ZENSHIN 2001/02/19(No1993 p06)

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週刊『前進』(1993号2面1)

「会社を守る」と誓うダラ幹松崎を『解放』で擁護し墓穴
 「松崎講演はデッチあげ」だと!?

 われわれが、黒田・カクマルと松崎・JR総連カクマルの大分裂という事実を暴露し゛なぜカクマルは松崎を弾劾できないのか″と迫ったことに対して、カクマルはいたたまれず、とうとう松崎に言及せざるを得なくなった。反革命通信『解放』一六五四号(二月五日付)の「デッチあげられた『JR東労組会長・松崎講演』」という駄文で、松崎が「カクマルと手を切った」というのは国家権力がねつ造したデマだと叫び始めたのだ。JR総連執行部を「打倒する」と宣言したカクマルが、JR総連の「ダラ幹」の頭目・松崎をカクマルの味方として擁護しなければならないとは、なんとも哀れで危機的である。今こそ、分裂カクマル打倒の大攻勢に立とう。

 カクマルとJR総連の分裂も「デマ宣伝」と苦しい強弁

 昨年十二月九日、JR東労組全支部委員長会議においてJR東労組会長・松崎明が講演した。「私は、かつてカクマルの活動をやっていたことがあるが、今は、完全に手を切っている」と公言し、「カクマルの攻撃から会社を守る」と、国家権力・JR資本に対して誓約した。そして、「これからも、カクマルの攻撃から会社を守っていこう」「日本中の鉄道の中枢を担っている会社をカクマルにいいようにされないように頑張る必要がある」と呼びかけた。(本紙一九九〇号2面に要旨掲載)
 この十二・九松崎講演は、JR総連カクマル(組合権力グループ)が党派としてのカクマルから集団離脱・脱党したこと、それを松崎が先頭に立って承認し推し進めていたことを示すものにほかならない。
 この決定的な事実の暴露に動転したカクマルは、中核派が「革マル派とJR総連が『大分裂』しているかのようなデマ宣伝」を行っているとか、「『松崎は、かつては革マル派に所属していたことを自認』し、しかし現在は『革マル派から離脱』しているだけでなく『革マル派に敵対』している――これはまさしく権力が描いているシナリオそのものであり、そのデタラメなシナリオにもとづいて、この『講演要旨』なるものをデッチあげた」などと口走ったのである。
 だがカクマル『解放』はわれわれの暴露と追及の肝心な点については、何も答えていない。ただ、松崎とカクマルは対立していないのだと、なんとか見せかけたがっているだけである。
 第一に、カクマルとJR総連は分裂していないということなのか。「JR総連労働運動は終焉した」と言い、JR総連本部執行部を「階級敵」と断罪し、「打倒する」と宣言したのに、なおも分裂は「デマ宣伝」だというのか!
 第二に、松崎が最近までカクマルに所属していたのはウソだというのか。わが革共同から脱落・逃亡し、一九六三年に議長・黒田寛一、副議長・倉川篤(=松崎明)としてカクマル結成に名を連ねたのは松崎その人ではないか。黒田「組織現実論」の最も忠実な体現者として国鉄分割・民営化推進の反革命路線を実践したのが松崎ではなかったのか。今回の講演に限らず、これまでも松崎は何度となく「カクマルに所属していた」と公言しているではないか。その上で、今回の離反は事実であり決定的なことだと、われわれは追及しているのである。
 第三に、それでは逆に、松崎はカクマルから離脱していないし、カクマルと敵対もしていないと、カクマルは言いたいのか。松崎は今もカクマルに所属し、カクマル組織の先頭に立っているということなのか。そうすると、JR総連・小田執行部やJR東労組執行部の「ダラ幹」ども、坂入らJR総連OBの幹部連中らの「反党陰謀分子」は、松崎に背いてカクマルからの離反・分裂・敵対をやっているということなのか!
 カクマルは墓穴を掘ってしまった。「デマだ」「デッチあげだ」と叫べば叫ぶほど、それでは事実はどうなのかということが逆にカクマルに突きつけられる。だが、カクマルは答えられない。やはり松崎問題は黒田とカクマルの死命を制する最大の弱点なのである。
 そもそも、この松崎講演が行われたJR東労組全支部委員長会議で何が確認されたのか。JR東労組の機関紙『緑の風』十二月十五日付によれば、委員長・角岸が「カクマル派は坂入さんを拉致・監禁するなど、組織破壊攻撃を強めている。これを放置するわけにはいかない。……社会に対してカクマル派の悪質さを明らかにしていこう」とあいさつしたのを始めとして、ほとんどの支部委員長が坂入拉致問題に触れ、「押さえ切れぬ怒りをぶつけ」たのである。〔われわれは、松崎講演とともに、この角岸のあいさつも暴露したが、カクマルはこれには一切触れていない!〕
 そこに登場した会長・松崎が、カクマルとの関係をあいまいにした発言をすることなどできるはずがないではないか。松崎が言っているように、「私が彼ら(カクマル)と手を切っていなければ、会社や組合は私をこの場に置いておかない」のである。カクマルは、JR東労組の委員長を先頭とする執行部、そして全支部の委員長がカクマルを弾劾しているという事実を突きつけられながら、なおも「ダラ幹」の頭目・松崎だけはカクマルの側にいると見せかけなければならないのだ。

