ZENSHIN 2013/06/24(No2589 p06)
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週刊『前進』(2589号1面1)(2013/06/24 )
国鉄を軸に安倍政権倒せ
日米株暴落の危機-大恐慌をプロレタリア世界革命勝利へ
7・14三里塚全国集会に結集を
動労千葉鉄建公団訴訟の9・25控訴審判決に向けた4カ月決戦は、何よりも国鉄決戦を軸に日帝・安倍政権を打倒する一大決戦です。大恐慌は大争闘戦時代に突入し、日米欧の超金融緩和競争のもと、日米の異様な株価バブルとその破裂・崩壊の過程がついに始まっています。世界の労働者階級は、今こそ「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の闘いに総決起しなければなりません。時代認識と路線で団結し、組織拡大・拠点建設の前進で、労働者自己解放の勝利を開きましょう。
スパイ荒川打倒の重大地平
闘う労働者階級人民と革共同は、国家権力の希代のスパイ=荒川碩哉(ひろや)の摘発・打倒という、胸のすく決定的勝利を手にしました。
百姓一揆や戦前の闘いから、今日の三里塚や反原発闘争、そして私たちの職場での日々の闘いも、支配階級そのものとそれに使われた連中との闘いです。国労本部が組合員を警察に売り渡した02年5・27国労臨時大会闘争弾圧事件や、反原発闘争の中で「私は警察に太いパイプがある」と威迫してくる連中などに対し、闘う人びとは心の底から怒りを燃やし闘ってきました。
スパイ攻撃はまず何よりも国家の大犯罪です。英米国家機関による通信傍受=スパイ活動が政権を揺るがす大事件となっています。荒川スパイ事件はこれらと一体の、内閣情報調査室と公安調査庁による革命党の解体と労働者階級の闘いの鎮圧を狙った国家犯罪です。しかし私たちは、荒川を使った歴代政権の薄汚い反革命策動を白日のもとにさらし、日帝・新自由主義の生き残りをかけた国家戦略を断固として摘発し粉砕したのです。
かつてロシア革命に恐怖した国際帝国主義は、その対抗軸として1919年にILO(国際労働機関)を創設し、第1号条約で「1日8時間労働」をうたい、労働者階級を資本主義の幻想のもとに置こうとしました。ところが日帝は、100年近くたってもまだ1号条約すら批准できていないのです。大恐慌下の過剰資本・過剰生産力にあえぐ新自由主義・日帝は、スパイ戦略で国家を維持するしか延命の道がないほど危機に瀕(ひん)しているのです。
国鉄決戦は権力との死闘戦
荒川スパイ事件の核心は、日帝が国鉄闘争解体のために革共同の分裂・解体を狙い、それと一体で動労千葉破壊に全力を挙げてきた攻撃との闘いだということです。日本の支配階級と労働者階級の死闘の軸は国鉄決戦にあります。
「中曽根首相(当時)は、国鉄分割・民営化について『行革でお座敷を綺麗(きれい)にして立派な憲法を安置する。それがわれわれのコースだ』と公言しています」(国鉄闘争全国運動・呼びかけ文)。まさにその通りに、支配階級は分割・民営化に全力を挙げ、この過程で自民党自身も分裂して血を流し、総評も社会党も消えてしまいました。
そこまでやったにもかかわらず、日帝がいまだ改憲の入り口で足踏みしているのは、国鉄闘争が負けていないからです。この地平に立って、さらに国鉄闘争勝利への決定的な反転攻勢ののろしを上げたのが、6・9国鉄集会の大成功と「4カ月決戦」の宣言です。
白石事件暴露し10万署名を
6・9集会は、2013年前半の闘いを国鉄闘争に集約し総括する大勝利でした。それは、昨年10・1外注化阻止決戦の地平をふまえて、階級情勢を揺るがした1〜3月の動労千葉、動労水戸を軸とするスト決起、3・11福島−反原発闘争と一体のものとして、4・26自治労スト、5・1メーデー、4〜5月沖縄闘争の実践の上に闘い取られました。
6・9集会でいよいよ鮮明になったのは、「白石事件」と動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の「9・25判決」という超重大情勢の到来です。「白石事件」とは、昨年6月29日に動労千葉鉄建公団訴訟判決で「(JR採用差別は)分割・民営化に反対する労働組合に属する職員を不当に差別する目的・動機のもとに行われた」と認定した東京地裁民事11部・白石哲裁判長が突如、更迭・左遷された事件です。これは戦後史に残る「伊達判決」や「長沼訴訟」にも匹敵する重大事態です。
控訴審で動労千葉は、当時、経団連会長でもあった斎藤英四郎JR設立委員長が、不採用基準の策定を当時の国鉄職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)に指示した選別解雇の当事者だったことを示す新証拠を提出しました。ところが追い詰められた東京高裁・難波孝一裁判長は5月8日、証人申請をすべて却下し、9月25日の判決期日を指定したのです。これほど露骨で不当な訴訟指揮はありません。
9月25日は判決を待つ日ではなく、これほどの証拠がそろってなお真実を闇に葬る東京高裁を労働者の怒りで包囲し、反動判決を断じて許さない闘いの日です。
斎藤JR設立委員長の直接指示で、国労や動労千葉の組合員を排除するための選考基準を作った葛西は、あろうことか5月13日の産経新聞で「いかなる組織のリーダーも職責に応じて説明責任を負う」の一文を寄せています。上等です! 葛西を証人台に引きずり出し、説明責任を果たさせましょう。その具体的闘いこそ10万筆署名運動であり、動労千葉と国労闘争団の物資販売です。
何よりもJR職場の青年労働者に署名を訴えましょう。全国のすべての自治体職場に入りましょう。署名の一筆一筆が職場に団結を育み、資本と安倍政権の心臓部を射抜く力になります。13年10・1外注化を組織拡大決戦の勝利で迎え撃ち、断固阻止しましょう。
再稼働阻止! 8・6広島へ
「就職人気企業225社」の6割以上の企業の労組が、過労死ラインを超える残業を命じることのできる労使協約を結んでいることが明らかとなりました。住友不動産の年間残業2000時間、大日本印刷は1920時間と、まさに「工場法以前」の状態です。「もう我慢できない」と、闘う労働組合への欲求が労働者に広がっています。勝利の鍵は国鉄闘争で全力で団結することです。
4カ月決戦の過程は、原発再稼働阻止・被曝労働拒否を軸に8月ヒロシマ・ナガサキの反核・反原発決戦に総決起し、沖縄・辺野古新基地建設阻止と三里塚農地死守の闘い、改憲阻止闘争、そして反原発・反TPPを掲げ、7月参院選闘争への労働者の決起をかちとり、闘いの輪を広げ、安倍政権を打ち倒す一大決戦です。さらに広大自治会建設をはじめ学生戦線の闘いが決定的です。
6月19日、原子力規制委員会は原発の新しい規制基準を発表するとともに(7月8日施行)、大飯原発3、4号機の運転継続容認を示しました。7原発14基の運転再開も申請されようとしています。福島第一原発敷地内の井戸から高濃度の放射性ストロンチウムとトリチウム(1g当たり50万ベクレル!)の検出(5月)の未報告が明らかになったばかりだというのにふざけています。7月参院選の一大政治激動情勢のもとで、再稼働攻撃と対決し全原発廃炉を闘う7・11東京集会は、NAZEN東京結成と8・6−8・9に向けた決定的な闘いです。
安倍政権のTPP参加決定にJA北海道や群馬など全国農民の怒りが爆発しています。参院選での「自民支持見送り」を次々に決定しています。この怒りと三里塚が合流することを恐れる安倍政権との闘いが、いよいよ決定的正念場に突入しました。7・14三里塚全国集会(千葉市)−7・29農地強奪判決阻止へ、緊急3万人署名に全力で取り組みましょう。
6・30全国集会の大成功で、スパイ荒川を根底から粉砕・打倒している星野闘争の全証拠開示運動を前進させましょう。「国鉄・三里塚・星野」と、裁判所が日帝支配の矢面に立たされている構図こそ、敵の最弱点です。6・27迎賓館・横田爆取弾圧の差し戻し控訴審判決公判闘争の勝利を絶対にかちとりましょう。これらすべての闘いで国際連帯を貫き、そのさらなる発展を切り開きましょう。
熱い夏期カンパを訴えます
革共同に寄せられる熱き夏期カンパは、日帝と対決し労働者の勝利を押し開く最大最強の闘いであり、未来をたぐり寄せる力です。6・9集会のカンパアピールで、労働者同志から「闘うためのカンパを削ったら敵の思うつぼ。賃下げに負けずにカンパを増額しよう」と熱烈な訴えが行われました。そうです。4カ月決戦勝利の土台はまず、6月末の一時金からのまとまった額の、10万円単位のカンパへの決起によって始まります。
この夏期カンパ闘争の緒戦になんとしても勝利して、すべての労働者は6〜7月決起へ勇躍突き進みましょう。その軸をなすのが機関紙闘争です。機関誌拡大闘争においても大胆な前進をぜひともかちとろうではありませんか。
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週刊『前進』(2589号1面2)(2013/06/24 )
動労千葉、交流センター、全学連 丸紅本社に抗議行動
“ILWUロックアウトやめろ”
(写真 権力の弾圧態勢をものともせず、ILWUとの国際連帯をかけて丸紅への抗議と申し入れ行動を敢然と打ちぬいた【6月13日 東京・千代田区丸紅本社前】)
6月13日、動労千葉、全国労組交流センター、動労千葉を支援する会、全学連などの部隊は、東京・竹橋にある総合商社・丸紅本社前に登場し、ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル8に対するロックアウトに抗議する闘いに決起した。
抗議団が結集する以前から弾圧態勢を敷いていた警視庁公安部の刑事たちや、丸紅の守衛を尻目に、抗議団は丸紅の子会社コロンビア・グレインのロックアウトを弾劾する横断幕を正門前に広げ、抗議集会とビラまき行動を行った。
(写真 丸紅社内で抗議書を手渡し、ILWU組合員へのロックアウトの即時中止など4項目を要求)
正門前で抗議集会かちとる
コロンビア・グレインは5月4日、米オレゴン州ポートランド港で働くILWUローカル8の労働者に対し、協約交渉を一方的に打ち切ってロックアウトを強行した。この攻撃の狙いは、アメリカでもっとも戦闘的な労働組合であるILWUを破壊し、TPP(環太平洋経済連携協定)のもとでのアジア・日本向けの穀物大量輸出体制を構築することにある。
この日の丸紅本社への抗議集会では、こうした資本の攻撃の本質が発言者によって口々に暴露された。とりわけ、この攻撃の主軸を担っているのが日本の伊藤忠や三井物産、丸紅などの巨大商社であり、これらの商社がアメリカの巨大穀物資本のカーギル社やブンゲ社などと連携してILWU破壊の最先兵の役割を果たしていることが、抗議集会を通じて徹底的に弾劾された。
この闘いは国際的な連帯行動の一環として行われ、ロックアウトに対して連日のピケット闘争で決起しているローカル4やローカル8の労働者、ILWUの他支部の労働者、さらには全米の闘う労働者の圧倒的な注目を集めた。日米の労働者の国際連帯の闘いこそがTPPを粉砕し、米日帝国主義による朝鮮、中国などへの侵略戦争を阻止する唯一の道であることが鮮明にされた。
丸紅のロックアウトを弾劾するビラも配布され、昼休みに昼食をとりにでてきた丸紅社員が正門前の抗議行動に注目し、予想以上に多くの社員がビラを受け取った。
代表団が抗議の申し入れ
丸紅正面入り口での抗議集会と並行して、動労千葉、全国労組交流センター、全学連の代表からなる抗議団が動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長を先頭に、守衛や警備担当者の妨害を排して丸紅社屋に入った。代表団に対しては、会議室で林裕二穀物第一部部長付と三代川昌弘食料総括部総務企画課担当課長が応対した。代表団は、日本語と英語で書かれた抗議書を手渡すとともに、以下の4項目の要求を突きつけた。
1.ロックアウトを直ちに中止し、ILWUローカル8の組合員を職場に戻せ!
2.組合破壊と労働者の権利の破壊をやめよ!
3.警察や連邦政府による違法で暴力的な弾圧を要請するな!
4.農業、医療、労働者の権利などを破壊するTPP推進をやめよ!
代表団は、ロックアウトが労働者から仕事を奪い、日々労働者を殺す意味をもっていることを弾劾し、なによりも第1項目の要求に直ちにこたえることを強調した。
代表団の勢いと怒りの激しさに圧倒された丸紅側の代表は、この要求を直ちに現地の子会社であるコロンビア・グレイン社に伝達することを約束した。また抗議書に対して6月20日までに動労千葉あてに文書をもって回答せよという要求に対しても、回答する旨約束した。
代表団が抗議書を渡して戻ってきた段階で、正面入り口前で申し入れ行動の報告が行われた。最後に全員が正面入り口前で声を限りに抗議のシュプレヒコールを行い、抗議行動が勝利的に貫徹されたことを確認した。
この日の行動の模様はユーチューブに投稿され、ILWUの当該諸支部に送られた。またアメリカの現場労働者のための労働運動関連記事を掲載する『レーバー・ノーツ』もこのビデオを国際連帯の模範例として流している。
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週刊『前進』(2589号1面3)(2013/06/24 )
前進速報版から
▼6・9国鉄全国集会−全力を挙げ4カ月決戦を闘おう▼6・2反原発闘争(記事と動画)▼民主労総公共部門労働者2万人が決起大会
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週刊『前進』(2589号1面4)(2013/06/24 )
【要項】6・30星野全国集会、なにがなんでも!全原発廃炉7・11東京集会
獄中38年、無実の星野文昭さんを取り戻そう!
