ZENSHIN 2013/10/28(No2606 p06)
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週刊『前進』(2606号1面1)(2013/10/28 )
11・3日比谷に総結集を
安倍・葛西打倒し解雇撤回=最高裁決戦と反原発決戦へ
国際連帯で体制内指導部粉砕を
11・3労働者集会まであと1週間。職場で闘う労働運動をつくり出すために必死で奮闘する全国の労働者の仲間に、11・3集会がもつ画期的な意義と希望を伝え、昨年を超える大結集に向け、最後の最後まで闘いぬきましょう。日本と世界の労働者のこの1週間の最大の合言葉は「11・3日比谷野音へ!」です。労働者の団結と、闘う労働組合には、この社会を根本から変革する無限の力があります。11・3の大高揚で労働者の新たな歴史を切り開きましょう。
崩壊する新自由主義にトドメを刺す時が来た
11・3労働者集会は、最末期帝国主義の絶望的延命形態としてある新自由主義の破綻と崩壊に全面対決して、労働者階級がそれにトドメをさす歴史的な大集会です。
資本主義・帝国主義はとっくに歴史的生命力が尽き果てていました。第2次世界大戦後、スターリン主義の裏切りに助けられプロレタリア革命を圧殺することで延命した資本主義・帝国主義は、1971年のアメリカの金・ドル交換停止(ニクソン・ショック)と74−75年恐慌で、過剰資本・過剰生産力を基底とする根本的な危機と破綻を突きつけられました。
帝国主義ブルジョアジーどもは、体制崩壊=革命の危機の中で、自らが延命し戦後世界体制をかろうじて成立させる土台ともなってきた労働組合の懐柔や、財政政策による雇用の維持、社会保障政策などを放棄し、労組破壊と民営化・規制緩和、そして大軍拡=戦争政策を軸に延命する道を絶望的に追求してきました。それがレーガン、サッチャー、中曽根が本格化させた新自由主義攻撃です。
日本でも「行革ができなかったら、あとは革命しかありません」(加藤寛・第二臨調第四部会長)という危機感の中で、中曽根による国鉄分割・民営化が強行されました。
しかし新自由主義が引き起こしたものは、08年9月のリーマン・ショックであり、29年大恐慌を超える新たな世界大恐慌でした。しかも恐慌対策としての天文学的な規模の財政・金融政策は、全世界的な政府債務危機と財政破綻を生み出しました。その象徴がアメリカの債務不履行(デフォルト)問題です。
米帝はリーマン・ショック以降、約230兆円(日本のGDP=国内総生産の約半分)もの財政出動を行いましたが、危機脱出はならず、超金融緩和政策と政府債務上限引き上げを繰り返して危機をしのいでいます。米債務不履行のもたらす衝撃は「リーマン・ショックの1千倍」で、米国債とドルの大暴落、大恐慌の全面的・本格的激化を不可避とします。
一方で、「異次元緩和」と称する日銀の超金融緩和政策も、円安が加速するインフレをもたらすと同時に、国債金利上昇=国債価格急落の危機を現実化しています。それは、国債を大量保有する銀行と利払いの急増を迫られる国家財政の双方の破綻の危機です。
こうした中で、新自由主義攻撃の本格的突破口となった国鉄分割・民営化自体が完全に破綻を露呈しています。国家的不当労働行為を東京高裁でも認定した動労千葉鉄建公団訴訟の9・25判決とJR北海道の安全崩壊問題の爆発です。
労働者の団結を破壊し資本の利潤追求に躍起となってきた新自由主義は、今や音を立てて崩壊し始めました。新自由主義が引き起こした大恐慌にあえぎつつ、その新自由主義になおもすがりつくしかない安倍政権は、凶暴だが脆弱(ぜいじゃく)で、無責任に超反動政策を吹き上げることしかできません。
労働者階級の闘いで新自由主義にトドメを刺し、安倍とその盟友である国鉄解雇の張本人=葛西敬之(JR東海会長)を打倒しましょう。11・3はその歴史的な出発点です。
全国の職場で今こそ闘う労働組合つくろう
新自由主義の崩壊は、同時に新自由主義に全面屈服してきた既成の体制内労働運動の根本的な破綻でもあります。11・3集会は、連合などの体制内指導部と根本的に決別し、職場から闘う労働組合を、階級的労働運動をつくり上げるための決定的な大集会です。
国鉄分割・民営化では、カクマル・松崎明の旧動労が中曽根の先兵となり、分割・民営化に率先協力する大裏切りに走りました。国労本部も一戦も交えることなく組織解体だけが進みました。また自治労や日教組も、「国労のようになるな」と「働こう運動」(自治労)や「参加・提言・改革」(日教組)なるものを唱え、職場闘争を圧殺しました。これが89年総評解散・連合結成へと結果していったのです。
これに対して動労千葉は唯一、85〜86年に2波のストライキをもって大反撃し、JR体制下でも反合理化・運転保安闘争を貫き、外注化を阻止し非正規職化攻撃と対決してきました。この動労千葉の闘いが国鉄1047名解雇撤回闘争を生み出す力ともなり、また国鉄闘争をともに闘う3労組共闘(関西生コン支部、港合同、動労千葉)をスタートさせました。
そして1047名闘争圧殺の「4・9政治和解」(2010年)に国鉄闘争全国運動を発足させて対決し、ついには解雇撤回・JR復帰の10万筆署名で4万5千筆の署名を集め、それが9・25高裁判決においても国家的不当労働行為を認定させる力となったのです。
欧州の2倍と言われる日本の貧困率は、「貧困大国」=アメリカと同水準です。非正規労働者は今や38・2%に達し、2千万人を超えて過去最高です。他方で一部の大企業は営業利益を拡大しています。その上に安倍は消費大増税と社会保障解体で労働者の生活を破壊しながら、法人税減税と5兆円もの経済対策に突き進んでいます。もはや社会が社会として成り立たない状態です。
ところが連合指導部は消費大増税にもTPP(環太平洋経済連携協定)にも原発にも賛成し、改憲にも推進の立場を表明するに至りました。もはや労働者は我慢の限界です。今夏の4大産別の労組大会は、この新自由主義をどこまでも資本と一体となって進めようとしている連合など体制内指導部の度外れた屈服・裏切りに対して、現場組合員の怒りの決起が開始されたことを示しました。
新自由主義に屈服しその手先となる労働運動か、それとも新自由主義を打倒する階級的な労働運動か――この鋭い分岐と激突は、国鉄闘争26年の中で4者4団体と4・9政治和解の反革命による国鉄闘争の圧殺を打ち破り、動労千葉・動労水戸―動労総連合と国労共闘―国労郡山工場支部を先頭に全国の闘う仲間たちが職場からつくり出してきた巨大な階級的地平です。11・3は職場から闘う労働組合を再生させる決定的な集会です。
国鉄改革法を打ち破る地平がついに開かれた
同時に11・3集会は、解雇撤回・JR復帰に向けて14年最高裁決戦に勝利し、国鉄分割・民営化に決着をつける突破口となる歴史的な集会です。「国鉄分割・民営化がすべての始まりだった」「絶対にあいまいにしてはならない」のです。
動労千葉鉄建公団訴訟の9・25控訴審判決が、国家的不当労働行為を認定せざるを得なかったと同時に、「国鉄とJRは別法人」という国鉄改革法23条の破綻・崩壊をさらけ出したことは決定的です。これは新自由主義の破綻・崩壊の象徴です。労働者の怒りと国鉄10万筆署名の力が敵をここまで追い詰めました。11・3で最高裁決戦への新たな10万筆署名をスタートさせましょう。
11・3集会はさらに反原発の大集会です。安倍は、福島第一原発事故の汚染水流出と甲状腺がんの多発問題で完全に破綻し追い詰められています。この期に及んで原発再稼働に突き進む安倍と葛西と東京電力は、全人民の力で打倒すべき敵です。福島の怒りと固く結合して、11・3集会を大成功させましょう。
11・3集会はさらにまた、動労千葉が営々と切り開いてきた労働者国際連帯の大集会です。大挙結集する韓国・民主労総、ドイツ機関士労組の労働者、そして在日・滞日の外国人労働者と熱烈に団結し、プロレタリア世界革命への道を開こうではありませんか。
すべての結論は「11・3日比谷野音へ!」です。ここから国際プロレタリアートの新たな歴史が始まるのです。
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週刊『前進』(2606号1面2)(2013/10/28 )
10・20三里塚 豪雨つき730人がデモ
市東さんの農地死守へ闘争宣言
(写真 “東京高裁に乗り込んで闘う”〈上〉デモを貫徹し市東さんの南台の畑で「農地死守」を誓う反戦共同行動。〈下〉集会を意気高くかちとり反対同盟が空港敷地を縦断するデモに出発。前列中央が市東さん【10月20日】)
10月20日、成田市で三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で三里塚全国総決起集会が開催された。千葉地裁・多見谷寿郎裁判長の7・29反動判決に怒りを燃やし、市東孝雄さんの農地を絶対に守りぬく固い決意で、悪天候を突いて全国から730人の労農学人民が結集した。(関連記事4面)
集会場は空港敷地を食い破る東峰の萩原進さんの畑だ。午前から降りやまない雨によって畑は冠水し、人が立ち入ると深々と沈み込むほどのぬかるみ状態になっている。参加者は畑の横の草地に集合し、反対同盟が控えるテントが臨時の演壇となった。暫定滑走路に離着陸するジェット機が数分おきに大騒音をまき散らし、豪雨が容赦なく降り注ぐ中、正午に集会が開始された。
司会の萩原富夫さんが「10・20闘争宣言」を読み上げ、農地裁判控訴審勝利と安倍政権打倒を高らかにアピールした。
控訴審決戦へ!
北原鉱治事務局長が主催者あいさつを行い、三里塚闘争の正義を確認しながら「50年近くたっても完成しない成田空港のぶざまな姿を見てください。勝利をめざして闘おう」と訴えた。
連帯のあいさつの最初に動労千葉の田中康宏委員長が立ち、農地強奪判決を弾劾し反対同盟との連帯を表明した。そして9・25東京高裁・難波判決に表された国鉄分割・民営化の矛盾と破綻を鋭く批判し、11・3全国労働者総決起集会への大結集を呼びかけた。
関西新空港反対住民の発言に続き、天神峰の市東孝雄さんが大きな拍手と歓声に包まれて発言に立った。「多見谷判決に対して、腹立たしく納得できません。舞台は東京高裁に移りますが、必ず勝利します」
市東さんの鮮明な決意を受けて、反対同盟顧問弁護団がマイクを握った。葉山岳夫弁護士は、市東さんの全耕作面積の73%、1万3千平方bを収奪しようとする多見谷判決を根本から断罪した。そして東京高裁との折衝に入ったことを報告、拙速裁判を許さないため控訴審闘争への総決起を要請した。さらに「市東さんの農地取り上げに反対する会」、高崎での9・29集会を成功させた「群馬・市東さんの農地を守る会」の発言が続いた。
婦人行動隊の木内敦子さんがカンパアピールを行った後、福島から駆けつけた住民・農民4人が次々と発言に立った。福島市の椎名千恵子さんは、ドイツを訪れ核廃棄物処理施設に反対するゴアレーベンの闘いと交流したことを報告し、三里塚の意義を確認、来年3・11集会の郡山での開催決定を知らせた。
「市東さんの農地を守る沖縄の会」の発言に続き、全国農民会議に結集する福島、山梨、千葉の農民が決意を表した。全学連の斎藤郁真委員長は三里塚と連帯して全国で学生自治会の再建を進め、その力で安倍政権打倒へ向かうと宣言した。
空港敷地を縦断
集会の「まとめ」として萩原進事務局次長が立った。安倍政権の改憲と戦争、増税、原発推進の攻撃を弾劾し、「三里塚、動労千葉、福島、沖縄の闘いが本当に一つになって立ち向かおう。農地裁判控訴審で霞が関に乗り込み、絶対に勝利しよう。みなさんの創意工夫をこらした闘いを待っている。3・23三里塚全国集会への大結集を!」と訴えた。集会では星野文昭さんからの連帯メッセージが配布された。
最後に太郎良陽一さんがスローガン採択を行い、野平聰一さんのリードで団結ガンバローを三唱した。
長時間の雨にさらされ、参加者は例外なくずぶ濡れだが、この悪条件を闘志ではね返し、デモに出発した。市東さんを始め反対同盟がデモの最先頭で力強く行進した。
手を伸ばせば届きそうな低空を飛行機が飛び続ける東峰地域を縦断し、市東さんの天神峰の畑と自宅の前を通り、第3誘導路を突っ切ってデモは進んだ。到着地は南台の市東さんの畑だ。
農民の命に等しいこの農地が理不尽な裁判で奪われようとしていることに、参加者はあらためて怒りをたぎらせ、控訴審闘争勝利を誓った。
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週刊『前進』(2606号1面3)(2013/10/28 )
前進速報版から
パリで強制送還に怒る高校生1万2千人がデモに立つ▼韓国・全教組がパククネとの全面戦争に突入▼10・12北陸労働者集会を開催
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週刊『前進』(2606号1面4)(2013/10/28 )
【要項】11・3全国労働者総決起集会、11・4労働者国際連帯集会
今こそ闘う労働組合を全国の職場に! 新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを!
11・3全国労働者総決起集会
11月3日(日)正午 東京・日比谷野外音楽堂
〈呼びかけ3労組からの訴え〉
〈国鉄1047名解雇撤回! JRの業務外注化阻止!〉
動労千葉争議団、国労闘争団、弁護団/国鉄全国運動・署名運動呼びかけ人/動労千葉、動労水戸
〈全面民営化と解雇自由、改憲・戦争・福島圧殺の安倍政権打倒へ〉
大阪市長・橋下打倒の闘い/合同・一般全国協議会の争議組合/福島、沖縄ほか 〈国際連帯アピール〉
韓国・民主労総ソウル本部、全解闘/ドイツ機関士労組/滞日・在日外国人労働者
呼びかけ 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇 撤回闘争を支援する全国運動
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全世界の労働者と団結し「生きさせろ」の大反乱を!
