ZENSHIN 2013年09月16日(No2600号 06頁)

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第2600号の目次

昨年2・5デモに続く第2弾の9・8徳島刑務所デモが430人の参加で闘い抜かれた。先頭は左から辻川慎一さん、星野暁子さん、和久田修弁護士、戸村裕実さん(9月8日 徳島刑務所正門前)

1面の画像
(1面)
9月攻防に勝ち抜き11月へ
9・25反動判決阻止-10・1外注化粉砕、国鉄決戦を軸に勝負しよう
9・29橋下打倒闘争に総決起を
記事を読む  
“星野さんを返せ”の声届く  9・8 430人が徳島刑務所へデモ 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
【要項】9・29橋下打倒集会 記事を読む  
(2面)
解雇撤回・JR復帰を  9・25 大結集で東京高裁ゆるがそう 記事を読む  
鉄道運輸機構訴訟 最高裁の上告棄却弾劾
“不採用基準”容認の大反動(9月10日)
記事を読む  
JP労組支配が崩壊  職場拠点建設に挑戦しよう(大谷和彦) 記事を読む  
日教組を現場の手に
青年は革共同に結集しよう(革共同関西教育労働者委員会)
記事を読む  
(3面)
革命情勢と切り結び国鉄決戦基軸にプロレタリア革命勝利を切り開こう
11・3全国労働者集会の課題と展望  大原武史
記事を読む  
投稿 郵政 現場は黙っていない  新一般職導入阻止しよう(東北/中林剛) 記事を読む  
(4面)
10・20三里塚全国集会アピール  反対同盟が招請状 市東さんの農地を守ろう 記事を読む  
「福島原発はコントロールされている」
五輪招致のための安倍の大ウソを断じて許すな!
記事を読む  
反対同盟 成田・芝山一斉行動  住民の怒りで空港包囲へ(9月8日) 記事を読む  
“汚染水とめろ”  9月6日 金曜行動  安倍への弾劾、一層激しく 記事を読む  
9・29橋下打倒集会へ  体制内派を倒し拠点建設を 記事を読む  
2013年日誌 9月3日〜9日
G20はシリア爆撃をめぐり分裂/安倍、「汚染水完全ブロック」の大ウソ
記事を読む  
(5面)
100万人を動かす学生運動を!
全学連大会 10・18法大闘争と国会デモへ  「全国に自治会を」の大方針(9月4、5日)
記事を読む  
斎藤委員長の決意表明  目の前の現実に怒って 絶対反対を貫き闘おう 記事を読む  
大会宣言 記事を読む  
法大無期停学処分撤回裁判 “10・18集会へ全力で闘う”
武田君が当局を圧倒(9月6日)
記事を読む  
希望の牧場 吉沢正巳さんの訴え
再稼働阻止へ連帯を! 牛と共に浪江に生きる
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
9・8徳島闘争 星野暁子さんのアピール  文昭の命守り団結を 記事を読む  
“皆の声聞こえた”  翌日面会 文昭さんが暁子さんに語る(9月9日) 記事を読む  
前進社国賠 原告側証人全員採用  “警察官証人も採用せよ”(9月5日) 記事を読む  

週刊『前進』(2600号1面1)(2013/09/16 )

 9月攻防に勝ち抜き11月へ

 9・25反動判決阻止-10・1外注化粉砕、国鉄決戦を軸に勝負しよう

 9・29橋下打倒闘争に総決起を

 2020年オリンピック東京開催決定は、日帝・安倍政権とブルジョアジーの反革命的な思惑を超えて、逆に日帝の墓穴を掘り、日本階級闘争の新たな激動時代の幕開けとなる。そのまっただ中で、いよいよ国鉄決戦を基軸としながら階級的労働運動が前進し、「国鉄決戦でプロレタリア革命勝利を」の闘いを貫徹しぬく決定的な勝負のときを迎えている。7〜8月の勝利に確信をもち、権力、資本、体制内指導部との激しい9月攻防に勝ち抜こう。動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25反動判決を阻止し、9・29橋下打倒闘争に総決起し、10・1JR外注化阻止から11月労働者集会へ勇躍突き進もう。

 安倍福島圧殺演説許すな

 ついに到来した革命情勢に切り結び、4大産別を先頭に全産別・全戦線で目的意識的な変革と飛躍を闘いとり、今こそプロレタリア革命の勝利をたぐり寄せるときだ。中央委員会と細胞、地区党と産別委員会の路線的一致と団結の力に依拠し、1万人『前進』読者網建設と拠点建設、党と労働組合の一体的建設を推進するなら、絶対に情勢は切り開かれる。
 安倍政権が膨大なカネと人を投入して招致した2020年東京オリンピックは、脱落日帝の危機脱出をかけた絶望的な反革命であり、労働者人民への一大階級戦争である。そのために安倍は国際舞台で公然と、「福島原発はコントロールされている」「汚染水は完全にブロックされている」「健康問題はまったく問題ない」などと強弁した。このとんでもない大ウソは、3・11原発事故をなかったものとし、今日の福島の現実と怒りと闘いを抹殺しようとする歴史的な大犯罪である。
 しかしこんなウソと反革命がそのままやすやすと通用すると思ったら大間違いだ。大恐慌と争闘戦の激化、新自由主義の破綻と崩壊の進行、何よりも汚染水問題など福島原発事故の絶望的危機の進行は、脱落日帝をいよいよ追い詰め、労働者階級人民の根底的怒り、自己解放をかけた決起と反乱を必ず引き起こす。断固として闘う勢力があれば、戦争前夜にも似たこの一大反動を食い破り、階級闘争の大前進の転換点とすることができる。日帝と安倍は完全に墓穴を掘ったのだ。
 7〜8月闘争は、危機と破綻を深める帝国主義・新自由主義と真っ向から激突し、敵をより破産させ追い詰める闘いとなった。7〜8月闘争においては、国鉄4カ月決戦のただ中で、参院選・山本太郎氏当選の勝利、動労水戸と国労郡山工場支部の闘いの画期的前進、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ闘争と8・15集会の大高揚、さらに国鉄・自治体・教労・全逓の4大産別大会での地殻変動情勢という〈4大勝利>を闘いとった。それは大恐慌の激化と3・11情勢のもとで、新たなよりすさまじい革命的激動情勢を主体的に切り開いた、画期的な地平である。
 この闘いのすべてを貫きその勝利を可能としたものこそ、闘う労働組合・労働運動の生き生きとした復権であり、労働組合・労働運動の力が本来的にもつ根源性である。労働者階級が生きるためには、新自由主義を打ち破り、この社会を根底的にひっくり返す力としての労働組合の復権と階級的団結こそ決定的である。今や労働組合の復権をめぐる死活的攻防にすべてがしぼられてきている。
 労働組合権力を連合幹部や社会民主主義、スターリン主義から奪い取り、今こそ労働者が革命に向かって組織し発展させていく「基礎的団結形態」として労働組合を打ち固めるときだ。国鉄4カ月決戦を勝利のうちに貫徹し、9・25反動判決粉砕から11月へ、新たな飛躍と変革をかけて全力で突き進もう。

 「闘えば勝てる」との確信

 11月労働者集会1万人結集へ、9月決戦と4カ月決戦を貫き国鉄闘争をさらに全面的に発展させていく闘いの基底には、「解雇撤回・JR復帰」を求める大運動が2010年4・9政治和解の大反動をのりこえ、今や国鉄を始め全産別で、とりわけ4大産別のあらゆる現場で、生き生きと展開され始めたという現実がある。1047名解雇撤回闘争は今日、新たな生命、新たな魂をもってよみがえり、新たな到達地平を切り開きつつある。それはいかなる制動をものりこえ、力強く全面的に闘い抜かれている。
 26年間におよぶ闘いは、ついに「国鉄改革」の真実を全面的に暴きだすところまできた。「国鉄とJRは別法人」「首ではなく採用の自由」「名簿をつくったのは国鉄でJRは名簿をそっくり採用した。一人も選別していない」――こんなウソとペテンがまかり通ってきた現実のすべて、この30年間にもおよぶ一切の理不尽な現実を、根底からひっくり返すときがきた。
 それは国鉄改革法との真正面からの対決である。既成の党派のすべてがこれとの対決をあらかじめ避け、「解雇撤回」のスローガンを投げ捨て、和解と政治解決路線に国鉄闘争をおとしめてきた。この歴史を根底から覆し、国鉄分割・民営化という日帝の新自由主義攻撃の根幹との激突、日帝国家権力中枢との死闘を恐れず、労働者の団結に徹底的に依拠して闘うべき情勢が到来した。
 ここで重要なのは、日帝権力とブルジョアジーにとっても、2010年4・9政治和解にもかかわらず事態はまったく突破できておらず、未解決・未決着のまま今日の大恐慌、3・11情勢という危機を迎えているということだ。この矛盾と危機が、社保庁解体をめぐる分限免職への不服申し立てについての人事院の判断で、これまで3割の処分が取り消され、橋下の民営化攻撃も完全につまずいて何も進まない状態を強制している。
 こうしたすべてが、昨年の動労千葉鉄建公団訴訟6・29白石判決と今年4月の白石裁判長更迭(白石事件)という形で、日帝権力自身が矛盾と破綻をはっきり認めざるを得ないところに追い詰めているのである。「闘えば勝てる」という確信は、4大産別をはじめあらゆる職場で日々深まり、この最先端に7〜8月の〈4大勝利>がある。以上のことをしっかり確認し、今こそこの道を進もう。11月集会の大成功を闘いとろう。

 労組拠点・読者網建設へ

 動労千葉・動労水戸を最先頭に外注化・非正規職化と対決し、JRを徹底的に追い詰め、昨年10・1外注化阻止決戦に勝ち抜き、JRを根底から震撼(しんかん)させた闘いこそが、この7〜8月の決定的勝利の基礎をなしている。
 今日、外注化と非正規職化をめぐるJR(東)職場の現実は、あまりにもデタラメであり、破綻している。管理者の大量増員、外注会社CTS(千葉鉄道サービス)の「プロパー」の大量育成、管理体制の破綻、団交で計画業務を受託する技術・経験・ノウハウも何もないことを自認するCTS、さらには猛暑の中、職場で熱中症が多発し、この夏だけで5回も救急車で搬送される事態に何の対処もできない現実など。まさにすべてが動労千葉破壊のためにのみ行われているのだ。
 同じく水戸鉄道サービス(MTS)では、「検修・構内業務に携わるプロパーの自力の養成ができないため、MTSからJRへの逆出向を行う」として就業規則の変更まで強行せざるをえない事態があり、郡山では被曝車両の全般検査、被曝労働強制に対する青年を始めとする職場からの怒りが噴出している。だがこの現実は一地方支社の問題ではなく、JRの全体、そして安倍の「成長戦略」そのものの凶暴だが脆弱(ぜいじゃく)な姿なのだ。
 11月労働者集会1万人大結集へむけた闘いは、7〜8月の闘いの地平をも大きく超え、力強く始まっている。11月集会を呼びかける4団体(全日建運輸連帯関西生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉、国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を支援する全国運動)の団結の基礎にあるものは資本・権力への怒りとマルクス主義への確信だ。これこそ新自由主義攻撃を打ち破る最深の最大の力だ。
 今こそ確信をもって『前進』をすべての職場、10万筆署名運動の全陣形に提起し、購読を訴え、1万人読者網を建設しよう。
 9・25反動判決阻止、9・29橋下打倒闘争、10・1外注化阻止に総決起し、11月へ真一文字に突き進もう。権力、資本、体制内指導部との9月の激しい攻防、非和解的な激突に断固として勝ち抜こう。

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週刊『前進』(2600号1面2)(2013/09/16 )

 “星野さんを返せ”の声届く

 9・8 430人が徳島刑務所へデモ

(写真 昨年2・5デモに続く第2弾の9・8徳島刑務所デモが430人の参加で闘い抜かれた。先頭は左から辻川慎一さん、星野暁子さん、和久田修弁護士、戸村裕実さん【9月8日 徳島刑務所正門前】)

 吉野川の支流・鮎喰川(あぐいがわ)の河川敷。川上を眺めると徳島刑務所の職員官舎が建っている。星野文昭同志がいる徳島刑務所だ。
 9月8日昼、杉並星野文昭さんを救う会の狩野満男さんの第一声で「階級的労働運動の力で星野さんを取り戻そう!9・8徳島刑務所デモ集会」(同実行委主催)が始まった。全国労組交流センター、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議を始め、全国から430人が集まった。(6面に関連記事)
 最初に「愛する夫を返せ」と記されたたすきを身につけた星野暁子さんが発言に立った。「文昭は全身が耳になるぐらいみなさんの訪問を待ち望んでいます」と文昭さんのメッセージを伝えた。「僕に対する無実を百も承知の無期攻撃は、労働者人民の団結で世の中を変えていく闘いをつぶそうとするものだ。あらゆる困難をのりこえてつくり出してきた中身が今、新自由主義と闘う労働者の希望になっている。人間が人間らしく生きられる世の中をめざす生き方と、暁子との愛、仲間との団結があれば、どんな攻撃も粉砕して世の中を変えられる。団結してがんばろう!」
 暁子さんは新刊『愛と革命』を紹介し、「文昭の獄中39年、ともに生きた29年。この本を新自由主義攻撃による困難と分断に怒るすべての労働者民衆に読んでほしい。絶望に見える攻撃の先に希望を見いだすことができるからです」と薦めた。
 連日34度を超える酷暑、冷房もない中、夜寝る前に水を使って体をふくことすら徳島刑務所は「洗面器2杯分の水を全員に配布する予算はない」と拒否! 暁子さんは「きょうのデモは文昭と全受刑者の命を守る切実な闘いです」と語り、「革命の時代に勝利する階級的労働運動は、国鉄と反原発と星野を掛け合わせた闘いだと私は確信しています。全証拠開示運動をしっかりと闘い、福島の怒り、沖縄の怒りと一体に動労千葉、動労水戸の闘いに続き、新しい時代に新しい団結を求めて決起しましょう」と呼びかけた。全参加者が大きな拍手で応えた。
 続いて、この日、徳島市内で全国運営委員会を開催してデモに臨んだ全国労組交流センターの辻川慎一代表(動労水戸)が、“日本の怒れる労働者”の力で星野さんを奪還しようと訴えた。
 徳島救う会から元木美起子さんと徳島医療福祉労組の青年労働者、星野再審弁護団の和久田修弁護士、動労西日本の山田和広書記長、動労千葉の田中康宏委員長が次々に発言した。和久田弁護士は「証拠開示運動の中で星野さんの無実は明らかになっている。星野さんを絶対に出さないという国家権力の壁を打ち破るのが今日のデモだ」と力強く呼びかけた。
 連帯あいさつがNAZEN愛媛の日野亮さん、全学連・斎藤郁真委員長、全国水平同盟・岡邨洋委員長から行われ、全国24の星野救援会を代表し、沖縄万人(うまんちゅ)の力で星野さんを取り戻す会の柿本博人さん、福島・取り戻す会の長沢宏さんがきっぱりと決意を語った。
 全国再審連絡会議の戸村裕実共同代表が「徳島刑務所の非人道的な処遇に対し怒りの声を上げよう。一日も早く星野さんを取り戻すために団結してがんばりましょう」とまとめの提起を行った。
 夏の太陽が降り注ぐ中、一路、徳島刑務所へデモが出発した。「星野さんに会いに行くぞ!」
 地元住民の温かい声援を受けて進むデモには、午前中の徳島駅前街宣で出会った青年の姿もあった。刑務所前では、文昭同志がリクエストした「釜山港に帰れ」を参加者全員で熱唱した。
 デモ終了後、星野暁子さんが「私は刑務所の前に立って、文昭が歩いて出て来る風景を思い浮かべていました。その日のために、この腐った社会を変える闘いと一つに文昭の思いを自らの思いとして闘っていきましょう!」と訴えた。
 「3回目(の徳島刑務所デモ)は星野さんを奪い返して迎えに行く時だ」(田中委員長)。全証拠開示運動を闘い、新しい時代の新しい団結で星野同志を取り戻そう!
(写真 川上に徳島刑務所が望める鮎喰川の河川敷で開かれた9・8徳島刑務所デモ実行委員会の集会【8日 徳島市入田町・春日橋たもと】)

