ZENSHIN 2006/05/08(No2245 p10)

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第2245号の目次
 
1面の画像
(1面)
メーデーアピール 労働者の力で小泉倒せ  フランスの闘いに続こう
「改革」ではなく革命だ 青年労働者が最先頭に
労働運動弾圧の共謀罪廃案へ
記事を読む  
(2面)
不当処分粉砕し反合・運転保安確立へ
尼崎事故を繰り返すな! 動労千葉が「安全」問う集会
“民営化・規制緩和と対決を”(4月24日)
記事を読む  
“職場からJRと闘う”
事故1周年 尼崎市内で集会開く(投稿/関西合同労組 I・S)(4月16日)
記事を読む  
『奴隷の道を拒否せよ! 5・27事件と国鉄闘争』発刊
「許さない会」発起人らが50回超える公判を集大成
記事を読む  
国労5・27裁判の地平
組合員を警察に差し出した暴挙 この大罪は「リセット」できない
8被告の無罪と国鉄闘争勝利を
記事を読む  
(3面)
教育基本法改悪阻止へ巨万の国会包囲デモを
社会のあり方を戦時体制に転換  革共同教育労働者委員会
記事を読む  
都教委包囲首都圏ネット 今春の勝利を総括
教基法改悪阻止へ熱気(本紙・永松隆治)(4月22日)
記事を読む  
都立高卒業式不起立闘争 “不当処分撤回せよ”
被処分者が人事委に提訴(4月24日)
記事を読む  
団結し改憲阻止へ
労組交流センター 女性部が全国大会(4月15、16日)
記事を読む  
(4面)
泉佐野市議選 国賀祥司氏の必勝を
“07年関空2期供用阻止”
5〜6月改憲阻止闘争開こう〔革共同泉州地区委員会〕
記事を読む  
5・21狭山中央闘争へ  第3次再審勝利 全国連がアピール 記事を読む  
日帝・小泉=海上保安庁の独島略奪策動を弾劾する
独島(=「竹島」)は朝鮮の領土だ
記事を読む  
2006年日誌 4月19日〜25日
沖縄市長選で東門氏が当選  国会議員96人、靖国神社参拝
記事を読む  
(5面)
無実の星野文昭さんを取り戻そう
“年賀状も届かない刑務所”
群馬星野文昭さんの再審を実現する会 青柳晃玄さんに聞く
記事を読む  
獄中31年の星野同志奪還を  今年こそ勝負かけよう 記事を読む  
法政大 法学部でも処分阻止  独裁者=平林総長打倒を(4月24日) 記事を読む  
有朋寮裁判 高裁が明け渡し不当判決  第2次強制執行阻もう(4月25日) 記事を読む  
“イラク派兵演習阻止”  5・28北富士闘争へ 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
記事を読む  
共謀罪阻止へ全力決起
国会前でハンスト  “4・28衆院採決阻止せよ”
記事を読む  
“改憲と共謀罪に反対”  弁護士と労働者の闘い結び(4月25日) 記事を読む  
迎賓館・横田爆取控訴審 完全無罪戦取を!  3被告からの訴え(下)
国家ぐるみの権力犯罪を粉砕するため5・19公判へ  須賀武敏
記事を読む  
(7面)
戦争協力に突き進む連合路線と対決し 改憲阻止へ大運動を
9条破棄と基本的人権解体のクーデター狙う日帝との決戦  坂本千秋
記事を読む  
教基法改悪案 国会提出弾劾(4月28日) 記事を読む  
(9面)
青年労働者・学生は5・15沖縄闘争へ  名護新基地建設を絶対阻止しよう
日帝の沖縄圧殺政策に総反撃を  片瀬 涼
記事を読む  
(10面)
(10面) フランス CPE撤回させた闘いの教訓 スト・デモ・街頭闘争が爆発 学生と労働者の実力決起が勝利開く 藤沢明彦 記事を読む  
(10面) コミューン 6月号 崩壊する米軍支配 記事を読む  

週刊『前進』(2245号1面1)(2006/05/08)

 メーデーアピール 労働者の力で小泉倒せ

 フランスの闘いに続こう 「改革」ではなく革命だ 青年労働者が最先頭に

 労働運動弾圧の共謀罪廃案へ

 メーデーを、労働者の実力闘争を呼び覚ます日としよう。120年前の1886年5月1日、全米の労働者が「8時間は労働を、8時間は眠りを、そしてあとの8時間はわれわれの自由に」というスローガンで「8時間労働制」を要求しストライキに立ち上がりました。メーデーは本来、労働者が国家権力・資本家階級と対決し、人間らしく生きる権利を求めて闘う日です。今こそ私たち労働者の真の力を呼び起こそう!

 第1章 反合・運転保安闘争貫く動労千葉の決起に連帯し

 小泉政権そして経団連・奥田ら資本家階級のもとで一体どれほど人間的生活が奪われてきたか。彼らは8時間労働制すら解体して搾取を強め、労働強化の中で睡眠時間やものを考える時間を奪い、労働者としての誇りすら奪おうとしています。こんな社会はおかしい!
(写真 国鉄労働者1047名の解雇撤回をめざす4・4全国集会が4600人の結集で開かれた:。最先頭で闘う動労干葉の労働者【東京・日比谷野音】)
 社会を動かしているのは私たち労働者なのです。フランスを始め、全世界の労働者が闘いに立ち上がっています。今こそ全世界の労働者と連帯して、資本家階級に奪われてきたものを私たちの手に奪い返し、私たち労働者階級こそが社会の主人公となる世の中をつくろう。「改革」ではなく労働者による革命をやろう。06メーデーをその出発の日としよう。青年労働者が先頭に立とう。
 世の中を変える力は労働者の闘いにあります。日本の労働運動を、小泉=奥田を打ち倒す、力ある労働運動としてよみがえらせる。そのことが待ったなしに問われています。
 徹底した民営化・規制緩和の中で、私たち労働者の生活や命までも犠牲にさせられています。この現実には、もはや我慢の限界です。
 4月24日にはJR山手線全線がストップするという事態が起こりました。線路が隆起しており、異常な揺れで電車をストップさせたというのです。運転士の判断が間違えば尼崎事故のような大惨事が引き起こされたかもしれない深刻な事態です。JR尼崎事故から1年たった今でもJRでは事故が繰り返されています。「一体どういうことなのか、どうしてこんなことが相次いで起こるのか」――JRに対して怒りが殺到しています。
 けっして運転士やJRで働く労働者の責任ではありません。一切はJR資本の問題です。
 他社と競争し、会社の利益をあげるためには、何の利益も生み出さない安全部門を徹底して切り捨てていく。JR千葉支社は尼崎事故が起こってもなお「1分間の時間短縮は1億円の宣伝効果」だと言って列車のスピードアップを繰り返してきました。こうしたJR資本のあり方が労働者の命を日々脅かしているのです。そして既成労働組合の指導部がこれと闘わず、「労使協調」だと言って労働者の怒りを抑えつけてきたことが最大の元凶です。
 こんなあり方は絶対に変えなければならない! 国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は、「二度と尼崎事故を繰り返すな」とJR資本の責任を追及して闘ってきました。自分たち労働者と乗客の命を守るために無理なスピードアップをしないこと、危険だと感じたら止まること――これは鉄道で働く労働者、労働組合として当然の闘いであり、社会的正義の闘いです。
 にもかかわらず、こうした安全運転行動に対して、JRは動労千葉組合員に不当処分を発令しました。「安全運転行動が会社の運行管理権を奪う違法な争議行為」だと言うのです。安全を守るために闘う労働者を処分するとは何ごとか! 利益をあげるためには尼崎事故を繰り返しても構わないということです。こうした会社のあり方を弾劾して闘っている労働組合をたたきつぶそうとしているのです。そうすれば事故が起こっても一切は運転士や労働者の責任にすれば良いということです。だとすれば、これは労働者とは根本的に非和解です。「労働者が資本と闘うことなしに安全は守れない」という動労千葉の闘いは、まさに鉄道の運行管理権を横暴な資本から社会の主人公である労働者に奪い返す闘いです。
 みなさん、あらゆる職場でこういう闘いをやろう。今やこうした問題はJR以外でも噴出しています。相次ぐ航空機のトラブル、耐震偽装、違法建築、アスベスト問題……。これらは、資本主義そのものが労働者の生活と相いれなくなっているという現実です。
 「会社の発展が労働者の生活を良くする」などまったくウソです。食うや食わずの状態が労働者の生活実態であるのに対して、資本家はどうしているのか。激しい首切り、人件費の削減、安全の切り捨てで、史上空前の利益をあげています。これが「官から民」への正体です。結局一握りの資本家連中が生き残るために、労働者の生活はどうなってもかまわない、労働者から無制限に搾取する構造をつくるためのものでしかないということです。
 もう行動するしかない! 「小泉はやめろ!」という労働者の怒りが高まっています。千葉7区の衆院の補欠選挙を始め、岩国と沖縄の市長選でも小泉・自民党に対する怒りがたたきつけられています。徹底した民営化、合理化、規制緩和で労働者の生きる権利を奪い去り、労働者が生きるための最低限の安全さえ犠牲にしなければ成り立たない社会であるなら、そんな社会はもはや終わりです。
 そうしなければ小泉や奥田が生きていけないというのなら、そんな資本や権力はいらない。私たち労働者が彼らにとってかわろう、ということです。動労千葉のように闘う労働組合を私たちの力でよみがえらせた時、労働者自身の力で世の中を変えることは絶対にできます。

 第2章 教基法改悪・改憲阻止の国会包囲闘争に立とう!

 労働者の怒りの高まりに対し、敵は改憲で労働者をさらに支配しようとしています。改憲とは「平和と民主主義」に表された価値観や社会のあり方を根底から転覆する攻撃です。こんなもくろみは小泉もろともぶっ飛ばさなくてはなりません。労働者、労働組合の総力を集め、改憲阻止・小泉打倒に立ち上がろう。
 改憲に向かうのは、日本帝国主義・小泉政権がどうしようもない危機だからです。世界的な大恐慌の引き金につながるアメリカのドル暴落の危機があり、日本も公的負債が1000兆円を超える国家破産状態です。第2次世界大戦の時のように、帝国主義のこの破滅的危機が、生き残りをかけた戦争へと帝国主義を駆り立てています。小泉は、アメリカ帝国主義とともに石油の権益をかけてイラク侵略戦争の泥沼にますますのめりこむ以外になく、米軍再編で中国・北朝鮮侵略戦争を始め世界規模の戦争へ突き進む以外にありません。これまでのあり方ではどうしようもなくなっているのです。
 だから改憲が支配階級の側から問題になっているのです。憲法そのものを変えてしまうことによって天皇、資本家、国家権力が労働者の権利を踏みにじり、生活を犠牲にし、戦争に駆り出すということです。核心は9条改憲です。
 改憲・戦争への道は、郵政や自治体など4大産別を始め、私たちの職場で進められています。にもかかわらず、本来改憲に反対して最先頭で闘うべき労働組合の指導部がおかしな方向を向いていることが許せない。労働者の怒りを集めれば改憲を阻止し、小泉を打ち倒せる決定的チャンスが訪れているにもかかわらず、組合幹部はどっちを向いているのか! 小泉や資本家の方向です。
 今年の1〜3月過程で自治労、日教組、JPUと臨時全国大会が開催されました。この組合の指導部が先頭になって改憲をやろうとしているのです。1月19日に連合の中央執行委員会は国民投票法案を小沢・民主党と一緒になって進めていくという立場を表明しました。国民投票法案は改憲反対の運動をすべて禁止する内容です。こんな重大なことを許しておいて反戦平和などと言っています。こんなペテンがあるでしょうか。
 こんな腐りきった労組指導部を現場の闘いでぶっ飛ばそう。教育の現場では「日の丸・君が代」の強制に反対して、処分の恫喝をはねのけ教育労働者の不起立闘争が巻き起こりました。この教育労働者の戦争協力拒否の闘いが、陸・海・空・港湾労働者、国鉄労働者との共闘をつくっています。そして全逓も自治労も現場労働者の闘いはつぶされていません。民間、未組織の労働者も闘っています。この力が戦争への道をとめる力になっています。
 職場は違っても労働者は自分と仲間の利害をかけてひとつにつながることができます。この力が最大の武器です。職場、産別を越えて労働者は団結し、改憲阻止闘争を全力で闘おう。その中で教育基本法改悪を絶対に阻止しよう。労働者の闘いを弾圧する共謀罪は阻止する以外にありません。小泉政権打倒の国会包囲闘争に立ち上がろう。

 第3章 辺野古新基地建設阻止へ5月沖縄闘争に総結集を

 改憲阻止闘争と一体で5月安保・沖縄闘争を闘うことが決定的です。日本政府はこれまで憲法の上に日米安保条約を位置付け、沖縄に基地を押し付けることで帝国主義として生き延びてきました。小泉は、米軍再編のもとで基地を永久に固定化し、沖縄を戦場にし、新たな安保体制を築き、改憲を強行して中国・北朝鮮侵略戦争に突入しようとしています。
 その沖縄から島ぐるみの反乱が起こっています。これが小泉を揺さぶっています。沖縄では3月5日に3万5千人の県民大会が開催され、「基地撤去」の叫びが発せられました。また、岩国市の住民投票に見られるように、すべての基地はいらないという声が、本土−沖縄から上がっています。小泉と真っ向から激突しています。
 危機に駆られた小泉は、名護市長を屈服させ、稲嶺県知事を屈服させることで米軍再編に反対する声をつぶそうとしています。4月7日に名護市・島袋市長は、防衛庁で額賀長官と「V字形沿岸案」を合意しました。
 しかし、こんな合意案に沖縄の労働者人民は納得していません。そこが小泉の最大の危機です。沖縄県民大会では自治労、教労、全駐労を先頭に労働組合が闘いをけん引しました。今回の米軍再編では1000人単位でクビを切られようとしている基地労働者が、基地撤去の闘いに立ち上がっています。こうした労働者の中から「全島ゼネストを真剣に論議しよう」という声も出てきています。
 そして名護市辺野古のオジーやオバーは700日を超える基地建設反対の座り込みをやりながら、「今やらずしていつやるのだ。あなたたちがやらずして誰がやるのか」と本土の労働者に訴えています。沖縄と本土を貫いて労働者が立ち上がった時、沖縄を人民の手に取り戻し基地撤去を実現することができます。労働組合が実力で闘った時、初めて情勢を揺り動かすことができます。本土の青年労働者は、5月沖縄に全力で駆けつけ、沖縄の闘いをわがものとして闘おう。
 5月改憲阻止・沖縄闘争を闘うということは、労働者を犠牲にし、戦争をする以外になくなった資本主義社会の根本を問う闘いであり、革命をやろうということそのものです。既成労組指導部の抑圧をはねのけて、間違っていることは間違っていると声に出そう。青年労働者の手で闘う労働組合、労働運動をつくり出していこう。
 フランスでは若者を先頭に数百万人の労働者が決起し、若年労働者を自由に解雇できる法律を撤回させたではありませんか。労働時間の延長に反対するドイツの闘い、年金制度改悪に反対するイギリスの闘い、法外移民の労働者を犯罪者扱いする法案に反対するアメリカの闘いなど、主要な帝国主義国の労働者がそれぞれ数百万人の規模で闘いに立ち上がっています。労働者を抑圧し、戦争を拡大する帝国主義を打倒しようとする労働者階級の闘いが全世界で大高揚を開始しています。この闘いに続こう。
 革命は自分たちを抑圧している資本家や国家権力と闘い、自己を解放する闘いです。だから最も明るく楽しい事業です。労働者がいなければ社会は成り立ちません。労働者こそが新しい世の中をつくる力をもっているのです。万国の労働者団結せよ! この先頭に青年労働者は立ち、全エネルギーを解き放とう。
(写真 フランス南部のマルセイユで首切り自由の初期雇用契約【CPE】の撤回を掲げて25万人の労働者と学生がデモ【3月28日】)

