SANRIZUKA 2013/05/13(No871 p02)
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週刊『三里塚』(S871号1面1)(2013/05/13)
市東さんの農地強奪阻止を
緊急3万人署名を訴える
7・14集会―7・29反動判決阻止へ
JR外注化・非正規職化阻止の1〜4月の前進と一体となって、市東さんの農地を守る三里塚決戦が飛躍をかちとっている。4月20日の反対同盟の拡大実行役員会の成功をバネとして、全国で緊急3万人署名運動が開始された。7・14全国総決起集会(千葉市)の成功――7・29農地強奪判決阻止にむけ、3カ月で何としても3万人の署名を集め、多見谷寿郎裁判長の反動判決を阻止する! この気概に燃えて闘いが進んでいる。三里塚現闘、全学連行動隊は4・28沖縄闘争、5・1メーデーに参加するとともに大量の署名をかちとった。現地では騒音下地区への一斉行動に入っている。反対同盟の決意を北原鉱治事務局長、萩原進事務局次長に伺った。
反対同盟こそ先頭に立つ!
●事務局長 北原鉱治さん
――拡大実行役員会で、3万人署名運動と7・14全国集会の方針を決めました。
北原 三里塚闘争が47年を迎え、あらためて「国策」と対決する局面を迎えた。まず3万人署名の達成に全力を尽くす。反対同盟が先頭に立つ。私が署名活動の先頭に立ち、周辺地区の情宣に打って出ようと思っている。
空港会社は、格安航空会社の導入などによって羽田やアジア諸国の大空港との競争に生き残ろうとし、そのために運用時間の延長をしたが、これに対して、住民は「羽田に負けたっていいじゃないか」「格安航空なんか来なくていい」と怒りを爆発させた。異議が続出し、下総地区は説明会そのものを拒否した。周辺住民の反対同盟に対する期待はかつてなく大きい。「24時間空港化阻止」「軍事空港粉砕」の三里塚闘争をさらに強化したい。必ず7・14全国総決起集会の成功をかちとる。
――市東孝雄さんへの追い出し攻撃が強まっています。
北原 3月7日に、第3誘導路の供用を強行した。市東さんの耕作地と住居までも空港内に囲い込んだ。まさに国家権力の横暴だ。これが人間のすることか、怒りを押さえることができない。
市東さん一家は、三代にわたり農民としての誇りを持ちこの地で生きてきた。孝雄さんは、父親の遺志を継ぎ、天神峰に帰り有機農法で農業生産に励んできた。このまじめな農民から祖父の代から耕し続けた農地を奪うなどということがありえるか。
――7月29日の判決は予断を許しません。
北原 市東さん裁判は、7月29日に判決が迫っている。裁判は、早期結審策動を打ち破り、6年にわたって闘ってきた。でたらめな耕作地の特定、元地主からの違法な土地買収、書面の偽造の暴露など空港会社の思惑は破綻している。裁判闘争としては、完全に市東さん側に理がある。
しかし成田空港裁判は国策裁判。裁判所は一方的に会社側に偏り、公平じゃない。だから全国的な運動が必要なのです。市東さんの農地を守ることは全労働者・全農民の共通の課題であることをあらためて訴えたい。農民として生きてきた市東さんの気持ちを思ってほしい。
このような国策の強制によって法律がねじ曲げられ、農民が犠牲にされる、土地を奪われる正当な理由がどこにあるか。ここに再度全国に訴えます。市東さんの農地取り上げは、単なる農民・市東孝雄だけの問題ではないと言うことだ。
生命の糧である農地を守り、懸命に生きている全国の250万農民の生活のかかっている問題です。また、非正規職化・外注化により資本の下に屈従を強いられている労働者が、団結し自らの力を取り戻す問題だ。国の決めたこと、国策だからそれに従えと資本家は権力を行使する。これを許さず労働者農民の利害のために「絶対反対」で闘うのは、日本の将来の希望を開くものだ。
――三里塚闘争の集大成ですね。
北原 なぜ三里塚が「国策」と闘ってきたのか、国の暴政に対する正当な生きる権利の主張、生きる権利の闘いです。人命を無視して国策であるということで多くの犠牲を強いてきた成田空港は永遠に未完の空港です。私は、若い青年層の将来のため、そして全国・全世界の人びとの未来のためにこのような不条理な空港を絶対造ってはいけないという責任を感じて闘いつづけています。また、そのことが地球人類の未来につながると思っています。
7・14結集を訴えます。7・29判決の勝利をともに切り開くため呼びかけるものです。反対同盟は、生ある限り未来のために闘いぬきます。よろしくお願いします。
