SANRIZUKA 2003/09/01(No638 p02)

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第638号の目次

萩原進・事務局次長

萩原進事務局次長に聞く

不要滑走路、閉鎖を 2500メートル化は不可能

1面の画像
(1面)
暫定開港の国家犯罪、明るみに
萩原進事務局次長に聞く
不要滑走路、閉鎖を 2500メートル化は不可能
「40メートル飛行」、事故続発の滑走路
ジャンボ飛べぬ北延伸
記事を読む
暫定路の破綻と「北延伸計画」の真相(中)
意味ない工事やめよ 反対同盟調査公表
民営化で「補助金」消滅 総裁自認
記事を読む
ピンスポット 米英の軍事占領、根幹揺らぐ
米軍の殺戮に報復
イラク人民の抵抗闘争拡大
記事を読む
 コラム 団結街道 記事を読む
闘いの言葉 記事を読む
(2面)
朝鮮戦争計画「5027-00」
成田に米軍飛来 遂に70万に拡大
朝鮮人民との国際主義的連帯を
成田空港を殺りくの基地にするな
ブッシュの戦争支える列島基地化 核先制攻撃、迅速旅団の新計画も
記事を読む
新たな作戦次つぎ 開戦を前提に「5030」など改定 記事を読む
韓国 迅速部隊演習に学生反撃
8・7 米軍装甲車を占拠 英雄的闘いにつづこう
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三芝百景 三里塚現地日誌 2003
8月11日(月)〜8月19日(火)
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週刊『三里塚』(S638号1面1)

 暫定開港の国家犯罪、明るみに

 萩原進事務局次長に聞く

 不要滑走路、閉鎖を 2500メートル化は不可能

 「40メートル飛行」、事故続発の滑走路

 ジャンボ飛べぬ北延伸

 暫定滑走路開港以来の三里塚闘争は、公団総裁・黒野による「北側延伸」攻撃をめぐるたたかいだった。東峰区住民を追い出して滑走路を二五〇〇bに延長しようとする公団は、権力を背景にした脅迫と買収をくり返した。浮き彫りになったことは、彼らの一貫した農民無視の姿勢だ。萩原進事務局次長にたたかいのポイントを語ってもらった。(編集部)

萩原進・事務局次長 ――〇三年前半の三里塚現地のたたかいについて伺います。暫定滑走路開港から一年半。現在の局面をどう考えますか。
 今年は俺ら東峰部落や天神峰の農家を屈服させるための、公団の焦りに満ちた攻撃が続いていた。暫定滑走路開港以来の攻防が、ひとつの決着に向かって煮詰まっていく。そんな手応えを感じている。
 昨年の開港で、ご存じの「四十b飛行」という現実が始まった。農家の頭の上四十bをジェット機が毎日飛ぶ。通常考えられない事態だよな。国ぐるみの地上げだ。公団は反対農家をつぶせると思っていた。
 ところが一軒の農家も屈服しなかった。みんながんばり抜いた。話し合いだとか言いながら、ここまで権力に足蹴にされて負けるわけにはいかないという思いが、どの農家も共通してあったと思う。
 それで公団は追いつめられて、あの手この手で攻めてきた。なにしろ開港は犯罪だ。人権侵害という次元を超えている。国家の犯罪。マスコミはほとんど報道しないから隠されてるけど、多くの人の知るところとなりつつある。

 ――具体的な攻防のポイントは?
 攻撃は目に見える部分と水面下の両面であった。情報戦も熾烈だった。奴らは農家を脅して屈服させることが目的だから。最大の攻撃は暫定滑走路の「北側延伸」というアドバルーンだろうな。俺らが用地交渉に応じないなら北側に伸ばしてジャンボ機を飛ばすという脅迫。
 そこまでやるか(?)という攻撃でしょ。マスコミもこぞってこの脅迫記事を書いた。ジャンボが飛んだら東峰は今度こそ生きられない環境になると。

 ――それで「北延伸」についての真相解明に力を入れたわけですね。
 暫定滑走路を二五〇〇bにする、というのが公団の悲願なんだよ。二一八〇bでは中型機しか飛べない。滑走路を阻んでいる農家の屈服を前提に開港したけどみんな頑張った。これは公団の計算外なんだ。それで北側延伸と言い出した。なりふり構わず。
 なにしろ暫定のまま北に伸ばしてもジャンボ機は滑走路に入れないんだよ。ここが重要。駐機場から滑走路への入り口の連絡誘導路が基準より狭くて曲がっていてダメなんだよ。元パイロットの専門家も呼んで詳しく調査した。マスコミはこの事実を調べもしないで、黒野(総裁)の「北延伸」発言を垂れ流したけど、北延伸は意味がないわけ。何百億使って工事やってもジャンボは飛べない。
 そのことを詳しく公表した。無意味な工事までやって農家を脅迫するのは止めろと強く要求した。その後、新聞もこの北延伸に関して公団の提灯記事をあまり書かなくなったでしょ。ウソが暴かれたんですよ。

