ZENSHIN 2013/10/14(No2604 p06)
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週刊『前進』(2604号1面1)(2013/10/14 )
国鉄改革法打破し11月へ
改憲・原発・消費税・TPP推進の安倍に労働者の怒りの反撃を
安全崩壊の最悪の先兵 連合・JR総連打倒しよう
新自由主義の崩壊が進行し、大恐慌は大失業と戦争と革命を生み出しています。米帝オバマは財政破綻に痛撃され、日帝・安倍は世界の「最弱の環」としてあえいでいます。今日、9月攻防から連続する権力・資本との闘いが激しく展開されています。11・3労働者集会1万人結集に向け、3週間の決戦を、新たな国鉄10万筆署名と労組拠点建設の闘いを軸に、全力でやりぬきましょう。拠点建設と地区党建設の飛躍をかちとりましょう。10・18法大闘争と10・20三里塚全国集会は11・3に向け決定的です。この闘いは星野文昭同志とともにあります。安倍への根底からの怒りを解き放って闘いましょう。
(写真 「誘導・計画業務の外注化強行を許さないぞ!」。第4波ストに決起した組合員は勝田車両センター前で抗議闘争を展開した【10月7日 茨城県ひたちなか市】) 米帝デフォルトの危機
10月1日、米連邦政府は2014会計年度(13年10月〜14年9月)の暫定予算案不成立で、17年ぶりの政府機関一部閉鎖(80万人が無給で一時帰休)に追い込まれました。毎月第1金曜日の雇用統計発表なども延期され、このままでは10月統計の資料集約さえも危ぶまれています。
財政破綻で米国防総省では7月から全職員の85%、65万人が給与の約2割減を強制されていましたが、今回は1週間とはいえ35万人の国防総省職員が自宅待機となり、ロッキード・マーチン社など軍需産業の一時帰休にまで拡大しています。
オバマ大統領はこうした事態の対応に追われ、10月6日から予定されていた、自身が議長を務めるTPP(環太平洋経済連携協定)バリ島会合を欠席し、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議やASEAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会議にも出席できないなど、かつてない危機に陥っています。
連邦政府の労働者は休業中の賃金補償を求め、闘いに決起しています。
日本もアメリカ以上に深刻な財政破綻のもと、福島原発事故のコントロール不能やJR北海道の安全崩壊などが激しく進んでいます。しかし安倍政権は原発や鉄道事業のパッケージ輸出を「成長戦略」の柱とするしかないほど絶望的危機に追い詰められています。
この中で安倍の盟友=葛西敬之・JR東海会長が「放射能による直接的な死亡者はなかった」「日本の原発の安全性は飛躍的に高まっている」「放射性廃棄物の発生量は火力発電に比べ遥(はる)かに少なく、捕捉、貯蔵、管理が可能である。しかも再処理・再利用することで量的に減少し保管期間も短縮する。技術的には数百年程度に短縮」「原発を活用して汚染を減ずることこそ人類の福利」(産経新聞9・30付)などと暴言を吐いています。
葛西は国鉄分割・民営化と1047名解雇を強行し、JR北海道の安全崩壊をもたらした張本人です。葛西の姿が象徴するように、国鉄決戦と反原発決戦は完全に一体です。そしてJR北海道の安全崩壊を引き起こしたもう一方の当事者はJR総連であり連合です。11・3集会の大結集で安倍や葛西、連合に反撃しましょう。
10万筆署名が勝利の道
動労千葉鉄建公団訴訟の9・25東京高裁・難波判決は、動労千葉組合員を採用候補者名簿から外したことを不当労働行為と認定しながら、解雇撤回・JR復帰を拒否した反動判決です。
しかし判決は、不当労働行為は認めざるをえず、「JRと国鉄は別法人」という国鉄改革法23条を崩すところに踏み込んでしまっています。さらに一審の6・29白石判決を引き出した元国鉄官僚の伊藤嘉道証言を認めながら、伊藤に名簿作成を指示した葛西や、そこに連なる斎藤英四郎(元経団連会長)、井手正敬(元JR西日本会長)らの国家犯罪を暴くための弁論再開申し立て要求からは卑劣にも逃げることで、最高裁を決戦の場にしてしまいました。
この地平を切り開いたのは、労働者の怒りと関西地区生コン支部、港合同、動労千葉の3労組の団結であり、4万4千筆を超える解雇撤回・JR復帰10万筆署名の力です。
9・25難波判決に明らかなように敵はグラグラで破綻しています。鎖の強さはその一番弱い環で決まりますが、「最弱の環」のそのまた一番の弱い環が9・25判決であり国鉄改革法です。
解雇撤回・JR復帰を求める新たな国鉄10万筆署名と物販運動、11・3集会1万人結集で国鉄改革法とそのJR体制を打ち破り、日帝・安倍打倒の巨大な反撃をたたきつけましょう。
本気で勝ちに行く決断
ついに新自由主義の崩壊が始まり、全世界で労働者階級の生きるための決起が巻き起こっています。今こそ本気で勝ちに行く決断をしようではありませんか。そのための11・3に向けた課題と飛躍点は何でしょうか。
第一は、党と労働組合の一体的建設の具体化であり、地区党と労組拠点の建設です。
一人でも闘う主体がいる職場・大学は拠点です。それをどう本物の拠点にしていくのか。それは今や変質し腐った体制内の御用組合執行部に代わって、労組権力を取ることを明確にし、その闘いを開始することです。
今夏の4大産別大会における分岐と大流動は、現場の労働者が闘う執行部の登場を求めていることを示しました。また「組合権力を取る=責任を取る」という目的意識性があって初めて、それぞれの職場での飛躍の課題も実践方針も具体的に見えてくるのです。
第二に、この闘いは、どの産別や課題であれ、国鉄決戦と一体となって闘うことでこそ勝利できます。今日、ブラック企業が蔓延(まんえん)していますが、それはどうしようもない現実でしょうか? そうではありません。
動労千葉は外注化を10年以上も阻み、破断した160`メートルものレールを交換させたではありませんか。動労水戸や国労郡山工場支部は、労組の枠や県境も越えて被曝労働を拒否し、原発廃炉の展望をもこじ開けています。
労働者派遣法も偽装請負も、その根っこは国鉄改革法であり、それにトドメを刺す風穴は9・25判決ですでに開けられました。全産別の課題、反原発をはじめ全戦線での闘いは、国鉄決戦を基軸にそれと一体となって闘うことでこそ、勝利を切り開けるのです。
9・25判決の決定的地平に立って、2014年前半の最重要課題として最高裁決戦に突き進み、最高裁が判で押したような無責任な態度には簡単には出られないところに追い込みましょう。新たな10万筆署名と11・3集会の大爆発がその勝利を開くのです。労組で、地域で、街頭で、大学で、思い切って国鉄決戦を組織していきましょう。
第三に、全産別で資本や当局との大激突が始まっています。起きている全事態を新自由主義の破綻・崩壊として労働者にわかりやすく暴き、拠点建設のまたとない歴史的チャンスとして攻勢的計画的に闘いましょう。
反原発決戦もまたそうです。汚染水流出や再稼働攻撃は敵の強さではありません。新自由主義の破綻であり崩壊です。現在起きている事態を社会変革の欲求、現実性としてはっきりさせられるのは、プロレタリア世界革命の展望を訴えきり、11・3集会の1万人結集に向けた団結と高揚感をともに味わった時です。
1万人の読者網建設へ
第四に、11・3集会は、韓国、アメリカ、ドイツの労働者と労働組合、在日・滞日外国人労働者の集う感動的な国際連帯集会です。それが今や全世界で「反帝国主義・反スターリン主義世界革命」の路線が求められているただ中で実現されようとしているのです。大恐慌の激化と労働者階級人民の世界的な決起の情勢は、世界単一の革命的労働者党とプロレタリア世界革命の現実性を示しています。
安倍政権の集団的自衛権行使容認や日米安保ガイドライン見直しなど戦争・改憲攻撃、TPP推進、「特定秘密保護法」、五輪反動、消費大増税などの攻撃を打ち砕く力も、労組拠点建設と同時に国際連帯闘争にあります。
第五に、『前進』1万人読者網建設をなんとしても実現することです。11・3集会は、基軸国=米帝が財政破綻しデフォルト(債務不履行)寸前まで来ている中で、労働者階級の未来を決する最初の大決戦です。2014年の国鉄決戦、最高裁決戦の展望をこじ開け、分割・民営化以来の日帝労働者支配の根っこを断ち切る、70年闘争にも匹敵する大決戦の入り口にいます。『前進』1万人読者網建設こそ決戦を準備し勝利していく最も基礎的な闘いです。
10・18法大闘争と10・20三里塚全国集会に総決起し、11・3へ突き進みましょう。あと3週間、すべての力を解き放ち闘いましょう。
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週刊『前進』(2604号1面2)(2013/10/14 )
動労水戸 外注拡大に2波のスト
“全出向者をJRに取り戻す”
動労水戸は10月4日、7日、誘導・計画業務の外注化強行に抗議し、「外注化体制粉砕!」を掲げて第3波、第4波のストを打ち抜いた。
4日には水郡線(水戸−郡山)の車両基地である水郡線営業所運輸科(茨城県久慈郡大子町)門前に組合員と支援、約30人が集まり、抗議行動を展開した。この職場でも10月1日、4人の労働者(うち動労水戸組合員1人)がMTS(水戸鉄道サービス)に出向させられた。各支部から結集した組合員は、外注化強行から1年で積もりに積もった怒りを込めて次々と発言した。
石井真一委員長は「私も1年間、MTSに出向させられて働いてきたが、MTSが外注業務を受託する能力などまったくない会社であることは、この1年で完全にはっきりした。JRからの出向者がいなければ業務が成り立たず、管理者はまともに作業指示もできない。自前で教育・訓練することもできない。この上さらに誘導・計画業務を外注化することがどうして許されるのか」と門前に並ぶ支社管理者に怒りをたたきつけた。そして水郡線営業所で働く労働者に向かって「JR北海道の現実を見てほしい。ここまで行き着くのが外注化だ。でたらめな外注化を続けていたら常磐線でいつ大事故が起きてもおかしくない。職場を守り、鉄道の安全を守るために、東労組と決別して今こそともに立ち上がろう」と訴えた。
水郡線営業所で働く大子支部の組合員も「何もかもが場当たり的で、誰も責任を取らない。こんなあり方をずっと続けるつもりなのか。腹の底からの怒りでいっぱいだ。出向させられている全組合員をJRに戻すために今後も全力で闘う」と固い決意を示した。
最後に交渉担当の高野安雄副委員長がマイクを取り、団交での当局の不誠実なあり方を報告するとともに、当局による「争議行為回避の申し入れ」なる不当介入を徹底弾劾。門前に監視に来ていた支社の勤労課員に対して、その場で10月7日にもストを実施することを通告した。
(写真 第3波ストでは水郡線営業所に全支部から組合員が集まり抗議闘争【10月4日 茨城県久慈郡大子町】) ストの代替要員なしで業務強行
7日には、勤務者全員がストに入る第4波の全面ストを打ち抜いた。正午から各職場でストに入った組合員が、午後1時過ぎに勝田車両センター門前に集まった。木村郁夫書記長のリードで繰り返しシュプレヒコールをたたきつけ、外注体制を粉砕して全出向者をJRに戻す決意を示した。
この場で辻川慎一副委員長は、4日のストに際して起きたとんでもない事態を明らかにした。「4日の第3波ストでMTSは、ストに入った動労水戸組合員の代替要員を立てられず、一時、誘導担当がいない時間帯が生まれた。最後には、その日に人間ドックに入っていた他労組の人を無理やり呼び出して穴を埋めた。こんなことやっていいのか! これまでJRでそういうことをやったことがあるのか! 誘導・計画業務を外注化したJRに責任はないのか!」と門前に並ぶ水戸支社の管理者に激しく迫った。
神奈川労組交流センターの仲間から神奈川国鉄集会で作成した檄布(げきふ=寄せ書き)が石井委員長に手渡され、最後に青年組合員のリードでシュプレヒコールを上げた。
門前での行動を終えた組合員は、茨城県労働福祉会館に移動し集会を開催した。石井委員長がこの間の経過と総括を明らかにするとともに、MTSで養成が進められているプロパー社員が検修職場に投入される来春に向けた攻防、さらに常磐線の竜田駅までの延伸問題を始めとする決戦課題を提起し、11・3労働者集会への総結集を訴えた。各支部の組合員が外注化をめぐる現状と職場の問題点を報告し合った。また、年明けにも予想される青年運転士のライフサイクル強制配転攻撃についても議論が行われた。
集会終了後、水戸市内で出向者激励会が開催され、団結を打ち固めた。
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週刊『前進』(2604号1面3)(2013/10/14 )
前進速報版から
▼沖縄労働者集会、労働組合結成し11月結集へ▼北海道労働者集会、国鉄決戦で新自由主義攻撃への大反撃へ▼香港コカコーラでスト
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週刊『前進』(2604号1面4)(2013/10/14 )
【要項】11・3全国労働者総決起集会
今こそ闘う労働組合を全国の職場に! 新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを!
11・3全国労働者総決起集会、10・20三里塚全国総決起集会
11月3日(日)正午 東京・日比谷野外音楽堂
呼びかけ 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇 撤回闘争を支援する全国運動
全世界の労働者と団結し「生きさせろ」の大反乱を!
11・4労働者国際連帯集会
11月4日(月)午後1時開会
千葉商工会議所第1ホール(千葉中央ツインビル2号館14階)
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多見谷判決徹底弾劾! 市東さんの農地を守ろう!TPP絶対反対! 福島・沖縄の怒りとともに闘おう!軍事空港粉砕・改憲阻止!
