ZENSHIN 2003/01/01(No2084 p16)

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『前進』第2084号新年特大号(16ページ)目次

(本号は第1部8ページと第2部8ページの合計16ページです。ホームページではアクセススピードを考慮し、第1部をA、B二つのファイルに分け、第2部と合わせて3つのファイルに分割しました。
革共同政治局の2003年1・1アピール (第1部、1〜5面)
青年労働者座談会 革命の展望開く青年労働者の獲得へ その他 (第1部、6〜8面)
4月統一地方選 北島さん×新城さん×けしばさん 大いに語る その他(第2部、9〜16面)

革共同政治局の2003年1・1アピール (第1部、1〜5面)
革共同政治局の2003年1・1アピール (1〜5面)
(第1部、6〜8面)
青年労働者座談会 革命の展望開く青年労働者の獲得へ 国労5・27臨大弾圧うち破る大運動で1047名闘争勝利へ! マル青労同を担うのは新たな世代! 勝負の年へ躍り出よう!(6〜7面)
イージス艦派兵阻止へ連続決起 全学連、再び機動隊撃破 横須賀 イラク参戦に怒り大爆発(8面)
“本格的参戦許さぬ” 佐世保で集会デモ 横須賀現地闘争と連帯(8面)
“改憲許さぬ” 福岡公聴会弾劾(8面)
国労弾圧粉砕の大運動へ 「許さない会」が正式発足(8面)
“サヨナラ4党合意” 国鉄闘争共闘会議 社文集会と総行動(8面)
 爆取裁判 3同志、ついに保釈決定 検事抗告粉砕し即時奪還へ(8面)
(第2部、9〜16面)

4月統一地方選 北島さん×新城さん×けしばさん 大いに語る 〈反戦と介護〉掲げ必勝を 侵略戦争下での闘いの前進へ革命的議員団の登場は不可欠 (9〜10面)

相模原から反戦叫び3期目の市議選闘う 相模原市議会議員 婦民全国協代表 西村綾子さん(10面)
沖縄の闘う議員から(10面)
あきらめず、前に進み戦争とめよう 沖縄反戦地主 読谷村議会議員 知花昌一さん
新基地建設阻止へ「連帯」で未来開く 名護市議会議員 宮城康博さん
二度と沖縄を戦争に使わせない決意 北中城村議会議員 宮城盛光さん
イラク反戦・新基地阻止へ沖縄闘争の戦略的構築を 革共同沖縄県委員会(10面)
農地と生活守り戦争反対鮮明に闘う 今年は決戦の年。三里塚の出番 反対同盟から新年アピール(11面)
 未来のために立つ 事務局長 北原鉱治さん
 やりがいある闘い 本部役員 鈴木幸司さん
 治安維持法忘れぬ 本部役員 三浦五郎さん
 家新築し永住する 本部役員 郡司一治さん
 権力を相手に運動維持した 鈴木謙太郎さん
 戦争阻止するのは民衆の力 木内秀次さん
 有事立法阻止と反戦を闘う 伊藤信晴さん
 許せぬ小泉の福祉切り捨て 宮本麻子さん
滑走路延長は絶対不可能  敷地内の決意 (11面)
 廃港も夢ではない 事務局次長 萩原進さん
 公団思い知ったか 天神峰 市東孝雄さん
 国際連帯の運動を 三里塚教会信徒代表 戸村義弘さん(11面)
各界から闘う新春メッセージ イラク侵略戦争を阻もう 国際連帯の新時代開こう(12、13面)
 帝国主義と闘い社会主義へ前進を 反戦共同行動委員会代表 全国労組交流センター代表 佐藤芳夫さん
 イラク反戦・弾圧粉砕、労働者決起へ 東京反戦共同行動委員会代表 三角忠さん
 広範な出会い求め困難恐れず闘おう とめよう戦争への道! 百万人署名運動 小田原紀雄さん
 むらがる反動と闘って展望開こう 反対同盟顧問弁護団事務局長 動労千葉弁護団代表 葉山岳夫さん
 危機を人民の壮大な決起に転じよう 反戦共同行動委事務局長 滝口誠さん
 「核に殺されてたまるか」の精神で闘う 反戦被爆者の会会長 大槻泰生さん
 世界人民の団結で平和共生の世界を 在日台僑 元日本兵 林歳徳さん
 荊冠旗を掲げ国際反戦闘争に合流す  部落解放同盟全国連委員長 東大阪市議会議員 瀬川博さん
 失業攻撃と戦争に働く権利掲げ闘う 阪神被災地・雇用と生活要求者組合代表 長谷川正夫さん
 自衛官を反戦運動に獲得する闘いを 反戦自衛官 小多基実夫さん
 戦争か平和か、選択が今問われている 沖縄民権の会 座覇光子さん
 反戦闘争爆発させイラク戦争止める 泉佐野市議会議員 泉州住民の会事務局長 国賀祥司さん
各界から闘う新春メッセージ
 イラク侵略演習に梨ヶ原を使わせぬ 北富士忍草母の会 事務局長 天野美恵さん(13面)
各界から闘う新春メッセージ
 軍事空港絶対反対の決意は確固不動 全関西実行委員会 代表世話人 淡路町空港反対同盟代表 永井満さん(13面)
獄中同志から新年アピール (12〜13面)
 現状変革の闘いへの決断・行動が歴史決す 東京拘置所在監 須賀武敏
 03年最初の大闘争で激烈で豊かな激動を 東京拘置所在監 十亀(そがめ)弘史
 保釈とまったき無実・無罪へともに闘おう 東京拘置所在監 板垣宏
 反戦闘争・労働運動と連帯して無罪戦取へ 東京拘置所在監 福嶋昌男
 無期との闘いで人間解放実現の力を獲得 徳島刑務所在監 星野文昭
 侵略参戦阻止の実力決起で連帯戦略貫け 横浜刑務所在監 倉持嘉之
 国際的内乱に革共同の世界史的な登場を 東京拘置所在監 水嶋秀樹
 党的飛躍かけ革命的議員実現へ頑張ろう 東京拘置所在監 M同志

世界戦争計画を強行する米帝 帝国主義経済は大恐慌に転落 全世界で革命的情勢の急成熟へ(14〜15面、島崎光晴)

『ドイツ・イデオロギー』をどう読むか マルクス主義を復権させ21世紀早期の世界革命へ(16面、仲山良介)

革共同政治局の2003年1・1アピール 目次

 はじめに

 第1章 新帝国主義世界戦争の始まりと国際反戦闘争のダイナミズム

 1 日本階級闘争の革命的胎動
  戦争下の内乱的闘いの始まりとレーニン「三つの義務」の遂行
  総括と次の闘いへの前進
 2 イラク侵略戦争と有事立法攻撃の階級的性格
  拉致問題を口実とした北朝鮮侵略戦争準備との闘い
 3 戦争・恐慌下の資本攻勢と対決する労働運動
 4 選挙闘争での勝利と革命的議会主義の前進
 5 米帝の世界戦争計画で新段階に突入した沖縄闘争
 6 2期攻防の勝利を確定づけた三里塚闘争

 第2章 米帝の世界戦争計画の実戦的発動と29年型大恐慌過程への突入

 1 第3次世界大戦に至る世界史的激動の開始
 2 全世界を戦争に引き込む米帝ブッシュ政権
  先制攻撃を国家戦略としたブッシュ・ドクトリン
 3 国際的内乱=被抑圧民族人民の歴史的な反米蜂起
 4 実体経済の崩壊と信用収縮に入った米帝経済
 5 世界史的矛盾の噴火口=ロシアと最大の残存スターリン主義=中国の危機
 6 拉致問題と核問題を口実とした米日帝の北朝鮮侵略戦争の切迫
 7 世界戦争計画への参戦を決断した日帝・小泉政権
  日帝経済危機と倒産・大失業攻撃

 第3章 ムスリム人民の蜂起にこたえイラク反戦・有事立法粉砕闘争の戦闘的爆発へ

 1 イラク侵略戦争阻止へ一大反戦闘争を
 2 闘う在日朝鮮人民と連帯し米日帝による北朝鮮侵略戦争を阻止せよ
 3 有事3法案絶対阻止に総決起しよう
  大規模な出兵拒否の闘いと隊内細胞の形成へ
 4 4月統一地方選で革命的議会主義の発展かちとれ
 5 戦争国家づくりのための教育基本法改悪の阻止を
 6 米緊急展開戦力の要=沖縄基地撤去闘争の新段階を開こう
 7 三里塚闘争を先頭に反戦・反基地闘争の大爆発を
  8月広島・長崎反戦闘争の大高揚へ
 8 治安弾圧立法と闘い獄中の仲間を奪還しよう

 第4章 4月統一地方選で杉並を先頭に全党の力で全員当選を

  「反戦」と「介護」の闘いで選挙闘争の勝利かちとれ
  03年選挙闘争に勝利し、社・共に代わる労働者党の登場を

 第5章 連合・全労連指導部を打倒し、03春闘の爆発から階級的労働運動の再生へ

 1 激化する資本攻勢の特質と今春闘の課題
 2 労働者の戦争動員に率先協力する「5・16連合見解」
 3 国鉄労働運動弾圧を全労働者階級人民の力ではね返そう
 4 倒産・リストラ・失業・賃下げと対決し労働者の団結を

 

 第6章 国際反戦闘争と連帯し全国学生運動の歴史的大爆発を切り開こう

  新時代の到来を告げるイラク反戦闘争
  学生運動の本格的な大衆的爆発を
  学生共産主義者の形成へ
  高校生運動の爆発をかちとろう

 第7章 戦争突入下、7・7精神を発揚し差別・抑圧攻撃の激化を粉砕しよう

 第8章 帝国主義の侵略戦争を全面擁護する日本共産党スターリン主義を打倒せよ

 第9章 アングロアメリカン路線で小泉擁護に走るカクマルを打倒せよ

  JR総連分裂に沈黙するカクマル中央派の惨状
  新東西対立論の破産で路線崩壊の中央派
  ファシスト労働運動に純化したJR総連の崩壊的危機
  カクマル両派を追撃し完全に解体・打倒せよ

 第10章 青年労働者の大結集をかちとり強大なレーニン主義的革命党を建設しよう

  党建設の基礎をなす組織細胞原則
  会議・財政・機関紙活動と学習会体系による党勢拡大
  『ドイツ・イデオロギー』解説本出版の党建設的意義
  党建設の最重要課題としてのマル青労同建設

週刊『前進』(2084号1面1)

革共同政治局の2003年1・1アピール

闘うムスリムと連帯し、全世界労働者の総決起でイラク侵略戦争を阻止せよ!
北朝鮮侵略戦争策動と対決し南北・在日朝鮮人民と連帯しよう

 □有事立法・教育基本法改悪・改憲攻撃を粉砕せよ
 □国鉄労働運動弾圧を粉砕し03年春闘の爆発かちとれ
 □4月統一地方選必勝へ反戦と介護で総決起しよう

 はじめに

 アメリカ帝国主義のイラク侵略戦争全面開戦が、11・8国連決議をもって確定し、今まさに開戦のための手続きである国連査察が連日強行されている。すでに米英軍はイラク南部・北部地域に対する大規模な空爆を、国連の手続きとは別に連続的にエスカレートさせている。米地上軍も、空母機動部隊も、完全に開戦態勢に入った。一片の正義もない大虐殺戦争が、今まさに始まろうとしている。日帝・小泉もイージス艦派兵強行をもって全面参戦に踏み切った。
 進行している事態は、まさに第3次世界大戦過程への突入そのものである。
 米帝の世界支配が根底から揺らぎ、百数十年にわたる帝国主義の途方もない殺りくと収奪にさらされてきた中東・新植民地主義体制諸国人民の積年の怒りが、01年9・11をもって根底から解き放たれた。そして、帝国主義世界経済も30年代以来の大恐慌過程に深々と突入した。米帝は、イラク侵略戦争を突破口に、世界のムスリム人民、被抑圧民族人民へ殺りく戦争を強行し、全世界の帝国主義諸国をもこの大戦争過程に引きずり込むことで暴力的に再編する以外に、自らの死活的権益を護持することもできなくなっている。ロシア・プーチン政権も、中国スターリン主義も、それぞれの反動的利害からこの米帝の世界戦争計画に否応なく引き込まれている。
 しかし米帝の世界戦争計画は、米本土をも戦場とする巨大な国際的内乱に迎え撃たれている。9・11は特殊的・極限的形態をとった闘いであるが、世界のムスリム人民と被抑圧諸国人民による反米蜂起、民族解放・革命戦争の歴史的爆発の突破口をついに切り開いたものである。
 9・11は、米帝などの延命をここまで許してきた帝国主義諸国のプロレタリアート人民に対する糾弾でもあった。それは同時に国際反戦闘争への決起を呼びかける限りない連帯のアピールである。その衝撃は国際・国内情勢、階級情勢を新たな次元に移行させるものとなった。
 同時に、恐慌・失業・戦争の時代の到来の中で全世界的に吹きすさぶ資本攻勢の嵐に対して、労働者階級人民の決起がさまざまな形で爆発しつつある。今や全世界の労働者階級人民は、9・11の衝撃のもとで、侵略戦争に反対する闘いと、一大資本攻勢と対決する階級的闘いとを、自らへの一個二重の攻撃に対する内乱的反撃として推し進めつつある。ほとんどの帝国主義国で、労働者階級は国内で働き生活する膨大なムスリム人民とともに、何万何十万人という規模で街頭に進出している。イラク侵略戦争の進行はこの全世界の労働者人民の決起(戦争を阻止し、資本攻勢を粉砕する決起)を爆発的に促進する。
 帝国主義者は、労働者人民の決起が帝国主義の時代の終焉(しゅうえん)を確実にたぐり寄せている現実におののき、やみくもな治安弾圧政策を激化させている。しかし、闘うムスリム人民と連帯する全世界の労働者人民の闘いの息吹は、もはや何ものをもってしても押しとどめることはできない。
 全世界の労働者階級と被抑圧民族人民は、闘うムスリム人民と連帯して、米帝のイラク侵略戦争に反対しよう。巻き起こる国際反戦闘争の巨大な戦列への、日本労働者階級人民の闘いの歴史的大合流を実現しよう。武装し闘う革共同は、その先頭で闘いぬくことを宣言する。
 イラク反戦闘争・有事立法阻止闘争、教育基本法改悪阻止闘争の爆発の中で、この春には、春闘と国鉄労働運動弾圧をめぐる一大決戦を闘いぬかなければならない。そして、統一地方選挙は党に課せられた決戦である。さらに、今年は、治安弾圧攻撃が立法攻撃と司法改革を伴っていよいよ激化している。まさに、階級決戦の到来であり、党の決戦である。03年の勝利を21世紀革命への一大転機にしていこう。

 第1章 新帝国主義世界戦争の始まりと国際反戦闘争のダイナミズム

 1 日本階級闘争の革命的胎動

 いま革共同が02年の総括においてまずなすべきことは、レーニン・ボルシェビキ的に言えば、21世紀の現実に即して、新しい型の「社会主義と戦争」(世界大戦下のプロレタリアートの任務)の内容を創成していくことである。
 すでに新たな帝国主義戦争は開始されている。一昨年10月のアフガニスタン侵略戦争の開始とその続行。01〜02年のパレスチナでの戦争の連動的激化。そして02年全体を通して準備されてきたイラク侵略戦争への実質的突入。このようにしてブッシュの世界戦争計画は発動されているのだ。そして、この過程は、世界経済における大恐慌、29年型大恐慌の現実化の過程と完全に重なり、全世界的なレベルでリストラ・大失業・賃下げ・労働地獄の現実化の過程となっている。
 つまり、帝国主義の未曽有(みぞう)の危機が戦争と大失業の時代をついに現実化し、その中で帝国主義の侵略戦争、帝国主義の世界戦争への過程がついに始まったのである。
 このことは、誰がどんなにあがこうとも、容赦ない歴史的必然の力でもって、革命的情勢が全世界的にいたるところにつくりだされていくということである。実際、この01〜02年における労働者階級人民の決起はすべて、新たな革命的激動の到来を告げ知らせている。9・11反米ゲリラ戦争の爆発は全世界の階級闘争を一挙に新たな段階へと突入させる内容・激しさをもっていた。パレスチナ人民の決死的な闘いも全世界を揺さぶっている。そして、帝国主義諸国の労働者階級人民の闘いも旧来の壁をぶち破る躍動性をもって発展しつつある。
 レーガン以来の一大資本攻勢に必死の反撃を開始していたアメリカのプロレタリアートは、9・11の一大衝撃を全身で受けとめ、米帝ブッシュの圧政の直下でアフガニスタン反戦に立ち上がり、さらにはイラク侵略戦争反対の大デモを全米各地でつくりだしている。イギリスでもイタリアでも数十万規模の大デモが始まり、ドイツでもフランスでも大規模な街頭行動が闘われている。
 そして、これらの反戦デモは大不況下の一大資本攻勢と階級的に対決している労働者によって担われている。それはそれぞれの国の膨大なムスリム人民との連帯を契機とし、国際連帯への積極的なアピール性をもっている。
 この状況はアジアの地でも始まっている。民主労総を基軸とする南朝鮮・韓国のプロレタリアートの決起は、対資本闘争でも、反戦デモでも、また南北統一への闘いでも、今日の世界で最高・最強力と言ってもいい闘いを切り開いている。
 この世界的国際的趨勢(すうせい)の中で、日本労働者階級人民もまた、社共・連合・全労連指導部などの屈服と制動、カクマル中央派、JR総連の反革命的介入、国家権力の弾圧と抑圧をはねのけて立ち上がっている。
(A)この日本の闘いの中で02年情勢において決定的なものは、陸海空港湾労組20団体が中心となった4・19、5・24、6・16、12・1と続く決起であった。とりわけ6・16の6万人集会は、反戦闘争への労働者・労働組合の決起が70年安保・沖縄闘争以来の大衆闘争の爆発を予感させるものとして実現された。また同時に、沖縄、大阪、福岡など全国各地で有事立法反対の大集会がかちとられた。
 ここには、米帝の世界戦争計画と日帝・小泉のこれへの参戦・協力、そのための有事立法などの反革命攻撃に対して、まず初めに戦争に軍属的に直接動員される立場にある労働者が、連合に属したり、あるいは全労連に属していようとも、もう黙っていられない、無抵抗で再び侵略戦争に駆り出されるのは絶対に拒否するという死活性があり、やむにやまれぬ根底からの階級性の発露がある。この決起のすさまじいインパクトによって、02年の日本の反戦闘争と階級闘争は大きくつき動かされた。
(B)今ひとつ、日本における闘いとして圧倒的に意義をもっているものは、97年以来営々と展開され、02年に再び有事立法情勢・イラク情勢に対応して、全力で推進されている創意的な百万人署名運動の闘いである。この闘いは、広範な労働者人民、市民、学生があらゆる地点、あらゆる方法で決起する自主的大運動である。この運動が20労組の闘いとの連帯呼応の関係を形成してきたことはごく自然で必然的な発展だったと言える。
 この有事立法反対の署名運動は、6・15、9・14、11・30とイラク反戦・有事立法粉砕の集会、デモをかちとった。とりわけ11・30は、沖縄に続く有数の基地県・神奈川の米軍横須賀基地に対する自主的創造的なイラク反戦闘争として取り組まれ、大きな高揚をみせ、基地闘争の重要性を再確認させた。
(C)また、日本における02年の闘いにとって、11月10日に3050人の結集で闘いとられた労働者集会とデモは、この間の世界各国の大闘争と比べてもけっして引けをとらない一大統一行動だった。
 この闘いの決定的意義は、今日の既成指導部・社共・連合などの制動・抑圧を超えて、あるいは権力、カクマル、JR総連の弾圧や反革命を超えて、この間の大不況下の一大資本攻勢、リストラ・首切り・賃下げ、組合解体、団結権・争議権などの破壊攻撃に対して、それぞれ独自の歴史をもって階級的に対決しぬいてきた全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同、国鉄千葉動力車労働組合の三つの労働組合が階級的連帯精神の原点に立って決起していることである。
 しかも、昨年の集会は、直前に強行された国労組合員への5・27国労臨時大会大弾圧、国家権力による労働運動の治安問題化という戦前型の弾圧に対して、大反撃闘争の偉大な出発点を闘いとった集会であった。
 そして、この国労弾圧の階級性への激しい怒りは同時に、今日進められているイラク侵略戦争の策動と日帝のそれへの参戦・協力の動きに対して、断固反対するという立場の宣言としても結実した。この集会がイラク侵略戦争を直前にした情勢の中で、反戦の旗を掲げたことはきわめて重要である。
 この集会はまた、鮮明な国際主義的精神、プロレタリア・インターナショナリズムの精神にあふれたものであった。アメリカ、韓国の労働者からのアピールは偉大な歴史的な出来事である。血と汗を流して帝国主義権力、資本と必死に闘っている者同士の生きた連帯である。この国際主義的連帯の動きは03年以降も急速に発展していくことは確実である。
 11・10集会は今日進行している全世界各地のイラク反戦の大デモに呼応し、日本から発信する大行動だった。
(D)さらに、日本における闘いで、闘う統一戦線としての反戦共同行動委員会の闘いは決定的な意義をもっている。闘う労働者人民の最前線部隊が大きく結集するこの闘いは、今日の社・共指導部、連合指導部などのもとで政治闘争や反戦闘争などにおいて決定的な時期に原則的で大衆的な闘いの方向を打ち出していく階級的意義をもったかけがえのないものである。
 こうした意味で、反戦共同行動委の5・26、7・26、9・22、10・21、12・8の大デモは、いずれもきわめて重要な任務をもって闘われた。この闘いに結集した労働者人民・市民・学生は先にあげた20労組の闘い、百万人署名運動の闘い、さらには11・10労働者集会においても、全力をあげて闘いぬいた。
 そして、新たな「激動の7カ月」への突入の中で、反戦共同行動委が全学連を先頭に12・12、15、16と連続して横須賀で自衛隊イージス艦派兵阻止闘争を闘ったことは、03年イラク反戦闘争の巨大な爆発を切り開く起点をなす闘いだった。

