ZENSHIN 2013/08/05(No2595 p10)
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週刊『前進』(2595号1面1)(2013/08/05 )
9・25反動判決阻止へ
革共同集会が画期的な成功
大恐慌―大失業・戦争と対決し「国鉄決戦で世界革命」の道進む
三里塚農地裁判 農地強奪判決を徹底弾劾する 記事2面
(写真 首都圏から青年労働者・学生を先頭に885人が結集し、革共同の歴史的到達地平とプロレタリア世界革命の展望に揺るぎない確信を深めた【7月28日 東京・豊島公会堂】)
7月28日、東京・豊島公会堂で革共同政治集会が開催され、885人の結集で大成功を収めた。動労水戸の被曝労働拒否のストライキ闘争と参院選・山本太郎氏当選という7月決戦の2大勝利を踏まえ、ついに国家権力のスパイ荒川を摘発・打倒した革共同の歴史的到達地平を確認した。そして、今や全党をあげて国鉄10万筆署名運動と1万人『前進』読者網づくりを推進し、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審9・25反動判決阻止へ進撃する決意を打ち固めた。かつてない勝利感と躍動感があふれる歴史的な革共同集会となった。
天田書記長が基調提起
集会の基調報告は「革命的共産主義運動50年と大恐慌―プロレタリア世界革命の時代の到来」と題して、天田三紀夫革共同書記長から提起された。天田書記長は、@7月決戦の2大勝利―動労水戸のストライキ闘争と参院選闘争の勝利の意義、A日帝権力中枢と闘った革命的共産主義運動50年の到達地平、B91年5月テーゼ以来の闘い、とりわけ5月テーゼ反対派=血債主義派との闘い、C70年7・7提起と革共同の課題、D9・25反動判決粉砕の4カ月決戦の展望について明らかにした。
「動労水戸のストライキ闘争は、ついに国労郡山工場支部との連帯闘争を実現し、国鉄闘争の新段階を切り開いた。さらに、山本太郎氏を迷うことなく支持して闘った参院選闘争は、首都における100万人の決起を実現し、民主党・連合を崩壊的危機にたたき込んだ。この7月決戦の切り開いた地平を発展させて9・25反動判決阻止の決戦に突入しよう」――この勝利感みなぎる渾身(こんしん)の提起に会場全体が一つになった。
さらに天田書記長は、今秋ついに刊行される『革共同50年史』の核心を「日帝国家権力中枢と闘った革命的共産主義運動の50年」として打ち出すことを高らかに宣言した。スパイ荒川を摘発・打倒した画期的地平を確認し、反革命カクマルとの闘い、動労千葉の存在と闘い、三里塚反対同盟の闘い、星野文昭同志の獄中38年の不屈・非転向の闘い、さらに福島をめぐる今日の攻防などすべてが日帝国家権力中枢との死闘であり、革共同を破壊し分裂させる攻撃との闘いであったことを明らかにした。
(写真 情熱をこめて基調提起を行う天田書記長)
5月テーゼ以来の闘い
続いて天田書記長は、基調報告の柱として「91年5月テーゼ以来の20年間の闘いの総括」を提起した。5月テーゼとは「70―80年代の闘いに労働者同志を先頭に勝利してきた地平に立って、革共同を階級の大地でさらに徹底的に強化して闘う路線」であり、「その基礎中の基礎は、動労千葉労働運動がそれを求めたということ、階級闘争全体がそれを求めたということにある」とした。
その上で、「しかしそれはそう簡単にはいかなかった。5月テーゼ反対派=血債主義派との激しい組織的・政治的・路線的闘いを不可避とした」「全党の労働者同志の力を基礎として06―08年の『党の革命』を切り開き、5月テーゼ反対派=血債主義派の腐敗を暴き出し打倒して、闘う労働者党員の手で革共同の全国的統一をかちとった」と総括した。そしてその地平の上に09年に綱領草案を確立し、今やこれを武器に労働者同志が党建設の先頭に立っていることが報告された。
70年の「7・7」提起と国際主義
5月テーゼ反対派=血債主義派はどうして生み出されたのか。天田書記長は「革共同が切り開いた70年安保・沖縄決戦の巨大さは、労働者階級全体にものすごい影響を与えた。闘う労働者が中心を占めつつ、小ブル革命主義者や政治的投機分子らすべてが70年決戦に引き込まれた。さらには70年7・7提起という形で、華僑青年闘争委員会から『革共同は今のままでいいのか』という批判があり、革共同はこれを受けてプロレタリア国際主義で闘い抜いてきた。しかし、7・7提起を屈折して受け止め、労働者階級に絶望して血債主義に純化していく傾向が生まれた。それが5月テーゼ反対派=血債主義派の思想的遠因となった」と総括。「7・7批判も真に労働者的に解決するのが5月テーゼ路線だ」と位置づけた。
最後に天田書記長は、4カ月決戦の勝利の展望について「敵は完全に追いつめられている。9・25反動判決は絶対粉砕できる。数波にわたる署名提出行動で『証人調べをしろ』『葛西(敬之)を引きずり出せ』と突きつけよう。全職場に署名を持ち込もう。さらに非正規職撤廃の闘い、国際連帯闘争、NAZENの全国的建設、星野同志奪還の9・8徳島現地闘争、明日農地裁判の判決を迎える三里塚闘争、そして1万人『前進』読者網建設と10万筆署名運動を『党と労働組合の一体的建設』としてかちとっていこう」と訴えた。
4カ月決戦勝利へ決意
集会では最初に、三里塚芝山連合空港反対同盟、全国水平同盟、在本土沖縄労働者会議、弁護士戦線が熱い連帯あいさつを行った。三里塚からは北原鉱治事務局長と市東孝雄さんが発言。市東さんは「明日いよいよ判決を迎えます。結果がどうあれ、今までの生き方を変えるつもりはまったくありません。これからも三里塚闘争をますます大きなものにしていきます」とアピール。闘魂ますます盛んな市東さんの決意表明に会場から大きな拍手が巻き起こった。
さらに、坂野陽平全学連書記長が参院選闘争の報告に立ち、「この勝利は投票行動という形をとったひとつの革命」「全国の労働組合、学生自治会に無数の新たな『山本太郎』を生み出し、革共同が革命を成し遂げる党へと飛躍していこう」と熱烈に訴えた。NAZENの織田陽介事務局長は「安倍の再稼働攻撃は階級的反撃の号砲だ」「労働者階級の党として団結を組織できる力が問われている。労働者を団結させるリーダーとして登場を」と発言した。
革共同救対部の同志は、星野同志奪還へ全証拠開示大運動の推進と9・8徳島現地行動への総決起を訴えた。さらに9・25反動判決阻止・国鉄闘争勝利へ国鉄戦線の同志が熱烈なアピール。動労千葉の組織拡大決戦突入、動労水戸の被曝労働拒否・福島連帯・外注化阻止の闘い、国労共闘の国労大会闘争などの報告と決意表明に大きな拍手が巻き起こった。
最後に革共同東京都委員会、関東地方委員会、中央学生組織委員会、マルクス主義青年労働者同盟、全逓、自治体、教労、合同一般、医療・福祉、マル青労同書記局、全学連の同志が熱烈な決意表明。全学連の斎藤郁真委員長は、広島大学での学生自治会建設の勝利を報告、「全国に闘う学生自治会を建設し、安倍政権打倒、帝国主義打倒の闘いへの膨大な学生の決起をつくりだす」と決意を述べた。
革共同集会の歴史的成功からただちに8・6広島―8・9長崎、8・15闘争へ攻め上ろう!
(写真 市東さんを先頭に怒りのデモを千葉地裁にたたきつけ、農地強奪を絶対に許さず不屈に闘い抜く決意を示した【7月29日 千葉市内】)
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週刊『前進』(2595号1面2)(2013/08/05 )
夏季特別号・紙面案内
夏季特別号論文 世界単一の労働者党を 7〜10
革命的共産主義運動50年の地平と大恐慌―世界革命勝利の時代の到来
革命的共産主義者同盟書記長 天田三紀夫
三里塚農地裁判 市東さん“不当判決に屈せぬ” 2
自治労大阪大会へ/自治体労働者委員会 3
全学連大会へ大結集を/マル学同法大支部 3
超金融緩和政策が全面的崩壊へ 4〜5
エジプト第2革命の開始 5
廣海晶同志を追悼する/教育労働者委員会 6
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週刊『前進』(2595号1面3)(2013/08/05 )
【要項】8・6広島-8・9長崎反戦反核反原発闘争
広島
被爆者とフクシマの怒りをともにし実現しよう
全原発廃炉・核廃絶8・6ヒロシマ世界大会
再稼働阻止!全原発廃炉!ヒロシマ世界大会
8月5日(月)午後3時〜6時
アステールプラザ中ホール(広島市中区加古町4―17)
アメリカ・ドイツから ほか/被爆者・被爆二世、福島からの訴え、
各地の反原発運動/被曝労働阻止をたたかう労働組合
主催 8・6ヒロシマ大行動実行委員会
すべての原発いますぐなくそう! 全国会議(NAZEN)
ヒロシマ・アピール集会
8月6日(火)午前7時 原爆ドーム前
8時15分 黙とう後、首相式典出席抗議、中国電力包囲のデモ行進
8・6ヒロシマ大行動大集会
12時半 広島県立総合体育館小アリーナ(広島市中区基町4―1)
午後2時半 市内デモ行進
主催 8・6ヒロシマ大行動実行委員会
長崎
8月8日(木)正午 長崎大学本校正門前 山下俊一と長崎大学への弾劾行動
午後3時 九州電力長崎支社申し入れ行動
長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼式典
8月9日(金)午前7時半 爆心地公園の原爆朝鮮人犠牲者追悼碑前
主催/長崎在日朝鮮人の人権を守る会
8・9安倍首相平和式典出席弾劾デモ
午前10時 城栄公園(路面電車・大橋下車)
8・9フクシマの怒りとともに 012被ばく68周年長崎集会
午後1時30分 長崎県勤労福祉会館(路面電車・公会堂前下車)
主催/すべての原発いますぐなくそう! 全国会議ナガサキ
協賛/8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
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週刊『前進』(2595号1面4)(2013/08/05 )
おことわり
本紙は、今号を夏季特別号として発行し、8月12日付号は休刊します。次号は8月19日付の発行となります。
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週刊『前進』(2595号1面5)(2013/08/05 )
前進速報版から
▼7・28NAZEN関西結成集会かちとる▼市東さん農地裁判で不当判決▼7・26反原発金曜行動、山本太郎さんの当選で情勢が一変
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週刊『前進』(2595号2面1)(2013/08/05 )
三里塚農地裁判 市東さん“不当判決に屈せぬ”
「仮執行宣言」は断固阻止した
7月29日、千葉地裁民事第3部・多見谷寿郎裁判長は、三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの農地裁判において、成田空港会社(NAA)の請求をほぼすべて認めて市東さんに農地の明け渡しと建物の収去を命じる反動判決を言い渡した。判決確定を待たずに強制執行を行える「仮執行宣言」については、これを付けることができなかった。市東さんと反対同盟顧問弁護団は、ただちに控訴して闘うことを明らかにした。
全国・全世界の労働者・農民・学生・市民の皆さん! 市東さんと反対同盟に連帯して大反撃をたたきつけよう!
千葉市中央公園で午前10時30分から総決起集会が開かれた。雨の中、全国から280人の労農学人民が結集した。
市東孝雄さんが、「この裁判そのものを私は認めていません。判決の結果にかかわりなく、私はこれまで通りの生き方、闘い方を続けます」と簡潔に決意を述べ、全参加者の胸を打った。
(写真 不当判決への怒りがみなぎった報告集会。市東さんと反対同盟の揺るぎない決意に全参加者が三里塚の勝利を確信した【7月29日 千葉市民会館】)
法廷に怒声が
シュプレヒコールで集会を締めくくり、デモに出発。「耕す者に権利あり/農地を奪う判決を許すな」と大書された横断幕を市東さんをはじめ反対同盟が持ち、先頭に立った。デモは繁華街から地裁前を、千葉市民の注目を浴びながら、多見谷裁判長を激しく弾劾して進んだ。
デモ終了後、一同の鳴りやまない拍手と大歓声を受けながら、市東さんを先頭に反対同盟と顧問弁護団は、横断幕を広げ、報道陣のカメラの放列の前を堂々と地裁の建物に入っていった。
午後1時30分、601号法廷の傍聴席はすでに満員だ。緊張が高まる中、ついに多見谷裁判長ら3人の裁判官が現れて開廷を告げ、判決主文を早口で読み上げた。
「@市東さんが求めていた、千葉県知事の農地賃貸借解約許可処分取り消しの請求を棄却する、A市東さんが耕作する南台と天神峰の農地(計7284平方b)をNAAに明け渡せ、B天神峰の土地上の物件(出荷場、離れ、ビニールハウスなど)を収去せよ、C仮執行宣言は付さない」
ただちに法廷は激しい怒声に満たされた。1分もかからぬ読み上げののち、多見谷は閉廷を宣し即座に逃亡した。
再び反対同盟を先頭に千葉市中央公園からデモ行進を行ったのち、千葉市民会館で記者会見と報告集会が開かれた。
「闘いは勝利」
動労千葉の田中康宏委員長が連帯発言に立ち、「判決を満腔(まんこう)の怒りで弾劾する。反動判決は、労働者・農民を支配できなくなった支配者の悲鳴だ。高裁での闘いの勝利に向け、東京へ打って出よう」と呼びかけた。
さらに関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会、沖縄・市東さんの農地を守る会、全国農民会議共同代表の小川浩さんが連帯発言。
北原鉱治事務局長は、「今日の闘いは勝利だった! 判決に仮執行宣言を付けられないところに追いつめた。農民が生きられる社会をめざして闘おう」と訴えた。
市東さんが万雷の拍手に迎えられて登壇し、声明文を読み上げた。「NAAの不当な請求を認める判決は私から農地を奪うと同時に農民としての誇りを奪い、死ねと言うに等しいものです。私には闘う以外に農民として生きる道がないのです。不当判決には絶対に屈しません。農地の取り上げに体を張って闘う覚悟です」。この揺るぎない姿勢に、全員が三里塚の勝利を確信した。
葉山岳夫弁護士は、反対同盟と顧問弁護団連署の声明を読み上げて反動判決を弾劾し、「全力を尽くした裁判闘争、署名運動、現地全国集会、千葉集会、デモ闘争、街宣活動は、ついに仮執行宣言を阻止した」と高らかに宣言し、ただちに控訴して闘うと表明した。さらに弁護団全員が発言して、判決文に書かれた諸論点が矛盾だらけであること、例えば、空港敷地外の土地が含まれている問題については、「わずか16%にすぎないから大勢に影響ない」などと、裁判所が勝手な主張を押し出していることなどを断罪した。記者からは熱心な質問が相次いだ。
労農が結合し
最後に萩原進事務局次長が、怒りを全身で表しながら発言した。「これは裁判所がNAAとひざ詰めで綿密に打ち合わせて書いた反動判決だ。控訴審の闘いになるが、現闘本部裁判の控訴審判決の時、東京高裁内で起きた50人一斉不当逮捕・弾圧への怒りをわれわれは忘れない。周辺地域から住民が続々と反対運動に参加する情勢をつくりだそう。三里塚は福島・沖縄の闘いと手を結び、日本を変える大きな原動力である労働者の闘いと結合して進む。ともに闘いましょう!」。この訴えに参加者全員が会場を揺るがす大拍手で応えた。
最後に団結ガンバローを三唱し、意気高く一日の激闘を締めくくった。
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週刊『前進』(2595号2面2)(2013/08/05 )
動労千葉を支援する会 10万署名集めきろう
全国の代表が集い定期総会
参院選での山本太郎氏勝利の興奮も冷めやらぬ中、動労千葉を支援する会の2013年度総会が7月27日、DC会館で開催された。全国各地の代表が一堂に会して1年間の実践を報告し合うとともに、「解雇撤回・JR復帰」の10万筆署名の達成と、会員拡大―拠点建設を2本柱とする新たな運動方針を決定した。
国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さん(日本近代史研究者)、西田節さん(元総評オルグ・東部一般統一労働組合委員長)が連帯あいさつ。 続いて、山本弘行事務局長が運動方針の提案を行った。
山本さんはまず「本日の総会を、10万筆署名を集めきるために何をなすべきなのかを真剣に討議する場にしたい。各職場・地域でぶつかっている課題を率直に出し合い、拠点職場づくりに向けて知恵を出し合おう」と切り出した。山本さんは、1047名解雇撤回闘争での1年間の大前進、さらにJR東日本での検修外注化阻止決戦を外注化阻止ニュースの配布を軸にして具体的に担いきってきた意義を確認し、「動労千葉鉄建公団訴訟控訴審9・25判決日を当面する結節環として、弁論の再開を要求して全力で闘うとともに、10万筆署名の貫徹、動労千葉物販拡大の具体的な計画を立てよう。この闘いの中で2千口会員への拡大を実現しよう」と呼びかけた。
事務局の会計報告に続いて、動労千葉からの報告を田中康宏委員長が行った。田中委員長は長年の支援に心からの感謝を示した上で、「本当に大きな可能性が広がっている時代だ。この数年が勝負になる。職場や地域に拠点を本当に打ち立てる決断が問われている。動労千葉も組織拡大を実現するために新たな決断をもって闘いに入りたい」と決意を示した。
昼食休憩をはさんで午後から討論が行われた。職場で支援する会の活動を担ってきた現場労働者が次々と発言に立った。「10万筆署名達成のためには、まずここにいる人自身が本気になることだ」「地区労の再構築を展望して署名に取り組む」「この参院選の過程を含め既成の労働運動は崩壊をきわめ、労働者の意識が大きく変わってきている。ここに切り込もう」。外注化阻止ニュースを毎週欠かさず配布してきてつかんだ手応え、自治体現業職場で物販の即売会が成功した経験なども語られた。福島の代表は「物販を軸にした地道な労組回りが3・11福島大行動の基礎になった。とにかく回ることが重要だ」と語った。
討論の中で、CTS(千葉鉄道サービス)への出向当該である動労千葉の長田敏之書記長が10・1構内計画業務外注化阻止に向けた決意を、貨物職場を代表して佐藤正和貨物協議会議長が賃金抑制打破―JR体制打倒の決意を表明した。参加者は、ともに決戦を担い抜く決意をこめて大きな拍手で応えた。
討論のまとめに立った運営委員(神奈川)が「現場で激しく実践が始まっていることが次々と報告された。巨大な流動情勢の中で、明確な拠点建設の構想をもって闘うことが鍵だ。この1年の実践と前進に確信をもって新たな闘いに打って出よう」と呼びかけた。
運動方針案と新たな運営委員の体制が満場の拍手で承認され、第1部の議事を終了した。
第2部の懇親会では、労働歌演奏、各地域からの発言が続き、杯を傾けながら会員と動労千葉組合員が交流を深めた。最後に繁沢敬一副委員長が動労千葉からのお礼と決意を述べ、インターナショナルと組合歌の合唱、団結ガンバローで盛会のうちに総会を終えた。
(写真 10万筆署名と拠点建設を軸に運動方針を提案する山本事務局長【7月27日 千葉市】)
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弁論再開要請および署名提出行動
8月22日(木)午後3時 東京高裁
(午後2時20分に高裁前集合)
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週刊『前進』(2595号2面3)(2013/08/05 )
“改憲阻止は今が本番”
8・15労働者・市民のつどいへ
19回目を迎えた「8・15労働者・市民のつどい」への参加を呼びかける実行委員会の訴えを掲載します。改憲阻止―安倍政権打倒の闘いに向け、大結集で成功をかちとろう。(編集局)
戦後68年目の8月15日、「憲法改悪と戦争に絶対反対!―国益と排外に憲法は屈するのか―」と題して、第19回「労働者・市民のつどい」を行います。集会は「憲法改悪絶対阻止」「フクシマの怒りとともに」「国際連帯で戦争と改憲を阻止しよう」の三つの柱で行います。
いま世界中で労働者階級の決起が起きています。6〜7月にはトルコ、ブラジル、エジプトで数十万、数百万のデモが連続的に闘われました。デモ参加者の多くは学生や青年労働者です。デモのきっかけは公園の存続問題とか、バスの運賃値上げでしたが、世界大恐慌下の失業とインフレ、社会保障の切り捨てに対する怒りが根底的だということです。それが青年・学生の命がけの反政府決起として爆発しているのです。
日本においては渋谷選挙フェスに若者を中心に数千人が結集する大高揚が起きています。参院選「自民党圧勝」などと宣伝されていますが、投票率は52・61%と戦後3番目の低さで「第1党の自民党に投票した有権者よりも棄権した人の方が多い」のが現実です。既成政党への不信がたたきつけられる一方で、山本太郎さんが当選しました。彼が掲げた「被曝させない」「TPP入らない」「飢えさせない」は新自由主義攻撃のもとでバラバラにされ、怒り苦しむ若者たちに展望を与えひとつにしました。まさに100万人の怒りが安倍政権を直撃したのです。
参院選の安倍・自民党の「圧勝」にもかかわらず、直後の共同通信アンケート結果では安倍内閣支持率は前月比で11・8ポイント急落、安倍不支持率は倍増の31・7%と報じられました。アベノミクスのペテン的「成果」にのみ依拠している脆弱(ぜいじゃく)な政権、それが安倍政権です。他方でアベノミクスの攻撃性、とりわけ「第3の矢」の向かう先は労働運動の壊滅です。労働者が団結して立ち上がれば粉砕できる。アベノミクスのペテン性と破綻性を暴露し、職場で団結を組織しましょう。
危機であるからこそ高まる安倍政権の反動・改憲・原発再稼働攻撃を阻止しなければなりません。反動的突出で求心力を持たせるしかない安倍政権を倒すのは今なのです。
国会で憲法改正を発議するための憲法審査会は、民主党・野田政権の発足直後の2011年10月衆参両院で活動を開始しました。民主、自民の改憲派が審査会の委員となり、この年に起きた「3・11」を奇貨として「国家緊急権」すなわち有事の際の憲法停止を明記せよと改憲論議を開始したのです。安倍政権は審査会の審議を加速させ、衆院審査会は参院選前の6月に審議をほぼ終了し、改正の具体的内容を各党で話し合う協議会の設置を提案しています。しかし、こうした「準備」は進んでいますが、安倍政権は「96条先行改憲」なのか、それとも「9条改憲」をストレートに押し出すのか決めかねています。労働者人民の反撃を恐れているのです。
安倍政権は当面、原発再稼働、TPP(環太平洋経済連携協定)、集団的自衛権に取り組むとしています。これらは改憲と一体の攻撃です。現在の改憲策動は、復古主義でも何でもなく、新自由主義の中心的攻撃としての戦争と改憲の攻撃です。したがって、原発再稼働とかTPPとか、典型的な新自由主義攻撃そのものが改憲の内実をもって貫徹・強制されるのです。改憲阻止闘争はいまが本番なのです。
その上で、集団的自衛権問題は単に内閣法制局の「解釈変え」にとどまらず、自衛隊法など関連法規の「改正」を含む、まさに実質改憲の突破口です。
原発再稼働については新規制基準が7月8日に施行され、北海道電の泊、関電の大飯・高浜、四国電の伊方、九電の川内・玄海の6原発12基の再稼働申請がされました。東電は柏崎刈羽原発の再稼働申請に向けて動いています。これとは別に大間原発をはじめとする原発の新規建設、核燃サイクルの中核をなす六ケ所再処理工場の試験終了(5月27日)、むつ中間貯蔵施設の急ピッチの建設などが進められており、安倍政権は「成長戦略」の柱のひとつとして原発輸出に全力で踏み出しています。これら総体がいま問われている課題です。この再稼働情勢は全原発の廃炉の闘いが正念場を迎えているということです。逆にいえば山本太郎さんの当選とは、この決戦勝利への号砲です。動労水戸の被曝労働拒否の闘いは、外注化・民営化阻止の国鉄労働運動が生み出した地平であり、全原発廃炉の戦略的闘いです。フクシマの圧殺を許さず、フクシマの怒りとともに今秋再稼働を阻止しよう。
2006年9月第1次安倍内閣成立以降、福田、麻生、鳩山、菅、野田、そして安倍と6年連続で毎年首相が代わりました。この根底には新自由主義政策の破綻とそのもとでの労働者人民の渦巻く怒りがあり、2008年リーマンショック以降の世界大恐慌と2011年3・11が、日帝の体制的危機を決定的にしました。アメリカ帝国主義の新軍事戦略、TPPは大国間の争闘戦に貫かれています。安倍政権は、この国家間の争闘戦に身構え、労働運動を壊滅して戦争と改憲で帝国主義として延命しようとしています。私たちは階級的労働運動と国際連帯でこの攻撃を粉砕し安倍政権を打倒しましょう。
8・15労働者・市民のつどいへの参加をお願いします。
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憲法改悪と戦争に絶対反対!
