ZENSHIN 2013/11/18(No2609 p06)
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週刊『前進』(2609号1面1)(2013/11/18 )
民主労総 パククネ打倒へ5万人
11・10ソウル 民営化・労組破壊に実力デモ
“労働者はひとつ” 動労千葉訪韓団が大合流
(写真 ソウル市庁前広場を埋め尽くす民主労総の労働者。80万組合員の総力闘争で民主労総を守ると決議【11月10日】)
(写真 動労千葉を先頭に実力デモに決起する訪韓団【10日午後 ソウル】)
(写真 サムスン電子本社前で金属労組が「サムスン糾弾!烈士精神継承大会」を開き2千人が結集した。サムスン社旗を燃やし抗議【10日午前】)
民主労総は11月9、10日、2013年全国労働者大会をかちとり、パククネ政権の労組破壊=民主労総解体攻撃に対し、80万組合員の総力で法の枠を突き破ってでも民主労総の原点をよみがえらせて闘うことを宣言した。韓国労働者階級は、民営化・外注化、労組解体の新自由主義攻撃に「労働者はひとつだ。非正規職を撤廃しよう。労働弾圧を粉砕しよう!」と、正規・非正規などのあらゆる分断を打ち破る巨大な一歩を踏み出した。11・3労働者集会から1週間、国際連帯の実践と発展を求めて訪韓した動労千葉、動労水戸と全国の労働者・学生80人は9日夜、ヨイド公園で開かれた非正規職撤廃全国労働者大会への参加を皮切りに、10日午前にはサムスン電子本社に対する金属労組の抗議集会に駆けつけ、午後、ソウル市庁前広場に5万人が結集した全国労働者大会をともに闘った。大会後、ソウル都心を5万人の大デモで席巻し、パククネ政権を震え上がらせた。(関連記事6面)
烈士精神で総力闘争宣言
10日午後、ソウル市庁前広場で開かれた「民主主義破壊中断! 労働弾圧粉砕! チョンテイル烈士精神継承! 2013年全国労働者大会」には、5万人の労働者が大結集した。この10日前、サムスン電子サービス支会のチェジョンボム組合員が、サムスン資本の労組弾圧に抗議の遺書を残して自決した事態に対する怒りの大結集だ。大会は、財閥企業の労組弾圧、全教組と公務員労組、統合進歩党などに対する政府の公安弾圧を弾劾し、総力闘争を展開することを決議した。
「総力闘争で民主労総を守ろう。烈士精神を継承し労働弾圧を粉砕しよう!」とのかけ声とともに、民主労総傘下の労働組合の旗が会場中央に向かって入場した。色とりどりの労組旗が風にひるがえる。壮観だ。
司会のユギス民主労総事務総長が「43年前、チョンテイル烈士は勤労基準法を守れと叫びました。10月30日、サムスンの反労働者的犯罪経営によってチェジョンボムさんを失いました。数多くの烈士が私たちのもとから去っていきました。資本の鎖を断つ必要があります。黙祷(もくとう)」と号令を発した。
続いて「ニムのための行進曲」を大合唱し、参加者は烈士に思いをはせた。会場の最前列にはチェジョンボム烈士の遺影を掲げたサムスン電子サービス支会を始め金属労組が並んでいる。サムスン電子サービス支会天安(チョナン)分会の組合員チェジョンボムさん(33)は、ネットに「とてもつらい。私はチョンテイルさんのようにはできないとしても、役に立つことを願います」との遺言を残し、10月31日、遺体で発見されたのだ。
大会は、解雇者を組合から除外する規約への変更拒否を理由に労組認定を取り消したパククネ政権の全教組解体攻撃や、公務員労組への法外労組扱い継続、組合への不当捜索とサーバー押収に怒りが爆発した。
全教組忠北(チュンボク)支部清州(チョンジュ)工業高校分会長が怒りの発言に立った。「パククネ政権が先日、全教組を労働組合と認めないと発表しました。しかし組合員は少しも引いていません。むしろ以前脱退した組合員が再加入したり、新しい組合員も増えています。政府が問題視している9人の解雇者を切り捨てるのではなく、組合員全員がその荷を背負うことにしました。1989年創立当時の初心を取り戻して闘っていきます」と胸を張った。
シン委員長が渾身の訴え
パククネ政権は公約を破棄し、鉄道、ガス、電力を財閥に売り渡そうとしている。ストライキを構えて民営化阻止に立ち上がっている公共運輸連盟全国鉄道労組のキムミョンファン委員長が「11月28日にガス労組がストに突入します。12月にはKTXの分割・民営化を阻止するため鉄道労働者が鉄道を止めます。国民の財産・命・安全・未来を守るために私たちがゼネストの旗を高く掲げる時です」と宣言した。
さらに全国建設労組のクォンヒョクビョン江原(カンウォン)地域本部長が「非正規職と特殊雇用労働者が共存する建設現場は低賃金と劣悪な労働条件が蔓延(まんえん)している」として、「労組ではないとされた全教組、労組設立を認められない公務員労組、そして『労働者ではない』とされる特殊雇用労働者と非正規職労働者のすべてが労働基本権を獲得するための共闘を力強く進めよう」と呼びかけた。
黄色のポリスラインが会場全体に張りめぐらされ、パフォーマンスが始まった。「資本を守るための秩序と権利……この線をのりこえなければならない。労働者の力でやつらがつくったこの線をのりこえる!」
続いて、民主労総のシンスンチョル委員長が発言に立った。鬼気迫る発言に、大会の緊張感は頂点に達した。
「民主労総は労働者たちの血と汗でつくられた組織です。しかし政府は法律と秩序を掲げて労働組合を否定し、労働者を労働者と呼びません。今、民主労総の法的地位には何の意味もない!」と民主労総の労組設立申告書を破り捨て、「先輩労働者には申し訳ないが、民主労総はこれ以上法の枠の中に残ることを拒否します。その代わりに80万組合員の心の中に、1700万労働者の心の中に残ることを選びます。皆さんの心の中に眠っている怒り、闘争本能、意志を呼び起こしてください。これから民主労総は皆さんの鼓動とともに闘争します。資本がつくった差別の壁を破って、破壊された民主主義と、この地の労働者たちの希望のために闘おう。やつらによって押し付けられたこの線を労働者の意志で突破しよう! 労働者はひとつだ! 非正規職撤廃! 民主労総の総団結で労働弾圧を粉砕しよう」と渾身(こんしん)の訴えを行った。
目に涙を浮かべる組合員たち。パククネ打倒の決意を込めた「トゥジェン(闘争)!」の力強いかけ声がとどろいた。
職場で組織する力もとう
午後4時30分、デモが出発。乙支路(ウルチロ)を経て清渓川(チョンゲチョン)のチョンテイル橋を目指した。途中、規定のデモコースを突破し、片側全車線を埋め尽くす実力デモを敢行した。労組旗を押し立て駆けぬけるデモの大隊列と解放感に満ちた労働者の顔。動労千葉訪韓団も民主労総ソウル本部のリードでデモ行進を闘いぬいた。東大門(トンデムン)歴史文化公園の前の交差点で阻止線を張る警察部隊と対峙し、目的地のチョンテイル橋までのデモを貫徹した。
デモ後、訪韓団を前に動労千葉の田中康宏委員長が総括を提起した。「僕らの闘いの方向性は、絶対に間違っていなかったということを11月3日の集会で私は確信をしました。だからこういう国際連帯もできています。でもそれだけを確認していればいい時はもう終わりました。情勢は急速に動いています。というのは、敵の側が危機だから、足元が崩れ落ちているからです。だから今、方向の正しさとともに、組織する力を持つことが大事だと、ここ韓国に来ても痛感しました。われわれ自身がこれまでの延長線上のあり方を突破すれば必ず怒りの声と結びつきます。これができれば一気に情勢は動く」
ソウル本部のイジェウン本部長は「パククネ政権に反対する今日の労働者大会に一緒に参加してくれてありがとうございました。これからも心を合わせて力強い闘いをしていきたいと思います」とあいさつした。
新たなスタート切った日韓連帯
11日、動労千葉訪韓団は、韓国最長の争議となっている全国事務金融サービス労働組合ゴールデンブリッジ投資証券支部を訪問し、本社抗議集会に参加した。また公務員労組や全教組、公立の晋州(チンジュ)医療院閉鎖阻止を闘う全国保健医療労組などとの産別交流を行い、日韓連帯の新たなスタートを切った。
東京とソウルでともに11月を闘った韓国民主労総の同志たちとの国際連帯の力を自覚し、「線を越えて」前に進もう。
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週刊『前進』(2609号1面2)(2013/11/18 )
前進速報版から
▼裁判員制度廃止へ最高裁デモ▼民主労総がパククネ打倒へ5万人集会▼衆院でのNSC法案強行・秘密法案審議入り弾劾し国会行動
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週刊『前進』(2609号2面1)(2013/11/18 )
12・1星野全国集会に大結集しよう
12・1伊方原発再稼働阻止に立とう
国際連帯で国鉄新10万筆署名を
全逓労働者デッチあげ逮捕弾劾 詳報次号
11・3労働者集会は、日韓労働者を先頭にして新自由主義への怒りと、大恐慌下で大失業と戦争へ突き進む帝国主義に対する根底からの反撃の決意に燃えて、5600人が結集し大高揚・大成功をかちとった。この11・3集会は、11・4の国際連帯集会、さらには11・9〜11の動労千葉を先頭とした訪韓闘争と一体のものとして打ち抜かれ、2013年の闘いの前進を総括すると同時に、2014年の決戦を、新国鉄10万筆署名運動と最高裁闘争への総決起を軸に闘いぬく巨大な突破口を開いた。この11・3の地平をさらに徹底的に発展させ、11〜12月闘争に決起し、2014年の勝利へ力強く進撃しよう。
国鉄決戦が軸にすわった
11・3集会が切り開いた決定的な地平は、何よりも国鉄決戦と民営化阻止・非正規職撤廃の闘いが、新自由主義と対決する日本と全世界の闘う労働者の共同・共通の課題、闘いの武器、勝利への管制高地として圧倒的に位置づけられたことである。
国鉄決戦のこの1年間の前進の土台にあるものは、国鉄闘争をめぐる日帝権力とブルジョアジー、すべての体制内勢力との激しい攻防であった。もっと言えばそれは、分割・民営化との30年の闘いの苦闘と前進、さらには2010年の4・9政治和解の反革命から2011年3・11大震災−福島原発事故との対決以来のすべての闘いの土台をなしている。この勝利的前進こそ、11・3集会が国鉄決戦を軸に大勝利した基礎である。
国家的不当労働行為を認定した動労千葉鉄建公団訴訟の9・25東京高裁判決とJR北海道の安全崩壊問題の爆発の中に、今日の国鉄決戦の地平が最も端的に示されている。9・25判決とJR北海道問題は、分割・民営化以来のJR体制、国鉄改革法体制の矛盾と破綻を突き出し、同時に分割・民営化と新自由主義による日帝の労働者支配の危機と崩壊を鋭く示している。
9・25判決の地平は、これまで国労本部を始め誰も真正面から闘おうとしなかった国鉄改革法23条の壁に挑戦し、職場での徹底的な分割・民営化反対闘争と一体で裁判闘争をやりぬいて、東京高裁に「JRも法的責任を負う」ことを突きつけ、ついに03年12月の最高裁判決の前提を突き崩した。
またそのことをとおして最高裁判決の土台となった1998年5・28東京地裁判決に歴史的くさびを打ち込んだのだ。5・28判決で東京地裁は、JR採用差別事件に関し、「採用に関して不当労働行為があったとしても、その責任は国鉄が負うべきものであって、JRが負うべきものではない」「中労委命令は救済措置として命ずることができる限度を超えている違法がある」として、JRに「選考のやり直し」を命じた中労委命令を取り消した。これは歴史的な大反動だった。
だが9・25判決にまで上りつめた勝利的地平こそ、1998年5・28反動判決に対し「闘う労働組合をよみがえらせよう」と全国に呼びかけてともに闘いぬいてきた関西生コン支部、港合同、動労千葉の3労組共闘の営々たる闘いが切り開いた勝利であり、新自由主義と闘う全世界の労働者の共通の勝利だった。
9・25に向かって全国で10万筆署名が大きく取り組まれ、さらに今、最高裁決戦へ向け新たな国鉄10万筆署名運動が全産別・全職場、そして地域と街頭で、猛然と開始され懸命に闘いぬかれている。この原動力こそ、国鉄決戦でついにつかんだ分割・民営化の「26年目の真実」を高裁に突きつけもぎり取った9・25判決の決定的地平である。
非正規職撤廃闘争の意義
11・3集会の路線的核心である国鉄決戦は、現在、反合理化・運転保安闘争を基礎とした民営化・外注化阻止と非正規職撤廃闘争の前進として圧倒的に物質化され、文字どおり国鉄を最先端に全国の全産別・全職場で必死に闘いぬかれている。ここで重要なことは、大恐慌下の〈新自由主義の崩壊〉という時代認識である。この新自由主義の崩壊が、労働者階級をさらに極限的な状態に追い込み、膨大な非正規労働者を生みだしている。