 ――公団が焦る理由は、来年四月の民営化移行という問題もあります。

 事故はくり返す公団は犯罪者だ

 なにしろ成田空港で発着してるアジア便の大半が羽田に移るということだろ? 羽田の本格的な再国際化と新滑走路完成が〇九年。これまでのタブーが国交省のなかで公然と動き出した。成田の暫定を二五〇〇bにするのはもう絶望的だと分かってきた。成田はアウトだと烙印を押される寸前だ。へたをすれば暫定滑走路は閉鎖もあり得ると言われ出した。

 ――できたばかりの滑走路が不要になるとは、大変な危機感でしょうね。
 大変なことですよ。「遂に二本目の滑走路が完成」と鳴り物入りで開港したわけだから。それが欠陥滑走路で使い物にならないことがバレてしまった。誘導路もグニャグニャ。市東孝雄さんの畑とか現闘本部とか一坪共有地とかいろいろ空港の中にあってズタズタ。案の定、曲がった誘導路で飛行機同士の接触事故が起こった(※注1=〇二年十二月)。「絶対起こる」といわれていたオーバーラン事故も起こった(※注2=〇三年一月)。大惨事寸前ですよ。しかも欠陥は改善しようがない。事故はこれから何度でも起きる。
 民営化を前にして、こういうことが国交省で全部問題になったわけ。°親方日の丸″空港が民間資本に移るわけでしょ? こんな滑走路で営業になるわけないですよ。莫大な投資をして売掛金が一銭も回収できない状態。航空会社にも愛想つかされてアジア便は羽田に移ると。社会的にも成田の失政が決定的な形で暴かれる瞬間が近づいている。三十七年間の農民殺しの因果がめぐってきたということですよ。
 だから公団は、何が何でも反対派農家をたたきだそうと焦っている。俺らを抹殺できなければ彼らは犯罪者だからね。農民殺しの歴史が満天下に明らかになる。だから一坪共有地を強奪する裁判を始めたり、東峰部落を全部つぶして貨物地区を造るなんてアドバルーンを挙げてみたり。東峰区への「謝罪」文書を流してみたりと。なりふり構わぬ感じだよ、黒野は。

 ――当面の現地攻防の目標をどこに置きますか。
 暫定滑走路の閉鎖。不要な滑走路をただちに閉鎖すべきであることを改めて世に問いたい。そのために全国の皆さんの力をもう一度お借りしたい。十月の全国集会は近年にない大規模な集会として成功させたい。これが最大の課題です。

 反戦、反軍事空港の闘いを

 ――全国の仲間との連帯について、いま考えていることは何ですか。
 三里塚闘争は農民闘争だ。土地を武器にたたかう。これが基本。そして同時に反対同盟は、すべての労働者や学生と連帯して闘うことを重視してきた。労農学共闘。闘う人民に開かれた闘争。
 そして実力闘争。国家権力が相手だから、そもそも実力で闘わなければ闘争は成り立たなかった。機動隊の大群が押し寄せて力ずくでやられてお終いという攻撃だったからね。それで三里塚の北総大地は大勢の学生や労働者が集まる戦場となってきた。逮捕・流血を恐れず闘うことは三里塚では常識だった。俺だって何度逮捕されたか分からない。
 三里塚はこれまで世の中で突出していたかもしれない。過激な闘いだと言われてきた。しかしこれからの時代は違う。三里塚の状況が当たり前になる時代が押し寄せてきた。
 団結し力を結集し、逮捕を恐れずたたかう考え方がなければ、ささやかな権利さえも守ることはできない。そういう時代ですよ。だから三里塚はすべての労働者人民との連帯を求めている。

 ――人民がやられっぱなしなんてあり得ない時代だと。
 世界はすでにそうなっているじゃないか。中東で、イラクで、何千人もの大勢の人間が米軍の最新兵器で無残に殺された。一片の大儀もない戦争で。それに対して多くの人民が命を捨ててまで闘う。闘わなければ生きていけない人たちが膨大に生まれている。そういう時代を現代の帝国主義は作り出してきた。
 日本がイラク戦争を支持して出兵するのは大変な事態ですよ。日本もアメリカみたいになる。もう始まってるんだよ。戦前に完全に逆戻り。それが今の日本だ。三里塚闘争の地平と経験がものをいう時代です。