−国益と排外に憲法は屈するのか−
8・15労働者・市民のつどい
8月15日(木)正午開場 午後1時開会
東京・なかのゼロ小ホール
主催/戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会
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週刊『前進』(2595号2面4)(2013/08/05 )
国際労働運動 9月号
「新たな時代」の改憲阻止闘争
【特集】
参院選で山本太郎氏が66万票余りを集めて当選をかちとった。これは「新たな時代」の象徴である。「新たな時代」とは、世界大恐慌が本格的に爆発し、大争闘戦が始まり、新自由主義の破産に対して全世界の労働者階級が総反乱する時代だ。さらに3・11情勢によって、階級情勢が一変してしまった時代だ。日帝・安倍は帝国主義の延命をかけて戦争と改憲攻撃を仕掛けてきている。これは日帝の墓穴を掘るものであり、プロレタリア革命の幕を開くものとなる。
第1章は、国鉄決戦で改憲を阻止しようと訴えている。改憲阻止決戦とは労働者階級と資本家階級との階級決戦である。労働者階級の闘いの軸は階級的労働運動であり、その核心は国鉄決戦である。国鉄決戦の勝利で労働者階級のあらゆる展望が開かれることを鮮明に提起している。
第2章は、自民党改憲草案の全面的批判。9条破壊と労働基本権解体を焦点に力をこめて展開している。
第3章は、戦争と日米安保の戦後史を述べ、今日の米新軍事戦略、日帝の集団的自衛権行使、改憲攻撃を弾劾している。
【ニューズ&レビュー】
▽韓国の現代自動車非正規職労組が正規職転換を求めるストに決起、闘争支援の「希望バス」100台が蔚山工場に向かった。
▽EUを揺さぶるワルシャワ、プラハ、ブダペストなど中欧、さらに東欧の労働者反乱を伝える。
【世界経済の焦点】
安倍政権−日銀・黒田の金融緩和政策は国家財政破綻と金融恐慌の同時爆発という大破局の道だと暴露。
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週刊『前進』(2595号3面1)(2013/08/05 )
全学連大会へ大結集を マル学同法大支部
参院選のうねりをキャンパスに還流し「処分撤回・規制撤廃」へ
山本太郎さんの参院選勝利の感動は首都・東京を席巻し、全国に波及している。プロレタリア革命勝利までやむことのない決戦が始まった。国家・資本との非和解的激突の中で、みずみずしい団結が生み出される。われわれ法大生は、全学連大会の大爆発と法大闘争の爆発で山本太郎さんの勝利に応えたい。学生自治会建設運動を拡大し、新自由主義大学を打ち倒す学生運動のうねりを巻き起こそう!
時代動かす「絶対反対」
山本太郎さんの勝利で、安倍政権の原発再稼働−被曝強制に怒りがたたきつけられた。東電は、福島第一原発の汚染水の海洋流出を参院選翌日の7月22日に初めて公表した。「福島切り捨て」を絶対に許さない。
こうした「命よりカネ」の腐り切った政治や社会に対する怒りこそ、山本太郎さんの勝利の原動力だ。山本太郎さんは「被曝絶対反対」を訴えた唯一の候補だ。日本共産党スターリン主義をはじめ全政党が被曝問題には絶対に触れない。国家との非和解的激突を避けるからだ。被曝(被曝労働)の中にこそ「賃労働と資本」の本質があり、労働者と資本家の非和解性があるからだ。
「絶対反対」の闘いが、既成政党の虚構とブルジョア議会制度の幻想を内側から暴き出している。革命的議員がついに登場した。闘いはこれからだ! キャンパスから反原発闘争を大高揚させ、全国学友は反原発100万人決起の先頭に立とう!
「学祭実」への怒り爆発
山本太郎さんの「絶対反対」の闘いは、法大闘争7年間そのものだ。原発御用学者弾劾の闘いから再建された広島大学学生自治会の勝利や、被曝労働拒否のストライキで闘う動労水戸の勝利と完全に一つだ。
この7月、法大でも巨大な前進をかちとった。自主法政祭に向けた全学説明会(全説)が7月12日に行われ、裏切り者=学祭実をサークル員が徹底追及し、規制への怒りが爆発した。昨年に続き2割超のサークルが、学祭実に対して「不信任」をたたきつけた。野宿同好会は、インチキな「アンケート」による規制強行に「再アンケート要求」を突きつけ、学祭実を震え上がらせた。規制の先兵=学祭実へのサークル員の怒りはさらに激しく燃え上がっている。
学祭実は、規制絶対反対で闘う文化連盟とサークル員との結合を恐れ、昨年同様に文連を全説から排除した。11日の多摩キャンパス全説でも、学祭実委員長・栗原一樹を先頭に学祭実が文連を排除し、数十人の学祭実および大学当局が阻止線を張り、規制反対のビラをまく文連委員長・武田雄飛丸君に襲いかかる最悪の弾圧に手を染めた。しかし多くの法大生がビラを受け取り、「規制反対! 頑張って!」とガッツポーズするなど圧倒的注目と支持を集めた。
栗原委員長は「処分者は大学に入るな!」「大学の決定に従え!」と暴言を吐くが、「文連排除の理由」を追及すると動揺して黙り込むのみだ。「過去の暴力事件」などとデマを吹聴するが、詳しい中身は何も答えられない。「暴力事件」などデッチあげで、そもそも存在しない。これが裏切り者=学祭実のなれの果てだ。
極めつきは、学祭実が昨年の武田君への「無期停学」処分に加担していた決定的事実だ。それは、武田処分撤回裁判での当局側証拠で白日のもとにさらされた。「絶対反対」の闘いが裏切り者を暴いた。処分撤回裁判と再びの「キャンパス1000人集会」で御用学生団体=学祭実を打倒しよう。
文連排除と武田君への処分は、学生の怒りを押しつぶし、学祭規制を貫徹するための攻撃だった。さらに、御用学者を擁護し反原発100万人決起を押しとどめようとするものだった。しかし文連を排除しても、次々と新たな法大生が決起している。逆に「学生の代表」であるはずの学祭実は追いつめられ反動化している。弾圧・処分で学生の怒りを抑えつけることは絶対にできない。すでに学祭実の支配は破産している。
学祭実と文連の非和解的対決構造は、「学祭実
VS 3万法大生」の「絶対戦争」に発展し始めた。学祭実が法大当局支配の最後の柱であり、学祭実を打倒した時にすべてをひっくり返せる! 勝利のカギは文連の組織拡大だ。法大生は全学連大会で団結を固め、8〜11月の学祭決戦へ攻め上ろう。
新自由主義大学粉砕を
全国学友は、全学連大会を新自由主義大学粉砕の出発点としよう。大学への新自由主義攻撃は、1995年の「日経連プロジェクト報告」と軌を一にして進んだ。ブルジョアジーはそこで「9割の労働者を不安定雇用に」と打ち出し、社会全体を競争原理にたたき込むために、大学を牛耳っていこうとした。
法大では、96年からの清成忠男総長体制がその出発点だ。「キャリア形成」「スキルアップ」「エンプロイヤビリティ(雇われる能力)を身につけろ」と叫び、学生を徹底的な競争にたたき込んだ。大学は学生を「学費・就活・奨学金」で縛りつける場に変質し、教育は金もうけの手段に転落した。この大学の腐敗が、ブラック企業や「追い出し部屋」という青年労働者の人生を奪う現実を生み出した。
その背景に日帝の激しい危機がある。日帝は「大恐慌と3・11」情勢に打ちのめされ、世界最大の「財政破産国家」となり、帝国主義間争闘戦からも脱落している。「アベノミクス」も崩壊を開始した。
新自由主義大学とは「教育の民営化(私物化)」だ。
新自由主義大学は、日帝の救済・延命のために「自立型人材の育成」や「グローバル人材育成」を叫ぶ。「自立型人材」とは、学生が団結して資本・当局と闘うあり方の解体を狙うものであり、青年・学生に「資本の役に立つ人間になれ」「他人を蹴落として生きろ」と迫るものだ。学生の誇りや可能性を圧殺し、すべてが「資本の役に立つかどうか」で計られ、ブルジョアジーの価値観を「教育」としてたたき込む。
新自由主義大学の核心は、学生を商品化し、労働者を分断し団結を破壊することにある。
人間が商品として扱われること(労働力の商品化)を断罪するのではなく、むしろ自己の商品価値を高めて資本に売りつける人間を「自立型人材」と美化し、資格を取って就職させることが「大学の役割」だと言うのだ。それを「自己への投資」とあたかも「学生のため」であるかのように言い、年間100万円以上の学費を収奪し、「奨学金」という借金地獄にたたき込んでいる。この腐敗の行き着いた先こそ「3・11原発事故」であり、御用学者どもの醜悪な姿だ。
法大闘争の地平を自治会建設に
法大闘争は、学生の誇りをかけた新自由主義大学との非和解の闘いだ。新自由主義と300万学生の最大の激突点だ。「絶対反対」で闘うからこそ、真の団結がよみがえる。「資本にくみして生きろ」という新自由主義大学に根底的な拒否をたたきつけ、全世界の労働者とともに闘う中に未来があると示し、新自由主義をキャンパスの中から打ち破ってきた。
この地平が広大−東北大−京大での学生自治会建設として結実している。広大自治会再建は、新自由主義大学=原発推進大学に風穴を開けた。御用学者との対決は、学生のみならず労働者民衆が「教育」「学問」を奪い返す闘いだ。
自らの大学での学生自治会建設を目指し、全学連大会に集まろう。法大生こそ全学連大会の主人公だ。山本太郎さんの勝利を見てほしい。歴史の歯車は大きく激しく回転し始めた。団結して闘うことが圧倒的多数派になろうとしている。時代は変わり始め、「革命」が焦点になろうとしている。青年・学生の力で全世界を獲得しよう。3万法大生は全学連大会に結集しよう。
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全学連第74回定期全国大会
9月4日(水)〜5日(木) 東京都内
※参加費1000円(会場代、資料代など)
宿泊費は除く
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週刊『前進』(2595号3面2)(2013/08/05 )
国鉄決戦で世界革命開く再度の大カンパ訴えます
すべての同志のみなさん。『前進』読者のみなさん。2013年前半決戦、とりわけ7月決戦の勝利の上に、最後の夏期一時金カンパアピールを発します。革命的大激動期に突入した今、革共同はこれまで以上の決戦カンパを必要としています。しかし率直に言って、まだまだ足りません。すでにカンパを出していただいたみなさんにも、再度のカンパをお願いしたい。ぜひ、もっともっと広範な労働者にカンパを呼びかけてください。
革共同は命がけの飛躍をかけて「国鉄決戦でプロレタリア世界革命」へ突き進みます。革命の現実性を手にした今こそ、この時代、この瞬間に、すべてをかけようではありませんか。カンパ闘争への渾身(こんしん)の決起を訴えます。
●革命情勢が到来した
参院選東京選挙区における山本太郎氏当選の歴史的勝利は、まちがいなく革命情勢が到来したこと、革命的大衆行動が歴史を動かす原動力であることを示しました。
山本太郎氏の「被曝させない」「TPP入らない」「飢えさせない」の三つの主張、「条件闘争で命が守れるか」という訴えこそ、絶対反対論、階級的団結論の実践そのものではありませんか。彼の主張が巨万の労働者の魂をとらえ、革命的大衆行動を呼び覚ましたことに安倍やブルジョアどもは震撼(しんかん)しています。革共同はともに闘いぬいた責任勢力として、山本太郎氏の闘いを支え、三つの主張を貫き新自由主義を打倒するために闘うことを厳粛に宣言します。革共同は有言実行の革命党です。
革共同は「国鉄決戦の党」として、国鉄分割・民営化と非和解で対決し、2010年「4・9政治和解」攻撃と動労千葉とともに徹底的に闘い、ついに「国鉄改革の真実」を暴き出しました。山本太郎氏が訴える「『過労死』という言葉は25年前からある」とは、労働者が生きていけない現実の原点が国鉄分割・民営化にあるということを突き出しています。
動労千葉の3月ストから4・26自治労スト、5・1メーデー闘争から6・9国鉄闘争全国運動大集会の成功、そして動労水戸の被曝車両再運用粉砕のストという13年前半戦で革共同がかちとってきた全地平が、参院選情勢を主導的に切り開いたのです。参院選100万人決起の土台には国鉄決戦があり、また動労千葉鉄建公団訴訟9・25反動判決粉砕こそは、青年をはじめとした労働者階級の心からの欲求なのです。
国鉄分割・民営化攻撃以来30年にわたる闘いに革命的決着をつける正念場を迎えました。分割・民営化が不当労働行為そのものであったことが大社会問題化したら、日帝の労働者支配の根幹が吹っ飛びます。9・25反動判決を粉砕しよう。そのために解雇撤回・JR復帰の10万筆署名を職場・地域で集めきりましょう。
●4大産別に拠点つくる
参院選における民主党の惨敗は連合の歴史的崩壊の始まりです。比例区で当選した民主党候補者7人のうち6人が、自動車総連・電力総連・電機連合・自治労・日教組などの連合幹部ですが、自治労・日教組は大幅に票を落とし、JP労組候補の定光克之は惨敗しました。4大産別決戦の爆発は、新自由主義の支柱となってきた連合を打倒し、日本労働運動を革命的に再生する戦略的な闘いなのです。
国鉄4カ月決戦を闘いぬき、4大産別をはじめあらゆるところに階級的拠点をつくりだす。職場で反合理化・安全闘争路線を貫いて階級的団結を拡大する。革共同は猛烈な勢いで党と労働組合の一体的建設の道を突き進みます。
三里塚闘争は、7・29反動判決にもかかわらず、市東孝雄さんの農地を強奪する「仮執行宣言」を阻み前進しています。再稼働阻止・全原発廃炉の闘いはこれからが本番です。階級的労働運動と国際連帯で改憲攻撃を粉砕しよう。この夏〜秋、国鉄・反原発決戦と星野全証拠開示運動の前進で、安倍超反動政権打倒へ突き進みましょう。
●労働者党建設をともに
最後に、革命的激動期の中で、「闘う労働者党をともにつくろう!」と心から訴えます。
革共同は、日帝国家権力中枢による革命党破壊、国鉄闘争破壊攻撃との死闘に勝利し、「党と労働組合の一体的建設」を推進してきた50年の歴史的地平をもっています。その上に、全階級に責任を取る党へといよいよ本格的に飛躍する決意です。
地区党建設を軸とした労働者党建設の環は機関紙拡大と財政闘争です。革共同は1万人の『前進』読者網をつくりだす大方針を打ち出しました。ぜひその担い手となってください。職場の仲間、友人、家族をはじめ広範な人びとに夏期カンパを呼びかけてください。社会の隅々にまで行きわたる機関紙の発行、非合法・非公然の党建設、9・25反動判決粉砕の4カ月決戦、11月労働者集会へ至る闘い、どれも死活的に財政を必要とします。誰にでもできる革命闘争としてカンパ決戦を最後までやりぬきましょう。革共同とともに未来を切り開きましょう!
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週刊『前進』(2595号3面3)(2013/08/05 )
金曜行動 “世の中動かせる”
7月26日、参院選後、最初の金曜行動が行われた。山本太郎さんの当選が示すように、階級情勢は一変した。金曜行動の参加者も格段の増加だ。首相官邸前(写真)、国会前、財務省上交差点周辺では大抗議行動が展開された。さらに下った経産省前周辺・経産省前テントひろば一帯でも抗議行動の人波。永田町・霞が関一帯が解放区といった状況だ。
国会前では若い男性が「選挙が終わって、抗議行動の継続が社会を動かしていると確信を持った。毎週ここでの抗議行動が山本太郎さんの勝利もつくった。安倍首相は憲法改悪やTPP推進など悪いことをたくらんでいるが、どれもうまくはいかない。僕らが押していけば絶対に世の中を動かしていける!」と確信を込めて訴えた。
別の若い男性は「選挙で山本太郎さんが当選しとてもうれしい。山本さんが被曝、食品の放射能汚染、避難の問題を訴えてくれるように期待しています。これを明らかにすれば、原発反対運動はもっともっと拡大し、原発をなくす展望が見えてきます。特に食品の汚染は深刻だ。頑張りましょう!」と呼びかけた。
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週刊『前進』(2595号3面4)(2013/08/05 )
自治労大阪大会闘争へ
民営化・賃金破壊・解雇を粉砕する国鉄・公務員決戦で安倍・橋下倒せ
革共同自治体労働者委員会
巨万の労働者階級が決起する情勢が始まった。国鉄決戦の戦略的前進が自治労4・26ストライキを生み出した。参院選での山本太郎氏の勝利は、日帝・安倍政権打倒の巨大な階級決戦の到来を告げ知らせている。最大の戦場は国鉄・公務員決戦だ。動労千葉鉄建公団訴訟9・25反動判決阻止へ、ストで闘う労組拠点・青年部建設を進め、自治労第86回定期全国大会(8月26〜28日、大阪市・大阪城ホール)を安倍・橋下打倒の総決起大会としてかちとろう。
連合支配つき崩した4・26の自治労スト
80万自治労の4・26全国ストライキ闘争は、動労千葉を先頭とするJR外注化阻止決戦の地平をさらに押し広げた。5・1闘うメーデー、6・9国鉄闘争全国集会と結合し、動労千葉鉄建公団訴訟9・25反動判決を許さない4カ月決戦を切り開いた。闘いの前進は参院選での山本太郎氏の歴史的勝利へと引き継がれ、さらに拡大している。
4・26自治労ストは、階級的労働運動の前進がかちとった重大な情勢の転換である。国鉄分割・民営化以来、28年ぶりとなる自治労全国統一ストは、現場労働者、青年労働者の怒りを解き放つ闘いとなった。時代認識と路線で強固に団結し、戦術主義的あるいは成果主義的な焦りを日々止揚しながら、党と労働組合の一体的建設の闘いそのものとして打ちぬかれた。
賃金破壊・賃金強奪というべき賃下げ攻撃が、首切りと総非正規職化の雇用破壊とともに全産別でかけられている。全労働者の先頭で自治体労働者が賃下げ絶対反対の全国一斉ストを構え、団交決裂を辞さず闘いに立ち上がった。自治労80万組合員の闘いは、安倍政権の「全公務員一律一斉7・8%賃下げ」と自治体労働運動解体の歴史的攻撃をズタズタにして押し返している。
今も続く激闘として、全国で1時間スト、29分食い込み集会、庁舎内集会、門前行動が取り組まれた。絶対反対の闘いの路線と階級的団結をかけた路線闘争・党派闘争が、機関会議や職場での粘り強い論議の中で繰り広げられ、スト貫徹のためには何が必要か、労組拠点・青年部建設のために何が求められているのか、飛躍の環は何かが、ぐいぐいと明らかになっていった。
国鉄を先頭とする階級的労働運動の前進と新自由主義の大破綻が、帝国主義労働運動の先兵役を果たしてきた連合の解体的危機をもたらしている。参院選における民主党・連合組織内候補の惨敗と得票の激減もそのことを示した。4・26自治労ストをめぐる情勢の転換は、階級的労働運動が連合に破綻的現実を強制し連合をのりこえていく端緒を切り開いている。
この闘いと一体のものとして、日帝国家権力中枢が送り込んだスパイ荒川碩哉(ひろや)の摘発・打倒という勝利がかちとられた。国鉄決戦と自治労ストライキ闘争の真っただ中で、スパイ荒川を労働者党の力で摘発し打倒した。マルクス主義の思想と綱領、時代認識と路線で一致し、すべてを地区党・基本細胞での討議一致・実践にかけきる原則的党活動こそが、敵のつけいるスキを封殺し摘発・粉砕する力となる。それは革命党破壊攻撃を打ち破り、ブルジョアジーを打ち倒しプロレタリア独裁に至る力を秘めているのだ。
安倍政権は6月14日、「日本再興戦略」「骨太方針」「規制改革実施計画」を閣議決定し、JRを戦略企業とする鉄道や原発、インフラの輸出とともに公務公共部門の全面民営化を掲げた。階級決戦の最大の戦場が国鉄とともに丸ごと民営化・外注化、自治労・日教組解体攻撃との闘いであることが明白となった。
公務公共部門こそ階級決戦の最大の戦場
6月24日には国家公務員制度改革推進本部が「今後の公務員改革について」を公表した。「どんなに厳しい壁に直面しても信念を貫いて行動する『闘う公務員』を創ることを目指す」というのだ。大幅賃下げと長時間残業を強制し、「国のために闘う公務員」以外は懲戒処分・分限処分=首切りと民営化で一掃するという宣言だ。
米デトロイト市(人口約70万人)の破産申請という歴史的事態は、米自動車産業の没落と新自由主義がもたらす社会全体の崩壊を象徴的に示すとともに、それ自体が自治体丸ごと民営化・外注化と公務員全員解雇・10割非正規職化、社会保障制度解体の階級戦争である。日本において公務員大幅賃下げの暴力的手法として始まった地方交付税削減・ゼロ化=地方切り捨ての道州制とは、こういう攻撃だ。
自治体労働運動は、TPP(環太平洋経済連携協定)をめぐる巨大な激突に突入していく。
TPP21分野24作業部会の中に「政府調達」がある。「政府」とは地方政府=自治体を含み、「調達」とは公共事業だけではなく購入調達するすべての物品や労働力を意味し、民間委託・外注化しているすべての事務事業の入札が含まれる。給食調理やゴミ収集も含めてすべての入札に「参入障壁排除」が強要される。「地産地消」「地元業者優先」「総合評価方式」「公契約条例」などは「不公正な保護政策」「参入障壁」とされ、あらゆる入札説明資料や仕様書に外国語併記が求められる。「参入障壁」とされればISD条項(投資家対国家間の紛争解決条項)も発動される。
TPPは、自治体の全事務事業を資本が食い荒らし、全公務部門を賃下げ・首切り競争の餌食とする究極の新自由主義攻撃だ。だからこそ、「外注化を阻止し、外注先でも闘う」動労千葉型の労働運動、反合・運転保安闘争路線が、唯一にして最強の武器なのだ。
80万自治労の総反乱が始まった。国鉄決戦に勝利する中に自治体労働者、全労働者の未来がある。
青年部建設しスト打ちぬく労組つくろう
国鉄分割・民営化の真実を暴き出す解雇撤回・JR復帰の10万筆署名運動を全国の職場で進めよう。階級的力関係を変える国鉄闘争を推し進め、自治体労働者の中に1千人の『前進』読者網と1千人の闘う労組・青年部活動家集団をつくりだそう。階級決戦下で本格的なストライキを何度でも打ち抜ける階級的労働組合をつくりだそう。
昨夏の自治労函館大会では、代議員・傍聴・大会警備など全国270人の仲間から橋下打倒集会賛同署名が寄せられた。今夏の自治労大阪大会には、誰もが安倍・橋下への耐えがたい怒りを胸に結集する。誰もが闘う方針を求めてやってくる。
大阪市職・大阪市従・大阪交通労組・大阪市教組などの現場では、不屈の闘いが続けられ、橋下徹大阪市長を徹底的に追いつめている。市労連委員長を直角敬礼させても、庁舎から組合事務所を追い出しても、喫煙処分などを乱発しても、現場の制圧はまったくできていない。それどころか、入れ墨調査拒否処分や「君が代」不起立処分に対する不屈の闘いへの現場組合員の支持と共感が広がり、環境局斎場労働者9人の懲戒免職処分取り消し判決がかちとられている。橋下はぐらぐらだ。
橋下への怒り、大幅賃下げを始め全国の職場に渦巻く怒りを総結集させよう。労働組合がストライキで闘い、資本主義体制を転覆し社会そのものを奪い返す路線を実践しよう。現場からの怒りの決起と団結、ランク&ファイルの力で、自治労をストライキで闘う労働組合に生まれ変わらせよう。
自治労全国保育集会(8月10〜12日、大分)から大阪大会への全過程を安倍・橋下打倒のほとばしるような総決起の場としよう。9・25東京高裁反動判決を許さない4カ月決戦を推し進める決定的な闘いとして、自治労大阪大会闘争“大阪夏の陣”に総決起しよう。
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週刊『前進』(2595号4面1)(2013/08/05 )
超金融緩和政策が全面的崩壊へ 大恐慌は大失業・戦争と革命生む
国鉄決戦で世界革命勝利を開こう
大恐慌の乗り切り策として展開されてきた米帝バーナンキ(FRB〔連邦準備制度理事会〕議長)の主導による超金融緩和政策は全面的な崩壊過程に突入した。バーナンキ自身がこの間の超金融緩和政策からの転換(出口戦略)を表明せざるをえなくなったのである。これから世界大恐慌は全面的に激化し、世界経済の分裂化・ブロック化は果てしなく進行する。帝国主義間(大国間)争闘戦は激烈化し、政治的・軍事的・戦争的対立が次元を画する形で始まる。これに対して、プロレタリアートの決起が全世界を揺るがし始めた。大恐慌は革命の時代だ。この時代認識と革命の路線を、あらゆる闘いの基礎にしっかりと据えて闘おう。反帝国主義・反スターリン主義世界革命をめざして階級的労働運動の飛躍的発展を闘いとろう。
〔T〕大破局の到来におののくバーナンキの「出口戦略」