しかもこの非正規労働者は労働者階級そのものであり、プロレタリア革命の主体である。帝国主義・新自由主義は、非正規労働者という自らの〈墓掘り人〉を膨大に生み出すことによってしか延命できない。
非正規職撤廃闘争論は、いかなる闘いの中で打ち立てられたのか。それは新自由主義の崩壊そのものとしてあった3・11大震災と原発事故に真正面から立ち向かい、被災地を最先頭に一歩も引かず、「生きぬくために闘おう。労働者の力で被災地を救援しよう。吹き荒れる震災解雇を許さず、今こそ新自由主義に断を下そう。労働組合はその先頭に立とう!」と全力で決起した2011年8・30「外注化阻止! 非正規職撤廃! JRの偽装請負を告発する大集会」(すみだ産業館)を突破口とした階級的激突の坩堝(るつぼ)の中で打ち立てられ、形成された。
3・11の大衝撃の前に「政治休戦」と称して1047名解雇撤回闘争の旗を見るも無惨に投げ捨てた4者・4団体の総屈服の対極で、国鉄闘争全国運動は新たな力強い前進を開始した。それは原発事故への階級的怒り、外注化・非正規職化への怒りと文字どおりひとつになって、非正規職撤廃闘争論をつくり出した。それはまた国鉄闘争をひとつの軸に翌年の3・11郡山開成山球場での反原発大集会を生み出し、今日さらに大きく前進している。一層高々と民営化・外注化阻止、非正規職撤廃、解雇撤回を掲げて、14年国鉄決戦勝利へ突き進もう。
闘う労組拠点建設へ全力
大恐慌、3・11情勢、新自由主義の崩壊に直撃され、帝国主義間・大国間争闘戦での敗北にのたうち回る日帝と安倍政権は、その絶望的突破をかけて、改憲と戦争、原発輸出と再稼働、福島圧殺、消費大増税、TPP(環太平洋経済連携協定)推進、そして「解雇自由」の首切り・大失業攻撃に、ますますのめり込もうとしている。とりわけ国会審議中の特定秘密保護法案と国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案は絶対に阻止しなければならない超悪法だ。労働運動の力で廃案に追い込もう。
11・3集会をめぐる権力、資本、連合、日共スターリン主義などとの激しい攻防と死闘こそ、最末期の危機に追いつめられた日帝・新自由主義、そして体制内指導部との非和解的関係を示している。11月集会1万人結集をめざす闘いは、これと真正面から対決し、文字どおり時代認識と路線で勝負し、階級的団結と絶対反対を貫き、どんな困難があろうとも職場生産点で拠点を建設する〈生みの苦しみ〉に打ち勝ってこそ達成できる。
2013年の闘いは、国鉄を先頭に職場生産点の闘いの重大な前進をかちとった。しかしそれが切り開いた巨大な可能性を現実の物質力へ発展させるためには、職場生産点での権力、資本、体制内指導部との激しい激突にかちぬき、闘う組織と拠点をつくり出す以外にない。問われているのは一般的な獲得や組織化というレベルを超えた実践と闘いだ。
核心は、@開始された拠点建設の闘いにおける目的意識性、集中性、計画性をとことん高め、A特に4大産別での組織的挑戦を絶対あきらめずやりぬき、B地区党の団結と決起で労働運動・労働組合運動のできる党への飛躍をかちとり、Cマルクス主義で武装し、時代認識と路線と実践で獲得する闘いに本格的に踏み込み、Dそのすべてを機関紙『前進』を武器に、労組拠点建設と、党と労働組合の一体的建設の闘いへと集中することだ。
この2013年、権力や党破壊分子とのすさまじい激突にも勝利してきた闘う労働者の中には、プロレタリア自己解放の不屈のすばらしい力がある。この確信も固く、11〜12月闘争から2014年決戦へ進撃しよう。
11・22集会&デモ(STOP秘密保護法・集団自衛権反対)と、12・1星野全国集会、12・1伊方再稼働阻止闘争(松山市)に総決起しよう。
階級的激闘の真っただ中で、労働者を先頭に『前進』1万人読者網建設と冬期一時金カンパ闘争に全力で取り組もう。
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週刊『前進』(2609号2面2)(2013/11/18 )
人事院闘争の24人取り消し
社保庁分限免職 国鉄型の解雇は大破綻
国鉄闘争の前進と一体で、09年末の社会保険庁解体・民営化で分限免職処分を受けた525人の不当解雇撤回の闘いが新たな段階に入った。不当処分の撤回を求めて人事院闘争に立った71人中70人に裁定が下り、34%に当たる24人の処分取り消しが決定した。すでに厚生労働省への職場復帰も始まった。闘えば勝てる! 人事院始まって以来の大量の処分取り消しは、全員解雇・選別採用という国鉄分割・民営化型解雇の不当性と破綻性を突き出している。
国鉄闘争の前進とともに
社保庁解体・民営化とは何だったのか。
04年、小泉政権の閣僚らの保険料未納をきっかけに、「消えた年金記録」問題が社会問題化した。年金記録の消失問題は歴代政権のもとでも存在したが、第1次安倍政権は、マスコミを手先に「社保労働者の怠慢」や労働組合の問題にすり替えて、社保庁解体・民営化を強行していった。国鉄分割・民営化に続く公務員全員解雇・労組解体の歴史的攻撃であり、全労働者への雇用破壊と総非正規職化の突破口であった。同時に年金財政の破綻を隠し、大増税と年金・社会保障解体、私的年金制度への転換を狙う階級戦争であった。
これに対する社保労働者の不当解雇撤回闘争が国と人事院を追い詰め、国鉄改革法の破綻を引き出した国鉄闘争の前進と一体で24人の処分撤回をかちとったのである。
闘いが解雇の不当性を暴く
解雇撤回を求める人事院闘争は、許しがたい不当不法を暴いていった。
社保庁の廃止で正規・非正規の国家公務員3万人弱(06年度段階で正規職員1万7100人、非正規職員1万1500人)を一挙に解雇。国鉄改革法に準じた年金機構法に職員の引き継ぎ規定はなく、年金機構は新たに職員の採用を行うとして、国鉄型の選別採用・団結破壊を強行した。
正規職員のうち634人が、当局や労組幹部による強要で勧奨退職や自己都合退職に追い込まれた。しかし労働者の誇りをかけて自主退職を拒否した525人が分限免職処分を受けて立った。
55年体制成立以降最大の公務員解雇に対して、分限免職処分の撤回を求める闘争が始まった。民主党政権下での自治労・社保労組本部による卑劣な闘争圧殺策動をのりこえて、福山社保事務所の平口雅明さんを先頭に71人が人事院公開審理闘争に突入した。各地で損害賠償を求める裁判闘争も始まった。国鉄1047名闘争に続く歴史的な解雇撤回闘争として全国で闘いが進められた。10年4・9政治和解をはね返す国鉄闘争全国運動とともに、自治労大会や全国の年金事務所でビラが配られ、厚労省闘争が取り組まれ、多くの労働者がともに闘いぬいた。
公開審理闘争で攻撃の全容が暴かれていった。
時間内組合活動や「年金記録の目的外閲覧」、交通事故などの理由も含め一度でも懲戒処分を受けた職員は、年金機構への応募から排除された。
処分歴のない職員も「年金記録」問題の責任を反省し「懲戒処分の対象とすべき行為が明らかとなった場合には労働契約を解除する」ことを認める屈辱的な誓約書の提出を強要された。年金機構希望の1万1118人の採用審査は民間に外注。公務災害で休職を余儀なくされた労働者など1159人を書類審査と面接で不採用とした。
厚生労働省への異動を希望した労働者に対しても、「年金記録」問題を現場の責任にすり替えてののしり、5分足らずの威迫面接で不採用とした。社保庁バッシングと過酷な労働のもとで発病した労働者は全員不採用。幼い子どもを持つ女性労働者は、広域異動に応じられないことをもって不採用とされた。
労働者の怒りが爆発し国家的不当労働行為を強行し首を切った政府・厚労省を追い詰めた。人事院は年金機構による採用の自由=解雇自由をあくまで強弁する一方、24人に処分取り消し裁定を出さざるを得なくなった。屈辱的な誓約書の提出に抗した平口さんは書類の不備を口実に訴えを退けられた。11月13日付朝日新聞は社説で「長年にわたり蓄積されていた旧社保庁問題の責任を末端の職員に転嫁したのは『政治のパワハラ』と言わざるをえない」と断じた。
動労千葉鉄建公団訴訟9・25高裁判決に至った国鉄闘争の前進と一体で、社保労働者の不当解雇を絶対に許さない闘いが24人の処分取り消しをかちとり、社保庁解体・民営化の不当不法を全社会的に暴き出した。闘いはまだこれからだ。国鉄10万署名を進めて解雇撤回・JR復帰の最高裁判決を実力でもぎ取り、社保労働者525人全員の解雇撤回をかちとろう。
3月末の大量雇い止め阻め
労働組合の屈服と協力抜きには、これほどの不当不法がまかり通ることなどあり得なかった。
当時の連合事務局長(現会長)古賀伸明が年金機構設立委員会に参加し、首切りに加担した。自治労・社保労組幹部は組合員に「自主退職」を迫り、1047名闘争に続く闘いの爆発を恐れて社保労組そのものを解散し、採用者のみの労働組合(ねんきん機構労組)を設立して被解雇者を排除することまでした。国鉄分割・民営化時のJR総連カクマル、さらには4・9政治和解後に闘争団員を組合から排除した国労本部のやり口と同じだ。社保闘争は、こうした腐りきった労組幹部どもの反階級的な闘争圧殺策動を打ち破りながら闘われてきた。社保労働者の解雇撤回は、労働組合を現場労働者の手に取り戻す闘いと一体である。
本紙前々号に青年労働者が年金事務所での闘いの報告を投稿している。
「窓口のほとんどが日給、1年契約、更新最大5年までの非正規職労働者です。約6千人が来年3月末、雇い止めされようとしています。多くの相談に乗り実践を積んで仕事を熟知する労働者の大量雇い止めは、社会保障の解体攻撃と一体です。雇い止めと日々向き合っている怒りと結合し『(国鉄)署名をお願いしたい』の一言でみんな応じてくれました。職場の仲間との団結で大量雇い止めを阻止するためにともに闘いましょう」
雇い止め絶対反対、非正規職撤廃と年金業務破綻をめぐる反合・運転保安闘争が始まった。国鉄署名を進め、闘う団結を職場からつくり出そう。525人の解雇撤回をかちとろう。
(大迫達志)
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週刊『前進』(2609号2面3)(2013/11/18 )
出向無効確認訴訟 JR丸抱えで業務遂行
「偽装請負」を生々しく暴く
動労総連合強制出向無効確認訴訟の第4回口頭弁論が11月13日、東京地裁民事第11部(団藤丈士裁判長)で開かれた。
原告側は本格的立証の開始となる第3準備書面を提出した。書面は、@「就業規則を根拠に出向させることは可能」と居直るJR東日本への反論、A出向命令には必要性も合理性もないこと、B偽装請負の実態、C本件外注化により労働者が受ける不利益――を柱に、外注化から1年間で明らかになった偽装請負の具体例を暴いている。
原告代理人の石田亮弁護士は特に「B偽装請負の実態」について、今年9月16日の水戸支社での例を取り上げて陳述を行った。台風による輸送混乱で複雑な入れ換え作業が必要になった時、構内業務の知識も経験もない水戸鉄道サービス(MTS)の作業責任者A氏が作業指示を出せず、その場にいたJRの助役B氏が直接、MTSの構内運転士に入れ換えの手順を指示した。その場にいた動労水戸の石井真一委員長が「JRからの直接指示をやめろ」と指摘しB氏と構内運転士のやりとりをやめさせた。石田弁護士は「外注から1年近くたっても、このようなやりとりが当然のようになされている」と述べ、MTSなどの下請け会社には業務を受託する経験も技術もなく、すべてをJRが仕切っている実態を明らかにした。また、JR直営の信号所担当者から構内運転士に作業指示がなされていることや、教育・訓練もJRが丸抱えで行っていることを指摘し「本件業務委託が偽装請負であることは明らかだ」と述べた。
続いて代理人の森川文人弁護士が「C外注化により労働者が受ける不利益」について陳述した。JR東日本は、今回の外注化による不利益は「軽微なもの」という主張を繰り返してきた。これに対して森川弁護士は「外注化に伴う不利益は経済主義的に解釈されるべきではない」と断じ、国鉄分割・民営化と業務外注化で根底から安全が崩壊したJR北海道の現実に触れながら「外注化によって社会全体の安全が崩壊させられている。何よりもこれが最大の不利益だ」と喝破した。その上で、今回の外注化による労働者同士の分断、千葉鉄道サービス(CTS)での熱中症の多発、鉄道輸送体系の破壊、それによる労働者の身体・生命の危険などを具体的に指摘し、外注化で労働者が受ける不利益がいかに大きいかを明快に語った。