 ――反対同盟は結成当初から「軍事空港反対」のスローガンを掲げてきましたが…。
 軍事空港の問題だってそうでしょ? 成田は民間空港なんだから軍事空港なんてありえないと新聞は書いてきた。それがどうですか。朝鮮有事の際には米軍が強制的に使うことなった。有事法制ができて、空港の労働者は強制的に動員される。成田を飛び立つ爆撃機が平壌を爆撃するという事態が目の前まで迫っている。法律に従えばこれに反対できない。さあどうする。戦争協力を拒否すれば犯罪者にされてしまう。それが有事法制でしょ。
 最終的に、国家に逆らう覚悟がなければ闘えなくなるんですよ。反戦闘争は自分たちの生活をかけた闘いにならざるを得ない。すべての闘いがそうだ。だから団結して闘う。三里塚のような闘いが意味を持ってくる。

 世界が注目する動労千葉の闘い

 ――三里塚と共に長年、労農連帯で闘ってきた動労千葉がアメリカの労働者の注目を浴びています。
 動労千葉の労働者が俄然注目を集めているのは当然だと思う。労働者が次々と首を切られて権利を剥奪される時代でしょ。日本では大きな労働組合がスト一本打てなくなって、政党も社民や共産が全部転向してね。民主は戦時立法に賛成した。そのなかで動労千葉は敢然とストライキでたたかった。凄いよ。注目を集めるのは当然だと思う。この闘いの姿勢こそが、世界の労働者や農民との連帯を生み出すと確信できる。希望の星なんだよ。
 アメリカやヨーロッパ、そして世界中で大規模な反戦デモが起こっているけど、中心部隊は労働者や農民たちだ。学生たちも先頭をきって立ち上がっている。みんな一体なんだよ。同じ敵に向かって立ち上がっているわけ。そういう地球規模のたたかいの中に三里塚もある。
 苦しい時代を、歯を食いしばって戦い抜いてきたかいがあったと実感する。この日本でも嵐のような闘争の時代はすぐそこまで来ている。もう自民党政権が金ですべてを解決できる時代は確実に終わった。永田町ですべてを決められる時代も終わったということだ。政党も大再編が始まるだろうな。

 ――今日のお話の結論をお願いします。
 三里塚の闘い。そして動労千葉の労働者の闘い。長年培った労農連帯。ここに勝利へのカギがある。前に進もうといいたい。反対同盟はすべてのみなさんとの連帯を改めて訴えます。十月集会で大勢の仲間の皆さんとお会いすることを楽しみにしています。
 (八月十七日 談)

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週刊『三里塚』(S638号1面2)

 暫定路の破綻と「北延伸計画」の真相(中)

 意味ない工事やめよ 反対同盟調査公表

 民営化で「補助金」消滅 総裁自認

 成田民営化を目前に控えた空港公団・黒野総裁は、暫定滑走路(二一八〇b)の二五〇〇b化を阻んでいる東峰・天神峰地区の地権者農民を屈服させることに全力をあげ、北側延伸計画なるものを「脅しのカード」(黒野)としてちらつかせてきた。用地交渉に応じなければ暫定滑走路を北側に伸ばしてジャンボ機を飛ばすぞという脅しだ。大型機の騒音は桁外れで、滑走路南端直近に住む地権者は今度こそ出て行く以外になくなるという脅しだ。理不尽きわまる国家ぐるみの°地上げ″だが、実は「北側延伸」ではジャンボ機は飛べない。反対同盟は事の真相を詳細に暴くことに成功した。
     *
●反対同盟と東峰区の反撃
 反対同盟は六月二十二日の記者会見で「北延伸」工事がいかに無意味かについての調査結果を詳細に公表した。暫定滑走路は未買収地に挟まれた誘導路の幅(障害物までの距離)が狭く、湾曲していることが致命的で、現状のまま滑走路を北に延長してもジャンボ機は滑走路に入れない。(※写真と解説)
 暫定滑走路の短さ(二一八〇b)が問題になる理由は、この離島空港なみの滑走路では、成田空港発着の九割近くを占めるジャンボ機が使えないというものだった。つまり未買収地をそのままにして暫定滑走路を北側に延伸しても、巨額の予算(公団試算で三百数十億円)を使って工事を行う意味がないのだ。
     *
 また暫定滑走路の北端は、東関道(高速道路)までの距離が七百二十bしかない。仮に滑走路を北側に三百二十b伸ばして二五〇〇b滑走路にすると、進入灯などを設置するアプローチ・エリアは四〇〇bしか取れない。これは国際基準(九〇〇b)の半分以下だ。結局、「延長」した滑走路内に進入灯を食い込ませて運用することになる。つまり「北側延長」では実質的な滑走路長はほどんど変わらないのである。
 結局、暫定滑走路の延長問題は、未買収地問題の全面的解決による南側への延長、すなわち東峰地区を更地にする平行滑走路の本来計画以外に成立しないのである。これは航空専門家の詳細な調査もあり、関係者にとっては周知の事実だった。
 公団の関心も実は南側への延長だけである。そのために「北側延伸」を脅し材料に東峰区住民への脅迫を続けているのだ。朝日新聞などはこの問題の背景を一行も分析もできずに「北延伸の体制整う」との公団リーク記事を垂れ流し、大恥をかいた。(5・17付千葉版=本紙633〜635号参照)
 黒野はこの後も「北延伸は(脅しの)カードとして残す」(7月11日の成田民営化法案可決時の会見)と言い張っているが、実に不謹慎だ。三月に行った東峰区住民への「謝罪」(前号参照)は何だったのか。彼らは結局、農民たちを人として扱っていない。三十七年にも及ぶ三里塚闘争の根本原因は権力を盾にした農民無視だ。この根本問題は何ひとつ変わっていないのである。
     *
●「空港の恩恵」ゼロ化
 暫定滑走路の開港は新たな騒音被害の拡大を周辺住民にもたらした。批判は強まるばかりだ。七月四日には地元の騒音対策協議会が「北延伸反対」の決議をあげた。
 同協議会は、これまで「騒音の見返り」と引き替えに公団に協力してきたが、事態は一変した。民営化によって空港周辺環境対策の責任は国から民間資本に移る。資本は利益第一主義だ。周辺対策は限りなくゼロ化するだろう。
 これまで騒音地域は過疎化と地価下落で大きな損害を被った。バラマキ行政も不可能になった今日、「共存共栄」の甘言と金ですべてを解決するという時代は確実に終わりを遂げつつある。
     *
 黒野総裁は、七月三十日の成田民営化法案可決に際しての会見で、民営化後の空港周辺の騒音対策が危ぶまれていることを聞かれ、「常識的に必要がないことはやらない」と早くも煙幕を張った。
 この問題では、今年二月に千葉県と空港周辺自治体が国交省との間で民営化後も新空港会社が周辺対策を引き継ぐとの「覚書」を交わした。
 しかし国交省側はあくまで新会社の義務の明細を法文化することを拒否。周辺対策はあくまで「約束事」となった。国は補償を法的義務化を拒否したのだ。
 (つづく)

