ZENSHIN 2013/09/30(No2602 06p)

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第2602号の目次

判決を前に組合員と支援が裁判所前で集会を開き、東京高裁に向かってシュプレヒコール(9月25日 千代田区霞が関)

1面の画像
(1面)
9・25高裁判決弾劾! 新たな10万筆署名へ  全解雇者をJRに戻せ
11・3労働者集会と拠点建設で崩壊する新自由主義と対決を
10・20三里塚現地闘争に立とう
記事を読む  
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審  「不記載基準は不当」認定
“最高裁で解雇撤回させよう”(9月25日)
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
【要項】10・20三里塚全国総決起集会、11・3全国労働者総決起集会 記事を読む  
(2面)
JR北海道 267ものレール異常を放置
安全を崩壊させた元凶は分割・民営化と外注化だ
記事を読む  
東京・足立区 行政職も丸ごと民営化  解雇・出向・転籍うち破ろう 記事を読む  
米デトロイト市の破産
破産申請は生きる権利奪う攻撃 公務員先頭に階級的反撃始まる(大迫達志)
記事を読む  
(3面)
解雇・総非正規化・大増税の安倍倒せ  来年4月から消費税8%へ
財政危機を労働者に責任転嫁 大恐慌下で国家はすでに破綻
記事を読む  
政労使会議 連合指導部とり込み  「デフレ脱却」安倍と唱和 記事を読む  
「解雇特区」の創設狙う  「首切り自由」残業代もゼロ 安倍は大資本の先兵 記事を読む  
闘いは進む 青年の職場から
福祉  「追い出し部屋」に負けず団結を拡大  関東 東谷俊三
記事を読む  
(4面)
「福島で甲状腺がん多発」認めず内部被曝による健康被害を隠す
検討委・鈴木眞一(福島医大)を許すな(河東耕二)
記事を読む  
砂礫層と地下水に浮く原発
3・11以来大量の汚染水 安倍の言動は大犯罪だ(9月19日)
記事を読む  
高濃度汚染の開催地  東京五輪に群がる安倍・猪瀬 記事を読む  
安倍居直り発言に怒り  9・20官邸前行動
全原発停止を祝う声も(9月20日)
記事を読む  
2013年日誌 9月17日〜23日
安倍、消費税8%を決定へ/ドイツ、メルケル与党大勝
記事を読む  
(5面)
全国から10・18法大へ
全学連大会の地平を発展させ新自由主義うち破る自治会を
革共同中央学生組織委員会
記事を読む  
焦点
「出口戦略」の発動を見送り  進むも退くも地獄の米経済
記事を読む  
団結街道裁判 “前例なき道路廃止だ”  NAA・成田市を徹底追及(9月24日) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
「秘密保護法」絶対阻止へ
情報統制と治安弾圧の強化で  戦争体制構築狙う安倍
記事を読む  
“住宅つぶし許さない”  大阪・西郡住宅裁判闘争
3証人が八尾市を徹底弾劾(9月19日)
記事を読む  
『愛と革命』を多くの人に  無期刑うち破る感動の書  星野さん奪還へ絶好の武器 記事を読む  

週刊『前進』(2602号1面1)(2013/09/30 )

 9・25高裁判決弾劾! 新たな10万筆署名へ

 11・3労働者集会と拠点建設で崩壊する新自由主義と対決を

 全解雇者をJRに戻せ

 11・3労働者集会と拠点建設で崩壊する新自由主義と対決を

 10・20三里塚現地闘争に立とう

 1047名解雇撤回闘争の勝利をめざす動労千葉の鉄建公団訴訟で9月25日、東京高裁(難波孝一裁判長)は、動労千葉争議団9人の「解雇撤回・JR復帰」の訴えを退ける反動判決を下した。断じて許すことはできない。国鉄闘争全国運動は翌26日、呼びかけ人会議を開き、最高裁段階で絶対に勝利するために、「解雇撤回・JR復帰」の第2次10万筆署名運動を全国でさらに展開することを決定した。「今こそ全解雇者をJRに戻せ!」の声を全国に広げよう。その最大の突破口として、動労千葉、関西生コン支部、港合同の3労組と国鉄闘争全国運動が呼びかける11・3全国労働者集会の1万人大結集に向け、1カ月間のオルグ戦に総決起しよう。党と労働組合の一体的建設、労組拠点建設の前進のために闘おう。

 14年最高裁決戦に向けて闘いの火ぶた切られた

 9・25判決は、国鉄当局が「差別して不利益にあつかう目的、動機(不当労働行為意思)のもとに、本件名簿不記載基準を策定し」たことを明確に認めた。それでも苦し紛れのペテン的言辞で、解雇は有効と強弁した。しかしこれは、まったく道理に合わない。動労千葉の闘いに追い詰められながら、ただただ「分割・民営化は正しかった」と言い張るための政治的判決でしかない。
 しかし、一審の白石判決と同様に、東京高裁・難波裁判長が国鉄当局の不当労働行為を認定せざるをえなかったことは決定的である。動労千葉の田中康宏委員長は判決後の集会で、「問答無用の切り捨て攻撃を押し返したのは、4万4千筆の全国の仲間の支援の力だ」と述べた。そして「これからが勝負だ。歩みを止めてはならない」と全員の奮起を訴えた。
 いよいよ2014年の最高裁決戦に向け闘いの火ぶたが切られた。「不当労働行為である以上、結論は原状回復以外にない。全解雇者を職場に戻せ!」――この声を、6千万労働者階級全体のものとしよう。第1次署名運動を超える怒りと勝利の確信に燃え、第2次署名運動を全国の職場で圧倒的に展開しよう。その突破口が11・3労働者集会だ。
 国鉄闘争10万筆署名運動は、不当解雇撤回の階級的正義を武器に、すべての産別・職場に闘う労働組合をつくり出していく運動である。国鉄分割・民営化の時にまだ生まれていなかった青年労働者に、動労千葉の闘いや階級的労働運動の息吹を持ち込み、青年が生き生きと闘う労働組合をつくり結集する絶好の契機となっている。そのことがこの間の署名運動で圧倒的に実証された。
 国鉄闘争には全労働者の未来がかかっている。来年の最高裁決戦で勝利すれば外注化・非正規職化の流れにくさびを打ち込み、労働者の反転攻勢の流れをつくり出すことができる。9・25高裁判決を怒りをこめて弾劾し、新たな10万筆署名運動に取り組もう。

 分割・民営化が事故の元凶

 JR北海道の相次ぐ事故・脱線とレール異常の多発は、絶対に許せない超重大事態だ。それは9・25判決の反動性・破綻性と根っこはひとつであり、国鉄分割・民営化と新自由主義攻撃の反労働者性、破綻を突き出している。一切の元凶は分割・民営化の強行にあり、JR総連カクマルを先兵化し、闘う労働組合を解体した結果である。
 北海道では保線部門で多くの国労組合員の首を切り、職場から追放し、人と技術の継承を断ち切った。民営化後もJR北海道はメンテナンス部門の外注化や要員削減を強行し、1万4千人いた社員を半減させた。それを助けたのが国交省による線路・車両の検査周期等の規制緩和だ。政府・国交省も同罪なのだ。JR資本の手先となってきたJR総連カクマルの裏切りと犯罪性、国労本部の屈服も許せない。
 これは北海道だけの問題ではない。何よりもJR西日本では尼崎事故が起きた。JR東日本も外注化や要員削減でレール破断や車両故障・事故を多発させている。これに対して動労千葉は、国鉄分割・民営化にストで対決し、JR移行後も反合・運転保安闘争を原則的に闘い、レールの交換を当局に強制してきた。「闘いなくして安全なし」。今こそ全鉄道労働者は、JRの安全破壊と外注化に反撃し闘おう。
 動労千葉は、組合破壊を狙った構内計画業務の外注化攻撃粉砕へ、10月1日にストライキで反撃に立つ。団結しともに闘おう。

 新自由主義の崩壊が全面的に始まっている!

 内外情勢の危機と激動は、新自由主義の破綻・崩壊が完全に始まったことを示している。大恐慌は大失業と戦争と革命を生み出している。これらは別々のものではなく全一体をなしている。だからこそ労働者階級の闘いの決定的な飛躍が求められているのだ。
 シリア情勢は、大恐慌下のエジプト革命が中東全体を揺るがしていく中で行き着いた、内戦のすさまじい激化である。エジプト革命が幾多の試練、曲折をたどりながら全中東のプロレタリア革命に発展していく途上での、ひとつの階級闘争過程である。
 重要なことは、米帝の中東支配が根底から崩壊し、情勢がコントロールできなくなっていることだ。それでも米帝にとって中東は依然として石油資源の最重要地域であり、力でねじ伏せ続けない限り石油市場は大動揺し、破局的な危機が到来してしまう。
 米帝のシリア空爆策動は、いったんは断念に追い込まれたが、米帝の侵略戦争は早晩不可避だ。この時に求められるものは国際プロレタリアートの一大決起である。
 米帝の危機を示すもうひとつの事態は、量的金融緩和からの「出口戦略」の発動ができなかったことだ。湯水のように市場に資金を流す量的緩和をこのまま続ければ、金利上昇、米国債暴落、ドル暴落は必至という危機感から「出口戦略」が模索されてきたが、今の状態でこれを発動すれば、大不況の長期化にたたき込まれてしまうという絶望的ジレンマに、米帝は立たされている。
 進むも退くも地獄という状況の中で、米帝は絶望的に危機を深め凶暴化していく。長期大不況化→争闘戦激化→世界経済の分裂化・ブロック化はいよいよ避けられない。
 最も危機を深め20年東京五輪策動で突破しようと攻撃を強めているのが日帝・安倍政権だ。安倍の「成長戦略」の核心は、解雇規制の緩和=首切り自由と団結破壊、一層の搾取の強化である。労働時間規制撤廃や残業代ゼロで、労働者を奴隷のように働かせる「解雇特区」など、どうして許せるか! 労働者の怒りは地に満ちている。公務員大幅賃下げと自治体業務の外注化・非正規職化は、同時に自治労・日教組の解体を狙う大攻撃である。国鉄決戦と一体の闘いとして公務員決戦を闘いぬこう。
 「福島原発はコントロールされている」「汚染水は完全にブロックされている」「健康問題はまったく問題ない」と全世界に大うそをつく安倍を断じて許すな! この厚顔と凶暴性、無責任さが日帝・安倍の正体だ。国鉄決戦=公務員決戦と反原発決戦の全人民的爆発で、日帝・安倍政権打倒へ進もう。
 10・20三里塚闘争に総決起し、市東さんの農地を絶対に守り抜こう。

 青年労働者こそ地区党建設の最先頭で闘おう

 新自由主義の破綻・崩壊の本格的始まりと〈大失業・戦争・革命>情勢の進展は、革共同に労働者党としての大飛躍と変革を求めている。70年安保・沖縄闘争や反革命カクマルとの正義の戦争に全党が決意を固め猛然と突っ込んでいったのは、そこに全労働者階級の未来がかかっていると確信したからだ。今こそ、その時をも超える飛躍の決意と決断をもって、党と労働組合の一体的建設、組織拡大と拠点建設に総決起していこう。
 全労働者階級にとって、闘う労働組合が職場に絶対に必要だ。生きるために誰もがそれをつくり、闘うことのできる団結体、それが労働組合だ。動労千葉、関西生コン支部、港合同のような闘う労働組合を全国の職場につくろう。その闘いの前進をかけて、11・3労働者集会への1万人大結集をかちとろう。
 とりわけ青年労働者が地区党建設、拠点建設の先頭に立とう。その中から党と階級の指導部を生み出そう。労働者階級の中に『前進』を大胆に持ち込み、バラ売りや宣伝紙も活用し、『前進』で職場を組織しよう。そして恒常的な1万人の読者網を建設しよう。

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週刊『前進』(2602号1面2)(2013/09/30 )

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審

 「不記載基準は不当」認定

 “最高裁で解雇撤回させよう”

 「解雇は有効」の反動判決に怒り

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の判決言い渡しが9月25日、東京高裁第12民事部(難波孝一裁判長)で行われた。動労千葉争議団9人の訴えを退け国鉄清算事業団による90年4月1日解雇を有効とする判決が出された。
 他方で難波裁判長は、国鉄当局が名簿不記載基準を策定・適用し、原告らを採用候補者名簿から排除してJR不採用としたことについては、一審と同様、不当労働行為と認定し、鉄道運輸機構に慰謝料500万円の支払いを命じた。損害賠償請求権に関する消滅時効を主張した鉄道運輸機構の主張も退けた。
 この日の裁判には、解雇当該を先頭に動労千葉組合員と支援、約200人が集まった。傍聴席に入りきれない多くの支援者が法廷外の廊下まで埋め、固唾(かたず)をのんで判決を待った。
 法廷に現れた難波裁判長は表情をこわばらせたまま主文を読み上げた。反動判決だ! 「解雇撤回以外にありえないだろう!」「逃げるな!」。傍聴席から鋭い弾劾の声が上がる。難波は傍聴席を見ることもできないまま脱兎(だっと)のごとく背後の扉から逃げた。

 「解雇撤回」の結論逃れる詭弁

 判決は、改革労協(現JR総連)に突き上げられた国鉄当局が〈停職6カ月または停職2回以上〉という名簿不記載基準を策定し、動労千葉組合員などを名簿から排除したことについて、原判決を踏襲し「国鉄分割・民営化に反対する姿勢を示していた労働組合に属する職員を、このような労働組合に所属していること自体を理由として、差別して不利益にあつかう目的、動機(不当労働行為意思)の下に、本件名簿不記載基準を策定」したと認定した。
 採用手続きの核心部における不当労働行為を認定したのなら、現状回復=解雇撤回が絶対の原則だ。原告が採用候補者名簿に記載されていたものとして扱い、JR東日本職員としての地位を確認するしかないはずだ。
 にもかかわらず難波裁判長は、仮に名簿不記載行為が行われなかったとしても原告が「採用候補者名簿に記載された上、JR東日本に採用されたはずであるとの証明はいまだなされていない」と強弁し原告の訴えを却下した。そして、一審判決の、JR不採用から3年間の賃金差額(JRで働いていた場合と清算事業団在籍時の賃金差額。1人あたり約240万円〜127万円)の支払い命令も取り消した。
 しかし現実には採用候補者名簿に記載された職員は例外なくJRに採用されている。判決は詭弁(きべん)そのものだ。
 その上で難波裁判長は「本件不記載行為がなければ原告らがJR東日本に採用されたはずであるとまでは認められないものの、本件の事実関係の下では、原告らが採用された可能性は相当程度あったことも否定できない」とし、JRに採用されることへの期待を侵害したことに対し慰謝料500万円の支払いを鉄道運輸機構に命じた(原判決は慰謝料300万円)。

