ZENSHIN 2014/01/01(No2614 p12)
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週刊『前進』(2614号1面1)(2014/01/01 )
●全学連新年座談会
学生の闘いが時代を動かす
全国の大学に自治会つくろう
3・11反原発福島行動に立とう
(写真 12月6日、全学連は秘密保護法反対で国会を包囲した数万の人びととともに闘った。全学連旗を手にした武田君らに圧倒的な注目)
日帝・安倍政権への怒りが渦巻く中、全学連は「改憲阻止・安倍打倒!」を鮮明に掲げ、13年は日本階級闘争全体をエネルギッシュに牽引(けんいん)した。広島大での学生自治会再建に続き、法大の大学祭攻防の前進、東北大自治会選挙の勝利、京都大での団交要求全学投票の成功――と力強い進撃をかちとる中で、福島や沖縄からの新たな決起も始まった。「国鉄、反原発、改憲阻止、星野奪還」を軸とする2014年決戦へ、全学連はますます闘う熱意に燃えている。全国の大学で活躍するリーダーたちに、14年決戦の勝利の展望などを大いに語り合ってもらった。(編集局)
出席者 (敬称略)
斎藤 郁真(委員長/法政大・法)
大森 靖之(副委員長/京都大・薬)
百武 拓(副委員長/広島大・理)
坂野 陽平(書記長/上智大・文)
武田 雄飛丸(法政大学文化連盟委員長・国際文化)
青野 弘明(東北大学学生自治会委員長・医)
伊藤 博司(福島大学)
平良 三平(沖縄大学)
▽司会 石田 真弓(副委員長/東北大・経)
改憲阻止・安倍打倒へ闘う
秘密保護法に怒り
石田 12月8日の拡大中央委員会では、「外への侵略戦争と内への階級戦争」に突き進む安倍政権との対決が大きな焦点となり、「改憲阻止・安倍打倒!」の基本的立場で一致しました。11月末〜12月冒頭の特定秘密保護法をめぐる国会周辺を中心とした闘いはどうでしたか?
武田 連日国会前に行きました。多くの人びとから、学生の部隊の登場が待ち望まれていると感じました。1日目はニット帽をかぶって行ったんですが、誰からも話しかけられませんでした。2日目に文化連盟のヘルメットをかぶって行ったら、労働者や市民から「やっと学生が来てくれた」と大歓迎されて(笑)。学生が政治反動に怒りを燃やし、キャンパスから層として立ち上がっていくことが、階級闘争全体にものすごい励みになるのだと感じました。
また、これまでの反原発行動などは、いわゆる「シングル・イシュー」(原発以外のことを持ち込むなという主張)が強調され、戦争国家化との闘いや労働組合運動が別個にされてきましたが、この間の情勢を経て、安倍政権への怒りがひとつになって噴き出してきていると感じました。
大森 新自由主義の破産に対するトータルな怒りの爆発ですね。
平良 秘密保護法成立は絶対に許せません。沖縄でも怒り爆発です。僕の家族からも「許せん」というメールが来ました。
伊藤 福島では衆院採決に先立って、11月25日に地方公聴会が開かれました。緊急の弾劾行動に150人が参加しました。「委員割り当ての傍聴券がないと会場に入れない」と不当に入場制限されて、傍聴席は空席だらけ。何のための公聴会なんだと思いました。それでも意見を述べた7人全員が反対です。10月には福島県議会が「秘密保護法に慎重な対応を求める声明」を出しています。許せないのは、福島を中心にこれだけ怒りがあるにもかかわらず、与党が強行採決したことです。そもそも、福島第一原発の事故直後にSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)などの情報は、すべて政府によって隠されて県民に被曝が強制されました。これほど秘密だらけなのに、一体これからどうなるのかと思います。
戦争準備を許すな
百武 秘密保護法は明確に戦争準備です。広島でも反対の集会・デモがあったんですが、原爆ドーム前に1000人規模で集まりました。情勢は急激に変わってきています。この集会でマスコミ関係労組が「秘密保護法が制定されても、このような法に従って仕事はしない」「実力で秘密を探る」と発言しました。会社で資本と激突しながら集会に参加したとも聞きました。労組や自治会が職場・キャンパスで闘い、実力を行使していくことが重要だと思いました。
坂野 国会前では「このままだと本当に戦争になってしまう」という激しい危機感を感じました。しかし、「あきらめ」や「絶望」はほとんど感じなかった。参議院議員の山本太郎さんが12月6日の秘密保護法成立直後にツイッターで、「(強行採決は)想定内だ」「新しい世の中をつくる毎日がこれから始まる。今まで以上のハイボルテージでなきゃ実現できない」と言っています。
「新しい世の中をつくる」とは、僕は革命だと思います。 「新しい世の中」を示す革命党を僕らの手でつくらなくてはならないと決意を新たにしました。
そのためにも、11・3労働者集会の総括が重要ですね。「憲法改悪反対労組声明」も出ました。国鉄分割・民営化以来、30年にわたる新自由主義攻撃を破産させ、勝利の展望を指し示している国鉄決戦を基軸に闘い、労組・自治会権力樹立で情勢を迎え撃とうということです。
石田 60年安保闘争時の国会包囲の写真を添えて、「こういう情勢で国会に突入するのが本当の全学連だ」というツイッターも出てきていますね。
東北大選挙に勝利
斎藤 僕たちは、「06年3・14法大弾圧」以来、法大キャンパスの中で「秘密保護法の先取り」のような弾圧体制とずっと対決してきた。やはり、焦点はキャンパスでの闘いです。
石田 斎藤委員長の言うとおりです。では自治会執行部選挙が行われた東北大からお願いします。
青野 執行部選挙に勝利しました!
一同 おめでとうございます!
青野 僕はこれまで3回の執行部選挙をやりましたが、一番勝利感にあふれた選挙でした。副委員長に立候補した2人の仲間の存在が大きかったです。一人は、11月26日の東北大全国集会に参加して「学生運動は面白い」と立候補を決めてくれた。そして、連日キャンパスに登場して一緒に頑張った。「僕も頑張らなければ」と思いました。僕が彼らを獲得し、彼らに僕が獲得される関係です。
斎藤 私も支援に駆けつけ、これまでの運動の蓄積が非常に大きいと感じました。東北大は2000年に国立大学法人化反対のバリケード・ストライキをやって、自治会は翌年に非公認化されましたが、毎年の全学選挙で断固勝負してきた。学生の団結に依拠した闘いの権威や力はハンパじゃない。
平良 僕も、沖縄大学で自治会をつくる決意を込めて支援に参加しました。おそらく、候補団よりいっぱい演説しまくった(笑)。
青野 今回の選挙戦は、里見東北大総長の「里見ビジョン」粉砕を焦点にしました。里見打倒で非和解で闘う。学生の中に分岐を持ち込み獲得する内容でした。選挙前は「信任と不信任が伯仲するのではないか」と思っていましたが、昨年とほぼ同じ割合の信任率で勝利しました。キャンパス内には、「里見ビジョン」への怒りがあふれています。
石田 「里見ビジョン」の矛盾点を徹底的にたたく中から、東北大生は立ち上がり始めました。いま、仙台市営地下鉄東西線敷設に伴い、サークル棟がつぶされようとしています。それに学生が声を上げ始めている。もう一つは学生寮です。自治寮をつぶし、PFI化(ユニバーシティ・ハウス三条、民間資金主導型の寄宿舎)という形で寮を民営化してきた。そして廃寮攻撃も始まっている。今回の選挙では多くの寮生が選挙を担ってくれた。PFI寮からも学生が立ち上がりました。
青野 学生自治会が全学生の怒りと利害を体現して闘っていることが浸透してきています。11月12日、当局は「全サークル説明会」を開催し、闘うサークルから部室を取り上げようとしました。これに対して自治会が先頭で決起し、分断を許さずに当局のもくろみを粉砕しました。あとは、福島県民健康管理調査検討委員会の御用学者・室月淳(医学部教授)と徹底的に対決してきました。こちらが室月に「会って話がしたい」と連絡したら、「私は講義を持っていないし、教授の肩書きは文科省からもらっているので学生の質問に答える立場にない」と逃げた。他方で「教授」の権威で原発事故と健康被害の因果関係を否定している。室月打倒の闘いの中で3・11郡山集会に攻め上ります。
(写真 「大学の主人公は学生だ!」――学生自治会の新たな担い手を生み出した11・26東北大学集会【仙台市・川内キャンパス】)
自治会建設が画期的に前進
広大で反原発貫き
石田 御用学者との闘いから7月に自治会を再建した広島大、学祭をめぐる攻防を闘ってきた法大からお願いします。
百武 福島原発事故で「被爆地ヒロシマの大学」が問われました。広島大教授の神谷研二は原発事故直後、福島県放射線健康リスク管理アドバイザー、県民健康管理調査検討委員、そして福島県立医大の副学長にまでなりました。広大経営協議会には、原発輸出企業の三菱重工元会長・佃和夫が入っています。三菱重工は今、原発のみならず戦車の部品もトルコに輸出しようとしています。佃は東大経営協議会の委員でもあり、安倍政権の「大学改革」の中心人物です。これらに対する怒りが自治会建設につながったと思います。
武田 法大も学生権力をうち立てる段階に入りました。法大生の中に、”当局にすり寄るCSK(サークル支援機構)や学祭実行委などの御用学生団体はおかしい”という広範な怒りが広がっています。これまでなら、「おかしいとは思うけど、全学連や文連と一緒にやるのはちょっと……」と思っていたサークルが、当局の攻撃を受ける中で僕らと行動をともにし始めた。間違いなく自治会建設の芽が生まれています。
石田 新自由主義大学の学生支配の最後の柱は、御用学生団体ということですね。
武田 そうです。なぜ御用学生団体が必要なのか。当局の支配が貫徹できていないからです。彼ら御用団体は、表向きは「学生自治」や「差別の止揚」などと言いますが、しかし当局の「施設管理権」「営業権」を認めていることに矛盾があります。「施設管理権」や「営業権」とは、「大学は一般企業と同じで、営利が最重要の目的だ」「大学施設は理事会の私有財産だ。だから学生はそれに従うしかない」ということです。これを学生が認めてしまえば、大学の「営業」に差し障りのない程度に学生活動を認めてもらいましょう、という「お願い運動」しかありません。
11月、学祭当日に一挙に規制が強化されました。みんな、学祭実など御用学生団体に完全にしらけているし、彼ら自身がそれを一番自覚している。あいつらは学生への求心力を失っています。学生の側は個別問題で勝利し始めています。求められていることは、全学生の立場から個別的勝利をとらえて、それを全学的に拡大する存在です。この立場で学生自治会を建設した時、キャンパスの力関係を完全に逆転できます。
沖縄大で団結拡大
平良 法大や全国大学の闘いを見て、沖大にこそ学生自治会をつくろうと決意して、1年間活動してきました。マスコミでは沖大教授が改憲・基地に反対していますし、入学前は沖大はリベラルだと思っていました。しかし、入学してみると、内実は新自由主義大学そのものでした。入学直後の授業で言われたことは、「沖縄の学生は主体的にものを考える力がない」「この教室の学生の6割は非正規職になるんだから、せいぜい頑張りなさい」と。現状変革ではなく現状肯定を学生に強いて、競争をあおるやり方に怒りを感じました。「大学や学問は現状変革のためにあるのではないのか」と。
石田 基地問題についてはどうでしたか?
平良 経済学の授業がひどかったです。安倍政権が辺野古沖の埋め立て申請をやっているのを、「普天間の負担軽減をしようと思ってやっているんだ」とか、「基地との共存」を説く問題がテストで出されました。アベノミクスの礼賛もすさまじいです。
石田 昨年の沖大では、どんな闘いがありましたか。
平良 初めは隣の人に「消しゴムをとって」とすら言えない状況から始まりました。だんだんと授業批判をしていって、思い切って『前進』を持ち込んでいきました。その中で、9月全学連大会に多くの沖大生が参加しました。「学生自治会復活会」をつくって団結を拡大していきました。そこでは、法大闘争の内容が重要でした。武田君処分撤回署名を多くの学生に提起しました。この処分は普遍的なものだし、新自由主義が吹き荒れる沖大でこそ通用すると思いました。この署名をしてくれた人が中心となって当局交渉を行いました。部室のクーラーが5年以上故障しているサークルが、差別的に放置されていました。学生が団結して当局と非和解で闘い、クーラーの修理を約束させました。初めは「当局と非和解で闘う」という一致をつくることが難しかったのですが、法大闘争の内容が浸透するにつれて、みんな核心を理解し闘いをつくれました。
京大で葛西と対決
石田 一昨年に同学会を再建した京大はどうでしょうか?
大森 京大では「松本総長打倒」「経営協議会・葛西敬之打倒」を基本にやっています。葛西(JR東海会長)は、国鉄分割・民営化を先頭で推進してきた人物であり、原発再稼働や秘密保護法の最先兵です。「さくら会」という安倍政権を支えるブルジョアジーの団体の発起人であり、安倍の最大のブレーンでもあります。松本総長は国立大学協会会長として「大学改革」の先頭に立っています。京大の闘いは、300万学生と6千万労働者の過去・現在・未来がかかった闘いです。
石田 京大ではこの間、全学投票を行ってきました。
大森 僕は全学ストライキをやりたい。そのための基礎的・原則的団結が必要だと考えています。11〜12月に、総長への団体交渉を求める投票を呼びかけました。1587票を集めて、賛成は1146票で勝利しました。この前進に対する危機感から、11月11日付で京大当局から「告示第4号」が出されました。「全学投票を行っている団体は、京都大学が認める全学自治会同学会ではない」から「全学投票は無効であり、交渉にも応じない」というものです。本当に許せません。「当局の認める同学会」なんてどこにいるのか、出してみろと(笑)。「告示」への怒りを全学に広げていきたい。
石田 12月5日に総長室突入闘争が行われたと聞きました。
大森 200人もの学生が集まりました。ツイッター上ですごい反響です。学生が時計台に上っている写真と一緒に「京大で革命」と流れました(笑)。他にも同学会メンバーが中心となって「熊取6人衆」(原子力政策に反対して闘う京大教官たち)の講演会を開催し、220人の学生・市民で討論しました。同学会では「翻訳部会」を立ち上げ、ロシア科学アカデミー・ヤブロコフ氏の『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店)の出版にかかわりました。「全国大学に自治会建設を」という方針ですが、これまでの自治会運動の教訓や苦闘を共有することが重要だと思います。
百武 昨年7月に自治会をつくった後の方が大変でした。「どうやって自治会運動を担う膨大な活動家をつくっていくのか」と。
今、最も重要なことは、サークルの予算配分権をめぐる攻防ですね。昨年、自治会をつくった力もあって、それまで当局が持っていた予算配分権を学生の側が取り戻しました。しかし、取り戻した後の方が大変なんです。これも考え方が重要で、単なる「予算配分権の問題」ではなく、佃や経営協議会を打倒していく第一歩だということです。サークルでも自治会でも、今の大学の支配体制を問題にしなければ権利の確立もない。今はさらに、サークルの仲間にも『前進』を使って、僕たちの主張を値引くことなく訴えています。
大森 京大では自治会運動を担う多くの活動家が生まれてきました。これをさらに強固な階級的団結として打ち固めることが課題です。昨秋は理論的な学習、特に国鉄決戦に関する討論などを意識的に行ってきました。
石田 自治会運動の「しにせ」の東北大はどうでしょうか?
青野 自治会の「非公認化」から10年以上を経ても、なぜ自治会は団結を守り、学内に影響力を持ち続けたのかという教訓ですが、一つは、「時代認識と路線」を常に徹底的にはっきりさせてきました。“時代とどう向き合うのか”ということが自治会運動の出発点です。二つは、「当局との非和解性」をはっきりさせて闘ってきました。これは、学生の団結に徹底的に依拠することと同じです。三つは、労働運動や地域の闘いと連帯し学んできたということです。
自治会として女川原発反対闘争に一貫して取り組んできました。3・11大震災直後の学内集会では、女川原発反対同盟の故・阿部宗悦さんに講演していただきました。そして、解雇撤回闘争を貫いてきた全金本山労働組合の存在も大きいと思います。「一人の仲間も見捨てない」――労働者階級のこの不屈の闘いから自治会は多くのことを学んできました。
(写真 全国の闘う学生と沖大生が合流した5月沖縄闘争【5月18日 那覇市】)
福島と沖縄は攻防の焦点だ
「福島圧殺」許すな
石田 安倍政権との攻防の焦点となっている福島と沖縄で、昨年は闘いが大きく前進しました。まず、福島大はどうですか?
伊藤 「フクシマの怒り」の爆発は不可避です。この間の福島の自治体首長選挙では、福島・郡山・いわきの県内3大都市をはじめ、ことごとく現職候補が敗北に追い込まれています。11月24日の二本松市長選も重要です。二本松市は根本復興担当大臣のおひざ元ですが、そこからこの間の「復興キャンペーン」に「NO!」がたたきつけられました。「3・11を忘れない、忘れさせない闘い」として、郡山市で3月11日に「反原発福島行動14」を開催します。
石田 3・11は、安倍政権による「福島圧殺」攻撃との全面対決になると思いますが、福島の現状はどうですか。
伊藤 3月11日には全国から結集して、福島の現実を直視してほしいと思います。オリンピック招致の演説で、安倍首相は「アンダーコントロール」「健康被害は将来も発生しない」と大うそをつきました。「原発事故は収束した」という虚構のもとで、福島では放射能被害の隠ぺい、補償・賠償の切り捨て、帰還強制運動が起こっています。これと徹底的に対決することが重要です。深刻なのは小児甲状腺がんの多発です。しかし、放射能被害との関連は否定され、帰還運動が始まっています。「故郷に帰りたい」という心理を巧みに利用していることが許せません。震災関連死が1500人を超え、地震や津波による「直接死者数」を上回っていますが、これは帰還運動の中で行われている地域の分断とコミュニティの崩壊によるところが大きいです。
青野 東京電力が柏崎刈羽原発を再稼働させようとしていることも絶対に許せません。
伊藤 そうですね。しかも東電は、これまでに除染費用の1割しか支払いを終えていません。最近では「賠償と二重払いになる」と支払いも拒否し始めています。汚染水問題もそうですが、原発事故で引き起こされた現実は何も解決していません。それにもかかわらず、原発再稼働を狙う東電とはいったい何なのでしょうか。3・11に向かって国労郡山工場支部の労働者やふくしま共同診療所と連帯して闘い、福島大学からの多くの学生の決起を実現していきたい。
福大当局と対決し
石田 福大当局による闘う学生への許し難い攻撃がありますね。
伊藤 最近、私の両親に福大当局から直接連絡が来ました(一同「え〜!」)。「お子さんが全学連とともに活動している」というものです。福島以外での活動もチェックしている、と。大学当局が警察権力とも一体化して露骨に学生運動つぶしをやっています。そもそも、自分が信念をもって行う活動を当局にとやかく言われる筋合いはありません。4月に、「反原発を装った過激派の勧誘に注意」という看板が構内に立てられました。この立て看板は、「デモはテロと本質的に同じ」との石破発言と似ていると思います。どちらも本質は、反原発や秘密保護法反対運動の高揚に対する政府や当局の恐怖だと思います。
石田 御用学者との闘いという点では、清水修二(福大教授、前副学長)との闘いが重要だと思いますが。
伊藤 その通りです。清水修二はこれまで「原発反対」を掲げながら、反原発運動に敵対してきました。ついに昨年は福島県民健康管理調査検討委員会・副座長にまで登用され、「放射能の遺伝的影響はない」と新聞紙上で言い出すまでに至っています。清水は以前、私たちに「『福島大で自治会建設をする』と言っているから全学連には活動させない」と直接言ってきました。勝負は福島大における自治会建設です。3・11集会に多くの福島大生の結集を実現することは、こうしたキャンパス内での大学当局による支配体制をひっくり返していく意義も持っています。
辺野古新基地阻止
平良 沖縄では辺野古新基地建設の動きが急速に強まっています。大きな焦点が1月19日の名護市長選です。先日、自民党幹事長・石破が沖縄選出の国会議員団を呼びつけ、全員を「辺野古容認」に転換させました。また、仲井真県知事が政府の「辺野古埋め立て申請」を承認する意向を明らかにしています。重要なことは、「オール沖縄」の掛け声のもと、政府にすり寄れば物事が解決するかのような幻想が吹き飛んだことです。「オール沖縄」とは聞こえは良いですが、要するに労働者や労働組合の闘い、辺野古現地での独自の行動を否定する考え方です。政府にお願いをして基地建設が止まったことなど一度としてない。辺野古現地やそれを取り巻く労働者民衆の闘いが基地建設を止めてきたのです。
石田 沖大での米総領事マグルビーの講演をめぐる闘いについて教えて下さい。
平良 「沖縄県民はごまかしとゆすりの名人だ」と暴言を吐いたケビン・メアの後任がマグルビーです。11月、沖大で「グローバル人材になるためのスキルの必要性」というタイトルでマグルビーの講演が行われました。フィリピンでの震災に際し「支え合い作戦」という名でオスプレイが使われましたが、それをもって「オスプレイは人道支援に使われていて有益だ」と言っています。授業の前には、「普天間基地に文句のあるやつは聞きに来い」なんて言っていましたが、授業が終わったらSPに守られて早々に退場(笑)。居丈高なくせに本質的に脆弱(ぜいじゃく)なんだなと思いました。授業担当の教授は「偉い人が来てくれた」と手放しで喜んでいました。また、通訳で来ていた琉大卒の女性を「これこそグローバルリーダーの見本だ」などと持ち上げました。
これが「大学改革」の中身です。つまり、改憲・戦争攻撃を大学が担う。学生をその先兵にする。「グローバル人材」、すなわち国際争闘戦に勝つための学生をつくり上げるということです。辺野古新基地建設阻止のため、そして大学の現状を変えるためにも学生自治会をつくらなくてはならないと決意しています。
(写真 当局と国家権力を終始圧倒した10・18法大闘争【法大正門前】)
新自由主義粉砕する決戦へ
法大闘争の新段階
石田 最後に2014年の闘いの展望を。
武田 法大は14年度から、現在の増田総長に代わって田中優子教授(社会学部長)が総長になります。田中新総長も含め、これまで法大で学生を弾圧したり、あるいは沈黙してきた連中が、何人も秘密保護法反対の学者声明に賛同しています。じゃあ、自分のキャンパスでのとんでもない学生弾圧をどう考えているのか。面白い情勢です。学外では戦争に反対するが、学内では学生を強権支配する――こんなあり方は通用しない。ペテンをすべて引きはがさなければなりません。14年は、国策と大資本に従属している大学の姿がこれまで以上に明らかになる。学内的な問題が、秘密保護法とか原発とか改憲とか大きな問題と結びつけられます。学内に大胆に政治を持ち込んでいく。敵の側の崩壊は激しいが、まだ僕らも現実的な選択肢になりえていない。組織拡大でここを突破します。
石田 「無期停学」処分撤回闘争はどうですか?
武田 学内で処分撤回のうねりをつくることが一番重要です。そして、裁判でも徹底的に敵を追い詰める。法大当局は9月の裁判では、私たちの「準備書面」に対して「反論はしない」と言ってきました。下手に論争をしてしまうとボロが出るということですし、「裁判長は当局に有利な判決をきっと書いてくれるはずだ」という「期待」を込めているわけです。でも、12月13日の裁判では、法大当局の「早期結審→判決」というもくろみを粉砕しました。
坂野 法大の闘いをもう一段押し上げるためにも、首都圏の大学で学生運動を爆発させることが必要不可欠です。70年安保・沖縄闘争の歴史的爆発の中で、全学連の「大学を安保粉砕・日帝打倒の砦(とりで)に!」という闘いに震え上がった支配階級は、新自由主義政策のもと、首都・東京で絶対に学生運動をやらせないという一貫した政策をとってきました。しかし、いくら激しく弾圧しても闘いはつぶせない、むしろ団結は拡大していくことを法大闘争は示してきました。もちろん簡単ではありませんが、東大をはじめ首都圏の大学で学生自治会権力を打ち立てていくことは、やりがいがあります。実際に芽が出始めています。私たち自身が大胆に自己変革し、執念をもって闘う。「革命の現実性は革命家の執念に宿る」。この点は富山大学の闘いに学びたい。富山大は法大と同じくらい弾圧が激しいですが、反原発闘争を中心にして不屈に闘い抜いて、新たな仲間を獲得し、闘いを着実に大きくしています。
14年決戦の先頭に
斎藤 2014年は「国鉄、反原発、改憲阻止、星野同志奪還」を軸に安倍政権を打倒し、国鉄分割・民営化以来30年にわたる新自由主義攻撃に決着をつける歴史的決戦です。この闘いの先頭に、青年労働者とともに僕たち学生が立つ決意です。全学連はこの1年間の勝利の地平から、さらなる飛躍をかけて全国大学で学生自治会を建設・強化し、その中で新たな活動家の登場と指導部建設をかちとっていきます。
当面する最大の決戦は、3・11郡山現地闘争に全国の学生を大結集させることです。「フクシマの怒り」を腹の底から共有して、3・11反原発福島行動に学生の大部隊を登場させる決意です。
また、法大暴処法弾圧裁判も決戦局面に入っています。12年の5月、私たちは東京地裁で「完全無罪判決」の大勝利をかちとりましたが、東京高裁・井上裁判長は控訴審の結審と反動判決を狙っています。極悪の治安弾圧法である暴力行為等処罰法をめぐって一審で無罪判決をかちとったことが支配階級と法大当局に大打撃を与え、秘密保護法の狙いを先取りして粉砕しています。絶対に反動判決を許さない、キャンパスや霞が関での大きなうねりをつくっていかなければなりません。
無実の星野文昭同志奪還の闘いも、決定的な勝利局面に入っています。私は徳島刑務所包囲デモに毎回駆けつけています。関西や中四国をはじめ全国の学生も徳島現地に結集しています。昨年は星野闘争の大前進に励まされ、そこから学んで全学連も闘ってきました。さらに取り組みを強めます。
三里塚闘争では、「これまでの殻をぶち破ろう」という反対同盟の意気込みに感動しています。3月23日に芝公園で行われる集会と都心デモ方針には、本当に興奮しています。この時代、三里塚闘争の中で培われてきた実力闘争の思想に、学生は徹底的に学び尽くしたいと考えています。三里塚現地行動隊も強化します。
武田 新年最初の法大包囲デモを1月17日(金)に行います。無罪確定を目指す暴処法控訴審は1月10日(金)に最終弁論、2月12日(水)に判決が出ます。みなさん、ぜひご参加下さい!
青野 今年は全学連数百人の部隊で、国会周辺でヘルメットをかぶって「改憲阻止! 安倍打倒!」のジグザグデモをやりましょうよ! そのために、東北大学生自治会も組織拡大します!
