ZENSHIN 2007/11/19(No2320 p06)

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第2320号の目次

ホームエバー上岩店前の路上で労働者・学生を前に田中動労千葉委員長が発言(11月10日夜 ソウル)

1面の画像
(1面)
日韓労働者の国際連帯をさらに強化し階級的労働運動の発展を
ソウル 非正規職撤廃へ全国労働者大会  集会禁止うち破り実力デモ(11月10、11日)
 
インド洋への派兵再開狙う対テロ新法に怒り  衆院採決強行を弾劾(11月13日)  
(2面)
対テロ給油新法粉砕・福田打倒へ
体制内労働運動と対決し4大産別決戦に総決起を(11月7、8日)
 
4者・4団体路線をうち砕き1047名の解雇撤回貫こう  「許さない会」12・9全国集会へ  
資本攻勢&労働日誌 2007   10・29〜11・9  高木が労働契約法成立を要求
(3面)
労働契約法案を参院で廃案に  労働運動の圧殺狙う悪法  搾取強化へ就業規則を万能化  
合同労組交流会が決起  国会に労働契約法反対の声(11月14日)
職場からの報告 11・4労働者集会を闘って
妨害に転じた執行部との対決貫き青年が闘い牽引  神奈川 片桐こずえ
〈焦点〉 ゲーツ米国防長 官米軍再編推進を要求  日米枢軸強化を突きつけ
〈焦点〉 ドル大暴落と金融恐慌の切迫  革命で帝国主義倒す時だ
(4面)
不起立に米韓労働者の共感  11・3 教育労働者が国際連帯の集会開く
「職場に波風立てようよ」  戦争協力拒否の闘う団結を(11月3日)
革共同への圧倒的カンパを  青年労働者・学生が革命に  人生かける時代切り開こう  
沖縄戦「集団自決」強制記述の削除  文科省は「検定意見」撤回せよ
2007年日誌 11月6日〜13日  イラク米兵死者年間最多に  海外派遣の自衛官16人が自殺
(5面)
労働者の団結で世界を変えよう  11・10〜11ソウル
動労千葉が民主労総と大合流  封鎖突き破り大会を実現(11月10、11日)
 
「非正規職撤廃」へ闘う  女性労働者と鉄の連帯(11月10、12日)  
「来年こそ1万を」  ソウル本部との固い誓い(11月11日)  
“敵よりも1日長く”  非正規職労働者集会 田中委員長が訴え(11月11日)  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
“裁判員制度 幕引きを”  11・13東京集会 決意固く全国から330人(11月13日)
12・1星野集会に結集を  星野解放自らの課題に  労働者階級の決起が勝利の道

週刊『前進』(2320号1面1)(2007/11/19 )

 日韓労働者の国際連帯をさらに強化し階級的労働運動の発展を
 ソウル 非正規職撤廃へ全国労働者大会
 集会禁止うち破り実力デモ

ホームエバー上岩店前の路上で労働者・学生を前に田中動労千葉委員長が発言(11月10日夜 ソウル)

 「労働者はひとつ、団結して闘い、必ず勝利しよう」と誓い合った11・4から6日後、動労千葉の組合員を先頭とする訪韓団は、怒り渦巻くソウルの地に立った。チョンテイル烈士が「労働者は機械ではない! 勤労基準法を遵守(じゅんしゅ)せよ!」と叫んで焼身決起してから37年、今や1500万韓国労働者の半数以上、850万人が非正規職だ。
 「皆さん! 歴史の主人公はいつもわれわれ闘う労働者でした。『お前らは少しずつかじり取るが、われわれは一挙に取り戻す』」と、民主労総ソウル本部のチェジョンジン副本部長が日比谷で宣言したとおり、ソウルは怒りのるつぼ、まさに“革命前夜”だった。
 11月10、11日、非正規職撤廃と韓米FTA国会批准阻止を掲げた全国労働者大会と、それに続く100万民衆大会に対し、ノムヒョン政権は民主政権の仮面をもかなぐり捨てた凶暴な弾圧に打って出た。ソウル都心、光化門からソウル市庁一帯に4万人の戦闘警察を配備、厳戒体制で闘いの抹殺に出たのだ。
 1987年労働者大闘争をかちとり、膨大な民主労組を闘い取った韓国の労働者階級は幾多の苦闘の中から95年民主労総を創立、毎年11月、チョンテイル烈士の命日を記念し、その遺志を引き継ぐために労働者大会を開催してきた。
 その労働者大会をノムヒョン政権が軍事政権さながらの源泉封鎖(警察権力で集会場を封鎖するとともに、空港や高速道路を封鎖し上京行動を阻む)という強硬手段で禁圧するとは! 12月大統領選挙を前に後のないノムヒョン政権がどれほど労働者人民の闘いを恐れているか。まさに「一挙に取り戻す」ことのできる激動的情勢だ。大統領選挙で何が変わるというのか、“世の中を変える”のは労働者の力だ。
 「ソウルは激突情勢です!」「すでにソウル市庁に向かう太平路一帯には労働者ら2万人が集まっています!」――11日、緊迫のニュースが時々刻々流れた。ソウル各所に結集し、前段集会をかちとりながら労働者は封鎖されたソウル市庁前に進撃した。農民7万人も全国各地からソウルをめざした。全北、慶北、蔚山、江原で農民部隊の上京に警察部隊が立ちはだかった。怒った農民が高速道路を占拠し、各所で警察と激突する事態となった。怒りは全国に逆巻いた。

 イーランド闘争現場で前夜祭

  10日夜の前夜祭はソウルオリンピック競技場の屋内会場からワールドカップスタジアムにある「ホームエバー上岩(サンアム)店」前に変更された。ソウル最大の売り上げを誇る大型スーパーであり、法施行前夜の6月30日、イーランド一般労組が売り場を占拠して籠城(ろうじょう)した闘争拠点だ。ここで前夜祭開催と合わせて売り上げゼロ闘争を行うのだ。
 「非正規職保護」をうたう非正規職関連法の7・1施行を前に11万人とも言われる非正規職労働者、期間制労働者たちが解雇された。イーランド資本はレジ係として働く非正規職の女性労働者1000人を雇い止めにした。1日10時間働いても賃金は月80万ウォン(約9万6千円)、献身的に働いてきた労働者たちが法施行前夜の6月30日、「労働者が社会の主人公だ。レジを止め、売り場を占拠して闘おう」と猛然と立ち上がった。このイーランド一般労組と、正規職のニューコア労組の共同闘争が実現、今や非正規職闘争の激突点として韓国階級闘争の一大焦点となった。
 「国民とともに進む労働運動」を掲げ、政権・資本との合意路線を進む現民主労総イソッケン執行部は、非正規職撤廃要求を「非正規法改正」運動に切り縮め、必死に闘う現場組合員の怒りを大統領選挙へと流し込んで抑え込もうとしたが、現場の怒りがそれを許さなかった。
 「イーランドの闘争現場で全国労働者大会の前夜祭をやろう!」「全国労働者の闘いで売り場を封鎖しよう!」の声が現場組合員から上がったのだ。これこそ、チョンテイル烈士の魂と闘いだ。
 10日午後5時、民主労総ソウル本部は地下鉄で一駅隣の麻浦(マッポ)区庁前駅前に集結した。その場に全学連の学生たちが合流、発言の機会を得た織田陽介委員長は、9・29沖縄県民12万決起が沖縄高教組を先頭とした労働者の力で実現したこと、それを引き継いだ11・4労働者集会では東京・銀座を実力デモで解放区にしたことなどを報告し、大きな拍手を浴びた。韓国の労働者が「沖縄のように闘おう」と呼応した。集会後、「非正規職撤廃!」を叫びながら、デモでホームエバー上岩店に向かった。
 スタジアム周辺は機動隊バスが阻止線を張っていた。その前の車道に陣取り「非正規職撤廃!」のスローガンを叫ぶ。労働者、学生が増えるにしたがって、占拠している車道も広がり、4車線占拠へ。金属労組や学生たちが旗ざおで戦闘警察を攻撃、装甲車を粉砕していく。ホームエバーに閉店を迫る。
 最前列にソウル本部のイジェヨン本部長、パクスンヒ事務処長が陣取る中、キムヒョンソク組織部長が集会を進行する。数十人で参加した連帯労組関西地区生コン支部の旗がたなびく。動労千葉訪韓団も続々到着、11・4日比谷でともに闘った労働者同志たちと感動の再会となった。
【写真】 「源泉封鎖を突破しよう!」と光化門に迫って警察と激突、放水と対峙(11日夕 ソウル)

 田中委員長が連帯の発言

 4000人を超える労働者を前に、田中康宏委員長が「87年大闘争の精神継承」と書かれたゼッケンを着けて連帯発言に立った。「87年から現在にいたるみなさんの闘いは、全世界の労働者の希望の星です。特に非正規職撤廃の闘いは、今や全世界の労働者の共通の課題になっています。何億の労働者が飢えているのか! 何億の労働者が首切りを受けているのか! 何億の労働者が正規職から非正規職に突き落とされたのか! しかし、私たちの勝利の展望は、全世界の労働者が敵の攻撃と闘う中から団結することにある」「私も20年前、国鉄の民営化で解雇されましたが、この解雇の中から日本の労働運動を一からつくり直そうという闘いを開始しています」「全世界の労働者はひとつです。労働者は未来をつくり、社会をつくり、歴史をつくる、無限の可能性をもった存在です」と断言、ともに闘うことを呼びかけた。大きな拍手が起こった。
 その間も金属労組組合員らが戦闘警察との激突を繰り返しながらホームエバー店舗の閉鎖を要求、午後9時半、ついに店舗は閉じられ、行く手を阻む壁となっていた装甲車両が撤退開始。やったぞ! 労働者、学生の拍手と歓声が響いた。
 (関連記事5面)

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週刊『前進』(2320号1面2)(2007/11/19 )

 インド洋への派兵再開狙う対テロ新法に怒り
 衆院採決強行を弾劾

 福田政権は13日、対テロ給油新法案の衆院本会議採決を強行し、与党の賛成多数で可決して参院に送付した。反戦共同行動委員会が呼びかけて同日、国会前で緊急抗議行動が闘われた。
(2面に写真)
 全国労組交流センターや百万人署名運動、婦人民主クラブ全国協議会、闘う弁護士が次々とマイクを握り、「侵略派兵法案の採決強行を許さない」と怒りを表明した。午後2時過ぎの採決時には国会に向かってこぶしを振り上げ、シュプレヒコールをたたきつけた。
 対テロ特措法の期限切れによって海自がインド洋から撤退した。このことは、日帝と日米同盟に大打撃を与えている。だか福田内閣は焦りと危機感を強め、会期を大幅に延長して今国会での成立を狙っている。参院で否決されても、衆院で3分の2以上の賛成で再議決を狙っているのだ。

 アフガン・中東への侵略派兵

 対テロ給油新法案は、期限切れとなった対テロ特措法案を引き継ぎ、インド洋に海上自衛隊の補給艦を派兵して米帝のアフガニスタン・イラク侵略戦争に共同参戦するものである。1年間の時限立法で、対テロ特措法にあった「自衛隊の活動に対する国会承認」事項が削除されている。これまでと比べても一層改悪された内容なのだ。
 政府は「テロとの闘いの一翼を担う国際協力」などと言うが、アフガニスタン、イラクでの戦争は、米・欧・日帝国主義による石油・天然ガス資源略奪と勢力圏づくりのための帝国主義的侵略戦争、強盗戦争そのものだ。「対テロ」とは不正義の戦争目的を隠すためのベールでしかない。
 そもそもこの間、対テロ特措法の枠組みを踏み破って燃料をイラク侵略戦争に転用したことや、それを隠すために給油量についてウソをついていたことが暴露されている。また、前防衛事務次官・守屋武昌と防衛省官僚、自民党政治家、山田洋行などがからんだ軍事疑獄が明るみに出てきた。
 このような戦争・軍事にかかわる帝国主義支配階級と防衛省・自衛隊の腐敗が明白になっているのに、これを開き直って衆院採決を強行したことは、絶対に許せない。

 民主党の反動的な派兵対案

 民主党は、党利党略から新法案に反対しているが、自衛隊の海外派兵には積極的に賛成している反動的政党だ。今月中にも参院に提出する予定の「対案」の内容は、「民生支援に限定」と称して陸上自衛隊を直接アフガニスタン領内に派兵するとんでもない法案だ。
 武器使用基準についても基準を緩和して、「抵抗を抑止するためにやむを得ない場合」には先制攻撃を認める内容になっている。さらに自衛隊派兵恒久法の早期整備の必要性を明記している。絶対に認められない。
 連合中央はこの民主党を支持し、労働者階級を侵略戦争に引きずり込もうとしている。絶対に許すな。労働者階級の怒りの決起で、対テロ給油新法案を民主党対案もろとも粉砕しよう。

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週刊『前進』(2320号2面1)(2007/11/19 )