 大反動を運動の力で押し返した

 総括集会で動労千葉弁護団長の葉山岳夫弁護士は、判決のポイントを解説した上で「昨年の一審判決以降、小玉忠憲さんの鉄道運輸機構訴訟控訴審の反動判決、一審判決を出した白石哲裁判長の更迭、さらに先日の9月10日には小玉さんの裁判の上告棄却で牽制(けんせい)するなど大反動の中での闘いだった。解雇撤回には至らなかったがさすがの難波裁判長も不採用基準の不当労働行為性は認めざるをえなかった」とし、上告して闘う方針を明らかにした。
 動労千葉の田中康宏委員長は「判決は『解雇撤回』の4文字を逃れるためだけの理屈もへったくれもない作文だ。500万円の慰謝料を取るために26年間闘ってきたのではない。国鉄分割・民営化以来、労働者が受けてきたひどい現実をなんとしても覆したいという思いで闘ってきた。しかも、暴かれた国鉄分割・民営化の真実を一顧だにせず、一人の証人も調べずにこんな判決を出した。腹の底から怒りが沸いてくる」と怒りをあらわにした。その上で「難波裁判長の階級的使命は問答無用でなにもかも切り捨てることだった。それを押し返したのは最終的に4万4286筆に達した署名を始めとする闘いの力だ。この判決を手がかりに反動の牙城=最高裁を突き崩して解雇撤回をかちとり、安倍がやろうとしていることも全部ぶっとばそう。その可能性を大いに感じています」と述べ、11・3労働者集会1万人結集を突破口とする新たな決戦への決起を呼びかけた。
 当該の高石正博さんは「不当労働行為だったのなら原職に戻るのは当たり前だ。そのことを一生懸命訴え、物販と署名で全国を回る」と述べ、中村仁さんも「『不当解雇であっても金で解決できる』という判決を確定させるわけにはいかない。分割・民営化以来の攻撃を押し返し、若い人たちが労働者としての誇りをもって生きていける道筋をつけたい」と述べた。
 組合員と支援者が次々と発言し、最後に動労千葉の長田敏之書記長が、10・1外注化阻止の闘いと11・3労働者集会への総決起を訴えてこの日の闘いを締めくくった。
(写真 <上>判決を前に組合員と支援が裁判所前で集会を開き、東京高裁に向かってシュプレヒコール【9月25日 千代田区霞が関】 <下>総括集会で葉山岳夫弁護士の解説に聞き入る参加者【港区虎ノ門】)

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週刊『前進』(2602号1面3)(2013/09/30 )

前進速報版から 前進速報版から

▼動労千葉鉄建公団訴訟控訴審判決▼「10・18法大闘争へ!」法政大で開講日闘争▼三里塚団結街道裁判、「前例なき道路廃止」追及

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週刊『前進』(2602号1面4)(2013/09/30 )

【要項】10・20三里塚全国総決起集会、11・3全国労働者総決起集会

多見谷判決徹底弾劾! 市東さんの農地を守ろう! TPP絶対反対!
 福島・沖縄の怒りとともに闘おう! 軍事空港粉砕・改憲阻止!

 10・20三里塚全国総決起集会

 10月20日(日)正午 成田市東峰 反対同盟員所有畑
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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 今こそ闘う労働組合を全国の職場に!

 11・3全国労働者総決起集会

 11月3日(日)正午 東京・日比谷野外音楽堂
 呼びかけ/全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動
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 11・4労働者国際連帯集会
 11月4日(月)午後1時開会/ 千葉商工会議所第1ホール(千葉中央ツインビル2号館14階)

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週刊『前進』(2602号2面1)(2013/09/30 )

 JR北海道 267ものレール異常を放置

 安全を崩壊させた元凶は分割・民営化と外注化だ

 9月19日にJR北海道の函館線大沼駅構内で起きた貨物列車脱線事故を契機に、マスコミで「レールの異常を97カ所も放置した」「補修の先送りは日常的」「JRに旅客鉄道の資格なし」などと報道されている。公表された事実だけでも「レール幅の許容値以上の拡大を確認しながら1年以上も放置した」「レール異常は特急が走る本線を含めて97カ所もある」ことが判明し、25日にはさらに約170カ所でレール異常が見つかったと発表された。JRは旅客や労働者の命を奪う殺人企業だ。国鉄分割・民営化とその後の人減らし・外注化が安全を根本的に破壊したのだ。
(図 異常の放置が判明した路線)

 貨物列車脱線の大事故

 JR北海道函館線の大沼駅構内で9月19日、18両編成の貨物列車のうち4両が脱線する大事故が起きた。JR北海道ではこの間、特急列車の炎上や脱線などの重大事故が相次いでいるが、ついにレールの危険個所放置による脱線事故に行き着いたのだ。これは国鉄分割・民営化が鉄道の安全をぶち壊した「犯罪」であることを明白にした。
 JR北海道の野島誠社長は22日の記者会見で「レール異常の放置が97カ所ある」「当該個所の異常を1年放置していた」と公表した。前日の21日には保線の責任者である笠島雅之・取締役工務部長が「本線は本社と現場で二重チェックしている」と述べていたが、野島社長はその説明も翻し、「(本線管理は)すべて現場任せだった」「本社では調べていなかった。チェックが行われているという思い込みがあった」と認めた上で、「決められたことをきちんとやってない現場が複数あった」と責任を現場に押しつけた。
 25日には、新たに170カ所のレール異常の放置が明らかになり、総計は267カ所になった。
 JR北海道は一言も触れないが、今年6月25日に根室線で起きた保線下請け労働者の死亡事故が保線作業の実態を端的に示している。予算も人員も確保せず作業を下請けに丸投げして、労働者の尊い命を奪ったのだ。

 北海道だけではない!

 レール状態の基準を超える異常が報告されながら、267カ所も放置してきた――背筋の凍る事態だ。19日の貨物列車脱線事故の現場付近では、レール幅が許容基準値の約2倍近い最大37_まで広がっていたことも判明している。
 なぜ、こんな事態になったのか。現場労働者の「補修の先送りは日常的」「ヒトとカネを削られ余力がない」「予算の制限から、朽ちた枕木を満足に交換できないことも多々ある」「この15年ほどで社員の数が3分の2ほどに減った」「経験による技術力でカバーして最低限の安全は確保してきたが、ベテラン社員の不足でそれも低下している」などの声が新聞でも報じられている。
 JR北海道は、現場にあふれるこれらの危機感を一言も聞かず、逆に「保安費削減」の言葉で握りつぶしてきたのだ。
 JR北海道の乗務員は、「第2の尼崎事故」が起こりかねないことを肌身で感じている。9月7日に運転士が自動列車停止装置(ATS)を壊した事態も、強権的労務管理によって追い詰められた結果だ。まさに尼崎事故と同じだ。
 これはJR北海道に限ったことではない。国鉄労働者1047名の首切りの結果生まれたJR体制全体の本質だ。1047名の解雇が、安全崩壊の出発点だったのだ。
 重大事故が続いたJR北海道は、7月以降、事故再発防止のノウハウをJR東日本から学ぶとして、両社の幹部同士の会合などを行ってきた。だが、JR東日本こそ、業務の全面的な外注化によって鉄道の安全を破壊している張本人だ。
 JR東日本でも、01年以来の保守部門の外注化によりレール破断が続発し、動労千葉は安全運転闘争に立って危険個所のレールをJRに交換させた経緯がある。
 昨年10月1日、JR東日本は車両の検査・修繕という安全の要をなす業務を、技術も経験もなく請負資格もない清掃主体の子会社に外注化した。駅でも外注化・非正規職化が進められ、ホーム要員は削減されて、日常的に起きる異常事態に対応できなくなっている。
 昨年10月の検修外注化以降、JRの管理者には無責任体質がはびこっていると動労千葉は指摘している。
 トンネル内で列車が炎上した11年5月の石勝線事故後、JR北海道は「安全性向上のための行動計画」を策定した。そこには、「外部委託業務について、当社の側に、受託会社に業務内容を的確に伝え責任を持って管理しようとする意識が弱く、受託会社の多くがグループ会社であるという甘えもあり、役割分担が不明確な状態にありました」と書かれている。これ自体、偽装請負を自認するものだが、ここで言われている無責任状態は、外注化が不可避にもたらしたものだ。
 「安全性向上のための行動計画」が真っ先に挙げている対策は「ルールを守らせること」だったが、現場に一切の責任を押しつけるあり方も、JR全社に共通している。
 経営基盤が弱いJR北海道は、極限的な外注化と人員削減を他のJRに先んじて強行してきたが、JR東日本を始めJR各社が、同じ道をひた走っているのだ。
(表 部内原因による輸送障害事故)

 規制緩和した国交省も同罪

 安倍政権や国土交通省はJR北海道を「極めて悪質性がある。組織体質的な問題もある」などと非難した。事態の深刻さに驚愕(きょうがく)した国土交通省はJR北海道にレール異常の点検・補修を指示し、21日から始めた特別保安監査を27日まで延長した。
 しかし、国土交通省はJR各社の中でも北海道は事故発生率が突出していることをかねてから知っていた。別表は、国土交通省が作成した統計に基づくものだ。列車走行百万`メートルあたりの事故発生率は、大手私鉄15社合計の10倍を超えている。12年度は、13年2月までの集計でも事故発生件数は165件で、過去最悪になった。この現実は、国鉄分割・民営化がもたらしたのだ。国鉄分割・民営化を企画し実行した国土交通省(運輸省)にも責任があることは明らかだ。
 しかも、国土交通省が進めてきた線路や車両の検査周期の延伸などの規制緩和が、「異常放置」の温床となったのだ。今まで以上のむちゃくちゃな規制緩和を「成長戦略」の柱に据える安倍政権も、また同罪だ。

 反合・運転保安闘争を

 JRの合理化・外注化をそのまま受け入れてきたのがJR総連・JR連合であり、国労本部だ。事故の責任の半分は、合理化と闘わない労組幹部にある。JR総連・東労組は、会社の責任を問うことも一切なく、事故原因は「注意力の散漫」だとして、「体調管理」と「業務集中」を呼びかけている始末だ。
 現場労働者の怒り、叫び、うめきを圧殺してきた労組幹部の罪は重い。闘わなければ現場労働者も乗客も殺されるのだ。
 反合理化・運転保安闘争こそ外注化・非正規職化阻止闘争の中心軸である。それは新自由主義攻撃を打ち破る最強の武器であり、「生きさせろ」の闘いそのものだ。全労働者にとって事故は「明日は我が身」である。「闘いなくして安全なし」を合言葉に全職場から声を上げよう。
 動労千葉・動労総連合は10・1検修外注化の拡大に対し、闘争態勢を固めて果敢な闘いに立ち上がっている。
 動労水戸と国労郡山工場支部は、汚染車両K544の検修作業を行わせようとするJRと非妥協的に対決して闘いぬいた。それは、被曝労働を強いられている原発労働者との連帯を体を張って貫く闘いだ。国労郡山工場支部の闘いは、国労本部を打倒し国労を変革する大運動の始まりだ。
 青年労働者は階級的連帯を求めて闘い始めている。動労千葉、動労水戸、動労西日本への青年の加入がその現れだ。青年は絶対反対の確たる闘いを求めている。一人の青年の決起は社会全体を揺るがす。JR総連カクマルを打倒し、職場から闘う労働組合をつくり出そう。
 国鉄1047名解雇撤回闘争を基軸に国鉄分割・民営化攻撃=新自由主義攻撃に決着をつける時が来た。11・3全国労働者総決起集会に集まり、全国・全世界の労働者と団結し、労働者の命を奪う新自由主義を打ち倒そう。

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週刊『前進』(2602号2面2)(2013/09/30 )

 東京・足立区 行政職も丸ごと民営化

 解雇・出向・転籍うち破ろう

 東京・足立区当局は、来年度から国民健康保険と会計・出納業務の民間委託に踏み切り、行政職をも「聖域」としない丸ごと民営化・外注化に突進しようとしている。JR外注化阻止決戦と一体で、大量解雇=出向・転籍、10割非正規職化攻撃との全面激突の時が来た。
(表 足立区が示した専門定型業務の例)

 「人件費削減」を掲げ来年度実施

 東京・足立区の近藤やよい区長は9月6日、来年度から国民健康保険業務と会計・出納業務の大部分を民間に委託する考えを示した。さらに戸籍や介護保険、税関連補助、設計・積算・検査、調査統計、地籍調査、行政委員会事務局、窓口業務全体にまで拡大しようとしている。(表参照)
 これまで全国で、人件費削減・効率化を掲げて学校給食の調理や庁舎の清掃、電話交換、設備運転などの外注化が強行されてきた。多くの現業系職員が職場を失い、慣れない窓口業務や事務などに異動させられて追いつめられ、退職を余儀なくされてきた。足立区では現業を中心に民営化・外注化・非正規職化を進め82年に約5800人いた職員は11年には約3500人にまで減らされた。45%もの削減だ。同じ業務をより少ない予算・人員で非正規職に入れ替えてきた。過重労働・長時間労働の強制と一体であり、公務災害と病休・病欠者が続出している。
 近藤区長は、「単純業務はすでに外部化(外注化)しており、これ以上の人件費削減が厳しい。更なる人件費の削減には、専門的であっても定型的な業務を大胆に外部化することが必要」とした。さらに「介護保険や課税・納税業務のほか、例えば、子ども・子育て支援新制度なども、一度受け止めてから外部化するのではなく、受け止める前に外部化できないかを含めて検討する」とまで言い放った。丸ごと民営化・外注化、首切りと非正規職化、労組破壊を極限まで推し進めようということだ。その時「公務員の岩盤」は崩され、雇用・賃金破壊が全労働者を襲う。業務破綻、安全崩壊、社会の崩壊に行き着く新自由主義の階級戦争だ。絶対に許してはならない。