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週刊『前進』(2245号2面1)(2006/05/08)

 不当処分粉砕し反合・運転保安確立へ

 尼崎事故を繰り返すな! 動労千葉が「安全」問う集会

  “民営化・規制緩和と対決を”

 JR尼崎事故から1年を直前にした4月24日、動労千葉は千葉市民会館で「反合・運転保安闘争勝利!国鉄1047名解雇撤回!憲法改悪阻止!民営化・規制緩和と闘う4・24労働者総決起集会」を開催した。集会は安全運転闘争へのJR東日本の処分発令に対する怒りが渦巻き、尼崎事故1周年を反合・運転保安闘争の新たな出発点とする動労千葉組合員と支援の決意を打ち固める場になった。
(写真 動労千葉の安全連転闘争に対してJ R東日本は不当な処分を強行した。動労千葉は380人の総決起集会でこれへの総反撃を宣言した【4月24日 千葉市民会館】)
 動労千葉は06春闘を反合・運転保安春闘として闘い、3波のストライキと安全運転闘争を貫いた。この闘いに対し、JR東日本は本部執行部に戒告、現場の組合員に厳重注意の不当処分を発令した。
 これは、安全確立のために労働組合が闘いに立つことそのものを圧殺する不当きわまる処分である。正当な争議行為を処分の対象とすること自体、常軌を逸した暴挙だ。さらにJRは、4月6日に幕張電車区構内で起きた脱線事故を口実に、動労千葉組合員への重処分を狙っている。JRは重大事故を繰り返してなお、安全そっちのけで組合つぶしに躍起となる許しがたい姿をさらしたのだ。この日もJRは、山手線高田馬場―新大久保駅間で線路隆起のため電車が緊急停止する事故を起こしている。
 集会は事故と処分に対する怒りにあふれた。開会あいさつに立った長田敏之書記長は、「闘いなくしてJRに安全を強制することはできない。不当処分と徹底して闘う」と宣言した。
 田中康宏委員長が発言し、尼崎事故から1年目の25日9時19分を期して、乗務中の全運転士が一斉に汽笛吹鳴の行動に立つことを明らかにした。この行動に対しても当局は職場に警告書を張り出し、監視のために職制を添乗させる構えだという。
 田中委員長は、「分割・民営化で労組の団結が破壊されて尼崎事故まで行き着いた。安全は労働組合の団結と闘いの問題だ。われわれは職場で何ができるのかを考えて今回の闘いに立った」「事故を起こしたくないと誰もが思っている。しかし事故は避けて通れない。レール破断が続く現状に本当に危機感を持ってほしい」と声を強めた。さらに、幕張電車区での事故について「絶対に本人の責任ではない。重処分を許さない闘いをすることこそ、尼崎事故を許さないということだ」と強調した。
 そして、「反合・運転保安闘争は組合を立て直す闘いにつながる。72年の船橋事故闘争の時は、動労千葉地本は御用派の執行部だった。その翌年に闘う執行部をつくった」「反合・運転保安闘争と1047名闘争で民営化と闘う労働者の結集軸をつくりたい。フランスの労働者が示したように、労働者の闘いこそが社会を変える」と提起した。
 安全解体に走る資本との闘いは全労働者の共通の課題であり、資本との根底的な対決を貫く闘いだ。

 安全の確立は全産別の課題

 特別報告に立った航空労組連絡会の村中哲也元副議長は、航空労働運動の歴史に触れ、「安全は経営者や行政の良心を信じて確立することはできない。労働者、労働組合が闘わないと確立できない」と述べ、「安全を脅かす軍事利用反対を曲げるわけにはいかない」と言い切った。
 続いて全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の城野正浩執行委員が発言した。関生支部への大弾圧によって不当逮捕・起訴され昨年12月に保釈をかちとった城野執行委員は、この弾圧の狙いが関生支部つぶしにあることを怒りを込めて暴露した。また、中小・零細業者の多い生コン業界で大手資本に対抗するため産業政策運動を進めてきた関生支部の闘いを紹介し、「『安全より効率』はすべての業界に共通している。安全な労働環境をつくるためには闘う労働組合が必要だ。資本のいうことを聞く労働組合では、その役割は果たせない」と訴えた。
 日本板硝子共闘労働組合の小貫幸男書記長は、アスベスト労災を引き起こした会社の責任を追及し、労災補償制度をかちとった闘いについて報告した。JRの安全問題を追及するジャーナリストの安田浩一さんは、「当たり前の組合運動が弾圧され処分されるのは許せない。鉄道魂を持ち、命をかけて安全を守る皆さんと一緒に頑張りたい」と語った。さらに、「日の丸・君が代」強制と闘い不当処分を受けた千葉高教組の組合員が、不屈の闘志をみなぎらせつつ、動労千葉との共闘を誓った。
 動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長は、「動労千葉への処分は絶対に許せない。当局は安全を処分し、安全を絞殺した。これは尼崎、羽越線、伯備線事故を何度でも繰り返すと公言したに等しい」と満面に怒りをあらわにした。
 動労千葉の組合員が登壇した。動労千葉争議団の高石正博さんは「敵を倒すためには団結以外にない」と訴えた。千葉運転区支部、幕張支部、貨物協議会、乗務員分科会の各代表がそれぞれに、処分を許さず、JR当局の手先となった東労組カクマルと対決して運転保安確立へ闘いぬく決意を述べた。
 集会には、尼崎事故で重傷を負った被災者や、アメリカの運輸労働者連帯委員会からのメッセージが寄せられ、紹介された。
 参加者は繁沢敬一副委員長の音頭で団結ガンバローのこぶしを挙げ、資本と根底的に対決する階級的労働運動の再生へ、新たな決意を固めあった。

 9時19分、一斉に汽笛鳴らす

 4月25日午前9時19分、乗務中の動労千葉の運転士は、職制の監視をものともせず一斉に汽笛を鳴り響かせた。尼崎事故1周年を期してのJR体制に対する戦闘宣言だ。
 これに呼応し、動労千葉組合員と動労千葉を支援する会は同日朝、JRの職制の妨害をはねのけ、JR千葉駅東口で処分弾劾のビラまき行動を貫徹した。

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週刊『前進』(2245号2面2)(2006/05/08)

 “職場からJRと闘う” 事故1周年 尼崎市内で集会開く

 4月16日、尼崎市内で「闘いなくして安全なし!2度と尼崎、羽越線、伯備線事故を許すな!1047名解雇撤回!職場から反合・安全闘争をたたかおう!4・16尼崎集会」が「尼崎脱線事故糾弾・国労有志の会」の主催で開かれ120人が参加しました。
 司会の国労兵庫保線の仲間は、「JR西日本は安全性向上と言いながら、安全確保に最も必要な要員を年度末合理化で218名も削減した」と弾劾しました。
 国労奈良電車区の仲間が主催者あいさつをし、「昨年の6・26集会では、尼崎事故は国鉄分割・民営化が必然的につくりだしたものであり、『闘いなくして安全なし』の原則で闘わなければ大惨事は防げないことを明らかにした。本年は、動労千葉の反合・運転保安闘争が現場から反合闘争に立ち上がる機運をつくり出した。国労再生は待ったなしだ」と提起しました。
 国労米子の仲間が、伯備線事故後急に安全投資を増やしたJR西を弾劾し、国労新潟の仲間は羽越線事故後も航空機との競争をあおるJR東を告発しました。
 国労吹田機関区の仲間のカンパアピールの後、国労兵庫保線の仲間が「神戸の鉄道高架橋は1945年の空襲・火災と1995年の震災でボロボロ」「国労西日本本部の制動を跳ねのけ、分会からJRの安全無視を追及していく」とプロジェクターを使って分かりやすく説明しました。
 動労西日本の小川正哉委員長が欠員補充・増員要求を掲げての吹田機関区ストについて、大江照巳書記長が駅の要員合理化に反対して闘われた広島・五日市駅ストの報告をしました。
 鉄建公団訴訟原告の仲間は「分割・民営化で反合・安全を言う人を排除し、1047名を解雇した。職場からの反合・安全闘争と1047名闘争は切っても切れない関係」と述べ、鉄道運輸機構訴訟原告は「裁判闘争だけでは勝てない。大衆行動を」と訴えました。
 全国金属機械港合同の辻岡尚執行委員が連帯アピールをし、「港合同と動労千葉の呼びかけで中曽根発言追及の署名を訴えている。中曽根は『分割・民営化は国労をつぶすために自分がやった』と自慢げに発言している。不当労働行為による1047名の解雇撤回を」と力強く訴えました。
 会場から国労広島の仲間が「体を壊され配転され、昇給もカット。こんなことに屈服できない」と怒りを表明し、国労福知山の仲間は「支社は尼崎事故の犠牲者に高見運転士を含めず106名と言っている。会社こそが加害者と認めるまで闘いたい」と決意を表明。
 動労千葉からのメッセージが読み上げられ、スタンダード・ヴァキューム石油自主労組、関西合同労組関西トランスポート分会からの報告が続きました。
 「日の丸・君が代」不起立を闘う教育労働者や全逓、自治体労働者が国鉄闘争に未来を託して合流してきています。刑事弾圧を跳ね返して闘う全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部は、国鉄支援共闘の先頭に立っています。今こそ国鉄闘争20年の闘いが本領を発揮する時だ。国鉄闘争を軸に改憲阻止闘争へ総決起しよう。
 (投稿/関西合同労組 I・S)
(写真 事故続発のJ R体制打破へ、反合理化・安全闘争に立つことを誓いあった尼崎集会【4月16日】)

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週刊『前進』(2245号2面3)(2006/05/08)

 『奴隷の道を拒否せよ! 5・27事件と国鉄闘争』発刊

 「許さない会」発起人らが50回超える公判を集大成

本の表紙『奴隷の道を拒否せよ! 5・27事件と国鉄闘争』 本書の筆者は「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の20人の発起人を中心に、呼びかけ人と被告・家族、弁護団で、佐藤昭夫事務局長ら合計30人です。
 2006年1月段階の執筆で、「許さない会」の02年12月の発足以来の活動、03年2月の初公判から50回を超える公判闘争を集大成し凝縮した待望の書です。
 筆者は全員が国鉄1047名闘争を長く闘い、また共闘してきた方々です。
 2002年10月、国鉄闘争は4党合意に反対し鉄建公団訴訟が開始される中で、「国労闘争団員・組合員らの大量逮捕」という重く衝撃的な弾圧を受けました。この弾圧が、国労本部が警察に協力し組合員を売り渡して起きた事実も明らかになりました。しかし国労本部は、「国労とは無関係。中核派の大会妨害行動」と宣伝し、「保釈要請にも協力するな」と居直りました。それは、警察と同じ「過激派キャンぺーン」でした。
 このような中で、筆者たちは労働組合運動として組合員の処罰を求めることはどんな場合でも許されないとして、それぞれ「許さない会」の運動を担い、あるいは注目してきました。その思いを体現したのが本書です。それぞれが長年の闘いと研究に裏打ちされた方法でアプローチし、一言ではとてもくくれない広さと深さを持っています。本書はいわば「日本労働運動の精華の集大成」です。
 この弾圧は、国鉄1047名闘争が鉄建公団訴訟を開始し、新たに発展する過程で発生しました。また国労本部が警察権力と癒着し一体となって深く関与した深刻な事実が、裁判で次々に明らかになりました。
 この関係を冒頭の「T5・27事件の理解のために」で述べ、初めて労働運動に接する人にも分かりやすくしました。本体とも言える加藤晋介氏(鉄建公団訴訟主任弁護士)から石村善治氏(福岡大学名誉教授)の22人の寄稿は「U国労の再生を願う」「V5・27臨大闘争弾圧と日本の労働運動」「W戦時体制への動きを許すな」と大別しています。そして弁護団、被告・家族の訴えとし、末尾に資料を配しました。
 家族の訴えでは、「労働運動とか弾圧とかよく分からなかった」当初の頃から、「この弾圧で得をした」と言い切るようになった経緯が生き生きと記されています。
 憲法改悪に反対する人、労働者の団結を守る闘いに苦心する人に、ぜひ読んで頂きたい一冊です。
   □   □
『奴隷の道を拒否せよ!−5・27事件と国鉄闘争』
「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」編
定価/本体1300円+税
発行/アール企画
発売/星雲社(東京都文京区大塚3−21−10/電話03−3947−1021)
全国の書店で発売中。「許さない会」でも取り扱います。
(国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会事務局)
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■国労5・27臨大闘争弾圧とは

 2002年5月27日、国労本部が国鉄1047名闘争を原則的に闘う闘争団員を統制処分するために臨時全国大会を開いた際、これに反対してビラまき・説得活動を行った闘争団・組合員らを、権力と国労本部が一体となり8人を逮捕・起訴した刑事弾圧。
 一斉逮捕が強行されたのは国労全国大会代議員の選挙開始日の10月7日。8人は1年3カ月の長期勾留を強いられたが、全員が黙秘権を行使した。
 裁判は間もなく検察側立証を終え、夏からは被告・弁護側の反証に入る。これは国鉄闘争20年の正義を立証する過程となる。

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週刊『前進』(2245号2面4)(2006/05/08)

