ZENSHIN 2013/06/03(No2586 p08)

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第2586号の目次
1面の画像
(1面)
6・9国鉄闘争全国集会大結集を  9・25判決へ4ヵ月決戦に突入しよう
労働組合の決起で原発再稼働改憲阻止、農地死守、安倍打倒へ
6・30星野全国集会へ闘おう
記事を読む  
5・25芝公園 TPP反対で2000人デモ 
三里塚と農民会議が合流
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
文京シビックホ ール埋める6・9大結集へ
国鉄解雇の真相はついに暴かれた安倍・葛西=JR体制打倒へ進もう
記事を読む  
全国各地で国鉄集会6・9へ闘い進む(5月24、26日) 記事を読む  
闘いは進む 青年の職場から
JR 研修レポートの書き直しをめぐって主任と対決  東北 湊晴樹
記事を読む  
(3面)
アベノミクス戦略特区粉砕を
橋下を先兵に大阪民営化  ストライキで打ち砕こう
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「ブラック企業」化する都教委  今年も新規採用教員97人を辞めさせ1人の解雇を強行 記事を読む  
「保育所株式会社」許すな
「待機児童解消」名目に企業参入と基準緩和の「横浜方式」を狙う
職場から反合・保育安全闘争を
記事を読む  
(4面)
再稼働への怒り6・9へ
日共の「原子力平和利用」論は合理化容認と表裏一体だった
「技術的進歩」と核・原発を賛美(島崎 光晴)
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労働組合を軸に団結固め大間原発建設阻止しよう
6・16大間現地集会に大結集を(革共同青森県委員会)
記事を読む  
金曜行動 吉沢さん駆けつけ訴え  原発輸出にも怒り噴出(5月24日) 記事を読む  
(5面)
TPPを撃つ@  アメリカ帝国主義の狙い
アジア・太平洋勢力圏化と日帝解体的な争闘戦が本質
労働者・農民犠牲に資本の延命
記事を読む  
東海村 原子核実験施設の事故弾劾  34人被曝、放射性物質も排出(5月23日) 記事を読む  
韓国 民営化阻止の決戦に突入 記事を読む  
三里塚裁判傍聴を! 記事を読む  
(6面)
京都大学同学会選挙 大森君先頭に連日熱弁
「全員自治」「総長団交」訴え
記事を読む  
安倍打倒へ展望つかむ   沖縄大生からの5月闘争報告(沖縄大・M) 記事を読む  
石川さんと連帯し狭山集会  記事を読む  
2013年日誌 5月21日〜27日
5党が「緊急事態」規定で改憲主張/共通番号制度法が成立
記事を読む  
訂正 記事を読む  
(7面)
沖縄から世界を変えよう  「復帰」41年-5・18沖縄集会基調提起 記事を読む  
在本土沖縄労働者会議が旗あげ 
“国際連帯の島”沖縄と結合し外注化粉砕・非正規職撤廃へ(4月28日)
記事を読む  
(8面)
6・30星野全国集会の大成功へ  全証拠開示運動進め星野同志を奪還しよう 記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
【要項】6・30星野全国集会、6・27迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審判決 記事を読む  

週刊『前進』(2586号1面1)(2013/06/03 )

 6・9国鉄闘争全国集会大結集を

 9・25判決へ4ヵ月決戦に突入しよう

 労働組合の決起で原発再稼働改憲阻止、農地死守、安倍打倒へ

 6・30星野全国集会へ闘おう

 全国のJR(国鉄)職場を先頭に、新自由主義の絶望的凶暴化と真っ向から対決する闘いがうなりを上げて始まった。6・9国鉄集会の大成功こそ、階級的労働運動路線がまさに今日の内外情勢・階級情勢とがっちりとかみあって、本格的な職場闘争の実践として新たな段階に入ったことをはっきり示すものとなる。6・9を決定的な歴史的転換点とし、突破口として、4大産別を先頭にすべての産別・職場で民営化・外注化・非正規職化絶対反対の闘いを、反合・運転保安闘争路線のもと闘って、闘って、闘いぬこう。6・9に文京シビックホールを満杯にする闘いを、全国で最後の最後までやりぬこう。

 外注化反対の一点で団結して立った

 職場の仲間に対する絶対的信頼と、機関紙『前進』とマルクス主義での不断の武装、そして職場での徹底討議は、必ず闘う労働組合をよみがえらせ、新たな団結と階級的力を生み出す。破綻と崩壊をついに開始した安倍政権を、階級的労働運動の爆発で7月参院選を待たずに打倒しよう。6・9国鉄大集会の空前の成功と、6〜7月決戦の大爆発をかちとり、8・6広島―8・9長崎へ、9・25動労千葉鉄建公団訴訟判決に向けた4カ月決戦へ、勝利の確信もいよいよ固く前進しよう。
 動労千葉、動労水戸を最先頭に全力をあげて闘われた昨年10・1外注化阻止決戦、外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働強制反対の闘いの地平は、さらにこの1〜3月闘争の前進、とりわけ3月ストライキ、そしてそこから4・26自治労スト攻防、闘う5・1メーデーへと引き継がれ、発展してきた。それは今や動労と国労の組合的枠をも越えて、JR東日本のみならず全国のJR(国鉄)職場からの怒りの総反撃・総反乱の闘いをつくり出すに至っている。
 そしてこの国鉄決戦の前進が、4大産別での新たな闘いの発展を全国で生み出した。とりわけこの中で青年労働者が階級の闘う指導部として屹立(きつりつ)してきていることは決定的である。
 国労郡山工場支部は、労働組合としての団結をかけ、大恐慌と3・11大震災−原発事故のすさまじい現実と真正面から対決し、全国に戦闘的な檄を発して闘ってきた。そして6月3日から予定されていた「倉庫業務」の外注化をめぐり、当局が出向の事前通知を出せないという決定的な情勢をついに切り開いた。支部全体が職場討議を積み重ね、さまざまな立場や意見の違いをものりこえ、「外注化反対」の一点で団結し、国鉄労働者、工場労働者としての誇りと、何よりも青年の未来をかけて労働組合として立ち上がった。この闘いの意義とそれが与える影響は、極めて大きい。
 さらに動労千葉、動労水戸と一体で闘い抜いてきた動労西日本は、6月1日付けで赤松賢一副委員長の下請け会社レールテックへの強制出向を取り消させ、JR西日本への原職復帰をかちとった。大勝利である。これは、JRに就職して以来7年以上もの出向を強制され、この2月にはJR西日本に在籍している日数よりも出向日数が多いという外注化・非正規職化の許し難い現実に対する怒りの反撃であり、同時にひとり赤松副委員長の原職復帰のみならず、未払い残業代をレールテック労働者一人ひとりに支払わせることを約束させる決定的な闘いとして打ち抜かれた。
 動労千葉の山田護幕張支部長は訴えている。「外注化にはみんな心の中では反対している。安全は崩壊するし、JRに入ったのに将来的にどういう身分になるんだと、みんな不安に思っている。分割・民営化のとき、職場に残れるかどうか悩んだ。外注化になって、JR側に残りたいと思うのはあのころと同じだ」「競争じゃなくて、本当にいい職場をつくりたい。保線は脱線しないように、おれらは車両を直して故障のないように、そういう会社になっていけば事故もないし、安全でけがもない、いい職場になると思う」
 この思いと心からの訴えこそ、全労働者のものだ。この階級的魂をもって、外注化阻止・非正規職撤廃の決戦を、反合・運転保安闘争路線のもと全職場で強化し闘おう。

 安倍と葛西を直撃する闘い切り開く

 昨年の10・1外注化阻止決戦から5・1メーデー・JR貨物本社包囲闘争へと上りつめてきた闘いは、階級的労働運動と外注化阻止・非正規職撤廃、1047名解雇撤回の国鉄決戦の新たな画期的前進をつくり出した。それと同時に新自由主義・超反動安倍政権の破綻と崩壊をもついに引き出すに至った。
 こうした闘いの前進は、国鉄分割・民営化の土台そのものを激しく揺さぶり、「白石事件」が象徴するように裁判所と日帝権力中枢を追いつめ、その異様な危機と焦りを生み出し、国鉄決戦勝利の情勢を開いている。
 5月8日の動労千葉鉄建公団訴訟控訴審での結審強行と、その同じ日に開かれた動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の提訴による、外注化に伴う強制出向の無効確認訴訟の闘い。それは今や日帝権力・ブルジョアジーの中枢であり、彼らの延命の命綱となったJR体制を、国鉄決戦がとことん追いつめ、分割・民営化の真実を白日のもとにさらすところまで闘いが前進していることをはっきり示した。
 5・8の結審強行はいったい何だったか。
 (1)それは何よりも、4・9反革命を打ち破って前進する動労千葉を先頭とした闘いで国鉄分割・民営化=「国鉄改革」の真相がついに明らかになろうとしていることへの、権力と資本の恐怖にかられた新たな大反動である。
 JR西日本・井手正敬会長(当時)を囲む『国鉄改革前後の労務政策の内幕』(2000年9月)なる座談会(JR連合幹部との)において、JR設立委員会委員長・斎藤英四郎(当時・経団連会長)の指示のもと、国鉄職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)が不採用基準を策定し、国鉄・JR一体の国家的不当労働行為そのものが行われたことが語られている。それが法廷で突き出されたのだ。
 (2)しかもここで重大な問題は、この決定的事実を国労本部は入手していながら、その「政治解決」路線=「1047名闘争を最後的に解体し連合に合流する路線」への変質によって意図的に無視・抹殺し、葛西を追及するどころか容認、擁護に回ったことだ。
 (3)さらに、昨年の6・29一審東京地裁判決で「伊藤嘉道証言」にもとづき不当労働行為意思を認定した白石哲裁判長が、この過程で突如として民事11部の総括判事から更迭・左遷された。この「白石事件」の異様さは、追いつめられた日帝権力と資本の恐怖を示している。
 (4)こうした重大事態は、まさに4・9反革命以来の国鉄闘争の前進=国鉄闘争全国運動の新たな前進が、ついに「国鉄改革法」の核心部分を撃ち、その攻撃の大本から実行過程に至るすべてを暴き出し、分割・民営化の全構造と力関係がひっくり返るところまできたことを、実にリアルに突き出すものだ。
 その上で、この間の職場からの反撃の闘いにより、JRは業務委託契約がどのような内容かをも明らかにしない、できないところにたたき込まれている。まさに外注化阻止決戦は、「会社の命令は絶対」と労働者の意思と誇りを踏みにじってきた分割・民営化以来の全歴史、2000年以来の外注化・非正規職化攻撃の全歴史を根本から転覆し、すべてを労働者と労働組合のもとに取り戻す闘いなのだ。

 「アベノミクス」の破綻ついに始まる

 世界大恐慌の激化、大争闘戦時代への突入のもと、今こそ極悪の日帝・安倍政権打倒へ総決起すべき時だ。6・9国鉄大集会こそ当面する最大の勝負だ。超金融緩和を軸とする「アベノミクス」は、早くも長期金利高騰と株価大暴落で破綻し始めた。TPP(環太平洋経済連携協定)は日帝解体的な日米争闘戦の激化であるとともに、対中対峙・対決の安保=戦争政策そのものである。しかし日帝・安倍と大ブルジョアジーは、ここに参入する以外に延命できないとして突っ込んでいる。
 安倍の現段階の最大の反動性は、「成長戦略」など新自由主義攻撃の激化と同時に、原発輸出と再稼働、改憲攻撃への突進だ。安倍は96条改悪を突破口に改憲を企み、原発輸出のトップセールスにも全力をあげ、7月には電力会社が泊、高浜、伊方、川内の原発8基などの再稼働を申請しようとしている。そして沖縄辺野古新基地建設と三里塚での市東孝雄さんの農地強奪を狙っている。
 だが安倍政権の破綻と崩壊は確実に始まった。安倍と日帝権力が本当に恐れていることは、労働者階級と労働組合の闘いが階級的労働運動として爆発・発展すること、福島と沖縄の怒りが結びつくこと、農地死守の労農連帯が三里塚を軸に発展することだ。さらには学生運動が全国自治会建設の闘いを水路に爆発すること、そして日韓米とドイツを核に労働者国際連帯が前進することだ。
 やはり労働組合をめぐる攻防こそが全情勢を決める。労働組合・労働運動と労農連帯の力で、原発再稼働・改憲阻止、三里塚農地死守、安倍打倒へ今こそ総決起しよう。すべては6・9の大結集だ。6・9の大成功を突破口に9・25判決への4カ月決戦に突入しよう。
 6・30星野同志奪還全国集会へ闘おう。

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週刊『前進』(2586号1面2)(2013/06/03 )

 5・25芝公園 TPP反対で2000人デモ

 三里塚と農民会議が合流

 

(写真 〈上〉デモに出る三里塚反対同盟・現闘と全国農民会議の小川浩さん【左から2人目】ら〈下〉芝公園での集会)

5月25日、東京・芝公園で「TPP(環太平洋経済連携協定)参加をとめる! 5・25大集会」が開催され、労働者、農民を始め2千人が参加した。集会を主催した「STOP TPP!! 市民アクション」の呼びかけには、全国の310を超える団体が賛同した。この広範な労働者、農民の怒りと結びついて、三里塚芝山連合空港反対同盟事務局次長の萩原進さんと三里塚現闘、そして小川浩さんを始めとする全国農民会議が合流しともに闘った。
 開会前に会場で市東孝雄さんの農地取り上げに反対する緊急3万人署名を呼びかけた。短時間だったが反応はとてもよく、現闘本部員の要請に多くの農民らが、「農地取り上げはひどいね。頑張って」と応じ、署名数は実に300を超えた。
 12時半からの集会では農民、医療労働者、青年、生協、大学教員などがTPPへの批判と怒り、絶対反対の意思を表明した。集会後、参加者は4台のトラクターを先頭に新橋駅前や銀座を通る怒りのデモを行い、「TPP参加絶対反対」をアピールした。

 米帝の争闘戦と日帝の危機

 TPPは世界大恐慌下、米帝の激しい争闘戦と、アジア太平洋地域のブロック化政策である。それは中国に対する対峙対決政策を核心とする新軍事戦略と一体の帝国主義的通商政策であり戦争政策である。日帝はこの米帝の争闘戦政策に根底から揺さぶられ危機を深めつつ、必死に対応しようとしている。それがTPPへの参加策動だ。
 安倍政権は、7月15〜25日にマレーシアで開く第17回交渉会合に初参加する意向である。ところが米議会での審議に時間がかかるため、交渉に日本が参加できるのは実質わずか2日間のみであるといわれている。ここにも米帝の激しい対日争闘戦政策が貫かれている。それでも日帝は、米帝の決めたルールの枠内で最大限、日帝の独占的大資本の利益を貫き、矛盾の一切を労働者人民に押しつけて延命しようとしている。
 国鉄分割・民営化20万人首切りの張本人であり、労組破壊・不当労働行為の極悪の犯罪人、葛西敬之(JR東海会長)は今、安倍の盟友となってTPP参加と原発再稼働を最も強く主張し推進している。葛西は「情緒的な原発反対論の終着点が失業の増加と国民の貧困化だ」「今後の経済成長は日米協力と環太平洋連携にかかっている」と主張し、「原発再稼働とTPPは(経済成長に)必須だ」と叫んでいるのだ(読売新聞5・26付)。絶対に許せない。
 1047名解雇撤回とJR外注化阻止・非正規職撤廃の国鉄決戦は、この安倍・葛西と真っ向から対決し打倒する決戦である。
 国鉄決戦を軸とする階級的労働運動と、米韓日を中心とする労働者国際連帯の前進でTPPを絶対に粉砕しよう。その勝利をかけて6・9国鉄闘争全国集会に大結集しよう。(新シリーズ「TPPを撃つ」=5面)

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週刊『前進』(2586号1面3)(2013/06/03 )

前進速報版から 前進速報版から

▼北海道労働者総決起集会が成功▼全国水平同盟結成へ!広島で狭山集会を開催▼長崎で労働者集会、国労闘争団の羽廣憲さんが講演

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週刊『前進』(2586号2面1)(2013/06/03 )

 文京シビックホ ール埋める6・9大結集へ

 国鉄解雇の真相はついに暴かれた安倍・葛西=JR体制打倒へ進もう

 国鉄闘争全国運動6・9集会まであと1週間を切った。集会へのこれまでのレベルを超えた大結集を実現するため、最後の最後まで闘いぬこう。国鉄分割・民営化以来の新自由主義の攻撃に対する労働者の怒りを圧倒的に束ね、壮大な反撃の陣形を構築するのが6・9集会だ。ここには階級闘争の行方と日本の労働者階級の命運がかかっている。さらなる民営化・外注化と「解雇自由」、改憲と戦争の攻撃に突進する安倍政権を打倒する闘いとして、6・9の大結集をかちとろう。
(写真 動労総連合は5・1本社抗議を始めとする闘いでJR貨物での5月大幅賃下げ強行を粉砕した)

 原発の再稼働を叫ぶ首切りの張本人・葛西

 国鉄分割・民営化は、今日の新自由主義攻撃の突破口となった攻撃だ。当時の首相・中曽根康弘やブルジョアジーは、徹頭徹尾、労働組合を解体することを狙って国鉄分割・民営化を強行した。
 動労千葉鉄建公団訴訟は、動労千葉組合員をJR採用候補者名簿から削除した不採用基準が、JR設立委員会委員長だった斎藤英四郎(当時、経団連会長、新日鉄)の指示により国鉄職員局次長の葛西敬之(現JR東海会長)によって策定された新事実を暴き出した。
 これは、「国鉄とJRは別法人」という国鉄改革法によってしつらえられた虚構を打ち破る重大な事態だ。これまでJRは、“JR採用候補者名簿を作成したのは国鉄であり、JR設立委員会は名簿に記載された全員を採用した。名簿作成に不当労働行為があったとしても、その責任はJRにはない”と居直りを決め込み、裁判所もそれをことごとく追認してきた。だが、不採用基準がJR設立委員会トップの指示で策定されたのであれば、動労千葉組合員の名簿からの削除という不当労働行為の責任はストレートにJRに及ぶ。
 動労千葉鉄建公団訴訟で原告側は、この新事実をももとに葛西の証人調べを裁判所に迫った。不採用基準の策定経過をつぶさに明らかにすることは、国鉄分割・民営化という希代の不当労働行為の真相を明らかにするためには絶対に必要なことだからだ。
 だが、東京高裁の難波孝一裁判長は5月8日、一度も事実調べを行わずに結審を強行した。国鉄分割・民営化から26年を経て、すべての事実を解明することが迫られたからこそ、裁判所は一切を闇に葬り去り、国鉄闘争を最終的に解体するためにこの暴挙に手を染めたのだ。これを徹底的に弾劾し、暴かれた事実をすべての労働者に伝え、1047名解雇撤回を闘いとる巨万の闘争陣形を再構築しよう。

