ZENSHIN 2013/05/13(No2583 p06)
|
週刊『前進』(2583号1面1)(2013/05/13 )
5・1新宿 “闘うメーデー”を復権
雇用破壊と賃金破壊に怒りのデモ
(写真 JR東日本本社【左後方】を弾劾し「闘うメーデー」復権を訴えるデモが新宿を席巻【5月1日】)
(写真 新宿中央公園に組合旗を林立させ雇用・賃金破壊を進める安倍政権に怒りのこぶしを突き上げた)
5月1日、動労千葉・動労総連合の呼びかけでJR貨物本社抗議行動と新宿メーデーが闘い抜かれた。2〜3月春闘での奮闘、4月スト貫徹に向けた決起を集約する闘いとして大高揚をかちとった。これと連帯し、全国各地でも「闘うメーデー」を正面から掲げて集会・デモなどが闘われた。雇用と賃金の全面破壊に突き進む安倍政権と日本経団連への労働者人民の憤激の最先頭に立ち、連合や全労連、全労協に代わる結集軸として名乗りを上げる歴史的な闘いとなった。
新宿中央公園を軸に600人
午後2時からメーデーデモに向けた集会が新宿中央公園で開かれた。
主催者を代表して動労千葉の田中康宏委員長は、正午から行われたJR貨物本社抗議行動の成功を確認するとともに、メーデーを労働者の闘いの日として復権させる唯一の闘いが、この新宿メーデーだと力強く宣言した。
動労千葉の貨物の各組合員が賃下げを絶対に許さずさらに闘う決意を表明し、さらにJR東日本の組合員、動労水戸の石井真一委員長がJR東日本の外注化と徹底対決すると決意表明した。
続いて東京の自治体労働者が4・26自治労全国統一ストに至る職場での奮闘を報告し「7・8%賃下げとの攻防はこれからが決戦だ」と訴えた。
集会後、直ちに新宿の街を席巻するデモに出発した。500人を超えるデモは、都庁、JR東日本本社、JR貨物本社に怒りの声をたたきつけながら、新宿の街を堂々と行進した。「非正規職撤廃!」「首切り自由を許すな!」「生きることのできる賃金をよこせ!」のシュプレヒコールは街を行く青年たちの心をつかみ、圧倒的な注目を集めた。
デモ到着点の新宿文化センターで、集約集会が開かれた。参加者は600人を超えた。
発言のトップバッターとして郵政非正規ユニオンの齋藤祐介委員長が立ち、午前中に行われた日本郵便本社への抗議・申し入れ行動について報告するとともに、「今日の闘いは大成功した」と高揚感いっぱいに新宿メーデーの勝利を宣言した。
動労千葉の長田敏之書記長が「この闘いをきっかけにメーデーを『闘うメーデー』として復権しよう。今日はその出発点を打ち立てた。この闘いを職場に持ち帰り、来年の5月1日はこれを倍する闘いに発展させよう」と述べ、さらに「5月からが本格的な決戦だ」と訴え、国鉄闘争全国運動6・9全国集会への総結集を呼びかけた。
動労水戸の照沼靖功さんが「この息吹を職場に持ち込み、自らの職場で闘いをつくろう」と元気に述べ、東京ゼネラルユニオンの代表からの発言が続いた。
カンパアピールに続いて全学連の斎藤郁真委員長が4・25法大弾圧との闘いを報告。自治体の青年労働者は4・26に向けての職場での闘いを生き生きと報告し、さらなる闘いへの決意を述べた。また、前日4月30日の請負契約解除=雇い止め攻撃と闘い抜いてきた青年が派遣会社からの解雇を阻止し組織拡大を実現したことを報告した。
さらに、この日の午前に解雇撤回を求めて社前行動を闘い抜いた東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長が「今日の闘いは大成功した! この力で、この場の一人ひとりが職場に闘う労働組合をつくり、労働運動をよみがえらせよう。これは必ずできる」と確信を込めて訴え、「6・9集会には職場の仲間を連れて総結集しよう」と次なる闘いを提起した。
最後に参加者全員で団結ガンバローを行い、6・9国鉄全国集会への総力決起を誓い合った。
被災地を始め各地で立つ