JR東日本の代理人は当初は”議論の必要などない”と不遜(ふそん)な態度で臨んでいたが、職場闘争を背景とした事実暴露に追い詰められ、次回までに反論の書面を提出すると表明した。
総括集会で代理人の鈴木達夫弁護士は「裁判所と被告は『もう論点は出つくした』と早期に証人調べ、結審へと進めようとしていたが、被告が反論せざるを得ないところ引きずり込んだ。一つ壁を破り裁判が新たな展開に入った」と述べた。
続いて当該の強制出向者が一人ずつあいさつした。「現場は偽装請負をしなければ業務が回らないのが実態」「特に輸送混乱時にはJRと下請け会社が完全に一体化して仕事をしている」「現場から『これでもか』というぐらい偽装請負の実態を出していくことが必要だ」と外注化粉砕まで闘う決意を示した。
最後に動労千葉の田中康宏委員長が「この裁判は社会全体に蔓延(まんえん)した外注化と非正規職化、偽装請負を労働組合として初めて根本から問う裁判だ。この裁判に勝利すれば社会全体が揺らぐような意味を持つ大裁判だ。職場から偽装請負の現実を暴くと同時に下請け会社での闘い、組織拡大を進めよう。1047名闘争と一体で国鉄分割・民営化以来の新自由主義の仕組みや枠組み、常識化された違法行為を打破する闘いをやり抜こう」と訴えた。
次回は来年1月22日午前10時30分から、東京地裁527号法廷。
(写真 総括集会では、外注会社への出向を強いられた当該組合員が、外注化を粉砕し必ず原職に戻ると固い決意を表明した【11月13日 千代田区】)
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週刊『前進』(2609号2面4)(2013/11/18 )
動労水戸損賠訴訟 損害賠償請求を拡大
不当な職名変更許せない
動労水戸の損害賠償請求訴訟の第5回口頭弁論が11月8日、水戸地裁民事第1部(日下部克通裁判長)で開かれた。運転士登用差別事件をめぐる最高裁判決の完全履行と、昇進差別・賃金差別による損害の賠償をJR東日本に求めた裁判だ。今回から、担当裁判長が前任の脇博人判事(東京地裁に異動)から日下部克通判事に交代した。
動労水戸は組合員の総決起に加え、多くの家族が傍聴に駆けつけ、JR東日本に対する怒りをみなぎらせて闘い抜いた。
原告はこれまでの損害賠償請求に加え、11月5日付の第10準備書面で請求の拡大を行った。
被告のJR東日本は、運転士登用差別事件で勝利判決をかちとった当該のうち、現在運転士として勤務していない6人について、今年7月13日付で職名を「運転士」から「車両技術係」「営業指導係」に一方的に変更し、基本給を減額した(月額3000円)。退職までの基本給、期末手当、退職金の差額はそれぞれ約72万円〜46万円となる。重大な不利益の強制だ。
今すぐに運転士として乗務することを希望していない組合員も、医学適性検査で不合格とされた組合員も、免許を取得した当初から運転士に登用されていれば現在も運転士として勤務していたはずなのだ。
この件について原告代理人の松田生朗弁護士が「すべてはJR当局の不当労働行為が引き起こしたことだ」とJR東日本を断罪した。
さらに代理人の山本志都弁護士が、本件損害賠償請求の法的根拠について陳述。葉山岳夫弁護士は、国鉄時代から続く当局の不当労働行為を明らかにした第5準備書面について、いまだに「国鉄とJRは別法人だ」というふざけた理由で認否そのものを拒み続けているJR東日本を弾劾した。
続いて石井真一委員長が、国鉄時代に運転士として勤務し、その後、売店などに強制配転された石井委員長や辻川慎一副委員長ら6人の組合員について、JR東日本がいまだに運転士に復帰させていない事実を挙げ、国鉄時代から現在に至るまで一貫して継続している当局の不当労働行為意思を浮き彫りにした。
総括集会で葉山弁護士は「水戸支社における運転士の平均賃金額など、会社側はまだ出すべきものを出していない。さらに攻勢的に裁判闘争を進める」と述べた。
総括を提起した石井委員長は、あらためて国鉄時代から現在まで一貫して続いている会社の動労水戸差別の事実を明らかにした上で、13日の強制出向無効確認訴訟や、常磐線の竜田駅までの延伸に反対する闘いなど、当面する重要な闘争課題への総決起を訴えた。
集会終了後、JR水戸支社への門前抗議行動を貫徹した (写真)。
次回は来年1月17日午後1時45分から、水戸地裁で開かれる。
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週刊『前進』(2609号3面1)(2013/11/18 )
TPP交渉は決裂の危機に 労働者と農民の力で粉砕を
農業切り捨てを狙う安倍
世界大恐慌の激化と新自由主義の崩壊、とりわけ米帝の危機と没落の中で、今やTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉は難航を極め、破産に瀕(ひん)している。他方で、関税交渉で絶望的敗勢に陥った安倍政権は、政権公約さえかなぐり捨て、いっさいの矛盾を労働者や農民に転嫁しようと画策している。闘う労働運動を先頭に、TPP粉砕・安倍打倒の闘いを巻き起こそう。
(表 交渉が難航するTPPの各分野【10月8日バリ会合の時点】)
「10月大筋合意」はオバマ欠席で破産
インドネシア・バリ島で10月7〜8日に開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)とTPP交渉首脳会合は、いずれもTPPの年内妥結に向けた「最大の山場」と位置づけられていた。
ところが、この首脳会合の議長役であり、前回ブルネイ会合(8月)の場で「年内妥結に向けて交渉を加速せよ」と最も強硬に主張した米帝オバマが、政府機関の閉鎖問題への対応に追われ、APECとTPP交渉会合への出席をいずれも直前にキャンセルするという異例の事態となった。オバマは、東アジアサミットへの出席と東南アジア諸国の歴訪もすべて中止するはめとなり、米帝のアジア太平洋戦略は致命的な大打撃を受けた。
結局、10月のTPP交渉会合は何ひとつ目立った進展もなく終わった。8月の共同声明で明記した「10月APECで大筋合意、12月に最終合意」のスケジュールは完全に挫折し、オバマが固執する年内妥結のシナリオも破産寸前だ。
今や米帝の死活をかけたTPP戦略そのものが、根底から破綻に瀕しているのだ。現在、21の交渉分野のうち半数近くの重要分野で妥結の見通しが立たなくなっている(表)。特に難航しているのは「市場アクセス(関税)」の他に、「知的財産権」「競争(国有企業の優遇措置の撤廃)」「政府調達」など、いずれも米帝が強く要求する規制緩和や民営化に関する分野で、ベトナム、マレーシア、シンガポールといった国々との間で対立している。その根底には、新自由主義に対する労働者人民の全世界的な怒りと闘いが激しく渦巻いている。
こうした中で、日帝・安倍政権は「次回会合への見晴らしが良くなったので、日本としては大筋合意と言える」などと苦し紛れに答弁し、何が何でも年内妥結にこぎつけようとする米帝と歩調をそろえた。同時に安倍政権は、関税交渉でますます敗勢を深め、今や自らの政権公約さえ平然と投げ捨てるに至った。
公約破棄し農産物関税撤廃へと進む
「コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源。これらの関税は撤廃しないと公約して政権を構成している。これにたがう交渉はしない」――自民党幹事長・石破茂は10月2日、JAなどが主催した日比谷野外音楽堂での集会でそう発言し、「聖域」とされた5項目の農産物を「必ず守る」と表明した。ところがその4日後、自民党TPP対策委員長・西川公也は記者会見で「5項目で関税撤廃ができるか検討させてもらう」と発表した。全国の農家から「公約違反だ!」と怒りの声が上がる中、西川は「世間から批判を受けない落としどころを探す」などと虫の良いことを言い、11月中に関税を撤廃する品目を判断するとした。しかも、その結論はいっさい公表しないとしている。
そもそも農産物の関税交渉は、8月のブルネイ会合の時点で敗勢が明らかだった。「聖域」5項目の関税を維持した場合、貿易自由化率(=全貿易品目のうち関税を完全撤廃する品目の割合)は93・5%となるが、交渉各国は95%以上の関税撤廃を要求し、特にオーストラリア、ニュージーランド、ペルー、チリの4カ国は100%撤廃を日本に迫った。11月上旬には米帝も関税全廃を要求してきた。
他方で、日帝の絶望的敗勢は輸出においても明白となった。日本車の対米輸出は、米帝の強い抵抗により関税撤廃が20年も先送りとなる公算だ。
こうした中で、安倍政権は11月4日、コメの関税率を現行の778%から500%台まで引き下げる方針を固め、これと一体で6日にはコメの生産調整(減反)政策を今後5年で廃止することを提示した。減反に協力する農家に支払っていた補助金も、来年度から半額以下に減らす。その一方で、資本の農業参入の奨励や大規模農家への支援を拡充するとしている。安倍政権はTPP参加を契機に、農業破壊と中小農家の切り捨て、資本による農地収奪を一気に進めようとしているのだ。
TPP関連情報も「特定秘密」と公言
公約違反は関税だけではない。12月7〜9日の閣僚会合に先立ち、ISD(投資家対国家紛争)条項の導入が各国の間で合意されたという(日経新聞11・6付)。自民党の公約は「国の主権を損なうようなISD条項は合意しない」としていたが、これについて安倍は何も説明していない。
ISD条項とは、企業や投資家が「投資先の国の法律や規則のために損害を受けた」とみなした場合、相手国政府を訴えることができるもの(本紙2586号村上論文参照)だ。外国資本の利益が国内法より優先され、そのために法や条例の改悪も余儀なくされる。安倍政権の狙いは、TPP加盟を通じて、新自由主義的な国内法の整備や規制緩和・民営化を一気に進めることにあるのだ。
また安倍政権はTPP交渉分野のうち、政府や地方自治体が発注する公共事業への参入を外国企業に開放する「政府調達」を重視する。「日本企業がアジアの公共事業を受注しやすくなり、膨大なインフラ市場への参入が期待できる」(TPP対策本部)からだ。だが、これは国内の公共事業受注の入札競争を激化させ、中小企業を破綻させ、労働者には賃下げ、大量解雇、大失業をもたらす。絶対に許せない。
こうした交渉内容について、安倍政権はTPPの秘密保持契約を盾に隠ぺいを図っている。TPPの関連情報は、秘密保護法の規定する「特定秘密」に該当することも明言した。安倍政権は、1%の巨大資本の延命のために情報統制と治安弾圧を振りかざし、99%の労働者人民の命と生活をどこまでも踏みにじろうとしているのだ。こんな国家と支配階級は、労働運動と国際連帯と労農連帯の力でTPPもろともぶっ飛ばす以外にない。
安倍政権が秘密保護法で40万件以上の情報を隠そうが、労働者階級は闘いの中で「労働者と資本家は非和解だ」という真実を獲得するのだ。
今こそ11・3集会の地平を発展させ、新たな国鉄10万筆署名を武器に新自由主義と対決する階級的労働運動を全職場・全産別で拡大しよう。労働者の団結の力でTPP攻撃を粉砕しよう。
〔水樹豊〕
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週刊『前進』(2609号3面2)(2013/11/18 )
国鉄軸に階級的労働運動を発展させるカンパ訴えます
全国の『前進』読者、闘う労働者人民のみなさん。革共同は圧倒的な冬期カンパを心から訴えます。10万円、1万円単位のカンパの集中をお願いします。
11・3労働者集会は、改憲・戦争に突き進む安倍打倒を真っ向から掲げ、プロレタリア世界革命に向かう労働者階級の団結の躍動的な前進を切り開きました。
動労千葉鉄建公団訴訟の9・25判決は、JR北海道事故問題とともに、国鉄分割・民営化以来のJR体制の矛盾と破綻を突きつけています。10万筆署名運動の力が2010年4・9反動をついに打ち破り、新自由主義と国鉄分割・民営化の労働者支配に破綻と崩壊を突きつけたのです。11・3労働者集会は、解雇撤回最高裁決戦への歴史的出発点になりました。
国鉄闘争全国運動―1047名解雇撤回闘争と、動労千葉の反合・運転保安闘争は、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いであり、それは全世界・全産別・全労働者の共通の課題です。
