ZENSHIN 2013/07/01(No2590 p08)
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週刊『前進』(2590号1面1)(2013/07/01 )
参院選総決起で安倍打倒を
再稼働阻止・全原発廃炉めざし100万人デモを闘いとろう
7・11NAZEN東京−7・14三里塚へ
6月27日、東京高裁第6刑事部・山崎学裁判長は、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し控訴審において3人の同志の控訴を棄却する超反動判決を下した。須賀、十亀、板垣の3同志は無実であり、デッチあげの権力犯罪は明々白々だ。この反動判決は、日帝権力中枢のスパイ・荒川を摘発・打倒して進撃する革共同と国鉄決戦の解体を狙った許し難い攻撃である。しかしこれに対する労働者人民の怒りは、7月参院選闘争をはじめ9・25動労千葉鉄建公団訴訟控訴審判決へ向けた4カ月決戦の新たな大衆的起爆剤に必ずなる。国鉄決戦を基軸に日帝・安倍政権打倒の巨大な闘いに総決起しよう。
国鉄を軸に4カ月決戦
動労千葉鉄建公団訴訟の9・25東京高裁反動判決を許さない4カ月決戦が熱く闘いぬかれている。4カ月決戦は、国鉄闘争を最大最高の決戦として闘うことを軸に、国鉄、反原発、星野奪還、三里塚、改憲阻止の闘いの爆発をかちとり、極右超反動の日帝・安倍を打倒していく一大決戦である。それは「国鉄決戦と反原発決戦でプロレタリア世界革命へ」を実現する階級的力関係の転換をかけた闘いだ。
この4カ月決戦に巨大な闘いが合流した。7月参議院議員選挙に山本太郎氏が東京選挙区で立候補する。「被曝させない」「TPP入らない」「飢えさせない」という山本太郎氏の主張(6・14立候補表明会見)は、労働者階級人民の率直な叫びである。それは原発輸出と再稼働、TPP交渉参加、解雇規制撤廃、賃下げ・大失業、そして憲法改悪を進める自民党=日帝・安倍政権と真っ向から激突する巨大な闘いとなる。革共同は震えるような感動と厳粛な決意をもって、この重大情勢に立ち向かい、新たな時代の選挙闘争として都政を革新する会を先頭に、山本太郎氏とともに参院選闘争に総決起する決意だ。
先の東京都議選は有権者の6割近くが棄権した。自民党の得票は全有権者の15%でしかない。圧倒的な労働者人民は議会に不信をたたきつけ、自民党と安倍への支持も拒否した。橋下・維新の会も民主党も凋落(ちょうらく)した。それが今日の階級情勢の根底にある現実だ。安倍と自民党はこの巨大な怒りのマグマに恐怖している。階級的怒りを解き放ち、階級全体の活性化・大流動をつくり出し、山本太郎氏とともに参院選闘争を全力で闘おう。
首都東京の1千万有権者に直接呼びかけ、その中から100万人を獲得する闘いへの挑戦は、限りない可能性にあふれている。反原発100万人決起への決定的な闘いともなる。かつて経験したことのない新たな時代の選挙闘争を闘いぬき、勝利し、9・25反動判決粉砕へ階級の総決起をつくり出そう。
「新たな時代」の大挑戦
「新たな時代」とは、世界大恐慌が本格的に爆発し、大争闘戦時代に突入し、最末期帝国主義の絶望的延命形態である新自由主義に対する全世界の労働者階級人民の総決起が巻き起こっている時代であり、さらに3・11情勢(東日本大震災と福島原発事故)のもとで階級情勢が根底から一変している時代のことだ。総じて、プロレタリア世界革命が急接近する時代の到来ということである。
大恐慌の本格化と大争闘戦時代への突入の中で、いま米帝や日帝を先頭に繰り広げている通商戦争、為替戦争、「未踏の領域」に踏み込んだ金融緩和競争は、すでに「近隣窮乏化政策」と化し、資源、食糧、世界市場の争奪戦をいよいよ激化させ、世界経済の分裂化・ブロック化を本格的に促進している。
大恐慌は現在進行形だ。6月19日にFRB(米連邦準備制度理事会)議長バーナンキが行った金融緩和の年内縮小表明は、「財政の崖」を転落し始めた米帝の断末魔の選択であり、たちまち米長期金利が急上昇する一方(国債は急落)、中国など新興国から緩和マネーが一斉に引き揚げ始めた。そして日帝・安倍と黒田日銀の「異次元」金融緩和は3カ月足らずで振り出しに戻り、ここでも株価暴落と乱高下、長期金利の上昇と動揺が止まらない。まさに「アベノミクス」は株価バブルの崩壊とインフレの爆発、日本国債と円の暴落を早晩不可避とする破滅的な政策だ。
過剰資本・過剰生産力と世界経済の分裂化・ブロック化が交差・結合し、世界最大の貿易赤字・経常収支赤字と財政赤字を抱える米帝の、そのドルと国債が暴落する時こそ大恐慌は真の奈落へ転落するのである。
そのことへの恐怖の中で米帝オバマはドイツ・ブランデンブルク門で「戦略核3分の1削減」演説を行った。これは軍事戦略の中心を中東からアジア・太平洋地域に戻す新軍事戦略に対応した戦争激化政策であり、オバマの「核なき世界」は階級闘争圧殺を狙う大ペテンである。
ギリシャの労働者は、大恐慌下ですでに22回のゼネストに決起している。新自由主義への怒りの闘いは、南欧からフランス、イギリスへ、北欧・スウェーデンへ、そしてトルコ、ブラジルへと全世界に燃え広がっている。この世界の労働者人民の反乱のただ中に4カ月決戦があり、7月参院選闘争がある。
全産別で反合理化闘う
安倍政権の成長戦略の軸である「雇用改革」とは、徹底的な非正規職化と偽装請負の合法化であり、「解雇の自由」を全面的に推進するとんでもない攻撃だ。現在、「限定正社員制度」の導入が郵政などにおいて、労働組合の承認のもとで行われつつある。安倍政権はいまJR東日本の「経営構想X」を突破口に、労働運動解体攻撃をかけてきている。
これに対し動労千葉は、外注化阻止決戦を勝ちぬき、外注先でも強固に団結して闘っている。CTS(千葉鉄道サービス)は担当者を配置するだけで、実際はJRが具体的な作業の中身を作っている。完全に偽装請負だ。まったく事態に対応できないCTSに代わり、スト破りもJRがやる。これとの闘いの中で動労千葉は、大恐慌論、新自由主義論、3・11情勢論という時代認識のもと新たな反合・運転保安闘争を闘ってきた。資本と非和解で闘いすべてを労働者の手に取り戻す職場闘争として、この闘いを全産別に拡大しよう。
被曝労働拒否の動労水戸のストライキは、労働組合の決起で全原発廃炉を実現する闘いの戦略的方向を提起している。この闘いで使用停止に追い込んだ汚染車両(K544編成)の再運用を、JRが策動している。これは「新基準」による原発再稼働や、常磐線の再延伸(避難区域再編と補償切り捨て、避難者への帰還強制)と一体の攻撃だ。K544の郡山工場移送を阻止する闘いは、組合の枠を超えた勝田−郡山を結ぶ闘いとなる。
「白石事件」が示すように、国鉄決戦は国家権力中枢を揺るがしている。「解雇撤回・JR復帰判決要求」の10万筆署名と物資販売で階級全体を獲得することは絶対にできる。労働組合の活動家、特に青年労働者の組織化を国鉄を先頭に全産別でかちとろう。階級的な力関係が一切を決める。10万筆署名運動はその力を結集する闘いだ。「アベノミクス」の雇用破壊と対決し巨大な大衆的怒りを署名に結集しよう。この間の取り組みは10万筆達成が可能なことを示している。全地区・産別・職場で目標を設定し取り組もう。
すべての産別と職場で1047名解雇撤回闘争と動労千葉・動労水戸の闘いを訴え、国鉄闘争の基軸性を提起しよう。あらゆる闘いを国鉄闘争と結合して展開し、すべての産別と職場で反合・運転保安闘争路線を具体的に確立し実践しよう。
労働者の力で党建設を
NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)の7・11東京集会は参院選闘争の渦中で決定的な集会だ。安倍は関西電力大飯原発3、4号機の運転を9月まで続行し、7月8日の新規制基準施行とともに5電力会社が7原発14基の再稼働申請を一挙に行おうとしている。「福島第一原発事故で死亡者はいない」という自民党・高市発言を絶対許すな。6・27の関西電力高浜原発へのウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の搬入を弾劾する。7・11でNAZEN東京を結成し、再稼働阻止・全原発廃炉へ闘おう。
三里塚闘争も重大局面にある。7・14全国集会(千葉市)と緊急3万人署名は、市東孝雄さんの農地強奪を許さない力を総結集する闘いだ。反対同盟は全国に決戦突入の檄(げき)を飛ばすと同時に、北原鉱治事務局長、萩原進事務局次長、市東さんを先頭に街頭に立ち、地域を回り、署名と決起を訴えている。三里塚は労農同盟と国際連帯で新自由主義を打倒する全人民の砦(とりで)だ。7・14全国集会−7・29千葉地裁包囲闘争で農地裁判判決を迎え撃ち、農地死守・実力闘争の勝利を開こう。
日帝・新自由主義と闘い勝利する強大な革共同を労働者階級の力でつくろう。夏期大カンパ闘争に全力決起しよう。7月革共同政治集会に圧倒的な結集をかちとろう。
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週刊『前進』(2590号1面2)(2013/07/01 )
迎賓館・横田差し戻し審 控訴棄却に怒り爆発
被告・弁護団、「最高裁で勝つ」
(写真 こんな暴挙を許せるか! 東京高裁前に怒りのシュプレヒコールが響きわたり、誰もが3同志とともに完全無罪まで闘う決意を固めた【6月27日】)
「不当判決弾劾!」「国家権力によるデッチあげを許さないぞ!」−−6月27日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判差し戻し控訴審判決公判が429号法廷で開かれた。家族、迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会を先頭に90人を超える人びとが集まった。東京高裁第6刑事部・山崎裁判長が「控訴棄却」の主文を言い放った瞬間、十亀弘史同志が「こんなの判決じゃない!」と弾劾。裁判所前でこの結果を聞いた人びとも怒りに身を震わせた(詳報次号)。しかし、国家権力は3同志を収監することはできなかった。「われわれ3人がここにいることが大きな勝利だ」(十亀同志)と確認し、判決報告集会を行った。
板垣宏同志は「判決は3人がいつ、どこでどのように関与したのか明らかになっていないのは『紛れもない事実』だと言いながら、中核派に所属しているからすべては推認できると控訴を棄却した。一審以上の反動判決だ」と弾劾。十亀同志は「重い激しい怒りを感じている。しかし、なすべきことをすべてやりきったことに悔いはない。やられたらやりかえす!」と断言。最後に須賀武敏同志が「こうなったら松川の道だ! 最高裁で覆して無罪を取る!」と宣言。被告・弁護団はただちに最高裁に上告し、完全無罪まで闘いぬく決意を表明した。
3同志は福嶋昌男同志ともども無実だ。不当判決への怒りをバネに国鉄、反原発、三里塚、星野の闘いをやりぬこう。
(写真 報告集会で3同志が決意表明。弁護団も山崎判決を批判し、最高裁で戦い抜くことを宣言)
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週刊『前進』(2590号1面3)(2013/07/01 )
【要項】革共同政治集会、なにがなんでも!全原発廃炉7・11東京集会、三里塚
革共同政治集会
革命的共産主義運動50年と大恐慌−プロレタリア世界革命の時代の到来
〈東京〉
基調報告 革命的共産主義者同盟書記長 天田三紀夫
7月28日(日)午前11時半開場
豊島公会堂(豊島区東池袋1−19−1)
〈関西〉
基調報告 夏美優一
7月21日(日)正午開場 午後1時開会
大阪市立浪速区民センター(大阪市浪速区稲荷2−4−3)
〈東北〉
基調報告 岡崎康史
7月21日(日)正午開場 午後0時半開会
若林区文化センター展示ホール(仙台市若林区南小泉1−1−1)
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なにがなんでも!全原発廃炉
7・11東京集会
7月11日(木)午後6時開場6時半開会
座・高円寺2(杉並区高円寺北2−1−2)
ふくしま共同診療所からの報告
被曝労働拒否で闘う労働組合・動労水戸からの報告
主催 すべての原発いますぐなくそう!全国会議(NAZEN)
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◎三里塚闘争勝利、農地強奪判決粉砕へ!
第3誘導路許可取消裁判
7月9日(火)午前10時30分 千葉地裁
7・14全国総決起集会
7月14日(日)午後1時 千葉市中央公園
7・29農地裁判判決・千葉地裁包囲闘争
7月29日(月)千葉市中央公園 午前10時集合
判決 午後1時30分 千葉地裁
主催・呼びかけ/三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2590号1面4)(2013/07/01 )
前進速報版から
▼爆取デッチあげ弾圧裁判、高裁が控訴棄却の不当判決▼広州中医薬大付属病院で非正規看護師がスト▼6・16大間原発反対行動
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週刊『前進』(2590号2面1)(2013/07/01 )
7・3強制出向無効確認訴訟に裁判所とJR圧倒する結集を
外注化阻止の反合・運転保安闘争と一体で
外注体制を破産寸前に追い込む
最大の正念場を迎えた国鉄闘争の勝利に向け、国鉄闘争全国運動6・9全国集会から4カ月の決戦が始まった。7月3日には、動労総連合の強制出向無効確認訴訟第3回口頭弁論とともに、1047名解雇撤回・JR復帰に向けた10万筆署名の第2次提出行動が行われる。解雇撤回10万筆署名を裁判所にたたきつけ、法廷を怒りの声で埋めつくす大結集で7・3行動を闘おう。
6月7日には幕張車両センターで、規程に反してあわや高圧(1500ボルト)感電事故になりかねない重大事態が起こった。動労千葉に対する組織破壊と業務外注化強行のために、動労千葉のベテラン組合員を次々と主要業務から外し、検査派出などに強制配転していった結果、引き起こされた事態だ。
昨年10月1日の外注化強行以降、職場にはあらゆる矛盾があふれている。そもそも鉄道業務においては、一元的な指揮・命令系統がなければ安全な運行など不可能だ。結局は、すべてをJRが指示する以外に日々の業務は成り立たない。本質的に偽装請負とならざるをえないのだ。
JR千葉支社では、動労千葉組合員を集中的に出向させた結果、千葉鉄道サービス(CTS)での検修・構内業務の約6割を動労千葉組合員が担っている。JRは、スト対策のために毎日毎朝、業務を細切れでCTSに委託する「日々発注」というやり方をとらざるをえなくなった。昨年10月と今年3月にはCTS内でスト破り要員を確保できず、JRからスト破り要員を送り込んだ。明らかな偽装請負であり、同時に、団結権・争議権を侵害する不当労働行為そのものだ。
動労千葉は外注化が強行された困難な状況の中で、職場から外注化を粉砕する新たな時代の反合理化・運転保安闘争を開始し、大変な苦闘を貫いて闘い抜いてきた。この闘いによって、JRとCTSの違法行為が次々と暴き出され、外注体制を破綻寸前にまで追い込んでいるのだ。
JR東日本が狙う新たな外注化を阻止する闘いも始まっている。JR千葉支社とCTSは、定年退職後再雇用されCTSで清掃業務をしていた労働者(エルダー社員)を、外注化要員の確保のために幕張・津田沼の事業所に連れて来て構内運転業務の見習いをやらせようとした。動労千葉は、これを現場からの徹底的な抗議で粉砕した。
JRとCTSは、新たな外注化強行のためにも外注体制の立て直しを急ピッチで進めている。CTSを本格的な外注会社にするための就業規則変更を行い、JR千葉支社からCTSへ管理者を次々と出向させて労務管理体制を強化している。
さらに今春には、JRとCTSの双方で大幅な新規採用を行った。動労千葉幕張支部の山田護支部長はこれについて「自分たちの攻撃が失敗することが分かっているから両方とも入れた」と言い切り、「そこにやつらの弱みもある。なんとしても粉砕する」(6・9集会の発言)と宣言した。
「請負契約書」を開示させる攻防
7月3日に開かれる第3回口頭弁論の焦点は、請負契約書の開示だ。JRは、下請け会社にJRが直接指示するという明白な偽装請負行為についても「契約上、問題ない」と主張している。ならば、その契約内容を明らかにしてみろということだ。前回の裁判で会社は、なんとその契約内容を隠そうとしてきた。労働者を外注先で働かせておきながら、契約内容すら明らかにしないというふざけきった対応だ。これに原告と傍聴席が一体となって激しい怒りがたたきつけられ、JR側の代理人弁護士はまさに脱兎(だっと)のごとく逃げ帰った。
請負契約の内容は、完全に敵の弱点だ。裁判長はJR側に逃げ道を与えるために、契約書開示について次回までに検討させるとした。7月3日はその「回答日」だ。JRを徹底的に追及し、請負契約書を開示させよう!真実を隠蔽(いんぺい)しようとする東京地裁の訴訟指揮を許すな!