石田 今年も団結して頑張ろう!(拍手)
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週刊『前進』(2614号1面2)(2014/01/01 )
新年特別号目次
革共同政治局の2014年1・1アピール
国鉄・反原発・改憲阻止・星野奪還=4大決戦で日帝・新自由主義と安倍政権を打倒しよう! 9〜12面
動労千葉がブラック企業CTS追及へ3・11反原発福島行動への参加の呼びかけ 2面
闘う弁護士・高山俊吉さん 新年の訴え 3面
獄中同志の新年メッセージ 星野文昭同志、福嶋昌男同志 3面
農地死守! 今年は霞が関へ攻め上る 三里塚反対同盟各氏の新年アピール 4面
世界階級闘争の前面に立つ米労働者 革共同国際労働者組織委員会 5面
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週刊『前進』(2614号1面4)(2014/01/01 )
【要項】1・13革共同中四国政治集会
2014年国鉄決戦勝利・全原発廃炉・改憲阻止・星野奪還へ
1・13革共同中四国政治集会
2014年1月13日(月・休日)12時30分開会(11時30分開場)
広島市東区民文化センター1Fスタジオ1(広島市東区東蟹屋町10−31)
基調報告 秋月丈志 「崩壊する新自由主義の打倒へ! 党と労働組合の拠点建設で勝利を」
特別報告 天田三紀夫(革共同書記長)「現代革命への挑戦−革命的共産主義運動の50年」
主催 革命的共産主義者同盟中国四国地方委員会
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週刊『前進』(2614号1面5)(2014/01/01 )
前進速報版から
▼さがみはら星野絵画展に250人、暁子さん迎えて交流会▼星野関西集会が大成功▼三里塚第3誘導路裁判「NAAは文書提出せよ」
◎休刊中の最新ニュースは『前進』速報版に随時掲載
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週刊『前進』(2614号1面6)(2014/01/01 )
おことわり
本紙は本号を新年特別号として発行し、12月30日号、1月6日号は休刊します。次号は1月13日の発行です。
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週刊『前進』(2614号2面1)(2014/01/01 )
ブラック企業CTS追及
動労千葉 新年待たず決起態勢
外注・ライフサイクル粉砕へ
動労千葉は12月18日、ブラック企業CTS(千葉鉄道サービス)徹底追及の新たな闘いに向けて総決起集会をDC会館で開催した。
田中康宏委員長はまず「年末のこの時期に集会を設定したのは、年明けの旗開きを待たず、新たな闘いへの決起態勢を固めたかったからだ」と切り出した。田中委員長は検修外注化強行から1年余りの闘いを振り返った上で、「社会に蔓延(まんえん)し、人間としての生活を破壊しつくす外注化・非正規職化は絶対に間違っている。だから職場で外注化を粉砕するまで徹底的に闘い続ける。JR本体で闘うとともに、下請け会社のCTSでも全面戦争を構える必要があると決意した。その出発点が今日の集会だ」と述べた。
エルダー社員としてCTSに出向して働いていた組合員の金子茂さんが8月に成田空港駅での勤務中に亡くなって以降、動労千葉はCTSでの労働実態調査に乗り出した。その中で、泊まり勤務では1勤務で4〜5万歩も歩き、5日間連続で夜勤に入ることもあること、さらに食事や休憩もまともに取れない作業ダイヤ、マスクが真っ黒になるほどの粉じんの存在など、あまりにひどい現実が明らかになった。
この過程で、CTSがJRから委託された車両清掃業務で不正を行っていた疑いも浮上した。やってもいない車両の「全般清掃」を完了したとJRに報告していたのだ。
田中委員長は、こうした事実を組合員に報告し「検修・構内業務外注化のすべてが違法行為、偽装請負であり、CTSで働く1千人のうち9割が非正規職。典型的なブラック企業だ」と怒りを込めて弾劾した。
さらにライフサイクル強制配転から3年を迎える北嶋琢磨青年部長を運転士職に奪還する闘い、貨物賃下げ攻撃との対決を焦点とする14春闘、すべての闘いを貫く最大の課題としての組織拡大への総決起を強く訴えた。
幕張支部の山田護支部長は「金子さんの労災死について、CTSは現場の実態を調べもしないで『業務とは関係ない』と開き直っている。絶対に許せない。CTSの労働条件を変えるために全力で闘う。こんな会社は外注業務を請けることなどできない。直ちに出向者をJRに戻せ!」と怒りをあらわに発言した。CTSへの出向者である関道利執行委員、さらに車両技術分科会と青年部代表も「CTSという会社をぶっつぶしてJRに戻る」「外注化と安全は絶対に相いれない」「青年部が動労千葉の先頭に立って闘う」と述べた。
貨物職場からは千葉機関区支部の斎藤隆男支部長、貨物協議会の佐藤正和議長が年末手当1・3カ月という超低額回答に強い怒りを表明し14春闘への決意を語った。
木更津支部の久留里線ワンマン運転撤回に向けた発言、動労千葉争議団の中村仁さんのあいさつに続き、長田敏之書記長が、CTS追及と組織拡大、「外注化粉砕・1047名解雇撤回」を掲げた1・22総行動など当面する闘いの方針を提起。各支部からの決意表明と団結ガンバローで集会を締めくくった。
(写真 幕張支部、車両技術分科会、青年部の代表が熱く決意を表明した【12月18日 DC会館】)
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外注化粉砕・1047名解雇撤回
1・22総行動に結集を!
◎動労総連合 出向無効確認訴訟
1月22日(水)午前10時30分から
東京地裁527号法廷(午前10時集合)
◎裁判終了後、「解雇撤回・JR復帰」最高裁
署名の第1回提出行動
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週刊『前進』(2614号2面2)(2014/01/01 )
金曜行動 秘密保護法廃止を
「原発ゼロ」撤回に怒り!
(写真 〈上〉多くの人びとが夜遅くまで「秘密保護法絶対廃止」を叫んだ【12月13日 衆院第二議員会館前】〈下〉首相官邸前では政府の原発全面再開攻撃と対決し来年も闘い続けることを全参加者が誓い合った)
12月6日に強行採決された特定秘密保護法が1週間後の13日に公布された。この日夜、同法の撤廃を求める集会が山本太郎参議院議員も参加して国会裏の議員会館前で開かれ、「特定秘密保護法廃止!」「絶対廃止!」のシュプレヒコールが響き渡った。
同じ時刻に毎週金曜日恒例の首相官邸前と国会前での反原発行動が闘われ、「原発再稼働絶対反対」の声があふれ、国会周辺は安倍政権への怒りに包まれた。
自公政権による一連の暴力的な反動法案強行にもめげず、逆に国会周辺は原発再稼働反対と秘密保護法反対の声が一体となってますます高まり、安倍打倒へと発展していく展望を切り開くすばらしい闘いの日となった。
治安維持法再来
議員会館前では原発反対集会にも常に参加している年配の女性が、「私たちの闘いはこれからです。闘いの始まりです。こんなおかしな状況を招いてしまったのはまったく残念です。しかしこの国がおかしくなったのは今日に始まったわけではない。あの戦争中の治安維持法があり、そして広島・長崎の核爆弾の悲劇を招いたのです。私たちの今はそこにつながっているのです」「私たちがここで秘密保護法を絶対許せないと叫んでいるのは、再びあの過った戦争時代と同じ国になるということは絶対に我慢できないからこそであり、だからみんなで命の声を上げている。こんなことで私たちはあきらめるわけにはいきません」と切々と訴えた。
男性は、「昔から数の暴力という言葉がある。民主主義と多数決は同義ではない。数で全部が決められているのなら、おれたちはあきらめている。そうじゃないだろう。それが民主主義というものだから」と怒りを表し、議会制民主主義をのりこえて自分たちこそ社会の主人公だとの思いを込めた発言が続いた。
原発依存やめろ
官邸前の反原発集会では、特定秘密保護法強行成立当日の12月6日に、経産省が「原発は重要なベース電源」とした「エネルギー基本計画原案」を突如提出し、再び原発依存にかじを切ったことに怒りの声があふれた。
参加した男性は、「安倍首相、やってくれたな!」と経産省原案を弾劾し、「原発は、本当はプルトニウム製造機じゃないか。原発がないとできない唯一のものは電気じゃない。猛毒で核兵器の材料にしかならないプルトニウムじゃないか」と原発が核武装のためのものであることを弾劾した。主催者の女性は、「『2030年代原発ゼロ』の目標を年明けにも撤回する閣議決定をすると言われているが本当か。私たちは原発即時ゼロを狙っているがこれは許せない。年明けの撤回をやめろ」と怒りの声を上げた。(K)
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週刊『前進』(2614号2面3)(2014/01/01 )
NAZEN北陸 “福島と連帯し闘う”
椎名さん迎え2周年集会
12月14日、富山市でNAZEN北陸結成2周年集会が行われ約20人が集まり大成功しました(写真)。
12・14集会は、ビラや宣伝物、集会の運営と役割までNAZEN北陸の学生・青年が担いきり、誰もが「やりきった」「成功した」という表情で、勝利と闘いの前進を感じさせました。
冒頭に、反原発福島行動 13のDVDが上映されて集会がスタート。司会は2人の富山大生が担いました。
司会あいさつの後、特別講演が行われました。講師は、ふくしま共同診療所運営委員であり3・11反原発福島行動 14の呼びかけ人である椎名千恵子さんです。
椎名さんは、去年12月の総選挙での自民「大勝」の「世論」に屈した既成の政党・党派が、3・11当日の集会を断念して3・23集会になったことを悔しさと怒りをもって語り、3・11を反原発の闘いの日にするために3・11反原発福島行動を呼びかけたことを自分の信念とともに語りました。14年の闘いについて「被曝の問題は誰も語らない。本当につながっていくために自分たちが変える。自分たちが変われるかという分水嶺(ぶんすいれい)に来ている」と3・11集会への参加をアピール。また、ふくしま共同診療所の闘いを紹介し、多発する子どもの甲状腺がんについて「解釈の問題ではない。数値、実態が示している」と具体的な闘いを踏まえて語りました。そして、ふくしま共同診療所は心の問題にもかかわる「第2ステージ」に来ていると話しました。
富大生が基調提起を行い、情勢を明らかにして、NAZEN北陸がキャンパスで原発御用学者弾劾と教育の民営化反対を闘い、放射能汚染がれき搬入を巡りJRや焼却施設で被曝労働反対を訴え闘ってきたことを生き生きと総括しました。
質疑応答・フリートークでは、福島県の主な首長選挙での現職敗北に見られる福島の怒りや保養の意義が語られ、椎名さんはドイツ反原発ツアーで労働組合とゴアレーベンの農民との結合の重要性を実感したと報告するなど、豊富な意見が出されました。
初参加の学生は「ネットなどで調べていたが『本当なのかな』と思って参加した。話を聞いて実感した」と語り会場を沸かせました。学生のアピールは「大学はやれ英語だキャリア教育だと、仕事に就くためだけの場になっている」「学生は自分たちで社会を変えていく」と、大学改革に怒りをもって対決する意志を示しました。青年労働者も「福島の現実は青年労働者の現実。新自由主義の実態だ」と、福島と連帯して闘うと表明。
最後に3・11アピールが読み上げられ、原発廃炉と3・11反原発福島行動へ攻め上っていくことを、参加者全体の大きな拍手で確認しました。(北陸・N)
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週刊『前進』(2614号2面4)(2014/01/01 )
闘いは進む 青年の職場から
合同労組 合同労組が地域の労働運動に責任を取って闘う
みやぎ連帯ユニオン 熊手蒼
私はビルメンテナンスの仕事をしている労働者です。市立病院に派遣されて2年半が過ぎました。私は防災センターなので、仕事は待機がほとんどで、自分は労働者なのか分からなくなる時もあります。給料の話をすると「死なない程度の賃金はあげている」と管理職に笑いながら言われます。「生きられる賃金をよこせ」と誇りを持って堂々と怒れるように、職場に団結をつくりたいです。
病院は外注化が進み、職員は800人くらいいますが半分は民間の下請け会社が担っています。入札の度に下請けの職員は入れ替わり、労働条件が下がっても入札した会社に転籍するか、他の現場に移るか(枠がなければ解雇)という現実に直面します。形さえ成り立てば安全が崩壊しようが労働者の生活がどうなろうが構わないのでしょうか。
外注化と非正規職化がもたらす貧乏枠の拡大をぶちこわす路線こそ国鉄闘争全国運動のもとに労働者が団結することだと思います。
この秋、動労千葉鉄建公団訴訟の高裁判決が出る過程では、私も思いきって職場で署名を集め始めました。昔、物流会社で労組執行部だった同僚は、常日頃から「国鉄職員は遊んでいた。民間では通用しない」と言っていて躊躇(ちゅうちょ)の原因でもあったのですが「遊んでいた人間は26年間も闘わない」と快く署名してくれました。国鉄闘争は偉大だなとあらためて実感しました。さらに一歩踏み出し、署名のさらなる拡大と『前進』の提起で団結を拡大していく決意です。
みやぎ連帯ユニオンでは、私たちこそが地域の労働運動の結集軸になるという気概から国鉄を始め4大産別決戦に責任を取る立場で闘っています。今年は仙台市職労拠点化を最重要視して、市役所前街宣に責任を取り始めました。朝ビラと夕方の国鉄解雇撤回の署名集めにユニオン執行部が立っています。継続的活動が市職労の仲間の闘いを支え、団結拡大に結びつくと確信しています。
●東北石けん闘争は中労委での闘いに
10月、宮城地労委は東北石けん不当労働行為救済申立事件で申し立て棄却の反動命令を下しました。許せません。地労委は組合つぶしの解雇であることを覆い隠し、会社解散に伴う合理的な解雇だとしています。
東北石けんは、工場移転を提案した際、組合が労働条件の確認などを求めたことに嫌悪感を示し団交拒否や個別ヒヤリングなど組合切り崩しの不当労働行為を行いました。それでも闘う意志を曲げなかった組合に対する回答が解雇でした。この過程は不当労働行為のオンパレードです。しかし地労委はそのすべてを無視・容認し、むしろ原則的に組合として対応したことに解雇の原因があるとしています。
東北石けんの闘いが、地域の団結の要となり、労働委員会の反動性を暴き出している。ここからが本番です。中労委では組合の基礎的な団結権の侵害を焦点としたバトルを開始します。団結権の侵害には団結で返す。さらなる怒りで団結を拡大し解雇撤回をかちとりたいと思います。みなさんともに闘いましょう。
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週刊『前進』(2614号2面5)(2014/01/01 )
3・11反原発福島行動へ
実行委員会が大結集呼びかけ
3・11反原発福島行動 14(郡山市)の大成功に向けて、実行委員会が発した呼びかけ文を紹介します。地元からの訴えに応え、全国から大結集をかちとろう。(編集局)
「あきらめられるか 忘れられるか 福島の怒りはおさまらない 3・11反原発福島行動 14」への賛同と参加を呼びかけます
「ボクは被ばく者ですか?」――誰を責めるでもないこの問いを、保養先でつぶやく高校生。「3・11アナタはどこにいましたか?」――「適齢期」に、この残酷な問いを浴びるであろうことをおそれる女の子たち。甲状腺がんの宣告を受け、不安をつのらせる59人(※)の子どもたち。同じ思いの子どもの数が増え続けるであろうことが疑うべくもない、過酷な、福島の子どもたちの現実。(※11/12県民健康管理調査検討委員会発表)
何がオリンピックか。ふるさとを、家族を、こころを分断され続け、苦悩する仮設暮らしの人々を棄てるのか。福島県民を、棄てるのか。
「原子力ムラ」というひとにぎりの利益共同体がつくった原発。爆発したら今度は「除染ムラ」に表札を変え、まやかしの除染でまた金儲(もう)けを企(たくら)んでいる。すでに棄てられた人々は、御用学者たちに「安全」と偽られ、「復興」の名のもとに帰村をせかされる。何もなかったことにするために。それは、原発を再稼働するため。原発を輸出するため。
だが、今も毎時、原子炉からは1000万ベクレルの放射能が漏れているのだ。作業員に信じられない量の被ばくをさせて。溢(あふ)れる汚染水もまた国境を越え、かってに「輸出」されているのだ。「アンダーコントロール」というコトバの空々しさとは裏腹に、確実にいのちへの侵食を広げながら。
「もうだまされない」「労働者が物言わない存在にさせられた結果、原発が作られ爆発したんだ」。この夏、非正規雇用の青年をはじめとする、あらゆる層の市民、労働者、生産者の思いとともに70万近い票を集め、山本太郎参議院議員が誕生した。時代が動き始めた。この社会を変えたいという意志、変えるという覚悟が、未来を拓(ひら)いた。
国会では、福島をなきものにするオリンピックの浮かれ騒ぎ。すべての政党・会派が翼賛勢力になりさがる中、山本議員は、たった一人反対をつらぬき、再び街頭に立つ。原発と戦争を止めるため、「秘密保護法反対」を訴えて。まるで戦前だ。違うのは、そこに若者が、「もう一人にさせない」と続いていること。
非正規雇用の物言わぬ労働者の象徴が原発労働者だ。彼らに、労働組合に守られたストライキ権があれば、世の中は一発で変わるだろう。帰村運動のために真っ先に被ばく労働を強いられる自治体職員や教員らの労働組合がストライキを打てる力があれば、もう一歩事態は動くだろう。
帰村の象徴としてあるJR常磐線の延伸。そこに向けて、被ばく列車の車両整備が労働者に強制された。負けずに、水戸や郡山のJRの労働組合は、ストライキを取り組み、防護服を要求して闘った。世界の労働運動史上初めて内部被ばくをテーマにすえた闘いだ。被ばくの事実を隠ぺいし、「闇」に葬るための「人体実験」を許すなと、母親や医師が立ち上がり、全国・全世界からの支援がそれを支えぬく。
怒りよりも絶望が、闘いよりもあきらめがまさりそうな3年目のフクシマ。だが、展望も闘いのよりどころも着実にかたちづくられている。
3・11は全国、全世界の反原発の日。鎮魂と闘いの日。福島に立って、未来に向かって社会を変えて行こうと、その思いをひとつにする日だ。2014年の3・11は、あらためて東電と政府の責任を曖昧(あいまい)にせず、すべての福島の怒りを結集する闘いの日にしたい。子どもたちの怒り、学生の怒り、親たちの怒り、「仮設」の怒り、農民の怒り、漁民の怒り、そしてすべての労働者の怒りを結集しよう!
原発も放射能もいらない! 福島の切り捨てを許さない! 安倍政権を倒そう! 自分たちの手で核も原発もない社会をつくろう! 怒りのデモをたたきつけよう!(2013年11月1日)
◆ ◆
集会要項
3月11日(火)午後2時
福島県郡山市総合体育館(集会後デモ)
【呼びかけ人】
市川潤子(ふくしま合同労組委員長・福島市)、大内孝(農業・福島市)、川俣辰彦(いわき合同ユニオン委員長・いわき市)、斎藤栄一(和牛繁殖農家・いわき市)、坂元太平(本宮市)、佐々木信夫(桜の聖母短期大学名誉教授・福島市)、佐藤幸子(川俣町)、椎名千恵子(福島市)、島明美(伊達市)、鈴木光一郎(全国農民会議共同代表/酪農家・本宮市)、根本敏子(沖縄米軍基地一坪反戦地主・二本松市)、橋本光一(国労郡山工場支部・郡山市)、長谷川健一(飯舘村前田区長・酪農家)、藤井精二(郡山市)、藤井千賀子(郡山市)、布施幸彦(ふくしま共同診療所医師・福島市)、門馬高弘(動労水戸平支部委員長・いわき市)、吉沢正巳(希望の牧場・浪江町)、渡辺馨(福島診療所建設委員会事務局長・伊達市)12月1日現在
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週刊『前進』(2614号2面6)(2014/01/01 )
法大無期停学処分撤回裁判 “真実明らかにせよ”
裁判所に調査嘱託を請求
12月13日、法政大学・武田雄飛丸君(文化連盟委員長)の「無期停学」処分撤回を求める裁判の第4回口頭弁論が東京地裁民事第25部(矢尾渉裁判長)で行われた。
9月の前回裁判で法大当局は、原告が提出した準備書面に対して「反論を行わない」と主張した。論争の中で処分の不当性が明るみに出ることを恐れると同時に、司法権力が反動判決を書くことをあらかじめ期待しての行動だ。これに対して原告側は裁判前に求釈明と調査嘱託、並びに上申書の提出を行った。特に重要なのは調査嘱託だ。
12年4月、裏切り者=学祭実は武田君が所属する社会科学研究会に対して、過去に「暴力行為や脅迫行為」を行ったとデッチあげ、学友会主催行事からの排除を決定する通知を行った。それは武田君や文化連盟の仲間に規制反対の声を上げさせないためのデマだった。今回の調査嘱託は、嘱託先を学祭実とし裁判所を通して真実を明らかにさせるためのものだ。
裁判の冒頭、原告代理人の藤田城治弁護士が被告に対し、原告準備書面への反論を行うことを求め、石田亮弁護士が調査嘱託の趣旨を明らかにした。これに対し、被告側代理人弁護士の芝昭彦は「求釈明や調査嘱託は不要。事実関係が処分の理由になっていることから、処分の有効性については立証している」と主張した。
原告側代理人はすかさず反論。弾圧が単なる「武田君の行為」といった事実関係の問題だけで起きているのではなく、06年3・14弾圧以降、もしくは新自由主義大学の中で闘う学生を大学からたたき出すという構図の中で起きていることをあらためて鮮明にした。
裁判長から、次回口頭弁論で原告・被告双方ともに処分にかかわる事実問題の有無に関しての書証を提出することが促された。法大当局の「早期結審↓判決」のはかない願望は粉砕された。
最後に武田君が意見陳述を行った。「11月の学祭以降、規制と処分の不当性、学祭実の許しがたさがますます明らかになってきた。特定秘密保護法で現出しようとしている光景が法大キャンパスの中ですでに起きている」と述べ、この中で裁判所自身が問われていると鋭く突きつけた。最後に、法大当局に対して無期停学処分を即時撤回し謝罪せよと迫った。
裁判後、弁護士会館で総括集会を行った。代理人から裁判の現局面に関しての報告が行われ、武田君から処分撤回と1・17法大包囲デモへの結集が呼びかけられた。
最後に裁判事務局が、@裁判所前情宣の強化、法大と裁判所への社会的包囲の強化、A暴処法裁判控訴審での無罪の確定、B法大の中で処分撤回のうねりを巻き起こそうと提起した。14年法大闘争の大爆発で、すべての処分撤回、御用学生団体=学祭実打倒、3万法大生の団結体=自治会権力樹立へ攻め上ろう!
(首都圏学生・K)
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週刊『前進』(2614号3面1)(2014/01/01 )
労働者民衆とともに闘う 高山俊吉弁護士の訴え
改憲と戦争の時代、国策許さぬ闘いの先頭に弁護士は立ちます
「憲法と人権の日弁連をめざす会」の高山俊吉弁護士から決意あふれる新年メッセージをいただいた。(編集局)
新しい年の年頭にあたり連帯のごあいさつを申し上げます。
私は深い思いでこの年を迎えています。
政権はかつてない危機だ
政治情勢を見る一視点として政権状況を見ます。一昨年末の衆院選における自民「大勝」以来、この国はかつてない政治的危機の時代に突入しました。それは「改憲と戦争推進勢力にとっての危機の時代」と見ることがきわめて大切です。
マスコミを中心に自民一人勝ちの時代に入ったなどという見方が広がりました。しかしそれはまったくの偽りです。当の自民党や政府や経済団体自身がそのように認識していません。
世界的に広がる大恐慌を背景に、国の経済が究極の破綻状態に直面し、この政党を支持する国民が有権者の2割台にとどまることがあらためて明確になった。宗教政党による補完をこれまで以上に期待せざるを得ず、保守右翼の補完勢力も思うように結集できない。戦術的技巧を尽くして議席だけは衆参とも改憲勢力が過半を占めたが、その実態と表見の乖離(かいり)や矛盾を誰よりも彼らがよく知り、不安視している。そのことを私たちは明確にとらえきる必要があります。
一昨年4月に発表された自民党「新憲法草案」は、第二章の章題を「戦争の放棄」から「安全保障」に切り替え、国防軍を創設しました。草案はその一点において、戦争政策全展開の明白な指導標になりました。「安全保障」という観念は、自らに攻撃をしかける対象を想定するだけでなく、自身の安全を確保するのに必要に応じ対象を軍事的にたたくことを予定するものであり、それは紛争解決のために戦力・軍事力を絶対に利用しない(させない)ことを明示した憲法9条に根底的に背馳(はいち)します。
公務員労働者を先頭とする反戦の意思表明を圧殺する特定秘密保護法も、国民をして国家の立場に立って隣人を裁かせる裁判員法も、その実体は現に進行する改憲策動です。集団的自衛権の保障に道を開くもくろみも武器輸出3原則の見直しにも同じことが言えます。
それらの諸政策をめぐる権力にとっての最大の危機感は、基本的な支持基盤がきわめて脆弱(ぜいじゃく)なことに加え、多くの国民の批判・反発をよそに無理に推し進めようとしている国策であることが日一日と明らかになっていることです。
このような「政治と国民のねじれ」とも言うべき現象が起きたのは3・11を決定的な契機とします。立法も行政も司法もそして権力に翼賛する学問も大本営発表を垂れ流すマスコミも、問題の国策に反発しないどころか推進を買って出る労働組合も、国民をだまし国民に苦難を強いる勢力の一角にいるということを多くの国民が知ってしまった。彼らが犯し続けてきた積年の罪責をついに圧倒的多数の国民につかまれてしまった。その危機感が今この国の「表層だけの」権力者の胸中を黒雲のように覆っています。
特定秘密保護法をめぐるこの間の突出した攻勢も自らの強さのゆえではけっしてない。今この時にからめ取っておかなければいったいいつ余裕をもってこんな仕組みをつくれるかという焦燥感に裏付けられています。石破自民党幹事長の「デモはテロ」論も、麻生副総理の「ナチスに学べ」論も、すべて焦りの畑から生まれたまったく同根のものです。
「司法改革」と闘い続けて
私たち弁護士にとってはもちろん深いかかわりがあるテーマですが、国民の権利にも直接関係する司法の世界の現状をご紹介します。
新自由主義攻撃が労働者・労働組合への攻撃に引き続いて司法の世界に登場したのは1990年代でした。国民の権利を守って時に権力とも果敢に闘ってきた弁護士・弁護士会・日弁連に対する激しい攻撃がこの時期に開始されたのでした。
2001年には内閣に置かれた司法制度改革審議会が、規制緩和などの諸改革の最後のかなめは司法改革だという「最終意見書」を内閣に提出。弁護士激増・ロースクール・裁判員制度など「司法改革」諸政策がその後続々と実施に移されました。
しかしこの12年間、私たちは「司法改革」を破綻させる闘いを戦い続け、ついに最後の勝利の旗を手にしようとしています。「2010年ころまでに司法試験合格者を年間3000人にする」という弁護士激増策は完全に破産し、それを支えるロースクールも壮絶な整理統合時代に入りました。だが整理や統合で決着などつかないことは弁護士の間で常識になっています。
審理期間を短くするはずだった裁判員裁判はむしろかつて以上に長期化し、裁判員として出頭する国民は対象者(裁判員候補者名簿記載者)の2割前後しかいないというところまで落ち込んでいます。
国民の一人ひとりにこの国を守るのは自身だと自覚させ、弁護士をその国策遂行の先兵(実務屋)にすることをもくろんだ新自由主義司法政策は、ついに破産状態に追い込まれました。新自由主義政策はついに破綻と終焉(しゅうえん)のときを迎えています。
改憲と戦争の時代にその国策を許さぬ闘いの先頭に弁護士は立ちます。床の間に戦争の蛮行をうたいあげる新憲法を置かせることを私たちはけっして許しません。
志を同じくする多くの方々と肩を組み腕を取り合って力強く進む1年にしたいと考えます。
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週刊『前進』(2614号3面2)(2014/01/01 )
獄中同志の新年メッセージ
命脈が尽きた資本主義倒し人間本来の社会実現しよう
徳島刑務所在監 星野文昭
今、私たちの闘いは、資本と国家・安倍政権が金もうけのために労働者人民を生きさせることもできず、力で批判・決起を圧殺するしか方法がなく本当に命脈が尽きていることを突き出し、同時に労働者人民が自らの団結した力を100%信頼し立ち上がればすべての攻撃に勝利して、世の中を変え、人間本来の社会を実現できる展望を開いています。本当にそのことを実現する2014年にしましょう。
日々勝利の地平
国鉄闘争によって、分割・民営化を突破口とする新自由主義が不当労働行為・不正義を重ね粉砕できるものであることを突き出し、闘いが攻勢をとる情勢をかちとっています。それを基軸に反原発闘争、特定秘密保護法粉砕闘争が安倍・自民党政権打倒闘争として爆発する情勢をかちとり、それと一体に無実の星野解放闘争が、闘う労働者をはじめ広い社会的力によって全証拠開示、再審・釈放へ大きな前進をかちとっています。
とりわけ『愛と革命』は、私と暁子が、ともに団結の力で誰もが人間らしく生きられる社会を実現する闘いの中で、暁子との絆(きずな)・愛、仲間・労働者人民との絆・団結を深め、必ず勝利していく展望を開いている、そのことがそれぞれ一人ひとりの闘いと重なり自らのものとなり、勝利への力となり、そしてその一人ひとりの闘いが私と暁子の力となり、そのことによって本当に心一つに闘う地平を開いていることを実感しています。
71年11・14渋谷闘争への無実での無期攻撃は、獄壁による分断と無期の重圧によって私と暁子の闘い生きることそのものをつぶし、同時にすべての仲間・労働者人民の闘い生きることをつぶそうとするものでした。しかし、今、暁子も言うように「日々勝利している地平」を開いています。
すべての労働者人民の苦しみ、悲しみ、喜びも、そしてその中にある人間らしく生きたいという希求と秘められたその力への信頼を共有し、ともにそれを尽きることのない闘いに生きるエネルギーとして、団結した力で世の中を変えていく道、生き方を手にすることで勝利への如意棒を手にしています。
人は、自他の存在を重ね、その痛み、苦しみ、喜びも自らのものとして感じ、共有し合うことができ、だから誰もが人間らしく生きられることによって最も大きな喜びで心を満たし合う存在であり、労働をはじめその生命活動によって誰もが人間らしく生きられるために生きる、それが人間の人間たる本質、人間性・共同性です。
(写真 2013年12月1日 東京)
労働者の団結で
今、労働者から搾取し、全人民から収奪することで肥え太り、過剰資本による大恐慌・大失業・戦争の時代を引き起こし、なお資本の利潤のために財政・国債破綻の明らかな公共投資、バブル化と破局化が明らかな金融緩和に走り、民営化・外注化・非正規化の下での解雇・賃下げ自由・労働強化・安全切り捨て・原発・大増税という、「命より金もうけ」の新自由主義によって労働者人民を生かすこともできなくなり、秘密保護法・改憲によって怒り・闘いを圧殺して国家独裁・戦争に走り命脈が尽きている資本主義の姿が目の前にあります。
これに対して、生産を担い社会を成り立たせている労働者がその人間性・共同性、団結をもって立ち上がり、すべての労働者人民の団結した決起をかちとり、資本・権力から職場・地域・全国・全世界で支配権を奪い、彼らを倒してすべてを奪い返し、労働者人民が社会の主人公となってその人間性・共同性・創造性を解き放って、誰もが人間らしく生きられる社会を実現することに私たちの希望があり、未来があります。それを体現している動労千葉・動労水戸を先頭とする国鉄闘争を軸に全産別・全国・全世界の労働者人民の総決起をかちとっていきましょう。そのために闘う労組と党を一体にかちとりましょう。
全証拠開示を!
