SANRIZUKA 2008/10/15(No761 p02)

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第761号の目次

(写真 集会の最後に「市東さんの畑守れ」「北延伸〜3800b軍用滑走路許さぬ」とシュプレヒコール【10月5日 成田市東峰】)

1面の画像
(1面)
労農同盟で新たな農地強奪粉砕!
10・5三里塚総決起集会 反対同盟が高らかに戦闘宣言
次は11・2日比谷1万人だ
1420が北延伸阻止を決意
記事を読む
基調報告 萩原事務局次長 記事を読む
農地守る決意 市東孝雄さん 記事を読む
動労千葉先頭に特別報告、決意 記事を読む
10・5集会宣言 市東さんの農地死守誓う
三里塚芝山連合空港反対同盟
記事を読む
仲戸川裁判長が法廷から逃亡
検証却下に怒り爆発
9・25現闘本部裁判 裁判官忌避叩きつける
記事を読む
 コラム 団結街道 記事を読む
闘いの言葉 記事を読む
日程 闘争スケジュール 記事を読む
(2面)
9・30市東行政訴訟 「原告適格なし」は暴論
弁護人が怒りの反撃
全論点で県の主張論破へ
記事を読む
9・22関西三里塚集会 “10・5へ全力あげ”
三里塚と労農学は一体
記事を読む
国際連帯は今、世界を揺るがす
金融恐慌で労働者の怒り爆発
“救済するな、刑務所に送れ!”
NYウォール街をデモが直撃
仏では民営化反対のスト
ILWUが海運労働者と団結
記事を読む
北総の空の下で北総の空の下で
車の両輪 真価
変革の力がここに
記事を読む
三里塚営農だより
鈴木幸司さん宅
記事を読む
10・5農民アピール 記事を読む
三芝百景 三里塚現地日誌 2008
9月17日(水)〜10月7日(火)
記事を読む

週刊『三里塚』(S761号1面1)(2008/10/15)

 労農同盟で新たな農地強奪粉砕!

 10・5三里塚総決起集会 反対同盟が高らかに戦闘宣言

 次は11・2日比谷1万人だ

 1420が北延伸阻止を決意

(写真 集会の最後に「市東さんの畑守れ」「北延伸〜3800b軍用滑走路許さぬ」とシュプレヒコール【10月5日 成田市東峰】)

三里塚10・5全国総決起集会は、3800b軍用滑走路建設の狙いをむきだしにしてきた「北延伸」攻撃と対決し、市東孝雄さんへの新たな農地強奪提訴を、動労千葉を先頭とした労働者と農民との革命的連帯で打ち砕く”新たな戦闘宣言”を発した。市東さんは「私の畑に手をかけるなら実力で阻止する」と発言した。この爆発をバネに11・2日比谷1万人結集へ進撃しよう。
成田市東峰の萩原進事務局次長の畑には、北は北海道、南は沖縄から、1420人の労働者、農民、市民、学生が大結集した。
開会宣言を、関西から千葉県佐倉市に移り住み反対同盟に加わった森田恒一さんが初めて行った。北原鉱治事務局長が主催者あいさつ、萩原事務局次長が基調報告を行った。「中山発言は失言ではなく彼らの本音。生きられない労働者と農民の連帯で、麻生政権を倒そう」「この秋から来春、市東さんへの新たな農地強奪提訴、成田空港の軍事化、軒先工事、憲法改悪と三里塚破壊攻撃が強まる。3・29にいっそうの結集を」と訴えた。
特別報告で、動労千葉の田中康宏委員長は反対同盟との共闘の歴史をふりかえり、4者・4団体路線を怒りをあらわに弾劾し11・2集会への大結集を呼びかけた。同じく特別報告では関西実行委員会の永井満さんと山本善偉さんがあいさつ。
農民からのアピールでは、北総のコメ農家からの決意表明、鈴木謙太郎さんによる反対同盟の農民アピールと秋田県大潟村農民・坂本進一郎さんのメッセージ読み上げがなされた。沖縄現地からの報告では知花盛康さんが登壇。
「市東さんの農地を守ろう」として、市東孝雄さん自身の決意に続いて、「市東さんの農地取り上げに反対する会」、新たに結成された「群馬・市東さんの農地を守る会」の人たちが大挙登壇して発言した。
三里塚裁判闘争報告では葉山岳夫弁護士をはじめ5人の弁護士がこもごも決意表明。9月25日の不当逮捕から奪還された太郎良陽一さんが決意表明した。この後、解放同盟全国連、婦民全国協、反戦被爆者の会のメッセージ紹介、「障害者」、福日労などがつづき、共闘団体として発言に立った織田陽介全学連委員長が、しめくくりの戦闘的な発言。集会後、東峰部落を通り、天神峰の市東さんの耕作地までのデモを行った。

   

(写真左から 集会宣言・野平聰一さん、 行動提起・伊藤信晴さん、 司会・鈴木加代子さん、 カンパ・宮本麻子さん)

●開会宣言・森田恒一さん

 今、空港会社は欠陥空港を完成させようと必死になり、非人道的な手段で攻撃をかけてきている。憲法を無視した成田治安法を制定し、反対農家の頭上40bにジェット機を飛ばし、農地法を使って市東さんの農地を奪う。常軌を逸したやり方だ。反対同盟は、政府の軍事空港化攻撃に対して真っ向から対決して闘っている。今日の集会を新たな闘いのステップとしよう。

