ZENSHIN 2013/10/21(No2605 p06)
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週刊『前進』(2605号1面1)(2013/10/21 )
拠点攻防に勝利し11・3へ
国鉄決戦・反原発決戦の爆発を
安倍と葛西(国鉄解雇の張本人現JR東海会長)打倒し国鉄改革法を今こそ打ち破れ
権力・資本との激しい9月攻防は、9・15国鉄集会の成功の上に、JR北海道の安全崩壊問題の爆発と動労千葉鉄建公団訴訟の9・25高裁判決という形で、国鉄決戦をあらためて階級闘争の圧倒的な基軸に押し上げた。米政府機関閉鎖とデフォルト(債務不履行)の危機は、大恐慌下で基軸国・米帝の歴史的没落と国家の機能不全を突き出した。大恐慌と新自由主義の崩壊は、世界に大失業と戦争と革命を生み出している。国鉄決戦こそ、この大激動の時代に切り結んで、労働者が勝利する最大の闘いだ。職場拠点攻防に勝ち抜き、11・3集会1万人結集を全力で闘い取ろう。全国、全世界から日比谷野音へ!
解雇撤回!最高裁決戦へ
11・3労働者集会への1万人大結集をかちとるためにあと2週間、闘って、闘って、闘い抜こう。11・3はどういう集会なのか。
第一に、国鉄分割・民営化に決着をつけ、解雇撤回・JR復帰をかちとる大集会だ。
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25難波判決は、国鉄改革法体制の破綻=敵の弱点をさらけ出した。国鉄型解雇や外注化・非正規職化攻撃への怒りと国鉄闘争が結びつき、署名運動が4万4千筆を超え急速に拡大したことが、敵の攻撃をここまで押し返した。また「伊藤証言」や「井手文書」で分割・民営化の真実を暴き、6・29一審判決への日帝権力中枢の大反動を「白石事件」として弾劾し暴いたことが、敵権力を追い詰め、国家的不当労働行為を高裁でも認定させたのだ。
しかし難波裁判長は権力中枢の意思を体現し、あくまで国鉄改革法とその体制を護持しようとあがき、JR東日本は国鉄とは別法人だから「採用の自由」があり「JRが選別し不採用にした可能性がある」という詭弁(きべん)で、「解雇は有効」と結論した。
国鉄改革法23条は、国鉄を偽装倒産させ全員解雇・選別再採用の国家的不当労働行為を合法化するために作られた悪法だ。「国鉄が選別してJRが採用する。両者は別法人」という構造で、採用差別の不当労働行為の責任がJRに及ばないように仕組んだのだ。
そのため「JRによる選別」ができないから名簿提出期限ぎりぎりに、葛西敬之(当時国鉄職員局次長、現JR東海会長)の指示で名簿不記載基準を策定し、原告らを名簿から削除したのだ。JRに採用の自由があり選別の可能性があったと言うなら、JRがする選別不採用(不当労働行為)の責任は当然にもJRが負う。国鉄による選別は不当労働行為だと難波裁判長も認定した。それならJRが同じことをやったら不当労働行為ではないか。難波判決は完全に破産している。
井手正敬(当時国鉄総裁室長、元JR西日本会長)は、国鉄とJR設立委員会が一心同体であったことを告白している。一審・白石判決に続き二審・難波判決も採用差別の不当労働行為を認めた。にもかかわらず難波は井手文書から逃げて、解雇は有効だとした。
JR体制は9・25判決とJR北海道の安全崩壊をもって完全に破綻をさらけ出した。26年間の国鉄闘争は、分割・民営化攻撃の破産を暴き、ついに国鉄改革法=JR体制の打破をすべての労働者の課題に押し上げた。新たな国鉄10万筆署名を推進し、最高裁決戦で解雇撤回・JR復帰をかちとるスタートを切る闘いこそ11・3集会だ。
闘う労働組合を復権するぞ
第二に、11・3は全国の職場に闘う労働組合をよみがえらせるための総決起集会だ。
国鉄改革法と分割・民営化は、不当労働行為を社会に蔓延(まんえん)させ、闘う労働組合を解体する突破口だった。戦後労働法制を解体し、外注化、非正規職化、「解雇の自由」を推し進める決定的契機となった。それは国家・資本の利益を優先することで、団結を解体し、社会そのものを崩壊させた。そこに新自由主義の破綻した姿がさらけ出されている。
国鉄改革法や新自由主義攻撃は、労働組合の抵抗がないことを前提にしている。だが11月労働者集会は、国鉄闘争を結集軸に、関西生コン支部、港合同、動労千葉という3労組の闘いとその地平を全国に押し広げ、闘う労働組合を全国の職場につくり出す運動として継続され、発展してきたのである。
動労千葉は、反合・運転保安闘争路線で国鉄分割・民営化との壮絶な闘いを継続し、労働組合が闘えば外注化・非正規職化は粉砕できることを示してきた。関西生コン支部は、すさまじい弾圧と対峙しながら、139日間におよぶ産業ゼネストを敢行した。港合同は、団結権思想を階級的に打ち固め、地域を一つの労働組合に組織して幾多の争議を闘い、22年におよんだ南労会争議を勝利させた。
この3労組の闘いの経験の中にこそ、労働運動再生の展望がある。新たな国鉄10万筆署名運動を推進し、「闘う労働組合を全国の職場に」を合言葉に、11・3大結集を実現しよう。
超反動法案を粉砕しよう
第三に、今年の11・3集会は、日帝・安倍と1047名解雇の張本人である葛西をともに打倒する総決起集会だ。
安倍が「成長戦略実行国会」と位置づける臨時国会が10月15日に召集された。12月6日までのわずか53日間に、すさまじい超反動法案の数々を成立させようとたくらまれている。国家安全保障会議設置法案、特定秘密保護法案、産業競争力強化法案、国家公務員制度改革関連法案、社会保障改革プログラム法案、国家戦略特区関連法案、国民投票法改正法案など、どの一つをとっても階級決戦的な激突なしにはすまない重大問題である。民主党や連合の総屈服と改憲勢力化が安倍の攻撃を支えているのだ。
さらに、集団的自衛権と改憲、TPP(環太平洋経済連携協定)推進、消費大増税、原発再稼働に安倍は死活をかけている。所信表明演説では「この道しかない」と階級戦争を宣言した。
「成長戦略」は徹底した民営化、労組解体、労働規制撤廃=解雇自由化、総非正規職化の攻撃だ。その核心に公務員労働運動解体の攻撃がある。来年4月からの消費税率8%への引き上げは社会保障費削減と一体であり、来年度の家計の負担は総額7兆6千億円も増える。その一方で、初年度の実質増税額の5兆円余りの全額が大企業救済の経済対策につぎ込まれ、さらに企業減税が行われる。こうした労働者殺しのアベノミクスに怒りは必ず大爆発する。
福島第一原発の汚染水問題を「『事実』と異なる『風評』」だなどと言いなし、避難を余儀なくされている福島県民に「早く故郷に戻れ」と言ってはばからない安倍は、絶対に許し難い。
この安倍の盟友で、日帝ブルジョアジーの急先鋒(きゅうせんぽう)として登場しているのが葛西敬之だ。葛西は国鉄分割・民営化で労働者を大量解雇し、労組を解体した功績で、ブルジョアジーの中枢に成り上がった。安倍の私的諮問機関「安保法制懇」の中心メンバーでもある。3・11直後に「原発再稼働こそ日本の活路」(2011年5・24付産経新聞)と公言し、最近も原発再稼働は「人類の福利」(同13年9・30付)と、攻撃の先頭に立ってきた。
この葛西が10月6日付の読売新聞で、集団的自衛権行使と特定秘密保護法が必須不可欠だと主張している。そして「この法案の画期的な点は2点」だとして挙げているのが、「敗戦以来、初めて、公務員は『国家』『国益』『国民』のために存在、機能するという位置付けがなされたこと」と、公務員の「適正評価」なるものの導入である。これは国家に忠実でない公務員の首を切り、労組を解体し、改憲と戦争に動員するということだ。
こうした葛西という極悪の人格を通して、今や国鉄決戦と反原発決戦、そして公務員決戦が完全に一つのものとなった。安倍・葛西打倒へ、11・3集会に大結集しよう。
国際連帯の発展へ大集会
第四に、11・3は労働者国際連帯の大集会だ。今年の11月を前に、すでに新自由主義に対する労働者階級の新たな決起が全世界で巻き起こっている。特に韓国・民主労総との連帯が大きな飛躍と転換点を迎えている。
韓国では、労働者人民の怒りに追い詰められたパククネ政権が、かつての軍事独裁政権時代に乱発された「内乱陰謀罪」や「国家保安法」を発動し、これとの一大激突が始まっている。韓国の階級闘争は今や、巨大な革命的情勢のまっただ中に突入している。
動労千葉を軸に10年にわたり積み重ねられてきた国際連帯の真価が問われる時代が来た。また在日・滞日労働者との団結をその不可欠の一環として闘いとり、世界革命への新たな扉を押し開こう。11・3集会には決戦渦中の韓国・民主労総の闘う労働者が大挙して結集する。ドイツからも鉄道労働者がやって来る。11・3と11・4国際連帯集会の大成功を一体のものとしてかちとろう。
最高裁決戦への新たな10万筆署名と物販闘争、そして11・3集会のチケット販売に猛然と決起しよう。職場、地域、街頭、キャンパスで10万筆署名を訴え、チケットを買ってもらおう。タブロイド判(ビラ)を配り、『前進』購読を勧めよう。チケット販売の数こそが1万人結集を可能にする。職場拠点攻防に勝ち抜き、残る2週間、闘って、闘って、闘おう。
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週刊『前進』(2605号1面2)(2013/10/21 )
反原発行動に4万人
10・13再稼働阻止・全原発廃炉訴え
(写真 〈上〉福島第一原発の汚染水流出問題で大うそをつく安倍への怒りのるつぼと化した国会議事堂前 〈下〉のぼりや旗を林立させて、日比谷公園からデモに打って出るNAZENの隊列【10月13日】)
10月13日、東京・日比谷と国会前周辺において「福島を忘れるな!! 再稼働を許すな!!」を掲げ、「1013原発ゼロ★統一行動」が行われた(関連記事5面)。
福島第一原発からの汚染水流出・海洋汚染の深刻化と安倍の大うそ、さらに東電を先頭にした再稼働攻撃に怒り、全国から4万人の労働者民衆が駆けつけ、秋の一日を全力で闘い抜いた。行動は、午後1時からの日比谷公会堂集会、午後2時からの巨大デモ、午後5時から7時までの国会前大集会の3波にわたって打ち抜かれた。
メインは午後2時からのデモだ。首都圏や全国から結集した労働組合の大部隊を中心にのぼりや旗、ボードを掲げ、日比谷公園霞門から次々と出発した。不当にも権力が隊列の寸断を図った。「警察はデモのじゃまをするな!」「早く出せ!」。参加者は激しい抗議の声を浴びせた。デモは霞が関の官庁街を抜け、東電本社に向かって進んだ。
集会で肥田さん大江さんが登壇
午前10時には日比谷公会堂前に参加者が早くも集い始めた。午後1時の集会開始時には公会堂は2千人で満席となり、会場に入り切れなかった人びとは、外に向けたスピーカーから集会の模様を聞いた。
集会で医師の肥田舜太郎さんは、広島、長崎の原爆での死者は「放射線の被害」による犠牲が多かったと語り、アメリカがそれを隠すために軍事機密にしたと弾劾。さらに「生きている間に原発を全部止める。今晩から、明日から、原発をなくすために行動しよう」と訴えた。
続いて作家の大江健三郎さんが登壇。「放射能汚染は本質的で現実的な問題。原発再稼働を確実に押し返し続けなければなりません」と述べ、「将来の子どもたちが生きていける世界を取り返す、それを達成するために一生懸命努めなければならない」と自らの決意を込めて呼びかけた。
集会の最中にも労働者民衆が続々と集まり、公会堂周辺から野外大音楽堂周辺一帯は完全に埋め尽くされた。
野音前にはNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の仲間が350人集まった。1週間後の10月20日に全国集会を控える三里塚芝山連合空港反対同盟も萩原進事務局次長、敷地内の市東孝雄さんを先頭に駆けつけた。
怒りにあふれるNAZENデモ
デモに先立ち、NAZENのアピールが行われた。織田陽介事務局長は「来年の3・11に向けて闘いを強めていく。11月労働者集会と一体の闘いとして今日は重要な闘いだ。最後までやり抜こう」と熱烈に呼びかけた。ふくしま共同診療所運営委員の椎名千恵子さんは「来年の3・11を郡山で闘おうと決定しました」と報告。そして9月8日に行われた「ふくしま共同診療所報告会」について伝え、「こんな診療所があったのかという驚きと頼りたいという声が多く寄せられた」と反響の大きさを紹介した。
NAZENは出発を待つ公園内でも、デモ中も、力強く怒りにあふれたコールとアピールを響かせた。「労働組合をよみがえらせよう!」というコールには労組のナショナルセンターを超えて多くの労働者が共感を寄せ、デモには多くの人が加わった。
午後5時からは国会前を埋め尽くす大集会が開かれた。主催者などの発言に続き、大歓声の中、参議院議員の山本太郎さんが秘密保全法案の国会提出に対して警鐘を鳴らし、「絶対に止めましょう。みんなで力を合わせましょう」と渾身(こんしん)の力を込めて訴えた。
続いて、泊、福井、柏崎刈羽、伊方、玄海、川内の各原発の地元で闘う人びとが次々と闘いを報告。国会前は、再稼働阻止へともに闘う全国の労働者民衆の熱い交流の場となった。
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週刊『前進』(2605号1面3)(2013/10/21 )
前進速報版から
11・3集会へ向けて各地で労働者総決起集会▼10・12東京西部▼10・11宮城▼10・12秋田▼10・6福岡▼秘密保護法反対で国会行動
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週刊『前進』(2605号1面4)(2013/10/21 )
【要項】11・3全国労働者総決起集会、11・4労働者国際連帯集会
今こそ闘う労働組合を全国の職場に! 新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを!
