ZENSHIN 2013/09/23(No2601
06p)
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週刊『前進』(2601号1面1)(2013/09/23 )
11・3労働者集会1万人結集へ
9・15集会 解雇撤回・外注化阻止へ1100人
全国の職場に闘う労働組合を
「東京高裁・難波孝一裁判長は解雇撤回の判決を出せ!」――動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の判決(25日)を目前に控えた9月15日、動労千葉と国鉄闘争全国運動の呼びかけた総決起集会が東京・代々木公園ケヤキ並木で開催された。全国から1100人の労働者・農民・学生・市民が集まり、渋谷の街を席巻する大デモを行った。台風18号の影響が心配されたが昼過ぎには奇跡的に雨があがり、汗ばむほどの好天の中での集会となった。9・15集会は、4カ月の激闘を闘い抜いた地平での新たな、そして自治体、教労、全逓産別の闘いと一体化し発展していく歴史的な出発点となった。集会開始前、図々しく会場横にたむろして集会破壊を狙う警視庁の公安刑事どもに対して、参加者全体が嵐のようなシュプレヒコールを繰り返したたきつけ、会場後方に追い払った。(関連記事2面)
戦闘的・解放的な雰囲気の中、動労千葉の長田敏之書記長の司会で集会が始まった。
主催者を代表して動労千葉の田中康宏委員長と国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さん(日本近代史研究者)があいさつに立った。
田中委員長は、昨年6月の一審判決とその後の取り組み、JR職場での新たな外注化との闘いの現状を報告し、「多くの労組大会で現場の怒りが噴き出し、腐り果てた幹部たちの支配が崩れ落ちている。ここからが勝負だ」と力を込めた。そして「今年の11・3全国労働者集会を時代の転換点になるような集会としてかちとろう」と満身で訴えた。
伊藤さんは「外注化や非正規職化は『仕方ない』『闘ってもどうにもならない』と多くの労働者が思っているが、それはうそだ。多くの行動を広くつなげていければはね返せる。全国の仲間に呼びかけ、力を一つに結集させるために全国運動は頑張る」と述べた。
(写真 「東京高裁は解雇撤回の判決を出せ!」。25日の判決に向け1100人が拳を上げた【9月15日 東京・代々木公園】)
階級的労働運動の力強め
連帯のあいさつに移った。三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原富夫さんは、「市東孝雄さんの農地取り上げに反対する緊急署名が1万2千集まった。この力で仮執行宣言を付けさせない勝利をかちとった」と語り、三里塚現地での10・20総決起集会への結集を訴えた。
とめよう戦争への道!百万人署名運動の西川重則事務局長は、明文改憲を狙う安倍政権に対する国際連帯の実現に向けた決意を語り、すべての原発いますぐなくそう!全国会議(な全=NAZEN)の織田陽介事務局長はフクシマの怒りに応える闘いを呼びかけた。
続いて当該と弁護団が次々とマイクを取った。
動労千葉弁護団の葉山岳夫弁護士は、東京高裁による不当労働行為隠しを弾劾し、「最後に勝負を決めるのは現場の階級的労働運動の力だ。これからが勝負だ」と力説した。同じく藤田正人弁護士も「どんな判決が出ようが闘いは勝利するまで終わらない。ともに闘う」と決意を述べた。
動労千葉争議団の高石正博さんは「世の中を変えていくには、1047名解雇撤回裁判になんとしても勝利しなくては」と決意を語り、同じく中村仁さんも「外注化で出向に出されたり駅に強制配転された組合員とともに闘い、解雇を撤回させて絶対にJRに帰る」と宣言した。
国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんも「『一人の首切りも許さない』という原則に立ちきり、解雇撤回させるまで人生をかけて闘い抜く」と述べた。国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは、最高裁による9月10日の鉄道運輸機構訴訟上告棄却を激しく弾劾し「階級戦争に対しては階級戦争をたたきつけ、団結拡大と国際連帯で勝利する。それが国労闘争団の回答だ」と新たな戦闘宣言を発した。
さらに、全国で展開された解雇撤回・JR復帰の10万筆署名運動の手応えと教訓を新潟と東京東部の労働者が報告した。
動労千葉の関道利執行委員のカンパアピールに続き、動労総連合の各単組から10・1外注化・非正規職化阻止に向けた烈々たる決意が表明された。
動労千葉幕張支部の山田護支部長は「計画業務の外注化に伴う9月12日からの出向事前通知を拒否して闘っている」、動労水戸の石井真一委員長は「外注化阻止へ9月4日、13日とストライキを打った」と報告した。動労連帯高崎の漆原芳郎副委員長が「高崎鉄道サービスの労働者が動労連帯高崎に加入した」と組織拡大を報告すると、大きな拍手が沸いた。動労西日本の山田和広書記長は外注化阻止・非正規職撤廃への決意を述べた。
(写真 動労千葉を先頭に雨を吹き飛ばして進むデモ隊に若者が熱い注目【渋谷】)
国鉄署名が4万筆超える
続く決意表明の最初に国労郡山工場支部の橋本光一さんが立ち、動労水戸の闘いを引き継いで被曝労働拒否の闘いをやりきったと報告、労組の枠を越えた闘いができたのは「団結を求めて運動をつくってきたからだ」と確信も固く語った。さらに、大阪市長・橋下打倒の先頭に立つ豊中市職の深町加代子さん、三浦半島教組の労働者、JP労組新仙台の谷和司さん、合同・一般労組全国協の吉本伸幸共同代表、全学連の斎藤郁真委員長が闘う決意を表明した。
最後に、国鉄闘争全国運動呼びかけ人である山本弘行さんが集会宣言を高らかに読み上げ、解雇撤回・JR復帰要求の署名が4万3604筆に達したことを報告した。
意気高く集会をかちとった参加者は、色とりどりの組合旗を林立させてデモに出発した。また降り出した雨をも吹き飛ばす勢いだ。「”首切り自由”を許さないぞ! 労働組合をつくってともに闘おう!」という呼びかけに、渋谷の街の若者たちから大きな注目が集まった。
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週刊『前進』(2601号1面2)(2013/09/23 )
9・14さようなら原発大集会
“再稼働絶対阻止する”
稼働原発ゼロ迎え 9千人が新たな決意
9月14日、「さようなら原発」1千万署名市民の会主催の「再稼働反対! 9・14さようなら原発大集会」が東京の亀戸中央公園で行われた(関連記事4面)。福島第一原発からの汚染水流出に対し全国各地で危機感と憤激が激しく高まり、国際オリンピック委員会(IOC)総会での安倍首相の”すべてがうそ”の演説に怒りが沸騰している。14日の行動には9千人の労働者民衆が駆けつけ、集会とデモを闘いぬいた。
会場では午前11時から店が出され、原発反対を闘う多くの団体が展示や書籍販売などを行った。NAZENの仲間は保養の写真を展示し、『NAZEN通信』や保養のパンフ、ふくしま共同診療所のTシャツ、缶バッジなどを販売した。国鉄闘争全国運動の仲間も動労千葉鉄建公団訴訟の10万筆署名や物資の販売を行い、大きな反響を呼び、500筆の署名が寄せられた。三里塚の野菜の産直を担っている仲間は野菜を販売し、好評だった。
12時50分からの第1部集会で、福島から避難している女性たちが国と東電の責任を追及する発言。原発立地からは再稼働の動きが報告され、闘いが呼びかけられた。
バンド演奏に続き、午後2時、第2部が始まった。開会あいさつを作家の落合恵子さんが行い、安倍のうそ演説を烈火のごとく弾劾し、電力資本の再稼働の動きを厳しく批判。さらに基地問題、福祉切り捨て、非正規社員の増加、TPP、改憲の攻撃にも警鐘を鳴らし、最後に「本当に自分自身をかけてこの状況を阻止しませんか。倍返しじゃない、千倍返しをしていく。再稼働はもちろん反対」と明言した。
主催者あいさつに立った作家の大江健三郎さんは、自民党は改憲を掲げ、再稼働をやめるとも原発を廃止するとも言っていないと弾劾。しかし民衆の意思は”原発廃止”だと言い切り、「オリンピックが来ようが、常に福島の現実を外国の人に伝えよう、運動を続けよう」と呼びかけた。
NAZENも元気よくデモ
続いて、福島からの避難者、原発立地で闘う人たちが発言した。郡山市から静岡県へ避難している男性は「フクシマの痛みを悲しみを、この国の未来を開く鍵につなぐ」と語った。さらに泊、伊方、川内の各原発の地元で闘う人たちが現状を報告し、再稼働阻止の決意を表明した。
閉会あいさつをルポライターの鎌田慧さんが行い、「明日9月15日は原発がまたゼロになる記念すべき日。絶対再稼働を認めない」と宣言した。
デモ出発だ。浅草・押上コースの先頭には横断幕を掲げた大江さん、鎌田さん、落合さんが立った。約400人のNAZENの隊列ものぼりや旗を押し立て、「何がなんでも原発廃炉!」「魚が食べたい!」「深呼吸したい!」と、ひときわ元気なコールを上げながら進んだ。
(写真 迫力あるNAZENのデモに沿道や窓から多くの人が手を振り声援を送った【9月14日 東京・墨田区】)
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週刊『前進』(2601号1面3)(2013/09/23 )
【要項】動労千葉鉄建公団訴訟控訴審判決
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審判決
9月25日(水)午後2時
東京高裁824号法廷
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週刊『前進』(2601号1面4)(2013/09/23 )
前進速報版から
▼動労千葉鉄建公団訴訟勝利へ9・15総決起集会▼動労水戸、10・1外注化阻止へ第2波スト▼首相官邸前で安倍への怒りの発言次々
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週刊『前進』(2601号2面1)(2013/09/23 )
“9・25勝利判決をもぎり取ろう”
国鉄分割・民営化に決着を 9・15集会での発言
「解雇撤回まで闘い続ける」――動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の判決を目前に控えた9・15総決起集会は、解雇撤回の勝利判決をもぎり取る決意と熱意に満ちあふれる集会となった。主催者あいさつと動労千葉争議団、国労闘争団、弁護団の発言を紹介します。(編集局)
(写真 「ここからが勝負だ」。田中委員長の全力の訴えに真剣に聞き入る全国の労働者【9月15日】)
主催者あいさつ
権力の意志うち砕き労働者の怒り晴らす 動労千葉委員長 田中康宏さん
今日の集会をここで催した理由はただひとつです。9月25日の裁判に勝利することです。勝利判決を今日の集会とデモで絶対にもぎり取りたい。
高裁に向けた署名運動を展開してきました。本日で署名は4万筆を超えました。
日本の全労働者が国鉄分割・民営化攻撃をきっかけに、ここまで権利を破壊され、未来を奪われました。もう我慢は限界です。怒りの声をたたきつけ、本当に労働者が人間が人間らしく生きられる社会をつくりたい。そのために9・25判決に勝利したいと思います。
国鉄分割・民営化はまさに暴力的な首切り攻撃であり、労組破壊攻撃でした。「国鉄とJRは別会社。国鉄はなくなるから全員辞めてもらう。JRは新しくつくる民間会社だから誰を採用しようが採用の自由だ。仮にこの過程で組合つぶしが吹き荒れても、新しくできた新会社には不当労働行為の責任は一切及ばない」と言うんですよ。
しかし、僕らの闘いはついに、最後のねじ一本を抜けば、この26年間、権力がやってきたことすべてが崩れ落ちるところまで迫りました。誰を解雇するか、JRの設立委員会と旧国鉄幹部、運輸省幹部が詳細に決めていたんです。「別法人」どころか国もJRも国鉄もすべてが絡んだ国家的不当労働行為だったんです。ついにこの真実を具体的に暴き出しました。
だから本来、25日の判決は勝利判決以外にありえません。だけどこの真実を暴き出した途端、一審判決を出した裁判長は更迭され、高裁の裁判長は1人の証人も調べないまま結審を強行した。これは国家権力の意志です。これを打ち砕いて、二十数年間の労働者の怒りを晴らしてやる。
職場では新たな外注化の事前通知が行われています。民営化の次に来たのは、鉄道業務のすべてを下請け会社に丸投げし、安全も雇用も全部なぎ倒していく攻撃でした。だから民営化、外注化は絶対に許してはいけない。こんな外注化は違法であり偽装請負です。
外注化を粉砕するためには、職場で本格的に組織拡大する以外にない。闘う労働組合を全国に拡大する以外に勝利の道はないことを固く決意し、全力で組織拡大に立ち上がっています。
腹の底から怒りが煮えくり返ることがあります。安倍政権の姿です。集団的自衛権の容認はクーデター的な憲法解釈の転換です。福島原発の汚染水問題は手を打つことができない現実になっているにもかかわらず、安倍は「すべてはコントロールされていて安全だ」と言った。オリンピックの空騒ぎは福島見殺し政策です。真実をくびり殺そうとしているこんな連中は、打ち倒さなければいけない。TPPの秘密交渉も許せない。
「民間活力の爆発」という名で、限定正社員制度で全労働者を非正規職化する。派遣法を抜本改悪し、国家戦略特区として労基法を適用しなくていい特区をつくる。橋下は、大阪市と大阪府で労基法適用除外、解雇自由の戦略特区を申請すると言っています。
だけどこんなことが通用するとは思えません。労働者は「競争したら豊かになる」といううそで何が行われてきたか、誰でも今は分かっています。多くの労組大会で腐り果てた労組の幹部たちは崩れ落ち、現場の怒りが噴出し始めました。ここからが勝負です。
私たちは25日の判決がどうなろうが闘い続けます。国鉄分割・民営化に決着をつけ、安倍政権の攻撃を絶対に粉砕する。このことを通して闘う労働組合をよみがえらせましょう。
11月3日に日比谷野外音楽堂で全国労働者総決起集会を開催します。ここを時代の転換点にしたい。それを実現するのは僕らの決意と行動です。ともに闘いましょう。
全国の労働者の闘いつなげていく中心に 国鉄闘争全国運動呼びかけ人 伊藤晃さん
鉄建公団訴訟の控訴審が始まる時に、裁判長が「まだやってるんですか」と聞いたという話がありました。私たちは「そうだ、まだやっている」と答えました。
国鉄分割・民営化は、労働運動に挑戦する資本側の原則が打ち出された出発点でありました。
原則とは何か。不当労働行為というものは資本にとって当然のことなんだと。資本の恣意的解雇は当然のことなのだと。その結果、労働者に起きることに資本と国家はなんの責任もないのだと。
