ZENSHIN 2013/08/26(No2597 p06)

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第2597号の目次

葛西を呼べ!審理尽くせ! 弁論再開要請行動を前に裁判所前で集会を開催。原告である動労千葉争議団を先頭に東京高裁に怒りのシュプレヒコールをたたきつけた(8月22日 千代田区)

1面の画像
(1面)
反動判決阻止!9・15へ
全学連大会の大成功をかちとり新自由主義と闘う自治会建設を
9・14反原発大行動・亀戸中央公園へ
記事を読む  
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審 “証人採用・弁論再開を”
解雇撤回署名6千筆を提出(8月22日)
記事を読む  
前進速報版 記事を読む  
(2面)
9・15 代々木公園 からJR本社デモへ
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審
解雇撤回10万筆署名集め9・25反動判決うち破ろう
記事を読む  
JP労組大会 「新一般職」に激しい怒り
導入狙う本部に多数の反対(8月20〜22日)
記事を読む  
全逓強制配転救済申立事件 神奈川労委が棄却命令
反動許さず闘う労組つくる
(動労千葉を支援する会・全逓横浜、JP労組横浜泉分会 佐藤正則)(7月16日)
記事を読む  
(3面)
8・27自治体労働者全国集会に集まろう
賃下げ阻止! 闘えば勝てる! 今こそストライキで闘おう!  集会実行委のビラ
記事を読む  
首切り自由と総非正規化
国鉄解雇撤回軸に 安倍「成長戦略」に反撃を
記事を読む  
闘いは進む 青年の職場から
合同労組 一人の怒りにこだわり職場に団結つくる  関東 花月 澪
記事を読む  
(4面)
改憲・戦争に絶対反対誓う
8・15労働者・市民のつどい 安倍政権と真っ向対決
今秋決戦へ闘いがスタート
記事を読む  
国際連帯で改憲阻止を
基調報告 森川文人さん(8月15日)
記事を読む  
NAZEN江戸川を結成  福島から佐藤幸子さん招き(東京東部・相馬修)(8月18日) 記事を読む  
8・16官邸前 “原発反対の声聞け”  安倍弾劾の発言次々と(8月16日) 記事を読む  
2013年日誌 8月13日〜19日
国家安保戦略を年内策定へ/分限免職処分10人取り消し
記事を読む  
【要項】9・1さようなら原発講演会、9・14さようなら原発大集会in亀戸 記事を読む  
(5面)
全学連大会の歴史的成功へ
プロレタリア革命に向かう学生自治会の強大な建設を
革共同中央学生組織委員会
記事を読む  
毎日300dの汚染水が海に
タンクからは300dが漏出
福島第一原発事故 再稼働や輸出は論外だ(城之崎進)
記事を読む  
軍部の無差別大量虐殺許すな エジプト革命に連帯し闘おう(丹沢望) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
9・8徳島刑務所デモへ 星野同志を奪還しよう  星野同志の健康と命を守れ 記事を読む  
NAZENが保養・避難交流会
労働者・民衆の力を引き出し 子どもたちの命と未来を守る
〈寄稿〉 福島市 椎名千恵子
記事を読む  
三里塚裁判傍聴を! 記事を読む  

週刊『前進』(2597号1面1)(2013/08/26 )

 反動判決阻止!9・15へ

 全学連大会の大成功をかちとり新自由主義と闘う自治会建設を

 9・14反原発大行動・亀戸中央公園へ

 エジプトの労働者階級の、軍と激突しての第2革命=プロレタリア革命への死闘と連帯し、日本での首相官邸前の反原発行動などが闘われています。8月25日〜27日、日教組大会が異例にも横須賀市で、26〜28日には自治労大会が大阪市で開催され、体制内労組執行部と徹底対決して階級的労働運動の前進をかけた闘いが展開されています。こうした中で『前進』夏季特別号の内容の実践が、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキと8・15闘争を突破口に、全国で画然たる決起として始まりました。その最先頭で国鉄10万筆署名を推進し9・15大闘争に総決起しましょう。9月全学連大会を大成功させましょう。
(写真 安倍の戦争・改憲策動に怒り 労働者・市民のつどいに520人が集まった【8月15日 中野区】=記事4面)

 国鉄改革の大犯罪を暴け

 8月22日、動労千葉と弁護団は東京高裁・難波孝一裁判長に、1047名解雇撤回を闘う鉄建公団訴訟控訴審の弁論再開申し立てと第3次署名提出行動を行いました。申請したのは、国家的不当労働行為に直接かかわった連中の証人採用と弁論の再開です。
 証人採用申請は、JRへの採用候補者名簿に載せないための基準を作り労働者の首を切った葛西敬之(当時の国鉄職員局次長、現JR東海会長)、最高裁から国鉄に出向して国鉄改革法を作りその「功績」でJR東海役員に天下った江見弘武、当時、千葉鉄道管理局総務部長であった今村雅弘(現自民党衆議院議員)の3人です。特に当初は採用候補者名簿に載っていた動労千葉組合員12人を名簿から排除した直接の犯人は葛西敬之です。このことはすでに一審の弁論での、葛西のもとにいた伊藤嘉道の証言からも明らかです。
 東京高裁・難波裁判長にこれらの真実を闇に葬る権限などありません。弁論再開で葛西らを法廷に引きずり出し、国鉄分割・民営化の真実を満天下に暴きましょう!
 わずかこの1年で非正規労働者が106万人も増え、1881万人になりました。政府はさらに首切り自由の「解雇規制の緩和」や「限定正社員制度」の導入を狙っています。すでに今の時点でも、過労自殺や労働者家族の崩壊が全社会に広がっています。この、すべての労働者家族の生死にかかわる状況の始まりこそ、国鉄労働者の2人に1人が職場から追われた「国鉄改革」でした。

 9・15-25は最大の決戦だ

 では、なぜ国鉄労働者の「いったん全員解雇」が可能になったのか?
 その元凶こそ国鉄改革法23条です。「国鉄とJRは別法人」「国鉄が名簿を作成し、JRが新規採用する」からJRに責任はない、という論法で国鉄労働者全員の首を切ったのです。
 当時のJR設立委員会委員長は、名実ともに日本ブルジョアジートップの経団連会長であった新日鉄会長の斎藤英四郎です。日帝権力はここに動労カクマルも攻撃の先兵として投入します。当時の首相・中曽根康弘がこの攻撃を「戦後政治の総決算と改憲のためにやった」と公言しているように、まさに権力中枢の総力をかけた労働者階級への襲撃として国鉄分割・民営化はありました。国労本部はこの攻撃に最初から屈服し、国鉄改革法との闘いそのものを放棄してきました。
 しかし、動労千葉の営々たる闘いによって26年目にして初めて、国鉄改革法の真実が白日のもとに暴き出されました。昨年6月29日、東京地裁・白石哲裁判長は、動労千葉組合員らを清算事業団送りにしたJR採用候補者名簿不記載基準について「不当に差別する目的、動機のもとに本件不記載基準を策定した」と認定したのです。この白石裁判長が今春、突然更迭されたのが「白石事件」です。
 これは、国鉄闘争が政権中枢を震撼(しんかん)させる「暗部」を暴く最高に熱い闘いであること、階級本体を組織し日帝の改憲願望を打ち砕く最強の改憲阻止闘争でもあることを示しています。ここまで勝利し前進してきた国鉄闘争の本格的発展を切り開く、今日的な最大の核心的課題は何でしょうか。
 それは動労千葉と動労総連合、国労共闘の組織拡大です。それこそが今後のすべてを切り開く一番の闘いです。とりわけ平成採青年労働者の存在とその組織化です。その目的意識性をもって国鉄決戦を闘いましょう。
 動労水戸と国労郡山工場支部を結んだ被曝車両(K544編成)をめぐる被曝労働拒否の闘いは、労組の違いや労働者の世代による分断、支社間の分断、JR本体と出向先の分断をも超え、日々闘われています。
 これは、階級的労働運動派が被曝労働拒否で国鉄労働者全体の利害を貫くことで、被災現地の怒りと苦悩と闘いと連帯し、全労働者、全農漁民の先頭に立ち団結を拡大する闘いです。郡山では8月の猛暑下の工場でマスク・ゴーグル・タイベックス(原発作業員と同様の防護服)を着て闘っています。JRはこの車両を今度は勝田車両センターに戻し、「安全キャンペーン」のもと常磐線・広野―竜田駅間運転再開を強行しようとしています。許せません。

 危機にあえぐ安倍と激突

 大恐慌の本格化と大争闘戦時代への突入の中で、日帝・安倍は参院選での「自民圧勝」の虚構のもと、どうしようもない危機と破綻にあえいでいます。日本の国の借金(国債プラス借入金プラス政府短期証券)は13年6月末でついに1千兆円を超え、13年度末には1107兆円に達します。対GDP比で200%をはるかに超えて世界最悪です。
 ここから安倍は、一方で集団的自衛権行使への踏み切り策動など改憲・戦争の攻撃に絶望的にのめり込み、他方では消費大増税、社会保障切り捨て、労働組合破壊などの攻撃に訴えてきています。TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加も、米帝の激しい対日争闘戦のもとで大企業の延命のために、労働運動を圧殺すると同時に、農業、漁業、医療、保険などを犠牲にし崩壊させる攻撃です。
 「アベノミクス」は、FRB(米連邦準備制度理事会)の超金融緩和政策の「出口戦略」をめぐるあがきと連動して崩壊を始め、安倍は「民間活力の爆発」による「成長戦略」なるものにかけています。徹底した民営化・外注化・非正規職化の攻撃です。そして鉄道、原発、水道、医療などシステム丸ごとの海外パッケージ輸出です。
 だがそれは始まる前から破綻しています。国鉄分割・民営化の破綻の象徴としてのJR北海道は、この夏にも列車の発煙・炎上・脱線事故が続発しています。原因は車両検修、保線の破綻・崩壊です。さらに何よりも、福島原発事故の大量の高濃度汚染水問題は日帝の絶望的な破綻点です。原発の再稼働や輸出などまったく論外です。

 職場で10万署名訴えよう

 山本太郎氏の当選は、首都100万人、全国1千万人規模の巨大な決起と反乱でした。それが日帝・安倍の超反動攻撃を痛撃し、時代は完全な激突情勢に突入しています。安倍への怒りはいよいよ爆発します。絶対反対で対決し闘えば勝てる時代の到来です。
 当面する最大の闘いは、9・15国鉄大闘争への全国総結集であり、「解雇撤回・JR復帰」の10万筆署名運動です。そしてこの力で動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25反動判決策動を絶対に粉砕することです。
 10万筆署名には350を超える労働組合からの賛同署名が集まっており、そこには解雇への怒りと解雇撤回への期待があふれています。国鉄闘争を自分の職場で実践する時にこそ労働者は階級の団結と誇りで活性化していきます。何よりも職場で解雇撤回署名を呼びかけ、署名活動家網をつくり、10万筆を達成しましょう。
 国鉄を先頭に、自治体、教労、郵政で、全産別、民間職場で、解雇撤回の10万筆署名を訴え、それで職場を席巻し、体制内指導部を吹き飛ばす階級的労働運動の前進をかちとりましょう。その力を東京高裁にたたきつけ、9・25反動判決を絶対に阻止しましょう。
 9月15日には再び国内の全原発が止まります。動労水戸と国労郡山工場支部の外注化阻止・被曝労働拒否・福島圧殺粉砕の闘いは、再稼働阻止・全原発廃炉へ、原発労働者の決起を組織し、国際連帯闘争を推進する闘いです。NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)をさらに全国で結成し、それらの力を9・14反原発大行動(東京・亀戸中央公園)に総結集しましょう。
 学生運動は、階級的労働運動と一体で、反原発闘争をはじめ帝国主義・新自由主義と闘う全運動の最先頭に立っています。9・4〜5全学連大会の歴史的成功をかちとり、広島大学自治会再建の勝利に続き、全国でさらに闘う自治会建設へと前進しましょう。
 国鉄決戦、反原発決戦と一体で、星野闘争、三里塚闘争、沖縄闘争、全戦線での闘いを、安倍政権と新自由主義に激しく対決し、全力で闘い取りましょう。1万人『前進』読者網の建設、夏期カンパ闘争の貫徹、組織拡大・拠点建設の闘いをあくまで目的意識的に断固推進しましょう。

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週刊『前進』(2597号1面2)(2013/08/26 )

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審 “証人採用・弁論再開を”