JRにおける業務外注化は“第2の分割・民営化”の要をなす攻撃だ。動労総連合の外注化粉砕の職場闘争と裁判闘争は、これを正面から打ち破る闘いであり、これまでどの労働組合もできなかった挑戦だ。
JRによる外注化攻撃の手先となってきたJR東労組は今、契約社員(グリーンスタッフ)の「業職種限定社員」化を逆提案している。これが労働組合のやることか! 東労組はこれまで、会社と一体となり「5年働けば正社員化の道もある」と幻想をあおって青年労働者の怒りを抑えつけてきた。しかし今やペテン的「正社員化」要求さえ完全に投げ捨て、解雇・転籍に公然と手を貸しているのだ。JR東日本が狙う駅業務の全面外注化が強行されれば、「業職種限定社員」は直ちに解雇か転籍かを強いられることになる。さらに外注化が進行すれば、職場を奪われたJRの正規労働者も転籍を迫られていくことは明らかだ。
新自由主義攻撃の核心撃つ闘い
外注化阻止闘争は、1047名解雇撤回闘争と同様に、労働組合として絶対に譲ることができない課題を巡る闘いであり、全労働者の権利と団結を守り、階級的労働運動を復権する闘いだ。
現場での闘いと一体で、裁判闘争でもJRと裁判所を大結集で圧倒し絶対に勝利しよう。
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【要項】動労総連合 出向無効確認訴訟
7月3日(水)午後2時
東京地裁527号法廷
※裁判後に総括集会
「解雇撤回・JR復帰」署名提出行動
7月3日(水)午後1時
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週刊『前進』(2590号2面2)(2013/07/01 )
日貨労カクマルは賃下げの先兵
現場の怒りでJR総連解体へ
JR貨物の賃下げに反対する動労千葉・動労水戸−動労総連合の闘いは現場労働者の怒りを引き出し、JRを揺るがした。5・1JR貨物本社抗議行動と6・9国鉄集会、そこで宣言された4カ月決戦への突入は、JR資本とJR総連との結託体制をさらに崩壊させている。夏季手当の超低額回答で妥結した日本貨物鉄道労組の裏切りは明白だ。JR体制打倒の好機は来た。
(写真 5月1日、賃下げ策動を弾劾して動労千葉と動労水戸を先頭にJR貨物本社に抗議に立つ)
夏季手当1・1カ月の低額回答を受け入れ裏切り妥結
今季の夏季手当について、日貨労は6月26日、JR貨物の1・1カ月分という超低額回答を受け入れ妥結した。資本の回答は、超低賃金を労働者に強いてきたJR貨物の歴史の中でも、かつてないすさまじいものだ。これを受諾した日貨労は、基本給の引き下げについても実際にはなんら「反対」していないのだ。
これまで日貨労は、「回答→即妥結」というやり方で労働者にあきらめを強いてきた。だが、その手口はもう通用しない。裏切り妥結への怒りは、日貨労カクマルの思惑を超え必ず爆発する。
回答を出さない異例の対応
今回の夏季手当を巡る交渉は異例の経過をたどった。JR貨物は日貨労が指定した回答指定日の6月14日に正式回答を示さない態度をとった。
それに先立つ6月6日の日貨労との団交で、JR貨物は「関連事業部門が鉄道事業部門の赤字を補填(ほてん)するこれまで通りのやり方は限界。営業収入が伸び悩みコスト削減も限界」「夏季手当については厳しい判断をせざるを得ない。平成13・14年度の実績(1・5カ月)を切り込まざるを得ない」と述べた。それに対し日貨労は「会社の考え方はとうてい受け入れることはできない」と反応した。
通例なら、資本の考えが示された時点で、日貨労はすぐさま妥結に走っていたはずだ。だが今回は現場の怒りに押され、そうはできなかった。これに対して資本は、正式回答の提示を拒否するという形で応えた。
以来、日貨労は「交渉中断」だの「本日も妥結に至らず」だのと連日、騒ぎ立てた。こうしたポーズを取らなければ、現場の怒りを抑えられないからだ。だがそれは、裏切り妥結のためのペテンにすぎなかった。日貨労は資本が1・5カ月より少ない1・1カ月の回答を示すや、そそくさとそれに飛びついたのだ。
JR貨物は、国労に対しては日貨労との応酬にけりがつくまでは「社内調整に時間がかかっている」という口実で回答期日も明らかにしない態度をとった。国労本部は、裏切りたくても裏切る口実さえ資本から与えられない状況に陥った。
これらの情勢は、動労千葉・動労水戸−動労総連合の闘いが、青年を始めとする貨物労働者の賃下げへの怒りを解き放ったことによって生み出された。5・1のJR貨物本社抗議行動は、JRに痛打を与えたのだ。
日貨労の裏切り妥結は、日貨労カクマルによる労働者支配の崩壊をさらに促進する。これは、労働者支配をカクマルに委ねてきたJR貨物を窮地に追い詰める。
日貨労カクマルは、賃下げの元凶が国鉄分割・民営化にあるとは絶対に言えない。だから彼らはペテン的な「反対」ととともに「(経営陣は)収入拡大をしっかり行え」と叫ぶ。だが、そんな方策などないことは分割・民営化当時から明らかだった。日貨労の主張は、資本に大合理化を求め、それに率先協力するということだ。それは一層の長時間・過密労働や事故の危険となって労働者に襲いかかる。これは日貨労傘下の労働者も明確につかんでいることだ。
JR体制は、貨物から劇的に崩れ始めたのだ。
賃下げ強行へ身構えた資本
JR貨物は94年11月の「フレイト21」、97年の「新フレイト21」、02年の「ニューチャレンジ21」、11年2月の「飛躍」と、度重ねて合理化計画を作成し、大幅な人員削減を強行した。だが「経営再建」策としてはそのすべてが破産した。国土交通省に「経営自立の達成」を迫られたJR貨物は、11年12月に「経営自立計画」を策定し、「18年度株式上場」をぶち上げた。だが、そこには何の現実性もない。
今年3月、JR貨物は人件費を前年度比で35億円(約8%)削減するという13年度事業計画を打ち出した。そして、日貨労との水面下の交渉で合意を取り付け、5月にも賃下げを実行に移そうと企てていた。だが、現場労働者の怒りが、この攻撃を阻んだのだ。
JR貨物は6月24日、会長に元日本郵船副社長・元日本貨物航空社長の石田忠正を据えた。これはJR貨物が大手物流資本に組み込まれると同時に、「民間手法」と称する賃下げ・合理化の一層の貫徹に身構えたことを示している。闘いはこれからが本番だ。
1047名解雇撤回闘争や外注化・非正規職化阻止の闘いと結合し、貨物からJR体制を打倒する闘いに立とう。職場で反合・運転保安闘争を貫き、賃下げ絶対反対で闘いぬこう。(長沢典久)
「組合版ロードマップ」を掲げ資本の合理化計画を率先推進
賃下げ提示に1カ月も沈黙
JR貨物は3月15日、前年度比で人件費を35億円削減することを含む「2013年度事業計画」を発表した。同時に田村修二社長名で社員、新入社員に対して賃金削減計画を伝える文書を送付した。一方的宣告である。これは、日貨労への事前通告と承認があったから可能になった。
会社発表を前にJR総連・日貨労内では、「一般社員の賃金は10%カット、期末手当の年額は2・5カ月」というオルグが行われていた事実が判明している。
この賃下げは、全労働者に低賃金を強制する攻撃だ。動労千葉は『日刊動労千葉』4月8日付で、賃金削減に絶対反対をたたきつけるとともに、日貨労の裏切りを徹底弾劾した。その時点で日貨労は「反対」の表明はもとより、賃金削減問題に関して論評すら行っていなかった。
日貨労カクマルが形ばかりの「反対」を表明するのは、日貨労青年部の機関紙『Skip UP!』4月10日付が最初となる。そこでは、「まだ提案すらされていない」とのただし書きが付けられた上で、「会社、平成25年度事業計画で人件費削減の考えを明らかにする」などとして、1カ月も前の会社提案についての報道がようやくなされた。まさにペテンに満ちた猿芝居だ。日貨労が本部として「反対」を表明するのはさらに遅れ、4月17日に開催された日貨労第38回「JR貨物改革推進委員会」の決定を待って発行された『組織部速報』4月18日付が初めてだ。「改革」とはJR総連カクマル用語で、株式の上場を始めとした「民営化の完遂」を意味する。
「改革推進委員会」で決定された中身は、1番目が「組合員の職場と仕事と生活を守る」というもので、賃金削減問題は2番目の扱いとなっている。賃金削減問題は闘争課題にもされていない。3番目は「経営陣の経営体質をただす」だ。これは国鉄分割・民営化の破産を「経営体質」一般の問題に歪曲し、日貨労カクマルが分割・民営化を推進した歴史的・階級的大罪を隠蔽(いんぺい)するものだ。そして4番目が「(組合版)ロードマップの実現に向けた闘い」とされている。
日貨労機関紙『JR貨物労組』の5月15日付と6月15日付は、2号連続で「組合版ロードマップ」について特集している。そこでの日貨労の主張は、「安定的経営基盤」確立のために「組合版ロードマップの実現」をめざすということだ。賃金削減問題は完全に彼岸化され、始めから問題にもされていないのだ。
がれき輸送で被曝を強いる
日貨労は12年4月に開かれた第35回「改革推進委員会」で、「組合版ロードマップ」の策定を決定し、同年8月に「組合案」を提示した。それは、11年12月にJR貨物資本が策定した完全民営化のための「経営自立計画」を、労組として進めるためのものであった。
そもそも「ロードマップ」というのは、国土交通省から「経営自立」の達成を迫られたJR貨物資本が、10年に「完全民営化のためのロードマップ」という名で策定した大合理化計画だ。日貨労の「組合版ロードマップ」という名称そのものが、資本の大合理化計画を労組として推進するためのものという本質を示している。
JR貨物は、「ロードマップ」を基礎に11年2月、中期経営計画「飛躍」を策定したが、同年3・11の東日本大震災でこの計画は破産する。そこでJR貨物は同年12月に「経営自立計画」を新たに策定した。その最大の狙いは、鉄道事業部門の黒字化のため徹底した外注化・合理化を行うことにある。根幹にあるのは総額人件費の削減だ。
これを資本と一体となって推し進めているのが日貨労だ。端的には、JR貨物が「成長戦略」の目玉として進める「災害廃棄物広域輸送」つまり放射能汚染瓦礫(がれき)輸送を日貨労は積極的に展開している。これが「組合員の職場と仕事と生活を守る」ことの実態だ。このように日貨労は、合理化攻撃の元凶である「経営自立計画」を積極的に推進する存在なのである。
「成長戦略」を礼賛する運動
賃金削減問題でJR貨物が揺れ動くさなか、日貨労は機関紙『JR貨物労組』6月15日付で「組合版ロードマップの具体的提言」なるものを打ち出した。そこには、“賃金問題より経営問題が大事だ”と主張する狙いが込められている。
「具体的提言」は、昨年8月の「組合案」に加筆された部分もあり若干違っている。決定的違いは、「(事故の)再発防止と安全対策への投資」という文言が削除されていることだ。安全問題を切り捨てたのだ。
「具体的提言」は第1項で、「社会的使命を果たす総合物流企業を目指す」と言う。これは、資本が策定した「経営自立計画」が「基本的考え方」として示した「総合物流事業への進出」という方針に対応している。
第2項は、「農産物・国際物流・特積を中心とするベースカーゴを確立」「静脈物流・瓦礫輸送をはじめとした成長戦略の展開」だ。「特積」とは「特別積み合わせ貨物輸送」の略語でコンテナ輸送を、「ベースカーゴ」とは採算がとれる最小の貨物運送量を、「静脈物流」とは産業廃棄物輸送を意味する。ここで日貨労が言いたいのは、TPP(環太平洋経済連携協定)や「戦略特区」を含めた安倍の「成長戦略」に、JR貨物は積極的に参入しろということだ。これらの内容は、資本が策定した「経営自立計画」でも、「収入増加策」の具体案として特筆されている。
第2項では「営業スタッフの強化」にも言及するが、これも「経営自立計画」の「新たな発想に基づく積極的な営業」に対応している。徹底した市場原理の貫徹と営業部門の合理化を、資本も日貨労も一体となって強調しているのだ。
第3項は「『安全・健康・ゆとり』を基軸とする職場環境を目指す」というが、瓦礫輸送で労働者に被曝労働を強いる日貨労に「安全」「健康」を語る資格はない。しかも、先に見たように昨年8月の「組合案」にはあった安全問題への言及は削除されている。
そして第4項には「一企業一労働組合の実現」という文言が加筆された。分割・民営化時に動労カクマルは「他労組解体」を叫んだが、日貨労カクマルはそれを再びスローガンに掲げたのだ。
このように、「組合版ロードマップの実現」とは、JR資本の忠実な下僕となることを誓う今日版「働こう運動」だ。日貨労カクマルが賃金削減計画に「反対」しない最深の根拠もここにある。その行き着く先は軍事輸送への積極加担だ。
こうした事態は、動労千葉の階級的労働運動の前進に激しく揺さぶられ、追い詰められた日貨労カクマルの姿を示している。5・1メーデーにおけるJR貨物本社に対する抗議行動と、それ以降の動労千葉の闘いが、日貨労内部に亀裂をつくり出しているのである。
動労千葉貨物協議会の佐藤正和議長は、6・9国鉄全国集会で「おれたちを苦しめている根本の原因は経営体質にあるんじゃない! 国鉄分割・民営化とそれに協力した労働組合にあるんだ。職場から怒りの声を! 賃下げ攻撃に屈することなく、正々堂々胸を張って闘おう!」と力強く発言した。日貨労カクマルの裏切りを弾劾し、賃金削減攻撃粉砕へさらに闘いぬこう。
(矢剣 智)
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日貨労 「組合版ロードマップの具体的提言」
1 社会的使命を果たす総合物流企業を目指す
2 成長戦略に基づく収入拡大を目指す
○農産品・国際物流・特積を中心とするベースカーゴを確立
○静脈物流・瓦礫輸送をはじめとした成長戦略の展開
○営業スタッフの強化と新たな営業スタッフの育成
3 「安全・健康・ゆとり」を基軸とする職場環境を目指す
4 安心して働ける企業を目指す
○一企業一労働組合の実現
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週刊『前進』(2590号2面3)(2013/07/01 )
6・29判決の白石裁判長更迭事件
「伊達判決」や「長沼訴訟」への中枢権力介入に匹敵する反動
動労千葉鉄建公団訴訟において、「不採用基準」によるJR不採用を不当労働行為と初めて認めた6・29東京地裁判決を書いた白石哲裁判長が、今年3月、東京地裁民事11部の総括判事から突如、民事執行センター(目黒区)に左遷される異例の更迭人事が強行された。このいわゆる「白石事件」は国鉄決戦をめぐる資本家階級のなりふりかまわぬ階級意思の現れである。それはまさに戦後史において「2大違憲判決」と呼ばれた「伊達判決」と「長沼訴訟」に対する最高裁などの介入や逆転反動判決にも匹敵する歴史的大事件だ。
伊達判決とは、1957年、米軍立川基地(当時の東京都砂川町)の拡張阻止闘争(砂川闘争)で基地内に突入した全学連の学生や労働者など計7人が「日米安保条約に基づく刑事特別法」違反で逮捕・起訴された事件で、東京地裁・伊達秋雄裁判長が全員を無罪とした歴史的判決(59年3月30日)である。その内容は「米軍の日本駐留は戦争放棄を規定した憲法9条に違反する。……米軍の駐留を認めたことに伴う刑事特別法は違憲であり、日米安保条約には憲法上疑義がある」とする画期的なものだった。
これに対し、検察は高裁を飛ばして最高裁に跳躍上告するという異例の措置をとり、当時の最高裁長官・田中耕太郎が裁判長となって同年12月16日、一審判決破棄・差し戻しを言い渡した(63年に有罪確定)。
この過程で、当時の駐日大使マッカーサー二世が外相・藤山愛一郎と密会して跳躍上告を促したこと、田中裁判長とも直接会って上告審の見通しをひそかに聞き出した上、早期に地裁判決を破棄するよう求めたことなどが、近年公開された米機密文書から明らかになっている。その後、最高裁は判事の総入れ替えを行い、伊達は有形無形の圧力の中で61年に裁判官を辞職した。
また長沼訴訟とは、69年7月、北海道夕張郡長沼町に自衛隊のミサイル基地を建設するため国有林の保安林指定を農相が解除したことに対し、地元住民が保安林解除処分の取り消しを求めて起こした行政訴訟である。この訴訟を担当した札幌地裁・福島重雄裁判長に対し、地裁所長・平賀健太郎が「農相判断を尊重すべきだ」との書簡を送りつけたり(平賀書簡問題)、福島裁判長が青年法律家協会(青法協)所属であることを理由に法務省が忌避申し立てを行うなど、さまざまな国家的圧力が加えられた。
裁判は70年闘争を背景にこうした圧力と対決して闘われ、73年9月、福島裁判長は「自衛隊は違憲」として住民側勝訴を言い渡した。だが、後に高裁および最高裁で逆転敗訴となり、福島裁判長はほかの地方の家庭裁判所へ左遷された。
これらの事件は60年闘争、70年闘争を前後し、日米安保体制を根底から揺るがす労働者階級の闘いの爆発の中で起こった。国家意思をむき出しにした「白石事件」は、国鉄闘争が動労千葉を先頭に歴史的決戦に入ったことを示している。9・25判決を迎え撃つ4カ月決戦を全力で闘おう!
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週刊『前進』(2590号3面1)(2013/07/01 )
安倍・橋下・猪瀬打倒へ
自治労ストの地平固め反合闘争と拠点建設を
都議選では、労働者の根底的怒りが史上2番目という低投票率とともに「×」を記入する無効票のけた違いの多さとして示された。階級的労働運動と一体で参院選東京選挙区・山本太郎さんの選挙戦を総力で闘い、100万人の決起をつくり出そう。国鉄闘争の前進が切り開いた自治労全国ストは、闘う労組・青年部建設の巨大な突破口となった。この歴史的地平の上に、国鉄署名と反合・安全闘争を職場で進め、安倍・橋下・猪瀬打倒の自治労8月大阪大会に攻め上ろう。
(写真 4月26日、仙台市職労早朝集会に150人が結集。現場の怒りで、当局に賃下げ提案を断念させた)
闘う労組・青年部建設の突破口開く
4・26自治労全国ストライキ闘争は、自治労傘下の2400単組、80万組合員の階級的団結をよみがえらせる歴史的転換点となった。闘いの機運が全国に満ちている。もはや闘いを押しとどめる口実とされてきた公務員バッシングなど通用しない。自治労本部や体制内労組幹部が振りまいてきた労使協調の「パートナーシップ」路線に労働者の未来はない。現場の怒りを解き放って絶対反対を貫き、階級的団結の拡大を総括軸に階級的労働運動で勝負しよう。
大恐慌と大争闘戦情勢下で、アベノミクスの大破綻と国家財政危機の拡大、長期金利上昇と国債暴落の危機が急速に進行している。6月14日に安倍「成長戦略」と「骨太の方針」「規制改革実施計画」が閣議決定された。「民間活力の爆発」と「財政健全化」を叫んで全面民営化と労働規制撤廃、原発再稼働・原発輸出、社会保障制度解体に突き進む日本帝国主義・新自由主義の絶望的な階級戦争宣言だ。「10年後に1人当たり名目国民総所得(GNI)を150万円以上増やす」とぶち上げながら雇用・賃金破壊を強行し、労組破壊と大増税、生活破壊に突進する安倍への怒りが、職場・生産点から噴出している。
214自治体で賃下げを断念!