 戦争下の内乱的闘いの始まりとレーニン「三つの義務」の遂行

 帝国主義の現実の戦争が始まっていることに対応して、戦争下の内乱的発展の芽をもった反戦闘争、反資本の闘争が一体となって、いま全世界で起こりつつあり、日本もまたその例外ではない。ついに、「闘うムスリム人民と連帯し、帝国主義のイラク侵略戦争を国際的内乱に転化せよ」「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」「全世界の労働者と被抑圧民族は団結せよ」という闘いが、現実の階級闘争のダイナミズムとして始まったのである。帝国主義打倒を核心にすえる闘いが世界的に始まったのである。これは、すさまじい階級的闘いの始まりだ。
 また、この闘いは国際性に満ち満ちた闘いである。アメリカの労働者の決起と呼びかけが、ただちに日本での闘いによって呼応される。次の行動のスケジュールさえ一致させるほどの緊密な結合性と階級的国際性がある。したがって、一国で大きく突破された地平はただちに国際的に波及するし、波及させなければならない。
 この国際性という点では、ムスリム人民との(7・7的視点を踏まえた)大胆な連帯と結合ということも必然的なものとして発展していく。このことは国際的にも、日本国内的にも大衆的レベルですでに始まっている。
 また、今日の闘いは戦争下の内乱的死闘性をすでに帯びている。国労組合員へのこの間の権力の大弾圧は、戦争と大失業、帝国主義の危機に対して支配階級が、闘う労働者の団結と戦闘的労働運動をいかに恐れているかを示すものである。これは必ず労働者党への大弾圧へと発展する。しかしこれにひるんではならない。大衆的階級的レベルで圧倒的にうち返して反撃しなければならない。
 02年の闘いの全体を通して言えることは、戦争下の階級闘争が、国際的そして国内的に「侵略を内乱へ」というヒドラを宿して、今すでに音を立てて始まっていることである。このことをしっかりと確認しよう。
 前衛的労働者党をめざす者は、この巨大な世界史的階級的闘いの先頭に立つべきである。大衆的闘いの高まりは、すでに党を追い越す勢いで進み出している。党の役割はその先頭に立ち、闘いの戦略的方向や闘いの組織的・防衛的任務のあり方を身をもって示し、闘うところにある。まさに今なすべきことは、レーニンのいわゆる三つの義務の遂行である。
 すなわち、米帝ブッシュの世界戦争計画がすでに実施に移され、世界戦争過程が始まっていること、これが帝国主義の矛盾の爆発であり究極的には帝国主義の打倒か人類の死滅かをつきつけるものとなることをはっきりさせることである。そして国際的・国内的な労働者階級人民の決起の先頭に立つこと、具体的な行動をもって闘いの方向を提起することである。さらに、戦争下=内乱期の闘いに対応して、必要な非合法・非公然体制の闘う組織体制をつくりだすことである。

 総括と次の闘いへの前進

 こうした性格の階級的激動期への突入の中で、革共同は最大限これに対応しぬいてきた。その立場から02年の圧倒的勝利性を確認したい。その上で、次の飛躍に向けて、革共同は以下の項目について一定の限界と立ち遅れがあったことを総括しつつ、次の闘いに向かった。
(イ)被抑圧民族との連帯の闘いを、自国の帝国主義と対決している労働者階級を主体にすえ、その自己解放闘争の展開過程として実現していくことについて明確化すること。具体的には例えば、パレスチナ連帯の闘いと有事立法阻止決戦を正しく結合できなかった。
(ロ)02春闘において、経済闘争をより本格的に発展させることは課題であるが、それと同時に政治闘争を経済闘争と結合して全面的に爆発させることができなかった。
(ハ)20労組陣形、百万人署名運動などの闘いの決定的意義。これを労働者階級の自己解放的決起としてきちんと評価し、党こそそれに学び、その中で育っていくべきことについての確認。そして、反戦共同行動委の闘いが階級闘争全体の推進の中での重要な必須不可欠性を持つことについての確認。
(ニ)労働戦線における統一戦線の形成を推進していく上での、党のあり方をめぐっての討論。
 こうしたテーマに関する討論の細胞性をかけた組織化の中で、われわれは闘う労働者人民とともに11・10や9・22、10・21、12・8に結実するような大きな戦略的成果をかちとってきたのだ。
 戦争突入下の革命的情勢の成熟の中で、闘いの内乱的発展は、ひとつの運動の到達地平が次の闘いの地平をすでに示している情勢に突入した。
 その中でも顕著なものは、@10・21、12・8や11・10の闘いが国際連帯の物質化をつくりだし、次の1・18〜19の国際的大統一行動を生みだそうとしていること、A11・10の闘いの発展の中から、巨大な国労弾圧反対闘争と国鉄決戦および動労千葉決戦、03春闘への闘いの大きな方向性がクローズアップされてきていることである。

 2 イラク侵略戦争と有事立法攻撃の階級的性格

 有事立法は、秋の臨時国会で継続審議となり、03年通常国会が決戦となった。法案が継続審議に追い込まれた理由は、日本の労働者人民の闘いが有事立法の反動性を明らかにし、反対運動全体の前進と発展を実現したことである。
 昨年は有事3法案、言論・報道規制法案(個人情報保護法案)を併せて言えば有事4法案に対して年間を通して真っ向から闘いぬいた。
 有事3法案は切迫する北朝鮮侵略戦争に対応して、その実戦的な発動態勢の構築を狙っている。96年日米安保再定義を踏まえ、9・11以後の世界情勢の中で、イラク―北朝鮮・中国を軍事的打倒対象とした侵略戦争の実戦的発動と具体的戦争遂行体制構築のための実行プランとしてつくられた。
 昨年通常国会に提出された武力攻撃事態法案は、武力攻撃事態について、@武力攻撃の発生した場合、A武力攻撃のおそれのある場合、B武力攻撃の予測される場合の三つに区分し、ひとくくりで規定した。
 秋の臨時国会で政府与党は、このAを「武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められる事態」として言い換え、@と合体させて武力攻撃事態とし、Bの「予測される場合」を武力攻撃予測事態とし、全体を2段階として「武力攻撃事態と武力攻撃予測事態」に規定し直した。その両者に自衛隊法の防衛出動命令と防衛出動待機命令を対応させるとしている。
 これは、民主党と妥協する修正案として提出されたものであるが、「予測される場合」の変更ではない。むしろ「武力攻撃予測事態」を新設し、それに対応して自衛隊法を改悪し(77条の2の新設)、「予測」の段階から防衛出動待機命令による陣地構築、予定地域内への展開準備を可能にすることをより明確にしたのである。
 秋の有事立法阻止の闘いは、米帝によるイラク侵略戦争発動の切迫と、北朝鮮の拉致問題と「核開発計画(高濃縮ウラン製造計画)」の暴露を口実とする北朝鮮侵略戦争の切迫という情勢の急展開の中で、前半期を超える激闘となった。イラク侵略戦争反対の国際反戦闘争が高揚する中で、日本においても果敢に大衆行動が闘いぬかれた。

 拉致問題を口実とした北朝鮮侵略戦争準備との闘い

 秋の闘いでは、こうした闘いと結合して日帝・小泉の9・17対北朝鮮政策と断固対決していった。
 日朝交渉と拉致問題の本質は、日帝・小泉の北朝鮮侵略戦争の攻撃そのものである。その発端は米帝ブッシュの世界戦争計画にある。
 米帝のイラク攻撃に近接して、米日帝の北朝鮮侵略戦争が切迫している。日帝が拉致問題を口実として利用し、日朝交渉で行っていることは戦争の準備過程そのものである。日帝は北朝鮮への侵略戦争は当然だ、金正日体制の転覆は正当だと合理化するために、拉致問題を使っている。そして、有事立法はすぐれて北朝鮮侵略戦争のための法案である。
 確かに北朝鮮スターリン主義による拉致は反革命的であり、反人民的であり、弾劾されなければならない。しかし、それを口実として排外主義をあおり、過去の日帝植民地支配の一切を開き直り、北朝鮮に戦争を仕掛け、何万、何十万人の朝鮮人民を殺すことはけっして許されないことである。
 北朝鮮の核開発の動きは人民の立場から許されないが、米・日帝国主義が核問題で北朝鮮の「脅威」をうんぬんしているのは完全なデッチあげであり、米日帝のウソであり、反革命的デマゴギーだ。今こそ、南北朝鮮人民、在日朝鮮人民と連帯し、米日帝の北朝鮮侵略戦争を阻止するために闘う時である。
 われわれは02年後半、イラク反戦の闘いや反有事立法の闘いとともに、拉致問題を使った対北朝鮮の戦争準備攻撃と対決して全力で闘ってきた。この闘いはさらに圧倒的に強化する必要がある。

 3 戦争・恐慌下の資本攻勢と対決する労働運動

 02年の労働運動は、アフガニスタン―イラク侵略戦争への突入の中で、内乱的激突を含みながら激烈に発展した。戦争下の階級闘争では、資本攻勢との闘い、原則的な階級的労働組合運動の闘いも、国家権力との内乱的治安的激突、資本との熾烈(しれつ)な攻防に発展する。それが、昨年の春闘、国鉄決戦で闘われた。戦争下の資本攻勢との闘いは、それ自身が帝国主義との体制をかけた闘いであり、反戦闘争と本源的に一体の闘いなのである。
 02春闘は、アフガニスタン侵略戦争突入情勢下で、資本攻勢が一段と激化する中で闘われた。労働運動をめぐる攻防は戦後最大の闘いに突入した。外への侵略戦争の開始と内への階級戦争が02年春闘解体攻撃として本格化したのである。
 日経連の対春闘方針である「2002年版労働問題研究委員会報告」は、「国際競争力の観点から賃金引き上げは論外」とし、「定昇の凍結・見直し」「高コスト体質の是正」を掲げた。
 日帝ブルジョアジーは02年冒頭から賃下げ攻撃を本格的に開始した。日米争闘戦の激化に対応して日帝は、ベースアップゼロ、定期昇給凍結・解体と不安定雇用形態の増大をもって、年功序列型賃金体系と終身雇用制を最後的に解体する攻撃に出てきた。さらに、産業別最低賃金制度廃止やワークシェアリングの全面的導入および年金制度、医療保険制度などの社会保障制度解体攻撃を一挙に激化させた。日経連・奥田会長を先頭に「NTTと電機に続け」「3割賃下げをやれ」を合言葉に労働者に襲いかかった。
 この攻撃に連合、全労連、JR総連は完全に屈服し、賃上げ要求をあらかじめ放棄した。資本の攻撃とともに、こうした既成指導部による賃闘放棄が労働運動の後退と一大資本攻勢の激化を引き起こしているのである。
 連合は日経連と前年10月に「『雇用に関する社会合意』推進宣言」を締結していた。「ワークシェアリング的雇用」という名目での大幅な賃下げを、連合が全面的に受け入れ、労組の名のもとで推進するものだ。このワークシェアリングを94年以来一貫して主張してきたのがJR総連である。また、全労連は01年以来大幅賃上げ要求を公式に放棄した。
 この情勢の中で、関西生コン、港合同、動労千葉の3組合の呼びかけで春闘総行動が提起された。動労千葉・動労総連合は3カ月決戦を掲げ3月ストに決起した。港合同の企業倒産攻撃との熾烈な闘い、関西生コンに対する資本攻勢と組合弾圧との闘いは、労働運動の基本的方向を示す闘いである。倒産、大量首切り、アウトソーシングとの攻防は、新潮流運動の真価をかけた決戦である。
 02春闘で賃上げ闘争を総力で闘いぬいたことは、新潮流運動が労働運動の主流派に躍り出るための重要な行動方針であった。賃金闘争は労働運動の原点中の原点である。われわれが02春闘を労働運動の中心課題として取り組んだことの意義は計り知れない。全労働者の生活と権利、その利害を、われわれだけが体現し、帝国主義と資本の攻撃と闘いぬいたのである。
 昨年、最も激しい資本攻勢がかけられたのはNTTである。20万人の労働者のうち11万人がいったん解雇され子会社に再雇用になり、賃金3割カットと諸手当全廃で手取り賃金は半減した。この過程で2万人が「希望退職」扱いで首切りを強制された。これは大量解雇、雇用形態の転換、賃金半減という、新たな資本攻勢の原型をなすものである。
 資本攻勢のエスカレーションの中で激烈に闘いぬかれたのが国鉄決戦であった。10・7第1次弾圧、10・29第2次弾圧と続いた国労5・27臨大・闘争団弾圧をめぐる決戦は、労働運動をめぐる最先端的攻防である。
 4党合意(00年5月)による国鉄闘争と国労への解体策動が破産し、与党3党声明(02年4月)による「闘争団切り捨て」=統制処分の強要という攻撃が新たにかけられた。国労本部はこの与党3党声明を受け入れ、5月27日に臨時大会を強行した。この大会は国鉄労働運動が戦闘的に再生していく転換点となった。4月16日には、国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団のすべてを支える「1047名の不当解雇撤回・国鉄闘争に勝利する共闘会議」が結成され、国鉄決戦の勝利に向けて大きな基盤が形成された。闘う争議団、戦闘的国鉄労働者が一大合流を果たし、国鉄闘争の戦闘的再確立、国労本部打倒、国鉄決戦勝利の展望が打ち出されたのである。
 ところが10月7日、すなわち国労第70回定期大会のための代議員選挙の告示日に、5・27国労臨大でのビラまき・説得活動を「暴力行為」とデッチあげ、国労共闘に結集する国労組合員と支援者を逮捕・起訴するという弾圧が開始された。国家権力と公安警察は、国鉄決戦の新たな再生の闘いに、労働運動全体の戦闘化と革命・内乱の発展をみて恐怖し弾圧を強行したのだ。これへの反撃戦は日本の政治情勢、階級情勢を決定する一大政治課題として闘われつつある。
 国鉄労働運動は、この一大反革命攻撃を粉砕し、階級的労働運動の圧倒的な前進をつくりだし、国労中央を打倒し戦闘的執行部を打ちたてるために奮闘した。1047人陣形を発展させ、JR総連を解体し、JR資本との闘いの原点に立ち返り、新たな歴史的勝利をかちとりつつある。11月国労大会での死闘は、ついに日帝権力を4党合意破棄に追い込んだ。
 11月労働者集会は3050人を結集し、イラク侵略戦争、拉致問題を口実とする排外主義キャンペーン、有事立法攻撃との対決を鮮明にした。さらに、国労弾圧への巨大な人民的反撃の集会として闘われた。主催団体3組合は比類ない戦闘性を発揮し、統一と団結の新たな強化がかちとられた。そのことは、吹き荒れる一大資本攻勢の激化と対決し、03春闘を戦闘的に闘いとる突破口を切り開くものとなった。集会にはアメリカの港湾労働者連帯委員会代表のスティーブ・ゼルツァー氏(米レイバーネット創始者)のメッセージ、韓国民主労総・金属連盟のサンミ特殊鋼被解雇者からのアピールなどが寄せられた。11月労働者集会が5年目を迎え、国際的連帯の発展・強化が決定的に切り開かれた。

 4 選挙闘争での勝利と革命的議会主義の前進

 昨年われわれは、革命的議会主義の闘いの確固とした前進を闘いとった。
 その第一は、01年都議選の結果を路線的・思想的敗北と総括した自己批判と第6回大会を踏まえ、党中央の選挙体制を強化し、そのもとで東京都西部地区委員会の党建設の画期的前進をかちとったことである。杉並での選挙闘争の歴史的総括に立って組織体制を強化し、次期区議選での3人立候補を決定した。区議選への取り組みが昨年から先行的に闘いとられ、今年の4月統一地方選挙の橋頭保が築かれた。
 第二は、5月大阪府泉佐野市議選で国賀祥司氏が5期目の当選を果たした。住民大衆が自ら果敢に挑戦し闘いとった素晴らしい勝利である。地区委員会の戦闘的団結を基礎に、議員本人と当該地区組織の独力で決起し当選を果たした点においても、われわれの選挙闘争史上特筆すべき勝利であった。