 「偽装請負」ごまかし出向強いる

 近藤区長は、国保業務について「出来る限り9割に近い外部化が実現できるように進める」と公言。会計・出納業務についてはノウハウがあれば民間業者が担うことができ偽装請負のリスクが少ないことなどを挙げて、国保と会計・出納業務の外注化で年間1億円程度のコスト縮減が可能とした。1億円のコスト縮減とは、それだけ安い賃金と強労働で労働者をこき使うということだ。
 昨年7月、総務省の肝いりで、足立区当局が中心となり全国153自治体が参加して日本公共サービス研究会を立ち上げた。日本公共サービス研究会は「民に出来ないことを民に出来るようにする」などとして、公権力の行使は伴わないが専門的技術を必要とする「専門定型業務」について、ノウハウをもつ公務員労働者を自治体が出資する株式会社に出向させることで偽装請負をクリアーできるとする脱法行為を提案した。
 「民に出来ないことを民が出来るようにする」とは何か。要は資本が住民生活に直結する自治体業務をも食い荒らし、徹底的に搾取・収奪する自由を与えるということだ。まともな業務など成り立つわけがない。何が「偽装請負のリスクが少ない」だ。JR資本が全面外注化・動労千葉破壊のために進めている手口と同じだ。出向の後に戻る職場などない。出向・転籍強要、全員首切り・非正規職化であり、雇用破壊と安全破壊、団結破壊そのものだ。
 本人同意なき強制出向は紛れもない違法行為だ。こんなものは、現場労働者が怒りに燃えて団結し、絶対反対の闘いを爆発させることで阻止できる。労働組合が絶対反対を貫きストライキで闘う時、違法不当な解雇・出向強要と労働組合破壊の不当労働行為は粉砕することができるのだ。動労千葉の闘いに続こう。

 ストで闘う労組の団結つくろう

 大恐慌と国家財政危機にのたうつ安倍政権は、大阪市とともに足立区を突破口に、全国自治体の丸ごと民営化・外注化、10割非正規職化攻撃に打って出ている。国鉄闘争と一体となった職場の絶対反対の闘いが情勢を開く。自治体業務は、現場の自治体労働者が日々担っている。職場の全労働者の怒りに依拠し、ストライキで闘う労働組合の団結をつくり出すことが勝利をもたらす。
 JR外注化阻止・非正規職撤廃、JR本体とCTS(千葉鉄道サービス)労働者の組織拡大の闘いが、JR東日本の「グループ経営構想X」を危機に追い込み、安倍の「成長戦略」を揺るがしている。国鉄闘争の前進が4・26自治労ストライキを生み出した。自治労大会を始め主要産別で連合支配の崩壊と階級的労働運動の躍進が始まった。国鉄・公務員決戦に決起し、国・当局、体制内派幹部との死闘に打ち勝って、労組拠点・青年部建設を進めよう。民営化・外注化・非正規職化阻止! 11・3集会1万人結集へ進撃しよう。

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週刊『前進』(2602号2面3)(2013/09/30 )

 米デトロイト市の破産

 破産申請は生きる権利奪う攻撃 公務員先頭に階級的反撃始まる

 新自由主義の崩壊示す事態

 米デトロイト市の破産は、新自由主義の行き着いた危機と崩壊を象徴する歴史的事態である。階級的労働運動を爆発させ、国鉄・公務員決戦でプロレタリア世界革命を切り開く時代の到来を告げ知らせている。
 7月17日、GM(ゼネラルモータース)が本社を置く米デトロイト市(人口70万)の非常事態管理人ケビン・オアは連邦裁判所に破産申請を行った。新自由主義の大破産であると同時に、破産申請自体は米労働者階級の生きる糧と権利を奪い去る極悪の攻撃だ。
 オバマ政権は崩壊の危機に直面している。米国債暴落・ドル暴落の恐怖に震え、3月「財政の崖」からの転落の先延ばしと同時に歳出の強制削減を強行した。そうした中で起こったのがデトロイト市の破産申請だ。オバマはデトロイト市の救済を拒否し続けている。
 強制削減は、労働者の雇用・生活関連に集中した。リーマンショック後の公務員大量解雇の上に連邦職員100万人の無給休暇が強制され、20〜30%の賃下げとなった。400万人が連邦失業給付金を11%削減された。公的年金、高齢者・障害者医療保険(メディケア)を大幅カットした。
 公的年金は、30年代大恐慌下の労働運動がかちとった成果だ。メディケアは、60年代の公民権運動、ベトナム反戦運動、労働運動の高揚の中でつくられた。デトロイト市を首都とするミシガン州など中西部諸州では、全米自動車労組(UAW)の座り込み占拠ストライキなどの実力闘争で労働組合が諸権利をかちとってきた。オバマはこの階級闘争の全成果と米最大の労働運動拠点に総攻撃をかけている。
(写真 破産法適用申請による年金の大幅削減に抗議するデトロイト市職員【8月19日】)

 労働協約破棄し全員を解雇

 11年、激しい労組破壊攻撃がミシガン州で行われた。リック・スナイダー知事は、財政危機を理由に「労働協約の一部又は全部を拒絶、改定、又は終了させる」など独裁的権限を持つ「学区財政非常事態管理人」を派遣した。デトロイト学区の非常事態管理人ロバート・ボブは11年4月、デトロイト教組5466人全員の解雇を強行。「教員評価」を口実に多くの労働者が再雇用を阻まれ、組合員は4100人に激減した。12年4月にも同様の全員解雇が繰り返された。教育労働者を次々に入れ替え、無権利・低賃金化させる丸ごと非正規職化攻撃だ。日本の国鉄分割・民営化型の「いったん全員解雇・選別再雇用」の手法を繰り返す、悪質極まりない労組破壊攻撃である。
 スナイダー知事は13年3月、デトロイト市に財政非常事態宣言を発令し「非常事態管理人」としてケビン・オアを任命した。巨大法律事務所弁護士のオアは米金融資本の代理人であり、現代の独裁官だ。オアは08〜09年のGMとクライスラーの破産管財人としてUAW組合員の大量解雇、医療・年金削減、賃金半減をやった人物だ。ウォール街の投資家は州知事の決断に喝采を送った。
 デトロイト市の巨大債務は、米自動車産業の衰退、外注化・海外移転の進行と大恐慌の爆発、GMとクライスラーの倒産で深刻化し、金融資本が売りつけた金融派生商品によって膨れ上がった。オアは返済を一切に優先させた。市予算の大幅削減で公務員を大量解雇し学校など公共施設を閉鎖した。住民を団地ごと移住させて更地化し、不動産投機の対象にした。
 オアは、公務員の退職手当や年金大幅削減に対する労働組合の抵抗を一掃するために破産申請を強行した。倒産・破産は資本の行う究極の合理化=首切り・労組破壊攻撃だ。GM・クライスラーの倒産、日本航空の会社更生法適用・選別大量解雇攻撃もそうだった。すでに昨年ミシガン州に「働く権利法」=労組敵視法が導入されている。「組合に加入しない労働者の働く権利を奪ってはならない」という法律だ。ユニオンショップ制(全員加盟制)の禁止と同時に労組活動の妨害、禁止が拡大している。
 11年1月、リチャード・リオーダン元ロサンゼルス市長はテレビ・インタビューで、このままでは全米自治体の9割は5年以内に破綻する、労働組合の力が強くなりすぎて公務員の福利厚生や労働条件のハードルが高くなり、首長が財政問題にメスを入れられなくなっていると主張した。公務員労組をやり玉に挙げた意識的な階級戦争としてあるということだ。絶対に許してはならない。

 夕張に続いて攻撃を本格化

 世界中で起こっていることは、どこも同じだ。デトロイト市でも公務員労組、消防士労組など現場から闘いが巻き起こっている。ギリシャ・欧米、韓国・アジア、トルコ、ブラジルを始め全世界で公務員労働者を先頭に生きさせろの反乱、ゼネストが爆発している。
 日本でも、07年第一次安倍政権下での夕張市の財政破綻=財政再建団体指定に続いて、現安倍政権による地方交付税・補助金大幅削減、自治体破産攻撃が迫り、これとの正面対決の時が到来している。国鉄決戦と結合し公務員賃金7・8%削減をめぐって始まった自治労全国ストライキ闘争は、これからが本番だ。
 07年夕張市の財政再建団体化は、小泉政権の「三位一体改革」による地方交付税大幅削減によって最後的に引き起こされた。当時の竹中平蔵総務相は、道州制=地方切り捨て、丸ごと民営化・公務員大量解雇のための「自治体破綻法制」整備の突破口としてこれを利用した。市当局の巨大赤字を知りながら金を貸し続けた銀行資本には18年間で数百億円の債務返済を保証する一方、職員の賃金は4割削減され6割以上が退職に追い込まれた。学校・病院・介護・公共施設などは統廃合、全廃、民間委託が強行されて社会基盤は崩壊し、大増税と超高負担が襲った。多くの住民が転出を余儀なくされた。市長を組織内候補とし第3セクターへの職員の大量出向に協力してきた夕張市職は、政府・道・市当局に対する絶対反対の闘いへの転換と決起が問われた。自治労も組織の総力を挙げた闘いが求められていた。
 夕張市で起こったことが、全国で始まろうとしている。安倍政権は、巨大金融独占資本の救済と利潤確保のための際限ない財政投入、「異次元」金融緩和で今年度末には1100兆円を超える国家債務、国家財政危機を労働者・住民に転嫁し社会生活の土台そのものを破壊しようとしている。
 「次々に町が破綻し、廃墟が広がるようなここミシガンですら、上位『1%』の層だけは順調に収益を上げている。今のアメリカは、貧困人口が過去最大であると同時に、企業の収益率も史上最高」(堤未果著『兜n困大国・アメリカ』)となっているのは日本も同じだ。自治体破産の脅しであらゆる抵抗をつぶして屈服を迫る。消費大増税、社会保障費大幅削減と同時に画策されている法人税大幅減税と超大型公共投資、「国家戦略特区」による労働規制撤廃を見よ。福島切り捨てと放射能汚染の拡大、原発推進・原発輸出をめぐって起こっていることと一体だ。どうしてこんな不正を許せるか。もはや資本主義・新自由主義のもとで労働者は1日たりと生きていけない。

 “絶対反対”で闘う労組を!

 資本主義社会を成り立たせてきたすべてが崩れつつある。絶望的な国内階級戦争と帝国主義的侵略戦争に突進する帝国主義を打ち倒す、プロレタリア世界革命が現実となる時代が始まった。
 問題は、労働組合の闘いだ。労使協調・協力など通用しない。連合による労働者支配は音を立てて崩れている。絶対反対で闘う階級的労働運動と国際連帯闘争の前進だけが、労働者階級の未来を開く。国鉄・公務員決戦の爆発をかちとろう。全国の職場で反合・運転保安闘争路線を貫き、ストライキで闘う労組拠点・青年部建設を進めよう。11月集会1万人結集に攻め上ろう。(大迫達志)

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週刊『前進』(2602号3面1)(2013/09/30 )

 解雇・総非正規化・大増税の安倍倒せ

 来年4月から消費税8%へ

 財政危機を労働者に責任転嫁 大恐慌下で国家はすでに破綻

 安倍政権は消費税の税率を来年4月に現在の5%から8%に引き上げることを決定した。労働者人民に対する大収奪に乗り出してきたのだ。解雇自由化、改憲、原発再稼働、五輪反動に突き進む安倍は、消費税増税を巡っても階級戦争を仕掛けてきた。これとの決戦が始まったのだ。その闘いは、労働組合を階級的によみがえらせる闘いとひとつのものだ。

 社会保障には使われない消費大増税

 消費税の税率アップの決定と同時に、安倍は「消費税増税が景気の腰を折ってはならない」として、5兆円規模の経済対策を打ち出した。
 消費税の税率を1%引き上げれば、その税収は年間約2・7兆円増えると言われている。これを単純に当てはめれば、5%から8%への税率引き上げによる税収増は約8兆円だ。他方、そのうち5兆円が、経済対策として企業にばらまかれる。つまり、消費税増税が強行されたとしても、財政収支はほとんど好転しないということだ。「財政再建のために消費税の増税が必要」という政府の言い分は、まったくのうそだったのだ。ましてや、消費税増税が社会保障のために使われることなどありえない。
 5兆円規模の経済対策の柱は法人税減税だ。復興特別法人税の打ち切りで約9千億円、投資減税で約3千億円規模の法人税が減税になる。他方、公共事業費は数兆円規模で増やされる。公共事業の中心は、2020年東京五輪に向けての首都高速中央環状線・東京外郭環状道路・圏央道の3道路整備や、京浜港の整備などのインフラ投資だ。
 また、消費税増税による住宅への需要の落ち込みに対処するため、「すまい給付金」の名で住宅取得者に総計4千億円の補助金を出すとしているが、これも実質的には建設業者への補助金だ。
 こうして安倍は、大失業と低賃金にあえぐ労働者人民の懐に手を突っ込んで税金をむしり取った上、そのカネをもっぱら資本を肥え太らすためにばらまこうというのだ。
 こんな対策を講じなければ「景気の腰が折れる」のなら、なぜ消費税増税をやるのだ。
 しかし、消費税増税を断念した途端、日帝国家の信認は最後的に崩壊する。ギリシャに端を発した財政危機は全欧州に波及している。13年段階でGDPの224%にも及ぶ累積債務を抱える日帝は、世界で最悪の財政状態にある。大恐慌のただ中で、欧州以上に、いつ破綻してもおかしくないのが日帝だ。帝国主義・新自由主義を打倒して、プロレタリア革命に勝利する以外に、労働者階級にとって出口はない。
 安倍は、破綻した新自由主義にどこまでもしがみついている。かつての国家独占資本主義政策のもとでは、革命を予防するため、高所得者から徴収した税金を低所得者に給付する、いわゆる「所得再配分」政策がとられていた。所得税の累進税率はその典型だ。だが、今や安倍は、その真逆を行く「所得逆再配分策」にのめり込んでいる。
 もともと消費税には、低所得者ほど実質的な負担が重いという逆進的性格がある。それに加え、消費税導入以来、所得税の累進税率の緩和や法人税の税率引き下げが繰り返されてきた。
 法人税の税率は、消費税導入直前には42%だったが、現在は25・5%に引き下げられている。そもそも、消費税の導入の本当の目的は、法人税減税のための財源を捻出することにあったと言っていい。1989年度に導入されて以来、2011年度までの消費税の税収総額は196兆5千億円、これに対し同時期の法人税の減税総額は195兆1千億円で、両者はほぼ等しい。
 これに加え、消費税の輸出還付金の問題がある。自動車会社を始めとする輸出企業は、消費税の輸出還付金として膨大なカネを受け取っている。その額は2010年の場合、トヨタが2246億円、ソニーが1116億円、日産が987億円と推定される。輸出還付金は消費税率が上がるほど増える。大資本が消費税増税を叫ぶ理由はここにもある。