●主催者あいさつ・北原鉱治事務局長

 43年間闘ってきて、人民大衆は勝つか負けるか、そんな時代に入ってきた。今、無責任な政治が何回となく繰り返されている。若者のがまんが限界に来ている。中山国交相が「成田闘争はごね得」だと発言した。私たちが物をくれとか、金をくれとか、施設を造れとか、そんな要求をしたことはない。だから三里塚の闘いがここにある。
三里塚は日本の未来を示す。しかし他力本願ではだめだ。今の無責任政府において偏った政治が進んでいることを糾さなければならない。今の労働者が安心して職場で働けますか。そういう時代ではない。したがって前途が見えないというような状況がある。あの秋葉原事件は社会が悪い。
63年前のあの悲惨な戦争の道へと歩みつつあることを見すえ、戦争を許さない闘いを三里塚はやる。農地法をもって市東孝雄の土地を奪う。この一連の動きに怒りを感じない者はいない。暴力で土地取り上げに来た時は代執行阻止のような闘いをやりぬこう。この闘いは全農民の闘いでもある。今日を第一歩として世の中変えよう。


●農民アピール読み上げ・鈴木謙太郎さん

 (アピール全文は2面)
今年の春に漁民がストに立ち上がった。農家は、資材や肥料が値上がりしているのに行動していない。反対同盟はこの先頭に立って労農連帯で闘うことを宣言します。

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週刊『三里塚』(S761号1面2)(2008/10/15)

 基調報告 萩原事務局次長

  まず、中山前国交大臣の「ごね得」発言を弾劾する。失言でもなんでもない。麻生政権の方針です。農政に関して言えば松岡以来、4人も就任したが全員が任期途中で辞めている。これが現実だ。
 自民党か民主党か、そんな所に問題があるのではない。両者は同じ穴のムジナ。こうした枠組みを打ち破るような人民の闘いが必要だ。支配者の危機は大変な所に来ている。とすれば、右からの強権政治・戦争以外に出口はない。これと対決する闘いを三里塚先頭に準備しよう。
 今、現地では裁判所が収用委員会の代わりをしている。裁判長をこちらから裁く闘いをやりぬきたい。
 50年近くたって完成しない空港。主導権はわれわれにある。動労千葉との労農連帯、あらゆる階層との連帯の中で三里塚は闘って来られた。国境を越えて闘う。敵も闘争破壊に必死だ。来春3・29全国集会にさらに多くの結集をお願いする。

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週刊『三里塚』(S761号1面3)(2008/10/15)

 農地守る決意 市東孝雄さん

  新たな裁判、10月12日をもって明け渡せという裁判が起こされようとしています。法廷だけが闘いだと思っていない。三里塚43年の歴史は、力による農地強奪の歴史。法を破り裁判中であろうと力ずくで工事を続行する、これが国と空港会社のやり方。だから私は一歩も引かない。私の畑に空港会社が手をかてくるなら、実力で阻止する。私が闘えるのも、反対する会の人たちや全国の三里塚支援の皆さんのおかげ。勇気づけられている。群馬でも「守る会」が結成された。自分の生きる権利をかちとるためにも断固闘いぬきます。

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週刊『三里塚』(S761号1面4)(2008/10/15)

 動労千葉先頭に特別報告、決意

●特別報告 動労千葉・田中康宏委員長

 動労千葉は、来年3月で組合結成30周年を迎える。本部からの分離・独立は、三里塚と絶縁しろと言う本部に対して、冗談じゃない、と闘ったところから始まった。85年の10・20三里塚闘争には組合員の5割を動員し、600人の隊列で参加した。そして三里塚に学び励まされつつ、首をかけて分割・民営化反対のストに立ち上がった。
私たちは、困難が突きつけられたときに路線と原則に基づいてきっぱりと決断し、全組合員の一致と団結をかちとって闘ってきた。職場で退くことなく闘い、労働組合はいかにあるべきかを貫いてきた。今や、帝国主義の最後の延命策である新自由主義が音を立てて崩れている。これは帝国主義の終わりの始まりだ。
敵がここまで危機に陥っているのに、1047名の解雇撤回闘争で敵に屈服する4者・4団体の動きが出ている。絶対に認められない。「闘争団がもたない」などと口実を振り回しているが、指導部の日和見主義を合理化しているだけだ。これは根本的な分岐だ。日本の労働者はやわじゃない。団結すれば勝利できる。ここで道を誤ってはならない。11・2集会を、新自由主義・民営化反対の総決起集会にしたい。

 ●特別報告・関西新空港反対住民の闘い

 関西実行委員会代表・永井満さん 私たちは反対同盟に学び、動労千葉に学んで淡路での新空港計画を追い出すことができた。泉州沖に関空は造られてしまったが、軍事空港化を許さない闘いを展開している。三里塚では市東さんに対して、法を曲げて農地を取り上げる攻撃がきている。絶対に許せない。1971年の代執行阻止闘争をもう一度やる、との覚悟を固めたい。労働者・農民・市民が連帯した闘いをいっそう展開しよう。
▽関西実行委員会世話人 山本善偉さん かつての戦争を経験した者として2度とあの悲惨を許さない、との決意を新たにする。世の中はどんどん右傾化している。三里塚を中心とした闘いがこれと対決する希望の闘争だ。萩原さんの勝利感に満ちた戦闘宣言に勇気付けられた。労働者と農民の連帯、人民の連帯で勝利しよう。
●農民アピール