この原則は、資本主義という経済体制においては昔から当たり前のことです。けれども、それを当たり前だと言わせなかった労働運動がかつてありました。それを突破しようとしたのが分割・民営化でした。この闘いの最前線に1047名闘争が今もまだ続いている。
国鉄闘争全国運動をわれわれが出発させたのも、1047名闘争をあきらめるということが、外注化・非正規職化への無抵抗につながるだろうと考えたからであります。私たちは1047名闘争と連帯すると同時に、全国の労働者の闘いをつなげていく中心になりたい、そう考えて全国運動をつくりました。
多くの労働者が、外注化・非正規職化の現実は仕方がないとあきらめています。これに対して私たちは「あきらめてはいけない」と言う。アベノミクスなんかうそだと。こういう声を労働者の内なる声にしていかなければならないでしょう。
うそはもう一つあります。闘ってもどうにもならないということ。しかし社会保険庁の分限免職の取り消しが続いている。労働者の内面に生まれつつあるものを感じ取らざるを得ないという現実があるからだと思います。私たちはそれを今、強調しなければならないでしょう。
多くの行動を広くつなげていければ攻撃を跳ね返せるだろう。だから私たちは「まだやっている」と声を大にして訴えるのです。今だからやっているのだと。全国の労働者全員が当事者です。全国の仲間に呼びかけ、力をひとつに結集させるために、これからも全国運動は頑張ります。
1047名解雇撤回への決意 JR復帰まで闘う
なんとしても勝利したい! 動労千葉争議団長 高石正博さん
私はこの闘いになんとしても勝利したい。今の世の中を変えていくには、この1047名解雇撤回裁判になんとしても勝利しなくてはならないと思います。
闘いの中でいろいろな人に支援されてきて、解雇撤回署名も4万筆を超えました。僕たちだけが闘っているんじゃなくて、こういう人たちがバックにいるんだということを感じています。
高裁では「まだこんな闘争をやっていたのか」ということをいきなり裁判官が言う。こんなことを僕は絶対に許せません。こういう裁判官が出す判決だから、そんなに期待はできないと思います。だけども僕らは「解雇撤回」の文字が取れない限りは闘い続けていきたいと思います。今後もよろしくお願いします。
闘い続けていることが誇り 動労千葉争議団 中村仁さん
10万筆署名の取り組み本当にありがとうございます。私たちがこの署名を通して皆さんと団結できたことがまず勝利だと思っています。
われわれは25日の判決に向けて今、闘っているし、25日を越えても闘い続けます。
動労千葉は解雇撤回の闘いを推し進めています。組合員は外注化と闘ったり、駅に飛ばされながらも闘っています。国鉄分割・民営化と今も闘い続けていられることに、誇りを持ってこれからも闘っていきたいと思います。
25日は簡単な判決を出させない。そしてその次に進んでいく日です。皆さんとともに闘っていることが本当にうれしい。
一昨年の3・11福島があって、われわれだけが絶対に許せないという立場に立てた。われわれは福島を絶対になきものにさせない。そして国鉄で解雇撤回をかちとる。外注化されて出向に出されている組合員も絶対にJRに帰る。その力を皆さんにいただいたと思っています。外注化も絶対に粉砕して、解雇撤回もかちとって絶対JRに帰ります。
1047名を全員元に戻せ 国労小倉闘争団 羽廣憲さん
解雇から26年が過ぎました。私たちは道半ばにいます。私たちは勝つまでやめないんです。この闘いがあるからこそ国鉄闘争だと言えると思います。だからこそ1ミリのあいまいさもなく、解雇撤回させるまで人生かけて闘い抜きたいと思います。
今、JRがどういう状況になっているかを考えれば、分割・民営化なんか失敗したことは明らかじゃないですか。北海道を見てもそうです。貨物はJAL以上に再生不可能と言われています。これが分割・民営化の成れの果てです。これを私たちは絶対に許さない。
私たちは、私たちだけじゃなく、1047名全員を元に戻せと言っているわけです。一人の首切りも許さない。この原則に立ち切ってこれからも全力で闘います。
国労甦らせることが回答だ 国労秋田闘争団 小玉忠憲さん
私の鉄道運輸機構訴訟に対して9月10日、最高裁判所は絶対に許せない上告棄却という決定を通知してきました。
皆さん、国鉄分割・民営化は十数万人の労働者を職場から追放したんです。200人もの労働者が自殺に追い込まれた。私の地元、JR秋田総合車両センターでも青年が抗議の怒りを込めて首をつった。忘れません。国労の活動家だけで550人もが人材活用センターに送り込まれました。
本州3社だけで1万人の定員割れにもかかわらず、動労千葉や私を不採用にした経過がついに明らかになりました。裁判所は直ちに事実調べを行え! それすらしないのは支配の崩壊です。
だから回答はただひとつ。階級戦争に対しては階級戦争、団結を拡大して国際連帯で勝利する。
昨日、秋田駅前で、多くの青年が解雇は許せないと署名してくれました。ここに未来があるんです。私は負けません。11・3集会に向かって国労を必ずよみがえらせます。それがわれわれ国労闘争団の回答です。
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不当労働行為隠しを許さぬ 動労千葉弁護団 葉山岳夫さん
昨年6月29日の白石判決は、採用候補者名簿にいったん登載された国労、動労千葉組合員について、名簿不記載基準を策定して名簿から削り落とした行為が不当労働行為であると明確に認定しました。清算事業団に飛ばされ解雇された労働者に対しては、解雇撤回・JR原職復帰の判決が当然です。四党合意、政治和解、最高裁判決の前提事実が覆ったのです。
名簿不記載基準策定の犯人である葛西敬之・元国鉄職員局次長ら3人を証人喚問して事実を確かめることは、裁判所として当たり前です。
しかし、難波裁判長は証人調べをしないで判決を強行するつもりなのです。裁判所による不当労働行為隠しです。国鉄、JR設立委員会、最高裁から出向した調査官、動労カクマル、難波裁判長、みんなグルだったということです。
新自由主義・安倍政権に対する階級決戦にほかなりません。反動判決に対しては、弁護団は徹底的に闘い抜きます。
労働者の力で敵を追い込む 動労千葉弁護団 藤田正人さん
すごくいいところまできています。26年たって、実際、敵は真実を隠そうとしてきたにもかかわらず、われわれの闘いで真実を出さざるを得ないところまで追い込まれているわけです。
これは、皆さんの力、動労千葉の力、国鉄労働運動を支えるすべての労働者人民の力だと思います。その力で裁判所を追い詰めていく。
難波判決がどうなろうが闘いは終わらない。勝利するまで終わらないわけですから、一緒に頑張りたいと思います。
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週刊『前進』(2601号2面2)(2013/09/23 )
動労水戸 第2波ストに立つ
“出向の事前通知許さぬ”
動労水戸は9月13日、誘導・計画業務10・1外注化阻止を掲げて第2波ストライキに立ち上がった。この日の勤務者全員がストライキに入った。
午前11時に、勝田車両センター門前に組合員と支援が結集し抗議闘争を行った。木村郁夫書記長は「外注化強行から1年で、どれほど職場が混乱し安全が破壊されたか。JR水戸支社ですら団交で『(外注化の現状は)課題がある』と言わざるをえない現実だ」と憤り、「こんな施策の先に未来があるのか。今こそ声を上げよう」と職場の若い仲間に訴えた。
高野安雄副委員長も「MTS(水戸鉄道サービス)がまともに業務の遂行もできず、教育訓練もできないことは明らかだ。動労水戸は外注化を粉砕するまで徹底的に闘い抜く」と訴えた。
(写真 外注化阻止へJR水戸支社に怒りのこぶしを突き上げる動労水戸組合員【9月13日】)
未払い賃金追及して裁判を闘う
抗議行動を終えた組合員らは水戸市内に移動し、ストに入った他の組合員と合流。全員で水戸地裁民事第1部(脇博人裁判長)で開かれた不当労働行為粉砕裁判の第9回口頭弁論に臨んだ。
裁判では、原告代理人の松田生朗弁護士が意見を述べ、JR東日本が書面で「運転士が勤務したら夜勤手当が発生する」ことを認めながら、未払い分の差額賃金について「支払う必要はない」と居直っていることへの真意をただした。
すると、脇裁判長が割って入り「一般的な解雇事件におけるバックペイ(未払い賃金の支払い)でも残業代は支払われない」と、被告に成り代わって説明を始めたのだ。
「会社の代理人に聞いてるんだよ!」。原告と傍聴者は怒りの声を上げげた。運転士登用差別裁判をめぐる最高裁確定判決は「運転士として勤務したら得られたであろう賃金」との差額の支払いを命じている。脇裁判長の“解説”自体が的はずれもいいところだ。
裁判後、総括集会が行われた。基調を提起した石井真一委員長は、この裁判について「国鉄分割・民営化以来の国鉄労働運動つぶしと26年間闘い抜き勝利の展望を切り開いている。運転士登用差別、昇進差別、現在も続く動労水戸への不当労働行為などの一切を粉砕する闘いだ」とあらためて意義を明らかにした。
さらに、10・1外注化をめぐってJR水戸支社が、団交を打ち切り出向発令の事前通知を出そうとしていることを激しく弾劾。専門性の高い誘導・計画業務を下請け会社に放り出す支社を批判し、組織拡大闘争を軸に外注化を粉砕するまで闘い抜くことを宣言した。
また、被曝車両(K544編成)をめぐる被曝労働拒否、「偽装交検」弾劾の闘いを総括し、「安倍のうそが露呈し、原発再稼働・輸出か、全原発廃炉かを根底から問う過程に入る。常磐線の竜田駅までの延伸は一大決戦になる」と述べた。
最後に、11・3労働者集会1万人結集への組織化の方針を提起した。
辻川慎一副委員長のまとめの提起で集会を終え、JR水戸支社前に移動し、抗議行動を闘い抜いた。高野副委員長が「現在、支社のビルで外注化妥結に向けて東労組が団交をしている」と暴露し、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
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週刊『前進』(2601号2面5)(2013/09/23 )
「君が代」処分最高裁判決
処分・解雇容認弾劾
全国の職場で反撃しよう
最高裁第二小法廷は9月6日、東京の教育労働者・米山良江さんの2008年3月の卒業式での「日の丸・君が代」不起立処分に対して、上告を棄却する反動判決を出した。この裁判は“戒告処分と、退職後の仕事として決まっていた非常勤教員の合格を取り消したのは不当”として、二つの処分を併合して争ってきたものだ。争点は、@2003年「10・23都教委通達」および職務命令の違憲・違法性、さらにA定年退職後の仕事を取り上げるのは都教委の裁量権の逸脱であり、合格取り消しは不当な解雇だということだ。
一点目について、最高裁は職務命令と戒告処分が憲法23条、同26条(教育の自由)に違反するかどうかの判断を示さず、「教育の自由」についての憲法判断を回避した。
裁判所は都教委と一体となり「起立斉唱行為は、一般的、客観的に見て式典における慣例上の儀礼的所作」「国歌斉唱時の起立斉唱を命じる職務命令は個人の思想・良心の自由を直ちに制約するものではない」と強弁しながら、他方で「起立斉唱行為は、一般的、客観的に見ても国旗及び国歌に対する敬意の表明を含む行為であるから、職務命令がその者の思想及び良心についての間接的な制約となる面がある」としどろもどろになっている。しかし結論として強制する必要性・合理性があると決めつけて、職務命令は憲法19条に違反しないとし、戒告処分を「適法」とした。
不起立という行為そのものを「非違行為」だと言えず、「職務命令違反による服務事故」にして処分していることに、強制する側の弱点、破綻性がある。処分覚悟で公権力の暴走に立ち向かい、職責を果たした教育労働者の側に道理があることは歴然としているのだ。
二点目についても、「本件合格取消の相当性については、これを裁量権の範囲内における当不当の問題として論ずる余地がある」としながら、それについての言及をまったくしていない。法的に当不当を論ずることを放棄して、裁判と言えるのか! まったくずさんで政治的な反動判決だ。
最高裁は通達、職務命令、処分を合法とし、都教委の暴走にお墨付きを与え続け、教育現場への介入に乗り出している。しかし最高裁の反動判決を打ち破って、職場での闘いはなお続いている。
分断・切り崩しを打ち破ろう
今回、9月5、6、10日と連続して5件の同種裁判の判決が出されたが、いずれも昨2012年1月16日の最高裁判決をなぞったものだ。
1・16最高裁判決は、@起立・斉唱を求める職務命令は合憲、A戒告処分は違法ではない。戒告を超えてより重い処分をすることについては、慎重な考慮が必要、B処分歴や不起立前後の態度等が規律や秩序を害する場合には重い処分が許されるとした。そして根津公子さんだけをBに該当するとして、停職処分を取り消さず、都教委の裁量で累積加重処分をしてもよいとするお墨付きを与えた。これは闘いに分断を持ち込み、体制内化を誘う悪辣(あくらつ)な攻撃だった。
そして実際、今春の卒業式・入学式に対する処分では、連続して不起立した教育労働者に減給1カ月処分が発令された。都教委は“戒告だけでは秩序の維持が困難”だとして、減給処分を強行したのだ。
しかしこうした分断・切り崩し攻撃をはね返して闘いは進んでいる。「10・23通達」から10年を経てもなお、思想転向を迫る繰り返しの再発防止研修に屈せず、分限免職の脅しに負けない不起立者が登場し続けていることが、都教委の不正義を暴き出し、都教委を追い詰めている。
石原前都知事と都教委の「10・23通達」は、新自由主義による日教組つぶしの切っ先だった。
団結権をめぐる闘いとして
不起立闘争は、日教組本部とそれに連なる各教組幹部と対決して、教育労働運動の原点を守り抜く職場闘争として現場から巻き起こった。絶対反対を譲らず、階級的団結を押し広げて、国鉄闘争に続く階級的労働運動を目指して闘われてきた。その闘いの発展の中で、学校からの募兵官追い出し闘争を闘ってきたアメリカの教育労働者との国際連帯をつくり出した。
「君が代」強制・処分との闘いは大阪での橋下徹との激しい攻防をとおして、教育の民営化に向けた職場破壊・組合破壊の攻撃に対する団結権をかけた闘いとして前進してきた。さらに改憲攻撃やオリンピック情勢の中で、新しい意義を生み出しながら発展している。一切を決めるのは裁判所ではなく現場の闘いだ。
時代は一変している。青年教育労働者の怒りの決起が全国で始まっている。いよいよ本気で日教組を現場労働者の手に奪い返す時がきた。11・3全国労働者総決起集会へ全国の教育労働者の大結集を実現しよう!