11・4労働者国際連帯集会
11月4日(月・休日)午後1時開会/ビデオ上映
千葉商工会議所第1ホール(千葉中央ツインビル2号館14階)
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週刊『前進』(2606号2面1)(2013/10/28 )
11・3大結集で安倍と葛西を倒せ
新自由主義を延命させるな
凶暴だが脆弱な安倍の正体
「成長戦略」の根幹で挫折 対米・中・韓関係でも破綻
11・3全国労働者集会の大結集へ残る1週間を全力で闘おう。世界大恐慌と争闘戦激化、階級闘争の高揚の中で、日帝・安倍政権は決定的な危機を深めている。「アベノミクス」は、狙いどおりには全然進んでいない。この中で、葛西敬之(JR東海会長)が階級闘争の前面に登場してきた。葛西こそJRをはじめとした全労働者階級の憎むべき階級敵だ。国鉄決戦の位置はいよいよ重大だ。11・3集会を安倍・葛西打倒、国鉄決戦勝利の総決起集会としてかちとろう。
「解雇特区」構想を破産に追い込んだ国鉄決戦
11・3全国労働者総決起集会は、労働者階級の団結した力で安倍を打倒する集会だ。
安倍は世界大恐慌に追い詰められた日帝ブルジョアジーの超反動的な願望をむき出しの形で口にし吹きまくっているが、その凶暴性の裏にはきわめて脆弱(ぜいじゃく)な本質がある。安倍は無責任な放言を繰り返しつつも、それをあらゆる抵抗を排して実行に移す腹構えも行動力もない。こんな安倍は必ず打倒できる。現に、安倍の反動的求心力は急速に失われつつある。
その第一の最大の表れが「解雇特区」構想の破産だ。安倍を議長とする日本経済再生本部は18日、特区の具体的あり方を示す「国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針」を決定した。労働分野でそこに盛り込まれた中身はせいぜい、海外企業や新設企業に日本の雇用ルールを説明する「雇用労働相談センター」の設置と解雇に関する判例をまとめたガイドラインの作成にとどまっている。
昨年行われた労働契約法の改定で、5年以上同一企業に雇われた有期雇用労働者には無期雇用契約への転換権が発生することとされたが、安倍はその権利を否定することも優先課題に掲げていた。しかし、日本経済再生本部の決定文書は「無期転換権を発生させることなく高い待遇を提示し優秀な人材を集めることは、現行制度上できない」と明言せざるをえなかった。同文書は名残り惜しげに、「高度な専門知識を有し」「比較的高収入を得ている者」に限って、無期雇用転換権を与えない制度についての検討を今後も続けるとしているが、安倍の当初の構想が大幅な後退を強いられたことは明らかだ。
15日の所信表明演説で、安倍は「世界で一番企業が活躍しやすい国を目指します」「(東京五輪に向けて)特異な規制や制度を徹底的に取り除き、世界最先端のビジネス都市を生み出すため、国家戦略特区制度を創設します」とぶち上げた。だが、それは実効性のない反動的願望の羅列にすぎなかったことは自己暴露された。
この間、産業競争力会議や規制改革会議に密集した安倍の取り巻きたちは、ホワイトカラー・エグゼンプション(残業代ゼロ法)や解雇の金銭解決制度を特区に導入するなど、思いつく限りの労働規制解体策を叫び立ててきた。大阪市長の橋下は、大阪市・大阪府合同で労働基準法適用除外の特区を政府に申請した。
国家戦略特区構想には公設民営学校の設置という項目が残された。これ自体はすさまじい攻撃性を持っているが、この間、問題になっていた労働規制緩和のほとんどは見送られたのだ。
この情勢を切り開いたのは動労千葉鉄建公団訴訟を軸とする国鉄1047名解雇撤回の闘いだ。
9・25東京高裁判決は、動労千葉組合員をJR採用候補者名簿から排除した不採用基準の策定を不当労働行為と認定した一審判決を覆せなかった。そこまで敵を追いつめた力が、全階級情勢を規定しているのだ。
解雇撤回もJR復帰もないまま国鉄1047名闘争を終わらせるために強行された2010年4月9日の政治和解を打ち破って、動労千葉と国鉄闘争全国運動は闘いを継続してきた。その意義はますます鮮明だ。4・9反革命にすべてがひれ伏していたら、安倍の攻撃はそのまままかり通ってしまったのだ。
動労千葉と国鉄闘争全国運動の闘いは、ついに安倍「成長戦略」の根幹を打ち砕く勝利を切り開いた。安倍と資本家階級は、国鉄分割・民営化に反動的決着もつけられないまま解雇の自由化に突き進むことに恐れおののいたのだ。
安倍政権は、当面の攻撃の焦点を、日雇い派遣の全面解禁や派遣期間制限の撤廃を柱とする労働者派遣法の改悪に絞り上げているが、これもまた、安倍もろとも葬り去ることはできるのだ。
争闘戦に敗北し国際的な孤立化を深める安倍
第二に、安保・外交の領域でも安倍は破産を重ねている。外交的には一番肝心のアメリカ、韓国、中国との間で矛盾とあつれきを深め、帝国主義間・大国間の争闘戦を激化させつつ、争闘戦での敗退を自ら招き寄せているのが安倍の姿だ。米帝オバマとまともに首脳会談も開けない現実は危機的だ。
また、日韓関係で破綻に次ぐ破綻を重ねていることは、米帝との関係をもきしませている。対中対抗的な新軍事戦略に踏み出した米帝にとって、米日韓体制の構築はその大前提になるからだ。
18日に新藤義孝総務相らが靖国神社参拝を強行したことに対し、米帝は「対話を通じて歴史問題の解決に取り組め」と述べて、日韓・日中関係の修復を安倍に迫った。
3日に開かれた外交・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)は、日米防衛協力指針(ガイドライン)の再改定に着手することで合意したが、自衛隊に敵基地攻撃能力を持たせるという日帝の主張に対して、米帝は黙殺に等しい態度をとった。2プラス2に先立つ1日には、在韓米軍幹部が安倍の改憲策動を「地域にとって有益ではない」と批判し、日帝の独自動向の抑え込みにかかった。
韓国のパククネ政権は、米帝が日帝の集団的自衛権の行使を容認しているとして、米帝にさえ反発している状態だ。パククネは「日韓首脳会談を行える環境にない」との態度を変えず、10月初旬のAPEC首脳会議に際しても、日韓首脳会談は設定できなかった。
今や日本の最大の貿易相手国となった中国との関係が成立していないことも致命的だ。新軍事戦略をとる米帝にとっても、対中対決はあくまで米帝の主導のもとに日帝を補完的に動員して進めるべきものであって、日帝が米帝のコントロールを外れて動くことは、けっして容認できない。
安倍は今、日米同盟堅持を最大の口実にして特定秘密保護法制定に突進しているが、その実、基本となる日米関係そのものが揺らいでいるのだ。
「汚染水完全ブロック」のウソで危機にあえぐ
第三に、福島原発事故を巡っても、安倍は「放射性物質の影響は完全にブロックされている」とうその答弁を繰り返している。汚染水対策・原発事故対策が根本的に破産しているからこそ、安倍は福島で現に進行している深刻な事態から目を背け、放射能に汚染された地域に帰ることを福島県民に強いているのだ。こんなことが許せるか!
その安倍の手先になっているのが連合だ。
経団連は、階級的労働運動を根絶するという思惑の一点で、来春闘でのベースアップもありうるかのような言動を重ねている。「アベノミクスが失敗しないように応援しないといけないからベアを実施する」という一部経営者の言葉に乗っかって、連合は24日の中央執行委員会で「1%以上」というベア要求を決めた。だがそれは、自らの闘いで賃上げをかちとるというものではなく、安倍のバックアップに期待するというものにすぎない。つまり、アベノミクスなるものが破産した瞬間に、大幅賃下げの容認・推進に転じる方針でしかないということだ。
アベノミクスが早晩、破産することも避けられない。米帝債務危機は資本主義がもはや成り立たないことを突き出したが、その米帝以上に日帝の債務危機は深刻だ。
体制内労組幹部を打倒し、職場から階級的労働運動をよみがえらせてこそ、労働者の未来は開ける。11月3日、都心を揺るがす安倍打倒の大デモを実現しよう。労働者階級の底力を敵階級にたたきつけよう。最後の1週間を総力で闘いぬこう。
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週刊『前進』(2606号2面2)(2013/10/28 )
秘密保護法粉砕を
安倍政権は、今国会で特定秘密保護法案と国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案を先行して成立させようとしている。25日には特定秘密保護法案を閣議決定し、国家安全保障会議設置法案については11月成立を狙っている。断じて許せない。廃案に追い込もう。
集団的自衛権の行使容認と一体
国家安全保障会議設置法案は、首相主導の”安保・外交政策の司令塔”を設置し情報を一元化していくとともに、米帝などの同盟国と情報共有を行うとしている。そのために安倍は「秘密保全の強化が必要」として特定秘密保護法案を成立させようというのだ。
狙いは集団的自衛権の行使=戦争・改憲への突破口を切り開くことだ。
安倍政権は21日、日本版NSC設置に先駆けて、「国際協調主義に基づく積極的平和主義」を押し出した国家安全保障戦略(NSS)の原案をまとめた。防衛産業のために武器輸出三原則の見直しも盛り込んだ。
公務員労働運動の解体狙う攻撃
こうした情報を「漏えい」、あるいは取得しようとしたり、そのために「共謀」「教唆」をしたと称して、労働者人民を弾圧するのが特定秘密保護法案だ。罰則は最高10年の懲役刑。重罰だ。
@防衛A外交B外国の利益を目的とする特定有害活動の防止Cテロ活動防止――を口実に、「行政機関の長」が「特定秘密」と指定すれば、どんな情報も隠される。
核心は公務員労働運動の解体だ。「取扱者の適正評価」で、公務員は家族・友人・知人、経歴、飲酒、思想、組合活動……など徹底した調査の対象になる。これは国・自治体と契約を結ぶ民間人にも及ぶ。公務員労働者の団結破壊攻撃だ。安倍は、公務員労組を解体する以外に労働者を戦争に動員できないのだ。
だが安倍は、国鉄・公務員決戦の爆発でグラグラだ。11・3集会で安倍政権を打倒しよう。
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週刊『前進』(2606号2面3)(2013/10/28 )
葛西こそ国鉄解雇の張本人
不当労働行為・労組破壊・安全崩壊の責任とらせる
国鉄方式の首切り撃つ動労千葉鉄建公団訴訟
「不当解雇撤回・JR復帰」をめざす動労千葉の鉄建公団訴訟は、階級的労働運動の進撃の時代を開く決戦局面を迎えている。
9・25東京高裁の難波判決は、JR採用候補者名簿の作成にあたって動労千葉組合員を不当に排除する国家的不当労働行為が行われたことを、一審白石判決に続いて認定した。それならば結論は「解雇撤回・JR復帰」しかない。ところが難波裁判長は追い詰められ、まったく辻つまの合わない論理で「解雇は有効」と開き直った。
難波判決の最後のよりどころは国鉄改革法23条である。23条は、「いったん全員解雇・選別再雇用」の国家的不当労働行為を覆い隠し「合法化」するためにつくられた法律的な仕掛けである。しかし、23条に依拠して「JRに責任なし」とする手口は、いまや動労千葉の闘いで決定的に打ち破られつつあるのだ。
いよいよ最高裁決戦だ。第2次10万筆署名運動を全国津々浦々に広げ、労働者階級の怒りを組織し、「解雇撤回・JR復帰」を絶対にかちとろう。そのスタートを切る闘いこそ、11・3労働者集会だ。
「不当労働行為はうまくやる」とカクマルに放言
1980年代に強行された国鉄分割・民営化攻撃は、その全体が丸ごと国家的不当労働行為の塊だった。
当時の首相・中曽根は、のちに「国労が崩壊すれば総評が崩壊する。そのことを明確に意識してやった」と公言した(『AERA』1996年12月30日号)。英帝サッチャー政権、米帝レーガン政権の労組つぶしに続く、資本家階級による世界的な新自由主義攻撃だった。こんにち吹き荒れる民営化、外注化、非正規職化などの攻撃はこの国鉄分割・民営化を突破口にして開始されたのである。
この時、国鉄の内部から中曽根と一体となって攻撃を進めたのが葛西敬之(当時の国鉄職員局次長、現JR東海会長)ら「改革3人組」だった。なかでも葛西こそ、国鉄労働者20万人の首を切り、200人の労働者を自殺に追いやった極悪の下手人である。
葛西は、組合つぶしの不当労働行為を「うまくやる」ことを最初から公言していた。分割・民営化攻撃の吹き荒れる1986年5月、カクマル松崎が牛耳る動労東京地本の会議に招かれて葛西は、こうあいさつした。
「私はこれから、山崎(国労委員長=当時)の腹をぶん殴ってやろうと思っています。……不当労働行為をやれば法律で禁止されていますので、私は不当労働行為をやらないということで、つまり、やらないということは、うまくやるということでありまして」
これが葛西の本心だ。その考えから、葛西は86年7月に「人材活用センター」を各地につくり、「余剰人員」と称して労働者を隔離した。そして、草刈りや文鎮づくりなど鉄道の本来業務とはまったく関係ない仕事をさせて労働者の誇りを傷つけ、精神的に痛めつけ、組合脱退や退職に追い込むことを狙った。パワハラそのものだ。この人活センターについて、葛西はぬけぬけと「職場の混乱を阻止するという使命を十分に果たした」と開き直った(『未完の国鉄改革』、01年)。
今の民間企業の「追い出し部屋」「隔離部屋」の原形をつくったのは、日帝と葛西なのだ。
そして、葛西はJR設立委員長だった斎藤英四郎(当時の経団連会長、新日鉄会長)の直接の指示で、87年2月初めに国労や動労千葉の組合員を排除するための不採用基準を作成した。「選考基準は不当労働行為といわれないギリギリの線で葛西君が案をつくった」と井手正敬(国鉄総裁室長=当時)が証言している。
だが、動労千葉の闘いは、葛西が行った不採用基準の策定が、明確に不当労働行為であることをついに裁判所に認めさせた。これは決定的である。そして、この経過からも不当労働行為の責任が国鉄当局のみならずJR(設立委員会)にもあることは明らかなのだ。