攻防の焦点は、国鉄(JR)とともに「公務員の岩盤を崩す」公務員攻撃との決戦である。
4・26に始まる自治労ストライキは、自治体当局の大幅賃下げ提案に対し、団交決裂も辞さず真っ向から激突する全国の5〜6月ストライキ闘争として継続・エスカレートし、単組の1時間ストが打ち抜かれるなど、今も粘り強く闘い抜かれている。
すでに被災地の仙台市職労を始め全国214単組(6月11日現在)で、当局の削減提案を断念させる勝利がかちとられている。安倍が意図した全国一律一斉の公務員賃金大幅削減と自治体労働運動解体の歴史的攻撃をはね返す闘いだ。そしてこの闘いの中で、青年部を先頭にして労働組合の闘う団結が急速に打ち固められている。
労働者階級全体の立場に立って
6・9集会で国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんは次のように発言した。「40年ぐらい前、労働組合が職場にあるのは当たり前でした。しかしその労働組合とは自分のところの賃金が上がればよいという労働運動が多数で、階級的労働運動とはいえないものでした。……4月に自治体労働者がストライキをやるために非常な努力をした。7・8%賃下げは自分たちだけの問題ではない、全国の労働者の問題だ、それに対して自分たちはストをやるんだと立ち上がった。私はそれが階級的労働運動だという答えを出しました」
単組・単産だけの利害にとどまらず労働者階級全体の立場に立って闘い抜くことが、階級的労働運動の核心問題である。その時、労働組合の団結は最も強固になり、労働者の戦闘性は徹底的に発揮される。
ギリシャでもトルコでも、公務員労働者が先頭でゼネストを闘っている。「私たちのために、みんなのために」を合言葉に、安倍の新自由主義攻撃と対決し、全労働者の先頭で闘おう、ということだ。
国鉄署名を大胆に職場に持ち込もう
攻撃は、今年度限りで終わらない。アベノミクスの破綻と国家財政危機の爆発は不可避であり、労働者に対する攻撃はさらに激化していく。東京・猪瀬直樹都知事、大阪・橋下徹市長を先兵とする全面民営化・外注化・非正規職化と大幅賃下げ、人事・賃金制度の抜本改悪と労組破壊をめぐる今夏・今秋闘争は非和解的な激突となる。来年度以降の大幅賃下げ継続か否かをかけた全国攻防が今春以上の大決戦となることは間違いない。
ストライキで闘う労働組合をつくり出すことが切実に求められている。
動労千葉鉄建公団訴訟署名を猛然と進め、10万筆を本気で達成しよう。それ自体が、9・25控訴審反動判決を許さない戦略的力となる。動労千葉・動労水戸を守り抜き国鉄解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃闘争の巨大な発展を生み出す。
時代認識と路線めぐる討論進め
職場の全労働者への署名の訴えを大胆に進めよう。すでに全国の多くの単組・支部で取り組みが始まった。職場でも街頭でも署名がどんどん集まっている。解雇撤回の訴えに署名に応じる青年が目立つ。国鉄分割・民営化以降に生まれ、大失業と非正規職化攻撃の直撃を受けている世代だ。
解雇撤回は、労働者なら誰もが当然と思う闘いだ。同時に、署名を通した同僚との会話は、国鉄分割・民営化以来の新自由主義の攻撃が職場と社会の許しがたい現状にまで及んでいることに行き着く。時代認識と路線をめぐる議論が一気に大衆的に進む。職場の団結と闘う労働組合の再生・強化が全労働者の課題であることが明白となる。
動労千葉を支援する会を軸に、10万筆署名運動と動労千葉物販闘争を職場闘争と結合して進めよう。そのことが、闘う労組拠点・青年部建設と自治労・日教組を中軸とする国鉄闘争100万支援陣形の戦闘的再生、階級的労働運動爆発の決定的水路となるのである。
資本の攻撃に現場の怒り対置し闘う
動労千葉の闘いに学び全職場で反合・運転保安闘争路線で闘い抜こう。
動労千葉は、昨年10月外注化以降の激しい分断攻撃を突き破って3月ストを敢然と打ち抜いた。外注化による安全破壊・雇用破壊に立ち向かう、新たな時代の反合・運転保安闘争の創造・確立の闘いそのものだった。
資本の進める合理化=生産性向上とは、相対的剰余価値の生産であり、資本の本質そのものに根差している。合理化は、資本や当局によって否定しがたい必然的なもののように進められるが、それ自身の中に必ず矛盾と弱点を含んでいる。資本や当局も事故を生み出す合理化は正当化できない。この矛盾・弱点と、現場労働者が日々感じてきた思いがつながった時に闘いは爆発する。労働組合の役割は、この現場労働者の実感を資本の攻撃に対置することだ。合理化絶対反対の闘いは、資本主義そのものとの対決に発展する。これを動労千葉は反合・運転保安闘争を闘うことで具体的にやり抜いてきた。
すでに自治体職場は、すさまじい状況だ。人員削減、超長時間労働の強制と病休・病欠者の続出、公務災害との闘いは労働者の命のかかった闘いとなっている。自治体職場の反合・運転保安闘争の実践として、職場の全労働者の怒りを総結集し徹底的に闘おう。
人事評価制度との闘いが重要だ。その攻撃が民営化推進と労働者分断、賃下げ・選別解雇のためであることが、現場の闘いの中で明らかになった。東京東部の区立保育園の労働者の追及に、区当局は「人事評価の組織目標、自己目標に向かってどういう行動を取ったかが評価される。すべての職員が同じ目標に向かって行動することが必要」と答えた。なんとその組織目標に今年度から「@区立保育園の民営化と調理業務民間委託を円滑に進める、A国の動向を見据え新制度への準備を進める」という民営化推進項目を加えた。民営化に賛成しない労働者は最低のD評価とするということではないか。大阪・橋下市長は、民営化・労組破壊攻撃と一体で「連続D評価者は分限解雇」とする職員基本条例の制定を強行した。自治労本部の進める「公正な人事評価制度」の要求など根本的に間違っている。人事評価制度絶対反対を労働組合全体の闘いとして進め、労働組合の闘う団結をかちとろう。
8月自治労大会へと攻め上ろう
動労千葉鉄建公団訴訟9・25控訴審判決と10・1JR外注化阻止、11月労働者集会に至る夏秋の激闘が、13年決戦全体を決する。公務員賃下げと首切り、民営化・外注化・非正規職化、労組破壊攻撃との決戦はいよいよこれから本格化する。
全職場で10万筆署名運動を進め、反合・運転保安闘争路線をわがものとして徹底的に闘い抜こう。ストライキで闘う労働組合の再生へ、進攻精神あふれる壮大な構想を打ち立て実践し、階級情勢全体を塗り変える安倍・橋下・猪瀬打倒の自治労8月大阪大会へ攻め上ろう。労組拠点・青年部建設と組織拡大をかちとろう。
(大迫達志)
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週刊『前進』(2590号3面2)(2013/07/01 )
国家権力・資本家階級との激闘にかちぬくカンパを
すべての労働者、学生、市民のみなさん、『前進』読者のみなさん。革共同は、日本階級闘争史上の重大な岐路において、国家権力・資本家との死闘に突入しています。厳粛な決意を込めて圧倒的な夏期カンパをお願いします。
●スパイ打倒した地平
革共同は希代のスパイ荒川を打倒し、今回、その勝利を『前進』で堂々と報告しました。
革共同は、労働者自己解放の思想のもと階級的労働運動に全力を挙げ、非合法・非公然体制をつくりあげることで、スターリン主義の屈服の歴史をのりこえてきました。スパイ打倒の闘いを階級闘争の正面課題として見据え、労働者階級の団結した力で粉砕しました。スターリン主義が真っ正面から取り組めず、見据えることもできなかった革命の正面課題に全力で取り組み勝利したのです。
スパイ荒川打倒が示したことは第一に、国家権力がいかに国鉄闘争の前進に恐れおののいているのかを、われわれがハッキリとつかんだことです。
荒川の膨大な「告白文書」は革共同の路線が日帝中枢に壊滅的な打撃を与え続けていることを示しています。国鉄分割・民営化の狙いが国鉄労働運動を根絶することにあり、それに失敗してきたからこそ、憲法改悪もできずにいる権力の焦りもハッキリしました。革共同は国鉄闘争を軸に日帝打倒に向けて闘い抜くことをあらためて宣言します。
第二に、権力の懐に逃げ込むために家族をも売り渡した荒川に、誰もが怒りを爆発させていることです。古今東西の階級闘争において、裏切り者は徹底的に断罪されてきました。スト破りは裏切り者として末代まで弾劾され、ロシア革命ではスパイは処刑されました。権力の手先になり果てた者へのあいまいさを許さない革共同だからこそ、権力と不屈に闘えるのです。国家権力・資本と非和解で闘う革共同への支持は、荒川スパイ摘発を内外に宣言することをもってどんどん拡大しています。
●国鉄・三里塚の勝利へ
第三に、革命党破壊のためにうごめくあらゆる腐敗分子どもも、権力と一体だということをハッキリさせたことです。
かつてカクマル松崎明は警視総監・秦野章の懐に飛び込み、国鉄分割・民営化の手先となり果て、20万人の国鉄労働者を首にし、200人以上の労働者を自殺に追いやりました。国労本部の協会派と革同は、警視庁と手を組んで組合員をデッチあげ逮捕させ、あげくの果てに4・9反革命に行き着きました。三里塚闘争を裏切った脱落諸党派は権力の手先となり、日帝打倒に敵対するためにのみ卑劣にうごめいています。裏切り者の本性は権力と一体なのです。
しかし国鉄闘争、三里塚闘争を不屈に闘う者がある限り、裏切り者の不正義は暴き出され、必ず打倒されるのです。党と支持者はみな、このことに圧倒的な確信を持ち、『前進』を武器にして新たな進撃を開始しています。
帝国主義は、通信傍受や個人情報収集、スパイという卑劣な手段を使うことでしか資本主義体制を維持するすべがないくらいに危機を深めています。
安倍政権、JR資本などのブルジョアジー中枢、裁判所、さらには警視庁公安部や公安調査庁などとの死闘に勝ち抜き、この決戦に勝利するための圧倒的なカンパを寄せて下さい。
国鉄闘争は30年の歴史で最大の正念場を迎えています。
国鉄改革法23条でつくられた「国鉄とJRは別法人」「国鉄が不当労働行為をしてもJRは関係ない」という枠組みの虚構性が暴かれ、国鉄分割・民営化当時のJR設立委員長・斎藤英四郎、国鉄職員局次長・葛西敬之、国鉄総裁室長・井手正敬らが共謀して不当労働行為を働いていた事実が、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審で明らかにされたのです。
この事実を突きつけられた東京高裁・難波孝一裁判長は、証人調べを一切せず、5月8日に裁判を打ち切り、一方的に判決日を9月25日と指定しました。国鉄分割・民営化という国家犯罪の核心が暴かれることに恐れおののいているのです。司法権力は、一審で不当労働行為を一部認定した東京地裁・白石哲裁判長を左遷・更迭するという異常な手段に手を染めるまでに動揺を深めています。6・9国鉄集会は、判決日までの4カ月決戦に突入する新たな戦闘宣言の場となりました。
●7月参院選に総決起
また革共同は、この4カ月決戦の重大な一環として、7月参院選に東京選挙区から出馬する山本太郎氏の当選に向けて全力で闘うことを決定しました。首都東京で巨万人民の中に飛び込み、再稼働阻止・全原発廃炉、階級的労働運動の爆発、そのための拠点建設、指導部建設をやりぬきます。
今まで誰も経験したことのない時代の中で革共同は、国鉄戦線における外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを切っ先に、自治体、郵政、教労の4大産別においても職場闘争を豊かに発展させ、新自由主義の核心を撃ち抜く闘いを発展させてきました。そのさらなる大前進のためには、どうしても膨大な闘争資金が必要です。重ねてカンパへのご協力をお願いします。
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週刊『前進』(2590号3面3)(2013/07/01 )
闘いは進む 青年の職場から
JR 被曝労働・外注化と闘い職場の団結つくり出す
動労水戸 照沼靖功
●人命無視する会社
私の職場は今、被曝労働反対で闘っています。会社は「年間20ミリシーベルト」の外部被曝の線量を基準に、被曝労働を強制しようとしています。しかし、最も恐ろしいのは、ホコリなどに含まれる放射性物質などを体内に取り込んでしまう「内部被曝」です。内部被曝すればいくら線量が低くても細胞が破壊され、体内からなくなるまで半永久的に放射線を出し続け、ずっと被曝させられることになります。
電車の床下というのはホコリやチリだらけで、1日中床下の検査をしていればマスクをしていようともホコリを吸い込まないというのは不可能です。うがいをすればつばは黒く、鼻をかめば真っ黒です。しかし会社は、マスクを用意する程度で、何の被曝対策も取らず、われわれ労働者に業務をやらせようとしています。会社は労働者の命を守るつもりなどないということです!
事実、先日の団体交渉では、床下の作業中にホコリを浴びて体調を崩した社員の健康調査すらも行わないと回答しました。「社員の命を考えていないということか」という追及に対し会社は、無言のまま何も回答できませんでした。要するに「会社のためなら社員の命など関係ない」ということです! こんな会社の態度を許せるはずがありません! 私たちは、この事実をしっかりと現場労働者に伝え、職場の中からしっかり闘いをつくっていきます。
●新たな外注許さず
また、昨年10月1日の検修・構内業務外注化から9カ月が経過しようとしていますが、現場は何も変わってはいません。
外注会社の作業責任者は、受託業務の内容を把握していないため、明確な作業指示も出せず指揮命令系統はめちゃくちゃです。現場労働者は怒りを通り越して、もうあきれきっています。こうなることは外注化以前から分かっていたことです。しかし会社は、この期に及んでさらなる外注化を進めようとしています。そもそも、国鉄分割・民営化以降25年もの間、民営化という大きな矛盾の中で業務が回ってきたのも、すべては「鉄道の安全を守ることに対する現場労働者のプライド」があったからこそです。営利優先で進めてきた結果が、05年の福知山線事故であり羽越本線事故です。何かあれば、すべての責任を労働者個人に転嫁し、会社は何も責任を取ろうとしない。そんな中で福知山線事故は起きました。起こるべくして起きた事故です。二度と同じ事故は起こしてはなりません。
●労働者の団結こそ
民営化、外注化、非正規職化はすべて、資本主義社会の延命のためでしかありません。そこには安全とは正反対に営利だけを目的としている矛盾があります。その矛盾は現場で汗水流して働く労働者にすべてしわ寄せされてきます。徹底的に搾取され、生活もままならないどころか、結婚し子どもを産むこともできないほどの低賃金。いつ解雇されるかも分からず、何も言えず苦しむ非正規労働者。安全が破壊されても、人命が危機にさらされても、利益がすべてという民営化・外注化。
こんな社会を変えられるのは労働者の団結だけです。闘う労働組合をよみがえらせ、一人ひとりが職場の中で団結して闘うこと、けっして簡単ではないけれど誰か一人が声を上げることで、小さな火から炎に変わるはずです。今こそ団結してともに闘いましょう!
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週刊『前進』(2590号4面1)(2013/07/01 )
7・11NAZEN東京集会へ
闘う労働組合の建設と国際連帯の力で原発再稼働を阻止しよう
すべてのみなさん。日本の反/脱原発運動は、再稼働をめぐる重大な正念場を迎えています。私たちNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)は7月11日、「なにがなんでも!全原発廃炉 東京集会」を開催します(要項1面)。安倍政権の再稼働攻撃に対し、多くの人の参加で街頭と参院選を100万規模の「あじさい革命」としていくための集会です。ふくしま共同診療所とつながり、福島と東京の子どもたちを内部被曝から守るために、お母さんやお父さん、医師、労働組合、農民……あらゆる力を結集する集会です。そしてストライキで被曝労働と闘う動労水戸に学んで職場から立ちあがり、全原発の廃炉と資本主義社会そのものを覆す希望をつかみ取る集会です。多くのみなさんの参加を訴えます。
(写真 6・2反原発闘争で都心をデモするNAZEN)
全原発の廃炉へ行動を!
みなさん。原子力規制委員会は6月19日、再稼働ありきの新基準を「正式決定」しました。7月8日の「施行」とともに、12基の原発の再稼働申請(四国電力の伊方3号機、北海道電力の泊1〜3号機、関西電力の高浜3、4号機と大飯3、4号機、九州電力の玄海3、4号機と川内1、2号機)が予定され、福島原発事故の犯罪者たる東京電力も、柏崎刈羽原発の1、7号機の再稼働に向けて準備中です。
他方で規制委は24日、稼働中の大飯原発3、4号機について新基準に「適合」と判断、「直ちに安全上重大な問題は生じない」と9月までの稼働継続を了承しました。施行前から再稼働ありきのデタラメ基準。そしてまたもや「直ちに」の言葉。事故直後に繰り返された「直ちに人体への影響はない」(枝野経済産業大臣・当時)の言葉の2年先は、「子どもの甲状腺がん12人、疑い15人」(6月5日福島県発表)の現実ではないですか! 彼らの言葉は「1年後に事故が起きても知ったこっちゃない」ということしか意味しません。福島の悔しさと怒りを踏みにじる「福島第一原発で事故が起きたが、それによって死亡者が出ている状況ではない。最大限の安全性を確保しながら活用するしかない」という高市早苗・自民党政調会長の発言は、「陳謝」とともに「撤回」されたなどと言うが、撤回されるべきは原発再稼働の政策そのものではないでしょうか。
再稼働を許さず、全原発廃炉へ! 私たちの思いを行動に示そう。事故以来、人生をかけ声をあげ続けてきたみなさん。子どもを守るためかけずり回ってきたお母さん、お父さん。未来をかけて行動する若者のみなさん。今こそ再びのあじさい革命を、100万規模で巻き起こしましょう!