10・20三里塚全国総決起集会
10月20日(日)正午
成田市東峰 反対同盟員所有地(地図は5面参照)
主催 三里塚芝山連合空港反対同盟
(写真 10・20三里塚全国総決起集会が目前に迫った。反対同盟の呼びかけに応え全力で結集し、敷地内デモに立ち上がろう! 当日はJR成田駅前から午前11時20分発会場行き大型チャーターバスが出ます。)
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週刊『前進』(2604号2面1)(2013/10/14 )
動労千葉大会 分割・民営化に決着つける
本格的組織拡大へ重大方針
動労千葉は10月6、7日、DC会館で第42回定期大会を開いた。検修・構内業務の外注化が強行された状況下、今回の大会は組織の存亡をかけたこの先数年の決戦方針と体制を確立する歴史的大会になった。
あいさつに立った田中康宏委員長は、「外注化が強行される中で、節目をなす重要な闘いを闘い、大きな地平を切り開いた」とこの1年を総括した。そして、大会でかちとるべき課題を提起し、「分割・民営化に決着をつける闘いに入る。鉄建公団訴訟の9・25判決は、不採用基準の策定過程そのものが不当労働行為だと認めた。にもかかわらず、判決は国鉄が選別しなかったらJRが選別したかもしれないと言っている。矛盾と詭弁(きべん)に満ちた政治的反動判決だ。しかし不当労働行為を否定できないところに追い込んだ。最高裁で勝利判決をかちとろう」と訴えた。
そして、「外注化は雇用と安全を破壊する。これまでの労働運動なら、合理化されたらそこで闘いは終わっていた。しかし、われわれは外注化が強行されても粉砕するまで闘いぬく。当局は分割・民営化直後に外注化に手を着けたかったが、それができなかったのは1047名闘争の継続と、99年シニア協定以来の動労千葉の闘いがあったからだ。労働組合が闘えば外注化は粉砕できることを、動労千葉は二十数年、示し続けた。その闘いをつぶすために、JRは50人も管理者を増やしている。何のための外注化か、当局も分からなくなっている。その矛盾を突いて闘えば必ず粉砕できる」と強調した。
また、「JR貨物の夏季手当1・1カ月は深刻な問題だ。JR北海道の現実は『ずさんな管理』の問題では断じてない。技術継承は断たれ、検修もレール保守もできなくなった。分割・民営化は完全に失敗した」と喝破した。
最後に、この数年の決戦を闘いぬくための財政基盤の確立を訴えた。「当局は、千葉鉄道サービス(CTS)に出向に出された組合員を、そこからも追い出そうとしている。65歳まで働ける職場を全力で確保し、解雇された仲間を守りきらなければならない。60歳以降の組合費の問題はそのために必要な提案だ。一番大切なことは組織拡大。簡単にはいかないが、あきらめたら動労千葉の伝統は終わってしまう。勝つために本気で組織拡大を。この大会を動労千葉の新たな出発点にしよう」と力説した。
(写真 「新たな闘いに入る」という田中委員長の提起に聴き入る代議員と傍聴者【10月6日 DC会館】)
“最高裁と対決し反動判決を覆す”
来賓あいさつでは、三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さんが動労千葉との固い連帯を表明し、10・20三里塚全国集会への結集を訴えた。動労千葉弁護団の葉山岳夫弁護士は「反動判決に倍返しを」と述べて、鉄建公団訴訟最高裁闘争への闘志を示した。ちば合同労組の委員長は「県下の非正規職を組織する」と断言した。動労水戸の辻川慎一副委員長は「9・25判決で分割・民営化は不当労働行為と認められた。ならば動労千葉の分割・民営化反対のストライキは天下の正義だ」と組合員を激励し、組織拡大への決意を語った。動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長は、新たな10万筆署名運動に全力で取り組むと宣言、家族会代表、OB会代表のあいさつが続いた。
繁沢敬一副委員長が経過報告を行い、川崎昌浩執行委員が情勢を提起した。長田敏之書記長が、@1047名解雇撤回、A検修・構内外注化阻止、B反合・運転保安闘争、C14春闘、D11月労働者集会を軸とする闘う労働組合の全国ネットワークの本格的発展、E組織強化・拡大――を柱とした運動方針を提案。また、財政基盤の確立に向けた組織・財政検討委員会答申が報告された。
討議では、「偽装請負が日常化している。外注化を撤回させることを忘れてはならない」「ライフサイクルで駅に出されている仲間を必ず運転職場に戻す」「今日からCTSのプロパー社員が職場に来ている。朝の点呼で当局への抗議行動を行った。外注化を止めるには組織拡大しかない」「貨物の低賃金は死活問題。反撃を」という積極的な意見が出された。運転保安を巡っても、電車の分割・併結作業を運転士にやらせている問題や、強風で運転規制のかかっている区間に指令の指示で電車を進ませた問題などが指摘された。
外注化粉砕する前例ない闘いへ
総括答弁に立った田中委員長は、「組合費の問題で各支部と討議してきたが、組合員が動労千葉に誇りを持ち、自らの生活とひとつのものと考えていることに感動した。外注化を粉砕するためには前例のない闘いが必要だが、分離・独立闘争、分割・民営化反対闘争、解雇撤回闘争を闘いぬいてきた組合員には、それをやりぬく力がある。力の源泉は反合・運転保安闘争だ。05〜06年、レール破断が相次ぐ中でわれわれは安全運転闘争を闘った。それがなければJR東日本がJR北海道になっていた。動労千葉の存在の大きさを誇りをもって確認し、解雇撤回、外注化阻止、組織拡大の闘いをどんな困難があってもやりぬこう。11・3労働者集会を全力で闘おう」と訴えた。
運動方針を満場の拍手で採択し、スト権を100%の賛成で確立した。役員改選では、佐藤正和貨物協議会議長と北島琢磨青年部長が特別執行委員に就任し、CTSの労働者や青年を本格的に組織する態勢を整えた。
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週刊『前進』(2604号2面2)(2013/10/14 )
9・25判決 「国鉄改革」の破綻示す
新たな10万筆署名拡大し最高裁で解雇撤回判決を
11・3全国労働者集会は、国鉄分割・民営化から26年間にわたって闘われてきた国鉄闘争の勝利に向けた総決起集会だ。その大結集のために、東京高裁が出した動労千葉鉄建公団訴訟9・25控訴審判決を突っ込んで検討し、闘いの到達地平と最高裁段階での焦点を明らかにしたい。
“不当労働行為”の事実を高裁も認定
東京高裁第12民事部(難波孝一裁判長)は9月25日、国鉄が名簿不記載基準を策定して原告らを採用候補者名簿から排除しJR不採用としたことにつき「国鉄分割・民営化に反対する姿勢を示していた労働組合に属する職員を……差別して不利益に取り扱う目的、動機(不当労働行為意思)の下に、本件名簿不記載基準を策定し……これに従ってJR東日本の採用候補者名簿に記載しなかったものと推認するのが相当」と認定した。
にもかかわらず、理由にもならない理由を並べて解雇撤回・JR復帰の請求を棄却した。
9・25判決は、2010年4・9政治和解を始めとする密集した大反動を打ち破ってもぎり取った勝利だ。国鉄解雇の核心をなす名簿不記載基準の策定・適用が、東京高裁さえ否定できない不当労働行為であることを確定させた意義は大きい。
原告と動労千葉弁護団は04年12月提訴以来の闘いで「国鉄改革」の真実を暴き、いつ、どこで、誰が、どのようにして不当労働行為に手を染めたのかをほぼ全面的に明らかにした。控訴審では、職員選別と採用候補者名簿作成を、葛西敬之(当時国鉄職員局次長、現JR東海会長)、井手正敬(当時国鉄総裁室長、元JR西日本会長)とJR設立委員長の斎藤英四郎(当時経団連会長)らが一体となって進めていた事実も突きつけた。
国鉄闘争全国運動が呼びかけた解雇撤回・JR復帰署名は最終的に4万4532筆(うち団体署名361筆)に達した。なによりも国鉄型解雇や外注化・非正規職化攻撃への怒りと国鉄闘争が結びつき、署名運動が職場生産点でうなりを上げて広がり始めたことが難波裁判長を追いつめた。
その上で9・25判決は、一審判決の核心的な認定を否定し葬り去るために、きわめて反動的で矛盾に満ちた主張を展開している。
一審判決は、名簿不記載基準の策定・適用を不当労働行為と断じた上で「本件名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されたはずであるといいうる」と認定した。そして「上記不法行為に基づく損害として、原告らがJR東日本に採用されたであろうことを前提にした経済的利益(逸失利益)を観念する余地がある」とし、不当にもJR不採用から3年間に限ったとはいえ、その間の賃金差額分(JRで働いていた場合と国鉄清算事業団在籍時の賃金差額。1人あたり約240万円〜127万円)の支払いと、不法行為による慰謝料として各300万円の支払いを鉄道運輸機構に命じた。
ところが9・25控訴審判決は、ここを「(仮に本件名簿不記載行為が行われなかったとしても、原告が)JR東日本の採用候補者名簿に記載された上、同社に採用されたはずであるとの証明はいまだされていない」と書き換え、損害賠償の支払い命令も取り消し、90年4月1日の清算事業団解雇も有効とした。
その上で「本件不記載行為がなければ一審原告らがJR東日本に採用されたはずであるとまでは認められないものの、本件の事実関係の下では、一審原告らが採用された可能性は相当程度にあったことも否定できない」とし、JR採用への期待を侵害したことへの慰謝料各500万円の支払いを命じた。慰謝料の根拠も一審判決とはまるで違う。
「JRによる選別の可能性も」との詭弁
難波裁判長は、採用過程の核心部分における不当労働行為を認定したのなら、原告が採用候補者名簿に記載されていたものとして扱い、JR東日本職員としての地位を確認するしかなかったはずだ。何を根拠に”JR東日本に採用されたはずであるとは言えない”と強弁しているのか。
9・25判決は、JR東日本は国鉄とは別個独立の新法人であり「いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、自由にこれを決定することができる以上、採用候補者名簿に記載されることが、直ちに同社に採用されることを意味するものではない」と言い放ったのだ。
しかし現実には、名簿登載者は全員がJRに採用されている。この点について9・25判決は次のように言う。JRは名簿に記載された国鉄職員を全員採用したが、それは「国鉄において、本件基準に照らして採用することが不相当であると判断する職員を採用候補者名簿に記載しないとする方針の下に同名簿を作成していたことを前提としたからである」、仮に希望者全員を名簿に記載していたらJR各社が「名簿記載の者全員を採用したか否かは明らかではない」――つまり”国鉄が選別しなければJRが選別した可能性がある”という詭弁(きべん)だ。
JRや裁判所はこれまで”国鉄とJRは別法人だ。仮に採用過程で組合差別があっても、JRは国鉄が提出した名簿登載者をそのまま採用したのだからJRに責任はない”という理屈で組合差別と大量解雇を居直ってきたのではないのか。
難波裁判長は国労鉄建公団訴訟の05年9・15東京地裁判決でも、「不当労働行為が行われなかったとしても、原告ら全員が……JR北海道、JR九州に採用されたはずであるとの証明はいまだされていない」と今回と同様の反動的判示をしているが、大幅な定員割れだった本州で、当初は名簿に載っていた原告らを意図的に削り落とした本件では、こんな理屈はストレートに成立しない。困り果てた難波裁判長は、国鉄改革法の根幹を揺るがしかねない一審判決での認定を否定するために、名簿登載者が全員採用された事実や、”名簿不記載の責任はJRには及ばない”とした03年12月の最高裁判決とも真逆の理屈を展開せざるをえなかったのだ。
国鉄改革法23条が再び闘いの焦点に
国鉄分割・民営化による大量解雇は、国鉄改革法23条を盾にして強行された。改革法23条は、JR職員の採用手続きを「国鉄による採用候補者名簿の作成」と「JR設立委員会による採用候補者名簿からの採用者の決定」の2段階に切断した。「国鉄とJRは別法人」という虚構のもと、国鉄当局が行ったあらん限りの不当労働行為をJRから切り離し、その責任を及ばせない仕組みをつくったのだ。
国鉄改革法23条が作られた経緯を見れば、その反動性はよりはっきりする。葛西は著書『国鉄改革の真実』で次のように書いている。「どうやったら職員をJR各社と国鉄清算事業団へ『振り分け』ることができるのかという難題……を見事に解決しくれたのが、法務課の法律専門家(※)だった。……『……本人が会社を選ぶのです。国鉄は設立委員会の依頼を受けて採用事務の手伝いをする。具体的には設立委員会の示す採用基準に基づいて希望者に推薦順位をつけ、その名簿を出せばよい。国鉄総裁が「お前は東海、お前は東日本に行け」などと命令を下して、それが「憲法に保障されている職業選択の自由に違反しているのではないか」と訴えられたら、命じた方が負ける。唯一の方法は、「国鉄イコール国鉄清算事業団」であり、「新しい会社は名実ともに新設の法人である」という仕組みしかありません』というのが彼の意見だった。その案を聞いたときに、目からウロコが落ちたように、『ああ、そういうことなのだ』と思った」(※最高裁から国鉄に出向していた江見弘武のこと)。
採用候補者名簿作成の最終段階では、葛西や井手らがJR設立委員長の斎藤英四郎らと綿密に打ち合わせを行い、改革法23条の仕組みのもと、名簿不記載基準を策定することで動労千葉や国労の活動家を名簿から削り落とし、JR不採用とした。
設立委員には国鉄総裁も加わっていた。設立委員会の実務作業も、国鉄官僚によって構成された設立委員会事務局が担っていた。頭の先からつま先まで国鉄と設立委員会は一体だったのだ。
しかも、設立委員会は国鉄からの資料提供なしに独自に職員の選別などできなかった。また「JRによる選別」が可能ならば、名簿提出期限ぎりぎりに名簿不記載基準を策定し、無理やり原告らを名簿から削除する必要などなかったはずだ。難波裁判長は、改革法23条を護持しようとすればするほど、解決不能の自己矛盾に陥ったのだ。
国鉄型解雇を粉砕し11・3へ
9・25判決が示したものは、国鉄分割・民営化と国鉄改革法体制そのものの破産だ。”国鉄闘争の火を消すな!”と必死になって4・9政治和解の大反動に立ち向かってきた国鉄闘争全国運動の闘いは、ついに敵を追い詰め、自己矛盾と破綻を強いたのだ。戦後労働運動のおよそ半分は国鉄闘争を軸に闘われてきた。この歴史を継承し、国鉄分割・民営化に決着をつけるべき情勢をたぐり寄せたのだ。このことに圧倒的な確信を持とう。
〈国鉄改革法の護持かその打倒か〉。この攻防は今の情勢の中で決定的な意味を持っている。公務員労働者に襲いかかっている”いったん全員解雇―選別再採用”の国鉄型解雇、全面民営化、解雇規制撤廃、非正規職化など、すべての攻撃の原型は国鉄改革法23条にある。偽装倒産さながらの仕組みで使用者責任を逃れるやり口は、労働法上の「直接雇用の原則」を破壊した労働者派遣法(1986年施行)や、90年代以降の外注化や分社化・子会社化攻撃と表裏一体だ。
9・25判決を新たな手がかりに、希代の国家的不当労働行為である国鉄分割・民営化、とりわけ国鉄改革法23条を再び一大社会問題に押し上げよう。すべての怒りをここに結集しよう。国鉄闘争全国運動が呼びかけた新たな10万筆署名は、11・3集会組織化の最良の武器だ。「反動の牙城(がじょう)=最高裁を突き崩して絶対に解雇撤回をかちとる!」――この燃え立つような確信で11・3労働者集会への空前の大結集をかちとろう。
【表1】
控訴審判決でここが変えられた!
