ZENSHIN 2013/07/29(No2594 p06)
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週刊『前進』(2594号1面1)(2013/07/29 )
100万人の怒りが安倍自民を痛撃
山本氏当選の歴史的勝利
(写真 「条件闘争で命は守れない! 本気になって闘おう!」――選挙最終日、渋谷ハチ公前広場で開催された「選挙フェス」に集まった数千人もの人びとが、山本さんの最後の訴えに万雷の拍手で応えた【7月20日 東京・渋谷】)
(写真 山本さんを中心にみんなでガッツポーズ。「闘いはこれからだ!」と全員が山本さんとともに闘う決意を固めた【7月21日 東京・杉並区の山本太郎選挙事務所】)
7月21日に投開票された参議院選挙で、東京選挙区(改選5議席)から出馬した山本太郎氏(38)が66万6684票を獲得し、堂々の4位当選をかちとった。無所属の山本氏のもとに全国から1200人を超すボランティアが集まり、17日間の選挙戦を闘い抜いた。また、多くの労働者が自分の職場や労組で山本氏への支持を呼びかけて奮闘した。新たな時代の新たな選挙闘争は労働者階級の根底的な怒りを解き放ち、歴史的大勝利を収めた。(関連記事6面)
「もう一人じゃない」
7月21日夜、東京杉並区・高円寺の山本太郎選挙事務所は、駆けつけた人びとで埋め尽くされた。会場の中央でボランティアの仲間と話す山本さんの背後には、「もう一人じゃないっ!!」「ボランティア力ばくはつ」「みんなで起こせ大革命!!」と書かれた檄布(げきふ)。周囲にはテレビ・新聞・雑誌など30社近くのマスコミが陣取り、開票速報を見守った。そして午後9時10分すぎ、テレビで「山本太郎当確」の第一報が伝えられると、地鳴りのような歓声とともに「太郎コール」が巻き起こった。歴史に新たな1ページが刻まれた瞬間だ。
誰もが抱き合い、手を取り合い、感涙を抑えきれない中で、山本氏はインタビューに答えて「ようやくスタートラインに立った。万歳はしない。いばらの道はこれから始まる」と気を引き締めた(要旨別掲)。
だが、その凛(りん)とした表情の中に、激戦を勝ち抜いたことへの喜びと勝利感がにじみ出る。山本氏が笑顔で拳をあげると会場のみんなが「もう一人じゃない! もう一人じゃない!」とコール。「選挙活動と同じ雰囲気でこれからもやりたい」との声に、山本氏も「やりましょう!」と笑顔で答えた。
闘いはこれからだ!
山本氏とともに生き、ともに闘い抜く決意が会場全体にあふれた。
福島圧殺うち破る力
山本氏は首都・東京で約66万6千もの票を集めたが、その中でも無党派層からの得票数は東京選挙区でダントツ1位だ(約20%、出口調査)。今まで誰にも票を託せず、行き場を失っていた怒りの声が、山本氏への投票となって解き放たれたことは明らかだ。
山本氏は昨年12月、「新党今はひとり」を名乗って東京8区(杉並区)から衆院選に出馬し、次点に終わるも7万1千票を得た。そして今回の参院選、「被曝させない」「TPP入らない」「飢えさせない」を掲げ、無所属で出馬した。
17日間の激戦の中で、総勢1200人を超えて結集したボランティアの力に支えられ、延べ100カ所以上で街頭演説をやり抜いた。その様子は毎回ネットで中継され、拡散された。山本氏のツイッターのフォロワーも20万人を超えた。また3週連続で開催された渋谷ハチ公前広場の「選挙フェス」には、若者を中心に毎回数千人が大結集。しかも回を重ねるごとに参加者が増えていった。日本の政治史上かつてない大衆的かつ創意的な選挙戦が展開され、大政党の組織力をも凌駕(りょうが)する力が発揮されたのだ。
そして、山本氏に投じられた1票1票に込められているのは、今の社会のあり方に対する根底的な怒りであり、命を守りたいという切実な思いだ。誰もがそんな思いを託し、知人や家族にも呼びかけて山本氏に投票しているのだ。
今回、山本氏は「脱原発」だけでなく「脱被曝」まではっきり言い切って、国家との全面対決も辞さずに登場した唯一の候補だ。これを受けて、福島現地でも「山本さんを絶対当選させたい!」という思いが生まれた。選挙戦中盤の7月9日、福島から山本氏の応援に駆けつけた椎名千恵子さんは「福島の希望の星 山本太郎 がんばれ!」と書かれた寄せ書きを手渡し、「今日は福島のみんなの思いを背負ってきた。ぶれることなく果敢に立ち向かう山本さんを応援します」と語った。
3・11以来の国家の全体重をかけた「福島圧殺攻撃」を根底から打ち破る力が、この選挙戦の中で生み出されたのだ。
職場と労組での決起
山本氏は選挙を通じて労働者階級の怒りと結びつき、とくに後半は強烈に「労働問題」を訴えた。「原発の問題を入り口に2年、やっと世の中の仕組みが見えてきた。この2年でたどりついたのは労働問題だったんです」「『過労死』という言葉が25年も前からある。仕事に殺されることを国がずっと認めているんです。今も若者たちがブラック企業で使いつぶされている。冗談じゃない! 人生を豊かにするために仕事があるんじゃないのか!」
さらに山本氏は、「あなたが自民党に入れた1票は赤紙になって返ってくる」と訴え、安倍政権の改憲策動に警鐘を鳴らし、戦争絶対反対の意志をきっぱりと示した。「戦争なんか絶対させないぞ! みんなで生き延びよう! この局面、みんなで力を合わせよう!」
こうした階級的で根底的な訴えが多くの青年や労働者の心を動かした。労組交流センターの仲間も、民主党の支持基盤である連合傘下の労働組合や職場に公然と分け入って「山本太郎さんを支持しよう」と呼びかけた。「職場と地域で100票集めた!」「連合傘下の組合で職場の4割を山本支持で固めた!」――こうした闘いの広がりを経て、ついに山本氏を労働者階級の代表として国会へと押し上げたのだ。
7・21参院選をもって時代は一変した。民主党の惨敗とともに連合が歴史的な崩壊過程に入り、今や新たな闘う労働組合と労働者階級の党が求められている。参院選勝利の地平から反原発100万人決起へ闘いを推し進めよう! 全国の職場で国鉄解雇撤回10万筆署名を広げ、9・25反動判決阻止へ全力で闘おう!
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週刊『前進』(2594号1面2)(2013/07/29 )
スタートラインに立った
●当選後の記者会見での山本太郎さんの発言
このまま浮かれるわけにはいかない。これは「スタートラインに立った」ということです。いばらの道はこれから始まると思うんです。
多くの人が今、日本が向かっている方向性に不安を感じている。一番にやってほしいことは、食品安全基準を変えることです。今の「1`グラムあたり100ベクレル」は放射性廃棄物と同等です。それを国民に食べさせて「安全」とする国なんて話にならない。
今、不条理を押しつけられている人が多すぎる。年間1_シーベルト以上のところで人びとが住まわされている。国は避難の権利を与えず、被曝する権利しか与えていない。避難の権利を国の責任で認めるべきです。
今、この国は沈むかどうかの泥船なんです。それをなんとか岸に着けようじゃないか。そういう一人ひとりの思いが投票行動に移った。
憲法のこともそうです。このままでは、若者が戦場に送られるような現実が目の前にある。TPP(環太平洋経済連携協定)もそうです。豊かになるのは1%の金持ちだけで、貧乏人は死ねっていうのがTPP。僕たちの生活を豊かにするはずの農業や医療、公共サービス……こういうものが24分野にわたって根底から覆される。こんなこと許されないですよ。
僕は最初、しがらみだらけの世界にいて、声を上げることに恐怖感がありました。でも全国を回って、みんなと横につながっていくことですごく力をもらって、こうして参議院に入ることができる。もう怖さはない。僕は企業や権力側から見たらすごくうっとうしい存在だから、つぶされたり消されたりする可能性はあるんですが、それは怖くないんです。僕に力を貸してくれた人たちを僕自身が裏切って、その人たちに命を狙われるのが一番怖い(笑い)。
僕には捨てるものは何もない。だから恐れるものもない。自分の党を守るとか、議席を守るとか、企業を守るということは何もない。僕が守りたいのは自分とみんなの命です。みんなで生き延びようってことです。
街頭で握手をしているとき、何人もの人たちが自分の現状を僕に伝えにきた。ある女性が、自分は会社に使いつぶされたんだと体を震わせながら訴えてきた。こんな社会を今まで受け入れていた自分への憤りも感じた。そういう声が自分の中でエネルギーになった。政治の原点とはこういうものなんです。あなたの声を国会に届けるための代表として、山本太郎という政治家を育ててほしい。みなさんが政策秘書になり、ブレーンになって力を貸してください。
今からが始まりです。議員になることが目的じゃなくて、自分たちには達成すべきことがある。もっともっと横につながる。全国に足を運んで、その声を国会に届ける。可能性はまだまだある。政権とるとこまで行こうぜってことです!
この国が向かっている先は、表現の自由を奪って全員均質化し、個性を否定していくことです。見てください、ボランティアも全員個性的じゃないですか。僕自身が表現の自由を奪われ、多様性から弾かれた人間ですから、誰が応援に来たって断りません。多様性を認める世の中じゃなきゃウソですよ。そのためにも憲法改悪は絶対許さない。みんなで力を合わせてがんばりましょうね!