職場・地域の団結つくろう
まず7月参院選(4日公示、21日投開票)でそれを実現しましょう!
昨年衆院選で山本太郎氏が立候補した杉並では、有権者46万人のうち7万人が山本氏への投票として反原発の意思を示しました。その多くは子どもをかかえてデモに参加するのが大変な若いお母さんやお父さんであり、夜中まで働かされている非正規の若者たちでした。「反原発デモは下火になった」などというのはマスコミのデマでしかありません。原発と放射能への不安と怒りはますます高まっています。山本太郎氏(東京選挙区)を先頭とした反原発選挙で、再稼働をもくろむ安倍政権や財界に目にものみせてやろう。
今回の参院選は、大きく時代が動こうとする中で行われようとしています。マスコミで騒がれているような「自民大勝と反原発運動の危機」どころか、日本の原子力政策と、それを推進する資本主義社会そのものの崩壊、さらには労働者民衆の怒りが噴き出す中での選挙です。
6月23日の都議選では、民主党に対して昨年の衆院選に続いてのだめ押しの断が下されました。そして、今政権をとっている自民党も55年間続いた体制に、09年、労働者民衆から断を下された政党です。彼らは、終身雇用や年功序列賃金など、資本主義が労働者を一定食わせられる条件のもとで権力をとってきた資本家の政党でしかありません。74〜75年恐慌と資本主義の危機、新自由主義政策への転換という中で、非正規に突き落とされた私たち労働者の「未組織」の怒りを始め、労働者民衆が毎年政権を倒していく事態となっています。橋下維新の会も崩壊を始めています。
その根底にあるのは、3・11で明らかになった「いのちの危機」、戦争、改憲に対する怒りであり、ヒロシマ・ナガサキ、オキナワ、ビキニの体験者、被爆者として語り継がれてきた私たち民衆の歴史的な立場です。
アベノミクスは、「金融緩和」の名のもとに、紙切れになるほど札を刷り、ガソリンなどの輸入品の高騰や私たちの食べ物への投機までを生み出し、株価の乱高下とともに破綻を開始しています。行き着く先は、大恐慌と争闘戦の激化、国家間対立―戦争です。改憲・戦争と命の危機は、資本主義の危機の深まりが引き起こすものであり、私たちの怒りと行動は時代を動かす力を持った歴史的なものです。
自民党が政権を握ってきた要因は、こうした私たち労働者民衆の怒りを体現する、労働者民衆自身の党の未成熟にあります。「投票率の低下」は労働者民衆の政治的無関心ではなくブルジョア選挙制度という支配のあり方への怒りであり、本物の、怒りを行動へと訴える労働者民衆の党が求められているのです。そして、こうした制約があろうとも、参院選はあらゆる形で私たち労働者民衆の怒りがたたきつけられる場となるでしょう。
同時に、労働者民衆が自分たち自身の党をつくっていく課題は、参院選を闘いきる中でより明らかになるとともに、ムードだけでできるようなものでもありません。自分たちの足元から、職場や地域から、具体的な運動を通して必死に信頼関係と団結をつくり、進めていく以外にあり得ません。私たちの再稼働をめぐる正念場、参院選をも舞台にしたあじさい革命は、全力で選挙を闘うとともに、足元からしっかりと闘いと組織をつくる闘いです。
8・6広島―8・9長崎へ
その中でも大きな歴史的役割をもっているのは、闘う労働組合をつくる闘いです。動労水戸の被曝労働拒否の何波ものストライキは、原発をなくし、この社会を変革していくために、本物の闘う労働組合をつくることの必要性、労働者が団結したときの力の大きさを教えてくれています。
そこにあるのは、労働者の命を守るために非妥協で闘う労働組合の姿です。放射能は、子どもや青年の体から破壊していく。未来を大きく描けるがゆえにもっとも怒りをもつ青年労働者に対して、組合加入と被曝労働拒否のストライキへの合流を訴え、どんなに少数でも原則的に闘う。命を守るために闘う労働組合が必ず多数を獲得し、資本を圧倒して職場を止めるほどの力を持つという確信。
組合に集まる労働者一人ひとりは、けっして聖人のような人間ではなく、ふつうの労働者です。しかし、「どんな労働者でも実際に社会を動かしていることに変わりはない」「労働者は団結すれば社会を変える力を等しく持っている」、こうした信念と誇りがあります。
連合の結成にまでいきついた既成の労働組合の運動は、高度経済成長の賃上げの裏では合理化を認めてきました。職場では仲間が首を切られ、残った仲間には労働が強化され、安全が切り捨てられる。これを認める代わりに金をくれと運動をしてきたのです。命と金をてんびんに掛けられる組合が、原発に反対できるはずもありません。そしてあたかも労働組合は金のためにしか闘わないかのような姿がまかり通ってきました。
しかし、労働者の首や安全は金では売れない。賃金がたとえ上がろうとも搾取される悔しさには代えられない。資本に搾取される労働者の立場に立ち、労働者の命を守るために闘い抜く原則的な労働運動を続けてきたのが、動労千葉や動労水戸をはじめとした労働組合です。
6月1〜2日に福島市で行われた「東北六魂祭」は、「東北きずな固く」などとマスコミが大々的に報じる「復興キャンペーン」でした。「特別協力」をJRが買って出て、25万人を動員し被曝させ、「経済効果37億円」という巨額の金を大手広告会社が牛耳り、無用な被曝労働の上にゼネコンがボロもうけする。こうやって繰り返される原子力ムラの資本の構造こそが、私たちが倒すべき対象であり、どんなに大きな力に見えても、これを内側から覆す力を持っている労働者が立ち上がってこそ、それは可能になっていくのです。
ドイツでも「環境運動は市民、労働運動は労働者」という課題に向き合い、「労働者と民衆が結合したときに大きな力を発揮する」と語られたように、これを目指して闘うのがNAZENです。首都東京でこそ、福島に応える力ある運動を構築していきたい。
新自由主義政策の中心にあった国鉄分割・民営化もやはり破綻を深めています。動労千葉鉄建公団訴訟9・25高裁判決の勝利をかちとる闘いとともに、職場から闘いを巻き起こそう。
ふくしま共同診療所とつながり、放射能と向き合い、子どもたちを守る闘いも急務です。避難・保養運動、食の問題、すべてが「危ない」と口で言うだけではすまない段階に来ています。命を守るためには、団結して闘う以外にありません。原則的に闘う労働者、農民、医師、あらゆる力を結集して、全力で立ち向かいましょう。
そして、7・11集会は、ドイツ渡航で培った国際連帯をさらに広げ、8・6ヒロシマ、8・9ナガサキの反核運動へとつなげていきます。ヒロシマ・ナガサキの被爆者の怒りとしてある労働者民衆の怒りを、再稼働阻止の怒りと結びつけ、大きな闘いにしよう。
(NAZEN事務局長・織田陽介)
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週刊『前進』(2590号4面2)(2013/07/01 )
反原発・反TPP・改憲阻止参院選闘争に総決起しよう
山本太郎氏の勝利へともに
世界大恐慌下の新たな挑戦
革共同は参議院議員選挙(7月4日公示、21日投開票)にあたり、都政を革新する会の「山本太郎氏支持」表明を受け、全都全国の皆さんとともに山本氏の当選をめざして闘う決意である。
7月参院選闘争は、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25反動判決絶対阻止に向かって、国鉄・反原発・星野再審・反TPP・改憲阻止・非正規職撤廃闘争を大爆発させ安倍政権を打倒する総力戦と、分かちがたく結びついている。
労働者階級と革共同は今年前半戦で大きな前進を切り開いた。JR外注化阻止・強制出向粉砕、被曝労働拒否、4・26自治労ストライキ、5・1メーデー・JR貨物本社闘争は、日帝・資本家階級に大打撃を与えた。この地平を引き継ぎ、7月参院選を全力で闘う中で、9・25反動判決阻止の勝利をこじ開けよう。
7月参院選闘争の位置と意義は、第一に、〈世界大恐慌下の新たな挑戦>である。
大恐慌の深まりと新自由主義の破産、3・11情勢のもとで全世界が革命的激動に突入している。ギリシャ、エジプト、トルコ、ブラジルを始め世界各地で数十万〜数百万の決起が広がっている。日本も戦後革命期を超えて、巨大なスケールで人民が動き出す時代が来ている。この時代認識を持って、今次参院選で首都の1千万人を対象とした宣伝・扇動を繰り広げ、100万人規模の団結をかちとる闘いに断固挑戦しよう。
国鉄決戦勝利へ大地を熱く
第二に、国鉄闘争の勝利と一体の決戦である。「解雇撤回・JR復帰」をめざす動労千葉の鉄建公団訴訟は、白石事件や控訴審の打ち切りなど、日帝権力中枢をとことん追い詰め、階級的力関係を転換する決戦情勢を迎えている。「解雇撤回・JR復帰」の10万筆署名運動が、各地の労働組合の新たな「やる気」を掘り起こしている。連合支配を内側から食い破る決起が始まっているのだ。選挙戦で階級闘争の大地をさらに熱く燃え立たせよう。
第三に、参院選をめぐる大激動の中で、階級的労働運動の前進、組織拡大と拠点建設をかちとっていこう。選挙闘争は職場の仲間に働きかけ、団結を拡大する水路だ。階級情勢を大きく揺り動かし、新風を職場に吹き込み、生き生きとした職場闘争を闘う中でこそ組織拡大、拠点建設は前進する。世界大恐慌下の労働運動を担う青年活動家集団、階級的指導部を至るところにつくり出そう。学生は参院選闘争をキャンパスに持ち込み、学生運動を大爆発させよう。
労働者の力で安倍政権倒せ
自民党・安倍政権は、日帝のすさまじい危機の中で資本家救済の政治を推し進め、原発再稼働や公務員大幅賃下げ、民営化・非正規職化、首切り自由化、福祉切り捨て、改憲の超反動攻撃をかけてきている。
だが、6・23東京都議選が示したものは何か。「自民・公明の圧勝」と報道されているが、決定的なことは投票率が史上最低レベルの43・50%で、前回より10・99ポイントも下がったことである。しかも自民党を支持した人は全有権者の15%にすぎない。圧倒的な労働者階級人民は安倍と自民党を拒否し、さらには腐りきったブルジョア議会の現実に怒りと拒否を突きつけているのだ。
労働者を取り巻く我慢ならない現実をひっくり返す力は、労働者階級自身の自己解放闘争だ、階級的労働運動だ――このことを強く訴えて闘おう。労働者階級が大きく勝利できる情勢が到来しているのだ。その闘いの前進をかけて、参院選闘争を闘おう。
山本氏の政策支持し闘おう
山本太郎氏は兵庫県宝塚市出身で現在38歳。11年3・11東日本大震災と福島原発事故への怒りを契機に、反原発に人生をかけて立ち上がった。俳優の仕事がなくなるなどのさまざまな困難をのりこえて闘う姿、気迫のこもった生き方に、多くの青年が共感し団結を広げてきた。昨年12月の衆院選では「全原発廃炉・改憲反対」を訴えて東京8区(杉並区)から立候補し、短期間の選挙戦ながら7万1千票余りの支持を獲得し、自民党・安倍政権を震え上がらせた。
山本氏は「政治家はいろんなプレッシャーがかかるから本当のことを言いうのが難しい」とカネや権力に屈服する政治家を批判し、「党の名前は『新党今はひとり』」「僕ははっきりと本当のことを言おうと思います」と決意を述べている。不当な圧力に負けず、たった一人でも信念を貫いて、労働者との団結を力にして闘う革命的議員が、今こそ求められている。
山本氏は基本政策として「被曝させない/TPP入らない/飢えさせない」を掲げている。革共同はこれを断固支持してともに闘う。
選挙戦は、第一に、全原発廃炉をかけた闘いである。安倍政権は原発再稼働と原発輸出に突き進んでいる。7月に電力会社は、全国で十数基の原発の再稼働を一斉に原子力規制委員会に申請しようとしている。絶対に許せない。NAZENが主催する7・11東京集会は選挙戦の勝利へ重要な集会だ。大結集しよう。
第二に、日帝のTPP参加阻止をかけた闘いである。TPPは大恐慌のもとで日米争闘戦を決定的に激化させ、全世界の労働者階級を分断・搾取し、戦争に引きずり込む階級戦争である。山本氏は「世界的価格競争を認めてしまえばその先にあるのは低賃金・長時間労働、ブラック企業がスタンダード化します」と述べている。山本氏の勝利で日本のTPP参加を絶対に阻止しよう。
第三に、「飢えさせない」「生きさせろ」の闘いである。全世界で大失業と非正規職化、賃下げの嵐が吹き荒れている。多くの青年が非正規・低賃金の仕事しか就くことができない。この現実に、青年労働者の怒りと危機感は高まっている。
山本氏は「先進国と呼ばれるこの国で餓死者が1日5人出ているというデータもあります」「生活保護を切り捨て、貧困は自己責任とするこの国を先進国と呼べるでしょうか」と怒りをもって弾劾している。
青年が夢も希望も持てない腐りきった社会を根底からひっくり返し、労働者階級自身の力で、未来ある社会をつくろう。そのために参院選闘争に総決起し、山本氏の勝利を全力でかちとろう。
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週刊『前進』(2590号4面3)(2013/07/01 )
反原発金曜行動 大間の小笠原さん熱い訴え
“今なら間に合う”
6月21日金曜日、季節は梅雨。首相官邸・国会前は雨となった。だがそんなことで参加者の減少はない。1年を超える官邸・国会前行動は野田民主党政権―安倍自民党政権に打撃を与え続けていると同時に、参加者を鍛えてきた。いつも以上の気迫で行動が始まった。
「原発やめろ!」「大飯をとめろ!」「原発売るな!」。再稼働と輸出に突き進む安倍への怒りが激しいコールとなり、首相官邸を突き刺した。
発言が始まった。真っ先にマイクを握ったのは青森県大間町で“あさこはうす”を守り、大間原発の建設に反対して闘っている小笠原厚子さんだ。小笠原さんは「大間原発は世界でも一番危険な原発です。大間原発はまだ燃料棒も入っていない、ただの箱物です。まだ原発ではありません。今ならまだ間に合うんです。原発にしなくていいんです」と、母親の故熊谷あさ子さんとその闘いを引き継いだ小笠原さん、青森県の労働者民衆の闘い、そして全国の闘いが大間原発の建設を阻んでいることを確信を込めて語った。続けて「子どもたちを守るため、家族を、自然を、海を、土地を守るために原発はすぐやめてください。みなさんも古里はあるはずです。古里をなくさないためにも、頑張りましょう」と熱く呼びかけた。
(写真 小笠原厚子さんが「大間原発の建設をとめよう」とアピール【6月21日 首相官邸前】)
伊方の再稼働阻止呼びかけ
伊方原発の地元・愛媛県から駆けつけた2人の若い母親が登場し、「再稼働に向けて準備が進んでいます。伊方原発は巨大活断層があるのに、御用学者は『安全だ』と言っています。全部うそです」「官邸前からも『伊方原発の再稼働反対!』の声を上げ続けてください」と訴えた。安倍政権が真っ先に再稼働をたくらんでいる原発のひとつが伊方だ。絶対に許せない。反対して闘っている地元の労働者・住民、そして愛媛県職や郵政などの労働者と団結し、伊方原発の再稼働を絶対に阻止しよう!
さらに毎週参加している女性は「安倍首相!
今日は雨です。雨でも、雪でも、暑い日も、寒い日も、私たちはここに来ます! 安倍首相は再稼働とか輸出とか、恥を知れ!」と深い怒りを込めて弾劾した。
国会前でも多くの発言が相次いだ。中年の男性は「安倍首相は『福島を経験したからこそ最高の技術だ』と言って輸出を狙っているが、どこが『最高の技術』だ。ふざけるな! 中にはトルコのように日本と同じ地震大国もある。原発を売りつけて事故があったら誰がどう責任をとるんだ!」と叫んだ。
労働者民衆は安倍政権による原発の再稼働も輸出も絶対に許さない。NAZEN主催の7・11東京集会にひとりでも多くの人が集まろう! 参院選での山本太郎さんの勝利を実現しよう!
(写真 安倍を弾劾するコールが波状的に官邸前にとどろいた【6月21日】)
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週刊『前進』(2590号5面1)(2013/07/01 )
団結し核も原発もなくそう
椎名さん、織田さんがドイツ訪問
国際連帯の新たな扉開く
(写真 ゴアレーベンの森の中で行われた座り込みに参加。森の先には、核廃棄物最終処分場予定地の建物が見える【6月9日】)
6月6日から17日までの12日間、ふくしま共同診療所・運営委員会の椎名千恵子さんと、私・NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)事務局長の織田陽介が、動労千葉国際連帯委員会の通訳の方とともにドイツを訪問してきました。これは、昨年8・6ヒロシマ闘争に参加し福島も訪問した、ドイツを代表する反核団体・ゴアレーベン核廃棄物処分場反対同盟(正式名称は「リュヒョウ・ダネンベルク環境保護市民運動」)の招待によるものであり、動労千葉が10年間にわたって推し進めてきた国際連帯闘争の広がりにより実現されたものです。折しもドイツ各地が「500年に一度」の深刻な大洪水に見舞われる中でした。そのため行く先々で幾多の困難にぶつかりましたが、国際連帯闘争を大きく発展させることができたと思います。特に、全世界のすべての核を廃絶する上での日独労働者階級人民の共同闘争への踏み込み、そして新自由主義・民営化と闘うベルリンの鉄道労働者との団結形成という意味で大きな前進をしるしました。
「私はあなた、あなたは私」 ゴアレーベン
ベルリンの壁跡地を訪れて
■1日目(6月6日)
ベルリンのテーゲル空港では、MI(マルクス主義イニシアティブ)のラーベン・ブロンシュタインさんとトーマス・ラインハルトさん、ベルリン都市鉄道の民営化に反対する行動委員会(以下、ベルリン行動委員会)のクルト・シュナイダーさん(ドイツ機関士労組所属)の3人が出迎えに来てくれました。みんなものすごくうれしそうです。
その後はベルリンの町を小観光。その歴史の重みと迫力に圧倒されます。「ここはベルリンの壁があったところ。ここから右が西ベルリン、ここから左が東ベルリンだった」などと言われると、あの激烈な「東西対立」の最前線がよみがえってきます。ちなみにクルト・シュナイダーさんは旧東ドイツに住んでいました。労働者階級としてまっとうな階級意識を持っている人です。
彼が車を運転しながら突然、「最近、機関士労組の指導部として先頭で頑張ってきていた2人の戦闘的仲間を追い出すために、組合幹部が、ありもしない公金横領事件をデッチあげたんだ。あいつら絶対に許せない」と言っていました。こういうことについても、闘う仲間同士が国境を越えて共有できるのが国際連帯の大切なところです。
■2日目(6月7日)
午後、ベルリンを出発し、ゴアレーベン核廃棄物処分場反対同盟の本拠地・ゴアレーベンに向かいました。大洪水の影響で1時間以上の大幅な遅刻を強いられました。
教会の所有するレストランとホールのようなところで訪独後初めての集会が開かれました。水害で大変な中であるにもかかわらず、ゴアレーベンの住民たちや同盟の中心人物が集まってくれました。ゴアレーベンへの核廃棄物搬送があれば数万人のデモの中心で動く彼らは、とても多彩で思慮深く、明るい人たちです。今年の3・11反原発福島行動13や東京での6・2デモの映像などを見ながら、いろいろ訴え、また質問も多数ありました。
何より、椎名さんがリードして踊ったかんしょ踊り(会津磐梯山古式踊り)が大好評でした。みんなも自分が踊りたくてうずうず。しかもとてもうまいのです!