一審判決(白石判決) 名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されたはずである
二審判決(難波判決) 仮に、一審原告に対して本件不記載行為が行われなかったと仮定した場合でも……一審原告がJR東日本の採用候補者名簿に記載された上、同社に採用されたはずであるとの証明はいまだされていない……採用希望者の全員を同名簿に記載する方針の下で同名簿が作成された場合においては、JR各社(その設立委員)が同名簿記載の者全員を採用したか否かは明らかではない
【表2】
「国鉄改革法23条」の骨子
(第1項)設立委員が、国鉄を通じ、その職員に対し、労働条件及び職員採用の基準を提示して職員の募集を行う。
(第2項)国鉄が、職員の意思を確認し、設立委員から提示された採用の基準に従い、採用候補者の選定をした上、採用候補者名簿を作成して設立委員に提出する。
(第3項)名簿に記載された国鉄職員のうち、設立委員等から採用通知を受けたものが当該承継法人の職員として採用される。(第4〜7項略)
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週刊『前進』(2604号2面3)(2013/10/14 )
JR北海道問題の核心
資本とJR総連カクマルの結託体制が安全崩壊の根源
闘う労働組合の再生が死活的だ
人員大幅削減で4分の1に
JR北海道の安全崩壊の実態は、日々、新たな事実が暴かれている。その背筋が寒くなるような現実の根底には、闘う労働組合が破壊されたという事態がある。
国鉄時代、北海道には約2万8千人の職員がいた。しかし、1987年4月にJR北海道が発足した時点での人員は1万2720人。そして2013年4月段階では7116人になっている。国鉄時代と比べれば、人員は約4分の1にも減らされたのだ。
この極限的な人員削減は、労働組合の解体と一体で強行された。87年にJR不採用とされ、90年に国鉄清算事業団から解雇された1047名のうち、453人が北海道の国労闘争団員、64人が全動労争議団員だ。現場を熟知した労働者は、分割・民営化によって職場からたたき出された。
国鉄分割・民営化を当局の先兵となって率先推進したJR総連は、北海道でも最大労組にのし上がった。現時点で、JR総連・北鉄労は約5600人で社員の約8割を組織し、JR連合・北労組は約550人、国労北海道本部は約130人だ。
JR総連・北鉄労とJR北海道の癒着・結託体制は、大幅な人員削減と極限的な外注化を進行させた基盤になった。資本・カクマル結託体制という点でも、JR北海道は度を超えている。
JR東海以西では、早くも91年にJR総連は大分裂し、御用労組としてJR連合が資本に育成されて、JR総連は極少数派に転落した。JR東日本も、浦和電車区事件(カクマルが浦和電車区庁舎内で、JR連合と親しくしているとして東労組傘下の組合員を脅迫し、退職を強要した事件)の一審判決が出された07年7月以降、JR総連との従来の関係を清算しようと動き出した。11年末には「ローカルルール是正」と称して東労組優遇策を改める施策に乗り出し、資本の意図は公然化した。にもかかわらず、あくまでJR総連との結託を労務政策の基本とし続けたのがJR貨物とJR北海道だった。
11年5月の石勝線事故後、JR北海道の社長だった中島尚俊は、JR東日本の動向にも促されて、ひとたびはJR総連との結託体制の清算に向けて動いた。だが、それはカクマルの陰湿な抵抗にあって挫折し、同年9月に中島は自殺した。
結託体制の維持を資本に哀願するためにカクマルが用いた手段が、36協定違反の「追及」と、乗務員に対するアルコール検査の拒否だった。これは労働組合の闘いでも何でもない。労働者の権利をことごとく資本に売り渡しておきながら、自分たちの権益を守るためにはこうしたやり方もとる。これは、ファシスト特有のどす黒い手法だ。
小池の復権と蜜月の再形成
中島の自殺後、会長に退いていた小池明夫が社長に復帰し、JR総連との蜜月関係をよみがえらせた。現在、社長の座にいる野島誠も小池の腹心で、JR総連との結託維持派だ。JR北海道の取締役会には、JR総連との癒着を続けてきた相談役や顧問が、現役を退いているのに常に出席し、にらみを効かせているとも言われている。
JR連合も裏切り者集団
安倍政権がJR北海道経営陣の刷新を打ち出す中で、JR連合・北労組は安倍をバックにJR総連に成り代われると浅はかにも夢想している。
彼らの前身は、国鉄分割・民営化直前に国労から逃亡した鉄産労だ。03年10月には、国労内で4党合意を最も強硬に推進し、直前まで国労本部書記長として鉄建公団訴訟原告への統制処分を主導した寺内寿夫ら「チャレンジグループ」が、国労を脱退してJR連合に合流した。JR連合は根っからの裏切り者の野合集団だ。
ところがJR北海道は、そのJR連合さえ敵視した。JR連合の組合員を札幌車掌所から釧路車掌所に配転するというむちゃくちゃなことまでして、JR総連との結託を維持しようと図った。
こうしてカクマル支配は温存され、職場では「他労組とは口をきくな」「他労組には仕事も教えるな」という恫喝がまかり通り、業務上の連絡さえ滞って、職場の荒廃が進んでいった。
他方、寺内らの逃亡後、国労北海道本部執行部は、当時の4党合意反対派闘争団を軸に再編された。だが、彼らも10年4月9日の「政治和解」を受け入れて解雇撤回闘争を自ら投げ捨て、12年には闘争団員から組合員資格を奪う国労大会決定に従って、役職はもとより組合員であることからも身を引いた。
国労本部は事故問題についての9月27日付の見解で、「労使の枠を乗り越え原因究明と具体的な対策を講ずるべきと考えます」とか細くつぶやいた。彼らは資本にこびを売るだけの存在になり果てた。だからこそ、今日の事態を打開する鍵は、心ならずも4・9政治和解に調印してしまった闘争団員が、国鉄分割・民営化以来、強いられてきた屈辱への怒りを新たにし、JR復帰を求めて再起することにある。JR北海道の安全崩壊は、闘う労働組合の絶滅がその根本原因だからだ。
反合・運転保安闘争を闘おう
JR総連・東労組も10月2日、事故問題で中央執行委員会声明を出した。そこで彼らは「発生した事故に対する責任追及ではなく、真の原因究明と対策の実施こそが必要」「『責任追及から原因究明へ』の哲学を職場に根付かせ」ると繰り返している。JR北海道やJR東日本の資本に対し”経営者の責任追及は絶対にしないから結託体制を維持してくれ”と泣きついたのだ。さらに彼らは、「国鉄改革の精神のもと安全な鉄道輸送の確保に向け奮闘する」とまで叫んでいる。国鉄改革=国鉄分割・民営化こそが、安全をここまで崩壊させた元凶ではないか!
動労千葉は、保線の外注化によりレール破断が続発した05〜06年、安全運転闘争に立ち、JRにレールの交換を強制した。労働組合が資本と非和解的に闘わなければ、労働者の命も乗客の命も守れない。JR総連カクマルを打倒し、闘う労働組合を職場に打ち立てよう。11・3労働者集会はそのための決戦だ。
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週刊『前進』(2604号3面1)(2013/10/14 )
消費税8%化と一体で社会保障解体する安倍
労働組合の怒りと団結で反撃を
家計の負担増は7兆6千億円
安倍政権が消費増税・企業減税を決めるとともに「社会保障改革プログラム」を打ち出した。大増税と社会保障費の負担増、社会保障解体で労働者階級人民の労働と生活を破壊する許しがたい攻撃だ。階級的労働運動の力を11月労働者集会1万人結集で示し、安倍を打倒しよう。
(写真 財政破綻したデトロイト市役所の前で、年金削減に反対する退職公務員【8月5日】) 大恐慌と大失業・戦争・革命
脱落日帝・安倍政権が掲げる「三本の矢」すなわち@異次元の金融緩和・円安誘導A財政出動・企業救済B成長戦略――は、労働者人民の労働と生活を破壊する攻撃であるが、必ず労働者人民の反撃を呼び起こす。だから総破綻は必至だ。
他方、米帝のデフォルト(債務不履行)=国家財政破綻、ドル・米国債の大暴落、世界大恐慌の2008年リーマンショックを上回る大爆発という危機が切迫している。
すでに米帝の3月「財政の崖」、7月「デトロイト市破産」は労働者人民の歴史的階級的諸権利を一瞬にして破壊した。社会保障の凍結、公務員の大量解雇、学校と公的サービスの民営化などの凶暴な超法規的階級攻撃が吹き荒れた。
デトロイト市はGM(ゼネラルモーターズ)をはじめ自動車産業の中心都市であり、伝統ある労働組合運動の街であったが、様相は一変した。今や「労働の自由法(労働組合に入らない自由)」を受け入れ、安倍が策動する「解雇特区」のような、労働者人民にとっての「無権利都市」になっている。米国では法的に保護されているはずの退職者年金(実際には後払い賃金)が、デトロイト市では非常事態管理人によって削減された。この暴挙に対し、市の職員、警察官、消防士、退職者らが抗議デモに立ち上がり、裁判に訴えている。
EU(欧州連合)がギリシャやイタリアなどに課している国家財政健全化・緊縮財政政策も、医療・年金などの社会保障や公務員を直撃し、労組を破壊する民営化・外注化・解雇・非正規職化の攻撃である。EUは財政健全化目標が達成できないフランスやスペインにさらなる年金制度改革(年金受給年齢の引き上げ)を迫っている。
大恐慌は〈大失業と戦争と革命>をもたらす。資本主義・帝国主義の時代が終わり、次の時代が始まりつつある。この歴史を方向づけるのは階級的労働運動であり、国境を越え世代を越えた労働者人民の「生きさせろ!」の闘いと「絶対反対」を掲げる団結の拡大である。
企業救済には減税と5兆円
安倍は、来年4月から消費税率を8%に引き上げることを決定するとともに、復興法人税の前倒し廃止(約9千億円)と法人税率引き下げ(1%で約4千億円)に加え、投資減税、2020年東京オリンピック向け公共事業など5兆円規模の経済対策を12月上旬にまとめ、補正予算を組むと発表した。また社会保障削減と消費増税で来年度の家計負担増は7兆6千億円になるとの試算を公表した上に「社会保障改革プログラム」を閣議決定した。
安倍は「消費税収は社会保障にしか使わない」と強調したが、これは大うそなのだ。
そもそも2003年元日に経団連「奥田ビジョン」が打ち出した消費増税、税と社会保障の一体改革は、財界による大衆増税=法人税減税と社会保障費の「現役世代負担」(=企業負担)軽減の要求であった。小泉政権は、社会保障費の年額2千億円削減を数値目標にして医療・介護・福祉削減を強行した。2000年に発足した介護保険は、老人医療・福祉領域への株式会社参入で、非正規職ヘルパーを大量創出し、「登録型」ヘルパーの温床となった。さらに04年年金改革と08年社会保険庁解体(09年年金機構発足)、06年医療関連12法改悪と公立病院民営化、「医療の産業化」は、社会保障の解体・変質、〈民営化・外注化・非正規職化・労組破壊>を推進した。
消費税は政府予算の法人税減税分を大衆増税で補うものにとどまらない。消費税は輸出産業への還付金(戻し税)制度で大企業を潤わせてきた。還付金は08年度、消費税の40%に相当した。その後割合は低下したが、昨年度はトヨタを先頭に総額3兆1836億円に達した。
また消費税は「派遣労働者の役務提供費は仕入物資代金」とする仕入れ税額控除制度をてこに派遣労働者、非正規職を増加させた。97年の消費税率アップ、03年の派遣法改悪・規制緩和でそれらを激増させた。
今次増税の政府試算では、消費増税3%分で8・1兆円(1%で2・7兆円)の税収増が見込まれている。政府は、増税初年度の実質増税額を5兆円余りと算定し、その全額を企業減税と経済対策費に充てようとしている。マスメディアさえ「事実上、消費税増税のお金を法人税減税に回したとみることもできる。財政健全化がさらに遠のくことは必至である」(朝日新聞10・2付)と報じた。
国家財政と社会保障のために消費税増税をやむなしとする財界と連合のデマゴギー、「国民が広く負担する消費税は社会保障の財源に適している」(朝日新聞07年)という虚構は完全に暴かれた。労働者階級の分断を許さず、労働組合をよみがえらせ、団結して「消費増税絶対反対!」の怒りの声を上げよう。
医療・介護・年金など大改悪
安倍政権が8月閣議決定し、今秋成立させようとしている「社会保障制度改革プログラム法案」は基本理念として、@後世につけを残さず現在世代で財源確保するA自助・自立を基本に公助と共助を組み合わせるB負担増は避けられない。給付の重点化・効率化を図る――を挙げている。明らかにされている具体案は軒並み負担増だ。
第一に医療の自己負担増と病院再編。@国民健康保険の保険者を17年度までに区市町村から都道府県とする。A同時に都道府県は地域医療・病院再編案を策定する。B前期高齢者(70〜74歳)の医療費自己負担を1割から2割に引き上げる。C大病院初診料を定額1万円負担とする。D病院の機能別再編を制度的に推進する。E国保に加入している非正規職労働者への健康保険適用(企業と労働者が保険料を折半)を促進する。
列記された一つひとつが重大な攻撃である。国保の広域化と病院再編を直結させ、病院のさらなる民営化・統廃合を促進する。退職労働者が持病を悪化させる年齢期である前期高齢者の負担増はまさに命の問題である。
第二に介護保険の「要支援」を保険適用外にし、利用料の自己負担を増やす。@15年度から「要支援」の140万人を介護保険から締め出し、市町村福祉事業に移行する。市町村会館などを利用しボランティアに託す。A現役並み収入(年収280万円以上)の高齢者の自己負担は2割とする。B特別養護老人ホームの入居資格を要介護度3以上に厳格化する。C要介護度1、2の高齢者の受け皿は「低所得者施設や都市部の空き家を活用」する。
