカの植民地プエルトリコの当局とストで闘っている戦闘的なFMPRの組合員に対して、当局と結託し、巨額の資金と人を投じて、SEIU加盟の校長組合(御用組合)に入れと切り崩し攻勢をかけた。FMPRはSEIU大会の会場前でピケを張り、警察・警備員と対決しながら情宣活動をした。これに対して、本部の統制をうちやぶって、組合員が公然とFMPR側についたのだ。
SEIUは、徹底した統制によって労働者を抑え込んでいた限りで成り立っていたにすぎない。それに労働者が正面から対決したとたんに、SEIUは大崩壊を開始せざるをえない。
帝国主義の最後の支柱の破産
SEIU本部のスターン委員長は、SEIUの「改革」を掲げて登場した。従来のAFL−CIOやSEIUのやり方では、アメリカの労働者階級を支配できなくなったから、スターン執行部の改革が登場したのだ。
そして、既成労働運動の危機は、結局、05年のAFL−CIOの分裂にまで行き着いた。SEIUが中心になって、CTW(勝利のための変革連合)を結成したのだ。
だから、SEIUは、帝国主義の最後の支柱として登場した勢力である。アメリカの体制内労働運動の最後のよりどころなのだ。
ここでSEIU改革派がどのように登場したのかを見てみよう。
スターンがSEIU委員長として登場したのは、1996年。従来の労働運動は「男性的すぎ、白人的すぎ、停滞的すぎる」として、従来のSEIU幹部を次々に追放し、自分の側近で本部機関を固めた。そして組合幹部への女性や非白人の登用を進め、未組織の組織化を進めた。
だが、この「改革」は、日本の中曽根、小泉や民主党の「改革」と同じだった。女性や非白人登用は、女性や非白人の極少数のエリート層の育成と分断攻撃だった。それは、未組織の組織化の実態を見ればはっきりする。スターンは、「これまでの労働運動は、経営者と労働者の対立を前提にしていたからダメだった」として、「経営者とのパートナーシップ」をとなえる。そして、一般組合員の発言権を徹底的に抑え込み、とんでもない反労働者的な労働協約を結ぶことによって、経営者の賛同を得て組合を新規結成するのだ。労働者の力で組合を作るのではなくて、資本の力で組合を作るのがSEIUの路線なのだ。
たとえば、カリフォルニア州の介護労働者は、「介護現場で危険性を感じても、監督当局や外部にその情報を漏らさない」「労働基準について訴えない」という労働協約を押し付けられた。
そしてスターンは、大学などの労働運動研究機関やマスコミに巨額の資金援助をして、SEIUを「革新的な組合」として売り込む工作をやっている。
SEIU前委員長のスウィーニーは、AFL−CIO会長として、02年のベネズエラの米帝主導のクーデターを共同で準備した。スターンもスウィーニーと同様に、海外の労組への「援助」や「交流」を通じて、労働運動破壊をしているのだ。植民地プエルトリコの組合の切り崩し工作もその一環だ。こうしたことが今、すべて暴露され、弾劾され、本部打倒闘争の糧になっている。
労働者の闘いに国境はない
FMPRの組合員は、SEIU大会の会場前で「ルーチャ・オブレラ・ティエネ・シン・フロンテーラ」(労働者の闘いに国境はない)を合言葉にしてSEIU組合員に訴えた。植民地の労働者の側から、国境撤廃を掲げて団結を求めたのだ。
これにSEIU代議員が応えて決起した。
労働者階級は世界的な存在だ。新自由主義、グローバル化の中で、ますます労働者階級の世界性が、明確になっている。
「団結は、プロレタリアート自身の性格から世界的団結以外ではこれまたありえない」(『ドイツ・イデオロギー』現代文化研究所発行、135n)。
だから、侵略戦争さえ越えたILWUとイラク労働者の国際的団結が、米国内の団結を本物の団結として作り出しているといえる。SEIU−UHWの決起に対して、他の多くのローカルがそれと団結して、本部の抑圧と対決しているのだ。
世界の基軸帝国主義の体内からそれを食い破る闘いが力強く始まった。しかもそれは、日本、韓国の階級的労働運動と共同でかちとってきたものだ。この道を突き進もう。8・6、8・9反核国際連帯の闘いを貫徹し、11月労働者集会の1万人結集をかちとろう。
(村上和幸)
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週刊『前進』(2354号5面2)(2008/08/04 )
動労千葉を支援する会定期総会 支援する会を全国に
力ある“支援共闘会議”へ
動労千葉を支援する会の08年度定期総会が7月26日、DC会館で開かれた。各地の会員、動労千葉組合員など120人が集まった。4者・4団体路線のもとで「和解」の名による1047名解雇撤回闘争解体の危機が進む中、支援する会運動の飛躍をかけたきわめて重要な総会となった。
(”職場に支援する会をつくろう”新たな飛躍誓い団結ガンバロー【7月26日 DC会館】)
1047名闘争の解体許さない
運動方針案を提起した山本弘行事務局長は冒頭「今日一致したいのは、1047名解雇撤回闘争を担う支援する会に飛躍しよう――この一点につきる。あらゆる職場・地域に支援する会を組織し、支援する会が物質力をもった”1047名闘争支援共闘会議”へと今こそ生まれ変わる必要がある」と強調した。山本事務局長は、一年間の経過報告と総括、国鉄闘争をめぐる重大局面について提起した上で、@動労千葉支援・連帯の闘い、A11月集会1万人結集にむけた取り組み、B組織強化・拡大の3点にわたって具体的方針を提起した。そして「新たな1047名闘争・国鉄闘争を切り開く構えで、支援する会の全国展開をかちとろう。労働組合や職場丸ごとの組織化を追求していこう」と訴えた。
続いて動労千葉の田中康宏委員長が日頃の支援への感謝を表明した上で、08年前半戦の大きな到達地平、夏〜秋にむけた闘いの課題を全面的に明らかにした。
今こそゼネストが必要なときだ
この中で田中委員長は「時代は大きく変わり、本当に大きな可能性が見えてきている。労働者階級の未来を切り開きたい。そのためにもわれわれに”力”が必要だ」と熱を込めた。「怒りはすでに満ちあふれている。それを押しとどめているのは腐りきった体制内労組だ。ここにこだわり、彼らの支配を絶対に食い破ろう。生活防衛が巨大なテーマになっている。今こそゼネストが必要。来年の09春闘は大勝負になる。だからこそ11月集会には絶対に1万人結集をかちとることが必要」と述べ、「誰もがわくわくするような闘い、労働者階級の展望を指し示す集会として11月集会を語りきろう」と訴えた。
連帯あいさつとして、スタンダード・ヴァキューム石油自主労組の中村和憲さん、国労5・27臨大闘争弾圧被告であり鉄建公団訴訟原告の羽廣憲さん、全学連を代表して東北大学学生自治会委員長の石田真弓さんが熱いアピール。羽廣さんは「1047名闘争は国家の指名解雇との闘い。どこまでも解雇撤回の原則を貫くしかない。4者・4団体の内部から”絶対おかしい”と声をあげ屈服和解を粉砕する」と鮮明な決意を語った。
議案をめぐる討論では、動労千葉国際連帯委員会、葛飾区教組の米山良江さん、動労千葉銚子支部の渡辺靖正支部長、千葉合同労組の青年、自治体労働者が発言。職場での闘いの報告、会員拡大についての意見、11月労働者集会にむけた決意を述べた。渡辺支部長は、銚子市立総合病院の突然の廃院、職員全員解雇という大攻撃に対する地域の闘いを報告し、支援を要請した。
第1部は08年度の運営委員を選出して終了。
第2部懇親会では、ヨッシーとジュゴンの家のライブ、参加者からの発言が続く中、動労千葉組合員と会員が大いに杯を交わし、和気あいあいと交流を深めた。
総会の最後に、動労千葉組合員が前列に勢ぞろいして発言。さらなる平成採獲得、11月集会の先頭に立つ決意に盛大な拍手がわきおこった。
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週刊『前進』(2354号5面3)(2008/08/04 )
反戦反核東京集会 職場から核戦争阻止を
反核国際連帯の8・6〜8・9へ
7月27日、東京・杉並産業商工会館において、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会主催の「核戦争を職場からの決起で阻止しよう! 7・27反戦反核東京集会」が行われ、110人が参加した。
司会は杉並区議会議員の北島邦彦さん。冒頭、主催者代表のスタンダード・ヴァキューム石油自主労組委員長・入江史郎さんが、「核のない帝国主義支配はない。核政策の阻止とは、労働者を食わすこともできなくなった帝国主義を倒すことだ」と宣言した。
集会のメーンは反核パネル・ディスカッションだ。核問題研究情報センター代表の吉田義久さんによるコーディネートで、第五福竜丸元乗組員の大石又七さん、反戦被爆者の会・下田禮子さん、三浦半島教組の佐藤江都子さんがパネラーとして発言した。大石さんは、自らが被爆被災者となった1954年のビキニ事件(アメリカ帝国主義の海上水爆実験)が、日米政府の核政策に利用された事実を弾劾し、「9条を廃棄する改憲と戦争準備を絶対に阻止する運動を」と訴えた。
下田さんは15歳の時、8・6広島で被爆した経験をもとに、戦前の天皇制教育の恐さを指摘。現在、多くの教育労働者が職場で「日の丸・君が代」に反対し不起立を闘っていることをたたえ、「労働者が連帯することが大事だ」と訴えた。
これを受けて佐藤さんは職場での不起立闘争を報告、「体制内運動が愛国心教育を率先して行う寸前にあるが、希望は仲間の労働者だと手応えを感じる。人事評価制度による分断を打ち破って闘う」と決意を述べた。
吉田さんは「核超大国アメリカが貧困大国になった。核兵器は実戦で使われる寸前に来ている。核をなくすとは、労働者が団結して革命にむかうことだ」とまとめた。
特別報告で動労千葉特別執行委員の後藤俊哉さん、全金本山労組副委員長の長谷武志さんが発言。「職場でライフサイクル攻撃を阻止した闘いとサミット粉砕の渋谷デモは一つの闘いだった。いま本当に反戦運動をやっている労組は動労千葉とその仲間たちだけだ。職場で実力で闘う者こそが反戦闘争の先頭に立てる」(後藤)、「反戦と反核・反原発は一体だ。労働運動としてどう対応するか。30年間の門前闘争を貫いて勝利した労働者の誇りと生きざまこそが、その答えだ」(長谷)と語った。
とめよう戦争への道!百万人署名運動神奈川連絡会の篠田常木さんが核空母横須賀母港化阻止の闘いを報告し、「自分の職場で本気で反戦・反核闘争を闘うことが大事だ」と訴えた。相模原反核市民の会の西村眞さんは、6月の青森核サミット反対闘争について、「2000人を超えた闘争でサミットのサの字もない既成平和運動の中で、私たちだけが日本の核武装攻撃の実態を暴いて闘った」と報告した。
法政大弾圧をはね返して闘う学生が「獄中20人の仲間と連帯し、8・6広島デモで6・29渋谷を再現する」と決意表明。最後に統一実行委の三角忠代表が「G8核サミット粉砕闘争、横須賀核空母配備阻止の7・19闘争に続き、8・6広島〜8・9長崎で日本労働者階級の中から反核国際連帯をつくりだそう」と締めくくった。
(写真 反核パネルは、被爆体験にもとづく貴重な報告と教育現場での格闘がかみ合う討議に【7月27日】)
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週刊『前進』(2354号6面1)(2008/08/04 )
団結こそ勝利の女神要求をかちとったぞ 神奈川 藤沢正幸
一度現役を引退し生活の為にシルバーセンターに加入して低賃金(生活できない!)と最悪の労働条件の下で働いている労働者が急増している。私もその一人である。
シルバーセンターは高齢者の「生きがい」を目的としてうたっているが、実は少しでも安い労働力を供給しようとする資本家のための労働手配師だ。仕事は「軽労働」として派遣されるが、職場は「蟹工船」だ。
私の職場は機械部品の搬入・仕分け・発送の仕事だ。積み上げられたパレットの高さは身長の何倍もある。部品の重さは60`グラムを越すこともある。なにが「軽労働」だ!
職場には労働組合がないが、シルバー労働者20名は団結して決起した。この現実の中では団結して闘う以外にない。
@時給750円を50円賃上げせよ
A5年間越えても勤務させよ
B70歳越えても首にするな
C交通費を支給せよ
D勤務表を3カ月まとめて出せ
E仕事ができないと評価して首にするな
以上6項目を要求し、2回のスト宣言を行い、ADE項目の要求をかちとった。ストライキできる団結の勝利だ。
シルバーの労働者の決起に励まされた20歳の派遣労働者も1人で決起し、2度も賃金を上げた。シルバーも派遣も職員も一致団結して組合を結成するぞ。団結こそが勝利の女神だ。頑張るぞ。
動労千葉とス労自主共催で労組討論集会 愛知 岡田 正
「国鉄1047名闘争勝利! 安全問題と労働組合」を掲げた「7・13労働組合討論集会」が動労千葉とス労自主の共催で名古屋の工場地帯・堀田で行われました。
最初にス労自主の入江委員長から「1047名闘争に勝利するために6月から始まった各地域集会の一環として名古屋集会を設定しました。11月全国集会に向けた取り組みでもあります」とあいさつがありました。
メイン企画@「幕張事故闘争の教訓」、動労千葉の関執行委員からの報告は圧巻でした。06年4月に起きた幕張事故で、最も危険な構内にATS設置を怠った当局の責任を追及し、ストライキを構えて当該運転士の解雇攻撃をはね返した動労千葉の安全運転闘争の勝利として総括しました。
メイン企画Aはス労自主の田村書記長の「03年8・29名古屋油槽所工事労働者6名死亡火災事故の経験から」です。エクソンモービルが火災事故の責任を工事会社に転嫁していることを弾劾し、「毎日、仕事の内容を工事会社と確認していたエクソンモービルに責任がある。労働委員会で責任追及を行っている」と報告がありました。
ス労自主の上村副委員長の物販アピールをはさんで国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告の橘さんが特別報告。「国労本部は4者・4団体路線で1047名闘争を敗北に導こうとしている。5・27被告は旧弁護団を解任し、松崎被告との分離公判をかちとって、国労本部打倒・国労再生に向けた新たな闘いに決起する」
結集団体アピールは、東海合同労組、愛知労組交流センター、動労千葉物販支援の労組、三重労組交流センター、国労5・27弾圧を許さない会東海、とめよう戦争への道!百万人署名運動愛知連絡会、とめよう戦争への道!百万人署名運動岐阜連絡会。
最後に東海合同労組の青年労働者が団結ガンバローを行い、集会は盛況にかちとられました。
東海での1047名闘争勝利!第2次国鉄決戦が本集会から新たに始まりました。JRの青年労働者と結びつく階級的労働運動を白熱的に実践していきます。
7・20山陰で労働者交流会を開き団結! 島根・松江 北城晴也
7月20日、松江市内において「団結! 団結!