 5 米帝の世界戦争計画で新段階に突入した沖縄闘争

 昨年復帰30年目を迎えた沖縄情勢は、9・11と米帝のアフガニスタン侵略戦争への突入および有事立法攻撃下で、一変した。その対決の基本構図が変わった。
 日米関係は、96年の日米安保再定義、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)の単純な延長線上にはない。米帝の世界戦争計画のもとで沖縄基地が再編・強化されている。安保・沖縄闘争そのものが新しい局面・段階に突入した。
 今やSACOのペテン的な「沖縄基地の整理縮小」論は完全に破綻(はたん)している。むき出しの県内移設・名護新基地建設攻撃だけが残った。72年返還のペテンと同じことが繰り返され強行されている。「基地との共生」路線の攻撃そのものである。
 日帝の沖縄政策とそのペテン的・差別的展開は完全に破綻した。従来の既成指導部による支配は無力化し、沖縄人民の怒り、闘う意志と力が噴出しようとしている。新たな闘いが名護を先頭に切り開かれてきた。昨年の沖縄統一地方選において、名護市議選で宮城康博氏がトップ当選、読谷村議選で知花昌一氏が2期目当選、北中城村議選では宮城盛光氏が5期目の当選をかちとった。
 11月県知事選での革新共闘の崩壊は、社・共にとって代わる闘う指導部、路線と陣形が求められていることを示した。
 この地方選挙と県知事選を正しく闘いぬいたことが、沖縄における新たな主体的陣形構築にとって決定的であった。それは、イラク反戦闘争、有事立法反対闘争と結合した沖縄闘争再構築の展望を切り開いたのである。

 6 2期攻防の勝利を確定づけた三里塚闘争

 三里塚闘争は、4・18暫定滑走路開港の大攻撃と対決し、それを粉砕し、2期攻防の勝利を基本的に確定づける偉大な地平を実現した。侵略戦争情勢下の反戦闘争として新たな段階に突入した。
 民家上空40bのジェット機飛行とジェットブラストの直撃という常軌を逸した用地強奪攻撃、暫定滑走路北側延伸の脅迫など、開港圧力を最大限使った闘争破壊攻撃を反対同盟は粉砕した。そして本来計画である滑走路南側延長攻撃、生活破壊との闘いに新たに決起している。東峰部落の神社裁判提訴は地権者農民の新たな団結を作りだしている。
 千葉県は昨年、三里塚闘争解体のために収用委員会の再建を策動し始めた。堂本知事と千葉県に対してゲリラ・パルチザン戦闘が4波にわたり敢行された。
     ◇
 02年全体を通して、われわれは第6回大会の地平の上に、理論闘争・政治闘争・経済闘争において大前進をかちとることに成功し、米帝ブッシュ・ドクトリンによる新たな世界侵略戦争情勢と根底的に対決する綱領的・路線的橋頭保を築き上げたと総括できる。つまり、91年5月テーゼ―第6回大会路線の根幹である労働者党=労働者細胞建設の飛躍的前進の跳躍台に立ったということである。問題は原則に立脚し、原則を真に貫きつつ、柔軟で創造的な飛躍と拡大をかちとる生きた実践である。対カクマル戦の戦略的勝利を踏み固め、日共スターリン主義打倒の闘いに総決起し、労働者階級総体を獲得する新たな闘いに挑戦する地点に立ったのである。
 われわれは21世紀革命―プロレタリア世界革命の展望を握りつつある。レーニンの3大義務を貫徹し、この四十数年の歴史の試練に耐えぬいた反スターリン主義・革命的共産主義運動の真価を発揮し、飛躍する03年決戦に向かって突き進もう。これが02年の総括である。

 第2章 米帝の世界戦争計画の実戦的発動と29年型大恐慌過程への突入

 1 第3次世界大戦に至る世界史的激動の開始

 内外情勢の核心問題は、9・11反米ゲリラ―アフガニスタン侵略戦争―イラク侵略戦争の本格的開始によって、第3次世界大戦に至る世界史的な大激動の引き金がついに引かれたことである。この世界史的大激動のただ中で、われわれは反帝国主義・反スターリン主義世界革命、革命的共産主義の党として生きかつ闘っている。その世界史的責務を真っ向から確認しなければならない。
 9・11が突き出したことは、アメリカ帝国主義を先頭とする国際帝国主義の世界支配の支柱である中東・アジア―世界の新植民地主義体制の崩壊が、数十億人にのぼる被抑圧民族人民の怒りの根源的爆発と一体のものとして進行していることである。同時に、アメリカを中心とする帝国主義世界経済が、世界戦争危機の爆発的進行の中で29年型大恐慌過程に突入している。
 米帝と国際帝国主義によるイラク侵略戦争へののめり込みは、第3次世界大戦の最後の引き金を引くものである。それは帝国主義の世界支配がついに全面的な崩壊過程に突入したことの表れである。もはや何ものをもってしても抑えられない国際階級闘争の内乱的大激動、大動乱の時代が始まったのである。
 20世紀は帝国主義段階への世界史的推転とともに始まった。帝国主義の基本矛盾は第1次世界大戦として爆発し、プロレタリア世界革命の突破口を切り開くロシア革命の勝利を生み出した。その1917年ロシア革命は、しかし世界革命の遅延と国内建設の困難の前に屈服したスターリンの一国社会主義路線によって変質させられた。
 29年世界大恐慌は30年代国際階級闘争の大激動へと発展し、プロレタリア世界革命が現実化した。しかし、スターリン主義の裏切りにより、世界革命の勝利へと結実させることはできなかった。その結果、帝国主義の危機と矛盾は、第2次世界大戦として爆発した。
 これに対して、帝国主義の世界支配の最弱の環であった中国において、人民は帝国主義の植民地支配をうち破り、中国革命を勝利させた。それはスターリン主義的歪曲と疎外を受けながらも、戦後世界体制、アメリカ帝国主義の世界支配体制を揺さぶり続けてきた。
 米帝(国際帝国主義)は、第2次大戦後、スターリン主義の裏切りに助けられ、戦後世界体制の主導的契機をなすものとして延命した。だが、75年ベトナム革命と79年イラン革命の勝利は、米帝の新植民地主義支配体制の一角を失陥させ、帝国主義の世界支配がすでに根底から崩れつつあるという現実を鋭く突き出した。そのことは89年〜91年の東欧・ソ連スターリン主義の崩壊を通して一層明確な形をとった。帝国主義は、三たびその基本矛盾を爆発させ、世界戦争を不可避とする過程に突入したのである。
 この情勢に対して、労働者階級人民の前衛たらんとする革共同は、ついに革命的情勢が到来したことをプロレタリアート人民に明らかにしなくてはならない。今度こそ世界革命の勝利をかちとらなくてはならないのである。パレスチナを始めとする中東・イスラム諸国人民の闘いはその最前線を形成している。この闘いと国際プロレタリアートの闘いとが連帯・合流し、世界革命に向かう一大潮流を形作り始めている。今こそ、全世界のプロレタリアートと被抑圧民族人民は団結・連帯し、アメリカ帝国主義とすべての帝国主義の打倒に向かって突き進もう。

 2 全世界を戦争に引き込む米帝ブッシュ政権

 米帝ブッシュ政権は全世界の人民を戦禍にたたき込み、自らの延命のために数百万・数千万人の人民を虐殺しようとしている。
 ブッシュ政権は、根底から崩壊し始めた戦後世界を大規模な世界戦争で自ら破壊し反動的に再編する道を選択した。アーミテージ=ナイ報告、ランド研究所報告などによって方向付けられた戦略は、01年QDR(4年ごとの戦力見直し)から02年ブッシュ・ドクトリンとして公式に採用された。それは、中国スターリン主義の転覆を戦略の軸心に据え、さらにドイツ、日本など他帝国主義国の戦争的粉砕をも辞さず、米帝の世界大的な戦争遂行体制を構築するものである。
 9・11反米ゲリラの炸裂(さくれつ)とパレスチナ人民の極限的抵抗闘争の爆発は、米帝ブッシュ政権に巨大な打撃を与え、今なお揺るがしている。19世紀以来、とりわけ第1次大戦以降、イスラム諸国人民は米英を始めとする帝国主義諸国による途方もない殺りくと収奪、抑圧のもとにさらされ、分割支配のもとで苦闘を強いられてきた。彼らは19世紀から20世紀を通しての百数十年間、抵抗闘争を果敢に展開してきた。9・11は、この米帝と国際帝国主義の抑圧と支配の歴史に対する被抑圧民族人民の怒りがついに臨界点を超えて爆発したものである。
 米帝につきつけられた現実は、世界支配にとって死活的な中東の新植民地主義的支配の崩壊である。そして米帝は、世界と中東の帝国主義的権益を護持するためにアフガニスタン、イラクへの侵略戦争を開始し、中東支配の反革命的再編へと乗り出したのである。それは、01年QDRで打ち出した「対テロ戦争」の発動であり、究極的には中国スターリン主義体制の転覆を射程に入れて、米帝の世界支配―中東・アジア支配を軍事的・戦争的に再編する戦略である。
 米帝ブッシュ政権は、アフガニスタン侵略戦争の次は、「悪の枢軸」=イラク、イラン、北朝鮮の体制転覆のための戦争を行うと宣言した。そのために、02年ブッシュ年頭教書とNPR(米核体制見直し)で、核兵器の使用を含む先制攻撃に踏み出すことを宣言した。さらに8月の国防報告は、中国スターリン主義の体制転覆を基本にすえ、イラク侵略戦争をその軍事戦略に確定させた。その内容は、米帝による先制攻撃の戦略化であり、イラク、イラン、北朝鮮への開戦宣言に等しいものだ。この先制攻撃戦略を国家戦略として確定したものが、9月20日の新・国家安全保障戦略(ブッシュ・ドクトリン)である。

 先制攻撃を国家戦略としたブッシュ・ドクトリン

 ブッシュは、01年QDR路線=世界戦争計画を「偉大な任務」と表現し、米帝の正式な世界支配ドクトリン(基本政策)として採用すると宣言した。その中心テーマは中国スターリン主義体制の転覆である。それとともに、9・11に対応した「対テロ戦争」としてのイラク侵略戦争強行の正当化である。
 これは米帝の新たな世界支配宣言である。核兵器による先制攻撃を含む世界大的戦争によって米帝の世界支配を再確立しようという宣言である。それは、中国スターリン主義体制の転覆を最終的戦略目標に据えたものである。同時に、米帝の側から帝国主義間争闘戦を戦争の論理で展開するものであり、帝国主義間戦争をも辞さずとの構えをはっきりと持ったものである。
 反米的国家はそれだけで「テロ支援国家」または「大量破壊兵器入手の危険のある国家」に指定される。それが世界的規模の一大侵略戦争に突入していく口実とされる。そのために軍隊を再編し、経済・社会全体の総動員体制を構築しようとするものだ。
 イラク侵略戦争後の軍事占領を公言し、さらには中東支配全体を暴力的に再編成し、石油権益の争奪戦に勝ちぬくために、中東諸国全体へ侵略戦争を拡大するとしている。
 9・11は、全世界の新植民地主義体制諸国人民、イスラム諸国人民の民族解放闘争が極限的な形で米帝国内にまで波及し、燃え広がり始めたものである。それはパレスチナ人民の命を投げ打った自爆戦闘とともに、帝国主義の世界支配、新植民地主義的支配、中東支配を全面的に揺るがしている。
 米帝の国内支配体制、階級支配の動揺も深刻化した。バブル経済の崩壊と重なり、労働者の生活を直撃している。「無限の経済繁栄」「ニューエコノミー」という虚偽のイデオロギーは崩壊した。米帝経済はベトナム戦争当時と比較にならない危機にある。階級闘争は明らかに大激動、大流動過程へと突入した。こうした国内階級支配の危機を突破するためにも、米帝は世界大的な戦争を遂行し、そのもとへの国民結集政策をとろうとしているのである。
 米帝の世界戦争政策は、帝国主義的世界支配そのものの危機、とりわけ中東・アジアと世界の新植民地主義体制の全面的崩壊的危機、米帝経済の危機、米国内支配の危機を根拠にしたものであり、戦争以外に政策的選択の余地がないものだ。「大量破壊兵器」による大規模「テロ」は不可避だと強弁して、イラク侵略戦争を強引に正当化する理由はここにある。戦争以外の出口がない。まさに「新帝国主義」としか形容できない凶暴さと危機がここにある。

 3 国際的内乱=被抑圧民族人民の歴史的な反米蜂起

 米帝ブッシュの戦略は、「悪の枢軸に対する戦争」「テロとの戦争」という論理で米単独でも開戦の意志を見せつけ、その圧倒的な軍事力をテコに日欧帝国主義諸国やロシアなどを強引に動員・協力させるものである。中東・アラブ、中央アジアの反動諸政権にも基地提供などで従属を強要している。米帝は最終的に、この戦争を通してアメリカを中心とする世界支配秩序の崩壊を食い止め、より一極的な支配関係への再編を目指している。
 しかしイラク侵略戦争は、イスラム諸国人民とムスリム人民の反米決起を爆発的な規模にまで押し広げる。サウジ王政の崩壊やエジプトの危機の噴出などを含め、中東諸国の体制的危機を新たな次元に移行させ、アメリカの中東支配を根底から揺さぶり崩壊させ、中東全体を大激動のるつぼにたたき込む。国際的石油争奪戦を非和解的に激化させ、新たな石油危機の爆発と、果てしない中東―世界戦争への扉を開くものとなるだろう。
 9・11で開始されたイスラム諸国人民を始めとする被抑圧民族人民の反米決起は、数十億規模の人民の怒りを背景にした根源的なものである。それは、米帝による殺りくと収奪の歴史が紡ぎ出した必然的な帰結であり、軍事力で抑えこめるような性格のものではない。イラク一国の軍事制圧=「親米政権の樹立」の成算もない。
 しかも9・11は事の始まりにすぎない。アメリカは今や不断に襲ってくる9・11的な大小のゲリラ戦争にさらされる国家・社会へと変貌した。イラク侵略戦争の戦場はイラクだけではない。アメリカ国内も含まれているのだ。これはアメリカ自身の国内階級支配・政治支配・イデオロギー支配の根底的動揺と崩壊の始まりである。
 だからこそ、米帝は世界超大国としての位置を維持するために、世界大的な侵略戦争、新帝国主義、後戻りのきかない世界戦争過程へ踏み込もうとしている。だが、それは米帝の自己破滅的な危機をいよいよ促進する。米帝世界支配がついに大崩壊過程に突入したのである。
 それは、すでにアフガニスタン侵略戦争の継続とパレスチナに対する新たな血みどろの殺りく戦争として開始されている。そして世界戦争への最後の扉を開くイラク侵略戦争の開戦が切迫しているのである。

 4 実体経済の崩壊と信用収縮に入った米帝経済

 米帝が、帝国主義として存亡をかけて世界戦争にのめり込まざるを得ないもう一方の根拠は、経済恐慌の急速な進行である。米経済はバブル崩壊を決定的契機として恐慌に突入しつつある。2002年エンロン、ワールドコムの不正経理の発覚をきっかけに米株式市場は暴落を繰り返している。それとともに実体経済も収縮を開始した。通信業界を始め過剰資本状態が深刻化しつつある。9・11による打撃で、航空産業は倒産が相次いでいる。航空産業は、航空運輸業に航空宇宙産業と航空機製造業を加えて中心的実体経済のひとつであり、軍需産業そのものである。米経済の中心的実体の崩壊が始まったのである。
 今や米国の主要産業での業績悪化が始まり、デフレが顕著になっている。それは同時に金融危機をも醸成している。急速な不良債権の増加が金融市場の収縮、信用収縮を生み出しつつある。産業と金融の両面にわたって、経済は収縮し始めている。
 一方、ブッシュ政権下の国家財政は、アフガニスタン侵略戦争のための軍事支出と減税政策によって、1600億jを超す赤字を出した。年間4000億jを超える経常収支の赤字も継続している。そして米帝の没落を象徴している累積対外債務残高が2兆jを超えた。
 ここからついに国際資金循環での逆転が生じ始めた。バブルを背景にした対米資金流入に強いブレーキがかかり始めたのである。米帝は巨額の経常収支赤字を流入資金で補てんしていた。この流入資金が細くなるということは、当然のようにドルの下落―暴落を招く。株暴落→金融・産業両面での収縮は、さらにドル暴落によって加速されていく。
 これまで積み上げてきた過剰資本・過剰生産力の膨大さから言って、米経済は29年恐慌をはるかに上回る大恐慌に突入するだろう。すでに米経済はその道へと踏み出している。米帝はこの危機を世界戦争計画によって突破しようとしているのである。

 5 世界史的矛盾の噴火口=ロシアと最大の残存スターリン主義=中国の危機

 ロシア・プーチン体制は、チェチェン侵略戦争を継続・激化させることで、大ロシア主義のもとへの国内結集を図り、強権的テロル的治安体制を維持することでかろうじて成り立っている。
 それに対するチェチェン人民の分離独立・民族独立を求める闘いは、10・23モスクワ劇場占拠ゲリラ戦を引き継ぎのりこえて不屈に闘いぬかれている。チェチェン問題はプーチン体制崩壊の火薬庫(中央アジア諸国、グルジア、タタール)である。
 米帝のイラク侵略戦争の展開は、イラクにおけるロシアの権益を粉砕し、中東からカスピ海、中央アジアにかけてのロシアの支配にくさびを打ち込む。米帝―国際帝国主義にとって、帝国主義世界体制に組み込まれながらも、そこからはみ出しているロシアは結局、侵略と新植民地主義的支配の巨大な対象になるほかない。
 プーチン体制は、17年ロシア革命のスターリン主義的反革命的変質のそのまた再反革命として(エリツィン体制を引き継ぎ)成立した体制である。それは、米帝―国際帝国主義に大きく依存するしかなく、それゆえ帝国主義の経済危機の波及をもろに受けながら、新興財閥に依拠して、労働者の搾取・収奪、諸民族の圧殺によって、逆行的資本主義化政策(=帝国主義化政策)を強引に遂行していく存在である。
 ロシアの労働者階級および旧ソ連圏諸民族のムスリム人民は、米帝の世界戦争計画の遂行に怒りを燃やしつつ、必ずや反スターリン主義第2革命に決起するであろう。
 中国スターリン主義は、米帝のブッシュ・ドクトリンが対イラク・対北朝鮮攻撃をも通して、中国の戦争的転覆を明確に意図していることに規定されて、昨年11月の中国共産党第16回大会で、「3つの代表の思想」「中華民族主義」「民間企業の経営者を党員にする方針(労働組合の役割の事実上の否定)」「台湾解放の武力行使の放棄をけっして約束しない」として、江沢民―胡錦涛スターリニスト指導部の必死の生き残り戦略を模索している。
 失業者が増大し労働者のストライキ・デモ・暴動という反乱が激化し、また沿海部と内陸部あるいは都市と農村の経済的・社会的格差が大きく拡大し、さらに新疆ウイグル自治区のムスリム人民が分離独立を求めて決起している。それに対して、スターリニスト的政治支配のもとで外資導入による広大な「資本主義的租界」を形成し、搾取・収奪の公認=強化と「中華民族主義」をもってのりきる新たな反革命体制を強化するものである。それらは、日米帝の中国市場争奪戦、そしてアジア勢力圏化のヘゲモニー争奪戦を激化させる要因となる。
 中国スターリン主義の内的危機の爆発情勢は、帝国主義世界体制の巨大な破れ目をより大きく押し開く。米帝がブッシュ・ドクトリンを今一歩先に推し進め、日帝が共同的=競合的に参戦する時、米中戦争・日中戦争というとてつもない世界戦争が勃発(ぼっぱつ)する。だが、それは、中国スターリン主義支配のもとで苦吟する労働者階級や諸民族人民の総反乱に必ず転化されるであろう。
 中国が揺れる時、21世紀の世界は真に一変するのだ。