 北総の米農家 汚染米問題は、一業者の責任ではなく、農水省の責任であり、現在の自民党政権による農業破壊と表裏一体の攻撃だ。農産物輸入自由化の流れの中で、政府はミニマム・アクセス(MA)米の輸入を受け入れた。現在毎年77万トン入ってきているが、このMA米輸入として汚染米問題が起きている。今、肥料、資材、飼料代のすべてが高騰し、農家は存亡の危機にある。まさに農業恐慌といっていい。
この農業の危機は労働者の危機、消費者の危機と根っこは同じだ。こういう中での市東さんへの農地取り上げを許さない。全国で農民の決起が起こっている。これと三里塚を合流させることが大事だ。今の社会を変えるしか農民の生きる道はない。

●沖縄からの現地報告・知花盛康さん

 10年ぶりに参加しました。今日は、沖縄の農民として発言する。農業委員会が市東さんの土地を取り上げるのに我慢ならない。かつて百万人署名運動で読谷村の農民相手に署名をやりました。そのときにも農民が土地を失っては生きるすべがない、と訴えました。
沖縄では、昨年12万の県民大会が闘い取られた。教科書歴史改ざん、沖縄戦の体験者は集団自決が強要されたのを見ている。この人たちが「今の世の中は危ない」と危機意識を持った。労働者を先頭に、4代の人々が結集した。基地再編に対して、私たちは沖縄からの基地撤去を要求します。民衆が立ち上がれば必ず勝利をかちとれる。

●市東さんの農地を守ろう

▽市東さんの農地取り上げに反対する会・共同代表井村弘子さん 一人ひとりが国を変えていく。もっともっと増やして大きな力にしていきましょう。空港問題にしても農民が農地を手放し、国が企業として農業を進めようとしている実態がある。国に物申す団体になるため、さらに一人が一人を呼んで多くの人を集めましょう。
▽群馬・市東さんの農地を守る会・共同呼びかけ人高橋ミチさん 9月28日に発足した「守る会」の呼びかけ人の一人になりました。倉渕ダムを止めました。私は一人の市民として環境問題に関ってきました。わたしは68歳、戦中・戦後を見てきた。戦争に組み込まれた親を軽蔑した。その親に対比して私は何が出来るのか、と考えてきた。
市東さんの農地に立って、「この土はやわらかい」と思う。戦後「農地は末代」が捨て去られ、「金は末代」という社会になり歯がゆく思ってきた。これからは日本の農地を守るために、市東さんの土を持っていって、仲間を増やしたい。

●三里塚裁判闘争報告・ 葉山岳夫弁護士

安倍に続き福田も人民に打倒された。麻生反動失言内閣も打倒されるに違いない。71年代執行以来の決定的状況が迫っている。空港会社は、収用裁決を取り下げ、収用できなくなった。裁判所が事実上の収用委となり、権力的に農地を取り上げようとしている。仲戸川裁判長は、9月25日の現闘本部裁判において忌避申し立ての理由も聞かず、証拠調べ決定を強行、検証を却下した。弁護団は、10月2日に即時抗告した。
空港会社は新たな明け渡し訴訟をしようとしている。許してはならない。千葉地裁闘争は現地闘争の一環。かつての収用委に対する抗議闘争であり、実力闘争の一環。傍聴闘争への取り組みを訴えます。(他に4人の弁護士が発言)

●婦人民主クラブ全国協議会・西村綾子代表

 三里塚は、労農連帯の実践道場であり、世界に誇る反戦闘争の砦。アジアゲートウェイ構想はがたがた。市東さんの土地取り上げ、東峰部落分断は合法性のかけらもない、むき出しの暴力です。あいまいさなく打倒しなければならない。10・5と11・2を未来を賭けた課題とした。労農同盟・国際連帯で闘おう。

●織田陽介全学連委員長

今日、麻生打倒の宣言を高らかに発しよう。むき出しの階級戦争を示すものは中山の「ごね得」発言だ。これは失言ではない。市東さんの畑を強奪する許しがたい宣言だ。市東さんが実力闘争を宣言したことに心底、連帯して闘う。また中山発言は、4大産別に対する階級戦争だ。「日教組をつぶす」。道州制で自治労を解体する。金融恐慌に見舞われている。麻生は実は脆弱政権。絶対にぶっ倒そう。11・2、1万人結集へ。三里塚勝利・市東さんの農地を守り抜こう。

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週刊『三里塚』(S761号1面5)(2008/10/15)