団結! 7・20山陰労働者交流会」が10人の結集で開催されました。
冒頭、08年前半の闘いの地平をDVD映像を見て、確認しました。司会を国労米子の鷲見貢さんが務め、交流会が始まりました。(写真上)
第1部は「第2次国鉄決戦勝利! 国労5・27裁判の新たな出発にあたって」と題して、国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告団長の富田益行さんからの提起が行われました。
旧弁護団解任問題、弁論分離問題、そして新たな裁判闘争方針について提起され、その中で、「9・15判決」に対するとらえ方、4者・4団体路線との対決の問題が旧弁護団・松崎被告の脱落の根底にあることが明らかになりました。
また、鉄建公団訴訟の裁判外での和解が裁判所より提起され、国労中央、国交相・冬柴が和解に向けて動き出したことを怒りをこめて報告しました。若干の質疑の後、「7被告の旧弁護団の解任を支持する決議」を採択しました。
第2部は、8・6ヒロシマ大行動の成功をかちとるために、討議資料の学習を、百万人署名運動山陰連絡会の事務局からの提起を受けて行いました。今年の8・6ヒロシマ大行動は10年目の節目にあたります。「世界の労働者・民衆の団結で核と戦争をなくそう!」をメインにかかげた労働者集会としてかちとることを確認しました。
事務局の仲間が自前の資料も準備して、熱の入った提起が行われ、山陰地区からも例年に増す参加をしようと訴えました。山陰の仲間の団結を固めあった1日でした。
7月31日、高栄運輸分会が48時間ストに突入! 東京西部ユニオン N
7月31日午前0時、東京西部ユニオン高栄運輸分会は、高栄運輸によるH組合員に対する不当な賃金差別と組合無視に抗議して全組合員が48時間ストライキに突入した!
高栄分会8人の組合員と西部ユニオンの仲間たち30人が、朝から会社前に陣取り門前闘争。「ストライキ決行中」の横断幕が掲げられ、「労働者をなめるな!」「会社は誠意ある話し合いに応じろ!」とシュプレヒコール。この後、社長宅に抗議文をたたきつけた。
高栄分会組合員は「会社と俺(おれ)たち労働者は相いれない。徹底して闘う」と晴れ晴れした表情で語っていた。
追悼―東京拘置所面会室の林歳徳さん 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告 十亀弘史
林歳徳さんは、東京拘置所に未決勾留されていた私に、2000年を前後して4度ほど面会に来て下さいました。季節はいろいろで、上着を着ていたり着ていなかったりされましたが、一番下にはいつでも、あの台湾の地図の描かれた鮮やかなティーシャツを着けておられました。色彩の乏しい独房からやってきて、面会室に入ったとたんに、林さんの笑顔と鮮烈な青が目に飛び込んできます。それだけで一気に気持ちが弾みました。
面会室での林さんのお話の内容は大きく三つありました。まず、日帝に対する怒りのほとばしり。時代は、侵略のど真ん中から今の今に至ります。それから、「僕もね、獄中にいたよ」と切り出される戦後の「自分史」の話題。もう一つは、私への激励です。
林さんの励ましは、「あのね」と言って、両腕で大きな円を描くところから始まります。面会室一杯の大きな円です。「あのね、これは中国の思想」と断られてから、本当に力強く次のように言って下さるのです。「運命なんていつも円を描いていて、いいことがあれば、悪いこともある。みんなつながってるんだ。だから今、獄中にいても、この先うんといいことがあるよ!」。その間、腕は、熱を込めて、2度も3度もぐるぐると回されます。
出獄後の折々にお会いした林さんは、当たり前だと言われてしまいますが、面会室でお会いした林さんとまったく同じ林さんでした。理不尽への怒りが深く、敵をまっすぐに強く憎み、いつでも真摯(しんし)で、迫力と貫き通す力に満ち、そして、本当に優しかったのです。
林歳徳さんに深い敬意と感謝を表します。さらに共に、林さん!
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週刊『前進』(2354号6面2)(2008/08/04 )
10・17法大弾圧 7・24逮捕に怒り爆発
留置場から内田君出廷 「11月で決着つける」
7月25日、07年10・17法大クラス討論弾圧裁判第9回公判が東京地裁(半田靖史裁判長)で開かれた。前日24日、被告人の内田晶理(てるまさ)君は、「法政大弾圧をぶっとばそう! 7・24全国集会」の参加過程で、法大構内への「建造物侵入」をデッチあげられ令状逮捕されたため、なんと留置場からの出廷となった。公安警察は、内田君が携帯していたこの日の裁判資料をすべて押収し、弁護士との裁判の打ち合わせさえも妨害する暴挙に出た。
これに対し公判冒頭、内田君は半田裁判長を徹底的に弾劾した。「令状を発行したのは裁判所ではないか! 裁判所が新たな弾圧に加担し、裁判も妨害している。絶対許せない!」
今回は内田君への弁護人尋問だ。10・17弾圧の本質が明らかとなった。06年3・14弾圧を境に、法大当局はむき出しの暴力支配へと転換する。内田君はこの現実に対して「全国大学の問題だ。全国の力で処分撤回をかちとろう」と一歩もひかずに法大で闘ってきた。法大生もキャンパス1000人集会や59クラスで処分撤回のストライキ決議をあげ反撃する。
内田君は「法大の現実は新自由主義・最末期帝国主義の攻撃だ。闘う労働組合のネットワークをつくろうと呼びかける11月集会こそ勝利の道だ」と07年11月集会への参加をクラス討論で訴えた。そこで10・17弾圧が起きたのだ。「『これで11月集会への参加が減ったな』『お前の家族が崩壊していくのは楽しみだ』と転向強要が一切だった」と公安警察による当時の取り調べ内容を暴露し、「11月集会への弾圧そのものだ」と10・17弾圧の本質を突いた。
主尋問も佳境に入る。内田君は10・17弾圧への激しい怒りを爆発させた。「11月集会を呼びかけ7カ月も勾留だ。こんなことがまかり通るはずがない! しかも公判・訴訟指揮そのものも政治弾圧だ。具体的事実を述べようとしても、裁判官は『範囲外』と発言をおさえつける。弾圧の意図を隠蔽(いんぺい)しているじゃないか」
半田裁判長は「本件と関係ない」と発言をさえぎろうとする。
だが、内田君はさらに憤慨し、「この2年で88人の逮捕。19人の起訴。4人の退学。停学2人。他にも処分や処分の恫喝。裁判官よ。この現実を見ろ! 政治弾圧そのものじゃないか! 地裁は検察・警察の言いなりだ。地裁も弾圧機関そのものだ。絶対許さない!」と追及。さらに、「獄内外団結し、ストライキで増田体制・裁判所をぶっとばす。07年11月集会弾圧に対して、08年11月1万人結集と星野奪還で決着を付ける」と7・24集会で準備していた発言を述べた。
傍聴席は満場の拍手で応える。7・24集会と一体で、内田君もこの2年間の法大弾圧への怒りを解き放った。7・24集会を傷つけようと弾圧してきた国家権力を完全に粉砕し、7・24集会の団結をますます拡大する裁判闘争をかちとったのだ。
公判の最後に、検察官は反対尋問を行ったが、内田君の完全黙秘の対応を前に、なすすべもなく早々に切り上げた。
次回公判は、8月27日、午後1時半開廷。東京地裁第429法廷だ。大結集しよう!
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週刊『前進』(2354号6面3)(2008/08/04 )
西郡住宅闘争支援 東京西部連絡会を結成
”労働者の課題”
7月29日、東京・杉並で西郡住宅闘争支援東京西部連絡会の結成集会がかちとられ、部落大衆・労働者が30人参加した。部落解放同盟全国連西郡支部副支部長で八尾北医療センター労働組合員の岡邨洋さんから西郡住宅闘争の話を聞き、連帯を強め、支援を誓った。
集会冒頭、司会の北島邦彦杉並区議が西郡住宅闘争支援を取り組むと同時に杉並丸ごと民営化と闘うことを表明した。
全国連杉並支部が西部連絡会結成の経過報告を行った。「6・29サミット粉砕闘争への西郡・品川・杉並3支部の登場、7・27全国連品川支部大会の成功をもって、体制内融和主義、体制内部落民主義を打ち破り、労働者階級自身の事業として帝国主義打倒・部落解放をかちとる新たな闘いが生まれ出た」と確認。同和・改良住宅への応能応益家賃制度導入による家賃大幅値上げに反対し、供託闘争(分納ではなく)を貫く西郡住宅闘争を支援する基金運動を拡大しようと訴えた。
岡邨さんは、八尾市当局による賃金の4分の1差し押さえ、住宅明け渡し命令の攻撃を受けたが、「応能応益家賃制度絶対反対」の立場を貫き、市役所前ハンスト闘争や裁判闘争などで果敢に反撃し、西郡だけでなく全国の労働者と団結を固め、不屈に闘っていると報告した。「西郡の住民は団結して闘うことに確信をもち、生き生きと闘っている」と述べ、団結を破壊する「分納」を闘争方針にして、西郡支部の破壊に乗り出してきた全国連本部を批判。11月労働者集会に結集する労働者・学生への厚い連帯と限りない信頼を表明し、住宅闘争支援を訴えた。
これに応えて西部連絡会4団体(西部労組交流センター、一般合同労組東京西部ユニオン、都政を革新する会、部落解放同盟全国連合会杉並支部)が労働者自身の課題として住宅闘争支援基金運動に取り組む決意を表明した。
参加者は集会をとおして西郡住民との絆(きずな)を強め、住宅闘争支援基金運動の拡大、狭山闘争、11月集会1万人結集へ闘う決意を固めた。
西郡住宅闘争支援基金運動への取り組みを宣言した東京西部連絡会結成集会(7月29日 杉並)
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週刊『前進』(2354号6面4)(2008/08/04 )
西郡住宅闘争支援基金と緊急1千万円カンパを!
◎西郡住宅闘争支援基金要項
◇明け渡し裁判や差し押さえ弾圧など、西郡住宅闘争支援基金の会員になって下さい。
●無職の方や西郡地域は1口100円から。仕事のある人は1口500円から。半年分か1年分をまとめて、地域や団体で会員分をまとめて納めていただけますようお願いします。
●送り先 郵便局の振替口座です。口座名「西郡住宅闘争支援基金」/口座番号00960−4−86671
●連絡先 八尾市桂町6−18−1 八尾北医療センター労働組合気付け「住宅闘争支援基金事務局」/電話072−991−6332/FAX072−991−6382
◇同時に、非常事態なので、緊急1千万円カンパを呼びかけています。温かいご支援を心からお願い申し上げます。
西郡住宅闘争支援基金事務局(部落解放同盟全国連合会西郡支部/八尾北命と健康を守る会/八尾北医療センター労組)
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週刊『前進』(2354号6面5)(2008/08/04 )
8・3革共同集会へのメッセージ
革命が唯一の未来、希望
星野文昭
獄中33年、デッチあげ無期攻撃と闘う無実の星野文昭同志の8・3東西革共同政治集会メッセージを掲載する。最高裁の7・14特別抗告棄却に怒りを燃やし、星野同志奪還へ総決起しよう。(編集局)
私たちは、60年、70年、一国社会主義によって未来を閉ざすスターリン主義の抑圧、制動をのりこえ、プロレタリア世界革命−人間解放をめざして、青年・学生の根底的・大衆的決起をかちとり、私たちのパトスに満ちた土台を築いた。
70年7・7によって、このプロレタリア世界革命を被抑圧民族プロレタリアート人民の闘いとの結合によって実現する闘いを開始し、それへの類例を見ない反革命=破防法・カクマル・星野無期との死闘に勝利しつつ、動労千葉、三里塚、沖縄などの闘いを推進してきた私たちは今、抑圧・差別からの解放をプロレタリア世界革命の実践から切断する誤りをのりこえ、プロレタリア世界革命によって全人間的な普遍的解放をかちとる闘いに、全存在をかけて着手している。その力を労働者階級がもち、その闘いを共に闘う全被抑圧人民がもっているという圧倒的な信頼をもって、あらゆる課題をその力を獲得するものとして、職場、地域、街頭で闘う、その闘いを、5・28−29、6・29をはじめ青年・学生を先頭に、根源的力を解き放ち、うなりをあげて開始している。
そこには、カクマルとの死闘をかちぬいて階級闘争を推進するという地平に立ちつつ、今日、帝国主義ブルジョアジーが、労働者人民がどれほど苦しもうと生きていけまいと自己が延命すればいいという末期的危機の中で、労働者と人民にプロレタリア世界革命を呼びかけ、その行動、決起を体制内的制動をうち破って全存在をかけて組織しなければならない時に、長い間なじんだ特殊・制約されたあり方を固定化し、そこに安住し、結局、自らを革命の反対物として腐敗させていくのか、それを自覚的にのりこえ、団結した労働者階級の自己解放・全人民解放の力でプロレタリア世界革命による人間解放をかちとる実践に踏み込み、そこに自らの志、自己解放・人間解放の希求、情熱のすべてを解き放つか、の分岐があるのだ。
前者は止めどない革命の反対物としての腐敗の道だ。後者にこそ、唯一の未来、希望がある。
すべての階級課題を闘う職場闘争委を闘い、地区党を形成し、ソビエトを形成していく、そこに未来、希望がある。
個々の解放を全体の解放と切断することは、根本に権力・現実への屈服があり、死だ。個々の解放を全体の解放に求め、すべてを解き放ち実践することに唯一の未来、希望がある。これらを自覚し闘えば、変革・飛躍することができるし、未来は我々のものだ。
こうした闘いを圧殺するために、無実の者に無期を強いる、再審を棄却する、こんなことがまかり通る余地など1ミリもない。それを、自らと全労働者人民の闘いの力ではっきりさせ、再審・釈放をかちとろう。
食べさせろ、生きさせろとストライキ、デモ、暴動にたちあがる全世界の労働者、人民と一つに闘おう。
(写真 19歳の星野文昭同志)
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☆星野文昭同志に激励の手紙を!
