ZENSHIN 2013/09/09(No2599 p06)
|
週刊『前進』(2599号1面1)(2013/09/09 )
国鉄10万署名推進し11月へ
シリア空爆・改憲・汚染水放出に『前進』読者網・拠点建設で闘おう
全学連大会が圧倒的な成功 報道次号
「今こそ闘う労働組合を全国の職場に!」をメインスローガンにした11・3全国労働者総決起集会の1万人大結集へ闘いが始まっています。動労水戸は4日、10・1誘導・構内計画業務の外注化絶対阻止を掲げ今秋第1波のストに立ちました。また、4〜5日に開かれた全学連大会が大成功をかちとっています(報道次号)。11・3集会の大成功へ、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25反動判決粉砕と10・1JR外注化阻止に全力をあげましょう。解雇撤回・JR復帰10万筆署名を集めきり9・15国鉄大集会に全国から総結集しましょう。9・14反原発大行動を再稼働阻止・安倍打倒をかけて闘いましょう。
労働運動めぐる情勢一変
連合を始め体制内の労働組合指導部の変質・崩壊が激しく進行し、労働運動をめぐるかつてない大流動と地殻変動が始まっています。国労東日本エリア大会では、委員長選挙で当選者の票数が過半数に達しないという、前代未聞の事態となり、国労本部は組合員の強烈な不信任を突きつけられました。JP労組大会では、本部提出議案に3割もの反対票がたたきつけられ、JP労組そのものが破産し分裂するような事態が起こっています。
日教組大会では、運動方針から「民主党・社民党支持」が削除され、事実上、日教組中央は自民党支持と改憲推進勢力への道に踏み出しました。自治労大会では、解雇撤回・JR復帰10万筆署名が812筆も集まり、国鉄決戦と公務員決戦が一体化して発展するような画期的情勢が生み出されています。
4大産別の定期大会で起きたこうした情勢一変的な事態の核心は、解雇撤回を投げ捨て外注化・非正規職化の先兵となってきた体制内指導部に対する労働者の激しい怒りであり、闘う労働組合を求める労働者の意思表示ということです。これは動労千葉や動労水戸を先頭とした「国鉄1047名解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃」の闘いと、20年近く闘われてきた11月労働者集会が圧倒的な求心力をもつ時代がきたということです。
今こそ国鉄1047名解雇撤回・JR復帰の闘いを全労働者の結集軸へ押し上げる時です。自治労大会で寄せられた圧倒的な10万筆署名は、自治体業務の丸ごと民営化・総非正規職化と闘う自治体労働者の怒りが、国鉄分割・民営化反対の闘いと一つに合流したことを示しました。一筆一筆の署名には、現場労働者の激しい怒りが込められています。
職場では不当解雇、低賃金、労働強化、人員不足、安全無視、パワハラ、退職強要など、資本・当局による許しがたい攻撃が労働者に襲いかかり、これに体制内指導部が屈服・加担してきました。この耐えがたい現実を生み出した元凶が国鉄分割・民営化でした。
全国の職場に闘う労組を
国鉄分割・民営化で起きたことが、今すべての労働者に襲いかかっています。経営危機を口実に会社を偽装倒産させて全員解雇した上で、新会社が労働者を選別再雇用するやり方や、社会保険庁の解体による525人の分限免職と日本年金機構による選別再雇用も「国鉄方式」でした。労働者に襲いかかる「追い出し部屋」、出向、パワハラなどもすべて国鉄分割・民営化で行われたことです。国鉄分割・民営化では実に20万人もの労働者が首を切られました。
国鉄当局は「首切り3本柱」と言われる若年退職制度、出向、一時帰休で国鉄労働者に自主退職を迫り、「人材活用センター」なるものを設置して動労千葉や国労などの組合活動家を隔離・収容し、本来の仕事を与えず、草むしりなどを命じて退職を迫りました。動労カクマルはこの「首切り3本柱」を受け入れ、労働者に退職を迫る先兵となりました。動労カクマルの裏切りと白色テロ、当局への全面協力があって国鉄分割・民営化は可能になったのです。
だがこの国鉄分割・民営化に対決し、動労千葉はストライキで反撃し、動労水戸は新組合結成をもって闘いました。国鉄分割・民営化を絶対にあいまいにせず、解雇撤回・JR復帰をかちとることは、国鉄労働者のみならず全労働者の未来をかけた闘いです。
動労千葉の解雇撤回・JR復帰を求める裁判闘争は、国鉄分割・民営化における国家的不当労働行為を全面的に暴く地平を切り開きました。一審では東京地裁・白石哲裁判長が、動労千葉組合員を不当に差別する目的で不採用基準が策定されたことや、不採用基準がもし策定されなければ動労千葉組合員は全員JR東日本に採用されていたことを認めました。二審では、JR設立委員会委員長・斎藤英四郎(当時の経団連会長)が国鉄職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)に対し不採用基準の作成を指示したことを示す決定的な新証拠を提出しました。
国鉄分割・民営化がとんでもない国家的不当労働行為だったことが、あらためて明らかになりました。ところが国鉄分割・民営化の真実が暴かれることに恐怖した日帝・国家権力は、一審の6・29判決を出した白石裁判長を更迭・左遷しました(白石事件)。控訴審では東京高裁・難波孝一裁判長が証人調べを一切せずに結審を強行し、9月25日に判決期日を指定したのです。不採用基準を作成した葛西の証人調べもせず判決を下すことなど絶対に許せません。解雇撤回・JR復帰の10万筆署名を推進し、9・25反動判決を断固粉砕しましょう。
10・1JR外注化攻撃をめぐっては、9月中旬にも強制出向の事前通知が発令されようとしています。9・15大集会とデモで、10・1外注化阻止・強制出向発令粉砕の声をたたきつけましょう。国鉄10万筆署名運動をさらに推進し、全国の職場に今こそ闘う労働組合をつくりましょう。
再稼働と福島圧殺許すな
9・15国鉄集会と一体の闘いとして、9・14反原発大行動に総決起しましょう。原発再稼働と福島圧殺をめぐり情勢は大激突になっています。
関西電力大飯原発4号機が15日に停止すると日本の稼働原発は再びゼロになります。この事態に恐怖する原子力規制委員会は、大飯原発の真下を走る断層が活断層ではないと強弁し、再稼働に向けた審査を始めました。
一方、福島第一原発からは大量の放射能汚染水が漏れ、太平洋に流出しています。これについて日本原子力学会の事故調査委員会は2日、除去困難なトリチウムについては希釈して海に放出するべきだというとんでもない最終報告書案を出しました。安倍政権は、これに何の責任も取らないままに原発再稼働と原発輸出に突き進んでいます。絶対に許せません。福島の子どもたちの甲状腺異常は、さらに爆発的に増加しています。この現実を前にしながらJR東日本は、福島県民の「帰還」を進めるためと称し常磐線を竜田駅まで延伸しようとしています。
安倍政権による原発再稼働・福島圧殺と対決し、動労水戸と国労郡山工場支部の労働者は、被曝車両の検査修繕をめぐる被曝労働拒否と外注化阻止を闘っています。階級的労働運動の前進を切り開く最先端の闘いです。福島との連帯を貫き9・14反原発大行動に総決起しましょう!
米仏帝国主義を軸としたシリア空爆・侵略戦争策動が急迫しています。これは世界大恐慌の激化と新自由主義の破綻、帝国主義の中東支配・世界支配の根底的危機のもとでの、帝国主義的利害に貫かれた凶暴で絶望的な新たな侵略戦争です。またこのシリア空爆・侵略戦争をめぐって帝国主義間・大国間の争闘戦と分裂・抗争が激化し、それが大恐慌情勢をさらに促進しています。
反原発決戦と一体で、国鉄闘争勝利を軸とする階級的労働運動と労働者国際連帯の闘いの前進を基礎に、米仏帝国主義などによるシリア空爆絶対反対の闘い、命脈の尽きた帝国主義・新自由主義の打倒、プロレタリア世界革命の勝利への道を切り開きましょう。
星野文昭同志奪還へ、9・8徳島刑務所包囲デモの高揚をかちとり、近刊の『無実で39年 獄壁こえた愛と革命 星野文昭・暁子の闘い』を全人民の中に広げましょう。
労働運動の地殻変動に切り込み、労働運動のできる党への飛躍をかけ、『前進』1万人読者網建設と1万人労組活動家づくり、闘う労働組合の建設へ闘いぬきましょう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号1面2)(2013/09/09 )
11・3労働者集会アピール
闘う4団体が大結集呼びかけ
11・3全国労働者総決起集会に向けた闘う4団体からの呼びかけ文を掲載します。11月労働者集会までいよいよ2カ月だ。1万人結集の実現へ全力での組織化を開始しよう。(編集局)
今こそ闘う労働組合を全国の職場に!
11・3全国労働者総決起集会への賛同と参加のお願い
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働
組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、
1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動
今こそ全国の職場に闘う労働組合をつくりだそう。
国鉄闘争が正念場を迎えています。26年に及ぶ国鉄闘争は、ついに「国鉄改革」の真実を暴き出しました。東京地裁・白石裁判長は昨年6月29日、動労千葉9名の不採用は「不当に差別する目的・動機の下に行われたものであった」とする判決を出しました。国鉄1047名採用差別事件は、政府と旧国鉄幹部、JR設立委員会、司法権力が共謀して仕組んだ大陰謀―国家的不当労働行為だったことが一点の曇りもなく明らかになったのです。今まさに安倍や橋下らによって「国鉄方式」による民営化が自治体・教育などで強行されようとしています。その根拠を打ち破り、ひっくり返す展望を開いています。
一方、この判決を出した白石裁判長は突如、更迭・左遷され、それを見た東京高裁・難波裁判長は突如、結審を強行し、9月25日に判決を指定しました。「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名と国鉄闘争全国運動の前進で反動判決を粉砕しよう。
JR職場では第2の国鉄分割・民営化ともいうべき、鉄道の海外パッケージ輸出と、鉄道業務を数百にバラバラにする外注化攻撃がかけられています。動労千葉―動労水戸―動労総連合は、この攻撃に立ち向かって外注化を12年間、阻止し続けてきました。現在、反合理化・運転保安闘争と組織拡大闘争に全力で取り組んでいます。
関西生コン支部は、独占資本に対して、中小企業と労働者の共同戦線を形成し、産業別の運動で対峙していくことを訴え、139日間のストライキを貫徹して勝利しました。この地平を土台に組織拡大を実現し、新しい職場に次々と組合をつくりだしています。「過労死、サービス残業、リストラ、下請けの切り捨て、下請けのコストダウン、これを日本の労働組合は権利侵害だと思わない。これを怒りに変えて闘うことをやらない」「人の痛みを己の痛みに」「一発やられたら三発やりかえす労働者観」(武委員長)を実践しています。この訴えを共同の決意として、関生型産業別労働運動を全力で実践しよう。
企業の塀を越えた港合同の闘いも多くの実践的教訓を持っています。港合同の闘いは、地域全体で資本に立ち向かう視点を常にもって、企業内に閉じこもるのではなく、地域を一つの労働組合として組織し、地域合同労組を「駆け込み寺」にとどめるのではなく、資本との断固たる闘いを貫いて〈闘いの砦〉にしました。その根幹をなしたのが、労働者が自覚的に団結した力は資本を蚕食する力を持つという確信でした。本年3月、南労会22年闘争に勝利しました。
3労組の闘いを今こそ全国の職場に広げよう。国鉄闘争全国運動を職場・地域に広げよう。その決定的チャンスがきています。
資本主義体制は大恐慌下で崩壊の危機にあえいでいます。安倍政権は、最後の破滅的政策としてアベノミクス―新自由主義攻撃に突き進んでいます。異次元金融緩和を強行して市場にカネをあふれさせ、成長戦略と称して「民間活力の爆発」―民営化・外注化・規制緩和攻撃を全面化させ、改憲・戦争に突き進んでいます。公務員の7・8%賃下げ、限定正社員の導入、派遣法の大改悪、解雇自由・残業代ゼロ法制化、社会保障制度の解体、公的部門の丸ごと民営化、公設民営学校の解禁、消費増税、TPP交渉参加など労働者人民の生きる術(すべ)を根底から破壊しようとしています
。
その最大の攻撃こそフクシマ見殺し政策であり、原発再稼働攻撃です。福島の子どもたちに甲状腺異常が多発しています。全原発廃炉の道は、原発労働者と連帯する闘う労働運動を職場からつくりだすことです。動労水戸の被曝労働拒否のストライキは決定的です。
沖縄・三里塚・改憲阻止の闘いに立ち上がろう。万国の労働者の団結で新自由主義に立ち向かおう。反原発・反失業―全世界の労働者と団結し、「生きさせろ」の大反乱を呼びかけよう。すべての怒りを日比谷野音に結集しよう。志を同じくするすべての皆さんに賛同と集会参加をお願いします。
2013年8月
(写真 第1回実行委員会には呼びかけ4団体と、各産別大会闘争で奮闘した現場労働者が多数参加し活気あふれる議論が展開された【江東区 9月1日】)
-----------------
新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう! 今こそ闘う労働組合を全国の職場に! 国鉄1047名解雇撤回! JRの業務外注化阻止! 安倍政権の改憲・TPP・民営化・解雇自由・非正規職化攻撃を止めろ! 反原発・反失業! 全世界の労働者と団結し「生きさせろ」の大反乱を!