そもそも戦後労働法制の原則を根本から否定する国鉄改革法23条自体が最初から力を持っていたわけではない。動労カクマルが裏切って分割・民営化の極悪の先兵となり、さらに国労本部が闘わず屈服したことで、こんなインチキなものがまかり通ったのである。これに対して動労千葉は85〜86年の2波のストライキをもって分割・民営化攻撃に反撃し、組合の団結を守り抜いた。そして、JR移行後も被解雇者と現場組合員が一体となって闘い、今日の勝利を切り開いている。
秘密保護法制定と原発再稼働叫び安倍を援護
葛西は、組合つぶしの「功績」を買われて国鉄分割・民営化後、JR東海の社長―会長となった。06年には国家公安委員に就任し、翌07年には「年金業務・社会保険庁等監視委員会」委員長となり、国鉄とそっくりの「いったん全員解雇・選別再雇用」の仕組みをつくり、500人を超える社保庁労働者の首を切った。社保庁労働者首切りの元凶も葛西なのだ。
葛西は、安倍と密接な関係にあり、こんにち安倍政権の重要なブレーンの一人となっている。集団的自衛権の行使容認のためにつくられた「安保法制懇」のメンバーである。
産経新聞9月30日付で葛西は、原発再稼働の必要を叫び、「原発に反対する勢力による規制委員への心理的な圧迫や一部メディアの情緒的な報道姿勢を考えると、(再稼働は)安心はできない」と、反原発闘争への恐怖と憎悪をあらわにしている。
また読売新聞10月6日付で葛西は、特定秘密保護法案の早期制定を主張している。葛西はここでも「法案の画期的な点は敗戦以来初めて、公務員は『国家』『国益』『国民』のために存在、機能するという位置づけがなされたこと」と主張し、階級的労働運動、公務員労働運動への憎悪をあらわにしている。
さらに『Voice』11月号では「安倍総理以上に今の『危機の時代』にふさわしいリーダーはいない」などと最大限に安倍を持ち上げ、反動的な「教育再生」、対中対決の立場からのTPP推進と日米同盟強化を主張している。
葛西は、労働者階級の団結した力と闘いを心底から恐れているのだ。こんな葛西が、まるで支配階級のリーダー然として振る舞っているところに、日帝支配階級と安倍政権のどうしようもない危機が示されている。国鉄決戦と階級的労働運動の前進で安倍・葛西を打倒しよう。11・3労働者集会に大結集し、新たな国鉄決戦の爆発と階級的労働運動の拠点建設へ力強く前進しよう。
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【資料】「不当労働行為をうまくやる」と公言し組合つぶしを行った葛西
「私はこれから、山崎(当時の国労委員長)の腹をぶん殴ってやろうと思っています。……不当労働行為をやれば法律で禁止されていますので、私は不当労働行為をやらないということで、つまり、やらないということはうまくやるということでありまして」
(1986年5月21日、動労東京地本の会議で)
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週刊『前進』(2606号2面4)(2013/10/28 )
「リニア新幹線」を阻め
葛西倒せば計画つぶせる
『前進』2605号1面で、JR東海会長・葛西敬之が9・30付産経新聞や10・6付読売新聞で、日帝を代表する人格として登場していることが弾劾されています。大恐慌で自信を喪失しているブルジョアジーの中で葛西が突出している理由は、一つは国鉄分割・民営化をやったと自慢していること、もう一つは「リニア新幹線」です。
しかし、動労千葉鉄建公団訴訟はJR採用差別の不当労働行為を国鉄職員課補佐の伊藤嘉道に指示したのは職員局次長の葛西だったこと、それが経団連会長・斎藤英四郎(JR設立委員会委員長)と有無通じて行われていたことを暴き出しました。この闘いが最高裁決戦に突入する中で、今や葛西は日帝の最大の弱点になっています。
かつての超優良企業のソニー、シャープ、パナソニックなどは軒並み大赤字で、「貿易立国」も破綻しています。その中で葛西が「9兆3千億円を投入して東京−大阪間のリニア新幹線を来年から着工する」と発表したことで、ブルジョアジーはその「夢」にすがりついています。東京五輪招致も同じ構造です。
JR北海道やJR貨物の現実は、葛西が実行した国鉄分割・民営化の破産を示しています。なのに、ドル箱の東海道新幹線をせしめた葛西が一人勝者のような顔でリニア新幹線をぶち上げていること自体、怒りに堪えません。
超電導リニアは軍事技術だ
リニアは軍事技術として開発が進められました。米軍は3年前に10`砲弾を音速の8倍で発射するレールガンの実験に成功。15年就役の電動モーター推進の米艦艇(ズムウォルド級・約1万5千d)では、東京―名古屋間以上の射程距離をもつレールガンの実験を始めます。
2月23日、安倍は就任後初のオバマとの会談で、リニアの技術の提供を約束しました。葛西が武器輸出禁止の解除を主張するのは、そうした狙いもあるのです。
昨年の東海道新幹線利用客は1億4300万人で平均乗車率は半分ほど。乗客が2億人以上に増えることをリニア新幹線の前提にしていますが、それは破綻的です。リニアの軍事転用が計算に入っているのです。
リニアも原発も安全を無視
リニア新幹線は車内の超電導コイルで磁場を発生させ、ガイドウェイの推進コイルで車両を駆動させます。超電導コイルはマイナス269度の液体ヘリウムの内槽内に設置され、内槽はマイナス196度の液体窒素の外槽で保護される構造です。東京−名古屋−大阪間の数百`に及ぶガイドウェイへの給電に膨大な電力を使うので、葛西は浜岡原発再稼働を叫んでいます。そのくせパンタグラフをつけられないので、山梨実験線の照明はディーゼル発電機で点灯させるローテクです。
リニア新幹線は運転士がいません。操縦は地上操作です。全行程の81%が地下40bより下を走ります。地下走行中に停電すると車両は自力では動けず、どこに車両があるのかも地上からは分からなくなります。搭載するバッテリー程度ではもたず、地上への脱出はまず困難。車内で人が移動すると変動磁場が発生する可能性もあり、健康への害も無視できません。
新10万筆署名推進し11・3へ
8・5付信濃毎日新聞によれば、長野県内50`のトンネル工事だけで東京ドーム8杯の土を掘るそうです。糸魚川−静岡構造線と中央構造線の2大断層を横断して南アルプスをトンネルでぶち抜く計画自体、きわめて危険です。工事から残土処理、運行のすべてがものすごい自然破壊。自然界みんなが怒っているぞ!
リニア新幹線に多くの人びとが反対の声を上げていることに敬意を表しながら、勝利の道は国鉄決戦にあることを訴えよう。運転士もいないリニアは外注化・非正規職化の極致です。「リニアによる雇用効果」などうその塊です。動労千葉鉄建公団訴訟は葛西を引きずり出す一歩手前まで来ました。この1年の闘いでリニア計画を葬ることはできます。11・3日比谷に集まり、安倍と葛西を倒そう。
(猪熊虎吾郎)
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週刊『前進』(2606号3面1)(2013/10/28 )
国鉄闘争を基軸に金属産別の団結つくり出し11・3へ進む
金属労働者からのアピール
11・3労働者集会へ最後の1週間、大結集に向かって猛然と組織しぬこう。大恐慌は大失業と戦争と革命を生み出す。全社会を覆う新自由主義の破綻と崩壊の中で、雇用・賃金破壊と労組解体、安全破壊との決戦が例外なくすべての工場、職場・生産点で繰り広げられている。国鉄決戦を基軸に闘う労働組合をつくり出し、階級的労働運動の力で勝負しよう。
職場で国鉄10万署名集め
動労千葉鉄建公団訴訟9・25高裁判決は「不当労働行為」は認めたが原職復帰を退け、慰謝料500万円の支払いを命じた。この判決の地平は階級攻防の最先端を示している。解雇撤回・JR復帰を求める4万4486筆の署名に体現された国鉄闘争と階級的労働運動の前進が敵権力を追い詰めている。この中に勝利の展望があるのだ。
金属産別でも職場の闘いと一体で署名運動が進められた。A職場では組合を挙げて国鉄署名を展開し、組合員の9割にあたる99筆を集めた。今までは50筆程度だったが「再度、職場で署名を展開する」と決起し、各職場を回ってオルグした結果、99筆の署名が集まった。これまで「国鉄闘争は自分には関係ない」と思っていた労働者はこの間の職場闘争の中で変わり、国鉄署名をとおして労働組合の階級的団結はさらに強化された。
B職場では、資本による退職強要と労組壊滅を狙った工場移転・強制配転攻撃との激闘の真っ最中に国鉄署名を展開し、100筆もの署名が集まっている。署名として集約された職場の怒りと団結の力こそ資本の攻撃をはね返す最大の土台だ。
現場労働者の怒りを組織する闘いが展開され、労働者との生きた関係がつくられるなら多数派になれる。職場の労働者は国鉄闘争を基軸にした団結と絶対反対で闘う階級的労働運動と革共同の登場を待っているのだ。
最高裁決戦への署名は新自由主義への階級的な怒りの集約点になり、11・3労働者集会の起爆剤となっている。署名を通じて「1人を獲得する」闘いに勝利し、党の団結と階級の団結が実践において統一される時、11・3集会の大隊列を生み出すことができる。署名をした全労働者を対象にこれまでの枠を画然と越えるオルグ戦をやりきり、11・3集会1万人結集を目指そう。国鉄署名と『前進』を武器に、職場拠点建設の闘いを猛然と進めよう。
団結うち固め闘う港合同
全国金属機械労働組合港合同と全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、国鉄千葉動力車労働組合の3労組が呼びかけた11月労働者集会は1998年に始まる。
98年5月28日、国鉄1047名不当解雇撤回をめぐる東京地裁判決は、国鉄改革法により「国鉄とJRは別法人」として「いったん全員解雇―選別再雇用」の手法で国家的不当労働行為の大量解雇を承認し、「JRに法的責任なし」とした。戦後労働法制を土台から破壊し、地労委・中労委命令も全面的に覆す歴史的な反動判決だった。
それまで階級的原則を貫いて闘ってきた3労組は5・28判決に怒り、国鉄闘争の前進と労働運動の再生をかけて「闘う労働組合のネットワークをつくろう」を合言葉に3労組共闘を立ち上げた。
国鉄闘争はそれ以来15年に及ぶ闘いの中で、ついに諸悪の根源、国鉄改革法の矛盾を攻め立てて、9・25高裁判決の地平まで上りつめてきた。11・3集会1万人結集こそ、大破産を深める国鉄分割・民営化にとどめをさす闘いである。
3労組の一つ、全国金属機械労働組合港合同は、団結権思想を階級的にうち固め、地域を一つの労働組合に組織し、幾多の争議を闘ってきた。
港合同田中機械支部(当時は田中機械労働組合)が同盟を脱退し、総評全国金属に加入したのは64年である。80人を超える首切り・合理化、有給休暇・正月休暇の返上などすさまじい労働強化に対して、故・大和田幸治委員長を先頭に始まった闘いは、同盟脱退―総評加入をへて、暴力団を使ったロックアウト―組合分裂攻撃をうち破って、港合同の運動の基礎を形成していった。
66年には全金52支部が1時間の連帯ストを闘い抜き、地域的な団結が生まれた。67年、ついに第2組合を解体して「階級的統一」を果たす。この闘いの総括として「受けた連帯は運動で返す」「企業の塀を越える運動」のスローガンが生まれ、「港合同は一つの組織」という連帯感が生まれていった。
71年〜73年の細川闘争は、暴力ガードマンとの闘いとなり「東の本山闘争、西の細川闘争」と呼ばれる激しい実力闘争が繰り広げられた。
地域の労働者数百人が863日間にわたって1日も欠かさず昼休みに細川鉄工前に集まって集会・デモを行い(のベ32万人動員)、暴力ガードマンを実力でたたき出した。日本共産党による闘争破壊と対決し、「不当労働行為企業には公共事業を発注しない」と大阪府に認めさせる闘いが展開された。
九条シャーリング闘争では、71春闘時に突如強行された企業閉鎖と全員解雇に対し、御堂筋の住友銀行ビルを連日連夜取り囲み、上部資本の住金物産を団体交渉の場に引きずり出した。そして住金物産の責任で新会社を創設して雇用を引き継がせることを約束させた。
長期にわたる倒産争議を闘ったのが矢賀製作所闘争である。矢賀製作所の実権を握るトピー実業による「債権確保の仮処分」執行攻撃に対して、75日間にわたってトピー実業大阪支店を包囲し、団交に引きずり出し勝利した。75年、生産は再開されるが経営難で再び倒産争議に突入。31人の労働者は9年4カ月、3396日におよぶ工場占拠・自主管理闘争を貫く。自主管理闘争を支えるために、地域の支部は自分の会社に矢賀製作所への発注を要求し、各支部組合員が機材のメンテナンスや修理などで支援した。
78年、田中機械支部は自己破産攻撃に対して工場占拠・自主生産闘争を開始し闘いを継続した。84年には地労委闘争で破産管財人の団交応諾義務を認めさせ、87年には倒産解雇を不当労働行為として認定させて総額40億円もの終期なきバックペイ命令をかちとった。田中機械支部の闘いは、倒産攻撃に負けない闘争として貫徹された。歴史的な勝利の裏には、地域の団結力と闘争力がある。
全国の金属労働者は、連綿と続く港合同の闘いと、3労組の闘いの中に、階級的労働運動の勝利性と不屈の精神、何物にも代えがたい階級的団結の力を感じている。
11月労働者集会運動は国鉄闘争の勝利を目指す陣形であり、国鉄闘争を軸に3労組の闘いの地平を押し広げ、闘う労働組合を全国の職場につくり出す運動である。3労組に続き、自らの職場でこの団結と闘いの力を実現するために、11・3集会に結集し闘いぬこう。
職場闘争こそ革命の核心
われわれは動労千葉や港合同、関西生コン支部の闘いに「革命の主体は労働者である」と実感する。職場の労働者を信じて職場闘争を闘い組織化を進める姿に、階級的労働運動の核心を見る。
3労組の闘いが普遍性を持つのは、限りなく職場の現実に肉薄し、職場の怒りと結合しているからである。職場の現実と階級の現実は同じだ。職場の闘いの中で「時代認識と路線」を打ち固め、革命的激動を体感することが必要だ。職場の闘いにおいては、体制内左翼やスターリン主義、左翼空論主義、血債主義など通用しない。マルクス主義、レーニン主義を基礎に置く階級的労働運動路線しか通用しないのだ。
党と労働組合の一体的建設、地区党建設・職場細胞建設と一体となってプロレタリア革命を実現する金属産別委員会の建設が今こそ必要である。サークル主義でも戦線の連合党でもなく、全国(全世界)単一の革命党が必要である。階級の指導部として登場することが求められている。