(写真 青年労働者を先頭に繁華街を力強くデモ【仙台】)
●仙台
被災地・仙台で、みやぎ連帯ユニオン、東日本大震災現地救援対策本部の呼びかけで「5・1被災地メーデー」が開催され、宮城・福島から70人が結集した。
集会はみやぎ連帯ユニオンの鈴木光年書記長の司会で始まり、同じく連帯ユニオンの金子哲夫委員長が基調報告を行った。「震災から2年、復興とは名ばかりでさらなる非正規職化、被災地とりわけ福島の切り捨てが進んでいる。連帯ユニオンは、さまざまな雇い止め、賃金未払いなどの資本の攻撃を粉砕し、団結を固めてきた。この地平を押し広げ、6・9国鉄闘争全国集会に被災地からも大挙駆けつけよう」と熱く提起した。
続いて、4・26自治労ストの闘いを牽引(けんいん)した仙台市職労の神保美彦副委員長が発言に立った。「執行部は、市当局が賃下げを明言しないことでスト方針を倒した。しかし、現場には怒りが充満している。7・8%も賃下げされて生きていけるか。闘わなければ組合の存在意義はない。早朝職場集会という形で闘いを貫いた。今後も断固闘う」
みやぎ連帯ユニオン東北石けん分会、全逓、教労、星野文昭さんを救う会から発言を受け、福島からは3・11行動の勝利が報告された。学生は、4・25法大闘争での不当逮捕を激しく弾劾した。
その後、肌寒い天気の中を青年労働者を先頭に元気よく一番町アーケードから青葉通りまでのデモをやり抜いた。
(写真 鮮やかな赤いのぼりを林立させて進む【広島】)
●広島
怒りのメーデーが広島でも復権した。青年を先頭に労働者ら45人が午前11時に広島市中区八丁堀・京口門公園に集まり、デモに出発。当日、多くの労働者は年休をとって結集したことで、ストに入ったような解放感がみんなに満ちあふれている。年金機構、県庁、オフィス街、NHK、中央郵便局、市役所などの職場前を「8時間労働を。食える賃金を。賃下げ・解雇にストライキで闘おう。改憲・戦争の安倍を倒そう」と呼びかけながら進んだ。
デモに先立ち早朝職場にビラをまき(JR、県庁、市役所、郵便局、NTTなど)、県労連メーデー参加者へ国鉄解雇撤回10万筆署名を呼びかけた。広島連帯ユニオンは、江田島カキ養殖加工「川口水産」の事件で明らかになった中国人研修生の奴隷的労働実態について、国際研修協力機構広島駐在事務所への抗議申し入れ行動を行った。
これらの行動をやりきってデモを貫徹し、さらにデモ解散地の広島市役所前で10万筆署名、ビラまきを展開。署名は1時間足らずで60筆が集まった。県労連メーデーのデモ隊の労働者ともエールを交わした。
最後に集約集会を開催し、4月スト情勢まで闘いぬいてきた労働者が次々と発言した。メーデー初参加の草津病院支部の若い仲間は「動労千葉を手本に職場でがんばっている。資本に命をむさぼられる前に勝利したい」と元気に発言した。
(写真 昼休みに岡山大学病院・医学部構内で、国鉄10万筆署名・情宣活動をやりぬいて団結ガンバローを三唱した)
●岡山
岡山では、岡山大学病院・医学部構内での昼休み集会と夕方の岡山駅前での街頭宣伝・JR支社包囲デモとしてメーデー行動が取り組まれた。
午前11時半から岡大医学部生協食堂前に陣取り、国鉄解雇撤回10万筆署名の呼びかけからこの日の行動を開始した。4月から国家公務員と同様に7・8%賃下げが強行された中で、署名に応じた教職員は「賃下げは許せない」「元に戻させたい」と口々に語った。また前日の役員改選で、2人の候補がそれぞれ40%超の支持票を得た職員組合”団結グループ”の仲間に、「来年こそ絶対当選を」と声をかける組合員の姿も見られた。
集会では、医学部非正規職の青年労働者もマイクを握り、「生活できる賃金を」と訴えた。
午後6時からは岡山駅前で、10万筆署名を訴える街頭宣伝を展開した。そして解雇撤回を闘う動労西日本の山田書記長を先頭に、岡山駅からJR岡山支社に向けてデモ行進した。