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週刊『前進』(2600号1面3)(2013/09/16 )

前進速報版から 前進速報版から

 ▼鉄運機構訴訟、最高裁の上告棄却を弾劾する▼9・8徳島刑務所包囲デモ▼三里塚反対同盟が一斉行動「地元の怒りで空港包囲を」

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週刊『前進』(2600号1面4)(2013/09/16 )

【要項】9・29橋下打倒集会

民営化・外注化=全員解雇絶対反対! 非正規職撤廃! 処分撤回! ストライキで闘う労働組合を!
 9・29橋下打倒集会
 9月29日(日)午後1時 大阪中之島公園・女神像前 (大阪市役所南側 地下鉄・京阪「淀屋橋駅」徒歩5分)集会後デモ
 主催 橋下打倒集会実行委員会

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週刊『前進』(2600号2面1)(2013/09/16 )

 解雇撤回・JR復帰を

 9・25 大結集で東京高裁ゆるがそう

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の判決日である9月25日は目前に迫った。9・15総決起集会の大成功の上に、9・25反動判決を阻止する最終決戦に打って出よう。9・25判決日の闘いを、東京高裁を震え上がらせる大結集で打ち抜き、反動判決を何としても打ち砕こう。

 最高裁での大激突を見すえた闘いに

 国鉄分割・民営化による国鉄労働者の解雇は、政府と旧国鉄幹部、財界トップを先頭とするJR設立委員会、司法権力が結託して行った国家的不当労働行為だった。動労千葉鉄建公団訴訟は、その事実をついに白日のもとに暴き出した。
 「いったん全員解雇−選別再雇用」という「国鉄方式」の首切りは、不当で安易な解雇を社会に横行させた。それは、労働者を非正規雇用に突き落とす攻撃の出発点になった。今こそ、「国鉄方式」を根本から打ち砕く時が来た。その勝利は、安倍や橋下らの攻撃のすべてをひっくり返す最大の鍵になる。国鉄決戦はまさに今が正念場だ。
 国家権力と資本は国鉄闘争の前進に追い詰められている。国家権力の意志を体現して動労千葉鉄建公団訴訟の控訴審を結審させた東京高裁・難波孝一裁判長が、超反動判決を振り下ろそうと狙っていることは明白だ。
 最高裁は9月10日、動労千葉争議団と同じく、不採用基準によってJR採用候補者名簿から削除された国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟で、上告棄却の反動決定を出した。これは、動労千葉鉄建公団訴訟の9・25控訴審判決を徹頭徹尾意識した大反動だ。
 「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名運動を軸に9・15集会に上り詰めた全過程は、こうした反動と真っ向から対決して闘い抜かれた。
 そのすべての力を9・25判決日の闘いに結集しよう。東京高裁がどんな判決を出そうと、動労千葉鉄建公団訴訟は最高裁を舞台にさらに激烈な攻防になっていく。これを見据え、解雇撤回・JR復帰を敵階級に強制するための強固な陣形を打ち立てよう。

 10・1検修外注化を阻む決戦が始まる

 9・25に至る過程は、職場における10・1外注化阻止の決戦過程と完全に重なった。
 昨年10月1日の外注化から今年10月1日の新たな外注化攻撃に至るまで、JR東日本の攻撃の焦点は完全に動労千葉つぶしに据えられている。
 今回、JR千葉支社管内で新たに外注化されようとしているのは、「構内計画業務」と呼ばれる仕事だ。外注化に伴い、新たに14人が外注会社であるCTS(千葉鉄道サービス)へ出向させられようとしている。
 これによりJR側の構内業務の管理職には、自分の指揮下にある「部下」は1人もいなくなる。ところがJRは、管理職を増員するというのだ。幕張車両センターでは、7人体制だったところを11人にまで増やす。
 さらにJRは、今年4月以降にCTSが検修部門で新たに採用した19人(新採14人、従来CTSで清掃業務を行っていた労働者5人)を、JR本体の検修職場に配属し、技術教育を施した上、10月からCTSで機能保全の業務に就かせようとしている。そもそもJRでは、車両センターによっては新規採用がない年も珍しくないのに、今年、CTSは19人という異常な大量採用を行った。しかもJRは、その19人の技術教育を千葉支社だけでは行えず、十数人は東京支社など近郊の支社に数人ずつ配置し、仕事を覚えさせて千葉に戻すとしている。だが、外注化はJR東日本の全支社で行われており、どの支社も外注会社の労働者を養成しなくてはならない。にもかかわらず、CTSの19人をいったん他支社にも配属するという計画は、動労千葉対策のためにJR東日本本社そのものが乗り出してきたということだ。
 1人の部下もいないのに管理者を増員したのも、動労千葉のストライキに際して、CTSに委託した業務をJR側で行うための要員確保が目的だ。動労千葉組合員をJRから追い出し、今度はCTSからも追い出して動労千葉を破壊する。そのためには、どれだけ要員が増えようと、さしあたり何の合理性がなくても突き進んでいく。この攻撃の激しさは、なりふりを構う余裕がないほどJRが追い詰められていることを示している。
 外注化は本質的に矛盾をはらんだ攻撃だ。その矛盾は現場で徹底的に闘い続ける中で暴き出される。JR東日本は、闘う勢力を一掃することなしに、一歩も前に進めないところに追い込まれた。
 動労千葉を先頭に動労総連合は、この闘いの帰趨(きすう)のすべてが組織拡大にかかっていることを見抜き、猛然と闘いに立ち上がっている。9月4日には、動労水戸が外注化阻止の今秋第1波ストを打ち抜いた。動労水戸は、被曝労働拒否闘争で追い詰められグラグラになったJRをストで痛撃し、外注化粉砕に向けた闘いの先端を切り開いている。
 1047名解雇撤回と外注化阻止を軸とする国鉄決戦は、全労働者の生活と権利、未来をかけた闘いだ。その闘いは、労働者が団結し、労働組合が本気になって闘えば、国家の総力を挙げた攻撃にも立ち向かえることを示している。

 4大産別の流動情勢と切り結び

 国鉄決戦の発展と一体のものとして、国鉄、自治体、教労、全逓の4大産別で巨大な決戦が始まった。7−8月の各産別大会は、連合の崩壊と労働運動の大流動が起きていることを突き出した。連合幹部によって抑えつけられてきた現場労働者の怒りが、ついに噴き出そうとしているのだ。
 とりわけ自治労大会で「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名に812筆が寄せられたことは、開始された公務員決戦が国鉄決戦と一体になりつつあることを示す事態だ。
 安倍政権は、公務員労働者への攻撃を通して解雇自由・賃下げ自由の攻撃を全労働者に貫徹しようとしている。その切っ先が公務員7・8%一律賃下げだった。8月には、人事院がさらなる賃下げに向けた報告を打ち出した。大阪市長・橋下を先頭にバスや地下鉄、保育所などあらゆる現業の丸ごと民営化が狙われている。行政職でも、足立区を先頭に窓口業務のコンビニへの外注化が行われている。
 自治体労働者は、「国鉄方式」の次のターゲットが自分たちであることをつかみとっている。現場労働者の渦巻く怒りは、あらゆる勢力が屈服する中で、どんなに困難でも4・26ストに向けて全力で闘い抜いた仲間たちと結びつき、闘う者への信頼を生み出している。国鉄闘争を基軸に、職場で必死に闘い抜いてきた苦闘が、情勢をここまで押し上げたのだ。ここに闘う労働組合をよみがえらせる決定的な突破口が開かれている。

 3労組の闘い広げ11・3集会大結集を

 9・25反動判決粉砕の闘いは、安倍政権の攻撃のすべてを打ち破り、労働組合を復権する闘いだ。その闘いを全力で闘い抜く中にこそ、11・3労働者集会への1万人結集を実現する道もある。
 安倍は、今秋国会で限定正社員制度の導入、派遣法改悪、消費税増税を押し通そうとしている。さらに「国家戦略特区」で解雇の自由化、ホワイトカラー・エグゼンプション(残業代ゼロ法)、小中学校の公設民営化、企業の農業参入用件緩和などを強行する構えだ。
 これらの攻撃は、連合の崩壊と総屈服をもテコに進められている。これほどまでに労働組合が屈服しきった時代はないのと同時に、今ほど闘う労働運動の復権が求められている時代はない。
 11・3集会の最大のテーマは、国鉄闘争を基軸に今こそ全国の職場に闘う労働組合をつくりだすことだ。11・3集会を呼びかけた3労組の闘いは、どんな攻撃の中でも闘う労働運動を守り抜き、発展させることが可能であることを示し続けている。
 中小企業と労働者の共同戦線を形成し、産業別の運動をつくり上げ、大手ゼネコン数社を相手に139日間のストライキを貫徹して勝利した全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部。企業の塀を越え、地域をひとつの労働組合として組織し、地域合同労組を「駆け込み寺」にとどまらず闘いの砦(とりで)として築き上げ、22年の闘いで南労会闘争に勝利した全国金属機械労組港合同。26年に及ぶ闘いでついに「国鉄改革」の真実を暴き出し、第2の国鉄分割・民営化ともいうべき外注化攻撃に立ち向かい、これを12年間阻止し続けてきた動労千葉。この3労組の闘いは、労働運動復権のための深くて多大な実践的教訓に満ちている。
 3労組と国鉄闘争全国運動による11・3集会への呼びかけ文は、「過労死、サービス残業、リストラ、下請けの切り捨て、下請けのコストダウン、これを日本の労働組合は権利侵害だと思わない。これを怒りに変えて闘うことをやらない」という既成の労働運動の現実に「人の痛みを己(おのれ)の痛みに」「一発やられたら三発やりかえす労働者観」(関西生コン支部、武委員長)を対置し、「労働者が自覚的に団結した力は資本を蚕食する力を持つ」(港合同)と訴えている。3労組は、いずれも新自由主義に対して徹底的に闘い抜いてきたたぐいまれな労働組合だ。今こそ3労組の闘いを全国の職場に広げる時だ。
 その3労組がともに最大の決戦として闘っているのが国鉄1047名闘争だ。国鉄闘争をさらに広く深く職場に持ち込もう。徹底的に職場に食らいつき、渦巻く労働者の怒りと結びつこう。青年の怒りを組織するために、徹底的に考え抜こう。国鉄闘争は青年を組織できる力を持っている。このことを確信し、とりわけ4大産別の職場で本気になって勝負に出よう。物販運動を全力で闘おう。9・25反動判決を絶対に阻止し、11・3労働者集会1万人結集の道を切り開こう。
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 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審 判決
 9月25日(水)午後2時
 東京高裁824号法廷 

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週刊『前進』(2600号2面2)(2013/09/16 )

 鉄道運輸機構訴訟 最高裁の上告棄却弾劾

 “不採用基準”容認の大反動

 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんが原告の鉄道運輸機構訴訟で、最高裁は9月10日、小玉さんの上告を棄却する超反動決定を出した。
 小玉さんは国鉄分割・民営化に際し、「6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者はJR採用候補者名簿に記載しない」という不採用基準によってJR不採用とされた。昨年6月29日に出された動労千葉鉄建公団訴訟の一審判決は、不採用基準の策定自体が不当労働行為だと認定した。だが、その直後の昨年10月11日、東京高裁・設楽隆一裁判長は、小玉さんの鉄道運輸機構訴訟で「停職処分を2回以上受けるということは重い非違行為を繰り返しているといえるのであるから、これらに該当する者を原則として採用に適さない者とする判断は常識にかなっている」と言い放つ許し難い判決を出した。これ自体、動労千葉の訴訟を徹底的に意識した大反動だった。
 最高裁は今回、動労千葉鉄建公団訴訟の9・25控訴審判決を前に”不採用基準は不当労働行為ではない”という判決を確定させることで、動労千葉を先頭に切り開かれてきた国鉄解雇撤回闘争の前進を必死に押し戻そうとしているのだ。
 だが、最高裁がどんな反動判決を出しても解雇撤回闘争は終わらない。9・25判決日の闘いは重大な決戦だ。最高裁での大激突を見据え、判決日闘争に総結集しよう。

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週刊『前進』(2600号2面3)(2013/09/16 )

 JP労組支配が崩壊

 職場拠点建設に挑戦しよう

 8月20日〜22日に開催されたJP労組第6回定期全国大会は、連合JP労組による職場支配の崩壊の始まり、郵政労働者の根底的決起の開始を告げ知らせた。
 「新一般職」導入を柱とする「新人事・給与制度」の承認を含む本部案に対して、3割近くの反対票がたたきつけられた。JP労組は大流動情勢に入ったということだ。職場での絶対反対の闘いが、労働者の総反乱の動きを促進させている。現場組合員との合流のチャンスが到来している。勢いはわれわれにある。大会闘争ではそのことを路線的につかんだ。
(写真 JP労組大会会場に向かい「『新一般職』導入反対!」とシュプレヒコール【8月20日 長野市】)

 国鉄決戦勝利で情勢つくる

 国鉄分割・民営化は、労働者からすべての権利と団結を奪いつくす攻撃の開始だった。郵政民営化も国鉄分割・民営化なくしてなかった。現在、公務員労働者の団結破壊を貫徹するため「国鉄方式」による全面的な民営化攻撃が激化している。これを許してきたのが体制内労組指導部だ。
 だが、動労千葉鉄建公団訴訟において、国鉄分割・民営化における国家的不当労働行為の真実がついに暴かれた。
 またフクシマと連帯し、被曝労働を拒否してストライキで闘う動労水戸と、国労郡山工場支部の闘いは、全世界の労働者との連帯を促進した。
 9・25反動判決阻止をめざす4カ月決戦の勝利で階級的力関係を一気に変え、国鉄決戦で革命をたぐりよせる党の闘いが、基底的にこの情勢をつくり出したのだ。

 「2021」は粉砕できる!