11・3全国労働者総決起集会
11月3日(日)正午 東京・日比谷野外音楽堂
呼びかけ 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇 撤回闘争を支援する全国運動
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全世界の労働者と団結し「生きさせろ」の大反乱を!
11・4労働者国際連帯集会
11月4日(月)午後1時開会
千葉商工会議所第1ホール(千葉中央ツインビル2号館14階)
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週刊『前進』(2605号2面1)(2013/10/21 )
闘う労働組合を今こそ全国の職場に
11・3集会へ 田中動労千葉委員長は訴える
今までの枠こえる結集で安倍打倒・国鉄闘争勝利を
11・3全国労働者総決起集会まで残り2週間となった。動労千葉の田中康宏委員長に、今年の11月集会の持つ位置と実践的獲得目標についてうかがった。1万人結集の実現に向け、職場・地域にさらに徹底的に分け入りラストスパートの闘いに入ろう。(編集局)
安倍の攻撃は破綻必至だ
――11・3集会の獲得目標を聞かせてください。
田中 今年の11月集会の実践的課題は二つだと考えています。ひとつは、全面民営化と解雇自由、改憲と戦争の安倍政権を打ち倒すための総決起集会としてかちとること。もうひとつは、26年にわたって闘い抜いてきた国鉄闘争の勝利のために、これまでの枠を越えたより広範な結集をかちとることです。
国鉄分割・民営化以来の新自由主義政策が今、すべて破綻・崩壊しようとしています。だからこそ、それがより極限的な民営化や解雇自由化といった攻撃になって現れてきています。政治的には憲法改悪と戦争、福島圧殺、原発の輸出や再稼働の攻撃として始まっています。これらは、すべてが破綻必至の破滅的政策でしかありません。
日本の労働者階級の底力が試されています。今こそ全国の職場に無数の闘う労働組合をつくらなければいけないし、それが可能な情勢が来ています。その意味で今年は「今こそ闘う労働組合を全国の職場に!」をメインスローガンに掲げました。
既成の労働運動は、ますます瓦解(がかい)を深め根底から崩れ去ろうとしています。連合は「憲法議論は時期尚早」という立場を変え、憲法論議にかんでいくことを表明しました。日教組は民主党・社民党支持を下ろし、政権政党との関係を深めると大会で決定しました。これまでの路線が通用しなくなり、支配階級の一部になることで延命を図ろうとしているのです。
しかし、これは連合や全労連の腐った幹部たちの後退・瓦解であり、労働者階級の後退ではありません。労働者の怒りを体制内的に抑えつけてきたものが、すべて通用しなくなって崩壊してきているのですから悪いことじゃないんです。現場からの怒りの噴出と流動化は、この間の主要産別の労組の大会を通してびんびん感じました。この中から新しいものが必ず生まれ出てくると確信しています。
15日に臨時国会が開会しましたが、安倍が今やろうとしている矢継ぎ早の攻撃は、遅かれ早かれすべてが破綻し始めます。支配階級の側から見ても、支配のあり方を根本から変えるクーデターに等しい大仕事なのに、中曽根や小泉のように反対する官僚たちもすべてぶっ飛ばして進んでいくような腹構えも力も安倍にはありません。日米首脳会談だってまともにできない。日中関係、日韓関係もすべて崩壊しています。
安倍の政策がすべて崩壊するもう一つの理由は、労働者自身がこの二十数年間で「全部うそじゃないか」ということを嫌というほど思い知らされ、見抜いていることです。「民間活力の爆発」なんて言っていますが、民営化すれば豊かになるなんてペテンはもう通用しません。
国際的に見ても、アメリカでは共和党と民主党の対立で10月以降の予算が決まらず大混乱しています。9月には、FRB(米連邦準備制度理事会)が、このままではいつ国債やドルが暴落するかもしれないのに量的緩和政策からの撤退・縮小を決められなかった。前にも進めないし後ろにも下がれない。シリア問題を見ても明らかにアメリカ帝国主義の世界支配は崩壊し始めています。
こうした事態の一つひとつを変革のチャンスととらえ、もっともっと根底的な怒りと闘いを爆発させなければなりません。国鉄分割・民営化以降の力関係を今こそ逆転させなければならないし、その条件は煮詰まっています。11・3集会に安倍を打倒しきる力を総結集し、30年に及ぶ新自由主義攻撃のすべてをひっくり返す。そういう決意で臨みたいと思っています。
最高裁で解雇撤回させる
田中 同時に、今年の集会は「僕らの力で国鉄闘争に絶対に勝ってやる」という熱気みなぎる集会として大成功させ、最高裁で解雇撤回・JR復帰をかちとりたい。可能性が見えてきたわけですから、すべてをここに注ぎ込んで勝利したいと思っています。そのことが持つ影響力は、少し大げさに言えば、今の社会のあり方そのものを揺るがし、安倍がやろうとしていることすべてぶっ飛ばしていくほどの大きさを持っています。だからこそ、ここにかけきりたい。
――動労千葉鉄建公団訴訟の9・25控訴審判決をどうとらえていますか。
田中 採用過程で、国鉄当局が名簿不記載基準をつくったことを不当労働行為と認めながら解雇を撤回しない。そういう意味では本当に許しがたい反動判決です。
難波裁判長は、本来は成り立たない理屈を結びつけ、国鉄改革法を必死に護持しようとしています。だけど、護持しようとすればするほど国鉄改革法そのものの矛盾・破綻を自らさらけ出しています。どういうことかというと、不当労働行為を認めながら解雇を撤回しない理由が「JRには採用の自由があるから、採用候補者名簿に登載されていても採用されたとは限らない」と言うんです。
これは完全なうそです。現実には名簿登載者は全員が採用されています。結果としてそうだっただけじゃなく“国鉄がつくった名簿の登載者をJRは選別しないで全員採用した。だから不当労働行為の責任はJRに及ばない”という敵の側からの積極的な論理のもとにそうしてきたわけです。
9・25判決はこれと真逆のことを言っています。そう言わなければつじつまが合わないところまで追い詰めたのです。
(写真 昨年の11・4労働者集会。呼びかけ3労組を先頭に都心をデモ)
「採用の自由」は「解雇の自由」だ
考えてみれば、9・25判決の言う「採用の自由」とは「解雇の自由」そのものなんです。
そもそもJRの職員は国鉄職員の中から採用すると国鉄改革法に書かれているわけですから、一般的な「採用の自由」なんてないんです。労働基準法ではブラックリストのやりとりは禁止されていますし(労基法22条4項)、事業譲渡の場合は雇用は維持しなければいけないのが常識でした。「採用の自由」なんて資本に無制限に許されているわけではなかったのです。この縛りを解き放ったのが国鉄分割・民営化であり国鉄改革法でした。
国鉄分割・民営化で起きたことはすべて、今の攻撃の原型になっています。例えば人材活用センターは、今で言えば「追い出し部屋」そのものです。これらを絶対にぶっ飛ばして、安倍政権による解雇自由化の攻撃もろともすべて葬り去らなければなりません。国鉄闘争にはそういう現代的な意味があります。現在の労働者の生きる権利をかけた闘争そのものなのです。
さらに9・25判決で難波裁判長が完全に無視した問題がひとつあります。それが井手文書です(証拠として提出された座談会記録『国鉄改革前後の労務政策の内幕』)。国鉄幹部であった井手正敬(JR西日本元会長)や葛西敬之(現JR東海会長)らが足繁く設立委員長の斎藤英四郎(当時経団連会長)のもとに通い、綿密に打ち合わせをしながら名簿不記載基準をつくったことが露骨に語られています。この井手文書に触れたらすべてが崩れ落ちるから難波裁判長は一言も触れることができなかったのです。9・25判決の中に、改革法自身の矛盾と破綻がすべて表れています。われわれの闘いの地平が、この判決の中に凝縮しています。
分割・民営化は87年ですが、臨時行政調査会設置(81年)や中曽根政権の発足(82年)から見れば国鉄闘争は30年以上にわたる闘いです。戦後労働運動史の半分は、国鉄闘争を軸に動いてきました。しかし、3年前の4・9政治和解で全勢力が闘いの旗を下ろした。その中で、必死の思いで国鉄闘争全国運動を立ち上げ、すべてを引き受け、そして闘いをここまで前進させることができた。困難な中で支援してくれた全国の仲間たちには心からお礼を言いたいですね。こうした歴史的な闘いを、11月集会に結集してきた仲間の力で実現していることに確信を持ってほしい。形(なり)は小さくても日本労働運動の主流はわれわれなんです。
東京高裁に向けた10万筆署名運動で地域や職場に分け入り、この国鉄闘争をもう一回、全国に広げていった意味は本当に大きいと思います。最高裁での勝利に向け、新たな10万筆署名を提起しています。ここから闘う労働運動の芽を無数につくっていきたいですね。
新自由主義の30年に断を
田中 もう一つ動労千葉から訴えたいのは、十数年間にわたって闘ってきた外注化阻止闘争が今の時代の中で持つ意味です。80年代以降、あらゆる職場で激しく進んできた外注化・非正規職化攻撃に対して、反合理化闘争がきちんと展開できた例はほとんどありません。連合だけでなく、いわゆる「左派」的な労組でさえ「大きな時代の流れだ」「仕方がない」「闘って粉砕することなんか不可能だ」と容認してきたのが現実です。
しかし僕らは、こんなことを許したら労働者の雇用も権利も鉄道の安全もすべて崩壊することは目に見えていましたから絶対に容認できなかった。困難を極めましたが、この攻撃に正面から立ち向い、少なくとも十数年にわたって一指も触れさせなかった。この闘いの中で約20人の仲間が動労千葉に結集しました。新自由主義の典型的な政策に、労働組合が正面から立ち向かい、団結を守り、この闘いの中で組織を拡大することができるということを示したと思っています。
――検修外注化強行から1年間の闘いで見えてきたものは。
田中 すべてはこれからですが少なくとも「負けていない」という手応えを感じています。
千葉支社管内ではこの間、100人余りの労働者が下請け会社に強制出向に出されました。その外注体制を維持するために管理者が約40人増員され、CTS(千葉鉄道サービス)が検修業務に就ける職員(プロパー社員)約20人を独自に養成し始めた。60人も増員しなければ外注化した現実さえ維持できない。動労千葉が、外注化絶対反対で闘いを続けていることで敵に強制した矛盾そのものです。
だからこそ、すべてが動労千葉への組織破壊攻撃として襲いかかってきています。これに勝つために、JRだけじゃなくCTS側にも闘いを拡大し組織をつくる挑戦を始めています。
外注化の目的は、人件費を削減し、メンテナンスコストを削減することです。それが逆に、年間4億円も5億円も人件費を増やさないと維持できない。千葉支社での外注化は現実には破綻していると言っても過言ではありません。外注化絶対反対で闘い抜く動労千葉の存在そのものが、外注体制のアキレス腱(けん)になっているのです。敵の攻撃が国家をあげたものであろうが、新自由主義のように資本主義の国際的な流れであろうが労働者の団結した力で食い破ることは可能なのです。
――JR北海道や貨物の現実をどうとらえていますか。
田中 9・25判決と国鉄改革法の矛盾の爆発、さらにJR北海道や貨物の現実が示しているのは国鉄分割・民営化そのものの破綻です。
JR貨物では、とにかく生活が成り立たないところまで労働者の賃金を下げても経営が成り立たない。また、JR北海道の現実は明らかに分割・民営化の行き着いた必然的結果です。政府と国土交通省は、経営体質やずさんな管理の問題に切り縮めようとしていますが、問題にもなりません。経営が成り立たないのを分かっていながら分割・民営化を強行し、鉄道の安全に関する規制をすべて緩和してきた政府・国交省こそが今の現実を招いた真犯人です。
今から振り返えると、他のJRでも05〜06年過程で北海道と同じことが現に起きていたんです。JR西日本では05年に尼崎事故が起き06年には伯備線事故が起きた。JR東日本でも羽越線事故が起き、同時に、レールがバタバタと折れ始めました。
その背景にあったのが国交省による規制緩和と検査周期延伸、保守部門の縮小と外注化です。線路の徒歩巡回周期は3倍に延ばされ、保線の職場は千葉では6分の1に縮小。現場の仕事は、ほとんどが外注化されました。それが00〜01年頃です。それから5年ぐらいしたら線路がガタガタになり始めた。
これに対して動労千葉は、処分を受けながら安全運転闘争に立ちました。それが自らの職場で尼崎事故の責任を追及する闘いだと位置づけて闘いました。これが社会的にも注目されたことで、次々と削減されてきたメンテナンスコストをV字型に回復させました。あの闘争がなかったらJR東日本だって北海道と同じ状態になっていました。
国鉄分割・民営化を根本から問い直し、分割・民営化以降30年の新自由主義攻撃に断を下すべき時が来ているのです。
3労組の共闘と国際連帯の地平
――11月集会の位置はますます大きくなっていますね。
田中 11月労働者集会は日本の労働者にとっても世界の労働者にとっても特別な位置をもった集会です。いまだ小さいながら、そう言えるものを僕らはつくってきました。
今年は、もう一度原点に返って、呼びかけ3労組が実現してきた闘いの意味を全国の労働者に訴えたいと思っています。この時代だからこそ、その意義は大きいと思うんですね。
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部は、常識的に言えば労働運動なんて成り立たないと思われていた生コン産業で、その産業構造を逆手に取ってセメントメーカーやゼネコンを圧倒する激しい闘いと強力な団結をつくり上げてきました。その力を土台に中小零細の生コン会社を協同組合に組織して大資本に立ち向かい、ついには139日ものゼネストを打ち抜いてゼネコンを屈服させました。