全証拠を開示させ、ただちに再審開始を
6・30星野全国集会
6月30日(日)正午開場 午後1時開始
大田区民ホール・アプリコ(JR蒲田駅東口徒歩3分)
弁護団報告/全証拠開示運動から/星野同志のメッセージ/家族あいさつ/9・8徳島刑務所包囲デモへ
主催/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
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なにがなんでも!全原発廃炉
7・11東京集会
7月11日(木)午後6時開場 6時30分開会
座・高円寺2 (杉並区高円寺北2−1−2/JR高円寺駅北口徒歩5分)
ふくしま共同診療所からの報告 被ばく労働拒否で闘う労働組合・動労水戸からの報告
主催 すべての原発いますぐなくそう!全国会議(NAZEN)
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週刊『前進』(2589号2面1)(2013/06/24 )
7・3強制出向無効確認訴訟(東京地裁)へ
新たな外注阻む決戦に
動労総連合の強制出向無効確認訴訟が7月3日午後2時から東京地裁で開かれる。裁判に先立ち、東京高裁に解雇撤回・JR復帰の判決を求める10万筆署名の第2回提出行動も行われる。4カ月決戦の勝利へ、東京地裁・高裁を包囲する闘いに大結集しよう。@dan@dan
この裁判は、外注化・強制出向粉砕の職場闘争と一体で闘われてきた。昨年来の闘いで、JR東日本が業務を委託した下請け会社は、鉄道業務を受託する技術も経験ない上、労基法も守らず、すべてが偽装請負である実態は明らかになった。
「見習い」を中止させる
こうした違法状態を居直り、JR千葉支社はさらなる外注化に向けて千葉鉄道サービス(CTS)で清掃業務に就いていた労働者に仕業・構内業務の見習いをやらせ、さらに今年度採用された大卒者7人と清掃業務に就いていた5人を検修・構内業務に就けるための養成を行う計画を出してきた。検修業務の本格的な非正規職化への踏み込みだ。動労千葉はこれ対する徹底的な抗議・追及で、幕張事業所と津田沼事業所での見習いをいったん中止に追い込んだ。
あわや感電の重大事態
6月7日には幕張車両センターであわや1500ボルトの高圧感電事故という事態が発生した。
この日は、特急車両の交番検査とメイン抵抗の交換作業が行われていた。同時に、同じ検査用レール上で別の209系車両の臨時検査も行われ、CTSが臨時検査後に209系車両を構内に引き出すことになっていた。しかし、特急車両の検査で大幅な遅延が発生したため、同じレール上にある209系車両が転線できない状況を回避しようとして、パンタグラフを上げ通電された状態でメイン抵抗の交換作業を行う事態が発生した。
10年前に、ピット下から上がろうとした労働者が感電し重症を負う事故が起きて以来、通電された状態では定められた者以外はピット下に入らない決まりになっていた。
この事態は、動労千葉組合員を始めとしたベテラン労働者が交番検査などの主要な業務から排除され、命と安全を守るための基本的な技術の継承が断たれてきたことに根本原因がある。外注化されていなければCTSの転線作業に左右されることもなかったはずだ。
反合・運転保安闘争、外注化・非正規職化阻止の闘いはまさに死活的だ。委託業務と強制出向者を直ちにJRに戻せ!7・3強制出向無効確認訴訟を全力で闘おう。
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【要項】動労総連合 出向無効確認訴訟、「解雇撤回・JR復帰」署名提出行動
動労総連合 出向無効確認訴訟
7月3日(水)午後2時
東京地裁527号法廷
※裁判後に総括集会
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「解雇撤回・JR復帰」署名提出行動
7月3日(水)午後1時
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週刊『前進』(2589号2面2)(2013/06/24 )
JR貨物 賃下げ・合理化粉砕を
分割・民営化が賃下げの元凶 日貨労カクマルの「反対」はペテン
動労千葉・動労水戸―動労総連合は5月1日、新宿にあるJR貨物本社への抗議行動に猛然と決起した。貨物1割賃下げ策動を暴露しその粉砕へと奮闘した動労千葉の闘いは、賃下げを正式に提案ができないところにJR貨物をたたき込んでいる。だが、JR貨物があくまで賃下げを画策していることは間違いない。闘いはまさにこれからだ。
(写真 動労千葉が呼びかけた5月1日のJR貨物本社抗議行動。貨物で働く組合員が先頭に立って「賃下げを許さない」と声を上げた)
JR追い詰めた本社抗議行動
「JR貨物が賃下げを強行する」との報に、動労千葉を先頭に全国の貨物職場で怒りが燃え上がった。「賃下げ絶対反対。分割・民営化破綻のつけを労働者に押しつけるな」を合言葉に、貨物労働者の積もりに積もった怒りが爆発した。超低賃金で強労働、旅客会社との格差は広がる一方、一時金も約半分という現実が26年も続いてきた。「入社前の新採に賃下げを通告するのは詐欺だ」「おれたちはアパートも借りられない低賃金だ」と青年の怒りは拡大していった。
5月1日、動労千葉・動労水戸―動労総連合が展開した貨物本社への抗議行動には400人以上がかけつけ、本社の入っているビルを包囲、4・26自治労スト情勢と相まって「賃下げを許すな」のシュプレヒコールをたたきつけた。
貨物賃下げ弾劾の闘いは、国鉄1047名解雇撤回闘争や外注化・非正規職化阻止の闘いと一体となり、JR体制の最弱点をえぐる闘いとして新たなスタートを切った。JR東日本でも動労千葉・動労水戸―動労総連合、国労郡山工場支部などで重大な勝利が積み重ねられている。これとともに、JR貨物の労働者が闘いの主人公となる時代が到来した。
6・9国鉄集会を前に、貨物本社行動の写真を1面に載せたタブロイド判が多くの貨物職場に持ち込まれた。動労千葉・千葉機関区支部の総決起を先頭に、貨物職場での門前ビラまき・署名・チケット売りが精力的に取り組まれた。写真を見て「貨物の本社にこんなに大勢で押しかけたんですか。賃下げにはみんな反対です。貨物の下請けにも影響しますよね」など大きな反響が寄せられた。青年からは「生きさせろ」の悲痛な叫びも多く寄せられ、6・9集会に向けて怒りは共有されていった。
貨物1割賃下げは、2月段階から経営陣とJR総連・日貨労の秘密交渉で合意され、5月から強行されようとしていた。だが、動労千葉を先頭とした闘いは、貨物労働者の怒りに火をつけ、賃下げ強行を吹き飛ばした。
だが、JR貨物は要員削減・労働強化・締め付け強化に走り、夏季一時金交渉では「1・5カ月を切り込まざるをえない」と回答して、さらなる超低額化をたくらんでいる。賃下げ攻撃との闘いはこれからが本番だ。
民営化の破産示す貨物の惨状
JR貨物の惨状は国鉄分割・民営化の破産を示して余りある。1987年の国鉄分割・民営化の時点で、こうした貨物の未来は決まっていた。株式上場できたのはJR東日本・東海・西日本だけで、JR北海道・四国・九州の三島会社とJR貨物は株式上場の目途さえ立っていない。こんな状態で「分割・民営化は成功した」とどうして言えるのか! JR貨物の惨状を見れば、国鉄分割・民営化は失敗し、新自由主義に未来はないと断言できる。
JR貨物自身、今年度の「事業計画」で「当社の経営を取り巻く環境は引き続き非常に厳しい」と言わざるを得ない状態だ。今年度も鉄道運輸機構から150億円の無利子借り入れをしなければ経営は成り立たない。
モータリゼーションと言われるトラック輸送の爆発的増進の中で、80年代以来、JR貨物の経営計画がまともに議論されたことは一度もない。JR貨物は、ただただ軍事輸送(戦車など)のために全国一社制とされたのだ。線路を持たない鉄道会社にされ、ダイヤ設定も旅客優先で、線路使用料や電力料を各旅客会社に払い、それが経営を圧迫している。今やJR貨物は、ダンピング輸送で巨大資本に奉仕し、臨海鉄道や大手輸送会社の下請け的な位置にまで転落している。
それを承知で国鉄分割・民営化に賛成したのがJR総連・日貨労だ。日貨労は機関紙『JR貨物労組』5・15付で、したり顔に「JR貨物設立の経緯」を述べ、国鉄分割・民営化の過程で「貨物問題について、一切具体策を論じられることなくJR貨物は誕生した」と恨み節を並べている。ではなぜ日貨労は分割・民営化に賛成したのか!
日貨労カクマルはそこには一言も触れられない。
国鉄分割・民営化に際し、当時の中曽根政権と国鉄、JR設立委員会は一体となって動労千葉や国労を解体する策謀を進めていた。これに乗っかり、改革労協(現JR総連)は動労千葉・国労組合員の首を切れと要求する集会まで開いた。その日貨労が今さら「賃下げ反対」のポーズを取っても、それは反対の声を押しつぶし、賃下げに応じるためのものでしかない。賃下げの根源にあるのは国鉄分割・民営化であり、分割・民営化に反対しない「賃下げ反対」などペテンだ。
続く脱線・車両故障・重大事故
JR貨物では重大事故がここ数年で急増し、特に車両故障件数は異常な高さになっている(表参照)。脱線事故は09年度に2件、10年度に3件、11年度に2件と立て続けに起きた。JR貨物も「江差線脱線事故や……防護無線不具合など安全上重大な事象を生じさせ」と言わざるを得ない。だが、事故を「事象」と言ってごまかしているように、事故への対策などまるでない。
JR貨物は発足以来の25年で要員を1万2500人から6100人に半減した。保線や電力など保守部門は統合されて保全区となり、受け持ち区間・個所が広大に広がった。検修部門や工場(総合車両センター)でも要員削減・強労働が強制され、車輪が脱落したり車軸が折れるなどの考えられない事故が起きている。機関車などでも品質の低下は激しい。
事故の責任を現場労働者に押しつける資本への怒りはますます高まっている。事故を弾劾し、職場から反合理化・運転保安闘争を巻き起こそう。
青年の怒りでJR体制倒せ
JR貨物が発表した「経営自立計画」は、鉄道事業営業利益が今後、右肩上がりで急成長するとしているが、こんなことを信じる者は経営陣を含めて誰もいない。そうであればあるほど、国土交通省から「経営自立化達成」を恫喝的に迫られているJR貨物が、経営破綻を人件費削減・賃下げでのりきろうとしてくることは明らかだ。
これに対し、労働者が総反撃に立つ時が来た。会社と日貨労が一体となった職場での締め付けは確実に崩壊しつつある。門前ビラを「受け取るな」と叫ぶ日貨労カクマルを無視して、8割方の労働者がビラを受け取る状況だ。この怒りはJR体制打倒までやむことはない根底的なものだ。日貨労や国労本部の裏切りを粉砕し、賃下げ絶対反対を貫こう。
動労千葉鉄建公団訴訟の9・25高裁判決を前に国鉄決戦は最大の正念場を迎えた。この4カ月の攻防に労働者の未来がかかった。1047名解雇撤回、反合理化・運転保安確立が勝利の路線だ。反動判決粉砕の大闘争を巻き起こそう。全国の貨物職場にビラをまき、10万筆署名と物資販売に粘り強く取り組もう。
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週刊『前進』(2589号2面3)(2013/06/24 )
NTT労組中央は外注化の手先 沖縄総支部解散許さず闘いぬく
革共同電通労働者委員会
「復帰」41年5・15沖縄闘争は「沖縄を基地の島から国際連帯の島へ」「新自由主義と闘う労働者の国際連帯で安保・沖縄闘争に勝利しよう」をスローガンに新たな挑戦を開始した。5・18集会の基調は、戦後沖縄史を全面的根底的に総括し、「『復帰』とは日米政府が物質力をもって、沖縄の労働者が求めた国境を越えた団結を分断するために行った労組破壊・団結破壊攻撃であった。同時にスターリン主義的な『独立論』や『反復帰』『沖縄自立論』は、沖縄の闘いの中で本土の労働者への不信をあおり、『血債主義』を植え付け、沖縄の闘いを沖縄だけに閉じ込める役割を果たした」と提起した。
この中で、全国から沖縄に結集した電通労働者は、福島で被曝労働の強制と闘う電通労働者を先頭に、「福島と沖縄を結び、電通労働者の威信にかけて電通労働運動の登場をかちとろう」という「沖縄の誓い」を交わした。
資本の子会社再編に応じ組合組織も統合
NTT労組は「『東日本大震災』からの復興・再生に向けた取り組み」と称して「ふくしまの米」の販売あっせんなどを行っているが、福島第一原発事故については一切触れようとしない。その一方で第18回中央委員会議案は、「災害に強い通信設備の構築」と「安全対策ガイドライン」の見直しと称して、被曝労働を強制しようとしている。さらには「平和運動」の名のもとに情報労連「平和四行動」(沖縄・広島・長崎・北方領土!)などという取り組みを行うとしている。
だが、福島を語らない「広島」「長崎」が成り立つのか! 長崎で「電通労働者原爆死没者慰霊式」を行うというが、まさに今、福島で被曝労働が強制されようとしていることを不問に付しての「慰霊式」など、福島への圧殺攻撃そのものだ。
第18回中央委員会議案は同時に、「企業本部・総支部の再編・統合」をうたい、「九州総支部・沖縄総支部を再編・統合し、新たに『九州総支部(仮称)』とします」としている。同議案の「組織強化検討プロジェクト中間答申」は、「『NTT西日本グループの運営体制の見直し』等をふまえつつ、組織強化につなげることを前提に関西ブロックおよび九州ブロックの総支部に再編・統合を行なう」と言う。つまり、「NTT西日本グループの運営体制の見直し」をNTT労組として追認するための再編・統合ということだ。
福島で闘う電通労働者と固く連帯し、新賃金制度導入と一体の「新たな事業環境に対応するNTT西日本グループの事業運営体制の見直し」と闘おう。それは「九州ブロックの総支部の再編・統合」=沖縄総支部解散攻撃に対して、沖縄の電通労働者の誇りをかけて総決起することである。
「運営体制見直し」で転籍強要狙うNTT
今回の「運営体制の見直し」の核心は、NTT東西地域会社(東―17社約3万人、西―8社約3万人)の6万人の労働者をすべて子会社に移行させることにある。NTT西日本では地域会社8社を機能別子会社5社に再編成するという。
これはJRの全面外注化攻撃と一体のNTT労働者に対する外注化攻撃であり、労働者階級総体への攻撃にほかならない。すでに地域会社から「偽装請負対策」と称して子会社に出向させられている労働者は、帰る会社がなくなる以上、転籍とされることになる。
そもそも地域会社は2002年の「構造改革」時に50歳退職−再雇用とセットで設立されたものだ。沖縄などは本土への異動となったらほとんど「自主退職」を余儀なくさせられた。だから沖縄のNTT労働者は「50歳退職」を選択せざるを得なかった。
それを今回は「処遇体系の再構築」として「新賃金制度」を導入し、返す刀で「運営体制の見直し」による地域会社から子会社への転籍と人員削減を狙っているのだ。「NTT東西が地域会社を統廃合するのは、社員数が減少する中で人口が多い経済圏に多くの社員を配置し、バランスの良い事業運営を行う狙いがある」(『中小企業ニュース』2・21付)。つまり、地域会社に縛られていた沖縄の労働者を「人口が多い経済圏」に異動させるということだ。