バーナンキの発言で激震が
帝国主義ブルジョアジーどもは、新自由主義のもとで国家財政、公的金融政策をほしいままに操り、独占的利益をむさぼり、大独占企業・銀行資本の延命をはかってきた。しかし、今や大恐慌からのこの新自由主義的延命策動は破綻した。その基軸中の基軸だったバーナンキの超金融緩和路線は全面的に崩壊過程に突入した。
5月22日の米上下両院でのバーナンキの議会証言から口火は切られた。バーナンキは超金融緩和のもとで「デリバティブ(金融派生商品)が盛んになっている」などバブル化の危険が生じていることを述べ、「経済データが改善し、その継続について確信が得られれば米連邦公開市場委員会(FOMC)は資産買い入れについて今後の会合で減額を開始するかもしれない」と証言したのである。(「デリバティブ」とは株式、為替などの原資産の動きに依存して価格が変動する商品あるいは取引。少ない資金で多額の取引ができるため投機の対象となる)
これは暗示的表現をとっていたが、この間継続してきた量的金融緩和政策を転換すること、それが市場にもたらす衝撃を緩和するための”予防注射”的な行為であった。FOMCは08年9月のリーマン・ショック以降、QE1、QE2、QE3と、金融の量的緩和を継続的に行ってきた(表1)。現在はQE3(量的緩和第3弾)により毎月、総額850億jの証券を購入し、市場に大量の資金を流している。バーナンキの証言でその金融緩和がいよいよ縮小され、出口が模索されるとの認識が市場に広がった。
このため、バーナンキ発言にニューヨークや東京の株式市場は激烈に反応し、大幅な下落を繰り返すに至った。東京市場は日経平均株価が翌23日に1143円安の歴史的暴落に見舞われた。この下落幅は08年9月のリーマン・ショックや11年3・11東日本大震災直後を超えるものだった。それは世界同時株安となり、その後も大幅な乱高下を繰り返すに至った。
追い込まれたバーナンキは、6月のFOMCで、「出口戦略」のスケジュールをより具体的に表明せざるを得なくなり、19日の記者会見で以下のことを表明した。
「@量的緩和は継続する。実質的なゼロ金利政策も維持する。A雇用改善や物価上昇がこのまま順調なら、今年後半にも量的緩和を縮小する。Bさらに失業率が7%近くにまで下がれば、14年中ごろにも量的緩和を終了する」
このように、バーナンキは明らかに超金融緩和政策からの「出口」に向かって動き出すことを確認したのである。その後、バーナンキは動揺を繰り返しながら、出口戦略についての発言を繰り返している。
これは何を示すか。それは超金融緩和政策があまりにも肥大化し、市場に資金があふれ、暴走がもはや止まらなくなってきたことへの恐怖に駆られた行動である。
「出口戦略」の開始には「失業率が7%近くにまで下がれば」などといろいろの条件を付けて、一見情勢に柔軟に対応できるかのように見せかけている。だが、いずれにせよ6月のFOMC決定と6・19バーナンキ記者会見そのものが、「出口戦略」の開始としての意味をもっている。バーナンキは大動揺しつつも、ついに後戻りのできない「ルビコンの川」を渡ったのだ。
「出口戦略は金融正常化への第一歩だ」などと言うが、そんなものとはまったく違う。「世界経済の破局の到来」に恐れおののきそこから後ずさりする――ということが本質である。バーナンキ自身、「出口戦略」への転換が何をもたらすのか、成功するか失敗するか、なんの成算も展望も持っているわけではない。だから、バーナンキ自身きわめて動揺的である。しかし、超金融緩和政策が、米帝のみならず全世界的にこのまま悪無限的に行われていけば、必ず爆発的なインフレと、それに続く金利の高騰、国債バブルの崩壊、そして世界経済の全面的な崩壊と分裂を引き起こす。この見通しへの恐怖からの後ずさりということであり、恐慌対策のジレンマの中での絶望的な悪あがきが「出口戦略」の本質なのである。
米帝経済、そして世界経済は超金融緩和政策にどっぷりつかっていながら、そこからの恐怖に満ちた撤退という大混乱過程についに踏み込んだのだ。08年のリーマン・ショックよりもさらに巨大な大破綻の時代が急速に近づいているのである。
緩和策終了は新たな危機をつくり出す
「出口戦略」すなわち超金融緩和政策の縮小・終了の問題は、とてつもなく大きな問題である。バーナンキが表明した証券購入の縮小・停止は、「出口戦略」のまだ第1段階に過ぎない。さらに恐るべき大問題が三重に存在している。
▲第1段階(PT) 証券資産購入の縮小開始から購入終了まで。
▲第2段階(PU) 事実上のゼロ金利(0・00〜0・25%)をやめて利上げをしていく。
▲第3段階(PV) FRBの蓄積している巨額の資産残高(QE1〜3の集積で総計3兆3千億j)を圧縮する。
スケジュール的には以下のとおりである。
▲PT……13年後半に縮小開始〜14年半ばに購入を完全に終了する。(失業率7%になった段階で購入終了)
▲PU……失業率6・5%になるまでゼロ金利を続ける。見通しでは14年末〜15年にかけて利上げへ移行する。
▲PV……FRB資産の圧縮は16年以降、3〜5年間かけて行う。
――以上のように、「出口戦略」と言ってもこれほどの大きさをもっている。この全体像を見る時、バブル的に膨らんだマネー(資金)を縮小・整理していくことがどれほど巨大で困難なテーマであることか。計画どおりの実現など、到底不可能である。
米帝の抱える公的債務合計は、1999年の5兆6516億j(565兆円)から昨年12年には実に16兆4327億j(1643兆円)にまで膨張した。大恐慌下の資本救済のために一気に膨れ上がったのだ。
5月にバーナンキが「出口戦略」に言及しただけで米―世界の株式市場は大混乱し、長期金利は急騰した。新興国では外国からの投資資金が引き揚げられて株が暴落し、通貨安となって輸入品価格が高騰、インフレが起こり、経済が大混乱にたたき込まれた。その上に米帝が実際に「出口戦略」を進めてゼロ金利停止→利上げに動くとなれば、為替を含めて国際金融市場は大変動に突入することは避けられない。さらに「FRB資産の売却」という事態になれば、その影響は計り知れない。
金利上がれば米国債暴落も
バーナンキの「出口戦略」への着手は、世界金融大恐慌の乗り切り構造の総崩壊の始まりである。とりわけ、米帝の長期金利の高騰は、巨額の公的債務残高の問題に点火するものとなっている。大噴火の鳴動が聞こえてくる情勢である。
米帝の長期金利のこの間の動きを見てみよう。
@QE2、QE3が長期金利の引き下げ要因として働き、これが住宅ローン金利や自動車ローン金利などを低く抑えてきた。
Aそれがバーナンキの5・22議会証言で、それまでの1%台から2%台へ跳ね上がった(10年物国債の利回り)。
B6・19バーナンキ会見で、これまでとは異質の急上昇の動きが始まった。初めは「健全な金利上昇」などと言っていたブルジョアジーも、25日に2・61%(一時2・66
%)という現実を突きつけられて動揺に陥った。
米長期金利の急上昇は何を意味するか。それは、「出口戦略」が発動され、国債購入の縮小・停止が現実化したとき、国債の買い手が不足し、国債価格が下落(国債利回りが急上昇)し、国債の安定的保有の基礎条件が崩れていくことへのブルジョアジーの恐怖を先取りしたものである。
これまで国債の利回りがいくら低くても、FRBによって安定的保有が担保されてきた(国債価格が急落しない)からこそ、株式、住宅、債券の各市場での激しい投資、投機活動が可能となってきたのだ。この間の株式市場のバブル的高揚はまさにこのFRBによる国債の安定的買い入れ・保有という基礎の上で進行したことである。それが、FRBがもはや国債購入をやめるということになれば、その基礎的条件が失われ、金融市場は極めて不安定になる。
長期金利のこの間の上昇だけでも、投資ファンドなどの住宅投資=投機は大打撃を受ける。自動車ローン市場も同様である。
要するに、「出口戦略」の進行と国債価格の暴落の危機は一体となって進行するのである。超金融緩和が積み上げた膨大な国債、公的債務の残高は、こうして「出口戦略」の問題化によって恐るべき暴落の危機を現実化し始めたのである。
超金融緩和政策でかろうじて支えられてきた株式市場の水ぶくれ的高揚は、今や暴落と暴騰を繰り返し、下落過程を迷走している。実際にこの「出口戦略」が一定実施され始めれば、株式市場は乱高下しつつ、大きくバブルがはじけて下落していくことは不可避である。
さらに株式の下落は、それを基礎とした資産効果に大打撃を与える。また住宅市場、自動車市場に厳しいボディーブローとなるだろう。
以上のように、バーナンキの「出口戦略」の着手方針は、この間の米帝の超金融緩和政策の全面的な崩壊過程への突入であり、それは大恐慌下でかろうじて超金融緩和によって存続してきた米帝経済−世界経済を総崩壊へ導くものである。
(写真 「年金を奪うな」。デトロイト市の破産申請に反対する消防士労組の組合員。30年間で1800人の消防士が830人に削られた【7月24日】)
〔U〕米経済は大恐慌・大不況から脱却できていない!
以上のことを確認した上で、大恐慌下の米帝経済の現状をいくつかの側面から見てみよう。
米帝は大恐慌―大不況の長期化の重圧からなんら脱却できていない。雇用情勢と住宅問題、GDP(国内総生産)の問題にそれは表れている。
米雇用情勢は引き続き深刻
大恐慌下の大失業情勢は超金融緩和政策などで根本的にのりこえることなどできない。
今次世界大恐慌は帝国主義段階における世界大恐慌であり、さらには最末期帝国主義の絶望的延命形態としての新自由主義の、そのまた崩壊・解体過程で発生した大恐慌である。しかし、バーナンキは新自由主義にどっぷりとつかりきった存在として、当然にもそうしたとらえ方はできない。単に金融危機の大きなものといったレベルでしかとらえられない。
新自由主義は、労働者を百パーセント物(商品)として扱い、ただただ最大の利潤を追求して延命しようとするものでしかない。その必然的所産として、労働者雇用の非正規職化を全面的に追求する。それは労働者階級の階級としての再生産さえ不可能にするものである。そうした反社会性を平然と肯定するのが新自由主義だ。
バーナンキからすれば、大恐慌からの回復とは、国家財政を天文学的に投入し超金融緩和政策をどんどん進めることによって、巨大金融機関と独占体が大きな利益を得て延命できれば、それでよしとされるのだ。それが軌道にのれば景気は回復し、大失業も解決するとされているのである。
これによって独占的・国際的大企業が産業的勝者として、一定程度成長することはあるだろう。しかし、その場合でも根本的・本質的に狭隘(きょうあい)化した国内市場や国際市場の制約のもとで、最新の技術や生産力に設備投資しても、それは一定の労働力を吸収するだけである。そして大部分は非正規職労働者の増大にとどまるだけである。膨大な失業者はいつまでも放置されたままなのだ。
そのことは、この間の雇用統計でも明らかである。「著しく改善」とか「さらに改善」とは簡単にはいかないのである。3〜5月の米雇用統計のデータ(表2)を見ても、大きくは失業率7・6%前後、失業者数1170万〜1180万人、長期失業者440万〜460万人、パート760万〜790万人、限界労働者230万人である。失業者とパートと限界労働者を加えた最大失業率は13・8〜13・9%である。(「限界労働者」とは、過去1年間に仕事を探したが、調査前4週間は求職活動を行っていない労働者)
要するに大きな改善はないのだ。いかに大量失業の問題が大きく深刻であるかがうかがえる。
「住宅回復」の実態はバブル
米帝のブルジョアジーとそのイデオローグが、「ついに住宅市場が回復に向かった。いよいよ長い不況のトンネルから脱出できる」と騒ぎ立てている。住宅市場改善論の度はずれた強調は、アメリカでこれまですべての大きな恐慌や不況からの回復が住宅市場の回復から始まり、これが牽引(けんいん)するかたちで全体が回復へ向かったという、ある種の経験的認識があるからである。
たしかにマクロ的データで見ると、新規住宅着工件数の増加や住宅価格の値上がりなど、大きく回復が進んでいるようにも見える。ところが、ここにも雇用問題と同様の問題がある。「急速な回復」の正体は、FRBの超金融緩和政策によるものだということである。すなわち、供給側の推進者は圧倒的に投資ファンドであり、それは多分に投機なのである。
大不況下の住宅不況で膨大に発生した差し押さえ物件(それも価格が大きく低下した状態)を、投資ファンドが買い集め、リフォームして貸し出す方式が典型的である。利回りが4〜5%となる。QE3で超低金利(1%台後半〜2%弱)で資金を入手できる状況では、大いに利益を享受できるのである。
ある米投資会社の例では、4月までの1年間に9500戸の中古住宅を購入し、リフォームして売り出したが、賃借人が入居したのは半分ぐらいしかなく、あとは空室だという。このように、「住宅購入が増加している」と言っても、実際に住むために買う人は依然として多くはないのである。株などでもうけた人が、いわゆる財テクで投資目的で買っている場合が多い。
また、実際に物件を購入してそこに住める人は、株式バブルなどで利益をつかんだ人たちであり、資産効果と住宅ローンの金利低下で住宅の借り換えができる人たちである。こうした富裕層、準富裕層を別にすれば、非正規職はもとより正規職の労働者でも手取り収入は減少している。だから頭金を用意できないため、購入・借り換えはできないのだ。また銀行は住宅ローンを組む条件をきわめて厳格にしているために、低所得層や貧困層には依然としてマイホームなどは無理なのである。
新自由主義のバブル化経済の中心に住宅バブルがあった。それが、サブプライムローンの大破綻という形ですでにその矛盾が露呈したが、今現在の住宅の需要も、一部の富裕層や投機的投資家が主導しているのであって、真に住宅を必要としている低所得層や貧困層はますます苦しんでいる状況である。
「1%対99%」という二極化を深めている新自由主義のもとでは、「住宅市場の回復から経済全体の上昇へ」という以前のようなパターン通りにはいかないのである。新自由主義−帝国主義の階級矛盾をそのままにしていくら金融緩和を推進しても、大きな限界にぶつかるだけなのだ。
バーナンキの「出口戦略」の動きは長期金利の高騰を引き起こしているが、これが限界を超えて国債暴落の方向へ向かえば、今日のゆがみきった住宅市場の「回復」なるものも根底から挫折する。失業率の高止まりと住宅不況の問題は根底的には同一の問題である。
世界金融大恐慌は、過剰資本・過剰生産力の根底的な矛盾の爆発である。だから超金融緩和策によっても、大不況の根底的止揚は不可能である。しかもその超金融緩和策を転換して、これを削減ないし停止させる方向にいくならば、大不況重圧はより一層、全面化してくることは確実である。
実際、米製造業の設備投資は国内的にも国際的にも大きな壁にぶつかっていて、抜本的には増加していない。むしろ縮小さえしている。経済成長率はきわめて低迷している。この現実こそ大恐慌の重圧の大きさを示す指標として、徹底的に重視されるべきだ。
バーナンキの「改善」「回復」論をあざ笑うかのように大恐慌−大不況の重圧の問題を示したのは、6月下旬に発表された今年第1四半期(1〜3月)のGDP確定値である。
GDP=13兆7257億j(年率)。前年同期比+1・8%。
5月に発表された暫定値(+2・4%)と比べて、0・6ポイントの大幅な下方修正となった。衝撃的とさえ言える。サービスへの個人消費、輸出、民間設備投資の下方修正が大幅修正の要因だという。輸出と民間設備投資の低迷は、過剰資本・過剰生産力と世界大恐慌の進行(EU恐慌と中国バブルの崩壊の始まり)を圧倒的に突き出している。
デトロイト市の破綻と荒廃
自動車産業の中心として、20世紀のアメリカ資本主義の「繁栄」の象徴であったデトロイト市(ミシガン州)が7月18日に財政破綻した。負債総額は180億j(約1兆8千億円)を超える。1950年には180万人を超えていた人口が、1980年代以降、ビッグスリーの衰退で自動車工場の閉鎖・移転が相次ぎ、現在は70万人にまで減少した。08年のリーマン・ショックでGMとクライスラーが経営破綻したことが決定的だった。市職員や教員のリストラが相次ぎ、保険金目的の放火が続発するなど、都市機能が崩壊しつつある。米製造業の没落・衰退と新自由主義の破綻、大恐慌が、そこまで米社会を崩壊させている。
これは氷山の一角であり、「今後5年以内に9割の自治体が財政破綻する」と言われている。だが、この大恐慌下のすさまじい現実の中で、ILWU(国際港湾倉庫労組)を先頭に、全米で公務員、教員、港湾、ウォルマートの非正規職労働者を始めとして、生存と労働者の誇りをかけた力強い決起が始まっている。アメリカ階級闘争は、革命的激動の過程に突入したのだ。
米が仕掛けるサイバー戦争
こうした危機の中で米帝は、帝国主義間争闘戦を決定的に激化させている。その戦争化にとって、サイバー戦争(インターネットを使った戦争)のもつ意義は決定的である。新自由主義の最も重要な戦略的中枢的分野をめぐって、全面的無差別的な侵略行動、戦争的行動が開始されている。それがサイバー戦争だ。これは、帝国主義にとって最も重要な領土・領海の争奪、制空権、制海権、制宇宙権の争奪戦そのものである。米帝こそ最凶悪の攻撃者である。
米帝の金融資本・大独占体と国家権力、軍事指導部は、IT企業と一体となって、軍事・政治・経済などのあらゆる分野でスパイ活動を大々的に展開してきたのだ。
CIA元職員が国家の最重要な極秘事項を暴露し、亡命を求めている事件は、国家のサイバー戦争が非和解的な実力行使の時代に突入したことを意味している。
他の帝国主義や中国、ロシアも巨大な戦時的スパイ活動をサイバー的世界でやり合っている。また、電話や交信データの全的掌握が行われ、労働者人民への団結破壊と、人格・人権の侵害が行われている。つまり、国家間の争闘戦と労働者階級への攻撃は一体で行われているのである。
もう、我慢ならない。新自由主義打倒、プロレタリア革命あるのみだ。
〔V〕 EU恐慌と中国バブルの崩壊で大恐慌は新段階に
FRBの金融政策の転換示唆は、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの新興国経済に大きな影響を与えた。新興国市場ではこの間、海外の投資ファンド資金や資本が流入して一定の活性化をもたらしてきた。それがEU恐慌や中国バブルの崩壊で輸出面で大打撃を受け、加えてバーナンキの緩和縮小発言をきっかけに投資ファンドなどがリスク回避のため資金を引き揚げたことで一層の打撃を受けている。
株価や通貨が急落し、インフレが一気に激化した。ブラジルでは通貨レアルが12%も下落(対ドル)し、輸入食料などの生活必需品が値上がりした。これで労働者階級人民の怒りのストライキや10万〜100万人規模のデモが爆発した。インド、インドネシア、トルコなども通貨安が起こり、経済危機を深めている。
そして階級闘争の激化が通貨の一層の下落を引き起こしている。この情勢はまだ始まったばかりである。これから世界体制を揺るがす新興国の経済危機が激化し、階級戦争の爆発と革命闘争の発展をつくり出していくことは確実である。
中国・理財商品破綻の重大性
大恐慌をさらに深刻化させるものが中国金融危機の爆発である。それがついに火を噴き始めた。急膨張した理財商品のデフォルト(債務不履行)の危機が切迫している。
理財商品とは、銀行が貸出債権や債券をかき集め、信託会社がこれを組み合わせて高利回りの金融商品に仕立て、主に銀行を窓口にして販売するものである。普通の定期預金の利回りが約3%であるのに対して、理財商品は5〜10%の高利回りを売り物にして多くの資金を引き寄せた。集めた資金を銀行は、本来の信用力では融資を受けられない不動産開発業者や中小企業、地方政府傘下の投資会社に融資してきたのである(図)。理財商品の残高は8兆2億万元(約130兆円)に達していると中国政府は発表した。中国の名目GDPの約16%に相当する。
この間、地方政府は中央政府の統制を離れてかなり勝手に行動し、世界の余剰資金を吸い込んで不動産や公共事業、資源開発などに投資し、そのもとで甘い汁を吸い続けてきた。これがバブルとインフレ化の危機をつくり出してきた。
元々、正規の銀行融資を受けられなかっただけに、こうしたシャドーバンキング(影の銀行)を使った投資の多くは回収できなくなる恐れがある。いったんデフォルトが発生すれば、それが連鎖的に広がり、金融システム全体の崩壊につながる。理財商品問題は、アメリカのサブプライムローンと酷似している。
中央政府は制御不能な危機の爆発を恐れ、シャドーバンキングへの監視と金融引き締めを強めているが、逆にそれが企業と銀行の連鎖倒産の危機をつくり出している。すでに中堅の華夏銀行が、理財商品の元利の支払いができなくなって昨年12月にデフォルトした。理財商品バブルが崩壊すれば、中国の中小銀行のほとんどはデフォルトの危機に陥り、4大銀行も総崩れになるだろう。それが世界経済全体に大きな影響を与える。
中国バブルの大破綻が起きれば、米帝の大恐慌のりきり策自体が吹き飛ぶ。このとき、最大の問題が爆発する。中国が保有している米国債の投げ売りである。中国は1兆2600億j(126兆円)の米国債を保有している。FRBが「出口戦略」で国債の購入を縮小・停止していく時、それに重ねて中国が国債を売り始めたらどうなるか。それこそ米国債の大暴落に発展する。世界大恐慌は、EU大恐慌に加え中国大恐慌の爆発という形で、新たな段階に進み始めたのである。
大失業の欧州は革命前夜だ
欧州・EUは世界大恐慌の嵐が吹きまくっている情勢である。12年、13年ともEU・ユーロ圏はGDP成長率がマイナスである。また失業率が恐るべき勢いで増大している(表3)。プロレタリアートの革命的決起が始まり、階級闘争の激化が欧州恐慌をさらに深刻なものとしている。
米帝の出口戦略の発動で、EUは日帝以上に危機に陥っていく。世界大恐慌が大失業と戦争を生み、世界革命の嵐を生み出すのである。
〔W〕 アベノミクスは早晩破綻今こそ安倍打倒へ闘おう
5月22日のバーナンキ証言の衝撃で翌23日、日経平均株価が大暴落し、債券市場では長期金利が一時、約1年2カ月ぶりの1%台まで急上昇したあと下落した。以後、株、債券、為替の動揺と乱高下が続いた。これは、「アベノミクス」なるものの薄っぺらさ、脆弱(ぜいじゃく)性をさらけ出すものだ。
「アベノミクスの3本の矢」と称する金融、財政、成長戦略のすべてが労働者階級に矛盾と犠牲を集中し、搾取の一層の強化と団結破壊を狙う反動的なしろものである。
安倍と黒田日銀総裁の「異次元緩和」なるものは、日銀が財政収支上の制約などお構いなしに国債を無期限・無制限に購入し、余剰マネーを大洪水のように金融市場に流し込んで株式バブル・資産バブルを意図的につくりだす、まったく詐欺同然のものである。これは、インフレ化と国債の暴落局面への突入開始そのものである。
これは一定のところまで続ければ、歯止めが効かなくなる。戦前、国債の日銀引き受けで放漫財政の道を開いた「高橋財政」(高橋是清)は、抑制に転換しようとした途端に軍部に殺され(1936年2・26事件)、その後は超インフレ化、歯止めなき軍拡と戦争の道に突き進んだ。安倍政権は同じ道を進んでいる。
日帝はすでに恐慌対策で、国債750兆円と地方債合わせて1千兆円、対GDP比で200%超の借金を抱える世界最悪の借金国家である。この上さらに国債を積み増していけば、長期金利が上昇した時、国債の利子払いだけで何兆円も膨れあがり、ギリシャどころではない財政破綻に陥ることは時間の問題である(13年度の国の利払い費は実に9・9兆円だ)。
安倍は6月5日に「成長戦略第3弾」を発表した。ここで安倍は「GNI(国民総所得)を年3%伸ばす」という目標を掲げた。GNIとは、旧来のGDP(国民総生産)に海外で日本企業・個人が得た利子・配当などを加えたものである。この安倍発言は、海外へのパッケージ輸出などで市場・資源の争奪戦を展開し、そのための価格競争を国内労働者への民営化・外注化、非正規職化などによる搾取の強化でのりきろうとする階級戦争の宣言である。
さらに安倍は、「世界で一番企業が活躍しやすい国を実現する」「企業活動の障害を徹底的に取り除く」「がんじがらめの規制、公的な制度や機関が民間の役割を制約している『官業』の世界を大胆に開放する」と述べた。これは、公共的性格をもつ国家機関、自治体業務、医療や学校、保険などの民営化=営利事業化をとことん進めるということである。それは、非正規職化、解雇の自由化、労働時間規制の撤廃、労働者保護法制の改悪、社会保障制度の改悪などを強行し、企業の営利活動の「障害」とみなすものをすべて粉砕するという、超反動的な宣言である。