財政制度審議会は08年の段階で「生活援助を対象外とすると年1100億円削減、要介護を対象外にすると年2兆900億円の削減となる」という試算を出した。要介護者を排除することで、介護保険制度は保険の名による税徴収システムとなる。介護を必要としても低所得者にはますます使えない制度になる。同時にヘルパーなど介護労働者の首切りとさらなる賃下げに連動する。市町村福祉事業は、ヘルパー労働者を「労資関係ではなく福祉ボランティア」として、最低賃金制以下の労働を想定する。時給1ユーロ(約130円)の「1ユーロジョブ」(注)が導入されているドイツと同様の制度だ。
第三に年金削減。@13年10月1%、14年4月1%、15年4月1%引き下げる。A受給開始年齢を国際水準並みへさらに引き上げる。B高所得者への年金課税を強化する。C短時間労働者への厚生年金(企業と労働者が保険料折半)適用を拡大する。
1%の削減の先にはさらなる年金削減と受給年齢の引き上げがある。スペインのバルセロナでは年金生活に入った退職労働者が失業青年とともに「民営化反対」に決起し、組織をつくった。イギリスの高校生は祖父母の年金削減に反対し、デモに決起している。大失業時代の労働者家族の命綱である年金を削減する攻撃に世代を越えて絶対反対の声を上げよう。
第四に生活保護費の削減。今年の8月から削減が始まり、2年半の間に計3回、最大10%削減する。削減の論理に低賃金労働者・最低賃金と生活保護費の比較が使われた。分断を許さず、「生存権」保障の生活保護制度を破壊する攻撃と対決しよう。
社会保障の産業化もくろむ
「三本の矢」の三つ目は経済成長戦略だ。その第一の柱が介護事業だ。6月に閣議決定した「日本再興戦略」は「行きすぎた雇用維持の是正」「介護産業は、制度設計次第で巨大な新市場として成長の原動力となりうる」としている。
成長戦略の成否は階級的力関係の転換、労働・解雇規制緩和ができるかどうかにかかっている。「解雇特区」創設の策動はこのためだ。
介護保険は、老人介護を株式会社の新規投資市場とし、低賃金・非正規雇用労働者の大量雇用創出に一役買った。介護保険給付費は増加の一途をたどり、国家財政を圧迫するといわれる一方で、新規成長産業を育成する戦略的位置を与えられている。
「老人ホーム」施設運営の介護事業には、村上ファンドをはじめ投資家が群がっている(「介護バブルに群がるファンド」(朝日新聞9・29付)。国際ファンドは、日本での介護の成長産業化を基礎にして、アジアの富裕層を標的に100兆円規模の介護市場開拓をめざしている。
老人福祉の民営化である介護保険が、社会保障ではなく、労働者の権利を破壊し「食い物」にする搾取・収奪機構と化している。安倍はこれを医療や福祉、年金に拡大しようとしている。とんでもない。
国鉄決戦・自治体決戦を軸とする階級的労働運動の力で絶対反対の怒りを組織し、反撃に転じよう!
〔林佐和子〕
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週刊『前進』(2604号3面2)(2013/10/14 )
国鉄10万署名と労組拠点建設推進し11月集会1万人結集へ
革共同自治体労働者委員会
国鉄・公務員決戦の号砲が鳴った。9・25高裁判決で不当労働行為を認定させた。これは、労働者が団結して闘う権利の侵害は許されないということだ。分割・民営化の大破産がJR北海道の安全崩壊として爆発し、国鉄解雇撤回と民営化・外注化阻止が全労働者の決戦であることがはっきりした。闘う労働組合を全国に! 11・3労働者集会に総結集しよう。
職場の全労働者に国鉄署名訴えよう
11月労働者集会は第一に、国鉄決戦勝利の総決起集会だ。国鉄解雇撤回の第2次10万筆署名運動を進め、1万人の大結集を実現しよう。
東京高裁・難波孝一裁判長は9月25日、JR職場の闘いと国鉄署名4万4532筆の力に追い詰められ、動労千葉組合員のJR採用候補者名簿からの排除が不当労働行為だったことを認定した。不当労働行為を認めさせた大勝利である。
しかし、判決は不当労働行為を認めながら解雇撤回は認めないという許しがたい判決だ。「JRには『採用の自由』があるから、採用候補者名簿に載っても採用されたとは限らない」などと強弁して解雇撤回の道を閉ざしながら、「原告らが採用された可能性は相当程度にあったことも否定できない」から慰謝料500万円だという。ふざけるな。不当労働行為があったのだから、解雇撤回・JR復帰しかない。
9・25高裁判決により、国鉄改革法23条2項の破綻が明らかになった。不当労働行為を認定させた「解雇撤回・JR復帰」の裁判が今後最高裁で行われること自体が決定的だ。
最高裁は簡単に上告棄却できない。棄却すれば高裁での不当労働行為が確定する。高裁差し戻しなら、分割・民営化の破綻を徹底的に追及する運動が展開できる。不当労働行為を認めない判例を最高裁で出そうすれば、事実調べなど簡単にはできない。追い詰められているのは最高裁であり国家権力だ。解雇撤回・JR復帰の歴史的情勢が来ている。
最高裁の壁を打ち破るのは解雇撤回・JR復帰を求める新たな10万筆署名の大運動だ。自治体を先頭に全産別で、地域で街頭で、とりわけ職場で「闘う労働組合の建設」として、一人ひとりの労働者に署名を訴え、11・3労働者集会1万人結集へ全力で突き進もう。
反合・運転保安闘争路線を貫き
JR北海道での相次ぐ重大事故、267カ所に及ぶレール異常放置は、分割・民営化と外注化によって引き起こされた国家犯罪だ。検修・保線労働者の首を切り外注化してきた結果だ。徹底した人員削減・経費削減により安全が崩壊している。北海道だけの問題ではない。JRで起きていることは、福島原発事故と同じく「命より金」の新自由主義の破綻の結果だ。
闘わなければ安全は守れない! 一切は労働組合にかかっている。闘えば勝てることを、労働者は動労千葉の反合・運転保安闘争を先頭につかんできた。動労水戸の被曝労働拒否の闘いが国労郡山工場支部の闘いに結びついたように、組合の枠を越え、すべての労働者に「解雇撤回」「反合・運転保安闘争で一緒に闘おう」と訴え、闘う拠点職場建設に向かおう。
安倍打倒の国鉄・公務員決戦闘おう
11月労働者集会は第二に、安倍打倒の国鉄・公務員決戦の闘いだ。職場から総結集しよう。
大恐慌と国家財政危機にあえぐ安倍政権は、消費税8%へのアップを決定した。青年は非正規労働に突き落とされ、高齢者は年金を引き下げられ、誰もが生きていけないと感じている。
労働者の怒りを恐れて安倍は「財界に賃上げ要請」のペテンを振りまくが、成長戦略とは徹底した民営化と労組解体、労働規制撤廃=解雇自由、総非正規職化であり、階級戦争だ。その核心こそ公務員労働運動の解体である。彼らが「公務員の岩盤」と叫ぶとおり、いまだ公務員労働運動はたたきつぶされていない。ここに最大の弱点がある。体制内労組が労使協調主義で闘わないことではじめて、安倍や橋下徹大阪市長、近藤やよい東京・足立区長らがやろうとしている自治体丸ごと民営化も成り立つのだ。
民営化・外注化は絶対反対だ!
昨年7月、総務省の肝いりで全国153自治体が参加して日本公共サービス研究会を発足させた。この中では自治体出資の株式会社に公務員労働者を出向させれば偽装請負をクリアできるとし、9月に足立区長は来年度からの国民健康保険と会計・出納業務の民間委託を発表した。「民でできないことを民でできるようにする」と称して自治体業務のすべてを資本に売り渡そうとしている。JRが動労千葉破壊のために安全を切り捨て全面外注化を進めているのとまったく同じだ。粉砕あるのみだ。
「福島第一原発はアンダーコントロール」「汚染水はブロック」と大うそをついた安倍とともに猪瀬直樹東京都知事が進める東京五輪は労働者階級への襲撃、労働組合破壊の階級戦争だ。
安倍・猪瀬は五輪向け公共事業と「五輪特区」導入で全面的な民営化・外注化・非正規職化を強行し、大資本に労働者人民を大搾取させ、ぼろもうけさせようと狙っている。東京五輪組織委員会事務局の約3500人の職員の3分の1は都職員の出向・派遣と言われている。五輪出向の穴埋めを非正規職で補充すればそれはそのまま定数削減、外注化となり、戻る部署がない事態をつくり出す。猪瀬は五輪を射程に都営交通=地下鉄・バスの「24時間」運行に突き進んでいる。猪瀬の言う「眠らない東京」とは、労働者をボロボロになるまで無制限に働かせ、労働者同士のつながりを断ち、労働組合の団結を解体する攻撃だ。福島の怒りと一つになり、国鉄・公務員決戦、反原発決戦の爆発で安倍・猪瀬を打ち倒そう。
9・29橋下打倒集会で橋下の道州制=都構想(大阪府・市丸ごと民営化)は解雇・処分攻撃に対する労働者の絶対反対の闘いで破綻し、橋下は打倒寸前まで追い詰められていることが明白になった。
市バス民営化は労働者の怒りで来年4月実施を断念させた。不当解雇された斎場労働者は大阪地裁で全員の解雇撤回をかちとった。上下水道の民営化など、国鉄型の全員解雇・全員非正規職化攻撃も大破産している。
行き詰まった橋下は、国家戦略特区の最先頭で解雇特区(解雇自由と労働時間規制撤廃)や混合医療特区、学校の公設民営化を打ち出しているが何の成算もない。
一人の青年労働者の絶対反対の決起が全情勢を動かし、闘いの結集軸になり、現場労働者の怒りが橋下を直撃している。一切は闘う労働組合建設にむけた団結の拡大、組合権力奪取にかかっている。労働組合の闘いがあればすべてをひっくり返せる。本部を批判しているだけでなく、自らが民営化・外注化・非正規職化と闘う組合執行部だという構えで、ストライキを闘う労働組合をよみがえらせよう。全国の自治体労働者は大阪の自治体労働者と団結し闘おう。
青年部担う活動家は11・3大結集を
11月労働者集会は第三に、労組活動家が総結集し、闘う労働組合を全国につくりだす集会だ。
国鉄闘争の前進が4・26自治労ストライキを生み出した。自治労をはじめ主要産別で連合の崩壊と階級的労働運動の躍進が始まった。国鉄・公務員決戦に決起し、国・当局・体制内派との死闘に打ち勝って、労組拠点・青年部建設を進めよう。
この闘いが、原発再稼働、改憲・戦争、大増税、社会保障制度解体の攻撃を打ち破る団結をつくる。11・3総決起をかちとろう。
勝利の鍵は、地区党の強化拡大と産別委員会の一体的建設だ。職場の課題を細胞・地区党で徹底議論し、路線で一致し、方針を練り上げ、実践する。労働組合運動のできる地区党建設だ。職場で「絶対反対」で立ち上がったとき、いったんは孤立することがあるとしても地区党・細胞の団結で前進できる。自分を信じ、仲間を信じ、労働者階級として生き抜こう。『前進』を大胆に職場に持ち込み『前進』読者網をつくろう。拠点建設の闘いはここから始まる。
最後に、民営化・外注化との闘いは全世界の労働者共通の闘いだ。民営化と闘う民主労総の公務員労働者と団結し、11月労働者集会1万人結集を闘いとろう。
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週刊『前進』(2604号3面3)(2013/10/14 )
闘いは進む 青年の職場から
合同労組 地域の団結で介護職場から解雇撤回を闘う 東京 風実
私は6年間、障害者支援施設でヘルパーとして働いてきましたが、昨年5月末に雇い止め・解雇されました。
福祉職場に企業経営を持ち込む管理者と闘い、組合分会をつくりたくて労災や国鉄、反原発、障害者自立支援法反対などを書いたニュースを職場の仲間に手渡そうと努めてきました。ニュースと言っても、メガネとかお菓子を入れるケースに手紙形式で何人かに入れただけ。これを、会社は会社物品使用規則違反に当たるとし、始末書を強要してきました。私が会社に質問書を出して回答を迫ると、退職・組合脱退を強要し“結婚の面倒をみてあげようか”と言う社労士面談が仕組まれ、解雇されました。組合敵視の不当解雇です。
現在、労働委員会に不当労働行為救済を申し立てて闘っています。9月に審問がありました。会社側は、争議で金を稼ぐ経営法曹の弁護士5人を雇いました。組合は、@雇い止め・解雇は不利益取り扱い、A事情を知っていた社長を外した団交は不誠実、B社労士面談は組合への支配介入――の3点を訴えました。
会社の答えはびっくりです。「組合活動ではなく政治活動だから不当労働行為には当たらない」「団交正常化のために、ターゲットにされた社長を外した」「社労士面談は会社が依頼したが、面談内容は指示していない」と逃げ回りました。
面談した社労士は「守秘義務があるから会社に面談内容は報告していない」と言ってましたが、「なぜ組合への支配介入やセクハラはなかったと会社は断定できるのか」と聞くと、答えに詰まってしまいました。取締役も「勤務怠慢で解雇しようとずっと考えていた」と言っていたのに契約も更新し途中解雇もしなかったことを問いただすと、「解雇する理由はなかったから」と矛盾をあらわにしました。
会社は、労働条件改善や組合結成を呼びかけた私に、さまざまな報復を加えてきました。「介護職で労働条件を語るな」とも言っていました。
団結拡大でお礼したい
けれど私には労働組合がありました。労働組合は、賃金奴隷制を撤廃して本当の人間社会を建設する学校です。幾億の闘う労働者階級の中で何ら目立たない闘いですが、審問には仕事を休んで来てくれた福島の介護労働者や派遣労働者、必死に希望を探す青年労働者、私の解雇撤回署名を集めてくれた高校時代の恩師、人間解放を求める地域の青年の仲間、年休を取った労働者がいて、ともに闘ったのだという実感がこみ上げています。
バイト先の先輩は一緒に審問の練習をして送り出してくれた。解雇撤回の街頭署名の声が背中を押してくれた。国鉄決戦を軸にした党と労働組合の建設を職場・地域で闘ってきたことが今日と明日につながっている。