クランク状に強く湾曲している第2ターミナルと暫定滑走路を結ぶ連絡誘導路  致命的! 大型機は通れない

 写真は、第2ターミナルと暫定滑走路を結ぶ連絡誘導路だ。ジャンボ機の通過に必要な誘導路の幅は航空法施行規則で「101b以上」と定められているが、この誘導路は93・5bしかなく、規定より7・5bも狭い。しかも急勾配の坂となっているうえ、クランク状に強く湾曲している。ジャンボ機はここを通過できないのである

 解説

 【注1・接触事故】
天神峰・市東孝雄さん宅前の誘導路で起こった。離陸待機していた日本エアシステム機の後方をルフトハンザ機が自走通過した際に、尾翼と主翼が接触した。日本エアの機長が衝撃に気づいて離陸を中止できなければ大惨事につながるところだった。公団は事故の発生を二十四時間以上隠していた。

 【注2・オーバーラン事故】
雨天で着陸した全日空機が滑走路南端をオーバーランし約七十b暴走、航空灯火をなぎ倒し、草地でようやく停止した。目の前五十bに東峰神社の陥没があり、わずかの差で大惨事となる寸前だった。公団は事故原因の究明も待たずに運航を再開したが、再発は必至である。

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週刊『三里塚』(S638号1面3)

ピンスポット 米英の軍事占領、根幹揺らぐ

 米軍の殺戮に報復

 イラク人民の抵抗闘争拡大

バグダッドで十九日、国連現地本部が大量の爆弾を積んだトラックで攻撃された バグダッドで十九日、国連現地本部が大量の爆弾を積んだトラックで攻撃され、国連事務総長特別代表を含む少なくとも十七人が死亡した(=写真)。米英軍による無差別の大量殺りくに続くイラク軍事占領は、彼らの予想をはるかに超える人民の抵抗で根底から揺らいでいる。
 国連が事件を「暴力」「テロ行為」等と非難するのはあまりに虫がいい。目線をイラク民衆の側に置けばわかる。罪のない人々数千人が殺されたのだ。理不尽この上ない攻撃で愛する家族を失った人々の怒りは底が見えないほど深い。当事者にとってみれば、事件はささやかな報復だろう。
 イラク戦争を支持したり、何らかの形で容認した者に今回の事件を批判する資格はない。国連は「イラク復興」(米英による資源の略奪)を続行すると表明したが、国際帝国主義の手先として泥沼の抵抗闘争の餌食となるだけだ。米英帝国主義の軍隊とともに即刻撤退せよ! これが唯一の選択肢だ。

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週刊『三里塚』(S638号1面4)