徳島県徳島市入田町大久200−1 星野文昭様
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週刊『前進』(2354号7面1)(2008/08/04 )
11月1万決起で世界革命へ
マル青労同・マル学同1千人組織建設で革命勝利の勝負をかけよう
「生きさせろ!」の賃上げゼネストを
6・29サミット粉砕渋谷大デモは労働者の団結を武器に8人の逮捕を跳ね返し、強固な5梯団のスクラムデモで機動隊を圧倒した。日本階級闘争の歴史を塗り替えた闘いだ
T 「日本に世界革命派あり」と宣言
権力奪取、共産主義への道は、はるか彼方の不確定の未来の問題ではなくて、日々の階級的実践のなかで準備されていく。マルクスは『共産党宣言』でこういう主旨のことを述べている。08年前半、世界中の労働者は生きるための闘いに立ち上がり、それは全世界を覆う巨大なエネルギーとなって、国際階級闘争の新局面を切り開きつつある。そして、ストライキ、ゼネスト、暴動に立ち上がる中で、自らの革命的能力を自覚し、社会の主人公としての自信を一挙に深め、さらに前進しようとしている。
今や世界金融大恐慌と悪性インフレの爆発過程が始まった。このただ中で、マルクスの『共産党宣言』は数億、数十億のプロレタリアートの武器になり、「万国のプロレタリア、団結せよ!」のアピールが世界にとどろいている。その最先端の職場生産点で、大学キャンパスで、階級的労働運動路線を白熱的に実践してきた日本階級闘争の大地から、サミット粉砕決戦が爆発した。5・28〜29法大決起と6・29渋谷大デモは、プロレタリア世界革命への戦闘宣言だった。
08年前半、青年労働者・学生54人の逮捕、17人の起訴攻撃を逆に革命的号砲として、階級的団結が豊かに発展した。新自由主義とその大破綻(はたん)の中で、階級的団結論が生きたマルクス主義として全面的に再生され、日本階級闘争を塗り替えた。青年労働者・学生の英雄的決起が、2000万の青年労働者、6000万の全労働者をわしづかみにする時代が到来した。08年11月1万人大結集への橋頭保ははっきりと築かれた。「全世界の労働者階級を代表して、獄中で闘う」と宣言している獄中の若き革命家たちの存在が、日本革命―世界革命の現実性を象徴している。
08年前半の日本階級闘争の到達地平に揺るぎない確信を持って、11月1万人大結集の実現へと突き進もう。
(1) 全世界にとどろき渡った6・29サミット決戦の爆発
08年前半決戦の総括として確認したいことの第一は、6・29を頂点にしてサミット粉砕決戦に大勝利し、階級的労働運動路線とプロレタリア世界革命への巨大な地平を押し開いたということである。
世界史的な革命情勢が炎のように燃え上がり、全世界を覆いつくしている。この中で、首都東京―日本におけるサミット粉砕決戦は、全世界のプロレタリアートと被抑圧民族プロレタリアート人民の注目と期待を一身に担っていた。それに対し、空前のサミット厳戒体制―デモ禁圧攻撃をうち破り、一丸となって進撃するスクラムデモ=団結の力がアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国など全世界に向け衝撃的にとどろきわたった。
6・29サミット粉砕労働者集会を呼びかけた動労千葉の田中康宏委員長は、「もう社会の隅々まで燃料は山積みになっている。これに火をつけ、団結をつくりあげることがわれわれの仕事だ」と、声を限りにアピールした。新自由主義攻撃の緒戦としての国鉄分割・民営化に対し世界で唯一、2波のストライキで闘い、団結を守り抜いた動労千葉がサミット粉砕決戦のまさに先頭に立った。
そして、職場生産点や大学キャンパスで非和解的な絶対反対の闘いを貫いてきた青年労働者・学生を先頭に、全参加者が世代をこえて一緒にスクラムを組み、怒とうの進撃で権力の圧制と暴力をズタズタに粉砕した。「革命と権力打倒を掲げたデモを身体を張って貫徹したことで生まれた団結と感動! 老若男女全員が傷つきながら、逮捕者を出しながら、眼鏡を破壊され、靴が脱げて裸足になっても、機動隊との激突の圧力で気絶しそうになりながらも、デモを貫徹したのです」(ワーカーズアクション実行委の提起)
6・29には、マルクス主義とレーニン革命論の神髄が凝縮されている動労千葉労働運動と階級的労働運動路線の威力が脈うっている。サミット粉砕決戦―6・29は、労働者の団結という、ただこの一点を武器に闘ったスクラムデモで、日本階級闘争の歴史を塗り替えた。6・29は、さらに7・6札幌現地闘争に受け継がれた。道内2万1千人のサミット厳戒体制をうち破って、札幌市内を席巻する戦闘的デモがうち抜かれたのだ。
サミット決戦を、階級的労働運動路線の白熱的実践の烈火の死闘の中で、階級的団結論で武装して、職場・生産点からの決起を基軸とし土台としてうち抜いたことで、11月への偉大な突破口はこじあけられたのだ。
6・29の血路開いた5・28〜29法大決戦
第二は、5・28〜29法大決戦が、サミット粉砕決戦の血路を切り開き、6・29に象徴される日本階級闘争の一挙的な革命的変化を生み出したということである。
5月29日、法大包囲第2波デモの当日、法大生を先頭にした全国の学生は、全面封鎖された校舎に実力で突入し、キャンパスデモに決起した。そして校舎の中心部で、国家権力と大学当局の襲撃に対して、内乱的・暴動的な闘いをたたきつけた。それは、監獄大学をうち破ろうとする若き革命家たちの命がけの渾身(こんしん)の決起だった。学生たちの壮絶な闘いの前に、大学は完全にストップした。最高のストライキがうち抜かれたのだ。
新自由主義大学の象徴・法政大において、06年3・14決起以来、88人の逮捕、19人の起訴、退学・停学処分の乱発、そのことごとくを革命的団結の糧に転じて闘い抜き、ついに戦後学生運動史上最強の革命家集団を生み出したのである。
95年の日経連のプロジェクト報告と時を同じくして、新自由主義大学というあり方がばっこしてきた。自治会、自治寮、学生会館、サークル、クラスなど、学生が団結する紐帯(ちゅうたい)のすべてを破壊し、最末期帝国主義の生き残りをかけて、1%という文字通り一握りのブルジョアエリートを育成する一方で、大学は労働力製造工場と化すにいたった。
しかし、06年3・14から08年5・28〜29へとのぼりつめた闘いは、「7・24法大弾圧ぶっとばせ!全国集会」の大成功をもって、全社会的大反撃にうってでた。そして法大3万学生を始めとして、未来を奪われた全国300万学生の根底からの怒りを解き放とうとしている。
マルクス主義と階級的団結論で自己を武装し、革命を豊かに宣伝・扇動し、組織する学生運動の威力が、300万学生のみならず、6000万労働者の魂をつかもうとしている。ついに、新自由主義攻撃をうち破る日本学生運動の革命的再興を、法大での2年余の死闘戦を通して戦取したのだ。
(2) 動労千葉が日本と世界の労働運動牽引する主軸に
第三は、動労千葉労働運動と階級的労働運動路線が、全世界の革命的情勢と結びつき、その牽引(けんいん)軸として登場したことである。
21世紀の初頭情勢において、世界金融大恐慌過程に国際プロレタリアートの闘いがかみ合い、歯車のように回転し始めた。日本では『蟹工船』ブームと青年労働者・学生の団結を求めてやまない決起とが結合を開始した。こうした革命的情勢の中で、革命の具体的綱領と現実的路線、それを実践する生きた組織こそが、何よりも希求されている。
1917年ロシア革命の前夜、レーニンは体制内派=日和見主義者との激しい党派闘争を闘いつつ、『帝国主義論』で、帝国主義は社会主義への「過渡的な」「死滅しつつある資本主義」であり、「プロレタリア革命の前夜」であると喝破した。帝国主義は革命後の社会建設の物質的条件を完全につくり出している。労働者がプロレタリア革命をやって権力をとる条件は成熟しきっているのだ。
レーニンはこうした最高の革命的扇動で労働者を革命へと組織した。08年前半戦で、レーニン革命論を継承した階級的労働運動路線の実践を、プロレタリア独裁実現に向け、職場生産点における階級的団結の形成として本格的に着手した。階級的労働運動路線に包含されている階級性と革命性が、サミット決戦を頂点にして開花しているのだ。
しかも今や情勢はレーニンの時代の比ではない。帝国主義の生産力は、共産主義社会建設の条件を完全に成熟させている。「労働運動の力で革命をやろう」「直ちに労働者に権力をよこせ」というイデオロギーと路線のもと職場支配権をうち立て、日本と全世界の労働者階級の勝利の現実性を開示してきたのは、まさに動労千葉労働運動である。
米ILWU(国際港湾倉庫労働組合)の5・1メーデーストとイラクの労働組合の連帯スト、大統領府まで手の届く100万デモやゼネストの先頭に立つ民主労総ソウル地域本部の闘いは、動労千葉労働運動との結合・団結の中から誕生した。そして動労千葉は、08年JR体制下で20年余の団結を守り抜いた地平と革命的激動の中で、奇跡的ともいえる組織拡大を実現した。
いよいよ動労千葉を軸とする階級的潮流が、日本労働運動の主軸として登場する情勢が到来した。第2次国鉄決戦を軸とする4大産別決戦と、医療福祉労働者委員会、合同・一般労組委員会の新たな建設と闘いは、青年労働者が屹立(きつりつ)することで、革命をめざす労働運動への跳躍を開始した。
(3) 7月テーゼの本格的実践が生み出した闘いの地平
第四は、07年7月テーゼが文字どおり階級闘争の大地に根づき、本格的な実践を開始し、偉大な前進を実現していることだ。とりわけ4〜5月入管闘争の階級的な発展と、西郡闘争を最先端とする部落解放闘争の苦闘と躍動にみちた革命的再確立の闘いである。
そもそも7・7思想とは、マルクス主義の革命的再確立によるプロレタリア世界革命論であり、資本主義・帝国主義の労働者階級への分断攻撃に対する、国際的階級的団結論である。7月テーゼこそ、この7・7思想を、マルクス主義・レーニン主義の思想として21世紀のプロレタリア世界革命の大発展の土台にすえきったのだ。
革命的情勢の急速な接近は、この階級的原則と実践をめぐって、党と階級にすさまじい実践的飛躍と決断を求める。またそれをめぐって、さらに動と反動の分岐を不可避とする。塩川一派こそ、この飛躍と実践を拒否し、そればかりかそうした日和見主義を合理化し開き直ることで、小ブル自由主義を満展開させた集団である。そして行きついたものが、革共同破壊、動労千葉破壊を唯一の目的とするイデオロギーと行動であり、その必然的帰結としてのマルクス主義の徹底的解体だ。
これとの分岐と激突は、革命的情勢の急接近のもとで、マルクス主義で武装して立ち向かう党と階級に、生き生きとした革命的歴史的生命力をそそぎこむ闘いへと転化する。それは今日、7・7思想の歴史的歪み、すなわち血債主義・糾弾主義を克服し、マルクス主義―共産主義を階級的労働運動路線として、革命的に確立し、実践していく闘いである。
4〜5月入管闘争の歴史的飛躍は、まさに血債主義・糾弾主義を克服し、階級的労働運動路線の発展の中に内在化した新たな入管闘争が、動労千葉との生きた国際連帯と結びつくことで、いかに巨大な階級的奔流をつくり出すかを実証した。この闘いは間違いなく、サミット決戦の国際階級闘争としての歴史的爆発をうみだす原動力にもなった。
部落解放闘争において、西郡闘争は、その対極にある「広島差別事件」の捏造(ねつぞう)をふみしだき、新自由主義のもとでの極限的な差別分断攻撃と対決する階級的団結論の豊かさを、その実践をもって示している。西郡闘争は、狭山闘争と両輪となって、階級的労働運動と固く団結する新たな部落解放闘争の階級的発展を切り開いている。
重要なのは、「党の革命」で打倒された与田による反マルクス主義の部落解放闘争論を根底的にのりこえる綱領的路線的再形成の核心において、部落差別が資本主義・帝国主義による〈階級分断攻撃>であることを、綱領的、転換的に明確化したことの意義である。それは、部落解放闘争を始めとする「諸戦線」の闘いを、階級的労働運動路線の中に生き生きと内在化させるものとなり、豊かな革命的実践を可能としているのである。
(4) 沖縄闘争と三里塚闘争の新たな発展を切り開く
第五は、階級的労働運動路線の白熱的実践と一つのものであり、帝国主義戦争を内乱に転化し革命に勝利する闘いの重要な柱として、沖縄闘争と三里塚闘争の新たな発展を切り開いていることである。
沖縄基地撤去と労働者階級の解放は完全に一体のものだ。沖縄と本土の労働者が分断を打破し、団結して立ち上がるならば、日米安保体制は根幹から吹き飛ぶ。07年9・29と今年の3・23県民大会の地平を発展させ、沖縄労働者階級の自己解放闘争をたぐり寄せるものこそ、動労千葉のような階級的労働運動だ。3・16―5・15沖縄闘争をもって、動労千葉派の労働運動が沖縄に登場した。あらゆる分断を打ち破り、沖縄―本土の労働者の不抜の団結をつくりだす闘いが始まっている。
こうした闘いこそ、日帝打倒に直結し、米帝の世界支配を危機にたたき込む闘いだ。沖縄は世界革命勝利への火薬庫である。
三里塚闘争は、日本革命の労農同盟の拠点であり、沖縄と並ぶ戦略的位置を持っている。040 43年間の三里塚闘争は、今も国策空港の完成を阻み続けている。そして今、日帝の「アジア・ゲートウェイ構想」と「航空自由化」政策をもってするアジア勢力圏化攻撃と対決して、暫定滑走路北延伸工事と「年間飛行回数の30万回化」「暫定滑走路の3500b化」を粉砕する闘いに決起している。