解雇撤回闘争は続きますが、仲間と同志たちには、勝利していっぱい団結を拡大して本当のお礼を伝えたいと思います。
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週刊『前進』(2604号4面1)(2013/10/14 )
自民党改憲草案を粉砕しよう
「緊急事態」宣言、労働基本権解体、道州制導入、搾取の自由
改憲阻止闘争の勝利のために(下)
9条問題を取り上げた前号に続き、今回は、自民党改憲草案のほかの論点を暴露・批判し、闘いの展望を明らかにしたい。改憲・戦争に突き進む安倍政権打倒へ11・3集会を成功させよう。
天皇元首化=国家主義で支配の危機突破狙う
自民党改憲草案は、前文と102の条文で構成され、「日本国は……天皇を戴(いただ)く国家である」(前文)で始まり、「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」(第102条)で終わる。全体を通じて、新自由主義攻撃とその破産のもとで、労働者人民が怒りに燃えて立ち上がることへの恐怖と危機感に満ちている。
まず改憲草案前文では、現行憲法の前文がすべて削除され、まったく別の文章に置き換えられる(表参照)。ここで述べていることは、要するに、日本を過去から未来に至るまで悠久不変の天皇制国家として描き、国民はその国家像に適合した「日本国民」たること(「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守る」ことや「活力ある経済活動を通じて国を成長させる」こと)を、有無を言わさず要求するということだ。
また「国と郷土」をセットにした言い方、あるいは「和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成」なる文言には、新自由主義のもとで全社会を競争と分断にさらしてきた日帝ブルジョアジーが、国家主義的な「虚偽の共同性」のもとに人民を動員しようとする悪らつな意図が示されている。
戦争についての言及も「先の大戦による荒廃」の一言で片づけ、しかも日帝支配階級が労働者人民を動員して行った戦争を「災害」と並べてあたかも自然現象のように描いている。歴史を偽造する政治的作文だ。
現行憲法前文の「政府の行為による戦争」の部分は、戦後革命期に労働者階級が「戦争責任追及」「戦犯追放」を掲げて闘ったことが少なからず影響している。改憲草案は、そうした戦後の労働者階級の闘いと反戦意識を解体しようと狙う。
教育労働者の闘いに敵意
この前文に続き、第1条で「天皇は、日本国の元首である」と規定される。天皇の元首化を明記し、天皇制イデオロギーを強烈に押し出している点は、小泉政権時代の第一次改憲草案(05年10月)と比べても際立つ。
また、第3条で「国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする」「日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない」とされる。これについて、自民党が発行する「日本国憲法改正草案Q&A」は、「国旗・国歌をめぐって教育現場で混乱が起きていることを踏まえ、3条に明文の規定を置くこととしました」と述べている。教育労働者の闘いに敵意をむき出しにし、「日の丸・君が代」強制を憲法条文化したということだ。
こうした天皇元首化攻撃が意味するものは何か。「資本家的政治支配、階級支配が解体的動揺に陥る中で、天皇制は帝国主義ブルジョアジーの反革命的結集のシンボルとなる」(革共同綱領草案)。すなわち、今日の世界大恐慌と新自由主義の破産のもと、日帝ブルジョアジーが統治能力を失い、階級支配が危機に陥る中で、自民党は天皇制とそのイデオロギーを反革命的結集軸として担ぎ出してきたということだ。一部の天皇制右翼による復古趣味の表れなどではなく、今日的な日帝の危機に規定されたものであり、その危機を自ら告白するものだ。
これに対し、未来を代表する革命的階級としての労働者階級の回答は、近代的立憲主義の完成を要求することではなく、「プロレタリア革命の一環として、天皇制の一切の形態を粉砕し、根こそぎ一掃する」(同)ことだ。
「公益」「公の秩序」守れと基本的人権も圧殺へ
改憲草案では現行憲法97条「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって……侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」が全文削除される。これは決定的踏み込みだ。
自民党憲法起草委員会事務局長・礒崎(いそざき)陽輔はこの点を問われて、「97条はまさに西洋史」「日本の憲法に西洋の歴史を書かんでもいいだろう。市民革命の話なんて書く必要ない」と言い放った。基本的人権の根底に流れる荒々しい階級闘争と革命の歴史を、自民党は心底恐怖し、憲法から抹消しようとしているのだ。
こうした反革命的意志に基づき、改憲草案は、労働者人民が闘いを通じて守り抜いてきた諸権利の解体を狙っている。
■「公益及び公の秩序」
「国民の権利及び義務」を規定した第12条について、改憲草案では「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し」の文言を追加し、また現行憲法の「公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」の部分を「公益及び公の秩序に反してはならない」と書き換えた。これは、現行憲法よりもさらに露骨な表現で支配階級とその代弁者たる国家の「安全と秩序」のために基本的人権を制限するものだ。
■「個人として」を「人として」に解体
続く13条で「すべて国民は、個人として尊重される」を「人として尊重される」に書き換えている。「この『人』とは、もはや資本主義の自由主義段階における『理性的、合理的にして基本的人権を享有するべき個人』ではない。……新自由主義攻撃下にあっては、人間は、いっさいの権利をはぎ取られ、団結を奪われてばらばらにされ、文字どおり生物的意味における『男と女』として日々生存のふちに突き落とされている」(『共産主義者』177号岩竹論文)。まさに、人権を有する「個人」ではなく、資本家が使い捨てにする搾取対象としての「人」という、改憲草案の新自由主義的な労働者観を示している。
■表現・結社の自由制限
21条「集会、結社、言論、表現の自由」について、改憲草案は2を新設し、「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」と重大な制限=禁止規定を加える。労働組合などあらゆる団結体への弾圧、革命党破壊の意図をあらわにした破防法の憲法条文化、予防反革命条項だ。
■資本の搾取の自由
22条「居住・移転および職業選択の自由」について、改憲草案は現行憲法の「公共の福祉に反しない限り」の文言を削除し、資本の無制限の搾取の自由化を狙っている。
■「家族」を条文化
24条に「家族は、互いに助け合わなければならない」なる異様な条文が追加される。家族のありように国家が介入するとともに、社会保障の切り捨てによる一切の負担と責任を「家族」という単位に押しつける新自由主義攻撃だ。
■公務員の労働基本権剥奪
労働基本権を保障した28条に「公務員については、全体の奉仕者であることに鑑み、……前項に規定する権利の全部又は一部を制限することができる」と加える。公務員の労働基本権の剥奪(はくだつ)・制限を憲法に明記することは決定的な攻撃である。労働者が闘いとってきた労働基本権の破壊を、まず公務員労働者から開始するのが狙いだ。公務員攻防が階級決戦の最先端をなしていることを示すものだ。
■弁護士自治の破壊
現行77条「検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない」に、「弁護士その他の裁判に関わる者」を付け加えている。弁護士自治を破壊し、闘う弁護士を法廷から追放し、弁護士会の御用機関化を狙っている。
■道州制導入を狙う
「地方自治体は、基礎地方自治体及びこれを包括する広域地方自治体を基本とし……」「国及び地方自治体は、法律の定める役割分担を踏まえ、協力しなければならない」(93条)を新設。道州制攻撃の条文化だ。
■「緊急事態」条項は戒厳令の新設だ
改憲攻撃の今一つの核心は「緊急事態」条項、つまり戒厳令の新設だ。
「我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態」において、内閣総理大臣は「緊急事態の宣言を発することができる」(98条)、「緊急事態の宣言が発せられたときは……内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」「何人も、……国その他公の機関の指示に従わなければならない」(99条)
緊急事態の定義も「その他法律で定める」として、いくらでも対象を拡大できる。まさに戦争と革命の時代において、労働者人民の闘いが内乱的に爆発することを鎮圧するための条項だ。
青年・学生が先頭に立ち11・3集会で反撃しよう
以上のように自民党改憲草案はきわめて凶暴な内容だが、そこには階級支配の崩壊にあえぐ日帝の危機が露呈している。改憲をめぐる闘いは、労働者人民の怒りに火をつけ、新自由主義のもとで「生きられない」現実を強いられてきた青年・学生の怒りを解き放つ。青年・学生こそ改憲阻止の先頭に立ち、自らの手で社会を変革しよう。
勝利の展望は、11・3全国労働者集会の成功にこそある。連合中央は、10・3〜4定期大会で「政治方針」を改訂し、改憲論議を「時期尚早」としていた従来の見解を削除し、ついに改憲勢力への転落を確定した。連合支配の崩壊と現場組合員の怒りの爆発は分水嶺を越えて進む。国鉄闘争を軸に階級的労働運動を復権し、連合中央を打倒しよう。解雇撤回・JR復帰の第2次署名運動に全力で取り組もう。
そして11・3集会を歴史的な国際連帯集会としてかちとり、「労働者に国境はない」ことを示そう。その力で排外主義・国益主義を打ち破ろう。
改憲は福島の怒りを圧殺し、原発再稼働・核武装に突き進む攻撃と一体だ。10月5日に、福島市内で武装した自衛隊が「復興パレード」を行うなど、福島圧殺攻撃が激化している。怒りを倍加して、闘う労働組合を軸に今秋から14年3月に至る闘いを爆発させよう。
獄中39年を不屈に闘う星野同志奪還の闘いは、改憲阻止の最前線だ。刊行された『愛と革命』を全人民に広げよう。
日帝の改憲攻撃に、労働者階級の団結と人間的・階級的共同性を対置し、闘う労働組合と一体で革命的労働者党の強大な建設をかちとろう。プロレタリア革命の勝利へ突き進もう!
〔水樹 豊〕
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【表 自民党改憲草案の前文】
日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。
我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。
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週刊『前進』(2604号4面2)(2013/10/14 )
教育労働者は11・3結集の先頭に
橋下の教育民営化と対決し教組の拠点建設を進めよう
労働者階級の勝利に向かって、国鉄闘争を軸に歴史は動き出した! 動労千葉鉄建公団訴訟9・25東京高裁判決に至る国鉄決戦が切り開いた巨大な階級情勢の上でかちとった9・29橋下打倒集会の勝利をさらに押し広げ、11・3全国労働者総決起集会1万人結集に向け全力で闘おう。
国鉄署名軸に闘う労働組合を奪い返そう
新自由主義は、労働者・労働組合が階級的団結を固め絶対反対で反撃した時、粉砕できる!
それを実証したのが国鉄分割・民営化絶対反対を26年余にわたって貫いて闘ってきた動労千葉を先頭とする国鉄決戦だ。その闘いは、国鉄分割・民営化による国鉄労働者の大量解雇が国家的不当労働行為であることを暴いた。それは国鉄分割・民営化以来の新自由主義攻撃のすべて、今、安倍政権や橋下大阪市長らが行おうとしている国鉄方式による自治体丸ごとの民営化・外注化攻撃が不当労働行為であることを暴き、支配階級の政策の全面崩壊をもたらすものだ。
新自由主義を支えてきた連合の労働者支配は、労働者階級の怒りと闘いで劇的な崩壊を開始した。労働者階級の根源的な怒りが世界中で爆発し行動が始まり、新自由主義は全世界的に崩壊を開始した。歴史は確実にプロレタリア世界革命に向かって動き始めた!
プロレタリア世界革命を実現するために今最も求められていることは、国鉄決戦を闘うことをとおして資本と非和解で闘う労働組合を奪い返し、階級的労働運動の拠点をつくることだ。
事実上の自民党支持と改憲勢力への道に踏み出した日教組本部に代わって、日教組をストライキで闘う階級的労働運動の拠点につくり変える指導部の登場が待ったなしだ。教育現場の新自由主義攻撃に怒り、未来を切り開きたいと熱望する教育労働者、とりわけ青年教育労働者は、革共同に結集して闘う日教組につくり変えるためにともに闘おう。
安倍政権による福島圧殺、民営化・外注化・10割非正規化、改憲攻撃に対する労働者階級と政府支配階級との正念場の激突が、今秋から来年3月に向かって始まった。「解雇撤回・JR復帰」を求める国鉄第2次10万筆署名を職場で集め、国鉄闘争を軸にして教組の拠点建設を進めよう!
