SANRIZUKA 2007/08/15(No734 p02)

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第734号の目次

(写真 萩原さんが発言した「8・6広島国際連帯集会」【8月5日】)

1面の画像
(1面)
農地死守!42年目の三里塚(上) 10・7全国集会の成功へ
日本丸ごと民営化と「成田拡充」を打ち出した安倍政権倒そう!
労農学総決起で10・7三里塚へ
記事を読む
“農業絶滅”との攻防点  市東さんの農地守れ
10・1口頭弁論傍聴闘争へ  司法反動と最前線で対決
記事を読む
萩原哲子さんの逝去を悼む 三里塚現地闘争本部
戦争、開墾、闘争…戦(いくさ)続きの生涯全う
記事を読む
ピンスポット 市東さん「反対する会」 9・8山下惣一さん講演会開催
農地取り上げ告発
坂本進一郎さんら迎え パネル討論会も
記事を読む
 コラム 団結街道 記事を読む
闘いの言葉 記事を読む
(2面)
“農地優遇税制見直す”  規制改革会議「答申の柱に」
現代の“農民追放”政策だ  市東さんの耕作権問題と一つ
記事を読む
イラクはいま世界を揺るがす  米軍が持ち込んだ腐敗、汚職、無秩序
4年間で破壊され尽くしたライフライン
夏季攻勢失敗明らかに  崩壊米軍、戦線離脱者止まらず
記事を読む
「提訴乱発は危機の証拠」
顧問弁護団と反対同盟が交流会  千葉地裁は司法反動の先兵!
記事を読む
革共同集会での萩原進さんの発言
300万農民は反乱開始した  革命の隊列にむしろ旗を
記事を読む
体張って戦争阻止  8・6広島に萩原さん参加 9カ所で熱い檄 記事を読む
三芝百景 三里塚現地日誌 2007  8月1日(水)〜8月21日(火) 記事を読む

週刊『三里塚』(S734号1面1)(2007/08/15)

 農地死守!42年目の三里塚(上) 10・7全国集会の成功へ

 日本丸ごと民営化と「成田拡充」を打ち出した安倍政権倒そう!

 労農学総決起で10・7三里塚へ

(写真 @現在の東峰の森。伐採された跡地は誘導路の工事が行われようとしている【8月18日撮影】)
(写真 A東峰十字路近くで行われている誘導路準備工事【8月22日撮影】)

 アジア・ゲートウェイ戦略とは

 暫定滑走路北延伸計画が「短い、欠陥だらけ」という破たんを露呈する中で、安倍政権は内閣の名において「ポスト北延伸」=3500b化に舵(かじ)を切った。安倍自ら議長を務める「アジア・ゲートウェイ戦略会議」で「航空自由化と成田の拡充、国内農業切り捨て」を真っ向から打ち出したのである。これは南側への延伸=東峰地区を更地にする攻撃であり、反対同盟と敷地内農家から農地を強奪し、たたき出す宣言だ。成田の「拡充」が内閣の方針になったのは、1986年の中曽根内閣以来(2期工事着工)だ。昨年7月から始まった市東孝雄さんへの耕作権強奪攻撃をはじめとする一連の常軌を逸した攻撃の根元には、この日本帝国主義の延命をかけた決断があった。10・7三里塚集会の大結集を実現するために、2回にわたってレポートする。
 空港に隣接する敷地内天神峰・東峰地区には、今日も朝の6時から夜中の11時まで、大騒音、ジェット噴射などをともなったジェット機の運航が強行されている。この地区の空港反対農民は、生命の恐怖すら感じつつ、なお国家犯罪を告発し闘いつづけている。
 写真@が現在の東峰の森だ。全面積12fのうち約半分が無残に伐採された。写真正面は伐採された部分。すでに整地が終了しコンクリートによる新誘導路工事が行われようとしている。(左の航空写真A地点から撮影)
 同新誘導路工事は、東峰十字路周辺でも同時に行われている。写真Aは新誘導路のための整地工事だ。場所は東峰十字路の南側(航空写真B地点)。現在一般車両の通行が禁止されている空港外周道路にそった場所。左奥の林が切り倒されずに残った部分の東峰の森だ。
 この新誘導路工事によって、東峰部落は東西に分断され、西側部分は完全に空港の中に取り込まれてしまい、部落の生活道路がずたずたに破壊されようとしている。
 昨年10・8全国集会を行った萩原進さんの通称「清水(しみず)の畑」に至る農道は、すでに3月15日に閉鎖された。さらに通称「竹やり街道」と呼ばれた道路も閉鎖され迂回させられた。
 東峰の森が伐採される前は、トラクターの移動も車など通らない農道を使って安全に清水の畑まで自走できた。
 現在は車が頻繁に通る危険な小見川県道のわき道等を1・5倍の距離も走らなければならない。 旧小見川県道は今後、新誘導路が横切るため地下にもぐらされ、トンネル化される。空港の都合で天神峰・東峰部落は、まるで模型をいじるように、勝手に環境を変更・破壊されているのだ。
(写真 新誘導路工事の位置関係を示す航空写真)