 解雇撤回署名6千筆を提出

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の弁論再開を求めて8月22日、東京高裁第12民事部(難波孝一裁判長)に対する要請と、「解雇撤回・JR復帰」を求める10万筆署名の第3次提出行動が意気高く闘い抜かれた。
 まだまだ残暑が厳しい午後2時過ぎ、裁判所前に動労千葉組合員と弁護団、支援が結集し集会を開いた。「不当解雇の張本人である葛西敬之(現JR東海会長)を調べずに、どんな判決が書けるのか」。動労千葉の田中康宏委員長や代理人弁護士、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長、動労水戸の石井真一委員長らが次々とマイクを取り訴えた。動労千葉争議団長の高石正博さんは「ついに不当解雇の真実が明らかになりつつあるのに、一人も証人を調べずに裁判を終わりにするなんて話はありえない。われわれを解雇した張本人に、どういうつもりでこういう目にあわせたのかはっきりさせてもらいたい」と述べ、中村仁さんも「東京高裁に弁論を再開させ、真実を明らかにして解雇撤回・JR復帰をかちとる」と固い決意を述べた。
 午後3時、原告と代理人弁護士を先頭に参加者全員で庁舎16階にある東京高裁第12民事部に向かった。代理人が弁論再開申立書と証人採用を求める書面を提出し、難波裁判長との面会を求めた。申立書は、証拠として提出した『国鉄改革前後の労務政策の内幕』で明らかになった新事実を突きつけ、葛西敬之(当時、国鉄職員局次長。現JR東海会長)、国鉄改革法案作成の中心となった江見弘武(当時、最高裁から国鉄総裁室に出向。現JR東海常勤監査役)、原告を名簿から排除した当事者の今村雅弘(当時、千葉鉄道管理局総務部長。現在、自民党所属の代議士)の証人採用を強く求めた。そして「本件は、いまだ審理が尽くされていない」「真実を確かめることを怠るならば裁判所はその存在意義を失う」と難波裁判長に迫る内容だ。
 対応した書記官は、要請団の迫力にあたふたしながらも「文書を渡しますから」と繰り返し難波への取り次ぎを拒んだ。
 さらに原告の高石さんが、酷暑の中を全国の労働者・学生・市民が集めた6419筆(累計3万3613筆)の署名を提出し、山本さんが要請文を読み上げた。
 隣接する弁護士会館で総括集会が開かれた。代理人弁護士が申立書の趣旨を解説し、「書記官室にあったキャビネットの向こうに難波裁判長の部屋がある。要請書を読み上げた声は難波に届いていたはずだ」と述べた。
 山本さんは「残された時間は少ないが1筆でも10万筆に近づけたい。何よりも自らの職場で署名に取り組むことが、職場での課題と国鉄闘争を結びつけ、労働運動復権の種になっていくはずだ。まだまだ暑いが9・15総決起集会に向かって、もうひと踏ん張りをお願いしたい」と力を込めて訴えた。
 ス労自主の入江史郎委員長、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸さん、動労千葉貨物協議会の佐藤正和議長が、次々とともに闘い抜く決意を表明。動労水戸の石井委員長は、この間の被曝労働拒否の闘いや、JR水戸支社による被曝車両K544の「偽装交検」追及の闘いを報告し、10・1構内誘導業務外注化を絶対に阻止する決意を語った。
 最後に動労千葉の田中委員長が「われわれの強い思いは間違いなく難波裁判長に届いたはずだ。国鉄分割・民営化による不当解雇と外注化をめぐるわれわれの闘いは、核心部分に迫る前進をかちとってきた。二十数年にわたる敵の攻撃のすべてが、あと一歩で崩れ落ちる、その寸前のところまで来ている。闘いの前進と敵の反動がせめぎ合っている。だからこそ、ここで一歩も引くわけにはいかない」と訴え、当面する最大の取り組みとして9・15集会への大結集を呼びかけた。
(写真 葛西を呼べ!審理尽くせ! 弁論再開要請行動を前に裁判所前で集会を開催。原告である動労千葉争議団を先頭に東京高裁に怒りのシュプレヒコールをたたきつけた【8月22日 千代田区】)

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週刊『前進』(2597号1面3)(2013/08/26 )

前進速報版

▼改憲と戦争に絶対反対!8・15集会に520人▼「汚染水止めろ!再稼働するな」官邸前で怒りの声▼自治労全国保育集会で国鉄署名

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週刊『前進』(2597号2面1)(2013/08/26 )

 9・15 代々木公園 からJR本社デモへ

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審

 解雇撤回10万筆署名集め9・25反動判決うち破ろう

 動労千葉の鉄建公団訴訟控訴審は9月25日、東京高裁で判決を迎える。四半世紀を超える国鉄1047名解雇撤回闘争は、ついに国鉄分割・民営化の真実を満天下に暴く決定的情勢を迎えている。何よりも「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名の力で反動判決策動を粉砕することを訴えたい。9・15総決起集会を10万筆署名達成集会としてかちとろう。
(写真 6千筆の署名を携え弁論再開要請のために東京高裁に入る組合員【8月22日 千代田区】)

 社保庁免職撤回は国鉄方式の大破産

 09年末に社会保険庁が解体され、日本年金機構に業務が引き継がれる際に525人が民間の解雇にあたる分限免職処分となった問題で、人事院が8月19日、新たに10人について処分取り消しを決めた。4月と6月に続く3度目の決定で処分取り消しは計16人になった。審査請求をした71人のうち46人について判断が示され、35%にあたる16人が処分取り消しとなる重大な結果となっている。本人が希望すれば厚生労働省に復職する。
 これは国鉄型解雇の違法性と矛盾を強く示す重大事態だ。社保庁解体は「年金業務・組織再生会議」という審議会で審議された。ここでどのような議論が行われたのか。
 「国鉄改革法とまったく同じスキームでやっているから、日本年金機構における不採用が不当労働行為となる可能性はない」「国家公務員にはそもそも労働組合法の適用はないので、分限免職それ自体が不当労働行為とされることもない」
 しかし今回の処分取り消しで、この議論が決定的に間違っていたことを政府の機関である人事院が認定したのだ。
 社保庁解体に際して、一方で525人を分限免職にし、他方で一般から約1千人の新規採用を行った。このことについては“同じ企業が一方で人を採用し、もう一方で減員するのは難しい。ただし、今回、採用するのは(新設される)日本年金機構で、分限免職処分するのは社会保険庁。組織が違うので、割り切って考えれば別々”などと議論されていた。新規採用方式ならば何をやってもよいという「理屈」だ。
 今回の処分取り消しは国鉄方式の決定的な破綻を示している。〈いったん全員解雇→選別再雇用〉という国鉄型の民営化攻撃には絶対的な矛盾があるのだ。
 社保庁解体の攻撃に対して、自治労は完全に屈して社保労組を解散した上で年金機構労組を新たに設立し、不採用になった組合員を組合からも排除した。社保労組が団結を維持し、自治労80万の総力を挙げ、全国の労働組合の力を結集すればいくらでも闘いようはあった。国鉄方式による解雇は労働組合の屈服なしには貫徹できないのだ。

 斎藤・井手・葛西が謀議し不採用基準

 04年に当時の鉄建公団(旧国鉄清算事業団、現在は鉄道運輸機構)を相手どって始まった動労千葉鉄建公団訴訟は、ついに「国鉄改革」の真実を暴き出すところまで前進してきた。
 どうして国鉄労働者のいったん全員解雇が可能になったのか? どうやって2人に1人を職場から追放する仕組みをつくったのか? それが国鉄改革法23条だった。「国鉄とJRは別法人」という理屈をデッチあげ、採用をめぐるJRと国鉄の権限を書き分けることで選別採用の仕組みをつくったのだ。
 国鉄労働者20万人を職場から追い出した連中は「採用候補者名簿をつくったのは国鉄。JRは名簿記載者を全員採用した。JRには解雇や不当労働行為の責任は及ばない」と言い逃れをしてきた。この「国鉄改革」の核心中の核心が百パーセント大うそだったのだ。実際には、国鉄とJR(設立委員会)は最初から最後まで一体となって謀議を重ね、不採用基準の策定と採用候補者名簿作成を行っていた。
 本裁判では、一審東京地裁で、採用候補者名簿を作成した伊藤嘉道国鉄職員局補佐(当時)の証人調べを行い、JR不採用となった動労千葉組合員12人が当初は採用候補者名簿に記載されていたこと、葛西敬之職員局次長(当時)が「停職6カ月、または停職2回以上」の不採用基準に該当する者を名簿から外すよう指示したことを明らかにした。
 昨年6月29日の判決では「名簿不記載基準の策定は不法行為であり、名簿不記載基準が策定されなければ被解雇者はJR東日本に採用されていたはず」とする画期的判決をかちとった。
 さらに控訴審では、国鉄とJR(設立委員会)が共謀し、採用候補者名簿の作成と不採用基準の策定を一体となって行っていた決定的証拠を提出した。
 JR設立委員長だった斎藤英四郎(当時の経団連会長)が葛西や井手正敬国鉄総裁室長(当時)らに直接指示し、国鉄分割・民営化に反対する国労や動労千葉の組合員を排除するための不採用基準を作成させたのだ。
 証拠として提出された『国鉄改革前後の労務政策の内幕』には文字通り当事者のみが知る決定的事実が記されている。
 「我々はこのチャンスに、管理体制の立て直しをすべく……過去に何度も処分を受けた者は、やっぱりこの際、排除したい」「そこで(斎藤委員長のところに)葛西君と出かけて話に行って……まず、選考基準に合致しなかった者は駄目なんだということにしよう。そして選考基準は、斎藤さんが作れと言うので、不当労働行為と言われないギリギリの線で葛西が案を作り、それを斎藤さんに委員会の席上、委員長案として出してもらい、それは了承された」
 井手は得意げに語っているが、これは大変な事実だ。国鉄を解体して全員を解雇(退職)に追い込み、新会社JRによる新規採用という仕組みで選別採用を行ったとあけすけに語っているのだ。
 戦後労働法制の原則を根本から覆す乱暴かつ粗雑な国鉄改革法の仕組みが最初から万能の力をもったわけではない。国鉄分割・民営化攻撃の暴風雨のような暴力的遂行に対して国労が闘いを放棄し、動労カクマルの積極的協力があって初めて、それはある種の「生命力」を持ったのだ。

 首切り要求し当局に迫った鉄道労連

 特に動労カクマルは、国鉄改革法23条の仕組みに反革命的に関与した。
 動労委員長・松崎明は分割・民営化の前年の1986年、国鉄総裁や鉄労組合長らとともに「労使共同宣言」を発表、国労や動労千葉への卑劣な攻撃に手を染めた。「国労や動労千葉は新会社には採用されない」と徹底的な恫喝を加え、年輩の労働者を「後進に道を譲れ」と脅迫した。その結果、本州と四国では予想外の定員割れが起きるほど多数の労働者が国鉄を去った。
 定員割れが確実となり、本州・四国では動労千葉や国労が全員採用される事態が明らかになると「全員採用など認められない」という特別決議まで上げて国鉄当局に解雇を激しく迫った。これが葛西らによる不採用基準の策定と名簿からの排除の直接的経過だ。
 動労千葉鉄建公団訴訟は一審−二審を通して、いよいよ不当解雇の構図と経過の全体像を明らかにする局面を迎えているのである。葛西や井手らを裁判所に呼び出して証人調べを行えば、誰が、どういう経緯で、どんな目的で1047名解雇を強行したのかがすべて明らかになる。
 1047名解雇撤回を求める動労千葉の鉄建公団訴訟は、国鉄分割・民営化から26年にしてついに「国鉄改革」の真実を白日のもとに暴き出し、解雇撤回・JR復帰をかちとるぎりぎりのところまで敵を追い詰めている決定的な闘いだ。

 国鉄闘争は青年の共感生む闘い

 これは2010年4・9政治和解を超え、原則を貫き通して闘い抜いてきた国鉄闘争の偉大な地平である。
 「国鉄闘争の火を消すな!」を合言葉に国鉄闘争全国運動が始まり、1047名闘争に心を寄せてきた多くの人びとが陰に陽に支援と連帯を寄せてきた。動労千葉の外注化阻止闘争などの職場生産点での闘いと「解雇撤回」の原則的な闘い、そして階級闘争の大地と歴史を貫く大義と階級的力関係が押し上げた地平だ。
 想像以上に多くの人びとが、敵も味方も固唾(かたず)をのんで裁判のゆくえと国鉄闘争の今後を見守っている。ここに国鉄分割・民営化に真に決着をつける決定的な展望が生まれている。国鉄闘争に心を寄せてきた全国のあらゆる人びとの思いを署名運動に結集させ、10万筆のパワーで反動判決を打ち破り解雇撤回の判決をかちとろう。
 職場生産点で労働者が団結して資本と闘う展望をつくり出すことと、「国鉄改革」の真実を暴き出して国鉄分割・民営化に決着をつける闘いが一体になってこそ階級的労働運動は前進する。
 戦後最大の労組破壊攻撃だった国鉄分割・民営化から、日本における新自由主義は始まった。官公労を始め、あらゆる産別で労働組合を徹底的に破壊する嵐のような攻撃が吹き荒れた。戦後労働運動の主軸を担った総評は、これに対抗できずに後退を重ね、右翼的労働戦線統一に飲み込まれて解散に追い込まれた。こうして当時の竹下首相が「抱擁したい」と歓喜した帝国主義労働運動・連合が結成された。
 その出発点ともいうべき国鉄分割・民営化に決着をつける決定的瞬間が来ているのだ。国鉄分割・民営化のからくりをぶち破り、二十数年間にわたって日本労働者階級を襲った攻撃がもたらした現実が、すべてウソとペテンに満ちたものであり、労働者の闘いによって打ち破れることを示そう。これは安倍政権や橋下大阪市長らの民営化と雇用破壊の攻撃を打ち破る闘いそのものだ。
 1047名闘争は、国鉄分割・民営化を直接には体験していない青年労働者にとっても切実な問題であり、豊かな共感を生む闘いである。若者の2人に1人が正社員になれない現実、職場における極限的な労働疎外の現実は、国鉄分割・民営化で起きたこと、そしてこれと闘う動労千葉や1047名闘争の意義をたちまち理解させる。
 職場で闘うことと国鉄闘争を結合させることは、直接的・間接的に資本や権力、帝国主義労働運動やスターリン主義を打ち破る豊かな階級性と党派性を生み出す。
 職場で「暴かれた国鉄改革の真実」を訴え署名を集めよう。9月25日の判決まで1カ月、10万筆の署名の力で解雇撤回・JR復帰の判決をかちとろう。
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 JR不採用はこうして行われた!