 国労5・27裁判の地平

 組合員を警察に差し出した暴挙 この大罪は「リセット」できない

  8被告の無罪と国鉄闘争勝利を

 政治解決路線を破棄しよう

 国鉄1047名闘争が重大局面を迎える中で、国労5・27臨大闘争弾圧を打ち砕く闘いはますます重要な位置を占めるに至った。
(写真 1047名の解雇撤回へ、4・4集会に参加しモに出た「許さない会」【東京・銀座】)
 昨年9月15日の鉄建公団訴訟判決を機に、1047名の大同団結への大きな流れが形づくられている。今年の2・16国鉄集会を起点に「被解雇者1047名連絡会」が結成され、4・4日比谷野音での国鉄集会には4600人が結集した。
 JR体制は重大事故の続発という形で矛盾と破産をさらけ出している。動労千葉の3月反合・運転保安春闘は、このJR体制の破産を鋭く暴いて闘いぬかれた。JR東日本は、これを押しつぶそうと、尼崎事故1年を前にして動労千葉組合員への不当処分を発令した。これと全力で闘いぬく中で、動労千葉はJR体制打倒へのさらなる闘いに突き進んでいる。
 こうしたJR本体からの決起が1047名闘争と緊密に結びついた時、解雇撤回が実現できることもまた明らかだ。
 今や全世界で労働者の階級的決起が巻き起こっている。フランスの労働者は300万人のゼネストとデモでCPE(初期雇用契約)を撤回に追い込んだ。
 こうした労働運動のうねりは、日本に波及しないはずがない。教育労働者の「日の丸・君が代」強制拒否の不屈の闘いは、動労千葉の春闘決起と並んで、その突破口を開いている。
 小泉=奥田路線のもとで貧富の格差は拡大し、膨大な労働者が不安定雇用とぎりぎりの生活を強いられている。労災・事故は頻発し、労働者はいつ資本によって命を奪われるか分からない。こうした現実への積もりに積もった憤りを、壮大な闘いに転化することができるか否かの関門に、日本の労働運動は立っている。それはひとえに、連合・全労連指導部による裏切りと抑圧を現場労働者が打ち破れるかどうかにかかっている。
 その最大の戦場が国鉄闘争だ。2・16や4・4は、国鉄闘争勝利に寄せる労働者階級の熱い期待を示している。同時にそれは、国鉄闘争こそ最も激しい路線闘争・党派闘争のるつぼであり、ここでの勝敗が労働者の未来を決することも鮮明にした。
 国労本部は、鉄建公団訴訟へのあからさまな敵対姿勢を転換し、1月中央委員会で「鉄建公団訴訟支援」の方針を打ち出した。それをもって佐藤勝雄委員長ら国労本部は、「4党合意以来の組織の混乱をリセットした」とうそぶいている。だが、国労本部は1047名の団結にどこまでも依拠し、その力と闘いで解雇撤回を実現する立場に立ったわけではけっしてない。彼らは1047名の団結を形骸化させ、1047名全体を敗北必至の「政治解決」路線に引き入れようと躍起になっている。資本や権力と真正面から闘わずに、解雇撤回も職場における労働者の権利防衛もありえない。政府に頭を下げて「解決」をこいねがう政治解決路線は、4党合意受け入れの誤りを再び繰り返すものにほかならない。
 国労5・27臨大闘争弾圧との闘いは、政治解決路線を破棄し、国労の再生をかちとる闘いの切っ先に位置している。
 次期国労大会に至る過程は、この弾圧を打ち破る闘いをすべての国労組合員の闘いに発展させる重大な決戦となった。

 弾圧首謀者は打倒すべきだ

 02年5月27日、国労本部は鉄建公団訴訟に立った闘争団員を査問にかける臨時大会を開いた。これに抗議し、闘う国労組合員は臨大当日の早朝、本部役員や会場係が宿泊するホテル前でビラまき・説得活動に立った。それを「暴力行為」にデッチあげたのが国労5・27臨大闘争弾圧だ。
 00年5月に与党3党と社民党は4党合意を結び、「(JR採用差別について)JRに法的責任がないことを認める」と大会決定するよう国労に迫った。それは、1047名闘争を国労自身の手で圧殺させる、あからさまな支配介入だ。
 これに闘争団員は猛然と怒りを噴出させ、00年7・1臨大での演壇占拠を始めとした闘いを貫いた。だが、権力と資本に屈した国労本部は、機動隊の制圧下に置かれた01年1月の大会で4党合意受け入れを強行決定した。
 こうした国労本部の裏切りに抗して、闘争団員とその家族は02年1月、自らの手で解雇撤回闘争を切り開くために鉄建公団訴訟に立ち上がった。
 そこで自民党らは、02年4月、与党3党声明を出して「鉄建公団訴訟原告らを除名しろ」と国労本部に強要した。これに屈して国労本部が強行開催したのが02年の5・27臨大だった。
 これに組合員が激しく抗議したのは当然のことだ。だが、国労本部はその行動を「暴力」と言いなして、国労組合員を警察に売り渡したのだ。
 すでに56回を数える公判では、次のような事実が明らかになっている。
 当時、東京地本委員長だった酒田充・前本部委員長は、被告たちがビラまき・説得活動を展開しているさなかに、いち早く携帯電話で公安警察に弾圧を要請した。検察側の最重要証拠となっているビデオの撮影を鈴木勉・東京地本法対部長(当時)に命じ、そのビデオテープを公安刑事に渡したのも酒田前委員長だ。
 また、酒田前委員長や吉田進・現本部書記長らは、傘下組合員に「被害届」を出させ、検察側証人となるよう重ねて強要した。
 もはやこれは「裏切り」という言葉では言い表すことのできない、すさまじい反階級的暴挙である。
 国労にとって解雇撤回闘争を闘うことは、その団結を維持するための死活的課題だ。だが本部は政権政党の支配介入を受け入れて解雇撤回闘争を投げ捨て、さらには闘争団員を統制処分に付し、それに反対する組合員を警察に売ったのだ。
 労働組合は、労働者にとってかけがえのない団結体だ。それを破壊した国労本部の行為は、絶対に「リセット」などできない。弾圧首謀者・加担者を打ち倒さずに「国労の団結回復」はありえない。

 改憲阻止に直結する闘い

 小泉政権は今国会で共謀罪を成立させようと全力を挙げている。教育基本法改悪案の国会提出も迫っている。4月20日には行革関連法案が「市場化テスト」法案とともに衆院を通過した。それらを集大成するものとして、改憲=新憲法制定の大攻撃がある。
 その核心にあるものこそ、労働者の階級的団結の解体だ。元首相の中曽根や森は、郵政民営化や公務員制度改革などの狙いが全逓(JPU)、自治労、日教組の解体にあることを公言してはばからない。中曽根は、国鉄分割・民営化について「国労が崩壊すれば、総評も崩壊するということを明確に意識してやった」「行政改革でお座敷をきれいにし立派な憲法を安置する」と言い放っている。
 かつては労働者が労働組合を結成し闘うことは、すべて「共謀の罪」として弾圧された。資本と権力が労働者の階級的団結に向ける憎悪と恐怖は、今日もけっして変わってはいない。動労千葉の安全運転闘争に対するJR当局の処分も同じだ。線路に危険を感じた運転士が安全確保のために減速する行為は、職責上、当然のことだ。にもかかわらずJRは、それが労組の団結のもとに労組の闘いとして貫かれたことをもって、不当な処分に及んだのだ。
 連合中央が改憲翼賛に転落し、小沢民主党支持に激しく傾斜している今、労働者の階級的団結を守る闘いは死活的になっている。
 国鉄闘争の勝利を願い、労働者の権利確立を願う多くの人びとが国労5・27臨大闘争弾圧との闘いに惜しみない支援の手をさしのべているのは、それが労働者階級全体の団結する権利にかかわる課題だからだ。ひいてはそこに、戦争と改憲を阻む道があると見ているからだ。
 5・27臨大闘争弾圧裁判は今、検察側証人尋問の最終盤を迎えている。いよいよ弁護側立証に入る重大な局面にある。労働者の階級的団結を守りぬく闘いとして8被告の無罪をかちとろう。「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の運動を大きく広げ、公判傍聴闘争を強化しよう。国鉄闘争勝利と国労再生の大道を切り開こう。

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週刊『前進』(2245号3面1)(2006/05/08)

 教育基本法改悪阻止へ巨万の国会包囲デモを

 社会のあり方を戦時体制に転換

  革共同教育労働者委員会

 日帝・小泉政権が教育基本法の改悪へ突き進んでいる。4月28日に「我が国と郷土を愛する態度を養う」とうたった改悪案を閣議決定して国会に提出、今国会でなんとしても教育基本法改悪を押し通そうとしているのだ。こんな暴挙は絶対に許してはならない。教育労働者を先頭にすべての労働者・学生・人民は、翼賛国会を包囲し、改憲の一大突破口=教基法改悪を絶対に阻止しよう。

 戦後憲法体制を解体して改憲の強行狙う

 まず何よりも、教育基本法の改悪がいよいよ国会に提出されるという現実に、根底から危機感を燃やそう。教育基本法の改悪は憲法改悪に直結するものであり、戦後憲法体制を解体し、社会のあり方を戦時体制へと根本から大転換させるものである。
 教育基本法とは、労働基本法、地方自治法と並んで、戦後憲法体制を支えてきた法律である。労働組合法は戦後間もない1945年12月に制定され、教育基本法、労働基準法、地方自治法は、いずれも日本国憲法が施行された1947年に制定された。それ以来59年、さまざまな反動政治が繰り返されながらも、大きくは、戦後的な〈平和と民主主義〉という価値観にもとづいて社会のすべての仕組みがつくられてきたのである。
 まず教育は、教育基本法のもとで、国のために命を捨てることを強制する教育から、「個人の尊厳を重んじ、個人の価値を尊ぶ」教育へと大転換した。憲法・労組法・労働基準法により労働者の団結権、団体交渉権、ストライキ権が保障された。地方自治法により、地方自治体は国の下部機関ではなく、国と同格の存在へと転換した。これらはいずれも、侵略戦争を再び行わないための仕組みであったと言える。
 戦後の日教組運動もまた、教育基本法体制のもとで成り立ってきたものである。勤評闘争や学テ闘争など、戦後労働運動において決定的な位置を占めてきた日教組の闘いも、戦時中の教育との決別を強く打ち出した教育基本法の存在を前提として闘われてきた。「教え子を再び戦場に送るな」が日教組運動にとって絶対に欠かせないスローガンとして存在してきたのも、戦争教育の担い手にはけっしてならないという強い決意ゆえであり、教育基本法の存在と一体であったと言っていい。
 今開始されているのは、こうした戦後体制をすべて根底からひっくり返し、上から解体して、社会全体を〈戦時体制〉へとつくり変える大攻撃である。
 教育を変えるということは、けっして教育現場が変わるだけのものではない。60年前に大破産してけっして繰り返されてはならないものとされた〈国のために生き、天皇のために死ぬ〉人間となることが、社会全体に至上の価値として押しつけられていくのだ。それは〈戦後の終わり〉であり、〈戦時の始まり〉である。
 教基法改悪反対闘争は、03年の「教育基本法の改悪をとめよう! 12・23全国集会」を起点にして、「日の丸・君が代」強制に反対する教育現場からの不起立闘争と相まって大きな高揚をつくり出してきた。その力が、今日まで教育基本法改悪を阻止してきたのである。にもかかわらず改悪法案が提出されようとしているのは、帝国主義間争闘戦下の日帝の危機の深まりが、今や改憲そのものを火急の課題としているからだ。教基法改悪=日教組解体こそ、改憲強行のための正面突破攻撃なのだ。教育労働者を先頭に、すべての労働者が激しい危機感を燃やして立ち上がろうではないか。

 教育の目標が愛国心育成に

 日帝・小泉政権の教育基本法改悪案は、教基法を日教組解体と戦争教育強制の武器へと180度転換させる、本当に許すことのできない内容である。
 まず、前文に「公共の精神」「伝統の継承」を盛り込んだ。「公共の精神」とは国家のために命を投げ出す「忠君愛国」精神のことであり、「伝統の継承」とは天皇制支配を永遠のものとして継承せよ、ということだ。現行教基法前文にある「真理と平和を希求する人間の育成を期する」教育から、国のため、天皇のために命を投げ出す人間をつくるための戦争教育へと大転換させようとしているのだ。
 さらに第2条として、現行教育基本法には存在しない〈教育の目標〉を新たに定めようとしている。そこで掲げたのは、「豊かな情操と道徳心」「公共の精神」「社会の発展に寄与する態度」など、いずれも国家・公に奉仕する人間を育成する教育へと大転換させるものである。自公協議の焦点であった〈愛国心〉は、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」とされた。「真理と平和を希求する人間の育成」ではなく、〈愛国心に燃え、国際平和のために戦う日本人〉づくりへと、教育の目標が大転換するのである。

 10条を解体し戦争教育徹底

 最大の問題は現行法10条の解体である。10条は、教育行政の任務を「条件整備」に限定して教育内容に介入してはならないと制限を加えた。これは、国家権力の直轄支配のもとで青少年を戦場に送り出していった戦時中の教育との決別を打ち出したものであり、教育基本法の中でも核心的な条文である。これを改悪案は、「教育は……国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」という言葉を削除し、それに代えて「この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」とした。さらに教育行政の任務を「条件整備」に限定した10条2項を削除し、「国は……教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない」と明記した。教育振興基本計画の規定を設け、閣議決定だけで政府の意のままに教育政策を推進していく仕組みをつくろうとしている。教育活動が法律の執行行為となり、「命令による教育」が横行するということだ。
 これらによって、教育労働者には、改悪教基法とそれに連動して改悪される下位法令の順守が義務づけられることになる。教育基本法が改悪されれば、それが学校教育法改悪→学習指導要領改悪→教科書検定基準の改悪へと連動し、教育内容を愛国主義・国家主義で染め上げていくものとなることは間違いない。さらに特別活動の儀式的行事も〈愛国心涵養(かんよう)のための儀式〉と位置づけられ、「日の丸・君が代」に対する起立・敬礼・斉唱指導が義務づけられることになるのだ。
 また、〈愛国心に燃え、国際平和のために戦う日本人の育成〉が教員の「崇高な使命」とされれば、「君が代」を歌わない教員、生徒に歌わせられない教員は、職務命令の有無にかかわりなく「不適格教員」として分限免職、教員免許更新制でクビとされることになりかねない。
 軍国主義教育との決別をうたった10条が、まったく逆に、教育労働者に国家の方針どおりの教育を強制する条項に大転換させられようとしているのだ。教育労働者は「教え子を再び戦場に送るな」の決意にかけて、渾身(こんしん)の力を振り絞って改悪阻止に総決起しよう。

 労働者の子を戦場に送るな

 教基法改悪は、〈格差社会〉に対応した差別・選別教育を徹底するものでもある。そして小泉「構造改革」が階級対立をますます激化させている現実に対応して、「天皇中心の伝統・文化」なる虚偽のイデオロギーによって国民統合をはかる攻撃である。その意味で、共謀罪を始めとした戦時型治安弾圧強化とも表裏一体の関係にある。
 大都市ではクラスの半分の児童生徒が就学援助を受け、生活保護世帯は100万を超え、若年層の半分は非正規雇用、平均年収133万円となっている。愛国心教育と差別・選別教育の徹底によって戦場に送り込まれようとしているのは、労働者階級の子どもたちである。
 自民党の武部幹事長は、「フリーター、ニートはイラクに行け」と言い放ち、安倍官房長官は、「ライブドア事件の原因は教育が悪いからだ」「自分の損得を超えた気持ちをしっかり教えていくことがホリエモンを生み出さないことにつながる」「(教基法には)『国を愛する心を涵養する教育』をしっかり書き込みたい」と強弁した。「お国のために命を投げ出しても構わない日本人を生み出す」と本音を吐いた西村真悟は、私腹をこやし所得隠しを開き直っている。こんな腐敗した連中に、子どもたちの未来を委ねることなど断じてできない。