 東峰の森伐採、誘導路工事…

 東峰地区はそもそも、「峰」という地名に示されるように利根川方向と九十九里浜方向を分ける分水嶺に位置しており、この地域で最も標高が高い。したがって生活用水や農業用水の確保に昔から苦労してきた場所だ。そこへ「水源」である東峰の森の半分が伐採されたらどうなるのか。保水力が圧倒的に落ちることは明らかだ。
 すでに1000fもの空港面積がコンクリートに覆われ、雨水が地下にしみこまなくなっているその上に“命の森”である東峰の森が伐採されたのだ。
 頭上40bのジェット機飛行、ジェットブラスト噴きつけなどの国家犯罪は、1年365日、朝6時から夜中の11時まで一貫して強行されている。その上でのこの攻撃である。これほどの人権侵害が、ただただ「情報隔離」政策によって続けられている。
 北延伸工事は、もちろん北側でも激しく行われている。まず、国道51号線のトンネル化工事だ。06年9月25日に着工され、航空機の発着しない夜11時から朝の6時の夜間工事を中心に、遂行されている。
 天神峰団結街道をめぐっても7月19日、51号線と交差する十字路が西側に約100メートル移動させられ、団結街道も迂回させられた。
 北延伸滑走路の北端部における航空機の交互通行用の誘導路を新設するための道路迂回だ。
 滑走路の北伸部分の工事も成田クリーンパークのすぐ南側で4月17日からフェンス張りとダンプ搬入道工事が始まり、連日強行されている。成田クリーンパークをめぐっても、5月から覆土工事が強行されている。
 このように、北延伸工事は暫定滑走路南側と北側の両方で全面的に展開されており、2009年10月31日工事完成、2010年4月開業にむけて、法的規制など度外視した突貫工事が続いている。

 NAA社長 「闘ってもムダ」暴言

 工事としては進行している「北延伸」計画だが、あらかじめ破たんした欠陥計画であることが刻印されている。
 まず、延長しても2500bという、滑走路の長さの絶望的な短さである。現在の2180bより「まし」という程度の長さでしかない。このことは空港会社自身が認めており、去年の9月15日に着工した瞬間から「南に伸ばすのが本来の姿」(空港会社・黒野社長)と北延伸計画の破たん性を自認した。
 韓国、中国、タイ、シンガポール、マレーシアなどで複数の4000b滑走路を持つ巨大空港が建設ラッシュを迎えている中で、「2500b」では問題外、というのが国土交通省・空港会社の本音だった。
 こうした中で、安倍首相肝入りの「アジア・ゲートウェイ」戦略が真っ向から打ち出された。
 アジア・ゲートウェイ戦略は、@アジア市場でのアメリカや中国への敗勢を巻き返すための、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)締結をにらんだ航空自由化と空路の充実=巨大空港整備。A全面的な航空自由化による「列島丸ごと自由化・規制緩和」。B「攻めの農業」と称する国内農業撲滅政策の3つからなる。
 中でも「航空自由化」に力点を置き、「航空政策の大転換」を明言している。具体的には、首都圏国際空港(成田・羽田)の拡充・整備、24時間化を叫んでいる。同戦略では「航空の分野が、アジア・ゲートウェイ構想実現の最大の焦点」「航空は、人、モノ、カネのすべての交流の基礎となる重要な戦略インフラ(産業基盤)」、「地域経済の活性化、産業競争力の強化といった国益のために、スピード感を持って航空自由化など政策の大きな転換を図る」と語っている。
 つまり、この30年間、三里塚闘争の存在と抵抗によって、巨大空港政策が完全に破たんさせられてきた現実を直視し、空港政策の全面的巻き返し策に打って出てきたのだ。
 これが、1986年中曽根内閣(2期工事着工)以来、20年ぶりに安倍政権が「成田」を内閣の方針にすえた意味である。南側延伸=3500b化による東峰・天神峰地区の更地化を公言し、そのために、三里塚闘争と反対同盟壊滅の攻撃に訴えてきているのだ。市東さんへの違法無法の農地強奪の攻撃、現闘本部や一坪裁判での強権的攻撃、東峰の森伐採など地域住民を圧殺するような攻撃……。これらは、以上のような国家的決断の下に発動され、強行されてきたのだ。
 新たに空港会社社長に就任した森中小三郎も「成田空港がアジア・ゲートウェイ構想の中心だ」として、「(空港反対農民には)空港に反対してもしょうがないと思ってもらえるようにしたい」(NHKニュース)と言い放った。
 三里塚闘争は完全に新たな段階に入った。10・7全国集会はその勝利の突破口であり、11・4集会成功に向けたステップだ。アジア・ゲートウェイ戦略は「列島丸ごと民営化」「農業切り捨て」を同時に打ち出している。労農が連帯して同戦略を打ち返そう。