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週刊『前進』(2601号3面1)(2013/09/23 )
医療・福祉に闘う労組拠点を
産別500万労働者の組織化へ 階級的指導部に飛躍しよう
革共同医療福祉労働者委員会
国鉄闘争の4カ月決戦は、「国鉄解雇撤回、JR復帰10万筆署名」運動を軸に、まさに決戦的に闘い抜かれてきました。7月の山本太郎選挙67万票の大勝利から、8・6広島−8・9長崎―8・15闘争を闘い、さらに4大産別の全国大会をめぐる情勢の画然たる変化は、私たちが闘い抜いて来た階級的労働運動路線の存在と闘いが決定的であることを、あらためて示しています。
(写真 9・15国鉄闘争総決起集会をかちとり、渋谷の街をデモする医療・福祉産別の労働者)
国鉄10万筆署名を持ち込み闘い展開
7月参院選や4大産別の闘いと一体で、私たちはこのかん国鉄10万筆署名を全国の職場に持ち込み、組織化の闘いを展開してきました。
安倍政権は「成長戦略」のもとで、とりわけ医療産別を市場化=産業化のターゲットとし、医療労働者に対する上からの襲撃を準備し、医療現場を非和解的戦場とすることを宣言しています。労働者階級の側が団結の力で新自由主義資本を迎え撃つ画期的情勢を前にして、すでに労働現場の怒りは堤防決壊情勢です。だからこそ、この4カ月決戦過程で情勢を確実に決するような拠点建設の前進が目に見える形でかちとられようとしているのです。
全国の同志の奮闘が、関西の地にひとつの拠点を生み出しました。高槻医療福祉労働組合の闘う仲間は、数年間、現場労働者と結びつき責任と連帯を貫く中で、新たな闘う執行部を確立しました。反合理化・非正規職撤廃・外注化阻止という動労千葉労働運動の推進の中でかちとった感動的な勝利です。同時にこの勝利は、医療労働者の「ストライキの復権」という願いと合流してかちとられました。
この拠点建設の前進は、「時代認識と路線」で一致した運動の勝利性であり、また同時に地区党の持つ決定的な位置と大きさを示しています。この圧倒的な勝利の核心こそ、路線的闘いを中央委員会―細胞、地区党、そして産別委員会の団結でつくり出すということなのです。
全国で拠点建設が感動的に前進した
中四国でも、中央委員会―細胞建設、地区党・地方委員会と産別委員会の一体的前進、団結によって着実に複数の労組拠点が建設されてきました。草津病院支部への権力・資本一体となった激しい弾圧・組合破壊攻撃に対して、徹底して組織的に攻勢的に闘うことで、団結の強化・組織拡大が進められました。さらに職場の事故問題に対して、反合理化・運転保安闘争路線を貫く原則的な職場闘争に着手し、現場労働者の組織化に向けてさらに突き進んでいます。
首都圏でも7〜8月の決戦過程は、拠点建設の闘いをさらに着実なものへと飛躍させました。解雇攻撃に対して地区党と労働組合の総力を挙げて闘い、「絶対反対」の闘いで敵の矛盾を引き出し、職場の団結を拡大し、解雇攻撃を粉砕して職場復帰をかちとりました。また東京では、精研労組が山本太郎選挙に労働組合として立ち上がり、職場―街頭を一体的に組織する闘いが取り組まれました。組合の団結と組織拡大のためにこそ、職場に国鉄署名を持ち込み、組合活動家へ『前進』を拡大する闘いに挑戦する中で、凶暴ではあるが矛盾だらけの新自由主義資本に対し、「絶対反対」で闘う労働組合の拠点建設を前進させました。全国の医療・福祉の職場で、「解雇撤回、JR復帰」国鉄10万筆署名が、職場の組織化そのものとして取り組まれています。
同時に、ふくしま共同診療所建設の闘いを新自由主義攻撃と対決する拠点建設として取り組み、福島との連帯を貫いてきたことは決定的でした。
まさに地区党と産別委員会の総力を挙げた取り組みで具体的な前進・成果が生まれ、闘う労働組合が新自由主義資本と安倍政権に対して声を上げて闘いを開始し、闘う団結と連帯が広がり始めているのです。
党派闘争に勝利し11月集会大結集へ
医療・福祉産別で闘う仲間は、このかんの4カ月決戦の最前線に躍り出て、徹底した組織戦に前のめりに突き進んできました。この地平を踏まえて、この秋さらに自らが最も困難な闘いの先頭に立ち、職場に国鉄署名を持ち込み、階級的労働運動路線で職場の仲間を圧倒的に組織しよう。一切の鍵は、階級的労働運動路線で武装した大量の組合活動家、指導部をつくり出すことです。私たちは、体制内派組合幹部や日共スターリン主義の単なる批判者にとどまることは、もはや許されません。私たちが生き進むべき道は、労働者階級のみが時代の変革者たりうるという、真実の具体的な体現者となることです。
「医療・福祉産別における労働運動は、いまだ日本共産党指導下にある」と信じられている現実には、もう我慢なりません。日共指導部による日本医労連の私物化を絶対に許さず、全国の仲間に、生き闘う路線と方針を現場の実践で示す時です。国鉄を主戦場とした闘いが、ついに4大産別に画期的変化を生み出したように、医療福祉労働者委員会は、医療・福祉・介護産別の500万労働者と一体となって階級情勢を地殻変動的に押し上げ、プロレタリア革命の主体としてぶっ立とうではありませんか。
安倍政権・新自由主義資本と絶対非和解の闘いを組織し、断固として現場労働者の組織化と拡大にうって出る時です。この闘いこそ激烈な党派闘争であり、政治的な分岐と流動を生み出し、また資本・権力と非和解的に闘う活動家をつくり出していくのです。一つひとつの闘いが地区党とともにあり、産別委員会とひとつに呼吸していく時、この一体性は活動家の持っている力を十二分に引き出し、組織の持つ縦横無尽の力を見せつけます。国鉄解雇撤回・外注化阻止、11月労働者集会1万人結集を闘う決戦過程で、必ずやこうした実践を自ら生み出し、体感しようではありませんか。すべての医療・福祉・介護産別で働く同志、労働者の皆さん!
この情勢をわれとわが身で前進させよう!
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週刊『前進』(2601号3面2)(2013/09/23 )
高槻医療福祉労組 闘う新執行部を樹立
「スト権」89%賛成を基礎に
08年以来の職場闘争貫き
高槻医療福祉労働組合に、闘う新執行部が確立されました。その闘いの勝利を報告します。
組合内の『団結速報』グループ(以下、団結グループ)は、2008年に「賃労働と資本は非和解だ」と宣言し、職場に登場しました。病棟職員の配転・解雇攻撃に対して、当時の労組執行部をのりこえて、当該と必死に議論し「署名運動」を組織し、組合員の怒りの声で経営を取り囲み、撤回をかちとってきました。団結グループのランク・アンド・ファイルの闘いに、「このように闘えばいいんだ」と組合員から声がありました。これは団結グループに自信を与え、闘いの原点となりました。
さらに、11年に経営との「談合」を拒否して、闘いをすべてオープンにし、労働者が組合に結集して闘うことができるために、労組執行部入りを決断しました。執行部内での激しい議論をくり返しながら、経営の攻撃を全面的に暴露してきました。この中で福利厚生の新たな職員負担の策動を阻止し、非常勤職員の常勤化を団体交渉でかちとりました。これは経営の「無準備性」も突いて「非妥協に団体交渉で闘う」という方針の勝利でした。
執行部に入ることで、一人の闘いを労組の普遍的課題として位置づけ、外注化・非正規職化を粉砕する闘いを大きく進めることができました。団結さえあれば「労働者は必ず決起する」という確信と、職場での団結の拡大につながってきました。
合理化攻撃へ高まる怒り
経営は、昨年の暮れに「大幅赤字でこのままでは倒産する」「例外ない見直しをする」と主張し、外部委託=解雇を強行しようとしました。労組は当該部署に対する経営の説明会に団交を要求し、当該部署の全職員を先頭に「これは一部署だけの問題ではない」と多くの職員も参加し、外部委託=解雇をストップさせました。ところが今年の4月には、賃金体系の見直しを含む大合理化計画である『再建計画案』が提案され、「一時金ゼロ」「定昇ストップ」を強行してきました。春闘交渉のまっただなかにもかかわらず、「2013年の定期昇給の実施と夏季賞与の支給を見送らざるをえない」と職員全体会議で一方的に発表するなど、労組の抗議を無視し、不当労働行為を行ってきました。団体交渉では、「定昇と一時金は就職する時に約束したではないか」「これではローンも払えない」「辞めろということか」「赤字を労働者に転嫁するな」と怒りが爆発しました。
この攻防の過程で明らかになったことは、経営が、皆保険制度を「社会主義政策」と批判し新自由主義経営を標恫(ひょうぼう)する会計事務所に「経営再建」を丸投げしたことです。これは従来の経営方針からの「転向」ともいうべき方針転換でした。そして経営体制を「一新」し、再建プロジェクトを発足させ、配置転換を乱発し、多くの職員を退職に追い込みました。団結グループは「新自由主義経営による外注化・非正規職化による大合理化攻撃と、労組解体の攻撃が始まった」「外部委託攻撃こそ、その第一歩だ」「団結を総括軸に絶対反対で闘う」ことを確認しました。そして、執行委員会で「スト権を確立し、ストライキで反撃しよう!」という方針を確立し、職場討議に入りました。
ストライキに対して賛否は激しく分かれました。「本当に労組は闘うのか? 丸め込みにきたのか?」と従来の労組のあり方に怒りを突きつける職場もありました。これに対して、「闘う。そのためにスト権は必要な武器だ! 私たちを新たな執行部として支持して欲しい」と主張し、スト権の確立と、闘う新執行部の樹立を一体で訴えました。
その結果、スト権は投票数の89%の圧倒的賛成で確立し、新執行部体制を樹立しました。すべての職場でスト権賛成が圧倒的な高率でした。統一回答を破棄し、労組に分断を持ち込む経営に対して、組合員は「団結して闘う」姿勢を示したのです。また、労組大会で明らかになったことは、「ストライキに賛成か反対か」の分岐が進む中で、「病院を守るためにスト権確立に反対」と経営を擁護する主張に対して、組合員から現場の不安が語られました。職場からの怒り、不安が高まってきているということです。
地区党の議論が前進の力
この過程は同時に、「時代認識と路線」を職場の実践の中にどう貫くかをめぐる地区党での議論の積み重ねでした。ビラの作成もみんなが納得いくまで議論しました。そして職場での<実践とその総括〉をとおして地区党の一致と団結を強化していく過程でした。その結果「私たちには団結がある。経営も怖くない」と団結グループとともに闘う組合員・労働者を生みだしてきました。
しかし、闘いはこれからです。ストライキを闘うためには職場での大衆的拠点建設と組合活動の担い手づくりが直ちに問われています。今までの闘いに確信をもち、組合員全体に責任をとる労働組合建設へ闘うことが求められています。
日帝・安倍政権は、破綻した新自由主義的な延命策の核心的攻撃として労働者階級への「解雇自由」、民営化・外注化による非正規職化攻撃を進め、戦争と改憲、社会保障解体攻撃を進めています。しかし新自由主義は、労働組合が資本に屈服し協力することによってしか成り立ちません。逆に、絶対反対派が断固として闘い、職場に団結を拡大して闘えば打ち破れるのです。
高槻での闘いは、国鉄4カ月決戦と山本太郎選挙や4大産別での大流動と連合の大崩壊の中で、それと一体のものとして闘い大前進してきました。時代認識と路線を鮮明に、地区党−産別委員会建設のさらなる飛躍をとおして本格的な労働組合の建設に勝利しよう!
国鉄決戦を軸に、階級闘争の地殻変動を切り開き、11月労働者集会に結集しよう! ともに闘おう!