 特別法人税は廃止 公務員には賃下げ

 消費税増税は労働者人民の生活をとことん破壊する。生命を維持するための最低限の消費にも、その都度、8%の税金がかかるのだ。生存ぎりぎりの低賃金に追いやられた非正規職の労働者は、どうやって生きていけというのか。
 政府はこの間、EU諸国の付加価値税率は日本の消費税率より高いことを、増税の口実にしてきた。だが、EU諸国の場合、食料品など生活必需品は非課税か軽減税率が適用されているのが一般的だ。だが安倍は、「簡素な税制」を名目に、軽減税率を設定することさえ拒んでいる。
 5兆円の経済対策には、消費税増税時に住民税非課税世帯に1人当たり1万〜1万5千円の現金給付を行うことも盛り込まれた。だが、1回限りの現金給付など、1年分の負担増にも満たない。そのための予算はわずか3千億円。企業にばらまかれる膨大なカネに比べたら、微々たる額だ。こんなもので労働者人民の怒りをなだめることなど断じてできない。
 復興特別法人税の廃止は、新自由主義政策の極致だ。復興特別法人税とは、「震災復興財源」に充てるため、本来の法人税額に10%を上乗せするというもので、12年度から14年度まで継続される予定だった。他方、今年1月から、「復興財源」に充てるためとして所得税が引き上げられた。所得税は本来の税額より一律2・1%増やされている。これは今後、25年間も続く。なのに、法人税増税は今年度限りで打ちきりなのだ。さらに安倍は、法人税の基本税率の引き下げをもくろんでいる。
 そもそも、福島第一原発事故を引き起こした責任は、原発を推進してきた政府と資本にある。その資本が、負担を免除されるのだ。しかも、復興事業として行われているのは、被災地の人びとの生活を立て直すことではなく、資本をもうけさせることだけではないか。
 何よりも許し難いのは、復興特別法人税の廃止を決定する一方で、公務員労働者に対する7・8%賃下げが強行されている現実だ。「復興財源捻出」を口実に、労働者には大幅賃下げを強いながら、資本には1円の負担もさせないとはどういうことだ。7・8%賃下げ粉砕の闘いは、あらためて労働者階級の決戦課題になったのだ。
 安倍は、資本に対する減税分がやがては賃上げに回るかのようにうそぶいている。だが、公務員賃金の大幅引き下げという形で、社会全体を規定する賃金ベースを破壊しているのが安倍ではないか。消費税大増税を阻止する闘いは、文字通り労働組合の正面課題だ。

 「異次元金融緩和」と国債暴落の危機

 消費税の税率を14年4月に8%、15年10月に10%に引き上げることは、民主党・野田政権が12年2月に閣議決定した「税と社会保障の一体改革」大綱で打ち出された。これに基づく消費税法改定には、当時、野党だった自民党も賛成した経過がある。
 だが、安倍はこの間、消費税増税が大恐慌を一段と深めることを恐れて、14年4月増税の決断を先延ばしにしてきた。その決定を下した後も、15年10月の税率10%への引き上げについては明言を避けている。
 自民党・橋本政権下で1997年4月に強行された消費税率の3%から5%へのアップは、バブル崩壊後の長期不況を一段と深め、同年11月には北海道拓殖銀行や山一証券の破綻という金融恐慌に至った。安倍はその再来を恐れている。
 だが、消費税増税の決断を回避すれば、帝国主義としては破滅だ。長期金利は急騰し、日本国債は暴落する。国債の全面的な日銀引き受けしか方策はなくなるのだ。
 安倍は日銀に大量の国債を買わせ、それと引き換えに供給された膨大な資金で株式バブルを演出する「異次元金融緩和」を続けてきた。国債が暴落すれば、これは日帝を泥沼の危機に突き落とす要因に直ちに転化する。
 しかも、すでに述べたように、消費税増税は財政再建にはつながらない。長期的ビジョンなど何もなく、ただ労働者人民から収奪したカネを資本に回すというのが安倍の政策だ。これと対決できるのは労働組合の団結だ。11・3労働者集会は、消費税増税を粉砕する決戦にもなったのだ。

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週刊『前進』(2602号3面2)(2013/09/30 )

 政労使会議 連合指導部とり込み

 「デフレ脱却」安倍と唱和

 安倍は9月20日、首相官邸に経団連会長の米倉弘昌や日本商工会議所会頭の岡村正、全国中小企業団体中央会会長の鶴田欣也と連合会長の古賀伸明を呼び出して、「政労使会議」の初会合なるものを開いた(写真)
 この場で安倍は、「次元の異なる経済政策によって、経済がマイナスからプラスに反転する動きが出ている。これを、企業収益、賃金・雇用の拡大を伴う経済の好循環につなげられるかどうかが勝負どころだ」と述べた。そして、今後も政労使会議を続ける意向を示して、「政労使の三者が議論を交わし、ともに成長の好循環をつくっていきたい」と発言した。
 安倍政権はこの間、「限定正社員」制度や労働者派遣法の抜本改悪、労働時間規制の緩和、解雇の金銭解決制度と労働基準法適用除外の「国家戦略特区」など、労働法制の根幹を解体する政策を矢継ぎ早に打ち出している。安倍の「成長戦略」とは、まさに解雇の自由化と労働者の総非正規職化だ。
 それへの連合の屈服を取り付けるために設定されたのが、今回の政労使会議だ。連合は、インフレ策をとる安倍が賃上げの後援者となることを期待して、13春闘で「賃上げを実現しデフレを脱却しよう」と唱えた。こうした連合の屈服は、安倍にとことんつけ込まれているのだ。

 「正社員改革」で雇用流動化

 「成長戦略」の司令塔に位置する規制改革会議の「雇用ワーキンググループ」報告書は、「無期雇用、無限定社員、雇用終了ルールである解雇権乱用法理の三要素は、相互に強い補完性を有し、正社員改革を困難にしてきた」と、解雇規制への憎しみをむき出しにしている。
 さらに規制改革会議では、「企業は雇用を巡る調整に関して『数量調整』よりもあまりに『価格調整』=賃金の抑制・低下及び非正規雇用の活用に頼り過ぎた」「『価格調整』に偏り過ぎた雇用を巡る調整のバランスを取り戻すべき」「賃金を上げるのであれば、雇用の柔軟性を高める政策を実行すべき」という議論がまことしやかになされた。これは、実際にはすでに大きく損なわれている公務員の身分保障などを「岩盤規制」と言い、それが非正規職に低賃金を強いている原因であるかのように言うデマゴギーだ。
 同時にそれは、“賃上げを求めるなら解雇規制の撤廃を認めろ”という連合幹部への恫喝でもある。経団連会長の米倉も、政労使会議の場で「企業が力をフルに発揮できる環境が整備できれば、雇用も上がるし賃金も上がっていく」と安倍に応じた。安倍「成長戦略」が言う「世界で一番企業が活動しやすいビジネス環境」の実現が、賃上げの大前提だということだ。つまり、解雇規制が撤廃されない限り、賃上げには応じないという、資本の意志をむき出しにしたのだ。
 安倍政権は、連合を分裂させ、旧総評系の官公労を切り離すことさえ狙っている。そのために、解雇規制の撤廃に応じるか否かを、連合に対する踏み絵として徹底して使おうとしているのだ。
 こうした事態は、JP労組中央を始め、日教組中央、自治労中央のさらなる屈服を促進している。彼らは現場組合員との間にどんなに激しい乖離(かいり)が生じても、連合にとどまるために身の証しを立てようと必死だ。そしてますますむき出しの形で、資本や当局の先兵になっていく。
 階級的労働運動の再生は、こうした体制内労組幹部と激突し、彼らを打倒することによって進む。11・3労働者集会への1万人結集は、職場の闘いを軸に、その党派闘争・路線闘争を闘い抜いてこそかちとられる。
 政労使会議は、労働組合を巡る攻防が、日帝権力中枢との激突となっていることを示したのだ。

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週刊『前進』(2602号3面3)(2013/09/30 )

 「解雇特区」の創設狙う

 「首切り自由」残業代もゼロ 安倍は大資本の先兵

 安倍政権は9月20日、産業競争力会議課題別会合において「雇用特区」の創設に向けた検討作業に入った。秋の臨時国会に出す国家戦略特区関連法案に盛り込む方針だ。解雇の自由化、労働時間の規制撤廃、非正規職化を狙う「雇用特区」とば解雇特区”そのものだ。「世界一ビジネスをしやすい国」のために労働者を犠牲にする攻撃だ。絶対に許せない。11・3労働者集会の大結集で粉砕しよう。
(表 雇用に関する特区の概要)

 契約条項がすべてに優先

 安倍政権は、「成長戦略」の「第3の矢」として労働規制の全面緩和を掲げている。6月に閣議決定された「日本再興戦略」と「規制改革実施計画」では、「行きすぎた雇用維持型から労働移動支援型へ」と称して@限定正社員制度の導入、A労働時間制度の見直し、B有料職業紹介事業に対する規制緩和、C労働者派遣制度の見直し――を打ち出した。
 この攻撃を先駆けて実現しようというのが゙解雇特区”だ。
 産業競争力会議で出された「国家戦略特区WG 規制改革提案に関する現時点での検討状況」によれば、第一に、解雇規制の撤廃が挙げられている。「解雇ルール」については「契約締結時に、解雇の要件・手続きを契約条項で明確化できるようにする」とある。゙金銭和解で解雇”゙遅刻をすれば解雇”など雇用契約書に解雇条件を書きさえすれば、どんな解雇も認められることになる。
 しかも「仮に裁判になった際に契約条項が裁判規範となることを法定する」としており、解雇の契約条項が憲法や労働基準法、労使慣行などすべてにおいて優先する。労働者の団結を破壊し個別・分断化する攻撃だ。

 残業代ゼロ法の導入も画策

 第二に労働時間の規制の撤廃だ。「労働時間」については、「一定の要件(年収など)を満たす労働者が希望する場合、労働時間・休日・深夜労働の規制を外して、労働条件を定めることを認める」としている。
 第一次安倍政権でも検討され破産した「ホワイトカラー・エグゼンプション」(残業代ゼロ法案)の導入だ。1日8時間の労働は、労働者が血を流してかちとってきた権利だ。その8時間労働制を解体して「死ぬまで働け」ということだ。
 すでに政府は産業競争力強化法案をとりまとめ、「企業特区」での導入をも狙っている。
 第三に非正規職化だ。「有期雇用」については「契約締結時に、労働者側から、5年を超えた際の無期転換の権利を放棄することを認める」としている。これを外国人労働者が多い事業所に適用し、外国人労働者も使い捨てにするというのだ。
 産業競争力会議メンバーの竹中平蔵(慶応大学教授)は国家戦略特区について「岩盤規制が障壁となっている」「『規制改革の実験場』として特区で突破する」という。新自由主義の実験場として憲法も戦後労働法制も適用除外にし、「資本家が自由に搾取」するというのが特区攻撃なのだ。

 橋下は「特区」攻撃の最先兵

 特区攻撃の突撃隊となっているのが橋下・大阪市長だ。橋下は11日、御堂筋エリアを対象にした「チャレンジ特区」を政府に提案した。「能力主義・競争主義に果敢にチャレンジする高度な能力を持つ内外の人材」を集めるという。橋下は「労働法で守られなくてもいい労働者もいる」などとうそぶいている。
 だが安倍や橋下の「解雇特区」攻撃は粉砕できる。大恐慌と3・11情勢下で日帝・安倍政権は、公務員職場を始め全社会を民営化・規制緩和にたたきこみ全員解雇・総非正規職化していく以外に延命の道はない。
 しかし、26年にわたる国鉄分割・民営化反対闘争と外注化阻止の闘いがこれを打ち破り、国鉄・公務員決戦が雇用・賃金・労働時間を巡る階級決戦として連合支配を食い破って火を噴いている。何より橋下足下の大阪では、斎場労働者が解雇撤回をかちとり、大阪市職や市教組の労働者も処分攻撃を打ち砕いている。労働組合が団結して真っ向から立ち向かえば粉砕できるのだ。11・3労働者集会で大反撃を開始しよう。

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週刊『前進』(2602号3面4)(2013/09/30 )

 闘いは進む 青年の職場から

 福祉  「追い出し部屋」に負けず団結を拡大

 関東 東谷俊三

 私は施設の介護労働者です。この職場で働き始めて数年になります。介護保険制度が導入されてからできた職場です。それゆえ労働組合はなく、途中で合同労組の分会を立ち上げました。現時点では組合員は私1人のままです。
 新自由主義の攻撃の中で私の現場も数年前、人員削減、合理化が強行されました。この過程で資本側は労務管理を一層強めてきました。労働者も現場が嫌になってどんどん退職していきます。職員が極端に足りない所には、他施設から応援が来る事例が多いです。
 資本側の攻撃としては、初めに退職強要がありました。未払い残業代の支払い要求以降は、資本の労働組合つぶしとの攻防に入りました。「就業規則違反」などと称して、懲戒解雇策動を行ってきました。これを社前闘争や団体交渉などの取り組みで、ひとまずは跳ね返しました。
 しかし現段階で資本は、私に対して夜勤をさせない、いろいろ難癖をつけて介護業務から外すなどの分断、団結破壊と新たな解雇攻撃に出てきました。まさに「追い出し部屋」も同然です。
 これらの攻撃を新自由主義の攻撃、労働組合つぶしととらえ、さらに反撃することが必要です。
 組合のホームページを見て相談にくる他職場の介護労働者もいます。こうした中で地域で職場の報告集会も行い、医療・福祉労働者の職場を越えた団結拡大への第一歩を切り開きました。これらは、人員削減、合理化などの資本攻撃に反対し、労働者の団結を訴える旗を掲げているからこそできたことだと言えます。
 その上で、現場労働者との団結、組織拡大を強めていくことが何よりも課題です。「組合に入って闘うことまではできない」「(低賃金・強労働のため)こんな職場辞めようかな」と言われることは結構あります。
 また、労働者全体に通用できるようになっていくことが必要であると感じています。私の中にも労働者を「選んで」しまう傾向が強かったからです。このあり方を変えていくことが必要と痛感しています。
 資本の攻撃は強いが、今の職場で労働者と団結できるようになりたいと思います。
 この間、国鉄署名について地区で議論し、取り組みを始めました。地区の討議、実践という形をより進めていきたいです。11月労働者集会に向けて階級的労働運動を前進させていきましょう。

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週刊『前進』(2602号4面1)(2013/09/30 )