 対テロ給油新法粉砕・福田打倒へ
 体制内労働運動と対決し4大産別決戦に総決起を

 11・4集会5700の大結集と銀座を解放区に変えた戦闘的デモは、労働者の階級的団結の中に資本・権力の支配をはねとばす無限の力があることを示した。11日には韓国で全国労働者大会が、ノムヒョン政権の大弾圧体制を打ち破ってかちとられた。動労千葉を始めとする日本の訪韓団も、これに参加しともに闘った。この闘いを引き継ぎ、プロレタリア世界革命に向け、階級的労働運動の全面的発展を闘いとろう。4大産別決戦を軸に福田政権打倒の11〜12月決戦に突入していこう。
【写真】 13日午後、反戦共同行動委員会は対テロ給油新法案の衆院通過に怒りの抗議(国会前)=記事1面

 帝国主義の腐敗が極点に

 資本主義、その最高の発展段階としての帝国主義の時代は完全に終わりを迎え、もはや死臭を放っている。労働者階級による革命はもう本当に待ったなしだ。
 そのことを象徴する事件が大阪で起きた。堺市内の病院が、糖尿病で失明した男性を強制的に退院させ、引き取る家族もいない中でそのまま大阪市内の公園に放り出したのだ(11月14日朝刊各紙報道)。
 アメリカでは、資本の金もうけの論理が医療現場を支配する中で、治療費を払えない患者を車で街頭に捨てる病院が続出している。同じことが日本でもついに始まった。貧困者であるというだけで人間をまるで「ゴミ」のように扱い、動けない病人を道端に放り出して野垂れ死にせよと強制する。こんなことが許せるか!
 資本家階級の危機と腐敗は今や、本当にとどまるところを知らない。アメリカのサブプライムローンの破綻(はたん)は、低所得者層への詐欺まがいの高利貸付によって、各国の金融機関がいかに暴利をむさぼってきたかを暴いた。それが巨額損失に転じた今、世界のブルジョアジーは労働者人民の困窮をしり目に、こぞってその穴埋めのための新たなマネーゲームに突っ走っている。
 膨大な投機資金の流入によって原油や穀物が高騰し、インフレの爆発が人民の生活を直撃し始めている。他方で株価の激しい乱高下と、ドルの急落が続いている。世界金融恐慌・大恐慌が現実化し、世界経済全体が破局へと転げ落ちようとしている。

 階級的労働運動の本格的発展を

 起きているのは資本主義・帝国主義の矛盾の全面爆発であり、ブルジョアジーはこの危機を解決する力など持たない。彼らの唯一の関心事は、他の一切をけ落として自分だけが生き残ることだ。そのためにはどんな手段も、新たな侵略戦争・世界戦争への突入も辞さないということだ。
 そのすべては、労働者階級の頭上に恐るべき搾取と収奪と、さらには戦争で命まで奪う地獄となって襲いかかってくる。
 このまま黙っていたなら、労働者は本当に殺される。だが団結して闘えば絶対に勝てる。資本やその国家権力が一見どんなに強大に見えようが、階級的に団結して本気で立ち上がるならば、やつらの支配などぶっとばす力を労働者階級は本来もっているのだ。
 問題は、体制内労働運動の壁をぶち破ってこの力を根底から解き放つことだ。現場労働者の手で労働組合の闘う力を職場から生き生きとよみがえらせることだ。そして労働者階級の国境を越えた団結を拡大し、階級的労働運動の発展を基軸に、農民を始め帝国主義の抑圧と闘う全人民の怒りをひとつに結集して闘うことだ。その中から、世界を変革する巨大な力が必ず立ち上がってくる。
 沖縄の闘う労働組合を先頭とした12万人の大決起、それを受けつぐ首都東京での11・4労働者集会と戦闘的デモは、その一端を満天下に示したのだ。
 さらに韓国民主労総の闘う労働者は、ノムヒョン政権によるソウル封鎖の厳戒体制を打ち破り、機動隊と激突して街路を占拠し労働者大会を実力で闘いとった。
 この韓国労働者の闘いに学び、4大産別を先頭に、階級的労働運動の一層全面的で本格的な発展を闘いとっていこう。帝国主義打倒へ猛然と突き進もう。

 侵略派兵の再開を許すな

 日帝は今、国際帝国主義の中でも米帝と並んで体制的危機を最も深め、そこからの脱出を求めてあがきにあがいている。日本経団連の御手洗を先頭とする日帝ブルジョアジーは、参院選以来の労働者や農民の怒りの爆発の前にぐらぐらになりながら、戦争・改憲と民営化・労組破壊攻撃の貫徹に延命の一切をかけて、なお一層絶望的な凶暴化に走っている。
 福田政権は11月8日、臨時国会の会期を大幅に延長した上で、労働契約法案の衆院通過を強行した。戦後の労働組合法や労働基準法を実質的に解体し、資本が一方的に定める就業規則に万能の力を持たせるとんでもない法案である(3面参照)。13日には、インド洋からの撤退に追い込まれた海上自衛隊の派兵を再開するため、対テロ給油新法案の衆院通過を強行した。
 これらは小沢・民主党と、民主党を支える連合の協力によって初めて可能になったものだ。福田と小沢による自民・民主の大連立構想は労働者人民の弾劾を浴びて破産したが、民主党・連合はこれを機に全面的な裏切りの道へとかじを切った。
 民主党が立案した給油新法の「対案」なるものは、「民生支援が軸」としながら実際には、現地での軍事制圧行動を前提に武器使用基準を大幅に緩和している。また海外派兵をいつでも、どこにでも行えるようにするための派兵恒久法の整備を「速やかに行う」と明記するなど、与党案以上に反動的な代物だ。
 そもそも帝国主義者が「テロ撲滅」と称してアフガニスタンやイラクでやってきたことの正体は何か。イラクや中央アジアの石油資源略奪のための侵略戦争であり、帝国主義のもつ大量破壊兵器を駆使した、被抑圧民族人民大虐殺の戦争だ。この戦争はその不正義性ゆえに、現地の人民の武装解放闘争への総決起によってすでに大破産に追い込まれている。その怒りの火は、米軍に協力してきたパキスタンのムシャラフ政権をも倒壊の危機にたたき込んでいる。
 日帝は、この侵略戦争に米軍の「後方支援」の形態をとって参戦し、その既成事実をテコに9条改憲に突き進もうとしてきた。また米軍再編・日米安保強化に伴って発生する巨額の軍需は、経済の低迷にあえぐ日帝ブルジョアジーに新たなぼろもうけの絶好のチャンスを提供した。そして「死の商人」と化した軍需資本と政府・高級官僚が癒着し、国家財政(労働者人民からしぼりとった税金だ!)を食い物にして私腹を肥やしてきた。前防衛省事務次官・守屋の腐敗はそのほんの氷山の一角にすぎない。
 日帝の戦争と改憲攻撃への突進は、こうした帝国主義の腐敗をますます決定的に促進する。戦前の軍部も、天皇や財閥と結託して侵略戦争から最大の利益を吸い上げる一方、労働者や農民には無慈悲に「お国のために死ね」と、その血と汗の最後の一滴まで差し出すことを強要した。その行き着いた先がアジア人民2千万人の大虐殺であり、他方で沖縄戦や広島・長崎の地獄図だったのだ。
 この歴史を二度と繰り返させてはならない。沖縄の人民はすでに不退転の決意をもって立ち上がった。沖縄の怒りに続こう。福田政権も民主党・小沢も、ともに絶対に相いれない労働者階級の敵だ。完全打倒しよう。この11〜12月、11・4で解き放たれた労働者階級の怒りをさらに徹底的に爆発させ、対テロ給油新法案と労働契約法案を絶対に廃案に追い込もう。

 労働者こそが革命の主体

 闘いの最大の核心は、体制内労働運動との対決と打倒にある。
 今日の世界危機・日帝危機は革命的情勢の急接近を意味している。社会の真の主人公である労働者階級が自ら権力をとって、階級社会の廃絶と全人民の解放に向かって突き進む時代がついに来たことを示すものだ。だがわが革共同以外の日本共産党や社民党などの全党派、連合・全労連など労働運動の既成指導部は、このことをけっして認めようとしない。逆に青年労働者の「労働運動で革命をやろう」という闘いに恐怖し、支配階級と一体となってそれを圧殺する側に回っている。
 彼らは表向きには「労働者の代表」を装いながら、実は労働者こそが社会の主人公であり、労働者階級の中にはこの社会を根底から変革できる力が宿っていることを否定している。労働者は救済の対象でしかなく、資本家階級とその国家権力に対して正面から闘って勝つことなどできない存在とみているのだ。むしろ資本の支配が半永久的に続くことを前提に、労働者階級の不満と怒りを体制内改良主義のもとに押し込める役割を一貫して果たしてきた。そのことによって資本の側からも、体制の一角に一定の位置を与えられてきたという関係にある。
 だが帝国主義が末期的な危機に突入する中で、もうこんなあり方は通用しない。ブルジョアジーにはもはや、戦後の国家独占資本主義政策のもとで労働運動をも体制内に抱え込んできたような余裕は一切なくなった。代わって登場したのは、自治労つぶしや日教組つぶしに示される労働組合と労働運動の全面圧殺の攻撃だ。
 そして、敵階級がむきだしの階級戦争をしかけてきたまさにその時、体制内労働運動はこれに恐怖し、自らの命ごいのために逆に敵の先兵となって労働者階級の決起を率先してつぶして回る反革命的存在に変質した。かつて第1次大戦時に、当時の第2インターナショナルの幹部がたどった道がこれだ。日本の階級闘争の中で今、同じことが進行している。
 革命の時代の到来があいまいなものを許さず、これまでの全勢力を容赦なく歴史のふるいにかけるのだ。それは密集した反動をつくりだすが、プロレタリア革命はこれを真っ向から打ち破る中で成長する。青年労働者を先頭に体制内労働運動との対決を徹底的に貫き、打倒して、階級的労働運動の爆発的な大前進を切り開こう。
 必要なのは、一人ひとりの労働者の自己解放的決起をあらゆる職場でつくりだすことだ。闘う労働者が職場の支配権を握ることだ。何よりも4大産別で、職場闘争での決定的ブレークスルーを実現するために闘おう。
 国労5・27臨大闘争弾圧裁判の勝利へ、12・9全国集会に結集しよう。法政大決戦にかちぬこう。12・1星野集会の大成功を実現しよう。年末一時金カンパ決戦に総決起し、革命運動勝利に必要な財政を闘う全労働者の手でつくりだそう。

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週刊『前進』(2320号2面2)(2007/11/19 )

 4者・4団体路線をうち砕き1047名の解雇撤回貫こう
 「許さない会」12・9全国集会へ

 国鉄1047名闘争が重大な岐路に立つ中、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会は12月9日、「無罪獲得・国労再生・1047名の解雇撤回」を掲げて全国集会を開く。他方、国労本部を含む4者・4団体は、1047名闘争の幕引きを策して11・30集会を行おうとしている。国鉄闘争勝利の路線を確立し、国労再生をかちとるために、12・9全国集会は決定的な位置を持つ。

写真】 闘う国労組合員と「許さない会」は11・4労働者集会に結集し戦闘的デモを貫徹した

 11・4引き継ぎ国労の再生へ

 11・4労働者集会は、連合・全労連の体制内労働運動を打倒し、階級的労働運動をよみがえらせる新たな潮流を力強く登場させた。銀座を解放区にする戦闘的デモが打ち抜かれ、5700人の参加者は自らの中に社会を変革する力が宿っていることを確信も固くつかみ取った。沖縄の闘いと結び、米韓の戦闘的労働者と結合したこの闘いは、歴史を革命に向けて大きく展開させたのだ。
 集会では、国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんと国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会の佐藤昭夫弁護士が、1047名の解雇撤回を貫こうと訴えた。国労組合員も分会旗をもって大挙結集した。
 これを引き継ぎ、国労再生に向けた新たなうねりをつくりだす闘いが、許さない会の12・9全国集会だ。小泉以来の「構造改革」に対する労働者の激しい怒りが噴出する中で、1047名闘争がその先頭に立つならば、労働者階級は末期的危機にある帝国主義を打ち倒すことができる。1047名闘争の勝利も、こうした闘いの中にある。
 ところが、その道を自らふさぎ、1047名闘争を屈辱的な敗北に追いやるものこそ4者・4団体路線にほかならない。