 4大産別の労働者は改悪阻止の先頭に

 すでに述べたとおり、教育基本法改悪とは改憲に直結する大攻撃である。
 世論調査では、依然として過半数が9条改憲に反対している。沖縄と全国の米軍再編反対運動の高揚は、戦後的平和意識の強さをあらためて示している。日帝・小泉政権は、戦後的平和意識を一掃することなしに改憲の勝負にうって出ることもできないし、下手に国民投票にも踏み切れないという事態に追い込まれている。だからこそ、公務員や教育者の改憲反対運動を全面的に禁じる国民投票法が必要なのだ。国民投票法制定も教育基本法改悪も、労働者階級の戦後的な〈平和と民主主義〉意識をも暴力的に解体しようとする、上からのクーデターと言うべき大攻撃である。
 教育基本法と憲法の改悪を阻止するために、核心をなすのは労働組合の闘いである。教育・全逓・自治体・国鉄の4大産別の労働者を先頭に、すべての労働者と労働組合が立ち上がった時に、教育基本法改悪も憲法改悪もけっして強行できないのである。
 それゆえ、日帝・支配階級は、憲法改悪を貫徹するために、日教組と自治労を解体しようと総力を挙げている。そのことは、日教組・自治労・全逓(現JPU)の絶滅を公言した『文芸春秋』05年12月号の森前首相発言などにも明らかだ。連合を丸ごと改憲勢力化させようとする支配階級の思惑は、「国の基本政策に関する連合見解」の先送りに示されるように、うまくいっているわけではない。しかし、日教組・自治労の指導部は、「平和基本法制定」方針を推進して、あくまでも単産を丸ごと改憲推進方針に大転換させていこうとしている。
 日教組委員長の森越は昨年春、雑誌『論座』6月号で新右翼「一水会」の鈴木邦男と対談して、「君が代は非常に平和な歌」「憲法は不磨の大典ではない」などと公言した。さらに昨年7月の全国大会では「国旗・国歌の意義を教える」という驚くべき方針を打ち出した(現場からの怒りがたたきつけられてこの方針は修正された)。教基法改悪に対する日教組本部の方針は、阻止はおろか反対ですらなく、翼賛国会への「調査会設置」を要求する署名運動である。教育基本法改悪によって日教組の存在そのものが絶滅されようとしている時に、この日教組本部の大裏切りは絶対に許せない!
 国鉄分割・民営化を強行した時の首相・中曽根康弘は、当時から「国鉄分割・民営化により国鉄労働運動をつぶし、総評・社会党をつぶす」「行革でお座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と公言してきた。「お座敷をきれいにする」とは、核心的には、労働運動を絶滅するということだ。これに対して動労千葉は2波のストライキを頂点にして分割・民営化反対闘争を闘いぬき、40人の首切りをものりこえてJR体制下で国鉄分割・民営化反対闘争を継続している。さらに現在まで1047名の国鉄労働者の解雇撤回闘争が継続し、いよいよ3争議団の団結によって大きく発展しようとしている。労働運動の絶滅攻撃と激突して、階級的労働運動を守り発展させてきたこの動労千葉を先頭とする闘いこそ、改憲を阻んできた闘いだ。
 4大産別決戦こそ教育基本法改悪・憲法改悪と激突する最大の闘いである。4大産別の労働者とはもともと、戦時中に国家権力の先兵とされ、侵略戦争に全面協力する役割を担わされた労働者だ。4大産別の数百万人の労働者を今再び全面的に戦争動員することなくして、日本帝国主義の戦時体制は成り立たないのである。それゆえ、逆にこの4大産別の労働者が組合的団結を堅持し、教育基本法改悪・憲法改悪阻止の闘いの先頭に立った時、勝利の展望は切り開かれるのだ。
 すべての労働者は、自らの職場において、ただちに教育基本法改悪と憲法改悪をめぐる大論議を巻き起こし、職場・組合丸ごとの反対運動への総決起を実現しよう。

 不起立闘争に続き戦争協力絶対拒否を

 教基法改悪は、教育労働者を戦争教育の担い手へとつくり変えようとするものであり、愛国心教育を踏み絵とする教員レッドパージ攻撃である。この重大攻撃に体を張って立ち向かってきたものこそ、東京を先頭に全国で闘いぬいてきた「日の丸・君が代」不起立闘争である。
 03年「10・23都教委通達」以来3年、東京の教育労働者が不屈に闘いぬいてきた「日の丸・君が代」不起立闘争は、「国に先駆けて教基法を改正した」と豪語して石原・都教委が打ち出した「10・23通達」を破綻(はたん)させてきた。「自らの生きざまをかけて、戦争につながるものには絶対反対する」という戦争協力拒否闘争が、闘う日教組運動の魂をよみがえらせ、教基法改悪阻止闘争の高揚をつくり出してきた。「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」には、東京の被処分者を先頭に、都高教や北教組を始めとする県教組の結集が始まっている。
 さらに不起立闘争は、職場からの戦争協力拒否闘争として他産別の労働者にも大きなインパクトを与えている。「正直、すごいと思います。すばらしい先生ですね。『子どもたちに真実を伝えようとする先生でいたい』ということに共感をおぼえています。私たちは、戦争のための物資は運ばないと、『運び屋』の気概をもって闘っています。お互い、自分の持ち場で闘いましょう」(全国港湾・玉田雅也事務局次長、『百万人署名運動全国通信』101号)。被処分者の闘いは、国労闘争団をも揺さぶり、「日の丸・君が代」闘争―教基法闘争と国鉄闘争の合流も始まっている。
 〈侵略戦争の先兵にはけっしてならない〉という教育労働者の自己解放的決起の力を徹底的に信頼しよう。教科書、学テ、戦災訓練など〈戦争と差別の教育〉、新勤評、新職=新級など〈教育の権力支配〉をめぐって、「いかなる弾圧、処分にも屈しない」不退転の抵抗闘争を巻き起こそう。勤評闘争が60年安保闘争を切り開いたように、教育労働者が先頭に立って全人民の改憲阻止決戦を切り開こう。
 フランスで、イギリスで、アメリカで巨万のデモ・ストライキが巻き起こり、労働者階級が歴史の主人公として登場している。国会で決まった法律を街頭でひっくり返したフランスの闘いに続こう。日教組本部の「調査会設置」要求運動を弾劾し、巨万のデモで翼賛国会を包囲しよう。教育労働者を先頭に、教基法改悪阻止決戦の大爆発で改憲阻止決戦の火蓋(ひぶた)を切ろうではないか。

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週刊『前進』(2245号3面2)(2006/05/08)

 都教委包囲首都圏ネット 今春の勝利を総括 教基法改悪阻止へ熱気

 4月22日、東京・文京区民センターで都教委包囲・首都圏ネットワーク主催による「2006年の卒業式・入学式総括と展望を語る集会」が開かれた。春の闘いの勝利を確認し、「日の丸・君が代」の強制を許さず、教育基本法改悪阻止に向かって決意を固め合う場となった。
(写真 200人が参加し、「日の丸・君が代」強制拒否の闘いの発展を誓った【4月22日 東京・文京区民センター】)
 最初に主催者の都教委包囲首都圏ネット事務局があいさつした。「新しい人びとも加わり、『君が代』不起立の闘いは昨年に引き続き貫徹された」と総括を提起し、都教委が停職3カ月や解雇の攻撃をかけてきたことを弾劾した。
 被処分者の会の事務局長が報告に立ち、「今年の闘いは新たな段階を迎えた。生徒に立って歌えと攻撃が向けられてきた」と提起した。そして、「私たちはけっして孤立していない。闘いをさらに発展させていこう」と呼びかけた。
 被処分者の発言では、停職3カ月という不当な重処分を受けた中学校教員のNさんが学校の門前に座り込んで闘っていることを報告し、「授業だと思っている。子どもたちは考えている」と語った。さらに「教員千人が不起立したら処分はあり得ない。大きなつながりの輪を」「教職員組合も強さを持たなければならない」「仲間を増やすことが課題」「あと4年あるので頑張る」など闘う発言が続き、「都高教運動が変質してきている」と警鐘を鳴らす発言も行われた。
 都教委包囲ネットから見城赳樹さんが発言し、3月31日の処分、4・13職員会議の挙手・採決禁止通達の撤回を要求する抗議文を都教委に送ったことを明らかにし、教育基本法改悪阻止へ全力決起を訴えた。
 都立板橋高校元教員で「君が代」弾圧被告の藤田勝久さんは、卒業生の9割が着席した事態に対する見せしめの刑事弾圧だと弾劾し、5・30判決公判への結集を訴えた。
 日帝のアジア侵略を暴いた授業内容を理由に「分限免職」処分を受けた中学校教員のMさんは、「解雇は絶対許せない」「解雇は私を最初で最後にしなければならない」と、ともに闘うことを訴え、「あらゆる手段を使って闘う」と不屈の決意を明らかにした。
 「つくる会」教科書攻撃と闘う杉並区教職員組合から2人の闘う労働者が発言した。「つくる会」教科書採択白紙撤回署名が3万2000筆を超えたことが報告された。また杉教組は正しい歴史認識をはかるために歴史連続講座を開いており、3回目の4月14日の講座では650人が大結集したことが報告された。
 「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」は、特に若い人の決起を作り出そうと呼びかけた。最後にMさん、Nさん支援の特別決議を採択した。
 教基法改悪の攻撃が切迫する中で、全力決起を誓い合う重要な集会となった。
 (本紙・永松隆治)

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週刊『前進』(2245号3面3)(2006/05/08)

 都立高卒業式不起立闘争 “不当処分撤回せよ” 被処分者が人事委に提訴

 今年3月の都立高卒業式において「君が代」斉唱に不起立・伴奏拒否を闘いぬき停職・減給・戒告の処分を受けた教育労働者21人が、4月24日、処分撤回を求めて都人事委員会に不服審査請求を行った。
 人事委員会に不服審査を請求した後、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会が記者会見を行った。今回初めて不起立して戒告を受けた被処分者が発言、「孤立感はまったくない」「何の迷いもなかった」などと堂々と述べた。(別掲)
 03年「10・23都教委通達」による「日の丸・君が代」強制に対して、東京の教育労働者が堂々と3年目の不起立闘争を闘いぬいたことで、今や「10・23通達」の威力は完全に失われている。
 教育基本法改悪案がいよいよ国会に提出されるという重大情勢の中で、東京を先頭に全国で闘われている「日の丸・君が代」不起立闘争は決定的な意義を持っている。学校現場からの戦争協力拒否闘争こそ、戦争教育への大転換を阻む最大の力なのだ。東京の被処分者と連帯して、処分撤回へともに闘おう。

 5・17 7団体の共同尋問へ

  都人事委員会では、「10・23通達」以来200人を超える被処分者が処分撤回を求めて人事委員会闘争を闘っている。03年の周年行事から04年卒・入学式の処分をめぐる公開口頭審理が毎週のように行われ、職務命令を下した当事者である各校の校長などを証人として呼び出し、徹底追及している。
 5月17日には、03年の周年行事から04年卒・入学式で処分され、処分撤回を求めて人事委員会に不服審査を請求している7団体(被処分者の会、都教組八王子支部、東京教組、都障教組、都障労組、アイム89、都高教有志被処分者連絡会)の被処分者と弁護団の共同で、都教委の近藤精一前指導部長と臼井勇前人事部長の証人尋問が行われる。会場も、定員が40人に限定された人事委員会審理室ではなく、200人収容の都庁第2庁舎1階・都民ホールである。ねばり強い闘いがついに実現した、画期的な証人尋問だ。午前10時から。ぜひ集まろう。

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 都立高・被処分者の訴え

◆Aさん 初めて戒告処分を受けましたが、孤独感・孤立感はまったくありません。「10・23通達」から3年、処分撤回を求めて人事委員会審査を行っているみなさんの闘いを傍聴席から見てきて、何が正しいのか、非常によくわかりました。私の学校でも、起立した職員も含めて「強制による教育はおかしい」と危機感を持っています。何よりも私たちには憲法と教育基本法があります。それゆえまったく孤立感がないのです。今の学校現場はすべてが強制です。思想・信条を侵すことはけっしてあってはならないという民主主義の基本を守っていきます。
◆Bさん 卒業式では「国歌斉唱」時に座ったまま卒業生を見つめていました。何の迷いもありませんでした。強制と恫喝と処分の石原教育行政に対する当然の抵抗です。都教委は「不起立はたった33人」と言うが、何万人の教員がつらい思いで、自尊心を投げ捨てて嫌々立っていることか。人間としての心があるなら考えろと言いたい。教育は子どもの成長のためのものであって、国家に奉仕して国のために死ぬ人間をつくるのは教育ではないということを、管理職は初心に帰って考えてほしい。

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週刊『前進』(2245号3面4)(2006/05/08)

 団結し改憲阻止へ 労組交流センター 女性部が全国大会

 全国労働組合交流センター女性部第13回定期全国大会が4月15、16日、千葉市内で開かれた。全国の女性部会員が産別・職場、地域での1年間の取り組みの報告と活発な討論を行い、「労働組合(支部・分会)執行部を積極的にとり、女性労働者を組織していく闘い」「女性労働者の中に労働組合を組織していく闘い」(11回女性部大会方針)への挑戦が大きく前進する大会となった。
(写真 労組女性部運動の先頭に立つ決意を込めて「団結ガンバロー」で締めくくった【4月16日 千葉】)
 冒頭、長谷川ユキ女性部長が、「女性労働者の現状は戦争国家化・改憲攻撃と一体であり、それと対決する女性部会員の闘いが前進している。激化する改憲攻撃の闘いの先頭に女性部は立とう」と宣言した。
 全国労組交流センター本部を代表して辻川慎一事務局長からあいさつを受けた。メッセージが婦人民主クラブ全国協議会、北富士忍草母の会、解同全国連婦人部、三里塚反対同盟から寄せられ紹介された。
 大会議案を三役が提案。「教育労働者の『日の丸・君が代』強制反対の闘い、動労千葉の安全運転闘争が情勢を切り開き、11月労働者集会はこれまでの壁をひとつ突き破った」と、勝利感をもって05年の闘いを総括した。06年度運動方針案では、11回女性部大会方針の実践を基底にすえ、@女性部運動をつくり出そう、A戦争と民営化攻撃−団結破壊・生存権剥奪(はくだつ)と闘おう、B「許さない会」運動・国鉄1047名闘争を始めとする4大産別決戦を闘おう、C改憲−教育基本法改悪に反対し、日本の戦争国家化と闘おう、と提起された。
 婦人民主クラブ全国協議会代表の西村綾子相模原市議から「改憲と米軍再編」と題する講演を受けた。
 「報告と交流」では、「非正規労働者の闘いと組織化」をテーマに公務員パート労働者を囲んで交流し、非正規・未組織労働者の組織化の論議が弾んだ。
 討論では、教育労働者が杉並の「つくる会」教科書闘争、「日の丸・君が代」不起立闘争は「10・23通達」を事実上破綻(はたん)させていると報告、教基法改悪反対−改憲阻止を闘おうと訴えた。「『日の丸・君が代』闘争を集中して闘ったことが4大産別決戦の確信となった」と核心をついた発言も行われた。
 医療・福祉労働者からは「医療、福祉はすべての人にかかわる問題だ。労働者・労働組合と医療を受ける方の連携の取り組みが必要」と提起された。
 さらに介護休暇の獲得、産後の職場環境づくり、嘱託職員の「雇い止め」反対の闘い、サービス残業チェックなどの労組女性部の取り組み、指定管理者制度導入反対の闘い、基本給5%削減攻撃との闘い、夜遅くまで居残り仕事する教育現場など、報告が続いた。
 2日目、交流センターの中野洋代表が「ランク・アンド・ファイル運動で労働組合を取り戻そう。若い女性労働者をドンドン組織できる、魅力ある女性部にしてほしい」と女性部への期待を語った。
 最後に大野由美子事務局長が2日間の討議をまとめ、06年度の新役員を全体で選出し終了した。

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週刊『前進』(2245号4面1)(2006/05/08)

 泉佐野市議選 国賀祥司氏の必勝を

 “07年関空2期供用阻止”

  5〜6月改憲阻止闘争開こう

 泉佐野市議選は、5月14日投開票まであと2週間になった。国賀祥司議員の6期目当選をかけた闘いは、かつてない激しい選挙戦となっている。定数が2人減らされて21人になり、立候補予定が32人になろうとしている。前回をこえる多数激戦である。もてる一切の力を投入し絶対に勝利をもぎ取ろう。