また重大なことは、安倍政権の超金融緩和と円安政策は、米帝との激しい為替戦争の引き金を引いたということである。これから米帝は、TPP(環太平洋経済連携協定)をも決定的なテコとして、日帝に徹底的に争闘戦の重圧をかけてくるだろう。日帝はTPPに参加する以外に道はないが、それは日米の全面的な死闘戦への突入を意味する。このためにも安保防衛政策上の反動的飛躍が日帝にとって死活的課題となり、憲法改悪の策動が決定的に激化する。階級的労働運動と国際連帯の力で絶対に粉砕しよう。
階級的労働運動の前進こそ革命勝利の力
今次大恐慌は史上最大の世界恐慌であり、どんな財政・金融政策も金融資本・独占的企業体の一時的延命をもたらすのみであり、過剰資本・過剰生産力の根本的整理・解決は行われない。世界大恐慌下の長期大不況という基盤的現実を脱却することなどできない。
アベノミクスは早晩大破綻する。日帝は体制的破局に向かって突き進んでいる。プロレタリア革命で突破する以外に、いかなる解決の道もない。
世界大恐慌下で、戦後の世界体制は決定的に崩れつつある。米日帝国主義の対北朝鮮・対中国侵略戦争もこの中で現実化してくる。釣魚島(尖閣諸島)をめぐる日帝の略奪策動は、中国の海洋戦略ともあいまって、この戦争情勢に一層拍車をかけるものだ。
しかし、大恐慌は大失業と戦争を生み出すばかりではない。世界中にプロレタリア革命の現実性を生み出している。世界のプロレタリアートのストライキとデモの爆発は、プロレタリア革命のヒドラを宿すものだ。
今こそ階級的労働運動の再生・発展をめざして国鉄決戦を基軸にして闘い、国際連帯を推進し、大恐慌を世界革命に転化するために闘おう。
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(表1)巨額の恐慌対策(アメリカの量的緩和、QE1〜3)
項目 QE1 QE2 QE3
08.11〜10.6 10.11〜11.6 12.9〜未定
米国債 3,000億j 6,000億j 毎月450億j
MBS 1兆2,500億j − 毎月400億j
その他 1,750億j − −
計 1兆7,250億j 6,000億j 850億j×月数
(MBS=住宅ローン担保証券)
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(表2)米国の失業率
年度 %
2006年 4.6%
07年 4.6
08年 5.8
(リーマン・ショック)
09年 9.3
10年 9.6
11年 8.9
12年 8.1
13年 1月 7.9
2月 7.7
3月 7.6
4月 7.5
5月 7.6
6月 7.6
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(表3)欧州は大恐慌の真っただ中 ユーロ圏の失業率と成長率
年度 失業率 成長率
2007年 7.6% 3.0%
08年 7.6 0.4
(リーマン・ショック)
09年 9.6 ▲4.4
10年 10.1 2.0
11年 10.2 1.4
12年 11.4 ▲0.6
13年1月 12.0
2 12.1 ▲0.3
3 12.1
4 12.1
5 12.2
(過去最悪)
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週刊『前進』(2595号4面2)(2013/08/05 )
2013年日誌 7月23日〜29日
TPP交渉に日本が初参加/坑道の水から23億ベクレル検出
●TPP交渉、日本初参加 日本政府は、マレーシアで開かれている環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉会合に初めて参加した。(23日)
●米軍司令官「新たな偵察機必要」
米戦略軍のケーラー司令官(空軍大将)は、「接近拒否戦略」を進める中国を念頭に、敵の防衛網を突破できる新たな偵察機が必要だとの考えを明らかにした。(24日)
●スペイン高速鉄道脱線、死者79人
スペイン北西部のサンティアゴ・デ・コンポステラ近郊で高速鉄道列車が脱線・横転、79人が死亡した。(25日)
●開城再開協議が決裂 韓国と北朝鮮の経済協力事業である開城(ケソン)工業団地の操業再開に向けた実務協議が事実上決裂し、次の日程も決まらなかった。(25日)
●自衛隊に海兵隊機能 防衛省は年末に策定する新防衛大綱の方向性を示す中間報告を公表。自衛隊に「水陸両用機能を確保することが重要」とし、米海兵隊のような機能を持たせることを明記した。(26日)
●エジプト治安部隊発砲、75人死亡
ムルシ前大統領支持派のデモが続くエジプトの首都カイロ郊外ナスルシティーで、警察の治安部隊がデモ隊を攻撃し75人が死亡、1千人が負傷した。暫定政府側が武力でムルシ派の排除に踏み切ったのは初めて。(26〜27日)
●秘密保全法案を提出へ 政府は、国の「機密情報」を流出させた公務員への罰則を強化するための秘密保全法案を、秋の臨時国会に提出する方針を固めた。(27日)
●坑道の水から23億ベクレル検出 東京電力は福島第一原発2号機海側のケーブルなどが通る坑道から採取した水から、1gあたり23億5千万ベクレルの高濃度の放射性セシウムが検出されたと発表した。(27日)
●目の検診、4割受けず 福島第一原発で事故後に働いた作業員のうち、被曝による健康被害を見つけるため国が定めた年1回の目の検診を受けていない人が、東電社員だけで約4割の247人に上ることが分かった。(27日)
●比へ巡視船提供を表明 安倍晋三首相は訪問先のフィリピンでアキノ大統領と会談、安保協力で一致した。首相は途上国援助(ODA)により巡視船10隻を提供する考えを表明。(27日)
●辺野古埋め立て土砂採取、名護市の同意不要 米軍普天間飛行場(沖縄県)の名護市辺野古移設に向けた埋め立て申請に明記されたキャンプ・シュワブ内での土砂採取で、沖縄防衛局が名護市有地から採取する場合、市の同意が必ずしも法律上の要件となっていないことが分かった。(27日)
●米上院、釣魚島(尖閣諸島)問題で中国非難決議 米上院本会議は、中国を念頭に、領有権の主張や現状変更を狙った「威嚇や武力行使」を非難する決議案を全会一致で採択した。(29日)
●オスプレイ、横田配備検討 米太平洋空軍のカーライル司令官は、アジア太平洋地域への配備を計画している新型輸送機CV22オスプレイについて、米軍嘉手納基地に加え、米軍横田基地(東京都福生市など)が候補地だと明言した。(29日)
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週刊『前進』(2595号5面1)(2013/08/05 )
大阪 NAZEN関西を結成
“職場から反原発・反被曝を”
7月28日、大阪市内に120人が集まり、NAZEN関西結成集会を開催した。事務局が基調提起で「『原発を止めるのも、なくすのも労働者』という立場で闘う労働組合の拠点建設、職場での闘いを軸に反原発の闘いを。NAZEN京都の1年間の実践を教訓化して全関西にNAZENを拡大しよう」と訴えた。
記念講演を、福島診療所建設委員会の渡辺馨事務局長が行った。
「ふくしま共同診療所開設に一番恐怖しているのが福島県当局と原子力村だ。原発事故は収束していない。県の子どもの健康調査でも27人から甲状腺がんが見つかった。福島第一原発の地下作業の道路に23億5千万ベクレルの汚染水があると報道された。その状況で国と県が原発から10`圏内まで住民を戻そうとしている。住民同士をいがみあわせる。国にお願いする運動をやりながら診療所をつぶすために襲いかかってくる人たちがいる。国労本部などが『闘っても無駄だ』と動労千葉に襲いかかるのと同じ構図だ。ひっくり返すには労働組合が軸になり全体を包括する運動が必要。それがNAZENだ。東京・関西での結成から全国に発展させよう」と提起した。
さらに、動労水戸の照沼靖功さんが被曝労働拒否の闘いを報告した。
「一昨年11月、福島第一原発から二十数`の広野駅構内に半年以上も放置されていたK544が勝田車両センターに突然回送された。国と県が住民に『電車が開通したんだから帰れ』と強制する第一歩。お先棒をかつぐJRは許せない。動労水戸が当局を追及し清掃作業をやめさせた。今度は洗浄機を通すという。私は動労水戸の組合員ではなかったが、同じ車両センターの労働者として一緒に闘わなければと思った。近くの児童公園で遊んでいた子どもたちを避難させた。職場の労働者だけでなく近隣住民を守るのと一体で闘った」と振り返り、「動労水戸への結集は正しかった。この1年間の激動の日々は楽しい」と語った。
関西の仲間が次々と発言した。NAZEN京都は結成1年を「仲間が圧倒的に増えた。定例会での路線論議と拠点建設を軸に進めることだ」と総括。京大からは「京大原子炉実験所での御用学者講演会を弾劾し当局を追及する闘いを軸に全学自治会同学会再建へ向かった」。婦人民主クラブ全国協関西ブロックは「給食の食材の放射能汚染で八尾市を追及し、給食の外注化と偽装請負の実態を暴いた」。教育労働者は「非正規職撤廃・超過勤務反対こそ新自由主義との闘い、福島と結びつく闘い」。電力関連産業の労働者は、「5月に関電労働者が『仕事がきつくて我慢ならん。何かしたら人を増やしてもらえるかもしれない』と停電事故を起こした。これは労働組合の課題だ。NAZEN関西が労働者の怒りや思いを一つに束ねる柱になろう」と訴えた。
最後に関西労組交流センターの富田益行代表がNAZEN関西代表となることを確認、結成宣言を読み上げた。
(写真 会場を埋めた120人を前に福島診療所建設委の渡辺事務局長が講演【7月28日 大阪市】)
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週刊『前進』(2595号5面2)(2013/08/05 )
エジプト第2革命の開始
ムルシ打倒へ1千万人のデモ 革命を恐れた軍がクーデター
「人類史上最大の政治行動」
ついにエジプトで労働者階級の空前の決起が始まり、2011年のエジプト革命を継ぐ第2革命への新段階に突入した。
ムルシ政権成立から1周年を迎えた6月30日、エジプト全土で1千万人を超える労働者階級の巨大なデモが展開された。英BBC放送は、「人類史上最大の政治行動」と報道した。タハリール広場とその周辺は再び100万人の労働者人民で埋まり、大統領宮殿も数十万人の労働者人民に包囲された。アレキサンドリアやスエズ運河地帯の諸都市では労働者が街頭を占拠した。ムルシ政権打倒の声は全国に満ちあふれ、警察は完全に対応不能に陥った。軍も直接弾圧にのりだせない状態に追い込まれた。
労働者階級の生活はこの1年、ムルシの統治下で改善するどころか、ますます悪化した。首切りや失業は増大し、物価は上昇し、貧富の格差は拡大するばかりだった。ムルシは労働者の生活を改善する措置を何もとらなかったし、政府内に温存された旧ムバラク体制派の官僚たちや資本家たちもムルシ政権の諸経済政策に対する妨害活動を行ったからだ。
こうした状況にもかかわらず、さらにムルシがIMFからの48億jの融資と引き換えに超緊縮政策を導入しようとしたことが、労働者の怒りの炎に油を注いだ。ムルシ政権に対する当然の抗議行動も激しく弾圧され、ストライキは禁止された。ストライキを闘った多くの労組活動家は逮捕され、警察で拷問を受け、軍事法廷に送られた。
その一方でムルシの出身母体であるムスリム同胞団のメンバーは、中央・地方の行政機関や国営企業などで有利な地位を与えられた。ムスリム同胞団系の資本家もさまざまな便宜を与えられ、巨額の富を蓄積した。
さらにその上に、軍部と同盟したムルシ政権はアメリカ帝国主義のシリアやイランに対する侵略戦争政策に全面的に協力したばかりか、イスラエル政府との協力を継続して、ガザのパレスチナ人民に敵対する政策を採り続けた。政権の危機突破のための極端な保守的イスラム化政策も労働者人民に押しつけられた。
労働者階級はこうした現実のもとで1年間生活する中で、もはやムルシを打倒する以外に生きられないことを学んだ。こうして労働者階級は今年最初の5カ月間に5544件ものストライキとデモに立ち上がった。労働者階級は総体としてムルシ政権打倒の闘いに決起し始めたのであり、6月末には第2革命は不可避の情勢に突入した。
(写真 鉄道労働者のストと連帯するエジプト独立労働組合連盟の労働者たち【4月10日 カイロ】)
米帝と結託し軍が政治工作
こうした情勢に驚きあせった米帝とエジプト軍部は、労働者階級によるムルシ政権打倒という第2革命を阻止するためにクーデターに訴えた。軍部は事前に米統合参謀本部や米政府と綿密な計画を練り、十分な国内政治工作を行った上で7月3日、クーデターを行った。とりわけムルシ打倒闘争を組織していた「タマルド(反乱)」という組織の指導部への工作は重要な意味を持った。
13年4月に反ムルシ署名を集める運動として出発したタマルドは、米帝やエジプトのブルジョアジーと強い関係のあるエルバラダイ(元IAEA事務局長)の救国戦線、イスラム主義政党の「強いエジプト党」、かつてムルシの大統領選出を支持した小ブルインテリゲンチャの組織「4月6日青年運動」、ムバラク時代最後の首相アーメッド・シャフィークを含む旧ムバラク派、さらにはトロツキストの一派である「革命的社会党=RS」などの実に奇怪な寄せ集め集団である。タマルドは2200万筆の反ムルシ署名を集め、ムルシ打倒運動の組織化の先頭に立った。しかしそれは、労働者革命を実現するためではなく、労働者人民のムルシへの怒りを利用して新たなブルジョア支配体制を再建するためであった。
軍部はクーデターを前にタマルドの承認を取り付け、クーデターをムルシ打倒という「国民的要求」に応えた軍の「民主主義的な」軍事介入に見せかけようとしたのだ。
他方、タマルドは米帝やEU政府とも密接な連絡を取りながら、軍の力を借りてムルシを打倒し、挙国一致政府を形成することで労働者革命を防止し、資本主義体制下でエジプトの再建と安定を図ろうとした。タマルドはこの一連の過程を「第2革命」と称している。
このような陰謀にトロツキストのRSが関与したのはなぜか。RSは現在の相争う諸政治勢力のどちらについたら労働者にとって有利になるかとしか問題を立てない。労働者階級自身が権力を掌握するために労働者は今どう闘うべきかという観点が完全に欠落しているのだ。これではブルジョアジーや小ブル急進勢力のしっぽに労働者階級をつなぎ止めることにしかならない。RSのエジプトでの行動は、イギリスのSWP(社会主義労働者党=トニー・クリフ派)やアメリカのISO(国際社会主義者組織)などのトロツキストの大組織の支持を得ており、これらのトロツキスト組織の立場も徹底的に批判しなければならない。
暫定内閣はブルジョア内閣
クーデターでムルシを逮捕・拘束し、多数のムスリム同胞団幹部を逮捕した軍部は、引き続きムスリム同胞団の弾圧を強化しつつ、自ら権力を掌握することなく、暫定内閣を樹立した。
暫定大統領にはムバラク体制と深いつながりがあり、腐敗した司法体制を維持し続けてきたアドリ・マンスール最高憲法裁判所長官が正式に就任した。首相には新自由主義者の経済学者で、IMFと連携した緊縮政策を全面的に推進する立場に立っているハゼム・エル・ベブラウィが任命された。外交担当副大統領にはエルバラダイ、財務大臣は世銀所属の研究者であるアーメッド・ジェラルだ。副首相と国防大臣には、クーデターを指導した軍最高司令官のアル・シシ将軍が着任した。これを見ればわかるように、暫定内閣はブルジョアジーの内閣以外のなにものでもない。
その上で、暫定内閣は労働・人的資源担当大臣にエジプト独立労組連盟の委員長を任命し、同労組の体制内への取り込みを狙っている。同労組はエジプト革命の真っただ中の11年1月30日に結成され、御用労組の支配を突き崩して戦闘的な労働運動を組織して闘い245万人の大組織に発展した組合だ。委員長は組合内の多くの反対を排して委員長を辞任して入閣、暫定内閣のもとでのストライキの抑制を呼び掛けたが、独立労組連盟の現場の活動家や労働者は激しく反対し、闘いの継続を宣言している。
7月8日には暫定大統領のマンスールが「民主化工程表」を発表した。テクノクラートによる暫定内閣、憲法改正委員会を発足させ、今年末までに国民投票を実施して新憲法を制定、来年初めには議会選挙と大統領選挙を実施し正式な政権を発足させるというものだ。そして暫定大統領は、来年の大統領選挙まで続く議会不在の過渡期において無制限の独裁権力を軍から与えられた。最低6カ月は大統領は全面的な立法権を持ち、国家財政と国家政策を決定できるのだ。暫定内閣はこの独裁的権力を最大限活用して、ムルシ以上に暴力的な新自由主義政策を展開するであろう。
反動打ち破り労働者は闘う
米帝は、暫定内閣を成立させたクーデターを、クーデターと呼ばず、軍による民主主義的な介入であるとした。アメリカには軍事クーデターで成立した政府への援助の停止を規定した法律があるため、エジプトへの援助を継続するためにそういう立場をとっているのだ。米帝はエジプトに対して毎年15億jを援助し、そのうち13億jが軍に供与されている。この金によって米帝は軍の政治的支配を支えてきたが、クーデター後も援助を継続することを確認している。7月12日のエジプト軍へのF16戦闘機4機の供与決定は、今後も援助を継続するという米帝の意志を示す象徴的行為であった。
米帝は暫定内閣の安定を図るために、従来から行ってきたタマルドに対する財政支援も継続し、挙国一致体制を強化しようとしている。さらには、米帝は湾岸の反動王政諸国にもエジプト支援を要請した。その結果、サウジアラビアが50億j、アラブ首長国連邦が30億j、クウェートが40億jの支援を表明した。
米帝は、米帝とイスラエルによる中東支配を支える決定的に重要な役割を果たしているエジプトを労働者革命によって失うことを回避するために、軍部にクーデターを起こさせ、暫定内閣を何が何でも維持しようとしているのである。
だが、ムバラクやムルシの新自由主義政策によって生きることさえ否定されてきた労働者階級の怒りを、このようなペテン的政策で沈静化させることはできない。暫定内閣は命をつなぐ食料や燃料の補助金(国家予算の25%)を廃止して延命しようとしている。生きるためには資本家や軍部の支配を根底から打倒する労働者革命を実現するしかない。職場で資本と闘い革命を真に指導しうる革命党と闘う労働組合をつくり出すことだ。エジプトの労働者階級は必ず実現し勝利するだろう。
〔丹沢 望〕
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週刊『前進』(2595号6面1)(2013/08/05 )
団結ひろば 投稿コーナー
市東さん緊急署名で農家40軒を回り200筆 東北・農民 A・K
市東さんの農地取り上げは許せないと、「緊急3万署名」を全国農民会議の一員として取り組んだ。農家仲間40軒あまりに配り、近くの農協の労働者に対しても協力をお願いし、約200の署名を集めることができた。
一年中で最も忙しい田植えの時期と重なり、実質的に動けたのは1カ月だけ。「成田空港はまだ完成していない。敷地内で農業をやっている人がいる。その農地を不当に奪おうとしている」と訴え、パンフレットを見せると署名を断る人はほとんどいなかった。もっと時間的余裕があれば、もっとたくさんの署名を集め、三里塚闘争への農民の共感を集めることができたと、実感している。
若い人を中心に三里塚闘争を知らない人が多かった。パンフの成田空港の欠陥空港としての姿を見てビックリしていた。また、6月上旬に行われたTPP反対集会(JAを中心にした500名集会)に参加していた人も多く、会場で配られた農民会議のチラシ「ゆい」で市東さんの農地取り上げを知った人もいた。
署名の中で、以前に三里塚集会に誘っていた農民が「まだやっているのか。反対してどうするんだ」と聞いてきた。「あくまでも農業を続けたいんだ。政府の強引なやり方に反対しているんだ」と説明すると、話はTPPや農業政策に発展。自民党の成長戦略のひとつである農家所得の2倍化に対しても、「またウソついている。所得が2倍になっても借金が3倍になる」と、農民は本質を見抜いている。
労働者も農民も「生きさせろ」の怒りはいっしょ。日本の農民闘争のシンボル・三里塚を守り抜き、労働者とともに新しい社会を建設していくしか農民の未来はない。
ヒバクシャの怒りの根源を問う東京集会 東京 W
7月21日、文京区民センターで8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会主催の反戦反核東京集会が開催され105人が参加しました。
メイン企画は「ヒバクシャの怒りの根源を問う」パネルディスカッション。アメリカの水爆実験で「死の灰」を浴びた元第五福竜丸乗組員・大石又七さんが、「核実験は戦争のためのもの。原発と言う時、戦争のことを考え、フクシマとビキニを結びつけなければならない」と反戦・反核・反原発の一体的闘いの重要性を語り、核推進勢力を厳しく批判しました。
渡辺ミヨ子さん(原発いらない福島の女たち)は、「大丈夫というキャンペーンのもとで放射能が入ったものが売られ食べて被曝が広がっている」「今度の事故で国が私たちを守ってくれないことがわかりました」ときっぱり述べました。
飛び入りで松井英介さん(岐阜環境医学研究所)が発言、「プルトニウムやストロンチウムが隠されている。政府・マスコミが何を隠し報道しないのか見ていかないと」と貴重な指摘がなされました。ヒバクシャの根底的怒りは労働者階級民衆の怒りそのものであり、必ず希望に転化することを確信させる討論内容でした。
特別報告では、中道雅史さん(大間原発反対現地集会実行委員会事務局長)が「青森から核を撃つ」と題して、焦点化しつつある大間原発・むつ中間貯蔵施設反対の闘いへの継続的決起を呼びかけました。続いて織田陽介NAZEN事務局長が、被曝労働拒否をストライキで闘う動労水戸の闘いと脱被曝を掲げた山本太郎氏の参院選での歴史的勝利に立ち「労働者が団結すれば世の中は変わる」と訴え、再稼働阻止への緊急アピール。
最後に、三角忠・全国統一実行委事務局長が「8・6―8・9から秋に向けて再稼働阻止の闘いのうねりをつくりだそう」とまとめの宣言。
参加者はヒバクシャの怒り、世界の労働者人民の怒りとつながり、反原発100万人決起へ闘いぬくことを誓いました。
「南営洞1985」の上映会に参加して 全学連 内田しをり
7月7日、なかのZEROで行われた韓国映画『南営洞1985』上映会に参加しました。
映画の題材は軍事独裁政権下における民主化運動リーダーのひとり、金槿泰(キムグンテ)氏の獄中生活22日間。「南営洞(ナミョンドン)」とは、当時の治安本部・対共分室のおかれていた場所であり、多くの学生や青年たちの命がけの闘いを、文字通りの国家暴力の行使=拷問でたたきつぶそうとした拠点です。それゆえ、110分のほとんどが拷問の描写に割かれた映画となっています。
ひたすら屈辱感を味わわせ、仲間を裏切らせて人間としての誇りや信念をたたき折るためだけに行われた拷問。「28年後の今、いったい国家権力の本質に何か変わるところがあるだろうか」という思いでいっぱいになりながら、シートを埋めつくした観客の人たちと怒りを共有する2時間弱でした。
何よりこうした拷問の手法も組織も日帝占領期から引き継がれたものであることを思い、日本帝国主義への強い怒りを新たにしました。国際連帯そのものとして、侵略戦争を賛美し改憲を呼号する安倍を必ず打倒したいと思います。
最後に、この映画を観てあらためて実感したのが、星野文昭さんの闘いの正義性とその力です。徐京植(ソキョンシク)さんが獄中で闘う兄の徐勝(ソスン)さん・徐俊植(ソジュンシク)さんについて記した文章に次のような一説があります。
「彼らは彼ら自身であることをやめないだろう。人間の側に立ち続けるだろう」「人間を非人間化しようとしてやまない時代においてこそ、人間性の真価は光を帯びる」――韓国の労働者たちの誇り高い闘いは金槿泰氏を奪還し、その魂は現在の民主労総の同志たちに引き継がれています。
今こそ私たち学生が先頭に立って全社会を揺るがす闘いを実現し、星野さんをとりもどす決意です!
