ZENSHIN 2013/11/04(No2607 p08)
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週刊『前進』(2607号1面1)(2013/11/04 )
改憲・戦争に進む安倍倒せ 国際連帯で非正規職撤廃を
新10万筆署名運動を推進し 解雇撤回・14年最高裁決戦へ
11・3全国労働者集会 闘う労働組合を全職場に
3労組共闘の団結が大前進
(写真 国鉄1047名闘争の勝利と闘う労働運動の復権へ日比谷野外音楽堂を埋めた5600人が団結ガンバロー【11月3日 千代田区】)
(写真 国鉄闘争全国運動と署名運動呼びかけ人、1047名闘争当該がそろって壇上に上がり「新10万筆署名を集め最高裁で解雇撤回を」とアピールした)
国鉄決戦を基軸に、闘う労働組合を全国の職場につくり出す大きなうねりが始まった。11月3日、日比谷野外音楽堂で開かれた全国労働者総決起集会に5600人が結集した。労働者の団結と労組の闘いを抑え込んできた新自由主義の30年を覆す実践が各職場で力強く闘われている。安倍を倒し労働組合の力で社会を変えられると全参加者が確信した。(次号続報)
分割・民営化に決着を!
(写真左から 港合同 中村吉政委員長、動労千葉 田中康宏委員長、関西生コン支部 武谷新吾書記次長)
集会の冒頭、呼びかけた3労組が訴えた。
全国金属機械労組港合同の中村吉政委員長は、南労会争議に勝利的に決着をつけたと報告し、団結権を否定する橋下大阪市長の攻撃と対決すると宣言、「どんなに強そうに見えても弱点のない敵はいない」「執念をもって闘えば活路は開ける」と強調し、労働運動の現状を突破する鍵は国鉄闘争にあると提起した。
動労千葉の田中康宏委員長は、「労働者に襲いかかっている大失業、総非正規職化、改憲と戦争の攻撃に、もう我慢ができないという声が噴き上がっている。その時に必要なのは闘う労働組合をつくることだ」と指摘した。そして、「動労千葉鉄建公団訴訟の最高裁闘争にはすべてをかける価値がある。国鉄分割・民営化に決着をつければ社会は変えられる」と力説し、「根本から社会を燃やし尽くす怒りを。闘う労働組合をつくり社会変革を」と訴えた。
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷新吾書記次長は、「闘ってかちとった権利と労働条件を守るためには組織拡大が必要だ」と強調し、組織破壊に立ち向かう思想闘争の重要性も指摘して、組織拡大の先頭に立つ決意を述べた。
連帯のあいさつに立った三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原進事務局次長は、市東孝雄さんの農地裁判が東京高裁での闘いに入る中、「霞が関に攻め上る」と宣言、続いて市東さんも「必ず勝利すると信じ闘い続ける」と決意を述べた。憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士は、安倍の攻撃が現に戦争に道を開いていると警鐘を鳴らし、裁判員制度廃止の11・14デモを呼びかけた。星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の星野暁子さんは、星野文昭同志奪還の闘いと階級的労働運動の発展は一体だと強調した。
国際連帯アピールでは、はるばる韓国から来日した労働者約30人が壇上に並んだ。民主労総ソウル地域本部のイジェウン本部長が、人間の共同性を破壊する新自由主義を弾劾、原発への怒りを表して、より強固な国際連帯をと訴えた。解雇者復職闘争特別委員会のイホドン議長は、民営化反対・解雇撤回の原則を貫く動労千葉の闘いを労働運動の一般原則に、と強調した。
ドイツ機関士労組組合員でベルリン都市鉄道民営化反対行動委員会のクルト・シュナイダーさんは「自らの課題を闘いぬくためには国際連帯が必要。そのために私はここにいる」と発言した。滞日・在日外国人労働者の訴えが続いた。
国鉄解雇はJRの責任だ
国鉄1047名解雇撤回の最高裁決戦に向けての訴えがなされた。国鉄闘争全国運動呼びかけ人の葉山岳夫弁護士は、「JRに責任なしの03年12月最高裁判決の前提は崩れた」「不当労働行為を認定するなら原職復帰は当然」と述べ、最高裁決戦の課題を明らかにした。元安芸労働基準監督署長の大野義文さんは、「この国がわれわれを殺しにかかっている以上、あきらめることはもうできない」と発言した。
最高裁署名呼びかけ人は、東京高裁判決を「団結権を保障した憲法28条を解釈改憲した」と弾劾、同じく最高裁署名呼びかけ人の元国労闘争団員は、JR北海道の現実に触れ、「安全は労組が当局を追及して闘うことによってしか守れない」と強調した。
1047名闘争当該が並んだ。動労千葉争議団の中村仁さんが「高裁判決は首を切っても金を出せばいいという判決。不当労働行為なら解雇撤回しかない」と怒りをほとばしらせた。国労旭川闘争団の成田昭雄さんは、保線労働者としてJR北海道の現実に怒りを表し「原因は分割・民営化。まっすぐ分割・民営化に反対し解雇撤回へ闘う」ときっぱりと述べた。
動労千葉の山田護幕張支部長が外注化阻止の決意を述べ、動労水戸の石井真一委員長は常磐線の竜田延伸を絶対阻止すると宣言した。動労総連合の青年労働者もライフサイクル強制配転との闘いなどについて訴えた。
福島診療所建設委員会呼びかけ人の佐藤幸子さんは、福島の子どもたちの命をないがしろにする安倍政権に強い怒りを表し、国労郡山工場支部の橋本光一さんは被曝車両K544を巡る闘いを報告して、来春3・11の闘いを呼びかけた。元全日本運輸一般労組原発分会の斉藤征二さんは「2千万人が非正規職にされた社会は、労働者が闘う労働組合に結集しなければ変わらない」と訴えた。
(写真 動労千葉と動労水戸の現場組合員は検修・構内業務の外注化粉砕に向けた固い決意を表明した) 改憲反対労組声明を提案
安倍・橋下打倒へ闘う労働者の発言が続いた。入れ墨調査を拒否した大阪市交通局の労働者、安田匡(ただす)さんは、「デマから始める橋下は引きずり下ろせる。道頓堀に沈んでおれ!」と怒りをたぎらせた。愛媛県職労の宇都宮理委員長は公務員賃下げと闘う決意を述べるとともに伊方原発再稼働阻止を訴えた。
小竹運輸グループ労組の中村伸幸委員長は、組合結成以来の資本の組合つぶし攻撃との闘いを報告し、今も続く配車差別の中で団結を守りぬくと発言した。職場で過労死した労働者の遺族も闘いへの決意を語り、会場から大き拍手が送られた。
憲法改悪阻止のアピールを、とめよう戦争への道!百万人署名運動の西川重則事務局長が行い、国家安全保障会議設置法、秘密保護法の制定を阻止し、戦争と改憲を国際連帯で止めようと訴えた。沖縄行動団の富田晋さんは、辺野古新基地建設を始めとした戦争攻撃を止めるのは国鉄闘争を基軸とした労働組合の闘いだと強調した。
憲法改悪反対労組声明を港合同の木下浩平執行委員が読み上げ、「改憲反対は労組の課題。この声明をあらゆる労組に持ち込もう」と訴えた。
教育労働者、郵政非正規ユニオン、医療・福祉労働者、全学連のアピールが続いた。関西生コン支部は組織拡大の教訓を語った。
集会後、日比谷から東京電力本店前、数寄屋橋交差点から東京駅前を通るデモに出た。デモ隊は、右翼の敵対と警察の妨害をはねのけ、「解雇撤回、安倍打倒」の叫びを都心に響かせた。
8面の記事と写真に続く
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週刊『前進』(2607号2面1)(2013/11/04 )
国際連帯で新自由主義と闘い民営化阻止・非正規職撤廃を
秘密保護法=改憲・戦争の安倍倒せ
11・3全国労働者総決起集会は、「今こそ闘う労働組合を全国の職場に!」を最大のメインスローガンに、全国、全世界から結集した闘う労働者の熱気と感動をもって圧倒的にかちとられた。全参加者が団結して闘うことの喜びと威力を実感し、エネルギーを体中に充てんして、安倍政権打倒と国鉄決戦勝利への新たなスタートを切った。この熱気と感動を全国の職場に伝え、11月訪韓闘争に決起し、階級的労働運動の前進、労組拠点建設と労働者党建設の一体的前進へ進撃しよう。
大失業・戦争と革命的情勢
「安倍政権と資本家どもをやっつけろ! 労働者には社会を変える力がある。団結した労働者と労働組合には、恐れるものなど何もない!」
これが11・3集会参加者全員の心からの思いであり、闘う決意だった。
今や労働法などなきに等しい職場状況が全国に広がっている。資本家は競って労働者の搾取を強化している。一日16時間以上の超長時間労働を連日強制し、休息・睡眠もとらせない。それを拒否すれば解雇。過労から事故を起こしても解雇。安全を無視し、商品が売れ残れば自腹で買い取らせる。組合をつくって闘いを始めれば仕事から外して給料を半減。こんな我慢ならない現実が横行している。商品の偽装やうそもまかり通っている。
これは資本主義・帝国主義の最末期の姿だ。外注化・非正規職化と超低賃金で過酷な職場状況と、福島原発事故やJR北海道の安全崩壊、そして米政府機関の閉鎖とデフォルト(債務不履行)の危機は、みな根っこでつながっている。すでに大恐慌下で新自由主義の崩壊が始まっている。だが世界の資本家どもは新自由主義政策がどんなに破産しても、それにすがりつく以外に道がない。
労働者が新自由主義への怒りを爆発させることは圧倒的に正義であり、それこそが時代を動かし、社会を変える力だ。国鉄分割・民営化以降、連合が資本の手先となって労働者の決起を抑えつけてきた。だが今や生き抜くために団結し、労働組合を結成し、資本と非妥協の闘いを開始する労働者が続々と生まれている。大恐慌時代の新たな荒々しい闘いのうねりが、全世界で巻き起こっている。
大恐慌は大失業と戦争と革命的情勢を生み出している。11・3集会は、その内容と国際連帯性、闘いの方向と展望において、世界の労働者階級の先陣を切り、勝利の道を指し示した。拠点建設を推し進め、職場闘争の勝利を積み重ねて、次なる決戦に突き進もう。
新10万署名=最高裁決戦へ
動労千葉の鉄建公団訴訟は、国労本部など4者4団体派と体制内勢力の10年4・9反革命(全面屈服条件での政治和解)を打ち破り、歴史的な勝利の展望を切り開いている。
控訴審の9・25難波判決は、採用候補者名簿の作成に当たっての国鉄当局の不当労働行為を認定しながら、国鉄改革法23条をペテン的に盾にとって「JRに責任なし」「解雇は有効」と強弁した。だが難波判決の論理はぼろぼろである。国鉄改革法体制は破綻している。9・25判決を打ち破り、14年最高裁段階の決戦で勝利する展望が開かれている。
「国鉄がやったことだから、JRに責任なし」という開き直りが、初めから通用していたわけでは断じてない。1986年の国鉄改革法の国会審議では、「国鉄が採用候補者名簿をつくるのは、JR設立委員会から委任されて補助者としてつくる」のだと政府は答弁していた。名簿をつくる主体はJR(設立委員会)だった。だからその後の地方―中央の労働委員会闘争で、「JRに不当労働行為の責任がある。JRは労働者を採用せよ」の命令が次々に出されたのである。それをひっくり返したのは98年5・28東京地裁判決だ。
その後、自民党が国労に「JRに法的責任なしを大会決定せよ」としつこく迫ったのも、国労にこれをのませなかったら「JRに責任なし」など通用しなかったからだ。だからそれ以降も、闘って勝利できる展望は大いにあった。実際、JR設立委員会(斎藤英四郎委員長)が名簿の作成にかかわったことも、井手正敬(国鉄総裁室長=当時)の文書証言などから完全に明らかになっている。
ところが、国労本部が98年5・28不当判決に屈服し、和解策動に走ったことでJRはますます開き直り、「国鉄の不当労働行為の責任はJRに及ばない」などという、戦後労働法制の原則をも無視した反動判決が続いた。こんなデタラメな判決は国労本部の総屈服によって初めて可能になったのである。
だが国労本部が総屈服しても動労千葉は、職場闘争と完全に一体のものとして解雇撤回闘争を闘ってきた。そしてついに、いったん採用名簿に載っていた動労千葉組合員の名前を葛西敬之(国鉄職員局次長=当時)らが名簿から外したことは明らかな不当労働行為であることを、本州の採用差別に関しては初めて裁判所に認めさせた。動労千葉は、国労本部のように改革法23条や裁判所の不当判決の前にひれ伏すのではなく、「間違っているものは、断じて認められない!」と絶対反対で闘い続け、それを全国の労働者に広く訴えて10万筆署名運動をも推進し決定的な地平をこじ開けたのだ。
今こそ動労千葉鉄建公団訴訟の勝利をもって国鉄分割・民営化以来30年近くの新自由主義攻撃のすべてをひっくり返す時である。1047名闘争の国労闘争団当該の労働者の再結集や、自治労・日教組など百万人の国鉄闘争支援陣形の再度の総決起をつくり出し、最高裁決戦へ巨大な運動を巻き起こそう。それこそが4大産別を始めとする全産別・全職場で連合の労働者支配を打ち破り、階級的労働運動の新たな前進を切り開く決定的な力になるのだ。
勝利を決める力は、第2次10万筆署名運動で集める署名の数だ。全国の労働者が寄せる署名の一筆一筆が貴重な決起だ。絶対に勝利しよう。
闘う拠点建設へ前進しよう
日帝・安倍は今国会で特定秘密保護法案、国家安全保障会議設置法案、産業競争力強化法案、国家戦略特区関連法案などの超反動法案を強行しようとしている。
特に安倍が先行成立を狙う特定秘密保護法案と国家安全保障会議設置法案は、集団的自衛権や戦争・改憲に直結する戦時立法であり、公務員労働者の監視・分断・大弾圧を狙うとんでもない悪法だ。労働者の決起で絶対に粉砕しよう。
労働者はすでに安倍のうそや正体を見抜き、戦争・改憲、消費大増税、福祉切り捨て、そして資本家救済の「アベノミクス」に怒りをたぎらせている。「民間活力が日本経済を元気にする」などと言っていた資本家は、電機・鉄鋼・造船など主要基幹産業で大恐慌下の過剰資本・過剰生産力の重圧にあえぎ、国際競争力も失い、今では国家の全面的なカンフル注射(超金融緩和、公共投資、企業減税)なしには生き延びれないほどに危機を深めている。
しかも、安倍政権は争闘戦の激化に痛撃され、オバマとの首脳会談もできないほどに日米同盟は危機を深め、領土問題や歴史認識問題で対中・対韓関係も破綻している。TPP(環太平洋経済連携協定)や福島原発事故問題でも絶望的危機を深めている。福島原発事故は、放射能汚染水や除染問題などなにひとつ打開の展望がなく、福島県民の政府・東電への怒りはますます非和解的となっている。
こうした中で安倍は国会会期中に再びトルコに行き、三菱重工のトルコ政府からの原発受注を全面支援した。トルコは日本と同じ地震の多発地帯だ。そこに日本政府はまったく無責任にも原発を売り込もうとしている。安倍政権は国内で原発の再稼働も新規建設も阻まれている中で、輸出にのめり込んでいるのだ。
11・3の歴史的地平を引き継いで、直ちに11月訪韓闘争に立とう。そして国鉄決戦と反原発決戦の発展を軸に、11〜12月闘争から2014年の決戦へ突き進もう。
「裁判員制度はいらない!大運動」が呼びかける11・14最高裁デモ、百万人署名運動が呼びかける11・22集団的自衛権反対・秘密保護法絶対反対の集会とデモに決起しよう。12・1星野全国集会の成功をかちとろう。
労組拠点建設、『前進』1万人読者網建設、党と労働組合の一体的建設へ、ともに闘おう。
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週刊『前進』(2607号2面2)(2013/11/04 )
11・13 動労総連合 強制出向訴訟へ
職場闘争と一体で勝利開こう
動労総連合の強制出向無効確認訴訟の第4回口頭弁論が11月13日、東京地裁民事第11部(団藤丈士裁判長)で開かれる。東京地裁を包囲する大結集で闘おう。
(写真 計画業務外注化阻止・強制出向粉砕へ9・30総決起集会で決意表明する動労千葉各支部の代表)
契約書を出せ
前回7月3日の口頭弁論で焦点となったのは、検修・構内業務外注化に関する委託契約書の開示問題だ。あくまで「出す必要はない」と居直る被告・JR東日本に対し、原告は「裁判の大前提として契約書の開示は不可欠だ」と文書提出命令の申し立てを行った。
この件について9月13日に裁判の進行協議が行われた。この場で団藤裁判長はJR東日本に対し、現時点での委託契約書を公証役場での内容証明を受けて保全するよう命じた。本来ならば、裁判所が”委託契約書を出せ”と命令すれば済む話だ。しかし団藤裁判長は、JR東日本に文書提出を命じることもできず、原告からのあまりにも当然の要求を却下することもできないまま判断を保留した。その上で、裁判の進行に応じてJR側が委託契約書の内容を改ざん・偽造する可能性が十分にあると見て、文書の内容を保全させたのだ。原告の闘いは、裁判においてもJRと裁判所を追いつめている。
この手続きを完了させるために9月20日の口頭弁論は延期され、11月13日に再設定された。
違法性は明白
この裁判は、労働組合が主体となり、業務外注化と強制出向、偽装請負の是非を正面から争う初めての本格的裁判だ。そして何よりも、外注体制粉砕の職場闘争と完全に一体で闘い抜かれている点でも画期的な裁判だ。
13日の口頭弁論で原告側は、1年間の現場での闘いをとおして明らかになった生々しい偽装請負の実態、外注化による安全破壊の具体的事例や、そもそも子会社への出向の必要性が存在しないことなど、より具体的な主張を展開する方針だ。
JR東日本が業務を委託したCTS(千葉鉄道サービス)やMTS(水戸鉄道サービス)、TTS(高崎鉄道サービス)などには独立して業務遂行する経験も設備もなく、独自に教育・訓練もできない。実際上はすべてをJRが指示していることは今や誰の目にも明らかになっている。
千葉支社では、昨年10月と今年10月で約100人の労働者がCTSに強制出向させられた。この外注化強行にともなってJRとCTSで40人もの管理者が増員された。この40人は、外注化を強行しなければまったく必要なかった。すべては動労千葉のストライキ対策のための要員だ。年収1千万円も取る管理者たちの人件費だけでも4億円もの支出増だ。当局は当初、外注化の目的を「高齢者の雇用の場の確保」と説明してきたが、これでは”管理者の天下りポスト確保のための外注化”だったとしか言いようがない現実になっているのだ。
他方でCTSの労働者たちは、ほとんどが時給800〜900円のパートか契約社員だ。社員になれたとしても低賃金で強労働をやらされている。鉄道の安全を投げ捨て、ただただコストカットと利潤だけを追求する。ほんの一握りの幹部社員だけが甘い汁を吸い、9割以上の現場労働者を低賃金の非正規労働に突き落とす。この絶対に許せない現実こそ外注化なのだ。
JR体制打倒
動労総連合という闘う労働組合の存在が、外注化攻撃の許しがたい正体を突き出し、外注体制のアキレス腱(けん)となりJRをぎりぎりまで追いつめている。多くの労働組合が外注化・非正規職化攻撃に屈してきた現実を打ち破り、新自由主義攻撃に対して労働組合は闘えるし勝てることを実証してきたのだ。
動労千葉鉄建公団訴訟で暴きだした国鉄改革法の矛盾と破綻、さらにはJR北海道における安全の全面崩壊が示しているのは、国鉄分割・民営化という国策そのものの全面破産だ。分割・民営化の直接の継続である業務外注化を粉砕する闘いは、1047名解雇撤回闘争とともに、JR体制打倒に向けた闘いの2本柱だ。
JR職場での徹底抗戦と組織拡大の闘いと固く連帯し、強制出向無効確認訴訟に勝利しよう。傍聴闘争に全力で駆けつけよう。
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【要項】動労総連合出向無効確認訴訟
11月13日(水)午後1時30分開廷
東京地裁527号法廷
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週刊『前進』(2607号2面3)(2013/11/04 )
国労組合員権訴訟勝利を
被解雇者を守りぬくのが労働組合ではないのか!