1987年1月末 国鉄が「JR採用候補者名簿」を作成。その時点ではJR不採用となった動労千葉組合員12人を始め、本州でJR不採用となった職員(計75人)が含まれていた。
2月2日午前 国鉄総裁・杉浦喬也が記者会見で「(本州では)全員採用の方針」と表明。
2月2日午後 鉄道労連(現JR総連)結成大会が「新会社の採用・配属に関する特別決議」を採択。「国鉄改革に反対する不良職員が採用されかねない。しかし、このようなことは許されるものではない」
2月2日夜 鉄道労連レセプションで杉浦国鉄総裁が「皆さんの努力に応える」と表明。
2月2〜7日 国鉄職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)の指示により、急きょ「過去3年、停職6カ月、または停職2回以上」の不採用基準を策定し、該当する者を採用候補者名簿から排除した。
2月7日 国鉄職員局補佐・伊藤嘉道がJR設立委員会にJR採用候補者名簿を搬入。
2月12日 JR設立委員会が「採用する職員」を決定。
2月16日 JRに採用される国鉄労働者に「採用通知」が届き、本州75人を含め7628人の労働者の不採用が明らかになった。
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 〈解説〉 解雇の張本人はJR

 暴かれた「国鉄改革の真実」

 国鉄分割・民営化による国鉄労働者の解雇は、国鉄改革法23条を盾にして強行された。改革法23条は、JR職員の採用手続きを「国鉄による採用候補者名簿の作成」と「JR設立委員会による採用候補者名簿からの採用者の決定」の2段階に切断した。「国鉄とJRは別法人」という虚構のもと、採用候補者名簿作成の段階で国鉄が不当労働行為を行っても、その責任をJRに及ばせない仕組みをつくったのだ。
 もちろん、「国鉄とJRは別法人」というのはまったくの虚構だ。国鉄がJRに移行した1987年4月1日午前0時にも、列車は間断なく運行されていた。
 実は支配階級内部でも「国鉄とJRは別法人」という理屈で不当労働行為を居直りきることへの動揺があった。国鉄改革関連法を審議した86年の国会で、政府は、国鉄による採用候補者名簿の作成はJR設立委員会の「委任」を受けての「代行」行為だと説明した。JR不採用をめぐって出された労働委員会命令も、採用の主体はJRであり国鉄はその補助者にすぎないとして、責任はJRが負うと判断した。
 これを覆し、「JRに責任はない」としたのが、98年5月28日の東京地裁の反動判決だ。以後、裁判所は同様の判決を出し続けた。そもそも国鉄改革法23条の策定には、国鉄分割・民営化当時、最高裁から国鉄総裁室法務課に出向していた江見弘武裁判官(現JR東海監査役)が関与していた事実がある。
 だが、「JRに法的責任なし」を確定して労働委員会命令を最終的に取り消した03年12月の最高裁判決に際しても、裁判官の評決は3対2に割れた。「国鉄とJRは別法人」という虚構を押し通すことには、あまりにも無理があったのだ。
 にもかかわらず、この無理をまかり通らせたのは、「JRに法的責任がないことを大会決定せよ」と迫る00年の4党合意を受け入れた国労本部の裏切りだった。

 葛西と江見を証人尋問せよ

 4・9政治和解を突き破って闘いぬかれた動労千葉鉄建公団訴訟は、控訴審で、不採用基準がJR設立委員長だった斎藤英四郎と国鉄幹部だった井手正敬・葛西敬之らの謀議によって作られた事実を暴き出した。
 「JRに責任なし」という理屈が成り立つためには、採用候補者名簿の作成が国鉄単独の行為として行われ、そこで何がなされたのかをJR設立委員はまったく知らなかったことが大前提になる。だが、そんな前提など成り立たないことは、事実によって突き出された。JRこそ不当労働行為の当時者中の当事者だったのだ。
 追い詰められた東京高裁・難波孝一裁判長は、5月8日、一切の事実調べを拒否して結審を強行し、9月25日の判決日を一方的に指定した。
 昨年6月29日の一審判決を出した東京地裁・白石哲裁判長が閑職に追いやられた事件と並び、この事態は国家権力中枢が国鉄解雇撤回闘争の圧殺に総力を挙げていることを示している。
 難波裁判長は05年9月15日、東京地裁の裁判長として、国労闘争団の鉄建公団訴訟で、不採用基準は「基準として明確で合理的」だからそれによる解雇に問題はないという判決を出した人物だ。その難波が、極反動判決をたくらんでいることは間違いない。
 だが、この策動の最大の弱点は、事実からとことん逃げ回っていることにある。8月22日、動労千葉争議団と弁護団は、葛西や江見らの証人尋問を求め、弁論再開の申し立てを東京高裁・難波裁判長にたたきつけた。
 国鉄解雇の真実をさらに広く訴え、解雇撤回・JR復帰の10万筆署名の達成に総力を挙げよう。9・15総決起集会に結集し、9・25反動判決策動を徹底的に打ち砕こう。

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週刊『前進』(2597号2面2)(2013/08/26 )

 JP労組大会 「新一般職」に激しい怒り

 導入狙う本部に多数の反対

 大恐慌下で郵政労働者の荒々しい闘いが始まった。8月20〜22日に長野市で開催されたJP労組第6回定期全国大会で中央本部は「新人事・給与制度」の妥結承認を図り、「新一般職」の導入を狙った。しかし多くの代議員が反対票を投じた。本部方針に多数の反対が出たのは07年のJP労組結成以来初めてだ。
 現場組合員は誰一人として「新人事・給与制度」「新一般職」に賛成していない。それがこの事態をつくり出した。郵政労働者は7月参院選でもJP労組の組織内候補・さだみつ克之に「NO!」を突きつけ、さだみつは無惨に落選した。
 闘いはこれからだ。連合JP労組本部への怒りをさらに燃やし、現場からの闘いで「新人事・給与制度」「新一般職」導入を阻もう!
(写真 全国から駆けつけた青年労働者を先頭にJP労組大会会場を包囲するデモ【8月20日 長野市】)

 会場揺るがす宣伝活動・デモ

 大会初日の20日早朝、全国労組交流センター全逓労働者部会、郵政非正規ユニオンと地元・千曲ユニオンの仲間は会場の長野市のビッグハット前に登場し、ビラ配布・宣伝活動と、抗議デモを行った。
 代議員・傍聴者が分乗した大型観光バスが次々とビッグハット前の駐車場に到着した。全逓部会などの仲間たちがバスに駆け寄り、代議員・傍聴者を激励し、ビラ・パンフレットを配布すると、ほとんどの組合員が受け取り、瞬く間にビラが減っていった。
 大会参加者の入場が終わり、用意した約6千枚のビラ・パンフレットをすべて配布した後に、デモに移った。「新一般職導入反対!」「非正規の雇い止め・解雇を許さないぞ!」。デモ隊は会場を揺るがす大シュプレヒコールを響かせた。
 大会の昼休みには再びビッグハット前に登場。会場の代議員・傍聴者に向けて、全国から駆けつけた青年労働者を中心に、次々とマイクを握って渾身(こんしん)の訴えを始めた。
 「『新人事・給与制度』を否決し、労働組合をよみがえらせましょう」「団結すれば労働者は生きていける」「反原発の運動方針を取り上げてほしい」「現場の労働者として『新一般職』に反対し、堂々と生きよう」「労組が闘えば職場はよくなる。JP労組を闘う労働組合にしよう」「福島第一原発事故の責任を追及し、動労水戸のように被曝労働拒否で闘おう」「非正規の雇い止めは絶対に許せない」「誰のための労働組合ですか? 労働組合には組合員を守る義務がある」
 現場で絶対反対で闘う労働者の思いを込めた発言は聞く者の胸に迫り、多くの代議員・傍聴者が建物から出てきて真剣に耳を傾けた。動労千葉の「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名への協力も呼びかけ、多くの組合員が署名に応じた。
 前日の19日午後、全逓部会はJR長野駅前で10万署名活動を行った。さらに市内の会場で郵政労働者総決起集会を行い、「大会闘争に勝利しよう」と誓い合った。
 JP労組本部が妥結承認を強行した「新一般職」とは安倍政権が進めようとしている「限定正社員」とまったく同じものであり、労働者を10割非正規職化する攻撃だ。これに対して郵政労働者の大反撃が始まったのだ。
 9・15総決起集会に集まり、9・25反動判決を絶対に阻もう。その力で職場から闘いを巻き起こし、「新人事・給与制度」の導入を阻もう。労組拠点の建設を目指して全国で闘おう。
(写真 大会初日朝、代議員に「新一般職に反対しましょう」と訴え、ビラやパンフレットを配布した)

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週刊『前進』(2597号2面3)(2013/08/26 )

 全逓強制配転救済申立事件 神奈川労委が棄却命令

 反動許さず闘う労組つくる

 7月16日、神奈川県労働委員会は私・佐藤正則が申し立てた人事交流=強制配転の不当労働行為救済申立事件に対し、棄却命令を出してきました。約2年間、3回の調査と4回の審問が行われましたが、強制配転の核心部を不明にしたまま、会社側の主張に沿った棄却命令を出したのです。
 私たちは「郵政民営化反対・非正規職撤廃」を掲げ、国鉄1047名解雇撤回闘争の支援のため「動労千葉を支援する会・全逓横浜」を立ち上げ、JP労組本部が組合活動を放棄する中で、ビラまき・物販活動などの組合運動を展開してきました。そのことを労働委において立証してきました。しかし、この活動を「労働組合活動の行為としては認められない」と認定したのです。
 命令は「本件人事異動に不利益性が伴うことは否定できない」と認定し、さらに「支援する会は、組合のあり方を変えていく体質改善を目的としている」とまで認めながら、「その主な活動は、動労千葉の日本国有鉄道の分割民営化に反対して解雇された動労千葉の組合員に対しての支援活動として物資販売を行うことを通じて解雇撤回の運動を職場の中に広めること、被災地への救援物資販売、反原発の運動などであり、客観的にみて労働条件の維持・改善など組合の目的に沿った活動であるとは言い難い」としたのです。
 労働組合の活動をJP労組本部方針に限定し、国鉄1047名解雇撤回闘争という本部反対派の私たちの活動、最大の労働条件である解雇問題を認めない、きわめて反動的な見解です。
 会社側は労働委員会において「人事異動は人事交流ではない。キャリアアップであり、専権事項としてあり、JP労組支部執行部からの反対の意見なし」とうそぶいて平然としていました。
 しかし私たちは労働委員会において、労資一体の強制配転であることを暴き、当局を追いつめました。人事交流=強制配転攻撃に対して民営化以降初めて労働委員会闘争に立ち上がった意義は、再び激化している人事交流=強制配転をあいまいにせず「絶対反対」で闘い、団結破壊に対しては団結強化で闘うことを明確にしたことです。
 正規職への強制配転が非正規職の雇い止め・解雇、職場の分断・団結破壊の激化になっています。「新一般職」の導入=正規職の非正規職化が策動されている今、強制配転攻撃との闘いは、闘う労働組合を職場からつくっていく闘いです。
 (動労千葉を支援する会・全逓横浜、JP労組横浜泉分会 佐藤正則)

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週刊『前進』(2597号3面1)(2013/08/26 )

 8・27自治体労働者全国集会に集まろう

 賃下げ阻止! 闘えば勝てる! 今こそストライキで闘おう!

 集会実行委のビラ

(写真 仙台市職労が市役所本庁舎で早朝集会【4月26日】)

(写真 愛媛県職労が県庁前でビラまきと並行し時間前集会【4月26日】)

(写真 大阪市職が市庁舎前で早朝の職場集会【4月26日】)

 今年の自治労大会は8月26〜28日、大阪市で開催されます。全国の自治体労働者のみなさん、とりわけ自治労組合員のみなさん。安倍政権による7・8%賃金カットに対する私たち自治体労働者の怒りが自治労本部の4・26ストライキ方針を出させ、多くの単組がストライキ・時間内職場集会・非協力闘争などに決起しました。この現場の怒りは、安倍政権や橋下徹大阪市長を完全に追い詰め、賃金カットのみならず民営化・外注化をはじめとした解雇攻撃を打ち破りつつあります。”闘えば勝てる!”――私たちは今このことを実感できます。本当に勝ち抜ける方針と組織が必要です。4・26をもって開始したこの挑戦を貫き、自治労をストライキで闘う労働組合に生まれ変わらせましょう。自治労大会2日目の夜、闘う自治体労働者の全国集会を開催します。多くの皆さんのご参加を呼びかけます。

 4・26ストで自治労をつくりかえる闘いが始まった!