 国賀票つぶし狙う反動との大激戦に

 この選挙戦を激しいものにしているのは、国賀祥司氏の「ごみ有料化の撤回を住民投票で実現しよう」という呼びかけである。ごみ有料化が4月に実施され住民の怒りが噴出している。この中で、国賀祥司氏が住民投票を訴えたことが、泉佐野市民の気持ちをとらえ、大きな渦になろうとしている。これに反動勢力が焦りと危機感を募らせ、選挙戦をかつてない激しいものにしている。ごみ有料化が選挙戦の最大の争点になった。
 国賀祥司氏の躍進に、保守反動はもとより共産党までも反動策動に出ており、激しい国賀票つぶしを画策している。文字通り1対31の闘いだ。さらに国家権力・大阪府警は、住民投票をめざす運動が、泉佐野の情勢に地殻変動をもたらしていくことを恐れ、これを破壊しようと策動し始めた。われわれはこうした大反動をすべてぶっ飛ばして、国賀祥司氏の6選を絶対にかちとる決意である。
 この勝利をもって、5〜6月改憲阻止決戦の大発展を切り開いていく。関西新空港反対の闘いを地元からさらに強力に発展させ、07年2期供用を阻止する。軍事空港化を粉砕しよう。三里塚にならぶ闘争としていくのだ。沖縄・岩国・神奈川・全国で爆発している米軍再編粉砕の闘いにしていくつもりである。
 そしてなにより新指導路線下の革命的議会主義の真髄を発揮し、4大産別決戦を軸にした労働者階級の組織化のために、さらに徹底的に闘っていく。こうした展望の一切が、残り2週間の決戦にかかったのだ。すべての同志諸君、労働者人民のみなさん、勝利のために必要なすべてを泉佐野現地に投入することを訴える。現地はその最先頭で闘うことを決意している。共に闘い勝利しよう! 
(写真 事務所開きに110人の支持者らが詰めかけ国賀祥司氏の訴えに聞き入り、5月14日投票へ必勝を誓った【4月16日 泉佐野】)


 ごみ有料化実施に住民の怒りが沸騰

 4月1日からのごみ有料化攻撃に、泉佐野市内では、かつてない事態が起こっている。市役所には毎日抗議の電話が殺到している。1枚50円もする指定ごみ袋以外で出す抵抗の闘いが市内各所で起こっている。市役所がこれに対して「違反袋です。警告」というシールを貼って回収を拒否したこと、有料ごみ袋以外に出させないために、監視カメラを設置すると市長が言い始めたことは、さらに怒りの火に油を注いでいる。そしてほとんどの市民が口々に怒っているのは、「ごみ減量化」と称して、分別を強制しながら、同じ回収車にごみを放り込んで焼却していることだ。「これでは一体なんのための分別なのだ」という怒りの声に、市長は「分別の練習だ」と開き直っている。まさに住民は怒り心頭だ。
 94年関西新空港開港から12年、泉佐野市は、空港優先市政で、空港の借金の犠牲をことごとく市民に押しつけてきた。市の財政は破綻(はたん)し、その赤字を市民にことごとく転嫁するため175項目にもわたる「財政健全化計画」が実施されてきた。福祉はすべて切り捨て、公共料金は府下最悪、学校施設はボロボロ、保育所は民営に、公共施設は週休2日に、など泉佐野市民が、「できるなら出ていきたい」と心底思うような事態が強制されてきたのだ。
(写真 市役所前でビラをまく国賀祥司さん【4月25日】)

 新田谷市政を打倒する闘い

 こうした暴挙を市は、反動議会と地域ボス支配、共産党の全面屈服で強制してきたのだ。06年4月ごみ有料化実施への怒りの噴出は、こうした新田谷市政をうち倒し、関空2期と小泉三位一体攻撃を吹っ飛ばす展望をもった歴史的闘いである。そして住民投票運動は「民意」を何一つ反映しない反動議会ではなく、泉佐野市民こそが、自分たちのことを決定するのだという運動である。奪われた福祉や権利を自らの力で取り戻す闘いだ。この闘いと結びついて、発展させていくことこそ泉佐野市議選の闘いなのである。

 住民投票・直接請求に支援の輪広がる

 4月強行実施前の3月17日から開始された「住民投票でごみ有料化の是非を問う条例の直接請求運動」は、住民の怒りに火をつけ、泉佐野市議選と一体になって発展している。市民は、住民投票に賛成し、「選挙で市議会議員が回ってきても、ごみ有料化に賛成したやつには帰ってくれと言っている」「平等とうたいながら堂々と貧困住民に支払い負担を押しつける市のやり方はまるで詐欺師。振り込み詐欺とかわらん!」と憤っている。
 国賀陣営が発行した住民投票を呼びかける1枚のビラは、住民に圧倒的に支持され、大きな反響を呼び起こしている。市民の気持ちをつかみ、決起を促進している。いたるところで、「受任者になる」「署名に協力する」という声が挙がっている。駅頭ビラは、8〜9割が受け取られている。若い主婦を中心にした市民が直接請求・住民投票の運動に参加し始めている。まさに宣伝の革命だ。
 この事態に、共産党は、「泉佐野民報」というビラに「ごみ有料化の5月実施を前にして」(すでに始まっているのに!)と書いて全戸に配布し、市民の怒りをかい、墓穴を掘った。共産党にとって、ごみ問題のビラを出さざるをえなくなったこと自体が、破産的なのだ。一度たりとも真剣に反対してこなかったから実施されていることすら気付いていないのだ。保守・公明の賛成議員は口をつぐみながらも、「決まったことだから反対してもムダ」と押しとおそうとしている。新人は票欲しさに「ごみ有料化反対」を叫んでいる。
 大阪府警は、直接請求運動に「選挙前には署名はできない」と言いがかりをつけ、デッチあげ弾圧を狙ってきている。ふざけるな! 選挙期間中でも受任者・協力者を募ることはできるのだ。大阪府警のうすぎたない策動を粉砕しよう。
 ごみ問題は市議選の重要争点となった。住民投票要求をさらに発展させ、国賀当選をもぎ取ろう。この力で住民投票を実現しよう。

 地区党建設の選挙として全力決起を

 泉佐野市議選の方針の要点は、5期20年の国賀議員と地区委員会の労働者細胞に、選挙を勝ちぬく土台があることを明確にすることだった。5期20年は、議員と地区委員会が文字どおり、「細胞」として革命的議会主義を貫いてきた歴史である。支持者との生きた交流を形成してきただけではなく、議員と地区の労働者細胞の団結で、労働者階級の組織化を、押し進めてきたのだ。選挙戦のさなかでも、「日の丸・君が代」強制拒否の決戦、自治労への行革・民営化攻撃との闘いを貫いてきた。関西合同労組の春闘も闘ってきたのである。
 だからこそ、この泉佐野市議選を地区党建設の選挙として貫いていくことは勝利のためにも必然だったのである。選挙戦の方針形成の主体としての地区委員会であることを徹底的にはっきりさせて闘ってきたのである。そうすることによって、泉佐野選挙の激しい攻防をやりぬいてこれたのだ。選挙にかかわる一切の方針を地区委員会で議論し、決定していくあり方の貫徹こそ、本当の地区党建設の選挙である。
 06年泉佐野選挙はかくして闘われてきた。このあり方を徹底的につらぬき、地区委員会のもぎり取った勝利として、必ず国賀祥司氏当選をかちとる決意である。同志諸君、労働者人民のみなさん、最後の2週間の全力疾走で、必ず勝利をかちとろう!
 〔革共同泉州地区委員会〕

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週刊『前進』(2245号4面2)(2006/05/08)

 5・21狭山中央闘争へ 第3次再審勝利 全国連がアピール

 5・21狭山中央闘争へのアピールが部落解放同盟全国連合会から発せられた。不当逮捕から43年、石川一雄さんの怒りをわがものとし、何としても第3次再審の扉をこじ開けよう。5・21は部落差別と生活破壊の攻撃に対する総決起の場である。全国連の呼びかけにこたえ総結集しよう。(編集局)

 石川一雄さん不当逮捕43カ年糾弾! 第3次再審闘争勝利! 5・21狭山中央闘争のご案内
   部落解放同盟全国連合会 委員長 瀬川博

 すべての部落のきょうだいのみなさん、たたかう労働者のみなさん。石川一雄さん不当逮捕43カ年糾弾、狭山第3次再審勝利へむけ、5・21狭山中央闘争に総決起しましょう。最高裁は昨年3月、日本経団連の改憲提言と歩調をあわせるかのように狭山第2次再審請求(特別抗告)を棄却する暴挙をおこないました。憲法を改悪して戦争体制をつくる。そのためには、国家権力への部落差別糾弾闘争など絶対に認めない。これが、第2次再審棄却決定にこめられた国家権力の意志です。全国連は、戦争と改憲にむけた狭山闘争解体の攻撃をうちくだくたたかいに総決起します。
 「どんな仕打ちをされようとも立ち上がって闘いぬくのが真骨頂」と訴え、不屈にたたかいぬく石川一雄さんとかたく連帯して、狭山第3次再審闘争突入の総決起の場として5・21狭山中央闘争にたちあがりましょう。
 最高裁は、新証拠による「自白」と客観的事実のくいちがいを、証明するだけでは、「大した問題ではない」「記憶違いだ」「これこれの可能性もある」などと言って無実の訴えを抹殺しました。弁護団を主人公にした解同本部派の公正裁判要求路線では、「なにをやってもムダだ」という国家意志むきだしの判決でした。
 ここに狭山第3次再審闘争がどのようにたたかわれなければならないのかも明らかです。石川さんを、ひとりの部落青年を、国家権力のイケニエにするために行われた差別犯罪の全貌(ぜんぼう)を暴き、糾弾する、そのたたかいこそが裁判闘争もふくむ狭山第3次再審闘争の心棒につらぬかれなくてはなりません。
 警察がおこなった差別犯罪、検察による1審差別論告、これらをおしとおす差別裁判を徹底糾弾する! 石川一雄さんを先頭に部落のきょうだい、労働者人民が狭山第3次再審闘争を差別糾弾闘争としてたたかえば勝利できます。石川一雄さんは無実だからです。国家権力の差別犯罪は、明らかだからです。なにより、石川さん自身がそれを糾弾しています。また石川さんと同じ差別捜査を受けた部落青年が120人いるのです。それによって差別の苦しみを強制された家族やきょうだいがいるのです。43年のときをこえてその怒りが解き放たれるときです。
 狭山だけではありません。今、部落のきょうだいの生活はどうでしょうか。家賃、医療・福祉、保育、教育、就職、仕事、結婚、恋愛…ありとあらゆるところで部落差別への怒りは、解同本部派の融和主義をのりこえて全国でふきだしています。この怒りを小泉政権の改憲と戦争、差別の政治に対するたたかいとして爆発させるときです。そのたたかいの最前線=狭山第3次再審闘争にすべての部落大衆の未来もかかっています。全国で吹き荒れる部落差別への怒りとたたかいを5・21狭山中央闘争の1点に集中して、差別裁判徹底糾弾の大運動をまきおこしましょう! その力で事実調べ・証拠開示をせまり、狭山第3次再審闘争の勝利をこじあけましょう!

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週刊『前進』(2245号4面3)(2006/05/08)

 日帝・小泉=海上保安庁の独島略奪策動を弾劾する

  独島(=「竹島」)は朝鮮の領土だ図 独島の調査海域

 測量船を待機させ屈服迫る

 日帝・小泉政権が朝鮮領・独島(トクト、「竹島」)に対する許しがたい軍事挑発に踏み込んだ。日帝・海上保安庁は、4月19日から22日にかけて、独島周辺でいわゆる排他的経済水域(EEZ)だと称して測量調査を計画し、強行しようとした。
 これは新たな領土略奪・朝鮮侵略の攻撃そのものである。帝国主義的領土略奪、国益主義・排外主義の攻撃として、日帝がついに踏み込んだ軍事挑発、戦争挑発としてわれわれは満腔(まんこう)の怒りをもって弾劾する。同時に、日韓労働者の国際連帯と共同闘争で、日帝の独島略奪と排外主義攻撃を粉砕し、米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争を阻止するために闘うことを宣言する。
 4月19日、海上保安庁の測量船「明洋」と「海洋」が鳥取県の境港に入港、待機態勢に入る中、日帝・小泉政権は韓国側の反応次第では20日にも調査を始めるという強硬姿勢で韓国に譲歩を迫った。
 25日に韓国盧武鉉(ノムヒョン)大統領は「日本が独島に対する権利を主張することは韓国の完全な解放と独立を否定する行為」「物理的挑発には断固対応する」と表明。これは日帝の軍事行動にすさまじい怒りを噴出させる朝鮮人民の闘いによって押し出された発言だ。小泉首相の靖国神社参拝や「つくる会」教科書をめぐるアジア侵略戦争と植民地支配を肯定し、再び侵略戦争を構える日帝の軍事挑発に、昨年来の朝鮮人民の怒りが沸騰しているのだ。
 この朝鮮人民の怒りに麻生外相は「歴史問題とは関係ない。領有権の問題だ」(25日、参院外交防衛委)と居直り、小泉・安倍は「(韓国に)冷静な対応を望写真 独島む」などと盗人たけだけしく言い放ったのだ。
 これが軍事挑発でなくてなんなのか! 韓国側の対応いかんで日本海に展開する海自の巡洋艦がいつでも急行するという一触即発の事態だった。この時、舞鶴沖では自衛隊の軍事演習中だったのだ。
 小泉政権と海上保安庁は今回、6月のドイツでの国際会議で韓国が独島周辺の日本名の海底地形を韓国名に変更する動きをみせていることを口実に、海洋調査を突如設定し、測量船2隻を境港に待機させる挙に出た。そしてこの圧力を背景に谷内外務次官が訪韓、国際会議で海底地名の変更提案を行わないことを韓国に約束させた。それを条件に日帝も調査を中止することで「合意」が成立した。
 日帝の今回の海洋調査の狙いは、歴史的にも国際法上も完全に朝鮮領であり、韓国が現に実効支配する独島を「日本固有の領土」と強弁し国際問題化して、新たに独島略奪策動を強めることにあったのだ。

 1905年に略奪閣議決定

 130年前の1875年に、日本の明治絶対主義政府は測量名目で江華島沿岸に雲揚号を出し、朝鮮に江華島条約を押しつけ、植民地支配の足掛かりをつくった。そして歴史上初の帝国主義戦争だった日露戦争のただ中で、100年前の1905年、独島を「日本領土」と閣議決定して島根県に編入した。独島を歴史的に略奪したのだ。
 日帝は日露開戦と同時に、韓国に「日韓議定書」を強要し、事実上の「属国」とした。以降、1904年8月「第1次日韓協約」、1905年11月「第2次日韓協約」(乙巳保護条約)、1907年7月「第3次日韓協約」と、韓国の内政も外交もすべて奪っていき、1910年の韓国併合で植民地化を完成した。まさに1905年の独島略奪こそ日帝の朝鮮植民地支配の起点であり、朝鮮人民にとって「屈辱の象徴」なのである。 
 重要なことは、日本は江戸時代と明治時代に、二度にわたり「竹島」の領有を否定していることだ。
 @徳川幕府は1696年に鬱陵島への渡海を禁じた。これによって「竹島」に行く者も途絶えた。A明治になって1876年には、鬱陵島に渡った日本人から島の開発申請が出されたことに対し、明治政府は鬱陵島ほか1島(「竹島」)は「本邦とは関係ない」という太政官決定を下した。日本は領有を一度も主張してはいない。
 他方、1900年に大韓帝国の勅令で鬱陵島を韓国領と宣言し、属島の「石島」(独島)を管轄するとした。この時点で独島の韓国領有は国際的にも確定していたのだ。
 こうした歴史的・国際法的関係を逆転させ、日帝が独島を略奪し、朝鮮植民地支配の転機となったものこそ、1905年の閣議決定だったのだ。
 戦後においても以上のような歴史事実を受けて、連合国軍総司令部(GHQ)は、1946年の二つの「覚書」で、「竹島」への日本の行政権を停止し、日本漁船の操業区域から「竹島」を除外している。
 このように独島=朝鮮領はあらゆる意味で明白だ。