●札幌
5月1日、国鉄闘争全国運動・北海道の労働者は、札幌市で開催された連合メーデーの参加者へのビラ配りと国鉄10万筆署名に取り組んだ。自治労やNTTなど労組隊列の先頭でも闘った。ビラは、4・26自治労ストの全国各地の闘いの息吹を伝え、公務員への大幅賃下げ攻撃を粉砕して6・9国鉄集会へ結集しようと呼びかけた。短時間で50筆近くが集まった。社民党や新社会党など全党派は「国鉄闘争は終わった」と言うが、労働者の意識の中に1047名闘争の灯はともり続けていることがはっきりした。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号1面2)(2013/05/13 )
動労千葉先頭に貨物本社包囲
賃下げ5月実施強行を阻止
新宿メーデーに先立ちJR貨物本社への抗議行動が闘い抜かれた。
動労千葉と動労水戸の組合員が「JR貨物は賃下げをやめろ!」「民営化のツケを労働者に転嫁するな!」と書かれたそろいのメッセージボードを掲げて先頭に立ち、動労千葉を支援する会、労組交流センター、全学連の学生など410人が結集した。新宿駅新南口にあるJR貨物本社は完全に包囲され、JR貨物に徹底的な打撃を与える闘いとなった。
一方的な大幅賃下げをたくらむJR貨物は、5月からもその実施に着手する構えでいた。しかし、動労千葉を始めとする賃下げ絶対反対の闘いは、JR貨物の労働者全体の怒りに火をつけ、裏切り妥結を狙っていたJR総連・日貨労の策動も粉砕して、5月実施を打ち破った。だが、JR貨物があくまで大幅賃下げをたくらんでいることは変わらない。
貨物本社前に陣取った労働者は、警視庁公安部の妨害をはねのけ、繰り返しシュプレヒコールをたたきつけた。貨物支部を代表して発言した大竹哲治動労千葉副委員長は、3月に定期昇給実施で妥結した舌の根も乾かぬうちに大幅賃下げ方針を発表したJR貨物に対する強い怒りを表明した。繁沢敬一副委員長も「外注化粉砕の闘いと一体で、貨物の仲間とともに最後まで闘う」と発言。川崎昌浩執行委員が「この問題は、JR貨物だけじゃなく全労働者の問題だ。安倍政権による雇用破壊・賃金破壊との闘いの最先頭に立って、闘う労働運動を復権しよう」と呼びかけた。
参加者は再度シュプレヒコールを上げ、新宿メーデーに合流した。
(写真 動労千葉、動労水戸の組合員を先頭にJR貨物本社が入ったビルを包囲し「大幅賃下げを許さない」と徹底的に抗議・追及【5月1日 新宿】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号1面3)(2013/05/13 )
沖縄・福島と連帯して4・28集会
4月28日、東京・板橋区で「とめよう戦争への道!百万人署名運動」の主催で改憲・戦争阻止の全国集会が開かれ420人が結集した=記事5面
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号1面4)(2013/05/13 )
前進速報版
▼香港港湾非正規労働者のストが大勝利▼韓国メーデー、ソウル広場で1万5千人が戦闘宣言▼関空絶対反対泉州住民の会が総会
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号2面1)(2013/05/13 )
動労千葉鉄建公団訴訟 結審強行に激しい怒り
“6・9国鉄集会で反撃する”
国鉄1047名解雇撤回と強制出向無効確認の二つの裁判が5月8日、それぞれ東京高裁、東京地裁で開かれた。
動労千葉鉄建公団訴訟では、東京高裁第12民事部の難波孝一裁判長が、原告側の証人調べの請求をまさに問答無用に却下し審理終結を宣言した。国鉄分割・民営化と1047名解雇は、当時の首相・中曽根康弘を先頭とする希代の国家的不当労働行為だ。その真実を握りつぶし、一方的に結審を強行した暴挙を絶対に許すことはできない。