 「新人事・給与制度」「新一般職」導入との闘いを狭い意味での賃金制度改悪との闘いとしてではなく「郵政グループビジョン2021」粉砕路線として確立したことが決定的に重要だ。破綻した民営郵政の延命策として打ち出されたのが「郵政グループビジョン2021」であり、その攻撃の核心は外注化と10割非正規職化の推進にある。JR東日本の「グループ経営構想X」と同じだ。
 また、それは「グループ横断的な人事交流」と称して強制配転を推進し、さらに徹底した意識改革=労働者意識の解体攻撃を画策している。
 「郵政グループビジョン2021」攻撃の一環としての「新一般職」導入は、すべての労働者の低賃金化・非正規職化の攻撃であり、一層の分断と競争をもたらす攻撃である。正規に対しても、異動に応じない労働者を退職か新一般職にたたき落とす攻撃だ。
 しかし、現場の攻防はすでに始まっている。闘いは始まったばかりである。「新人事・給与制度」「新一般職」を職場の闘いで粉砕することは可能である。
 JPEX子会社化の破産、小包統合の失敗という郵政民営化の破産が突き出される中で、郵政当局が自らの経営責任を居直り、一時金の大幅カットなどで現場労働者に責任をなすりつけ、矛盾を押しつけることに対して、JP労組中央は「痛みを分かち合う」と屈服・丸のみしてきた。「これでも労働組合か!」という現場労働者の怒りは当然収まっていない。郵政当局の言う「頑張った者が報われる制度」など、現場の労働者は誰一人信じていない!
 JP労組中央はこれ以上「新人事・給与制度」導入を遅らせるわけにはいかないと、現場労働者の一時金カット以来の中央への怒りがあるのを承知しつつも、「妥結承認」を今大会で強行する以外ないところに追い詰められた。そのためにさまざまな「甘言と恫喝」をもって「妥結承認」を強行しようとした。その中での3割の反対だ! 連合支配の崩壊と職場からの反乱の開始だ。
 また、郵政非正規ユニオンを先頭とする全国の非正規労働者が、極限的な搾取と分断攻撃の中で「私たちも人間だ」と声を上げ、渾身(こんしん)の決起をもってJP労組本部の職場支配、労働者支配を根底的に破産させている。今まで現場労働者が「黙って従う」ことのみで成立していた民営郵政とJP労組中央の支配は崩壊しつつある。全国の闘いはそのことを示している。郵政労働者の我慢は限界を超えつつある。絶対反対で闘い、郵政職場に階級的拠点と団結をつくり出す闘いが始まった。この間の闘いが全体の情勢を揺り動かしているのだ。

 労働運動できる党へ飛躍を

 「労働運動ができる党」への飛躍とは、路線的闘いを中央委員会―細胞、地区党建設を総括軸に進め、産別委員会の強固な団結をかちとる中にある。大情勢をつくり出すのはわれわれであり、階級からの信頼は絶対反対の闘いでつくられる。
 この間の各産別大会における連合支配の崩壊が示すように、日帝は新自由主義攻撃を貫徹する支配の構造をいまだにつくり出しえていない。そこを突いた絶対反対の闘いで労働者階級の根底的流動化と新たな決起がついに開始されたことに確信を持とう。
 『前進』1万人読者網建設を土台に支部・分会権力に挑戦しよう!
 11月労働者集会に郵政労働者の総決起をかちとろう。
 (大谷和彦)

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週刊『前進』(2600号2面4)(2013/09/16 )

 日教組を現場の手に

 青年は革共同に結集しよう

 すべての教育労働者の皆さん、とりわけ青年労働者の皆さん。今こそ革共同に結集し、ストライキで闘う日教組をつくろう!
 労働者階級は自らの力で資本主義を倒し、階級社会を廃絶して人間の共同性を取り戻し、解雇も非正規化も原発も、そして戦争も必要としない社会を建設できる存在だ。
 革共同は6千万労働者階級の怒りの先頭に立ち、資本・権力の攻撃に絶対反対で闘う労働組合の団結の力で、資本主義最後の姿である新自由主義を打倒することに一切をかけて闘っている。腐り果てた日教組本部の支配が音を立てて崩れていく今、彼らに代わって100万教育労働者を勝利させる日教組指導部の登場が求められている。日教組本部に愛想を尽かし現場の仲間とともに未来を切り開くことを希求する青年教育労働者に、革共同に結集し、すべてを奪い返す闘いに決起することを呼びかけたい。

 全労働者獲得する国鉄闘争

 労働組合破壊を核心とする新自由主義攻撃は、日本では26年前の国鉄分割・民営化から始まった。だから、国鉄分割・民営化絶対反対を貫くことが、新自由主義を破綻に追い込み革命の扉を開く基軸的闘いだ。
 資本と国家の暴力の前に、すべての体制内労組指導部が屈服・転向する中でこの闘いを貫くことは、前人未到の困難の連続だった。だからこそ、階級の最高の団結形態である堅忍不抜の労働者党建設が必要だった。革共同は、現場で怒り苦闘する労働者階級と必死で呼吸し、学び、試されながら、時代認識と路線を研ぎ澄まして闘ってきた。
 ここに革命を見た国家権力は、希代のスパイ荒川碩哉を使って動労千葉と革共同破壊を画策したが、地区党の団結をもって粉砕したことは決定的勝利だった。
 そして、国鉄分割・民営化絶対反対、1047名解雇撤回を26年にわたって貫き、団結を強化・拡大してきた動労千葉労働運動は、「国鉄改革」が国家と資本による闘う労組破壊を目的にした国家的不当労働行為であったことを、一点の曇りもなく暴き出したのだ。
 絶対反対の団結をストライキに結晶させて「一人の首切りも許さない」と意気軒高と闘い続ける動労千葉と動労千葉派の存在は、公務員労働者への全員解雇・選別再雇用=丸ごと民営化攻撃に怒る労働者階級との結合を開始した。それが29年ぶりとなる4・26自治労スト情勢を生み出し、参議院選での山本太郎氏の当選を実現したのだ。
 革命と反革命が激突する時を迎えている。「国鉄闘争を基軸にした労働運動の力で革命を!」という革共同の路線が、激しく流動化を開始した労働者階級を獲得する時代が到来したのだ。

 日教組本部の歴史的大転向 

 この夏に行われた日教組、JP労組、自治労、国労の定期大会のすべてで公然と本部への怒りが噴出し、労働運動をめぐる情勢は一変した。
 そもそも、業績評価制度や免許更新制度、殺人的過重労働、7・8%賃下げがまかり通ってきたのは日教組本部の屈服と転向があってのことだ。
 しかし、日教組大会ではこのことなどへの批判にまともに答えず、本部は神本美恵子選挙に組合員を駆り立てた舌の根も乾かぬうちに、「民主党・社民党支持」を削除した。事実上の自民党支持と改憲勢力への道に本部は踏み出したのだ。日教組の歴史的大転向であり、「国鉄の次は教育」として日教組解体を狙ってきた国鉄分割・民営化攻撃への大屈服だ。
 現場労働者の手で一から闘う日教組につくり替える時がついに来た! 9・25反動判決を阻止し国鉄解雇撤回署名を集めきり、日教組の中に動労千葉派と革共同を建設することはまったなしだ。

 党の団結力で単組権力とる

 すでに日教組本部にとって代わる闘いが、全国の仲間によって力強く開始されている。
 「君が代」不起立処分との闘いでは、「これは橋下大阪市長による公務員全員解雇・教育の民営化に向けた団結破壊・組合破壊の攻撃だ。皆の問題です」と訴え、市教組役員選挙を通じて現場の怒りと結合を開始した。
 また、「良い評価が欲しいのではない。労働者を能力主義で分断する業績評価に絶対反対」と怒りの声を上げた青年労働者の決起は、管理職によるパワハラと職場の分断に怒る同僚との団結を拡大し続けている。
 一つひとつの問題に絶対反対の立場を鮮明にし体制内の労組指導部への不信任を突きつける日々の実践は、支部の仲間を絶対反対派として獲得し単組定期大会で新たな青年の決起へと発展し、教組権力に迫る勢いだ。
 これらの闘いと拠点建設の前進の一切の土台は、労働者同志が先頭に立って、地区党での徹底した論議で、時代認識・路線・実践方針の揺るがぬ一致を全力でかちとることだ。「労働運動のできる党」への飛躍のカギはここにある。11・3労働者集会に日教組本部にとって代わる全国の青年教育労働者を大結集させよう。
 権力、体制内労組指導部は、革共同と労働者階級が結びつくことをあらゆる圧力をかけて妨害してくる。いったんは孤立を強いられることもあるが、時代認識と路線で団結した拠点建設と党細胞建設が前進すれば、必ず圧倒的な労働者階級の決起を実現できる。
 その核心は労働者党員が主人公になって中央委員会―細胞、地区党、産別委員会の不断の団結をつくりだすことだ。今一度訴える! 青年教育労働者は革共同に結集しよう!
 (革共同関西教育労働者委員会)

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週刊『前進』(2600号3面1)(2013/09/16 )

 革命情勢と切り結び国鉄決戦基軸にプロレタリア革命勝利を切り開こう

 11・3全国労働者集会の課題と展望

 大原武史

 11・3労働者集会を頂点とする13年後半決戦に向けた、中央労働者組織委員会での大原武史同志の提起を紹介します。「革命的情勢の到来は、国鉄決戦を基軸とする階級的労働運動でプロレタリア革命を切り開くことを求めている」という大原同志の訴えは、今年前半の大前進を路線的にとらえ返し、11・3労働者集会の持つ歴史的位置を鋭く突き出しています。まなじりを決して2カ月間の決戦に突入しよう。(編集局)

 7〜8月の4大勝利が生み出した革命的流動

 私たちは7月の二つの大きな勝利(@参院選闘争、A動労水戸と国労郡山工場支部の被曝労働拒否の闘い)を切り開き、『前進』夏季特別号では革共同の半世紀の総括から今立っている地点をはっきりさせました。
 その提起の上に闘われた8月の闘いは、B8・6広島―8・9長崎、8・15闘争で反戦・反核闘争のかつてない高揚を切り開き、C各産別大会での情勢の激変を生み出しました。これまでの労組指導部に対し、根底的な不信任が歴然と突きつけられたのです。このかつてない階級意識の激変情勢と真に呼吸し、今年の11月労働者集会を数的にも内容的にもかつてないレベルでかちとることが問われています。
 同時に、帝国主義および体制内労組指導部と労働者階級人民との関係は、本質的に非和解的になっている。こうした関係の中で、革命的労働者党として11月から来年3月を大きく射程に入れて2013年後半決戦を闘い抜くことがきわめて重要になっています。
 国鉄闘争を基軸として、外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働絶対反対の闘いが、反合理化・運転保安闘争路線として前進すればするほど、全産別の現場で厳しい死闘的とも言うべき組織攻防に入っていると思います。
 こうした攻防を規定しているのは、エジプトやシリアの情勢を含めて、新自由主義の世界的展開とその破綻、国家的破産が大恐慌と戦争へ激しく転化する中で生み出されている、プロレタリア革命への発展かその圧殺かをかけたラジカルな時代背景です。私たちの存在と日々の闘いは世界の階級闘争と連動しています。私たちの闘いは、今や一般的に国際階級闘争の一環としてあるというだけではありません。「党と労働組合の一体的建設」の前進によって、新自由主義攻撃にひるむことなく闘い、勝利し抜き、原発事故をめぐる闘いで新たな地平を開いています。こうした核心点で世界の労働者階級の最先端にあります。現場の攻防が厳しいからこそ、こうした時代認識と歴史的到達地平から個別の闘いをしっかり位置づけ直すことが重要です。
 同時に、私たちは『綱領草案』で労働者自己解放の思想をプロレタリア革命の原理としてあらためてはっきりさせました。激しい時代と情勢は、「労働者自己解放とは何か」ということを集団的闘いにおいて磨き、深めていくことも求めています。帝国主義社会の最末期としての新自由主義政策の展開は、かつてないほど人間存在を蹂躙(じゅうりん)し、生命を奪っています。人間らしく生きるためには革命をやる以外にない。だからもう一度、フランス革命やロシア革命などの本質に迫る必要があります。
 労働者自己解放とは人間の生命力の根源的解放です。労働者階級は、その生命力そのものである労働力を商品化され、奪われ、搾取されている階級です。だから、階級闘争によって生み出される団結によってこそ強烈な生命力を解き放っていくのです。
 私たちは、ブルジョアジーや体制内勢力の労働者蔑視(べっし)に対し、全国・全世界の労働者階級、とりわけ自らの職場の労働者を徹底的にその立場から位置づけます。それが共産主義者としての土台です。時代認識と路線が重要なのは、こうした労働者自己解放の根底的力が、革命的に位置づけられることで真に解き放たれるからです。動労千葉の歴史は、それを実証してきました。時代の中に自己と労働者階級を位置づけ、プロレタリア革命の勝利の路線から闘争を位置づけ決然と闘う。そして階級的団結を総括軸として前進する。それが共産主義者の党の基本的あり方そのものなのです。
 また、夏季特別号で総括した革共同創成以来の闘い、あるいは70年安保・沖縄決戦や対カクマル戦、その後の国鉄分割・民営化反対闘争を含めて、一切の闘いを自らの人間的存在をかけて闘い抜き勝ち抜いてきた革共同の誇るべき同志たちにしっかりと学び立脚することが重要です。とりわけ星野文昭同志の闘いに学びきることです。「救済」などという疎外された関係ではなく、星野同志と互いに学び合い、団結し、闘争し、解放し合うことです。わが党の同志たちが生き様として開示してきた“共産主義の原理”みたいなものを、もう一回とらえていくことが非常に重要じゃないかと思っています。

 福島との連帯を党の死活的課題に据えた

 夏季特別号では、91年5月テーゼ以降の党内闘争について、革共同が労働運動に命をかけるということをめぐる血債主義派との激突だったと総括しました。国鉄闘争破壊を狙ったスパイ荒川碩哉(ひろや)も含め、動労千葉を先頭とする国鉄闘争をたたきつぶすことで労働者階級の反乱と闘いすべてをたたきつぶそうという敵の攻撃を見ても明らかなように、国鉄闘争を基軸とする階級的労働運動でプロレタリア革命を切り開くというわれわれの路線の正しさは、ますます鮮明になってきています。
 同時に、今年の夏季特別号で非常に重要なのは、福島との連帯を党の死活的課題だとはっきりさせたことです。3・11以降、日帝ブルジョアジーと体制内勢力が福島の怒りと闘いを寄ってたかってつぶしにきました。革共同に対する敵対や激しい「過激派キャンペーン」は、本質的には福島の労働者大衆を立ち上がらせない、怒りを封じ込め、くびり殺し、捨て去っていくための攻撃です。革共同からの脱落分子や、反革共同勢力が集中し、実はその背後に国家権力がおり、スパイ荒川がいた。福島をめぐる攻防は、革命と内乱の問題をはらんでいます。だからわれわれが思っている以上に国家権力と反動や反革命が福島に集中しています。
 これに対して、まさに党の路線と方針を貫き、福島をめぐる攻防そのものとして山本太郎氏の選挙が闘われ、動労水戸の闘いもそうした渾身(こんしん)の闘いとして打ち抜かれた。そして、きわめて重要なのは国労郡山工場支部の仲間の闘いです。国鉄分割・民営化以降、ずっと沈められてきた国労の歴史的な戦闘性を、被曝車両(K544編成)をめぐる闘いでよみがえらせ、職場丸ごとに近い闘争をやり抜いた。本当にすごいことなんです。
 国鉄決戦でプロレタリア革命を切り開くというわれわれの路線が、福島をめぐる最先端の攻防の中で、国労を中心とする郡山総合車両センターの労働者の階級的な魂に火をつけた。国家権力の側は“すさまじいことが起きた。あってはならないことが起きた”と絶対に思っています。たまたま郡山の国労の人たちが立ち上がったというレベルの問題ではない。国鉄分割・民営化以来の国鉄決戦を通した戦略的に最も重要な拠点で、国労の現場労働者の階級的決起でついに決壊をつくり出した。反原発の闘いが、階級的闘いと団結によって勝利的に貫徹されることも鮮烈に開示しました。
 だからこそ国家権力や反革命、東労組や国労幹部までを含めた総力で、なんとしてもこの闘いの地平を解体し鎮圧する攻撃との攻防に入っています。これは労働者階級の党としてとことんともに闘い勝利すべき基軸的攻防だとはっきりさせなければなりません。
 動労水戸と国労郡山工場支部を結ぶK544闘争の勝利は、革共同国鉄委員会と中央労働者組織委員会を軸に、国労や動労という組合の違いを超えて党として団結して闘うことで切り開かれました。もう一つは、革共同福島県委員会が、地区党の総力を挙げ、団結して闘い抜いたことでかちとられた勝利です。産別委員会建設と地区党建設の重要性を、この勝利が明示に証明しています。
 そこから導かれることは、やはり党の中央委員会と細胞、産別委員会と地区党が団結し、一致しきることの死活性です。これを一般的な確認としてではなく、この間の闘いの総括の中からはっきりつかみ取っていくことが必要だと思います。