〔革共同関西医療福祉労働者委員会〕
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週刊『前進』(2601号3面3)(2013/09/23 )
9・29闘争で橋下打倒へ
青年先頭に闘う拠点つくろう
8・27集会で開始した挑戦を断固貫こう
国鉄決戦を軸とした7〜8月決戦の勝利の地平は、4大産別における連合支配の崩壊として階級情勢全体を革命情勢へと激しく押し上げている。この連合支配の崩壊という現実は、階級的労働運動の前進が生み出した地平であり、それがすべての拠点職場におけるむき出しの党派闘争として闘われている。
大阪市職では、青年労働者による組合内部での「ストライキで民営化攻撃と闘おう」という意見表明が当局によって問題にされ、処分恫喝を受けた。しかしこれに対して「組合としてのオルグやビラ配布のどこが問題なのか! 不当な組合つぶしを許さない!」として反撃する闘いが逆に職場の団結を組織している。
あらゆる職場攻防、組合をめぐる党派闘争は、”国鉄決戦でプロレタリア革命を”として闘う階級的労働運動の前進が切り開いている階級情勢のただ中で起こっている。国鉄決戦が切り開いている地平が4大産別を始め、全労働者の獲得と、労働組合権力をめぐる激しい党派闘争として火を噴いている。
これまで現場労働者の怒りを抑え込んできた体制内労組執行部の支配を覆す現場労働者の怒りの決起が始まっている。この中で、階級的労働運動派が自己を単なる「反対派」にとどめることなく、職場・組合の全体に責任をとり、組合権力を自分たちの手に奪い取ることを決断し挑戦を開始した。これこそ7〜8月決戦と8・27自治体労働者全国集会として開始した挑戦である。
橋下による処分攻撃にひるむことなく対決し、絶対反対の柱を打ち立てることで、市職・市従・大交・市教組という巨大な労組の中から、闘う労働者が名乗りを上げ、8・27集会に決起した。この地平をさらに押し広げ、全労働者階級の利害をかけて、労働組合を自らの手に取り戻す闘いへの挑戦、それが9・29橋下打倒集会である。
大阪市委員会は、8月自治労大会決戦を地区党の総力をあげた闘いとして打ち抜き、プロ独建設に勝利する地区党への飛躍をかけて闘った。この挑戦を断固貫き、9月決戦そのものとして9・29橋下打倒闘争を闘う。
安倍・橋下の特区=丸ごと民営化許すな
橋下は、安倍政権が打ち出した「国家戦略特区」攻撃の最先頭で民営化と労基法解体の「規制緩和」攻撃に踏み出している。「チャレンジ特区」と称して、労働時間の規制緩和と、「解雇規制の緩和」なる解雇自由の特区を、御堂筋を想定してつくろうというのだ。さらに「混合医療特区」なる医療の民営化、「学校の公設民営化」攻撃も打ち出している。
しかしこんな攻撃になんの成算もない。実際に「橋下民営化攻撃の目玉」として打ち出された市バスの民営化攻撃は、現場労働者の怒りの反撃によって完全に行き詰まり、来年4月実施を断念させた。あらゆる民営化攻撃は、連合本部や自治労本部の屈服と協力の中で初めて成立するが、その連合支配の崩壊の中で現場労働者の怒りが橋下を直撃しているのだ。民営化や外注化、10割非正規職化攻撃は、労働者が絶対反対を貫き階級的団結を組織して闘った時、絶対に粉砕できる。
一切は労働組合権力をめぐる攻防にかかっている。民営化をめぐる一つひとつの攻防を、労組権力をめぐる攻防として闘うことで必ず突破口は開かれる。大阪市当局は、下水道民営化に伴う労働条件の変更についての組合からの団交要求に対して、「管理運営事項だから交渉には応じない」という許しがたい対応に出ている。市職本部はこの攻撃になんの反撃も組織せず、当局見解を組合員に説明することに終始している。こうした組合支配をぶっ飛ばし、今こそ組合権力をめぐる攻防として、9・29橋下打倒闘争を闘おう。
青年労働者をめぐる攻防に勝利し11月へ
青年労働者の決起がこれまでの一切の支配構造を覆すものとして始まっている。市教組の青年労働者が評価システムそのものに対して怒りをもって決起し、すべての職場攻防を労働運動をめぐる問題としてつかんで職場闘争を始めている。また、郵政非正規の青年労働者が、局内での異動を口実とした「自主退職」の強要とすさまじい賃金カットに対して、絶対反対の組合として名乗りをあげ、「失うものは何もない!」と言い切って団交に立ち上がっている。
すべての職場で、ひとりの青年労働者の獲得をめぐって資本・当局、そして体制内労組執行部との全面激突に突入している。何よりも動労千葉をはじめ、動労水戸の被曝労働拒否のストライキと国労郡山工場支部における平成採労働者全体を獲得する闘いへの挑戦が情勢を切り開いている。
この攻防に勝ち抜く展望を7〜8月決戦は切り開いた。職場攻防のすべてを革命情勢をめぐる時代認識としてとらえ、絶対反対を貫く中に青年労働者全体の未来があることをつかむ地区党の建設こそその核心である。〈中央−細胞〉論として地区党と産別委員会が一体となって、拠点労組建設を闘いとろう。
9・29橋下打倒集会に全国から結集し、9月決戦に勝利しよう。11月労働者集会へ、青年労働者の路線的獲得を一切の総括軸として闘おう。
〔革共同大阪市委員会〕
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【要項】
民営化・外注化=全員解雇絶対反対! 非正規職撤廃!処分撤回! ストライキで闘う労働組合を!
9・29橋下打倒集会
9月29日(日)午後1時 中之島公園・女神像前(大阪市役所南側 地下鉄・京阪「淀屋橋駅」徒歩5分)集会後デモ
主催 橋下打倒集会実行委員会
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週刊『前進』(2601号3面4)(2013/09/23 )
闘いは進む 青年の職場から
民間中小 地域の労働者の団結で管理職辞令を突き返す
東北 猪俣徳馬
私は民間中小企業で働いている労働者です。今年、管理職の辞令が出ました。この事態に対し、しばらく一人でいろいろ悩み、考えこんでいましたが、このままでいいのかとだんだんもどかしくなり、地域の仲間に相談したところ、長時間の激しい議論になりました。
早速、「すぐに辞令を突き返すべき」と言われました。私は最初、「そんなことはとても難しい」と言いましたが、仲間からは、これまでにも地域の労働者が職場での不当な命令や管理職登用を阻止し、闘ってきた歴史の積み重ねがあるし、誰でも大変だろうが必ずできると言われました。
その場の討論では、「これからは労働者の時代だ」「資本家はますます惨めな存在になるし、それがもっとはっきりとしてくる大きな歴史の中に今自分たちがいる」「もしもこのまま管理職を受けてしまったら、会社のいいように使われ、職場の労働者に労働強化を強いる存在になる。そんな生き方でいいのか」と説得され、自分が新自由主義の片棒を担ぎ、あくなき利潤追求を目指す資本の手先としての生き方を拒否することを決意し、討論した仲間と固く握手をしました。
そして、会社に行き、辞令を突き返しました。会社は「もう一度考えたほうがいいんじゃないか」「今までのキャリアを無駄にするな」と慰留してきました。その時点で、私自身の中に動揺がまったくなかったわけではありませんが、地域の仲間との、激しくも労働者としての立場を貫いて生きてゆくことの尊さをあらためて確認できた貴重な討論でした。なにより自分が職場や地域の労働者とともにさまざまな壁に苦闘しながら、人間らしく生きられる世の中を目指してゆきたいという思いが勝ち越していることは紛れもない事実であり、自分自身が辞令を拒否したという達成感でいっぱいになりました。
その日の夜、職場の労働者にこれまでの経緯をすべて話しました。彼からは「今日の行動はすごいですね。これからも職場での日々のいろいろな思いを受け止めてくれる存在であってほしいです」と言われました。
私はあらためて社会を変革したいという「原点」に立ち返る瞬間にめぐり会いました。
今の職場では、毎日遅くまで事務仕事や倉庫での現場仕事をやっています。会社は経営危機をあおり、私のような正規労働者には長時間の労働を通してひたすらに利潤を求め、一方でパート労働者には安い賃金を強制し、分断を図っています。本当に許せません。職場の仲間とは、先の山本太郎選挙をはじめ、TPPや原発、消費増税を入り口に、低賃金や日々の生活の大変さ、労働組合がどうあるべきなのかなど、話をすればきりがありません。
今の時代を生きている中で、例外なく職場の誰にでも怒りはあります。動労千葉物販、国労原告団物販、10万筆署名をやりながら、もっともっと職場の怒りと肉薄し、ともに声を上げる仲間を獲得したい!
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週刊『前進』(2601号4面1)(2013/09/23 )
ふくしま共同診療所 開院から9カ月 報告会に160人
「甲状腺検査で異常な数字」松江院長
9月8日午後1時から福島市のコラッセふくしまで、ふくしま共同診療所主催の「ふくしま共同診療所報告会」が行われた。会場は福島市や県内各地から訪れた人など160人で満席となり、放射能による深刻な健康被害が進行する中での、診療所への期待の大きさが感じられた。
ドイツで製作された映画『A2―B―C』(タイトルは福島の子どもたちの甲状腺検査結果を示す)予告編などの上映の後、ふくしま共同診療所の松江寛人院長が「開院から9カ月/甲状腺エコー検査から見えてきたもの」と題して報告を行った。
松江さんは冒頭、「診療所が昨年12月1日に開院して9カ月。6人のベテランの医師が共同で診療を行っている。これまで約600人の患者さんが来院した」と報告。「訪れた人の9割以上が子どもの甲状腺がんを心配している」と緊迫した状況を語り、診療所での診察結果について「18歳以下の子どもの甲状腺超音波検査の結果、のう胞のあった121人のうち、43人に数_以下の無数ののう胞があった。異常な数字が非常に心配だ」と述べた。
さらに「福島県が行っている県民健康管理調査の甲状腺検査では、5_以下の結節、2a以下ののう胞は『A2』判定で『2次検査は必要としない』とされるが、発見された18人の子どもの甲状腺がんのうち一番小さい結節は5・2_。5_以下の結節を精密検査の必要がないというところに入れるのは絶対に間違いです。5_以下のがんで見落とされている子どもが相当いるのではないか」と危惧(きぐ)の念を表明。同時に「大人の健康の管理も絶対に必要です」と語った。
最後に松江さんは「みなさん方に信頼され安らいでいただける診療所となるように、これからも一生懸命やっていきたい」と真摯(しんし)に語り、報告を終えた。
(写真 質疑応答では、会場を埋めた参加者からたくさんの質問が出され、崎山さんと診療所の医師たちが一つひとつ丁寧に答えた【9月8日 福島市】) 崎山さん「原発事故の健康障害」講演
続いて福島第一原発事故の国会事故調査委員会委員で医師の崎山比早子さんが「原発事故による健康障害」と題し、資料とスライドを使い講演を行った。
崎山さんはまず、「原発サイトの現状」として汚染水流出の恐るべき状況について怒りを込めて明らかにし、福島原発は地下水が豊富で「地下水上の原発」とも言うべきと喝破した。
次に「国会事故調で明らかにしたこと」として、原子力推進派は福島第一原発事故の前から「放射線を心配する精神的ストレスの方が放射線自身よりも有害だ」と盛んに言ってきたと指摘。放射線ががんを引き起こすメカニズムについて「放射線を受けてDNAの損傷が発生し、修復ミスが起き、変異が起こる。変異を起こしやすい性質も獲得する。突然変異の蓄積によって発がんに結びつく」と解説し、「放射線は1本通ってもDNAに複雑損傷が起こる可能性がある。放射線の線量には安全量がない」と断言した。
さらに「文部科学省による放射線教育の問題点」として、福島原発事故後の11年11月に文部科学省が発行した小中高生用の「放射線等に関する副読本」の内容について、「『放射線は有用』と書いてあるだけで、危険性について触れていない」と厳しく批判した。
最後に「非がん性の疾患が無視され続けている」と語り、「消化器系、内分泌系などいろいろな疾患が増える。被曝に特徴的なのは、同時に4種類から5種類の疾病にかかること」を明らかにした。1時間半にわたる丁寧な講演に、賛同の拍手が寄せられた。
質疑応答では自治体労働者、教育労働者、年輩の女性などからいくつもの質問が寄せられ、崎山さん、松江さんらが熱心に答えた。
最後に診療所の杉井吉彦医師が「参加者のみなさんの報告を聞いて、福島の状況は予想以上の実態になっていると深く感じた。ご質問を聞いていて、本当に真剣になってやる必要があるとあらためて肝に銘じた」と明日への希望につながるまとめを行い、閉会した。
その後、会場に相談コーナーを設置。診療所の医師たちが若いお母さんを始め十数人の真剣な質問・相談に応じた。
(本紙・北沢隆広)
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週刊『前進』(2601号4面2)(2013/09/23 )
再稼働は絶対認めない
9・14大集会 主催団体3氏の熱い訴え
9月14日、東京・亀戸中央公園で開催された「再稼働反対! 9・14さようなら原発大集会」は9千人が参加して大高揚した。主催団体の3人の発言を紹介します。(編集局)
(写真 参加した労働者民衆は“再稼働を許さず、原発をなくすまで闘おう”と誓い合った【9月14日 東京・江東区】)
千倍返しで落とし前つける 作家 落合恵子さん
みなさん、こんにちは。今日も元気でいきましょう。IOC総会における安倍総理大臣の言葉をもう一度心に刻みたいと思います。「放射能は完全にブロックされています」「すべてがアンダーコントロール」。どこがブロックですか! どこがアンダーコントロールですか! 福島第一原発事故の責任を誰も取っていません。それがこの国の現実です。