(写真 裁判に先立ち裁判所門前で昼休み集会を開催。霞が関一帯に「1047名解雇撤回! 外注化・強制出向粉砕!」のコールが響き渡った【5月8日】)
高裁に1万7千筆の署名を提出
裁判に先立って、午前中に「解雇撤回・JR復帰要求署名」の提出行動が行われた。昨年6月の動労千葉鉄建公団訴訟一審判決以来、広範な呼びかけ人陣形でスタートした署名運動は、前日までの集約で1万6958筆に達した。動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士、動労千葉争議団の高石正博さん、中村仁さんらが全国の労働者の思いがこもった署名を東京高裁第12民事部に届けた。
午後2時半から開かれた動労千葉鉄建公団訴訟控訴審第3回口頭弁論では、まず原告代理人が提出した準備書面の要旨を陳述した。被告の鉄道運輸機構が援用してきた秋田闘争団・小玉忠憲さんの鉄道運輸機構訴訟で昨年10月11日に出された控訴審判決(設楽判決)を全面的に批判し、さらに東京地裁での原判決(白石判決)にも批判を加え「原告らをJR採用候補者名簿から排除した不採用基準策定が、不当労働行為意思に基づくものであると原判決は認定した。名簿不記載と1990年の清算事業団からの解雇は明らかに一連の過程であり、90年解雇を有効とした原判決は誤りだ」と明快に述べた。
原告側はさらに、「国鉄改革前後の労務政策の内幕」なる座談会(2000年9月)で、設立委員会の斎藤英四郎委員長(当時の経団連会長)が、国鉄職員局の葛西敬之次長(現JR東海会長)らに職員の不採用基準作成を命じた事実が明らかにされていることを突きつけた。JRの設立委員会トップが基準作成に関与していたのであり「国鉄とJRは別」という国鉄改革法の虚構を根底から覆す事実だ。名簿からの排除と不当解雇の責任がJRに及ぶことは明らかだ。
原告側はこの事実をも踏まえ、「不採用基準を誰が、どういう意図と経過で作ったのかはいまだに明らかにされていない」と述べ、あらためて葛西敬之ら3人の証人採用を強く要求した。
しかし、難波裁判長は「前回予告した通り証人は採用しない」と理由すら説明せずに証人採用を却下した。法廷は怒号に包まれ、代理人が激しく裁判長を追及した。難波裁判長は顔を引きつらせながら審理終結を一方的に宣言したが、その声は徹底弾劾の声にかき消された。難波裁判長は、最後には無言のまま背後の扉から逃げ、被告代理人も廷吏に守られてまさに脱兎(だっと)のごとく法廷から逃げ去った。
判決言い渡しは9月25日午後2時から東京高裁824号法廷。
出向無効確認訴訟 委託契約書を出せ 居直るJRを鋭く追及
5月8日午後1時5分から、動労総連合の出向無効確認訴訟第2回口頭弁論が、東京地裁民事第11部(団藤丈士裁判長)で開かれた。
まず前任の白石哲裁判官からの裁判長交代に伴う弁論更新が行われ、原告代理人の森川文人弁護士が意見を述べ、この裁判の争点と本質を簡潔に明らかにした。被告・JR東日本の代理人は「本件出向は就業規則に基づくものであり、その目的と必要性は明らかだ。原告にも特段の不利益はない」と言い放った。傍聴席から「ふざけるな」と怒りの声が上がった。
続いて強制出向の当該である動労水戸の石井真一委員長が意見表明を行った。石井委員長は「本人の承諾もなく別会社に出向させられたことに本当に怒りを覚えている」と切り出した。そして「動労総連合は結成以来、国鉄分割・民営化と業務外注化に一貫して反対し、出向協定の締結も拒否してきた。動労千葉が外注化と一体のシニア協定の締結を拒否する中で、多くの仲間が定年後の再雇用を拒否され職場を去らざるをえなかった。しかし今回は、協定がなくても就業規則で出向を強制した。なぜこんなダブルスタンダードが許されるのか」と会社側の姿勢をただした。そして、出向から戻る職場はなく実質的な転籍であること、一から十までJRが作業指示を行っている偽装請負の実態などを怒りを込めて暴露した。