国鉄闘争と職場闘争を一体で進め、金属労働者の総決起を実現しよう。11・3集会過程を労組拠点建設として闘おう。金属労働者は『前進』1万人読者網建設の先頭で闘おう。
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週刊『前進』(2606号3面2)(2013/10/28 )
11・3へ全国各地で集会
秋田 私の闘う意志は不動 小玉さん先頭に駅前をデモ
10月12日、秋田駅東口の会場で「ともに闘う秋田の会」が主催した「国鉄1047名解雇撤回/外注化阻止・非正規職撤廃/全原発を廃炉に」集会に40人が参加した。
司会が「国鉄闘争全国運動・北海道」の連帯メッセ−ジを読み上げ、秋田の会・共同代表が「9月10日の最高裁の上告棄却は許し難い。勝利まで闘い抜く」と力強く開会のあいさつを行った。
基調報告に立った鉄運機構訴訟原告の小玉忠憲さんは、自らへの最高裁棄却決定について「和解を拒む私の闘う意志を打ち砕こうというもの。不当労働行為責任の追及と1047名解雇撤回へ闘う私の意志は不動です」と言い切り、9・25判決について「国鉄闘争全国運動の力がその反動的たくらみを打ち砕いた。今一歩ですべてをひっくり返せる。新たな署名運動を集めて最高裁へ攻め上ろう。11・3に大結集しよう」と提起した。
2本の特別報告が行われた。まず石田亮弁護士が「国鉄闘争と国労組合員資格確認請求訴訟の現状」と題して、10年4・9政治和解の3カ月後の大会で国労本部が闘争団員を国労から追放した実態を暴いた。
次に国労郡山工場支部の橋本光一さんが被曝労働との格闘を報告し「労働者を蔑視(べっし)しなければ必ず展望は開ける。来年3・11は郡山で開催するので総結集してください」と訴えた。
新潟・青森・宮城・福島の仲間が決意を述べ、国労秋田闘争団家族のあいさつが続いた。
JR秋田支社前でシュプレヒコール、駅前1周のデモを行った。「国鉄分割・民営化を許さない! 小玉さんの不当解雇を撤回しろ!」のコールにJRの管理職は大あわてで効果抜群だった。
(写真 「不当解雇撤回! 国鉄分割・民営化を許さない」と訴え秋田駅一周のデモ【10月12日】)
福岡 羽廣さん石アさんが訴え 労働者の誇りと魂を貫く
10月6日、福岡市内で「解雇を許さない10・6講演集会」が開かれた。
一番感銘を呼んだのは、国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんの講演だった。「なぜ10年4月の国鉄政治和解をはね返せたのか? なぜダメな国労指導部に抗して闘えたのか? それは、国鉄分割・民営化による解雇への怒りと、これだけは譲れないという労働者の誇りと魂があったからです。国労指導部は解雇撤回なんかできないと思っている。ある弁護士は『建前と本音を一緒にするな』と言った。これが彼らの限界です。それならば私たちが指導部になって闘おう」という訴えに強い共感が集まった。
国労鳥栖闘争団の石ア義徳さんが国労組合員資格訴訟を報告し「4・9和解を拒否し、解雇撤回を貫く労働組合としての当然の闘いを抑え込み、それを切り捨てる国労本部は許せない」と怒りを表し、解雇撤回を貫く強い意志を示した。
次に虹ケ丘労組の野下英二委員長が報告した。虹ケ丘は最高裁に「偽装廃園」を認めさせて勝利した。すごいのはその後、福岡県に園の再開を求めるとともに、竜王の里に再就職し、竜王の里の団交拒否と闘い、新たな労組づくりを進め、どこまでも労働者魂を発揮して闘っていることだ。
積極的な質問と討論が行われ、国鉄分割・民営化の反労働者性と重大さが浮き彫りになった。
最後に国鉄闘争全国運動・九州代表の手嶋浩一さんがまとめを行った。「闘う者を変人だ、過激派などと言う人がいる。しかし、私たち労働者は間違っているものは間違っていると言いたいし、その闘いが社会を変える力になる」という訴えに大きな拍手がわいた。
(写真 国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんの講演に真剣に聴き入る参加者【10月6日 福岡市】)
宮城 “全職場に組合を” 田中委員長が特別報告
10月11日、仙台市のエル・パークのセミナーホールで「すべての職場に労働組合を!10・11みやぎ労働者集会」が行われた。
まず仙台市職労の青年が開会を宣言し、「国鉄10万筆署名を職場で取り組み、国鉄闘争の重要性をあらためてとらえかえした」と発言した。
続いて、集会の基調を同じく仙台市職労の若いリーダーが提起した。「資本主義の最末期としての新自由主義は社会をめちゃくちゃに破壊している。労働者の団結で資本主義をぶち壊して新しい社会を建設しよう。闘う労働者は『前進』を定期購読しよう」と、時代をわかりやすく鋭くとらえた提起に、全参加者はうなずきながら大きな拍手で応えた。
動労千葉の田中康宏委員長から特別報告を受けた。田中委員長は「9・25判決は、国鉄当局が動労千葉組合員を採用候補者名簿から外したことを不当労働行為と認定しながら、解雇撤回・JR復帰を否定する反動判決である」と激しく弾劾。「しかし同時に国鉄改革法を必死に護持しようとするがゆえに矛盾に満ち、国鉄分割・民営化−国鉄改革法の破綻をさらけ出してもいる」と喝破し、「JR北海道の安全の全面崩壊は、国鉄分割・民営化とそれに続く規制緩和と外注化が必然的に生み出したものであり、だからこそ国鉄闘争に勝利することが決定的である」と訴えた。
仙台市職労、全金本山労組、みやぎ連帯ユニオン、JP労組、公共民間労組、東北大学学生自治会の仲間などが決意を表明し、全参加者は国鉄1047名解雇撤回と階級的労働運動の勝利の展望を確信した。
10万筆署名、動労千葉物資販売と『前進』を武器に、職場から青年を先頭に11・3労働者集会に結集しよう。
(写真 10・11みやぎ労働者集会)
富山 国鉄10万筆署名を全力で 職場に闘いつくる
10月12日、北陸ユニオン主催の「解雇撤回/非正規職撤廃/職場に闘う労働組合を/10・12北陸労働者集会」が富山県民共生センターで開催された。
司会あいさつに続き、全学連とNAZEN北陸が闘いの報告を行った。富山大学の若きリーダーは、全学連運動の切り開いた地平と展望を力強く報告。「富山大学でも大学当局の弾圧に屈せず、学生自治会の建設を目指している。10・18法大集会から11・3全国労働者集会へと攻め上りたい」と決意を述べた。
山本志都弁護士が「激動する労働環境―今何がもくろまれているのか」と題した特別講演を行い、「新自由主義攻撃の中で、労働者保護法としての労働法の基本理念が破壊されている。アベノミクスはその『廃墟(はいきょ)』に新しいものをつくろうとしている」と、安倍の成長戦略の反労働者性を全面的に暴露批判した。そして「労働組合の役割がさらに重大になっている」としめくくった。
解雇撤回へ労働委員会闘争を闘うA通運の当該とJP労組の青年労働者が決意表明。JP労組の青年は「日本郵政の『新人事・給与制度』による新一般職は労働者の非正規化、解雇を進める攻撃だ。本部は賛成しているが、組合員の3割は反対。現場の団結を打ち固めたい」と語った。
「国鉄闘争10万筆署名運動を全力で取り組む決議」を採択し、北陸ユニオン委員長が「国鉄分割民営化型の攻撃は、社会全体を覆っている。怒りをもって現場から闘いをつくり出していこう」とまとめた。最後は「団結ガンバロー」で気勢を上げた。(写真)
東京西部 時代はストライキ 青年と闘う労組の合流を
10月12日、荻窪で、東京西部ユニオンを中心に「やられたらやり返せ/時代はストライキだ/解雇撤回・ブラック企業許さない労働者集会」を50人で行った。
集会に先立ち職場や地域で宣伝行動を行った。JR北海道の安全崩壊と9・25高裁判決を「『命よりカネ』の新自由主義は首切りと大事故に行き着く」と訴えると「やっぱり国有じゃないとダメ」「福島原発事故と同じ」「政府は一部の金持ちのことしか考えていない」と怒りをぶつけてくる人もいて、若い世代も含め列をなして署名が集まる。こうした高揚の上に集会は盛り上がった。
動労千葉の繁沢敬一副委員長が10月1日にストを打ち抜きJRとCTS(千葉鉄道サービス)の矛盾を深めさせていること、JR北海道の安全崩壊の核心に迫っていること、9・25判決が反動判決ながら不当労働行為を認めざるを得ない状況に追い込んだことなどを説得力をもって提起した。
鈴木コンクリート工業分会の吉本伸行書記長、鈴木善弘分会長代行の熱くユーモアたっぷりの闘争報告が続いた。
東京西部ユニオンの奈良桃子書記次長が基調報告を行い「11・3が労働者の未来を決める。新自由主義は崩壊しており、団結して闘えば打ち倒せる。青年労働者と労働組合の合流で闘う潮流を飛躍させよう」と訴えた。
動労千葉を支援する会・東京西部やユニオン各分会、自治体労働者、全国水平同盟、星野救援運動が発言し、初参加の非正規青年労働者が「仲間を誘って日比谷に行きます」と決意を固めた。
(写真 10・12東京西部集会)
東京東部 国鉄闘争の大前進に確信 動労千葉争議団中村さん迎えて
10月7日、国鉄闘争全国運動東京東部の会主催の11・3に向かっての学習・決起集会が亀戸カメリアプラザで開かれた。
1047名闘争の当該である動労千葉争議団の中村仁さんが、最高裁に向けた新たな決意を語り、「11・3集会に1万結集を実現するためには東京の労働者が決起しなければならない。全力で闘いぬきましょう」と檄(げき)を飛ばした。
東部の会事務局は、白石判決と難波判決を比較対象する形で9・25判決の核心を提起した。
動労千葉貨物協議会議長の佐藤正和さんが「今でも1987年2月16日のことは覚えている。中村先輩には採用通知が来ないでおれのところには来た。解雇者との分断攻撃があの2・16だった」と発言し、26年間の闘いの重みを感じさせた。
新たな参加者の「昨年の11月集会の後に東部ユニオンに相談して分会を立ち上げました。11月集会は初めてなので今からワクワクしています」という発言は初々しく感動的だった。
まとめの発言では「国鉄闘争の大きさを確認しよう。JR北海道の現実は国鉄分割・民営化がもたらしたもの。今日の労働者の非正規化は国鉄分割・民営化が根源。1047名闘争の大きな前進に確信をもって11・3集会に決起しましょう」と鮮明に提起された。
(写真 10・12東京西部集会)
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週刊『前進』(2606号3面3)(2013/10/28 )
闘いは進む 青年の職場から
合同労組 資本との闘い貫く階級のリーダーになる
関東 早見明夫
私は建設資材のリース会社で働いていた時に、初めて地域合同労組に入りました。
それまで私が働いてきた5社すべてに労働組合はありませんでした。ですから労働組合とは「会社の行事を決める機関」だとばかり思っていました。そういう私に対して「組合は資本と闘うんだ!」と初めて言ってくれたのが、一緒に働いていた合同労組の人でした。彼は「労働者は団結すれば資本に勝てる」と言いました。その瞬間、私は忘れかけていた出来事を思い出しました。
●団結して勝利した経験
それは最初に入った会社でのことです。2000年秋、機械製造業界の不況のあおりを受けて私は解雇されました。その後、会社から「退職金の支払いを先延ばししてほしい」という通知が届きました。すぐさま同じく解雇された元課長から「こんなの許せないよな。一緒にやらないか」と電話が来ました。そこで解雇者が集まって、解雇者の家やコンビニの駐車場、私の家などで数回会議を行いました。そして「退職金先延ばしはまったく不当だ。解雇者全員で団体交渉をしたい」という文章を送りつけることを決定しました。
交渉当日、解雇者全員が乗り込みました。実は前日、元課長に「この日は会社の都合が悪いからダメだ」と常務から電話があったのですが、元課長は「こっちも生活がかかっているから絶対に行く」と堂々と宣言したのでした。交渉のテーブルには社長と常務が着きました。交渉は労働者側の圧倒的優位で進められ、退職金をかちとることができました。その時思ったことは、「意外にあっさり決まったな。解雇撤回だったらなおよかったな」「みんなで行けば怖くない」でした。
この時の記憶が一瞬でよみがえり、私は彼の勧めで生まれて初めて地域合同労組に入ったのでした。
●解雇攻撃との闘いから
私は、地域合同労組で青年部の結成をめざして闘い続けました。
2年後、このリース会社が経営不振で下請け会社の整理に踏み切り、「いったん全員解雇・選別再雇用」の攻撃に出ました。そのため数人が解雇されることになりました。その説明会に対して、私たちは闘いに立ち上がる決意をしました。私を含めた組合員は少しは資本を困らせましたが、解雇を押し返すところまでは残念ながらやり切れませんでした。
12年前の「組合はなかったものの勝利した団交」と、今回の「組合はあったのに闘いを貫き切れなかった」ことの違いは何だったのかと考えると、私は労働組合員として「階級のリーダー」になることが求められていたのだと思います。
今、私たちは職場こそバラバラになりましたが、地域合同労組としての団結を守り抜いてそれぞれの職場で闘っています。この団結を力に私は現在、非正規の農業労働者として国鉄闘争を軸に11・3集会に取り組みながら、階級のリーダーになることを目指して闘い続けています。
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週刊『前進』(2606号4面1)(2013/10/28 )
10・20三里塚 国策を打ち砕き市東さんの農地守れ
霞が関に攻め上る 集会の発言から
(写真 雨を突いて進む動労千葉と反戦共同行動委のデモ隊【10月20日 東峰】)
(写真 悪天候をはね返して集会をかちとり、団結ガンバローを三唱する反対同盟。前列右から2番目が市東孝雄さん)
かつてなく激しい豪雨を突いて10・20三里塚集会が戦闘的に打ち抜かれた(記事1面)。集会での三里塚反対同盟、動労千葉、そして福島からの発言を紹介します。(編集局)
いよいよ高裁での闘い 反対同盟事務局長 北原鉱治さん
全国からお集まりのみなさん! 現地集会においては、このように雨の日が多い。だが雨にひるんでいるわけにはいきません。三里塚闘争は勝てる!