 日韓国際連帯で略奪阻止を

 今回の独島周辺の自称EEZ海域での測量と独島略奪の策動は、米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争、米軍再編の攻撃と一体であり、9条改憲、小泉靖国参拝、「つくる会」教科書などの攻撃と一体である。また中国領・釣魚台(ティアオユイタイ)略奪の策動とも連動している。
 日韓労働者の国際連帯と共同闘争でこの朝鮮侵略攻撃を粉砕しよう。

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週刊『前進』(2245号4面4)(2006/05/08)

日誌'06 4月19日〜25日

 沖縄市長選で東門氏が当選

 国会議員96人、靖国神社参拝

●空自の緊急発進6割増 航空自衛隊の05年度の緊急発進(スクランブル)の回数が、04年度より約6割多い229回に上った、と防衛庁が発表した。中国機に対する緊急発進が04年度(13回)の約8倍に増えたことが大きな要因。(20日)
●米中が首脳会談 訪米した中国の胡錦涛・中国国家主席がブッシュ米大統領と会談した。ブッシュは、人民元のさらなる切り上げを要求し、巨額の対中貿易赤字に対する中国側の改善策も求めた。またイランの核開発問題では、制裁の必要性に言及。胡は慎重な姿勢を崩さなかった。(20日)
●深夜、早朝の爆音増 沖縄県の嘉手納町基地渉外課は、同町が嘉手納基地周辺の3地点で実施している騒音測定の2005年度の結果をまとめた。3地点合計の年間騒音発生回数は7万8406回で、前年度より577回減少したが、日米の騒音防止協定で基地の運用が制限されている午後10時〜翌朝午前6時の深夜早朝騒音発生回数は前年度の2割増の6586回。(20日)
●議員96人が靖国参拝 超党派の衆参両院議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の96人が、春季例大祭中の同神社を参拝した。日本遺族会会長でもある古賀元自民党幹事長、尾辻前厚労相ら。現職閣僚はいなかったが、6人の政務官が参拝した。(21日)
●インド洋派遣半年延長を決定 政府は閣議で、テロ対策特措法に基づいて海上自衛隊の艦船をインド洋に派遣することなどを定めた基本計画について、5月1日までとしていた派遣期間を11月1日まで半年間延長する変更を決定した。(21日)
●独島測量問題で「合意」 朝鮮領独島(竹島)周辺の排他的経済水域(EEZ)での日本の測量調査をめぐる日韓外務次官会談で、韓国が6月の国際会議で海底地名の変更提案を行わない一方、日本側も調査を中止することで合意した。(22日)
●沖縄市長選、東門氏が勝利 沖縄県沖縄市長選挙で、前衆院議員の東門美津子氏=社民、共産、社大、民主、自由連合推薦=が2万8709票を獲得し、前市議の桑江朝千夫氏=自民、公明推薦=に2050票の差をつけて初当選した。(23日)
●岩国市長選、井原氏が当選 米空母艦載機部隊の移転受け入れの是非を最大の争点にした山口県岩国市長選で「反対」を訴える旧岩国市長、井原勝介氏が初当選を果たした。井原氏が発議し「移転反対」が多数を占めた旧市の住民投票(3月12日)に続き、今回は合併した旧7町村の住民も投票し「反対」を追認した。(23日)
●海兵隊グアム移転、日本6割負担 訪米した額賀防衛庁長官は、米国防総省でラムズフェルド国防長官と会談し、在日米軍再編で焦点になっていた在沖海兵隊のグアム移転費について、日本が総額102億7千万j(約1兆1900億円)のうち59%にあたる60億9千万j(約7千億円)を負担することで合意した。(23日)
●教基法改悪、党内手続き指示 小泉首相が教育基本法改悪案の取り扱いについて、自民党の武部幹事長と協議。小泉は「党内手続きを早く進めるよう努力してもらいたい」と指示した。これを受け、25日の自民党総務会で満場一致で了承、公明党も政調全体会議で党内手続きを終えた。(24日)
●韓国大統領「歴史認識問題」 韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領が対日政策に関する特別談話を発表。独島(竹島)について「日本が朝鮮半島の侵略で最初に奪い去った歴史の土地だ」「日本が海底地名への不当な主張を放棄しない限り、排他的経済水域(EEZ)問題も先送りできない問題になった」と述べた。(25日)

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週刊『前進』(2245号5面1)(2006/05/08)

 無実の星野文昭さんを取り戻そう “年賀状も届かない刑務所”

 群馬星野文昭さんの再審を実現する会 青柳晃玄さんに聞く

  「なぜ年賀状さえ届かないのか! あまりに不当な人権侵害だ」と弾劾して、天台宗僧侶の青柳晃玄さんは立ち上がった。無実の星野文昭同志の徳島刑務所での手紙授受制限(解説別掲)について徳島弁護士会人権擁護委員会に人権救済を申し入れた青柳さんに語っていただいた。(編集局)

 ――青柳晃玄さんが獄中の星野文昭さんに送った信書が届かず、しかもその事実すら星野さんには知らされていないわけですね。

 私が星野君に出した手紙が本人に届かない。これがどんなに理不尽なことかを気がつきませんでした。年賀状すら届かないのは、とんでもないことだ。
 はっと気づいてからは私も「やれるとこまでやってみるぞ」と必死です。

――星野さんとはどういう関係で身柄引き受け人になったのですか?

 笑い顔がいい

 1983年の東京高裁判決の前後、東京拘置所で何度か面会しましたが、彼の笑い顔が実にいい。救援運動にかかわったのは、その前、千葉地裁に三里塚裁判の傍聴に行ったのが最初でした。
 私は60年安保を闘った者として、当時は教育労働者でしたが“教え子を再び戦場に送らない”というスタンスでした。71年に三里塚で9・16東峰十字路戦闘があった。三里塚が集中弾圧を受ける、黙って見ていられないと、9月19日の三里塚集会に家族で駆けつけました。そして11・14渋谷暴動闘争があった。この時もこれへの弾圧を見過ごせないと11月19日に日比谷集会に行きました。ところが不当にも多くの集会参加者が逮捕された。私もその一人でした。そこから私なりの新たな自己変革の闘いが始まったわけです。
 11・14闘争の事後弾圧はすさまじかった。高崎経済大学の学生が次々と逮捕され、結局、星野君に全部責任を取らせるという形になった。星野を取り戻すこと、三里塚闘争をやりきることが私のその後の人生になったわけです。
 北海道のご両親を訪問し、身柄引受人になりました。86年に星野君が暁子さんと獄中結婚をして、彼との直接的な交通については暁子さんに全部一任した形になった。ですから今回、思い切って手紙のやりとりを追求しようとアクションを起こしたことは、私の中に星野君を取り戻すいい機会でした。

――昨年11月14日には直接、徳島刑務所に行かれて、どうでしたか?

 応対した庶務課長は、無表情にただ「聞いておく」とだけの硬直した冷血漢だった。人間としての血が通っているのかと思った。本当に腹が立って、胸ぐらをつかんで「このやろう」って言ってやりたかったですよ。その怒りの声が彼の魂に連動すればいいなと。今話していても、怒りがこみ上げてきます。
 今も月に2回は星野君に手紙を出そうと思っているんですが、忙しさに追われてなかなか。
 3月に受刑者が親族以外に出す手紙を原則容認するという最高裁判決が出た時には、徳島刑務所長あてに「最高裁判決をよく読んで善処せよ」と書いて2度送りました。

 31年、60歳に

 星野君はこの4月27日で満60歳を迎えました。獄中31年で60歳。暁子さんが家族面会を要求していますが、まだ実現できていません。夫婦なのに手も握り合えないなんて、そのままほってはおけない。
 法廷的な闘いを構える、大衆的な支援運動、奪還のための運動をやる、そしてその間をつなぐものとして、手紙のやりとりを自由にできる状況をまずはつくりたい。そういう三つの柱が同時並行で強烈に推し進められる必要があります。
 徳島弁護士会が刑務所に事情聴取をしたのは本当によかった。その時、弁護士たちに星野君は「これは自分だけの問題じゃない、みんなの問題だ」と訴えたという。すごいよね、大したもんだ。
 星野君の闘いは、今も攻防の焦点となっている沖縄と三里塚を背負ったものだ。その闘いを獄中でずっと継続している。その意味で星野君は政治の中心にいるという感じがしますね。
 沖縄の平良修牧師もその星野を背負って辺野古で頑張っているっていう気がしてならない。群馬でも前橋と高崎でビラ配りや署名集めに力を入れていこうと、大学の周りでビラまきを始めています。

――星野さんとの文通の自由をかちとろうとする今回の闘いの反響は?

 やっただけの道が開けてきたし、やれば取り戻せるという手ごたえを感じています。こういう時代だからこそ、大衆運動、労働運動の課題として星野奪還をとことんやりぬくことだ。ひと肌脱ぐという人が現れて行動を開始すると、それがすさまじい波紋を呼ぶ。そこから展望が開ける。
 法政大学で29人逮捕の大弾圧があった。この弾圧も、本質的なところで星野君が屈服していないことに対する権力の恐怖と報復だと思うんですよ。しかし、星野君は勝ち抜いている。彼の不屈の一日一日が、勝利して生きている一日一日だと思うんです。星野君のように闘えば勝てるんだと、勝てる闘いとして星野君がいる。
 今年が勝負の年です。なんとしても星野文昭君を取り戻す。北海道で待っているお母さんのもとへ、暁子夫人のもとへ、そして、人民のもとへ。その道をこじ開けたい。全国の皆さんの叡智(えいち)と力を、支援の輪を広げることを呼びかけます。

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星野さんの自画像 星野文昭同志

 星野文昭同志は、1971年11・14沖縄「返還」協定批准阻止を掲げた渋谷暴動闘争に立ち上がった。三里塚闘争で指名手配されながら渋谷闘争の先頭に立った星野同志に国家権力は憎悪を集中し、75年デッチあげ殺人罪で逮捕。79年死刑求刑、一審判決懲役20年、83年二審で無期懲役判決、87年上告棄却で無期懲役が確定し徳島刑務所に移監。96年再審請求。2000年再審棄却に対する異議申し立て、04年1月棄却。現在、特別抗告審を闘う。獄中31年。(写真 星野さん自画像)

●手紙の授受をめぐる経過

 青柳晃玄さんが星野文昭同志に送った手紙を徳島刑務所が本人に渡さず、その事実も告げていないことが昨年10月に発覚。青柳さんほか3者が1月17日、徳島弁護士会人権擁護委員会に人権救済を申し立てた。
 2月15日、同人権擁護委員会の弁護士2人が徳島刑務所で星野同志と担当の刑務官に面会し、調査をした。約1時間の調査に応じた星野同志は「これは私一人の問題ではない。受刑者全体の問題だ」と訴えた。
 3月23日には最高裁第一小法廷が、受刑者が刑務所から発信する手紙のあて先は旧来の監獄法下でも自由であり、「表現の自由を保障した憲法の趣旨・目的に照らし、制限は特別な場合に限られる」と判断を示した。これまで受刑者との手紙の授受は親族と弁護人に制限されてきた。

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週刊『前進』(2245号5面2)(2006/05/08)

 獄中31年の星野同志奪還を 今年こそ勝負かけよう

 星野文昭同志は1971年の沖縄闘争への国家権力の階級的報復として殺人罪をデッチあげられ、無期懲役攻撃を加えられた。75年の不当逮捕以来、実に31年の獄中生活を余儀なくされている。判決が最高裁で確定されてからでさえ、すでに19年になろうとしている。星野同志は徳島刑務所で不屈に闘い続けている。私たちはこの強制された現実に真っ向から向き合い、今こそ星野同志を取り戻す大運動を爆発させよう。
 刑務所とは、拘置所以上に過酷な場所だ。下獄した途端、親族以外との社会的関係を絶たれた状況におかれる。「受刑者」は24時間365日、看守の監視下に置かれる。看守の号令のもとに行動すること、服従することを厳しく要求され、「自分は人間だ!」とアピールすることも許されない。
 星野同志は、無実の身でありながら、このような状態の中におかれている。断じて許すことができない。
 星野同志の闘いに対して獄外にいる私たちはどうこたえるべきなのか。今すぐに獄壁を打ち破って星野同志を奪還するために、力を結集し、真剣に格闘しなければならない。

 署名活動こそ奪還運動の軸

 星野同志奪還をかちとるための闘いは、再審闘争と大衆運動の大々前進だ。大衆運動の前進のために今、特に訴えたいのは、ビラまき、署名活動の重要さだ。星野再審10万人署名の一日も早い達成だ。
 街頭での署名活動で痛感するのは「獄中に31年も入っている」しかも「無実でありながら」と聞いて、皆さんびっくりして署名してくれることだ。それほど獄中31年というものは重いことを示している。
 しかも、星野同志を有罪にしている根拠が、物的証拠は何もなく、未成年者を含む「共犯者供述」であるということが重要だ。6人の「共犯者供述」のうち5人までもが法廷で「うその供述調書を作らされた」と怒りをこめて証言している。警察の取調室で検察官、警察官が「共犯者」を脅してデタラメな供述調書を作っていたのだ。これだけでも、星野同志に無期懲役を言い渡した東京高裁の確定判決はきわめて意図的・政治的なものであることが鮮明になる。こんな確定判決でいまだに星野同志が獄中に幽閉されているのはがまんがならない。

 星野同志が闘った沖縄闘争

 星野同志が闘った1971年の渋谷での沖縄闘争は正義の闘いだ。今、日帝・小泉が沖縄の人びとの頭越しに進めている沖縄・辺野古における巨大な軍事基地建設は、北朝鮮、中国への侵略戦争が狙いであり、とうてい許せるものではない。この日米両政府が進めている米軍再編の出発点とも言うべきものが、1972年のペテン的な沖縄「返還」だ。星野同志はこのペテン的な沖縄「返還」政策に対して、人間としてのすべてをかけて闘った。
 星野同志の闘いは今に至るも日帝の根幹中の根幹を射抜いているのだ。だからこそ、日本政府と裁判所は、ペテン的沖縄「返還」協定を粉砕すべく闘った星野同志に対して、機動隊せん滅の実行犯にデッチあげ、無期攻撃を強行し、獄中31年になった今も、再審を開始せず、獄中に閉じ込めたままなのだ。
 星野再審闘争は階級的な大地の上に立った闘いであり、私たちがその階級的大地を自分たちのものにしていく度合いに応じて、日帝を追い詰め、星野同志を取り戻していく現実性がかちとれる。
 現在、「星野100円パンフ」では星野再審運動の全体が分かりやすく説明されている。この「100円パンフ」、リーフ、ビラを駆使しながら、星野同志の闘いを全労働者階級の中に宣伝し、10万人署名活動を闘おう。