 10・5集会宣言 市東さんの農地死守誓う

 三里塚芝山連合空港反対同盟

 反対同盟は、中山前国交相の「ゴネ得」発言を、心底からの怒りを込めて弾劾する。われわれ三里塚の農民は、政府権力の暴政が続く限り闘い続けることを、本集会の名において宣言する。
 三里塚闘争は国家暴力の限りを尽くした農地強奪に対して42年間、身体を張って闘ってきた。空港は欠陥だらけのぶざまな姿をさらし、完成の見通しは今もたたない。敵視と差別に満ちみちた中山発言は、その打撃と無力、あせりの表明である。
 アメリカの金融恐慌が世界を奈落の底に引き込んでいる。穀物価格が高騰し世界で9億人が飢えている。働いても食うことができない労働者、農地を追われる農民。戦争はとめどなく拡大し、米軍再編のもとで沖縄・横須賀などの基地が強化され、成田の軍事化とミサイル迎撃体制が作られている。改憲攻撃がさらに強まる。
 攻撃の根はひとつ。いまこそ、労働者・農民、反戦・反核・反差別の広範な人民の団結を強め立ちあがろう。反対同盟はさらに強い決意を込めて、「空港絶対反対」「農地死守」を宣言する。全国の闘う人民がともに立ちあがることを呼びかける。
 10月12日をもって始まる市東さんへの新たな農地取り上げ攻撃を絶対に粉砕しよう。北延伸による闘争破壊、「24時間空港化」と「年間飛行回数30万回」の策動をうち砕こう。農地法による農地取り上げ攻撃は、空港のための収用攻撃であり、農業切り捨て・農地破壊の象徴だ。改憲攻撃の先取りである。広範な人々の支援陣形をさらに発展させよう。
 三里塚は闘う人民の共闘と結集の砦である。動労千葉とともに造りあげてきた労農連帯と国際連帯、沖縄の基地撤去闘争、関西住民との連帯をさらに押し広げ、勝利に向かって前進しよう。

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週刊『三里塚』(S761号1面6)(2008/10/15)

 仲戸川裁判長が法廷から逃亡

 検証却下に怒り爆発

 9・25現闘本部裁判 裁判官忌避叩きつける

  9・25天神峰現闘本部裁判は、葉山弁護士による仲戸川隆人裁判長の責任追及からはじまった。
「先ほど裁判所前で千葉県警が反対同盟員を不当に公務執行妨害で逮捕した。ほかにも眼鏡を壊され、萩原事務局次長は怪我をさせられている。これは予防的に機動隊を配置した裁判所に一切の責任がある。裁判長はどう考えているのか」と糾弾。仲戸川は、「裁判所は答える立場にない」と答える。これに傍聴人の怒りが爆発する。次々と代理人は「裁判長が警備を呼んだ。これが問題」「反対同盟員を逮捕。被告を逮捕させておいて公正裁判が出来るのか」と、裁判所と警察とが一体となって弾圧を仕組んだことを暴露した。
 ところが仲戸川は、これに答えず一方的に裁判を進行させようとする。仲戸川は、反対同盟から要求していた北原さんの意見陳述を述べるように指示。この姿勢に代理人は、机をたたきながら抗議する。仲戸川は、陪席裁判官と合議を始めた。すると突然、裁判長は「証拠調べを決定します」と発言。これは検証却下ということだ。大口弁護士が直ちに「裁判官忌避」と叫ぶ。仲戸川が「簡易却下します」と答えるのに対して、反対同盟の各代理人は「民事訴訟法では簡易却下はできない」と裁判長につめよる。法廷内は怒号の渦と化した。仲戸川は「あ、そうですか。では取り消します」と無知を露呈。しかし狼狽しつつも、メモを読み上げようとする。これこそ検証を退ける裁判所の訴訟指揮を示すものだ。
 被告席にいた北原鉱治・萩原進・鈴木謙太郎さんや代理人は皆、裁判官席につめより取り囲んだ。特別傍聴席の市東孝雄さんも立ち上がり、弾劾する。強行採決の国会審議さながら、国家権権力の一機関としての裁判所の権威はボロボロだ。
 ますます弾劾の声が高まるなか、前代未聞の出来事が発生。仲戸川ら裁判官が全員いなくなってしまったのだ。裁判長が消えてしまう裁判などかつてない。傍聴席からは「裁判長、逃げるな」「裁判官出てこい」のヤジ。「書記官、裁判官を連れて来い」との声に、あわてて飛び出す。
 戻ってきた書記官は「裁判長は『今日の法廷は閉廷しました』といってます」と報告。「何なんだ」「これが裁判か」「裁判長、恥を知れ」と
裁判官不在の法廷が怒りで満たされた。その後反対同盟を先頭に県警本部につめかけ、弾圧に対する弾劾をやりぬいた。
 直後の裁判報告会・現闘本部裁判を支える会例会は、不当逮捕・仲戸川弾劾の集会となった。冒頭、北原事務局長から「この勢いでがんばろう」と檄(げき)が発せられた。弁護士からの裁判報告がおこなわれ、仲戸川裁判長の忌避の即時抗告などの裁判方針の提起がなされた。
 つづいて支える会代表世話人の戸村義弘さんが「抗議の声は裁判長に迫った。成田空港が犯罪そのもの。裁判プラス実力闘争で闘いましょう」と訴え。動労千葉から滝口誠さんが「労農連帯を強めていきたい。生きさせろの叫びで11・2を職場・学園で組織しよう。国鉄闘争の幕引きをはかる10・24集会を粉砕」と発言。つづいて関西実行委員会から松原康彦さんから挨拶をうけた。
 9・25闘争は、弁論前の千葉中央公園での集会・デモが始まった。千葉市内に早朝から「仲戸川裁判長は公平な裁判をせよ」の声が響いた。集会は、90名の結集で闘われ、千葉地裁に肉迫するデモが貫徹された。
 デモ解散後、反対同盟は千葉地裁に結集したところで太郎良陽一さんの不当逮捕が行われた。9・25闘争は、この弾圧を粉砕し闘われた。不当逮捕弾劾・仲戸川裁判長忌避をかちとろう。
(写真上 弁論前「実地検証を行え」と千葉地裁包囲のデモ【9月25日】)
(写真下 傍聴券の配布時、機動隊の同盟員不当逮捕に肉弾で抗議を貫徹)