●橋下を追い詰めているのは現場の闘いだ!
 「公務員の組合をのさばらせておくと国が破綻する」――このように公言して登場した橋下市長は、今や地下鉄・バス、上下水道などの民営化攻撃の行き詰まりでグラグラになっています。橋下市長をここまで追い込んでいるのは現場労働者の怒りの闘いです。
 「入れ墨」調査を拒否し処分攻撃と闘う労働者の怒り。昨年の自治労函館大会で次々と寄せられた「橋下打倒集会」への賛同の声。そして4・26自治労ストライキへの現場からの決起。人員削減と非正規職化で過労死やうつ病になるような業務を強制し、さらなる民営化攻撃で超長時間労働や処分攻撃を繰り返す橋下市長をどうして許せるかという怒りの決起です。こうした橋下市長との対決は全国の自治体労働者の闘いの最先端です。
●連合による労働者支配の崩壊が始まった!
 安倍政権は「公務員という岩盤を崩さなければ雇用の流動化はうまくいかない」と、公務員への全員解雇・10割非正規化攻撃、労組破壊攻撃を強めています。しかし闘う自治体労働者は職場での日々の格闘でこの攻撃を打ち破りつつあります。
 ところが自治労本部はストライキ方針を出しておきながら、単組や現場任せにして責任を放棄し、職場での絶対反対の闘いを切り捨てています。これでは闘う団結などできません。
 こうした自治労本部や連合に対して、今回の参院選で現場労働者ははっきりと「NO!」をたたきつけました。連合本部による労働者支配は崩壊を始めたのです。
 これに恐怖した安倍政権は、「いかなる労働組合的あり方も許さない」とばかりに労働組合への弾圧を強め、自治労奈良県本部書記長を不当逮捕するというなりふりかまわぬ暴挙に出ています。
 いかなる労働組合つぶしも絶対に許さない!
団結破壊と闘い、現場労働者の手に闘う労働組合を取り戻しましょう。
●山本太郎氏の参院選勝利で情勢は一変した!
 参院選・東京選挙区で山本太郎氏が66万6684票を集めて堂々の当選を果たしました。「被曝させない! 飢えさせない! TPP入らない!」という絶対反対の闘いが青年労働者を先頭とした広範な怒りと結びついた瞬間です。
 3・11大震災と原発事故によって、これまでのすべてのウソが暴き出されました。誰もがこれまでの人生や生き方、考え方を根底的に問い直しました。労働者階級は怒りに燃えて決起し、既成の枠組みや支配機構を突き破り、山本太郎氏を国会に送り出しました。
 連合本部や全労連などは「雇用の確保」という口実で次々と権利を譲り渡し、現場労働者に矛盾をしわ寄せしてきました。これでは団結は生まれないし、勝てません。労働組合が絶対反対を貫いて闘ったとき、本物の団結が生まれ、その力が資本や当局を痛撃し、新自由主義攻撃を打ち破るのです。
 実際この7月、動労水戸が被曝労働拒否のストライキに立ち上がり、JR資本を破綻に追い込んでいます。なんとJRは交番検査ができないまま(「偽装交検」)被曝車両K544を郡山工場に移送したのです。しかも郡山工場で国労郡工支部が動労水戸の闘いを引き継いで闘っています。労働組合の枠を越えて闘いが広がっています。
 情勢は一変しました!
闘う者が勝利する時代が来ているのです。

 分割・民営化の真実が暴かれ安倍は追い詰められている

●社会保検庁解雇撤回の勝利! 闘えば勝てる!
 公務員の労働運動でも決定的な勝利がかちとられています。
 09年の社会保険庁民営化で525人が分限免職(解雇)となりましたが、人事院は4月以降、8月19日までに計16人の処分を取り消しました。〈国鉄方式でやれば何をやっても許される〉といわんばかりの解雇攻撃を打ち破ったのです。自治労本部は社会保険庁民営化と525人分限免職の攻撃に屈服しましたが、労働組合が絶対反対を貫いて闘えば解雇攻撃は打ち破ることができるのです。
 また大阪市斎場労働者の解雇撤回闘争が一審で完全勝利しました。さらに9人全体の解雇撤回に向けて団結を打ち固め、控訴審の闘いに打って出ています。
 このように公務員360万人首切り=10割非正規職化攻撃は闘いによって次々と打ち破られています。国鉄型の解雇攻撃も労働者の団結で打ち破ることができるのです。
 いかなる「ミス」も「事故」も労働者の責任じゃない! すべての責任は、民営化を強行し人員を次々と削減して過重労働を強制している当局や資本にある!――労働組合がこの立場に立って闘えばすべての労働者の未来を切り開くことができるのです。
●国鉄闘争に全労働者の未来がかかっている!
 昨年6月29日、動労千葉鉄建公団訴訟において東京地裁白石哲裁判長は、「不当な動機・目的のもとにJR不採用基準が作られた」ことを認める判決、すなわち当局側が不当労働行為を行ったと認定する判決を出しました。当初JR採用候補者名簿に載っていた動労千葉の組合員は、葛西敬之国鉄職員局次長(現JR東海会長)が作った不採用基準に基づいて名簿から外されたのです。
 白石裁判長は4月、突然更迭されました(白石事件)。東京高裁の難波孝一裁判長は、わずか2回の弁論で5月8日に控訴審の結審を宣言しました。真実を暴かれ追い詰められているのは国家権力、安倍政権と資本家階級です。1047名解雇撤回・JR復帰を求める10万筆署名を達成し、9・15国鉄大闘争を爆発させ、その力で反動判決を阻止しましょう。
 動労千葉はまた、分割・民営化反対を貫き、反合・運転保安闘争路線のもと、ストライキで闘い、十数年にわたって検修・構内部門の外注化を阻止してきました。昨年10・1外注化強行・強制出向の攻撃にも絶対反対を貫き、ストライキで対決しました。外注化強行後も職場で偽装請負を暴き、JR当局を追い詰め、外注化粉砕への新たな挑戦を始めています。これは労働運動の歴史を塗り替える闘いです。
 この本物の労働運動を今こそ私たちが実践しましょう! 4・26ストライキはその挑戦の始まりです。この闘いをさらに発展させ、闘う労働組合を私たち現場労働者の手に取り戻しましょう!
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【要項】8・27自治体労働者全国集会
賃下げ阻止! 闘えば勝てる! 今こそストライキで闘おう!
 8・27自治体労働者全国集会
8月27日(火)午後7時開始
東成区民センター6階小ホール(大阪市営地下鉄千日前線・今里筋線「今里駅」2番出口)
主催 8・27自治体労働者全国集会実行委員会

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週刊『前進』(2597号3面2)(2013/08/26 )

 首切り自由と総非正規化

 国鉄解雇撤回軸に 安倍「成長戦略」に反撃を

 安倍政権は6月14日、「成長戦略」の「第3の矢」として、「日本再興戦略」と「規制改革実施計画」を閣議決定した。雇用分野でのその柱は、解雇規制を撤廃し、資本に徹底した解雇の自由を与えることにある。
 国鉄分割・民営化以来、26年にわたり国家による首切りと闘ってきた国鉄1047名解雇撤回闘争は、この攻撃と対決する最先端の闘いだ。動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25反動判決策動を阻止する攻防には、全労働者階級の命運がかかっている。動労千葉と国鉄闘争全国運動が呼びかける9・15総決起集会に全国から結集しよう。

 「限定正社員」制導入で解雇推進

 日本再興戦略は冒頭で「企業経営者の自信回復」を叫び、「投資を阻害する諸規制・制度の見直し」を掲げている。資本のもうけのために一切の規制を取り払うことが、「成長戦略」の基軸だというのだ。
 雇用については、「雇用政策の基本を行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型へと大胆に転換する」ことが押し出された。解雇の積極的な推進が国家の最優先の政策にされたのだ。
 一方、「規制改革実施計画」は、その具体策として、@「限定正社員制度」の導入、A労働時間制度の見直し、B有料職業紹介事業に対する規制緩和、C労働者派遣制度の見直し――を「重点課題」に押し出した。
 「限定正社員」とは、職種や地域を限定した社員ということだ。すでに実質的に破壊されているとはいえ、これまでは整理解雇4要件(@解雇を必要とする経営上の理由があること、A解雇を回避するために努力を尽くすこと、B被解雇者の選定に合理性があること、C労組との協議を尽くすなど解雇手続きに妥当性があること)を満たさなければ解雇はできないという建前があった。だから、企業の中の一部門が廃止されても、資本は労働者を他の部門に移すなどして、解雇を極力避けなければならなかった。
 しかし、職種限定社員は所属する部門が廃止されれば直ちに解雇されてしまう。地域限定社員はその地域の事業所がなくなれば即解雇だ。「正社員」とは名ばかりの非正規雇用そのものだ。
 他方、職種や地域に限定のない正社員の場合は、どの部門、どの地域に配転を命じられても従う義務を負わされる。不当な配転に対し、不当労働行為として資本と争うなどしてきた労働者の闘いを、この際、徹底的に抑え込もうというのだ。
 95年に日経連が打ち出した「新時代の『日本的経営』」は、労働者の9割を非正規職化すると叫び立てた。すでに非正規職の割合は労働者全体の4割に迫っているが、安倍は正社員のほとんどを「限定正社員」に移行させることで、一挙に総非正規職化を実現しようとしているのだ。

 派遣期間制限を撤廃する大改悪

 労働者派遣法については、厚生労働省に設置された「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」が、改悪の具体案を打ち出している。
 これまでは、「通訳」や「事務用機器操作」などのいわゆる「専門26業務」以外は、企業が派遣労働を利用できる期間が原則1年・最長3年に制限されていた。その規制を取り払い、すべてを専門26業務と同じ扱いにするというのが、改悪の内容だ。従来の規制は、臨時的・一時的な業務に限って派遣労働を認めるという趣旨で設けられたが、これが撤廃されれば企業はあらゆる業務について派遣労働を常に利用できるようになる。
 他方で、一人の派遣労働者が同一企業・同一業務で就労できる期間の制限は残される。企業は労働者を入れ換えることで無期限に派遣労働を使えるが、派遣労働者にとってはあらかじめ雇い止めを通告された形でしか働けない。最悪の制度だ。
 安倍政権はさらに、労働時間規制の大幅緩和をたくらんでいる。日本再興戦略の閣議決定に先立ち規制改革会議が出した答申は、裁量労働制やフレックスタイム制についての規制の緩和に加え、「ホワイトカラー・イグゼンプション」の導入を公然と掲げた。残業代も払わず労働者に残業を強制できるこの制度は、第1次安倍政権の時にすでに破産に追い込まれたものだ。

 「人材ビジネス」に公金ばらまく

 規制改革会議はまた、金銭を払えば解雇は自由にできるという制度の導入を唱え、まず「国際戦略特区」でその実現を図ろうとしている。
 安倍がまず手を着けようとしているのは、雇用調整助成金の大幅な縮小と労働移動支援助成金の大幅な拡大だ。雇用調整助成金とは、不況の中で事業を縮小した企業が労働者の雇用を維持する場合、その企業を国が助成する制度だ。労働移動支援助成金とは、首切りの対象となった労働者への職業訓練などを企業が「人材ビジネス」に委託した場合、その委託費を国が補助するいわば解雇奨励金だ。労働者が拠出した雇用保険財源は、労働者を解雇する企業を経て「人材ビジネス」にばらまかれるのだ。
 これが安倍「成長戦略」の正体だ。安倍政権の閣僚どもや規制改革会議・産業競争力会議に集まる「ブラック企業」・「人材ビジネス」の経営者どもは、”解雇規制は成長の妨害物”と言い張って、労働者をどこまでも踏みにじることしか考えていない。
 だが、彼らの最大の弱点は、階級的労働運動との本格的な対決を経験していないことにある。国鉄決戦を軸に徹底的に闘えば、解雇自由化を柱とする安倍の「成長戦略」を打ち砕くことはできるのだ。

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週刊『前進』(2597号3面3)(2013/08/26 )

 闘いは進む 青年の職場から

 合同労組 一人の怒りにこだわり職場に団結つくる

 関東 花月 澪

 私はいまの職場(小規模医院)で働いて7年目になりました。労働者は私を含めて3人。しかも、正規は私のみで2人は非正規です。個人経営なので、就業規則もなく、労働条件の変更があっても労働契約書など交わすこともなく、院長のやりたい放題。先輩の一人、Aさんは20年以上も働き続けているベテランで、院長とも仲が良い。
 限られた時間の中でしかほかの労働者と一緒に仕事ができない、話ができないという状況の中で「いかにして職場に団結をつくろうか」と、とても悩みながら闘ってきました。
●2人の団結の力で有休かちとる
 「まずは、仕事をきっちりとして先輩からの信頼を得ることだ」と思い、なるべく休まずに職場に行き続けました。最初はほとんど会話することも難しかったのですが、わずかな会話からAさんの家庭の話、生活状況などを聞く中で、職場に対する怒りや不満も分かるようになりました。
 Aさんの怒りは、一度も有給休暇をとったことがないことでした。「20年以上も働いているのに一度もとっていない。パート労働者だから、有休があるとは思っていなかった」と聞いた時は、驚きと同時に怒りがこみあげてきました。
 具合が悪くても休まずに来ていたAさん。それでも働かせる院長。労働者の体のことなどこれっぽっちも考えていない。これで患者さんに対して万全な対応などできるはずがない。安全なんて関係なく、どれだけ多くの患者さんを回すかしか院長は考えていないと、あらためてわかりました。
 「有休はパートでもとれるんですよ」と思いきって話すと、Aさんは驚きと同時に怒りを爆発させました。そして、2人で院長のところに行き、20年以上も有休をとらせていないことを弾劾し、「有休をとらせろ」と要求しました。その結果、ついにAさんは有休をとることができました。
 その後、職場の外で会って、職場で起きている問題について議論したり、『日刊動労千葉』や『前進』を使って議論ができるようになりました。
●3・11原発事故が価値観を変えた
 「3・11」をもって議論の内容は大きく前進しました。東京での大規模な反原発集会のたびに「どんな集会だったのか教えて」と聞いてくれるようになりました。
 参議院選挙でも、山本太郎さんの公選はがきを書いて送ってくれたりもしました。選挙の話をしているときも「どの政党も口だけで何もやらない。自民も民主もダメ。原発だってまた稼働させようとしている。絶対にさせちゃいけない。そのために今できることを一緒にやりたい!」と言ってくれました。国に対する疑問や怒りと、院長に対しての疑問と怒りが、ついに一つになったと思いました。
 人員不足の職場の状況を変えていくために、いま2人で議論を開始しています。労働者が団結して闘うためにこそ必要な労働組合を職場でつくるべく、地区党の仲間と団結してこれからも闘っていきます!