私たちは、闘いの圧殺を目的とした星野無期に対して心一つに闘い、勝利することで今日の闘いの地平をかちとり、このことを力に無期そのものを覆す地平を開いています。再審闘争で、当日の私の服が薄青であることで「殴っていたのはきつね色」という鉉供述が崩れ、「一郎丸写真」に私の殴打の痕跡がなく、それらの新証拠によって無実が明らかになった今、闘う労働者を中心に広く社会的な力で全証拠開示、再審・釈放を必ずかちとりましょう。
2014年、安倍政権の姿にあるように命脈の尽きた資本・権力を労働者人民の団結の力で打倒する決定的年としましょう。
(71年11・14沖縄返還協定批准阻止・渋谷暴動闘争戦士。デッチあげ殺人罪で87年に「無期懲役」判決が確定。96年に第1次、09年に第2次再審請求。現在、12年3月棄却決定に対し異議申立中。獄中39年。67歳)
獄中にいようと私は勝利者国鉄闘争・再審無罪を闘う
府中刑務所在監 福嶋昌男
2014年、動労千葉の職場闘争の力は11・3全国労働者総決起集会の熱き大結集を土台に、最高裁での解雇撤回へと突き進みます。この力は全職場のストライキ情勢をつくり出すものです。
反原発闘争は国・東電の福島切り捨てを許さず、放射能が人間社会(労働過程)・生態系―自然循環(海・水・土・大気)を汚染することの重大性をますます明らかにしています。廃炉あるのみです。
星野同志・暁子さんの闘いは“生命の輝き”の闘い、『愛と革命』で無実を鮮明にし、権力・裁判所を追い詰めています。『愛と革命』は労働者階級人民の闘いの方向を指し示しています。今年こそ労働者階級人民の力で全証拠の開示をかちとる時です。
すでに時代を画した改憲・戦争攻撃が開始されています。「特定秘密保護法」攻撃と闘いぬきましょう。
福嶋再審では、弁護団・事務局の健闘で、神戸大学の魚住和晃名誉教授がより精度の高い筆跡鑑定書を作成してくれました。指紋認証の方も前進しています。私は証拠とされているメモを書いていないし、触ってもいません。私は無実です。
昨年は多くの方々から信書をいただきました。大変勇気づけられました。ありがとうございます。
新自由主義攻撃に対し、中核派は1986年4月に米軍横田基地を、5月に迎賓館の東京サミットを砲撃しています。権力は、私が両戦闘にかかわったとして87年10月にデッチあげ指名手配をかけました。
以来26年間、私は権力の弾圧にかちぬいてきています。私は獄中にいようと勝利者です。
私は国鉄闘争をはじめすべての闘争、須賀・十亀・板垣同志の上告審闘争・「かちとる会」のみなさん、家族と熱く連帯し、再審・獄中闘争を不屈に闘いぬきます。
(迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判で実刑12年。12年に下獄。69歳)
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週刊『前進』(2614号3面3)(2014/01/01 )
国家安保戦略・防衛大綱・中期防
安倍の大軍拡=改憲許すな
●初の国家安全保障戦略策定
安倍内閣は12月17日、国家安全保障会議(日本版NSC)と閣議で、外交・安全保障の基本方針となる初の国家安全保障戦略(NSS)とそれを実施する防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画を決定した。
それは、「積極的平和主義」の名のもとに自衛隊の大増強と侵略戦争軍隊化を推進し、さらに武器輸出3原則を撤廃し、武器輸出を成長戦略の柱にすることによる世界の兵器市場への割り込みをもくろんでいる。さらに「我が国と郷土を愛する心を養う」と愛国心を明記した。国家安全保障戦略が唱える愛国心とは「お国のために喜んで死ね」以外の何を指すのか。14年には集団的自衛権の行使、国家安全保障基本法制定、そして改憲を狙っている。改憲・戦争をめぐる大決戦が始まっている。
●3原則撤廃し武器輸出解禁
国家安全保障戦略では、武器輸出3原則について「武器輸出3原則が果たしてきた役割に十分配慮し、武器などの海外移転に関し新たな安全保障環境に適合した明確な原則を定める」としている。安倍は、年明けに武器輸出を原則可能にする新基準の策定、つまり武器輸出3原則の撤廃を企んでいる。
武器輸出3原則は1967年、ベトナム反戦闘争の高揚の中で、佐藤内閣が「@共産圏A国連安保理決議により武器輸出が禁止されている国B国際紛争の当事国またはそのおそれのある国」――のケースで武器輸出を禁止。三木内閣が76年、3原則以外の国にも原則、輸出禁止を決めた。
ただ、米国への武器技術供与などは個別に官房長官談話を出して「例外」を設けてきた。05年の米国向け弾道ミサイル防衛システムの共同開発(小泉首相)、11年の国際共同開発・共同生産への参加と「人道目的」の場合の装備品供与(野田首相)、13年の次期主力戦闘機F35への日本企業の参画(安倍首相)などである。
そして、安倍は「成長戦略」と称して原発・鉄道などのインフラ輸出に全力をあげているが、同時に武器のインフラ輸出に活路を見出そうとしている。武器とともに保守・点検・整備・修理、その設備と人員を含めてインドやトルコ、東南アジアに輸出しようとしている。米新軍事戦略と一体化しながら日帝独自の勢力圏構築を目指している。
これを「武器輸出3原則に抵触しない」という開き直りで行っている。自衛隊装備品を民間転用して、輸出するやり方だ。海自の救難飛行艇US2を消防飛行艇としてインドに輸出を進めている。さらに安倍は、トルコ訪問で三菱重工の原発輸出の受注を取り付け、さらに三菱重工のトルコ軍戦車のエンジン共同開発受注をねじこんだ。これについて小野寺防衛相は、「民間企業活動の一環だ」と開き直った。
大恐慌は、過剰資本・過剰生産力の矛盾の爆発であり、全世界で帝国主義間・大国間の争闘戦を絶望的に激化させている。戦争の切迫という情勢において、安倍は、戦争に向かって武器輸出3原則を撤廃して武器市場への割り込みに絶望的延命の道を見出そうとしているのだ。
●「防衛大綱の見直し」も
さらに防衛計画の大綱の見直しでは、「統合機動防衛力」を基本理念として、「動的防衛力」構想よりもさらに一段と、実際に戦争のできる内容にエスカレートさせている。▽警戒監視能力の強化▽島嶼(とうしょ)部攻撃への対応、▽弾道ミサイル防衛のもとで、全国の陸上自衛隊を一元的に指揮・命令する「陸上総隊」の新設を盛り込み、南西諸島の「島嶼奪還作戦」の機動展開を行う「機動師団・旅団」を新設する。そのために陸上自衛隊を5千人も大幅に増やし15万9千人とした。「中期防」5年間の防衛費総額は前期より1兆2千億円増の24兆6700億円となる。これも軍需産業を潤す。恐るべき大軍拡だ。その行き着く先は侵略戦争であり、世界戦争である。だがそれは世界革命を生み出す。
安倍は、臨時国会で改憲攻撃として国家安全保障会議設置法、特定秘密保護法を強行したが、数万人の怒りの国会デモがこれを迎え撃った。国鉄決戦を基軸にして、改憲・戦争の安倍政権を打倒しよう。
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週刊『前進』(2614号4面1)(2014/01/01 )
今年は霞が関へ攻め上る
農地裁判勝利・空港廃港を
三里塚反対同盟 3・23芝公園に大結集を訴え
(写真 3・24敷地内縦断デモの最先頭でトラクターを運転する市東孝雄さん)
「霞が関へ攻め上る」を合い言葉に、市東さん農地裁判控訴審へ向けて闘いぬく三里塚芝山連合空港反対同盟から新年のアピールが寄せられた。労農連帯の力で成田空港会社(NAA)の農地強奪攻撃を断固粉砕し、3・23全国集会(東京・芝公園)に全力で結集しよう。(編集局)
若者の未来のため
事務局長 北原鉱治さん
全国の方々の理解と支援を受けて、三里塚闘争は48年の年月を数えるにいたった。振り返ると、この闘いの年月にはなんら悔いるものはない。
国際情勢を見るといまだ戦争はなくならず、シリアでは何百何千という人びとが内戦によって命を失っている現実がある。日本においては安倍政権が、戦争の準備を進めるかのごとく反動的な政策を推し進めている。従来から警鐘を鳴らしてきたとおり、成田空港は有事のさいには米軍が大挙押し寄せて軍事使用し、侵略の出撃拠点となることは明白だ。その時は空港周囲で日頃閑古鳥の鳴いているホテルも、軍隊によって満杯になるだろう。
私は第2次大戦において一兵卒として戦争に参加した者として、その歴史を二度と繰り返してはならぬと訴えてきた。昨年11月に動労千葉の案内で韓国民主労総の労働者たちが三里塚を訪れたとき、「労働者と農民は自国の政府が戦争を行ったとき、これへの協力を拒否する」という共同の誓いを提案し、快く賛同を頂いた。今後もこの国際連帯、労農連帯を深めていきたい。
市東さんの農地裁判は東京高裁における新たな決戦段階を迎えた。明治から親子三代受け継いで農地を耕してきた市東さんにこそ正義があり、これを奪う暴挙を許すわけにはいかない。このような農民圧殺を繰り返してきたからこそ、成田は今も完成しない欠陥空港だ。反対同盟は東京に攻め上る気概で闘う。国家権力が人民を守るものではないことは、農民と労働者の生活を奪うTPPを見ても明らかだ。
三里塚は人間としていかに生きるかを問われる闘いでもある。われわれは日本の若者の未来に責任があることを自覚している。命ある限り、私は若者とともに歩むことを切望している。今年もともに闘いましょう。
TPPの安倍倒せ
事務局次長 萩原進さん
3・11の大震災と原発事故で明らかに世の中が一変した。国策・国益の正体が暴かれた。気づいたら、福島だけでなく日本列島全体に原発がひしめいていた。
反対同盟は闘いの正義を一貫して訴えてきたが、成田空港が地元に4万人の雇用を抱えている現実のもとで、「空港も大事ではないか」という論理もまかり通っていた。だがもう違う。国策・国益というふれこみで行われてきたものの正体は、経済的利益を優先し人間の生活と命をおしつぶすものであり、「公共性」はまったくのうそだった。このことが満天下に明らかになった。
成田空港は何兆円もつぎ込んで建設されてきたのに、欠陥だらけでつぎはぎで未完成のぶざまな姿をさらしている。市東さんの農地を守る闘いは私利私欲ではなく、この大地こそ人間の生きる源であり、人民の利益であることを、われわれは今本当に大上段から言えるところにいる。
2013年にわれわれは縦横無尽に闘いぬいて空港側を守勢に追い込んできた手応えがある。空港周辺地域に粘り強く入っていって、住民の怒りと結びついた。この怒りの大きさに脅え、空港とその利権にあずかる自治体は、24時間空港化をもくろみながら、それを真正面から言い出せない危機にある。
安倍はTPPを推進し、「農業の規模拡大」を唱えながら300万と言われた日本の農家を一気に14万くらいに減らそうとしている。そしてついに減反政策廃止を打ち出した。日本の農民にとっては本当に死活問題だ。農家を無気力にさせ死に追い込む攻撃だが、彼らはそこに突っ込んでいくしかない。だからわれわれは安倍の反動性をとことん引き出してこれをぶったたき、本当に打倒する闘いを実現しなければならない。
いよいよ高裁での闘いが始まる。霞が関を揺るがしている反原発、沖縄、労働者の闘いとしっかりと結びつき、その先頭に三里塚が立たねばならないと自覚している。東京・芝公園での3・23全国集会に大結集し、続く26日の農地裁判控訴審第1回弁論では、東京高裁を十重二十重に包囲する闘いを実現しよう。
意地でも大義通す
東峰 萩原富夫さん
反対同盟はこの1年、空港周辺地域への情宣活動、オルグ活動を続けて手応えをつかんだ。先日自分も飛行直下の成田市西大須賀を回った。騒音問題は深刻な影響をもたらしている。訪ねると家族で「ああ、どうもどうも」とにこにこ顔で迎えてくれる。NAAは家屋の防音化工事を施しているが、「なんら効果がない」とみんなが怒っている。声を上げないと自分の生活すら守れないところに住民が立たされている。その深刻さが、切実に伝わってきた。
年頭から3万人署名運動に全力を投入しよう。昨年初めも地裁に向けて署名を集めたが、同じ人からまた署名をもらい、繰り返し行くことで、ためらっていた人も参加して運動が広がりをもっていくことは間違いない。
東京・霞が関では毎週反原発行動が取り組まれ、秘密保護法反対の運動も盛り上がった。若い労働者たちは派遣労働などで本当に厳しい状況に立たされている。そういう人たちが職場で街頭で霞が関で、自分たちの声を上げ行動する事態になっている。この盛り上がりをどう組織化するかに労働運動の展望がかかってるのではないか。その動きと三里塚が結合することを今年は追求する。
三里塚農民の闘いは自分たちだけの問題ではない。労働者と結びつき全人民の闘いとして続いている。そこに48年も続いた秘訣(ひけつ)がある。その大義を意地でも通したい。
「金より命」の重み
白桝 伊藤信晴さん
安倍政権は明らかに戦後の価値体系を全部粉砕する腹がまえで、反動的な政策を推し進めている。特定秘密保護法、安全保障会議、TPP、そして原発再稼働。これだけの反対の声をあえて無視し、すべては「国家」の視点で、労働者・農民・人民には一切の配慮もない。経済政策にしても国債を買い上げて金をばらまくなど、禁じ手であり破綻性は明らかだ。だがこうした安倍の反動がどこまで続くのかを決めるのは、結局われわれの闘いいかんだ。
人民の中で「安倍に好きなようにやられては、生きていけない」という声が大きくなっている。12月8日の「これでいいのか?!TPP」大行動の集会で、長野県川上村村長が「今でも限界集落間近。TPPが結ばれたら破綻する。地方自治体は反対して闘わなければならない」と発言した。
市東さんの農地を守る闘いは、「金より命」というスローガンの実践だった。3・11後、この言葉の持つ重みが、全人民の心をとらえることができると思う。労働者、労働組合の闘いもそうだ。青年労働者が市東さんの闘いに勇気づけられ、三里塚に結集する。そういう状況をつくり事態を動かしたい。今回の新たな署名運動で掛け値なしに3万人集めるために、全力で奮闘しよう。
この農地 明け渡すものか
NAAの犯罪暴く 天神峰 市東孝雄さん
2013年はみなさんの力強い支援を頂きました。心からお礼申し上げます。
3月26日には農地裁判控訴審がいよいよ開かれます。東京高裁はスピード審理で早期結審をもくろんでいると思いますが、私は裁判長と正面から向かい合い、NAAがいかにデタラメで犯罪的かについて全力でたたきつけ、夜に裁判長が床に就いた時には「ああ今日はあんなことを言われた、こんなことも言われた」と思い出させるくらいの攻勢をかけたいと思います。
私の土地は親子三代耕して守ってきた土地であり、直接触れた人はみな「いい土だ」と感心してくれます。この土地をむざむざ明け渡すわけには断じていきません。
ですから昨年は勝利的に闘ってきましたが、これを今年は100パーセントの勝利に近づける闘い方をできればいいと思っています。
これまで動労千葉をはじめ労働者の方々との共闘を築いて闘ってきましたが、13年は全国農民会議に集う福島・山形・山梨・千葉などの農家・農民同士がつながりをもって闘えたことが強く印象に残っています。安倍政権はTPPを進め、企業を農業に参入させようと躍起になっていますが、結局は利益が最優先で農業をだめにします。私も一斉行動で周辺地域を回っていますが、保守的と言われる地元成田の農民とも交流をつくりたいと思います。没落する成田空港が「国策」だと言い張っても、向こうに未来はありません。
千葉地裁民事第2部の耕作権裁判では、岸裁判長がNAAに対し文書提出命令を出しました。一矢報いた気がしますが、油断はできません。14年は本当に勝負の年だと感じています。勝利へ向けて全力で闘います。
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週刊『前進』(2614号4面2)(2014/01/01 )
反対同盟一斉行動 新3万人署名を訴え
市東さん先頭に地域回る
三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連による空港周辺地域への8回目の一斉行動が、12月14日に行われた。
13年は市東孝雄さんの農地裁判に全力で取り組みつつ、それと一体で周辺地域住民の空港への怒りを形あるものにする闘いを、反対同盟は真剣かつ地道に推し進めてきた。これをさらに14年に継続し発展させるために、全員が奮起した。
雲一つない晴天に恵まれ、午前9時に天神峰の市東さん宅離れに集合。萩原進事務局次長から「新年から開始する新たな3万人署名・カンパ運動を伝え、さらに反対同盟の新年旗開きへの参加を呼びかけよう」との提起を受けて、それぞれが「反対同盟ニュース」最新号を持って分担地域へ飛び出した。
市東さんは成田市の西大須賀、名古屋の農村地域を回った。前回訪ねたときの記憶をもとに、フットワークも軽く次々と訪問し、「空港反対同盟から伺いました。農地裁判の控訴審が3月から始まります。ニュースをぜひ読んでください」と元気よくあいさつしていった(写真上)。
夕方に市東さんの畑のビニールハウスでこの日の行動の集約が行われ、それぞれの訪問先についての報告を持ち寄った(写真下)。
まとめとして萩原さんが、「今後は後継者となる青年層と話をすることを追求しよう。住民とここまで話ができるようになったことがこの1年間の成果だ。旗開きまでの間にも、それぞれ回れる人はぜひ回って対話を進めてほしい。それが控訴審闘争へ弾みをつける」と提起し、参加者のこの1年の労をねぎらった。
夜には反対同盟の団結忘年会が開かれ、市東さんの音頭で乾杯、参加者の笑顔が弾けた。
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週刊『前進』(2614号4面3)(2014/01/01 )
第3誘導路裁判 欠陥と違法性を批判
文書隠しでNAA窮地に
12月16日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で第3誘導路許可取消裁判が開かれた。
反対同盟は11月18日から23日に、暫定滑走路
(B´)の3本の誘導路の運用実態と騒音を調査した。これを専門家が分析して調査報告書として提出するまで半年を要することを、裁判所に認めさせた。
また、第3誘導路とともに東側誘導路の欠陥性、違法性を今回あらためて突き出した。東側誘導路はもともとの空港敷地を大きくはみ出し、東峰の森を破壊して造られ、滑走路の南端で滑走路を横断する危険極まりない代物だ。これが実際に「使い物にならない」ことを理由に、西側に第3誘導路が造られた。何というデタラメか!
弁護団はこれらの批判を突きつけ、NAAに釈明を強く求めた。次回期日を3月10日(月)として閉廷した。
裁判後、報告集会が行われた。弁護団がこの日の法廷を解説したあと、市東さんの農地を守る闘いをめぐって重大な進展があったことが葉山岳夫弁護士から報告された。
すなわち、「耕作権裁判」で千葉地裁民事第2部(岸日出夫裁判長)は12月9日、NAAに対し、空港公団(NAAの前身)と旧地主・藤崎政吉との用地買収交渉に関連する報告書などの文書類の提出命令を出したのである。これらの文書をひた隠しにしてきたNAAに対し、弁護団がその存在と取り調べの必要性を粘り強く主張してきたことが、今回の命令を出させた。そこでは「NAAが存在しないと言って提出に応じないのは、自分たちに不利な判断を出されることを予期しているからだ」と断定し、提出期限を「7日以内」と通告している。まさにNAAは崖っぷちに追いつめられた。これは3月に開かれる農地裁判控訴審にも影響する。
質疑応答を経て動労千葉の滝口誠さん、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行い、最後に萩原進事務局次長がまとめのあいさつに立った。「市東さんは自分の土地を100年近く耕してきて、それを不法耕作だと裁判にかけられた。NAAの側こそがデタラメだと完全に明らかになった。こんな国策裁判には絶対に負けられない!
霞が関に攻め上り、反原発、沖縄、労働者の闘いとの結合を求め三里塚闘争を大胆に広げよう。14年もともに立とう」と締めくくった。
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週刊『前進』(2614号4面4)(2014/01/01 )
【要項】三里塚 2014年新年旗開き、天神峰やぐら裁判
2014年新年旗開き
1月12日(日)
◎敷地内デモ
午前10時30分
市東さん宅南側の開拓組合道路
◎団結旗開き
午後1時 レストラン「ハナマサ」
(成田市並木町大久保台219−304)
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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三里塚裁判傍聴を!