そして“ざる基準”と言われている新基準のもと再稼働を申請しているのが電力会社です。「命とお金と、どっちを取るか」と問われた時、平然とお金をわしづかみする人たちがこの国を動かしていることを私たちはけっして忘れてはならない。私たちは今、ひとたび原発事故が起きたら手のほどこしようもない現実の中で暮らしています。それでも再稼働するのか。経済優先なのか。
このところメディアの多くはオリンピック一色です。この向こう側で、原発も基地問題も福祉の切り捨ても非正規社員の増加もTPPも改憲も全部隠されていく。そのことを心にさらに刻んでいきましょう。「NO!」と言い続けましょう。
私は65歳です。私たち65歳以上は特に、本当に自分自身をかけてこの状況を阻止しませんか。私たちの子どもたち、孫たちのためにです。未来は彼ら、彼女たちのものなのですから。
その上で私たちはここでもう1回約束しましょう。倍返しじゃない、千倍返しをしていく、この国にきっちり落とし前をつけさせてもらうということをここで約束をしたいと思います。再稼働はもちろん反対です。
原発なくせは人間のモラル 作家 大江健三郎さん
私がいつも集会で申し上げることは一つです。原発に反対する、原発をなくすことは、将来の人間に生きていくことのできる場所を渡すということです。これが人間の本質的なモラルだと申してきました。
安倍首相は「汚染水はコントロールされている」と言った。しかし汚染された水が流れ出していることは事実です。メルトダウンで地下に放射性物質が沈んでいった。それがどこにあるか、どのような状態にあるのか何もわかっていません。汚染水は外洋に流れ、韓国、中国など近いところから始まり、汚染が報告される時が来ると思います。その時、大きな問題が生ずるでしょう。それも私たちが担わなければならない問題です。
自民党は改憲をやろうとしているし、再稼働をやめるとも原発を廃止するともまったく言っていない。しかし、原発をやめなければならないと信じている人はたくさんいます。たびたびのアンケートで特に女性たちが70%を超えて常に「原発廃止」と答えている。それが国民の意思です。オリンピックが来ようが、われわれは常に福島の現実を外国の人に伝えよう。運動を続けよう。
今日ここに来てくれた人は、志を一つにしてそれを行動に示そうとしている人たちです。私はその人たちの一人としてデモ行進することを望んで来ました。しっかり歩きましょう。
汚染水流出は世界への犯罪 ルポライター 鎌田慧さん
明日9月15日は、原発がまたゼロになる記念すべき日です。汚染水流出は世界に対する犯罪、未来の人類に対する犯罪です。絶対に再稼働を認めないという思いで、今日のデモ行進を果敢にやっていきましょう。
この一帯は記念すべき場所です。関東大震災で亀戸の労働者が10人、習志野の騎兵隊に虐殺されています。さらにこのあたりは下町の労働運動の中心地で、モスリン工場の女工さんたちの運動も展開された地域です。そのような労働運動の伝統、労働運動の中心であった地域でこの集会が開かれています。
もう一つ、1945年3月10日の東京大空襲で大被害を受けたのもこの地域です。
そういう場で私たちは「原発ゼロ、再稼働は絶対認めない」という集会を開いています。
この間、私は北海道・幌延の最終処分場反対の集会に参加しました。今度は泊原発反対の集会にも行きます。原発は絶対認めないという運動を広げていきたい。
自民党は憲法を変え、非常事態宣言をできるようにしようとしています。安倍総理は秘密保全法などによって内側を管理し、外に向かっては排外主義の国をつくって、アジアに進出しようとしています。こういう攻撃と私たちの原発反対運動が対峙しています。憲法9条改悪反対の運動と、原発反対で新しい社会をつくっていく運動がつながっています。
そういう確信を込めて、ここから巨大な行進の一歩を始めたいと思います。みなさん、元気にやっていきましょう。
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週刊『前進』(2601号4面3)(2013/09/23 )
経産省前テント守ろう
テント2周年 再稼働阻止・廃炉を
人間の鎖で経産省包囲
9月11日、東京・霞が関の経産省前で「オリンピックよりも被災者の支援を/原発再稼働よりも福島第一原発の終息を」を掲げて、経産省抗議集会とヒューマンチェーンが行われた。
11年9月11日に経産省前テントが立てられてちょうど2年。大飯原発3、4号機の停止と再びの「稼働原発ゼロ」が迫り、安倍政権が再稼働へ動き始める中で、再稼働阻止と全原発廃炉の実現を誓う行動だった。
午後3時。経産省前で抗議の座り込みとスピーチが始まった。再稼働が狙われる北海道・泊、愛媛県・伊方、鹿児島県・川内、福井県の若狭湾で反対運動を続ける住民が「再稼働を絶対に許さない」と力強く訴えた。
福島からは、双葉町から東京に避難している亀屋幸子さん、郡山市の黒田節子さん、福島市の椎名千恵子さんらが発言。亀屋さんは「汚染水は完全にブロックされている」と公言した安倍首相を強く弾劾し、「私たち避難者は今もなおこんなに苦しんでいるのに、オリンピックの話を聞くと悔しくて涙がとまりません」と訴えた。黒田さんは「44人の子どもたちが甲状腺がんとその恐れと発表された。あきらめるわけにはいきません。福島には今も子どもたちが生活し、赤ちゃんが生まれています。未来のために一緒に力を合わせましょう」と呼びかけた。
椎名さんは「11年10月27日、原発いらない福島の女たちがここで座り込みを行い、12月1日には『とつきとおかのテント行動』を始めました。多くの方々とともに闘い続けてきた結果、今もテントが堂々と立っています。分断を許さず、もっと強固につながってまいりましょう」と訴えた。
続いて、そろいの黒装束の女性たちを先頭に「かんしょ踊り」を輪になって踊った。
手づくりの料理をほおばりひと休みした後、6時から再度、経産省前で抗議集会を行った。
7時半からは経産省を包囲するヒューマンチェーン。経産省に沿った歩道で数百人が手をつなぎ、8時過ぎに「チェーンがつながりました」とアナウンスされると大きな歓声が上がり、「この力をもっと大きく広げ、再稼働を阻もう」と誓った。
(写真 「再稼働反対! テントを守りぬこう!」と熱い訴えが続いた【9月11日 経産省正門前】)
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週刊『前進』(2601号4面4)(2013/09/23 )
“全部が大うそだ”
9・13反原発官邸前行動
安倍発言弾劾の声、続々
9月7日の国際オリンピック委員会総会での安倍の大うそ発言を受けて、「安倍発言弾劾」の声はいっそう高まっている。
9月13日の首相官邸前・国会前行動も怒りの嵐となった。「海を汚すな!再稼働反対!」。拳を突き上げ、激しいコールが続いた。
発言の時間となった。年輩の男性が「安倍晋三、『汚染水は完全にブロックされている』だって! 海に垂らしたカーテン1枚でブロックできるわけないだろう」と激しく安倍を批判。さらに「事故収束も放射能汚染除去も、100年たってもできるかどうかわからない。結局、2020年オリンピックは中止の道をたどるしかない。オリンピックは反対! 収束宣言を撤回しろ! 福島の避難民を救え! うそつき安倍晋三内閣は退陣しろ!」と怒りをあらわにした。
福島県双葉町から東京に避難している亀屋幸子さんは「私は福島原発から1・2`のところに住んでいて、逃げてきました。安倍総理、よく聞いて下さい! 私たちはオリンピックなんか喜ぶことはできない。原発関連死がこの半年間で121人増えました。これまでの合計で910人です。このことを安倍総理は知ってますか? それから消費税を上げないでください。被災者は必死に生活しているんです。消費税を上げられたら生活できないです。私たちを苦しめないでください」と声を振り絞って訴えた。
怒りの声は次々と続いた。
中年の女性は「安倍首相、全部うそじゃないか! 何が『コントロールされている』だ。なぜここまでうそをつく!」と鋭く糾弾した。
年輩の女性が「子どもたちを見捨てて、何がオリンピックだ! みなさん、頑張りましょう!」と呼びかけ、若い女性は「詐欺師・安倍晋三、聞いているか! これからも廃炉まで叫び続けるぞ!」と高らかに決意の声を発した。
(写真 “安倍の発言を許すな!”一斉に突き上げた拳に力が入った【9月13日 首相官邸前】)
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週刊『前進』(2601号4面5)(2013/09/23 )
2013年日誌 9月10日〜16日
米オバマ、シリア攻撃見合わせ/安倍、経済対策に5兆円超
●化学兵器管理、シリアが同意 シリアのムアレム外相は、シリアが保有する化学兵器を国際管理下に置くロシアの提案を受け入れる考えを表明。化学兵器禁止条約参加も表明。(10日)
●米大統領演説、シリア攻撃見合わせ
オバマ米大統領は国民むけ演説で、シリアの化学兵器を国際管理下に置くロシア提案の進展を見守る間、シリア攻撃承認決議案採決を延期するよう議会に申し入れたことを表明。軍事行動を当面見合わせることに。(10日)
●米英仏、安保理決議案を協議 シリアの化学兵器を国際管理下に置く仕組みについて、フランスは国連安全保障理事会決議案の素案を米英に示し、調整を始めた。ロシアのラブロフ外相は素案を受け入れられないとし、安保理議長声明案を準備。(10日)
●経済対策5兆円超は消費増税2%分
安倍政権は、消費増税を来年4月に今の5%から8%に引き上げる場合の経済対策の規模を最低でも総額5兆円超とする調整に入った。(12日)
●「国家安全保障戦略」年内策定へ議論 外交・安保政策の指針をまとめる有識者会議「安全保障と防衛力に関する懇談会」が始まった。(12日)
●福島第一、外洋近くの溝に汚染水
東京電力福島第一原発のタンクから高濃度の汚染水が漏れた事故で、東電は、外洋に近い排水溝で採取した水から高濃度の放射性ストロンチウムを検出したと発表。汚染水が排水溝の先の外洋に流れ込んだのは確実。(12日)
●アサド大統領がロシア案に同意 シリアのアサド大統領はロシア国営テレビのインタビューで、保有する化学兵器を国際管理下に置くというロシア提案を受け入れ、化学兵器禁止条約に加盟する考えを示した。(12日)
●東電「制御できていない」 東京電力福島第一原発の放射能汚染水漏れ問題で、東電の山下和彦フェローは「今の状態はコントロールできていないとわれわれは考えている」と述べ、安倍首相の国際オリンピック委員会総会での発言と違う見解を示した。(13日)
●シリア化学兵器廃棄合意 米ケリー国務長官とロシア・ラブロフ外相は、シリアが保有する化学兵器を外交的な手段で廃棄させる枠組みに合意。合意内容を履行させるため安保理決議を早期採択することでも一致。(14日)
●シリア、化学兵器禁止条約に加盟
国連がシリアの化学兵器禁止条約加盟を発表。内戦中の国の加盟は前例がなく廃棄作業は難航のおそれ。(14日)
●原発稼働ゼロ 関西電力大飯原発4号機が定期検査のため運転を停止した。これで国内で稼働する原発は1年2カ月ぶりにゼロとなった。(15日)
●タンクの堰の水放出 東京電力は台風13号の影響で福島第一原発の汚染水タンク周囲の堰(せき)の内側にたまった水を放出した。(16日)
●国連、サリン使用断定 シリアの化学兵器使用疑惑で、猛毒のサリンが使われたという国連調査団の報告書が公表された。(16日)
●IAEAで日本の原発対策に疑問続出 国際原子力機関(IAEA)の年次総会で日本政府が東京電力福島第一原発の現状を説明すると会場からさまざまな疑問の声が上がった。(16日)
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週刊『前進』(2601号4面6)(2013/09/23 )
撤去裁判 “撤去の狙いは事故隠し”
訴訟取り下げを
経産省前テントの撤去をめぐる「脱原発といのちを守る裁判」の第3回口頭弁論が9月12日午後2時から、東京地裁103号法廷で行われた。
冒頭、「被告」とされたテント代表の渕上太郎さんが意見陳述に立った。渕上さんは安倍首相のブエノスアイレスでのオリンピック招致発言を批判し、「安倍発言は原発事故を隠そうとしている。事故は収束しておらず、裁判をやっているどころじゃない。テントを追い出して何になる」と鋭く弾劾し、裁判の却下を強く求めた。
続いて弁護団が汚染水流出の恐るべき事態を論じ、「テントひろばは福島第一原発事故の問題を明らかにするもの」であり、「テントの撤去は福島原発事故の未収束を隠蔽(いんぺい)するのが目的」「この裁判は訴権の乱用であり、却下されなければならない」と締めくくった。
次に弁護団長が、前回の弁論において弁護団が「被告の正清太一さんとされる写真は別人のAさんである」と指摘したことに対し、国側が「単なるミス」としていることを批判。「国側は正清氏を『首謀者』と言っているが、テントの一連の行動の主催者はAさんである。だから国側は行動の中心にいるAさんの写真を出してきた。ところが国側はAさんを正清氏と勘違いし、正清氏を被告とした。訴訟を取り下げるべき」と迫った。
さらに弁護団は「最初の訴状では『正清さんがテントを設置した』と言っていたが、国側は新たに『正清さんが土地の使用許可申請をした』と言い分を変えてきた」と批判した。
裁判終了後、4時から参議院議員会館講堂で報告集会が行われた(写真)。
弁護団が裁判の様子を報告。続いて原発いらない福島の女たちの渡辺ミヨ子さんが「3・11の原発事故以来、何度も東京に来た。それでテントで心身ともに助けてもらった。テントは私たちにとって本当に大切なもの。守っていただきたい」と訴え、「原発は初めからうそでつくられた。汚染水も当初から漏れないはずがないと思っていた」と強調し、尽きせぬ怒りを語った。
第4回口頭弁論は11月29日午後2時から行われる。
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週刊『前進』(2601号5面1)(2013/09/23 )
国鉄・反原発決戦で改憲・大増税・東京五輪反動の安倍を打ち倒せ