福島・沖縄・労農連帯の力で
●事務局次長 萩原進さん
――いよいよ待ったなしの決戦が始まりました。
萩原 何度か強調してきたが、1〜3月の奮闘によって成功させた3・24集会はすばらしかったが、それもこれも、この約3カ月の闘いを爆発させるための助走だった。2カ月半後の7月29日には市東孝雄さんの人生の大きなものが決まる。くり返してきた言葉ではあるが、われわれはこの決戦に三里塚47年のすべてをかける。
――事実上の強制収用である、ということがようやく全国の労農学に知られきたと思いますが。
萩原 いや、まだまだ不十分じゃないかな。だからもっと広く、大きく訴えていかなきゃならないと思っている。われわれ自身の認識が不足していた。
考えて見れば1971年の大木よね以来の農地の強奪。「三里塚」というと強制代執行との闘いが代名詞のようなところがあるので、大木よねのほかにもいくつも代執行があったかのような錯覚にとらわれるんだけど、団結小屋や一坪共有地は別にして、農地が収用されたというのは71年9月20日の彼女の田んぼだけ。しかも面積という点でいうと、対象になっている市東さんの農地は5倍にもなる。弁護士の話では戦後最大だろうということだ。
――あらゆる意味で大決戦ですね。
萩原 内容から言っても47年目の決戦と言うのにふさわしい。安倍政権のやっていることを見て見ろといいたい。アベノミクスなんていったって、一か八かの博打でしかない。金融緩和だ、財政出動だ、と言っても、1990年代にさんざんつぎ込んで失敗した政策ばかり。しかし、世界の資本主義という制度全体の危機の中で、日本の行きづまりが来るところまで来ちゃった。で、ほかに手段がない。見通しがあるとかないとか言ってられない。失敗すればギリシャ並みの国家の破産につながりかねない危ない橋を渡っている。
だから原発の輸出と再稼動にカジを切り、TPPへの参加の強行で、すべての犠牲を農民・漁民や労働者、市民、学生に押し付け、資本だけが生き延びようという魂胆だ。その重要な環の中に、福島、沖縄とならんで市東さんの農地問題があると考えている。
――緊急3万人署名、7・14全国総決起集会を訴えていますが。
萩原 すべての課題をひとつに束ねて、極反動の安倍政権と対決していくという構えが重要だと考えている。だから福島であり、沖縄であり、動労千葉をはじめとする労働者の闘いとの連帯だ。 4月12日、私はそのような決意もこめて、経済産業省前の脱原発テントの集会に参加した。さらに首相官邸前行動にも加わった。一回だけの行動で終わらせるつもりはない。脱原発テントをめぐっては、敷地の明け渡し裁判が始まると聞いている。こうした闘いにも具体的に関わって行きたい。沖縄とは数十年の関係があり、市東さんの問題が起きてからは、市東さんの農地を守る会の結成などさらに関係を深くしてきている。
動労千葉とは1977年ジェット闘争以来の車の両輪だ。全国農民会議の前進を含めて労農連帯の絆をいっそう強く、太くし、ともに進む時だ。
――具体的な闘い方という点では。
萩原 何より、3万人署名とその実現を通した7・14集会の成功、そして7・29農地取り上げ判決の粉砕に向け、渾身の力をふりしぼって、われわれ自身がまず闘う。同盟員の一斉行動日をもうけて騒音下地区をはじめとした三里塚現地で訴え、戸別訪問する。もちろん全国にも出て行く。
全国の仲間のみなさんには署名運動の実現を心からお願いしたい。
その上で強調したいのは、現地への結集運動に立ち上がってほしいということだ。この闘いを3万人署名、7・14集会とならぶ3大方針と考えている。現地調査、援農、交流会、直接行動など、1970年代の代執行阻止闘争を髣髴(ほうふつ)させる状況を三里塚現地に作りたい。あえて言えばこの闘いを3万人署名、7・14集会と同等の課題として訴えたい。
(写真 1370人を結集して農地決戦の突破口を開いた3・24全国集会。この闘いにつづこう【成田市天神峰】)
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週刊『三里塚』(S871号1面2)(2013/05/13)
成田開港 35周年キャンペーン許すな
資本の金儲けのため24時間空港化を狙う