 6 拉致問題と核問題を口実とした米日帝の北朝鮮侵略戦争の切迫

 イラク侵略戦争の切迫が米・日帝国主義による北朝鮮侵略戦争策動を激しく加速させている。すでに世界戦争のプロセスが確実に始まっている。
 9・17日朝首脳会談〜10・26米日韓共同声明〜10・29日朝国交正常化交渉開始という形で進行中の事態の本質は、米日帝が北朝鮮スターリン主義権力(金正日体制)の体制転覆に照準を合わせた帝国主義的軍事外交・侵略戦争計画を本格的にスタートさせたことにある。
 それは「悪の枢軸」論を振り回した米帝のイラク侵略戦争の切迫が、体制的危機にあえぐ北朝鮮・金正日体制を極限にまで追いつめ、日帝が米帝の世界戦争計画に沿って、ついに本格的な侵略外交を再開した結果である。イラク戦争情勢の急展開の中で事態はさらに加速度的に進行しつつある。
 革共同は、米日帝の北朝鮮侵略戦争が予想を超えて急激に現実化する危機が今あることを全階級の前に提起する。拉致問題を利用し、核問題でデマゴギーをまきちらす帝国主義に反対して、北朝鮮侵略戦争絶対阻止の一大統一戦線を今こそ形成する必要がある。
 また、北朝鮮侵略が中国侵略に直結していることを明確化する必要がある。

 7 世界戦争計画への参戦を決断した日帝・小泉政権

 日帝・小泉政権は、イラク侵略戦争への事実上の参戦をいち早く表明し、朝鮮侵略戦争情勢を自ら促進する政策をとっている。これは日帝の戦後歴代政権の基本的世界政策からのきわだった飛躍である。
 米帝ブッシュ政権の世界戦争政策が小泉政権を大きく規定している。91年湾岸戦争の教訓を踏まえ、帝国主義間争闘戦に勝ちぬくために、もはや米帝と共同し競合しての参戦以外の選択はないというのが日帝・小泉政権の基本姿勢だ。米帝の基本政策が「イラク攻撃の次は北朝鮮」であること、そのことが日帝の危機感を極点にまで高め、帝国主義国として自ら積極的に朝鮮侵略戦争に参戦し、イラク侵略戦争に全面的な参戦協力していく動きを生み出しているのだ。
 そこから、日帝・小泉政権は、有事立法の攻撃に踏み切り、昨年から今年にかけて有事3法案の国会での強行成立に全力を挙げている。その一環として、住基ネットの実施とそれと結びついた報道・言論規制法案(個人情報保護法案)、人権擁護法案、保安処分新法(心神喪失者等医療観察法案)を成立させようとしている。国際的組織犯罪条約の批准とその国内法化(「共謀罪」新設)にも手を着ける方針である。盗聴法、組対法の全面発動とともに警察の治安強化が進められ、「防災」に名を借りた自衛隊の治安出動訓練、自衛隊と警察との日常的な連携体制づくりなどもどしどし進められている。戦時型治安弾圧体制の構築がすさまじいピッチで進められている。
 また同時に、米軍沖縄基地を増強し、とりわけ名護新基地建設を推し進めている。さらに、中教審で2年越しに策動してきた教育基本法改悪案を通常国会に出すことを決定した。そして05年を一つの終着点として、衆参憲法調査会での改憲論議の締めくくり―改憲そのものの本格的着手へと攻撃を推し進めているのである。
 日帝は、このように有事立法を頂点として、米帝と共同しかつ競合して、対中国・対北朝鮮の世界大戦級の一大侵略戦争を戦いぬくことを国家の基本戦略として設定したのであり、そのために必須の帝国主義的反革命をすべてやり通そうとしている。そこにあるのは、米帝の世界戦争計画および帝国主義間争闘戦―対日争闘戦勝利の政策に対応して生き残ろうとする日帝の超反動的飛躍の攻撃である。
 テロ対策特措法の延長による派遣艦隊の増強、イージス艦派兵強行など、日帝のイラク参戦は決定的に拡大している。

 日帝経済危機と倒産・大失業攻撃

 日帝経済もどん詰まりの危機を迎えている。山一証券と北海道拓殖銀行の破産を頂点とした97―98年の金融恐慌への突入以降、危機からの脱出にまったく成功していない。それどころか、どのような恐慌対策も効き目がない。断末魔の状態だ。
 また、金融のみならず産業においても「デフレ・スパイラル」と言われる状況が続いている。米経済の恐慌への突入は、世界経済全体を収縮させ、対米・対アジア輸出によってかろうじてクラッシュを免れてきた日帝経済を一層の危機にたたき込もうとしている。
 そこで持ち出されてきたのが、「竹中プラン」といわれる不良債権処理のための強硬路線である。この計画は、銀行に公的資金を100兆円規模で投入していったん国有化し、既存の金融資本を整理・再編・統合しようというものである。実際に決まった「総合デフレ対策」は一定の修正をされた。しかし、小泉・竹中体制が続くかぎりではそれは恐慌の引き金にならざるを得ないものである。
 さらに、金融資本にとっての不良債権すなわち企業にとっての過剰債務を整理するとして、「産業再生機構」を立ち上げた。この「産業再生機構」が、債務返済可能な企業と債務返済不能の企業に振り分け、債務返済不能と判断した企業をどしどしつぶしていくとするものである。日帝が生きのびるために、国家が企業の生き死にを決めるというのである。死刑を言い渡された企業は破産するしかない。ここで生み出される失業者は1000万人にのぼるという試算もある。
 それによって日帝経済が再生することは絶対にあり得ない。世界恐慌は29年恐慌を上回る深さと広さをもって進行している。日帝は、帝国主義としての延命のために、米帝および国際帝国主義との争闘戦に深々と参入し、自らも米帝と共同=競合しつつ世界戦争に乗りだしている。もはや軍事外交政策で敗北すれば、帝国主義としての死しか残されていないのである。
 日帝・小泉政権のイラク侵略戦争への参戦と有事法制制定とは、こうした日帝の帝国主義としての命運をかけたものなのである。

 第3章 ムスリム人民の蜂起にこたえイラク反戦・有事立法粉砕闘争の戦闘的爆発へ

 1 イラク侵略戦争阻止へ一大反戦闘争を

 03年の日本階級闘争の最大の、かつ火急の課題は、米帝(国際帝国主義)のイラク侵略戦争に対する一大反戦闘争の空前の大爆発をつくりだすことである。
 9・11反米ゲリラ戦争を契機に全世界で旧来の枠をぶち破る巨大な労働者階級人民の革命的決起が巻き起こっている中で、その国際的内乱の一環として、日本におけるイラク反戦闘争の大高揚を、03年の前半において圧倒的につくりだしていかなくてはならない。その闘いの端緒は、すでに01〜02年の闘いの中で大きく切り開かれつつある。この闘いをさらに数倍、数十倍する大衆的規模へと発展させ、「闘うムスリム人民と連帯し、帝国主義のイラク侵略戦争を内乱に転化する」闘いとして、今こそ思い切って大爆発させていく時だ。
 米帝ブッシュが開始したイラク侵略戦争は、帝国主義の国家利害をむき出しにした現代のジェノサイド(大量虐殺)である。
 ブッシュ政権の軍事目的は、イラクの大統領フセイン「殺害」と政権転覆である。これは今までの帝国主義の世界支配と戦争、新植民地主義的支配の歴史にも例をみない反革命宣言であり、「新帝国主義」としか言いようがない。歴史の歯車を逆転させ、民族自決の原則を完全に否定・破壊するものである。
 アメリカの意に沿わないというだけで、現にある国家の転覆を一方的に宣言し、戦争を仕掛けるなどということが許されていいのか。しかも大量破壊兵器を駆使してイラクの人民を無差別に虐殺し、破壊の限りを尽くして帝国主義への奴隷的屈服を強要しようというのだ。アメリカ支配階級の富と権力の源泉である米帝の中東石油支配の崩壊的危機をのりきるために、なりふりかまわないむきだしの殺りくと破壊に訴えて、新植民地主義的支配の再建=かいらい政権デッチあげと中東全域の軍事支配の強化に突き進もうとしているのが米帝だ。
 しかし、これがまったく逆の結果になることは確実である。イラクを含むイスラム諸国人民への軍事占領は、その絶対的非和解性ゆえに必ず永続化・泥沼化する。米帝の中東新植民地主義体制の全面的崩壊を引き起こすのみである。
 米帝が直面している事態の核心は、全世界の被抑圧民族人民の根底的決起と怒りである。それが国際プロレタリアート人民の歴史的階級的な決起の引き金を確実に引いている。帝国主義の世界支配は歴史的命脈が尽きようとしている。国際プロレタリアート人民の階級的団結と決起が、今まさに世界史的な要請として突きつけられている。
 イラク侵略戦争への参戦は、国内情勢をも一変させる。開戦は、世界大的戦争と国際的内乱の一大発火点になる。日本の労働者人民は、03年において、世界の労働者人民、イスラム諸国人民と連帯したイラク反戦闘争の大爆発を、世界戦争情勢に真っ向から対決する闘いとして実現しなければならない。02年の闘いが切り開いた国際連帯の巨大な流れをさらに圧倒的に前進させよう。1・18〜19国際反戦闘争の空前の大高揚をかちとろう。

 2 闘う在日朝鮮人民と連帯し米日帝による北朝鮮侵略戦争を阻止せよ

 米帝はその世界戦争政策の大展開の中で、イラク侵略戦争突入に続いて、北朝鮮侵略戦争(北朝鮮・中国侵略戦争)突入の策動を決定的に強めている。今や、北朝鮮に対する侵略戦争情勢は日に日に切迫している。
 とりわけ日帝・小泉政権による、拉致問題と核問題を逆手に取った露骨な北朝鮮敵視の扇動や在日朝鮮人民への排外主義襲撃の組織化は、まさしく「開戦」をあおり立てるレベルに達している。
 北朝鮮スターリン主義・金正日は、米帝の「イラクの次は北朝鮮」とするむきだしの戦争恫喝のもとで体制的危機をますます深め、日朝交渉の進展に自らの延命の一切をかけて臨んできた。日帝・小泉はそこにつけこみ、この交渉プロセスそのものを、北朝鮮に戦争をしかける口実をつくりだすものに転化しようとしている。そのために、北朝鮮スターリン主義が引き起こした拉致事件という反人民的で反階級的な国家犯罪を最大限に利用し、北朝鮮への敵意をあおり、「こんな国は爆撃しても当然、つぶしてしまえ」とする情勢をマスメディアを総動員してつくりだそうとしているのだ。
 イラク開戦はこの情勢を一気に、決定的に推し進める。われわれは、朝鮮人民とりわけすべての在日朝鮮人民に最も熱烈な連帯のアピールを発する。また日本の労働者人民に重大な決意を込めて、イラク反戦闘争の爆発と一体の、北朝鮮侵略戦争絶対阻止の闘いを直ちに圧倒的につくりだしていくことを訴える。それは同時に、闘う南北朝鮮人民と連帯し、米帝打倒、日帝打倒、北朝鮮スターリン主義打倒、朝鮮半島の南北分断打破=革命的統一を求める闘いの中に、日朝人民の真の国際的連帯を築き上げていく闘いである。
 排外主義の嵐と対決し、イラク・北朝鮮侵略戦争阻止=有事立法粉砕の闘いを爆発させよう。在日朝鮮人民への排外主義襲撃、朝鮮総連への破防法攻撃を断じて許さず、粉砕して闘おう。

 3 有事3法案絶対阻止に総決起しよう

 イラク反戦闘争と一体のものとして、米・日帝国主義による北朝鮮・中国侵略戦争策動と全面的に対決し、侵略戦争遂行法案である有事3法案粉砕の闘いに決起しよう。
 有事3法案を軸とする有事立法攻撃は、戦後的階級関係を最後的に上から破壊するものである。それゆえ国会情勢は、労働者人民の階級的反撃とのせめぎ合いを背景に、支配階級内部の分裂と反動的再編を伴いつつ進行している。自民党自体の転換と反動的再編、野党の完全な翼賛化、労働運動全体の産業報国会化と階級闘争の暴力的圧殺、排外主義の扇動と世論の反動的制圧などが日帝にとって不可欠である。政治、経済、軍事、外交、社会、労働者支配のすべての面でアメリカ型の戦争国家に脱皮することが問われているのである。
 したがって階級闘争と労働運動の解体・壊滅が、有事立法攻撃の最重要の柱となる。とりわけ87年国鉄分割・民営化以降、階級的労働運動を牽引(けんいん)してきた動労千葉、国労などの戦闘的労働組合の解体なしに、有事体制は根底のところで成り立たない。革命党と階級的労働運動、戦闘的学生運動の根絶・一掃をかけた階級決戦として有事立法攻撃はかけられているのである。
 しかし、イラク侵略戦争の開戦は北朝鮮・中国侵略戦争と連動しており、日帝権力にとって有事法制制定への時間的猶予はない。通常国会で強行突破に出てくることは間違いない。この情勢の切迫性・絶対性を確認し、有事立法粉砕闘争を歴史的階級決戦として闘いとっていかなくてはならない。
 20労組、百万人署名運動を始めとする労働者人民の自主的・創意的な闘いに連帯し、これらの闘いの一層広範な発展をともにかちとり、有事3法案の通常国会通過を阻止しよう。全国の労働者人民の闘いで国会闘争を爆発させよう。
 さらに、言論・報道規制法案である個人情報保護法案を始め、人権擁護法案、保安処分新法など、一連の治安立法攻撃が有事3法案と一体で強行されようとしている。国際的組織犯罪条約の批准に伴う「共謀罪」の新設も、今通常国会への提出が予定されている。
 これら一連の弾圧立法粉砕の決戦は、有事立法決戦の不可分の一環である。有事3法案もろとも絶対阻止の闘いを強めよう。激化する「司法改革」攻撃、組対法攻撃、住基ネット=国民総背番号制攻撃など、戦時治安弾圧体制構築に向けた全攻撃を、広範な人民のあらゆる怒りを総結集して打ち破ろう。

 大規模な出兵拒否の闘いと隊内細胞の形成へ

 有事法制とは侵略軍隊としての自衛隊の行動法である。専守防衛から帝国主義侵略軍隊への歴史的飛躍のための作戦法体系である。自衛隊がアジア諸国、イスラム諸国に侵略し、他民族人民を虐殺するためのものである。
 恒常的出兵情勢と隊内支配の極限的強化・監獄化によって、反戦意識を基底に持った退官が相次いでいる。われわれは海外出兵の軍務を拒否することを訴える。また在日米軍兵士に対する積極的な働きかけを同時に強める。より大規模な出兵拒否のために反軍兵士の隊内細胞の形成を強化しよう。
 帝国主義軍隊の革命の軍隊への階級移行は、国家が独占する暴力を労働者階級人民の手に奪い返すことであり、それは革命の成否を決する。反戦闘争は反戦・反軍闘争でなければならない。自衛隊包囲・解体・獲得の反軍闘争の取り組みを今こそ再強化しよう。

 4 4月統一地方選で革命的議会主義の発展かちとれ

 今次統一地方選挙闘争は03年前半期の最大の決戦課題である。4月選挙が革命的議会主義の真価を問う決戦であるとともに、イラク反戦闘争そのものであり、有事法制・教育基本法改悪=憲法改悪を粉砕する闘いであり、春闘と固く結合した決戦である。(次章で詳述)

 5 戦争国家づくりのための教育基本法改悪の阻止を

 有事法制制定と一体となって教育基本法改悪攻撃が切迫している。03年、教育基本法改悪に対する闘いを有事立法粉砕―改憲阻止の重要な一環として位置づけて闘いぬこう。
 日帝・小泉政権の教育基本法改悪方針のもと、文部科学省の諮問を受けて、昨年6月21日、中央教育審議会の基本問題部会は中教審総会に「教育基本法の見直しの方向性」を提出した。同11月には、中教審の中間報告が出され、年初にも最終報告をまとめ、通常国会への法案提出を進めようとしている。
 教育基本法は「第二の憲法」と言われており、同法の改悪は「憲法改正の突破口」(自民党特命委員会幹部)と位置づけられている。教育基本法改悪は、それ自身が憲法改悪に等しいものである。とりわけ第1条の「教育の目的」の項目における「真理と平和を希求する人間の育成」の宣言や、第10条の「権力による教育の不当支配排除」は、憲法第9条と並んで日帝支配階級の「憎悪の的」となってきた。教育基本法改悪は、「新しい歴史教科書をつくる会」による教科書改悪策動と並ぶ戦時型教育のためのきわめて重大な攻撃である。
 教育基本法改悪は、「日本人」としての教育、「国を愛する心」「公共的精神」をことさらに前面に押し出し、帝国主義侵略戦争を担う兵士、産業戦士を大量につくりだす戦前型教育体制を築くためのものである。教育の法制度面の改悪と戦争に向けた反動的イデオロギー教育のために、教育労働者の階級的制圧、日教組解体が不可欠とされている。教育基本法改悪攻撃は「国旗・国歌」制定攻撃、つくる会教科書による反動的歴史教育攻撃と一体となった、「国のために死ねる若者づくり」を狙うものである。
 教基法改悪阻止闘争に教育労働者の決起と連帯した広範な労働者人民の決起を闘いとろう。教育基本法改悪反対署名運動を全国で爆発的に推し進めよう。教育基本法改悪阻止闘争を巨大な中央政治闘争・全国政治闘争として形成しよう。