1万人『前進』読者網建設進めよう
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25反動判決阻止に向けて、9月15日、全国労働者集会とデモが1100人の結集で圧倒的に闘いとられた。国鉄分割・民営化による大量解雇と労組破壊、そしてそれ以降の大失業と非正規化攻撃との攻防の26年間に決着をつける歴史的地点に今、日本の労働者階級と革命的共産主義運動は立っている。いよいよ9・25反動判決阻止へ総決起し、10・1JR外注化粉砕から11・3全国労働者総決起集会の1万人結集の実現へ、ひたすら突き進もう。今年の11月集会を、動労千葉、関西地区生コン支部、港合同を軸にして、労働運動の階級的大転換を開く闘いとして実現しよう。
新たな国鉄闘争の出発点
9・15闘争を受け9月18日には、「解雇撤回・JR復帰」を求める東京高裁への署名が新たに1万232筆提出され、この日までで4万3885筆もの署名が東京高裁に提出された。
今年の11月集会のメインスローガンは「今こそ闘う労働組合を全国の職場に!」だ。これは署名の一筆一筆に解雇絶対反対という万感の思いを込めた4万数千人の労働者、そして民営化・外注化・非正規職化攻撃と対決する全労働者階級の共通の行動綱領である。
権力、資本、体制内指導部との激突となっている9月攻防は、国鉄闘争の巨大な発展におびえる支配階級や体制内勢力の大反動に対する、階級的労働運動派の断固たる反撃の闘いである。職場での組織拡大と拠点建設こそ労働者が闘って勝利する道だ。国鉄署名運動と『前進』1万人読者網建設を水路に、11・3集会の1万人大結集を実現しよう。
9・15闘争の圧倒的な成功は、この間の「4カ月決戦」の激闘の地平を引き継ぐ国鉄決戦の新たな出発点となった。「国鉄決戦でプロレタリア革命勝利を開く」という路線がものすごい勢いで現実化され、9・15闘争にすべてが凝縮される形で闘われてきた。
何よりも国鉄闘争において、労働組合の枠を越えた国鉄労働者の根源的な戦闘性がよみがえり、青年労働者の生きるための団結の結集軸となる情勢をつくりだしてきた。動労千葉を先頭とする外注化阻止闘争と一体のものとして、7〜8月決戦での外注化阻止・被曝労働拒否を掲げた汚染車両K544をめぐる動労水戸―国労郡山工場支部の闘いが、労働運動の決定的情勢を切り開いた。
さらに民営化攻撃と26年間も闘い続けている国労闘争団・動労千葉争議団の存在が、あらためて労働者の熱い共感を呼ぶときが到来している。「階級戦争には階級戦争を」(国労秋田闘争団・小玉忠憲さん)、「私たちがこの署名を通して皆さんと団結できたことが勝利だ」(動労千葉争議団・中村仁さん)という熱烈なアジテーションは、何よりも青年労働者の階級的魂に火をつけた。産別委員会と地区党建設の変革と前進が、この勝利を切り開く根本的な原動力となったのだ。
そして国鉄決戦が4大産別決戦と完全に一体化し、大発展する出発点に立った。とりわけ4・26の自治労スト情勢は、ついに連合と既成労組指導部による労働者支配の完全な破綻を突き出し、今や労組権力をめぐる大攻防に突入している。組織拡大と拠点建設で、闘う労働組合を全国の職場に打ち立てよう。
10・1JR外注化粉砕を
2012年の6・29東京地裁判決で白石哲裁判長は、国鉄分割・民営化での動労千葉組合員9人の解雇について、JR採用候補者名簿不記載基準が「分割・民営化に反対する労働組合に所属する職員を不当に差別する目的、動機の下に」策定されたと認定した。同時に判決文で「名簿不記載基準の具体的な策定時期、国鉄内部での意思形成過程等の主要な策定経緯について、被告〔JR〕が何ら説得力のある主張、立証をしていない」とも言及した。
20万人の労働者を職場からたたき出し、200人の労働者を自殺に追い込み、7千人以上の労働者が不採用とされたこのすべての過程を、なんら明らかにできないところに国鉄分割・民営化の根本的な弱点がある。
今日、JR東日本は追い詰められて、一切を動労千葉の組織破壊・団結破壊、労働組合としての存立の抹殺で危機をのりきろうと、10・1構内計画業務外注化という異常きわまる攻撃にのめり込んできている。JR千葉支社は、9月12日から計画業務外注化のための出向の事前通知を強行している。団体交渉の継続中のことであり、絶対に許せない。
計画業務外注化は悪質な偽装請負だ。また発注に伴う資料は幕張車両センターと鎌倉車両センターからそれぞれ別々に届けられ、それに作業が規定されることになる。これは請負事業主の自らの指示と管理に基づかない作業は偽装請負だと規定する「労働省告示37号」にも完全に反する行為だ。また、一連の作業である計画業務と構内業務を別々に発注するとしているが、作業完了報告は構内業務終了時の一度だけとされている。本来分断しようもないものを分断するのである。
こうしてあくまでも外注化を強行しようとするのは、JRやCTS(千葉鉄道サービス)での管理者の増員が示しているように、検修職場から動労千葉の存在そのものをなきものにする凶暴な意図があってのことだ。たとえ技術継承が絶たれ、安全が崩壊しても、労働組合をたたきつぶす――ここに新自由主義のどす黒い本質と破綻性がむき出しだ。
安倍は五輪東京招致のためのブエノスアイレス演説で、「福島原発はコントロールされている」「汚染水はブロックされている」「健康問題についてはまったく問題ない」と強弁した。これは天人ともに許さざる大うそであり、歴史的な大犯罪だ。福島圧殺と被曝強制を狙う日帝・安倍のとんでもない攻撃に、労働運動の力で決定的に反撃しよう。
4カ月決戦と9・15闘争は、民営化・外注化への怒りと、革命の拠点・福島の圧殺に対する怒りを、国鉄決戦と階級的労働運動を基軸に一つに結合し、帝国主義・新自由主義打倒へと進む大きな可能性を切り開いた。
労働組合の根幹はオルグ
労働者階級の怒りの総決起で、11・3労働者集会を時代の決定的な転換点とする闘いとしてかちとろう。今や民営化・外注化・非正規職化との闘いは、全労働者への階級圧殺攻撃と対決する大攻防であり、普遍的な課題である。これと無縁の労働者は一人もいない。ただ既成の体制内指導部のみが、攻撃の先兵となって労働者に敵対してきている。
「民間活力の爆発」と称する「国家戦略特区」との激突は、2020年オリンピック東京開催決定をもテコとして、全面的な階級戦争に突入している。竹中平蔵は「五輪を機に長年の課題だった規制緩和を一気に進めることを提案した」とダボス会議で報告した。
「国家戦略特区」とは、公立小中学校の公設民営化、株式会社の農地所有解禁、医療・介護の病床規制見直しなどの大反動攻撃であるとともに、最大の狙いは「雇用規制緩和」と称する「解雇特区」だ。
こうした中で、完全に破綻し行き詰まっている大阪市長・橋下徹は、「チャレンジ特区」なるものを打ち出した。これは労働時間規制や解雇規制をとっ払い”ブラック企業特区”をつくる攻撃であり、安倍と一体化した全面的な民営化と新自由主義の攻撃である。国鉄決戦は今やこれらすべてをひっくり返す、決定的な新たな地平を切り開いている。
外注化・民営化・非正規職化に絶対反対と階級的団結で闘い、権力・資本のあらゆる攻撃と対決し、全国の職場・地域に闘う労働組合を打ち立てる全内容が、動労千葉、関西地区生コン支部、港合同の3労組の経験と教訓の中に詰まっている。今こそ11・3労働者集会の1万人大結集へ総決起しよう。
動労千葉の布施宇一顧問は、動労千葉労働学校で「労働組合の根幹は『オルグ』」でありその回数だと提起し、「オルグは、方針を全体化するための必須条件であると同時に、指導部が職場・生産点を把握するための必須条件」と訴えた。オルグに次ぐオルグで11・3へ突き進もう。
国鉄決戦と反原発決戦を闘いぬき、改憲・消費大増税・五輪反動の安倍を倒そう。
「新たな時代の新たな機関紙活動」の精神もこの提起とまったく一体である。必要なのは『前進』1万人読者網建設に向けた実践に次ぐ実践、オルグに次ぐオルグだ。すでに現場労働者自身が機関紙活動の責任を取る闘いが開始されている。11・3へ向け1万人の読者網、1万人の労組活動家をつくり、新たな革命の時代を切り開こう。
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週刊『前進』(2601号5面2)(2013/09/23 )
10・20三里塚現地へ
TPP粉砕・安倍政権打倒し市東さんの農地を守りぬこう
三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける10・20全国総決起集会に大結集しよう! 危機にあえぐ日帝・安倍政権を打倒するため、今こそ労働者・農民の怒りを集中し、たたきつける時だ。東京高裁に舞台を移す農地決戦の勝利へ向けて、市東孝雄さんとともに立ち上がろう。労農連帯の真価をかけて10・20三里塚―11・3労働者総決起集会の大高揚を実現しよう。
(写真 農地裁判一審判決の日、市東孝雄さんと反対同盟は千葉地裁弾劾デモの先頭に立った【7月29日】)
三里塚は改憲・TPP・国策を阻止する最前線
3・11情勢のもとで、大恐慌はますます深化し、帝国主義体制は破綻と崩壊のふちにある。労働者の階級的団結を解体し労働組合破壊を狙う帝国主義の最後の延命策としての新自由主義に対し、7〜9月の闘いの前進は一大反撃の合図となった。
国鉄1047名解雇撤回の闘いは、国家的不当労働行為の真実を暴きだした。動労水戸の被曝労働拒否の闘いは、国労郡山工場支部の闘いと結びつき、組合の枠を越えて職場の青年を獲得している。動労水戸は外注化阻止の今秋2波のストを打ち抜いた。8・6広島―8・9長崎闘争、8・15集会の成功は日帝の原発推進政策と核武装の野望を阻む決定的な力となった。9月15日、再び全原発は停止した。
4大産別での闘いの発展は、連合による労働者支配の危機を促進している。体制内指導部の一層の屈服と破産は誰の目にも明らかとなった。
安倍政権は、アベノミクスの破綻にあえぎながら、集団的自衛権の行使容認、「非常事態条項」新設へ向け、内閣法制局長官に外務省から小松一郎を抜擢(ばってき)するなど、領土問題を口実に排外主義をあおりながら実質改憲に及ぶ戦争政策を推し進めている。
TPP(環太平洋経済連携協定)は、大民営化攻撃であると同時に、米帝の新軍事戦略に基づく対中国対峙・対決政策によるアジア市場をめぐる争闘戦、ブロック化―世界戦争政策の一環としてもある。日帝は日本農業が壊滅的打撃を被ることを承知しながら、日米同盟の深化をかけてTPPにのめりこんでいる。
この状況のもとで、三里塚の存在意義は一層明らかだ。国策(=軍事空港建設)に対し労農連帯の力でこれを阻み続ける「反戦のとりで・三里塚」は、日帝にとって容認し得ない存在なのだ。
福島抹殺する五輪許さない
三里塚闘争は日帝に対し、航空政策での数十年の遅れを強制してきた。
今や成田空港は国際化した羽田との競争において敗勢を強いられながら、アジアハブ空港争いからずり落ち、没落の一途をたどっている。「へ」の字に曲がった誘導路、首都からのアクセスの悪さ、世界一高い着陸料、騒音問題での住民の怒りの高まり――。国際空港の資格が問われる成田の惨たんたる現状は、47年にわたる反対運動が強制した現実だ。
この危機を突破するため、「20年東京オリンピック」を成田浮上の足がかりにしようとしている。開催決定翌日の各紙に、「国交省が羽田・成田の発着枠の拡大を要求」との記事が出た。今年3月にすでに運用時間の延長を強行したにもかかわらず、千葉県経営者協会はさらなる延長を県知事に要求した。
しかし、「東京は安全」「汚染水は完全にブロックされている」と恥知らずなうそをつく安倍への怒りは、いよいよ高まっている。放射能汚染の被害拡大に苦しむ農漁民、15万人もの避難者、子どもたちの甲状腺がんの発症、1千人に上る原発関連死――こうした福島の現状を抹殺しようとする安倍政権に対し、労働者人民が黙って見ていることは絶対にない。
三里塚反対同盟は本年年頭から市東さんに対する農地取り上げの攻撃に対し、全力で攻勢的に闘ってきた。緊急3万人署名への取り組みを全国に訴え、空港周辺地域で繰り返し一斉行動に立ち、騒音・振動問題での地元住民の怒りと合流した。7・29千葉地裁・多見谷判決は、空港会社(NAA)の言いなりで市東さんに農地の明け渡しを命じる極悪の反動判決だが、確定を待たずに強制執行できる「仮執行宣言」を阻止した。力でもぎとった勝利である。
三里塚は、この社会の未来に真に責任を取るのは誰かを実践の中で示してきた。その主体的根拠は、労働者と農民の連帯した闘いにある。
民営化・外注化阻止、非正規職撤廃の国鉄決戦を基軸とする4大産別・公務員決戦の前進をかちとり、11・3全国労働者集会へと攻め上ろう。これと一体で三里塚農地死守の闘いを発展させ、10・20に大結集しよう。
新自由主義打ち破った三里塚の歴史的な地平
80年代、「戦後政治の総決算」を掲げる日帝・中曽根政権の新自由主義攻撃に真っ向から対決し、三里塚2期決戦が闘われた。これは動労千葉の国鉄分割・民営化阻止の闘いと固く結合した決戦であった。
中曽根は国鉄労働運動をつぶし労働組合を破壊して、一気に改憲へと進もうとしていた。同時に成田空港2期工事を着工し、三里塚闘争の破壊、三里塚勢力の壊滅を狙っていた。しかし、闘う労農学の渾身(こんしん)の決起による白熱的攻防、大衆的実力闘争と革命的武装闘争は、中曽根の反革命的制圧を突き崩し、今日の安倍政権打倒の闘いの基礎を築く決定的な地平を切り開いた。
80年代の三里塚反対同盟に対する解体攻撃は、熾烈(しれつ)を極めた。78年A滑走路のみでの1期開港、79年戸村一作委員長逝去という重大な試練の過程で、政府高官と秘密取引をし、反対同盟を丸ごと条件派に変質させようとするグループが同盟内一部幹部に発生した。反対同盟を敷地内と敷地外で分断する目的をもって、運輸省・空港公団が推進する「農業振興策」=成田用水攻撃がしかけられた。「一坪再共有化運動」という形で進められた反対同盟分裂策動は脱落派を生み出した(83年3・8分裂)。脱落派は国家権力との非妥協の闘いや階級闘争の立場に対し、「農民独自の利害」を対置してこれらを否定し、条件派へと転落していった。その根底には「闘っても勝てない」という権力への敗北主義があった。