11・3全国労働者総決起集会
11月3日(日)正午 東京・日比谷野外音楽堂
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号1面3)(2013/09/09 )
10・1外注化阻止へスト 動労水戸
誘導・構内計画の外注化許さない
動労水戸は、誘導・構内計画業務の10・1外注化絶対阻止を掲げて今秋第1波ストに決起した。ストに入った組合員を先頭に勝田車両センター前でスト突入集会を行った。動労水戸は今週末にも予想される出向の事前通知粉砕へさらに闘いを強める方針だ(9月4日)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号1面4)(2013/09/09 )
前進速報版から
▼動労水戸、外注化阻止へ第1波スト▼「天神峰やぐら裁判」で多見谷裁判長を弾劾▼中国・蘇州の住友電工子会社で4日間のスト
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号2面1)(2013/09/09 )
4大産別決戦報道特集――国鉄・自治体・教労・全逓
拠点建設で革命勝利を開こう 革共同中央労働者組織委員会
連合支配の全面的崩壊と労働者の決起が始まった
新自由主義の世界的展開とその破産に対する労働者階級の反撃がたたきつけられる中で、革命情勢は急速に接近している。全世界でプロレタリア革命への発展か、その圧殺かをかけた激動が巻き起こっている。世界の労働者階級が原発事故とそれとの日本労働者階級の闘いに注目している。国鉄分割・民営化と闘い、外注化と非正規職化に立ち向かってきた動労千葉の地平の上に闘われた動労水戸の被曝労働拒否闘争は、ついに郡山工場の国労労働者の魂に火をつけた。この闘いは、同じ課題を闘う韓国民主労総を始め、全世界の労働者の階級的魂にもこだましている。
(写真 4カ月決戦への総決起を誓い合った国鉄闘争全国運動6・9全国集会【文京シビックホール】) 国鉄4ヵ月決戦の大前進が階級の根底的決起を生んだ
この7−8月の各産別大会は、国鉄闘争の地平がすべての労働者の魂をつかみ、連合支配の崩壊と労働者階級の根底的決起をつくり出していることを示した。それを大胆に確認しよう。
われわれは2014年3・11を頂点とする大決戦を引き寄せた。それは外注化粉砕・1047名解雇撤回の国鉄決戦であり、福島圧殺粉砕の闘いであり、改憲と戦争の安倍政権打倒の大決戦となる。動労千葉鉄建公団訴訟の9・25反動判決粉砕から11月労働者集会の大結集を、労働組合の大決起としてつくり出そう。
青年労働者の未来と希望を奪い、生きられない状態にたたき込んだ非正規職化は、国鉄分割・民営化から始まった。これが新自由主義の攻撃だ。
これに対して動労千葉は、ついに国鉄分割・民営化のウソとペテン、残虐性・不当性の動かぬ証拠を引きずり出し、日帝を徹底的に追い詰めて、6千万労働者階級の「奪われたすべてを奪い返すぞ」という根底的怒りに火をつけた。この闘いは、大恐慌が本格的に爆発する中で、まさに革命をたぐりよせるものに発展しつつある。
その地平の上に、革共同は権力中枢のスパイ=荒川碩哉を摘発し打倒した。その中で、動労水戸―国労郡工支部の被曝労働拒否の闘いを爆発させ、山本太郎氏の選挙勝利へ闘い抜いた。さらに階級的労働運動の前進の中で新たな部落解放の全国組織として全国水平同盟の結成をかちとり、9・15から9・25に向かって怒涛(どとう)の進撃を開始している。国鉄決戦で革命をたぐりよせる党の闘いの地平を、圧倒的に確認したい。
体制内党派の支配は崩れた
7−8月の各産別大会に共通することは、これまでとはけた違いの連合の大崩壊が始まったということだ。体制内党派の支配は崩れ、労働者階級の根底的な怒りの決起がついに始まったのだ。
8月10日に開かれた国労東日本エリア大会では委員長選挙が行われたが、当選者の得票は代議員の過半数に届かず、事実上の不信任を突きつけられた。8月20〜22日に開催されたJP労組大会では、「新人事・給与制度」と「新一般職」の導入を推進する本部方針に、代議員の3割近くが反対した。反対決議を上げて全国大会に臨んだ地本もある。8月25〜27日に行われた日教組大会では、本部が「民主党・社民党支持」を降ろし、自民党にすり寄る姿勢をあらわにした。
連合支配の崩壊と労働者の根底的決起を顕著に示したのが、8月26〜28日に開かれた自治労大会だ。「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名に812筆が寄せられ、ストで闘う自治労をつくろうと訴えた動労千葉派の8・27集会への賛同署名は180筆に達し、8・27集会はかつてない結集と熱気のうちにかちとられた。自治労大会に出席した約4千人の組合員のうち約1千人が、ともに闘う意志を表明したのだ。
その上ではっきりさせたいのは、連合支配の崩壊と労働者階級の根底的決起は、そのままわれわれと結びつくわけではないことだ。これは国鉄決戦を見れば明らかだ。体制内党派は資本・権力と一体となり、労働者階級と革共同を分断する攻撃に全体重をかけてくる。その中でいったん孤立を強いられるが、これをぶち破って膨大な労働者の決起をつくり出すのだ。
そのためには拠点建設と党細胞建設の前進が絶対に必要だ。各産別大会は、国鉄決戦の一層の前進と職場における路線的闘いの貫徹、党と労働組合の拠点の一体的な建設が勝利の核心であることを示したのだ。
中央委員会―細胞、地区党、産別委員会の団結こそ核心
プロレタリア革命が急接近する時代において、われわれの勝利と前進の核心にあるものは何か。それは、路線的闘いを中央委員会―細胞、地区党、産別委員会の団結でつくり出していることである。一切の勝利は、このことにかかっている。
革共同国鉄委員会は、その最先頭で闘いを牽引(けんいん)した。動労水戸―国労郡工支部の闘いは、国鉄委員会と福島県党の血のにじむような路線的議論と実践がつくり出したのである。
スパイ荒川を摘発し、打倒した党の地平も、中央委員会―細胞、地区党、産別委員会の路線的一致と団結の力で切り開かれた。そのことを1ミリもあいまいにしてはならない。この闘いを徹底的に貫徹し、その力で労働者階級の中に圧倒的に党を建設しよう。
二点目に、連合支配の崩壊と労働者階級の根底的決起の時代への突入にあたり、時代認識をさらに研ぎ澄まし絶対反対―階級的団結―党建設の路線で闘うことによって勝利を切り開くことだ。
〈絶対反対>は、資本と労働者との非和解的関係からそうならざるをえないというだけでなく、新自由主義攻撃を貫徹する支配の構造をいまだにつくり出しえていない日帝の無準備性を突く唯一の闘いであることを強調したい。新自由主義攻撃は労働組合が協力しなければ1ミリも貫徹できず、労組が絶対反対で立ちはだかれば、そのペテン性と矛盾は一瞬にして暴かれ、破産する。国鉄決戦は、そのことを鮮明に突き出している。
三点目に、労働者指導部の建設に挑戦し、その巨大な前進をかちとることだ。路線的に闘うとは、無数の「階級の指導部」を生み出すことと一体であり、階級的労働運動を6千万労働者階級の闘いとするための核心がそこにある。それは、地区党の指導部建設と表裏一体の関係にある。地区党を労働組合の拠点をつくり出す砦(とりで)として建設することと、あらゆる戦線の闘いを地区党の闘いとして貫くことは、プロレタリア革命の勝利性・普遍性・可能性を切り開く。
そして、時代認識と路線による討論と実践のみが、こうした闘いを可能とするのだ。全国の地区党建設の前進や、全国水平同盟結成を始めとする全戦線の闘いは、労働者指導部建設=地区党建設によってこそ、かちとられている。さらに団結して進もう。
11月労働者集会に労働組合の空前の大結集かちとろう
時代認識と路線を確立し、反合・運転保安闘争路線を実践することを通して、流動を開始した膨大な労働者階級と結びつこう。今こそ階級的労働運動を労働運動の主流派に押し上げよう。中央委員会―細胞、地区党、産別委員会の路線的一致と団結で、拠点建設と党細胞建設へ全力で決起しよう。何より青年労働者の獲得に全力を挙げよう。9・15から9・25を闘い抜き、JRの10・1外注化を阻止して11月労働者集会に総決起しよう。そして、来春3・11を、福島圧殺攻撃を粉砕する闘いとして打ち抜こう。
日帝・国家権力は福島原発の放射能汚染水漏水の大事故にもかかわらず、JR常磐線の竜田への延伸をたくらみ、原発事故による損害賠償申請を14年3月に打ちきろうとしている。この福島圧殺・棄民化攻撃を断固として粉砕しよう。
検修業務の外注化を進めるJRは、今年10月1日、さらに計画業務や誘導業務を外注化しようとしている。これは動労千葉・動労水戸−動労総連合破壊の大攻撃だ。これとの闘いを外注化阻止・非正規職撤廃・組織拡大の大決戦として闘おう。
韓国民主労総は鉄道民営化・公共部門民営化・医療営利化に対して巨大な反撃に立ち上がっている。8月31日に起きたKTX(韓国高速鉄道)の衝突事故は、まさに民営化攻撃の結果だ。動労千葉の反合・運転保安闘争路線は、世界の多くの労働者の心をつかんでいる。国際連帯の力で新自由主義を粉砕しよう。
国鉄1047名解雇撤回・動労千葉鉄建公団訴訟勝利へ、9・15総決起集会に総結集しよう。「今こそ闘う労働組合を全国の職場に!」を掲げる11・3全国労働者総決起集会に労働組合の大結集をかちとろう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号2面2)(2013/09/09 )
4大産別決戦報道特集――国鉄・自治体・教労・全逓
教労 青年の怒りと結びつきストで闘う日教組つくる
職場の決起で本部打倒へ
第101回日教組定期大会(8月25〜27日、横須賀市)は、連合・日教組本部の崩壊といっそうの翼賛化を決定的に露呈しました。安倍政権に完全に屈した本部を打ち倒さなければ、私たち教育労働者は働き続けることも生き続けることもできません。青年教育労働者に渦巻く不安と苦悩、噴き出す怒りとつながって、ストライキで闘う日教組をつくる時がきました。全国の教育労働者は9・15集会、そして11・3全国労働者集会に先頭で結集しよう!
(写真 日教組大会に参加する代議員にビラをまく労組交流センター教労部会【8月25日 横須賀市】)
連合路線が破産し自民党支持へ転落
今大会、本部は運動方針案で、これまでの「民主党を基軸にした社民党との支持協力関係」を削除して「政策実現可能な政治勢力と支持協力関係を構築する」と打ち出しました。「政策実現可能な政治勢力」とは、「政権与党」、つまりは自民党への一層のすり寄りと屈服を表明したということです。
加藤良輔委員長は委員長あいさつで、参院選での民主党の崩壊を「『民主党NO!』という嵐のようなバッシングに打ちのめされたとしか言いようがありません」と大敗を自認しながら、他方で「(安倍らの)偏ったナショナリズムや歴史認識・人権感覚が、青年層を中心とした国民の間に確実に広が」っていると絶望と敗北主義を振りまいています。
労働者をおとしめるのもいい加減にしろ! 一切は日教組本部の屈服が引き起こした事態ではないか。実際には、青年を始めとした組合員は苦しみ、苦闘しながら、怒りを噴出させ始めています。その矛先が闘わない日教組幹部に及ぶことを恐れて、「闘っても勝てない」と敗北主義で組合員の怒りを抑え込もうとあがいているのです。
日教組本部は、今大会で「会場が狭い」と理由にもならないことで傍聴数を半減させ、大会を密室化させています。現場の憤激が執行部にたたきつけられることを極度に恐れているのです。
参院選での民主党の惨敗と組織内候補・神本美恵子の得票5万票減は、現場組合員による事実上の執行部不信任です。日教組本部は現場組合員から「打ちのめされた」のです。今や組合員の本部からの離反が大量に進行しています。一方で、多くの組合員は山本太郎氏支持に立ち上がりました。山本太郎氏の圧勝は労働者階級の新たな胎動と希望を示しています。
大阪では、正体を暴かれた維新の会・橋下大阪市長がかつての傲慢(ごうまん)な姿もなく、劇的な凋落(ちょうらく)を遂げています。橋下式民営化は決定的につまづき、立ち往生しています。それは、大阪市教組や市職の現場労働者が体制内執行部をのりこえて絶対反対の闘いを貫き、新たな団結を拡大しているからです。労働者の団結こそ、現場の力関係を変える力です。
日教組ゆさぶる4・26スト
もうひとつ重大なことは、4・26自治労ストライキ情勢の大波が、日教組も大きく揺さぶっているということです。
日教組の前委員長・中村譲は11年5月、公務労協議長として国家公務員7・8%賃下げに合意を与えた張本人です。そして引き続いて公務労協議長を務める現委員長・加藤こそ、今春の地方公務員7・8%賃下げを容認した当人です。
この点について加藤委員長は大会あいさつで、「公務労協議長という立場をもつ組織の責任者として……率直におわびを申し上げなければなりません」と述べました。ふざけるな! わびてすむ話か! 全国の自治体労働者が7・8%賃下げに反対してストライキを目指して必死で闘っている時、まったく同じ攻撃にさらされ闘いを求めている日教組組合員に、何ひとつ闘いの方針を出さなかった日教組委員長の責任は犯罪的です。
当然にも大会では、代議員から「自治労は統一ストライキ方針を出した。日教組は統一闘争のやり方としてどうなのか。全国最低の賃金になってしまった」と追及の声が上がりました。
4・26ストライキ情勢は教育労働者の魂を確実に揺さぶっています。青年が「ストライキがやりたい!」と声を上げ始めています。本部の絶望とは逆に、闘わなければ生きていけない、闘いたいという切実な思いが噴き出し始めているのです。