 対中対決狙いTPPも推進

 葛西は国鉄解雇を強行した張本人だ。本来ならば法廷に引きずり出され、不当労働行為の一切を洗いざらい白状しなければならない立場にある人物だ。
 その葛西は、5月26日付読売新聞に掲載された「経済成長の条件/原発再稼働とTPP必須」と題する論説で、「今後の成長に緊要な条件」として「原子力発電所を速やかに再稼働させる以外にない」とわめき立てた。葛西は「日本は福島の事故の教訓を生かして世界一安全な原子力技術を保有できるはずである」とまでうそぶいている。安倍の盟友である葛西は、ブルジョアジーの最先頭に立って原発再稼働に突進しているのだ。そして反原発闘争への憎悪もあらわに、「情緒的な原発廃止論の終着点が失業の増加と国民の貧困化」と言ってはばからない。
 さらに葛西は、TPP(環太平洋経済連携協定)推進の立場から次のように絶叫する。
 「日米同盟を基軸としつつ、民主主義・自由主義という価値観、海洋民族的気風、そして太平洋国家という地政学的立地において同質の基盤に立つ国々の集まりであるTPPに加わるという政府の決断は正しい。これらが結実した時、日本は経済成長に必要な広い開かれた市場と地域的な安定を得ることになる」
 TPPは対中国の戦争を見据えた米帝の新軍事戦略とも一体だ。だからこそ、日帝は積極的にTPPを推進しろというのだ。葛西は続けて、「新技術の多くが軍事技術から端を発した」と述べ、日帝は軍事産業でも遅れをとるなと叫び立て、リニア新幹線もその一環に位置づけている。これは、ブルジョアジーの中枢からむき出しの形で噴き上がった戦争衝動であり、破綻した新自由主義の行き着いた先だ。
 葛西に率いられたJR東海と「経営構想X」を打ち出したJR東日本は、今や日帝の戦略的資本にのしあがった。両者はきしみを生じつつも、鉄道のパッケージ輸出で日帝総体の延命の道をこじ開けようとしている。
 これと全面対決する国鉄決戦は、日帝の戦略の根幹を打ち砕き、安倍政権の改憲・戦争の攻撃とも非和解的に激突する闘いなのである。

 JR体制を揺るがす勝利が切り開かれた

 葛西が日帝資本のリーダー然と振る舞っているのは、“国鉄分割・民営化による労働組合の徹底的破壊”という反動的「実績」があるからだ。だが、国鉄分割・民営化はJR総連カクマルの裏切りがなければけっして貫徹できなかったのだ。
 今やJR総連カクマルによるファシスト的労働者支配はボロボロだ。分割・民営化以来26年の動労千葉を先頭とする闘い、とりわけ外注化と対決してきた13年に及ぶ闘いは、青年労働者の反乱を引き出して、JR体制に風穴を開けている。
 動労千葉・動労水戸−動労総連合はこの間、JR体制を根底から揺るがす重大な勝利を切り開いている。
 動労千葉は13年にわたる闘いで検修・構内業務の外注化を阻み、昨年10月1日の外注化強行後も、外注先の職場から外注化体制を粉砕する新たな闘いに挑戦している。安倍政権の原発再稼働の攻撃と呼応してJRが行っている被曝労働強制の攻撃に対し、動労水戸は放射能汚染車両の検修を拒否する決定的な反撃をたたきつけた。動労西日本は、レールテックに強制出向させられていた組合員をJR本体に戻す画期的勝利をかちとった。
 5月にも大幅賃下げに踏み込もうとしていたJR貨物に対し、動労千葉−動労総連合が賃下げ策動を徹底的に暴露・弾劾する闘いに立ち、資本の攻撃は一頓挫している。
 そして、国労郡山工場支部も、JR東日本が6月実施を予定していた倉庫業務の外注化を阻んだ。ついに国労の中から、動労千葉に続く外注化阻止の決起が始まったのだ。
 こうした闘いに貫かれているのは、動労千葉が培ってきた反合理化・運転保安闘争路線である。外注化強行という新たな事態の中で、動労千葉は反合・運転保安闘争路線を創造的に発展させ、JRに立ち向かっている。
 JRが思い描いていた外注化・合理化計画の日程は、今や大幅な遅延を強いられている。
 国鉄闘争の最終的な解体を目的に仕掛けられた2010年の4・9政治和解に対し、動労千葉が呼びかけた国鉄闘争全国運動は、ぎりぎりのところからの反撃の闘いを開始した。国鉄闘争全国運動の結成以来3年の苦闘は、ついにここまでの地平を切り開いた。職場における反合・運転保安闘争の実践と1047名闘争の新たな展開が結合し、国鉄闘争は最大の決戦過程に入ったのだ。

 安倍の「成長戦略」に立ち向かう国鉄決戦

 しかも、国鉄決戦は自治労を始め4大産別全体に拡大しつつある。動労千葉とともに闘う労働者を先頭に必死にこじ開けられた自治労4・26全国ストは、「ゼネスト」がリアルな展望をもって語られる新たな時代をつくりだした。
 公務員7・8%賃下げを巡る攻防は6月こそ本格的な決戦だ。公務員労組は百万人と言われる国鉄闘争支援陣形の中軸部隊でもあった。ここに攻撃を集中することで、日帝は全産別での労組絶滅を狙い、労働者をいつでも解雇でき、今以上に超低賃金の無権利状態にたたき込もうとしている。
 6月に安倍政権が打ち出そうとしている「成長戦略」の柱は、「解雇の自由化」=総非正規職化と解雇規制の撤廃だ。具体的には、「地域・職種限定」の「準正社員」制度の創設や労働時間規制の撤廃、派遣労働の規制緩和が狙われている。
 これに立ち向かう闘いの軸は国鉄決戦だ。「アベノミクス」の破綻は明確になった。労働者に渦巻く怒りを束ね、6・9への大結集をかちとろう。6・9を跳躍台に、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25判決日までの決戦を、10万筆署名と動労千葉物販を武器に闘いぬこう。

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週刊『前進』(2586号2面2)(2013/06/03 )

 全国各地で国鉄集会6・9へ闘い進む

 東京東部 国鉄軸に闘いが前進 “9・25へ4カ月の決戦を”

 国鉄闘争全国運動東京東部の会が5月24日、「外注化・非正規化・解雇反対5・24東部交流集会」を開催し、60人が参加した。司会は「日の丸・君が代」被解雇者の米山良江さんが務めた。
 主催者あいさつで東部の会共同代表は「動労千葉が裁判の証拠で出した『国鉄闘争見聞録』を見てください。これまで国鉄とJRは別会社という論理で国家的不当労働行為が隠されてきたが、これはJR自身の責任を証明する新資料です。6・9集会に全力決起するとともに、10万筆署名を集めきり9・25判決までの4カ月決戦を闘いぬこう」と訴えた。
 特別報告を動労千葉貨物協議会議長で新小岩地域班代表である佐藤正和さんが行った。「JR貨物の赤字解消計画は200年もかかるデタラメな内容だ。8%賃下げをしても赤字は解消しない。国土交通省から毎年100億円借りなければやっていけない構造で、国鉄分割・民営化そのものの破産だ。賃下げについて、汗とほこりにまみれて働いている現場労働者にはいまだ何の提案もない。日刊動労千葉やホームページでガンガン宣伝したことで現場の怒りに火が付き、会社は5月1日からの賃下げが実行できなくなった」と5・1新宿メーデー闘争の勝利性を訴えた。
 動労千葉新小岩地域班、江戸川区職労、江東区職労、東交、放射能を考える下町ネット、星野文昭さんを取り戻す会、教育労働者、郵政労働者、さらに東部ユニオンの3分会の発言が続いた。最後に東部の会事務局の仲間が「国鉄1047名闘争は勝利的に敵を追い詰めている。現在の局面は『勝利に向かっての試練』だ。6・9集会に全力結集を」とまとめた。
 発言の全部が、職場・地域で新たな闘いを前進させていて、動労千葉の反合・運転保安闘争路線が全職場・全産別で貫かれつつあることを実感させた。中でも私が特に感動した発言を二つ紹介したい。
 都営地下鉄24時間運行をぶち上げ、さらに標準時間の2時間繰り上げを叫び始めた猪瀬都知事に対して東交の労働者が「三田線は800カ所の崩落危険個所があり、浅草線は3000カ所と言われている。今でもメンテナンスの時間は1日2時間しかないのに、これ以上切り縮めたら大事故を招く。標準時間の2時間前倒しは労働者への長時間労働の強制だ。大阪市長橋下と猪瀬を打倒しよう」と自信と確信に満ちて発言した。
 江戸川区立保育園で働く放射能を考える下町ネットの仲間は「人事評価で4回のD評価を受け、うち1回は保育園の側溝汚泥の放射線量が0・8マイクロシーベルトあることを告発したことがDにつながった。D4回による定年後の再任用拒否の攻撃を見据えて闘い、今春に再任用をかちとった。本当にうれしい。闘えば勝てる」と勝利感に満ちた笑顔で発言した。
 国鉄を軸に、解雇当該を含めて正規・非正規、官民の労働者が一体になった集会になり、6・9集会大結集への決意を固めた。
 (東京東部・相馬修)
(写真 東京東部での交流集会【5月24日 江東区】)

 北海道 小玉さんの決意に共感 道庁6月スト貫徹へ闘う

 国鉄闘争全国運動・北海道が5月26日、北海道労働者総決起集会を開催し20人の結集で大成功した(写真)ことを報告します。
 解雇撤回・JR復帰を闘う国労秋田闘争団の小玉忠憲さんが、国鉄分割・民営化との26年の闘いを説明しながら、自ら原告である国労組合員資格回復裁判と鉄道運輸機構訴訟の経過を報告しました。とりわけ、闘争団が「かわいそうな解雇者」として描かれるのを拒否し、国鉄攻撃と真っ向から闘って権力や当局から「ワルの中のワル」として解雇されたことに誇りをもって闘ってきたという話、その解雇の「基準」を作るために国鉄当局だけでなく時の経団連トップや旧動労カクマルまで動いたという話はすごいインパクトがありました。「解雇したやつらに絶対に責任を取らせる」という小玉さんの決意を集会参加者全体が共有しました。
 基調提起に立った自交総連さくら交通労組の河野晃興さんは、自分の労組からも組合員が参加していることを紹介し、「今や経済界はJRを救世主として仰ぎ、パッケージ輸出に延命をかけているが、そのJRは動労千葉を先頭にした外注化との闘いや動労水戸の被曝労働拒否の闘いで破綻を深め、青年労働者の反乱が始まりつつある」と国鉄闘争の現状を整理し、勝利のためのキーワードは〈労働者の誇り>〈団結>〈安全>だと強調しました。そして「アベノミクスの中心に公務員攻撃や解雇自由化を始めとする攻撃があるが、結局は国鉄攻撃の拡大再生産とならざるをえない。したがって労働組合の闘いで安倍は打倒できる」と6・9集会への総結集を訴えました。
 続いて賃金削減攻撃と闘う自治体労働者が発言。北海道庁でも現場から激しい怒りが噴出し、形骸(けいがい)化していた労働組合が息を吹き返して4・26に向かってスト貫徹の機運が高まったこと、当局の無内容な回答を口実に全道庁本部がストを中止したことで水をさされたが、6・11ストに向けて4月を超える強度の非協力闘争に突入することを生々しく報告しました。この過程で“国鉄攻撃とは何だったのか”が正面から議論となったことを紹介し、最後に「このストで、誰が社会の主人公なのか、誰のおかげでこの社会が成り立っているかを『公務員の岩盤を崩せ』と叫び解雇の自由化、総非正規職化に突進する資本家どもに示してやろう」と報告を結びました。
 呼びかけ団体の札幌圏連帯労組委員長からのメッセージが紹介され、同じく呼びかけ団体の自交総連北海道地連の堀川忠委員長からの「国鉄闘争には絶対に勝たなければならない」というあいさつを受け、自治労決戦を国鉄決戦と一体で闘うことを全体で確認しました。国鉄闘争全国運動・北海道は翌27日、当該の自治体労働者と団結し、さっそく道庁への朝ビラに決起しました。
 (札幌・JS)

 長崎 “勝つまでやりぬく” 羽廣さんの講演受け討論

 国鉄闘争全国運動・長崎(準)は5月26日、長崎労働者集会を長崎市内で開きました。
 国労小倉闘争団の羽廣憲さんが講演しました(写真)。羽廣さんは、国鉄闘争の経過から今の公務員への賃下げ攻撃までを新自由主義の一体の攻撃として明らかにし、国鉄闘争全国運動の発展の中にこそ新自由主義と対決して労働者階級が団結を拡大し勝てる展望があると訴えました。「アベノミクスが破産すれば日本は終わる。この“終わる国”に負けるのですか? その先は改憲であり、戦争のできる国です。労働者が団結を拡大すれば勝つことができる。政府もそれを知っているから団結を破壊しようとする。国鉄闘争26年、いまだ闘いは終わっていないし終わらせない。勝つまでやる。自分が『負けた』と思わない限り負けていないのです。私たちの力は微々たるものだが、政府から見れば火種だ。闘う労働組合が復活するかもしれないとおびえている。金を拒否する、団結を維持する、必ず勝利する」
 羽廣さんの戦闘的な労働者魂に裏打ちされた力強い発言を受け、論議が始まりました。
 「新自由主義が社会を変えている。非正規職化も組合つぶしそのものだ」「資本主義支配の最後の形態が新自由主義だ。資本主義のあがきだ。アベノミクスが典型的。実体経済は何も動いていない。それは労働組合を破壊し、労働者を低賃金と奴隷労働にたたき込む、すべての労働者にかけられている攻撃だ」
 「0・1%のための政策が新自由主義だ。ユニクロの柳井会長は、『今後は年収1億の人と100万円の人に分かれる』と言っている。彼は1000人の新入社員を雇って、990人を試用期間中に解雇し、会社の言うことをなんでも聞く10人の正社員だけを採用して『これがエリート企業をつくるやり方だ』と自慢げに書いている。こうしたブラック企業が新自由主義の実態だ」
 さらに論議は、JR外注化の実態やその破産、そしてそれと闘っている動労千葉の闘い、動労水戸の被曝車両検修拒否の闘いの話になりました。安全を無視して運行されるJRや航空会社の状況、それは同時に原発産業の状況とまったく同じであり、新自由主義の現実そのものであることも論議となりました。
 5・26集会は6・9集会大結集に向けた長崎での重要な集会として成功しました。(長崎・K)

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週刊『前進』(2586号2面3)(2013/06/03 )

 闘いは進む 青年の職場から

 JR 研修レポートの書き直しをめぐって主任と対決

 東北 湊晴樹

 私「研修レポートを書き直しさせるのはおかしいし、そんな教育のやり方は間違っている」
 主任「お前は何が言いたいんだ!」
 この春、職場の朝礼直前に(十数人の前で)こうしたやり取りがありました。先輩は「あいつは殴りかからんばかりだった」と言っていました。幸運にもこれを見ていた国労の先輩が私の主張を応援してくれました。
 私が抗議したのは、平成採を対象にした研修終了後のレポートを、昨年から担当主任が何度も書き直しをさせて、平成採にとって大きな負担になってきたからです。抗議をした相手の主任は国労組合員で日本共産党員ですが、会社の立場で業務指示し、私の組合活動に対しても「お前、どうなるのかわかっているのか!」と恫喝してきた人物です。
 そもそもこの研修は、会社が大合理化の一環として多能工化を目指したもので、どの組合も反対していません。私は昨年、この研修とレポート書き直しに精神的肉体的な苦痛を受け、たまらず拒否しました。管理職は国交省令を持ち出して参加を迫りましたが、「法の拡大解釈じゃないですか?」と反論したら何も答えず、異動をにおわせてきました。会社側との全面衝突は予想していたので、この段階では迷いなく貫徹できました。しかし、ここから先はどうしていくか、今まで以上に孤立するのではないかと思って足が前に出ませんでした。 
●討論と仲間の激励
 こうした中、細胞会議で「平成採はみんなそう感じているはず。孤立はしない。君こそ声を上げるべき」「体制内派を大きく見ることはない」と激励されたものの最初は“まるで自爆攻撃だ。実行すれば完全に職場で孤立してしまう”と激しい反発を覚えました。仕事上、そして組合の先輩に対してそこまですべきなのか? 他方で職場での孤立状態をどう打開すべきか?――この二つの思いで苦悩し揺れました。
 しかし、地域の青年の仲間たちから激励を受け、また動労千葉や動労水戸の外注化阻止・被曝労働拒否のストによる闘いに背を押され断固やりきることができました。
 意外だったのは、その後、組合役員から「他組合の役員から『教育から離れた部外者は口をはさむな』と言われたぞ!」と反応があったことです。他労組役員の反応は、私の言動をきっかけに平成採の反乱が広がることを恐れたからではないでしょうか。自分としては今までたまりにたまったウップンを出し切っただけでしたが、先日のやり取りは職場の青年たちには新鮮に写った光景だったと思います。まだ攻防のただ中ですが、時間が経過するにつれ職場の雰囲気は明らかに変化しつつあります。 
●職場に根をおろし闘う
 JR各社では職種を問わず外注化を推進して今以上の利潤を追求する一方、重大事故は多発しており、この事実だけでも分割・民営化は破綻しています。その上、JR貨物賃金1割削減(削減されれば40歳の労働者で年収350万円に!)を始め攻撃は続いています。他組合でも、青年が怒りの声を書きつづった賃金アンケートを組合役員が書き直しさせるなどして怒りを抑え込んできましたがもう限界です。動労千葉を支援する会発行の『外注化ニュース』配布に対して「動労千葉のようにストがしたい」という平成採の仲間の声が聞こえてきています。青年労働者とともに賃金削減反対、外注化阻止・非正規職撤廃を掲げて闘っていきたいと思います。

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週刊『前進』(2586号3面1)(2013/06/03 )

 アベノミクス戦略特区粉砕を

 橋下を先兵に大阪民営化

 ストライキで打ち砕こう

 「アベノミクス戦略特区」との闘いは、日本帝国主義の命脈を絶つ戦略的な闘いとなった。4大産別を先頭に、民営化・外注化阻止、非正規職撤廃の大闘争を職場から爆発させよう。6・9国鉄集会に総結集し、安倍政権と都知事・猪瀬直樹、大阪市長・橋下徹を打ち倒そう。
(写真 絶対反対の闘いが大阪・橋下市長を追い詰めている【2月24日、橋下打倒デモ】)

 学校公設民営化の突破口

 4月17日の第6回産業競争力会議で慶應義塾大学教授の竹中平蔵議員は、「具体的な規制改革・税制改革等の項目例」として、東京都、愛知県と並んで〈大阪府・市〉に関して以下の5項目を提案した。
 「▼イノベーション特区での法人税の大幅引き下げ▼研究機関などに対する寄付控除の抜本拡充▼公設民営学校の解禁▼統合型リゾート(IR)▼港湾の競争力強化のため民営化・広域管理」
 また、「世界一ビジネスのしやすい事業環境に〜交通・都市インフラの改善」の項で「当面、先行するプロジェクト」として仙台空港や首都高などと並んで「大阪府市の上下水道・地下鉄等の統合および運営民営化」をあげた。
 アベノミクス戦略特区の提言を受け、橋下は「公設民営化できないと教員の非公務員化はできない……産業競争力会議がここまで旗を振ってくれましたので、なんとか公設民営化を実現したい」と浮かれた。「大阪府市で公立学校の公設民営化ができれば教育界にものすごい衝撃が走ります。公設民営化は規制改革会議が何度も挑戦して、歴代の政権が挑戦して全部ストップがかかったもの。これは自治体側のほうが『やる!』と声を上げないと政府の方で公設民営といっても結局実行できない。大阪市が手を挙げましたのでなんとか大阪市でやってゆきたい」と言ってのけた。
 公設民営学校とは、設置者は地方自治体だが、教育活動を含む管理運営を丸ごと民間企業に委託するものだ。その狙いの核心は、学校で働く教育労働者を全員、非公務員とすることにある。それは自治体労働者とともに教育労働者を10割非正規職化し、解雇自由化の突破口とするものだ。
 教育の全面民営化と公務員労働者解雇の先頭に立とうとしている橋下にとって、鳴り物入りで打ち出されたアベノミクス戦略特区は願ってもない援軍なのだ。