日帝・国土交通省と成田空港会社(NAA)は、きたる5月20日が「成田空港開港から35周年にあたる」ことを利用して、大々的な空港推進キャンペーンを画策している。おびただしい“農民殺し”の上に計画・推進され、今なお市東孝雄さんはじめ三里塚農民、騒音下を中心とする周辺住民を圧殺して空港拡張を強行している成田空港に「35周年」を祝う資格など毛ほどもない。
何よりも、成田空港は見せかけの「公共性」を急速に失い、大資本の利益のための金もうけ手段に成り下がっている。成田は元来、「外国からの乗り入れ希望に応えられないから」という理由で、羽田の補助空港として計画された。米軍の空域が首都圏の空を占領しているため、「内陸・成田しかない」という、日米安保との関係もキーポイントだった。
しかし現在は、乗り入れ希望会社の受け入れ枠不足とは逆に、発着枠が埋まらず格安航空会社の誘致に走っているのが実態だ。今年3月31日に発着枠は24万回から27万回に増やされた。しかし、実際に飛んでいるのは20万回前後だ。来年には30万回に増やすという。
しかもNAAは2004年に民営化された。2012年には着陸料を下げるために、JR東の元副社長・夏目誠を社長に迎えた。「成田空港を日本一のショッピングセンターに」なる号令の下、「非航空収入」を5割に拡大し、世界一高い着陸料を下げるのだという。ショッピングセンターのもうけのために、なぜ周辺住民が生活と健康被害を耐えなければならないのか!
(写真 「成田を日本一のショッピングセンターに」とNAA社長に就任した夏目誠)
「3本目の滑走路」
こうした新自由主義的な空港政策を強制しているものこそ、世界的な航空大競争の激浪だ。その中で、日帝・国交省、NAAは“アジア諸国との空港間競争から脱落してはならない”という悲壮感にかられている。2010年に発表され、現在も基本政策となっている国土交通省の報告では、荒唐無稽な「航空需要の右肩上がり予測」なるものを金科玉条に、「首都圏空港のさらなる容量拡大」なるものがうたわれている。そこには、成田空港の24時間化攻撃が含まれていることは確実で、「滑走路の増設(=3本目の滑走路ということ)もありうる」なる文言まで盛り込まれている。実際、国交省やNAA内部では、2014年の発着枠の30万回への拡大実施に合わせて、「24時間化する」との構想が水面下で語られている。
2007年の第1次安倍政権の時に、アジアゲートウェイ構想なるもので、今日のオープンスカイ政策の導入を図ったのが安倍首相本人だ。「攻めの農業」といったインチキな触れ込みで農地法改悪を推進したのも安倍晋三だった。TPPは一種のアジアゲートウェイ構想。その中で、公然と成田の拡大を打ち出してくるのも時間の問題だ。「35周年キャンペーン」を粉砕しよう。
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週刊『三里塚』(S871号1面3)(2013/05/13)
市東さん署名達成へリーフ完成
「市東さんの農地取り上げを許すな 緊急3万人署名」の達成にむけて、反対同盟からリーフレットが発行された(写真)。B4判のコート紙を三つ折にしたカラー刷り。
1月に発行された市東さんパンフレット、2月に発行された3・24集会向けタブロイド判のビラよりもさらに、大衆的で分かりやすい内容になっている。表紙が市東さんの農作業の写真。ひたむきに土と格闘する農民らしさがにじみ出ている。見開きでは、裁判の解説、第3誘導路が市東さん宅を囲む航空写真が載っている。
このリーフでも「市東さんの問題がみんなの問題」であることを強調している。
取り上げの対象になっている市東さんの2カ所の畑の写真も載せられているが、航空写真が分かりやすいため、対象の畑がいかに空港会社に打撃を与えているかが一目瞭然だ。そして、市東さんの言葉、さらに福島―沖縄―労働者の連帯の中に勝利の展望を見出す内容となっている。全力で活用しよう。
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週刊『三里塚』(S871号1面4)(2013/05/13)
萩原さん宅で田植え作業完了
5月2日、萩原進さん宅で田植えが行われた。午前中が雨だったため、午後に時間を変えて作業開始。4条植えの田植え機を中心に作業は順調に進み、午後4時には終了。早稲米のフサオトメを20eの田に植え終えた。
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週刊『三里塚』(S871号1面5)(2013/05/13)
団結街道