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週刊『三里塚』(S734号1面2)(2007/08/15)

 “農業絶滅”との攻防点

 市東さんの農地守れ

 10・1口頭弁論傍聴闘争へ

 司法反動と最前線で対決

 堂本暁子千葉県知事が、成田空港会社による市東さんの耕作地取り上げ申請を許可した9・21決定からもうすぐ1年になる。市東さんの耕作権をめぐる攻防は、胸突き八丁の正念場を迎えている。
 空港会社側が行った不当な明け渡し訴訟(06年10月を提訴)はすでに3回の口頭弁論が行われ、菅原崇裁判長=司法権力による常軌を逸した強権的訴訟指揮との緊迫した攻防が続いている。
 一方、市東さんと弁護団は、7月27日、堂本千葉県知事を相手取り、9・21知事決定の取り消しを求める行政訴訟を起こし、ついに反撃を開始した。
 市東さんの耕作権裁判に勝利するためには、国家意志を打ち破りうる全人民的な運動を実現することが求められている。「相手が相手だから簡単な闘いじゃないけど俺は負けない。全国の労働者、農民、学生・市民のみなさんの応援が拠り所」(本紙731号)という市東さんの決意と信頼に何が何でも応えなければならない。
 この攻防で問われていることは何か。何よりも、国家権力が故・大木よねさんに対する1971年の強制収用以来、30年ぶりに反対同盟農民に対する強制的な農地収用に踏み出したということを確認し、労農学は、何があっても市東さんの農地を守りぬく決意を打ち固めることだ。
 さらに、法を無視して、国家意志として市東さんの農地を取り上げようという、三里塚闘争をつぶすためのなりふり構わぬ攻撃の意味を確認する必要がある。
 単に暫定滑走路の「への字」に曲がった誘導路をまっすぐにしたい、というだけのものではない。「市東さんの農地取り上げを切っ先として反対同盟をたたきつぶす」「農地法を使って農地を取り上げる」ことに大きな意味があるのだ。

 全人民の闘争課題

 背景にはアジア・ゲートウェイ戦略とその一環としての農業破壊および司法反動攻撃がある。
 アジア・ゲートウェイ戦略では航空自由化とともに「攻めの農業化」なるものがうたわれている。国内農業は滅ぼしていい、という農業絶滅宣言だ。
 こうした農業・農民破壊との攻防が一点、「農地法による農地強奪を許すのか否か」という市東さんの耕作権問題として、問われている。
 さらに、2001年以来の司法反動攻撃が、「千葉地裁を先兵にした三里塚裁判闘争地平の破壊として猛然と襲いかかっている」(反対同盟顧問弁護団)事実も重大だ。三里塚闘争は、裁判闘争の分野でも巨大な勝利の地平を切り開いている。東峰十字路裁判闘争の実質勝訴、最高裁大法廷を引きずり出した成田治安法裁判、そして30年型の審理があたりまえの数々の民事訴訟。こうした人民の陣地を破壊するためにも千葉地裁中山隆男所長の指揮によって、三里塚裁判への強権的な攻撃が打ち出されている。
 市東さんの農地取り上げを許すのか否か、耕作権裁判に勝利するか否かは、安倍政権の推し進める憲法改悪や「戦後レジームからの脱却」と闘う全人民の課題なのだ。
 市東さんと反対同盟は真っ向から闘っている。参院選に見られる農民の反乱そして労働者使い捨て政策への怒りと結びつくならば、支援の輪を広げることは全く可能だ。
 次回裁判は10月1日午前10時30分から千葉地裁で開かれる。菅原裁判長の反動訴訟指揮を許さない傍聴への大結集を実現しよう。

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週刊『三里塚』(S734号1面3)(2007/08/15)

 萩原哲子さんの逝去を悼む 三里塚現地闘争本部

 戦争、開墾、闘争…戦(いくさ)続きの生涯全う

 反対同盟萩原進事務局次長の母堂・哲子さんが8月18日、逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。
 93年の生涯は戦争、開墾、空港反対の多難な日々でした。戦後、亡き作治さんと1956年に東峰部落に入植、荒くれの原野をトンビグワ一本で開墾した粒粒辛苦の苦労は、伝説となっています。
 1966年、空港建設が一方的に襲いかかりました。それは開墾の苦労を踏みにじり、農民の夢を奪う理不尽なものでした。萩原家にとっては国のシルクコンビナート事業に農業の希望を見出した矢先のことでした。
 この時、哲子さんは「おらの人生は戦(いくさ)続きだ」と動ずることなく語ったと聞いています。以後の41年間は闘いの連続でした。13年前に作治さんを亡くした後も、哲子さんは進さん、静江さん夫妻の心の支えとなってこられました。
 野球や相撲、テレビニュースを好み、援農の学生との会話を楽しみにしておられた哲子さん。同級生の亡き市東東市さんの思い出をうれしそうに語る姿も忘れることができません。
 三里塚闘争は今、勝利に向けた最後の階段を登ろうとしています。夫・作治さんと共に、私たちの闘いを最後まで見守り続けて下さい。