また日教組本部は3月にわざわざ福島で中央委員会を開き、加藤委員長は「福島で起きた事実を風化させてはならない。事故の事実を、福島の人びとの悲しみを私たちの歴史から切り捨ててはならない」と述べました。
しかし、今現在進行している子どもたちの甲状腺がんや汚染水問題にまったく言及しないとはどういうことか。それ自体が福島県民の切り捨てです。日教組は政府による福島圧殺の手先になるというのか。福島で闘う労働者と固く連帯しよう。
青年先頭に全国の怒りがつながった
教育の民営化が現場を破壊
安倍・新自由主義政権のもとで、小・中学校の民営化が狙われています。公設民営化へ向けた学校の非正規職化、事務の「共同実施」という名の廃職・外注化などが一斉に始まっています。
無制限の超勤など自治体職場以上の過重労働、業績評価と一体の極限的パワハラを始め、学校現場のブラック企業化は極まっています。条件付採用制度のもと、新採1年間を事実上の非正規状態に置き、「大量採用・大量解雇」のやり方がまかり通っているのです。東京では毎年100人近くの新採教員が1年で退職や免職により職場から追われています。
既成の教組幹部がそれとまったく闘わないことで、青年は過酷極まる現実に置かれています。
しかし、仲間が次々に自死に追い込まれる現実への怒りは、組合に加入して闘う青年を新たに生み出しています。闘わない日教組幹部を吹き飛ばす力がここにあります。
首都圏・全国で単組権力を奪取するための階級的労働運動派の挑戦が決定的です。
8月5日、広島で開催された「全国教育労働者交流集会」は画期的なものになりました。全国で苦闘する青年教育労働者が一堂に会して、活発な討論が行われました。
誇り奪う評価制度許せない
「子どもといきいきすごしたい。誇りを持って仕事をしたい」「組合本部は『抗議をしても評価は上がらない』と言うが、僕は評価を上げることを求めているのではない。誇りを奪う評価だから許せない」「大会で『自己評価シートの提出をやめよう』と提起したら、若い人が賛成してくれた」「若い人にはストは当たり前の感覚になっている」「自治労スト、いいなと思った」「組合役員に意見を述べれば白い目で見られ、聞き入れられない」「幹部はダメでも労働組合の持っている力はすごい。闘っていれば必ず仲間は増える」「1人じゃない。隣の仲間も同じ怒りを持っている。そこに展望がある」
全国の青年の苦闘が出会った瞬間、怒りが解き放たれ、ものすごいエネルギーが生まれて展望が開かれる! 感動的な闘いの始まりです。
全国の拠点建設を柱に、闘う日教組を奪い返す闘いも各地で始まっています。
非正規職労働者の解雇を組合全体での決起で打ち破った闘い、業績評価に反対して職場の団結をつくり出す闘い、妊娠中の仲間へのパワハラに対して職場ぐるみで抗議した闘いなど、職場のあらゆる課題を見逃さず、職場のすべての仲間ととことん一緒に取り組む中で、本当の労働組合につくり直すことができます。
校長や副校長の独裁体制のもと職員会議さえ開かれず、毛穴までふさがれているように見える職場にこそ、その現実を変える力が息づいています。超多忙化の中、分会会議を実現することから始めよう。分会がなければ、隣の仲間と声を掛け合うことから闘いは始まります。
国鉄・公務員決戦の先頭に教労は立つ
大恐慌情勢の一層の爆発の中で、この秋の闘いは、国鉄決戦を軸にした一大公務員決戦に突入しています。
国鉄分割・民営化反対と1047名解雇撤回の闘いは、教育労働者こそ先頭に立つべき課題です。中曽根康弘元首相が「国鉄の次は教育」と言って仕掛けた攻撃が正念場に来ているからです。改憲攻撃も、国鉄闘争の営々たる継続によっていまだ阻まれています。
立ち往生しているのは安倍・新自由主義の側です。原発、TPP、沖縄、改憲……。あらゆる水路から安倍を追い詰め打ち倒す闘いが広範に始まっています。その中軸に階級的労働運動が立った時、すべての勝利の道が開かれます。
日教組本部の転向、屈服の背後には、労働者階級の反乱を極度に恐れる日帝権力中枢による徹底的な組合つぶしがあります。労働組合がある限り労働者の怒りは必ず噴き出すからです。
今こそ青年労働者とともに職場から反乱を起こし、闘う労働組合をつくろう。11・3全国労働者総決起集会を青年を先頭にした団結集会として実現しよう。
〔革共同教育労働者委員会〕
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号2面3)(2013/09/09 )
闘いは進む 青年の職場から
金属 合言葉は“奪われたものを取り戻す”
東京 二前 一
私は消防車両を生産している職場で働いています。
消防業界も小泉改革で消防車特別予算廃止、自治体の統廃合が行われたために生産台数の減少が続き、会社は「利益を確保するために固定費を削減する」として新入社員の採用をほとんどしません。
昨年は、復興特需による受注の拡大と人員の減少による生産力の減退が合わさって、1カ月120時間を超える残業をしないと生産を維持することができませんでした。
人員不足や仕事の効率の悪さ、過重労働による疲労などさまざまな問題が蓄積し、組合員の怒りが爆発する中で春闘ストライキを行いました。
「奪われたものを取り戻す」を合言葉に、会社から奪われた労働条件や誇りを組合の力で取り戻す闘いを行っています。
●新自由主義との対決
どうしたら団結を取り戻せるかを職場で苦悩しながらも探しています。
現在、自分たちを取り巻く環境は、単に会社役員が無能だから利益が出ない、仕事が忙しいというわけではなく、「新自由主義の渦中に会社が進んでいるため」であることを認識しなければなりません。
職場の仲間からは「人手が足りない」「こんなに残業が増えているのに給料は上がらない」「若い人がいないと技術の継承がなくなる」などの不満が多く出ます。
これらを解決するためには組織の拡大が必要となります。その結果と言っていいのか、2年近く組合員の1人と『前進』を読み合わせたり、『賃労働と資本』を学習して、路線と情勢について論議しています。国鉄闘争10万筆署名についても論議し、白石事件や9・25判決の矛盾を他の組合員にも訴えていくことを確認しました。
●仲間のために闘う組織
われわれはいろいろなものを奪われ続けています。だからこそ、より強固な団結が生まれているのだと確信しています。
職場の仲間との団結そのものが、資本の攻撃に打ち勝つものなのです。労働組合の「万人が一人のために、一人が万人のために」は労働運動の基本ですが、それはスローガンではなく実践的な課題なのです。
労働組合は他人のために、仲間のために闘う組織であり、けっして自分のためにある独善的な組織ではありません。他人のために闘うからこそ団結が形成されるのです。団結を軸とした労働組合をつくろう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号3面1)(2013/09/09 )
4大産別決戦報道特集――国鉄・自治体・教労・全逓
国鉄 9・25反動判決阻止へ総決起し11月労働者集会の成功へ闘う
被曝労働拒否が突破口開いた
労働運動をめぐって起きている大激動の震源地は、間違いなく国鉄闘争の前進だ。8月26〜28日に大阪市で開かれた自治労大会で、大会代議員・参加者から「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名が計812筆も寄せられた現実は、国鉄闘争全国運動のもとに、100万人と言われる国鉄闘争支援陣形を再編的に獲得できる展望を示している。動労千葉鉄建公団訴訟は、国家権力中枢と激突する闘いとして貫かれ、JR設立委員こそが被解雇者を選定した張本人であることを暴き出した。同時にこの闘いは、あらゆる産別で階級的労働運動を再生させる導水路となることも明白になった。動労千葉鉄建公団訴訟の9・25反動判決を阻止し、JR東日本がたくらむ10・1検修業務の外注化を粉砕して、11・3全国労働者総決起集会に向かう今秋決戦を、国鉄決戦を基軸に全力で闘いぬこう。今こそ労働運動を根底から塗り替える歴史的闘いに挑もう。
(写真 ストを貫徹しJR水戸支社前に結集して外注化阻止のこぶしを挙げる動労水戸の組合員【9月4日】)
9・15は解雇撤回実現の闘い
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審で、動労千葉と弁護団は不採用基準がJR設立委員会委員長・斎藤英四郎(当時、経団連会長)の指示で、当時の国鉄総裁室長・井手正敬(元JR西日本会長)と職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)らによって策定された事実を暴き出した。斎藤らJR設立委員こそ、解雇の張本人だったのだ。
JR資本と政府は、動労千葉や国労組合員をJR不採用とした不当労働行為を、「国鉄とJRは別法人」という虚構を盾に居直ってきた。だが、不採用者の選定にJR設立委員がかかわっていた事実が明らかになれば、そのすべては崩れる。この事態に震え上がった東京高裁・難波孝一裁判長は、一切の事実調べを拒否して控訴審を結審させ、9月25日の判決日を一方的に指定した。
動労千葉鉄建公団訴訟は、昨年6月29日の東京地裁判決で、不採用基準の策定自体が不当労働行為であり、それがなければ動労千葉組合員はJRに採用されていたはずだと認定させた。これも、国鉄改革法の一角を打ち破る巨大な勝利だった。この判決を出した白石哲裁判長は今春、閑職に左遷された。国家権力中枢は、国鉄1047名解雇撤回闘争を圧殺するために躍起になっている。
目前に迫った9・15総決起集会は、国家権力中枢やJR資本と激突し、国鉄解雇撤回を実力でもぎり取るための闘いだ。
国鉄分割・民営化以来、資本による理不尽な解雇は横行し、労働者は非正規職にたたき込まれ、連年の賃下げを強いられてきた。だが、社会保険庁の解体に伴う分限免職処分に対し、人事院で処分取り消しの裁決が相次いでいるように、いったんは社会に横行した「国鉄」方式の解雇にはほころびが現れている。
国家権力は2010年4月9日、解雇撤回もJR復帰もない屈辱的条件で国鉄1047名闘争を終わらせるために政治和解の攻撃を仕掛けてきた。国労本部を始めとする4者・4団体はこれを受け入れ、労働運動絶滅の攻撃を率先して推進した。この一大反革命に真正面から対抗して立ち上げられたのが、動労千葉が呼びかけた 第2章 国鉄闘争全国運動だ。
国鉄闘争全国運動は、以来3年、不屈に闘いを継続することによって、国鉄分割・民営化による解雇を打ち砕く一歩手前のところに敵を追いつめている。それは今、労働者階級全体をとらえる巨大な求心力を持ち始めたのだ。
国労再生の展望は示された
7月の動労水戸と国労郡山工場支部の被曝労働拒否の闘いは、国鉄決戦を新たな次元に押し上げた。
JR東日本は、福島原発事故後、広野駅に約半年間放置され放射能に汚染された被曝車両・K544の再運用をたくらんで、その検査・修繕作業を勝田車両センターの労働者に強いてきた。K544は11年10月に勝田車両センターに搬入されたが、以来、動労水戸の数派のストを始めとした闘いによって、その運用は阻まれてきた。
ところがJR東日本は「財産の効率的運用のため」として、K544の検修作業を労働者に命じてきた。これに対し動労水戸は、7月12、16、17日、検修作業を拒否するストライキに立った。この闘いに追い詰められたJRは、まともな検査もやらずに「交番検査をやった」と称して、K544を勝田車両センターから郡山総合車両センターに回送した。
闘いは直ちに国労郡山工場支部に受け継がれた。郡山工場支部の組合員は動労水戸と連絡を取り、勝田車両センターでのでたらめな「交番検査」の実態を追及した。
車両センターで行われる交番検査とは、列車の運用日数が30日に達する前または運行距離が3万`に達する前に行われる検査で、機械を取り外さずに行う検査では最も詳細なものだ。床下の部品の検査や動作試験も義務づけられているが、JRは機器箱も開けず、動作試験もブレーキ試験もやらずに「検査を終えた」と強弁した。
一方、総合車両センター(工場)で行われる全般検査は、すべての機器を取り外し、詳細に調べて組み立て直す大がかりな作業になる。K544の交番検査も被曝労働の強制だが、全般検査の場合は労働者が車両に付着した放射性物質を吸い込む危険性がより高い。そうなれば深刻な被害が出ることは明らかだ。
にもかかわらずJRは、勝田車両センターで測定された空間放射線量のデーターを盾に「安全に問題はない」「勝田車両センターでも交番検査をやっているから大丈夫」と言い張った。郡山工場支部の組合員は、「内部被曝こそが問題だ」と連日、JRを追及した。それでもJRは「安全だ」として、放射能対策用の保護具を装備することも、工場独自で放射線量を測定することも拒んだ。
しかし、郡山工場支部の粘り強い闘いは、タイベックス(原発作業員と同様の防護服)、マスク、ゴーグルを手配すること、平成採の青年を作業から外すことをJRに認めさせた。危険な作業であることを、JRは実質的に認めたのだ。
検修作業は強行されたが、青年を作業から外させ、猛暑の中で完全防備の防護服を着用して作業にあたる国労組合員の姿は、青年の心を確実にとらえた。
東労組はこの問題で、「車両を2回、水洗いするから安全」というJRの言い分を丸のみし、それ以上の対策を要求することさえしなかった。