今回は円匙とスコップの話▼円匙は「えんぴ」と読む。最初、どういう意味かと思っていた。握りの柄(え)が木製でTの字に作られているスコップのこと▼昨年、市東孝雄さんの畑で竹の根っこを切っていて、えんぴの柄を折ってしまった。そもそも竹の根を切る農具ではない。市東家のえんぴは、匙(さじ)の部分が福禄寿の長い頭のような長円形になっている。本来の用途ではないが少し深い竹の根を切るのに便利なのだ▼柄の付け換えの時、その作りの精巧さに驚いた。柄は、下の方に行くに従ってふっくらと太くなっている。何とギリシャの古代建築の柱に見られるエンタシス式の曲線を描いているのだ。匙部分の中の見えない場所に労を惜しまない工夫が凝らされている。父東市さんの代からのもので優に半世紀を越えて使われてきた▼ある日、孝雄さんに、「竹の根切り用に鉄のスコップを買いましょう」と相談した。孝雄さんが買ってきたスコップは超高価なもの。その堅牢そうな作りにほれぼれする。スコップが「どうだ、壊れっこないだろう」と自慢している▼「スコップ買って来たよ。すごいんだ。『10年間保証付き』なんて聞いたことないよね」と孝雄さんも得心した様子。そうだ、ここで10年も何十年も使うスコップなのだ。いい百姓はいい農機具を使うという。がっしりとしたスコップの太い柄を握ると自然に力が湧く。円匙とスコップから問わず語りの決意を聞く。
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週刊『三里塚』(S871号1面6)(2013/05/13)
闘いの言葉
資本主義と我々は非和解だ。新しい時代が始まった。被曝労働を動労水戸が認めたら福島の現実が容認されてしまう。青年と団結すれば必ず勝てる。
4月20日 動労水戸・辻川慎一さん
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週刊『三里塚』(S871号1面7)(2013/05/13)
【要項】7・14全国総決起集会、《三里塚闘争裁判》
市東さんへの農地強奪判決阻止
7・14全国総決起集会
【日時】7月14日(日) 午後1時
【場所】千葉市内
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟
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《三里塚闘争裁判》
●5月13日(月) 第3誘導路裁判
午前10時30分 千葉地裁
●5月21日(火) 天神峰ヤグラ裁判
午前10時30分 千葉地裁
●6月18日(火) 団結街道裁判
午前10時30分 千葉地裁
●7月29日(月) 市東さん農地裁判
午後1時30分 千葉地裁=判決
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週刊『三里塚』(S871号2面1)(2013/05/13)
全学連三里塚現地行動隊日誌
市東農地決戦の先頭に立つ
法大弾圧粉砕したぞ
(写真 弾圧をけ破って闘われた4・25法大闘争。正門前闘争【下】、法大包囲デモ【上】を貫徹した。全学連三里塚行動隊もともに闘った)
4・25法大集会において不当逮捕された6学生全員を奪還し法大当局・国家権力の弾圧を跳ね返し完全勝利しました! 救援のためにさまざまな支援をしていただいた反対同盟はじめとしたみなさん本当にありがとうございました。
4・25法大集会は、法大当局の正門封鎖や過激派キャンペーンを粉砕し、法大生が外濠公園を埋め圧倒的な注目をかちとりました。それに恐怖した法大当局は法大生を絶対に結合させないために、集会前に「授業準備中なので静かにして下さい」などと叫び休憩時間においても弾圧してきました。さらにデモに入ろうとする直前に公安警察が来て、公安条例違反で「ここで集会をすることは認められません」と書いたプラカードを取り出し、集会を破壊してきました。これに対して学生の怒りでもって弾劾し、恐怖した国家権力が武田雄飛丸君や斎藤郁真全学連委員長など5名の学生に対し十数人で取り囲み暴力的に不当逮捕したのです。
とりわけ法大集会の直前に不当逮捕された東北大学の青野弘明君と昼休みに逮捕された広島大学の百武拓君の2名への弾圧は、10・19法大集会で法大キャンパスに入ったという建造物侵入で半年前から準備されたものでした。10・19法大集会では、武田雄飛丸君を先頭とした法大生の決起に応えた全国学生との団結によって法大学内での千人集会を実現しました。「3・11世代」と言われる新たな学生が立ち上がった事実に対して暴処法型の組織壊滅攻撃をかけてきたのです。警察は当日、そして翌日も全国の学生の家など、十数カ所もの家宅捜索を行い、10・19で闘った学生を中心に弾圧してきました。