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週刊『三里塚』(S734号1面4)(2007/08/15)

ピンスポット 市東さん「反対する会」 9・8山下惣一さん講演会開催

 農地取り上げ告発

 坂本進一郎さんら迎え パネル討論会も

(写真 昨年12月のイベント)

 市東さんの農地取り上げに反対する会が講演企画第2弾 “農政棄民! でも負けない”を9月8日に計画している。(要項別掲)
 講師に佐賀県の農民作家山下惣一さんを招き話を聞く。題して「農なき国の食なき民」。山下さんは米作りのかたわら、創作活動を行い、1980年代の米問題以来、農業つぶしに警鐘を打ち鳴らしつづけている。
 パネルディスカッションでは講師を囲んで、秋田県大潟村の農民・坂本進一郎さん、食の安全・監視市民委員会の三宅征子さん、残土・産廃問題ネットワーク・ちば代表の藤原寿和さんらに反対同盟から萩原進さんも加わって、農業切り捨て問題を掘り下げる。
 特に、農業破壊と環境、食の現状を確認、危機を告発する中から、市東孝雄さんの農地取り上げ問題の重大性について認識を深める。
 市東さん本人と葉山岳夫弁護士からの基本的な問題提起も準備されている。
 多くの方の参加を呼びかけたい。
 〜〜〜〜〜〜〜〜
 日時 9月8日(土)午後1時30分
 会場 千葉市中央区長洲ホテル・プラザ菜の花

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週刊『三里塚』(S734号1面5)(2007/08/15)

 コラム 団結街道

 アメリカで非GM(遺伝子組み替えでない)大豆の減産傾向が顕著だという。バイオ燃料需要に火がついたことから、原料となるトウモロコシへの作付け転換が進み、「手間のかかる」非GM大豆を敬遠する傾向が強まっているからだ豆腐は日本各地の食文化を支える食材のひとつだが、日本が消費する食用大豆100万トンの8割が輸入で、主力は米国だ。豆腐の原料に限ると輸入比率は9割超。製油用を含む大豆の消費量全体(約500万トン)の自給率は4%店に行くと「国産大豆使用」の表示がやたらと目につく。どうみてもそんなに国産原料があるとは思えないのだが…さて、非常事態である。豆腐用の非GM大豆の価格が昨年比で1割以上値上がりした。この上2割以上の値上がりが予想されるという。アメリカ農業の主流は「食用より燃料用」なのだ! 売り手市場となった大豆相場がどうなるか、火を見るより明らかである06年度の食料自給率はついに40%を割り込み39%となった。「自給率低下」というが、日本の場合、輸出大企業の利益のために食料輸入を戦略的に拡大し続け、自給率を人為的に下げてきたのが実態だ農水省はやおら「食料安保課」を大臣官房に新設する。読んで字のごとく、戦争をやるために食料をいかに確保するかが問題になっているのだ。主食のコメ自給まで放棄する政策をとりながら、彼らが考えていることは「兵を出す」なのだ。暴政の極みである。

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週刊『三里塚』(S734号1面6)(2007/08/15)

 闘いの言葉

 獄中は自由だ。鉄格子以外に失うべきものが何もなく、獲得すべき全世界がある、と実感できる。これこそ革命家の腐敗しない本来のあり方だ。
 爆取弾圧被告・十亀弘史さん(法大生獄中通信『団結パンチ』2)

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週刊『三里塚』(S734号2面1)(2007/08/15)

 “農地優遇税制見直す”