さらに原告側は、今回の外注化に関する委託契約書を提出するよう会社側に求めた。JR東日本は団交の場も含めて、一貫して委託契約書の開示を拒否している。被告代理人は「原告側の主張に沿って検討する」と言を左右にしながら提出拒否の姿勢をあらわにした。原告代理人が再度、「業務委託契約書は出すのか出さないのか。出さない理由は何か」と問いただしたが被告は答えない。
会社側の不誠実な態度に原告組合員と傍聴者の怒りが爆発した。閉廷後も「契約書見せろ! 都合悪いことでもあるのか!」と被告代理人を激しく弾劾した。被告代理人は顔面蒼白(そうはく)になりながら法廷から逃げ去った。
次回は7月3日午後2時から、東京地裁527号法廷で開かれる。
二つの裁判終了後、代理人弁護士と原告組合員、支援が一堂に会して総括集会が開かれた。
鉄建公団訴訟での結審強行について動労千葉争議団の高石さんは「怒りでいっぱいだ。難波裁判長はもう頭の中で判決ができている感じだ。これをひっくり返すために、最後まであきらめず頑張る」と述べ、同じく中村仁さんも「外注化で出向に出された仲間とともに必ずJRに戻る」と揺るがぬ決意を示した。
強制出向の当該、代理人の弁護士、支援がそれぞれ発言。最後に動労水戸の石井委員長と動労千葉の田中康宏委員長があいさつし、職場闘争の一層の強化と組織拡大、解雇撤回・JR復帰署名運動の拡大、そして国鉄闘争全国運動6・9集会へのこれまでを大きく超える結集を強く訴え、この日の行動をまとめた。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号2面2)(2013/05/13 )
6・9集会に全国大結集を
国鉄闘争全国運動がアピール
国鉄1047名解雇撤回!
民営化と外注化、非正規職化と闘おう!
賃金・雇用破壊にストライキで反撃を!
今こそ国鉄闘争の火をもっと大きく!
国鉄闘争全国運動6・9全国集会の呼びかけ
国鉄闘争全国運動6・9全国集会まで残り1カ月弱になった。安倍政権下の雇用破壊・賃金破壊攻撃との闘いは5〜6月が最大の決戦であり、6・9集会の持つ位置はますます大きくなった。全国運動が発したアピールを紹介します。大結集実現へ全力で闘おう。(編集局)
国鉄1047名解雇撤回の闘いは、分割・民営化以来26年間、「解雇撤回・原職復帰」を掲げて闘い抜いてきました。安倍政権が全面的な雇用破壊を進める中、「解雇撤回」はすべての労働者の課題です。今こそこの闘いが本当に力を発揮する時代です。国鉄闘争を先頭に、この時代に打ち勝つ労働運動をつくりあげましょう。文京シビックホールで6月9日に開催する全国集会へのみなさんの参加を呼びかけます。
国鉄1047名解雇撤回闘争は現在、重要な局面に入っています。昨年6月29日、東京地裁は動労千葉の組合員9人がJR不採用という解雇攻撃の直前まで採用候補者名簿に載っていたことを認定しました。名簿からはずしたのは当時の職員局次長である葛西敬之(現JR東海会長)であり、それが明確な不当労働行為意思に基づくものだったことも認定したのです。不当な解雇ならば撤回以外にあり得ません。しかし、高裁は葛西証人を採用せずに早期結審を狙っています。真実を明らかにさせ、解雇を撤回させる決戦に入ったのです。
国鉄分割・民営化によって20万人が職場を追われ、200人が自殺に追い込まれました。そして、労働組合が雪崩をうって後退し、民営化・外注化によって次々と労働者が非正規職に突き落とされてきました。「競争すれば社会すべてが豊かになる」と言ってきた結果は、すさまじい格差と貧困が蔓延(まんえん)する社会でした。すべては嘘(うそ)だった。すでに非正規労働者の割合は4割近くとなり、若者は半分が非正規です。10数年連続で3万人もの人が自殺し、30代非正規職男性の7割が結婚できていません。これほどの現実がまかり通ったのは、労働組合が立ち向かえてこなかったからです。