 6 米緊急展開戦力の要=沖縄基地撤去闘争の新段階を開こう

 イラク・北朝鮮侵略戦争阻止=有事立法粉砕の闘いの中で、沖縄闘争が持つ戦略的位置はひときわ大きい。アフガニスタン侵略戦争が示したように、米軍沖縄基地は今や中央アジア、中東地域での緊急展開戦力の一環をなしている。今まさに切迫している北朝鮮侵略戦争においては、核攻撃を含む最大の出撃基地だ。それゆえ沖縄米軍基地は、国際的内乱の最大の戦場でもある。
 加えて沖縄の経済、人民の暮らしは最悪である。「テロ不況」と表現される経済情勢下で生活基盤そのものが崩れ去る危機にある。いわゆる「経済の自立」は基地撤去と結合することによってのみ可能となる。現在の状況は日帝の沖縄差別政策が強制したものだ。
 イラク・北朝鮮侵略戦争阻止=有事法制粉砕闘争の中で沖縄闘争を、国際反戦闘争の一環として爆発させていこう。日本共産党の裏切りと破綻、旧社民系やカクマルの破産と凋落、さらには基地と戦争政策への屈服を基本とする連合の反動的制動を打ち破り、沖縄の労働運動を階級的に再建・発展させていこう。
 11月の米軍将校による暴行未遂事件への怒りは、韓国における米軍の2少女ひき殺し事件に対する闘いと連動して、95年をも超える基地撤去闘争の新たな引き金になろうとしている。
 名護基地着工阻止決戦を軸に大衆的実力闘争陣形を力強く闘いとろう。普天間基地の実力撤去闘争を広大な人民の決起で闘いとろう。日帝の一切の沖縄差別撤廃、日本―沖縄関係の革命的な変革をかけて、米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の闘いを共同の闘いとしてかちとろう。革共同はこの歴史的責任を断固として果たす決意である。

 7 三里塚闘争を先頭に反戦・反基地闘争の大爆発を

 三里塚闘争は37年間、労働者、農民、学生、市民を横断する全国的政治闘争として権力との熾烈な実力闘争を貫いてきた。今や三里塚闘争陣形は日本階級闘争の最も強靱(きょうじん)な戦闘的翼を形成している。イラク・北朝鮮侵略戦争阻止=有事立法粉砕の闘いの不可欠の一環であり、戦時体制づくりに対する人民の革命的反乱を牽引する闘いだ。
 また、成田空港は朝鮮侵略戦争における米軍の巨大な戦域兵たん作戦の拠点である。沖縄を始めとする全国の反安保・反基地闘争と結合して、最大の軍事空港・成田を廃港に追いこもう。
 革共同は、反対同盟農民との血盟をあらためて確認し、労農同盟の真価をかけて三里塚闘争を闘いぬく決意である。
 北富士闘争は、三里塚に並ぶ反戦闘争の砦(とりで)である。昨年11月に行われたイラク侵略戦争のための在沖米海兵隊の実弾射撃演習に対して、北富士忍草農民は、イラク侵略戦争反対、有事立法撤回を掲げ闘いに立ち上がった。梨ケ原の入会権を守る闘いと北富士農民を全力で応援しよう。
 関空会社は破産、倒産寸前である。反対闘争が2期工事の07年開港計画を延期・中止の一歩手前まで追いこんでいる。関空が軍事空港であることがイラク戦争の切迫の中で明らかになった。破産的空港経営が地域荒廃を進行させている。国土交通省は07年2期開港の延期を公言している。03年の関西新空港闘争の勝利、2期工事粉砕をかちとろう。
 日本原闘争は、自衛隊の戦略実戦部隊化に決定的打撃を与える闘いである。日本原農民は実力決起により、りゅう弾砲射撃訓練を阻んでいる。日本原の自衛隊は日本版海兵隊である。日本原の自衛隊の実戦部隊化阻止、軍隊解体・兵士獲得の反軍闘争を発展させよう。
 六ケ所の反核燃闘争は昨年、重要な勝利的前進をかちとった。6月27日に六ケ所燃料プールの水漏れが発覚し、住民の不満と怒りが高まった。8月には東京電力のデータ改ざんや事故隠しなどが次々と明らかになり、福島、新潟、浜岡、女川などでも同様な事態が暴露された。ブルサーマルを予定していた福島、新潟の両県は白紙撤回を表明した。福井県のもんじゅ廃炉実現とともに、再処理工場建設阻止、日帝の核武装阻止、反核燃・反原発闘争の発展をかちとろう。
 イラク侵略戦争の米軍、自衛隊の出撃基地である佐世保闘争、横須賀闘争を全国基地闘争とともに断固闘おう。

 8月広島・長崎反戦闘争の大高揚へ

 03年8月広島・長崎反戦闘争は、米帝の世界戦争・核戦争政策と真っ向から対決する全世界人民の国際反戦反核闘争の中心軸を担う闘いだ。教育をめぐる反動攻勢との闘いとも固く結びついて先進的に闘われている。原水禁運動を名実ともにのりこえる闘いとして、これまでをはるかに上回る大爆発をかちとろう。

 8 治安弾圧立法と闘い獄中の仲間を奪還しよう

 イラク侵略戦争突入情勢下において、帝国主義諸国の国内治安弾圧(立法)の攻撃が「国際テロへの対応」を口実に、新たな次元でエスカレートしている。アメリカでは9・11以後、「反テロ愛国法」の制定により、千数百人の外国人を容疑なしに一方的に拘束する暗黒の治安弾圧が強行されている。今や米国は監獄国家である。同様の動きは日欧の帝国主義諸国でも急速に強まっている。
 帝国主義の危機の爆発と侵略戦争・世界戦争過程への突入は階級闘争の激動化を一気に促進する。弾圧の激化は、これに対する帝国主義支配階級の恐怖に満ちた予防反革命である。
 とりわけ日帝は現在、侵略戦争体制を支える戦時治安弾圧体制の構築にその死活をかけて踏み込んでいる。99年周辺事態法制定に伴う盗聴法など組織的犯罪対策3法、団体規制法の制定はその突破口だった。そして今日、有事立法攻撃とともに、「裁判員制度」導入を柱とした戦時型刑事司法への転換と弁護士自治の解体を核心とした司法改革攻撃がしかけられ、また「共謀罪」新設が狙われている。
 03年はこの弾圧(立法)攻撃との決戦になる。この攻撃は、革命党や戦闘的労働組合の解体・解散を狙う攻撃であり、反戦闘争・労働運動を始め一切の階級闘争を圧殺し、人民を暗黒社会にたたき込む攻撃である。だが、闘う人民が弾圧のすさまじさに屈せず、怒りを爆発させ巨大な大衆的反撃を組織して闘いぬくならば、それ自体が日帝の戦争体制を根幹から突き崩すものとなるのだ。
 この闘いをすでにその最先端で体現しているものこそ、革共同の長期獄中同志の不屈の獄中闘争・裁判闘争である。
 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧と熾烈に闘いぬく、獄中17年の須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志、同10年の福嶋昌男同志の4同志を労働者階級人民の広範な闘いで今年こそ必ず奪還しよう。4同志への弾圧は、日帝の侵略戦争と真に闘う者に対して判決なしに未決勾留17年、同10年を強制するという、現行法ではおよそ正当化できない見せしめ的報復弾圧である。
 また無期攻撃を受けている星野文昭同志はすでに獄中28年である。星野同志への弾圧は、日本革命の現実性を切り開いた70年安保・沖縄闘争を指導し牽引した革共同と革命的共産主義運動への国家テロルとしての極刑攻撃、革命党抹殺攻撃にほかならない。富山保信同志の再審闘争を推し進め、星野再審闘争を大きく前進させなければならない。
 これら長期獄中同志の熾烈な闘いは、日帝権力と労働者階級人民との非和解的な激突、内乱・内戦的死闘を自らの一身に体現し貫き通してきた闘いである。そして今日、新たな治安立法攻撃、戦時司法体系への移行の攻撃と全面的に対決し、帝国主義の侵略戦争を阻止する闘いの最前線を担う闘いとなっているのだ。
 新たなデッチあげ弾圧と闘う水嶋秀樹同志、01年私文書弾圧のM同志、獄中13年の倉持嘉之同志、獄中9年の浦山正博同志とともに、総力を挙げて奪還の闘いに勝利しよう。全国指名手配攻撃と闘う同志と熱く連帯して闘おう。

 第4章 4月統一地方選で杉並を先頭に全党の力で全員当選を

 「反戦」と「介護」の闘いで選挙闘争の勝利かちとれ

 03年4月の統一地方選挙戦は、イラク侵略戦争の開始という激烈な情勢の中で闘われる。米帝の世界戦争計画の本格的開始と国際反戦闘争の爆発、有事法制の国会審議過程の中で闘われる選挙戦である。それはわれわれが経験した選挙闘争の中でも最も激動的な政治情勢と階級情勢の中での闘いになる。選挙闘争そのものが巨大な反戦闘争に押し上げられる。まさに激動型選挙として勝利しなければならないのである。
 わが革共同は、今次選挙戦を03年前半期における最大の政治闘争、第一の決戦課題として闘いぬく。東京都杉並区議選に、けしば誠一氏、新城せつこ氏、北島邦彦氏の3候補を擁立し、神奈川県相模原市議選に西村綾子氏を擁立し、大阪府高槻市議選に小西弘泰氏、森田充二氏の2人を推薦し、闘いぬく。また9月に、大阪府東大阪市議選に阪口克己氏が立候補する。
 とりわけ、杉並区議選の3人立候補は、革命的議会主義の真価をかけた決断であり、その勝利は杉並区民と全人民に新しい政治勢力の登場を宣言するものになる。3人立候補は、01年都議選の敗北をそそぎ、次の勝利の突破口を切り開く闘いである。そのために宣伝・扇動、革命的大衆行動、集票活動などの全面にわたって選挙闘争の変革と飛躍を闘いとり、全員当選をなんとしても実現しなければならない。
 選挙闘争は、労働者人民の大半が参加する一個の政治闘争であり、巨大かつ高度な闘いである。労働者人民の政治参加は、政治集会やデモへの参加、労働組合運動や住民運動という形態をとって発展していくが、選挙への住民の自主的決起は最も人民的広がりをもつ闘いである。
 また選挙戦の勝利は、議員の活動とあいまって、大衆闘争と労働運動をさらに強力に発展させる武器となる。したがって、議員は決起した人民の先頭で闘う者でなければならない。政治闘争を抑え、人民の政治闘争に代える代理人を選び、代理人に政治を委ねるためでしかない日本共産党の選挙は、われわれの革命的議会主義とは根本的に異なるのである。
 とりわけ03年統一地方選挙は、米帝のブッシュ・ドクトリンに基づくイラク侵略戦争の人民虐殺的強行とそれをめぐる国際的激動の真っただ中にあり、かつそれと連動する北朝鮮侵略戦争のための有事立法の成立を許すのか否かの歴史的決戦下にある。選挙という政治的空間は、労働者人民の政治意思を実現する重要な戦場である。戦時下の階級闘争のためには議会への革命的議員団の登場が絶対不可欠なのだ。この歴史的に重大な選挙に際して、革共同第6回大会の全成果、選挙闘争の歴史的総括を踏まえて、杉並区議選を中心にした03年統一地方選挙を階級闘争と党の命運をかけて闘いとろう。

 03年選挙闘争に勝利し、社・共に代わる労働者党の登場を

 今や階級的激動期に突入し、反戦闘争が国際・国内的に高揚し、労働運動の地殻変動的流動と再編が決定的に進行している。このような中で、社・共に代わる労働者党の登場は待ったなしの階級的課題である。03年選挙をこの課題にこたえ、革共同のあり方を一変させる闘いとして、かつ党建設の画期的前進を実現するものとして闘いとろう。
 われわれは、選挙闘争の歴史的総括を踏まえ、今次杉並選挙闘争を地区党建設と結合した選挙としてこれまでにない地平を切り開きつつある。「労働運動で党をつくる」闘いへのかつてない挑戦を開始しつつ、「選挙闘争で党をつくる」のだという気概にあふれて革命的議会主義を党建設上の契機として位置づけ、本格的な労働者党の登場への主体的飛躍に転ずるのだ。
 選挙闘争は政権政党とその政策との最大級の対決の場である。小泉政権の歴史を画するような戦争と反動の全面的攻撃と真っ向から対決しなければならない。さらに社民党・共産党・公明党などのあまりの屈服と変質、裏切りに次ぐ裏切り、ウソとペテンを断じて許してはならない。すでに始まっている人民の自主的決起――イラク反戦・有事立法反対の闘いや、介護保険制度粉砕を始めとする社会保障制度切り捨ての攻撃との闘い、教育の反動化など子どもの将来をめぐる闘いと結合し、この強力な発展を推進し、その先頭に立つ新たな歴史的時代を体現する党として躍り出て、情勢の革命的変化を促進するのだ。
 戦争の時代への突入にあたって、首都東京のど真ん中での革命的議員3人全員当選の持つあまりの突出性に対して、ありとあらゆる反動と弾圧が襲いかかりつつある。階級闘争の最前線を切り開く闘いとしてこれをぶち破り、党の総力を挙げて画期的勝利を実現しよう。

 第5章 連合・全労連指導部を打倒し、03春闘の爆発から階級的労働運動の再生へ

 1 激化する資本攻勢の特質と今春闘の課題

 労働運動においては、20労組や3労組陣形の闘いの発展、国鉄決戦とりわけ1047人闘争の前進が日本労働運動の戦闘的再生を切り開いてきた。このことに危機感をつのらせた日帝権力は、国労5・27臨大・闘争団弾圧で闘いを芽のうちにつぶすことに全力を挙げてきた。国労の闘う労働者と動労千葉の闘いを先頭に、この弾圧を絶対に粉砕し、はね返し、国鉄決戦勝利と03春闘の爆発をかちとるために総決起しよう。
 電機は昨年、春闘におけるベアゼロ回答に続いて、賃金カットを強行したが、今年は本格的な賃下げ(賃金制度改悪を含む)攻勢をすでに開始している。自動車は昨年「ひとり勝ち」と言われたトヨタ資本が、1兆円の経常利益を上げながらベアゼロ回答を行った。狙いは連合のJC系労組を賃下げの先兵に仕立てあげることであった。その背景には米帝との争闘戦の厳しさがある。単年度で1兆円という空前の経常利益も、争闘戦的現実の中では一瞬にして吹き飛んでいくからだ。総額人件費の大幅削減が、トヨタ資本にとっても絶対的な課題なのである。
 米帝は、日帝を始め諸帝国主義を争闘戦的に制圧・解体する全面攻勢を開始している。そのため、小泉首相と竹中経済財政・金融相は、日帝の生き残りをかけて、「聖域なき構造改革」による破滅的な°ハード・クラッシュ路線″に突入した。97〜98年の金融恐慌を数倍する規模の倒産、大失業時代になる。1000万人の失業者が出ると言われている。
 すでに、日帝・資本は、倒産・失業と不安定雇用の爆発的増加と、アウトソーシングをテコに、終身雇用制を解体し、全労働者の現行賃金水準を劇的に低下させている。さらに戦後賃金体系(定昇・諸手当)の全面的破壊という事態が広がっている。この大失業攻撃と大幅賃下げ・賃闘解体攻撃との闘いが03春闘における最大の攻防である。
 日帝・資本は95年に日経連「新時代の『日本的経営』」報告(とそれ以降の労問研報告、今年から経営労働政策委員会・経労委報告)を出し、労働者支配の反動的転換、階級的労働運動解体に打って出てきた。中心課題は、これまでの年功的賃金制度(形態と水準)の根本的転換、「高止まりしている高賃金体系の打破」「総額人件費の削減」である。
 以来、日経連労問研報告は基幹産業の基本綱領というべきものに押し上げられてきた。戦後の労働者支配の根幹にあった「終身雇用制、年功賃金制、企業別組合」を全面的に解体し、総額人件費削減を大々的に推進するためであった。
 雇用・就業形態の多様化として、長期蓄積能力活用型、高度専門能力活用型、雇用柔軟型の三つに分け、大多数の労働者をパート、派遣、契約社員などの不安定雇用労働者にすることが目的であった。過剰労働力の削減と不安定雇用化を推進するために、労働者の解雇攻撃を一挙に強めてきた。さらに攻撃は、賃下げ、賃闘破壊から、年金制度を始めとする社会保障制度の基本的廃止による戦後階級支配の大転換、日本社会そのものの反動的改造に向かっている。しかも、それは労働運動の反革命的な破壊を核心的狙いとしている。直接的な治安弾圧とも結びついた労組破壊・団結破壊の攻撃として襲いかかっている。
 その基本モデルは80年代から90年代の米帝の資本攻勢である。90年代後半の米経済はIT革命を通した経済効率化による好景気の持続とされていたが、その実態は徹底した人員削減・失業と低賃金政策にあった。暴力的な労組破壊で脅かし、屈服・大譲歩させ、労働者の大半を低賃金労働者(半失業状態)にたたき込んだ。その結果、総額人件費が圧倒的に圧縮され、その分だけ資本の収益増加となり、対外競争力を強めたのである。そのアメリカ経済も00年以降全面的に後退し、29年型大恐慌に突入している。日帝は、この米帝資本の資本攻勢のやり方を日本に導入するというのだ。
 笹森連合会長は「非常事態であり、03年は雇用を守ることが労働組合最大の生命線。連合運動を雇用一本に特化したい」として、今春闘もベアの統一要求見送りを決定し、春闘、賃金闘争からの全面撤退をすでに宣言している。電機連合は職種別賃金方式への移行を決定している。自動車総連も平均賃上げ方式から銘柄別絶対額方式を提案している。
 職種別賃金方式も銘柄別絶対額方式も、統一賃金要求を解体するものである。資本の賃下げ攻撃を隠ぺいし、迎合するものだ。このような賃金方式の変更論議は資本の低賃金政策に加担し、労働者を分断するだけなのだ。
 われわれは、今03春闘において、日帝・資本の「ベースダウン」、定昇解体による賃下げ攻撃と賃闘解体攻撃を粉砕する。連合の「賃上げは不可能」論とその具体化である職種別賃金、銘柄別賃金などの賃金方式を真っ向から粉砕していこう。
 春闘は賃金をめぐる闘いだが、その攻防で、労働条件、職場支配権など資本と労働者の力関係が決定する。また、労働者が団結をうち固め、階級性を獲得する重要な場であり、労働者の生活そのものを闘いとるきわめて階級的意義のある闘いである。
 この点で3労組共闘が提起した02年春闘総行動のもとで、動労千葉が3カ月決戦を決断し、4日間のストライキを敢行した階級的意義はきわめて大きい。この闘いを教訓化することは重要である。
 動労千葉は、定期大会で「ストライキで攻防の主導権をとり、組合員の団結した力が見事に敵を追いつめた」と総括している。その闘いが外注化提案を阻止し、新保全体系合理化攻撃を粉砕し、組織破壊攻撃をくい止めている。また、港合同の倒産攻撃に対する実力闘争は、労働者の基礎的団結の伝統を継承・発展させている。3労組共闘は「団結して闘えば必ず勝利できる」と闘いに確信をもっている。
 60年代、70年代の賃上げはなぜ闘いとれたのか。高度成長によって自動的に賃上げがなされたのではない。それは背景的条件でしかない。労働者の組合的団結が強固に存在し、争議、ストライキという戦闘的闘いに立ち上がることで初めて賃上げはかちとられたのだ。02年春闘での動労千葉のストライキは、その精神を帝国主義の危機の時代に復権させた。
 一方、連合は「時代が変わった」という理由をつけて、資本の先兵となり、労働者に賃下げを強要している。大量首切りと30%賃下げを組合の名のもとに強要したNTTのパターンだ。全労連も02年大会で「生計費に基づく大幅賃上げ」をあらためて否定した。それは労働者に階級的団結への絶望と不信を生み出すだけである。これは労働者の政治的絶望を生み、排外主義、差別主義の土壌を形成することになる。
 資本攻勢が激化しているからこそ、労働者の階級的団結を強め、資本と闘わなければならない。連合や全労連のように闘いを放棄すれば、地獄に行くしかない。今や、すさまじい倒産攻撃が吹き荒れている。闘わなければ、職場そのものが一夜にしてなくなる時代である。だからこそ団結し闘うことで初めて生活と命を守れるのだ。
 イラク反戦政治闘争とともに、春闘を戦闘的労働者が全力で闘いぬこう。イラク侵略戦争に反対するアメリカの新潮流の労働者、全世界の反戦闘争を闘う労働者学生人民との国際的連帯を深め闘いぬこう。