 今すぐ無条件で釈放すべき

 昨年、私たちは大阪で全国集会を開いた後、高松・徳島行動を闘った。最高裁で刑が確定し、徳島刑務所に移ってからでさえ19年も経過している。ある刑訴法学者は「これだけでも長すぎる。釈放されるべきだ」と言明している。外にいる私たちは徳島刑務所と四国地方更生保護委員会へ「今すぐ無条件で釈放しろ」という要求をがんがん行って行く必要があるのだ。
 さらに本年1月17日、星野同志の元身柄引受人である青柳晃玄さんが、星野同志へ送った手紙が届いていないことについて徳島弁護士会人権擁護委員会へ人権侵害救済の申し立てを行った。星野同志と獄外との交通を禁止・制限するのは許しがたい人権侵害だ。ヨーロッパでは、受刑者の外部交通権を勝手に遮断することは受刑者の人間性を破壊するもので許されないとされている。
 徳島弁護士会が調査を開始し、弁護士が星野同志に面会した。その際星野同志は「この問題は私だけの問題だけではない。受刑者全体の問題だ」と訴えている。刑務所内での人間的な権利を守り、拡大するために、獄中の星野同志とともに全力で闘おう。
 現在、星野再審運動は全国に13の救援会ができ、星野同志を一日も早く取り戻そうと自主的、創造的に闘われている。救援会を構成する人びとは心底から星野同志のことを思って活動している。そのような13の救援会のしなやかな連合体が星野再審運動なのだ。運動を担う人たちとの信頼関係を強め、この創造的な闘いをさらに豊かに発展させよう。全国に救援会を広げ、広範な人びとの結集をかちとろう。
 今年は前半に全国総会、秋には今年の運動の集約として全国集会が行われる。星野同志を取り戻すために、全国で総決起することを訴える。

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週刊『前進』(2245号5面3)(2006/05/08)

 法政大 法学部でも処分阻止 独裁者=平林総長打倒を

 法政大学では、3・14弾圧で不当逮捕された法大生への処分攻撃を押し返す決定的勝利を切り開いている。4月24日の法学部教授会でも、前週の文学部と同様に処分決定はできず、平林総長らが描いた「4月退学処分決定」のシナリオは崩壊した。
 「4月退学処分」策動を押し返したことで処分反対署名はさらに集まっている。昼の1時間で45筆の署名が集まり、ある1年生のクラスでは呼びかけにこたえてほぼ全員が処分反対署名をした。総数も800筆を突破した。「自分も何かやりたい」という学生も出てきている。ビラを意識的に受け取る学生の数も飛躍的に増えている。「5人への処分を許したら『自由な法政』は失われる」という危機感と怒りが急速に広がり行動に結びついている。
 こうした中、法大当局は3・14以降棚上げとなっていた「ビラ・立て看板規制」を5月1日から発動しようとしている。その内容は次のようなものだ。
 @「学内学生団体」しか立て看板を出させず、ビラ掲示・ビラまきも認めない(個人名もダメ)。A立て看板、ビラの掲示・配布は団体名と連絡先を明記。ビラ掲示期限は3週間。B立て看板は学生部長の許可が必要。設置可能場所はピロティ+αのみ。ベニヤ2枚分まで。期間は2週間。C教室内でのビラ配布、置きビラは禁止。D以上に違反003した者には撤去・回収にかかった費用を請求し、立て看板設置、ビラ掲示・配布のすべてを禁止する。
 これは改憲攻撃の実質的な先取りだ。絶対に発動を許してはならない。
 処分決定が下せなかったことに打撃を受けた安東学生部長らは、日増しに弾圧をエスカレートさせている。法大救援会の朝ビラに対しては、連日十数人の教職員を動員して、警察権力と一体の妨害を続けている。門には「ビラまきはご遠慮ください」なる掲示物まで張りだした。
 学生ホールにいた被弾圧者には「小看板をどけろ」と難癖をつけ、隣にいた法大生に対しては10人以上の教職員を動員して「自宅謹慎者と一緒にいる者は学外者の疑いがある。学生証を見せろ」と恫喝した。
 4・28法大包囲デモを呼びかける立て看板には「自宅謹慎者には施設の占有を認めない。撤去しろ」との「通告書」が張られた。学生部教職員らは許しがたいことに「これが『今日の弾圧』だ」(浅見学生部事務次長)などと言い放っているのだ。
 しかし、なりふり構わぬ弾圧は、敵の追いつめられた姿だ。卑劣な弾圧に手を染めれば染めるほど、学生や教職員の怒りに火をつけるばかりだ。ある学生は「毎朝警察と闘いながらビラまいてますよね」と言って署名を寄せ、学生ホールで十数人の教職員が学生を取り囲む弾圧の現場では「中核がんばれ」と学生が声を上げた。これらはほんのエピソードに過ぎない。平林総長らの独裁体制を打倒する時が来たのだ。平林が打ち出した総長選挙廃止にも教職員の反対の声が高まっている。校則強化に反対して座り込みを闘った法政一高の生徒の息吹はキャンパスに波及している。
 4月の勝利を踏まえ、5月教授会での処分決定を完全に阻もう。「一切の処分をしない」決定を勝ち取り、自宅謹慎命令を撤回させよう。法大・平林総長を引きずり出し、打倒しよう! 「立て看板・ビラまき規制」を粉砕しよう! 処分策動粉砕! 憲法改悪を阻止しよう!

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週刊『前進』(2245号5面4)(2006/05/08)

 有朋寮裁判 高裁が明け渡し不当判決 第2次強制執行阻もう

 4月25日、仙台高裁・小野貞夫裁判長は有朋寮「明け渡し」控訴審で、仙台地裁判決を踏襲し有朋寮「明け渡し」を求める不当判決を下した。しかも「仮執行」宣言付きであり、機動隊導入・暴力的たたき出しを狙うものだ。われわれは屈従を断固拒否し、強制執行と徹底対決することを宣言する。この決戦を、改憲阻止全国学生ゼネストの革命的突破口として闘う。何よりも、立て看板・ビラ禁止攻撃と闘う法大決戦と連帯して闘う。そして全世界を席巻する学生の帝国主義打倒の革命的反乱とともに日本学生運動の爆発にむけて闘う。

 高裁に警察を100人動員

 仙台高裁は、判決後われわれを排除するために、実に100人(!)もの警察官を導入した。ここに東北大・吉本執行部の腐りきった本質が現れている。そしてこれは、すべてを力で押し通す小泉政権の本質そのものだ。仙台高裁の判決は暴力でしか維持できない、もろい「ガラス細工」でしかない。ここに、団結と行動をたたきつけた時に粉々に打ち砕ける展望がある。
 傍聴には学生・労働者・市民40人が結集した。原告である東北大学当局は、弁護士を含め誰一人として法廷に現れなかった。裁判長は原告がいないことを気にする様子もなく主文を読み始めた。そして、判決理由も読み上げずにそそくさと逃げていった。
 ふざけるな! われわれが抗議のシュプレヒコールをたたきつけるや否や、そこになんと警官100人が法廷の奥から押し寄せ、われわれを敷地外に締め出したのだ(写真)。警察導入は“退去しないので仕方なく”というものではまったくない。あらかじめ裁判所と警察との間で決めていたのだ。仙台高裁には、もはや「憲法の番人」としての建前さえない。東北大・吉本執行部が出席せず、警察を動員しなければ下せない判決などに正当性はみじんもない。こんな卑劣なやつらに有朋寮をつぶす権利などどこにもない。

 小泉改憲攻撃との激突点

 われわれ有朋寮生は、強制執行に一歩もひくつもりはない。それは、有朋寮の闘いが小泉の戦争と改憲の攻撃との激突点だからだ。戦時下の寮つぶし・団結破壊を阻止するため、逮捕・流血辞さず人生かけた大決戦をあらためて決意する。
 吉本執行部は裁判で「有朋寮が住めないほどに老朽化しているのかどうか」という証明すらできず、一貫して「大学当局がつぶすと決めたのだから有朋寮をつぶしてよい」と主張してきた。廃寮に反対した古郡への「無期停学」処分を3年以上も続け、そして今回の警察動員である。有朋寮はこのあり方とずっと闘ってきた。吉本執行部による廃寮攻撃は、小泉政権が行っている、暴力で従わせて団結を破壊し、改憲と戦争に突き進んでいることと完全に一体だ。

 有朋寮へ全国の力の結集を

 敵は国家暴力による強制執行を狙っており、一刻の猶予もない。万難を排して有朋寮へはせ参じてほしい。激励、カンパ、あらゆる形で闘いを支えてほしい。
 団結して闘えば勝てる。それは昨年9月21日に示されている。昨年9月、強制執行を絶対に許さないという有朋寮生・全国学生の闘いが多くの労働者市民の心を揺り動かし、裁判所を追い詰め、ついに9月21日に強制執行停止決定をかちとったのだ。3・14法大弾圧で29人の不起訴・早期奪還をかちとったのも、やはり団結があったからだ。
 全国の学友は有朋寮へ!廃寮阻止・「無期停学」粉砕! 改憲阻止! ともに闘おう!(東北大・F)

【東北大学有朋寮】
メール uforyou@hotmail.com
HP http://uforyou.exblog.jp/
振替口座 郵便振替「02210−2−61153東北大学有朋寮」

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週刊『前進』(2245号5面5)(2006/05/08)

 “イラク派兵演習阻止” 5・28北富士闘争へ

 5・28北富士闘争が忍草国有入会地守る会、北富士忍草母の会から呼びかけられた。イラク派兵演習阻止・入会地奪還へ総決起しよう。(編集局)

 5・28北富士闘争への呼びかけ

 闘う仲間の皆さん。青年労働者、学生の皆さん。
 小泉政権が、北富士演習場に自衛隊のイラク・サマワ宿営地の模擬施設の建設を強行してから2周年をむかえようとしています。この間、防衛庁はこの施設に、全国から3カ月ごとにイラクへの派兵部隊を集め、演習を行っては自衛隊を派兵しています。
 その新たな派兵部隊の演習が、5月末から行われようとしています。小泉政権は自衛隊のイラク派兵について、「復興人道支援」と呼んで戦争行為ではないかのように言っていますが、アメリカによるイラクの植民地支配と一体になった侵略戦争への加担そのものです。私たちは、地元農民の入会地を強奪して行われる侵略戦争の演習を絶対に許すことはできません。闘う仲間の皆さんの結集を訴えるものです。
 サマワ宿営地模擬施設が建設されている12fの土地を含む富士山麓(さんろく)の梨ケ原は、古来より地元農民の入会地です。火山灰のやせた高冷地で農業を営むために、私たちは梨ケ原に桑を植え、ソバを蒔(ま)き、ソダや飼料・肥料の草を採取し、生活の8割をそこに依存して生きてきました。
 戦後米軍は梨ケ原を強制的に接収し、私たちに入会権利者に無断でここを北富士演習場としました。米軍は北富士を海兵隊の演習場とし、北富士を拠点に朝鮮戦争、ベトナム戦争を行ってきました。現在北富士は自衛隊管理の演習場となっていますが、その実態は変わらず、北富士は沖縄を除いて、米軍が恒常的に使用している唯一の陸の演習場です。
 私たちは、農民として生きていくため、1955年に米軍のカービン銃を突破し、米軍演習阻止・入会地奪還の実力闘争に立ち上がりました。以来今日まで、米軍と自衛隊に対して、演習場のど真ん中に入会小屋を建てたり、着弾地に座り込んだりして村ぐるみの不屈の闘いを継続してきました。
 この私たちの闘いによって、東京地裁は1970年と71年の2度にわたって、「梨ケ原に忍草(しぼくさ)入会組合の入会権がある」という判決を下しました。しかしこの判決と私たちの闘いが結びついて、演習場機能が不能におちいることに恐怖した国家権力は、刑事弾圧と入会組合の分裂によって、北富士闘争の圧殺をはかってきました。しかし私たちは、全国の仲間の支援のもと、入会地奪還・北富士演習場撤去の闘いをねばり強く続けています。
 アメリカは、イラク人民の闘いのまえに、進むことも退くこともできない泥沼におちいっています。そして高まる反米・民族解放の闘いに恐怖して、イラン、北朝鮮、中国へ戦争を拡大しようとしています。現在すすめられている米軍の再編は、その戦争のために、沖縄や本土の米軍基地を強化するものです。
 小泉政権は、ブッシュ政権との日米同盟のもと、イラクでは航空自衛隊の業務を拡大して、米軍の空輸全般を受け持とうとしています。また国鉄千葉動力車労働組合などの戦闘的な労働組合を破壊し、三里塚や沖縄・辺野古、北富士などの反基地闘争の拠点を圧殺し、憲法9条を改悪して戦争のできる国にしようとしています。
 私たちは、全国の労働者、学生、市民の闘いと連帯して、北富士でのイラク派兵演習反対、サマワ宿営地模擬施設撤去、入会地奪還の闘いを、農民の生活を守り、戦争のための国家づくりに反対する闘いとして続けていく決意です。
 闘う仲間の皆さんの5・28北富士闘争への結集をよろしくお願いします。
 2006年4月20日
 忍草国有入会地守る会
 北富士忍草母の会

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5・28北富士総決起集会
 自衛隊のイラク派兵演習反対・サマワ宿営地模擬施設撤去・梨ヶ原入会地奪還

 5月28日(日)正午
 北富士演習場サマワ宿営地模擬施設となり
 主催 忍草国有入会地守る会、北富士忍草母の会
    ※集会後、自衛隊梨ヶ原廠舎までデモ行進を行います。

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週刊『前進』(2245号6面1)(2006/05/08)

団結ひろば 投稿コーナー

 「ムスリム人民の闘い」の評価について 兵庫 徳川昌人

 先日、友人(貴紙定期購読者)と久しぶりに話した際、友人が「ムスリム人民の闘い」と拍手するのは共産主義者としておかしいのではないかと批判し、彼が去って行った後、妙にひっかかりました。
 世界各地の「イスラム教徒」がアメリカや西欧の帝国主義国、イスラエルと戦闘的に闘っていること、そしてわれわれも抑圧民族の一員であることは事実です。しかし、ムスリム人民とひっくるめてしまうことが階級的にみて妥当なのでしょうか。例えばイランにはマルクス主義的戦闘集団もありましたね。アラブ人民、パレスチナ人民等と表現した方がよくはないでしょうか。
 そして中東地域でマルクス主義の影響力が少ないのはなぜなのか。それはソ連等のスターリン主義者の裏切りのゆえだけなのかどうか? ホメイニのごとくイスラム教によるマルクス主義の排除はないのか? イスラム教の有しているあの吸引力はどこにその理由があるのか等を、分析すべきではないでしょうか?
 私見では、イスラム教集団の持つ連帯性(貧しい者もさらに貧しい人々へ施しをする)もその秘密の一因だと考えています。
 イスラム教批判を現在の自衛隊のイラク出兵下で露骨に押し出すべきだとはもちろん考えません。しかしイスラム教徒の人々の中にマルクス主義をもち込んでゆくことは考えていかねばならないはずです。そういう意味も含めて、「ムスリム人民の闘い」への称揚は検討してゆくべきと思うのです(表現として、とらえ方として)。