 闘いが橋下の破産を強制

 しかし大阪の労働者が昨秋9・16や2・24橋下打倒闘争を先頭に橋下の足元を揺るがす闘いを繰り広げてきたことにより、橋下がおごり高ぶって進めようとしてきた道州制・自治体丸ごと民営化攻撃は、次々に破産が突きつけられている。
 5月15日には大阪地裁で、斎場労働者9人の不当解雇の撤回を命じる判決がかちとられた。橋下が「二重行政」の解消を掲げて推し進めてきた府・市の水道事業統合条例案は5月24日の市議会で否決され、完全に破産した。橋下がそもそもは3月市議会で押し通そうとしていた地下鉄・バスの民営化条例は、5月市議会でも可決できずに継続審議に追い込まれた。
 一見凶暴に見える攻撃もすべて、労働組合の屈服と解体なしには一歩も進まないものであり、労働者が団結して闘えば打ち砕くことは必ずできるのだ。
 アベノミクス戦略特区では、医療ツーリズム(医療の民営化・産業化)を重要視して論じている。

 医療破壊への怒りが噴出

 大阪府・市で2年前に「国際戦略総合特区」「関西イノベーション総合特区」と銘打って大風呂敷を広げたが、遅々として進んでいない。逆に、近畿大学や神戸大学の付属病院で勤務医の大量退職が大問題となっている。ER(救命救急)など「特区」設立に対応した医療現場の破壊に対する怒りの表明である。
 関西全域の大病院から中小企業にいたるまで医療機器産業、医療技術ロボット産業、医薬品産業へと誘導し、医療ツーリズムとパッケージ型輸出を軌道に乗せようと必死だ。TPP(環太平洋経済連携協定)に対応し、自由診療と医薬品規制撤廃に狙いを定めた。もはや医療や福祉などという概念すら解体し、金もうけの手段へと様変わりさせるものだ。アメリカで金のない患者をスラム街に捨て去る病院が続出して大問題となってきたが、その後を追って日本資本が参入を図ろうとしている。これ自体が国家として末期的な事態だが、これしかないものとして突進している。労働者階級の命すら奪う新自由主義を打倒しよう。
 さらにアベノミクス戦略特区では「これまで官業として運営されてきたインフラで、利用料金の伴うもの(空港、有料道路、上下水道、公営地下鉄等)について、民間開放を推進」すると打ち出している。
 空港・港湾などのインフラ強化が強調され、関西国際、伊丹、神戸の3空港と大阪港・神戸港を一体運用して空港の発着枠などの規制を緩和し、周辺の物流拠点を整備して国際競争力を高めようとしている。アジアの富裕層を呼び込む目玉として、大阪湾へカジノなど統合型リゾートを誘致すると青写真を描き、医療ツーリズム・医薬品輸出の「玄関口」として関西空港を位置づけた。関空反対闘争の戦略的意義はますます鮮明となった。

 6・9国鉄集会に結集を

 国鉄決戦の前進が80万自治労の全国ストライキ情勢を切り開き、4大産別を先頭に階級的労働運動の躍進が始まっている。動労千葉・動労水戸の闘いに学び、自治体丸ごと民営化=公務員全員解雇・10割非正規職化絶対反対、外注化阻止・非正規職撤廃を、職場における反合理化・運転保安闘争路線をもって闘い抜こう。労働者の怒りを解き放って闘おう。
 階級的労働運動の力でアベノミクス戦略特区を粉砕しよう。6・9国鉄闘争全国集会に総結集し、9・25動労千葉鉄建公団訴訟控訴審判決期日に至る4カ月決戦の爆発で安倍と猪瀬、橋下を打ち倒そう。

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週刊『前進』(2586号3面2)(2013/06/03 )

 「ブラック企業」化する都教委

 今年も新規採用教員97人を辞めさせ1人の解雇を強行

 東京都が突出し3%もの不採用

 安倍政権が公教育の民営化と公務員労働者の賃下げ・大量解雇・非正規化に乗り出している中、その先陣を切っているのが東京都教育委員会だ。
 都教委は昨年度も新採の教育労働者を大量に辞めさせ1人を解雇した。学校現場では今、新採教員が1年間、「条件付採用」として、事実上の非正規職労働者という状態に置かれている。そして12年度の新採・条件付採用教員3590人のうち正式採用されなかった者は過去最大の98人、うち19人は3月に「正式採用『不可』」通告を受けて不本意にも退職させられた(表参照)。「年度途中の『自主』退職者」も大半は「このままだと正式採用はない」「履歴に傷がつくから自分から辞めろ」「講師からやり直せ」と脅され、退職に追い込まれたに違いない。
 04年7月に江戸川区立小学校の新採教員が病気休職中に自殺したのは、校長のパワハラが原因だった。06年6月には新宿区立小学校の新採教員が採用からわずか2カ月で自殺、大量異動による学校運営の混乱と支援態勢の欠如が指摘された。
 しかしここ数年の大量退職はもはや個々の管理職の問題ではない。
 東京を除く他道府県・政令市の条件付採用者に対する不採用者の比率は1%に満たない。毎年のように採用者数の約3%、3けたに近い不採用者を出しているのは東京だけだ。大半の道府県・政令市では依願退職者以外は全員採用され、不採用通告や免職処分はごくまれだ。
 都教委は、新採教員を「育てる」のではなく、大量に採用した上で、管理職の「言いなりになる者」だけを残すという選別をしているのだ。

 “代わりはいくらでもいる”!

 2005年には1%台だった不採用比率が06年には2%に倍増し、08年に3%台となり、今日まで推移している。この時期に何があったのか。
 06年の中教審答申は「条件付採用制度の厳格な運用」を打ち出し、文科省は「指導力不足教員」の人事管理調査に条件付採用教員の正式採用状況を組み込み、各県教委に特別評定の実施を促した。東京では06年「教員任用制度の在り方検討委員会報告」で「臨時的任用教員の活用範囲を拡大することにより、新規採用者数の抑制を図る」方針を打ち出した。
 従来は早期退職や年度途中の欠員に備えて採用選考合格者に準じた成績の者を補欠として名簿登載していたが、07年度にこれを廃止、勤務内容は正規と同じだが任期は1年単位の「期限付任用教員制度」を導入した。採用枠を必要数より大幅に少ない数に絞る一方、09年度以降は2千人規模の受験者を期限付任用教員とした。
 この期限付任用教員を条件付採用教員の予備軍としてつくり出したことで、都教委は”代わりはいくらでもいる”状況を手に入れた。非常勤講師―産休・育休代替―期限付任用―条件付採用という何重もの試用制度をつくり出したのだ。
 若者を大量採用し使い捨てにする「ブラック企業」が楽天やユニクロなどにも広がっている。ベストセラーとなった文春新書の『ブラック企業』は〈選別と使い捨て〉のための〈大量採用・大量離職〉をブラック企業の指標とするが、都教委もまったく同じだ。

 パワハラで自主退職に追い込む

 「自ら辞めさせる」という形で首を切る手法も、都教委とブラック企業はうり二つだ。ブラック企業は訴訟リスクを避けるために解雇はせず、組織的にパワハラを行って精神的に追い詰め、退職に追い込む。過重なノルマとパワハラで意図的にうつ病にさせ、死にまで至らしめる。辞めさせたい社員を会社と産業医がグルで精神疾患に仕立て上げることもある。
 学校ではわずかなミスを理由とする多人数での「授業監視」、管理職への抗議を理由とする授業外しと「隔離部屋収容」、毎日提出しチェックを受ける「日報」「予定表」、書き直しても書き直しても再び赤が入るエンドレスの「服務研修」などのいじめ・パワハラが行われている。
 東京では毎年20〜30人の新採教員が精神疾患で退職させられているが、〈病気にして辞めさせる〉というのも、明らかにマニュアル化された手口である。指定医・三楽病院を受診させ、同行する管理職の言うがままに病気休暇の診断書を出させ、「90日」条項(注)でクビにするのだ。
 業績評価制度を導入し、それを賃金にリンクして労働者を競争させ分断してきたことが、新採教員への退職強要や解雇につながってきたのだ。

 「解雇撤回」で闘う労働組合を

  新採教員の大量解雇の背景には、青年の半数が非正規職、国立の教員養成大学を卒業しても35%しか正規教員になれないという現実がある。
 この酷な攻撃に対して自主退職を最後まで拒んで解雇撤回を闘う青年労働者が登場している。彼らの解雇撤回闘争は、安倍政権のもくろむ解雇自由・総非正規職化、民営化・外注化攻撃との闘いだ。大恐慌と〈3・11〉に追い詰められた日帝の絶望的延命策、新自由主義との対決だ。
 管理職にもの申し、パワハラに抗議する教員が狙い撃ちにされている。この闘いは従順な教員づくりを目指す教育の権力支配との闘いでもある。
 組合幹部の屈服により組合員が多忙化で疲弊し、職場の団結が崩され管理職と闘えなくなったことが、新採教員の大量退職を許してしまっている。しかし「一人の首切りも許さない」原則を貫き闘う組合があれば、新採教員の解雇は必ず阻める。これこそ職場闘争の最大の課題だ。青年の怒りを集めて解雇撤回へ闘い、職場の団結と闘う組合を取り戻そう。教育労働者は6・9集会に参加しよう。

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■「90日」条項

 「正式採用の決定に関する要綱」では「特別評価の実施に必要な勤務日数を満たさない者」を採用「否」とし、解釈運用通知でその日数を「90日未満」(年休等休暇は含まれない)と定めている。

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週刊『前進』(2586号3面3)(2013/06/03 )

 「保育所株式会社」許すな

 「待機児童解消」名目に企業参入と基準緩和の「横浜方式」を狙う

 職場から反合・保育安全闘争を

 国鉄闘争を最先端に階級的労働運動で安倍政権を打倒する新たな時代が切り開かれつつある。安倍の絶望的な「成長戦略」の柱として、保育全面民営化が打ち出され、大激突が始まった。4・26自治労ストを突破口に、闘う労働組合を再生しよう。6・9集会に総結集しよう。
(図 入所児100万人あたりの死亡事故)

 解雇・非正規化進み安全崩壊

 安倍首相は4月19日、日本記者クラブでの講演「成長戦略スピーチ」の中で、「女性の活用は成長戦略の中核である」と打ち出した。その内容は@「待機児童解消加速化プラン」A「3年間抱っこし放題での職場復帰支援」B「子育て後の再就職・起業支援」というものだ。いかに安価な女性労働力を労働市場に引きずり出すか、保育を金もうけのビジネスにするかを、強力に押し出している。ここでは「待機児童解消加速化プラン」の狙いについてみていこう。
 安倍は「待機児童解消加速化プラン」として、「待機児童解消」のため「17年度までに40万人分の保育の受け皿を整備する」とし、具体的には「横浜方式を全国に展開する」という。
 横浜方式とは、株式会社立保育施設を市が認可し一気に増やすことが狙いだ。市の独自基準に合えば横浜市がマル適マークをつけ、「保育コンシェルジュ」という役人が「市が関与しているから大丈夫」と説得してそこへ無理やり入所させて待機児童を擬似的にゼロにした。「加速化プラン」は、横浜市と同じく「質よりも量を優先」するとマスコミでも言われ、非常階段もないビルの一室での保育や庭のない施設、幼稚園の長時間預かり保育など認可要件のない所をマル適マークにしてそこへどんどん税金を投入する一方、公立保育所には一切金を出さず、つぶしていくのだ。
 安倍政権の「成長戦略」とは、規制緩和であり、その核心は労働規制の緩和だ。すなわち首切り自由・賃金破壊、すべての労働者を有期雇用の非正規職にしようともくろんでいるのだ。
 安倍のスピーチと一体で政府の規制改革会議は、子ども・子育て支援新制度の15年本格実施を待たず「保育所への企業参入を2年前倒しして認めよ」とし、「特区(=待機児童の多いところ)では保育士の配置基準を8〜9割程度にしろ、もっと子どもを詰め込め」と攻撃をかけてきている。自治体の多くが、株式会社は倒産・撤退の懸念があることから受け入れに慎重であることに対して、「自治体の勝手にはさせない」と企業参入を強制するものだ。
 歴代首相で初めて保育所問題を所信表明演説でとりあげた小泉純一郎による「待機児童ゼロ作戦」以降、保育所での死亡事故が激増している(図参照)。「待機児童解消」を名目に規制緩和を土石流のようにやり、非正規職化・民営化を進めた結果だ。この過ちをさらに加速化しようというのだ。これから2年間、公立保育所つぶし、保育・現業労働者の首切り、非正規・パート化、無資格化が一気に進み、保育の安全は崩壊していく。闘わなければ、命も育ちも生活も奪われる!

 アベノミクスと職場で対決

 保育現場では「労働運動だけではなく、目の前の親や子どもとの信頼関係が大事」という思いが根強くある。しかし、そんな思いさえ踏みにじる攻撃がかかっている。
 今まで保護者と、時には対立しながらも時間をかけてかかわり合い、連帯していける関係を築いていったが、今やそんなことは何の価値もないこととされる。「ニーズ」に応えることが最優先なのだ。しかし、これは資本家の利益のために親=労働者をトコトン酷使する受け皿に保育所をさせるものだ。保護者は「お客様」で、こちらに落ち度がなくても「とにかく謝れ」と言われる。
 ある市で、4月に保護者や子どもの個人情報を入れたカバンを紛失するという事故が起こった。年度末、たった1日で送り出し・迎え入れ・部屋の造作の変更を行わなければならない保育所。受け持つ子どもたちの情報を事前に把握する時間さえ奪われている。「ゆっくり見たい」と持ち帰ったことが、「コンプライアンス(法令順守)に抵触する」と個人の責任にすり替えられる。体制内労働組合が「仕方がない」と問題にせず、公務員の退職金400万円削減にもさっさと合意してしまったことに対して、「組合費を何のために払ってきたのか!」という怒りが職場には沸々とたぎっている。

 連合も共産党も新制度推進

 職場では、新制度の正体がだんだん明らかになるにつれ、「どうしたら新制度は止められるのか?」という意識になっている。
 ところが、連合はもちろん、法成立までは「反対」を掲げていた日本共産党・全保連も、「子ども・子育て会議に参加しよう」「よりよい新システムを」というのが唯一の方針となっている。「反対だけではダメ。右手で拳をあげ、左手で握手をしろ」「生き残りのためには認定こども園になれ」などと完全に屈服している。そして職場にかけられる具体的な攻撃にはまったく闘わない。

 職場の怒りをストライキへ

  ある職場では、ミスや事故に対して、「この問題は私たちみんなの問題。処分させない。事故原因である人員不足・予算不足など当局責任を問う」とする要求書を出して、現場にある「私はそんなヘマはしない」と能力のあるなしで分断されている現実をひっくり返す闘いが始まった。また別の職場では、民営化・非正規職化・合理化の結果、病気で倒れる仲間がいる。職場復帰したくても、定数1の働き方は難しい。その仲間の分をみんなが120%働いてカバーするのか? そうではない。当局の合理化によって引き起こされた労災であり、加配要員を要求しようと話し合っている。今後、当局は配置を緩和して労働を強化しながら、それを「こなせないのはおかしい」と言ってくるだろうが、それが敵の攻撃であることをはっきりさせ、「できないことはできない」とはね返す現場の団結をつくり、闘いを開始していこう! 闘いの基礎はこうした職場討議につきる。
 かつて保育所もストライキをした。保護者にも事前に「社会全体にかけられた攻撃です。だから協力してください」と訴え、局長や課長への抗議を呼びかけた。当局にスト破りをさせないために、必要最低限の保育要員を配置し、給食もストメニューを用意した。すごく大変だが、この社会を動かしていると感じられる瞬間だ。体制内派は「ストは市民に迷惑」「賃下げしないと市民サービスが低下する」などとストライキを抑圧してくるが、たゆまず論議を重ねていこう。
 民営化・非正規職化・労働強化への怒りをストライキへと組織しよう! この力が子ども・子育て支援新制度を粉砕する力となる。動労千葉の反合・運転保安闘争に学び、全職場で闘いを進めよう。4・26で始まった自治労全国ストライキ情勢をさらに推し進め、6・9国鉄集会に総結集しよう。 
(保田結菜)

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●参考資料

 13年2月25日の第3回規制改革会議での翁百合委員(日本総合研究所理事)の提出資料より。
 横浜市では、2012年4月の待機児童数が前年の971人から179人に8割以上も減少したことで注目を集めたが、待機児童数が大幅に減少した主な理由は、認可保育所の定員を40007人から43607人に、1年間で3600人増やしたことにある。認可保育所数は459か所から507か所に48か所増えたが、増加分の50%、24か所は株式会社が設置・運営する保育所である。横浜市の認可保育所に占める株式会社設置・運営の保育所の割合は、2011年の17・9%から2012年には20・9%に高まっており、5園に1園は株式会社立となっている。横浜市では、2013年にはさらに認可保育所がさらに67園増える予定だが、そのうち35園は株式会社立である。

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週刊『前進』(2586号4面1)(2013/06/03 )

 再稼働への怒り6・9へ

 日共の「原子力平和利用」論は合理化容認と表裏一体だった

 「技術的進歩」と核・原発を賛美

  原発再稼働阻止の闘いを爆発させるために、6・9国鉄集会に総結集することを訴えたい。反原発闘争は新自由主義との闘いであり、国鉄決戦と完全に一体である。さらに反原発闘争は反合理化・運転保安闘争とそもそも一体のものだ。それは、核武装・原発推進の「原子力の平和利用」論が合理化容認と表裏一体だった歴史を振り返ると明白になる。そこには、原発をめぐり、同時に労働運動をめぐり、スターリン主義による歪曲と裏切りがある。ここに焦点を当て、反原発闘争と階級的労働運動の内実・課題が一体であることを明らかにしたい。

(表 原発と合理化に関する略年表)

 新自由主義と対決する国鉄と反原発

 今や安倍政権は、原発の再稼働と輸出にしゃにむに突進しつつある。しかし、そこに資本家階級としての成算があるわけでもない。日帝は、3・11大震災と福島第一原発事故によって帝国主義として取り返しようのない打撃を受け、脱落帝国主義と化した。そこからなんとかはい上がろうと原発でも経済でも必死にあがいているが、それが一層の危機と破産を引き起こし、日帝をさらなる凶暴化に駆り立てている。
 危機に陥れば陥るほど、なんの展望もないにもかかわらず、ひたすら資本家階級の利益だけのために、目先の破滅的なのりきりを繰り返す。これこそ破産した新自由主義の絶望的な展開にほかならない。再稼働阻止・原発輸出阻止の闘いを新自由主義に対する怒りの100万人デモとして爆発させよう。
 福島第一原発事故の全原因、事故への東京電力・政府の対策、数百万人に対する被曝強制とその居直り、11年末の「事故収束」宣言と大飯原発再稼働、ペテン的な「除染」と汚染地への帰還強制、福島「県民健康管理調査」と称した内部被曝の隠蔽(いんぺい)、原発労働者・除染労働者などの被曝労働、そして福島第一原発の再爆発の危機。これらすべてに共通するのは、日本政府には資本家階級とその体制を守ることしか眼中になく、労働者人民の生活や命をみじんも考えないということだ。原発で問題になっているすべては、〈最末期帝国主義の絶望的延命形態>である新自由主義であり、しかも新自由主義が大破産したなかでの破滅的な展開にほかならない。
 3・11以降、反原発闘争に立ち上がった巨万の人民は、闘っている相手が「命よりカネの社会」、つまり新自由主義であるとつかみとった。「反原発闘争は新自由主義との対決そのものであり、その決着はプロレタリア革命の勝利と一体である」(本紙春季特別号論文)。だからこそ、国鉄分割・民営化以来、新自由主義との基軸的闘いをなしてきた国鉄決戦と反原発闘争とは一体なのだ。