■3日目(6月8日)
この日は一日中いろいろなことがありました。@風力発電の現場見学、A最終処分場予定地前での集会と交歓、Bゴアレーベン図書館の訪問と反対同盟の初代委員長マリアンネ・フリッツェンさんの訪問、C洪水に脅かされるマーティン・ドナート反対同盟委員長(昨年8・6ヒロシマに参加)宅の訪問、D夜は近郊の活動家たちとの交流でした。
(写真 訪独後初めての集会にゴアレーベンの住民たちや反対同盟の中心人物が集まった。椎名千恵子さんがリードして踊った「かんしょ踊り」が大好評【6月7日】)
ゴアレーベン日曜包囲行動
■4日目(6月9日)
朝は泊めていただいたヴォルフガング・エムケさん宅の村を散策。昼は彼の車で核廃棄物搬入ルート(線路→道路)の実地見学。その足で最終処分場予定地の日曜包囲行動。デモは25年間、続いているそうです。この日で189回目。
包囲行動が終わって、出発点の門前に戻ると、きれいなアジサイの鉢をプレゼントされました。昨年6〜7月、大飯原発再稼働に反対して大きく高揚した日本の「アジサイ革命」に共感したことから、探して持ってきてくれたのです。粋なはからいに感動です。
さらに核に反対するキリスト者たちの「森の祈り」にも参加しました。この日、反対同盟からふくしま共同診療所へのカンパとして2800ユーロ(約36万円)をいただきました。
連邦議会前でかんしょ踊り
■5日目(6月10日)
ベルリン行きを敢行しました! 洪水で電車が走っていないため、2台の車に分乗して、電車なら1時間半弱のゴアレーベンからベルリンまでの移動に2時間半かかりました。
ベルリン到着後、ドイツ連邦議会前での抗議行動に参加しました。これは高レベル核廃棄物最終処分場選定法をつくる動きに対するものです。ドラム缶を三つ、がんがんたたいての抗議行動です。椎名さんはここでもかんしょ踊り。ドイツ人の心をつかみました。
晩はゴアレーベンの町で毎月曜日に行われている反原発月曜行動。ここで椎名さんが3・11反原発福島行動13の集会宣言「私たちの誓い」をドイツ語で読み上げ、その場にいた25人くらいの人から大きな拍手を受けました。
(写真 ベルリンの連邦議会前で、高レベル核廃棄物最終処分場選定法制定に反対する行動に参加【6月10日】)
■6日目(6月11日)
この日も盛りだくさんです。
@有機農法をやっている農民のところに行って、農業について聞きました。A昨年8・6ヒロシマに参加した反対同盟のレナート・ミュラーさんらが借りて住んでいる、かつての農民宅(森を含めた広大な敷地にいくつもの建物がある)を見せてもらいました。Bさらにゴアレーベン反対同盟の事務所を訪問して、そこで闘いの歴史についてレクチャーを受けました。Cそして反対同盟前委員長ケアスティン・ルーデックさん(昨年8・6ヒロシマに参加)の家での最後の晩餐(ばんさん)です。
Bのゴアレーベン反対同盟の事務所では、1977年以来の闘いの歴史について、フランツィス・アルトホッフさんからレクチャーを受けました。非常にわかりやすく、頭の中で明快な像を描けるような説明の仕方です。いくつかの決定的数字で核施設とそれに対する闘いを説明していくもので、学ぶべきところ大です。
Cについて。椎名さんにケアスティンさんが自分のお気に入りの服をプレゼントしてくれました。必死に苦闘してきたお互いだからこそ、思いやり、わかり合い、通じ合う。そうした信頼関係の中で、椎名さんがケアスティンさんに言った「私はあなたで、あなたは私だわ」という言葉をケアスティンさんが受けて、「それだったら」とプレゼントしてくれたのです。心の通った交流に涙、涙でした。
(写真 廃棄物搬入阻止のデモの際は必ず先頭に立つ農民のトラクター【6月11日 ゴアレーベン】)
エテコンの本拠地を訪問
■7日目(6月12日)
ゴアレーベンに別れを告げ、昨年6月、東京電力株主総会への抗議行動で訪日し、福島も訪問したエテコン(財団法人 倫理と経済)の本拠地デュッセルドルフへ行きました。夕方は地元新聞によるインタビューを受けました。
■8日目(6月13日)
朝から昼にかけてフリードリヒ・エンゲルスが生まれ育ったヴッパータール市を訪問しました。世界最古のモノレールに乗って町を縦断。エンゲルス博物館と隣の「ドイツ工業化の黎明(れいめい)期」博物館を見学しました。
夜はエテコン主催の集会です。NAZENと診療所、それぞれにカンパをいただきました。
動労千葉・水戸に熱い共感 ベルリン
■9日目(6月14日)
2泊3日のデュッセルドルフも大盛り上がりでやり抜き、14日晩にまたベルリンに入りました。
途中、洪水の影響でマグデブルクで予定外の乗り換えをしなければならず、相当大変な思いをしました。
(写真 クルトンさんの案内で、駅保安要員の削減が進むベルリン都市鉄道の職場を見学【6月17日
】)
安全破壊する民営化と対決
■10日目(6月15日)
遅めの朝食をとって、ラーベンさんと集会の綿密な打ち合わせ。一緒に集会を準備し、団結を固めます。
集会の会場はクルド民族の抵抗運動の会館です。毎年11月に東京・日比谷で行われている全国労働者総決起集会でクルド人たちがオジャラン氏の写真を掲げて登壇し発言している写真を見て、今回の会場を無料で貸してくれることになったそうです。
クルド人たちは、到着すると同時に熱く抵抗運動について語ってくださいました。そうこうしているうちに集会の始まりです。
ラーベンさんからこの間の経緯を話してもらい、簡単に自己紹介。今年の3・11反原発福島行動13の映像を見てもらい、椎名さんが報告しました。
ものすごく大きな反応を引き出したのは、被曝労働を阻んだ動労水戸のストライキの動画でした。職場で頑張る労働者からびんびん反応が返ってきます。
ベルリン行動委員会の仲間は「自分の闘いに通じるものがある」と切り出し、「ドイツでは09年から民営化との闘いが始まった。安全が切り捨てられることに対して、闘っているのは組合幹部ではなく、現場の組合員。『事故はすべて資本の責任であって労働者の責任ではない』と繰り返し訴えてきた。今では資本の側についている労働者は10%。多くの労働者が行動に立ち上がるところまではまだ行っていないが、事故の原因がわかるようになってきた。手応えはある。そして動労水戸や動労千葉の闘いも私の手応えです」と語りました。
彼は07年の機関士労組のストライキを現場で指導したリーダーです。心からつながった瞬間でした。職場から原則的に闘う労働者が国際連帯の基礎をつくっていると実感しました。
別の仲間からは「ドイツでは反原発運動は市民、労働組合は労働運動と別れているのに、日本では労働組合が反原発運動を取り組んでいる。なぜそういうことが可能なのか」といった質問も出ました。かんしょ踊りはこれまたノリがよく、とりわけクルド人たちがとても気に入ってくれました。
集会を終えて、ベルリンのトルコ人、クルド人がトルコでの闘いを応援するためにテントを立てて抗議集会をしている現場を訪問。国際連帯委員会も発言しました。私たちは、歴史が動くような躍動、また世界情勢とダイレクトに連動する緊迫するヨーロッパを肌で感じました。
独階級闘争の歴史を学んで
■11日目(6月16日)
午前中は、労働組合活動家の方たちと朝食。「日本の労働運動の現状を知りたい」という質問に答えたり、「労働学校をどうやって組織したらいいのか」という話になったり、非常に有意義な意見交換となりました。
午後はベルリンの労働者たちの闘いの史跡をめぐるフィールドワークに参加しました。
特に印象的だったのは、ベルリンのヴェディングという地区が大戦間のドイツ共産党(KPD)の大拠点だったということです。
1929年のベルリンメーデーは社民党州政府のもとでデモが禁止されました。しかし共産党は大デモを敢行、警察の暴力的な弾圧が行われました。それに対してさらに大きな抗議デモ。赤旗の出ている窓という窓に警察が発砲するという事件が起き、民衆の3日間の抗議が吹き荒れ、5月4日に同地区が警察によって封鎖されました。集まることが禁止され、30人以上が死亡、数千人の逮捕と負傷という事態になりました。しかし労働者階級は「赤いヴェディング」という歌をつくり、この歌が民衆の心を圧倒的につかんだそうです。労働運動がナチスと闘った息づかいが聞こえてくるようなフィールドワークでした。
ドイツ語で椎名さん演説
■12日目(6月17日)
午前中は、やはりベルリンにあるIPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部と交流しました。こちらから福島の現状やふくしま共同診療所の今などを話しながら、とても有意義な意見交換ができました。
午後からは、ベルリン行動委員会のクルトさんによる職場案内です。ベルリンの都市鉄道では今、駅保安要員の削減が進んでいるとのことです。すでに300人が削減され、その人たちは解雇と広域移動を強制されたようです。さらにこれから250人の削減が狙われている。それに対して組合幹部は、闘うどころか協力する協約を結んでいるそうです。機関士労組の執行部は自民党のような党派が牛耳っているというのです。
こんな話を駅でしている間にも、同僚が声をかけてくれます。抵抗が広がっていることが感じられました。
さらにその後、クルトさんが一緒に闘っているベルリン行動委員会の指導的仲間と交流しました。同行動委員会は11年12月13日に結成され、今までに100回以上、ビラを配布したそうです。文字の少ないわかりやすいビラを繰り返し読んでもらい、だんだんみんなの意識が変わってきたと言います。
そうこうしているうちに、ドイツで最後の集会が行われるベルリン近郊の町に到着しました。ネオナチが暴れていたのを住民が立ち上がって追い出した町だそうです。
集会では「労働組合を軸にした環境保護運動なんだ」という話や、福島の現実、動労水戸の被曝労働との闘いなどの話が大いにかみ合う。「デモの人数が減っているのでは?」という意見にも動労水戸の闘いで得た教訓などで返答し、会場も盛り上がりました。
最後は、椎名さんのドイツ語での「私たちの誓い」に圧倒的な拍手喝采が寄せられました。最後の集会にふさわしい盛り上がりでした。
打ち上げでベルリン行動委員会の中心メンバーと集会主催者、そして私たちで手をつないで「うぉ〜!」と一体化。団結した瞬間でした。いろんな話をして、名残惜しくも最後の夜を満喫しました。
今回の訪独をとおして、8・6ヒロシマ闘争と、動労千葉ら3労組が呼びかける11月全国労働者総決起集会での再会を約束することができました。
(写真 椎名さんが「3・11反原発福島行動13」の集会宣言「私たちの誓い」をドイツ語で読み上げ、参加者から拍手喝采が寄せられた【6月17日
ベルリン近郊】)
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週刊『前進』(2590号5面2)(2013/07/01 )
7・14全国水平同盟結成大会へ
部落解放へ闘う新組織つくろう
7月14日、大阪で新自由主義と闘う部落解放運動の新組織「全国水平同盟」の結成大会が開かれる。同日の三里塚全国闘争と一体で成功させよう。結成準備会のアピールです。(編集局)
「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と発した水平社宣言から91年。今再び部落解放への新たな宣言を発する時が来た。
私たちは7月14日、新自由主義と対決し絶対反対・階級的団結で闘う部落解放の新しい全国組織を結成します。既成の部落解放運動の屈服と解体をのりこえ、300万部落民の解放と6千万労働者階級の解放のために闘う全国水平同盟の結成を宣言します。
日本帝国主義は、最末期の延命策である新自由主義が全面的に破産し死の恐怖にのたうちまわっている。全世界で革命情勢が到来している。動労千葉を先頭とする昨年10・1、3月ストライキはJR資本の外注化を破綻の危機に追い込んだ。そして、国鉄分割・民営化26年目にして支配階級の中枢による不当労働行為を白日のもとに暴き出した。私たちは敵の心臓部に手をかけたのです。
部落差別とは、労働者階級を分断し団結を破壊する、資本による攻撃です。新自由主義はすべての労働者を非正規にし、失業・半失業状態にたたきこむ。その切っ先に部落民を位置づけ、部落を解体し、あげくの果てに被曝労働へと駆り立てる。全国水平同盟は、このような社会の根底的転覆へ、差別の撤廃と部落民の解放を労働者自己解放=プロレタリア革命の中に求め闘います。
その最先頭に立つのは、新自由主義による道州制−更地化(住宅追い出し、八尾北医療センターつぶし)と闘い抜いてきた西郡・八尾北闘争です。そして無実の部落民・石川一雄さんの狭山差別裁判糾弾闘争です。西郡住宅闘争16年、八尾北労組13年、狭山闘争50年の闘いは部落解放運動だけでなく労働運動全体の未来をも決します。全国水平同盟はこの地平を踏み固め、非正規職撤廃を掲げて運動の飛躍的発展と組織(団結)の拡大をめざして闘う部落民の自主解放組織です。
ついに部落民が階級分断攻撃をぶち破り労働者階級の解放の最先頭に躍り出る時が来た。その武器は労働組合です。この武器を再生させ、つくり出そう。
全国の部落のきょうだい、そして差別と抑圧、搾取と収奪と闘うすべての労働者・農民・人民のみなさん。全国水平同盟の旗のもとに結集してともに闘おう! 7・14全国水平同盟結成大会に結集しよう。市東さんの農地死守、三里塚全国集会と連帯し成功させよう。
2013年6月
全国水平同盟結成準備会委員長 岡邨洋(西郡支部長)
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【要項】7・14全国水平同盟結成大会
7月14日(日)正午開場、午後1時開会
桂人権コミュニティセンター(大阪府八尾市桂町2―37/近鉄八尾駅前から近鉄バスの「萱島」行きで「西郡」下車)
呼びかけ 全国水平同盟結成準備会
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週刊『前進』(2590号6面1)(2013/07/01 )
広大に闘う自治会を
6・20広大集会が大成功
自治会執行部の選挙始まる
全国学生と広大生が大合流
6月20日、広島大学東広島キャンパスで「百武君への処分阻止! 広大に学生自治会をつくろう! 全国学生集会 広島大学」(主催・広島大学学生自治会準備会)が開催されました。
この日、広大当局は「大雨」を理由になんと午後の授業をすべて休講にするという異例の措置をとり(実際には小雨だった)、全国学生と広大生との合流を妨害しようとしました。それにもかかわらず、昼休みと夕方の両集会は多くの広大生の注目と飛び入り参加を得て大成功しました。その根底には、大学当局に対する多くの広大生の怒りが渦巻いています。
この間、広大当局は自治会準備会代表の百武拓君(理学部3年)に対して、停学や退学も含む重処分を狙い、理学部長による呼び出しなどの攻撃をかけてきました。他方で広大当局は、3・11福島原発事故の直後から「放射能安全キャンペーン」を振りまく御用学者・神谷研二を福島に派遣し、神谷がその「功績」によって「防災功労者内閣総理大臣賞」をもらったことをHPで得意げに発表しています。
しかし、福島で現実に起こっていることは何か。すでに12人もの子どもに甲状腺がんが発見され、今もなお多くの住民が被曝を強制され続けています。昨年の8・6ヒロシマ大行動の本集会において、福島から駆けつけた佐藤幸子さんは何と訴えたか。「(2011年の)3月31日を私は忘れない。あの日、神谷研二が記者会見で『指定区域以外は子どもたちは外で遊んでもいい。マスクもいらない』と言っているのを聞いた瞬間、『子どもたちがモルモットにされる。被曝させられる。殺される』と思いました。本当に悔しかった」――この福島の命の叫びと怒りの爆発によってついに神谷は福島からたたき出されたのです。
それにもかかわらず、広大当局=浅原利正学長(神谷と同じ医学部出身)は本年4月から神谷を副学長へと「昇進」させ、百武君に処分を下そうとしているのです。絶対に許せない!