団結街道

 一八六三年六月、ロンドン。「宮廷用婦人服製造所で搾取されていた、二十歳の女工が死亡した…彼女は六十人の娘たちと、必要な空気容積の三分の一もない一室に三十人づつ入り、二十六時間半休みなく労働し、一つの寝室を板壁で仕切った息詰まる穴の一つで二人づつ寝た…」(資本論)日本の過労死の記録では、拘束労働時間が四〇三八時間という実例が多くある。三〇〇〇時間を超えると過労死の危険が高まるが、四〇〇〇時間というと一日十六時間・週八十時間労働で、年間二百五十日出勤を乗じた数字だ労働省は過労死は「正式な医学用語でない」とその存在を公式には否定するが、医学的データを用いて過労死弁護団が推計したところ年間ほぼ一万人、ちょうど交通事故の犠牲者数に匹敵するあるサラリーマンは以下のメモを遺した。「かつての奴隷たちは奴隷船で新大陸へ運ばれた。超満員の通勤電車族の方がもっと非人間的では? 金にかわれ、時間で縛られ…欲望すら広告でコントロール…」 かつてアメリカ政府は日本との経済摩擦で「ウサギ小屋で働き過ぎの日本」を批判した。そのアメリカがいまや最大の過労死大国だ。年間七十万人の心臓病による死者の相当な部分が、働き過ぎによると指摘されている。だが過労死という概念自体が認められないその昔、時間は太陽が知らせた。資本主義の勃興とともに時間は貨幣換算され、機械時計による始業ベルが人を駆り立て、°時は金なり″の美徳が覆い、世界戦争の時代となった▼人は自由な意志で生きられる。それが次なる時代、共産主義だ。

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週刊『三里塚』(S638号1面5)

 闘いの言葉

 世界帝国をめざす戦争で人類の悲劇が広がっている。「テロとの戦争」の名の富の強奪。ブッシュの戦争を止めよ。10・25反戦闘争へ立ち上がれ。
 03年7月11日 米反戦団体・ANSWER

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週刊『三里塚』(S638号2面1)

 朝鮮戦争計画「5027-00」

 成田に米軍飛来 遂に70万に拡大

 朝鮮人民との国際主義的連帯を

 成田空港を殺りくの基地にするな

 ブッシュの戦争支える列島基地化 核先制攻撃、迅速旅団の新計画も

 イラクにおいて、米英軍による軍事占領が続けられる一方、北朝鮮への侵略戦争の危機が強まっている。在韓米軍は開戦準備のため前線部隊を後方に下げ、ストライカー部隊(迅速機動旅団)の新配備を打ち出した。有事三法の成立による日本全土の空港、港湾、鉄道、道路の確保がブッシュ政権の戦争計画を支えている。中でも、指定公共機関に指名された成田空港、関西新空港を始めとした空港の軍事基地化が重大な役割を果たす。成田空港の軍事的動員はきわめて現実的な攻撃となった。有事法制に反対しつづける航空関係労働者と連帯し、三里塚闘争三十八年の地平に立って成田の軍事基地化を阻止しよう。
(写真 すでに成田空港の軍事使用は始まっている【2001年2月4日 自衛隊C130】)

 米国ブッシュ政権は、二〇〇〇年五月に創設した「ストライカー」部隊(迅速機動旅団)の初の海外演習をソウル北方二十キロ抱川(ポチョン)の在韓米軍ロドリゲス演習場で行った。
 ストライカー部隊はIBCT(新型機動戦闘旅団)とも呼ばれ、現代戦に対応するための機動性、即応性を高めた緊急展開部隊だ。今回の演習は北朝鮮の地形把握などを目的とした露骨な対「北」戦争挑発として行われた。
 この部隊は兵員、戦車、自走砲などを丸ごと航空輸送で展開する想定となっており、対北朝鮮侵略戦争はじめ、アメリカの新たな世界的戦争計画の中核をなす。
 「一個旅団戦闘チーム」(一万人規模の兵員と装備、補給支援体制含む)なら九十六時間以内、一個師団(二万人)なら百二十時間、五個師団でも三十日以内に世界のどこでも展開できると称する。
 最終的には六旅団ができるが、今回、米西海岸ワシントン州のフォートルイス基地に新設された一旅団が韓国に派兵された。韓国に常駐するのは確実と見られている。 

 ●後方に避難

 一方、米国防総省は在韓米軍の再編を発表した。三十八度線非武装地帯近くの米第二歩兵師団およびソウル市内龍山に位置する在韓米軍司令部を二〇〇六年までに後方の烏山に移転すること、 従来米軍が受け持ってきた前線での防衛の責務を韓国軍が肩代わりすること、などで四月以来の数回の会合の後、韓国政府と合意した。(七月二十四日)
 アメリカが北朝鮮に先制攻撃を行うことを前提に、非武装地帯北側に展開する北朝鮮領土からの大規模なミサイル、長距離砲による反撃を避けるため、在韓米軍の主力である第二歩兵師団やソウルの在韓米軍司令部をあらかじめ南方に下げておく意図である。
 さらに米民間安保研究所・グロ−バルセキュリティは八月十四日「国防総省はラムズフェルド長官の指示で、朝鮮半島関連戦争シナリオを含む米国の戦争計画全般を修正している」と報じた。
 すなわち「これまでの朝鮮半島戦争計画『5026〜5029』などを修正する一方、北朝鮮軍の内部崩壊を誘導する新しい作戦計画『5030』の細部内容を調整している」と明らかにした。またUSニュースも同様の報道を行った。
 いずれも極めて具体的に対「北」への先制攻撃を画策しており、その結果引き起こされる事態への対応策を検討している。(記事参照)
 ブッシュ政権による朝鮮侵略戦争の開戦準備が急ピッチかつ大規模に進められている。