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週刊『三里塚』(S761号1面7)(2008/10/15)

 コラム 団結街道

 反対同盟の事務局次長・萩原進さんの著書が刊行される。タイトルは『農地収奪を阻む――三里塚農民、怒りの43年』。第1部が「闘いは大地と共に」と題した43年の闘争史闘争史と言っても一味違う。「三里塚闘争は裏切りの歴史」とも言われるように、闘争の裏側に苦闘の歴史がある第1部は、この領域に踏み込むことで、三里塚闘争勝利の秘訣が”路線闘争”にあった事実をひもといている。1990年代の成田シンポ・円卓会議の本質を暴いた部分も興味深い第2部は「崖っぷちの食と濃」。第1章が大潟村農民の坂本進一郎さん、北総の米農家との鼎談で、ホットなテーマである食料危機、農業危機を縦横に批判し尽くし、労働者・農民の進むべき道を指し示している第2章は反対同盟の市東孝雄さん、鈴木謙太郎さんとによる「産直農家はこう考える」との鼎談。ここでは農業問題を日常に引き付け、生産者と「消費者という名の労働者」とか目指すべき連帯について、故戸村一作委員長も提起した労農コミューンに至る熱いトークが展開される第3部が「三里塚労農連帯の地平」。第1章が動労千葉中野洋顧問との対談で、ジェット闘争を中心に熱く深い話が満載。最後に「労農コミューンをめざして」とする萩原「革命論」が語られる。ぜひ一読を薦めたい。1800円プラス税。申し込みは編集工房「朔」気付け「萩原本」係。FAX=050−1049−0387

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週刊『三里塚』(S761号1面8)(2008/10/15)

 闘いの言葉

 法を破り裁判を無視して工事を続行する、これが国のやり方だ。私は一歩も引かない。畑に手をかてくるなら実力で阻止する。私の生きる権利を実力で守る。
10月5日 反対同盟・市東孝雄さん

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週刊『三里塚』(S761号1面9)(2008/10/15)

 日程 闘争スケジュール

●10月23日 鈴木さん一坪裁判 午前10時半千葉地裁
《法大裁判 場所はすべて東京地裁》
●10月16日 5・29デモ弾圧 午後2時開廷
●10月22日 5・29デモ弾圧 午後1時15分
●10月23日 7・24弾圧 午後1時半開廷
●10月24日 5・28「暴行」デッチ上げ
午後1時半開廷

☆11月2日 全国労働者総決起集会
 正午 日比谷野外音楽堂

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週刊『三里塚』(S761号2面1)(2008/10/15)

 9・30市東行政訴訟 「原告適格なし」は暴論

 弁護人が怒りの反撃

 全論点で県の主張論破へ

  9月30日、市東孝雄さんが千葉県を相手取り、農地賃貸借契約の解除許可処分の取り消しを求めた行政訴訟の、第5回弁論が千葉地裁で開かれた。市東さんが一度も耕したことのない土地をNAAが「市東さんの賃借地だ」と誤って決めつけてきた。このことを反対同盟は当初から明らかにしてきたが、千葉県は「それが賃借地ではないなら原告には訴えの利益がない」ととんでもない暴論を主張しだした。耕作地の場所を特定すらできずに、3代90年耕してきた畑を奪おうというのか。恥を知れ!
 弁護団は「訴えの利益がない」との主張が途方もない失当であることを明快に陳述した。「市東さんへの賃借権の解約処分を取り消した後であればともかく、処分が取り消されていない現状で、耕作したことのない畑について位置の特定の誤りを論ずることは、この裁判の行方を左右する決定的な論点であり、まさに原告(市東さん)の利益そのものだ」と県側の議論を論破した。
 被告・千葉県の代理人弁護士は「検討してから……」と一言の反論すらできないありさまだ。
 裁判終了後、弁護士会館で記者会見と報告集会が開かれた。冒頭に、中山国土交通相発言に対する反対同盟の怒りの抗議声明が発表され、鈴木謙太郎さんが読み上げた。
 続いて市東孝雄さんが「この裁判に勝たなくては先に進めない」と不屈の決意を述べた。
 北原事務局長は、「群馬・市東さんの農地を守る会」の発足を喜びをもって確認し、「モノや金をくれと言ったことは一切ない。軍事空港阻止の闘いを43年非妥協に貫いてきた」と中山発言を痛烈に批判した。
 守る会の発足に奔走した群馬の青柳晃玄さんは、市東さんに学び10・5全国集会に大挙参加すると決意を述べた。
 さらに市東さんの農地取り上げに反対する会、動労千葉の滝口誠さん、関実の松原康彦さんが次々とあいさつをした。
 萩原進事務局次長が発言に立ち、「NAAは10月12日以降にも市東さんの土地明け渡しを求めて提訴してくるだろう。来るなら来い! われわれは9・25の激突で一歩も引かず勝利した。10・5全国集会で農地を絶対に守ると宣言し、現地をデモ・集会が連日連夜席巻している状況をつくろう」と訴えた。次回弁論は年明けの1月20日。全論点で県に反論する。
(写真 「県側の暴論をうち破った」と解説する弁護団【9月30日 千葉県弁護士会館】)

