ZENSHIN 2013/09/02(No2598 p08)

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第2598号の目次

自治労大会初日夕方の大阪府本部集会参加者に「ストライキで安倍・橋下打倒を」と熱烈にアピール。国鉄署名が続々と集まった(8月26日 大阪城公園)

1面の画像
(1面)
9・15国鉄大闘争へ  米英仏のシリア空爆絶対反対
国鉄決戦勝利へ全産別で反撃
9・14反原発大行動(亀戸中央公園午前10時結集)へ
記事を読む  
自治労大阪大会 ストで闘う自治労に  闘う労働者が8・27決起集会 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
10万筆署名を全力で集め9・15全国大結集(代々木公園)を
解雇・外注化・非正規職化と対決へ
記事を読む  
日教組大会 本部は自民党支持するのか!  “ストで闘う日教組を”(8月25〜27日) 記事を読む  
闘いは進む 青年の職場から
自治体 賃下げのんだ4役に怒り 組合員に依拠し闘う  福島 加藤 湊
記事を読む  
(3面)
10万筆署名で解雇撤回を  8・22弁論再開要請行動での訴え 記事を読む  
自治労連大会で署名活動
国鉄1047名解雇撤回に共感(東京労組交流センター自治体労働者部会S)(8月25日)
記事を読む  
8・18九州革共同集会 労働運動のできる党へ  “平田派崩壊に追い込んだ”(8月18日) 記事を読む  
TPPの正体は階級戦争
関税交渉で日帝の敗勢あらわ民営化・規制緩和との闘いに(水樹豊)
記事を読む  
(4面)
韓国民主労総 “鉄道民営化打ち砕こう”
パククネ打倒へ決意大会 (室田順子)
記事を読む  
分割・民営化と外注化で JR北海道“安全の崩壊” 記事を読む  
(5面)
福島第一原発事故 汚染水が太平洋全域に
毎日300トンが海に流出  「封じ込め」も「冷却」もできず
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全世界に衝撃広がる  外交問題にも発展 海洋汚染に危機感 記事を読む  
雇用特区は首切り自由  安倍政権の「戦略特区」TPPと一体の改憲攻撃 記事を読む  
金曜行動 汚染水流出に憤り  全国から再稼働阻止の声(8月23日) 記事を読む  
【要項】9・14さようなら原発大集会in亀戸 記事を読む  
(6面)
戦争・改憲へ突き進む安倍打倒しよう
「集団的自衛権」へ前のめり  対中対決の米帝戦略に沿い実質的な「9条破棄」を狙う(畑田 治)
記事を読む  
米新軍事戦略下の自衛隊  対中戦争を想定し合同演習改憲攻撃は隊内矛盾を激化 記事を読む  
2013年日誌 8月20日〜26日
タンク汚染水漏れで「レベル3」/ムバラク元大統領が保釈
記事を読む  
(7面)
全学連大会の大成功かちとろう
広島大自治会再建の地平から安倍打倒-改憲・再稼働阻止へ
マルクス主義学生同盟中核派・広島大学支部
記事を読む  
三里塚反対同盟 判決後初の一斉行動  市東さん 訪問の先々で温かい歓迎(8月25日) 記事を読む  
婦人民主クラブ全国協議会 全国総会が大成功
労働運動推進の気概に満ち(8月24、25日)
記事を読む  
(8面)
『前進』1万人読者網建設し労働組合運動のできる党へ
前進経営局の機関紙拡大アピール
記事を読む  
『愛と革命』が9月に発刊  星野同志奪還へ 全人民に広めよう 記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
訂正 記事を読む  

週刊『前進』(2598号1面1)(2013/09/02 )

 9・15国鉄大闘争へ

 米英仏のシリア空爆絶対反対

 国鉄決戦勝利へ全産別で反撃 9・14反原発大行動(亀戸中央公園午前10時結集)へ

 7〜8月の激闘は、日帝国家権力中枢と激しく闘い勝利していく新しい情勢を切り開いた。そして国鉄闘争の4カ月決戦はついに正念場の9月に突入した。9・15大集会−9・25反動判決絶対粉砕と10・1JR外注化阻止の闘いの勝利こそは、11月労働者集会から来春に向かう日帝・安倍政権との一大階級決戦を確実に引き寄せるものとなる。9・4〜5全学連大会、9・8星野同志奪還徳島刑務所包囲闘争を大成功させ、9・14反原発大行動に総決起しよう。「国鉄決戦でプロレタリア革命を」「世界単一の労働者党建設へ」の旗を高く掲げ、変革と飛躍をかけて、今秋決戦の勝利に向けて突き進もう。
(写真 自治労大会初日夕方の大阪府本部集会参加者に「ストライキで安倍・橋下打倒を」と熱烈にアピール。国鉄署名が続々と集まった【8月26日 大阪城公園】)

 労組全国大会での地殻変動的な情勢

 階級的労働運動派の存在と闘いが労働運動と階級情勢の画期的変化を引き起こしている。この間の4大産別の全国大会闘争を巡る情勢一変と活性化がそれを示している。
 8月20〜22日に開催されたJP労組第6回大会(長野市)では、中央本部が提出した運動方針案に3割近い反対票がたたきつけられ、また関東、南関東など3地本が本部方針に反対決議をあげて参加し、組織丸ごと反対に回った。まさに実質的な「否決・流会」というべき歴史的な事態だ。本部が妥結・承認を強行した「新一般職」導入を柱とした「新人事・給与制度」は、安倍政権が進めようとしている「限定正社員」と同じものであり、労働者を解雇・総非正規職化する攻撃である。現場からこれに猛反撃がたたきつけられた。
 26〜28日の自治労第86回大会(大阪市)では、「国鉄解雇撤回・JR復帰」の10万筆署名が812筆も寄せられた。代議員・組合員が列をなして署名に応じた。これも本部方針否決に匹敵するような事態だ。圧倒的多数の自治体労働者が、国鉄分割・民営化攻撃と1047名解雇撤回闘争を今現在の切実な自分自身の問題として受け止め、闘いを求めているのだ。
 しかも大会初日に急きょ設定された大阪府本部主催の集会は、1千人の動員枠を超え3500人が参加する大集会となった。大幅賃下げと丸ごと民営化による全員解雇攻撃、そして連合派執行部の敗北主義と労使協調主義への怒りが労働者に充満しており、現場は団結とストライキを激しく求めている。
 8月25〜27日の日教組第101回定期大会(横須賀市)では、運動方針から「民主党・社民党支持」を削除し、日教組中央が実質的に自民党支持に転換し、改憲推進勢力化する道を選択したことがあらわになった。これは連合の崩壊・変質の動向と一体の事態だ。日帝・安倍の改憲攻撃の核心には、非常事態法制定、集団的自衛権行使=9条破棄、そして階級的労働運動の一掃と労働組合の解体がある。日教組中央の改憲勢力化は4大産別をめぐる攻防の死活性を示している。
 全国から結集した労組交流センターの労働者たちは、これらの大会の全過程を通して階級的労働運動と国鉄決戦を熱烈に訴え、国鉄解雇撤回10万筆署名を集め、共感と決起をつくり出した。国鉄闘争と4・26自治労ストが情勢を大きく動かしたのだ。今や国鉄闘争と労働組合をめぐる攻防に焦点がしぼり上げられた。

 「国鉄方式」による解雇の不当は明白

 9・15国鉄大集会を「解雇撤回・JR復帰」の10万筆署名の達成集会としてかちとり、怒りの大デモに立ち上がろう。動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25反動判決を絶対粉砕することが、当面する最大の決戦だ。何としても解雇撤回をかちとらなければならない。
 「国鉄方式」による民営化・大量解雇と労組破壊の違法性と矛盾が、今やはっきりと暴き出された。社会保険庁を解体し日本年金機構に業務を引き継ぐ際に525人が分限免職にされた問題で、この間、人事院による処分取り消しが相次いでいる。それはこれまでに判断が示された46人中16人に達している。重大な情勢だ。「一旦(いったん)全員解雇・選別再雇用」という国鉄型の偽装倒産による民営化・大量解雇には絶対的な矛盾がある。国鉄改革法23条を根拠とした「国鉄とJRは別法人」「JRに法的責任なし」というのはまったく虚構である。
 戦後労働法制の原則を覆し、国鉄改革法を制定して強行した国鉄分割・民営化攻撃は、もともと矛盾と危機を抱えていた。敵も激しく動揺し分裂していた。その国鉄改革法=分割・民営化という無理を押し通すことができたのは、一方で動労カクマル・松崎明の積極的協力=中曽根の先兵化があり、他方で国労本部が屈服して闘いを放棄したからだ。社保庁解体・分限免職攻撃も、自治労本部の裏切りがあってまかり通ったのだ。
 国労本部は「JRに法的責任がないことを大会決定せよ」という4党合意(2000年)を受け入れ、さらには解雇撤回の旗を降ろす4・9政治和解(10年)という大反革命に走った。しかし動労千葉鉄建公団訴訟は、控訴審において、JR設立委員長だった斎藤英四郎(当時の経団連会長)と国鉄幹部だった葛西敬之(現JR東海会長)らの謀議により不採用基準が作られたという事実=「国鉄改革の真実」をついに暴いたのである。JRこそが不当労働行為の張本人だったのだ。
 国鉄闘争全国運動の前進、動労千葉の外注化阻止闘争などの職場生産点での闘い、解雇撤回の原則的な闘いこそがこの画期的地平を切り開いた。戦後最大の労組破壊攻撃だった国鉄分割・民営化からほぼ30年。全産別で吹き荒れてきた新自由主義攻撃で流された労働者の血と涙は乾いてはいない。必ず復讐(ふくしゅう)し決着をつけなくてはならない。
 JR千葉支社は今秋10月1日、構内計画業務の外注化を強行しようとしている。実施個所は習志野運輸区、幕張車両センター、京葉車両センターだ。これで構内業務はすべて外注化される。JRの業務外注化は、出向を次々延長し結局は戻ることができなくなる事実上の「転籍」だ。JR東労組の率先協力でこんなことがまかり通っている。
 動労千葉は外注化と組織破壊攻撃への怒りに燃え、全組合員が一丸となって組織拡大に決起している。9・15−25大闘争から10・1外注化阻止へ、そして11月労働者集会の大成功へ、動労千葉とともに全力で闘おう。

 原発汚染水流出は全地球的な大問題

 日帝・安倍と東京電力によって、「新たな3・11」とも言うべき高濃度放射能汚染水が大量流出する事故が引き起こされている。全地球的な危機をつくり出しながら原発再稼働と輸出で日帝・新自由主義の延命を図る安倍政権は、世界の労働者階級の敵だ。9・14反原発大行動(亀戸中央公園に午前10時結集)を9・15−25国鉄闘争と一体のものとして闘い、階級的怒りを大爆発させよう。
 現在、高濃度の汚染地下水など300dが毎日海に流出している。さらに毎日400dずつ増えている汚染水の簡易貯蔵タンクから、300dが今回漏れて出た。2年前の3・11メルトダウンに匹敵する重大事態が進行中なのだ。これは国家と資本の大犯罪である。
 福島原発事故の最初の最大の原因は地震動だ。そこをさらに大津波が襲った。これに対して政府も東京電力も対応不能に陥っている。起きている事態の深刻さは、原発とその大事故の制御はそもそも不可能なことをあらためて突きつけた。しかし政府も東電も一時しのぎの応急措置でごまかし、あろうことか「事故収束宣言」まで出して自他をあざむいた。
 東電副社長の相沢は、膨大な汚染水漏出問題について「経営最大の危機」などとうそぶいている。だが今起きていることは、全人類的、全地球的な規模の危機と破綻である。福島周辺海域どころか太平洋全域の放射能汚染問題であり、すでにこれは完全な外交問題にも発展している。安倍が前のめりの原発の再稼働や輸出などまったく論外だ。再稼働阻止・全原発廃炉へ全力で闘う時である。9・14反原発大行動に怒りを総結集しよう。
 大恐慌の本格化は、一方で戦争と大失業を生み出し、他方で全世界的に革命情勢を成熟させ、労働者人民の生きるための決起を生み出している。シリアへの米英仏帝国主義の空爆・軍事介入策動は、帝国主義・新自由主義の絶望的危機と凶暴化の現れだ。階級的労働運動と国際連帯闘争の前進を基礎に戦争絶対反対で闘おう。山本太郎選挙の勝利がつくり出した首都100万−全国1000万の怒りと決起に、全力で結びつき前進しよう。
 今秋決戦のゴングは激しく打ち鳴らされている。国鉄10万筆署名、1万人『前進』読者網建設、細胞建設・拠点建設に目的意識的に取り組み、11月労働者集会へ突き進もう。
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【案内】2599号(9月9日発行)
 次号に産別報道特集

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週刊『前進』(2598号1面2)(2013/09/02 )

 自治労大阪大会 ストで闘う自治労に

 闘う労働者が8・27決起集会

 自治労大阪大会闘争の歴史的勝利がかちとられた。4・26ストの地平を固め、82万人の自治労をストライキで闘う労働組合に変える労組拠点建設の大きな突破口を開いた。国鉄闘争を基軸に階級決戦をさらに新次元に押し上げる大勝利だ。
(写真 大阪と全国から141人が結集し、ストで闘う自治労をつくろうと集会【8月27日 大阪市】)

 署名992筆

 8月24日から始まった青年部、女性部、現業評議会、公共民間などの総会に続いて、26〜28日、自治労第86回定期全国大会が大阪城ホールで開催された。国鉄解雇撤回署名は812筆、参加者の2割に達した。『前進』販売も20部を超えた。
 大会2日目夜、「今こそストライキで闘おう」と呼びかける8・27自治体労働者全国集会は、橋下徹大阪市長と真っ向から闘う大阪市職、市従、大交(大阪交通労組)、市教組の労働者を先頭に、会場を埋める141人の大結集で感動的にかちとられた。集会賛同は180。国鉄署名と合わせて992筆。1千人に迫る大会参加者が解雇撤回・解雇絶対反対で闘う意思を表明したのだ。
 自治労大阪大会闘争は、この1千人の組合活動家を軸に全国の職場で闘い、自治労をストライキで闘う階級的労働組合につくり変える突破口を開いた。地元関西と全国の仲間は、4カ月決戦勝利の執念で連日40人を超える大部隊で会場前に登場し、熱烈な宣伝・署名活動を展開して、かつてない成果をかちとった。

 情勢は一変!

 4・26自治労ストで情勢は一変した。闘う団結が息を吹き返し、絶対反対の機運が満ちている。そのことは前段の各部門総会を含め大会発言や国鉄署名の数に示された。
 議場で、4・26ストで労働組合の団結がよみがえったという報告が次々と出され拍手が起こる一方、ストライキを否定し自治体当局との労使協調を主張する連合派幹部のぶざまな発言とがぶつかりあった。会場前でのマイク宣伝に多くの参加者が聞き入って署名に駆け寄り、議論が巻き起こった。現場と密着した組合活動家はみんなやる気満々だ。階級的に闘いぬこうとする単組活動家が1千人の規模で生まれていると実感できる。みんな『前進』読者候補だ。

 国鉄決戦開く

 地元の現業労組役員は職場で集めた国鉄署名25筆を持ってきてくれた。闘いの意思を捨てない国労闘争団員が署名した。四国の町職委員長は8・27集会に賛同し、国鉄署名を単組で集めることを快諾して闘いへの合流を表明した。青年や現業職、非正規職労組役員の署名が多い。国鉄解雇撤回はひとごとではなくなっている。国鉄闘争こそ希望の星だ。国鉄闘争全国運動を軸に、100万支援陣形の再構築の時が来ている。
 大幅賃下げに加え、橋下を切っ先とする丸ごと民営化=全員解雇攻撃との攻防が始まっている。絶対反対の闘いでしか首も団結も守れない。ストライキを武器に闘おうということだ。連合派幹部が敗北主義と労使協調主義を振りかざしても現場の怒りと闘いの意思をつぶすことはできない。
 その証拠に、26日の夕方、大阪府本部主催で「自治の未来を『劇場型政治』から取り戻す大阪集会」が急きょ設定された。わが関西の同志たちは自治労大阪大会を決戦として構え、「賃下げ阻止! 民営化=首切り絶対反対! 全国ストライキで安倍・橋下を倒そう」と訴え、8・27集会を呼びかけるビラを市内のあらゆる職場にまききった。大阪府本部は追いつめられてアリバイにもならない集会を構えざるをえなくなったのだ。府本部集会は、1千人の動員枠を超えて大会参加者のほぼ全員と大阪府・市の労働者合わせて3500人の大集会となった。みんな闘いの方針を求めているのだ。しかし9月堺市長選に「維新」ではない保守系候補の当選をめざすという度し難い集会の結論に、参加者の不満は爆発した。多くの労働者が国鉄署名や8・27集会賛同署名をした。

 集会が大成功

 8・27集会には大阪と全国の一騎当千の労働者が大合流し、ストライキで闘う自治労をつくり出す団結を打ち固めた。
 橋下市長と闘いぬく青年労働者が基調報告。「自治労大会で噴き出す現場の怒り」を強調し、「9月国鉄闘争の勝利で労働者の未来を切り開こう」と訴えた。4・26ストを総括し「怒りの結集軸となる存在がいれば組合は変えられる。最先頭に立ちストライキを軸に絶対反対で闘おう」「今日集まった仲間は路線で一致し同じ闘いをやっている。困難は団結でのりこえられる。自らを執行部として打ち立て、自治労を変え、労働運動の力でこの社会をひっくり返そう」と呼びかけた。
 労働者の誇りをかけた橋下との闘い、当局や連合派幹部との攻防の報告が続いた。全国水平同盟が連帯アピールを行った。すべての発言が、闘う者のみがつかみうる教訓と自信に満ちている。
 闘いはこれからだ。全国の職場で闘い、9・15国鉄大闘争から動労千葉鉄建公団訴訟控訴審9・25反動判決阻止、安倍・橋下打倒へ突き進もう。

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週刊『前進』(2598号1面3)(2013/09/02 )

前進速報版から 前進速報版から

▼反原発金曜行動、汚染水流出に怒りの声▼三里塚反対同盟が判決後初の一斉行動▼証人採用・弁論再開を―高裁に署名6千筆を提出

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週刊『前進』(2598号2面1)(2013/09/02 )

 10万筆署名を全力で集め9・15全国大結集(代々木公園)を

 解雇・外注化・非正規職化と対決へ

 動労千葉を先頭に30年にわたって闘い続けられてきた国鉄闘争は、ついに国鉄分割・民営化の隠された真実を暴き出した。同時に「国鉄方式」による解雇がその矛盾を全面的にさらけ出し始めている。今こそ国鉄分割・民営化攻撃に決着をつけるために全力で立ち上がる時だ。9・15総決起集会は「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名の達成集会だ。10万筆を本気で集めきり9・15集会へ総決起を! そして動労千葉鉄建公団訴訟控訴審での9・25反動判決を粉砕しよう。
(写真 自治労大会では代議員・傍聴者が列をなして国鉄署名に協力し総計は812筆に【8月27日】)

 労働運動の大激動時代が始まった!