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《山本太郎さんのプロフィール》
1974年11月24日、兵庫県宝塚市生まれ。俳優。2011年3・11原発事故の後、自身のツイッターで反原発の意思を表明。同年4月10日、高円寺の「原発やめろデモ」に参加。5月に所属事務所を退社し、以後一貫して反原発運動に取り組む。昨年12月の衆院選に東京8区から出馬し、次点で落選するも約7万1千票を得る。
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週刊『前進』(2594号1面3)(2013/07/29 )
前進速報版から
▼参院選で山本太郎さん当選かちとる!▼国労組合員資格確認訴訟、本部弾劾し裁判と集会▼部落解放の新組織・全国水平同盟を結成
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週刊『前進』(2594号2面1)(2013/07/29 )
8・6−8・9−8・15闘争と10万署名で4ヵ月決戦勝利へ
1万人『前進』読者網の建設を
参院選東京選挙区(定数5)で、山本太郎氏が堂々66万6684票の支持を獲得して当選した。この参院選の100万人決起の熱気と感動を直ちに打ち固め、階級闘争の確かな前進に転化するために、1万人の『前進』読者網の建設へ闘おう。さらに動労千葉不当解雇撤回訴訟の9・25反動判決阻止に向かって、10万筆署名運動を全国の職場・地域で闘おう。安倍極右政権は、参院選の「勝利」をテコにして原発再稼働とTPP(環太平洋経済連携協定)、改憲・戦争と公務員攻撃にのめり込もうとしている。これと真っ向から対決し、8・6広島―8・9長崎闘争、改憲阻止の8・15闘争に総決起しよう。
民主党の大敗北と連合の歴史的没落
山本氏は「@被曝させない、ATPP入らない、B飢えさせない」の三つのスローガンを掲げて闘った。すべて新自由主義と真っ向から闘う内容だ。怒りと情熱のこもった山本氏の訴えは、日に日に若者と母親・女性、労働者の心をつかみ、100万決起を実現した。自民党の「圧勝」をも吹き飛ばす勢いの山本陣営の勝利に、日帝支配階級、政府・自民党は大打撃を受けている。
選挙戦最終日20日夜の渋谷駅前広場は、交差点の反対側歩道まで身動きもとれないほどの人波で埋め尽くされた。午後8時まで2時間、誰もがそこにとどまり、演説に聴き入った。「これはブラジルの100万人デモ、エジプトのタハリール広場とつながっている!」――参加者の感想だ。世界中の若者から仕事を奪い、低賃金で使い捨てにし、未来への夢も希望も奪っている新自由主義。これへの若者の反乱が世界中で広がっている。なんの組織も持たない中、必死の思いで闘いの必要を訴えた山本氏とそれに応えた若者の決起は、こうした全世界の青年の闘いと完全につながっている。これはついに首都・東京に上がった「革命の火柱」だ。
他方で自民党の「圧勝」は、民主党など体制内野党の分裂・崩壊の結果であり、何ひとつ「自民党への熱い支持」「支配の安定」を意味しない。投票率は52・61%で戦後3番目の低さである。自民党支持は全有権者のわずか2割にすぎない。議会制度による階級支配の崩壊の危機が進んでいる。労働者人民の怒りと不満、危機感とかけ離れた自民「圧勝」は、そのことによって階級闘争の一層の激化の引き金となり、巨大な革命情勢を引き寄せたのだ。
また、東京選挙区で民主党現職の鈴木寛(元文科副大臣)は、山本氏と闘って敗北した。全国的な民主党の大敗は、同時に連合の歴史的破産を意味している。連合は「労働組合」の名をかたって、資本家の手先となって賃下げ・非正規職化・労働条件破壊を推し進めてきた。多くの労働者にとって「労働監獄」のような今の職場の現実は、連合の裏切りによるところが決定的に大きい。しかし、こんな裏切り者は、労働者の怒りの決起で容赦なく真の姿を暴かれ、必ず打倒される。ついにその時が来たのだ。
さらに「日本共産党が躍進」と言われているがこれ自体は労働者階級の闘いの前進をなんら意味しない。日共スターリン主義の「対案を示す」路線は、大恐慌と革命情勢のもとで末期的危機を深める帝国主義を救済し延命を助け、プロレタリア革命闘争への敵対を本質とする反革命路線である。だからこそ彼らは、職場では国鉄解雇撤回闘争と階級的労働運動に真っ向から敵対し、資本の合理化・外注化の先兵となっている。山本陣営の勝利は、これを打ち破ってかちとられた。
参院選の勝利は「闘う労働組合」の復権と創造の出発点である。「国鉄決戦でプロレタリア革命へ」の路線のもと、階級的団結の形成の闘いを全力で進めよう。
動労水戸ストから国鉄決戦の勝利へ
動労水戸は被曝車両K544の検査・運用に反対し、「JRは労働者・利用者に被曝を強制するな」と7月12、16、17日に3波のストライキを闘った。とりわけ16日には全組合員がストに立ち、勝田車両センターの門前で150人の大抗議闘争が闘われた。JRは追い詰められ、「偽装検査」で「交番検査は終了」と強弁し、郡山工場へ被曝車両を送り込んだ。動労水戸の闘いを引き継ぎ、国労郡山工場支部が決起している。両労組の闘いは職場からの反被曝・反原発の階級的決起である。この闘いに続こう。
動労千葉・動労水戸を先頭とする「外注化阻止、反合・運転保安」の闘いは、新自由主義の基軸的攻撃と真っ向から対決し、労働組合の団結力で職場支配権を資本から奪い返す闘いである。全国の職場・産別で、闘いの火の手を上げよう。
日本における新自由主義の歴史的出発点となった国鉄分割・民営化から26年余。今や新自由主義の破産も、連合の歴史的破産も明らかとなった。動労千葉の30年以上の不屈の闘いが、ついに階級的力関係の全体構造をひっくり返すところまで敵を追い詰めてきたのだ。それが動労千葉の不当解雇撤回の鉄建公団訴訟だ。
だから鉄建公団訴訟の勝利は、あらゆる職場で労働者にかけられている攻撃を打ち破る決定的な力となる。9・25控訴審反動判決を阻止し、「解雇撤回・JR復帰」を実現しよう。10万筆署名運動を全国の職場で闘い、署名と物販運動で職場の団結を広げよう。
福島の怒りと結び再稼働阻止しよう
被爆68周年の8・6広島―8・9長崎反戦・反核・反原発闘争に全国から結集しよう。階級的労働運動と国際連帯の力で、画期的な「世界大会」を実現しよう。
福島第一原発から高濃度汚染水が海中に漏れ出している。まさに福島原発事故は現在もなお進行中なのだ。にもかかわらず安倍政権と電力会社は参院選での「勝利」をテコに、地元の反対をも無視して全国の原発の再稼働に突進しようとしている。到底許されない。
福島県民15万人が古里を奪われ苦難を強いられている。殺人企業=東京電力は、約束した除染すら中途で打ち切り、住民に線量計をもたせて「自己責任」で地元に戻そうとしている。この無責任と開き直り、人間を虫けらのように扱う極悪さこそ、日帝・安倍政権と資本家階級の正体だ。
8月広島・長崎闘争の大高揚で、再稼働絶対阻止へ闘いを圧倒的に強めよう。NAZEN(すべての原発今すぐなくそう!全国会議)の闘いを全国で推し進めよう。
三里塚の市東孝雄さんへの農地強奪判決を許すな。7・29判決公判闘争に大結集しよう。8・15闘争に決起しよう。
大恐慌=大失業と闘い革命を
大恐慌は激化・発展している。欧州を覆う大失業の嵐、中国バブルの崩壊。そしてアメリカ帝国主義も日帝も、超金融緩和政策が一層の危機をつくりだしている。早晩、大破綻は必至だ。
20世紀の資本主義の発展を牽引(けんいん)した自動車産業の中心=デトロイト市の財政破綻は米帝の没落・崩壊の象徴だ。人口も激減し、財政も底をついた中で、市職員・教員の大量解雇が続いている。アメリカではこれから5年以内に9割の自治体が破綻すると言われている。日本も同じ道をたどっている。労働者はもう資本主義のもとでは生きていけない。
すべての闘う労働者、青年・学生は今こそ革共同に結集し、プロレタリア革命の勝利をともにかちとろう。国鉄解雇撤回の10万筆署名運動、1万人の『前進』読者網の建設、そして一切の勝利の基礎として夏期カンパ闘争に全力で決起しよう。
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【集会要項】
憲法改悪と戦争に絶対反対!
―国益と排外に憲法は屈するのか―
8・15労働者・市民のつどい
8月15日(木)正午開場 午後1時開会
東京・なかのゼロ小ホール
主催 戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会
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週刊『前進』(2594号2面2)(2013/07/29 )
国労大会闘争
今こそ主流派になる 共に闘う国労の会
警察に守られた大会に怒り
7月25、26日に静岡県伊東市で開かれた国労第82回全国大会に対し、「共に闘う国労の会」は地元の静岡労組交流センター、神奈川労組交流センターの労働者とともに、国労本部の裏切りを徹底弾劾し、大会参加者に闘う方針の確立を訴える行動に立った。
今回の国労大会攻防は、動労千葉鉄建公団訴訟の9・25控訴審判決を前にした決戦をさらに推し進めた。攻防の全過程は、被曝車両K544の検修作業を強いるJR東日本との文字通りの決戦に突入している国労郡山工場支部の仲間と固く連帯して闘いぬかれた。
共に闘う国労の会は、警察に守られた大会に怒りをぶつけ、現場組合員の怒りと悔しさを体現して今こそ国労の主流派に躍り出ると宣言した。
JR伊東駅前で10万筆署名
大会前日の24日、JR伊東駅前での大宣伝戦が打ちぬかれた。大会参加者を前日から宿舎に泊まらせ、現場組合員との接触を断って密室の議事を行おうとした本部の思惑は打ち砕かれた。静岡県警やJR東日本の弾圧をはねのけ、ビラが次々と大会参加者に渡された。
また、伊東市民や観光客に向けて解雇撤回・JR復帰の10万筆署名を呼びかけた。ほとんどの人が足を止めて署名を寄せ、86筆が集まった。
夕方には、伊東市内で国鉄闘争勝利総決起集会が開かれた。
JR貨物の青年労働者が基調を提起した。夏季手当の大幅削減を強行したJR貨物は「今後、妥結しないと一時金は支払わない」と言い放った。その中で国労本部も「JR体制は破産した」と言わざるを得ない状況だ。基調は、職場の怒りを具体的行動方針に転じる闘いに立とうと訴えた。
基調はまた、山本太郎さんの当選は社会変革の出発点を築いたこと、民営化・外注化・非正規職化と被曝労働の強制に対し徹底的に闘うこと、10万筆署名を集めきること、その中で国労本部を打ち倒し国労を現場の手に取り戻すこと――を提起した。一言一言、かみしめるように語られた基調提起を、全参加者が拍手で確認した。
小倉闘争団の羽廣憲さん、旭川闘争団の成田昭雄さんが決意を表明。秋田闘争団家族の小玉由利子さんは「分割・民営化に対し本部が闘わない中で現場組合員は必死で闘った。その現場組合員と結びつくことはできる」「4者・4団体は『本音と建て前は違う』と言ったが、もうごまかしは通用しない時代」「動労千葉、動労水戸、国労郡山工場支部の闘いがつながった」と語り、参加者の闘う意欲をかき立てた。
静岡労組交流センターの労働者は国鉄闘争が継続されていることの重要性を強調し、神奈川労組交流センターの自治体労働者は、自治体労働者の闘いと国鉄労働者の闘いが結びつけば勝てると展望を示した。国労組合員は「現場で闘い続け、国労を闘う組合に変える」と決意を述べた。
解雇撤回・浜岡廃炉訴えデモ
国労大会1日目の25日朝、会場のホテル聚楽前での宣伝行動が闘われた。国労本部は、静岡県警やホテル資本と結託し、現場組合員をホテル敷地内に一切立ち入らせない措置をとった。「警察に守られた大会をいつまで続けるのか! 国労本部は恥を知れ!」「解雇された者は組合員ではないと本部は言うが、私は今でも国労組合員だ」「外注化も契約社員の雇い止めも認めて労働組合と言えるのか」。和解を拒否した闘争団員を先頭に、現場組合員の怒りが大会会場を直撃した。
続いてデモが闘いぬかれた。伊東市内でのデモは昨年に続き2回目だ。解雇撤回と民営化反対・非正規職撤廃とともに、原発再稼働阻止、浜岡原発廃炉を訴えてデモは進んだ。市民の関心は非常に高く、青年が飛び入りでデモに参加。地元の伊豆新聞の記者も取材に駆けつけた。国労大会会場付近でデモ隊は、「組合員資格剥奪(はくだつ)を許すな」とひときわ大きな声を響かせた。
(写真 〈上〉警官の後ろに立つ本部の大会警備を秋田闘争団の小玉忠憲さんが弾劾【7月25日 伊東市】)
(写真 〈下〉国鉄解雇撤回と浜岡原発廃炉を訴える伊東市内デモは多くの市民に共感された【7月25日】)
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週刊『前進』(2594号2面3)(2013/07/29 )
動労千葉鉄建公団訴訟 8・22弁論再開要請行動へ
葛西(JR東海会長)を証人採用せよ!
10万署名で高裁を包囲しよう
動労千葉鉄建公団訴訟で、国鉄闘争全国運動が8月22日に、東京高裁民事第12部(難波孝一裁判長)への弁論再開の要請行動と、「解雇撤回・JR復帰」署名の第3次提出行動を呼びかけている。全力で結集しよう。
難波裁判長は5月8日、一切の事実調べを拒否し、わずか3回で結審を強行して判決日を9月25日に指定した。これは単なる司法反動を超えた攻撃だ。結審に先立ち、昨年6月29日の東京地裁判決で、国鉄分割・民営化による選別解雇を不当労働行為と認定した白石哲裁判長が、突如として更迭・左遷させられた。「国鉄分割・民営化の真実は絶対に明らかにさせない」という敵の階級意思だ。
そもそも、証人を誰一人採用せず、真実をひた隠しにしたまま判決を出すことなど絶対に許されない。採用候補者名簿への不記載基準を策定し、動労千葉組合員などの首を切った張本人である葛西敬之(当時の国鉄職員局次長、現JR東海会長)。当時、最高裁から国鉄に出向し国鉄改革法作成に深く関与した江見弘武(現JR東海常勤監査役)。当時、千葉鉄道管理局総務部長であった今村雅弘(現在、自民党所属の衆議院議員)。いずれも国家的不当労働行為に手を染めた連中だ。
葛西こそ謀議の張本人だ!
その中でも葛西の果たした役割は重大だ。一審では、職員局で葛西の部下として名簿作成に関わった伊藤嘉道の証言によって、当初は名簿に載っていた動労千葉争議団員の名簿からの排除(解雇だ!)を命じた張本人が葛西だったことが明らかになっている。そして、この名簿からの排除が動労千葉や国労を不当に差別する目的、動機のもとに行われた不当労働行為であることも一審判決で認定されている。
それだけではない。動労千葉と弁護団は、決定的な新証拠を見つけ出した。JR設立委員会と国鉄当局が、選考基準の策定、名簿作成、不採用基準による選別に至る全過程を、綿密に打ち合わせをしながら完全に一体となって進めていたことが明らかになった。それを「国鉄改革3人組」の一人であった井手正敬(元JR西日本社長)自身が語っている。
「過去に何回も処分を受けたものは、やっぱりこの際、排除したいという気持ちは強かった。でも、それを余りに強く当局から言うと不当労働行為になりかねない。そこで当時、斎藤英四郎さんが(JR設立)委員長をしておられたんだけど、この人のところに、葛西君と出かけて話に行って……選考基準は、斎藤さんが作れと言うので、不当労働行為と言われないギリギリの線で葛西が案を作り、それを斎藤さんに(JR設立)委員会の席上、委員長案として出してもらい、それは了承された」(2000年9月1日の懇談会「国鉄改革前後の労務政策の内幕」の井手発言)
「国鉄とJRは別会社」で「JRは選別に関与していない」からJRに解雇や不当労働行為の責任はないというペテンは完全に暴かれた。不当解雇の責任がJRにあることは明らかだ。これほど重大な事実が明らかになった以上、謀議の張本人である葛西らを証人採用し、真実を明らかにせよというのは余りに当然の要求だ。
10万筆署名の達成に全力を
裁判所を徹底的に追い詰めて弁論を再開させ、なんとしても「解雇撤回・JR復帰」をかちとろう。そのためにも10万筆署名を集めきることが決定的に重要だ。
10万筆署名は同時に、国鉄分割・民営化以降に吹き荒れた、賃下げ・首切り、非正規職化の攻撃、それによってもたらされた労働者の現実すべてをひっくり返す闘いそのものだ。現在も、安倍や大阪市長・橋下らが進める全面的な民営化攻撃は「国鉄方式」による以外ない。国鉄分割・民営化を絶対にあいまいにせず、不当解雇の撤回をかちとる闘いは、あらゆる職場で労働者と労働組合にかけられている攻撃への決定的な反撃だ。
社会保険庁の民営化における「国鉄方式」での分限免職(解雇)について、20人中6人に処分取り消しの判定が出されている。敵はけっして盤石ではない。本気になって反撃すれば、あっという間にグラグラになるほどの危機に立っている。ここで、戦後最大の国家的不当労働行為の真実を暴きだし、国鉄闘争解体攻撃を打ち破って解雇撤回をかちとれば、それは必ず、すべてをひっくり返す突破口となる。職場・地域に署名を持ちこみ、暴かれた真実を知らしめ、10万筆署名を本気で集めきろう。弁論再開要請行動で高裁に万余の署名をたたきつけよう。
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【要項】弁論再開要請および署名提出行動
8月22日(木)午後3時 東京高裁
(午後2時20分に高裁前集合)
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週刊『前進』(2594号2面4)(2013/07/29 )
闘いは進む 青年の職場から
合同労組 8・6ヒロシマを青年の生きるための闘いに 広島連帯ユニオン青年部長 宮原 亮
●青年が相次ぎ労働相談
この間、広島連帯ユニオンに立て続けに青年労働者から労働相談があり、組合加入をかちとっています。
大学を卒業してこの春正社員で入社した青年労働者からの相談が相次いでいます。相談内容は「資格を取って就職したのに、資格とまったく関係ない仕事をさせられた揚げ句、試用期間中だからという理由で解雇された」(医療労働者)、「毎日3〜4時間も残業をさせられて残業代が出ない。同期入社の人も半数は辞職を検討していて、ついに先日1人が病気になって辞職に追い込まれた」(小売店舗労働者)というもの。安倍政権の「解雇規制撤廃」「限定正社員」の政策のもと、労働者を使い捨てにする「ブラック企業」化が進行しています。本当に怒りに堪えません。
毎日「サービス残業」を強制されているその青年は、超過勤務が常態化しているから人員を増やしてほしいと勇気を持って管理職に直談判しました。ところが管理職は「人員を増やすと利益が減る」「残業になっているのは労働者の能力が低くて仕事が遅いから」「残業代を払うと能力の低い人が得をすることになる」と違法状態を開き直る主張をしてきました。ふざけるな!