7月29日、千葉地裁において農地裁判の一審判決が下りました。市東さんに農地の明け渡しを求める不当判決です。これに対して全国から農地取り上げを許さない1万2千を数える署名が集まりました。この力で、多見谷裁判長が判決に仮執行をつけることができないところまで追いつめました。そして農地裁判は、いよいよ東京高裁での闘いになります。
三里塚闘争はすでに48年になろうとしています。今その闘いの歴史を振り返ってみると、間違いではなかった、断固として正義の闘いだった、と断言できます。
だが山登りでいうならば、まだようやく五合目に差しかかったところにすぎません。あとの半分がどうなるか、それはこれからの闘いによって決まるのです。
今日のこの集会場は、萩原進さんの畑を借りています。空港の敷地内です。見てください。これが「国際空港」ですか?
このようなぶざまな空港が50年になろうとするのにまだ完成しないということは、どういうことでしょうか。
この空港は戦争の時に使われる基地、軍事空港です。今彼らは必死になってこの欠陥だらけの空港を造ろうとして、農民を苦しめているのです。
われわれの闘いの成否には若者の将来、日本と世界の未来がかかっています。新たな時代をつくりましょう。雨が降る中ですが今日一日を勝利をめざして闘いましょう。
一日でも長く闘い勝つ 天神峰部落 市東孝雄さん
大変な天気の中、結集していただき、本当にありがとうございます。
7月の千葉での集会、判決当日には多く集まっていただき、みなさんの本当にすばらしい援護を受けて、仮執行宣言を阻止できました。しかし、あの多見谷裁判長の判決に対しては、非常に腹立たしく、納得できません。NAA(成田空港会社)と千葉県の罪は全然問わず、私の畑を明け渡せという判決です。
これから闘いの舞台は東京高裁に移ります。高裁ではすでに動きが始まっています。高裁は早く始めて早く終わらせることをたくらんでいると思います。「国策裁判は勝てない」とよく言われますが、けっしてそのようなことはないと思います。みなさんの力と弁護士さんの力を借りて、一日でも長く闘い、必ず勝利までもっていきます。
放射能と闘う福島、基地と闘う沖縄、そして私たち三里塚の闘いも根っこは一つだと思います。だからともに手を取り合って闘っていきたい。
TPP(環太平洋経済連携協定)が結ばれてしまうと、私のように農地を奪われる農家がどんどん増えてくると思います。安倍政権のやっている見えすいた作りごとは、結局ぼろが出てくるでしょう。その時に私たちの仲間、三里塚勢力がみなさんとともに一つになって、反撃できるように、これからもがんばっていきたいと思います。
11月24日には千葉市内で私の農地取り上げ問題でのシンポジウムが開かれます。ぜひみなさんに集まっていただき、ともに農地を守る声をさらに広げたい。みなさんの力を借りて、ますます横のつながりを大きくして闘っていきたい。どうかお力を貸してください。
新たな署名運動始める 反対同盟事務局次長 萩原進さん
三里塚はどうして50年近くも闘い抜いてこられたのか。このような雨の中、みなさんが結集し同じ目的に向かって闘ってくれる。この同志愛、連帯、人間性があるからこそです。涙が出るほどうれしい。だから裏切れない。だから強くなり、勝たねばならない。
今日の安倍政権が進める戦争への道を本気でたたきつぶす。三里塚はその先頭に立つ責任があると思っています。
本日の闘争宣言で「資本主義は終焉(しゅうえん)に向かっている」という意味のことを打ち出しました。延命のためにはうそもペテンも使ってきた安倍政権。金を市中にばらまき「景気回復」と称している。アベノミクスも、いよいよ化けの皮がはがれます。
原発と汚染水の問題でも恥知らずなうそをつくやからが、長期政権まで狙っているという。どっこいそうはいかない。
三里塚は、市東さんの農地裁判を全人民の結集軸として闘っていく。
反対同盟はこの間、空港周辺地域に入ってオルグ活動を行ってきましたが、闘いの現状がまだまだ知られていないことを痛感しました。農地法を悪用して農地を取り上げる。これは戦後憲法体制の一角である農地法を否定する大攻撃であり、形をかえた強制執行として前例のない大面積の土地を収用しようとしています。農業をつぶし、市東さん個人を死に追い込むようなやり方です。こんなことを「三里塚だから何をやってもいい」と権力は今までやってきた。
それと同じことを今、全人民に等しくやろうとしている。戦争・改憲、増税、類を見ない法改悪を進め、超反動の攻撃を全面的に進めている。
だからわれわれも全面展開しなければならない。三里塚、動労千葉、福島、沖縄の闘いが本当に一つになり、安倍打倒に向かわねばならない。少し考えが違っても闘いの中で一緒になれる。
霞が関には闘いの火の粉が舞い上がっている。「国策裁判は勝てない」と言われるが、霞が関で国策との裁判を闘う人びとの中に分け入り、ともに闘うことを訴えます。
われわれは新たな署名・カンパ運動を控訴審闘争に向けて開始します。大学教授、芸術家、一般市民、あらゆる人に裁判支持を訴えよう。
そういう中で現地で闘う実力部隊を編成し、三里塚の神髄である「来るなら来てみろ」という態勢を築く。
空港周囲では落下物事故が続発し、格安航空の問題が続いており、いつ事故が起きてもおかしくない状況です。その中でオリンピックをだしに使い、市東さんに「土地をよこせ」と迫っている。こんなことは許せない!
3月23日に三里塚現地で全国集会を開催します。今日の数では足りません。大結集していただきたい。
世界の政治と経済は激動の中にある。そのもっとも熱い先端として日本がある。学生運動、労働運動もその帰趨(きすう)を決める3月、そういう中で開かれる三里塚3月集会です。
本当にみなさんの創意工夫をこらした闘いを待ち望んでいます。勝利のために闘いましょう。
世界に誇る三里塚 福島市 椎名千恵子さん
福島の子どもたちの深刻な状況――43人ががんの疑い。これで終わることはない。私たちは「ふくしま共同診療所」という命の側に立っています。放射能の実害をじっと見据える立場でやっていきます。
私は今年6月にドイツに行って来ました。ゴアレーベンの農村地帯で、核廃棄物処理施設とその輸送に、37年間反対闘争を続けている環境市民団体があります。彼らは三里塚の47年間の闘いを知っていました。そして「なぜ労働者、農民、学生、市民が並んでいられるのか。ゴアレーベンは先鋭的な直接行動を37年間もしているのに、なかなか労働運動と一緒になれない。なぜ三里塚は全体の陣形を組みながら47年も続けられるのか」と驚かれました。
私たちは三里塚を誇っていいと思います。反国策闘争――国家権力、資本に向けて47年間も他に類を見ない闘いを続けている。沖縄の反基地闘争、反原発闘争、反TPPなど、国策との闘いすべての最先端にいるこの三里塚を軸にして、闘い続けていきたい。
来年の3・11福島の闘いを、3月11日からずらすことなく開催したいと思い、実行委員会を始めました。この3・11集会を郡山で開くことにしました。なぜなら国労郡山工場支部の闘いがあるからです。被曝労働に対して、労働者が違いをのりこえ反原発闘争として闘い始めた力強い陣形があるからです。内部被曝に対しても闘おうとしています。これも世界に類を見ないことです。ぜひ、みなさんも3・11郡山に駆けつけてください。力を貸してください。
この雨で私は「大変だな」と思ってましたが、7割の土地を奪う攻撃をかけられ、日々この騒音の中で闘っている市東さんの思いからすれば「雨くらいなんだ!」と、騒音を吐くジェット機を何度もにらみつけておりました。
今日のこの三里塚のみなさんの意志を受け継ぎ、福島でも新たな地平を開くためにがんばりたいと思います。
戸村精神が根本に 全国農民会議 福島の農民
3月の三里塚全国集会の後に、農地裁判判決後の10月集会はどのようなものになるだろうかと考えておりました。しかし、7月の市東さんの判決に向けての反対同盟と全国のみなさんの署名活動を中心にした総決起は本当にすばらしいものだったと思います。その力が、反動判決が出たとはいえ、仮執行を粉砕する大きな結果に結びついたと思います。
確認すべきことはやはり反対同盟の力です。空港周辺の人たちの中に分け入り、空港に対する新たな怒りの胎動を掘り起こしたことです。この三里塚闘争の根本には「戸村精神」があるのだと私自身再確認しました。
戸村精神を座右の銘とされたのは、今は亡き市東東市さん――孝雄さんのお父さんです。市東東市さんは援農や現地調査に訪れた労働者、学生、市民に対して、反対同盟委員長であった戸村一作さんの遺影の前で常に戸村精神について語られたそうです。「戸村精神とは日帝を打倒する思想なんだよ」と。とつとつと、しかし迷いのない言葉で語っておられたということです。
今福島に必要なのは、この精神です。反TPPを闘う農民に必要なのは、この精神です。国際的な反戦反核運動、あるいは農民運動、労働者の全世界的な闘い。自分たちを飛躍させる闘いが必要なのです。
私自身、おぼろげながらこの間の闘いを通して、戸村精神を再確認する機会を得ました。私なりに三つの言葉にまとめてみました。一つは信念、一つは人格、一つは覚悟。みなさんとともに勝つまで闘います。
労農連帯で安倍倒そう 動労千葉委員長 田中康宏さん
このたたきつける雨は、新自由主義のもとで20年、30年おとしめられれてきた労働者・農民の怒りの声です。この怒りを集めて時代を揺るがす反撃の嵐にすることがわれわれの任務です。
三里塚はこの時代に真っ正面から立ち向かい、攻撃を迎え撃とうとしている。安倍政権打倒、市東さんの農地強奪絶対阻止! そのために全力で闘い、結集しましょう。
市東さんの農地裁判で千葉地裁が反動判決を下ろしたその2カ月後、1047名解雇撤回を求める鉄建公団訴訟裁判で東京高裁の判決が出されました。判決は、国鉄分割・民営化の際の不採用の基準そのものが、不当な目的・動機によってつくられたこと、それが不当労働行為であることを明確に認定しました。
初めてそれを明確に認定しながら難波裁判長は解雇撤回・JR復帰を拒否しました。その理由は「JRは別の法人であり採用の自由があるから、採用候補者名簿に載ったとしても必ずしも採用されたとは限らない」と言う。とんでもないうそっぱちです!
現実には採用候補者名簿に載った者は全員採用されました。黒を白と言いくるめ、新自由主義攻撃を正当化する反動判決です。しかし判決の中から分割・民営化、国鉄改革法の矛盾が噴き出している。これは市東さんの農地裁判も同じです。
われわれの闘いは敵を確実に追いつめています。この間吹き荒れた民営化、外注化、非正規化など、労働者を突き落としてきた攻撃に対し、26年間のすべてをかけて闘う決意です。
私たちは11・3全国労働者総決起集会への結集を呼びかけています。第一に、国鉄分割・民営化に徹底的にこだわり、決着をつける闘いです。JR北海道の現実を見てほしい。安全の全面的な崩壊です。国鉄分割・民営化体制の破綻・崩壊であり、それと闘わなかった労働組合の問題です。
第二に、グラグラになっている安倍を労働者の力、労農連帯の力で打ち倒す集会です。解雇特区、全面的民営化、解雇自由、限定正社員制度、TPP、秘密保護法、改憲、集団的自衛権容認、こんなことは絶対に許さない。新自由主義は資本主義の最後の延命策です。11・3を労働者が新しく社会をつくる出発点にしましょう。
第三にこの集会は、全国の無数の職場から闘う労働組合をつくり出すことを呼びかけます。怒りの声は、どうすれば社会を変革し歴史をつくる力になるのか。一から労働組合をつくり出そう。それができれば、福島・沖縄に連帯し、TPPに反対する農民と連帯し、歴史が動き出します。
ぜひ11・3に集まってほしい。われわれは大きなチャンスの前に立っています。
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三里塚裁判傍聴を!