新自由主義は国鉄分割・民営化型の攻撃を全面化させることを通して、全労働者に非正規職化を強いてきました。しかし、不当労働行為があった事実を東京高裁に認定させた動労千葉鉄建公団訴訟と外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは、その攻撃の根幹を打ち破りつつあります。
人事院が旧社会保険庁の分限免職を3割超も取り消したことは、国鉄型の解雇・労組破壊攻撃の破産を突きつけています。「足立区方式」を典型とする公務員労働者への外注化・非正規職化攻撃も、動労千葉の闘いと結合すれば必ず打ち破ることができます。3カ月、半年、1年という有期雇用労働者、派遣労働者も労働組合を組織して闘えば勝てる展望を11・3労働者集会は切り開きました。
安倍政権は今国会で特定秘密保護法案、国家安全保障会議設置法案、産業競争力強化法案、国家戦略特区関連法案などの超反動法案を押し通そうとしています。特に安倍が先行成立を狙う特定秘密保護法案と国家安全保障会議設置法案は、集団的自衛権や改憲・戦争に直結する戦時立法であり、公務員労働者の監視・分断・大弾圧を狙う悪法です。労働者の決起で絶対に粉砕しましょう。
安倍は労働者の10割非正規職化を日帝の成長戦略の要に置き、今年冒頭から産業競争力会議や規制改革会議を開催して、解雇特区設置や有期労働契約の期間延長を画策してきました。解雇規制の「岩盤を崩す」と称して公務員労働者への賃下げと非正規職化攻撃を強め、11月8日には財務省が小中教員への賃下げを提示しました。生活保護法改悪案はわずか8時間半の審議で13日に参院本会議で採決が強行されました。
新自由主義の攻撃の中で過労死、過労自殺が後を絶ちません。JR西日本によって過労自殺に追い込まれた青年労働者の自殺直前の時間外労働時間は月160時間を超え、254時間を超える月もありました。就職できず自殺する青年労働者は6年前に比べて3倍に増えています。しかし、こうした事態に遺族が怒りをもって単独で裁判に立ち上がることはあっても、そこには労働組合の姿がありません。既成の体制内労働組合が闘わないことで、労働者が殺されているのです。
11・3集会で登壇した合同・一般労働組合の仲間は、労働組合として過労死を問題にし、遺族とともに立ち上がりました。それは労働組合としての決起によって過労死を根絶する闘いです。
合同・一般労組の小さな分会の雇い止め解雇撤回をめぐる労働委員会闘争でも、資本は弁護士や社会保険労務士を大量に雇い、全体重をかけて労働者のささやかな闘いを圧殺しようとしてきます。膨大な準備書面の1nの費用が1万円と言われます。資本は労働者を低賃金で死ぬまで働かせながら、訴訟費用には糸目をつけません。しかし、そこに登場してくるブラック企業の弁護士は、典型的な不当労働行為の判例を真逆に解釈し、誤った法令解釈を平気で書き連ねるような水準でしかありません。不当に首を切り、不当労働行為を行った事実は絶対に消せないのです。
労働者の団結、労働組合の決起があれば、資本の攻撃を打ち破ることはできます。労働組合が労働組合として自力で基金を集中し、組織強化を成し遂げ、闘いに立つことが不可欠です。
しかし、それだけでは勝てません。階級的労働運動の発展のために財政闘争は死活的です。革共同の専従をもっとつくり、労働者党を建設すること抜きに、階級的労働組合を組織し発展させることはできません。そのための資金が絶対に不可欠です。『前進』の発行・印刷体制の強化と配布網の拡大は労働者階級の課題です。
6千万労働者の団結、職場・地域の団結を固める基礎は冬期カンパ闘争です。この団結の力こそ、来春闘と国鉄決戦に勝利する力です。革共同に絶大な冬期カンパを寄せてくださるよう、心から訴えます。
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週刊『前進』(2609号3面3)(2013/11/18 )
闘いは進む 青年の職場から
合同労組 ただ働きさせるブラック企業に怒り労組加入
中四国 福岡正治
僕は今の会社に入社して、「人は働きすぎると死ぬ」ということを学ばせていただきました。
僕が合同労組に参加しようと思った理由を述べます。まず、店舗配属されて初日に教えられたことは、「退勤」のタイムカードを定時に押して、その後も仕事をすることでした。「携帯か時計を定時に鳴らすようにセットすれば、仕事で忙しくてもタイムカードを通すことを忘れないで済むから覚えておけ」と言われ、この会社に違和感を覚えました。意味をなさないタイムカード、日常化する正社員のサービス残業、賃金未払い…。
店舗配属されて1週間後には、定時には帰れず残業することになりました。残業代は管理職の許可がない限り発生しないため、サービス残業が続きます。そもそも人員不足で、僕が正社員としての仕事がこなせるようになるまで、直属の上司は休めない状態が続きました。上司が休むと、部門運営を指揮し、商品を発注できる人間が店に一人もいなかったためです。
「残業は緊急事態の時にするものであり、普段するものではない」とのことから残業代を請求すると、しかられました。アルバイトの人は時間給のため、働いた分だけ給料を出さないといけないので、定時に帰らせるよう命令されています(実際に時間外労働分の賃金がすべて払われているかも怪しいのですが)。
そのため残った仕事はすべて正社員が行うことになります。正社員は月給制であり、何時間働いているか把握しきれないとも聞きました。このままでは自分もずっとただ働きをし続けることになるのかと感じ、深い憤りと将来への不安を覚え、合同労組に参加することを決意しました。
そして、さまざまな職場の仲間との交流を通して11・3労働者総決起集会への参加を勧められました。11・3集会に初めて参加し、みなさんの熱意に圧倒されました。参加して思ったことは、僕らの年代で活動している方の少なさです。ブラック企業に違和感を覚え、「なくせ!」と考えているのは、社会に出始め、社会の理不尽さを痛感している僕らゆとり世代が一番多いと思います。
なぜ僕らの世代の参加が少なく、ブラック企業と闘おうとしないのか。それは、「嫌なら辞めるしかない」「ブラック企業に入った自分が悪い」という認識が強いからじゃないかと考えます。自分一人がおかしいと思っても、周りの上司がサービス残業に甘んじていたら何も言えないでしょう。その結果が退職からの非正規職ですか? 働き過ぎのうつ病ですか?過労死ですか?
しかし、僕らの世代が集まり、闘い、素晴らしい活動をしている団体があるのも事実です。僕はそれを今回の集会であらためて実感しました。
なので、僕の目標はブラック企業撲滅、労働問題に立ち向かっている組織、特に若い世代をつなぐことです。情報の共有、意見交換、そして情報発信を行っていけば、僕らの世代で立ち上がる人は出てくるでしょう。11・3集会は多くのことを考えさせてくれた素晴らしい機会でした。
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週刊『前進』(2609号3面4)(2013/11/18 )
インドネシアでゼネスト 賃上げ掲げ200万人が決起
最低賃金抑制を狙う政府に怒り
11・3労働者集会は国鉄決戦を基軸に新自由主義を打ち破り、労組拠点を打ち立ててプロレタリア世界革命へ向かう出発点になった。これに呼応するようにインドネシアの労働者階級は10月末から200万人のゼネストに決起した。ゼネストは昨年10月に続き二度目だ。
(写真 賃上げを要求して国内最大の港の入り口を封鎖する荷役労働者【10月31日 ジャカルタ市】)
「10%内」大統領通達を撤廃せよ
ゼネストは10月28日の一斉デモから突入し31日と11月1日の2日間、全国20州の200都市と自治体で打ち抜かれた。「大統領通達を撤回しろ!」「アウトソーシング(外部委託)を禁止しろ!」「派遣労働をなくせ!」「社会保険制度を実施しろ!」。怒りの声が全土に響いた。
今回のゼネストは、何よりもユドヨノ政権に対する怒りの爆発だ。ユドヨノは、来年1月からの最低賃金が州ごとに策定される11月1日を前にして、9月27日付で最賃の引き上げ幅を10%以内とする大統領通達を出してきた。すでに6月から石油燃料の補助金削減が強行され、レギュラーガソリンが44%、電気料金は4月以降15%値上がりしている。10月の消費者物価は前年同月と比べて8%以上も上がっている。最低賃金をめぐる労働者の要求は全国平均で50%増であり、10%など問題にもならない。
国家をあげて資本の救済に乗り出す露骨な賃金闘争圧殺攻撃に対して、生きるためには通達撤回、大幅賃上げのゼネスト以外にない。決意がみなぎり、闘争態勢が確立されていった。
御用労組の逃亡打ち破って貫徹
追いつめられたブルジョアジーは、「ストは投資環境を悪化させる」「外部委託を規制すれば1千万人が失業する」と叫び、ユドヨノ政権は大量の国軍と武装警察を配置、自警団も動員してストを抑え込もうとした。
最賃をめぐる国家・資本との非和解的関係が鮮明となり、緊迫の度が増していった。その中で、昨年のゼネストには加わった、労組ナショナルセンターとしては最大規模の全インドネシア労働組合総連合(KSPSI)がゼネストから逃亡した。1998年に打倒されたスハルト独裁政権下で形成され存続してきた御用労組としての本質が暴き出されたのだ。
この事態にマスコミは「スト強行派は孤立している」と宣伝し、日系メディアは「スト回避か」と期待を込めた。しかし、自動車、電機など五つの産別労組からなるインドネシア金属労働組合連合(FSPMI)を軸とするインドネシア労働組合総連合(KSPI)などさまざまな労組が連日のように各地でデモに立ち、ゼネストへと上りつめていった。
そして、数千の労働者が路上にあふれ、武装警察を圧倒した。入り口に有刺鉄線を張りめぐらせて内張りに汲々(きゅうきゅう)とする市や州の庁舎を包囲し弾劾を浴びせた。国際貿易の玄関口であり全コンテナの半分を取り扱う国内最大の港、タンジュンプリオク港では、荷役労働者が入り口を封鎖して物流を止めた。経済特区のあるバタム島でもストで道路を封鎖し、ジャカルタの西に隣接するタンゲラン市では高速道路出口をデモ隊が占拠した。
ジャカルタ特別州とその東に隣接する国内最大の工業地帯であり日系企業が集中する西ジャワ州ブカシ県、カラワン県などの工業団地では、ストに入った労働者が工場門前に座り込んだ。パナソニック、セイコーエプソン、オムロンなどの日系企業が入居する東ジャカルタ工業団地では、自警団の襲撃を負傷者を出しながらも撃退し、ストを貫徹した。いずれも労組のもとに団結した労働者の力を存分に発揮した。
31日夜、ジャカルタ特別州の政労使による最賃評議会では、提案のあまりの低さに労働者委員が全員審議をボイコット。しかし州知事は13年比10・4%増の決定を強行した。労働者の要求は68%増の「月額220万ルピア(約1万9千円)を370万ルピア(約3万2千円)に」。これは生きるためのぎりぎりの要求だ。6月以降、首都圏では公共運賃が最大6割も値上げされた。州の決定は労働者の切実な要求を踏みにじる暴挙だ。
首都圏狙い撃ちする攻撃と対決
「州決定は断じて認められない!」。翌1日には労働者が続々と州庁舎に押しかけ、決定を弾劾し、闘争継続を宣言した。首都の労働組合11団体から成るジャカルタ労働フォーラムは、6〜8日の3日間、州庁舎への連続包囲デモに立った。
11日までに全33州のうち24州の最低賃金が決定されたが、賃上げ率は西カリマンタン州30・2%、バンカ・ブリトゥン州29・6%、中スラウェシ州25・6%で平均でも15・7%だ。大統領通達「10%以内」は打ち破られた! しかし、ジャカルタの10・4%はきわだって低い。ジャカルタを突破口に首都圏工業団地の労働者の賃金を抑え込む意図は明白だ。首都の最低賃金をめぐる攻防は全労働者の生活と生存をかけた決戦となった。
世界大恐慌下で経常・財政の「双子の赤字」を抱えるインドネシアは、アメリカ帝国主義のデフォルト危機と絶望的あがきに直撃され、新興国の中でも通貨の下落と外資の流失が突出している。輸出鈍化を補うための公共事業など政府支出の拡大も他国を上回る。
ゼネストは体制的危機を深めるユドヨノ政権を打倒しプロレタリア革命へと向かう壮大な闘いの始まりだ。それはインドネシアの低賃金労働力と資源に群がり、インフラ輸出で生き延びようとする日本帝国主義をたたき出し、命脈を断つ闘いでもある。財政破綻をものともせず決起している米欧の労働者階級、インドネシアの労働者階級との国際連帯を強め、賃金破壊、外注化、社会保障制度解体攻撃と闘い、安倍政権を打倒しよう。
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週刊『前進』(2609号4面1)(2013/11/18 )