福岡で初めて開いた星野絵画展が大成功 福岡 矢板太郎
7月13日〜15日まで、「獄中38年。無実を証明する全証拠開示を!星野文昭絵画展」を福岡市健康づくりセンター(あいれふ)で開催しました。
不当に逮捕され、38年も獄中で非転向を貫き闘う星野文昭さんとご家族、支える人びとの存在をわたしが知ったのは3・11の年の春でした。星野文昭さんの「絵」とつれあいの暁子さんの「詩」のカレンダーに衝撃を受けました。
そして今年のカレンダー、もうみなさん見られたでしょうか? 「チェルノブイリ、今を生きる」(5月)。淡いタッチで描かれた子どもの絵は切なく、それでいて目は力強くこちらを直視しています。とても獄中で描いたとは思えない絵、メッセージ。多くの人に伝えなければならないと感じます。
絵画展はたったの3日間! できるかぎり知ってもらおうとチラシを配り歩きました。当日会場近くで手渡したチラシを手にした人が何人も絵画展に訪れてくれて、うれしかったです。
権力による弾圧、不当逮捕がいまも続いています。「見せしめとしての38年ではなく、それをひっくり返し、日々無期に勝利してきた闘いとしてある」星野文昭さんと暁子さんの闘いはわたしだけでなく、1%と闘う99%の側のみんなを支えてくれています。
星野文昭さんの訴える「人間が人間として生きられる社会」の実現をめざしがんばりましょう。福岡で初めてのこの絵画展をきっかけに福岡の地でも「星野文昭さん奪還!」の声を広げていきたいと思います。
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週刊『前進』(2595号6面2)(2013/08/05 )
廣海晶同志の急逝を悼む
「党の革命」貫き教労委の基盤を築いた革命家
革共同教育労働者委員会
あなたとともに労働者の解放へ
廣海晶(ひろみあきら)同志が6月22日、不慮の事故で急逝されました。享年57。
廣海同志は「荒木淳」さんの名前で、全国労組交流センター副代表や事務局次長、同教育労働者部会事務局として活躍してきました。
廣海晶同志。突然、余りにも突然、闘いの舞台から逝ってしまったあなたに、私たちは言葉を失いました。受け入れがたい事実に、無念で、悔しくて、つらくて、涙を抑えることができません。
しかし、あなたが求めてやまなかった革命的情勢が今まさに切り開かれています。大恐慌と3・11情勢のもと「命よりもカネ」の新自由主義への怒りが首都で爆発し、参院選で山本太郎氏が堂々4位で当選しました。ひとりの決起が首都100万労働者階級の決起をつくり出し、ひとりの勝利が安倍政権を心底から震え上がらせています。
青年労働者の決起に全力を傾注してきた堅忍不抜の廣海精神が、躍動感に満ちあふれた新たな若き力を生み出しながら、革命運動を今、大きく前進させようとしているのです。あなたを尊敬し慈しむ私たち教育労働者委員会は今、廣海同志の労働者階級の決起への限りない確信を胸に、労働者解放への道をしっかりと突き進んでいくことを固く決意しています。
決戦の時こそ現場に突っ込む
廣海同志は、1974年に京都大学経済学部に入学し、革命的共産主義者同盟に加盟して関西学生組織委員会議長として活躍しました。その後、九州地方委員会に移り、数年にわたって階級的教育労働運動の復権に尽力されました。
1995年に東京に来て全国労組交流センター事務局に着任すると同時に教育労働者部会の担当となり、持ち前の力量を大きく開花させました。くしくも95年は、日教組中央が「文部省とのパートナー路線」を推進するために、勤評闘争以来闘い続けてきた「5項目の職場闘争」方針を投げ捨てた年でした。
廣海同志は、日教組の路線転換をめぐる大攻防に、階級的教育労働運動の復権をかけ、現場労働者とともに本当に精力的に全都の職場訪問を開始しました。後に「東京の教育労働者に会った数は100人を下らない」と言っていましたが、決戦の時こそ”現場に突っ込む”というあなたの姿勢は、あの時から始まったのだと思います。
2003年に都教委が「10・23通達」で「日の丸・君が代」を強制する中で243人もの教育労働者が不起立闘争に決起した時、全国労組交流センターの故・中野洋代表(動労千葉前委員長)が提起した全都立校の卒・入学式へのビラ配布の大方針をともに決断し、その実践を中軸で担ったのが廣海同志でした。
また「日の丸・君が代」不起立闘争をめぐる被処分者の裁判闘争、人事委員会闘争などに大きな力を発揮しました。「日の丸・君が代」強制と処分を新自由主義攻撃として位置付け、被処分者の思いを尊重しながら反対論を深めてきました。そして裁判闘争だけに依存するのではなく、職場からの抵抗闘争として、教育労働運動として「日の丸・君が代」闘争を発展・拡大することに力を注いできました。
この「日の丸・君が代」決起を階級的労働運動の立場からはっきりさせようと04年8月に発行した『教育労働者の戦争協力拒否宣言』(労働者学習センター発行)、教育基本法改悪阻止闘争の渦中で06年8月に発行した『教育基本法改悪と戦争国家――取り戻せ! 闘う日教組』(同)は、廣海同志の秀でた理論的水準と寝食を忘れての援助なくしては実現しませんでした。08年から始まった教育労働者の国際連帯訪米闘争も、廣海同志の実に献身的な努力に支えられてきました。
ここ数年は、大阪の橋下市長を先兵とする民営化攻撃の全体像を暴くことに力を注いできました。教育現場における反合理化・運転保安闘争路線の実践として、教育の民営化絶対反対、外注化・非正規職撤廃へ闘ってきました。中でも新採用教員の退職強要と解雇の問題に精力的に取り組んでいました。労働者の話を時間をかけて聞き、ともに怒り、ともに苦闘する――こうした廣海同志の一貫した姿勢に、多くの教育労働者が全幅の信頼を置いていました。
いよいよ国鉄決戦を先頭に新自由主義を打倒する公務員大決戦の到来と階級的労働運動の新時代が始まるという時に、そこに廣海同志がいないことが無念でなりません。
廣海同志は90年代から始まる激しい路線的・政治的・組織的闘い、「党の革命」を先頭に立って実践してきました。革共同第19回全国委員総会で確認した「母なる労働者階級の中に思い切り飛びこむ」中で、「労働者階級は自らの党をつくり出す」というマルクス主義の立場を徹底的に貫いて活動してきました。その闘いをとおして血債主義派との激しい党内闘争に打ち勝ち、教育労働者委員会の飛躍、階級的労働運動路線による全国的統一をかちとりました。
特に2000年代の本格的な路線闘争と組織建設の過程で廣海同志は、教育労働者委員会の全国的団結をかちとるとともに、労働運動の主流派への飛躍、「党と労働組合の一体的建設」のために現場労働者とともに闘いぬきました。その激闘の中で文字どおり教育労働者委員会の理論的・組織的な基盤をつくった傑出した指導部でした。
階級的労働運動切り開いた人生
廣海同志。あなたは「僕は教育労働者を愛しているから」と語り、わが身を削ってでも常に労働者とともにあり続け、あらゆる闘いの現場に身を置いてきました。革命家として文字どおり「清貧」に甘んじた生涯を貫いてきました。
誰もが語っているとおり、あなたがいなかったら全国労組交流センターの現在はないし、革共同教育労働者委員会の前進もありませんでした。私たちはあなたとともに闘えたことを心から誇りに思います。
あなたを喪(うしな)った悲しみはあまりにも深いものです。しかし私たち教育労働者委員会はより固く深く団結して、あなたの遺志を引き継ぐ闘いを始めています。職場から青年教育労働者の決起をつくり出し、現場労働者の闘いを抑圧・妨害する既成の組合幹部を打倒し、ストライキで闘う日教組をつくり出し、国鉄決戦を軸に新自由主義と対決する階級的労働運動の大旗を日本の階級闘争に打ち立てます。プロレタリア世界革命に勝利することが、廣海同志への最大のはなむけだと誓って進んでいきます。
廣海同志よ。あなたが闘いの中で見せた”可愛い笑顔”を私たちはけっして忘れない。教育労働者委員会はあなたが人生をかけて切り開いた階級的労働運動路線を貫き、労働者階級の先頭に立って闘っていきます。あなたの革命的執念と情熱で、労働者階級の前進を切り開く大きな風を起こしてください。その”希望の風”とともに、私たちはプロレタリア世界革命の勝利へ前進します。
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週刊『前進』(2595号6面3)(2013/08/05 )
お別れ会 必ず日教組奪い返す
「ずっと一緒に闘う」と誓う
「大震災以降、雇い止めにあった人はいませんか? 自宅待機中で賃金が出ていない人はいませんか? 地震で部品が来ない、客が来ない。だけど散々こき使っておいて『だからクビだ』はねぇだろう! この怒りを集めて一つの大きな闘いにしたいんです」
荒木淳(本名・廣海晶)さんの鮮烈で力強い演説が響き渡った。11年3・11直後の5月1日、東京・芝公園で開かれた「反原発・反失業メーデー集会」で、震災解雇労働相談センターを代表して発言した荒木さんのアピールである。
7月13日夕、千葉市のDC会館で「荒木さんお別れ会」が開かれた。全国労組交流センターと同教育労働者部会が主催し、全国から130人の仲間が集まった。
黙祷(もくとう)の後、前記の集会発言の映像が上映された。
お別れの言葉の冒頭、全国労組交流センター代表運営委員の動労千葉・田中康宏委員長は「荒木さんの情勢分析は常に労働者が置かれた現実から腐りきった社会を暴き出すものでした。『国鉄の次は教育』と言ったのは中曽根。彼の分まで闘いあだを討つ」と述べた。
全国労組交流センター教育労働者部会の二本柳実さん(三浦半島地区教組)は「教育労働者部会を大きくし、必ず三浦半島に階級的労働運動の旗を掲げ、日教組をわれわれの手に取り戻します。荒木さん、絶対やり遂げます」と決意を語った。革共同の高原洋三さんは「あなたの魂とともにプロレタリア革命の日まで闘う」と述べた。
教育労働者の発言が続いた。東京教組「日の丸・君が代」処分被解雇者の米山良江さんは「最後まで青年労働者とともに闘った荒木さん。その理路整然とした分析力と洞察力に誰もが頼っていました。あなたのチャーミングな笑顔が忘れられません。いつまでも一緒に闘います」と語った。
東京の不起立闘争の先頭に立ってきた根津公子さん、河原井純子さんが発言した。根津さんは「2000年に『指導力不足等教員』でクビにされそうになった時も08年に免職されかねなかった時も、裁判闘争でも、ずっと荒木さんに教えられ助けられてきました。本当にありがとうございました」と語り、河原井さんは「数年前に眼底出血をして文字を読むのが大変になった私に、荒木さんは必ずA3判に拡大した文書を渡してくれました。荒木さんの温かい優しさばかり思い浮かびます」と話した。
青年労働者は「僕は荒木さんに出会って初めて、それまで組合の中で教えられることのなかった『教育労働者』という考え方をしっかり教えてもらいました。だから今、青年部が頑張れています」、関西の教育労働者は「荒木さんに『革命に勝利したぞ』と報告したい」と語った。
全国労組交流センター代表運営委員の動労水戸・辻川慎一副委員長は「精いっぱい闘い、精いっぱい生きた荒木さん、安らかにお眠りください」と語りかけた。
第1部の最後に、冒頭上映した集会で凛(りん)とした表情で演説する荒木さんの勇姿に献花を行った。
第2部では献杯の後、小・中・高校の教育労働者、学生時代からの仲間、全国労組交流センター事務局、全国労組交流センター前代表運営委員の入江史郎さんがお別れの言葉を述べた。
最後に、永遠に荒木さんとともに闘い続ける決意を胸に「インターナショナル」を合唱した。
(写真 荒木さんとともに闘った教育労働者が次々とお別れの言葉を述べた【7月13日 千葉市・DC会館】)
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週刊『前進』(2595号6面4)(2013/08/05 )
証人採用拒否弾劾する
面会拒否・手紙墨塗り国賠訴訟
星野文昭同志とり戻そう
7月26日、東京地裁民事第38部(谷口豊裁判長)において星野面会・手紙国賠の第9回裁判が開かれた。谷口裁判長は、原告が求める前徳島刑務所長の松本忠良ら3人と星野文昭同志の証人採用を拒否した。この暴挙を満身の怒りで弾劾し、4カ月決戦のただ中で闘われる9・8徳島刑務所包囲闘争に総決起しよう。
獄中38年、星野同志の不屈の闘いは、新自由主義攻撃に対する絶対反対・非和解の闘いである。面会・手紙国賠は、獄中の星野同志と固く団結し、人間としての権利を守る重大な闘いとして展開されている。友人と面会し、会話することは、人間として当然の権利である。面会拒否、手紙墨塗りの張本人を法廷に引きずり出し、彼らの暴挙を白日のもとにさらして、階級的怒りで粉砕しよう。
傍聴席が緊張して見守る中、原告の金山克巳同志と星野暁子さんが意見陳述を行った。金山同志は「4人の証人調べなしに審理を進めることはできない」と意見を述べた。星野暁子さんは、アメリカを訪問した際に見聞した実情と比べても日本の刑務所がいかに非人間的かを怒りを込めて弾劾した。
谷口裁判長は、「事実関係については争いがない。必要なのは、それによる原告の精神的苦痛があったかどうかの評価だ」として、4人全員の証人調べを却下した。
何が「事実関係には争いがない」だ。とんでもない。松本前所長がいかなる理由で面会を拒否し、手紙を墨塗りしたのか、まったく明らかになっていないではないか。
谷口裁判長は、原告本人尋問を「陳述書」に代えた上、法廷で実際に意見を述べるのは「2〜3人」で終わらせてしまう方針を表明した。
西村正治弁護士、金山同志、暁子さんが反論し、傍聴席は怒りに包まれた。最終的には、8人全員が意見を述べることを谷口裁判長に認めさせた。さらに、西村弁護士は、昨年2・5徳島刑務所包囲デモの映像を記録したDVDを証拠として提出した。
次回は、10月25日金曜日午後2時、705号法廷。
原告全員が意見を表明して裁判は結審する。これまでを倍する傍聴で裁判所を圧倒しよう。
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星野同志に暑中見舞いを
猛暑の中、不屈に闘う星野文昭同志に全国から暑中見舞いを送ろう。
宛て先 〒779−3133徳島市入田町大久200−1 星野文昭様
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週刊『前進』(2595号7面1)(2013/08/05 )
世界単一の労働者党を
革命的共産主義運動50年の地平と大恐慌-世界革命勝利の時代の到来
7・28革共同政治集会基調報告
革命的共産主義者同盟書記長天田三紀夫
(写真 JR東日本本社【左後方】を弾劾し、動労千葉を先頭に「闘うメーデー」復権を訴えてデモ【5月1日 新宿】)
はじめに
山本太郎氏を支持しともに闘った参議院議員選挙闘争を、われわれは「大恐慌下の新たな時代の、階級的労働運動を基礎とした新たな選挙闘争」として闘った。
今次選挙闘争では、青年労働者の非正規労働に対する怒りと反原発の怒りが一体化して爆発し、見事に当選をかちとり大勝利した。20代、30代の青年労働者・学生の怒りを先頭に、全世代の怒りが爆発している。革命的共産主義運動は、100万労働者党建設への貴重な第一歩を踏み出した。
この決戦と一体で、動労水戸の外注化阻止・被曝労働拒否、被曝車両K544の交番検査粉砕のストライキ闘争が闘われた。福島連帯を断固掲げ、歴史的ストライキ闘争が闘いとられた。この闘いは国労郡山工場支部の闘いと完全につながった闘いであり、これから本格的闘争として爆発する。7月決戦が、参院選の勝利と、動労水戸のストライキ闘争の二つの柱で巨大な闘いとしてかちとられたことをしっかりと確認したい。
全世界で新自由主義と闘う青年労働者の決起がかちとられている。プロレタリア世界革命が急接近している。問題は、世界単一の闘う労働者階級の党の登場だ。革共同は、反帝国主義・反スターリン主義のプロレタリア世界革命を担う党として国内的・国際的に名乗りを上げている。断固として「この道を進め」と訴えたい。
革命的共産主義運動50年の歴史は、60年安保闘争とそれ以来の、70年安保・沖縄決戦、70年代対カクマル戦争、80年代国鉄・三里塚決戦、91年5月テーゼ、90年代―2000年代の国鉄決戦に示されている。
すべての決戦を国鉄決戦を基軸に闘い、わが同志たちを先頭とする労働者階級が総決起して闘ってきた。全世界の労働者階級の先頭に反帝・反スターリン主義の労働者党が屹立(きつりつ)している。
マルクス主義の旗のもと、全世界のプロレタリアートの階級的団結を統一し、国際主義の労働者党を建設し、プロレタリア世界革命へ驀進(ばくしん)しよう!