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週刊『前進』(2597号4面1)(2013/08/26 )

 改憲・戦争に絶対反対誓う

 8・15労働者・市民のつどい 安倍政権と真っ向対決

 今秋決戦へ闘いがスタート

 8月15日、「憲法改悪と戦争に絶対反対! 8・15労働者・市民のつどい」が東京・なかのゼロ小ホールで開催され、520人が結集した。戦争・改憲と原発再稼働に突き進む安倍政権と真っ向から対決し、警視庁公安の異様な弾圧体制を打ち破って改憲阻止・安倍打倒を誓った。「改憲攻撃を粉砕する力は労働者階級人民の団結した闘いだ」「階級的労働運動の前進と国際連帯の力で安倍の反動的突進を打ち砕こう」――この熱気が壇上の全発言と会場全体にみなぎった。
 実行委員会を代表して基調報告(要旨別掲)に立った弁護士の森川文人さんは、最初に参院選での山本太郎氏の当選に触れ、「首都東京で自民党への怒りが爆発した。私たち99%の根底的な怒りを1%にぶつける反乱が始まった」と切り出した。「それゆえに安倍政権の支配の危機と焦りによる反動もあからさまになってきている」と、麻生発言など一連の改憲策動を弾劾。さらにアメリカの対中対峙・新軍事戦略に触れて、「世界大恐慌が深まる中、アメリカは東アジアでの新たな侵略戦争を準備しており、この中で日本政府が独自のあがきをしていることが改憲策動の本質にある」と明らかにした。
 続いて自民党の改憲草案について、最大の柱は憲法9条の解体だと指摘し、「天皇の元首化」や「『個人の尊重』を『人として尊重』に変え、国家・民族のための動員対象におとしめる」ことなどを暴露。これらすべてが「労働者民衆の決起の開始に対する恐怖と焦りの表れだ」と強調した。
 さらに森川さんは原発再稼働をめぐる情勢に言及した上で、勝利の展望は階級的労働運動と労働者国際連帯の力にあることを強調し、「9・25動労千葉鉄建公団訴訟控訴審での反動判決阻止へ、9・15デモを闘い、解雇撤回10万筆署名をやり抜こう。そして11月、日比谷野音の全国労働者集会に結集しよう」と訴え、提起を締めくくった。
 改憲攻撃の本質を大恐慌下の階級支配の危機として明らかにし、今秋闘争への総決起を力強く訴えた基調提起に会場全体が大きな拍手で応えた。
(写真 改憲阻止・安倍政権打倒への堂々たる戦闘宣言を発し、今秋決戦へ向かって決意を新たにする歴史的な集会がかちとられた【8月15日 東京・なかのゼロ小ホール】)

 佐藤幸子さんが不屈の決意

 集会ではこれに先立ち、葉山岳夫弁護士が主催者あいさつを行い、続いて参院選で山本太郎氏の選挙ボランティアの一端を担った学生が発言。「絶対非和解で闘う労働運動に対して、首都・東京で約67万の『イエス』が出た。山本さんを支えていくためにも、自分の職場で闘いに立ち上がろう」とアピールした。
 さらに、福島から駆けつけた佐藤幸子さん(いのちのせんたくひろば代表)が連帯あいさつ。「事故から2年半、福島は声を上げられない状態にどんどんなってきています。一昨年の秋、チェルノブイリでツバメの調査をしてきた先生が、飯舘のツバメは卵が産めなくなったと言っていました。その先生が今年『原発周辺の町の巣に戻って来ているのはわずか10%』と発表したそうです。ツバメは毎年同じ所に戻ってきますが、もう戻ってこれなくなっているのです。こんなことを隠す福島県、政府。本当に許せません」――この訴えに会場から「そうだ!」と声があがった。
 佐藤さんは「福島の真実を、全国の皆さん、目をそらさずに自分のこととして見つめてください。もうこれ以上同じ過ちを繰り返してほしくないんです。そういう思いでやってきました。どんなバッシングにも負けません」と確固たる決意を述べ、会場が大きな拍手でそれに応えた。
 続いてNAZENの織田陽介事務局長が、6月のドイツ訪問について特別報告。「ゴアレーベンでは1000人を超える原発反対同盟が組織され、必死で闘いをつくっている」「民営化と闘うベルリンの鉄道労働者にも会った。彼らは、労働組合が立ち上がらなかったら反原発闘争も勝利しない、労働者が団結すれば本当に世の中は変わると訴えていた。動労千葉や動労水戸の闘いがドイツの仲間にも伝わったと感じた」と国際連帯の画期的前進を強調した。
 また、平和遺族会全国連絡会代表の西川重則さんは、この間の衆議院憲法審査会の動向を怒りと危機感をもって報告し、「自民党改憲草案の一条一条を徹底的に論破し、大問題にしていこう」と熱を込めて訴えた。

 民主労総から熱い連帯表明

 休憩を挟んで後半、まず松元ヒロさんが「どうする憲法君」と題してコントを披露し、安倍や麻生と自民党改憲案に対する鋭い風刺の毒矢で会場を大いに沸かせた。
 続いて、国際連帯コーナーの最初に、動労水戸の石井真一委員長が被曝労働拒否のストライキを報告。「私たちの闘いが郡山工場の労働者の闘いへと発展し、福島の怒りをJRにたたきつけた」とその意義を強調した。
 民主労総ソウル地域本部のキムミンホさん(中部地区協議会議長)とキムギホンさんが、万雷の拍手を受けて登壇した。キムミンホさんは韓国の労働者の闘いを報告し、「日本の同志たちの闘いに民主労総は支持と深い共感を持っています。国際連帯の労働者闘争戦線を拡大し、労働者民衆が主人公になる世の中をかちとりましょう」と呼びかけた(要旨別掲)。
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が「国鉄闘争の歴史的勝利を」と題して発言し、「9・25反動判決粉砕へ、9・15代々木公園での集会・デモに集まろう。11月3日の全国労働者総決起集会に結集しよう」と訴えた。
 最後に、秋の闘いに向けた決意表明が行われ、星野文昭さんの奪還に向けて星野暁子さん、裁判員制度はいらない!大運動、NAZEN東京の北島邦彦さん、自治体職場で闘う青年労働者、そして全学連の斎藤郁真委員長が発言した。
 この日、国家権力=警視庁公安は会場周辺に異様な弾圧・監視体制をとって集会破壊を狙ったが、これを敢然と打ち破り、集会は熱気と解放感にあふれて大成功した。
(写真 民主労総ソウル本部を代表し、日本の労働者への連帯を表明するキムミンホさん【左】とキムギホンさん)
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 日本の同志の闘いに共感

 民主労総ソウル本部 キムミンホさん

 同志のみなさんに熱いあいさつを送ります。
 現在、韓国では労働弾圧粉砕、非正規職撤廃・整理解雇粉砕の闘いがもっとも重要な課題です。ウルサンの現代自動車非正規職の同志が1年近くも高圧電流が流れる鉄塔に登り、非正規職の正規職化を掲げて闘争を展開してきました。私たちは7月20〜21日、全国から「希望バス」を出し、現代自動車への電撃的な抗議闘争を展開しました。
 また昨年末の大統領選挙で国家情報院と検察庁が違法に介入したことに対し、8月10日にはソウル市庁広場と全国各地で10万人を超える人たちが集会を行っています。
 そして鉄道・バスの民営化に対して労働者がゼネストを準備しています。労働弾圧粉砕、非正規職・整理解雇粉砕闘争に勝利できなければ、民営化問題を阻止できなければ、われわれの希望は遠くに遠ざかってしまうと考えます。
 日本の同志たちの国鉄民営化反対、原発廃止、憲法改悪反対の闘いにわが民主労総は支持と深い共感を持っていることを表明します。国際連帯の労働者闘争戦線を拡大し、労働者民衆が主人公になる世の中をかちとりましょう。トゥジェン!

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週刊『前進』(2597号4面2)(2013/08/26 )

 国際連帯で改憲阻止を

 基調報告 森川文人さん

 暑い中ご苦労様です。本当に暑い夏ですが、その原因のひとつは山本太郎さんの参議院選の勝利だと思います。首都東京から自民党への怒りが爆発し、私たち99%の根底的な怒りを1%にぶつける反乱が始まりました。
 それゆえに、安倍政権の危機と焦りによる反動もあからさまになっています。「ナチスの手口に学べ」という麻生発言、内閣法制局の長官に集団的自衛権容認派の小松一郎を起用する動きなど、追いつめられた政府・自民党が形式的な改憲手続きなしで実質的な戦争国家化を検討しています。
 「アベノミクス」の破綻も明らかになり、民営化、外注化・非正規化という新自由主義の延命策と連動して破滅的な改憲策動がなされています。安倍は「改憲は自分の歴史的使命だ」と言うが、改憲をめぐる労働者民衆との大激突が革命情勢をつくりだすことを心底恐怖しているのです。
 また、改憲策動の背景にアメリカの対中対峙の新軍事戦略があります。QE3をもってしても実体経済の回復、失業率の改善はまったくできず、アメリカはこの状態からの脱出をアジア市場の制圧にかけて対中・対朝鮮侵略戦争の具体的準備を進め、この日米同盟の中で日本政府が独自のあがきをしていることが改憲策動の本質にあります。
 自民党改憲草案の目玉は憲法9条の解体です。自衛権の発動や国防軍創設。天皇の元首化。緊急事態条項すなわち戒厳令の規定。さらには「個人として尊重」をあえて「人として」に変え、国家・民族にとっての動員対象におとしめる。この新自由主義の発想が改憲にも表れています。
 麻生発言、集団的自衛権での突出、オスプレイの配備強行、原発再稼働への突進などすべては労働者民衆の決起の開始に対する恐怖と焦りのあらわれです。政府・資本による排外主義に抗して民衆の国際連帯を確立しましょう。仲間はそれぞれの国の99%、敵はそれぞれの国の1%です。国際連帯で戦争と改憲を阻止しましょう。9・25動労千葉鉄建公団訴訟控訴審での反動判決阻止へ、9・15デモを闘い抜き、国鉄10万筆署名をやり抜きましょう。そして11月、日比谷野音の労働者集会に結集しましょう。団結して私たちの手に世界を取り戻す闘いをやり抜きましょう。

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週刊『前進』(2597号4面3)(2013/08/26 )

 NAZEN江戸川を結成

 福島から佐藤幸子さん招き

 8月18日、東京・江戸川グリーンパレスで佐藤幸子さん講演会が80人の参加で開かれ、NAZEN江戸川の結成がかちとられました。
 司会は江戸川区職の女性労働者が務めました。
 佐藤さんの講演は、スクリーンに写真を映しながら進められました。私が特に印象に残ったのは除染の話です。「現代のピラミッド」と佐藤さんが揶揄(やゆ)した放射能汚染土の袋の山はブルーのビニールシートに覆われ、山積みにされます。「ブルーシートはどのくらい耐用年数があるのか?」と佐藤さんが述べていました。私は仕事でよく使っているのでよくわかります。ブルーシートは最高品質のものでも2カ月が限度です。そのことを佐藤さんに話せばよかったなと後から思いました。
 高線量の場所で高校のマラソン大会が行われたり、花火大会が開催されているとのこと。福島は安全だとするインチキな復興キャンペーンが子どもたちの体にどのように影響しているかを考えると怒りでいっぱいになりました。
 質疑の時間には、働く現場から原発反対の声を上げ、山本太郎さんの選挙を闘った報告など積極的な意見や質問が出されました。
 続いてNAZEN江戸川の結成集会は、江戸川区職の佐藤賢一さんが結成の呼びかけを提起、NAZEN事務局長の織田陽介さんのミニ講演、さらにNAZEN葛飾結成に向けてのアピールという順で進行しました。
 佐藤さんは3・11直後から江戸川区職や地域の仲間とともに反原発の学習会を積み重ね、江戸川区が御用学者を招いて「江戸川区は放射能の影響はない」といううそとペテンの講演会を開催したことに対し、その場で仲間に呼びかけて「放射能を考える下町ネットワーク」を立ちあげたこと、高線量地域への保健師派遣に反対の声を上げて止めさせたこと、保育園の放射能汚染を告発して闘ったこと。そうした運動をベースにNAZEN江戸川が結成された経過と今後の闘いの方向性を提起しました。
 織田さんは、ドイツのゴアレーベンを訪問したことや山本太郎さんの選挙を闘った報告に踏まえ、NAZENとは何かを訴えました。
 最後に高線量地域の化学工場労働者が専門家としての報告とNAZEN葛飾結成を訴えました。
 佐藤幸子さんを囲んでの交流会にも二十数人が参加。当日に新小岩駅前街宣で出会って参加した非正規の保育労働者や、山本太郎選挙のボランティアに参加していた女性など顔ぶれは多彩です。金曜行動でビラを受け取り参加した人も多数いました。「下町ネット」に当初から参加している福島第一原発の建設にかかわったという年配の男性の話を聞いて、佐藤さんが「本当はぶん殴ってやりたい(笑)。だけどそういう人たちが声をあげてくれることが重要。今日はいろんな人が参加してくれて私もうれしいです。みなさんありがとう」と述べてくれました。
 (東京東部・相馬修)
(写真 福島の現状を語る佐藤さんの講演に聞き入る【東京 江戸川区】)

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週刊『前進』(2597号4面4)(2013/08/26 )

 8・16官邸前 “原発反対の声聞け”

 安倍弾劾の発言次々と

 「終戦記念日」の翌日となる8月16日、首相官邸・国会前に多くの労働者民衆が集まり、原発再稼働に突き進む安倍を弾劾して闘いぬいた。
 「原発やめろ!」「再稼働反対!」「輸出もするな!」。官邸に向け、激しいコールが続いた。発言が始まった。年輩の男性は「敗戦記念日の式典でアジアへの侵略の反省も不戦の誓いも口にしなかった安倍晋三! また戦争をしたいのか!
日本が仕掛けた戦争では日本で310万人、東アジアで2千万人が殺された。俺たちは1945年8月に戦争という過ちは繰り返さないと誓ったんだ!」と、改憲と戦争に突き進む安倍を徹底的に弾劾。さらに「そして2011年3月に原発事故という過ちは繰り返さないと誓ったんだ。福島では今も15万人が避難し、多くの人が原発関連で亡くなり、被曝も広がっている。てめえのじいさんや天皇・裕仁が戦争責任を取らなかったから、自分も原発事故の責任を取らないで再稼働させようというのは許せない!」とあらん限りの声で叫んだ。
 横浜市から参加した男性は「安倍首相! 今、汚染水問題がとんでもないことになっている。このままいくと最悪の海洋汚染になるかもしれない。今、現地ではこの熱い最中、汗みどろになって働いている。原子力規制委員会や原子力規制庁はすぐに現地に行って、その人たちと一緒に汚染水を止めろ!」と安倍と、原発再稼働のために「審査」を進める原子力規制委員会・規制庁に怒りをぶつけた。
 毎週参加している女性は「みんな心の底から怒っている。今すぐ、原発をなくせ。私たちは心の底から怒りを持ってここで声を上げている。ここに来れない多くの人も怒っている。私たちは原発のない未来を作ろうと、こうして金曜日ごとに集まって来ている。この声を聞け!」と首相官邸に向けて叫んだ。
 9月2日、大飯原発3号機が停止し、15日には4号機も止まり、再び「原発ゼロ」となる。100万決起を実現し再稼働を絶対に阻止しよう! 
(写真 夏休みで家族連れも参加した首相官邸前の抗議行動。安倍政権への怒りはさらに高まっている【8月16日】)