国労組合員資格確認訴訟の第10回口頭弁論が12月4日(水)、東京地裁民事第11部(団藤丈士裁判長)で開かれる。裁判はいよいよ証人調べという重要な段階に入る。
2010年4月9日の政治和解を経て、11年7月の大会で闘争団員から組合員資格を奪った国労本部の暴挙に対し、和解を拒否した4人の国労闘争団員がこの裁判を起こした。その闘いは動労千葉鉄建公団訴訟と並び、国鉄解雇撤回闘争の今一つの柱をなしている。
最高裁判決うち砕き解雇撤回を
動労千葉鉄建公団訴訟は、東京高裁にJR不採用基準作成を不当労働行為と認定させた。これは国鉄改革法と真っ向対決する路線による勝利だ。
定員割れにもかかわらず不採用とされた「本州問題」こそ、国鉄分割・民営化が国家的不当労働行為として行われたことの象徴であり、これを打ち破った時に1047名全体の解雇を撤回させる道が開ける。にもかかわらず国労本部ら4者4団体は、改革法と不採用基準にあらかじめ屈服し、これとの対決から逃げてきた。この負の歴史を、動労千葉鉄建公団訴訟は覆したのだ。
その上に闘われる最高裁決戦は、「JRに責任なし」の最高裁反動判決を粉砕し、解雇撤回を力で押し込む闘いだ。
組合員資格訴訟を闘う4原告も、4・9政治和解を拒否して解雇撤回の裁判闘争を継続した。その裁判について最高裁は、11年6月7日に鉄建公団訴訟の、13年9月10日に鉄道運輸機構訴訟の上告を棄却し、解雇撤回を否定した。だが、どんな反動判決が出ようと、当該が闘う限り解雇撤回闘争は終わらない。
11・3集会の成功を経て、1047名闘争は新たな出発点に立った。JR北海道やJR貨物の現実は国鉄分割・民営化の破産を突き出している。その中での国鉄解雇撤回闘争は、裁判という枠組みを超え、分割・民営化を根底から打ち砕く闘いになった。新10万筆署名はこの闘いに全労働者を糾合する決定的な武器だ。あらゆる反動判決を踏みしだき、1047名全員の解雇撤回をかちとることはできるのだ。
ところが国労本部は、組合員資格訴訟で「JRと雇用関係があることが組合員資格の前提」と主張し、解雇撤回闘争自体を否定する。首を切られた仲間を全組合員の団結で守りぬき、資本に解雇撤回を迫るのが労働組合だ。その原則を踏みにじる国労本部は、JR資本の手先に転落した。被解雇者を組合員として守りぬけるかどうかは、世界の労働運動にとっても重大な決戦課題になっている。
労働者国際連帯踏みにじる本部
韓国のパククネ政権は、全教組に対し被解雇者を組合員として認める組合規約の改定を迫り、それを拒否した同労組の組合登録を抹消する暴挙に出た。民主労総はこれに断じて屈せず、組織の存亡をかけた反撃に立っている。(6面参照)
そもそも労働組合は、刑事罰で労働者の団結を押しつぶそうとする資本や国家権力に対し、その団結を実力で認めさせることによって歴史に登場した存在だ。その原点を必死に貫く全世界の労働者の闘いを、真っ向から踏みにじっているのが国労本部だ。
国労自身、被解雇者を組合員として守りぬいてきた伝統を持っている。
1947年6月結成当初の国労規約は、「組合は、国有鉄道職員をもって組織する」となっていた。戦後革命期以来、日本の労働運動を先導してきた国鉄労働運動は、常に国鉄当局による解雇攻撃に直面する中、現場組合員の力でこの規約を克服してきた歴史を持つ。
誇るべき闘いを抹殺し歴史偽造
49年7月、国鉄は10万人首切りを打ち出し、下山事件、三鷹事件が起こる中で、共産党系の国労役員が指名解雇された。共産党と対立していた民同(民主化同盟)派は、解雇された役員を排除して中央委員会を招集する悪名高い「ゼロ号指令」を発し、8月に成田市で開かれた中央委員会は指名解雇を容認した。その直後には松川事件が起きたが、国労中央委決定は、以降、全産別で吹き荒れたレッドパージに道を開いてしまった。
だが、51年6月の国労新潟大会は、反共民同が提案した愛国労働運動路線を否決し、いわゆる「平和4原則」を確認して、占領軍の保護のもとにつくられた総評の左転換を主導した。53年の大会では、解雇された三役をそのまま再選。56年8月の大会で、規約は「組合は、組合員名簿に登録されたものをもって組織する」と改められた。
当時、国鉄労働者に適用されていた公共企業体等労働関係法(公労法)は、「公共企業体の職員でなければ、その公共企業体の職員の組合の組合員又はその役員となることができない」と定めていた。それを口実に、国鉄当局は被解雇者を役員にした国労との団交を拒否するなど、不当な対応をとり続けた。これと闘う中で、国労は被解雇者を組合員・役員として守りぬく原則を確立した。
しかもこの規約改定は、当時の新潟地本が3年がかりで本部を突き上げ、実現させたものだった。翌57年の国鉄新潟闘争には、解雇された仲間を最後まで守りきるという、現場組合員の誇りが脈打っていたのだ。
”被解雇者は組合員にはなれない”という公労法の規定は、65年に撤廃された。58年に総評がこの規定の不当性をILO(国際労働機関)に訴え、ILOは65年、エリック・ドライヤーを委員長とする実情調査委員会を日本に送った。
ドライヤー委員会の勧告は、「職場に労働運動を」を合言葉に総評が国鉄職場を軸に展開していた当局追及闘争を敵視し、労働組合の反戦政治闘争を非難して、総評の完全な体制内化を求める反動的なものだった。だがそれは、労働組合の懐柔と取り込みをベースにする国家独占資本主義政策をとっていた当時の国際帝国主義が、他国の市場を食い荒らして高度経済成長を遂げつつあった日帝に、「国際労働基準」という形で縛りをかけるものでもあった。これにより日帝は、公労法の改定を強いられた。
だが、その後も公労法にはストライキ禁止条項が残された。これに実力で穴を開け、「違法」とされたストライキを繰り返し打ちぬいてきたのが国鉄労働運動だ。
国労本部はこの歴史も全面的に抹殺している。
国鉄分割・民営化に反対し、あらゆる不当労働行為に抗してきた国労組合員は、JR体制打倒の勝利をともに切り開くべき存在だ。だが、その闘いを抑圧する国労本部を打倒しなければ、労働者の未来は開けない。国労組合員資格確認訴訟を武器に、本部打倒・国労大改革をかちとろう。12月4日の裁判に集まろう。
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週刊『前進』(2607号3面1)(2013/11/04 )
「特定秘密保護法」粉砕を
戦争国家体制構築へ情報統制 公務員労働者に監視と大弾圧
(写真 2800人が“法案反対” 特定秘密保護法案に反対する集会が10月29日夜、東京・日比谷野外大音楽堂で開かれ、自治労・日教組を始めとする労組を中心に約2800人が結集し、戦争・改憲を進める安倍政権に怒りをたたきつけた。主催は平和フォーラム。団結ガンバロー三唱後、国会に向けてデモを行った)
安倍内閣は10月25日、特定秘密保護法案を閣議決定し、国会に提出した。本紙2602号でも明らかにしたように、これは国家による情報統制と戦争国家体制の構築を目的とし、そのために特に公務員労働者を徹底的に監視・分断し弾圧する希代の悪法である。11・3集会の成功を引き継ぎ、労働組合が先頭に立って秘密保護法絶対阻止、安倍政権打倒の闘いを巻き起こそう。
今回提出された秘密保護法案は、@防衛、A外交、Bスパイなどの「特定有害活動」の防止、Cテロ活動の防止の4分野のうち、「漏洩(ろうえい)が国の安全保障に著しく支障を与えるおそれがある」と政府(行政機関の長)が判断したものを「特定秘密」に指定し、公務員らが漏洩した場合、未遂の場合も含め最高で懲役10年の厳罰を科す。
政府の不正や腐敗を暴く内部告発などを徹底的に取り締まるほか、Bの「特定有害活動」は「安全保障に支障を与えるおそれのあるもの」と規定され、対象を無限に拡大できる。政府の一存で指定される「特定秘密」は現時点でおよそ41万件にのぼるとされ、何が特定秘密なのかは明らかにされず、裁判所も確認できない。
また情報を取得した側も(未遂も含めて)懲役10年、さらに情報を得るために「共謀」「教唆」「扇動」した者も懲役5年とされ、公務員だけでなく全人民が弾圧の対象だ。例えば自衛隊の活動内容や原発関連の情報などを手に入れるために、市民団体などが公務員に働きかけるだけで「情報漏洩の教唆」に当たる。
さらに特定秘密を扱う公務員らには、後述するように政府が「適性評価」と称して徹底的な身辺調査を行う(首相や閣僚らは対象外)。
8割超が反対 抗議の声続々
この極悪の治安弾圧立法に対し、すでに圧倒的多数の労働者人民が猛然と反対の声を上げている。政府が9月に実施したパブリックコメントには、わずか15日間で9万件以上という極めて異例の多くの意見が寄せられ、その77%が法案に反対、賛成はわずか13%だった。10月25日の閣議決定の直後には、官邸前金曜行動で秘密保護法反対の声が多くの参加者から上がり、日本ペンクラブ、日本雑誌協会、日本書籍出版協会、新聞労連なども反対声明を発表した。26〜27日の共同通信の電話世論調査では反対が50・6%、今国会での成立反対は82・7%に達した。また28日には憲法・刑事法の研究者ら265人が同法案に反対する共同声明を発表した。
安倍政権は何ひとつ国民的合意など得られないまま、12月6日の会期末まで1カ月程度の審議で成立を狙っているが、全人民の怒りのいっそうの爆発は不可避だ。
安保体制強化狙う戦争立法
本法案は何より、集団的自衛権の行使解禁と一体の戦争体制構築の一環であり、戦前の軍機保護法(1899年制定、1937年に改悪)や国防保安法(41年制定)に相当する戦争立法だ。
安倍は10月25日の衆院本会議で「国家安全保障会議(日本版NSC)の審議をより効果的に行うためには、情報保全に関する体制が整備されることが重要だ」と述べ、28日から審議入りした国家安全保障会議設置法案と一体で秘密保護法の今国会成立を目指すと表明した。その背景には、米帝の新軍事戦略と一体で日米同盟の強化と戦争体制構築を図る狙いがある。
07年に締結されたGSOMIA(ジーソミア=軍事情報包括保護協定)では、日米が同等の秘密軍事情報の保護措置をとることが明記されていたが、昨年8月に米有力シンクタンク・CSIS(戦略国際研究センター)が発表した「アーミテージ・ナイ報告」は、「日本の現在の機密保全の法的枠組みは米国の水準に達していない」と指摘した。
この間、各国首脳への盗聴行為などが明らかになり窮地に陥った米オバマ政権は、徹底した情報統制・情報収集と治安弾圧体制の強化を日本に求めていた。安倍政権はこうした流れを受け、10月の日米安全保障協議委員会(2+2)の共同声明で「(情報保全の強化で)両国間の情報共有が質量双方の面でより幅広いものとなる」と確認、秘密保護法案の国会提出へと踏み切ったのだ。
かつて航空自衛隊が「復興支援」と称して、クウェートからイラクへの米兵の輸送を担っていたことが明らかになり、08年に名古屋高裁が「憲法9条違反に当たる」と判断した。秘密保護法案は、こうした自衛隊の活動内容を始め、日米両軍が行う一切の戦争犯罪を「特定秘密」として覆い隠し、それらを調査することまで徹底的に弾圧することを狙うものだ。
公務員を徹底的に身辺調査
秘密保護法案の今ひとつの狙いは、公務員労働者への徹底した監視と分断と弾圧を通じて、すべての労働者人民を国家権力の支配下に組み敷くことだ。
法案が特定秘密を扱う公務員らに義務づける「適性評価」は、「特定有害活動」「テロ活動との関係」、犯歴、精神疾患、飲酒習慣、借金の有無など経済状態、家族や同居人の国籍など多岐にわたる。徹底した身辺調査だ。とりわけ政府が指定する「特定有害活動」への関与を調査することで、公務員労働者が他の労働者と団結して声を上げることを徹底して圧殺しようとしている。
重要なのは、同法の調査対象は公務員に限らず、取引先や下請け・外注先の関連企業の民間労働者まで含むことだ。例えば自衛隊の武器や装備品の部品などを扱う企業の労働者も対象となる。
米政府資料によれば、アメリカでは12年現在、適性評価を経て秘密情報を扱う政府職員が約354万人、契約業者が約106万人、その他の対象者を含めると合計約490万人に達する。外注化・非正規職化と一体で調査対象を拡大し、「適性なし」とされた労働者から仕事を奪い、全労働者を戦争動員する地ならしを狙うものだ。
安倍政権は、超反動法案が目白押しの今秋国会で、この法案を何が何でも成立させようと突き進んでいる。原発問題、沖縄密約、TPP(環太平洋経済連携協定)、さらにはデッチあげ弾圧や警察・検察による証拠捏造(ねつぞう)を始め、無数のうそと情報統制で労働者人民を欺き続けてきた日帝にとって、今やむき出しの治安弾圧以外にその腐りきった階級支配を維持するすべがないのだ。そこに敵の危機と破産がはっきりと示されている。
11・3集会の歴史的成功を打ち固め、特定秘密保護法案と国家安全保障会議設置法案の成立を絶対に阻止しよう。
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週刊『前進』(2607号3面2)(2013/11/04 )
「13人勧」と対決し賃金闘争へ
財政破綻への回答は革命だ
動労千葉鉄建公団訴訟9・25判決と最高裁10万筆署名運動の前進、11・3集会の感動的成功の上に、4・26自治労ストを引き継ぐ公務員秋季賃金闘争が本番を迎えている。13年度人事院報告は、公務員現業民間委託の一層の推進・低賃金化と賃金制度の大改悪をぶち上げた。国家財政破綻情勢下の7・8%賃下げに続く階級戦争を国鉄・公務員決戦の爆発で打ち破ろう。
(写真 不当勧告弾劾! 都労連が集会【10月21日 都庁前】)
現業民間委託と賃下げを提唱する人事院報告
国家財政破綻下の公務員賃金闘争は第一に、全面民営化・外注化=公務員首切り阻止の闘いと一体の決戦である。
人事院は8月8日、7・8%賃下げを前提とした公務員賃金の据え置きと同時に「給与制度の総合的見直し」を掲げ、賃金表・賃金制度の抜本改悪と現業の民間委託の一層の推進・低賃金化に言及した不当極まりない報告を行った。これを受けて全国自治体の人事委員会は賃下げの継続と住宅手当の削減、低賃金フラット化、人事評価制度の強化、再任用職員への成績率導入、降給処分など、賃金制度大改悪の勧告を打ち出した。
東京都では9年連続、東京・特別区は5年連続の賃下げ勧告であり、大阪市は平均月額1万7579円もの賃下げを打ち出した。東京・特別区と札幌、さいたま、横浜、岡山、熊本など各市では自宅居住者への住宅手当廃止が勧告された。「住宅ローンの返済もあり、子育て世代にとってダメージが大きい」「年11万円弱の減収となるのは、これから進学を控える子をもつ親としては、生活を直撃する」(特別区職員)と、悲鳴に近い声が上がっている。
攻撃は外注化と一体だ。人事院報告は、自動車運転手や守衛などの業務を名指しして「業務委託などを利用する企業が増加し、……直接雇用されている者と業務委託などにより業務に従事する者との間には、大きな給与差が生じている」とし業務委託が可能な部署の職員削減を一層進める必要があると言い放った。さらに直接雇用が必要な業務についても「民間における技能・労務職員の給与水準を考慮した見直し」=賃金カットを求めた。いったい労働者を何だと思っているのか。
人事院の給与勧告制度が始まって以来の極悪の報告だ。勧告の枠組みすら逸脱し、現業の分断と一掃、全面民営化・外注化を主張する暴論であり、むき出しの新自由主義攻撃そのものである。