彼は「自民党が労働者を過労死させているワタミの渡辺を推している。許せない」と新自由主義の今の社会と体制全体にも怒りを爆発させています。国鉄全国運動6・9集会の報告を見て「これはすごい」と確信を深め、また労働学校に参加して「搾取制度の廃止という提起は新鮮だった」と述べています。一緒に団結して職場と社会の現実を変えようとユニオンに加入しました。
10代、20代前半の新入社員世代にとって労働組合が選択肢になり始めています。ユニオンは組織拡大のチャンスとして、労働相談会を設定し、拠点職場の近辺や被差別部落などでの駅頭や個別ビラ入れを開始しました。ビラの受け取りは良く、手応えを感じます。
●労働組合の大隊列を
広島連帯ユニオンはこうした取り組みを進めながら、国鉄4カ月決戦のど真ん中の8・6ヒロシマ世界大会と8・5青年集会に階級的労働運動の大部隊を登場させようと、それぞれの職場で闘いながら組織化に全力を挙げています。先日はユニオン青年部が中心になって8・5青年集会の現地実行委員会を開催し、組織化の先頭に青年が立とうと討論しました。
私も職場で物販や国鉄署名に協力してくれた人などを中心に動労水戸の被曝労働拒否の闘いなどを紹介しながら、8・6オルグを進めています。
青年労働者の生きるための闘いと8・6ヒロシマの闘いは一体です。敗戦直後、被爆者は生きるため、そして核と戦争に根底的怒りを爆発させ、労働組合の活動家として決起していきました。広島は歴史的に階級的労働運動の拠点なのです。今年の8・6はそういう広島の闘いの原点を感じさせる闘いにしたい。広島現地から新自由主義に怒る青年労働者を先頭に、多くの労働者の結集をかちとりたいと思います。
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週刊『前進』(2594号3面1)(2013/07/29 )
関西・東北、革共同集会が高揚
7月21日、関西と東北で革共同政治集会がかちとられた。国鉄決戦の前進が80万自治労の4・26全国ストを引き出し、日帝権力中枢のスパイ・荒川碩哉(ひろや)を摘発・打倒した。新しい時代の新しい選挙闘争として参院選・山本太郎選挙戦が闘われ、情勢を一変させる100万決起の歴史的な高揚の中で、集会は4カ月決戦勝利を誓う総決起集会となった。
関西 地区党建設で勝負 拠点づくりと青年獲得へ
7月21日、大阪市内において革共同関西政治集会が210人の結集で開催された。昨年JR10・1外注化阻止決戦以来の13年前半決戦の勝利の地平を踏み固め、4カ月決戦を党と階級の総力を挙げて勝利する総決起集会としてかちとられた。
マル青労同とマル学同中核派の若き同志の司会で、冒頭、獄中の星野文昭同志の連帯メッセージより集会は始まった。「すべての労働者の団結した力で彼ら(安倍、資本家ども)を打倒し、すべてを奪い返す時代が私たちの手中にある」「動労千葉を先頭とする階級的労働運動が、この全世界の立ち上がる労働者人民の希望となり決起する力」「青年活動家集団、階級的指導部を登場させよう」
夏美優一同志が基調報告を行い、先日結成された全国水平同盟とともに闘う革共同の決意を表明し、4点にわたって提起した。@革命情勢の成熟期への突入と階級的労働運動が切り開いた歴史的地平―国鉄分割・民営化以来奪われたすべてを取り返そう、A国家権力中枢の革命党破壊、動労千葉労働運動破壊攻撃を完全に暴き出し粉砕した地平、B1千万人を対象に100万獲得戦を闘う党の地平、C国鉄決戦を切っ先に世界革命―日本革命に突き進む4カ月決戦に一切をかけて闘い、日帝の無準備性を突き破って労働組合が闘うことで必ず勝利できる決戦勝利の展望を明らかにした。
続いて木崎冴子同志が「日帝国家権力中枢と対決した革共同50年」と題して特別報告を行った。スパイ荒川碩哉の摘発・打倒をとおして革共同と日帝権力との日本階級闘争をめぐるすさまじい死闘の構造が鮮明となった。それ自体が決定的な勝利である。攻撃の核心は、国鉄闘争と動労千葉の解体にある。血債主義派との党内闘争が、国鉄決戦を貫く大号令としての91年5月テーゼに対する敵対・破壊との闘いであったことが明白になった。参院選を闘い抜き、4カ月決戦の中で1万人の機関紙読者網・活動家を組織しようと提起した。
関西地方委員会報告が労働者同志より提起された。青年労働者の獲得に労働組合の拠点建設の核心があり、青年労働者の組織化は地区党の指導部建設であり、時代認識と路線での獲得で勝利することができると、前半戦の豊かな実践の教訓に踏まえて報告された。
全国水平同盟結成の報告を岡邨(おかむら)洋新委員長と部落解放闘争組織委員会の同志が行った。全水同盟の旗とのぼりが誇らしく壇上に翻った。部落解放運動と労働運動が別々のものとして組織され分断されてきた歴史を止揚し、非正規職撤廃を正面課題とする部落解放運動として登場させたことを感動をもって報告した。
カンパアピールの後、来年の泉佐野市議選決戦のアピールを泉州地区委員会の同志が行った。「安倍・橋下・千代松の道州制攻撃との激闘が続いている。8期目となる選挙戦を労働組合と全住民の組織化として闘う」と訴え、市議選決戦への総決起をよびかけた。
産別委員会の同志が次々と闘いの報告を行った。国鉄委員会を先頭にすべての産別で生き生きと闘い抜いている姿が示された。労組拠点建設と1万人組織化の先頭に労働者指導部が結束して闘う決意が述べられた。
最後にマル青労同、マル学同中核派の同志が決意表明を行った。マル青労同の同志は国鉄決戦と自治労スト勝利の地平を報告し、青年労働者集会実行委員会で青年の組織化をめぐる路線討論をやり抜いてきた組織的前進を明らかにし、4カ月決戦を先頭で闘う決意を表明した。マル学同の同志は、京大同学会選挙闘争と自治会建設の教訓を報告し4カ月決戦の最先頭で闘う決意を述べた。
団結がんばろう、インターナショナルを全参加者で斉唱し、プロレタリア革命に勝利する決意を打ち固めた。
(写真 青年先頭に夏秋決戦勝利へ熱気の関西集会【7月21日 大阪】)
東北 4カ月決戦に総力 国鉄・福島の勝利へ燃える
仙台で7月21日、革共同東北政治集会が150人の結集で大成功した。
13年前半戦のDVDが上映され、激闘を闘いぬいた自信と4カ月決戦の決意がみなぎった。
司会は学生同志と福島の女性同志だ。連帯あいさつを、いのちのせんたくひろば代表の佐藤幸子さんから頂いた。3・11以降、全国100カ所で講演を行い、福島の怒りと苦しみを語ってきた佐藤さんは、革共同とも協力してふくしま共同診療所を建設したことを「うれしかった」と話した。
高原洋三同志が特別報告に立った。山本太郎氏の街頭演説が労働者階級の怒りと一体となり、最終日には渋谷駅頭を埋めつくす革命的大衆行動が始まった。革共同創成以来最大の革命情勢に総決起しようと檄を飛ばした。革共同の50年は権力との死闘の歴史であった。スパイ荒川打倒は党と動労千葉の分断攻撃を粉砕し非合法・非公然体制を守り抜く、戦後労働運動の限界を超える大勝利であったと総括した。
基調報告は東北地方委員会・岡崎康史同志が行った。革命情勢で求められているのは革共同の真の労働者党への飛躍である。動労千葉の外注化阻止・非正規職撤廃、反合・運転保安闘争が新自由主義を追いつめている。福島の怒りと一体となった労組拠点建設、地域の拠点としての診療所建設の地平を総括した。機関紙活動とマルクス主義に立脚した地区党建設を基礎に、総力で4カ月決戦を闘おうと訴えた。
国鉄戦線から熱烈な発言が行われた。国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは動労千葉鉄建公団訴訟9・25反動判決粉砕の総決起を訴えた。国労郡山工場支部の橋本光一さんは、被曝車両K544のJRによる検査攻撃に対して、動労水戸と団結し労働組合として闘いぬく決意を明らかにした。JR貨物の賃下げ攻撃と闘う青年同志は、体制内幹部との激しい党派闘争を報告し、放射性廃棄物輸送と闘う決意を述べた。
ドイツを訪問した椎名千恵子さんは「問われているのは反原発と労働運動を一体で闘うこと。時代を切り開く国際連帯がつくられている」と報告した。
各戦線の同志から決意が表明された。今年前半の地平の上に、後半戦に勝利し革命を手繰り寄せる決意がみなぎった。獄中の星野文昭同志のメッセージを読み上げた同志は、東北のすべての地区に救援会を組織する決意を述べた。「御用学者を追放し学生自治会を再建する」(マル学同福島大支部)、「柏崎刈羽原発の再稼働を絶対阻止する」(NAZEN新潟の同志)、「アベノミクスは女性労働者への新たな攻撃。3・11で革命に向けた闘いが陸続と開始された」(女性解放戦線)、「TPPは全世界の農民にかけられた資本の攻撃。労農連帯を革共同こそが作り出す」(全国農民会議の青年)。
労働者同志から決意が続いた。「分会から闘いを開始している」(教労)、「事故をめぐる闘いの中で仲間の怒りとひとつになり絶対反対を貫いた」(全逓)、「職場に動労千葉を支援する会をつくり4・26自治労全国ストライキへ闘った」(自治体)、「放射能汚染地域への帰還のためのインフラ復旧工事を許さない。職場の仲間と反撃する」(NTT)、「1年間の解雇攻撃と闘い勝利。絶対反対を貫き、仲間を信じ団結することだ」(民間)、「労働者の利害を守りぬいて闘い、新たな青年の決起を生み出した」(東北石けん労組の青年)、「動労千葉の反合・運転保安闘争に感動し、職場で闘っている。最も大事なことは情勢を階級の視点でとらえること、階級の団結へ闘うことだ」(マル青労同)。
マル学同の同志は「4・25法大弾圧を打ち破り勝利した。学生自治会は学生にとっての労働組合。資本=新自由主義大学と闘い、全学連大会へ仲間を獲得する」と発言した。
熱気が最高潮に達する中、インターナショナルを歌い集会を閉じた。
(写真 被災地の拠点建設を誓い合った東北集会【7月21日 仙台】)
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週刊『前進』(2594号3面2)(2013/07/29 )
参院選勝利から国鉄決戦の勝利開く大カンパ訴えます
●山本太郎氏当選の勝利!