とりわけ、敷地内天神峰の市東孝雄さんに対する農地強奪攻撃こそ、新自由主義のもとでの農民圧殺攻撃の最先端であり、三里塚闘争破壊の画歴史的攻撃だ。反対同盟はこの攻撃と全力で対決して闘っている。日本の300万農民にとって、日帝を打倒し、革命に勝利する以外に生きていけない時代が到来している。三里塚闘争は、全国の農民の怒りのマグマを結集し、労農同盟を強化し、その壮大な爆発をかちとる決定的な闘いなのだ。
弾圧粉砕・裁判闘争の階級的飛躍を実現
第六は、階級闘争の革命的激動的発展が、獄中闘争と裁判闘争の新たな展開と階級的前進を押し開いているということだ。
獄中33年、不屈・非転向で闘う星野文昭同志に対し、7月14日に最高裁第6小法廷は特別抗告を棄却した。確定判決の中心部分が、再審弁護団の提出した新証拠によって崩されていることを認めながら、再審は棄却するという許しがたい暴挙だ。星野同志は「真実はわれわれの側にあります。われわれがめざすものの大きさを権力が圧殺しようとするのは無理です。われわれの正しさに確信をもち、力を数倍、数十倍にして、第2次再審で勝利しよう」と熱いアピールを発している。
08年前半の闘いの巨大な地平をふまえ、階級的労働運動の広大な発展と一体のものとして星野同志奪還へ総決起しよう。
1988年の千葉県収用委会長せん滅戦闘のデッチあげ弾圧裁判で、3月に水嶋秀樹同志の完全無罪確定の歴史的勝利をかちとったことは決定的だ。
さらに6月23日から開始された迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の差し戻し審に、司法権力の反動的あがきを粉砕して絶対に勝利しよう。
そして、今現在の階級的労働運動の爆発的前進のカギを握る国労5・27臨大闘争弾圧裁判と四つの法大裁判闘争が、階級的原則を貫き、革命をめざす裁判闘争として、新しい地平を切り開きつつ闘い抜かれている。
こうした裁判闘争は、完黙・非転向の不屈の前進と一体でかちとられている。2年余の法大決戦、とりわけ5・28〜29法大決起、6・29サミット決戦の全過程での100人の逮捕者全員が、完黙・非転向を貫いた地平は決定的だ。これを支えている弁護士戦線の広大な闘い、そして革共同中央救対の献身的決起と指導性の貫徹は、特筆されるべきことである。
今年2月の日弁連会長選挙において、「憲法と人権の日弁連をめざす会」代表の高山俊吉弁護士が、弁護士激増政策、裁判員制度、刑事司法改悪に反対し、改憲阻止を鮮明に掲げて43%を得票し、勝利まであと一歩という階級的地平が切り開かれたことは重大である。
6月13日に、「裁判員制度はいらない! 全国集会」が日比谷公会堂に1500人を結集して闘いとられた。司法改革を推進する日弁連執行部への怒りと弁護士攻撃に対する危機感が充満し、司法改革そのものを吹き飛ばす闘いが弁護士の広範な決起として開始されている。とりわけ「弁護士だってワーキングプア」という若手弁護士の怒りと決起は、青年労働者と学生の闘いと結合しながら、急速に拡大している。弾圧粉砕闘争、裁判闘争での新しい革命的地平は、階級的団結を求めて決起する弁護士の闘いと一体だ。
地区党建設の前進と職場闘争委員会設立
以上のような08年前半の画期的前進は、マルクス主義青年労働者同盟とマルクス主義学生同盟の1000人組織建設、産別委員会建設、地区党建設が全一体で推進されてきた中で実現された。とりわけ、地区党建設の新たな発展が、本格的な労働者党建設を求める<党の革命〉として始まった。地区党建設が<党・労働組合・ソビエト〉によるプロレタリア独裁権力をかちとる闘いとして、階級的労働運動路線の実践と一体で進行している。
この地区党建設と階級の指導部建設の闘いが職場闘争委員会を生み出した。そして労働学校が全国・全地区で一斉に開設された。マルクス主義を唯一の労働者の思想(=理論)として獲得すること。さらに生きたマルクス主義としての動労千葉に学ぶこと。労働学校は青年労働者獲得の宝庫だ。地区党建設と職場闘争委員会、労働学校が位置づき、豊かに発展することが、無数の労働者細胞建設、職場細胞建設を可能にするのだ。
08年前半の全過程をとおして、「革共同破壊に転落した塩川一派打倒し、階級的労働運動の白熱的実践かちとれ」(1・1アピール)の方針を貫き、プロレタリア世界革命、日本革命への偉大な前進を切り開いたことを、圧倒的に確認しよう。
動労千葉を先頭に「JR尼崎事故弾劾 4・26尼崎労働者集会」を闘った
U 革命的情勢が全世界的に成熟へ
11月労働者集会の1万人結集の実現に向かって、今まさに労働者階級が迎え撃ち、切り込もうとしている内外情勢の基調は、全世界的な革命情勢の成熟ということだ。
一方では、帝国主義の基本矛盾の全面的爆発として世界金融大恐慌が本格的に激化し、イラク・アフガニスタン侵略戦争がイランへの戦争拡大をはらみつつ危機的泥沼的に継続されている。他方では、最末期帝国主義の新自由主義による政治支配・階級支配が完全に破産し、全世界で労働者階級と人民のストライキや暴動が激発している。
「明日に確信を持っている」帝国主義はひとつもなく、あらゆる政府が「噴火山上」に生きている。
(1) 世界金融大恐慌への突入とインフレ爆発の重大性
何よりも世界金融大恐慌が現実に爆発しつつあることが、決定的に重要だ。資本主義・帝国主義はけっして永遠に続く体制ではない。金融大恐慌の爆発は、その歴史的命脈がすでに尽きていること、労働者階級は資本主義・帝国主義を打倒して革命(世界革命)をやれるのだということ、その可能性と現実性を確信できる重大情勢だ。
07年8月の「パリバ・ショック」をもってサブプライム危機が爆発し、世界金融大恐慌が現実化した。バブル経済の格好の手段としてサブプライムローン(住宅ローン)の証券化商品が世界経済に地雷原のように組み込まれてきたが、住宅バブルの破裂でその不良債権化が一気に進み、金融機関の損失と信用収縮が雪だるま式に拡大した。そして08年3月、ついにベアー・スターンズの破綻で基軸国・米帝の金融中枢が恐慌に突入した。
この間、ブルジョアジーは「金融不安は一段落」したかのように宣伝してきた。しかし現実には、住宅市場の崩壊も、損失拡大も、信用収縮も止まらず、危機の底はまったく見えていない。ゴールドマン・サックスなど米金融独占ブルジョアジー自身が、「10年まで住宅市場の回復は見込めない」「米銀の損失計上は09年1〜3月にピークを迎える」「信用収縮は09年まで長期化し、米銀は650億j規模の追加資本増強を迫られる」などとレポートせざるを得ないのが現実だ。
3〜5月期決算では米証券大手3社の一角、リーマン・ブラザーズが上場以来初の27億jという赤字を出し、60億jの緊急増資が必要になり、会社売却(吸収合併)説も浮上した。この「リーマン・ショック」は3月のベアー破綻の悪夢の再来だった。
金融大恐慌の本格化を示す重大事態の第一は、米大手銀行・証券9社の4〜6月期決算だ。これでシティグループが、新たに116億j(約1兆2400億円)の損失を出し、最終損益は25億jの赤字。メリルリンチも97億j(約1兆300億円)の追加損失により、最終損益は46億j以上の赤字。さらに大手銀ワコビアが最大の120億j(約1兆2700億円)という損失を計上した。これらはあくまで対外的に発表された数字で、実態はもっと巨大なはずである。住宅価格の下落が続く中で、米金融機関の損失拡大は「収束の兆し」がまったく見えていないのだ。
FRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長が7月8日、銀行・証券の大型破綻に備え公的な受け皿銀行(ブリッジバンク)の活用を可能とする法整備を訴えたことは、金融大恐慌の第二ラウンド突入に備えた「臨戦態勢」に入ったことを示している。現実にも7月11日には、「オルトA」で業績を拡大してきた米地銀・住宅ローン大手のインディマック・バンコープが破綻に追い込まれた。
さらにより決定的な重大事態の第二は、米住宅金融公社2社(ファニーメイとフレディマック)が、事実上の経営破綻に陥ったことだ。この民営化された半官半民の住宅公社が保有・保証する住宅ローン担保証券の合計は、実に米国債(約500兆円)を上回る約550兆円(5兆2000億j)で、米住宅ローン関連資産総額の半分に近い。これが住宅価格下落が止まらない中で経営危機に突入したのだ。両社の株が急落しただけでなく、7月11日のニューヨーク市場は株・ドル・債券の「トリプル安」に見舞われた。
米財務省は公的資金注入方針や「国有化」の検討を打ち出した。だが規模が余りに大き過ぎて「国有化」は不可能だ(政府自体が破綻する!)。またさらに重大なことは「米国債並みの信用」を売り物にした2社の米住宅公社債を、全世界の中央銀行や金融機関が総額160兆円(ポールソン財務長官)も保有していることだ。具体的な額は、07年6月末時点で最大保有国の中国が約40兆円、2番目の日本が24兆円に達する。
まさに2公社の破綻は、国際的な金融危機とドルの信認崩壊―ドル暴落へと転化し、昨年8月のサブプライム危機爆発に続く、世界金融大恐慌の新段階を意味するのだ。
住宅バブルは最末期帝国主義の新自由主義とグローバリズム、野放図な民営化と規制緩和がつくり出したもので、バブルの崩壊はその破産だ。そして今、金融大恐慌がアメリカを始め世界の労働者階級人民に強制しているものこそ、インフレとリストラの嵐だ。
インフレの爆発は人民の生活を痛撃している。特に原油・鉄鉱石・石炭や小麦・コメ・トウモロコシなど主要な食糧の価格は昨年以来、あるいはこの数年で2〜3倍となり、インフレ率は実に100〜200%だ。それがアフリカ、アジア、中南米などの労働者人民の生活をもろに破壊し、食糧暴動となっている。日本でも年初来、原油・食糧の暴騰が価格上昇に転化され、消費者物価指数は1・9%(08年6月)だが、ガソリンや灯油は20〜40%超、小麦などが原料の食料品や乳製品は軒並み20〜30%を超えるインフレだ。
この原油や食糧の暴騰をもたらしている元凶は、金融大恐慌下の投機マネーである。昨年来、FRBやECB(欧州中央銀行)は恐慌対策として数度にわたり巨額の資金投入を行い、金利も引き下げてきた。金融危機への帝国主義のカンフル注射が超低金利と増資だ。これでだぶついた資金が、ドル安の進行の中で、原油と食糧に投機マネーとして流れ込み、実際の需給と関係なく価格をつり上げている。原油の場合、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーといった名だたる投資銀行が、価格変動による利ざやを狙って価格騰貴を誘導し、膨大な利益をあげている。実際に需給関係からみた原油価格は1バーレル70j程度で、それを超えた上昇分はすべて投機なのだ。
リストラの嵐もすさまじい。金融大恐慌の震源地アメリカでは、金融、自動車、航空を始め、全産業で人員削減が強行され、GMなどビッグスリー(自動車)は、毎月のように工場閉鎖や追加リストラを発表している。金融大恐慌の深刻化は、実体経済の全面的な景気後退・大不況化を相互促進的に激化させ、インフレとリストラの嵐が、労働者階級人民の生活をいよいよ破壊していく。それは革命情勢をいよいよ成熟させるのだ。
(2) イラク・アフガン情勢とイラン情勢の戦争的緊迫
イラク・アフガニスタン―イラン情勢も、世界金融大恐慌の現実化とともに帝国主義の基本矛盾の爆発の発火点であり、国際帝国主義は米帝を先頭に相互の対立・争闘戦を激化させながら、侵略戦争―世界戦争への過程を破滅的に突き進んでいる。
イラク侵略戦争は完全に石油争奪戦だ。石油を支配するために米帝ブッシュはイラク戦争を強行し、フセイン政権を転覆した。この間、米英の大資本がイラクに食い込んで6カ所の油田改修の入札をとった。来春から開始される新油田開発についても、これに巨大石油資本が一斉に群がっている。石油が目的だから、米帝はいかに敗北・敗勢を深め泥沼化していても、イラクから絶対に撤退できない。マリキ政権を含めイラクの全勢力から占領軍は出ていってくれと言われても、絶対に撤退しないのだ。
現在、米帝は今年末で失効するイラク駐留のための国連安保理決議に代わる二つの協約案をシーア派主導のマリキ政権と協議中だが、その中身は、米軍と警備保障会社(傭兵部隊)の「治外法権」的な権利、恒久的な米軍基地建設と使用、領空の排他的使用権などであり、まさにイラクを半永久的に植民地化する内容だ。カイライのマリキ政権もこれをのむことなどできず、交渉はデッドロックにぶち当たっている。
こうした米帝の石油支配と植民地化攻撃に対し、ひとつはイラクの石油労働者が立ち上がっている。石油のために主権が奪われ、何十万人ものイラク人民が虐殺されていることへの怒りが噴出している。フセイン時代にも非合法で闘ってきた南部のバスラを中心とする石油労働者の決起が、今後のイラク情勢で重要な位置をもつことは間違いない。今年の5・1メーデーでILWUの港湾ストと連帯して決起したことは決定的だった。
他方、イラクの武装解放闘争は、アルカイダ的、部族的、サドル派など宗派的なものや、ファルージャの戦いのような全住民を組織したパルチザン戦争的なものなど、さまざまな系列の戦いがある。この6〜7月にはバグダッドを始め、アルカイダ系などの大規模な爆弾ゲリラ、自爆ゲリラが相次ぎ、米帝・治安部隊による掃討作戦の展開にもかかわらず、不屈の戦いの継続を示した。やはり米帝に対し現に武装闘争で決起していることをぬきに、イラク人民の闘いを語ることはできない。
イラクの武装解放闘争は、現在的にはさまざまな歪みを抱えているとしても、けっしてプロレタリアートの闘いと無縁ではなく、そのひとつの発現形態である。労働者は一方ではそうした武装闘争を戦い、他方では石油労働者のように階級を基本的なところから組織しようとしている。そういうものとして統一的にとらえていくことが必要だ。ファルージャのような部族の壁を越えたパルチザン的な武装解放闘争が発展していくことと、石油労働者などの闘いとが結合してこそ、米帝を追い詰めていくことを展望できるのだ。
