ZENSHIN 2013/05/20(No2584 p06)
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週刊『前進』(2584号1面1)(2013/05/20 )
1047名解雇撤回!鉄建公団訴訟5・8結審弾劾!
6・9国鉄大集会へ
危機と破綻にあえぐ安倍を労働者のストで打倒しよう
10万署名と動労千葉物販推進を
賃金破壊・雇用破壊と改憲・戦争の日帝・安倍政権に全面対決する5〜7月決戦は、国鉄決戦と怒りの沖縄5・15闘争を現下の発火点にして、激しく燃え上がっている。4大産別がすべて決戦化し、自治労攻防をはじめストライキの歴史的復権が始まった。国鉄決戦と反原発闘争の爆発を軸に、階級的労働運動の白熱的発展をかちとり、プロレタリア世界革命へ進撃しよう。国鉄闘争全国運動が呼びかける6・9全国大集会こそ、当面する最大の決戦だ。労働組合と拠点職場を先頭に全力で組織戦、宣伝戦を闘い、会場をあふれる大結集をかちとろう。危機と破綻にあえぎ始めた安倍を絶対に打倒しよう。
不採用基準は斎藤英四郎の指示で葛西が作成した
5月8日、東京高裁・難波孝一裁判長は、動労千葉鉄建公団訴訟において証人採用を却下し結審を強行した。6・9大集会に向け何よりも第一に、この5・8結審を怒りを込めて弾劾しよう。1047名解雇撤回をかけた鉄建公団訴訟の決定的な意義を訴えよう。
動労千葉鉄建公団訴訟は、一審東京地裁・白石哲裁判長の2012年6・29判決で、国鉄分割・民営化による選別採用(不採用)が不当労働行為であったことを認定させる画期的な勝利をかちとった。これは二十数年間の血と汗の国鉄闘争が、四者四団体の4・9政治和解(2010年)の反革命をのりこえて到達した地平であった。
この事態に敵は震撼(しんかん)し、青ざめた。二審の裁判を進めれば、不採用基準を策定した葛西敬之国鉄職員局次長(現JR東海会長)本人を証人尋問するしかない。動労千葉・原告と弁護団は、JR設立委員会の斎藤英四郎委員長(当時・経団連会長)の指示で葛西が不採用基準を作成したことを示す新証拠を提出して追撃した。国家的不当労働行為の全事実が白日のもとにさらされる事態だ。
そうなれば国鉄分割・民営化以来の労働運動をめぐるすべてがひっくり返り、国鉄闘争を牽引(けんいん)してきた動労千葉派・階級的労働運動派が中心勢力になる。国鉄闘争100万人陣形の結集も可能となる。
この事態に恐怖した日帝と資本は、6・29判決直後から、卑劣な権力的陰謀的手段をもってこの地平を破壊する策動を開始した。7月19日の鉄道運輸機構訴訟控訴審で被告代理人の弁護士は「白石判決は間違っている!」と、震えながら絶叫した。当の白石裁判長は東京地裁・労働部の柱である民事第11部の総括判事だったが、理由も不明なまま姿を消し、結局、目黒にある「民事執行センター」(民事第21部)という閑職に飛ばされた(白石事件!)。
後任には極悪反動の団藤丈士裁判長が据えられた。そして高裁・難波裁判長による5・8結審強行である。敵は追いつめられ、総力をあげ6・29白石判決の地平をたたきつぶす攻撃に出てきた。だがこの情勢を主導しているのは動労千葉と階級的労働運動派だ。
しかも20万人の首を切り、200人を自殺に追い込んだ国鉄分割・民営化を、労働者は断じて忘れない。判決は9月25日だ。5・8結審を徹底弾劾し、10万筆署名運動と動労千葉物販を武器に、6・9に総決起しよう。
<反合・運転保安>路線で外注化・非正規化と闘う
6・9大集会は第二に、外注化阻止・非正規職撤廃への総決起の闘いであり、そこに向け反合理化・運転保安闘争を全産別・全職場で普遍的課題として実践しよう。
動労千葉は、外注化による労働者の分断と偽装請負を徹底的に弾劾し、運転保安の解体を許さず、資本の破綻をつかんで、職場生産点で攻勢的に闘いぬいている。外注化・非正規職化と徹底的に対決し、体制内勢力の屈服と裏切りを打ち破り、階級的団結を強化し組織拡大へ闘っている。
外注化・非正規職化は、究極の合理化であり新自由主義の根幹をなす攻撃だ。新自由主義の絶望的延命と外注化・非正規職化が突き出した現実は、資本にとって労働者は単なるモノであり、搾取材料でしかないということである。労働と労働過程における徹底した分断と団結破壊は、社会そのものを解体するまでに至っている。
しかも、本来は自然との関係でも労働者の主体的な生命活動である労働は、現代では原発事故のもと、被曝労働という生命を破壊する活動にまで変質し、労働者と資本の根底的な非和解性がそこには示されている。
合理化は、労働力の価値を引き下げ、剰余価値をより多く搾取するために行われる資本の本来的活動である。資本は労働日(一日の労働時間)の延長だけでは飽きたらず、「労働日の限度を超えて」より多くの相対的剰余価値を生産することを追求する。つまり「労働の生産力を高くし、労働力の価値を引き下げて、労働日のうちでその価値の再生産に必要な部分を短縮するために、資本は労働過程の技術的および社会的条件を、したがって生産様式そのものを変革」していくということである(マルクス『資本論』から)。
合理化との闘いは、剰余価値の生産と搾取をめぐる資本と労働者の根源的な激突だ。だから「合理化絶対反対」は資本主義の否定に直結する。
体制内勢力は口で「合理化反対」と唱えても実際には合理化を「社会の発展、生産力の発展」として容認し、単なる「物とり」主義に転落した。
この裏切りを弾劾しのりこえて、動労千葉は反合理化・運転保安闘争路線を創造し闘ってきた。それは戦後労働運動の限界を根底から突き破る闘いだった。
日帝資本にとって国鉄闘争を解体しない限り自治体の民営化も非正規化も貫徹しない。大幅賃下げ阻止の自治労ストは国鉄決戦と完全に一体だ。
反合・運転保安闘争は、プロレタリア革命勝利の最短の道である。国鉄を先頭に4大産別・全産別で反合・運転保安闘争路線を実践し、外注化阻止・非正規職撤廃の6・9大集会に総決起しよう。
バブル崩壊と改憲・戦争への怒りが安倍直撃する
6・9大集会は第三に、賃金破壊・雇用破壊と、改憲・戦争、原発再稼働・原発輸出へ突き進む安倍政権を打倒する大集会である。
大恐慌下の最大の破綻国家である日帝と安倍政権は、公務員の7・8%賃下げを突破口に、民営化・外注化・非正規職化、賃金破壊・雇用破壊(解雇自由)、労働時間規制破壊(8時間労働制解体)、そして労働組合破壊のすさまじい階級戦争に乗り出してきている。7月参院選の勝利に一切を集中し、延命しようと狙っている。
未曽有の大恐慌は、最末期帝国主義の絶望的延命形態としての新自由主義の破綻そのものである。大恐慌は今や帝国主義間・大国間の大争闘戦時代に突入している。
この中で日帝・安倍は、体制の存亡をかけて、米欧帝国主義との超金融緩和競争にのめり込んだ。それは通商戦争・為替戦争とも一体であり、EU・ユーロ圏が2年連続のマイナス成長に転落する一方で、日帝の円安=円急落情勢のもと、日米はすでに完全に株式バブル、不動産バブルに突入している。だがそれが「アベノミクス」ともども破裂・破綻するのは早晩不可避であり、大恐慌はさらに激化し、TPP(環太平洋経済連携協定)や安保防衛政策などをめぐる日米間の争闘戦はすさまじい死闘となる。
日帝・安倍が改憲衝動をむき出しにし、原発再稼働と原発輸出に全力をあげ、沖縄圧殺と辺野古新基地建設、侵略戦争賛美と排外主義・国家主義の扇動、大量の国会議員の靖国参拝などにのめり込んでいるのは、危機の日帝の絶望的な延命策動にほかならない。こうした中で飛び出した維新の会・橋下の「日本軍軍隊慰安婦は必要だった」「沖縄の米軍は風俗を使え」なる暴言を、労働者階級人民の根底的怒りで爆砕しよう!
今や安倍や橋下への、沖縄を始めとした全労働者人民の怒り、韓国、中国など全世界の怒りが爆発している。安倍政権は「順風満帆」などではまったくない。危機を深め、破綻がむき出しになってきている。7月参院選を待たず、階級的労働運動と労働者国際連帯と学生運動の爆発で、今こそ安倍を絶対に打倒しよう。6・9はその当面する最大の闘いだ。
6・9大集会に向け、5〜6月自治労スト貫徹へ闘い、5・15沖縄闘争、5・22改憲阻止・裁判員制度廃止集会に総決起しよう。
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週刊『前進』(2584号1面2)(2013/05/20 )
侵略史と「従軍慰安婦」居直る安倍=橋下を断じて許さない
階級的労働運動=国際連帯で闘おう
安倍晋三や橋下徹らの極右改憲勢力が「歴史認識」などをめぐって許し難い発言を繰り返している。
安倍は4月22日の参院予算委で、戦前の日本によるアジア諸国に対する「植民地支配と侵略」への謝罪を明記した「村山談話」について、「安倍内閣としてそのまま継承しているわけではない」と発言。続く23日の予算委では「侵略という定義は学会的にも国際的にも定まっていない」と侵略の事実を全面否定した。続いて自民党政調会長・高市早苗も村山談話を批判し、日帝の中国侵略戦争について「自存自衛のために決然と立って戦った」などと正当化した。
ただちに韓国や中国をはじめ世界中で抗議の声が上がり、米議会調査局の報告書も「侵略を否定する歴史修正主義者の見方だ」と激しい言葉で牽制(けんせい)した。焦った安倍は5月15日の時点で「村山談話を全体として受け継ぐ」と弁明したが、15年をめどに村山談話に代わる新談話を出す意向もあらためて表明した。
さらに、日本維新の会・共同代表の橋下は、13日の記者会見で「(旧日本軍の)慰安婦制度は必要だった」「(米兵の)性的エネルギー解消のため風俗業を活用するよう(海兵隊司令官に)言った」と発言。同じく維新の会・共同代表の石原慎太郎も「軍と売春は付き物だ」と橋下発言を全面擁護するに至った。
安倍、橋下、石原ら極右改憲勢力の醜悪な正体を示して余りあるこれらの発言は、参院選を視野に入れた意識的なイデオロギー攻撃であり、改憲攻撃そのものだ。絶対に粉砕あるのみだ。
今やこうした改憲勢力への空前の怒りが日本と世界で爆発している。安倍は国際的にも孤立し、政権発足以来の危機にあえいでいる。今こそ渾身(こんしん)の決起で安倍を打倒するときだ。
(写真 ソウルの日本大使館前で「慰安婦」とされた女性らが橋下・安倍を「許せない。日本に行き真実を明らかにする」と糾弾【5月15日】)
日帝の侵略は明白な事実だ
そもそも帝国主義による「侵略」とはどういうものか。それは、帝国主義国内で得られる利潤よりもはるかに巨大な超過利潤を自国の資本に確保させる目的で、他国や他民族を暴力的に征服することである。帝国主義は過剰資本のはけ口を求め、「資本が少なく、地価は比較的低く、労賃は低く、原料は安い」(レーニン『帝国主義論』)地域への資本輸出と植民地支配を不可欠とする。そうして「資本主義は、地上人口の圧倒的多数に対する、ひとにぎりの『先進』諸国による植民地的抑圧と金融的絞殺とのための、世界体制に成長転化した。そしてこの『獲物』の分配は、世界的に強大な……二、三の強盗ども(アメリカ、イギリス、日本)の間で行われ、そして彼らは、自分たちの獲物の分配をめぐる自分たちの戦争に全地球を引きずり込むのである」(同)。
日本の支配階級は、1868年の明治絶対主義政府の成立当初から朝鮮や中国への侵略を計画し、1875年の江華島事件で朝鮮に不平等条約を押しつけて以来、ひたすらアジア侵略を拡大することによって自らを帝国主義国として形成・確立していった。
そして、1931年の柳条湖事件を発端に全面的な中国侵略戦争に突入し、その泥沼化のもとでアジア全域に侵略を拡大、ついにはアジア太平洋戦争の破局へと突き進んでいった。この全過程において、天皇を頂点とする日帝支配階級はアジア人民に対する搾取・収奪、人権蹂躙(じゅうりん)、殺戮(さつりく)の限りを尽くし、国内の労働者人民にも塗炭の苦しみを強いたのである。
安倍などの極右改憲勢力がいかにごまかし居直ろうと、戦前の日帝がアジアへの資本投下をもって巨額の超過利潤を確保し、その維持・延命のために戦争を繰り返したことは明々白々な事実である。これを侵略でないというなら、いったい何が侵略だというのか。
安倍への怒りを6・9集会へ
今日の改憲勢力の突出の背景にあるものは何か。それは、世界大恐慌と帝国主義間・大国間争闘戦の激化のもとで、ついにアメリカ帝国主義が「新軍事戦略」とTPPをもって対中対峙・対決と対日争闘戦に全面的に打って出てきたことに対し、日帝がこれに対抗して生き延びるためには、改憲を強行し、再び戦争のできる国になるしかないという激しい危機感と反革命的衝動である。
だがこうした改憲と戦争への策動は、逆にその一つひとつが階級対立を極度に先鋭化させ、革命情勢を急速に成熟させる以外にない。しかも改憲をあおっているのは、「解雇自由化」や「10割非正規化」を唱え、福島や沖縄を切り捨て、青年の未来を奪っている連中だ。
今こそ一切の怒りの声を6・9国鉄全国集会に結集し、改憲と戦争の安倍政権を打倒しよう。
この闘いは、アジアをはじめ全世界の労働者と国境を越えてつながる闘いだ。階級的労働運動と労働者国際連帯で改憲阻止の闘いを巻き起こし、プロレタリア革命の勝利を切り開こう。
(水樹豊)
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週刊『前進』(2584号1面3)(2013/05/20 )
前進速報版から