絶対反対貫く闘いが民営化を破産させる
橋下大阪市長は、安倍政権が打ち出した「国家戦略特区」攻撃の最先頭で民営化と労基法解体の「規制緩和」攻撃に踏み出している。
その一つとして、大阪府・市で国内初の「公設民営学校」をつくる構想を打ち出した。大阪から教育の民営化を進め、労働組合つぶし、教育公務員の全員解雇・非公務員化、非正規職化を狙っている。
「教育の民営化」攻撃によって、学校現場では非正規職化が激しく進んでいる。ある学年では、担任のほとんどが新任と講師など非正規職労働者で構成され、毎日夜9時過ぎまでの殺人的長時間労働で仕事がやっと回っているのが現状だ。その結果、職場の仲間が病気・現職死亡・退職に追いやられている。労働組合が闘わなくなった結果の許し難い現状だ。
日教組本部は、”教職調整額4%と引き替えに残業手当を支給しない”という給特法(公立の義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別措置法、1971年制定)を容認し、労働基本権を奪い取る攻撃に屈し、教育労働者を他産別の労働者と分断した。
しかし給特法はあくまで「時間外労働を命じない」ことが原則であり、現状のような殺人的長時間労働は不当労働行為である。8時間労働制は歴史的に闘い取ったすべての労働者の権利であり、教育労働者も例外ではない。労働組合が闘えば長時間にわたる時間外労働は粉砕できる!
安倍政権は今、「成長戦略」で、「限定正社員制度」による非正規雇用制度とともに、8時間労働制を解体し残業代なしで残業を強制する「労働時間規制の見直し」を行おうとしている。教育労働者の現実が、すべての労働者に襲いかかろうとしている。
だが、橋下市長の大阪府・市丸ごと民営化、教育の民営化は破産している。その象徴的な出来事が、市立小学校の民間人校長が就任から3カ月で辞職する、セクハラで現場を更迭されるなどの続出である。現場労働者の絶対反対の闘いが、民営化攻撃の矛盾・破産を暴きだしたのだ。
「教育の民営化絶対反対! 非正規職撤廃!
長時間・過重労働絶対反対!」を掲げ、教育労働者がすべての労働者の先頭で闘い、絶対反対で闘う労働組合の拠点をつくり出そう!
細胞と地区党、産別委の団結で拠点建設を
日教組本部にとって代わる労働組合の権力奪取の闘いが、全国において不退転で始まっている。とくに首都圏で、単組権力をランク&ファイルの挑戦として獲得しようとしている。教組拠点建設の闘いは、関西でも力強く始まっている。
大阪市教組における「君が代」不起立処分撤回人事委員会闘争は、橋下市長による公務員全員解雇・教育の民営化に向けた団結破壊・組合破壊との闘いとして前進している。証人採用を巡り処分者側は処分手続きの正当性のみに切り縮めようとしたが、私たちは「橋下市長の『自治体丸ごと民営化』と一体の『教育の民営化』との闘いだ」と一歩も引かず、被処分者当該だけでなく、大阪府の現場教育労働者や大阪市職の「入れ墨調査拒否」被処分者を証人として認めさせた。地区党と産別委員会が路線で一致して闘いぬいた勝利である。この地平から、大阪市教組の拠点建設に向かって闘っている。
一人の青年教育労働者が評価制度への怒りの声を上げたが、これに対して連合執行部は「不服申し立てをしても却下されるだけだ」と向き合おうともしなかった。地区党は青年の思いを共有し、攻撃の本質を明らかにして討論することで怒りを解き放ち、職場の仲間との団結を拡大した。
ある単組の仲間は「仲間を能力主義で分断することを許さない」と、評価制度導入絶対反対で闘ってきた。その立場から仲間への「不祥事」を理由にした処分・免職攻撃に反撃している。「そのような事態まで追い詰められている教育労働者の現状を明らかにし、当局の責任を追及するのは労働組合の課題だ。個人の責任にするな」と教組執行部に突きつけることをとおして執行部の姿を暴き、青年教育労働者の共感と団結を拡大している。単組権力を取ることを決断し、その拠点建設の闘いとして、一つひとつの問題を地区党と教労委員会で徹底討論することによって、画次元的地平を切り開きつつある。
別の単組の仲間の職場では、連日の長時間過重労働でみんなヘトヘト、仲間が病気で倒れる現状に怒りが爆発。校長・管理職にみんなで抗議に押しかけた。その中で「17時には帰ろう」という声が上がっている。この職場の怒りを階級的団結に組織する地区党と産別委員会の力、職場で労働運動ができる党になることが切実に求められている。
労働組合の拠点建設を地区党の正面課題にすえ時代認識と路線で闘えば、必ず圧倒的な労働者を組織できる! 労働組合と党の一体的建設の闘いの軸は機関紙『前進』の読者網・活動家層をつくり出す意識的闘いだ。労働者党員が指導部となり、中央委員会−細胞、地区党、産別委員会の不断の団結の力で労組拠点建設を闘い取ろう。
〔革共同関西教育労働者委員会〕
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週刊『前進』(2604号4面3)(2013/10/14 )
2013年日誌 10月1日〜7日
米政府機関が一部閉鎖/JR北海道、非常ブレーキ不備で走行
●米政府機関が一部閉鎖 米政府機関の一部閉鎖が17年ぶりに始まった。オバマ政権が進める医療保険制度をめぐる与野党の対立が続き、1日からの新年度の暫定予算案で折り合えなかった。数十万人の政府職員が自宅待機などに追い込まれる見込み。(1日)
●消費税4月8%決定 安倍晋三首相は、消費税率を来年4月1日に現在の5%から8%に引き上げると表明した。企業向け減税や補正予算など5兆円超の経済対策も決定。(1日)
●核使用に先制対応 ヘーゲル米国防長官と韓国の金寛鎮国防相はソウルでの定例安保協議で、北朝鮮が核兵器を使用する兆候をつかんだ場合に、先制的に軍事対応することなどを盛り込んだ戦略に合意した。(2日)
●米の債務不履行、影響は「壊滅的」 「米国がデフォルト(債務不履行)した前例はなく、影響は壊滅的だ」。政府債務(借金)の上限引き上げ期限が今月中旬に迫るなか、米財務省は与野党の協議が失敗した場合の影響をまとめた報告書を公表した。報告書は、米国がデフォルトした場合「金融市場が凍結し、ドルが急落して金利が急騰し、世界中に悪影響が波及する」とした上で「2008年の金融危機(リーマン・ショック)以上の不況に陥るおそれがある」と警告した。(3日)
●TPP会合、米大統領欠席 米ホワイトハウスは、オバマ大統領が、7、8日にインドネシアで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議、環太平洋経済連携協定(TPP)首脳会合など一連のアジア歴訪を中止すると発表した。連邦政府の一部が閉鎖されたことが原因。(3日)
●辺野古「唯一の解決策」 日米両政府は都内で外交・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開き、共同文書を発表した。沖縄県の米軍普天間飛行場の返還問題では名護市辺野古移設が「運用上、政治上、財政上および戦略上、唯一の解決策」と強調し、計画推進で一致。(3日)
●汚染水、港湾外へ 福島第一原発で雨水を移していたタンクから汚染水が漏れた問題で、東電は、タンクを囲む堰(せき)の外に漏れた汚染水の一部が海に流出したと発表した。(3日)
●汚染水浄化装置、また停止 東京電力は、福島第一原発で増え続けている高濃度汚染水から放射性物質を取り除く装置ALPS(アルプス)で警報が鳴り、処理を中断したと発表した。装置はトラブルで一時停止したあと、9月末に運転を再開したばかりだが、その後の処理の中断は2回目。(4日)
●英で原発会社買収へ 東芝は、英国で原発の新設を進めるフランス、スペインの合弁会社ニュージェンを買収する方向で最終調整に入った。子会社の米原発メーカー大手のウェスチングハウスによるもので、買収額は100億円を上回る見通し。(6日)
●非常ブレーキ不備で走行 JR北海道は、札幌―網走間を結ぶ特急オホーツクの先頭車両に使っているディーゼル車1両が、自動列車停止装置(ATS)などの作動時に、通常ならば自動的にかかる非常ブレーキが機能しない状態で営業運転をしていた、と発表した。定期検査で判明した。(7日)
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週刊『前進』(2604号5面1)(2013/10/14 )
安倍政権の「大学改革」粉砕へ10・18法大闘争に総決起しよう
マル学同中核派・東北大学支部
全国学友は10・18法大集会&デモ−安倍打倒国会デモに総決起し、キャンパスにおける新自由主義攻撃を粉砕しよう。法大闘争の爆発が今秋決戦の突破口を切り開き、10・20三里塚闘争から11・3全国労働者集会の歴史的成功を手繰り寄せる。東北大学はその最先頭で断固闘いぬく。
学祭実の裏切り許さず闘う文化連盟と団結を
10・18闘争は何より、法大当局および学祭実行委(学祭実)の「自主法政祭つぶし」の現実に腹の底から怒り、法大文化連盟−3万法大生と団結する闘いだ。
この間行われてきた法大当局と学祭実による一方的な希望教室変更(企画妨害)は、「自主」「企画趣意書」「全学説明会」という彼ら自身の決めたルールを踏みにじる暴挙だったが、闘う法大生の決起で完全に粉砕された。しかし法大当局と学祭実は10月3日、またしても大学祭に向けた特定サークルのビラ数千枚をはがして廃棄するという学祭破壊に手を染めた!
“裏切り者の学祭実はいらない!”――あまりにも当然の怒りが法大キャンパス中を覆い、反撃が始まっている。「権威」と暴力で学祭つぶしを強行しようとする法大当局と学祭実に、法大生を支配する力はない。
今こそ文化連盟の出番だ! 「一人の仲間も見捨てない!」の旗をキャンパスのど真ん中に立て続けた文化連盟の存在と闘いが、法大当局・学祭実の最大の弱点だ。法大当局は、法大生の不満が文化連盟と結合することを恐れ、なりふり構わず規制・弾圧を行うが、それは文連の正義性を証明し、団結への欲求を高めるだけだ。文連が全法大生の怒りを糾合して自らを3万法大生の団結体すなわち学生自治会としてうち鍛え、発展させるチャンスが訪れている。
06年3月14日の「ビラまき規制」抗議の29人の決起から始まった法大闘争は、7年半を経て、全法大生が当局と御用学生団体への怒りで立ち上がる展望をつかめるところまで来た。闘う法大生と団結し、文化連盟の組織拡大を実現しよう。学祭実の打倒と、武田雄飛丸君(文連委員長)への「無期停学」処分撤回、自主法政祭を取り戻すことは一体だ。10・18をその出発点としよう。
「大学改革」は教育も学生も商品にする攻撃
新自由主義の破産と世界大恐慌が、大失業と戦争と革命を生み出す。米帝の「財政の崖(がけ)」問題は、一部の政府機関の閉鎖にまで行き着いた。もはや支配階級は、「自分たちの奴隷にたいして、奴隷制の内部で奴隷としての生存を保障すること」(『共産党宣言』)すらできない。安倍政権もまた、大恐慌・争闘戦の矛盾を労働者・学生に押しつけることしかできない。10・18闘争で、安倍政権への怒りを全国学生が体現しよう。
安倍政権は10月4日、「国家戦略特区は解雇特区だ!」という労働者階級の批判と怒りに直面し、規制緩和の対象を「弁護士らの専門職と大学院卒業者」に限るとした。それは、労働者人民の反撃をそらすペテンであるとともに、大学生を「立ち上がらない」対象として徹底的におとしめ、搾取の対象とする攻撃だ。学生反乱の力で一瞬で吹き飛ばせる。
安倍政権は「(今後)5年間を『大学改革実行集中期間』と位置づけ」(教育再生実行会議・第三次提言)、学生運動をたたきつぶそうとしている。これこそ、教育も学生も商品とする「教育の民営化」攻撃だ。こんな「大学改革」攻撃は粉砕する以外にない。今後5年間は、キャンパスをブルジョアジーに明け渡すか、300万学生が自らの手に実力で取り戻すかをかけた一大決戦だ。階級的労働運動と連帯する学生自治会建設運動を押し広げよう。
原発推進・学生自治破壊の里見ビジョン粉砕を
東北大学総長・里見進(医学部)は、安倍の「大学改革」を東北大で実行することを、8月7日の「里見ビジョン」で明らかにした。冒頭、「ビジョンで示した方向性は、……大学改革実行プラン〔昨年6月に文科省が発表〕の実施や第3期中期目標・中期計画の策定とも連動していく」としている。この秋、東北大では「大学改革」−「里見ビジョン」との徹底対決になる。
「里見ビジョン」は第一に、「産官学総力戦」の道を進むことを宣言した。特に反原発運動つぶしのための「産学連携」を唱え、原発推進大学の役割をかって出ている。
許しがたいのは、今年6月、「放射能の遺伝的影響はない」と主張する東北大医学部教授・室月淳を、福島県民健康管理調査検討委員会に送り込み、打倒された山下俊一(長崎大副学長)や神谷研二(広島大副学長)に代わって「人殺し」に加担していることだ。
この間、福島の子どもに甲状腺がんが疑いも含めて43人に出ている(4千人に一人の割合)。だが安倍は「健康問題については今までも、現在も、将来もまったく問題はない」と言い放った。それを支えるのが原発推進大学と御用学者だ。室月をはじめとする御用学者、東北大経営協議会メンバーの高橋宏明(東北電力会長)らをキャンパスから追放しよう。
第二に、学生運動をたたきつぶし、新自由主義攻撃をさらに進める宣言だ。「里見ビジョン」では、地下鉄東西線敷設を口実に「新たな地下鉄駅などのキャンパスの玄関となるスペースに人々が憩い交流する場を整えます」とし、サークル棟の暴力的取り壊しを狙っている。また「ユニバーシティ・ハウスの増設と学生寄宿舎のユニバーシティ・ハウス化」を13〜14年度に推進すると打ち出した。これは、東北大学の日就寮・以文寮・霽風(せいふう)寮・明善寮・松風寮・如春寮という六つの学生寮への廃寮攻撃だ。昨年の学生生活協議会で「(日就寮の)建て替えも視野に入れた」議論を当局内部で行ったことも判明した。
これは一つに、学生自治破壊攻撃だ。サークル員や寮生を蚊帳の外に置いて秘密裏に計画を進め、有無を言わせず暴力的に寮・サークル棟を廃止するものだ。「大学の主人公は学生」という思想の全否定である。
いま一つに、大学を一層金もうけの道具にする攻撃だ。「ユニバーシティ・ハウス」とは、すでに東北大で建設されている「ユニバーシティ・ハウス三条」のようなPFI(民間資金主導)型施設のことだ。家電製品はすべてレンタル制だ。学生寮をつぶして、「電化製品を使いたければ金を払え」と搾取する施設を造ろうとしている。
学生こそ大学の主人公だ!