 労働運動、とりわけ4大産別労働運動でこれまでとはまったく違う、完全に新しい事態が起きている。
 8月26日から始まった自治労大阪大会では、代議員と傍聴者が列をなして「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名に応じ、総計は812筆に達した。
 自治体では、足立区を先頭とする次元を画する窓口業務民営化や、大阪市長・橋下徹による公営事業の全面民営化が進められている。その手法は国鉄分割・民営化方式を前提に、それをさらにエスカレートさせた「いったん全員解雇―新規採用」方式だ。現実に自らの職場が全面的な民営化攻撃にさらされ、また安倍政権の号令ひとつで1千万人規模の労働者が一斉に賃下げされるという前代未聞の攻撃に、職場の怒りは渦巻いている。4・26自治労全国ストを分水嶺(ぶんすいれい)にして事態は一変している。
 JP労組では「新一般職」=「限定正社員」制度導入をめぐり大会代議員の3割近くが反対し、事実上の分裂状態に突入している。日教組は8月25日から開かれた定期大会で民主党、社民党の支持を削除した。参院選での大敗をきっかけに、ひとつの労働運動として完全に指導力を失っているのだ。ここから、急速に右傾化していく組合幹部と、現場労働者の激しい怒りとの間に強烈な乖離(かいり)が生み出されていくことは間違いない。
 連合労働運動の完全な瓦解(がかい)が始まり労働運動再生の最大・最高のチャンスが来ているということだ。同時に、今までの延長線上で闘いを進めるならば、われわれ自身がたちまち危機に陥る重大な情勢だ。
 今こそ本気になって職場から労働運動をつくり上げよう。その最大の武器が10万筆署名運動だ。
 10万筆署名は、1047名解雇撤回と同時に、JR職場で外注化阻止を必死に闘い抜いている動労千葉を支えてともに闘い、階級的労働運動を復権する運動だ。10万筆署名はまた、労働者をとりまく許しがたい現実に対して労働者一人ひとりが声を上げ、怒りを形にしてともに立ち上がる方針だ。
 新自由主義のもとで労働運動がズタズタに破壊されてきた現実のすべてをひっくり返す巨大なチャンスが到来している。今こそ、職場で国鉄闘争を闘い、署名を持ち込み、労働組合をよみがえらせよう。

 「国鉄型」解雇うち破ればすべて覆る

 安倍政権が進める攻撃の核心は、労働者の総非正規職化と解雇の完全な自由化であり、社会を覆いつくす全面民営化攻撃だ。その土台になっているのが「国鉄方式」だ。
 すでに「限定正社員」制度の導入や労働者派遣法の規制緩和の法案が秋の国会に出されようとしている。職種や勤務地を限定し、その仕事や職場がなくなれば無条件で解雇できる「限定正社員」制度。一方、「正社員」でいたければどんな職種や勤務地への配転も強制される。今、正社員として働くほぼすべての労働者は「限定正社員」にされる。
 また、派遣法の規制緩和では、これまで同一の業務について原則3年を上限とされてきた企業の派遣労働者の使用期限を無期限に延長しようとしている。しかし、同じ労働者が同一企業・同一労働で働ける期間の制限は残る。あらかじめ解雇を予告されながらしか働けないのだ。
 それだけではない。安倍政権は「国家戦略特区」の名のもとに、これまでの制約を一気に飛び越えようとしている。金さえ払えば自由に解雇できる制度や、ホワイトカラー・エグゼンプション=「残業代ゼロ法」の導入、小中学校の公設民営化、企業の農地取得自由化などだ。しかも東京圏、大阪圏、名古屋圏を「特区」にするという。特区とは名ばかり、一気に全社会化することを狙っているのだ。
 しかし、安倍政権のもくろみは破産するしかない。「民営化し、規制を緩和して競争させればすべてがうまくいく」などということが、まったくのうそであることは、この二十数年で完全に証明されているのだ。
 「競争こそが社会の活力と豊かさを生む」と称して進められた規制緩和や民営化攻撃の最大の焦点が1987年の国鉄分割・民営化だった。しかし、国鉄分割・民営化以降に生み出されたものは本当に腐りきった社会の現実だ。86年には労働者派遣法が施行され、あらゆる職場を襲った民営化、外注化、分社化などで膨大な労働者が非正規職、あるいは下請け・孫請けに突き落とされた。労働法制は次々と改悪され、非正規職労働者はついに2千万人を超えた。青年の半分は非正規職にしかなれず、「雇い止め」と称して平然と首を切られる。非正規職30代男性の75・6%が未婚で、正規職労働者(30・7%)と2・5倍もの差がある。民営化・外注化と規制緩和で医療も教育も社会保障もずたずたに破壊された。
 労働者・民衆の怒りは完全に限度と限界を超えている。これまで労働者に強いられてきた現実も、これから安倍が進めようとする攻撃も、そのすべてをひっくり返す条件が完全に出そろっている。そして、その最大の鍵を握っているのが国鉄闘争だ。

 9・15を10万署名達成宣言大集会に

 こうした現実のすべての出発点であり、今なお安倍政権の攻撃の土台にもなっている国鉄分割・民営化が完全な「間違い」であり、政財官が一体となって強行した国家犯罪だったとなれば、それ以降進められてきた現実のすべてが見直されざるを得ない。安倍政権の攻撃も、すべて頓挫しかねない。
 同時にそれは、政府の攻撃に労働組合が率先協力し、自ら労働者の権利を売り渡してきた恥ずべき歴史に決着をつける重大な突破口になる。
 国鉄分割・民営化も、それ以降の民営化・外注化・非正規職化も、労働組合の屈服と協力なしには成り立たなかった。政府自身でさえ当初は「国鉄とJRが別法人」などという大ペテンが可能だとは思っていなかった。
 動労カクマルが率先協力し、自ら労働者を職場から追い出す極悪の所業に手を染め、国労本部が闘いを放棄することで初めて国鉄分割・民営化攻撃は成立した。そして、国労が大会で「JRに法的責任なし」を決議するという歴史的な裏切りによって、はじめて国鉄方式が既成事実として通用するようになったのだ。
 1981年の第二次臨時行政調査会設置、82年7月の「国鉄分割・民営化」の答申以降、職場では約6年にわたって徹底した労働組合への攻撃が行われ、40万人のうち20万人もの労働者が自ら職場を去った。
 そのためにまず切り捨てられたのは安全だ。例えば、それまで行われてきた検査が突然「必要ない」とされ、そこで働く労働者は「余剰人員」と規定され職場から追い出された。労働者の反対を抑え込むために、組合役員など職場の中心になる労働者を次々と人材活用センター(「追い出し部屋」だ!)に配転した。その数は、87年の廃止時点で全国1440カ所、2万1千人に及ぶ。
 動労カクマルの裏切り、国労本部の屈服のもと、「改革派」と呼ばれた国鉄官僚どもは好き勝手に犯罪行為を重ねた。87年3月31日まで職場に踏みとどまってきた7628人の国鉄労働者がJR不採用にされた。名前が国鉄からJRに変わっただけで駅も列車も施設も変わらず、首切りだけが行われた。そしてJR経営陣は何ひとつ変わらなかった。国鉄で違法・無法の限りを尽くした国鉄官僚どもが、そのままJRの経営陣になり、何千人、何万人もの首切りを「国鉄とJRは別法人」「新会社には採用の自由がある。解雇ではない」と開き直った。
 これを見た自治労、日教組など既成の労働組合幹部たちは背筋を凍らせた。総評は自ら解散、社会党は解体し、階級的力関係が大きく変わった。しかも、国鉄職場での攻撃はこれで終わらなかった。その後に始まったのは鉄道業務を数百の会社にバラバラに外注化し、労働者を下請け、孫請けに突き落とす攻撃だ。
 「99%」の労働者はどこまでも突き落とされ、安全は破壊され、ごく一部の資本家だけが金もうけする――今の腐りきった社会の始まりが国鉄分割・民営化だった。
 動労千葉を先頭に30年にわたって闘い抜かれてきた国鉄闘争は、ついに国鉄分割・民営化の真実を暴き出した。それは政府と財界、国鉄=JRが一体となって行った国家的不当労働行為、国家犯罪だったのだ。
 社会保険庁の解体・民営化と分限免職処分(解雇だ!)をめぐって、3割を超えて免職処分が取り消されている事態は「国鉄型」解雇がはらむ矛盾を強烈に突き出している。
 今こそ10万筆署名を集めきり、あらゆる労働者の力を集め9・25反動判決を粉砕しよう。
 この9月前半、本気になって職場・地域に署名を持ち込み、これまでを倍する署名を携えて9・15総決起集会(午後1時、東京・代々木公園ケヤキ並木)に集まろう。9・15を「10万筆署名達成集会」としてかちとろう。巨万の署名を東京高裁にたたきつけ9・25反動判決策動を絶対に打ち破ろう。

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週刊『前進』(2598号2面2)(2013/09/02 )

 日教組大会 本部は自民党支持するのか!

 “ストで闘う日教組を”

 8月25〜27日、日教組第101回定期大会が神奈川県横須賀市のベイサイド・ポケットで行われた。
(写真 「賃下げ攻撃と闘おう」と訴え代議員にビラを渡す交流センター教労部会【8月25日 横須賀市】)

 現場組合員が参加者に訴え

 初日朝、全国労組交流センター教育労働者部会は大会代議員・傍聴者に「賃下げ・民営化・労組破壊攻撃にストライキで闘う日教組をつくろう」「『教育の民営化』絶対反対・安倍政権打倒」と訴えるビラを配り、宣伝活動を行った。併せて動労千葉鉄建公団訴訟の「解雇撤回・JR復帰」署名を呼びかけ、多数の署名が集まった。
 今大会で本部が提案した「13〜14年度運動方針案」は実に許し難い内容だ。特に支持政党の問題と賃下げ阻止闘争の完全放棄は、日教組本部が政府・自民党と支配階級の完全な手先になり果てたことを示したものだ。このことを徹底弾劾して、今こそストで闘う日教組をよみがえらせよう!
 本部の運動方針案は、「日教組の諸要求を実現する政治活動を強化するとりくみ」において、これまでの「民主党を基軸に社民党との支持協力関係をはかる」という言葉を消し、代わりに「政策実現可能な政治勢力と支持協力関係を構築する」とした。
 衆参両院とも与党多数の現状において、それが自民党支持への大転換しか意味しないことは明らかだ。この点について、日教組委員長の加藤良輔は冒頭のあいさつで次のように述べた。
 「私たちが連携をとってきた民主・リベラル勢力には、自民党の対抗軸としての国民的支持は集まりませんでした。それどころか民主党にいたっては、『民主党NO!』という嵐のようなバッシングに打ちのめされたとしか言いようがありません」
 無責任にも自らの消耗ぶりをあけすけに表明している。日教組の組織内候補・神本美恵子(福岡県教組出身)は、当選はしたものの得票数は17万票余、前回と比べて約5万票も減らした。日教組組合員は27万人いるにもかからずである。民主党・野田政権下で文部科学大臣政務官を務めてきた神本に、多くの組合員がそっぽを向いたのはあまりに当然のことだ。
 この現実を開き直り、まったく逆に自民党支持への大転換を遂げることなどどうして許せるか!

 本部が賃下げに道を開いた

 さらに、安倍政権による7・8%大幅賃下げを容認し、闘いを放棄してきたことを全面的に開き直ったことだ。
 「11〜12年度の運動の総括」の「教職員の賃金改善、賃金確定のとりくみ」には、「公務員連絡会は、国公給与について自律的労使関係を先取りする形で労使合意(11年5月)を行い」とある。
 他人事のように書いているが、当時の総務大臣・片山との交渉で「国家公務員7・8%賃下げ」に合意したのは、公務労協議長であった当時の日教組委員長・中村譲だ。この屈服が、地方公務員の退職金400万円削減や、今年3月の政府・与党による地方公務員7・8%賃下げを強制する地方交付税法などの改悪に道を開いたのだ。
 そしてこの大幅賃下げに対して自治労本部は今年4月26日全国一斉スト指令を打ち出したが、日教組は何ひとつ闘う方針を出さなかった。
 この点について、加藤は委員長あいさつで以下のように述べた。
 「結果的には、震災復興への財源の拠出という理念で苦渋の決断をした国家公務員の給与削減だけが残り、あろうことか、民主党政権下では遮断してきた地方公務員への波及も交付税交付金等の減額という手法で、厳しい状況を生み出すことになってしまいました。……私は公務労協議長という立場をもつ組織の責任者として、各県に大きなご苦労をかけてしまったことに対し、率直におわびを申し上げなければなりません」
 これがいったい、労働組合の委員長の言葉か! 現場労働者が求めているのは、口先だけの「おわび」などではなく、闘いの方針だ。

 怒りの先頭で執行部打倒へ

 大会では代議員から「自治労本部は全国統一ストライキ方針を出したのに、日教組の統一闘争方針はどうだったのか」「(民主党・社民党の)文言が削られた理由を聞かせてほしい」など怒りの声が噴き出した。
 今回の7・8%賃下げに日教組本部は組合員の総決起を呼びかけることもなく、全国の単組執行部はストライキを放棄して総屈服した。1カ月分の賃金をカットされてもストライキで闘えない今の日教組が労働組合と言えるのか。
 現場には怒りが充満している。今秋確定闘争、そして安倍のさらなる賃下げに対して、全国からストライキ要求を単組執行部へ、そして日教組本部へ突きつけよう。
 現場教育労働者にはこの間、膨大な過重労働、教育現場の非正規職化、そして業績評価制度や教員免許更新制度などが強いられてきた。これらはすべて、日教組本部が一切闘わずして屈服し続けた結果、引き起こされたものだ。
 ストライキの復権とは、こうした新自由主義攻撃=教育の民営化へのたまりにたまった怒りを解き放つことでもある。
 自治労組合員は今年、29年ぶりの4・26ストライキ闘争に立ち上がり、大阪で開かれた自治労大会でも賃下げ・民営化・非正規職化絶対反対のストライキへの決起が現場の声となっている。郵便局の労働組合であるJP労組大会では3割近くの本部反対票が投じられた。
 そして26年間にわたって国鉄1047名解雇撤回の旗を掲げて闘い続けてきた動労千葉・動労水戸―動労総連合は、外注化や被曝労働絶対反対のストライキを闘いぬき、青年労働者の組合加盟を実現し、団結を拡大して資本の攻撃と真っ向から立ち向かい時代を切り開いている。
 「もう我慢がならない」と反転攻勢に立ちあがった全国の仲間とともに、日教組組合員も、腐り果てた日教組本部に全国の職場から怒りの声をたたきつけよう! そして職場での論議を組織し、ただちにストライキの準備に入ろう! 全国に無数の職場拠点・労組拠点をつくり出そう!
 教育労働者こそ1047名解雇撤回10万筆署名運動の先頭に立ち、「東京高裁は解雇撤回・JR復帰判決を出せ/新たな外注化・強制出向を許すな/非正規職撤廃!」を掲げる9・15総決起集会に全国から結集しよう! 国鉄決戦・公務員決戦を一体で前進させ、安倍政権を打倒しよう!

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週刊『前進』(2598号2面3)(2013/09/02 )

 闘いは進む 青年の職場から

 自治体 賃下げのんだ4役に怒り 組合員に依拠し闘う

 福島 加藤 湊

 自治体現場の階級闘争は、4・26全国ストライキ闘争から巨大なうねりが始まっています。私の職場でも自分の想像を超えた闘いが起こり、全国的な労働者階級の決起を実感しています。
●組合員が「全員にチラシを配布しよう」
 私は4・26を組合の執行委員として迎えました。ストライキ指令が各単組役員まで伝わったのは26日直前で、時間がなく組合としての取り組みが決まらない中で、私は青年女性部役員に7・8%賃下げ反対のビラ配りを提起しました。
 提起するまでは「みんな面倒くさがって嫌な顔するかな?」と思っていましたが、みんなの反応は「前の賃下げの時も朝ビラをまいたよ。朝まいて終わりではなく、受け取れなかった人にも渡るように全員に配布しよう」など、役員全員が賛成してくれました。組合の執行委員長にも提起して賛同を受け、当日はほとんどの執行委員と青年女性部役員がチラシまきに決起しました。
 その後の5月の統一行動では若い人を中心に学習会を行い、7月実施を福島県全体の闘いで延期させてきました。
●「賃下げ絶対反対」が組合を動かす
 8月に入り、ついに当局から組合執行部に給与削減の提案がされました。説明の後で質問・意見表明の場があり、執行委員からは質問がいろいろ出ました。しかし「反対」という明確な意見はなく、最後の方に私だけが「入って間もない若い人は、1人暮らしだとかつかつで、残業代をもらってやっと生活を成り立たせています。子育て世代でも共働きじゃないと生活できません。そんな状況の中で私は、今回の削減を納得して同意することはできません」と意見を言いました。その場は委員長が「組合員の意見を集約して後日回答する」と当局に言って終了しました。
 その後すぐ組合事務所に場所を移し臨時執行委員会が開催されました。提案前の執行委員の雰囲気は「提案されたら受けるしかない」という感じでした。しかしその執行委員会では、多くの執行委員が「組合として今回の提案に同意することはできない」「どうせ同意しなくたって強行される。組合員は誰も同意してないのに執行委員が同意できないだろう」という意見でした。私は執行委員長に「あの場で『反対』と言ったのは加藤君だけだった。すまなかった」と言われました。
 しかし1週間後に開かれた全体集会での組合4役の説明は、前の会議がなかったかのような正反対のものになっていました。「反対して押し切られる前例をつくると今後当局に相手にされなくなる」「まわりの自治体が受け入れているのにうちだけ反対はできない」「組合としては反対だが今回の対応については執行部に一任してほしい」と提起され、参加した組合員に絶望を与え承認されました。私は職場の仲間に絶対反対の方針になると説明しており、驚きと失望と体制内路線への怒りでいっぱいでした。
 その後の執行委員会では当局への提出文が提示され「組合としては受け入れられない。しかし情勢を見ると削減の対応に理解を示す」というような内容で、賛成多数で当局へ提出されました。
●組合員の怒りと団結に依拠すれば勝てる!
 4・26以降の行動は、今までの組合のあり方を変化させたと思います。自治体労働者の労働条件は毎年のように切り下げられています。組合員の我慢もすでに限界のところにきています。
 今回の闘いで示されたのは、労使協力路線がすでに破綻しており、執行部が組合員に依拠し階級的団結を固めて闘えば、想像を超える闘いが巻き起こるということだと思います。
 この地平から福島の地で労働者階級に依拠した自治体労働者の階級的な闘いを、青年労働者を軸にかちとっていきたいと思います。

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週刊『前進』(2598号3面1)(2013/09/02 )

 10万筆署名で解雇撤回を

 8・22弁論再開要請行動での訴え

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の8・22弁論再開要請行動(前号既報)における裁判所前と総括集会での発言要旨を紹介します。「解雇撤回・JR復帰」を求める10万筆署名は、9月15日が最終集約である。職場と街頭で総力で署名を集め、なんとしてもこの闘いに勝利しよう。9・15総決起集会に全国から大結集し、代々木公園ケヤキ並木を埋め尽くそう。(編集局)
(写真 高裁要請行動を前に裁判所前で発言する動労千葉争議団の高石さん【右】と中村さん)