 2 労働者の戦争動員に率先協力する「5・16連合見解」

 有事3法案反対闘争が陸・海・空・港湾労組20団体を中心に発展してきた最中に、連合は有事法制に関する「5・16連合見解」を発表した。その核心は、有事3法案に賛成し、労働者人民の戦争動員に率先協力することにある。
 「連合見解」は、「大規模テロ、化学兵器、武装ゲリラ、サイバーテロ」などの攻撃を受けた場合には、「緊急事態を速やかに排除し、国民の生命及び財産を守り、基本的人権を尊重するため、憲法の枠内での法整備は基本的に必要である」として日帝の侵略戦争を全面的に支持し、侵略戦争法案に賛成する立場を表明した。連合が労働者人民を侵略戦争に引き込もうとしているのである。
 連合は、連合傘下の「指定公共機関」で働く多くの労働者が戦争に動員されることに反対していることを逆手にとって、有事法制の完全化を政府に要求している。「連合見解」は、「労働者の生命・身体」と「国民の自由と権利」は有事に制限されるとし、その制限を「最小限」とするために「公正かつ適正な手続きによらなければならない」というロジックで、有事における労働者の戦争動員の法制化を政府に提案しているのだ。
 労働組合の最大のナショナルセンターである連合が、戦争協力を日本政府に全面的に誓ったのである。これは日本階級闘争、労働運動の歴史的な反動的大転換攻撃である。
 連合は結成以降、賃金闘争を口実に総評型政治闘争を解体してきた。しかし、日帝経済が90年代大不況と争闘戦激化の情勢に直面する中で、日米安保、自衛隊、改憲などの承認を次々と進め、日帝のアジア侵略承認と政治的反動化を深めてきた。そして、実際に侵略戦争が現実化した今日、労働者の戦時動員に率先協力し、その法制化まで要求している。帝国主義間争闘戦が激化する中では、戦争政策を推進しない限り巨大資本は生きられない。連合傘下の自動車総連、電機連合などが資本と同じ側に立ち、連合全体が帝国主義戦争に協力する立場に移行したのだ。
 この「連合見解」と「9・12連合通達(他団体との共闘禁止)」の反動性を労働組合の中で暴露し討議しよう。帝国主義が戦争政策を進めていく情勢下において、労働運動の中で反戦闘争を闘いとることは革命運動の成否を決める決定的なテーマである。「連合見解」に反対する闘いは、労働組合と労働者を有事3法案反対闘争に決起させるためのきわめて有効な闘争組織戦術である。「連合見解」との対決は今年こそ本番である。

 3 国鉄労働運動弾圧を全労働者階級人民の力ではね返そう

 国鉄決戦は現下の資本攻勢との最先端の攻防であり、これからの労働運動の基軸をなすものである。4党合意を完全粉砕した勝利の地平の上に、闘争団の切り捨てを許さず、国労本部執行部打倒、国労の戦闘的再生に向け闘おう。
 有事立法攻撃の一環として、階級的労働運動を治安弾圧によって破壊する攻撃が激化している。その頂点が国労5・27臨大・闘争団弾圧である。日帝・国家権力は、国鉄労働運動が4党合意を破綻させ、「1047人闘争」として再生・発展していることに恐怖し、この弾圧に踏み切った。革共同の91年5月テーゼ、95年19全総、01年6回大会のもとで前進をかちとった労働運動と国鉄決戦は、新たな段階に突入した。この反革命攻撃に対し、佐藤昭夫弁護士ら13人の呼びかけ発起人を先頭に総反撃する救援運動が開始されている。この救援運動を巨大に発展させよう。
 イラク反戦・有事立法粉砕闘争、4月統一地方選挙の闘いとともに、階級的労働運動の一大飛躍を03年にかちとろう。
 その第一は、今日吹き荒れる資本攻勢に対して、03春闘を階級決戦として総力を挙げて闘いぬくことである。
 第二は、資本攻勢の最先端として位置する国鉄決戦の歴史的勝利へさらに前進することである。5・27国労臨大弾圧を粉砕し、1047人闘争の発展、JR資本・JR総連と対決する闘う国労の再生へ不屈に闘おう。
 第三は、国鉄決戦とともに、4大産別決戦の全面的飛躍をかちとることである。全逓戦線において、郵政公社化・民営化攻撃のもとでの郵政合理化との闘いが決戦化している。有事体制と対決する自治体労働者の闘いが重要になっている。とりわけ03年決戦のひとつは教育基本法改悪をめぐる決戦であり、これは教育労働者を先頭とする全労働者の課題である。これらは連合傘下で連合をくい破り、連合指導部を打倒していく闘いである。
 第四は、民間企業、中小零細企業での破産・倒産攻撃、不安的雇用化攻撃、賃金破壊とも言える労働条件の劣悪化などをめぐる闘争を強化・発展させていくことである。この1年を通して吹き荒れる「産業再生(=倒産)」攻撃に対して港合同を始めとする民間の苦闘と連帯し闘いぬくことは重要である。中小零細企業では、膨大な不安定雇用と対決し、未組織労働者を合同労組などに組織していく闘いが重要である。
 第五は、青年労働者の獲得が労働運動を戦闘的に発展させていく源泉である。そのためにマルクス主義青年労働者同盟の再建に全力を挙げよう。
 第六は、労働運動の再編と大流動の中で、階級的労働運動の防衛と再生のための統一戦線をさらに強固に拡大させることである。日本共産党の路線的組織的破綻と反革命的純化に対して、日共・全労連との党派闘争と全労連傘下の労働者の獲得に全力を挙げよう。

 4 倒産・リストラ・失業・賃下げと対決し労働者の団結を

 国労臨大弾圧は、革共同の労働運動路線への反革命的挑戦である。5月テーゼ路線のもとでの前進に革命の萌芽とその発展を見たのである。5月テーゼの正しさを確信し、その真価をかけて、この弾圧を打ち返さなければならない。
 03年は、この国鉄決戦を先端に、全産別が決戦化する。11月労働者集会で掲げられた「全労働者の団結」の旗のもとで、全産別で反転攻勢を開始しよう。
全逓
 全逓戦線は、03年4月郵政公社発足=民営化をめぐって重大な決戦に突入している。公社化=民営化とは、全逓労働運動を解体し戦争国家に向かう攻撃である。日帝は、郵政公社法によってNTT型の首切り・リストラを大々的に強行しようとしている。郵便新生ビジョンによる1万5千人削減合理化と新集配システムは、現場に耐えがたい労働強化をもたらしている。さらに能力・実績主義賃金を全面的に導入する人事制度改革が狙われている。
 郵政公社化と新生ビジョンの積極的推進者となった連合全逓中央を打倒しよう。職場支配権をめぐる攻防において、現場労働者の怒りを組織し、全逓改革運動を巻き起こそう。その柱に全逓4・28処分粉砕の闘いを打ち立てよう。
教労
 戦時体制への突入の中で、教育労働者には愛国心教育・侵略教育が強制されようとしている。「日の丸・君が代」処分と「指導力不足教員」制度で闘う教育労働者を追放し、新たな勤評で職場の団結を解体し、自主研修権の剥奪(はくだつ)と新・10年研修で国体思想を注入する攻撃が激化している。これは教育労働者を聖職者教師とし、侵略教育の先兵とする攻撃である。
 教育労働者は、日教組運動の階級的再生をかちとろう。教育基本法改悪反対を全労働者階級人民の課題へと押し上げよう。「日の丸・君が代」強制反対を貫き戦時体制下の抵抗闘争を切り開こう。
自治労、都労連
 公務員制度改革基本法案の国会提出が確定的となった。この攻撃の核心は、戦争国家体制づくりである。これと闘い、住民基本台帳ネットワークシステム、国民保護法制、市町村合併との闘いを強化しよう。また、業務委託、公設民営化などさまざまな形態をとった行革リストラ攻撃と対決しよう。成績主義・業績主義の導入による職場・組合の団結破壊と闘おう。
 特に石原都政との対決は重大だ。清掃の区移管、交通、水道の業務委託、石原「人事白書」路線、時間内組合活動の制限と激突し、東京都の労働運動の戦闘化をかちとろう。自治体労働運動の方向を決定する03年決戦に全力で決起しよう。
特殊法人
 02年末に「特殊法人等整理合理化計画」による特殊法人の廃止・民営化・独立行政法人化などが打ち出された。道路公団関係4公団の民営化、日本育英会の廃止・独立行政法人化などが進められている。労働者への大合理化、リストラ・賃下げ攻撃である。労働者の団結した力で反撃しよう。
電通
 02年はNTTの「新3カ年計画」と10万人首切りとの激闘の1年だった。51歳以上の労働者には「本体に残れば全国どこにでも配転する」という恫喝で退職を迫り、30%の賃金カットによる子会社への再雇用を強制した。この攻撃はNTT労組の屈服=協力によって進められた。03年、さらなる追加合理化と子会社つぶしの攻撃が激化する。反撃の闘いをさらに広げよう。
医療・福祉
 97年日米安保ガイドライン以降、戦時医療体制確立の動きが激化した。有事3法案は「国家総動員体制下の医療動員」を法制化するものである。医療労働者の戦争動員と闘おう。
 介護保険制度導入を突破口とする戦後社会保障制度の解体、医療の戦時型への再編をめざす医療制度改悪が始まり、医療福祉労働者への首切り・賃金抑圧・権利剥奪・リストラ外注化による強労働の攻撃が襲いかかっている。医療福祉労働者は、帝国主義と対決する労働運動の先頭で闘おう。
鉄鋼、電機、自動車、金属、化学、マスコミ・出版、民間中小、合同労組
 昨年9月にNKKと川崎製鉄が統合して純粋持ち株会社の「JFEホールディングス」が発足した。今年3月に両社の全部門が5グループに分社化される。合併やラインの統廃合によって4千人の削減がもくろまれている。鉄鋼業界全体の大リストラは不可避だ。
 電機では、IT・通信の業績悪化により、富士通などでさらに新たな追加リストラを強行しようとしている。
 電機連合は、日本経団連の多立型賃金方式に呼応して、職種別賃金方式を打ち出し、職種間の賃金格差と賃下げを容認した。
 自動車総連では、トヨタ労組が03春闘要求をベアゼロとした。02春闘以上の賃下げ攻撃の先兵となろうとしている。
 こうした基幹産業での企業合併、再編とアウトソーシング攻撃の激化の中で、不安定雇用労働者が激増している。さらに、解雇ルールの法制化、労基法・派遣法の改悪が、この攻撃に拍車をかける。
 これに対して、金属では、JAM傘下の中小労組が反撃を開始している。化学、マスコミ・出版においても不屈の闘いに立ち上がっている。
 パート労働者や派遣労働者などの権利と労働条件を確立するために、合同労組を通じた組織化と闘いが急務となっている。労働者の団結を強化し、一大資本攻勢に立ち向かおう。
阪神被災地の闘い
 阪神被災地の02年の闘いは、権力の不当逮捕・組織破壊弾圧、被災失業者1400人首切り、支援事業打ち切りなどに対して激しく闘われた。3月の「しごと開発事業打ち切り」に対して、就労者を先頭に実力抗議闘争を闘い、支援事業の1年延長をかちとった。
 失業対策を国と行政への要求として組織し、闘う失業労働者の団結を固め、大衆闘争を被災地から爆発させていかなければならない。
女性労働者
 「労働力の流動化」「柔軟で多様な働き方」として女性労働者の低賃金と不安定雇用が強制されている。女性労働者の完全失業率は5%を超え、過去最悪を更新した。正社員からパート労働者への置き換え攻撃が民間職場、公務職場を問わず多くの職場で激化している。改正均等法―女子保護撤廃から3年、低賃金、長時間過密労働、無権利状態がますます強まっている。厚生労働省は、有期雇用の期間延長(現行1年から3年へ)を盛り込んだ労働基準法の改悪を通常国会で成立させようとしている。全国労組交流センター女性部の闘いを強化・拡大し、あらゆる産別・職場・地域で労組女性部運動の決起をねばり強くつくりだそう。

 第6章 国際反戦闘争と連帯し全国学生運動の歴史的大爆発を切り開こう

 新時代の到来を告げるイラク反戦闘争

 全世界で、ベトナム反戦闘争を超えるイラク反戦闘争が大爆発している。日本の地においてもそれは20労組や有事立法反対署名運動、反戦共同行動委の闘いとして完全に始まっている。そして、02年学生戦線の闘いは、日本の学生運動がついに本格的に動き始めたことを告げ知らせるものとなった。
 劣化ウラン弾の放射能被害と経済制裁に苦しむイラク人民の血叫びを伝える写真展のキャンパスでの開催は、こんな事実を知らなかったのか、この事実を知ったらイラク侵略戦争を許すことなどできないというものすごい衝撃をキャンパスにもたらし、もっと多くの人にこの事実を知らせたいという運動となってどんどん広がっている。また、イラク反戦と有事立法反対の署名運動は、署名をした学友がさらに周りに署名を持ち込んでいくという形で、従来の水準をはるかに超えた数と運動に発展している。
 そして、この写真展や署名の運動から積極的担い手が生まれ、彼らが中心となってキャンパス大集会が企画され、全国大学で大成功している。これらのキャンパスの行動から街頭に飛び出し、イラク反戦・闘うムスリム人民との連帯の思いを訴えるデモに立ち上がり、また大使館や米軍基地に対して繰り返し怒りをたたきつける行動に決起している。このような闘いの頂点として12・8中央闘争に全国大学からの大結集と大デモをかちとり、イージス艦派兵阻止横須賀闘争の大爆発を実現したのである。
 かつてない深さと広さで学生の決起が始まっている。しかしわれわれが組織しているのはまだそのほんの一部でしかない。03年の学生戦線は、ムスリム人民との連帯をもっと強め、もっと大規模でもっと荒々しい闘いを爆発させる決意だ。何よりも日帝のもとでの闘いが決定的なのだ。日帝こそイラク侵略戦争の最大の参戦国であり、最大の出撃基地なのだ。在日米軍基地からの出撃を阻止し、自衛隊の侵略出兵を阻止し、有事立法成立を阻止する闘いに、日本の学生が血を流して立ち上がることこそ、闘うムスリム人民の血叫びにこたえる道なのだ。

 学生運動の本格的な大衆的爆発を

 イラク反戦・有事立法阻止の革命的大衆行動をさらに大爆発させていかなければならない。そのための環は、さらなる扇動の変革である。帝国主義の侵略戦争の現実と階級的本質を、階級的=人間的な根底的怒りと明快な論理をもって暴露することである。われわれ自身が情勢と対決し行動し、大衆運動を組織する格闘の中で扇動はより練り上げられていくのである。
 さらに、侵略戦争体制づくりに向けた大学の反動的再編と全面的に対決し、大学闘争を巻き起こそう。独立行政法人化、国立大学法案、自治寮廃寮化などの攻撃と対決することである。国際反戦闘争とともに、大学闘争が爆発する条件は整っている。
 反革命カクマルに対する歴史的な勝利の地平に立ち、一気に全大学に中核旗を打ち立てる大攻勢に打って出る時が来た。日共・民青を蹴落とし、学生自治会運動の戦闘的再建をかちとろう。

 学生共産主義者の形成へ

 巨大な学生運動の大衆的発展は、学生共産主義者によって担われることで初めて可能となる。日本における学生運動は、反スターリン主義・革命的共産主義運動によって担われてきた。それは、階級的真実を明らかにできるのがマルクス主義と反スターリン主義・革命的共産主義の理論だけだからである。
 学生共産主義者の形成は、階級の立場に立ち、情勢と鋭く対決しつつ、行動方針を形成し、実践し、総括するプロセスを、白熱的な討議を通して行うことを日常化し、体質化すると同時に、マルクス主義の理論活動によってこそ可能である。帝国主義のイデオロギーと対決し、階級性と国際連帯を獲得し、帝国主義打倒へと澎湃(ほうはい)と決起していく原動力となるのはマルクス主義である。マルクス主義だけが、ブルジョア・イデオロギーと対決することのできる圧倒的な真理である。マルクス主義のどん欲な理論活動、理論闘争によって多くの理論家と、学生共産主義者をつくりだそう。
『ドイツ・イデオロギー』解説本は、マルクス主義を真に時代を動かす新鮮な価値観として復権・創造するための強力な武器となるであろう。
 そして全学連と学生運動の発展のために、マルクス主義学生同盟・中核派の強化は決定的に重要である。党のための闘いと党としての闘いを統一して組織建設を闘いとっていこう。
 03年、朝鮮・中国―アジア人民、パレスチナ・中東―ムスリム人民との連帯をかけて、全学連は全世界の反戦闘争に参加し闘いぬく。その一環として、日本でも巨大な反戦闘争を闘いとろう。その大衆的闘いの先頭に学生戦線が立つことを宣言する。

 高校生運動の爆発をかちとろう

 日帝の侵略戦争への参戦の中で、高校生の反戦闘争への決起が始まった。それを支持し連帯し、マルクス主義を大胆に持ち込みつつ、さらに巨大に発展させるためにともに闘おう。