◎天神峰やぐら裁判
1月22日(水)午前10時30分 千葉地裁(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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週刊『前進』(2614号5面1)(2014/01/01 )
世界階級闘争の前面に立つ米労働者
労組破壊の新自由主義に大反撃
30年代以来の政治危機・階級激動
2013年は、アメリカ帝国主義の階級支配の破綻が白日のもとにさらされた歴史的な年となった。長年の労働者抑圧装置だった2大政党制と体制内労働運動がついに大破綻を開始した。基軸国アメリカの「財政の崖」、政府機関閉鎖は、資本主義そのものの生命力が尽きたことを全米全世界の労働者に告げ知らせた。国家安全保障局(NSA)の毎日数十億件の盗聴・スパイ活動の居直りは、他国と戦争をし99%を敵視する国家が1%のものだということの告白にほかならない。「共同利益」のウソは崩壊し、広範な人民の怒りの反撃のターゲットになったのだ。
(写真 「VOTE NO 【反対票を入れよう!】」のTシャツを着て、ボーイング機械工組合の組合員が協約案反対集会【11月11日 ワシントン州】)
体制内指導部の脅しに屈せずボーイング労働者が協約拒否
「工場移転」の恫喝に屈せず67%が反対票
米西海岸ワシントン州シアトル市の北隣、エベレットのボーイング工場は、同社の航空機の大部分を製造している主力工場だ。
ここで機械工組合(IAM)の支部執行部は労働協約の改悪に合意した。その内容は、@「16年まで」の労働協約有効期限を「24年まで」に延長、A24年までスト権を放棄、B確定給付年金を確定拠出年金(401k)に変更(実質、年金切り捨て)、Cオバマ政権の「健康保険改革」に便乗した医療保険大幅切り下げ、D賃金の大幅引き下げだ。IAM執行部は「777X機の生産をエベレットに残すための選択だった。777X製造が南部の工場に移転されれば、ここでの雇用が守れなくなる」と言い、組合員に賛成投票を求めた。
しかし、エベレット工場のランク&ファイル(一般組合員)運動は猛然と反対票の組織化を行った。11月13日、3万1千人の支部組合員のうち、67%が反対票を投じた。
工場移転=解雇の恫喝を、3万人を超える大工場ではねのけ闘い続けるという決断は、歴史的な事態だ。投票結果の発表とともに、大歓声がこだました。集会に参加していた一般組合員が地元紙のインタビューに答えている。「生産が移転されるから、解雇されるからといって、あんな譲歩するなんてとんでもない」
身に迫る解雇の危機は皆感じている。だが譲歩しても解雇される。いや、譲歩すればするほど、会社はかさにかかって解雇してくる。それは、これまでいやというほど味わってきたのだ。ならば、闘って団結して生活を守り抜くしかない。
現在、このIAMのランク&ファイル運動に重大な圧力がかけられている。一方で民主党と米労働総同盟・産業別組合会議(AFL−CIO)が総がかりで、「支部段階での組合員投票はやるべきでなかった」「投票は無効だ」「再投票せよ」などと猛烈な圧力をかけている。あるいは、ランク&ファイル運動のリーダーたちを会社との交渉の場に引き入れ、取り込もうという動きも始まっている。
この闘いの展開は予断を許さない。だが、労働者階級の中に既成労働運動への怒りが満ちあふれていることが、これほど大衆的に、大規模に示されたことを消し去ることはできない。既成幹部の統制力は急激に減退しているのだ。これからいたる所からランク&ファイルの闘いが噴出してくることは止められない。
航空宇宙産業労働者の反乱は革命に直結
ボーイングの労組破壊攻撃は、人件費削減のためだけに行われているのではない。
ボーイングはロッキード・マーチンに次ぐアメリカの巨大軍需産業だ。世界の他国を全部合わせたものより多い超巨額の軍事予算で生きてきたのであって、きわめて政治的な企業なのだ。また、製造業が全般的に衰退しつづけてきたアメリカで、軍需・航空宇宙産業は唯一国際競争力がある部門として残っている。ここからの労働者の反乱は、アメリカの国家そのものを倒す革命に直結する重大なものとなる。
エベレットも隣のシアトルも20世紀初頭から戦闘的労働運動の拠点で、1934年のサンフランシスコ・ゼネストと連動した5月9日から7月17日までの港湾労働者の大ストライキの拠点となった。ストでは、あらゆる産業の労働者がともに闘い、それ以来、人びとはシアトルを「労働組合の街」として誇りにしてきた。
ボーイングでは2000年、航空技術者組合(SPEEA)が40日間スト、08〜09年には大恐慌情勢の中でIAMが57日間ストを行い、全米に衝撃を与えた。また、08年に国際港湾倉庫労組(ILWU)がイラク侵略戦争に反対して西海岸の港湾を封鎖した際も、12年のオキュパイ運動の港湾封鎖でも、シアトルは拠点となった。
こうした労働運動の砦(とりで)を突き崩すための攻撃が外注化だ。
2000年のスト後、ボーイングは次期旅客機787型機の大規模外注化を決定した。
たとえば胴体は五つのブロックに分け、それぞれを別々の国の別々の会社に外注化する。そこで多くの部品、モジュールを組み立てる。翼その他も同様に丸ごと外注化だ。しかも設計まで外注化した。そうしてあらかじめ組み立てられたブロックを最後にエベレット工場で合体させる。
設計段階から別々だから各ブロック間のすり合せは不十分で、最後に合体させて何が起こるか誰にも予想がつかない。何よりも重大なことは、現実に787の事故が続出していることだ。原因は今も解明されていない。
技術的に見れば外注は不合理だ。だが資本は労組破壊を優先させた。実際、エベレットでは2000年代に4万人以上の社員が解雇されている。
そして、資本のこの攻撃に呼応し、IAM本部や支部役員は、「雇用を守るため」と称して、ランク&ファイルの闘いを売り渡してきたのだ。
外注化や工場移転・閉鎖の攻撃は、航空宇宙産業だけでなく、全産業部門にわたる新自由主義の核心である。30年を超える新自由主義、外注化への屈服・協力の歴史をのりこえ、積もりに積もった怒りを解き放すときがきた。
AFL―CIOと2大政党制による労働者支配を打ち破る
再選1年目でオバマはすでに末期政権化
13年はオバマ再選後1年目にすぎないが、すでに政権末期状態になっている。政権の求心力は低下し、あらゆる政策がことごとく挫折している。
1月の再就任前から、政治焦点は「財政の崖」問題だった。この危機を理由にして生活関連予算を大幅カットし、特に公務員労働者の賃金・医療・年金への攻撃を集中した。
それは、地方とも連動した。それは連邦予算のカットが地方に波及しただけではない。直接に、オバマ政権自身が深く関与して、地方のカット攻撃が行われたのだ。
(写真 10月4日、レイオフと賃金カットに抗議して政府職員連合などの組合員がワシントンDCの議会前でデモ)
デトロイト市政乗っ取り資本には補助金
その切っ先が、自動車産業の本拠地であるミシガン州デトロイト市の市政そのものの破産申請だ。
これは07、08年に始まった大恐慌、ゼネラルモーターズ(GM)、クライスラーの破産と密接に結びついている。オバマは、30年代以来の戦闘的労働運動の伝統を持つ全米自動車労組(UAW)を破壊するために、09年のGMの破産申請のために全力を挙げた。
デトロイトの非常事態管理人となった人物は、オバマ自身が推進したGM破産過程で破産管財人になったケビン・オアその人である。まったく同じ法律事務所、同じ銀行が債務回収をしている。市当局の労働債務(賃金、退職年金、医療給付など)を優先順位から下ろし、巨大銀行への「返済」を優先する大攻撃をかけてきた。それは、州知事に任命された非常事態管理人が市政を乗っ取り、専制支配体制に転換するクーデターだった。
GMの場合と違ってデトロイト市は、自治体だから、破産過程にあるとはいえ補助金を出すことができる。市は、一方で労働者の賃金・年金や住宅を奪いながら、他方で資本家のためにスタジアムの新設や都市の再開発に莫大(ばくだい)な補助金を出したのだ。
07、08年、オバマが最初に登場したときは多くのメディアがこぞってオバマへの幻想をあおった。「草の根の市民運動家」「初の黒人大統領」などと。だが、デトロイト市の破産は、労働者から奪った金を資本家に与えたことに起因している。単純明快すぎて幻想の持ちようがない。
そして、労働者人民のオバマへの怒りの高まり以上に重大なことは、民主、共和両党の擬似対立に人民の怒りを吸収して、体制を延命させる2大政党制が機能しなくなっていることだ。共和党も同時に怒りの的となり、ついに第3党の待望論が6割を超えた。
アメリカの労働組合ナショナルセンターAFL−CIOは、民主党支持の選挙運動を最大の活動にして成り立ってきた。「激しい闘いをすると民主党の票が減る」「利敵行為だ」として抑え込んできた。また、AFL−CIO本部を批判する多くの「左派」勢力も「民主党も悪だが、共和党を勝たせるわけにはいかない」として、実際上は民主党支持運動を優先してきた。
この構図は、30年代の世界大恐慌下、革命的な階級闘争を抑えるために登場した民主党ルーズベルト政権のニューディール政策をアメリカ共産党が支持し、さらには第2次大戦を「民主主義とファシズムの戦い」と規定して支持したことから定着してきたのだ。さらに米共産党は「戦時にはストライキをしない誓い」まで行って闘いを抑え込んでいった。当時のAFLやCIOの体制内幹部たちは、「共産党だって支持しているではないか」という免罪符を振りかざし、戦闘的なランク&ファイルの闘いに襲いかかってきたのだ。
80年代からの新自由主義は、ニューディール体制の否定だった。だが、2大政党制とAFL−CIOによる抑圧だけは根深く残存してきた。今、それが根本から揺らいでいる。
ウォルマート労働者がストから労組結成
これまで、このAFL−CIOの枠にさえ入れられず、新自由主義の矛盾を一身に受けてきたワーキングプアの巨大な闘いが始まりつつある。
ウォルマートは140万人を雇用する全米最大の雇用主だ。強搾取で悪名高い。賃金だけでは食えないので、労働者の多数がフードスタンプ(食料補助)に依存せざるをえない。
組合結成の動きが少しでも察知されれば、暴力的な攻撃か、狙い撃ち解雇か、あるいは店舗丸ごとの閉鎖・全員解雇でつぶされてきた。だが、12年11月のクリスマス前商戦期に、ついに50年の歴史上初めてストライキが行われた。しかも100の都市で一斉にだ。
アメリカの労働法で認められる組合が結成できていない段階でストライキに入ったのだ。ウォルマートのような会社で法律どおりに過半数を獲得して労組を設立するのは不可能に近い。会社は不当労働行為を承知ですぐに解雇し、仲間との接触を断ってくる。だから、相当の組織をした段階でまずストライキに決起し、その力で労組を組織化する方針に転換したのだ。
労働組合が違法だった19世紀に確立された労働組合の原点に立ち戻り、実力で組合の権利をもぎとる闘いが始まった。
折しもこの12年末〜13年の過程は、バングラデシュでの繊維工場火災、工場崩壊の大事故と繊維労組の大闘争と重なった。ウォルマートの米国内店舗・倉庫労働者と国外の最大の繊維産業外注先=バングラデシュの労働者との連帯闘争が始まった。
動労千葉とILWU労働者の11月国際連帯が闘いの核心に
国鉄闘争は、新自由主義の戦略的基軸との闘いであり、全世界の労働者に普遍的に通じる。03年以来、動労千葉とILWUのランク&ファイル運動が固く連帯しているのはそのためだ。
ILWUは、基軸帝国主義アメリカの世界支配の戦略的要である西海岸港湾を押さえ、国家権力と資本の執拗(しつよう)な労組破壊攻撃をはね返し続けてきた。動労千葉のイラク戦争協力拒否のストライキとほぼ同時期、オークランド港のピケットラインでは、ILWUローカル10の組合員が警察の凶暴な襲撃を受けた。ローカル10は前年、アメリカの最悪の労組破壊法であるタフトハートレー法の適用を受けている。
「ILWUはランク&ファイルの組合」とは同労組の“10の指導原則”に掲げられている言葉だ。
ILWUは、20世紀初頭の世界産業労働組合(IWW)の闘いを引き継いでいる。既存のAFLがほぼ白人の熟練労働者のみを職能別に組織していたのに反対し、IWWは、同一産業の労働者を未熟練・熟練・職種、そして人種・民族を差別せず組織化した。「あらゆるものを生産し、運搬する労働者が社会の主人公となる」ことを常に強調して、繊維工場の大ストライキなど数々の闘いを組織した労働組合だった。
その綱領では、「日々の資本家との闘争のためだけではなく、資本主義を打倒したあかつきに生産を遂行するためにも、生産者の軍勢が組織化されねばならない。産業全体を組織化することによって、古い殻の中で新たな構造を形成していく」と規定した。当時の第2インターナショナルがマルクス主義を歪曲する中で、「労働者階級の解放は労働者自身の事業である」というマルクス主義の核心をよみがえらせる闘いだった。
ILWUの掲げる「ランク&ファイル主義」とは、こうした職場の労働者自身が社会の本来の主人公であり、組合の主体だという意味をもっている。ILWUは資本主義打倒、社会主義建設を公然と宣言して結成された。このILWUが全米の戦闘的労働運動から絶大な信頼を得ているのだ。
動労千葉と全国労組交流センターは、12〜13年、環太平洋経済連携協定(TPP)を推進する日本の総合商社が先頭に立ったILWU破壊に対して、ともに闘ってきた。
07年から動労千葉、全国労組交流センターと交流しているロサンゼルス統一教組(UTLA)の仲間は、オバマ政権の労働者攻撃のトップ課題になっている教育改革攻撃の矢面に立っている。そして、06年のオアハカ蜂起・コミューンを闘ったメキシコの教組やカナダの教組と連帯を深めている。今年は、韓国民主労総の全教組破壊を許さない闘いとの連帯を誓っている。
また、10年の星野暁子さんの訪米以来、アメリカでは政治犯ムミア・アブ=ジャマル、リン・スチュアート解放闘争との連帯が強固になり、総領事館闘争などが繰り返し行われている。
アメリカのランク&ファイル運動と結合している国鉄闘争こそ世界革命を切り開く。最高裁への解雇撤回新10万筆署名運動を職場と地域で進めよう。
〔革共同国際労働者組織委員会〕
(写真 ILWUへのロックアウトに対し動労千葉を先頭に東京の丸紅本社前で抗議集会【6月13日】)
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週刊『前進』(2614号5面2)(2014/01/01 )
2013年日誌 12月10日〜16日
米軍機オスプレイ、本土駐留へ/特定秘密保護法が公布
●韓国、原発増設を維持 韓国政府はエネルギー源に占める原子力発電の割合を2035年に29%とする第2次エネルギー基本計画案を国会に示した。目標達成には原発を23基から約40基まで増やすことになる見通し。(10日)
●陸海空自、機動的展開 安倍政権は防衛力整備の在り方を示す新防衛大綱の基本理念を「統合機動防衛力」とすることを決めた。(11日)
●韓国、中国へ飛行計画提出を容認
韓国政府は中国の防空識別圏を飛行する民間航空機について、中国当局への飛行計画の事前提出を認める新指針を韓国の各航空会社に伝えた。(12日)
●北朝鮮、前国防副委員長を処刑 北朝鮮の事実上のナンバー2だった張成沢(チャンソンテク)前国防委員会副委員長が「国家転覆陰謀行為」を認めたとして死刑判決が下され、直ちに執行された。(12日)
●オスプレイ、本土駐留へ 政府は、米新型輸送機オスプレイの格納庫を沖縄県以外の本土の自衛隊基地に建設する方針を決めた。(12日)
●特定秘密保護法が公布 国の安全保障などにかかわる情報を漏らした公務員や民間人に厳罰を科す特定秘密保護法が公布された。(13日)
●原爆症の新基準、決定へ 被爆者の病気を原爆が原因と認め、手当を支給する原爆症認定制度について厚生労働省は、心筋梗塞や肝障害は爆心地から約2`以内を対象とする方針を固めた。(13日)
●中国軍艦、米軍艦を阻む 米ミサイル巡洋艦カウペンスが南中国海で今月上旬、中国初の空母「遼寧」の近くを航行していた中国海軍の軍艦に航路を阻まれ緊急回避行動をとっていたことが分かった。(13日)
●飛行計画提出広がる 中国が防空識別圏を飛行する航空各社に飛行計画の提出を求めている問題で、米韓に加え、少なくともベトナム、タイ、マレーシアの航空会社が中国当局に計画を提出していることが判明。(13日)
●中間貯蔵受け入れ要請 政府は、福島県内の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設について、福島県と候補地である双葉、大熊、楢葉3町に建設受け入れを要請した。(14日)
●米、無条件の埋め立て承認を要求
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向け、日本政府が沖縄県に提出した埋め立て申請を米政府高官が日本側に無条件で承認されるべきだと伝えていた。(15日)
●ベトナムと巡視艇供与で協議へ 安倍晋三首相とベトナムのグエン・タン・ズン首相は、ベトナムの海上警察に日本の巡視艇を供与するための協議に入ることで合意した。(15日)
●除染土、児童公園に放置 福島県が、白河市の県営住宅を除染して出た汚染土を、同住宅内の児童公園に保管袋に入れただけで放置していたことが分かった。放射線量は最高で国の安全基準の約10倍だった。(15日)
●米軍ヘリ不時着、横転 神奈川県三浦市三崎の埋め立て地に在日米海軍のヘリが不時着しようとして横転、機体の主回転翼などが大破した。現場は三浦市役所から西約1`で、数百b先に住宅地がある。(16日)
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週刊『前進』(2614号6面1)(2014/01/01 )
青年労働者座談会
青年が先頭で闘う労組拠点づくりを
「過労死を許さない!」14春闘へ
(写真 「労働者は死んではならない。死すべきは米軍基地だ」と那覇市内をデモ行進。青年労働者は5・15沖縄闘争を先頭で闘った【2013年5月18日】)
マルクス主義青年労働者同盟の第10回大会が開かれた。大会は、国鉄闘争を基軸に職場で闘った2013年の到達地平を総括し、過労死を許さない14春闘の方針を確立した。「長時間労働と低賃金」で資本に殺される――。青年労働者が生き抜くために、闘う労働組合の建設は待ったなしだ。その展望はどこにあるのか。「全国の職場に闘う労働組合を」をテーマに、青年労組活動家のみなさんに大いに語ってもらった。
《出席者》
安積慶吾 JR
九賀徹哉 JR
長坂典明 JR・非正規
志川隆一 自治体
山辺朋美 自治体
月瀬隆哉 自治体・被災地
加藤 湊 自治体・福島
関 雄一 郵政・非正規
幸村 駿 医療
花月 澪 合同一般
柴崎拓也 合同一般・被災地
春山和希 年金事務所
柴田 純 民間交運
村沢明夫 司会
志川 体制内労組の限界こえた
柴田 職場闘争委員会開き団結
長坂 マルクス主義で組織拡大
2013年の激闘
村沢(司会) 2013年の闘いを振り返ると、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審9・25判決をめぐる闘いがありました。また7・8%賃下げに反対する自治労4・26ストライキ闘争もあり、自治体労働者がいよいよ階級闘争の前面に躍り出てきたと実感しています。4・26ストライキ闘争はどうでしたか。山辺さんからお願いします。
山辺(自治体) 4・26過程は組合は体制内労組として今やれる最大のところまではとりあえずやるわけです。交渉にもそれなりに人を集める。最後までスト指令があったことは組合員の前には出さないんだけど、二十何年ぶりにみんなで朝ビラをやるところまでいった。だけど市長交渉で急転直下の妥結。そこから賃下げ絶対反対だと言っている私をつぶしにくるわけです。
加藤(自治体・福島) うちも最初は現場の組合員も執行部も提案はのまないとなっていたんです。統一行動では青年部も親組もやる気まんまんでチラシをまいた。組合活動に興味のないような青年も自分の問題だと動きだした。それが10月議会の直前に組合執行部が突如賃下げ提案をのんだんです。
九賀(JR) ライフサイクル阻止闘争でも、最初、東労組でも反対だといってガス抜き集会をやったんだよ。ところが土壇場にきてのむ。せこい手はどこいっても同じ。
幸村(医療) そうそう。あらかじめシナリオができている。
志川(自治体) 僕は非正規職の雇用延長を求めて闘っているんだけど、ある組合幹部は「○○さんを守る必要なんかないんだ」ときっぱり言うんです。普段はすごくいい人だけど、人が変貌(へんぼう)したようになる。体制内執行部といっても同じ普通の職員なんだけど。
山辺 そうそうそう。
志川 しかも時間外にめちゃ活動している。毎日集まる。すごい日常性なんです。だからうちらが相手にしているのは個人じゃなくて、体制内労働運動。この組織、体制内的な労働組合のつくり方が彼らをそうさせている。
山辺 今回わかったのは、7・8%賃下げ反対を貫くのは無理ですよとなった瞬間に、その一線を越える闘いというのは、やっぱり今の連合、自治労の中ではもうできないということ。だけど、それができなかったら労働運動の意味ないわけですよ。その時点であきらめを組織するものでしかなくなっちゃう。それによってどれだけ労働者がおとしめられてきたのかということに、こっちがもっと怒りをぶつけなければいけないと思いました。
志川 絶対反対の闘いを労働組合として貫けるかどうか。これが戦後労働運動の限界。体制内労働運動は、うちらがその限界をこえようとした瞬間、さっきの話でいえば、今の法的常識で無理であっても非正規雇用の延長は闘えば可能なんだとぶったった瞬間、正体を現し、つぶしにくる。
よみがえる労働組合
月瀬(自治体・被災地) 自治労本部もスト方針を出すわけだけど、敵に追い詰められてストを構えるのか、それとも賃下げ攻撃を青年部の建設と拡大で反撃していくチャンスなんだととらえられるかどうかでまったく違ってくる。つまり時代認識の問題です。体制内労組幹部はチャンスと見られないから、当局とのこれまでの関係を維持したいとなる。でも4・26ストではっきりしたことは、組合なんか興味ないよという青年がビラをまくようなことがどんどん起こり始めたということ。賃金問題がどれだけ労働者の決起を引き出すのかを安倍政権や支配階級に思い知らせた。青年労働者にとって労働組合は何のためにあるのかということを、賃金、労働時間という労働組合の2本の日常的な闘いを、もう一回この21世紀によみがえらせた。国鉄闘争を25年間守り抜いてきた地平の上に、僕らが先頭で労働運動の本格的な再生に向かって踏み込んだといえる。
村沢 資本と非和解で闘うものは絶対に許さないという体制内労働運動の正体を暴いてきたのが13年の闘い。体制内労組が新自由主義を支えてきた。ならばこれを打倒しのりこえていくのが14年の闘いになる。つまり労組権力をとるところにきたということ。
幸村 労働者は絶対反対の闘いを求めている。その闘いを決断するのが労働組合の指導部だよね。
村沢 組合が秘密保護法反対を取り組まない中で、山辺さんとビラを職場の前でまいたんです。国会に行ってきますと言うと、次々と職場の人が声をかけてくる。完全に主流派だよね。組合全体を動かせるところまできた。
春山(年金事務所) 社会保険庁解体・年金機構化の過程ではいったん全員解雇・選別再雇用で525人が分限免職にされた。国鉄分割・民営化の攻撃とまったく同じ。体制内労組は解散すると同時に被解雇者を排除して、闘わずして当局と一体となって首を切りました。だけどこの間、処分撤回を求めて闘ったうちの3割、24人の処分取り消しが決定されています。体制内労組の屈服がなければ社保解体攻撃もはね返せたんです。国鉄闘争を軸にした闘いの前進が体制内労組をのりこえていくような事態が始まっています。
柴田(民間交運) 乗客の苦情を理由に僕に対して停職1カ月の処分が出た。普通ならありえない処分。組合に聞きに言ったら、組合が当局といっしょに処分を出していることがわかったんです。資本と体制内労組が一体だというのを本当に目の当たりにしました。結局11月集会や国鉄署名に取り組む僕を解雇に追いやる攻撃だった。ストライキ会議(首都圏闘う労働組合生きさせろ会議)で徹底的に討論になった。それを地区に持ち帰り、職場闘争委員会を立ち上げて、地区で全力でやろうとみんなが動いてくれた。職場は苦情や事故の責任が全部、労働者に押しつけられていることもはっきりしてきた。僕への処分攻撃は職場全体への攻撃。反合・運転保安闘争路線で体制内労組をひっくり返す闘いが始まっています。地区党の団結の度合いに応じて闘いが進むことを実感しています。
長坂(JR・非正規) 組織拡大といっても簡単にはいかないことの方が多い。ここを突破できるのがマルクス主義だと思うんです。労働者は労働者階級として必ず決起する存在だという確信をもっていないと闘い続けられない。体制内労組はマルクス主義じゃないから限界がある。マルクス主義の具体的な闘いが書いてるのが『前進』。『前進』学習会は本当に重要です。
関(郵政・非正規) 今年1年、マル青労同が階級闘争全体に責任をとる立場からデモや集会なども自分たちでつくっていこうと責任感と行動力をもってやってきた。それで地区党の先頭に立って闘う自信もついた。
“職場の空気を変える”
安積(JR) 職場でのオルグにしても先輩方にまかせておけばいいというところがあったんですけど、指導部建設という話を聞く中で、労働運動をつくっていくのは青年なんだ、人に頼ったままじゃいけないと自分が変わった1年でした。強制出向に出された同年代の人となかなか話すことをしなかったんです。「お前はJRに残っている」と思われているんじゃないかと。でもいざ話しかけてみたら、俺もしゃべりたかったと言われた。なんだ、もう少し早く話しとけばよかったと。
九賀 意外に向こうも話しかけてもらうのを期待しているもんだよね。
安積 だけど外注化阻止闘争でいいところまでいっているのに、じゃあなんで組合を替わるとならないんだろうというのがいつも悩むところで。
九賀 職場は社員といっても契約社員と社会人採用とかあって、境だらけ。誰々が何々を言ったと管理職に報告するスパイもいるし。
幸村 そういう労働者に対しては、責めたくもなる。でも労働者というのは絶えず揺れ動くから、気がつかない間に資本の側に組織されていたりする。そしてこっちを攻撃するという波が絶えずくる。その上で資本は何かしらの合理化攻撃をしてくるから、そこで「これ、おかしいよね」とがんとやると、みんな自分の労働をめぐる問題だから怒りが経営者や管理職の方に向いていく。これが一定解決したらまた逆転する。この揺れ動きをどう組織するのかが職場のおもしろさでもある。この揺さぶりの中でちょっとずつこちら側にくるんだよね。空気が変われば簡単に組合に入るということが起こり得るんだけどね。
九賀 その空気というのが一番大事。 管理者を偽装請負だと追及したら、答えられない。そうすると周りが管理者はたいしたことないんだと感じ、職場の雰囲気が変わる。
安積 職場には他労組の組合員であってもうちの組合が守ってくれるという安心感があると思う。そういう環境があるのは大事なことなんですね。
春山 積み重なる怒りはすぐそばにあるし、あきらめと怒りは紙一重。行動を求めて労働者は固唾(かたず)をのんで見守っているんですよね。
幸村 それともう一つ。労働者は経営側か組合側かどっちについたらいいか見てるんだよね。自分だったら資本の側につくよりも動労千葉派として労働組合をやっていた方が絶対に生き延びられる。他の職場に行って正規になったって、いずれ非正規になるのは間違いないから、ここで絶対に労働組合やって正規になることの方が現実的な道だと思うんですよ。ここがつかめるかどうかだと思うんだよね。
九賀 わかりやすい時代になってきたからね。
春山 反合理化で分断のりこえ
柴崎 闘う被解雇者は格好いい
関 郵政決戦に挑む原動力だ
国鉄決戦の勝利へ
9・25判決の地平
村沢 9・25判決をめぐる闘いはどうでしたか。
柴崎(合同一般・被災地) 職場の仲間に職場で起こっていることは国鉄分割・民営化から始まったという話をしていくと、国鉄10万筆署名をしてくれる。職場をこえて全国でも署名が集まった。自分たちの力で不当労働行為を認めさせたんだと思います。
花月(合同一般) 私も国鉄解雇撤回署名をもって労組を回っていくと、「1047名闘争は終わってないんだ」という。各職場・地域の闘いを全体の力にできたのも国鉄闘争全国運動があったからだと思っている。
春山 職場の仲間が思う労働組合は職場にある御用組合でしかない中で、闘う労働組合があるんだということを伝える武器として10万筆署名に取り組みました。一歩踏み込んだ話ができるようにもなったし、労働相談を受けたりと、本当にやってよかった。
幸村 例えば清掃の職場では、まさに民間委託で組合の団結が解体されて非正規職にたたきこまれ仲間が工場内で死亡するという事故が起きている。この民営化の現実と国鉄署名が完全に一つのものとして、組合の団結の強化拡大のために取り組まれたところに勝利性がある。
志川 そうそう。一般的に署名運動が広がったということじゃないんだよね。どの組合・党派も超えることもできなかった国鉄改革法の壁を、動労千葉の闘いと結びついて労働者階級の怒りでついにぶち破ったということなんですよ。4・9政治和解ものりこえて動労千葉のように闘おうという地殻変動情勢をつくりだしているんです。
幸村 すべてを9・25へ向けて闘いぬいたことで階級情勢がもう一回転している。
九賀 最高裁に向けて井手、葛西を必ず引きずり出して、「国鉄改革」が誤りだったと認めさせたいですね。
国鉄闘争と職場闘争
幸村 われわれは国鉄闘争があるから、職場で起きることを新自由主義の崩壊としてとらえて闘える。
花月 職場の先輩が11月労働者集会に初めて来てくれたんです。今どういう時代かを提起する中で職場の安全問題や人員問題の原因もはっきりするし、国鉄闘争と一体の問題としてとらえることで、「おかしいことにおかしいという労働組合はすごい」「連合はおかしい」と言って参加してくれた。職場闘争を職場だけに切り縮めたら広がらないし闘い抜けない。職場闘争を国鉄決戦を軸にした階級闘争の一つとして位置づけて闘うことをつかんだ1年だったと思います。
幸村 うちなんかは、何が起きてもこれが国鉄闘争なんだというふうにまず据えちゃう。栄養課の非正規の雇い止め、パッと見、国鉄闘争と関係ない。でも病院でいったら栄養課は真っ先に外注化される。病院の中核ではないわけよ。連中はどんどん周辺から外注化していって、最終的に看護部を全部外注化したいというのが、分割・民営化以降、新自由主義でやっている現実。だからこの首切りを許したら栄養課をはじめ全部外注化されると。これは正規・非正規、職種も関係なく闘わなければいけないとなる。そしてこれはJRの分割・民営化から来ているからだという話をしたら、けっこうスムーズにわかる。『前進』や署名を使って絶えず言っていくと、組合員が勝手にそのシフトになっていくわけよ。職場で何か起きると「外注化が始まるから絶対かまえなければいけない」と組合員の方から執行部に話がくる。そういうふうに全体が一つになるのが路線。外注化を対象化できるのも国鉄闘争があったからなんだけど。
各地区の各職場でもこういう闘いがやれるようになった時に、国鉄決戦基軸だから、各職場の教訓が自分の職場の教訓としても使えるようになる。そうやって全体の闘いが職場・地域も越えて一つになっていく。
春山 今まで私の中では反合理化というのはカタカナの言葉でしかなかった。でも国鉄闘争があったから、「反合理化」というのが鮮明に見えてきた。雇い止め反対で闘う中で、正規と非正規とがどうつながっていくのかが私の中の課題だったんです。でも合理化と闘うことで正規・非正規がつながれるんじゃないかと。社保では年度末の大量雇い止め攻撃がかけられている。事務センターの広域集約化で入力業務を担っている委託業者も当然廃止になる。すさまじい合理化攻撃です。労働組合がこの合理化攻撃と闘わずして、合理化でもたらされるであろう結果に対しての緩和・救済を行うことは労働者の分断をもたらすだけ。
柴田 うちの組合が一層腐敗していくのも、分社化攻撃に屈服したところから始まるんです。やっぱり国鉄分割・民営化がその出発点だし、95年日経連プロジェクト報告の9割非正規化の中で起きている。それで現場は事故がばんばん起きるようになる一方、分社化に反対してきた僕を弾圧する。こう見ると職場の仲間が何と闘えばいいのかがわかってくる。目の前の資本と闘うと同時に分割・民営化という問題に決着をつけないと力関係変わらないとなる。
青年労働者の希望
月瀬 3・11情勢下で国鉄闘争の位置が深化していると思います。3・11で今の世の中に対する一切の幻想がもうなくなった。政府や資本というのは自分たちの延命のためには労働者民衆なんか死んでもかまわないという連中なんだと。山本太郎さんの選挙でも鮮明に表れたけれども、青年が政治的にも職場でも立ち上がり始めている。でも体制内労働運動というのは国鉄闘争を幕引きして敗北させることを通して資本と労働者の非和解性を否定したわけだよね。結局、国鉄分割・民営化後の階級決戦というのは全部そこに規定されている。非正規問題、社保庁の分限免職もそうだよね。職場でいえば過労死問題。資本と労働者の非和解性を鮮明につきだしているのが職場で資本に殺されるという問題じゃないですか。だから体制内労働運動は過労死問題も闘えない。3・11後、青年があらゆる幻想をもたずに生きていくために闘わなければならないという中で、やっぱり国鉄闘争を動労千葉みたいに闘うことが青年に対して求心力を圧倒的に持っている。僕はだから一般的に世代間の分断があるとは思わないんです。被解雇者の人とか物販で来るとかっこいいなとみんな思うわけでしょ。
柴崎 僕も全金本山労組の故熊谷春男さんを見て、かっこいいなと思い労働運動に立ち上がった。会社解散・全員解雇攻撃と闘っているんだけど、地労委は資本の不当労働行為を問題にするどころか、資本を救済する命令を出した。労働委員会の変質は国鉄分割・民営化で引き起こされた問題だし、これと今闘っている。
関 小なりとはいえ労働組合をつくってみて団結体を維持するのがいかに大変なのかがよくわかりました。郵政も民営化で国鉄分割・民営化とまったくいっしょのことが起こっている中で、民営化と闘い続けている国鉄労働運動のすごさもよくわかるようになった。国鉄闘争は郵政決戦を挑もうという原動力になる。
九賀 バブル時代を超えて労働組合がこの時代にも存在している。自分にとっての国鉄闘争基軸とはだまされないで労働者として生きていくこと。
志川 国鉄闘争があるから初めて非正規職撤廃を労働組合の方針にできるんです。非正規が闘って逆に首を切られたら、お前どう責任とるんだ、という議論もある。でもこの時代、どうせ切られるんだと。それは本人もわかっている。じゃあどうするのか。全体をひっくり返す闘いをまずここで始めようと。国鉄闘争があるから労働組合全体をひっくり返せるんだと真正面から言える。革命を具体的に実践していくのが国鉄闘争だと思うんです。
山辺 4・26ストライキ闘争で「賃下げは全労働者への攻撃だ」と階級決戦としてかまえられたのは、国鉄分割・民営化とまったく同じ攻撃が今、自治体にもかけられているととらえられたからです。その攻撃をはね返すのも本当に国鉄闘争と一体化しないと勝てない。自分の中で国鉄闘争が据わりました。
長坂 今、実際に街頭や職場の仲間に国鉄解雇撤回闘争がすごい受け入れられているんですよね。むしろ若い人の方が反応がいい。解雇撤回といっても一般的な解雇撤回じゃなく国家との闘い。世の中ひっくり返せる、国鉄1047名解雇撤回闘争は労働者階級を本当に一つに結びつけられるとすごい確信をもった。だから組合でも新10万筆署名でJR関係の労働者を全部組織しようと活性化しています。
加藤 地区ではそれぞれがそれぞれの職場で闘っているという状態だったんですが、国鉄職場の闘いを基軸に議論して、それを自分の職場に戻していこうとなった。やっぱり地区を一つにまとめるのが国鉄決戦。福島圧殺攻撃に立ち向かっていく力になります。
安積 自分たちは、国鉄分割・民営化絶対反対でこの社会をひっくり返す闘いをやっているわけだから自信もってやっていこうと、この1年間で自分の気持ちも変わってきた。国鉄闘争基軸である以上、国鉄労働者がこの闘争の先頭に立つ、すべてを担うんだという勢いで、今まで以上に組織拡大にやる気を出していこうと思います。
(写真 11・3全国労働者総決起集会で、動労千葉と動労水戸の青年労働者が「国鉄1047名解雇撤回! ライフサイクル強制配転を許すな! 外注化絶対反対!」と力強く訴えた)
九賀 ライフサイクルは廃止だ
月瀬 命を守るのが労組の原点
山辺 増員要求で労組権力とる
14春闘かちとろう
村沢 過労死・過労自殺という問題は今やすべての職場・労働者に共通して起きています。新自由主義の行き着いた先がこの過労死問題だといえます。14春闘の大テーマとして据えられたことは決定的なことだと思いますが、みなさんどうですか。
山辺 全国の自治体職場では超過勤務・過労死問題が本当にリアルな問題としてつきだされています。
安積 長時間労働をさせられている人たちがまわりにあふれかえっているというのが本当に現実になってきていますよね。毎日毎日、12時、1時まで働かされて、土日も会社から呼び出されて休みなく働いている友だちが何人もいます。
関 郵政も長時間労働と過密労働で仕事を辞めたいという人が多い。でも辞められない現実があるんですよね。残業代なしでは暮らしていけないから。それでどんどん病気になっていく。
村沢 低賃金では食っていけない。だから長時間労働になる。「生きられるだけの賃金よこせ!」と「長時間労働許すな」のスローガンは二つにして一つだね。
幸村 これに外注化阻止・非正規職化阻止も据えなければならない。だから賃上げと外注化・非正規職化反対と過労死反対の三つの大きな柱が一体ということ。
山辺 そうそう。今、私のところでは定数問題が焦点になっているんです。非常勤、非正規職、正規職、現業という分断の中で起きているのは、正規を圧倒的に削減して、その分を非常勤、非正規に置き換え、または委託していくということ。国鉄分割・民営化以降、約50万人も定数を減らされた。今、地方公務員270万人ぐらいのうち約70万人が自治体の非正規職。でも仕事は逆にどんどん増えているから非正規に正規並みの仕事をさせる一方、正規の側も仕事が回らないから長時間労働を強いられている。人が足りないことを逆手にとって、外注化・非正規職化を進めているんですよね。
花月 この14春闘というのは、ただ単に過労死を許さないという闘いじゃなくて、過労死せざるを得ない今の労働者のおかれている現実を根本的に変革していく春闘として位置づけていくということだよね。
幸村 過労死を絶対に許さないというスローガン。じゃあ具体的にどうするのか。どこの職場もそうだと思うんだけど、みんな「人が足りない」というわりには働き過ぎちゃって疲れていく。この状況をどうしたものかと常々考えていた。だからうちの職場では過労死する可能性だってあるんだよと話をする。過労死したら資本なんて「勝手に人の職場で死にやがって」と翌日から社会保険もカットする。自分たちの責任じゃありませんよと隠蔽(いんぺい)する。病死扱いされるから、過労死である事実が闇に葬られていく。こんなことでいいのか。だから残業代を全員が請求しようと。資本が残業代を承認しなくても、請求した資料は残る。残業代が取れるよということではなくて、闇に葬られるということは許さないと。実際、資本が出してきた残業時間のデータは実態とかけ離れている。そうすると現場は「おれもっと働いているよ」「これからは早く帰ろう」「人、足りないんじゃないか」という話になっていくわけ。これを通して労働者に自分が置かれている状況を認識してもらう。そうすると病院で何が起きているのか、みんな正しく判断できるようになっていくんだよね。
関 郵政は残業代が出ている。長時間労働が問題だから過労死ラインを守れと要求していくことはどう?