 都心揺るがす9・15大デモを 動労千葉委員長 田中康宏さん

 多くの結集、本当にありがとうございます。
 今日の目的はひとつです。東京高裁・難波孝一裁判長に弁論を再開させることです。裁判所である以上、反動的だとか反動的じゃないとかという以前に、審理を行うのは当然です。これを拒否した裁判長は、裁判長の資格がないということです。
 しかも、26年間の闘いの中で、国鉄分割・民営化過程の国家的不当労働行為、労働組合つぶし、不当解雇の真実が暴き出されています。この真実に目を向けるならば、結論は解雇撤回・JR復帰しかありません。しかし東京高裁・難波裁判長は、一審反動判決を維持するためだけに一切の証人調べを拒否し、審理すら拒否して反動判決を出そうとしています。
 これは単に私たち国鉄労働者だけの問題ではありません。国鉄分割・民営化では「国鉄と新しくできたJRはまった別法人なんだ」として、いったん全員解雇―選別再雇用が強行されました。その過程で多くの労働者が首を切られたんですが、「これは解雇ではない。採用の自由なんだ」とされた。こんな不当なことがまかり通った結果、その後の26年間、どれだけ多くの労働者が突き落とされ、権利が破壊され、雇用が奪われたのか。
 国鉄分割・民営化の真実を暴き出せば、この26年間に労働者がこうむった現実のすべてが、まったくのうそとペテンで塗り固められたものであることが明らかになります。それだけ大きな意味をこの裁判は持っています。だからわれわれは、国鉄分割・民営化による解雇を撤回し、JRに復帰するまで闘いの旗は降ろしません。
 国鉄分割・民営化による解雇問題も、それ以降の外注化との闘いも、僕らの闘いは核心に迫ってきています。この二十数年間に支配者たちがやってきたことのすべてが、あと一歩のところで崩れ落ちる、その寸前まで来ています。だから何があろうと譲るわけにはいかない。
 安倍が「民間活力の爆発」と言って、民営化に生き残りをかけている中で、もう一度、国鉄問題が焦点になっている。ここでやり抜いて、僕らの力でこじ開けてみせる。それが必ず労働者全体の未来をつくり、労働運動の新しい息吹を生み出す。そのことに確信をもって闘い抜きたいと思います。
 9月15日には東京で「不当な判決を出すな!」という大規模なデモをやります。9・15総決起集会への結集をお願いします。

 闘いの正義性証明するまで 動労千葉争議団長 高石正博さん

 お忙しいところ僕らのために集まっていただきありがとうございます。
 二十数年間の闘いでやっと真実が明るみに出ようとしているのに、誰も証人を呼ばずに裁判を終わりにしてしまう。そんな話はありえない。われわれを解雇した張本人に、どういう意図でそういう目にあわせたのか、はっきりさせてもらいたい。おれたちを納得させてもらいたい。納得ができない限り、私たちは闘い続ける。なぜ解雇されたのかもわからないまま、なんとなく終わってしまうわけにはいかない。3人の証人を呼び、追い込んで、自分たちが正しかったんだと世間に証明していきたい。
 まだまだ十分時間はあると思いますので、みなさんと力を合わせて裁判闘争も国鉄闘争全国運動もなんとか踏ん張っていきたいと思っています。これからもよろしくお願いします。

 解雇撤回の道を突き進む 動労千葉争議団 中村仁さん

 私たちはとっぴなことを言っているわけではない。当たり前のことをやれということです。弁論を再開させ、真実を明らかにして解雇を撤回させるということです。われわれは闘い続けます。
 この裁判は自分たちだけの問題ではありません。われわれは国鉄分割・民営化の攻撃に対して”資本の側の都合で労働者の首を切るなんて絶対に許さない”という立場を貫いて闘ってきました。この間言われているような安倍政権の攻撃の中で、労働者の一人として”解雇撤回を絶対にかちとるんだ”と思っています。
 自分たちの都合のいいように資本になびいてきた労働者も実際にはいるわけですが、「そうじゃないんだ」と。一人の首切りも許さないという立場に立つことで初めて資本と対峙していけるんだということを突きつけていくことが、今本当に必要だと思っています。
 国鉄分割・民営化をなかったことにはさせない。裁判でどういう結果が出るか分かりませんが、絶対に解雇撤回の道を突き進みます。

 職場の闘いと署名を結合し 動労千葉を支援する会 山本弘行事務局長

 みなさんの心血を注いだ署名、猛暑の中で街頭でも署名を集め、職場からも最近どんどん署名が上がってきている。それを今日、第3次提出行動で出すことができました。みなさんとともに喜びたい。
 1筆でも10万筆に近づけたい。街頭に加え、何よりも職場で展開する。署名運動を、職場に労働運動をつくっていくひとつの種みたいなものにしていく。職場の闘いと国鉄闘争を結び付ける。職場の闘いと階級的観点をしっかりと結びつける。そういう意味で署名にぜひ取り組んでいただきたい。
 9月15日が最終集約になります。そこに向けてぜひもうひと踏ん張りお願いしたいと思います。

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週刊『前進』(2598号3面2)(2013/09/02 )

 自治労連大会で署名活動

 国鉄1047名解雇撤回に共感

 8月25日、東京労組交流センター自治体労働者部会は、自治労連第35回定期大会へのビラまきと署名活動を行いました(写真)。大会会場近くの千葉市・海浜幕張駅前で、参加者に9・15国鉄集会の呼びかけと国鉄10万筆署名を訴えたところ、1時間で52筆の署名が寄せられました。
 「まだ国鉄闘争をやっているのか」「がんばってください」と国鉄1047名闘争への関心と共感が示されました。また職場の話では「本当に人員削減で大変」「私は非正規職ですが、がんばってください」など。
 9・15集会に向け国鉄10万筆署名を集めきろう。
 (東京労組交流センター自治体労働者部会 S)

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週刊『前進』(2598号3面3)(2013/09/02 )

 8・18九州革共同集会 労働運動のできる党へ

 “平田派崩壊に追い込んだ”

 8月18日、福岡市で革共同九州政治集会が行われた。革共同50年の闘いと2006年九州地方委員会再建から7年の闘いを総括し、今秋決戦を闘う決意を打ち固めた。
(写真 九州地方委員会再建の勝利を歴史に刻んだ革共同集会。今秋決戦を闘う決意を打ち固めた【8月18日 福岡市】)

 再建後初集会に万感の思い

 冒頭、九州地方委員会議長があいさつに立ち、「九州地方委員会再建から7年、初めて革共同集会を開く」と万感の思いで開会を宣言した。地方委員会再建以来の闘いは、平田派を組織崩壊状態に追いやっている。この地平の上に、「今こそ国鉄を軸に階級的労働運動を大発展させよう」と呼びかけた。
 続いて、九州地方委員会委書記長が基調報告を提起した。
 はじめに、山本太郎選挙の勝利、動労水戸と国労郡山工場支部の被曝労働拒否の闘い、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキ闘争の大高揚をかちとった7−8月闘争を総括し、「今秋決戦の大展望が開かれている」ことを確認した。
 その上で、日帝国家権力中枢と対決しぬいてきた革共同50年の闘いに触れ、「その最大の勝利こそ革共同破壊のために送り込まれたスパイ分子・荒川碩哉(ひろや)を摘発・打倒したことだ」と高らかに宣言。「革共同は、権力の手先であるカクマルを使った破壊攻撃を撃破し、あらゆる弾圧を打ち破ってきた。動労千葉、三里塚、星野同志、福島、沖縄の闘いを守り、ともに発展させ、今ここにある」と胸を張って報告した。
 また「91年『5月テーゼ』以来の階級的労働運動の前進は、党内の血債主義との思想的、路線的、組織的闘いであった」ことを明らかにした。血債主義は労働者自己解放闘争への蔑視(べっし)・敵対である。それは、「70年『7・7華青闘の告発』をプロレタリア国際主義の立場からではなく、『受け止め主義』的にとらえる傾向から生まれ、労働者階級への絶望と重なって純化したものである」と批判し、「これとの闘いに勝利し、いまや階級的労働運動の本格的発展のときを迎えている」と鮮明に提起した。

 労働者党建設前進した7年

 もう一つの重大な到達地平は、「労働者党員を先頭に平田派の集団脱落・逃亡と対決し、九州地方委員会再建7年の闘いで平田派を組織崩壊状態に追い込んだ」ことだ。
 九州地方委員会は、06〜09年の「創成の苦闘」の上に、10年4・9国鉄政治和解との闘いから新たな飛躍を開始。11年3・11以降の反原発闘争を先頭で闘い、今年、国鉄、反原発、星野の3大闘争に大きく踏み出した。この過程で階級的労働運動の前進と党勢拡大を実現。特に、労働者同志が地方委員会の議長になるなど力強い労働者党づくりを進めてきた。
 この前進と反比例して平田派の崩壊が進んだ。平田派は血債主義派の急先鋒(きゅうせんぽう)であった。その立場から「5月テーゼ」を否定し、動労千葉を「民同」とののしり、階級的労働運動路線に敵対してきた。政治決戦主義であり、単一の全国党、単一の世界党づくりに反対する家父長的な連合戦線党づくりもその特徴である。
 許せないことは、地方委員会を自ら投げ出し集団脱落・逃亡という階級的犯罪行為を犯しておきながら、革共同を逆恨みし敵対し続けてきたことだ。だが、その頭目・平田はこの春、失意の中で死に、平田派の組織崩壊状態を一気に加速させた。
 「九州地方委の新たな飛躍のときだ」。地方委書記長は喝破し、「国鉄決戦を軸に階級的労働運動を進め、労働運動のできる党への本格的飛躍を実現しよう」と述べ、9・25動労千葉鉄建公団訴訟控訴審での反動判決を阻止し、11月労働者全国集会へ前進することを訴えた。

 ナガサキ闘争の高揚を報告

 これを受けて、8・9ナガサキ闘争の大高揚を切り開いた長崎の同志が、「8・9ナガサキは、安倍の祈念式典出席を徹底弾劾して闘いぬかれた。8・9集会では、NAZENが軸になってナガサキの怒りとフクシマの怒り、動労水戸の被曝労働拒否の闘い、動労千葉の闘いがひとつになった」と意気高く報告した。
 産別・戦線の決意表明では、公務員への大幅賃下げ攻撃と対決して大奮闘した教育労働者、自治体労働者が、「労働者の反応が違ってきている。国鉄と一つに闘いを大きく進めるとき」とさらなる前進への確信も深く発言。新たな高揚・激突局面を迎えた反原発闘争を先頭で闘う同志と、民間労働者からも決意が述べられた。
 まとめは天田三紀夫革共同書記長である。天田書記長は、「労働者同志が先頭になって平田派と闘いぬいてきたから今がある。今日は九州地方委員会にとって新たな飛躍を確認する場。国鉄を軸に労働運動のできる党になろう。機関紙闘争を推進する党になろう」と呼びかけた。
 闘う決意があふれる中、団結ガンバローとインターナショナルを歌い今秋決戦に踏み出した。

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週刊『前進』(2598号3面4)(2013/09/02 )

 TPPの正体は階級戦争

 関税交渉で日帝の敗勢あらわ民営化・規制緩和との闘いに

 8月22日からブルネイの首都バンダルスリブガワンで始まったTPP(環太平洋経済連携協定)交渉の第19回閣僚会合において、日本帝国主義の絶望的敗勢はいよいよ明白となった。同時にTPPの本質が、一握りの大企業が延命するための徹底的な規制緩和・民営化を軸とする新自由主義攻撃であり、労働者と農民・漁民に対する階級戦争であることがますます明らかになった。国鉄闘争を基軸に今秋決戦を切り開き、階級的労働運動と国際連帯でTPPを粉砕しよう。
(表 ブルネイ会合で議論される10分野の課題)

 “聖域確保”という安倍のウソとペテン

 今回のブルネイ会合では、米帝による対日争闘戦=日帝ねじ伏せの意図がむき出しになり、中でも関税交渉における日帝の敗勢が明白になった。
 もともと8月にTPP交渉会合を行う予定はなかったが、米帝の強い要望により緊急で開催されることとなり、議長席には開催国ブルネイではなく米通商代表部(USTR)のフロマン代表が座るという異例の運びとなった。
 今回は21の交渉分野のうち、難航しているとされる10分野が集中的に協議された。そして23日発表の共同声明には、米帝の強い意向を反映して「年内妥結に向け交渉を加速する」と明記され、10月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳級会議で大筋合意、12月末に最終合意をめざすとされた。
 また、12カ国の交渉官が一堂に会する「全体会合」は今回をもって最後とし、以後は出席国を絞った小規模会合で交渉を進めると決定された。遅れて参加した日帝に交渉の余地を与えず、時間切れをちらつかせて譲歩を迫る米帝の戦略があからさまになった形だ。
 今回、日本政府は「貿易自由化率(全貿易品目の中で関税を完全に撤廃する品目の割合)は80%台を維持する」と掲げて会合に臨んだが、フロマン代表は23日の電話会見で「関税の完全撤廃が参加国のめざすべき目標だ」と通告し、日本の意向を一蹴した。もともとフロマンは「日本の農業に関し、(特定品目について)前もって除外することに同意したことはない」(7月18日、米下院歳入委員会が開催した公聴会での発言)と明言し、「例外扱いが認められた」とする安倍政権のデマ宣伝をきっぱりと否定していた。
 さらに今会合では、シンガポール、ペルー、チリの3カ国が自国への輸入品にかかる関税の100%撤廃を提案し、日本に対してきわめて高い水準での自由化を要求した。
 これを受けて日本政府は、26日の利害関係団体を集めた説明会で「関税交渉は大変厳しい」と認めざるを得なくなり、自由化率も90%台を視野に入れる方針に転換することを余儀なくされた。最終的には98%前後になるとの見方が有力だ。
 その上、日本は今回、肝心の米やオーストラリアとの関税交渉を見送られ、9月下旬に先送りとされた。10月大筋合意となれば残された時間は1カ月もない。もはや絶望的な立ち遅れだ。
 他方、安倍政権が「攻めどころ」と位置づけた工業製品の輸出は、カナダやオーストラリアなど複数国から抵抗を受けている。この分野では、4月の日米事前協議で米帝に大幅譲歩した(日本車の関税撤廃は最大限延期するとした)ことが影響し、その他の国々も態度を硬化しているためだ。
 いずれにせよ日帝の惨敗は明らかであり、「交渉力で聖域を確保できる」という安倍のペテンも今や明白となった。

 郵政と自治体を外国資本に売り渡す政府

 ブルネイ会合で今ひとつ明らかになった重大事態は、TPPにおける最大の問題が民営化にあるということだ。
 21の交渉分野の一つである「競争政策」の内容として、米帝などが今回から強く要求しているのが「国有企業の優遇措置の撤廃」である。今会合に先立ち、米や豪などが参加国に示した合意文書案では、政府が50%超の議決権を保有する企業を「国有企業」と定義し、「民間企業の海外投資の障害となっている」との理由で各国政府に国有企業と民間企業の差別を禁じ、税制上の優遇措置などを3〜5年以内に撤廃するよう求めている。米帝資本によるアジア市場への投資・参入を容易にするとともに、各国政府に国有企業の民営化を余儀なくさせる露骨な新自由主義政策だ。
 ベトナムやマレーシアなど国有企業の多い国々はこれに反発。とくにマレーシアのマハティール元首相は26日、「TPPは、経済成長を続ける中国の脅威に対抗するため、アジア太平洋地域の国々を自国の勢力圏に取り込もうとするアメリカの企てにすぎない」「TPPに署名すれば、外国の干渉なしでは国家としての決定ができなくなり、再び植民地化を招く」と激しく非難した。
 ここで最大の焦点となるのが、日本政府が100%株を保有する日本郵政だ。米帝は4月の日米事前協議の場で、日本がTPPに参加する条件として、日本郵政の子会社・かんぽ生命とアメリカンファミリー生命保険(アフラック)との提携(全国2万の郵便局と79のかんぽ生命直営店でアフラックの商品を販売することなど)を日本側に認めさせた。だが、米帝はさらに8月上旬の日米並行協議の場でも「日本郵政グループの保険事業には民間企業と平らな土俵がない」と批判し、さらなる改革を求めた。今会合で示された「国有企業の優遇措置の撤廃」は、日本の保険市場を露骨に意識した内容だ。
 「(日本郵政が)TPPで国有企業と認定されれば、経営の手足を縛られる」「(それを逃れるためには)株式上場の前倒ししかない。上場を果たすには、海外の投資家から『稼ぐ力がある』と見なされる必要がある」(日経新聞8・25付朝刊)。この間の日本郵政によるアフラックとの提携や、大幅賃下げ・非正規職化をもたらす「新人事・給与制度」「新一般職」の導入は、TPP交渉を背景に一切の矛盾を現場労働者に押しつけ、株式上場=完全民営化を急ぐ狙いがある。
 また、TPPの交渉分野の一つに、政府や地方自治体が発注する公共事業への参入を外国企業に開放する「政府調達」がある。今回のブルネイ会合で、日帝・安倍政権が米国などに対し積極的に市場開放を要求しているのがこの分野だ。「日本は米国に妥協を迫るための攻め手をあまり持っていない。そこで、政府調達で強気の姿勢をとり続ける戦略をとっている」(朝日新聞8・25付朝刊)。だが、これが合意されれば、日本をはじめすべての参加国で公共事業の発注をめぐる外資との競争が激化し、とくに地方自治体から事業を受注してきた地域の中小企業は軒並み破綻に追い込まれる。安倍はそれを百も承知でTPP交渉のカードとして政府調達を外資へと売り飛ばそうとしているのだ。
 このように、TPPの本質は徹頭徹尾、規制緩和・民営化を軸に社会全体を競争原理にたたき込む新自由主義政策であり、1%の大企業の利益のためにその他の99%を犠牲にするものだ。

 新自由主義と対決しTPPを粉砕しよう

  安倍は参院選直後の7月26日、外遊先のシンガポールで講演し、次のように主張した。
 「必要なのは規制の大胆な改革です。TPP交渉のような外部からの触媒です」「もはや岩盤のように固まった規制を打ち破るには、強力なドリルと強い刃が必要です。自分はその『ドリルの刃』になる」「電力や農業、医療分野で規制の改革を進め、新たなサービス、新しい産業を興し、日本経済の活力をそこから引き出します」「規制改革のショーケースとなる『国家戦略特区』も、強い政治力を用いて進めます」
 この言葉に明らかなように、TPPにおける安倍政権のもっとも核心的な狙いは、「外圧」を利用した国内の規制緩和・民営化の推進=新自由主義攻撃である。
 だが、TPP交渉は「関税」や「知的財産」など多くの分野で難航しており、年内妥結はけっして容易ではない。その根底には、新自由主義に対する国境を越えた労働者人民の広範な怒りと闘いが渦巻いている。
 山本太郎参議院議員は「TPPは僕たちの生活を根底から覆すものだ。自ら乗り込んでいって、その危険性をたくさんの人たちに注目してもらいたい」と語り、ブルネイ現地に駆けつけた。TPP粉砕の正念場はまさにこれからだ。民営化と対決する階級的労働運動を基軸に、安倍政権打倒の今秋決戦に立とう。9・15総決起集会・デモの大成功をかちとり、今秋決戦に勝利しよう!
〔水樹豊〕
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(表 ブルネイ会合で議論される10分野の課題)