 第7章 戦争突入下、7・7精神を発揚し差別・抑圧攻撃の激化を粉砕しよう

 日帝・小泉のイラク侵略戦争参戦・有事立法攻撃への踏み込みは、在日朝鮮・中国人民への排外主義攻撃を激化させ、労働者階級人民の内部に差別・抑圧と分断攻撃を予防反革命的に先鋭化させている。また経済危機と戦争経済への移行は社会保障制度の改悪を始めとする諸権利解体の攻撃を激化させている。われわれは諸戦線における闘いを反スターリン主義・革命的共産主義運動の階級的立場から再構築し闘いぬかなければならない。
●入管闘争
 ムスリム人民の9・11反米ゲリラ戦争は国際的な労働者と被抑圧民族・人民の澎湃として巻き起こる闘いの出発となった。米帝(と国際帝国主義)のイラク侵略戦争、北朝鮮・中国侵略戦争への反戦闘争が陸続と高揚し、非和解の階級激突の世界史的時代が到来した。今こそ7・7路線を全面的に発動し、連帯し、国際的内乱に転化し、帝国主義の支配を打倒していくのだ。
 歴史的戦闘性を発揮して南北分断打破・革命的統一の根底的決起を開始した南北・在日朝鮮人民との連帯を全面的に進めよう。とりわけ、排外主義の大攻撃の中で、スターリン主義や既成組織の制動を打ち破って戦闘的に決起している在日朝鮮人民と連帯して、イラク・北朝鮮侵略戦争反対、有事立法阻止決戦に立とう。戦後の民族抑圧、入管体制と対峙しぬいてきた無類の戦闘力をもつ在日朝鮮人民の闘いは、本質的にも現実的にも9・11情勢下の米日の北朝鮮侵略戦争に対する反戦闘争、自己解放闘争である。日本の労働者人民への連帯の呼びかけである。戦後革命期を超える在日朝鮮人民との共同の闘争を実際に強力につくりだすことは階級的力を幾層倍にも強めるし、イラク・北朝鮮侵略戦争反対、有事立法阻止闘争の勝利の展望を開くのだ。朝鮮総連への破防法適用を許さず、あらゆる闘いの場ですべての在日朝鮮人民(中国・アジア人民、ムスリム人民、全世界人民)に共闘を呼びかけ、闘いを大胆に推し進めよう。
 在日ムスリム、アジア人民への入管攻撃を許すな。入管収容所に収容し過酷な生活を強制することを許すな。難民を排除するために保護の名目で難民認定希望者を収容所に閉じ込めようとする攻撃、生活実態調査の名で日常生活の隅々まで監視し抑圧し、あげくには強制送還する二つの入管法の改悪強行を許すな。これらは有事立法攻撃と一体の戦争攻撃との闘いであり、在日・滞日人民との連帯を進める闘いだ。
 入管戦線は、労働者人民の国際連帯闘争のすべての先頭に立って闘おう。
部落解放闘争
 部落解放運動をめぐる情勢は、昨年の同和対策事業の法的根拠の消滅、東京高裁・高橋裁判長による狭山第2次再審・異議申し立ての棄却、人権擁護法案の成立策動のもとで次元を画する段階に突入した。これらは、差別糾弾闘争―部落解放運動を最後的に解体・絶滅し、差別分断支配による戦争体制構築のための大反革命攻撃である。
 だが、部落解放同盟全国連合会の5万人組織建設への進撃を基軸にして、新たな部落大衆の闘いの機運が生まれている。革共同は、いかに闘うべきか。
 第一に、全国連の5万人組織建設と連帯し、この事業を革共同の課題としてともに闘うことである。全国連の3大闘争を闘いぬき、300万部落大衆の自己解放的決起を促進し、階級闘争への合流を実現していくことは、共産主義者の歴史的任務である。
 第二に、解放共闘の本格的建設をなしとげなくてはならない。石川一雄さんの闘いにこたえ、新たな10万人決起を実現し、狭山特別抗告審闘争に勝利し、狭山闘争の歴史的勝利をかちとることを厳粛に確認したい。
 第3に、公務員現業を始めとした部落民労働者の存在と闘いは、労働運動の重要な一翼である。差別的分断を越えた労働者の団結のために闘うとともに、部落民労働者の「差別撤廃」の要求を労働運動自身の課題として闘いとろう。
在本土沖縄青年運動
 本土と沖縄の闘いが合流する結節点に位置するのが在本土沖縄青年運動である。高失業社会とされている沖縄から、若者が続々と本土に来ている。日帝の沖縄差別政策の中で、耐えがたい差別、無権利・低賃金・無保障の労働と生活を強いられ、人間として必死に生き、沖縄差別撤廃を求め本土人民との連帯を切望して、苦闘している。
 日本―沖縄関係の歴史と現実を体現するこの在本土沖縄出身者を、革命党がプロレタリアートの側に獲得しなければならない。これができるのは沖縄奪還の思想と運動である。92年以来の全国沖縄青年委員会の闘いを、今こそともに担って大いに発展させよう。
「障害者」解放闘争
 介護保険の「障害者」への適用として4月実施が狙われている支援費制度は、「障害者」福祉に対する公的責任を全面的に破棄し、「障害者」の生活と命を破壊するものだ。保安処分新法(心神喪失者等医療観察法案)は、戦争と大失業の中で起こる帝国主義社会の矛盾の一切を「精神障害者」に差別的に転嫁し、隔離・抹殺するという許すことのできない攻撃である。予防拘禁の拡大や刑法・刑訴法改悪に直結する攻撃でもある。臓器移植法改悪案は、「脳死判定」を6歳未満の小児に広げ、臓器提供者を15歳未満に拡大するものだ。医療が帝国主義医療に転換させられ、遺伝子操作など先端技術を利用して「障害者」抹殺の優生政策が強められている。
 30年代型の「障害者」差別・抹殺攻撃を断じて許さず、ますます翼賛化する既成「障害者」運動をのりこえて、革命的「障害者」解放闘争を推し進めよう。労働者階級と「障害者」との共同の闘いとして、一切の「障害者」差別を打ち破る闘いを推し進めよう。
被爆者解放闘争
 米帝ブッシュが世界戦争計画―核戦争を構えきったという激しさに日帝は突き動かされ、イラク侵略戦争に参戦し、日帝自身の戦争として北朝鮮侵略戦争に突っ込んでいく決断をし、有事立法攻撃とともに独自の核武装をも狙っている。今こそ、労働者階級と核とは絶対に相入れないことを断固宣言する時だ。
 被爆者は帝国主義戦争を告発し、その非人間性・不正義性を暴いてやまない生き証人である。被爆者は日帝のアジア侵略の歴史を体現する存在として、アジア人民への血債をかけて、朝鮮人・中国人被爆者と固く連帯して、反戦反核闘争に決起する主体である。日帝の被爆者抹殺・英霊化、差別・分断攻撃をはねのけて自己解放をかけて決起する被爆者を先頭に、労働者階級の反戦反核闘争をつくり出そう。反戦被爆者の会、全国被爆者青年同盟の強化をともに闘いとろう。
女性解放闘争
 国際的内乱期には、労働者人民は家族ぐるみで生死をともにして決起する。パレスチナでチェチェンで韓国で、イタリアでイギリス、アメリカで、全世界の反戦デモやストライキで女性労働者と女性大衆が大規模に決起している。
 日帝は、戦争と失業で労働者家族が崩壊することを女性に責任転嫁し、女性への「二重の抑圧」を強める家族主義を扇動しながら、他方では「男女共同参画社会基本法」のペテン的看板で、女性の能力の戦争動員、女性抑圧・差別・分断・動員政策を展開している。すでに小泉は、自衛隊の東ティモール派兵隊員に女性兵士を選抜している。
 女性の大衆的決起の時代がきた。03年の革命的激動の中に身を投じて闘おう。労組交流センター女性部、婦人民主クラブ全国協議会の闘いと連帯し、その発展と強化をともに闘いとろう。
農民戦線
 日帝による「新農業基本法」による農民切り捨て、農業破壊が激烈に進行している。さらに、農地法の改定により、農業法人・株式会社の農地所有を全面解禁し、資本の農業への参入に道を開こうとしている。また、資本による農業の収奪によって、農民・農業は全世界的に危機にさらされている。また、牛海綿状脳症(BSE)問題、食料安全性問題の責任を農民に押しつけ、それを農業破壊に利用している。日帝の農民・農業政策と全面対決し、農業を守りぬいている農民と労働者階級の連帯を強め、農民戦線の強化をかちとろう。
アイヌ民族解放闘争との連帯
 日帝権力の「単一民族イデオロギー」によるアイヌ民族差別を弾劾し、アイヌ民族の先住民族としての自決権、先住権とその闘いを断固支持し、連帯し闘いぬく決意である。

 第8章 帝国主義の侵略戦争を全面擁護する日本共産党スターリン主義を打倒せよ

 日本共産党は、米帝の世界戦争計画の本格的発動に対して、労働者人民、被抑圧民族人民、イスラム諸国人民(パレスチナ・中東・ムスリム人民)の側にではなく、帝国主義侵略戦争を擁護する立場に完全に移行した。
 01年9・11直後の9月17日、日本共産党は、各国政府に対して「(9・11は)国際社会全体に対する攻撃であり、世界の法と秩序に対する攻撃です。この野蛮なテロを根絶することは、21世紀に、人類がこの地球上で平和に生きてゆく根本条件のひとつ」とする「書簡」を送りつけた。
 これは民族解放闘争に対する驚くべき敵対であり、帝国主義の民族抑圧、侵略戦争、虐殺への全面的加担である。帝国主義が危機の時代に突入する中で、帝国主義の最後の番兵として登場するスターリン主義の本質をむき出しにしている。
 「テロ根絶」は帝国主義者のスローガンである。それは反米ゲリラの総せん滅を意味する。その「温床」を一掃するとして被抑圧民族人民に対して侵略戦争を発動するのである。
 日本共産党と全面的に対決し打倒する党派闘争を本格的に開始しなければならない。帝国主義戦争擁護の日本共産党と、イラク侵略戦争阻止・有事立法粉砕の労働者階級人民との激突は避けられない。21世紀の早い段階での革命に勝利するため、この日本共産党スターリン主義の打倒は必須の課題である。
 そもそもスターリン主義は、一国社会主義論のもとで世界革命を否定し、帝国主義との平和共存政策を本質とし、プロレタリア革命に敵対する反革命である。帝国主義を根底的に打倒する思想と戦略を持たないことから、口先の「批判」とは裏腹に、帝国主義に徹底的に依存する。だから、帝国主義の危機が深まるに従って、その共同利益の擁護者として、労働者人民の闘いを圧殺する武装反革命に純化する。
 有事立法反対闘争においては、日本共産党は、まやかしの「反対」を口にすることで、労働者人民を武装解除する攻撃の先兵に転落している。日本共産党の「有事立法反対」論とは「アメリカの戦争への参戦には反対」「日本が主体となった国益のための戦争なら賛成」というものである。対米従属論、反米愛国主義の立場からの「反対」論である。
 有事立法攻撃とは、日帝が日本の国民を米帝の侵略戦争に動員するというものではない。日帝は、米帝ブッシュの世界戦争計画に必死に対応し、主体的・能動的に北朝鮮・中国侵略戦争を遂行できる国家体制づくりへと反動的飛躍を開始したのである。日本共産党は、この帝国主義としての日帝の本質と狙いをどこまでも覆い隠し、免罪している。
 日本共産党の愛国主義、国益主義への屈服は、北朝鮮への排外主義キャンペーンに対する全面加担となって現れた。
 日本共産党は、小泉訪朝に「直接対話の決断を歓迎」「必要な協力は惜しまない」と翼賛談話を発表した。志位委員長はさらに、日朝首脳会談を「国交正常化への重要な前進の一歩」と賛美した。
 米帝によるイラク開戦の切迫と日帝の参戦、有事立法の動きは、北朝鮮への侵略戦争宣言とも言うべきすさまじい軍事圧力である。日帝のアジア侵略の開始という核心問題について、日本共産党は一言の言及もしない。
 日本共産党の帝国主義戦争擁護、資本救済への階級移行は、全労連の組織率を低下させている。全労連内での日本共産党の支持率も著しく低下している。現場の活動家や党員と日本共産党指導部との間に深刻な亀裂が生じている。もっぱら「連合との共同」を第一に掲げる日本共産党の労働運動方針では労働組合は闘えない。
 その結果、国鉄闘争の「4党合意賛成」路線から見せかけだけ「転換」する茶番劇が演じられた。これは危機乗り切りのための取り繕いにすぎず、現実には革同の居直り路線を支持・推進しているのである。日本共産党と全労連の危機の現れである。全労連傘下の戦闘的労働者を獲得しなければならない。
 日本共産党の帝国主義戦争擁護の立場への本格的移行は、89年から91年の東欧・ソ連スターリン主義の崩壊に始まった。帝国主義国内スターリン主義諸党が軒並み危機にたたき込まれ解体的様相を呈する中、日本共産党は、「日帝の最後の番兵」として延命する道を選んだ。今日、サミット参加国の中で最大の党組織であることを誇ることが、日本共産党の売り物になっている。
 その後、日本共産党は94年の20回大会で新綱領を採択し、民主連合政府路線の破産=暫定政権への参加路線を選択した。97年の21回大会では「資本主義の枠内での民主改革路線」を鮮明にし「ルールある資本主義」の要求を路線化した。98年9月の(21回大会)第3回中央委員会総会では「日米安保条約廃棄」の党是を「暫定政権への参加期間中は凍結する」と路線転換した。政権与党になることを日本共産党の最大目標としたのである。そのために、綱領、路線の全面的な書き換えと転換を行った。さらに99年3月に、新日本共産党宣言を打ちだし、その中で「自衛隊を容認する」政策を打ち出した。同時期に「国旗・国歌」の法制化を提案、「日の丸・君が代」立法に道を開くという大罪を犯している。
 00年11月の22回大会では「有事の際の自衛隊活用」を主張し、党規約の改定で「日本国民の党」とし「資本家階級の利益を守る党」への転向を完成させた。
 日本共産党のここ10年間の路線転換と反革命化は、米帝のイラク侵略戦争の開始という情勢の中でより一層進行する。
 革共同はこの日本共産党と全面的に激突し、これを打倒する。革命的大衆行動の全面的発展の中で、接近戦を大いに闘いぬき勝利していかなければならない。

 第9章 アングロアメリカン路線で小泉擁護に走るカクマルを打倒せよ

 JR総連分裂に沈黙するカクマル中央派の惨状

 革共同は、30年間にわたる二重対峙・対カクマル戦によってカクマルの中央派とJR総連派への分裂を引き起こし、これらに壊滅的打撃を強制し、基本的に勝利したことをここに宣言する。
 すでにカクマル中央派は政治組織としての形をなしていない。惨状としか言いようがない組織状態に陥っている。カクマルは、政治党派が成り立つための核心部の破綻を沈黙することによって隠ぺいして延命しようとしているだけである。
 その核心部とは、JR総連との分裂問題、革共同による黒田哲学の破産宣告、「謀略」論の破産の3点である。
 JR総連問題はカクマル最大の組織問題であり、黒田哲学は反革命党派=カクマル存立のイデオロギー的根幹をなすものであり、「謀略」論はカクマルの白色テロ路線にして政治闘争路線でもあった。カクマルは、政治組織の死命にかかわる組織、理論、政治闘争のすべてで破産し、総括できず沈黙を続けるしかなくなっている。それは反革命党派として組織的延命策が尽きたことを意味する。
 JR総連はカクマルの組織構成で最大の産別組織であり、そのアイデンティティーをなすものであった。黒田哲学が松崎を通して現実化した唯一の成果と言えるものであった。他の産別組織や学生戦線は、JR総連を手本として組織建設をしてきた。
 JR総連派が中央派と分裂した根拠は、87年国鉄分割・民営化にさかのぼる。黒田および松崎は国鉄分割・民営化攻撃に全面屈服し、政府・資本の先兵となって動労千葉や国労など他労組破壊攻撃を組合の第一の基本方針にした。JR総連カクマルの行き着く先は、資本へのさらなる屈服である。その結果、カクマルの内部に亀裂が走り、松崎らJR総連派は、中央派から分裂し、ファシスト労働運動=真正極右組合に純化したのである。これが、黒田組織論の末路だった。
 以来2年経過したが、カクマル中央派はこの分裂についての総括と政治的立場をいまだに表明できない。中央派は、JR労研中央幹事会事務局長・坂入充を1年半も拉致・監禁し、「JR総連執行部打倒」まで掲げたのである。ところが今や反革命通信『解放』紙上からJR総連批判が消滅した。これはJR総連派との分裂について路線的にも組織的にも何ひとつ総括できないことを示している。
 63年第3次分裂以降の革共同のすべての闘いと、73年9・21革命的報復戦開始以来の二重対峙・対カクマル戦は、ついにカクマルの核心部をえぐり破壊し、分裂、対立・抗争に追い込み、戦略的・致命的な打撃を強制し、組織崩壊の危機にたたき込んだのである。
 5月テーゼ以降の闘争と戦争の両面での対カクマル戦は、カクマルの「左翼」の仮面をはぎとり、カクマル組織を決定的に追いつめた。カクマルは70年代初頭には、国鉄(動労)、沖縄、早稲田を「3大拠点」と称してきた。しかし、沖縄カクマルが分裂し崩壊状態になって10年近くたつ。早稲田大学におけるカクマル学生運動の消滅から数年。そして最後にJR総連が分裂し、組織の形をなさない状態に至ったのである。
 次に、黒田哲学の破産については、革共同第6回大会の第5、第6報告(『大会報告決定集』下巻に収録)で詳細に明らかにし、その「恥多き死」を宣告した。さらに『ドイツ・イデオロギー』の新訳書、および解説本で壊滅的に批判・粉砕した(第10章参照)。
 しかしカクマルは、なお一言半句の反論もできない。これは黒田にとって尋常ならざる事態である。黒田は自分への批判に耐えられない人物である。高知聡に「日本主義に転落した」と批判されたことを、黒田は口汚くののしり、数カ月間、高知聡批判が『解放』紙上に連続して掲載されるほどの執拗(しつよう)さだった。
 つまり黒田は、わが革共同の批判を絶対に認めたくないが、一言も反論できないのである。黒田哲学がマルクス主義ではなく観念論でしかないことを認めているのだ。これは黒田が打倒され、実質的に死んだことを意味している。黒田哲学は、破産したカクマルの最後の逃げ場であった。その最後の逃げ場も崩壊させられたのである。
 さらに「謀略」論は、カクマルにとって反革命基本路線であり、最大の政治闘争路線であり、対革共同の戦争路線である。また、黒田にとってカクマル組織内の権力闘争の手段でもある。
 カクマルは、「謀略」論を採用してから28年が経過した02年5月、玉川信明編著『内ゲバにみる警備公安警察の犯罪』を刊行した。しかし、このカクマル「謀略」論の集大成という形をとった膨大な記述において、驚いたことに神戸「謀略」論とそのねつ造と破産問題について完全に沈黙している。なぜか。神戸「謀略」論デマ運動の破産で「謀略」論全体の修正と再構築が必要になり、そのために刊行された本だったからである。「謀略」論の破産を認めると、カクマル組織が成り立たなくなるほどの根底的危機に陥るからである。
 そもそも、カクマルの「謀略」論は、二重対峙・対カクマル戦での敗北を隠ぺいし、黒田の指導責任を回避し、組織を反革命的に立て直すためのものであった。75年3・14本多延嘉書記長虐殺を始めとするカクマル白色テロルに対して、革共同の正義の赤色テロルが爆発し、敗勢に追い込まれた。これらの戦闘をカクマルはことごとく国家権力の仕業=「謀略」であるとして、組織の動揺を抑え、なおも白色テロルに駆り立てようとしたのである。「謀略」論はカクマルの中軸的イデオロギーにまで押し上げられた。
 「謀略」論の頂点が神戸「謀略」論であった。しかしこの大破産の結果、「謀略」論をカクマル組織の中で信じる者は誰もいなくなった。そのために「謀略」論を神戸「謀略」論中心から、74年からの対カクマル戦闘と国家権力に対するゲリラ戦闘関連の「謀略」に引き戻すことを狙って、軌道修正を図っているのである。「謀略」論を何がなんでも防衛するために、神戸「謀略」論については沈黙し、ただ「神戸事件」として押し通そうとしているのである。