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週刊『前進』(2597号4面5)(2013/08/26 )

 2013年日誌 8月13日〜19日

 国家安保戦略を年内策定へ/分限免職処分10人取り消し

●集団的自衛権の対象拡大 安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が年内にまとめる報告書に、集団的自衛権をともに行使する対象国を米国以外に拡大する提言を盛り込むことが分かった。中東からの石油輸送のシーレーン(海上交通路)確保などを想定。(13日)
●オスプレイの嘉手納配備を前倒し
米空軍が嘉手納基地に配備を計画しているCV22オスプレイについて、15年の当初計画を前倒しし、来年7月から9月に3機程度を先行配備する可能性が高いことが分かった。(14日)
●エジプトでデモ強制排除 エジプト治安部隊はカイロでムルシ前大統領の支持派が続けていたデモの強制排除に踏み切った。暫定政権は全土に1カ月間の「非常事態」を宣言。18日までに800人以上が殺された。(14日)
●戦没者追悼式で首相式辞、加害責任触れず 戦後68年の「全国戦没者追悼式」で安倍首相が述べた式辞は、歴代首相が踏襲してきたアジア諸国に対する加害責任への反省や哀悼の言葉、「不戦の誓い」がなかった。(15日)
●3閣僚が靖国神社参拝 終戦の日に新藤義孝総務相、古屋圭司拉致問題相、稲田朋美行革相が靖国神社に参拝した。超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の約100人も参拝。安倍首相は自民党総裁として玉串料を「奉納」した。(15日)
●小野寺防衛相、ヘリ再開容認 小野寺五典防衛相は、沖縄で墜落した米空軍ヘリHH60について、「捜索救難目的の運用は米国が安保条約上の義務を果たす上で必要」と語り、16日の飛行再開を認める考えを示した。(15日)
●墜落同型ヘリが飛行 米空軍嘉手納基地は5日に墜落したHH60ヘリについて、事故の原因究明もなされないまま飛行を再開した。(16日)
●国家安保戦略を年内策定へ 安倍政権は、外交・安保政策の包括的な指針となる国家安全保障戦略を年内にまとめる方針を固めた。歴代政権でこうした文書を作るのは戦後初めて。策定に向け提言を得るため、9月にも有識者会議を設ける。(17日)
●新日鉄住金が強制徴用労働者に賠償意向 日本が朝鮮を植民地支配していた時代に徴用され強制労働させられた韓国人4人が損害賠償を求めた訴訟で、被告の新日鉄住金は韓国最高裁で敗訴が確定した場合には賠償に応じる意向を明らかにした。(18日)
●貿易赤字1兆円超 7月の貿易統計(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆240億円の赤字で、前年同月の倍近くに増えた。赤字は13カ月連続で、比較できる1979年以降、7月としては過去最大。(19日)
●米韓が合同軍事演習 朝鮮半島有事を想定した米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」が30日までの日程で始まった。米軍3万人、韓国軍5万人が参加。(19日)
●分限免職処分10人取り消し 社会保険庁の廃止で多数の職員が分限免職された問題で、人事院が新たに元職員10人の処分取り消しを決めた。4、6月に続く3度目の決定で、処分取り消しは計16人になった。(19日)

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週刊『前進』(2597号4面6)(2013/08/26 )

【要項】9・1さようなら原発講演会、9・14さようなら原発大集会in亀戸

9・1さようなら原発講演会
 9月1日(日)午後1時 日比谷公会堂
 講演/大江健三郎さん、小出裕章さん(京大原子炉実験所)
 (参加費1000円)

 9・14さようなら原発大集会in亀戸
 9月14日(土)午前11時〜(ブース出店開始)
 東京・亀戸中央公園(JR総武線亀戸駅東口から徒歩15分)
 午後1時/第一部集会(スピーチ、リレートークなど)
 午後2時/第二部集会(呼びかけ人、賛同人発言など)
 午後3時15分/パレード出発(錦糸町方面と浅草方面)
 主催/■さようなら原発■一千万署名市民の会

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週刊『前進』(2597号5面1)(2013/08/26 )

 全学連大会の歴史的成功へ

 プロレタリア革命に向かう学生自治会の強大な建設を 

 革共同中央学生組織委員会

 安倍政権打倒−改憲阻止へ、全学連大会への大結集が決定的だ。学生自治会建設と300万学生の政治的決起で、超反動・安倍政権と新自由主義を倒そう。全学連大会の大成功は、一方での動労千葉の呼びかける9・15集会の爆発へ、他方での学生自治会運動の全国的拡大へと発展する。「11年3・11」から2年半の闘いの集大成として歴史的大会をかちとろう。
(写真 8・6ヒロシマ大行動の先頭で意気高くデモをする全学連)

 大前進した13年の前半戦

 全国学生運動は安倍政権との階級決戦を挑んできた。大失業と戦争は、青年・学生に生きられない現実を強制し、未来への希望を奪い去る。全学連は法大闘争と反原発闘争で団結を拡大し、新自由主義への大衆的怒りを学生自治会建設として結実させてきた。
 その最高到達地平が、7月の広島大学学生自治会建設だ。それは一つに、「反原発闘争の高揚で自治会建設を」のストレートな実践であり、二つに、山本太郎氏の参院選勝利−動労水戸ストライキと一体であり、三つに、8・6ヒロシマ闘争の高揚の原動力となった。さらに、法大文化連盟とともに4・25法大闘争を爆発させ、6人不当逮捕の大弾圧を粉砕した。スパイ荒川打倒の闘いとともに、日帝国家権力に大打撃を与えた。
 全学連大会が今年最大の攻防となった。大結集の機運は満ちている。残る1週間、総力で組織戦に打って出よう。

 法人化大学は革命を生む

 全学連大会の最大課題は、10年目の法人化大学(国立大学法人)を階級的に弾劾し、学生自治会建設による勝利の展望を明らかにすることだ。
 「3・11」で暴き出された”命よりカネ”の原発御用学者のおぞましい姿は、法人化大学のなれの果てだ。支配階級は、国立大学法人化で教育の民営化を貫徹し、大学を独占的に支配し、学生の団結を破壊して奴隷化することを狙った。それは革命の成否をかけた激突だった。それに勝ち抜いてきた勝利感を基礎に、われわれはさらに法人化大学(新自由主義大学)ヘの反撃を強めていく。
■経営協議会――ブルジョアジーの大学支配
 法人化大学の経営・研究機能は、経営協議会と教育研究評議会に分離される。旧国立大の全学評議会−教授会という意思決定機構を解体し、学外委員が過半数の経営協議会が実権を一手に握る。
 学外委員とは大資本家だ。経営協議会メンバーは、佃和夫(三菱重工業相談役、東京大と広島大)、清野智(JR東日本会長、東北大)、高橋宏明(東北電力会長、東北大)、葛西敬之(JR東海会長、京都大)、岡村正(東芝相談役・日本商工会議所会頭、東京大)、森詳介(関西電力会長、大阪大)、内山田竹志(トヨタ自動車会長、名古屋大)など、日帝中枢そのものだ。
 産官学連携のレベルを超え、ブルジョアジーが大学を乗っ取る。資本家のための大学が本質だ。
■競争原理導入―運営費交付金と中期目標・計画
 国立大の主要な収入源だった運営費交付金は04年度から12年度までに毎年1%ずつ減少し、993億円減った(約8%、1兆2416億円→1兆1423億円)。逆に競争的資金の科学研究費補助金(科研費)は736億円増えた(1830億円→2566億円)。
 各大学は、科研費をめぐる猛烈な競争下に置かれる。配分は政府が勝手に行い、その基準が各大学の中期目標・中期計画と政府による達成度評価だ。予算配分権による国家統制の強化だ。
 経営協議会制度と中期目標・中期計画制度で、法人化大学は旧国立大から質的に一変した。国策遂行大学化であり、金もうけのための教育(私物化)だ。各大学は進んでその先兵となっている。
■全大学を巻き込むサバイバルレース
 04年の法人化以降、再編・統合で大学法人数は1割以上も減った(99校→86校)。国立大法人化は、公私立も含む全大学を競争にたたき込む。各大学は教育の民営化と大失業・非正規職化の担い手となり、延命を図る。
 その象徴が法政大だ。清成元総長(96年〜05年)は、法人化に先行して「自立型人材の育成」を掲げた。「自立型人材」とは、国家・資本に進んで隷属する学生のことだ。新自由主義の矛盾を自己責任として甘受する学生をつくるということだ。清成は「私どもの大学では自立型人材を育成する。もう組織依存の日本的雇用慣行は解体しつつある。これからどんな組織であれ、個人の自立が要求されるだろう。自分で進路選択が出来る学生を育成していく」(03年9月、シンポジウム『転機の教育 大学改革――危機を抜け出せるか』)と語っている。
■「分割・民営化」――小泉構造改革との対決
 大学法人化は、80年代中曽根政権時の臨時教育審議会での「教育の自由化」論議で公然化した。国鉄分割・民営化と同時期に、大学・教育が焦点化していた。戦闘的学生運動と教育労働運動の壊滅の先に、「戦後政治の総決算」=改憲が狙われていたのだ。
 法人化攻撃は、小泉政権下の『遠山レポート』(01年6月、遠山敦子文科相が発表)で「@国立大の再編・統合を大胆に進める」「A国立大に民間的発想の経営手法を導入する」「B大学に第三者評価による競争原理を導入する」として、基本骨格を定められる。
 日帝支配階級を国立大法人化へかりたてたものは、帝国主義間争闘戦での敗勢への危機感だ。国際競争力低下に追い詰められる中、大学を「救済」手段として総動員する、日帝の延命のために教育の主体を国家・資本とするということだ。
■学長独裁と学生自治破壊に対する怒りの反撃
 国立大学法人では、これまでの大学自治のあり方は破壊され、学長トップダウンの独裁的運営が行われる。それは、学生自治破壊(学生運動破壊)において徹底的だ。団結破壊と「商品化」、これが新自由主義大学の学生支配だ。
 国立大学法人化は戦後的大学の全否定であり、キャンパスの階級的要素を一掃してブルジョア的搾取を強化し、改憲・戦争への道を掃き清める点において、国鉄分割・民営化と同一だ。法人化大学に抗する闘いは非和解的激突を伴い、「教育は誰のものか」と根底的に問い直すものとなる。
 われわれは法人化大学を根底から破産させてきた。法大闘争7年半の勝利の地平がそびえ立ち、東北大自治会を守り抜き、「3・11」後の反原発闘争から新たに京大−広大に学生自治会を建設していることが、法人化の狙いを粉砕している。全学連大会を跳躍台に、その勝利を全国での自治会建設へと拡大しよう。

 学生自治会を団結の砦に

 学生自治会は、新自由主義大学と対決する300万学生の団結体だ。自治会のもとに結集して権力・資本と非和解に闘うことで、学生は労働者階級とともに闘う立場を獲得し(階級移行)、プロレタリア革命の重要な一環としての学生運動を爆発させる。
 第一に、学生自治会は、「改憲・原発再稼働阻止!」を最大の契機とした日帝打倒の政治的決起をつくり出し、同時に新自由主義大学を解体する最大の武器となる。学生に渦巻く怒りを体制変革の欲求に高め上げる。「キャンパスを革命の砦(とりで)に!」は、自治会建設をとおして実現される。
 第二に、21世紀の学生自治会の源流は3・11原発事故への怒りだ。反原発闘争が自治会建設の原動力だ。原発御用学者が「フクシマの怒り」の圧殺の先兵となっていることに対し、自治会は「福島連帯」を貫く。それは改憲阻止−沖縄−三里塚の闘いと結合し、安倍政権打倒へ攻め上る。
 第三に、学生自治会のいま一つの源流は、法大闘争の「絶対反対」の激しさだ。「監獄大学」への怒り、それを跳ね返す文化連盟の団結こそ、自治会建設の原型だ。法大闘争の全国化が自治会を生み出す。
 第四に、学生自治会は「国際競争力」や「グローバル人材」などの俗悪なブルジョア・イデオロギーを粉砕し、階級的労働運動との連帯を貫く。「資本家の下僕となれ」という攻撃を全国学生は拒否する。学生は、国境を超えた労働者階級との団結の中に自らの未来を見出す革命的存在だ。
 第五に、学生自治会は、新自由主義に破壊された学生の誇りと団結をよみがえらせる。法大での激闘が生きたマルクス主義をよみがえらせ、青年・学生の生き方を示してきた。大失業・非正規職化、改憲・戦争・原発で命を奪われる。怒りを表現することさえ禁圧される。ここまで学生はおとしめられていいのか? 学生は小さな存在ではない。自治会のもとに社会変革勢力として登場し歴史の主人公となろう。
 第六に、学生自治会は御用学生団体を打倒し、学生の自己解放的決起をつくり出す。日本共産党スターリン主義=民青の自治会運営の反革命性は、学生の怒りが帝国主義との対決に向かわぬよう抑え込み、学生の社会変革能力を否定することにある。新自由主義への怒りは革命を求める。その怒りを、「学長独裁反対」や「民主的話し合い」「より良き大学を」のレベルに押しとどめることが自治会の役割ではない。自治会は、その怒りを革命にまで高める歴史的任務を負う。
 第七に、学生自治会は革命党と不可分一体で建設される。新自由主義との大衆的非和解性が自治会の基盤だ。学生自治をプロレタリア革命に昇華させるのは、革命党の目的意識性だ。自治会と革命党は、お互いを必須不可欠に求め合う。革命党は、自治会をとおして300万学生と緊密に結びつく。
 法人化大学ヘの批判を貫き、自治会建設へ求心力を高めよう。一つに、全学連大会への組織戦を強め、学生団体丸ごとの結集を実現しよう。二つに、全学連大会で法大を基軸にした今秋決戦方針を具体化しよう。三つに、組織戦は『前進』1万人読者網建設と一体だ。四つに、大会で11月労働者集会1万人結集の展望をこじ開けよう。革共同50年−法大闘争7年半の闘いに不動の確信を持ち、最後の組織戦に総決起を! 全学連運動の黄金期をつくり出そう!
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【要項】全学連第74回定期全国大会
9月4日(水)〜5日(木) 東京都内
※参加費1000円(会場代、資料代など)
 宿泊費は除く