さらにイラン情勢が緊迫している。この間の米英帝やイスラエルのさまざまな動きを見ると、この秋から米大統領選過程と年末にかけて、イスラエルによるイラン爆撃や米帝自身によるイラン侵略戦争の発動が、完全にありうる情勢なのだ。6月上旬にはイスラエルが東地中海で、100機以上の戦闘機を投入した大規模なイラン爆撃訓練を行った。またイスラエルのモファズ副首相兼運輸相(元参謀総長・国防相)が6月6日、「イランが核兵器開発を続ければわれわれは攻撃する」と公言していることも重大である。
イスラエルという存在の反革命的バネの大きさを見なければならない。米欧帝は何かあれば「イスラエルを守れ」となる。しかもイスラエルはものすごい危機だ。米帝もイラク・アフガニスタン情勢を反革命的に突破する必要に迫られている。北朝鮮へのこの間の米帝の融和的対応は、東西で同時に戦争が爆発することを避けることが基本にあるのだ。
(3) 福田政権の絶望的な危機
金融大恐慌の爆発と世界戦争への攻撃の激化という情勢下で、日帝・福田政権のどうしようもない「最弱の環」ぶり、末期的弱体ぶりがさらけ出されている。
小泉構造改革の「骨太方針Y」は2011年までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化するとして、社会保障費を5年間にわたって毎年2200億円削減し、公務員の大量首切りや公共投資の削減などを打ち出したが、恐慌と不況に直撃され、今や吹き飛んでいる。そして何よりも医療・福祉破壊の攻撃などに労働者人民の怒りが爆発し、「ねじれ国会」で政策は遂行不能となり、政権はさらに危機を深めた。日帝ブルジョアジーは司令塔を欠き、ボナパルティズム的体制の福田政権は漂流している。すべてが行きづまっている。
こうした中で日帝・福田がやろうとしていることは、一方で「骨太方針Y」の反革命的骨格は継続し、医療・福祉の切り捨てや公務員を200万人規模で削減する攻撃を貫き、消費税も大増税することであり、他方では宇宙基本法制定や派兵恒久法の策動が示すように、米欧帝国主義に伍(ご)して、外への侵略戦争に突き進むことだ。こうした点での福田の反労働者性・反革命性は、小泉・安倍と同様まったく許し難いものである。
これだけ危機と反動を極める福田政権を支えているのは、民主党などの野党と連合・全労連などの体制内労働運動の腐敗・堕落だ。彼らは2000万青年労働者などの根底からの怒りを抑圧し、階級的労働運動に全面的に敵対している。民主党や連合は福田を打倒すること自身に恐怖し、グラグラのブルジョア政権を支えている。
11月労働者集会に向け、階級的労働運動が今こそ「福田政権打倒!」を真っ向から掲げて総決起する時だ。
(4) 全世界でスト・暴動が爆発
「世界は革命情勢」という場合、今ひとつ決定的なことは、新自由主義攻撃の破産の中で、帝国主義国でも新植民地体制諸国でも、ストや暴動が激発していることだ。
帝国主義がこれだけバブル経済を継続して延命してきたのにインフレにならなかったのは、中国や旧スターリン主義圏の東欧が資本主義にのみ込まれ、その超低賃金労働力を帝国主義が搾取してきたことが背景にあった。しかし帝国主義国の10分の1、20分の1という低賃金にもう我慢ならないという怒りが爆発し、中国でも東欧でも賃上げ闘争が起き、実際に2桁(ふたけた)の要求をかちとっている。中国では今年1月から施行の「新労働契約法」をも武器に、どんどん労働争議が爆発している。上海では07年の第1四半期に6000件であったものが、08年第1四半期には1万2000件と倍増している。
今や経済大国化した中国で、この労働者のストの激発に、全土での農民の暴動やチベット・ウィグルでの民族的反乱が結合して、残存スターリン主義・中国における「第二革命」のような大動乱に発展する情勢が現実化しているのだ。東欧でもチェコやルーマニアなどで、本格的なストライキが起きている。
帝国主義国でも、ドイツの機関士労組や公共サービス労組の大ストライキ、フランスのサルコジ改革と激突する公務員労組、公共企業労働者、学生・高校生などの闘い、イギリスの郵便労働者や教育労働者のストなど、EU帝国主義を揺るがす闘いが爆発している。どこでも大幅賃上げが要求の軸であり、特にドイツでは「ストライキ共和国」と言われるほどストの波が全国を覆い、あのドイツ労働者が再び歴史の前線に登場してきている。
さらにアフリカなどの食糧暴動や、原油暴騰に痛撃される漁民たちが、ヨーロッパや日本で大規模な休漁ストに立ち上がっていることも、新自由主義への歴史的反乱だ。
こうした全世界的なストや暴動の最先頭に、動労千葉を軸とした日韓米3国連帯の闘いがあり、5・1メーデーでのILWUのストとイラク労働者の連帯決起、そして韓国・民主労総の7・2ゼネストなどの闘いがある。11月労働者集会がいよいよ決定的となってきているのだ。
V 階級的労働運動と重要な路線問題
(1) 階級的団結論とマルクス主義復権の決定的な意義
世界が革命情勢であるということは、社会の真の主人公である労働者が、資本家階級の支配を転覆し、全権力をその手に握る世界革命の時代が、再び来たことを意味する。
「労働運動の力で革命をやろう」という階級的労働運動路線は、まさにこの革命の時代の到来に真っ向から応える唯一無二の路線だ。それは革命への最短距離である。労働者階級の日々の闘いの中からプロレタリア権力の実体を主体的・戦略的・現実的に準備し、育て上げることをとおして、プロレタリアートによる権力奪取への道を真一文字に切り開いていくものが階級的労働運動路線である。
それは、プロレタリア革命の主体である労働者階級の本質的な革命性をとことん信頼し、そこに一切を依拠して革命をやりぬく路線だ。すべての体制内的な思想と決別し、職場生産点を軸に資本・権力・当局との絶対非和解の闘いを徹底的に貫いて、そこに形成される階級的団結とその拡大を一切の土台にすえて闘う。そして労働者階級による職場生産点の支配をテコに、帝国主義のもたらすあらゆる搾取・収奪・抑圧と闘うすべての諸階級・諸階層の人民をも労働者階級のもとに総結集して闘う。そういう路線だ。
それは、労働者階級自己解放の思想としてのマルクス主義の完全な復権である。ロシア革命を変質させたスターリン主義によるマルクス主義・レーニン主義の歪曲を最終的にのりこえて、労働者階級の自己解放闘争の中にこそ全世界を変革する力があり、全人間の普遍的解放への道があるというマルクス主義の核心中の核心を、21世紀の現代に実践的によみがえらせる革命的路線である。
階級的労働運動路線は、動労千葉労働運動の長期にわたる不屈の闘いが切り開いてきた地平に学び、さらに今日の青年労働者の、現体制の根底的変革を求める魂の叫びと結合する中でつかみとられたものである。その核心は、絶対反対論と階級的団結論の確立と、その実践にある。
第一に、労働者は資本と絶対非和解であり、労働者階級は救済の対象ではなく、この資本主義社会を転覆する革命の主体である。このことを徹底的に明確にして闘うことだ。
今日の新自由主義とその破綻は、この社会が労働者階級に対する残酷きわまりない賃金奴隷制の上に成り立っていることを、あらゆるベールを取り払って赤裸々に示している。労働者は人間ではなく使い捨てのモノとして扱われ、すさまじい搾取と強収奪によって最低限の生存すら困難な状態にどんどん追いやられている。とりわけ青年労働者をとりまく状況は、現代の「蟹工船」そのものだ。労働者階級は、この資本の搾取と日々全力で闘わなければ生きられない。
これまで労働者は、帝国主義とそれに屈服した体制内勢力の流す虚偽のイデオロギーのもとで、資本のもとへの富の蓄積が増大すれば自分たちの生活も少しは良くなるかのように思い込まされてきた。だがそんな幻想は今や完全に消し飛んだ。賃金奴隷の鎖を実力で引きちぎる以外に、労働者階級の未来はない。そして労働者階級は実は、団結して闘うことによってこの革命をやりぬける力を持っている。そして自らを解放するだけでなく、階級対立と階級そのものの存立条件を廃絶し、人間の普遍的解放を実現していくのだ。
資本・権力との絶対非和解を貫き、一人ひとりの労働者が本来持っている階級的な自己解放の力を徹底的に解き放って闘うこと。ここに階級的労働運動路線の神髄がある。08年前半の闘いの前進は、それを文字どおり実践することによって切り開かれたのだ。
第二に、あらゆる分断支配を打ち破り、労働者が団結を拡大し、自己を階級として組織すること、この中に一切がある。団結とその拡大にすべてをかけきって闘うことだ。
帝国主義の支配はそもそも、労働者階級を幾重にも分断し、バラバラにして互いに競争させ、階級としての団結をとことん破壊することで成り立っている。新自由主義はそれを極限まで推し進めた。だがそのことは逆に、そこがブルジョア支配の致命的な弱点になっており、まさに「団結すれば勝てる」ことを意味している。法政大での闘いや6・29渋谷のように、全員が逮捕・処分覚悟の団結をもって決起した時、敵権力のどんな分断攻撃も、暴力支配も一瞬にして無力化する。逆に階級の無限のエネルギーが解き放たれる。
「労働者が団結すれば社会を変えられる」。この確信が労働者をひとたびとらえた時、ものすごい力が一人ひとりの労働者の中に湧き起こってくるのだ。団結それ自身が新たな団結の拡大を求め、新たな革命的行動を求めてやまないプロセスが始まるのだ。
労働者階級にとって団結とは、資本家階級に対抗して資本との日常的ゲリラ戦を闘いぬくための不可欠の手段だ。しかし、そこにとどまるものではけっしてない。資本・権力との非和解の激突をとおして形成される「仲間を絶対に裏切らない」という本物の階級的団結は、それ自身が資本の支配を実際にぶち破り、人間的共同性を実力で奪い返していく闘いの決定的な拠点を築くのだ。職場生産点におけるこの団結の組織化につぐ組織化、徹底的な拡大、そして地域・産別・国境をこえた発展こそがプロレタリア権力への道を現実に準備し、世界革命をたぐり寄せるのだ。
第三に、一切の体制内的な思想と運動の壁を根底から突き破って闘うことである。
今や、すべての労働者が「こんな世の中はもう我慢できない」と感じ、体制変革を心の底から求めている。にもかかわらず、旧態依然とした支配体制がなおも続いている原因はただひとつだ。民主党・社民党や連合の労働貴族、日本共産党スターリン主義を始めとしたあらゆる体制内勢力が、帝国主義の「最後の防波堤」となって労働者階級の決起を抑え込むことに全力を挙げているからだ。
プロレタリア革命に恐怖して現体制にしがみつくこれらの勢力はすべて、資本主義を永遠に続くものと美化し、資本家階級との融和を説き、あるいは労働者階級には何の力もないかのように思わせてきた。それらは支配階級の思想そのものだ。「会社がつぶれれば労働者も終わりだ」「国が滅んでいいのか」が彼らの殺し文句だ。これに対し「こんな国や会社などつぶして当然」という立場に立ち切って団結を組織した時、労働者階級の反乱を抑え込んできた堤防は完全に決壊する。
第四に、団結した労働者が革命的行動にうって出ること、体制内政党に代わる本物の労働者階級の党をつくりだし、労働組合を革命への団結体に変え、闘いの中で階級の指導部へと自己を形成すること、そして職場支配権を資本の手から奪い取り、自らの職場と地域を革命の拠点に変えて闘うこと――これらのことをとおして、敵階級との最後の決着をつける一斉武装蜂起とプロレタリア独裁権力樹立への道を現実に切り開いていくことだ。
革命とは、労働者階級がその意思を団結した力をもって全社会に刻印し、強制する行為である。今日の支配階級であるブルジョアジーは、自らの意思をあらゆる暴力装置をもって他の全階級に押し付けている。これを転覆し、労働者階級が支配階級となって全社会を再組織するのが革命だ。プロレタリア革命が本質的に暴力革命であるというのは、搾取階級の抵抗を粉砕するためだけではない。旧社会の解体と階級社会の最終的な廃絶=共産主義社会の建設は、プロレタリアートの独裁とそのもとでの解放的で革命的な手段と闘いをとおしてしか達成できないからである。
「団結の究極の拡大が革命」とは、このプロレタリア独裁の樹立にほかならない。まさに、そこへ向かっての団結を組織し、組織し、組織しぬく中に一切があるのだ。この道を断固として、確信を持って突き進もう。
(2) 〈労農同盟論〉の今日的な革命的再確立のために
階級的労働運動路線の白熱的実践をさらに闘いとっていくために、7月テーゼの一層の深化発展をかちとらなければならない。ここで決定的に必要なのが、労農同盟論の革命的再確立と国際連帯論の深化である。
とりわけ労農同盟の新たな発展を切り開くことは、21世紀の革命にとってきわめて重要な位置を持っている。1917年ロシア革命の勝利を切り開いたレーニンとボルシェビキ党は、その勝利を実現する上で、労働者階級による職場生産点の支配とともに、労働者階級と農民の同盟をプロレタリア革命の成否を決する重要な階級的基礎として提起した。今日、最末期帝国主義の新自由主義攻撃とその総破産のもとで、この問題はむしろレーニンの時代以上に決定的なものとなりつつある。
(1)何よりも、資本主義・帝国主義は農業・農民問題をけっして解決できないことが、今日の現実の中であらためて衝撃的に突き出されていることである。