幸村 「過労死ラインを守れ」というのはどうかな。過労死ラインは月80時間でしょ。国が決めた最低ラインでしかない。これは放射線のしきい値と同じ理屈。じゃあ79時間で死んだら過労死じゃないのか。それは違う。やっぱり資本に殺されている。たとえ20時間で死ぬ人がいようと、どういう労働をさせているんだと声を上げていくということだと思う。
村沢 一般的に残業代よこせという運動でもない。労働者が資本に殺されてたまるかと怒りを爆発させて、資本の矛盾を暴き、団結して資本を打倒していくことなんだ。労働者の命に責任をとらない資本を追及し、8時間労働制を死守していく闘いだと思う。
労働時間めぐる闘い
月瀬 過労死は労働時間をめぐる問題です。長時間労働すると脳や心臓に疾患をきたして突然死んでしまう。だから労働日を制限する。お前ら資本家階級にもう剰余労働を与えないんだ、これ以上ただ働きをしないんだという形で労働者階級が階級的に団結していく。これは労働組合を形成していく歴史的な出発点なんですよね。最初はイギリスの労働者階級が始めた闘いだったけれども、これは1840年代ぐらいに爆発して、そのあと1860年代の賃金闘争に引き継がれる。これが全世界的に発展していったのがアメリカの8時間労働法運動。ここからメーデーが始まっていく。
21世紀の新自由主義攻撃の中で再び歴史の最前線に出てきたことは決定的で、労働者の生存と資本家階級の延命ということが相いれないんだということが歴史的にもう一回テーマになって、プロレタリア革命の課題として表れたということだよね。過労死問題が出たということは、まさに労働組合というのはなんのために存在しているのかという原点を、僕らがもう一回つかみとっていく地点に立ち返ったということ。それは突きつめていえば労働運動というのは、生き死にのかかった問題なんだということなんだよね。おれたちは労働力を売る以外に生きていけない。低賃金や長時間労働で殺されるのか、それとも団結して労働者が生きていくのかという非和解的な関係の中で、団結の基本的な形態として生み出されたのが労働組合なんだ。おれたち青年労働者というのは、歴史の原点にもう一回立ち返る闘いを始めたということです。
幸村 今の時代、過労死問題をとりあげることを労働者は絶対的に求めている。資本と非和解で闘えない連合や全労連には、非和解性が鮮明に表れる過労死問題を闘えない。だから過労死を問題にして闘いきれば絶対に組合権力をとっていくことができるはずなんだよね。
山辺 私もその手応えはある。どこの自治体でも安倍の7・8%賃下げの上に、この長時間残業。怒りはものすごく高まっている。なんでこんなに人員が増えないのか。「国の方針だから仕方がない」と体制内労組幹部ががんがん言っているがために、現場も何も言えなくなっているんです。労働組合の課題ではないということに実際になっているんですよね。「要求するけど無理」で終わっちゃう。その結果がこの長時間残業じゃないですか。明確に労働組合の問題。「仕事も多くてこの分の労働者が必要なんですよ」と労働組合が説明できるんですよ、住民にも議員にも。それを言わないがために、労働者がこんなに死にそうになっている。民間だって公務員だって同じですよね。それを労働組合がこれまでやってこなかったという許し難さと、やっぱりこっちがとって代わるということで解決していくんだと本当に鮮明にして、14年の闘いに進みたい。
月瀬 労働時間をめぐる闘いは、組織的にしかやれない。『資本論』の学習をやってすごいなと思ったことは、当時のイギリスの労働者も昼休みの時間を全員共通の時間でとらせろという闘いをやるんだよね。だから、なんでお前超勤つけないんだよって言っているだけではだめで、労働組合の方針として同じ時間に出勤して同じ時間に休みをとって同じ時間に帰ると組織的にやることが労働組合の団結の形成にとって決定的だと思うんだよね。労働組合の復権といった時、ここが核心的問題としてある。
幸村 「過労死を絶対に許さない」という要求を全国統一要求として出して、全社会に波及させていけば、階級の力関係全体を変えていくこともできると思うんだよね。
志川 職場を越えた統一要求として同時に出すということ?
幸村 普通、春闘では同じ産別で統一要求を出すけれども、産別・職場を越えた統一要求と出していくということ。この統一要求をベースにして各職場に即した要求を出していく。自治労だって過労死問題で春闘やれよと情勢をつくりだしていく。そして新たな階級的労働運動の闘うメーデーを切り開いていく14春闘としてかちとりたい。
運転職場に取り戻す
村沢 14春闘をめぐっては、JR職場も大攻防に入っています。JR貨物をめぐっては昨年の5・1メーデーで一斉賃下げを粉砕したけど、追い詰められたJR資本は、一時金を大幅カットしてきた。これを絶対に許さないことも14春闘の巨大なテーマです。外注化、ライフサイクルをめぐる攻防も決戦に入っていますね。
長坂 非正規雇用で5年たったら外注会社に投げられる状況に対して、これまでだったらただ漫然とJRにこき使われて搾取されているという認識だったのが、外注化阻止・非正規職撤廃だということで闘いの軸が据わった。
安積 13年10月に誘導業務が外注化されて、一番連携をとるべき修繕の計画と誘導業務が完全に分断された。偽装請負が増えてきている。これを問題にして外注化を粉砕していきたい。
九賀 14年の始めはライフサイクルとの闘いが焦点になる。動労千葉青年部長の北嶋君が駅に飛ばされて2月1日で3年になる。必ず取り戻したい。駅から運転職場に復帰する日も明確じゃない。そもそも制度は東労組の提案から始まり、駅の合理化で人が足りなくなった分を運転士からもっていくという付け焼き刃的政策。乗務手当を削られて賃金は月3〜4万も減らされる。会社の言うことをきかない連中とか出世したいやつを駅に送り出すというもので、駅の外注化を進めるものです。駅でも偽装請負が問題だ。会社の勝手な都合でいいようにたらい回しされることに若い人も疑問をもち始めている。チャンスはある。
花月 外注化阻止の闘いとライフサイクル制度そのものを廃止する闘いは一つのものなんです。JR本体、外注先、駅、運転職場という中で団結を守りぬき組織を拡大する――。突き当たっている壁はJRの青年と自分の職場もまったく一緒です。JRの青年労働者とともにこの壁を突破していくことが国鉄決戦に勝利していくことになると思います。
(写真 被曝68周年8・6ヒロシマ大行動。青年労働者が先頭に立ち「すべての核と原発をなくそう! 安倍政権を倒そう」と訴えて広島市の繁華街をデモ)
加藤 闘い続けるしかない福島
安積 常磐線の竜田延伸阻止を
被曝労働との闘い
村沢 13年、JR東日本による被曝車両K544の再運用に対して、動労水戸と国労郡山工場支部が被曝労働拒否の闘いをたたきつけました。
安積 被曝労働拒否の闘いは本当に難しいところがあります。交番検査班にいる組合員がストライキに入ったら、代わりに若い労働者が被曝労働をやることになるかもしれない。でもストライキで交番検査そのものを止められることを現場に示そうと、動労水戸は闘ったんです。実際に会社は交検をできなかった。そこで会社は「偽装交検」を若い人たちに強制した。これほど検修人のプライドを傷つけるものはありません。そうやって鉄道の安全も壊されていく。動労水戸は偽装交検だと会社を追及するけど、若い人たちは自分が批判されているようにとらえてしまい、動労水戸を敵みたいに見てしまう。だから郡山の闘いは本当にすごいなと思う。自分たちを守るにはどうしたらいいのかと若い人たち一人ひとりが考えて組合の闘いを支持した。内部被曝とそれを隠蔽(いんぺい)する会社や東労組・国労本部を自分たちは問題にしているということを訴えていきたい。
幸村 水戸の闘いがあったから郡山の闘いもあったし、逆に郡山の闘いが水戸にも跳ね返って連帯して闘おうとなっていると思うよ。それは原発労働者にも広がる展望を切り開いている。
反原発3・11福島へ
加藤 自治体労働者も被曝労働をさせられています。今、住民帰還キャンペーンがすごい。津波や原発事故で誰もいない地域のインフラを復旧させて市役所を元に戻していくために、自治体労働者が動員されている。庁舎の水も使えない中で水を持参して、1日8時間働いてまた避難先に戻る。自治労本部は「脱原発」とは言うけど、被曝労働は問題にもさせないという状況です。だから真正面から内部被曝を問題にした国労郡山工場支部の闘いは本当にすごい。この闘いを拡大して労組拠点を建設していくのが3・11福島(郡山)の闘いですね。1年半避難していた自分の家族も、離れて暮らすのは限界だということで福島に戻ってきた。何が正解なのかはいくら議論しても出てこない。福島は闘い続けるしかないと思う。ふくしま共同診療所と、闘う労働組合が切実に求められています。
村沢 JR常磐線の竜田駅までの延伸についてはどうですか。
安積 会社は3月のダイヤ改定で竜田延伸を狙っています。今、燃料棒の取り出しが始まっているけど、あそこで何かがあったらどうするのか。誰が労働者を守るんだ。会社は守れるのか。運転士や乗務員に線量計を持たせても高い線量が出たら、管理者は「線量計が壊れているんだ」と違う線量計を渡す。誰がこの会社の暴挙と闘えるのかといったら動労水戸しかない。竜田延伸阻止の闘いは被曝労働拒否の闘いでもあるし、それが福島とともに闘うことだと思います。
花月 JRでマル青労同つくる
幸村 プロレタリア革命へ闘う
地区党建設の課題
村沢 マル青労同第8、9回大会で地区党建設路線を出した。今10回大会では、地区党・全党の力で青年指導部を建設していくということと同時に、マル青労同自身が地区党・全党を「青年・学生の党」に変革していく先頭に立とうということが出されました。
春山 青年が地区党の先頭に立つというのはその通りだなって思う。自分の存在は小さいと思っていたけれど、地区の会議で私がしゃべると会議も活性化するんですよね。地区党で反合理化闘争のことを深めていきたいですね。
月瀬 プロレタリア革命をどうやって実現していくのかといったら、労働組合の拠点建設だということ。つまり第2・第3の動労千葉を各地区につくるんだという目的意識性を貫いて地区党が闘えるかどうかが問題だと思うんですよね。地区の討論全体がそこに向かって団結していく。逆にどこで拠点を建設するのかあいまいなところで地区の団結といっても難しいと思う。
花月 そうそう。うちの地区でも、JRの中にマル青労同を絶対につくることを地区党の第1課題として位置づけたい。マル青労同建設こそ、拠点建設の最大の方針だと思うんです。しかもそれが確認するだけで終わってはいけなくて、地区党がその具体的方針をつくり実践し、それを総括するところまでやりきっていく。自分自身も先頭に立つけど、地区党が全責任を取ってマル青労同を建設するようになっていけば、党と労働組合の一体的建設も本当に進んでいくと思う。9・25判決で切り開いた情勢も、それをどうやって青年の獲得・組織化のために具体的に生かしていくのか、広げていくのかということまで議論をやりきりたい。2014年、地区党でのそういう議論と実践を青年が牽引(けんいん)していけるかどうかに、14年春闘や国鉄闘争勝利の成否もかかっていると思っています。
志川 拠点職場・拠点労組を設定するというのは、党の分担主義をのりこえていくこと。拠点職場での闘いを地区党全体で議論しながらつくっていくと、例えば大阪市長・橋下の自治体丸ごと民営化・解雇攻撃とどう闘っていったらいいのかを、すべての同志がつかむことができる。だから拠点以外のすべての職場で同じ路線で闘えるようになっていく。革共同綱領草案の中身を土台にした上で闘争方針をつくり実践し、地区で徹底的に総括し、路線的に深める。その繰り返しが労組拠点と地区党を一体でつくり出していくということをこの間つかんだ。党全体で一つのことに集中していくということはものすごい豊かなものをつくっていく。この中心にマル青労同が据わったときに、さらにすごい力が生まれてくる。
山辺 青年がそんなに簡単に組織化できるわけじゃない。労組青年部の建設も、新自由主義との最先端の戦場。今の党の最高の地平を出さないと前に進まない。その最高の地平というのも、職場の苦闘を地区党の中でぶつけあいながら一緒につくりあげていくものなんですよね。
志川 革共同の同志はやっぱりすごい。対カクマル戦に勝ちぬいているんだから。どう闘うかつかんだときの爆発力は巨大。この革共同が「青年・学生の党」「労働運動のできる党」になっていくということ以外にプロレタリア革命なんて考えられない。
幸村 同志的信頼関係のもとで先輩も含めて獲得していくことだと思うんですよ。本当に拠点建設で勝負しましょうと地区党で議論し、その気にさせる。それが地区党に責任をとる指導部ということ。そういうマル青労同への変革と飛躍をかちとっていこう。革共同がマル青労同を建設するし、マル青労同が革共同を建設するということ。
村沢 本当に労働運動ができる時代をたぐり寄せた。喜ぶべき時代を私たち自身と先輩たちが切り開いたということなんですよ。青年労働者は思う存分労働運動をやり、マルクス主義を学ぶ。思う存分、革共同・地区党とその変革・飛躍を求めていく。機関紙をつくり拡大していく。党派闘争もがんがんやって、それを全面的に50年の蓄積のある革共同にばんばん返しながら、本物の労働者党・革命党をつくっていくということだよね。
幸村 関西地区生コン支部の故高英男副委員長、港合同の故大和田幸治事務局長や故辻岡尚執行委員、動労千葉の故中野洋顧問、彼らがいなかったら3労組共闘はなかった。そういうすばらしい先輩たち、労働運動の指導者の遺志を本当に引き継いでプロレタリア革命をやるというのがわれわれの最大の任務。それ以外に労働者にとって幸せはないんだよ。それをやることほど楽しいことはない。
花月 やっぱり労働運動は楽しい。全国の青年労働者にともに闘う労働組合をつくろうと呼びかけたいですね。
村沢 ありがとうございました。
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14春闘 統一スローガン
■民営化・外注化絶対反対!
■8時間労働制死守! 長時間労働・過労死を許さない!
■賃下げ攻撃粉砕! 生きていけるだけの大幅賃上げ獲得!
■非正規職撤廃! 3月末の雇い止め解雇をやめろ!
■福島切り捨て・原発再稼働阻止! 被曝労働拒否闘争の拡大を!
■労組解体と戦争の秘密保護法粉砕! 国鉄闘争に勝利し、改憲を阻止しよう!
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週刊『前進』(2614号9面1)(2014/01/01 )
革共同政治局の2014年1・1アピール
現代革命へ新たな挑戦開始
(写真 日比谷野音に5600人が結集し「闘う労働組合を全国の職場につくろう」と誓った11・3全国労働者総決起集会)
国鉄・反原発・改憲阻止・星野奪還-4大決戦で日帝・新自由主義と安倍政権を打倒しよう!