 松崎の離反を認めることは黒田とカクマルの死に直結

 ところで、カクマルは、松崎講演要旨が「デッチあげ」と言う「論拠」として、JR東労組の機関誌『セミナー』一月号に掲載された十二・九松崎講演(編集委員会の「文責」で掲載されているもの)に、『前進』などで暴露した部分がないことを挙げている。だが、この部分は松崎とカクマルの関係についてあまりにも露骨に言っているため、JR東労組は『緑の風』でも、講演した事実さえ伏せていた。したがって『セミナー』掲載にあたって、この部分は削除したというだけの話なのだ。
 もう一つ、「『国労共闘』のホームページにアップされた内容と異なったもの」であることを「デッチあげ」の「論拠」としているが、それは、JR内に広く出回っている「講演要旨」の文書から、直接にカクマルに言及していない部分をカットして掲載しただけのことである。
 こんな「論拠」しか持ち出せないのは、松崎「講演要旨」の内容が真実であることを逆に証明している。
 カクマルとしては、カットされた部分、すなわち松崎がJR連合の「民主化闘争」について述べた部分が松崎講演の核心部分であると言いたいようである。
 いわく、「二〇〇〇年十二月八〜九日の二日間にわたっておこなわれたJR東労組の全支部執行委員長会議の二日目に講演した松崎会長の講演内容の核心は、東労組の『最大の課題』を『東日本の会社を守ろう』と呼びかけつつも、『葛西』らJR会社の一部経営陣の腐敗と、この経営陣と結びついた養殖組合の『民主化闘争』と対決し、東労組を『世界に冠たる労働組合』として成長させようというものである」と。
 ここで重大なことは、カクマルは、松崎が「東日本の会社を守ろう」と呼びかけていることを「……つつも」などと言いながら、松崎を明らかに評価していることだ。要するに、カクマルは、松崎の「東日本の会社を守ろう」という呼びかけに賛同して、会社を守ることを党派として誓っているのである。
 だが『解放』一六五二号(一月二十二日付)の吉田論文は、「JR東日本の一万人要員削減攻撃に反撃せよ!」「JR総連・東労組悪質幹部の裏切りを弾劾して闘いぬこう」などとペテン的に呼びかけている。
 松崎が言う「東日本の会社を守ろう」とは、JR東の一万人削減=「ニューフロンティア21」の大合理化攻撃に協力するということではないのか。JR東日本の合理化・労組破壊攻撃に屈服し、裏切っている「東労組悪質幹部」とは松崎のことではないのか。
 そもそもカクマルは、JR東の大合理化攻撃であるシニア協定を「改善」として賛美している。「会社を守ろう」と叫ぶ松崎の擁護といい、吉田論文のスローガンなどまったくウソであり、ペテンなのである。
 カクマルは今や、JR総連カクマル(組合権力グループ)が黒田・カクマルを足蹴にし、集団脱党した事実を絶対に隠すことはできない。だが、なんとか松崎だけは黒田・カクマルの味方であるかのように装い続けなければならない。松崎を徹底的に弾劾してしまったら、黒田=松崎路線でやってきた黒田の責任問題となる。そして、教労や自治労を始めとしてカクマル組織の総体が空中分解しかねないからだ。
 だが、ついに松崎問題に言及せざるを得なくなり、しかも松崎を擁護してしまった。カクマルは自ら決定的な墓穴を掘ったということだ。大分裂にあえぐ黒田・カクマルと松崎・JR総連を、ともども打倒・解体することこそ、国鉄労働者を始めとする全労働者人民の階級的な任務である。

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