▼「故郷を守れ!」雲南省で大規模デモ、警察隊と激突▼「NAZENぐんま」を結成▼解雇撤回求めセジョンホテル労組が抗議行動
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週刊『前進』(2584号2面1)(2013/05/20 )
JR設立委員長が不採用基準の策定を指示
6・9国鉄集会大結集の力で1047名解雇撤回へ攻勢を
東京高裁第12民事部(難波孝一裁判長)による5月8日の動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の結審強行を絶対に許すことはできない。9月25日とされた判決日までの4カ月間、30年近くに及ぶ国鉄闘争のすべてをかけ、そして公務員賃金7・8%賃下げ強行を突破口とする解雇自由化・賃下げ自由化攻撃との闘いの帰趨(きすう)をかけて、今こそ国鉄闘争全国運動の飛躍的拡大をかちとろう。6・9全国集会を、この闘いに向けて燃えに燃え立つ総決起集会としてかちとろう。
(写真 動労千葉鉄建公団訴訟に先立ち、結審策動粉砕の怒りのこぶしを突き上げた【5月8日 東京高裁前】)
斎藤英四郎と井手・葛西が謀議
東京高裁・難波裁判長は一切の事実審理もないまま、わずか半年、3回の弁論で審理を打ち切った。難波は控訴審の最初から「(1047名の裁判を)まだやってたんですか」「論点は出つくしている。もういいでしょう」と述べ、”結論ありき”のふざけきった態度で登場した。結審強行に対する原告側の猛抗議にも「すべて判決の中で答える」と言い捨て、文字通りなんの説明もなしに法廷から逃げ去った。
難波は、当時の首相・中曽根康弘を先頭とする国家的不当労働行為の真実が暴き出されることに恐怖し、当時の国鉄職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)を始めとする重要証人の採用をかたくなに拒絶した。
原告は控訴審で新たに「国鉄改革前後の労務政策の内幕」(2000年9月1日の懇談会議事録)で暴露されている決定的事実を突きつけた。JR設立委員会委員長だった斎藤英四郎(当時の経団連会長、新日鉄)が、葛西と、国鉄総裁室長だった井手正敬(JR西日本元会長)らに直接指示して、処分歴を理由に原告らを採用候補者名簿から削除する不採用基準を作成させていたのだ。
「国鉄とJRは別」は大うそ
座談会で井手は「我々は、このチャンスに、管理体制の立て直しをすべく……過去に何回も処分を受けたものは、やっぱりこの際、排除したいという気持ちは強かった」「そこで(斎藤のところに)葛西君と出かけ話に行って……結果的には、まず、選考基準に合致しなかった者は駄目なんだということにしよう。そして選考基準は、斎藤さんが作れと言うので、不当労働行為と言われないギリギリの線で葛西が案を作り、それを斎藤さんに委員会の席上、委員長案として出してもらい、それは了承された」と不採用基準作成の経緯を得々と語っている。これは大変な事実だ。
国鉄分割・民営化による解雇はいかにして正当化されてきたのか。国鉄改革法で「国鉄とJRはまったく別会社だ」という法的建前をつくり、”採用候補者名簿を作ったのは国鉄だ。JR設立委員会は提出された名簿を全員採用した。仮に名簿作成過程で不当労働行為があってもJRには一切関係ない”という虚構を描きあげたのだ。最高裁を筆頭とする司法権力は、すべての裁判でこの大ペテンを追認した。そもそも最高裁は、最高裁調査官だった江見弘武(現JR東海常勤監査役)を国鉄総裁室に出向させ、国鉄改革法の条文作成の中心を担った国鉄解雇の張本人だ。
動労千葉鉄建公団訴訟で提出された新証拠は、この「国鉄とJRは別」という国鉄改革法の虚構を根底から覆した。JR設立委員会トップが直接指示して不採用基準を作り、委員会全体でも了承されていたのだ。不当解雇の責任は当然にもストレートにJRに及ぶ。
昨年6月29日の東京地裁判決(白石判決)で認定された事実に加え、葛西を法廷に引きずり出し、この新証拠を突きつけて尋問すれば、いったいいつ、誰が、どういう経緯で国鉄解雇を強行したのかのすべてが明らかになったはずだ。
1980年代以降の新自由主義政策の全面展開の中で、いったいどれほど多くの労働者が首を切られ、非正規雇用に突き落とされ、生活を破壊され、死に追いやられてきたのか。その出発点となった87年国鉄分割・民営化は、中曽根ばかりか経団連、国会、裁判所といった国家権力中枢が総がかりで強行した国家犯罪だったのだ。
動労千葉鉄建公団訴訟は、これまでの1047名闘争裁判の地平を突破し、その全体像を暴き出すギリギリのところまで迫っていた。だからこそ難波は、この事態の大きさに心底から震え上がり、なりふり構わず審理を打ち切ったのだ。
6・29判決の白石裁判長は左遷
敵がいかに追いつめられているのかを示すもう一つの事実が、いわゆる「白石事件」だ。
昨年6・29判決を出した東京地裁の白石哲裁判長は、2月27日の強制出向無効確認訴訟の時は裁判長の位置にあった。しかし今年3月以降、東京地裁民事第11部から突然姿を消した。3月13日に開かれた国労組合員資格確認訴訟では、廊下に張られた訴訟予定表には「白石哲」の名が書かれているのに、口頭弁論が始まるといきなり別の裁判長(団藤丈士)が現れた。常識では考えられない事態だ。
4月初め時点でも東京地裁のホームぺージには「民事11部裁判官 白石哲」と記載されていた。ようやく4月末になり、目黒区にある東京地裁民事執行センター(東京地裁民事第21部)に更迭されていることが分かった。民事執行センター判事とは、不動産執行手続きなどを事務的に処理するだけの閑職だ。
東京地裁民事第11部は全国の裁判所の中で「労働部の顔」ともいえる位置にある。ここの部総括判事だった白石を飛ばしたのだ。司法権力が自ら、その階級的本性をむき出しにして闘争圧殺に突っ込んできたのだ。
国鉄全国運動の大発展の時
国鉄1047名解雇撤回闘争は、総評解散―連合結成以来二十数年間の階級情勢を根底で規定し続けてきた。国家的不当労働行為を絶対にあいまいにせず解雇撤回・原職復帰をかちとる闘いであると同時に、現在の労働者と労働運動をめぐる攻防そのものだ。難波裁判長による5・8結審強行には”ここで国鉄闘争の火を絶対に消さなければならない”という国家意思が貫かれている。
逆に言えば、2010年4・9政治和解の大反動を突破して国鉄闘争を継続し、国鉄闘争全国運動を懸命に大衆運動として展開してきた意義ははかりしれないほど大きい。本当の力勝負は、いよいよここから始まる。
安倍政権は、公務員攻撃を戦略的柱に据え、全労働者に対する画次元的な賃金破壊の突破口にしようとしている。これと大阪市長・橋下徹を先頭とする自治体丸ごと民営化、さらに労働規制撤廃攻撃が一体となって、国鉄分割・民営化を十倍する攻撃が始まっている。この情勢の中で1047名闘争が支援陣形を広げながら意気軒高と闘い抜かれていることを、もはや支配階級は容認できなくなっている。
改憲と戦争、沖縄新基地建設、原発再稼働も含めて正面突破を狙う安倍超反動政権に対する、労働者人民の危機感は強烈だ。雇用破壊・賃金破壊への怒りと改憲・戦争への危機感が結びつく時、労働者階級人民の決起は巨大な規模で始まる。
今必要なのは、その核となって団結を組織し、”労働者の団結した闘いは社会を変える力になりうるんだ”という具体的な闘いが社会的に登場することだ。全職場から反合理化・運転保安闘争をつくり出すとともに、今こそ1047名闘争をめぐる全事態を徹底的に労働組合の中に持ち込もう。6・9集会の空前の大結集へ全力で闘おう。
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訂正
前号2面の動労総連合出向無効確認訴訟の記事中、4段目13〜15行の「原告代理人を激しく弾劾した。原告代理人は」とあるのは、「被告代理人を激しく弾劾した。被告代理人は」の誤りでした。おわびして訂正します。
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【国労組合員資格確認訴訟】
5月22日(水)午前11時
東京地裁527号法廷
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週刊『前進』(2584号2面2)(2013/05/20 )
動労千葉夏季物販に全力を
物販・署名で全労働者の中へ
動労千葉夏季物販の全国オルグが始まりました。今夏の物販はかつてないほど重要な闘いになりました。国鉄闘争全国運動6・9全国集会まで残り3週間、大結集に向けた最大の武器は「解雇撤回・JR復帰」要求の10万筆署名と動労千葉夏季物販です。全力での取り組みを訴えます。
国鉄型解雇を打ち破る展望がここにある
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の5・8結審と、公務員賃金一律カットや大阪市長・橋下を先頭とする国鉄型の自治体丸ごと民営化攻撃は一体の攻撃です。今こそ10万筆署名と動労千葉物販を一体で取り組み、公務職場を始めとする全労働者の中に分け入ることが本当に決定的です。国鉄型解雇を打ち破る展望は、動労千葉の30年に及ぶ闘いの中に鮮明に示されているからです。
国鉄分割・民営化は、20万人首切りの恫喝によって労働組合に屈服を迫り、労組幹部を先兵とすることで現場労働者の団結と闘いを根絶することに核心的な狙いがありました。動労カクマルは自ら積極的に首切りの先兵となり、国労本部はついに一度も闘う方針を出すことなく国労組合員を敵の攻撃の前に売り渡しました。とりわけ動労カクマルは、国鉄当局さえできない卑劣な手口で国労のみならず動労組合員さえ脅迫し、職場から追い出していきました。200人に上る自殺者の中には国労組合員だけでなく動労の組合員もいます。
これに対して動労千葉は、「国鉄分割・民営化絶対反対」の方針を鮮明に打ち出し、「去る者」と「残る者」との分断を許さず、全組合員がストに立ち上がることで職場生産点での団結と闘いを守りぬき、胸を張ってJRに乗り込みました。
重要なことは、実際に解雇になったのは、85〜86年にストを闘って公労法解雇になった動労千葉の28人と、90年4月の1047名の解雇者(国鉄清算事業団からの最後的解雇)だけだということです。残りの20万人は、「自主退職」という形で解雇撤回を闘う権利すらあらかじめ奪われて職場を追われたのです。2009年末の社会保険庁解体においても最終的に解雇されたのは525人、日航「再建」攻撃で整理解雇されたのも165人で、残りはすべて「自主退職」です。
ここに民営化攻撃の核心があり、同時に弱点もあります。われわれは、この数年間の階級的労働運動の実践の中で、失敗と成功を繰り返しながらも、各産別や合同労組で多くの勝利の経験を積み重ねてきました。その結論として言えることは、どんな職種でも、非正規職でも、反合理化・運転保安闘争の実践は可能だということであり、また労働組合が団結して闘うならば資本が自由に解雇することなどけっしてできないということです。ブルジョアジーが今「解雇自由」を声高に叫んでいるのは、国鉄分割・民営化から30年近くがたっても、いまだに「解雇自由」が実現していないからです。
4大産別を軸に反転攻勢に今こそ立とう
支配階級は、改憲をも射程に入れ、国鉄分割・民営化攻撃を通してあらゆる抵抗勢力を一掃することを狙っていました。しかし今日においても国鉄・全逓・自治体・教労の4大産別労働運動は生き残り、それどころか自治労全国統一ストという形で現場からの反撃さえ始まっています。
それは、動労千葉が小なりとはいえ国鉄分割・民営化絶対反対のストに立ち、この闘いが1047名解雇撤回闘争を生み出し、巨万の国鉄闘争支援陣形をつくり出して不屈に闘い抜いてきた結果です。それが4大産別の団結と労働運動をギリギリのところで守り、敵の攻撃の前に立ちはだかってきたのです。
安倍政権は、成算があって7・8%賃金カットや、公務員360万人解雇―選別再雇用の攻撃に突っ込んできているわけではありません。なぜなら公務員360万人全員の生首を切ることなど絶対に不可能だからです。「アベノミクス」も「異次元の金融緩和」も、すでにその破綻は次々とあらわになりつつあります。しかし、どれほど破滅的であっても、日本帝国主義にはそれ以外に選択肢はないのです。
なによりも敵は公務員労働者の怒りの決起を死ぬほど恐れています。6月地方議会での7・8%賃金カット採決をめぐって、4・26ストをはるかに超える闘いが巻き起こることは不可避です。
敵階級には、この1千万人とも言われる公務員・公共民間労働者の決起を押しとどめるすべはありません。国鉄分割・民営化は、動労カクマルの全国鉄労働者に対する「襲撃」とも言える裏切りがあって初めて可能になりました。しかし、良くも悪くも自治労には、動労カクマルほど強烈な反革命的党派性を持った勢力は存在しません。現場労働者がその怒りを燃え立たせて根底から立ち上がった時、その決起を抑え込むことは絶対に不可能です。
ストに立ったすべての労働者を6・9へ
巨大な階級決戦が到来しています。労働者階級本隊が確実に動き始めています。公務員・公共民間労働者の中核には、国鉄闘争支援に結集してきた「百万人」と言われる現場労働者が闘いの配置についています。
全国の職場で奮闘する動労千葉派が、「1047名解雇撤回!」の大義を掲げて登場し、自治労スト貫徹の先頭に立つことが、この決戦の帰趨を決定します。われわれの闘いは、今や完全に情勢決定要因となっています。