*
しかし、二人の完全黙秘・非転向の闘いを先頭に、すべての学生が敢然と跳ね返したのです。デモが終わったあとの集会では法大の新入生が参加し、「こんな不当弾圧を絶対に許しちゃいけないし、闘わないといけない」とともに闘う決意を語ってくれました。
さらに広島大学では文化サークル連合で百武君の即時奪還の決議があがりました。東北大学でも自治会の仲間を中心に反撃がたたきつけられました。
武田雄飛丸君や斉藤委員長はじめ4学生は翌日に奪還され4・25での弾圧が圧倒的に不当であることが露呈し、青野君や百武君も奪還されました。不当弾圧を完全粉砕したということに続けて、この弾圧に反撃し組織拡大につなげていく運動に発展させましょう。このデッチあげ弾圧に対し、法大当局は謝れ! 絶対に許さない! と怒りが充満しきっています。法大闘争をさらに爆発させよう! 沖縄現地の学生と怒りをともにして沖縄闘争を勝利させましょう! 全国の力で広島大学での学生自治会復権を成功させましょう!
労働者・学生にたいする資本の攻撃は一体であり非和解的です。2013年は労働者階級全体と団結し革命を実現させる年だと思います。資本家を打倒しぬき、権力を労働者の手に取り戻しましょう! 市東さんの農地強奪を阻止し勝利判決をかちとる7・14全国総決起集会(千葉市)では、広島大学を先頭に全国の闘う学生自治会の旗をはためかせ大隊列を登場させる決意です。
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週刊『三里塚』(S871号2面2)(2013/05/13)
原発輸出・再稼働許すな
経産省前テントを守りぬこう
トルコを訪問した安倍首相は5月3日、エルドアン首相と会談した。そこでトルコは、黒海沿岸シノプでの原子力発電所建設計画をめぐり、日本に優先交渉権を与えることで合意した。さらに日本とトルコは日本の原発輸出の前提となる原子力協定に調印した。これで三菱重工業とフランス・アレバ社連合の受注が確実になったという。
安倍首相は「過酷な事故の経験と教訓を世界と共有し、原子力安全の向上に貢献していくのは日本の責務だ」と、原発輸出の再開を居直った。
毎日新聞のコラム「風知草」(5月6日付)は書いている。「原発輸出はおかしい。福島原発はなお不安定で、日本の原発システムは未完のままだ。にもかかわらず外国に売る」「『先様がよくてこっちも助かるならいいじゃないか』という考えには同意できない」「富国無徳だ」と。
「風知草」の言うとおりだ。福島原発事故は「収束」などしていない。事故原因とその後の経緯すら何も解明されていない。否、明日第二の「3・11」が起こらない保証などどこにもない。地震国トルコ(2011年にM7・1の大地震発生)にそんなものを輸出して、日帝・資本の金もうけの手段にするとは何たる守銭奴(しゅせんど)か。
(写真 トルコとの原発協定を結んだ安倍首相【5月3日 トルコ・アンカラ】)
全国の怒り糾合し
これに先立って茂木敏充経済産業大臣は4月23日、BSジャパンの番組で、「3・11」後に止まった原発について、「再稼働が早ければ13年秋になる」との見通しを示した。「原子力規制委の新基準が7月18日に出ることを考えると、事業者が申請して安全確認が終わるのが秋ごろになるからだ」と語った。
全人民の怒りを踏みにじって、原発再稼働へ強引にカジを切る、との宣言だ。安倍政権による原発推進政策の強行に全人民の怒りの反撃をたたきつけよう。今なお圧倒的多数の人びとが原発絶対反対の声を上げている。
何よりも3・11福島現地集会の成功の上に、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議 )を全国各地に結成することだ。全国の怒りを糾合しよう。さらに、経産省前テントの撤去策動に対して、断固反撃しよう。経産省前テントは脱原発・反原発の砦だ。日帝・中枢である霞が関に打ち込まれた全人民の怒りの切っ先だ。5月23日に敷地明け渡し請求訴訟の第1回口頭弁論が開かれる。4月12日に経産省前抗議集会に参加した反対同盟の萩原進事務局次長は、「反対同盟としてもテントを守るために、裁判闘争への関わりを含めて主体的に参加していく」と語っている。日帝・経産省によるテント撤去策動を逆手にとって反撃のテコとしよう。