今日、世界金融大恐慌のもとでの急激なインフレの爆発は、都市の労働者階級を耐えがたい生活苦にたたき込んでいるだけではない。農民や漁民にもこのままでは農業や漁業自体が成り立たないという大変な危機として襲いかかっている。全世界で、労働者のストライキと並んで食糧暴動や農民や漁民の決起が続々と起きている。最末期帝国主義の新自由主義とその破産が食糧危機の爆発をもたらすと同時に、他方で農業を破壊し、膨大な農民を破産にたたき込もうとしている。
そもそも資本主義は、その歴史的発展の内部において農業・農民問題を根本的に解決できない。帝国主義段階への突入はそのことを明確にした。すなわち、帝国主義のもとでは土地問題のブルジョア革命的解決はもはや不可能と化し、逆に農業と農民への金融資本による収奪が限りなく強められ、農村は労働者階級と農民全体の貧困化を推し進めるための潜在的過剰人口のプールと化した。
第2次大戦後の帝国主義は、プロレタリア革命圧殺のために労働者と農民を分断し、国独資政策のもとで農民への一定の「保護政策」を打ち出すことで支配の安定を図ろうとした。だがそれが完全に行き詰まる中で強行された新自由主義への転換は、帝国主義の矛盾の一切を農民に押し付け、農業と農村を徹底的に破壊しつくすものとなっていった。とりわけ日帝がこの間やってきたこと、やろうとしていることは、実に恐るべきことだ。
FTA(自由貿易協定)・EPA(経済連携協定)の締結を水路とした日帝によるアジア勢力圏化や道州制導入の攻撃は、金融資本・独占資本の利害のために日本の農業と農村を根底的に破壊し、農業・農民を抹殺していく攻撃である。小経営では成り立たない状態を強制して、耕作地放棄に追い込まれる農民を大資本が徹底的に食い物にする。他方で中国やアジアの農村から食糧を略奪する構造をつくっていく。さらに大都市圏と地方(農村)を対立させ、地方の過疎地化を促進して住民丸ごと棄民化する。日帝ブルジョアジーは今やこれを、自らの延命をかけてとことん推し進めようとしている。
今や日本の農民は、生きるためには労働者階級と連帯して、ともに帝国主義を打倒しプロレタリア革命を実現する闘いに立ち上がる以外にないところにきている。これは全世界的にも同じだ。世界革命をめざすプロレタリアートへの巨大な援軍が、全世界的な農民・漁民の大反乱として登場してきている。
(2)このことは、労働者階級とその党に重大な歴史的任務と責任を提起する。すなわち、労働者階級は、資本主義・帝国主義がもたらした一切の社会的諸矛盾の根本的な解決をかけて、プロレタリア革命の完遂に本当に責任をとりきらなくてはならない。ここに、労働者階級自身の解放だけでなく、農民を始めすべての勤労諸階級人民の生活と未来の一切が、全人民の解放が、掛け値なしにかかっているということである。
そのためにもプロレタリアートは、決起した農民を帝国主義の打倒と新社会の建設をともに担う主体として、プロレタリア革命の戦略的な同盟軍として獲得し、ともに闘うために全力を挙げる義務を負うのだ。この労農同盟は、資本家階級の打倒のために不可欠であるだけでなく、革命後の共同社会のもとでの農業・農民問題の究極的な解決、労働者と農民の新たな関係の創出、都市と農村の対立の最終的な止揚などを闘いとっていくためにも不可欠なのである。
(3)三里塚闘争は、まさにこの労農連帯・労農同盟をその43年間の不屈の闘いをとおして、日本階級闘争の中に不動の柱として打ち立ててきた。日本の農民が今、日帝への新たな総反乱を開始しようとする時、その中心に立つのは何よりも三里塚だ。
三里塚反対同盟の農民が、成田軍事空港の建設という日本帝国主義の第一級の国策と真っ向から激突して闘い、空港の完成を半世紀近くにもわたって阻み続けてきたことは、人民の反戦・反権力、反帝国主義の闘いの金字塔である。それは何よりも、敷地内を始め反対同盟農民の全人生をかけ、農民魂をかけた不撓(ふとう)不屈の決起によって切り開かれてきた。
と同時に、三里塚現地での激戦激闘をわが革共同を始めとする全国の労働者や学生が反対同盟とともに文字どおり血を流し、生死をともにして闘う中で築き上げてきた、労農学の〈血盟>によって支えられている。そしてこの血盟の軸となっているのが反対同盟と動労千葉との労農連帯だ。この血盟はどんなことがあっても守られなければならない。
とりわけ動労千葉が1977年から81年にかけ、成田空港へのジェット燃料貨車輸送阻止闘争を4人の解雇者を出しながらも決然と闘いぬいたことは、歴史的で決定的意義を持っていた。帝国主義打倒の革命に向けた労農同盟の不抜の柱、その原型がここにあった。
労農同盟の発展は、7月テーゼの実践の最重要の柱のひとつである。階級的労働運動と三里塚闘争のさらなる発展をかけて、全力でその新たな力強い前進を切り開こう。
(3) 労働者の国境越えた団結
プロレタリア革命は本質的に世界革命である。新自由主義攻撃との対決は、これを現実に闘いとる諸条件を今や圧倒的に成熟させた。今日、全世界に広がるストライキの波は、帝国主義国でも新植民地主義体制諸国でも、労働者階級が「生きさせろ!」という同じ要求を掲げ、同じ敵に向かってまったく新たな決起を開始したことを示している。それは、既存の体制内運動の枠を下から突き破る階級本来の荒々しい決起としてますます発展しつつある。
重要なことはこの闘いが、帝国主義による抑圧民族と被抑圧民族への世界の分断を根底から打ち破る、プロレタリアートの国際的団結回復への巨大な突破口となっていることだ。
労働者階級は国際的に単一の階級であり、帝国主義による民族分断と民族抑圧は、労働者階級の国際的団結を解体することにその最大の核心がある。労働者階級への不信を組織する血債主義・糾弾主義ではなく、「万国の労働者、団結せよ!」という『共産党宣言』の言葉を文字どおり実践することこそが、この分断を打ち破ることを可能にする。このことをはっきりさせたのが7月テーゼだ。5・1メーデーでの米・イラク労働者の国際連帯はその正しさを実証した。
帝国主義国内に広がる移民労働者の存在と闘いは、「世界の労働者はひとつ」の団結をつくりだす上で決定的な位置を持っている。滞日・在日の労働者人民との団結形成を、この立場から真剣にやりぬくことが重要だ。
さらに、危機に立つ帝国主義がくりだす国益主義や排外主義の扇動に対し、“敵が労働者階級の間に国境による分断のくさびを打ち込もうとするならば、われわれ労働者は国境を廃止する!”と宣言して闘おう。独島問題で動労千葉が発した日韓労働者の連帯を呼びかける声明は、その最先頭に立つものだ。
イラク人民の武装解放闘争を始めとする民族解放・革命戦争をも、被抑圧民族プロレタリアートの闘いのひとつの発現形態としてとらえ返し、その階級的発展をプロレタリア世界革命の内側に包摂し、連帯して闘うことが重要だ。7月テーゼの深化を実践的にかちとる闘いとして、日韓米3国連帯を先頭に国際連帯闘争の圧倒的発展を切り開こう。
(写真 民主労総・金属労組現代自動車支部は7・2ゼネストで生産ラインを止めた)
(4) 「現代のカウツキー」=塩川一派を革命的に打倒せよ!
最末期帝国主義の未曽有の危機の爆発、革命的情勢の急接近は、これに革命を本気で対置して闘うのか否かをめぐって、これまでのあらゆる党派や運動を容赦なくふるいにかけている。昨日まで帝国主義の攻撃との「対決」を口先では掲げてきた者が、今日はまったく別のものに変質していることがいたるところで起こっている。
かつて、第1次大戦時に、当時のドイツ社会民主党を始めとした第2インターナショナルの指導部は、「戦争反対」をいとも簡単に投げ捨てて祖国防衛主義・社会排外主義に転落するという大裏切りに走った。今日起きていることもこれと同じだ。帝国主義の危機が世界金融大恐慌として爆発し、市場と資源と勢力圏をめぐる争闘戦がすさまじい勢いで激化する中で、あらゆる体制内勢力が日帝ブルジョアジーのもとに結集し、「労使は運命共同体」などとかつての産業報国会のスローガンを叫び始めている。
だが労働者階級は、こんな流れに丸ごと流されるような存在ではない。体制内指導部による労働者支配は、職場に「動労千葉派」が一人でもいて激突を恐れず真っ向から反乱を開始すれば、その瞬間にガタガタになる。階級的労働運動路線の実践が労働運動の内部に体制内派によるむきだしの敵対を呼び起こしていることは、動労千葉派=革命派の団結を拡大していく決定的チャンスだ。いま始まった革命情勢下の一大党派闘争を全力で闘い、勝ちぬき、今や帝国主義の完全な手先に転落したあらゆる体制内派を打倒して、革命をたぐり寄せていこう。
ここにおいて、最も悪質な体制内派、現代のカウツキーとして登場してきたのが塩川一派だ。階級的労働運動路線と7月テーゼに対する塩川一派の憎悪と敵対の本質は、帝国主義の危機と内乱・革命の現実性への恐怖である。それを象徴的に示すものが、動労千葉労働運動への公然たる敵対と、青年労働者・学生の決起に対する許せない罵倒(ばとう)と嘲笑(しょうちょう)だ。
ロシア革命に敵対したカウツキーは、社会排外主義に転落した第2インターナショナル指導部との断固たる決別と非妥協的闘争を呼びかけたレーニンに反対し、逆に彼らとの「融和・統合」を主張した。またプロレタリア独裁に対し「独裁ではなく民主主義」を掲げて最も頑強に反対した。カウツキーが実際に果たした役割は、ドイツ革命の指導部であったローザ・ルクセンブルグとカール・リープクネヒトの虐殺に手を貸し、ドイツ革命を圧殺し、帝国主義と一体となってロシア革命の世界革命への発展を阻止することだった。
現代の塩川一派がやっていることは、このカウツキーとまったく同じだ。階級的労働運動路線が「体制内との決別」を掲げ、職場で実際に資本や体制内労働運動との非和解の激突を開始することに、彼らは猛然と反対する。逆にあらゆる勢力を総結集した「広範な闘争陣形」の構築をなどと主張する。
だがこれは、要するに日教組本部や自治労本部への批判はするな、体制内指導部と闘うな、国鉄1047名闘争での4者・4団体路線を認めよ、ということだ。階級的原則を投げ捨てて、帝国主義との妥協や取引に走る連中の軍門に下れということだ。帝国主義と非妥協的に闘うためではなく、労働者の革命的決起を圧殺するための「統一戦線」の主張なのだ。彼らは今や4者・4団体路線を公然と賛美するところまで行き着いている。
最も悪質なのは、塩川一派が労働運動と革命運動の間に万里の長城を設けていることだ。塩川一派は、動労千葉の闘いを「普通の労働組合にはできない」と言って、動労千葉から学ぶことを拒否し続けてきた。彼らにとって労働組合とは、労働者の改良的諸要求の実現のために資本と交渉する組織でしかなく、あくまで体制の枠内にとどまるべき存在でしかない。資本・当局との妥協は当然、非和解の闘いなど最初からありえないのだ。
そもそも塩川一派は、プロレタリア革命は労働者階級自身の事業であることを口では認めるが、実際には「普通の労働者」に革命をやる力があるとはまったく思っていない。革命とは、特別に訓練された、労働者階級の上に立つ職業革命家の集団=党がやるものと思っている。だがこの「党」は実際には、労働者階級と切り離された小ブルインテリの集団だ。彼らには処分や逮捕を覚悟で闘うつもりも毛頭ない。したがって塩川一派は、これもカウツキーと同様に、プロレタリア独裁を本質的に嫌悪し、否定する。7月テーゼへの彼らの執拗(しつよう)な攻撃の核心はここにある。
「帝国主義国の労働者は、差別主義・排外主義にまみれていて糾弾の対象であり、革命の主体になれない」という血債主義・糾弾主義は、そもそも労働者階級の革命性を否定することで、プロレタリア革命とプロレタリア独裁へ向けた闘いと実践から逃亡することを本質としていた。しかしそれは、マルクス主義の核心である労働者階級自己解放の思想を真っ向から否定するものとなり、今日ついに公然たる反マルクス主義へと転落したのである。
旧与田派、平田派、結柴・新城グループなども、その本質はすべて同じだ。彼らは今や反革共同・反動労千葉の一点で反革命的な野合を開始している。だが、そんな野合の中にはもはや何の生命力も積極性も存在しない。
だが、だからこそ塩川一派らは今や体制内勢力の一番後ろにくっついて、革共同や動労千葉への破壊攻撃の最先兵を買って出ることを唯一の延命の手段にしようとしている。どこまで腐るつもりなのか! こんな塩川一派、反革命野合集団のすべてを怒りを込めて打倒しよう。階級的労働運動路線と7月テーゼをさらに断固として貫き、発展させよう。
体制内指導部との激突に勝利し、「プロレタリア革命派」「動労千葉派」が日本階級闘争の主流に躍り出る時代を切り開こう。
W 11月1万人組織化が一切を決める
08年の11月総決起は、全労働者の団結の力で、命脈が尽き果てた資本主義・帝国主義に、最後の断を打ち下ろす闘いだ。
11月総決起で、革命勝利の展望を何がなんでもわが手に握りしめよう。そのために、あくまでも職場生産点からの青年を先頭とする決起をかちとり、その怒りの叫びを街頭の決起へと結びつけ、1万人の団結と大隊列を圧倒的に登場させよう。
あの6・29渋谷デモで誰もが思った、「1万人が結集すれば何でもできる」という階級的実感こそ、2000万青年労働者からわき起こる革命への激しい希求と一体である。1万人結集が実現されれば、革命勝利をめざしたあらゆる飛躍と可能性を、本当に一挙に解き放つことができるのだ。
では、このような11月1万人決起を、現実にいかにかちとっていくのか。
(1) 組織拡大と革命的指導部建設を一体で推進しよう
第一に、青年労働者・学生の総決起を先頭として、動労千葉労働運動を軸に、階級的労働運動路線をあくまで白熱的に全面的に実践し抜くということである。
何よりもまず、11月1万人決起は、マル青労同・マル学同のそれぞれ1000人組織建設の力強い発展の度合いによって、かちとることができる。マル青労同・マル学同の決起と団結こそ、2000万青年労働者、300万学生とひとつに結びついた怒りと団結の体現だからだ。