 闘いの原点を投げ捨てるな

 国労闘争団全国連絡会議、鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団、全動労争議団の4者と、国労、建交労、国鉄闘争支援中央共闘、国鉄闘争共闘会議の4団体は、今や公然と解雇撤回を投げ捨てている。
 かつて国労本部を批判していた鉄建公団訴訟原告団の指導的位置にある人びとも、「(1047名闘争は)階級闘争の決着ではなく、労働争議の決着である。だから解雇撤回が入っていないと言われるが、労働争議として具体的要求になっている」「(鉄建公団訴訟の)9・15判決は……一部であれ不当労働行為を認めた。……良い悪いは別にしてガイドラインが示された」などとして、国労本部と一緒になって解雇撤回を投げ捨てたことの弁明に終始しているありさまだ。
 これは何重にも誤った議論だ。資本は今や膨大な労働者を低賃金・不安定雇用状態にたたき込んでいる。こうした攻撃の先駆けをなしたのが国鉄分割・民営化だった。これと対決する1047名闘争は、階級間の最も激烈な攻防点をなしている。だからこそ多くの労働者が、国鉄闘争を自らの闘いとして支援してきたのだ。
 「階級闘争ではなく労働争議」という言い方も誤りだ。そもそも、階級闘争でない労働争議などありえない。いやむしろ、あらゆる労働争議は倒すか倒されるかをかけた資本との激烈な攻防だ。1047名闘争は、国家が総力を挙げて展開した首切りと真正面から対決する労働争議であり、だからこそ階級闘争の最前線に位置する闘いなのだ。首を切ったJRと国家権力の責任をどこまでも追及しぬき、労働者の団結した力で敵を圧倒して初めて勝利を手にすることができる。動労千葉が日々実践しているように、JR職場からJR資本と対決することによって初めて解雇撤回は実現し得るのだ。
 9・15判決を基準にした「解決」を求めれば、必然的に解雇撤回は消し去られる。9・15判決は、JR復帰を拒んだことはもとより、清算事業団による90年4月の解雇も有効とした。しかも、本州闘争団員は慰謝料支払いからも除外された。本州闘争団と動労千葉争議団を切り捨てるということだ。
 闘争団員が鉄建公団訴訟を起こしたのは、本部が投げ捨てた解雇撤回の闘いを、自らが主体となって貫くためではなかったのか。国鉄1047名闘争は分割・民営化とJR体制を破産に追い込んできた。”敵よりも1日長く”を実践すれば、勝てるのだ。敗北主義を振りまいて、自ら勝利の道を閉ざしてはならない。

 今こそ“奴隷の道を拒否せよ。

 鉄建公団訴訟原告への統制処分に反対し、02年5月27日の国労臨時大会で抗議のビラまき・説得活動に立った組合員を、国労本部は平然と警察権力に売り渡した。
 この弾圧は、闘う現場組合員と国労本部が非和解的に対立していることを明確に突き出した。もはや国労本部は公安警察の手先と化している。その国労本部と手を携えて、どうして1047名闘争の勝利があるのか。
 今、5・27臨大闘争弾圧被告たちは、無罪獲得へ裁判闘争を全力で闘いつつ、現国労執行部の打倒と国労の階級的再生を熱烈に訴えている。
 この弾圧との闘いは、5・27臨大当日、被告たちが渾身(こんしん)の力を込めて訴えた「奴隷の道を拒否せよ」の呼びかけを、今この時に貫く闘いだ。被告たちが5・27臨大でビラまき説得活動に立ったのは、闘争団員への統制処分を防ぐとともに、職場でJR資本と対決する闘いを貫き通すためでもあった。
 4者・4団体路線とは、かつて国労本部によって統制処分に付された当の鉄建公団訴訟原告自身に、解雇撤回・JR復帰を否定させようとするものだ。だからこそ被告たちは、裁判闘争を闘いながら、法廷で、職場で、今再び「奴隷の道を拒否せよ」と声を強めて訴えているのだ。
 この弾圧は、1047名闘争にかけられた空前の刑事弾圧でもある。これとの闘いは、1047名闘争と一体のものだ。JR現職の被告にとっては、有罪判決を許せば解雇の危険にさらされることにもなる。こうした事態を直視しつつ、被告は総力で闘いぬいている。
 この闘いには、1047名闘争を原則に立ち返らせるために奮闘する鉄建公団訴訟原告の闘いを牽引(けんいん)し、国労本部の抑圧をはねのけて職場でJR資本と立ち向かう組合員の闘いを糾合する力が宿っている。裏切りを深める国労本部を打倒し、国労再生を切り開く力が秘められている。その力を全面的に解き放つ時が来た。
 4者・4団体路線を粉砕し、国鉄闘争勝利の路線を打ち立てよう。動労千葉とともにJR資本を撃つ闘いに立とう。許さない会の12・9全国集会に結集し、5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いを軸に国労再生に突き進もう。

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週刊『前進』(2320号2面3)(2007/11/19 )

資本攻勢&労働日誌 2007

 10・29〜11・9

 高木が労働契約法成立を要求

神奈川県教委、不起立教員名簿破棄へ 神奈川県教育委員会は卒業式や入学式の「君が代」斉唱時に起立しなかった県立高校の教職員名などの情報を破棄する方針を決めた。(10月29日)
人勧で閣議決定、完全実施せず 政府は給与関係閣僚会議と閣議で、一般職国家公務員の給与改定について、指定職職員の期末特別手当・地域手当の改定を見送り、これ以外の職員に対しては人勧どおり実施する方針を決定。人勧が完全実施されないのは1997年以来10年ぶり。(30日)
9月の完全失業率、4.0%に上昇 総務省統計局が発表した労働力調査によると、9月の完全失業率は4.0%で前月より0.2ポイント上昇した。2カ月連続の悪化。厚労省が発表した一般職業紹介状況によると、9月の有効求人倍率は1.05倍となり、前月を0.01ポイント下回った。(30日)
連合が政策実現集会 連合が「11・1政策実現集会」を開いた。高木会長が「可能ならばぜひ通してほしい」と労働契約法案の早期成立を求めた。集会では、08年春季生活闘争の基本構想案について討議した。この構想を12月4日の中央委員会で春闘方針として正式決定する予定。(11月1日)
夏の一時金、3年ぶり減少 厚労省が発表した9月の毎月勤労統計調査によると、今年夏の一時金は前年比1.1%減の40万7637円で、3年ぶりに減少した。(1日)
香川県職労、6年ぶりスト決行 香川県職員労働組合は、総人件費の抑制案をめぐる県との交渉決裂を受け、出先機関を含む大半の庁舎で午前8時30分から最大15分間の時限ストライキを決行した。(1日)
社保庁で、誓約唱和の強制始まる 社会保険庁の各事務所で毎朝、舛添厚労相の「年金記録業務の適性執行に関する誓約」を全職員に唱和させる攻撃が始まった。(1日)
労働契約法案などが衆院通過 労働契約法案と最低賃金法改悪案が衆議院本会議で、自民、公明、民主などの賛成多数で可決され、参議院に送られた。(8日)=3面参照
パート労働者の約6割、今の会社や仕事に不満・不安 厚労省は2006年パートタイム労働者総合実態調査の結果を発表した。(9日)=要旨別掲
連合、経団連幹部と懇談 連合と日本経団連の幹部による懇談会が経団連会館で行われた。(9日)
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06年パートタイム労働者総合実態調査(概要)

 「パート等労働者」(パート、嘱託、臨時社員など正社員以外の労働者)の数は約1148万人と01年の前回調査より90万人増加。労働者に占める割合は30.7%と3割にのぼり(前回調査26.5%)、女性では52.4%と過半数。
 「パート等労働者」で週の所定労働時間が正社員よりも短い労働者は約956万人(同約911万人)、同じか長い労働者は約193万人(同約147万人)。
 今の会社や仕事に対して不満・不安がある「パート等労働者」は、労働時間が正社員より短い人で63.9%(同54.3%)、同じか長い人で70.4%(同60.5%)に達し、内容はともに「賃金が安い」をあげた人が最も多い。

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週刊『前進』(2320号3面1)(2007/11/19 )

 労働契約法案を参院で廃案に
 労働運動の圧殺狙う悪法
 搾取強化へ就業規則を万能化

 春の通常国会から継続審議になっていた労働法制改悪3法案のうち、労働契約法新設法案と最低賃金法改悪案が、民主党と連合の裏切りにより11月7日に衆議院の厚生労働委員会で、8日には衆議院の本会議でそれぞれ可決され、参議院に送られた。これは自民党と民主党が密室協議を行い修正に合意したためだ。13日の対テロ給油新法案の衆議院採決強行に先だって表面化したこの事態は、まさに大連立の先取りだ。労働契約法こそ労働運動圧殺法案である。参議院段階での闘いを爆発させ、対テロ給油新法案とともに労働契約法案の廃案を絶対にかちとろう。

 「大連立策動」を契機に民主党・連合が大裏切り

 政府・自民党は安倍=御手洗路線のもと、「労働ビッグバン」と称する戦後労働法制の全面解体の突破口として、@労働契約法の新設、A労働基準法の改悪、B最低賃金法の改悪の三つの法案を3月13日に閣議決定して国会に提出した。
 現在審議中の労働契約法案の最大の問題点は「就業規則の変更による労働条件の不利益変更」だ。これは、資本が好き勝手に変更できる就業規則の一方的変更が「合理的」でありさえすれば、変更がそのまま労働契約の変更になるというものであって、就業規則の変更に万能の力を持たせるとんでもない代物である。労働協約よりも就業規則を上位に置くこんな法律ができれば、労働組合の労資交渉はまったく意味を持たなくなってしまう。まさに労働運動圧殺法案である。
 一昨年の衆議院選挙での自民党圧勝による国会状況のもとでも、安倍政権によるホワイトカラーエグゼンプション導入策動への労働者階級の怒りが巻き起こった。政府・与党はホワイトカラーエグゼンプションの導入をいったんは見送らざるをえなかった。この労働者階級の怒りを前にして春の通常国会では政府・与党は3法案の採決を強行できず、継続審議になっていた。
 7月の参議院選挙で安倍=御手洗路線への労働者階級・人民の怒りが爆発し、自民党は歴史的な惨敗を喫した。その結果、参議院では民主党が多数を占める「ねじれ国会」が現出した。
 だが、民主党は労働契約法に絶対反対の立場をとるのではなくて、連合中央と示し合わせて労働契約法の対案を9月28日に国会に提出した。
 この民主党対案なるものは、政府・自民党が労働契約法に込めた戦後労働法制解体の狙いにさおさす大裏切りである。
 そもそも労働契約法とは、戦後革命でかちとった労働者の権利である戦後の労働法制、すなわち労働基準法や労働組合法などのように資本の横暴を罰則をもって規制する法体系とは別に、民法の特別法として新たな法体系をつくろうとするものだ。
 それは、「契約自由」の名のもとに労働者の権利を否定し、資本の好き勝手な搾取を容認する。まさに労働者の権利を剥奪(はくだつ)し、戦後労働法制を解体する攻撃そのものだ。だから労働契約法そのものが粉砕の対象なのだ。
 だが民主党は対案の提出にあたって、“非正規雇用の労働者が増えている中で労使の権利義務を包括的に規定することで格差是正に役立つ”などと主張した。
 民主党は敵の基本的な土俵の上に乗りながら、解雇規制の条項を入れることで労働契約法が「労働者保護法」になると主張していた。だが、罰則なしの解雇規制にどれほどの意味があるのか。解雇規制は国家権力や法に頼るのではなく、労働者の団結した闘いでかちとる以外にない。
 ところが民主党が今回、自民党と密室協議で合意した修正案なるものは、「均衡処遇の考慮」「仕事と生活の調和の配慮」などの空文句を入れただけで、彼らが主張してきた「解雇規制」すら全面的に取り下げた。
 それだけではない。今回の労働契約法案の最大の問題点である、「就業規則の変更による労働条件の不利益変更」がそのまま盛り込まれている。
 また最低賃金法の改悪案でも民主党は政府案に全面的に屈服した。

 対テロ給油新法と一体改憲と戦争攻撃粉砕を

  このような民主党のなりふり構わぬ拙速審議への協力は、まさに福田・小沢会談を契機として大連立的動向がすでに始まっていることを衝撃的に明らかにした。
 13日に衆議院本会議で採決が強行された対テロ給油新法に対しても民主党は徹底的に抵抗しなかった。給油新法についても、会談以降姿勢を一変させ、自民党の対米公約を振りかざした攻撃にむしろ協力する姿勢を示してきたのだ。
 だがこのような民主党の動きは連合の承認と協力抜きにはありえない。実際、連合は労働契約法案から解雇の金銭解決がはずされたことをもって「毒は抜いた」などと言って法案成立の立場に立っていた。
 連合と民主党は帝国主義の末期的・絶望的危機を目の前にした時、自民党政権打倒を貫くことが日帝打倒のプロレタリア革命につながると恐怖し動揺している。そして日帝の最後の救済者として登場して「救国」のための大連立に走り、改憲と戦争攻撃の先兵をかって出ている。まさに現在の大政翼賛会そのものであり、徹底粉砕の対象だ。
 日本の労働者階級はこの連合という体制内労働運動の制動を吹き飛ばして日帝打倒の労働運動を組織しなければならない。11・4労働者集会が切り開いた大道を大胆に歩もう。労働契約法案の絶対廃案を実現しよう。

労働契約法の「就業規則の変更による労働条件の不利益変更」

第10条 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、……(変更が)合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。

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週刊『前進』(2320号3面2)(2007/11/19 )