 来年3月までの革命か反革命かをかけた攻防

 すでに来年度予算の概算要求が出されましたが本当にとんでもない内容です。「失業率が下がった」「アベノミクスの成果だ」と言っていますが、民営化・外注化をガンガン進めて正規職が非正規職になっただけです。あとの圧倒的な労働者は就職をあきらめている。そして、消費税増税を決めた途端に、官僚とブルジョアジーどもが寄ってたかってハイエナのように群がっています。70歳から75歳未満の前期高齢者は医療費1割負担から2割負担へ、「要支援1」「要支援2」と認定された人向けのサービスを介護保険制度から切り離し各地方自治体でやりなさいという形にしようとしている。最終的には自己責任、家族が面倒見なさいという言い方です。政府のやっていることが、あらゆる意味で日本の労働者階級人民と非和解になってきています。
 国鉄をめぐっては、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審でどんな判決が出ても来春にかけて最高裁での争いになります。反動判決でたたき伏せ、国鉄闘争を根絶する攻撃との死闘に入ります。
 何よりも大きいのは2014年の3・11をどう迎え撃つのかです。「いつまでも避難しているのは甘えだ」と言って補償も切る。「安全なんだから戻れ」と安全宣言を出して福島原発10`圏まで帰還させ、被曝を強制する。常磐線を竜田駅まで延伸する問題も来春にかけて一大攻防になります。
 さらに在沖米軍へのオスプレイ配備強行に加え、自衛隊もオスプレイを導入すると言っている。福島と沖縄、さらに広島・長崎、改憲攻撃をめぐっても、どこに今の日帝ブルジョアジーと折り合いをつける余地があるのか。
 参院選での山本太郎氏の勝利は、とてつもなく深い労働者階級の怒りを明らかにしました。われわれはこの怒りと結合し、来年3月までの半年間決戦で、本当にプロレタリア革命の陣形を徹底的に強化し、路線的に前進させなければなりません。日本の労働者階級人民の怒りを正しく解き放ち、内乱的な闘いをこの過程で実現しなければなりません。革命か反革命か、戦争か革命かをかけた攻防が、来春に向けて始まっています。そういうものとして2013年後半戦を確認したい。

 国鉄を軸に全身全霊をかけた組織決戦へ

 この決戦の中で、とりわけ革共同国鉄委員会こそが、すべての産別委員会と党の中で最も強固な団結と鮮烈な闘いを展開しなければなりません。「国鉄決戦でプロレタリア革命を切り開く」ということは一般的確認として出しているわけではありません。国鉄委員会が最先頭に立ってこそ全体が活性化するし、勝利し得るということをはっきりさせたいと思います。
 K544をめぐる郡山総合車両センターでの攻防の勝利は、国鉄労働者の根本的戦闘性をよみがえらせました。さらに言えば、われわれ階級的労働運動派が彼らを本当の意味で獲得することで初めて、およそ三十年にわたる苦闘が貫徹されます。4・9政治和解の大反革命の中に沈められたと思われている1047名の被解雇者も、すべて獲得しなければなりません。あらゆる苦闘をのりこえて国労に残った労働者たちの力も、まだ生かされきっていない。もっと言えば、国労だろうが東労組だろうが平成採の青年労働者を革共同に丸ごと獲得する。そのための組織戦略を具体的に立てなければなりません。
 そういう意味では9・15集会―25判決闘争から11・3集会に向かう闘いは組織決戦です。全党が1047名の被解雇者、国労組合員、あるいは平成採を全身全霊をかけて組織し、党に獲得する2カ月決戦に入るということです。これが、すべての組織決戦の柱です。そのためにも、この組織戦に勝ち抜く地区党をもう一回つくり直していくということだと思います。

 労組交流センター運動のより広く深い発展を

 党と労働組合・階級的労働運動の一体的な前進にとって、動労千葉を基軸とする全国労組交流センターはきわめて重要な位置を持っています。ここに動労千葉労働運動に共鳴し、ともに闘う労働組合と活動家の広く深い結集を進めなければなりません。そこで核心的に問われているのは、違いを強調してセクト的に小さく固まる運動ではなく、具体的な闘いを通じた解放的で強固な団結への大きな獲得運動です。
 党が「こうでなければならない」と枠を当てはめても運動は広がりません。革共同が本当に労働者階級と呼吸し、労働組合を獲得し、階級的な労働者政党として成長するためにも、全国労組交流センターがもっと広く広く発展していく必要があります。「広く」というのは路線的にどうでもいいということではありません。階級的労働運動路線を土台に、労働運動をめぐるアクティブな議論が燃え上がり、実践方針化される。そういうことを交流センターができた時に、党も交流センターも両方発展する。そういう構造です。
 そもそも交流センターは動労千葉が呼びかけ、動労千葉のような闘いをやろうと出発しました。原則はそこだけです。だから、動労千葉を支持する労働組合は来られるはずなんです。もっと言えば、最も厳しい闘いの最前線に立ち、労働者を大衆的に引き付けて闘い抜いている動労千葉の闘いを守り、発展させる。そのことを一般的にでなく、かなり深くとらえないといけません。われわれ自身が、動労千葉の基軸性を掛け値なくはっきりさせ、そこを軸にした運動体にしていくことが勝利の要諦(ようてい)です。労組交流センターの発展は、やはり動労千葉の発展とセットだと僕は思っています。

 「一人の獲得」に最大限の精力を注ごう

 平成採の青年労働者が動労千葉に結集し、青年部を結成した。彼らのすごい決起があって、動労水戸への平成採の結集もあったし、動労西日本における青年の決起も生まれました。だからこそJR東日本は、青年労働者をこれ以上、動労千葉に入らせないために、寄ってたかってあらゆる攻撃を加えてきている。ここに組織戦の最火点があります。動労千葉の新たな組織拡大、平成採の獲得は本当に死闘です。自然発生的には絶対にいかない。
 JRだけではなく、福島圧殺攻撃と同じような構造で、ものすごい重包囲で青年たちを棄民化する攻撃が全国でやられています。
 他方で、どんな攻撃があっても、動労千葉青年部、動労水戸や動労西日本に結集した若い仲間は決起し、がんばり抜いている。ここにも真実がある。敵の総力を上げた攻撃の中でも絶対に青年は決起するんです。
 これは革共同だからできるんです。観念的に言っているのではありません。二重対峙・対カクマル戦の時、わが党は新しい同志を組織できなかったのか。そんなことはありません。権力やカクマルに対する防衛戦争を闘い抜きながら人を組織し、他方、われわれの運動的な正当性、政治的大義を大宣伝して力関係をつくり、その全体でカクマルとの内戦に勝利したわけです。
 JRにおける組織戦は簡単ではありません。こうした闘いを歴史的に蓄積してきたわが党だからこそ、そして、わが党の同志たちの執念があって初めてできることなんです。「ビラを取ってくれた」「署名をしてくれた」「いい反応だ」ということを確認しているだけじゃだめです。「この人だ」と思う人には、最大限の非公然性を貫き注意を払いながら、最大限の精力を注いで獲得する。そういうことをやれないといけない。革命的決戦に向けて公然と組織戦をやり、自然発生的に労働者がどんどん立ち上がって日帝を打倒するなんてありえない。情勢が煮詰まれば煮詰まるほど、国家権力とブルジョアジーに対して秘匿された形で労働者を組織するのは当然です。
 われわれのこの間の闘いは、相当な求心力を持ち、職場の全労働者に対する大きな影響力を生み出しながら進んできています。敵との間にも、かなりの力関係をつくってきています。ここで青年が立ち上がれるのかどうか、この一点を突き崩さなければいけない。そういうギリギリの構造になっているんです。問題は「次の一人」です。一人の青年を党に組織し、労働者の決起を生み出した時、敵の支配はガラガラと崩れる。結局最後は労働者の決起が一切を決めるんです。

 国際連帯闘争を強化し世界単一の労働者党へ

 もう一つ、夏季特別号で「世界単一の党へ」というスローガンを立てました。
 11月労働者集会をめぐっても、今までの延長で、お客さんとして韓国・民主労総を迎えて一般的に「一緒にやっていきましょう」というレベルでは今の時代に通用しない。本当の意味で、民主労総、韓国労働者階級と団結してともに闘う。そういう立場で向き合わないと全然時代に追いつかない。
 世界最強といわれる韓国労働運動、民主労総も今、本当に苦闘しています。ものすごい戦闘性が、ある種の絶望性と背中合わせで存在している。
 労働者階級はどんなことがあっても勝利し抜けるんだという確信がマルクス主義です。個別の闘いが敗れても団結は残る。向こうが勝ったと思ったところから、われわれの闘いが始まる。時代認識と路線を踏まえながら、一時的な敗北とか現象的なことを超え、次の勝利に向かって労働者階級を導ける考え方がマルクス主義です。それがドンと座った時、韓国の階級闘争、民主労総の闘いは本当の意味で世界の労働運動の最先頭に立つという構造にあります。だけど韓国の階級闘争の場合、マルクス主義について正面から語れなかった長い歴史がある。だから、われわれが偉そうに語るということじゃなくて、われわれが切り開いてきた絶対反対論とか階級的団結論、反合理化・運転保安闘争路線をめぐって韓国の同志たちと正面から議論する。われわれも学ぶことがいっぱいある。議論し、お互いに学び合い、団結をつくる。
 アメリカやドイツ、全世界の労働者ともそういう形で結びつき、ともに闘う中で世界単一の党をつくる。それを今年の11月の国際連帯集会や理念交流会、訪韓闘争において、党としての死活をかけ、日本労働者階級としての死活もかけて今までと違うスタンスで取り組む。これについても、革共同中央労働者組織委員会が動労千葉と一体となって責任を取っていく。画然とわれわれのスタンスと取り組みを変える。「世界単一の党へ」ということも、ただの標語じゃなくて本気の課題になっているということを確認したいと思います。

 三里塚と固く団結し10・20闘争に立とう

 3月に向けた半年間決戦について言えば、原発事故で避難している方々は今も15万人に上ります。すべてを奪われた人たちに対して「後は自助努力だ。仮設住宅からも出て行け」「もう安全なんだから補償もしない」。どうやって生きていくんですか。内乱しかないじゃないですか。福島に必要なのは人間的怒りの結集であり闘いです。本質的には内乱であり革命なんです。
 3年目の「3・11」がどういう形になるかは分かりませんが、間違いなく常磐線の竜田駅までの延伸、10`圏への帰還をめぐる攻防が一つの柱になる。郡山総合車両センターでの攻防も、このことと別にあるわけじゃない。もっと巨大な決戦として構えなければいけないし、この闘いを打ち抜いた時に本当の怒りが噴き出してくる。そういう構造だとにらんで、見据えていこうということです。
 さらに、三里塚闘争をめぐっては、「何があったって闘う」という市東孝雄さんと反対同盟の宣言、緊急3万人署名を始めとした力関係の中で、千葉地裁は仮執行を出せなかった。三里塚反対同盟の闘いに本当に学び、支え、強固に団結する。本当に一緒に闘っていく。党として、中央労働者組織委員会として、そういう課題を突きつけられています。10・20三里塚全国集会にわれわれが先頭に立ってかつてない大結集を実現しようではありませんか。
 最後に、これも夏季特別号の最後の組織的課題のところで、問題は中央指導部の細胞的団結だと提起しました。革共同政治局を先頭にして、中央指導部こそが党の団結を体現して闘う。同時に、革命情勢の接近の中での党の課題、機関紙、財政、非公然体制の防衛といった課題についても労働者階級が責任を取っていこうと提起しました。労働者階級一般じゃなくて、それは労働者党員の主体的課題なんだと。そういうことがプロレタリア革命の主体的準備として問われ、突きつけられているのかなと思います。
 当面、動労千葉鉄建公団訴訟の9・25反動判決粉砕の闘いを総力で闘い抜き、11・3全国労働者総決起集会への1万人結集実現へともに全力で闘い抜きましょう。

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週刊『前進』(2600号3面2)(2013/09/16 )

投稿 投稿 郵政 現場は黙っていない

 新一般職導入阻止しよう

 今が労働組合を復権する好機だ

 8月20〜22日、長野市のビッグハットで第6回JP労組定期全国大会が開かれました。現場の怒りが爆発し、本部方針に3割近くの反対票がたたきつけられました。
 労組交流センター全逓労働者部会、郵政非正規ユニオン、地元の千曲ユニオンの仲間は大会初日朝に代議員と傍聴者にビラをまき、朝と昼休みの情宣で「議案に反対しよう」と訴えました。
 情宣では「本部の役員よ! “頑張った者が報われる制度”と言うが、職場には頑張っていない労働者などいないぞ!」「運動方針で“心をひとつに”と言っているが、議案の通りなら“会社と心をひとつに”ではないか。組合は現場のものだ。事故や自爆営業など職場の現実に向き合え」と現場の思いを訴えました。反対票の幾分かは私たち絶対反対派がつくり出したと確信しています。
 今大会で最大の焦点となった「新人事・給与制度」「新一般職」をめぐる攻防はこれからです。現場の労働条件を徹底的に破壊し、会社に率先協力するような方針が承認されるはずがありません。今が労働組合をよみがえらせる絶好のチャンスです。「新人事・給与制度」「新一般職」の導入・協定化をはね返していきましょう。
 そもそも今大会の議案書は、自宅郵送してあればまだマシで配布されなかった職場もあります。現場組合員のほとんどが内容を知らないのです。本当にふざけています。

 「新一般職」で退職金は半減へ

 中央本部はこの現実を居直って「職場との往復運動を積み重ね、それぞれ職場意見をふまえた数次にわたる交渉を展開」(JP労組新聞8月5日付)とゴリ押しを図ったのです。本部が妥結承認を強行した「新一般職」は、安倍政権がすべての産業で進めようとしている「限定正社員制度」とまったく同じものです。
 「新人事・給与制度」では、出世を望まず異動に応じない労働者は退職か「新一般職」に追いやられます。賃金は最高450万円、退職金は最高で1200万円と現在の半分です。今の正規職のほとんどがそうなってしまうのです。それと同時進行で非正規職1万7500人の削減です。
 全国大会に先立ち、私の職場では分会集会が開催されました。