マル青労同・マル学同の組織建設には、階級的労働運動の路線と実践が貫かれ、その核心には動労千葉労働運動がある。動労千葉は資本との非妥協的対決に勝ぬくことで、労働者一人ひとりの持つすばらしいエネルギーと自己解放性、その戦闘性を引き出しながら闘いぬいている。
こうした動労千葉の、それ自身が資本との苛烈(かれつ)な闘いである平成採の青年労働者の獲得と組織化の闘いは、6・29サミット決戦を爆発させた最も根底的な土台になり、青年労働者・学生の総結集を先頭にかちとられる11月1万人決起への地殻変動的な情勢を切り開いている。動労千葉は、職場生産点での資本との非和解的対決をかちぬいた階級の指導部が屹立することによって、すばらしい組織拡大を実現している。しかもこうした組織拡大の努力と闘いの中から、また新たに階級の指導部を生み出しているのだ。
マル青労同・マル学同の1000人組織建設とは、動労千葉のように職場生産点で資本・体制内指導部との非妥協的な闘いをやりぬくことをもって、組織拡大と革命的指導部建設を、一体的かつ相乗的にかちとろうということである。
さらに11月1万人決起は、革命的情勢の急接近に対し、レーニンの言う「革命的行動」を階級的労働運動の実践として縦横無尽に展開することによってかちとられる。革命的情勢を革命そのものへ引き寄せていく「革命的行動」とは、労働者階級による職場生産点を拠点にしたストライキと街頭での戦闘的デモの展開など、職場生産点と街頭が限りなく一体となった闘いだ。国際階級闘争で今まさに激発しているストライキ、ストライキ、ストライキ。デモ、デモ、デモ。そういう闘いを実現しようということである。
同時に、こうした「革命的行動」は、階級的労働運動の実践においては、組織拡大と階級的指導部建設と完全に結びつけて推進されなければならない。これはまさにレーニンの言う組織、組織、組織、ということだ。
11月1万人決起を、何よりもまず以上のような闘いのうなりをあげた推進と前進によって、絶対にかちとろうではないか。
(写真 メーデーストに決起し、サンフランシスコをデモするILWUローカル10)
(2) 第2次国鉄決戦突破口に6大産別の職場で勝負を
第二に、11月1万人決起へ、今こそ第2次国鉄決戦を突破口として、6大産別決戦の革命的爆発をかちとろうということだ。
何よりも4大産別決戦を不屈に発展させ、プロレタリア日本革命―世界革命への階級的基盤を徹底的にうち固めなければならない。その場合、国鉄、教労、全逓、自治体という国家権力機構の中に位置する4大産別に、医療・福祉、合同・一般労組の2大産別が加わることで、プロレタリア独裁実現の戦略的基盤と配置を拡大していく重大な攻防に突入していることの意義を確認したい。
この6大産別決戦こそ、今日の最末期帝国主義が繰り出す新自由主義攻撃と真っ向から激突する「戦場」そのものであり、その攻撃の粉砕をとおして、帝国主義打倒のプロレタリア革命を引き寄せる闘いなのである。
今日、新自由主義は、民営化・規制緩和と労組破壊という具体的攻撃をとおして、職場生産点でそのおぞましいばかりの破綻とそれゆえの凶暴な姿をさらしている。しかし逆に職場生産点にこそ、新自由主義攻撃を餌食としながら階級的力関係を転覆していく「戦場」があるということなのだ。
だが新自由主義が、どんなにむきだしの賃労働と資本の階級支配を貫こうとも、その非人間的な搾取と分断への労働者の階級的怒りの噴出は、ほかならぬ職場生産点から絶対に不可避である。まさに21世紀の資本主義の墓掘り人は職場から大量に生まれるのだ。
問題は、新自由主義への怒りと、大量の墓掘り人を獲得し組織していく革命的行動と革命的組織が、断固として登場することにある。そうすれば、新自由主義攻撃はどんなに強大で激しかろうとも、音をたてて崩壊する。新自由主義は、そのむきだしの末期的支配を貫くために、攻撃の方向を労働者階級の徹底的分断と団結の解体においている。さらに連合・全労連など体制内労働運動や翼賛勢力、つまり階級内部の裏切り者を使って、この分断を徹底的に促進しようとしている。
それゆえ新自由主義攻撃との闘いは、資本と体制内労働運動に対決する徹底的に非和解的な闘いであり、職場生産点での階級的団結の拡大のために「絶対反対」を貫く職場実力闘争そのものである。この職場実力闘争は、いったん開始するや、あくまでも職場支配権の奪取をめざして、一枚の個人ビラに始まる職場での「均衡破壊」を生み出す豊かな原則的な闘いとして展開されるのである。
11月1万人決起に必要なのは、新自由主義攻撃と徹底対決する革命的な路線形成と、職場実力闘争の一体的な貫徹だ。これこそ階級的労働運動の白熱的展開そのものである。
1047名闘争再生と平成採の総反乱を
第三に、こうした4大産別プラス2大産別の攻防を決するのが、まさに第2次国鉄決戦だ。日本における新自由主義攻撃は、サッチャー、レーガンと並ぶ中曽根の国鉄分割・民営化攻撃として襲いかかったが、動労千葉の2波のストライキ決起によって根底から打ち破られた。1047名闘争が生みだされ、基本的に歴史的破産をとげた。今日、動労千葉が労組的団結を強化し、力強く闘い続けていることによって、日本階級闘争は、新自由主義を基本的に破綻させ、その歴史的勝利の地平をもって革命的情勢を迎えている。
このことは実に偉大である。まさに最末期の危機にのたうつ、後のない帝国主義が最後にすがった新自由主義を、さらに国鉄決戦の爆発で徹底的に破綻に追い込み、革命的情勢の接近を一挙に革命へ転化していこうということだ。この第2次国鉄決戦は今、重大な決戦局面に突入した。東京高裁の和解勧告、冬柴国交相の談話をとおして、1047名闘争解体策動が全面的に激化しているのだ。
だがこれは、サミット決戦の爆発に恐怖し、さらには6・29デモの根底的土台をなす動労千葉の組織拡大の前進に震えあがった日帝権力の激しい危機感を示している。6・29に示された階級的労働運動の革命性・戦闘性が、動労千葉を先頭に第2次国鉄決戦として爆発し、6大産別決戦の全面的発展を切り開くことを必死で阻もうと狙っているのだ。
それゆえ日帝権力は、4者・4団体路線を1047名闘争解体と労働者階級の闘いの圧殺のために、徹底的に使おうとしている。7・30〜31国労大会で自ら1047名闘争の解体にかじを切らせ、さらには全労働者階級に全面屈服を迫ってきているのだ。
だがこの1047名闘争の解体の危機は、逆に1047名闘争再生の絶好のチャンスでもある。4者・4団体の裏切りを粉砕し、JR体制打倒への総決起をかちとるなら、平成採を始めとして、闘争団やJR本体にかかわらず国鉄労働者の激しい分岐が起こる。それは平成採の総反乱と、JR体制を打倒する動労千葉派の急速な拡大をつくりだす。分割・民営化と新自由主義攻撃を根底的に粉砕し、帝国主義打倒へ迫っていくことができる。
国労共闘、闘争団、5・27被告団を先頭に、国労本部を怒りの決起で打倒し、「和解策動」と4者・4団体路線を徹底的に粉砕しよう。ライフサイクルとの闘いを始め、あらゆる職場決起を爆発させ、JR職場に動労千葉労働運動を圧倒的に拡大していこう。
教労戦線は、今日の新自由主義の破綻と凶暴化の両面が最も激しくあらわれている。国際連帯を発展させ、不起立闘争を教労の階級的団結の要にますます位置づけて闘おう。
全逓は、郵政民営化攻撃の嵐の中で、しかも民営化自身が早くも破綻の極にたたき込まれていて、職場をめぐる民営化絶対反対の最大の攻防局面に突入している。
自治体では、新自由主義攻撃を粉砕する労働運動の革命論的構築が求められる。その実践的突破口として、大阪で橋下府知事打倒へと総決起し、民営化・公務員制度改革、道州制に対し非和解的闘いを貫き、自治体労働運動の階級的爆発を全力でかちとろう。
さらに医療・福祉産別では、新自由主義攻撃のおぞましい弱肉強食の論理が最も徹底的に襲いかかってきている。そして合同・一般労組産別でも、派遣労働に典型的なように、新自由主義攻撃との闘いが労働現場でいよいよ決定的になってきている。
(3) 国際連帯闘争の大発展へ
第四に、11月1万人決起は、プロレタリア世界革命へと向かう国際連帯闘争の、例年にも増したすばらしい発展として闘われる。
特筆すべきことは、今日、全世界で激発する労働者階級のストライキ、デモの巨大なうねりの中心に、動労千葉との3国連帯の当事者である米・韓の労働者同志たちが存在し、文字どおり国際的な階級的指導部として、今日の国際階級闘争の発展を直接的に切り開いているということである。
とくにアメリカ西海岸の5・1メーデーと2万6千人のストライキは、アメリカ労働運動において、8時間労働制の制定をめざした1886年のシカゴのストライキとデモ以来(この闘いがメーデーを生み出した)の歴史的決起だった。この闘いは11月集会の際に、「ブラザー」と呼びあって固いスクラムと団結を結んだILWUローカル10のランク・アンド・ファイルの同志たちが生み出したのだ。
この闘いは、イラク労働組合の連帯したスト決起を生み出した。侵略国と被侵略国の労働者の連帯と団結は、資本という共通の敵と徹底的に闘う中から形成される。11月に向けてこの団結は、イラク・イラン―アフガニスタン情勢における米帝の侵略戦争の泥沼的拡大の激しい進行と対決し、まさに11月派がイラク・イラン労働者と連帯し、侵略戦争の激化と階級的に闘い、阻止するために、さらに深く濃密に、意識的に発展させ拡大していかなければならない。
韓国階級闘争の100万人規模のデモやゼネストの爆発、それを牽引する民主労総ソウル本部、あるいは金属労組の戦闘的労働運動の展開もまた、まさに動労千葉とともに闘ってきたかけがえのない、尊敬し合った労働者同志たちの闘いだ。この国際連帯は、新自由主義の資本と非和解的に対決する双方の闘いによって、お互いを貪欲(どんよく)にたかめあい、変革しあい、学びあいながら、前進している。
それは必然的に、マルクス主義の労働者自己解放の思想と路線、そこから生み出される最高の階級的団結へと発展していくのだ。
動労千葉、ILWUローカル10、民主労総ソウル本部のような団結は、今や全世界に無数に拡大している。ドイツやフランスやイギリスでも、会えば国境と時間を越えて、今すぐにでも心をひとつに団結できる労働者同志が闘っている。
そこに貫かれているのは、動労千葉が体現しているような、労働者一人ひとりの力を信頼し、そこに徹底的に依拠するところの、全世界の労働者に共通なランク・アンド・ファイル、すなわち階級的団結の力だ。今やこの階級的団結が、国際連帯の質的発展の中で、国際的であると同時に最高の階級性をもって、11月へ向け大量の労働者の信じられないような一挙的な変革と飛躍をもたらすのだ。ここに徹底的に依拠して11月を闘おう。
宣伝・扇動の革命を
第五に、革命的情勢が急速に接近しレーニンの「三つの義務」の貫徹が求められる中で、革命的な宣伝・扇動の飛躍が、11月1万人決起にとって決定的だということだ。
一つは『蟹工船』情勢、「秋葉原情勢」において、2000万の青年労働者の怒りと団結する宣伝・扇動の革命である。宣伝・扇動とは物事をただ解説することではなく、階級の怒りの先頭に立ち、ともに資本主義・帝国主義を弾劾し、階級とともにその打倒を訴え闘うことである。とくに今日、街頭宣伝は階級と団結し闘うひとつの大闘争であり、一個のデモンストレーションである。
いま一つは、階級の中に身を投じ、労働者階級に本当に役立つ宣伝・扇動を展開することだ。マルクス主義は労働者階級の理論である。階級社会の歴史では、理論や思想はすべて支配階級の独占物であるが、資本主義の時代において初めて、被支配階級である労働者階級がマルクス主義という自分の理論をもった。宣伝・扇動は労働者階級の理論であるマルクス主義の武器を駆使する闘いである。
さらに、宣伝・扇動とは党派闘争であり、党派選択を訴える闘いだ。それはプロレタリア革命そのものをめぐって、階級に巨大な路線的分岐と激突を大胆につくりだす闘いである。今日、青年労働者・学生の決起と獲得をめぐって、いかなる革命をめざすのか、いかなる党を建設するのか、すなわち階級的労働運動路線をめぐる鋭い党派的激突がある。とくに日本共産党との闘いは、11月への青年の獲得と決起にとって決定的である。
(4) 日帝・福田政権打倒、一律大幅賃上げかちとろう!
第六に、11月労働者集会1万人決起によって、危機にのたうつ日帝・福田政権を今こそ絶対に打倒しようということだ。
福田政権はボロボロである。それは新自由主義の破綻のもとで、昨年7月参院選での安倍打倒の2000万青年労働者の決起が、その後もさらに日帝政治委員会を決定的に追い詰めている結果である。帝国主義の危機によって「上層」も「下層」も今までどおりにはやっていけなくなり、労働者階級が貧困と窮乏の激化の中で「自主的な歴史的行動」に決起していく、まさにレーニンの言う「革命的情勢」として日帝・福田の危機はある。
福田政権の「脆弱(ぜいじゃく)性」も「反動性」も革命的情勢における激烈な過渡性の表れだ。労働者階級は、この帝国主義政権と新自由主義の危機を絶対に逃さず、11月に向けて日帝・福田政権打倒へ総決起していく時である。
今日、世界金融大恐慌が爆発し、激しいインフレが襲っている。とくにインフレは、ストライキとデモの激発、賃金闘争の革命的爆発を不可避とする。今こそ全産別で、職場から一律大幅賃上げと最低賃金の全面的引き上げを求めて、賃金闘争とストライキの爆発をかちとろう。とりわけ青年労働者を先頭に「生きさせろ!」のゼネストを絶対に実現しよう。そして福田政権打倒、11月1万人決起へ怒濤(どとう)の進撃を!