 合同労組交流会が決起
 国会に労働契約法反対の声

 11月8日の衆議院本会議での労働契約法案などの採決強行に対して、一貫して労働契約法反対闘争を闘ってきた「たたかう合同労組全国交流会」は、14日に緊急の国会闘争に決起した。
 全国交流会の労働者たちは、この日の朝から国会前で宣伝活動を展開していた「破防法・組対法に反対する共同行動」の労働者たちに合流して、正午過ぎから集会をかちとった。
【写真】 「たたかう合同労組全国交流会」の労働者が労働契約法反対で国会闘争に決起(11月14日)
 最初に共同行動の代表が福田・小沢会談以降の治安弾圧法案の国会審議状況と同時に、労働法制改悪をめぐる国会状況を説明した。
 続いて全国交流会の代表が、この日の闘争に東京西部ユニオン、なんぶユニオン、ユニオン東京合同、さいたまユニオン、茨城県地域連帯労組の各労組が参加していることを報告し、労働契約法の問題点を2点にわたって暴露した。
 第一に、就業規則の役割強化であり、労使交渉が決裂しても就業規則を改悪すれば労働条件を一方的に切り下げられるとして、戦後の労働者・労働組合がかちとってきた権利が一掃されてしまうと警鐘を鳴らした。
 第二に、福田・小沢会談を契機として大連立がすでに動き出していること、その中で民主党が参院選での選挙公約すら踏み破って修正案に合意し、労働契約法の成立に積極的に加担していると断罪した。そして、この流れをふせぐためにも大衆行動が決定的であると提起した。
 続いて、共謀罪と労働法制改悪に対して一貫して闘ってきた首都圏の争議団の活動家たちが次々と両法案は労働運動つぶしだと訴えた。
 東京西部ユニオンの活動家は、労組にとって資本との闘いを犯罪とする共謀罪は粉砕しなければならないと指摘した。さらに、合同労組や未組織労働者にとって労働契約法ができると、争議を起こしたとたんに就業規則をデッチあげられて争議を否定されると、労働契約法を徹底断罪した。
 労働契約法案に反対する参加者は20日午前11時に再度国会前に結集して闘うことを確認した。

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週刊『前進』(2320号3面3)(2007/11/19 )

 職場からの報告 11・4労働者集会を闘って
 妨害に転じた執行部との対決貫き青年が闘い牽引
 神奈川 片桐こずえ

 5700名の結集! 1万人行かなかったのはやっぱり悔しい。しかし、1年間の取り組みをとおして大勝利をかちとったことを確信できる集会となりました。集会の中身、解放的なデモはもちろん、組織化の過程で体制内労働運動との徹底対決をとおして階級的労働運動を登場させたという勝利感をもって11・4集会を総括できます。

 「人員削減案の白紙撤回」掲げ

 神奈川県では、青年労働者が3・18で「労働運動の力で革命をやろう」と登場した瞬間から体制内労働運動との激突が始まりました。ある4大産別の職場で青年労働者が立ち上がりました。ちょうど職場で人員削減攻撃がかけられており、「人員削減案は白紙撤回しかない」「革命をやろう」と書いたビラを出しました。それに対して体制内指導部は、「白紙撤回は無理」「革命を言うと弾圧の対象になる」と反対し、執行部内で賛同を呼びかける人に対して「そういうことはやめろ」と迫るなどの妨害を始めました。彼は、「これまで親しくしてきた執行部の人と対決するのは…」とかなり悩んでいました。しかし、当局と折り合いをつける組合指導部は本当に現場労働者にとってプラスになるのかということを徹底的に討論し、最後まで白紙撤回と革命のスローガンを守って闘い抜きました。

 職場に分岐と緊張生まれる

 その職場はこれまで11月集会には、執行部の人を中心に毎年恒例で参加していましたが、3・18で路線を鮮明にもって登場したことで完全に雰囲気が変わり、緊張が生まれました。「11・4集会は、われわれ組合執行部の打倒を目指している集会だ」ということが執行部内で宣伝され、これまで11月集会に取り組んでいた人が「今年は取り組まない」と明言するようになりました。彼は孤立した立場に立たされました。
 しかし、「だからこそ、11月集会の本当の中身を伝えるチャンスだ」ととらえ、周りの仲間に少しずつチケット販売と賛同を広げ、さらに支部執行部に対して「支部として賛同するべき」という文書を提出して討議にかけるよう呼びかけました。結果として支部の賛同はとれず、またその支部では昨年と比べて参加者数は減ってしまいました。しかし、他の支部でも連動して11・4集会オルグが取り組まれ、全体としては昨年にひけを取らない参加をかちとることができました。
 苦しみながらも路線を貫き続けたことで仲間の結束が強まり、これまで以上に勝利感をもって11月集会を迎えることができました。

 労働者の力を信じて闘った

 私自身、今年の11月は、「とことん現場労働者の自己解放の力を信頼してそこを引き出すために闘い抜こう」と決意してスタートしました。それは、昨年、多くの青年労働者の参加をかちとったものの、一人ひとりを主体として据えなかった結果、中心で活動していた人が運動から離れてしまうということがあったからです。
 「労働者の力を信じ抜く」というのは言葉で言うほど簡単なことではないことを実感させられる毎日でした。しかし、そこを一本貫いたことで、今の時代と真正面から対決し抜くことのできる闘う指導部を職場に登場させることができた! と思っています。
 11・4集会とデモが終わった後に県の青年労働者交流会を行いました。一人ひとりから感想を聞いたら、「労働者が団結すれば革命が起こせると実感できた」「今日のデモは革命に一歩近づきました」と感想を語ってくれました。また、ほとんどの人が周りの人を誘っていたことが分かりました。「誘ったけれどだめだった」という人がほとんどでしたが、それでもみんなが「自分自身の11・4」をいきいきと語っていました。労働者のもつ自己解放性を信頼して闘うことで、一人ひとりが主体となって11月を闘い抜くことができたと確信しました。
 1万人に届かなかったことに、ものすごく悔しさを感じます。しかし、自分の職場で闘い、闘いをとおして革命の確信をつかんできた青年労働者の中に大きな展望をつかみとることができました。こうした力をとことん引き出して、来年こそは体制内労働運動をぶっ飛ばして、1万を超える労働者の隊列を登場させたいと思います。

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週刊『前進』(2320号3面4)(2007/11/19 )

焦点 ゲーツ米国防長 官米軍再編推進を要求

 日米枢軸強化を突きつけ

 米帝のゲーツ国防長官が来日し、福田首相や高村外相、石破防衛相ら日帝首脳と相次いで会談した。一連の会談の中でゲーツ米国防長官は、対テロ給油新法を早期に成立させ、インド洋・ペルシャ湾での米軍艦船への給油を再開するよう要求すると同時に、米軍再編のための辺野古新基地建設などの作業を早急に進めるよう要求した。福田訪米・日米首脳会談を前にしたゲーツの訪日は、日帝が海自の派兵部隊を引き揚げる事態になったことに対して日帝に圧力をかけ、早期の派兵再開と米軍再編の推進を迫る目的で行われた。
 ゲーツは8日の日本政府首脳との会談で「ポジティブな面に光を当てよう」「大きな話をしよう」として、日帝が戦略的選択として本当に日米枢軸でやる気があるのかどうかを突きつけた。福田らの「給油活動の再開に向けて最大限努力する」という表明に対して、現実にそのめどすら立っていない中で、単なる努力ではなく実際に何を行うのかということを迫ったのだ。
 その重要な柱が、米軍再編やMD(ミサイルディフェンス)のために日帝が着実に施策を進めるのかどうかということである。すでに日帝は米軍再編に協力した自治体には多額の金を出すが、非協力の自治体には金を出さないという露骨な圧力をかけている。だが、ゲーツはさらに、「ロードマップ(推進計画)は非常に複雑な合意だが、一貫性があり、一本の糸を抜けば、全体がほどけてしまう」として早く実施するよう要求した。とりわけ、日帝に沖縄の労働者人民の抵抗を圧殺して辺野古新基地建設を強行しろと突きつけたのである。
 またゲーツは、在日米軍駐留経費負担、いわゆる思いやり予算の期限切れ問題で経費負担を継続するように要求している。その一方で、日帝が北朝鮮問題でテロ支援国家指定を解除しないよう求めたのに対し、「日本の立場は分かっている」と一蹴し、米帝のヘゲモニーで対北朝鮮戦争政策を進めるために、日帝の対米対抗的策動を抑えつけた。
 米帝は、対日争闘戦的に日帝に要求を突きつけているが、米帝自身がけっして余裕があるわけではなく、決定的に追いつめられている。何よりも、イラク・アフガニスタン侵略戦争が完全な泥沼に陥っているのだ。イラクでは米帝によるスンニ派部族指導者の取り込みに対し、武装解放勢力は連携の強化と統合を進めており、米軍は空からの攻撃に頼らざるを得ない状況に陥ったままだ。またアフガニスタンでは、11月9日にISAF(国際治安支援部隊)の米兵6人がタリバンの攻撃でせん滅されるなど、占領支配は完全に崩壊状態である。危機はさらにパキスタンにも広がっており、北西部のタリバンを掃討するどころか、逆にムシャラフ政権が倒壊しかねない状況に陥っているのだ。
 ゲーツ訪日は海自のインド洋・ペルシャ湾からの撤退が日米帝にとって巨大なダメージであることをあらためて突き出した。帝国主義打倒の大きな情勢が開かれている。対テロ給油新法を絶対に阻止し、福田政権打倒へ突き進もう。

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週刊『前進』(2320号3面5)(2007/11/19 )

焦点 ドル大暴落と金融恐慌の切迫

 革命で帝国主義倒す時だ

 12日の東京株式市場は、大手銀行や輸出企業の先行き不安などから大幅な株安となり、今年最安値を更新した。他のアジア市場の株価も軒並み大幅に下落した。また外国為替市場では円高ドル安が進行し、一時1j=109円台をつけた。ドルは円だけでなくユーロに対しても最安値更新を続けるなど、主要通貨に対して軒並み下落し、ドルの独歩安となっている。
 これはアメリカの低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付きで米欧の金融機関が巨額の損失を出し、米国経済−世界経済の先行きに資本家の不安感が広がっていることを示すものだ。また米帝経済とドルに対する信認が決定的に崩れつつある。そもそも米帝経済は海外からの資金流入なしには1日も成り立たない危機的構造だ。その上にサブプライム危機、住宅バブルの崩壊がのしかかり、対米投資の停滞、引き揚げが加速している。また各国でドル離れが進み、外貨準備や貿易決済をドルからユーロに代える動きが強まっている。ついにドル信認の低下とドル暴落が始まりつつあるのだ。これは世界大恐慌に直結する。各国支配階級は世界恐慌の爆発に脅え、生き残りをかけて争闘戦と戦争の体制を強めている。
 このような危機は、80年代以来の帝国主義の新自由主義政策が、帝国主義の危機を何ひとつ解決するものではないこと、逆に新自由主義政策は、米帝の没落による経済危機を全世界に拡大し、帝国主義世界全体の崩壊的危機を決定的に促進するものであることを浮き彫りにしている。この中で、帝国主義間争闘戦の非和解的激化、世界経済の不況化、分裂化・ブロック化は不可避だ。それは帝国主義の侵略戦争、帝国主義間戦争を現実化する過程である。
 断じて許せないのは、ドル大暴落−金融恐慌、帝国主義世界経済の崩壊は、労働者階級の生活を直撃するということだ。労働者階級が猛然と反撃に立たなければ、資本家どもは一切の犠牲と矛盾を労働者階級に押しつけてくる。賃下げと首切り、インフレ(物価高)、増税などが次々と労働者階級を襲う。実際、この金融・経済危機の中で、労働者階級から搾り取った資金を元手にして、腐りきったマネーゲームが激しく展開されているではないか。株や金融商品から投資先を変えたマネーは、原油や穀物などに流れ込み、ガソリンや日用品などの諸物価を押し上げ、労働者階級の生活を直撃している。生活必需品が資本の投機の対象になっている。本当に労働者階級は、帝国主義を打倒しなければ生きていけない。
 このことは、見方を変えれば、革命的情勢の成熟である。まさに帝国主義は「死滅しつつある資本主義」「プロレタリア社会主義革命の前夜」(レーニン『帝国主義論』)なのだ。帝国主義はどんなに危機になっても、自ら権力を投げ出すことはない。だから、労働者の側から積極的な攻勢にうって出よう。労働者の怒りと決起を抑えつける連合中央など体制内労働運動を打倒し、プロレタリア革命で帝国主義を打倒しよう。

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週刊『前進』(2320号4面1)(2007/11/19 )

 不起立に米韓労働者の共感
 11・3 教育労働者が国際連帯の集会開く
 「職場に波風立てようよ」
 戦争協力拒否の闘う団結を

 来年3〜4月の卒業式・入学式における「日の丸・君が代」不起立の闘いは、教育労働運動のみならず日本の階級闘争を決する闘いだ。職場から反撃をたたきつけ、階級的労働運動の新潮流をつくりだそう。11・3教育労働者国際連帯集会と11・4労働者集会はその出発点となった。11・3集会で熱っぽく交わされた日米韓教育労働者の討論から学び、不起立闘争を広げよう。
【写真】 「私ってすごいかも」と思えてきた、と話すアーリーン・イノウエさん(11月3日 東京)