9・25反動判決粉砕の4カ月決戦の真っ只中で、すばらしい勝利がかちとられました。参院選での山本太郎氏当選の報に、誰もが「すごいことが始まった」と感じました。積もり積もった新自由主義への怒りが、首都東京で爆発したのです。
革共同は、大恐慌と3・11情勢という新しい時代に1200万人を対象とし100万人を獲得する新しい選挙闘争に挑戦しました。この勝利はすべての労働者人民の力でかちとった勝利です。自民「圧勝」をぶっ飛ばし、安倍政権を恐怖のどん底にたたき込んでいます。
この勝利の道を進みましょう。これまで寄せられた多額のカンパに感謝するとともに、さらに進撃するためのカンパを訴えます。
今次選挙戦での山本太郎氏の基本主張(被曝させない、TPP入らない、飢えさせない)は、労働者人民のすべての怒りを体現した内容であり、日帝・安倍政権との絶対非和解の根底的な主張でした。だからこそ山本氏の訴えは、フクシマの怒り、非正規職労働者の怒り、国鉄1047名解雇撤回の怒りと闘いとひとつになり、さらに生活保護・福祉切り捨てと闘う労働者を始めすべての労働者の怒りとひとつになったのです。また滞日外国人労働者や在日人民の怒りをも体現したものでした。
山本氏のボランティアスタッフには実に1200人以上が登録しました。多くの人にとって選挙は初めての経験でした。彼ら彼女らの中にあるのは、原発事故に対する怒りであり、青年を始めもう生きていけない現実への怒りであり、本当にふざけるなという怒りです。この怒りを何とか形にしたい、力にしたいという思いは山本太郎氏をして時代の指導者に押し上げました。ボランティア自身も日々の闘いの中で感動し時には涙し、自らをリーダーに飛躍させていきました。
彼ら彼女らは、労働者が社会の主人公であり「労働者階級の解放は労働者自身の事業である」(革共同綱領草案)ことを、闘いの中で急速につかんでいったのです。
こうして青年を先頭とした全階層の安倍政権と新自由主義への根底的怒りを引き出し、これを投票行動という形をとった革命的大衆決起へと組織し勝利したのです。まさに新しい時代の新しい選挙闘争としてかちとられたのです。
●国鉄分割・民営化30年の決着を
4カ月決戦は、参院選を経て、もうひとつ飛躍した段階に入りました。国鉄決戦を基軸とした闘いのためさらなる夏期カンパを訴えます。
4カ月決戦勝利へ全国でうなりをあげた進撃が始まっています。参院選挙闘争と一体で、動労水戸が7月12、16、17日、「被曝労働拒否・K544運用開始阻止」の勝田車両センターでのストライキに決起しました。被曝労働を強制するJR水戸支社に対するほとばしる怒り、働く仲間への絶対的な信頼、われわれこそが第一組合だという自信と確信が当局を追い詰め、交番検査の強行を三たび粉砕しました。当局は簡易交番検査は行ったと強弁し福島に車両を搬送しました。絶対に許せません。
国鉄決戦はいま国鉄分割・民営化攻撃との30年にわたる闘いに決着をつける重大な転換点を迎えました。「国鉄方式」=国鉄改革法に依拠した「国鉄とJRは別法人」の大ペテンで、多くの労働者が首を切られ非正規職にたたき込まれてきました。これを決定的に暴く証拠が動労千葉鉄建公団訴訟で明らかになりました。国鉄分割・民営化が不当労働行為そのものであったことが大社会問題化したら、日帝の労働者支配の根幹が吹っ飛びます。だから東京高裁・難波孝一裁判長は一切の証人申請を拒否し結審を強行したのです。
情勢の主導権は私たちにあります。「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名を集めきり、9・25反動判決を阻止しましょう。
7月14日には、「市東さんの農地を守ろう!全国集会」が千葉市内で全国から900人の結集でかちとられ、7・29農地強奪判決阻止へ闘いぬく戦闘宣言を発しました。あらゆる意味で決戦はこれからです。
●強大な革共同の建設を!
4カ月決戦の進撃を前に、スパイ荒川を摘発・打倒したことは決定的でした。この闘いはすべての労働者人民の勝利であり、4カ月決戦の勝利を根底で保障しているのです。
「党と労働組合の一体的建設」を地区党建設として闘いとっていく核心は、労働者党の建設は労働者自身の闘いだということです。革共同はカンパをはじめとした労働者人民からの多大な協力によって、非合法・非公然の党体制をつくり上げ、常に闘いの先頭にあり続けてきました。この勝利は労働者人民の勝利です。まさに党と階級は一体です。
革共同は、すべての労働者人民に熱烈に訴えます。いまこそ革共同に結集し、ともにプロレタリア革命の勝利まで闘いぬきましょう。4カ月決戦へ、さらに飛躍し闘いぬくための圧倒的なカンパをお願いします。
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週刊『前進』(2594号3面3)(2013/07/29 )
JP労組大会決戦へ
新一般職の承認を絶対阻止し国鉄と一体で闘う労組再生を
革共同全逓委員会
参院選闘争は、山本太郎氏の当選という巨大な勝利を実現しました。他方、連合・民主党は惨敗し、比例区では、連合・JP労組本部がこの2年間全力を挙げてきた組織内候補・定光克之が、前回の参院選での候補・難波奨二より2万4千票も減らして落選しました。労働者は、連合・JP労組本部にNOを突きつけたのです。今こそ階級的労働運動を職場で実践し、闘う労働組合の拠点を建設しよう。
参院選勝利の上に9・25国鉄反動判決阻め
日本階級闘争の基軸としてこの四半世紀にわたって闘いぬかれてきた国鉄決戦の位置は限りなく大きい。国鉄分割・民営化は、労働者からすべての権利を奪いつくす攻撃の出発点です。郵政民営化も国鉄分割・民営化なくしてなかった。そして現在も、公務員労働者の雇用・賃金を破壊することで全労働者を無権利状態にたたき落とすため、「国鉄方式」による全面的な民営化攻撃を激化させています。この日帝の大攻撃を通用させてきたのは、既存の労働組合指導部の屈服です。
労働者階級は、この国鉄分割・民営化攻撃を粉砕する決定的武器を手にしました。動労千葉の鉄建公団訴訟は「国鉄改革法23条の壁は破れない」という労働運動をおおった敗北主義をうち破る真実をついに暴き出したのです。
国鉄改革法を使った分割・民営化のすべてが国家的不当労働行為であったことが明らかとなれば、これまで労働者を襲った攻撃も、これから安倍や橋下が狙う攻撃もすべてその根拠を失い崩壊します。だから日帝権力中枢は、動労千葉と革共同を分断・解体して国鉄闘争を圧殺するために躍起となってきました。そのために内閣情報調査室と公安調査庁は、希代のスパイ・荒川碩哉を送り込みました。しかし革共同は、階級的労働運動路線を推進し、党と労働組合の一体的建設と地区党建設の前進の中で、スパイ荒川を摘発し打倒する歴史的勝利をかちとりました。
87年の国鉄分割・民営化以来26年間貫かれてきた国鉄闘争は、世界に比類のない民営化反対の闘いであり、すべての労働者・労働組合の未来を切り開く闘いです。また動労千葉とともに国鉄分割・民営化絶対反対を貫き、今日、フクシマと連帯し被曝労働を拒否してストライキで闘う動労水戸の闘いは、全世界の労働者の共感を生み出しています。
新一般職導入は10割非正規化の突破口だ
9・25反動判決粉砕に向けて階級的力関係を一気に変えよう。その突破口は参院選闘争の勝利によって切り開かれました。新自由主義の破綻の中で怒りをつのらせている青年たちを中心に、安倍政権に対する100万人の反乱が始まりました。郵政労働者は国鉄決戦と反原発100万人決起を職場から闘いぬき、9・25反動判決絶対阻止に向けて闘おう!
8月20〜22日に長野市で開催されるJP労組大会は、労働者階級全体の未来をかけた大攻防となりました。連合・JP労組本部は、8月大会で新人事・給与制度と一体で「限定正社員」である新一般職の導入を承認しようとしています。
「限定正社員」は今春、安倍政権の産業競争力会議や規制改革会議で提案された「アベノミクス」の成長戦略が掲げる最も重大な攻撃であり、安倍政権が「正社員より解雇しやすい」と来年度中の法制化を目指している大攻撃です。郵政資本は、この「限定正社員」=新一般職を来年4月から導入すると、労働者階級へ挑戦状を突きつけてきました。この新たな大攻撃を連合JP労組本部は8月大会で承認しようというのです。絶対に粉砕あるのみです。
新一般職は、10割非正規職化に向けた大攻撃の始まりです。新一般職の導入は、一握りの管理職と管理職候補以外は全員を非正規職化し、非正規職労働者の中により一層の分断と競争をもたらす攻撃です。
連合・JP労組本部は、「業職種限定社員」制度の導入を進めるJR東労組カクマルと同じようにアベノミクスの最先兵になろうというのです。郵政やJRでのこうした攻撃は、全社会的に労働者の雇用と権利を破壊し、労働組合を解体するための突破口です。安倍政権の「解雇自由」化攻撃に労働組合が手を貸すことなど、断じて認められません。
さらには、新給与制度は、「現行基本給の2割カット」+「役割成果給」という大幅賃下げ攻撃です。「原給保証」は導入の方便であり、何年も続くものではありません。そもそも、斎藤次郎社長(当時)が「郵便事業は、民間物流に比べて給与水準が2割程度高い。賃金を成果主義に変えるなどが念頭にある」(日経新聞12年5・9付)と公言したように、あらかじめの給与削減計画です。JP労組本部は、こんな給与の大幅削減制度を「頑張った者が報われる制度」というペテンをもって導入しようとしているのです。
郵政労働者は、全労働者の未来をかけて「限定正社員」=新一般職の導入を阻止しよう。8月JP労組大会で新人事・給与制度の承認を絶対に阻止しよう。
職場の怒りを組織し、攻撃を団結に変える
郵政民営化は大破産しました。その矛盾はすべて現場労働者に押しつけられています。〈死に至る交通事故や郵便事故の激増>〈始末書と処分の乱発>〈カモメールや年賀の自爆営業>〈スキルダウンと雇い止め解雇>〈退職強要>〈管理職の暴言による精神的屈辱行為>などなど、最大の問題は極限的な合理化・人減らしによる労働強化です。引き続く雇い止めと退職者の不補充等により、現場は一人二人の欠員は当たり前。3〜4時間の超勤や休日出勤でやっと回している状態です。メンタルで休まざるをえない労働者も続出しています。職場の怒りは限界です。この現状を生み出した責任の過半はJP労組本部にこそあります。しかし動労千葉や動労水戸が示しているように、労働組合が職場の怒りを結集し、闘う方針を打ち出していくことで合理化攻撃は打ち破ることができます。問題は、敵の攻撃を労働者の団結に転化し、闘う拠点をうち立てることです。
今わが同志を先頭に全国の職場で闘いが始まっています。自らの職場ニュースを作り闘う方針を提起して新しい仲間を組織する闘い、スキルダウンや雇い止め解雇に対して、分会を組織して反撃し新たな団結を組織する闘い、国鉄10万人署名を職場の同僚に一人ひとり訴え獲得する闘いなどが前進しています。
今こそ全職場で反合理化・安全闘争を闘おう。マルクス主義の思想を日々の労働の中で復権しよう。資本の合理化攻撃は、職場によって同一ではありません。共産主義者として、自分の職場を誰よりも知ろう。そして、ともに闘う仲間を組織しよう。
その組織化の武器は、国鉄10万筆署名運動と動労千葉物販運動、動労千葉を支援する会運動です。国鉄決戦と一体で郵政職場において反合理化闘争を闘おう。すべての組織化の闘いを権力獲得をめざすフラクション運動として展開しよう。そのための組織戦術の緻密(ちみつ)化を地区党・細胞で討議し実践しよう。
郵政非正規ユニオン1千人建設をかちとり、JP労組本部に取って代わる闘う団結を職場につくり出そう。8月JP労組大会に向け支部・分会・有志等々で、新一般職と新人事給与制度導入絶対反対の決議・声を上げていこう。8・5〜6ヒロシマから8月JP労組大会闘争を闘いぬき、機関紙の拡大を軸に細胞建設・拠点建設の闘いを全職場で大胆に進めよう!
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週刊『前進』(2594号4面1)(2013/07/29 )
さあ次は8・6広島-8・9長崎だ
広大自治会は反核・反原発の怒りの最先頭に立って闘う
マルクス主義学生同盟中核派・広島大学支部
1年生中心に自治会再建
7月5日、百武拓委員長を擁する広大学生自治会が再建された。4月から始まった自治会再建運動は、1年生を中心に4けたの広大生の決起を生み出し、新自由主義大学のど真ん中でゼロから自治会を再建する歴史的偉業を成し遂げた。
百武君は一貫して福島原発事故への広大当局の対応を弾劾し、「フクシマとつながろう!」「広大をフクシマに向き合える大学にしよう!」と訴えた。佃和夫(三菱重工元会長・現相談役)が経営協議会に巣食い、神谷研二(副学長)ら御用学者を全力で育成する「原子力ムラ」の支配は、この事態に根本から動揺している。広大当局よ、学生の団結の前に震え上がるがよい!