 規制改革会議「答申の柱に」

 現代の“農民追放”政策だ

 市東さんの耕作権問題と一つ

 安倍政権が農地法の廃止へ動き出した。その具体策は農地集約化のための優遇税制廃止である。現代のエンクロ−ジャー(農民追放)が始まった。農民の反乱拡大は必至だ。
 7月24日の日本経済新聞は、「農地集約へ税制見直し」との大見出しで、農地に関する優遇税制を廃止する方向で、政府が検討に入ったことを報じた。
 これは昨年5月に、財界の研究・提言機関である日本経済調査協議会が出した「農政改革最終答申」の農地法廃止提言を具体的に政策化するものだ。
 内容は、現在埼玉県と同じ面積(39万f)ある全国の遊休農地について、税の優遇措置をやめて、手離すよう強制するというものだ。税の優遇措置が撤廃されれば、固定資産税は、数十倍にはね上がり(例えば東京23区内では80倍)、農地の保有をつづけることは不可能となりる。
 実は、遊休農地は現在でも、税の優遇措置を取り上げることができるが、農家があまりに厳しい状況に置かれていることを見かね、実際には、各地区農業委員会の裁量で優遇措置が継続されている。これに対して政府は、各農業委員会に圧力をかけて、優遇措置の廃止を強制させる方針を明確にしたのだ。
 その一方で、大規模農家に貸し出せば、「税の優遇措置は継続する」としている。その狙いは「大規模農家を増やし、企業の参入を進める」というものだ。
 つまり、企業の利益に沿った土地集約のために、零細農家が保持してきたわずかな農地も取り上げて、追い出そうという、許しがたい農地強奪政策だ。
 こうした政策を受けて、政府の規制改革会議(議長、草刈隆郎日本郵船会長)は8月20日までに、「年末にまとめる最終答申では農林漁業改革を柱の一つにする」「最終答申では、農業分野の流動化策を検討する」方針を固めた、との報道がなされた(8月20日、日本経済新聞)。
 農林水産省は、今年1月30日に「農地政策に関する有識者会議」を発足させ、月に1〜2回のペースで、農地法の廃止に向けた作業を行ってきていた。この経緯の上に、今回、2008年の税制改正にむけた具体的な動きを開始し、財政諮問会議と並ぶ政策決定機関=規制改革会議が「第二の農地改革」=農地優遇税制廃止→農地法廃止へ踏み出したということなのだ。
 「農民が資産価値を期待して農地を手放さないから集約化が進まない」――これが自民党政府の一貫した主張だった。61年農業基本法法以来45年も果たせなかったこの攻撃を今回、「税制見直し」という強権で強行しようというのだ。
 農民を農業で生きられなくしておきながら、生活防衛のためのささやかな保証である農地の保有すらも強制的にやめさせてしまう、これは現代のエンクロージャー(注)とも言うべき、農民追放政策だ。参院選で示された農民の怒りと反乱を一気に拡大するであろう。そして、これは市東さんへの農地法による農地取り上げ攻撃と完全に一体の問題だ。
 労農の連帯した力で、安倍政権による農業・農民切り捨て、農地の取り上げ攻撃と断固対決し、政権打倒へ闘おう。
(写真 農地優遇税制見直しを開始した安倍政権の規制改革会議。年末の答申に「盛り込む」【写真は5月17日】)
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(注)イギリスで羊毛産業が起こった16世紀から18世紀に、羊を飼育する牧草地を拡大するため、農民の畑を囲い込んで追放した絶滅政策。

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週刊『三里塚』(S734号2面2)(2007/08/15)

 イラクはいま世界を揺るがす

 米軍が持ち込んだ腐敗、汚職、無秩序

 4年間で破壊され尽くしたライフライン

 夏季攻勢失敗明らかに

 崩壊米軍、戦線離脱者止まらず

 ライフラインは、4年間の占領によって完全に破壊された

 イラクのインタープレス通信によると、全イラクの発電態勢は需要の半分しか満たせず、全国規模の停電が最近の2日間に4度も発生した。現在では、電気が通じるとしても1日に2〜3時間程度のものだ。さらに停電と供給カットのためにポンプ場と浄水場の能力が低下し、首都の水事情が非常に悪化している。  停電の理由は、燃料不足である。そのため、各州が発電所を全国網から切り離そうとしている。バスラ、ディワニヤ、ナシリヤ、バビロンといったイラク南部の諸州は、既に州内の発電所を全国の配電網から切断してしまった。クルディスタンを含む北部諸州も同様の動きを見せている。
 そのために、バグダッドに送電する高圧電線は17本の経路があるのに、2本しか機能してない有様だ。米軍は、何かあると、レジスタンス部隊が送電線や発電所を破壊しているからだと言うが、事実はまったく違うということだ。米軍による占領こそがライフライン破壊の元凶である。
 アメリカ帝国主義の「イラク再建」というホームページでもバグダッドの平均通電時間は1日わずか5時間である。
 アメリカも批准しているジュネーブ条約には、占領国が住民の食糧及び医療品の供給を確保する義務を負い(55条)、住民のための救済計画の実施を容易にしなければならない(59条)という規定があるが完全に違反している。
   *