 “私ってすごいかも!”と

 アメリカから参加したロサンゼルス統一教組(UTLA)人権委員でCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)代表のアーリーン・イノウエさんは、日本の教育労働者の不起立闘争について次のように語った。
 「根津公子さんらの不起立闘争に込められた強い意志に感動しました。”波風立てないで”という日本の文化がある中でこういう運動があることはすごいことです」
 「アメリカでの活動も決して簡単ではありませんでした。でも活動することをとおして”私ってすごいかも”と思えてきました。真実を見ましょう。そして真実のために立ち上がりましょう」
 「『日の丸・君が代』との闘いについていろんなところで先生に話をすると『すごい!』ってみんな言うんです。普通のアメリカの先生に支持されているんです」
 この提起を受け、停職6カ月の処分攻撃と闘う東京の教育労働者・根津公子さんは、「学校で波風立てることこそ教育。私は『日の丸・君が代』強制反対のTシャツを着て学校に行き、校長が出した『着るな』という職務命令と闘っています」と報告し、アメリカの2人にTシャツをプレゼントした。
 不起立闘争は瞬時にしてアメリカの教育労働者の共感を呼び、具体的な支援運動も広がっている。まさに不起立闘争は世界の労働者を獲得する力を持っているのだ。
 また、広島の青年教育労働者は、自らの不起立闘争について次のように朗らかに報告した。
 「7年前から、文部省による是正指導が行われ平和教育をするなと攻撃をしてきました。それに対して組合執行部は『処分がでないように』『闘うから攻撃される』と言って屈服してきました」
 「昨年、教育基本法が改悪され、さらに憲法も改悪されようとしています。それに対して『いくら法律を変えようとも従えないことには従わない。現場の教育労働者として子どもたちを戦場に送ることはできない』という気持ちで座りました」
 「座ってみて気づいたことは、これはとっても自己解放的だってことです。波風を立たせたいから座る、それで組合を変えていきたい。戦争を止める力が労働組合や現場の労働者にはある。闘う労働者とつながりたいから座っていきたい」
 「あと、座ると気持ちいいからです」
 このように不起立闘争は、改悪教基法のもとで襲いかかる教育現場への攻撃のすべてと対決し、戦争と民営化(労組破壊)を打ち破る4大産別の最先端の闘いだ。そしてすべての労働者との団結を求め、社会を丸ごとひっくり返す闘いの出発点なのだ。現状変革を求める青年労働者の自己解放闘争として不起立闘争を広げよう。

 戦争を止める国際的闘い

 戦争と民営化(労組破壊)攻撃との闘いという日本の教育労働者が直面している課題は、世界の教育労働者が直面しているものとまったく同じだ。CAMS副代表のグレゴリー・ソティアさんは、アメリカの教育現場について次のように紹介した。
 「ここ数年、アメリカの公立学校はどんどん軍事化が進んでいます。『落ちこぼれゼロ法』が連邦政府で決められて全国的に強制されています。とにかくどんどんテストを行い、その内容だけを教えないと先生に向けて懲罰がなされます。究極の目的は公教育の破壊であり、学校の民営化だと思います」
 「『ゼロ法』は募兵官が学校に直接きて募兵を行うのを可能にしています。そして募兵目的のために生徒たちの個人情報を国防総省に筒抜けにしています」
 「しかし、教室外の人の命令を聞く筋合いはありません。生徒に何を教えるかは私に任せてもらいます。世界の企業や軍隊は、私が教えたいと思っているものとは違うものを望んでいます」
 「アメリカでも指導要領に沿って教えるようにという圧力はどんどん強まっています。先生が生徒に教えることができる最大のものは”正義のために立ち上がる”ということだと思います」
 また11・3集会で特別アピールを行った韓国・全教組のチョヒジュさんは「韓国では新自由主義教育政策により、教師間の競争を強化し序列化する非教育的な評価制度が導入されています。教師に牛肉のように等級をつけて月給を差別支給し、事実上教壇に立てなくするのです。教員評価の法制化を阻止し、成果給制度を破綻(はたん)に追い込まなければなりません」と述べた。
 まさに労働者は国境を越えひとつの存在だ。国際連帯の闘いをとおしてつかんだ新たな階級的確信をもって、教育労働者こそ戦争と民営化(労組破壊)攻撃と最先頭で闘おう。

 日教組中央を打倒しよう

 不起立闘争を闘う教育労働者にとって、闘いの指針は動労千葉の実践の中に示されている。集会の討論の中で、動労千葉執行委員の清水匠さんは確信をもって次のように訴えた。
 「動労千葉は『事故は本人もち』というそれまでの国鉄労働運動の常識を覆し、安全問題を労働組合の課題として闘い、団結をつくってきた。分割・民営化の時も、単に役員だけが頑張るのではなくて、組合員が職場で闘って団結を守り抜いてきた」
 「職場で闘って波風を立て、この社会は自分たちのものだと組合員がはっきりつかんだ時に職場の団結、組合としての団結をつくり出すことができる。解雇者を出してでも、解雇者を守りながらやっていくんだと闘ってこれたのはそのためだ」
 「それは同時に戦争協力拒否の闘いにつながる。職場から、仲間を信頼して始めていく。これを貫いて、続けていくことで実を結ぶ」
 この動労千葉労働運動の実践こそが今求められている。職場から闘う団結をつくりだし、日教組中央を打倒していく。この団結こそ戦争を止める力なのだ。そして教育労働者にとっての最大の職場闘争こそ不起立の闘いである。
 討論のまとめを行った神奈川の教育労働者は、「沖縄の闘いは労働組合が本気になって怒りと人を組織すれば情勢を揺り動かせることを示した。CAMSの闘いはブッシュの戦争政策に打撃を与えている。日本でも不起立闘争を本気になって組織したら、世の中をひっくり返せる」と闘いの方針を鮮明に提起した。
 解雇攻撃を恐れず不起立闘争を貫くと宣言している根津公子さんの闘いに続き、東京の教育労働者を先頭に来年3〜4月不起立闘争に総決起しよう。この闘いで処分攻撃を粉砕し、日教組中央を打倒しよう。

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週刊『前進』(2320号4面2)(2007/11/19 )

 革共同への圧倒的カンパを
 青年労働者・学生が革命に
 人生かける時代切り開こう

 私たちの力はすごいんだ

 すべての同志、支持者、『前進』読者を始めとしたすべてのみなさん。革共同への圧倒的な冬期一時金カンパを訴えます。
 安倍政権の崩壊から約3カ月、福田政権の政策と階級支配は次々に破綻しています。対テロ特措法の期限切れによってイラク・アフガニスタン侵略戦争のための海自給油は中止となり、自衛隊撤退が開始されています。一方、小沢と福田の恥知らずな連立構想は、労働者階級の巨大な怒りで無残に頓挫(とんざ)しました。1千兆円の国の借金や連日の株価暴落と、日帝の政治危機、経済危機は底なしです。
 この激動情勢のもとで、9・29沖縄県民大会の12万人決起の息吹を受けて、11月4日、首都・東京のど真ん中を貫く労働者大集会と戦闘的デモが実現しました。
 集会の発言で、米国から参加したアーリーン・イノウエさん(ロサンゼルス統一教員組合・校内の軍国主義に反対する連合代表)は、「私の力はすごいんだと確信して闘おう」と訴えました。
 そうだ。まったくそのとおりです。すべてのみなさん。帝国主義の危機と革命情勢の到来という現下の情勢をつかんで離さず、これを革命の実現そのものに押し上げるための、人生をかけた絶大な冬期一時金カンパに意を決して立ち上がることを訴えます。

 革命へ5700人の団結

 11月4日、日比谷野音で開催された全国労働者総決起集会は、労働者階級、とりわけ青年労働者の「生きさせろ!」の怒りと結合し、闘う労働運動の再生へ巨大な一歩を切り開きました。
 集会には、韓国・民主労総ソウル本部とILWU(国際港湾倉庫労働組合)などのアメリカの戦闘的労働者が参加しました。また沖縄高教組の松田寛委員長からの特別アピールも発せられました。
 集会後、熱気と解放感にあふれる数千人の大デモ隊列が日比谷から銀座に飛び出しました。4車線に広がるその迫力に、ついに数寄屋橋交差点では警察車両や機動隊がデモ隊に逆包囲され、交差点は一時、解放区となりました。
 この集会とデモの先頭を担ったのが青年・学生でした。
 労働者が職場で会社や腐敗労組幹部とぶつかる姿や、大学でビラ1枚まくことが逮捕・退学と直結する実態をみて、胸を揺さぶられない人はいません。攻撃を逆に怒りと集会への結集に転化したのです。
 さらに集会には多くの在日・滞日の外国人労働者も合流しました。集会後の12日、韓国鉄道労組は全面ストライキに突入しています。動労千葉と連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同の3労組共闘と階級的労働運動路線の実践が、「70年7・7」以来の闘いをついにここまで巨大な国際連帯闘争として実現したのです。
 9月29日の沖縄県民大会は12万人の怒りが結集しました。この闘いは福田政権の改憲攻撃と真っ向から激突し、逆に押し戻しています。これは「革命か否か」という憲法成立の原点を根本から問う闘いです。最強の改憲阻止闘争に到達したということです。
 県民大会を最先頭で組織した沖縄県高教組の仲間と11月労働者集会の感動的な合流が実現し、それを本土で爆発させた意義は決定的です。
 さらにまた、11・4集会に結集した5700人は、青年・学生を先頭に、資本とも改憲攻撃とも闘わずに妨害する体制内労働運動を打ち破って結集し、日帝の戦争と改憲攻撃への労働者階級の一大反撃を実現しました。

 腐敗した帝国主義打倒を

 防衛省・守屋前事務次官の汚職事件に関連して、歴代の防衛庁長官も同席していたことが明らかになりました。侵略戦争の血に染まった莫大(ばくだい)なわいろと宴会・ゴルフに明け暮れる腐りきった姿。これこそが帝国主義の正体です。
 こうした連中が、年金破綻、財政破綻の責任を労働者に押しつけて「泥棒」呼ばわりし、さらに「愛国心を持て」「『君が代』を歌え」と強要し、労働者を侵略戦争に動員しようとしているのです。
 資本家はさらにえげつない。米サブプライムローン破綻で、わずか2カ月で2兆円の損失を出した米最大手金融資本シティグループのプリンス会長兼最高経営責任者(CEO)が引責辞任しながら117億円の退職金を手にし、同じくメリルリンチのオニールCEOも182億円以上の退職金を手に引責辞任しました。
 昨今のガソリン暴騰の一方で、石油元売会社は過去最高だった昨年をさらに32%以上も上回る純利益を更新しています。
 これだけ搾取されて、労働者の生活が苦しいのは当たり前です。国家財政に群がり、あるいは労働者から極限的に搾取して、甘い汁を吸い尽くしてきた、こんな連中を1日も早く倒そう。その力を労働者階級は持っています。

 人生をかけた大カンパを

 11・4労働者集会に結集した5700人には、それぞれ「決起」と呼ぶにふさわしい、決断と闘いがありました。職場では資本や体制内労働組合幹部による処分や弾圧を打ち破って11・4に結集しました。なかでも法政大をめぐる学生たちの決起は、この1年半で延べ50人近い不当逮捕や退学・停学攻撃をものともせずに闘われています。
 いまこうしている間にも、10代20代の学生(青年)たちが、獄中で意気軒高と闘っています。自分の人生を社会変革に丸ごと投じた決起が大量に始まっているのです。このこと以上に革命の現実性を示していることはありません。
 みなさん。冬季一時金の獲得にあたり、ぜひ一度、その全額を革命運動へ投ずる決断をお願いします。そしてそのあふれる思いを職場で地域で訴えてカンパを集めて下さい。
 革共同は、階級的労働運動路線のもと、職場から労働者階級の革命的力を組織し、体制内労働運動を打倒して、労働運動の力で革命を実現するために闘います。来年こそは11月労働者集会に1万人の労働者の結集を実現し、巨万の青年労働者・学生が革命に人生をかける時代を切り開きます。日本革命と世界革命勝利へともに闘いましょう。

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週刊『前進』(2320号4面3)(2007/11/19 )

 沖縄戦「集団自決」強制記述の削除
 文科省は「検定意見」撤回せよ

 12万人が大結集した9・29沖縄県民大会は、沖縄戦での日本軍の「集団自決」の「強要」を高校日本史教科書から削除させた文部科学省に対する激しい怒りをたたきつけ、福田政権を追いつめている。文科省は検定審議会を通じて記述の訂正を認める方向で政治決着を図っている。検定意見の撤回を回避しペテン的な手直しで逃げることは許されない。