動労千葉は外注化と対決し、職場で13年にわたって阻止してきました。昨年10月1日に強行された外注化は、本当に矛盾だらけでした。「偽装請負」というレベルを超えた違法行為をごまかすために、厳格な指揮命令も破壊されました。こんなことを認めて、労働者の雇用も安全も守ることはできません。動労千葉は、外注化・非正規職化反対を掲げて3月春闘ストを打ち抜きました。これは新たな反合・運転保安闘争をつくり上げる出発点でした。そして、強行された外注化を撤回させて組織拡大を実現する歴史的な挑戦を開始しています。
現在、安倍政権は歴史的な労働規制緩和に踏み込んでいます。公務員の7・8%賃下げを前提に、地方交付税を削減しました。多くの地方自治体では、6月議会などで賃下げが強行されようとしています。政府の号令ひとつで、憲法も踏み越えて一千万人規模の労働者の賃金を下げる。前代未聞の事態です。6月に策定する安倍政権の「成長戦略」では、「準正社員制度」の導入や「残業代ゼロ法」と呼ばれた「ホワイトカラーエグゼンプション」の復活も議論しています。賃金・雇用・労働時間という労働者の権利を根本から破壊するものです。そして、7月参院選から改憲・戦争へと突き進もうとしています。大阪では橋下市長が、東京では足立区が先頭に立ち、公的部門の全面的な外注化・民営化を強行しようとしています。
6月は労働者の生活と権利をかけた正念場になろうとしています。今こそ労働組合の本来の力を取り戻し、国境を越えた労働者の団結で青年労働者を先頭にTPPも原発再稼働も戦争も阻止しよう。7・8%賃下げに対して、自治労は29年ぶりの全国スト方針を決定しました。この闘いはすべての労働者の権利と未来をかけた歴史的な闘いです。労働者の生活と権利をかけて闘いぬいてきた国鉄闘争が本当に力を発揮するときです。
6月9日の国鉄闘争全国運動全国集会への参加をあらためて呼びかけます。
2013年4月25日
-----------------------
【要項】国鉄闘争全国運動 6・9全国集会
国鉄闘争全国運動 6・9全国集会
6月9日(日)午後1時(正午開場)
東京・文京シビックホール(文京区春日1―16―21)
主催/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号2面3)(2013/05/13 )
動労西日本 外注先で第2波スト
尼崎事故8周年の当日に
尼崎事故8周年にあたる4月25日、動労西日本はJR西日本大阪支社のレールテックで「尼崎事故弾劾! 外注化・非正規化粉砕!」を掲げてストライキを打ち抜いた。レールテックでのストは3月25日に続き今期第2波目だ。
午後3時半、組合員と支援40人が大阪支社前に結集した。大江照己委員長が、尼崎事故に何の責任もとらないJR西日本を徹底弾劾し、大阪支社で働く労働者にストへの合流を呼びかけた。
午後4時前、スト当該の赤松賢一副委員長が管理職を従えて支社前に出てきた。4時ちょうど、大江委員長がJR西日本にストを通告した。
直ちに山田和広書記長の司会でスト突入集会が開かれた。大江委員長は「『稼げ』を叫んで業務の外注化と非正規職化を強行し、安全を投げ捨ててきたのがJR西日本だ。尼崎事故は国家ぐるみの犯罪だ。われわれは徹底的に闘う」とストの意義を明らかにした。
赤松副委員長がストライキ宣言を発した。「尼崎事故のその日をあいまいにせずストライキを決意し立ち上がった。レールテックは05年に発足したが、その年に尼崎事故が起きた。レールテックは存在していいのか! グループ会社をJR単体に戻すべきだ。労働者を超低賃金でこき使うためのいびつな会社はつぶさなければならない。鉄道の安全と労働者の生活を守るために闘い抜く」と決意を語った。