 分会集会開かせ反対意見を提出

 支部・地本が現場の議論を保障しない中で、体制内派の役員に集会開催を要求し、開かせました。急な召集でしたが、それなりの人数が参加し全国大会の議案について質問・意見が出され、職場で直面している問題などが多数出されました。
 全国大会については議案書の配布もなく、内容も知らされていませんでした。「説明責任も果たさないまま妥結承認は反対」という意見集約を行い、現場の声として支部に提出しました。そのほか、職場の問題点や要求が多く出されました。
 このことが示すように、分会単位での組合活動は職場のさまざまな問題を明らかにし、労働者と会社の立場の違いを明確にします。そして、団結の強化によって問題の解決をめざす運動の正当性を明らかにします。職場の闘いには全労働者に通じる利害が詰まっていて、団結の拡大につながるのです。
 中央本部はこのような現場からの運動を抑圧することに躍起になっています。しかし、それが現場から遊離するものとなっているのです。参院選での組織内候補「さだみつ克之」の惨敗や全国大会での多くの反対票が示しているように、実際に会社と闘わなければ“心をひとつに”とはならないのです。今こそ、中央本部を打倒して、本気で組合を現場に取り戻そう。
 (東北/中林剛)

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週刊『前進』(2600号4面1)(2013/09/16 )

 10・20三里塚全国集会アピール

 反対同盟が招請状 市東さんの農地を守ろう

 三里塚芝山連合空港反対同盟から10・20全国総決起集会への結集が呼びかけられた。市東さんの農地を守りぬくために全国から総決起しよう。(編集局)

 招請状

 全国の労働者、農民、闘う仲間のみなさん。まず何よりも、反対同盟は千葉地方裁判所・多見谷寿郎裁判長が強行した7・29農地取り上げ判決を満身の怒りをこめて弾劾します。これは、耕す権利を保障した農地法を真っ向から踏み破り、市東孝雄さんをはじめとする日本農民の命を奪う断じてゆるすことのできない暴挙です。TPP(環太平洋経済連携協定)の先取り攻撃です。
 想像を絶する放射能汚染水の垂れ流し、世界から非難をあびてなお強行される原発再稼働と輸出政策、消費大増税とTPP、沖縄基地へのオスプレイ配備、安倍政権の新自由主義政策に人びとの怒りが沸騰しています。時代は変革にむけたうねりを大きく加速させ始めました。この巨大なうねりとひとつになって、反対同盟は10月20日に、全国総決起集会を開催します。多くの皆さんの結集を強く呼びかけます。
    ◇
 多見谷判決を私たちは一言半句たりとも認めることができません。失効した土地収用法に代えて、どうして農地法で農地を収用できるのでしょうか。小作権者の同意なき農地売買などまったく論外です。数々の農地法違反を不問に付すこれらの暴挙を「国策」の名で強行したのが多見谷反動判決です。市東さんはただちに控訴し闘いを宣言しました。反対同盟は市東さんを先頭に控訴審闘争でなにがなんでも打ち砕く決意です。
 一方で、緊急3万人署名をはじめ、多くの労農学市民の支援運動が仮執行宣言を阻止しました。私たちはこの力をもって東京に攻め上ります。控訴審を闘う東京高裁=霞が関は今、反原発訴訟はじめ国家・国策と対決する民衆の闘いのルツボです。農地裁判控訴審・三里塚闘争はその火中に躍り込み連帯し団結して勝利の道を切り開くものです。
 多見谷反動判決をもって闘いは新段階に入りました。10・20全国集会は国策を打ち破るこの壮大な闘いの第一歩です。
 航空自由化のもとで成田空港はますます危機を深めています。羽田を含む空港間競争での絶望的な立ち遅れを24時間空港化、発着回数の30万回化、もう1本の滑走路増設で、何とか挽回しようと必死です。3月末に深夜飛行を1時間延長したばかりなのに、千葉県経営者協会は、成田空港の運用時間の拡大を改めて要求しました。空港周辺住民の怒りは充ち満ちています。
 成田だけではありません。国防軍の創設、集団的自衛権の解釈改憲、沖縄普天間基地へのオスプレイ再配備の強行など安倍政権の改憲と戦争にむかった攻撃そのものが綱渡り政治です。
 すべての民衆の闘い、運動を大きく一つに糾合し、政権そのものと対決する大人民運動を作る気運が熟しています。参院選での山本太郎氏の勝利は、このことを示しています。47年間国策と闘いつづけてきた三里塚が、その旗を振る時が来ました。
 三里塚はTPP阻止の闘いの先頭に改めて立つことを宣言します。反戦・反核の砦(とりで)=三里塚は、安倍政権と真っ向から対決する闘いへ進みます。
 いまこそ安倍政権を打倒する巨万の力を生み出そう! 国鉄1047名解雇撤回を闘う動労千葉を先頭とした6000万の労働者との連帯を貫きます。福島・被災地の闘いに連帯します。反原発・反TPPの全国農民会議に闘う農民を糾合しよう。沖縄をはじめとする反戦・反基地闘争、関西をはじめとする住民運動、多様な市民運動と連帯しすそ野をさらに広げよう。あらゆる差別・抑圧に反対し、排外主義を打ち破り、全世界の労働者・農民と連帯して闘おう。青年・学生の力強い決起を訴えます。
2013年9月10日
三里塚芝山連合空港反対同盟
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【要項】10・20全国総決起集会
 多見谷判決徹底弾劾! 市東さんの農地を守ろう!
 TPP絶対反対!
 福島・沖縄の怒りとともに闘おう!
 軍事空港粉砕・改憲阻止!

 10・20全国総決起集会

 10月20日(日)正午
 成田市東峰 反対同盟員所有地
 主催 三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2600号4面2)(2013/09/16 )

 「福島原発はコントロールされている」

 五輪招致のための安倍の大ウソを断じて許すな!

 安倍首相は9月7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われた国際オリンピック委員会(IOC)総会の場で、2020年夏季オリンピック東京招致のために演説し、汚染水問題などについて前代未聞の驚くべき大ウソをついた。
 「東京は世界でもっとも安全な都市の一つ」「福島第一原発の状況はコントロールされている。東京にダメージを与えることはない」「汚染水の影響は原発の港湾内0・3平方`メートルの範囲内で完全にブロックされている」「健康問題については今までも、現在も、そして将来もまったく問題はない」
 これは野田政権の「原発事故収束宣言」(11年12月)をも超える新たな福島圧殺宣言であり、未来永劫(えいごう)消すことのできない万死に値する歴史的大犯罪である。絶対に許せない。安倍はこんな見え透いたウソが本当に通用すると思っているのか。全世界の労働者人民を欺くことができると本気で思っているのか!
 一国の首相による全世界へのこんな事実無根、厚顔無恥もはなはだしい大ウソは、必ず日本帝国主義の墓穴に転化する。すでに福島をはじめ日本中から、そして世界中から怒りの声が巻き起こっている。政府・財界・マスコミが総力をあげて「五輪東京招致万歳」を大合唱しようと、この怒りはこれからますます爆発し、安倍政権と日帝を打倒するまでやむことのない国際的な闘いに必ず発展していく。
 今こそ腹の底からの怒りで安倍のオリンピック東京招致演説を徹底的に暴露・弾劾し、今秋決戦の爆発で安倍政権を打ち倒そう!

 東電が安倍演説を否定

 福島第一原発から流出する汚染水は何ひとつ「コントロール」などできず、事態は完全に「第2の3・11」というべき深刻さで進んでいる。
 高濃度のストロンチウム90などを含む推定300dもの汚染水がタンクから漏れ出した。また、政府の試算でさえ毎日300dもの汚染水が海に流出し続けている。5日には汚染水が地下水まで到達していたことを東電が認めたが、漏出箇所はいまだに特定できず、汚染水がどこにどれだけあるのかもわかっていない。地下水は原子炉建屋内に一日400d以上も流入しており、事態は誰も予想がつかないほど深刻さを増しているのだ。
 安倍は「汚染水は港湾内0・3平方`メートルの範囲内で完全にブロック」などと主張したが、ほかならぬ東京電力が9日の記者会見でこれを否定し、「(港湾内は)外洋と完全にブロックされた状態ではなく、(汚染水を含んだ)水が行き来している」と認めている。潮の満ち引きなどにより、港湾内の水が一日に50%ずつ外洋と入れ替わっているのだ。さらに、外洋につながる排水溝からは高濃度のストロンチウムが検出されており、タンクから漏れ出た汚染水が排水溝を通って外洋に出つづけているのはまちがいない。安倍が大ウソをついていることはあまりにも明白だ。

 福島圧殺宣言に反撃を

 何よりも許せないのは、福島での健康被害について「今までも、現在も、将来もまったく問題はない」などと言い放ったことだ。しかし、すでに福島県の県民健康管理調査でも甲状腺がんと診断が「確定」した子どもが18人、「がんの疑い」が25人という恐るべき健康被害の結果が出ているではないか。安倍は、これから福島でどれほど甚大な健康被害が出ようと一切「原発事故とは関係ない」と切り捨て、将来にわたり無視抹殺し続けることを宣言したのだ。絶対に許せない。
 そもそも日帝・安倍政権にとって今回の東京五輪招致は、被災地・福島の怒りと闘いを圧殺し切り捨てることを明確に意識した、きわめて政治的な策動としてあった。招致委員会・竹田恒和理事長の「東京は福島と250`離れているから安全」というむき出しの福島切り捨て発言は、日帝・安倍の本音そのものだ。
 しかし、現在も福島、宮城、岩手3県などで被災した約29万人が、過酷な避難生活を余儀なくされている。福島では、放射能との闘い、とりわけ子どもの命を守るための必死の闘いが続いている。安倍がどんなペテンを弄(ろう)しても、3・11がもたらした現実をなかったことにすることは絶対にできない。国家と資本に対する労働者民衆の非和解的な怒りはますます爆発する。
 汚染水問題はさらに今後一大外交問題となり、帝国主義間・大国間争闘戦の激化の中で日帝・安倍政権はますます危機を深めていく。新自由主義の破産と一体で、東京五輪は2020年を待たず脱落日帝・安倍の絶望的な破綻点となる。
 今こそ新自由主義と闘う階級的労働運動が軸となり、国境を超えた労働者階級の団結した力で日帝・安倍打倒へ攻め上ろう。今秋の反原発闘争の高揚をかちとり、11月労働者集会に結集しよう。

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週刊『前進』(2600号4面3)(2013/09/16 )

 反対同盟 成田・芝山一斉行動

 住民の怒りで空港包囲へ

 9月8日、三里塚芝山連合空港反対同盟の農地裁判判決後、第2回一斉行動が行われた。空港周辺地域の住民に、市東孝雄さんに出された農地明け渡しを命じる不当判決の内容と、仮執行宣言を阻止した勝利の手応えを届ける闘いだ。
 反対同盟と支援連絡会議は午前9時に天神峰の市東さん宅離れで打ち合わせを行い、成田市と芝山町を中心に各地域の分担などを決め、早速飛び出した。猛暑は過ぎたが雨が降ったりやんだりで湿度は高く、大いに汗をかくことを覚悟しての一日行動である。
 萩原富夫さんは、成田市の滑川、名古屋地域で緊急3万人署名に応じた家を中心にていねいに一軒ずつ回った。
 やはり農家での反応は大きい。最初に訪ねた家では、若い母親と話になった。「不当判決、しかし仮執行は阻止」の結果を伝えると「よかったねえ」と喜び、ニュースをテレビで見たという。富夫さんの顔も自然とほころんだ。話が弾むと出てくるのがやはり騒音のひどさだ。「会話も聞こえない時がある。健康への影響も心配」。小学生の息子も、ビラやカラーリーフをじっと見つめて理解しようとしている。
 別の農家では高齢の女性が「ひどい判決で残念ね。土地を取り上げるのは農家にとっては体の一部をもがれるようなもの」と怒りを表した。富夫さんは東峰の自分の家の畑も空港敷地にかかっていることを説明し、市東さんとともに控訴審を闘う決意を伝えた。
 夕方に再び市東さん宅離れに集合し、それぞれの活動を集約した。
 最後に、萩原進事務局次長が全員の奮闘をねぎらいながら、締めくくりの発言をした。「今の成田空港は、国際化された羽田によって敗勢に追い込まれ、飛行時間制限を緩和し、24時間空港をめざし、曲がった誘導路を真っすぐにしなければ立ち行かない危機に瀕(ひん)している。その空港に依存し、住民の生活や農業を犠牲にしてかまわないというのが、今の成田市・芝山町だ。その攻撃と最先端でぶつかっているのが市東さんの闘いだ。この事実をもっともっと暴露しよう。空港周辺への一斉行動を積み重ね、住民の声を真摯(しんし)に聞いて、その怒りを組織し、地域に同志をつくり、空港を包囲する陣形をつくりだそう」
 この提起に一同は確信を深め、10・20集会大結集を誓い合った。
(写真 農家を訪問し反対同盟のビラを渡す萩原富夫さん【9月8日 成田市】)

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 三里塚裁判傍聴を!
 ◎団結街道裁判
 9月24日(火)午後1時30分 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)

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週刊『前進』(2600号4面4)(2013/09/16 )

 “汚染水とめろ”

 9月6日 金曜行動

 安倍への弾劾、一層激しく

 9月6日午後6時から首相官邸・国会前で金曜行動が展開された。福島原発からの放射能汚染水の流出が止まらない中、労働者民衆の危機感と憤激が急速に高まっている。参加者が次々とマイクを握り、安倍へのこみ上げる怒りをたたきつけた。「再稼働反対!」「海を汚すな!」。首相官邸に向け、いつもよりさらに激しいコールを浴びせた。
 年輩の男性は、「安倍首相! 470億円かけて汚染水を止めると言うが、それで止まると思っているのか! 2年前から汚染水が漏れていたが、東電は『採算に合わない』と対策をとらなかった」と東京電力を弾劾した。さらに「2年たって、今どうなっていると思ってるんだ。毎日、地下水が流れてきて、溶け落ちた核燃料に触れて、高濃度に放射能汚染された水が流出している。東電にやらせるんじゃなく、別組織を作って何兆円でも投入してやらないとダメだ!」と怒りをあらわにした。
 中年の男性は、「このままでは日本も世界も放射能で汚染されてしまう。安倍首相は『オリンピック招致』などと言っているが、そんなことをやってる状態じゃない。オリンピック招致の金は、すべて福島原発事故の収束に使え!」と叫んだ。
 安倍は7日、ブエノスアイレスで行われた国際オリンピック委員会総会で、汚染水問題などについて「状況はコントロールされている」「港湾内に完全にブロックされている」とウソ八百を並べ立てた。
 安倍、規制委員会、東電を許すな! 再稼働を絶対に阻止しよう!
 (写真は官邸前)

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週刊『前進』(2600号4面5)(2013/09/16 )

 9・29橋下打倒集会へ

 体制内派を倒し拠点建設を

 4大産別の決起を促進し11月へ

 7〜8月の4大産別全国大会をめぐる体制内指導部の崩壊と労働者の怒りの決起は、ますます全国各地の産別・職場に拡大している。
 JP労組では、南関東地本大会が委員長人事をめぐって流会・続開となった。非正規化への怒りが職場・地域・産別全体を揺るがしている。自治労では、大阪・A市職で保育所民営化・解雇攻撃に対して労働者の怒りが爆発し、当局の弾圧・不当労働行為をはねのけて絶対反対で闘う執行部の樹立へダイナミックな闘いが発展している。
 何よりも、動労千葉破壊にJR資本の命運をかけた外注化攻撃との攻防が、すべての労働者を巻き込んで爆発している。動労千葉の闘いが外注先の労働者に拡大し、外注化=非正規化、転籍=解雇攻撃との全面的な激突として闘われている。動労水戸の被曝労働拒否・外注化阻止の闘いは、郡山工場の労働者に拡大し、11月労働者集会、さらに14年3月の巨大な決戦を引き寄せている。
 9・29橋下打倒闘争(要項1面)は、自治体労働者・教育労働者を先頭とした新自由主義と対決する労働運動の巨大な突破口として、7〜8月情勢をさらに全階級的に爆発させる闘いである。全国から結集して闘おう。

 公立学校「公設民営化」阻止!