 物品市場アクセス 農業品や工業品の関税減免
 知的財産 著作権などの保護と模造品の取り締まり
 環境 漁業補助金の廃止など
 政府調達 公共事業への外資参入
 投資 ISD条項をはじめとする投資家の紛争処理手続きなど
 競争 国有企業の優遇措置の廃止など
 金融サービス 多国籍間の金融取引のルール
 原産地規制 関税減免の対象となる「締約国の原産品」と認められる基準
 一時的入国 出入国手続きの迅速化
 非適合措置 サービスと創始の分野で例外措置をとれるエリアを協議

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週刊『前進』(2598号4面1)(2013/09/02 )

 韓国民主労総 “鉄道民営化打ち砕こう”

 パククネ打倒へ決意大会

(写真 KTX民営化阻止に立ち上がった民主労総【8月24日 ソウル駅広場】)

(写真 パククネ大統領の不正選挙に怒る5万人が集まったソウル市庁前広場【8月10日】)

 2月のパククネ(朴槿惠)政権発足から半年、8月10日にはソウル市庁前広場を埋めた5万人を始め釜山、テグ、ウルサンなど全国で10万人がパククネ政権への怒りをたぎらせてろうそく集会に集まった。
 パククネは大統領選挙時、「経済の民主化」「国民生活の再建」をスローガンとし「社会的合意なしに鉄道民営化は強行しない」「非正規職問題を解決する」とぬけぬけと公約した。その公約が実現されないどころか、昨年12月の大統領選挙で国家情報院(悪名高いKCIAの後継機関)がパククネを勝たせるために不正介入していたことが暴露されたのだ。政治的体制的危機にあえぐパククネ政権は、さらなる新自由主義政策、公共部門の全面的民営化に突き進もうとしている。その全面突破がKTX(韓国高速鉄道)民営化と民主労総解体攻撃なのだ。
(写真 鉄道KTX民営化反対2次汎国民大会で絶対反対を叫ぶ労働者【24日 ソウル駅広場】)

 ろうそく集会に民主労総が合流

 全労働者の半数を超える900万人が非正規職に突き落とされた中、「生きさせろ!」の怒りが毎週土曜日ごとのろうそく集会への巨大な決起を生み出している。
 6月から始まったロウソク集会は回を重ねるごとに拡大、7月には「KTX民営化阻止」を掲げた鉄道労組がろうそく集会に合流した。韓進重工業で解雇撤回を要求し309日間、鉄塔に籠城(ろうじょう)したキムジンスクさんが現代自動車非正規職支会を始めとする非正規職撤廃闘争への連帯を訴えた。
 そして10万人の怒りの炎が燃え上がった8月10日、民主労総のシンスンチョル新委員長が発言し、サービス連盟、建設連盟、金属労組、保健医療労組、公務員労組など労働組合旗が林立した。
 翌週土曜日17日のろうそく集会では、鉄道労組のキムミョンファン委員長が登壇し「パククネがKTX民営化を推進し続けるなら、公共鉄道を守るため市民とともに最後まで闘う」と宣言した。
 6月7日からKTX民営化阻止汎国民対策委と民営化反対共同行動、全国鉄道労働組合の3者の呼びかけで始まった「大統領の鉄道発展公約履行要求と鉄道民営化阻止のための100万人署名運動」は90万筆を超えて進んでいる。鉄道労組は6月25〜27日に全面ストライキ賛否投票を実施した。組合員2万724人のうち1万9016人が投票(投票率91・8%)し、賛成1万7065人、反対1868人となり、賛成率89・7%でスト権が確立された。
 民主労総は8月19日から9月7日までを「公約破棄・国民欺瞞(ぎまん)のパククネ政府糾弾! 民営化阻止! 公共性強化!」集中闘争期間に設定した。

 “鋼のゼネストで民営化阻止する”

 その闘いの一環として8月24日、ソウル駅広場は万余の労働者で埋め尽くされた。「公約破棄・国民欺瞞のパククネ政府を糾弾する! 民主労総決意大会」に先立って午後2時から開かれた「鉄道KTX民営化反対2次汎国民大会」でキムミョンファン鉄道労組委員長は、5地方本部長とともに演壇に立ち、闘争指針を発した。「全国の鉄道現場でストライキの準備が一寸の誤差もなく進んでいる」「鉄道労働者たちがこのいまわしい民営化を完全に粉砕する」とし、「鉄道公社がスソ発KTX運営株式会社を作ったらすべての列車を止めるゼネストを展開する」と宣言し、「鋼(はがね)のようなゼネストで鉄道民営化を打ち砕く!」と叫んだ。

 民主労総挙げて鉄道ストに連帯

 続いて開かれた民主労総決意大会では、2013年下半期の闘争方針を踏まえた「公約破棄・国民欺瞞のパククネ政府を糾弾する!」と題する決議文が読み上げられた。「パククネ大統領の国民欺瞞行為は、公共部門の民営化政策で極点に達している。既存の鉄道路線の80%を使用するにもかかわらず、出発地が違うという理由で『スソ発KTX運営株式会社』設立計画を発表し、鉄道民営化政策を強行している」と弾劾し、以下の4点を決議した。
 @われわれは、スソ発KTX運営株式会社設立を阻み、鉄道の分割・民営化政策を阻止するために総力闘争を決意する。A鉄道民営化と対決する鉄道労組のストライキにすべての組織力を総動員して連帯し闘うことを決意する。B国政調査の実施など、サンヨン自動車問題を解決するために強力に闘うことを決意する。Cわれわれは、公約を破棄して国民を欺瞞したパククネ政府とセヌリ党糾弾闘争に力強く立ち上がることを決意する。
 デモに出発! 行く手を阻む警察部隊を突破して光化門広場に登場し、サンヨン車汎国民大会文化祭をかちとった。
 「今や鉄道産業の民営化を阻止することは、単に鉄道労組だけの問題ではなくなった。鉄道を利用する乗客の問題であり、地域路線の廃止を前にした地域住民の問題であり、さらには安全と公益性破壊によって苦痛を受けることになる国民すべての問題である」(ソンホジュン全国鉄道労組政策チーム長)
 大恐慌が深まる中、各国の支配階級、資本は選択の余地なくさらに凶暴な新自由主義攻撃へと打って出ようとしている。公共部門を始めとする全面的な民営化攻撃に労働者、労働組合はどう立ち向かうのか。その実践が求められている。時代が大きく動き始めた。
 民営化・外注化阻止、被曝労働拒否の国鉄決戦を日韓労働者の国際連帯で闘おう!
 (室田順子)

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週刊『前進』(2598号4面2)(2013/09/02 )

 分割・民営化と外注化で JR北海道“安全の崩壊”

 JR北海道での度重なる重大事故は、国鉄分割・民営化の破産を示している。8月に入ってからも17日に函館線で貨物列車が倒木に衝突し脱線、118日、函館線で土砂崩れを見つけた運転士が特急列車を緊急停止させ、21日には特急列車のエンジンが走行中に停止する事故が起きた。車両の検査・修繕業務だけでなく線路管理もまともにできなくなっている。こうしたJR北海道の許し難い現実を暴いた『日刊労働千葉』7549号(8・13付)の記事を転載します。(編集局)

 今年だけで7件の重大事故人命を預かる企業なのに…

 この間のJR北海道での事故は異常を通り越している。エンジンや配電盤が次々と火を噴き、ATSの部品まで燃損している。
 特に特急北斗14号が床下から出火し、200人が車外に避難した7月6日の事故は、2011年の石勝線トンネル内特急炎上事故に匹敵する重大事故だ。走行中にエンジンが爆発し10pの穴が空いて火を噴いたのである。スライジングブロックという燃料噴射装置内の部品が折損し、大量の燃料がシリンダー内に注入されたのが原因であった。
 だが問題は、全く同様のスライジング折損事故が、昨年の9月、今年3月、4月に立て続けに起こっていることである。通常は破損することなどなく、検査の対象にもなっていない部品であり、それが三度も折れるなど考えられないことだ。
 事故を起こしたエンジンは、25年前に製造されたものであり、その列車が時速130qで運転され続けたのである。激発する事故は、車両が限界を超える使われ方をしてきた結果だとしか考えられない。JR北海道は同型エンジンの北斗とサロベツの運行をさしあたり8月末まで止めているという。
 JR北海道は、2011年5月に石勝線トンネル内で起きた特急脱線炎上事故をうけて、10年間で約1300億円の投資を盛り込んだ安全基本計画を策定したが、事故は減るどころか激増している。12年度は189件で10年度の91件の倍以上で過去20年で最多。そのうち約100件を車両故障が占めている。
 「出火した後も特急が緊急停止しないで走行を続けたケースがあったことが気になる。一歩間違えれば大惨事。人命を預かる企業なのに、ギリギリのところまで来ていると感じた」(北海学園大の上浦正樹教授=鉄道工学。東京新聞7・18)

 航空線との競争

 そもそも、一連の事故の根本的な原因は、国鉄分割・民営化そのものである。JR北海道は、経営が成りたつ条件などないことは始めからわかった上で分割・民営化された。だから、民営化に際しては、幹線以外は全部廃線にした上で、莫大(ばくだい)な「経営安定基金」が積まれ、その運用益でなんとかしろというペテン的な方法がとられたのである。
 JR北海道がまず直面したのは、道内の都市間を結ぶ航空線との競争に打ち勝つことであった。だから、他のJR会社では考えられないような徹底したスピードアップと特急列車の増発が強行された。
 1987年のJR北海道発足時点の特急列車は1日78本で、列車設定キロは2万904q、最高速度は時速120qであった。現在の特急列車は1日148本、列車設定キロは3万1894qまで増加し、最高速度は時速130q以上の列車が134本だ。

 限界超えたスピードアップ

 気動車が時速130q運転するという方針は、こうした背景の中からでてきたものだ。しかも、最高速度を上げただけではなく、曲線速度も上げて、到達時間を短縮するために、気動車を振子式にするということが行われた。それは、「技術的には無理」と言われていたものであった。
 無茶な速度アップこそが、一連の事故の背後にある最大の原因である。札幌―釧路間の特急「おおぞら」を例にとると、国鉄時代は4時間30分かかっていたものが現在では3時間40分にまで短縮した。
 しかし「速度を落とせば負担が減り、事故も減るだろうが、バスや自家用車との競合があるため、遅くすることはできない」(東京新聞7・16)。これが民営化の結果生み出されたJR北海道の現実なのだ。
(写真 出火したスーパーおおぞらと同じ型の車両。ディーゼルカーの高速運転には無理がある)

 新幹線並の走行距離

 さらに、広大な北海道の場合、一継続の走行距離が長い。たとえば、石勝線トンネル内で火災を起こした特急「スーパーおおぞら」が走る札幌〜釧路間の営業キロは348・5qあり、東京〜名古屋間にほぼ匹敵する。
 そうした条件のもとで、最高速度や制限速度を何時間も、ギリギリ出し続けるような運転が行われるのである。それが車両や運転士に、深刻な負担を強いていることは間違いない。

 極端なメンテ切り捨て

 しかも、北海道の気象条件は厳しい。本来なら車両や線路のメンテナンス体制は、他のJR会社以上に要員やコストを投入しなければ成りたたない。だが現実は、民営化し利益を上げることが最優先課題となった状況の下で、他のJR会社と比べ一番極端な形でメンテナンス部門の外注化や要員削減が強行されたのがJR北海道であった。
 さらに言えば、そうした現実にさらに拍車をかけたのが国交省による車両検査周期等の規制緩和であった。

 「診察もせずいきなり手術」検査体制が完全に崩壊

 北海道新聞(7・17)は、「鉄路の安全どこへ」「進む外注化」と題した記事の中で次のように指摘している。
 「長く技術畑で過ごし、現場を離れて久しいJR幹部は近年、車両整備工場でのやり方を聞くたび胸を痛めていたという。車両の定期点検では、それぞれパーツの分解などは下請け業者が担当し、本社の整備部門の担当者が準備された部位を点検し、組み立てる流れ。 幹部は、分解など油で手を最も汚す仕事をしてこそ問題点が見える、として『今のやり方は医者が診察も検査もせず、いきなり手術をするようなものだ』と言う」
 また、深刻な事態の調査に乗り出した会計検査院は、2011年度、JR北海道が実施した車両検査について、延べ約3100回の車両検査のうち、約3割で車両検査規則が守られていない「手抜き検査」が行われていたことを指摘しているのだ。
 2011年の5月に起きた石勝線特急脱線炎上事故に関する運輸安全委員会(事故調)の報告書も恐るべき現実を報告している。(図参照)
 車輪踏面が40pに及び剥離(はくり)していたというのだ。車輪がボロボロ↓車体が激しく振動↓推進軸が落下↓燃料タンクなどが損傷↓炎上。これが運輸安全委員会が描いた事故原因だ。(※報告書は、気動車の振子化は技術的に無理があるという、より本質的問題を隠してしまっているが、その点については今回は省略する。この点に関しては、2011年6月13日付の日刊動労千葉7151号を参照)
  だが問題は「40pに及ぶ剥離」 はごく普通の定期検査さえ行われれば、そんな酷(ひど)い状態になる前に100%発見できることだ。一定の剥離やフラット(平面摩耗)、直摩(※)が認められたら転削するというのは、車両メンテナンスのイロハのイである。(※曲線を走行することによりフランジ角度が直角近くになること。脱線の危険がある)
 否、それ以前に、ごく普通に車両管理が行われていれば、40p剥離など起こりようがないことだ。検査体制が完全に崩壊してしまっているとしか考えようのない現実だ。
  保線なども全く同じ現実だという。07年末には、線路の破断が起きる可能性のある亀裂が3300個所もあることが判明し(北海道新聞07年12・27付)、「保線体制の強化」が叫ばれた。しかし、その後も列車の高速化に伴い線路の傷みはひどくなり、レール破断等が相次いでいるのだ。

 技術継承が断絶

 検査体制だけの問題ではない。一方での大量退職と他方でのメンテナンス業務の全面的外注化によって、技術継承が断絶してしまっているのだ。
 会社発足時に1万3000人だった社員数が、現在7267人。この現実が示しているのは、ベテランの労働者が大量退職する一方で、新たな技術者の採用―育成がほとんど行われていないということである。おそらく現場のみならず、管理部門にすら、車両や保線、信号などの技術的問題を熟知した技術者はいなくなっていると考えて間違いない。

 無責任の連鎖

 こうした現実の中で、丸投げ的な外注化が強行されていく。だが外注先だって技術力などもっていない。その結果起きているのは、誰も責任を取ることができない無責任の連鎖蔓延(まんえん)である。ボーイング787が、次々に火を噴いた事故と全く同じ構造だ。
 この間のJR北海道の記者会見を見ると、そのことがよくわかる。本社幹部は、現場でどのようなメンテナンスが行われているのか全く何ひとつ把握すらできていないのだ。しかもJRの場合、恐ろしいのは、技術力を持った最後の層が、今まさに大量退職期を迎えていることである。
(図 運輸安全委員会が推定する脱線の経過。グラフ JR北海道の運転事故と部内原因による輸送障害の発生件数)

 闘わなければ労働者自らも乗客の命も守れない

  国鉄分割・民営化と、その後の外注化は、「安全の崩壊」をもたらした。このままでは取り返しのつかない大惨事に至ることは明らかだ。
 現場の労働者はいつ大事故が起きるかとおびえながら、自分も死と隣り合わせで働いている。JR総連はもとより国労本部も、「事故弾劾」も「合理化反対」も口にしない。こんなものは労働組合ではない。「闘いなくして安全なし」。闘わなければ自らも乗客の命も守れない。明日はわが身だ。今こそすべての職場で反合理化・運転保安確立の闘いを巻き起こそう。
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(表 今年のJR北海道の出火・発煙事故)

@2月12日 函館線伊納-納内間を走行中の特急スーパー宗谷2号で発煙
A3月24日 室蘭線東室蘭駅で停車中の特急北斗5号床下から発煙
B4月8日 函館線八雲駅で停車中の特急北斗20号床下から出火
C5月5日 函館線奈井江-茶志内間を走行中の特急スーパーカムイ6号床下から出火
D7月6日 函館線山崎-鷲ノ巣間を走行中の特急北斗14号の床下エンジン付近から出火
E7月15日 千歳線上野幌-北広島間を走行中の特急スーパーおおぞら3号で配電盤から出火。自働列車停止装置(ATS)の部品も焼損
F7月22日 根室線十勝清水-羽帯間の信号場で停車中の特急スーパーとかち1号の床下エンジン付近から潤滑油もれ

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週刊『前進』(2598号5面1)(2013/09/02 )

 福島第一原発事故 汚染水が太平洋全域に

 毎日300トンが海に流出

 「封じ込め」も「冷却」もできず

 福島第一原発からの放射能汚染水の流出が止まらない。次々と危機的事態が発生し、完全に破綻状態だ。現状は原発事故の国際評価尺度(INES)で「レベル3(重大な異常事象)」に該当(原子力規制委員会)という次元をはるかに超えている。11年3・11に次ぐ「第2の福島原発事故」と断言すべき事態だ。このまま進めばチェルノブイリ原発事故でもなかった大規模な海洋汚染に発展する。太平洋全域から全海洋への汚染の拡大だ。人類が経験したことがない震撼(しんかん)すべき危機が切迫している。安倍と東電の責任を徹底的に追及し、全力で闘おう!
(図 高濃度汚染水海洋流出の二つのルート)

 地下水自身が高濃度汚染

 放射能汚染水問題は大別して三つの事態として進行している。
 (1)核燃料を冷却した水が大量の地下水と混ざり、毎日300dも海に流出している。300dとは25bプール1杯分もの量だ。現在、政府試算でも1日約千dの地下水が第一原発に流れ込み、そのうち約400dが原子炉建屋に流入している。残り約600dのうち、半分が高濃度の汚染水と混ざって汚染され海に流出しているのだ。
 (2)汚染水を保管しているタンクから300dもの量が漏れ出し、直接外洋(原発港湾外)に流出していたことが明らかになった。汚染水対策の「最後のとりで」と言われていたタンクでの保管が破綻し、ここでも流出が始まったのだ。
 タンクには、核燃料の冷却に使われた汚染水と地下水の混ざったものが1日400dずつたまり続けており、総量は約33万dに上る。漏れが分かったタンクは鋼材をボルトで締めた「フランジ型」と呼ばれるものだ。タンクの総量は現在約千基。そのうちフランジ型は350基だが、容量が大きいため7割近い22万d以上がこの型のタンクに入れられている。だがこれは鋼板の継ぎ目にゴム製のパッキングを詰め込んだだけの簡易な構造であり、耐用年数が5年しかないと言われていた。しかしそれさえもたず、既に4基ものタンクが水漏れを起こしているのだ。
 漏れが見つかったタンクは、最初に設置した場所で地盤沈下が起きたために解体・移設し、使い回したもので、底が変形したものだった。福島第一原発敷地は大震災で全体が70a沈下しており、同じような事態が続出するのは時間の問題だ。
 (3)さらに東電は8月21日、きわめて高濃度の汚染水が、海側にあるトレンチ(トンネル)や配管から、直接、海に流出している可能性が高いと発表した。トレンチ内などの汚染水は2万dもあり、これがそのまま、あるいは地下に染みこんで地下水と混ざり、流出しているのだ。
 以上のように、汚染水問題は原発事故に伴う副次的な現象などという次元のことではない。3・11から2年5カ月を経て、事態は完全に新たな段階に入ったのだ。