全国金属機械労組港合同もそうです。故大和田幸治事務局長を先頭にした闘いは、地域を丸ごとひとつの労働運動の拠点にしてしまう運動のあり方を示しました。徹底的に団結権にこだわり、企業の塀を越え、どこの会社に属していようがひとつの労働組合なんだという階級的団結をつくりあげました。
動労千葉もまた、国鉄分割・民営化という国家をあげた攻撃に労働組合が立ち向かい、団結を拡大しながら闘い抜けることを示してきました。この3労組の闘いの中に、目指すべき階級的労働運動の基本的姿、実践的にやっていくべきことがすべて示されていると思っています。
国際連帯の面でも、今年の集会の位置は重要です。
韓国では今、民営化攻撃が本格的に始まっています。パククネ政権下で、KTX(韓国高速鉄道)民営化などを突破口にあらゆる分野を民営化する攻撃が進められています。韓国・民主労総は、新自由主義攻撃が全世界的に吹き荒れ、世界の労働運動が後退していく中で、それに抗し、すい星のように立ち上がってきました。97年IMF(国際通貨基金)管理体制など、本当に困難な現実の中で闘いを継続して今日に至っています。民主労総がものすごい力を持っていたからこそ韓国政府も公的部門の民営化になかなか手が着けられなかった。パククネ政権の民営化攻撃と闘う民主労総と、僕たちの30年以上にわたる民営化反対の闘いが結合することは歴史的な意味があります。
アメリカでも、デトロイト市の全面破綻や、7人に1人がフードスタンプで生きざるをえない現実の中から労働者の闘いが巻き起こっています。さらに今年はドイツから機関士労組の仲間も参加します。欧州では、財政破綻をきっかけにしたヨーロッパ恐慌といってもおかしくない状況の中で幾度もゼネストが繰り広げられています。この闘いとの結合が持つ意味も大きい。11月集会が築いてきた国際連帯もまた、この時代の中で無限の可能性をはらんでいます。
残り2週間、全国の仲間の全力での奮闘をお願いします。
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週刊『前進』(2605号2面2)(2013/10/21 )
動労千葉冬季物販アピール
新署名と一体で職場・地域へ
2013年動労千葉冬季物販が始まりました。すべての同志と読者のみなさんに、全力での取り組みを訴えます。
東京高裁は9月25日、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審で解雇撤回を拒否する許しがたい反動判決を出しました。しかし、あの反動=東京高裁さえ、一審判決での不当労働行為の認定を覆せませんでした。当該を先頭とする動労千葉と弁護団の闘い、さらに国鉄闘争全国運動の4万5千筆に及ぶ署名の力で高裁を追い詰めたのです。
「不当労働行為」を認定した以上、解雇撤回・JR復帰以外の結論はありえません。冬季物販と一体で最高裁に対する新10万筆署名に取り組み、最高裁での新証拠審理と証人尋問をかちとろう。
国鉄分割・民営化はもはや完全に破綻しています。JR北海道で起きている事態は「事故隠し」とか「ずさんな管理」といった次元の問題ではありません。国鉄時代の熟練労働者を分割・民営化で大量に解雇し、JRに残った労働者も次々と退職していくのに新たな技術者の育成は行われず、もはや当局自身が現場で何が起こっているのか分からない状態になっているのです。
かつて、総資本対総労働の闘いと言われた三井三池闘争は、炭労が1200人の指名解雇を受け入れ敗北しました。3年後の1963年、三池炭鉱三川鉱で炭じん爆発が起こり458人が死亡する戦後最大の産業事故が起きました。しかし全国の炭労組合員は、仲間の死に「明日はわが身」と怒りの闘いに立ち上がることができませんでした。これこそが本当の意味での敗北でした。その結果、全国の炭鉱で際限なく事故が起き、同時に炭労の権威と組織も解体されていきました。
JR北海道で起こったことは、全国のJRにとって「明日はわが身」です。どの産別においても「自分の職場も似たり寄ったりの状況だ」と誰もが感じているはずです。外注化・非正規職化の極限的な推進と、国鉄分割・民営化以来の労働運動の後退の結果、職場生産点の安全は全社会的に崩壊しつつあります。労働者が労働組合のもとに団結し、労働者自身の手で労働を組織し、自ら職場を動かさなければ生命も生活も守れません。それが「生きさせろ!」の意味であり、動労千葉が貫いてきた反合・運転保安闘争の核心です。
動労千葉は、JR発足後も外注化と安全切り捨てによるレール破断の頻発に対して、安全運転闘争に立ち上がり、05〜07年で千葉管内130`のレール交換を闘いとりました。この闘いの意義は、いよいよ光り輝いています。
夏季物販と一体で広範に取り組まれた解雇撤回・JR復帰を求める10万筆署名運動は、国鉄闘争の新しい広がりと可能性を示しました。動労千葉物販の恒常的な取り組みを通して、この可能性を闘う労働組合建設へと実際に結実させていくことが問われています。
革命情勢そのものが急接近する中で、闘う労働組合の建設と労働運動の再生は革命党の絶対的な任務となっています。「労働運動ができる党」への飛躍をかけ、動労千葉冬季物販と新10万筆署名を水路に、あらゆる職場生産点に分け入ろう。この闘いの中から11・3集会1万人結集をかちとりましょう。
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週刊『前進』(2605号3面1)(2013/10/21 )
11・3を歴史的な出発点にJR体制にトドメを刺そう
革共同国鉄委員会
プロレタリア革命への大道を押し開こう
国鉄決戦は、JR体制と新自由主義を打ち倒し、プロレタリア革命をかちとる闘いだ。革命的共産主義運動50年の闘いは、動労千葉を先頭に動労水戸―動労総連合、国労郡山工場支部、国労共闘、さらに4・9政治和解の攻撃を跳ね返して進む1047名当該を持つに至った。それだけでなく反合理化・運転保安闘争路線という、世界の労働運動に誇れる闘いの路線もある。新自由主義と対決する国鉄決戦を、われわれは日本労働者階級の最大最強の岩盤として築いてきたのだ。
大恐慌情勢の急激な進展は、安倍政権の超反動攻勢と対決する日本労働者階級の新たな飛躍を求めている。国鉄を先頭に労働組合が階級闘争の前面に登場することが必要なのだ。それは、国鉄決戦を階級決戦として闘うことから始まる。
『前進』夏季特別号で提起された「国鉄決戦の全面的爆発でプロレタリア世界革命きり開こう」「世界単一の労働者党を」の本格的実践が待ったなしに求められている。到来した決戦のただ中で、その飛躍を成し遂げるのだ。
また、われわれが絶対反対を貫き非和解で闘うがゆえに、ある種の柔軟さを含めて労組交流センター運動の前進というテーマも出されている。
安倍政権が来年3月に被災地支援を打ち切ろうとする中で、JRは常磐線の広野から竜田への延伸を打ち出した。JR資本は福島切り捨てを最先頭で進めている。来年3・11は最大の攻防になるし、3月までの一挙手一投足が最大の階級決戦、革命を巡る決戦だ。
11・3全国労働者総決起集会こそ、その歴史的出発点だ。動労千葉鉄建公団訴訟の9・25判決から最高裁判決までの全過程は、国鉄闘争の真価をかけた決戦である。
11・3の爆発なしに来年3月はない。11・3にJRとJR関連の労働者、4・9で沈められた闘争団も含む総決起を実現し、外注化攻撃が吹き荒れる情勢と真っ向から対決する階級闘争の爆発をつくり出そう。革共同国鉄委員会はその最先頭で闘いぬく。
分割・民営化の破産を示した9・25高裁判決
新自由主義はついに大崩壊を始めている。その象徴こそJR体制の破綻と福島原発事故だ。この現実に声を上げ、闘わないのは協力していることと同じだ。原発や外注化について非妥協的に暴露しなければならない。ほんの少しのごまかしやあいまいさがあれば、その瞬間にわれわれも国家や資本と同罪になる。自らが党として路線的に闘う以外に選択肢はない。
JR北海道の安全崩壊は、JR体制の破産を突き出した。JR北海道は毎日、安全無視の殺人列車を走らせている。この原因は国鉄分割・民営化による極限的な人減らしと外注化にある。安全崩壊はJR北海道だけではなくJR7社すべてで同じだ。人の命より金もうけの新自由主義の腐り果てた姿がここにある。この期に及んでJR資本は「国鉄改革の基本枠を守る」(JR東日本社長・冨田哲郎)とうそぶき、JR総連カクマルは「国鉄改革の精神のもと奮闘する」とわめいている。
国鉄分割・民営化の破綻は、動労千葉鉄建公団訴訟の9・25判決にも示された。それは、解雇撤回だけは絶対に認めないとする反動判決だ。しかし、一審で認められた不当労働行為までは否定できなかった。それは、つじつまのあわない詭弁(きべん)を弄(ろう)するボロボロの判決だ。
判決は”JRには採用の自由がある”から”採用候補者名簿に記載されたとしてもJRが選別した可能性がある”と言う。”不当労働行為がなければJRに採用されたはず”という一審判決を否定するため、国鉄とJRが一心同体の共犯者だったことを認めてしまったのだ。「国鉄とJRは別法人」という国鉄改革法の虚構は崩れた。判決は一方で”JRが採用しなかった可能性がある”とし、他方で”JRが採用した可能性も高いので慰謝料500万円”としている。「いったいどっちなのだ!」と言いたくなるほど矛盾だらけの内容だ。
これは、四半世紀に及ぶ1047名解雇撤回の不屈の闘いと10万筆署名の力が強制したものだ。動労千葉を始めとした闘う国鉄労働者、弁護団も含む全労働者階級の闘いが切り開いた地平だ。判決の矛盾と破綻を突いて攻めぬけば、JR体制の崩壊は目の前だ。解雇撤回を求める最高裁署名を職場に徹底的に持ち込み、青年の怒りを結集して国鉄闘争を推進すれば、JR体制を打倒し新自由主義にトドメを刺すことができる。ここに全党の力、全階級の力を集中し、攻めて攻めて攻めぬき、プロレタリア革命の大道を切り開こう。
安倍の大反動に労働者階級の総反撃を!
米財政の崩壊=デフォルトの危機は大恐慌がいかに深く大きいかを示している。それは世界経済を破滅に陥れ、一層の大失業と戦争を生み出しつつ、プロレタリア革命を一気に引き寄せている。
安倍超反動政権の「アベノミクス」や集団的自衛権行使容認、秘密保護法制定など改憲への急激な動きは、この情勢に追い詰められたあがきだ。
「アベノミクス」は必ず破綻する。来年4月からの消費税8%化の決定は大衆収奪への踏み切りだ。「社会保障の充実」などまったくのうそだ。消費大増税とセットの企業減税は、ブルジョアジーを救済し、福島を最後的に切り捨てる宣言だ。安倍の言う「賃上げと雇用確保」はペテンだ。安倍は「雇用特区」=解雇特区で雇用を破壊し、公務員を当面のターゲットにした賃金破壊を強行し、外注化、非正規職化、労働時間規制の撤廃、労働法制の解体に乗り出している。この階級戦争に対し、労働者階級の側からの反撃は必ず巻き起こる。
その攻防の最大の戦場こそ国鉄決戦である。情勢の激変は、労働者階級の側から決戦に打って出ることを求めている。
新10万筆署名を武器に国労の大改革へ!
国鉄決戦を鋭い矛先に、大崩壊を開始した新自由主義にトドメを刺す時が来た。その最大の武器として、新たな10万筆署名を全職場・全地域で大々的に推し進めよう。100万人といわれる国鉄陣形に分け入り、「最高裁闘争勝利・1047名解雇撤回」へ全労働者の総決起をつくろう。これと一体で、外注化阻止のストを敢行した動労千葉に続き、外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否の闘いに立とう。
来春3・11を巡る攻防は、常磐線竜田延伸阻止を軸に、国鉄決戦と反原発決戦がひとつになる重大な闘いだ。被曝労働拒否を闘いぬいた動労水戸と国労郡山工場支部を先頭に大決戦に突入する。
重要なことは、国鉄決戦は、動労千葉を先頭に闘うとともに、国労の再生を実現してこそ真の勝利になるということだ。
4・9政治和解を拒否して決起した国労闘争団の闘いと国労郡山工場支部の闘いをひとつにして、国労本部打倒・国労大改革へ進撃しよう。
目を覆うばかりの国労本部の腐敗と転落、JR資本の下僕化は国労組合員の怒りを必ず爆発させる。国労組合員権訴訟は、労働組合はどうあるべきかを闘争団員と国労組合員に真っ向から問いかけている。腐った国労指導部に抗して原則を貫き闘う闘争団の姿は、必ず国労組合員の魂を揺さぶる。不採用を通告された2・16と首を切られた4・1は絶対忘れられない日だ。これを重視し、動労千葉・動労水戸とひとつになって国労大改革へ全力で闘おう。
今までのあり方を根本から変えて勝負しよう。地区党−細胞、全産別、全戦線がこれまでの延長線を超えて時代認識と路線で団結し、一切をかけて総決起しよう。革共同国鉄委員会は自己に課せられた重大な課題に応えきり、退路を断って国鉄決戦でプロレタリア革命を切り開くために決起する。11・3総決起へ、ともに闘い勝利しよう。
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週刊『前進』(2605号3面2)(2013/10/21 )
青年先頭に11・3大結集で国鉄・公務員決戦の勝利を
革共同教育労働者委員会
今年の11・3全国労働者総決起集会は階級的労働運動の新たな1ページをつくる集会だ。9・25判決をもぎり取った力、安倍政権に屈した組合幹部への現場労働者の怒り、青年労働者・学生のみずみずしく荒々しい決起――11・3労働者集会はこれまで以上に自己解放性に満ちた労働者の誇りあふれる集会になる。集会まで残り2週間、総力で組織して、空前の大結集を実現しよう! 教育労働者はその先頭で全力で闘おう!