 大阪市と大阪府は、9月10日、公立学校「公設民営化」構想を国家戦略特区に提案する作業に入った。
 構想では、「@大阪市立小・中の数校を対象とする。A世界で通用する大学入学資格が認定する中高一貫校か学科。B理数や英語教育中心の中高一貫校。@Aは2017年度開設、Bは2018年度開設をめざす」としている。
 「公設民営化」とは、アメリカでロサンゼルス統一教組(UTLA)が激しい闘争をとおして暴き出したように、教員の非正規化・解雇自由攻撃であり、労働組合解体攻撃である。それは、地域的紐帯(ちゅうたい)までもバラバラにし、子ども・青年の未来を奪う凶暴な攻撃であり、労働者階級の怒りの対象なのだ。
 日本でも公立学校労働者の4割が非正規だ。これは労働者の長時間強労働をいっそう深刻化させており、現職死亡・発病が多発している。評価制度の導入は、ますます労働者を追い込んでいる。ミスや事故の責任をすべて労働者の責任に転嫁して処分や退職攻撃をかけてくる。
 「中高一貫校」は、このような現状を教育労働者に強制してきた上に、「さらに身を粉にして働け」という攻撃だ。すさまじい労働強化であり、学校職場そのものを崩壊させる。橋下・安倍は、これを「公設民営化」=「経費節減」(人件費削減)でやろうとしている。これこそ「公設民営化」構想の正体だ。
 しかし、橋下は自らの破綻性にのたうち回っている。「大阪都構想を実現するには125本の法令改正が必要」「人件費削減効果が出るのは20年くらいかかる」「借金は8兆円に膨らんで財政再建団体に落ちてしまう」と悲鳴をあげている。労働者が団結して闘えば、すべてを吹っ飛ばすことは可能だ。

 国鉄闘争を軸に絶対反対掲げて

 「橋下打倒」を正面に掲げた、民営化絶対反対の職場からの決起は、労働者の中に団結を拡大し、4大産別、労働運動全体を大流動に巻き込んでいる。階級的労働運動が自治体や教育労働者に波及しつつある。国鉄闘争が今や全労働者の道標となっている。国鉄闘争を基軸に新自由主義と闘い勝利する階級的労働運動の前進と飛躍のときだ。求められているのは、労働組合の拠点建設と党建設を一体的に推進することだ。体制内指導部を打倒し、階級的労働運動を登場させる度合いに応じて、労働運動は革命的に発展する。
 9・25動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の反動判決を粉砕し、9・29橋下打倒集会へ闘おう。11・3全国労働者総決起集会へ闘う労働組合の大結集をかちとろう。

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週刊『前進』(2600号4面6)(2013/09/16 )

 2013年日誌 9月3日〜9日

 G20はシリア爆撃をめぐり分裂/安倍、「汚染水完全ブロック」の大ウソ

●秘密保護法案概要を発表 安倍内閣は、機密情報を漏らした公務員への罰則を強化する「特定秘密保護法案」の概要を発表した。秋の臨時国会に法案を提出する。(3日)
●イスラエルがミサイル実験 イスラエル国防省は米国と共同開発するミサイル防衛システム「アロー」の性能を確かめるため、地中海上で米国と合同実験を実施したと発表した。(3日)
●シリア攻撃「安保理決議が必要」
国連のパン基文事務総長は、シリアを巡る米国の動きに関連し、安保理決議に基づかない軍事介入は国際法に違反との立場を初めて明確にした。(3日)
●汚染水、地下水に混入 東京電力は福島第一原発のタンク近くから放射性ストロンチウムなどのベータ線が水1gあたり650ベクレル検出されたと発表した。この件で地下水への汚染の広がりが確認されるのは初めて。(5日)
●日米がTPP「年内妥結へ連携」
安倍晋三首相はオバマ米大統領と環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の年内妥結をめざすことで一致。(5日)
●内乱陰謀容疑で韓国議員を逮捕 韓国の左派少数野党・統合進歩党の李石基議員が「内乱陰謀罪」などの疑いで捜査当局に逮捕された。同罪の適用は軍事独裁政権下の1980年以来。現職国会議員の逮捕は初めて。(5日)
●指紋情報、日米が共有 日米両政府は、それぞれの捜査当局などが持つ容疑者の指紋データを常時照会しあえる協定の締結に合意した。(6日)
●韓国、水産物を全面輸入禁止 韓国政府は福島第一原発の汚染水漏れを受け、福島など8県の水産物の輸入を9日から全面禁止すると発表。(6日)
●オスプレイ、滋賀・高知へ 小野寺五典防衛相は、米軍新型輸送機オスプレイを使った日米共同防災訓練を滋賀、高知両県で10月に実施すると発表した。(6日)
●G20がシリア爆撃をめぐり分裂 シリアへの攻撃を主張する米国と、反対するロシアとの首脳会談が決裂。主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、日・米・英・韓・仏など11カ国がシリア問題で共同声明を発表、化学兵器使用について「シリア政府に責任がある」とした上で「国際的な力強い対応を求める」と主張した。(6日)
●G20、財政再建棚上げ G20首脳会議は当初の目的だった財政再建について、突っ込んだ議論をほとんど行わなず閉幕した。(6日)
●汚染水「完全ブロック」と強弁 安倍首相は国際オリンピック委員会(IOC)総会のプレゼンテーションで、「汚染水は完全にブロックされている」と強弁。IOCは20年夏季五輪の開催都市に東京を選んだ。(7日)
●民主、9条改憲へ素案 民主党の枝野幸男・憲法総合調査会長が憲法9条の改正案をまとめた。集団的自衛権行使を認める内容。(8日)
●原発事故、全員不起訴 検察当局は、福島第一原発事故で業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発されていた東電幹部や政府関係者ら42人全員を不起訴処分にした。(9日)
●シリア攻撃、米上院採決見送り 米議会上院はシリア攻撃を認める決議案の採決を先送りした。(9日)

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週刊『前進』(2600号5面1)(2013/09/16 )

 100万人を動かす学生運動を!

 全学連大会 10・18法大闘争と国会デモへ

 「全国に自治会を」の大方針

 9月4〜5日、全学連第74回定期全国大会が東京都中央区の浜町区民館で行われ、100人の結集で大成功した。法政大、京都大、東北大、広島大、富山大、沖縄大を始め全国18大学から学生が結集し、多数の初参加者も合流した。学生運動の高揚に恐怖する国家権力・警視庁公安部が会場周辺に監視・介入体制を敷く中、それを戦闘的にはね返し、意気高く大会をうち抜いた。
(写真 2日間にわたり、大恐慌・戦争と革命の時代の学生運動、自治会建設をめぐって白熱的に討論し、闘う体制をうち立てた【9月5日 東京・浜町区民館】)

 再稼働・改憲攻撃を阻む

 全学連大会は、2日間で56本の発言という白熱的な討論をとおして、この秋を闘う以下の三つの行動方針をうち立てた。
 @「処分撤回・学祭規制撤廃」の10・18法大闘争に総決起しよう!
「改憲・再稼働阻止・安倍政権打倒」の国会デモにうって出よう。
 A11・3全国労働者集会に大結集しよう。
 B東北大・広島大・京大に続き、全国に学生自治会をつくろう。
 世界大恐慌と新自由主義の破産が「大失業と戦争」として労働者・学生に襲いかかる中、それを粉砕し「帝国主義打倒−プロレタリア革命」へと転化する鮮烈な学生運動の登場だ。全学連運動の大発展期が始まった。
全学連運動の
変革と飛躍を
 1日目は中央執行委員会の議案提起から始まった。
 坂野陽平書記長が冒頭、大激動の時代に未来を切り開く学生運動の展望を明らかにし、大激動の時代を前に全学連運動の変革と飛躍が問われていることを訴えた。
 「何より、この時代をとらえる核心に『改憲絶対阻止−安倍打倒』をがっちり据えたことが重要だ。安倍政権による改憲(9条破棄と集団的自衛権容認)攻撃、原発再稼働攻撃は一見凶暴だが、それは日本帝国主義の階級支配の危機を示している。大恐慌と帝国主義間争闘戦の激化が日帝を追い詰める中で、安倍は改憲・戦争・原発に絶望的に突き進まなければ延命できない。だからこそ職場・キャンパスにおける資本・当局との非和解の激突をとおして階級的労働運動と学生運動が全社会的に登場した時、改憲阻止闘争は全人民を獲得して帝国主義打倒へ突き進んでいく決定的闘いとなる。労働組合と学生自治会の闘いが改憲阻止の原動力だ。そして新自由主義の大破産は革命を生み出す。その固い確信のもと、100万人を動かす学生運動をつくろう」と、10・18法大闘争と国会デモ方針を提起した。

 団結に依拠し絶対非和解で

 続いて斎藤郁真委員長が、7月の広島大学での学生自治会建設を最高到達地平とするこの1年間の闘いを総括し、10・18法大闘争と学生自治会建設の一体的爆発をかちとっていく核心問題を提起した。
 斎藤委員長が最も重点を置いたのが、法大闘争7年半の総括だ。キャンパスでの自らの激闘の経験を踏まえ、「新自由主義が生み出す目の前の現実に徹底的に怒ること、団結のみに依拠して絶対反対・非和解で闘うこと、その中から学生自治会は建設される。怒りの中から闘いの路線は生み出される。『教育の民営化粉砕』とは『団結して生きる』ということだ。そうした誇り高い学生の生き方の象徴として、学生自治会を建設していこう」と訴えた。
 斎藤委員長の熱烈なアジテーションは全参加者に深い感銘を与え、10・18法大闘争と学生自治会建設への欲求とエネルギーを引き出した。「全国大学に学生自治会を建設するためにも、10月18日は全国学生が法大に結集して新自由主義大学をぶっ飛ばす大闘争をやろう!」という方針で一致したことこそが、本大会における最大の獲得地平だ。
 来賓あいさつとして希望の牧場・ふくしま代表の吉沢正巳さんが「フクシマの怒り」を語った(別掲)。三里塚芝山連合空港反対同盟・北原鉱冶事務局長は学生運動の決定的位置を訴えて10・20三里塚現地集会への参加を呼びかけた。法大弁護団・藤田城治さんは二つの法大裁判闘争の意義と展望を語った。
(写真 「全学連の闘いに期待する」。三里塚反対同盟の北原事務局長のあいさつに聴き入る【9月5日】)

 多くの法大生が初参加

 議案提起を受けた討論では、沖縄大生が安倍の改憲攻撃およびシリア侵略戦争を徹底的に弾劾し、福島大生がこの間の高濃度汚染水漏れと甲状腺がん激増への怒りを爆発させ、再稼働阻止・全原発廃炉への総決起を呼びかけた。京大同学会、東北大自治会、広大自治会が闘いの前進と教訓を生き生きと提起した。
 全参加者を奮い立たせたのは、法大文化連盟執行部と初参加の多くの法大生の登場だ。7月全学説明会における大学祭実行委の度し難い裏切りは、法大生の憤激を巻き起こし、その中から法大当局との根底的対決を決意する法大生が続々と登場している。「革命」はキャンパス中心部から始まっている。
 国労・自治労・JP労組・日教組の4大産別の全国大会で示されたように、既成幹部への労働者・学生の怒りは渦巻いている。誰もが行動方針と展望を求めている。これまでの支配が崩壊し始めた、巨大な大流動情勢だ。鮮明な展望と方針を掲げ闘う集団がそのど真ん中に登場すれば、化学変化が巻き起こり、絶対に全体を獲得できる。
 10・18闘争に向かって「学内に当局や学祭実への怒りは充満している。それをどう結集させるか」「10月18日にどうやって1000人の闘いをやり抜くか」という主体的・実践的な論議が行われ、文連執行部が討論を牽引(けんいん)した。全体が10・18の成功へ向けてひとつになって闘うことを誓った。
 最後に坂野書記長がまとめを行い、「大会宣言」(別掲)を採択した。新たな中央執行委員会を選出した後、斎藤委員長が決意表明を行い(別掲)、団結ガンバローとインターナショナル斉唱で大会を締めくくった。

 拠点うち固め新執行部選出

 今大会は第一に、新たな法大生の多くの決起をかちとり、10・18法大集会と国会デモへの総決起方針を確立した。重要なのは、武田雄飛丸君への「無期停学」処分および学祭実・学祭規制への怒りは、安倍政権への怒りと一体であると明らかにしたことだ。第二に、警察権力による大会過程での卑劣な弾圧を一蹴して大会を闘いとった。第三に、東北大・京大・広大の自治会を不抜の拠点としてうち固める闘いの中から、新たな若き執行部を選出した。第四に、福島大生・沖縄大生が大結集して、「3・11情勢」と対決する改憲・原発再稼働阻止決戦への決起を呼びかけた。第五に、新たな中央執行委員会体制のもとで300万学生のリーダーを大量につくり出した。
 今秋決戦へ号砲は撃たれた。法大闘争と学生自治会建設決戦で巨万の学生決起を実現しよう! 
全国学友はともに闘おう!
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 新執行体制(敬称略)
委員長  斎藤郁真(法政大・法)
副委員長 大森靖之(京都大・薬)
副委員長 石田真弓(東北大・経)
副委員長 百武 拓 (広島大・理)
書記長  坂野陽平(上智大・文)
書記次長 作部羊平(京都大・工)

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週刊『前進』(2600号5面2)(2013/09/16 )

 斎藤委員長の決意表明

 目の前の現実に怒って 絶対反対を貫き闘おう

 法大闘争の核心を大会議案に出しました。「法大闘争が最初に掲げたのは『おかしいことはおかしい』『大学の主人公は学生だ』、そして『一人の仲間も見捨てない』である。『仲間を守る(処分撤回)』にすべてをかけ、学生の誇りと可能性にのみ依拠したところに、新自由主義に対抗できる路線形成の飛躍があった。『生き方』をめぐる真剣な討論が最も学生の力を引き出す」「『教育の民営化粉砕』の内容の核心は『団結して生きる』ことであり、資本の競争原理に対して共同性を対置することだった」。法大闘争とは徹底した怒りです。「ビラまきだけで逮捕する法大当局を許せるか!」という怒りから始まりました。
 私たちの自治会は、原発事故と御用学者への怒り、「全部ウソだった」ことへの怒りで建設されます。これまでウソをついてきた連中をぶっ飛ばし、キャンパス支配をひっくり返す。自治会建設はシステムの話ではなく、「許せない連中をたたき出して私たちはどういう社会をつくりたいのか」が原点です。
 闘いは「情勢が悪くなった」から起きるものではありません。その現実に対して腹の底から怒る人間が出た時に、初めて新自由主義への反撃は必然になります。まず、目の前のキャンパスの現実に怒ろう。そこから全国大学とつながり、自分たちの闘いを全国的な階級闘争として表現しよう。
 法大闘争の神髄は、新自由主義に「絶対反対」を貫いたことにあります。「営業権」や「施設管理権」を掲げた規制や学生弾圧に対し、「おれたちはそんなものを絶対に認めない!」という原則を貫き通しました。だから法大闘争は最初は否定的に、その後は積極的に団結と誇り、すなわち学生の可能性に依拠して闘い抜けています。
 「絶対反対」とは生き方をかけた問題です。逮捕・処分されても、私たちは団結に依拠できる。個人の利害をこえ、この社会を根本的に変えようという討論を巻き起こそう。常に法大闘争の原点に立ち返り、帝国主義支配への怒り・大学の腐敗への怒りを爆発させて方針を形成しよう。まずは武田君の「無期停学」処分を撤回させ、学祭規制を粉砕するために、10月18日は多くの法大学友とともに声を上げよう。
 全学連運動は新たな段階に入っています。誇り高く生きることで、自分たちの運動を示していきたい。本気で闘う生き方を求めるからこそ、学生の力を引き出せる。その闘いを経てつくられるからこそ自治会は学生のものであり、最も学生の主体性に依拠できる運動です。階級社会である以上、学生運動は普遍的意味を持ち、多くの人の魂を揺さぶります。私たちは生まれる時代は選べないが、生き方は選べる。断固この道を進んで生きよう! 10・18法大−10・20三里塚−11・3労働者集会へ突き進もう!