そして、反原発市民団体から呼びかけられている6月2日の「反原発 国会大包囲闘争」を成功させよう。反原発の闘いは”潜在的核武装能力の保持”にしがみつく日帝の安保政策そのものとの対決である。さらに、新自由主義政策の危機のもとで、インフラ輸出に延命を託す日帝の基本戦略との激突だ。まさに帝国主義の中枢部分と闘っている。それゆえ反原発闘争陣形への攻撃が激化しているのだ。反原発闘争を帝国主義と対決する戦略的な闘いへと押し上げよう。
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週刊『三里塚』(S871号2面3)(2013/05/13)
「闘うメーデー」を復権
5・1新宿 動労千葉を先頭に
(写真 賃下げ攻撃に対決して、「闘うメーデー」を復権させた5・1闘争【東京新宿のJR貨物本社前】)
5月1日、動労千葉・動労総連合の呼びかけでJR貨物本社抗議行動と新宿メーデーが闘いぬかれた。正午、動労千葉や動労水戸の組合員を先頭に410人が、JR貨物本社前に結集して、大幅賃下げをたくらむJR貨物を「賃下げ絶対反対!」と弾劾した。
午後2時からは、メーデーデモに向けての集会が新宿中央公園で開かれた。動労千葉の田中康宏委員長が、JR貨物本社抗議行動の成功を確認するとともに、「メーデーを労働者の闘いの日として復権させる唯一の闘いが新宿メーデーだ」と宣言した。集会後デモ。都庁、JR東日本本社、JR貨物本社に怒りの声をたたきつけながら進み、新宿の街を席巻した。
デモ到着点の新宿文化センターで集約集会が開かれた。動労千葉の長田敏之書記長が「今日の闘いをきっかけに、メーデーを『闘うメーデー』として復権しよう」とこの日の闘いの勝利を確認した。さらに動労水戸の照沼靖功さん、郵政非正規ユニオンの齋藤祐介委員長、4・26ストに立ち上がった自治体労働者らが発言。最後に、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長が勝利を宣言した。三里塚現闘と全学連行動隊もともに闘い、市東さんの緊急3万人署名140筆を集めた。
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週刊『三里塚』(S871号2面4)(2013/05/13)
TPPの正体露呈
反対運動の全社会的拡大を
TPP参加強行にむけた攻撃が強まる中、農業・農民の切り捨てはじめ、労働者・市民に不可欠な分野での生活破壊の実態がいっそう明らかになってきた。
オバマ政権は4月24日、TPP交渉に日本を参加させる方針を米議会に通告した。アメリカでは通商交渉の権限が議会にあるからだ。
米通商代表部のマランティス臨時代表はその書簡の中で、「日本政府はTPPを十分理解し、高い水準の自由化を目指し、交渉を遅らせないことを約束した」「日本は農産物、工業製品ともに、すべての品目を交渉対象とすることを確認している」と述べた。他方、3月の日米共同声明で触れた「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、センシティビティー(微妙な分野)が存在する」といった内容は一言も盛られていない。
4月12日の日米事前協議合意で、自動車に関するアメリカ側の要求をほぼ丸のみした内容が明らかになったが、今回のマランティス書簡で「聖域は必ず守る」(安倍首相)としたその聖域の重要5品目(コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、甘味資源作物)すら風前の灯火である実態が暴き出された。
4月22日から25日まで訪米してTPP交渉の実情を調査してきた「TPPを考える国民会議」の訪米団は、26日の記者会見で、「USTRのカトラー代表補は、重要品目の除外の可能性を、米政府はまったく考えていない」と語ったことを紹介し、「重要5品目が関税撤廃の対象から外れることは考えられない」と述べた。
農業・雇用をはじめ日本の社会の全分野に新自由主義攻撃を拡大し、破壊するTPP協定の正体がいよいよ明らかになってきた。TPPへの人びとの反応も変わってきている。
さらに、TPPは安全保障問題そのものだ。そして上記の激しいつばぜりあいで分かるように、帝国主義間の激しい争闘戦としてTPP交渉が展開されている。今こそ反TPPの声をさらに一層上げ、反対運動を全社会的に拡大する時だ。