 「無限のエネルギーを保障」と『前衛』で

 反原発闘争は反合理化・運転保安闘争と同じ意義を持つという点でも、国鉄決戦を軸とする階級的労働運動と一体である。それは、「原子力の平和利用」論が合理化容認と表裏だった歴史をひもとけば歴然とする。
 「原子力の平和利用」論は、もともと50年代半ばから米帝・帝国主義の側から振りまかれた。米帝は核軍拡を強めながら、原発でも世界的な主導権を握ることを狙い、原発推進・輸出を「平和利用」と称した。問題は、これに対して労働者人民の側から反論が起きず、逆に「平和利用」論が広がったことだ。しかも、54年3月のビキニ事件を経て、原水爆禁止運動が高揚しているさなかにだ。そこには「平和利用」論への日本共産党スターリン主義の賛美と推進があった。
 しかも重大なのは、この「平和利用」論と合理化容認とが同時に進んだことである。略年表を見れば明らかなように、1950年代半ばに政府の原発推進政策、原水禁運動の始まり、春闘の開始、合理化容認のすべてが重なっている。総評は早くも55年3月の幹事会で、日本生産性本部の設置に反対しながらも、条件を付けて、生産性向上には必ずしも反対しないとした。
 日本共産党の文書を見れば歴然とする。1957年12月の『前衛』135号の「新しい技術上の進歩と労働運動」から引用する。
 「われわれは原水爆の実験の即時禁止、その製造・使用・貯蔵に反対してたたかっている。それは国際的な労働者階級の当面の最も重要なたたかいである。だが、われわれは原子力が平和的に利用され、それが生産力をたかめ、人類の生活を豊かにすることに双手(もろて)をあげて賛成し、原子力科学の研究が前進することを支持する。……それは原子力の研究を妨げるものではないばかりか、むしろ、その平和的利用の道を促進する社会的進歩のためのたたかいである。
 同じように、技術的進歩とそれによる設備更新にたいして、労働条件の悪化と貧困化に反対してたたかい、とりわけ労働者の民主的諸権利を擁護し強化することは、技術的進歩の利益を少しでも人民の本当の利益に役立て、現在の制度を改善し、改革する一歩をすすめることであり、科学と技術の正しい発展を擁護することである」
 この文章は明白に、「原子力の平和的利用」を「双手をあげて賛成し」た上で、これと「同じように、技術的進歩とそれによる設備更新」、つまり合理化を容認している。原発も合理化も“生産力の発展だから良い”と言っているのだ。
 同じ論文に「原子力の平和的利用は無限のエネルギー源を人類に保障した。人間の肉体労働にかかわるいままでの機械化とちがって、頭脳労働にかわり記憶し選択する機械が生まれ、生産と事務のオートメーション化がおこなわれはじめた。ロケットは地球の引力の限界をこえて、新たな空間を人間の手の届くものにした」ともある。原子力、オートメーション化、ロケットの絶賛だ。

 労働者自己解放に生産力主義で敵対

 これは“生産力の発展こそが共産主義”とするスターリン主義にほかならない。マルクス主義の核心は、「労働者階級自己解放の闘いの全面的な貫徹とその完全な勝利」「すなわち、資本主義・帝国主義の完全打倒=プロレタリア世界革命の完遂と階級社会の廃止、真の人間的な共同社会=共産主義社会の建設」にある(革共同綱領草案第1項)。スターリン主義はこの労働者階級自己解放の闘いと思想を否定し、一国社会主義論で世界革命を圧殺してきた。
 ソ連スターリン主義は労働者自己解放という核心を解体したことを転回点にして、自らの発展を生産力増進に求め、工業化のための労働者・農民の官僚主義的抑圧、帝国主義諸国との生産力競争にのめりこんだ。スターリン主義が国際共産主義運動を支配していた時代に、このような生産力主義が“マルクス主義・レーニン主義”としてはびこり、戦後日本でも共産党の支配下で横行したのだ。その結果こそ、「原子力の平和利用」論と合理化容認である。
 これは過去の話ではない。この「平和利用」論と合理化容認の行き着いた先こそ、恒常的な被曝労働と福島第一原発事故である。同時に、80年代の国鉄分割・民営化から始まる労働者人民への攻撃であり、今日的には民営化・外注化・非正規職化という究極の合理化・安全破壊である。この両者が今日の新自由主義のもとで労働者人民に襲いかかり、「生きていけない」「放射能に殺される」という極限状態を引き起こしているのだ。それは、人間らしく生きられる社会はどうあるべきか、人間の労働と協働はどうあるべきか、というプロレタリア革命の根本問題を突き出している。
 この間の国鉄決戦と反原発闘争の前進は、そうした歪んだ歴史を暴き出し、新自由主義下での本来の労働者自己解放の道筋を照らしだすものとなっている。だから、「動労千葉・動労総連合の反合・運転保安闘争は、こうした戦後体制と戦後階級支配の欺瞞(ぎまん)性、あり方を根本から吹き飛ばす階級的労働運動を登場させた」(春季特別号論文)と言うことができる。

 反合闘争の歪曲を粉砕してきた地平

  スターリン主義による合理化容認の歴史は古い。産業「合理化」運動は、1925年末にドイツの資本家団体「ドイツ工業全国同盟」が提唱して始まった。「人間労働の生産力をできるだけ強く増進するための、あらゆる技術的・組織的手段の合理的適用」「除くことのできるすべてのもの、不必要なすべてのものを労働過程から取り去る」とされた。
 この時点で革命ロシアと第3インターナショナル(コミンテルン)はすでにスターリン主義的歪曲の真っただ中にあった。24年12月のスターリンの一国社会主義論の公表、25年12月のソ連共産党第14回大会での一国社会主義論の採択と工業化の決定、26年のコミンテルンでのスターリン路線制圧となっていった。
 だから合理化問題のとらえ方、反合理化闘争は創成の時からスターリン主義的に歪んでいた。マルクス主義的、レーニン主義的な労働者階級の原則があり、それが後にスターリン主義的に変質したのではない。〈歪曲的創成>である。実際に、26年12月の「国際情勢と共産主義インターナショナルの任務について(テーゼ)」では、「ソ連邦における合理化」は良いものだとし、「共産主義者は、技術の改善、または労働組織の方式の改善に反対するものではありえない」とし、「資本主義的なえせ合理化の結果としての、労働者階級の状態のあらゆる悪化に反対」と言い訳している(大月書店『コミンテルン資料集』第4巻)。これが戦後日本共産党の合理化容認の大本だ。
 合理化は『資本論』で指摘されている相対的剰余価値の生産であり、資本主義の搾取そのものである。ところが、その搾取の基本をなす合理化がスターリン主義によって容認され、労働運動を破壊してきたのだ。しかも、合理化容認と同根をなすスターリン主義的な生産力主義は、原発を推進することで福島第一原発事故を引き起こす結果ともなった。この歴史的罪はあまりにも重い。
 このように国鉄決戦、反合・運転保安闘争、反原発闘争のいずれもが資本主義・帝国主義とスターリン主義の根底的な批判を抜きにはありえない。この総体が階級的労働運動と言えるが、その歴史的意義は本当に奥深い。「総じてこの間の死闘の中でつかんだことは、〈反帝国主義・反スターリン主義世界革命と反合理化・運転保安闘争路線の一体性>である」(春季特別号論文)。
 このような意義を持つ反原発闘争と国鉄決戦および反合・運転保安闘争を一体で闘おう。反原発で立ち上がってきたすべての人にこの一体性を訴え、6・9国鉄集会への総結集をかちとろう。
〔島崎 光晴〕
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 原発と合理化に関する略年表

 原発関連

53年12月 米アイゼンハワー大統領「アトムズ・フォー・ピース」演説
54年 3月 ビキニ事件
   4月 初の原子力予算の成立
55年 4月 経団連が原子力平和利用懇談会
   6月 日米原子力協定の仮調印
   8月 第1回原水爆禁止世界大会
   9月 原水爆禁止日本協議会の結成
   12月 原子力基本法など3法成立
56年 5月 科学技術庁の発足
57年 5月 岸首相「自衛のため核武装可能」

 合理化関連

53〜54年  企業整備・人員削減(55年からの技術革新的設備更新を準備)
   2月 日本生産性本部の確立
      55年から民間春闘始まる
   3月 総評が条件付き生産性向上受け入れ
   10月 総評の合理化容認した賃金闘争論
      55年から高度成長始まる
      56年から官公労含む春闘に

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週刊『前進』(2586号4面2)(2013/06/03 )

 労働組合を軸に団結固め大間原発建設阻止しよう

 6・16大間現地集会に大結集を

 6月16日、下北半島最北端の青森県大間町において現在建設中の大間原発に反対する現地集会が開催される。2008年の着工以来毎年開催され、今年で6回目となる。6・2東京・芝公園―国会大包囲の闘い、6・9国鉄集会に続き、大間現地集会に結集して闘おう。
(写真 住宅の間近で建設工事が進む大間原発【左奥】)

 安倍の原発政策との対決

 この集会は、青森県と北海道でそれぞれ原発と核燃に対して反対運動をしてきた市民団体がタッグを組み、現地に足を運んで住民に呼びかけながら積み重ねてきたものだ。初めは少数から始まり、少しずつ数を増やしてきた。全国の反原発・反核を闘う人びとが結集しそれを支えてきた。そして、3・11以降、町民の原発反対の思いがはっきりと示され、漁民の中にも公然と反対の意思を示す人びとが出てきた。長年の地道な取り組みが信頼され、町民との結合が進んでいる。さらに、海を挟んだ函館では大きな反対運動がつくられ、函館市が大間原発建設差し止めを求める訴訟を準備している。
 6・16大間現地集会は第一に、安倍政権の原発再稼働・原発輸出と核燃サイクル推進への突進に反撃し、大間原発建設を阻止する闘いだ。
 安倍政権は、原発輸出と鉄道輸出に突き進んでいる。参院選で原発再稼働を公約に掲げようとしている。しかし、これは安倍政権の強さの表れではない。そもそも昨年12月衆院選での安倍・自民党の「勝利」と第2次安倍内閣の成立は、労働者民衆が原発再稼働や核燃サイクル推進に賛成したことを意味しない。野田民主党政権を打倒した労働者民衆の怒りを体現する党がないなかで自民党が相対的に浮上した結果だ。「アベノミクス」は早くも市場の大乱調をもたらし、崩壊の危機を示し始め、円安が日用品の値上がりをもたらしている。公務員賃金7・8%引き下げの地方への強制や労働規制緩和、TPP交渉参加や辺野古新基地建設の策動で安倍政権への怒りが沸々と高まっている。この怒りを結集し、6・16大間現地で示そう。

 青森県内の労組を先頭に

 第二に、何よりも青森県内の労働組合と労働者に集会への結集を訴える。
 青森県下北半島は、むつ小川原開発以来、国と県、電力会社が一体となって原発と核燃サイクル基地を建設してきた地域だ。大間原発は1984年に誘致が決定された。
それに対して民衆は総力で闘ってきた。そこには豊かな海が放射能で汚染されることに対する漁民の怒りがあり、食の安全を守る農民の自負があった。そして、現地の闘いを支える労働組合の存在があった。
 87年国鉄分割・民営化と85年新日米原子力協定締結による六ケ所再処理工場建設・核燃サイクル推進は、労働組合をつぶして資本を救い延命させ、改憲と核武装国家を目指す新自由主義攻撃だった。
 当時はまだ労働組合が力を持ち、89年4月には六ケ所村に1万人が結集したが、闘いはこの攻撃を打ち破れず、金に物を言わせた政府・資本による現地の分断と連合結成による労働運動の後退で、徐々に反対運動への動員が減少してきた。 
 しかし、最後までそれに一人で立ちはだかったのが故・熊谷あさ子さんだ。3・11反原発福島行動で娘の小笠原厚子さんは以下のように発言した。
 「母は亡くなるまで30年間、大間原発と闘ってまいりました。大間原発の敷地内には157人の地権者がおりました。そのうちの156人が買収に応じて、母だけが買収に応じなかったのです。そのことで当初、母の土地から50bしか離れていなかった原子炉が200b移動になりました。そのことで計画がすべて白紙になり、新しい計画を作る時点で全部当初の稼働計画も変更になり、平成22年(2010年)稼働予定が平成24年稼働になりました。福島原発事故が23年に起きたんです。もし母が土地買収に応じてそのまま工事が着々と進み建設され稼働が進んでいたら、今ごろ大間原発は動いていました。今まだ大間原発は動いていません」
 3・11福島原発事故は大間でも起きていたかもしれないのだ。だからこそ小笠原さんは、亡き母の思いも背負って福島を訪れ、ともに闘うことをアピールした。

 国鉄闘争を貫き職場から

  今、熊谷さんの闘いが受け継がれ、全国の闘いとつながり支えられ、市民運動が地道に現地で活動し、現地からも闘いに立ち上がる動きが出ようとしている。そこに労働組合が合流することが何よりも求められている。
 下北半島の核基地化は30年来の新自由主義攻撃としてあった。それは労働者、農民、漁民を意識的に分断し、闘う団結を破壊することによって可能となったのだ。しかし、現在の大間闘争は、この人民分断を打ち破り、労働組合、農民、漁民の闘う団結を真に形成し、下北半島の現実を変革する突破口となる可能性を秘めている。
 安倍政権の原発輸出と再稼働への突進は、労働者民衆のあきらめを引き出し、闘いをさせないことをも狙っている。敵も必死だ。迫力を欠いたら自分たちが労働者民衆の怒りに吹っ飛ばされることを知っているのだ。われわれはそれを超える迫力で闘おう。とにかく必死に必死に労働組合が闘うことが決定的だ。労働者民衆は圧倒的に反原発であり、闘う方針を求めている。労働組合の闘いがあれば絶対に勝てる情勢だ。6・16大間現地集会に結集しよう。
 第三にだからこそ、1047名解雇撤回・外注化阻止・非正規職撤廃の国鉄闘争を貫き、職場で闘おう。
 動労水戸の被曝労働拒否のストライキこそ勝利の道を示している。労働者、農民、漁民の団結の中心に労働組合が据わり、ストライキで闘った時、大間原発建設も阻止できるし、核燃サイクルも止められる。労働組合が資本・当局との闘いに負けて原発で勝つことはできない。国鉄全国運動6・9大集会に結集しよう。
 第四に、全国からの結集は現地にとって大きな励ましになる。6・16集会をともに成功させ、安倍政権もろとも大間原発建設を阻止しよう。
〔革共同青森県委員会〕
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第6回大間原発反対現地集会

6月16日(日)11時10分(集会後デモ)
青森県下北半島・大間町 大間原発に反対する地主の会・所有地
主催 大間原発反対現地集会実行委員会
呼びかけ 核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会
     ストップ大間原発道南の会
     PEACE LAND
協賛 大間原発訴訟の会/なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク/大間原発に反対する会

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週刊『前進』(2586号4面3)(2013/06/03 )

 金曜行動 吉沢さん駆けつけ訴え

 原発輸出にも怒り噴出

 安倍政権による原発再稼働と原発輸出への踏み込みに、労働者民衆の憤激が一気に高まっている。5月24日午後6時から行われた首相官邸前・国会前行動では怒りの発言が相次いだ。
 国会前には浪江町・希望の牧場代表の吉沢正巳さんが駆けつけ発言に立った(写真上)。「高速道路を飛ばして間に合いました。明日は僕は九州に行きます。原発のあるところ、全国を宣伝カーで回っています。浪江町は広い面積がひどい放射能に汚染されてしまった。仮設住宅では大勢のお年寄りが、あと2年もすれば心も体も倒れてしまうような状態です。生活再スタートのための補償も東電、国は低い額にしようとしている。原発はめちゃくちゃに壊れ、廃炉作業もできるかどうか分からないほどひどい状態です。僕たちは残りの人生をかけ、東京電力に対し国に対し、償いを求め責任を追及し闘う。原発をのりこえるために残りの人生をかけて闘おう。今年こそ勝負の年だ。みんなの先頭に立って頑張ろう!」。吉沢さんの魂からの叫びに、「そうだ!」「頑張ろう!」の声援と拍手が一斉に巻き起こった。
 埼玉県から参加した女性も壇上に立ち、「原発の下に活断層があろうがなかろうが、原発は動かしてはならない。規制委員会がごまかしでいろんなことをやっているが、規制委員会は再稼働のための委員会です。すべて即時廃炉だ!」と、再稼働のために卑劣にうごめく原子力規制委員会を徹底的に弾劾した。
 官邸前でも「原発売るな!」「再稼働反対!」の激しいコールが響きわたった(写真下)。年輩の女性がマイクを持ち「安倍首相! 新聞で読んだが、『日本の原発は世界で一番安全』と言って、外国に売り込んでいるんですね。原発に安全なんてありません!」と激しく安倍を弾劾。間髪をいれず「あなたは再稼働もたくらんでいますが、絶対反対です。原発は今すぐやめなさい!」と怒りを爆発させた。
 安倍の原発再稼働と輸出を絶対に阻止しよう。被曝労働拒否でストライキを闘う動労水戸のような闘いこそ勝利の道だ。6・9国鉄集会に大結集し、国鉄闘争と反原発闘争を一体的に闘おう。

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週刊『前進』(2586号5面1)(2013/06/03 )

 TPPを撃つ@

 アメリカ帝国主義の狙い

 アジア・太平洋勢力圏化と日帝解体的な争闘戦が本質

 労働者・農民犠牲に資本の延命

 世界大恐慌と帝国主義間・大国間争闘戦の激化のもとで、米帝のきわめて帝国主義的な通商政策=ブロック化政策であるTPP(環太平洋経済連携協定)が、日本と世界を揺るがしている。TPPは究極の新自由主義攻撃であり、対日争闘戦と対中対峙・対決の安保=戦争政策でもある。その本質と実態をシリーズで明らかにしたい。
(写真 サンディエゴでのTPP交渉会議反対集会。ILWUなど多くの労組が参加した【昨年7月2日】)

 対中対峙対決へアジアにシフト

 米帝は大恐慌下での生き残りをかけて、アジア太平洋地域の勢力圏化にのりだしている。
 アメリカ合衆国議会調査部が12年3月28日に発行した「アジア最重点化? オバマ政権のアジアへの『リバランシング』」という報告書は、次のように言っている。
 「ブッシュ大統領の下で、アメリカはアジアの既存の同盟諸国との関係の強化を強調し、この地域への部隊の配置をいっそう柔軟化し、持続性のあるものにし始めていた。そして韓国と自由貿易協定(FTA)を締結し、米国をTPP交渉に入れ、インドやベトナムと新たなパートナーシップを築いた。これらすべてをオバマ政権は、いっそう推進している」
 「特に、中国がこの地域での影響力をいっそう拡大している地域大国として台頭していることへの対応である」「この政策の根本的目標は、アジア太平洋の基準とルールの決定にもっと影響力を発揮しようということである」「この政策のひとつの目的は、財政的制約の時代にあって、米国のこの地域での威信を深めることである」
 つまり、@アジアへのシフトは共和・民主両党、米支配階級全体の基本戦略であり、A米軍部隊の配置の変更を含む軍事戦略であり、B台頭する中国との対決がその中心であり、C「基準とルールの決定権」が根本目標なのである。
 今や財政危機の深刻化のもとでドル暴落が切迫し、米帝の没落は一層進んでいる。TPP推進はそうした危機感・焦燥感に駆られたものであり、それだけ一層凶暴にならざるをえないのだ。