 指定公共機関に決定 1600作戦機の母港化必至

 こうしたブッシュ政権の対「北」軍事攻撃を「保証」しているものこそ、有事三法の成立による日本列島全体の出撃・兵たん基地化である。(左地図 有事法制の成立で、米軍は成田空港、関西新空港始め日本全土に殺到する)
 朝鮮戦争計画として知られている作戦計画「5027」は、一九九二年から二年ごとに改定されているが、「5027−94」までは“反撃作戦”の形態を取っていた。北の南進を前提に休戦ラインから北側へ押し返す軍事行動を中心に作戦が立てられていた。

 ●先制攻撃へ

 ところが一九九六年に日米新ガイドラインが締結された事によって「5027−98」で作戦計画は百八十度転換され、北への先制攻撃およびピョンヤン占領、金正日政権転覆計画へと全面的に改編された。
 さらに「5027−00」版では、周辺事態法(一九九九年)が成立した事を受けて、米本土からの来援軍の数を従来「五十万人」としてきたものから「六十九万人」に拡大するエスカレートが行われた。
 そして二〇〇四年予定の計画を一年前倒しした「5027−03」では
@核関連・ミサイル施設への先制攻撃、
A北朝鮮軍を一挙に壊滅させる小型戦術核の使用、
B韓国軍を前面に押し立てた全土制圧作戦―の三点が新たに盛り込まれた。朝鮮戦争計画「5027」の改編と有事法制を始めとする日本での戦争体制作りとは完全に表裏一体で進んでいる。
 そして、有事三法による全土兵たん基地化の中でもとりわけ重大なのが、国際民間空港の無条件の軍事使用である。
 成田空港(新東京国際空港公団)と関西国際空港(関西国際空港株式会社)は武力攻撃事態法の第二条に基づいてついに「指定公共機関」に決められた。
 同公共機関には武力攻撃事態法に基づく政令で五二団体が指定されたが、日本赤十字、NHK、JR七社、電力七社、NTT十社などと並んで新東京国際空港公団と関西国際空港株式会社が明記された。

 自治体に“有事通達” 「自衛隊の行軍優先せよ」

福岡板付基地を発進する米軍爆撃機 指定公共機関は、「国その他の機関と相互に協力し、武力攻撃事態への対処に関し、必要な措置を実施する責務を有する」とされている。(同法第六条「指定公共機関の責務」)。
 さらに「総理大臣(対策本部長)は、必要があると認めるときは指定公共機関に対し、対処措置に関する総合調整を行うことができる」とされ(第一四条「対策本部長の権限」)、第一五条「内閣総理大臣の権限」の諸項によって、国の命令に無条件に従う義務を負わせている。
 「朝鮮有事においては成田空港(関西国際空港)が、米本土からの来援五十万人(これは前述のように約七十万人に増加された)の輸送基地にされる!」
 「五〇年戦争の横田と同じように、成田からB52戦略爆撃機が朝鮮半島に向かって出撃する!」と反対同盟が警鐘を乱打してきた戦争事態が、目前に迫っている。
(有事3法で日本は再びまた朝鮮侵略戦争の出撃基地にされる【写真は福岡板付基地を発進する米軍爆撃機】)

 ●B52の基地

 小泉政権は六月十三日、各自治体に対して「自衛隊法改定に基づく各法の特例規定の創設等について」と称する通達を行った。これは、道路工事など従来自治体の許可を要する行為を自衛隊が行おうとした場合、改正自衛隊法に基づいて、今後は「通知だけで足りる」旨を通告する意図だ。
 さらに同通達は「平時からの自衛隊各部隊との間で連絡調整を行う」よう求めている。
 こうした通達は新東京国際空港公団、関西国際空港株式会社など指定公共機関にも当然出されている。
 こうして列島の中でも特に成田空港は、朝鮮戦争になくてはならない戦略的出撃・兵たん基地の役割を受け持つことになった。(本紙635号参照)
 まず@米本土から来援する七十万人の地上部隊は、CRAF(民間予備空輸隊)と呼ばれる制度によって動員された民間機で飛来するため、主に成田、関西が受け入れ空港になる。
 さらにAイラク戦争と同様、B52戦略爆撃機は依然として戦略打撃に重要な役割を果たすことになる。そのため、離陸に必要な四千b滑走路を、横田と並んで保有する成田空港の出撃基地としての戦略的役割が決定的となるのだ。ちなみにB52は二〇四五年以降まで使用することを国防総省は決定している。
 そしてB作戦計画「5027」では千六百機の作戦機を新たに飛来させるとしているがその作戦機の受け入れ空港(母港)の一つとして成田が指定されることは確実である。
 まさに朝鮮戦争の危機と共に成田空港の軍事基地化の切迫性はかつてなく高まっている。