国鉄解雇撤回を軸に据え
11・3労働者集会は第一に、国鉄闘争を全労働者・労働組合の団結で闘い抜くことをあらためて誓い合う集会だ。
11月労働者集会は、JR不採用を不当労働行為と認定した労働委員会命令を取り消した1998年5月28日の東京地裁反動判決に大打撃を受けて国労内外から和解の動きが強まる危機的状況の中で、「国鉄1047名解雇撤回闘争は絶対に譲ってはならない」と3労組(関西生コン支部、港合同、動労千葉)が立ち上がって始まった。以来毎年11月に、3労組が団結して「国鉄闘争を軸に闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」と呼びかけて開かれてきた。
動労千葉は「解雇撤回・JR復帰」を貫いて闘い、鉄建公団訴訟9・25東京高裁判決で、再び国家的不当労働行為を認めさせる画期的地平をかちとった。動労千葉は闘いのヘゲモニーを握りしめ、ただちに最高裁に向けた新たな10万筆署名を呼びかけている。
9・25判決は矛盾と言い逃れで破綻している。動かぬ証拠を突きつけられて不当労働行為を認定しながら、「解雇撤回・JR復帰」の結論から逃げ回る詭弁(きべん)を弄(ろう)したのだ。「暴かれた真実」と4万4千筆を超える署名と4度にわたる署名提出行動の力が、裁判所をグラグラに追い詰めている。
不当労働行為を認めたのなら、ただちに解雇撤回しかない。これをもぎりとる闘いが最高裁に向けた署名運動だ。11・3集会は「絶対に解雇撤回をかちとる!」と宣言する大集会である。
民営化反対で安倍打倒を
11・3労働者集会は第二に、安倍政権の民営化・規制緩和と闘い、闘う労働組合を全国の職場につくり出す集会だ。
安倍は15日の所信表明演説で「特異な規制や制度を徹底的に取り除き、世界最先端のビジネス都市を生み出すため、国家戦略特区制度を創設します」と叫んだ。橋下大阪市長は「公設民営学校」構想を打ち出した。これは教育労働者・公務員労働者への挑戦状であり、日教組・自治労をつぶすという宣言だ。教育を資本のもうけの対象にする「公設民営学校」を実行するということだ。
しかしその破綻はすでに始まっている。安倍の本性は今や全労働者に見抜かれつつある。橋下も大阪の現場労働者の闘いによってボロボロだ。
教育労働者・公務員労働者が総決起する時が来た! 26年余におよぶ解雇撤回・JR復帰の闘いとJR本体における外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを貫いてきた動労千葉とともに、「民営化・外注化絶対反対」の立場・方針を鮮明にさせて、国鉄・公務員決戦を一体で闘おう。
新自由主義に屈服して首切りや非正規職化、合理化、外注化を推進してきた連合からの離反と反乱が始まっている。JR北海道の連続事故で暴かれた崩壊的事態は、労働者の怒りに火をつけた。10万筆署名運動の展開は反原発闘争とかけ合わさって労働者の意識を激変させ、「民営化・外注化攻撃は悪!」という認識が一気に広がっている。この怒りを束ねて、11・3集会に組織しよう。
全世界の労働者とともに
11・3労働者集会は第三に、新自由主義の破綻・崩壊の中で決起している韓国、アメリカ、ドイツと在日・滞日労働者が集う国際連帯集会だ。今年は初めてドイツの機関士労組が参加する。新自由主義と最前線で闘う動労千葉の労働運動が、世界の労働者を鼓舞し獲得し、国際連帯闘争を前進させている。
全世界で教育労働者が立ち上がっている。韓国ではパククネ政権の組合つぶしに対して、全教組が民主労総とともに闘っている。アメリカではシカゴ教組(CTU)、ロサンゼルス統一教組(UTLA)の現場労働者が「教育の民営化絶対反対」で大反撃している。
11月労働者集会に参加してきたUTLAの仲間たちは、満を持して組合権力奪還の闘いに踏み出している。「教育の民営化阻止」へ国境を越えて心を一つにして、11・3集会を大成功させよう。
拠点建設し労組権力とる
全国で今、労働組合の拠点建設と権力奪取の闘いが始まっている。全分会を対象に10万筆署名運動を展開し800筆の署名を集め、既成幹部を打倒する新たな闘いを始めた単組。非正規職労働者の解雇撤回を組合の力でかちとり、青年が執行委員になり、ストライキで闘う日教組の階級的再生に踏み出した単組。ここでも10万筆署名運動でますます団結を拡大している。日教組本部がまったくスト方針を出さない中で、本気で4・26ストライキを自前で準備し組織を開始した仲間もいる。
「子どもと生き生きと過ごしたい。誇りをもって仕事をしたい」という青年教育労働者の思いが、「若い人にはストが当たり前の感覚になっている」「自治労スト、いいなと思った」という切実な声になっている。
反合理化闘争で組合を強化し
闘う日教組を階級的に再生する道こそ、動労千葉が確立してきた〈反合理化・運転保安闘争路線〉だ。労働現場で起きる事故を、労働強化と要員問題としてとらえ、労働者個人の責任に転嫁することを絶対許さず、当局の責任を徹底的に追及して、組合を強化する闘いだ。この路線が職場闘争をよみがえらせ団結をつくり出して、職場の拠点化が前進している。
学校で激化している「指導力アップ」や「人事評価=業績評価」による分断支配は、すべてを個人の能力や資質の問題に責任転嫁し、教育労働者の階級性を奪う団結破壊の新自由主義攻撃だ。職場で起きる問題を過重労働、労働条件の問題ととらえ、隣の仲間と問題を共有し職場闘争の中で階級意識を奪い返し職場の団結を一からつくり出すこと、こうした日々の闘いが連合支配のくびきを打ち破って労働組合を再生する道だ。
始まったこの闘いを決定的に飛躍させる力が11・3集会にある。職場、産別、国境を越えた階級的団結に全労働者の勝利があるからだ。苦闘する仲間と向き合い話し込み、正面から集会への参加を訴えよう。職場丸ごとの決起に本気で挑戦しつつ、もう一人の仲間の参加にこだわりオルグをやり抜こう。「一人の闘う仲間がいればそこは拠点だ」の気概ですべての仲間は決起しよう。
オルグ戦を貫く力は党の団結だ
11・3集会の大結集を実現する鍵は、党と労働組合の一体的建設の飛躍をかけて闘い抜くことである。地区党と産別委員会が一体となってオルグ戦に取り組み、その中でますます党の団結を強化していくことだ。拠点建設とそのための組織活動の集約点として11・3労働者集会がある。
青年と一緒に悪戦苦闘して連合幹部を打倒し、労働組合権力を奪取しよう。それが労働運動のできる党ということだ。地区党で方針形成・実践・総括を真剣にやり抜く組織活動をとおして、産別委員会の路線的深化も団結もつくり出せる。
11・3労働者集会は、革共同がどれだけ労働者階級の支持を得ているかを示すバロメーターであり、党組織拡大の土台である。時代認識と路線で獲得する最大の組織者である機関紙『前進』を使い切り、最後の最後まで1人の獲得にこだわって、団結の力で大結集を実現しよう!
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週刊『前進』(2605号3面3)(2013/10/21 )
首都圏青年労働者集会 組合旗押し立て野音へ
国鉄決戦への総決起を誓う
10月14日、首都圏の闘う労働組合が結集し、首都圏青年労働者集会が千葉市DC会館で開かれた。青年労働者が国鉄闘争の先頭に立ち、11・3労働者集会へ総決起していく態勢を打ち固めた。
主催は「首都圏闘う労働組合『生きさせろ!』会議(通称ストライキ会議)」。開会あいさつで東京労組交流センターは「『ストライキ会議』は青年労働者集会実行委員会と鈴コン分会共闘会議を軸に闘う労働組合、東京労組交流センターがつくった階級的な団結体だ」と述べ、職場闘争にかちぬき労組拠点を建設していく”労働学校”としての「ストライキ会議」が鮮烈に登場した。
まさに2013年の激闘の結晶であり、”11・3労働者集会をこれまでと景色を変える集会へ”の前進そのものだ。
基調報告を医療労働者が行い、「ついに国鉄改革法をぶち破った」と動労千葉鉄建公団訴訟9・25高裁判決の巨大な意義を確認した。そしてJR北海道事故に対して「解雇された国鉄労働者をJRに戻し、労働組合が反合・運転保安確立へ闘う以外に鉄道と社会の安全の崩壊を食い止める方法はない。国鉄分割・民営化は間違いだったとJR資本・国家に認めさせよう」と述べ、「闘う労組をつくり11・3集会へ」と熱烈に呼びかけた。
続いて動労千葉青年部と動労水戸が、安全崩壊をもたらす民営化・外注化への怒りと外注化阻止闘争への確信に燃えて登壇した。
“安全守るのが鉄道人の誇り”
動労千葉青年部からは、運転士としての誇りを守りライフサイクルから復帰した青年に続き、外注化阻止を闘う青年が「現場は矛盾だらけ。もう怒りしかない。外注化が事故の要因であることは間違いない。日本の外注化を全部阻止して、全世界に非正規職撤廃・生きさせろの声を拡大していく」と決意を表明。
動労水戸の青年も「安全を守るのが鉄道人としての誇りだ。動労千葉の反合・運転保安闘争で闘う。闘いに勝利すれば絶対に青年は続く」と力強く訴えた。「30年前は青年」という組合員も「青年の1人の決起が職場を変える。99%を獲得する気概で闘う」と11・3集会への決意を述べた。
全学連と全国水平同盟杉並支部から連帯あいさつを受け、鈴コン分会共闘会議を軸とする労働組合がずらりと並んだ。東京西部ユニオンの吉本伸幸委員長の闘志あふれる発言を始め、鈴コン分会、過労死問題を闘い資本や体制内労組との激烈な攻防にかちぬき結集した労組、「11・3は組合を結成して初の集会だ」という労組のはつらつとした発言が続いた。
青年からは、自治体労働者が「賃下げは国との闘いだ。9・25判決を経て国家的不当労働行為と闘ってきたことは決定的だ」と述べ、地下鉄とバスの交通労働者は安全闘争を闘うと宣言。郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長と合同労組の仲間は、人間らしく生きるために労働組合が切実に求められていると訴えた。ちば合同労組は、国鉄決戦と一体で非正規職の組織化・分会づくりに踏み出したと報告した。
最後に、ストライキ会議事務局が「闘えば勝てる。労組の旗を押し立て11・3へ」と訴え、団結ガンバローを行った。
(写真 「すべての怒りを11・3集会へ」。集会の最後に団結ガンバローを三唱【10月14日 千葉市】)
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週刊『前進』(2605号3面4)(2013/10/21 )
闘いは進む 青年の職場から
郵政 職場の仲間を信頼し「2021」に反対する
北陸 山岡 優
●「新一般職」「新人事・給与制度」導入に絶対反対!