 日本車輸入関税引き下げは拒否

 TPPは同時に、日本に対する争闘戦である。
 オバマは、2011年11月にTPPの重要参加国であるオーストラリアを訪問し、国会で「(第二次大戦中の日本軍によるオーストラリア北部の)ダーウィン港爆撃から南太平洋の解放まで(米・オーストラリア)両国はともに戦った」ことを強調した。そして、ダーウィン港のオーストラリア軍部隊を訪問した。日本をTPP交渉に加入させる前に、既存の交渉加入国だけで対日争闘戦のための根回しを必死に行ったのだ。
 安倍政権の金融緩和政策に対しては『ウォールストリートジャーナル』や『ビジネスウィーク』を始めとしたメディアが一斉に「通貨戦争の引き金を引いた」と批判している。アベノミクスに対する激烈な反応は、米帝側からすれば当然だ。通貨問題は、末期的危機にあえぐ米経済の命とりになる重大問題だからだ。
 オバマは今年の2月、日本のTPP交渉参加の公式決定を前にした安倍の訪米に対して、晩餐会も共同記者会見も開かないという異例の冷遇措置をとり、内外に日米の距離感を印象付けた。安倍の「尖閣防衛」要請に対しても、「領土問題でアメリカはどちらの側にも立たない」という立場を表明したのである。
 TPPに関しては、日本側の懸案だったアメリカの日本からの自動車の輸入関税の引き下げはゼロ、アメリカ車が完全に保護されることが確定した。日本農業などの聖域化は認められなかった。
 そして安倍内閣の閣僚の靖国参拝と安倍の「侵略の定義なし」発言という動きが橋下の「慰安婦」発言にまで及ぶにいたり、メディアの一斉批判に加えて、米国務省が公式に批判するという事態にまで発展した。
 この間の日米外交の中で、いわば「異次元の日米争闘戦」ともいうべきかつてない緊張が生じているのだ。

 米帝が専制的に「ルール」づくり

 TPPの核心と言われるISD(投資家対国家紛争)条項は、「米資本の利益を他国に押し付ける」ものと報道されることが多い。だが実際は、資本の利益を労働者、農民などに押し付けるものなのだ。
 この条項で投資家は「見込んだ投資利益が得られない」と判断しただけで国際仲裁廷に提訴できる。仲裁は裁判ではなく原則非公開で、控訴も不可能だ。その裁定が国内法より優先され、労働法、農業法などあらゆるものが一挙に覆される。一種のクーデターであり、統治形態の転換だ。
 また、激しい争闘戦の一方で、各国の資本家同士が協力し、互いの国の労働者、農民などの権利を奪うのがTPPだ。協定の正式の発効に先立って、すでにそうした協力は始まっている。アメリカで最も戦闘的な職場闘争を行う労働組合であるILWU(国際港湾倉庫労組)を破壊するため伊藤忠、三井物産、丸紅の3大商社が自社の埠頭(ふとう)から組合員を長期ロックアウトしている。米資本でロックアウトしたのは、伊藤忠とジョイントベンチャーをしているバンジー社だけであり、日本の3資本が突出してアメリカの労組破壊の先頭に立っている。
 職場の闘いと国際連帯でTPPを粉砕しよう。
〔村上和幸〕

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週刊『前進』(2586号5面2)(2013/06/03 )

 東海村 原子核実験施設の事故弾劾

 34人被曝、放射性物質も排出

 また原子力をめぐって重大事故が起こった。5月23日に茨城県東海村の原子核実験施設J―PARC(写真)で放射性物質が施設の外に漏れ、居合わせた研究者たち34人(29日現在)が被曝した。しかも国や自治体への通報が1日半も遅れる許し難い事実が判明した。福島第一原発事故を「収束」と言いなして7月から何基もの原発を再稼働させようとしている安倍政権、その原子力政策の破綻がこういう形で現れたのだ。
 J−PARCとは日本原子力研究開発機構(原子力機構)と高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)が設立した施設で陽子のビーム(流れ)を直径500bの円形の加速器で光速近くまで加速して金に衝突させ、素粒子などを作り出し、それを使って物質や宇宙の起源などを探るものだ。
 陽子ビームが金にぶつかることで原子核が壊れて素粒子ができるが、副産物として放射性物質もできてしまう。通常だと金の温度が300度程度までしか上がらないので放射性物質は固体の金の中に閉じ込められて空気中には出てこない。ところが今回は機器の誤作動ないしは人為的なミスで通常よりも400倍も強い陽子ビームが金に当たって局所的に高温状態になり、金や放射性物質が蒸発して空気中に拡散、研究者たちが体内に吸い込んだのだ。
 ところが研究を実行した高エネ研は警報を無視して実験を強行した。しかも実験施設の放射線量が上がったにもかかわらずフィルター無しの換気扇を回して排気を行い、研究施設の外に放射性物質を排出させ実験を継続した。しかもそのことを外部に通報しなかった。通報したのは隣接する研究施設の連絡があってからだ。
 まさに福島第一原子力発電所事故とまったく同じ隠ぺい体質があるということだ。しかも放射性物質の漏えい対策はまったくなされておらず、立ち入り調査した自治体関係者は「放射性物質を取り扱っている施設のわりに、普通の施設に近い」と、安全対策の欠如に怒りの声を上げている。
 原子力機構は、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で重要機器の1万件もの点検漏れが相次ぎ、鈴木篤之理事長が引責辞任したばかりだ。
 東海村では1999年に核燃料加工会社であるジェー・シー・オー(JCO)で核分裂が連続する臨界事故が発生。被曝した労働者2人が死亡し600人以上が被曝した重大事故が発生した。
 東海村には東海第2原発や、核燃料再処理施設である原子力開発機構の核燃料サイクル工学研究所など原子力施設が密集している。核燃サイクル維持・推進という日帝の基本政策こそ今回の事故の根本原因なのだ。今回の事故を徹底的に弾劾し、安倍政権による原発再稼働を絶対に阻止しよう。(城之崎進)

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週刊『前進』(2586号5面3)(2013/06/03 )

 韓国 民営化阻止の決戦に突入

 KTX民営化許すな 鉄道労組総力闘争を宣言

(写真 〔上〕鉄道公社分割・民営化阻止の総力闘争に向けて、民主労総と全国鉄道労組がソウル駅前広場で総決起大会を開催【5月25日】)
(写真 〔下〕「チンジュ医療院死守! 公共医療を守れ!」を掲げ慶尚南道庁前を占拠して集会を開く全国保健医療産業労組【5月23日】)

 韓国では、パククネ政権のもとで公共部門の民営化攻撃が本格化し、これとの大激突が始まっている。民主労総は4月、公共輸送労組・連盟や公務員労組など関係諸組織を集めて公共部門の共同闘争本部を発足させた。そして5月27日からの1週間を集中闘争期間とし、民営化絶対阻止、非正規職撤廃、労働基本権争奪を掲げて総力闘争に突入した。
 その最大焦点となっているのが韓国高速鉄道(KTX)の民営化だ。イミョンバク政権時代から策動されてきたこの攻撃について、韓国の国土交通省は5月23日、新たな計画を発表した。現在の鉄道公社(KORAIL)を持株会社に転換し、そのもとで鉄道を旅客と貨物など五つの子会社に分割し、運営はすべてその子会社に任せるという。子会社はKORAILから出資を受けるがその割合は30%以内とし、残る70%は市場での資金調達、すなわち民間資本の導入となる。
 2015年開通予定のKTX新路線――ソウルの水西を起点にソウルとプサン(釜山)、ソウルとモッポ(木浦)を結ぶ路線――でまずこの方式を採用する。以後、全国・全路線に順次拡大していく計画だ。KTXはKORAIL唯一の黒字路線であり、とくに新設される路線は年間数千億ウォンの収益が見込まれている。これを民間大資本が奪い取って、鉄道事業全体を資本の新たな金もうけの手段に転化するのが攻撃の狙いだ。
 鉄道の分割・民営化とは安全の崩壊であり、外注化・非正規職化だ。赤字路線の切り捨てと公共輸送手段の破壊・解体にもつながるものだ。しかもこのKTX民営化を突破口に、電気、ガス、水道などの民営化攻撃が一斉に加速されようとしている。最大の核心は労組破壊、民主労総解体、労働運動の根絶・一掃である。まさに26年前の日本の国鉄分割・民営化と同じ質の攻撃がしかけられてきたのである。現場の危機感と怒りはいやが上にも高まっている。
 これに対して民主労総と全国鉄道労組は5月25日、ソウル駅前広場で総決起大会を開き、ゼネストを含む総力闘争をもって鉄道分割・民営化を絶対阻止すると宣言した。集会には鉄道労組2万5千組合員のうち4千人が全国から結集、駅前広場を満杯にし、ものすごい組織力と団結力を示した。パククネが昨年末の大統領選挙で「国民合意なしのKTX民営化には反対」の公約をペテン的に掲げていたことに対し、「パククネは公約を履行しろ!」の怒りの叫びが、「鉄道民営化反対!」の声とともにたたきつけられた。

 “公共医療を守ろう” 保健医療労組 「決死抗戦」!

 KTX民営化と並んで現在、最も激しい攻防点となっているのが公共医療をめぐる激突である。その最先端は、地方公共病院であるチンジュ(晋州)医療院の廃業を阻止する闘いだ。
 慶尚南道(キョンサンナムド)の道知事によるこの攻撃は、知事が自ら「病院が労働組合の解放区になっている。こんな病院はつぶせ」と公言したとおり、労組破壊のために病院丸ごと廃止するというとんでもない攻撃だ。同時に医療の民営化攻撃を一挙に拡大しようとする突破口だ。これを許せば公共医療は崩壊し、貧しい労働者人民からは医療そのものが奪われる。
 全国保健医療産業労組は「金より命」をスローガンに総力を挙げた闘いに突入し、4月18日には1千人が道議会を包囲、徹夜の闘争で議会を流会にたたきこみ、廃業の強行を実力阻止した。それから1カ月余の5月23日、知事は再び「チンジュ医療院廃業条例案」を議会に提出してきた。民主労総と保健医療労組はこの日、全国から「生命のバス」と名づけたバスで現地に結集。道庁前を占拠して集会を開き、「物理力で民心を制圧しようとする知事の暴政を断じて容認しない」と「決死抗戦」を宣言した。患者の家族や農民もともに決起し、決意を表明した。
 保健医療労組の委員長・副委員長など4人はこの日、断髪・断食を行い、道庁前で無期限の野宿座り込み闘争に突入した。「私たちの闘争は公共医療を守る闘争、患者の生命を守る闘争だ。民主労組を守る闘争であり、不正腐敗を暴き、独裁行政にけりをつける闘争だ」との闘争宣言が発せられた。
 29日、知事はあくまで廃業を強行すると発表。警察権力に加え用役(労働争議つぶしに雇われる暴力団)をも投入しようとしており、緊張が高まっている。

 韓国の闘いと連帯し6・9へ

 こうした公共部門における闘いは、整理解雇と闘う金属労組サンヨン自動車支部の不屈の闘争や、非正規職撤廃を求めて決起した現代自動車非正規職支会の闘いとともに、新自由主義をその根幹から打ち破る闘いとして進んでいる。あらゆる闘いの根っこはひとつ、敵はひとつだというのが、闘うすべての労働者の圧倒的確信になりつつある。公共部門労働者の民営化阻止の大決起は、パククネの民主労総解体攻撃を粉砕して、韓国の労働運動が新たな階級的戦闘的飛躍をかちとっていく出発点となるだろう。鉄道分割・民営化との闘いがその中でも決定的な位置に浮上したのである。
 国鉄分割・民営化と絶対非和解の闘いを唯一、26年間にわたって貫き通してきた動労千葉の闘いは今、分割・民営化体制を根底から覆す正念場に突入している。韓国の情勢は、この闘いが今や国際的な決戦課題に押し上げられたことを示している。民営化攻撃への徹底抗戦を宣言した韓国労働者階級との連帯をかけて、6・9国鉄集会への大結集をかちとろう!

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週刊『前進』(2586号5面4)(2013/06/03 )

三里塚裁判傍聴を!

◎団結街道裁判
6月18日(火)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)

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週刊『前進』(2586号6面1)(2013/06/03 )

 京都大学同学会選挙 大森君先頭に連日熱弁

 「全員自治」「総長団交」訴え

 京都大学では、5月27日〜6月7日の日程で、全学自治会同学会の中央執行委員会予備選挙(すべての京大生による選挙)が始まっています(写真)。今年度は、昨年度の冨山小太郎委員長体制を引き継ぐかたちで、大森靖之君(薬学部)を委員長候補とする5人の候補者団が立候補し、連日キャンパスで熱弁を振るっています。
 昨年度再建が始まった同学会は2年目を迎え、今回の選挙は「昨年からの1年間の総括」という意味でも、非常に重要です。投票数は3日目(5月29日)ですでに750票を超えており、昨年の選挙を上回る注目度で進められています。
 この選挙で大森候補者団が訴えていることは3点です。一点目は「全員自治」です。戦後、多くの学生自治会は、全学生が大学運営に責任をもって行動するという理念から、全員加盟制をとってきました。同学会はこの全員加盟制を最初に実行し、その力で大学自治の根本部分をつくり上げていった戦闘的な学生自治会です。大森候補の立候補声明には「全員が自治の主体となって行動した時に、同学会の無限の可能性が開かれることでしょう」とあります。この「全員自治」スローガンは、新自由主義の中で分断され、可能性を徹底しておとしめられてきた学生の団結の復権を訴えるものです。
 二点目は「総長団交」です。京大では08年に松本総長体制になって以降、学生自治会や教授会の権利は切り縮められ、総長と周囲の経営陣の独断で大学運営が行われてきました。とりわけ、昨年度から「大学改革実行プラン」と一体で進められた京大の大学改革は、立て看板や自主活動の規制を徹底する一方、一般教養科目での教員の任命権を総長が独占するなど、まさに新自由主義大学と呼ぶにふさわしい様相です。
 新自由主義大学の核心は、崩壊する帝国主義社会の中で、自分だけは生き残ろうとする資本家が教育や学問を食い物にすることにあります。それは必然的に、極少数による多数の支配のかたちをとり、法政大を始め全国で総長権限は強化されてきました。松本総長の独裁に対し学生の団結した共同性を対置する「総長団交」のスローガンは、多くの学生や研究者の心の底からの思いです。
 三点目は「国際連帯」です。新自由主義(大学)との対決は、全世界共通の問題です。全世界の学生同士がつながれる根拠がつくり出され、新自由主義と最も激しく闘い抜く法大闘争は海を超えた共感を得ています。
 大森候補者団の立候補声明には、「大学当局や総長がグローバル化を叫び、全世界とつながっているのですから、私たちも全世界の自治団体とつながり、自治を発展させるネットワークをつくっていけたらと思います」とあります。それは、松本総長の掲げる「グローバルリーダー路線」との対決にもなります。松本総長は「英語教育の充実」「国際色豊かな研究者の育成」という言葉とは裏腹に、留学生の主体をおとしめ、学生自治の主体から排除してきました。すさまじいカリキュラムでがんじがらめにし、教官に逆らう学生は研究室から締め出し、入管体制と一体で本国に強制送還できるようにしてきました。「国際連帯」スローガンは、この現実と対決するものです。
 大森候補者団の訴えは、1年間の同学会運動の中での課題を基に出されたものであり、「全員加盟制とはどういうことか」「留学生の学ぶ環境を整えてほしい」など、1回生を中心に議論が開始されています。多くの学生が大学運営に興味を持ち、主体的に議論を開始することが学生自治会の団結を生み出す原動力です。この選挙を通じて学生が自らの可能性と誇りを取り戻し、不抜の学生自治会権力を打ち立てます!(京大・A)

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週刊『前進』(2586号6面2)(2013/06/03 )

 安倍打倒へ展望つかむ 

 沖縄大生からの5月闘争報告

 「復帰」41年の5月沖縄闘争は、歴史的なストライキ決起を開始した日本の労働者階級が、沖縄から安倍や橋下らを怒りの炎で焼き尽くす闘いとして爆発しました。闘う沖縄大生はその最先端に身を置き、団結を固め、大きな展望をつかみ取りました。
 世界大恐慌は大争闘戦時代へと突入し、帝国主義間・大国間の生き残りをかけたつぶし合いが激化しています。新軍事戦略とTPPでアジア勢力圏化に乗り出した米帝と、そのもとで対米対抗的な戦争・改憲へと踏み出した日帝・安倍政権の矛盾の集中点として沖縄があります。嘉手納基地所属の米空軍F15戦闘機の墜落事故がまたしても引き起こされたように(5月28日)、米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争策動は沖縄を「戦時下」としています。
 しかし、基地労働者を先頭とした沖縄労働者階級の怒りと闘いは、辺野古新基地建設やオスプレイ増強など沖縄米軍基地強化策を破綻に追い込み、日米安保体制を揺さぶっています。安倍や橋下の発言は、その危機感の表明です。今年の沖縄闘争は、沖縄と本土・福島−全世界の労働者の団結で安倍を打倒し、安保を粉砕し、プロレタリア世界革命を切り開く歴史的闘いとしてうち抜かれました。
(写真 「安保粉砕!基地撤去!」。全国の学生が合流し那覇市中心街をデモ【5月18日】)

 ついに法大闘争と結びついた!