 「訂正」で幕引きは許さない

 検定意見に従って記述を書き換えた5社が8日までに訂正申請をした。さらに今回検定意見が付けられなかった1社も9日に訂正申請を行った。
 文科省は、これらを受理し、文科相の諮問機関である教科用図書検定調査審議会に諮り、適否を判断するという。
 同審議会は、日本史小委員会で申請内容を調査する。その結果を踏まえて渡海文科相が年内にも結論を出す、と言われている。日本史小委の初会合が5日に開かれ、複数回会合を重ね、沖縄戦の複数の専門家の意見を聞くとしている。
 だが、すべては密室で行われ、処理されようとしている。訂正申請を出した出版社の教科書執筆者を含む歴史学者らが「あくまで検定意見の撤回を求める」という声明を出しているように、沖縄人民の総意、闘う労働者と研究者の声は、「検定意見を撤回せよ」だ。
 「検定意見そのものは有効だが記述は変更して良い」は、論理的に矛盾している。文科省は、あくまで検定意見を固持しようとしているのだ。それは折があれば復活したいということだ。検定意見撤回は絶対に譲れない一線だ。

 「つくる会」が巻き返し画策

 また、もともと2年前に沖縄戦をめぐる教科書攻撃の発端をつくった「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)ら極右勢力は、教科書訂正の動きに右側から猛烈な抵抗をしている。この攻撃との闘い自体が大きな闘争テーマだ。
 沖縄戦の集団自決をめぐる教科書検定で、教科書会社が日本軍の命令・強制を訂正申請したことについて、「つくる会」は13日、「日本軍の命令・強制の記述復活を文科省が認めた場合には、損害賠償訴訟を検討している」と発表した。
 また、八木秀次・高崎経済大学教授は、産経新聞10月25日付「正論」欄で、「日本軍の『命令』や『強制』によるものとする見解に有力な異論が近年提出され」と、文科省の検定意見と同様のデマを前提に、「数を頼んだ政治運動で『正確』さを犠牲にしてはならない」と言っている。
 「ここで検定結果がねじ曲げられれば(つまり訂正に応じたら)」「教育は不当な支配に服することなく」という教育基本法の条文は「死文と化し、教育界を再び無法状態にする」と言う。つまりせっかく改悪教基法でこの条文を国家権力の教育支配を排するものから、労働者人民の「不当な支配」を排するものへと逆転したのに、それが現実に人民の決起で再び覆されてしまうと嘆いているのだ。
 八木は同時に「沖縄の思いは真摯(しんし)に受け止めるべき」「本土防衛の盾となった沖縄戦の犠牲について感謝と共感を示す表現が必要」と言っている。これは極右勢力内部の「あれは1万8千人しかいなかった」という反発を戒め、「集団自決は国のために命を犠牲にする崇高な行為」という思想を沖縄の中に広めようというものだ。再び沖縄戦の道に引きずり込もうという点では、藤岡と同じだ。

 沖縄の人民の怒りに続こう

 文科省の策動、「つくる会」の攻撃、いずれも、沖縄の12万人の決起がいかに巨大な打撃を日本帝国主義に与えているかを示してあまりある。
 「集団自決」は、沖縄戦とは何だったのか、日帝軍隊とは何かという本質的な問題を提起している。それは改憲と戦争に突き進む日帝にとって致命的弱点だ。9・29は、ここに有無を言わせない迫力で切り込んだのだ。この敵の弱点に攻め込んで、時の政権をガタガタに揺さぶることで革命の現実性を開示したのだ。
 この怒りは、戦後62年たった今も新たな海兵隊基地を建設しようとしている米軍再編攻撃に対する怒りと一体のものだ。沖縄の闘う労働者が切り開いたこの闘いは、まさに日本革命の火薬庫としての沖縄の新たな総反乱の開始を告げている。この闘いに学び、その怒りに続いて、日帝・福田政権打倒に突き進もう。

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週刊『前進』(2320号4面4)(2007/11/19 )

日誌'07 11月6日〜13日

 イラク米兵死者年間最多に

 海外派遣の自衛官16人が自殺

●イラク米兵死者数、年間最多854人に
 イラク駐留米軍は、2発の仕掛け爆弾による攻撃で米兵5人が新たに死亡したと発表した。米民間団体ICCCによると、今年のイラクの米兵死者数は854人に達し、最悪だった04年の849人を超えた。イラク戦争開戦後の合計は3857人となった。(6日)
●小沢が続投を正式表明 民主党の小沢代表は、党両院議員懇談会で「政治生命を総選挙にかけると決意した。もう一度、代表を務め、最後の決戦にあたりたい」と述べ、辞意撤回を正式表明した。(7日)
●普天間移設協議会が再開 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設をめぐる政府と沖縄の関係自治体との協議会が首相官邸で10カ月ぶりに再開した。(7日)
●教科書検定、執筆者らが声明 沖縄戦での「集団自決」をめぐる高校の教科書検定問題で、検定意見が付いた教科書の執筆者らでつくる「社会科教科書執筆者懇談会」が、「学問的・教育的良心にもとづいた訂正申請を文部科学省は受け入れるべきだ」とする声明を出した。検定意見が付いたのは5社で、このうち4社が訂正申請を提出。いずれも「日本軍の強制」を復活させる趣旨という。(7日)
●米国防長官、首相らと会談 来日したゲーツ米国防長官は、福田首相や石破防衛相らと相次いで会談した。ゲーツ長官が、テロ特措法の期限切れで撤収した海上自衛隊によるインド洋での給油活動の早期再開に強い期待感を示したのに対し、福田は「政府として早期再開に向け、最大限努力している」と説明した。(8日)
●原子力空母配備で初の日米合同訓練 米海軍横須賀基地に来年8月、原子力空母「ジョージ・ワシントン」が配備されるのを前に、放射性物質を含む冷却水漏れ事故を想定した日米合同の原子力防災訓練が神奈川県横須賀市で行われた。米海軍が地元自治体と合同で原子力艦の事故への対応訓練を実施するのは、米本国を含めて初めて。(8日)
●小沢「国連限定、首相も同意」
民主党の小沢代表がTBSの報道番組に出演し、福田首相との党首会談で、小沢が「無原則に自衛隊を派遣することは絶対いけない」と主張したのに対し、福田が連立を前提に「自分もそう思う。国連中心主義で、国連活動だけでいい」と答えた、と説明した。(8日)
●国会会期、35日延長 国会は衆院本会議で、臨時国会の会期を12月15日まで35日間延長することを議決した。(9日)
●海外派遣の自衛隊隊員16人が自殺 テロ対策特措法とイラク復興支援特措法に基づき海外に派遣された自衛隊員のうち16人が、任務を終えて日本に帰国した後、在職中に自殺していたことが明らかになった。10月末現在で、海外派遣された隊員で在職中に死亡したのは35人。約半数が自殺だったことになる。(13日)
●補給支援法案、衆院を通過 インド洋での海上自衛隊の給油・給水活動を再開させるための補給支援特別措置法案が衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決され、参院に送られた。(13日)
●地元3首長が陸自の基地共同使用の受け入れを表明 米軍再編合意に基づく陸上自衛隊による米軍キャンプ・ハンセンの共同使用問題で、これまで負担増になるとして受け入れに反対していた沖縄県の金武町、恩納村、宜野座村の3首長が共同使用受け入れを正式に表明した。表明を受け、防衛省は、3町村を再編交付金の対象にする方針を示した。米軍再編交付金の対象外だった自治体が受け入れに転じたのは初めて。(13日)

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週刊『前進』(2320号5面1)(2007/11/19 )

 労働者の団結で世界を変えよう
 11・10〜11ソウル
 動労千葉が民主労総と大合流
 封鎖突き破り大会を実現

【写真上】ノムヒョン政権の「源泉封鎖」弾圧を突き破り全国労働者大会に集結した5万人の民主労総組合員ら/【写真下】光化門へ突き進む動労千葉訪韓団とソウル本部(いずれも11月11日 ソウル)

 11月11日、ソウル都心には戦闘警察39個中隊が出動し、緊迫した厳戒態勢が敷かれた。
 この日もイーランド闘争を闘うニューコア労組組合員が「ニューコア−イーランド問題を解決し、パクソンスン会長を拘束しろ」と要求し20日目の高空籠城(ろうじょう)中。コスコムでも直接雇用正規職化を求める非正規職組合員が高空ハンスト籠城を続けていた。すでに10月末から労組弾圧に抗議する労働者の焼身事態が頻発している。労働者の怒りは頂点に達していた。「今ソウルに10万人が集まったら、ノムヒョン政権を倒すことができる」とある労働者は語った。
 大会会場のソウル市庁に通じるすべての道路が完全封鎖される中、労働者、学生たちは「暴力警察は立ち退け!」「烈士精神を受け継いで非正規職を撤廃しよう!」とシュプレヒコールを叫びながら進んだ。金属労組などの先鋒隊(労働者行動隊)が帽子と覆面、軍手という戦闘スタイルで先頭に立った。はしごで装甲車をのりこえ阻止線を突破、果敢な実力闘争で路上に集会スペースを確保していった。メインステージが設置され、市庁前の12車線道路が労組旗で埋め尽くされた。
 「労働者の団結で世界を変えよう!」「非正規職撤廃! 韓米FTA(自由貿易協定)国会批准阻止!」と、高らかに宣言する声が響く。2万人から3万、4万、5万人と参加者は膨れ上がった。こうして午後3時前には全国労働者大会の開催が実現し、続く全国民衆大会も怒りの中でかちとられた。

【写真】 労働歌に合わせこぶしを突き上げる動労千葉の訪韓団(11月11日)

 「光化門へ行くぞー!」

 「大統領府へ行こう!」「源泉封鎖を突破しよう!」の声が上がった。午後4時、数千人の労働者、農民が一斉に光化門へと駆け出した。
 行く手を阻む警察車両と対峙、労働者・学生が旗竿(はたざお)で突撃した。戦闘警察はこれに放水で応戦するが、デモ隊はたじろぎもしない。警察車両の窓ガラスを砕き、屋根に駆け登る。各所で衝突が繰り広げられた。壊れた車両に何本ものロープを結び、「わっしょい!」の掛け声で綱引きが始まった。大型バスがぐらぐらと揺れる。あと一息だ! 号令が飛び、さらにバスが揺れた。
 民衆大会に参加するためにソウルに向かおうとした労働者・農民らのバスを警察が阻止するという弾圧が全国各地で一斉に吹き荒れた。これに怒った農民たちが高速道路を占拠するなど、怒りの実力闘争が爆発、ソウルで125人、全国で141人が強制連行され、暴行を受けた建設労組組合員が病院に運ばれるなど負傷者も続出したが、警察車両7台が破壊された。
 とっぷり日が暮れても闘いは続いた。動労千葉訪韓団もソウル本部の同志たちとともに闘いぬいた。濃紺の全学連旗、真紅の中核旗が打ち振られた。労働者階級のとてつもないエネルギーが充満した。
 9・29沖縄から11・4東京・銀座へ、そして11・10〜11ソウルで労働者階級の底力が発揮された。解放感の中で労働者階級の未来を実感した瞬間だった。

【写真左】 「行くぞ!」光化門へダッシュ 【写真右】放水を浴びながら道をふさぐバスを引き倒そうとする青年たち

 鉄道・貨物が初の共同スト

 午後2時すぎから始まった労働者大会前段集会では、産別労組として建設された運輸労組に結集する全国鉄道労組と貨物連帯(大型トレーラーなどの運転士の労組)が11月16日に共同ストライキに突入すると宣言した。
 これまで貨物連帯がストに入ると代替輸送に鉄道が使われ、逆の場合は貨物トレーラーが使われてきた。両労組は「共同ストライキ突入は、わが国の物流と鉄道交通を止める威力あるストになる」と胸を張った。
 先立つ4日早朝、恐れていた事故が現実となった。釜山駅でKTX電気機関車同士が正面衝突したのだ。事故の原因は1人乗務と休息なしの深夜労働だ。鉄道労組は7日、列車機関士決意大会を開き、「ただちに1人乗務を中断せよ」と強く要求した。
 他方、民主労総ソウル本部は11月27日、非正規職争議勝利と非正規悪法撤廃を要求し、「非正規職が一般化した世の中を変えよう」と呼びかけ、ソウル地域初の連帯ストを闘う。中小零細作業場がひしめき合うソウルで労働現場から闘いを組織し、非正規職撤廃へ新たな地平を切り開こうとしている。

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週刊『前進』(2320号5面2)(2007/11/19 )

 「非正規職撤廃」へ闘う
 女性労働者と鉄の連帯
 前夜祭ステージセビョクが律動

前夜祭で訴えるイーランド一般労組の組合員(11月10日夜)