しかし第三に、学生運動の爆発に対する恐怖の表れでもある。東北大キャンパスが怒りで覆われることに、敵は恐怖している。「大学改革」攻撃と「里見ビジョン」に対し、「学生こそ大学の主人公だ!」と対置して闘おう。学生自治会のもとに闘うサークル員・寮生を結集し、今秋決戦の爆発をかちとろう。
一切はキャンパス支配権をめぐる問題だ。妥協や交渉の余地はない。それは、国立大学法人化を根底から覆す闘い、つまり日帝打倒・プロレタリア革命勝利をつかみとる闘いだ。その闘いと一体で、強固なマル学同東北大支部を建設しよう。
10・18闘争から10・20三里塚闘争と11・3集会へ、激動と飛躍の3週間を駆け抜けよう!
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【要項】
10・18法大集会&デモ
10月18日(金)
12時40分 法政大学市ヶ谷キャンパス中央
午後1時30分 法大包囲デモ出発
呼びかけ/10・18法大集会実行委員会
10・18安倍打倒 国会デモ
10月18日(金)午後3時30分(法大デモ終了後)
JR新橋駅前SL広場集合 霞が関へデモ
呼びかけ/全日本学生自治会総連合(斎藤郁真委員長)
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週刊『前進』(2604号5面2)(2013/10/14 )
米政府閉鎖とデフォルト危機
大恐慌激化の新たな引き金
今アメリカで進行している事態は、世界の労働者階級にとって決定的な事態だ。最末期帝国主義の絶望的延命形態である新自由主義が、その総本山・米帝からついに全面的な破綻・崩壊を開始した。政府閉鎖に続き、アメリカがデフォルト(債務不履行)を引き起こせば、米国債暴落からドル暴落に発展し、世界経済に甚大な打撃を与える。〈大失業と戦争と革命>の情勢が一挙に世界に広がる。
オバマケア(医療保険改革法)をめぐる与野党の対立から新会計年度の暫定予算が成立せず、大部分の政府機関が1日から閉鎖に追い込まれた。その間、政府機関で働く労働者80万人は無給で職場から締め出され、自宅待機を命ぜられた。賃下げと失業の危機に直面する労働者階級の怒りは日に日に高まっている。影響は民間企業で働く労働者にも広がっている。
17日に国庫が底をつく
ところが、もっと巨大な恐るべき危機が迫っている。米連邦政府の債務不履行=国家破産の危機が現実化しているのだ。米政府の債務は5月時点で法定上限の16・7兆j(約1620兆円)に達した。その後、緊急措置でなんとかやりくりしてきたが、それも17日ごろに国庫は底をつく。オバマ政権は政府支出1年分相当額だけ債務上限を引き上げるよう議会に要請してきたが、野党共和党はオバマケアの予算削減を要求してこれを拒否している。6週間分だけ債務上限を引き上げる妥協案が出されているが、それはデフォルトの危機をわずかに先延ばしするにすぎない。英紙デイリー・テレグラフは、もし米政府がデフォルトを起こせば、「超新星の爆発並みの破壊力、リーマン・ショックの1000倍」「世界経済を石器時代に引き戻す」と危機感をあらわにしている。
オバマケアは、現実には医療保険会社をもうけさせるだけだ。6人に1人が医療保険にも入れず、高額の保険料と医療費のために多くの労働者が医療の機会を奪われている現実をなんら改善するものではない。それでも共和党が「増税と財政支出増大につながる」と猛反対する背景には、米帝支配階級のすさまじい危機と、階級対立の激化がある。
労働者は職場封鎖に怒りを爆発させている。AFGE(連邦政府職員連合)組合員の「ストップ・ザ・ロックアウト!」の闘いは、休業中の賃金の補償を政府に約束させた。米帝オバマ政権の歴史的な危機のもとで、アメリカ革命まで止むことのない労働者階級の壮大な決起が始まっているのだ。
米帝の経済・財政の危機は、アジアや中東で米帝支配の後退を生み出している。オバマはAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議やTPP(環太平洋経済連携協定)首脳会合に出席できず、激化する争闘戦の中で外交上の大きな敗北をこうむった。また中東・アフリカでの支配の崩壊を食い止めようと米軍特殊部隊がリビアとソマリアでイスラム武装勢力に奇襲作戦を仕掛けたが、ソマリアでは猛反撃され作戦は失敗した。
こうした事態は「もう米帝は戦争もできなくなった」ことを意味しない。その逆であり、米帝は絶望的に凶暴化し、争闘戦と戦争の政策を強めてくるだろう。それは全世界を戦争に引きずり込むものとなる。
日帝こそ最悪の破綻国家だ
日帝にとっても、米帝の危機は「対岸の火事」どころではない。日帝こそ対GDP(国内総生産)比で200%を超える世界最悪の借金国家、破綻国家だ。労働者人民に対する過酷な搾取・収奪と野放図な国債発行で生き延びているだけである。危機の深さは米帝以上だ。米帝の危機を引き金に新たな金融恐慌が爆発したら、それは日帝の金融資本を直撃し、アベノミクスなど粉みじんに吹っ飛ぶだろう。そもそもアベノミクスの「三本の矢」なるものは、連合の屈服・協力を前提としたものであり、労働者階級が団結して立ち上がれば、たちまち崩れ去るもろいものでしかない。
フランス革命でもロシア革命でも、時の政府の財政破綻は革命の引き金になった。今こそ全世界の労働者階級が団結し、大恐慌をプロレタリア革命に転化する時だ。職場拠点建設の闘いに全力を挙げ、11・3労働者集会の高揚で安倍を打倒しよう。
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週刊『前進』(2604号5面3)(2013/10/14 )
青森・むつ行動 中間貯蔵施設を弾劾
「核燃料搬入阻止」訴えデモ
10月6日、「2013年反核燃秋の共同行動」2日目の「むつ行動」が闘われた。
今回の闘いのテーマは、六ケ所再処理工場本格稼働阻止とともに、8月に建屋が完成した「むつ中間貯蔵施設」に対する闘いだ。柏崎刈羽原発の再稼働のために、貯められてきた使用済み核燃料は六ケ所再処理工場に搬出されるはずだったが、20回の完成延期で稼働せず、全国の使用済み核燃料搬入だけは続き、プールが満杯で受け入れる余地はない。そこで搬出先として造られたのが、この貯蔵施設だ。
正午、関根浜「浜の家」前共有地に県内各地や東京から80人が集まった。ここは原子力船「むつ」の母港だった関根浜港を見下ろす場所にあり、私有地と共有地合わせて2千坪を超え、県内のグループが長年買収工作と闘い、小屋と雑木林を手入れしてきた。
呼びかけ人の一人である核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会・澤口進代表が司会を務め、最初に「弘前・核に反対する会」が「浜の家」と共有地の歴史を説明し、土地を守り闘う決意を語った。次に「核の“中間貯蔵施設”はいらない!下北の会」代表の野坂庸子さんが発言。施設受け入れを進めた当時の杉山粛市長(故人)と東電との裏金問題を弾劾し、「核のゴミを子や孫の世代に残すな」と訴えた。
柏崎刈羽から来た刈羽村議の近藤容人さんは、「搬入港がある海岸の半分を私有地や共有地が占めている。大間原発の敷地のど真ん中にあさ子ハウスがある。これは大きな武器だ。柏崎刈羽原発再稼働を阻止することが中間貯蔵施設への使用済み核燃料搬入を阻止する具体的連帯行動だ」と訴えた。そして、柏崎刈羽原発がある海岸は北原白秋の童謡「砂山」に歌われたとおりの美しい海岸だったとして、この曲を自ら歌い披露した。
さらに大間現地と、むつ市の地元から発言があり、最後に呼びかけ人のあいさつが行われデモに出発した。共有地に隣接するむつ科学技術館前から、海岸沿いを中間貯蔵施設までだ。「むつ中間貯蔵施設への使用済み核燃料搬入阻止! 柏崎刈羽原発再稼働阻止!」
有刺鉄線に監視カメラ、異様な鉄筋コンクリート柱の柵で覆われた施設に怒りをたたきつけた。NAZENと8・6−8・9反戦反核実行委はともに闘いを担った。
前日青森市での集会・デモと合わせて、歴史を継承しつつ、新たな「むつ現地闘争」が打ち立てられた。 (青森・S)
(写真 中間貯蔵施設に怒りのシュプレヒコールをたたきつけた【10月6日 むつ市関根】)
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週刊『前進』(2604号5面4)(2013/10/14 )
国際労働運動 11月号
軍産学複合体を撃つ大学闘争
【特集】
日本の新自由主義的「大学改革」は「産学連携」を合言葉に強行され、大学が営利企業化・ブラック企業化している。これはアメリカを軸とする世界的な帝国主義間争闘戦の中で生まれてきた現実だ。新自由主義の最先端を行くアメリカで今年8月、オバマ政権の治安弾圧の最高責任者、ナポリターノ国家安全保障省長官がカリフォルニア大学総長に就任した。
第T章では、核開発の中心=ロスアラモス国立研究所を持ち、軍産学複合体の軸であるカリフォルニア大学が先頭に立って大学の営利企業化を進めている現実を考える。
第U章では、最末期帝国主義が延命のためにあがき、争闘戦を激化させていることが、大学経営の重大な変質をもたらしたことを明らかにする。
第V章で、レーガン反革命と新自由主義を巡る攻防の最前線に立ってきたカリフォルニア大学で、現在、権力の弾圧と帝国主義労働運動による圧殺を打ち破って決起している大学職員労組の闘いと学生運動が結合し、階級闘争全体に巨大なインパクトを与えている情勢を見ていく。
【ニューズ&レビュー】
▽欧州における鉄道民営化を巡る闘いと事故の教訓を全面的に明らかにしている。
▽9・25東京高裁判決は、 JR採用候補者名簿の不記載基準の策定が不当労働行為であることを認めざるを得なかった。
【世界経済の焦点】
安倍の「成長戦略」とは労働規制を全面的に撤廃し、首切り自由化を狙うものであることを暴く。
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週刊『前進』(2604号6面1)(2013/10/14 )
団結ひろば 投稿コーナー
タクシー労働者軸に北海道で怒りの集会 札幌 J・S
札幌で10月6日、タクシー労働者を中心に30名の結集で国鉄闘争全国運動・北海道が主催する労働者集会が開催されました。JR北海道の相次ぐ事故は、道民の大半が「できれば乗りたくない」というくらい、鉄道会社として立ち直りようのない状態です。これは氷山の一角に過ぎません。国鉄分割・民営化攻撃に始まる新自由主義攻撃の全面的な破綻です。
集会では、こうした状況に対して新たな国鉄署名と物資販売を武器に、国鉄決戦で新自由主義攻撃への大反撃に立ち上がり、11・3労働者集会に総結集することが確認されました。
動労千葉鉄建公団訴訟の藤田正人弁護士が「新自由主義下の労働法制改悪−外注化・非正規職化とどう闘うか−」と題して講演。安倍政権を全面的に批判し、「JR北海道の現状は『新自由主義はもう崩壊している』ということ。安全闘争でレールを交換させた動労千葉のような闘いが必要」と訴えました。
呼びかけ団体の自交総連北海道地連の堀川忠委員長は、「安全を無視してまで利益追求に走っているのがJR。民営化した国の責任は明らか。JR北海道の労働組合はなぜ闘わないのか。『利便性』による分断を打破して労働者は団結して闘おう」と訴えました。
札幌圏連帯労働組合の堀井克之委員長も「政治解決による分断をのりこえ、大同小異の立場で闘おう」と訴えました。
基調報告で自交総連SKさくら交通労働組合委員長の河野晃興さんは、「動労水戸の被曝労働拒否のストライキが国労郡山工場支部の闘いに引き継がれたように、国鉄闘争は必ずJRなどの青年労働者・労働者全体の反乱と一体化して発展する」「国鉄闘争を軸に労働組合の結集を実現し、11・3に総結集しよう」と訴えました。
さらに自治体労働者、今年職場に労働組合を結成した福祉労働者、全国キャラバンの山本太郎さんとエールを交換し、10・5泊再稼働阻止の岩内現地行動に参加したNAZENさっぽろから発言を受け、自交総連北海道地連の杉本一郎書記長のまとめを全体で確認しました。
沖縄で労働者集会 闘う労組結成を決意 沖縄 I
台風一過の10月6日、那覇市で国鉄闘争全国運動・沖縄主催の「今こそ闘う労働組合をすべての職場に! 民営化・外注化阻止、非正規職撤廃! 10・6沖縄労働者集会」が開かれ、新たな労働者や沖縄大学の学生が結集しました。
中部合同労組の仲間が司会を務め、国鉄闘争全国運動・沖縄呼びかけ人の崎浜秀俊さんが主催者のあいさつ。崎浜さんは「闘う青年労働者が沖縄にいることは誇り。安倍政権に対して労働組合を広め労働者の団結を広げて闘っていく姿勢をもっていくことが重要だ」と訴えました。
基調報告は郵政で働く労働者が行い、9・25反動判決を弾劾し、最高裁署名運動への取り組みを訴えました。そして新自由主義の破綻と崩壊が始まったことを指摘し、とりわけ沖縄の闘いの重要性を訴えました。新自由主義の破綻と崩壊の現実は職場にあり、絶対反対で闘うことで新自由主義を打ち破ることができると強調し、最後に11・3に向かって自らの職場で「もう一人」の仲間を獲得しようと訴えました。
基調報告を受けて、元基地労働者は「基地労働者はどう闘うべきか」と問題提起し、労働者の闘いを抑え込む連合執行部の崩壊が始まった中で、国鉄闘争がすべての労働者の未来を切り開いていくと提起しました。
NTT労働者は、「NTT西日本グループの運営体制の見直し」の中身がちゃんと知らされないままに合理化が進められていると怒りをもって暴露しました。
休憩後、職場報告が行われました。新たな職場に入ってまだ半年にもならない南部合同労組の組合員が青年労働者と女性労働者から25筆もの署名を集めたという報告は、10万筆署名の威力と可能性を感じさせました。
最後に国鉄闘争全国運動呼びかけ人の宮城盛光さんの閉会あいさつと、国鉄闘争全国運動・沖縄呼びかけ人の金城幸男さんの団結ガンバローで闘う決意を集会参加者全体で確認しました。
10・20三里塚全国集会にむけて―85年の夢 岡山マスカットユニオン H
三里塚・85年の・夢を見る 今年も10・20がやってきます。28年前のこの日、当時大学4回生だった私は三里塚第一公園にいました。そうです。85年10・20に、全学連行動隊として参加していたのです。
集会終了間際、緊張たかぶる心持ちでした。生まれてはじめての感覚かな。そして、「用意はいいか!」との熱烈たるアジテーション、また、労働者・人民の声援、大拍手で力を得て、三里塚第一公園を駆け出したのです。まさに自分自身の手により歴史を作り出そう、そう頭によぎりました。戦闘中は一歩も引かずに対峙しようと心に決めておりましたが、負傷、入院を強制されました。このような弾圧に対しては、われわれは等価報復ではなく、数倍価報復を敵に強制しなければなりません。
弾圧は・闘ってるから・やって来る 今の社会は、労働者・人民にとってむちゃくちゃなものです。三里塚闘争はもちろん、日本中、世界中の階級闘争を労働者の団結した力でかちとろうではありませんか!