中西剛執行委員は、尼崎事故裁判で井手正敬元社長が「安全を守らせるために現場を追及してきた」と証言したことを徹底弾劾した。
関西合同労組奈良支部、同東部支部、関西青年集会実行委員会の青年労働者の連帯あいさつに続き、大阪市職の青年労働者の赤田由行さんが「責任をとらずに民営化、外注化・非正規職化を進めるJRは許せない。大阪市も学校や保育所などあらゆる職場を民営化しようとしている。これに対し4・26自治体ストライキが闘われようとしている。ともに闘おう」と呼びかけた。
国労兵庫保線分会の富田益行さんは「外注化・非正規職化で毎月『待避不良』事故が相次いでいる。闘う労働組合に結集してこの現実を転覆しよう」と訴えた。赤松副委員長が再度マイクを握り、職場の同僚に熱く闘いを呼びかけた。
JR西日本はレールテックと動労西日本との直接の団体交渉をかたくなに阻んでいる。「JR西日本が対応する」と言っているが、こんなでたらめがあるか! 動労西日本はレールテックとの団交を必ず実現し、レールテックが何の責任もとれない会社であることを暴き出す決意を固めている。外注会社への労働者の反乱をつくり出し、外注化・非正規職化粉砕の闘いに勝利しよう。
(写真 スト当該の赤松副委員長が「闘いは今日だけでは終わらない」と宣言【4月25日 大阪市阿倍野区】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号2面4)(2013/05/13 )
郵政非正規ユニオン 郵政本社に要求行動
解雇撤回求め青年が立つ
郵政非正規ユニオンは5月1日、8時半から日比谷公園の全労協メーデーに参加し、ビラまき・署名などの宣伝活動を行いました。その後、日本郵政本社前に30人の仲間で登場しました。警視庁・公安部による「無届け集会をやったら逮捕するぞ」という恫喝をはねのけ、社前行動を貫徹しました(写真)。そして、齋藤裕介委員長を先頭に組合代表3人で日本郵政本社ビル内にある日本郵便本社に乗り込み、賃金引き上げなどの春闘要求を申し入れました。
これに対し、日本郵便本社人事部はまったく不誠実な対応に終始しました。まず組合側の出席を2人しか認めないと言い張り、もし3人にするなら1人は立っていて下さいなどと居丈高な態度に出てきました。
また、大幅賃上げや晴海局、目黒局の組合員に対する雇い止め解雇撤回を要求した齋藤委員長に対し、人事部はその場で答えようともせず、「文書で回答します」と繰り返すのみでした。
晴海局の組合員は雇い止め解雇の撤回を要求し、「雇い止め予告通知」をポストに投げ込むなどの違法な行為を徹底弾劾しました。労災で休職していたことを「勤務成績不良」と言いなし、それを理由に雇い止め解雇にすることなど許されないという当該組合員からの弾劾に、人事部は顔を引きつらせ「時間ですからやめて下さい」と逃げ回る始末でした。
申し入れ終了後には、代表団に対し「裏口から出るように」と言い張り、非正規組合に対する憎しみと差別的対応に終始しました。
われわれは、こうした不誠実な対応に終始した会社を徹底的に弾劾し、正面玄関から堂々と出てきました。本社前の道路はメーデーデモ隊の長蛇の隊列が続き、シュプレヒコールがこだましていました。このデモ隊とわれわれが合流することを会社が恐れ、裏口から出て行けという卑劣な対応に出てきたのです。
本社前で最後まで宣伝戦を行った部隊と合流し、動労千葉、動労総連合が呼びかけた新宿中央公園でのメーデー闘争に合流しました。デモ終了後の集会で齋藤委員長は、新たな「闘うメーデー」が始まったこと、とりわけ非正規職の青年が低賃金を打破し大幅賃上げを要求してメーデーに立ち上がったことの意義を鮮明に提起しました。
新たな組合員のメーデーへの決起をも実現しつつ、郵政非正規ユニオンの大きな前進を実現することができたメーデー闘争でした。