これは2000年の離島事業所廃止攻撃が沖縄全体に襲いかかってくるということだ。あの時は直接には宮古・八重山・久米島が問題となったが、今回は沖縄全体が「離島」扱いされるのだ。離島事業所廃止の時、宮古では2分の1の労働者が「自主退職」を余儀なくされた。沖縄(本島)に出てくる道を選んだ残りの2分の1の労働者も、宮古と沖縄の二重生活を強いられる中で、その2分の1が「自主退職」を強いられた。NTT資本はNTT労組体制内指導部の協力で、実に宮古の4分の3の電通労働者を「自主退職」に追い込んだのだ。この時の怒りと悔しさはいまだ晴らされてはいない。現在進行形の問題だ。
すでに全国で「新賃金制度」への怒りが巻き起こっている。「これなら50歳退職―再雇用の方がまだましだ」と。それだけではなく「50歳退職―再雇用組」も「新賃金制度組」も、狙われているのは子会社への転籍だ。その行き着く先は総非正規職化だ。
福島の被曝労働拒否の闘いとの連帯貫き
「運営体制の見直し」と一体で出されている「九州ブロックの総支部の再編・統合」は、NTT労組が沖縄のNTT労働者を切り捨てるためのものだ。沖縄総支部が解散し、福岡に拠点をもつ「九州総支部」に吸収されたらどうなるのか? 沖縄のNTT労働者は福岡を中心とした九州から、さらには大阪などへ異動させられることになることは明らかだ。「総支部」としての交渉はすべて福岡で行われ、沖縄は分会へと格下げされ、「沖縄分会」は「総支部」の決定を追認することしか許されなくなる。これも離島事業所廃止の時とまったく同じだ。
かつても沖縄総支部廃止という動きがあった。しかしその時は「特別支部」という扱いで沖縄総支部は存続した。この根底には沖縄の電通労働者の闘いの歴史がある。沖縄の電通労働者がかちとってきた「沖了1号」(注)などの諸権利を奪い取り、戦闘的な沖縄の電通労働運動を破壊するため、1979年に組合員の「再登録」が行われた。確かに「再登録」は強行されたが、現場には多くの戦闘的な労働者が踏みとどまり、それ以降の闘いを展開してきた。「沖縄総支部」はそうした沖縄の電通労働者の闘いの歴史を象徴し体現する存在でもある。それは、現在の沖縄総支部執行部がどう考え何をしているのかということを超えた階級的真理だ。
全国・全世界で今、青年労働者を先頭に「生きさせろ」の闘いが開始されている。JRでは国鉄分割・民営化から30年を経て、青年労働者が闘いを開始し、動労千葉・動労水戸・動労西日本(動労総連合)に結集している。自治労の労働者は賃金の7・8%カットに対して4・26ストライキからこの6〜7月の闘いに立ち上がろうとしている。昨年、60歳再雇用後の労働者はパートにするというAAFES(米軍のサービス部門)の攻撃にストライキで反撃した基地労働者(全駐労)は、賃金カットに対してもストライキを構えて闘いを開始している。
全世界の労働者が新自由主義との決戦に立ち上がっている。国鉄1047名解雇撤回闘争と一体で外注化阻止・非正規職撤廃の新たな反合・運転保安闘争が全産別、全国の職場で始まっている。6・9国鉄集会は、「闘う労働運動の復権」を合言葉に、9月25日の動労千葉鉄建公団訴訟判決日までの4カ月決戦を宣言した。国鉄闘争全国運動がすべての労働者を獲得する時代が来た。
この階級決戦にNTT労働者も合流し、ともに闘いぬこう。電通労働者の闘いは国鉄1047名解雇撤回闘争=国鉄闘争全国運動と一体で闘われてきた。福島と沖縄の電通労働者が切り開いた地平は、国鉄闘争全国運動の前進・発展と一体だ。すべての電通労働者の皆さん! 電通労働者の威信と青年労働者の未来をかけ、福島の被曝労働拒否の闘いと連帯して沖縄総支部解散攻撃と闘い、「運営体制の見直し」を打ち破ろう。闘う労組拠点をつくり出そう。
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■注 「沖了1号」
「復帰」前に結ばれた労働協約で、設備の新設などに際し労組との事前協議を当局に義務づけた。
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週刊『前進』(2589号2面4)(2013/06/24 )
闘いは進む 青年の職場から
JR 青年が軸の執行体制で組織拡大に打って出る
動労西日本 山田和広
動労西日本は今年1月に開催された第6回定期大会で、青年部を結成し、西日本地域における鉄道産別の労働組合として資本と闘うことを宣言した。青年部の3人それぞれが、JR西日本資本に対する闘いの軸として座った。
一つ目は、書記長を務めている私の雇い止め解雇撤回闘争。これは、契約社員制度(5年で使い捨ての非正規職制度)の廃止、青年の夢と希望を奪う非正規職の撤廃をかけた闘いだ。
私が職場内で動労西日本のビラを配布したことに対してJR西日本から処分が出されたが、労働委員会闘争で不当労働行為であるとの命令をかちとっている。しかし、契約社員だから雇い止め解雇は仕方ないという論理で、労働委員会は解雇撤回を認めなかった。労働者を使い捨てにする契約社員制度は粉砕あるのみだ。
二つ目は、中西剛執行委員の労災認定闘争。これは、2005年にJR資本が引き起こし107人が亡くなった尼崎事故の衝撃を受け、長時間残業の強制と利用者からの罵声(ばせい)を浴びせられたことにより精神疾患に追い込まれた労災だ。そして、JR西日本と御用組合・西労組が一体となり、労災の事実をひた隠し、国も労災を認めなかったことに対して怒りをたたきつける闘いだ。JR資本に事故の責任をすべてとらせる闘いそのものである。私たちは、JR西日本初代社長の井手正敬が「安全は現場が責任を取ることで、経営には一切関係ありません」と言ってのけた暴言を絶対に許さない。
三つ目は、赤松賢一副委員長の外注化粉砕闘争。会社としての体をなしていない外注会社そのものをなくし、外注会社の労働者をすべてJR本体にとり戻す闘いだ。JR本体からレールテックという外注会社に強制出向させられ、実に7年もの間、不当配転が続けられた。その中で、JR資本に対する怒りとともに、レールテックの労働者を組織して外注化そのものを打ち砕くため闘いたいという決意で、赤松副委員長は動労西日本に結集した。
赤松副委員長は今春闘、2波のストを断固として打ち抜き、ついに6月1日、レールテックからJR西日本本体への原職復帰をかちとった。あわせて、レールテック労働者の未払い残業代を支払わせる約束もかちとった。しかし、赤松副委員長がJRに戻っただけでは闘いは終わらない。闘いはこれからだ。
JR資本と闘って勝つためには、組織拡大にすべてがかかっている。青年部の闘いを軸に、契約社員制度撤廃・全面外注化粉砕・運転保安確立に向けて闘うぞ!
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週刊『前進』(2589号3面1)(2013/06/24 )
外注化阻止・非正規職撤廃を全職場で闘い拠点建設しよう
「教育再生」粉砕・安倍打倒へ
革共同教育労働者委員会
国鉄闘争全国運動6・9集会が宣言した動労千葉鉄建公団訴訟9・25判決日までの4カ月決戦は、4半世紀を超える国鉄分割・民営化反対闘争の真の決着をかけた正念場であり、JRを先頭に全職場で外注化阻止・非正規職撤廃闘争を本格的につくり出していく決戦だ。「成長戦略」による雇用・賃金破壊と原発再稼働、改憲・戦争と激突して安倍政権打倒へ攻めのぼる闘いだ。教育労働運動における階級的労働運動の拠点建設、党と労働組合の一体的建設をかけて4カ月決戦に突入しよう。 第1章 スト復権へ現場のうねり
動労千葉を先頭とする昨年10・1外注化阻止決戦は労働運動の大地を揺さぶり、自治労本部を28年ぶりの統一スト指令へ突き動かした。地方交付税交付金・義務教育費国庫負担金削減による賃金7・8%、一時金10%削減は公務員準拠を含む1千万労働者への賃下げであり、6千万労働者への賃金・雇用破壊の大攻撃だ。ストで闘うことは百パーセント正義であり公務員労働者の使命とも言える。
自治体の仲間と連帯して、教育労働者も各単組で一からスト議論を組織し4・26職場集会を開くなど全国で懸命に闘い抜いた。日教組本部は「共闘組織(県職労等)とも情報交換して取り組みを強化してください」とまるで他人事で、提案・妥結の報告を各県に求めるだけ。しかし現場では、怒りの声が上がり闘いが始まっている。
被災地の県職労・教組は深夜に及ぶ大衆団交の末、妥結拒否・決裂を選んだ。ある組合では青年の「ストをやりたい!」という発言をきっかけに執行委員会の空気が一変し、「ストで闘う」運動方針案が決定された。ある単組の定期大会では、連合路線に怒りが爆発し青年組合員が次々と執行部を追及した。
1966年「10・21」に始まり74年「4・11」の全1日ストまで、日教組運動には、勤評全国ストの経験を生かし、公務員共闘のスト権奪還闘争をリードした歴史がある。現場組合員の力で全国統一闘争を復権し、教育労働者がゼネストを切り開く先頭に立とう。
「国鉄型」解雇に死活かけ反撃を
26年間に及ぶ1047名解雇撤回闘争こそ、解雇自由化への最大の防波堤となってきた。だが4・9政治和解が動き出すや、社会保険庁民営化による525人の分限免職、JAL整理解雇による165人の組合員・活動家の選別排除が強行された。大阪府・市の職員基本条例(分限条例)には「譲渡先に応募する機会さえ与えれば分限免職できる」と大っぴらに書き込まれるに至った。
国労本部などの総屈服に抗して「国鉄闘争の火を消すな!」と開始されたのが国鉄闘争全国運動だ。動労千葉の検修外注化阻止の闘いと一体で、動労千葉鉄建公団訴訟が決定的地平を切り開いてきた。「国鉄とJRは別法人」「採用候補者名簿を作ったのは国鉄だから、仮に不当労働行為があったとしてもJRに法的責任はない」という虚構を突き崩し、政府・財界・司法権力がグルになった国家的不当労働行為の核心が暴かれようとしていた。昨年6・29判決を下した東京地裁・白石哲裁判長の更迭、高裁・難波孝一裁判長による5月8日の結審強行は、なりふり構わぬ大反動だ。9・25判決までの4カ月間が国鉄闘争の文字どおりの存亡をかけた決戦となった。「国家戦略特区」による公立学校の公設民営化が日程にのぼった今、全員解雇・選別再雇用の「国鉄方式」との闘いは教育労働者にとっても直接自分たちの死活的な問題になった。職場・組合・地域で「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名を推し進め、国鉄闘争の火をさらに大きく燃え広がらせよう。
急速に広がる非正規職化
安倍「成長戦略」は、「限定正社員」を突破口とする解雇自由化・総非正規職化、公立学校を含む公共インフラの民間開放に突進する階級戦争宣言だ。「財政健全化」を掲げる「骨太方針」が、社会保障解体、公務員人件費の大削減として襲いかかることも必至だ。職場での外注化、非正規職化との攻防こそ、「成長戦略」「骨太方針」との闘いそのものだ。
学校現場でも給食・用務・司書・学童・特別支援学校の介助員など、外注化・非正規職化が急速に広がっている。東京都の学校事務「共同実施」は、事務職員を4回更新制限・5年有期の非正規職とするとともに、センター校に集中した業務を外注化する布石だ。
都教委は、毎年3けた近い新採教員をパワハラですりつぶす「ブラック企業」と化している。採用選考合格者を必要数の6割に絞り込む一方、残り4割を受験者の中から定数内講師として採用し新採と競わせる非正規化政策がこの無法をまかりとおらせている。
非正規職化と表裏一体で長時間過重労働が蔓延(まんえん)し、在職死、精神性疾患による休職者は増える一方だ。評価制度が団結と協働を破壊し、賃金査定、強制異動、「指導力不足」申請の威嚇で職場を物言えぬ状態に変え管理職のパワハラを横行させている。「体罰・いじめ調査」とこれを利用した処分攻撃は、教育労働者を保護者・子どもと分断し、困難な教育課題に立ち向かう意欲と誇りを奪う団結破壊・教育破壊攻撃だ。
だからこそ職場の団結を取り戻すことがすべてだ。超多忙化の中であるほど、その合間をぬって分会会議を開けば堰(せき)を切ったように怒りが噴き出してくる。闘いの火種は職場に山積している。学校事故の責任を労働者へ転嫁するな!
学級崩壊や保護者とのトラブルを個人の能力や資質の問題にさせるな!
問われているのは「反合・運転保安闘争」路線の職場での実践だ。
福島と結び再稼働阻止を
4カ月決戦は、原発再稼働攻撃との激突過程でもある。7月には全国の電力会社が14基もの原発の再稼働を規制委員会に申請しようとしている。「成長戦略」は、解雇自由化・総非正規職化と並んで原発再稼働とインフラ輸出にその核心を据えている。フクシマの怒りと固く結び、階級的労働運動の力で再稼働を絶対阻止し、全原発廃炉への道を切り開こう。
動労水戸が最先頭で切り開いている被曝労働拒否の反合・運転保安闘争こそ、階級的団結の力で新自由主義に引導を渡し本来的な人間労働を奪還していく闘いだ。
横須賀に核空母基地と核燃料棒製造会社を抱える三浦半島地区教組の仲間の闘いを先頭に、放射能教育や学校給食をめぐって職場からの反原発闘争をつくり出そう。子どもたちの命を守るふくしま共同診療所建設を全力で支援しよう。被爆68周年の8・6を「全原発廃炉・核廃絶の世界大会」としてかちとろう。
改憲阻止の闘いの最先頭に立つ
安倍政権が最重要課題に掲げる「教育再生」攻撃との闘いは、改憲・戦争と民営化、労組破壊攻撃との決定的な闘いだ。教育再生実行会議は「いじめ対策」と称する道徳の教科化と厳罰主義、教育委員会制度の廃止と首長−教育長専決の教育行政、「グローバル人材育成」と称する小学校英語の正式教科化などを打ち出し、「複線型教育制度」に踏み込もうとしている。首長−教育長専決体制は教育の民営化、首切りを進め、育鵬社・自由社版教科書採択や「日の丸・君が代」強制もやり放題にする攻撃だ。自民党は参院選公約に「教科書採択構造の抜本的改善」「領土教育の充実」を盛り込み「国定教科書」化も狙っている。
安倍政権は参院選で両院を改憲勢力で制圧し、96条改悪を突破口に9条改憲に突き進もうとしている。自民党が掲げる「教育公務員倫理規定」「政治的行為に対する刑事罰導入」「政治的中立確保法の徹底」などの公約は、公務員の改憲への意見表明を制限しないとした国民投票法付則を覆し、教職員組合の改憲反対運動や憲法教育を禁圧する狙いだ。改憲攻撃との闘いは、教職員組合そのものの存亡をめぐる攻防でもあるのだ。
安倍政権の破滅は始まっている。超金融緩和による株バブルが早くも崩壊、長期金利上昇がとまらないアベノミクス。全世界の抗議にさらされ、全労働者を敵に回した安倍や橋下の「侵略否定」「慰安婦制度必要」発言。維新の会の支持率は急落し、安倍の改憲戦略もグラついている。
大阪市議会では府・市丸ごと民営化の目玉だった水道統合が否決され、バス・地下鉄民営化も先送り。斎場労働者9人の懲戒免職処分が取り消された。処分を辞さず理不尽な職務命令への服従を拒否した自治体・教育労働者の闘いが、橋下の脆弱(ぜいじゃく)な正体を暴き、民営化攻撃を破綻させているのだ。
絶対反対で団結し闘えば勝てる
絶対反対で団結すれば勝てる時代に突入した。団結して、組織的な実践で闘いを前進させていこう。実践と総括の真剣論議の中から、組織拡大を実現しよう。青年労働者こそ歴史を動かす主人公だ。党と労働組合の一体的な建設をかちとり、職場闘争に責任を持つリーダーを無数に生み出していこう。ともに闘い、ともに勝利しよう!