今こそ革命党の責務を果たす時です。革共同の50年の歴史は、この日のためにあったと言っても過言ではありません。
この5〜6月、動労千葉物販を水路にして6千万労働者階級の中に全力で分け入りましょう。「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名は、国鉄分割・民営化と新自由主義攻撃の真実を暴き出し、動労千葉の闘いをより広範な労働者に持ち込むための最良の武器です。
動労千葉の勝利の教訓は、必ずや現場で苦闘する仲間に展望と確信、さらなる闘いへの勇気をもたらすはずです。自治労ストを闘った全労働者に6・9集会への結集を呼びかけよう。6・9集会の大結集をかちとり、6〜7月の大攻防へともに攻め上ろうではありませんか。
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◇販売品目◇ (円)
1 天津甘栗 450
2 焼カシューナッツ 650
3 レアチーズケーキ 950
4 甘納豆(3種) 630
5 ナッツ&フルーツ 500
6 三陸わかめ 550
7 やわらか手羽煮 580
8 もつ煮 750
9 われせんべい 700
10 ロシアンケーキ 1000
11 こんにゃくゼリー1300
12 煮豆セット 2100
13 バームクーヘン 1500
14 アソートゼリー 1500
15 稲庭うどん 2000
16 ししゃもの燻製 900
17 どんこ 1000
18 即席みそ汁 1300
19 野菜たまごスープ1300
20 スティックチーズ 900
21 ブレンドコーヒー 900
22 ベジタブルチップス 1050
23 さんま丼 600
24 もずくスープ 550
25 静岡茶 650
26 もりおか冷麺 1100
27 つけめん 1000
28 長浜ラーメン 1200
29 北信濃手折りそば 1800
30 島原てのべそうめん 1300
31 博多冷し中華 1200
32 トマトジュース 1200
33 梅にんにく 1300
34 日高昆布 1000
35 ひじき 650
36 根昆布しょうゆ 600
37 天然だしパック 1300
38 ナガイの焼きのり1700
39 紀州南高梅 1500
40 ビーフカレー 3000
41 くまモンバスタオル 1600
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週刊『前進』(2584号2面3)(2013/05/20 )
「総非正規化」と一体の攻撃 外国人技能実習制度廃止を
江田島事件で抗議行動
広島連帯ユニオン
広島連帯ユニオンは、今年3月14日の江田島カキ養殖加工「川口水産」での中国人実習生事件で突き出された外国人技能実習生の奴隷的労働実態について、5月1日、国際研修協力機構(JITCO)広島駐在事務所への抗議の申し入れを行った。
JITCOは、外国人の「研修・技能実習」制度の実務の一切を国から任されている公益財団法人だ。今回の事件の責任を取るべき機関だ。
広島連帯ユニオンは06年3月、「ひろしま交流協同組合」で働いていた組合員から、中国人女性労働者を「カキ打ち」(カキの殻むき作業)で時給300円という「低賃金」で働かせていた実態を知らされ、怒りに燃えて闘ったことがある。
当該組合員は、違法ブローカー(中間搾取団体)の指示で違法行為を強制され、”労働者の魂は売り渡せない”とユニオンに加入して協同組合と闘った。そして未払い残業代を全額、協同組合に支払わせる勝利をかちとった。
当時、広島連帯ユニオンは外国人労働者の組織化に着手したが、実現できなかった。今回の事件に直面し、あらためて外国人技能実習制度撤廃の闘いを合同・一般労組の重要な課題として取り組むことを決意するとともに、JITCO抗議行動に立ち上がった。この闘いは、職場・地域での国際連帯闘争としても重要な闘いとなった。
報道によれば、事件の当該となった中国人労働者(30歳)は、自らと家族の生存のために中国から「研修・技能実習」制度を通じて渡航し、カキ養殖会社で働いていた。
(写真 広島連帯ユニオンが、外国人実習生に奴隷労働を強いる国際研修協力機構を追及【5月1日 広島市】)
低賃金・使い捨て奴隷労働を強制
しかし、その実態は、「技能実習」などではなく、「使い捨て労働」そのものであり、劣悪極まりないものだった。
月給は13万円。ここから食事代、寮費、手数料を引かれて手取りは5万円以下。寝る場所は倉庫の隅、相談できる仲間もなく孤立し、雇用主の耐え難い仕打ちに対して怒りが爆発した。
この「研修・技能実習」制度(2010年7月以降、技能実習制度に統合)は、中国の「送り出し会社」で多額の費用を払わされた上に、日本の会社に文句を言ってはいけない、労働組合に入ってはいけない、賃金は3年後にしか払われないことを承認しろ、などという労働者を人とも思わない「誓約」を課していたのだ。職場・地元の仲間と分断し、労働者の誇りも奪い、「使い捨て」の低賃金労働を強いて、奴隷労働をさせていた。これこそ「研修・技能実習」制度の実態だ。
非正規職労働者の怒りそのもの
政府・入管当局、県知事、労働基準監督署、協同組合、受け入れ会社は、こうした実態を知っていながら外国人労働者に奴隷労働を強制している。湯崎広島県知事は事件後も「中国人労働者なしには事業は成り立たない。引き続き(広島に)来ていただきたい」などと平然と言い放った。これが「国際交流」「国際援助」なのか? 心底からの怒りがわいてくる。
今日の日本の非正規職労働者に対する扱いとまったく同じだ。新自由主義への労働者階級の怒りはひとつだと実感した。
今回の事件は「一部の限られた例」「特別なケース」ではない。この広島・江田島の実態こそ、今、政府・安倍政権が進める「10割非正規職化・解雇自由」「雇用の流動化」そのものであり、資本家階級が全世界の労働者に強制しようとしている新自由主義攻撃の中身そのものだ。
したがって、江田島の中国人労働者の怒り・無念は、私たち広島の、そして全国・全世界の労働者の怒りそのものであり、非正規職の青年労働者の怒りとひとつだ。
江田島事件は、昨年7月の入管法改悪=在留カード制度導入の真の狙いを白日のもとにさらした。それは日本の資本家階級の生き残りをかけて、劣悪極まりない非正規労働にアジアから労働者を動員し、これをテコにして日本の労働者を「10割非正規・首切り自由」にたたきこんでいくことだ。
国際連帯の闘いを職場と地域に
江田島事件では、労働組合の姿はまったく見えない。国境を越えた労働者の団結が職場にあれば、今回のような事態は避けられたに違いない。すべての労働者の寄る辺となる闘う労働組合=拠点が職場・地域で求められている。
JITCOの業務の一切は、外国人労働者を使い捨てにすることにつながっている。今すぐに業務を止め外国人技能実習制度を廃止せよ。
真に国境を越えた労働者同士の国際連帯をつくりだそう。ともに団結してすべての職場に闘う団結を取り戻そう!
(広島連帯ユニオン・奥村毅)
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週刊『前進』(2584号3面1)(2013/05/20 )
スト第2ラウンドへ
自治労中央委にあたり訴える
職場の怒り解き放ち闘おう
5月23〜24日に東京で自治労第145回中央委員会が開かれる。自治労全国ストライキ闘争第2ラウンド突入の戦闘宣言を発しよう。安倍政権の賃金・雇用破壊と全面民営化・道州制、改憲・戦争の攻撃との決戦だ。全国の職場で5月ストを貫徹し、6・9国鉄集会に大結集しよう。
(写真 自治労全国統一行動の4月26日、江戸川区職労働者と東部ユニオンが東京・江戸川区役所前でビラ配布)
労働者全体への賃金破壊
自治体首長が次々と公務員賃金削減を表明し、これと激突する自治労全国ストの第2ラウンドが始まった。国鉄決戦を基軸に安倍政権を倒す13年決戦前半の最大の山場が到来している。
公務員賃金破壊との闘いは、絶対非和解の階級決戦へと発展せざるを得ない。なぜなら、安倍政権には「公務員の岩盤を崩す」ことを突破口に、全労働者に対する賃金破壊・雇用破壊の階級戦争に打って出る以外に道がないからだ。
アベノミクスは、T千兆円を超える破滅的な政府債務と為替戦争・通商戦争をもたらし、早くも長期金利上昇、バブル崩壊と国債暴落が始まろうとしている。ギリシャをも超える歴史的大破綻が迫っているのだ。
労働者の我慢は限界に達した。生きる糧も希望も奪う攻撃に直面した労働者の根底的決起が始まった。動労千葉・動労水戸を先頭とする外注化阻止・非正規職撤廃、反原発・被曝労働拒否の3月JRストは、87年国鉄分割・民営化と総評解散・連合結成以来初となる4・26自治労全国スト情勢をつくり出し、闘う労働運動の復権を掲げた5・1メーデーを切り開いた。民営化・外注化・非正規職化と超長時間労働のもとで分断され辱められ苦しめられてきた労働者の怒りを解き放つ階級決戦の始まりである。
ユニクロ・柳井正会長は「将来は年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく。……低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円の方になっていくのはしかたない」(4・23付朝日新聞インタビュー)と放言した。柳井のような1%の資本家のために99%の労働者が年収100万円にまで落とされてたまるか。
国鉄決戦と一体となって80万自治労組合員が団結をよみがえらせ、360万公務員労働者、1千万関連労働者、6千万労働者階級の先頭でストライキに立つ時が来た。
全員解雇・非正規職化に直結
公務員賃金破壊は、自治体丸ごと民営化=全員解雇・10割非正規職化と一体の攻撃だ。
産業競争力会議や規制改革会議で「アベノミクス戦略特区」が提唱され、官業の民間開放と称する全面民営化が、2030年までの世界インフラ投資約5400兆円の市場争奪戦のための競争力強化策として打ち出されている。JR東日本のグループ経営構想Xや大阪・橋下徹市長による市営交通、上下水道、清掃、保育、病院、学校などの丸ごと民営化で資本を延命させ、同時に競争力をつけ、国家戦略として原発や鉄道のパッケージ型輸出を全面化しようとしているのだ。
これは国鉄分割・民営化を数百倍、数千倍する政府資産・公共資産の民間売り渡しである。競争力アップ・コスト削減のために公務員360万人首切りと労働組合解体を強行し、10割非正規職化と今以上の賃金破壊、超長時間労働を全社会化する。労働時間規制撤廃を始めとする規制緩和と全官業の全面民営化だ。猪瀬直樹都知事が維新の会の都議選ポスターで掲げる「地下鉄維新/眠らない東京へ/24時間ノンストップ運航」で24時間死ぬまで働かされることになるのだ。
改憲狙う安倍打倒しよう
全労働者の未来をかけて
竹中平蔵(人材派遣業のパソナグループ会長、慶應義塾大学教授)は、4月17日の第6回産業競争力会議で、立地競争力の強化に向けて「直ちに全国展開が困難な場合、特区で実験的導入」「最終的には、道州制のもと、地域が独自性を発揮して成長していく」と提言した。3・11後の復興特区を手本に、実質改憲に等しい違法不法を「特区」で先行実施・既成事実化し全面化しようとしている。
アベノミクス戦略特区こそ「国のあり方を変える」道州制・改憲攻撃の突破口であり、「公務員の岩盤を崩す」公務員賃金破壊や原発再稼働、TPP(環太平洋経済連携協定)、沖縄新基地建設、対中国・北朝鮮侵略戦争準備と一体の歴史的攻撃だ。
公務員攻撃をめぐる攻防は、国鉄とともに労働者の未来のかかった決戦であり、80万自治労のストライキ闘争の歴史的意義は明らかである。
スト貫徹から6・9集会へ
4・26自治労全国ストライキは、自治体労働者の団結力と戦闘性を歴史的によみがえらせるものとして闘い抜かれた。
あまりにも激しい賃金破壊攻撃に現場の怒りが火を噴き、既成労組幹部の敗北主義や当局とのパートナー路線を打ち破る荒々しい労働者魂が息を吹きかえした。ストライキを経験した世代が胸躍るような闘いの記憶を取り戻し、全体をリードした。
手取り十数万円で長時間労働を強制されてきた青年の怒りはストレートだ。「これ以上下げられたら子どもも育てられない」「これから入ってくる後輩たちに申し訳が立たない」「自分たちだけの問題じゃない」。職場の仲間が同じように怒り、闘いを望んでいることが、職場集会や一言メッセージ、ビラまき行動などをとおして明らかとなる中で、公務員バッシングの脅しも処分の脅しも消し飛んだ。ストライキを全力で構えることで怒りが解き放たれ、団結は日を追うごとに固まった。青年部建設が一気に進んだ。
闘いはこれからだ。階級的団結を総括軸に絶対反対で闘おう。強固な活動家集団を形成しよう。動労千葉の反合・運転保安闘争路線をわがものとし、全職場で闘おう。国鉄を先頭に労働者のストライキが激発する時、安倍打倒は現実のものとなる。
自治労中央委員会を労働運動を塗り替える戦闘宣言の場としよう。全国の職場で自治労ストを貫徹し、6・9国鉄全国集会の大結集で安倍打倒に攻め上ろう。
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週刊『前進』(2584号3面2)(2013/05/20 )
都営交通24時間運行 労働者を眠らせない猪瀬!