『革共同50年史』を歴史的大躍進の武器に
はじめに
世界史はついに、21世紀のプロレタリア世界革命へと向かう大激動の渦中に突入した。最末期帝国主義・新自由主義の歴史的崩壊が始まり、その対極で、青年労働者を先頭とする労働者階級人民の根源的な怒りの大爆発が全世界的に始まっている。
大恐慌は大失業と戦争を生み出すとともに、革命を生み出す。2013年の闘いは今や、ブルジョア支配の全面的打倒、プロレタリア革命の達成なしに全労働者人民の生きる道はないことをまざまざと示した。そして同時に、大恐慌を革命に転化していく力は、労働者階級自身の階級的に団結した決起の中にあること、階級的労働運動・労働組合の再生と、これと結合した労働者階級の党の建設にこそあることをはっきりと示したのだ。
昨年12月の秘密保護法をめぐる国会前を頂点とした労働者人民の巨大な全国的決起は、2011年3・11以来の国家と資本に対する絶対非和解のとめどない根底的怒りの爆発である。日帝・安倍政権は、人民の大反乱のうねりに恐れおののきながら、国会の数を頼みに、秘密保護法を始めとする多数の極反動法を問答無用に強行し、「戦争のできる国」への道をここぞとばかりに突き進んでいる。だがこの安倍の大反動は、日帝支配階級のとてつもない危機と脆弱(ぜいじゃく)性の表れにほかならない。日帝・安倍は実際には、階級闘争の大地に革命の火を放ってしまったのだ。
今や、膨大な労働者階級人民が、日帝の攻撃を戦争と治安弾圧、改憲攻撃の本格的開始として明確にとらえ、危機感と満身の怒りに燃えて続々と立ち上がり始めている。このような日帝支配階級を打倒せずにはおかないという激しい闘志をみなぎらせ、闘いに立つ中で自らの力と存在にめざめ、一層大胆な闘いに進み出ようとしている。それは本質的に、プロレタリア革命まで断じて後戻りのない革命情勢の到来である。
この情勢をたぐり寄せたのは、2013年における国鉄決戦の大前進である。国鉄決戦は、分割・民営化以来4半世紀を超える激闘として闘い抜かれてきた。そして今日の大恐慌と「3・11」情勢に真っ向から根源的に対決し、ついに昨年、国鉄1047名解雇撤回闘争での9・25判決という勝利の地平をもぎとり、新自由主義をその土台から突き崩していく闘いに突入した。この国鉄決戦こそ、今始まった日帝と全労働者人民との一大激突に勝ち抜き、革命へ向けた日本労働者階級の階級的団結をつくり出していく推進力である。その最前線には、闘う青年労働者が決然と立っている。
2014年は、日本の階級闘争が、21世紀のプロレタリア世界革命を切り開く最先端に躍り出ていく年となる。また、絶対にそうしなければならない。日帝・安倍の戦争・改憲攻撃への突進は、大恐慌・長期大不況の果てしない深まりと帝国主義間・大国間の争闘戦の全面的爆発という、歴史的事態の中で起きているのだ。昨年秋の米財政危機の爆発を契機とした米帝の基軸帝国主義からの脱落は、この争闘戦と、その戦争への転化の情勢を一気に促進した。この間の「防空識別圏」問題などをめぐる軍事的緊張の激化は、東アジアが今や中東と並ぶ新たな世界危機の発火点に浮上したことを示すものである。しかしそれは同時に、東アジアにおける革命情勢の決定的な成熟である。
東アジアは今や、日本、中国、韓国、台湾を軸に、巨大な生産力(過剰生産力)を抱えた世界経済の一大中心であり、同時に膨大なプロレタリアートが存在する地域である。日・米・中の争闘戦も決定的に激化している。ここでのこの間の日韓米の国際連帯の闘いの発展は、プロレタリア世界革命を切り開く素晴らしい可能性を秘めているのだ。
昨年末、北朝鮮スターリン主義の国家中枢において発生したナンバー2・チャンソンテク(張成沢)の失脚・処刑という重大事態は、激動情勢をさらに決定的に推し進めるものだ。北朝鮮スターリン主義の体制崩壊の危機がついに現実化し、北朝鮮国内での暴動・内乱や軍部の暴走も含め、これに対する米日韓、さらには中国スターリン主義をも巻き込んだ戦争・侵略戦争突入の危機を生み出している。だがそれは、パククネ政権に対する韓国労働者階級人民の大決起、中国人民のスターリン主義体制打倒の総反乱をも不可避に呼び起こし、これと結合した日本労働者階級人民の戦争絶対阻止への怒りの決起に火をつけずにはおかない。
階級的労働運動の前進と国際連帯闘争の発展こそ、今日の全情勢を革命的に突破していく鍵である。日本労働者階級は、全世界の労働者階級と連帯し、今度こそ帝国主義とスターリン主義の抑圧とくびきを完全に断ち切り、人類史の飛躍をかけたプロレタリア世界革命へと勇躍して前進しよう。
T国鉄決戦を圧倒的基軸に闘い大きな勝利を切り開いた13年
(1) 「9・25判決」は不当労働 行為を認定した歴史的勝利
2013年の決戦は、大恐慌の深まりと「3・11」情勢の進展を歴史的大分岐点として、2012年からの2年にまたがる壮大な階級決戦として闘われた。それは新自由主義の打倒に向けた国鉄・反原発決戦による歴史的反撃の突破口をなすものであった。
これは、革共同と動労千葉との「党と労働組合の一体的発展」という現代プロレタリア革命への歴史的挑戦をやりぬいて到達した地平である。この階級的労働運動と革命的共産主義運動の白熱的で統一的な発展が、新自由主義と闘う階級的労働運動の必ず勝利することのできる「環」をつかみとった。この「勝利の環」こそ動労千葉を軸とする国鉄決戦であり、それは2013年において、ついに9・25判決という巨大な勝利の地平を切り開いた。「国鉄決戦でプロレタリア革命へ」の現実性を決定的に開示したのである。
9・25東京高裁・難波判決は、一昨年6・29東京地裁・白石判決の不当労働行為の認定を再び確認した。1047名闘争をめぐる激突の鉄火の中で、司法権力の中枢に位置する東京地裁と高裁で2度にわたって、国鉄分割・民営化時に重大な不当労働行為が行われた事実が認定されたのである。
だが同時に9・25高裁判決は、新設立会社のJRが旧国鉄からの選別リストをそのまま受け入れたというこれまでの見解を否定し、JR側は新たな会社として「採用の自由」があり、「仮に」採用希望者全員が名簿に記載されていたとしても、「国鉄が選別しなければ、JRが選別した可能性がありうる」とした。
この判決は、この間「井手文書」によって暴かれた、葛西敬之(当時国鉄職員局次長・現JR東海会長)と斎藤英四郎(当時経団連会長・JR設立委員長)、つまり旧国鉄側とJR設立委側とが一体となって選別リストをつくり上げたという決定的事実を、ついに真実の力の前に実質的に認めてしまったのだ。国鉄改革法23条での「旧国鉄とJRは別法人、したがってたとえ旧国鉄がいかなる不当労働行為をしても新会社(JR)は何らの責任を負わない」という虚構が完全に崩壊してしまったのだ。(この「井手文書」で暴露された内容を国労本部が知りつつ隠し続けていた事実が判明した)
このことはきわめて重大である。国鉄の分割・民営化自体が不当労働行為の所産であり、解雇の不当性が認定された以上、解雇撤回と原職復帰以外にない。この突き崩すことのできない論理と正義が強固に打ち立てられたのだ。それは同時に国鉄の分割・民営化を成り立たせ、その後、日本労働運動に不当労働行為と国鉄型解雇・リストラを蔓延(まんえん)させてきた元凶である国鉄改革法と国鉄改革法体制を、ついに歴史的崩壊に追い込んだのである。2010年の4・9政治和解を断固拒否し、国鉄闘争全国運動を立ち上げて1047名解雇撤回闘争を不屈に継続してきた、動労千葉を先頭とする闘いが切り開いた決定的な地平である。
国鉄決戦は、国鉄分割・民営化への総反撃として、動労千葉を基軸にした階級的労働運動の4半世紀を超える闘いをもって、新自由主義打倒・JR体制打倒へと突き進んできた。9・25の勝利はこの全歴史の集積として、あらゆる情熱を傾け、階級の力でもぎり取った精華である。敵階級の反動、弾圧の数々をのりこえて、正義と団結の力で司法権力の法的な亀裂をつくり出し、そこに怒りと火の文字で刻み込んだ勝利である。
もちろん、国鉄分割・民営化とJR体制が本質的に不当不法であるというこの9・25判決の事実上の認定を、敵階級の反動の最大の牙城・最高裁が簡単に認めることはない。一切は、労働者階級の不屈・不退転の持続的で拡大的な力によって、国鉄分割・民営化とJR体制そのものの根底的転覆による革命的階級関係の大変動を闘いとることにある。それはまったく可能である。
今日、新自由主義は崩壊的危機にある。大恐慌は大失業と戦争と革命を生み出す。そうした革命的情勢がいま激しく進行し、成熟しているのである。しかも国鉄分割・民営化は完全に破綻したのだ。9・25判決によって、国鉄改革法という分割・民営化の法的根拠も崩れ去った。事故続発のJR北海道の姿は、分割・民営化のもたらした惨
(さんたん)たる現実である。運転保安はさらに全国で崩壊し続けている。JR貨物の鉄道部門の赤字は分割・民営化ゆえに増え続け、一切の矛盾を労働者に押し付け、おそるべき低賃金と強労働をもたらしている。
重大なのは、JR職場でブラック企業さながらの強労働が過労死や労働災害を続出させていることだ。分割・民営化という新自由主義は自らとともにこの社会を時々刻々崩壊させている。今こそ分割・民営化を根底から葬り、JR体制を打倒する時がきたのだ。
(2) 3労組共闘の団結で戦取された11月集会と訪韓闘争
昨年11月の労働者集会(11・3〜4)は、「闘う労働組合を全国の職場につくろう」を掲げ、13年国鉄決戦における9・25判決の地平を打ち固め、全日建運輸連帯労組関生支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3組合共闘の強固な団結をもって、新自由主義にとどめを刺す歴史的大集会となった。
11月集会の5600人の結集は、日帝国家権力・資本との職場生産点での激しい激突に勝利し結集した力であり団結である。11月集会のスローガンと実践そのものが、大恐慌と国鉄決戦のただ中において、新自由主義・資本と真っ向から非和解的に激突するものとなっているのだ。
11月集会は、そこへの結集自身が、国鉄決戦を基軸とする日本労働運動における巨大な階級的激突である。それはとりわけ今日、日帝・資本による職場生産点での〈一人をつぶす攻撃>から始まる労働運動絶滅攻撃に対し、これと必死に闘う青年労働者を先頭とした一人ひとりのかけがえのない結集である。この攻撃は今、低賃金と長時間労働・過労死という労働者の生命・生存を蹂躙(じゅうりん)する攻撃となって、全労働者の上に激しく襲いかかっている。これと対決する一人の存在と闘いが決定的なのだ。そこには労働者階級は、どんな困難、試練があろうと必ず決起するというマルクス主義的確信がある。この確信の中に、11月集会のもつ実に巨大な地平がある。
職場生産点の激しい死闘の中で3労組共闘がそれぞれの試練を超えて互いに学びあい、団結と連帯をかつてなく強固なものにしていることは特筆すべきである。そこから訴えられている「闘う労働組合をつくろう」という大運動には大きな発展性と可能性が示されている。集会で3労組が発した「憲法改悪反対労組声明」は、まさに3労組が今日の日帝・安倍政権との対決において、全労働戦線の中心に屹立(きつりつ)して闘うという宣言である。
11月集会は、こうした資本との死闘に勝ち抜いた若い力と新たな団結、みなぎる怒りと明るさ、自己解放性と階級的規律において、すべてが体制内労働運動を踏み越え、国境をも越えた力強い隊列として登場した。新たな階級的魂がそこに生まれたのだ。
またこの過程は、日帝国家権力中枢による、労働組合を「反社会的集団」として逮捕・弾圧する攻撃との激突とその勝利としてかちとられた。それは国鉄決戦を基軸とする4大産別、反原発、星野闘争、秘密保護法・改憲などの全戦線での攻防であり、一切は党と労働組合をめぐる激突として、さらに非合法・非公然体制をめぐる攻防を最基底として闘われた。
11月集会に続く訪韓闘争は、日韓の国際連帯闘争の新たな段階を切り開いた。2003年から10年にわたる熱い連帯の歴史を積み重ねてきた動労千葉と韓国民主労総の闘う労働者が、ついに一体となって前進していく到達地平をかちとった。
民主労総を先頭とする韓国労働者階級が、パククネ政権の全教組・公務員労組への弾圧と韓国鉄道の民営化攻撃、そしてさらなる非正規職化攻撃による労働運動絶滅攻撃に不屈に立ち向かっている姿は、動労千葉を先頭とする日本労働運動の姿と一体である。だからこそ、非正規職労働者の闘いの組織化、労働組合の組織拡大と拠点建設について民主労総の闘いから学び、自らが労働運動の力を本当につけるために職場生産点において徹底的に闘っていくことが求められている。それは国鉄決戦こそが国際連帯の土台に位置する世界史的普遍性をもった闘いであり、しかもそれが公務員決戦として全世界的に発展しようとしていることをあらためて確信することでもある。
日韓労働者の連帯が、ついにプロレタリア革命への路線と団結を獲得して発展していこうとする段階が切り開かれている。それは世界単一の労働者党建設へ向けた第一歩の飛躍である。今こそ、韓国労働者階級のほとばしる戦闘性に学び、動労千葉の力ある発展を心から望んでいる彼らの思いに心から応える闘いに決起しよう。
国際連帯闘争はさらに、アメリカ労働者階級との連帯、イギリスRMT(鉄道・海運・運輸労組)との連帯、そしてドイツの鉄道労働者や反原発を闘うゴアレーベンとの連帯として一層深まった。多数の在日・滞日の外国人労働者も決起し、11月集会・デモをともに闘った。国際連帯の無限の発展がそこに開示されている。
(3) 外注化阻止・非正規職 撤廃の闘いが全産別で発展
9・25判決、11月労働者集会、訪韓闘争の偉大な歴史的地平を切り開いた最大の決定的原動力は、動労千葉を先頭に闘われた全面外注化阻止の階級決戦である。それは階級的労働運動と革命的共産主義運動の命運をかけた闘いであった。とりわけ2012年の10・1から13年3月にかけ、CTS(千葉鉄道サービス)への強制出向攻撃との闘いで、偽装請負の現実を暴露し、また外注化は労働組合の協力なしには絶対に不可能であることを突き出して、不屈の戦闘体制を強化してきた。この外注化拒否の不屈で豊かな闘いは、85〜87年の国鉄分割・民営化決戦にも匹敵する歴史的攻防として、1047名解雇撤回闘争と一体で、階級情勢全体を揺るがしていった。
確かに外注化攻撃は新自由主義の絶望的あがきを示す尋常ではない攻撃である。それは一切の前提に動労千葉破壊、労働組合解体を据えている。外注化をもって労働過程そのものをも寸断していく極限的な団結破壊・分断攻撃である。これに対して、動労千葉は外注先の職場を制圧し、非正規職労働者を組織するというあくまで攻勢的な闘いによって、JRへの根底的反撃に立ち上がった。この外注化阻止・非正規職撤廃の死闘こそ、「外注先は別会社」という国鉄改革法23条の論理を使った外注化のデタラメなごまかしと破綻を、ストライキ決起によって徹底的に暴き、9・25判決情勢を根底から切り開いたのである。
1〜3月外注化阻止決戦は、日帝ブルジョアジーの命運をかけたJR東日本の「グループ経営構想X」との激突でもあった。日帝・新自由主義の生命線をなす「成長戦略」の最大の柱は鉄道のパッケージ輸出である。ここに葛西を頭目とするJR資本は延命をかけており、そのために外注化・非正規職化攻撃を死活的に進めているのだ。その根幹を射抜く闘いが動労千葉を先頭とする3月ストライキ決起として爆発した。それは、4・26自治労ストライキ情勢を切り開く原動力となり、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを4大産別に拡大し、公務員決戦を決定的に引き寄せた。
2013年において重要なのは、新自由主義の非正規職化攻撃が膨大な労働者階級の反乱を成熟させていることである。それは3・11以降、2011年の動労千葉の外注化阻止決戦の中からつくり出された。特に12年10・1外注化以降、まさに非正規職労働者が生み出される地点で非正規職化阻止を闘い抜き、正規職労働者と非正規職労働者の階級的連帯の創造という現代革命の重要な環を今日の実践そのものの中でつかみとったのである。その本格的闘いとして、動労千葉と青年労働者を中心に、連合・全労連など体制内勢力をのりこえて、5・1メーデーに階級的労働運動派が独自の隊列を登場させたのである。
5月沖縄闘争は、国鉄決戦と一層固く結合しつつ闘い抜かれた。国鉄闘争全国運動の6・9全国集会の大高揚は、9・25判決に至る日帝中枢との激突の「4カ月決戦」の出発点となり、10万筆署名運動の大発展への跳躍台となった。
7〜8月攻防では、13年前半決戦の地平が100万労働者へと波及し、拡大し、革命的うねりへと発展していく情勢となった。それは大きな歴史的飛躍を求めるものとなった。7月参院選での山本太郎氏の勝利(66万6684票)と一体となって打ち抜かれた、7月動労水戸ストライキと国労郡山工場支部の被曝車両K544阻止・被曝労働拒否の闘いは、国鉄戦線においてついに動労千葉と並ぶ闘う拠点が屹立し、国鉄労働運動の権力党派への歴史的挑戦の始まりとなった。この動労水戸−国労郡工支部の連帯を通した被曝労働拒否の歴史的闘いは、200万福島県民と連帯する13年3・11の大勝利をも切り開いてきた。そして、外注化阻止・運転保安の闘いという強固な基盤こそが、労働者の反原発闘争への決起を引き出す力をもっていることを実証したのである。
夏の4大産別の各大会(国労、自治労、日教組、JP労組)は、今日の新自由主義の崩壊のもとで、労働組合をめぐる根底的流動化の開始を示した。「日和見主義と社会排外主義の度し難い指導部全部の信用を完全に失墜させ、労働組合のなかから追いだすまで必ず闘争をおしすすめなければならない」「われわれが『労働貴族』との闘争をおこなうのは、労働者大衆を代表して、労働者大衆をわれわれの側に引き寄せるためである」(レーニン『共産主義における左翼空論主義』)という情勢がきたのである。労働者階級の決起を階級の内部から絞殺する連合、全労連などのあらゆる体制内勢力を打ち破り、そのくびきから労働者階級を解放し組織していくことである。
(4) 基礎的団結形態=労働組 合の闘いの前進と拠点建設
2013年を通して重要なのは、「労働運動をできる党」とは、労働組合の闘いの実践的変革・飛躍と一体でかちとられることをつかみとったことである。
第一に、労働者階級の基礎的団結形態としての労働組合の建設は、労働者の日常的な生活と現実に密着した中から闘う労働組合を労働組合それ自身の論理と実践をもってつくり上げる闘いである。それはまずもって、かけがえのない存在である労働者一人ひとりが労働組合のもとに団結して闘うことで、自らを「階級の一員」として自覚し、新たな巨大な力が引き出されていくということである。労働組合は本来、そうした労働者階級の根源的な革命性に決定的に根ざしている。そしてそこにおいて、一つは階級としての正しい思想や時代認識と路線をもつこと、今一つは「義理・人情」という闘う者同士の人間的信頼関係による団結を職場と労働そのものの中で日常的に培うことによって、階級的団結を形成していくのだ。そこには労働者としての規律があり、マルクス主義がある。
この職場生産点に日常的に根ざした労働組合、階級的労働運動を軸に闘う時、労働者階級は最大の圧倒的な革命的力を発揮する。プロレタリア革命は、この労働組合の団結の拡大を労働者の最大の武器としてかちとられる。労働組合の基礎的団結形態の形成の中に労働者の自己変革の力が養われる。ここにプロレタリア独裁の力の源泉がある。
第二に、基礎的団結形態としての労働組合は、〈絶対反対〉と〈階級的団結〉を一体で闘う。そもそも資本家階級と労働者階級は非和解的な関係である。労働組合が資本と闘おうとすれば、絶対反対で非和解的に闘う以外にない。他方で資本の絶対的矛盾は、この非和解的関係である労働者階級の存在を抜きに資本自身が存立できないところにある。資本が成り立つためには、たえず労働者の団結を分断し、破壊する以外にないのだ。労働者階級はこの資本の絶対的矛盾を突き、資本の絶えざる団結破壊と分断の攻撃に対して〈絶対反対〉と〈階級的団結〉で闘うことで勝利することができるのだ。ここにこそ、労働者階級の基礎的団結形態としての労働組合の核心がある。
第三に、労働組合は、「その組織された力を労働者階級の終局的解放すなわち賃金制度の最終的廃止のためのてことして使うことをしないならば、それは全面的に失敗する」(マルクス『賃金・価格・利潤』)のである。労働組合は、労働者階級の基礎的団結形態であるが、労働者階級の最高の団結形態である労働者党建設と結びついた時に、基礎的団結形態としても発展し、資本主義打倒のプロレタリア革命を引き寄せることができる。そしてこの党は、労働組合の上に立つものでもなければ、外にあるものでもない。労働組合の団結の内部にあって、労働者階級への徹底的な信頼をもって、階級的団結をより豊かに発展させ、労働者階級の中で党そのものを最高の団結形態として絶えず変革的につくり出していくのだ。
マル青労同10回大会 路線の画期的な意義
13年末にかちとられたマルクス主義青年労働者同盟の第10回大会は、2013年の闘いが、まさにこの党と労働組合の一体的建設において決定的な実践的飛躍を闘いとってきたことを実証した。闘う青年労働者が、職場と地域にあふれる膨大な労働者の怒りと結びつき、職場闘争に体ごと踏み込んで、その中から職場細胞の建設と職場拠点建設・組合権力獲得を一体的にかちとっていく闘いに次々と挑戦を開始したのだ。そして「過労死・超長時間労働・低賃金」攻撃を粉砕するために総決起することを誓い合った。
マル青労同の同志たちはそこにおいて、国鉄決戦を自らの職場で自分自身の闘いとして闘う中でこそ、資本によって徹底的に個別分断されてきた職場に階級的団結を甦(よみがえ)らせる展望があることをつかみとった。そして青年労働者の団結が破壊されている現実を打破する道は、地区における拠点労組の建設にあり、その拠点建設を目的意識的に闘いとる地区党の建設にあることを、文字通り体を通してつかみとってきた。
今や、職場闘争―職場細胞建設―拠点建設の闘いを同時に地区党建設としてかちとっていく闘いが、青年労働者を先頭に猛然と始まっている。『前進』の読者網建設はその決定的てこである。それはまた、大量の青年労働者の獲得とその階級的指導部建設=マル青労同1千人建設への大前進の展望を圧倒的に押し開いている。
(5) 100万人の階級的決起 と結びつく情勢が始まった
2013年は、国鉄決戦を基軸に反原発・星野闘争が切り開いた100万労働者階級と結びつく闘いが本格的に始まった年である。
「3・11」は、幾百万、幾千万の人民の人生と価値観の転換の中から、国家と資本への非和解的怒りを階級全体に広く、深く生み出した。参院選における山本太郎氏の勝利は、首都100万、全国1千万の労働者階級人民が、原発への怒りを契機にして、低賃金や過労死に追い込む資本と国家の非人間的抑圧に対して生きるための具体的決起を開始したことを示している。さらに安倍の戦争・改憲と大失業攻撃への反革命突進に対してやむにやまれぬ怒りが急速に激しく拡大している。秘密保護法への巨大な決起はその一端であり、革命情勢の急接近をもたらしている。
反原発闘争の広がり
反原発決戦は2013年、3・11福島現地闘争を大きな管制高地に、国鉄決戦と一体となり、相互に共鳴しあって発展してきた。日帝・安倍とブルジョアジーどもは、人類を滅亡させる新自由主義の行き着いた「3・11」を何度繰り返してもかまわないという原発再稼働、原発輸出にのめり込んでいる。そして「汚染水は完全なコントロール下におかれている」「将来にわたって健康問題はない」などという、放射能汚染と被曝を真っ向から開き直るおそるべき階級戦争に打って出ている。これへの怒りのマグマは激しく渦巻き、プロレタリア革命によってしか解決できない現実を日々突きつけるものとなっている。
福島第一原発の危機は、何もかもこれから爆発する。汚染水問題はさらに拡大し、廃炉作業など手もつけることができない。重大なのは、これから小児甲状腺がんが多発することである。チェルノブイリで起きた以上のことが始まっているのだ。この戦慄(せんりつ)すべき事実を真っ向から見据えなければならない。
国家権力と体制内勢力、スターリン主義はこの現実に震え上がり、被曝、特に内部被曝に立ち向かう者に恐怖と憎悪をもって襲いかかるのだ。ここから2013年は、福島において激しい党派闘争が起こった。この中で福島診療所建設の意義は、「フクシマの怒り」を圧殺しようとする全攻撃とその最前線で対決し、福島県民の命を守る闘いの拠点として大きく輝いている。
2013年はさらに、動労水戸と国労郡山工場支部の被曝労働拒否の歴史的決起が全労働者の階級的魂を揺さぶった。労働組合の団結の力こそが新自由主義を打ち破り、被曝の現実を根底的に変えていく展望を開くことを明確にし、膨大な原発労働者が生きかつ闘う道を指し示したのだ。さらに全原発の廃炉へ100万人決起を可能にする運動体として、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)の意義がいよいよ決定的に高まっている。
星野奪還闘争の前進
12・1星野集会は、680人結集の感動的な集会・デモとしてかちとられた。2012年2・5に続く13年9・8の徳島刑務所包囲闘争を通して、党と階級が星野文昭同志奪還で階級的に団結し、この闘いを階級的労働運動路線の中に位置づけた意義は巨大である。まさに星野闘争は、偉大なプロレタリア解放運動となったのである。
星野闘争はまた、スパイ荒川碩哉(ひろや)打倒の最先端の闘いとなり、国家権力中枢との闘いとして労働者階級人民を鼓舞激励した。昨年9月の『獄壁こえた愛と革命』の発刊は、星野同志と妻・暁子さんが長期にわたる不屈の闘いを通して築き上げた地平の高さと大きさを描き出し、日帝権力への怒りとともに労働者人民の生きる道を指し示すものとなっている。この感動がさらに星野闘争を発展させている。全証拠開示運動の拡大は敵権力を確実に追いつめており、100万の決起をつくり出すならば、星野同志奪還への扉を開く展望を握りしめられるところに到達した。
三里塚・沖縄の闘い
三里塚闘争は2013年、市東孝雄さんの農地裁判を中心とした闘いを勝利的に闘い抜き、新たな決戦に躍り込む地平を開いた。7・29千葉地裁の一審判決で農地取り上げの仮執行宣言を粉砕し、東京高裁での控訴審闘争へ「霞が関に攻め上る」(反対同盟・萩原進さん)闘いへ向け前進を開始している。安倍はオリンピックを口実とする成田発着枠拡大と空港の24時間化、暫定滑走路延長、新滑走路増設をたくらむとともに、戦争・改憲と闘う砦(とりで)である三里塚闘争の破壊に必死になっている。だが三里塚は動労千葉との労農同盟の強化を軸に、福島と連帯し、反TPPの闘いとも結合して、農地死守・空港廃港への新たな前進を開始した。全国農民会議の発展は、その勝利への展望を大きく切り開くものとなっている。
沖縄闘争は、「新自由主義と闘う沖縄闘争」の新たな地平を、5・15闘争を先頭とする階級的労働運動の白熱的前進を通して切り開いている。とりわけ基地労働者の決起を基軸に、「国際連帯の島・沖縄」への、米軍基地撤去・安保粉砕への歴史的前進をかちとっている。オスプレイ配備への怒り、普天間基地の辺野古移設強行攻撃への怒りは、さらに拡大している。4月には、在本土沖縄労働者会議が結成され、階級的労働運動路線のもとでの沖縄闘争の発展を沖縄現地と一体となって切り開いていく宣言が発せられた。
全戦線で怒りの決起
八尾北・西郡決戦を基軸とする部落解放闘争は、13年7月、ついに全国水平同盟の結成をかちとった。新自由主義と闘う部落解放闘争が、階級的労働運動を路線的に内在化させ、非正規職撤廃を正面課題として、豊かな実践的創造的発展を開始した。さらに、戦後の在日朝鮮人運動を総括し、のりこえ、在日・滞日の労働者人民との間に本物の階級的団結をつくり出していく歴史的第一歩がかちとられた。障害者解放闘争、女性解放闘争、被爆者解放闘争など、すべての闘いが地区党のもとで本格的な発展の緒についた。
弁護士戦線は、国鉄決戦と反原発決戦を闘う労働者とともに担い、星野闘争を全力で闘う中から若手弁護士の新たな決起をつくり出した。また裁判員制度と「司法改革」攻撃を大破産に追い込む闘いを展開し、改憲阻止の最先頭で決起した。
(6) 新自由主義大学を中から打ち破る学生自治会の建設
2013年は、学生戦線の勝負の年であった。全国学生は、反原発闘争への決起を突破口に、「改憲・戦争・原発・解雇自由化」に突き進む安倍政権と真正面から対決して闘い抜いてきた。その政治的高揚が、新自由主義大学を内側から食い破る学生自治会建設の原動力となった。一昨年の京大同学会再建の地平を引き継いで、昨年7月には広島大に学生自治会を再建する大勝利を実現した。さらに、11月労働者集会の息吹は、12月における東北大自治会執行部選挙、京都大での総長団交要求全学投票の圧倒的勝利として結実した。