 この中で私たちは、「沖縄を『基地の島』から『国際連帯の島』へ!」「新自由主義と闘う国際的な労働者の団結で安保・沖縄闘争に勝利しよう!」を掲げて登場し、闘いを牽引(けんいん)しました。「基地の県外・国外移設論」や「独立論」など、労働者の分断と絶望をあおって新自由主義・帝国主義への屈服を組織するスターリン主義や体制内諸勢力と対決し、「反帝・反スターリン主義」の旗のもとに階級的労働運動と戦闘的学生運動を復権すること、国際連帯をよみがえらせることが基地をなくす道だとはっきりさせました。沖縄の職場・キャンパスからの労働者と学生の鮮烈な決起をかちとり、それは可能だと示しました。
 何より、沖縄大を先頭に「沖縄学生運動の復権・創成」と言うべき沖縄学生の大量の決起をかちとったことは決定的な勝利です。参加した沖縄の学友は、闘いの中でただちに団結の素晴らしさや勝利の確信をつかみとっています。それは5月19日の全国学生交流集会での以下の発言にあらわれています。
 「怒りを解き放ち、戦争を止め社会を変えることができるのは、闘う学生の団結体=学生自治会です。沖大で学生自治会をつくりだすために頑張っていきたい」
 「1日目のデモは勢いに圧倒されたが、みんな安倍への同じ怒りを持っていることが分かり、3日目の名護のデモでは大きな声を上げられた」
 「今まで『国に対して反対しても意味がない』と思っていたが、みんなが団結すればできないことはない。学生自治会をつくりたい。革命やりたい」
 また、4・25法大弾圧を粉砕して沖縄闘争に決起した法大の武田雄飛丸君、広島大の百武拓君、東北大の青野弘明君の力強い発言を聞き、「逮捕されたとは思えないほど元気でびっくり」と心から感動しています。自分たちが沖縄から全国に発したメッセージを見て、福島大の学生が参加してくれたことにも感動しています。
 4・25法大弾圧にかけた国家権力の狙いは、沖縄でも完全に墓穴に転じました。法大闘争7年間の闘い、反原発闘争と学生自治会建設を一体で前進させてきた3・11以降2年間の闘いは、ついに「革命の火薬庫」である沖縄の学生の怒りと結びついたのです! 沖縄から学生運動を復権し、学生自治会を建設する主体が続々と生み出されました。

 沖縄2万学生の総決起へ闘うぞ

 かつて70年安保・沖縄闘争、復帰闘争の爆発の中で、沖縄の学生は沖縄県反戦や牧青に結集する青年労働者とともに、沖大学生自治会、琉大全共闘に結集して闘いに立ち上がりました。沖大学生自治会は、沖縄返還協定批准阻止の71年11・10沖縄ゼネストに48時間ストをもって決起しました。日帝は、「復帰にともなう私立大学統合」で沖大そのものをつぶそうとしましたが、沖大生はこれと真っ向から闘い、粉砕しました。ところがその後、新自由主義攻撃に屈した沖大当局が学生自治会をつぶし、表向きの「リベラルさ」とは真逆の、徹底した学生運動破壊、大学の新自由主義化を進めたのです。
 しかし今や、“基地や非正規の現状に従え”という「授業」や、ビラ1枚すらまかせない大学への怒りは渦巻いています。「県外・国外移設論」や「独立論」、大学当局の許す枠内での運動など、学生の怒りを体制の枠内に押しとどめるあり方は通用しません。沖大生−沖縄学生の怒りはこうした構造すべてを粉砕してやまない根底的な怒りであり、今回決起した学友がつかんだ確信は、必ず沖縄2万学生の怒りに火をつけます。法大−京大−広大を始め全国の学友と団結し、沖縄大生は2013年決戦をともに闘います!
 (沖縄大・M)

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週刊『前進』(2586号6面3)(2013/06/03 )

 石川さんと連帯し狭山集会 

 5月23日、無実の部落民・石川一雄さんが不当逮捕されてから丸50年を迎えた。半世紀に及ぶ狭山差別裁判を徹底糾弾し、石川さんとともに第3次再審闘争に勝利しようと、関西・東京・広島で狭山集会が開催された。その報告を掲載します。(編集局)

 大阪 全国水平同盟結成へ 西郡支部が大会呼びかけ

 5・19全関西狭山集会が、沖縄と連帯し、大阪・八尾市の桂人権コミュニティセンターに全関西の労働者・住民100人が結集して開催された。階級的労働運動の力で全証拠開示・狭山再審勝利を切り開く決意をうち固め、7月14日の新たな全国組織、全国水平同盟結成大会への結集を呼びかける歴史的な決起集会としてかちとられた。
 集会では、関西労組交流センター代表が主催者あいさつに立った。さらに4・26自治労ストライキの先頭に立った自治体労働者が5〜6月自治労全国ストへの決意を述べ、国鉄労働者が今春2度のストライキで出向攻撃をうち破り本務復帰をかちとった動労西日本の勝利を報告。郵政非正規労働者は5月16日の雇い止め撤回裁判闘争に決起した決意を表明するなど、階級的労働運動の前進と勝利への確信に満ちた決意表明が続いた。
 石川一雄さんの「50年目の決意/5・23メッセージ」が紹介され、これに応える基調報告を部落解放同盟全国連西郡(にしごおり)支部の岡邨(おかむら)洋支部長が行った。
 岡邨さんは、4・26自治労全国ストで「労働者が歴史を塗りかえる時代が始まった。闘いを切り開いたのは昨年10・1以来、全面的な外注化・非正規職化と闘う動労干葉・動労水戸・動労西日本の波状的なストライキ、2月24日の橋下打倒集会、八尾北・西郡闘争だ。絶対反対、階級的団結で闘えば勝てることを示し、橋下打倒闘争の展望を切り開いてきた」と確信をもって提起した。
 さらに「西郡支部は非正規職撤廃を最重要の課題にすえ、関西合同労組大阪東部支部と一緒に労働相談会を開き、村の青年労働者の組織化を進めてきた。また福祉住み替え要求の闘いや供託者を先頭にした闘いは、特区・更地化攻撃を破産に追い込んでいる。今こそ西郡支部1千名建設と労働組合建設の力でムラの団結を拡大しよう」と呼びかけた。そして「狭山第3次再審闘争は新自由主義と対決する最先端であり、安倍政権による労働者総非正規職化攻撃と対決する労働組合の再生と一体の闘いだ。6・9国鉄闘争全国集会から7・14新組織結成に突き進もう」と提起した。
 決意表明の最初は住宅明け渡し弾劾裁判を闘う住民だ。「私は近くの工場で働いています。保険や年金も自分でかけなければならず、家賃が上がったら生活できない。団結して闘えば変えることができる」と決意を語った。獄中38年を不屈に闘う星野文昭さんと文通する西郡支部員が星野再審へ訴え、関西合同労組大阪東部支部、八尾北命と健康を守る会、西郡支部青年部が決意表明を行った。
 八尾北医療センター労組の藤木好枝委員長は、安倍の成長戦略の要「医療の産業化」が医療と介護の破壊だと弾劾、八尾北労組が「TPP反対の闘いの旗を掲げ、八尾市の自治体労働者、医療・福祉労働者に呼びかけ、団結を拡大していく」と決意を語った。
 最後に、西郡支部の森本政二書記長が「激動期に対応した絶対反対の闘いの旗を押し立て、新しい解放運動の全国組織を立ち上げる時が来た!
7・14全国水平同盟結成大会に結集しよう」と呼びかけた。6・9から7・14へ先頭で闘おう。
 (西郡支部・植村清)
(写真 全関西集会【5月19日 八尾市】)

 東京 狭山と星野は一体だ 全証拠を開示させ再審へ

 部落解放東日本共闘会議が主催する狭山集会は5月23日、東京・文京区民センターで開催され、75人が参加しました。
 集会では、石川さんの5・23メッセージが読み上げられました。その中で石川さんは、「半世紀を経ても再審実現が適(かな)わぬ事に無念、遣(や)る瀬無い思いは禁じ得ません」と悔しさをにじませ、「逮捕状を請求するだけの物的証拠も存在しなかった」「自白の強要は……再逮捕、拘留に因(よ)る精神的・肉体的打撃の結果」「今までの裁判は確定判決以降、38年間に及び一度たりとも事実調べをせず」と国家権力を糾弾。そして、「何としても今年中には『事実調べ』の方向性が附(つ)けられるように」と決意を述べ支援を訴えています。
 集会では、この石川さんの思いと決意に真正面から応えて狭山闘争の勝利に全責任をとろう、その実践に踏み出そうと誓い合い、6・9国鉄闘争全国運動全国集会を成功させ、部落解放運動の新組織を結成することを宣言しました。また、獄中38年を闘う星野文昭さんを奪い返す闘いと狭山闘争との一体性が確認され、画期的な狭山集会として成功を収めました。
 主催者あいさつで岩本正治事務局長は「東京高裁前での石川さんの訴えは労働者人民への鼓舞激励だ。安倍政権の改憲・戦争への動きの中で強まる再審請求棄却策動を階級的団結の力で打ち破ろう」と提起しました。
 部落解放同盟全国連杉並支部の青年が狭山現地調査への参加を呼びかけ、田中れい子支部長が基調報告を行いました。田中さんは1980年代からの部落解放闘争を総括し、狭山闘争の現段階、とくに全証拠開示の闘いの重要性を述べ、奮起を促しました。さらに、西郡支部から全国水平同盟の結成が呼びかけられたことを報告、「新自由主義と対決し、非正規職撤廃を掲げ、団結に生きる新しい部落解放闘争を推進するために、7・14結成大会に結集しよう」と訴えました。
 決意表明では、星野さんをとり戻そう全国再審連絡会議の狩野満男共同代表が、「石川さんも星野さんも一ミリも権力と妥協していない。星野の全証拠開示運動は国家権力そのものを打倒する中身だ」と証拠開示運動の重要性を力説、勝利の展望を示しました。
 続いて、東京労組交流センターから東京西部ユニオンの吉本伸幸委員長が組合員の解雇撤回・地位保全闘争で同日都労委で勝利決定をもぎとったと報告、大きな拍手が起こりました。外注化阻止を闘い組織拡大を前進させている動労千葉、被曝労働強制とストで闘う動労水戸、学生自治会建設へ奮闘する全学連から斎藤郁真委員長がそれぞれの闘いの報告と決意を述べました。その最後に、杉並支部の狩野正幸書記長が発言に立ち、石川さん自身が国家権力と非妥協・不屈に闘ってきた狭山闘争50年の勝利の地平を確認した上で、全国水平同盟結成にかける思いを熱く語りました。
 締めくくりとして、大西文夫事務局次長が行動提起を行いました。
 (東京・T)
(写真 東日本の集会【5月23日 東京】)

 広島 団結こそが勝利の道 青年労働者が力強く宣言

 5月23日、広島市福島町で部落解放広島共闘会議の主催で狭山集会を開催しました。石川さんの怒りをともにし、新自由主義と闘う部落解放闘争の新たな全国組織「全国水平同盟」結成へ全員が決意を固めました。
 集会には、1974年9月の狭山闘争から階級的な労働運動に目覚めて闘い始めた郵政解放研の仲間から広島連帯ユニオン青年部の若い仲間まで、幅広い世代の仲間が結集しました。
 冒頭、狭山事件から半世紀の特集番組のビデオを見て、あらためて狭山事件が階級分断の攻撃であり、全証拠開示の闘いが決定的であることを確認しました。
 司会の広島解放共闘の富村寛久議長が石川一雄さんの「50年目の決意」を読み上げ、狭山再審勝利を誓いました。西郡支部と東日本共闘会議からのメッセージを紹介した後、「7・14全国水平同盟結成の呼びかけ」が読み上げられました。
 広島共闘会議事務局から「西郡支部1千名建設を軸に、新自由主義と対決する部落解放の新たな全国組織をつくり出そう」と題する基調報告を受けました。新自由主義による民営化・外注化・非正規化攻撃との闘いこそ部落解放闘争の正面課題であり、職場と地域、産別に闘う労働者の団結、労働組合をよみがえらせる階級的労働運動と一体であることが鮮明に提起されました。
 血債主義との最後的決着をつけ、労働者階級自己解放のプロレタリア革命の決定的な一環をなすものとして部落解放闘争が据えられました。そして反合理化・運転保安闘争路線を全職場で貫くことこそ、外注化を阻止して非正規化攻撃を打ち破り、資本の支配を覆していく核心的闘いであり、6・9国鉄全国集会への大結集こそ、部落解放闘争の新たな地平を切り開き、新組織結成による圧倒的展望を切り開くことが明らかになりました。
 この決意は、基調報告に続いて発言したすべての仲間の発言にあふれていました。
 広島星野文昭さんを救う会は「全証拠開示運動で狭山闘争と星野奪還闘争の一体的勝利を」と訴え、広島東郵便局部落解放研究会の仲間は「石川さんの無念を絶対に晴らしたい。大合理化との闘いと狭山闘争は一体だった。絶対に勝利しよう」と決意表明。広島連帯ユニオンの青年は「狭山事件から50年。怒りは燃え続け、消すことはできない。団結こそが勝利の道。ここ福島町にもユニオンの旗をうち立てたい」と宣言しました。
 動労西日本の大江照己委員長からは強制出向を粉砕した青年の闘いの報告があり、非転向を貫き出獄した連帯ユニオン草津病院支部の中山崇志委員長は「石川さん、星野同志、爆取デッチあげと闘う同志と思いをひとつにして勝利した。これからも資本・権力と闘い抜く」と述べました。広島労組交流センターの植野定雄事務局長がまとめとして6・9への総結集を訴え、団結ガンバローで集会を締めました。(広島共闘会議事務局・D)
(写真 広島の集会【5月23日 広島市】)

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週刊『前進』(2586号6面4)(2013/06/03 )

 2013年日誌 5月21日〜27日

 5党が「緊急事態」規定で改憲主張/共通番号制度法が成立

●賃下げ阻止で全駐労が座り込み 米軍基地労働者でつくる全駐労は、5年前の格差給と語学手当の廃止に伴う激変緩和措置が4月に全廃されたことに反対し、沖縄など全国7都県で座り込み行動を行った。(22日)
●フィリピンに巡視船提供へ 岸田文雄外相は途上国援助(ODA)により巡視船を提供する方針をフィリピン外相に伝えた。中国の進出への対応で武器輸出3原則の例外とする。(22日)
●アメリカがICBM発射 米空軍のグローバル攻撃軍団は、カリフォルニア州バンデンバーグで、核弾頭を搭載できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」の発射実験を実施した。(22日)
●東海村施設で被曝事故 茨城県東海村の日本原子力研究開発機構の素粒子実験施設で事故が起き、研究者ら34人(29日現在判明)が被曝。(23日)
●長期金利急騰1% 東京債券市場は長期金利の指標となる10年物国債利回りが年1・000%に急上昇した。量的緩和策を始める前の0・5%台からわずか2カ月弱で2倍に。(23日)
●東証暴落1143円安 東京株式市場は、日経平均株価の終値が前日より1143円28銭暴落した。下げ幅は過去11番目の大きさ。(23日)
●緊急事態の規定で5党が改憲主張
衆院憲法審査会は外部からの攻撃や大規模災害が起きた場合の「緊急事態」の規定を憲法に盛り込むかについて議論し、自民、民主、日本維新の会、みんなの党、生活の党の5党が必要性を主張した。(24日)
●共通番号制度法が成立 全国民に番号を割り振り、税や社会保障などの個人情報を把握しやすくする「共通番号制度」法が参院で賛成多数で可決、成立した。(24日)
●日本原電、発電ゼロでも黒字 原発専業の日本原子力発電は、13年3月期決算で9億4千万円の営業黒字を確保したと発表。東電など5電力会社が、発電しなくても負担する基本料金を計約1510億円支払った。(24日)
●日本の交渉、実質2日 ペルーの首都リマで開かれていたTPP(環太平洋経済連携協定)の第17回交渉会合は、次回を7月15〜25日にマレーシアで開くことを決めた。初参加の日本は実質的に最後の2日間しか参加できない見通しとなった。(24日)
●在沖海兵隊訓練に陸自隊員30人派遣
 陸上自衛隊は29日から7月8日まで、在沖米海兵隊が沖縄で実施する水陸両用訓練に隊員ら30人を派遣し研修させる。昨年に続き2回目。新兵対象の訓練に参加する。(25日)
●政府成長戦略、「原発再稼働」明記へ 政府が6月に閣議決定する成長戦略で、「原発再稼働を進める」と明記することが明らかとなった。(26日)
●ミャンマーにODA倍増 ミャンマー訪問中の安倍首相は首都ネピドーでテインセイン大統領と会談し、910億円の途上国援助(ODA)を今年度内に供与する考えを表明。(26日)
●天安門24年でデモ 武力弾圧された1989年の天安門事件から6月4日で24年になるのを前に香港でデモが行われ、1600人が「民主的な中国をつくろう」と訴えた。(26日)

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週刊『前進』(2586号6面5)(2013/06/03 )

 訂正

 本紙2582号5面の京都大学の記事で「同学会書記長の平田郁夫君」とあるのは「平田郁生君」、「100人もの学生」とあるのは「労働者、学生70人」の誤りです。おわびし、訂正します。

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週刊『前進』(2586号7面1)(2013/06/03 )

 沖縄から世界を変えよう

 「復帰」41年-5・18沖縄集会基調提起

 「沖縄を『基地の島』から国際連帯の島へ! 新自由主義と闘う労働者の国際連帯で安保・沖縄闘争に勝利しよう!」をスローガンに歴史的集会としてかちとられた「『復帰』41年5・18沖縄集会」。集会実行委員会を代表し、沖縄北部合同労組(うるまユニオン)の富田晋委員長が堂々と基調提起を行った。その要旨を掲載します。(編集局)
(写真 5・18沖縄集会【那覇市・琉球新報ホール】)

 新自由主義と闘い沖縄で労働組合を復権する

 1年前、「復帰」40年沖縄集会で私たちは「新自由主義と対決する沖縄闘争」を打ち出しました。国鉄闘争を軸に新自由主義と対決し、労働運動をよみがえらせる中に、戦争を止め国境を越えた労働者の団結を生み出し、沖縄の基地を撤去する力がある。その力が全世界の闘いを団結させていく。
 2011年3・11大震災と東電福島第一原発事故から2年が経過した。しかし深刻の度は増していくばかり、政府はなんの責任も取らない。それどころか隠蔽(いんぺい)し、原発を再稼働させ、建設し、さらには輸出すると、本当に言語道断だ、ふざけるなという話です。その中で命をかけて立ち上がる人びとが膨大に全国にあふれました。それに対して登場したのが安倍政権です。
 1〜3月、動労千葉、動労水戸、動労総連合のストライキを中心とした実力闘争、これが4・26自治体ストライキに発展した。われわれが情勢を切り開き、激しい闘いをつくり出している。全世界の労働者が団結する5・1メーデーを復権した。これほど全世界で労働組合として労働者が団結して闘える状況が生み出されたことは歴史上ありません。
 本集会の獲得目標は明確です。新自由主義と対決し、非正規職撤廃、外注化絶対反対で階級的労働運動を復権しよう! 1%を守るための侵略戦争ではなく、新たな社会建設のために万国の労働者の団結を!
 今日、一番危機的な状況にあるのが日本である。結局、アベノミクスは、円と株の大暴落を引き起こす。実際に始まっていることは、景気回復ではなく、物価は上昇し続け、賃金は引き下げられ続けるという状況。アベノミクスの破綻は時間の問題です。「円・株の暴落」は間違いなく、この国そのものを破壊する。その時にわれわれがどういう選択をするのか、その選択が求められている。怒らなければ、行動しなければ生きてはいけないんだ!
 戦争情勢の切迫については、政府が3月22日に辺野古新基地建設のための公有水面埋め立て申請に踏み切った。昨年10月のオスプレイ12機配備を2倍化するという方針を打ち出し、県民大会を踏みにじって強行された「4・28式典」がある。沖縄に対して徹底的に戦争を強制することが始まっている。さらに北朝鮮のミサイル問題も軍事演習や経済封鎖で北朝鮮をぎりぎりと締め上げた結果、引き出した戦争情勢じゃないか。
 さらに「4・28」とは、「日本主権回復の日」なのか。4・28は、天皇が戦犯として死刑を逃れるために沖縄を売り渡した日だ。それによって多くの沖縄の民衆の土地が一気に「銃剣とブルドーザー」で奪われた。その日を祝うってのはどういうことなんだ! さらに安倍が狙っているのは、全国の労働者と分断するための攻撃であり、「憲法9条改悪」だ。
 はっきりさせたいのは、この戦争が「防衛」などというものではなく、労働者を徹底的に犠牲にして、資本家だけが生き残るための全世界の資本家同士の争闘戦であるということだ。沖縄戦での血の教訓は何なのか。「軍隊は住民を守らない」、これが真実です。

 「復帰」とは何だったか−沖縄戦後史の本質

 70年安保闘争・国鉄闘争の中から戦闘的な労働組合が、世界革命の鍵を握る沖縄の労働運動と結合しようとした。この結合を分断するための「復帰」だったんです。このことをはっきりさせなければならない。
 復帰時、沖縄の労組組織率は40%台だったと言われている。その後に「振興策」により、非正規職化を、外注化を徹底的に推し進めた結果、労組組織率は現在10%台に落ち込んでいる。
 つまり「復帰」によって分断し、その後に「国鉄分割・民営化」をやって、新自由主義攻撃によって沖縄の闘いを圧殺する、労働組合をぶっつぶすということをやったんだ。
 こういう状況の中から沖縄の労働者は反撃を開始した。95年9月、米軍による少女暴行事件に怒った10万人が決起した。これに対して日米政府は「SACO合意(普天間基地返還と辺野古新基地建設)」をやって、次に96年には「沖駐労(全駐労に対置する右翼的労組)」を結成した。さらに97年には「日米ガイドライン(米軍と一体で自衛隊は極東地域のみでなく、世界全体での活動・戦争介入を認める内容)」に合意する。すべてが基地労働者をめぐる闘いだったということです。
 本日、かなり重要な点として訴えたいのは、沖縄戦後史の歴史的認識についてです。
 沖縄戦の後、焼け野原になって島民が全部、収容所に入れられた。米軍は「40万エーカー」の土地を基地として強制接収した。その基地建設工事に沖縄の労働者を動員し、自分の土地を基地に変える労働を強制した。
 1940年代、いろんな党が結成されます。民主同盟は、民政府批判はしても「米軍政府の意図を体現しえない民政府」という批判にとどまり、沖縄人民党は、日本共産党と同じく米軍を「解放軍」と規定した。

 「独立論」の出発点

 ここが重要なのですが、日本共産党は1946年2月の第5回党大会で、沖縄人連盟にあてた「沖縄民族の独立を祝う」メッセージを採択しています。それは米軍は解放軍だ、その米軍の力で沖縄は独立と自由を獲得したんだというわけです。ここから「独立論」が生まれる。これが「独立論」の出発点です。
 戦後、沖縄の労働者はどこで闘いを開始したのか。52年メーデーです。53年の第2回メーデーで「琉球の軍事基地化絶対反対!」を打ち出す。その時に学生運動にも言及し、「植民地化教育反対、琉球大学学長・副学長の即時罷免」の闘いを開始する。「表現の自由」を求め、一斉に学生と労働者が一体となって闘う。この闘いは53年に労働3法を成立させるが、米軍は布令116号で「基地関連の事業所に雇われている労働者には、労働法は適用されない」と、基地労働者から団交権・スト権、すべての権利を奪った。
 米軍は54年メーデーまでに徹底的に労働者をたたきつぶそうと逮捕を乱発し、低賃金化する。「5月1日にメーデーに参加するやつは共産主義者」なんだと。しかし、メーデーには「396人(米軍発表)」が結集した。米軍は「メーデーは失敗した。これで労働運動はできないだろう」と言ったが、この396人がいたから絶対反対の闘いが守り抜かれ、今に引き継がれている!