国鉄分割・民営化を契機とする民営化・外注化は、青年労働者を始め全労働者の4割に迫る非正規職化と低賃金、「過労死」をもたらした。その結果が中央高速道トンネル崩落事故やJR北海道事故に示された全社会的な安全崩壊ではないか。
そうであるにもかかわらず人事院は「第三者機関」の仮面すらかなぐり捨て、民営化・外注化・非正規職化、低賃金化を当然のことのように主張するにいたったのだ。
13年度人事院報告は、安倍の階級戦争の切っ先として、全公務員と公務公共1千万労働者、6千万労働者全体に対する雇用破壊と賃金破壊、団結破壊の攻撃である。絶対に許してはならない。
すでに全産別で激突が始まっている。動労千葉を先頭にJR貨物で賃下げ絶対反対の闘いが繰り広げられ、JP(日本郵便)においては「新一般職」導入と非正規職大幅賃下げの「スキルダウン」攻撃への怒りが噴出している。NTTでは、65歳までの雇用延長を口実とする大幅賃下げ・フラット化、賃金表体系の解体と年金支給額を保証しない確定拠出型年金制度への転換に対する不満と怒りが充満している。
賃金破壊と自治体丸ごと民営化・外注化・非正規職化による雇用破壊は一体だ。大阪・橋下打倒の闘いが燃え広がるとともに、東京・足立区でも闘いが始まった。体制内幹部の支配をぶち破って闘う労組拠点をつくり出す闘いが進められている。全国の自治体労働者は全労働者の先頭で、民営化・賃下げ絶対反対で闘いぬこう。
国鉄・公務員決戦の爆発で安倍を打ち倒せ
国家財政破綻下の公務員賃金闘争は第二に、プロレタリア革命にまで行き着く国鉄・公務員決戦の一環として闘われる。
大恐慌は大失業と戦争と革命を生み出す。時代は画然と変わった。もはや資本主義の発展も財政再建もありえない。資本救済の一点で天文学的規模に膨れ上がった国家債務を、なぜ労働者が負わなければならないのか。米デトロイト市のように財政破綻で市街が廃虚になっても「1%」の資本家は膨大な利益を手にしている。貧困人口が過去最大であると同時に、巨大資本の収益率も史上最高となっている。
国家財政破綻は、資本主義そのものの歴史的破産と崩壊ということだ。労資協調・協力の体制内労働運動は通用しない。現場労働者の「生きさせろ!」の怒りを解き放ち、絶対反対と階級的団結の力で闘いぬく階級的労働運動だけが労働者階級の未来を開く。
国家債務が何だというのだ。そんなものは高利貸の証文でしかない。焼き捨てればいいのだ。現に1917年ロシア革命においては「勤労大衆を資本のくびきから解放する条件の一つとして」銀行の国有化が宣言され(18年1月『勤労被搾取人民の権利の宣言』)、国債は内外債とも破棄された。「カネがすべて」の資本の支配を打ち倒すプロレタリア世界革命に向かって闘いぬこう。
ギリシャ・欧州に始まり、リーマンショックの1千倍と言われる米帝国主義の債務不履行(デフォルト)とドル暴落・米国債暴落の危機、そして国家債務1100兆円を超えた日本帝国主義の財政破綻が迫っている。歴史的生命力を喪失した最末期帝国主義にとって、大恐慌として爆発した過剰資本・過剰生産力の矛盾の解決などない。際限ない財政投入と異次元の金融緩和の「出口」などありえない。国家財政破綻、大争闘戦の爆発的進行として大失業と戦争、そして革命に行き着く。
戦後世界の盟主として君臨した基軸帝国主義・米帝の没落の世界史的大きさを見よ。国家財政破綻の危機の中で、アメリカ労働者階級の巨大な流動と帝国主義労働運動をぶち破る根底からの決起が始まっている。ロシア革命によってこじ開けられ、帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制によって押しとどめられてきたプロレタリア世界革命の時代が、音を立てて進行しているのだ。
安倍打倒の情勢が成熟しつつある。日本帝国主義にとってその先はない。革命情勢が急速にせり上がっている。
大失業と貧困、福島原発事故と放射能汚染の拡大、JR北海道事故に示された安全崩壊と安倍の戦争・改憲への突進。そうした中で、国鉄闘争の前進が9・25高裁判決を引き出し、国家的不当労働行為そのものとしてあった国鉄分割・民営化と国鉄改革法の本質を暴き出し、敵権力・資本を追いつめている。自治労・日教組を軸とする国鉄闘争100万支援陣形の階級的再構築が始まった。
09年末の社会保険庁解体・民営化による525人の分限免職処分に対して人事院闘争を闘った71人中24人に処分取り消しの裁定が出た。実に3人に1人だ。国鉄型解雇攻撃の破綻そのものである。今こそ国鉄・公務員決戦で安倍を倒そう。
民営化・賃下げと闘う労組青年部建設しよう
国家財政破綻下の公務員賃金闘争は第三に、4・26自治労ストを引き継ぎ、闘う労働組合を全国につくり出す闘いだ。
4・26自治労ストは、安倍が「公務員の岩盤を崩す」と叫んで強行した全国一律一斉7・8%賃下げ攻撃を粉砕し「全国自治体の4割が応じていない」現実を強制した。政府・総務省は、交付税削減の脅しで、自治体当局に賃下げと労組破壊の圧力をかけ続けている。
しかし、そこには何の正当性もない。安倍政権は復興特別法人税を廃止する一方で、「復興財源捻出(ねんしゅつ)」を口実に37年末まで25年間にわたる2・1%の復興特別所得税と公務員への7・8%賃下げを強制している。税金や社会保障負担を増やして資本のためにばらまこうとしている。トヨタやソニー、商社など輸出企業は、消費税の輸出還付金で11年度に総額3兆2千億円弱の税金が還付されている。これが消費増税で倍加されるのだ。
「財政再建」など聞いてあきれる。どうして労働者が資本の犠牲にならなければならないのか。極右・超反動の安倍政権打倒に総決起する時だ。
自治労スト情勢は国鉄闘争と昨秋11・7都労連29分ストから始まった。14年の激闘へ、国家財政破綻と革命の時代の公務員賃金闘争の爆発をかちとろう。国鉄解雇撤回、民営化・外注化阻止、非正規職撤廃、賃下げ絶対反対で闘う労組・青年部建設を進めよう。『前進』1万人読者網を建設しよう。
(大迫達志)
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週刊『前進』(2607号3面3)(2013/11/04 )
“秘密保護法絶対阻止”
東電本店から銀座へデモ
10月25日の特定秘密保護法案の閣議決定・国会提出に対し、26日、救援連絡センターほか「共謀罪」を三度廃案に追い込んできた仲間や新捜査手法反対連絡会議などの呼びかけで「秘密保護法案絶対阻止・一切の治安立法反対」のデモが打ち抜かれました。(写真)
台風を吹き飛ばし晴れ間ののぞく新橋から銀座方面へ、100人以上のデモが「秘密保護法は戦争への道。共謀罪も盗聴法もいらない」と訴えました。東京電力本店前では「原発事故の責任を取れ! 再稼働を許さないぞ」と怒りを倍加。同法案が通れば東電の「大本営発表」が大手を振って垂れ流される。「情報公開を求めるだけで独立教唆罪。こんなことが許せるか」と抗議しました。同法案に労働者の関心が集まる状況だけに、大きな注目を浴びました。
デモに先立ち、新橋の交通ビル内の国鉄労働会館で、戦争・治安立法と改憲に反対する集会を行いました。「国労本部の闘争終結を許さず国鉄解雇撤回の10万筆署名を訴えよう」と、11・3労働者集会のチケットも販売しました。
連帯あいさつでは、憲法と人権の日弁連をめざす会の武内更一弁護士が裁判員制度反対11・14最高裁デモへの参加を呼びかけました。港合同の川口浩一さんのカンパアピールの後、聖学院大学の石川裕一郎准教授が講演し、共謀・教唆の重処罰、適性評価制度による選別を行う秘密保護法は「表現の自由」を侵し、秘密裁判化など、もはや近代国家とは呼べなくなり、表現の萎縮(いしゅく)や弾圧を招くと訴えました。
基調提起は、「知る権利」から進んで「戦争と治安管理国家化」総体と対決する大衆運動、改憲・集団的自衛権行使のための国家安全保障会議(日本版NSC)設置やカンパ禁止法大改悪、共謀罪、盗聴法改悪を見据えた闘いが必要だと呼びかけました。
続いて現場からのリレートーク。迎賓館・横田爆取弾圧被告で上告審中の板垣宏さんは、被告の事件への関与が明らかにできないことは「紛れもない事実」とまで認定しながら結論は「共謀でやったに違いない」とするむき出しの治安裁判との闘いを報告。すさまじい弾圧との対決の報告が続き、新自由主義下の戦争と治安管理国家化に反撃する幅広い陣形の必要性が導き出されました。
安倍政権は治安管理国家化、公務員攻撃・労働運動解体を突破口にした民営化・外注化・非正規職化を推進しています。これに勝利する道は、国鉄決戦を軸とした階級的労働運動の前進です。
秘密保護法案阻止闘争は、公務員攻撃による労働者階級の団結破壊を進める安倍政権に反撃する突破口であり、反原発闘争とも融合して発展しています。制定絶対阻止へ闘いぬきましょう。
(東京 吉澤夏樹)
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■今後の予定
◎11月7日(木)8時半〜国会行動/正午〜霞が関デモ(日比谷公園霞門出発)
◎11月21日(木)8時半〜国会行動/18時半〜共同大集会(日比谷野音)
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週刊『前進』(2607号3面4)(2013/11/04 )
闘いは進む青年の職場から
年金事務所 パワハラ上司と対決 大量雇い止め阻止へ
東北 春山 和希
年金事務所の窓口のほとんどが日給、1年契約、更新最大5年までの非正規職労働者です。年金制度は、法律の改正も多くあり複雑です。老後の主たる収入源を扱っていることもあり、社会の怒り、不満が集中する場所です。
今年度が年金記録問題対応の最終年度とされており、その予算で配置されている非正規職員約6千人が、国の予算確保が厳しいとされ、来年3月末、大量に雇い止めされようとしています。予算上は記録問題対応としながら、大半は通常業務に従事しています。多くの相談に乗り実践を積んで仕事を熟知する労働者の大量雇い止めは、社会保障の解体攻撃と一体です。現場の怒りがあふれていて、組合は雇い止めにかかわるアンケートを実施してきました。
●皆の怒りに背中押され
先日、基本的にお客さんに教えることができない基礎年金番号を教えていた上司がいました。窓口では、「教えられません」と言ってお客さんに怒られることも多々。しかし、机をばんとたたくお客さんがいると、ころっと手の平を返してお客様サービスをする。上には口うまくごまをすり、下の者を威圧して支配するようなやつです。
過去に何度も同じようなことをしていたことに対し、我慢しきれず「どういうことですか。おかしくないですか」と詰め寄りました。解放感と同時に周りとの緊張感がありました。重要なのは1人が勇気を持って立ち向かったことではありません。背中を後押ししてくれたのは、職場のみんなの今までの積み重なる怒りでした。「やるときゃやるよ」と行動を求めた労働者の存在がありました。当局に対する労働者の反撃です。あとで聞いたら、見ていた労働者は圧倒的に支持してくれていて、ほっとしました。
そのパワハラ上司から別な上司に代わりましたが、闘いは終わりません。支配の方法が変わっただけで、怒りは収まるわけがありません。
2010年の日本年金機構発足以来、労働者の意識は確実に変化しています。社保庁で分限免職された労働者は、職場からも組合からも排除されたにもかかわらず処分が取り消されています。散々な職場環境にありますが、不当な異動や退職に追い込まれた労働者をみんなの力で守る。問題が起きた時、みんなで話し合い、1人の労働者を守り切る行動を積み重ねてきています。あきらめと怒りは紙一重です。労働者の団結した力が必要なのは、今です。
●国鉄署名で踏み込む
この間、さらに職場に労働者の団結をつくりたい一心で、国鉄10万筆署名を職場でやることを決意しました。雇い止めと日々向き合っている怒りと結合し、「署名をお願いしたい」の一言でみんな応じてくれました。なかなか踏み込めないでいた正規職員にもお願いすることができました。
私が求めている闘う労働組合の姿はここにあります。職場の仲間との団結で大量雇い止めを阻止するために、ともに闘いましょう。
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週刊『前進』(2607号4面1)(2013/11/04 )
汚染水投棄と帰還・被曝強制許すな
除染目標20_Svに引き上げ
汚染水を原発の敷地内に排出
原発労働者と団結して再稼働を阻止し廃炉へ
福島第一原発では、高濃度汚染水が海洋に流出していることが隠しようもなくなった。一方、福島では「除染したから帰還しろ、20_シーベルトまでは大丈夫だ」という攻撃が強まっている。しかし、これは「除染・帰還」に対する労働者人民の猛烈な怒りに追い詰められたものである。フクシマの怒りの圧殺を許さず、1基の再稼働も許さない運動をさらに発展させていこう。
政府と東電は海洋投棄狙う
汚染水問題で、この間重大な事態が起きている。10月末の台風接近の際にはタンク群周りの堰(せき)内にたまる雨水が激増したため、タンクへ移すという当初方針を無視し、そのまま敷地内に排出した。この直後から外洋に通じる排水溝で放射性物質濃度が急上昇し、最大1g当たり10万ベクレル超と、放出できる濃度の数千倍という高い数値にもなっている。
こうした汚染水の敷地内排出に対し、原子力規制委員会の更田豊志委員は「守られない運用方針を維持することは意味がない」と述べ、「あっさりと方針転換した」(10・27付福島民報)。安倍の大うそにつぐ、とんでもない居直りだ。「規制」と正反対に、”政府・東電の都合のいいように運用方針を変える”ということではないか。
政府・東電の本音は汚染水の海洋投棄にある。今は「汚染水はブロックされている」と大うそを繰り返しているが、そのうち「海洋投棄しても影響はない」と言い出すに決まっている。人の命などなんとも思わない者たちは、平然とうそにうそを重ねる。それが新自由主義なのだ。なし崩しの海洋投棄策動を許してはならない。
こうした福島第一原発の状況に対し原発労働者は、被曝労働と苦闘しながら、政府・東電の仮設設備によるその場しのぎの対策に批判を強めている(別掲)。現場のことが一番分かっている原発労働者の指摘を無視し、競争入札という「命より金」の新自由主義で収束作業をやってきた政府・東電は、汚染水問題であらためて大破産した。原発労働者・除染労働者の団結を強めて労働組合をつくり出し、その団結を軸に専門家・技術者を総結集すれば、汚染水問題も廃炉問題も真の打開の道を見いだすことが必ずできる。
汚染水の海洋投棄を狙う政府・東電は、だからこそ”放射能汚染はたいしたことない”という宣伝を強めようとしている。要は内部被曝の隠蔽(いんぺい)と被曝の強制だ。この被曝強制という点では、「除染・帰還」をめぐっても重大な攻防を迎えている。
IAEA、「国際基準」と強弁
現在の攻防を見る前に、この間の「除染・帰還」をめぐる政府の基本政策をあらためて徹底断罪しなければならない。3・11後に資本家階級とその政府がやったことは、放射能汚染の情報を隠し、「健康に影響はない」と宣伝し避難をさせないことだった。数万・数十万規模の避難になれば、原発政策が成り立たなくなるどころか、現体制が崩壊しかねない。だから、情報を隠し、チェルノブイリ事故では「移住の権利」が与えられた年1_シーベルト以上のところでも「大丈夫」と宣伝してきた。この歴史的犯罪は現在進行形であり、万死に値する。