この勝利は、約67万票を得て当選した参院選・山本太郎氏の勝利と一体だ。反原発100万人決起を巻き起こし、青年・学生の怒りの最先頭に立つリーダーとして山本太郎氏が屹立(きつりつ)している。ブルジョア国家そのものを粉砕する革命の胎動が始まった。さらに広大自治会再建は、被曝労働拒否のストライキに立ち上がった動労水戸の闘いとも一体だ。キャンパス・職場から「フクシマの怒り」とつながり反原発闘争をつくり出す中で、原子力ムラの支配は粉砕できる。
7月の闘いは、原発再稼働・TPP・改憲に突進する安倍政権との全面対決として、今夏−今秋の100万人決起の可能性を示している。よみがえった広大自治会は、再稼働阻止−安倍打倒の牽引(けんいん)車としてキャンパスから実践を開始する。その第一歩として8・6ヒロシマ世界大会への広大生の大結集を呼びかける。広大生こそ、「全原発廃炉・核廃絶」世界大会の2日間で持てる力のすべてを発揮し、全世界に原発反対・核廃絶を訴える先頭に立とう!
「原発安全」の虚構を砕け
8・6ヒロシマ闘争は、政府・原子力産業・御用学者が総力で演出する「原発・放射能=安全」「福島=安全」の大虚構を、ヒロシマ−フクシマ連帯で打ち砕く闘いだ。「低線量内部被曝」の事実を抹殺し、「100_シーベルト以下の被曝による健康影響は分からない。それが広島・長崎の知見だ」というデマを吹聴する広大・長崎大の御用学者を徹底追及しよう。広島から「全原発廃炉・核廃絶」を呼びかけた時、全世界の意志を一つに統一できる。すでにドイツ・アメリカからの参加も決まっている。8月5〜6日から反原発100万人決起を主体的に手繰り寄せよう! それは絶対に可能だ。
核・原発との非和解性の原点は原爆投下の実相そのものにある。1945年8月6日に広島、8月9日に長崎に投下された原子爆弾によって広島で14万人、長崎で7万人が虐殺された(同年末までの数字)。原爆が炸裂した瞬間に放出された放射能が人体の細胞組織を破壊し、超高温の巨大な火球が出現し、何千度にも上る熱風が地上のものをことごとく焼き尽くした。火球は猛烈なスピードで膨張し衝撃波(空気の塊)が発生、この風圧で頑丈なコンクリート以外は跡形もなく破壊された。「わずか10秒間で一つの街が消滅した」(原爆開発「マンハッタン計画」参加者ロバート・クリスティ。『原爆投下・10秒の衝撃』より)。それは帝国主義戦争がもたらした人類史上類例をみない大惨劇だ。そして「黒い雨」「死の灰」と呼ばれる放射性降下物による内部被曝は、68年たった今も被爆者の体をむしばみ続けている。
こうした「地獄」を生き抜いてきた被爆者の「核と人類は相いれない!」という叫び、「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな!」という誓いは、戦後の反戦運動と労働運動のスローガンとなってきた。しかし、3・11福島原発事故でまたしても核の惨禍は引き起こされた。こんな悲劇はわれわれの世代で終わりにしよう。原発を含むすべての核を廃絶しよう。
経営協議会−安倍打倒へ
「フクシマとつながろう!」を掲げた広大自治会建設は、法大闘争7年でつかみとった「『教育の民営化』粉砕!」の路線の実践だ。百武君は、大学民営化(=04年国立大学法人化)で制度化され今や「原子力ムラ」の巣窟となった「経営協議会」を問題にし、「経営協議会と対抗できる団結をつくろう!」と訴えた。経営協議会とは、学内委員のほかに学外委員を設け、そこに文科省関係者、原子力産業のトップなどが入り込み、各大学の運営を監視・評価する機関だ。それは、日帝ブルジョアジーの意に沿う「大学改革」を大学に実行させる強制装置だ。
広大は医学部出身の浅原利正学長体制のもと(07年以降)、09年に経営協議会に原発プラントメーカーである三菱重工の佃和夫会長を入れ、「被爆地大学」を売りに「核の平和利用」を積極推進する大学路線を鮮明にした。「広島・長崎の知見で世界に貢献する」とうそぶき、「人材育成・共同研究」でIAEA(国際原子力機関)の天野之弥事務局長に協力を申し出て「覚書」を締結した(10年)。
IAEAは帝国主義の原発推進機関だ。原発普及のためには、「原発・放射能=安全」神話の普及が必要だ。ABCC(原爆傷害調査委員会)の研究成果、すなわち広島・長崎の御用学者の研究成果で、被爆の人体への影響は原爆炸裂時の初期放射線の届いた範囲(半径2`圏内)で測られ、「黒い雨」「死の灰」など放射性降下物による内部被曝の影響は意図的に無視された。その結果、「100_シーベルト以下なら影響はない」というデタラメが「安全基準」(ICRP〔国際放射線防護委員会〕基準)となり、原発内労働も放射性物質をばらまくことも「低線量だから大丈夫」として被曝が容認されていった。
国立大学法人体制下、「核の平和利用」で延命を図る浅原学長路線は、福島原発事故に直面してさらに純化していった。事故後ただちに御用学者・神谷研二を福島に派遣した理由も、神谷に「今後福島で健康被害は起きない」と断言させ、反原発・反核の声を圧殺するためだったのだ。
原発の推進へ人材育成狙う
さらに浅原学長体制のもとで、10年から「平和科目の必修化」(単位取得の義務化)が始まった。神谷も授業を担当し、1年生に「福島への広大の貢献」が語られている。昨年からは、IAEAや三菱重工ら原子力ムラの連中と一緒に「放射線災害復興を推進するフェニックス・リーダー育成プログラム」を開設した。天野IAEA事務局長が「世界の原発数は今後20年で現在の2倍に達する」(今年5月)と公言し、三菱重工などが原発海外輸出に血眼になっていることからも明らかなように、世界で原発を推進するために「第2、第3のフクシマ」に対応できる人材を広大は育成するというのだ。そのために4月から神谷を副学長に昇格させた。絶対に許せない! しかも佃は安倍政権の「教育再生実行会議」の副座長である。
04年法人化(教育の民営化)をもって、大学はもはや「学問の府」や「教育・研究機関」ではなくなった。日帝ブルジョアジーの金もうけと支配の道具になった。キャンパスでの闘いはストレートに政府・ブルジョアジーとの政治的激突となった。だからキャンパス支配権を確立する学生自治会建設は革命に向けた闘いそのものだ。
今年6月20日、学生の申入書に対し「受け取り拒否」を命じたのは経営協議会委員だ。学生抑圧と福島圧殺を行っているのは同一人物だ。経営協議会(国立大学法人体制)打倒と安倍政権打倒は一体だ。その構造をがっちりつかんで反原発・御用学者追放闘争を高揚させ、学生自治会を再建したことは決定的だ。9月全学連大会に大結集し、全国の大学で学生自治会を再建しよう。あらためて、全国の学友に8・6ヒロシマ闘争への参加を呼びかけます。
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【要項】8・6広島-8・9長崎反戦反核反原発闘争
広島
被爆者とフクシマの怒りをともにし実現しよう
全原発廃炉・核廃絶8・6ヒロシマ世界大会
再稼働阻止!全原発廃炉!ヒロシマ世界大会
8月5日(月)午後3時〜6時
アステールプラザ中ホール(広島市中区加古町4―17)
アメリカ・ドイツから ほか/被爆者・被爆二世、福島からの訴え、各地の反原発運動/被曝労働阻止をたたかう労働組合
主催 8・6ヒロシマ大行動実行委員会
すべての原発いますぐなくそう! 全国会議(NAZEN)
ヒロシマ・アピール集会
8月6日(火)午前7時 原爆ドーム前
8時15分 黙とう後、首相式典出席抗議、中国電力包囲のデモ行進
8・6ヒロシマ大行動大集会
12時半 広島県立総合体育館小アリーナ(広島市中区基町4―1)
午後2時半 市内デモ行進
主催 8・6ヒロシマ大行動実行委員会
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長崎
8月8日(木)正午 長崎大学本校 山下俊一と長崎大学への弾劾行動
午後2時 九州電力長崎支社申し入れ行動
長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼式典
8月9日(金)午前7時半 爆心地公園の原爆朝鮮人犠牲者追悼碑前
主催/長崎在日朝鮮人の人権を守る会
8・9安倍首相平和式典出席弾劾デモ
午前10時 城栄公園(路面電車・大橋下車)
8・9フクシマの怒りとともに 被ばく68周年長崎集会
午後1時30分 長崎県勤労福祉会館(路面電車・公会堂前下車)
主催/すべての原発いますぐなくそう! 全国会議ナガサキ
協賛/8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
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週刊『前進』(2594号4面2)(2013/07/29 )
倉澤さん「8・6処分」撤回闘争
仲間との団結に誇り
「処分撤回」請求棄却を弾劾
7月16日、広島県人事委員会・加藤誠委員長は、2009年8月6日の「原爆の日」に年休権を行使して8・6ヒロシマ大行動に参加した広教組組合員・倉澤憲司さんへの不当処分撤回の請求に対して、これを棄却する裁決を行いました。
翌17日、倉澤さんと「8・6処分を撤回させる会」は記者会見を行い、不当裁決を強く弾劾し、「全原発廃炉・核廃絶8・6ヒロシマ世界大会」の勝利へ闘うことを表明しました。
広島県教委は「09年8月6日の10年経験者研修への参加を命じた校長の職務命令に違反した」として倉澤さんを戒告処分にしました。8月6日に官製研修を行うこと自体が許し難いことです。研修を拒んで8・6ヒロシマで反戦・反核を訴えた倉澤さんへの処分に対し、被爆者、広教組組合員を始め全国・全世界から抗議が沸き起こりました。県教委はこの怒りに押され、翌10年から8月6日に官製研修を入れることをやめました。この一点でも倉澤さんの処分の不当性は明らかです。
広教組本部に対しては多くの組合員が「処分撤回へ組合が闘うべき」と声を上げました。しかし広教組本部は「個人がやったこと」として取り組みを拒否。倉澤さんとともに闘う仲間は「8・6処分を撤回させる会」をつくり、09年10月の提訴以来4年の人事委員会闘争を闘ってきました。
画期的なのは、審理のすべてを倉澤さんと代理人でやりぬいたことです。傍聴にも毎回多くの仲間が駆けつけました。審理では、不起立などで多くの処分を下してきた県教委元教育長の林誠が人事委員であることを追及。4年に及ぶ審理で、処分の不当性は完全に明らかになりました。
5月31日には代理人2人と倉澤さんが最終意見陳述を行いました。高教組組合員は「子どもたちに『どんな職場でも働いている人は誇りを持って働いている』と教えたいのに、学校ではおかしな命令に従わされる。この現実を変えるために行動した倉澤さんに感謝したい」と訴え、広教組組合員で被爆二世の平野綾子さんは「この処分は被爆者・二世・三世を始め反戦・平和を願う世界の労働者民衆に敵対するもの」と弾劾。倉澤さんは「人事委闘争をとおして多くの仲間と団結をつくってきたことに誇りを持ち、処分撤回まで闘う」と堂々と宣言しました。満席の傍聴席から拍手が沸き、県教委は何も反論できませんでした。
今裁決を受けて倉澤さんは訴えています。「私たちはすでに勝っています。労働者が取るべき行動は、不当なことには団結して立ち向かい、実力で闘うことです。原発再稼働・輸出と核武装、憲法改悪を狙う安倍を労働者の団結でぶっ飛ばしましょう。8月5日の全国教育労働者交流集会では、ストライキで闘う組合を職場からつくるために討論を行います。ぜひ参加してください」
倉澤さんの呼びかけに応え8・5〜6ヒロシマへ。
(広島県労組交流センター教育労働者部会)
(写真 5月31日の県人事委員会の公開審理で、代理人2人と倉澤さんが最終意見陳述【広島市】)
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週刊『前進』(2594号4面3)(2013/07/29 )
経産省前テント裁判 “訴状の半分は虚偽”
訴訟の取り下げを要求
7月22日午後2時から東京地裁103号法廷において、国が提訴した経産省前テントへの「明渡請求訴訟」の第2回口頭弁論が行われた。この提訴は安倍政権と経産省による全国の原発再稼働と一体の攻撃であり、断じて許されないものだ。
炎天下、地裁前に約400人の労働者民衆が結集した。午後1時、抗議行動が始まった。テントひろば代表で「被告」の渕上太郎さんは「参院選で山本太郎さんが勝利した! 皆さんの大きな力の結果だ。私はこれから先も山本さんとともに、皆さんとともに闘う。本日の裁判を頑張る」と高らかに決意を語った。
続いて福島の女性たちが発言に立った。郡山市の橋本あきさんは「テント裁判をさわやかに、ねちっこく頑張っていきたい」と表明。郡山市の黒田節子さんは「今日は5人で来ている。私たちはすべてをかけて、福島のことを訴えにやって来ている。今後ともご支援を」と語った。原発30`圏内から田村市の西側に避難している渡辺ミヨ子さんは「私たちは原発難民になってしまった。テントは私たちが失った家がここにあるようなものです。私たち原発難民のためにもぜひとも守ってください」と訴えた。
弁論では求釈明が行われ、弁護士が、訴状に添付された写真で「被告」の正清太一さんとされる人物が別人であると指摘。さらに具体例を示して訴状の半分は虚偽であると弾劾し、「訴訟を取り下げるべきだ」と迫った。提訴が原発再稼働のための正義性の一片もない暴挙であるだけでなく、裁判としてもでたらめ極まりないことが満天下に明らかとなった。