反合・運転保安で反撃を
4月17日、安倍首相が議長を務める産業競争力会議は、竹中平蔵(株式会社パソナグループ会長、慶應大学教授)の提案により「国家戦略特区(アベノミクス特区)」と「都営交通24時間運行」を打ち出した。
東京都知事・猪瀬直樹も15日、ニューヨークで「都バス24時間化・地下鉄も検討」と発言。さらに猪瀬は、維新の会都議選候補とのポスターで「地下鉄維新」「眠らない東京へ/24時間ノンストップ運航」とぶち上げている。
竹中自身が17日、「猪瀬知事や大阪の橋下市長とも連絡を取り合って、今日の提案を行った」と述べているように、安倍、猪瀬、橋下・維新の会が一体になって襲いかかってきたことを軽視してはならない。
東交(東京交通労働組合)労働者はもちろん、東京の全労働者にとって決定的な決戦が到来したのである。
全面屈服へと走る東交幹部
世界大恐慌下、帝国主義の延命をかけて全反動勢力が密集して東京の地下鉄の一元化=民営化(都営地下鉄を民営化し東京メトロと統合する)に突撃し始めた。これは本紙前号3面で暴露したように、資本家の徹底したボロもうけのための全面民営化・民間開放であり、原発と並ぶ鉄道のパッケージ型輸出であり、労働者・労働組合への全面攻撃である。真正面から対決して粉砕しよう。
東交幹部を始めとする労組幹部の中では「できっこない」との声が振りまかれ、東交・安田委員長は早々と「協議には応じる」と表明している。しかし、国鉄分割・民営化の時も、郵政民営化の時も、多くの労組指導部が「できっこない」と称し闘いを構えずに敗北の道を歩んだことを絶対に忘れてはならない。
猪瀬自身も認めているように、保守点検などの安全を考えれば、複々線にしない限り「完全な24時間化」は不可能である。それでも猪瀬は「始発を早め、終発を遅くすれば可能」などと、安全を無視して強行することを公言している。
大恐慌と3・11情勢の中、そこまでしなければ脱落日帝が生き延びられないからである。安全がどんなに崩壊しようが、労働者がどんな目に遭おうが、社会を崩壊させることになろうとも強行する――それがアベノミクスだ。日帝ブルジョアジーは、現在の極限的な労働強化と長時間労働でも飽きたらず、全労働者を24時間働かせる以外にないところに行き着いたのである。
戦略特区攻撃は、道州制の先取りでもある。猪瀬は、橋下が大阪の公的財産を全部ブルジョアジーに差し出そうとしているのと同じように、東京の資産を資本家連中の好き放題にさせようとしている。それが地下鉄の一元化=民営化であり、「世界一ビジネスのしやすい事業環境をつくる」ということである。
利益優先・安全無視・労働強化
そもそも東京の地下鉄は老朽化の上に3・11大震災でひび割れだらけで、水漏れ・崩落事故が続発している。要点検個所は都営三田線だけで800カ所、都営浅草線にいたっては3千カ所と言われている。「目視」だけの不十分な点検だけでも6月までかかると言われ、現状深夜2時間しかない作業時間で、三田線の補修には20年かかるという絶望的状況である。
今でさえ補修費用が足りずまともな対策が行われない中で、一元化=民営化によって利益優先・安全無視は極限的に進むことになる。猪瀬が「維持管理費3割削減」を叫んで強行した道路公団の民営化は、笹子トンネル崩落事故という重大事故を引き起こした。東交労働者に過酷で危険な労働を強制するとともに、大事故に直結する「地下鉄24時間化」を東交−都労連、東京の全労働者の怒りで粉砕しよう。
今こそ動労千葉や動労水戸が切り開いた反合・運転保安闘争路線の威力を発揮する時である。
11年3・11の当日、当時の都知事・石原は「一番早く動いた」という宣伝のためだけに、トンネル点検も終わっていないにもかかわらず都営地下鉄の運転再開を強行した。当然にも各所で労働者の自発的な運行拒否が起こった。まさに東交労働者の誇りをかけたやむにやまれぬ決起だった。
今も人員削減やワンマン化によって事故が頻発し、当局がこれを労働者のせいにしようとすることに現場の怒りが噴き出している。合理化・安全無視との対決−040−ここに勝利の道がある。
攻撃の最大の目的は東交を始めとする労働組合の解体である。猪瀬は6月都議選で日本維新の会と組んで、大阪・橋下と同様の労働組合破壊と雇用破壊、賃金破壊を東京でやろうとしている。
現場から抵抗を広げよう!
猪瀬は年初に、「メトロの賃金を下げて、都営の賃金は下げないから組合は協力を」と述べ、卑劣な分断で東交の屈服を迫った。しかしこの言辞は東交を組み伏せるためのまったくのうそっぱちである。
同時にそこには東交―都労連労働者の反乱への恐怖がある。昨秋29分ストに立ち上がった都労連の闘いは猪瀬に底深い恐怖を与えている。
大阪でも、大交(大阪交通労組)―大阪市労連執行部の全面屈服をのりこえて、青年を先頭に下からの反乱が猛然と広がり、橋下・維新の会の凋落(ちょうらく)が始まっている。橋下にひれ伏して自ら解体・敗北の道を歩む大交―市労連幹部の道を拒否しよう。
東交でも現場から青年の抵抗が広がっている。今こそ東交―都労連の底力を発揮して、猪瀬打倒に立ち上がろう。闘う組合を取り戻そう。
全国自治体にかけられている安倍による7・8%賃下げ攻撃に対して、必死で4・26ストライキ情勢を切り開いた全国の自治体労働者とともにストライキで闘おう。
この闘いは、1047名解雇撤回、外注化・非正規職化阻止、被曝労働拒否の国鉄闘争と一体となって闘う時に真に威力を発揮する。実際多くの東交―都労連傘下の労働者や組合が「解雇撤回・JR復帰」10万筆署名に次々と応え始めている。6・9大集会に結集し、団結して安倍・猪瀬打倒へともに闘おう。
(武田圭介)
(写真 「地下鉄維新」「眠らない東京へ/24時間ノンストップ運航」を掲げた猪瀬の都議選ポスター)
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週刊『前進』(2584号3面3)(2013/05/20 )
「郵政2021」粉砕をA
「新一般職」で10割非正規化 「新人事・給与制度」導入狙う
「郵政グループビジョン2021」は、本紙前号3面で暴露したように、「事業危機」論をもって、郵政民営化の破産を労働者を犠牲にして突破しようとするものである。さらに何よりも安倍政権の規制改革会議や産業競争力会議が進めようとしている「雇用の多様化・準社員化」「労働時間、賃金の多様化」を真っ先に実行しようとする攻撃だ。労働者階級全体の未来をかけて打ち砕こう。
「2021」の狙いは、一言で言うと大幅賃下げと10割非正規化である。そのために新たに導入されるのが「新一般職」だ。今号では8月のJP労組大会で「承認」=導入が狙われる「新人事・給与制度」「新たな労働力政策」について暴露・批判する。
2万1500人の人員削減
今年1月のJP労組中央委員会議案(付属討議資料)で「新人事・給与制度」と併せて「労働力政策」を公表、郵便事業にかかわる労働者をこれまでの削減の上にさらに2万1500人も削減する会社の計画を明らかにした。12年4月時点での人数18万1千人を、18年には16万8千人に、そして「あるべき姿」として15万9500人にしようというのである(図参照)。どこまでおれたちをこき使おうというのか!
今、郵便職場は引き続く雇い止めと退職者の不補充などの人減らしによって大変な状態になっている。郵便外務では穴が空いた勤務指定表を作らざるを得ない班が続出し、3〜4時間の超勤やマル超(休日の買い上げ)でやっと回している現状だ。郵便内務の泊勤務では、服務線表(勤務時間)どおりに休息を取ったら時間によっては労働者が誰もいなくなる状態で、厚生労働省の過労死ライン週45時間以上の時間外労働(サービス超勤)が常態化している。
この徹底した人減らし合理化の中で傷つきメンタルの病気や健康被害が多発している。内務労働者は深夜勤労働の中で日々命を削られ、外務労働者は過密労働による交通事故で死亡事故まで起きているのである。
では「新人事・給与制度」で新しく導入される「新一般職」とは、どんな労働条件か? 賃金は最高年収で450万円、退職金は最大で1200万円である。この金額は現在の正社員の半分。併せて「新人事・給与制度」による査定給が大幅に導入されるため、この金額を全員が受け取れるわけではない。大多数の労働者はもっと低額になるのである。
管理職以外は全員非正規に
また現在の正社員は、横滑りで「地域基幹職」なる名の主任・一般社員になると言われているが、まったくのデタラメだ。図でも明らかなように、現在の正社員は管理者・役職者とその予備軍以外は、ほとんど全員が「新一般職」にされる。つまり出世を望まず異動に応じない労働者は、退職か「新一般職」に追い落とされるのである。現場に残る正社員は一握りの管理者・役職者の予備軍だけであり、現場を「新一般職」と非正規だけにしようというのである。
また会社は「非正規は新一般職に採用されやすくなる」と言っているが、ふざけるな! 会社は、7万人近くの非正規労働者の存在を維持する計画で、絶対に非正規労働者をなくさないのだ。「新一般職」の導入は、安倍政権の産業競争力会議が推進しようとしている準社員制度の導入であり、全員の非正規職化攻撃なのである。こんなものは労働者にとって1ミリの利益にもならない。粉砕以外にない!
以上のようなすさまじい人減らしと賃下げを実現するために導入しようというのが「新人事・給与制度」である。それは賃金の大幅ダウンと、局や支店、班、個人で徹底的に競争させ、仲間を蹴落とし、団結を解体し「生産性を向上させる」ことを目的にした制度である。業務や営業を日々ポイント化し、その積算したポイントを基にA〜Eの5段階で全労働者を区別・差別する。そのランクによって給与・昇給・退職金などを決めるというのである。
この全業務のポイント化のためにDOSS(集配業務支援システム)の導入がすでに始まり、6月には全国に導入されようとしている。「新人事・給与制度」の狙いは「ポイント欲しさ」に時間前着手や昼休みも十分に取らずに配達するなど、ただ働きを強いるものであり、一人ひとりの労働者を徹底的に管理し屈服させる団結破壊だ。さらに班別配分の導入でゆうメイトの仲間も競争に巻き込み、「連帯責任」として正規職にも非正規職にも賃下げや雇い止めをやろうとするものだ。
郵政で「反合・運転保安」闘う
こんな攻撃を許したら労働者は生きていけない! 一層の分断と競争、いがみ合いの職場にたたき込もうとする「新人事・給与制度」を粉砕しよう。JP労組大会に向けて「反対」の支部・分会決議を上げよう。
新人事・給与制度を阻む力は、職場で当局の合理化施策と闘う団結であり、その団結を労働組合として組織していくことである。新自由主義の大合理化攻撃である「2021」粉砕の闘いに立ち上がろう。新自由主義と闘う郵便職場での「反合理化・運転保安闘争」路線を確立して闘おう。
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週刊『前進』(2584号3面4)(2013/05/20 )
闘いは進む 青年の職場から
年金事務所 異動、雇い止めで業務の継承も崩壊
東北 春山和希
●来年3月末に大量解雇
全国のハローワークで2200人の非正規労働者が3月末に雇い止めになりました。あるハローワークでは11人が雇い止め。職員の異動、繁忙期の4月にもかかわらず補充はゼロ。月の半分しか働くことができない労働者もいて、兼業している労働者もいる。失業者の相談に乗る機関で働く労働者が、安心して働けていない状況です。
同じく厚生労働省管轄の年金事務所でも、年金記録問題の終結を迎える来年3月末には大量雇い止めが行われようとしています。一緒に働く多くの労働者が、更新なしの雇用契約書にサインをさせられ、働いています。
しかし、記録問題対応の予算枠の採用者は、その業務を行っていないのが大半です。予算消化をもって年金記録問題が解決したとでも言うつもりなのか。2200万件が未解決となっていて、多くは解明が難しいと言われています。
●職場の分断のりこえ
年金記録を確認する際、静脈認証が行われ、誰がいつどのような記録を見ているか管理されています。監視カメラもさらに増設され、労働者への支配が強まっています。パワハラや労働者同士のいじめもあり、仲間の「な」の字もない散々な状況です。気に入らない労働者には徹底してあいさつすらしない上司もいます。
私自身も、正規職の青年労働者と衝突することが多々あり、向き合えば向き合うほど「正規職・非正規職の分断をのりこえることなんてできない」とすら思っていました。でも、めげずに向き合う中で、そのことは、仲間で話し合わず、競争し、自分の成績が上がりさえすればいいという生き方を青年に強制している新自由主義というこの社会への怒りだと、ようやく思えるようになれました。
●危険な“伝言ゲーム”
採用、雇い止めなどがある4月は、普段の2〜3倍の来客があります。さらに職員の異動もあるため落ち着かない状況の中で業務が回り、いらいらした空気が職場の中にただよっています。急いでやるとミスをする。「どんなに仕事が遅れようがきっちりやろう」と声をかけ合って仕事をしました。
人員がさらに削られようとしているけれど、そもそも絶対数が足りない。ここ数年でも業務に精通している労働者が転勤になり、有期雇用の労働者が仕事を引き継いでいる例もある。危険な“伝言ゲーム”です。誰も責任を取れない。制度の改正が多々あり、つぎはぎだらけの年金制度の上に、正規職労働者の異動、非正規職労働者の雇い止め。時間をかけて仕事を熟知することができず、仕事を仕事としてしっかりやる団結が破壊され続けています。老後の主たる収入源、人生を背負う仕事であるにもかかわらず、業務の継承も崩壊しつつあります。
●機関紙を武器に
現状を変えていく意味でも、職場、地域の労働者に闘いを伝えたい。労働者に自らが機関紙『前進』を届けずに誰が届けるのか、という原点に常に立ち戻り、青年労働者自らが機関紙をつくっていきたいと思います。
全国の仲間とともに地域で職場で闘っていきたいと思います。
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週刊『前進』(2584号4面1)(2013/05/20 )
福島と結び原発なくそう
NAZENぐんま結成
現地から母親と医師を迎え
5月12日、群馬県庁昭和庁舎で行われた「なくそう原発! つながろう福島! 5・12ぐんま集会」に50人が参加し、「NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)ぐんま」結成を宣言しました。
司会の女性が、11日に高崎で女性デモを行ったと報告して開会を宣言。
福島のお母さんの話は涙なしには聞けませんでした。「学校は『毎時3・8マイクロシーベルトまでは大丈夫』と言い、3・1マイクロある高校の校庭で雨の日も部活をさせた。娘は先輩からトイレに呼び出され『あなたはなぜいつもマスクをしているんだ』と脅された。水筒を持って行かせたら、先生が『水筒は禁止。水道水を飲むように』と言う。子どもの甲状腺に3_ののう胞が見つかった。医者は『甲状腺がんが見つかっても切ればいい』と言うが、子どもの体にメスを入れられる親の気持ちになってください。ふくしま共同診療所こそ私たちの希望です。しかし診療所を非難する人がいる。そういう人たちには『あなたたちが福島に医者を連れてきて病院をつくってくれるのか』と言いたい。みなさん、診療所を守ってください」
真剣な訴えに全員が拍手で応え、「母の日」のバラの花束を贈呈し、福島と気持ちをひとつに進むことを誓いました。
続いてふくしま共同診療所医師の布施幸彦さんが、診療所の大きな意味を示しました。「福島の医師の8割は福島県立医大出身で、山下俊一の言うことを聞かないとやっていけない。良心的な医者が県民の気持ちに寄り添う診療をしたら、医者の集まりで『勝手なことをするな』と罵倒(ばとう)された。福島のほかの医者からも『ふくしま共同診療所に、福島の状況にぜひ風穴を開けてほしい』と言われているので、私も頑張ります」と、今の職を辞めて群馬から福島に赴任する並々ならぬ決断を明るく語りました。