しかも、もっと高線量の地域についても、”除染で安全となり帰還できる”としてきた。”たくさんの古里が、もはや二度と戻れないほど放射能に汚染されてしまった”となると、あらためて原発の根本的な問い直しが問題となるからだ。
ところが、これは思惑どおりにはいかなかった。国が直轄で除染する原発周辺11市町村のうち、今年9月時点でもまだ0%とか数%とかのところがたくさんある(図参照)。政府の言う除染のペテン性とうそが見抜かれてしまったのだ。このため、この11市町村について来年3月までに除染完了と計画されていたのを、延長せざるをえなくなった。
しかし、政府はなおも「除染・帰還」政策を貫こうと、10月半ばに「100%除染」と称する田村市で強行突破しようとした。市の都路(みやこじ)の一部地域について避難指示を解除するため、14日に意見交換会が設定された。第一原発から20`圏内の旧警戒区域で、初の避難指示解除を狙ったのだ。政府・環境省は「住宅地の空間線量の平均が除染前の0・63マイクロシーベルトから0・34マイクロシーベルトに下がった」とし、11月1日の避難指示解除を押し付けようとした。これに対し住民から、放射線量が依然高いことや、第一原発がトラブル続きであることなどに怒りが総噴出し、政府方針は粉砕されてしまった。「0・34マイクロシーベルまで下がった」と言うが、年間1_シーベルト(毎時0・23マイクロシーベルト)を上回るのだ。
この事態に危機感を募らせたのが日本を始めとする国際帝国主義である。国際原子力機関(IAEA)の専門家チームは10月21日、除染について報告書をまとめた。「年1〜20_シーベルトという範囲内の被曝も許され、国際的基準に沿っていることを広報すべき」「年1_シーベルトの長期目標は除染だけで達成できないことを説明すべき」などと、高線量でも帰還すべきだと本音をむきだしにした。
翌々日の23日には原子力規制委員会の田中委員長が、年間被曝線量1_シーベルトについて「(数字が)独り歩きしている」とし、「年間20_シーベルト以下までを許容した方が良いというのが世界の一般的な考えだ」と公言した。さらに、政府・自民党の「福島復興加速化案」では、「全員帰還」を断念しつつも、なおも「除染・帰還」を基本策として強行する内容になっている(10・30付毎日新聞)。要するに「事故収束」に加え、とにかく「除染・帰還による福島復興」に持ち込み、脱落した帝国主義を立て直したい、それが一切だ。
フクシマ圧殺許さず3・11へ
このように、「除染・帰還」をめぐってフクシマの圧殺か否かという激しい攻防となっている。現在、規制委で伊方原発や川内原発の再稼働の審査が行われているが、その行方を決するのも、全国各地の闘いとともにフクシマをめぐる激突に勝ち抜くことにある。3年目の3・11に向け、すでに激突が始まった。絶対に勝ち抜いて、再稼働を阻止し14年3・11の大高揚に突き進もう。
(島崎光晴)
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政府・東電告発する福一労働者の怒り
福島第一原発で働く労働者たちは、被曝労働と必死で格闘しながら、政府・東電の「収束作業」を批判し、労働者としての声を上げ続けている。原発労働者が労働組合をつくって団結し、それを軸に全労働者人民が原発廃炉に向けて闘うことが、現実課題として求められている。
福島第一で働く労働者(ツイッター名「ハッピーさん」)は、『福島第一原発収束作業日記』出版にあたり、「この2年半を振り返ってがくぜんとした。今も事故直後の状況と何も変わっていない」と述懐している(10・24付東京新聞)。
「突貫工事が続き、タンクも配管も他の設備も『一年もてばいい』と言われ、設置を急がされた。ほとんどの設備が、メンテナンスも考えずに造られている。仮設の配管やタンクから、水漏れが起こることはわかっていたこと。もっと早い段階で、長く使えるものに換えるべきだった」と。「耐久性のあるものに交換すべきだと東電に提案しても、『予算がない』と却下されることも増えた」(5・5付東京新聞)とも批判している。競争入札で安かろう、悪かろうの仮設設備しか造られていないことを、告発しているのだ。
さらに、8月4日付で汚染水問題についても重要な批判をしている。「東電は、アルプス(多核種除去設備)が稼働して高濃度の汚染水を処理するようになったら、陸側の遮水壁は無駄なコストになってしまうと考えていたんだと思う。まさかアルプス稼働がこんなに遅れると思ってなかったはずなんだ」
アルプス稼働に頼った結果、シナリオを次々に変えざるをえず、今のような手に負えない状況に陥ってしまった。汚染水問題を正面から対象化しなかったことを、そう批判している。これはコスト優先の新自由主義に対する弾劾でもある。
原発労働者は、労働者としての誇りを持って、真の収束作業を志向している。労働組合をよみがえらせる全労働者の闘いと、原発労働者・除染労働者が労働組合をつくる闘いは、一体をなす。
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週刊『前進』(2607号4面2)(2013/11/04 )
“福島を忘れるな”
青森八戸市 三八労働者集会開く
10月18日夕方、青森県八戸市で「10・18福島を忘れるな! 原発再稼働阻止! 三八労働者集会」が開催された。南部バス労組、百万人署名運動・県連絡会、NAZEN青森の三者の委員長・代表が呼びかけ、平和労組会議三八地方本部の後援で開催された集会は、安倍政権の東京オリンピック招致と福島切り捨てを徹底弾劾し福島とともに闘うことを決意する集会となった。
飯舘村酪農家・長谷川健一さんの講演と動労水戸・石井真一委員長のアピールを労組動員で結集した100人の地区労働者が最後まで集中して聴いた。
長谷川さんは、2011年3・11直後から飯舘村で起こったこと、そして今現在どうなっているのかをポイントをしぼって話した。原発事故直後の高濃度放射線検出と国・県・村によるその隠蔽(いんぺい)、「子どもを外で遊ばせても大丈夫」という御用学者たちの安全説法、手のひらを返した計画的避難指示と自殺者の続出。とんでもないことが起こっていたのだ。
そして今現在は、「除染して帰村する」という村執行部および国の方針にいかに立ち向かうかが焦点になっているというのだ。環境省が住民にとにかく除染させてくれと言ってやっていることは、ペーパータオルで瓦やビニールハウスをふくことであり、希望者の家の周りの杉の木を切り倒し賠償するが、所有権があるからと切った木は放置していくというデタラメである。これが除染か! こんなデタラメが公然と行われている。どうして認められるか。
長谷川さんは、地区をまとめて除染の同意を拒否して1年半環境省とやり合っていること、一方、変わらない現実を前に妥協するしかないのではと地区の人びとが弱気になっていること、除染が進まない現実を国やマスコミが「徐染に同意しない住民のせいだ」と宣伝し出したことを、「なんちゅうこった。日本はどうなっているんだ」と弾劾し、「みんなで声を上げていこう」と訴えた。
石井委員長は、3・11以降JRが国の手先として推進してきた安全キャンペーン攻撃、常磐線延伸と被曝車両K544の交番検査に対して、被曝労働絶対反対の立場から闘ってきたことを報告した。
7月に1年9カ月止めてきた交番検査が強行されたが、JRは通常通りの検査を現場に強制できず、やったことに偽装して郡山総合車両センターに回送。水戸の闘いが組合を越えて国労郡山工場支部組合員に拡大した勝利を明らかにし、来年楢葉町竜田駅への延伸とそれに伴う被曝労働強制を阻止するために全力で闘う決意を語った。
組織者として奮闘する二者の経験談は、「労働者と乗客を守ろうとしないJR」「年間20_シーベルトの被曝を強制する国」に対して絶対非妥協で闘う労働組合と住民の闘争陣形を力強く形成できるかどうかが、来年3・11へ向かう過程の核心的攻防点であることを示した。
あらゆる職場・地域で「福島の当事者になって」闘おう。
(青森 S)
(写真 「除染して帰村する」という国の方針に立ち向かおうと訴える飯舘村の長谷川健一さん【10月18日 青森県八戸市】)
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週刊『前進』(2607号4面3)(2013/11/04 )
安倍と秘密保護法 ともにぶっ飛ばせ
10・25官邸前 嵐ついて反原発行動
10月25日夜、台風27号の接近に伴う暴風雨が予想される中、恒例の反原発金曜行動は、国会前行動を取りやめ、午後6時から7時半までの短縮バージョンとなったが、首相官邸前で断固として闘われた。
特定秘密保護法案がこの日の昼に閣議決定されて衆院に提出されたことへの怒りと危機感から、参加者全員、嵐を押して雨具を持参しての参加だ。参加者数はいつもとほとんど変わらない。この熱気はすさまじく、台風をも吹っ飛ばし、抗議行動の間ほとんど雨も降らなかった。
特に一人の女性の次のような発言が参加者の気持ちを代弁していた。
「原発の稼働が止まったことをもう一度思い起こしてください。去年の5月5日の子どもの日に止まりました。稼働ゼロでも電気は有り余っていたわけです。そこをあの野田首相が秋になって大飯の1号機・2号機を再稼働させて、どうなったと思いますか。野田政権は、どっかにすっ飛んじゃって今や見る影もないわけです。今年も再稼働を阻止したら安倍政権なんか吹っ飛んじゃうわけですよ」
「山本太郎さんが67万票も取ったように、秘密保護法を通そうとしたら、もっともっと怒りは広がり、安倍政権なんか風前の灯火です。だから私たちはここががんばりどころなんです。私たちの力で今までも止めてきたし、これからも止められる、再稼働もさせない。秘密保護法だって安倍政権とともに吹っ飛ばすことができるんです。みなさん、命の限りがんばりましょう。原発で殺されるより、戦争に行って殺されるより、今ここでがんばるのが一番いい道なのです」
参加者は皆このような気持ちで嵐をついて駆けつけてきているのだ。
さらに大阪から来た3人の女性たちは、「大阪から来ました。私たちはここだけでなく、大阪府下でもいろいろなところで声を上げています。福島から帰りの3人です。私たちは福島の農民の方が農業をできない苦しみ、漁民の方が漁業をできない苦しみ、その苦しみを聞いてきました。子どもを持っているお母さんはどこで遊ばせたら安全か、心を痛めています。子どもを守り、お父さんやお母さんたちを守り、仕事を守る。汚染水をすぐ止めて、今すぐ原発をゼロにする方向で、国民の声を聞け」と熱烈に訴えた。
経産省前で抗議
官邸前行動の後、午後8時から経産省前で特定秘密保護法案反対の集会が行われたが、主催者の男性が、「今日、閣議決定された特定秘密保護法案、これで再稼働反対とか言えなくなる。今まで大飯の原発だけで止めたのは、毎週金曜日の圧力がかかっていたからだ。今日終わった後、経産省前で抗議させてもらいます。みんな、縦横斜めにつながって原発廃炉させましょう」と結集をアピールした。
この日は反原発と秘密保護法案反対の運動がひとつになって爆発していく、その予兆を十分に感じさせるすばらしい闘いだった。
(K)
(写真 大型台風接近にもめげず、多くの人びとが再稼働阻止の声を上げた【10月25日 首相官邸前】)
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週刊『前進』(2607号5面1)(2013/11/04 )
財政破綻とアメリカ階級闘争
公務員労働者 強制休暇に全米で反撃
“やつらのための犠牲にはならない”
10月1日以降、多くのアメリカ政府機関が閉鎖された。17日に期限ぎりぎりで米政府の債務上限の引き上げが議会で可決され、債務不履行はひとまず回避された。80年代以来の、借金で借金を返すアメリカの自転車操業はついに限界に達した。ブルジョアジーは、この事実の前に震え上がっている。休暇を強制された連邦公務員をはじめ全米の労働者が「やつらの危機救済のための犠牲にはならない!」と決起している。革命の始まりだ。労働者階級が彼らにとってかわる時だ。
(写真 「何万人もレイオフされたが議員報酬は払われている」。ボードを掲げ議会前でデモをする政府職員連合などの組合員【10月4日 ワシントン】)
連邦政府機関閉鎖による「無給」攻撃を打ち破った
今年1月、アメリカは「財政の崖」を巡って重大な政治危機に陥った。予算の強制削減でかろうじてそれをのりきったのもつかの間、再び10月17日の債務不履行期限が迫った。
この10・17問題を巡って、民主、共和両党の対立が激化し、ついに10月1日、連邦政府の多くの機関の閉鎖が開始され、16日まで続いた。
これは、労働者に対する大攻撃だ。
80万人の連邦公務員が強制休暇をとらされた。それにともなって百数十万人の州公務員、民間関連産業の労働者が休暇や解雇を強制された。
オバマ政権は、不要不急の業務は閉鎖するが、不可欠な業務は続行すると宣言した。しかし、その「不可欠でなく閉鎖される」業務には、労働安全衛生局(OSHA)、連邦航空局(FAA)の航空機安全監査部門が含まれている。労働者の安全を守る闘いでかちとられてきた機関が閉鎖されたのだ。その結果、10月1日以降、炭鉱で4人が死亡するなどの労災事故が発生している。
また、労働関係局〔日本の労働委員会にあたる〕、環境保護局(EPA)も90%の職員が強制休暇をとらされた。
連邦予算執行停止と連邦業務の停止は各州政府や地方自治体に連動し、多くの機関で失業保険、母子食料扶助、フードスタンプ(無料食料券)の発行が停止された。フードスタンプ受給者は約4800万人に上る。その多くが連邦政府機関閉鎖、州機関による発行停止に直面したのだ。
この強制休暇に対して、連邦公務員を組織するAFGE(全米政府職員連盟、約29万人)の組合員や州・地方自治体労働者を組織するAFSCME(全米州・郡・市職員連盟、約140万人)の組合員が全米各地で立ち上がった。
政府機関閉鎖への怒りは全国民的に沸騰し、1980年代以来の公務員バッシングをのりこえて、AFGE、AFSCMEの闘いが圧倒的に支持された。
これに恐怖を覚えた民主、共和両党は5日、「財政危機に公務員は責任はない。強制休暇中の賃金のバックペイを全額支払う」と約束せざるをえなくなった。80年代以来の「財政危機=公務員の責任」キャンペーンに対して、ついに巨大な反撃に成功したのだ。
破産したデトロイト市の財産に群がる金融資本
連邦政府の財政破綻問題と並行して、ミシガン州デトロイトでは市の破産申請問題が進行した。
同市とその周辺地域には、GM(ゼネラルモーターズ)などビッグスリー本社、工場やその関連産業が集積してきた。
だが80年代からGMなどは外注化を進め、また南部へ、さらに海外への工場移転を行った。30年代の工場占拠ストで戦闘的労働組合として形成されたUAW(全米自動車労組)の破壊を狙ったのだ。これに対しUAW執行部は「雇用を守るために労組から譲歩を申し出る」路線(コンセッション)をとり、資本への協力を強めた。市の空洞化が急速に進んだ。
市財政の悪化は、外注化・移転(市の労働者が生み出した富の移転)と固定資産税・法人税減税によるものだ。「現役労働者に比べ年金生活者が多すぎることが財政破綻の原因」なる論法はもってのほかだ。現役労働者を少なくしたのは誰なのだ!