 編集局より

 「団結ひろば」への投稿ありがとうございます。
 提起されている問題は確かに難しい問題です。しかし、被抑圧民族人民の民族解放闘争、あるいは民族自決権を無条件に支持し、それと連帯して帝国主義(自国帝国主義)による他民族抑圧に反対して闘うことは、レーニン主義ないしは革命的共産主義の生命線的任務だと思います。
 「ムスリム人民の闘い」については、『前進』などでは時と場合に応じて、実際にはイラク人民、パレスチナ人民、あるいは中東・イスラム諸国人民、イラク・ムスリム人民などの表現を使い分けています。
 その上で重要な点は、今日のイラクにおけるゲリラ戦争、民族解放・革命戦争の主体として、いわゆる非宗教的なイラクの武装勢力が存在すると同時に、イラクならびに中東諸地域から結集したムスリム人民が存在するという厳然たる事実です。ムスリム人民の存在と闘いは圧倒的です。特に自爆戦闘は基本的にムスリムの決起です。
 帝国主義国の革命党、共産主義者としては、これに対し条件付きで、あるいは批判的に評価するのでしょうか。そうではなくて、基本的に断固支持し、それと連帯して、自国帝国主義打倒−世界革命のために闘うべきではないのか、と思うのです。
 「アラブ人民」と表現した方がよくはないかということですが、「アラブ」とは一般的にはアラビア語を使用して生活する民族や人びとのことであり、他の言語を主要に使用する民族を含みません。また「アラブ国家」(アラビア語が主流の国家。しかも、アラビア語はイスラムの聖典クルアーンの唯一の言語です)と言う場合、肝心のイラン、アフガニスタン、トルコなどの国家と、そこに住む諸民族(多くはムスリム)が「アラブ」に包含されないことになってしまいます。しかしイスラムを信仰する非アラブ民族(ムスリム)が、イランやアフガニスタン、トルコなどに多数存在します。
 したがって、イラクやアフガニスタンを始めとした現在の民族解放戦争の主体を「ムスリム人民」ではなく「アラブ人民」としてくくることは、範囲もより限定されて、むしろあまり適当とは言えないと考えられます。
 中東などの地域でなぜマルクス主義の影響力が少ないのか。この決定的な主体的要因は、イスラムの宗教的な影響力が圧倒的な中での、一方ではスターリン主義の裏切りと犯罪性、他方では帝国主義国における帝国主義打倒−世界革命の闘いの非力性と未達成ということでしょう。
 ムスリムにもマルクス主義は持ち込まなければなりません。ただそれは日米欧など帝国主義国での革命の前進と勝利という衝撃と物質力のもとでこそ、初めて本格的につくり出すことができる戦略的闘いなのではないでしょうか。
 今回、提起された問題について、今後とも考え、討論し、深化させていきたいと思っています。

 米陸軍第1軍団司令部移転を許さない! 相模原 庄司美恵子

 許せません。25日夜、相模原市の小川勇夫市長は記者会見で、米陸軍相模総合補給廠のわずか2fの追加返還(!)と引き換えに米陸軍第一軍団司令部を改編した新司令部のキャンプ座間への移転受け入れを日米合意したことを、「大きな前進、まちづくりの可能性が広がる」と語りました。
 沖縄では島袋名護市長のV字形滑走路合意に怒りが沸騰、23日には沖縄市で嘉手納基地の日米共同使用反対、辺野古新基地建設反対の東門美津子新市長が誕生しました。住民投票で「基地ノー」を示した岩国でも米軍岩国基地への空母艦載機部隊移転反対の井原市長が当選しました。
 この沖縄、岩国の闘いと結び、相模原でも黙っているわけにはいかないと行動に立ち上がります。横須賀でも市長や市議会が動揺していますが、神奈川の労働者・市民の底力を見せてやります。

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週刊『前進』(2245号6面2)(2006/05/08)

 共謀罪阻止へ全力決起 国会前でハンスト

  “4・28衆院採決阻止せよ”

 現代の治安維持法=共謀罪に労働者人民の怒りと闘いが爆発している。共謀罪は、「犯罪」の実行行為がなくても、話し合っただけで処罰するという治安弾圧立法だ。4月21日に衆院法務委で審議入りし、その1週間後に採決を狙うという暴挙に対して、国会前ハンストを始め連日の闘いが繰り広げられた。

 怒った市民が続々と合流 25日 国会前集会

 共謀罪の衆議院法務委員会での審議入り強行という緊急事態の中、共謀罪新設反対・国際共同署名運動は4月25日から27日まで断固たるハンスト闘争に立ち上がった。
 衆議院第2議員会館前に陣取ったハンスト団と支援の仲間は、25日正午から130人でハンスト突入集会をかちとった。集会開始とともに襲った雷雨をものともせず、参加者の危機感と怒り、決意があふれる発言が続いた。ニュースを見て駆けつけ、飛び入りでハンストに決起した人もいる。
 破防法・組対法に反対する共同行動事務局からの緊迫する国会情勢報告に続いて、ジャーナリストの安田浩一さん、学生、共同行動の各参加団体、憲法と人権の日弁連をめざす会の遠藤憲一弁護士、救援連絡センター、ミュージシャンら幅広い人たちからの発言が続いた。遠藤弁護士は「『話し合っただけで処罰』と言われているが、暴力団の事件では話し合いすらなくても共謀を認定している。28日の採決強行など絶対に許せない」と共謀罪をあらためて弾劾した。ハンスト団は「共謀罪を永久に葬り去るまで闘おう!」と呼びかけた。
 ハンスト団は、夜は日比谷公園郷土の森に移動してテントで野営し、翌早朝から連日のビラまき、衆院第2議員会館前での座り込みをやりぬいて国会闘争を最先頭で切り開いた。
 25日の衆院法務委員会では、自民・公明の与党が野党退席のまま審議を強行した。しかし、21日の審議強行を節目に、国会前を通る人たちの関心も画然と高まっている。インターネットやメールで事態を知り、国会前に駆けつけて合流する人も次々と現れている。共謀罪を3度めの廃案にたたき込む手ごたえを、すべての参加者が確信する闘いになった。
(写真 国会前に陣取ったハンスト団。共謀罪阻止へ全国から支援が結集【4月25日 衆院第2議員会館前】)


 銀座をデモし熱くアピール 23日 審議入り弾劾

 共謀罪の成立を絶対に阻もうと、「破防法・組対法に反対する共同行動」の主催で4月23日午後、東京で集会とデモが闘われた。
 午後2時から港区西新橋の南桜公園で決起集会が開かれた。与党が21日に反対の声を押し切って強引に審議を再開したことへの怒りと危機感に燃えて、130人が結集した。
 共同行動の代表が基調報告を行った。「21日の審議入りは絶対に許せない。労働組合は話し合ってものごとを決めるが、共謀罪はその話し合い自体を犯罪と見なす労組弾圧法だ。これは、改憲と戦争国家づくりに抵抗する者を弾圧し排除するための攻撃だ」と核心的に批判し、「絶対に廃案にしよう」と訴えた。
 「憲法と人権の日弁連をめざす会」の武内更一事務局長は連帯のあいさつで、「フランスではデモで悪法を葬った。素晴らしい闘いだ。民衆には抵抗権がある。ともに生きる社会を守り抜くために、共謀罪を葬り去ろう」と呼びかけた。
 さらに、入管法改悪と闘う仲間、共謀罪に反対する表現者の会、全逓労働者、日本山妙法寺の僧侶が、思想・表現を弾圧する共謀罪を徹底弾劾し、闘いの決意を表明した。闘うミュージシャンがギターと歌でアピールした。
 集会後、3時から新橋駅前、銀座・数寄屋橋交差点を通ってデモ行進した。沿道の人びとの関心は高く、デモに共感が集まった。
 共謀罪反対の総署名数は二十数万、そのうち国際共同署名は2万7千筆が集まった。全国の9割の弁護士会が共謀罪反対の声明を出している。
 共謀罪反対の声は、日増しに全国で高まっている。この声を踏みにじって成立を強行するなど絶対に許されない。デモをやり抜いた参加者は、あらためて絶対阻止の決意を固め、決戦に突入することを誓い合った。
(写真 「共謀罪」廃案を訴えて銀座をデモ【4月23日】)

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週刊『前進』(2245号6面3)(2006/05/08)

 “改憲と共謀罪に反対” 弁護士と労働者の闘い結び

 4月25日、憲法と人権の日弁連をめざす会が主催した「とめよう改憲!私たちの手で 4・25改憲と共謀罪に反対する集い」が、弁護士会館クレオを埋める520人の参加で開かれた。
 共謀罪、教育基本法改悪、国民投票法案との対決が緊迫する中、闘う弁護士を先頭に、こうした攻撃と最先端で対決する人びとがひとつに結びあう熱気あふれる集会となった。とりわけ、戦争・改憲・民営化と闘う陸・海・空の労働組合、教育労働者のそろい踏みでの登場は、圧巻だった。
 東北大学名誉教授の小田中聰樹さんが「いまなぜ改憲か? 国民投票法・共謀罪を阻もう」と題して問題提起。
 続いて、全日本海員組合の藤丸徹教宣部長、日本航空客室乗務員組合の内田妙子委員長、国労闘争団・鉄建公団訴訟の酒井直昭原告団長、動労千葉の田中康宏委員長、「日の丸・君が代」不起立を闘う根津公子さん、劇作家・演出家・女優の渡辺えり子さんが発言。田中委員長は1年前の尼崎事故を怒りをこめて弾劾し、「いま必要なのは労働組合が力を取り戻し再生することだ。その力で必ず改憲は止められる」と訴えた。
 最後に、主催者を代表して高山俊吉弁護士が「非常に元気で、明るく、力強い集会。現に闘っている人たちの集まりだからだ。国会で会いましょう!」とまとめた。

(写真 「戦争はだめ」とストレ・トに訴える渡辺えり子さんに全参加者が共感【4月25日 東京・弁護士会館クレオ)

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週刊『前進』(2245号6面4)(2006/05/08)

 迎賓館・横田爆取控訴審 完全無罪戦取を! 3被告からの訴え(下)

 国家ぐるみの権力犯罪を粉砕するため5・19公判へ

  須賀武敏

 勝ちきるため全力で頑張る

 5月19日の迎賓館・横田控訴審判決公判は国家ぐるみのデッチあげ権力犯罪を粉砕する決戦の日です。5・19に総結集し、東京高裁を揺るがす闘いで、控訴棄却の判決を戦取しよう。この闘いに勝利することが、3月3日の福嶋昌男さんへの重刑有罪判決を打ち返し、私たち4人の完全無罪戦取を切り開く道です。
(写真  「完全無罪をこの手に2・18集会で決意を語る被告団と家族【渋谷】)
 だから、絶対に勝たなければなりません。残された日々を、勝ちきるために全力で頑張りぬきます。
 国家暴力で真実と良心を絞殺し、虚構の国家思想への絶対的屈服を強制する思想転向を目的としたデッチあげ権力弾圧との闘いは、自己の人間的尊厳をかけた、退路を断った命がけの闘いでしか絶対に勝利できません。そのことを私はこの20年間の闘いで学びました。私たちに加えられたデッチあげ弾圧は、法政大弾圧事件と同様に、警察によって用意周到に準備され強行された国家ぐるみの政治的権力犯罪です。
 私および私たち3人は、本件両事件に一切関与していません。これが事実のすべてです。だから、デッチあげ爆取1条という死刑・無期の極刑攻撃と全身怒りの火の玉と化して対決し、拷問的取り調べに屈せず完黙・非転向を貫きとおして闘った。45日間、文字どおり連日・深夜までの拷問的取り調べとの闘いは本当に自己の人間的尊厳をかけた命がけの闘いでした。この死闘に勝ちぬいたからこそ、敵権力の弾圧の狙いを破産に追い込み、逆に検察官に対して、デッチあげのシナリオさえ満足には作れないままに、無理を承知でデッチあげを強行せざるをえない土壇場に追い込んだのです。それゆえ、検察官のデッチあげ公訴の破産はすでに一審の第1回公判で全面的に明らかになっていたのです。
 しかし、「証拠が薄いのは、被告人が隠しているからだ」との当時右陪席であった中谷雄二郎裁判官の「被告人有罪」の『ジュリスト』予断発言を容認する裁判が強行されたのです。それに反撃する必死の闘いは本当に命がけの闘いでした。私たちを無期の禁固刑にも匹敵する16年間、未決のまま獄中に閉じ込め、健康を破壊し、最後の5年間は、私は裁判を受ける権利さえ奪い取られる日々が強制されたのです。
 しかし、家族と多くの同志や支援者の心温まる援助と獄外の闘いに支えられ、私たちは必死の反撃を17年間継続しました。そして、1審判決は、「検察官の主張には証明がない、だから事実ではない」として、検察官立証の不成立と私たち3人の無罪という、事実に合致した厳正な結論に到達しました。私たちの必死の闘いでもぎとった無罪判決です。
 検察官は不当にも控訴しました。しかし、私たち被告・弁護団は検察官の控訴趣意書に対する答弁書によって、検察官が恣意(しい)的・捏造(ねつぞう)的な解釈により「証拠」として提示しているメモ類は、すべて別件岩手事件にかかわるメモとして本件両事件より後に岩手借家などで書かれたものにすぎず、しかも他の元となるメモから書き写したコピーにすぎない点を詳細に論証したのです。
 このように、メモにかかわる1審判決内容の正しさを裏付ける提起が答弁書でなされ、検察官控訴趣意書が無罪判決を覆す何の理由も根拠も提示できていない事実を突きつけられたがゆえに、東京高裁の中川武隆裁判長は検察官請求証拠のすべてを却下し即日結審せざるをえなかったのです。検察官控訴には1審判決のメモの証拠能力と証拠価値についての原則的な評価を覆すものがまったく存在していない以上、5月19日の判決は、当然、控訴棄却以外に考えられません。

 控訴棄却求め緊急賛同署名

 しかし、今日、裁判員制度導入決定、刑訴法・刑訴規則の改悪を契機に、最高裁が率先して〈簡易、拙速、重罰〉の戦時型司法の実施に全体重をかけてきています。これに呼応して3月3日、東京地裁刑事第3部の服部悟裁判長は無実の福嶋さんへの重刑有罪判決を強行したのです。この反動判決は、文字どおり真実を虚構によって絞殺する、裁判官によるデッチあげ権力犯罪です。絶対粉砕しなければなりません。
 中川武隆裁判長は服部と同様にその時の政治的判断で有罪・無罪を決めるタイプです。だから、5・19に実際に控訴棄却判決を出させるためには中川裁判長を追いつめる大衆的闘いが決定的に重要です。
 私たち被告団は今、多くの人士とともに「『迎賓館・横田事件』について控訴棄却を求める申入書」への緊急賛同署名を集めています。この闘いは、中川裁判長を追いつめる決定打になるはずです。
 何よりも5月19日の判決当日、控訴棄却を求める怒りの決起を拡大して高裁を包囲し、その闘いの力で控訴棄却判決を戦取しなければなりません。その迫力こそがすべてを決定します。勝利の凱歌(がいか)で高裁を席巻するためにともに頑張りぬきましょう。

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5・19控訴審判決公判へ
 5月19日(金) 午前10時 東京地裁725法廷

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