 世界一のアメリカ大使館

 8月に入っても、グリーン・ゾーンは連日砲撃を受けている。イラク人民にとって、グリーン・ゾーンは、アメリカそのものだ。いまや、グリーン・ゾーンで暮らすのは、米英日などの外国人と03年まで外国に逃亡していたイラク人のみである。
 グリーン・ゾーンでは、世界一巨大なアメリカ大使館が建設中である。大使館のオープンは、9月が予定されている。イラクに行くなら、5倍から8倍の給料が保証される。ロサンゼルス・タイムスによれば、高給に誘われて、イラクで働く中東、アフリカ以外の外国人は、4万3千人である。危険は承知とはいえ、彼らがこうむった被害は甚大だ。人権団体の報告では、既に今年約800人弱が、犠牲になっている。
 イラク政府によれば、03年以来、バグダッドの「再建」に投入された資金は9500億ドルに上るそうだ。そのうち、60lが、アメリカ高級官僚とカイライ政府の汚職と腐敗のために消えてしまった。一番有名なのは、230億ドルを持ち逃げしたイラク暫定統治機構長官ポール・ブレマーだ。今年7月には、アメリカ司法省が、イラク再建事業関係で総額445億ドルの汚職事件を告発している。
 イラクの予算執行権ははアメリカにあり、各省の米国人「アドバイザー」こそが実験を握っている。しかし彼らこそペテン師ぞろいなのだ。イラク証券取引所のアドバイザーは、10億ドルの資金と共にイラクから逃亡した。(ガーディアン)
 電気も水もないバグダッド市内と豪華なアメリカ大使館。アメリカがイラクに持ち込んだのは、民主主義ではなく腐敗と汚職、無秩序である。
(写真 バグダッドのグリーン・ゾーン内で炸裂する自爆戦闘【4月12日】)
    *

 米軍の夏季作戦は敗北

 8月13日、米軍はディヤラ州の州都バクバで実施していた「アローヘッド・リッパー作戦」を完結。新たに1万6000人を動員して、「ライトニング・ハンマー作戦」を開始した。アローヘッド作戦は失敗した。
 その原因のひとつは、米軍によるイラク人兵士への侮辱だ。バクバ近くの米軍前哨基地。第1騎兵師団第3旅団戦闘団の基地の仮設トイレには、「米軍兵士と軍属専用、イラク人使用禁止」の張り紙が張ってある。食堂には、「イラク人とアジア人の夕食時間は、1時間。米軍は3時間。」となっている。イラク人やアジア人労働者は、侮辱だと感じておりトラブルの元になっている。(米兵のメール)
 もうひとつは、カイライ政府内の分裂と腐敗だ。7月31日、イラク軍の参謀総長(クルド人)と配下の軍指導者9人が辞任した。(インタープレス)
 この結果、バクバで米軍とカイライ政府軍が制圧している地域は、相変わらず一部でしかなく、バクバ周辺はレジスタンス部隊の制圧下にある。
 米軍による爆撃は06年の5倍になっている。07年の半年間で空・海軍機が投下した爆弾は437発。06年の前半86発の5倍だ。攻撃対象は、地上軍が踏み込むと危険な場所だ。具体的には、バグダッドのサドルシティー、南部のディワニーヤやサマワ、クートである。スンニ派レジスタンス部隊への攻撃で手一杯の米軍は、シーア派に対しては爆撃で対応しているのだ。無人偵察機「プレデター」の任務も増大している。6月、7月は、175回出撃し、装備している「ヘルファイヤー」対戦車ミサイルを発射している。
 イラク駐留米軍最大のバラド空軍基地「キャンプ・アナコンダ」は、週当たり1万回の航空作戦を指揮している。このため、滑走路の拡張工事が急ピッチで進められている。一方、レジスタンス部隊は、タジー地区で、戦略的に極めて重要な橋を爆破した。5月からレジスタンスは、組織的、系統的に米軍兵たん線を破壊してきた。しかし、米軍には、破壊された橋梁を修理し、再建する力がない。なぜなら、「民営化」のおかげで陸軍工兵隊に橋梁専門家がいないからだ。      
    *

 米兵士の惨状

 英国の医学雑誌「ランサー」は、03年3月以来のイラク国民の戦争犠牲者は、100万人を超えたと伝えている。米軍兵士の損害も増え続け、公式発表でも4000人以上。そのうち3lが自殺である。
 8月9日、1人の米陸軍兵士がイラクでの従軍を拒否。不名誉除隊の道を選択した。彼は、99年海兵隊を満期除隊後ケンタッキー州陸軍州兵に登録、06年イラクに派遣された。彼は、1年間バグダッドで250回以上「狙撃監視任務」「家宅捜査任務」に従事した後、ついに「アメリカに、イラクを占領している権利はない。私は、イラクの人々の生活を脅かし、家族を守ろうとした人々を殺害してきた。われわれ自身の犠牲は、イラク人民にもたらされた大虐殺の前では影をひそめてしまう」「私は任務終了が近づいたころ、上官に考えを伝えた。ただちに監禁されクウェートの陸軍刑務所に30日間服役した。しかし過去1年味わったことのない平穏を味わっている」「これからは、イラク反戦陣営に加わり、戦う決意だ」と語った。(『抵抗する勇気』)
 反軍兵士の決起は、米軍の中で続いている。現役兵士のイラク派遣拒否、退役兵士の反軍活動が、高揚するアメリカの労働運動と結びつき、米軍全体が人民の軍隊となることは、決して夢ではなくなった。

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週刊『三里塚』(S734号2面3)(2007/08/15)

 「提訴乱発は危機の証拠」

 顧問弁護団と反対同盟が交流会

 千葉地裁は司法反動の先兵!