だが、7月18日、ケビン・オア非常事態管理人が、労働者を犠牲にする破産案をもって裁判所に破産申請を行った。オアは、バンク・オブ・アメリカなどと密接な関係を持ち、2009年のGMの破産管財人を務めた人物だ。GM労働者の年金・医療をカットし、巨大金融資本の債権を優先した実績がある。
破産申請の内容は非常事態管理人命令第17条に示されている。
@イギリスのバークレー銀行が新たに3億5千万jを市に貸し出し、A市は直ちにバンク・オブ・アメリカやメリル・リンチに債務を返済し、Bバークレーは、破綻した市にあえて金を貸す見返りに、返済優先順位のトップに立つというものだ。
巨大金融機関がデトロイト市から100%債権返済を受ける一方で、労働債権を優先するという建前は完全に破壊されている。ミシガン州憲法で、年金受給権を侵してはならないとされているが、市職員の年金基金もカットされるのだ。
さらに労働者の生活にかかわる施設が超安値で売却される。金融資本が市の財産にハゲタカのように群がり、大規模再開発、不動産投機で暴利を得るのだ。
保守的な市議会といえども、労働者の激しい闘いを前にしてこの案は否決せざるをえなかった。
だが、ミシガン州のシュナイダー知事が任命したオア非常事態管理人は、専制的権力を持っている。市長の決定や市議会の決議より、オアの決定が優先する。民主主義の形骸(けいがい)さえまったく残さない、文字どおりの専制だ。
アメリカの巨大銀行は「倒産ビジネス」を重要部門にするに至っている。いかにして企業や自治体を倒産に追い込み、そこから暴利を得るのかという、転倒した世界に、今や米金融資本中枢そのものがどっぷりとつかっている。
デトロイトの労働者は、こうした権力と資本の極限的な腐敗に怒り、「やつらがつくった破産のために金は支払わない!」「年金・雇用・賃金を守れ!」をスローガンに闘っている。それは同時に、UAWやAFSCMEの既成労働運動指導部との激しい闘いとなっている。
(写真 代替輸送バスを阻止する統一都市交通労組組合員【7月1日 西オークランド駅前】)
“弱さ”を逆に武器にした最末期米帝国主義の攻撃
今、劇的に示されているアメリカの債務は、ずっと前から雪だるま式に増大してきた。
アメリカの天文学的な国際収支の赤字と政府財政の赤字が「双子の赤字」といわれた80年代以来、借金で借金を返す自転車操業は、いつかは破綻すると分かっていた。だが、「いつか」がすぐそこにあることが現実に突きつけられたのだ。全世界がアメリカの没落を実感した。アメリカ帝国主義の終わりとその世界支配の終わりを告げ知らせる重大事態だ。
今回の政府機関閉鎖は、アメリカ支配階級内の対立・激突が債務上限問題を巡って表面化したものだ。どうしようもなく財政破綻したアメリカ帝国主義の弱さを逆に武器にして行われたのだ。国内的にも国外的にも、「米政府が債務不履行になったらお前たちも道連れだ」という脅しだ。
84年、レーガン政権下で全米第7位の巨大銀行、コンチネンタル・イリノイが破綻した時、アメリカは「トゥー・ビッグ・トゥー・フェイル」(大きすぎてつぶせない)として銀行救済を行った。巨大銀行の破産は影響が大きすぎるから、新自由主義の公式イデオロギーである「自己責任」を適用しないというわけだ。以後の巨大金融銀行救済には、すべてこの論法が使われている。
今、全世界に示されていることは、アメリカはもはやかつての強大な帝国主義ではなく、「トゥー・ビッグ・トゥー・フェイル」というほどに弱体化しているということだ。
弱さによる恫喝がまかり通るのは、アメリカ帝国主義と一体になってきた既成労働運動がランク&ファイル(一般組合員)を統制・抑圧してきたからだ。アメリカの労働者階級は必ず体制内労働運動を打ち破り、自らの手でアメリカ帝国主義を打倒する。
湾岸都市交通の労組がスト
ATU(統一都市交通労組)1555支部は、BART(サンフランシスコ湾岸高速交通)の運転、整備、駅などの職場を組織する労働組合だ。労働協約改定期にあたる今年、当局は、実質賃下げ、年金・医療給付大幅カット案を突きつけてきた。同時に、全マスコミが「公務員は賃金が高すぎる」「ストをやるからBARTが駄目になる」と一斉キャンペーンを行った。
これは財政危機の中で全米で展開されている公務員バッシング・労組破壊の一環だ。ATU1555支部の組合員たちは地域社会の中で一見孤立させられたかにみえた。
だが、彼らは7月1日〜5日、断固としてストに決起した。また、オバマ政権の介入を跳ねのけて10月18日にもストに突入した。マスコミはスト迷惑論を宣伝したが、サンフランシスコ湾岸地域の住民の多数がBARTの労働者を支持した。
反公務員キャンペーンは実力闘争でこそ打破できるのだ。ニューヨークタイムズをはじめ全米のマスコミがこのストを報じ、アメリカ階級闘争に大きなインパクトを与えている。
ATUの体制内指導部の裏切りでストは屈服的な内容で収束させられてしまったが、ランク&ファイルの組合員は闘いつづけている。
2010年11月の日本の労働者集会で発言したATU1555支部のブラウン元委員長をはじめ、同労組の組合員は動労千葉との交流を重ねてきた。その彼らが今、財政危機・公務員労組破壊との闘いで、全米の最先頭に躍り出ている。
基軸国として強大に見えたアメリカ帝国主義も今や弱さをさらけ出している。日本帝国主義はさらに脆弱(ぜいじゃく)だ。国鉄闘争を軸に国際連帯を強化し世界革命に突き進もう。
〔村上和幸〕
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週刊『前進』(2607号5面2)(2013/11/04 )
秘密保護法と一体の戦争立法
日本版NSC法案阻止を
安倍首相は10月25日に衆院本会議で国家安全保障会議(日本版NSC)の「意義」を説明した。「わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさ増す中、首相官邸の司令塔機能を強化するために必要不可欠だ」。菅官房長官も28日に衆院特別委員会で中国の海洋進出や北朝鮮の核開発を挙げ、「外交・安保環境・防衛環境はきわめて厳しい」「政治の強力なリーダーシップを発揮していく仕組みが必要だ」とNSCの必要性を訴えた。安倍がNSCを設置する目的は何か。
第一に、首相官邸に内外の情報を一元的に集中し、政府の外交・安保政策の意思決定や政策判断を早めることだ。究極的には最高戦争指導会議だ。
第二に、外交・安保を担う機動的な組織をつくることだ。NSCの要は「4大臣会合」だ。首相と官房長官、外相、防衛相の4人が少なくとも2週に1回のペースで会合を開く。集団的自衛権を行使したい安倍は、自分の意思が通る側近で固めた組織をつくり、独裁的に外交・安保政策を決め遂行しようとしているのだ。
これまでも9大臣からなる「安全保障会議」があったが、「盆と正月にしか開かないような儀礼的会議」だった。NSCは4大臣会合の下に少人数の会議を目的別につくり、機動性を持たせる。旧来の9大臣会議は国防の重要課題を議論する9大臣会合として位置づけ直す。
NSCの事務局として国家安全保障局を設け、外務省や防衛省、警察庁などからの出向者ら60人規模で発足させる。全体を統率する班、情報を専門的に分析する班、地域・政策別の班など計6班体制となる。
●集団的自衛権行使が狙い
安全保障会議が取り扱う議題として@中国との関係A北朝鮮の核・ミサイル問題B在日米軍再編C領土をめぐる問題――などが挙げられている。
国内の各省庁、米国や英国などの「同盟国」「友好国」から情報を集め、分析する。日本版NSCの活動は特定秘密保護法と連動している。NSCで扱う情報は、秘密保護法に基づいていったん「特定秘密」に指定されると、何度でも更新できるため、半永久的に非公開になる。
日帝は、米帝をはじめ他国から機密性の高い情報の提供を受け軍事作戦を遂行するためには情報の漏洩(ろうえい)を防ぐ体制をつくらなければならないと米帝から要求されてきた。これへの安倍政権の回答が秘密保護法制定と国家安全保障会議設置だ。安倍は、これらをもって日米の軍事的一体化を一層進め、侵略戦争を共同で遂行し、集団的自衛権を行使しようとしているのだ。第1次安倍政権は2007年4月に国家安全保障会議設置法案を国会に提出したが、挫折した。安倍はその巻き返しをもかけている。
●モデルは米NSCだ
日本版NSCと特定秘密保護法のもと、たった4人の大臣会合があらゆる情報を独占し、秘密にし、それらに基づく判断で戦争を発動し指導する。米帝のような恐るべき独裁的戦争国家の登場であり、実質改憲だ。
日本版NSCのモデルは米国のNSCである。米NSCは大統領、副大統領、国防長官、国務長官で構成し、統合参謀本部議長や国家情報長官らがアドバイザーとして出席する。第2次大戦後、スターリン主義への軍事重圧、侵略戦争やテロ対策の政策立案や情報集約、危機管理を担ってきた。だがブッシュ政権が2003年にイラク戦争に踏み切る理由とした「イラク・フセイン政権の大量破壊兵器保有」の証拠は存在しなかった。
米NSCは実は、戦前日帝が天皇臨席のもと首相や外相、陸相、海相、参謀総長、軍令部総長らごく少人数で国策を決め、戦争を指導した御前会議(最高戦争指導会議)とそっくりだ。安倍がNSCに固執するのは米帝との軍事一体化のためだけではない。日帝独自の戦争国家体制をつくり、集団的自衛権を行使するためでもある。
臨時国会は12月6日までだ。改憲・戦争、公務員労働運動破壊、人権侵害の超重大攻撃である国家安全保障会議設置法案と特定秘密保護法案を、自公の数をたのんで先行的に成立させる暴挙は許されない。11・3集会の地平に立ち、両法案の成立を階級的労働運動の前進・発展で阻止しよう。
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週刊『前進』(2607号5面3)(2013/11/04 )
第3誘導路裁判 騒音被害の実態暴露・追及
認可の取り消しを
10月28日、千葉地裁民事第2部(多見谷寿郎裁判長)で、第3誘導路認可取り消し裁判の口頭弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟、現地支援、動労千葉など多数がかけつけ、顧問弁護団とともに弁論闘争を闘いぬいた。
この日、弁護団は証拠の甲47〜甲52および準備書面11を提出して、趣旨を陳述した。暫定滑走路と第3誘導路によって、周辺住民の暮らしと生命を脅かす騒音をはじめとした事態が起きていることを弾劾する内容だ。
この間、7月16日、9月10日と連続して東峰部落で航空機の部品が落下する事故が起きた。成田市も見過ごすことができず、成田空港会社(NAA)に再発防止の申し入れを行った。
また今年の3月31日に、NAAと国交省が深夜の運用制限を緩和した結果、深夜の飛行便が増え、周辺住民の睡眠が妨害されている事実をデータで示した。それとともに、航空機騒音による睡眠妨害の具体的調査の結果や、アメリカやWHO(世界保健機関)による具体的知見などを示して、被害の重大性を指摘した。
他方、この間の増便、暫定滑走路の使用頻度の高まりで、成田空港周辺住民に対して、1日に平均15回もの睡眠妨害があったことなどを指摘した。結論として、暫定滑走路の供用、とりわけ第3誘導路の供用が市東孝雄さんの暮らしと健康に重大な影響を及ぼしていることを明らかにし、暫定滑走路の供用差し止めと第3誘導路の認可の取り消しを強く求めた。
次回口頭弁論は、12月16日(月)午後1時30分から。
国策と闘う人とつながろう
閉廷後、記者会見と報告会が千葉県弁護士会館で開かれ、弁論の説明が行われた。
葉山岳夫弁護士が市東さんの農地裁判の控訴審について、東京高裁第19民事部・貝阿彌(かいあみ)誠裁判長と陪席裁判官が決まったことを報告し、控訴審闘争に向けた本格的な体制づくりを訴えた。その中で、東京高裁との交渉が行われた10月22日の早朝、三里塚闘争支援連絡会議が裁判所前で行った情宣活動が、裁判所に影響を与えていることを明らかにし、情宣活動の重要性を強調した。
続いて動労千葉、関西実行委員会、市東さんの農地取り上げに反対する会が決意表明を行った。同会事務局の三角忠さんは、11・24市東さんの会シンポジウム「とられてたまるか!農地・いのち」の内容を詳細に紹介し、参加を呼びかけた。
最後に、萩原進事務局次長がまとめのあいさつを行った。「国策を掲げ、市東さんから農地を取り上げようとする攻撃は、農民総体にかけられた攻撃だ。今こそ、沖縄・福島をはじめ国策と闘っている人びととつながり、闘い抜いていこう」と訴えた。さらに、「とにかく三里塚の地に新しい人を連れてきてほしい。三里塚を見れば人間が変わる」と強調して報告会を締めくくった。
10・20集会の高揚を引き継ぎ、市東さんの農地を守りぬこう。
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週刊『前進』(2607号5面4)(2013/11/04 )
法大暴処法弾圧控訴審 全員を無罪にしろ!