午後4時から弁護士会館で報告集会が行われ、弁護団などが発言。福島の女性を代表して駒崎ゆき子さんが「子どもと妊婦だけでも避難させたい。私たちはテントの前で福島の現状を訴えることができた。それが福島の子どもたちの支援につながる。そのためにはテントは絶対になくしてはいけない」と心から訴えた。
(写真 東京地裁前での抗議集会で横断幕を掲げる福島の女性たち【7月22日 霞が関】)
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週刊『前進』(2594号4面4)(2013/07/29 )
官邸前 原発建設許さぬ
大間の小笠原さんが訴え
7月19日午後6時から恒例の首相官邸前・国会前の反原発金曜行動が闘われ、安倍政権の原発再稼働策動に危機感を持った多くの労働者市民が駆けつけた。中でも原発立地の住民の発言が注目を浴びた。
青森県下北半島の大間町で電源開発(Jパワー)の大間原発建設に反対して闘っている”あさこはうす”の小笠原厚子さんが駆けつけ、マイクを握った。(写真)
「大間原発は世界で初めてのフルMOXという原発です。なんとしてもこの大間原発の工事を中止させる、その思いでがんばっています。今みなさんがこういう形で大間原発反対を訴えてくださる、すごい勇気をいただきました。この勇気を持ち帰り、私はまた大間原発反対を訴え、隣の土地でがんばります」
さらに北海道電力の泊原発に反対する女性が、「北海道には泊原発があります。再稼働にならないために、今日は北海道から来ました。みんなの元気をもらって帰って、地元で運動したいと思います」と発言した。
東京と現地の闘いは一体だ。参議院選挙での山本太郎さんの勝利から再稼働阻止に向けて突き進もう。
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週刊『前進』(2594号4面5)(2013/07/29 )
2013年日誌 7月16日〜22日
米デトロイト市が財政破綻/集団的自衛権、議論再開狙う
●TPP年内妥結絶望か 環太平洋経済連携協定(TPP)の21分野で実施される交渉のうち5分野で、米国やオーストラリアなど先行11カ国の交渉がほとんど進展していないことが分かった。(16日)
●首相「早期に普天間移設」 安倍晋三首相は沖縄で街頭演説。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の一日も早い移設を実現したいと表明。(16日)
●ロシアが極東で軍事演習 ロシアのプーチン大統領は、ロシア極東サハリン州を訪問、13日から極東一帯で行われている「ソ連崩壊後最大規模」(約16万人)の軍事演習を視察した。(16日)
●エジプト暫定内閣発足 イスラム系のムルシ前政権がクーデターで崩壊したエジプトで、ベブラウィ首相を首班とする暫定内閣が発足した。閣僚は世俗・リベラル派から登用され、イスラム色は排除された。(16日)
●首相、石垣海保を視察 安倍首相は参院選の応援で沖縄県石垣市を訪れ、同市の尖閣諸島周辺で警備にあたる海上保安庁の石垣海上保安部を視察した。現職首相の石垣訪問は1972年の沖縄の本土復帰後初めて。(17日)
●米デトロイト市が財政破綻 米ミシガン州デトロイト市は、連邦裁判所に対して破産手続きの申し立てをした。負債総額は180億j(約1兆8千億円)以上あるとされ、米自治体の破綻としては過去最大になる。(18日)
●甲状腺被曝者、公表の10倍 福島第一原発事故で、がんが増えるとされる100_シーベルト以上の甲状腺被曝をした作業員が、推計も含め2千人いたことが分かった。対象を広げ詳しく調べ直したことで、昨年12月の公表人数より10倍以上増えた。(19日)
●東電が管理職に一時金10万円 東京電力は中核社員の流出を食い止めるため、課長級以上の管理職約5千人に1人10万円を一時金として支給することを明らかにした。(19日)
●衆参で与党過半数に 第23回参院選の投開票が行われ、与党の自民・公明両党で衆院と同じく、非改選と合わせて過半数(122議席)に。投票率は前回の57・92%を下回る52・61%で戦後3番目の低さだった。(21日)
●集団的自衛権、8月にも議論 安倍首相は集団的自衛権行使容認に向けた議論を8月にも再開する考えを表明、関連法の整備を政府提出で行う意向も示した。(22日)
●韓国「日本外し」で安保会議 韓国と米国、中国の3カ国の政府当局者と民間の専門家が北朝鮮核問題などについて話し合う会議がソウルで開催された。韓国のパククネ政権が新たな枠組みとして掲げる「米中韓戦略対話」の立ち上げに向けた取り組み。(22日)
●海に汚染水、東電認める 福島第一原発の海近くの観測井戸から高濃度の放射性物質が検出されている問題で、東電は汚染された地下水が海に流出しているとみられると発表。(22日)
●普天間ゲートにフェンス 沖縄防衛局は、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの追加配備に向け、米軍普天間飛行場の野嵩(のだか)ゲート前で、民間地と米軍提供施設を区切るフェンスの設置工事を強行。(22日)
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週刊『前進』(2594号5面1)(2013/07/29 )
9月全学連大会の大成功を
反原発100万人決起を実現し青年・学生の反乱で安倍倒せ
革共同中央学生組織委員会
参院選での山本太郎氏当選の大勝利を引き継ぎ、全国の学生は9月全学連大会へ大結集しよう。反原発100万人決起は実現できる! 青年・学生の怒りの反乱で「大失業と戦争」の安倍政権にとどめを! 全学連大会をその突破口としよう。
参院選挙闘争の勝利と広大自治会建設バネに
山本太郎氏勝利の根底には3・11原発事故で顕在化した新自由主義の大破産への怒りがある。山本氏はそれを「被曝=人間存在の否定」と表現した。まさにそうだ。
「被曝という問題と、核政策・核武装の問題、これは本当に一つの問題です。今、日本政府の最大の弱点、最大の危機は被曝問題です」(革共同全国代表者会議基調報告、『共産主義者』177号所収)。
被曝(被曝労働)の強制は日帝の原発・核政策の矛盾である。資本主義では労働力が商品となり、労働の誇りは奪われ、労働は資本の価値増殖の手段となる。「賃労働と資本の非和解性」の究極が被曝労働であり、それは「人間存在の否定」だ。ここにプロレタリアートの内乱の火種、革命の根拠がある。内部被曝問題を押し隠すブルジョア国家への怒りが高まり、福島との連帯を貫く直接行動が始まった。
「絶対反対」がすべてを獲得する。山本氏は「国会で条件闘争では勝てない」と訴える。議会内取引ではなく、ブルジョア議会のペテンを暴露し、打倒を目指して反乱を組織するのが革命的議会主義の神髄だ。山本氏の闘いは、「『何でも反対』は事実と違う。共産党は国会で6割の法案に賛成している」(日本共産党・志位和夫委員長。19日名古屋で)と語るスターリン主義の体制内的腐敗の対極をなす。
「3・11世代」の新たなリーダーとして山本太郎氏が登場した。それは7月の広島大学学生自治会再建と一体だ。放射線被害を隠蔽(いんぺい)する御用学者の犯罪性を弾劾し、内部から打ち破る学生の団結をつくった。反原発闘争での社会変革の展望を示した。
全学連大会へ条件はそろった。全国学生運動の大爆発で山本氏の勝利に応えよう。参院選での100万人決起の息吹をキャンパスに持ち込もう。
全学連大会の課題は、自治会建設運動の拡大と300万学生の獲得へ課題と方針を明らかにすることだ。新自由主義大学(=法人化大学)と激突してきた闘いの地平を主体的にとらえ返そう。
法人化大学−教育の民営化と徹底対決しよう
04年4月からの法人化大学(国立大学法人)は今年で10年目だ。われわれは、法人化大学との10年の闘いを勝利的に総括できる。一昨年7月の東北大全国集会で打ち立てた「反原発闘争で自治会建設へ」の方針が東北大−京都大−広島大で次々物質化している。
われわれは法大不当処分阻止闘争から、08年に「一人の仲間も見捨てない! これ以上の大学の暴挙を許さない! キャンパスを学生の手に取り戻せ!」のスローガンを確立した。それは、09年に「『教育の民営化』粉砕!」へ発展した。さらに「11年3・11」で暴き出された大学の腐敗に怒り、「御用学者追放!」の闘いを猛然と開始した。それは「新自由主義と闘う学生運動」の創成であり、「学生自治会建設」として組織論的に定式化した。
国鉄と一体の「教育の民営化」
法人化大学に対する大衆的な絶対反対闘争の歴史を総括したい。新自由主義攻撃としての法人化大学は、中曽根政権の臨教審答申(85〜87年)が出発点だ。ここで公然と「教育の自由化」が論議された。「第二臨調」(81〜83年)−国鉄分割・民営化(87年)と一体で、「教育の民営化」と教育労働運動・学生運動の根絶を狙う攻撃だ。
臨教審路線が階級的反撃で破産する中、96年以降の「橋本行政改革」の一環に「教育改革」が据えられ、「国立大の独立行政法人化」が始まる。01年「小泉構造改革」での「大学改革」攻撃の実相は、「遠山プラン」(同年6月、遠山敦子文科相提出)にある。「国際競争力のある大学づくり」を基調に、@「国立大の再編・統合を進めて活性化」A「民間的発想の経営手法を導入する法人化」B「第三者評価の競争原理を導入し国公私立『トップ30校』を世界最高水準に育成」と呼号した。全大学を新自由主義的競争にたたき込み淘汰(とうた)する日帝の階級意思である。03年に「国立大学法人法」が成立、04年4月から国立大学法人へ移行する。
東北大バリストから法大闘争へ
しかしこれは物事の半面だ。法人化までの20年、法人化後の10年の闘いは敵に大破産を強制した。文科省は今年6月に「今後の国立大学の機能強化に向けての考え方」を発表したが、十年一日に「人材・システムのグローバル化を」と唱え、「大学改革」が進まぬいらだちを吐露している。
法人化大学への反撃は、00年11月の東北大バリケード・ストライキから始まった。「法人化絶対反対!」の大衆的ストは支配階級に痛打を与える。これに驚いた日帝と東北大当局は、翌年4月に東北大学学生自治会を非公認化し、9月に有朋寮「廃寮決定」を下す。東北大学生運動は一歩も引かず、03年2月の有朋寮・古郡陸君(理学部1年、当時)への無期停学処分をのりこえ、3月末「在寮期限」を越えた実力居住闘争を開始する。
04年には、自治会−寮−サークルの闘いを結合した全国結集闘争を12月に打ち抜く。これは、当時学生会館解体攻防の最中にあった法大生との連帯を求めた闘いだった。有朋寮は、05〜06年の三度の反動判決(地裁−高裁−最高裁)と強制執行策動に抗してバリケード籠城(ろうじょう)戦を闘う。有朋寮闘争は実力闘争を復権した。東北大生と全国の学生は、小泉改革と国立大学法人化に絶対反対の実力闘争で団結を維持した。
「06年3・14」以降の法大闘争は、この「前史」を大飛躍させる。04年の学館解体の悔しさをバネに、法大生は法大闘争に猛然と決起する。07〜08年の学生本部団体解散攻撃に対峙し、新生文化連盟を生み出した。この闘いに感動し、全国から学生が続々と法大に駆けつけた。逮捕された125人すべてが完全黙秘を貫徹した。09年「暴処法」弾圧も粉砕した。
この全過程は、「明大→早大→東大駒場寮」と続く首都圏学生運動の壊滅を狙った権力の思惑を打ち砕いた。法大闘争は、一方での権力・資本との非和解的闘争、他方での御用学生団体との対決で、新自由主義大学での闘いの展望を示した。
3・11福島原発事故から法大闘争はさらに発展する。昨年10月のキャンパス大集会後に無期停学処分を下された武田雄飛丸君(文化連盟委員長)が裁判で、「学生運動を弾圧し規制を強行するあり方と、反原発運動を弾圧し御用学者を居座らせるあり方は一体だ。学生の存在がおとしめられ、大学が資本と国家に従属するあり方が続く限り、法大闘争は終わらない」と宣言したとおりだ。
「原子力ムラ」が示す大学の腐敗
法人化大学は一つに、大学を経営協議会(学外委員が半数以上)が牛耳ってブルジョアジーが教育・研究を制圧する。二つに、「予算削減重圧」と「大学の目標・計画の評価」による国家統制強化だ。三つに、そのあり方が国公私立全大学を規定する。四つに、学生運動解体攻撃を激化させる。それは、「大学は原材料を仕入れ、加工して製品に仕上げ、卒業証書という保証書をつけ企業へ出す。これが産学連携だ」(高橋宏・首都大学東京前理事長)、「独立行政法人制度は、目標・計画の設定や定期的な業績評価で国の意思を法人運営に反映させる」(00年自民党文教部会提言)に象徴される。
法人化大学の腐敗は3・11で決定的に暴き出された。原子力ムラと御用学者こそ新自由主義大学のなれの果てだ。これを打ち破る道は、反原発闘争と御用学者弾劾で怒りを束ね学生自治会への団結を組織することだ。
その一つは、法大闘争と同質の「絶対反対闘争」を全国に拡大することだ。いま一つは、福島と連帯し反原発闘争を拡大・推進することだ。「当局との話し合い」は闘争の一つの結果であり、目的ではない。スターリン主義=民青の自治会論の腐敗は、学生の団結に依拠した闘いを放棄し、大学当局を協調可能な相手としてすり寄ることに始まる。絶対反対闘争からつくられる大衆的うねりで、学生自治会建設を進めよう。
プロレタリア革命勝利へ闘う自治会建設を!