 「福島で甲状腺がん多発」認めず内部被曝による健康被害を隠す

 検討委・鈴木眞一(福島医大)を許すな

 大ウソをつく安倍と鈴木

 東京オリンピック招致演説で安倍は、福島原発事故について「健康問題は今までも、現在も、そして将来も、まったく問題はない」と大うそをついた。命を削る被曝労働に従事する現場労働者たちや甲状腺がんが多発し始めた子どもたち。このフクシマの現実の無視抹殺は犯罪行為以外の何ものでもない。
 労働者階級は、「核を必要とする資本家階級と非和解であり、生きるためにはこの社会を根底的に転覆する以外に道はない」ことをますます自覚し決起を開始している。その中で核被害、何よりも内部被曝の隠蔽(いんぺい)・過小評価を許さない闘いは、決定的に重要になってきている。
 東京電力福島第一原発事故を契機に、日帝政府によって設置された福島県「県民健康管理調査」検討委員会。その第12回検討委が8月20日に開かれ、これまでの検査結果の累計で18人の福島の子どもが甲状腺がんと発表された。3・11原発事故で大量に放出された放射能による健康被害がいよいよ顕在化し、多発化してきている。これについて検討委の甲状腺関連責任者の福島医大教授・鈴木眞一は、原発事故・放射線の影響を否定する大うそを繰り返している(表)。
 子どもの甲状腺がんは非常にまれで、100万人に1人か2人というのが通説という。
 しかし、事故後2年半にして福島の子ども36万人に甲状腺がん18人とは、どう見ても異常である。これを鈴木は「最新の超音波機器を用いて専門医が実施したうえでの発見率で、想定の範囲。多発でなく、放射線の影響があるとは言えない」と言った。そうであれば、通説は塗り替えなければならない。疫学上の大問題となるはずだが、鈴木はこれには口をつぐんでいる。
 また鈴木は、「チェルノブイリ(原発事故)で甲状腺がん発症が増加したのは、原発事故後4〜5年たってから」で、今回の福島の子どもたちの甲状腺がんは「元々あったものを発見した可能性が高い」と強弁する。だが、チェルノブイリの場合、ベラルーシでの甲状腺がんは「(事故が起きた)1986年は2例しかなく、100万人に1人か2人という国際的な発症水準が維持されていたのに、87年には4例、88年には5例、89年に7例と徐々に増えていった」(菅谷昭『原発事故と甲状腺がん』幻冬舎)のだ。事故後4、5年たってからでなく、翌年から増加したのである。
 しかも、「旧ソ連当局は医師が疾患を放射線と関連づけることを公式に禁止し、当初の3年間はすべてのデータが機密指定された」(アレクセイ・V・ヤブロコフほか『チェルノブイリ被害の全貌』岩波書店)という。甲状腺疾患も例外でなく、多くの事例が隠されたり、失われたりしたことも容易に推察され、甲状腺がんの発生数がもっと多かった可能性もある。「甲状腺がんはゆっくり大きくなるから、2、3年以内にできたものでない」というが、原発事故から早くも1、2年後に、チェルノブイリとフクシマに共通して発症が増加している事実は、放射線起因以外に説明がつかない。そして近いうちにけた違いの急増が懸念されているのだ。

 子どもを守らぬ国の検査

 福島県は、原発事故時18歳以下だった子ども36万人を対象に、11年以降、1年ごとに市町村範囲を拡大しながら甲状腺検査を行ってきた。現在まで19万3千人の子どもがのどに超音波機器を当てて診断する第1次検査を受け、そのうち1280人が精密検査としての第2次検査に回されている。
 異常かどうかの甲状腺判定基準はA、B、Cの三つに大別されている。A判定では、結節や嚢胞(のうほう)が見つからなかったものをA1、5_メートル以下の結節や20_メートル以下の嚢胞を認めたものをA2と区分し、5・1_メートル以上の結節や20・1_メートル以上の嚢胞を認めたものをB判定、そのうち直ちに精密検査が必要とみなしたものをC判定としている。
 精密検査が必要かどうか「振り分け」する「スクリーニング検査」の時間は、1人あたりたった数分という。検査のスピードアップを図るためとして、診断上必要な観察項目から「甲状腺の内部変化」や「血流の状態」などの4項目が除外された。これで結節や嚢胞の見落としがないはずはない。
 また、5_メートル以下の結節はたとえ4・9_メートルであったとしても異常でないと切り捨てるA2判定の基準も問題がある。5_メートルより小さい結節でも悪性細胞が混じっている場合もあるのだ。被曝から子どもたちを守る「ふくしま共同診療所」での甲状腺超音波検査では、嚢胞が見つかったうちの36%は無数の小さな嚢胞だった。これはこれまではありえない異常な事態と専門医は指摘する。
 検討委は、このような場合も異常なしのAの範疇(はんちゅう)に入れ、Aが99%以上だから異常はきわめて少なく、念のため「経過観察」し、2年後に再検査するとしている。その間に異変が起き手遅れになるケースを想定せず、自主的責任に任せるというきわめて無責任な指針である。「早期発見・早期治療」原則の放棄でなくてなんであろうか。
 結節や嚢胞の存在は甲状腺の細胞異常や炎症が起きている証拠で、子どもたちにとっては甲状腺がんの前兆である場合が多い。チェルノブイリの事例では、結節は甲状腺がんへの悪性化が早く、リンパ節転移や肺への遠隔転移も起きている。A2を正常範囲とすることは、子どもの健康を守ることを最優先する立場からすれば許されない規定だ。
 「本人のプライバシーを守る」と言いながら、その本人と家族に対し「その場で検査結果を一切教えない。1次検査のエコーの写真も渡さない」福島医大。こうした不当な甲状腺検査に不信感を抱き、外部の医院に診察を求めるセカンドオピニオンに対して、山下俊一(福島医大副学長、長崎大学副学長)や鈴木眞一などの御用学者たちは診察を断るよう甲状腺専門医に通達まで出し妨害してきた。だが、国や福島県が子どもを守らないことを知った福島県民は、検査情報を隠し独占する検討委と国に対する怒りをますます強めている。

 被曝隠しの安倍政権倒せ

 3・11直後、労働者支配の崩壊を恐れた日帝支配階級は情報を隠し、虚偽の「安全」キャンペーンをまき散らした。放射能が猛威を振るう最中、子どもたちは外で遊んだり水をもらいに行ったりした。そして今、放射線被曝で子どもたちに甲状腺がんが出始めている。
 検討委は容易に治療できると言いふらしているが、首にメスが入れられ甲状腺が摘出され、そして一生ホルモン剤を飲み続けなければならない。原発事故さえなければ、子どもたちはこんな目に遭うことはなかったのだ。核犯罪を犯した東電と国を検察は不起訴にしたが福島県民をはじめ労働者人民は許さない。怒りは絶対に大爆発する。
 これにおびえ3・11をなかったことにして延命しようとあがく脱落帝国主義・日帝は、検討委・鈴木眞一を先兵としIAEA(国際原子力機関)と結託して、被曝の証拠隠滅策動をますます強めている。
 ヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、チェルノブイリの被曝隠し犯罪を繰り返すな! 全原発廃炉・再稼働阻止、被曝労働拒否・闘う労働運動復権の闘いと一体となって、ふくしま共同診療所建設、保養・避難運動を前進させよう。原発再稼働・輸出、核武装に突き進む安倍政権を11月労働者集会の巨万の決起でぶっ倒そう。
 〔河東耕二〕
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【要項】10・13原発ゼロ★統一行動
10・13原発ゼロ★統一行動
10月13日(日)午後1時〜日比谷公会堂集会
2時〜巨大デモ 5時〜国会前大集会

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週刊『前進』(2602号4面2)(2013/09/30 )

 砂礫層と地下水に浮く原発

 3・11以来大量の汚染水 安倍の言動は大犯罪だ

 首相・安倍は9月19日、福島第一原発を視察し、「汚染水の影響は湾内の0・3平方`メートルの範囲において完全にブロックされている」と言い放った。続けて安倍は22日のテレビ番組でも「完全にブロックしているのは事実」とうその上にうそを塗り重ねた。
 すでに7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会でのうそ発言に福島や首相官邸前での金曜行動など全国で怒りが沸騰している。にもかかわらず安倍は傲然(ごうぜん)と開き直り、居直り強盗的に連続して暴言を吐いているのだ。
 福島原発からは現在でも大量の汚染水が流出している。東電は放射性物質はシルトフェンスで港湾内に閉じ込められているというが、シルトフェンスとはレースのカーテンのようなもので、海水の出入りを防ぐことは不可能だ。港湾の海水は数日で入れ替わっているのだ。また5、6号機の取水口が港湾内にあり、ここからくみ上げて冷却に使った水が港湾外にある北側の放水口から放出されている。専門家はそこからセシウム137とストロンチウム90が一日で計600億ベクレル放出されていると報告しているのだ。
 福島第一原発事故の国会事故調査委員会委員で医師の崎山比早子さんは福島原発を「地下水上の原発」と鋭く批判している。それは次の理由からだ。福島第一原発の敷地は元は海抜35bの台地だった。いくつもの川や沢が流れ、地面を少し掘っただけで水がしみ出すほど地下水が豊富だった。砂礫(されき)層の台地を削って建設する際には約300本の井戸を掘り、水を抜きながら工事を行った。原発完成後も周りが地下水だらけになり、建屋が浮き上がる恐れがあった。そのため東電は建屋の周囲に立て坑を60本近く掘り、一日800d以上の地下水をくみ上げていたのだ。これらの立て坑は、原発事故によって放射性物質に汚染されたがれきで埋まってしまった。
 汚染水問題の根源は事故により核燃料がメルトダウンしてしまったことだ。しかも悪条件を知りながら建設した結果、地下水問題が事態をとてつもなく厳しくさせている。汚染水流出で全海洋の放射能汚染という深刻な危機が進行している。
 原発建設を推進してきた安倍・自民党政府と東電は全責任を取れ!

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週刊『前進』(2602号4面3)(2013/09/30 )

 高濃度汚染の開催地

 東京五輪に群がる安倍・猪瀬

 安倍晋三首相は、世界に大うそをつき福島を踏みにじって、オリンピックの東京招致を強行した。「汚染水は完全にブロックされている」発言は、世論調査でも8%しか支持されていない。7年を待たず安倍の「第4の矢」は破産必至だ。大うそのツケは労働者が払わせてやらなければならない。
(地図 8000ベクレル超の廃棄物置き場直近に競技場)

 ホットスポットゾーン東京湾岸

 実際、オリンピック会場予定地が集中する東京湾岸地域はホットスポットゾーン(高濃度汚染地域)だ。今も地上や川、海で高線量が検出されている。
 競技場が集中する夢の島や選手村予定地の晴海埠頭(はるみふとう)では、この夏1`グラムあたり3000ベクレルを超える放射能が検出された。
 極めつけはクロスカントリーコースや海上競技(ボートやカヌー)場、マウンテンバイクコースが予定されている中央防波堤埋め立て地である。ここには高濃度放射性廃棄物置き場があるのだ。1`グラムあたり8000ベクレル以上、10万ベクレル以下の、清掃工場焼却灰や下水汚泥焼却灰、上水スラッジ(沈殿物)が山と積まれている。
 8月現在、中央防波堤南半分は小学校などの見学コースから外され、一般人は立ち入り禁止となっていたが、五輪をにらみ秋にも立ち入り可能に戻す動きがある。
 こんなところでオリンピックをやるのか? これを世界が知れば驚愕(きょうがく)して選手派遣をとりやめるか否かの大問題になるだろう。

 五輪特区で外注化・非正規職化

 最大の問題は、安倍首相と猪瀬直樹東京都知事がオリンピックで労働者に襲いかかろうとしていることだ。
 安倍・猪瀬は「国家戦略特区」「五輪特区」を導入して全面的な民営化・外注化・非正規職化を強行し、ボロもうけ=大搾取することを狙っている。「雇用拡大」は非正規化でしかない。
 2020年東京オリンピック組織委員会事務局の職員は約3500人、その3分の1が東京都の職員の出向・派遣で占められると予想されている。五輪出向・派遣の穴埋めを非正規職員でまかなえば、そのまま定数削減、非正規職への置き換えが進む。オリンピックが終わって帰る部署がないことにもなりかねない。猪瀬は「外国人観光客の増加」をうたい、事故必至の都営交通「24時間化」を狙っている。
 東京オリンピック反革命(階級戦争)は福島ををはじめ全国の労働者人民の怒りの標的だ。自治体労働者を先頭に国鉄・公務員決戦で打ち砕こう。職場から反撃し、闘う労働組合をよみがえらせよう。世界の労働者と連帯し、東京オリンピックを安倍・猪瀬打倒の起爆剤に転化しよう。

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週刊『前進』(2602号4面4)(2013/09/30 )

 安倍居直り発言に怒り

 9・20官邸前行動

 全原発停止を祝う声も

 9月20日午後6時から首相官邸前・国会前で恒例の反原発金曜行動が闘われ、福島原発からの汚染水流出が止まらない中、「海を汚すな。汚染を止めろ」とシュプレヒコールが官邸前から国会前にかけて響き渡った。
 オリンピック招致をめぐる安倍発言への怒りが噴出した。中年女性は、「東京オリンピック招致について安倍総理が言ったことは全部デタラメ。世界中の方々が日本の総理大臣はあんなうそを言うのだとわかってしまいました」と鋭く弾劾。汚染水がコントロールされていると言ったことも、健康問題について今も将来も問題ないと言ったことも、具体的な事実を挙げて批判。最後に「あのデタラメを撤回していただきたい」と強く要求した。
 男性は、「日本の裏切り者・安倍晋三。人類の敵・安倍晋三。総理大臣の犯罪を見逃さない。東電の犯罪を見逃さない。経済産業省の犯罪を見逃さない。文部科学省の犯罪を見逃さない。安倍晋三、うそつくな。アンダーコントロールじゃないぞ」と安倍発言を怒りを込めて激しく弾劾した。
 関西電力の大飯4号機が15日に停止し、国内の原発がゼロ状態になったことを受け、二度と再稼働する理由はないとの発言も行われた。
 横浜から来た男性は、「放射能は計器でしか測れない恐ろしさがあります。原子力の平和利用と軍事利用は技術的に分けられない。したがってプルトニウムの管理では秘密主義が壁になり公開原則が無くなる。何十万年も人類が核管理する技術がないことを技術者、行政は承知していながら核廃棄物の累積となる再稼働を続けることは人類への犯罪です」と、原発が「地上に置かれた原爆」であることを暴露し、核と原発反対を訴えた。
 全参加者は原発再稼働阻止を誓い合った。
(写真 全原発が停止していることを祝い、原発再稼働阻止を誓う人びと【9月20日 国会前】)