全証人の却下を徹底弾劾
10・18法大・国会デモの熱気さめやらぬ10月24日、東京高裁第12刑事部(井上弘通裁判長)で、一審無罪をかちとった法大暴処法弾圧裁判控訴審第6回公判が行われました。被告とされているのは新井拓、織田陽介、恩田亮、内海佑一、増井真琴の5人です。
第4回公判に検察側の証人として出廷した法大OB・I君が、「供述調書は自分の意思とは無関係に書かされたものだ」と宣誓を拒否しました。このI君の正義感あふれる決起に打撃を受けた検事はI君に10万円の過料を請求してきました。
これに対して、冒頭、被告団から怒りの意見陳述が行われました。
「I君の宣誓拒否は圧倒的な正義だ」「法大闘争で生み出された文化連盟の『一人の仲間も見捨てない』というスローガンは、こうした警察・検察による不正義性を暴き『教育の民営化』ですべてが『自己責任』とされていくあり方を根本から打ち破り、奪われた団結を取り戻していく路線だ」「I君の宣誓拒否で検察側立証は完全に破綻した。検事はI君に過料を請求しているが、恥の上塗りだ。この期に及んで意見書で『任意の取り調べが行われた』と言っているのは許しがたい。うそにうそを重ねてデッチあげ―有罪をもくろむ検事こそ処罰されるべきだ。井上裁判長は過料決定を出すな!」
われわれの正義性に押されて、宣誓を拒否した直後には過料決定を出せない状態に裁判所は追い込まれています。敵は完全にグラグラです。
追い詰められた井上裁判長は、なんと弁護側の証人申請と被告人質問をすべて却下しました。検察側と弁護側の最終弁論をもって結審しようとしています。弁護側の証人申請のうち証拠採用されたのは、一審で弁護側証人として証言した小川進さん(長崎大教授)の鑑定意見書と京都舞鶴事件の判決書のみです。
被告人に反論の機会すら与えない裁判所は国家権力の“番犬”として存在していることを表しています。しかし、破綻しているのは敵の側です。唯一の「目撃証言」とされたI君の宣誓拒否で、検察側の立証は崩れ去りました。
採用された検察側の「証拠」は、5人の顔写真を検事に見せられ意思一致し不鮮明な画像でも誰なのか「判別できる」という橋本正次(東京歯科大教授)証言と、画像の鮮明化と称してデータを改ざんした北耕次(民間会社・ソフト開発担当)証言、そして証言を拒否したI君の「供述調書」のみです。これで一審無罪判決を覆すことなどまったく不可能です。
法大「暴処法」弾圧裁判は最初からそうであったように、階級闘争そのものであり、力関係で決まります。
鉄建公団訴訟9・25判決では、10万筆署名と動労千葉の職場での闘いが敵を追い詰め、「国鉄改革法23条」を焦点化し、新自由主義粉砕と国鉄闘争勝利まであと一歩のところまできています。こうした闘いこそが勝利を切り開くのです。
11・3労働者集会を突破口に職場・キャンパスの闘いを大爆発させ、法大暴処法弾圧裁判無罪をかちとろう!
法大生は闘う文化連盟の旗のもとに結集しよう!
(内海佑一)
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週刊『前進』(2607号5面5)(2013/11/04 )
三里塚裁判傍聴を!
◎鈴木さん一坪共有地裁判
11月14日(木)午前10時30分 千葉地裁
◎天神峰やぐら裁判
11月19日(火)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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週刊『前進』(2607号6面1)(2013/11/04 )
集団的自衛権と秘密保護法に絶対反対!11・22集会-デモへ
公務員労働者先頭に安倍倒そう
とめよう戦争への道!百万人署名運動が11月22日(金)の夜、「ストップ!秘密保護法 憲法9条解釈変更=集団的自衛権の行使絶対反対! 安倍政権打倒」を掲げた日比谷での集会と霞が関デモへの参加を呼びかけている。安倍がこの臨時国会で成立させようとしている「国家安全保障会議設置法」と「特定秘密保護法」は、集団的自衛権を行使することのできる本格的な戦争国家体制への歴史的踏み込みであり、絶対に粉砕あるのみだ。怒りも新たに安倍の改憲・戦争国家化攻撃に猛然と立ち向かい、階級的労働運動の発展と階級闘争の歴史的高揚を切り開こう!
国家安全保障会議は戦争の「司令塔」
9月に安倍政権は、「国家安全保障戦略(NSS)」の年内策定を決定した。これは日本帝国主義の中長期的な軍事外交政策の指針を定めるものであり、戦争大国への飛躍をかけた絶望的な策動である。「国家安全保障戦略」を世界で最初に策定したのはアメリカ帝国主義であり(1987年)、2002年にブッシュ政権が策定した同戦略には「先制攻撃」が掲げられ、イラク戦争に突入する指針となった。
安倍政権は、軍事外交政策の指針を「国家安全保障戦略」で打ち出し、その軍事面での詳細を、同じく年末に決定する「新・防衛大綱」で定めようとしている。そこでは、「専守防衛」の抜本的変更や陸上自衛隊の海兵隊化、「敵基地攻撃能力の保有」などを打ち出そうとしている。
10月21日、安倍首相の私的諮問機関である「安全保障と防衛力に関する懇談会」が同戦略の「概要」を発表した。基本理念として「積極的平和主義」をうたう。その意味は集団的自衛権の行使である。具体的には国連軍・多国籍軍に参加すること、他国に軍事介入することである。また、この戦略を「国家安全保障会議(日本版NSC)で不断に検討し、適時適切に発展」させるとしている。「国家安全保障会議設置法」の今国会成立が前提だ。また、この日本版NSC(National Security Council)を軍事外交政策の恒常的かつ最高決定機関にしようとしている。
安倍政権は、この「国家安全保障会議」を「司令塔」と呼んでいる。つまり、戦争国家の司令塔として、軍事・外交・治安などの政策と方針のすべてを、国会ではなくこの機関で決定し遂行しようとしているのである。
現在、内閣に置かれている安全保障会議(1986年に設置)は、首相と8閣僚の参加で「国防および重大緊急事態への対処を審議」するもので、会議の事務は事実上内閣官房が処理し、常設の事務局組織はない。ところが新たな「国家安全保障会議」は、首相、官房長官、外相、防衛相の4人だけで開催し決定することができ、60人規模の「国家安全保障局」という常設の事務局を置くことになっている。この「国家安全保障局」は防衛省や自衛隊幹部、警察庁や公安調査庁などからの出向者で組織され、情報集約機能が恒常的に強化されることは間違いない。まさに日常的に弾圧と戦争を準備していくものであり、これ自体が改憲・戦争国家化攻撃そのものである。
公務員労働運動の解体をねらう攻撃
さらに、「国家安全保障会議設置法」とワンセットで制定が狙われているのが、「特定秘密保護法」である。これは現代の軍機保護法・国防保安法であり、治安維持法である。
なぜワンセットなのか? それは集団的自衛権を行使するためである。米軍と共同で本格的に武力を行使する戦争体制のために両者が不可欠だからだ。
2007年に日米間でGSOMIA(秘密軍事情報の保護のための協定)が締結された。そこでは、日本政府がアメリカと同レベルの秘密保護措置をとること、秘密を扱う者の「セキュリティ・クリアランス」をとることを明記した。つまり、公務員などへの「適性評価制度」の実施である。同レベルの秘密保護措置とは、「懲役10年」という重罰で対処することである。
秘密保護法案はその第12条で、「当該行政機関の職員」または「適合事業者の従業者」に対する「適性評価」の実施を義務づけている。そして、「次に掲げる事項についての調査を行う」として、その第一に「特定有害活動及びテロリズムとの関係に関する事項」をあげ、評価対象者とその家族・同居人などを調べるとしている。そのほか、「飲酒についての節度に関する事項」や「信用状態その他の経済的な状況に関する事項」などを調査し尽くそうとしている。
これは、政府に反対するような公務員を徹底的に排除するものであり、公務員労働組合の解体を狙う攻撃そのものである。政府・支配階級は一貫して公務員労働組合の存在を敵視してきたが、秘密保護法の制定を機に労組破壊攻撃を激化させようとしている。
もう一つ、今回の秘密保護法案の特徴は、警察・公安部がその制定に深くかかわっていることである。法案を検討してきた「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」の事務局は内閣情報調査室(内調)であり、そのほとんどが警察庁からの出向者である。
有識者会議が2011年に出した報告書では、秘密の範囲を@防衛A外交B公共の安全および秩序の維持に関する「特別秘密」――とした。このBは警備公安部門の活動に関する情報をさしている。新設される国家安全保障局のもとに「諜報(ちょうほう)部」がつくられるという報道もあり、公安当局が行うスパイ・盗聴などのあらゆる違法な活動を「秘密」に指定して自由にできるようにすることが狙いである。その目的はプロレタリア革命を予防すること、すなわち階級的労働運動とその労働者党を破壊することにある。
労働組合の闘いが戦争国家化を阻む
以上のように安倍政権は、「国家安全保障戦略」「新・防衛大綱」の年内策定、国家安全保障会議の設置と秘密保護法の制定、そして集団的自衛権を行使するための憲法9条解釈の変更、さらには国家安全保障基本法や派兵恒久法の制定から憲法全面改悪へと突き進もうとしている。日帝・安倍がこのような絶望的飛躍に踏み込まざるをえない理由は何か。
それは、戦争をする以外にけっして抜け出すことのできない世界大恐慌の進行であり、没落の危機をあらわにする米帝オバマの姿である。「3・11」で大国間の争闘戦から大きく脱落した日帝は、一方で日米同盟の強化を掲げつつ、他方で日米安保体制を利用して米帝に対抗するような戦争大国への飛躍に挑戦しなければ、もはや帝国主義国家として延命できないということである。
その核心にあるのは、最末期帝国主義の最後の延命策である新自由主義の破綻である。それが世界大恐慌情勢をつくり出し、階級支配の危機を生み出している。青年労働者が生きられない今日の現実をつくり出したのが新自由主義であり、世界中に非正規労働者という資本主義の墓掘り人を大量に生み出したのも新自由主義である。新自由主義が破綻すればするほど国家暴力を前面に立てて階級支配を行い、国益を露骨に掲げて戦争に向かう。この臨時国会で秘密保護法や“解雇自由”特区法などの超反動法案が並んでいるのはその象徴である。
新自由主義攻撃を本格的に開始した中曽根が、改憲戦略の核心に国鉄分割・民営化と労組破壊(総評破壊)を置いたことが示すように、改憲・戦争国家化を阻む力は労働組合にある。秘密保護法案が公務員とその労働組合を攻撃対象にしているのはそのためでもある。国鉄決戦と公務員決戦がここでも重なった。
反原発闘争とともに、改憲・戦争に対する絶対反対の闘いが、階級的労働運動と労働組合を再生する土台であり水路でもある。今や日帝・安倍政権に対する怒りの闘いが渦巻いている。11・22闘争をともに闘い、安倍政権を打倒する労働者人民の決起を拡大しよう!
(鳴海直也)
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【要項】11・22集会&デモ
STOP秘密保護法 集団的自衛権反対
11・22集会&デモ
11月22日(金)午後6時半 集会
午後8時 霞が関デモ
日比谷図書文化館・地下ホール(日比谷公園内・野外大音楽堂となり)
主催 とめよう戦争への道!百万人署名運動
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週刊『前進』(2607号6面2)(2013/11/04 )
東京狭山集会 全国水平同盟とともに
新たな狭山闘争へ
10月26日、東京・品川の「きゅりあん」で寺尾判決39カ年を糾弾し、狭山第3次再審闘争勝利に向けた狭山集会が開催され、関東各地から71人が集まった。主催は部落解放東日本共闘会議。7月に結成された部落解放の新たな全国組織、全国水平同盟との共闘による初めての狭山集会だ。
開会あいさつに立った大西文夫事務局次長は、「全国水平同盟は、大恐慌下で激化する新自由主義攻撃に対して、国鉄闘争を軸に絶対反対・階級的団結の拡大で立ち向かう全国組織である」ことを鮮明にさせた。そして「本日の闘いをもって新たな狭山闘争をつくり出す」と宣言した。
基調報告を全国水平同盟杉並支部の田中れい子支部長が行った。1974年の10月31日、東京高裁・寺尾正二裁判長による無実の部落民・石川一雄さんに対する無期懲役判決は、石川さんの「たった一人の決起」から始まった狭山闘争が、労働者階級に対する分断攻撃としての狭山差別裁判を逆に階級の団結に転化し、70年安保・沖縄闘争の大高揚を引き継ぐ74年の10万人の高裁包囲に上りつめたことへの反動だったと説き明かした。
田中支部長は国家権力による殺人罪デッチあげの過程から石川さんの不屈の闘い、現地情勢、裁判闘争の現段階を縦横に語り、「階級的労働運動を貫くなかに狭山勝利の道がある。星野再審闘争の地平に立ち、全証拠開示と事実調べをかちとろう」と訴えた。創刊された全国水平同盟機関紙1面の岡邨洋委員長のアピール「11・3労働者集会に総決起しよう」を示し、「ここからすべてを切り開こう」と熱烈に呼びかけると、参加者は大きな拍手で応えた。
続いて、動労水戸の国分勝之副委員長が特別報告に立った。労組の枠を超えて広がった被曝労働拒否の闘いを語り、常磐線竜田駅延伸攻撃と闘う決意を述べた。体制内勢力と決別し資本と非和解で闘う地域の労組の闘いを紹介すると、会場は感動の渦に包まれた。
八尾北・西郡闘争とふくしま共同診療所へのカンパアピールの後、決意表明に移った。
動労千葉の後藤俊哉さんは、外注化による鉄道の安全破壊に怒りをたぎらせ「ストで闘おう」と呼びかけた。東京労組交流センターの小泉義秀事務局長は「資本と闘うなかで差別・分断を打ち破る。合同・一般全国協と全国水平同盟が一体となり非正規職撤廃を闘う」と表明。地元・なんぶユニオンの宮里勝博委員長は「全国水平同盟の闘い、組合員の解雇撤回へ芳賀闘争を南部の地で発展させる」と意気込みを語った。全学連の冨山小太郎さんは「たった一人の決起が団結をよみがえらせる」と新自由主義攻撃との最先端にある狭山闘争の核心を述べた。杉並支部員は、不払いの夜間割り増し賃金や未払い残業代をかちとった職場闘争の前進を報告した。
最後に岩本正治事務局長がまとめで「あと1週間を存分に使って11・3集会への組織化を」と奮起を促した。全員が力を振り絞る決意を込めて団結ガンバローを行った。
(写真 石川さんと連帯し狭山再審闘争勝利、11・3集会の組織化へ総決起を誓った【10月26日 品川区】)
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週刊『前進』(2607号6面3)(2013/11/04 )
韓国民主労総 パククネ政権打倒へ進撃
御用労組化拒み闘う全教組
11・3労働者集会には韓国民主労総の闘う労働者が大挙して参加した。続いて11月10日には、ソウルで全国労働者大会が開かれる。
民主労総の全国労働者大会は、1970年に「労働者も人間だ」と叫んで焼身決起したチョンテイル青年の精神継承を掲げて、毎年11月に開かれてきた。今年の大会はとりわけ重要な位置をもっている。危機を深めるパククネ(朴槿恵)政権が民主労総の破壊を狙う大攻撃をしかけ、これとの全面対決が死活のかかった重大な決戦となっているからだ。
(写真 全教組死守・パククネ政権打倒に向かって総決起を訴えるシンスンチョル民主労総委員長【10月26日 ソウル駅前広場】) 独裁政治復活阻止する決意
10月26日、ソウル駅前広場で、パククネ政権に対する民主労総の徹底抗戦を宣言する大集会が開催された。事前に公務員労組、金属労組、貨物連帯の集会が市内各所で開かれ、KTX(韓国高速鉄道)民営化阻止の集会が同じソウル駅前で開かれた。それらがすべて午後4時半からの民主労総総決起大会に結集し、7千人の集会となった。
あいさつに立った民主労総のシンスンチョル委員長は、「今日から全国労働者大会まで、民主労総が先頭に立ってパククネとの闘いに立ち上がろう。労働者全体が団結して世の中を変えよう。すべての責任は委員長が負う」と宣言した。
全教組(全国教職員労働組合)のキムジョンフン委員長は、政府が10月24日に全教組の労組認定取り消しを強行したことを激しい怒りをもって弾劾し、「24日はパククネが維新独裁体制への回帰を宣言した日だが、今日はその終末を告げる出発点だ」と叫んだ。
公務員労組のキムジョンナム委員長は、「80年5月の光州(蜂起)を闘った死者の血でかちとった民主主義と、87年労働者大闘争でかちとった労働基本権が、ことごとく無視されている」「全教組、特殊雇用労働者、非正規職労働者とともに、再び民主化を実現する大闘争にのりだす」と決意を語った。
金属労組のチョンギュソク委員長も、「全教組の非合法化は金属労組への破壊攻撃に直結する」「各個撃破を許さず、全労働戦線が一つになって闘おう。金属労組はその中心に立つ」と決意を表明。公共運輸労組・連盟のイサンム委員長が、パククネ政権が狙う鉄道・ガス・電気・水道・医療・空港など公共部門の大民営化攻撃を絶対阻止するとともに、「労働者が解放される世の中をつくろう」と訴えた。
最後に壇上で、「労働弾圧」「公約破棄」と書かれた箱をハンマーでたたき壊し、「労働者の権利を侵害したパククネはもはや大統領ではない!」との激烈な宣言がたたきつけられた。
夜7時からはパククネ糾弾のろうそく集会が開催され、参加者は1万5千人にふくれ上がった。パククネ政権打倒へ向け、闘う労働組合を先頭に猛進撃が始まった。
労組非合法化の攻撃と激突
韓国労働者人民とパククネ政権との対決は9月に入って一挙に非和解化した。大統領選挙時の不正が暴露され窮地に立ったパククネが、野党の国会議員を「内乱陰謀罪」で逮捕するなどの大弾圧に出たのがきっかけだ。パククネ政権は続いて、労働組合と労働運動に対する全面的な破壊攻撃にのりだした。その突破口として仕掛けられたのが全教組への攻撃だった。
9月23日、政府は全教組に、解雇者を組合員から排除せよと要求し、応じなければ全教組の労組認定を取り消すとの最後通告を行った。そして1カ月後の10月24日、実際に全教組の労組登録を抹消し、その合法的地位を奪う攻撃を強行した。今後は団体交渉にも一切応じず、法で保障された労働組合としての権利も認めないというものだ。さらに25日には、これまでに締結されていた団体協約の解約、労組専従者の休職取り消しと職場復帰命令、組合事務室の撤去など、5項目の行政措置を全国に通達した。
この暴挙に対し、民主労総全体が怒りに燃え、全教組とともに「決死抗戦」を叫んで立ち上がったのが、26日の闘いだった。集会現場では「全教組が労働組合ではないとするなら、パククネは大統領ではない!」というプラカードが手に手に掲げられた。
これに先立ち、全教組は「解雇者の組合排除」というパククネの理不尽な命令を拒否するか受け入れるかをめぐって、組合員総投票を行った。10月16〜18日の3日間で全教組6万組合員の80%以上が投票し、その68・59%、実に7割が政府の命令を断固拒否して、どんな困難があろうと闘いぬく道を選択した!