国労郡山工場支部はまた、上部機関の仙台地本に指名ストを要求した。それを握りつぶした国労執行部への現場の怒りは深い。勝田での交番検査ならざる交番検査を「正式な検査」と言って、郡山での全般検査の強行を容認したのは国労水戸執行部だ。そこには、福島はもともと放射線量が高いから被曝労働を強いられても仕方がないというおぞましい考えがある。
これに対し、「(労働者も住民も被曝させて構わないという)JRの姿勢こそ問題だ」と核心点を突き出す郡山工場支部組合員の声は、闘いの中で資本との対決性を生き生きとよみがえらせた労働者の魂を示している。国鉄分割・民営化反対を貫き国労にとどまってきた現場組合員は、本来こうした力を持っている。国労再生の現実的な展望はここにある。
動労水戸と国労郡山工場支部が組合の枠を超えて闘いぬいたK544闘争は、被曝労働を絶対に許さない闘いであり、被曝車両を運用させないという労働者としての誇りを貫く闘いであり、安倍政権の福島圧殺攻撃と根底的に対決する闘いだ。
JR東日本はこの闘いの真っただ中で、常磐線を来年3月に竜田駅まで延伸すると発表した。福島原発からの大量の放射能汚染水の漏出が暴かれた後もJRはこの計画を撤回せず、保線、土木、建築、電力、信号通信、機械関係のJR社員と下請け労働者に高線量地域での復旧作業を強いている。断じて許せない。
JR東日本はまた、今年10月1日に構内計画業務や誘導業務の外注化を強行し、検修部門の外注化を完成させようとしている。これに対し動労水戸は、9月4日、勝田車両センターで外注化阻止のストライキを貫徹した。動労千葉は昨年10月の外注化強行と対決した時を上回る激しい闘いに、組織の存亡をかけて立ち上がっている。
この攻防を徹底的に闘う中で組織拡大をかちとることが、国鉄決戦の次の展望を切り開く鍵だ。
エリア委員長選で“不信任”
8月10日に行われた国労東日本エリア大会では、役員改選による委員長選挙が行われたが、新委員長になった松井正義前書記長に投じられた票は代議員の過半数に届かず、事実上の不信任を突きつけられた。対立候補には12票が投じられ、白票が15票も出た。党派系列でがんじがらめに固められた「学校政治」と言われる国労のあり方からすれば、まさに異例の事態だ。検修業務の外注化を認め、総合労働協約を結び、貨物賃下げ攻撃にストライキひとつ構えない国労執行部は、急速に求心力を失っている。
その背後にあるのは、ストライキを求める現場組合員の切実な声だ。JR貨物の夏季手当超低額回答に、「生活が成り立たない」「ローンが払えない」という悲痛な叫びが上がっている。施設部門から駅業務、検修業務に至る外注化で、あらゆる矛盾を押しつけられた労働者の怒りは、すでに我慢の限界を超えている。この中で、ひとたび4者・4団体派にくみした部分も含め、現場の怒りに激しく突き上げられているのである。
これも、動労総連合を先頭に闘われた5・1新宿メーデーが切り開いた情勢だ。
だからこそはっきりさせるべきなのは、国労本部・エリア本部はJR資本の手先に完全に移行し、資本にとことん絡め取られた存在だということだ。その何よりの証拠が、国鉄分割・民営化によって首を切られた闘争団員から組合員資格を奪って恥じない彼らの姿だ。こうして彼らは、解雇撤回闘争も非正規職撤廃闘争も外注化反対闘争も永久にやらないと資本に誓ったのだ。
腐敗した既成の労組幹部は、その路線的破産がどんなにみじめな形で突きつけられても、自ら身を引くことはない。彼らは、破産すればするほど、資本や国家権力と一体となって階級的労働運動派に襲いかかってくる。国鉄戦線は、国労5・27臨大闘争弾圧との闘いを始め、このことを痛切に体験してきた。
だからこそ、これに打ち勝つ党の路線的一致と強固で生き生きとした団結が必要なのだ。それが拠点建設だ。
われわれは、職場における資本との攻防の最先頭に立つことで現場組合員の階級的団結を自らの力でつくり上げ、その中で路線を貫徹する闘いに踏み出した。これは動労千葉の反合・運転保安闘争路線を実践的に貫く闘いだ。ついにここまで来たことに自信と確信を持ち、この道を大胆に進もう。
「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名の達成へラストスパートをかけ、動労千葉鉄建公団訴訟の9・25反動判決を阻止するために全力を挙げよう。11月労働者集会に至る今秋決戦を、国鉄戦線から労働運動全体を塗り替える大攻防として闘いぬこう。
〔革共同国鉄委員会〕
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号3面2)(2013/09/09 )
4大産別決戦報道特集――国鉄・自治体・教労・全逓
全逓 「新一般職」の導入進める本部方針に3割の反対票
事実上否決の画期的事態
新人事・給与制度うち砕け
8月20日〜22日に開催されたJP労組全国大会では、たまりにたまった現場の怒りがついに爆発しました。中央本部が提案した運動方針の採決結果は、出席代議員463人のうち反対124票・賛成336票・白票3票でした。なんと3割近くもの反対票がたたきつけられたのです。これは事実上の否決、流会といえます。JP労組結成以来初めての、実に画期的な事態です。
日帝安倍政権の危機と参院選に示される連合の崩壊の中で、郵政において「郵政グループビジョン2021」への怒りが噴出しているのです。明らかに、郵政労働運動に地殻変動が起こっています。
JP労組本部が妥結・承認を強行した「新一般職」の導入を柱とする「新人事・給与制度」は、安倍政権が進めようとしている「限定正社員制度」とまったく同じものです。労働者を10割非正規職化する攻撃です。これに対する現場の怒りが今回の事態をつくり出したのです。それはまた、動労千葉を先頭とする国鉄決戦の前進がつくり出したものでもあります。郵政資本と、それと一体となったJP労組本部、そして安倍政権に対する大反撃が始まったのです。
郵政労働者は7月の参院選で、JP労組の組織内候補であった「さだみつ克之」に組合員の半数が「NO!」を突きつけて落選させ、本部への怒りを表明しました。
今回の事態は、郵政労働者の怒りがさらに本格的に噴出し、JP労組中央本部を打ち倒し、動労千葉のように闘う本物の労働組合を現場からつくっていく時代がついに始まったことを示しています。
全国に怒りが渦巻いています。「新人事・給与制度」「新一般職」をめぐる攻防はこれからです。支部・分会など現場から反対の声を巻き起こし、「反対決議」を上げ、協定化を阻止しましょう。現場労働者が団結すればそれは可能です。そして、今こそまっとうな労働組合を現場の力でつくろう!
(写真 「新一般職導入反対」を訴えて、大会会場に向けシュプレヒコール【8月20日 長野市】)
反対の決議を上げた地本も
大会では本部への怒りの声が噴出しました。
「要員問題を解決しないと組合員は納得しない」(東海)
「新一般職への登用は時給制から7年となっているが、将来を設計しにくい。内務は正社員採用がなく高齢化が進む」(北陸)
「川崎東局は通勤や危機管理、要員配置や職場環境に問題がある。輸送経営は最悪だ。組合に入って良かったと思う交渉展開を求める」(南関東)
「新一般職は実質年収が350万円。郵政職場でワーキングプアを産出するという認識が必要だ」(近畿)
「自爆営業と時間外営業をやっている。宜野座郵便局から2`のところに米軍のヘリが墜落したが、地元の反対を押し切り訓練を再開した。オスプレイ問題など、なんら論議がない」(沖縄)
「さだみつ選挙はJP労組への信任投票と受け止めるべきとの声がある。福島原発事故、いぜん不安がある。労働安全、原発政策、TPPについての考えを求める」(東北)
本部が郵政資本と一体となっても、労働者は新自由主義が破綻し絶望的に凶暴化する社会の中で働き、生活しており、階級矛盾に激しい怒りを蓄積しています。それがワーキングプア、自爆営業、米軍基地、ヘリ墜落、福島原発事故、TPPなどへの怒りとして、公然と噴き出し始めたのです。
大会では、関東・南関東など13地本中3地本が反対決議を上げて参加し、組織丸ごとの反対に回りました。また、賛成した東京地本でも大会前の支部長・書記長会議で、地本委員長が「今回だけは通してほしい」と頭を下げたといいます。
本部答弁への拍手は一切なく、逆に激しいヤジの嵐でした。反対派と見られる代議員が発言を求め挙手しても露骨に無視する議事運営に、一時、会場は騒然となりました。「新人事・給与制度」への本部答弁はゼロ、「時間切れ、審議打ち切り」で採決を強行し、事実上の組織分裂的な大会となりました。
JP労組本部の姿は無惨極まるものでした。今大会で事実上引責辞任した臼杵委員長は、発言で「参議院選挙はきわめて厳しい結果となった。民主党への怒り・憎悪とも感じられるものとなった中での選挙だった」「会場は重苦しい空気がある」と打ちひしがれた心情を吐露しました。来賓として招かれた(!)日本郵政社長の西室泰三は、声に張りがなく「JP労組としっかり協力していきたい」と、崩壊しつつあるJP労組本部を支えようと無駄なあがきをする始末でした。
現場には何も知らせず強行
ほとんどの現場組合員は「新一般職」の導入を柱とする「新人事・給与制度」の実態を知らされていません。かつての全逓時代は一応、大会前には支部執行部が職場オルグを行うなど分会単位の職場集会がありました。しかし、連合傘下のJP労組に変わってからはまったく行われなくなりました。大会の議案書も、職場での配布から組合員の自宅郵送に変わりました。民営化後は、極限的な人減らし合理化の結果、仕事が終わったらヘトヘトで、自宅に帰ってから議案書を一人で読む気分にはなれません。猛暑がそれに追い打ちを掛けています。しかし、そもそも議案書が配布されなかった職場もあると言われています。本当にふざけています。
「新人事・給与制度」「新一般職」への現場組合員の怒りは、これから本格的に爆発します。大会終了後に会社当局が配り始めた「新人事・給与制度」のパンフレットを見て、「これはひどい!」という声があちこちから沸き起こっています。会社の計画によると「新一般職」は来年4月の導入です。「新人事・給与制度」は再来年の4月からです。このままでの妥結は認められません。今こそ闘う労働組合をよみがえらせ、現場の闘いで導入を阻もう!
今こそ組合を作りかえよう
「大会決定は認められない」という現場の闘いが全国で始まっています。8月31日〜9月1日に開かれた南関東地本大会では、委員長選挙に現場から対立候補が出て人事が決まらず、流会・続会大会となっています。
闘いはこれからです。職場の仲間全員に国鉄署名を持ち込み、10万筆を集めきり、9・25反動判決を絶対に阻止しよう。『前進』のバラ売り、定期購読を1部でも多く増やし、『前進』フラクションを組織しよう。職場から11月労働者集会への大結集を実現しよう。その力で絶対反対の闘いを現場からつくり出し、JP労組をまっとうな労働組合につくりかえよう。
私たちが目指す労働組合とは何か。今大会闘争では青年労働者が最先頭で代議員・傍聴者に向けたビラまき、マイクでのアピールを行いました。その青年労働者のアピールを結びにします。
「代議員の皆さん。大会議案では、自爆営業、人が足りない、誤配・事故だとか職場の問題は一切ふれていません。組合員は、そういった職場の切実な問題を少しでも解決してくれることを願っているんです。こんな大会なんてやめましょう。
皆さんの後ろには、若い仲間がたくさんいます。その意見を代弁するような討論をしてほしいと思います。現場は絶対に腐りません。現場の仲間を信じて闘いましょう。その道を示しているのが国鉄闘争です。かつて、動労千葉は組合員が追突事故を起こして有罪となったときも団結して首切りを許さず守りぬきました。
本気で団結すれば労働者は生きていけるのです。職制や管理者がいなくても職場は回ります。職場を回しているのは、私たち現場の組合員だからです。労働者はひとつになって闘いましょう。国鉄闘争を見習って、郵便局でも絶対反対の闘いを巻き起こしましょう。
世の中は絶対に変わります。そして、福島を始め世界中の労働者と一緒になって闘いましょう。労働者はひとつです。みなさん、現場の仲間の顔を思い出して、もう一度考えてください。応援しています。一緒に頑張りましょう」
〔革共同全逓委員会〕
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号3面3)(2013/09/09 )
JP労組大会情宣 “闘う労組にしよう”
郵政非正規ユニオン齋藤委員長が訴え
8月、長野市でJP労組第6回大会が開催された。その初日、代議員と傍聴者に対して行われた情宣での郵政非正規ユニオン・齋藤裕介委員長の訴えです。(編集局)
今、郵政の職場がひどいのはどこも同じだと思います。非正規というだけで、JPEX破綻で4万6千人も職場を追われているんですよ。死に追い込まれた仲間もいます。
このときに、代議員の皆さんは、仲間が死んでいるという現実をどう受け止めるんですか。ぼくたちはどうすればいいんですか。やっぱり、JP労組が闘わなくてはダメなんではないですか? 中央本部の皆さんはどうなんです? 1千万円単位の給料をもらって、雲の上にでもいる気分ですか?
ぼくたち現場は怒っています。家族を奪われて、「新人事・給与制度」とか「新一般職」とか、そんな議案を現場に知らされないまま、納得しないまま大会に出されて、冗談ではありません。
立ち上がる青年が次々と生まれています。そんな中で、JP労組は闘わないままでいいんですか?
私は郵政非正規ユニオンという労働組合の委員長です。「一人の仲間も見捨てない」という思いで委員長をしています。青年が新たな労働組合を結成して闘わなくちゃいけないような状況でいいのでしょうか?