3・11以降、群馬で数百人から2千人以上のデモを繰り返して来た「原発とめよう群馬」を代表して加賀谷富士子さんが『参院選で原発再稼働と改憲の自民党を負かしたい』と熱く語りました。
NAZENの織田陽介事務局長は、動労水戸の被曝労働との闘いの中に原発廃炉の展望があること、労働組合の持つ可能性を熱く語り、群馬を皮切りに全国にNAZENをつくると話しました。
最後に群馬合同労組の清水彰二書記長が魂のこもった結成宣言を読み上げ、NAZENぐんまの結成を宣言しました。
結成に向かう1カ月、「すでに原発反対の運動はあるのに、なぜNAZEN結成か?」という話し合いを重ねました。多くの人が「口先でいろいろ言う人よりも実際に闘っている人を信じる」と語り、「NAZENの闘いが広がることが、反原発闘争に新たな生命力を吹き込み、安倍政権の原発再稼働を打ち砕く道だ」と討論しました。
NAZENぐんまは福島・全国の仲間とともに闘います。
(群馬 田島)
(写真 福島のお母さんの訴えや共同診療所の布施医師の講演に参加者全員が聞き入った【5月12日 前橋市】)
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週刊『前進』(2584号4面2)(2013/05/20 )
テント守りぬくぞ
経産省前、怒りの抗議行動
5月10日午後5時から、経済産業省前において「訴訟を取り下げろ! 経産省抗議行動」が多くの労働者民衆の参加で行われた。行動には斎藤郁真委員長など全学連の学生たち、NAZENや8・6―8・9実行委員会の仲間も駆けつけ、激しい怒りを噴出させた。
集会に先立ち、代表団が茂木敏充経産相への「土地明け渡し訴訟の取り下げを求める署名」の提出を経産省に求めた。だが経産省側は庁舎への立ち入りを妨害。約40分にわたって座り込み抗議して立ち入りを認めさせ、福島の女性など2人が提出行動を行った。
この行動と並行して集会が始まった。最初に、テントひろば代表の淵上太郎さんが「3・11の原発事故とそれ以降の政府の無責任な対応に多くの人たちが怒った結果、このテントが存在している。経産省には原発政策の重大な責任がある。経産省に怒りをたたきつけたい」と表明した。作家の落合恵子さんは「テントひろばに対する攻撃は、原発に反対している全国の人たちへの攻撃です。声をあげていきましょう。進めているのは、改憲をやりたくて、国防軍を作りたくて、TPPをやりたくて、命と反対の方向に向かっている政治家です」と訴えた。
多くの拍手に迎えられ双葉町から東京に避難している亀屋幸子さんが発言に立ち、「茂木大臣、よく聞け! 私は避難して毎日泣いて暮らした。テントひろばと出会って救われた。私は原発事故で古里を奪われた。テントは第2の古里だ。皆さん一緒に頑張ってください」と声を振り絞った。
たんぽぽ舎の柳田真さんは「テントは福島の人たちを助け、拠点となっていると同時に、全国の希望の光になっている。大衆的な運動でテントを守ろう」と呼びかけた。
「テント撤去」攻撃への怒りの爆発に追いつめられた経産省と権力は10日、テントスタッフのBさんをデッチあげ不当逮捕した。絶対に許せない! 警察はBさんをすぐに釈放しろ!
(写真 安倍政権の「テント撤去」攻撃に対し経産省前は抗議の人びとであふれた【5月10日】)
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週刊『前進』(2584号4面3)(2013/05/20 )
首相官邸前で安倍弾劾の声
5月10日午後6時から、首相官邸・国会前などで金曜行動が行われた。官邸前でコールが始まった(写真)。「原発売るな!」「トルコに売るな!」「どこにも売るな!」。安倍政権の原発再稼働と輸出政策に労働者民衆の怒りは高まるばかりだ。発言では、ハワイから参加した青年が「官邸にいる諸君、聞いているか! 原発は必要ない。私たちは猛烈に怒っている!」と怒りをたたきつけた。
国会前でも多くの人が発言。埼玉県から参加した男子学生は「安倍首相、原発をなくせ! みんなが集まれば国家権力にも勝てると信じている。覚悟しておけ!」と若い魂の叫びを発した。
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週刊『前進』(2584号4面4)(2013/05/20 )
つながろうフクシマ! さようなら原発
6・2集会に大結集を
6月2日、東京芝公園23号地において「6・2つながろうフクシマ! さようなら原発集会」が開催される。集会は12時30分開始。ライブ演奏の後、作家の大江健三郎さん、落合恵子さんらが発言する。集会後、日比谷公園・中幸門までデモ行進。さらに、同日午後4時から7時まで国会議事堂周辺での抗議行動も行われる。全国から結集し、「再稼働やめろ! 原発なくせ!」の声を都心の空に響かせよう!
大恐慌と大争闘戦への突入の中で、安倍政権は生き残りをかけ原発再稼働と、アジア・中東から東欧まで、世界中への原発輸出を推進しようとしている。経産省前テントへの不当な「仮処分」策動は原発再稼働に向けた攻撃にほかならない。絶対に許すな!
だが、安倍の改憲・戦争と原発推進を始めとする超反動攻撃に労働者民衆の怒りが沸騰しつつある。4・26自治労ストライキ情勢と5・1メーデーの勝利を引き継ぎ、6・9国鉄集会と一体で、6・2集会・行動を大成功させよう!
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【要項】6・2NO NUKES DAY
6・2NO NUKES DAY
6月2日(日)
つながろうフクシマ! さようなら原発集会
芝公園23号地/12時30分開会
午後2時15分/パレード(日比谷公園まで)
主催/「さようなら原発一千万署名」市民の会
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反原発☆国会大包囲
午後4時/国会包囲 5時/国会前大集会
主催/首都圏反原発連合
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週刊『前進』(2584号4面5)(2013/05/20 )
三里塚反対同盟 農地裁判の弁論再開を
新証拠で地裁に申し立て
NAAの土地特定は誤りだ
5月13日、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団は、千葉市で記者会見を行い、市東孝雄さんの農地裁判(行政訴訟と農地法裁判が併合)について新たな証拠に基づいて千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)に対し、弁論再開の申し立てを行ったことを明らかにした。さらに、反動判決を粉砕し勝利するために、千葉市での7・14全国総決起集会をはじめ7月に向けての闘いの方針を鮮明に打ち出した。
この日、午前に千葉地裁民事第3部での第3誘導路裁判の弁論を闘いぬいた反対同盟と弁護団、支援者は、閉廷後ただちに弁護士会館に設けられた記者会見会場に集合した。新聞記者とテレビカメラが注目する中で、伊藤信晴さんの司会で記者会見が始まった。
最初に北原鉱治事務局長があいさつに立ち、市東さんにかけられている農地取り上げの攻撃を弾劾し、「マスコミは真実を伝える責任がある」と鋭く迫った。
続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が報告を行った。
この日の開廷前に弁護団は、農地裁判の弁論を再開するよう申立書を千葉地裁民事第3部に提出した。
この間、地裁民事第2部に係属する「耕作権裁判」において、NAA(成田空港会社・旧空港公団)がこれまで隠し持っていた文書類が、地裁の決定に基づいて開示された(「週刊三里塚」第870号参照)。そこには、旧地主との買収交渉当時における公団が認識していた南台の土地の現況図が含まれていた。
その図は、農地裁判における最大の争点であった「NAAによる市東さんの耕作地の位置特定の誤り」を決定的に証明するものであった。これまで反対同盟側が繰り返し指摘してきた「市東家が一度も耕作したことのない土地=南台41−9」の部分に「石橋」と書かれていたのだ。言うまでもなく「石橋家の耕作地」の意味である。
まさにNAAが明け渡しを求めて裁判を起こした土地の特定がまったく誤っていたことが、NAAの前身である空港公団の文書によって明らかにされてしまったのだ。これは訴訟の前提が根底から覆されたに等しい。
さらに今回の新証拠の図には「昭和13年〜45年」と書かれている。すなわち、1938年という戦前から70年当時を経て、市東家が現在の耕作地を耕し続けてきたことを、当時の公団の図面がはっきりと物語っているということだ。
NAAは一貫して自らの誤りを認めず、旧地主と市東東市さんとの間で交わされた「同意書」「境界確認書」なるものを自らの主張の根拠にしてきたわけだが、これらが偽造文書であることがいよいよはっきりした。
NAAはこのように卑劣な証拠隠しと文書偽造で、市東さんが丹精込めて耕している農地を奪おうとしているのだ。
この新証拠は実に決定的だ! すでに農地裁判は3月に結審し、判決日を7月29日と定めているが、この新証拠を多見谷裁判長に突きつけ、弁論を再開させ証拠採用させなければならない。
記者との活発な質疑応答が行われ、最後に萩原進事務局次長が発言した。「市東さんは”他人の土地を不法に耕作している”と裁判に訴えられマスコミにも書かれ、屈辱を味わった。それが誤りだと分かった今、マスコミの方々は責任を感じつつ真実を明らかにしてほしい。この新証拠を無視して判決を書くことはできないはずだ。反対同盟は三大方針を決定した。(1)7・14全国総決起集会を千葉市内で開催する。(2)農地取り上げに反対する緊急3万人署名を集める。(3)現地調査、交流会、援農などを通して多くの人びとの三里塚現地への結集をかちとる。三里塚は、沖縄、福島、そして動労千葉を先頭とする労働者の隊列と団結して闘っていく」
この鮮明な方針が大きな拍手で確認され、記者会見は締めくくられた。
(写真 反対同盟が記者会見。新証拠を武器に弁論を再開させ、市東さんの農地を絶対守ると宣言)
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【三里塚裁判傍聴を!】
◎天神峰ヤグラ裁判
5月21日(火)午前10時30分 千葉地裁
◎団結街道裁判
6月18日(火)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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週刊『前進』(2584号4面6)(2013/05/20 )
香港港湾非正規労働者の闘い勝利
不屈のストと国際連帯貫く
過酷な労働条件に怒り爆発
3月28日から香港港の港湾非正規労働者が賃上げなどを求めるストライキに突入し、40日間にわたるストの末、5月6日に勝利的に終結した。港湾埠頭(ふとう)業職労働組合は「闘いはまだ終わっていない」と闘いの継続を宣言している。
ストライキが闘われた香港港にある香港国際コンテナ埠頭は、香港最大のブルジョアジー・李嘉誠の旗下にある貿易会社・和記黄ほ有限会社が支配しており、この会社の昨年の貿易業によるもうけは、57億香港j(約740億円)に上るといわれている。
コンテナなど港湾の現場で働く労働者のほとんどが非正規であり、派遣会社を通じて集められる。12時間労働、24時間労働もある。そして賃金は24時間労働でも日給で1300香港j(1万6900円)。一週間の労働時間は70〜80時間で、低賃金での重労働となっている。クレーンなどの機械から離れられず食事も仕事をしながら取っている。自由にトイレにも行けない。天候が悪くても、ビル8階の高さでの作業を命綱なしで行わなければならない。貨物検査係も6〜8人一組でやっていたのを、人員削減で3〜4人一組に減らされている。大型機械や高所での海上作業などで労働災害が頻発しているが、会社はそれを隠蔽(いんぺい)し、死亡事故が起きても口止め料を払ってもみ消している。
こうした港湾の非正規労働者の過酷な労働への怒りが、李嘉誠資本への怒りとなって爆発した。ある労働者は語っている。「私たち香港人は皆、李嘉誠のために生涯働くこととなる。李財閥は香港の急激な経済発展を推進したが、一方で貧困者を空前の比率で生み出した。香港の中心街の華やかなネオンは、(貧乏人の)監獄のような苦しみを隠すことなどできない。香港の奇跡には、労働者の血と汗の労働がしみついている」
(写真 李資本と裁判所による港湾立ち入り禁止令と対決して集会を開く港湾労働者【香港】)
闘いはまだ終わっていない
労働者は40日間の不屈のストライキを闘い、メーデーには5000人のデモを行い、数度にわたる集会・デモで李資本の拠点である長江実業グループ本部ビルや香港特別行政区政府を徹底弾劾した。また、李資本と裁判所による港湾立ち入り禁止令と対決し、長江実業グループ本部ビル前を連日占拠して闘った。
このストライキは一日あたり500万香港j(約6500万円)の損失を資本に強制したといわれ、追いつめられた李資本はついに以下の5点を認め、ストライキは勝利的に終了した。@すべての労働者の基本給9・8%の賃上げ、A労働者が自分の判断で機械(クレーンなど)を止めて、食事を取れるようにすること、B労働者が必要なときに仕事場を離れてトイレに行けるようにすること、C会社は労働者に協力して職場の安全や労働者の健康の状況について調べ、積極的に改善計画を実行すること、D労働者を平等に扱い、ストライキに参加した労働者の責任を追及しないこと。
この勝利は画期的である。何よりも非正規労働者の不屈の闘いがかちとった歴史的な勝利である。だが、組合側が当初から要求していたのは23%の賃上げであり、また資本は港湾埠頭業職労働組合をいまだに正式に労働組合として認めていない。
港湾埠頭業職労働組合総幹事の何偉航氏は、「今回のストライキの勝利はまだ半分だと考えている。資本を追いつめて、全香港市民の前でこれらを承認させることに成功したが、労働組合の団体交渉での地位はまだ定まっていない。この点で負けている」「この闘いはまだ終わっていない」と強調している。
大陸や米韓の労働者が連帯
この港湾非正規労働者の闘いは、大陸の労働者の激しい共感を呼んだ。深せんなどの労働者支援NGOなどが支持を表明し、大陸の農民工などの非正規労働者との団結が生み出されている。各地から集まったカンパは1億円近くになった。
また北京大学などの学生も全力で支援行動に立ち上がった。4月14日、学生たちは港湾労働者の12時間労働を表現する形で、12時間にわたる苦行デモを貫徹した。
そして何よりも決定的なのは、この闘いが国際連帯闘争として闘われたことだ。港湾非正規労働者は「同じひとつの海の労働者は団結しよう!」という国際連帯のスローガンを掲げ、集会ではインターナショナルを歌った。ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10はこのストライキへの連帯声明を発し、韓国・民主労総の労働者は写真メッセージを送り、ストライキへの支持を表明した。
この香港港湾非正規労働者の闘いは、日本における外注化阻止・非正規職撤廃の闘いと一体であり、国際連帯の闘いそのものだ。こうした闘いが、世界の労働者の共通の課題となっている。香港・中国の労働者との連帯もかけて、国鉄闘争と6・9集会の成功をかちとろう!