住民40団体で作る「STOP TPP市民アクション」は5月25日、国会を包囲する反TPPの大規模な集会を呼びかけている。全国農民会議・反対同盟を先頭に、取り組もう。
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週刊『三里塚』(S871号2面5)(2013/05/13)
飛行制限 緩和拡大許さない
成田久住地区でNAAを追及
4月25日、成田空港暫定滑走路の騒音直下・久住地区で、深夜便の飛行制限緩和に関する説明会が開かれた。国交省、成田空港会社と成田市が出席。これは、2月に開かれた説明会が地区の役員だけを対象にしたアリバイ的なものだったため、地域住民から批判が噴出して、住民全体に対して行ったもの。
3月31日からすでに、夜12時までの飛行制限緩和は実施されているが、住民の怒りは収まっていない。特に、24時間空港化への懸念が強い。実際、NAAは24時間化をもくろんでいる。だから全住民を対象にした説明会を要求した。
説明会では「内陸空港である成田において、深夜・早朝の飛行制限は当然だ。それを緩和するというのは大変なことだ」「飛行制限の緩和がなし崩しに拡大するのではないか」などの批判が相次いだ。これに対して成田空港会社の幹部は「その可能性は今のところはない」という住民を見くびった回答を行い怒りをかった。
ちなみに、ビジネス専門のネット新聞=「財経新聞」には4月上旬、次のような論説が載った。「成田空港が国際空港として『選ばれる』ハブ空港化を目指すのであれば、将来的には24時間営業の眠らない空港となることが必須だ」(藤原伊織)と。これが国土交通省、日本の経済界の共通認識だ。一説には2014年春の30万回化に合わせて24時間化するとの計画も取りざたされている。
久住地区住民の懸念は現実のものだ。今こそ周辺住民一体となって騒音拡大攻撃と対決しよう。住民無視の空港容量拡大攻撃を粉砕しよう。
(写真 騒音直下の成田市久住地区で行われた住民説明会。怒りが噴出した【4月25日】)
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週刊『三里塚』(S871号2面6)(2013/05/13)
5・21ヤグラ裁判へ
明け渡し要求を粉砕しよう
5月21日開かれる天神峰ヤグラ裁判に集まろう。この裁判は次のような内容だ。市東さんの行訴・農地法裁判で成田空港会社が市東さんに明け渡しを求めていた物件の中に、天神峰ヤグラなど反対同盟所有の4つの工作物が含まれていた。
この同盟の工作物の明け渡しについて市東さんに要求するのは筋違いだ。これらについて新たな裁判が開始された。その第1回弁論だ。4つの工作物は、旧団結街道沿いに反対同盟が建設した監視ヤグラ、大看板、空港に隣接したヤグラ、旧小見川県道沿いに立てた看板だ。これらについて裁判所も、市東さんの所有物とは別のものであることを認めざるをえなくなり、すでに3月27日の最終弁論で結審した行訴・農地法裁判とは切り離して裁判を開始することになった。5月21日の第1回公判では、あらためて4つの工作物が原告・反対同盟の所有物であることを認めさせ、被告・NAAが明け渡しを求めていることの違法・不当性を追及していく。
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週刊『三里塚』(S871号2面7)(2013/05/13)
三里塚営農だより
鈴木加代子さん宅
市東さん署名で奔走
連休中も激しく気温が変動した。5月に入ったのに朝方の冷え込みが厳しく、寒い。この寒さで沖縄赤毛瓜(アカモーウィ=瓜の仲間)は壊滅状態。枯れてしまった。
「霜が降りたからなあ。これだけ寒いと沖縄のものは弱いよな」と、さすがにあきらめ顔の加代子さん。とはいえ、日に日に緑が濃くなり、鳥も虫も草も生命力があふれ、戸外が気持ちの良い季節となった。
この連休を利用して4月28日、29日と消費者の皆さんが訪れてくれた。天候にも恵まれる中でたけのこを掘ったり畑を見たり(写真)。山菜採りとなれば、ばあちゃん(鈴木いとさん)の出番。見分け方を教えたり、お土産をこしらえたり元気はつらつ。和やかなひとときを過ごした。