マルクスは「団結は労働者階級を(階級的に)結合させるための手段であり、その階級対立を含めて、旧社会を根底から覆すための準備手段である」と言っている。それは賃金闘争が、革命へと労働者階級を団結させる最も決定的闘いであるということである。
日本の戦後革命は、悪性インフレに対する賃金闘争を基軸にして、革命的爆発をとげた。とりわけ2・1ゼネストは、賃金闘争そのものであった。インフレはストライキの爆発をとおして、賃金闘争を最大の階級決戦に押し上げる。それは不可避に革命か反革命かの激突となり、革命的情勢を激化させる。
今日の新自由主義攻撃のもとでは、賃金闘争そのものが、分断と団結破壊攻撃の最大の攻防点になる。賃金そのものが分断攻撃の手段となる中で、賃上げ闘争こそが階級的団結をかちとる最重要の闘いとなる。
新自由主義のもとでは資本が賃上げを認めることは基本的にありえない。賃金闘争は資本との非和解的激突となる。09春闘は今から完全な階級決戦である。いやむしろ従来の春闘という戦後55年体制によって成立した枠を取り払って、まさに11月1万人総決起をかちとる中心的闘いとして、4大産別を先頭に民間も含めた全産別の賃金闘争をストライキをもって爆発させなければならない。さらに賃金闘争の爆発は、連合、全労連など体制内や翼賛勢力との真っ向からの激突となる。戦後革命の時のように、日共スターリン主義を先頭に体制内勢力は賃上げ闘争の抑圧者として必ず登場する。
今や世界金融大恐慌とインフレの爆発の中で、完全に青年労働者を先頭に一律大幅賃上げを掲げ、「生きさせろ!」のゼネストに決起するべき情勢だ。賃金闘争の爆発と11月1万人決起で福田政権を打倒し、09春闘の革命的爆発への突破口を切り開こう。
(5) 三里塚・沖縄始め全戦線での階級的前進きり開け
第七に、11月に向け8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争と8・15闘争を闘い、そこから新自由主義攻撃粉砕・日帝打倒の今秋決戦へと直ちに突入することを訴えたい。
ひとつは全国300万学生の総決起をかけ、法大キャンパス解放の10・17法大集会の成功へ、階級の決起のうねりと結んで進撃することだ。日帝ブルジョアジーは堤防決壊的情勢に突入している法政大を「守る」ために総力をあげてきている。監獄大学への怒りは2000万青年労働者の「生きさせろ」の怒りとひとつだ。獄中の同志と団結し10・17法大集会の戦闘的爆発をかちとろう。この攻勢的闘いが獄中同志を奪還する道である。
さらに10・5三里塚全国集会の総結集へ闘おう。10・5三里塚闘争こそ、新自由主義のもとでの農業破壊、農民切り捨て、農民と労働者の闘い(労農同盟)への分断の持ち込み、団結破壊攻撃を粉砕する闘いである。
沖縄・辺野古をめぐる基地建設絶対反対の攻防は、日米安保体制の根幹を揺さぶる闘いであり、イラク・アフガニスタン侵略戦争とイランへのその拡大にのめり込む帝国主義との全面的決戦である。沖縄県民の怒りは階級の怒りだ。青年労働者を先頭に、今こそその階級的根源的な力を発揮して闘いぬこう。
新自由主義攻撃は社会の全面でその破綻をあらわにしている。とりわけ自衛隊内部の矛盾は極限に達している。自衛艦の中で起きている意識的な事故や放火事件は、2000万青年労働者の矛盾と怒りが自衛隊内部にも充満していることを示している。新自由主義と闘う階級的労働運動の発展の中に、反軍闘争の巨大な前進もある。
さらに、入管闘争、部落解放闘争、女性解放闘争、「障害者」解放闘争をめぐって、巨大な分岐と闘いが起きている。その核心は、労働者階級の闘いに絶望し、労働者階級の解放の中に普遍的全人間的解放があることを認めない、旧与田派や塩川一派の反マルクス主義への転落との徹底対決ということだ。
入管闘争では、階級的団結の発展へ、民族・国籍・国境を越えた闘いが開始された。全国連・西郡支部の闘いは、絶対反対の立場から応能応益家賃制度の攻撃と闘っている。それは狭山闘争を発展させる路線的根拠を形成し、激しく闘いぬかれている。
今やプロレタリア世界革命の情勢が到来している。このことをはっきり確認し、体制内思考を脱却し、体制内労働運動を打倒して、11月1万人総決起へと一路邁進(まいしん)しよう。
X 青年・学生は革共同に入り闘おう
あらゆる職場で自分に続く一人の同志を
6・29を頂点としたサミット決戦の地平を継承し、階級的労働運動を爆発的に発展させる闘いこそ、11月1万人結集とプロレタリア日本革命の勝利の道だ。
サミット決戦爆発の熱気の中から、青年労働者・学生が、今や全国で積極的にマル青労同・マル学同に結集しつつある。6・29で青年・学生が組織と党に入ってくる条件は圧倒的につくり出された。何よりも動労千葉は、ライフサイクルに怒る平成採の青年労働者の獲得で、重大な勝利を切り開いている。この闘いに学び、続く時だ。
2000万人の青年労働者が資本主義・帝国主義に怒り、闘いに決起し始めている。そこには革命のロマンがある。マル青労同はこの2000万人と一つである。青年労働者と学生が圧倒的に党に入ってくること、ここに革共同の未来、日本革命の展望がある。
青年労働者と学生よ。非正規雇用化で搾取と収奪の限りを強制されている2000万人の青年労働者よ。今こそマル青労同・マル学同に結集しよう。ともに革命をやろう。
あらゆる職場で一人の決起、自分に続くもう一人の同志をつくり出そう。さらには集団的な決起と結集を大胆に呼びかけよう。今やその条件は圧倒的にある。
マル青労同・マル学同を全力でつくることが、革命をやれる地区党を建設するエネルギーであり、動力だ。また同時に4大産別・6大産別でマル青労同をつくることが、体制内労働運動を打ち破って、階級的労働運動を前進させ、革命を開く最短・最良の道だ。
4大産別・6大産別決戦を、マル青労同1000人建設の実現に特化して闘おう。
サミット決戦の歴史的爆発を、今こそ組織建設決戦へと転化しよう。
「党の革命」「地区党の革命」を推進しよう
プロレタリア革命での青年・学生の役割を、レーニンは一貫して極めて重視し、位置づけてきた。1905年1月にロシア革命が勃発した時にレーニンは、2月段階で次のように熱烈な檄を発している。
「若い力が必要である。私だったら、人がいないなどとあえて言うような人間をその場で銃殺するよう、率直に忠告するだろう。ロシアにはいくらでも人がいる。ただ、青年をおそれることなく、もっとひろく大胆に、もっと大胆にひろく、もう一度ひろく、もう一度大胆に、青年をつのることが必要である。時は戦時である。青年が、学生や、それ以上に青年労働者が、闘争全体の結末を決定するであろう。遅鈍、地位の尊重、等々のあらゆる古い習慣をすてよ。青年からフペリョード〔前進〕派の数百のサークルをつくり、彼らをはげまして力いっぱい働かせよ」
革命は青年・学生の特権だ。革共同は革命の党、未来の党であり、未来は青年・学生のものだ。青年・学生の結集にこそ、革命の展望、革共同の明日がある。
塩川一派は階級的労働運動路線とマルクス主義(7月テーゼ)に反対しただけではない。青年労働者と学生が続々と決起し、党の革命的指導部として登場し、「労働運動の力で革命をやろう」と、闘いを牽引し始めたことに恐怖して、党から脱落・逃亡したのだ。
ロシアのソビエトは、1905年革命の10月ゼネストの爆発の鉄火の中で生まれた。それは半ば「蜂起の序曲」ともなりうる「革命的自治組織」であり、半ばゼネストを組織する工場労働者の委員会(500人に1人の代表を選出)であった。レーニンは当時、これを「臨時革命政府の萌芽」となるかもしれないと位置づけ、12月モスクワ蜂起の貫徹に向けて全力で闘った。
今年、階級的労働運動路線の白熱的実践と「地区党の革命」の中で生まれた「職場闘争委員会」は、体制内指導部と激突して職場闘争を推進し、階級的労働運動が職場支配権を握り、横への地区労的な役割も担っていく闘争機関である。それはまたソビエトとプロレタリア革命を展望して、革命情勢に切り込んでいく新たな戦闘組織である。
レーニンは、第1次世界大戦の勃発と革命的情勢の全世界的な成熟の中で、背教者・カウツキーを始め、「労働貴族」層―日和見主義・改良主義・社会排外主義に対する批判と闘いを強化し、帝国主義打倒(「帝国主義戦争を内乱へ!」)と労農同盟論を基礎とするプロレタリア革命の立場と路線を鮮明にしながら闘い、勝利を切り開いた。
体制内指導部と激突し、階級的労働運動路線の爆発的発展をかちとるマル青労同を先頭とする現在のわれわれの闘いこそ、レーニンの実践の革命的継承である。この闘いの勝利のためにこそ、「党の革命」「地区党の革命」をさらに熱烈に推進しよう。
階級の団結と党こそが革命勝利の武器だ
『共産党宣言』で明確なように、党は階級そのものである。プロレタリアートは団結の拡大によって階級へと組織され、それとともに政党(革命党)へと組織される。また党は「階級の党」であり「労働者階級の先進部隊」である。そういうものとして党は団結の最高形態なのだ。またレーニンも言うように、党(=組織)こそはプロレタリアートが権力獲得のために闘うにあたっての唯一最強の武器である。労働者階級は勝利の武器として、まさに団結と党を持っているのだ。
帝国主義権力と闘い革命をやる党は、塩川一派が言うように「自立した共産主義者」(それは塩川一派の実態が示しているように、バラバラな小ブルジョア的諸個人ということでしかない)なるものの連合党でも統一戦線党でもなく、民主集中制に立脚した全国単一の党、不抜の労働者党でなければならない。それはレーニンがメンシェビキと必死に闘ってつくり上げたように、「党の綱領を承認」するだけでなく、「物質的手段によっても」「党組織の一つにみずから参加することによっても」(『一歩前進、二歩後退』)、この党を支持して闘うものの規律ある団結体・結集体なのである。
それを現実に保証し体現するものこそ、革共同が歴史的につくり上げ、階級闘争の中で検証されてきた「党活動の3原則」(会議・機関紙・財政)である。3原則の厳格で原則的な貫徹によってこそ、党は党たりえるし、体制内指導部や権力・資本との激突にうち勝って労働者階級は勝利できるのだ。
労働学校・党学校をさらに発展させよう
マル青労同の実践綱領は、単純明快に<マルクス主義の学習と職場闘争〉である。動労千葉は闘いの基礎に、マルクス主義と革命的な時代認識・情勢認識を圧倒的に据えている。また動労千葉の実践そのものが、生きたマルクス主義なのである。
このことが示し、またレーニンも強調してきたように、「革命的理論なしには革命的闘争もありえない」ことは、余りにも明白だ。全世界的な激動の時代、革命的情勢の成熟の時代に、労働運動の実践と党活動にとって、革命的なイデオロギー活動は、いよいよ重要になってきている。
プロレタリア世界革命への闘いは生きたマルクス主義と不可分一体であり、その実践そのものである。この点では、党を「学習会の体系」(革共同6回大会第一報告)としても圧倒的に建設していくことが重要だ。
この間、動労千葉に続いて全国で労働学校がつくられ、多くの労働者が実践的にマルクス主義を学んでいること、また同時に党学校が生きたマルクス主義の学習と討論の場として活性化し、発展していることは、きわめて決定的なことだ。労働学校、党学校でのイデオロギー活動をさらに強化し、世界革命情勢に勇躍切り込んでいこう。
機関紙を階級的労働運動の白熱的実践と結合し、さらに大胆に改革していこう。
宣伝・扇動こそは、革命運動と党の生命線だ。2000万人の青年労働者、6000万人の全労働者階級、そして全国300万人の学生に、革命とマルクス主義を真正面から訴え、提起する宣伝・扇動戦に、今こそ突入しよう。革命的情勢とは革命の訴えが、違和感なく大衆的に受け入れられる情勢だ。今やその時はきた。
そして具体的には何よりも、職場、キャンパス、街頭で、貪欲に機関紙『前進』の購読を提起し、数万の読者網を絶対につくり出すことである。さらにこの闘いと一体のものとして、財政活動の改革と飛躍をかちとることが死活的課題だ。
最後に、全国の青年労働者と学生に、熱烈に訴えたい。マル青労同・マル学同にどんどん入ろう。革共同に結集しよう。そしてともに革命をやろうではないか。
4大産別を先頭に、マル青労同・マル学同の1000人組織建設に向けて驀進(ばくしん)しよう。これこそ11月労働者集会の1万人結集を実現していく勝利の大道だ。
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週刊『前進』(2354号10面1)(2008/08/04 )
新刊紹介 コミューン 9月号
米労働運動が一変
5月1日、ILWU(国際港湾倉庫労組)は、戦略的要衝である西海岸の全港湾を封鎖し、イラク港湾労組との連帯ストを実現した。職場で闘えば、強固な国際的団結を築くことができる。
第1章は、この世界史的な勝利が可能となった根拠を明らかにする。「組合は組合員のもの」というILWUの原則が重要だった。だが、ILWU本部は原則を守れず、変質していた。動労千葉とともに階級的労働運動を築いてきたILWUローカル10が、権力・資本だけでなく、ILWU本部の体制内労働運動とも正面から激突して勝利したことが決定的だった。
第2章は、ILWUの闘いが、アメリカ労働運動全体を激変させていることを示す。ワシントン州職員組合は、「港湾労働者に続け。全米ゼネストを」という決議を上げた。医療福祉、自動車などでも、体制内労働運動を打倒する闘いが続発している。
第3章は、労働者国際連帯への塩川派の敵対を弾劾する。「最大の闘争」と打ち出していた彼らの「サミット闘争」の惨状は、その敵対の当然の結果だ。
翻訳資料は、カナダのイラン労働運動支援機関「イラン労働者支援国際連合」発行の、「イラン労働者の闘いの記録」を訳出した。イランの労働運動の現状がビビットに伝わってくる好資料だ。
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