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週刊『前進』(2589号3面2)(2013/06/24 )
希代のスパイを摘発し打倒勝利する革共同にカンパを
●スパイ荒川粉砕は日帝中枢を痛撃
全党の同志のみなさん! すべての『前進』読者のみなさん! 革共同は今、巨大な反革命を打ち破ってプロレタリア革命の新たな地平に踏み込んでいます。その勝利と本物の労働者党の建設ために、絶大な夏期カンパを心から訴えます。
希代のスパイ荒川碩哉の摘発と粉砕は日帝中枢を突き刺し、連動して党破壊を策したすべての反動勢力を恐慌状態にたたき込んでいます。一方、革共同と闘う労働者は、スパイ荒川に激しい怒りを爆発させるとともに、階級的団結こそが反革命を打ち破る最大の力だと確信し闘いの意欲を横溢(おういつ)させています。最後の最後まで同志と家族を権力に売り渡して恥じない極悪のスパイ荒川を、時代認識と路線で一致した本物の団結で粉砕しました。家族を含めた地区党の団結こそすべてに打ち勝つ源です。
ここに階級的労働運動路線の威力が見事に示されています。権力と荒川があらゆる手段で党の分裂と解体を策したにもかかわらず、「党の革命」をとおして内外の反動と破壊工作は打ち破られ、いくつもの決戦を打ち抜き、今年前半、国鉄1047名解雇撤回、外注化・非正規職化阻止闘争の歴史的地平を切り開きました。革共同はスパイ荒川粉砕の闘いで、あらためて「党の革命」とは何だったのか、革共同とはどんな党なのかをすべてのみなさんに明らかにしました。これがスターリン主義をのりこえ、レーニンとボルシェビキを引き継ぐ道であることを自信をもって提示することができます。
最末期の危機にあえぐ世界の帝国主義権力が、労働者階級の台頭におびえてあらゆる卑劣な手段でその圧殺にのめり込んでいます。帝国主義どうしが盗聴やスパイ工作、サイバー戦争を互いに仕掛けあい、国内の人民に対しては膨大な個人情報を秘密収集していたことが衝撃的に暴露されてオバマは労働者人民の怒りの標的になっています。日本帝国主義も革命党と労働組合の解体・圧殺のためにスパイ工作を強め、また憲法に「緊急事態」の項目を書き加え、国家安全保障会議(日本版NSC)まで準備しています。
こうした中で、国家権力との原則的非和解的対決の姿勢を貫き、階級的団結の力で希代のスパイを粉砕した闘いは、労働者階級の勝利の道を大きく示しました。今こそ革共同とともに日帝・安倍を追撃し、勝利の道を切り開きましょう。
1047名解雇撤回に向けた国鉄闘争全国運動6・9大集会は、日本帝国主義の中軸的攻撃を打ち破る新たな地平を開きました。
●資本家階級を追いつめる国鉄決戦
動労千葉鉄建公団訴訟をめぐる「白石事件」と5・8結審強行は、4・9反革命をのりこえて闘われてきた国鉄闘争が、日帝中枢とブルジョアジーを決定的に追い詰めていることを明らかにしました。JR東海会長の葛西敬之は原発再稼働とTPP参加の旗を公然と振り、軍需産業の展開まで叫んで危機に立つ日帝・新自由主義の突撃隊の役割を担っています。その葛西が法廷に引きずり出される寸前まで追い込まれ、権力は法的整合性すらかなぐり捨てた攻撃に走ったのです。国鉄闘争と階級的労働運動が、敵の本丸に手をかけるところまできたのです。
原発輸出と安保協力、武器共同開発を掲げ、むき出しの帝国主義外交に駆け回る日帝・安倍や国際帝国主義に対して、動労千葉を先頭にした労働者階級は、国際連帯を大きく前進させています。韓国・民主労総やアメリカILWU(国際港湾倉庫労組)との結合はより緊密になり、EU恐慌下で巨大な姿を現すヨーロッパ革命の波の中で、ドイツを始めとしたヨーロッパの労働者階級との連帯が拡大しています。激しく決起するトルコ労働者階級との新たな結合も始まっています。動労千葉労働運動が、世界革命の具体的道筋を確実に切り開いているのです。
革共同は、鉄建公団訴訟9・25判決までの4カ月決戦に全身全霊をかけて決起します。10万筆署名運動を武器に国鉄解雇を全社会問題化し、東京高裁を包囲して反動判決を実体的に粉砕するため決起します。
安倍の解雇自由、賃下げ自由の攻撃の中で奮闘するみなさん! 原発再稼働と改憲の攻撃に怒りを燃やしているすべてのみなさん! 崩壊するアベノミクスに断を下すのは労働者階級の力だけです。国鉄闘争と階級的労働運動の成否に未来がかかっています。4・26自治労スト情勢はこの全階級的拡大の始まりです。
革共同は労働者階級全体に責任をとるあり方をさらに発展させ、日本労働運動の転換を実現し、党と労働組合の一体的建設、地区党と細胞建設を基礎に拠点建設を実現します。労働組合を求める労働者が続々と合同労組に結集しています。青年・学生が階級の指導部として成長しています。この革共同にあなたの未来をかけてください。激しい賃下げ攻撃の中だからこそ革共同への渾身(こんしん)のカンパを訴えます。
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週刊『前進』(2589号3面3)(2013/06/24 )
JP労組大会に向け訴える
新人事・給与制度と新一般職の導入阻止し職場支配奪還を
革共同全逓委員会
6・9国鉄全国集会は1800人の結集で大成功をかちとった。6・9集会で打ち出された4カ月決戦の渦中で、JP労組第6回定期全国大会(8月20日〜22日、長野市)は決定的な攻防点となっている。連合JP労組中央は、8月大会で新人事・給与制度と一体で「限定正社員」である新一般職の導入を決定しようとしているのだ。新一般職と新人事・給与制度導入阻止を掲げて8月JP労組大会を闘おう。そして、この4カ月決戦を徹底した組織拡大決戦として闘いぬき、連合JP労組中央を打倒し職場支配権を闘う労働者の手に奪い返そう。
(写真 昨年6月JP労組大会闘争【東京】)
安倍「成長戦略」の最先兵=郵政資本
時代は完全に大失業と戦争の局面に入った。それを規定しているのは世界大恐慌の果てしない深まりと帝国主義・大国間の大争闘戦時代の始まりだ。3・11大震災と福島原発事故により帝国主義から脱落状態の日帝は延命をかけ、全面的な民営化・外注化、非正規職化、賃下げと労働強化の攻撃に突進している。
こうした中で郵政職場において、職場からの闘いの前進で民営郵政とその手先であるJP労組中央本部を打倒し、階級的労働運動が荒々しく登場する時代が始まった。米帝による、かんぽ生命の「がん保険」参入規制要求などが示すように、大恐慌と争闘戦は民営郵政の危機をも一層促進する。そして何よりも、2015年の株式上場=完全民営化を至上命題とする郵政資本の攻撃である「郵政グループビジョン2021」に対する郵政労働者の職場からの闘いが始まっていることだ。
6月14日の各紙は「日本郵政が『限定正社員』を来春導入」と一斉に報じた。「限定正社員」とは、新人事・給与制度と一体で導入する新一般職のことである。計画では、当初は現在の月給制契約社員から登用し、2015年度からは新卒採用に広げるという。
「限定正社員」は「正社員より解雇しやすい」と、安倍政権が成長戦略の目玉として来年度中の法制化を目指している大攻撃だ。重大なのはすでに「郵政グループビジョン2021」でそれを打ちだしている郵政資本が、この「限定正社員」を2014年4月から導入しようとしていることである。
そして、この新たな攻撃を連合JP労組本部は8月大会で承認しようとしているのだ。
新一般職の導入は、非正規職労働者の中により一層の分断と競争をもたらす大攻撃だ。そして正規社員に対しても、出世を望まず異動に応じない労働者を退職か新一般職に追い落とそうとする攻撃である。こんな攻撃がまかり通ったならば、職場は文字通りの労働監獄に一変する。
日本郵政と連合JP労組本部は、安倍政権の規制改革会議や産業競争力会議が推進する「雇用の多様化・準正社員化」「労働時間、賃金の多様化」を真っ先に実行しようというのだ。断じて認められない。
郵政非正規ユニオンの仲間を先頭に全国の職場で非正規職労働者は怒りの決起を開始している。郵政労働者は、全労働者の未来をかけて「限定正社員」=新一般職の導入を阻止しよう。
「2021」推進のJP労組中央倒せ
8月のJP労組大会は、労働者階級全体の未来をかけた大攻防になった。その攻防のポイントを「2021」粉砕路線として整理する。
破綻した民営化の総括=延命策として日本郵政が打ち出したのが「2021」である。そして、「2021」の手本としているのがJR東日本の「グループ経営構想X」である。「2021」が掲げているのは、郵政3事業に次ぐ第4の事業としての不動産業への進出であり、東アジアへの郵便システムや簡易保険制度の輸出構想だ。これらも含め、郵政資本は「総合生活支援企業グループ」として生き残り策を進めようというのだ。
攻撃の核心は、外注化と非正規職化の徹底的な推進にある。しかし、世界大恐慌の進展と脱落日帝の現実の中で、こんなJRの二番せんじが通用するはずがない。そもそも、JR貨物の現実に示されるように国鉄分割・民営化もまた完全に破産しているではないか。
結局、日本郵政は、破産した民営化のすべての矛盾を現場の労働者に転嫁し、労働者を犠牲にしようというのである。新人事・給与制度と労働力政策による総非正規職化、大幅な賃金削減、外注化など、さらなる労働条件の改悪と労働強化を行おうというのだ。そのために、「グループ横断的な人事交流」と称して強制配転を推進し、さらに「サービス、マネジメント、社風の3つの改革」と称した徹底した意識改革=労働者意識の解体攻撃を画策しているのだ。
このような「2021」攻撃の中で、あろうことか連合JP労組中央は「2021」を積極的に推進しようとしている。大会運動方針案の中では「『2021』の『3つの改革』は本部の問題意識と合致するものであり、2015年秋の株式上場に向けて進める」ことを表明しているのだ。まさにとんでもないことだ。
一切の焦点は、労働組合をめぐる問題になっている。労働組合が絶対反対で闘えば、資本の合理化攻撃は絶対に粉砕できる。株式上場=完全民営化に向けた「2021」の狙いを徹底的に暴露・弾劾しよう。「2021」攻撃の核心としての新一般職による総非正規職化と、大幅な賃下げの新人事・給与制度の導入を絶対に阻止しよう。国鉄1047名解雇撤回闘争を労働者・労働組合の結集軸とする4カ月決戦と一体になって、「2021」粉砕の闘いを6〜8月全国の職場からつくりあげ、連合JP労組中央による労働者支配を粉砕しよう。
反合・安全闘争で闘う団結つくろう
全逓委員会が貫いてきた郵政民営化絶対反対の路線は、国鉄闘争勝利と結びつき、光り輝く時代を迎えている。
民営化攻撃は職場で誰の目にもわかりやすい形で進行している。郵便職場における6割の非正規職の現実、JPEX子会社化の破綻と現場への赤字の責任転嫁、極限的な人員不足、不当な雇い止め解雇、全業務のポイント化のためのDOSS(集配業務支援システム)の6月の全国導入等々、職場に行けば誰もが怒りを持ち何とかしたいと思っている。
この現場の思いと裏腹に、連合JP労組中央は現場と真逆の方針を出している。「2021」の積極推進だ。その中身は、JP労組発足時から打ち出した「頑張ったものが報われる制度」という競争と分断の職場をつくることだ。現場の労働者同士を競わせ、どんなに理不尽であっても当局の進める施策に率先協力する人間をつくりだすということだ。労働組合が提案するような内容ではない。現場の労働者も肌身を通して感じている。しかし「現場で反対しても全国大会では承認される」――こうした絶望を勝利の展望へ変えるための方策は何か。「仕方がない現実」という虚構を打ち砕く方策は何か。
それは、郵政民営化絶対反対・民営郵政とそれを支えるJP労組中央本部打倒を貫き、国鉄闘争勝利の4カ月決戦を徹底した組織拡大決戦として闘いぬくことである。いま非正規職労働者は、自らの闘う労働組合として郵政非正規ユニオンを全国で立ち上げ、雇い止め攻撃を粉砕し「郵政非正規ユニオン1000名建設」を掲げて立ち上がっている。この非正規職撤廃で渾身(こんしん)の決起を開始している若い仲間とともに闘おう。
具体的方針は、職場における具体的課題をめぐって反合理化・安全闘争で闘う団結を組織すること、さらに国鉄10万筆署名を広げ、夏季物販に取り組むことだ。職場に動労千葉を支援する会をつくり、組合権力奪還のフラクション運動として組織しよう。そのための組織戦術の緻密(ちみつ)化を地区党、細胞で討議し実践しよう。
職場の絶望を勝利の展望へ変える鍵は、個々の労働者の怒りや思いを全体の意思と行動にまとめ上げていくことである。8月JP労組大会攻防から11月労働者集会を見すえて、国鉄闘争勝利の4カ月決戦を徹底した組織拡大の全逓決戦として闘おう!