 これは「第2の3・11」だ

 生じていることは第2の福島原発事故だ。2011年3・11では、爆発によって膨大な量の放射性物質が大気中と海洋に流出した。それは福島県の東半分に放射線管理区域かそれ以上の高濃度の放射能汚染をもたらし、東北地方、関東地方から長野県、静岡県まで広範囲に汚染した。汚染は海にも及び、少なくとも東北から関東の近海を汚染した。その結果、約15万人の福島県民が現在も避難生活を余儀なくされ、農民・漁民が労働を奪われ、生活の糧を奪われた。福島を始めとする数十万、数百万の人びとが生命と健康の危機に瀕(ひん)している。しかも事態は収束したわけではない。今日でも、福島第一原発からは1時間当たり1千万ベクレルもの放射性物質が流出しているのだ。
 これだけでも恐るべき現実だ。その上に今、「汚染水対策」が破綻して高濃度に放射能汚染された水が大量に流出し、海洋を汚染し始めたのだ。事態は「収束」宣言の破綻というレベルをはるかに超えている。
 そもそも通常の原発を運転停止する場合は、核燃料を原子炉内に封じ込め、水を循環させて核燃料を冷却する。こうして核燃料を「安定的」に管理・保管する。汚染水問題の根本は、福島原発ではこの核燃料の「封じ込め・冷却」が不可能化したことにある。地震で全電源を失い、核燃料がメルトダウン(ないしはメルトスルー)し、地下水を直接汚染している可能性も高い。そのために、循環冷却も不可能となり、「打ち水」方式で大量の水を毎日かけ続けるしかなくなった。
 その結果が放射能に汚染された水の大量発生だ。その一部は回収し再度冷却水として使っているが、使い切れない汚染水はタンクで保管する以外なくなった。さらに回収もできない汚染水は直接に、あるいは地下水と混じり、海に流出しているのだ。

 再稼働や輸出など問題外

 実に許しがたいことに、この事態に安倍は無責任を決め込み、原発再稼働と輸出の動きに拍車をかけている。7月8日、原子力規制委員会が新規制基準を施行、同日、電力会社4社が12基の原発の再稼働のための審査を請求し、規制委員会が審査を進めている。さらに安倍は、8月6日の広島で被爆者を前にして、傲慢(ごうまん)にも原発の再稼働を強調した。それと共同歩調で、岸田文雄外相は8月22〜27日にハンガリー、ウクライナ両国を訪問した。ハンガリーの原発建設での日本の企業の受注が狙いであり、外務省幹部が「原発一色の訪問」と語るほどの原発輸出外交の満展開だ。
 「99%」の労働者・民衆の生存と生命よりも「1%」の連中のもうけを図ってきた新自由主義がこの大事故を引き起こした。その破綻が恐るべき事態を現出させているにもかかわらず、新自由主義は労働者・民衆を殺してまで生き延びようとしているのだ。だがそんなことは許さない。
 さらに今日、汚染水問題は外交問題に発展している。世界大恐慌と3・11で帝国主義から脱落しつつある日帝は、汚染水問題でより破局に陥り、底知れぬ脱落・危機に向かって転げ落ち始めた。参院選での山本太郎氏当選に示される労働者民衆の怒りの前でグラグラの日帝・安倍はさらに国際的危機、国内支配の危機を加速させている。
 安倍・自民党と規制委員会は、福島第一原発事故の責任を取らないまま「第2の3・11」を引き起こし、なんの解決策も取れない。支配階級としてこれほどの破産があるだろうか。労働者の団結した力こそ全原発廃炉の展望を切り開く。動労水戸の被曝労働拒否のストライキはその勝利の道を照らし出している。
 NAZEN品川、NAZEN江戸川が8月、相次いで結成された。NAZENは@全原発廃炉・再稼働阻止、A被曝労働拒否・闘う労働運動の復権、Bふくしま共同診療所建設推進、C保養と避難活動、D国際連帯闘争の前進のために活動している。NAZENを全国に拡大・強化しよう。
 9・14さようなら原発大集会 亀戸を大成功させよう。動労千葉などが主催する9・15総決起集会に大結集し、9・25反動判決を絶対に阻止することが重要な闘いだ。それらの力で11月労働者集会を大勝利させ、再稼働も輸出も阻止しよう。

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週刊『前進』(2598号5面2)(2013/09/02 )

 全世界に衝撃広がる

 外交問題にも発展 海洋汚染に危機感

 東京電力福島第一原子力発電所の高濃度汚染水が大量に海洋流出している問題は、原子力規制委員会が3・11以降初めて「レベル3」を打ち出し、海洋汚染が懸念される中、全世界のメディアが大きく報道している。各国が福島原発と安倍内閣の対応に危機感を表し、重大な関心を寄せているのだ。
 原発汚染水漏れ事故はすで日本の国内問題から外交問題へと発展している。韓国の外交報道官は20日、韓国はすで日本政府に対して太平洋に漏れ出した放射能汚染水の説明を求めたと語った。「これは歴史上初めての事故であり、日本は関係情報を世界に向けて公開すべきだ」とした。またロイター通信によれば、中国政府が福島原発の汚染水排出などに「関心を寄せている」と語っており、日本に「即時的、全面的、正確に」関係情報を提供するよう促していると報道している。
●欧米のメディアが注目
 欧米のメディアは次のように大きく報道した。
 「福島第一原発の汚染水封じ込め、メルトダウン以来最大の試練」(米ウォールストリート・ジャーナル紙)
 「新たな汚染水漏れは国民の怒りを再び呼び起こしたのみならず、海外諸国も憂慮している」(英ガーディアン紙)
 「東京電力はこれまでもうそをついてきた。福島から何を学んだのか」(独フランクフルター・アルゲマイネ紙)
 特にウォールストリート・ジャーナル電子版は詳細な地図を何枚も使って今回の高濃度汚染水の大量流出問題を深く掘り下げて報道している。
 そして原子力専門家の意見として「今回の汚染水漏れの陰にはさらに深刻な問題がある。それは、東電が2〜3カ月前から原発敷地を流れる地下水をコントロールできなくなったことだ。しかも、事態は悪化の一途をたどっている」との発言まで紹介している。まさに事態は破綻的なのだ。
●韓国で海産物が問題に
 韓国中央日報は「放射能海水の恐怖現実に……福島の汚染度、急上昇」と大きく報道した。他のマスコミも連日大きく報道した。この報道を受け、韓国国内では日本産を含む海産物の安全への懸念が深刻化している。
 そのような中、韓国の市民団体は日本の放射能流出問題が深刻だと判断し、学校給食に対する安全対策を優先的に整備するように提案する事態にまでなっている。
 今こそ国際連帯の力で原発再稼働阻止・全原発廃炉、安倍政権の原発輸出を阻止しよう。

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週刊『前進』(2598号5面3)(2013/09/02 )

 雇用特区は首切り自由

 安倍政権の「戦略特区」TPPと一体の改憲攻撃

 安倍政権内閣府の「国家戦略特区ワーキンググループ(WG)」が「雇用特区」を設けて雇用規制緩和を先行的に実施することを検討している。
 雇用規制緩和は産業競争力会議が策定する成長戦略(アベノミクスの第3の矢)の重点テーマであるが、最大の難題でもある。労働者人民の抵抗と反撃は必至だからだ。
 またこの攻撃は、世界大恐慌と帝国主義・大国間争闘戦の激化の中で日帝がすでに破綻した新自由主義政策以外に延命策をもたないことを示している。しかもこれは違憲、実質改憲だ。この矛盾を突いて労働組合が闘えば安倍政権打倒は可能だ。その闘いの基軸は国鉄決戦だ。9・15国鉄大闘争に総決起しよう。

 カネを払えば解雇は合法!?

 雇用特区で規制緩和しようとしている項目は、現行労働法制のもとでは違反あるいは問題ありとされるものばかりだ。例えば▼「不当だが悪質性のない」解雇に対する金銭解決▼雇い止めの金銭解決▼労働時間の上限規制の緩和▼ホワイトカラー・エグゼンプションの導入▼個別合意による規制の除外――などだ。
 賃金の高い正規職をどしどし解雇し、非正規職に置き換え、雇い止めにし、より低賃金の非正規職(外国人労働者を含む)に全面転換する。あらゆる職種で労働時間の上限を撤廃し、24時間365日体制働かせる(三木谷浩史楽天会長兼社長)。極限的な搾取――これが目指すところだ。
 解雇の金銭解決について。資本家どもは口をそろえて「日本は解雇が難しい」と主張し、解雇しやすい社会を要求する。実際には不当・不法な解雇が横行している。しかも名だたるグローバル大企業が「追い出し部屋」による退職強要やロックアウト型の暴力的解雇を行っている。整理解雇4要件すら守らない場合が多く、問題となっている。これを金銭さえ払えば違法ではないとするのが金銭解決制度だ。
 企業が従業員に再就職支援金を支払えば解雇できる「事前型の金銭解決制度」の導入が考えられている。全国に支店を持つ大企業の場合、特区内に本社があれば地方の支店も適用対象にするという提案も出されている。
 有期雇用契約の期間を延長しやすくすることも提案されている。現行法では、同じ職場で5年を超えて働く契約社員は本人が希望すれば無期雇用に転換しなければならないが、この規制を緩め、いつでも雇い止め解雇ができる状態にしておこうとしているのだ。

 労働時間上限撤廃で過労死

  労働時間規制の緩和について。現行の労働基準法は1週40時間・1日8時間という労働時間規制を定めている。この規制がすでに資本によって形骸(けいがい)化されている現実があるとはいえ違法なものは違法だ。それを合法化・固定化しようとしているのだ。
 すでに月80時間の時間外労働という過労死ラインを超えて労働者を働かせる大企業(東証一部上場売り上げ上位100社)が7割に上っている(日経新聞7・26付)。しかも御用労組幹部が資本と協定を結んでこの不法を推進している。
 その上にホワイトカラー・エグゼンプションの導入を図っている。これは第1次安倍内閣が2007年に導入を図って頓挫したものだ。当時「残業代ゼロ制度」だとの猛烈な批判を浴び、安倍退陣の要因となった。
 国家戦略特区について政府はすでに具体的な提案を自治体や企業から募集している。10月中旬をめどに第1次の特区を決めた後、秋の臨時国会に関連法案を提出する予定だ。法律が成立すれば年内にも東京、大阪、愛知に国家戦略特区、雇用特区が出現する。3大都市圏の特区化は決定的だ。また国家戦略特区はTPP(環太平洋経済連携協定)の受け皿、先取りとなる。「途上国並み賃金」(奥田碩・元日本経団連会長)の「世界一ビジネスのしやすい国」(安倍首相)、日本が出現する。とんでもないことだ。
 安倍政権の解雇特区攻撃を闘う労働組合の団結で粉砕しよう。
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 (表 国家戦略特区WGで追加規制緩和が検討されている項目)

雇用
・解雇の金銭解決制度
・有期雇用契約の柔軟化
・ホワイトカラーエグゼンプションの導入
教育
・公設民営学校の導入
・教育利用券の配布
農業
・株式会社の農地所有
都市
・臨海部でのカジノ解禁
医療
・外国人医師による医療

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週刊『前進』(2598号5面4)(2013/09/02 )

 金曜行動 汚染水流出に憤り

 全国から再稼働阻止の声

 8月23日午後6時から首相官邸前・国会前で恒例の反原発金曜行動が闘われた。
 汚染水問題で重大事態が次々と明らかになり、危機感を持った労働者人民が駆けつけ怒りの声を上げた。とりわけ全国の原発立地の住民の発言が多数あり注目を浴びた。
 毎回参加している女性は「海も山も放射能で汚してしまった。世界の人が再稼働を絶対に許さない」と熱烈に訴えた。
 福島県双葉町から東京に避難している亀屋幸子さんは「3日前に『子どもの甲状腺がんが18人に増えた』と発表された。それなのに国は『放射能は関係ない』と言っている。汚染水は前から少しずつ漏れている。早く汚染水、甲状腺がんの問題を解決してください」と福島の怒りを語った。
 全国の原発立地からの発言が官邸前でも国会前でも数多くなされた。
 再稼働が狙われている四国電力の伊方原発について、香川県と愛媛県の女性が発言した。
 「四国にある伊方原発はリスクが低いからと一番初めに再稼働されるというキャンペーンが始まってしまい、私たちは大きな危機感を持ち、東京までやってきました。多くの研究者は『巨大地震になれば、伊方原発のすぐ近くにある世界有数の中央構造線の活断層が大きく動く』と警告している」と鋭く暴露した。
 九州電力の玄海原発訴訟の原告の女性たちも発言し、「玄海原発はもう古くて限界なんです。原発をやめて子どもを守って下さい。原発をベトナムやトルコやインドに輸出しないで下さい。世界の子どもを守って下さい。すぐに廃炉にして下さい」と訴えた。
 国会前では鹿児島県から来た男性が、「今日来て泊原発、伊方原発、玄海原発などの『再稼働反対』のコールが必ず入ることに非常に勇気づけれた。鹿児島に帰って報告して頑張ります」と、首都圏の運動と地方の運動が連動していることを実感したと語った。
 そのほか、山口県から来た女性が上関原発建設反対を、石川県金沢から来た女性は志賀原発再稼働反対を訴えた。
 福島第一原発の事故は収束どころか、海洋汚染をも引き起こしてますます全世界的に拡大しようとしている。ここにいたっては、原発再稼働や原発輸出など論外だ。今秋反原発大闘争を押し広げ、全原発廃炉に向かって突き進もう。
(写真 「再稼働より汚染水だろ」などのメッセージボードを掲げて訴え【8月23日 首相官邸前)

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東電解体! 海を汚すな!8・28超緊急東電本店抗議汚染水たれ流しに怒り噴出

 8月28日、緊急の呼びかけにもかかわらず東電本店抗議行動に多くの人びとが駆けつけ、「東京電力解体!」などと怒りの声を上げた。

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週刊『前進』(2598号5面5)(2013/09/02 )

【要項】9・14さようなら原発大集会in亀戸

9・14さようなら原発大集会in亀戸
9月14日(土)午前11時〜(ブース出店開始)
東京・亀戸中央公園(JR総武線亀戸駅東口から徒歩15分)
 午後1時/第一部集会(スピーチ、リレートークなど)
 午後2時/第二部集会(呼びかけ人、賛同人発言など)
 午後3時15分/パレード出発(錦糸町方面と浅草方面)
主催/「さようなら原発」一千万署名市民の会

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週刊『前進』(2598号6面1)(2013/09/02 )

 戦争・改憲へ突き進む安倍打倒しよう

 「集団的自衛権」へ前のめり

 対中対決の米帝戦略に沿い実質的な「9条破棄」を狙う

 安倍政権は「集団的自衛権の行使」に向かって攻撃を強めている。これは自衛隊が米軍とともに海外で本格的に侵略戦争を行うことを可能とする攻撃であり、9条破棄攻撃そのものである。絶対に許してはならない。階級的労働運動と国際連帯の力で改憲攻撃を絶対に阻止しよう。

 法制局長官の首すげ替え

 安倍政権は昨年12月の総選挙で政権を奪還して以降、2月に「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」なるものを発足させ、憲法解釈の変更に踏み出した。この有識者懇談会に、「集団的自衛権行使を行うべき」という提言を年内に提出させ、来年の通常国会で具体的な立法化に踏み込もうとしている。
 このための布石として安倍は8月、これまで「集団的自衛権の行使は現憲法のもとでは認められない」という見解を堅持してきた内閣法制局長官の首をすげ替える暴挙を行ったのである。
 すなわち、従来の憲法解釈を維持する姿勢を示していた長官を退任させ、新長官に容認派の小松一郎前駐仏大使を任命した。これは法制局長官経験者ですら「長官が交代したからといって、見解が好きに変わるものではない。もしそうなら法治国家ではありえない」というほどのクーデター的な、これ自体が憲法破壊的な暴挙である。
 安倍は年内に前記の有識者懇談会の提言を得た上で、来年の通常国会で@包括的に行使を認める理念を記した「国家安全保障基本法」、A自衛隊による行使手続きを定めた「集団的自衛事態法」――の二つの新法を制定し、さらにB自衛隊の任務に「集団的自衛出動」を追加するため「自衛隊法」の改定を行おうとしている。こうした一連の立法措置を行って安倍政権は、「集団的自衛権」の名のもとに、米軍と自衛隊の日米共同作戦による海外侵略戦争の道に決定的に踏みだそうとしているのだ。
 日帝の釣魚島(尖閣諸島)略奪策動、麻生副首相の「改憲はナチスの手口に学べ」という7・29発言、安倍首相の8・15「戦没者追悼式」での加害責任への反省や不戦の誓いのひとかけらもない式辞などが続いている。こうした安倍政権の改憲と戦争に向かう突出的な動きは、戦後体制を日帝が右側から突き破る行動として、世界的な危機感と警戒を呼び起こしている。潘基文(パンギムン)国連事務総長は8月26日、安倍政権の改憲の動きに異例の憂慮を表明した。それほどの歴史的で重大な事態なのだ。
(表 安倍が狙う立法)