御用学者追放闘争で原発に連なるあらゆる勢力をキャンパスからたたき出そう。広島大学の神谷研二、京都大経営協議会の葛西敬之(JR東海会長)、福島県民健康管理調査検討委員会の清水修二(福島大)、稲葉俊哉(広島大)、室月淳(東北大)らを大衆的怒りで包囲しよう。それは、再稼働阻止を焦点に安倍政権打倒への政治的決起をつくり出す闘い、階級的労働運動の飛躍をかちとる動労千葉鉄建公団訴訟9・25反動判決阻止の闘いとも一体だ。
大学闘争と政治闘争は密接不可分に発展する。学生運動は階級闘争全体を牽引する政治的起爆剤となる。闘う学生自治会の全国結集体として全学連を建設しよう。
第一に、「招請状」を武器に全学連大会への空前の結集を目指して組織戦を開始しよう。あらゆる学生自治会に「招請状」を持ち込み、大討論を巻き起こそう。第二に、8・6ヒロシマ闘争の高揚をかちとろう。第三に、学祭規制粉砕と不当処分撤回へ正念場の法大闘争を全力で闘おう。新たな法大生が続々と革共同政治集会に結集している。全学連中央執行委員会のもとに団結し、歴史的な大会の成功を目指し、1カ月の奮闘を!
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全学連第74回定期全国大会
9月4日(水)〜5日(木) 東京都内
※参加費1000円(会場代、資料代など)宿泊費は除く
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週刊『前進』(2594号5面2)(2013/07/29 )
星野再審闘争三者協議 写真ネガ複写を要求
目撃供述調書の開示も迫る
7月19日、東京高裁第12刑事部で星野文昭さんの証拠開示を迫る三者協議が開かれた。弁護団6人は全員参加して証拠開示をかちとる決意の強さを示した。この迫力が三者協議の場を圧し、裁判官は、写真ネガの複写要求については「証拠物(ブツ)は任意に開示してはどうですか」と検察官に促した。だが、不当にも検察官は拒否した。
検察官は、写真ネガの複写要求に対して、「弁護側は一郎丸写真に関する『鑑定書』で、鉄パイプ表面の一条の輪について触れていないのだから、これ以上写真鑑定の必要はない」と述べたが、とんでもない主張だ。そもそも第2次再審棄却決定で、一郎丸写真について、「本件鉄パイプの表面には不鮮明ながら損傷らしき痕跡が確認される」などと、言いがかりをつけてきたから、検証の必要性が浮上したのだ。
弁護団の当然の反論に検察官は追いつめられ、「弁護団は写真鮮明化のためにネガの複写を要求しているが、法大暴処法裁判では、あなたたちは検察官が行った鮮明化のためのビデオ映像解析を”ねつ造”だと言ってるじゃないか」と反論してきた。これはまったく不当な言いがかりだ。検察官の主張は、不鮮明な画像を3枚も重ねてプリントして「人物が特定できた」と称するもので、文字通りのねつ造なのだ。
弁護団の鋭い追及の前に、裁判官は検察官に対して「任意では無理ですね」と確認の上、「裁判所で判断します」と述べざるをえなかった。
さらに弁護団は現場目撃者11人の供述調書の開示を要求している。弁護団は、7月18日に福岡高裁宮崎支部(原田保孝裁判長)が大崎事件で福岡高検宮崎支部に未提出証拠リストを開示するように勧告したこと、さらに7月5日に静岡地裁が袴田事件で静岡地検に130通の証拠を開示するように勧告したことを指摘した。
弁護団は、「本件は、星野さんと事件を結びつける物的証拠は何一つなく、星野さんが殴打したとの鉉供述の信用性が争点である。殴打現場を間近から目撃した第三者の証言があるにもかかわらず、その供述内容を検証せずに星野さんの殴打を認定することは許されない」と目撃供述調書の開示を迫った。
弁護団は再度開示を迫る意見書を9月末までに提出し、これへの検察官の意見(反論)を受けて、裁判所が判断をすることになった。
星野さん無実の証拠を検察官が隠して38年も投獄し続けていることは絶対に許されない。証拠開示要求は今や大きな社会の声である。
9・8徳島刑務所包囲デモをかちとり、東京高裁・東京高検をさらに追い詰めよう。全証拠開示大運動をさらに拡大し、「現場目撃者11人の供述調書」の開示と写真ネガの複写を実現しよう。
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週刊『前進』(2594号5面3)(2013/07/29 )
ビデオ国賠最終陳述 保管委託は違法だ
帳簿がないのは故意過失
7月16日、東京地裁民事第45部(山田明裁判長)で第13回ビデオ国賠訴訟が開かれた。星野文昭同志の第一審で証拠採用されていたビデオテープ(1971年11月14日の沖縄返還協定批准阻止闘争を報道するテレビニュースを警視庁が録画したもの)を、裁判所が警視庁公安部に保管委託し、警視庁公安部が紛失した(!)ことを弾劾する訴訟である。
前回、山田裁判長は、「保管委託」と「紛失」に至った経緯を明らかにするための証人申請をすべて却下し、今回で結審を通告してきた。許すことができない!
藤田城治弁護士は、怒りに燃えて、国(裁判所)と都(警視庁公安部)を弾劾する最終意見書を提出し、要旨を陳述した。
国は、警視庁公安部へのビデオテープの「保管委託」を適法だと言うが、刑訴法では大き過ぎるなど「保管に不便」なもの以外の押収物の庁外保管を認めていない。他の事件では、ビデオテープや録音テープは裁判所のキャビネットに他の記録とともに保管されている。保管に不便という事情はないのである。保管委託は違法である。
また、都は、証拠品の保管に当たっては警視庁が帳簿をつけると言いながら、星野同志のビデオテープに限って帳簿が存在しないと言うのである。都の保管態様における故意過失・違法性は明らかだ。
山田裁判長が被告・国と都の違法性を問わないならば、それは星野同志の証拠へのアクセス・保管に対する権利を否定し奪い取るものである。星野同志は獄中38年、自らの無実を証明するために闘い続けている。この当然の権利、闘いに対する真っ向からの敵対であり、断じて許さない。
弁論終了後、東京地裁前で、星野暁子さんを始め救援会の仲間は、裁判所と警視庁の責任を追及するビラをまき、全証拠開示を求める署名活動を行った(写真)。「刑事裁判ではいつも証拠を隠される」と怒りを表し署名に応じた弁護士もいた。
判決は10月15日(火)午後1時10分、東京地裁527号法廷。全力で結集し、何としても裁判所と警視庁に責任をとらせる判決をもぎりとろう。
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週刊『前進』(2594号5面4)(2013/07/29 )
前進社国賠 証人調べ23人請求
最近の司法反動にも警鐘
7月19日、前進社国賠訴訟の第14回口頭弁論が東京地裁民事第1部(後藤健裁判長)で行われた。この訴訟は、09年10月23日の前進社(東京都江戸川区)に対する東京都公安条例違反容疑を口実とした家宅捜索に際して、警視庁が記録媒体1223点を含む1418点を違法に押収したことに対して、損害賠償を請求した訴訟である。
この日までに原告は、違法な捜索差し押さえを強行した警視庁公安部の星隆夫ら11人と捜索令状を発付した裁判官、そして原告と捜索に立ち会った同志ら11人の総計23人の証人調べを請求した。
これに対して警視庁は、被告側の証人としては、捜索令状を請求し、捜索差し押さえの責任者だった川島勇二1人で十分であると主張している。しかし、当日の捜索差し押さえの現場責任者は川島より階級が上の星隆夫であり、1418点もの押収物について、それぞれ押収の判断をしたのは星と各捜索区域の班長であるから、星以下11人の証人調べは不可欠である。1418点もの押収物について、川島1人で差し押さえの判断をしたなどといううそは通用しない。弁護団は申請した全員の証人調べをするよう求めた。
最後に原告の同志が意見陳述を行った。原告の同志は、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審での結審強行、迎賓館・横田弾圧差し戻し審での控訴棄却(逆転有罪判決維持)など、司法をめぐる最近の三つの反動的事件について厳しく弾劾し、警鐘を鳴らした。その上で、星隆夫ら原告請求の証人を全員採用するよう強く要請した。
裁判長は、次回期日に証人採否の判断をする意向を表明した。
次回期日は9月5日午前10時15分、803号法廷だ。傍聴に全力で結集し、原告申請証人の全員採用をかちとろう。
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週刊『前進』(2594号5面5)(2013/07/29 )
チャーター機による強制送還弾劾
国際連帯闘争で新たな入管攻撃打ち破ろう
7月6日、法務省は75人のフィリピン出身者をチャーター機で強制送還した。7月9日にはフィリピン外務省も記者会見し、成人男性54人、成人女性13人、未成年8人の合計75人の送還を明らかにした。チャーター機による強制送還は入管体制の暴力性をあますことなく示している。人権無視、非人道的暴挙に怒りは天を衝(つ)く。
(写真 SYI【収容者友人有志一同】の呼びかけで取り組まれたチャーター機強制送還への抗議申し入れ行動【7月17日 東京・法務省前】)
何が起きたのか
7月5日消灯後の午後10時30分ごろから収容所の居室に多数の警備官が乱入し、暴力的に抵抗を抑え、手錠、腰縄で連行していった。飛行機の中でも手錠、腰縄は外されず、トイレのドアを閉めることさえ許さなかったという。まさに被収容者を人間ではなくモノとして扱って送還を強行したのである。
さらに1〜5歳の子どものうち2人は、事前に品川の収容場で母親とともに収容されていたことが現認されている。入管側は「夫婦や親子がバラバラにならないように配慮した」というが、生活基盤のある日本から追い出しておいて何が「配慮」なのか。
さらにマニラ空港に到着した後、フィリピン政府はハンバーガーとコーラを提供、交通費として遠方の者には1500ペソ(約3400円)、近くの者には1000ペソを支給。行くあてのない人はホームレスなどの保護施設が当面の滞在先となった。
強制送還された54歳の男性は26年日本で暮らしていたが、突然の送還という事態に「(心が)痛いです。『なぜこうなったのか』とみんなが言っている」と語っている。
強制送還するな
チャーター機による強制送還のために今年度予算に3千万円が計上され、フィリピン・マニラと中国・北京へのチャーター便が計画された。6月10日にはチャーター機の入札が行われ、1197万5000円でJALに決定。今回のフィリピンへのチャーター機送還では75人の被送還者と62人の警備官・係官が同乗し、その日のうちに成田に帰着した。
この強制送還計画が明らかになった昨年12月以降、反撃の闘いが進められた。法務省前でのスタンディング行動を皮切りに、3月6日には仮放免者を中心に350人が法務省デモに決起した。6月には牛久収容所では被収容者たちが早期の仮放免の実施、医療など処遇改善とともにチャーター機での強制送還反対を要求し、「帰室拒否」の抗議行動を行った。牛久を始め西日本入管センター、品川収容場、名古屋などでも被収容者の闘いが取り組まれていた。
6・20世界難民デー行動では、品川入管前や牛久駅前での街頭宣伝、渋谷デモなどが各運動体を軸に闘われ、チャーター機による強制送還阻止を訴えてきた。
入管体制の破綻
そもそもなぜチャーター機による送還なのか。
09年7月、入管法改悪が国会で成立した。この改悪入管法は、それまでの入管体制を根本から転換するような大改悪であり、新入管法の制定とも言えるものだった。
戦後一貫して入管体制の実務的柱をなしてきた外国人登録法の廃止と、新たな在留管理制度として「在留カード」制度への転換が盛り込まれた。さらに技能実習制度の確立によって事実上の単純労働力導入が法制化された。
この在留カード制度の実施は09年改悪成立から3年以内とされた。日帝・法務省のプランは、実施まで最長3年間で非正規滞在者をゼロにして在留カード制度を開始するプランだった。
しかし、在留カード制度が始まった昨年7月9日、法務省は仮放免者たちの「私たちも人間だ!」という叫びに取り囲まれた。2500人を超える仮放免者を含む6万7千人の非正規滞在者を抱え込んだままのスタートだった。在留カード制度は発足すると同時に破綻を刻印されたのだ。
2003年、日帝はテロ対策の一環として「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」を発表し、その中で「不法滞在者半減5カ年計画」を打ち出した。入管と警察が一体となって当時25万人余りと言われた非正規滞在者の集中摘発に乗り出した。09年段階で非正規滞在者は12万8千人から13万6千人と推定されており、5カ年計画はほぼ達成された。その期間、過酷な強制送還が行われていたということだ。
こうした中で2010年3月22日、ガーナ人男性スラジュさんが強制送還中に成田空港で死亡するという事件が引き起こされた。入管当局は「心臓疾患」と発表したが、実際は入管警備官の暴力的制圧による窒息死だった。この事件を契機に、当事者の同意なき強制送還は事実上ストップしてきた。
法務省・入管は、強制送還がストップしているという状況をひっくり返すために、「欧米並み」「経費節約」をうたってチャーター機による強制送還という方針を打ち出したのだ。
団結して闘おう
チャーター機による強制送還や在留カード制度の強行の一方で、日帝・安倍政権は、成長戦略の中で「留学生20万人計画」「観光客1000万人計画」などを打ち出している。さらに「高度人材ポイント制」により高度の能力を持つ外国人の入国を促進するために条件緩和の方向を打ち出している。
日帝は新自由主義的な絶望的延命策として入管法・入管体制のさらなる改変を狙っているのである。
日本の「国益」を損なわない「良き外国人」の入国を奨励し、在留資格の便宜を図り、非正規滞在外国人はたたき出すという、差別的、抑圧的入管体制の強化を許してはならない。
入管闘争は、新たな地平に踏み出した。日帝の新たな入管攻撃に対して断固対決し、闘って生きぬくという外国人労働者が多数立ち上がっている。
4月入管集会、11月労働者集会を始め労働者階級の一員としての外国人労働者との共同闘争、国際連帯闘争が大きく広がっている。労働組合で団結し、資本と闘い、入管法・入管体制と闘うことが勝利の道だ。
生きさせろ! すべての非正規滞在外国人に在留資格を与えよ! チャーター機での一斉強制送還を阻止しよう!