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週刊『前進』(2597号5面2)(2013/08/26 )

 毎日300dの汚染水が海に タンクからは300dが漏出

 福島第一原発事故 再稼働や輸出は論外だ

 事故対策の根幹が完全破綻した

 福島第一原発で放射能汚染水処理をめぐって超重大事態が相次いでいる。一つは、1日300dもの汚染された地下水が海に流出し続けていることが明らかになった。
 今一つは、くみ上げた汚染水の貯蔵タンクから300dもの汚染水が漏れ出し、原子力規制委員会が原発事故の国際評価尺度(INES)で「レベル3(重大な異常事象)」に該当するとした重大事故が発生した。
 「事故収束」どころか事故対策の根幹が破綻してしまったのが実態だ。
 東京電力は、汚染した地下水の海への流出を参議院選挙直後の7月22日になってようやく正式に認めた。これが明らかになれば自民党が大敗することを恐れたからだ。まったくもって許し難い。
 この問題は、5月24日に海側の観測井戸で採取した地下水からストロンチウムなどが検出された時点から疑われていたことである。ところが東電はその事実を6月19日まで隠ぺいした。ようやく発表した時も海への流出を否定した。
 その後、海水に含まれるトリチウム濃度が上昇傾向であることが分かった。この時点で汚染された地下水の海への流出は確定的になった。そこで東電は大あわてで、7月8日からタービン建屋と海の間の地中に薬剤を注入し土を固める工法で地中壁を造り、汚染地下水の海への流出を食い止めようとした(図参照)
 だがこの地中壁には重大な欠点があった。地中壁は工法の限界から地表から1・8bの間はすき間が出来てしまうのだ。
 タービン建屋と海の間の地下には、冷却用の海水を通す配管などが入る大きなトンネルがいくつも走っており、そこには高濃度の汚染水が1万d以上存在している。原子炉から直接漏れ出しタービン建屋の地下にたまった高濃度汚染水が、地震で出来た割れ目を通して流れ込んだものだ。
 このトンネルも地震で割れ目が出来ていると考えられており、そこから高濃度汚染水がしみ出し地下水と混じり合っている。そして後先を考えずに地中壁を造ったことで地下水の水位が上がってしまい、地中壁の高さを超えて汚染された地下水があふれ、海に流れ出る事態となったのだ。
 原発事故の最大の原因は地震である。巨大地震で施設はいたる所がひび割れだらけで、汚染水はダダ漏れなのだ。その事実を直視せず、タービン建屋やトンネルの汚染水を放置し続け、打ち水方式のデタラメな応急措置を続けてきたいくつものツケが今回、劇的に現れたということだ。

 汚染水のタンク貯蔵も絶望的に

 東電は8月20日、汚染水の貯蔵タンクから高濃度の放射性物質を含む汚染水が漏れ出している問題で、汚染水の量が推計300dに達すると発表した。漏れた汚染水は全部で24兆 の放射性物質が含まれている。一部は地中に染み込み、他は排水溝を通して直接海に流出したと見られている。
 今回事故を起こしたタンクは、ボルトで組み立てた簡易型であって、数年すれば継ぎ目から汚染水が漏れ出す危険があると言われている代物だった。そしてすでに4件もの汚染水漏れを起こしている。今回は継ぎ目からではなく底から漏れたと見られており、簡易型タンクの信頼性がまったくないことが判明した。
 ことここに至って東電の事故対策は、完全に破綻したと言わなければならない。

 破産さらけ出す安倍と東京電力

 東電の事故対策が破綻しているにもかかわらず、原子力規制委員会は汚染水対策よりも原発再稼働審査を週に3回も開いて優先し、年内にも四国電力伊方3号機などを突破口に再稼働を狙っている。だが再稼働など論外ではないか。
 自民党・安倍政権は、これほどまでに福島原発事故が破滅的なのに、なおも再稼働と原発輸出に必死になっている。それこそ破産した新自由主義にしがみつき、破滅するしかない日本の資本家階級の現実なのだ。今秋の再稼働阻止の反原発闘争を、新自由主義と対決し日帝を打倒する闘いとして発展させよう。
 (城之崎進)

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週刊『前進』(2597号5面3)(2013/08/26 )

 軍部の無差別大量虐殺許すな エジプト革命に連帯し闘おう

 軍部が集会やデモを襲撃

 7月3日のクーデター以降、軍やムバラク派資本家、政府官僚などの反革命勢力の巻き返しが猛然と開始されている。
 クーデターによるムルシ政権解体後、ムルシの釈放と復権を要求して抗議集会とデモを続けるムスリム同胞団と軍の対立が激化し続けた。軍はムスリム同胞団の抗議行動を「テロリズム」と規定して弾圧を強化し、7月8日と27日にムルシ派の集会やデモを襲撃し、合計120人以上を虐殺した。この弾圧にもかかわらず、ムルシ派が抗議行動を継続し、軍との衝突がエスカレートする中で、ついに8月14日、軍はムルシ派の抗議集会場に突入し、銃や催涙弾、こん棒などで激しい弾圧を行い、635人を虐殺した。以後18日までの間に800人以上が軍によって虐殺された。家族や友人も含めた軍の無差別的虐殺は徹底的に弾劾されなければならない。
(写真 8月、スエズ鉄鋼ストを支持し独立労組連盟やマハラ繊維労組が集会)

 第2革命闘う労働者を恫喝

 こうした激しい弾圧を軍が強行した最大の目的は、第2革命に進むエジプト労働者階級に対する軍事的恫喝のためだ。
 クーデター後のムスリム同胞団への弾圧と虐殺が激しくなればなるほど、軍に対する労働者人民の幻想は消失していった。こうして労働者人民の怒りの矛先が再び軍に向かいかねない状況が生じた。虐殺の激化の中で、軍を支持していた「タマロッド(反乱)」も分裂し、自由主義ブルジョアジーの代表であるエルバラダイや、4月6日青年運動、革命的社会主義者党は、軍をあくまで支持するムバラク派資本家と袂(たもと)を分かって軍を批判し始めた(これ自体は軍のクーデターを支持した責任を深刻に総括しない無責任な態度だが)。このため軍は、ムスリム同胞団との対立に一気に決着をつけると同時に、軍に対する反乱行為が労働者人民にとっていかなる結果をもたらすかを思い知らせるために激しい軍事的弾圧に打って出たのだ。

 強権的支配の再確立狙う軍

 軍の目的は、労働者階級との力関係を推し量りつつ、機を見て第2革命をたたきつぶし、軍とムバラク派資本家の共同支配体制を再建することだ。
 軍は8月13日、全国27県のうち25県で、ムルシ政権によって任命された県知事を罷免し、新たに25人の知事を任命した。そのうち19人は軍の将軍であり、2人は元ムバラク派の裁判官である。その上で8月14日、暫定政府に1カ月間の非常事態宣言を出させ、兵士に市民を逮捕する権限を与えた。ムバラク体制のもとで労働者人民を監視し、弾圧していた秘密警察を復活する計画も発表した。
 軍は、ムルシ政権が昨年6月以来の新自由主義政策の全面展開で労働者階級の敵としての姿を自己暴露し、労働者の怒りの的となっていた中で、第2革命は不可避であると判断し、革命を予防的に阻止するためにクーデターを強行した。IMFからの融資48億jを導入し、食料や燃料の補助金廃止と大幅値上げで労働者人民を地獄にたたきこむ超緊縮政策をとることで、未曽有の危機に陥ったエジプト経済を再建するためには、ムルシ政権に取って代わって軍とムバラク派資本家による超強権的な政権を再確立し、労働者人民の反抗をたたきつぶす体制を強化する必要に迫られたのだ。

 米帝の中東政策は大破産へ

 クーデター後、軍とムスリム同胞団の和解と安定的な政権の形成を追求していた米帝は、以上に見たような軍の政策を基本的に容認せざるをえなくなった。米帝はエジプトのムスリム同胞団との関係が悪化すると、ムスリム同胞団との関係の強いトルコやカタール、チュニジアなどの政府との関係も悪化し、米帝のシリアやイランなどに対する侵略戦争政策に重大な影響を与えかねないと考えていた。だが、労働者人民による第2革命の切迫に対するエジプト軍部の恐怖と危機感は強烈であり、そうした米帝の中東政策に配慮する余裕はなかった。こうして米帝は、エジプトおよび中東全域をめぐる政策を整合的に展開する力を失いつつある。

 革命的労働者党の建設を!

 第2革命をたたきつぶすための新たな軍事独裁体制の確立を目指す軍に対して、労働者階級は労働組合の闘いのさらなる発展と革命的労働者党の建設によって闘う以外にない。
 11年エジプト2月革命以来、労働者階級の闘いをリードしてきた独立労組連盟の指導部は、暫定政府の労働大臣に就任した前委員長を始めとして多数派が軍のクーデターやムスリム同胞団の弾圧を支持する立場に立つという事態が生じている。
 だが、独立労組連盟が総体として軍を支持しているわけではない。14人の執行委員のうち5人が軍を支持せず、軍呼びかけの「反テロリズム集会」に参加することに反対した。多くの現場労働者は、執行委員会による暫定政府の統治期間におけるストライキ停止決議に反対して闘っている。スエズ鉄鋼工場の4200人の労働者は、未払い賃金の支払いを要求して3週間のストライキを行った。軍はこの工場を包囲しスト指導部を逮捕したが、労働者は独立労組連盟所属の労働組合やマハラの繊維労働組合、人権団体の支援を得て不屈にストを継続している。
 エジプト各地の多くの現場労働者が、軍部の超緊縮政策強制と弾圧、そして労組指導部の統制を打ち破って再び決起するのは不可避だ。問われていることは、革命と反革命の入り乱れる困難な激動過程において、正しい路線のもとに労働者革命を指導する労働者の前衛党の建設だ。2年半のエジプト革命の中でさまざまな経験を積んだ労働者階級は、必ずや革命的労働者党を創設し、エジプト革命を完遂するであろう。国際連帯の闘いを強化し、エジプト労働者階級とともに世界革命に向けて前進しよう。
 (丹沢望)

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週刊『前進』(2597号6面1)(2013/08/26 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 被爆者の思いに応え沖大に自治会つくる 沖縄大学 白戸公平

 8月5日、6日のヒロシマ世界大会、ヒロシマ大行動に沖縄から参加しました。
 広島に行って一番驚いたのは、広大自治会委員長になった百武君が以前にもまして頼もしくなっていたことです。デモでの荒々しい怒りの表現もかっこよく、8・6での基調報告は自治会選挙と山本太郎さん参院選勝利でつかんだものが実感できました。
 やはり腹の底からの怒りが求められている。国家、支配階級との全面対決を挑んだ2人が多くの人びとから信任されたということがそれを示しています。広島での戦闘的なデモに対する街の反応を見たり聞いたりして、より確信を強めました。
 広島で私が集会に参加していた8月5日の夕方に、沖縄でHH60ヘリが墜落したというニュースがありました。怒りに震えました。学生集会で怒りのアピールをさせてもらいましたが、「基地を撤去し、オスプレイをなくすためにも沖大に学生自治会をつくり、ストライキする」と宣言しました。
 オスプレイも原爆も原発も、戦争に向けて準備されているものです。被爆二世の中島健さんの「被爆者が安らかに眠れるはずがないんです」という怒りの訴えに、私たちが体を張って資本主義を倒し、次の社会をつくり、亡くなった被爆者の方に応えなくてはならないと思いました。
 そのためにも今、全学連大会への大結集を実現するために頑張っています。少しでも時間があれば招請状や『前進』で議論しています。大会に行った学生がこれから各大学に自治会をつくるリーダーになると思います。ぜひ全国から全学連大会に集まろう!