 大恐慌と脱落日帝の危機

 「集団的自衛権」とは「同盟国など他国への攻撃を、自国に対する攻撃とみなして反撃できる権利」とされている。これまで歴代自民党政権は、自衛隊に関して「自衛権は国家固有の権利だ」「自衛隊は戦力ではない」などと強弁して憲法違反を完全に開き直って増強を続けてきた。さらに、カンボジアへのPKO派兵(1992年)を歴史的な突破口に海外派兵すら既成事実化してきた。これ自体が本当に許し難い憲法破壊である。
 それでも、さすがに本格的な海外侵略戦争に道を開く「集団的自衛権」については、戦争放棄や戦力不保持を明記する憲法9条とのかねあいから、合憲とするにはあまりにも無理があり、「保有しているが行使はできない」「わが国を防衛するための必要最小限度の範囲を超える」として、その行使は阻まれてきたのである。
 それを阻んできた最深の力は、戦後の労働者階級人民の根強い反戦と改憲阻止の意識と闘いである。動労千葉を先頭とする1980年代以降の国鉄分割・民営化阻止闘争は、改憲攻撃を阻む決定的な役割を果たしてきたのだ。しかし今、日帝・安倍政権は大恐慌と争闘戦激化の中で絶望的に危機を深め、なりふり構わず「集団的自衛権」問題での壁を突破する大攻撃をかけてきているのだ。
 「同盟国など他国への攻撃」というが、帝国主義者はこれを拡大適用し、たとえば中東に侵略出兵している米軍が攻撃されることなどを含めている。ここからも明らかなように「集団的自衛権」行使とは、帝国主義による侵略戦争の別名なのである。
 1999年制定の「周辺事態法」は、日本周辺における「周辺事態」に際しての後方支援(非戦闘地域)や船舶検査(臨検)しか認めていなかった。これに対して「集団的自衛権」の行使は、アジアでも中東でも、あえていえば全世界どこでも、戦闘地域における日米共同作戦を可能とする。日帝・自衛隊が米軍とともに、他国の軍隊・武装勢力と本格的に戦闘し、殺し殺される戦争をやるということである。
 帝国主義の侵略戦争は、いつでも「自衛」を掲げて行われてきた。だが、その階級的真実は、大恐慌の激化のもとでの、一握りの資本家階級、帝国主義者の延命をかけた不正義極まる侵略戦争である。全世界の労働者階級人民に対する虐殺戦争以外の何ものでもない。
 これほどまでに安倍政権が攻撃を急ぐのは、それだけ日帝の危機が深いからである。とりわけ日米同盟関係の危機が進行している。一方では大恐慌下の日米争闘戦が、独占的金融資本・産業資本の生き残りをかけて激しく進行し、また他方では、沖縄県民の米軍と日本政府に対する怒りが爆発し、オスプレイ配備反対・辺野古新基地建設阻止の闘いが日米安保同盟を決定的な破綻の危機にたたき込んでいる。

 米帝が日帝に迫る軍事要求

 ここから安倍政権は、米帝の要求に応える形をとって、米帝の新軍事戦略=対中国対峙・対決政策のために日米軍事同盟の飛躍的強化に全力を挙げている。それはまた日帝にとって唯一選択可能な、独自の帝国主義的軍事大国化、戦争国家化の道でもある。
 米帝の対日政策形成に重要な影響力を持っているアーミテージ・ナイ・レポート(12年8月)は次のように述べている。
 「集団的自衛の禁止はこの同盟にとって障害物である。3・11は、われわれの両軍が、必要な場合にはその能力を最大化できることを示した」
 「日本は、日本の防衛および地域的な不測の事態において米国とともに行う防衛を含む責任分野を拡大すべきである。この同盟は、日本の領域をかなり超える、より強健で、共有され、共通運用可能な『情報・監視・偵察』の能力と作戦を要求している。米軍と自衛隊が、平和時、緊張、危機および戦争という安全保障の全局面において十分に協力して対応することを許すのは、日本側の責任当局であろう」
 「同盟は、中国の再興に対応する能力と政策を発展させなければならない」
 だが同レポートは、一方では「政策の転換は……より軍事的に攻撃的な日本、あるいは日本の平和憲法の変更を求めるべきではない」とも語っている。このように米帝は、米帝の脅威となるような日帝の軍事力増強と改憲策動には制動を加えながら、米帝の新軍事戦略(対中国対峙・対決政策)を補完する方向と枠内で日帝の軍事力・経済力を最大限に動員しようとしている。
 すでに日米は実際には憲法解釈の変更を待たずに実践面で、「集団的自衛権」の行使を先取りした日米共同作戦の演習を陸海空で強化している。

 労働運動の力が改憲阻む

  日帝・安倍の「集団的自衛権」行使への踏み込みは、日帝のTPP(環太平洋経済連携協定)参加と一体の攻撃である。絶対に粉砕しよう。
 改憲と戦争の道を阻む力はどこにあるか。それは階級的労働運動の前進と国際連帯闘争の発展である。
 労働者には戦争を阻む力がある。軍隊だけで戦争はできない。軍隊の食料、衣服、医療・医薬品、ガソリンなどの燃料、武器・弾薬など、こうしたものの補給や輸送が途絶えれば、軍隊は機能しない。労働者がストライキ―ゼネストで闘えば、戦争遂行は不可能になる。そしてそれは、革命に勝利する力である。
 だから、決定的なものは階級的労働運動の前進であり、国際連帯闘争である。職場からの決起は軍隊の内部から自衛隊兵士の決起をつくり出す力を持っている。
 ところが連合は資本家の手先となり、改憲と戦争に労働者階級を屈服させる役割を果たしている。改憲にも「集団的自衛権」にも反対の声ひとつあげていない。日教組は8月の定期大会で、これまでの民主党・社民党支持を下ろし、自民党政権にすり寄る運動方針を採択した。改憲と戦争に屈服する運動方針など、絶対に許せない。
 今こそ4大産別を先頭にして、職場からの決起で腐敗した労組幹部を打倒し、闘う労働組合をうち立てよう。青年労働者はその先頭に立って闘おう。階級的労働運動と国際連帯の力で反撃することが改憲阻止闘争の核心である。国鉄闘争は核心的な改憲阻止闘争であり、沖縄闘争、三里塚闘争、さらに福島とともに闘うことは改憲阻止闘争そのものである。国鉄闘争10万筆署名運動を水路に、動労千葉のように闘う労働運動を全国につくり出そう。
 〔畑田 治〕
(写真 米軍ヘリ宜野座墜落事故に抗議する宜野座村民大会。怒りあふれて村民ら11000人が参加した【8月22日】)

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(表 安倍政権が狙う立法)
・新規立法
集団的自衛事態法
 集団的自衛権を行使するための手続きを規定
国家安全保障基本法
 集団的自衛権の行使を容認するための理念を規定
・法改悪
自衛隊法
 従来の「防衛出動」などに加え集団的自衛権を行使するための「集団的自衛出動」を自衛隊の任務に追加

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週刊『前進』(2598号6面2)(2013/09/02 )

 米新軍事戦略下の自衛隊

 対中戦争を想定し合同演習改憲攻撃は隊内矛盾を激化

 戦後初の国家安保戦略

 帝国主義の最弱の環、脱落日帝・極右安倍政権を打倒するチャンスが到来している。それを示したのが参院選での山本太郎氏の当選だ。首都100万人、全国1千万人の怒りが安倍にたたきつけられた。新自由主義の破綻が世界戦争危機を激化させプロレタリア革命を現実化させている。
 新自由主義とアベノミクスの破綻に追いつめられた安倍は、なりふりかまわず改憲攻撃と超反動攻勢に打って出ている。
 安倍は9月に新たな有識者会議を設置し、年内に国家安全保障戦略の中期的指針を策定することを決めた。同会議の提言は、外交・海洋・サイバー・宇宙戦争などの全戦争分野で、米帝をはじめ「価値観を共有する国々との連携強化」、資源・エネルギー分野における外交のあり方など、日米の軍事的一体化を一気に促進する方向もまとめる。「国家安全保障戦略」は日帝にとって戦後初めての国家的戦略文書となる。
 安倍は、同会議に新「防衛大綱」についても諮問し、これも年内に策定しようとしている。
 憲法解釈の変更による集団的自衛権行使の容認、国家安全保障体制の強化、国家安全保障会議(日本版NSC)の年内発足、新防衛大綱で国防軍規定を明記、陸自の海兵部隊化、策源地(敵基地)攻撃能力、情報通信機能の強化、国防の基本方針の見直し、防衛省改革、軍事法廷の設置などの一体的推進がもくろまれている。すべてが改憲攻撃である。
 安倍は、内閣官房の安全保障・危機管理担当の審議官に、初めて自衛隊高級幹部で情報本部情報官の長島純空将補を起用した。事実上の「憲法無視」だ。だがこれら超反動攻勢は、大恐慌と階級闘争の激動にさらされるもろさを内包している。緊急事態条項を核心とする自民党改憲案もろとも安倍政権を労働者階級人民の怒りで打倒しよう!
(写真 上陸訓練中の海上自衛隊【手前】と米海軍の揚陸艇【6月24日 カリフォルニア州】)

 「新防衛大綱」を先取り

 安倍が年内策定を目指す「新防衛計画の大綱」を方向づける中間報告(7月公表)は次のように言っている。
 「機動運用性、総合指揮運用能力、輸送力等の機能拡充を図りつつ、防衛力の強靱(きょうじん)性・柔軟性・持続性や基地の抗堪(こうたん)性の確保、戦力の維持・回復力の強化などを重視し、高烈度下においても、着実にわが国防衛の任務を全うする能力を確保する」
 まさに帝国主義軍隊化への実戦的転換を目指す内容である。そして、その大転換を米軍への「強靱な機動的防衛協力」を道筋に推進するとし、戦力の確保、国家総動員態勢の確立へ「予備自衛官制度の拡充」を打ち出しているのである。

 民間資金活用し装備と兵員確保

 中間報告は、陸自を海兵部隊化するための機能整備の柱として「高速輸送艦」の導入を明記している。PFI(民間資金活用)で民間フェリー導入を特記している。PFIで特別目的会社を設立し、平時は定期運航などの運用を委ね、有事や訓練の際に防衛省・自衛隊が使用する。有事での自衛隊の優先使用権も確保するというものだ。
 要するに日帝は、国家財政の危機という現実の中で、別法で海兵隊化の装備費を確保し、なおかつ民間労働者を戦争に動員することをたくらんでいるのである。防衛省は13年度予算で調査研究費を計上し、仕組みや制度の検討に着手している。新防衛大綱にフェリーの導入方針を盛り込んだ上でPFIの制度設計に入り、企業との交渉を経て15年度までに仕組みを確定させる計画である。
 海兵隊化の装備として13年度に水陸両用装甲車
(4両)や軽装甲機動車を導入する。民間フェリーはこれらを搭載し時速60`以上の高速で航行する。戦時に機能する自衛隊の機動展開力の強化を民間フェリーの恒常的動員体制によって構築するために、民間フェリーの労働者をあらかじめ予備自衛官に採用し、統合訓練や有事に動員することも計画されている。
 4月、元陸自幹部学校長で日本安全保障戦略研究所理事の樋口譲次は、国家総動員態勢の構築として「総合戦力(トータルフォース)120万人体制」を提唱した。これは現役自衛官(常備兵)、即応予備自衛官、予備自衛官、予備自衛官補などの総数約26万人とは別に、「郷土防衛(国民保護)隊」を新設し、全国の市町村の消防団員や警察機動隊員などを「郷土防衛予備自衛官あるいは国民保護予備自衛官(いずれも仮称)」として配属するというものである。

 B52と共同訓練を開始

 空自が米戦略爆撃機B52の爆撃訓練に参加し、B52の援護訓練を行っていることが分かった。空幕広報室は否定しているが、空幕発行の部内誌(12年7月号)に掲載された1尉の体験記で判明した。この訓練には空中給油訓練もあり、長距離爆撃を想定したものだ。空自部隊は96年度からアラスカ州の米空軍演習に参加し、F15戦闘機編隊は03年度から派遣されている。空自は10年前から集団的自衛権の行使そのものである日米共同の戦略爆撃の実戦訓練を開始しているのだ!
 B52戦略爆撃機編隊を援護する訓練とはブルジョア国際法的にも「自衛権」の範囲を超え、完全に憲法を無視した訓練だ。米軍はグアム基地に6機以上のB52戦略爆撃機を常時配備していると報道されている。B52との共同訓練は、対中国・対北朝鮮侵略戦争―世界戦争を射程に入れた侵略戦争そのものである。
 日帝は09年から「日本船籍の民間船舶」を「護衛」するとして護衛艦2隻、P3C哨戒機2機をジブチに派遣している。安倍は8月25日、バーレーンで米海軍第5艦隊司令官ミラーと会談し、海自P3C哨戒機の多国籍軍への編入要請に対し「前向きに検討したい」と応じた。安倍政権はすでに2隻の護衛艦の内、1隻を12月から多国籍軍への編入を決定している。シーレーン確保に向けた集団的自衛権行使の先取りが公然と推し進められている。脱落日帝の延命をかけた日米安保の世界安保への転換だ。
 陸自は米軍との合同演習を86年から開始している。九州や南西諸島を中心に全国各地で、島嶼(とうしょ)防衛訓練を含む海上・航空作戦や弾道ミサイル対処、兵員や物資の輸送訓練を実施している。国内だけではなく米海兵隊と米本土やグアムで「離島奪回上陸訓練」を繰り返してきた。
 そして、6月10日〜26日に米カリフォルニア州で米軍が実施した離島奪還訓練「ドーン・ブリッツ」に初めて陸海空3自衛隊が参加し、日米共同統合実動訓練を行った。自衛隊からの参加は、「離島防衛部隊」である陸自の西部方面普通科連隊などの1千人と、海自のヘリ搭載型護衛艦、輸送艦、イージス艦などだ。米海兵隊と共同で、海自「ひゅうが」から飛び立った米海兵隊のCH53輸送ヘリやMV22オスプレイからの降下や揚陸艇での強襲上陸など、実戦そのものの離島奪還上陸実動作戦を実施した。これは、釣魚島(尖閣諸島)を「核心的利益」とする残存スターリン主義中国への侵略戦争を射程に入れた米新軍事戦略下の「敵地への侵略戦争」の実戦訓練である。
 陸自はすでに「海兵隊化」に向け米海兵隊・オーストラリア軍との合同訓練をグアムなどで実施している。「離島奪還」という強襲上陸作戦は「自衛権」を超え「敵地攻撃」を想定した侵略戦争の実戦訓練だ。世界大恐慌と3・11以降、自衛隊は恐るべき勢いで米軍との一体化を推進している。新防衛大綱の中間報告は米新軍事戦略での日米一体化を加速させることを明記している。

 沖縄・福島圧殺を打ち破ろう!

 集団的自衛権行使の容認の攻撃は、辺野古新基地建設・沖縄階級闘争解体として激化する。また緊急事態条項新設の改憲策動は、福島圧殺、階級的労働運動解体攻撃である。日米帝の軍事的一体化と新防衛大綱の策定、その具体的推進は、自衛隊内をはじめ階級矛盾を極限的に激化させる。9・15〜25国鉄決戦を全産別で爆発させ、反原発闘争を闘い、労働者階級人民の怒りで極反動安倍政権を打倒しよう!
 〔安藤猛師〕

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週刊『前進』(2598号6面3)(2013/09/02 )

 2013年日誌 8月20日〜26日

 タンク汚染水漏れで「レベル3」/ムバラク元大統領が保釈

●ハンセン放射線量、基準超 米軍HH60救難ヘリが墜落した沖縄県宜野座村の米軍キャンプ・ハンセン周辺で、琉球大学の矢ケ崎克馬名誉教授らが空間放射線量を調査。墜落現場から約1`地点で最大毎時0・25マイクロシーベルト、自然界にないストロンチウム90とセシウム137も観測した。(20日)
●オスプレイ、自衛隊が15年度導入へ 防衛省は、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを、早ければ15年度から自衛隊に導入する。(20日)
●タンク汚染水漏れで「レベル3」 東京電力福島第一原発で高濃度の放射能汚染水(東電推計300d)がタンクから漏れた問題で、原子力規制委員会は、国際原子力事象評価尺度で「レベル3」(重大な異常事象)に相当すると発表した。(21日)
●ストロンチウム流出、10兆ベクレル 福島第一原発で放射能汚染水が海に漏れ続けているが、東電は、海に漏れ出たストロンチウムは最大10兆ベクレル、セシウムは同20兆ベクレルとの試算結果を発表。通常運転時の1年間の放出管理目標値の100倍超。(21日)
●タンク巡視、点検記録なし 東電は、高濃度の放射能汚染水が漏れた福島第一原発のタンクを巡視する際の点検記録を作っていなかった。(23日)
●ヘリ墜落に抗議、宜野座村民大会 米軍ヘリの墜落事故に抗議する宜野座村民大会が宜野座ドームで開かれ、千人余が参加。日米両政府に、事故原因が究明されるまでの墜落ヘリと同型機の訓練中止や損害の補償などを求める大会決議案を採択した。(22日)
●ムバラク元大統領が保釈 反政権デモで失脚、起訴され軟禁状態にあったエジプトのムバラク元大統領が保釈された。20日には、軍部に解任されたムルシ前大統領の出身母体のムスリム同胞団のバディウ団長が拘束され、前大統領の勾留も延長された。(22日)
●10月にTPP首脳会合 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は、参加する12カ国が、目標の年内交渉妥結に向け首脳会合を10月に開くとした共同声明をまとめ閉幕した。(23日)
●神経ガス症状3600人 シリアの内戦で21日に化学兵器が使われたとされる問題で、国際NGO「国境なき医師団」は同日午前中の3時間で約3600人を受け入れたと発表した。355人は死亡したとされる。(24日)
●岩国オスプレイに不具合 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に追加配備予定で、現在も岩国基地(山口県)に駐機しているMV22オスプレイ1機は、油圧系統に不具合が生じ、米本土から部品を取り寄せて調整していたことが分かった。(25日) 
●陸自が実弾射撃訓練 陸上自衛隊が静岡県の東富士演習場で国内最大規模の実弾射撃訓練を実施。離島防衛作戦の際に展開する最新鋭の10式戦車や迫撃砲からの射撃を行った。(25日)
●200無人島に名称 政府は日本の領海の範囲を決める根拠となる離島のうち、名称のない約200の無人島に名前を付ける作業を始めた。(26日)
●中国初の強襲揚陸艦 中国が初の強襲揚陸艦(満載排水量3万5千d)を建造していることが分かった。早ければ15年にも就役するもよう。(26日)

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週刊『前進』(2598号7面1)(2013/09/02 )

 全学連大会の大成功かちとろう

 広島大自治会再建の地平から安倍打倒-改憲・再稼働阻止へ

 マルクス主義学生同盟中核派・広島大学支部

 全学連第74回定期全国大会(9月4日〜5日)の歴史的成功に向け、全国の学友は最後の最後まで奮闘しよう。百武拓委員長に対するデッチあげ弾圧・処分策動を粉砕し、学生自治会再建を果たした広島大学は先頭で闘う。安倍政権の改憲・戦争、原発推進の攻撃に対し、怒りの大反撃をキャンパスから巻き起こす時だ。全学連大会から秋の闘いへ進撃しよう。
(写真 8・6大行動デモ到着した原爆資料館前で決意を語る広大学生自治会委員長の百武拓君)

 百武君への処分をついに阻止したぞ

 7月の広島大学学生自治会再建の勝利の地平は、さらに拡大・発展している。7月25日、広大当局はついに百武拓君(理学部3年、学生自治会委員長)への「無期停学」もしくは「退学」処分を断念した!
 日帝国家権力と有無通じた広大当局は、4・25法大全国集会の現場で昨年10月法大闘争における「建造物侵入」をデッチあげられ不当逮捕された百武君に対する処分を、この5〜6月に狙っていた。しかしこの弾圧そのものが、逮捕された学友6人全員の完全黙秘・非転向の闘いの貫徹によって完全に粉砕されている以上(5月5日に不起訴奪還)、処分策動は最初から破産必至のものだった。ただただ、「学生自治会をつくろう」と先頭で呼びかける百武君の存在を押しつぶし、広大生の中に分断を持ち込もうとするものでしかなかった。
 しかし、1年生を中心に6〜7月の自治会執行部全学選挙が成功裏にうち抜かれ、名実ともに「広大生のリーダー」となった百武君に処分を下すことなど、およそできなかったのだ。百武君への処分が、国家権力の意志であったことは明白だ。警視庁公安部しか知らない情報を教授たちが平然と口にし、”面談”と称して行われたのは「懲戒処分審査のための第一段階(学部による事情聴取)」だった。しかし、団結した学生の力は、国家権力・安倍政権の意志をもうち砕いた。処分策動での「敗北宣言」を発して惨めな姿をさらした広大当局は、同じ25日に『「広島大学学生自治会」について(注意喚起)』なる声明文を発表し、「本学と無関係な団体が介入した選挙であり、本学として当然認めていません」などと泣き言を垂れ始めた。しかしそこにおいても、1300人を超える広大生の投票行為があったこと、広大生の思いを体現して新執行部が屹立(きつりつ)している厳然たる事実にはまったく触れることができない。見据えることさえできていない。
 これもまた、広大当局の「第二の敗北宣言」でしかない! こうした大勝利を引っさげ、広大生は8・6ヒロシマ闘争の先頭で闘い、福島との分断を許さず、改憲・原発再稼働を狙う安倍を直撃する大闘争を牽引(けんいん)した。学生自治会再建という闘いの前進がいかに権力・当局を追い詰めているかは、火を見るより明らかだ。広大生は来る全学連大会で「広大に続き全国大学で学生自治会を再建しよう」の大号令を発しよう!