反対同盟はこの試練をのりこえ、労働者・農民・全人民の未来をかけて「絶対反対同盟」として屹立(きつりつ)した。
85年10・20三里塚蜂起戦は、「空港突入」を掲げた学生・労働者が三里塚交差点において数時間にわたり機動隊の計8個大隊との白兵戦を繰り広げ、壊滅的な打撃を与える大勝利をかちとった。
さらに現地における2期着工攻撃との実力攻防の展開の中で、農地収用を絶対に許さぬ決意で88年に千葉県収用委員会を実力で解体し、89年に事業認定の失効へと追い込んだ。公共事業のための土地収用法を破綻させたことは、日帝にとって決定的な打撃となった。
多見谷判決徹底弾劾し農地裁判控訴審勝利を
この47年にわたる三里塚の地平をたたきつぶそうとしてかけられてきたのが、市東さんに対する農地取り上げの攻撃だ。
7・29多見谷判決は、NAAの主張を丸ごと認めただけでなく、さらにそれを上回る日帝国家権力の反動的意思を示すものであった。NAAが「一切の強制的手段はとらない」との確約を踏みにじった暴挙について、わざわざ補足して「話し合いが頓挫した場合は強制的手段をとること」を容認した。さらに、空港敷地外の土地の買収・転用の違法には、「一体で利用するものであり、敷地外面積は16%にすぎないから問題ない」とNAAが言ってもいないことまで主張している。裁判所が国・NAAの完全な手先となり、農民殺しの最先頭に立つことを自認したのである。絶対に許すことはできない! まさに、資本の論理にすべてをゆだねるTPP攻撃の先取りだ。
そもそも市東さんへの農地取り上げは、戦後最大規模の実質的な公用収用であるにもかかわらず、土地収用法を適用できず農地法の悪用をもって行わざるをえないところに、敵の絶望的破綻性が表れている。
農地改革の中で1952年に制定された農地法は、労働基準法、教育基本法と並ぶ戦後憲法体制を支える三つの柱の一つである。農地法は農地を買ったり借りたりする権利を耕作者のみに認めた(農地耕作者主義)。09年の農地法改定でついに一定の条件で一般の個人・法人でも農地を借りられるようになったが、所有権の解禁はできなかった。
NAAが買ったと主張していること自体が農地法違反なのだ。裁判所が「耕作者に無断での底地の売買」を容認したことは「耕作者の保護」を目的とした農地法を根本から否定する暴挙である。
さらに、市東さんが営農を続け、農民として生きられることを一切考慮していない判決だということだ。「私に対し”死ね”という攻撃です」と市東さんが語るとおりだ。基本的人権のひとつとしての耕作権・営農権・生存権を取り上げる重大な憲法違反を裁判所は行った。
反対同盟・市東さんの農地死守の闘いは、TPPにみられる資本による農民切り捨て攻撃との闘いの最前線であり、戦争・改憲を阻む闘いの最前線だ。「復興特区」攻撃と闘う福島・被災地、新基地建設―オスプレイ配備と闘う沖縄との連帯が問われる、まさに最先端の攻防だ。
緊急3万人署名に示された全国の力によって、極悪裁判長・多見谷ですら仮執行宣言を出すことはできなかった。千葉地裁民事第2部で闘われている市東さんの農地をめぐるもう一つの裁判(耕作権裁判)も審理がストップしたままである。
闘いはこれからだ!
攻防の場は東京高裁へ移る。首都中枢を揺るがし東京高裁を包囲する闘いのうねりを作り出し、TPP・改憲に怒る全人民の怒りを結集することが求められている。
市東さんは、「金・暴力・法律」に屈せず、この地で農業を続けると宣言している。農民の誇りをかけた市東さんの生活と闘いを、なんとしても守りぬこう!
この闘いの中から労働運動の新たな指導部、農民闘争の新たな指導部を生み出し、世界単一の労働者党の建設を推し進めよう。三里塚現闘はその最先頭で闘う決意だ。
〔土屋栄作〕
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【要項】10・20三里塚全国総決起集会、三里塚裁判傍聴を!
多見谷判決徹底弾劾! 市東さんの農地を守ろう!
TPP絶対反対! 福島・沖縄の怒りとともに闘おう!
軍事空港粉砕・改憲阻止!
10・20三里塚全国総決起集会
10月20日(日)正午
成田市東峰 反対同盟員所有畑
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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三里塚裁判傍聴を!
◎団結街道裁判
9月24日(火)午後1時30分 千葉地裁(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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週刊『前進』(2601号5面3)(2013/09/23 )
法大開講日、文連と全学連が門前登場
9月17日、後期開講日を迎えた法政大学市ケ谷キャンパス門前で法
大生の圧倒的注目の中、文化連盟委員長・武田雄飛丸君(左)がマ
イクを握り、10・18法大集会・デモへの結集を熱烈に呼びかけた
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週刊『前進』(2601号6面1)(2013/09/23 )
団結ひろば 投稿コーナー
全学連大会に参加して 安倍のペテンに福島の怒り 福島大 A
全学連大会は、全国各地の大学からの多数の学生の結集をもって闘い抜かれました。
特に、全国大学で最も激しい弾圧が学生にかけられている法政大から学生が集まったことは非常に大きな意味があったと思います。
法大生からは大学当局や学祭実に対する不満が訴えられ、今の大学の在り方や御用学生団体への怒りを感じることができました。
また、2日目には10・18法大集会についての論議が行われ、そこでは法大文化連盟の三役が論議を牽引(けんいん)し、参加者からの質問に熱心に答えていました。
7年半もの間闘われてきた法大闘争の重要さ、全国学生のそれにかける熱意の大きさをあらためて感じました。
“改憲・戦争・原発再稼働”に突き進む安倍政権に対する怒りで大会がかちとられたことも非常に良かったです。
福島でも民衆の怒りが爆発しています。先日の東京オリンピック開催の決定は、福島県民の棄民化政策の一環にほかなりません。「汚染水はコントロールされている」「東京は福島から離れているから安全」。安倍政権のこういったペテンを粉砕し、福島から怒りの声を上げ続けていきたいと思います。
学連大会に参加して 原子力と改憲には絶対反対 法政大 K
全国でいろんな問題に対して闘っている人がいる中で、やはり福島の放射線問題について特に考えるものがあった。
やはり原子力は反対すべきである。憲法も絶対に改憲反対。この二つの問題はしっかりと向き合わなければならない。そう感じる大会でした。
学連大会に参加して 11月集会に大結集しよう 沖縄大1年 T
大会に参加するために会場に歩いていると、大勢の公安警察がムービーを撮影するなど厳重に警戒していました。今まで公安警察の実態を知らず、初めて見ましたが、ここまで腐敗しているのが公安警察なのかと思いました。
しかし、相手がたくさんいればいるほど、全学連大会への学生の結集を恐れているのだと、闘いの前進を感じました。
今回の全学連大会は、話によると初参加者も多く、白熱した議論になりました。特に印象に残ったのが、法大闘争と福島の現状についてです。
全国の大学の中で一番弾圧が激しい法大から初参加者が来たことや、学生が当局にばれないように工夫してビラを受け取り出しているなど闘いの前進の報告を聞いて「すごい!」と思いました。
これが法大生をはじめ全国の学生が法大闘争を闘ってきた結果だと感動しました。僕も、一度は法大デモに参加し、全国の学生とともに闘おうと思いました。
福島の吉沢さんの話を聞いて、放射能の被害に苦しんでいるのは人間だけじゃなく牛たちもなんだなと怒りを共有し、許せないと思いました。しかも、国は「殺処分しろ!」と命令している。ますます許せない!
また、福島第一原発からの汚染水漏れは、「第2の原発事故」と言われるほど大惨事ということを知りました。原発事故を引き起こしてもなお政府が事故を過小評価してきた結果です! 今の政府を打倒するほか生きることはできない、闘う以外に生きていけないと率直に思いました!
そこで、沖縄大学から反基地、反原発、TPP反対を掲げ、自治会をつくるために全国の学生・労働者と連帯して闘います! キャンパスで一人でも多く仲間を集め、連帯していくことが必要だと思います。
また、11月労働者集会に沖縄から学生を大結集させるため、頑張っていきたいと思います!
学連大会に参加して 法大の問題で意義ある議論 法政大 C
集会初参加者にも発言の機会が与えられ、それぞれが自分の意見を持って発言していたこと、発言者以外も自分に直接には関係のない話でも発言者の話に真剣に耳を傾けていたことは素晴らしいと感じました。
法政の問題をまるで自分の問題でもあるかのように意見をくれる人も多く非常に意義のある話し合いができたことは本当に大きな収穫だったと思います。
学連大会に参加して 沖大生の団結で自治会建設 沖縄大1年 M
9月4日、5日の全学連大会に沖縄大学の多くの仲間と参加しました。
会場前には100人を超える公安警察が参加学生を威圧するために待ち構えていました。沖大の仲間も「あきれますね」と怒りを爆発させていて頼もしかったです。
会場に入ると演壇の後ろに沖縄大学の旗が掲げられていて何よりもうれしかったです。
当局の激しい分断と威圧があるにもかかわらず、多くの法大生が文化連盟に合流したことは、法大闘争が法大生の心をとらえたということだと思います。
特に斎藤委員長の「法大闘争はいかに闘い抜いてきたか」という熱い提起は非常に重要でした。おかしいことにはおかしいと全力で怒り、一人の仲間も見捨てずに闘い抜く中で「教育の民営化粉砕」のスローガンが生み出されたことに感動しました。
私自身が法大闘争を初めて知り、学生運動に決起した時の原初的な怒りを取り戻せた気がします。学生自治会をつくっていく上で、沖大の新自由主義大学としての実態に最先頭で怒り、大学当局と徹底的に対決していくことが沖大生を最も獲得していく力になると実感しました。
僕が3・11福島行動から今日までずっと持っている「腹の底からの怒りが求められる」「原則的なものこそ大衆的である」ということがまた確信させられました。
今回の大会は本当に学ぶものが多く素晴らしい大会でした。東京から沖縄へ帰り、那覇空港で沖大生全員と固く握手して別れました。全学連大会に参加し、これまで以上に団結が深まったことを確信できました。こういう団結を強めていくことが新自由主義大学に勝利する道です。
沖大学生自治会を建設し、私たちがキャンパスの主流派になっていくためにも、10・18法大集会と11・3全国労働者総決起集会の成功はものすごい地平を切り開くと思います。両集会を全国学生の団結した力で成功させましょう!
学連大会に参加して 法大生の処分はおかしい! 首都圏大学3年 S
全学連大会の皆さんの熱い主張と発言、本当に心揺さぶられました。
自分はほぼ初参加で、大学に入ってからしばらく、こういった活動を知らずに過ごしてきました。大学側の内情や学生への対処などほとんど知らずにすごしてきた自分ですが、法大の皆さんに対しての処分は、どんな事情があっても学生を「処分」するのはおかしいと思いました。
自分の大学にも学祭の実行委員会があります。当日になればいろいろな規制を強いてきて、中には“あれ? そんなことで”と疑問に思うようなことまで禁止してきます。“もっと自由でいいんじゃないの? 学生が学祭をつくっていって何が悪いんだ”という不満は、確かに毎年出てくる不満です。
全学連の方々は、そんな当たり前の意見を言っているだけなんだなと思いました。そんな彼らの活動を、一学生としては応援せざるを得ません。
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国鉄解雇撤回へ10万署名4万3885筆 東京 戸田伊作
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25判決を目前に控え、多くの組合や労働者から10万筆署名が続々集まっています。9月18日、東京高裁へ第4次署名分として1万232筆が提出されました。これで総計4万3885筆! 前回提出から1カ月弱で1万筆以上増えましたが、この勢いは加速し、力ある署名になっています。
9・14さようなら原発大集会(亀戸中央公園)では、国鉄闘争全国運動は、NAZENと並んでブースを出店し、参加者に10万筆署名を呼びかけました。約500筆もの署名が集まりました。11・3集会のチケットや『前進』の販売も進みました。
「原発も首切りも中曽根が原点だ」「原発事故の収束なんて真っ赤なウソ」「安倍の福島見殺し演説は許せない」「オリンピックにはゼネストだ」……怒りはあふれています。
JR職場、労働者への接近は、意識的に創意工夫をこらして進んでいます。ビラまきを続けている検修職場や駅では、署名を提起するとビックリする反応が出ています。朝署名した人を昼休みに訪ねたら快く物販も注文してくれた、電話番号も書いてくれ後日会えた、勤務中に「また来たの」と言いながら周りを見てささっと署名してくれた、などなど。「組合(東労組)は会社とつながっている。許せない」の声がJR職場にあふれています。
「これは」という人には電話やメルアドを聞く、その日のうちにお礼の電話をかけるなど、組織化につながる署名に変化しています。地区の署名行動では、それぞれの工夫、突っ込みの方法や結果(失敗もいっぱいありますが)が話し合われ、組織化が進んでいます。もちろん組合建設の相談もあります。
この10万筆署名の全成果をひっさげ、9・25反動判決を迎え撃とう!