 全軍労牧青の闘い

 米軍支配にとどめを刺した闘いこそ、68年より開始された全軍労の闘いです。これは元基地労働者の水島満久さんの言葉ですが、68年11・19のB52嘉手納基地墜落事故は「戦争だ!と思った。命を守るために立ち上がることを決意した」と、青年労働者・基地労働者の「命を守るために」「基地を撤去する」闘争に火をつけたのです。この根底的な怒りがそれまでの沖縄の闘いすべてを集約して69年2・4ゼネスト決起へと上り詰めた。これを当時の琉球政府・屋良朝苗主席が裏切って、それに連なる労組指導部が裏切って挫折を強いられた。
 この事態にも屈せず立ち上がったのが全軍労牧港支部青年部(牧青、まきせい)です。牧青は当時、「米軍はベトナムで苦戦している。かりに沖縄からの補給が途絶すれば、その間、彼らは解放戦線の包囲に裸でさらされる。沖縄ではストの効果は目に見えないかもしれないが、実際の影響はベトナムであらわれる」と語っています。後に僕が辺野古闘争で会ったベトナム人のおじいさんは「ベトコン(ママ)で闘っている時、B52が飛ばない日は全軍労のストの日だと指導部から教わった」と言うんです。まさに牧青の闘いは国境を越えた具体的な団結をつくり出していた。
 72年返還が決まった後もコザ蜂起、5・19ゼネストと続き、あらゆる勢力が「一部政治指導者による『復帰』」のイデオロギーに屈服する中、牧青は、大量解雇攻撃に対して37日間のストライキを闘った。この闘いこそ、現在の私たちにバトンを渡す闘いだったと、僕は思う。
 結論として、「復帰」とは日米政府が物質力をもって、沖縄の労働者が求めた国境を越えた団結を分断するために行った労組破壊・団結破壊攻撃であったということ。同時にスターリン主義的な「独立論」や「反復帰」「沖縄自立論」は、沖縄の闘いの中で、本土の労働者への不信をあおり、「血債主義」を植え付け、沖縄の闘いを沖縄だけに閉じ込めるものとしての役割を果たした、ということ。
 そして、国境を越えた団結を求め、核基地とそれに伴う世界支配を打破しようと決起した労働者の闘いであったのです。ここに沖縄戦後史の本質がある。

 国際連帯闘争の要

 国際連帯闘争の要としての基地労働者の存在と闘いということですが、基地労働者は「準公務員」扱いとして沖縄では多くの青年労働者が就職を希望する職種です。でも実際には「労働法適用除外」であり、解雇決定権は米軍にある。
 日米政府にとって基地労働者とは、軍事基地運用に必要不可欠な存在でありながら、国際情勢の動揺に常にさらされ、左右(解雇)されても良い労働者でなければならない、さらにいつでも補充できなければならない存在なのです。
 そのために新自由主義を使って基地労働者を分断する5%賃下げと、サービス部門での60歳超え再雇用のフルタイムからパートタイム化を強行している。これに対して昨年7月、ズケラン支部は1600人の歴史的ストライキを闘っています。
 その狙いは、明確に基地労働者の団結を破壊し、非正規化・外注化を通して「米軍再編」を貫徹することです。基地労働者の決起とは自身の生活をかけたものでありながら、世界支配における「いつでも解雇できる存在」としての労働者の位置を暴露し、核基地・軍事戦略として運用するための労働を強要される職場として、ストライキを通して全世界の労働者の「命を守り」、次の社会を建設する労働者の軸となる闘いです。それはフクシマの闘いと通じる。

 反合・運転保安闘争で沖縄に拠点職場建設を

 2013年後半決戦の闘いを具体的に提起したい。
 第一に、星野文昭さんこそ、国際連帯の象徴であり、分断をのりこえる力だ! 僕は真っ向から星野文昭という存在が国際連帯闘争の軸なんだと言いたい。彼の闘い、渋谷闘争とは何か。それは沖縄の労働者が命をかけて求めた団結の姿です。
 第二に、新自由主義との闘いが反基地・反原発で国境を越える団結を実現する。
 第三に、「被曝労働拒否」の労働運動と「ふくしま共同診療所」の地域の闘いが原発をなくす。新自由主義政策・核政策と対決する反原発闘争について、少し重要な提起をしたい。
 原発建設が推進されたのは1974年、電源3法成立によって原発建設を推進した地域には「交付金が下りる」という形なんです。沖縄の振興策とまったく同じやり方なんです。さらにもう一つは、全国の原発建設は「核の平和利用論」によって共産党、電労連(全国電力労組連絡会)の協力・屈服で可能になったのです。
 その中で電産中国の闘いがあった。1974年4月22日、200人の労組員が中国電力島根原子力発電所を約4時間封鎖するという闘いから、78年4月には労組員7人の処分と闘い、その力関係によって原発を止めた。80年8月6日には労組員700人が「新しいヒバクシャを生む原発建設に反対しよう」と訴えて座り込んだ。
(写真 青年労働者・学生を先頭に進むデモは国際通りを解放区に変えた!【5月18日 那覇市】)

 被曝労働断固拒否

 しかし、電産中国の闘いもたたきつぶされた。つまり被曝労働拒否の闘いをゆがめ、つぶしたのはスターリン主義の「核の平和利用論」であり、核と核基地としての沖縄をともに維持したいと考えた日米政府の新自由主義政策なのだ。だから国鉄を軸とした新自由主義との闘いと、スターリン主義に対決する闘いが労働組合を復権する。「被曝労働拒否」の労組の闘いこそ「全原発廃炉・解雇撤回」を生み出し、地域全体・全国を結合する力を持っている。
 今年の8・6ヒロシマ闘争を、沖縄の安保・核基地に対する基地労働者を軸とした闘いと一体のものとして、「被曝労働拒否」「全原発廃炉」を国境を越えた労働者階級の国際連帯で闘い、団結しよう!
 第四に、党と労働組合の一体的建設が、沖縄戦後史をのりこえ、労働運動の力で基地を撤去し、社会を変革する力だということです。
 今まで沖縄のあらゆる党は、党と労働組合の一体的建設をかちとれていない。2・4ゼネストの挫折に象徴的に示されていることは、「現場に依拠した労働組合形成と党の一体的建設」を目的意識的に闘う指導部の形成がされなかったことだ。
 動労千葉は「国鉄分割・民営化」攻撃と対決して、団結を守った。その闘いの中で重要なのは「現場に依拠した労働組合指導部」であり、「団結の拡大を総括軸」として「労働者総体の利益を体現する」労働組合の指導者が、同時に労働者に依拠した、労働者のための党をつくろうと闘ってきたことではないか。その内容こそ「反合理化・運転保安闘争」であり、「非正規職撤廃・外注化絶対反対」の国境を越えたスローガンを打ち出させた力です。これが1047名解雇撤回闘争を闘いぬく力になっている。
 第五に、「反合理化・運転保安闘争」の闘いで労働運動復権と拠点職場建設を!
 私たちはどう闘えばこの状況を突破し、団結の拡大をつくり出すことができるのか。それが「反合理化・運転保安闘争」であると訴えます。
 今、郵政の職場ではゆうメイト(配達業務)の事故が相次ぎ、死者まで出ています。しかし、それは経営側によって労働者の「自己責任」としてゆがめられ、それを理由とした解雇や「能力査定」での賃下げまで行われています。自治体や医療でもまったく同じです。僕らの職場、IT業務でも同じです。コールセンターで2万人以上が働く沖縄では電話業務の「個人情報漏洩(ろうえい)」事故が増え、退職強要の常套(じょうとう)手段とされている。
 合理化による事故問題をあいまいにしてはいけない。僕らが闘わなかったら、その先にあるのは「非正規職なのはお前の運命だ」と言って、さらには「解雇自由化」「民営化・外注化」を満展開して、本当に戦争に直結していく。俺たち自身を殺していくことになる。
 第六に、国鉄闘争を軸に労働運動を復権し、6・9国鉄闘争全国集会に結集しよう! 組織しましょう。沖縄で全国で実践して労働組合を復権させよう。それが世界を変える力だ。なかなか闘いがいかない仲間もいると思う。しかしよく見てほしい。徐々に力関係は変わってきている。沖縄闘争を本気で闘い沖縄からすべてを変えよう!

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週刊『前進』(2586号7面2)(2013/06/03 )

 在本土沖縄労働者会議が旗あげ 

 “国際連帯の島”沖縄と結合し外注化粉砕・非正規職撤廃へ

 4月28日、都内で、沖縄現地と一体となって沖縄闘争の担い手、牽引(けんいん)者として闘う在本土沖縄労働者会議が結成された。首都圏、関西から闘う沖縄出身労働者が結集し、沖縄闘争の勝利と全労働者の解放をかちとる団結体を結成したのだ。「在本土沖縄労働者会議結成宣言」を掲載します。
 「革命の火薬庫」としての沖縄闘争が、日帝打倒−世界革命の突破口としての位置をいよいよ明確にしている中で、沖縄現地と一体となった在本土沖縄出身労働者・青年労働者の闘いが開始される。在本土の闘いに根強くあった血債主義・糾弾主義と決別し、階級的労働運動路線のもとで新たな闘いが開始される。「党の革命」以来の沖縄闘争の綱領的路線的前進によるものである。
 会議の冒頭、日帝・安倍政権による4・28「主権回復の日」式典を満身の怒りで弾劾した。
 「新自由主義下の在本土沖縄青年労働者の新たな闘いへの挑戦」と題する基調提起が提起され、各参加者からの報告と決意表明が行われた。
 結成宣言
 ●在本土沖縄出身労働者は沖縄現地と一体となって闘おう!
 沖縄闘争は新たな歴史的決戦段階に入りました。この決戦段階の到来を前に、私たちは、沖縄現地の闘いと一体となって、沖縄闘争の勝利と、何よりも全世界の労働者階級の解放をかちとるために在本土沖縄労働者会議を結成しました。
 世界大恐慌情勢のいっそうの深まりと帝国主義間・大国間の大争闘戦時代への突入は、一方で世界中で膨大な失業者を生み出し、他方でTPP(環太平洋経済連携協定)や原発問題に見られるように帝国主義間、大国間の争闘戦を限りなく激化させ、ますます戦争へと突き進もうとしています。
 こうした情勢の中で、沖縄は今や階級闘争の最先端的攻防点としての位置をますます高めてきています。沖縄の階級闘争と労働運動の決定的な飛躍が求められています。今こそ動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)が国鉄1047名解雇撤回闘争の中で獲得してきた国際連帯の地平に学び、沖縄闘争自身も国際連帯闘争としての圧倒的な飛躍を実現していくことが求められています。大恐慌と大争闘戦時代に真っ向から立ち向かう沖縄闘争を国際連帯闘争の要として、しっかりと据えきって全力で闘っていかなければならないのです。
 こうした情勢を前に、われわれ在本土沖縄出身労働者・青年労働者は、今こそ沖縄現地の闘いと一体となってその先頭に立って闘う時が来たのです。
 ●在本土沖縄出身労働者は国際連帯闘争の先頭に立って闘おう!
 在本土沖縄出身労働者とは、その大半が沖縄から本土への出稼ぎ労働者であり、またそこから本土に定住した労働者とその家族等々です。したがってそれは沖縄の労働者階級の一部であり、また日本、そして全世界の労働者階級の一部でもあるのです。だからこそ、沖縄闘争を闘う主体であるとともに、国際連帯を掲げて日帝打倒・プロレタリア革命を闘う担い手でもあるのです。
 沖縄出身労働者は、一貫して沖縄現地の闘いに呼応し、一体となって本土の地で闘いぬいてきました。戦後(沖縄戦後)の米軍基地建設=土地取り上げによって生きるすべを失った沖縄の労働者は、基地で働くか、でなければ沖縄から出て本土で働くか(ないしは海外へ移民するか)以外に選択肢はなかったのです。しかし、70年安保・沖縄闘争に見られるように、本土でも沖縄出身労働者・青年労働者が職場から決起し、また学生が学園から陸続と決起していきました。
 そして、「復帰」後は、「沖縄振興策」なる新自由主義攻撃の極限化というべき攻撃のもとで、沖縄の労働者全体が一気に低賃金・非正規職に突き落とされ、どん底の生活苦の中に叩き込まれていくのです。こうしたことが労働者・青年労働者をして、ますます本土への出稼ぎ労働者として駆り立てていくことになっています。
 しかしこうした現実は沖縄だけの問題ではありません。新自由主義攻撃は、今や本土でも、全世界でも膨大な労働者・青年労働者を、非正規職化と、劣悪な労働環境のもとに突き落としています。あるいは仕事を奪い失業状態におとしめています。これが全世界の青年労働者の実態なのです。
 しかし重要なことは、新自由主義攻撃は他方で労働者階級を限りなく一体化する攻撃でもあるということです。新自由主義攻撃は、それが凶暴であればあるほど、労働者階級を分断する壁を取り払い、全世界の労働者階級をひとつに団結させる条件を圧倒的につくり出しています。今や「民営化・外注化粉砕! 非正規職撤廃!」は全世界の労働者の共通のスローガンになっています。国際連帯を掲げた労働者階級の闘いがこの腐敗を極める資本主義社会を根底から覆していく時代が始まったのです。そしてその先頭に沖縄の基地労働者が立っているのです。
在本土沖縄出身者と青年労働者はこうした国際連帯の闘いの先頭に立って闘っていこう! 動労千葉を先頭とする国鉄1047名解雇撤回闘争を闘うとともに、労働組合のもとで団結し、「外注化粉砕・非正規職撤廃」を闘おう! その中で沖縄出身労働者、青年労働者を獲得していこう! とくに全国各地の合同・一般労働組合は、その受け皿として目的意識的に闘っていかなければなりません。
 ●「辺野古新基地建設阻止! 基地撤去・安保粉砕!」に立とう
沖縄闘争は、「復帰」闘争も含めて、米軍基地と安保体制との闘いとして激しく闘われてきました。沖縄米軍基地は、まさにアジア・太平洋地域のみならず中東・全世界に展開している米帝の世界的展開の軍事拠点としての役割を持っているのです。私たちは、大恐慌と新自由主義攻撃が吹き荒れる今、新自由主義と闘う沖縄闘争として国際連帯闘争の先頭に立たなければなりません。沖縄闘争の中にはらまれていた国際連帯の闘いが、基地労働者の闘いを基軸に、いよいよ全面的に開示される時が来たのです。
 在本土沖縄出身者は、沖縄現地の闘いと一体となって国際連帯を掲げ、本土における沖縄闘争の牽引者として闘っていこう! 「辺野古新基地建設阻止! 基地撤去・安保粉砕!」の闘いの先頭に立とう!
3月22日、安倍政権は辺野古新基地建設のための「公有水面埋め立て申請」を強行しました。辺野古新基地建設阻止闘争は今や、歴史的な決戦を迎えたのです。沖縄と全国の労働者の力でぶっ飛ばそう!
 この闘いの中で、沖縄闘争における「独立論」や「反復帰論」「自立論」という主張や思想と対決し、「万国のプロレタリア、団結せよ!」の闘いを否定する血債主義・糾弾主義ときっぱりと決別していかなければなりません。これらの思想や主張は、「復帰」闘争以来、延々と闘い継がれてきた戦後の沖縄闘争そのもの(労働者階級の団結と国際連帯闘争)を否定するものです。
 さらに、在本土の闘いとして重視すべきは、関東・関西はじめ全国に存在する沖縄県人会活動への取り組みです。在本土沖縄出身労働者は、出稼ぎ労働者であれ定住者であれ本土の地に生活の基盤をもっています。自らの生きる地(本土)で仲間を増やし、団結をつくっていく闘いを在本土沖縄出身労働者・青年労働者の活動として据えていこう!
 最後に、1971年11月渋谷暴動闘争で70年安保・沖縄闘争を最先頭で闘った無実の星野文昭さんを奪還する闘いの先頭に在本土沖縄出身者と青年労働者は立とう!
 すべての在本土沖縄出身労働者・青年労働者は在本土沖縄労働者会議に結集しよう!