◎第3誘導路許可取消
10月28日(月)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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週刊『前進』(2606号4面2)(2013/10/28 )
10・20集会闘争宣言
戦争・改憲攻撃を受けて立ち市東さん農地裁判に勝利する
われわれは本日、何よりも市東孝雄さんの農地裁判における控訴審闘争の勝利を固く決意する。農民としての誇りと生き甲斐(がい)を否定した千葉地裁・多見谷判決を許さない。戦後憲法体制を支える3本柱の一つ農地法を真っ向から破壊した一審判決を控訴審闘争で打ち砕く。
東京高裁は反動の牙城だ。その霞が関へ攻め上る。そこで展開される反原発、沖縄闘争、反TPPの巨大な闘い、およびそれらをめぐる裁判闘争と連帯して、共通の敵である国策を打ち砕く。市東さんの農地を何としても守り抜く。
安倍政権はオリンピックを口実にして、福島の思いを踏みにじり、労働者への攻撃を強めると同時に三里塚闘争破壊に出てきた。インフラ整備と称した「成田の発着枠拡大」だ。地盤沈下にあえぐ成田空港延命のため、24時間化、暫定滑走路の1000b延長、4000b滑走路の増設などをもくろむ一方、戦争・改憲攻撃の前に立ちはだかる反戦・反権力の砦(とりで)=三里塚の圧殺を狙っている。われわれは真っ向から受けて立つ。労農学市民への圧政を強める安倍政権の打倒を宣言する。
三里塚闘争は新たな段階を迎えた。計画から47年、成田空港は歴史的な破たんに直面している。「空港との共存共栄」なる「美名」の化けの皮は剥がされた。成田市で多古町で芝山町で、周辺住民の歴史的な決起が始まった。野放図な空港拡張は、反対同盟と周辺住民の怒りの前に粉々に砕かれるであろう。今こそ反対同盟と騒音下5000軒を先頭とした住民の怒りで成田空港を包囲する時だ。
歴史は動いている。危機にあえぐアメリカのぶざまな姿が、資本主義が永遠ではないことを突き出した。歴史は民衆の闘いによってつくられる。
まさにこの時、福島―沖縄―三里塚をひとつのものとして闘い、動労千葉をはじめとする6000万労働者、全国農民会議を先頭とする260万農民、そして学生、市民の力を結集し、大きな統一戦線を作ろう。迷走を始めたTPP推進の攻撃に今こそ労農学市民の反撃をたたきつけよう。
空港絶対反対を貫いてきた三里塚闘争の蓄積が今こそ輝く時だ。農地死守・実力闘争、空港廃港の旗高く歴史的勝利の道を断固として進む。
2013年10月20日
三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2606号4面3)(2013/10/28 )
2013年日誌 10月15日〜21日
集団的自衛権解禁へ議論/IAEA、年20_シーベルトを許容
●首相が所信表明演説 臨時国会が召集され、安倍晋三首相が所信表明演説で「成長戦略実行国会」と位置づけ、「積極的平和主義」を提唱。(15日)
●滋賀でオスプレイ演習 米新型輸送機オスプレイを使った国内初の日米共同訓練が滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場であった。(16日)
●集団的自衛権全面解禁にらみ議論
安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が、集団的自衛権の行使容認を可能にする憲法解釈の全面変更を視野に入れて議論した。(16日)
●知る権利、報道の自由に「配慮」
機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案の最終案は、知る権利や報道の自由に「十分に配慮」するだけにとどまった。(17日)
●米、デフォルト回避 米議会の上・下院は米政府の債務上限を来年2月7日まで引き上げ、政府の一部閉鎖も解消する法案を可決。米政府の債務不履行(デフォルト)は回避。(16日)
●井戸水40万ベクレル 福島第一原発で高濃度汚染水300dがタンクから漏れた事故で、東京電力は、タンク近くの観測井戸からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1gあたり40万ベクレル検出されたと発表。(18日)
●サウジ、安保理事国辞退 サウジアラビア外務省は、国連総会で17日に選ばれていた安全保障理事会の非常任理事国ポストを辞退すると声明。安保理を「二重基準」と批判。(18日)
●米英無人機の攻撃で市民479人死亡 米英軍などの無人飛行機による攻撃でパキスタンなど3カ国で少なくとも04年以降、民間人479人が死亡。国連人権理事会の依頼調査。(19日)
●2閣僚が靖国参拝 靖国神社秋季例大祭中、新藤義孝総務相、古屋圭司拉致問題相が参拝した。安倍首相は真榊(まさかき)を奉納。(17〜20日)
●12カ所の堰あふれる 東電は大雨の影響で福島第一原発の汚染水をためたタンク群を囲む堰(せき)の内側の水が12カ所であふれたと発表。(20日)
●6カ所の堰で基準超す汚染 東電はあふれたのは11カ所のタンクの区画と訂正、うち6カ所で暫定の排出基準値を超える放射性物質が雨水に含まれていたと発表。最も高い場所では基準の約70倍(1gあたり710ベクレル)のストロンチウム90を検出した。(21日)
●年20_シーベルトは許容範囲 国際原子力機関(IAEA)調査団が除染に関し報告書。年1〜20_シーベルトの被曝線量は国際基準で許容されているが住民が長期目標の1_シーベルト達成を期待する現状を危惧。(21日)
●初の国家安保戦略 安倍政権は安全保障と防衛力に関する懇談会で外交・安保政策指針、初の国家安全保障戦略(NSS)原案をまとめた。(21日)
●英、原発建設へ 英政府首脳は英南西部ヒンクリーポイントに新たな原発を建設することで仏電力公社と仏アレバ、中国2社と合意した。(21日)
●日本、核不使用に賛同 核兵器の非人道性と不使用を訴える共同声明が軍縮と安全保障を協議する国連総会第1委員会で発表された。賛同国は125カ国で、日本も初賛同した。(21日)
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週刊『前進』(2606号5面1)(2013/10/28 )
法大闘争 学祭規制粉砕・処分撤回を
学内での決起と合流し集会
(写真 警察権力と当局を圧倒して法大解放集会を打ち抜いた学生は、圧倒的な注目の中、総長室のある九段校舎に向けデモで進撃した【10月18日 千代田区】)
(写真 首都圏と全国の学生は警察に一指も触れさせず次々とアピール。キャンパスの学生にデモへの合流を呼びかけた)
10月18日、法大キャンパス集会と総長室包囲デモ、国会直撃の霞が関デモが闘われ、法政大学文化連盟を先頭とする全国結集の学生が、新自由主義大学粉砕・安倍政権打倒の声を上げた。
当日、法大当局はキャンパス正門を封鎖。「工事」にかこつけて、集会場であるキャンパス中央に巨大な土のうを多数積みあげる暴挙に出た。弾圧職員も早朝から至るところに配置されている。法大生の決起の現実性に脅え、なんとしても集会・デモへの合流を押しとどめようと必死になっているのだ。
法大生はこの弾圧体制を徹底弾劾した。さらに全国学生が外濠公園に陣取り、弾圧を狙う公安刑事に対して激しいシュプレヒコールを幾度もたたきつけた。公安どもは圧倒されて後ずさり。正門前の解放空間を実力でつくり出し、闘いへの一切の介入を許さない力関係を強制した。
昼休み開始と同時に、文連委員長・武田雄飛丸君がアピールした。「今日は、学祭規制粉砕と処分撤回のデモです! 今年は飲酒規制にとどまらず、企画場所への介入、サークルのビラはがしも行われています。当局は自分に従わないあらゆるサークルを、学祭過程で排除しようとしています。法政の学生文化が解体されようとしています。当局の企画介入は、当該サークルの闘いで粉砕しました。学生が団結して、当局の言う『マナー、モラル』、その根底にある『営業権』や『施設管理権』を打ち破った時、規制は粉砕できます。法大がひどい弾圧体制を敷くのは、法大生が力を持っているからです。当局や学祭実は今や、自分が設定した制度すら踏み破って弾圧しています。文連の非公認化と一体で御用団体がつくられ、学生は分断されてきました。だからこそ、文連の旗のもとに集まってほしい。団結して闘えば、勝利を切り開けます!」
この訴えに応え、次々と法大生が集まって来た。1千人を超える法大生の注視の中、文連旗がキャンパス中央に翻る。サークル単位で結集した仲間も大勢いる。ついに学内から層としての決起を生み出した!
続いて全学連の斎藤郁真委員長が「本日は、法大生が最も自由である日です。法大の日常でおかしいと思ってることを全員で示そう! 自主法政祭は学生のストライキから始まりました。学生の権利は、学生が自分たちで大学を運営して獲得してきたものです。全員で3限をぶっ飛ばして、実力でストライキをして、デモに打って出よう!」と渾身(こんしん)のアピール。窓には鈴なりに法大生が集まり食い入るように聞き入っている。正門前には首都圏の学生も続々と集まってきた。
法大生の結集を恐れる当局・公安は、トラメガでの訴えに一指も触れられない。弾圧態勢を打ち破る中、広島大、京都大、東北大、首都圏の大学の学生が次々と法大生との熱い連帯を訴えた。圧倒的注目の中、総長室のある九段校舎へ意気軒高とデモを打ち抜いた。
「安倍倒せ!」と国会デモ
法大デモを打ち抜いた全国学生は、直ちに「安倍打倒国会デモ」に立ち上がった。JR新橋駅前SL広場で、全学連の坂野陽平書記長が檄(げき)を飛ばした。「15日から臨時国会が始まっています。福島圧殺の東京オリンピックに、山本太郎さん以外の国会議員は全員賛成決議を挙げた。冗談じゃない! 安倍の言う『汚染水はコントロールされている』『健康被害は将来もない』なんてペテンではないですか! 原発再稼働、解雇特区、改憲と秘密保護法、消費増税の安倍は絶対に許せない。最大の焦点は大学です。今後3年を『大学改革の加速期間』とし、国際競争への人材育成を進めるという。中身は総長独裁の強化であり、大学を国家と独占資本に従属させ、学生自治を破壊するものです。大学は金もうけの道具じゃない! 福島原発事故が投げかけたものを僕らはけっして忘れない。学生は今こそ団結して闘おう! 新自由主義が音を立てて崩れようとしています。人間が人間として生きていく最低限が破壊されています。これは逆に、すべてをひっくり返す大チャンスです。アメリカを基軸とした戦後体制は崩壊し、私たちの一挙手一投足が天下国家を揺るがす時代です。本日を出発点に百万人を動かす学生運動をつくり上げよう!」
福島大生も、安倍政権に腹の底からの怒りを爆発させた。その訴えは多くの共感を巻き起こした。新橋駅前で足を止めて聞き入る労働者・学生の輪がドンドン広がっていく。三里塚現地行動隊も10・20三里塚全国集会への結集を訴え、最後に斎藤委員長が安倍打倒と11・3大結集へ渾身のアピールを行った。
フランスの留学生がデモ隊に飛び入りし「原発反対、TPP反対、安倍打倒!」を元気よくコール。デモは新橋一帯を席巻し、東京電力前から霞が関・国会へと進撃した。金曜日の首相官邸前行動に参加する人びとも次々と合流し、デモは大高揚した。さらに全国学生は文部科学省前に結集し、安倍政権・文部科学省を徹底弾劾する申し入れを行った。
10・18法大闘争と国会デモの高揚、10・20三里塚集会の成功を引き継いで、全国学生は11・3労働者集会の大結集へ全力で組織戦に突入している。安倍は打倒できる! 新自由主義は粉砕できる! 職場・キャンパスからの労働組合・学生自治会の決起が決定的だ。最後の1週間を団結して闘い抜こう!
(写真 「原発反対、TPP反対、安倍打倒!」を掲げた国会デモには沿道からも多くの人が合流し大高揚)
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週刊『前進』(2606号5面2)(2013/10/28 )
米デフォルト 際限のない危機
資本主義の終わりが到来
債務不履行(デフォルト)寸前に陥った米帝は10月16日、14年2月7日まで米国債を発行できる暫定措置法をつくって危機をひとまず乗り切った。予算が成立せずに10月1日から一部政府機関の閉鎖が続いていたが、1月15日までの暫定予算をつくることで閉鎖解除とした。しかし、単なる時間稼ぎと先送りにすぎず、より深刻な危機がまたすぐにやって来る。
ついに米帝の財政が崩壊し始めた。11年8月の米国債の格下げ、その後の歳出削減・歳入増大のあがき、12年末〜13年初めの「財政の崖」での対処療法、今年3月の歳出強制削減の発動、そして今回のデフォルト危機と問題先送り。こんなことがいつまでも続けられるはずがない。10月15日、英米系の格付け会社は米国債格下げの可能性を公表した。ドル信認はいつ大崩壊してもおかしくない。
それは世界大恐慌を本格化させる最大衝撃となる。米欧日は未曽有の財政・金融政策を繰り返して大恐慌の激化を防いできた。しかし、その財政・金融での矛盾の深化こそが、大恐慌の本格化を引き起こす最大要因に転化した。すでに欧州は政府債務危機を噴出させ、ユーロ解体・EU分解に転落し始めた。そこに米帝財政の崩壊が加わったのだ。最も財政危機が深刻な日帝は、日銀による国債買い取りに加えて消費税増税で打開しようとしているが、そんなもので乗り切れるはずがない。
●新自由主義の崩壊始まる
米帝のデフォルト危機は、新自由主義の崩壊そのものだ。大恐慌が新自由主義の帰結であるのに、恐慌対策も新自由主義しかなく、そのすべてが現在の危機を引き起こしている。
しかも、新自由主義をめぐる米階級対立の激化が、デフォルト危機の引き金になっている。
米連邦予算をめぐり、オバマ政権は医療制度改革(オバマケア)の実施を、共和党はその実施の阻止を掲げて対立している。オバマケアは医療保険加入を義務づけるもので、既に法律として成立しており、来年1月から本格スタートする。実質上は保険会社の利益にしかならない。にもかかわらず、共和党の新自由主義者は、医療に国家が介入すること自体を憎悪し、ヘルスケアに全面反対し続けている。そのためなら「米国はデフォルトした方がよい」(ヨーホー下院議員)とすら言う。
そうした新自由主義の破滅性こそが、予算や債務上限での対立を激化させ、デフォルト危機を恒常化させることになった。70年代後半以来、新自由主義そのものによって生き延びてきた米帝が、今やその新自由主義によって財政崩壊・ドル暴落の瀬戸際に立たされてしまったのだ。これを新自由主義の崩壊と言わずしてなんと言おうか。
今回のヘルスケア問題の背景には、医療にとどまらない米国での労働者と資本家との階級対立の激化がある。生きていけない労働者階級の怒りがあふれ、議会でも妥協が成り立たず、米国債とドルの信認崩壊という危機にまで進展している。問題の真の解決は、階級的労働運動の発展で資本家階級の支配をくつがえすことにこそある。