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週刊『前進』(2584号4面7)(2013/05/20 )
2013年日誌 5月7日〜13日
国の借金991兆円で過去最大/もんじゅ停止命令へ
●海兵隊の必要性に言及 安倍首相は参院予算委で、「島嶼(とうしょ)防衛で、海兵隊的な機能を備える必要性を議論すべきだ」と述べた。(8日)
●復興予算、基金化し流用 東日本大震災の復興予算のうち約1・2兆円が公益法人や自治体が管理する「基金」に配られ、今も被災地以外で使われていることが分かった。(9日)
●川口委員長を解任 参院環境委員会の川口順子委員長(自民)が国会の承認を得ずに中国出張を延長した問題で、解任決議案が参院本会議で可決され、川口氏は解任された。常任委員長の解任は衆参両院で初めて。(9日)
●安倍首相の歴史認識に懸念 米議会調査局は日米関係に関する報告書で、安倍首相の歴史認識について、「侵略の歴史を否定する修正主義者の見方」「地域の関係を混乱させ米国の国益を傷つける恐れ」と指摘した。(9日)
●共通番号制が成立見通し 国民一人ひとりに番号をふり、納税や年金などの情報を管理する共通番号制度法案が衆院本会議で可決され、成立の見通し。16年1月から開始予定。(9日)
●経常黒字が過去最小 財務省が発表した12年度の国際収支状況(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引や投資の状況を示す経常収支は前年度比43・6%減の4兆2931億円の黒字にとどまった。貿易収支が大幅に悪化したため。(10日)
●国の借金991兆円 財務省は、12年度末の国の借金残高が前年度末より31兆円以上多い991兆円余りになり、年度末では過去最大を更新したと発表した。(10日)
●福島第一に違法派遣 東電福一原発に作業員510人を違法派遣したとして、厚生労働省が長崎県の派遣業者3社に事業改善命令を出した。(11日)
●自民の参院選公約「原発再稼働」明記へ 自民党は参院選公約のもとになる総合政策集で、原発再稼働を明記する方針を固めた。(12日)
●もんじゅ停止命令へ 原子力規制委員会は近く、日本原子力研究開発機構に対し、原子炉等規制法に基づき、高速増殖原型炉「もんじゅ」の使用停止を命じる方針を固めた。内規に違反し、1万個近い機器の点検を怠っていた問題を重くみた。(13日)
●地下水放出の了承見送り 東京電力は福島第一原発から出る放射能汚染水を減らすために敷地内の地下水を海に流す計画を、福島県漁業協同組合連合会に示した。県漁連は「組合員の理解が得られていない」とさらなる説明を求め、結論を先送りした。(13日)
●橋下大阪市長「慰安婦、必要だった」 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は、戦争中の旧日本軍軍隊慰安婦について「必要だった」との認識を示した。さらに今月初めに普天間飛行場を訪問した際、司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と進言したと同日夕、記者団に語った。(13日)
●海上警備行動を検討 防衛省は、国籍不明の潜水艦が12日深夜、沖縄県・久米島南方海域の日本の接続水域内を、潜ったまま航行したと発表。小野寺五典防衛相は、領海侵入に備え、海自による海上警備行動の発令を検討していたことを明らかにした。(13日)
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週刊『前進』(2584号5面1)(2013/05/20 )
学生運動の力で安倍政権を打倒しよう
同学会選挙で不抜の学生権力を打ち立て全学ストへ進もう
マルクス主義学生同盟中核派・京都大学支部
大弾圧を粉砕した学生の団結の底力
4・25法大集会1千人結集と6学生奪還の勝利は、学生自治会建設によってこそ、新自由主義大学をうち破り、安倍政権を打倒できるということを明らかにした。全国十数カ所もの個人宅に家宅捜索を行うという今回の弾圧は、青野弘明君(東北大)と百武拓君(広島大)を先頭とする学生自治会運動の若きリーダーたちを狙い撃ちにして、なんとしても学生自治会建設だけはさせないという日本帝国主義の明白な国家意思だった。
日帝・安倍政権は、アベノミクスの核心である産業競争力会議で「大学改革こそが成長の要である」とわめいている。この「大学改革」とは1990年代から始まる「大学の民営化」をさらに強力に進める攻撃であり、「画一化された評価制度」「グローバル競争力の強化」を通じて、とことん大学自治を破壊していくことに核心がある。
現に京都大学で進められていることは何か。松本紘総長は、一方で教員のすさまじい人員削減(2021年までに人員1割カットなど)と低賃金化(公務員に準じた賃金7・8%カットなど)を進めながら、他方で学生自治会の破壊(全学自治会同学会の非公認化、熊野寮との団交拒否など)に全力で突っ込み、ますます新自由主義化に突き進んでいる。
今回の弾圧粉砕の大勝利は、すべての学生に決定的な展望を示している。学生が学生自治会のもとに団結し、大学の主人公として登場した時に、アベノミクスを完膚なきまでに粉砕できる。敵は学生自治会運動のリーダーにまったく不当な弾圧を強行したが、学生の団結と権力をはるかにしのぐ怒りの反撃にあい、彼らを即座に釈放せざるをえなかった。
学生運動に問われているのは、大激動情勢と対決する学生自治会の戦闘的建設にほかならない。マル学同京大支部は、闘う京大生とどこまでも一体となり、不抜の学生自治会建設に向けて進む。
2年目の中執選挙で挑戦すべき課題
昨年6月に復権した同学会は、2年目の中執選挙(同学会中央執行委員会予備選挙、投票期間=5月27日〜6月7日)を迎える。この選挙に向けて、多くの京大生が学生自治について考え、自らが持っている無限の可能性について自覚し始めている。
この選挙戦を通じてわれわれが挑戦すべきことは何か。
一つに、自治会建設をめぐる時代認識での一致である。
新自由主義大学化の要は学生自治会の破壊にあった。それは90年代を通して準備され、小泉構造改革(01〜06年)と国立大学法人化(04年)を最大の契機として強力に推進されてきた。京都大学においても、熊野寮自治会との確約破棄や吉田寮自治会との交渉打ち切り策動など、さまざまなかたちで学生自治に対する重大な踏み込みが起こっており、それは昨年の11・6部局長会議決定(学生団体との交渉の一切拒否)にまで行き着いている。
重要なのは、これがいかなる意図による攻撃なのかということだ。新自由主義大学の核心は大学・教育の場で資本の運動を貫徹することにこそある。「教育の民営化」攻撃だ。それは、帝国主義の「過剰資本・過剰生産力」という基本矛盾の爆発のもとで、必然的に「自由な学問」や「真理の探求」と対立する。原発研究を見てほしい。「100_シーベルトまでなら安全」として「低線量・内部被曝」を否定する御用学者、「フクシマの怒り」を圧殺する御用学者の言動に一片でも真理があっただろうか。
この対立こそ「資本の運動」と「社会の発展」が対立している証左である。これは労働者階級の共同性のもとにすべてを奪還する中でしか突破できない矛盾だ。支配階級は、この逃れられない矛盾を重々承知しているからこそ、一切の「真理」や「学問」を投げ捨ててでも、自治会(共同性の権力組織)の破壊に突き進まざるをえない。
はっきりさせるべきことは、“危機に瀕(ひん)しているのは帝国主義の側であり、われわれ学生・労働者が団結して責任勢力になることで、すべてを獲得できる時代に入った”ということだ。未来は私たちの中にある。この認識が自治会建設の第一歩である。
党と学生自治会の一体的な建設を!
二つに、選挙戦の中で「党と学生自治会の一体的建設」をかちとることだ。資本主義が崩壊し、資本の運動が社会の発展の推進軸とはなりえないことが明らかだからこそ、既成勢力やスターリン主義が画策している「学生自治会の体制内的な延命」は不可能だ。
法政大や広島大を見てほしい。大学当局は学生自治をとことん憎悪し、公権力まで動員して団結破壊に突き進んでいる。京都大においても、松本総長がすでに警察権力の導入を示唆している。いまや大学自治は社会体制の問題となっている。
だからこそ、問われているのは大学での支配権の確立(自治会建設)と一体で、学生自治会が体制変革の力を持つことだ。そのためには、その任務を担う革命党の存在が不可欠となる。われわれは今選挙を通じて、革命党の存在意義を明らかにし、党建設を大衆的欲求にまで高めていかなければならない。
三つに、それは激しい党派闘争で勝ち抜くことを必要とする。「党と学生自治会の一体的建設」とは、既成潮流による「セクト主義的引き回し」との決別を意味する。昨年6月の同学会復権は、何よりも、一部学生集団によって牛耳られていた同学会を、真に京大生自身の自治会として復活させることだった。
これに反発したのが、これまで同学会の利権をむさぼっていたセクト集団だった。この集団は、大学当局と対決して奮闘する同学会中執に対し、当局と一体で卑劣なネガティブキャンペーンを張ったばかりか、違法無法な襲撃を加えた。これは2000年を前後した同志社大学全学自治会学友会でのやり口と完全に一体だ。この結果、同志社大学友会は、執行部が自ら「学友会永久解散」を宣言する事態にまで行き着いた。利権を得られなければ学生自治会などどうでもいいというのが、セクト主義者だ。その思想はスターリン主義そのものであり、日本学生運動の爆発を押しとどめようとする日帝の「最大の防波堤」でもある。
われわれは闘う京大生と一体で、こうしたスターリン主義的自治会建設論・党建設論と意識的に対決し、決別しなくてはならない。そのためにも、全京大生に真正面から革命党への結集を呼びかける。
四つに、実践的結論は、何よりも学生の団結を拡大することだ。「正しい方針は、組合員に支持されて初めて正しくなる」とは動労千葉の故中野洋顧問の言葉であるが、選挙戦の最大の核心は、執行部の提起する方針をめぐって、広範な自治会員の間に団結が生まれることにある。それこそが、学生を大学運営の主体へと引き上げる最大の根拠でもある。
最後に、すべての京大生に訴える。今こそ全学ストライキにうって出よう! 松本総長の学生自治会を無視した大学改革の強行は、「今の学生は決起することなんかない」という学生蔑視の中で起きていることだ。学生がここまでなめられて良いのか! 京大生は今こそ、どちらが大学の主人公か、大学当局に思い知らせてやろう。そのために全学ストライキを準備することだ。同学会選挙の勝利から全学ストライキへ! 京大支部はその最先頭で闘う。
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週刊『前進』(2584号5面2)(2013/05/20 )
“6人の学生に謝れ”
武田君先頭に法大デモ
5月10日、「武田君への不当処分撤回! 法大当局は不当弾圧を謝れ!」を掲げて、法大包囲デモがうちぬかれました!