(写真 反原発集会に出店した国鉄闘争全国運動とNAZEN【9月14日 亀戸】)
朝取りのミニトマト 三里塚の野菜を即売 東京東部 千野龍一
9月14日、亀戸中央公園で開かれた「さようなら原発大集会」で、三里塚産直の会はブースを借りて三里塚野菜の即売を行った。
場所はメインステージから後方の少し離れたところ。当日は9千人の参加者だったが、人通りはあまりにぎやかではない場所だったのがやや残念。とはいえ、左右のお隣には、10万筆署名を進める国鉄全国運動と、福島の子どもたちの保養・避難をアピールするNAZENが出店し、それぞれの持ち味を出して通る人の足を止めていた。国鉄署名には多くの人が次々と応じていた。こちらも反対同盟と全国農民会議ののぼりを目立つように掲げ、炎天下のもと明るく元気よく人びとに声をかけ続けた。
その時売った野菜の品目は、キュウリ、ナス、ピーマン、ゴーヤーなどで前日の金曜日に収穫したものである。言うまでもなく、三里塚の大地で完全無農薬で育てられた新鮮で美味で栄養豊かな自慢の作物たちだ。
ミニトマトだけは、当日の朝5時に収穫した新鮮この上ない「朝取り」だ。通る人びとにあまねく試食を勧めると、皆異口同音に「おいしい」と感激してくれた。
「低農薬」を掲げる産直野菜を取っているという女性たちとも話になったが、こちらの完全無農薬という徹底ぶりに、少なからぬ関心を示していた。おかげでこの日は山のように用意した野菜のほとんどの品目が完売した。
原発事故、TPPなどなどを契機に、人びとの食料と農業に対する関心と問題意識はいよいよ強まっている。
土で育てられた作物を口にせずに人間は生きていけない。農地を武器に闘ってきた三里塚農民の半世紀にも及ぶ闘いと生き方を、産直野菜の販売を通じて、これからももっと多くの人に知らせたいと思う。
9・1関東大震災朝鮮人虐殺90周年に誓う えはらのはら
今年も「再び繰り返させてはいけない」と、東京・埼玉・神奈川などで「慰霊祭」が行われ、千葉県では9月8日、八千代市の観音寺で100人近くが参列しました。
千葉での朝鮮人虐殺は、軍隊による虐殺と同時に、習志野連隊が「保護」していた朝鮮人を「くれてやるから取りに来い」と自警団に組織された村人に引き渡して殺させたという、亀戸事件や大島事件などとはまったく異質な虐殺でした。
当時、小学校4年生だった八木ケ谷妙子さん(1913年、陸軍習志野駐屯地近くで出生。元教師。杉並区在住)はそれを目撃し、貴重な証言をしてくださっていましたが、今年1月、惜しまれて100歳の生涯を閉じられました。
6千人を超える一大虐殺事件は世界に例を見ない、日本帝国主義による国家犯罪です。しかし、日本政府は一貫して事件を隠蔽(いんぺい)し、真相究明を妨害して謝罪を拒否してきたのです。
そして、安倍政権は、侵略、虐殺を「見解の相違」「定義の問題」などと卑劣な居直りに終始し、「憲法改悪はナチスに学べ」(麻生副総理)とまで妄言(もうげん)を吐いています。彼らに対しては「毒キノコには毒キノコしか生えない」という朝鮮のことわざを贈るしかありません。
また、「在特会」などを先兵にして朝鮮人虐殺が扇動されています。
私たち在日朝鮮人民と日本の労働者階級人民は、心の奥深くに刻まれた日本の過去の負の歴史を見据え、階級的に団結し、朝鮮と日本の未来を切り開くため、連帯して闘っていきましょう。
(写真 9月8日、八千代市観音寺の慰霊の集い)
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週刊『前進』(2601号6面2)(2013/09/23 )
国際連帯が世界を変える
11・3〜4へ国際アピール
全世界の労働者・労働組合に11月労働者集会(11・3全国労働者総決起集会と11・4労働者国際連帯集会)への結集を呼びかける「2013年国際アピール」が動労千葉から発せられました。(編集局)
全世界の友人のみなさん。
私たちは、来る11月3日(日)、東京にて全国の闘う労働者・労働組合の総決起集会を開催します。そして翌日の11月4日(月)には、全世界の友人たちと共に労働者国際連帯集会に結集します。この両集会にぜひとも参加いただきたく、ここに心より要請いたします。
労働者から一切の権利を奪い取り、血の一滴まで収奪する新自由主義の攻撃が全世界に吹き荒れています。この攻撃の核心は規制緩和と民営化であり、あらゆる労働法制から資本を自由にする外注化・非正規職化です。
日本では、安倍政権によるアベノミクスの攻撃が吹き荒れています。過剰資本・過剰生産力にあえぐ最末期資本主義が、さらに大胆な金融緩和と公共投資を行い、全社会を大規模な民営化・雇用破壊にたたき込むという破産必至の攻撃です。9割の労働者を非正規に突き落とす一方で、医療、教育、年金、社会保障などを完全に破壊しようというのです。
一方、この攻撃の源流として1987年に強行された国鉄分割・民営化攻撃に、堤防決壊的な勝利がついに勝ち取られました。全員解雇・選別再雇用が壮大な国家的不当労働行為であることを裁判所にさえ認めさせ、民営化のウソとペテンが満天下に明らかになる地平をついに私たちは手にしました。
規制緩和と民営化、外注化と非正規職化との対決は、全世界の労働者の闘いの共通項です。
韓国では、国家情報院の大統領選への不正介入に対し数十万の集会が繰り返し開催され、この闘いと結合して整理解雇、非正規職化、民営化と対抗する闘いが民主労総・鉄道労組を中心に社会的な大運動として燃え上がっています。
アメリカ西海岸のILWU(国際港湾倉庫労働組合)諸支部に対し、日本の商社資本を先頭とした組織解体攻撃がかけられています。ILWUを中心に家族・地域総ぐるみの抵抗闘争が展開される中で、アメリカ労働運動の再編の動きも始まりました。また、8月下旬には全米60都市で、労組結成と時給アップを求めて過去最大規模のファストフード・ストライキが勝ち取られています。
また、EU(欧州連合)の解体的危機が進行する中、ギリシャに端を発した緊縮政策に対する怒りは、昨年11月のヨーロッパ・ゼネストに発展し、今年のメーデーに引き継がれています。
そして、新自由主義攻撃の渦中に引き込まれたBRICS諸国(ブラジル・ロシア・インド・中国・ 南アフリカ)やエジプト、フィリピン、トルコなどの労働者の「生きさせろ」の闘いは今や世界を席巻するに至りました。
私たちが例外なく問われていることは、帝国主義への対抗軸としてあるべき労働組合です。階級的労働運動をあらゆる職場につくり出していくこと、既成の体制内労働運動のくびきから自らを解放して、労働組合を変えていくことが求められています。原則を守り団結を拡大するという「当たり前」でかつもっとも困難な事業が私たちの普遍的な課題です。
安倍政権は世界の海を放射能汚染しても恬(てん)として恥じず、兵器級プルトニウムをため込み、「死の商人」よろしく原発パッケージを世界に売り歩いています。
ゴアレーベンを始めとする全世界の労働者・人民の熱い連帯の下、怒りに満ちたフクシマ、被曝労働に呻吟(しんぎん)する労働者、そして共に闘う全国の労働者は、安倍政権のこの悪魔のような所業に必ずや断を下します。
11月3日(日)の日本の3労組(動労千葉、関西生コン、港合同)と国鉄闘争全国運動主催の全国労働者総決起集会へのご参加を、ここに改めて要請いたします。また、添付の賛同用紙に賛同署名と連帯メッセージをいただけると幸いです。
翌日の11月4日(月)には、全世界の労働者人民の怒りの声を一堂に結集し、労働者国際連帯集会を開催します。併せて、ぜひともご参加ください。
2013年9月
国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)/委員長 田中康弘
動労千葉国際連帯委員会/事務局長 山本弘行
http://www.doro-chiba.org/english/english2.htm
(写真は、昨年11・3労働者国際連帯集会)
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【要項】
■今こそ闘う労働組合を全国の職場に!
11・3全国労働者総決起集会
11月3日(日)正午 東京・日比谷野外音楽堂
呼びかけ/全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動
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■全世界の労働者と団結し「生きさせろ」の大反乱を!
11・4労働者国際連帯集会
11月4日(月)正午開場/30分〜ビデオ上映/午後1時開会 千葉商工会議所第1ホール(千葉中央ツインビル2号館14階)
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週刊『前進』(2601号6面3)(2013/09/23 )
東京五輪を日帝の墓穴に
オリンピックの反労働者的な正体
先週の『前進』2600号1面の冒頭で「2020年オリンピック東京開催決定は、日帝・安倍政権とブルジョアジーの反革命的な思惑を超えて、逆に日帝の墓穴を掘り、日本階級闘争の新たな激動時代の幕開けとなる」と提起されたのを読み、感動しました。
安倍政権と全政党やマスコミは、オリンピックを超階級的に描こうとしますが真っ赤なウソです。提唱者とされるクーベルタンも、軍事教練でもある「近代五種」を五輪競技にし、ナチスのオリンピックを擁護する演説までした人物です。
国際オリンピック委員会(IOC)は国連などの国際機関でさえありません。それは非政府・非営利団体という建前の、ばく大な放送利権とスポンサー収入を握るブルジョア団体です。
115人のオリンピック委員の有力者の多くは王族や貴族です。ジャック・ロゲ会長はベルギーの貴族(伯爵)、日本の竹田恒和委員は天皇のはとこです。2020年東京五輪は、彼ら国際ブルジョアジーの、労働者階級支配の思惑とカネで決まったのでしょう。
(写真 1936年7月バルセロナ人民オリンピックの開催を知らせるポスター)
バルセロナ五輪
近代オリンピックは、日清戦争の前年に決定されたように、世界中で資本主義が行き詰まり、自由主義段階から帝国主義段階に移行する時期に始まりました。こうして支配階級の労働者支配の道具、国際政治と戦争の道具としての色も濃く「発展」していきます。それが最初に露骨に現れたのが第11回大会でした。
1931年4月27日にバルセロナで開かれたIOC総会は、11回大会開催をこの地に決めるはずだったのに出席者不足で流会とし、翌月13日に電報での再投票をして1936年ベルリン大会を決定します。2年後に政権をとったヒトラーはベルリン五輪で戦争を準備、初の聖火リレーも侵攻コースの地ならしでした(バルカン作戦)。
一方スペインでは36年4月14日、共和国誕生5周年行事の一環としてバルセロナで、反ナチス闘士の釈放を求めるスポーツフェスティバルを開催し、終了後、「バルセロナ人民オリンピック」を提唱しました。
この呼びかけに対し、後に連合国側になる諸国の思惑もあり、五輪開催が具体化し、2カ月後には23カ国が参加するバルセロナ大会参加が予定されました。(ベルリン大会参加国は49カ国)
ところが開会式2日前の7月17日にフランコが反革命クーデターを起こし、オリンピックは中止となります。スペインの労働者階級は銃を取って総決起、ここに6千人の各国選手団の一定部分も自主的に合流し「大隊」編成、その力で首都マドリード・バルセロナ・バレンシアで反革命軍を粉砕し、スペイン内戦に突入しました。この「大隊」が『カタロニア讃歌』で知られる外国人義勇兵の母体となります。そのすべてを裏切ったのがスターリン主義です。
また戦後も、1964年の東京オリンピックの決定は1959年5月末です。まさに日帝が日米安保(60年)−日韓条約(65年)で敗戦帝国主義から復活しようとする時でした。
安倍「五輪特区」
2020年東京五輪とは、日帝が「高度成長期」にあった64年とも違って、新自由主義の絶望的破綻の中での開催です。それはJR東の2020年までの計画「経営構想X」やJP「郵政グループビジョン2021」と一体のものとして改憲を含めた支配階級の絶望的攻撃でしかありません。
実際に安倍は、オリンピック決定をもテコに、「世界で一番ビジネスをしやすい環境」と称して、東京・大阪・愛知を「戦略特区」にする階級戦争攻撃に出ようとしています。
その先端で東京を「五輪特区」にして、「特区で規制の岩盤を崩せ」(竹中平蔵)と言っています。その内容は、教育の民営化、株式会社の農地所有解禁、医療介護の規制見直し、解雇規制緩和(金銭解雇ルールの導入、法定労働時間規制除外の導入など)、道路・施設の整備と管理の全面的な民営化・外注化です(PFI方式)。さらに首都圏の交通インフラの整備と称して、破綻寸前の成田空港救済、航空機の都内の上空飛行の解禁、3環状道路建設が狙われています。これは三里塚圧殺攻撃でもあります。
五輪招致演説「アンダーコントロール」=福島抹殺攻撃こそ、その最先端の大攻撃です。
こうして日帝支配階級が「東京五輪」でかけてきた具体的な攻撃を暴露していくと、それはこの間の国鉄決戦と反原発闘争の前進に対する反動であることがはっきりと見えてきます。
これに対して私たちは、五輪招致のための安倍の大ウソをつかんで離さず、「福島との連帯を死活的課題に据え」「革命情勢と切り結び国鉄決戦基軸にプロレタリア革命勝利を切り開こう」(『前進』2600号3面、大原武史論文)ではありませんか。
(投稿/田島俊昭)
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