百武君への処分を阻止し、広大に闘う学生自治会をよみがえらせる闘いは、安倍政権による「福島圧殺政策」を大学の中から打ち破る闘いであり、原発再稼働・輸出攻撃との最先端の攻防です。6・20の一日行動は、こうした大学のあり方への怒りの声を結集しながら、自治会建設の歴史的挑戦に向けて広大生と全国学生の団結を打ち固める場として大成功しました。
(写真 昼休み集会後、広大生と全国学生で力強く学内デモ【6月20日 広島大学東広島キャンパス】)
百武君を先頭に当局を追及
昼休み集会は、多くの学生が飛び入りで参加し、討論に加わり、一緒に記念撮影を始める学生も現れるなど圧倒的な注目を集めました。
集会冒頭、広大のサークル自治団体である文化サークル連合(文サ連)所属の1年生が百武君の処分に反対する声明文を読み上げました。文サ連代表としてサークル自治を守り抜くために最先頭で闘ってきた百武君への処分策動に対し、多くのサークル員から反対の声が上がっていることが示されました。続いて百武君が発言に立ち、「今、14のクラスから処分反対の決議が上がり、170を超えるメッセージが集まり、学生の声が僕への処分を止めています。安倍政権と一体となって原発再稼働を進めているこの大学を自治会をつくって変えていきます」と力強く宣言しました。さらに、法政大の武田雄飛丸君と福島大生が連帯アピールを行った後、広大生を先頭にいざ学内デモに出発!
デモ隊はそのまま学生総合支援センターのある学生プラザへ。百武君への処分反対のメッセージとクラス決議を携え、申入書を出しにいきました。ところが、応対した窓口の職員は「私は処分について知らないから受け取れない」などと言って受け取りを拒否しました。広大では前代未聞のことです。これに全国学生の怒りが爆発!
それなら直接学長に手渡そうとみんなで学長室に詰めかけました。ところが、学長室前でも職員数人が阻止線を張り、その場にいた学長室長はやはり申入書の受け取りを拒否。このふざけきった態度に学生の怒りはいっそう爆発し、その場で室長を徹底追及! 追い詰められた室長は「坂越理事の決定によって、大学として申入書を受け取らないことを決めていた」などと言い出し、さらに「窓口の職員もこの決定は知っている」と白状しました。学生からの追及を逃れるための卑劣なペテンが暴かれ、揚げ句の果てにその場で職員同士で責任のなすりつけあいを始めるという醜態をさらけ出しました。最後には、「これだけの学生のメッセージ・クラス決議が出ている。学生の意見を聞かないということか!」と追及し、ついに申入書を受け取らせました。
夕方の集会では、初めに百武君から本日の行動の総括と自治会建設への決意が熱く語られ、学生自治会準備会の仲間たちも百武君と団結して闘う決意を語りました。
続いて全学連の斎藤郁真委員長が連帯アピール。斎藤委員長は、この時代に学生が決起する意義の大きさ、広大に学生自治会を建設することがどれほど安倍政権の原発政策を打ち砕く力を持っているかを強調し、全国大学に学生自治会が建設されればこの社会を必ず変えることができると訴えました。さらに法政大、福島大、京大、東北大、富山大、岡大、三理塚行動隊からそれぞれの闘いの報告とともに、広大自治会建設との連帯が表明されました。
最後に、いよいよ6月26日から投票が始まる自治会執行部選挙へ向けて中央選挙管理委員会の発足が報告され、本日の行動の成功からただちに自治会選挙決戦へ移ることが確認されました。学生自治会準備会副代表の音頭で「団結ガンバロー」を三唱し、この日の行動を締めくくりました。
(写真 自治会選挙の初日から元気よく訴える委員長候補の百武君)
神谷研二・佃和夫の解任を
6・20全国集会の大成功によって、キャンパスでは翌日から「昨日の集会を見ました」などの反応が多くの学生から寄せられ、自治会建設への意見もたくさん出てくるようになりました。こうした熱気に満ちた雰囲気の中で、6月26日からいよいよ自治会執行部選挙が始まりました。初日から「百武コール」でエールを送ってくれる広大生のグループが現れるなど、ものすごい注目です。
百武統一候補は立候補声明で訴えています。「福島県民をモルモットのように扱っている人物たちが、大学で学生の意思など尊重するわけがありません」「大学は学生のことを、未来を担い社会に責任を取っていく存在として見ることはなく、逆に言われたことに従い管理する対象としか見ていません」「大学の主人公は学生であることを彼らに見せつけてやらなければなりません」
この訴えに、学生が本来持っている誇りが示されています。
また、百武統一候補が力を込めて訴えているのは、広大の経営協議会に日本最大の原発・武器メーカーである三菱重工の元会長・佃和夫が入っていることへの怒りです。佃は安倍政権の「教育再生実行会議」の副座長でもあり、「武器輸出三原則」の緩和の急先鋒(きゅうせんぽう)でもあります。広島大学は表向きは「平和を希求する精神」を掲げながら、その実態は安倍政権とともに原発や武器輸出に突き進む三菱重工が運営を握っているのです。
「神谷・佃を解任することは国家をも揺るがす闘いです。広大生にはそういう力があります。広大をフクシマに向き合える大学にしよう!」――この百武君の訴えが多くの学生から共感を持って迎えられています。
広大自治会建設は歴史の帰趨(きすう)をかけた大決戦です。かつて日本帝国主義・文部省と広大当局は、広大学生運動の圧殺・解体をかけて大学移転を強行し、学生寮や教養部学友会などの学生自治会を暴力的に解体しました。しかし、今日の世界大恐慌と3・11後の時代の中で、抑えつけられてきた広大生の怒りがついに爆発し、新たな闘う学生自治会の建設をかちとる時がきたのです。この力で、広大生は今年の8・6ヒロシマ世界大会の最先頭に立ちます! 全国の学生・労働者、福島の人びとと心をひとつに広大生は闘います!
(広大・S)
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週刊『前進』(2590号6面2)(2013/07/01 )
7・14三里塚全国集会へ
緊急3万人署名推進しよう
三里塚は7・29農地法裁判判決に向けた最後の闘いに突入している。市東孝雄さんに対する農地強奪攻撃は、三里塚芝山連合空港反対同盟47年の闘いに対する凶暴な反革命攻撃であると同時に、日帝・国家権力の絶望的危機の表れである。大恐慌―3・11情勢のもとで労働者と農民の怒りが結合し、福島・沖縄人民の決起と三里塚闘争が結合することを敵は極度に恐れている。攻撃の脆弱(ぜいじゃく)性を見据え、階級的労働運動を発展させ、全力で闘えば必ず勝てる。この2週間、3万人署名を集め、7月14日、国家権力を震え上がらせる戦闘的大隊列で千葉市中央公園を埋め尽くそう!(要項1面)
(写真 天神峰の市東さん宅離れで出発前の打ち合わせ。「3万人達成へ闘うぞ!」【6月23日】) 7・14大結集で安倍打倒を
日帝・安倍政権は崩壊的危機に突入している。空前の規模の金融緩和政策で株価は乱高下し、長期金利は上昇している。「成長戦略」の目玉であるインフラパッケージ輸出は進まず、原発再稼働、辺野古新基地建設も闘いの前に阻まれている。何よりも、大争闘戦時代に勝ち抜くためには、新自由主義攻撃を一層進め、労働者の賃金を圧縮しなければならないが、そこに立ちはだかっているのが動労千葉を先頭とする「国鉄1047名解雇撤回」の闘いだ。
三里塚闘争もまた安倍政権打倒の戦略的環となっている。環太平洋経済連携協定(TPP)は労働者・農民への搾取・収奪を極限化する経済政策であり、日米安保同盟強化の軍事政策でもある。三里塚は70年安保・沖縄決戦の一環として闘われ、「反戦のとりで」として帝国主義の安保・軍事政策との対決を徹底的に貫き阻み続けている。この地平は決定的だ。
安倍政権の成長戦略の一つである「成田―羽田を結ぶ都心直結線」計画や産業競争力会議での「3本目の滑走路を」との声は航空政策の破綻の表れだ。
われわれの階級的責務は、6・9国鉄集会を歴史的転換点として開始された「4カ月決戦」に勝利し、戦争と大失業の安倍政権に断を下すことである。
革共同は希代のスパイを粉砕した勝利的地平に立ち、党と労働組合の一体的建設を推進する。あらゆる職場で新たな時代の反合・運転保安闘争を闘いぬこう。それと一体で反戦・政治闘争の発展をかちとろう。権力奪取・プロ独権力樹立をめぐる主戦場として階級的労働運動を闘いぬいてきたわれわれこそが今こそ主流派・多数派へと飛躍するときだ。
三里塚の威力発揮するとき
三里塚闘争の革命的威力をいかんなく発揮すべきときが来ている。国家権力打倒の思想と、闘いの徹底性・根底性において、そして労農連帯の生きた実践として、日本階級闘争史において三里塚は不滅の輝きを放っている。三里塚は「空港絶対反対」「農地死守・実力闘争」の原則を一筋に貫き、47年にわたって勝利し続けてきた。
67年10・10外郭測量阻止闘争を皮切りに、幾多の実力闘争を血を流しながら闘いぬいてきた。83年3・8分裂を頂点とする「話し合い」による条件闘争へと闘いを変質させようとする攻撃を粉砕し、「絶対反対同盟」として屹立(きつりつ)してきた。この闘いの中で星野文昭同志をはじめ多くの不屈の革命家を生み出してきた。
動労千葉のジェット燃料貨車輸送阻止闘争は、反対同盟との労農連帯闘争と反合・運転保安闘争の一体的展開であり、国鉄分割・民営化反対闘争の土台となった。
社会の生産を担う労働者・農民が誇りを取り戻し、同志的な信頼関係をさらに打ち固めることは、日本帝国主義打倒・プロレタリア独裁樹立への決定的課題である。それを具体化してきたのが三里塚闘争だ。福島・沖縄の怒りと三里塚の結合をさらに強め、安倍政権の農業・農民切り捨てに怒る日本農民の先頭で立ち上がった全国農民会議をさらに発展させよう。緊急3万人署名を武器に、青年労働者・学生をはじめあらゆるところに分け入り、7・14大結集を実現しよう!
農地の強奪を絶対許さない
成田空港会社(NAA)は市東さんの農地を強奪する攻撃を絶望的に強めている。裁判所を使った農地法による農地強奪攻撃は、実質的な強制収用攻撃であり、その規模は戦後最大だ。市東さんの営農、生活、生きがいの一切を奪おうとするものだ。
土地収用法でも奪えなかった農地を農地法で奪うなど言語道断だ。戦後の農地改革によってかちとられた耕作者主義の精神を踏みにじる暴挙を、改憲攻撃の先取りを絶対に許しはしない。
土地買収は耕作者である市東家に秘密裏に行われたこと、土地明け渡し請求の根拠は偽造文書であることなど、違法・脱法の数々で満たされたNAAの悪行こそが裁かれなくてはならない。
NAAが仮執行宣言付き判決を求めることなど絶対に許せない。そもそも仮執行宣言は「金銭賠償によって原状回復が可能な場合」に認められているにすぎず、農地への適用はありえない。
市東さんは国家権力の全体重をかけた攻撃に対し、「1億8千万円より1本100円の大根のほうが大事」「やられればやられるほど、逆に何くそというのが出てくるのが人間だと思うんです。私も体を張って闘います」と、札束と暴力に屈せず空港廃港まで闘う決意を明らかにしている。
緊急3万人署名と7・14集会への大結集で、多見谷裁判長に市東さんの怒り、全国の労働者・農民・人民の怒りを思い知らせよう! 革命的共産主義運動が反対同盟農民との血盟を誓い、階級性をもって磨き鍛え上げてきたやいばを振り下ろすときは今だ。
〔土屋栄作〕
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週刊『前進』(2590号6面3)(2013/07/01 )
3万人署名一斉行動
反対同盟先頭に
“7・14へさらに奮闘を”
6月23日、反対同盟は市東さんの農地強奪を阻止する緊急3万人署名の第2回一斉行動を行った。前回は騒音直下にあたる成田市下総地区を回ったが、今回は空港の東側の成田市大栄地区や多古町を中心に回った。
午前9時、天神峰の市東孝雄さん宅離れに反対同盟と支援連が集合。北原鉱治事務局長が「この署名を7月14日の全国集会で集約し、ただちに裁判所に提出する。期日が迫っているから拍車をかけてがんばろう。TPPは日本農業を解体するものだ。日本農民の未来のために今日一日を闘おう」と一同を鼓舞激励した。
それぞれの分担地域を地図で確認し、署名用紙、カラービラ、リーフなどを携え全員が飛び出した。宣伝カーは北原さん、宮本麻子さんを乗せて出発。
婦人行動隊の木内敦子さんは、東峰に隣接する川上地区を回った。大半が農家で、反対同盟とのゆかりも深い。「こんにちは!」と明るく声をかけて、市東さんの農地裁判の判決が来月に迫っていることをストレートに訴えると、作業の手をとめて、ビラを見ながら真剣に話を聞いてくれる人たちばかりだ。
市東さんや萩原進さんと旧知の仲の人もおり、「おれも反対運動の最初のころはヘルメットをかぶって参加した。萩原進は青年行動隊の隊長だったな」「天神峰はしょっちゅう通る。孝雄さんも跡を継いでもう10年以上か」など、話に花が咲いた。農作業中の市東さんの写真をクローズアップしたビラは、多くの人の目をくぎ付けにする。
木内さんは「家が離れているから農家を回るのは大変」と笑顔で語りながら、家族を含め次々と農家の署名を集め、20筆を超えた。さらに日頃から自分の職場や最寄りの駅でもひとりで署名を集めているという。「中核派ももっとがんばって」と叱咤(しった)激励をいただいた。
宣伝カーからは、国家権力とNAAの農地強奪攻撃を弾劾する宮本麻子さんのアピールが響き続けた。要所要所では反対同盟ののぼりを掲げながら、北原さんが「辻立ち」演説を行い、農地取り上げに対する闘いの正義を力強く訴えた。
夕方に再び市東さん宅離れに集合し、結果を集約。この日の行動で132筆の署名が集まり、概算で総計5700筆を超えることが報告された。
各地域での奮闘が報告され、最後に萩原進事務局次長がまとめの発言を行った。「空港が存続の危機であるがゆえに、推進側から3本目の滑走路を造れとか、24時間化しろなどと声が上がっている。だが実際に空港がもたらしたのは地域から人が減っていく事態であり、空港をもろ手を上げて受け入れている住民はいない。反対を貫いてきたわれわれは少数派といえども全体の情勢を規定している。今日の闘いでそのことがあらためてはっきりした。7月7日にも一斉行動をやろう」と呼びかけ、7・14への奮闘を要請した。
(写真 〈上〉北原事務局長が辻立ち演説で三里塚の正義を訴えた【多古町】)
(写真 〈下〉木内敦子さん【右】は農家を回り次々と署名を獲得【成田市】)
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週刊『前進』(2590号6面4)(2013/07/01 )
2013年日誌 6月18日〜24日
原子力規制委が原発新基準/都議選で自公が「過半数」
●慰安婦めぐる勧告「従う義務なし」
国連の拷問禁止委員会が日本維新の会の橋下徹共同代表らの軍隊慰安婦問題での発言内容に反論するよう日本政府に求めていたが、安倍内閣は従う義務はないとの答弁を決めた。(18日)
●官房機密費、半年で6億3千万円
安倍政権発足の12年12月26日から6月12日までに支出された内閣官房報償費(官房機密費)の合計は6億3021万1千円だった。(18日)
●原発新基準を決定 原子力規制委員会は、原発の新しい規制基準を正式に決定した。過酷事故、地震や津波、航空機テロなどの対策を大幅に強化した。原子炉等規制法の規則として7月8日に施行する。(19日)
●核攻撃「民間は標的外」 米国防総省は、民間人や民間施設を標的にしないなどとする核兵器運用の指針を公表。差し迫った脅威として核開発をする北朝鮮とイランを挙げた。(19日)
●米の金融緩和「来年にも終了」 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、金融市場に巨額の資金を供給する量的緩和策を今年後半にも縮小し、来年半ばには緩和策を終了する可能性を示した。(19日)
●アイルランド初訪問 安倍晋三首相は日本の首相として初めてアイルランドを訪問しケニー首相と会談。両国の関係強化、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉の早期妥結を目指すことで一致した。(19日)
●ブラジル大統領訪日、デモで延期
バスや地下鉄の値上げをきっかけに始まりブラジル全土の主要都市に拡大した抗議デモに約100万人が参加。26日から予定していたルセフ大統領の訪日は延期に追い込まれた。(20日)
●F22の嘉手納暫定配備期間延長 沖縄県の米軍嘉手納基地は、4カ月間の予定で1月から暫定配備されているF22戦闘機12機の派遣期間を当面延長すると発表した。(21日)
●いじめ対策法が成立 いじめの早期発見や防止のための組織設置などを学校に義務づけるいじめ防止対策推進法案が可決・成立した。今秋にも施行される。(21日)
●「心の病」労災、最多 過労や仕事のストレスでうつ病になり労災を認められた人が12年度は475人で前年度の1・5倍、3年連続で過去最多を更新した。うち自殺や自殺未遂が93人で27人増、同じく過去最多に。(21日)
●辺野古移設了解へ「努力」 安倍首相は沖縄県糸満市での沖縄全戦没者追悼式に出席後、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を推進する考えを重ねて示した。県外移設を求めている自民党県連の了解、県民の理解を得るための努力をすると述べた。(23日)
●都議選で自公が過半数確保 東京都議会議員選挙で自民党と公明党がともに全員当選し、両党で過半数を確保した。投票率は43・50%で前回都議選の54・49%から10・99ポイント下落。過去2番目の低さだった。(23日)
●海のトリチウム最高濃度 東京電力は、福島第一原発の港湾内で21日取水した海水から、原発事故後、最高濃度となる放射性物質トリチウムが検出されたと発表した。1gあたり1100ベクレルだった。(24日)
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週刊『前進』(2590号7面1)(2013/07/01 )
立ち上がるアメリカ非正規労働者
ランク&ファイルのストが拡大
労組破壊と闘う国際連帯を
(写真 4月4日、ニューヨーク市のファストフード労働者のスト。1968年同日、メンフィス市の清掃労働者のスト支援に駆けつけたキング牧師が暗殺された。「アイアムアマン【私は人間だ】」はその時のデモのスローガン)