 航空労働者と連帯し 三里塚の地平発揮の時

(「有事法制を発動させない」と闘いを宣言する航空連絡会議など陸、海、空、港湾20労組(6月10日) 世界支配の危機を募らせるアメリカにとって、中国・北朝鮮をにらんだ朝鮮半島の戦略的位置は中東とならんで決定的だ。
 アメリカは、この朝鮮半島で、金正日政権打倒〜対中国転覆も射程に入れた軍事行動に訴える以外に結局危機乗り切りの道はない。さらにアメリカを追いつめている事態は、韓国の労働者・学生・民衆による南北の自主的・革命的統一にむかった民族解放闘争の爆発である(左上記事参照)。
 これは反米蜂起そのものであり、アメリカの存在と相いれない。アメリカは南北朝鮮人民の反米闘争鎮圧の意図をも込めて朝鮮半島で戦争を強行しようとしている。
 朝鮮半島におけるこの状況は、日本の労働者・学生・農民・市民に根底的な決起を要求している。アメリカによる南北朝鮮人民虐殺戦争の出撃・兵たん基地として、日本列島を使わせるのかどうかという問題である。
 中でも成田空港を軍事基地として動員する攻撃を何が何でも阻止しなければならない。
 すでに空を職場とする航空労組連絡会は、有事法制の成立を弾劾して、たたかい続ける声明を発している。
 「戦争で多くの犠牲者を生み出し、平和が存立基盤である航空産業に働く労働者として、民間航空の軍事利用は絶対に認められません」「私たち航空労働者三団体は、有事三法案が成立しても、指定公共機関への指定や米軍支援法など、今後の有事法整備において、航空の軍事利用につながる法案を阻止するとともに、有事法そのものを発動させないため引き続き出来る限りの取り組みを行います」と宣言した。
(写真 「有事法制を発動させない」と闘いを宣言する航空連絡会議など陸、海、空、港湾20労組【6月10日】)

 ●38年の闘い

 国家権力に負けず三十八年間もの間たたかいぬいてきた三里塚闘争の経験と地平が物を言う時がきた。三里塚闘争は国家暴力による“治安戦争”ともいうべき極限的な弾圧とたたかい、勝ち抜いてきた類まれな歴史を持つ。「三里塚のようにたたかおう」というスローガンが生きた教訓となる時代が来た。
 成田空港の軍事基地化に対して、空港を十重二十重に取り巻く実力デモの波を実現し、朝鮮人民との国際主義的連帯をかけた軍事基地化阻止のたたかいをやりぬこう。10・12三里塚全国集会、10・25イラク軍事占領反対・全世界共同行動に決起しよう。 

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週刊『三里塚』(S638号2面2)

 新たな作戦次つぎ

 開戦を前提に「5030」など改定

 米国防総省による朝鮮戦争開戦にむけた戦争計画が次つぎと報じられている。
 米国の民間安保研究所であるグローバルセキュリティは十四日、「米政府はこれまでの朝鮮半島戦争計画『5026〜5029』などを修正する一方、北朝鮮軍の内部崩壊を誘導する新しい作戦計画『5030』の細部内容を調整している」と明らかにした。
 作戦計画「5026」は、北朝鮮の寧辺(ニョンビョン)核施設と指揮部を精密爆撃するための具体的攻撃プラン。「5029」は開戦―ピョンヤン占領を想定した対応計画で、その計画修正作業には、北朝鮮難民の大量流入など体制崩壊時の突発状況に対する具体的な対処案が盛り込まれる予定だという。
 そして新しい作戦計画「5030」は、
@偵察機RC135を飛ばして、わざと北朝鮮軍の作戦機に緊急発進させ燃料を消費させる。
Aアメリカ軍が突然数週間の演習を行うことで北朝鮮軍を地下壕の中に追い込み、食料や水などを費消させる。
B金融ネットワークを混乱させたり、誤情報を流したりして、戦争中枢を撹乱させる……などとされている。
 こうした緒戦における打撃の上に、作戦計画「5027」では六十九万人の来援、作戦機千六百機の増援、艦艇二百隻の増派による本格的かつ大規模な対「北」侵攻および戦術核兵器の使用が公言されている。

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週刊『三里塚』(S638号2面3)