学生自治会建設運動の前進は、日帝の福島圧殺攻撃にくみする大学と御用学者の腐敗しきった姿と全面対決し、大学を学生自身の手に実力で取り戻す闘いとして切り開かれた。それは同時に、一方で、国鉄闘争と階級的労働運動、国際連帯の地平を新自由主義粉砕の展望としてつかみ、他方で、04年以来の法人化大学および「大学改革」攻撃を全面的に批判し尽くすことを求めた。「大学改革」の核心は、大学を脱落・日帝の帝国主義間争闘戦とアジア侵略の先兵とする改憲・戦争攻撃だ。そして学生・保護者からの徹底的な収奪と搾取だ。しかし「大学改革」攻撃は今日根底的に破産し、何の展望もなく、逆にその深部から新自由主義への大反乱と革命主体を生み出している。
その主戦場が法大キャンパスだ。昨年の法大闘争は、4・25全国集会における警視庁公安部の6学生不当逮捕の弾圧を粉砕し、10・18全国集会を成功させた。重要なことは、大学祭への規制粉砕と武田雄飛丸君(文化連盟委員長)への「無期停学」処分撤回闘争を一体化させ、大学祭実行委員会という極悪の御用学生団体の本性を暴き、それへの怒りの中から法大学生自治会を再建していく現実性を示したことだ。闘う文化連盟が3万法大生の主流派へと躍り出る決定的な時が来た。
全学連は、9月全学連大会と12月拡大中央委員会での白熱的討論を通して、大躍進への過程に入った。「3・11世代」によって構成される中央執行委員会が、全国学生運動をグイグイと牽引(けんいん)し始めている。革命的共産主義運動と一体で形成される学生運動の盤石の指導部の建設が、こうした地平をたぐり寄せている。
(7) 権力中枢のスパイ=荒川打倒と党建設の闘いの前進
2013年は、党建設においても決定的な飛躍と前進の年となった。何よりも特筆すべき勝利は、スパイ荒川碩哉打倒の闘いである
権力中枢のスパイ荒川の摘発と打倒は第一に、革共同の50年の歴史がまさに日帝国家権力中枢との死闘の歴史であったことを確証するものとなった。第二に、国鉄決戦が日帝権力中枢との闘いそのものであることを鮮明にした。91年5月テーゼ以来の階級的労働運動、特に動労千葉労働運動の発展が、いかに敵権力を脅かし続けてきたかを荒川の自白は示している。第三に、06年〜08年の「党の革命」こそ、日帝権力による革共同壊滅攻撃への巨大な反撃であり、敵の意図を根幹において打ち砕くものだったということである。血債主義とは権力中枢の党破壊・分断の意を体したものであり、その打倒は敵権力と反革命どもに計り知れない打撃を与えている。
荒川打倒は第四に、今日の安倍の大失業と戦争、改憲と治安弾圧、その突破口である秘密保護法攻撃に対する先制的大反撃の闘いであった。荒川こそ、秘密保護法と「国家安全保障会議」の要をなす内閣官房・内閣情報調査室のスパイであった。すでにわれわれは改憲・戦争を推進する敵権力のどてっ腹に深々と打撃を与えているのだ。この荒川に追随し連なる党脱落・破壊分子のあらゆる反動策動は、その徹底粉砕を通して今や革共同の破竹の進撃を促進するものとなっている。
2013年12月には、ついに革共同50年史として『現代革命への挑戦』(上巻)が刊行された。これは、革共同が21世紀の反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命に向けて本格的にチャレンジする戦闘宣言である。この革共同50年史を労働者階級の革命的未来を切り開く歴史的武器として、党と労働組合の一体的発展をさらに切り開く力として、2014年の決戦に勇躍、躍り込んでいこう。
(写真 秘密保護法案の採決絶対阻止へ、怒りに燃え国会前に集まった【12月6日】)
U 大恐慌は大失業・戦争と革命を生み出す―時代認識と路線―
(1) 超金融緩和と「出口戦略」
2007年8・9のパリバ・ショック、08年9・15のリーマン・ショックを契機にして爆発し、激化・継続してきた世界大恐慌は、長期大不況化の重圧を日々、米帝経済―世界経済に加えている。大恐慌の爆発は過剰資本・過剰生産力の深刻な現実を決定的に突き出した。1974〜75年恐慌で歴史的にあらわとなった過剰資本・過剰生産力の矛盾は、新自由主義のもとで、一方でのIT(情報技術)合理化の推進などによる生産力の増強、他方での中国、韓国、台湾など新興諸国の巨大な生産基地化により、解消されるどころかさらに徹底的に促進された。何よりもその矛盾の爆発として今次大恐慌はあるのだ。
しかし、米FRB(連邦準備制度理事会)議長・バーナンキ(→イエレン新議長)、日銀総裁・黒田、そして13年11月7日に0・25%へと政策金利を切り下げたECB(欧州中央銀行)の総裁・ドラギによる超金融緩和政策の推進では、この過剰資本・過剰生産力の矛盾をのりこえることなど断じてできない。ところが日・米・欧は今、競うようにこの超金融緩和政策にますますのめり込んでいる。いわゆる「出口戦略」(=量的金融緩和の縮小)が表明されただけで株価は急落してきたが、もし本当にそれが発動されれば、大恐慌の地肌はいよいよむき出しになり、マイナス成長化し、大恐慌はさらに激化する。
しかも現在の超金融緩和を放置し続行していけば、結局はインフレの爆発的進行が不可避となり、米国債暴落、ドル暴落も究極的に避けられず、米帝経済など世界経済は2007〜08年の大恐慌の爆発時点以上の大破綻情勢となる。このためいわゆる「出口戦略」が不断に追求されるが、そのたびに矛盾は激化し、超金融緩和へと揺れ戻してきた(12月18日、バーナンキはFRBの大量の資産購入の長期化による株式バブルなどの過熱化に恐怖し、小規模な量的緩和縮小に踏み切った)。
2013年5月22日のバーナンキ議会証言から始まった「出口戦略」への着手の動きは、5月以降、米帝経済―世界経済をジグザグと一喜一憂の動揺過程にたたき込んだ。昨年9月のFOMC(連邦公開市場委員会)でバーナンキは、失業率が7・3%に高止まりしていることや30年物の住宅ローン金利が4%台に上昇していることなどを理由に、量的金融緩和の縮小を見送った。このバーナンキに代わり14年2月からはイエレンがFRB新議長となる。11月14日には米上院銀行委員会でそのイエレンが証言したが、ここで彼女は、「(量的緩和縮小について)特定の時期を決めていない」と述べると同時に、その理由として「性急に金融緩和をやめれば高くつく」と、重要な証言を行った。これはこの間「米経済の回復」なるものを何度も確認し、株価のつり上げを図ってきた米帝ブルジョアジーとイエレンの、本当は超金融緩和が終わったらどうなるか不安でならないという告白だ。
13年11月7〜8両日、重要な米経済指標が出された。まず7日に7〜9月期のGDP確定値が年率換算で2・8%と発表され、8日には10月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は20万4千人の増加と報告されて(後に20万人に下方修正)、「情勢は一変した」などとブルジョアジーは騒ぎ立てた。さらに12月6日、11月の非農業部門の雇用者数が20万3千人増と発表された。だがこれらの実態は、この間、米経済の生産性が低下し企業がより多くの労働者を必要とする中で、大半は超低賃金の非正規雇用の増大でしかなかった。
また米景気の「回復」なるものも、QE3(量的緩和第3弾)のもとでのジャブジャブの緩和マネーに依存したものであり、洪水のようなマネーの氾濫と株式市場への殺到→株価上昇→資産効果→高額商品などの個人消費の一定の浮揚→それを吸い取った企業の増収・増益と若干の設備投資といったタイプの金融バブル的浮揚でしかないのである。
(2) 大恐慌の基底に横たわる過剰資本・過剰生産力問題
大恐慌下の米帝経済―世界経済の基底には、過剰資本・過剰生産力の問題が厳として横たわっている。これこそ大恐慌論の核心問題だ。その上で大恐慌は賃労働と資本というこの階級社会の矛盾の爆発であり、その必然的結果として現実化したものである。大恐慌とは、けっして消費の不足によって発生したなどというレベルの問題ではないのだ。
超金融緩和でマネーを氾濫させ、実質ゼロ金利政策を展開し、株価をつり上げても、実体経済がはらむ根本問題はどうにもならない。過剰資本・過剰生産力がいずれ大規模に廃棄され、長い不況期の後に新生産力水準のもとで、再び戦後高度成長期の「投資が投資を呼ぶ」ような本格的な成長過程が到来するなどというわけでは断じてないのだ。
ここで自動車、鉄鋼、造船について、「過剰生産力」の現実を見てみよう。
(1)現在、米自動車産業は新車販売が好調で、生産増強に全力を挙げているという。オバマは、破綻したGMがここまで回復したのは政府の支援が成功したからだと誇っている。しかし実際は、GMなどの米ビッグ3は本格的な設備投資など行おうとはしていない。リーマン・ショック以降、休止していた既存の工場を再稼働させているだけだ。特にGMはデトロイト市を財政破綻させ、労働者人民の失業・生活破壊をもたらした張本人で、北米にある17の完成車工場のうち、今は九つの工場を24時間フル稼働させて、超金融緩和政策の甘い汁を吸ってもうけているということでしかない。現在、自動車産業は全世界的にトヨタ、GM、独フォルクスワーゲンなどを軸に、生き残りの大再編過程に入っている。
(2)鉄鋼業の過剰生産力状態はさらに深刻だ。世界鉄鋼協会によれば、いま鉄鋼の世界需要は15億d、しかし世界の供給能力は20億dもある。新日鉄住金の10社分が過剰だ。これは特に世界の鉄鋼生産能力の5割近くを占める中国の生産力の巨大化によるものだが、大恐慌下の需要減が根本問題だ。今後10年は世界的な過剰能力状況が続く。世界最大のアルセロールミタルも欧州の恐慌・大不況による需要低下で大打撃を受けている。日本も同じであるが、東京五輪や首都高の公共工事などの需要でのりきろうとしている。
(3)日・中・韓の3国で世界の全受注の9割を握る造船業では、大恐慌前の07年には1億7千万総dあった需要がリーマン・ショックで「蒸発」し、12年には3千数百万dと5分の1に減った。現在の世界の生産能力は1億総dで、その約3分の2が過剰である。日・中・韓の競争=争闘戦も激化し、中国や韓国の造船立地では経営破綻が相次いでいる。
だがこうした過剰生産力の現実は、上記以外に電機などその他の製造業の中でも一般化している。また特定の産業・企業が過剰生産力状態でなくても、経済全体が長期大不況基調であれば、大規模な設備投資などにはとうてい踏み切れないのである。
だから雇用も、全体として労働者階級を大失業状態に追い込みつつ、いつでも解雇できるような非正規雇用が激増している。また一定の企業で大規模な廃棄があったり、新しい生産設備が導入されても、それは廃棄や再編に伴い大量の労働者を解雇しながら、新しい工場には少人数、それも一定の高度技能をこなす労働者しか採用しない。大失業状態はこうして不断に再生産されている。
アメリカの雇用が回復したといっても、長期失業者が400万人以上いるばかりか、800万人レベルのパートタイマー(事実上の失業者)が継続して存在し、職探しをあきらめた人が200万人を超える情勢に大きな変化はない。こうした現実を加味した「最大失業率」は、公式統計でさえも13%台後半〜14%台前半の高レベルであり、それがこの1年ほとんど変動していないのである。
個人消費も、株高バブルによる高額商品の購入増加に依拠しているだけで、低迷を脱することはできていない。事実、13年7〜9月期の米GDPが年率でプラス2・8%であるのに、個人消費はプラス1・5%にとどまっている。住宅市場も超金融緩和に全面依存状態である。5月のバーナンキの「出口」発言以降、国債利回りが急上昇し、その後少し低下したが、1%台から2・5〜3・0%という趨勢は変わらず、住宅ローン金利も3〜4%台に急騰し、超低金利を前提にした投資ファンドなどのまとめ買いも急減した。
(3) 米国債暴落・ドル暴落と悪性インフレの不可避性
ここで再度、大恐慌下のアメリカの超金融緩和政策について言えば、問題は単に金融緩和によっては大恐慌をけっしてのりこえられないということである。過剰資本・過剰生産力のもとで、失業率の6・5%への低下や、インフレ率が2%とかの目標を設定し、それまで超金融緩和を続けることの必然的結果は、インフレの爆発である。
そもそもリーマン・ショック後、設備投資が本格的には行われず、IT合理化も壁にぶち当たっている。それが「想定外」という米帝の生産性の鈍化を引き起こした。この現実は「潜在的成長率」(生産手段や労働力をフルに利用した場合に達成されると想定できる成長率)をも低下させ、そうした中でマネーを湯水のように注ぎ込んで雇用増やインフレ率の上昇を追求すれば、早晩、長期金利、国債利回りは急騰し、国債が暴落する。そしてFRB(=中央銀行)の信用は崩壊して、制御不能のインフレへと転化するのだ。
イエレンは「目標は完全雇用だ」と言っているが、それは雇用が一定のレベルで低迷する経済的土台のもとで、限りなく緩和マネーを注ぎ込むことになる危険性に満ちている。これは必ず国債価格の急落(金利は上昇)となり、さらには売りが売りを呼ぶパニック=国債の投げ売りへと直結する。これはまたドルの暴落そのものである。
日帝・黒田日銀の場合も同じことである。黒田はインフレ率2%まで超金融緩和で突っ走ると言っている。だがそれは金利が3%を超える状況に突入するということだ。そうなれば財政は大破綻し、国債の大増発となり、ついには国債暴落へと行き着く。
これは労働者階級の側からすれば、低賃金構造がますます固定化し深化する中で、インフレは生活の根底的破壊であり、「生きさせろ!」の反乱の爆発と、階級的労働運動の圧倒的再生の条件を形成するものとなる。13年4月の公務員賃金7・8%削減問題に対する職場からの決起の戦闘的高揚が、さらに全階級的レベルで拡大していく。この最も直接的な「生きさせろ!」の蜂起的な反乱こそ、大恐慌が引き起こす根本的事態なのだ。
これは超金融緩和政策下の階級攻防であり、ドル暴落、国債暴落という大激動情勢下での階級決戦への突入路となっていく。13年4・26自治労ストライキ、動労千葉のJR貨物ストライキのもつ歴史的意義を、ここでしっかりと押さえて闘い抜こう。
(4) 市場めぐる争闘戦激化と大合理化・大リストラ攻撃
過剰資本・過剰生産力と超金融緩和政策のもとで、大恐慌は長期大不況化の様相を強めている。こうした状況下で、低迷し収縮する内外市場、とりわけ国際市場をめぐって、巨大独占体間や国家間の、奪い奪われるという競争戦=争闘戦が激しく展開され始めている。商品市場、資本市場をめぐるすさまじい分割戦・再分割戦が決定的に激化していきつつある。これは、競争戦=争闘戦での敗北は市場からの脱落・退場を意味するので、きわめて熾烈(しれつ)なものとなる。
この現実の中で、資本が生き残り、「勝者」となるための主要な手段が、大合理化・大リストラ攻撃である。これは大失業攻撃と一体をなし、資本にとっては大恐慌・大不況下の階級闘争の帰趨(きすう)をかけた決戦的攻撃となる。この大合理化・リストラ攻撃は大失業を永続化し、再生産し、労働市場に決定的な作用を及ぼす。労働者階級に大失業を強制しながら、他方では超低賃金、長時間労働、強搾取、権利の剥奪(はくだつ)などを強制する。大合理化・リストラ攻撃は、企業の分割・再編、M&A(合併・買収)、生産拠点の移動、配転、出向などさまざまな形態をとるが、新自由主義・グローバリズムのもとでとりわけ重要なのはアウトソーシング・外注化、民営化、民間委託、子会社化などの攻撃である。
ここでは、帝国主義段階とりわけ国家独占資本主義政策のもとで大規模に進行した社会化、国有化、公社化や、それ自身が公的性格をもつ公教育や地方自治体の業務を分割化、民営化して民間独占資本の手に委ねる攻撃が、強引に展開されていく。
特に日帝においては、1980年代の国鉄分割・民営化攻撃、そして分割・民営化体制下で進行した「第2の分割・民営化」としての全面外注化、分割子会社化の攻撃が、新自由主義の大合理化・リストラ攻撃の突破口として推進されてきた。外注化・強制出向などで、正規社員の総非正規職化の攻撃が推進され、さらにそれは教育、自治体、医療・福祉などの全面的な「丸ごと民営化」の攻撃へと発展している。
国鉄分割・民営化攻撃で強行された「いったん全員解雇・選別再採用」方式は、「国鉄改革法」という希代の悪法(不当労働行為を正当化するとんでもない法律)をもって強行された。それ以降、全産別で雪崩をうって同じような攻撃が進行した。
この大合理化・リストラ攻撃との闘いこそ、大恐慌下で「死の苦悶(くもん)」にあえぐ新自由主義の絶望的延命路線に対する基軸中の基軸をなす闘いだ。それは大恐慌下での資本と賃労働、資本家階級と労働者階級の間の、非和解の対決点をなす。国鉄分割・民営化、外注化の攻撃に対し、合理化の現場で、生産点で、死活をかけて闘い抜き、階級的団結、労働組合的団結を守り抜くことは、大恐慌下の階級闘争の原則的展開の根本であり、大恐慌が生み出す大失業・戦争と闘い、それを革命へと転化する闘いの基軸である。
動労千葉を先頭とする反合・運転保安闘争を核心にすえた国鉄分割・民営化粉砕、1047名解雇撤回の大闘争。分割・民営化体制下で必然化する「第2の分割・民営化」攻撃=全面外注化を阻止する一大決戦。そして国鉄改革法を粉砕しJR体制を打倒する全一体としての国鉄決戦。この国鉄決戦こそ、大恐慌下で新自由主義の絶望的延命路線を打ち破る闘いであり、大恐慌をプロレタリア革命へ転化する階級決戦そのものである。
ここにこそ、大恐慌が大失業(×合理化攻撃)と戦争、そして革命を生み出すということの実践的内容があり、大恐慌論と国鉄決戦論の革命論的解明の核心があるのだ。
(5) 鉄道・原発の輸出戦略と対決する国鉄・反原発決戦
さらに、大恐慌下で新自由主義が死の淵(ふち)にのたうち回りつつ必死で延命しようとする攻撃として、大合理化攻撃と一体の争闘戦の帝国主義的侵略的展開がある。
帝国主義間・大国間の争闘戦とは、商品・資本の輸出、さらには国ごとの囲い込み、勢力圏化、ブロック化の攻撃である。今やWTO(世界貿易機関)は脇に追いやられ、FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)、さらにはTPP(環太平洋経済連携協定)など、排他的な2国間協定や事実上のブロック化の動きがどんどん進行している。
それと並行して、原発・鉄道・水道・医療などの大規模な「パッケージ輸出」(システム輸出)が、帝国主義間・大国間の激しい争闘戦として、いわゆるトップセールスの形態を駆使して大々的に展開されている。とりわけ原発・鉄道の場合、巨大な国家的プロジェクトであり、その輸出の規模と波及効果、地域制圧力はとてつもなく巨大だ。
この分野こそ帝国主義の通商戦争、資源獲得(略奪)戦争の主戦場であるが、欧米帝国主義や中国などと比べ、日帝は脱落的に立ち遅れていた。このため安倍政権は国を挙げた取り戻し策動に動き、この間、安倍自身が東南アジアやインド、トルコなど全世界に対し、毎月のように数百人の資本家階級の首脳どもと連れだってトップセールスを行ってきた。
3・11大震災と原発事故で最後的に決定づけられた「脱落日帝」の現実は、貿易収支の恒常的赤字化や、自動車を除く主要基幹産業での争闘戦的敗北の趨勢が大重圧となって、新自由主義・日帝を万力のように締めつけている。だから安倍とブルジョアジーは、いわゆる「第3の矢」と称する「成長戦略」なるものを国家戦略として異様に押し出してきているのである。つまり「成長戦略」こそ、大恐慌とその長期大不況化の重圧の中で、脱落日帝の新自由主義的延命のための絶望的な延命戦略なのだ。
この「成長戦略」の第1の柱は、国鉄分割・民営化に続く郵政、自治体、教育などの民営化、全面外注化、非正規職化の大攻撃、すなわち大々的な国家的スケールの合理化・リストラ攻撃であり、さらにはさまざまな労働規制の撤廃、解雇の自由化、憲法体制の軸をなす労働基本権の解体などの大攻撃である。また第2の柱は、第1の柱と一対のものとしての、帝国主義的な輸出戦略である。そしてこの輸出戦略=対外侵略の二つの基軸をなすものこそ、原発と鉄道のシステム丸ごとの「パッケージ輸出」なのである。
そもそも原発は、福島第一の3・11大事故とそれがもたらした破滅的な災厄の現出によって、基本的には大破綻しているものである。だが日帝・新自由主義と安倍政権はこの間、「汚染水はコントロールされている」「日本の原発は世界一安全」などと傲然(ごうぜん)とうそぶいて、トルコ、インドなど全世界へ大々的に売り込み、どんどん輸出しようとしている。これは世界を破滅させる断じて許されない反革命行為である。
そして日帝・安倍の輸出戦略で、今や最大の武器と化しているものこそ鉄道のパッケージ輸出だ。新興諸国のインフラ整備は遅れているため、主要大都市間をつなぐ高速鉄道と主要都市の都市型鉄道網の建設は、当該国家の経済発展計画の枢軸をなし、膨大な資金が投入される長期的大計画である。日帝は今日すでに一定の成約を獲得してきているが、最近の主なものではトルコ(10・29)、ミャンマー(同)、さらにタイ、インドネシア、インド、米(ニューヨーク)などとの間のものがあり、かなりの進展をみせている。
しかし、この輸出戦略の鍵となるのがコスト戦争だ。フランス、ドイツ、そして中国、韓国との日帝のコスト戦争は熾烈を極めている。そのために今、JR資本(本州3社)は、JR東日本を先頭に全面外注化攻撃を強め、正社員を強制出向→転籍→非正規職化してコストを下げ、収益の極大化を図り、対外競争力を確保しようとしている。これは大合理化・リストラ攻撃と鉄道輸出戦略が一体であることを示している。
安倍政権は極右で超反動だが、本質的にはきわめて危機的で脆弱だ。「アベノミクス」なるものは「3本の矢」と言うが、第1の「異次元緩和」は現在、極端な円安とバブル的な株価上昇として進行しており、早晩破裂することは火を見るよりも明らかだ。第2の「機動的な財政政策」「財政と福祉の一体的改革」も、世界最悪の1107兆円(13年度末)という国の借金を抱えて絶望的である。ここから第3の「成長戦略」の成否が安倍政権の命運を決めると位置づけられている。だがその内容が民営化・外注化、鉄道輸出、そして解雇自由化を柱にしていることは、JR東海会長・葛西が安倍政権と密着し「政治顧問」と化している現実とともに重大であり、国鉄決戦の戦略的位置を鮮明にするものだ。
いま動労千葉と革共同を先頭とした11月集会派は、国鉄決戦を基軸にして国鉄決戦と反原発決戦を一体的に闘う総路線のもとで闘っている。そして今や日帝・安倍政権の原発政策、鉄道戦略と真っ向から対峙・対決し、敵の攻撃をその核心部分で粉砕・打倒する展望をしっかり握りしめつつある。まさに大恐慌を国鉄決戦(反原発決戦)の爆発で世界革命に転化する闘いが、現実の階級関係を揺るがすものとして発展しつつあるのである。
(6) 安倍の改憲・戦争国家化攻撃との闘いの死活性
大恐慌は日・米・欧の超金融緩和政策の絶望的展開によって、世界経済の大崩壊に向けて突き進んでいる。その上で大恐慌は大合理化・大失業と戦争を生み出し、さらには革命を生み出す。
ここで特に「大恐慌が戦争を生み出す」という点の分析が、安倍と日帝ブルジョアジーの改憲攻撃の激化という情勢の中で今やきわめて重要になっている。
大恐慌は一方では大合理化・大失業を生み出すことにより、国内階級闘争を極限的に激化させる。ここでの対決は非和解的で、階級情勢は大激動する。労働者階級の怒りは必ず革命に向かって不可避的に高まっていき、支配階級は革命への恐怖のもとで排外主義・愛国主義を必死にあおる。支配階級による戦争・改憲の衝動はここからも激化する。
しかし同時に他方では、大恐慌下の収縮する内外市場をめぐる帝国主義間・大国間の争奪戦・分割戦・争闘戦は、市場を丸ごと制圧して勢力圏化していくような動きを強めており、それは必ず現地の労働者人民の革命的反乱を生み出す。これに対し帝国主義は、今日の輸出戦略や市場争奪戦が軍事を含む争闘戦となり、革命的反乱を鎮圧する反革命的戦争体制の強化を不可避とすることをよく自覚している。そして帝国主義同士・大国同士の激突は、軍事力による恫喝から、火を噴く戦争そのものをはらむ情勢となっていく。
すなわち、@大恐慌下の大失業・大合理化をめぐる国内階級決戦は内乱と革命へと発展していく攻防であり、A帝国主義国家の存亡にかかわる市場や資源の分割戦・争奪戦が、軍事力の現実的行使なしには不可能になっていき、Bここから今や戦争国家化攻撃が帝国主義として、日帝として、存亡のかかったテーマになってきているということだ。
今日、大恐慌下で、現実に米帝の没落と世界支配の崩壊が進み、特に東アジアをめぐる米・日帝国主義や中国スターリン主義の争闘戦が決定的に激化している。この情勢のもとで安倍政権は、敗戦帝国主義としての日帝の「戦後的無準備性」を突破し、大軍拡を行い、第9条を始め現憲法を破棄し(または事実上破棄して)、集団的自衛権の行使や、基本的人権・労働基本権の解体を現実の政治的日程にのせたいという衝動に突き動かされている。秘密保護法の強行、共謀罪制定の策動や、武器輸出3原則の解体、対中国戦略を軸とした新ガイドラインの締結、辺野古新基地建設強行への動きなどは、完全にそうした戦争・改憲攻撃そのものだ。
今や日帝の戦争国家化を狙う公然たる改憲攻撃が、百パーセント階級闘争のテーマとして登場するに至った。11・3労働者集会で発せられた闘う3労組の改憲阻止声明は、歴史的に決定的な意義をもっている。このことを断固として確認し闘う時である。
第一に、国鉄決戦・反原発決戦の爆発をかちとり、今こそ職場生産点に階級的労働運動の不抜の拠点をつくる闘いを強力に推進して、革命の勝利を切り開こう。
第二に、国鉄決戦と階級的労働運動の拠点建設の前進を踏まえ、労働者階級にとって最大の階級的死活のかかった課題である改憲阻止闘争を強力に展開していこう。また労働組合を基軸に、あらゆる形態で労働者階級の怒りを組織し、改憲阻止闘争を断固として闘い抜くことを通して、さらに階級的労働運動の強化・発展をかちとろう。
第三に、「労働者に国境はない」「万国の労働者、団結せよ」のスローガンのもと、排外主義を粉砕し、帝国主義・新自由主義の戦争・改憲攻撃と断固として闘い抜こう。
戦争は資本の利害と延命のために、労働者同士の殺し合いを国家・民族の名において強制するものであり、世界単一の階級としての労働者階級に対する、資本の側からの凶暴極まる最大の階級決戦攻撃だ。このことを明確にし、戦争に反対して闘うことは労働者階級にとって「特別の階級的任務」だということを確認して前進しよう。
V 国鉄最高裁決戦に断固勝利し闘う労働組合拠点をつくろう
(1) 階級的労働運動と国際連帯の発展で世界革命を開け
大恐慌と新自由主義・帝国主義の崩壊の危機は、残存スターリン主義の危機の爆発とともに、全世界的な革命情勢を一挙に成熟させている。21世紀のプロレタリア世界革命への道は、すでにはっきりと切り開かれている。
2011年のエジプト革命に始まる中東・北アフリカでの大激動、欧州でわき起こるゼネストの嵐、アメリカ社会を崩壊の淵にたたき込んでいる階級対立の絶対的・非和解的な進展は、その焦点だ。これらと並んで、今日の世界革命情勢の一大発火点に浮上しているのが、日本・朝鮮・中国を最焦点とする東アジアの激動である。
東アジアは、現代世界の矛盾が集中し、大恐慌下の帝国主義間・大国間の争闘戦が最も激しく闘われ、新たな侵略戦争・世界戦争の火種が爆発寸前となっている地域である。日帝・安倍政権による秘密保護法を引き金とした改憲・戦争国家化への凶暴な突進と、チャンソンテクの失脚・処刑に表れた北朝鮮スターリン主義の国家中枢における重大危機の爆発は、韓国パククネ政権の崩壊的危機、中国スターリン主義足下の労働者人民の総反乱の噴出とあいまって、この地域を今や極度の軍事的緊張のただ中に引きずり込みつつある。
だがそれは同時に、日本と朝鮮半島全域、さらに中国大陸をも巻き込む巨大な革命情勢の決定的な成熟を意味するのだ。第2次大戦直後の戦後革命期をもはるかに上回る規模と内容で、東アジアが新たな世界革命への突破口を開く時代がまさに今、訪れようとしているのだ。
2014年こそ、この革命情勢の成熟を、現実の革命に目的意識的に転化していく第一年だ。その鍵は、階級的労働運動と国際連帯闘争の大発展にある。闘う労働組合の拠点建設と職場細胞の建設を一体的にかちとり、国鉄決戦を基軸に〈国鉄・反原発・改憲阻止・星野奪還>の4大決戦の爆発で日帝・安倍打倒を実現していくという路線は、日本の労働者階級が革命に向かって一直線に攻め上っていく路線である。そして2013年の闘いが切り開いた日韓労働者の共同闘争を軸とする国際連帯の新たな発展は、労働者階級の国境を越えた団結の力によって戦争を実力阻止するとともに、戦争の危機を逆に各国における内乱とその結合=プロレタリア世界革命に転化していくものとなる。
かつて、レーニンとボルシェビキ党は、1912年のプラハ協議会において、迫りくる戦争(第1次大戦)と全面対決し、この戦争を内乱=革命に転化するため、労働組合の強力な拠点建設・細胞建設への着手と機関紙・プラウダの拡大、非合法・非公然体制の圧倒的強化という労働者党建設の実践方針を打ち立てた。このことが1917年ロシア革命の勝利をかちとる決定的な土台となったのである。
革共同は、50年の歴史のすべてをかけて、このロシア革命勝利に続く道を驀進(ばくしん)する。現代革命への挑戦と、その戦略的準備にこの2014年、党の総力を挙げて突き進むことを宣言する。
(2) 新10万署名=最高裁決戦で解雇撤回・JR復帰を!