 新自由主義攻撃と闘う学生の団結を

 広大自治会再建の総括は第一に、団結した学生の勝利性を示したということだ。百武君への不当逮捕・処分策動に怒り、本当に多くの仲間が声を上げ、行動に立ち上がった。そして7年半の法大闘争が示してきたように、”学生は上の決定に黙って従うだけの存在ではない!”という誇りや仲間との団結を、キャンパスの中から甦(よみがえ)らせた。
 4・25法大での不当逮捕直後のサークル棟への家宅捜索に対して、授業を飛び出して弾劾行動に立った仲間がいる。獄中同志奪還のために、救援会の代表に実名を出して決起した仲間がいる。自分のクラスでクラス討論に立った1年生の仲間がいる……。奪還直後の「処分のための呼び出し」攻撃に対しては、文化サークル連合(文サ連)から反対メッセージが発せられ、154人の「処分反対メッセージ」、14クラスの「処分反対決議」が6月20日の広大全国集会後に学長室にたたきつけられた。あくまで処分断行を狙う広大当局は、あらかじめ「受け取り拒否」を決めていたが、学生の怒りの声の多さを前にして渋々受け取らざるをえなくなった。そして、総投票数1306票、信任603票という自治会執行部選挙の大成功・大勝利。学生一人ひとりの決意と行動のすべてがこれまでの当局との力関係を変え、不正義きわまりない処分策動を粉砕する力となった。「学生は大学・社会の主人公」「団結した学生は負けない」という、法大闘争の中で培ってきた確信を、学生の力として実際に示したのだ。学生自治会とは、このような団結を無限に拡大していく運動だ。
 第二に、「国立大学法人化体制」との非和解性をはっきりさせ、「学長独裁反対」「民主的話し合い」というレベルをこえて、「闘争」と「体制変革」のための団結体として学生自治会をつくったことだ。大学に居座る原子力ムラ(ブルジョアジーと御用学者)こそ、「命よりもカネ」の新自由主義大学が必然的に生み出した腐敗の象徴だ。原発事故になんの責任もとらず、とることもできず、原発再稼働・海外輸出に乗り出す原発製造メーカーの三菱重工元会長・佃和夫が「経営協議会・学外委員」として大学運営を牛耳っているかぎり、われわれ広大生は「3・11」をのりこえることはできない。

 原発御用学者をたたき出せ

 原子力ムラは、学生と福島県民の「共通の敵」だ。これが学生の共通認識となり、「福島の健康被害の原因となった佃や神谷(広大副学長)を広大から追放しよう!」「原子力ムラと対抗できる学生の団結をつくろう!」の階級的スローガンが、選挙で信任されたのだ。
 第三に、自治会再建運動の母体となり、どんな重圧にも耐え抜いて激闘をやり抜く力を与えたのは、文サ連などサークル自治組織だ。
 広大のサークル自治組織は、70年安保・沖縄闘争の革命的爆発に対する一大反革命として80〜90年代に強行された「キャンパス丸ごと移転」=「学生自治団体・クラスの解体」=「新自由主義攻撃の全面化」という逆流に抗し、むしろ結束を強めることで今日まで生き抜いてきた。新自由主義と対決し、広大生の自治への誇りとサークル活動の諸権利を守り抜いてきた地平が、今次自治会再建運動の土台となり、自治会運動の前進と一体で飛躍していく関係に入った。
 第四に、広大自治会は、日帝・安倍政権打倒の政治的激突点をつくり出している。改憲・原発再稼働を進める安倍政権にとって、「大学改革」は要をなしている。教育再生実行会議の『第三次提言』(今年5月28日)では、「国家戦略としての大学改革」を主張し、”大学の競争力強化なくして日帝のグローバル競争での勝利はない”と危機感むき出しに叫び、新自由主義大学化をより一層進めることに日帝の支配の延命をかけるとしている。
 だからこそ、学生がキャンパスから闘うことが、職場・生産点における階級的労働運動の大前進と並んで、日帝の存亡を脅かす大問題としてある。広大自治会再建は、この時代に学生がキャンパスで立ち上がることの大きさを示している。
 自治会建設を呼びかけた学生への狙い撃ち的な逮捕、それに続く国家権力と大学当局が一体化しての処分策動……。「結社の自由」の否定を明記する自民党改憲草案の先駆けとも言える大弾圧が仕掛けられた。しかしこれへの反撃をテコに、学生の団結を甦らせ勝利した。自治会運動はストレートに国家権力・当局との、生き方をかけた死闘戦となった。それは、安倍を戦闘的学生運動の爆発によって実力で打倒できる可能性を押し開いた。
 大学を「安倍打倒−改憲・再稼働阻止」の大拠点にし、この秋に全労働者人民とともに100万の決起をつくり出そう。

 学生自治会甦らせ革命の拠点築こう

 いま、広大生と全国学生の団結した闘いが、「学生運動の新時代」の到来を告げ知らせている。”日本学生運動の金字塔”=法大闘争を普遍化し、当局との非和解的激突の中から団結を甦らせ、新自由主義大学をプロレタリア革命の拠点に転じて闘うことは可能だ。「教育の民営化粉砕×御用学者追放」「大学を学生の手に取り戻せ!」「フクシマとつながろう」を掲げて挑んだ広大自治会再建は、法大闘争の勝利性の証明であり、300万学生が団結すれば勝利できることの証明だ。
 「革命の時代」がわれわれの目の前にある。世界大恐慌はますます深刻化し、帝国主義間争闘戦の激化と軍事衝動は現実のものとして進展している。福島第一原発では超高濃度汚染水の大量流出が暴かれ、今も「レベル3」の深刻な事態が続いている。
 人間の命を虫けらのごとく扱う政府・資本に対して、労働者階級の反乱がいたるところで始まっている。参院選の山本太郎氏の大勝利、被曝労働と闘う動労水戸−国労郡山工場支部の闘い、オスプレイ追加配備やヘリ墜落事故と闘う沖縄の闘い、農地死守・TPP阻止の三里塚の闘い……。日本中、世界中で団結した民衆の力強い闘争の姿が、目に見えるかたちで登場している。
 それは、青年・学生が歴史の主人公となっていく時代の到来だ。われわれは情勢を主体化し、プロレタリア世界革命への意識的な準備として、今年前半の闘いをやり抜いた。必要なことは、この闘いの中から真に労働者・学生から信頼される革命的労働者党の建設に向かって、さらに歩みを進めることだ。学生自治会運動の前進と革命的労働者党の巨大な建設へ向け、全国の闘う学友は「階級の指導部」として飛躍しよう。その第一歩として、全学連大会の歴史的成功をかちとろう。
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【要項】 全学連第74回定期全国大会
 9月4日(水)〜5日(木)4日午前10時開会
 浜町区民館(東京都中央区日本橋浜町3―37―1)
 参加費1000円(会場代、資料代など)※宿泊費は除く

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週刊『前進』(2598号7面2)(2013/09/02 )

 三里塚反対同盟 判決後初の一斉行動

 市東さん 訪問の先々で温かい歓迎

(写真 天神峰の市東さん宅離れに反対同盟と支援連が集合し一斉行動の打ち合わせ【8月25日】)

(写真 作業中の農家に笑顔で迎えられ、判決の報告と支援の要請をする市東孝雄さん【左端】)

(写真 マイクを握り「空港廃港まで闘う」と反対同盟の気概を表す北原鉱治事務局長【多古町】)

 8月25日、三里塚芝山連合空港反対同盟は、市東孝雄さんの農地裁判判決後最初の一斉行動を行った。
 「農地取り上げに反対する緊急3万人署名」は、全国の労農学人民の必死の取り組みによって、限られた期間内で1万1922筆の署名を集約し、反対同盟はこれを7月17日に千葉地裁に提出した。とりわけ、反対同盟が3回にわたる一斉行動を通じて地元の成田空港周辺地域から集めた署名は、格別大きな意味を持っている。騒音被害をもたらし際限なく拡大を続けようとする空港に対し、地元の怒りが激しく深いことがあらためて明らかになった。理不尽な農地取り上げに対し、同じ農民として見過ごすことのできない気持ちが数多く寄せられた。
 7月29日に出された判決は、成田空港会社(NAA)の主張を丸ごと認めた上で、千葉地裁がさらに勝手な解釈を付け加えて、市東さんに土地明け渡しを命ずるというとんでもない不当判決であった。だが、確定を待たずに強制執行を行える「仮執行宣言」を付けることはできなかった。これは全国の労農学の闘いと1万2千の署名の力の結果であり、NAAは打撃を受けている。
 地元にこの裁判結果を伝えさらなる支援を訴えることが、この日の一斉行動の目標である。
 反対同盟と支援連はこの日総出で、午前から夕方まで地元の下総地区、大栄地区、多古町などを、署名に応じてくれた家を中心に一軒一軒回った。そして農地裁判判決を報告するビラを手渡し、闘いへの支援・激励に対するお礼と控訴審でのさらなる闘いの決意を伝えた。
 市東孝雄さんは、訪ねた先々で温かく迎えられ、不当判決への怒りと「仮執行宣言」を阻止した勝利の手応えを人びとと語り合い共有した。
 北原鉱治事務局長は反対同盟宣伝カーに乗り、下総、多古、三里塚の各地を回って精力的に辻立ち演説を行い、自らの戦争体験を織り交ぜながら軍事空港としての成田の本質を暴き、農地強奪判決を鋭く批判した。
 夕方に市東さん宅の離れに全員が集合して一日の行動を集約し、地元を重ねて回ることの重要さを確認し合った。
 最後に萩原進事務局次長がまとめを行い、「反対同盟は10月20日に全国総決起集会を三里塚現地において開催する。この大結集へ向けた闘いの第一弾として本日の一斉行動をやりぬいた。今後反原発の大集会などにも、反対同盟の旗を掲げて積極的に参加・合流していく。秋の闘いは重要な課題が並びスケジュールも厳しいが、次の一斉行動も全力で取り組み、10・20を大成功させよう」と力強く訴えた。
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三里塚裁判傍聴を!
◎天神峰やぐら裁判
9月3日(火)午前10時30分 千葉地裁
◎団結街道裁判
9月24日(火)午後1時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)

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週刊『前進』(2598号7面3)(2013/09/02 )

 婦人民主クラブ全国協議会 全国総会が大成功

 労働運動推進の気概に満ち

(写真 「革命情勢を自からたぐり寄せる」という気概で大成功した婦民全国協の総会【8月24日】)

 8月24〜25日、婦人民主クラブ全国協議会第30回全国総会が大阪で開催され、北海道から沖縄まで全国から会員・読者が結集した。
 最初に主催者を代表して三浦正子代表が「30年を迎える全国協の出発は、結局帝国主義と闘うのか否かということで旧本部派から私たちは分離独立し、今ここに立っている。これからの時代に向かっていくために2日間の熱い討論をしよう」とあいさつを行った。
 7月に結成された全国水平同盟の佃久子さんの共闘あいさつ、動労千葉、動労水戸、三里塚反対同盟婦人行動隊などのメッセージが紹介された後、鶴田ひさ子事務局長が議案提起を行った。
 冒頭に、山本太郎選挙、動労水戸の被曝労働拒否の闘い、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキの闘いで切り開いてきた情勢を確認した。資本主義−最末期帝国主義による、破綻し凶暴化した新自由主義攻撃との激突の中で、労働者階級人民が全世界で声を上げ立ち上がり、革命情勢をたぐり寄せている。労働者階級が「絶対反対」を貫き階級的団結をもって闘えば勝てる時代である。それは国鉄分割・民営化と対決してきた婦民30年の闘いが切り開き、たぐり寄せた時代と情勢である。これらの時代認識を鮮明に提起した。
 そしてその中で、婦民こそが新自由主義と闘う女性解放闘争の先頭に立ち、自ら階級的労働運動を担い推し進めていく。すなわち資本・国家権力と絶対非和解を貫き、職場や地域に労働組合をつくり労働運動を闘い、反原発闘争を推進し、地域に拠点をつくり、全国に婦民の支部と会員を拡大していく。これらの鮮明な方針が提起された。
 そして議案提起を受けての全体会、分散会(30周年プロジェクト・新聞拡大・組織拡大の各テーマ)と2日間の報告、討論が熱気の中でかちとられた。この1年、各支部や会員がさまざまな壁や困難にぶつかりながら、職場に労組をつくり地域を組織して仲間を獲得することに挑戦し、そこで切り開いた地平をつかめるものだった。
 ますます激化する「福島圧殺」攻撃に対して断固声を上げ、ふくしま共同診療所とともに闘う福島からの報告は重要だった。動労水戸の闘いを受け継いだ被曝車両をめぐる国労郡山工場支部の闘い、診療所の存在はますます決定的であり、福島で奮闘する婦民の仲間と全国が強く結びつくことが確認された。
 オスプレイ追加配備と闘う沖縄からは、「基地の現実は労働現場の闘いそのもの。階級的団結で現場から撃っていく」との報告がされた。
 さらに、動労水戸、国労郡山工場支部と結び国鉄闘争を自らの闘いとして闘っている茨城の報告、職場の「マタニティーハラスメント」に対して職場闘争の組織化に挑戦する埼玉支部、八尾北医療センター労組とともに地域の拠点として組織化に挑戦する八尾支部など……。すべての発言に革命情勢として時代をとらえる気概があふれ、婦民こそ、国鉄闘争を軸に〈外注化・民営化阻止、非正規職撤廃!〉の闘いの先頭に立ち、労働組合をつくり、労働者・労働者家族を組織できるという自信と確信が深まった。そして「婦民新聞」を武器にして支部と会員を拡大する中に、勝利の展望があることが訴えられた。
 私たちは今、革命勝利への決定的チャンスを自らの闘いでたぐり寄せている。このチャンスを絶対ものにしよう! すべての労働者階級と労働者家族の命運と未来をかけて、国鉄闘争を自らの闘いとして担い抜き、資本・国家権力と真っ向から激突する労働者・労働者家族の決起をなんとしてもつくり出そう、必ず勝利できる!
 この決意と展望を参加者全員が打ち固め、婦民結成30周年に向けた出発点として全国総会は歴史的な大勝利をかちとった。
(写真 力強く開会あいさつを行う三浦正子代表)

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週刊『前進』(2598号8面1)(2013/09/02 )

 『前進』1万人読者網建設し労働組合運動のできる党へ

 前進経営局の機関紙拡大アピール

 『前進』夏季特別号は「世界単一の労働者党」の建設をメインの大見出しにした。「労働者階級の解放は、労働者自身の事業である」「この革命は、現代においては反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命としてのみかちとられる」「この目的を実現するために、プロレタリアートは、自らを独自の政党(革命的労働者党)に組織して闘うことを必要とする」(革命的共産主義者同盟綱領草案)。革共同は、日帝国家権力中枢との50年の死闘に勝ち抜き、党と労働組合を守り抜き、試練を経てきた党として、堂々と全世界に呼びかけている。「国鉄決戦で世界革命を」――この闘いこそ、民営化、外注化、非正規職化と戦争、大失業の新自由主義攻撃と闘う全世界の労働者人民の勝利と団結の道である。それはまず何よりも『前進』1万人読者網建設の成否にかかっている。

 機関紙活動で党と労働組合の一体的建設

 労働運動のできる党になるためにこそ1万人の読者が必要である。また1万人の読者をつくるためには「労働運動のできる党」になることが必要である。党と労働組合の一体的建設は、その中でのみ可能だ。
 世界大恐慌下、国鉄分割・民営化をも上回る新自由主義攻撃が吹き荒れている。求められていることは、動労千葉や動労水戸での闘いのように、労働組合員を信頼して絶対反対派として屹立(きつりつ)し、体制内勢力の反動にうちかち、労働組合権力を握る党派へと飛躍することである。労働運動に責任をもつ党派へと飛躍することが絶対的に求められている。8月のJP労組大会、日教組大会、自治労大会、国労エリア大会などが示したことは、このことだ。
 4大産別の労組指導部の総瓦解(がかい)が激しく劇的に進行した。
 JP労組大会では「新人事・給与制度」「新一般職」妥結承認への怒りと決起をたたきつけた。重大なことは、本部方針に3割近くの代議員が反対し、事実上の分裂状態になったことだ。
 自治労大会では800筆を超える国鉄署名が寄せられた。ストライキで闘う自治労の時代が始まったことを示した。自治労大会決戦は「国鉄4カ月決戦」と一体で闘い抜かれた。
 日教組大会では、執行部が民主党支持を下ろし、自民党の改憲攻撃に「賛成」の意思を示した。とんでもない反動が進行している。日教組本部打倒が闘う労働者の方針である。
 国労エリア大会は明白に革命的流動情勢に突入した。東エリア大会では委員長選挙が行われたが、当選者の得票は過半数に届かず、事実上の不信任が突きつけられた。
 これらのことは、国鉄分割・民営化攻撃と全面的に闘い、1047名解雇撤回を最後まで闘う国鉄決戦が切り開いた地平である。絶対反対・階級的団結で闘う方針への確信であり、拠点建設の前進が切り開いてきた成果である。労働者階級の階級的決起を確信し、労働者の資本との非和解的闘いとともに闘って切り開いたものだ。
 1万人「前進」読者獲得への号砲である。  

 自分は何者であるかを語ることが第一歩

 『前進』を職場の労働者に渡す際の「躊躇(ちゅうちょ)の壁」を打ち破ってきた。
 山本太郎選挙と革共同50年の闘いがこれを打ち砕いている。
 山本太郎選挙は東京100万人、全国では1000万人に及ぶ人びとの心を動かした。山本太郎選挙報道号は、大増刷したがほぼなくなってしまった。もちろん宣伝紙が大半であるが、数百の規模で職場・駅頭・大衆集会で販売された。
 『前進』選挙報道号の読み合わせをし、渋谷選挙フェス(動画)を見て、「山本さんが反原発だけでなく労働問題を訴えていたのを初めて知った」と感心し、定期購読を決めた郵政の青年がいる。
 『前進』夏季特別号を読んで確信を持ち、職場で「自分は革共同に加盟している」と宣言してオルグを開始した自治体労働者が生まれた。
 自分は何者なのか、何を目指しているのかを明らかにしないでは本当の組織化はできない。
 革共同とは何か、何を目指し、いかに闘ってきたのか、勝利の展望はどこにあるのか――このことをもっとも直截(ちょくせつ)に表現するのが『前進』である。革共同は日本共産党でも社会民主党でもなく、50年を超える国家権力の壊滅攻撃にうちかってきた革命党であり、共産主義革命を目指して労働者党建設のために闘っている。この闘いこそが国鉄闘争に勝利し新自由主義を打ち破る道である。このことを日々明らかにしているのが『前進』である。『前進』購読を訴えることこそ、党への信頼を形成する第一歩である。
 ある同志が決意して、それまでの労働組合的関係を超えて、『前進』の購読を青年労働者に勧めたところ、初めて核心に触れる討論ができたという報告がある。「あなたたちは何を目指しているんですか」「共産主義を目指しているんですね」「共産主義は終わったんではないんですか」という疑問に答える形で初めて踏み込んだ議論ができた。逆に、革命を語らず、党を語らないでは、肝心なことを語らない討論になる。
 他の職場でも、『前進』そのものを使った討論と『前進』のコピーを使った討論とでは、同じ職場の仲間との討論でも深みがまったく違ったという報告もある。
 いったん『前進』購読を勧めるや否や、あらゆる疑問が発せられ、思わぬ反発に出合うかもしれない。しかし、そのことを恐れていては何ひとつ始まらない。真摯(しんし)に真正面から向き合い、討論し、実践を重ねていくのみである。これは一人ではできない。地区党の細胞的団結が基礎である。恐れることなく、『前進』の購読を真正面から職場の労働者に訴え、真剣な党的獲得的議論を始めること、ここからすべてが始まる。

 「定期購読を」とストレートに訴えよう!