本来はJP労組がやらなくてはいけない闘いなんです。闘う組織を今つくるときです。そうでなければ雇い止めはこれからも続いてしまいます。
今はもう、雇い止め予告通知が手渡される時期です。みなさん、家族を持っているんじゃないですか。JP労組中央本部に対して、「自分は怒っているんだ」という思いを存分に言ってほしいと思います。
郵政現場でともに会社や管理者のやり方に怒りを持つものとして、一緒に闘っていきましょう。
「新人事・給与制度」に対して、ともに「おかしい」と言っていきましょう。
JP労組を闘う労働組合につくりかえましょう。それがぼくたちの思いです。
(写真 「青年が次々立ち上がっている。闘う組合をつくってい雇い止めを阻止しよう」。大会会場前でJP労組組合員に呼びかける齋藤委員長)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号4面1)(2013/09/09 )
4大産別決戦報道特集――国鉄・自治体・教労・全逓
自治労 1000筆署名決起を基礎に全国に絶対反対で闘う組合を
大阪大会闘争の画期的意義
8・26〜28自治労大阪大会闘争は、4・26ストの地平をさらに新たな段階に押し上げる大勝利をかちとった。1千人に迫る署名決起と8・27自治体労働者全国集会の成功は、82万自治労の再生と国鉄・公務員決戦の本格的開始を告げ知らせている。全国1千人の労組活動家を軸に賃金破壊・民営化攻撃と真っ向から闘おう。労組拠点・青年部建設をめぐる激しい党派闘争・路線闘争が闘われている。階級的労働運動を爆発させ、9・29橋下打倒闘争から11月労働者集会に攻め上ろう。
(写真 「ストライキで闘う自治労を」の訴えに大会参加者から熱烈な共感が寄せられ、続々と署名が集まった【8月26日 大阪城公園】)
4・26ストの地平がさらに新段階に
議場内外の奮闘が情勢を変えた
8月24日から始まる青年部、女性部、現業評議会などの総会を含め、5日間にわたる自治労大阪大会闘争を徹底的に闘い抜くことで情勢はさらに一変した。階級決戦情勢全体を新たな段階に押し上げる勝利となった。
大会は4・26ストの歴史的地平の上に開催された。その全過程で労組交流センター自治体労働者部会、大阪労組交流センターは国鉄解雇撤回署名の先頭に立ち、812筆を集めた。「ストライキで闘う自治労を」と訴える8・27集会への賛同は180筆、集会参加は141人に達した。大会参加者の2割、1千人に迫る全国の役員・活動家が国鉄解雇撤回を求め、賃下げや民営化=首切りに絶対反対で闘う意思を表明したのである。
議場では、「4・26ストで労働組合の団結がよみがえった。さらに全国ストを」という発言が出されて拍手が起こる一方、絶対反対のストライキを否定し、自治体当局との労使協調を強調する連合派幹部のぶざまな発言とがぶつかりあった。
会場前では、1万枚を超えるビラとマイク宣伝が連日、朝・昼・夕に行われた。多くの大会参加者が聴き入って拍手が起こり、署名に駆け寄り議論が起こった。みんな賃下げや民営化攻撃と必死に闘い抜いている。その共通の思いが署名となって示された。闘う全国1千人の活動家が姿を現したということだ。
8・27集会は、橋下徹大阪市長と真っ向から闘う地元の労働者と全国の労働者が合流し、感動的にかちとられた。労働者の誇りをかけた橋下との闘い、当局や体制内・連合派労組幹部との攻防が次々と報告され、ストライキで闘う自治労の再生が固く誓われた。
怒りを解き放ち連合路線打破へ
4・26ストは82万自治労再生の転機となった。
安倍政権による全公務員一律一斉大幅賃下げの暴力的攻撃に対して、自治労が全国スト指令を発した。これに応えて全国の単組が闘いを組むことで団結がよみがえり、半数の自治体で賃下げを阻止することに成功した。「公務員の岩盤を崩す」安倍の賃金破壊・労組解体攻撃は、緒戦において強烈な大反撃を食らった。「怒っていいんだ。闘っていいんだ」。全国の職場で抑え込まれてきた怒りが解き放たれた。
連合の崩壊は進行し、この流れを押しとどめることはできない。民主党、社民党の惨敗と山本太郎氏の勝利という参院選の結果と同じだ。現場は階級的団結と絶対反対の闘いを求めている。そこに勝利の道があることを全労働者がつかみとりつつある。
自治労ストはあらかじめ約束されていたわけではない。党と労働組合の一体的建設の闘いとして国鉄闘争と一体となった階級的労働運動の懸命の実践が切り開いた。
徳永秀昭自治労委員長が大会の総括答弁で述べた通り、4・26ストへの踏み切りは1月末の自治労臨時全国大会(東京)が転換点となった。JR外注化阻止を闘い抜く動労千葉・動労総連合の闘いに呼応し、都労連5万人が退職手当400万円削減絶対反対の29分スト(時間内集会)に立ち上がった。自治体労働者部会は臨大初日、「ストを配置し処分を辞さず闘う東京・特区連6万人に続き、自治労組織の総力を挙げ、存亡をかけて全国ストライキで闘おう」と訴えた。議場は賃下げ絶対反対の意見で埋め尽くされた。
スト批准投票の高率批准を受けて発せられた4・26全国一斉スト方針は歓呼の声で迎えられた。全国で党と労働組合の飛躍をかけたスト準備・組織討議が展開された。『前進』が毎号キャンペーンを繰り広げるとともに、自治体労働者部会の討議資料や国鉄闘争全国運動のタブロイドが毎回数万から10万枚の規模で職場にまかれ、賃下げ絶対反対で闘う全体情勢がつくり出された。
4・26ストは単組にとってそれぞれ二十数年ぶりとなる闘いとして取り組まれた。4・26以降、「地方交付税削減」の現実を振りかざした当局の賃下げ攻撃が激化する中、労働組合の団結を総括軸に徹底的に闘い抜かれた。8月自治労大阪大会に至る過程は、連合路線を打ち破る時代認識と労働運動の路線、組織建設の飛躍をかけた挑戦としてあった。
そうであるがゆえに、大会過程とその直後から全国の労組・職場で当局ならびに当局と結託した体制内労組幹部との激突が始まっている。正義は職場の怒りを体現した階級的労働運動派の側にある。この激闘にかちぬき、労働組合旗を林立させて11月労働者集会1万人結集に攻め上ろう。
国鉄・公務員決戦の本格的な始まり
いまや国鉄闘争が全労働者の最大のテーマとして据わった。国鉄・公務員決戦の本格的開始だ。
8月人事院報告は公務員大幅賃下げを前提とした上で、「給与制度を総合的に見直す」とし「民間賃金が低い地方での官民の給与格差や、民間よりも手厚い50代後半の給与の適正化を図る」など人事・賃金制度の抜本見直しを打ち出した。一層の賃金破壊と労働者分断、地方分断攻撃だ。
民営化=全員解雇・10割非正規職化攻撃との攻防はいよいよ激化する。橋下徹大阪市長や猪瀬直樹東京都知事を切っ先とする「国家戦略特区」、上下水道、清掃、交通、学校、病院、保育所、給食調理など現業一掃・丸ごと民営化との激しい闘いが全国で展開されている。
東京・足立区が主導する日本公共サービス研究会は、7月に開いた第2回総会で自治体の国民健康保険業務の9割以上、会計・出納業務については5割の外部委託が可能とする「検証結果」を発表。戸籍・国保・会計に関する資格を与える法務知識の検定試験制度を提案した。行政職を含む全面民営化・外注化との激突が始まっている。
4・26ストと公務員大幅賃下げをめぐる攻防は時代認識と路線を鋭く問うている。自治体当局は安倍政権の地方交付税削減を受けて「市民サービスを低下させないために公務員賃下げを」などという理由にもならないこじつけで屈服を迫ってきている。これに対し労働組合はどういう態度・立場をとるのか、組合員と当局とどちらの側に立つのかということだ。
体制内派の労使協調を打ち破れ
大恐慌と帝国主義間・大国間争闘戦は限りなく激化し、国家財政破綻が迫る安倍政権の公務員攻撃は果てしなくエスカレートする。公務員賃金7・8%削減攻撃はその突破口だ。これに対し自治労に結集する全国の自治体労働者は組織の存亡をかけて賃下げ絶対反対の全国ストライキ闘争を展開し、労働組合再生の決定的な突破口を開いた。その地平をさらに推し進めて、闘う労働組合の団結を本格的によみがえらせ、新自由主義に真正面から立ち向かって安倍打倒に突き進むのか。それとも現場の声を裏切って自ら労働組合の解体に向かうのかだ。
もはや体制内労組幹部のペテンは通用しない。絶対反対の闘いぬきには労働者は賃金を極限まで下げられて死ぬまでこき使われ、民営化・外注化で路頭に放り出される。「公務員バッシング」を現場労働者に対する脅しに使い、自治体当局との「労使協調」で怒りと闘いを抑え込むようなこれまでのあり方は、現場労働者の怒りで打倒されるしかない。
夕張市に始まり、ギリシャやトルコ、ブラジル、米デトロイト市など世界中で起こっている公務員大量解雇と社会保障解体、大増税の攻撃はけっしてひとごとではない。新自由主義の国家財政破綻は、全労働者を生きるか死ぬかの瀬戸際にまで追いやる。それゆえの公務員労働者を先頭とする全世界的な「生きさせろ」の反乱の爆発である。だからこそ安倍や橋下は国鉄闘争の解体と公務員労組破壊に全力を挙げている。国鉄・公務員決戦はプロレタリア世界革命の最大の焦点だ。階級的団結を総括軸に絶対反対を貫く階級的労働運動こそ勝利の路線だ。国鉄闘争全国運動を結集軸に100万支援陣形を再構築する時がきた。
現場の怒り結集し闘う青年部建設を
自治労大阪大会闘争は、地区党と産別委員会の総力を挙げた決戦として闘いぬくことで、かつてない勝利を開いた。
国・自治体当局、体制内幹部との労組・青年部建設をめぐる死闘は、それ自体がプロレタリア革命の接近を示している。この攻防に勝利してこそ労働者階級自己解放の大道は切り開かれるのだ。
正義はわれにあり。反合・運転保安闘争路線を貫いて、職場から闘いを巻き起こそう。現場の怒り、青年の怒りに依拠し闘いぬこう。
国鉄10万筆署名を集めきり、自治体労働者1千人の労組活動家=『前進』読者網建設をかちとろう。『前進』の拡大抜きに階級的労働運動の前進はない。職場の全労働者を獲得する宣伝・扇動の飛躍を実現しよう。
9・15国鉄大闘争から9・29橋下打倒闘争に総決起し、「闘う労働組合を全国につくりだす」11・3労働者集会の歴史的成功へ突き進もう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号4面2)(2013/09/09 )
9・29橋下打倒集会(大阪・中之島公園 午後1時)に闘う労働組合を登場させよう
「民営化・外注化=全員解雇絶対反対! 非正規職撤廃! 処分撤回! ストライキで闘う労働組合を! 9・29橋下打倒集会」への実行委員会からのアピールを紹介します。(編集局)
●自治労大会で噴き出す現場の怒り
自治労大阪大会(8月26〜28日)で、全国の自治体労働者から1000筆もの国鉄解雇撤回署名や8・27自治体労働者全国集会への賛同署名が寄せられました。民営化――分限免職が私たち現場労働者の身に迫っている中で、労働者の未来を決するのは自治労本部や連合幹部ではなく国鉄闘争を軸とした絶対反対を貫く階級的労働運動にあることをはっきりと突き出しました。
また全国水平同盟の自治労大会への登場は、現業労働者をはじめ大会参加者に圧倒的な共感を呼び、全く新しい部落解放運動が登場したことを告げ知らせました。
8月25日に行われた現業評議会総会では、4・26自治労ストライキ方針をめぐって真っ二つに議論が分かれました。「4・26ストライキを現業統一闘争に位置付けるべき」という意見に対して、「ストライキ方針に愕然とした。ストライキで市民に何をアピールするのか」など、ストライキ方針をめぐって分岐が生まれています。
怒りの結集軸となる存在があれば、組合は変えられる! 橋下による処分攻撃や組合つぶしなど現場を締め上げるような攻撃に対して、労働組合として絶対反対で闘えば勝てる! それが8・27自治体労働者全国集会として結実したのです。この集会で、橋下による民営化攻撃との対決の最前線である大阪市職・大阪市従・大阪交通労組・大阪市教組から闘う労働者が結集し、労働組合をつくりかえるスタートラインに立ったことは決定的です。この闘う団結がすべての労働者を橋下打倒のもとに結集させ、時代を切り開く突破口を切り開いたのです。
●国鉄闘争を軸に闘えば勝てる!
安倍政権は「限定正社員」「金銭解雇ルール」「派遣労働の全業種拡大」を打ち出し、大恐慌と3・11情勢のすべてを労働者階級への矛盾の転嫁と労働組合つぶしで生き延びようとしています。しかし他方で、大阪市斎場労働者の解雇撤回闘争の1審全面勝訴、社会保険庁労働者の解雇撤回(国鉄型解雇の破産)を次々と勝ち取る大勝利。橋下による職員アンケート攻撃も粉砕し、政治活動規制やストライキを口実にした処分攻撃も打ち砕いています。安倍政権も橋下市長も「戦後法体系の根本的転換」を打ち出していますが、その一つひとつが「不当労働行為」として認定され、完全に資本家階級を追い詰めています。
国鉄闘争を軸とした労働者の闘いがこの「無準備性」を強制しています。中曽根政権による国鉄分割・民営化攻撃は、「総評をつぶし、社会党を解体し、新しい憲法を床の間に飾る」と言いなして、大恐慌の開始を前に、国鉄をはじめ労働組合の全滅を狙ったものでした。
しかしすべては国鉄闘争の継続と発展によって破綻しています。現場労働者の抵抗により、何も貫徹できていません。動労千葉・動労水戸・動労西日本の外注化阻止や被曝労働拒否のストライキ決起は、これまでの体制内労働組合の「雇用の確保」を口実とした条件交渉のあり方を一変させ、絶対反対を貫くことで組織拡大を実現するという、労働運動の歴史を塗り替える闘いの始まりです。この労働運動の中に、あらゆる青年労働者の未来があります。9・25高裁判決との対決は、国家権力との正面衝突であり、この新たな労働運動の大発展の中に勝利の道があります。
●ストライキの爆発で社会を変えよう!
4・26自治労ストライキは、体制内労組執行部によって抑え込まれてきた自治体労働者をはじめとしたすべての労働者の怒りを解き放つ闘いです。いったん解き放たれたこの怒りは、自治労本部のスト圧殺によってはもう押しとどめることなどできません。
今、大阪府本部が出している唯一の「方針」は堺市長選挙です。こんなもので自分たちの生活や人生を決められてたまるか! そもそも斎場労働者の首を切り、民営化を推進してきたのが民主党・平松市長じゃないですか! 私たちの民主党・連合政権に対する怒りが、連合支配を崩壊させたのです。今こそ、絶対反対を貫く私たち労働者が新たな執行部になりましょう。
日本階級闘争には国鉄闘争があります。職場の解雇撤回、民営化・外注化反対の闘いと国鉄闘争は一体の闘いです。職場での闘いは困難をともなうこともある。しかし一つの路線で一致し、職場・産別を超えて闘えば、団結で乗り越えられるはずです。
7〜8月、私たちの闘いが14年3月決戦を引き寄せています。14年3月とは、福島圧殺(常磐線竜田延伸、損賠申し立て打ち切り、復興特区、原発再稼働と汚染水漏れ居直り「2020年には問題ないことを各国に理解していただく」!)、国鉄1047名解雇撤回闘争、労働法制改悪と消費大増税・社会保障解体、改憲と戦争攻撃との激突です。すべての核心が労働運動をめぐる攻防にあります。
安倍政権の「成長戦略」「骨太方針」は国鉄分割・民営化を数十倍する規模の民営化攻撃であり、労働規制緩和・解雇自由・全面的な非正規化攻撃であり、例外なき社会保障制度の解体です。
今こそ闘う労働組合を登場させましょう。橋下打倒を掲げて闘ってきた2年間の闘いは、動労千葉を先頭とする国鉄闘争と結合して、巨大な展望を切り開いていることを確信できます。9月国鉄闘争を闘い抜き、11月全国労働者総決起集会へ。9・29橋下打倒集会を突破口として闘いましょう。
◆ ◆
「民営化・外注化=全員解雇絶対反対! 非正規職撤廃! 処分撤回!