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週刊『前進』(2602号4面5)(2013/09/30 )

 2013年日誌 9月17日〜23日

 安倍、消費税8%を決定へ/ドイツ、メルケル与党大勝

●安保法制懇、議論を再開 安倍政権は集団的自衛権の行使容認を巡り、首相の諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)で議論を再開させた。(17日)
●「知る権利」明記を検討 安倍政権は秋の臨時国会に提出する特定秘密保護法案に「知る権利」「報道の自由」を明記する調整に入った。(18日)
●米FRB、金融緩和縮小見送り 米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)で、「量的金融緩和」を現状のまま続けることを決めた。(18日)
●首相再び「汚染水ブロック」 安倍首相は東京電力福島第一原発を訪れ、放射能汚染水漏れの現場を視察。視察後、汚染水の影響が一定範囲内で「完全にブロックされている」との認識を示した。また東電に対し同原発5、6号機の廃炉決定を要請した。(19日)
●日本版NSC体制づくり 安倍政権は国家安全保障会議(日本版NSC)の設置に向け閣僚会議を開き、外交・安保政策の指針となる国家安保戦略(NSS)策定日程を討議。(20日)
●来年4月から消費税8%に 安倍晋三首相は来年4月に消費税率を現在の5%から8%に引き上げることを決めた。正式表明は10月1日。(20日)
●中国外相「釣魚島争い認めよ」 中国の王毅外相は米ワシントンで講演し、日本に対し釣魚島(尖閣諸島)を巡り争いが存在することを認めるよう求めた。(20日)
●福島第一、廃炉に特化 東京電力は、福島第一原発5、6号機の廃炉を決めた後、福島第一全体を廃炉に専念する「廃炉センター」(仮称)に衣替えする検討に入った。(21日)
●化学兵器保有リスト提出完了 ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)は、米ロがシリアに提出を求めていた保有化学兵器の場所、種類、量などのリストを受け取ったと発表。(21日)
●JR北海道、レール異常を97カ所放置 北海道のJR函館線の貨物列車脱線事故現場のレール幅が基準値以上に広がったまま約1年間放置されていた問題で、JR北海道の野島誠社長は、レールの広がりなどの異常計97カ所を放置していたと発表した。(22日)
●薄元書記に無期判決 中国共産党の元重慶市党委員会書記の薄煕来被告が収賄と横領、職権乱用の罪に問われた裁判で山東省の法院は薄元書記に無期懲役判決を言い渡した。(22日)
●ロシア外相「米英仏決議案認めぬ」
 ロシアのラブロフ外相は、シリアの化学兵器廃棄を巡る米英仏作成の国連安全保障理事会決議案はケリー米国務長官との合意に違反しており受け入れられないとの見解を示した。(22日)
●ドイツ、大連立協議へ 22日投開票の総選挙でメルケル首相の与党、キリスト教民主・社会同盟が大勝、3期目続投が確実になった。社会民主党(SPD)との連立協議へ。(23日)
●エジプト、同胞団の活動禁止 7月に軍によるクーデターが起きたエジプトで、左派政党がムルシ前大統領の支持母体「ムスリム同胞団」の解散を求めていた訴訟でカイロの裁判所は同胞団のすべての活動を禁止し、資産を凍結する判決を下した。(23日)

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週刊『前進』(2602号5面1)(2013/09/30 )

 全国から10・18法大へ

 全学連大会の地平を発展させ新自由主義うち破る自治会を

 革共同中央学生組織委員会

 9月4〜5日に開催された全学連大会は、学生自治会建設の前進で生み出された新たなリーダーたちの登場と、多くの初参加者の結集をかちとり、歴史的大成功をおさめた。大会で切り開かれた地平は、ただちに10・18法大集会・デモと安倍打倒の国会包囲デモ(下に要項)に向かって発展している。10・18を最大の攻防点とする全国大学での今秋決戦に勝ち抜き、11・3全国労働者集会に総決起しよう! 学生自治会建設の本格的挑戦へ猛然と突き進もう。
(写真 新たに選出された中央執行委員が前に並び全学連大会は最高潮を迎えた【9月5日】)

 「絶対反対」の権力樹立へ

 全学連大会は、全国での学生自治会建設に向けての宣言を高らかに発した。それは7年半の法大闘争の激闘を踏まえ、大恐慌と3・11情勢下の「新たな挑戦」として、京都大学・広島大学で学生自治会を建設した勝利の地平の総括だ。またそれは、参院選や4大産別での労組大会など7〜8月闘争で示された地殻変動的情勢下での「新たな挑戦」だ。今次大会の地平から、全学連は全国に、とりわけ首都圏大学に新自由主義をうち破る学生自治会を建設する。
 この学生自治会建設に勝利する路線的核心として、全学連大会では学生自治会論の決定的深化がかちとられた。それは「絶対反対の闘いの中から大衆的団結体をつくり出す」ということだ。
 大恐慌は、大失業・戦争と革命を生み出している。新自由主義攻撃は全面破産し、その延命の支柱としてあった体制内的勢力の支配制動をあらゆる現場から吹き飛ばし、うち砕く時代がついに来た。その中心に階級的労働運動潮流と戦闘的学生運動がうって出て階級闘争を塗り替える挑戦を開始している。労働者階級人民の存在と闘いに規定された階級的力関係を転覆できていない日帝の致命的弱点を徹底的に突き、勝利できる闘いが「絶対反対」の闘いだ。
 動労千葉をはじめとする階級的労働運動が、ついに動労水戸−国労郡山工場の被曝労働阻止闘争における結合と4・26自治労全国スト情勢を生み出したことや、「条件闘争では命は守れない」と喝破した山本太郎さんが民主党・連合を打ち崩して参院選に勝利したことはその典型だ。学生もまた、13年前半戦において広島大学学生自治会の再建をかちとり、委員長に選出された百武拓君へのデッチあげ弾圧と処分策動を自治会建設の力で完全に粉砕するという鮮やかな勝利をかちとっている。
 求められていることは、体制内派の瓦解を「支配の空洞化」ではなく階級的労働運動の権力樹立(拠点建設)へと結実させることだ。われわれが貫いてきた新自由主義に対する「絶対反対」の闘いを、巨万の労働者・学生の大衆的ストライキとして貫徹することが課題になっている。
 その最大の焦点は首都・東京だ。安倍政権と猪瀬都知事による東京五輪招致は、「成長戦略の第4の矢」と言われるとおり、五輪開催を口実にした全面的な民営化・外注化・非正規職化であり、労働者・学生との力関係の反動的転覆を狙った一大階級戦争だ。それは福島を圧殺しての原発再稼働・海外輸出攻撃、沖縄米軍基地強化・改憲攻撃と一体である。学生戦線は、新自由主義と闘う学生自治会建設の大爆発をもって、五輪招致を日帝の墓穴に転化する。

 決戦局面突入の法大闘争

 全国の学生運動の最大の攻防点こそ法政大学だ。今次全学連大会は、7年半の法大闘争が示してきた「絶対反対」の闘いと、そこで生み出される学生の根底的怒りの発露こそが自治会の萌芽(ほうが)であることを明らかにした。「法大闘争が最初に掲げたのは”おかしいことはおかしい””大学の主人公は学生だ”そして”一人の仲間も見捨てない”である」(大会議案)。
 大学当局・資本は今や、「大学は原材料を仕入れ、商品として加工し、卒業証書という保証書をつけて企業へと送り出す」(首都大学東京元理事長・高橋宏)場であると言い放ち、そのために学生のあらゆる団結を破壊しようとしている。これに対し法大闘争は、「絶対反対の怒り」を繰り返したたきつけてきた。そして、襲いかかる弾圧を完全黙秘・非転向の闘いではね返す中で、新自由主義に怒る全国学生の堂々たる結集軸へと成長してきた。その中で、当局支配の破綻と御用学生団体の裏切りを暴き出して前進している。
 そしてついに、法大において学生権力を真にうち立てる決戦攻防に突入した。それは文化連盟委員長・武田雄飛丸君への不当な「無期停学」処分を撤回させ、大学当局による自主法政祭つぶしという最大の自治破壊・団結破壊をうち破る闘いだ。
 96年の清成総長による「自立型人材」路線の確立以来、法大当局は「資本に服従する労働力商品の形成」を求めて、学生自治の破壊にのめり込んできた。それは学生のビラまきを「営業権」の侵害と言いなし、集会や学祭企画の可否は「施設管理権」を持つ当局が恣意的に取捨選択するという、新自由主義の本性をむき出しにする攻撃だった。
 だが、その凶暴性の前に学生が屈服するだろうという大学当局および国家権力の浅はかな願望は、現実の法大闘争によってうち砕かれた。125人の逮捕、33人の起訴、13人の退学・停学処分を下し、闘いの鎮圧を試みても、昨年の10・19法大闘争のように1千人規模の学生の怒りが繰り返し爆発する。この現実を法大当局・国家権力は心底から恐怖している。
 だからこそ法大当局は、文化連盟を非公認化し、代わってCSK(サークル支援機構)や学祭実といった裏切り者を学生内部から育成することで危機をのりきろうと画策してきた。「彼ら(学祭実)は当局から飲酒規制などの要求が出されるたびに、必ず当局と同じ次元に乗っかり、規制を『マナーや安全問題』にわい小化し、自らの屈服の責任転嫁をしてきた」「当局の施設管理権と営業権を肯定する彼らの言動はまさに『管理者』のそれであり、その立場が当局か学生側のどちらかは明らかだ」(大会における武田君の特別報告より)。
 こうした学祭実の屈服は際限なく進み、ついに文化連盟排除と「法大当局への武田君処分要請」に行き着いた。それにとどまらず、当局は自らにくみしないサークルを次々と「危険団体」に指定して排除し、学祭企画の教室割り当てにも露骨に介入し、学祭実はそれを容認した。まさに「学祭つぶし」そのものと言える現実が、学祭実の裏切りを根拠として進められているのだ。
 しかし、それによって学祭実の正体は大衆的に暴き出され、今や敵の完全な墓穴に転化した。「7・12全学説明会は、『全面飲酒規制継続』を既定路線として法大生に押し付け、一方で文連排除をますます激化させている学祭実に対し、2割超の不信任がたたきつけられた」「学祭実が全面飲酒規制継続の根拠としているアンケートの恣意性が指摘され、全学説明会の様子もサークル員がインターネットで配信するなど、かつてない注目だった」「文化連盟と学祭実との対決構造は、今や全法大生をその輪の中に引き込み、非和解的激突へと発展している」(同・武田君の報告)
 こうした攻防の中で、全学連大会には多くの法大生が結集し、文化連盟との決定的結合が開始された。新自由主義の凶暴な展開は、その脆弱(ぜいじゃく)性と表裏一体であり、その渦中から巨大な革命的反乱を生み出している。
 この闘いに中途半端な決着はない。徹底的に「絶対反対」で闘いぬき、当局の不正義性と裏切り者の正体を余すところなく暴露し、そのすべてをうち破る学生自身の新たな権力をうち立てるまで闘い抜かなくてはならない。今まさに法大学生権力樹立の決戦が、不当処分と学祭つぶしに対する「絶対反対」の闘いとして開始されている。
 10・18法大闘争は、この「新たな挑戦」を、法大生と全国学生の団結でかちとっていく決戦だ。

 首都圏で力関係変えよう

 法大闘争の新たな挑戦と一体で、全国での学生自治会建設の本格的発展をかちとろう。
 それは第一に、京都大学、広島大学、東北大学など全学自治会をうち立てた拠点大学が、さらに広範に学内大衆運動の拠点をうち固め、「絶対反対」の大衆的な権力として自らを確立し、当局・資本・国家権力の中枢をうち破る闘いだ。
 第二に、沖縄・福島をはじめ階級闘争の最大火点から学生自治会を新たに生み出す挑戦だ。
 そして第三に、何よりも東京・首都圏における力関係を根底的に転換し、あらゆる大学に学生自治会を建設していく決戦だ。大学における新自由主義の核心は、東京において御用団体以外のあらゆる学生自治を徹底的に根絶・一掃する攻撃だった。しかし、もはや新自由主義の破産は御用団体すら維持できないほどに深まり、巨大な「支配の空白」が生まれている。それは表面的には、「学生自治の解体的現状」として映し出されているが、けっしてブルジョア支配の貫徹などを意味しない。あらゆる制動がうち破られ、せきを切って根底的な怒りが噴出しようとしている。この大流動情勢に躍りこみ、日帝支配の要となっている首都圏大学で全面的に学生権力樹立を成し遂げよう!