1981年レーガン登場、全面的な新自由主義化から32年、03年のイラク開戦から10年たった。あらゆるデマ宣伝と暴力で、闘う労働者を弾圧して強行してきたこれらのものが今、すべて大破綻している。大恐慌、大失業、非正規職化、ドル大暴落の切迫、そして米軍の暴虐と敗戦で新自由主義の破産は誰の目にも明らかだ。いたる所で階級と階級が正面激突する時代だ。エジプト、トルコ、ブラジルなどの革命、デモ、ストは、労働者階級が全世界を獲得する力を示している。
NYでファストフードスト
●ブラック企業のウォルマートでの大スト
マクドナルドなどのファストフード店の労働者は、非正規労働者として無権利状態を強いられてきた。わずかな権利を主張しただけでも解雇された。店舗丸ごと閉鎖、全員解雇で職場の仲間がばらばらにされた。離職率が高くて人間関係がつくりにくく、組織化は困難を極めた。
だが、昨年のクリスマス商戦を直撃したウォルマートの初めての大規模ストは巨大な激励となった。ウォルマートは外注化、非正規職化、労働条件の極限的悪化を進め、自社ブランドの製品を大規模に委託生産するビジネスモデルを作り上げ、日本のユニクロのモデルとなったブラック企業だ。また、米財界の労務政策の最先頭で労働法・規則の改悪運動をリードしてきた。委託先のバングラデシュの工場では労働運動の活動家をギャングに襲撃させ、安全規則を破り、昨年末の大火災と今年4月のビル崩壊で労働者を虐殺した。
あのウォルマートでさえストができた!――巨大な突破口が開かれた。
●労組結成前にスト突入! 他の大都市に波及
今年4月のニューヨークのファストフード店のストライキは、マクドナルド、ウェンディー、ケンタッキーフライドチキンなど多資本、多地域にまたがる大規模なものとなった。しかも、労働組合結成以前にストに突入したのだ。これは、アメリカ労働運動の「常識」を打ち破るものだった。
これは、体制内労組幹部に対するランク&ファイルの闘いの中から生み出された転換だった。
ファストフードストライキは、シカゴなど他の大都市にも拡大した。特に重要なのが6月初旬のデトロイトのストだ。SEIU(サービス従業員国際組合)の御用幹部の制動に対して職場の労働者が反乱し、400人のファストフード労働者のストライキを労組執行部が公認せざるをえないところまで追い込んだ。
大恐慌の破産の中で、体制内労働運動が破綻し、ランク&ファイル運動が新たな力をもって台頭している。
(写真 オバマによる歳出強制削減、無給休庁【賃下げ】に対しIRS【内国歳入庁】労働者が抗議集会・デモで怒りをたたきつけた【5月7日 ニューヨーク】)
ILWU本部の抑圧に反撃
●三井・伊藤忠のロックアウトに対し実力闘争
ILWU(国際港湾倉庫労組)は、アメリカでもっとも階級的で戦闘的な労働組合だ。
だが、このILWUで重大な労働組合の変質が発生している。
一昨年からILWUローカル21(ワシントン州ロングビュー港)に対して、米バンジー社と伊藤忠などとの合弁会社であるEGT社(穀物輸出ターミナル)が、組合員を作業から排除する攻撃をかけてきた。
これに対してローカル21の労働者はILWU全体に対する労組破壊の突破口だと見抜き、実力阻止闘争で闘った。それは11年秋のオキュイパイ・オークランド運動の大爆発と2万人の労働者によるオークランド港閉鎖などに発展し、全米の労働運動の焦点になった。
だがILWU本部は、内容をローカル21組合員にまったく知らせずに、資本と協約を締結したのだ。それは@ILWUの根幹であるハイヤリングホール(組合が作業配置の主導権を取る)解体の道を開き、A1日12時間労働導入、B安全のための労働中断条項の削除などが含まれている。
しかし、この本部の裏切りと抑圧にもかかわらず、ランク&ファイルは不屈に反撃している。
今年冬から、ワシントン州バンクーバー港では、三井物産の子会社、ユナイテッドグレイン社(UGC)とILWUローカル4の組合員が激突している。
●丸紅が公然と労働安全衛生法違反
また5月6日、オレゴン州ポートランド港のILWUローカル8に対して、丸紅の子会社であるコロンビアグレイン社が、ロックアウトしてきた。
今度の理由は、もっと悪らつだ。ローカル10組合員が、OSHA(労働安全衛生法)に規定されているとおりに設備の点検をするように要求したことに対して、「作業が遅れる」としてロックアウトしたのだ。「労働安全衛生法は守る必要がない」と丸紅=コロンビアグレインは公然と宣言したのだ。
この事態に対し、ILWUローカル8は、ピケットラインを張って、現場で不屈に闘い続けている。また、遠く西海岸最南端のロサンゼルス・ロングビーチ港やハワイからもランク&ファイルの組合員がピケットに参加するためにかけつけている。
●動労千葉が「地球の裏側から連帯」
動労千葉、全国労組交流センター、動労千葉を支援する会、全学連は、伊藤忠本社へ抗議闘争を行い(11年10月)、11年、12年の11月労働者集会にILWUローカル21の委員長、組合員を迎えた。
そして今年も3月に三井物産、6月に丸紅のそれぞれの本社に対する闘いに決起した。これには、ILWU組合員はもとより、アメリカ労働運動左派の雑誌『レーバーノーツ』も注目し、「日本の鉄道労組が地球の裏側から連帯」「同じ攻撃に直面」として、丸紅闘争のビデオと解説を直ちに掲載した。
(写真 バンクーバー港で三井物産【ユナイテッドグレイン】のロックアウトと闘うILWUの組合員【3月8日】)
NSA情報収集事件に怒り
●国民全員に対し「スパイ活動」
6月5日、「アメリカ国家安全保障局(NSA)がベライゾン社〔米携帯最大手〕の加入者の全通話記録を密かに入手していた」事実が英ガーディアン紙に掲載された。誰が、誰と、何時何分に、何分間、どの場所からどの場所へ、という記録を全部取っていた。何らかの嫌疑がある人をターゲットにして記録をとったのではない。また、その人の周囲を対象にしたのでもない。ベライゾンの加入者、1億1千万人以上をすべて対象にして、ひとり残らず全記録を取った。
その後、他の携帯会社、インターネットプロバイダーからも情報を入手し、全米・全世界の電話、メール、ブログ、フェースブック等々、数十億人の通信を「スパイ」していたのだ。
●労働者人民の闘いを恐れる米支配階級
NSAの個人情報収集活動を「内部告発」したといわれているエドガー・スノーデン氏は、NSA内部の職員ではなく、外注先の企業の職員だ。しかも、外注先でも安定できず、会社をいくつも転々としてきた。
彼と同様の下請け労働者は、85万人もいるという。NSA自体の4万人の職員を加えると90万人近くになる。さらにアメリカにはほかにもCIA(中央情報局)、国土安全保障省など多くの機関がある。労働者人民の闘いに恐れおののくアメリカ支配階級は、次々に情報管理・収集体制を拡大しなければ不安でたまらないのだ。
そして、このような活動を野放図に拡大すればするほど、それを外注化し、資本の利権の種にせざるをえない。それは、内部からの反乱を生み出す。支配階級には絶対にコントロールできない。
●「テロ予防に必要」と居直るオバマ
オバマは、「テロ予防のために必要だ」と居直り、逆にNSAを告発したスノーデン氏を「犯罪者」として滞在先の香港やロシアに対して引き渡しを求めた。何という転倒か。NSAの行為こそ国家をあげた重大犯罪ではないか。
”国家が国民全体を敵としてスパイしている”ことが、かつてなく衝撃的に示されたのだ。
資本家階級は社会の少数者にすぎない。国家権力は、全国民の共同利害を代表するもののように押し出して、闘いを暴力的に圧殺することによってかろうじて支配を成り立たせているのだ。
NSA事件で、支配のベールは全労働者、全人民の前でひきはがされた。大恐慌下で、階級と階級のむき出しの大激突が始まっている。
動労千葉・動労水戸を先頭とする反合・安全闘争、外注化・非正規職化阻止の闘いは、安全破壊、外注化、非正規職化に直面するアメリカ労働者との直接の連帯だ。この道を徹底的に進もう。
〔村上和幸〕
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週刊『前進』(2590号7面2)(2013/07/01 )
6・22沖縄集会
在本土沖縄労働者を先頭に労働運動推進誓う
東京都内で「6・22沖縄集会」が在本土沖縄労働者会議と沖縄民権の会の共催で開かれました。在本土の沖縄出身者をはじめ35人が集まりました。
連帯のあいさつで、星野さんをとり戻そう全国再審連絡会議共同代表の狩野満男さんが「星野闘争は沖縄闘争。沖縄闘争は国際連帯闘争であり、星野闘争も国際連帯闘争として画期的な地平を切り開いた」として6・30星野集会への参加を呼びかけました。
続いて全学連の坂野陽平書記長が、「基地と原発がないと経済が成り立たない」とうそぶく沖縄大学教授を弾劾して5・18〜20沖縄闘争に多数の沖縄現地の学生が決起し、広島大学では自治会建設の闘いが進んでいることを報告しました。
合同・一般労組全国協議会は、在本土沖縄労働者会議の結成宣言を断固支持して闘う決意を述べ、組合員1千人建設へ向け組織拡大を進めていることを報告しました。
基調報告は在本土沖縄労働者会議代表で、なんぶユニオン委員長の宮里勝博さんです。宮里さんは、5・18〜20沖縄闘争の地平から、在本土沖縄労働者の闘いの路線を全面的に論じました。
「復帰後の沖縄の現実は、新自由主義攻撃であり労組破壊だった。そして沖縄独立論の元祖である日本共産党の徳田球一には”万国の労働者よ、団結せよ!”の思想がまるでない。われわれの闘いは、これまでの在本土沖縄出身者の運動とどこが違うのか? それは労働組合に結集して闘うことだ。沖縄現地の闘いと一体となって、階級的労働運動を闘い、国鉄闘争を闘い、国際連帯の先頭に立つことだ」と提起しました。「なかなか踏み込めなかったが、分断をのりこえるために、在本土のわれわれ自身が、本土の労働者とともに決起しなければならない」と、自らの苦闘の経験をとおして決意と展望を語りました。
沖縄民権の会の座覇光子さんは、最近韓国に旅行して「労働者はひとつ。国籍をなくすと心に刻んだ」と述べました。
在本土の労働者は「基調提起は、自分が生き闘ってきたことへの回答と勝利への道だ。沖縄の問題は国際連帯でしか解決できない。血債主義的な紐帯(ちゅうたい)から一歩突き抜けた。在本土として闘っていく確信がもてた」と実感を込め決意を表しました。
沖縄現地からは、「沖縄闘争はそもそも国際連帯をはらんだ闘いであり、新自由主義攻撃が吹き荒れる中でますます国際連帯の闘いが決定的意義を持っている。基地労働者はその基軸的位置にある」とアピールされました。
部落解放を闘う仲間は「今日の集会に感動している。私たちも階級的労働運動路線のもとで部落解放を闘うと決意している。7・14全国水平同盟結成をともにかちとろう」と熱く訴えました。
6・22沖縄集会は、階級的労働運動と国際連帯という心棒が貫かれ、画期的な内容で、在本土の沖縄出身者を先頭に全参加者の決意がみなぎる中でかちとられました。
沖縄・本土の労働者、全世界の労働者は団結して闘おう!
(東京・墨田信忠)
(写真 集会は「在本土沖縄労働者は階級的労働運動の先頭に立つ」との熱い宣言の場となった)
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週刊『前進』(2590号7面3)(2013/07/01 )
TPPを撃つC 労働者から医療を奪う
医薬品や医療機器を値上げ 混合診療・株式会社も解禁
医療・福祉労働者の決起が粉砕の力
「知的財産権」で新薬の独占狙う
日本がTPPに参加することで、米帝の要求通りになれば、まず次のことが起きる。
@ジェネリック医薬品(注)が手に入らなくなる。A薬や医療機器の公定価格が上がり、医療費がますます高くなる。
@は、TPP交渉の焦点となっている「知的財産権の保護強化」にかかわる事柄である。アメリカの要求は先発メーカーに新薬の臨床実験データの独占権を持たせることだ。これが認められれば後発メーカーは一から実験データを取り直さなければならなくなり、相対的に安価なジェネリック医薬品の製造販売は不可能になる。
Aについて。現在、薬は政府(厚労省)が決める公定価格だが、この決定過程に製薬資本が介入してくる。米韓FTA(自由貿易協定)では、医薬品・医療機器の価格決定を、申請者(資本)の求めに応じて見直す独立機関を設置している。同様のことがTPPでも要求されるだろう。
メーカーが価格決定に介入し、アメリカ並みに薬価が上がれば、降圧薬の価格は現在の2倍近くになるといわれる。高血圧症患者の負担増は大変だ。医療機器も公定価格のものがあり、医療費はますます膨らむ。
アメリカで進む医療格差と荒廃
TPPでさらに重大なことは、混合診療(注)の全面解禁と、株式会社による病院経営の解禁である。最初は「医療特区」に限定して始められ、やがて全国一律で解禁が狙われるだろう。
これは、日本の医療を大きく変えるものだ。
日本では現在、病院や診療所などの医療の本体は「非営利の原則」に立っている。「医療で金もうけをしてはならない」「平等に保険医療が受けられる」という原則だ。新自由主義のもとで現状は相当崩れているが、一応そういう原則だ。だから、株主に利益を分配する株式会社による病院経営は認められていない。それを根本からひっくり返そうとしている。
すなわち「医療への競争原理の導入」「医療の市場化」という新自由主義の攻撃だ。米通商代表部(USTR)の「外国貿易障壁年次報告書」(07〜10年)は次の2点を挙げている。
「日本の規制が、日本の医療サービス市場への外国資本の参入を妨げている」
「米国政府は……営利法人が営利病院を運営し、すべての医療サービスを提供できるようにする機会を開くことを要求している」
アメリカでは1980年代以降、新自由主義が主流になるにつれて公的医療が徐々に縮小され、保険外診療が拡大していった。それにつれて民間医療保険、大病院チェーン、製薬会社、医療機器会社が大きな利益を上げるようになった。たとえば巨大病院チェーンのHCA社は全米に350の病院を持ち(次々に既設の病院を買収)、年間200億j(約2兆円)の売り上げで、各病院の平均利益率が18%という驚異的な利益を上げている。それは、医療労働者を低賃金でとことん働かせ、また支払い約束の取れない救急患者の受け入れを拒否するなど悪らつなやり方でもうけたものだ。
アメリカの「医療改革」は、激しい「医療格差」を生み出した。保険料が高すぎて医療保険に入れない労働者が5千万人もいる。とんでもなく高額な医療費のため(表参照)、一度の病気で破産に追い込まれる労働者が続出している。
TPPをきっかけにして日本で混合診療と株式会社経営が解禁されれば、資本はもうけの大きい保険外診療(自由診療)の拡大へ向かう一方、公的保険制度は財政危機を理由に適用範囲が狭められ、きわめて不十分な治療しか受けられなくなる。カリフォルニア州ではメディケイド(低所得者用の公的医療保険)の適用対象から歯科と眼科が外された例がある。同様のことが日本でも起こりかねない。
医療労働者に対する賃下げ、労働強化、非正規職化の攻撃が、資本間の競争によって一層加速される。また病院は利益の上がらない過疎地から撤退し、過疎地の医療崩壊を一層深刻なものとするだろう。
安倍「成長戦略」の環が医療市場
医療の市場化・営利化とそのための規制緩和は日米争闘戦の激化のもとで日帝の資本家階級自身が狙い、政府に要求していることである。
安倍政権が6月14日に打ち出した成長戦略ではその最重要分野に医療が挙げられ、「健康・医療分野にかかわる産業を戦略産業として育成し、わが国経済の成長に寄与すること」をめざすと宣言した(官房長官談話)。日帝・資本はTPPを「外圧」として利用しようとしているのだ。
現在、低賃金や失業のために健康保険料や個人負担分が払えず、医者にかかれない労働者、青年がたくさんいる。国民健康保険では、5世帯に1世帯が保険料を滞納している(12年度)。滞納が続けば全額を自己負担しなければならない。「国民皆保険」の現在ですらこんな状況なのに、TPPに参加すればますます医療費は高騰し、労働者階級から医療が奪われていく。
TPP粉砕へ、医療・福祉労働者の闘いがきわめて重要だ。長時間労働や非正規職化の攻撃と対決し、動労千葉の反合・運転保安闘争路線に学んで職場闘争を闘い、団結を固めよう。職場の団結こそ、資本の攻撃をはね返す力だ。
〔畑田 治〕
【注】ジェネリック医薬品
新薬(先発品)と同じ有効成分で、先発品の特許が切れた後に、厚労大臣の承認のもとに他社から製造販売されるもの。先発品より安価。
混合診療 保険診療と保険外診療(自由診療)を併用すること。現在は認められておらず、保険外診療を受診した場合は保険診療の範囲を含む医療費全額が患者の自己負担となる。(高度先進医療など一部例外あり)
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(表)アメリカの盲腸手術入院の総費用
1 ニューヨーク 243万円
2 ロサンゼルス 194万円
3 サンフランシスコ 193万円
4 ボストン 169万円
※2000年、いずれも平均入院日数1日
(堤未果著『貧困大国アメリカ』より)
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週刊『前進』(2590号8面1)(2013/07/01 )
団結ひろば 投稿コーナー
労働者階級分断する道交法「改正」弾劾! 東京 K・F
道路交通法の「改正」案が6月7日、衆院本会議で全会一致で成立した。今回の「改正」で、てんかんや統合失調症などの持病を隠して運転免許を取得・更新した場合、「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられるという。
これはとてつもない反革命である。「改正」では、これらの持病を持った人が更新などする場合、「申告すれば」更新可能であるかのような装いを凝らしているが、誰が警察なんぞにそんな持病を正直に申告するであろうか。正直に言ったところで、どうせあれやこれや難癖をつけて免許の取得・更新をさせない方向に仕向けられるに決まっているではないか。
精神障害者にとって今回の事態は死活問題である。とりわけ運転を生業としている障害者にとっては「死刑宣告」に等しい。また、「ブラック企業」が横行して「病者」が増加している中、病気になってしまった人が運転免許の剥奪(はくだつ)を恐れて通院を抑制することさえ考えられる。これでは本末転倒だ。
さらに警察がこの罰則法を盾にして、労働者階級に分断を持ち込み、革命党と労働運動を弾圧することも十分に考えられる。今回の法「改正」はこの点でまさに治安弾圧法と言って差し支えない。
すべての障害者は階級的労働運動に結集し、法「改正」撤廃、プロレタリア革命へ前進しよう。