ストライキで闘う労働組合を! 9・29橋下打倒集会」
9月29日(日) 午後1時開始 集会後、大阪市内デモ
中之島公園・女神像前(大阪市役所南側、地下鉄・京阪本線「淀屋橋」下車すぐ)
主催/橋下打倒集会実行委員会
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号4面3)(2013/09/09 )
闘う指導部への飛躍
民営化推進の幹部打倒しよう
8・27集会の決断が突破口
自治労大阪大会決戦として設定した8・27自治体労働者全国集会は、動労千葉をはじめとする階級的労働運動派が自治労82万、そして全自治体労働者の指導部として組合権力を握ることへの挑戦であった。8・27集会の決断が自治労大会決戦の歴史的勝利を切り開いた。民営化全面推進勢力に転落した自治労本部、自治労連本部にとってかわる指導部として階級的労働運動派が登場した。
4・26ストライキ総括の核心は、4・26ストは国鉄闘争を基軸とする階級的労働運動派自身がつくり出した情勢であるということだ。動労千葉を先頭に国鉄分割・民営化をぶち破って営々と闘いぬかれてきた国鉄闘争を基軸として、橋下・維新の会による民営化、処分、解雇攻撃との職場での攻防、橋下打倒闘争をひっさげて登場した昨年の自治労函館大会闘争の勝利、昨年10月以来の外注化阻止・非正規職撤廃の闘い――こうした闘いの前進こそが、自治労本部を「7・8%賃金カットに対してスト方針を打ち出さなければ、現場の怒りと階級的労働運動派が結びついて自分たちは打倒されてしまう」という崖っぷちに追い込んだ。
だから自治労本部は自ら方針を出しながら最初からスト圧殺に回った。方針を現場に下ろさず、われわれの拠点職場でストライキをやらせないためにありとあらゆる手練手管をもって敵対した。4・26ストライキの貫徹をめぐって自治労本部や協会派―体制内勢力との激しい党派闘争になった。国鉄闘争圧殺の4・9反革命をめぐる攻防と同じ闘いが、自治体職場で4・26ストをめぐって闘い抜かれた。
「自治労本部が方針を出した」という土俵の上で「ストライキをどうやるか」と戦術主義的に構えた瞬間、自治労本部や体制内勢力のストつぶしの反動との党派闘争をみすえることができなくなる。それを打ち破るのが革共同の「時代認識と路線」だ。ここで産別委員会と地方委員会、地区党と職場細胞が一致して闘うことが求められた。
(写真 自治体労働者の怒りの結集軸となった8・27全国集会)
「時代認識と路線」で団結
第一に、「敵の無準備性」をはっきりさせたことが重要である。動労千葉の鉄建公団訴訟における昨年6・29東京地裁判決で、白石裁判長をして国家的不当労働行為を認めさせる画期的地平を切り開いた。これは「敵の無準備性」を国鉄闘争が暴いた大勝利である。
今日の世界大恐慌と戦争突入情勢のもと、支配階級は待ったなしで新自由主義の全面展開、労働者の10割非正規職化をやらなくてはならない。公務員労働者を全員解雇して自治体丸ごとの民営化をどしどし進めなくてはならない。それにもかかわらず、国鉄分割・民営化絶対反対で闘いぬいてきた動労千葉と階級的労働運動派を圧殺できないままこの情勢を迎えてしまった。新自由主義の全面展開が現行の労働法制では「違法」となる大矛盾につきあたっている。だから白石裁判長の更迭(白石事件)までやって巻き返しを図っているのだ。しかし、それでも職場を制圧できず、国鉄闘争と動労千葉をつぶせていない。
この敵階級との力関係こそが4・26ストライキをたぐり寄せたのだ。
第二に、3・11大震災と原発事故を決定的な転機とする「地殻変動情勢」、革命情勢の接近に確信をもつことが重要だ。新自由主義攻撃の全面展開に対して労働者階級は黙っていない。3・11をもって全人民的規模で価値観が転換した。「もう二度と国と資本にだまされてなるものか」とやつらの責任を追及する絶対非和解の闘いが始まった。7月闘争の2大勝利――動労水戸の被曝労働拒否のストライキと参院選での山本太郎氏の歴史的勝利は、そのことを満天下に示した。
この地殻変動は職場で始まっている。「こんな賃金カットをされたら生きていけない」と全国の公務員労働者から怒りが噴き上がった。安倍と橋下による自治体丸ごと民営化と公務員全員解雇・非正規職化攻撃に対する怒りの反撃が、その最先端攻防である大阪市の上下水道や交通局、ゴミ収集、保育所の現場から始まっている。
第三に、階級的労働運動派こそが「情勢決定要因」であるということだ。労働者の職場の怒りを解き放つのは体制内指導部では絶対不可能だ。国と資本と非和解であることをはっきりさせ絶対反対で闘い、労働者の階級的団結を打ち固め、拠点をつくり、権力奪取―革命をめざす立場なしに、労働者の怒りを解き放つことはできない。
ゼネストや革命に向けて敵の反動があり、体制内派の敵対があり、組合員の中にためらいや反対意見が生まれるのは当然だ。そうした中で絶対反対で闘うことはいったんは屹立(きつりつ)が求められ、孤立することもある。しかし、たった一人の決断であっても絶対反対を貫いて敵と闘えば、職場の仲間の怒りと必ず結びつくことができる。階級的団結を組織し拡大して、拠点をつくり、体制内派を打倒し勝利することができる。
地区党の飛躍と変革かけて
第四に、地区党の変革と産別委員会の一体的な飛躍と団結で勝利した。
地区党を《路線を論議し、路線を実践的に豊富化し、職場闘争を路線的に闘える組織》へと変革し、党と労働組合の一体的建設を闘いとる決起をつくり出した。青年労働者の獲得と『前進』拡大を総括軸とし、読者網とフラク建設を具体化することで党と労働組合の一体的建設ができることをはっきりさせた。
スパイ荒川摘発・打倒の大勝利は、労働者同志が「階級の指導部」として登場する決定的契機となり、党と労働組合に責任をとる指導部集団をついに登場させた。自治体労働者委員会がこの地平で団結し、飛躍をつくりだしたことこそ、自治労大会決戦勝利の最深の根拠だ。党建設と労働組合拠点建設こそ核心点である。自治労大会決戦は、この挑戦に中央委員会―細胞、産別委員会、地区党が塊となってぶつかり、ものすごい勝利をつかみとった。
この開始した挑戦を貫き、9月国鉄決戦の勝利、9・29橋下打倒闘争に総決起しよう。そして、11月労働者集会に総結集しよう。
(革共同関西自治体労働者委員会)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号5面1)(2013/09/09 )
「海へ放出を」と事故調
原発汚染水 日帝が絶望的な居直り
9・14反原発大行動で反撃を
政府と東電は責任をとれ!
福島第一原発からの汚染水流出問題はますます深刻さを増している。今月3日にはタンク群で最大毎時2200_シーベルト、8月31日には最大で毎時1800_シーベルトを計測した。
安倍はこの事態に総額470億円を投入する方針を決定した。だが、汚染水への根本的な対応策など安倍・日帝は出せるわけがなく、国が税金を使って、またも東電を救済するということだ。
さらに、安倍と東電、原子力ムラは「汚染水を海に放出しろ」とまで言い放った。日本原子力学会の事故調査委員会(委員長・田中知東大教授)が、9月2日、最終報告書案概要を公表し、汚染水の海への放出を提言した。これこそ安倍などの本音だ。到底許せない。
福島原発事故は大気中への放射性物質の大量流出により、福島を始めとする広大な地域を、本当は人が住んではならない土地にした。その上に、太平洋を始め全海洋を放射能汚染させ、「漁民から働く場を奪ってもいい。日本、世界中の労働者民衆は汚染された魚類や海産物を食え」という虐殺宣言そのものだ。
3・11福島原発事故も汚染水問題も、すべての責任は、原発を推進してきた自民党、東電を始めとした電力資本、原子力ムラの連中にある。原発の再稼働や海外輸出を進めるなど論外だ。
(図 原子力規制委調査団による大飯原発断層調査) 大飯「活断層なし」は大ウソ
関西電力大飯原発の敷地内の断層が「活断層ではない」「大飯原発はこの冬にも再び稼働する可能性が出てきた」なる報道が9月3日、一斉に行われた。
だが、「活断層ではない」が百パーセントのウソであることは言うまでもない。報道と同じ日の9月3日、大飯原発3号機が定期検査で稼働を停止した。さらに今月15日には同4号機が同じく定期検査で停止する。これで稼働原発は再びゼロとなる。「活断層ではない」というウソは、この事態に震えあがった安倍と電力資本による大飯を始めとする全国の原発の再稼働のための攻撃だ。
福島第一原発事故の責任を一切放棄し、汚染水問題にも頬かむりして再稼働に突き進むことなど絶対に許さない。何百・何千万の労働者民衆に真実を訴え、再稼働阻止の百万決起を実現するためにも、このウソを批判しきることは重要だ。
「活断層ではない」は幾重にも仕組まれた詐欺同然の手口からなる。
(1)「活断層の疑い」の発端は、建設の際の試掘溝の調査で、敷地内を走る「F6断層」に活断層の特徴があったことが発端だった。だが、関電は調査も行わずに埋め、施設を建設してしまった。とんでもない活断層の隠蔽(いんぺい)だ。
(2)そこで規制庁は別の地点でF6断層の「調査」なるものに取りかかった。だがここで「F6断層」の位置が関電が当初主張していた場所を通っていないことが判明した。苦肉の策として別の断層を「F6断層」だと強弁し、「台場浜」「山頂付近」「敷地南側」の3カ所で試掘溝を掘削し、調査を行った。そして「活断層でない」と確認した。しかも「山頂付近」の調査結果だけでだ。この断層は「F6断層」ではない。それは「F6断層とは断定できなかった」と新聞が報道しているほどなのだ。
(3)さらに、そもそも活断層の疑いを「F6断層」にのみに絞ってしまったことが卑劣な手口だ。敷地内には他にも多くの断層が走っており、専門家は「大飯原発敷地内に活断層は存在します」と明言している。
(4)最後に、規制委員会は「F6断層が動いたのは12万〜13万年前より古い」ことを活断層ではないことの根拠にしていることだ。だが、活断層の判断基準は「約40万年前以降の活動が否定できないもの」というのが学会の認識だ。ここでもとんでもないインチキが行われているのだ。
追い詰められているのは安倍政権であり、資本家連中だ。大恐慌と争闘戦の激化の中で、帝国主義陣営からの脱落の危機を深める日帝・安倍は、ますます破綻した新自由主義政策に突き進みつつある。だがそれは、「こんな破局が進行しているのに原発にしがみつく政府や資本家どもとは何者なのか?」という広範な意識を生みだしている。「こんな政府や資本家は打ち倒すべきだ!」という労働者人民が歴史の舞台に登場しつつある。
9月14日、東京・亀戸中央公園に集まろう(要項別掲)。再稼働を阻止し、全原発を廃炉に追い込もう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号5面2)(2013/09/09 )
三里塚・天神峰やぐら裁判 多見谷裁判長に弾劾の嵐
10・20大結集を誓い合う
9月3日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で天神峰やぐら裁判の弁論が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者、学生、市民が一体となって、7月29日に出された農地強奪判決への怒りを燃え立たせて闘いぬいた。
やぐら裁判は、天神峰・市東孝雄さんの農地裁判の明け渡し請求の中で、看板、監視やぐらなど四つの物件が、反対同盟の所有物であることを認めさせ、これらの撤去を阻むための闘いである。
午前10時30分の開廷を前に、多見谷に対して傍聴席から容赦なく激しい弾劾・抗議がたたきつけられた。「農民殺しの裁判長!」「農地強奪判決を許さないぞ!」「歴史に汚名を残したな、多見谷!」
多見谷はおのれの罪業を自覚しつつ、表情を出すまいと努めているが、怒声の嵐を受けて平常心を失い、いらだった声で「静かに!」などと繰り返す。だがそう言われて静かにする人など誰もいない。成田空港会社(NAA)の代理人弁護士が姿を現すと怒りの声は一層高まった。
ますます騒然とする中で開廷。NAA側は、7・29農地強奪判決そのものを「証拠」として提出した。この判決ではすでに、「これらの物件を反対同盟が建設して使用・占有していたとしても、市東は土地を現状に修復して明け渡す義務がある」という極悪の判断を下している。これが証拠だと!? なんとデタラメで恥知らずなNAAと裁判所の癒着ぶりか。
弁護団は、この日まかれた「農民殺しの手先となった極悪裁判長・多見谷を許すな」という見出しの反対同盟のビラを証拠として提出した。
ここで葉山岳夫弁護士が立ち上がり、「7・29判決について一言申し上げたい」と切り出した。「NAAの主張をうのみにしたあの判決は一体何か! 千葉地裁は今や”NAA付属裁判所”に成り下がった。恥を知れと言いたい!」
続いて弁護団が次々と立って、農地裁判での多見谷の訴訟指揮と判決を根底から断罪した。これに耐えきれず多見谷は、「別件についての意見は認めない」などと叫び、「次回期日は11月19日」と一方的に言い放ち、弁護士の発言の途中で強引に閉廷を宣した。傍聴者の怒りは爆発し、裁判官にあるまじき醜態をさらす多見谷に抗議が集中した。
報告集会が裁判所向かいの千葉県弁護士会館において、伊藤信晴さんの司会で開かれた。最初に北原鉱治事務局長が、「この裁判も三里塚闘争勝利の突破口だ」と一同の奮起を促した。
続いて葉山弁護士が、「7・29判決は、NAAの主張をコピーペーストした上で、NAAのかつての『一切の強制手段をとらない』という確約を、”話し合いが頓挫した時は破っていい”とするとんでもないものだ」と怒りをあらわに批判し、断固たる反撃に打って出ることを宣言した。さらに弁護団全員が発言に立ち、農地裁判控訴審と一体でやぐら裁判を全力で闘う決意を表した。
動労千葉の後藤俊哉さん、関実の連帯発言に続いて、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さんが立ち、高崎市で開く9・29三里塚・反原発集会の成功へ向け奮闘中であることを報告した。
最後に萩原進事務局次長がまとめの発言を行った。「市東さんは”強制執行来るなら来い”という強い決意で立っている。これに応える闘いは一つは現地における態勢の強化だ。同時に空港周辺地域の住民たちの怒りと結合し、彼らの決起を促し空港を包囲することだ。騒音被害、24時間空港化への動きに怒りが充満している。今までの不十分さへの反省を込めて、地元への働きかけを強めたい。10・20三里塚全国集会にはこれまで参加したことのない人たちをも含め、圧倒的な結集をかちとろう」
この熱い訴えに一同は大きな拍手で応え、10・20大結集を誓った。
(写真上 「弁護団はよく闘った」と敬意を表す北原事務局長。右は葉山岳夫弁護士【9月3日 千葉】)
(写真下 報告集会の最後に萩原進事務局次長が立ち10・20三里塚現地大結集へ奮起を促した)
-----------------
三里塚裁判傍聴を!