安倍政権の新自由主義攻撃が郵政において本格的に開始されました。「新一般職」「新人事・給与制度」の導入です。8月のJP労組全国大会において3割の反対がたたきつけられながら、JP労組本部が強行採決した制度です。
9月に入って職場では当局が「JP労組大会で承認されたので(導入します)」と言って、説明会が行われました。「新一般職」の導入は安倍政権の推し進める「限定正社員」の先取り攻撃です。「新人事・給与制度」は、従来の基本給の2割を成果給に変え、営業などの成果に応じてポイントを付与して賃金を差別化し、年功序列賃金や終身雇用の解体を狙うものです。
郵政資本はこれらの制度を、「郵政グループビジョン2021」で「社員のモチベーションを高める人事・給与制度」「頑張った者が報われる人事・給与制度」と位置づけています。人事や賃金で労働者に分断をもちこみ、郵政職場から伝統的な団結を一掃する攻撃です。
しかし、職場ではJP労組はなんの「説明」も行っていません。JP労組自体が「頑張った者が報われる制度を」として、会社と一体で推し進めてきたからです。
冗談じゃない! 頑張っていない労働者など一人もいない! 慢性的な要員不足や安全経費の切り捨ての中で、誰もが必死にギリギリの状態で働いているのです。
●資本との力関係が勝負
職場では来年4月の本格導入を前に、この10月から制度が試行されていますが、「これからどうなるのか?」というのが職場の雰囲気です。しかし、現場の労働者は「新一般職」にも「新人事・給与制度」にも納得などしていません。8月のJP労組全国大会で3割もの代議員が反対票をたたきつけたことが郵政労働者の意思表示だし、そこにこそ展望があります。
勝負は職場における資本・当局との力関係にかかっています。そのためにも地区党建設がカギになると思っています。
この間、地区の会議で「自分は仕事をうまくこなせない。そんな自分が労働運動なんて言っても誰も話を聞いてくれないんじゃないか」と問題提起し討論しました。討論の中で、「労働者は『仕事ができる、できない』だけで人を判断するような存在じゃない。まず自分が職場の仲間を徹底的に信頼することから始まるんじゃないか」と指摘され、その通りだと痛感しました。階級的労働運動とはそういう立場に立つことからしか始まらないからです。
職場の労働者への信頼を基礎にして、あらためて職場全体を対象化し、職場の団結をつくりたいと思います。
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週刊『前進』(2605号4面1)(2013/10/21 )
3労組に応え11・3へ
国鉄10万筆署名と『前進』持ち込み職場拠点つくる
革共同全逓委員会
労働者階級の怒りが解き放たれ、連合支配が音を立てて崩壊し、階級的大流動情勢が訪れています。新自由主義攻撃を打ち破る決定的チャンスです。国鉄闘争は新自由主義攻撃の柱である国鉄分割・民営化、国鉄改革法に破綻を強制しています。9・25動労千葉鉄建公団訴訟控訴審判決の矛盾に満ちた内容はそれを示しています。11・3に1万の労働者の決起をかちとろう。
闘う労働組合を再生し新自由主義打ち破ろう
新自由主義は最末期帝国主義の最後のあがきでしかありません。その本質は何の整合性も計画性もないデタラメで破綻的なものです。体制内労働組合が屈服・転向し、資本の先兵として労働者の怒りと闘いを押しつぶすことで成立しているに過ぎないのです。
労働組合がその本来の姿である、労働者と労働者階級の利益のために資本と非妥協的に闘う組織であることを取り戻したとき、この腐りきり歴史的命脈の尽きた新自由主義の社会を根底から変革することができます。
だからこそ新自由主義の攻撃は、すべてが労働組合と労働者の団結破壊に総力で襲いかかる歴史でした。とりわけその主戦場は国鉄(JR)職場です。ここでの攻防の行方が日本の階級情勢、階級的力関係を大きく左右してきたのです。
新自由主義攻撃は30年前の国鉄分割・民営化から始まりました。帝国主義の側は、戦後の労働運動を牽引(けんいん)してきた国鉄労働運動をたたきつぶし、戦後のあり方を根底から変えようとすさまじい攻撃をかけてきました。この国家の総力を挙げた不当労働行為と労基法違反の労働組合つぶし攻撃に、国労本部を始め体制内労働組合勢力は、一戦も交えず屈服したのです。それを可能にしたのは、当時の動労カクマルの反階級的裏切りです。国鉄分割・民営化に積極的に賛成し、その先兵となり、国鉄当局や権力のできない組合破壊を担いました。カクマルなくして新自由主義の攻撃は成立しなかったのです。
しかし動労千葉はこの国家権力中枢と反革命カクマルの結託による国鉄分割・民営化に唯一ストライキで反撃し組織と団結を守りました。戦後労働運動の戦闘性を根底的なところで守ってきたのです。そればかりか動労千葉は反合理化・運転保安確立の闘いで外注化を10年間阻止し、外注化強行後も闘い続け、JR体制を追いつめています。
そしてついに今日、この新自由主義を打ち破る決定的情勢を迎えたのです。「解雇撤回・JR復帰」の10万筆署名運動を基軸とした労働者の闘いの開始によって、国鉄分割・民営化と国鉄改革法の攻撃が打ち破れるところまで闘いが前進したのです。9・25反動判決はそのことを指し示しています。新自由主義攻撃の核心的攻撃である国鉄決戦に勝利したとき情勢は新たな段階に入り、闘う労働組合が歴史の前面に登場します。
「新人事・給与制度」と「新一般職」導入許すな
新自由主義攻撃は、資本主義体制を自ら破壊する自己矛盾に満ちたものです。新自由主義は、社会と人間的共同性を徹底的に破壊します。非正規職化、外注化、低賃金、強労働を労働組合の屈服を背景に推進していますが、これで社会がうまく回るわけはないのです。
外注化、非正規職化で技術と労働の継承性は破壊されています。半年先には会社にいないかもしれないという雇用形態で、仕事などまともに覚えられないし、技術や仕事の継承などできないのは明白です。目先の利益を優先し、労働者階級の安全と生命など一切考えない新自由主義の世の中で、まともな人間関係もできない社会に未来などあるはずもないのです。この自己矛盾に満ちた新自由主義の行き着く先は社会の崩壊でしかありません。福島第一原発事故とJR北海道の事故問題はそれを示して余りあります。
新自由主義の現実は、同時に連合支配を打ち破る現場労働者の怒りの決起をつくり出しています。7月参議院選挙での山本太郎氏の当選と8月4大産別の全国大会はそれを示しています。8月JP労組全国大会では、本部方針に3割の反対票が投じられました。これほどの離反はJP労組始まって以来です。
その後の地本大会や支部大会でも、本部方針が総スカンを食らい大会が成立しないほどの事態が生まれています。南関東地本の大会では、本部派地本委員長に対立候補が立ち、投票の結果、同数となり、委員長人事が決まらず、流会・続開大会での決着(現委員長の選出)となりました。
この事態は、国鉄を基軸とした4カ月決戦、われわれ「絶対反対派」がつくり出した情勢です。「郵政グループビジョン2021」をJR東日本の「グループ経営構想X」と完全に一体でとらえ、「民営化攻防はこれからだ」とあらためて決意を固め、郵政民営化絶対反対で闘ってきたことがこの情勢を切り開いたのです。
郵政の現場は、民営化以来の極限的人員削減と労働強化、賃金削減への怒りが充満し、怒りのるつぼとなっています。
その上に、今回の「新人事・給与制度」と「新一般職」導入に対する現場の怒りが、全国大会情勢を規定したといえます。郵政の現場は、当局の施策を労働組合が組合方針として強制するというとんでもない職場になっています。「新人事・給与制度」と「新一般職」は大幅賃下げと労働者間の競争を極限的にあおる施策であり、団結破壊そのものです。首切りを自由にし、正規職を非正規職に突き落とす制度です。それを、職場集会や意見集約も行わず、現場労働者が知らない中で大会で妥結承認しました。この攻撃の矛盾の噴出と、労働者の怒りの爆発はこれからです。
怒りを闘いに転化して職場支配権を取り戻す
郵政の職場は非正規労働者が6割にも達する、非正規労働者に依存した会社となっています。非正規労働者の怒りを抑えつけるために、民営郵政はJP労組と一体となって激しいスキルダウンとパワハラの攻撃をかけています。些細(ささい)なミスや交通事故、誤配などですぐに管理職が呼び出して怒り、始末書を提出させ、処分を乱発、班に戻ると反動班長が怒鳴るという耐え難い職場実態となっています。
スキルダウンに対する怒りは非和解的です。ある職場では時給300円もの賃下げが強行され、生活が成り立たない状況にまで追い込まれています。「ミスしたお前が悪い」「いやなら辞めろ」と自己責任論ですべてが片づけられています。スキルダウンの本質は自己退職の強要であり、首切り攻撃です。
非正規労働者の怒りが爆発しています。職場アンケートや信用のできる仲間の間では次のような激しい怒りが表明されています。
「要員が絶対的に足りません」「そのうえで超勤するな」「事故事例研究会(当局主催)がひどすぎる。裁判しているみたいです」「年休を1日も取ったことがない。昼休みも仕事。管理者はお昼に休んでいる」「辞める時は思い切りぶん殴ってやりたい」
この怒りを束ねて、闘いに転化できたならば、郵政の職場の力関係は大きく転換されるのは明白です。闘う労働組合をつくり上げる闘いを強力に展開し、職場支配権を確立することが求められています。正規・非正規労働者が一体となり職場闘争をつくり上げるなかで郵政非正規ユニオン1千人建設をかちとろう。
闘いはこれからです。職場で噴出している怒りとわれわれが結合できるかどうかに一切はかかっています。民営郵政の一つひとつの攻撃と対決し、職場闘争をつくるために何が必要で、どうしたら職場の仲間と団結できるのか常に考えることが必要です。とりわけ青年労働者との団結をなんとしてもかちとろう。われわれの闘いと存在が職場を規定しています。
職場に階級的労働運動への圧倒的信頼があることは疑いようがありません。それを実体のある信頼まで高めることが求められています。そのために『前進』を職場の青年労働者に持ち込もう。機関紙がどれだけ入っているかが団結のバロメーターになるし、闘いの進展をも規定します。国鉄署名で職場に活動家を大量につくり出そう。職場支配権を奪還し、拠点建設を進めよう。
国鉄決戦の勝利と闘う労働組合の建設のために、1万人の参加で11・3労働者集会を大成功させよう。青年を先頭に、郵政労働者は11・3日比谷に集まろう。
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週刊『前進』(2605号4面2)(2013/10/21 )
電通労働者は11・3総決起を
国鉄決戦を闘い「グループ運営体制の見直し」粉砕へ
革共同電通労働者委員会
11・3全国労働者集会は、国鉄決戦の勝利をかけた総決起集会となりました。大恐慌は大失業と戦争と革命を生み出す。国家的不当労働行為を認めさせ国鉄改革法の破綻を暴き出した9・25鉄建公団訴訟控訴審判決とJR北海道の安全崩壊の現実は、国鉄分割・民営化に決着をつけ、大崩壊を開始した新自由主義を打ち倒す最大の階級決戦が到来したことを告げ知らせています。NTT労働者は胸躍らせて11・3集会に総結集し、闘う職場拠点を全国につくり出しましょう。
「運営体制の見直し」で職場がなくなる
NTT西日本は10月1日より「新たな事業環境に対応する西日本グループ運営体制の見直しについて」(以下「運営体制の見直し」)を施行しました。NTT労組は全面協力し、「経営基盤を確立し、組合員の雇用の安定につなげるために……新たな事業運営体制のもと、グループが一丸となって『新成長戦略』に基づく取り組みを着実に実践していく」(西日本本部第16回定期大会議案)と宣言しました。
国鉄決戦と一体で「運営体制の見直し」粉砕に総決起するときです。
「社員周知資料」は以下の内容を明らかにしました。@NTT西日本グループの年間赤字200〜300億円が未解決。Aそのために事業運営体制を見直す。地域会社を廃止し6ブロック事業運営体制の充実・強化を図る。B効果的・効率的な事業運営体制の推進に向けた拠点集約等の推進として、15年度にはブロック内複数拠点への大胆な集約を実施し、16年度からはブロック1拠点への集約を目指す(業務に応じて西日本1拠点化)。
「拠点集約」とは広域流動(遠隔地配転)を強制するということです。これまで労働者はあくまでその地域で働いていけることと引き換えに退職、地域会社への転籍、賃金削減を受け入れてきました。NTTは今回、02年のNTTグループ3カ年経営計画(新カ年計画=構造改革)で設置した地域会社を廃止し、すべての現業労働者を再度、グループ各社に転籍させました。これから起こることは、拠点集約で職場がなくなるという大問題です。
99年の中期事業計画で沖縄では約1200人のうち4分の1にあたる300人を02年度までに出向を含めて削減。宮古や八重山、名護、那覇の4営業所と浦添、コザなどの窓口3カ所、久米島や糸満など7営業拠点は、発表後わずか2カ月で廃止されました。それは「退職か、那覇に出てくるか、地元に残るならば代理店か」という首切り攻撃そのものでした。これに対して私たちは、集積地・那覇への転勤に応じたとしても次は「本土に行け」という攻撃が必ず来るのだと警鐘を乱打しました。
離島の労働者は名ばかりの希望聴取でわずかの時間しか与えられないまま選択を迫られました。宮古では2人に1人が「自主退職」という名の首切りを強行されました。女性労働者は「夫と子どもを残しての単身赴任など到底成り立たない」と軒並み退職に追い込まれました。単身赴任したら畑はどうするのか? 教育・家族は? 両親の介護は? 那覇に出てきても二重生活の中で退職を強いられた人が数多くいます。この時に離島で起こったことが「運営体制の見直し」で、沖縄のNTT労働者全体に襲いかかろうとしているのです。
際限ない外注化と非正規職化をもたらす
電電公社から民営化された当時、NTT労働者は31万4千人いました。それが03年時点では3万6千人に。約20年間で全体の3分の1にあたる10万9千人が削減され、残った労働者のうち約17万人の労働者が347社(当時)の子会社・孫請け会社に追いやられました。02年の構造改革ではNTT本体だけでなく、既存の子会社の労働者は孫請け会社に追いやられました。200以上の子会社・孫請け会社がつくられ賃金は3割削減。この年だけで10万人が退職・転籍を強制されたのです。首切り・賃下げのために無数の別会社が設立されました(現在NTTグループの連結子会社は827社)。
民営化の核心は外注化(アウトソーシング)です。外注化はとどまるところを知りません。出向から転籍へ、自主退職へと労働者を追いつめ、非正規職にドンドン置き換えてきました。今やNTT西日本沖縄グループでは正規職651人に対し非正規職が699人と過半数を超えています。
国鉄分割・民営化で労働組合が問われた
81年に第二次臨時行政調査会(第二臨調)が発足し、「戦後政治の総決算」を掲げる中曽根政権が登場しました。中曽根は「戦後労働運動の中心だった国鉄労働運動を壊滅させ、総評と社会党を解体し、新憲法を制定するために、国鉄分割・民営化を行った」と公言しています。この国鉄と一体で85年に民営化された電電公社はNTTへと名称を変え、99年には分社化から持ち株会社制によるグループ運営へと再編成されました。そして02年の構造改革を決定的な転換点として、今回の「運営体制の見直し」に至るのです。
87年の国鉄分割・民営化と一体で進められたのが社会全体の非正規職化でした。労働者派遣法は86年に制定されました。その結果、全労働者に占める非正規職の割合は、85年の16・4%から今日では38・2%へと倍増し、約2千万人の労働者が非正規に突き落とされました。今や沖縄は非正規職の割合が全国1位の44・5%と報道されています。
この民営化・外注化、非正規職化は労働組合の協力なしには成り立ちません。02年の構造改革がNTT労組の協力なしには実施できなかったことを、当時のNTT社長・宮津純一郎が著書『NTT改革』の中で語っています。「労働組合は8月末の全国大会で『構造改革に伴う痛みは、NTTグループ全組合員で分かち合う』との意思統一を図り、条件つきで構造改革の受け入れを決定した」「こうして、最大の障壁と思われた労働組合の理解が得られた」。しかし労働組合は「痛みを分かち合う」ためにあるのではありません。あくまで資本の攻撃と闘う組織でなければならないのです。
新自由主義と絶対反対で闘い拠点建設を
NTT資本はJRと並んで新自由主義攻撃を矢継ぎ早に仕掛けてきました。その攻撃には何の整合性もなく、常に現場労働者の怒りにさらされながら、NTT労組の裏切りによって支えられてきたにすぎません。
今日NTT労組の空洞化が激しく進行していることを労組幹部自身が認めています。職場で起こっていることはNTT労組による労働者支配の破綻であり、新自由主義の「終わりの始まり」です。求められていることは、理不尽な新自由主義攻撃に対して現場の怒りを爆発させること。「絶対反対」を貫いて職場の団結と闘いをつくり出し、闘う労働組合をよみがえらせることです。
国鉄分割・民営化に対して唯一ストライキで闘った動労千葉は、国鉄1047名解雇撤回を掲げて闘ってきました。国鉄分割・民営化を国家的不当労働行為であるとして「国鉄改革」のウソを暴きました。JRの外注化攻撃と労働組合の総力を上げて闘っています。
全国の闘う電通労働者は、この動労千葉の闘いと一体となって新自由主義に立ち向かい、勝利してきました。今こそ自らの職場を拠点として打ち固め、体制内執行部を打倒して権力を奪うチャンスが到来しています。現場労働者のたまりにたまった怒りを解き放ち、NTT「グループ運営体制の見直し」絶対反対を貫いて闘いぬこう。新自由主義との闘い=階級闘争の最大の激突点である福島と沖縄の電通労働者が闘いの先頭に立とう。
地区党の固い団結を、時代認識と路線での一致でつくり出していこう。中央委員会と細胞の一体化を不断に闘い取り、電通労働者こそが地区党の指導部として登場しよう。動労千葉物販と第2次10万筆署名をもっともっと大胆に職場に持ち込もう。何よりも職場で『前進』を拡大し、党と労働組合の一体的建設の先頭で電通労働者が闘い、11・3全国労働者集会に全力で結集しよう!