 韓国 迅速部隊演習に学生反撃

 8・7 米軍装甲車を占拠

 英雄的闘いにつづこう

 米軍がストライカー(迅速機動)部隊の海外初の演習を八月一日から七日まで、ソウル北方の抱川(ポチョン)の演習場で強行したことに対し、韓国の学生が英雄的な反対闘争に立ち上がった。八月四日、汎青学連南側本部の学生は演習に抗議して同射撃場前で奇襲デモを行った。学生は「戦争の脅威を高めるストライカー演習を中止せよ」と叫び弾圧に出て来た戦闘警察隊と激しく衝突した。
 そして戦闘警察隊と対じしつつ、統一連帯や女子中学生汎対委、韓国大学総学生会連合(韓総連)の共催で「米迅速機動旅団ストライカー部隊の演習中止と朝鮮半島の戦争脅威に反対するための闘争大会」がたたかい取られた。
 参加者らは決議文を通して「ストライカー部隊の韓国での演習は、実戦を想定した戦争演習」だとし、「朝鮮半島で戦争の危機を高める演習に反対する」と宣言した。
 演習最終日の七日には、「ストライカー部隊の戦争演習を全身で拒否する大学生」と名乗る韓総連学生十二人が、同射撃場で演習中の「ストライカー」部隊に抗議して奇襲デモを行った。学生たちは集会を開き、星条旗を燃やした後、基地内に乱入した。
 戦闘的学生は米軍装甲車によじ登り、太極旗を身体に巻いて、「朝鮮半島戦争策動の米軍は即時撤収せよ」「駐韓米軍はこの地から出て行け」などと叫んだ。
(写真 米軍の対「北」挑発軍事演習に対して装甲車に上って抗議する韓総連の学生たち【8月7日 ソウル近郊】)
 米軍側は九日までに学生らの厳重処罰を要求。学生たちの実力闘争は「外交問題に発展しかねない」(東亜日報紙)状況になっている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は「同盟国相互の礼儀を欠いた遺憾な事件だ」とし、学生に対する弾圧を強めようとしている。
 しかし、韓国学生・労働者の自主的・革命的南北統一にむけたたたかいは、激しく燃え上がっている。対「北」開戦情勢が煮つまれば煮つまるほど、爆発することは不可避だ。日本の労働者人民の国際主義的連帯こそが求められている。「日本列島を朝鮮人民虐殺の基地にするな」をスローガンに立ち上がろう。

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週刊『三里塚』(S638号2面4)

 三芝百景 三里塚現地日誌 2003

 8月11日(月)〜8月19日(火)

●JALなどが緊急融資を要請 航空不況、新型肺炎の影響などで経営が悪化している日本航空システム(JAL)と全日空(ANA)は日本政策投資銀行にそれぞれ1300億円、500億円の緊急融資を要請していることが明らかになった。2003年4〜6月期では日航システムが772億円の赤字、全日空が183円の赤字を計上している。(11日)
●小林市長が闘争破壊画策
4月に成田市長に当選した小林攻(おさむ)が敷地内反対農家を訪問したとの報道がなされた。4月につづいて2回目。「成田空港完成のために反対農家を訪問する」との公約を果たす目的だが、ジェット機による頭上40b飛行に抗議もせず、反対農家に土地売却を強要する策動は許されない。(12日)
公団の和解案が判明 空港公団は、東峰神社裁判で和解の申し入れを行っていたが、その内容が新聞報道された●全学連現闘8・15集会に参加 東京豊島区民文化センターホールで行われた「8・15ブッシュの戦争 日朝人民の連帯 労働者市民の集い」に三里塚から全学連現闘が参加し、日朝連帯を深めた。(15日)
●日の丸航空機開発スタート
 日本発の国産ジェット機開発が、官民共同でスタートしたことが判明した。経済産業省が音頭を取り、三菱重工や富士重工などが03年度から07年度までの5年間で客席30から50の小型飛行機の機体を共同開発、並行して石川島播磨重工などが小型ジェット機向けエンジンを開発する。国との折半で総事業費850億円。(16日)
●公団の和解案が判明 空港公団は、東峰神社裁判で和解の申し入れを行っていたが、その内容が新聞報道された。それによると@公団の土地所有権と神社や鳥居、立ち木の部落による使用権を確認する。A公団は無断伐採に対し謝罪し慰謝料を払う。B神社が存在する間、無償で住民の土地使用を認める。C景観回復のため協議のうえ植栽を実施するなど7項目。(18日=写真)
●盆明け最初の出荷 敷地内東峰の萩原進さんと同天神峰の市東孝雄さん宅で盆明け最初の出荷作業が行われた。この日は、各畑の野菜生育状況の点検を行った。冷夏による夏野菜の被害が拡大している。また芝山町菱田・中郷部落の鈴木幸司さん宅でも出荷作業。木内秀次さんは「日照不足でむずかしいなあとつい口にする日々が続いている」とのこと。「93年の冷夏の時以上だ」との声も。(19日)

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