◎団結街道裁判
9月24日(火)午後1時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号5面3)(2013/09/09 )
9・1日比谷 反原発講演会に2千人
小出助教「福島を忘れない」
9月1日午後1時から東京・日比谷公会堂において「つながろうフクシマ!くりかえすな原発震災 9・1さようなら原発講演会」が、「さようなら原発」1千万署名市民の会の主催で2050人の参加で行われた。
開会のあいさつをルポライターで呼びかけ人の鎌田慧さんが行い、「9月1日からもう一度原発反対運動のうねりに向かう。力を合わせて頑張りましょう」と訴えた。作家で呼びかけ人の大江健三郎さんは講演で「この世界を、放射能によって次の世代が生き延びられないようにはしないことが最も大切」「この何年かのうちに原発をやめさせる」と気概を語った。
続いて、割れんばかりの拍手に迎えられ、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんが講演に立った。小出さんは冒頭、「今日、私は『フクシマを忘れない』ことを皆さんと共有したい。フクシマのことはすべてにつながっている」と強調。続けて「福島原発は、1、2、3号機は炉心が溶け落ち、どこにあるかも分からない、どうしたらよいかも分からない。その中で10次に及ぶ下請け、孫請けという労働者たちが今も放射能を相手に闘っている」「事故はまったく収束していない。ひたすら水を入れて冷やし続けるしかない。2011年3・11から汚染水はずーっと流れ出ていた」と大量の汚染水流出を厳しく批判した。
さらに福島を始め関東や東北地方までもが放射線管理区域と同等かそれ以上の高濃度の放射能に汚染されてしまったことを詳細に明らかにし、「国は犯罪者」「絶対にこの事故を起こした責任者たちを処罰しなければいけない」と声を高めた。
小出さんは次に「日本が原子力をやろうとした動機は核武装のため」として、「実際に4千発の原爆を製造できるだけの45dものプルトニウムを蓄積している」と明らかにした。続けて「私は原子力は徹底的に危険だから反対していますが、それだけではありません。原子力は他者の犠牲の上にしか成り立たないということに反対しています」と被曝労働と、下請け、孫請け労働者への犠牲の集中を弾劾した。
最後に、小出さんは原発が膨大な放射性廃棄物を生みだすことを指摘し「これは未来犯罪とも呼ぶべきもの。私たちは未来の子どもたちから『福島原発事故後どう生きたか?』と問われる。その問いにきちんと答えられるように私は生きたい」と毅然(きぜん)として語り、講演を終えた。
閉会あいさつを作家で呼びかけ人の落合恵子さんが行い「ここにいない人にこそ声をかけ続けていきましょう。ますます原発反対に力を入れていきましょう」と訴えて集会を締めくくった。
(写真 小出裕章さんの講演に聴き入る会場いっぱいの参加者。2050人が結集した【9月1日 日比谷公会堂】)
官邸前で日曜に抗議行動が
同日午後5時から首相官邸前での抗議行動が行われた。日比谷公会堂の集会を終えた人も結集。金曜行動には加われない人も参加し、大規模な官邸前行動となった。
「再稼働反対!」「原発やめろ!」。首相官邸に向かって激しいコールが浴びせられた。スピーチでは集会を終えて駆けつけた小出裕章さんがマイクを握り「たくさんの人が今日も集まって下さっていることに大変感激しています。福島の人たちが今、苦難のどん底にいます。一方この事故を引き起こした政界・財界の人たちがだれ一人責任を取らない。責任者に責任を取らせ、苦しんでいる人たちが苦しまないようにすることが私たちの責任です」と心から訴えた。
(写真 「汚染水を海に流すな!」。日比谷集会の参加者も合流し首相官邸前で怒りの抗議行動)
放射能の毒水だ! 8・30官邸前
8月30日午後6時から首相官邸前・国会前で恒例の反原発金曜行動が闘われた。28日の東京電力本店前緊急抗議闘争の直後にもかかわらず、多くの人びとが汚染水問題で怒りをたたきつけた。
千葉県の男性は、「放射能の毒水で海を殺すな。東電の責任に半減期はない。漁民も国民も世界中も怒っている。東電・政府の狙う海への放出を許さない。2年半にわたってうそをついてきた政府・東電を許さない」「規制委員会は堰(せき)開放を知っていて監督できなかった。汚染水ではない、死にいたる高レベル放射能毒水です」と弾劾した。
また教育労働者の女性は、「福島の子どもたちが汚染水のニュースを見たとき、どれほど大きくまた傷つけられたことか。この日本から原発をなくす、ゼロにすると宣言して子どもたちに希望を与えてください」と訴えた。
京大原子炉実験所助教の小出裕章さんも参加し、ともに声を上げた(写真中央のワイシャツ姿)。
東電・政府、規制委員会の再稼働策動を絶対に粉砕しよう。
-----------------------
【要項】9・14さようなら原発大集会in亀戸
9・14さようなら原発大集会in亀戸
9月14日(土)午前11時〜
東京・亀戸中央公園(JR総武線亀戸駅東口から徒歩15分)
午前11時 ブース出店など開始
午後1時 第一部集会(スピーチ、リレートークなど)
午後2時 第二部集会(呼びかけ人、賛同人発言など)
午後3時15分 パレード出発(錦糸町方面と浅草方面)
主催/「さようなら原発」一千万署名 市民の会
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号5面4)(2013/09/09 )
2013年日誌 8月27日〜9月2日
敵基地攻撃能力の保有、日米協議へ/英、シリア攻撃断念
●米でオスプレイが着陸失敗 米ネバダ州で訓練中の海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ1機が基地外で着陸に失敗した。(27日)
●敵基地攻撃能力の保有、日米協議へ
小野寺五典防衛相は、ヘーゲル国防長官とブルネイで会談し、北朝鮮の弾道ミサイル発射基地を念頭に、日本の敵基地攻撃能力の保有について日米間で協議することで合意した。(28日)
●安倍がアサド退陣を要求 安倍首相は訪問先のカタールで、シリア情勢について「化学兵器が使用された可能性が極めて高い」と語り、タミム首長との会談で「アサド政権は道を譲るべきだ」と退陣を要求した。(28日)
●オバマ、「同盟国とシリアを攻撃」示唆 オバマ米大統領は同盟国と協力してシリアに対する武力行使に踏み切る可能性を強く示唆した。(28日)
●IBM団交拒否「不当労働行為」
東京都労働委員会は、日本IBMに対し、社員の解雇をめぐって、労働組合との団体交渉に応じなかったことを不当労働行為だと認定し、社内で掲示するよう命じた。(28日)
●韓国で内乱陰謀罪で捜査 国家情報院が「内乱陰謀罪」の疑いで革新系の統合進歩党の李石基議員の事務所などを捜索し3人を逮捕した。内乱陰謀罪による捜査は33年ぶり。(28日)
●英、シリア攻撃断念 英下院は、シリアのアサド政権が化学兵器を使用した明確な証拠がないとして、英軍のシリア軍事介入参加に道を開く政府提出議案を否決した。キャメロン首相は攻撃参加を断念した。(29日)
●内閣情報局新設へ 安倍政権は国家安全保障会議(日本版NSC)の設置に合わせて、現在の内閣情報調査室を衣替えして「内閣情報局」を新設することを検討している。(30日)
●概算要求99・2兆円 来年度予算の各省庁の概算要求が出そろった。総額は過去最大の99・2兆円。防衛省の要求は今年度当初比2・9%増の4兆8900億円。(30日)
●もんじゅ維持に195億円 文部科学省は概算要求で、1995年のナトリウム漏れ事故以降、ほとんど稼働していない高速増殖原型炉「もんじゅ」の維持管理・安全対策費用として195億円を盛り込んだ。(30日)
●福島第一原発で1800_シーベルト タンクから高濃度の放射能汚染水が漏れた問題で、東電は4カ所で最大1800_シーベルトの高い放射線が検出されたと発表した。(31日)
●米軍機着陸に校庭も想定 普天間飛行場に配備されているMV22オスプレイなど、同飛行場所属の軍用機のパイロットらが、緊急時の着陸地として同飛行場周辺の学校の校庭などを想定していることが分かった。(1日)
●大飯原発「活断層でない」と規制委
関西電力大飯原発(福井県)の重要施設の直下を走る断層について、原子力規制委員会の専門家会合は、耐震設計上考慮する活断層ではないとの見解で一致した。(2日)
●遮水壁、国が建設費 茂木敏充経産相は、福島第一原発の汚染水事故をめぐり、原発施設への地下水流入を防ぐ遮水壁の建設費用320億円を全額国が負担する考えを示した。(2日)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号6面1)(2013/09/09 )
団結ひろば 投稿コーナー
国鉄解雇撤回闘争への共感を肌で感じた みやぎ連帯ユニオン 田原章人
私は倉庫・物流職場で週4日、働いています。私だけが配送で、そのほかの労働者は倉庫で働いています。国鉄解雇撤回10万筆署名をいかに集めるか? 仕事中は忙しいし、一緒に仕事をする時間も短いので、終業後に門の外で集めることにしました。前もってこの日に集めますとチラシをまいておき、当日17時半から門の前に立ち、ユニオンの仲間とともに3名で集めました。
最初はたまに通る通行人にも声をかけます。私の職場からも仲間が出てきます。思い切って声をかけます。「A君、解雇撤回の署名。やってよ」。A君は「私が最初ですか?」と言いながら署名してくれました。声をかけた仲間の半数以上が署名をしてくれました。「私は革命的共産主義者同盟という政党に所属していて、そこで出している新聞です」と『前進』を渡しました。
署名の間、普段なかなか聞けない労働条件のことなどを聞きました。職場の仲間はさまざまな思いを聞かせてくれました。「先々週から連続して出勤しているんですよ」「週5日出勤の契約なのに、週6日のシフトは契約違反じゃないか。来週なんとかするつもりだ」「憲法改悪反対だ。9条はいいものだ」
署名は、最後の労働者が出てくる20時30分まで行いました。
集まった署名は全部で23筆。こんなに署名してくれるとは予想外のとてもうれしい驚きでした。職場の労働者の怒り、国鉄解雇撤回への共感を肌で感じることができたのが一番の収穫です。山本太郎さんの当選で現れた労働者民衆の怒りの決起は、私の職場にもあったのです。「労働者はやっぱり解雇撤回だ」、このことを実感した署名集めでした。
「ストライキで闘う自治労に!」と奮闘 関西・自治体労働者部会
田中美和
8月26〜28日、大阪において自治労大会が開催され、私たちは8・27集会をもって「ストライキで闘う自治労に!」と、ものすごい勝利を切り開くことができました!