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週刊『前進』(2605号4面3)(2013/10/21 )
“神奈川から1千人”
11・3大結集へ国鉄集会
10月5日、「国鉄1047名解雇撤回、非正規職撤廃」神奈川労働者集会が横浜市内で開催された。82人が参加し、11・3労働者集会へ神奈川1千人結集を誓った。
国鉄闘争全国運動・神奈川の二本柳実事務局長(三浦半島教育労働者部会)が基調報告。動労千葉鉄建公団訴訟控訴審9・25判決は、国鉄改革法を護持しようとして矛盾をきたしている。動労千葉の闘いと10万筆署名の力が裁判所を追い詰めている。JR北海道における安全の崩壊は分割・民営化の結果であり、新自由主義の破綻だ。絶望的な危機にあえいでいるのは安倍と資本家階級である。国鉄決戦=公務員決戦として拠点建設・組織拡大を実現しよう。現場の怒りを束ね職場・組合、地域の責任勢力として闘いの拠点をつくりだそう。11・3集会に神奈川1千人結集をかちとろうと力強く提起した。
憲法と人権の日弁連をめざす会で日弁連会長選を闘い、動労総連合強制出向差し止め訴訟弁護団でもある森川文人弁護士が「正念場を迎えた国鉄闘争と公務員決戦−勝利の展望」と題して講演を行った。
動労千葉争議団の高石正博さんが、9・25難波反動判決を弾劾し最高裁での勝利へ組織拡大に打って出る熱烈な決意を表明した。闘う国労原告団の成田昭雄さんの熱いメッセージが紹介された。
集会のハイライトは職場からの報告だ。「執行部権力戦に勝利する」(教育労働者)、「民営化攻撃が血の通った職場を奪っている。われわれ自身が問われている」(自治体労働者)、「現場の怒りを11・3へ」(全逓労働者)。地域合同労組の仲間が多数登壇し、激しい職場闘争を開始したことを意気高く報告。青年労働者が「労働者を追い詰めて資本が肥え太る世の中の構造が見えてきた。そして闘いが始まった」として11・3結集の決意を表明した。
国鉄全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんは、今の時代で4万を超える署名が集まったことは国鉄分割・民営化の問題が自分たちの問題だとつかんだということ、神奈川では3600筆を超えており注目されていると、一層の奮起を促した。
神奈川労組交流センターの仲間が「第2次10万筆署名と物販を武器に11・3へのオルグに入ろう」と行動提起を行い、11・3総決起を誓った。
(神奈川・奥田浩介)
(写真 9・25判決の地平の上に国鉄決戦勝利の神奈川労働者集会かちとる【10月5日 横浜市内】)
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週刊『前進』(2605号4面4)(2013/10/21 )
2013年日誌 10月8日〜14日
原発作業員6人が汚染水浴びる/水陸両用団新設明記へ
●犯罪米兵の処分、被害者に通知へ
日米両政府は在日米軍の軍人や軍属の犯罪について、裁判や処分の結果を定期的に被害者側に通知するよう日米地位協定の運用見直しで合意。(8日)
●沖縄県知事「県内移設理解できぬ」
岸田文雄外相と小野寺五典防衛相が米海兵隊オスプレイの訓練時間削減など負担軽減策を示し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に理解を求めた。仲井真弘多・沖縄県知事は県外移設を主張した。(8日)
●汚染水タンクに穴 東京電力福島第一原発から高濃度汚染水300dが漏れた事故で、東電は、隙間があったタンク底部のボルト付近に幅約3_の穴を二つ見つけたと発表した。(8日)
●作業員6人、汚染水浴びる 東京電力は福島第一原発で放射性汚染水の塩分除去装置の配管から漏れた汚染水を作業員6人が浴びたと発表。(9日)
●エジプト、同胞団の認可取り消し
エジプト暫定政権は、軍が排除したムルシ前大統領の支持母体であるムスリム同胞団について、NGOとしての認可を取り消した。(9日)
●米、エジプト軍事支援を一部凍結
米国務省は、エジプトに対する軍事支援の一部を凍結すると発表した。軍主導の暫定政権への制裁措置。(9日)
●水俣条約を採択 水銀の使用や輸出入、流出などを規制する「水銀に関する水俣条約」が国連環境計画(UNEP)外交会議で採択された。(10日)
●「核の不使用」に署名へ 安倍政権は、国連総会第1委員会で発表される予定の核兵器の廃絶を求める共同声明に署名する方針を固めた。今年4月に署名しなかったが方針転換。(10日)
●原子力大綱廃止へ 原子力委員会のあり方を見直している有識者会議は国の原子力利用の基本方針となる「原子力政策大綱」廃止を了承。(10日)
●原子力組織を統合へ 政府は独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)を廃止し、原子力規制委員会に統合する案をまとめた。(10日)
●原発30`圏住民も訓練 東京電力福島第一原発事故後初めて国の原子力総合防災訓練が九州電力川内原発(薩摩川内市)などで始まった。(11日)
●化学兵器禁止機関に平和賞 ノルウェーのノーベル賞委員会は2013年のノーベル平和賞を国際機関「化学兵器禁止機関(OPCW)」に授与すると発表した。(11日)
●水陸両用団新設明記へ 防衛省は新防衛大綱に「水陸両用団」(仮称)新設を明記する方針を固めた。(11日)
●作業員被曝、過少推計か 福島第一原発事故の直後に働いていた作業員の内部被曝について国連科学委員会は、日本政府や東京電力は2割過小評価している可能性があると結論。(11日)
●米軍駐留継続へ部分合意 米国のケリー国務長官はアフガニスタンでカルザイ大統領と会談し、将来的に米軍を残すための協定締結に向けて一部で合意した。(12日)
●慰安婦問題の拡大阻止 旧日本軍の慰安婦問題が日韓間で政治問題になり始めた1992〜93年、日本政府が他国への拡大を防ぐため、韓国で実施した聞き取り調査を東南アジアでは回避していたことがわかった。(13日)
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週刊『前進』(2605号5面1)(2013/10/21 )
原発廃炉へ行動しよう 10・13行動の発言から
「10・13NO NUKES DAY」に4万人が決起した(記事1面)。日比谷公会堂での肥田舜太郎さん、大江健三郎さんの発言と国会前での山本太郎さんの発言を紹介します。(編集局)
(写真 日比谷公会堂の集会は午後1時の開始とともに満席となり、2000人が参加した【10月13日】)
内部被曝隠蔽許さず行動を 医師 肥田舜太郎さん
私は広島で被爆し、その直後から多くの被爆者を診療してきました。
日本の大部分の人は、広島・長崎のことをよく勉強しています。しかし「あの二つの街の大きな被害は放射線の被害だった」ということをすぐ思いつく人は、ほとんどいないんです。爆弾1発で街が吹っ飛んでたくさんの人が即死した、という受け取り方をほとんどの人がしています。
その理由は、アメリカが「放射能の粒を体内に取り入れても、放射線の量が非常に少ないから被害はない」と発表し、それを戦勝国として押しつけたからです。そして「被爆者が受けたどんな被害もすべてアメリカの軍事機密であり、口外してはいけない」「医師は被爆者を診療しても、その結果を記録したり、論文に書いたり、研究をしてはいけない。違反したものは厳罰に処す」という布告を出しました。放射線の被害を誰も知ることができないように口封じをしたのです。
また、アメリカの機関であるABCC(原爆傷害調査委員会)は、日本の医師会と医学会に対して、原爆症を研究する者がいないか厳重に見張らせ、そういう傾向を見せた医者はすぐにその所属の機関から首にするという処置をとりました。私も国立病院で働いていましたが「占領軍の命令に違反した」という理由で病院を追われました。
あの原爆を受けて68年が経ちました。戦争が終わっても、核の原子炉で金もうけができるようにして、日本は原発をつくってきました。福島の放射線は今も出続けています。日本中の人が被曝しています。なぜ私たちは、戦争が終わって68年も経って、そんな状態に我慢しなければいけないのか。このことをもっと真剣に考えなくてはいけません。
私たちは、私たちの命を大切に生きていきたい。子どもも孫もひ孫も、すべての人間が怖がらずに生きていけるようにしたい。生きている間に原発を全部止める。これが今、生きているみなさんの責任です。明日から原発をなくすために行動する。考えたりしゃべったりするだけではなく、体を動かす。このことを今日、約束していただきたいと思います。ありがとうございました。
人間の生きる世界取り戻す 作家 大江健三郎さん
私が3・11から2年半、ずっと考えていたことは、福島原発事故がもたらした自然と人間への汚染は、もっとも根本的な問題であり、本質的な問題であるということです。そしてもう一つは、いろんな市民の方々が反原発の集会や運動に非常に熱心に取り組んでおられて、そういう人たちの話を聞きたい、一緒になりたいという気持ちをずっと持っていました。
3・11以後、非常に多くの日本人が、これは本質的な問題だと、これから生きていく上で一番根本的な問題だということを自覚したと思います。
本質的な問題であり、しかも現実の問題である。われわれの現在の命はもとより、将来生きていく人びと、子どもたちに生きていく場所を保つという具体的な問題として今、現にあります。絶対に譲ることはできません。この半年から1年の間に譲ってしまったら、もう原発再稼働の勢いを押し返すことはできなくなる。原発再稼働を確実に押し返し続けなければなりません。
ミラン・クンデラというチェコ生まれの作家がいまして、彼は3・11の前にこう言っています。現在われわれは、この世界が次の世代にとって生きていけない場所になってしまうようなことを始めてしまった。それが原子力であり、放射能によって人間が、環境が、地球が汚染されるということなんだ。それは人間がやってはいけない一番本質的なことなんだと、クンデラは言っています。
今も多くの人びとが避難しておられる。しかもあの大事故を起こした放射能の燃料が、福島の地面の下に潜ったままどういう状態にあるのかさえわかっていない。私たちはこういう危機にいる。私たちはヒロシマを経験し、その後五十数個の原発を造った。そしてこういう大事故を起こしてしまった。
私たちは、将来の子どもたちが生きていける世界を取り返す、それを達成するために一生懸命つとめなければならない。私は、本質的かつ具体的な問題としてそのことを考えています。そういう人間として、みなさんの活動の端に加えていただきました。みなさんのご健闘を祈ります。
力合わせ秘密保全法阻止を 参院議員 山本太郎さん
参議院議員の山本太郎です。議員にはなりましたが、息苦しいところですよ、本当に(笑い)。
「原発なんかいらない!」「TPPなんかいらない!」「子どもたちに避難の権利を与えろ!」「死刑制度についてもっと深く考えろ!」「労働環境を変えろ!」――そういうこと言っていると逮捕されるような世の中になろうとしている。それが秘密保全法です。10月15日からの国会に提出されます。与党は「知る権利」を付けたらいいとか、第三者機関があればいいとか言っていますが、あんたらがつくる第三者機関なんてみんなお仲間じゃないか!
なぜこんな法律をつくる必要があるのか。答えは簡単。「特定有害活動」――まさにコレ(国会前行動)ですよ。しゃべっている僕だけじゃなくて、ここに集まっているみなさんも逮捕されるような法律です。
この秘密保全法、途中から「特定秘密保護法」って名前を変えました。中身は一緒です。看板だけ付け替えて、印象を薄めようって詐欺師の手口です。
これを止められるのは、やっぱりみなさんです。力のない国家議員で申し訳ないけど、みなさんの力が必要なんです。みなさんの地元選出の国会議員にファックス・メールを送って、プレッシャーかけましょう。
このまま情報統制が進んで、言論弾圧が進んでいったら、その先にあるのは何ですか。ファシズムしかない。こんなこと絶対に通しちゃいけない。来年には共謀罪も狙われている。絶対に止めましょう。みんなで力合わせましょう!