 無数の学生共産主義者を

 開始された巨大な地殻変動を現実の勝利へと結実させる根拠は、それを目的意識的に推し進める党の団結と拡大だ。闘いの新たな段階は、学生戦線のすべての同志が「階級の指導部」へと飛躍することを厳しく迫っている。中央委員会と細胞、地区党と産別委員会の建設を軸とする、プロレタリア独裁権力を準備する党建設の一環として、無数の学生共産主義者を生み出し、党と労働組合・学生自治会の一体的建設の中で階級の指導部建設に勝利しよう。
 その最大の武器こそ機関紙『前進』だ。資本と体制内派を打ち砕く、階級的労働運動の権力樹立の闘いの報告があふれる紙面へと『前進』を刷新し、その躍動をもって1万人読者網としての労組活動家・自治会活動家の隊列を形成しよう。
 その闘いの一切を11・3全国労働者総決起集会の1万人結集として集約し、巨大な階級決戦を押し開こう。
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【要項】10・18法大解放総決起集会
 不当処分撤回! 学祭規制撤廃! 大学の主人公は学生だ!
 10・18法大解放総決起集会
 10月日(金) 12時40分 法政大学市ヶ谷キャンパス集合
        午後1時30分 法大包囲デモに出発
 呼びかけ/法政大学文化連盟
 ※法大デモ終了後に霞が関へ移動→国会へ「改憲阻止・安倍打倒」のデモ

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週刊『前進』(2602号5面2)(2013/09/30 )

焦点

 「出口戦略」の発動を見送り

 進むも退くも地獄の米経済

 最末期帝国主義の絶望的延命形態である新自由主義の破綻・崩壊が始まっている。米連邦準備制度理事会(FRB)は、9月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、「出口戦略」の発動(量的緩和の規模縮小)を見送らざるをえなかった。
 FRBは毎月850億j(約8・4兆円)の大量の資金を市場に供給して米経済を支えている。これをいつまでも続ければ必ず爆発的なインフレと金利高騰、国債バブルの崩壊、そして世界大恐慌はさらに全面的に激化していく。この見通しへの恐怖から「出口戦略」が模索されているのだが、そこに踏み出せなかったのだ。実際にこれを発動すれば、米帝経済がたちまち大不況に落ち込むことは必至であり、そのことにバーナンキはおじけづき、「出口戦略」の発動を見送ったのである。
●最大失業率は悪化している
 今回の事態は、米帝経済の危機が深く進行していることを示している。バーナンキFRB議長は「出口戦略」の実施を見送った理由を、「雇用情勢はわれわれの期待にはほど遠い」「現在の7・3%の失業率は、容認できる水準よりはるかに高い」と述べ、いま量的緩和を縮小すればたちまち大失業が悪化する懸念を表明した。8月の失業率が低下したのは「職探しを断念する人が増えたためだ」と、失業問題はむしろ悪化していることに危機感をあらわにした。
 実際、失業者とパートと限界労働者(過去1年間に求職したが調査前4週間は行っていない)を加えた最大失業率をみれば、3〜5月は13%台だったものが、6〜7月には14%台に悪化し、数字に表れない失業者も加えれば現実には20%以上だと言われている。そしてプロレタリアートの怒りと闘いの爆発、プロレタリア革命への恐怖が米帝を突き動かしている。
 そもそも「米国経済は回復した」なる大合唱は極めて政治的・イデオロギー的な宣伝でしかない。米経済を牽引(けんいん)する住宅市場について見れば、新規住宅販売数(7月)は前月比13・4%も激減、住宅着工件数(8月)は前月比3・8%も減少した。住宅ローン金利の上昇が住宅需要の落ち込みに拍車をかけている。バーナンキは「金利の上昇が経済全体や労働市場の改善を遅らせる可能性がある」と語った。実際、「出口戦略の発動近し」の予想が流れただけで長期金利(10年物国債)はわずか3〜4カ月間に1・5%台から3・0%近くまで急上昇した(債券価格の急落)。さらに4%を超えて長期化すれば必ず大不況へ追い込まれる。その影響は日本を始め全世界にたちまち波及する。
●「政府閉鎖」の末期的危機
 さらに「財政の崖」問題も深刻だ。3月に始まった政府支出の「強制削減」措置に加え、政府の借金の上限を引き上げる法案が成立していないため、このまま行けば10月にも米政府そのものが債務不履行(デフォルト)になる可能性が出ている。また「医療保険制度改革」をめぐるオバマと野党共和党の対立が深まり、来年度予算案が9月末までに成立しなければ、連邦政府の庁舎が緊急性あるものを除きすべて閉鎖される。多くの労働者が新たな失業の危機に直面している。デトロイトどころか、米政府そのものが破綻の危機にあえいでいるのだ。
 こうした八方ふさがりの現実におののき、バーナンキは「出口戦略」の発動を見送った。米帝経済はカンフル注射を打ち続けることなしに、もはや1日たりとも生きていけない体質になっている。ここに進退窮まった米帝の絶望的な危機が凝縮して示されている。
 今回の見送りは危機を先延ばししただけだ。それは、より巨大な米帝危機の爆発を準備する。いずれにせよ米帝はどこかで「出口戦略」を探らざるをえない。それはそれで大恐慌の新たな激化を引き起こす。米帝経済の危機と破綻は、欧州恐慌、中国バブル崩壊、アベノミクスの崩壊を伴い、世界経済の長期大不況化→争闘戦の激化→分裂化・ブロック化の深まりとして進む。大恐慌は大失業と戦争と革命を生み出す。労働者階級に求められているものは、プロレタリア世界革命の勝利に向けて、階級的労働運動の大前進、党と労働組合の一体的建設を闘いとることである。

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週刊『前進』(2602号5面3)(2013/09/30 )

 団結街道裁判 “前例なき道路廃止だ”

 NAA・成田市を徹底追及

 9月24日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で団結街道裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、農地強奪攻撃の一環であった団結街道廃止の暴挙への怒りをあらためて呼び覚まし、ともに闘った。
 団結街道は、天神峰の市東孝雄さんの自宅と耕作地を直接つなぐ道路であり、生活と営農のためになくてはならない道だった。強権的一方的に封鎖し廃止したことは、許されない。それを、被告の成田空港会社(NAA)と成田市は「公共事業等の公益上の目的のために必要な土地では、路線を廃止しても支障ない」と居直ってきた。
 そして、「廃止が適正であったことを同じような前例を示すことで証明する」と主張してきた。ところが、現に耕作されている土地に接している道路を一方的に廃止したなどという前例は一つもなかった! 裁量権を逸脱したきわめて特異な道路廃止が行われたのだ。そしてその道路であった土地は、格安でNAAに払い下げられた。
 この点を指摘され問い詰められた被告・成田市はまたも言を翻し、「総合的に考慮して判断した」などとなんら説得力のない主張を持ち出してきた。総合的考慮とは、「結局ここは空港になるんだ。道路を廃止しても構わない。住民は犠牲になれ」ということだ。
 弁護団はこの悪質・卑劣で場当たり的な主張を一層鋭く追及した。そして道路の廃止について、国、県、周辺9市町、NAAの「4者協議」でどのような論議がなされたのかを明らかにするため、議事録などの原資料を出すよう再度求釈明を行った。さらに、廃止処分の経緯を明らかにさせるため、文書提出命令申立書を出した。
 農地裁判で極悪の反動判決を出した多見谷裁判長は、この日も傍聴席から徹底弾劾を浴び、一層険悪な表情に終始した。
 次回期日を12月10日として閉廷したあと、弁護士会館で報告集会が開かれた。司会は伊東信晴さん。
 葉山岳夫弁護士を先頭に、弁護団全員が発言し、NAA・成田市一体の居直りと反動的主張を余すところなく批判し弾劾した。
 さらに連帯発言として動労千葉の後藤俊哉さんが、翌日の鉄建公団訴訟控訴審判決を迎え撃つ決意を表した。
 最後に萩原進事務局次長が、次のようにまとめを行った。
 「あの02年ワールドカップ開催の時の暫定滑走路供用を思い出してほしい。つぎはぎでもなんでも、とにかく滑走路を造って、実際に飛行機を飛ばし、その既成事実の圧力で住民を追い出そうとした。許すことはできない! 今度も20年東京オリンピックに向けて、早朝深夜の制限を取っ払い、24時間空港をめざし、もう1本滑走路を造り、反対している連中は追い出せ、という攻撃になることは目に見えている。だがそんなことは簡単にいかない。空港周辺の住民の怒りは、もうがまんの限界だ。福島や沖縄も黙っていない。そして安倍政権における経済の破綻、改憲の野望、こうした時代の様相をていねいに分かりやすく訴え、ともに闘う同志を募っていこう。多くの人に心から手をさしのべ、10・20三里塚現地への大結集を実現しよう」
 このアピールをしっかりと受けとめ、参加者全員が大きな拍手で応えた。
(写真 報告会で葉山弁護士が「NAAの違法をすべて暴く」と決意)

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週刊『前進』(2602号6面1)(2013/09/30 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 『愛と革命』を読んで 証拠開示へ思い新た 徳島 天の原恵

 徳島・星野さんを救う会の4人の会員から寄せられた『無実で39年 獄壁こえた愛と革命 星野文昭・暁子の闘い』の感想を紹介します。
 Aさん
 まず、最初の絵と詩で感動しました。文昭さんと、暁子さんの獄中救援の歩みを、徳島・星野さんを救う会の歩みとオーバーラップさせながら読みました。
 各人が星野さんと最初に出会ったときの気持ちを思い起こさせる。そして、思いを新たにして、階級的労働運動の力で星野全証拠開示運動に踏み出していく。そんな本になっていると思います。絵と詩が一つになって、「FUMIAKIKO」の文字そのものだと思います。
 第三部のところは、さらに読み込んで全証拠開示運動の武器にしていきたいです。
 Bさん
 獄中39年という中の、激しく、長い闘いを読んで圧倒されました。自分も星野さんの闘いに、もっと学びたいと思いました。
 Cさん
 ついにまとまった星野の本ができましたね。星野闘争の深さが表れている。
 Dさん
 120nの「トラ部隊について」のくだりは、永田典子さんの闘いと合わせて心が震えた。
 とかくベトナム反戦、70年安保・沖縄闘争は、「学生運動のイメージ」でとらえられがちですが、それだけではない。まさに、革命的共産主義の主力部隊として青年労働者の隊列が仁王立ちしている。
 デモ指揮のリーダーは渋谷にむかう最後の機動隊の阻止線を、この労働者自己解放の爆発的団結の力で突破しようと試みた。まさに今現在の新自由主義とのたたかいで、青年労働者に勇気を与える一冊だと思いました。

 反対同盟一斉行動で騒音地域の実情知る 東京 田宮龍一

 9月8日、三里塚反対同盟の成田市と芝山町への一斉行動に私も参加し、A地区を反対同盟のビラを配って回った。A地区はこの間の一斉行動ではまだ一度も訪れていない集落だ。
 一見すると穏やかな田園風景が広がる農村地帯で、田んぼでは大型機械での稲刈りが行われていた。が、歩きはじめてすぐにけたたましいジェット機の騒音が村を覆った。かなりの近さに見える。しかも数分おきだ。
 特に大型ジェット旅客機の騒音は、人間の腹を内部から揺さぶるような重く強烈な低音を伴っている。三里塚現地の天神峰や東峰に通っていると、騒音が地域を覆っていることにある種の「慣れ」が生じていたが、初めて訪れた地でこの騒音を味わうと、生活への影響の深刻さを感じざるをえない。
 一軒ずつ農家を訪ねるごとに、空港と騒音に対する怒りや反感が表された。「今さら闘っても」というあきらめも少なからず聞かれたが、反対同盟の闘いへの共感も得た。
 そしてここは、移転補償の有無で集落のど真ん中に「線引き」をされ分断された地域であることがわかった。ある家は補償をもらって引っ越し、耕作のために畑に通ってくる。その家の目と鼻の先の別の家は、ひたすら騒音に耐えて住み続けるしかない。こうした事態が地域にもたらす負の影響は容易に想像がつく。
 A地区では実際に移転が進み人口が半減しているという。住宅地図上で確認したいくつかの家は完全になくなっていた。人が住んでいる気配がまったくない家も何軒かあった。「この集落には子どもは3人しかいない!」とも言われた。
 まさに国策としての空港のもたらしたものは、「地域共生」どころか農村地域の破壊だった。
 「億の金をもらうよりも、1本100円の大根を作り続ける」という市東さんの生き方の重要な意味をあらためて感じた。

 ストの指導者返せ! 中国全土に連帯拡大 河原善之

 5月7日から広東省深セン(センは「土」へんに「川」)市宝安区石岩街道にある迪威信家具用品深セン有限会社で、従業員300人のストライキが爆発した。会社側は広東省恵州市へ工場を移転しようとしており、それに伴い労働者をリストラしようとし、しかも補償金をちゃんと払おうとしなかったからだ。会社側は工場の機械などを運び出そうとしたが、労働者は実力で阻止してきた。
 労働者はストを闘う一方で、石岩労働所へのデモや要請行動に立ち上がった。この中で5月23日には200人が警察に逮捕された。逮捕者は順次釈放されたが、スト指導者とされた呉貴軍氏は120日たった今も勾留され続けている。
 労働者は「呉貴軍を返せ!」と連日の闘いに決起している(写真)。そして全中国の現場労働者、とりわけ非正規の労働者が次々と「ストライキは無罪だ」と抗議の声を上げ、香港の労働者も連帯の声を上げている。
 しかし公認の地元労働組合である広東省総工会は、この事態に一切介入せず、資本・政府の弾圧を容認し続けている。この工会に対しても労働者の怒りがたたきつけられている。
 習近平体制の強権的な弾圧はすさまじい。習体制のもとでは、人権を求めて始まった新公民権運動の弁護士や記者、活動家らが次々と逮捕され、200人を超える逮捕者が出ているという。アイフォーンの工場では「食事時間は5分」「女性は妊娠検査」などのすさまじい虐待が行われていることも明らかになっている。
 こうした弾圧下でのこの工場労働者の決起は、すべての人民の最先頭で習体制を直撃する闘いとなっている。中国の労働者階級との連帯をかけて、11月集会の爆発をかちとろう!
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 〈投稿規定〉

 原稿は600字以内。紙面の都合で短くする場合があります。原稿は返却しません。都道府県名または地方名、職業、所属組織・団体、希望のペンネームを添えてください。
 あて先は、〒132−0025 東京都江戸川区松江1−12−7 前進編集局「団結ひろば」係。『前進』ホームページの「安心メール」でも受け付けます。

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週刊『前進』(2602号6面2)(2013/09/30 )

 「秘密保護法」絶対阻止へ

 情報統制と治安弾圧の強化で

 戦争体制構築狙う安倍

 安倍政権は今秋臨時国会に「特定秘密保護法案」を提出しようとしている。これは、1980年代に国鉄分割・民営化と原発大増設を強行した中曽根政権が同時に画策した「国家秘密法案」を上回る治安弾圧立法だ。
 日帝・安倍政権は世界大恐慌のもと、新自由主義の破綻をのりきるために労働者階級人民への攻撃を強める以外にない。しかし、国鉄決戦の前進と反原発闘争の高揚に追いつめられ、戦争・改憲と一体の治安弾圧体制の強化へと突進しようとしている。
 自分たちの命と未来にかかわることを知ろうとすれば罪とされる――それが「特定秘密保護法」だ。職場・街頭で危機感が広範に巻き起こり始めている。国鉄決戦を軸に団結を広げる階級的労働運動の登場こそが勝利の鍵だ。11月労働者集会1万人結集を呼びかけ組織化し、巨万の大衆闘争の爆発でこの希代の悪法を粉砕しよう。