●米帝没落の歴史的事態
米帝のシリア攻撃の挫折とデフォルト危機の恒常化は、帝国主義の世界支配・階級支配崩壊の画期をなす。30年代危機と第2次大戦後の帝国主義の体制的危機を乗り切り、戦後世界の盟主としてあった米帝が、ついに崩れ落ちつつある。71年金ドル交換制停止、75年ベトナム敗戦、80年代債務国化、2000年代アフガニスタン・イラク敗退、08年リーマン・ショック。これらに続く世界史的事態だ。
その結果、「アメリカどころか、自由主義と民主主義のモデル全体が色あせてしまうかもしれない」(『ニューズウィーク』日本版10月22日号)。「自由主義と民主主義」、つまり資本主義に対する幻想が最後的に喪失しかねないほどのことだ。
もちろん帝国主義は、危機に陥れば陥るほどあがきにあがき、大失業と戦争に突っ込むしかない。しかし、それは新自由主義の崩壊、資本主義への幻想喪失として進む。労働者階級が団結して立ち上がれば、プロレタリア革命を必ず実現できる。そういう時が本当にやってきた。11・3労働者集会の意義はますます重大である。
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週刊『前進』(2606号5面3)(2013/10/28 )
福島原発 汚染水問題は安倍の責任
原発労働者と団結し11・3へ
福島第一原発は収束も汚染水流出も解決の展望がまったく見えない。現場の労働者の必死の努力で最後の破局的事態が回避されているのが現実だ。「除染」も不可能であることが明らかになっており、除染労働者が苦闘を強いられている。
安倍首相はこの危機を、福島第一原発労働者にこれまでをも超える過酷な被曝労働を強要し、そして福島県民を高線量地域に帰還させ、被曝させることで乗り切ろうとあがいている。絶対に許せない。
安倍の指示から事故が激増
安倍は10月15日の所信表明演説で「汚染水問題は抜本解決に向けたプログラムも策定し、着手している」「全力でやり抜く」と言い放った。だがその実態はどうか。
10月9日、福島第一原発で高濃度の汚染水から塩分を除去する装置で数十dの水漏れが起こり、下請け労働者6人が汚染水を浴びて被曝した。福島第一原発では9月末から10月上旬の2週間だけで、この事故も含め、明らかになっているだけで5件の重大事故が発生した。これらは“単純ミス”が原因とされているが、問題の核心はそんなことではない。
これらの事故は、9月19日に安倍が福島第一原発を視察した直後から集中的に発生している。安倍は9月7日のIOC総会に続き、19日、福島第一原発でも「汚染水は完全にブロックされている」と大うそをついた。それだけでなく安倍は「期限を決めて汚染水を浄化せよ」と直接指示した。この直後から事故が多発しているのだ。
安倍の指示以降、現場では、「国からの命令だからとにかく急げ」との命令が飛び、「今日明日で何とかしなくてはならない」と労働者へのプレッシャーが高まっている。“自分のうそに現実を合わせろ”という安倍の人命無視の無謀な指示が事故を多発させ、労働者に多量の被曝を強いているのだ。
指示に従うため、これまで以上の違法な労働まで行われている。原発は労働基準法で通常の8時間のほかは2時間の残業しか認めていない。だが、8時間どころか10時間を超える労働も強要されている。労働者は残業続きで疲労が蓄積し、判断力や注意力が鈍っていると指摘されている。「このままでは大きな事故になる」との声が発せられているほどだ。安倍こそが事故の元凶だ。
「20ミリ安全」論で帰還を強制
また、福島第一原発から流出した膨大な放射性物質の「除染」が不可能であることが、今やごまかしようのないほど明らかになっている。環境省は9月10日、国直轄で「除染」を行っている11市町村のうち7市町村で、今年度内の完了を断念した。それだけではなく、「除染終了」とした田村市都路町では、住民との意見交換会で避難指示解除準備区域の解除に反対が相次ぎ、政府は解除先送りを決定せざるをえなかった。住人が「除染」のペテンを見抜き危機感を募らせ、苦渋の思いで古里への帰還を拒否しているのだ。
これを乗り切るために安倍はIAEA(国際原子力機関)とも示し合わせ、「20_シーベルトまでは安全」なるうそを流し、福島県民に帰還を促し、より一層の被曝を強制しようと企んでいる。福島第一原発周辺での除染の状況を検証していたIAEAの専門家チームは10月21日、暫定の報告書を公表し、「年間1〜20_シーベルトの追加被曝線量(※)は許される」とした(※自然被曝線量および医療被曝線量を除いた被曝線量)。これを受ける形で、原子力規制委員会委員長の田中俊一は10月23日、「年間20_シーベルト以下まで許容したほうが良いというのが世界の一般的な考え方」と強弁した。
放射線はたった1本でも細胞を破壊する。その真実の前に、ICRP(国際放射線防護委員会)さえ2007年の勧告で、一般人が1年間に浴びてもよい放射線量は平常時には1_シーベルト未満とせざるをえないほどだ。これ自体怒りに堪えないが、安倍や田中は“福島県民はその20倍もの放射線を浴びても良い”としているのだ。
安倍や田中がもくろんでいることは、「福島復興」をアピールし、原発の再稼働と輸出に突き進むことだ。新自由主義の崩壊、世界大恐慌と争闘戦の激化の中で、日帝はそれ以外に生き延びる道がないということだ。
福島第一原発を始め全国の原発労働者と団結して闘おう。国鉄決戦に勝利し、各地の原発など全国全産別に闘う労働組合をつくることこそ、再稼働も輸出も阻止し原発を廃絶する道だ。そのために、11・3全国労働者集会に結集しよう。
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週刊『前進』(2606号5面4)(2013/10/28 )
“原発廃絶は現実的課題”
10・18金曜行動
幾人もが初めて発言に立つ
4万人が参加した10月13日の「原発ゼロ統一行動」の熱気が冷めやらぬ10月18日、首相官邸・国会前で金曜行動が行われた(写真)。
この日の行動では幾人もの参加者が初めて発言に立った。原発反対の労働者民衆の闘いはさらに巨大に発展しようとしている。
官邸前では若い女性が「安倍首相! 私たちは『汚染水を止めろ!』と叫んでいますが、『現場で働いている人のお尻をたたけ』とは言っていません」と、福島第一原発で収束作業を行う労働者に劣悪な被曝労働を強制する安倍を弾劾。間を置かず「あなたは『汚染水はコントロールされている』と言っているが、私たちの『原発をなくしたい』という心までコントロールすることはできない!」と怒りを込めて叫んだ。
国会前でも多くの人が発言に立った。横浜から参加した年輩の男性は「初めて発言します。13日、日比谷公会堂に『早めに行けば入れるだろう』と思って集会開始の40分前に行きました。ところが長い行列で、満席で入れませんでした。でも、それはうれしい誤算でした」と語り、「原発廃絶は夢じゃなくて、現実的課題です。毎週は無理なので、これからも月に2回は来るつもりです」と表明した。
川崎市から参加した中年の女性も「初めて発言します」と第一声。さらに、「福島原発事故で人類と原発は共存できないと分かったのですから、これを輸出するとか再稼働しようとかいうことは、けっして許されません。私たちはだまされてはいけないと思います。これからもみんなで力を合わせて、原発に反対していきましょう」と訴えた。
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週刊『前進』(2606号5面5)(2013/10/28 )
労働組合の闘いを軸に
10・11横浜 NAZEN神奈川を結成
「すべての原発いますぐなくそう!全国会議・神奈川」(NAZEN神奈川)結成集会が10月11日、横浜市内で開催された(写真)。
2011年3月11日からちょうど2年7カ月。この間、神奈川県内各地で東京電力神奈川支店に対する抗議デモや福島の子どもたちの保養運動、震災がれき搬入反対運動、ふくしま共同診療所建設運動、定期街宣などさまざまな運動・取り組みが行われてきた。私たち自身の魂の希求としてNAZEN神奈川を結成しようと結成準備会・呼びかけ人会議を積み重ね、NAZEN神奈川を結成するに至った。
基調報告として「再稼働を阻止し全原発をなくそう! 闘う労働組合をよみがえらせ、その力で一切の核と原発を世界から一掃しよう!」「再稼働を許すのか否かの帰すうを11・3集会が握っている」「福島の怒りを共有して闘おう。内部被曝から命を守ろう。再稼働を進める新自由主義を打ち破ろう」「三浦半島では、教育委員会による学校給食食材の『100ベクレル/`グラム安全論』撤廃の取り組みをめぐり、教育労働者と保護者の連帯で体制内執行部との全面激突をつくりだしている。動労水戸に続き闘う労働運動をよみがえらせよう」とNAZEN神奈川の闘う路線が提起された。
動労水戸の石井真一委員長が被曝労働拒否闘争の報告を行った。「汚染車両の検査強制に対し“労働者には被曝しない権利がある”とストで闘い被曝労働を阻止してきた」。石井委員長は、原発事故は収束しておらず、多くの労働者が被曝させられている現実の中で、労働組合が被曝労働を拒否して闘うことが、反原発闘争としても決定的だと述べた。そして、常磐線の竜田駅までの延伸に対して竜田決戦として闘うことを訴えた。
またNAZENの織田陽介事務局長は「NAZENを作るということは組織を作るということ。組織があって国家権力と闘うことができる」とNAZEN神奈川結成の意義を訴えた。
各地で原発反対で闘う人たちのアピールもパワフルだった。「毎週、官邸前行動に参加している。何万人集まろうと時間になったら皆帰っておしまい。空虚な闘いにしないために労働組合が大事」「保養受け入れ活動をこの間4回行った。現地とつながることが大事だと痛感した。避難した家族を支えていくことも重要だ」「震災がれき受け入れ反対の要請行動を行い、労働組合とも団結することができた」
結成宣言文を採択し行動方針が提起された。
(神奈川・N)
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週刊『前進』(2606号6面1)(2013/10/28 )
団結ひろば 投稿コーナー
『前進』定期購読者を1カ月に5人獲得! 東京 高村宏信
階級闘争への長いかかわりの中で集会や闘争の資料を定期的にわたしたり送ったりして、革共同の支持・支援やカンパを訴えてきた友人・知人がいます。その友人には折に触れ『前進』も送ってきた。一番長い取り組みは30年を超える。
信頼関係もでき、人間的にも深い関係にあったと思うが、『前進』の定購を提起したことはなかった。正確には、提起したことはあったが返事がないまま、再度粘り強くアタックしなかったということだ。定購を断られたら人間関係にひびが入ると思って躊躇(ちゅうちょ)したのだ。
7月参議院選挙において、山本太郎氏が歴史的な勝利をかちとった時、1万人の『前進』読者網の建設に進もうと提起された。これは実現できる方針だと思った。
『前進』はプロレタリアートを団結させる階級的な労働運動のために絶対必要だし、ひるまず定購を提起すべきだと感じ、次から次へと提起したら1カ月で5人がOKになった。
東京在住者から南は九州在住者まで、全国に在住しているので基本的に手紙を使った。1人はブル新(商業新聞)をとっていない人、1人はスポーツ新聞をよく読んでいる人、1人は第一線を離れながら階級的な魂を維持している人で、『前進』を久しぶりに読んで「革共同は日和ってなかったんだね」と言ってくれた人だ。
ところが、6人目で壁にぶつかった。返事が来ないので、何回か手紙を出したら受け取り拒否になった。また躊躇が始まった。細胞会議で報告したら「そんなものはショックでもなんでもない。分岐であって勝利だ。だいたい何十年も提起しない方がおかしい」と指摘され、今自己反省の立場から再奮起をめざしています。
『前進』は労働者に圧倒的に通用する。1万人の読者網を建設しよう。
退職強要のパワハラ全開発言を許さない 郵政労働者 由利徹
もう年賀状の予約活動が全国の郵便局で行われているだろう。
そんな中、わがM局でも2人の労働者が、うつ状態とうつ病に陥ってしまった。こんな状態ではいけないと思い、現場の声を聞いてみた。管理者の発言はとんでもないことばかり。その内容を述べようと思う。
まず“かもめーる”からだが、成績が悪いと個別に呼び出され、「あといつまでに何枚予約をとれるんだ」というパワハラ全開発言。あとは(いつまでに何枚、予約を取れるか)誓約書を書かせ、仮に目標にいかないと管理者が個別に呼び出し、そのハガキの束を突きつけ、「できなければこれだけを管理者が買うはめになる」と、とんでもない発言。また、班長や副班長を通じて「かもめーる自爆させていいからやらせろ」と労働者が言われたなど、とんでもない発言ばかり目立つ。
そして今、年賀状の予約活動が始まっている中、管理者が朝礼時に強いパワハラ発言全開で、「やりたい仕事があればほかをさがせ」と。まさに退職強要に近いと思っています。あと「お前らはやる気はあるのか」というパワハラ全開発言。
このまま管理者の発言を許すわけにはいきませんし、今こそ私たちが立ち上がって、立ち向かうことが必要ではないかと思います。苦しい闘いになるとは思いますが、ともに頑張りましょう。
就職のための勉強と競争だけでいいのか とちのきユニオン 古田新治
友だちとカラオケをしていた時、「『いちご白書』をもう一度」という曲がかかった。中に気になる歌詞があった。
「僕は無精ひげと髪を伸ばして 学生集会へも時々出かけた 就職が決まって髪を切ってきたとき もう若くないさと君に言い訳したね」
70年ころの学生はかなりの部分が社会の矛盾を感じ、デモや集会に参加していた。そうした学生たちはほとんど長髪に無精ひげ、ジーンズというファッションであった。だが4年生になり就職が近づくと、まず髪を切ってリクルートファッションに身を包み、それぞれの企業や官庁に就職していった。このことが先ほどの歌詞になっているわけである。
さて現在の学生の状況は入学して早い段階から卒業後の就職に頭を悩ませ、少しでも就職条件をよくするため各種資格を取ったり、中にはダブルスクール各種学校に通う学生もいる。経済的に余裕のない学生はアルバイトに明け暮れる。とても政治のことや社会のことを考えることもできないだろう。揚げ句の果てに待っているのは、非正規職の職場と奨学金の返済である。
だからこそ考えてほしい。自分の立場と社会のシステムについて、そうして苦労している学生は、「学生」という人生における大事な青春時代を過ごしている労働者階級の一員であることを。この大事な時期を資本に労働力を売り込むだけの努力に費やすのはあまりにむなしいではないか。
11月3日の労働者総決起集会は、労働者だけでなく学生も参加します。そしてともに考えてほしい、毎年3万人を超える自殺者を出す社会に対して人びとはどのように行動すべきか。就職のための勉強と競争に疲れ果てていいのか?