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週刊『三里塚』(S761号2面2)(2008/10/15)

 9・22関西三里塚集会 “10・5へ全力あげ”

 三里塚と労農学は一体

 9月22日、大阪市内で三里塚関西集会が行われ、関西各地から175人が参加、10・5三里塚への大結集を誓った。
 安藤眞一関西実行委事務局次長の司会で始まった集会は、冒頭20分、足尾鉱毒事件を描いた映画「襤褸(らんる)の旗」を上映した。
 山本善偉関実世話人が主催者あいさつ。
 連帯あいさつを部落解放同盟全国連が行い、葉山岳夫弁護士と森田恒一前関実世話人、群馬の青柳晃玄さんのメッセージが紹介された。
 特別報告を動労千葉の川崎昌浩執行委員が行った。川崎さんは「労農連帯で三里塚闘争に勝利する。動労千葉は5割動員で三里塚を闘い、国鉄分割・民営化とも闘いぬくことができた。1047名闘争を解体し連合化する4者・4団体路線は絶対反対だ。10・5三里塚に全力で結集し、11・2労働者集会1万人結集で反撃しよう」と訴えた。
 関実の活動報告として現地調査、写真展、野菜市、産直野菜の報告の後、集会メインの三里塚反対同盟アピールを萩原進事務局次長が行った。
 萩原さんは「福田が政権を投げ出し、アメリカ発の金融恐慌が世界を駆け回っている。行き着く先は戦争だ。選挙では変わらない。民衆の闘いで変えよう」と呼びかけ、「三里塚の課題は、@労働者と農民の連帯、A北延伸への不屈の反撃、B市東さん裁判を頂点に裁判闘争の勝利、Cそして10・5に3千人を結集することだ」と訴えた。熱烈なアピールに大きな拍手が起きた。
 永井満関実代表世話人が基調報告。「関実は三里塚反対同盟、動労千葉とともに、この陣形を30年間維持して闘ってきた」と述べた。そして「10・5三里塚に総結集しよう。これが今日の一番言いたいこと」と決意を込めて訴えた。
 カンパアピールを明石住民の会が行った。決意表明では、関西労組交流センターの上村敏行事務局長、全学連の冨山小太郎書記長が「労農学連帯で三里塚を闘い、11・2集会へ」と檄(げき)を飛ばした。最後に、国賀祥司関実事務局次長がまとめを提起、団結ガンバローを行った。

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週刊『三里塚』(S761号2面3)(2008/10/15)

 国際連帯は今、世界を揺るがす

 金融恐慌で労働者の怒り爆発

 “救済するな、刑務所に送れ!”