〔革共同入管闘争組織委員会〕
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週刊『前進』(2594号6面1)(2013/07/29 )
“社会の根本に労働問題が”
無数の山本太郎を生み出す
暑い夏の熱い選挙戦で100万の怒りの決起がかちとった山本太郎氏の当選は、「命よりカネ」「原発再稼働」「改憲」「戦争と大失業」の安倍政権に怒りを燃やす労働者・学生、全有権者の歴史的な勝利だ。それにとどまらず、国際的な感動も呼び起こしている。
福島の椎名千恵子さんやNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の織田陽介事務局長らが6月に訪問し交流してきたドイツからは、「このとてつもない勝利」「世界の反原発運動に大きな寄与」(ケアスティン・ルーデックさん)、「民衆の中の希望と期待の圧倒的高まりが彼を力強く押し上げた」(クルト・シュナイダーさん)と喜ぶ祝当選メールが、動労千葉国際連帯委員会とNAZENに届いた。
さらに、山本太郎氏を支持しともに闘った青年労働者と学生から選挙闘争に参加し、その壮大な歴史的挑戦の現場でつかんだ感動と豊かな教訓、そして今後の闘いの展望など、率直な感想・意見を寄せてもらった。
(写真 〈上〉神田駅前で訴え【18日】 〈下〉演説する山本太郎さん【7月18日 東京スカイツリー前】)
日々とぎすまされた演説 ボランティアスタッフ 学生 KS
山本太郎さんが当選の記者会見で話したことで二つのことが重要だと僕は思いました。ひとつは、「スタートラインに立った」ということ、もう一つは「あなたたちが当選者です」ということを言ったんですね。
66万7千票の重みが他の候補とは全然違う。1票1票の重みが実感できるんです。
僕は選挙期間中、ボランティアとして参加しましたが、感動的な出会いの連続でした。例えば、宣伝カーに乗っていた時ですが、道路の反対側から自転車に乗った女性が叫ぶんです。「うちの子は毎日マスクをかけて生活しているんです。太郎さんに勝ってもらわなきゃ困るんです」と。これが「あなたたちが当選者です」と言っていることではないか。山本選挙をとおして政治過程に引き入れられたんじゃないかと思うんです。
公示日の太郎さんの演説を聴いて、自民党候補の選挙活動をやめたという人もいました。また、ボランティアで来ていた人で僕がすごいなと思った人がいるんです。彼女はバス停に並んでいる人全員に1枚1枚ていねいにビラを配っていた。話してみると、石破茂(自民党幹事長)の軍法会議発言を知ってボランティアスタッフに登録したそうなんですが、きょうはバス停で全員にビラを渡そうとか、毎回テーマを決めてやっていると。一人ひとりの献身性、創意、自己解放的ですよね。こうして集まった人たちがものすごい主流派根性を発揮して山本選挙を闘いぬいたんです。
ネット選挙で勝ったみたいな取り上げ方もされていますが、ネットやツイッターの拡散力もパソコンが自動的にやるわけじゃない。太郎さんに感動して拡散しようと思う動機があっての拡散。これも主体的な決起です。
太郎さんが掲げた「被曝させない、TPPに入らない、飢えさせない」は「命を守りたい」という根底的な要求であり、労働者人民の命を切り捨て、戦争に向かう安倍政権とは絶対に非和解な公約です。
3・11以前から労働者や市民、みんなを切り捨てて成り立ってきたこの社会。「会社に使いつぶされたとぶるぶる震えながら話してくれた人とか、多くの人が自分が抱えている問題を僕に届けに来てくれた。ここに政治の原点を見た」と言い、「そんなみんなの思いを形にしたい」と抱負を語りました。太郎さんの演説はみんなの思いを吸収し、17日間の中でも日々とぎすまされていきました。すごいです。
100万人を超える反原発の大高揚の中で山本太郎という人格が生み出された。階級の指導部、階級のリーダーです。
次は、闘う労働組合、闘う学生自治会の中からもうひとりの山本太郎、無数の山本太郎を生み出していくことが求められています。自分も、もうひとりの山本太郎になる決意です。新たな闘いのスタートに胸が躍ります。(談)
(写真 砂町銀座を練り歩く山本太郎さんを満面の笑みが迎える【18日 江東区】) 労働者も職場から闘った 青年労働者 MT
山本太郎さんに投じられた約67万票は、新自由主義攻撃に対する、職場からの根源的な怒りの爆発でもありました。
山本太郎さんは選挙戦が進むにつれ、「長時間労働・低賃金という労働問題が解決しない限り、世の中の問題はひとつも解決できない」と訴えました。
私を含め、首都圏、全国の職場・地域で怒りを蓄積させた青年たちが職場から街頭に駆けつけ、太郎さんの訴えを聴き、職場や地域で支持を拡大していきました。職場と街頭が完全にひとつになり、100万人決起が生み出されたのです。半数以上が非正規職、未来だけでなく現在の生活と生命すら奪う新自由主義に対する青年労働者の「生きるため」の巨大な反乱そのものだったと実感しています。
それは同時に、これまで労働者の怒りを抑えつけ、安倍政権を支える役割を果たしてきた連合をはじめ、既成の政党や労働運動の破産と崩壊の始まりでした。「条件闘争で命が守れるかよ! 闘えよ!」という太郎さんの叫びが「過激派キャンペーン」をも打ち破り、これまでの一切の政治家や体制内運動の正体を暴いたとも言えます。
今年前半、JRでの外注化阻止・被曝労働拒否・貨物賃下げ絶対反対のストライキ、自治体の4・26全国ストライキを闘う中で、職場からの怒りが連合支配を突き破る新しい情勢を生み出してきたのです。
ある労組では、執行委員会で推薦を決定し、職場で大々的に太郎さんへの支持を呼びかけ、檄布を集めました。放射能に危機感を抱いている青年労働者も活発に動き出しました。また、「太郎さんは原発問題ばかりだよね」「そんなことないよ、労働問題のことをすごい言ってるよ」というやりとりも。メッセージを寄せてくれた非組合員の人数も予想をはるかに超えるものでした。集めた支持を街頭に立つ太郎さんに直接伝え、それをまた職場に返す。組合の団結と組織化が圧倒的に強化されたのです。
また4大産別をはじめとした連合傘下の組合では、完全に組合のしばりがきかない状況でした。
そして運命の開票日。
当確が出るとすぐ、闘う労働者のもとに同僚から「勝ってよかったね!」「投票したよ!」という声が集まり、勝利をわかちあったのは本当に感動的でした。そんな職場が無数に生み出されたことでしょう。
太郎さんが訴えている「過労死」問題は、「25年前」の国鉄分割・民営化攻撃と同時に起こってきた問題です。巨万の人びとが「この社会の生きていけない現実の原因の始まりは国鉄分割・民営化にある」という真実に限りなく迫っているのです。国鉄闘争の勝利が青年をはじめとした100万人の心からの要求となり、9・25反動判決を粉砕できるまったく新しい情勢を切り開きました。
太郎さんの勝利を報じる『前進』を職場のすべての仲間に手渡し、1万人の読者網を建設する時です。JR解雇撤回10万筆署名を武器に9・25反動判決粉砕へ闘いぬきましょう!
(写真 選挙事務所の壁に飾られた寄せ書き) ドイツからの祝当選メール
★嵐のような祝福を!
ケアスティン・ルーデックさん(ゴアレーベン核廃棄物処分場反対同盟・前委員長)
すばらしいニュースをありがとうございます。
このとてつもない勝利とその意義について、ゴアレーベンの私たちもさきほどから熱っぽく討論しているところです。
無所属で、徹底的に原発反対の山本太郎さんが参議院議員に選ばれるなんて信じられません。
この勝利を実現した日本のみなさんの力強い闘いを心から祝福し、私たちもいま大声で「原発反対!」と叫んでいるところです。あなたたちの勝利は私たちの勝利です。嵐のような祝福を送ります。
あなたたちはこの勝利で世界の反原発運動に大きな寄与をしました。私たちはあなたたちを本当に誇りに思います。
★民衆から希望と期待
クルト・シュナイダーさん(ベルリン都市鉄道の民営化に反対する行動委員会、ドイツ機関士労組組合員)
山本太郎さんの勝利、おめでとうございます!
参議院に若い力が登場するということですね。民衆の中の希望と期待の圧倒的高まりが彼を力強く押し上げたのだと思います。しかし、彼が掲げた要求を議会内で達成することはできないでしょう。ただ議会は、彼の闘いの武器になります。
今回の勝利は、情勢の重要な特徴を示しています。日本の労働者階級のみなさん、がんばってください。
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週刊『前進』(2594号6面2)(2013/07/29 )
共産主義者177号
革共同とは何か――時代認識と路線が脈打つ一冊
『共産主義者』177号には、参院選を全力で闘って山本太郎氏の大勝利をかちとった革共同の時代認識と路線が脈打っている。「革共同とは何か」がわかる一冊だ。
巻頭に「権力のスパイ荒川碩哉(ひろや)を打倒」の革共同声明を掲載し、日帝国家権力とそれに屈服した裏切り者による歴史的なスパイ策動を木っ端微塵(みじん)に粉砕した大勝利を宣言。そして、春に行われた全国代表者会議の松丘静司同志の基調報告「反合・運転保安闘争路線で階級的労働運動の大飛躍を」と岩竹昌也同志の特別報告「脱落日帝の戦争突出・改憲策動をうち砕け」を2本柱にしている。
反合・保安闘争の核心問題を提起
松丘静司同志は、2013年前半戦の到達地平を総括し、反合・運転保安闘争路線の核心問題を大胆に提起している。それと表裏一体の関係にあるのが、党と労働組合の一体的建設論だ。松丘同志は「闘う労働組合を建設する。その渦中で団結を回復し、共同性を回復し、階級を形成します。そうした立場を階級と一体となって、階級そのものとして、絶対に揺るがぬものとして貫くのがマルクス主義です。そういうものとして私たちは存在している」と強調。自らの闘いをもって情勢を変え社会を変革していく、「本物の労働者階級の党」として成長していこう。
岩竹昌也同志の特別報告は、改憲阻止決戦の重大情勢の到来に際し、全党に総決起を訴える路線的な論文。階級的労働運動の復権と労働者国際連帯闘争で、自民党の改憲攻撃を革命に転化しよう。
青年の組織拡大かちとった地平
花山竜太同志が執筆した国鉄論文は、新たな闘いを切り開いた動労西日本の一人ひとりの青年の闘いを実に具体的に生き生きと描き出している。動労西日本結成以降の闘いの歴史がJR西日本の果てしない外注化攻撃との闘いであったことを明らかにし、JR青年労働者の獲得・組織拡大こそ外注化を阻む道であることが説得力豊かに述べられている。動労西日本の闘いを主体的にとらえ返し、教訓化し、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審9・25反動判決を粉砕する労働者階級の力強い闘いをつくりあげていこう。
4・26自治労ストの革命的総括
大迫達志同志は、4・26ストを総括し、闘う拠点建設を訴える自治体決戦論を提起。7・8%賃下げの大攻撃を職場・労働組合全体に責任をとる立場としてとらえること――これが80万自治労組合員の主体的決起をつくり出す原動力になっていった。核心点は、絶対反対で闘う時代認識と路線だ。国鉄・公務員決戦こそ、新自由主義攻撃を打ち破る大決戦だ。この論文で武装し、安倍・橋下打倒の8月自治労大阪大会に勇躍乗り込もう。
丹沢望同志のトルコ情勢論文は新自由主義支配を打ち砕く世界の労働者の闘いを活写。トルコ労組のゼネストの闘いをとおして、爆発的に拡大する全世界の労働者階級の荒々しい闘いがダイナミックにとらえられている。
経済分析・世界情勢把握の論文として「世界大恐慌の現段階と日帝アベノミクスの破産」を掲載。米帝の金融緩和策が破綻し、それが世界恐慌をさらに激烈なものとしている。その最大の矛盾点の一つに、脱落日帝のアベノミクスとその破産がある。
自民党政権は、いかに参院選で「圧勝」しようとも、直面している現実は破滅的なのだ。巻末に収録した『前進』春季特別号アピールと一体のものとしてつかみとってほしい。
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