12・1伊方再稼働阻止闘争へ
な全(NAZEN)えひめからアピール
労組拠点建設し反原発を闘う
今、日本の全原発が止まった状態が続いている。フクシマと結びついた全国の労働者民衆の「原発を全部止めたぞ、一つも再稼働させないぞ」という闘いの力が、安倍政権と電力資本を徹底的に追い詰めている。安倍政権は被曝線量が年20_シーベルトの汚染地域への帰還=被曝強制をもって「原発事故は終わった」とし、フクシマの圧殺を通して原発再稼働の道を開こうとしている。10月29日、安倍は日系企業の原発受注をトルコと「正式合意」したと宣伝し、原発輸出と経済成長のためにも何がなんでも国内の原発再稼働を狙っている。こうした中で再稼働の一番手候補として愛媛・四国電力伊方原発3号機の再稼働が策動されている。ふざけるな! われわれはフクシマの怒りと固く結び、絶対に伊方原発の再稼働を阻止する。原発廃炉まで闘いぬく決意である。
原子力防災訓練のペテン
大阪市長・橋下徹の盟友である愛媛県知事・中村時広は、労働者人民の怒りの声におびえながら伊方原発の再稼働推進の姿を明らかにしてきた。安倍政権と電力資本はそこに依拠し、伊方原発3号機を「再稼働一番手」と位置付けている。
10月22日には愛媛県など13の自治体と関係団体が参加して、愛媛県原子力防災訓練が行われた。訓練は「伊方原発3号機から大量の放射能漏れ」としながらも南海トラフ地震や津波の影響などは一切想定せず、「渋滞も混乱もなく避難できた」というアリバイづくりのためのものだった。
南海トラフ地震による原発事故の際には、道路は寸断され、トンネルは崩落し、伊方原発より西の岬の住民は脱出するすべもなく被曝を強制される。訓練では救急車が原発の中に入って被曝した作業員を救急搬送したが、実際にはその比ではない。自治体、消防、警察、介護職員などあらゆる労働者が被曝労働を強制される。自力で逃げられない住民は置き去りにされ、一度避難したら半永久的に古里に帰ることはできない。それが現実なのに、訓練が「成功裏に終わった」と吹聴し、再稼働に道を開くキャンペーンを行っている。
中村知事は10月29日の定例会見で「防災も安全対策も100%はない」「訓練は最悪のケースを念頭に置きながら……(安全対策と再稼働判断は)分けて考える」とコメントした。「安全対策と再稼働判断は別」――これこそ中村知事の再稼働推進宣言だ。既成事実を積み重ねながら年度内の再稼働を狙っている。10月には原子力規制委員会が伊方原発の現地調査を立て続けに実施しており、安倍政権は伊方原発を再稼働の突破口としようとしている。
そうであるなら、な全えひめは伊方再稼働をとことん阻み続け、全原発の再稼働を阻止する決意である。
被曝労働拒否し拠点化を
11・3全国労働者集会で、愛媛県職員労働組合の宇都宮理委員長は「労働者の被曝と下請け労働者によって支えられている原発は、同じ労働者として認められません。12月1日、松山でのNO NUKEえひめ 福島を忘れない!伊方を稼働させない!大集会への参加を」と全国の労働者、労働組合に呼びかけた。
愛媛県職労は「被曝労働絶対反対」を掲げ、愛媛県当局・中村知事に対して「原子力災害対策業務において安全衛生を確保することは困難であり、『職員の安全衛生を最優先』に考えれば伊方原発は廃炉にするしかない。直ちに順次廃炉にするよう、四国電力に要請すること」と労働組合の立場から原発絶対反対を訴え闘っている。動労水戸や国労郡山工場支部とともに被曝労働絶対反対を掲げて闘う労働組合は、原発再稼働を阻止し、廃炉を強制する決定的な力だ。「原子力安全訓練」で明らかになったように、原発事故・被曝労働と無縁な労働者は一人もいない。だからこそすべての労働組合は「被曝労働反対・原発廃炉」を掲げ闘う力を持っているし、この力こそが原発を止める最大の力だ。
国鉄解雇撤回10万筆署名と一体であらゆる労働組合に分け入り、被曝労働拒否・原発廃炉で組織し、その闘いを中軸に据えて再稼働阻止の闘いを広げよう。無数の労組拠点建設こそ決定的だ。
全国の金曜行動と固く団結して、松山でも毎週金曜日に愛媛県庁前で「伊方原発再稼働絶対反対!愛媛県庁前金曜行動」が粘り強く続けられている。な全えひめはこの行動を全力で支持し、拡大を目指してともに闘い続けている。闘いの中で数々の感動的なエピソードが生まれている。関東圏から「放射能疎開」で松山に来た親子が金曜行動を見つけて参加し、海外在住の愛媛県人が帰省の際に参加して発言した。
中村知事の眼前で再稼働阻止の行動を繰り広げることで、強烈な打撃を知事に与え続けている。愛媛県知事の足元の県庁職員が行動に参加し、再稼働反対をアピールしていることは、知事にとってものすごい脅威であり、県庁職員全員への影響は計り知れない。
毎月11日には、伊方原発の地元で原発反対を闘う仲間の呼びかけで、原発ゲート前座り込み行動が2年を超えて続いている。地元の不屈の闘いと3・11以降原発反対行動に立ち上がった青年たちが結びつき、一回り大きな行動をつくり出すチャンスが来ている。この力と闘う労働組合を結びつけることがわれわれの決定的な任務だ。
NO NUKEえひめへ
12月1日には「NO NUKEえひめ(1万人祭)」が、「伊方原発を止める会」から全国に呼びかけられている。この集会には山本太郎さん、鎌田慧さんらの参加とアピールが予定されており、1万人の大結集が呼びかけられている。労組青年部を先頭に闘う労働組合の隊列を登場させることが、1万人結集のカギだ。全国からの大結集を心から呼びかけます。
反原発と国鉄決戦を軸に階級的労働運動の再生をめざす闘いを、自らの組合、職場で進めよう。動労千葉鉄建公団訴訟新10万筆署名、動労千葉物販オルグと一体で、労働組合が「原発廃止」を掲げることを目指し、全力で組織化に入ろう。
反原発・被曝労働拒否の闘いは新自由主義粉砕の闘いそのものであり、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いと一つである。それは被曝を強いられる膨大な数の労働者の「供給源」とされる2千万人の非正規・失業・半失業の労働者、青年労働者を獲得し、正規・非正規の分断を打ち破る闘いだ。
12・1NO NUKEえひめの成功をかちとろう。
(事務局員 H)
◇
NO NUKEえひめ
12月1日(日)松山市堀之内 城山公園 1時〜集会 2時半〜サウンドデモ
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週刊『前進』(2609号4面2)(2013/11/18 )
前進社神奈川支社 新社屋が堂々完成
革命勝利の新時代開く
すべての同志と『前進』読者・支持者のみなさん! 革命的共産主義者同盟神奈川県委員会は、労働者同志のプロレタリア革命へのたぎる情熱の結晶として新社屋建設をついに実現しました。国鉄決戦で革命の大道をまっしぐらに突き進む11・3全国労働者総決起集会を、すでに新社屋を拠点に闘い抜き、国際連帯と階級的労働運動で新自由主義を打倒するプロレタリア革命の拠点としての力をいかんなく発揮し始めています。
(写真 労働者同志の力を結集し、革命に向けた情熱の結晶として、ついに建設された地上3階建ての神奈川支社新社屋【横浜市南区】)
労組拠点建設へ
新社屋は、県下の最も人口が密集する横浜市南区に位置し、東の京浜工業地帯、西の湘北、湘南、南の三浦半島地域をがっちりと結ぶ場に位置し、各地区委員会が県委員会のもとに団結し、階級的労働運動の拠点を打ち立てる革命的機能を果たしていくことは間違いありません。建物は地上3階、堅固に労働者性をもって建設をかちとることができました。
革共同は、国鉄決戦と反原発闘争で革命を切り開くために、マルクス主義を貫く労働者党としての大飛躍をかちとっています。91年5月テーゼ以来の階級的労働運動路線をめぐる激しい党内闘争、06年「党の革命」と13年スパイ荒川打倒の勝利は、革共同を本物の労働者党へと力強く前進させています。そして党指導部として屹立(きつりつ)する労働者同志がすべての闘いを牽引(けんいん)しています。革共同50年史の『現代革命への挑戦―革命的共産主義運動の50年』の刊行は、21世紀のプロレタリア世界革命をたぐりよせるものです。
革共同の50年は神奈川県委員会の歴史そのものです。62年三全総以来、労働者党建設の最先端の攻防を切り開いてきました。労働者党―地区党建設の力で日帝国家権力と反革命カクマルとの死闘にかちぬき、輝かしい党と労働組合の歴史的拠点を打ち立ててきました。とりわけ5月テーゼ反対派との激しい党内闘争を進め、マルクス主義を武器に全党を鼓舞する階級の指導部を生み出し前進してきました。この地平の上に、労働者同志が指導部として立つ体制を確立し、党と労働組合の一体的建設という未曽有の挑戦に突貫しています。
情熱と団結の力
13年は、国鉄分割・民営化の根幹を打ち破り、外注化阻止・非正規職撤廃で、新自由主義にトドメをさす歴史的な出発点となりました。まさにこの時に階級的拠点として新社屋建設を実現させたのです。新たな労働者党―労働者指導部建設が生み出した力であり、新自由主義への怒りと労働階級自己解放にかけた情熱、団結の結晶です。
強大なマルクス主義青年労働者同盟を建設し、4大産別を先頭に階級的労働運動の労組拠点を次々と建設していくことこそ、新社屋建設の一切の結論であり、決意です。神奈川県委員会は、決意も新たに全世界の労働者階級とともにプロレタリア革命の新時代を切り開きます。
(革共同神奈川県委員会)
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週刊『前進』(2609号4面3)(2013/11/18 )
序局第5号
階級的な地殻変動の始まり
広島世界大会の記録と国鉄闘争のビッグ対談
命より利潤を追い求める新自由主義に対する根底的な怒りを込めた闘いが「地殻変動」的に進展しています。国鉄闘争、反原発闘争を始めとする闘う現場からの告発と報告、また実践につながる諸論文を満載して、『序局』最新号が発行されました。「新自由主義と対決する総合雑誌」を掲げて出発した本誌も3年目に突入しました。
巻頭で7、8月の闘いの大高揚を報告し、続けて、8・5ヒロシマ世界大会の発言・メッセージを採録。さらに、被曝労働と闘うJR労働者、被災地漁民からの訴え、椎名千恵子さんの訪独報告を掲載。ふくしま共同診療所の報告会、全国水平同盟の結成大会などの重要な提起や発言が記録されています。
特に国労郡山工場支部の橋本光一さんの話は、動労水戸のストを引き継いで、職場にどのような変化が生まれたかをビビッドに語っています。宮城の漁民佐藤清吾さんの寄稿は、被災者に上から石を投げるような「水産業復興特区」の理不尽に対する怒りに満ちた告発です。椎名さんのレポートは、日本とドイツのそれぞれの闘いから学ぶべきことを感性豊かに説き明かしています。
国鉄闘争の歴史と今日的な意義についての田中康宏動労千葉委員長と葉山岳夫弁護士の対談は、本誌の圧巻です。分割・民営化以来の営々たる闘いが切り開いてきたものの大きさが鮮明に提起され、まさに国鉄決戦の中にこそ社会を変革するテコがあることがよく分かります。闘いの先頭に立ってきた者だから言える自信と誇りに満ちた対談になっています。
また、地区労で長く闘ってきた花輪不二男さんのお話は、労働運動一筋の半生から、今日の希望までを語って興味深い。法大暴処法裁判で一審無罪判決をかちとった3人の「被告」の鼎談(ていだん)も法大学生運動の魅力を語り合って痛快です。「労働裁判の最前線から/労働者と歩む弁護士レポート」は、階級闘争の切り羽での真剣勝負として重要です。
白井佳夫さんの連載「現代映画論講座」は、今回から新しいテーマ「宮崎駿論」です。
「日米安保と日本国憲法」について憲法学者の森英樹名古屋大学名誉教授、安倍「成長戦略」について経済学者の鎌倉孝夫埼玉大名誉教授、「暗黒裁判への道」として刑法史学者の宮本弘典関東学院大教授、「新たな捜査手法」について西村正治弁護士の各論文も、貴重な問題提起です。じっくり考えさせられます。
まだまだ紹介しきれないほど盛りだくさんですが、大変読みやすくなっているので、多くの皆さんにお薦めです。ぜひ、書店でお買い求め下さい。
(破防法研究会『序局』編集委員会)
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週刊『前進』(2609号4面4)(2013/11/18 )
被曝線量20_シーベルト基準許すな
避難住民への帰還強制が狙い
安倍の原発再稼働攻撃うち砕け
甲状腺がんがさらに増加!