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週刊『前進』(2589号4面1)(2013/06/24 )
トルコ労組がゼネスト
エルドアンの新自由主義と再イスラム化に怒りの反撃
都市再開発計画との対決
トルコの労働者の新自由主義政策に対する反撃の闘いは、トルコ最大の都市イスタンブールのタクシム広場に隣接するゲジ公園の緑地破壊に反対する5月31日の闘いをもって新段階に入った。
公園の樹木伐採に反対する人びとが弾圧され、これに抗議する労働者人民に警官隊が催涙弾、ゴム弾、放水を浴びせた。これに対する激しい怒りを燃やして集まってきた数万人の労働者たちは、警官隊が撤退した後、公園と広場を占拠して闘いを続ける決意を示した。
この闘いは瞬く間に全国に拡大し、連日数万人のデモが街頭を埋め尽くした。6月中旬までに全国81県のうち70県以上で数百件に及ぶ抗議デモが行われ、6人が殺害され、5千人が負傷、3千人以上が逮捕される事態に発展した。
闘いは単に公園の自然環境を守ろうとするものではない。エルドアン政権による新自由主義政策の満展開、とりわけ都市の全面的再開発に対する労働者人民の怒りの爆発として闘われている。
トルコはこの間、世界大恐慌に直撃されて財政危機に陥った。そののりきりのためにエルドアン政権は大規模な民営化と外資による不動産投機を促進してきた。都市の全面的再開発は、国家権力を行使して貧困層居住地域から住民を追い出して確保した土地や国有地を外国資本に売り渡し、主に高層ビル・高級マンションやショッピングモールを大量に建設するというものだ。こうした計画にカタール、サウジアラビアの資本や米、オランダの年金基金などが直接投資を行い、巨大な利益を上げている。
都市の労働者人民は、再開発で地域社会や居住環境、歴史的建造物、労働者の文化・娯楽施設が破壊されることに怒りを募らせてきた。タクシム広場とゲジ公園を破壊しショッピングモールを建設する工事の強行を機にエルドアン政権の新自由主義政策への怒りを解き放ったのである。
(写真 KESKとDISKを先頭に5労組90万人が24時間のゼネストに立ち、首都アンカラで統一デモ【6月17日】) 鉄道も航空も民営化狙う
エルドアン政権は新自由主義的な民営化・外注化・非正規職化政策を全面的に展開している。医療や教育の民営化はすでに開始されている。これに対する医療労働者や教育労働者の怒りが極限的に高まっている。今年に入って政権は鉄道、国営航空、国営エネルギー企業、高速道路、橋などを民営化する方針を打ち出した。
エルドアン政権は、民営化に反対する労働組合への破壊・弾圧も激しく行ってきた。KESK(公務員労働者連盟、組合員24万人)は今年2月に「テロリスト組織と連携した」とするデッチあげで167人もの組合員を逮捕された。だからこそKESKは、5月31日にゲジ公園・タクシム広場で警察が行った労働者人民への襲撃を民営化反対運動への見せしめ的弾圧ととらえ、6月4日と5日にゼネストを決行し、反撃に出たのであった。
KESKは、戦闘的なDISK(革新的労働組合連盟、組合員35万人)にもゼネストを呼びかけた。体制内労組ナショナルセンターと対決して闘ってきた両者はこの間、エルドアン政権の民営化政策に反対する闘いで共闘体制を強めてきた。DISKも5日、ゼネストに合流した。
両労組連盟は、1980年以来メーデー集会に使用することを禁止されてきたタクシム広場を労働者階級の手に奪い返す試みを5年前から続けてきた。両労組は、今回のタクシム広場での攻防戦を広場を取り戻す決定的機会ととらえたのだ。
KESKとDISK軸に
KESKとDISKがゼネストに決起し、タクシム広場にも結集したことで、タクシム広場から始まった闘いは、労働者階級が主軸となる闘いへと発展した。タクシム広場の闘いの指導部は当初は、中産階級の知識人や民族主義的な野党の共和人民党などが主軸だったが、闘いが発展するにつれて多くの労働者が参加するようになった。
KESKとDISKがゼネストで決起することによって、両労組連盟に結集する労働者は、タクシム広場の闘いを先頭とするエルドアン政権打倒闘争の中軸となるとともに、その闘いを一挙に全国化し、大衆化する重要な役割を果たした。全国組織の両労組連盟は、全国各地で同時にエルドアン政権打倒の闘いを組織することができたのだ。
両労組連盟を軸にする闘いは、エルドアン政権が推進してきた新自由主義政策とイスラム復古主義政策で抑圧されている人びとの闘いをも糾合している。
エルドアン政権の新自由主義政策は、外注化や非正規職化によって労働者の生活水準を急速に引き下げる結果をもたらした。所得格差は極端化し、全人口の1・2%が巨額の収入を得ているのに対し、全人口の60%は1日35jの所得しか得ていない。トルコ人の3人に1人が貧困層に転落し、生活保護を受けている世帯は210万世帯(630万人)に達している。消費者信用負債を抱える者も2012年までの10年間に10倍化し、1320万人に上る。
また労働条件の悪化と職場での安全の無視によって労働災害は急速に増大し、この12年間、毎年1千人もの労働者が労災で死亡している。エルドアン政権のもとで「経済成長と安定」が確保されたと喧伝(けんでん)されているが、それは資本家の一部にとってであり労働者階級には無縁だ。
さらにエルドアンは2003年に政権に就いて以来、中東で最も世俗化が進んだトルコを再イスラム化する政策を強行してきた。女性の人口妊娠中絶と出産のための帝王切開を受ける権利を制限する法案の提出、公共の場での男女の愛情表現の禁止、アルコール飲料の販売促進・消費を制限するなど、個人の生活にまで介入している。両労組連盟は、こうした再イスラム化政策への労働者人民の怒りを糾合する軸となり、エルドアン政権を追い詰めている。
シリア内戦介入への怒り
エルドアン政権は、米帝のシリアやイランに対する侵略戦争政策を支持し、その拠点を提供している。これに対する労働者人民の怒りも大きい。
トルコは米帝の中東侵略政策の最重要拠点だ。NATO(北大西洋条約機構)加盟国としてNATO軍が基地を置き、イスラエル、エジプトに次いで多い援助を米帝から受けている。その見返りにエルドアン政権は、シリア国内で作戦を行う反政府シリア人武装勢力や米帝CIA、シリアとの国境地帯に拠点を構えるアルカイダなどのムスリム武装勢力に武器や物資を供与している。
労働者人民はこのようなエルドアン政権の新たな中東侵略戦争加担と米帝オバマによるエルドアン政権支持政策に激しい怒りを感じているのだ。
また、この間のシリア内戦で米帝の手先となったアルカイダなどのイスラム武装勢力が宗派間テロを激化させている。このなかでシリアのクルド人が危険を感じてトルコに難民として大量に流入している。それに比例してトルコ政府のクルド人弾圧政策も急速に強まっている。
クルド人に対する排外主義的差別的攻撃を許さず、トルコの労働者がクルド人とともにエルドアン政権を打倒するためにも、KESKやDISKなどのクルド人の民族的権利を尊重する労働組合の闘いがますます重要となっている。
5労組90万人がゼネスト
エルドアン政権が危地に追い詰められるなか、6月11日までにトルコの通貨リラの価値と株価が急落した。外貨獲得の重要な部門である観光産業の停滞、外資の流入停止と引き揚げも始まった。エルドアン政権の新自由主義政策は重大な危機に直面したのだ。
エルドアンはこの危機を暴力的に突破するために、6月11日と15日にタクシム広場に大量の警官隊を突入させた。警官隊は、催涙弾の水平撃ちで頭を狙い、ゴム弾や放水の直撃で、広場を占拠していた数千人の労働者を暴力的に排除した。
KESKとDISKを始め5労組、約90万人は、この弾圧に抗議するために6月17日に24時間ゼネストを実施した。トルコの新自由主義政権を打倒するトルコ労働者の革命的決起が開始された。全世界の労働者階級はトルコの労働者の革命的決起に続こう。
〔丹沢望〕
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週刊『前進』(2589号4面2)(2013/06/24 )
年金制度解体を許すな
「確定拠出」は支給額がゼロも 運用もリスクも労働者が負う
安倍政権は財政・経済政策の柱となる「骨太の方針」と「成長戦略」を決定しました。そこでは“医療・介護・年金・生活保護費なども聖域としない”とし、退職後の生活保障である年金を全面的に解体することを宣言しています。NTT資本による「確定拠出年金」への移行は、その重大な突破口です。絶対に許してはなりません。
年金支給の根幹を解体する攻撃
4月から労働者の基礎年金に上乗せする厚生年金・共済年金の支給年齢の引き上げが始まりました。多くの労働者が定年退職後、いったん無収入に追い込まれています。基礎年金(国民年金)の支給を65歳から引き上げることまで画策されています。
さらに、年金制度そのものを根底から解体する攻撃が始まっています。企業単位で独自に積み立て運用し、厚生年金に上乗せして支給されてきた企業年金(私的年金)を廃止する攻撃です。具体的には、将来の受け取り額を決めて企業が責任をもって支給してきた「確定給付年金」を、労働者個人に運用先の決定も運用もリスクも全部負わせる「確定拠出年金」に移行させることです。
世界大恐慌下では、運用の結果、給付が掛け金を割り込むどころかゼロになることすらあります。まして個々の労働者は投資の“素人”です。無謀としか言いようがありません。これは企業年金にとどまらず公的年金全体に波及します。
今年に入って賃下げ・合理化とセットで確定拠出年金に移行する攻撃が相次いでいます。
NTT9万人に14年移行を提案
九州電力(従業員1万3千人)は、平均5%の賃金削減とともに確定拠出年金を導入する提案をしました。パナソニックは3年間で5千人を削減する方針を打ち出すとともに、確定拠出年金の導入を提案しました。パナソニックの年金資産残高は1兆7千億円(12年3月末)で国内最大級です。
NTTグループは、確定給付企業年金に加入する34万人のうち規約型年金に加入している9万人を対象に、14年度から確定拠出年金に移行すると労働組合に提案しました。資産規模は規約型だけで1兆1251億円にもなります。実施されれば国内最大級の規模となり、一気にほかの企業に波及しかねません。NTTではこの秋から、定年退職者を65歳まで雇用する原資とすることを口実に賃金を削減することが決定されています。その上での年金解体攻撃です。絶対阻止以外にありません。
賃金抑制し資本救済するテコに
小泉政権が01年に確定拠出年金を導入した直後に、すかいらーくグループが確定給付年金を廃止して確定拠出年金に全面的に移行しました。従業員の平均勤続年数が9年前後(当時)という、将来のことなど見通せない労働条件を逆手に取ってのことです。
04年には「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、やはり全面移行しました。ユニクロは、08〜10年に新卒で入った労働者の46〜53%が3年以内に退職するという「ブラック企業」です。会長兼社長の柳井正は「低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化する“世界同一賃金”にする。年収100万円は仕方がない」と資本の論理をむき出しにしています。確定拠出年金はそのテコとなるものです。
拠出金は賃金の一部ではありません。賃金はその分低く抑えられます。自民党政権を引き継いだ菅民主党政権が、企業の拠出金に労働者が上乗せする「マッチング拠出」を導入。12年1月から始まりましたが、ほかに企業年金がなければ掛け金の上限は5万1千円にもなります。拠出金も通常20%課税される運用益もすべて非課税です。
賃金も万単位で低く抑えられるため、厚生年金や健康・介護・雇用・労災といった社会保険の企業負担も軽減されます。労働者は賃金が減らされ、運用リスクを負わされ、保険料が減った分、厚生年金の支給も減らされます。逆に企業の利益は増大する一方です。確定拠出年金は年金の名による搾取の強化であり、資本の救済策であり、新自由主義の極みです。
10年3月末で転職や失業などで21万7千人分(456億円)の確定拠出年金が宙に浮いていることが分かりました。退職後6カ月以内に転職先に移動するか、個人の確定拠出年金の口座に移さないと国民年金基金連合会に自動的に移管されてしまい、運用もできず利子もつきません。それどころか手数料を取られて減り続け、原則60歳まで引き出せない塩漬け状態にされます。賃金なら預金し引き出せたはずの生活費が奪われるのです。
国際連帯強化し団結して阻止を
確定拠出年金は労働者にとって賃金・雇用の問題にとどまりません。
04年にセイコーエプソンが確定拠出年金を導入しましたが、08年のリーマンショック直後、エプソン労組が国内初の運用会社を設立。労働者の拠出が始まるのと同時に、連合傘下の金属産別JAMからも脱退しました。労組幹部は「もはや賃上げ交渉だけが労組の役割ではない。家計の黒字化や資産形成に役立つことがこれからの役割だ」などと言っています。賃金闘争を捨て投資に走れば階級性は解体され、労組としては死んでしまいます。これが狙いです。
このファンドには資生堂、マルイグループ、JAM京三製作所などの各労組が出資しています。運用の50%が新興国向けで、アジアを始めとする国々に投資してその運用益を退職後の生活の糧とする。その国の労働者人民を搾取し収奪すればするほど運用益は上がる。安倍の「国民総所得を150万円上げる」中身です。労働者を資本の利害と立場に立たせることなど断じて許せません。
確定拠出年金は、職場の過半数の労働者で組織される労働組合の合意か、労組がない場合は労働者の過半数の合意がなければ移行できません。労組が反対すれば阻止できます。国際連帯を強め団結して攻撃を粉砕しましょう。
(今井一実)
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週刊『前進』(2589号4面3)(2013/06/24 )
韓国からメッセージ 6・9国鉄全国集会
9・25東京高裁反動判決阻止へ、1800人の熱気で4カ月決戦を宣言した6・9国鉄集会。この10年、動労千葉と国際連帯を進めてきた韓国から集会に寄せられたメッセージを掲載します。(編集局)
民営化と闘う動労千葉支持 民主労総ソウル地域本部
動労千葉の国鉄民営化反対闘争を積極支持します。
いま韓国でも公共部門の民営化問題が続けざまに起こっています。鉄道のKTX(韓国高速鉄道)民営化が進められようとしていることに対して鉄道労働者たちも民営化反対闘争を展開しています。民営化の風が電気・ガス・水道などほかの公共部門に拡大していくだろうというのが韓国労働者たちの考えです。
民営化が進行すれば、安全性の喪失、公共料金の引き上げ、労働者の整理解雇が予想されます。民主労総もこのような問題を国民に知らせ、ともに行動することを提案する闘争を進めています。
日本の国鉄民営化は、多くの労働者たちを死に追いやり、数多くの労働者たちが大量失業と非正規職に突き落とされ、現場で労働組合活動をすることが難しくなりました。
しかし、同志たちのやむことのない闘争でかちとった裁判所の認定、すなわちJRに採用されなければならなかった組合員を使用者側が差別的再雇用を行って意図的に排除した不当性を裁判でも認定したのなら、当然にも原職復帰されなければならないと思います。
労働組合の原則を守り、新自由主義と闘っている動労千葉の同志たちを支持します。
解雇された労働者たちが堂々と原職に復帰し、労働組合の活動も現場で活気に満ちる日が来るであろうと考え、民主労総ソウル本部も同志たちの闘争を支持し、多くの組合員たちに知らせ、連帯します。
(写真は、昨年9月27日にソウルの日本大使館前で動労千葉に連帯して闘う民主労総ソウル本部)
“万国の労働者、団結せよ!” ソウル本部元本部長 コジョンファンさん
動労千葉の同志たち、そして「国鉄1047名解雇撤回全国運動」の同志の皆さん。
私は民主労総ソウル地域本部の指導員・コジョンファンです。同志たちに熱い同志愛を込めてごあいさつ申し上げます。トゥジェン(闘争)!
皆さんとの国際連帯を開始して、はや10年になります。連帯の最初のころ、私は日本の同志たちを非難しました。日本の労働者が右傾化し、労働現場が資本家たちに奪われていることに悔しい思いもしました。国際連帯事業など必要ないとすら考えました。
けれども、連帯すればするほど、同志たちへの尊敬の念がつのってきました。同志たちが日本の地で労働者の誇りと原則を守り、闘っていること、そして労働者の闘いの歴史を守っていることを知りました。
今も闘っている動労千葉、労農連帯の闘いである三里塚、そして政権に対して闘っている「国鉄1047名解雇撤回全国運動」など、日本で闘うたくさんの同志たちの、情熱的で献身的な闘いに頭の下がる思いです。
同志たちがいるからこそ、日本の労働者の歴史があるのであり、同志たちがいるからこそ、日本の労働者の誇りが守られているのです。同志たちの粘り強い闘いは、韓国で闘う労働者にとっても力になります!