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週刊『前進』(2600号5面3)(2013/09/16 )

 大会宣言

 目もくらむような情勢の変転。巨大な規模での人々の意識の覚醒(かくせい)。変革への志向と行動化。私たちはまぎれもなく歴史の分岐点、激動期の渦中に生きている。もはやこれまでの延長線上の思考やあり方は一切通用しない。本大会での討論と一致を土台に、激動期に求められる飛躍と変革を大胆になしとげよう。
 第一に、今秋、安倍打倒の大決戦に立ち上がろう。
 「3・11」から2年半経過した今なお、福島第一原発事故は何ら収束していない。それどころか、「第2の原発事故」ともいうべき汚染水漏出問題の発生、小児甲状腺がんの拡大など、恐るべき事態が進行している。しかし安倍政権は、これらの事態を受けてもなお原発再稼働へと突き進み、あげくの果てには「福島事故の教訓をもつ日本の原子力技術は世界一安全」と豪語し、原発の海外輸出に躍起になっている。
 さらに安倍政権は「憲法改正は歴史的使命」と語り、改憲と戦争国家化の道をひた走っている。集団的自衛権容認派の内閣法制局長官への抜擢(ばってき)など、実質的改憲攻撃が始まっている。米仏によるシリア空爆とそれを全面的に支持する安倍政権を絶対に許すな! 原発再稼働と改憲に突き進む安倍政権を打倒しよう。
 第二に、上記の闘いと一体で、全国大学に学生自治会を建設しよう。全原発廃炉、改憲・戦争阻止の最大の決戦場こそ、大学キャンパスである。キャンパスをひっくり返すような大闘争を組織しよう。
 本年7月、昨年の京大全学自治会同学会の再建に引き続き、広島大学において原発御用学者弾劾の闘いを通して、学生自治会の再建をなしとげた。国立大学法人化を大きな転換点として、独占資本によって大学経営が簒奪(さんだつ)され、学生の生活と自治が破壊されるなかで、3・11原発事故は引き起こされた。今こそ、キャンパスに渦巻く怒りをひとつに束ね上げ、学生自治会を建設しよう。
 「教育の民営化」との闘いの最先端である法大では、学祭規制反対の怒りを一つの契機として、事態が地殻変動的に動き出している。この根底には、06年以来の営々たる闘いと本年4・25―1000人集会とその後の弾圧を粉砕した闘いが脈々と生きている。
 10・18法大全国集会・国会直撃デモをはじめ、この秋全国大学から千・万の規模の大闘争を巻き起こそう。福島・沖縄から新たな学生運動を創成しよう。
 第三に、11・3全国労働者総決起集会に集まろう。
 「国鉄改革」の真実を今こそ明らかにしよう。国鉄分割・民営化以降、全社会を覆ってきた新自由主義に断を下す時がきた。
 労働組合をめぐって、大きく情勢が動きはじめている。労働組合幹部の変質が深まる一方で、現場労働者の怒りが極限的に高まってきている。労働組合が再び歴史の最前線に躍り出る時代が来た。学生は動労千葉をはじめとする闘う労働組合に学びつつ、11月集会1万人結集運動の先頭に立とう。今月行われる9・15総決起集会を成功させよう。
 第四に、本大会参加者は、全国300万学生のリーダーになる決意を固めよう。
 全学連は、7月参院選において山本太郎さんを支持しともに闘った。首都東京における山本太郎さんの勝利は、反原発闘争をはじめとする闘いの巨大な援軍であるとともに、連合の崩壊と労働組合の再編にむけて大きなインパクトを与えた。
 山本太郎さんのようなリーダーを生み出したとき、情勢は一挙に動き出す。全国の学生運動の中から、「無数の山本太郎」を生み出そう。自らが「もう一人の山本太郎」になる決意を固めること、これが一切の出発点だ。
 名もなき一人の学生の存在と行動が、天下国家を揺るがす時代に来ている。本大会を「100万を動かす学生運動」の歴史的出発点へ! 決意も固く進撃しよう。
 2013年9月5日
 全学連第74回定期全国大会参加者一同

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週刊『前進』(2600号5面4)(2013/09/16 )

 法大無期停学処分撤回裁判 “10・18集会へ全力で闘う”

 武田君が当局を圧倒

 9月6日、前日まで開催された全学連大会の興奮も冷めやらぬ中、法政大学国際文化学部・武田雄飛丸君(文化連盟委員長)の「無期停学」処分撤回を求める裁判の第3回口頭弁論が東京地裁民事第25部で行われた。
 裁判長は冒頭、裁判体の変更を告知。新しく裁判長に就いた矢尾渉は、日米安保条約無効確認訴訟や「改正」教育基本法違憲確認訴訟に関わったこともある司法権力の中枢にいる人物である。原発と大学のあり方を問う本裁判が、国家権力中枢を揺るがし、密集した反動を生み出している。
 今回の口頭弁論では、被告・法大当局が前回出してきた準備書面に対して、30nに及ぶ原告側準備書面を提出した。「処分は適法かつ有効」「社会通念上の合理性を認めることができないようなものでない限りその効力を否定し得ない」という法大当局側の主張に対し、当局による学生の管理強化と分断の内実と御用学者・大久保利晃講演会に対する抗議の正義性を明らかにし、「大学自治を取り戻す闘い」の今日的な意義を全面的に論じたものである。
 この重厚な内容の準備書面とともに、武田君と藤田城治弁護士が陳述に立ち、裁判所と法大当局に処分撤回を迫った。
 武田君は「全学連大会に法大生の大結集をかちとり、10・18法大集会に向けて全力で闘いぬく決意を固めた」と切り出し、福島第一原発での汚染水漏出問題、子どもの甲状腺がんの拡大などを論じるとともに、今なお郡山市原子力対策アドバイザーを務める御用学者・大久保と法大当局を弾劾した。そして最後に「10・18法大集会を大成功させ、学祭実を打倒し、処分を撤回させよう」と締めくくった。
 続いて藤田弁護士が準備書面の内容を簡潔に述べ、処分を出した法大当局を怒りを込めて弾劾した。
 原告側準備書面を受けて、次なる準備書面の提出を求められた被告・法大当局は、なんと「主張・立証は尽くされており、これ以上やらない」と述べた。これは裁判所に露骨に早期結審・反動判決を要求するものであると同時に、これ以上論争になれば、自らに理がないことがすべて明らかになってしまうことに追い詰められた末の姿である。
 原告側準備書面では特に、学祭実の変質に事実関係も含めて細かく論及した。したがってこれ以上主張を行わない被告の姿勢は、必ず決定的な弱点に転化していく。
 この秋、裁判闘争と「処分撤回」「学祭規制撤廃」「御用学生団体打倒」のキャンパスの闘いをひとつのものとして推し進めていこう! すべての学生は10・18法大集会へ!

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週刊『前進』(2600号5面5)(2013/09/16 )

 希望の牧場 吉沢正巳さんの訴え

 再稼働阻止へ連帯を! 牛と共に浪江に生きる

 希望の牧場は福島第一原発から直線で14`地点にあります。3月11日後、大混乱の中で緊急避難になりました。被曝によって牛の出荷は取引先から全部断られ、牧場の意味はなくなりました。
 僕らが生きている間、浪江町ではもう米づくりも野菜も果物もできない。漁師さんは絶対に魚をとらないし、住宅が再建される姿も見ないだろう。10万人の避難民、散り散りばらばらになりながら仮設住宅・避難所で2年半、300人を超える人が死んでしまった。
 僕らはこれから、棄民の扱いを受けると思います。東京電力・国は本格的な賠償などしたくない。総額賠償の金を抑えるために時間がかかり、話が長引き、大勢の弱った人たちが仮設で倒れてしまう。除染なんかやっても意味ない。そして多くの被曝労働者が命を縮めながら廃炉作業をしている。1時間もいれば死んでしまうような現場もある。そんなところに行けやしない。東電は今、汚染水問題でお手上げ状態だ。国が乗り出してもうまくいくわけがない。
 しかし僕らは40年にわたって原発建設に反対し、浪江・小高の原発建設計画はとうとう白紙撤回させました。また福島県議会が10基すべて廃炉の議決をしました。僕はこの急展開を見て「福島県で原発一揆が起きた」と思いました。原発を僕たちが生きている世代で終わりにするために大きなチャンスが来ている。
 40年前、僕も学生運動をやっていました。あの時の熱気を再び起こそう。この原発という化け物の社会体制をのりこえるために、若い人たちも僕らみたいな団塊の世代も連帯して手を結ぼう。
 希望の牧場では今、360頭の牛を生かしています。放射能に汚染されて出荷もできない。国は殺処分を指示。半強制的な圧力です。そういう中で1500頭の牛たちは餓死していった。「牛飼い農家として、あんなことをできるか」と逆のスイッチが入りました。
 機動隊がいっぱい来た。でも僕はバリケードをどかして入りました。えさを届ける、見捨てない。国の殺処分指示が出た時、「もう絶対に国の言うことなんか聞かないぞ」と心に決めました。
 「捨てろ、殺せ」という棄畜政策はやがて僕たちへの棄民政策としてはっきり現れてくる。根っこはつながっています。
 畜産経済なんてものはぶん抜けてしまった。売れない牛360頭を生かすことは、原発逆戻りに対する抵抗のシンボルです。再稼働の時代を本気で闘うベコ屋だから、牛を見捨てない。運命をともにする。
 牧場には毎日、いろいろな人が来ます。警戒区域が、人が行き交う交差点みたいな楽しい場所になっています。確かに放射能はあります。浪江町はいずれ崩れます。そういう町の意味とは一体何なのかを考えようじゃありませんか。
 だからこそ宣伝カーに乗って全国を回り、僕らの体験をあっちこっちで訴えようと思う。人生をそのために使おう。本気で原発を終わりにするためには、安倍首相や自民党・経産省と本格的に実力をもって対決するしかない。最終的に物事を決するのは、やはり実力だろう。訴える側がそういう気概・気迫をもって本気でやれば、道は絶対に開けると思います。
 学生のみなさんも今、大学の中は大変だと思う。僕らがいた時から見たら、もうめちゃくちゃだよね。これを打開するためにも、昔われわれは「主体的変革へのバネ、逆スイッチを持つんだ」と言ってましたが、人生のテーマとして今も持っています。今日はありがとうございました。

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週刊『前進』(2600号6面1)(2013/09/16 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 全学連大会に参加し 革命の必要性を確信 首都圏A大学 若林悦郎

 今次全学連大会の感想を述べたい。今回は特に議案の内容が非常に充実していた。
 まず「はじめに」でシリア情勢について分析している点が重要だと思う。世界は「化学兵器はどちらが使用したのか」「悪いのは反体制派か政権側か」という、「白VS黒理論」で分断されているが、問題の本質はそこにはない。深刻化した状況を生み出したのはまさしく、資本主義・帝国主義の問題である。
 シリアに対する侵略戦争阻止と労働者階級国際連帯に向けての闘いを提起している意義は、非常に大きい。
 第二に、自民党の改憲草案に対して、徹底的に批判している点は重要である。「改憲情勢」と言われる中でさえ、自民党や日本維新の会などの改憲派の勢力は十分でない。私たちは組織としてはもちろん、一人ひとりが行動していく必要がある。
 しかし、批判的観点として政治的・総合的なものだけでなく、もっと学問的見地、例えば法律学、社会学などからも批判する必要があるのではないか。
 第三に、全学連運動の総括、特に法政大・広島大・沖縄大における闘いの前進を徹底的に明らかにした点だ。新自由主義社会に生きる学生の現状や大学の実態の分析も評価できる。広島大・百武委員長や法政大・武田文連委員長などが「特別報告」で闘いの現状を生々しく報告したが、ああいうのがあると内容も深化し議論も活発になる。
 第四に、権力の弾圧態勢のもとで、大会をかちとったことだ。私自身、あれだけの権力の中での大会というのは非常に恐ろしいものがあった。しかし、そのような中に飛び込んで議論できたというのは、たとえ0コンマ1ミリ単位でも、自分自身の進歩として挙げられると思う。権力や暴力を恐れては、社会を変えることは無理だろう。
 最終的にはやはり、「本来のマルクス主義の立場に立ち、革命的労働組合(労働者)による社会を」という一言に尽きるのではないか。いつの時代も、社会変革を成し遂げてきたのは、その時代の体制や常識とは反対に位置する人びとだった。彼らによって時代と社会常識が新たなものになった。日共や社民などの「リベラル」なやり方での共産主義社会の実現は百パーセント無理である。革命が必要だ。
 これからの闘いを、団結してガンバロー!