はんかくさいんじゃないかいJR北海道 東京・三多摩 小林 一
はんかくさいんじゃないかい(どうしようもない、愚かだ)、JR北海道。毎日のように線路の異常がテレビで報道されているけど、どうなっているのさ。頭を下げれば良いというものじゃないしょ。なまら(とても)怒っている。分割民営の時に仕事のできる保線区の組合員を首にしたのは、アンタたちでしょ。
何が人手不足に技術不足! いいかげんにしてよ。夏は30度、しばれる冬はマイナス40度の北海道のレールは日々悲鳴を上げているのです。
腕に自信のある組合員を不採用にしたツケが回っているんでしょ。職人技でなければ、北海道の鉄路はもたないのではないかい。
おっかなくてJR(汽車)に乗れないて思っているのさ。お年寄りや高校生が通う汽車は、道民の欠かせない足だったのに、ズタズタに線路をひっぱ返して、どんだけ困っている人がいるのか分かっていないのかい。
元々赤字を抱えた北海道の路線を民営化したことに問題の根っこがあるんでしょ。
中曽根が国労や総評をつぶしてお座敷をきれいにして立派(!)な憲法を安置する……どんだけの人を犠牲にすれば気がすむのさ。下請け、孫請け、おまけに外注化! ズブの素人が保線の仕事、できると思っているわけ。
私も道産子で40年暮らしてきたけれど、1時間に1本の汽車がどんだけ頼りになったか忘れられません。東京に来て、中央線の時刻表が5分刻みで列車が目の前をビュンビュン走っているのを見てかなり驚いたのさ。北海道に時刻表を写して送ったら「いやーおっかない。そんな電車に乗っていて怖くないかい!」と手紙が来た。車掌さんはおっかなくないんだろうか? 運転士は命がけの運転で気も安まらないのだろうと、心配なのさ。
どっちにしても、仕事ができる鉄道員を、闘う組合に入っているというだけで首にしたことが、根っこから間違っているんだわ。1047名を職場に戻すのは当たり前でしょ。何の落ち度もない人たちを職場に戻して、安心で安全な鉄路をみんなで声を上げて闘い取る時でしょ。
いよいよ決戦は最高裁へ! 署名をどんどん集めて敵を追い詰め、必ず勝利しよう。
思想や宗教・信条の自由は国民の権利、もう許さん。おばんは、なまら怒ってます。
無実で39年/星野さんの本 『愛と革命』に寄せて
労働者の未来切り開く闘い 広島・自治体労働者 中田由美
正直なところ、『愛と革命』と大きく印刷されたチラシを目にしたとき、何か宗教関係かなと思いました。家のポストに入れられる宗教団体のチラシには、たいがい「愛」とか「変革」という言葉が大きく躍っているからです。でも、宗教のように人間の上にある愛でも革命でもありませんでした。
星野さんの本と知り、勧められてページをめくると、明るく鮮やかなパステル色の絵と詩が何十nも続いていて、その世界にすぐにひき込まれました。絵や詩の「良し悪し」はわかりませんが、芸術は人間というものを抽象して表現したものです。ご夫婦の絵と詩には、澄み切ったまっすぐな心と希望、深い優しさを感じました。
それとの対照で、国家と司法権力のなんて非人間的なことか! 結論ありきの裁判で、誰が見ても無実にほかならない星野さんを幽閉し続け、とるに足らないことで拷問的な「懲罰」を加え、家族や友人とのささやかな交流さえも奪う。本当に憤りを感じます。
けれど、権力には星野さんの何も変えることはできない。
権力に再審を迫った堂々の意見陳述書で星野さんはゆるぎない確信をもって言います。「人は、誰もが人間らしく生きられることによって心から満たされる存在であり、それを実現する力を持つ存在である」。
星野再審の闘いは多くの人たちを獲得し広がっていますが、けっして無罪をかちとるところで終わるものではありません。労働者階級とともに未来を切り開く闘いです。
星野さんに自由を!
そして進み続ける労働者の隊列とともに前へ!
反原発闘争で6冊販売した 杉並 谷沢備作
10月13日、日比谷公園は雲ひとつない秋晴れ。原発ゼロ統一行動に参加し、新たに手にしたばかりの星野再審闘争の武器=『愛と革命』の販売活動をやりました。
先日、出版記念パーティーに出席したばかり、力が入ります。デモ出発までの2時間で6冊販売できました。
買ってくれた人の内訳は71年当時の時代の空気を知る世代が2人、生まれていなかった世代が4人。そのうち5人は星野さんの存在を知らなかった人です。「これは売れる、読んでもらえる」と自信を深める一日になりました。
販売のカギは、星野闘争の内容を真正面からオルグすることが第一であることは言うまでもありませんが、短時間での勝負、街頭における署名活動と同じような限界があります。
まず視覚に訴えます。画集と言ってもいいぐらい、本書には美しく透明感あふれる星野さんの絵が散りばめられています。誰もが獄中で描かれたものと知り驚愕(きょうがく)します。
そして意外と思う決め手がありました。本の帯です。布川事件の桜井さんの存在です。勝利した再審闘争の偉大さをあらためて確認しました。これはイケます。
シャイな『前進』読者には宝塚のようで照れる題名ですが、照れを捨て出版業界をとおして社会現象を起こしましょう。
すでに星野再審闘争は、中身において完全に敵を凌駕(りょうが)しています。不足しているのは、星野闘争=労働者階級の闘いでありながら、まだまだ労働者に知られていないことです。
私たちは星野奪還の強力な武器を手にしました。
職場に地域に本書を!
「生命の輝き」を読んで感動 大阪・星野文昭さんを取り戻す会 南谷哲夫
第1部には、星野文昭さんが描いた29点の絵画が載せられています。星野さんは、最初に「私の絵は、私と共に生きる、ということを選択し、様々な困難をのりこえ共に生きている暁子に、感謝と愛情と全(すべ)ての思いを込めて贈るために描いている」と語っています。また二人が助け合い、力をあわせて未来を開く具体的な「結晶」として絵画があるとも。
私自身、とりわけ胸を打たれた作品である2009年作の「暁子と歩く春の小道」と「輝く生命、暁子の誕生日に」が『愛と革命』を開けばいつでも観賞できる、本の発刊に感謝です。
第2部の「生命の輝き」を読んで。文昭さんと暁子さんが「獄中結婚」に至る経過と、文昭さんへのデッチあげ重罪・極刑攻撃に対し、家族としてできることはすべてやるんだとする家族の闘いを、暁子さんが語っておられます。この内容に私は最も感動しました。
暁子さんのお父さんが郵便局勤務で組合運動をしておられたことも知りました。文昭さんのお母さんが生前、徳島駅でマイクをもたれた姿が私には忘れられません。「お義母さんとわたしは、結構闘いを楽しんだ」と暁子さんが語られているのが印象的です。
大阪・星野文昭さんを取り戻す会は、12月14日に第3回目の総会を開きます。同じ会場に暁子さんにも来てもらって星野集会を開きます。
11・3全国労働者集会、12・1星野全国集会の大成功をかちとり、12・14集会の成功を実現しようと思います。関西での『愛と革命』の購読をどんどん拡大していこうと思います。国鉄決戦の勝利的発展と一体で星野闘争をさらに爆発させていきましょう。
無実を伝える本気と熱意だ 星野救援会 S
『愛と革命』の本を売る心得を、長年、営業職の現場にいたTさんに尋ねてみました。いつも、熱心に星野救援運動に取り組んでくださっている大先輩の労働者です。
「いや、星野さんの『愛と革命』という本は、物を売るんじゃないです。私がやっていた物を売る、ということと一緒にしてはいけません。獄中39年、無実の星野さんの闘いを伝えるということです」
なるほど〜。その上で秘訣(ひけつ)があれば教えてください。
「そうですねぇ。まずは『実物を見せて、ふれてもらって、納得してもらう』」「あの絵を見せる。絵を見てもらう。この絵を書く人が犯人でしょうか? 無実なんです。最後は、私たちが熱心に無実を訴えることです。やはり本気さです。星野さんを取り返すぞという熱意です」
30年間、きびしい営業で鍛えた人の言葉は、迫力がありました。
実際、自分用の『愛と革命』本に赤ペンで線を引きまくって、見てもらいたいところに付箋(ふせん)を張りまくってみました。36nのアフガンの姉妹か、50、51nのパレスチナ・チェルノブイリの絵を開くことにしています。
そして、「熱意です」の言葉を思い出しながら一生懸命に勧めると、何人かに一人は買ってくださいます。もちろん断られることもあるけれど、「星野さんの闘いを伝えるんだ」「良い宣伝だ」と思ってやってみてます。機関紙論にも通ずるものがあると思いました。
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週刊『前進』(2606号6面2)(2013/10/28 )
“裁判員制度を直ちに廃止せよ”11月14日、怒りの最高裁デモへ!
裁判員制度はいらない! 大運動呼びかけ人・弁護士 高山俊吉
来年度の裁判員候補者名簿が通知される時期を迎え、裁判員制度はいらない!大運動が11・14最高裁デモを呼びかけている。大運動呼びかけ人である高山俊吉弁護士から「現に進行中の改憲というべき裁判員制度を直ちに廃止せよと要求しましょう」とのアピールが寄せられた。11月14日(木)正午、日比谷公園霞門から怒りの最高裁デモに立とう。(編集局)
裁判員候補者名簿に名前を記載したことを23万6500人の国民に通知する時期11月中旬が近づきました。08年に始まり今回で6回目になります。通知を受け取った人はこれで累計約180万人、有権者の100人に2人程度になります。
3・11以降、出頭拒絶、拒否通告、無視黙殺がさらに増え、裁判員裁判に対する違和感や嫌悪感は一気に強まりました。また、事件の滞留と被告人の人権侵害も深刻化の一途をたどり、制度の破綻はますます明らかになっています。裁判員裁判での死刑判決が控訴審でひっくり返された(6月20日)というニュースが流れるだけで、自分はもう絶対に裁判所に行かないと決断する国民が増えています。
(写真 昨年11月9日に闘われた「裁判員制度はいらない!大運動」の都心を貫く最高裁デモ)
国民の反発はついに極限に達した
福島地裁郡山支部で裁判員を体験させられ、心的外傷後ストレス障害にかかった60代の女性(介護職労働者)が、その責任は国にあるとして、今年5月、国家賠償請求訴訟を提起しました。
血の海に横たわる死体や刺し傷の模型再現写真を見せられたこの女性は、公判初日、昼食時に食べたものをすべて吐いて倒れ、それでも自らを励まして裁判所に通い続けた結果が死刑判決でした。以後、彼女は食事も睡眠もとれず、フラッシュバックと幻覚に苦しみまともに介護の仕事ができなくなり、勤務先から解雇通知を受けました。
「取り返せない心の打撃は他人に死ねと要求する立場に立たされたことです。どうして自分は『あなたは死ね』と言えるのか、言わなければならないのでしょうか」。自身を責める苦しみと、自身をその苦しみに追い込んだ者への怒りのせめぎ合いの中から立ち上がったこの女性は、そのように自身の心境を記者会見の場で漏(も)らしました。裁判員制度は、とうとうこのような国民を生み出す段階までに至りました。
あわてた最高裁は、裁判員たちをもっとケアせよとか、無理にやらせたりするななどと緊急の指示を全国の裁判所に発信したのはご承知のとおりです。もともと「辞退事由」が極めて厳しく限定されていたのは、裁判員候補の拒否を簡単に認めたら制度が崩壊するからでした。最高裁は、とうとう自ら辞退事由を緩和せざるをえない状況に追い込まれたのです。
各地の裁判官は、判決後、みずから裁判員経験者に手紙や電話で連絡を取り、「心のケア」を行うことにもなりました。「精神的な不安が残っていないか」「体調に変化はないか」などと聞くとされますが、裁判官に根掘り葉掘り聞かれることがケアになると思うところに、最高裁の権力的な姿勢がうかがわれます。いったい誰がそのような連絡を待つでしょうか。
狼狽する政府・最高裁・日弁連
「裁判員制度に関する検討会」(法務省)は、6月21日、最終報告書をまとめました。オウム真理教事件のように審理期間が年単位に及ぶ事件は裁判官にさせる、東日本大震災のような大規模災害の被災者は裁判員候補者にしない、性犯罪の被害者を匿名にするなど被害者への配慮を裁判所に義務づける。これらのことは検討するが、それ以上の抜本的な見直しはしないというのがその内容です。
この「まとめ」ほど制度の破綻をリアルに示すものはありません。ちょっと押せば倒れてしまうところまで来ています。抜本的見直しをすると言ったとたんに、それより廃止をということになることを彼らこそがよく知っているのです。
オウム真理教事件も裁判員裁判なら数カ月の公判審理で判決言い渡しになるし、首都圏連続不審死事件(さいたま地裁の百日裁判)も裁判官だけの裁判なら年単位の審理期間になっていたことは明らかです。「審理期間が年単位に及ぶ事件」などこの制度の下にはあり得ません。法務省は、裁判員動員作戦は死守すると言っただけなのです。
しかし、「裁判員、長期審理は除外」(読売)、「長い審理、プロだけで」(朝日)などと、新聞メディアは祝砲を打ち上げました。その目的は、呼び出されなくなるかも知れないという安堵(あんど)感を広げてみんなをほっとさせることにあります。廃止の淵(ふち)に追い込まれた国家制度であることがあらためて明確になったと言えるでしょう。
この期に及んでも「安易に裁判員を除外するな」などと強制動員の貫徹を叫び続ける日弁連や一部御用学者は、国民の意思や心情に正面から挑戦するものです。被告人の防御権保障、裁判員の負担軽減、守秘義務緩和、心理負担の軽減策等々。昨年3月、16項目もの「改善提案」を発表していた日弁連はいったいどうするつもりでしょうか。またもや濡れ落ち葉よろしく国や最高裁に追随していくのでしょうか、追随させてよいのでしょうか。
進行する改憲「裁判員制度」の廃止を求め、私たちはデモを提起します
ゴマカシを許さず、「制度の廃止」を彼らに正面から要求しましょう。その切り羽の闘いとして、私たちは、11月14日の対最高裁昼デモを計画しています。みんなで参加しましょう。そして、「候補者名簿を国民に送るのをやめろ」「改憲と一体の国民動員をやめろ」「裁判員制度は今すぐ廃止」の声をあげましょう。
今では、やりたくないと言えばそれが「正当な理由」になります。命と健康を大事にしたいと考える圧倒的多数の普通の市民は、全国津々浦々で拒絶回答を準備しています。しかし、私たちはそれだけで満足しません。制度終焉(しゅうえん)の秋(とき)がとうとう来たと考え、そのために決起しようと提案します。
怒りを最高裁に叩(たた)きつけましょう。そしてこの力を街頭行動で示しましょう。現に進行中の改憲というべき裁判員制度を直ちに廃止せよと要求しましょう。
◇ ◇
★11・14最高裁デモ
11月14日(木)正午
日比谷公園霞門出発
(地下鉄丸の内線・日 比谷線・千代田線「霞ケ関」駅B2出口)
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週刊『前進』(2606号6面3)(2013/10/28 )
【要項】10・31狭山集会
寺尾無期判決39カ年糾弾! 狭山第3次再審勝利!
新自由主義と闘う新たな部落解放運動を!
10・31狭山集会
■大阪 10月31日(木)午後7時
西郡第3集会所(八尾市幸町5丁目)
主催 全国水平同盟西郡支部/八尾北医療センター労働組合/関西労働組合交流センター
■広島 10月31日(木)午後7時
広島市西地域交流センター(旧西隣保館/広島市西区福島町)
主催 部落解放広島共闘会議
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