まず驚いたのは、国鉄10万筆署名に次々と立ち止まって署名してくれたことです。
会場外の宣伝活動に勇気づけられ、私は思いきって会場内で発言しました。全国書記会議では「書記は上から言われた選挙動員をそのままするのではなく、ストライキで闘う組合にするために、現場組合員と苦闘をともにしよう」。翌日の現業総会でも「4・26ストを現業統一闘争に位置づけ、現業労働者が先頭で闘おう!」「大阪市橋下市長の民営化攻撃に全国現業労働者の総力で反撃しよう!」と。
その私の発言の後、「4・26スト方針を出した本部に愕然(がくぜん)とした。ストで市民に何がアピールできるのか?」とスト反対の意見が出されたり、「大阪市清掃の民営化による非公務員化の攻撃が来年10月に狙われ、現場は不安でいっぱい」と橋下への怒りがぶつけられたりと、闘う方針をめぐって白熱した議論となりました。
そして、迎えた大会当日、議案書には一言も書かれていない「4・26ストライキ」が大会で焦点になっていきました。ストライキ方針の総括について、現場での苦闘や意見が次々と出されているのに、本部からは誠実に向き合う答弁はまったく感じられませんでした。
一方で大会1日目の夕方の橋下への抗議集会に3500人も集まり、大会参加者の橋下への怒りはものすごいこともわかりました。
8・27集会は、大阪市で不当解雇や不当処分と闘う仲間をはじめ、全国の闘う自治体労働者たちの発言から、みんな本当に苦闘しながら、現場から闘う仲間をつくりだしてきていることにとても感動しました。
そして自分たちが自治労本部にとって代わることができるんだという実感をもちました。「大阪夏の陣」は心の底からの感動と勝利感でいっぱいになりました。
軸がしっかりすれば闘える組合に変わる 関東 山内和朗
自治労大会のうちの約1日半ですが、街宣と27日の自治体労働者全国集会に参加しました。
今回は、ただ署名やビラ配布するのではなく、目的意識をもって、そして、執念をもって集会賛同や国鉄署名をとるということ。自治労のお偉いさん方は素通りでしたが、署名をしてくれた参加者の一人ひとりからは賃金カットへの怒りや職場を何とかしようとしているのがわかります。また、署名を取る仲間の姿を見て、自分との違いにも気付かされました。
27日夜の全国集会では、各地の自治体労働者から発言がありましたが、特に大阪で当局と対決している労働者からの発言は、相当な決意をもってぶっ立っていることが伝わってきました。
街宣の合間に、大会を初めて傍聴。各県本部からの発言は、非正規職問題など多種多様で、本部へのお願い発言もあれば、課題解決に向けた決意表明ととれるものもあり、割とちゃんとやっているのだなと見ていました。しかし、執行部の答弁は、それにまったく答えていない。答えないことが、今の執行部、自治労の回答であり、姿勢なんだと感じました。
今回の4・26スト闘争で、目の前にいる組合員から今まで抑え込まれてきた怒りが引き出され、今大会は軸がしっかりすればストで闘える組合に変われることをはっきりさせた。この高揚をもって、職場での闘争へ戻りたい。
自治労大会で『前進』を20部以上販売して 東京 中島文幸
大阪・自治労大会の情宣活動に参加しました。国鉄1047名解雇撤回10万筆署名と8・27集会賛同署名に合計千筆近く、大会参加者の2割から寄せられました。これは「本部方針否決」に等しい決起です。
『前進』も20部以上売れました。
数年前まで自治労大会の『前進』販売は、左翼の戦闘的な活動家が「ご苦労様」というふうに買うものでした。しかし、今回はそれとは明らかにちがう。『前進』を購入した労働者の多くが青年労働者であり、自治労加盟の非正規職労組の役員が目立ったということです。千筆近くの署名者の多くも「国鉄」を直接には知らない青年労働者でした。彼らは『前進』を初めて見て、そしてそれを買っている。「労働運動をどう進めたらいいのか?」という強烈な問題意識があることははっきりしています。
ある青年労働者は、「私たちは組合が青年の要求を聞かないので、独自に組合をつくり、それが拡大しています」と言っていた。彼らの問題意識にマッチした主張を正面から、それも熱心に訴える集団に遭遇し、その集団の機関紙らしい、しかも「山本太郎」とも関係があるようだ、というように受け取っていると強く感じました。
非正規、原発、要するに新自由主義攻撃に青年労働者、女性労働者が闘う方針を求めてものすごく活性化する時代が始まっていると思います。
8・22東北石けん闘争一日行動打ち抜いた みやぎ連帯ユニオン北石東けん分会H
みやぎ連帯ユニオン東北石けん分会と地域の闘う仲間は、8月22日、地労委命令臨戦態勢のもと、資本を追撃し解雇撤回・原職復帰命令をかちとるべく全一日行動に決起した。朝8時、名取市愛島台の新工場門前に年休を取って多くの労働者が登場した。いつも通りびびった会社はブラインドを下ろし、早速警察に通報する狼狽(ろうばい)ぶりだが、警察も遠巻きに監視態勢をとるのみ。資本を圧倒する怒りが門前を制圧した。
地方労働委員会は昨年12月に結審し、あとは命令が出るのを待つ状況だが、当初半年をめどにと言っていた命令は、いまだに出されていない。労働委員会事務局に確認したところでは、公益委員会議が既に十数回も持たれているという。あまりの不当労働行為に簡単に反動命令が出せない状況だ。動労千葉の9・25判決情勢と連動した動きであり、全参加者は怒りに燃えて闘い抜いた。
当該の東北石けん分会は、全組合員が解雇撤回・原職復帰まで人生をかけて闘い抜くことをあらためて宣言し、支援の仲間も、全金本山労組、あいコープ労組、全逓の労働者、みやぎ連帯ユニオンの金子委員長が次々と決意を表明した。
仙台市役所前での昼街宣では、この闘いの勝利と一体のものとして解雇撤回の国鉄10万筆署名を呼びかけ、多くの労働者市民が署名に応じた。
さあ、9月国鉄決戦へ! 東北石けん分会はその先頭で闘い抜く!
北原鉱治事務局長と共に宣伝カーで回る 全学連三里塚現地行動隊 N
8月25日、反対同盟一斉行動で北原鉱治事務局長と一緒に宣伝カーで下総・多古・三里塚を回りました。
まだまだ暑い中、何度も辻立ち演説を行い、90歳をこえてなお精力的な北原さんの体力に驚嘆すると同時に、市東さんの農地強奪阻止に向けた並々ならぬ決意、青年・学生への期待をひしひしと感じました。
演説に応え、家から手を振ってくれる人など三里塚闘争を支えている周辺地域の分厚さについても実感しました。
以前行った場所が分からなかったのですが、昼食後にもう一度行って探し出す粘り強さ、演説後に「どうだったか」と感想を何度も僕に尋ねる向上心、お茶ではなくコーラを選ぶ若さ(?)など北原さんから学ばされることは本当に多いです。
昼食休憩の間も、自らの戦争体験(海軍の一員として海戦を経験し、三重県・鳥羽で敗戦を迎えた)を踏まえ、「今の情勢も当時の状況と似てきている。若者の将来は本当に大変だ。てめぇ(自分)で立ち上がらなければダメなんだ。私も正義を一つでいいから貫こうとここまで来た。この歳になればわかるよ」と笑顔で、しかし力強く僕に話をされました。
三里塚は一切の代償を求めず、青年の未来のために闘い勝利してきました。安倍打倒の基軸的闘いとして、全国へと拡大させるのは今です。
仮執行宣言を粉砕した力を発展させ、控訴審絶対勝利の10・20三里塚全国集会へ!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号6面2)(2013/09/09 )
全国水平同盟杉並支部を結成
大阪・西郡に続き関東に拠点
8月30日、東京・杉並区内で全国水平同盟杉並支部結成大会がかちとられた。大阪での7・14全国水平同盟結成から間をおかず、西郡(にしごおり)支部に続く二つ目の、しかも東日本初の支部結成だ。世界大恐慌下で生きるために新自由主義に立ち向かう労働者人民が団結し、搾取と収奪のための階級分断をうち破って、資本主義を打倒する闘いの拠点がうち立てられた。
結成大会には杉並支部員、関東の部落のきょうだいを始め共闘の労働者など85人が結集。熱気があふれ大成功した。
主催者あいさつを田中れい子杉並支部長が行った。「19年前、同じ場所で全国連杉並支部を結成した。20年におよぶ闘いを総括し、本日をもって全国水平同盟杉並支部を結成する」と高らかに宣言した。
連帯あいさつの初めは全国水平同盟からだった。平沼和典事務局長は、「国鉄闘争を巡る動きと山本太郎選挙――労働者が根底から決起し始めている。水平同盟を結成したのはすべての労働者人民を革命に組織していくためだ。西郡、杉並に続いて全国で支部を結成しよう」と訴えた。
関東選出の執行委員は「労働者階級に根ざした水平同盟の運動に人生を賭ける」と決意を表明した。
さらに、部落解放東日本共闘会議・岩本正治事務局長、合同・一般労組全国協議会・小泉義秀事務局長、東京西部ユニオン・吉本伸幸委員長、NAZEN東京・北島邦彦さん、星野再審全国連絡会議・星野暁子さん、在本土沖縄労働者会議・宮里勝博代表があいさつに立った。資本・権力の階級分断を打ち破って団結を求めて闘う杉並支部への熱い共感と連帯が、各人各様こもごも語られ、会場は一体感に包まれた。西郡支部、動労千葉、動労水戸などのメッセージが紹介された。
議案の提起を狩野正幸書記長が行った。まず20年におよぶ全国連としての差別糾弾闘争を、階級闘争と切断された血債主義・糾弾主義として総括。全国連本部との路線闘争の勝利は、@住宅闘争での裏切りを許さず、A権力の弾圧に屈服した全国連本部と対決し、支部が権力・資本と非妥協的に闘い、階級的原則を曲げなかったことが核心だと鮮明に提起した。その上で、杉並支部が闘いの中で階級的団結をつかみ、自ら転換をかちとり、西郡とともに新自由主義と闘う部落解放運動をつくることを選択したなど、エピソードを交え感動的に明らかにした。そして、非正規職撤廃を正面課題として闘うことを大方針とし、西郡住宅闘争、狭山闘争、国鉄決戦に勝利することなど当面する重要な課題について方針を提起した。今秋の国鉄・反原発決戦の勝利と11月労働者集会1万人結集を呼びかけた。
議案の提起を受けて4人の支部員が発言した。
この日加盟した新支部員は「生きられない状況の中で依拠していけるのはマルクス主義だ。闘う労働組合をよみがえらせ労働者の団結を支部と一体となって拡大していく中でプロレタリア革命を必ず実現する」と決意を述べた。ほかの支部員からも次々に議案と響き合う意見が出された。「星野さんの再審と狭山闘争の勝利はひとつ」「地域ユニオンがあれば資本との職場闘争は一人でもできる。仲間を増やしたい」「部落民の闘いと労働者階級の闘いを個別のものとして分け、あたかも部落民の闘いが反差別の闘いとして自存できるかのような、資本主義における階級対立を隠蔽(いんぺい)する血債主義は、階級の団結を阻む内なる壁だった。青年を組織し青年部をつくる」
関東のきょうだいは、「全国水平同盟結成報告集と今日の議案を読んで感動した。群馬のムラの状況は厳しいがともに闘う」と決意を語った。
議案、会計報告、人事案などを拍手で一括採択。新執行部を代表し、田中支部長が「杉並支部はマルクス主義で闘った東京水平社の末裔(まつえい)であり、誇りをもって『非正規職撤廃・国鉄決戦勝利!』で闘い、次の世代につなげていきたい」と決意表明した。
最後に団結ガンバローを行い、インターナショナルを斉唱した。
9・15国鉄集会から9・25反動判決阻止へ攻め上り、全国水平同盟の歴史的発展をともにかちとろう。
(東京西部労組交流センター S)
(写真 「新自由主義と闘う部落解放闘争をつくろう!」と全国水平同盟杉並支部が結成された【8月30日 東京・杉並】) ---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号6面3)(2013/09/09 )
法大「暴処法」弾圧控訴審
検察側立証が破綻
9月2日、一審で全員無罪をかちとった法大「暴処法」弾圧裁判の控訴審5回公判が東京高裁第12刑事部(井上弘通裁判長)で開かれました。(被告は新井拓、内海佑一、織田陽介、恩田亮、増井真琴の5人)
冒頭、被告からの意見陳述に対して井上裁判長が不当な退廷命令を下す中、藤田城治弁護士が戦闘的に陳述を読み上げました。
「本件裁判において、毎回廊下には公安警察が数十名徘徊し傍聴人の監視・チェックを行い、威圧・恫喝を加えている。これは裁判妨害そのものであり、井上裁判長は法廷警察権を発動し、ただちに公安警察を裁判所からたたき出せ!」
「8月30日、池袋にある自治空間『りべるたん』と『科学喫茶コペルニクス』に対して早朝、不当な家宅捜索が行われ、公安警察によってその場にいたA君が不当逮捕された。満腔(まんこう)の怒りで弾劾する。A君への不当逮捕は法大「暴処法」弾圧型の組織壊滅攻撃であり、自治空間『りべるたん』つぶしの攻撃である」
「『りべるたん』への弾圧も安倍政権が原発再稼働と改憲・戦争政策を推し進める中で起きている事態であり、われわれ被告団は安倍政権打倒を断固掲げて闘い抜く」
「時代は急速に動いている。7月参院選では山本太郎さんが66万6684票を獲得し、見事に当選した。改憲・再稼働攻撃に対して100万、1千万人の規模で闘いが巻き起こる情勢が山本太郎さんの勝利を突破口につくり出されている」
「全学連大会の大成功をかちとり、全国大学での学生自治会建設に打って出ていく。その力で安倍政権を打倒していく。われわれの闘いの正義性は明らかであり、井上裁判長は公安警察の不当な弾圧・裁判所内徘徊をただちにやめさせ、無罪を確定させろ!」
また前回7月の公判で宣誓を拒否したI君に対し、検察官が行った過料(10万円)要請の意見に対して木下徹郎弁護士は、断固たる反対意見を述べました。警察権力によるI君への取り調べの苛烈(かれつ)さ、違法性が暴露・弾劾され、宣誓拒否の正当性が明らかとなりました。その結果、井上裁判長もすぐに過料決定が出せない状況に追い込まれています。
公判では前回に引き続き検察側立証計画の破綻が露呈し、完全にわれわれのペースです。残りの証人の申請もできず、次回も次々回も何をやるのかまったく不明瞭の状況。前回のI君の宣誓拒否によってもはや検察側立証は終了したも同然です。ただちに弁護側立証を始めろ!
次回公判は、10月24日(木)午後1時30分。無罪確定に向かって総決起しよう!
(内海佑一)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2599号6面4)(2013/09/09 )
国際労働運動 10月号
パククネ打倒へ10万人がデモ
【特集】
韓国で朴槿恵(パククネ)が大統領に就任して半年、重大な政治危機を迎えている。政権が財閥大資本の利益の体現者であることが暴かれ、さらに強権政治への移行があった。そこに国家情報院(治安弾圧機関)による大統領選挙への介入・政治工作の不正が明るみに出た。それへの労働者人民の怒りが噴出。8月10日には全国で10万人のロウソク集会が開かれ、労働組合の旗が立った。大恐慌と争闘戦激化、朝鮮半島の戦争的緊張の中で、大恐慌をプロレタリア革命に転化する闘いが前進している。
第1章は、朴槿恵政権と激突を開始した民主労総の今日の闘いを伝える。韓国における新自由主義との大決戦が始まった。民主労総の闘う労働者は、民営化絶対阻止、非正規職撤廃、労働三権獲得を掲げ絶対非和解で闘っている。
第2章は、97年アジア通貨危機のもとで行われた98年以降の韓国の新自由主義との15年の死闘を金大中政権、盧武■政権、李明博政権の各政権ごとに振り返り、民主労総の闘いが労組破壊攻撃を打ち破り、新たな飛躍の時を迎えていることを明らかにしている。
【ニューズ&レビュー】
▽広東省江門市で起きた中国史上初の大規模な反原発デモを伝える。
▽エジプトで今起きていることの真実は何か。「開始されたエジプト第二革命」の視点から解明。
【世界経済の焦点】
TPPで安倍は日本の中小農家の犠牲の上に日帝の延命を図ろうとしている。アメリカ農業の歴史と現実も大規模農家の経営促進と家族農業の零落だ。
---------------------------------------------------