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週刊『前進』(2605号5面2)(2013/10/21 )
NAZEN 経産省に署名を提出
福島などから7万筆超
10月11日昼、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の経済産業省への署名提出行動が行われた。今回は3回目の提出行動となり、提出数は7万655筆。第1次、第2次の6万6896筆と合わせ、総計で13万7551筆となる。全国のNAZENの仲間が、特に今夏の歴史的な猛暑の中、職場・学園や街頭で多くの人に訴えて集めた貴重な一筆一筆だ。
行動には織田陽介事務局長ら事務局メンバー、休暇を取ったNAZEN品川とNAZEN江戸川の労働者、「とめよう戦争への道!百万人署名運動」の仲間が参加した。署名簿が詰まった6個の段ボール箱を抱え経産省本館に入った。
係りの案内で本館地下の部屋に到着。早速、対応に出てきた2人の官僚に「一筆一筆に込められた思いを受け止めて欲しい」と、全員で署名を提出。織田事務局長が手渡したのは福島で集められた署名の束で、ページをめくって福島県の住所の人たちの署名であることを示して見せた。続けて、一人ひとりが心からの思いや経産省への厳しい抗議、要求を語った。
織田事務局長は「全国のたくさんの方が危機感をもって原発の問題を見ている。子どもの甲状腺がんの多発など、フクシマの現状、事態の大きさを真剣に受け止めて欲しい。再稼働はもってのほか」と批判した。
NAZEN品川、江戸川の労働者は「経産省には3・11福島原発事故の責任がある」「安倍の言ったことは全部うそっぱちだ。人生をかけて原発を廃炉にする」「福島の人たちの立場に立ち、汚染水問題を解決し、廃炉に向かって進むべき」ときっぱりと訴えた。
(写真 フクシマなど全国から届けられた、思いのこもった署名簿を提出【10月11日 経産省】)
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週刊『前進』(2605号5面3)(2013/10/21 )
新潟でふくしま診療所報告会
NAZENにいがた主催
杉井医師の訴えに共感が
9月29日、NAZENにいがた主催で「ふくしま共同診療所報告会」が新潟市で開催され、県内の労働組合を始め70人が参加した。
最初にNAZENにいがたの代表が「東電は金がかかると汚染水を垂れ流してきた。柏崎刈羽原発の再稼働は絶対に許せない」とあいさつし、続いてふくしま共同診療所建設に協力している医師が熱烈なアピールを行った。
ふくしま共同診療所の杉井吉彦医師が報告に立った。杉井医師は「オリンピック招致演説における安倍首相の『健康問題はこれまで及ぼしたことはなく、今後とも及ぼすことはない』という発言に、福島の人たちは大変怒っている。あまりにも小児甲状腺がんが多発しているので、県民健康管理調査も原発事故によるものと認めると思っていたが、安倍発言でますます縛りがきつくなり絶対認めようとしなくなる」と福島の現状を報告した。そして「避難・保養が大事で、その上で医療。これから先、長い闘いになるが医療を共同のものに」と訴えた。
福島から避難しているお母さんは、「福島の病院で、『子どものせきは放射能の影響ですか』と聞いたら先生に怒鳴られた。それから、神経質な母親と思われたくなくて、放射能の影響ではないかと思いながら口に出せなかった。福島の病院の先生に不信感を持った。ふくしま共同診療所で診ていただいてとても良かった」と語った。
その後、被曝の損害賠償、小児甲状腺がん、内部被曝の基準などについて質疑応答があった。杉井医師は福島の現状について「本当に悲しいことだ」と何度も言っていた。とても心に染みた。悲しみを怒りに変えて、ふくしま共同診療所を支え、原発再稼働阻止、全原発の廃絶に向かって闘う決意を新たにした集会だった。
(新潟・G)
(写真 杉井医師が伝える福島の現状に聞き入る【9月29日 新潟】)
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週刊『前進』(2605号5面4)(2013/10/21 )
安倍の所信表明演説に反撃を
戦争・改憲と独占企業救済
米政府機関閉鎖と債務危機問題は基軸国=米帝の没落がついに、財政破綻から国家それ自体の破綻に至る新たな段階に入ったことを示した。来年2月上旬まで債務上限を引き上げる妥協が行われたが、それは何ひとつ問題を解決しない。起きていることは、米国債暴落―ドル暴落から帝国主義世界経済の大崩壊に突き進む、世界大恐慌の一過程である。他方で新自由主義に対する労働者階級の怒りが全世界で爆発している。こうした情勢はプロレタリア革命の勝利の展望を確実に切り開いている。「ここがロドスだ! ここで跳べ!」(マルクス)
●超反動法案が目白押し
米帝以上に危機と破綻を深めているのが日帝である。15日から始まった臨時国会には超反動法案が目白押しである。国家安全保障会議設置法案、特定秘密保護法案、産業競争力強化法案、国家戦略特区関連法案、国家公務員制度改革関連法案、社会保障改革プログラム法案、国民投票法改正案など、どれも階級決戦が求められるようなしろものである。これらを安倍政権は数の力をもって強引に成立させようとしている。これに加えてTPP(環太平洋経済連携協定)と消費大増税の攻撃をかけようとしている。
攻撃の反動性と凶暴性は何を意味しているか。それは大恐慌と福島原発事故、日米同盟の危機と国際的孤立化の中で、日帝がまったく余裕を失い、存亡の危機を深めていることだ。
開会日に行った所信表明で安倍は、「世界で一番企業が活躍しやすい国をめざす」「特異な規制や制度を徹底的に取り除き、世界最先端のビジネス都市を生み出す」「産業競争力を強化する」などと強調した。これらは「1%」の資本家階級の利益と延命のために「99%」の労働者人民をとことん犠牲にするという宣言だ。
その一方で安倍は、集団的自衛権や特定秘密保護法案については、批判を恐れ一言も触れることができなかった。
安倍は臨時国会を「成長戦略実行国会」と名づけ、「実行なくして成長なし」と叫んでいる。だが現在の世界大恐慌は、戦後の「経済成長」がもたらした過剰資本・過剰生産力の矛盾の爆発が基底にあり、この上にさらに「成長戦略」で拡大を追求することは、独占的大企業の延命を一時的に助けるものとはなっても、究極的には過剰資本・過剰生産力の矛盾と危機を一層激化させ、より巨大な破局を準備するものでしかない。
「産業競争力強化法案」は、資本家が政府に要求していることを、ただ列挙したようなしろものだ。特定の企業に対して特例的に規制緩和を認める「企業版特区制度」や、リストラと事業再編で競争力を強化する企業を税制面から優遇する制度などである。これは、労働者への首切り合理化、賃下げ、非正規化、労組破壊に直結する。
「国家戦略特区関連法案」は労働者の労働・権利に関わる規制を緩和・撤廃し、民営化を進め、労働者を奴隷のように働かせ、搾取する体制を狙う。
「社会保障改革プログラム法案」は、高齢者医療費の自己負担割合の引き上げや介護保険制度の改悪など、社会保障の大幅な切り捨てが狙いである。
●「積極的平和主義」は戦争
さらに安倍政権は、改憲・戦争へ決定的に踏みだそうとしている。安倍が所信表明で強調した「積極的平和主義」は、「平和」を語りながら侵略戦争を行う、まったく許し難いものだ。「国家安全保障会議設置法案」は、集団的自衛権の行使を前提に首相権限を強化し、戦争の司令塔づくりを狙っている。「特定秘密保護法案」はこれと一体で、改憲と戦争国家体制づくりを、治安弾圧と団結破壊で遂行しようとしている。「報道の自由、知る権利の侵害」のレベルをはるかに超えて4大産別の労働運動の解体を狙う大攻撃だ。
だが、そのすべてにおいて日帝・安倍政権は、労働者階級・人民の怒りと闘いに直面している。安倍の攻撃を打ち破る力こそ労働組合の拠点建設であり、組織拡大である。国鉄決戦を基軸に、反原発決戦、公務員決戦、学生運動の爆発をかちとろう。これで臨時国会の大反動と対決しよう。11・3全国労働者集会を、安倍打倒の総決起闘争としてかちとろう。
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週刊『前進』(2605号5面5)(2013/10/21 )
紹介 共産主義者178号
国鉄決戦を軸にして闘い 11月集会1万結集を訴え
『共産主義者』178号は11月集会1万人結集と階級的労働運動路線の実践を熱く訴える内容となっている。
3労組の歴史と実践から学ぼう
巻頭は、「全解雇者を職場に戻せ! 国鉄闘争の歴史的勝利へ」と題する平松俊治同志の画期的な論文だ。
その核心は、11月集会を担う動労千葉を始めとする3労組の歴史的・具体的実践にしっかりと迫り、階級的労働運動の復権と再生の展望を明確に示したことにある
11月集会は首相・安倍とその最大のブレーンである葛西敬之(JR東海会長)に真正面から対決する集会だ。平松論文を活用し、3労組の実践してきた闘いから真摯(しんし)に学び、猛烈なオルグ戦でかつてない11月大結集をかちとろう。
巻頭論文と一体のものとして、長沢典久同志による「外注化粉砕・非正規職撤廃でプロレタリア革命へ」の国鉄論文がある。動労千葉の外注化阻止闘争を13年間のスパンで総括し、この決定的な地平を提起している。これをつくりだした根源的な力が反合・運転保安闘争路線である。動労千葉の実践に学び、全職場で「反合・運転保安闘争」に立ち上がろう。
革共同教育労働者委員会は、「職場からストライキで闘う日教組をつくりだそう」と路線的に、しかもわかりやすく訴えるアピールだ。4・26スト情勢は、現場労働者の怒りと闘いへの熱い思いが、労組権力をめぐる大決戦を全国に生みだした。核心は、地区党建設と一体で「階級の指導部」として職場から闘いをつくりだしていくことだ。地区党、産別委員会の細胞的強化が一切のカギである。
新自由主義大学と闘う学生運動
革共同中央学生組織委員会論文は、今秋の全学連大会で闘いとられた勝利的な地平を縦横に提起し、11月集会へばく進する学生の意気込みを示している。大学の法人化=大学の新自由主義化のもたらした現実を系統的に暴露している。この法人化攻撃と真っ向から闘ってきたものこそ、法大決戦であり全学連運動だ。新自由主義大学粉砕、プロレタリア革命の拠点として全国大学で自治会建設をかちとろう。
革共同反軍闘争組織委員会論文は、シリア侵略戦争に容易に踏み切れなかった米帝危機・米帝軍事危機、新軍事戦略の破綻を鮮明に暴き出している。矛盾はこれから本格的に爆発していく。米帝と一体で加速する自衛隊の侵略軍隊化は安倍政権の支配体制の危機を意味している。
『前進』夏季特別号から、天田三紀夫革共同書記長の7・28革共同集会基調報告と経済分析・世界情勢把握の2本を収録。天田書記長の基調報告は、スパイ打倒の圧倒的・勝利的地平から「日帝国家権力中枢との闘い」として「革命的共産主義運動の50年」を総括し、かつその観点を貫いて、党史の核心的諸問題について基本的回答を与えたきわめて重要な提起となっている。
10月オルグ決戦をやりぬき、『前進』1万人読者網建設と労働運動のできる党への飛躍をかちとり、11月集会1万人決起を実現しよう。
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週刊『前進』(2605号5面6)(2013/10/21 )
三里塚裁判傍聴を!
◎第3誘導路許可取消
10月28日(月)午前10時30分 千葉地裁(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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週刊『前進』(2605号6面1)(2013/10/21 )
『愛と革命』出版記念会開く
美しく再現された星野さんの絵 「この本を売り切ろう」と誓い合う
10月11日、『愛と革命』出版記念会が東京・永田町の星陵会館で盛大に開かれた。
「星野さんを取り戻そう! 全国再審連絡会議」の共同代表・戸村裕実さんが司会を務めた。
実行委員会と参加者から花束が、出版社代表と星野暁子さんに贈呈された。出版社からはこの本の出版に携わったスタッフも参加して、短期間で出版にこぎつけた苦労や、今も注文の電話が鳴り続けていることが報告された。
星野暁子さんは、「文昭は無期の獄中にありながら、なぜこんな明るい絵を描けるのか。私たちが求める人間が人間として生きられる社会の人間と人間、人間と自然の関係を描いているからだ。39年の闘いは、新自由主義攻撃のもとで闘う青年労働者と一体だ」と話した。さらに、第2部の手記、第3部の星野同志奪還の闘いについて語り、「文昭を取り戻すためにも、階級的労働運動を前進させるためにも、この本を売り切ろう。11・3労働者集会、12・1星野全国集会の成功をかちとろう」と訴えた。
戸村さんが「星野文昭さんを暁子のもとに取り戻そう!」と乾杯の音頭をとった。歓談の時間には、星野同志の絵の前に多くの人が集まり、『愛と革命』の感想を語り合った。
元身柄引き受け人、群馬の青柳晃玄さんのメッセージが紹介された後、編集、組版、デザイン・装丁を担当した3人が発言した。美術専門の出版社の協力を得て星野同志の絵を美しく再現することができたこと、最後の最後まで校正の赤入れが行われ良い本に仕上がったことなどが報告された。
(写真 花束を抱く星野暁子さん【10月11日 東京】)
全証拠開示を
鈴木達夫弁護団長は、9月30日に提出した「意見書」について、「証拠開示の理論を二つの論点にまとめて提起した。一つは、再審は誤って有罪とされた人の利益のためにのみあるということだ。もう一つは、新しい証拠が出てきた時は確定判決は見直されなければならないことだ。そのための証拠を、検察官が独占することは許されない。証拠開示で星野さんを取り戻そう」と提起した。
岩井信主任弁護人は、「最高裁は 証人の誤りを認めざるを得なかった。証拠開示によって再審開始をかちとろう」と訴え、藤田城治弁護人はビデオ国賠について報告した。連続学習会の講師である金元重(キムウォンジュン)さん(千葉商科大学教授・国鉄闘争全国運動呼びかけ人)と、客野美喜子さん(「なくせ冤罪市民評議会」代表)から「お祝いの言葉」があった。
労働者の中へ
動労千葉執行委員の川崎昌浩さんは、「二つの取り戻す闘いに取り組んでいる。一つは、1047名の仲間を国鉄職場に取り戻す。もう一つは、外注化攻撃を打ち破って仲間と仕事を取り戻すことだ。11・3労働者集会を大成功させることが、星野さんに応える闘いだ」と訴えた。
全国労組交流センター代表の辻川慎一さんは、「僕は、本当の労働者階級の党をつくることにかけている。星野さんと暁子さんが獄中結婚したのは、全身全霊をかけた決起だと思う。僕が40人の青年とともに動労水戸をつくったのと同じ格闘だ。敵は揺れている。ガタガタだ。安倍はなんの説得力もない。新自由主義を倒す闘いをやろう」と熱を込めて訴えた。
三里塚芝山連合空港反対同盟の宮本麻子さん、全学連の斎藤郁真委員長、東京北部ユニオン「街」分会から発言が続いた。
革共同の天田三紀夫書記長は、「この本は、革命的共産主義運動の新しい時代を切り開くものだ。大恐慌が深化し、アメリカ政府がデフォルトの危機に直前している。新自由主義の崩壊、フクシマの現実など、大変な時代がきている。『愛と革命』を大胆に労働者階級に持ち込み、革命の時代を切り開こう。星野文昭さんを取り戻そう」と決意を語った。
家族から星野暁子さん、星野誉夫さんがあいさつ。最後に星野再審連絡会議事務局の金山克巳さんが閉会のあいさつに立ち、出版記念会の参加者は絵画で参加した星野同志を含めて72人に達したことが報告された。
『愛と革命』を全国で販売しよう。10・13反原発闘争では参加者に7冊売れた。この本を広範な労働者人民に売ることをとおして、11・3労働者集会の1万人結集を切り開き、12・1星野全国集会を成功させよう。
『愛と革命』で星野同志を奪還しよう。
(写真 「星野文昭さんを暁子さんのもとに取り戻そう!」と乾杯する参加者)
『無実で39年 獄壁こえた愛と革命 星野文昭・暁子の闘い』
編集・発行 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
発売:(株)ギャラリーステーション
定価1890円(税込み)
☆全国の書店で発売中!