4・25集会での法大当局・警察権力の結託による許しがたい弾圧をうち破り、武田雄飛丸文化連盟委員長、斎藤郁真全学連委員長を先頭に、意気高くキャンパスに登場しました。
斎藤君は「武田君への処分撤回のために、ほかの大学から学生が法政大学に来ること、これが建造物侵入だと言っているにすぎません」と法大当局を断罪しました。「法政大学は6人の学生に謝れ!」「法政大学は建造物侵入で学生を売り渡すな!」――多くの学生が注目するなかで、文化連盟の仲間が先頭に立って包囲デモをやりぬきました。
デモが終了した後、武田君がキャンパスの学生に向かって呼びかけました。「大学は学生のものです。われわれが、そしてみなさんが立ち上がれば、必ずこんな体制は粉砕できます。中と外との分断をうち破って、さらなる規制強化やこれ以上の不当弾圧を許さず、ともに闘っていきましょう!」。この呼びかけで行動を締めくくりました。
武田君への処分撤回に向かって、法大生・首都圏学生は5月沖縄闘争―全国大学自治会建設の闘いの先頭に立ちます!
(首都圏学生・N)
(写真 不当逮捕を粉砕し奪還された武田君のコールでデモ【5月10日 千代田区】)
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週刊『前進』(2584号5面3)(2013/05/20 )
法大「暴処法」弾圧裁判控訴審
増井君・恩田君らが異議
「証拠画像鮮明化」の大うそ暴く
4・25法大闘争の大爆発と不当逮捕された6人の全員奪還をかちとった地平のもと、5月9日に法大「暴処法」弾圧裁判控訴審の第3回公判が東京高裁第12刑事部(井上弘通裁判長)で行われました。
裁判に先立ち、増井真琴君、恩田亮君、織田陽介君ら被告3人から異議申し立てが行われました。井上裁判長はまたしても被告人の異議を認めないばかりか、増井君を前回に続いて退廷にしました。絶対に許せません。裁判所の不当性を徹底弾劾しつつ、被告の弁護人が異議を読み上げました。
増井君は異議で、前回の退廷命令が不当であり本件が政治弾圧であることなどを明らかにしました。その上で次のように訴えました。
「本件弾圧で明らかになっているのはわれわれの犯罪性などでは断じてなく、警視庁・検察庁両公安部の卑劣極まりない学生運動解体策動と、自称『被害者』を演じる法大当局の腐り切った姿だ」
「4月25日の法大集会でも、新たな運動弾圧が展開され、武田雄飛丸文化連盟委員長を始め6人の学生が逮捕、全国数十カ所に家宅捜索が打たれた。私たちの暴処法弾圧とも近似するこの全国一斉型の逮捕劇は、そのあまりの不当性から、被疑学生の類例のない早期釈放で幕を閉じた。もはや起訴はおろか、満期勾留さえできない体たらくである」
「憲法96条が姑息(こそく)的に改悪されようとしている時代だからこそ、今本当に大学に批判精神が求められている。……私たち被告団はこれ以上のデッチあげ弾圧を絶対に許さない立場から、1ミリも妥協することなく、最後まで敵の不当性と自らの正当性を訴え抜いて行く覚悟である。裁判所は直ちに控訴を棄却し、無罪を確定せよ」
さらに恩田君は、警備法廷(429号法廷)について、「法政大学の学生運動弾圧裁判がこれまで一貫して警備法廷で行われてきた。……デッチあげの退廷命令による恫喝と、そのような野蛮ともいえる訴訟指揮のもとでまったく不公平な状況で裁かれてきた事実を断じて許すことはできない。……このような裁判所の不正義を糾弾する」と弾劾しました。織田君は井上裁判長の不当な訴訟指揮に対して、被告人に発言をさせろと異議を出しました。
この日の裁判では、画像鮮明化ソフトの制作会社であるNKワークスの社員、北耕治なる人物への尋問が行われました。弁護団の尋問で、デッチあげの「証拠」とされた写真は「画像鮮明化」処理でも鮮明にはならず、「鮮明化された」という北の主張は推測と思いこみでしかなかったのです。さらに北は事前に被告の写真を検事から見せられていたと吐露し、都合の良いように「鮮明化」処理をしていたことも暴かれました。
被告の内海佑一君が検事の出した証人を採用しないよう求める意見を出しましたが、裁判長は不当にも採用を決定しました。断じて許せません。
次回裁判は7月10日。沖縄闘争と6・9国鉄集会を大成功させ、法大「暴処法」無罪を一審に続き実力でもぎとろう! 傍聴への結集をお願いします。(法大・U)
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週刊『前進』(2584号5面4)(2013/05/20 )
広島大 百武君の処分策動粉砕を
4・25逮捕を口実に画策 怒りを力に自治会建設へ
全国の学友のみなさん! 4・25法大弾圧を粉砕した地平を引き継いで、広島大において決定的闘いに突入しています。それは、4・25弾圧当該の百武拓君(学生自治会準備会代表、写真)に対して広大当局が処分(退学・停学を含む)を狙っていることを徹底弾劾し、1万5千広大生の団結で学生自治会建設に突き進む闘いです。処分策動を逆に敵の墓穴に転化してやろう!
5月9日、理学部物理科学科長は、5日に不起訴釈放された百武君を呼び出し、「事情聴取」(懲戒処分審査の第一段階)を行いました。広大当局はデタラメな4・25弾圧に抗議するどころか、逮捕を「事件事故の原因行為が悪質で、その結果に重大性が認められる場合」(広島大学学生懲戒指針)などと言いなし、処分を狙うという腐りきった姿をさらけ出しました。広大当局の立場は、警視庁公安部−法大当局とまったく同じです。絶対に許せない!
百武君への処分策動は、百武君を先頭にした学生自治会建設運動への恐怖によるものです。
4・25不当逮捕に対し、広大生の怒りは爆発しました。翌26日には、文化サークル連合代表者会議一同による「学生の自治・自由を要求したことを理由に不当に逮捕することは、学生として許すことはできません。百武代表の即時釈放を求めます」という「緊急声明」が発せられました。
5月1日には、自治会準備会副代表の仲間も呼びかけ人に名を連ね、「4・25法大弾圧救援会」の即時釈放アピールが出されました。多くの広大生・サークル員が声をあげ、行動を開始しました。反原発闘争を発展させるための学生自治会建設の闘いが、弾圧粉砕闘争を大きな契機として全広大生を巻き込むかたちで前進していました。
これに震え上がった広大当局は、学生自治会建設を阻止するために、団結の中心にいる百武君の存在そのものを処分で抹殺しようとしています。しかし、これは広大生の怒りの炎に油を注ぐだけです。
神谷副学長体制との対決
処分阻止闘争と学生自治会建設運動は「神谷研二副学長体制」との真っ向対決でもあります。
広大当局は、4月1日付で御用学者・神谷研二(福島県立医大副学長、福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)を広大副学長に据え、「福島圧殺大学」の本性をむき出しにしました。「放射能安全神話」をまき散らして「低線量・内部被曝」を強制する神谷は、「フクシマの怒り」に直撃されてグラグラです。広大当局はあえてその神谷を「復興支援・被ばく医療担当」副学長に据え、原発翼賛の新自由主義大学の道に突き進んでいます。
しかし、そんなあり方はもう通用しない! 広大生は神谷など誰も支持しません。「福島連帯か福島圧殺か」「原発翼賛か全原発廃炉か」「処分=分断か、団結=自治会建設か」「神谷か百武君か」。全広大生に生き方と「体制選択」を問うものとして、私たちは処分阻止闘争と自治会建設決戦を闘います。
広大学生運動は安倍政権と対決し、沖縄大・法大・京大の闘いを引き継いで、6〜7月に絶対に学生自治会建設をやり抜き、8・6ヒロシマ闘争へ攻め上ります。処分策動への怒りに燃え、勝利への確信をみなぎらせて、ともに闘おう!
(マルクス主義学生同盟中核派・広島大支部)
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週刊『前進』(2584号5面5)(2013/05/20 )
新自由主義と闘う
泉州住民の会総会 広がる運動に確信
4月28日、「関西新空港絶対反対泉州住民の会」の総会を大阪府泉佐野市の泉の森ホール2階で行いました(写真)。新しい住民も含めて65人が参加し、活発な意見が出る総会になり成功しました。
今年の総会は、関空闘争を中心にした、新自由主義攻撃と闘う地域全体の闘いになりました。「関西空港開港から19年たったが、何もいいことはなかった」「関空問題が新たな問題を生み出している」「関空破綻が千代松大耕というとんでもない市長を生み出した」と総会で問題点がえぐり出されました。
総会は、役員の小林順子さんの司会で始まりました。まず関西労働組合交流センター代表の富田益行さんと、全国連西郡支部長の岡邨(おかむら)洋さんが連帯のあいさつをしました。
活動報告、会計報告を会計の中山綾子さんが行いました。「昨年の総会では千代松市長が『市の名前を売る』方針を発表したことに対し、真っ先に反対してきた」「7月全国闘争が大成功した」と、関空闘争を生き生きと報告しました。
役員を選出した後、国賀祥司(こくがよしじ)代表が運動方針案を提案しました。「関空の危機、地元自治体の危機は進み、そこで働く労働者の闘いは進んでいる」「LCC(格安航空会社)は3年契約の非正規労働者をこき使ってもうけているが、関空の救世主にはならない。B787の事故は必然だった。コストを下げるために外注化と軽量化で大失敗した。事故原因が不明なまま運航を再開するのは『命より金もうけ』の新自由主義政策そのもので必ず事故を引き起こす」。最後に「関空闘争の勝利は関空と自治体労働者の決起で決まる。情勢は煮詰まっている。7月7日全国闘争を一緒に闘おう」と提案し、拍手で支持されました。
住民から活発な意見が出ました。「労働組合ががんばらないといけない情勢だ。もっと若い人を集めよう」「昔から関空に反対してきたが、関空の状況は悪くなっている。千代松市長は迂回(うかい)寄付で脱税している報道があった。許せない」「関空で働く労働者の条件がどんどん悪くなっている」「TPP(環太平洋経済連携協定)でりんくうタウンに医療特区をつくろうとしている」などです。
決意表明で関西合同労組の黒瀬博匡委員長が「ストライキで闘う時代がきた。ストに立ち上がっている自治体労働者とともに闘おう。関合労は関空で労働組合をつくる。労働者が社会の主人公になることが関空闘争だ」と述べました。
閉会あいさつを役員の井上敏幸さんが行いました。総会は成功し、新自由主義と対決する関空闘争の路線が一層深まりました。
新自由主義の破綻と関空の破綻が、勝利できる情勢をつくっています。この情勢が橋下大阪市長、千代松泉佐野市長を生み出し、危機を深めています。彼らは「命より金もうけ」の新自由主義政策を進め、住民と市職員を攻撃していますが、ついに労働者、住民の怒りに火がつき地域全体の闘いに発展しています。泉州住民の会の闘いが関空闘争から地域全体の、新自由主義との闘いに発展しています。
また総会では、この日に安倍政権がやっている「主権回復式典」に抗議する沖縄の1万人集会と連帯して闘おうと呼びかけられました。安倍政権がやろうとしているのは沖縄闘争の解体と憲法改悪だ! しかしこれは沖縄と世界の闘う人民の怒りに火をつけました。危機に陥っているのは安倍政権の方だ! 関空で、沖縄で被災地で、世界中でともに闘いましょう。
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週刊『前進』(2584号6面1)(2013/05/20 )
団結ひろば 投稿コーナー
星野再審へ四日市で学習会と街頭署名! 東海 M
地方公務員賃金削減に対する自治体労働者の怒りの反撃が全国で開始され、5月1日には新宿メーデーが動労千葉・動労総連合の呼びかけで力強く闘われました。
私たち東海の仲間は、4月20日の尼崎闘争、21日の関西交流集会、28日東京沖縄集会を、闘う労働運動の力で戦争と改憲の安倍政権を打倒しようと、全力で闘いぬいてきました。
4月29日には、愛知と三重の労組交流センターの呼びかけで星野文昭さんを取り戻す再審闘争の学習会を三重県・四日市で開催し、街頭署名にうって出ました。
星野同志を奪還する闘いは、確定判決と再審棄却決定の破綻を突き出しながら、再審無罪への道をこじ開けてきています。有罪の証拠は次から次に破綻しています。無実を明らかにする証拠が警察・検察によって隠されたままだということ! このまま確定判決を維持することは裁判制度そのものに対する根底的な不信を生み出し、日帝の決定的な体制的な破綻に直結していかざるを得ません。全証拠を開示せよ! 第三者の目撃証言を開示せよ! この闘いを、東海、三重の地からも迫っていきます。
安倍も石原も橋下も、核武装と同義である「安全保障」の名のもとに、原発再稼働と沖縄基地強化、改憲攻撃で労働者階級の闘いと団結をねじ曲げ抑え込もうとあがきにあがいていますが、前日の「屈辱の日」沖縄県民大会1万人集会の怒りと一体となり、集まった署名は1時間で50筆になりました。星野さんの獄中38年の闘いが、労働者階級をぐいぐいと獲得しているのです。
新自由主義と闘う労働者民衆の国際連帯の闘いで、安保・沖縄闘争に勝利しよう! 星野再審闘争の勝利にむかって、全国で全証拠開示要求署名に青年労働者の怒りを結集して闘いましょう!