 新東西対立論の破産で路線崩壊の中央派

 カクマル中央派の情勢分析はぐらぐらで、くるくる変わっている。米帝の世界戦争計画の本格的開始という情勢への突入が、カクマルの存立基盤を揺るがし、政治路線の基軸を崩壊させているからである。
 カクマルの情勢分析の基本であった「新東西対立」論は、「中・露による反米国際包囲網」とか、逆に「米帝を起動力とした中露新冷戦的角逐による世界大的戦争の可能性が高まっている」というものであった。しかし、昨年秋からの米帝によるイラク侵略戦争の全面開始情勢と対中国を想定した世界戦争計画によって、新東西対立論は全面的破産に陥った。「東西対立」はあくまで「対立」であり、戦争に発展するものではないのである。しかし、カクマルはそれ以外によってすがる情勢分析もなく、最近では「米英と独仏、中露との角逐」「中露は米英と仏独の亀裂に」などと言って、新東西対立論の焼き直しと延命に躍起になっている。
 カクマルはイラク侵略戦争情勢を前にして反革命イデオロギーの地金が出て、日米帝の侵略戦争を擁護し、国際反戦闘争に敵対している。カクマルは「アングロアメリカン帝国主義のイラク侵略戦争を絶対に阻止せよ」をイラク反戦闘争の基本スローガンにしている。アングロアメリカン帝国主義とは、右翼勢力の帝国主義的排外主義的用語、概念である。米帝のイラク侵略戦争を帝国主義世界支配、新植民地主義体制の崩壊とその戦争的再編として理解していない。また、「戦争狂い(ママ)のブッシュ」とか、軍事力万能主義者ブッシュのために戦争が行われると宣伝している始末である。
 カクマルは日帝に対しては、小泉が米帝のイラク侵略戦争に「煮えきらない態度をとった」として、日帝のイラク侵略戦争への参戦を免罪している。だが、小泉は英帝ブレアとともに、ブッシュのイラク攻撃を一貫して支持し続けている。むしろ、対アフガニスタン戦での対テロ特措法の活用による米軍支援や、新しい特措法の策動など、積極的である。なぜなら、日帝にとってそこに帝国主義間争闘戦での存亡がかかっているからだ。
 さらに、カクマルは「ムスリム人民は決起せよ」「殉教して闘え」という反革命的言辞を吐き、ムスリム人民への無責任な利用主義まるだしの言辞をとっている。その上で、カクマルはアメリカの労働者人民に「もし諸君がブッシュのイラク侵攻を許すなら、全ムスリム人民は、アメリカ人民をもみずからの『敵』とみなし、『大悪魔=アメ帝』にたいするジハードを爆発させるであろう」と責任を追及している。
 国際主義的立場から連帯してともに闘うということは、自らが日帝や在日米軍(基地)に対して全力を挙げて闘い、その立場からともに決起することを訴えることだ。そうせずに°諸君の責任だ″と非難するのは、絶対にプロレタリア・インターナショナリズムではない。すでにアメリカの労働者は日本人民をはるかに超えて決起し始めている。これに連帯し、学ぶことこそが必要なのだ。さらに、ムスリム人民の必死の「ジハード」をアメリカ労働者人民にぶつけるということは帝国主義的民族排外主義まるだしの反革命的言辞である。
 さらにカクマル中央派は、日朝首脳会談を、日帝が米帝の世界戦争計画に沿いつつ軍事外交路線を本格的に開始したものとして批判せずに、拉致問題をもっと取り上げよとして、民族排外主義の先兵になっている。金正日政権をスターリン主義の反労働者的軍事冒険主義として批判する立場ではなく、反共・愛国主義とまったく同じレベルに転落している。

 ファシスト労働運動に純化したJR総連の崩壊的危機

 カクマルJR総連派は、中央派と分裂し、日帝とJR資本に完全屈服し、階級的労働運動破壊の先兵になることで組織的延命を策動している。しかし、その反革命路線の末路は、カクマルと共倒れするか、さらなる分裂を繰り返すか、戦闘的国鉄労働者に打倒されるかの道しか残されていない。カクマルの90年代の歴史は、このJR総連派と中央派との対立と抗争の歴史であった。
 松崎はワークシェアリング論を始めとして、国鉄分割・民営化路線、資本への徹底した屈服、癒着、結託、その先兵化を推し進めた。また政治路線としては日米安保と自衛隊の承認、改憲賛成と国連のもとでの侵略戦争支持に突き進んだ。
 しかし、中央派は「左翼」の仮面をかぶることで成り立っているために、日米安保承認、自衛隊承認、ワークシェアリング賛成とはストレートにはならない。本質的には同じファシストでありながら「政治党派」としての中央派はあくまでヌエ的に立ち振る舞わなければならないのだ。黒田組織論の矛盾が最後的に行きついた先が組織分裂であった。JR総連派が最後に「左翼」の仮面を投げ捨てて分裂し、純粋にファシスト労働組合になったのである。
 JR総連・東労組は01年8月に「第4次労使共同宣言」を締結し、資本のより忠実な先兵になることでさらに生き延びようとしている。第2の分割・民営化攻撃としての「ニューフロンティア21」を組合自ら推し進めようとしている。しかし、職場抵抗闘争も否定し、政治闘争も放棄して、労働組合本来の団結はない。労働者の団結の力で資本の攻撃から労働者の権利と生活を守れない組合に未来はない。カクマルの白色軍事力を喪失したJR総連派による組合支配は早晩崩壊する。
 中央派とJR総連派は共倒れの危機を回避するために、政治的「協定」をもって、分裂が暴力的に発展しないこと、相互に批判しないことを取り決めた。中央派は、JR総連派が資本との協力体制を推進し、カクマルとの関係を清算することを容認する。むしろJR総連を戦闘的組合として礼賛する。他方、JR総連派はカクマル中央派のJR総連内での活動を一定黙認する――という協定である。しかし、この種の協定で両派の危機は収まるものではない。すでにJR総連では松崎支配体制の衰弱・破綻・反発が急速に進行している。
 松崎によるJR総連支配の弱化・崩壊によって、国家権力・JR資本・JR総連の反革命的な結託・癒着体制に重大な亀裂が生じ、土台が崩れようとしている。そのため、国家権力はJR東労組役員など7人逮捕、JR東労組本部や松崎の自宅・身体を含む80数カ所の家宅捜索を行った。松崎が組織危機ののりきり策動要求をJR資本に行い、権力がそれを拒否しているのである。しかし、事態はそれにとどまらない様相を呈している。
 黒田理論の実践的帰結が、革命とは対極にある二つの反革命組織を作り出した。今、黒田は排外主義的日本主義に転落し、両組織は共倒れの危機の中で衰退の一途をたどっている。

 カクマル両派を追撃し完全に解体・打倒せよ

 対カクマル戦の歴史的勝利の情勢をさらに強力に推し進めよう。そして同時に対カクマル戦の勝利性を5月テーゼの本格的貫徹の爆発的情勢へと転化しよう。反スターリン主義・革命的共産主義運動の大飛躍が可能となる主体的条件を、われとわが手でかちとったのである。
 カクマル両派への追撃戦を断固貫徹していこう。カクマルは、「反帝・反スタ」を掲げた現代のナチス・ファシストである。彼らはすでに政治党派として存立するための基本的要素を喪失している。しかし、カクマルはK=K(警察=カクマル)連合に依拠し真正ファシストに純化し、白色軍事力でもって闘争を破壊することをいまだ策動している。その反革命襲撃を断固粉砕しなければならない。今こそ大衆運動の武装自衛態勢、党の総戦争化、革命軍の戦略的攻撃態勢の精鋭的確立をもって、カクマル完全打倒を闘いとろう。反革命を軽視して革命の勝利はない。30年代の激動期のナチス反革命との闘いを今こそ教訓化し、革命情勢の成熟と大衆闘争の爆発の中で、3・14復讐戦貫徹=総反攻完遂、カクマル完全打倒の課題をあらためてはっきりさせ闘いとろう。

 第10章 青年労働者の大結集をかちとり強大なレーニン主義的革命党を建設しよう

 党建設の基礎をなす組織細胞原則

 革共同は一昨年の第6回大会で組織体制を基本的に整え、21世紀革命へと躍り出ることに成功した。第6回大会の全報告をとおして、党創成以来の闘いを総括し、現代革命の綱領を確立し戦略的総路線を打ち立てた。01〜02年にかけて全組織でこの第6回大会の分散会を行い大会決定を批准し、党の組織的飛躍を全国的にかちとった。また、大会決定を踏まえて、各地方・各地区委員会を始め各組織の再確立と再強化の組織的闘いが前進した。
 党の基本的構成は全国委員会と細胞である。党は労働者細胞と中央細胞(全国委員会)を軸に建設される。その課題は、公然・非公然を貫く中央指導部の一体性の獲得、思想的・理論的同質性とレベルアップ、そして職場、地域における細胞建設である。その典型的勝利をまず中央指導部建設で闘いとり、党全体のものにしていく。
 共産主義的相互信頼に基づく主体的で積極的な討議を組織化し、相互批判と自己批判にもとづく政治的一致、およびイスト的自己変革と理論学習によって党は形成されるのである。
 こうした党組織の質的な強化とともに、党建設のもう一つの課題は01年年頭アピールで打ち出した「党勢2倍化」の闘いである。これは第6回大会の実践的結論でもあった。党勢拡大を闘いとることで実践的に党組織の質的強化がかちとられる、党勢拡大の闘いを意識的に推し進めることこそが党建設の基本なのである。
 党建設のカギなすのは細胞性である。党の細胞性とは、党の組織原則にのっとった日常的組織活動と生活である。生命有機体としての細胞は、物質代謝として外部から取り入れた栄養素を素材にして細胞の構成成分を合成すると同時に、不要物を排出し、エネルギーを作り出していくのであり、細胞を構成する分子は不断に自己更新することによって自己を維持し、さらに細胞分裂と増殖をとおして組織再生していくのである。つまり、生命有機体としての細胞は、物質代謝、自己更新、細胞分裂の3つの基本機能をもつのである。
 党の基本組織は、この生命有機体の細胞と一定程度アナロジーできるから「細胞」と呼ばれる。党の細胞は、階級闘争の鉄火の中で外に向かって働きかけ闘いぬける党の路線、政策・方針の決定と物質化のために、内外情勢、階級情勢を熱烈に組織討論し、方針を具体化し、それを組織的に確認一致し、実践を通して不断に現実化することである。さらに、階級闘争の発展のために自己変革し、組織の質的強化の闘いを不断に継続し、それを量的強化に転化し闘いとっていかなければならない。
 党の細胞性とは、指導部を先頭に党員、イストとして自己と責任にかけて互いにしっかり向き合い討論し、生きた力ある統一をかちとっていくことである。別の言い方をすれば、政治討論の強力な組織化を基礎に、生きた現実と階級関係の中で死活的に方針を決定し、実行しうる組織力である。それは中央集権的民主主義を組織の中に貫くことで初めて実現される。これが細胞性であり、細胞性の貫徹である。党のあり方としては、これ以外に成立しようがない組織原則である。これを忠実に実行することの中で党は建設されるのである。
 つまり、細胞性とは、組織決定と執行、理論闘争、政治闘争、経済闘争のすべてにおけるレーニン主義的組織性を貫徹するという問題なのである。路線の決定、その討議、執行、貫徹をかちとる中で党は成り立ち、成長していく。これを中央指導部と労働者細胞の中に実現していくこと、それが党建設である。

 会議・財政・機関紙活動と学習会体系による党勢拡大

 党建設の具体的課題は以下の5点である。
 最も重要な第一の課題は、『前進』『共産主義者』などの機関紙誌の発行と配布、学習の闘いである。党組織全体の均一な共産主義的意識性と政治的一致は、機関紙誌の発行・配布・学習と会議の定期的開催、討議、実行、総括を貫くことで生み出される。
 とりわけ、機関紙は党の宣伝・扇動の最大の手段であり、その発行、配布の闘いは非合法・非公然の党組織を作り上げていく決定的闘いである。その点に関して、全国機関紙担当者会議の開催とそれによってもたらされた成果は重要である。改訂版『機関紙活動の手引き』を武器に機関紙拡大闘争をかちとろう。「党の工場」=印刷局を始め、編集局・経営局・出版部は、党建設の基盤をなす。
 党建設の第二の課題は、会議を通して党の組織強化をかちとることである。
 党の路線・方針、機関紙誌を軸にした提起と討論、具体的方針の決定、組織的一致、その実践と総括。これを会議の定期的開催でかちとる以外に党はけっして強化されない。細胞性を踏まえた提起、意見、批判・自己批判が組織を強化していく。会議は、共産主義者の思想、実践、生活のすべてをかけて闘いとるべき課題である。会議に階級闘争、革命運動のすべてを反映し、討議しきることで、党は現実の党になるのである。
 党建設の第三の課題は財政活動の積極的展開である。
 党とその運動の財政は、全党員の拠金(党費とその他の基金)と労働者人民の広範な援助・協力によって成り立っている。
 われわれは、機関紙誌、会議に財政活動を加えて、この三つを「党生活の3原則」として党創成期の60年代前半から決定的に重視してきた。機関紙誌の発刊、会議の開催、党の活動の保証のためには財政活動は不可欠であり、この財政活動があって初めて党は成立する。また、これによって党の非合法・非公然体制の形成が可能となり、破防法攻撃下において党の指導体制を防衛できるのである。党活動の発展は財政活動を基礎にしてしか実現できない。この財政活動を党と先進的な労働者階級の共同の闘いとして断固として推し進めよう。
 党建設の第四の課題は、学習会体系としての党の本格的建設をかちとることである。この領域の闘いは5月テーゼ以降、「マルクス主義基本文献シリーズ」として結実し、決定的前進をかちとっている。また中央党学校が組織され、地方組織でも端緒的に開始されている。しかし、この学習会を労働者階級、学生、高校生の中に無数につくりだすという点ではこれからである。各種の労働者学校とともに、この党の学習会体系を決定的に拡大・深化させていくことが、革命運動と党建設の決定的水路である。
 党建設の第五は党勢倍増、党勢拡大の闘いである。
 党は生命体の細胞と同じように、党組織に新たな要素をつねに取り入れることによって初めて維持され、前進することができる。その最大の闘いが党員の拡大である。階級の先進的活動家、党の支持者を大胆に党に加入させなければならない。党勢2倍化を目的にして党の闘いの全面的刷新と強化を闘いとろう。

 『ドイツ・イデオロギー』解説本出版の党建設的意義

 昨年、革共同は理論的発展の金字塔を打ち建てた。マルクス主義基本文献シリーズ6『ドイツ・イデオロギー』の解説本刊行である。
 それは革共同の理論闘争の成果を示すとともに、組織建設の決定的前進を可能とする基礎をつくりあげた。同書は、マルクス主義の核心的内容を21世紀の現代にラセン的に復権させた。『ドイツ・イデオロギー』は、『経済学・哲学草稿』などの成果を踏まえつつ行われたマルクスによるマルクス主義確立の決定的飛躍点であった。最終的には『資本論』として結実したマルクス主義の(土台的な)出発点であった。その核心は実践的唯物論であり、唯物史観の基本的形成である。実践的とは、世界を唯物論的に把握することであり、それは革命的実践者(プロレタリアート)だけが可能であるという立場に立つものである。そして、「主体性とは実践的に対象変革へ立ち上がることである」として主体性の意味を鮮明にしたのである。共産主義者=革命党=変革者=実践的唯物論者ということである。このことを平易に全面的に解明したのがこの解説本である。
 この解説本の刊行で革共同はマルクス主義の原点とその核心を明確につかみ、新たな出発点を再確立した。これはマルクス主義者を労働者、学生の中から大量に生み出す基礎をつくりだした。革共同はこの『ドイツ・イデオロギー』解説本、『共産党宣言』解説本と第6回大会および、9・11論(02年新年号、『清水丈夫選集』第5巻序文)で反スターリン主義・革命的共産主義運動の基本、党の綱領を示すことに成功したのである。これらは党の理論闘争の画期的な到達地平を示すものである。その主体化を学習会体系の形成を通じた党建設として大々的に推し進めよう。
 また、『ドイツ・イデオロギー』解説本の刊行は第6回大会での黒田批判に続いて、黒田哲学を完全に粉砕したという点でも画期的地平を獲得している。
 黒田は唯物史観をポジティブな形で説くことがついにできなかった。95年に刊行した『社会の弁証法』のあとがきで、黒田は唯物史観(史的唯物論)は客観主義であり、主体的に説くことはできないという結論を下して、最終的にマルクス主義からの決別を宣言している。
 黒田のスターリン主義批判は哲学の域を超えられなかった。黒田は、実践的唯物論をあくまで哲学の枠内でしかとらえられなかった。それはフォイエルバッハ・テーゼ以前のレベルである。実践的唯物論とは、実践者として世界を唯物論的に把握し、対象変革に立ち上がることそのものである。この共産主義者としての一歩が黒田およびカクマルには欠落している。これが観念論に陥り、反革命に転落していく根拠となったのである。

 党建設の最重要課題としてのマル青労同建設

 最後に青年労働者の決起を訴え、それを本アピールの結語にしたい。
 われわれは、マルクス主義青年労働者同盟40年間の闘いと革命的意義を確認し、革共同との組織統一を昨年1年間で闘いとってきた。
 一方、「青年が青年を組織しよう、青年労働者が青年労働者を組織しよう」「マルクス主義青年労働者同盟を、マルクス主義的青年労働者の自主的運動として組織しよう」「青年同盟を青年同盟として戦闘的に再生していこう」という運動がすでに始められようとしている。
 その闘いは、中央機関誌の発行を中心任務とする準備委員会がつくられ、すでに活動を開始した。職場・生産点を軸にして、マルクス主義を学習しようという青年労働者活動家の幅広い集団的結集に向かっての闘いである。機関誌への投稿、討論集会、学習会、サークル活動などを推し進めよう。
 青年労働者の結集は、今日の革共同の党建設上の最重要課題のひとつである。党勢2倍化方針の推進は青年労働者の獲得を第一義としなければならない。党の実体構成における青年層の強化は、革共同が党の命運をかけて今こそ取り組まなければならない課題である。
 革共同はマルクス主義青年労働者同盟の戦闘的再建の闘いを全面的に支持し協力し、ともに闘いとる。党の闘いの最重要項目として党中央を先頭に、各地方・地区委員会、各級の労働者組織委員会は全力で取り組もう。
 最後に、厳寒の獄中に不屈の革命家魂を赤々と燃やして闘いぬいているすべての獄中同志や、長期にわたるデッチあげ指名手配攻撃と闘いぬいている同志、ならびにその家族のみなさんに、熱烈な新年のあいさつを送る。2003年、革共同は21世紀革命の勝利に向かって歴史的な飛躍を開始する。今年こそ超長期獄中同志を奪還し、ともにスクラムを組み闘うことを誓う。
(了)

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