 10日夜、戦闘警察を撃退した後に開かれた前夜祭の「非正規職撤廃!」と大書されたメインステージで、イーランド一般労組の律動グループ「セビョク(夜明け)」と「シンファ(神話)」が躍動した。
 11・4日比谷でも発言したセビョクのハンミョンヒさんが「全国各地から、そして日本からも労働者が来ています。私たちには多くの同志たちがいます。多くの事業所の闘いを自分の闘いとして考えていただき、私たちだけではなく多くの事業所で闘いの波が起こればと思います。鉄の連帯で勝利しましょう!」とアピール。会場全体が一つになり、「勝利しよう! 最後まで闘って必ず勝利しよう! 非正規職撤廃闘争! 決死闘争!」の掛け声でこたえた。

 ハイテックRCDコリアを訪問

 大会翌日の12日、訪韓団は九老工業団地で闘う金属労組ハイテックRCDコリア支会を訪れた。昨年11月、キムヘジン支会長、チョンウンジュ副支会長が来日して以来、熱い交流が続いている。この日、労組はなんとストライキで迎えてくれた。工場の入り口には「労組弾圧工場」の横断幕が張られ、中庭のコンクリートにも「労組弾圧工場→生存権死守」と大きく描かれていた。
 社員食堂で心づくしの昼食のもてなしを受け、「韓国で一番おいしい食事だ」「マシッソヨ(おいしい)」「カムサハムニダ(ありがとう)」の言葉が行き交った。
 整理解雇と闘う労組に対し、会社側は組合員だけを一つのラインに集めて監視カメラで監視した。そのために組合員全員が精神疾患となるが、労災認定を認めない勤労福祉公団前で1年も座り込むなど激しい闘いを続けた。ついに11月1日、解雇者5人中4人の復職を実現した。組合員は「しかし会社側はハイテック資本から九老工場を法人分離して、工場もろとも労組をつぶそうとしています。私たちにはここで働いて生きていく権利があります。生存権を守り、完全解決まで闘い続けます」と訴えた。
 動労千葉の田中委員長は「みなさんの闘いで何千、何万もの労働者が励まされています。私たちも勝利までともに闘います」と応じた。
 見学のため工場に入ると、文句を言ってきた職制を組合員が一発で撃退する場面に接し、職場支配権を握った誇り高い労働者の闘いを学んだ。
 最後に組合員と訪韓団が工場に向かって「労組弾圧をやめろ!」とシュプレヒコールを上げ(写真)、完全解決までともに闘うことを誓った。

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週刊『前進』(2320号5面3)(2007/11/19 )

 「来年こそ1万を」
 ソウル本部との固い誓い

 光化門における大激突の後、午後7時にソウル本部と動労千葉訪韓団はソウル市庁近くの広場で総括集会を開いた。動労千葉組合員を先頭に100人近い訪韓団が勢ぞろいし、ソウル本部の活動家たちと一堂に会し、2日間の行動をともにした仲間たちの笑顔が輝く。
 まず動労千葉の田中委員長が総括を提起した。「僕たちは今日、民主労総の闘いから『労働者の力を本当に結集したら社会は変えられる』ことを学んだ。みんな、来年は1万人を本気で集めることを決意したか? 政府や財界は危機にあえいでいる。来年こそ1万人の労働者の団結をつくり出し、日本の労働運動を一変させよう。最後にソウル本部の仲間たちに心から感謝のあいさつを送ろう。トゥジェン!」
 続いて、民主労総ソウル地域本部のイジェヨン本部長があいさつした。まず「今日、全国から20万人の組合員が上京する予定だったが、資本と政権の弾圧で5万人となった。怒りを禁じえない。ソウルに来られなかった同志たちは各地で高速道路を占拠し、警察署を襲撃して闘っている」と報告。そして「日本の同志たちには、戦争を策動する日本帝国主義に対して民主労総とともに総力闘争で闘う志を持って戻っていただきたい。同志たちが来年1万人集会を実現することを期待しているが、数だけでなく実践こそ重要だ。実践する組織をつくるため一層努力しよう。ソウル本部もみなさんとともに渾身(こんしん)の力で闘う」と述べ、大きな拍手に包まれた。
 あらためて田中委員長が「『全国に闘う労働組合のセンターを無数につくろう』『全国に網の目のように労働学校をつくろう』という11・4集会の確認を全国の職場で実践しよう」と強調。
 最後に全学連の織田委員長の音頭で力強くシュプレヒコールを上げ、田中委員長の音頭で団結ガンバローを三唱。強固な団結を確認し合って、終日の行動を終えた。

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週刊『前進』(2320号5面4)(2007/11/19 )

 “敵よりも1日長く”
 非正規職労働者集会 田中委員長が訴え

 国会議事堂が立つヨイドで、証券先物取引所の門前にやぐらを建てて証券産業労組コスコム非正規支部の女性組合員が籠城している。周りにはテントが張られ、組合員や支援者が寝食をともにしながら闘いぬいていた。
 その闘争現場で11日午前、「2007非正規/零細事業所/女性労働者大会」が開かれた。民主労総ソウル本部や女性連盟などの数百人の非正規職労働者が集まった。舞台上に「5人未満の事業所への勤労基準法全面適用、請負労働者の雇用継承」のスローガンが掲げられていた。
 冒頭、女性連盟のイチャンベ委員長が、「大統領選挙といっても、私たちのところに来る候補は一人もいない」と、大統領選挙では何も変わらないことを暴露し、非正規職労働者の現場からの闘いこそが世の中を変える闘いだと訴えた。
 7bのやぐら上から、女性組合員が声を詰まらせながら訴えた。「大工だった父は、朝早くから1日中働いてもわずかな賃金しかもらえませんでした。労働者の現実は当時も今も変わっていません。この国は後戻りしています」「同志たち! 命をかけて最後まで闘い、必ずややつらを倒し、労働者が主人公になり、健康で幸せに暮らせるようにしましょう。トゥジェン!」
 ソウル本部のイジェヨン本部長は、「この地の中小零細労働者たちが500万人を超えているにもかかわらず、いまだに勤労基準法一つ守られていません」と怒りを込め、「われわれの団結した闘いだけが、非正規職を撤廃し、勤労基準法を適用させることができると確信しています。われわれ全員がきょうの力強い闘いをとおしてノムヒョン政権を粉砕しよう」と力強く訴えた。
 動労千葉組合員、訪韓団の青年労働者とともに演壇に立った田中委員長は、「私たちの闘いをこうして韓国の労働者の皆さんの闘いと結びつけてくれたのは、事務金融連盟副委員長のキムチャンソプさんです。ですからコスコムの闘いは私たちの闘いのように思えてなりません」と語り、「私たちはまだ小さな力ですが、腐った労働組合を打倒して、本当に闘う労働組合をつくり上げることをめざしています。私たちの目標は民主労総の同志たちです」「『敵よりも1日長く』、団結した労働者の力はけっして打ち砕かれることはない」と呼びかけた。

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週刊『前進』(2320号6面1)(2007/11/19 )

団結ひろば 投稿コーナー

 11・4を闘って 主催者の気持ちでやり抜く 東京 小林和泉

 11・4集会は「自分が主催者だ!」という気持ちを持ってやり抜きました。会社の仲間を連れて行くために何度もアタックしました。50代の仲間ですが、初めは「昔、青森から東京に来て旗を持ってさんざん闘ったからおれはもういいよ」などと言って渋ってましたが、自分としては「絶対に〇〇さんを連れて行きたい」と思い時間をかけて誘いました。何が決定的だったのか分かりませんが〇〇さんには「闘いは、まだ終わっていない! 〇〇さんは昔闘ったかもしれないけど闘いは続いてるんだよ。今俺は先頭で闘っているけど、〇〇さんの力は俺は必要だし、見てもらいたいから集会に来て」と何度も言い続けたら、「よし分かった、行くよ!」と言ってくれた時はうれしかったです。当日はデモも最後まで歩き、その後の産別の交流会まで参加してくれました。
 この交流会でうれしかったのがもう一つありました。年齢層の高い業界で、なんと他の会社で20代の仲間がいました! 連絡先は交換出来ませんでしたが、会社名が分かったので青年の部隊にぜひ誘ってみます。
 今回の集会では私たちは一つの「チーム」になれたんだと思ってます。銀座であれだけ解放的なデモが行われたのは、一人ひとりが「自分は何をやるべきか?」と判断できたから成功したのだと思います。
 しかしまだまだこの「チーム」は小さすぎます。もっと大きくするために職場や地域でもっと闘っていき、そして革命を成功させましょう!

 11・4を闘って 次こそ職場の仲間と一緒に 東北 藤野奈々

 11・4は本当に熱くて楽しい集会とデモだった。風邪の治りかけのところにデモで2時間も思い切り叫び続けて、声がれが1週間くらい治らなかったけど、「風邪?」「いえ、デモで叫びすぎて…」なんていう感じで、職場で多くの仲間に11・4の感動を話すきっかけになったから、まあいいとしよう。残念だったのは、職場の仲間と一緒に行けなかったこと。次こそは、職場の仲間と一緒に参加するぞ!
 さぁ、さらなる行動開始だ!ということで、組合の教研集会で「君が代」不起立を訴えたり、職場で配るビラを作り始めたり…。なんだか楽しくなってくる。なかなか思うように進まないことも多いけど、職場の団結を取り戻すんだと決めて行動していくことがとても楽しい。
 「一緒に闘う組合を取り戻そう」「一緒に戦争協力拒否しよう」「改悪教育基本法を現場から打ち破ろう」「革命やろう」と職場の仲間に呼びかけていきたい。

 11・4を闘って 社会変えるぞの思い新たに 岡山大 藤丸 亮

 僕は11月4日全国労働者総決起集会に行ってきました。集会もデモも初参加でした。
 集会では韓国やアメリカの労働者や動労千葉、沖縄の人々が壇上でそれぞれの思いを述べていました。その中で、僕の心に最も残っているのは、韓国の民主労総の話です。組合員が現状の労働環境の向上を訴え、自らの身体に火をつけたというのです。この話を聞いたとき、労働者をここまで追い詰めた現在の資本主義に対して強い怒りを覚え、また、この腐った社会を変えなければならないという思いを新たにしました。
 またその後のデモではみんなが警察車両を飲み込む勢いで広がって大行進しました。僕はこのデモで、国家権力をもはねのける団結の強さというものを感じ、強い感動を覚えました。
 僕はこの集会に参加して、とても良かったと思います。

 11・4を闘って 労働者の団結力すばらしい 仙台全逓 岡本生太

 11・4にはすごく興奮しました。集会では各産別の労働者の熱い発言の連続。米韓との連帯もさらに拡大し、国際連帯もさらに広がっていて、労働者に国境はないことをさらに確信しました。
 そして今まで体験したことのないすごいデモ。デモは元気いっぱいのものになるとは思っていましたが、あんな大デモになるとは想像できませんでした。でもこれが本来のデモなんですよね。警察による規制なんか吹き飛ばし、本当に解放された気分になりました。デモで近くにいた人とも「すごいですね!」と、興奮を共有しながら行進しました。これらのことを実現した私たちの闘いはものすごいんだと実感できました。労働者の団結の力ってすばらしい!
 今回は職場の人を連れて行くことができず、ともに行動することの困難さにぶつかりましたが、やはり職場にこだわりたいです。職場に団結をつくって、ともに行動を起こしたいです。11・4で実現した解放感を職場で味わいたい。職場の仲間と大デモをしたい。考えただけでわくわくしてきます。
 だから日々の職場での闘いをやりぬいていき、来年の11月こそ職場の仲間と一緒に行こうと思います。来年の1万人結集実現、そして革命をめざし闘っていきます。

 11・4を闘って もっともっと労働者の中へ 東京 上野 巌

 11・4労働者集会に向けて街頭で「改憲と戦争、貧困と格差社会をぶっとばせ!」「労働運動の力で革命をおこそう!」と訴えて、チケットの販売は44枚、集会参加者は12人でした。昨年に比較してそれぞれ4割増、3倍増でした。
 ▲青年労働者は、激しく行動を求めています。3月1日に「9条署名」をした20代の青年は、その時渡したビラを見て、一人で3・18イラク反戦集会に参加し、9月以降は連続して諸闘争に決起しています。▲昨年の11月集会には賛同はしたが不参加だった40代の女性労働者は、その後会えなかったのですが、今年は「(11・4参加要請の)留守電を聞きました」と言って会場に駆けつけてくれました。▲チケットを2枚購入した定年を過ぎた60代の夫婦は、後日、10・14国鉄団結祭りを紹介したところ、祭りに参加して「星野文昭さん」のテントに立ち寄り、詩画集も購入してくれました。もちろん、11・4には2人で参加です。▲区の別々の福祉施設で暮らす、いわゆる底辺労働者が2人、それぞれ集会に参加しました。▲昨年の参加者のうちの1人は、今年は友人と2人で参加しました。▲11・4の前日に初めて訪問したにもかかわらず、集会に参加してくれた人もいます。
 労働者階級人民は怒っている。行動を欲している。したがって今こそ、「もっともっと労働者の中へ! もっともっと人民の中へ!」これが街頭での結論です。