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週刊『前進』(2586号8面1)(2013/06/03 )

 6・30星野全国集会の大成功へ

 全証拠開示運動進め星野同志を奪還しよう

 証拠開示巡る大攻防

 第2次再審請求の異議審段階に突入した星野文昭同志奪還の闘いは、今日、全証拠の開示をめぐって東京高裁、東京高検との激しい攻防を繰り広げている。
 昨年12月4日、星野同志と再審弁護団は、現場目撃者11人の「供述調書」の開示と、写真ネガの複写を要求する「証拠開示請求書」を提出した。裁判所前での街宣を間断なく繰り広げながら、3・5、4・22と2波にわたる東京高裁包囲デモをたたきつけた。
 全証拠開示を要求する署名運動の賛同人は、271人の弁護士をはじめ800人を超え、全国各地で集められた署名は4万1277筆に達した。全国労組交流センターの定期総会をはじめ、労働組合で「星野文昭さんを取り戻そう。証拠開示を求める署名に取り組もう」という決議が次々と上げられた。
 再審弁護団は、3者協議の開催を裁判所に強力に迫った。3月13日に行われた3者協議で、裁判官は検察官に対して証拠開示を促す発言をせざるをえなかった。これに対し検察官は「証拠開示は一切必要ない」という意見書を出し、暴力的に切り捨てようとしている。
 一方、5月14日のビデオ国賠訴訟で、東京地裁民事第45部・山田明裁判長は、星野同志と代理人弁護士が請求していた証人調べを全部却下して結審を強行する暴挙に及んだ。裁判の証拠であるビデオテープを、裁判所は警視庁公安部公安総務課に保管委託し、警視庁はこれを紛失したという。
 証拠物の保管義務は裁判所にあるにもかかわらず、なぜ警視庁公安部に証拠物を預けたのか。また、警視庁公安部はだれの責任でどのように保管していたのか、どのような経緯でそれをなくしたのか、全面的に謝罪して明らかにせよ!
 この、あまりに当前の要求を山田裁判長は切って捨てたのだ。裁判所・検察官・警視庁公安部による証拠隠滅の実態が白日のもとにさらされることを恐れているのだ。
 証拠隠滅を弾劾し、全証拠の開示を要求する第2回3者協議が、7月19日に開催されることが決まった。いよいよ証拠開示をめぐる決戦段階への突入である。星野同志・弁護団と労働者階級人民の「無実の証拠を出せ」という根底的な要求と、必死に証拠隠しをする国家権力との真っ向からの激突だ。真実も正義も人権も投げ捨て、破綻した新自由主義攻撃のためにきゅうきゅうとしている国家権力に対し怒りを束ねて闘おう。
 6・9国鉄闘争集会と6・30星野全国集会への大結集が決定的である。この力で、全証拠開示、星野同志奪還の展望を押し開こう。
(写真 4・22東京高裁包囲デモに130人が結集)

 階級的激突の最前線

 星野同志奪還闘争は、国家権力との闘いの最先端攻防であり、分断を打ち破って階級的団結を拡大する要だ。
 星野同志は無実である。にもかかわらず、デモ参加学生の「供述調書」を捏造(ねつぞう)・偽造した警察・検察と、それを全面的に容認した裁判所によって、無期懲役判決を受け、現在まで38年にわたって獄中闘争を闘いぬいている。星野同志と弁護団は、確定判決の矛盾・破綻を徹底的に明らかにしてきた。これに追いつめられた国家権力は、今やむき出しの暴力によってのみ星野同志を監獄に閉じ込めているのだ。
 この国家暴力を打ち破る闘いが全証拠開示運動だ。
 70年安保・沖縄闘争は、沖縄と本土の労働者階級の分断を打ち破って爆発した。全軍労を先頭とした沖縄の労働者階級の闘い、既成の政党や労働運動をのりこえて進む青年労働者や学生の闘いが、力強い発展を開始した。このことに心底恐怖した国家権力は、最先頭で闘った星野同志に憎しみを集中させ、きわめて意識的に政治的デッチあげを強行した。
 全証拠開示運動は、そのどす黒い政治的意図とデッチあげの全貌(ぜんぼう)を白日のもとに暴く闘いである。
 警察・検察が膨大な金(税金だ!)と国家暴力を行使して収集した客観的証拠を開示せよ。これらはすべて星野同志の無実を示すものだ。
 また、星野同志をデッチあげるために、デモ参加の群馬の学生を次々逮捕し、筆舌に尽くしがたい拷問的取り調べでうその「供述」を捏造した。その全過程を明らかにせよ。
 この闘いは、帝国主義の延命のために、人権や真実、法も論理も投げ捨てた警察・検察・裁判所の実態を暴くものであり、今日の新自由主義攻撃とその国家を根底から撃つ闘いだ。階級的団結を拡大し、階級的労働運動を前進させる闘いだ。

 国鉄・星野4カ月決戦

 動労千葉の外注化阻止・非正規職撤廃の闘い、動労水戸の被曝労働拒否の闘いが、新自由主義の労働運動・労働組合破壊攻撃と真っ向から対決し、階級的労働運動の力強い前進を切り開いている。動労千葉鉄建公団訴訟控訴審での5・8結審強行への怒りを爆発させ、6・9労働者集会から9・25判決までの4カ月の国鉄決戦を全力で闘おう。
 階級的労働運動の発展こそが星野同志奪還の力だ。全証拠開示運動もまた、星野同志奪還の帰趨(きすう)を決する正念場に突入している。6・30星野全国集会から9・8徳島刑務所包囲デモへ、4カ月決戦と一体となって全力で闘おう。
 6月30日(日)、東京・大田区民ホール・アプリコに結集しよう。

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週刊『前進』(2586号8面2)(2013/06/03 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 貨物と駅で署名集め低賃金への怒り続々 東京 戸田伊作

 5・1メーデー・貨物本社弾劾闘争の「ニュース」を持ってJR貨物職場の朝ビラに初めて行きました。貨物庁舎は運送会社ビルの谷間にあり、古ぼけて人の出入りも少ないところです。
 1時間に100人ほどが出勤し、「メーデーで貨物本社に弾劾行動やりました」と声をかけると7割が受け取りました。賃下げに誰もが怒っています。「頑張ってくれ」「話を聞かせろ」などの反応がありました。
 そして退庁時に、解雇撤回署名で門前に立ちました。数人に声をかけるとまず1人の青年が署名し、「貨物会社ではなく下請けの下請けです」とのことで、「連絡下さい」と言い残して足早に去っていきました。
 その後も「賃下げは会社の詐欺だ、新入社員への手紙は許せない」「貨物の安全はめちゃくちゃだ」など話になり、署名も集まりました。
 駅の外注化で労働者は、切り刻むように分断されています。東京駅など巨大駅では、改札だけでも正社員、契約社員(GS)、ステーション・サービス社(SS)、派遣会社(JEPS)からの派遣と4種類の雇用形式が混在。雇用で分断されていても「強労働、低賃金」で統一され、若者は「手取り10万円そこそこで、アパートを探しても不動産屋に『こんな安月給では入れる物件はない』と断られ親元から通うしかない」と泣きの涙の状態です。
 そこに「外注化阻止」で入るとさまざまな不満が噴き出してきます。
 検修職場では、「いつもご苦労さん」との反応が大きくなり、署名・カンパなどで濃密な交流ができています。
 「安全破壊は犯罪だ。団結して闘おう」という機運が盛り上がり、6・9集会のチケットを買う人も出てきました。青年の生きる希望は、「1047名解雇撤回、外注化阻止、非正規職撤廃」です。勝利のカギは、私たちの6・9大結集への「執念」です!

 学校給食の調理場がPFIで労働監獄に 東京 杉本牧

 この4月から、40年近く直営で続けてきた学校給食調理場がPFI(民間資本導入)化され、7千食対応の調理場ができた。試行の給食を3千食調理したその日は、アルバイトの職員は、16時退社の予定が22時になり、正規職員は24時を超えたらしい。
 8時から16時までの勤務の条件で入ったが、現在は7時半から18時くらいまで働かされている。
 本格的に始まった給食開始日に、魚のフライに生煮えの物があり、学校から戻され、揚げなおした。制御された揚げ物機械だったけど、切り身の厚さまでは計算できない。その揚げ物を、数えたアルバイトには、生が見抜けるはずはない。(調理には熟練が必要だと委託反対の過程で訴え続けたが、教育部長は「民間にはノウハウがある」と言いきった!)
 この調理場は、材料を搬入する部屋、下処理スペース、野菜等の裁断スペース、炊飯スペース、釜で汁物や煮物を作るスペース、揚げ物、焼き物スペースと調味料室等に完全に区切られている。その中で調理員は1年間同じスペースに配置された。来る日も来る日も、揚げ物ばかり。まるで動物園のおりに入れられた動物みたいと、嘆いていた。
 以前、当局と私たちが交渉した時に、この施設に対しては、最低でも36人体制の維持を要望していた私たちに対して、「30人でやれるんだ」と言っていたが、今や50人くらいで働いても、間に合わず、休憩時間もとれない。アルバイトの時給950円、契約社員は時給1300円で残業、残業。そして、正社員は24時までも働かされている。労働者が分断された職場で、おいしい安全な給食は望めない。
 闘わなければ、労働者の未来はない。新自由主義によって1兆円産業と狙われた学校給食を、労働者のもとに取り戻したい。給食労働者が誇りをもって働けるように。

 外注先の派遣労働者も団結して闘います 仁木海人

 気持ちの良い朝の風、豊かな日光を浴びながら来るべき時間を待つ。そう、団体交渉の時間である。当該である私は、公立施設で派遣社員として働いていた頃からずっと上司からパワハラを受け続けていた。
 そして、抗議のメールたった1通で管理職から解雇されたのだった。悔しかった!
 今、さまざまな方のご支援をいただきながら闘い続けている。このような境遇は全国で私だけではあるまい。全国2千万青年労働者のほとんどが非正規職としてどん底の生活にさらされている。
 団体交渉は派遣であることを理由に、2回連続、即時「拒否」された。官僚的答弁に終始する公職からの天下り管理職と、それを裏で操る課長。行政と癒着した業界の利権に群がる連中。
 私たち若者は絶対に許さない! 世界中はもはや我慢の限界である。怒りは今は地下のマグマかもしれない。しかし、全世界の労働者の怒りはいつか大爆発するであろう! あらゆる権力は震撼(しんかん)せずにはいられない! 団結、今まさにそれがわれわれに問われている。

 闘いに確信を与える『序局』買いに書店へ 東京 栗山翔

 「フクシマの命の叫び」と題し、3・11反原発福島行動13の全記録、診療所報告会、2・17国鉄集会と、『序局』は今号も重厚です。2周年の3・11フクシマと26年目の「解雇撤回・JR復帰」の闘いが、3〜5月のスト情勢をたぐり寄せました。その先頭に立ったわれわれを、今号は一層奮い立たせるものとなっています。
 アベノミクスを始め資本主義の終わりへとすべてが煮詰まる中で、あらためて「真実は何か」が問題となってきます。それは「労働者の尊厳を取り戻す闘い」にこそあると巻頭言は迫ります。
 裁判員制度廃止の論考を読むと、この社会の支配こそ覆されなければならないと誰もが思えるのではないか。
 私は『序局』の発言録やインタビュー、座談会が好きです。人が見え、ほとばしる情熱を存分に感じます。「労働者階級の解放は労働者自身の事業である」という立場を貫く発刊以来の営為は、ますます磨きがかかっています。「時は満ちた」(高山弁護士)――今が読み時、買い時です。書店で購入を!

 「農地奪うな」3万人署名を泉佐野駅前で 泉州住民の会代表 国賀祥司 

 5月23日夕方、泉州住民の会は、泉佐野駅前で三里塚反対同盟が呼びかける「農地取り上げに反対する」緊急3万人署名と宣伝をやりました。夕方の仕事帰りの労働者や学生が大勢通り、50筆の署名が集まりました。知り合いの会社員や市職員、住民が通りかかり、気軽に署名してくれました。
 「成田空港に反対する三里塚反対同盟の市東さんは、親子3代100年にわたって畑を耕してきました。その農地を国と空港会社は『国策』のためと言って、暴力で奪おうとしています。裁判所は国の手先になっています。農地法は農業を守る法律なのに、農地法で農地を奪うことなど許されない」「国策との闘いは、原発に反対する運動や沖縄の米軍基地に反対する闘いと同じです。みんなの問題です」と泉州住民の会は熱を込めて訴えました。
 農民が農業をしながら成田空港に反対する運動を続けていることを知って、驚く人は少なくありません。しっかり話をすると、支持がどんどん広がっていきました。
 署名運動は大阪市内をはじめ関西全域で広がっています。市東さんの農地取り上げを絶対に許さない闘いを拡大しましょう。(泉佐野市議)

 砂川闘争勝利の地にさつま芋の苗植える 三多摩労組交流センター K・T

 5月26日、三多摩労組交流センターと合同労組八王子の仲間たちは、青空の下で立川基地北側に位置する砂川4番の地に集合し、さつま芋の苗を植えた。当時は米軍基地であった立川基地の拡張計画を地元農民・労働者・学生の実力闘争で食い止めた歴史的な場所である国有地で、私たちは毎年自主耕作を続けてきた。砂川は、三里塚・沖縄と並ぶ「反戦・反基地・反核・反権力のとりで」だ。農民の闘いに労働組合が合流した歴史的闘いの原点である。
 「砂川闘争を継承するぞ!」と気合を入れて耕運機で畑を耕し、鍬(くわ)を入れてうねを作り、鶏ふんを土に与え、三里塚から取り寄せた「紅あずま」の苗200本を植え、汗を流した。
 三多摩の労働者は、3・11原発事故以降、砂川闘争現地調査、「流血の砂川」上映会などを行ってきた。砂川基地拡張反対同盟は、8・6原水爆禁止世界大会の第1回目に参加した反核団体でもあるが、三里塚闘争に全学連を結合させた階級的団体である。
 午後からはJR立川駅北口に再結集し、「国鉄1047名解雇撤回」の署名集めと街頭宣伝を貫徹した。
 自主耕作地の南側には、滑走路をにらみつけるように「砂川平和ひろば」の事務所が開設されており、貴重な砂川闘争の闘いの記録が閲覧できる。砂川闘争の魂は現代につながっているのだ。

 ●5月沖縄闘争に参加して 沖縄の青年が闘いの先頭に 東京西部ユニオン青年部 町田春子

 階級的労働運働の苦闘で情勢を切り開いてきた青年労働者は、沖縄闘争を闘い抜きました!
 5・18集会では「『復帰』とは日本政府が沖縄の労働者が求めた団結を分断するために行った労組破壊・団結破壊攻撃だった」そして「全軍労・牧青の闘いこそ、国境を越えた団結を求め、核基地と世界支配を打破しようと決起したものだった。ここに沖縄闘争の本質があり、現在につながる闘いがある」という基調提起がされ、「新自由主義と闘う沖縄闘争、労働者の国際連帯で安保・沖縄闘争に勝利しよう!」という方針が打ち出されました。
 5・19青年交流集会では、「解雇、外注化への怒りと、その矛盾と破綻が現場の責任に転嫁されることへの怒りを結合させて闘うのが新たな反合理化・運転保安闘争だ」という基調が提起されました。
 国際通りデモをはじめ青年交流集会、基地労働者へのビラまき、辺野古新基地建設阻止の全戸ビラ入れ、名護市内デモは、沖縄の青年労働者・学生が先頭で闘いました。誰もが「一参加者」にとどまらず、組合の組織拡大を担うリーダーとして臨んだことが本当に決定的だったと思います。組合として沖縄闘争を青年部建設の柱として位置づけ、事前に戦後沖縄闘争の歴史を学び、活発な議論をしたことも重要でした。
 「国際連帯の島=沖縄からすべてを変えよう!」と決意した青年労働者は沖縄闘争の大成功を引き継ぎ、職場の仲間とともに6・9国鉄集会へ結集し、安倍政権打倒へ打って出ます!

 ●5月沖縄闘争に参加して 自治会つくり大学を変える 沖縄大学1年生 金城健一

 僕は今まであまり政治に関心がなく、首相が誰なのかも分からないぐらい無知でした。しかし、今回の沖縄闘争に参加して、いかに安倍首相がやっていることが恐ろしいかが分かりました。9条と96条の改憲、原発再稼働、安倍首相だけではなく、橋下市長の慰安婦発言。こんなことが行われようとしている現実を知らない自分が恥ずかしくなりました。
 また、大学は学生の味方と思っていましたが、他大学や沖縄大学の現状を見つめ直してみるとまったく違いました。「安倍首相は頑張っている」「沖縄の経済が成り立っているのは基地があるおかげだ」と言う教授がいたり、非正規が増やされている今、「キャリアデザインをしないと、将来居酒屋で『こんなはずじゃなかった』と言うぞ」などと学生に夢を描かせて現実を言わない学科長がいたり。なのに、「学科長は僕らの未来のことを心配してくれているいい教授だ」などと思わされている友人もいます。
 また、広島大学では、原発御用学者が副学長まで昇りつめているという現実を知って、大学は国の味方だということを知り、不信感が募りました。
 また、集会の時に、コールセンターで少しミスをしただけで自主退職に追い込む会社の実態などを聞いて、恐ろしくなりました。沖縄大学の教授でも、「事故っても何があっても、お前の責任」という教授がいます。何があっても自己責任と言い聞かせ、大学から企業に送り出す工場みたいなやり方に納得できませんでした。
 しかし彼らは、学生や労働者が団結することを恐れています! ビラ規制などの注意書きを見ると実感します。学生や労働者が団結してできないことはないと、3日間を通して痛感しました!
 そこで、先輩とともに、後々は沖縄大学自治会をつくろうと思いました。自治会をつくって大学を変えるまでにはさまざまな苦痛をのりこえていかなきゃならないですが、頑張っていきたいと心から思いました。

 ●5月沖縄闘争に参加して 沖縄と福島は連帯して闘う 福島大学 児島芳信

 今年の沖縄闘争は多数の沖縄の学生の決起をもって闘い抜かれました。彼らが何度も口にしていたことは、米軍基地に対する怒りはもちろん、大学への不満、とりわけ教授の発言に対する怒りでした。
 「沖縄の学生は長期的に物事を考えられない」「まともな経済学者なら『基地がなくても経済は成り立つ』などと言わない」「沖縄の労働者のうち6割が非正規雇用、そうならないようにせいぜい頑張りなさい」「安倍首相は沖縄の負担を減らすために頑張っている」。このような言葉を聞き私自身も怒りを感じ、今の大学のあり方や御用教授の存在が許せないという思いは全国共通だと思いました。
 また、名護市・辺野古で基地建設反対運動を担う青年の話を聞き、基地建設をめぐる闘争の激しさを感じ、労働者が団結し労働組合として闘ってきたからこそ辺野古への基地建設は阻止されてきたと思いました。
 国策の名のもとで県民が切り捨てられてきた。これは福島と沖縄の共通点です。反原発闘争、そして基地反対闘争拡大のため、福島は沖縄の学生・労働者と連帯し、資本主義社会を打倒するために闘い抜きます。

 ●5月沖縄闘争に参加して 弾圧はねのけ沖縄に立った 東北大学自治会委員長 青野弘明

 沖縄闘争に参加するのは自分は2回目で、昨年度から1年を経て全学連の大きな前進を感じました。一つは何と言っても、自分を含めた全学連の「3・11世代」が4・25不当逮捕とガサ(弾圧)を粉砕し、起訴攻撃を獄内外の闘いではねのけて沖縄の地に立ったことです。もちろん自分にとっては喜ばしいことだし、沖縄の仲間を含め全国の力添えがなければ不可能でした。あらためてお礼を述べたいと思います。
 二つに、沖縄学生運動が画期的に切り開かれていることです。沖大生を中心に昨年を超える沖縄の学生が学生集会に参加し、発言しました。大勝利だと思います。
 新自由主義が最も蔓延する沖縄こそ、「革命の火薬庫」です。沖縄の勝利は全国に勇気と勝利の確信を与えてくれました。
 安保粉砕、全基地撤去は沖縄の人たちのみならず、全人民の闘争です。東北大では当局がサークル規制を狙い、自治会への誹謗(ひぼう)中傷を繰り返しています。沖縄でもらった力で東北大の勝利をもぎとります。

 ●5月沖縄闘争に参加して 「1%の利益」が新自由主義 広島大学 篠倉亮治

 この間基地労働者の非正規職化、賃下げが起こっています。無権利状態の中、基地は1%の者の利益のためなら他は切り捨てるという新自由主義の最先端でもあります。
 今回の沖縄は、基地撤去の闘いは労働組合を軸に新自由主義と闘うことが重要だと確認されました。一部の者の経済的利益のための新自由主義は、利益のために他を威嚇し、あるいは軍事的に支配するために使われる基地と一体で全国・全世界の労働者に生きていけない生活を強制しています。
 新自由主義との闘いが全体で起こっていくことで現実を変えていけると学びました。

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週刊『前進』(2586号8面3)(2013/06/03 )

【要項】6・30星野全国集会、6・27迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審判決

獄中38年、無実の星野文昭さんを取り戻そう!
検察官は全証拠を開示せよ!

6・30星野全国集会

 6月30日(日)正午開場 午後1時開始
 大田区民ホール・アプリコ展示室
 (大田区蒲田5-37-3 JR蒲田駅東口徒歩3分)
 弁護団報告/全証拠開示大運動から/星野同志のメッセージ/家族あいさつ/9・8徳島刑務所包囲デモへ
 主催 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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6・27迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審判決

 6月27日(木)午後1時30分開廷
 東京高裁429号法廷
 午後1時 傍聴券配布所集合
 午前11時30分〜裁判所前でビラまき街頭宣伝

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