双竜(サンヨン)自動車の整理解雇撤回闘争と現代自動車の正規職化闘争は、3万ボルトの高圧鉄塔の上で今も命がけで闘われており、才能学習誌労組の2千日を超す籠城(ろうじょう)闘争、ハイテック、コーロン、コルト楽器、ゴールドブリッジ、KEC、韓国スリーエム、ヨンナム大学医療院、DKC、チンジュ医療院の闘いなどが、同志たちの熱い闘争精神から元気をもらっています。
同志たちの闘いは、同志たちだけの闘いではありません!
「万国の労働者、団結せよ!」
マルクス同志の言葉は労働者の真理です。国境を越えて万国の労働者がひとつになるとき、われわれは勝利するでしょう。全世界の労働者の目標はひとつ。あさましい資本家とあくどい政権を打倒することです!
同志の皆さん。労働者の誇りと原則を守り、力いっぱい闘いましょう。トゥジェン!
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週刊『前進』(2589号4面4)(2013/06/24 )
2013年日誌 6月11日〜17日
「成長戦略」と「骨太方針」を閣議決定/安倍、東欧で原発セールス
●産業競争力会議が成長戦略の最終案
政府の産業競争力会議は「10年で1人あたりの国民総所得を150万円増やす」などの目標を明記した成長戦略の最終案をまとめた。(12日)
●東証急落、843円安 日経平均株価の終値が前日より843円安い1万2445円となり、暴落した5月23日に次いで今年2番目の下げ幅を記録。円相場は一時1j=93円台まで円高が進んだ。いずれも日銀が大規模緩和を決めた4月4日以前の水準に。(13日)
●復興庁幹部、ツイッターで暴言 復興庁の幹部職員で「原発事故子ども・被災者支援法」担当をしていた水野靖久参事官が、ツイッター上で「左翼のクソども」などと市民団体などへの中傷や暴言を繰り返していたことが分かり担当を外された。(13日)
●自民、改憲案作成へ協議要請 衆院憲法審査会の今国会での審議が終了し、自民党は改憲原案を作るための政党間協議を各党に要請した。(13日)
●米海兵隊司令部、オスプレイ8月追加配備を表明 米海兵隊総司令部は、米軍普天間飛行場への新型輸送機MV22オスプレイ12機の追加配備について、8月中旬から下旬に実施する方針を明らかにした。(13日)
●成長戦略など閣議決定 安倍内閣は成長戦略、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)、規制改革実施計画をそれぞれ閣議決定した。(14日)
●都議選告示、253人が立候補 安倍政権発足後最初の大型選挙となる東京都議選が告示され、全42選挙区で253人が立候補した。(14日)
●トルコ政府、デモ隊を強制排除 トルコのエルドアン政権は、首相退陣などを求めてデモ隊が占拠していたイスタンブール中心部のゲジ公園に警官隊を突入させ、催涙弾などを使ってデモ隊を排除した。11日のタクシム広場のデモ隊排除に続く強制措置。(15日)
●安倍首相、東欧で原発セールス
ポーランド訪問中の安倍首相は、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの東欧4カ国首脳と会合を行い、原子力分野での協力などを明記した共同声明を発表した。(16日)
●イラン大統領に保守穏健派のロハニ師 イラン大統領選は「脱強硬路線」を掲げる保守穏健派でイスラム教シーア派のロハニ師が当選した。(16日)
●トルコで大規模スト 警官隊によるデモ隊排除に抗議し、トルコの5労組90万人が24時間ストを決行。(17日)
●「原発事故で死者いない」自民党・高市政調会長が発言 自民党の高市早苗政調会長は、党兵庫県連の会合で「福島原発事故で死亡者が出ている状況ではない」と発言し、原発再稼働をめざす考えを強調した。(17日)
●ブラジルでW杯反対20万人デモ ブラジルで公共交通料金値上げをきっかけとする反政府デモが拡大、来年開催を控えるサッカー・ワールドカップへの政府支出などに抗議して少なくとも8都市20万人が参加した。(17日)
●G8サミット開幕 主要国首脳会議(G8サミット)が英国・北アイルランドのロックアーンで始まった。「税逃れ」防止ルールづくりのほか、自由貿易の推進、シリア内戦への対応などがテーマ。(17日)
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週刊『前進』(2589号5面1)(2013/06/24 )
学祭規制撤廃・処分撤回させ法大キャンパスを奪い返そう
マルクス主義学生同盟中核派・法政大学支部
6・9国鉄全国集会の高揚を引き継ぎ、学生こそが4カ月決戦の先頭で全国の大学に自治会を建設しよう。その力で反原発闘争をさらに発展させよう。武田雄飛丸君(法大国際文化学部、文化連盟委員長)の処分撤回闘争は、学生の団結を奪い返す闘いです。広島大学自治会建設こそ、全国300万学生の未来をかけた決戦です。原発再稼働を狙う安倍政権と真っ向から激突し、帝国主義打倒の展望を示そう。京大同学会新執行部樹立に続き、学生の力を歴史の表舞台に登場させよう!
(写真 法大文化連盟委員長・武田雄飛丸君が広島大学キャンパスで熱く訴えた【6月20日】)
当局の手先=学祭実打倒を
5月17日の第2回処分撤回裁判で、許しがたい事実が明らかになりました。昨年6月、大学祭実行委員会(学祭実)は「国際文化学部所属の学生による妨害行為についての要望」なる文書を当局に提出し、武田君への「厳正な対処」=処分を懇願していたのです。
昨年6〜7月の学祭説明会・全学説明会で、学祭実は入口でスクラムを組み、武田君を会場から暴力的に排除しました。その中で全面禁酒が決定され、サークル員を動員して学生同士を監視させる出向制度が導入されました。
これは、学生の存在をおとしめ、自主法政祭を全面否定するものであり、絶対に許せません。「学生の代表」の顔で武田君を売り渡し、規制を押しつける学祭実の正体を法大生ははっきり見ています。こんな連中は代表でも何でもない!
6月13日(多摩キャンパス)、14日(市ケ谷キャンパス)の学祭説明会では、学祭実メンバーがまたも文化連盟を排除する暴挙に出ました。「全面禁酒・サークル出向制度の継続」「サークル企画への学祭実権限の強化」などが確認されています。排除の先頭に立ったのは前記懇願文書の責任者で昨年度学祭実委員長・宇多川某でした。当局に泣きついて武田君を処分させ、「自治意識の低下」と学生に責任転嫁して規制を強行した張本人です。どこまでも腐りきっている!
「武田処分」と「学祭規制」は完全に一体です。ここに当局・学祭実の最大の矛盾があります。法大当局が武田処分に踏みこまざるをえなかったのは、昨年の飲酒規制へのアンケートでは5割ものサークルが反対し、全学説明会では2割のサークルが学祭実不信任をたたきつけたからです。10月19日に1千人もの学生が、文化連盟とともにキャンパス中央で規制反対の声をあげたからです。そして学祭当日には、100人を超える学生が「規制反対×処分反対」メッセージで怒りを表現したからです。
武田処分撤回闘争は、学祭実に抑え込まれてきた法大生の怒りを爆発させ、キャンパスを学生のもとに奪い返す突破口です。「学生をなめるな!」「学祭実の官僚的態度が許せない!」「文連に頑張ってほしい!」――この怒りをひとつにして学祭実を打倒しよう。
文化連盟のもとに団結し、学祭規制撤廃・処分撤回をかちとろう。自主法政祭とキャンパスを法大生の手に取り戻そう!
広島大自治会決戦の勝利へ
6・20全国集会の大成功で、広島大学自治会決戦の火ぶたが切られました。14クラス(6月20日現在)から続々と百武拓君(理学部)への処分反対の決議が上がっています。処分や原発再稼働への怒りを共有する中から、「学生自治会とは何か」「自治会がなぜ反原発闘争に取り組むのか」とキャンパス全体を巻き込む議論が起きています。7年間の法大闘争でつかんだ一切を、広大決戦に注ぎこもう。
広大自治会建設とは第一に、資本主義の支配の柱である「教育」を学生と労働者階級のもとに奪い返し、プロレタリア革命に向けた拠点をつくりだす闘いです。御用学者・神谷研二の広大副学長就任や、反原発闘争の先頭に立つ百武君への処分策動が示すように、フクシマの怒りを圧殺することが「学問」となり、学生の未来を奪うことが「教育」となっています。この現実は、学生から団結と誇りを奪い「商品」にすることで成り立ってきました。新自由主義大学に対し学生の団結を真っ向から対置し、300万学生が社会変革の主体となるために、学生自治会が必要です。
第二に、「被爆地ヒロシマ」の怒りを体現し、原発再稼働・輸出へ突き進む安倍政権を打倒し、核・原発・戦争を廃絶していく闘いです。「被爆者は侵略と戦争、核兵器とともに生きることはできない」(全国被爆者青年同盟『君は明日生きるか』)。「ヒロシマの怒り」とは、戦争を不可避とし核を必要とする帝国主義に対する全存在をかけた告発であり、根底的否定です。
広島の地に、労働者人民の先頭で闘う学生の隊列が登場することは決定的です。広大生こそフクシマの怒りと結び、日帝打倒の闘いの最先頭に立とう。8・6ヒロシマに広大自治会からの大結集を実現しよう。
第三に、闘う広大生とともに全国学生が決起し、全学連運動の本格的発展を実現する闘いです。全学連委員長・斎藤郁真君(法大)、副委員長・石田真弓君(東北大)、武田雄飛丸君をはじめ全国から学生が広島大学に駆けつけています。一人の仲間の処分を阻止し、自治会建設を実現するために全国から学生が結集する姿は、すべての広大生に学生の団結の力と可能性を示すものとなります。全国組織としての全学連の団結をいかんなく発揮しよう!
反動のりこえ進む法大闘争
7年間の法大闘争は、「一人の仲間も見捨てない」という団結に依拠した闘いです。そこには、国家権力との非和解性が貫かれています。のべ125人の不当に逮捕・投獄された学生たちは、この思想で闘いを守ってきました。この誇り高い闘いは、仲間を売って権力に投降する反動・反革命を踏みしだいて前進しています。
広大自治会決戦と一体で、7・12全学説明会で3万法大生の怒りをひとつにし、学祭規制を撤回させよう。それが武田君「無期停学」処分撤回の力です。7・10暴処法裁判を闘い抜き、11日の第3波法大包囲デモを爆発させよう。そして、9月全学連大会への大結集で時代を動かそう!
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【要項】暴処法裁判第3回控訴審、7・11法大包囲デモ
暴処法裁判第3回控訴審
7月10日(水)午後1時30分開廷
東京地裁429号法廷
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7・11法大包囲デモ
7月11日(木)12時40分
市ヶ谷キャンパス集合
午後1時30分 デモ出発
呼びかけ/法政大学文化連盟
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週刊『前進』(2589号5面2)(2013/06/24 )
6・16青森 大間現地で反原発デモ
建設中止を求め500人が結集
第6回大間原発反対現地集会が青森県大間町で6月16日に開催され、500人の結集で大成功した。
会場となった大間原発に反対する地主の会所有の一坪共有地は、原発敷地に隣接している。不自然に折れ曲がったフェンスに囲まれてくぼんだ空間は、当初の予定地から電源開発(Jパワー)がそこだけ外してフェンスを立てたことでできた場所だ。
午前11時10分の集会開始に向けて、ステージではライブ「大MAGROCK」が続き、山口県の上関から来た青年が歌っていた。「時間はまだある。未来は選び続けられるから。笑おうよ」
集会が始まり、青森県核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会の澤口進代表が開会のあいさつを行った。続いて作家の鎌田慧さんが発言。電源開発による大間原発建設が電力需要と関係なく、国策としての新型転換炉開発の流れで始まり、世界初のフルMOX炉での建設になった経過を説明し、最もいい加減で危険な原発建設だと弾劾した。
大間原発に反対する会の佐藤亮一さんは、1976年以来37年間の反対運動の思いを込めて発言した。原子力船むつ寄港反対に大間の漁民もかけつけて闘った歴史を振り返り、多くの漁民の原発反対の意思を伝えたいと話した。そして、大間町長や電源開発社長が何度も故熊谷あさ子さんのところに押しかけ、最後はお茶のみ仲間を一人ずつつぶしていった経緯を怒りを込めて語った。
7年前に東京からUターンしてきた青年は、「友人の多くが原発関係で仕事をしているが、本当は原発じゃない発電所で働きたいとみんな思っている。地元民の参加は少ないががんばる」と初めて発言に立った。
地元3人目の発言に立った熊谷あさ子さんの娘の小笠原厚子さんは、「ふるさと大間が大好きで絶対に失いたくない。福島の事故を二度と起こしたくない。大間原発を止めよう」と訴えた。
集会アピールをストップ大間原発道南の会の大場一雄さんが読み上げ、最後まで土地を売らなかった熊谷さんの遺志を引き継ぎ、全力で行動することを確認して、拍手で採択された。
PEACE LANDのYAMさんが閉会のあいさつを行った。「原発建設が人と人のきずなを断ち切っていくのを熊谷さんに聞いて、黙っていられなくなったのが原点。今それをみんなで再構築することが大切」と語り、彼の提案で会場全体で参加者が手をつなぎ大間原発反対を叫んだ。
最後に集会実行委事務局長の中道雅史さんが行動提起。東京電力・柏崎刈羽原発からの使用済み核燃料搬入が狙われているむつ中間貯蔵施設に対する今秋闘争と、大間原発建設中止の闘いを強めることを訴えた。
いよいよデモだ。三つの梯団(ていだん)に分かれた500人のデモ隊はとてもにぎやかだ。先頭は大MAGROCK関係者がリズムに合わせてダンスしながら行進。大間町民、函館からのフェリーで駆けつけた参加者が続いた。第2梯団はNAZENの仲間が50人の部隊でけん引。8・6−8・9反戦反核統一実、8・6ヒロシマ大行動、ちばアクション、百万人署名運動、全国農民会議、動労水戸、全金本山、ス労自主、各地の合同労組などの旗が翻った。第3梯団は、県労連・生協だ。建交労、全国税の旗がなびいた。
「原発反対! 工事をとめろ! 子どもを守ろう! 海を守ろう!」
軒先で手をふるおばあさんは、「お金もらっているから誰も出ていないでしょ。いい物じゃないから私は反対」とデモに共感を示した。家から出てきてビラを受け取る若者もいた。デモ隊はフェリー乗り場まで元気に進み、各地で闘いを進めることを誓い合った。
(写真 大間原発建設阻止の思いをひとつにして500人が結集し熱気あふれる現地集会【6月16日】)
統一実行委が“反核ツアー”
集会前日の15日には、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争統一実行委主催で早朝から反戦・反核ツアーが取り組まれた。八戸駅を出発した部隊は、六ケ所再処理工場門前で、10月工場完成を目指す日本原燃に怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。さらにむつ中間貯蔵施設門前でも抗議行動を力強く闘いぬいた。
午後7時から現地集会実行委員会主催の講演会が、大間町総合開発センターで180人が参加して開かれた。
講師の一人中野宏典さんは、函館の大間原発訴訟弁護団の若手弁護士。「3・11の時に自分に何ができるか考え、大間原発反対の運動をがんばろうと思った」と自然体で自分の思いを語った。
鎌田慧さんは、故熊谷あさ子さんが夫の「人間は畑と海があれば生きていける」という信念を引き継ぎ、息子さんが漁を続けていることを紹介し、闘いの継承が原発を止める展望を切り開いていることを示し、小笠原厚子さんに登壇を促した。
小笠原さんは、大間や青森県内外からの参加に謝意を表し、大間原発を止める決意を述べた。
全体で翌日の行動成功を誓い集会を締めくくった。
(坂井雅茂)
(写真 動労水戸、全金本山、労組交流センター、合同労組などの労組旗を掲げ大間現地を力強くデモ)
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週刊『前進』(2589号5面3)(2013/06/24 )
団結街道裁判 道路廃止の暴挙追及
7・14集会大結集を誓う
6月18日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で団結街道裁判が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・学生は、市東孝雄さんの農地を守る気概に燃えて傍聴席を埋め、ともに闘った。
被告・成田市は、「団結街道の廃止が適正だったことを同じような前例で証明する」と言っていたが、完全に行き詰まってしまった。現に耕作されている農地が隣接してる道をいきなり廃止するという暴挙には、「前例」などないことが明らかになったのだ。
そこで成田市は、再び「道路廃止は事情を総合的に考慮した結果だ」というレトリックを持ち出してきた。総合考慮とは、空港の完成・機能拡大を最優先し、「結局ここは空港になるから、道路など廃止してかまわない」という暴論だ。反対同盟顧問弁護団は、この強盗の居直り的な主張を徹底的に弾劾した。
このように被告側の言い分が一向に出尽くしていない中で、多見谷裁判長は証人調べの準備を促すような発言をし、弁護団から一蹴された。拙速裁判など絶対に許さない。次回期日を9月24日(火)として閉廷した。
弁護士会館において、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
冒頭に北原鉱治事務局長が、「農地裁判は7月29日にいよいよ判決だ。ここに日本農業の未来がかかっている」と訴えた。
続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団一人ひとりが法廷を解説し、農地強奪判決を粉砕する決意を語った。
最後に萩原進事務局次長が発言に立った。「成田市は道路を封鎖して地域のつながりをずたずたにして、住民の生活権まで空港に売り渡した。空港のために民家が減り、小学校は統廃合されスクールバスも成り立たず、子どもたちはタクシーでの通学を強いられるという状況だ。許せない! 署名数は6月17日で4505。残された日をさらに闘い、7・14千葉集会の大結集へ最後の奮闘をお願いします」と熱烈にアピールし、大きな拍手で迎えられた。
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◎三里塚闘争勝利、農地強奪判決粉砕へ!