T 7月の2大勝利−動労水戸のストライキと山本選挙の勝利
動労水戸の交番検査阻止のスト
7月闘争は、二つの歴史的な大闘争を実現した。動労水戸のストライキ闘争と、山本太郎氏を支持して闘った参院選挙闘争の勝利である。
動労水戸は、7月12、16、17日と3波のストライキを貫徹した。
被曝車両K544移送、これと一体の常磐線竜田延伸攻撃に、団結した力で交番検査をできない状態に追い込む決定的勝利をかちとった。この中で資本の「偽装交検」という許し難いごまかしへの怒りがさらに燃え広がり、国労郡山工場支部の闘いへと決定的につながった。
動労水戸の闘いと国労郡山工場支部の闘いの結合は、国鉄決戦を今ひとつ新しい段階に突入させた。それは何よりも国労の革命的改革への基軸的拠点を打ち立てることを意味した。3・11情勢下で、ついにK544闘争で動労水戸と国労郡山工場支部の連帯・団結がかちとられた。JR資本が最も恐れていたことが闘いを通して現実化したのである。
この闘いは動労千葉の闘いと結合し、JR全体の闘いとなって発展していくのだ。点から線へ、線から面へと発展していく。それはさらに9・25反動判決阻止・1047名解雇撤回の4カ月決戦の力となっていく。
労働者階級の心の底からの叫び
ブルジョア議会制度の選挙は、支配階級のどの政党がこれからの政治権力を握るのかを決定するブルジョア的儀式である。
しかし、労働者階級にとって選挙闘争は、労働者階級の階級意識の現状、階級的団結の成熟度を知る、最大のバロメーターである。またすべての党派が階級的立場を問われ、検証され、淘汰(とうた)される。
革共同は、ブルジョア選挙闘争の現実を部分的には経験してきた。しかし7月参院選は、われわれの経験をはるかに超える内容を提起した。それは日帝権力足下の東京選挙区での選挙闘争ということである。われわれは、「労働運動の力でプロレタリア世界革命へ」の道に果敢に挑戦している。革命党にとって首都・東京で労働運動の力関係を変えることが、革命の未来を決定する。
山本太郎氏が掲げたスローガンは、われわれが一体となって闘うことを可能にした。「▼被曝させない(反原発)、▼TPP(環太平洋経済連携協定)入らない、▼飢えさせない」は、青年労働者を始め労働者階級の心からの欲求であり叫びである。帝国主義・新自由主義と対決し変革を求める闘いのスローガンである。
山本太郎氏は、連日街頭でこのことを激しく訴え、66万6684票を獲得し、鮮やかに当選をかちとった。
新自由主義、大恐慌、3・11情勢と対決して闘う階級の指導部がついに登場する新しい時代が訪れた。われわれもまた青年労働者・学生を先頭に山本氏とともに闘った。世界革命が勝利する時代に間に合った。
新しい時代の新しい選挙闘争
選挙闘争をどう闘ったか。
われわれは、この選挙戦を「新しい時代の新しい選挙闘争」として闘った。新しい時代とは、大恐慌・大失業の深刻化、東日本大震災と福島原発事故の現実、3・11情勢の現実である。この現実を変革する闘いとして選挙闘争を闘った。
また拠点建設推進を軸に、1200万労働者階級を相手に、100万票を獲得する選挙闘争として闘った。100万労働者階級と一体で労働者党建設へ進む闘いである。この実現こそ革命の現実性の物質化である。
また青年労働者・学生を中心に、徹底的に党建設的に闘った。それは100万労働者を組織する階級のリーダーをつくり出す闘いであった。階級的労働運動の前進をかちとる選挙闘争として闘った。したがって9・25動労千葉鉄建公団訴訟控訴審判決へ国鉄4カ月間決戦の勝利をかちとる選挙闘争でもあった。
事実、7月決戦の今ひとつの中心に、動労水戸のK544の運用阻止、被曝労働拒否の闘いが据えられ、ストライキ闘争で激しく闘われたことをしっかりと確認したい。
80年代、90年代の選挙闘争の総括
またわれわれは、7月選挙闘争を、80年代―90年代の革命的議会主義の選挙方針に対する自己批判とその突破をかけて闘った。
80年代―90年代選挙闘争で突破すべき課題は何だったのか。選挙闘争を選挙の論理に基づいて闘うという間違った考えで自己運動し、革命的大衆行動の高揚、階級的労働運動の前進を総括軸とすることに敵対した。91年5月テーゼ以来の闘いに対立・敵対するものとなったことは、決定的に重大事態であった。
したがってそれは、階級的労働運動の前進と発展を総括軸としない、当選至上主義の選挙闘争へ転落した。杉並区議会での2003年イラク超党派決議に示されるように根底性・党派性がまったくない議会活動となった。さらに現職議員が民営化に賛成し「党の革命」に反対するという敵対と腐敗を生み出した選挙闘争でもあった。
その結果、全国の地方委員会建設・地区党建設に破壊的作用をもたらした。階級の大地から離反した地方委員会・地区党へと転落させるものとなった。
路線的には、階級的労働運動に敵対する政治決戦主義と血債主義への転落であった。この根底的決別を必要とした。まさに革共同は、これらの路線的整理と突破をかけて7月参院選を闘った。そしてこの闘いに勝利した意義はきわめて大きい。
U 日帝国家権力中枢と闘い勝利した「革共同50年」の到達地平
スパイ摘発・打倒は最高の勝利
革命的共産主義運動50年の歴史で最高の勝利は、革共同破壊の工作者・希代のスパイ分子荒川碩哉(ひろや)を、革共同が自らの手で摘発し打倒したことだ。このことを声を大にして全労働者階級に報告したい。
日本帝国主義国家権力は、スターリン主義の裏切りに助けられて戦後革命を徹底的に絞殺した。日帝は、戦後労働運動を内部から外部から解体するために総力を挙げた。しかし労働者階級は、60年安保闘争の敗北の総括から社・共に代わる労働者党建設の力強い歩みを開始した。この奔流は、何人も押しとどめることができなかった。
日帝権力中枢は、合法的・非合法的手段で革命的共産主義運動を破壊するために総力を挙げた。しかし、70年安保・沖縄決戦、70年代対カクマル戦争、80年代国鉄・三里塚決戦は、闘う労働者・学生を先頭にすべての勢力を吸引して爆発した。帝国主義戦後世界体制は74〜75年恐慌の爆発によって崩壊し、世界は戦争と革命の時代に突入した。
89年総評解散・連合結成、89年東欧スターリン主義―91年ソ連スターリン主義の崩壊、91年自衛隊の海外派兵(ペルシャ湾掃海艇派遣)という超ど級の事件が次々と起こる中で、日帝権力中枢は、ただ一点、国鉄労働運動・動労千葉破壊と革共同の分裂・解体のために総力を挙げた。
国家権力中枢は95年以来、荒川碩哉をスパイ・工作者として育成した。この攻撃は2000年から本格化した。革共同の情報収集と分析、とりわけ動労千葉の膨大な分析を日常的に行っていた。しかし「党の革命」を経た革共同の研ぎ澄まされた階級的団結の力、「時代認識と路線」で一致した地区党の前進の中であぶり出された。
革共同は、希代のスパイ分子を革命党の団結した力で摘発し打倒した。日帝国家権力中枢の革共同破壊攻撃を根幹で打ち破った。
膨大な自白文書の中から、革共同の存在の大きさと国鉄決戦の歴史的位置が逆に明白になってきた。
大恐慌のもとで、3・11(大震災と福島原発大事故)は、日々プロレタリア世界革命以外に解決できない現実を突き出している。プロレタリア革命の急接近の中で国家権力中枢のスパイ分子を摘発したことは、世界史的偉業であった。
対カクマル戦の意義も一層鮮明
第二は、革共同破壊のためにカクマルをつかった日帝権力中枢の大攻撃を撃破したことである。
日帝国家権力は、革共同を破壊するためにカクマルを使い、71年12・4反革命(辻敏明・正田三郎同志虐殺)を行い、74年1月破防法弁護団を襲撃し、75年3・14反革命で本多延嘉書記長(当時)を言語に絶する卑劣な手段で暗殺した。しかし、革共同と闘う労働者・学生は、現代のファシストに一歩も引かず、根底からの怒りをもって反ファッショ解放戦争に決起した。
国家権力の意を受けたファシスト反革命との戦争に反戦派労働者と学生は総決起し、反革命の白色テロルと対決した。革共同は革命軍を建設し、非合法・非公然体制を確立し、カクマルの白色テロ攻撃と闘った。
この背景には70年安保・沖縄闘争の壮大な爆発がある。日帝国家権力は、70年安保・沖縄闘争の爆発に騒乱罪・破防法など、ありとあらゆる治安弾圧法を駆使し攻撃をかけてきた。特に69年4・27破防法弾圧で本多書記長らを逮捕したことは、国家権力と革共同の後戻りのない非和解的激突関係への突入を告げ知らせ、革共同はこれに断固対決する体制に突入した。69年11月決戦から71年11月決戦の3年間で、労働者・学生を先頭に全人民が総決起した。
本土では、日米安保同盟政策に対する階級的怒りが爆発し、反戦派労働者を先頭に闘う人民は武器を持ち決起した。
沖縄の基地労働者を先頭に、労働運動を基軸に戦闘的大衆闘争が燎原(りょうげん)の火のように燃え上がった。全国の大学で大学を占拠・解体する闘いが爆発した。
70年安保・沖縄決戦は、「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の路線で反スターリン主義・革命的左翼が独自に組織した歴史的決起だった。
日帝権力中枢は、騒乱罪・破防法と数々の治安弾圧を加える一方、カクマルを使嗾(しそう)して、革共同破壊攻撃をかけてきた。労働者同志は、死を賭して対カクマル戦に決起した。この中で、74年5月前迫勝士同志(都職)、74年9月高橋範行同志(全逓中郵)、76年2月橋本秀次郎同志(反戦世話人、豊島郵便局)が不帰の人となった。多くの同志が傷つき倒れた。しかし、労働者同志は不退転の決意で勝利を求めて闘った。革共同は、カクマルを使った日帝国家権力の革共同破壊と労働運動破壊攻撃と徹底的に闘った。そして動労千葉と法政大学生運動を守り抜いた。
これらの壮絶な闘いは反革命カクマルを追いつめ、1999年から2000年にかけてJR総連カクマルと中央派カクマルへの分裂を強制した。
闘う労働者・学生をカクマルが白色テロルで襲う。これが70年代の日本階級闘争の現実であった。革共同は、国家権力の手先と命がけで戦ってきた。この階級的正義の戦争に反対する卑俗な「内ゲバ」論は、日帝権力中枢の革命党破壊攻撃に手を貸す反動的主張である。われわれは対カクマル戦によって日帝権力中枢の革共同破壊攻撃を粉砕したのだ。そして、それによって今日の大恐慌情勢を迎える中で、新自由主義と闘う全世界の労働者階級とともに決起することが可能となったのである。
動労千葉と共に闘ってきた歴史
第三は、日帝権力中枢の全体重をかけた動労千葉破壊、国鉄分割・民営化攻撃と全面的に闘い、労働運動の拠点を守るために動労千葉とともに歩んできたことである。
80年代、世界的な新自由主義攻撃が激化した。英サッチャー政権誕生(79年)、米レーガン政権誕生(81年)、中曽根政権発足(82年)は、世界的な新自由主義攻撃の始まりである。
事実、レーガンの航空管制官労組の闘いへの大弾圧、サッチャーの炭鉱労組への弾圧は苛烈(かれつ)を極めた。
1985年中曽根政権は、「戦後政治の総決算」を掲げ、同年10月「国鉄改革のための基本方針」の閣議決定、86年11月国鉄改革関連法の制定を強行した。
日帝は、分割・民営化攻撃で、革共同とともに闘う動労千葉に対する破壊攻撃を激化させた。動労千葉と国労を解体することで、戦後労働運動の一貫した中心であった国鉄労働運動を壊滅しようと全力を挙げた。そのためにカクマルをその反革命先兵として徹底的に使った。しかし70年代以来反合・運転保安闘争を闘ってきた動労千葉は、国鉄決戦の戦場から一歩も引かず闘った。
▼82年国鉄分割・民営化攻撃を宣言
▼85〜86年、動労千葉、分割・民営化粉砕のストライキ闘争に決起
▼86年11月、動労水戸が組合結成
▼90年、1047名闘争の開始
▼94年、運輸省、国労に対する202億円損害賠償請求取り下げ
▼98年、「JRに法的責任はなし」の5・28反動判決
▼2000年、「4党合意」のもとで、国労が外注化に全面屈服
▼01年、動労千葉、「シニア制度」へ反撃開始
▼02年、5・27弾圧に完全黙秘で闘う。暴処法弾圧を粉砕
▼10年、4・9政治和解攻撃に対する国鉄闘争全国運動の開始
▼11年、国労が闘争団員の組合員権剥奪(はくだつ)。これに対する4人の闘争団の決起
▼12年10月、外注化・非正規職撤廃のストライキ闘争
闘う労働運動の「新しい潮流」運動は、動労千葉の呼びかけで1994年9・18労働者集会をもって開始された。この「新しい潮流」運動は、階級的労働運動路線の確立と実践の推進軸の役割を果たした。そして「大失業と闘う」「反戦・反侵略」「国鉄闘争を水路に連合路線と対決」「自社連立政権打倒・闘う労働者党を」の4本のスローガンを掲げ、階級的労働運動路線の出発点となった。国鉄1047名解雇撤回闘争に関する1998年5・28東京地裁反動判決(JRに法的責任なし)が強行された。この反動判決は、国鉄分割・民営化反対闘争の決定的な転換点となった。「新しい潮流」運動は、反動判決―国鉄改革法と全面対決する闘いを軸とした。この闘いは、1998年以来、全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部・全国金属機械労組港合同・動労千葉の3組合呼びかけの11月集会として発展した。
そして2003年アメリカILWU(国際港湾倉庫労働組合)、韓国民主労総ソウル地域本部が参加し国際連帯の闘いとして前進している。2010年以来、国鉄闘争全国運動と一体となり前進している。この闘いを土台で支えたのが動労千葉の労働学校であり、マルクス主義の学習である。
1998年5・28反動判決に怒りをもった3労組共闘が結成され、闘いが開始された。2000年4党合意に反対し総決起した。02年5・27の決起は、国鉄労働者の偉大な決起であった。10年4・9政治和解は、労働争議はやらない、裁判闘争は全部取り下げる、国労解体を進めるという、労働運動の全面的な解体の道へ進む反動的内容である。「国鉄闘争の火を消してはならない」を合言葉に国鉄闘争全国運動を立ち上げ、国家と資本の思惑をぶっ飛ばして前進している。さらに4人の闘争団の決起をかちとった。
12年10月、外注化阻止・非正規職撤廃闘争に全面的に決起した。3・11情勢のもとで、12年動労水戸が外注化阻止・被曝労働拒否のストライキ闘争に決起した。
こうした攻防の中で、12年6・29動労千葉鉄建公団訴訟一審判決を出し、国労組合員資格確認訴訟と動労総連合出向差し止め訴訟の審理を担当していた東京地裁労働部トップの白石哲裁判長が突然更迭される「白石事件」が引き起こされた。国鉄闘争全国運動と外注化・非正規職化粉砕の闘いが、ここまで日帝権力を震撼(しんかん)させ、追い込んでいるのである。
動労千葉と革共同を分断し、階級的労働運動を破壊することにかけた、日帝権力中枢の動労千葉解体攻撃を打ち破って闘いを前進させていることを確認しよう。
三里塚に対する権力中枢の攻撃
第四は、三里塚芝山連合空港反対同盟に対する破壊攻撃である。
三里塚闘争は、農地強奪攻撃との闘いであった。反対同盟は自らの農地と生活、家族を守るために体を張って闘い抜いてきた。
三里塚闘争の歴史は、権力の分断攻撃との闘いであった。
79年には反対同盟事務局次長・島寛征と大平内閣の加藤紘一官房副長官の秘密交渉が発覚した。81年から日帝中枢は、運輸省の服部経治審議官らによる芝山町での「官並会談」を画策し、三里塚闘争破壊に乗り出した。条件交渉のグループを作り、条件交渉を開始しようとした日帝・公団のたくらみは破産した。日帝・公団に屈服した石橋政次(副委員長)、内田寛一(行動隊長)らの裏切りに対する徹底弾劾の闘いによって条件派工作は失敗し、日帝権力は敷地内と敷地外を分断して切り崩す方針に転換した。それが成田用水攻撃だった。この用水攻撃と一坪再共有化攻撃が一体となって反対同盟に襲いかかった。これが83年3・8分裂に行き着いた。3・8分裂は日帝権力中枢の攻撃だった。革共同は、3・8分裂の手先と化した一部の支援勢力と全面的に対決し、これに制裁を加え、三里塚闘争を守りきった。
反対同盟は断固反撃し、話し合い攻撃を粉砕し、農地死守の原点を守り、絶対反対同盟として自己を確立した。ここで確認したいことは、歴代の日帝権力中枢が三里塚闘争破壊のために総力を挙げてきたという事実である。そしてこれを打ち破って47年間営々と闘ってきた反対同盟の偉大な力である。
星野同志に対する弾圧との闘い
第五は、星野同志への38年間の大弾圧である。
星野文昭同志に対する38年の獄中攻撃こそ、日帝権力の最大の反革命攻撃だ。70年安保・沖縄決戦が切り開いた地平は、プロレタリア革命の現実性だった。日帝権力はこれを実現した労働者・学生に憎悪を込め階級的報復を開始した。それは、70年決戦の階級的高揚を鎮圧するためのデッチあげ逮捕攻撃だった。現在も続いている星野同志への70年決戦への報復弾圧を絶対粉砕する。
1996年星野同志は第一次再審の申し立てをした。これは、70年安保・沖縄闘争への報復としてかけられた死刑求刑―無期懲役の攻撃とどこまでも闘い抜き、国家権力打倒まで労働者階級とともに闘うことの宣言だった。
驚愕(きょうがく)した日帝国家権力中枢は、荒川碩哉を送り込み、星野闘争破壊を画策した。スパイ分子・荒川は、権力の手先となって、星野闘争破壊のために動いた。しかし、スパイ荒川の摘発と本年6・30星野全国集会の成功は、敵の思惑を粉々に打ち砕いた。6・30は、星野同志奪還が可能だということを全参加者がつかんだ歴史的集会となった。
福島圧殺攻撃に対する大反撃
第六は、日帝権力中枢の福島抹殺攻撃と闘い、勝利に向かって闘っていることである。
革共同は3・11を直視し、被曝と闘う福島200万県民とともに生きる道を選んだ。福島の地で闘っている労働者とともに闘う道を選択した。福島の同志は、放射能から命を守る「ふくしま共同診療所」を建設する闘いに着手した。福島大学では、御用学者追放の闘いを開始した。2012年3・11(開成山野球場)、2013年3・11(県教育会館大ホール)の大集会は、「3・11を忘れるな!」「3・11を二度と起こさせない!」を誓う闘いの日となった。
福島の子どもたちの現実は、甲状腺の異常が多発する状態に入っている。
被曝と闘う福島200万県民と連帯して闘うことは、革共同の死活的課題である。革共同は、全原発廃炉の道は原発労働者と連帯し階級的労働運動を発展させることによって実現できることを明確にし、闘いを開始した。
日帝権力中枢の福島抹殺攻撃は、この福島の現実に対し、福島を孤立させ、分断し、闘うことをやめさせることを狙うものであった。2013年前半、福島で闘うお母さんたちを襲った現実、「闘いをやめろ」の大合唱は、日帝権力中枢の福島抹殺攻撃であり、この攻撃に震え上がって革命を投げ捨てた腐敗分子たちの攻撃だった。しかし、福島で闘う人びとは、この現実を突破して、根底的な決起を開始している。福島への日帝権力中枢の攻撃は大破綻した。
これらは沖縄への攻撃と一体である。95年少女暴行事件以来の沖縄県民の怒りは頂点に達し、日米安保体制に対する怒りを爆発させて闘っている。日帝は、辺野古新基地建設強行、オスプレイ配備、基地労働者への非正規化攻撃を強めている。日帝と県民の対決は沸騰点に達している。革共同は、沖縄現地での階級的労働運動の前進でこれに応えようと必死で闘っている。
結論は、日帝国家権力と激突して闘ってきた地平に徹底的に階級的に確信を持ち、誇りに思うことだ。それはスターリン主義や社会民主主義との激烈な党派闘争であった。それは、50年を超える闘いの日々であり、胸を張って報告できる光り輝いた歴史だった。
何ゆえか、ひとえに労働者階級とともに歩んできたからである。革命的共産主義運動は、青年労働者・学生が大結集する本格的発展期、プロレタリア世界革命の時代を迎えている。この道を断固進もう、と訴えたい。
(写真 3・11反原発福島行動に1350人が結集し福島市内をデモ)
V 91年5月テーゼ以来の闘い−階級的労働運動路線への前進
国鉄決戦が求めた戦略的大方針
5月テーゼとは、80年代の国鉄・三里塚大決戦が必然的に求めた戦略方針である。それは、国鉄分割・民営化攻撃にストライキ闘争で反撃した動労千葉が切実に求めた闘う方針であった。それは、新自由主義と闘う国鉄労働運動の本格的開始であった。国鉄決戦は、総評解散・連合結成の中で国鉄1047名闘争(国労闘争団・動労千葉争議団)を生み出した。国鉄決戦は、徹底的に闘う方針を求めていた。
他方で、ソ連スターリン主義のドラスチックな崩壊過程が進展した。その一方で、74〜75年恐慌を経た最末期の帝国主義は基本矛盾をいよいよ爆発させ、帝国主義の侵略戦争が現実となった。91年米帝はイラク・中東侵略戦争に突入した。
5月テーゼは、「闘うアジア人民と連帯し、日本帝国主義の侵略戦争を内乱へ」の戦略的総路線を、労働者階級が労働運動・労働組合の中で実現する路線、闘いへと大転換した。
5月テーゼは、70年代―80年代、先制的内戦戦略を確立して労働者同志を先頭に闘って勝利してきた地平に立って、革共同を階級の大地でさらに徹底的に強化して闘う路線であった。それは、革共同とともに70年代―80年代を激しく歩んできた動労千葉の生きた闘いを革共同が貪(むさぼ)るように学ぶことを求めた。
@革共同は、5月テーゼのもとでマルクス主義基本文献学習シリーズの発行を開始した。1994年『ゴータ綱領批判』を発行して以来、『賃労働と資本』(95年)、『共産党宣言』(96年)、『帝国主義論』(98年)、『賃金・価格・利潤』(99年)、『ドイツ・イデオロギー』(02年)、『国家と革命』(03年)を発行した。さらに「原典ライブラリー」にも挑戦した。これらの基本文献シリーズを5月テーゼ実践の武器として作った。
A5月テーゼ以来、「労働組合の革命論的意義」を全力で解明し、鮮明にさせた。
一つは、プロレタリア革命は、労働組合を通して、労働者階級の党と労働組合の相互作用、緊密な関係を通して労働者階級が政治権力を獲得していくものであることをはっきりさせた。
二つは、労働組合はプロレタリアートがその独裁を実現するのに欠くことのできない「共産主義の学校」であり、国の経済全体を管理し、しだいに労働者階級の手に移すための欠くことのできない労働者の組織であり、将来も長くそうなるであろうことをはっきりさせた。
三つは、帝国主義的な気分をもち、帝国主義に買収され、堕落させられた指導部を、労働者階級の手で徹底的に恥をかかせ、労働組合から放逐するまで闘うということである。そして、この闘争がある程度まで達しなければ政治権力を獲得することはできないということであった。
Bそして頭から国鉄決戦の現場へ突っ込んでいった。
血債主義派との激しい路線闘争
しかし、90年代国鉄決戦を闘いとる過程は平坦ではなかった。5月テーゼ反対派=血債主義派との激しい組織的・政治的・路線的闘いを不可避とした。
95年秋に開催された革共同第19回全国委員会総会は、5月テーゼを全力で推進することを確認した。「それは何か。いうまでもなく、再び労働者階級の中に入ること、母なる労働者階級の中に思いきり飛び込むこと、そして労働者階級の階級的組織化のために闘うこと、とりわけ、革命党の党組織、党細胞を階級の内部に、工場に、職場に、地域にどんどんつくりだしていくことである」(『共産主義者』107号、19全総報告・決定集)
続いて97年末に革共同第20回全国委員会総会が開催された。「20全総は、19全総以来の革共同の闘いについて全面的に総括し、闘いの決定的前進を確認するとともに、91年5月テーゼ―95年19全総路線にもとづき、労働者細胞の建設を中軸にすえ、反スターリン主義・革命的共産主義の思想的武装を圧倒的に強化していくことが、今日の階級闘争の革命的発展を切り開くうえで決定的に重要であることを強力に確認した。さらに20全総は、今日の内外情勢、階級情勢を分析し、恐慌と失業、戦争と革命の時代が世界史的に到来しつつあることをがっちりと確認した」(『共産主義者』116号、20全総報告・決定集)。
このことは、組織論的には、20全総で労働者出身の階級の指導部が文字通り中央指導部として登場したことを意味した。
この19全総−20全総での5月テーゼ推進の闘いに対し、90年代前半に路線反対派が生まれた。それは5月テーゼ反対派=血債主義派である。5月テーゼ反対派=血債主義派は、徹底的に日帝権力の攻撃に対し敗北した地平から出発した。血債主義派の主張は、労働者階級自己解放闘争を蔑視(べっし)して否定する反マルクス主義の思想として登場した。運動的には、組織建設を後景化させ否定する政治決戦主義に純化していった。また組織論的にはボルシェビキ的な全国単一の党組織を否定した。官僚主義、サークル主義、非合法・非公然体制解体要求へと行き着いた。それはとんでもない腐敗を生み出した。
したがって2001年前半期に開催された第6回大会は、5月テーゼ推進派=階級的労働運動推進派と5月テーゼ反対派=血債主義派とのきわめて折衷主義的な大会になった。厳しく言えば、19全総・20全総が切り開いた地平を発展させることができなかった。端的に言えば、国鉄分割・民営化攻撃に仁王立ちしている動労千葉労働運動を位置づけることができない不十分なものとなった。
カクマル・黒田哲学打倒宣言の位置づけと理解は同床異夢であった。このことはきわめて重い問題を提起している。反革命カクマルとの内戦の総括の問題である。命を失った同志、再起不能の病に倒れた同志、家族問題のしわ寄せを一身に背負って闘っている同志、これらの苦難の上に対カクマル戦争の勝利があること、ここにしっかり身をおいて総括することが求められていた。
06〜08年党の革命が開いた地平
日帝国家権力中枢は、5月テーゼ推進派=階級的労働運動推進派と5月テーゼ反対派=血債主義派とが対立している革共同を二つに分裂させ、解体する機会を狙っていた。
2003年は決定的な年であった。米帝はイラクへの全面的な侵略戦争に突入した。2001年には動労千葉の労働学校が発足し、マルクス主義が労働運動の基礎に据わった。
2003年、マル青労同が再建され、07年イラク反戦闘争の中で青年労働者は「労働運動の力で革命を」の闘いのスローガンをもって鮮烈に登場した。
2006年の「党の革命」は、関西を先頭に全国の労働者同志の激しい根底的な決起の中で、5月テーゼ反対派=血債主義派の恐るべき腐敗を徹底的に暴き出し、弾劾し打倒し、闘う労働者党員の手で革共同の全国的統一をかちとっていった。
このことを可能にしたのは、80年代以来の国鉄労働運動における闘いの発展であった。まさに06年〜08年の「党の革命」の基礎には、戦闘的国鉄労働者の闘いが存在していた。
80年代の動労千葉の激しいストライキ闘争、そして動労水戸の決起に続き、1990年7月、国労共闘が産声を上げた。国労共闘は、96年「8・30申し入れ」政治解決を求める国労本部の屈服路線と闘い、2000年の4党合意反対を貫き、2002年5・27臨大での鉄建公団訴訟原告に対する統制処分攻撃に反対して総力決起し、断固として闘った。すべての決戦課題を職場の労働者同志の決起として闘い、これらの闘いを基礎にして「党の革命」は勝利した。
「党の革命」が切り開いた組織論的地平は、ものすごく大きい。それは、労働者階級自己解放闘争論、マルクス主義の復権であった。また、階級的労働運動・動労千葉労働運動の実践であった。さらに、単一のボルシェビキ党建設の闘いの遂行であった。これらの実践が、現在の組織建設論の基礎にあり、そのもとで闘いが発展している。
「綱領草案」確立し全階級に提起
2007年7月テーゼの提起を経て、2009年秋の25全総で『綱領草案』を採択した。『綱領草案』は、現代の「共産党宣言」である。それは、労働者階級自己解放の思想を全面的に甦(よみがえ)らせた。「反帝・反スターリン主義、プロレタリア世界革命」を現代革命の唯一の綱領として全世界の前に再提起した。