労働者・生きる力は・団結だ 11・3日比谷野音で会いましょう。
大間工事1周年弾劾電源開発本社にデモ 東京 W
電源開発(Jパワー)が青森県大間町にある大間原発の建設再開を強行してから1周年の10月1日、東京銀座にある電源開発本社に対し、抗議行動が行われた。
午後3時に銀座1丁目の水谷橋公園に青森の仲間も参加し首都圏から30人が結集。「大間原発工事再開1周年弾劾! 電源開発本社包囲」デモに出発した。
この行動は「すべての原発いますぐなくそう!全国会議・青森」と「8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会」の共同で呼びかけられた。対本社デモは初めてだ。
青森や北海道の地元住民の猛反対にもかかわらず、3・11福島第一原発事故がまるでなかったかのように大間原発の建設を継続する電源開発、安倍政権。原発再稼働・建設を絶対許すな!――怒りのシュプレヒコールが銀座一帯に響き渡る。
銀座6丁目にある電源開発本社にさしかかり正門から裏門へと包囲しながら「電源開発は工事をただちにやめろ!」の抗議の声を本社ビルにたたきつけた。
その後、午後4時から開かれた大間原発工事再開1周年抗議!実行委員会主催の電源開発本社前抗議行動に合流。青森・北海道の闘う仲間たちとともに、「安全な原発はありえない」「大間原発を一刻も早く断念しろ」の要求を電源開発資本に突きつけた。
「デモをやってよかった」――これがデモ参加者全員の共通の思いだ。
フルMOXの大間原発は、日帝のプルトニウム大量生産・核武装国家化の戦略的原発だ。特定秘密保護法案の臨時国会での成立を狙う安倍政権は、「特定有害活動の防止」を名目に核兵器・ロケットなどの情報を闇に閉ざすことを宣言し、核兵器保有へ公然とかじを切った。国鉄闘争を猛然と闘い、11・3労働者集会の1万人結集をかちとり、反原発闘争の大高揚を実現していこう。
10・4金曜行動の場は安倍発言に弾劾の嵐 東京 香寺真一
10月4日夜、首相官邸前と国会前の反原発金曜日行動に参加しました。
その場は安倍首相のウソ発言弾劾の嵐でした。福島第一原発の汚染水問題に関して安倍が、IOC総会で「状況はコントロールされている」などと発言したことに関して世論調査で「そうは思わない」と答えた人が76%にも達している現実を強く実感しました。
常に参加している女性は「安倍総理の言ったことは全部ウソです。国際的にも非常に批判されている。安倍総理、発言を撤回しなさい」と弾劾しました。
若い男性は、「汚染水が湾内でブロックされているのだったら湾の中だけ水位が上がっていくだろう。そんなこと小学生でも分かる。ウソつき。何がブロックされているだ。ふざけるな」と怒りを爆発させました。
安倍はウソ発言で墓穴を掘りました。再稼働阻止は絶対に可能です。そのためにも11月労働者集会に結集しましょう。
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週刊『前進』(2604号6面2)(2013/10/14 )
機関紙活動の教訓 東北地方委
時代認識と路線での一致を拡大闘争の実践にまで高め
わが地方委員会でも担当者会議を立ち上げ
昨年の第1回全国機関紙担当者会議での提起を受けて、わが東北地方委員会でも機関紙担当者会議を立ち上げた。機関紙担当者に労働者指導部が屹立(きつりつ)し、隔月のサイクルで担当者会議が定着してきた。同時に地方委員会の常任会議でも毎月、機関紙活動の状況についての報告・総括を行うようにした。
担当者となった労働者同志と常任同志が一体になって機関紙活動の実態を掌握することが機関紙拡大の土台である。
機関紙担当者会議を定期的に開催することは、機関紙活動を中心とした党活動への変革の推進軸である。機関紙担当者自身が階級の指導部として飛躍すること、担当者自身が時代認識と路線の体現者として登場することである。
そして、時代認識と路線での一致は、実践的に『前進』の拡大で一致するところまで高められなければならない。そのような機関紙担当者会議として毎回の会議をかちとっていくことだ。
機関紙担当者会議の定期的開催のもとで、各県委員会において機関紙活動・機関紙拡大闘争を軸にした会議へと変革が始まっている。
A県委員会では、12年後期は機関紙活動の実態掌握と月曜配布体制の確立、そのための「革共同の機関紙活動」パンフの読み合わせを全力で行った。さらに、第2回全国機関紙担当者会議を受けて13年前期からは、月末の県委員会で集約表を各細胞キャップに配布し、細胞会議を受けて翌月最初の県委員会で集約すると同時に、前々月の総括論議をするというサイクルを確立してきた。このサイクルの確立と一体で、細胞会議での機関紙活動をめぐる討論が始まっている。
団結組織する月曜配布体制
第1回全国機関紙担当者会議で月曜配布体制が提起された。点検してみると、半数くらいは月曜日に受け取っているが、それ以外は火曜日、水曜日と遅れている現状であった。会議の時に初めて受け取る同志もいた。
機関紙活動の土台は月曜日(発行日)にきちんと党員と読者の手元に渡ることである。配布活動こそ機関紙活動を軸とした党活動の基本であり、ものすごい価値創造的な闘いであることをはっきりさせてきた。資本の攻撃と対決し、職場で配布活動を行うことは、読者と細胞の団結による以外になく、配布活動こそ団結を組織していく、共同性を奪還していく決定的闘いである。
『前進』を職場の仲間に大胆に提起し拡大する
機関紙活動の変革という場合、その具体的実践は職場の同僚に『前進』を配布することである。「『前進』を出すのはためらってしまう」と言っていたマル青労同の同志を先頭に、この1年で職場の同僚に『前進』をストレートに提起するという決起が始まっている。
B県の青年同志は、地区党での議論を通して、常任同志と一体となって同僚に『前進』を初めて持ち込んだ。C県の郵政青年労働者も、職場の非正規の青年労働者に『前進』を渡し、議論が始まっている。地区党と細胞での議論の中で決起がつくりだされている。
また、そのような立場への飛躍によって『前進』への投稿がものすごい積極性をもった闘いとして取り組まれてきている。自分の職場報告が「闘いは進む」に掲載されることによって、「自分がこれを書いたから読んでほしい」と職場の仲間に『前進』を渡せるようになっている。同志のほとんどが職場では一人であっても、地区党・細胞での討論と団結の力に依拠した時に機関紙活動への全党総決起がつくられる。1万人読者網建設は、まさに地区党建設そのものであり、細胞の団結づくりそのものである。
自治体・郵政で具体的な実践
13年前期で特徴的なのは、A県委員会における自治体・郵政での拡大である。D市職労での拡大の土台には、「動労千葉を支援する会」での『甦る労働組合』(中野洋著)や『戦後労働運動と反合・運転保安闘争』(労働者学習センターブックレット)の学習会の継続、それと一体での動労千葉物販や10万筆署名の取り組みがあった。それらを土台として、7・8%賃下げ攻撃−4・26自治労ストライキをめぐる攻防の中で独自フラクションを立ち上げ、本部のネグレクト方針と対決して闘いぬき機関紙拡大として結実させた。さらに、地区党としてD市職労拠点化に向けて、定期的な職場前街宣を開始し、署名をしてくれた人には宣伝紙として配布している。
郵政のE局においても「支援する会」結成以来、月1回のフラクションを積み重ねてきた。何よりも、職場での事故問題をめぐる細胞・県委員会での徹底討論を通して、職場の労働者に依拠するというマルクス主義、動労千葉労働運動への確信を打ち固め、体制内執行部の批判勢力としてのあり方から脱皮して、自分たちこそが分会権力を再建し、支部権力に挑戦していくという決断をしたことが決定的だった。
拡大した青年労働者は、山本太郎氏選挙の報道号の読み合わせと渋谷駅頭での選挙フェスの動画を見て、「山本さんは反原発だけだと思っていたけど、労働問題も言っているのは初めて知った」と議論になった。オルグした同志は最初は「月1500円は高いと感じるかな」と思っていたが、「1日50円、自爆営業ではなく『前進』を買って読んでほしい」と訴えて、その場で拡大を実現した。
合同一般では、組合加入を決断した青年に間髪入れずに『前進』購読を提起して、マル青労同への結集をかちとった。そもそもの出会いは、3・11大震災を口実とした資本による組合つぶし攻撃に対して当該の同志と地区党、マル青労同の同志が一体となって職場門前街宣に登場したことであった。そこでの討論をきっかけに交流を積み重ね、今年の春闘集会への参加を通して合同労組への加入を決断した。
F県委員会では、今年の3・11福島現地行動やふくしま共同診療所建設をめぐる激しい党派闘争の中で、機関紙の拡大を実現している。『共産主義者175号』の3・11特集論文を読み込み、3・11福島現地行動に向かう過程で毎週連載された福島特集を毎号配布し、その中で定期購読を決断してくれた。さらに地区党の討論を通して、JR職場に数十部の『前進』が配布され、青年労働者への定期的な配布が開始されている。
また階級的労働運動の推進と一体で、全戦線の総決起が始まっている。とりわけ、反革命スパイ・荒川打倒の闘いは決定的であった。長年の星野闘争支援者が荒川打倒に衝撃を受けながらも、徳島刑務所闘争へのカンパとあわせて革共同へのカンパも寄せてくれ、『前進』も定期購読になった。地区党として戦線の闘いを位置づけて実現した勝利であり、階級的労働運動路線の豊かな発展への挑戦である。
さらに学生戦線では、拠点大学のサークルや寮に宣伝紙を大量に持ち込むことを通して、『前進』を読んだ学生が全学連大会に参加している。
地区党と細胞が団結し実践すれば拡大は可能
『前進』1万人読者網建設に向けた課題は何か。
第一に、機関紙担当者会議を目的意識的にかちとることである。一回一回の機関紙担当者会議を成功させることによって、地区党・細胞での機関紙活動をめぐる討論も白熱化してくる。
第二に、月曜配布体制を目的意識的に闘いとることだ。月曜日に『前進』を受け取り、読み、配ることが党活動の土台に据えられなければならない。ここで強調したいことは、機関紙を読むということだ。新自由主義による激しい労働強化で、読む時間がない、クタクタになって読めないという党員も少なくない。忙しいからこそ『前進』を読む時間を地区党・細胞の団結の力でかちとっていくことだ。
第三に、宣伝紙の圧倒的活用である。「隠して渡すもの」というあり方からの抜本的な変革である。地方委員会で毎月1千部の宣伝紙を使いきること、そのために対象者を決めて3カ月間の配布を継続することを通して、機関紙2倍化をかちとることは可能だ。
全党員が「数部の『前進』を常に持ち歩く」ことから始めよう。
第四に、機関紙を拡大するためにはオルグすることである。自然発生的に機関紙が増えることはない。まずオルグの時間を設定すること自体も目的意識性なしにはできない。さらに読者会を建設することである。学習会や読者会で読み合わせをしないと、定期購読にはなったが「読む時間がない」となってしまう。
第五に、地区党と細胞の団結こそが、機関紙拡大の一切である。
13年前半期の機関紙活動の最大の総括は、地区党と細胞が団結して機関紙活動を実践すれば、圧倒的に拡大は可能だということである。
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週刊『前進』(2604号6面3)(2013/10/14 )
【集会要項】10・31狭山集会
寺尾無期判決39カ年糾弾! 狭山第3次再審勝利!
新自由主義と闘う新たな部落解放運動を!
10・31狭山集会
東京 10月26日(土)午後6時30分開場
きゅりあん・大会議室(JR・東急大井町駅)
主催 部落解放東日本共闘会議
関西 10月31日(木)午後7時
西郡第3集会所(八尾市幸町5丁目)
主催 全国水平同盟西郡支部/八尾北医療センター労働組合/関西労働組合交流センター
広島 10月31日(木)午後7時
広島市西地域交流センター(旧西隣保館)
主催 部落解放広島共闘会議
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