 シリア空爆支持する安倍政権に断固反対 東北大学 箕谷昌英

 安倍政権は積極的に改憲とアメリカのシリア空爆の支持をしていますが、これらは断固反対しなければならないと思います。
 「国益のため、米軍と対等になるため、化学兵器を使った疑いのあるアサド政権を糾弾するため」などとうそぶいていますが、それらはすべてペテンです。
 資本や権力が生き延びるためという醜悪な欲望をある程度美化しただけであり、結局資本や権力のために「アメリカやフランスのためにアサドもろともシリア人民は死ね」ということが本質だと思います。
 そんな権力側の茶番に付き合うほどわれわれの命は軽くないんだ、ということです。
 今回の全学連大会に参加して、自分たちの命を、誇りを守るために、原発問題や労働問題などとともに、改憲やシリア問題に関して、資本や権力に断固としてNOをたたきつけなければならないと思いました。

 国労米子地本大会で10万筆署名が次々と 山陰・ともに闘う国労の会 鷲見 貢

 8月31日、国労米子地本大会で「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名への協力を訴えたところ、大会構成員の半数に迫る20筆が集まりました。山陰西部地方は集中豪雨による激甚災害に見舞われ鉄道もズタズタでしたが、それをのりこえて結集した現場の仲間が、会場入り口で次々と署名に応じてくれたのです。
 これまでは無言で素通りしてきた人たちも含め今回は「頑張って」「ご苦労さんです」「あの時(2011年後藤工場労災死亡事故における当該防衛の闘い)はありがとうございました」と声をかける人が相次ぎました。
 大会では、「ともに闘う国労の会」の仲間が代議員として発言しました。動労水戸と組合の枠を越えてともに被曝労働拒否を闘う中で国労大改革の第一歩を切り開いた郡工支部との連帯を訴え、特に米子後藤総合車両所をはじめとした各職場において、JR西日本の安全無視の合理化施策と闘うことこそ第一であり、その力で島根原発をはじめ全原発廃炉へ今こそ国労の旗を一歩前に出そう、と訴えました。
 郡工支部が示した「国労魂」は、全国の現場の基底に脈々と息づいていることを実感しました。国労大会−エリア大会をはじめ今夏の四大産別の労組大会で示された連合崩壊−労働運動の根底的大流動の情勢は、地方でも同じです。
 続いて9月2日、島根原発の新設3号機の運転差し止めを求める裁判(初審理)の傍聴にかけつけ、そこでもNAZEN山陰のビラまきとともに10万筆署名を訴え、弁護団・原告団・支援者等40人から署名をもらいました。鳥取・島根両県の人士や労組役員などの多くは4・9政治和解の事実を知っていましたが、「暴かれた真実」のリーフを読んで、認識を新たにしていました。
 動労千葉鉄建公団訴訟の9・25反動判決阻止へ、全力をあげましょう。4人の国労闘争団員の組合員権を奪還し、1047名解雇撤回・JR復帰まで闘いましょう。外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否の旗を高く掲げて、国鉄闘争を基軸に階級的労働運動の荒々しい発展をかちとりましょう。
 11月労働者集会1万人結集へ、歴史的闘いに挑戦しましょう。

 8・6広島で実現した32年ぶり感動の再会 広島大学出身 B

 8・6ヒロシマ大行動の開会を待つ私の前に、同期のI同志がやってきて「後輩のM君だ。覚えているかい。M君だよ」とまくしたてた。32年ぶりの再会だった。
 I同志がキャンパスでM君と出会うたびに熱心に話し込んでいた姿を思い出す。当時、学内には「ビラの定期購読者」ともいうべき学生が数百の規模で存在していた。インターネットなどない時代では、学内ビラが情報源だった。M君も熱心な「定期購読者」の一人であった。ちょくちょく学内集会には顔を出していたが、4年で大学を卒業していった。
 M君は当時を振り返り「私は昔も今も皆さんの運動の支持者です。しかし『内戦』と呼ばれる命のやりとりが怖くて、ついていけませんでした」と語った。彼はネットで中核派の情報に接し、「最近の中核派の運動になら参加できるかも」と感じていたらしい。
 そのM君に32年ぶりにヒロシマの地を踏ませたのは、3・11福島原発事故への怒りであった。彼は首相官邸前の反原発行動に自主的に決起し続けていた。リュックには「いつもお守りのように白ヘルを隠して」参加していたとのこと。
 そして現場で全学連の隊列を眺めながら「一体感」を感じていたらしい。その帰り道で、偶然にも百万人署名運動の関係者と出会い、8・6ヒロシマ大行動を紹介されたのだ。
 ひとしきり昔話に花を咲かせたあと、M君は「学生自治会を再建した後輩にカンパを届けたい」と言って演壇前に陣取っていた広島大学の学生たちに合流していった。そして初めて白ヘルを公然とかぶることができたのであった。
 どんな形態ではあれ、80年代の学生運動の現場に参加したことに誇りを持ち続けるM君のような労働者が、全国各地で中核派を熱い眼差しで見つめているのだ。

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週刊『前進』(2600号6面2)(2013/09/16 )

 9・8徳島闘争 星野暁子さんのアピール

 文昭の命守り団結を

  9・8徳島刑務所デモ(記事1面)を前に鮎喰川河川敷での集会で、星野暁子さんは文昭さんのメッセージを伝えながら、不当な処遇を続ける刑務所当局への怒りをあらわに、全証拠開示・星野闘争勝利へ向けて、全身全霊で訴えた。以下はそのアピールです。(編集局)

 星野文昭は、全身が耳になるくらい皆さんの訪問を待ち望んでいます。全力で文昭に、全受刑者に声を届けましょう。
 9月6日の面会で文昭はメッセージを伝えています。「僕に対する権力側の弾圧は、労働者人民の団結で世の中を変える闘いをつぶそうとするものだ。それが無実を百も承知しての無期攻撃だった。それに対してあらゆる困難をのりこえてつくり出してきた中身が今、新自由主義と闘う労働者の希望になっている。人間が人間らしく生きられる世の中をめざす生き方と、暁子との愛、仲間との団結があれば、どんな攻撃も粉砕して世の中を変えられる。そうした境地を今手にしている。団結してがんばろう!」

 愛、団結、希望

 昨年2・5徳島刑務所包囲デモの「首謀者」として徳島刑務所は、金山克巳さん、仙田哲也さん、増上昭典さんを「禁止処分」にしました。文昭は先日の監査官への苦情申し立てで、面会も手紙も禁じる「禁止処分」は不当と訴えました。文昭は皆さんへの心からのエールだと言っています。そして「集団面会なんだ。みんなに会うのを楽しみにしているよ」と伝えてほしいとのことでした。普通、無期懲役囚は監査官への申し立てなどやりません。仮釈放に不利だからです。でも文昭は筋を通し、皆さんとの団結の力で解放をかちとろうとしています。
 本日、『無実で39年 獄壁こえた愛と革命 星野文昭・暁子の闘い』を先行販売しています。この本には、命をも奪う無期攻撃に対して文昭と私が、愛と団結、そして対話を大切にしてよみがえり、すべての人間が人間らしく生きられなければ、自分も人間的に生きることはできないという思想を磨き、愛を貫いて希望にたどり着く様子が描かれています。文昭の獄中39年、ともに生きた29年、日々勝利してきたのです。
 私はこの本を新自由主義攻撃による困難と分断に怒るすべての労働者民衆に読んでほしい。絶望と思える攻撃の先に希望を見い出すことができるからです。
(写真 横断幕や色とりどりの旗・のぼりを掲げ、デモが徳島刑務所へ向けて進んだ。「星野さんを今すぐ 返せ!」「全証拠を開示しろ!」の声が獄壁を越えて星野同志に届いた【9月8日 入田春日橋】)

 徳刑に抗議を

 今年の夏は本当に過酷でした。徳島は7月から34度を超える暑さが続き、文昭も眠れない毎日が続いていました。刑務所にはクーラーはありません。居房には扇風機もありません。上窓は閉め切りで空気が滞留して風が通りません。うちわがあるだけです。
 夜眠る前の水を使っての拭身(しきしん)すら認めず、徳島刑務所は洗面器2杯分の水を全員に用意する予算はないと言います。千葉刑務所では62歳の女性が熱中症で亡くなったばかりです。
 徳島刑務所がなんら対策を取らないのは許されません。強く抗議の声を上げましょう。友人面会を認めず、手紙の墨塗りにも声を上げる必要があります。きょうの徳島刑務所包囲デモは、こうした文昭と全受刑者の命を守る切実な闘いです。
 革命の時代に勝利する階級的労働運動は、国鉄と反原発と星野闘争をかけ合わせた闘いだと私は確信しています。

 全証拠開示へ

 秋に向け全証拠開示運動を闘いましょう。福島・沖縄の怒りと一体で動労千葉、動労水戸に続き、9・15国鉄集会、9・25判決、11月労働者集会に決起しましょう。
 刑務所の門前で文昭の好きな「釜山港へ帰れ」を歌います。文昭は「ベトナム戦争で、韓国からベトナムに行った兵士たちに帰ることを呼びかける反戦歌として歌った。歌の苦手な僕が全部歌える数少ない歌だ。僕の気持ちをみんなに伝えてほしい」と言っていました。聞こえたら本当に喜ぶと思います。南北統一の願いも込めて、ぜひ文昭に届けましょう。

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週刊『前進』(2600号6面3)(2013/09/16 )

 “皆の声聞こえた”

 翌日面会 文昭さんが暁子さんに語る

 デモ翌日の9月9日、徳島駅前から4台の車に分乗し、総勢20人が星野文昭同志への面会差し入れ行動を行った。天田三紀夫革共同書記長も参加した。徳島刑務所による不当な友人面会妨害によって、面会は暁子さんしかできない。20人はそれぞれ思いを込めた一輪の花を持ち寄り、暁子さんがその花束を抱えて文昭さんに面会した。
 その間、参加者は切手、パンフレット、本などそれぞれ準備してきたものを差し入れた。2年がかりで集めた記念切手を差し入れた人も。しかし、徳島刑務所は「同時に3人以上は構内に入れない」と制限してきた。暁子さんが面会で入っているので2人までだというのだ。不当な妨害に怒りながらも、順次2人ずつ差し入れを行った。
 面会を終えて出てきた暁子さんは、文昭さんが花束を見てとても喜び、「すばらしい。絵に描きたいから、花だけ写真をとって差し入れてほしい」と話したこと、8日のデモについて文昭さんが「みんなの声、聞こえたよ。ヘリコプターが飛んでいて聞き取りにくかったけど、30分ぐらいは聞こえたよ。2・5(昨年)の時は遠くで集会をやっているところから聞こえたけど、今回は近づいてから聞こえた。女性の透き通った声がリードして『星野をかえせ』と言っていた。歌も聞こえたよ。特に『トラワヨ(帰れ)』というのがはっきり聞こえたよ。2・5の時は、余裕なんてなかったけど、今回は余裕を持って一人ひとりの顔を思い浮かべながら聞くことができた。一体感を感じられたよ」と話したことを報告した。
 さらに文昭さんは9・8デモ参加者に向けて以下のメッセージを暁子さんに託した。
 「僕自身が一番苦労しているのは、獄壁を打ち破って、みんなといっしょに一体に闘うことだ。そのためにある意味では、39年間苦労してきた。それを、とりわけ暁子の力で打ち破ってみんなが僕を奪い返すための取り組みをやってくれるようになった。徐々に獄壁を打ち破った一体感をつくってきたけど、今回、全国から声をかけてくれたことで本当に心ひとつになった。みんなの声を聞きながら、みんなの顔を思い浮かべ、余裕を持って一体感を感じることができた」
 最後に「徳島刑務所」の看板を背に日本語で「無実の星野さんを返せ」、英語で「星野をかえせ、オキナワの基地を撤去せよ」と書かれたポスターを掲げ、写真を撮影した。

 再審弁護団の接見まで妨害

 徳島刑務所は9日、接見に行った再審弁護団の和久田修弁護士に対し、看守の立ち会いをつけると言ってきた。
 和久田弁護士は「この20年間、立ち会いなしで星野さんと面会してきた。再審を前進させる上で立ち会いなしの接見は不可欠だ」と強く抗議。しかし、徳島刑務所は動揺しつつ最後まで認めなかった。この攻撃は、再審弁護団と星野同志の秘密交通権の侵害であり、再審妨害そのものだ。
 和久田弁護士は、この接見妨害に抗議して面会を取りやめ、断固闘って打ち破ることを明らかにした。
 友人面会妨害や手紙の墨塗りなどに加え、弁護団への接見妨害は、9・8デモが徳島刑務所にいかに大きな打撃を与えうろたえさせたかを表している。「星野さんを絶対に出さない」という国家意志の壁は必ず崩すことができる。星野同志奪還へ怒りを燃やして闘いぬこう。
 (M)
(写真 8日午前に徳島駅前街宣が行われ労働者市民に大きな反響を呼んだ)

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週刊『前進』(2600号6面4)(2013/09/16 )

 前進社国賠 原告側証人全員採用

 “警察官証人も採用せよ”

 9月5日、前進社国賠の第15回口頭弁論が東京地裁民事第1部(後藤健裁判長)で行われた。この裁判は、警視庁が09年10月16日の法大闘争に対して東京都公安条例違反をデッチあげて2学生を逮捕し、それを口実に10月23日に前進社に対する家宅捜索を行い、その際、捜索の容疑とまったく無関係な電磁的記録媒体1223点を含む1418点もの押収を強行したことに対し、都(警視庁)と国(令状を発付した裁判官)に損害賠償を求めた闘いである。
 この日、後藤裁判長は原告と捜索に立ち会った同志らについては、請求した11人全員の証人調べを決定した。しかし、違法な捜索・差し押さえを行った警察官の証人調べは一切拒否し、捜索・差し押さえの統括と称する川島勇二警部のみの証人調べで十分とした。
 被告(警視庁)は、CDやDVDあるいはUSBメモリなどの記録媒体について、内容を確認しないまま押収したことを認めているのだから、それを前提にして適法性を判断すれば足りるから、事実関係に争いはなく、川島以外の警察官を証人として取り調べる必要がないというのが理由である。しかし、ここには二重の問題がある。一つは、押収物について何を根拠に容疑と関連性があると判断して押収したのかという問題であり、もう一つは、内容を見ないでどうして「関連性があると判断」できるのかという問題である。これは、直接押収した警察官を証人として尋問しなければわからない。
 今年になって被告(警視庁)は、川島の陳述書を提出してきた。そこでは、押収するかどうかを判断したのは川島で、押収品目録を作成した各警察官らは押収物を発見して川島に報告しただけで、押収するかどうかの判断はしてないから、川島1人の証人調べで十分と強弁している。
 捜索・差し押さえを行った警察官の証人尋問をすれば、違法な捜索・差し押さえであったことが暴露してしまうことを恐れてうその陳述書を提出したことは明らかだ。千数百点もの押収物について、容疑と関連性があるかどうかを1人の人間が個別に判断することは物理的に不可能だ。うその川島陳述書を前提にしても、押収品目録を作成した各警察官らが、容疑と関連性があると判断して押収したことに変わりない。目録作成の各警察官らを証人として引きずり出さねばならない。
 原告の追及に、後藤裁判長は、各警察官らの証人尋問が必要である理由を書面で出してほしいと言わざるをえなかった。
 次回裁判で、原告3人の証人尋問が決定した。警視庁の違法・不当な捜索・差し押さえを満天下に明らかにし、川島以外の警察官らを法廷に引きずり出そう。
 最後に、原告の同志は去る7月28日に行われた革共同政治集会に対して、200人もの大量の公安警察官を動員して、集会参加者への写真・ビデオ撮影を行い、参加者を威圧したことなどの人権侵害を弾劾した。公安警察官らの人権侵害や東電などの資本家の横暴をチェックすることが司法の役割であると訴えた。
 次回は10月11日午後1時半、415号法廷。傍聴に駆けつけよう。

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