プロレタリア革命は暴力革命であり、プロレタリア独裁の樹立こそが革命の核心問題であることを明確にした。プロレタリア革命における労働組合の役割を明確にし、労働組合をめぐる闘いの決定的意義をマルクス主義の原点に立ち返って明らかにした。
『綱領草案』は最末期帝国主義の絶望的延命形態=新自由主義との闘いの武器として、5月テーゼ反対派=血債主義派との決別の最深の武器となり、全党全戦線の決起をかちとっていった。
階級的労働運動の本格的発展期
「党の革命」があまりにも激しかったがゆえに、党の基本組織建設の闘いから逸脱し、地区党のもとへ結集して闘うことを忌避する傾向が生まれた。これらの傾向に対し原則的階級的に闘い、大恐慌と闘う革命的労働者党の骨格を形成した。
こうした闘いの上で、2010年、4・9政治和解路線と闘う闘争団の決起がかちとられた。
2012年には、外注化・非正規職撤廃闘争への総決起がかちとられた。
さらに2013年前半の国鉄決戦が4大産別へ拡大して自治体などでの闘いが爆発した。
W 70年7・7提起に対して国際連帯への階級的立場で応えた
日共スターリン主義との闘い
日本共産党スターリン主義の戦後史は、帝国主義世界体制に屈服したところから出発した。それは、度し難い議会主義への転落の満展開であり、階級的現実からの乖離(かいり)であった。「解放軍規定」は、戦後労働者階級が労働組合を組織し、組織すると同時に闘いに入っていったことへの敵対であった。また米軍占領下の沖縄闘争を圧殺し、帝国主義に対する怒りと闘いの困難性の中で「沖縄独立論」を生み出す思想的根拠ともなった。
日共スターリン主義は、労働者階級のストライキ闘争に対する敵対者であった。1947年2・1ストライキへの裏切り、1964年4・17ストライキ反対声明を発し、労働者階級の闘いを圧殺した。
戦後農民闘争に敵対し、三里塚闘争破壊のために躍起となり、反対同盟から放逐された。
さらに日共は、原子力の平和利用論を礼賛し受け入れた。これらのことは断じて小さなことではない。
60年代階級闘争と国際連帯闘争
革共同にとって、60年安保闘争と60年代階級闘争の10年間は、きわめて実り多いものであった。周知のように60年安保闘争は、スターリン主義から決別した学生・労働者の闘いとして爆発した。そして革共同の3全総(62年)―3回大会(66年)路線をかちとり、この力で70年へ向かっていた。
65年原潜・日韓闘争を闘い、山崎博昭君の死をのりこえて67年10・8羽田闘争で情勢を切り開いた。佐世保エンタープライズ闘争、三里塚闘争、王子野戦病院闘争の「激動の7カ月」を闘い、そして68年新宿騒乱闘争から70年決戦へ上りつめていった。
60年安保闘争から70年安保・沖縄決戦への10年間は、国際階級闘争が発展した10年でもあった。
韓国階級闘争は、60年安保闘争と時を同じくして、李承晩(イスンマン)独裁政権に対する大衆的闘いが火を噴いていた。3・15不正選挙に対する怒りを契機に全国にデモが拡大し、ソウルで4・19国会前の学生デモの爆発から4・27李承晩打倒に至る。この闘いは日本の戦闘的労働者、学生に強い感動を与え、「南朝鮮学生に続こう」を合言葉に4・26に全学連と戦闘的労働者が装甲車をのりこえて決起し、6・15国会突入を頂点とする安保闘争の高揚がかちとられた。
翌61年5・16軍事クーデターで権力を簒奪(さんだつ)した朴正 (パクチョンヒ)のもとでも、不屈の闘いが爆発した。
64年春、日韓会談に対する韓国学生の怒りの決起は、巨大な衝撃を日本階級闘争にもたらした。日韓会談は日帝の韓国再侵略だと弾劾し、朴軍事独裁政権の弾圧体制を食い破って実力決起した韓国学生に、社・共もカクマルも敵対する中で、革共同は唯一「断固支持」の国際主義的連帯の立場を鮮明にして闘った。「南朝鮮デモへの態度は階級的立場の試金石」(『前進』64年5・4)と、『前進』は毎号論陣を張った。64年6・3戒厳令、65年6・21非常警戒令、8・26衛戌令(えいじゅれい)などの弾圧をのりこえて極限的に闘う韓国学生との連帯を糧とし、国際主義的連帯闘争として日韓条約阻止闘争は爆発した。
この日韓闘争は、同時に米帝のベトナム侵略戦争に対する反戦闘争と一体のものとして闘われ、67年10・8、佐藤首相の南ベトナム訪問を日帝のベトナム参戦国化としてとらえた乾坤一擲(けんこんいってき)の羽田弁天橋の闘いに発展していく。ベトナム反戦闘争は、ベトナム人民、米英仏独など世界の闘いと結びついて68〜71年の世界の大激動につながったのである。
7・7提起と労働者階級の課題
革共同は、70年7・7で突き出された問題を、血債の階級的立場で闘うと路線的に整理した。
この70年7・7提起は、本質的にはプロレタリア解放闘争をめぐる問題であった。共産主義とは何か、プロレタリア解放とは何かが問われた。共産主義とはプロレタリアートによるブルジョア的私有財産の積極的止揚の過程である。そしてこのことの中で、自然と人間、人間と人間との間の本源的関係をつくり上げていくこと、これが共産主義である。プロレタリアートが、自分自身の力で立ち上がって階級闘争を通してブルジョアジーを打倒し、この階級闘争の継続の中でプロレタリア独裁を実現することで、共産主義の最初の第一歩が踏み出される。被抑圧民族解放の闘いを全世界的なプロレタリアート自己解放の闘いの中に位置づけるということである。この国際主義の階級的立場を全面的にはっきりさせることが問われたのであった。
華僑青年闘争委員会は1970年7月7日、『底流』創刊号で提起している。「われわれの父母が背負った血みどろの歴史の遺産が現在のわれわれ以外の何ものでもなく、厳然としてある入管体制を突破した生活を求め、権利を求める闘いは、われわれ自身の力にたよらずにはかちとることができない」「入管闘争を闘う意義は、被抑圧民族が帝国主義国内において自らの民族としての魂を復権するという未完の偉業である。また日本人に対し、真に連帯しうるかどうかを最終的に問いかける前代未踏の歴史的闘いである」。まさに、67年以降の闘いに真に連帯し、ともに闘いたいという階級的魂の呼びかけであった。革共同は断固として受けて立ち、プロレタリア国際主義で解決する道を進んだ。
しかし、70年闘争の爆発においては、闘う労働者階級がその中心を占めつつも、小ブル革命主義者、民主主義者、政治的投機分子らすべてが決戦のるつぼに引き込まれた。未分化であったものが階級闘争の中で淘汰された。
問題は、7・7自己批判を受けとめ主義的に(今日的には血債主義的に)とらえる傾向が絶えず発生したことである。70年代の対カクマル戦で、カクマルを弾劾する際に、マルクス主義を深めるというよりは、彼らの度し難い排外主義と差別主義を批判することで、自らの正義性を確認して事足れりとする傾向も生まれた。
これらの傾向は、5月テーゼをめぐる5月テーゼ反対派の存在に明らかなように、党内にはっきりと存在した。
それは、この華僑青年闘争委員会の問いかけに、階級的立場から向き合うのでなく、屈折して受けとめるものであった。そのためそれは、労働者階級への絶望と重なり、血債主義に純化していくものとなった。まさに、70年安保・沖縄決戦が巨大な爆発をとげる中で、70年7・7は歴史的分岐点を形成した。このことが5月テーゼ反対派=血債主義派が生まれた思想的遠因となっている。
それは、日本階級闘争に牢固(ろうこ)として存在する日共スターリン主義への屈服でもある。第2次帝国主義戦争の戦争責任は帝国主義そのものにあるのだ。このことを徹底的にはっきりさせなければならない。
党と階級の歴史上、重要なことは、血債主義では民主労総との連帯は築くことができなかったという事実だ。動労千葉が国鉄分割・民営化に対して屈服せずに団結を固めて闘い抜いていることが、世界で最も戦闘的な労働運動を展開してきた民主労総の労働者の魂をとらえ、具体的連帯が始まった。労働者階級に国境はない。労働者階級はひとつの階級である。このことを民主労総の側から教えられ、動労千葉労働運動の発展として国際連帯闘争がかちとられたのである。
現闘建設の闘いの階級的意義
▼1968年2月「全学連三里塚現地闘争本部」が設立された。7人の現闘活動が始まった。現闘の任務は、日帝・空港公団の農地強奪攻撃と闘う反対同盟とともに闘う団結を強化し、反対同盟の営農を支え、共闘関係を確立して闘うことであった。「現闘精神」は、身を粉にして三里塚の正義を守り抜き、誰よりも三里塚農民と結合し、北総台地を知り尽くし、農民と寝食をともにして、共闘することだった。これを45年間やり抜いてきた。この現闘の24時間365日の闘いが今日の三里塚闘争を支えている。
▼1970年「全学連北富士現地闘争本部」が誕生した。北富士忍草(しぼくさ)農民は富士北麓(ほくろく)の北富士演習場内で入会(いりあい)し生計を立ててきた。この土地が戦後米軍演習場として接収され、農民を閉め出した。ここから農民の実力闘争が開始された。60年安保闘争に参加する中から、北富士忍草母の会が結成された。
以来、実弾演習を阻止する決死の座り込みを始めとして、日本農民闘争史に燦然(さんぜん)と輝く50年以上の闘いを打ち抜いた。この壮絶な闘いで、北富士闘争は日本農民闘争の金字塔となり、革共同にとって何ものにも替えがたい闘いの砦(とりで)となった。忍草農民の意志を引き継ぎ、階級的労働運動を爆発させ、入会地奪還・演習場撤去まで闘うことが課せられている。
▼沖縄で「真栄城(まえしろ)隊」を建設した。72年5・15「復帰」と同時に、直接的契機としては71年11・10ゼネスト暴動闘争に対する大弾圧と、同年の12・4反革命から二重対峙・対カクマル戦に突入していく中で真栄城隊が創設された。
真栄城隊の闘いと活動は全党の同志によって担われ、二重対峙・対カクマル戦の先頭で闘い、党(県委員会)と沖縄労働者階級の闘いを根底的なところで守り抜いた。カクマル反革命との熾烈(しれつ)な闘いにとどまらず、当時の全電通の労働者や基地労働者(牧青)の闘いとも結びつき、重要な闘いの一角を担った歴史をもっている。それは沖縄県委員会の闘いの歴史にとってもかけがえのないものだった。90年代の初めまで存続した真栄城隊の闘いは、今日の沖縄県委員会の礎(いしずえ)となり、その闘いの精神は継承され息づいている。
国家権力との死闘に勝ちぬいた
70年代、80年代の特筆すべき闘いは、1986年「5・7宣言体制」との闘いであった。日帝権力は、70年安保・沖縄闘争を闘い抜き、破防法攻撃を粉砕し、帝国主義権力の手先・カクマル反革命と徹底的に闘う革共同に恐怖し、革共同絶滅攻撃をかけてきた。
86年4月米軍横田基地に対するロケット弾、5月東京サミット会場へのロケット弾の発射に驚愕した権力は、革共同破壊に乗り出した。国鉄分割・民営化で国労・動労千葉破壊攻撃をかける一方で、「5・7宣言体制」で革共同の壊滅に全力を挙げた。
86年10月には、岩手爆取弾圧で須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志を逮捕し、翌87年には迎賓館と横田基地へのロケット弾戦闘で3同志を獄中でデッチあげ逮捕、福嶋昌男同志を指名手配した。さらに87年には星野同志と富山保信同志のデッチあげ弾圧裁判で、最高裁はそれぞれの上告棄却を強行し、星野同志の無期懲役、富山同志の懲役10年を確定した。両同志はまったく不当にも長期下獄の闘いに入った。
85年10・20三里塚闘争では、「機動隊せん滅・成田空港突入の勝利こそが戦争国家化攻撃を粉砕する道だ」と決起した学生・労働者が、三里塚十字路で機動隊を粉々に粉砕する大勝利をかちとった。
同年11月には、動労千葉のストライキと連帯して、闘う労働者・学生が浅草橋戦闘に国鉄分割・民営化粉砕の成否をかけて決起した。敵は動労千葉ストライキ闘争圧殺のために襲いかかってきていた。この絶対的不正義に対して、階級的正義の怒りをたたきつける必要があった。
この戦闘には、国鉄労働者を始め、4大産別の労働者、1年生・2年生の全学連戦士が多数参加した。被告団実刑は総計200年。長期投獄と指名手配攻撃と闘い、多くの同志が生還して、権力との闘いの最前線で闘い続けている。
日本階級闘争史上でも最大級の治安弾圧に対して、星野同志、富山同志、須賀、十亀、板垣の3同志、福嶋同志らが、日帝のデッチあげ攻撃に一歩もひるまず闘い抜いた。
また、革共同は、組織破壊を狙った国家権力との死闘に勝ち抜き、90年天皇決戦へ上りつめて徹底的に闘った。
こうした20年にわたる内戦の死闘の勝利の地平の上に、91年5月テーゼ路線がかちとられ、労働者階級解放闘争の道へ進んでいったのである。
暴処法攻撃粉砕した偉大な闘い
@2009年5月15日、不屈の法大闘争に対して権力は戦前から続く治安法である暴処法弾圧に踏みきった。弾圧は、11人の逮捕、文化連盟を始め法大生宅の不当捜索や事情聴取の強要として吹き荒れた。これに対し全員が完黙・非転向で闘い、全国学生が団結し、全労働者階級が労学一体となって闘った。そして12年5月31日、被告団5人全員の無罪判決をかちとった。
本年3月より開始された法大暴処法弾圧裁判控訴審は、回を追うごとに団結を強化して戦闘的に闘われている。7月10日の公判では、逆転有罪の切り札として出廷したほとんど唯一の目撃証人Aが、きっぱりと宣誓拒否を貫いて検察側立証を瓦解(がかい)させる大勝利をかちとった。顔面蒼白(そうはく)となった検察官と裁判長は次回公判で何をするかを決められず、日程だけを決めて逃げるように閉廷した。
Aこれより先に、国労5・27弾圧裁判でも暴処法攻撃を粉砕した。
5・27臨大闘争弾圧は、2002年5月27日の国労臨時大会で、鉄建公団訴訟原告を統制処分にかけるとした本部方針に反対し、大会参加者へのビラまき・説得活動に立った国労組合員6人と国鉄闘争支援者の1人が「暴力行為」にデッチあげられた。被告団は自らの路線を貫き、和解絶対反対の闘争団の決起を生み、4者4団体派との激烈な攻防を勝ち抜いて、09年11月に一審判決で暴処法攻撃を粉砕した。
血債主義派との闘いの意義
血債主義派は、日帝国家権力への屈服を出発点にしている。国家権力と対決して逮捕・長期勾留・長期投獄と闘うことを恐怖している。非合法・非公然体制建設を忌避している。
「革共同50年」の歴史は、闘う労働者階級とともに歩んできた歴史である。スターリン主義と社会民主主義から決別した100万人の労働者党を建設する闘いの歴史である。大恐慌の爆発、最末期帝国主義=新自由主義の絶望的攻撃と破綻、3・11(東日本大震災と福島原発事故)のすべてがプロレタリア世界革命で解決する以外にない時代への突入を示している。
革共同は、このたぐり寄せた革命情勢を、帝国主義=新自由主義を打倒し、スターリン主義・残存スターリン主義を撃破して、プロレタリア世界革命に勝利する。
X 大恐慌にのたうつ帝国主義・新自由主義は戦争へと向かう
大恐慌の本格化と大争闘戦時代
大恐慌が本格的に爆発する中で、大失業への怒り、青年労働者の決起を先頭に新自由主義への怒りが爆発している。
米連邦準備制度理事会(FRB)議長のバーナンキの「出口戦略」は、BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)も含め、全世界を大恐慌のるつぼに引き入れた。
今次大恐慌は、06年サブプライムローンの爆発から、07年パリバ、08年リーマン・ショックとなって本格化した。
米帝は、資本救済のために金融緩和で総出動した。しかし、息つぎしたのは一部の巨大資本だけで、労働者階級を大失業、賃下げ、年金破壊へと追い込んだ。ギリシャを先頭に欧州労働者は総決起した。闘いは、数度のゼネストへ発展して闘われている。
アメリカの労働者の現実も、ヨーロッパ労働者の現実も同じだ。アメリカは、「財政問題」で強制削減措置が発動された。連邦公務員の賃下げ、「無給休暇」の強制、連邦失業給付金削減、公的年金や高齢者・障害者医療保険の大幅カットなど労働者への激しい攻撃が吹き荒れている。
このように、今回の量的緩和政策の転換表明は、ドル暴落への米帝経済の深刻な危機感の表れである。米デトロイト市の財政破綻問題は、このことを顕著に示した。
EU(欧州連合)の財政危機はさらに深刻だ。緊縮財政政策に対する怒りがヨーロッパ中に燃え広がっている。
中国情勢は、新しい危機に直面している。世界史的大事件としての中国バブル崩壊である。大恐慌情勢をさらに激変(深刻化)させる中国金融危機がついに火を噴き始めた。
「理財商品」問題は、米住宅バブルを最後的に天文学的危機に追い込んだ「サブプライムローン」問題と酷似している。したがって、その爆発も衝撃力も同じである。いや、大恐慌下で追撃的に爆発するものである以上、致命的打撃を与えるものとなることは必至である。
アジア最重視の米帝新軍事戦略
世界史は確実に戦争に向かっている。いやすでに戦争が開始されている。
6月19日のオバマのブランデンブルグ門前での「戦略核兵器をさらに3分の1削減する」という演説の核心は、「アジア・太平洋での軍事プレゼンスの強化」である。新軍事戦略にさらにシフトしていく宣言である。
シリア、エジプトなどの中東情勢は、米帝がどんなにあがこうとも中東支配の歴史的崩壊が避けられないことを示している。
米帝新軍事戦略はアジア最重視を掲げ、沖縄を軍事拠点とする攻撃である。沖縄はオスプレイ配備のエスカレーション、在沖海兵隊の強化、米韓軍事演習の進撃拠点となっている。
他方、TPP交渉で争闘戦はさらに激化している。それは農業・医療・社会保障などあらゆる分野で、ISD条項(競争を妨げるような現実があると判断した場合、世界中の企業が投資先の国の政府を訴えることができる)を始め新自由主義の競争原理が社会全体を覆うこととなる。
原発再稼働と改憲攻撃の激化
安倍政権は「異次元」の金融緩和が崩壊する中で、今や「民間活力」による「成長戦略」にすべてをかけてきている。国鉄分割・民営化攻撃を何十倍もするような民営化攻撃に突進している。
「規制改革会議」は「限定正社員」制度を盛り込み、雇用体制の抜本的変更の攻撃をかけてきた。労働者派遣法の抜本的見直しも視野に入れている。
さらに「国家戦略特区」を掲げ、空港、道路、水道、公営交通など全面的な民営化を宣言している。
この攻撃は、公共サービス部門を丸ごと民間資本に売り渡す究極の民営化・外注化攻撃であり、公務員労働者のいったん全員解雇・選別再雇用・総非正規化の攻撃である。
「骨太方針」は、財政再建策として、年金・医療・生活保護などの社会制度を例外なく破壊することである。生きることができない現実を労働者に強制しようとしている。
安倍政権の「成長戦略」の柱は、鉄道、原発、水道、医療などのインフラパッケージ輸出である。インフラ輸出は、輸出先の地域を面的に支配することになる。この攻撃は、勢力圏をめぐる国家と国家の激しい衝突を生み出す。それは、国家主義・改憲攻撃を激化させることとなる。
連合支配崩壊でむきだしの激突
日帝の原発輸出・再稼働攻撃は、福島の怒りをさらに爆発させるものとなる。
7月参院選で明らかになったことは、民主党の惨敗による連合の破綻と破滅である。実際、自治労の候補は前回07年から得票数は半減している。日教組はマイナス4・8万、JP労組推薦は落選している。このように、連合支配が崩壊し、むきだしの階級的激突、階級決戦へ突入したのである。
安倍政権は、集団的自衛権を突破口に改憲攻撃を一挙に強めている。他方では、TPPの狙いはただ一つ、TPPをもって、国家主義・国益主義をあおり、農業・医療を崩壊させ、労働運動を解体することだ。とんでもない攻撃だ。
民営化・外注化粉砕と国際連帯
ここで重要なことは、国鉄決戦を基軸に闘いぬかれている民営化絶対反対・外注化粉砕の闘いが、今や全世界の労働運動、階級闘争の中心テーマに押し上げられたことだ。
Y 国鉄決戦の全面的爆発でプロレタリア世界革命きり開こう
13年前半決戦での路線的な前進
@2013年前半、JR体制の矛盾を大爆発させる決定的闘いを実現したことをまず確認したい。
2012年6月29日、東京地裁・白石裁判長は、動労千葉の組合員らを清算事業団送りにしたJR採用名簿不記載基準について、「分割・民営化に反対する組合員を不当に差別する目的、動機の下に、本件名簿不記載を策定した」と明確に不当労働行為を認定した。
この白石裁判長が今春突然更迭されるという超重大事態が、大恐慌と3・11情勢のもとで爆発した。国鉄決戦は、日帝権力中枢と激突し、その新自由主義的矛盾と破綻を心臓部から引き出したのだ。階級的力関係を変える闘いとして、国鉄決戦の30年間のすべてをかけた決戦が到来した。
東京高裁・難波裁判長は、鉄建公団訴訟において不可欠の証人申請をすべて却下し、5月8日に結審を強行、9・25判決を決めた。国家的不当労働行為を覆い隠し、判決を強行して国鉄闘争の幕を下ろさせようという強烈な国家意思を貫こうとしているのだ。そこまで敵は追いつめられているということだ。
さらに、貨物問題が国鉄分割・民営化攻撃の最大の破綻点として露呈している。
A国鉄決戦の質が4大産別決戦へ拡大した。
2012年〜13年の闘いをもって、国鉄決戦が4大産別決戦に拡大した。4・26自治労ストライキ闘争はさらに象徴的闘いとなった。
政府は、社会保険庁解体・民営化攻撃で525人を分限免職処分にした。しかし、不服を申し立てた71人中20人の裁定が出され、内6人の分限免職処分が取り消された。
B非正規職撤廃闘争が全社会的課題になった。
C国際連帯闘争が爆発的に前進したことも決定的である。
D総論として確認できることは、6・9国鉄全国運動全国集会が大成功し、10年4・9反革命と闘い打ち破ってきた国鉄全国運動が情勢を切り開く存在となっているということだ。
「国鉄決戦で世界革命を」の道進む
@2013年前半における階級的労働運動の革命的前進は、外注化阻止決戦と1047名闘争の一体的前進として圧倒的にかちとられた。それは日帝・新自由主義の現在的延命策としての民営化・外注化、非正規職化の攻撃と真っ向から対決する階級的実力闘争として、それを阻止・転覆し粉砕するものとして、一つの階級的力・威力・物質力をもつものとなった。そしてこれを基軸に闘うことを通して、反原発闘争も、安保・沖縄闘争も、三里塚闘争も、学生運動も、また改憲阻止闘争も、新自由主義と対決し、その延命策を挫折させるものとして発展する展望を切り開いてきた。
2013年の階級的労働運動の強力な前進が、全階級をとらえていく力として、日帝にとって抜き差しならない現実的脅威となった。
すなわち、9・25判決策動は、13年前半が生み出した「密集した反動」である。これと徹底的に対決し粉々に打ち砕くことによって巨大な革命的展望を開くことができる。
この国鉄攻撃は、大恐慌―3・11情勢下の新自由主義の存亡の危機がプロレタリア革命に転化することを阻止するための反革命である。
また9・25反革命策動は、文字通り国鉄闘争、国鉄決戦そのものの壊滅を狙う攻撃である。この攻撃を決定的に粉砕し、のりこえていくためには、「国鉄決戦の全面的爆発でプロレタリア世界革命の道を切り開こう」という革命戦略のスローガンを真っ向から掲げて闘うことが求められる。
また、全面外注化攻撃の反労働者性、反人民性、反社会性をとことん暴露し、それと一体で1047名解雇が百パーセント不正義の不当労働行為の所産であり撤回すべきものであることを、1047名闘争の「闘争団」当該や100万支援陣形労働者に全力を挙げて訴えていこう。
さらに、階級的労働運動の闘いは、4〜6月に自治労ストライキとメーデーという闘いを断固闘いとり、偉大な前進をかちとった。国鉄決戦の勝利を4大産別の闘いへ、さらに全産別の闘いへと拡大していく水路を切り開いた。
Aこうした闘いで決定的にかちとるべき課題は何か。9・25反革命を粉砕し、国鉄決戦に勝利し、階級的労働運動の全面的発展期を切り開く最大の核心的任務は、動労千葉と動労総連合、そして国労共闘、とりわけ動労千葉そのものの組織拡大を、ギリギリと岩盤をうがち、なんとしてもかちとることである。
これは、国鉄決戦を国鉄労働者全体の闘いとしてつくり出すこと、さらに4大産別へと拡大し全階級的レベルへと前進させることと一体である。階級的労働組合の堅固な量的・質的強化こそ、一切の闘いの総括軸である。
B2010年4・9政治和解を拒否した4人の闘争団員が組合員資格を取り戻すために闘っている。
国労組合員資格確認訴訟は、国労本部が2011年7月の定期大会で、国労組合員の解雇撤回闘争の終結を宣言し、闘争団組合員の組合員資格を剥奪したことに対して、同年11月に国労本部を相手どって提訴した。原告は、4・9政治和解を拒否した4人の闘争団員である。
これは、国労本部が4・9政治和解と闘争終結宣言によって1047名闘争全体をなきものにする策動に敢然と立ち向かった闘いであり、動労千葉と同争議団の鉄建公団訴訟と一体となった1047名解雇撤回の闘いそのものである。まさに国鉄闘争の炎を燃え広がらせる火種と言うべき闘いである。
また、4・9政治和解で解雇撤回闘争は金輪際闘わないと権力と資本に誓った国労本部は、JR東日本の非正規労働者グリーンスタッフの雇い止めとの闘いを圧殺した。
この闘いを通して、解雇攻撃と闘うという労働組合の原点を甦らせ、国労本部を打倒し、闘う組合員の手に国労を取り戻す突破口を切り開く決意である。
「労働運動のできる党」になろう
階級的労働運動を大きく強く発展させること、このことを抜きにして革共同の存在意義はない。次のことを厳格に確認したい。
@労働運動、労働組合の革命的再生と階級的政治勢力としての台頭こそ、今日最も求められる中心的任務であり基軸である。
A労働者階級自身がすでに動き出し、党のそうした飛躍を求めている。
B労働運動のできる党に何としてもなろう。ある意味ではこれがすべてである。
党と労働組合の一体的建設は、その中でのみ可能だ。
Cこの闘いでの一切のカギは、「階級の指導部」の圧倒的形成の闘いだ。これにかかっていると言ってよい。労働運動、階級的労働運動で鍛えられた労働者が労働者革命家として党の指導部になり、労働者階級の階級形成の先頭に立って闘う時、革命を勝利に導いていくことが可能となる。
Dこの労働運動と労働者党の労働運動=革命運動的実践の中で、そこで求められる視点、理論的思想的問題と格闘していくこと、こうしたあり方を通してのみ、マルクス主義を鍛え、深くつかむことができる。またこれこそが革命的理論を発展させる原動力である。
NAZENの旗全国に立てよう
再稼働阻止! 全原発廃炉を闘うNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)を全国で立ち上げよう。
3・11情勢のもと、福島の現実は、被曝労働を強制され、子どもに甲状腺の異常が増加している。安倍政権は原発事故による放射能汚染地域の除染について、作業しても放射線量が下がらない場所の再除染を認めない方針を陰で打ち出し、今年度の計画達成が無理であることを通告し、ゼネコンどもをもうけさせ、大量の被曝労働者を生み出したまま、放り出そうとしている。
廃炉工程の破綻的現実が暴かれている。汚染水は拡大し、安全宣言の分断攻撃は激化し、古里は破壊し尽くされている。「福島の空の下で」命と暮らしを守っている福島の人びととともに進もう。
日共スターリン主義の低線量被曝の容認は、核の平和利用論への屈服である。徹底的に弾劾する。
200万福島県民と連帯する闘いとは、福島に階級的労働運動派の拠点をつくることだ。国労郡工支部と動労水戸の決起は、この情勢をこじ開けている。「ふくしま共同診療所」建設の闘いは、闘いの拠点として生きる希望を与えている。
NAZENの原点は、全原発廃炉・再稼働阻止、被曝労働拒否、診療所建設、保養・避難運動と国際連帯である。全国にNAZENを建設し、反原発の闘いを前進させよう。
8・6ヒロシマ−8・9ナガサキへ総決起しよう。
星野同志奪還へ徳島現地闘争を
星野闘争は日帝国家権力との激突点になった。6・30星野全国集会の大勝利をさらに発展させよう!