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週刊『前進』(2605号6面2)(2013/10/21 )
“無実の証拠を隠すな”
9・30意見書 全証拠の開示を要求
9月30日、星野文昭同志と再審弁護団は東京高裁に証拠開示を求める「意見書」を提出した。7月の三者協議で一切の証拠開示を拒んだ検察官を弾劾し、証拠開示の必要性を鮮明に突き出すものである。
星野同志と弁護団は、11人の民間人現場目撃者の供述調書の開示と、闘争現場の写真ネガの複写を要求している。
確定判決が星野同志に無期懲役刑を科した証拠は、デッチあげられた6人の供述調書だけである。物的証拠はまったくない。
民間人現場目撃者11人の供述調書が存在することは、警察の「捜査報告書」に明記されている。検察官はなぜ、この開示を拒否するのか。これらの調書は、闘争直後、まだ捜査方針が決まらない内に作成されたものであり、真実の痕跡を残している可能性が高く、デッチあげられた6人の調書と矛盾が生じるからだ。
東京高裁は、昨年3月30日の第2次再審請求棄却決定で、自ら写真鑑定をすることもなく、現場で星野同志が手に持つ鉄パイプに、「不鮮明ながら殴打の痕跡らしきものがある」と言い出した。再審弁護団が鑑定のために繰り返しネガの複写を求めたのに、それを拒否したあげくの棄却決定であった。そのことによってネガの複写は絶対に必要な課題となった。検察官は「写真鑑定するからネガの複写を認めろ」との要求をなぜ拒むのか。鉄パイプに殴打の痕跡などまったくないことが明らかとなるからだ。
弁護団の全力を挙げて作成した「意見書」提出は、東京高裁、東京高検を圧倒的に追いつめている。今や証拠開示を巡りきわめて緊迫した状況に突入している。年内、年度内攻防に勝ち抜き、なんとしても証拠開示をかちとろう。
弁護士先頭に大運動が前進
星野闘争は確実に前進している。全証拠開示大運動は、弁護士284人を先頭に800人の賛同を得て、力強く発展している。これまで4回の連続学習会も大成功している。
6月には本年第1回目の全国集会を630人の大結集でかちとり、9・8徳島刑務所包囲デモを、全国から結集した430人の労働者・支援の隊列で感動的に闘いとった。デモ隊は星野同志との団結を一段と打ち固め、徳島刑務所はデモ隊の怒りの前に震え上がった。
そして、何よりも『無実で39年 獄壁こえた愛と革命』の出版である。『愛と革命』には、新自由主義攻撃の最も激しい攻撃を受け、文字どおり獄壁で社会的諸関係を奪われながら、獄中39年を非転向で闘う星野同志と暁子さんが、獄壁を打ち破り、愛と信頼関係を深く形成している様子が、星野同志の絵と暁子さんの詩、さらに暁子さんの手記として語られている。
労働者人民、とりわけ青年労働者は、新自由主義攻撃の中で非正規職労働を強いられ、団結を奪われている。だが、人間はあくまでも社会的存在である。このような社会がいつまでも続くわけがない。
12・1全国集会高裁包囲デモ
日帝は、1987年国鉄分割・民営化をもって新自由主義攻撃を本格的に開始した。この年、上告が棄却され東京高裁・草場良八裁判長(後の最高裁長官)による無期懲役刑が確定した。
星野同志が闘った1971年11・14沖縄返還協定批准阻止闘争を頂点とする70年安保・沖縄闘争は、本土と沖縄の分断支配を打ち破り、戦後日帝の不可欠の存立条件であった日米安保体制を揺るがす闘いであった。また、社共既成指導部による制動を打ち破り、職場で資本と非妥協に闘う青年労働者の政治闘争への決起でもあった。
無実の星野同志に対する死刑求刑・無期懲役の攻撃は、こうした70年安保・沖縄闘争の爆発に震え上がった日帝・国家権力の、破防法攻撃、カクマル反革命の白色テロルと並ぶ、闘争鎮圧と革命党破壊の攻撃の一環であり、国鉄分割・民営化攻撃と一体の新自由主義攻撃そのものであった。
星野同志は獄中39年、非転向に絶対反対闘争を貫くことで、動労千葉の闘いと同様に、新自由主義攻撃を日々打ち破り、その破綻と崩壊を強制している。
動労千葉の鉄建公団訴訟が示したように、今や、司法もぐらぐらである。絶対反対闘争が敵を圧倒的に追いつめているのだ。最末期帝国主義の絶望的延命形態である新自由主義の攻撃には整合性など何もなく、すでに破綻し、絶望的に凶暴化しているにすぎない。だから労働者が団結して闘えば必ず勝つことができるのだ。
闘う労働組合をよみがえらせ、階級的な力関係の転換をかちとろう。そのために、党と労働組合の一体的な建設が問われている。11・3労働者総決起集会の1万人結集をなんとしても実現しよう。
その力で、12・1星野全国集会と東京高裁包囲大デモを闘おう!
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週刊『前進』(2605号6面3)(2013/10/21 )
全国水平同盟が呼びかけ 10・31狭山闘争に結集を
国鉄闘争を軸に絶対反対・階級的団結の拡大で闘う全国水平同盟から10・31狭山闘争へのアピールが発せられた。無実の部落民・石川一雄さんと連帯し、狭山第3次再審闘争に勝利しよう。東京、大阪、広島で開催される狭山集会に結集しよう。(編集局)
寺尾差別判決39カ年糾弾!
新自由主義と対決する部落解放運動の力で狭山第3次再審闘争に勝利しよう
7月14日、ついに新自由主義と闘うまったく新しい部落解放運動の全国組織、国鉄闘争を基軸に非正規職撤廃を正面課題に掲げて闘う全国水平同盟が結成された。大阪・西郡支部に続き、東京で杉並支部が旗揚げした。
●国鉄決戦を闘い、階級的団結の力で狭山再審に勝利しよう
9・25動労千葉鉄建公団訴訟控訴審判決をめぐる闘いは、JRの不当労働行為を暴き出し、国鉄分割・民営化体制・国鉄改革法体制の破綻をつきだした。
JR体制打倒の国鉄決戦は、JR北海道事故問題、何よりも9・25反動判決をとおして、国鉄改革法体制をゆさぶり、風穴を開ける闘いとして発展している。国鉄分割・民営化体制とは、戦後階級闘争の絶滅攻撃である。それは部落解放闘争においては、地対協(地域改善対策協議会意見具申)路線であり、戦後部落解放闘争の解体のもと、雇用、住宅をはじめ生活と生存の破壊、地域的、社会的な紐帯(ちゅうたい)と共同性の解体として、進行していった。だからこそ、部落解放闘争は、あくまでも国鉄闘争と一体となってはじめて全労働者の闘いとしてその発展と展望を持つことができる。この立場で、西郡住宅闘争を闘い、狭山闘争を闘おう。
今日の非正規雇用、労働者派遣法、偽装請負の始まりは国鉄改革法であり、これに反撃する道が9・25できりひらかれた。全力で国鉄決戦を闘い、この力で狭山闘争に勝利しよう。JR解雇撤回・職場復帰の10万筆署名に全力で取り組もう。
(写真 「橋下を倒そう!」9・29大阪市内デモに立った全国水平同盟)
●石川一雄さんは無実だ。国家権力による部落差別をうち破ろう
狭山事件とは、1963年5月1日、下校後に女子高校生が行方不明となり、翌日に警察が身代金を取りに来た真犯人を取り逃がし、4日に殺害された高校生が発見された埼玉県狭山市で発生した事件だ。
捜査の矛先は、狭山市内の被差別部落に向けられ、5月23日、当時24歳の石川一雄さんが事件と関係ない微罪で逮捕された。権力は、石川さん逮捕と同時にマスコミを使って部落差別宣伝を繰り広げ、予断と偏見をあおり、石川さんを家族、弁護士とも会わせず孤立させ、虚偽の「自白」をとりつけた。「生まれ育った環境が」「人格に影響」という検事の部落差別論告をうけて、一審は死刑判決を下した。
これに対して石川さんは、二審冒頭「俺はやっていない」と無実を叫び、たった一人の闘いを開始した。石川さんの訴えが70年安保・沖縄闘争と結びつき、青年労働者・学生など10万人が東京高裁を包囲する闘争に発展していった。部落差別による階級分断攻撃が狭山闘争をとおして階級的団結に転化し、団結が拡大していった。1974年10月31日、寺尾裁判長は無期有罪判決を下した。その本質は、階級的団結とその拡大に対する差別分断攻撃だ。事実調べも現場検証も行わず、一審差別判決護持のために有罪を決定したのだ。77年、最高裁も事実調べをせず上告を棄却した。しかし、石川さんは、「真実と正義は必ず勝つ」と獄中で闘いぬき、94年仮釈放の後、現在も完全無罪に向けて第3次再審を闘っている。
国鉄分割・民営化攻撃と同時に解放運動つぶしの攻撃が激化する中、狭山闘争解体を狙った仮釈放攻撃をうち破って、狭山闘争は国家権力による差別分断をうち砕く闘いとして貫かれてきた。2010年5月に36点の証拠が開示されて以降、部分的証拠開示がかちとられているが、検察は「殺害現場のルミノール反応報告書」など決定的証拠の開示を拒否、有罪護持に必死だ。
狭山闘争は、石川さんの絶対非和解の闘いを柱に、国家権力による部落差別を暴き、糾(ただ)す闘いであり、階級的団結をうち固める闘いだ。石川さんを先頭に新自由主義による団結破壊・階級圧殺攻撃をうち破っている。星野再審闘争が切り開いた全証拠開示運動と結びつき、狭山裁判の全証拠の開示をかちとろう。裁判所に事実調べを迫ろう。
10・26東京、10・31大阪、広島での狭山集会を大成功させ、11・3労働者集会の1万人結集の実現に向けて先頭に立とう。
2013年10月17日
全国水平同盟
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寺尾無期判決39カ年糾弾! 狭山第3次再審勝利!
新自由主義と闘う新たな部落解放運動を!
10・31狭山集会
■東京 10月26日(土)午後6時30分開場
きゅりあん・大会議室(JR・東急大井町駅)
主催 部落解放東日本共闘会議
■大阪 10月31日(木)午後7時
西郡第3集会所(八尾市幸町5丁目)
主催 全国水平同盟西郡支部/八尾北医療センター労働組合/関西労働組合交流センター
■広島 10月31日(木)午後7時
広島市西地域交流センター(旧西隣保館/広島市西区福島町)
主催 部落解放広島共闘会議
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週刊『前進』(2605号6面4)(2013/10/21 )
前進社国賠 原告3同志が証言
警視庁の違法捜索を暴く
10月11日、前進社国賠の第16回口頭弁論が東京地裁民事第1部(後藤健裁判長)で行われた。この日、原告の3同志が証人に立って、警視庁の前進社に対する違法・不当な捜索・差し押さえを徹底的に弾劾する証言を行った。
捜索の口実となったのは2009年10月16日の法大闘争だ。しかし、逮捕そのものがデッチあげ弾圧であるばかりか、これを口実に権力は前進社に家宅捜索を強行し、記録媒体1223点を含む1418点も大量に押収した。二重三重に許し難い政治弾圧であった。
まず、原告のA同志が証人に立った。A同志が立ち会った捜索区域では、CDR2枚とビラなど全部で8点だった。A同志は、「CDR2枚は、『清河への道』という音楽CDと、何年も前の裁判の救援運動に関するデータであり、他のビラや資料も法大弾圧に関する救援ニュースや法大裁判での被告の意見陳述集であり、公安条例違反の現行犯とはなんの関連性もないものばかりである」と証言した。捜索の現場でA同志は、「関係のないものを持っていくな」と弾劾したことを証言した。また、CDR2枚に関しては、「内容を確認しろ」と要求したが、中身を見もしないで押収したと証言した。
さらにA同志は、押収品目録の記載については、「ラベルや表題を1点1点特定して記載せよという当然の要求も無視して、『資料…何点』などとずさんな記載をした」と弾劾した。
次いで、原告のB同志が証人に立った。B同志の捜索区域では、携帯電話15台を含む22点と、身体捜索の際にB同志が所持していた携帯電話を押収した。警察官はB同志の身体捜索の際に、所持していた携帯電話を発見するや否や、問答無用に押収した。立会人全員の抗議に対して、警察官は「事件に関係するかどうか調べるために押収する」とわめき、押収を強行したと証言した。さらに、関連性のない携帯電話を強引に押収することに抗議する立会人の1人に、機動隊が数人がかりで襲いかかり、前進社の外まで暴力的に排除したことを証言した。押収品目録の記載はずさんなものであり、1点1点特定するような記載はもとより、どの部屋から何を押収したか分かるように記載しろという立会人の要求も無視して押収したのである。
原告のC同志は、C区域の捜索状況とC同志のデスクが当時あった捜索区域の押収に関する証言を行った。C同志は、C区域の捜索で、警察官が音楽データが入っているUSBメモリとデータの何も入っていないUSBメモリを押収しようとしていることに立会人が抗議した状況を証言した。
さらに、警察は、C同志のデスクが当時あった捜索区域において、押収物の総数1418点のうち、およそ半分の691点という飛び抜けて多い点数の押収を強行した。この捜索区域は、前進社の出版関係の部屋だ。C同志は、論文や資料が入っているフロッピーディスクやMOなどの記録媒体を、デスク丸ごと、あるいは手当たり次第に押収したと証言した。
革共同は、2006年に党の革命を経て2009年に革共同の綱領草案を発行し、本多延嘉著作選のCDが完成間近だった。まさに、この弾圧は革共同が真の革命党として飛躍していることに恐怖して、革共同の政治活動・イデオロギー的闘いの破壊と情報収集を目的とした違憲・違法な政治弾圧であるとC同志は証言し、前進社の出版業務そのものを妨害することを目的とした違法・不当な捜索だと弾劾した。
最後に、今後の証人尋問について、原告の求める捜索・差し押さえを強行した各警察官の証人調べを求めて闘った。裁判長は、被告側の証人として捜索の統括責任者と称する川島勇二警部のみで十分としていた。
それに対し、実際に各捜索区域で捜索して、被疑事実と関連性があると称して押収したのは各捜索区域の責任者であり、それらの警察官の証人調べは不可欠であることを明らかにする書面を、今回の期日に先立って提出した。原告のこの当然の主張に対して裁判長も今回、川島以外にも警察官証人を採用せざるをえなかった。
次回の11月22日の裁判では、原告側証人として2同志が証人に立つ。11月集会の大成功をかちとり、多数の傍聴を!
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