 韓国の仲間とともに闘った貴重な体験 東京 吉澤亜紀

 “毎年来てくれる民主労総の仲間たちの闘いにじかに触れてみたい”――そんな思いで今回の韓国行きを決めました。日本での11月労働者集会を終え、銀座での高揚感を持ちながらの渡航でした。
 実は放水車を見たのも初めて。日本でもかつてあったそうだが、私の中でモノクロ写真だったものが、目の前で展開されていくのは、なんとも不思議な感覚だった。
 決起隊が勢いよく機動隊のバスの上に飛び乗るのを見て、どんどん仲間が集まってくる。(考えてみると、真冬ではない時期の放水は、カッパを着てしまえば無力なのだ)。さっきまで歌を歌っていた若い学生たちが、屈託のない笑顔でぬれたトレーナーをしぼり、わーっとみんなでもう一度放水車の方に駆け寄っていく。こんな光景が前方では起きていたのだ。
 バスがゆらゆらと動き出す。映画「パッチギ」で見た「バスの転覆」が行われようとしているのだ。見ると、ぶち破った窓ガラスを上手く利用して窓枠に数本綱がくくりつけられている。なんと手際の良いことだろう。どこからともなく、掛け声がわきあがる。なんと言っているのだろう? ああ、わっしょい、わっしょいだ。日本からの渡航団は、それに気づくとうれしくなって一緒に掛け声を叫ぶ。一緒に同じ現場で闘うことの出来た貴重な体験でした。

 非妥協の韓国の闘いが突きつけたものは 全学連 筑紫 啓

 韓国の民主労総大会とそれに先立つ闘い・デモは本当に戦闘的・解放的なものであり、参加者一人ひとりの徹底的に資本家階級と対峙して闘う姿勢を目の当たりにできた。そして何よりものすごい痛快なものでした。
 とりわけ労働者・学生の積もりに積もった怒りを見せつけた前夜祭に先立つホームエバー前での旗ざお兼ゲバ棒による警察車両のフロントガラス粉砕、そして11日のデモが妨害されたときに放水をものともせず警察車両にのぼり、またロープを結んで文字どおり揺さぶりをかけた場面が印象に残っています。
 また、キリュン電子やハイテックRCDなどの長期闘争現場にもおじゃましました。闘っている組合員の方々はみな強く、かつ人間的なあたたかみをもった人たちばかりでした。「過激派」―つまり決して譲歩・妥協することなく闘うということは決して特別なことではなく、労働者として、あるいは学生として、否、そもそも一個の人間として筋を通して生きようと考えるのであれば進むべき道はおのずとそこに定まるのだということを確信しました。
 まだ整理できていない部分も含めいろいろなものを受け止めて帰ってきましたが、韓国の闘う労働者・学生の怒りの深さとその爆発の大きさはそのまま「では日本で何をなすべきか」という問いとなって突きつけられているのだと今とりわけ強く感じています。

 解雇予定撤回させた闘う団結の力を実感 ちば合同労組 木村健太

 11月6日、A社とちば合同労組の団体交渉が行われ、青年労働者・B組合員への「解雇予定」を撤回させました。
 10月下旬、総務部長がBさんを呼び出し「この会社は君にはふさわしくない」「明日から来なくていい」「解雇通告は内容証明で送る」と宣告して来ました。Bさんはすぐに組合に相談。翌日から連日就労闘争を続けました。それに対し会社側は、Bさんのタイムカードや名札を隠すなどの卑劣な行為にまで及んだのです。会社側の意図が「解雇」をちらつかせた退職強要であることは明白です。
 一方で、組合も直ちに行動を開始。B組合員、委員長を先頭に社前ビラまきや申し入れなどの抗議闘争を展開。11月6日の団体交渉を約束させました
 当日、出勤時間、昼休みに社前ビラまきとマイク情宣。B組合員、組合三役を先頭に12名で団体交渉に臨みました。
 組合側は「解雇を撤回せよ」と強く要求。会社側は「解雇の予定である」との回答。その「理由」とは「社員の間にBさんへの不満が多い」などと人格攻撃に終始するものでした。Bさんが、「自分が不当配転を通告された際、同僚の半分が反対した」「会社側が、同僚をそそのかして嫌がらせをさせ、自分を自主退職に追いやろうとした」と暴露。組合員も次々に怒りを叩きつけ、言い逃れを続けてきた会社側もついに「解雇予定」を撤回せざるをえず、確約書を取り交わす勝利を勝ち取りました。
 Bさんはこの闘いを振り返り「一連の闘いで同僚の俺をみる目が変わった。最初は一人だったが、今は職場の代表として闘っている気持だ」「次は会社に組合をつくる」と語っています。
 「労働者が団結して闘えば勝てる! どんどん仲間を増やそう」――今回の闘いでこの気持を全身で実感できました。
 ちば合同労組は、11月労働者集会の勝利の地平をふまえ、階級的労働運動を前進させるためにこれからもますます元気に闘います。

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週刊『前進』(2320号6面2)(2007/11/19 )

 “裁判員制度 幕引きを”
 11・13東京集会 決意固く全国から330人


【写真左】11月13日、東京・クレオの裁判員制度反対集会で熱い討論が交わされた
【 写真右】高山弁護士の「来年6月に大集会を」の訴えが参加者を奮い立たせた


 「見えた! 裁判員制度の崩壊 11・13東京集会」(「裁判員制度はいらない!大運動」主催)が11月13日、東京・霞が関のクレオ(弁護士会館講堂)において行われ、全国から330人が集まった。
 DVDの上映後、講演を行ったのは九州大学教授の内田博文さん。内田さんは自白調書を偏重する日本の司法制度の問題点を指摘した上で、「裁判員制度はプロの裁判官と裁判員が多数決で有罪か無罪かを決めるが、たとえ少数でも有罪は疑問だという意見があれば、無罪にするのが刑事裁判の原則だ」として、裁判員制度が刑事訴訟制度の大改悪だと暴露した。
 また集会よびかけ人の織田信夫弁護士(仙台弁護士会)は「裁判員が苦労して判決を出しても、2審は裁判所だけの裁判になるので、一般の人が参加する意味がない」と”国民の司法参加”の欺瞞(ぎまん)性を批判した。
 続いて会場から国会議員や大学教官、全国各地で裁判員制度反対の運動に取り組んでいる人士などの発言が相次いだ。
 その中でもとりわけ参加者の共感を得たのが迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判を闘う十亀弘史さんだった。十亀さんは「私たちの裁判では、16年かけた1審無罪判決を東京高裁がまったく証拠調べもせずに1回の審理で破棄・差し戻し、最高裁も上告を棄却した。これこそ裁判員制度と司法制度改革の行き着く先だ。裁判では被告人や弁護人が闘ってこそ真実が得られる。被告人にとってこの闘いの場を奪う裁判員制度はいらない!」と会場を圧する迫力で訴え、参加者は満場の拍手でこれに応えた。
 討論のまとめを行った高山俊吉弁護士は「裁判員制度はどうしようもない壁にぶつかっている。裁判員制度は、一人ひとりが反対すると崩壊してしまうという戦時司法の最も弱い鎖だ。来年の6月13日、制度開始1年前に日比谷公会堂で大集会をやろう。そして運動の力で幕引きしよう」と提起した。
 最後に主催者を代表して佐藤和利弁護士が「裁判員制度との闘いは改憲阻止の闘いそのものです。全国各地で集会をやり、数百万の請願署名を集め、運動の力で阻止しましょう」と訴えた。

 制度を推進する日弁連との対決

 裁判員制度との闘いは重大な局面を迎えている。04年国会で全会一致で法案が成立し、09年5月の実施をめざして法務省や最高裁が「国民の司法への参加」「裁判への理解と信頼を深める」などというキャンペーンを繰り広げているが、逆に世論調査では「裁判員をやりたくない」という声が7割にも及んでいる。
 最大の焦点は裁判員の選任手続きで「やむを得ない辞退理由」の中に「思想信条を理由とする辞退」を認めるか否かという点だ。政府は10月24日に出した政令案で、思想信条を理由にして裁判所出頭を拒むことができないことを方針とした。当初は「思想信条による辞退を政令に盛り込む」と公約していたが、完全に反古(ほご)にしたのだ。これに対し一斉に批判が相次ぎ、マスコミ各社も政府発表の問題点を指摘し批判している。
 こうした中で悪質な役割を演じているのが日弁連中央だ。昨年の12月13日に出した意見書の中で「『人を裁くことはできない』とか『死刑制度には反対であるからその可能性のある裁判には関与できない』、あるいは『裁判員制度には反対である』といった確信を有する者に対し、裁判員に就任することを義務づけることが一般的に国民の思想・信条の自由を侵害することになるとは言い難い」と言明している。
 この日弁連中央の後押しによって政府方針が出されたことは明白だ。逆にこの構図の中に、裁判員制度のきわめて破綻(はたん)的な現状が突き出されている。日弁連中央を揺るがす闘いが死活的に求められている。
 労働者階級の立場を投げ捨て裁判員制度全面推進を掲げる連合中央を打倒し、労働組合が裁判員制度との闘いを自らの課題として闘おう。
 (本紙/保科俊介)

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週刊『前進』(2320号6面3)(2007/11/19 )

 12・1星野集会に結集を
 星野解放自らの課題に
 労働者階級の決起が勝利の道

 星野救う会が11・4に参加

 11・4労働者集会の勝利は、星野文昭同志解放が労働者階級の課題であることを鮮明にした。
 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」(星野・全国再審会議)の人たちは、日比谷野音を埋めた5700人とともに最後まで闘い抜いた。数寄屋橋交差点を解放区にした感動的なデモには「星野文昭さんを自由に」の横断幕をかかげ「星野のぼり」を林立させた星野隊列があった。
 労働者階級の総決起の中にこそ星野解放の道があり、星野解放は労働者階級の課題であることが実際の闘いをもって示された。帝国主義の最末期の危機が深まり、「生きさせろ!」という決起が次々と起きている。労働運動の力で革命をやりとげる時代が訪れた。
 韓国労働者の闘いを学ぼう。長期投獄の政治犯は、体制変革の闘いの中で労働者階級の手に取り戻された。そして、その闘い自身が労働者決起の道になってきた。
 星野文昭同志は、1971年11月14日、目前に迫った沖縄返還協定批准の強行採決を阻止するために決起した。都内における集会・デモは禁止され、東京は戒厳令状態におかれた。これを突破するために、全国の労働者はクビをかけ命をかけて立ち上がった。池袋駅では、大阪から上京した教育労働者・永田典子同志が機動隊に虐殺された。
 星野同志は7月と9月の三里塚闘争で2件の指名手配攻撃を受けながら、中野駅に結集した労働者・学生の先頭に立った。渋谷への突入を果たし、数千人の大衆と合流して深夜まで闘い抜いた。その前に立ちはだかった機動隊員1人がせん滅された。
 日帝・国家権力は星野同志に憎しみを集中し、「殺人罪」をデッチあげて無期懲役刑を宣告した。これは70年安保・沖縄闘争に対する階級的報復であり、二度とこのような決起を許さないという見せしめである。
 星野文昭同志は11・4労働者集会にメッセージを送り労働者階級と一体で生きる決意を語っている。(本紙2318号)

【写真左】 “星野さんは無実だ” 11月14日渋谷デモ 星野同志が闘った11月14日、星野・全国再審会議の街宣とデモが渋谷で行われた。宮下公園から出発したデモは、12・1集会への参加を訴えるプラカードを持ち、「星野さんは無実だ」「裁判をやり直せ」「今すぐ釈放しろ」と訴えた。
【 イラスト右】 12月1日(土)午後6時開場/6時半開会・9時終了 四谷区民ホール(丸の内線「新宿御苑前」下車)

 “どこまでも労働者と共に”

 「労働者の自己解放を通して、人間のあらゆる抑圧、差別から解放するたたかいが、11・4を突破口に日本階級闘争の主流になろうとしています。星野闘争はそのたたかいと一体です。そして沖縄闘争と一体です」
 「星野闘争の核心は、労働者人民とどこまでも共にたたかう立場に立ち、自己解放の希求と力に依拠し、自己解放、人間解放の魂と力を共に磨き、養ってたたかえば、私たちの力は無限だということにあります。星野無期を覆し、必ず合流し、未来を私たちの手に!」
 すべての同志諸君、『前進』読者の皆さん。このメッセージと全力で向き合おう。
 星野同志は身は獄中にとらわれながらも、常に獄外の闘いと共にあり、とりわけ労働運動と一体で闘うあり方を貫いている。「革命をやろう」と訴える者にとって、星野解放は自己解放をかけた闘いだ。
 星野同志、必ず君をとり返し合流を実現する。
 12・1星野全国集会に総結集しよう。集会賛同人になり、新署名運動の呼びかけ人になろう。
 (金山克己)

 激励の手紙を

 6月8日、星野同志の母、美智恵さんが逝去されたため、星野同志とご家族から年賀状を辞退するあいさつが届いた。全国から年賀状に代わる激励の手紙を送ろう。
 〒779−3133
 徳島市入田町大久200−1(徳島刑務所と書く必要はない)

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