東電直撃デモを闘い柏崎刈羽原発学習会 東京 吉玉ゆみ
4月25日、「原発とめろ!新橋アクション」の呼びかけで第16弾を数える東電直撃デモがかちとられました。今回は柏崎刈羽原発の再稼働反対が焦点です。
この日は法政大学のデモで、原発御用学者追放と学生自治会再建を掲げて奮闘している学生が6人不当逮捕されました(その後全員を奪還)。
私たちは怒りに燃えて夕方から新橋駅頭にのぼり旗と横断幕を掲げて、いつも以上の迫力で「全原発をただちに廃炉に」と訴えるリレートークを行いました。参加者は次々とマイクを握り、学生への弾圧と経産省前テントの撤去策動を許さない思いでアピールを行い、その勢いのまま東電本社を直撃するデモに出発しました。安倍政権に激しく怒りをぶつけ、元気のいいデモになりました。飲み屋街から出てきたほろ酔い気分のおじさんも「僕も原発反対」と声をかけてきたりして、ちょっとした解放区です。
デモ終了後に「柏崎刈羽原発反対闘争の歴史」と題したミニ学習会を開き、元新潟大学全共闘の片岡謙二さんが報告を行いました。福島原発事故以降、3月28日に東北電力が浪江・小高原発建設計画を断念し、また、東電が柏崎刈羽原発の4月再稼働を断念したことを、みんなの勝利として確認しました。そして、「確かに17地点で原発が54基建設されてしまったが、同時に全国26カ所で原発建設を阻止してきた」と、闘いの歴史を語りました。参加者に配られた資料も豊富で、「豆腐の上に立つ」と言われ直下に「真殿坂断層」がある柏崎刈羽原発の危険性がリアルに伝わり、新潟との連帯が運動を広げると確信しました。
連合大阪メーデーに橋下打倒を訴え登場 大阪 S
5月1日、新宿メーデーと一体の闘いとして、橋下打倒実行委員会が大阪城公園で行われた連合大阪メーデーで街頭宣伝活動を行った。
午前9時、会場入り口で「橋下倒せ! 民営化絶対反対!」の横断幕を掲げて登場し、参加する労働者にビラをまき、国鉄10万筆署名を訴えた。
「4月26日、自治体労働者がついにストライキに立ち上がりました。賃金カットと民営化、10割非正規職化攻撃に対する歴史的反撃の始まりです。青年労働者を先頭に、今こそ、これまで奪われてきたものすべてを奪い返す闘いに立ち上がりましょう」と大音量のマイクで呼びかけた。
多くの労働者が立ち止まり署名に応じた。とりわけ民営化攻撃による全員解雇・賃下げ20%攻撃と闘っている交通局の労働者の反応がすごい。「あんたらは橋下打倒の人たちやろ?」と次々と積極的に署名に応じ、互いにエールを交換した。
JRにおける波状的ストライキ、4・26自治労ストライキによって階級情勢は一変している。そしてこの5月が闘う労働組合をつくり変える最大の決戦だ。橋下による大阪市丸ごと民営化攻撃との闘いを激突点として、すべての労働者の未来をかけて闘おう。
「主権回復の日」式典弾劾し4・28福岡集会 とめよう戦争への道!百万人署名運動福岡県連絡会 N
私は、「4・28」を「主権回復の日」とし、天皇まで出席させた政府式典強行は許せないと思い、福岡のとめよう戦争への道!百万人署名運動の沖縄・憲法学習集会に参加しました。
わたなべひろやす世話人の開会あいさつの後に行われた元福岡県教組の松尾直喜世話人の講演提起は、私の思いに応えてくれるものでした。
「1952年4・28」とはどういう日か? それは、まぎれもなく沖縄を米軍支配に売り渡した「屈辱の日」です。この日を「主権回復の日」とすることは、沖縄県民に「4・28を屈辱の日などと考えるのはやめて、主権回復の日として祝え!」と強要するものです。それは、沖縄に「基地の島」の現実を受け入れさせ、改憲と戦争の政策の手先になれという傲慢(ごうまん)なものです。
松尾さんは、今回の式典強行は、今の日本が大恐慌によってG8から脱落寸前になり、体制そのものが回復しがたい危機にある中で、体制内から噴き出す絶望的な戦争エネルギーそのものだと批判しました。
今回、新たな提起だと思うのは、沖縄の基地労働者の闘いを軸に、労働者の国際連帯の力でこの攻撃と闘うことが、「米軍基地撤去・安保粉砕する道だ」と提起されたことです。
松尾さんは民主労総の声明を紹介し、「日・韓・中・米の労働者が侵略戦争に反対してともに立ち上がることによって、それは可能になる。全世界の労働者の共通の敵こそ、労働者を食いものにし、戦争まで行う新自由主義だ」と強調しました。
もう一つ重要だと思ったのが、「自民党改憲草案」批判として現行憲法との対照表を示しながら指摘された「96条先行改憲」の持つ意味です。まさに「戦争放棄から戦争突進が、その内容だ」との批判に私も同感です。
今回、勉強した内容を土台に5・15沖縄闘争にも参加し、階級的労働運動の前進と国際連帯の発展で闘うことに確信をもって闘っていく決意です。
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週刊『前進』(2584号6面2)(2013/05/20 )
星野ビデオ国賠 証人請求をすべて却下
ビデオ紛失の居直り許すな
5月14日、東京地裁民事第45部(山田明裁判長)で、星野ビデオ国賠第12回裁判が行われた。新たに着任した裁判長に藤田城治弁護士が意見陳述を求めた。
前回、被告の都(警視庁公安部)と国(裁判所)は弁護団に対し、自ら「ビデオテープ」を紛失しておきながら「ビデオテープの解析結果が新証拠足りうることを立証しなければ、国家賠償請求は認められない」と主張してきた。ふざけるな! 「盗人猛々しい」とはこのことである。
藤田弁護士は、2月8日のテレビニュースで放映された11・14闘争現場の映像によれば、紛失されたビデオテープには、星野文昭同志を有罪とした核心証拠である鉉供述と矛盾する事実が鮮明に写されていた可能性が高いことを明らかにした。
「その証拠物が被告らの手によって失われている。ここで失われた証拠物が『新証拠に該当すること』の立証を求めることの不当性は明らか」だと、怒りを込めて弾劾した。
そして岩井信弁護士が、証拠のビデオテープが裁判所から警視庁へ保管委託された経緯、さらには警視庁での保管状況、紛失の経緯と理由などが明らかにされるべきで、裁判官と警視庁公安部の総務課長の証人調べは必要不可欠であること、さらに再審の証拠を紛失させられた星野文昭同志自身と、意見書を提出している刑訴法学者の指宿信氏の証人尋問を行うように強く求めた。
ところが山田新裁判長は、これら一切を無視して、突如、証人申請をすべて却下する暴挙をなし、次回結審を宣告してきた。
傍聴席から怒りの声が上がった。「誰がビデオテープを紛失したんだ! 経過を明らかにすべきだ」「裁判所の責任を明らかにせよ!」――怒号の中、山田裁判長は逃げるように退席した。
裁判所が採用した証拠物は、大きな物とか、危険物などの例外を除いて、裁判所内に保管しなければならないと刑事訴訟法は定めている。「ビデオテープ」が例外規定に当てはまらないのは明白だ。裁判所が警視庁へ「保管委託」したのは明白に違法だ。
また警視庁は、証拠品の管理に当たっては帳簿を作成することになっているが、星野同志の「ビデオテープ」に関しては「帳簿が存在しない」と言うのだ。そして、たった一片の文書で「紛失した」と通告してくることが許されるのか。
ビデオテープを預かったのは、当時の警視庁公安部公安総務課長・吉野準である。この人物は後に警視総監になっている。法廷に引きずり出し、悪事の一切を自白させなければならない。
また、裁判所は、裁判の証拠を警視庁公安部に紛失させられたのであり、その事実経過を徹底的に究明し弾劾する義務がある。
にもかかわらず、山田裁判長は一切の証人調べ請求を却下し、紛失の責任を不問に付そうとしている。これは、裁判所と警視庁が一体となった「証拠隠滅」だ。国家による犯罪そのものだ。
無実の証拠を隠し続け、さらには証拠隠滅までして、星野同志を38年間も獄中に入れている国家を、断じて許すことができない。
世界大恐慌と3・11情勢下、大争闘戦時代への突入の中で、絶望的危機を深める日帝は、何の展望もない新自由主義攻撃を一層激化させている。司法においても、真実も公平さもかなぐり捨て、ブルジョアジーとその国家の利益と治安のみを、絶望的に優先させるほかないのだ。
全証拠開示をかちとり、無実の星野同志を奪還しよう! 6・9国鉄集会−6・30星野全国集会へ全力で結集しよう。
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週刊『前進』(2584号6面3)(2013/05/20 )
前進社国賠 警視庁の違法捜索追及
4・25法大弾圧を弾劾
5月10日、前進社国賠訴訟の第12回口頭弁論が東京地裁民事第1部(後藤健裁判長)で行われた。2009年10月23日、警視庁公安部は法大弾圧での公安条例違反のデッチあげ逮捕を口実に前進社に対する家宅捜索を強行した。その際、電磁的記録媒体1223点を含む1418点を違法押収した。この違憲・違法な捜索差し押さえを弾劾して国家賠償請求裁判が闘われている。
原告は、第3準備書面で前進社の捜索で押収された物品一覧表を提出し、10・23捜索の押収物がけた違いに多いことを明らかにした。そして、記録媒体を押収した際に、公安条例違反に関する「証拠」が記録されていた可能性が高いと判断した根拠について釈明を求めた。また、捜索差し押さえの際に原告が証拠隠滅を行うというが、それは具体的にいかなるものか明らかにせよと迫った。
今回、被告(警視庁)は、警視庁公安一課(当時、現在は牛込警察署)の川島勇二が令状の請求人であり、捜索差し押さえの責任者だったと主張して、川島の「陳述書」を提出した。
その中で川島は、「中核派は革命をめざす全国組織で、規約を守り組織的に活動している」と、露骨に恐怖心を吐露した上で、前進社の捜索を違法に実施していることを開き直っている。国賠裁判の法廷に引っ張り出し、徹底的に弾劾する。
原告代理人が立証プラン
原告代理人の弁護士は立証プランを提出し、次回期日までに申請する予定であることを明らかにした。裁判長は被告(警視庁と国)に対しても次回期日までに立証予定を提出するよう促した。
最後に、原告の同志が4・25法大弾圧とそれを口実とした前進社本社など全国20カ所に対する家宅捜索を弾劾した。
4月25日、警視庁公安は、半年も前の10・19法大集会を口実に2人の学生を令状逮捕し、さらに「無届集会」なるものをデッチあげて4人の学生を公安条例違反と公務執行妨害容疑で逮捕した。
令状逮捕された2人の学生の「建造物侵入容疑」とは、「10・19法大解放総決起集会」に参加したこと、つまり“キャンパスで集会をやることが罪だ”というのだ。しかも、これを口実に全国20カ所に及ぶ家宅捜索を強行するなど言語道断である。
また、原告の同志は、今年の5・1新宿メーデーに対しても、デモの出発点となった新宿中央公園に100〜200人もの公安警察が押し入り、集会・デモ参加者への写真・ビデオ撮影、集団的威圧、参加者の特定などの数々の弾圧行為に及んだことを、写真を示しながら弾劾した。
日帝・安倍政権は、基本的人権や労働者の団結権を解体するために改憲攻撃に突進している。前進社国賠の闘いは、こうした改憲攻撃を徹底的に弾劾し対決する闘いとして闘われている。
次回期日は、6月21日(金)午前10時半、東京地裁415号法廷で行われる。
全力で傍聴闘争に決起しよう。
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週刊『前進』(2584号6面4)(2013/05/20 )
国際労働運動 6月号
歳出削減=大量解雇との決戦
【特集】
米連邦航空局は4月25日、ボーイング787の運航再開を承認した。事故原因不明のままの承認は、アメリカ帝国主義の焦りの現われ。米製造業最後のとりで、航空宇宙・軍需産業も外注化でボロボロだ。オバマの「輸出2倍化」は、戦争的手段によらなければ部分的実現さえ不可能だ。
第1章は連邦公務員20〜30%賃下げ、自治体解体=解雇と公的年金・医療制度破壊、そしてオバマ政権の軍事独裁化の実態と階級攻防を見ていく。
第2章は米帝国主義が東アジア重点化戦略、TPPで以前と次元が違う対中対決・対日争闘戦に突入し、相互に最末期的な危機を激化させていることを暴く。
第3章では米本国の正規・非正規職労働者とバングラデシュなどの外注化・海外移転先の労働者の闘いの国際的団結と勝利の展望を見る。
【ニューズ&レビュー】
▽安倍政権はF35部品輸出容認を決め武器輸出3原則を転換した。TPP・改憲攻撃の一環だ。
▽失業率急増の中で今年の欧州メーデーは、ギリシャのゼネストなど各国で怒りの大闘争となった。
▽韓国現代自動車非正規職労働者の長期鉄塔ろう城が続き、ソウル本社前で抗議闘争が行われた。
【翻訳資料】
「労組は自由に働く権利を奪う」という労組敵視法=“働く権利法”が、ついに労働運動の大拠点、米中西部の州でも制定された。
【世界経済の焦点】
キプロス財政破綻、支援策をめぐる争闘戦と階級闘争がユーロ崩壊を切迫させていることを解明する。
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週刊『前進』(2584号6面5)(2013/05/20 )
【要項】5・23狭山闘争、6・27迎賓館・横田爆取弾圧差し戻し控訴審判決、6・30星野全国集会
石川一雄さん不当逮捕50カ年糾弾!
狭山第3次再審闘争勝利!
5・23狭山闘争
■5・23狭山集会
5月23日(木)午後6時30分開会
東京・文京区民センター
主催 部落解放東日本共闘会議
■5・23広島狭山集会
5月23日(木)午後6時30分
広島市西地域交流センター
(広島市西区福島町 旧西隣保館)
主催 部落解放広島共闘会議
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6・27
迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審判決
6月27日(木)午後1時30分開廷
東京高裁429号法廷
午後1時 傍聴券配布所集合 午前11時30分〜 裁判所前でビラまき街頭宣伝
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獄中38年、無実の星野文昭さんを取り戻そう!
検察官は全証拠を開示せよ!
6・30星野全国集会
6月30日(日)正午開場、午後1時開始
太田区民ホール・アプリコ(JR蒲田駅東口徒歩3分)
主催 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
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