 以下はある地区の機関紙活動の報告である。
    *
 これまでの発想を超えて職場の全員を対象に『前進』を持ち込もう。
 配布と読了が一切の基礎なので、迅速な配布体制−配布網建設をかちとろう。○○闘争、○○職場に続き、当面○○分会の闘いを投稿しよう。
 機関紙活動で重要なのは目的意識性だ。「誰々に拡大したい」と思わなければ拡大はできない。細胞会議の重大な議題として機関紙活動を位置づけよう。
 この1年間の闘いで「党員の躊躇」という最大の壁は打ち破られてきた。実践を通して、『前進』が労働者に圧倒的に通用することをつかみ、『前進』を通して職場の人と議論できる関係をつくってきた。画期的なことだ。論より実践だ。
 次の挑戦は定期購読化だ。最初は見本として無料で渡すやり方をしてきたが、これからは「定期購読してほしい」とストレートに訴えることに挑戦しよう。大切な仲間であるほど、「○○さんには毎週『前進』を読んでほしい。だから、何よりも定期購読をしてほしいと思う。この新聞は、ブルジョアジーのスポンサーなどなく、読者の購読料のみによって発行している労働者新聞です」と呼びかけよう。
 革命情勢の接近の中で、労働者の団結を破壊するブルジョアイデオロギーが蔓延(まんえん)している。だからこそ『前進』の位置は決定的に重要だ。月1400円、1部300円など、金額も提示して、紙代を受け取る闘いに踏み出していこう。
 「難しそう」という反応は大チャンスだ。間髪を入れず「じゃあ一緒に勉強会をやろう」といってフラクションに組織しよう。労働者の新聞として自信をもって購読を勧めよう。常に数部持ち歩き、いつでも『前進』を売れるように構えよう。

 宣伝紙の活用で販売拡大と定期購読化を

 『前進』の拡大はまだ一歩一歩の歩みである。しかし、それは着実な歩みである。定期購読者になった人は、ほとんどが宣伝紙配布からである。宣伝紙を読んでいて「金を出してもいいよ」という人である。JRの拠点職場でそうした拡大が始まっている。
 一方、心ならずも第一線を離れながら、階級的魂を堅持している仲間が、再度読者に復帰する例も増えている。
 宣伝紙はこの間飛躍的に増えている。宣伝紙が増えているということは、定期購読が増えることにつながる。宣伝紙が増えないと、定期購読も増えない。
 宣伝紙をどう活用するかは『前進』の組織政策をどう持っているかということである。宣伝紙の活用は組織討議のなかからしか生まれない。組織討議を繰り返して、宣伝紙を当初の3倍に増やしてきた組織もある。
 「かつて職場で40部販売したことがあるので、50部販売します」と宣言して、すでに一人で駅頭で30部販売した同志もいる。彼には、東京では10人に1人が山本太郎氏に投票しているのだから売れないはずがない、という確信があった。現に学生戦線は今も山本太郎当選報道号の宣伝と販売を継続している。
 日常的な機関紙活動の継続こそがチャンスをつかみ取る力でもある。

 国鉄署名した活動家集団を『前進』読者に

 大情勢からいっても、主体的情勢からいっても、機関紙拡大の情勢は成熟している。山本太郎選挙の勝利、夏の各産別大会情勢からみても、国鉄闘争で情勢を根本から変えることはまったく可能である。そのために1万人読者網の建設に向かって、まず全細胞が1部の拡大に挑戦しよう。 
 実践方針は『前進』夏季特別号論文で提起しているとおりである。
 第一。連合支配と日共スターリン主義を打ち破って進むために、全労働者を対象に『前進』拡大の実践で一致すること。
 第二。国鉄解雇撤回10万筆署名の活動家集団を『前進』読者として獲得すること。
 第三。『前進』を絶対反対・階級的団結を求めるプロレタリア革命勝利の機関紙として必死で改革すること。
 第四。労働者同志が総決起し、『前進』を細胞活動の中心課題にし、拡大闘争の先頭で闘うこと。
 第五。地区党が地域拠点建設と労働者指導部建設の目的意識性をもって機関紙活動と拡大闘争を闘うこと。以上5点だ。
 『前進』拡大こそ党財政の基礎である。1部の拡大が世界単一の労働者党建設に通ずる。この確信に燃えて今秋、全力で闘いぬこう。

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週刊『前進』(2598号8面2)(2013/09/02 )

 『愛と革命』が9月に発刊

 星野同志奪還へ 全人民に広めよう

 団結求め闘う姿凝縮

 この9月、素晴らしい本が発行される。「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」編集の『無実で39年 獄壁こえた愛と革命 星野文昭・暁子の闘い』である。
 この本には、70年安保・沖縄闘争への政治的報復として星野同志が機動隊員を死亡させた「犯人」にデッチあげられたことが明らかにされていると同時に、微塵(みじん)もゆるがぬ姿で非転向を貫いている星野同志の闘いが凝縮している。さらには、「文昭=暁子闘争」として、無期懲役の弾圧に立ち向かい、革命、すなわち労働者階級自己解放闘争の中に星野解放を位置づけて、階級的団結を求めて闘う姿が感動的に描かれている。
 星野同志の闘いは、国家権力中枢と闘い続けた革共同50年の歴史と到達地平、さらには国鉄闘争・労働運動破壊と闘い続けて勝利している動労千葉の闘いと一体である。今、大恐慌、新自由主義の破綻、3・11情勢下で輝きを放ち、革命情勢を手繰り寄せている。
 本は、第1部で星野同志が徳島刑務所で描いた29点の水彩画がカラーで紹介され、暁子さんが詩を付けている。星野同志は「絵は暁子のために、すべての生あるものへの気持ちを込めて描いている」と言っている。
 星野同志は、長い年月をかけて獄中で絵を描く権利を闘いとった。獄壁で自由を奪われ、暴力的に服従を強いられながらも、国家の非道と闘う精神は自由に広く世界に羽ばたいてきた。絵は澄みきった美しさに満ち、色鮮やかである。人間が人間らしく生きられる社会を求め続けている星野同志の気持ちがあふれていて、魂が揺さぶられる。
 第2部は「生命の輝き−星野文昭とともに生きて−」と題された暁子さんの手記である。二人の出会いから結婚、そして28年に及ぶ一心同体の闘いが、飾らない言葉で語られている。二人は無期懲役という現実に絶望せず、労働者階級とともに闘い続けることに希望を見いだし、獄壁を超えて、真に本来的な人間的関係をつくりあげてきた。多くの困難を一歩一歩のりこえてきた闘いの軌跡であり、圧巻の「愛と革命」である。
 第3部は「再審を勝ち取り、星野文昭さんを取り戻そう」である。冒頭で、星野同志が第2次再審請求にあたって提出した「陳述書」が全文掲載されている。これこそ真実の声だ。
 再審弁護団は再審闘争の現状と勝利の方向性を明快に提起している。続いて、確定判決を徹底的に批判し、星野同志奪還を訴えている。
 第4部は、「星野再審・全証拠開示大運動学習会」で行われた金元重さん(千葉商科大学教授、国鉄闘争全国運動呼びかけ人)、宮本弘典さん(関東学院大学教授)と客野美喜子さん(「なくせ冤罪!市民評議会」代表、元「無実のゴビンダさんを支える会」事務局長)の講演を収録している。それぞれが、国家権力による人権の圧殺、司法の犯罪性、冤罪のねつ造を具体的に暴き出し、批判している。
 この本は星野同志奪還の広大な声を生み出すことは間違いない。同時に、新自由主義による外注化・非正規化、首切り自由、権利剥奪(はくだつ)への労働者の根底的怒りを、資本・国家との闘いとして組織する本だ。多くの労働者階級人民に拡大しよう。
(編集・発行:星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議 発売:株式会社ギャラリーステーション A5判264ページ 定価1800円(本体1800円+税)

 絶対に全証拠開示を

 8月26日、星野再審弁護団の酒井健雄弁護士が星野同志に接見した。ところが徳島刑務所は、「第1回目の接見だから」という理由にもならない理由で看守の立ち会いを付け、時間制限までしてきた。看守が逐一メモを取る中で、再審のための討議などできない。徳島刑務所による再審闘争への妨害であり、断じて許さない。友人面会を認めず、再審弁護人の接見まで妨害し、星野同志の生き闘う権利を侵害する徳島刑務所に怒りをたたきつけよう。 
 8月20日、暁子さんの面会に際して行われた申し入れに対して、徳島刑務所はクーラーや扇風機どころか、「全員が洗面器1杯の水を使ったら大変な量になる。そのための予算がない」と言い張って、就寝前に体をふくことすら認めなかった。
 各地の刑務所で熱中症の死者まで出ているのに、水を使って体をふくことも認めないというのだ。労働者階級の怒りで弾劾し、星野同志の健康を守ろう。
 さらに、証拠開示を求める闘いは、7月の三者協議における弁護団の闘いによって今秋の大決戦に突入している。星野同志の無実が明らかになることに恐怖する検察官は、あくまでも証拠開示を拒否し続けている。検察官・裁判官を追いつめ、なんとしても証拠開示をかちとろう。
 階級的力関係が一切を決する段階に入っている。昨年2・5徳島刑務所包囲デモは、日帝国家権力・徳島刑務所を震撼(しんかん)させた。無実の星野同志に39年もの獄中生活を強制している不正義に、労働者階級の怒りは爆発寸前だ。再び徳島刑務所を怒りの声で包囲しよう。9・8徳島刑務所包囲デモで星野同志と固く団結し、獄壁を超える連帯をかちとろう。

 星野文昭同志の略歴

 71年11・14沖縄返還協定批准阻止・渋谷暴動闘争戦士。デッチあげ殺人罪で87年に「無期懲役」判決が確定。獄中から無実を訴え、96年に再審請求。昨年3月に第2次再審請求が棄却、異議申し立て中。徳島刑務所在監、獄中39年。67歳。
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9・8徳島刑務所デモ
■9月8日(日)
午前10時〜 徳島駅中心に街宣
11時 徳島空港と徳島駅からバス出発
12時30分 集会開始
(徳島市入田支所・コミュニティセンター北側 駐車場あり)
午後1時30分 包囲デモ出発
■9月9日(月)午前9時 徳島駅前集合
10時 徳島刑務所で差し入れ行動
主催/徳島刑務所デモ実行委員会

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週刊『前進』(2598号8面3)(2013/09/02 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 『前進』読者網建設は党・自治会の一体建設 首都圏学生 南部 大

 首都圏学生は、全学連大会成功に向けた組織戦と一体で『前進』1万人読者網建設に向け闘っています。
 山本太郎さんの勝利を報道した号は販売82、配布148の計230部が学生・労働者人民に届けられました(8月28日現在)。半分が学生、とくに怒り渦巻く法大生の中に『前進』が手渡されています。法大生は武田君への不当処分にともに怒り、7月の学祭全学説明会決戦では学祭規制と学祭実行委員会の腐敗を徹底弾劾しました。その法大生が『前進』を読み「文連の言っていたとおり、革命の時代が来ている」「闘えば勝てる」「規制をどうやって粉砕するか」という論議がされています。
 法大門前や、首都圏の諸大学のサークルなどへの持ち込みも執念をもって取り組んでいます。新たな結合も生まれ、『前進』討論から大会参加も決まってきています。
 法大当局は逆に、法大生が『前進』と結びつくことを恐れ、全法大生への日常的監視、ビデオカメラでの違法不法な撮影などの悪行を行い、法大生の怒りをかきたてています。
 御茶ノ水駅など街頭販売では、1回で45部が販売・配布された時もあります。金曜日の官邸前行動でも労働者人民は『前進』を求めています。
 総括として、やはり首都圏学生での定期購読者網建設目標から逆規定して、それと同数の『前進』を届けるところから始めようという主体の側の実践的転換です。
 そして、闘う拠点の建設、党と学生自治会の一体的建設の実践的な環として機関紙活動を位置づけきる目的意識性です。広範な拡大の取り組みの中で、なんとしても新たな一人の定期購読者を獲得する闘いに勝利していきたいと思います。

 闘う郵政労働運動を復権させる手ごたえ A郵便局 川井 純

 8月に長野市で開かれたJP労組第6回定期全国大会への行動に初参加しました。今回の大会は、郵政における「限定正社員」制度=「新一般職」「新人事・給与制度」導入を許すか否かをめぐる重大な大会になりました。
 大会1日目の朝、全国労組交流センター全逓労働者部会や郵政非正規ユニオン、地元の千曲ユニオンなど全国の仲間とともに大会に参加する代議員・傍聴者に向けて「新一般職」「新人事・給与制度」反対を訴えてビラ配布を行いました。
 ビラ受けが非常によくて、現場の労働者は郵政資本とJP労組中央が強行しようとする攻撃にけっして屈服してはいないと感じました。
 参院選での山本太郎氏の勝利とJP労組候補のさだみつ克之の敗北は一体のものであり、現場の労働者は明確にJP労組中央に「NO」を突き付けています。ここに大きな展望があります。
 ビラまきとその後のデモを貫徹し、JP労組中央を打倒し闘う郵政労働運動を復権させる手応えを感じました。何よりも、自分自身が自己解放的に闘えた行動でした。
 反撃の拠点は職場生産点です。国鉄闘争の解雇絶対反対の闘いと一体となって、職場の団結を拡大し、職場支配権を奪還するチャンスが到来していると思います。今回の全国大会闘争でつかんだ確信をもって、職場にその息吹を持ち込んで闘いたいと思いました。全国の郵政労働者は団結してがんばりましょう!

 『はだしのゲン』閲覧制限を撤回させた! 百万人署名運動山陰連絡会 福間育朗

 松江市教育委員会が市立小中学校で『はだしのゲン』を自由に閲覧することを制限する閉架措置をとっていたことが暴露されました。山陰連絡会は、「表現の自由や知る権利を侵害した重大な憲法違反である。残虐なのは『はだしのゲン』の描写ではなく、戦争や核被害の実相である。反戦・反核の学習を深め、日本軍のアジア侵略の事実や天皇の戦争責任が不問になっている現状を次世代に継承していく必要がある。『はだしのゲン』の閉架措置を直ちに撤回せよ」との強い怒りを込めた抗議文を市教委にぶつけました。
 発端は、在特会として活動する札付きの男が、「『はだしのゲン』を学校図書室から撤去するように、それができないなら小林よしのりの『戦争論』も図書室に置け」などと市教委を脅迫したことにあります。
 市教委に拒否されると、男は「『はだしのゲン』を学校現場から撤去せよ」との陳情を市議会に提出します。「市議会の審議にはなじまないので、市教委が判断すべきだ」として不採択となります。その後、市議会の圧力に過剰反応した市教委事務局が『はだしのゲン』の閉架措置を学校に強要します。
 市教委は8月26日、閉架措置の撤回を決定しました。閉架措置に抗議する声を市教委に集中させた結果です。
 『はだしのゲン』閉架措置をめぐる一連の動きは、憲法改悪や戦争策動と根は同じです。こうした攻撃の中心的担い手である下村文科相や菅官房長官などは「特段問題はない」と閲覧制限を容認する許しがたい発言をしています。油断することなく、労働者の団結で断固として闘い抜こう。

 シリアへの帝国主義侵略戦争は許さない 東京 広田 進

 シリアを巡って情勢が超緊迫しています。米と英仏伊などの帝国主義各国が「化学兵器の使用」を理由に軍事介入しようとしている。一方で反乱軍側がアレッポでサリンを使ったという情報もある。
 化学兵器を政府軍と反乱軍のいずれが使ったのかは不明だが、核心問題は、世界大恐慌の深化の中で、中東・世界支配の強化を狙う帝国主義強盗どもが軍事制圧を強め、ロシアやイランへの包囲を強めようとしているということだ。
 シリアが内戦に突入して以来、帝国主義各国とサウジやカタールはトルコ経由で反乱勢力に武器や資金の援助をしてきましたが、レバノンのイスラム勢力ヒズボラがアサド政権に加担して戦闘に加わって以降、力関係は逆転し、アサド政権側が優勢になっていた。この力関係の逆転のために米英仏伊が軍事介入を狙っているのだ。そのために米英仏伊やサウジ、カタールなどがヨルダンのシリア国境地帯で軍事演習を行っている。
 イラク侵略戦争では、あらゆる大量破壊兵器を持っている米帝が、大量破壊兵器をまったく持っていなかったイラクに「大量破壊兵器を持っている」と難癖をつけて戦争を行い、人民を大虐殺した。今また自らの帝国主義権益の確保のためにシリアへの侵略戦争を策動している。労働者国際連帯の発展で戦争を阻止し、世界革命へ。

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週刊『前進』(2598号8面4)(2013/09/02 )

 訂正

 前号6面の椎名千恵子さんの寄稿で「避難・保養交流会」とあるのは「保養・避難交流会」の誤りでした。

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