 8月9日、反対同盟は顧問弁護団の6人を三里塚現地に迎え交流会を開いた(写真)。参加したのは、葉山岳夫、一瀬敬一郎、大口昭彦、遠藤憲一、浅野史生、西村正治の諸先生方。
 市東孝雄さん宅離れに集まって、午後2時半から交流会を始めた。鈴木謙太郎さんが司会のあいさつ。つづいて北原事務局長から「今日の日を待ち焦がれていました。今、三里塚の裁判闘争はかつてなく重要な位置を担っている」とねぎらいの発言。
 鈴木幸司さんは「転売のための一坪共有地強奪を許さない」と決意表明。市東さんは乾杯の音頭に先立って「最後まで弁護団の先生方と団結して闘いぬきますのでよろしく」ときっぱり語った。
 弁護団もそれぞれがあいさつを行った。「空港会社が姑息で卑劣な裁判に訴えてきているのは追いつめられている証拠」「傍聴闘争への取り組みをひきつづき強めてほしい」という趣旨の決意あふれる発言が行われた。
 その後夕暮れまで歓談し、勝利に向けた団結の絆を固くした。

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週刊『三里塚』(S734号2面4)(2007/08/15)

 革共同集会での萩原進さんの発言

 300万農民は反乱開始した

 革命の隊列にむしろ旗を

 7・29革共同集会で反対同盟の萩原進事務局次長から、労働者への連帯を求める熱いメッセージが発せられました。「10・7から11月へ」と訴えています。全文を紹介します。

 最初に申し上げたい。最近叫ばれている「青年労働者の力で革命を起こそう」というすばらしいスローガンに農民階層も加えていただきたい。なぜなら、今の政府支配者は、農民階層そのものを、この10年でなきものにしてしまおうとしているからです。
 そういう攻撃が始まったんです。青年労働者は立ち上がろう、というスローガンはありますが、農村青年は立ち上がろうというスローガンはない。農村に青年がいないんです。この現実を知って欲しい。
 いまの農民は60歳以上が圧倒的多数を占めております。あと10年たったら自己崩壊を起こす以外にないのが農民階層の現状なんです。年間で1000人しか就農する青年層がないんです。それすらもが2〜3年で壁にぶちあたり、離農するんですよ。
   *
 それではその青年層はどこへ行った? みな労働者になっている。昭和初期の冷害の時に、農民が食べていけずに娘を身売りするという状況がこの日本にありました。しかし今日も、形を変えて資本に身売りする以外にないところに追い詰められているんです。この状況をどうするか。まさにそういう問題として、いま三里塚の闘いが問われているんです。
 市東さんの農地取り上げは、そのことを如実に物語っている。先取り的に農地法とか農業委員会とか、県知事とか、本来、農業を守るべき法律や輩が一気に襲いかかってきている。
 農業と農民をつぶす攻撃としてなされてきている。そういう意味で、三里塚闘争の新たな局面がある。
   *
 松岡とか赤城とか自民党のあんな輩に農業や林業や水産業を任せることはできないんです。われわれもここ5年が勝負なんですよ。若い農村青年をつくり、農村の農民が決起する。
 そういう意味も込めて、反対同盟は野菜の消費者の中に入りこんで、市東さんの問題を訴え、賛同人になっていただき、裁判にも来ていただいている。
 あるいは既成の消費者運動にも出ていき、あるいは反動勢力ではあるが農協の総会に孤立無援のなかで飛び込んで、訴えている。
 それは何かというと、日本の革命を担う主軸は労働者階級です。しかし革命を起こすためには、農民階層がいなかったら起こせません。戦争やるにも、何やるにも食料というものは必要なんですが、われわれはそういう輩には食料を渡しません。革命をやる労働者にこそ食料を供給します。そうなることを願って三里塚闘争を闘い抜いてきたわけです。