TPP反対宮城県民集会で市東さん署名 全学連三里塚現地行動隊 J
全学連三里塚現地行動隊は全国農民会議、みやぎ労組交流センターの仲間と連携し、6月13日に仙台で行われた「TPP断固反対! 参加撤回! 宮城県民集会」に参加しました。
当日は雨予報だったものの、なんとか天気ももち、集会には1500人の大結集! 若い人の参加も多く見られ、TPPをはじめとする安倍政権への怒りが全国に充満していることを実感できる集会となりました。
農民や漁民、医療労働者などのリレートークでは、異口同音に安倍の政策への怒りが語られ、今の政府の政策がいかに人びとの希望を無視したものになっているかが明らかになったと思います。
集会前には全国農民会議の会報「ゆい」の配布と、市東孝雄さんの農地取り上げ反対署名の呼びかけをしました。署名は50筆近くが集まりました。参加者と話すと、「成田の問題ね、知ってるよ」「昔、激しかったころに行ったことがある」などの声も聞かれ、多くの農民の中で47年間闘い抜いてきた三里塚の闘いが今も息づいていることを実感できました。
市東さんの裁判の説明をすると、農地法で農地を取られるという転倒したあり方に驚く人も。政府−NAA(成田空港会社)−千葉地裁が一体となった国策裁判のあり方は間違っているという当然の感覚は、実際に現場で農業を営む多くの農民と共有できるものであるという手ごたえをつかみました。
農業をする、漁業をする、人間らしい生活を守ることが、そのまま国家権力との闘いになっています。このことが原発やTPP、沖縄米軍基地や改憲といった「国策」のでたらめさを通して、多くの人たちの共通の認識になってきています。もう一歩、資本・国家とは非和解であるという実感を得れば、TPP反対で立ち上がる農民も、反原発で闘う労働者や市民も、三里塚の闘いともっと強固につながることができる、その可能性を感じました。
「情勢切り開いたのは自分たち」と確信した 東海 須賀川直哉
5・15沖縄闘争は、去年よりさらに熱く闘いぬくことができた、と感じています。なぜなら、今年の沖縄闘争に参加した仲間全員が「情勢を切り開いてきたのは自分であり、自分たちなんだ」という確信を持ち、組合や団体の組織者として参加していたからです。
安倍政権や大阪市長・橋下が振りまく排外主義、マスコミがあおっている「アベノミクス」や「クロダマジック」に対して求められているのは、資本家どもによって引かれた国境を越えて労働者、市民が階級的に団結することです。
新自由主義攻撃は、労働者、市民が団結すること自体を弾圧し、破壊しています。この社会をつくり、維持しているはずの労働者をまともに生かすことすらできなくなっているのです。
愛知県の郵政の配達労働者(非正規)の賃金は、「最低スキル=時給910円」で1勤務が8時間で20日働き、残業ゼロだと14万5600円です。 ここから各種控除があるので手取りで12万円程度です。
資本家どもは、自分たちが生き残るためならば、労働者、市民がどうなろうが知ったことではない、露ほどにも思わないし、顧みない。むしろ、恥も外聞も気に留めることすらできないし、なりふりなんて構っていられない。しかし、あらゆる攻撃がグローバル=国際的であるゆえ、労働者の闘いも国際的になるのだ、という確信を持ちました。
今年も東海合同労組や労組交流センターの仲間からのカンパで東海を代表して5・15沖縄闘争に参加できました。来年こそ、自分の職場・地域から闘う仲間とともに参加します。
8・6ヒロシマ−11月労働者集会へ、国鉄闘争の勝利を切り開きながら、職場闘争をつくりだしていきます。手をつなぐ仲間は目の前にいるのだと思います。
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週刊『前進』(2590号8面2)(2013/07/01 )
7〜8月機関紙拡大闘争へ
国鉄10万筆署名に取り組み細胞としてまず1部拡大を
前進経営局
国鉄闘争軸に闘おう
6・9国鉄全国運動集会は、2010年4・9政治和解=国鉄闘争解体攻撃を根底から粉砕し、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25反動判決粉砕にむけた4カ月決戦の出発点となった。国鉄闘争を基軸に新自由主義攻撃を打ち破り、安倍政権を打倒し、プロレタリア世界革命に突き進む展望を切り開いた。
動労千葉派は、他の全勢力が4・9反革命に屈する中、一見孤立したかに見えて、逆に徹底非妥協で闘うことによってすべてを獲得できる地平に立つことができた。「労働者が一つになれば勝てる」(動労千葉争議団・中村仁さん)のだ。
昨年10・1JR外注化阻止決戦は、動労千葉の存亡と国鉄決戦の成否のかかった闘いだった。地区党のもとに国鉄−4大産別を先頭とする労働者の総決起が開始された。国鉄職場を先頭に全産別で自らの職場で新たな反合理化・運転保安闘争をを開始した。
それは、国鉄を中心として拠点職場に細胞を建設し、動労千葉・動労水戸に並ぶ労働組合運動をつくり出す闘いだ。階級的労働運動潮流が連合支配を覆す新たな挑戦である。
6・2反原発闘争8万5千人結集の闘いの中で国鉄闘争を訴えたのは動労千葉派だけである。国鉄闘争の前進は反原発闘争を切り開く。国鉄闘争は、新自由主義を打倒し、プロレタリア世界革命をたぐり寄せる。だからこそ国際連帯の要ともなっている。
署名と共に『前進』を
革命的労働者党なしにプロレタリア革命は勝利しえない。真の革命党の建設は困難を極めるが、革共同は50年を超える闘いを通して、その課題に挑戦してきた。
それは、党と労働組合の一体的建設であり、中央委員会と細胞の相互獲得的な建設である。この環となるものこそ革命党の機関紙である。
革命党の機関紙は、労働者自己解放の思想と階級的団結に立脚し、その生きた実践を恒常的、系統的、大衆的に体現し、労働者階級を階級として形成する武器である。
機関紙を武器に、職場でたとえひとりであったとしても、地区党のもとに細胞性をもって一体的に闘い、方針を形成し、ビラを作り、配り、フラクションをつくって団結してきた。こうした細胞性のある闘いは必ずや職場細胞建設に結びつく。
動労千葉の労働者・労働者細胞の苦闘に肉薄する闘いが全地区・全細胞・全職場で開始された。それは地区党の根底からの決起であり、生まれ変わりであり、再創造であった。時代認識と路線における一致、実践における一致である。
この闘いは、資本・国家権力とその先兵である体制内勢力の攻撃と闘い、苦闘する青年労働者と結びつく道であった。国鉄労働運動は、青年の希望であり、生きがいである。朝ビラ、退勤時署名、職場訪問などに創意をもって取り組んだことが、労働者の心をとらえ、党との結びつきを広げていった。
先進的なある地方は報告している。5月から6月にかけて「回復を含め5部拡大した」「全逓で定期的な職場学習会が始まり、入れ替わりを含め8人が参加。その内1人を全逓労働者が定期購読者に獲得した」「自治体の拠点職場で青年労働者2人を獲得した」「昨年9月から毎月1部の拡大を続けている」「国鉄職場にバラ売りした」
6・2反原発闘争での『前進』販売は16部であった。闘いの路線をめぐって党派分岐が進んでおり、国鉄闘争の継続と前進が勝利の道であることが多くの労働者に理解されている。解雇撤回署名をした人の内2割が『前進』を薦めれば購入する。情勢は確実に変わっている。
闘いが前進すればするほど反動も激しくなり、一見後退しているかに見えることもある。しかし、国鉄労働運動の獲得性と影響力は絶大である。4・26自治労ストライキ指令を生み出したのはこの闘いである。結果に現れていない場合でも、朝ビラに対する労働者の反応、表情から、共感、闘いへの意欲を読み取ることができる。
組合権力を持ち団結を強めているところ、正面から組合権力に挑戦しているところ、職場で支持を広げているところ、新たなつながりができたところなどさまざまであるが、革命党にとって無関係なところなど一つもない。
スパイを摘発した力
革共同は、日帝国家権力の最高中枢が送り込んだ希代のスパイ分子荒川碩哉(ひろや)を6・9国鉄集会の組織化と一体の闘いとして摘発・打倒した。
その力は、党と労働組合の一体的建設、党の中央委員会と労働者細胞の一体的建設の闘いの実践による階級的団結にあった。党は階級によって不断に検証され、そこから党自身の絶えざる変革と団結を形成していく。
スパイ摘発・打倒を明らかにした声明(本紙2588号5面)は、スパイに敗北し、スパイとのとの闘いを「革命運動の暗部」のように扱ってきたスターリン主義の歴史をのりこえ、「革共同はすごい党だ」という感動を呼び起こしている。
国鉄闘争は、労働者階級の本来持つ人間的共同性をよみがえらせ、階級的団結を形成する。機関紙を軸とした日常的な党活動の3原則(会議・機関紙・財政)は、労働者の魂を再生産し、党破壊策動を打ち破る力に転化する。希代の反革命スパイ荒川を打倒した闘いが、6・9国鉄全国運動集会に上り詰めていく過程と一体であったのは、必然であった。
党と階級が一体となって白熱的に闘いぬく過程は、党を純化する党内闘争の激化の過程であり、それはまた党が拡大する過程でもある。こうした階級的な真実を権力・資本や体制内勢力はけっして見ることができない。
6・9集会に初めて参加した労働者が、体が震えるほどの感動を覚えたと語っている。不純なもの、不透明なものを暴き出し、細胞性を獲得し、党の純化と統一を闘いとる中でこそ機関紙の読者は拡大していく。
担当者会議を定期に
第一に、拡大対象者を定め、細胞としてまず一部の拡大に取り組むことである。
今日の活動の焦眉(しょうび)の課題は、団結を求めている労働者を具体的に定期購読者に獲得することである。このことなしに、国鉄闘争に勝利することも、激化する党派闘争に勝つこともできない。
大切なことは、細胞として、細胞性をもって機関紙拡大闘争に取り組み、細胞として総括し、細胞として機関紙活動の力を獲得することである。この細胞としての努力がなければ、拡大に成功しても読者として維持することができないことは多くの例が示している。逆に、細胞が学習会や読者会を生き生きと継続できていれば、おのずとそこに人は結集し、読者となり、細胞が拡大する。
第二に、機関紙担当者会議を定期的に開催することである。
機関紙を中心とした党活動のためには、日常的実務としての配布、集金活動が不可欠であり、さらに投稿、読者会・学習会、拡大闘争が一体的に運営されなければならない。その軸となるのが機関紙担当者である。
昨秋から開始された全国機関紙担当者会議では、担当者の意義が強調され、労働者同志が地区の担当者となった。「機関紙財政の問題を突破していくために、労働者同志を心から信頼して現状を正確に提起し、踏み込んだ討論を行い、具体的方針を確立していこう」(第2回全国担当者会議提起)と提起された。
読者の実態と集金の把握が進み、問題点と解決方針も明かとなってきた。紙代を紙代として毎月集金すること、不足分を組織と一人ひとりの分担金として検討すること、そのことに担当者が具体的に踏み込むことである。こうした討論が担当者会議で始まったことは決定的なことである。
第三に、配布活動の重要性があらためて明らかとなった。
配布は意志一致と実態把握のルートでもある。重要な党声明の載る号だけでなく、毎号が重要であり、機関紙配布から党活動のサイクルを確立することで、党活動は生き生きと回転する。
第四に、夏期カンパ闘争の要は機関紙だ。
革命党の財政活動は悪戦苦闘の連続である。プロレタリア権力樹立の闘いが苦闘なしに進むはずがない。このことを理解し、資本主義・帝国主義の打倒なしには人類史に未来がないことを自覚し、勝利の展望を確信した人が身を切るカンパに協力してくれる。カンパのために日常的に準備してくれる。それは機関紙の定期購読によってのみ可能である。機関紙によって人も金も生まれるのである。
7〜8月機関紙拡大闘争に決起しよう。
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週刊『前進』(2590号8面3)(2013/07/01 )
6・20世界難民デー行動
チャーター機で送還するな
東京入管への抗議・激励行動
世界難民デーの6月20日昼、外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会が呼びかけた東京入管(品川入管)への抗議行動が行われました。牛久入管収容所問題を考える会(牛久の会)、東京入管収容所を考える会を始め、動労千葉、なんぶユニオン、東京西部ユニオン、東京・神奈川の労組交流センター、さらに仮放免者、難民申請者など4・14外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会をともにかちとった仲間たちが集まりました。
JR品川駅港南口からバスで10分ほど、「東京入国管理局前」で降りると、屋上にヘリポートを備えた放射型の12階建ての東京入管局ビル。7階以上が入管収容場になっています。6月は法務省の「不法就労外国人対策キャンペーン月間」であり、その「摘発・連行」で被収容者が増加。さらに昨年末に安倍政権が打ち出した「チャーター機での一斉送還」に予算が付いたことで被収容者の不安が募っています。
午前11時半、「チャーター機で強制送還するな!」「難民を人間として扱え!」「在留カードNO!」などの横断幕を広げ、ハンドマイクで参加者のリレートークが始まりました。
牛久の会の田中喜美子さんは「生命の危険があり帰国できない難民申請者や、さまざまな事情を抱えて帰国を拒否している人びとに対し、安倍政権は新たにチャーター機で一度に100人まとめて強制送還しようとしています。同意なき一斉送還は重大な人権侵害であり、私たちは断固反対します」とアピール。動労千葉の後藤俊哉さんが労働者の国際連帯で闘おうと呼びかけました。
小雨が降る中、最後に参加者全員で入管を一周しながら被収容者に激励の声を届けました。
(写真 「収容をやめろ!」「チャーター機で強制送還するな!」と東京入管前で世界難民デー行動【6月20日 東京・港区】)
「牛久の会」がハンスト・街宣
同日、東日本入管センター(牛久入管)がある茨城県牛久市のJR牛久駅前では、牛久の会が「世界難民の日」1日キャンペーンを行い、朝から夜までハンスト・街頭宣伝を展開しました。
「6・20世界難民の日」のカラーリーフレット800枚が配布され、「自分は在日ですが在留カードがどうなっているのか聞きたい」「差別をあおる安倍や橋下は許せない」など、熱心な討論が行われました。
牛久入管は、牛久の会など支援者の面会に対して1回に会える被収容者を2人に減らし、6月からは入管職員の立ち会いをつけるなど面会活動の規制が強まっています。
チャーター機の第1便としてフィリピン便を強行するために被収容者と外をつなぐ面会を制限=妨害し、被収容者を孤立させようとしているのです。
中では被収容者たちが長期収容からの仮放免や医療などの改善、チャーター機での強制送還中止などを要求し行動を起こしています。
日帝・法務省が躍起になって追い出しを図っても、日本で生きぬく外国人労働者の闘いは拡大し、労働組合の一員として登場しています。国鉄決戦を軸に闘い、労働者の国際連帯で未来を切り開く時です。(M)
(写真 JR牛久駅前でハンスト・街頭宣伝)
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週刊『前進』(2590号8面4)(2013/07/01 )
前進社国賠 原告から証人申請の全容
スパイ荒川打倒の勝利陳述
6月21日、前進社国賠の第13回口頭弁論が東京地裁民事第1部(後藤健裁判長)で行われた。
09年10・16法大闘争に対し公安条例違反容疑をデッチあげ、2学生を逮捕。これを口実に同年10月23日、警視庁は前進社(東京都江戸川区)を家宅捜索し、記録媒体1223点を含む1418点を違法に押収した。この違憲・違法な捜索差し押さえを弾劾し、これを強行した警視庁(都)と捜索令状を発付した裁判官(国)を訴えた国家損害賠償請求訴訟である。
われわれは、違法な捜索差し押さえを行った警視庁公安部の星隆夫ら警察官11人と捜索令状を発付した裁判官1人を証人申請することを明らかにした。また、原告や捜索に立ち会った同志9人の証人とそれに関する陳述書を証拠調べ請求すると明らかにした。
ところが、被告警視庁は、警視庁公安部川島勇二を証人として尋問すれば、それで十分であるという居直りの準備書面(6)を提出した。
本件当時の09年は、06〜08年の「党の革命」をやりぬいた革共同が、労働者自己解放論で武装した党、動労千葉労働運動を徹底的に実践する党に生まれ変わり、大恐慌論と新自由主義論で武装し、非合法・非公然体制の本格的確立に総決起していた時期であった。
国鉄闘争の解体に全力をあげ、10年4・9反革命へと突き進みつつあった日帝国家権力は、この革共同の勝利に打ちのめされ、09年法大暴処法弾圧を強行し、革共同の分裂・解体を策して、いまだかつてない根こそぎとも言える大量の記録媒体の押収という大罪に手を染めたのだ。
情報収集を目的として違法な捜索を行ったことを隠蔽(いんぺい)するために、川島のみの証人尋問で済まそうとする被告警視庁の主張は絶対に認められない。
裁判の最後に、原告の同志が国家権力のスパイ荒川碩哉を使った革共同破壊攻撃を弾劾し、それを摘発・打倒する大勝利をかちとったことを力強く報告した。これは法廷の権力の代理人たちにも大きな衝撃を与えた。
「荒川は、1995年から内閣官房長官の管轄下にある内閣官房内閣情報調査室に直結し、スパイ活動を行っていた」「国家権力による基本的人権を侵害する不法・不当な弾圧が横行し、繰り返されている。われわれはもうがまんができない」「こうした現実をとことん明らかにし、改めさせる闘いにこそ、本裁判の意義と役割がある」
本件裁判の重要性があらためて鮮明となった。次回は7月19日(金)午前10時半、703号法廷。総力で傍聴しよう!
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週刊『前進』(2590号8面5)(2013/07/01 )
【要項】関西空港反対全国集会
オスプレイ受け入れ反対、関空の軍事空港化絶対反対!
住民と労働者の団結で橋下、千代松を打倒しよう!
関西空港反対全国集会
7月7日(日)午後1時集合 1時半開会
泉佐野市末広公園コミュニティ広場
集会の後デモをします。
主催 関西新空港絶対反対泉州住民の会/関西労働組合交流センター
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