【要項】7・14全国総決起集会、7・29農地裁判判決・千葉地裁包囲闘争
第3誘導路許可取消裁判
7月9日(火)午前10時30分 千葉地裁
7・14全国総決起集会
7月14日(日)午後1時 千葉市中央公園
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7・29農地裁判判決・千葉地裁包囲闘争
7月29日(月)千葉市中央公園 午前10時集合
判決 午後1時30分 千葉地裁
主催・呼びかけ/三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2589号5面4)(2013/06/24 )
TPPを撃つB
農民の生活・生業を破壊
米麦・酪農農家など壊滅的打撃 中小農業つぶし資本参入を狙う
三里塚労農連帯の闘いで反撃を
安倍政権は7月にTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉に加わろうとしているが、「聖域」としてきた農産物5分野(米、麦、乳製品、牛肉・豚肉、甘味資源)について、本気でこれらを守る気などまったくない。「聖域にかけている関税の半分を守れればいい方だ」とし、最初から工業製品の輸出拡大のために譲歩する腹づもりであることが報じられた(東京新聞6・20付)。
農水省の統計でさえ、TPP参加で関税がすべて撤廃された場合、農林水産物の生産額約11兆円の3割、約3兆円が減るとされる。日本の農業、農村は文字どおり壊滅的打撃を受け、地域が丸ごと崩壊する事態さえ予想される。日帝・安倍政権はその道を選んだのだ。
(写真 「TPP反対」を訴えトラクターを先頭に2千人が銀座をデモ行進【5月25日】)
「10年間で所得倍増」の大うそ
安倍首相は5月18日、大分県で「耕作放棄地を企業が活用してお茶を栽培する農業組合法人」を視察した。茶葉を刈り取る大型機械に試乗してご満悦の表情の安倍の姿が、テレビで全国に流された。日本農民の苦悩を逆なでするこの演出に、強い怒りを覚えた人は少なくない。
安倍はその前日の17日に「成長戦略第2弾」を発表し、その目玉として農業分野での目標を打ち出した。それによれば、@農業輸出額を現在の倍以上の1兆円規模にする、A生産、加工、流通までを一貫させる第6次産業化を推進する、B耕作放棄地を集約して生産性を高める。これらを推進し、「10年間で農家の所得を倍増する」と、見栄を切った。
明らかにTPP参加を意識してのこの農業政策の発表は何を意味しているのか。安倍は日本の農業をどこへ連れていこうとしているのか。
安倍は「豊かになりつつある世界で、おいしくて安全な日本の農産物の人気が高まる」などと強調する。
すなわち安倍政権の農業にかんする基本政策は、農業分野に資本が参入して経営を大規模化することを促し、食糧・農産物の生産・加工・流通を一貫して工業的に展開し総合的に企業が支配することを後押しし、輸出産業として通用する農産物の育成に力を入れるということだ。それは、食糧生産を担う独立した部門としての農業を破壊し、米帝的なアグリビジネス企業による農業への支配を進め、「もうけをあげられない中小零細の農家は、農地を大企業に差し出して農業をやめろ」ということである。これが「農家所得倍増」の正体だ。
これまで「日本の農業は高関税と補助金で甘やかされてきた。改革を怠ってきた」などと、今日の農業危機の責任が農民・農家自身にあるかのようなキャンペーンが意図的に流されてきた。
これはまったくのうそだ。日本の農産物の平均関税率は12%で、EU(欧州連合)の20%、アルゼンチン32%、フィリピンやブラジルの35%などと比べてもはるかに低い。
補助金については、農業所得に占める直接支払いの割合で比較してみると、日本は全体で平均15・6%、アメリカは26・4%(小麦だけに限れば62・4%)、フランスは90・2%、イギリスは95・2%、スイスは94・5%となっている。アメリカはさらに実質的な輸出補助金などを使って何重にも自国の農業を保護している。
各国の一農家の規模を全農地面積を農家数で割った数字で比較してみると、日本は約1・2f、EUは13・5f、アメリカは198f、オーストラリアは3千fとなり、まさにけた違いの数字となって表れている。
このあまりにも大きな格差のもとで、関税を廃止し「貿易自由化」「自由競争」などどうして成り立つというのか。
農業というのは自然的地理的条件によって作付内容、作物の栽培方法、経営規模などのあり方を否応なく規定されるものであり、「競争力をつけろ」「強い農業をめざせ」などというあおりは、農民に対する生活・生業破壊の攻撃だ。
渦巻く怒りに危機深める安倍
日本の食糧自給率の異様な低さ(カロリーベースで40%弱)、担い手の高齢化、農家戸数の減少などは、日帝の農業政策(農業・農民の実質上の切り捨て)によってもたらされた結果である。
米帝は穀物メジャーなどを使いながら、食糧生産や穀物輸出を世界戦略の一環として展開してきた。日帝はこれにまともに太刀打ちできる力などないことを開き直り的に確認し、日本農業が壊滅的打撃を被ることを百も承知の上で、TPPへの参加を決断したのだ。(国内においては農業への資本支配、農家つぶしであると同時に、日本周辺のアジア諸国を農産物収奪の対象とすることと表裏一体である。)
全国の農民の間にはTPPを進める安倍政権への著しい不信と激しい怒りが渦巻き、安倍政権は「農民の反乱」に危機感を深めている。
「このままでは生きられない」との声は、まさに今日の労働者と農民の切実な叫びである。その状況の中で、三里塚では市東孝雄さんという一農民の耕作地が、「国益」を振りかざした空港によって奪い取られようとしている。市東さんをはじめ三里塚芝山連合空港反対同盟は、この攻撃に対し「農地死守・実力闘争」を一筋に貫いて闘ってきた。そして「三里塚連帯、反原発、反TPP」を鮮明に掲げて闘う全国農民会議が発足し、日本農民の最先頭に立つ気概で闘っている。
労働者と農民の連帯した闘いでTPPを粉砕する拠点がここにある。
〔田宮龍一〕
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週刊『前進』(2589号6面1)(2013/06/24 )
団結ひろば 投稿コーナー
農地死守は復興特区と闘う被災地の希望 宮城 泉沢 晶
「TPP交渉参加断固反対!」「復興を妨げるTPPを認めないぞ!」
農業者・労働組合・市民が大きな声で一斉に叫んだ。6月13日、仙台市でJAグループ宮城などが呼びかけた「TPP断固反対! 参加撤回!
宮城県民集会」に1500人が結集した。
リレーアピールで、ノリ養殖を営む漁民は「震災から2年、ようやく養殖が始まったばかりなのに、TPPがやられたら漁業は壊滅する」と危機感をあらわにした。農協青年連盟の代表は、「震災からの復旧もまだ道半ば。そして原発事故での風評被害。その上にTPP! 安倍首相は許せない。未来のために最後まで闘おう」と訴えた。集会後、TPP断固反対のむしろ旗やのぼりを掲げて市内をデモ行進した。
みやぎ労組交流センターと全国農民会議の仲間が、参加者に「市東さんの農地取り上げ反対」を訴え、600枚のチラシを配布した。「三里塚ね。知っているよ」「農地取り上げは許せない」「学生のとき千葉の学校に行っていたから、成田にも行った」と、半世紀にわたる三里塚闘争はすべての世代の人びとの心をつかみ、50筆近くの署名も寄せられた。
安倍政権がやろうとしている「復興特区」「水産特区」による農地や漁港の集約化は、農民や漁民から耕作権や漁業権を奪い取る攻撃であり、TPPそのものだ。農地死守を掲げて闘い続ける三里塚闘争は、復興特区と闘う被災地に希望と展望を与えている。市東さんの農地強奪阻止へ、3万筆署名を職場や街頭、農民・漁民のなかに大胆に持ち込んでいこう。
労働者階級に息づく労農連帯の砦三里塚 関西 M
6月16日、泉州住民の会よびかけで取り組まれた関西統一街宣は、185筆の署名が集まりました。三里塚闘争が労農連帯の砦(とりで)として、労働者階級の中に脈々と息づいていることが実感できました。
大阪市内・京橋に関西各地から結集して、市東さんの農地強奪絶対反対、TPP絶対反対を通行人に訴えました。メキシコで社会科を教えているという50代の教育労働者が、「かつて三里塚は行ったことがある。がんばってください」と署名とカンパを寄せてくれました。50代の女性は「反対運動は長いことがんばっておられますね」と近寄ってきて署名。若い世代も三里塚闘争は知らないが「TPPのやり方はおかしい」「農業がなくなる」「原発も同じ」と共感して署名をしていきました。また、「橋下、安倍はダメ」といって署名する青年、中学生、高校生も大勢いました。
橋下への怒り、安倍への怒り、非正規化への怒りと一体となって三里塚農民の闘いへの階級的な共感があるのだと思います。7・29判決粉砕へ、労働運動と農民運動の力で勝利しよう!
DOSS導入に怒り団結が息を吹き返す 東海・郵政労働者 須賀川直哉
全国の郵便局の集配職場で6月1日からDOSS(集配業務支援システム)が導入されています。集配担当者があらゆる業務を行うたびに、「○時○分〜□時□分に△△を行った」と労働者一人ひとりの携帯端末を経由して当局のサーバーに報告させ、それぞれの作業スピードを競争させる施策です。私の職場は先行実施局だったこともあり、1年ほど前から導入されていました。
このまま私たち労働者が黙っていたら、「郵政グループビジョン2021」や「新人事・給与制度」のもとで郵政職場、とりわけ集配職場はますますすさんだ職場になり下がります。その当局の査定基準になるのがDOSSです。私の職場では、「当局の業務支配の支援はするが、現場労働者の支援にはなっていない」という現実から、「集配業務『妨害』システム」とやゆされています。ポイントほしさに罵詈雑言(ばりぞうごん)が飛び交い、交通事故や郵便事故がますます多発する。そして、事故の責任を「死人に口なし」とばかりに自己責任として本人になすり付ける。私の職場はこの状況の一歩、二歩手前まで陥りかけていたのですが、「このままではいけない」という仲間が1人、2人と出てきたことで、息を吹き返し始めています。
労働者の団結、労働組合をよみがえらせることができれば、「2021」も「新人事・給与制度」もDOSSも粉砕することができると確信しています。全国の郵政労働者の皆さん、ともに闘いましょう!
首相官邸に向かって「原発やめろ」コール 東京 北沢隆広
6月14日金曜日、首相官邸前に行き、「原発やめろ!」と大声で叫んできました。
官邸前では午後6時の行動開始前から参加者が詰めかけてきました。毎週参加しているなど数多く参加している人も多い。ここで“顔なじみ”となり、反原発の情報を交換したり、「孫が生まれたので、もっと頑張る」などとあちこちで話に花が咲いています。たくさんの人が持参している手作りのプラカードやボードの準備も万端。
午後6時、官邸前でコールが始まりました。「原発いらない!」「再稼働するな!」「原発売るな!」。参加者の怒りと思いが首相官邸に向かってたたき付けられました。どの人もあらん限りの声で叫び続けます。コールは約30分。その後、官邸に向かって何人かが抗議のスピーチ。さらにコールと続きます。高齢者はかなり体力を消耗すると思います。顔見知りになった方は「家に帰るとへとへと。でも毎週来ている」と力強く語っていました。
スピーチでは中年の男性が「安倍晋三! 福島原発で働く多くの被曝労働者、そして避難した福島の人びとに補償をしろ。すべての原発をとめ、輸出をやめるまでわれわれは何度でもここに来る!」と気迫のこもった発言。
NAZENの7・11東京集会に集まりましょう! 労働組合を先頭とした百万人決起で、再稼働も輸出も阻止しよう!