福島県の「県民健康管理調査」検討委員会が11月12日に開かれ、福島の子どもの甲状腺がん「確定」が26人(前回8月の18人から8人増加)、「がんの疑い」は32人(前回の25人から7人増加)となった。福島第一原発事故による放射能汚染が福島の子どもたち、福島県民に恐るべき健康被害を引き起こしているのだ。絶対に許せない。
だがこの現実を前にして日帝・安倍政権と原子力規制委員会は開き直り、フクシマを圧殺し、原発再稼働と輸出に突き進もうとしている。
11月11日、原子力規制委員会は「検討チーム」の報告書案をまとめ、その中で、”避難指示解除の対象地域の年間積算線量を20_シーベルトを下回ることを必須条件”とし、また”追加被曝線量(注1)を空間放射線量(注2)ではなく、個人線量計(注3)で計った値にする”とした。
同日、自民党と公明党は安倍に「福島復興加速化案」を提言し、高線量地域への帰還を断念するかのような姿勢を示した。だが、これは完全なペテンだ。
野田民主党―安倍自民党政権は、”除染によって1_シーベルト以下を達成し、全員帰還できる”と宣伝し、そこに向かって突き進んできた。だが徐染で線量は減らず、これは完全に破綻した。”帰還不可能”の事態は汚染水問題などと並び、福島原発事故の恐るべき真実を隠しようもなく明らかにする。
この事態に震撼(しんかん)し危機を深める安倍は、あくまで帰還強制で突破しようとしている。その最大の鍵は規制委員会の提示する帰還の基準=”20_シーベルト以下”だ。だがこれがどれほどすさまじいことか。国立がん研究センターのデータは「1_シーベルトの被曝で10万人当たり5人に致命的がんがある」としている。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故では5_シーベルト以上は強制移住とされた。”20_シーベルト”基準は、従来の”1_シーベルト”帰還基準やチェルノブイリのケースさえ大幅に上回る、人の命を命とも思わない大転換であり到底許されない。
個人線量計で被曝線量減に
もうひとつの鍵は規制委員会が”個人線量計で線量を計る”としたことだ。これもこれまでの線量計測の方法を破壊する恐るべき企てだ。琉球大学名誉教授の矢ケ崎克馬氏は「空間線量のモニターはあらゆる方向からの放射線を拾うが、個人線量計は首からかけると背後から被曝した放射線は減衰する。結果として、線量は低く出る」と批判している。内閣府でさえ、個人線量計では空間線量と比較し「被曝線量が3分の1から7分の1に下がる」と語っている。空間線量が100_シーベルトだった場合、個人線量計で計ると約33〜約14_シーベルトまで下がってしまうのだ。
安倍や自民党の、20_シーベルト以上の地域は「(帰還を)住民の選択にまかせる」かのような言辞もペテンだ。個人線量計で計ればほぼすべての地域が”20_シーベルト以下”となり、帰還対象地域となるのだ。
それだけではない。早期の帰還を強要するために自民党は、「早期帰還者の追加賠償策」などを提言している。
その一方で、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は10月、避難指示区域の住民への月10万円の慰謝料について、指示の解除後、1年を目安に打ち切る方針を決めた。絶対に許せない。
安倍の卑劣な策動に避難者の怒りは燃え上がっている。田村市都路地区に自宅があり、現在仮設住宅で暮らす36歳の男性は「子どもを外で遊ばせる際は神経質になる。役所は年20_シーベルト以下なら大丈夫と言うが、住民の気持ちを分かっているのか」と怒りを表明し、「望みは事故前の生活に戻ること」と語る。「国や市の言いなりに解除が進めば、他地区の避難者たちにとっても、それが前例になってしまう」と批判、解除が決まれば家族とともにアパートで暮らすことを考えている。
この状況下で元首相・小泉純一郎が「原発即ゼロ」を呼号し始めた。だがこれは、原発を推進し福島原発事故を引き起こした、自らを含む歴代自民党政権の責任を徹頭徹尾居直り、福島圧殺にくみするためのものだ。小泉の「脱原発」は反原発の闘いと国鉄決戦が爆発し、資本主義体制が崩壊する危機に震え上がったペテン的あがきだ。
規制委員会は13日、柏崎刈羽原発の再稼働申請の審査を始めると決定した。怒りを燃えたたせ、福島の労働者・農民・民衆と団結し闘おう。来年3・11郡山に大結集し、安倍の帰還強要・福島圧殺と再稼働攻撃を粉砕しよう!
(北沢隆広)
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注1 追加被曝線量
自然界から受ける被曝線量および医療で受ける被曝線量を除いた被曝線量。
注2 空間放射線量
大気中の放射線の量。モニタリングポスト(大気中のγ〔ガンマ〕線を連続して測定する据え置き型の装置)などによって測定。
注3 個人線量計 個人が外部被曝によって受けた放射線量を計測する装置。ガラスバッジ、アラームメーターなどがある。
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週刊『前進』(2609号4面5)(2013/11/18 )
原発再稼働と秘密保護法反対!
11月8日夜、首相官邸前と国会前で恒例の反原発金曜行動が闘われた。前日の特定秘密保護法案の国会審議入りを受け、原発再稼働と秘密保護法案絶対反対の声があふれた(首相官邸前)
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週刊『前進』(2609号4面6)(2013/11/18 )
2013年日誌 11月5日〜11日
海自イージス艦が8隻に/教員給与1.7%削減へ
●被曝医療に拠点病院 政府は原子力災害時の医療体制を見直す。原発周辺の広範囲で住民が低線量の被曝をしても即応できるよう、日常的に救急医療を行う病院を「原子力災害拠点病院」(仮称)に指定して、住民らの除染や治療を担う。大量被曝した重症患者を診る病院も全国のブロックごとにつくる。原子力災害時に現地に入る派遣チームも新設する。(5日)
●イージス艦8隻に 防衛省は弾道ミサイルを迎撃する能力のある海上自衛隊のイージス艦を今後10年以内に現行の6隻から8隻態勢にする方針を固めた。北朝鮮の「弾道ミサイル」への対応を強化する狙い。(6日)
●秘密保護法案審議入り 国の安全保障の情報を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案が衆院本会議で審議入りした。安倍晋三首相は「早期成立に向けて努める」と表明した。一方、政権が外交・安全保障政策の司令塔とする国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案は衆院本会議で可決された。(7日)
●教員給与1・7%減を求める 財務省は公立小中学校の教員の給与を来年度から削減する方向で調整に入った。普通の公務員並みの水準にするため、年収で1・7%のカットを求めている。引き下げれば3年ぶり。(9日)
●除染目標、実質緩和へ 東京電力福島第一原発事故で避難した住民が帰還する際の被曝線量について、原子力規制委員会は、空気中の放射線量をもとに一律に計算してきたやり方を改め、一人ひとりが身につける個人線量計で把握する方法へ転換する案をまとめた。除染の長期目標「年1_シーベルト」の実質的な緩和。(9日)
●防衛予算2年連続増 政府は来年度の防衛予算を今年度より増やす方向で調整に入った。防衛予算は昨年度まで10年連続で減少していたが、防衛力強化をめざす安倍政権になって2年連続で増えることになる。(10日)
●ペルシャ湾航行の自由うたう イラン訪問中の岸田文雄外相はイランのザリフ外相と会談し、ペルシャ湾での航行の自由などをうたった共同声明をまとめた。イランがペルシャ湾の航行の自由に言及する文書に同意したのはきわめて異例。(10日)
●道徳を教科に格上げ 小中学校の道徳教育見直しを検討している文部科学省の有識者会議は、道徳を正式教科に格上げする報告案をまとめた。検定教科書の導入も盛り込んだ。(11日)
●原発事故対策、国が前面 安倍首相は東京電力福島第一原発事故対策について原則として東電に任せてきた対応から国が前面に出る方針への転換を表明した。除染費用の一部を国が初めて負担する方向で調整し、避難住民すべての帰還を前提としない支援策や除染の長期目標の実質緩和も検討する。(11日)
●レール異常値改ざんを認める JR北海道がレール幅などの異常を多数放置していた問題で、一部の保線担当部署が国土交通省による特別保安監査の実施前に、点検で異常だったレール幅の数値を基準値内に改ざんしたことを社員が認めた。国土交通省は同社本社に立ち入り検査に入った。(11日)
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週刊『前進』(2609号5面1)(2013/11/18 )
秘密保護法絶対阻止を
戦争体制と治安弾圧狙う
労働組合こそ闘いの先頭に
戦争と治安弾圧、労働運動弾圧を狙う「特定秘密保護法案」と「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案」を粉砕しよう。職場・大学・地域から絶対反対の声を上げ、11・21―22の連続行動に決起しよう。
特定秘密保護法案は第1条(目的)で「わが国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立……する」としている。「特定秘密」の対象になる情報は「防衛」「外交」「特定有害活動の防止」「テロリズムの防止」に関する情報である。これ自体が限りなく範囲が広いが、さらに条文では36カ所で「その他」を乱発し、「特定秘密」の範囲を無制限に広げられるようにしている。何が「特定秘密」かは、その情報を管理する行政機関が勝手に決める。いったん法律が成立すれば「特定秘密」はどんどん拡大される。
そして「懲役10年」の脅しや、思想・信条、家族関係、経済状況などを調べる「適性検査」で公務員労働者を監視し分断し、労働運動や反戦・反原発の大衆運動を弾圧することを狙っている。
この法律によれば、日米の軍隊の動き、海外出兵や核武装のことなどが隠されてしまう。さらに原発事故や放射線被曝の実態が「テロリズムの防止」の名のもとに隠される。労働者人民の労働と生活に直結するTPP(環太平洋経済連携協定)の中身も秘密にされる。官僚・政治家の腐敗や汚職を調査・公表することも処罰される恐れがある。政府・支配階級にとって都合の悪い事実がすべて「特定秘密」とされて隠されてしまう。
また、法案は「(特定秘密を)収集し、整理し、及び活用することが重要」(第1条)と言っているように、政府自らが積極的に盗聴や通信傍受、スパイ活動などの情報収集活動を日本の内外で行うことができる。そのためにNSC法で国家安全保障局を新設しようとしている。
安倍政権が国家安全保障局のモデルとしているアメリカのNSAはこの間、何をやってきたか。米国内や欧州・全世界で政治家や民間人の電話・メールを毎月数千万件も盗聴していた。このような盗聴やスパイ活動や謀略などの犯罪行為を、安倍政権は「国家安全保障会議」のもとで行おうとしており、この国家的犯罪行為を隠すために「特定秘密保護法案」をつくろうとしているのだ。
両法案は憲法第9条(戦争放棄)の破棄や「国家緊急事態」条項を盛り込んだ改憲攻撃を先取りするものである。根底にあるのは、大恐慌と国際争闘戦の激化、新自由主義の破綻のもとでの日帝の階級支配の危機である。「1%」の支配階級が生き延び、戦争のできる国にするために、「99%」の労働者人民から情報を隠さなければならなくなっている。
こんな腐りきった日帝を、国鉄闘争を軸とする階級的労働運動の前進で絶対に打倒しよう。動労千葉を始め多くの労働組合、報道・出版の労組、弁護士会、大学、反原発・反TPPを闘う人びとなどが両法案に絶対反対の声を上げて立ち上がっている。腹の底から怒りを爆発させて11・21−22闘争に決起し、両法案を廃案に追い込み、安倍政権を打倒しよう。
(写真 秘密保護法審議入りを弾劾し国会に向け怒りのシュプレヒコールをたたきつけた【11月7日】)
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【要項】STOP!「秘密保護法」11・21大集会、11・22集会&デモ
秘密法に反対するすべての人たち大集合
STOP!「秘密保護法」
11・21大集会
11月21日(木)午後6時30分開会
日比谷野外大音楽堂
呼びかけ/新聞労連、平和フォーラムなど5団体
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STOP!特定秘密保護法
憲法9条の解釈変更反対!