 NYウォール街をデモが直撃

 仏では民営化反対のスト

 ILWUが海運労働者と団結

 金融恐慌に追いつめられたアメリカ帝国主義が公的資金の導入を決めようとしたことに対して、ウォール街を直撃するデモが闘われるなど今週も米欧で労働者の決起がつづいている。
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 9月25日、ニューヨークのウォール街を始め、各地の連邦準備銀行前などで一斉に労働者のデモ、集会が行われた。この日、7000億jの不良資産買い取り=金融機関救済(ベイルアウト)法案が議会で合意・採択される予定だったからだ。今回のデモの特徴は、労働者が怒りだけではなく、独特の解放感を示していたことだ。資本の権威が崩壊したことによる解放感だ。また、体制内指導部の権威もぐらぐらになり、職場の労働者が生き生きと闘い始めたのだ。口々に叫ばれたスローガンは、「ジェイル! ノット・ベイル!(刑務所送りだ!救済するな!)」
 7000億jでブッシュ政権が救済しようとしているのは、詐欺そのものの手口で金儲けした奴らだ。サブプライムローンも、複雑怪奇なデリバティブも、みんなそうだ。あんなやつらを、税金を使って救済するなんて、とんでもない。これが労働者の声だ。プラカードで同じように目立ったのが、「儲けは民営化。損は社会化」だ。民営化、自己責任を叫び、福祉という考え方そのものを否定し、破壊してきた連中が、自分たちが損したとたん、社会全体で……と言い出したことへの怒りだ。9月29日、労働者人民は、全米11ヵ所で反対集会・デモをした。21日からこれまで全米で250以上のデモがあった。
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 9月23日、フランス・ポスト(郵政)の労働者が民営化に反対して1日ストライキを行った。5大労組全国組織(CGT、SUD−PTT、FO、CFDT、CFTC)の呼びかけだ。労組が仏ポスト民営化に反対してストに立ち上がったのは初めてだ。ストと同時にフランス全土40数カ所で集会・デモが行われた。パリの3000人のデモの中には「私は売り物ではない」と書いたTシャツを着た労働者がいた。デモでは「公共サービス賛成、金もうけサービス反対」のスローガンが叫ばれた。
 CGT(労働総同盟)とSUD−PTT(団結・統一・民主−郵便・電信・電話)の発表によれば、ストは参加率40%(当局発表27%)。SUD−PTTは「ストは政府への明確なメッセージになった。バイイー総裁への否認になった」という見解を示した。FO(労働者の力)は「ストは政府と当局側が民営化反対意見を考慮に入れざるを得ないような警告射撃となった」と述べた。CGTは「ストは成功だ。津波のようではないが最近の購買力向上年金ストを上回る」と主張している。当局側は労働者のいろいろな形態の職場放棄をスト統計数字から除いている。
 政府は、2010年
1月にフランス・ポストの経営形態を変更し、11年に資本を公開する計画だ。サルコジ大統領は11年に郵便市場を民営化すると言っている。しかしバイイー総裁は「民営化」の言葉を避けて、「公共サービスを維持する」「国は50%以上の資本を保有する」と強調するなど、慎重な姿勢を見せている。仏ポスト民営化に61%の国民が反対しているからだ。労組は、経営形態変更を民営化の第1段階と見なし、その段階で仏ポスト労働者30万人(うち54%が公務員)の雇用と公共サービスが脅かされると予測、これを反対の理由としている。体制内労組指導部を打倒し、民営化絶対反対・解雇阻止を掲げてストライキで闘うランク&ファイルがどれだけの規模で登場できるかが勝敗を決める。
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 9月6日から闘われているボーイング労働者2万7000人のストライキは、10月2日現在で4週間目に入った。IAM(国際機械工労組)に所属するボーイング航空会社(米西海岸のシアトル工場が中心)の整備士労働者たちは、13%の賃上げ要求に対する会社側の「3年で11%の賃上げ」回答を圧倒的多数で拒否し、87%の高率スト権を確立し9月初めストに突入した。世界金融大恐慌がアメリカの資本家階級を揺さぶっているさなかに、ボーイング労働者は会社との妥協を拒否し、団結を固めて長期ストを闘い抜いている。
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 9月27日、SEIU(サービス従業員国際組合)傘下のUHW(西部統一医療労組)の医療労働者6000人とその支持者が、カリフォルニア州全地区からサンマテオ(サンフランシスコの南)に結集した。15万人の組合員を持つ戦闘的な組合UHWに対して、体制内労働運動のスターン一派が支配しているSEIU本部は、トラスティーシップ(本部の直轄)のもとに従属させようと、以前から策動を続けてきたが、今回査問会を開き、聴聞をするという攻撃にでてきた。これに対する大衆的抗議が爆発した。この行動は、体制内労働運動に反対して、組合民主主義を守れという運動として、アメリカの労働運動史上最大のものである。
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 米西海岸ロングビーチ寄航中のレバノン籍キャップ・スペンサー号の船員が、ILWU(国際港湾倉庫労組)の支援を得て要求を解決することができた。船員たちは賃金と労働条件問題の解決を求め、船に「ストライキ中」「低賃金と労働条件が問題だ」というプラカードをかかげていた。9月23日、船から荷を下ろす作業をやっていたILWUの港湾労働者が、これに気づいた。かれらは、この行動が正当な(合法的な)ピケットであると判断し、作業を中止して下船した。ITF(国際交通運輸労働者連盟)とILWUの協力を得て、船員と会社側との交渉が成立し、船員たちは賃金と免責状とITF承認の合意を獲得することができた。
 ILWU組合指導部は語っている。「これは海運労働者の組合的団結の印だ。船員と港湾労働者の団結は、港湾と船上での反組合攻撃をけっとばすたたかいだ」

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週刊『三里塚』(S761号2面4)(2008/10/15)

北総の空の下で北総の空の下で

 車の両輪 真価

 変革の力がここに

 10月5日全国集会。秋の全国集会は、萩原進さんの離れ畑(通称清水の畑)での開催が通例になりました。
 北延伸に伴う誘導路建設が強行されて以来、畑の周りの様子は激変しています。
 萩原さん宅と清水の畑との間にあった東峰の森が伐採されて、中を通る農道が閉鎖されました。畑にいたる車道は通称竹やり街道と呼ばれて慣れ親しんだ道ですが、これも閉鎖されて付け替え道路になりました。「この畑での集会参加はおととし以来なんですが、道がわからなくて…」と言う人と会場まで一緒に歩きましたが、途惑うのは当然です。
 畑を囲ったフェンスのあちこちから、まるでもぐらたたきのように頭が出たり引っ込んだりしています。こそこそと集会をのぞき見ている刑事達です。
 しかし、周りをどんなに変えようとも、畑に手を出すことはできません。何よりも日本を変える力ここにあり≠ニ高らかに宣言した集会は、権力の包囲を突き破る迫力にあふれたものでした。
 全体を牽引したのが萩原事務局次長の基調提起と、動労千葉田中委員長の特別報告です。新自由主義というむき出しの弱肉強食社会の中で、これ以上我慢できるか!という労働者の怒り、農民の叫びが満ち満ちています。自ら300万農民と6000万労働者の反乱の先頭に立つべく両雄が並び立って戦闘宣言を発したのです。
 11月2日、さらに広範な労働者に向かって、三里塚から連帯の握手を!(北里一枝)

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週刊『三里塚』(S761号2面5)(2008/10/15)