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週刊『前進』(2589号6面2)(2013/06/24 )
6・30星野集会へ大結集を
全証拠開示へ勢い示そう
獄中38年の星野同志奪い返せ
6・9国鉄闘争全国集会の成功と一体で、無実の星野文昭同志奪還の全証拠開示大運動は今年前半の闘いで、飛躍的発展の情勢を切り開いた。目前に迫った「6・30星野全国集会」(要項1面)の大結集のために、職場・学園・地域で全力で闘おう。
スパイ荒川打倒の地平うち固め
集会の歴史的意義は第一に、権力のスパイ荒川碩哉(ひろや)を徹底的に打倒し尽くし、星野同志奪還闘争の飛躍的な発展をかちとっていることを宣言することである。
「星野・奥深山・荒川裁判」の共同被告として、星野同志とともに裁判を闘った荒川碩哉が、あろうことか内閣情報調査室と公安調査庁のスパイであることが暴き出された。
なんというやつだ! 獄中38年を不屈に闘い抜いている星野同志をどう思っているのか。自らの保護を公安警察に求め、家族も含めて売り渡すとは、なんたる腐り果てた やつか! 星野闘争を闘うすべての人びとは満身の怒りを込めて荒川を弾劾している。
星野暁子さんはある会議で次のように語っている。「文昭と荒川の生き方はまったく反対だ。文昭は労働者人民とともにあり、その団結の中で闘っている。無期懲役と対決し、分断を許さない闘いが重要だ。それが位置づかないから出獄後に権力が近づいた。階級的労働運動を実践する中で、あぶり出されたのは重要だ。のりこえて闘っていこう」
荒川のスパイ活動は1995年から始まった。この事実は星野闘争においては実に重大な意味がある。第1次再審請求は96年に提出されたが、91年に結成された星野再審弁護団の再審準備が94〜95年には白熱的過程に突入していたからだ。
沖縄と本土労働者の革命的連帯として闘われた71年渋谷暴動闘争は、本土と沖縄の労働者人民の分断支配の上に成立する日米安保体制を不可欠の存立条件とする日帝の体制を根底から揺るがした。このことに震え上がった日帝国家権力は、星野同志に死刑求刑−無期判決という報復攻撃を加え、沖縄と本土労働者を分断し、屈服を迫った。
星野同志の再審闘争への決起は、この日帝の攻撃に対して真っ向から反撃するものであり、日帝権力を打倒するまでやむことのない闘いの宣言を発するものであった。星野再審闘争の本質は、渋谷暴動闘争を日本革命に向かって革命的に貫徹するということであり、党と労働者階級が一体となってプロレタリア革命の魂を守り抜く闘いなのである。
荒川は、この星野同志の革命的で荒々しい宣言におののき、自らの小ブル的自己保身のために、闘いを内部から破壊・解体するために反革命スパイ活動を開始したのである。それゆえ、荒川のスパイ活動を全面的に暴き打倒したことは、星野闘争が本格的な前進と飛躍を開始する号砲なのだ。
労働者階級の力でスパイ荒川を摘発・打倒したことは歴史的な快挙であり、世界大恐慌のもとで、プロレタリア世界革命に向かう前進を圧倒的に切り開いたのである。
国鉄闘争の前進が勝利への道
第二に、6・9国鉄闘争全国集会の大成功から9・25動労千葉鉄建公団訴訟の判決日までの4カ月決戦を全力で闘い抜く宣言の場である。
1047名解雇撤回・外注化阻止・非正規職撤廃の国鉄闘争は、労働者の権利と未来を決する闘いだ。安倍政権が全面的な雇用破壊と改憲・戦争に突き進む中で、再び「国鉄方式」による全社会的な民営化・解雇攻撃が行われようとしている。しかし、国鉄闘争の根絶なしにその攻撃を完遂することなどできない。
東京高裁が5月8日の控訴審で一切の事実調べを拒否して結審を強行したことは、国家的不当労働行為のすべてを明らかにしようとしている動労千葉の闘いに追い詰められた暴挙である。国鉄分割・民営化の真実を明らかにし解雇撤回をかちとる闘いは、9・25判決に向かって決戦に突入している。国鉄闘争根絶攻撃に巨大な反撃をたたきつけ、この攻撃を打ち破る「解雇撤回・JR復帰」の高裁判決を求める10万筆署名運動を拡大しよう。国鉄闘争の巨大な発展をかちとる中に労働者階級の未来が開かれる。星野同志の奪還もこの闘いの勝利の中にある。全力で闘い抜こう。
第三に、証拠開示を巡る7・19三者協議に向けて、東京高裁と東京高検に全証拠開示大運動の圧倒的な力と勢いを突きつける集会である。
検察官は、星野同志を、無実を百も承知で機動隊員死亡の「実行犯」にデッチあげた。検察官の手中には、ねつ造された証拠とともに、星野同志の無実を示す客観的な証拠とデッチあげを示す証拠が存在するのだ。
この検察官が隠し持つ一切の証拠を労働者階級人民の力で開示させよう。この闘いこそ「全証拠開示大運動」である。それは全人民の階級的正義の声と、労働者階級の団結の力で国家犯罪を暴く闘いであり、日帝国家権力と真っ向から激突する闘いである。
星野同志と再審弁護団は、現在、11人の現場目撃者の供述調書の開示と、写真ネガの複写に絞り込んで証拠開示を請求している。
7月19日の三者協議は、東京高検、東京高裁と弁護団との真っ向からの激突の場である。民間人現場目撃者の供述調書を検証しないで、信用性のまったくないKr供述調書を星野同志を有罪とする核心証拠とすることなど断じて許せない。6・30全国集会を、7・19三者協議を包囲する怒りの大集会としてかちとろう。
第四に、9・8徳島刑務所包囲デモへの総決起の場である。
暁子さんの手紙を墨塗りしたり、友人面会を拒否する徳島刑務所を怒りの声で包囲しよう。昨年2月に続いて、再び労働者人民の隊列で刑務所を大包囲するのだ。獄中の星野同志に、再び私たちの星野同志奪還への熱い思い、決意の声を届けよう。
「全証拠を開示させただちに再審開始を/6・30星野全国集会」へ、総力での結集を訴えます。
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週刊『前進』(2589号6面3)(2013/06/24 )
星野面会・手紙国賠 早期結審策動に反撃
前徳島刑所長らを証人申請
6月14日、東京地裁民事第38部(谷口豊裁判長)で星野同志の面会・手紙国賠第8回裁判が開かれた。開始前の昼休みに地裁前で6・30星野全国集会への参加を訴えた。ビラはどんどん受け取られ、全証拠開示を求める署名には弁護士を始め多くの人が応えてくれた。狭山差別裁判の再審・無罪を求めて闘う石川一雄さんも街宣中で、並んでの訴えだった。
今回の裁判の焦点は、面会拒否と手紙墨塗りについての事実関係を白日のもとにさらし弾劾するために、4人の証人調べをかちとることだ。前回、代わったばかりの裁判長は、「双方の準備書面によって事実関係ははっきりしてきた」と、証人調べを行わないまま結審する意向を示した。
とんでもない! 松本忠良前徳島刑務所長が、どのような理由で面会を拒否し、手紙を墨塗りしたのか、まったく明らかになっていない。本格的な追及はこれからだ。事実にふたをしたままの結審など絶対に許さない。
この国賠は、星野同志と固く団結し、獄中の権利を守る重大な闘いだ。友人と面会し交流することは人間としての当然の権利だ。受刑者だからといって奪われるものではない。獄中38年を不屈に闘い、デッチあげによる無期懲役刑という新自由主義攻撃と非和解で絶対反対を貫き闘う星野同志を守り抜こう。徳島刑務所での弾圧の張本人たちを法廷に引きずり出し、その暴挙をあばき、階級的怒りで粉砕しよう。
西村正治弁護士は、徳島刑務所の前所長・松本忠良、処遇首席・西岡勇次郎、第一統括・木下豊和の3人と星野文昭同志の証人申請を行い、早期結審策動をはね返した。裁判には星野暁子さんの「陳述書」と金山克巳同志の「陳述書」が提出され、金山同志が朗読した。西村弁護士は、裁判の「門前払い」を求める被告・国の主張を全面的に打ち破る「準備書面(6)」を提出した。
次回は7月26日(金)午後3時半、東京地裁705号法廷。
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週刊『前進』(2589号6面4)(2013/06/24 )
7・7関空反対闘争へ
泉州住民の会がアピール
関西新空港絶対反対泉州住民の会から7・7関西空港反対全国集会の呼びかけが発せられた。全国から大結集して闘おう。(編集局)
全国の闘う仲間のみなさん、地元のみなさん、7・7関西空港反対全国集会への参加を呼びかけます。
関空闘争は、戦争に反対する闘いです。「オスプレイ訓練の大阪受け入れ」を絶対に阻止しよう。橋下維新の会の提案は、普天間基地の辺野古移設を推し進め、沖縄米軍基地を強化し、さらに全国に拡大しようとするもので断じて許せません。「軍隊慰安婦必要」発言、そして憲法改悪発言、どれも戦争を推進する橋下の本性から出た言葉です。泉州住民の会は3年前、橋下の「普天間を関空へ移設」策動を阻止してきました。今年は八尾空港、関西空港を米軍基地にしない闘いを7・7闘争で示そう。
新自由主義はものすごい危機に陥っています。アベノミクスが破綻し株価が暴落、そして橋下維新の会を打倒する情勢をこじ開けています。水道統合計画が破綻、地下鉄・市バスの民営化も破綻させてきました。大阪市職員が中心に橋下打倒集会を2度やり、免職裁判で勝利し、4・26スト集会で橋下を追いつめたのです。この闘いの勝利が、必ず橋下は打倒できる確信を生み出しました。
新自由主義政策で建設した関西空港を粉砕しよう。LCC(格安航空)は関空の危機を深めています。ピーチは3年契約で社員を雇い、案内、販売、掃除までやらせています。ジェットスターは資格のない整備士を使って処分されました。B787の連続事故は、外注化と軽量化が起こしたので原因が不明なまま運行再開しています。これらとの闘いは「命より金もうけ」の新自由主義との闘いです。
新自由主義との闘いは、職場から地域全体に拡大しています。泉佐野市は関空で財政危機に陥ったため、千代松市長が「市の命名権」を企業に売ると提案したが労働者、住民の怒りが沸騰し阻止しました。また市職員の賃下げ、解雇攻撃、図書館やごみ収集民営化、「こども園」など、労働者、住民に犠牲をしいるやり方に地域全体で怒りが高まっています。「関空ができてから20年、何もいいことはなかった!」。これが労働者、住民の怒りです。住民と自治体労働者の団結が勝利の路線です。
関空で1万3千人働いていますが、関空は資本家をもうけさせるために、24時間労働監獄にして企業は金もうけしています。労働者は黙っていません。労働者の闘いが起きています。
国鉄労働者、自治体労働者、民間労働者の闘いが、安倍政権と橋下を追いつめた核心です。労組交流センターは、全関西に労働組合を作って、関空を粉砕していきます。
泉州住民の会は4月総会を開き、地域全体で関空―新自由主義と闘う方針を確立してきました。そして、自治体労働者、関空労働者と共に闘う団結を拡大していく方針です。
7・7闘争を三里塚、沖縄、動労千葉、学生と一体で闘おう。動労千葉先頭に6・9集会の成功を全国に拡大し労働組合を作ろう! 八尾北・西郡闘争を先頭に橋下打倒闘争を闘おう!
そこで下記の要領で集会を開催しますので、全国から多くのみなさんの参加をお願いします。
2013年6月
関西新空港絶対反対泉州住民の会
代表/国賀祥司
連絡先/泉佐野市中庄358−4/電話072−463−6640
(写真 昨年7月の関空闘争。住民の会を先頭に泉佐野市内をデモ)
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【要項】7・7関西空港反対全国集会
オスプレイ受入れ反対、関空の軍事空港化絶対反対! 住民と労働者の団結で橋下、千代松を打倒しよう!
関西空港反対全国集会
7月7日(日)午後1時集合 1時半開会
泉佐野市末広公園コミュニティひろば
主催 関西新空港絶対反対泉州住民の会
関西労働組合交流センター
集会の後デモをします。
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週刊『前進』(2589号6面5)(2013/06/24 )
盗聴、密告奨励、匿名証人など--新捜査手法の導入許すな
法制審が刑事司法改悪の素案提出
6月14日、法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」が開かれ、来春の国会提出を狙った刑事司法改悪案の素案が提出された。
先日発足した「新捜査手法反対連絡会議」はこの日、弁護士会館前で抗議集会を行い、日弁連に対しても「絶対反対で闘うべき」と申し入れた。集会では、「新捜査手法は改憲攻撃と一体の攻撃だ。労働者人民の力を結集して絶対に粉砕しよう」と訴えた。弁護士を始め人びとの関心は高く、ビラは吸い込まれるように受け取られた。
特別部会の素案の内容は、一つに、警察による無制限の盗聴を可能にするとんでもないものだ。盗聴対象の通信を全部自動的に警察施設に送り込み、立会人も必要とせず、警察に盗聴のフリーハンドを与えようとするものだ。しかも、盗聴対象を窃盗、詐欺、殺人や「盗聴が有効である」一般犯罪から「テロ犯罪」にまで拡大するものだ。
さらに許せないことには、警察官が車両や事務所に忍び込んで盗聴器を仕掛け、室内盗聴までやろうとしている。まさに警察国家であり、極限的な分断社会だ。絶対に阻止しよう。
二つは、司法取引の導入である。これは、仲間や組織の情報を売り渡すことと引き替えに、不起訴にしたり刑を軽くすることを検事と取引することである。密告の奨励であり、団結破壊の最たるものだ。
三つには、「匿名証人」制度の導入である。「証人に危害が加えられる恐れ」を口実にして、証人が氏名も住所も明かさなくていいとするものである。また、証人が法廷に在席しない、いわゆるビデオリンク方式も、裁判が行われるのとは別の裁判所で証言しても構わないように改悪する。
これは、裏切り転向分子やスパイ分子にうその証言をさせるための制度だ。さらに言えば、警察官自身が身分を隠して、うその証言をすることすら可能となる。まさにデッチあげの横行であり、断じて認められない。
さらに、黙秘権の否定や、被告人に対する「偽証罪」の適用までも狙っている。
以上のように、特別部会の素案は、9条改憲と一体の戦争国家の治安攻撃そのものである。日帝・安倍政権は、「アベノミクス」なるものが崩壊のふちにあるからこそ、民営化や規制緩和、社会保障解体に突き進むほかなく、ますます改憲・戦争へとのめり込んでいる。こうした見境のない攻撃に対する、労働者階級人民の闘いが激しく巻き起こっている。安倍政権は、むき出しの国家暴力によって、労働者階級の闘いを破壊しようとしているのだ。
国鉄決戦を基軸にした階級的労働運動を大前進させ、「新たな捜査手法」導入を絶対に粉砕しよう。
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週刊『前進』(2589号6面6)(2013/06/24 )
【要項】6・27迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審判決、◆公判後報告集会、◆街頭宣伝
6・27迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審判決
6月27日(木)午後1時30分開廷
東京高裁429号法廷
午後1時 傍聴券配布所集合
午前11時30分〜裁判所前でビラまき街頭宣伝
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◆公判後報告集会
午後5時〜 ニュー新橋ビル425号室(新橋駅烏森口正面ビル4階)
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◆街頭宣伝
6月24日(月)〜6月27日(木)
午前11時30分〜午後1時 東京高裁前
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