 「特定秘密」規定で対象拡大

 中曽根政権時、労働者人民の激しい反対闘争によって廃案に追い込まれた「国家秘密法案」の秘密対象は「防衛・外交」だった。だが、民主党政権時の2011年に明らかになった「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」の報告書では、「秘密とすべき事項の範囲」に「公共の安全及び秩序の維持」(=治安維持)という内容を加えた。このきわめてあいまいかつ広範囲の情報を秘密の対象にするエスカレーションに対して、強い批判が浴びせられ、粉砕された。
 安倍政権下の「特定秘密保護法案」は、これを「外国の利益を図る目的の安全脅威活動の防止」「テロ活動防止」(要するに「スパイ・テロ対策」)に言い換えた。警察や原発関連の情報などを、「テロのおそれ」を口実に「特定秘密」に指定し隠蔽(いんぺい)する、そして治安上必要だとして無制限に秘密対象を拡大する――危険性はまったく同じだ。
 何を「特定秘密」とするかは、「日本の安全保障に著しく支障を与える場合に、関係閣僚らが指定する」という。首相をはじめ各省庁などの国家諸機関のトップが情報を「特定秘密」として指定すれば、どんな情報でも国家機密情報となる。それを他人に教えたり、また、労働者民衆がそれを獲得したり知ろうとしたりすることを犯罪行為とみなし、最高で懲役10年の重罰を科すというのだ。

 公務員への脅迫と団結破壊

 今でさえ支配階級は労働者階級人民に対し、労働・原発・TPP(環太平洋経済連携協定)交渉・基地などの重要関連情報を隠そうとしている。法案が成立すれば、「日本の安全保障」という名目で政治・軍事・経済・社会の全領域において、支配階級に都合の悪い情報がブラックボックスと化し、都合のいい情報・虚偽情報が垂れ流される。軍機保護法や大本営発表の再来だ。
 直接の漏えい行為のみならず、「共謀」「教唆」も処罰対象となる。実行行為がなくても話し合っただけで罪とされる「共謀罪」攻撃そのものだ。何が「特定秘密」なのかも秘密で、それにアクセスしようとすること自体も処罰対象にされてしまう。「特定秘密」に指定されているとは知らずに相談や依頼をしたり、「放射能拡散情報を隠すな!」と要求するだけで逮捕されかねない。
 特にこれらの情報を扱う国家公務員は、「適性評価制度」のもとで自分だけでなく家族・親類・友人などを含め、徹底した調査の対象にされる。公務員が政府の不正・腐敗を知り得て内部告発したら、「秘密の漏えい」として処罰されかねない。
 こうして国家公務員・自治体労働者はもちろん、独立行政法人の職員、国や自治体から事業委託を受けた民間企業の労働者や大学までも広く監視対象とすることで、全面的な情報統制に直結していく。それは、革共同機関紙『前進』を始めとしたあらゆる宣伝・報道活動への検閲・統制へとつながっていくのだ。
 まさに革命運動や4大産別を始めとした労働運動に対する国家権力中枢の治安管理・弾圧強化による巨大な団結破壊攻撃なのである。また、この反革命は公務員労働運動壊滅を突破口に労働者人民を戦争に動員していく攻撃でもある。戦後体制を根本的に改変し、戦時治安弾圧体制への移行を狙うものだ。
 したがって勝利の道は、「日本の安全を守るためにスパイ・テロ対策は必要だが、知る権利や報道の自由は守るべき」といった立場ではなく、国鉄決戦を軸とする階級的労働運動の前進で労働者の団結を強化し国際連帯を発展させることにある。それが帝国主義の治安攻撃を根本的に批判・粉砕するのである。

 労働運動の力で悪法葬ろう

 安倍政権は、労働者階級人民の闘いを根絶して、軍事・治安攻撃を背景に資本がどこまでも搾取できる社会をつくるべく、集団的自衛権行使・改憲を見すえた「戦争と治安管理強化」を推し進めている。その切り札として今回、「車の両輪」と称して出してきたのが特定秘密保護法案と国家安全保障会議(日本版NSC)設置攻撃なのである。NSCのもとには事務局として自衛隊制服組も入れた「国家安全保障局」(米国情報機関NSAと同名)を置き、さらにスパイ荒川碩哉(ひろや)を摘発・粉砕された内閣情報調査室を改組して、第2次大戦時の日帝治安中枢だった「内閣情報局」を復活させようとしている。
 だがこれらは、大恐慌の爆発・激化と新自由主義の破産に追いつめられた日帝に対して、反原発闘争が大高揚し、何よりも民営化・外注化粉砕の国鉄決戦が新たな勝利の段階を切り開いていることへの絶望的な反動だ。安倍政権は、これまで3度も廃案になった「共謀罪」新設法案についても、「五輪テロ」警戒を口実に国会提出する方針を打ち出してきている。この一連の反革命の動きは、革命の前進の証しであり、虚構の上にかろうじて成り立つ日帝の断末魔の悲鳴だ。労働者階級人民の団結の力で安倍政権を打倒しよう。特定秘密保護法案を共謀罪新設および「新たな捜査手法」導入策動と串刺しにし、一切の治安立法を葬り去ろう。
 (吉澤夏樹)
   ◇
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 STOP!安倍の暴走
 つぶせ!改憲―共謀罪も秘密保全法も盗聴法もいらない10・26集会
 10月26日(土)午後1時開場、1時30分開会
 国労会館(港区新橋5−15−5)
 *集会後銀座デモ
 呼びかけ 集会実行委員会

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週刊『前進』(2602号6面3)(2013/09/30 )

 “住宅つぶし許さない”

 大阪・西郡住宅裁判闘争

 3証人が八尾市を徹底弾劾

 16年間にわたって家賃を供託し、住宅追い出し強制執行や預貯金差し押さえなどによる団結破壊を打ち破ってきた西郡(にしごおり)住宅闘争。9月19日、大阪地裁第24民事部(古財英明裁判長)で行われた10家族の住宅明け渡し弾劾裁判では、裁判闘争の最大最高の山場として住民側3人の証人尋問を闘いとった。
 全国水平同盟西郡支部・杉並支部、八尾北医療センター労組、八尾北命と健康を守る会、共闘の労働者が怒りを込めて総決起し、202号大法廷の100余りの傍聴席を埋め尽くした。
(写真 裁判闘争の最大最高の山場を闘い抜き、一層団結を固めた【9月19日 大阪高裁横】)

 市のウソを暴く

 最初に八尾北医療センター院長・末光道正さんが証人尋問に立ち、八尾市を弾劾した。「応能応益家賃制度は住民を西郡から追い出し更地化するために導入された。今回の10家族に対する住宅からの追い出しも西郡の更地化と完全に一体である」「エレベーターのない棟に住む高齢者や足の不自由な住民は、上層階から1階かエレベーターのある棟への福祉住み替えを求めている。ところが『命のかかった』切実な訴えに耳も貸さず、更地化のために住民が死ぬのを待っている」。さらに一昨年8月26日の納付相談に対する八尾市の悪辣(あくらつ)なウソを暴いた。
 八尾市代理人は、末光さんから「応能応益家賃が家族をバラバラにし、若者たちを西郡に住めなくさせている」事実を突きつけられ、「それぐらい知ってます」と答えてしまうなど大破産した。

 青年の未来かけ

 続いて佃文弘君が証言に立ち、「私は証人尋問を6千万労働者、とりわけ2千万青年・学生とともに最後までかちとりたい」と決意表明。そして「住宅問題は部落民だけではなく労働者全体の問題だ。生活していけるような低家賃の公営住宅が必要だ。運送会社で働く西郡支部の青年が懲戒処分に反対の声をあげ関西合同労組に結集して闘っている。私も西郡支部青年部長として非正規職撤廃と一体で住宅闘争を最後まで闘う」と誇り高く証言した。
 追いつめられた八尾市は、供託者に家賃を払う意思がないと描こうとしたが、佃君は「家賃制度を説明してこなかった八尾市の責任だ」と反論し粉砕した。

 家族の遺志継ぎ

 最後に証言に立った87歳の島瀬とよ子さんは冒頭、「私は亡くなった大北昌和の母親です。昌和の遺志を受け継いで最後まで闘います」と宣言。「応能応益でムラから若者が出ていかざるをえなくなった。激しい祭りができなくなって寂しい。八尾市は私を追い出して住宅を空にし更地にしたいと思っている。みんなで運動して建てた住宅をつぶすなど絶対に許さない。夫は住宅建設のために何度も東京や八尾市との交渉に行った。そのため夫はクビになり、私が残業して家計を支えた」と怒りをこめて証言した。この迫力に八尾市は一切反論できなかった。
 3人の証言は、八尾市による住宅追い出し、西郡更地化攻撃の不正義性を暴き出した。傍聴した八尾北労組員は「住宅闘争の正しさがよく分かった。これからも一緒に闘う」と感動をもって語った。
 次回は11月21日、最終弁論が行われ結審する。住宅闘争を新自由主義と闘う全労働者の課題に押し上げよう。部落の青年労働者を合同労組に組織する闘いを推し進め、10・31狭山集会−11・3全国労働者集会に大結集しよう。
 (全国水平同盟西郡支部 植村清)
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●西郡住宅闘争
 1995年、日経連の9割非正規化攻撃と軌を一に政府は公営住宅の民営化−住民追い出しのため家族の総収入で家賃を決める応能応益家賃制度を導入。98年から西郡の住民は家賃を供託、「絶対反対」を貫き大阪市長・橋下徹の道州制−民営化・更地化と先頭で闘っている。

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週刊『前進』(2602号6面4)(2013/09/30 )

 『愛と革命』を多くの人に

 無期刑うち破る感動の書

 星野さん奪還へ絶好の武器

 星野闘争勝利の決定的な武器が発刊された。「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」編集・発行の『無実で39年 獄壁こえた愛と革命  
 星野文昭・暁子の闘い』がそれだ。9・8徳島刑務所包囲闘争が切り開いた地平に立ち、国鉄闘争・反原発闘争と一体のものとして『愛と革命』を多くの人に購入して読んでもらい、星野文昭さんを取り戻そう。
  『愛と革命』を読んで第一に抱くのは、なんとしても星野さんを奪還するという決意である。

 水彩画29点と詩が胸を打つ

 星野文昭さんは獄中39年を不屈に闘い抜き、無期懲役をその根幹において打ち破っている。星野暁子さんは、文字通り彼と一心同体で闘っている。第一部には、星野さんが獄中で描いた水彩画29点が、暁子さんの詩とともに美しいカラーで掲載されている。第二部は、暁子さんの手記である。この二つが一体になり、読者の胸を打つ。
 星野さんは、「私と絵」と題して、なぜ獄中で絵を描くのかを明らかにしている。「私の絵は、私と共に生きる、ということを選択し、様々な困難をのりこえ共に生きている暁子に、感謝と愛情と全ての思いを込めて贈るために描いているものです」と語っている。同時に、「自然と人間、生きとし生けるものへの愛と賛歌」であり、「人間本来の社会をめざして、暁子との絆・愛を深め、全ての人々とのつながりを深め、全てを奪い返し生きる未来を開く力を日々つくりだしている」と訴えている。
 星野さんはなぜ39年も不屈に闘えるのか。労働者階級に無限の信頼を寄せ、その勝利を確信しているからである。それを込めて描く絵だからこそ、この本でも各地の絵画展でも、大きな感動を生み出すのだ。
 「生命の輝き」という暁子さんの手記は、今年7月9日、酷暑の中の面会から始まる。6月の面会で花束と一緒に持っていたグミの実を食べたことに、「暁子が何かを食べるのを見たのは、初めてだ」と星野さんが語ったことを伝えている。このことに私も強い衝撃を受けた。「生命の輝き」では、星野さんの39年、獄中結婚の27年が、見せしめとしてではなく、無期懲役を打ち破る闘いと勝利の日々であったことが語られている。この本を一人でも多くの人に読んでほしい。

 真実を訴える星野「陳述書」

 『愛と革命』を読んで腹の底から感じるのは、国家権力に対する怒りである。
 第三部の冒頭に、2009年の第2次再審請求にあたって提出した星野さんの「陳述書」が全文掲載されている。各地の読書会では、声を出して読み合わせしてほしい。
 「私は無実だ。私はやっていない。
 中村巡査への殴打をしていない。
 火炎びん投てき命令をしていない。
 これは一点の曇りもない真実だ。
 にもかかわらず、35年の投獄と23年の無期刑を強いている。
 一体、こんな理不尽なことが許されるのか。心の底からの怒りで一杯だ」
 1971年11・14渋谷闘争に驚愕(きょうがく)した国家権力は、星野さんを「無実を百も承知で」機動隊員せん滅の「実行犯」にデッチあげた。星野さんを有罪とする物的証拠はない。あるのはデモに参加した学生6人の「供述調書」だけだ。内3人が少年だ。
 国家権力は密室で拷問的な取り調べを行い、「星野さんが殴打するのを見た」「火炎瓶を投げるよう指示するのを聞いた」という「供述調書」をねつ造した。こんなものを唯一の「証拠」として、星野さんは無期懲役を科されているのだ。
 第三部の「再審弁護団の訴え」と確定判決批判は、星野さんの無実を完全に明らかにしている。
 絶対に許せないのは、国家権力がいまだに星野さんの無実の証拠を隠していることである。第四部で、「無実のゴビンダさんを支える会」の客野美喜子さんは、「再審を開く鍵が証拠開示にある」と提起している。「足利事件」「布川事件」「ゴビンダ事件」の再審開始・無罪判決を切り開いた「新証拠」は、最初から検察庁の倉庫にあったのだ。
 全証拠開示大運動を圧倒的に推し進め、検察官が隠し持つすべての証拠を出させよう。全証拠を開示させれば、デッチあげは必ず粉砕できる。
 星野さんを取り戻すのは労働者階級の力だ。星野闘争は現在、労働者階級と国家権力の激突の最前線に立っている。国家権力と闘って、闘って、闘い抜いて、星野さんを取り戻すのだ。

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 『愛と革命』を広めて、11・3労働者集会1万人結集を実現しよう。その力で12・1星野全国集会の成功を切り開こう。
 『前進』新年号で提起された星野闘争を3大階級決戦の一つとして闘うという革共同の方針は、6・30星野全国集会の成功と9・8徳島刑務所闘争の勝利をもって完全に物質化された。
 国鉄闘争、反原発闘争と星野闘争がうなりを上げて前進する展望が開かれている。帝国主義の最後の延命策である新自由主義は完全に破綻している。新自由主義のもとで生きることすら奪われた膨大な数の労働者人民の決起が始まっている。国鉄決戦でプロレタリア革命を切り開く時代が到来している。一切を11・3労働者集会1万人結集に集約しよう。12・1星野全国集会に大結集し、東京高裁にデモをかけよう。『愛と革命』を武器に星野文昭さんを労働者階級の手に取り戻そう。
 (星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議事務局 金山克巳)
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 発売:株式会社ギャラリーステーション
 定価1890円(本体1800円+税)
 全国の書店で発売中

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