現場の教育労働者はその思いを次のように語っている。「闘争の先頭に立って解雇された仲間を投げ出せというのは、全教組に御用労組になれということだ。そんなことは絶対にできない」と。また「全教組があるから闘うのではなく、闘うために全教組をつくったのだ。法を守らない政府に従う必要などない。法外労組になろうと、われわれはどこまでも労働組合として闘う」と。
民主労総再生をかけて決起
この全教組弾圧は、追いつめられたパククネ政権による、韓国労働者階級人民全体に対する反革命的な階級戦争の開始である。これを許せば、87年労働者大闘争以来の血と汗の闘いでつくりあげてきた民主労総そのものの破壊・解体を許すことになると誰もが感じている。そして民主労総の破壊は独裁政治の復活につながるという危機感と怒りがすべての闘う労働者人民をとらえ、絶対非和解の根底的な決起が次つぎと呼び起こされてきているのだ。
すでに、パククネが内乱陰謀罪の大弾圧を発動した直後の9月10日、民主労総の労組活動家200人が集団記者会見を行い、「1%の財閥と富者の国を99%の労働者民衆の世の中に! 内乱と体制転覆を夢見る私たちも処罰せよ!」との歴史的な戦闘宣言をたたきつけた。この現場からの満身の力をふりしぼった決起が民主労総全体を突き動かし、10月15日には各産別・地域指導部と職場代表1千人の前で、シンスンチョル委員長が「私たちの団結した闘争でもう一度世の中を変えよう」と、自らの逮捕・拘束を覚悟して闘う決意を表明した。
1995年に結成された韓国民主労総は、新自由主義攻撃が全世界的に吹き荒れているその真っただ中で登場し、資本との絶対非和解を貫くナショナルセンターとして、世界のブルジョアジーを震え上がらせてきた。その民主労総の階級的戦闘的魂を原点からよみがえらせ、さらに革命的に発展させていこうとする闘いが今、パククネとの大激突として始まっている。
11月10日の民主労総全国労働者大会は、労働弾圧粉砕とすべての労働者の労働基本権獲得、民営化阻止・非正規職撤廃を掲げて闘われる。その前日、9日の夜には正規と非正規の分断を打ち破る決意を込めて、非正規職撤廃を正面課題に掲げた労働者大会がやはり全国結集で開かれる。
11・3労働者集会の3労組共闘を軸とする日本の階級的労働運動の大前進と、韓国民主労総の新たな前進は、新自由主義をその土台から転覆していく闘いとして完全に一つの闘いだ。日韓労働者の国際連帯の強化を今こそ全力で闘いとろう。
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週刊『前進』(2607号6面4)(2013/11/04 )
2013年日誌 10月22日〜28日
米、独首相の携帯電話を盗聴/旧社保庁の解雇、3割超取り消し
●原発の新増設提案に踏み込む見通し
原発の再稼働を促進する自民党の「電力安定供給推進議員連盟」は、政府が年内につくるエネルギー基本計画に原子力を位置づけるための中間提言をとりまとめることを決めた。原発の新増設にも踏み込む見通し。(22日)
●柏崎刈羽原発、東電が工事開始 東京電力は、再稼働をめざす柏崎刈羽原発で、新たな規制基準が求める「フィルター付きベント(排気)」設備の本体工事に入った。(22日)
●独首相の携帯を米が盗聴 ドイツ政府は、メルケル首相の携帯電話が米情報機関に盗聴されていた可能性が高いとして、首相がオバマ大統領に説明を求めたことを明らかにした。(23日)
●田中規制委員長「年20_シーベルト許容を」 原子力規制委員会の田中俊一委員長は、福島第一原発事故に伴う除染について、年間追加被曝線量を「20_シーベルト以下までを許容した方が良い」と発言した。(23日)
●原子力大綱を廃止 国の原子力委員会のあり方を見直している有識者会議は見直しの基本方針を了承した。国の原子力利用の基本方針「原子力政策大綱」は廃止。今後、原発の推進や核燃料サイクル政策の扱いなどの原子力政策は、経済産業省の総合資源エネルギー調査会の分科会で議論が進むことになる。(24日)
●半導体部門7千人削減 パナソニックは赤字の半導体事業を大幅に縮小する。海外と国内の工場の売却や閉鎖を進める。部門の人員も現在の約1万4千人から2015年3月までに半減させる方向。(24日)
●旧社保庁の解雇、3割超取り消し
旧社会保険庁の廃止に伴い、525人の労働者が分限免職(解雇)された問題で、処分に不服を申し立てた元社保庁労働者に対する人事院の審査結果がほぼ出そろった。70人のうち24人について、「妥当性を欠く」として免職処分を取り消した。弁護士は、取り消しが認められなかった人については、提訴を検討する方針。(25日)
●秘密保護法案を国会提出 安倍内閣は、国の機密情報を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案を閣議決定し、国会に提出した。安倍首相は衆院本会議で、国家安全保障会議設置法案とセットで今国会成立をめざす意向を表明した。(25日)
●慰謝料、避難解除後1年まで 東電福島第一原発事故で国の避難指示が出た区域の住民に対する月10万円の精神的苦痛に対する賠償(慰謝料)について、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は、支払期限を避難指示の解除後1年と決めた。(25日)
●東電、除染費支払い拒否 東電が除染事業の大半の項目について費用の支払いに応じない考えを2月時点で国に明確に伝えていたことが分かった。国はこれを公表せず、支払い拒否を黙認している。(27日)
●米、光ケーブルでも傍受 米国家安全保障局(NSA)が少なくとも三つのプログラムを組み合わせることで、インターネットや携帯電話などのほぼ世界中の通信記録を対象に収集、分析していたことがNSA元幹部らの証言で分かった。(28日)
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週刊『前進』(2607号7面1)(2013/11/04 )
団結ひろば 投稿コーナー
県内諸団体が共同で柏崎刈羽原発に反対 新潟 芳賀正人
10月24日、NAZENにいがたを始め、「柏崎刈羽原発の再稼働に反対し、廃炉をもとめる署名」に取り組む新潟県内の10の団体による新潟県知事への申し入れ行動が行われました。
各団体を代表して20人ほどが県庁舎に集まりました。県知事に対する要望項目は、@柏崎刈羽原発に関して県民の安全第一の立場を堅持されること、A柏崎刈羽原発の再稼働を認めず、廃炉にすること、B再生可能な自然エネルギーを積極的に導入して雇用を創出し、県民の暮らしを守ること――の3点です。
全体で2万筆ほどの署名を持って行き、県の防災局および産業振興課に提示して、要請書を読み上げました。NAZENにいがたでは毎週行っている「反原発土曜行動」において、この間100筆前後の署名が寄せられており、今回、これまでに集まった4300筆余りを持って行きました。
申し入れに伴う質疑が各団体から県に対して出され、NAZENにいがたも再稼働反対と廃炉に関しての県の考えに疑問をぶつけました。また、東電が県に設置許可を求めたフィルター付きベントに関して、参加者から懸念の声が上がっても、県の回答は住民の不安に答えるものとは思えませんでした。
福島第一原発から大量の汚染水が放出され、事故収束がままならない状況の中、柏崎刈羽原発の再稼働をもくろむ東電に、新潟県でも懸念と怒りが満ちています。今回、私たちは県知事に直接会って要請することを希望しましたが、知事本人は出席せず県の担当者が対応したことに、参加者から残念だという意見が出されています。
今回は中間集約のため署名を県に提出していませんが、要請行動の意義の第一は、県内で原発反対を明確にしている諸団体が共同で行動したことです。NAZENにいがたは、原発再稼働反対の立場を明確にしている県内各地の会とともに今後も署名集めを継続し、柏崎刈羽原発再稼働反対で闘っていきます。
大間原発反対の声があふれ出た現地デモ 青森 丹波 凛
10月19日、青森県反核実行委員会と北海道平和運動フォーラムの共催で、大間原発の建設中止を求める現地集会・デモが開催され、600人が結集しました。
デモ隊が通る道路を見渡せる高い場所があります。100bくらい離れたその場所で、一人で手を振っている方がいました。農家の娘として育った私にとって、母の姿が重なりました。農作業用の上下を着ていて、歳も同じくらい。かけよって話をすると「初めてデモを見た。原発は止めてほしい」と希望と期待を込めて手を振ってくれていました。一緒にデモ隊に向かって手を振ると、多くの人たちが、手を振り返してくれました。人の温かさを感じました。
小学生の男の子たち5、6人が正面から自転車で来ました。その中の一人が、「原発反対」と何度も大きな声で叫んで通り過ぎました。「おめだち一番だじゃ」と大人たちが一気に元気になりました。大間の子どもたちの日常には、大間原発があるのです。
デモが終わり、遊んでいた小学校低学年の女の子たちに大間の好きなところを尋ねてみました。一生懸命考えてくれて「海」「魚とかおいしい食べ物あるところ」ときらきらした目で答えてくれました。
今回、現地であらためて思ったことは、3・11福島原発事故を受けての、原発いらないという町民の声は、闘いの旗があれば表にあふれ出てくる。この間の大間現地集会・デモの積み重ねは大きいということ。大間の人の多くの思いを胸に、大間原発を止めるために闘っていく決意です。
『愛と革命』は新自由主義うち倒す栄養源 星野救援会 S
『愛と革命』の本が届いて1カ月。感想を聞きました。2タイプあります。
Aタイプ。「一気に読みました」という人たち。過重な仕事で毎日、深夜残業させられている青年労働者の言葉です。「暁子さんが、病気を克服して闘っているところに、とても感動しました!(ニッコリ)」。久しぶりに彼の笑顔を見た気がします。
もう一人は、3交代の医療福祉現場の女性。「一気に読んでいたよ」と連れ合いさんが教えてくれました。
社会全体がブラック企業のようになり崩壊する中、長時間・不規則労働で、ヘロヘロになっている人たち。巨大資本は、職場で彼らの人生をすりつぶしながら肥え太っていく。『愛と革命』は、その彼らが一気に飲み干す一杯の水。もしくは力関係の転換を虎視眈々(こしたんたん)と心に誓う、力をくれる栄養源。新自由主義を打倒せずして、もはやこの先、人間らしい人生などない。私たち労働者にとって、国鉄闘争は労組再生の最強の武器、『愛と革命』は最強の栄養源。「ポパイの缶詰」です。徐勝氏の『獄中19年』(岩波新書)で断食闘争後、おかゆが体にしみわたるくだりを思い出させます。
ちなみにBタイプ。うつむいて「実は、まだ全部読んでないんです」という人たち。私もその一人。じっくり、線を引きながら読んでいます。今、「再審弁護団の訴え」の章を読み終えました。星野文昭さんの陳述書は、いろいろ思いがめぐって、ドトールでモーニングを食べながら涙が止まらなくなりました。金元重さん、客野美喜子さんの講演録は面白そうだったので、先に読んでしまいました。七転び八起き、勝利への執念を学びました。
――ということで、新証拠の章あたりは、これから読みます。
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週刊『前進』(2607号7面2)(2013/11/04 )
不当逮捕を弾劾する
11・3集会の妨害狙う捜索 A同志を釈放せよ
警視庁公安部によるA同志へのとんでもないデッチあげ逮捕と前進社への不当な家宅捜索を徹底的に弾劾する。A同志をただちに釈放せよ!
警視庁公安部は10月24日正午前、通院していた東京医科歯科大病院を出ようとしたA同志を「免状不実記載」容疑で逮捕し、午後2時、前進社への家宅捜索を強行した。まったくのデッチあげ逮捕であり、違法・不当な家宅捜索だ。
A同志への「免状不実記載」容疑なるものは、昨年8月29日に江東運転免許試験場で虚偽の住所を記載して免許を更新した、というものだ。だがA同志は前進社に住んでいる。それを理由にもならない理由で、しかも家宅捜索することのみを目的に1年以上も前のことをデッチあげて逮捕し、捜索することなどどうして許されようか! これにやすやすと令状を発布する裁判所も同罪だ!
A同志は腎臓病を患い、今年2月には東京医科歯科大病院に入院していた。その後も定期的に通院し、検診を受けていた。それを百も承知で逮捕し、必要な薬も飲ませず勾留すること自体、A同志を精神的肉体的に破壊するとんでもないことだ。
今回のデッチあげ弾圧の狙いは明白だ。直前に迫った11・3労働者集会の成功に向けて全力で闘う革共同の本部・前進社を破壊し、集会の成功を妨害することにある。公安警察自身が、前進社への家宅捜索で「今回は奇襲を狙った」と言っていることの中に、政治弾圧を唯一の狙いとしていたことが示されている。
だが、このあまりに卑劣ででたらめな警視庁の弾圧こそ、世界大恐慌と3・11情勢下で資本主義崩壊の危機におびえるブルジョアジー、国家権力、安倍政権のみじめな姿そのものではないか。
国家権力中枢によるスパイ荒川碩哉を使った革共同破壊策動も粉砕された。国鉄決戦の前進で安倍・葛西、そして裁判所も決定的に追い詰められている。新自由主義のうそとペテンは暴かれ、全労働者人民の激しい怒りが噴出している。階級的労働運動のうなりをあげた前進と11・3労働者集会の大結集に、支配階級は心底恐れているのだ。
腐った支配階級は労働者の団結で打倒される以外にない。デッチあげ弾圧を粉砕し、11・3集会の勝利を拡大しよう。
とりわけA同志への殺人的勾留を絶対に許さない。A同志は腎臓病により医師から一つひとつ指導と検査を受けながら、日常的な服薬・食事制限を必要としている。だが警視庁はそれを妨害し、取り調べと称して転向強要を行っている。A同志の病状を悪化させることは明らかだ。これを容認する検察、裁判所の悪行も絶対に許さない。ただちにA同志を釈放せよ!