さて、畑仕事は忙しい日々が続くが、加代子さんは農作業に行くにも市東さんの農地取り上げに反対する署名用紙を持ち歩く。実行役員会でも「リーフレットが出来上がったらすぐに私のところにもってきて」と誰よりも意欲を見せた加代子さん。さっそく隣近所から声をかけ始めるが、周りは移転に応じた農家ばかり。
「いやあ難しいな、○○さんはしてくれたけど。リーフを渡して読む約束だけはしてもらって、またしばらくしたら挑戦するつもりだよ」
他方、リーフと署名用紙、それに自分からのお願いの手紙を添えて消費者に届けている。「市東さんの問題は、私たちの問題」と常日頃から訴えているだけに反応は早い。1週間もせずに署名が届き始めた。今、配達される郵便物がちょっと楽しみになっている。
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週刊『三里塚』(S871号2面8)(2013/05/13)
北総の空の下で
野菜たちと共に
判決まで2カ月半
春の畑には、かまぼこ型のビニールトンネルがあちらこちらに出現します。一定の大きさに育つまで、苗や新芽を風と低温から守ってやるためものです。 ハウス栽培との大きな違いは、畑のどこにでも必要な期間だけ作れる事。頃合をみて取り外し、後半は直射日光に当てて育てます。 大根、人参、トウモロコシは、出荷時期をずらすためにトンネルと露地栽培の両方で作ります。今年の低温でナス、ピーマン、キュウリは育ちが遅く、もうしばらくトンネルの保護が必要です。
トンネルを作ったりはずしたりの手間もさることながら、管理にも気を抜けません。強風や低温で閉めたまま日差しが覗くと、あっという間に高温になり過ぎたり、強風でビニールが剥がされることがあるからです。風にあおられたビニールはまるで竜がのたうつようで、自然の驚異を見せつけられる思いです。日に日に日暮れが延びる春の農作業は、田んぼ仕事とも重なって、あわただしく過ぎていきます。
市東さん農地裁判の判決日まであと2カ月半、緊急3万人署名用紙が皆さんの手元に届いた頃かと思います。命の糧を生み出す農地とそこに注ぐ労働のすべてを、金銭に置き換えて奪おうとする連中に、NOを突きつけるための署名です。
農民が農民として生きるために、労働者が労働者として生きるために、安倍政権と司法権力にNOの声を上げましょう。99%の連帯こそ巨大な力です。
北里一枝
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週刊『三里塚』(S871号2面9)(2013/05/13)
三芝百景 三里塚現地日誌 2013
4月23日(火)〜5月7日(火)
●B787型機をめぐるアメリカの公聴会でボーイング社幹部は「故障が再発しない保証はないが大事故にはならない」と発言、運航再開の危険性を自認した。(23日)
●全学連三里塚現地行動隊は、4・25法大解放闘争に参加し、6人不当逮捕という大弾圧と対決しつつ法大包囲デモを闘った。(25日)
●マレーシアの格安航空エアアジアのCEOが日本への国際線を拡大する方針を表明し、その場合の拠点空港は(成田でなく)中部国際空港にする、と語った。(25日 日経新聞)
●空港騒音直下の成田市久住地区で説明会が開かれ、「飛行制限の緩和がなし崩しに拡大するのではないか」などの批判があいついだ。(25日=2面に記事)
●市東さんの農地取り上げに反対する緊急3万人署名達成にむけて反対同盟からリーフレットが発行され、全国に発送された。(26日=1面に記事)
●米連邦航空局と国土交通省は事故原因を解明しないままB787型機の運行再開を承認した。(26日)
●三里塚現闘と全学連行動隊は、「主権回復の日式典弾劾」集会に参加するとともに、参加者に対して、「市東さんの農地取り上げ判決許すな」緊急3万人署名を集めた。(28日=写真)
●全国40の市民グループで作る「STOP TPP!市民アクション」が5月25日に、港区芝公園で「TPP参加をとめる! 5・25大集会」を開くことが報道された。(28日)
●東京税関が発表した3月の貿易概況(速報)によると成田空港の輸出は前年比6%減の7297億円だった。(30日)
●三里塚現闘と全学連行動隊は、新宿で行われた5・1メーデーに参加しともに闘った。ここでも緊急3万人署名を集めた。 (5月1日=2面に記事)
●萩原進さん宅で恒例の田植え作業が行われた。(2日=1面に記事)
●市東孝雄さん宅で田植えが行われた。(5日)
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