6・30集会で、誰もが星野同志を獄中から奪還するために総決起することを誓い合った。2013年新年アピールで3大階級決戦のひとつに星野奪還闘争を掲げたことはまったく正しかったことを確認することができる。
確定判決を打ち破るためにさらなる前進が開始された。鉉供述は崩壊した。星野同志の当日の服が「きつね色」ではなく「薄青色」であったことを最高裁に認めさせた(2008年特別抗告棄却決定)。鉉は、供述開始から間もないころ、殴打現場に連れていかれたが、どこか分からずそのまま通り過ぎてしまった。殴打現場を通り過ぎてしまう程度の記憶しかなかったのだ。このような鉉供述に「任意性」「信用性」があり、「供述は強制された」とする法廷証言より信用できるとして、東京高裁は星野同志に無期懲役を言い渡したのだ。
警官撮影の「一郎丸写真」が発見されたが、東急本店前を走る星野同志が右手に持つパイプは白い紙が巻かれたままで、曲がったり損傷したりしていない。「機動隊員殴打」の痕跡などどこにもない。無実を示す「新規かつ明白」な証拠の発見だ。星野さんは、殴打現場と離れた十字路上に立って、NHK方面から出てきた機動隊の動きを警戒している際に、その背後を走る車のフロントが光るのを見ている。殴打行為に参加していたら絶対に見ることができない光景だ。
無実の証拠は検察が持っている。目撃者の供述調書を始め大量の捜査資料などを全部出させること、全証拠の開示をかちとることが、星野同志の再審無罪をかちとる道である。
9・8星野奪還徳島現地闘争へ総決起しよう!
三里塚は安倍と対決する最前線
成田空港会社(NAA)の農地強奪攻撃は一片の正当性もない。1万2800平方bの農地を収奪しようとしている。この強奪は戦後最大の農地強制収用攻撃だ。この農地強奪は、農民の命である農地を奪う、まさに農民殺しの攻撃である。またこの農地強奪は、自作、小作農民の権利を保障し、保護することをうたった農地法を悪用して行われようとしている。7・29反動判決を絶対許してはならない。
まさに三里塚闘争は、安倍政権と全面対決する日本階級闘争の基軸的闘争である。農業切り捨てのTPPに反対する闘いである。この攻撃は、福島の農民に直結する攻撃である。
反対同盟との団結を拡大し、今秋三里塚現地闘争をさらに全面的に闘い、市東孝雄さんの農地を守るために総決起する。
沖縄の闘いを規定する国鉄闘争
1982年の中曽根政権発足による「戦後政治の総決算」攻撃=新自由主義攻撃として、沖縄では84年から87年沖縄国体に向けて「日の丸・君が代」攻撃が吹き荒れた。それは国鉄分割・民営化=動労千葉・国労つぶしと一体の、沖縄の労働運動の軸をなした教育労働者(沖教組・高教組)への攻撃だった。それは同時に沖縄の労働運動と国鉄闘争が72年5・15以来の歴史を経て合流をなし遂げようという過程でもあった。
沖縄カクマルは国鉄闘争支援陣形をを暴力的に破壊しようとした。カクマルは、@沖縄の労働運動と国鉄闘争との合流の妨害者として、A沖教組カクマルを先頭に中曽根政権の新自由主義攻撃=「日の丸・君が代」との闘いの破壊者として、B民同右派と結託して連合沖縄の結成の先兵として、沖縄の労働運動に全面的に敵対した。
しかし、沖縄の戦闘的な労働者は闘う労働組合を守り抜き、90年代の攻防に突入していく。この闘いが95年10・21の10万人決起から、07年9・29の12万人決起、そして昨年9・8の10万人決起へとつながっていく。沖縄の今日の歴史的な激動を根底において規定しているのは国鉄決戦であり、動労千葉の闘いなのである。
改憲攻撃の激化と勝利への道
日帝・安倍政権の改憲攻撃が本格化している。闘いはすでに本番に入っている。自民党改憲攻撃の狙いは、集団的自衛権を行使できるようにすること、「緊急事態」条項を新設することにある。ここに攻撃の核心がある。
改憲阻止闘争の路線的・政治的武装を強化し、階級的労働運動と国際連帯闘争の発展で改憲攻撃を断固爆砕しよう!
全戦線で血債主義を粉砕しよう
全戦線での前進をかちとる闘いは、党員一人ひとりが「階級の指導部」になるために総決起することだ。労働者階級解放闘争の前進の中に全人間の解放がある。このマルクス主義の立場から世界を全面的に分析することだ。時代認識と路線の体現者として登場することである。これらの実践的回答が7月14日の全国水平同盟結成大会であった。ついに闘う一大拠点を建設した。
全戦線こそ最大の党派闘争の場である。血債主義と闘う最大の戦場である。全戦線の前進は、階級的労働運動路線と国際連帯闘争の発展にかかった。
Z 未来を開く青年労働者・学生の壮大な決起をつくり出そう
地区党建設の先頭に青年が立つ
2003年の新生マル青労同結成から10年。2013年こそマル青労同の飛躍の年である。
結成以来、わがマル青労同は、多数の青年労働者の決起をかちとってきた。
マル青労同の決起は絶対反対論・階級的団結論を深化させた。資本との非和解的な激しい闘いに立ち上がり、職場支配をめぐる激突に決起し、労働運動を革命の立場から貫いていく闘いを開始した。
そして、地区党の中心、さらに産別委員会の中心を青年労働者が担い抜く闘いを開始した。この闘いは、革命的共産主義運動の前進そのもの、党建設そのものの前進である。
革共同50年史とは、労働運動とともに学生運動が、反スターリン主義・革命的共産主義運動のもとに絶えざる継承性をもって、あらゆる困難をのりこえて闘い抜かれてきた卓越した歴史である。日本と世界の階級闘争史において突出した学生運動の地平を有している。
学生自治会建設の闘いの前進
そして今、新自由主義の絶望的破綻のもとで、全学連運動は大躍進過程に突入した。昨年の京都大学同学会再建に続いて、この7月、ついに広島大学学生自治会を再建する歴史的勝利をかちとった。「福島とつながろう」を掲げた原発翼賛大学=広島大の内部からの反乱だ。この勝利は、「3・11原発事故」と法大闘争を源流とする全国学生運動の最高の到達地平だ。そして、参院選での山本太郎氏勝利とも一体だ。21世紀革命の具体的プロセスが始まった。
全国学生は法大文化連盟とともに「学祭規制粉砕・処分撤回」の4・25法大闘争を爆発させ、国家権力による6人逮捕の弾圧も打ち破った。5月沖縄闘争での沖縄大学生運動の創成、5〜6月の京大同学会全学選挙の勝利を実現した。
「新自由主義と闘う学生運動」とは「福島連帯・御用学者追放」を核心にした「反原発闘争による学生自治会建設」だ。それは法大闘争の激しさを全国に拡大し、「教育の民営化」攻撃と非和解で闘い、新自由主義によって奪われてきた団結を甦らせる。
9月全学連大会に大結集しよう。学生自治会建設運動を拡大し、8・6ヒロシマ闘争をテコに「再稼働阻止・安倍政権打倒」の1千人の学生決起をつくり出そう。法大10月全国闘争と11月労働者集会、12月東北大自治会選挙の勝利をかちとろう。全学連三里塚現地行動隊を拡大・強化しよう。革共同中央学生組織委員会が階級のリーダーとしての強力な指導性を発揮しつつ、マルクス主義学生同盟中核派を全国に建設しよう。
[ 『前進』1万人読者網をつくり党と労働組合の一体的建設へ
中央指導部建設が直面する課題
「党と労働組合の一体的建設」の前進とは、組織拡大への目的意識性によって初めて完成する。
労働者党にとって、革命期の党建設の変革過程へと完全に突入している。それは実践的具体的になっている。中央委員会と細胞建設論、中央労働者組織委員会建設と産別委員会建設、党と労働組合の一体的建設論、一切を地区党建設を総括軸に闘うあり方へ、発展している。
それは中央指導の問題として問われていると思う。時代認識と路線で一致し、あくまでも地区党の団結を基礎に拡大していく闘うあり方への挑戦である。
この点で自覚的変革的に闘っていきたい。中央指導部が細胞性を意識的に闘いとることが最も重要な課題になっている。
地方委員会建設(地区党建設論)について強調したいことは、地区党とは時代認識と路線を全面的に論議する階級意識の最高の団結形態だということである。地区党建設を、階級の指導部建設論として本格的に真剣にかちとっていこう。
さらに階級の指導部が党の財政闘争に責任をとりきる体制へと挑戦し、この体制を強化していこう。
7月参院選闘争は全国的決起を実現し、100万人の反原発のうねりをつくり出した。
このことは階級的労働運動派の闘いの方向性を提示している。階級的労働運動を発展させ、労働組合を強化し、1047名解雇撤回闘争、9・25反動判決粉砕の国鉄決戦に勝利することである。
「国鉄決戦に勝利し世界革命へ」を実現する環は、1万人『前進』読者網の建設だ。組織拡大決戦のカギは機関紙拡大である。
『前進』読者網建設で組織拡大へ
『前進』を闘う労働者の新聞として縦横無尽に使いきり、拡大しよう。そのために以下のことを訴えたい。
第一は、7月参院選で起こっている首都の労働者の大流動に刮目(かつもく)して臨むことだ。「絶対反対」を支持して労働者階級が動き出したのだ。階級性を鮮明に押し出して、首都で連合支配を崩壊にたたき込むとともに、日共スターリン主義をも追いつめ、既成の全政党を打ち破って進む段階に入った。全労働者が『前進』読者になる可能性があるということだ。「時代認識と路線」での一致は、実践的に『前進』の拡大で一致することが必要だ。
第二は、解雇撤回10万署名運動を集めきり、9・25反動判決を粉砕し、11月労働者集会へ爆発的大結集をかちとることである。
労働組合のすべての活動家を『前進』読者にする闘いである。10万署名は誰が集めるのか。革共同を支持して人生をかけてともに闘ってきた労働組合の活動家集団が集めるのである。資本と日常的に闘う活動家集団全員を『前進』読者として獲得する時に、10万署名運動は爆発的に前進する。
第三は、『前進』を必死で徹底的に改革することである。現状に満足していては絶対だめだ。資本と365日・24時間、悶絶(もんぜつ)しながら闘う労働者の職場の生の声を発信することだ。全国のすべての闘いに、統一した闘いの方向性を与えることだ。闘う労働者は何を求めているのか。絶対反対・階級的団結を求めている。このことへの普遍的回答、すなわちプロレタリア革命勝利を機関紙で示すことが求められている。
第四は、労働者同志が総決起することだ。『前進』を細胞活動の中心課題にすること。労働者同志が機関紙拡大闘争の先頭で闘うこと。全同志が『前進』の宣伝紙を数部持ち歩くところから拡大闘争は開始される。迅速性の発揮に全面的に徹することである。労働者同志が「紙面改革」の先頭で闘うこと。プロレタリア革命は、何千万の労働者の崇高な大事業である。階級全体を対象にした機関紙拡大闘争も労働者同志の任務の一つだ。
第五は、機関紙活動、機関紙拡大闘争は、地区党が地区党として発展する基礎である。機関紙活動は、ものすごい目的意識的行為である。目的意識性をもったものだけが勝利できる。目的意識性とは、労働者階級自己解放への階級的魂の全面的発露であり、プロレタリア世界革命の目的意識性であり、地域拠点建設の目的意識性であり、労働者指導部建設の目的意識性である。
情勢は動き出している。怠惰は死をもたらすだけだ。1万人『前進』読者網建設へ動き出そう。
非合法・非公然体制の強化を
プロレタリア世界革命は非合法・非公然体制の確立を本質とする。
労働者階級自己解放闘争の前進は非合法・非公然体制を必要とした。日帝国家権力から党を防衛し党中枢指導部とともに闘う膨大な労働者・学生が寝食を忘れて決起した。この非合法・非公然体制の建設は、プロレタリア世界革命の不可欠の基礎であった。
プロレタリア革命の超接近情勢に対する回答は、非合法・非公然体制の圧倒的強化である。膨大な同志が非合法・非公然体制確立のために決起した。そして非合法・非公然体制を確立し、デッチあげ指名手配攻撃を粉砕してきた。この非合法・非公然体制建設の最初の実践は、労働者細胞建設である。
非合法・非公然体制は、根本的な階級移行を求め、全面的な継承性を求める。この非合法・非公然体制建設は、プロレタリア革命への烈々たる意志によってかちとられる。
それは、星野同志との連帯、下獄して闘う福嶋同志との連帯の道だ。
独自の印刷工場建設の重要性
革共同の50年の歴史は階級的労働運動の歴史であるとともに、機関紙『前進』の歴史である。
『前進』は1959年9月、60年安保闘争の高揚を前に本多延嘉前書記長によって創刊された。3全総直後の62年10月に週刊化したが、ここから脱落・逃亡したのが黒田寛一を頭目とするカクマルである。
67年10・8羽田闘争以降の70年安保・沖縄闘争を牽引(けんいん)した機関紙は『前進』であった。
国家権力中枢の破防法弾圧とカクマルを使った機関紙発行禁止攻撃を、74年11月、自前の印刷所の建設で打ち破った。
94年秋、前進社を江戸川区に移転し、階級的労働運動と革命的共産主義運動の本格的発展を準備した。
この40年に迫ろうとする『前進』印刷の重責を1号の中断も遅れもなく担ったのは印刷局の同志の献身性であった。革命情勢の急接近の中で、党と労働組合の闘いを一体的に体現する『前進』が輝く時代を迎えている。
『50年史』刊行の決定的な意義
最後に、今秋刊行される『革共同50年史』の超重大な歴史的意義についてはっきりさせたい。
『50年史』は、スターリン主義と全面対決し闘ってきた、日本労働者階級の闘いの足跡である。日帝国家権力と徹底的に激突し階級情勢をこじ開けた、労働者・学生の血と汗の歴史書である。
階級的労働運動を発展させるための飛躍につぐ飛躍のドラマである。労働者階級がプロレタリア革命の主体として登場する闘いである。
『50年史』を武器にして、革命的共産主義運動の本格的発展期を切り開こう。
結論は、2013年決戦の一切の成果をバネに11月労働者集会の爆発的成功へ進撃することである。
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革命的共産主義運動の略年表
【前史】
1955年7月 日本共産党6全協
1956年3月 ソ連共産党20回大会で「スターリン批判」/10月 ハンガリー革命
1957年1月 革命的共産主義者同盟創立
1958年〜59年 東大、早大など日共大学細胞で、スターリン主義との闘いに次々勝利
1958年夏 第1次分裂。トロツキー教条主義との闘い/12月 共産主義者同盟(ブント)結成
【革共同全国委員会の歴史】
1959年8月 第2次分裂。トロツキー教条主義と闘い、革共同全国委員会結成/9月 全国委員会機関紙『前進』創刊
1960年4月 マルクス主義学生同盟結成。ブントとともに安保闘争の先頭に立つ
1961年1月 マルクス主義青年労働者同盟結成/3月 ブントの革命的部分が革共同に結集/夏 革共同第1回大会
1962年9月 革共同第3回全国委員会総会(3全総)。戦闘的労働運動の防衛と創造、地区党建設、革命的統一戦線について決定。動労千葉労働運動の原点/年末から翌春 3全総にたじろぎ、黒田と松崎らカクマル派が逃亡
1964年 原子力潜水艦横須賀寄港阻止闘争
1965年 日韓闘争(日韓条約批准阻止闘争)/8月 反戦青年委員会結成
1966年8月 革共同第3回大会
1967年2〜7月 砂川基地拡張反対闘争/10月 10・8羽田闘争。羽田、佐世保、三里塚、王子の「激動の7カ月」
1968年10月 米軍タンク車輸送阻止の新宿闘争(騒乱罪適用)
1969年1月 東大安田砦攻防戦。68年以降、日大・東大など全国大学闘争が高揚/4月 沖縄闘争(破壊活動防止法扇動罪適用。本多書記長ら逮捕)/10、11月「第1の11月決戦」。「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」を掲げて学生と労働者が武装闘争に決起
1970年6月 安保闘争。革命的左翼が社・共を上回る大衆的な決起/7月 7・7自己批判で「連帯戦略」を形成
1971年2〜9月 三里塚空港粉砕の土地強制収用阻止闘争/11月 沖縄返還協定批准阻止の「第2の11月決戦」(再度の破防法適用)。11・14渋谷暴動闘争で、後に星野文昭同志にデッチあげ殺人罪で無期懲役(現在獄中38年)/12月 関西でのカクマルの武装襲撃で中核派の2学生虐殺(12・4反革命)。二重対峙・対カクマル戦に突入
1973年9月 革命的報復戦の開始
1975年3月 カクマルによる本多延嘉書記長虐殺(3・14反革命)。3・14報復戦に突入。「先制的内戦戦略」を確立
1977年8月 動労千葉地本がジェット燃料貨車輸送阻止闘争に突入
1979年3月 動労千葉が動労本部から分離独立
1981年 第5回大会。先制的内戦戦略フェーズU(第2段階)に転換。国鉄・三里塚決戦に全面的に突入
1985年10月 三里塚2期着工阻止決戦/11月 国鉄分割・民営化反対で動労千葉がスト突入。中核派が11・29浅草橋戦闘
1986年5月 迎賓館ロケット弾戦闘。権力は革共同壊滅の「5・7宣言」体制発動/10月 「10月の挑戦」と爆取弾圧粉砕の闘い
1989年7月 長谷川英憲氏が都議に当選
1990年 天皇・三里塚決戦
1991年5月 5月テーゼ路線への転換
1994年6月 マルクス主義基本文献学習シリーズの刊行開始
1995年秋 19全総
1997年12月 20全総。清水丈夫議長-天田三紀夫書記長の最高指導体制を公表
1998年11月 闘う労働運動の新しい潮流の形成へ3労組呼びかけの11月労働者集会始まる
2001年 第6回大会。黒田=カクマル完全打倒の勝利宣言
2003年 新指導路線/11月 日韓米の国際連帯闘争始まる/12月 新生マルクス主義青年労働者同盟結成
2006年3月 関西の労働者同志を先頭に「党の革命」に突入
2007年1月 階級的労働運動路線打ち出す/7月 7月テーゼを発表/秋 塩川一派が7月テーゼと階級的労働運動路線に敵対し革共同から逃亡/12月 新生関西党員総会を開催、労働者指導部を軸に新体制確立
2009年5月 法大暴処法弾圧(12年5月全員無罪)/9月 25全総開く、綱領草案採択/11月 5・27臨大闘争弾圧裁判で暴処法を粉砕
2010年4月 国鉄闘争幕引きの4・9政治和解/6月 国鉄闘争全国運動発足
2011年3月 東日本大震災、福島第一原発事故/6月 怒りのフクシマ大行動/8月 NAZEN結成/9月 さようなら原発1000万人アクションに6万人
2012年2月 星野奪還徳島刑務所包囲デモ/3月 郡山で1万6000人集会/6月 反原発で首相官邸前に20万人/7月 さようなら原発集会に17万人/9月 オスプレイ反対沖縄県民大会に10万人/10月 動労千葉、外注化強行にストで反撃
2013年3月 反原発福島行動13/5月 動労千葉呼びかけで新宿メーデー/7月 動労水戸がスト、参院選・山本太郎氏勝利
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