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週刊『前進』(2607号7面3)(2013/11/04 )
静岡 国鉄闘争弾圧許すな
ユニオン役員2人を奪還
静岡労組交流センターの会員で、この夏結成されたばかりのユニオンしずおかの役員である2人に対して、10月7日、「携帯電話詐欺」を口実とした許しがたい不当弾圧が行われました。一人は、出勤のために家を出た直後、もう一人は朝、ごみ出しで家を出たところを拘束してそのまま自宅に押し入り、家宅捜索と逮捕を強行するという襲撃そのものでした。
“譲渡目的を隠して携帯電話の契約したから詐欺だ”と事実を捏造(ねつぞう)したデッチあげ逮捕に対して、2人は完全黙秘で闘い、勾留延長を粉砕して10日目に奪還されました。
ユニオンとセンターの仲間たちは、連日抗議のビラまきと宣伝に取り組みました。特に12日の土曜日の午後、2人が勾留されていた静岡中央警察署と目と鼻の先にある静岡の目抜き通りで大宣伝を行いました。地域の仲間たちの団結した力で不当弾圧を粉砕し、2人を奪還しました。
今回の弾圧は、明らかに国鉄1047名解雇撤回闘争と階級的労働運動派のユニオン建設に対する破壊攻撃です。
昨年末以来、国鉄分割・民営化と不当解雇の張本人であるJR東海会長・葛西敬之のおひざ元の静岡で、私たちは「解雇撤回・JR復帰」10万筆署に精力的に取り組んできました。二十数労組の団体署名と街頭を中心にした千数百筆の個人署名を集めました。国鉄解雇撤回闘争は終わったものと思っていた多くの労組関係者から大いに注目されました。2010年の4・9政治和解で「終わらせた」はずの「国鉄1047名解雇撤回」ののぼり旗が翻り、頻繁に街頭宣伝が行われ、国鉄闘争が継続・発展している光景ほど、葛西と国家権力に打撃を与えるものはないと思います。
この闘いを土台にユニオンしずおかは結成されました。今秋からは、「解雇撤回・JR復帰」署名と同時にユニオンしずおかの勧誘リーフの配布を始めていました。その矢先の弾圧でした。
奪還をかちとったその日から、2人は11・3労働者集会の組織化の先頭に立ちました。街宣・朝ビラで、2人を取り調べた公安や検事が通りかかりました。弾圧をはね返して闘う姿を強烈に見せつけてやりました。国鉄闘争とユニオン建設の前進で、やつらに百倍返しを食らわしてやるぞ!
(静岡労組交流センターS)
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週刊『前進』(2607号7面4)(2013/11/04 )
2014年を奪還実現の年に
12・1星野全国集会・デモへ @
労働者の魂とらえた闘い
獄中39年を不屈に闘う星野文昭同志を今こそ労働者階級の手に取り戻そう。
われわれは星野同志奪還の闘いを、国鉄決戦、反原発闘争と一体の3大階級決戦として、2013年を闘ってきた。全証拠開示大運動、6・30星野全国集会、9・8徳島刑務所デモをもって、この闘いは圧倒的に物質化され、『愛と革命』の発刊に至った。この地平の上に、14年には星野同志奪還を実現する一大飛躍を絶対にかちとろう。その出発点が12・1全国集会とデモだ。11・3労働者集会の勝利から、12・1へ総決起しよう。
9・8徳島刑務所デモは、12年2・5徳島刑務所包囲デモから1年半、労働者人民の隊列が徳島刑務所を再び包囲し、星野同志との固い連帯、直接の合流を実現した。星野同志を絶対に取り戻すという熱い思いがひとつに凝縮して噴き上がり、獄壁を激しく揺るがした。この感動が『愛と革命』を通してさらに巨大な階級のエネルギーを解き放っている。10月11日の出版記念会に、「おれはこの本を読んで涙が止まらなかった。若い組合員を連れてやってきた」と、ある労組の委員長が駆けつけた。
世界大恐慌が深化し、労働者階級が生きるための闘いに立ち上がってきているこの時に、星野同志の闘いは、労働者階級の希望となり、労働者階級の魂をとらえている。
(写真 430人が「星野さんを返せ」と徳島刑務所にデモ【9月8日 徳島刑務所正門前】)
検察はすべての証拠出せ
9月30日、星野文昭同志と再審弁護団は東京高裁に証拠開示を求める「意見書」を提出した。再審を請求している無実の星野同志には、検察官に全証拠の開示を求める権利があり、検察官は全証拠を開示する義務がある。ところが検察官は、証拠開示を拒否し続け、東京高裁も開示命令を出そうとしていない。
1971年沖縄闘争の現場で、ガス弾を発射してデモを鎮圧しようとした機動隊員が、デモ隊員に捕捉され死亡する事件が発生した。国家権力は、星野同志をその「実行犯」に意図的にデッチあげ、死刑を求刑し無期懲役の判決を下した。
39年に及ぶ星野同志と弁護団の闘いは、国家によるデッチあげを完全に暴き、確定判決を崩壊させてきた。東京高裁・高検が、それでも再審開始を拒否するのなら、「全部の証拠を出せ!」ということだ。無実の証拠を隠したまま、39年も投獄し続けるという国家犯罪が許せるか。
検察官は絶大な権力を行使して「証拠収集」するが、自己に都合のいい「証拠」のみを出し、あるいは「証拠」を偽造し、無実の証拠は隠していることが、全証拠開示運動を通して明らかになった。これは、真実や人間の生命・人権よりも危機にある国家体制を維持するため汲々(きゅうきゅう)とする新自由主義国家の実態そのものだ。
証拠開示をめぐる攻防は、新自由主義との真っ向からの闘いだ。11−12月が決戦である。新自由主義に怒る労働者階級人民の力を総結集し、全証拠開示をかちとろう。
新自由主義への怒り集め
安倍政権は、集団的自衛権の行使容認へ急ピッチで動いている。これと一体で、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案と特定秘密保護法案の成立を急ぎ、国家安全保障戦略(NSS)とそれに沿った防衛大綱の見直しを進めている。その背景には、世界大恐慌と帝国主義間・大国間争闘戦の激化、米帝の未曽有の危機と没落がある。
福島原発事故は日々膨大な放射能をまき散らし、汚染水はあふれ続けている。安倍は「完全にコントロールされている」「福島は安全だ」と全世界に大うそを振りまいている。だが、こんな大うそは労働者人民の怒りをかきたてるだけだ。
労働者の団結と社会の共同性を解体して延命してきた新自由主義の全面崩壊がついに始まった。「今まで通りにはやっていけない」と、全世界で労働者人民の怒りの決起が巻き起こっている。
動労千葉鉄建公団訴訟の9・25控訴審判決に示されているように、動労千葉は国鉄分割・民営化攻撃の国家的不当労働行為を労働組合の団結した闘いで暴き出した。新自由主義の外注化・非正規職化と闘い、JR体制をガタガタにしている。
獄壁を越えた星野同志と暁子さんの愛と団結もまた、新自由主義と絶対反対で闘い続ける中で生み出された。これが労働者の魂をとらえ、労働者自らの解放と星野同志の解放の闘いをひとつにして、決起する力となっている。
星野同志奪還を地区党の正面課題にすえよう。地区党は、労働運動を基軸に、新自由主義のあらゆる攻撃と闘う中でこそ強固に建設される。『愛と革命』を武器に、自らの職場で決起しよう。大胆に労働組合を訪れて署名を集めよう。12・1星野全国集会と都心デモに総力で決起し、星野同志を絶対に奪還しよう。
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【要項】無実の星野文昭さんを取り戻そう 全証拠を開示させ再審勝利へ
12・1星野全国集会
12月1日(日)正午開場 午後1時開会
星陵会館(千代田区永田町2-16-2)
主催 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
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週刊『前進』(2607号8面1)(2013/11/04 )
改憲・戦争に進む安倍倒せ 国際連帯で非正規職撤廃を
新10万筆署名運動を推進し 解雇撤回・14年最高裁決戦へ
(写真 関西生コン支部、港合同、動労千葉の呼びかけ3労組を先頭に、全国と世界から結集した闘う労働者の力強いデモ隊が都心を席巻【内幸町】)
(写真 韓国・民主労総ソウル本部の代表団が、この日のために用意した横断幕を手にデモ。国鉄闘争を始めとする日本の労働者の闘いに限りない同志的連帯の意志を示した)
(写真 滞日・在日外国人労働者の熱い連帯アピールに、参加者が盛大な拍手で応えた)
(写真 鉄道民営化と闘うドイツ機関士労組の組合員のクルト・シュナイダーさんが連帯表明)
(写真 国鉄闘争を軸に民営化攻撃と対決し、大阪・橋下打倒の闘いの大きな前進を切り開いた関西の労働者たちが元気に都心をデモ)
(写真 三里塚芝山連合空港反対同盟と全国農民会議が登壇し、全国の労働者とともに農地死守・安倍打倒へ闘う決意を表明した)
(写真 福島の怒りと連帯し14年3・11へ 福島の怒りを代表し、佐藤幸子さんが火を吐くようなアピール。全国の労働者に「来年3月11日、福島で再会しましょう!」と呼びかけた)
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週刊『前進』(2607号8面2)(2013/11/04 )
山本太郎氏への与野党とマスコミの攻撃粉砕しよう
「天皇への手紙」問題の核心は何か
山本氏への非難の大合唱は福島圧殺そのものだ
10月31日に行われた園遊会で、福島原発事故が引き起こしている深刻極まる現実を訴えて、山本太郎参院議員が天皇に手紙を直接渡した。このことに対し、自民党を始めとする国会の与野党およびマスコミが、山本氏に許すことのできない卑劣な攻撃を集中している。山本氏に「議員辞職」を迫ったり、参議院としての処分を検討したりと、天皇制イデオロギーと白色テロルの恫喝による、山本氏の闘いの圧殺がたくらまれている。
山本氏が国会内で記者団に語った手紙の核心は、福島原発事故により「子どもたちの未来が危ないです。健康被害というものも出てきております。福島の原発収束作業員も、本当にひどい労働環境の中で働かされている現実があります」ということだ。これはあまりにまっとうな、差し迫った思いと危機感の表明であり、同時に福島原発事故に対して、自民党・安倍政権と東京電力が自らの責任を放棄し、福島の現実と怒りの圧殺に躍起となっていることへの正当極まる弾劾である。
安倍や自民、公明、民主を始めとする与野党とマスコミは、この山本氏が身をもって訴えていることに、なんと答えるのか。汚染水流出や甲状腺がんの多発や被曝労働の深刻さをどうするのだ。それにまともに答えず、天皇に直接手紙を渡したことが問題だと山本氏を攻撃することは、天皇制と白色テロルを振りかざした、さらなる福島圧殺攻撃そのものであり、断じて許しがたい。
今まさに、福島圧殺攻撃とともに、改憲を「歴史的使命」と宣言する安倍政権のもとで、戦争・改憲の動きが本格化している。一方で国鉄決戦が圧倒的な階級攻防の焦点にせり上がると同時に、他方で改憲阻止をめぐる攻防が日本階級闘争の正面課題となっている。
原発再稼働と特定秘密保護法の絶対反対を訴え、福島の子どもたちや原発労働者の現実を何とかしたいと必死に訴える山本氏を、卑劣な手段で葬り去ろうとする策動を労働者人民の怒りと決起で絶対に粉砕しよう。
体制危機の時代に日帝・自民党がすがる天皇制
山本氏の今回の行動に対して、官房長官の菅がまず憎悪に満ちた「不快感」を示した。これに続き、「天皇の政治利用そのもので、議員辞職ものだ」(下村文科相)、「常軌を逸した行動だ」(古屋国家公安委員長)、「見過ごしてはならない」(石破自民党幹事長)、「議員辞職すべきだとの意見には非常に共感する」(松原民主党国対委員長)、「憲法の規定にそぐわない行動だ」「常識を欠いて不適切」(志位日本共産党委員長)などなど、閣僚や与野党幹部が一斉に非難し、処分や議員辞職の大合唱を行っている。
いったい何が「常軌を逸した行動」だ。「常識を欠いている」だ。ふざけるな!
今回の件で天皇制の問題が前面に登場してきている。「資本家的政治支配、階級支配が解体的動揺に陥る中で、天皇制は帝国主義ブルジョアジーの反革命的結集のシンボルとなる。労働者階級はプロレタリア革命の一環として、天皇制の一切の形態を粉砕し、根こそぎに一掃する」(革共同綱領草案)。このような立場だけが、労働者階級が天皇制に対してとるべき原則的で路線的な立場であり回答である。もともと天皇の園遊会など、労働者人民は徹底的に拒否し、粉砕し、怒りで蹂躙(じゅうりん)し尽くすべきものである。
ところが日本共産党を含め、すべての与野党やマスコミがまたしても天皇制のもとにひれ伏し、山本氏への非難と攻撃を行っている。
大恐慌下に最末期の脱落日帝・新自由主義の危機の中で、天皇制が「帝国主義ブルジョアジーの反革命的結集のシンボル」として登場してくることに対しては、労働者階級人民の「生きさせろ!」の怒りと決起がさらに激しく巻き起こっていく。われわれはどこまでも山本氏とともに、国鉄決戦と反原発決戦を軸に闘いぬくであろう。
階級的労働運動と国際連帯で闘い勝利しよう
そもそも「天皇の政治利用」を一貫して行ってきた常習犯は、日帝・政治委員会と自民党だ。最近でも沖縄圧殺の「主権回復の日」式典(4月)、福島視察(7月)、東京五輪誘致活動(9月)、水俣訪問(10月)と、天皇・皇后や皇族を頻繁に登場させてきた。自民党改憲案で天皇を「元首化」しようとしていることこそ最大の政治利用ではないか。
このような天皇・皇族の再登場=政治利用の恒常化は、日帝の政治支配が危機に陥っていることの表れだ。激化する大恐慌下で新自由主義は崩壊を開始した。階級対立が非和解的に激化し、支配階級は今や統治能力を失い絶望的な危機に陥っている。日帝ブルジョアジーとその共犯者となっている連合に対し、労働者階級人民の怒りは地に満ちている。この間、小泉の地元・横須賀市や菅官房長官の地元・川崎市で、自公あるいは自公民(連合)の相乗り候補が敗北(勝った神戸市長選も辛勝)していることはその象徴である。
危機の中で日帝ブルジョアジーと自民党が最後にすがりつこうとしているのが、超階級的な装いをとる天皇制とその反革命イデオロギー、国家主義的な「虚偽の共同性」「国民融合」のイデオロギーであり、それをテコとして労働者人民を動員することだ。日本共産党スターリン主義はこれに完全に屈服し、山本氏への攻撃で反動的役割を果たしている。共産党は今や「憲法にある制度として、天皇制と共存するのが道理ある態度」だと言い、象徴天皇制の擁護者と成り果てている。
だがすでに天皇制・天皇制イデオロギーは、昭和天皇ヒロヒトの死と現天皇アキヒトへの「代替わり儀式」の大反革命に対し、革共同と労働者人民が実力で闘った90年天皇決戦の爆発によって、根底から粉砕されたものとしてある。この危機の天皇制・天皇制イデオロギーを立て直そうと、日帝と安倍政権は改憲による天皇の「元首化」などで必死になっている。しかし階級的労働運動と労働者国際連帯の力強い発展の前には、天皇制などまったく無力だ。
11・3集会が高らかに宣言した階級的労働運動と国際連帯で、崩壊する新自由主義と闘おう。国鉄新10万筆署名と100万人の大運動で最高裁決戦に攻め上ろう。14年3・11郡山に向け反原発決戦の壮大な爆発をかちとろう。山本氏への卑劣な非難・攻撃を粉砕し、勝利へ団結して闘おう。
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