2014年決戦の成否は何よりも、1〜3月の決戦にかかっている。とりわけこの過程で、国鉄決戦が真に偉大な階級決戦として革命的に爆発し、階級的労働運動全体の圧倒的前進を引き出していくことが決定的である。
国鉄分割・民営化こそ、現在の労働者階級を塗炭の苦しみに追い込んでいるすべての攻撃の原形であり、これとの闘いはすべての労働者の生きる権利をかけた闘いである。9・25判決は、この国鉄分割・民営化が実は新自由主義の最大の破綻点であり、闘えばすべてが崩壊するものでしかないことを、決定的に突き出すものとなった。
2014年の最高裁決戦こそ、動労千葉を先頭に1047名解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃の国鉄決戦を日本帝国主義の最中枢にたたきつけ、労働者階級の怒りと団結の力で新自由主義の階級支配の根幹を揺さぶり、打ち砕き、プロレタリア革命の現実性を具体的につかみとっていく闘いだ。
最高裁への新10万筆署名は、労働運動・労働組合の政治地図、連合・体制内の力関係を塗り替える闘いとなる。それは国鉄1047名闘争の100万支援陣形(労組・単組)の再獲得の闘いである。署名闘争を通して新たな団結をつくり、闘う労働組合をつくり出すのである。同時に今こそ連合を打倒し、4大産別を始めとする労働組合の権力獲得の闘いに突入していくのである。したがってそれは国鉄闘争全国運動の壮大な革命的発展の道である。
2014年の2・16国鉄集会を首都・北海道・九州の3カ所で闘いとる意義は、この意味で巨大である。国鉄分割・民営化から27年目にして、国鉄改革法と分割・民営化を根底から打ち砕く時が来たのだ。4・9政治和解による反動はすでに完全に突破された。JR北海道の安全崩壊の現実は、JR体制全体の瓦解(がかい)であり、分割・民営化への全労働者の怒りをあらためてかき立てている。この北海道問題と並んで、分割・民営化の矛盾の集中点であるJR貨物での攻防が、まさに超低額賃金をめぐって爆発し、JR体制とますます激突していく。この一切を2・16集会に集約し、大闘争へと発展させていく時だ。
国労組合員資格確認訴訟は、1047名闘争の決定的な一環をなす闘いである。それは「労働組合から解雇者を排除する」攻撃と闘う韓国労働者の闘いと一体であり、労働組合絶滅攻撃との最先端の闘いだ。昨年12月4日の法廷では、前国労本部書記長の濱中が証人尋問で「解雇は不当ではない」との認識に転換したと証言し、国労本部が解雇撤回闘争圧殺の先兵に転じたことを自己暴露した。怒りを込めて国労本部打倒へ突き進もう。
国労郡山工場支部の闘いは、動労水戸の闘いとともに、労働組合の枠を越え、被曝労働拒否・外注化阻止の闘いとして、国鉄労働運動全体の戦闘的拠点としてさらに打ち立てられようとしている。2・16国鉄集会に続き、常磐線の竜田延伸阻止を闘う動労水戸を先頭に、2・23いわき集会をかちとり、3・11郡山集会に攻め上ろう。
4・1新津車両製作所の分社化攻撃との闘いは、日帝・新自由主義の成長・輸出戦略の要である鉄道パッケージ輸出との製造拠点における激突である。JR東日本の「経営構想X」の柱を打ち砕く闘いに立ち上がろう。
青年労働者の獲得へ
動労千葉の闘いは、反合・運転保安闘争路線のもと、組織拡大決戦を歴史的闘いに押し上げている。特に鉄建公団訴訟と一体の強制出向無効確認訴訟は、外注化による強制出向の不正義を徹底的に暴き、組織破壊攻撃を打ち破る闘いとなっている。またCTS労働者の組織化による合同労組との結合を強化している。組織拡大の最大の攻防は平成採・青年労働者の獲得である。その焦点は、ライフサイクル(運転士の強制配転攻撃)との対決である。
ライフサイクルは、JR資本が青年労働者を支配する要である。青年労働者を分断・選別し、会社への奴隷的な忠誠を強制し、ごく一部の正規職を除き大多数を非正規職に追いやる攻撃である。この理不尽な攻撃は外注化攻撃と同様に、JR総連カクマルが積極的な先兵となって初めて成り立つ。このライフサイクルを始め、JRで拡大する強制出向・配転と非正規職化が何をもたらしているか。不規則で長時間の労働、ひどい労働環境、パワハラの横行で職場の安全は崩壊させられ、過労死、過労自殺、労災事故などで労働者が次つぎと殺される凄惨(せいさん)な状況である。しかも資本はこれらをことごとく闇に葬ろうとしている。御用化した労働組合は声も上げない。
これがJRの現実である。同時に全職場の労働者の実態であり、現在の社会の姿である。動労千葉はこの現実と真っ向から向き合い、今やその反合・運転保安闘争の深化をもって、長時間労働、過労死、労災問題という労働者の生命と生存の根源をかけた闘いに踏み込んでいる。それは、「一人の労働者を守るかどうか」という絶対反対の攻防を原点にして、労働者階級全体が階級的誇りを取り戻し、階級的団結をつくり出していく闘いである。労働組合の絶対反対の力、団結の力で踏み込めば、合理化攻撃は逆に資本の最大の破綻点に転化するのだ。この「一人を守る」闘いに始まる攻防は、資本との職場支配権をめぐる闘い、労働組合権力をめぐる闘いに必ず発展する。
2014年の国鉄決戦を、反合・運転保安闘争路線を全面的に実践し、組織拡大に勝利する決戦として貫こう。
(3) 非正規化・長時間労働・ 過労死を許さない14春闘へ
2014年において決定的なのは、国鉄決戦を基軸に公務員決戦・4大産別決戦の大発展をかちとり、非正規職撤廃闘争の本格的爆発を切り開くことである。さらに合同一般労組運動を今一つの軸にして、青年労働者を先頭に14春闘に総決起することである。
大恐慌と新自由主義の崩壊は、各国の財政危機を爆発させ、その犠牲の転嫁として公務員労働者をめぐる一大決戦を全世界的に焦点化している。日本においてはさらに、秘密保護法の攻防を出発点とする改憲阻止決戦への歴史的突入が、公務員・4大産別決戦をますます激化させている。この決戦は、プロレタリア革命に直結する闘いであり、ここに4大産別の死闘の核心がある。どんな困難があろうが一歩も退くことなく闘い、プロレタリア権力そのものとしてある4大産別の労組権力の獲得、拠点建設へ、渾身(こんしん)の飛躍をかちとらなければならない。
全逓産別における神奈川弾圧は、そこに革命の恐怖を感じた日帝権力・資本の弾圧である。この弾圧を粉砕する中から、労組権力・拠点建設への闘いが全面的に始まっている。全逓戦線こそ動労千葉労働運動を自らの職場で具体的方針をもって実践していこう。
自治体では、公務員大決戦を本格的に爆発させよう。それは、大阪の橋下反革命と東京・足立区を先端とする自治体業務の丸ごと民営化、総非正規職化攻撃の全面的開始との激突である。「公務員賃金の総合的見直し」攻撃・定数削減攻撃、戦略特区攻撃との対決を、体制内幹部の制動を打ち破って闘い、労組権力獲得へ向けて闘おう。
教労戦線は、「国家戦略特区」の公設民営学校の解禁、教育の民営化・公教育解体、教育委員会解体という新自由主義攻撃と全面的に対決しよう。今こそ安倍の改憲・戦争、「教育改革」攻撃と闘い、労組権力獲得・労組拠点建設へ驀進しよう。
日帝・安倍による医療のパッケージ輸出と医療産業化、TPP推進との医療・福祉戦線における対決は、新自由主義攻撃との最前線の闘いである。医療の民営化、安全破壊と対決し、日共スターリン主義・医労連を打倒して、労組権力をさらに打ち立てよう。
NTT、金属、民間交運など全産別での闘いを前進させよう。全国の職場に闘う労働組合を甦らせるため、全国労組交流センター運動の大発展をかちとろう。
合同労組の大発展を
日帝・安倍は、12・6の秘密保護法制定の翌日未明、国家戦略特区法を参院本会議で強行成立させた。特区内において全面的に企業減税を行い、同時に解雇の自由化へ向けた雇用規制の緩和、長時間労働を進めるホワイトカラー・エグゼンプションを強行しようとしている。さらに続いて、派遣労働の全職種への無制限拡大という労働者派遣法の大改悪を次期国会に提出しようとしている。改憲・戦争攻撃ときびすを接して、労働者階級への全面的な階級戦争を仕掛けてきたのだ。
これに対して、今日、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会を先頭とする合同一般労組全国協議会の闘いは、動労千葉労働運動を実践する中から非正規職撤廃闘争の新たな本格的発展を切り開き、同時に国鉄・4大産別と一体となった合同労組運動の巨大な可能性を切り開こうと決起している。特に港合同や関西生コン支部から地域的・産別的な組織化を学び、交流センターの新たな発展の運動形態を創造しながら、階級的労働運動の新たな可能性を切り開いてきた。この中から、新自由主義の極限的な攻撃である「過労死・長時間労働」「低賃金」と真っ向から労働組合として闘い抜く決定的実践が開始された。
この闘いは、青年労働者の「生か死か」の根底的叫びと要求に応えるものである。精神疾患、過労死に追い込む資本の専制支配と闘い、資本の責任を徹底的に追及することを通して職場の団結をかちとり、闘う労働組合をつくり出していくのである。この闘いを階級的労働運動の正面課題として、14春闘への一大決起をかちとろう。
(4) NAZEN結成を全国で
全原発廃炉への闘いは、2014年、いよいよ日帝・安倍政権との絶対非和解の大激突に突入する。
昨年12月の秘密保護法との国会攻防のさなか、経済産業省は新エネルギー計画に「原発は基盤となる重要なベース電源」と明記し、原発全面再稼働推進を宣言した。このことは、原発事故、原発再稼働、原発新設のすべてを国家の存亡にかかわる「特定秘密」にするということである。同時にすでに破綻しきった核燃料サイクルを「着実に推進」するとし、高速増殖炉もんじゅの推進も明記した。核武装のためのプルトニウム再処理を軍事機密として強行していくということである。
さらに、使用済み核燃料廃棄物の処理についても、危機的な状況が続く福島第一原発の現状や汚染水対策についても、日帝・安倍政権は何の解決もないまま原発推進・原発輸出にのめりこんでいる。そのために福島県民200万人への棄民政策、福島圧殺攻撃に拍車をかけているのだ。怒りと危機感は、天地に充満している。そこにもはやペテンによる懐柔や、妥協の余地など一切ない。
この情勢の中で重要なのは、闘う労働組合がその組織された力をもって、反原発闘争の中心に今こそ登場していくことだ。その中でとりわけ原発労働者の決起と団結をつくり出していくことだ。動労水戸と国労郡山工場支部の被曝労働拒否と常磐線竜田延伸阻止の闘いは、その決定的な推進力である。
今一つ決定的なのは、診療所建設の闘いをさらに大前進させることである。日帝による内部被曝の否定・隠蔽(いんぺい)を絶対に許さず、多発する子どもたちの甲状腺がんが示す被曝の現実と真っ向から向き合ってともに格闘するふくしま共同診療所の存在と闘いは、福島200万県民にとってかけがえのないものとなっている。日帝の反原発闘争圧殺、福島圧殺攻撃をはね返していく最先端の闘いとして、診療所建設をさらに推進しよう。
こうした大攻防の中で、NAZENを全国で猛然と結成することはますます重要だ。@全原発廃炉・再稼働阻止A被曝労働拒否B診療所建設C保養・避難運動D国際連帯というNAZENの掲げる五つの課題を全人民の共同綱領として闘おう。2・23いわき闘争に続き、3・11福島現地闘争(郡山集会)を労働運動・労働組合を基軸に圧倒的にぶち抜き、2014年を反原発闘争の壮大な爆発の年にしていこう。
(5) 改憲阻止の3労組声明を 全労組・全戦線に広げよう
改憲・秘密保護法・戦争国家化を粉砕し、日帝・安倍を労働組合の力で打倒しよう。2014年を改憲阻止決戦の本格的、全面的な始まりの年としなければならない。
11・3労働者集会で打ち出された関西生コン・港合同・動労千葉の3労組による「憲法改悪反対労組声明」は、新自由主義と絶対非和解の闘いを展開してきた3労組が、戦争・改憲阻止の大闘争に自ら先陣を切って立ち上がることを決意し、全国の労働組合にともに決起することを呼びかけた歴史的な声明だ。この3労組声明への賛同を全力で組織し、それを出発点に、階級的労働運動の前進と一体で発展する改憲阻止の巨大な運動をつくり出そう。
強行された特定秘密保護法は、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法と完全に一体のおそるべき戦争法である。集団的自衛権行使を「地球の裏側まで」遂行していく9条改憲攻撃、戦争国家化攻撃の一環である。
その核心は「秘密の保護」にあるのではない。戦争遂行と治安弾圧を行う内閣官房、防衛省、外務省、警察庁、公安調査庁などの国家暴力装置に集中する膨大な「特定秘密」(現在すでに約42万件ある)を恣意(しい)的に無限に拡大し、その「保護」を口実に社会の隅々にまで監視網=治安弾圧網を張りめぐらせることにある。何よりも公務員労働者・4大産別労働者に「適性評価」とその回答を強制し、「共謀」「教唆」「扇動」での処罰の脅しをかける。これをすべての労働者、労働組合に拡大するのだ。すでに自衛隊員の内部告発を処罰する攻撃として始まっている。まさに現代の治安維持法であり、労働組合弾圧法である。
帝国主義の行う戦争とは、労働者に他国の労働者を殺させるという、階級戦争の極致というべきものだ。日帝・安倍はこの戦争を本気でやるために、まず国内の労働者階級の抵抗、反乱を圧殺しつくす階級戦争=「国内戦争」を開始したのだ。その背後には、世界市場の再分割と世界経済のブロック化へ向けた争闘戦の激烈化と、そこでの日帝の「立ち遅れ」に対する日帝ブルジョアジーの激しい危機感と焦りがある。日帝は、国会での巨大与党の「数の力」を唯一の武器に、極右勢力の頭目である安倍が政権の座にあるうちに、改憲と戦争国家化への反革命的大転換をすべて強行してしまおうと決断した。そして死活をかけた攻撃に一気に乗り出したということだ。
だが、このきわめて強権的で暴力的な戦争・改憲攻撃への突進は、大恐慌と「3・11」情勢下ですでに労働者人民の中に深く燃え広がっていた日帝支配階級への怒りのマグマを最終的に解き放った。秘密保護法との闘いは完全に永続化した。この渦中で「猪瀬問題」として爆発したブルジョア政治家どもの金権腐敗は、人民の怒りの火に油を注いでいる。日帝・安倍はどんな卑劣な手段を使おうと、もはやこの火を消すことなどけっしてできない。
この闘いはしたがって、安倍打倒はもとより日帝打倒までやむことのない階級的大激突の始まりである。改憲攻撃との闘いは、最後は「どの階級が政治権力を握るのか」という革命の問題に必ず行きつく。戦争・改憲攻撃との対決の中でこそ、プロレタリア革命情勢は一挙に成熟する。階級的労働運動の前進、闘う労働組合拠点の建設と党建設は、この点からも全階級情勢の帰趨を決する死活の課題となっている。
3労組声明を全国の労働組合・労働運動の中に持ち込み、屈服と変質を深める体制内指導部との非妥協的な党派闘争を貫いて、改憲阻止決戦を絶対非和解で闘う労働者階級の大隊列を登場させよう。反原発、沖縄、三里塚を始めとするあらゆる闘いをそこに結合し、「1%」の支配を実力で打倒する99%の総反乱を今こそつくり出して闘おう。国際連帯闘争の大発展をかちとり、戦争を実際に阻止する労働者階級の国境を越えた団結をつくり出そう。
辺野古新基地許すな
日帝・安倍は、秘密保護法、日本版NSC設置と一体になった戦争・改憲攻撃として、沖縄米軍普天間飛行場の辺野古移設を、むき出しの圧力で強行しようとしている。自民党沖縄県連の県内移設容認への「転向」は、体制内指導部による「オール沖縄」路線の破産を示すとともに、沖縄全島の新たな怒りを呼び起こした。労働者階級としての原点に立ち帰り、沖縄と全国の労働者の団結した闘いを組織することが一切の鍵である。
今年の5・15闘争を、新自由主義と闘う国際連帯を掲げた沖縄の労働運動と学生運動を日帝・安倍政権打倒の最前線に登場させる闘いとしてかちとろう。基地労働者の新たな決起をつくり出そう。
三里塚農地死守を!
三里塚闘争もまた、日帝・安倍政権との最先端の激突点だ。市東さんの農地を死守する決戦は、2013年の闘いを経て新たな段階に突入している。3・23三里塚全国集会を首都のど真ん中での圧倒的な大集会・デモとしてぶち抜き、3月26日から始まる東京高裁での控訴審闘争を、文字通り霞が関一帯を揺るがし高裁を包囲する大闘争としてやり抜こう。
戦争・改憲阻止の大決戦に突入した今こそ、反戦・反権力の砦として、47年にわたる不屈の実力闘争を貫いてきた三里塚闘争が光り輝く時である。またその闘いは、プロレタリア革命へと向かう労農同盟の決定的な中心軸を形成し、今日、日帝の農民切り捨てに怒りの決起を開始した全国の農民に進むべき道を指し示すものとなっている。全国農民会議の前進と一体で、三里塚闘争の大発展を切り開こう。
反軍闘争の戦略性
戦争・改憲攻撃は、「軍服を着た労働者」である兵士に最大の矛盾と犠牲を集中する。自衛隊兵士は日帝ブルジョアジーにとって使い捨ての存在でしかなく、彼らのおかれた現実は非正規職労働者の現実とまったく同じだ。自衛隊の海外派兵と侵略軍隊化が進む中で、隊内でのいじめ、暴行によって隊員を自死に追い込んだ海上自衛隊の護衛艦たちかぜ事件のように、兵士への恐るべき暴力支配が強まっている。これへの怒りは隊内に充満している。
反軍闘争は重大な段階に突入した。隊内から人間としての叫びを上げ決起する自衛隊兵士と家族の自己解放の闘いに肉薄し、彼らとの間に労働者階級としての強固な団結をつくり出そう。
杉並・泉佐野選挙へ
昨年の山本太郎選挙が示すように、ブルジョア議会の腐敗と翼賛化の進展に対し、労働者階級人民の怒りは、その怒りを真に体現して闘う政治勢力の登場を求めて渦巻いている。2014年5月には大阪で泉佐野市議選が、7月には東京・杉並で区議補選が行われる。この両選挙戦を突破口に、われわれは、選挙と議会というブルジョア的土俵をも、労働者階級の階級的力を拡大し発展させる戦場に断固として転化して闘い抜く。
とりわけ杉並補選は、都知事・猪瀬の金権腐敗とその打倒を通して暴露された、新自由主義の民営化と利権政治に全面対決していく闘いだ。都政を革新する会に結集する杉並区民とともに決起し、2014年決戦の一角を占めるにふさわしい勝利をもぎとろう。
100万の労働者人民と結びつくために、断固として決起しよう。
(6) 全証拠開示・星野奪還を
星野闘争は労働組合の拠点建設と地区党建設にとって正面課題であり、実際に最大の武器となる闘いである。闘う青年労働者は、70年安保・沖縄闘争を最先頭で闘った星野文昭同志に対する無期攻撃を、自らがおかれた非正規職の現実そのものとしてとらえ、星野同志の39年におよぶ不屈の獄中闘争に、新自由主義を打ち破る希望を見いだして決起している。外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは、獄壁を打ち破って星野同志を取り戻す闘いと完全に一体だ。今年こそ星野同志奪還へ、決定的な巨歩を進める年としよう。
そのためには全証拠開示運動の全労働者、全人民への拡大を切り開くことだ。全証拠開示運動は、今日の秘密保護法・改憲攻撃と激突し、国鉄最高裁決戦とも一体の、2014年階級決戦の決定的な実践的課題であることを強烈に確認して前進しよう。『愛と革命』の販売運動をさらに広く推し進め、星野闘争への100万人決起をつくり出そう。
(7) 全学生に責任とる全学連の飛躍的強化かちとろう
全国学生は3・11郡山現地闘争の先頭に立って闘おう。その主戦場は福島大学だ。原発事故と内部被曝による健康被害の事実を隠蔽し、人殺しに加担する、清水修二(福島県民健康管理調査検討委員会)を始めとするすべての御用学者を福島大から追放し、学内での反原発闘争の圧殺に血道をあげる福島大当局を打倒しよう。それは「改憲阻止・安倍打倒」の闘いそのものだ。
3・11大結集運動と一体で、新自由主義大学のもとでのあらゆる団結破壊・権利剥奪と闘い、学生自治会建設運動を前進させよう。京大・東北大・広大における自治会強化を進め、法大・沖縄大・福島大における自治会建設に挑戦しよう。東大と首都圏大学を軸に、300万学生総体をとらえる自治会建設へと飛躍しよう。
法大闘争、反原発、学生自治会建設を主要な三つの契機として全学連運動は前進してきた。その内容は、@帝国主義の政治反動に最先頭で闘う、A絶対反対の実力闘争を貫く、B全学生に責任をとる権力となる、C労学連帯・地域共闘を進める、D国際連帯で闘う、ということだ。階級闘争を揺るがすゼネスト−全学ストライキを打ち抜く自治会運動を実現しよう。
9年目に突入する法大闘争は、不当処分撤回運動と文化連盟の組織拡大を中心にして4月全国結集闘争を爆発させる。全国キャンパスにおける4月新歓闘争の成功から、沖縄大学学生自治会建設をかけた5月沖縄現地闘争へと突き進もう。さらに、「沖縄−福島−三里塚」を闘う全学連運動の深化をかけて、三里塚現地行動隊を拡大・強化し、市東さんの農地死守へ闘おう。
法大暴処法裁判控訴審において、東京地裁での「完全無罪」の勝利を死守し、井上裁判長による反動判決策動を粉砕しよう。武田君への「無期停学」処分撤回裁判に勝利しよう。
ブルジョア・イデオロギーやスターリン主義をのりこえ、「反帝国主義・反スターリン主義世界革命」の綱領と路線で武装した強固な革命家集団(マルクス主義学生同盟中核派)とその指導部を、機関紙『前進』を武器にして全国大学に大量につくり出そう。「革共同50年史」発刊を跳躍台にして、プロレタリア革命の鮮烈な拠点として学生運動の爆発をかちとろう。
W 拠点建設、『前進』1万読者網、非合法・非公然体制の建設へ
大恐慌は大失業・戦争を生み出し、革命を生み出す。この情勢認識・時代認識は、第1次世界大戦とロシア革命以来の何度目かの革命情勢が、いま全世界的に成熟していることと一対をなすものである。われわれはこれと何をもって闘うのか。言うまでもなく国鉄決戦を基軸に、闘う労働組合の復権と階級的労働運動の発展をもって闘う。勝負する。2013年の大きな前進の上で、さらにこの14年の核心的な組織的課題・任務は何か。
プロレタリア世界革命の決定的な水路である労働者国際連帯の、13年における画期的な発展ということを圧倒的に確認し前提とした上で、特に以下の三つの点を訴えたい。
組織拡大・拠点建設こそ革命勝利の鍵だ
第一は、労働組合・労働運動における拠点建設と組織拡大である。組合権力への挑戦である。マルクス主義の核心はプロレタリア自己解放だ。労働者階級自身が闘って自らを解放するということだ。その具体的な道筋が労働組合であり、労働運動である。
ロシア革命の最後の最大の教訓の書である『共産主義における左翼空論主義』で、レーニンは次のように言う。「労働組合を通じる以外に、労働組合と労働者階級の党との相互作用を通じる以外に、世界のどこにも、プロレタリアートの発達は起こらなかったし、起こることもできなかった」「労働組合は、プロレタリアがその独裁権力を実現するために不可欠な『共産主義の学校』であり、予備校である」と。革共同は1991年の5月テーゼ以来、決定的には2006年の「党の革命」以来、血のにじむような悪戦苦闘を通して、このレーニンとマルクス主義の階級的労働運動の立場を、具体的には動労千葉労働運動として職場生産点で必死に実践し、巨大な前進をかちとってきた。
この闘いは、路線的・組織的には、労働運動を組織できる党への飛躍をかけ、「党と労働組合の一体的建設」の闘いとして、目的意識性をもって必死に追求され実践されてきた。この中で同時に、中央委員会と細胞建設、中央労働者組織委員会と産別委員会建設の闘いの前進をも切り開き、またこれら一切を地区党建設に集約し、徹底的に地区党を軸に闘うあり方が、大きく前進してきた。実際に労働者指導部、青年指導部が先頭に立ち、職場で拠点建設のために激しく闘ってきたこの間の地平は、実にすごいものがある。それは13年末のマル青労同第10回大会の画期的成功の中に、感動的に示されている。
情勢は革共同にさらに飛躍的な前進を求めている。レーニンも「日和見主義・社会排外主義の度し難い指導部」と徹底的に闘った。今日、連合、全労連、全労協の体制内指導部は、解雇撤回を投げ捨て、賃上げストも闘わず、秘密保護法反対の声明ひとつ出せない。権力・資本の手先と化して労働者を抑圧する、この体制内指導部の「信用を完全に失墜させ、労働組合運動のなかから追い出す」まで闘わなければ、労働者は資本に勝利できない。秘密保護法や改憲・戦争とも闘えない。国鉄をはじめ4大産別を先頭に、全国に数十の規模で動労千葉や動労水戸のような組合拠点を建設すれば、階級情勢は一変する。われわれはこの飛躍を必ず実現する。
いま死活的な課題は、労働組合の拠点建設と組織拡大だ。そのためにこそ、@国鉄新10万筆署名と動労千葉物販・国労原告団物販を武器に、職場に真っ向から国鉄闘争を持ち込み、A反合・運転保安闘争路線と絶対反対論で民営化・外注化阻止、非正規職撤廃、過労死・長時間労働粉砕を闘い、Bさらに『前進』を大胆に活用して労組活動家集団と職場細胞を建設しよう。
1万人読者網の建設に全力で取り組もう
第二は、1万人『前進』読者網の建設である。『前進』はマルクス主義・共産主義の新聞であると同時に労働者階級の新聞だ。プロレタリア革命はブルジョア革命と比べて格段に目的意識的・組織的な闘いである。全国的政治新聞としての革命党の機関紙による、革命のイデオロギー、全面的政治暴露、闘いの報道、時代認識、路線、方針の提起と、その機関紙の発行・配布・読了・活用を軸に形成される膨大な読者網、協力者網、受任者網なしには、「全人民の武装蜂起」の準備と組織化にまで至る闘いは考えられない。
一昨年の第1回の会議以降、すでに3度の全国機関紙担当者会議が開催され、全国で機関紙拡大の機運は満ち満ちている。各地方委員会・県委員会・地区委員会でも担当者会議が開催され、労働者同志が先頭に立った闘いが始まっている。時代認識と路線での一致が機関紙拡大の実践での一致にまで高められ、職場と地域で『前進』をストレートに提起する決起が起こっている。11・3労働者集会の組織化の先頭に立ったある青年労働者は、「職場で『前進』を広げることが怖くなくなった。『前進』を使うことで職場と社会全体の問題を結びつけて議論することができる」と、確信をもって語っている。
「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の闘いの唯一無二の武器こそ『前進』である。国鉄決戦の勝利を基軸に職場細胞をつくり、労組拠点建設に勝利し、「党と労働組合の一体的建設」をかちとっていく環こそ、1万人読者網の建設だ。すでに開始されている闘いを、この1年、さらに大胆に精力的に強化し闘うことが重要である。
@機関紙担当者会議をさらに目的意識的にかちとり、地区党と細胞で機関紙活動を白熱的に論議しよう。A「月曜配布体制」を目的意識的に闘いとろう。『前進』を受け取ってすぐ読み、配ることを党活動の土台に据えよう。B宣伝紙を圧倒的に活用しよう。職場や組合の全員に宣伝紙を配布する闘いが始まり、先進的な地方委員会では毎月1千部の宣伝紙を活用する闘いに挑戦している。特に11月集会報道号や訪韓闘争特集号などは圧倒的に活用され配布された。全党員が常に数部の『前進』を持ち歩き大胆に活用しよう。Cさらに『前進』を定期購読にするために、踏み込んでオルグしよう。革命党の機関紙拡大は自然発生的にはいかない。読者会、学習会をねばり強く設定しよう。D最後に、地区党と細胞が時代認識と路線で一致し、団結して闘うことが1万人読者網建設の基礎であることを確認したい。
1万人読者網の建設は、職場と労働組合のすべての労働者を対象としながらも、より直接的には意識的な活動家層全員を『前進』読者に組織する闘いだ。そうしてこそ労働組合の拠点建設は可能となる。そのためにも今ある『前進』を労働者新聞として、さらに徹底的に改革し強化することだ。青年を先頭に労働者同志が機関紙改革の先頭に立ち、階級性にあふれた投稿、記事と論文・アピールを、積極的に書いて編集局に寄せよう。
1万人読者網の建設に勝利することは、大恐慌下の階級闘争を爆発的に前進させる。それと同時に党の財政活動も飛躍的に発展する。機関紙活動こそ党の土台であり生命線だ。革命情勢が成熟し急速に接近している。党と労働組合の闘いを一体的に体現する『前進』が、いよいよ光り輝く時代が来た。地区党と細胞が団結して決起しよう。
大恐慌下で非合法・非公然体制は死活的
第三は、非合法・非公然の党の死活的建設である。レーニンがボルシェビキ党に厳格な中央集権と規律を求めたのは、ツァーリ専制の抑圧との闘いという特殊条件からではなく、そこに帝国主義権力打倒とプロレタリア革命勝利への闘いの本質があるからだ。
大恐慌が生み出す大失業と戦争、そのもとでの革命情勢の接近は、非合法・非公然体制の圧倒的強化を待ったなしに求める。これまでも労働者同志を始め膨大な同志が非合法・非公然体制の確立のために決起してきた。そして権力やカクマルと闘い、デッチあげ弾圧をも粉砕してきた。この歴史と経験を全面的に継承し、今こそプロレタリア革命への激しい意志と情熱をたぎらせ、非合法・非公然体制の建設へ総決起する時である。
革共同が昨年、内閣情報調査室(内調)と公安調査庁(公調)が送り込んだ希代の反革命スパイ分子・荒川を摘発・打倒した闘いは革命的共産主義運動50年の歴史でも最高の勝利だった。革共同は日帝権力中枢によるこのような攻撃によっても解体されなかったばかりか、それを摘発・粉砕して、逆に革共同自身の存在の大きさと「革命の現実性」への確信を新たにし、プロレタリア革命勝利へさらに決起している。この戦略的スパイ分子をあぶり出し打倒した力こそ、非合法・非公然体制を核心として建設されてきた党の歴史的蓄積と地区党の前進であった。 非合法・非公然体制建設の最初の実践であり、同時に最大の土台となるものこそ、労働者細胞建設であり、労組拠点建設である。そして階級的労働運動がプロレタリア革命へと向かう基礎を形成する。労働者階級と労働者同志を先頭とした全党・全人民の総決起で、秘密保護法を強行し改憲・戦争へ絶望的に突き進む安倍政権・日帝権力中枢と徹底対決し、非合法・非公然党の本格的建設を全力で推し進めよう。
『革共同50年史』刊行は大躍進の武器だ!
革共同50年史は、60年安保闘争、70年安保・沖縄決戦、70年代対カクマル戦争、80年代三里塚・国鉄決戦、そして1991年5月テーゼ以来の階級的労働運動への歴史的挑戦という、激しくも熱い闘いの歴史である。日本労働者階級と革命的共産主義運動が、スターリン主義や社会民主主義と徹底対決し、日帝ブルジョアジー・権力中枢と激突して闘ってきた血と汗の足跡であり、飛躍につぐ飛躍の階級ドラマである。とりわけ先行して発行された上巻は、5月テーゼ反対派、血債主義派を打倒して階級的労働運動路線に全面突入した「党の革命」の地平と、日帝権力の戦略的スパイ・荒川を摘発・打倒した歴史的で画期的な勝利の全面的な総括の上に立ち、世界革命への大挑戦を宣言した実践の書だ。
ここから労働者階級と革共同の、新たな闘いの歴史が確実に始まる。『現代革命への挑戦』上巻を武器として猛然と活用し、世界革命への本格的闘いに打って出よう。
最後に、2014年こそ、全証拠開示と星野同志奪還の年とすることを誓い合おう。長期指名手配と不屈に闘う同志を守り抜こう。獄中の福嶋昌男同志と固く連帯し闘おう。迎賓館・横田爆取弾圧裁判をはじめデッチあげ弾圧粉砕の闘いに絶対に勝利しよう。
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