11・22集会&デモ
11月22日(金)
午後6時30分集会/8時デモ
日比谷図書文化館・地下ホール(日比谷公園内・野外大音楽堂となり)
主催/とめよう戦争への道!百万人署名運動
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週刊『前進』(2609号5面2)(2013/11/18 )
審議入り強行に抗議
国会前などで一日行動
11月7日、「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案」の衆院本会議採決および「特定秘密保護法案」の審議入り強行に対して、終日にわたって国会前を拠点として連続的・重層的な抗議行動が闘われました。
朝から「共謀罪」に反対する仲間が国会前に座り込み、ビラまき・マイク宣伝と集会を夕方まで継続。また昼の国会前集会と夜の官邸前行動には、マスコミも注目する中で、公務員労組をはじめとする多くの労働者とともに「とめよう戦争への道!百万人署名運動」が参加し、闘いを牽引(けんいん)しました。
まず、秘密保護法の審議入りを弾劾する国会前昼集会は、STOP!「秘密保護法」大集会実行委員会の主催で行われ、250人が集まりました。「戦争をする国にするための法案だ」「すでに秘密対象は40万件。いくらでも拡大できてしまう」「なんとしても廃案にしよう」と、危機感と怒りに満ちた発言が次々と行われました。
集会後には記者会見が開かれ、夕方には官邸前抗議行動が400人で闘われました。
また昼には同時に霞が関において、「新捜査手法反対連絡会議」による法制審議会抗議デモが行われ、法務省や警視庁を直撃する戦闘的デモを貫徹しました。 (写真)
国会前での「破防法・組対法に反対する共同行動」の一日座り込みにおいては、「共謀罪」と、今回のNSC・秘密法および新捜査手法導入(およびカンパ禁止法の大改悪)が完全に一体のものとして、労働運動弾圧を核心としてすべての人びとに襲いかかってくることを批判するビラをみんなで配り、事務局が、「危機にのたうつ安倍政権による戦争と治安管理国家化攻撃との対決が秘密法反対運動にかかっている」とアピールしました。
このようななかで、座り込みの現場では、11・3労働者集会の成功も報告されました。「ともに共謀罪の廃案をかちとってきた関西生コン・港合同・動労千葉と、国鉄全国運動が呼びかけて結実したこの団結こそが、治安立法阻止の根源的力だ」とマイクでアピール。さらに『前進』のコピーが配られました。
百万人署名運動が呼びかける11・22集会とデモをはじめとした連続的闘いを、闘う労働組合を先頭にかちとろう。国鉄解雇撤回10万人署名や11・3集会での改憲阻止労組声明を武器に職場・街頭に分け入り、秘密法阻止を突破口に巨大な改憲阻止闘争を巻き起こそう。
(百万人署名会員・K)
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週刊『前進』(2609号5面3)(2013/11/18 )
裁判員制度廃止!最高裁デモ
(写真 大運動の呼びかけ人を先頭に東京地裁・高裁前を進む【11月14日】)
11月14日昼、「裁判員制度はいらない!大運動」の呼びかけで、180人が参加して最高裁デモが闘われた。
正午、デモ出発点の日比谷公園霞門で、呼びかけ人の高山俊吉弁護士がアピールした。
「なんと最高裁は、密かに12日に裁判員候補者名簿記載通知を24万人に発送した。それを公表することもできない。運動はぎりぎりのところまで彼らを追い詰めている。福島では裁判員裁判で心的外傷後ストレス障害になった女性が『自分をこんなに苦しめる制度を許さない』と国を訴えた。闘いは広がっている。改憲と戦争の裁判員制度を絶対に廃止に追い込もう! 元気よくデモしよう!」
デモに出発。沿道から昼休み中の多くの労働者が注目しコールに聞き入った。色とりどりの旗をなびかせたデモは、弁護士会館―東京地裁・高裁から首相官邸下へ、さらに自民党本部―最高裁へ、推進勢力を次々と弾劾するコースを1時間余りで進んだ。「裁判員制度はいらない」「私たちは人を裁きません」「秘密保護法案反対!」「原発再稼働反対!」の声が、澄み切った秋の空に響きわたった。
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週刊『前進』(2609号5面4)(2013/11/18 )
全証拠を開示させよう
12・1星野全国集会・デモへ B
星野再審闘争は証拠開示をめぐる激しい攻防に突入している。
9月30日、再審弁護団は、「証拠開示請求に関する意見書」を東京高裁第12刑事部に提出した。10月30日、検察官は、いっさい証拠開示には応じないとする「意見書」を出してきた。裁判所は、開示命令はおろか、勧告すら出そうとしていない。これに対して、弁護団は3回目の三者協議を要求して闘っている。
12・1星野全国集会は、まさにその攻防のまっただ中で闘われる。検察官が隠し持つ証拠の中に、星野同志無実の証拠は必ずある。2014年、星野闘争の大飛躍へ、12・1全国集会の大成功をかちとろう。裁判所・検察庁に怒りのデモをたたきつけ、全証拠開示をかちとろう。
新自由主義司法打ち破れ
帝国主義の最後の延命形態としてある新自由主義が破綻し、闘う労働組合を求めて労働者階級が総決起する時に、司法権力がむき出しの暴力装置として登場している。
戦後日本の刑事裁判は、99・9%という異常な有罪率を維持してきた。検察官が一方的に証拠を独占し、有利なものだけを法廷に出してきたからだ。無罪を示す証拠は隠し、隠滅までして、さらに、証拠のデッチあげまでしてきた。新自由主義の破綻の時代に、司法権力のこうした衝動は一段と高まっている。そして、新自由主義司法は、原発推進に全面的お墨付きを与えてきた裁判所を先頭に、人民の権利も自由も生命も、平然と踏みにじろうとしている。
だがこうした攻撃は、正義も、整合性も、説得力もまったくない。人民の怒りをかき立てるだけの、破綻的な攻撃にすぎない。労働者階級の団結した力で、星野同志のように絶対反対で闘えば、必ず粉砕できる。階級的労働運動と一体で、全証拠開示大運動の全人民的発展をかちとり。新自由主義司法を打ち破ろう。
証拠開示は検察官の義務
検察官側と被告人側の証拠収集能力には決定的な格差がある。現在の刑事司法は両者の対等が前提とされているが、まったくの空語だ。そもそも、証拠は正義が実現されるための公共の財産である。検察官は、全証拠を開示せよ。
再審とは「無辜(むこ)の救済」である。再審を求める者の利益になる証拠、あるいはそれが判然としない場合でも、一切の証拠を開示するのが検察官の義務である。
確定判決における事実認定は、あくまでも検察官が法廷に提出した証拠に基づくものに過ぎない。その判決時に存在していたあらゆる証拠によって判断されたものではない。
再審においては、「新たな証拠」を見いだすために、検察官には全証拠を開示する義務があり、裁判官にはその命令を出す義務がある。
弁護人の「意見書」は、証拠開示によって再審・無罪をかちとった多数の実例をあげている。「財田川事件」では、「捜査状況報告書」が事件から20年後に開示され、再審無罪の決め手となった。「徳島ラジオ商事件」では、17年後に22冊に及ぶ証拠が開示された。その中に、住み込み店員の少年たちにウソの供述をさせたことを示す証拠があり、再審無罪につながった。検察官は無実の証拠を隠している。そして無実の人びとを長期にわたり投獄してきた。星野同志に39年もの獄中を強いている。この現実に腹の底からの怒りを爆発させよう。
現在、弁護団が求めているのは、11人の現場目撃者の供述調書と写真ネガの複写(スキャニング)だ。これらを突破口に全証拠を開示させよう。
星野同志を有罪とする物的証拠はない。あるのは、警察・検察がねつ造したデモ参加学生6人の「供述調書」だけである。この「供述調書」の信用性を、11人の民間人現場目撃者の供述調書で検証しようとすることを、検察官はなぜ恐れるのか。やましいことがないと言うなら開示せよ。
検察官「意見書」を許すな
検察官の「意見書」は、再審弁護団の闘いと運動の前進に追い詰められた最後のあがきである。
検察官は、なんの根拠も挙げずに、自ら行ったデッチあげの取り調べを「不当な誘導の不存在」と言い、「共犯者らの供述が最も信用性が高く、その信用性に優るものはない」と主張する。ふざけるな! 脆弱(ぜいじゃく)極まる検察官「意見書」を、全人民の怒りで粉砕しよう。
12・1星野全国集会・デモで、検察官「意見書」を粉砕し、全証拠の開示をかちとろう。星野同志奪還の2014年決戦へ、総力で決起しよう。
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無実の星野文昭さんを取り戻そう
全証拠を開示させ再審勝利へ
12.1星野全国集会
日時:12月1日(日)12時開場・13時開会・集会終了後都心デモ
会場:星陵会館2階ホール(東京都千代田区永田町2-16-2)
主催/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
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週刊『前進』(2609号5面5)(2013/11/18 )
団結ひろば 投稿コーナー
福島駅前で10万署名妨害はねのけて貫徹 福島市 大森マキエ
福島駅前通りで国鉄闘争の10万筆署名集めをしていました。若い女性3人グループに呼びかけると足を止めました。採用名簿不記載の不当性を訴え、今就労者は2千万人以上が非正規であり、こういう社会は変えなければならないことを話すと応じてくれました。東京の女子大生でゼミで福島に来たということです。
3人が足を止めると程なく若い男性が来て待機しているようでしたが、突然3人に「この人中核派ですよ。注意した方がいい」と言いました。“こいつカクマル?”と頭の中をよぎるのと同時に、「中核派で何が悪いの!」と私が言うとまたも「中核派に巻き込まれますよ」と言います。私は「巻き込むんじゃないよ! 協力をお願いしてるんだ」と言いました。
女子大生の一人がきっぱりと「私は自分の意志で署名したんですから」と言いました。雰囲気がパッと変わりました。私は男に「あなた何者なの。自分を名乗ってから話しかけな」というと消え入りそうに去っていきました。3人に「ありがとうございました」とお礼を言った時、眼差しは温かく3人に囲まれているような包まれているような気分になりました。
一期一会の場面でしたが闘いの縮図だと思いました。署名の場だけでなくこの何倍も拡大した、そして確かな場面を何回も経験しなければならないと思います。
国鉄分割・民営化反対の闘いは人びとの記憶に生々しく、時々懐かしむように応える人もいて重要な闘いだったことを再確認します。国鉄闘争100万人支援陣形再構築が一歩でも前進するように、署名集めの技術を向上させることに腐心するこのごろです。
山本氏の姿に8年前の自分の闘い重なる 東京 M・U
山本太郎氏が天皇に手紙を渡したことに対し、政府与野党やマスコミによる「山本太郎バッシング」の騒動が起こってしまったけれども、山本氏は冷静になれないほどの「ワラにもすがるような思い」があったからこそ、世間や他人の目から見れば「非常識」だと受けとめられるような行動に打って出たのだと私は思う。
私個人も8年前、小泉純一郎内閣時代に法案として打ち出されていた「障害者自立支援法」を廃案として葬りたくて、必死で反対運動をやってきたけれど、結局は政府与党の暴挙で成立してしまい、すごく悔しかった。
当時のマスコミは法案成立まで黙殺を決め込み、一部で最悪なのが「障害者だって努力すればバラ色の未来が開かれます」などと、なんの根拠もない能天気な希望的観測だけをタレ流すようなテレビ報道があったりして、私は腹立たしく思っていました。
それだけに「大勢の人たちに本当の真実を知ってほしい! 広く世間に訴えたい!」って強く思いを抱くあまり、毎年恒例の「アースデイ」というイベント祭りでテント内にいる人たちに「弱者切り捨ての悪法を告発する」内容のチラシを配りに歩き回っていた当時の私と、天皇に手紙を渡した山本氏の姿とが重なり合って見えました。
山本氏は議員になる前の2年数か月間、芸能界から干されて大変なリスクを負ってまで原発の問題提起に立ち上がって行動してくれた人です。なのに当のマスコミは、国の医療も福祉も何もかもブチ壊しにしてきた重罪人である小泉純一郎ごとき輩が口先だけのお唱え文句を言った程度で、何を今さら「反原発派のヒーロー」みたいに持ち上げるなんて、矛盾していて異様です。「オコガマシイぞ、小泉!」って私は怒っています。
「さよなら原発集会」全九州から2万人! 福岡 大楠 栄
11月10日、福岡市の舞鶴公園で「さよなら原発!11・10九州沖縄集会」が開かれ、「玄海と川内の原発再稼働はさせないぞ!」と九州全域から2万人が結集しました。安倍政権は、原発再稼働でフクシマを圧殺し、米軍とともに戦争ができる国づくりを推し進めようとしています。原子力潜水艦や原子力空母などの小型プラントにも用いられる加圧水型軽水炉を国内で動かそうとさえ狙っています。こうした安倍政権のもくろみを打ち砕き、全原発即時廃炉のチャンスと捉え、私たちNAZEN福岡も決起しました。
午前中、プレイベントで歌や楽器演奏が行われ、軽食などの出店や避難者交流広場、医師による資料の展示などが開かれました。NAZEN福岡は、小雨がぱらつく中、「結成2周年12・1集会」のチラシ2千枚をまききりました。
集会では「3・11行動する会」の広瀬隆さんが、「九州はね、川内原発も玄海原発も一昨年止めてるんです。九州と四国の伊方を絶対に動かさないでください」と強く訴えました。この思いを胸に刻み闘う決意です。
デモは、NAZEN福岡のピンクのノボリを目印に、「NAZENナガサキ」の仲間や「国鉄全国運動・九州」「合同労組レイバーユニオン福岡」「とめよう戦争への道! 百万人署名運動福岡県連絡会」「星野文昭さんを取り戻す会・九州(準備会)」の友人・知人50人が結集し、3コースに分かれてデモしました。