 伊方再稼働の阻止へNAZEN香川集会 香川 三鷹 純

 7月30日、四国・香川の高松市にて、NAZEN香川集会を開催した。NAZEN香川は今年5月、青年労働者を中心にして結成されたばかりだ。伊方原発の再稼働を絶対に許さない闘いの先頭に青年労働者が立ち、四国電力本店のある高松市において集会をかちとったのだ。
 初めに事務局の青年が、NAZEN香川結成にあたっての決意や課題、取り組みを訴えた。毎週金曜日の四電前抗議行動や街頭での署名活動の報告がなされた。
 続いて福島からおいでいただいた高橋恭子さんが「フクシマは今」と題して記念講演(写真)。参院選での山本太郎さん当選の喜びを伝えた後、福島が放射能高線量の状態にあることを、怒りをもって訴えた。
 「公園墓地のある所も高線量。そこで交通整理をしている労働者は被曝し続けている」「復興・帰還とは被曝を労働者に強制することです。インフラ整備をするのも労働者です。本当に許せません」「ホットスポットがあちこちにあります。そんな所で高校生が普通に部活動をしている。しかも、そういう所の放射能は意図的に測定されない。被曝を心配して医者に行くことすらはばかられる雰囲気があります。だから、ふくしま共同診療所の建設は、本当に待ち望まれたことだったのです!」「労働者は『放射線量を測らせろ! マスクを着けさせろ』と安全義務違反を追及し闘っています。動労水戸は被曝労働拒否でストライキを打ちました」「労働組合が反原発を闘うことが決定的です」
 訴えの一つひとつに聴き入り福島の現状に想いを寄せながら、参加者は「すべての原発を今すぐなくそう!」「福島と結びつこう!」との決意を新たにした。
 質疑に入り、参院選のこと、香川県の防災計画がまったく考えられていないこと、福島の現状をもっと知らせなければならないことなど、次々と質問や意見が出された。
 集会の最後は、青年労働者の決意表明だ。「NAZEN香川を、労働組合を基盤にして建設していく!」「絶対反対で闘い伊方の再稼働を阻止する!」と力強くしめくくった。

 常磐線延伸の町は今 広野・楢葉を訪れて 東京 佐藤らて

 常磐線広野駅が11年10月に開通した。被曝車両K544が放置されていた駅だ。そして今、福島県広野町の一つ北に位置する樽葉町の竜田駅までの開業が14年春に予定されているという。その広野町と楢葉町を歩いて見てきた。広野町は11年7月以来の再訪だ。
 楢葉町は2年程前の広野町とそっくりだった。
 竜田駅から楢葉町役場あたりの一帯は町の中心地であるが、住民はほとんど見かけない。商店は、原発事故関連の需要を当て込んだ工務店と縮小したスーパーだけ。郵便局は閉ざされ、町役場も毎日2人の職員がいわきから当直として派遣されているだけだ。竜田駅も閉鎖されたまま、毎時0・2マイクロシーベルト台に汚染されていた。
 広野町は、花火大会を予告するポスターが張ってあった。それくらいに復旧したという広野町は、楢葉町に比べ住宅に住民が入っている。けれど、原発労働者や除染作業労働者に住宅を貸し出すケースが多いという。
 たった1日半のことであるが、子どもを見かけたのはただの1回だけ、それも楢葉町であった。学校が再開したはずの広野町では、子どもたちのほとんどがいわきの避難所から通っているのだ。
 しかし、この二つの町には一日中、除染作業車が走り回っている。除染はほぼ「農村部」で行われていた。家の周囲、幹線道路の周辺の草を刈り、2b立方くらいのビニール袋に詰める。楢葉町には、それを集積する広大な除染廃棄物の「中間保管場所」のような所があった(写真)。それをどう処理するのだ?
 除染労働者はヘルメット、タオル、マスク姿。他方、河川の草取り作業は一人としてマスクをしている労働者はいなかった。同じ除草作業でも、対応が異なっている。
 除線済みでも0・2〜0・4マイクロシーベルト台。
 広野からK544が勝田〜郡山に送られた。そのJR郡山工場は0・3マイクロシーベルト台だ。中通り全体がそうなのだ。
 それに比べて線量の低い広野や楢葉は安全か?0・2マイクロシーベルト台、つまり年間1_シーベルトの被曝は許されるか?そうではないだろう!
 この根底的問いかけを動労水戸の被曝労働拒否のストは発したと思う。

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週刊『前進』(2597号6面2)(2013/08/26 )

 9・8徳島刑務所デモへ 星野同志を奪還しよう

 星野同志の健康と命を守れ

 7〜8月闘争の勝利は9月国鉄大決戦情勢を引き寄せている。大恐慌情勢下、2013年後半の闘いを、国鉄決戦を基軸に安倍政権との全面的対決として打ち抜こう。9・8徳島刑務所デモは星野文昭同志との団結を打ち固め、星野同志奪還をかちとる闘いだ。
 8月20日、星野暁子さんは星野同志と面会した。星野同志は革共同50年の地平と労働者階級の闘い、さらには新たな本の発行に高揚し、いたって元気である。
(写真 奥に見えるのが徳島刑務所。昨年2月5日、全国から集まった600人のデモ隊が「星野を返せ」と刑務所を包囲)

 徳島刑務所は暑さ対策せよ

 しかし今年の暑さは半端じゃない。四国の四万十市では、8月13日まで4日連続して40度を超えた。星野同志は「暑さで夜2時間程度しか眠れていない。時計がないので月の光の角度で2時間くらいだと考えている。7月から2カ月間、ずっとこの調子だ。日中、くらっとすることがあるから気をつけている」と言っている。
 舎房は冷房どころか扇風機もない。風通しも悪い。汗が噴き出ても自由に体をふくこともできない。刑務所当局は「水で体をふくと水道代がかかる。予算がない」と平然と言っている。人の命や健康を顧みない非人間的な刑務所当局に、心底怒りが込み上げてくる。
 今回、徳島・救う会と暁子さんが暑さ対策をするよう申し入れたところ、刑務所当局は「全国の救援会や労組から請願書が30通も来ている」と打撃感を吐露した。
 徳島刑務所を労働者階級の団結した力が追い詰めている。9・8徳島刑務所包囲デモで刑務所への怒りをたたきつけ、星野同志を始め全受刑者の命と健康を守ろう。

 証拠開示への突破口開こう

 第二に、9・8徳島刑務所デモは全証拠開示・星野同志奪還をかちとる闘いだ。
 星野同志と弁護団は第1次再審、第2次再審を通して、星野同志へのデッチあげを暴き、確定判決を完全に破綻させている。権力は法も論理も無視した新自由主義のむき出しの暴力で、39年の獄中を強制しているのだ。こんなデタラメ・理不尽・不正義がいつまでも通用すると思ったら大間違いだ。この国家暴力を階級的労働運動と全証拠開示運動で打ち破ろう。
 三者協議で検察官は、弁護団が要求する証拠開示をあくまで拒否している。星野同志の無実が明らかになることへの恐怖以外の何ものでもない。東京高裁は、11月にも証拠開示の結論を出そうとしている。
 国家権力と労働者人民との力関係が一切を決する段階に入った。9・8徳島刑務所包囲デモを圧倒的に闘いとって、11月証拠開示への突破口を開こう。

 『愛と革命』がまもなく発刊

 第三に、安倍政権と対決し星野同志を奪還する闘いだ。
 50年にわたる国家権力との死闘に勝ち抜いた革共同は、新自由主義に対する労働者階級の広大な怒りの先頭で安倍政権と真っ向から対決している。この中で、国家権力と闘い続け労働者階級の団結の要としてぶったっている星野同志の39年の獄中闘争が、国鉄決戦と一体で革命情勢を引き寄せているのだ。
 9・8徳島刑務所包囲デモで安倍政権と対決し星野同志を奪還しよう。
 星野同志は百パーセント無実だ。1971年沖縄返還協定批准阻止を労働者階級人民が実力で闘い抜いたことに対する国家権力の心底からの恐怖が、星野同志に対するデッチあげ無期攻撃だ。
 この国家暴力による分断攻撃を一つひとつ打ち破ってきたのが星野=暁子闘争だ。近々発刊される『無実で39年・獄壁こえた愛と革命/星野文昭・暁子の闘い』と題する本の中で暁子さんは、「文昭を取り戻すために必要なすべてをやりながら、非正規・外注化・ブラック企業に怒る労働者、フクシマ・反原発に怒る労働者民衆・オスプレイの配備・新基地建設に怒る沖縄の労働者民衆、新自由主義のもとで、労働者民衆の怒りはますますひとつのものになっている。星野に対する攻撃も、その重要なひとつなのだ。だから、分断を許さず、非正規化・外注化も、沖縄も、フクシマも、ヒロシマも、星野も、いっしょに、ひとつに闘うことが必要だ」と呼びかけている。
 星野同志も「自分は生きているうえで、最高のものを得ている。それは、人間が人間らしく生きられる社会を求める生き方であり、暁子との愛情であり、闘う仲間との団結だ」と獄中から訴えている。
 星野闘争の勝利へ、『愛と革命』をすべての労働者人民に広げよう。9・8徳島刑務所デモに全力で結集し、ともに闘おう。

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週刊『前進』(2597号6面3)(2013/08/26 )

 NAZENが保養・避難交流会

 労働者・民衆の力を引き出し 子どもたちの命と未来を守る

 〈寄稿〉 福島市 椎名千恵子

 8月5日、広島で「保養・避難交流会」が開かれ、そこに参加した福島市の椎名千恵子さんから報告が寄せられました。(編集局)
 私は7月に福島の子どもたちとともに、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)ナガサキの長崎県高島での保養に参加しました。その体験をもって8月5日、広島で開かれた「福島の子どもたちの命と未来を守ろう!避難・保養交流会」に臨みました。
 NAZENは、いのちの問題に責任を取らない、なかったことにする国に対峙して、ふくしま共同診療所という答えを出して闘っています。
 そして今度は保養運動。これはいのちの問題に対するもう一つの答えです。5日の交流会は、そうした誇りと自覚がみなぎる交流会になりました。
 冒頭、NAZEN事務局保養プロジェクトの担当者が「何万、何十万という保養運動をつくり出したい」と切り出しました。いよいよ、NAZENの保養運動が本格化するのだという思いを強くしました。そこでは「『被曝させない』という山本太郎さんのスローガンとともにある70万人を味方にして、保養活動に取り組んでいく。社会の主人公である労働者・民衆の、眠っている本当の力を引き出していく。『労働者・民衆には新しい社会をつくる力がある』ことを見せていく保養運動でもある。医療・保養・避難の思いはひとつ。ふくしま共同診療所が生み出した希望をもっと広げよう」と、NAZENの保養運動について提起されました。
 豊かな保養報告が次々と続きました。福島からはNAZENフクシマの仲間が、「子どもの学校や生活事情を理解した上で組み立てないと、保養は成立しない。学校全体を動かしていくことも必要です」と、保養をする側の現実を伝えました。

 広島・長崎の被爆体験基に

 広島からは室本けい子さんが「広島の被爆体験とチェルノブイリ事故を経て、NPOよもぎのアトリエで『保養こそ反戦・反核・反原発を貫くヒロシマの使命だ』という思いで保養に取り組んできた。2011年から6回にわたって、広島の被爆者とともに歩んできた広島の医者や高陽第一診療所とつながって取り組んできたが、これからは被ばく者の権利としての医療・保養を獲得しながら、より本格的に保養活動に取り組んでいく」と報告しました。
 皮肉にも放射能が対峙すべき所在を明らかにしてナガサキ・ヒロシマ・ビキニ・フクシマの全部をつないでくれたのです。「世界とつながり、すべてをかちとっていこう」という核心的な訴えに感慨を覚えました。
 7月に行われた高島保養を中心で担った長崎の被爆者・城臺(じょうだい)美彌子さんは、自らの被爆体験も交えて発言。「高島保養に取り組んだきっかけは、自分自身が被爆直後に避難したおかげで原爆の後遺症が出なかったこと、放射線によって傷付いた遺伝子も離れることで修復する可能性もあることを知ったからです」と語り、保養活動への熱意が胸に迫りきました。
 その後の活動の苦労話と子どもたちの保養が始まってからの様子は、7月の取り組みの貴重な体験報告でした。「ご飯を何杯もお代わりするなどの子どもたちの生命力から、今後も反原発運動に取り組んでいく力をもらった」という言葉は、多くの参加者に通じる実感だったのではないでしょうか。原発の被曝地・福島の子どもたちの保養が、原爆の被爆地である広島・長崎から始まっている必然性を深く認識したいと思いました。

 希望を組織していく運動を

 私からは「放射能の実害が忍び寄る体、意識せずとも不安が潜む心、いのち――そのすべてを引き受ける保養運動にNAZENが取り組む意義の大きさを感じています。生活としての保養の現場は、お互いのいろいろな力を引き出す運動です。すでに子どもたちの新しい未来にかかわり始めている感慨と責任を覚えています」と話しました。
 「チェルノブイリ事故の後、ドイツでは20年間で何十万人も子どもの保養を受け入れている。長期間にわたる取り組みが必要だ」という発言もありました。
 NAZEN東京、NAZEN関西の発言が続きました。関西の仲間は「今年3月11日に福島を訪れた際、保育所で砂のない砂場を見た。日々いのちを守るためには、権利を実力でもぎりとる生存闘争と一体となる保養運動が必要。関西ではふくしま共同診療所を支援する活動とともに、カンパで保養活動を組織していきたい」と話しました。
 神奈川の仲間は「内部被曝の勉強会などの日常の取り組みを保養につなげる運動が大切。『自分が世の中を変えていこうよ』というのがNAZENの保養です」と力説しました。
 私は再度、「福島では『子どもの保養が大事』と知っていても、母親は仕事を休めない。子どものいのちを守る保養・避難のための休暇をかちとる労働運動も必要になってきています」と提起しました。
 最後にNAZENヒロシマの仲間が「年間をとおして活動の意見交換を行い、全国保養・避難交流会は次は3・11福島行動の前後に設定したい」とまとめました。
 保養はまさにいのちがかかった問題です。未来に向かって答えを出し、希望を組織していけるような運動にしたいと願わずにはおられません。
(写真 「保養運動にNAZENが取り組む意義は大きい」と語る椎名さん【8月5日 広島市】)

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週刊『前進』(2597号6面4)(2013/08/26 )

 三里塚裁判傍聴を!

◎天神峰やぐら裁判
9月3日(火)午前10時30分 千葉地裁

◎団結街道裁判
9月24日(火)午後1時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)

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