 ●韓国のように

 そういうなかで、5月の半ば、「国会闘争報告」が来ました。国会闘争の脇で農民のデモがあったと。しかし自分はこれをみて非常にがっかりしました。この記事はまだ傍観者じゃないか。第三者の姿ではないだろうか?  なぜ、その隊列に向かって、あるいは隊列に入って、自分も反対です、自分たちと一緒に闘いましょう、と、そういう提起が何故できないのか? 昨年、一昨年には韓国でイラク増派の国会決議と、農産物自由化を承認する国会に対する闘争があった。その時に、労働者と農民がともに手を取って国会前で火炎瓶を投げて、ともに実力で闘ったんです。
 労働者と農民が、ともに汗を流して血を流して闘い抜いているんですよ。日本の労働者と農民はこうした戦いを何としても実現しよう。
 (労働者と農民が)ともに闘おうということです。労働者の圧倒的な決起の中に農民のむしろ旗が立たなければ革命は勝利できません。これができなければ革命は起こせません。
   *
 三里塚はそういう立場から絶対にこれをやり遂げていく。そのための農民になろうと決意しています。その闘いを三里塚でこれから作って、そういう闘いに勝利するんだ。 そのためには10月の三里塚には3000人の大部隊を集めなければだめです。でなければ、11・4日比谷の1万という目標は達成できません。ぜひ労農の力で達成しましょう!

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週刊『三里塚』(S734号2面5)(2007/08/15)

 体張って戦争阻止

 8・6広島に萩原さん参加 9カ所で熱い檄

 萩原進さんは革共同集会につづいて、8月5日、6日の広島で闘われた「広島反戦反核闘争」に参加して、三里塚闘争の意義と重要性、農民と労働者が連帯してたたかう大切さ、そして「10・7三里塚〜11・4日比谷集会」への決起を訴えた。
 5日、午後1時から開かれた「被爆62周年ー8・6ヒロシマ大行動」主催の「国際連帯集会」で、萩原さんは、反対同盟としてはじめて登壇し、国際色豊かな参加者に、15分間にわたって、三里塚からのアピールを行った。
 5日夜、同じ会場で開かれた「産別交流集会」の7つの分科会すべてに参加して、「朝鮮侵略戦争が始まれば、自治体労働者、医療労働者をはじめ、労働者が戦争に組み込まれ動員されていく」と現下の情勢を語った上で、「市東孝雄さんが自分の農地を守りぬく闘いを通して実現しているのは、単に農業の問題にとどまらず、滑走路の3000メートル以上への延長を阻止することを通してこの戦争への流れを独りで身体を張って止めている」「三里塚闘争40年は、労働者の革命への闘い、戦争反対の闘いへの熱い連帯が込められた闘いだ。これに労働者が自らの闘いの中からどう応えていくかが問われている」と確信をもって提起した。
 「すべての分科会を全力で駆け抜けたその凄まじい気力に感動した」という関西実行委員会の松原康彦さんの感想が、萩原さんの奮闘ぶりを示している。そして6日の「被爆者解放集会」でも、「労農同盟の力で10・7三里塚全国集会を成功させ11月1万人結集へ」と訴えた。
(写真 萩原さんが発言した「8・6広島国際連帯集会」【8月5日】)

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週刊『三里塚』(S734号2面6)(2007/08/15)

 三芝百景 三里塚現地日誌 2007

 8月1日(水)〜8月21日(火)

●アジア・ゲートウェイ戦略で日韓機乗り入れ 安倍首相の先導するアジア・ゲートウェイ戦略によって、国土交通省は「首都圏を除く日韓両国内の空港乗り入れを相互に自由化することで合意した」と発表した。内容は日本の首都圏空港を除く両国内のすべての空港間の新規路線開設や増便を自由化する、というもの。(3日)
●萩原さんが8・6広島反戦闘争に参加 反対同盟の萩原進事務局次長が初めて、8・6広島反戦闘争に参加し、国際連帯集会、被爆者解放集会、産別労働者の集会など計9カ所で訴える激闘をやりぬいた。(5〜6日)
●日豪EPA交渉第2回目始まる 東京の外務省で、日本とオーストラリアの間のEPA(経済連携協定)の第2回目交渉が5日間の日程で始まった。「EPAの締結にこぎつけるためには、日本の農産物市場の開放が必要だが、自民党が参院選で農村部を中心に惨敗したため、今後の交渉は難航する」という見方が強い。(6日)
●反対同盟と弁護団が交流会 反対同盟と顧問弁護団は三里塚現地・市東孝雄さんの離れで交流会を開催し、重大な局面を迎えた三里塚裁判闘争の強化にむけて意見を交換し、交流を深めた。(9日)
●「食料自給率40l割る」 農水省は、2006年度の食料自給率がカロリーベースで39lだった、と発表した。これはコメが大凶作だった1993年以来のこと。農水省の公式の政策は「2015年に45lにする」というものだが、自給率向上化政策自体が放棄されようとしている。(10日)
●萩原哲子さん逝去 萩原事務局次長の母堂である哲子さんが亡くなられた。故市東東市さんの同級生で享年93歳。(18日)
●萩原さんの通夜、葬儀しめやかに 萩原哲子さんのお通夜と葬儀が、同盟関係者、支援の労農学多数参列の下、成田市八富斎場でしめやかに行われた(20、21日=写真)

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