 三里塚営農だより

 鈴木幸司さん宅

  9月28日、鈴木さん宅の稲刈りがようやく終わった。長雨にもたたられ、今年の稲刈りは本当に苦戦した。えっ、出来はどうかって? うーん。「まあね」とだけ答えておこう。10・5全国集会を前にして、あれやこれや振り返って話していた時のこと、加代子さんの口から「そういえば今年の稲刈りではマムシを見なかったなあ。こんな年は初めてだ」という言葉が出た。(ちなみに筆者は1匹目撃している)
 かなり自然が破壊されたとはいえ、まだまだ山林に囲まれた菱田の田んぼでは、マムシはいるのが当たり前。それがここ数年、めっきり少なくなった。好奇心旺盛な加代子さん。汗にまみれ、土にまみれて人一倍働いていながら、周りにいる動物や虫や、草木に至るまで、実によく観察している。「今年はオオタカも見なかった。去年までは悠然と飛んでいたのに。とうとうこの地に住めなくなったのかな」
 一昨年のことになるが、暫定滑走路の南側にオオタカが住んでいることが、マスコミでも暴露された。成田空港会社は環境影響調査で生息を確認していたが、報告書では「猛禽類の営巣」と表現していた。「公表すると密漁被害に遭うので」などとごまかしを言っていた。しかしオオタカと明記しなかったのは、絶滅危惧種のオオタカの危機が明らかになっては、「エコ・エアポート」なるペテンにとって、都合が悪かったためだ。
 本当にいなくなったかどうか、定かではないが、空港会社は事実をつかんでいるのだろう。いなくなったのはマムシやオオタカだけではないからだ。空港会社に頼まれて、毎年田んぼで日がな一日、タカの観察をしていた観察員、こいつらの姿も消えていた。
(現闘員A)
(写真 オオタカの生息地近くの田んぼ【写真は田植え】)

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週刊『三里塚』(S761号2面6)(2008/10/15)

 10・5農民アピール

 BSE(牛海綿状脳症)、農薬混入輸入食材と食品偽装、そして汚染米の組織的な不正転売――まさに不信と疑惑の連鎖である。政府・農水省に人々の怒りが沸騰している。
 汚染米問題はミニマムアクセス(MA=最低輸入機会)問題である。工業製品の輸出と引き替えて強行した、コメの市場開放が原因だ。MA米を処理したい農水省、そこに目をつけ安く買って不正に高く売り抜ける流通業者。ここにもたれ合いと癒着の仕組みができた。「不信と疑惑の連鎖」は、農業切り捨て政策の結果である。
 米価は下落の一途である。10年前に1俵2万円をつけたコメの価格は、いまや半値となった。原油と穀物価格の高騰が飼料価格を引き上げ、畜産農家は廃業を強いられている。
 あいつぐ離農で耕作放棄地は埼玉県の広さに及ぶ。政府・財界は300万農家を14万経営体にするという。農業法人化による家族農業つぶしである。そしてついに、戦後農地改革以来の農地法と土地制度に手をつけた。われわれはもう黙ってはいられない。
 労働者に対する非正規雇用と低賃金、増税と医療・福祉の切り捨てが強まっている。このことと食の危機、格安輸入食材や汚染米は裏表の関係だ。
 いまこそ、農民・労働者は団結しよう。「FTA反対」を共同のスローガンとして闘おう。農地と農民の権利を守る農地法の改悪を阻止しよう。
 2008年10月5日

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週刊『三里塚』(S761号2面7)(2008/10/15)

 三芝百景 三里塚現地日誌 2008

 9月17日(水)〜10月7日(火)

●成田治安法の適用を更新
 国交省は現地闘争本部、野戦病院、岩山団結小屋の3カ所の治安法処分を更新した。(18日)
●飛行機からの落下物、車を直撃 エンジントラブルを起こした航空機の部品が落下し、千葉県山武市内2カ所で乗用車のフロントガラスを突き破ったり、激しい傷をつけるなどの被害を与えた。(21日、22日)
●三里塚関西集会に萩原事務局次長 大阪市内で行われた三里塚関西集会に萩原事務局次長が参加して反対同盟アピールを行った。(22日=記事別掲)
●天神峰現闘本部裁判闘争を貫徹 天神峰現闘本部裁判の第18回弁論が闘われ、原告・弁護団・傍聴団一体となって仲戸川裁判長を追いつめた。弁論前には集会とデモで「本部建物の実地検証を行え」とアピールした。(25日=記事1面)
●中山前国交相が「ごね得」発言 麻生内閣の国交大臣中山成彬は「成田闘争はごね得だ」という暴言を吐いた。(25日)
●群馬で「市東さんの農地を守る会」発足 群馬県前橋市で「群馬・市東さんの農地を守る会」の結成集会が開かれ、市東さんも参加してアピールした。(28日=写真)
●萩原さんが動労千葉大会に 千葉市DC会館で行われた動労千葉の第38回定期大会に反対同盟から萩原事務局次長が参加してあいさつした。(28日)
●市東さんの行政訴訟弁論
 市東孝雄さんの農地強奪阻止・行政訴訟第5回弁論が行われ県側の「一部の土地について市東氏の原告適格がない」なる暴論に断固反論した。(30日=別掲)
●10・5集会にむけ駅頭街宣 三里塚闘争支援連絡会議は、10・5全国集会への訴えを行うため、成田駅頭街宣行動に立ち上がった。折からの中山発言に労働者・市民の多くが怒りの声を寄せた。(10月2日)
●10・5集会が成功 成田市東峰の萩原事務局次長の畑で行われた10・5全国総決起集会は、1420人の労農学の結集をえて成功した。(5日=1面に記事)

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