私たちは、市民の注目が集まる中、「ピンハネ下請け過酷な労働! 被曝労働許さないぞ!」「秘密保護法反対!」「原発再稼働許さないぞ!」と声を上げ、九州電力本店前までのデモを行い、九電前では「九電はいますぐ原発なくせ!」と怒りを込めたシュプレヒコールをたたきつけました。
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週刊『前進』(2609号6面1)(2013/11/18 )
非正規職撤廃へ“線を越えよう”
新段階に入った日韓連帯 訪韓団の感想
(写真 〈上〉2013非正規職撤廃全国労働者大会に雨をついて全国から5千人が結集。右端は民主労総シンスンチョル委員長【9日 ヨイド公園】〈下〉「烈士精神継承!労働弾圧粉砕!民主主義後退中断!」の横断幕を持って先頭を行く民主労総指導部。後続は金属労組【10日 ソウル】)
「やつらが労働者を閉じ込める”線”を労働者の意志で破って出て行こう」。労働者大会での民主労総シンスンチョル委員長の鬼気迫る呼びかけに、参加者はパククネ打倒の実力デモにうって出た。訪韓団は労働者大会を頂点とする9〜11日の激闘を、民営化・労組破壊粉砕、非正規職撤廃へ韓国の労働者とともに闘い抜いた。最終日には公務員労組や全教組、全国保健医療労組などとの産別交流会が開かれ日韓連帯を深めた。訪韓した各産別の労働者の感想を紹介します。(編集局)
解雇者とともに闘う本物の組合がここに 江戸川区職 佐藤賢一
ワ―という大歓声がデモ隊の後方からすごい勢いで、波頭のように近づいてくる。その波が頭にのしかかった瞬間に負けないように大歓声を上げ前方に送り出す。大歓声のウェーブの完成だ。これを5万人のデモ隊列が片側全車線を実力で制圧して走りながら行うのだ。この威力に粉砕されたのか、さっきまでいた蛍光色の制服機動隊の姿も見えない。さらに新自由主義への怒りに燃えた民主労総の隊列は無許可デモを敢行、動労千葉を核とするわれわれ韓国訪問団は走って後に続く。なんと爽快(そうかい)で解放的なデモだろうか。誰もが初めて走り出す子どものような笑顔で走った。後ろを振り返れば人、人、人でいっぱいだった。
10日、民主労総はソウル市庁前広場で5万人が参加して全国労働者大会を行った。これに先立ち、パククネ大統領は自身の選挙の不正が追及されるや、全国の公務員労組に対し公務員労組こそが選挙違反を行ったとし、11時間にわたり組合事務所を家宅捜索し、サーバーを強奪した。
さらに同じ公務員である全教組に対し、解雇者を組合員とするならば法外労組にするぞと恫喝した。だが組合員の3分の2がこれを拒否した。
またサムスン電子において、1カ月前、白血病や過労死による労働者の犠牲に続いて、労組弾圧と暴力的労務管理に抗議して組合員が自ら命を絶ったことが全国の労働者の怒りを呼び、10日午前、サムスン本社前を約2千人が実力で制圧し糾弾集会を開き、社旗を燃やして抗議した。会社に殺された激しい怒りと悲しみが伝わってきた。
●組合の原則を守って闘い抜く公務員労組
韓国においても新自由主義の嵐は吹き荒れ、公務員労働者に対する攻撃は強まっている。「解雇された公務員を組合に入れるな」と迫っているのだ。「1人の首切りも許さない」という組合の原則を踏みにじる組合破壊そのものだ。絶対負けるわけにはいかない。
顧みれば日本においては国労本部が闘争団を組合員から排除したり、社会保険庁が解体される際、社会保険労組が525人の分限免職者をらち外として新しくねんきん機構労組をつくった経過がある。自治労本部がこの方針を出したことは明らかで、われわれはこれを組合にあるまじき行動として断罪してきた。民主労総80万人はこれと同じ攻撃に断固として闘い続けている。この点だけでも訪韓したかいがあった。ここにも動労千葉と同じ本物の労働運動があったのだ。
言葉の壁はあるものの現場で闘う労働者の気持ちは一緒だ。理屈ではなく、飲んで笑って同じことに怒って、あらためて労働者は同じだと感じ、学んだことが多かった。
(写真 公務員労組、全教組との交流会。11・3集会に参加した公務員労組ソンパ支部などの労働者と再会した【11日 公務員労組ソウル本部事務所】)
教労の現場労働者ともっと交流深めたい 全国労組交流センター教育労働者部会代表 二本柳 実
初めて訪韓団に参加した。感想は”労働者はひとつだ!”という実感である。
全国労働者大会に結集した民主労総5万人が、パククネ政権の労働基本権を奪う労組攻撃に対して「民主労総は合法的地位に執着しない」という委員長の全面対決の戦闘宣言を熱烈に支持し、片側全車線を制圧する大デモにうって出た時の解放感はなんとも言い難い緊張と感動であった。私たちも動労千葉の旗を先頭にその大デモに加わった。5万人の大歓声のウェーブが街中に大きく響き渡る。まさに参加した全労働者がひとつになった瞬間だった。
●法外労組通知後に171人が全教組に加入
私が訪韓を決意したのは、韓国・民主労総傘下の全国教職員労働組合(全教組、6万人)が解雇者を組合員に抱えていることを理由とする「法外労組通知」を強行された事態を知ったからである。全教組は、「雇用労働部の規約是正命令の受け入れの可否をめぐる組合員総投票」を実施し、組合員の68・59%が「是正命令を拒否」する態度を鮮明にした。
雇用労働部は10月24日、「法外労組通知」を出し、これに全教組は法外労組執行停止申請を提訴、審問が11月初めに開かれるという緊張した状況の中で開催された労働者大会でもあった。公務員労組に続く全教組大弾圧に、教師のほとんどが「これはひどい」「全教組に力を貸す」と、法外労組通知以降に171人の教師が全教組に加入してきているという。
●”もっと交流を”
新自由主義の労働組合破壊攻撃はどこの国も同じだ。思いもかけぬ大きな成果は、公務員労組ばかりでなく全教組ソウル支部のランク&ファイルの労働者と具体的なつながりをもてたことである。彼らも「もっと交流を」と望んでいる。
産別交流会で渡した「新自由主義粉砕・非正規職撤廃/全教組死守」の檄布(げきふ)もたいへん喜んでくれた。これを大切な足がかりにして、”労働者はひとつ”の実感を胸に、教労産別としても実践的な交流関係(日韓労働者連帯)をつくり出していく必要を感じた。
帰国翌日、権力は神奈川労組交流センターの事務所を家宅捜索し、訪韓団の一員を「詐欺」容疑で逮捕するというめちゃくちゃな弾圧を強行した。断じて許すことはできない。パククネ政権との全面闘争に立ち上がる全教組・公務員労組と民主労総とともに、私たちも改憲と戦争の安倍打倒闘争に立ち、闘いで民主労総にお礼をする。
感動と教訓に満ちた弘益大分会との交流 みやぎ連帯ユニオン 斎藤貴広
「労働者はひとつだ」――5万人の労働者のシュプレヒコールの波。地響きとなって伝わってくる大歓声に身震いがした。とりわけ胸を打たれたのはサムスン電子サービス労組の闘いだ。労働者大会直前の10月31日、チェジョンボムという青年労働者が労組破壊に抗議して自ら命を絶つ中で、「私たちがチェジョンボムだ」と、込み上げる悲しみと怒りを爆発させる労働者の叫び。パク政権による労組破壊・民主主義破壊と対決する本気さが肌を通してビンビン伝わってきた。
また今回の訪韓闘争で、合同・一般労組全国協議会と民主労総の全国公共サービス労組ソウル京仁(キョンイン)支部弘益(ホンイク)大分会との交流に参加できたことがよかった。弘益大学で働く清掃・警備の請負非正規労働者たちの分会だ。解雇撤回を闘いとってきた。動労千葉労働者学習センターから発行された弘益大闘争のドキュメント『私たちが見えますか』翻訳版を読んで感動し、その闘いの現場に駆けつけたい思いで実現したものだ。
弘益大の教室でお茶やお菓子を用意してくれたり、通訳のために日本語が話せる学生も来てくれるなど、心温まる歓待をしてくれた。
●“闘って人間らしさを取り戻した”
交流会の冒頭に2011年1月3日から49日間の弘益大分会の闘いの映像が上映された。雪降る中、大学門前で訴えるオモニたち、また支援の学生とともに総長室前を占拠して闘い、勝利したときに涙して抱き合い、喜びを分かち合う姿は感動という一言では言い表せない。「闘いを始める前は幽霊みたいな存在で、労働組合で闘うことを通して人間らしさを取り戻した」と労働者として誇りに満ちた笑顔での発言に、労働者魂を感じた。
この弘益大の闘いと、その勝利を通して地域の大学の清掃・警備関係の労働者全体を労働組合に組織し、労働条件・賃金などバラバラだった状況を統一要求としてまとめ上げ、7年間で組織を4倍に拡大していることなどが報告された。全国協の組織化にとって非常に教訓に満ちたものだ。
日本からは、合同・一般全国協の吉本伸幸代表が「全国協は闘う労働組合をよみがえらせるために解雇撤回、非正規職撤廃、国鉄闘争という三つの柱で闘ってきた。労働者は団結すれば絶対に負けない。労働者に国境はない。国際連帯で非正規職を撤廃しよう」と訴えた。韓国でも「闘えば絶対に勝利する」という言葉があるそうだ。日韓労働者の闘いはひとつだ。
来年はお互い組織を拡大して、その教訓を持ち寄って交流しようとガッチリと握手を交わした。
青年の現実は同じだ 非正規職撤廃へ連帯 医療労働者 T
医療産別の交流会では民主労総全国保健医療労組から中央本部事務所長、ソウル本部長 、組織部長、梨花女子大学支部長。訪韓団からは東京、関西、徳島の医療・福祉労働者が参加した。
保健医療労組は組合員3万3千人、現在、晋州(チンジュ)医療院という伝統ある公共病院の閉鎖を止める闘いが最大の決戦を迎えていた。
韓国からは「金より命を」をスローガンに掲げた保健医療労組の歴史と闘いをDVDで紹介、日本からは東京武蔵野病院精研労組の闘いを紹介し、質疑応答に入った。
ベッド数と労働者の比率や非正規率など韓国の医療現場も日本と同じような状況であることがわかった。議論はこの闘争に地域の合同労組が参加していることにも及び、精研労組も地域の闘いの軸となり産別を超えて闘っていることが報告された。また、保健医療労組の仲間は「医労連の中で外注化と闘う左派の仲間たちがいると初めて聞いた」とも言っていた。
時間がない中で、八尾北医療センター労組などからも報告が行われた。
保健医療労組委員長も最後にかけつけてくださり、「医療において韓国も日本も同じ」と国際連帯の重要性を発言した。
●国鉄決戦前進させ非正規職の闘いに責任とる
訪韓闘争を通して、韓国の青年労働者の現実もまた、日本とまったく同じだと感じた。
韓国の青年労働者もほとんどが非正規職。賃金は、起亜自動車のような民主労総のある職場の非正規職でも約15万円。安いと8〜10万円を切る。韓国の青年もこの賃金では結婚もできないし、生きてもいけない。その中に深い悲しみ、そして根底的な怒りがあるのだ。
こうした状況下でサムスンの非正規職の青年労働者が労働組合をつくり闘う中で、抗議の自死をとげた。その1カ月前には同じく青年労働者が過労死している。同じ非正規職の青年労働者である私にはひとごとには思えなかった。民主労総でも衝撃が走り、サムスン電子本社前の集会や大会に金属労組は大動員した。
大会は青年労働者が多かった。パート労組の隊列も多くが青年労働者だ。青年が闘う労組に結集しその先頭に立っているのだ。
全世界的な新自由主義の崩壊の中で、日本と韓国の青年労働者のおかれている状況は同じだが、青年労働者のなかに起きている状況は違う。
ひとつは日本においては民主労総のような闘う結集軸がなく、その代わりに連合が存在していること。この労働組合に対する絶望と、もう一つはわれわれ全国労組交流センターの存在だ。非正規職労働者の闘いをどれだけ本気でわれわれ自身が責任を取っているかということだ。規模や戦術という意味ではなく、民主労総のような闘いを推し進めれば青年労働者は膨大な規模で必ず立ち上がる。
そして国鉄決戦の前進が韓国や日本、世界中の青年労働者の展望になるはずだ。それがあればサムスンの青年労働者も死ぬことはなかったかもしれない。この深い悲しみ、そして根底的な怒りを勝利に結びつける萌芽(ほうが)を、私たちは13年の闘いと9・25判決でつかみとった。この闘いを断固推進し、階級的労働運動を復権しよう。
(写真 全国保健医療労組を訪問。委員長のユジヒョンさん【左】とソウル本部長のキムスギョンさん【11日 ヨンドゥンポ区】)
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週刊『前進』(2609号6面2)(2013/11/18 )
団結し勝利まで闘おう
ゴールデンブリッジ本社前闘争
訪韓団と組合員が相互に激励
(写真 昨年4月以来ストライキを続けるゴールデンブリッジ投資証券労組の本社前闘争現場を激励訪問し集会を行った【11日 ソデムン区】)
11日午前、動労千葉訪韓団は、全国事務金融サービス労働組合ゴールデンブリッジ投資証券支部とともに、ゴールデンブリッジ本社前で社前闘争を闘った。昨年、ストライキ闘争のテントを訪れて以来の訪問だ。
ゴールデンブリッジ投資証券支部は、労組破壊攻撃に対して実に500日を超えるストライキで闘っている。これだけ長期にわたるストを組合員全体で打ち抜いている闘いはほかにはない。
ことの始まりは05年、英系投機資本BIHファンドが投資資金を回収し会社清算を画策したことだった。これに対する闘いの中で、労組幹部から資本家の側に寝返った現会長のイサンジュンが組合との団体協約を一方的に破棄し、暴力的な労組破壊に出てきたのだ。
社前に青年組合員が続々と集まり出し、集会が始まった。
動労千葉の田中康宏委員長が紹介され、熱い連帯の意を込めて発言に立った。「解雇撤回を求めて私たちも26年間の闘いを貫いています。こういう交流ができるのも労働組合で団結して闘ってきたからです。ともに勝利するまで闘いましょう」
キムホヨル支部長が「国境を越えて労働者はひとつです。労組つぶしは日本も韓国も同じ。これに勝てるのは団結した力のみです。これからも一緒に闘っていきましょう」と応え、組合員が日本語で「動労千葉がんばれ」とエールを送った。
訪韓団がTシャツなどを贈り激励し、最後は訪韓団と組合員が一人ずつ固く握手をして闘争勝利を誓い合った。
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