(郵政非正規ユニオン・O)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号2面5)(2013/05/13 )
闘いは進む 青年の職場から
医療・福祉 8時間労働制の解体を許さず職場から闘いぬく
東京 西原麻琴
医療職場で8時間労働制の解体が開始されています。病院経営者は、日本看護協会(日看協)が打ち出した12時間労働「長日勤」による人員削減・労働強化と人件費大幅削減をテコに、TPPによる医療のパッケージ輸出とアジア並み賃金、規制緩和による労働条件と労働者の生活破壊、医療の安全を破壊する大攻撃に踏み込んでいます。
医療現場における劣悪な労働条件・労働環境のもとで多くの仲間が過労のために倒れ、死亡する事態が全国で連続して起きる中で、いわゆる「ニッパチ闘争」が1968年に起きました。複数2人以上の夜勤体制で月8回以内(3交代制)の要求を掲げ、労働現場から激しい闘いが生み出されました。
しかし、「ニッパチ闘争」を始めとした医療労働者の職場での非和解の闘いを、日本共産党は制度・政策要求へと変質させ、医療労働運動を圧殺し続けてきました。その中で現在、複数夜勤・月8回の夜勤体制すら順守されていない病院施設が大半になっています。
日看協が2011年に出した「夜勤の負担軽減と長時間労働是正をめざして」 には、「医療内容が高度化、複雑化する一方、患者の重症化、高齢化も進み社会経済情勢が急速に変化する中で看護職の確保難が危機に拍車をかけている」「日本の医療を救い、国民に安全・安心な医療・看護を提供するためには、看護職の労働条件、労働環境の改善が急務です」と書かれています。また、看護師を養成しても離職が続き定着しない原因を「夜勤と時間外勤務を含む長時間労働です」と指摘し、さらに過労死まで起きている厳しい事態への危機感をあらわにしています。
ところが日看協は、このような現実を逆テコに「長日勤」をうたい、現状を変えるのは12時間労働制だと言い、8時間労働制をかちとった労働者の闘いの地平を資本に売り渡そうとしているのです。「こうすれば、夜勤を12時間に短縮できるし、これで時間外労働は減る、看護者の過労はなくなる」などと言っていますが、本質的には日勤の8時間労働を12時間にするということであり、人員削減と賃下げ、そして職場の安全の解体にしかなりません。
安倍政権は「医療の成長産業化」を叫び、TPP参加によって医療・介護分野を市場として資本に明け渡し、他帝国主義との一層の争闘戦に突き進もうとしています。これは、アジアなどに医療・介護の市場を求め、資本の延命のために国内の医療労働者の賃金をアジア並みに引き下げることと一体で進行します。これこそ安倍政権の「成長戦略」の要である規制緩和、つまり「解雇の自由」や労働時間規制の撤廃=長時間労働強制などの攻撃そのものであり、猪瀬東京都知事が叫ぶ都営交通24時間化攻撃と一体です。
これに対し私たちは医療職場おいて労働者の生活と職場の安全を守るため、8時間労働制の解体に対して絶対反対を掲げ、動労千葉のように非和解で闘う労働組合を職場からつくり出す新たな闘いを開始しています。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号3面1)(2013/05/13 )
5〜6月自治労スト貫徹へ
「4・26」は新情勢を開いた 7・8%賃下げ絶対許すな
革共同自治体労働者委員会
自治労4・26全国ストライキ闘争は、公務員賃金削減絶対反対の怒りの総決起として大爆発した。民営化・外注化・非正規職化と一体の賃金破壊の大攻撃に「ストで立ち向かうのか否か」が日本階級闘争の最大のテーマとなった。闘いはこれからだ。全職場で5〜6月ストを闘い抜き、安倍打倒へ向けた跳躍台として6・9国鉄全国集会に総結集しよう。
自治体首長が賃下げ提案5〜6月がいよいよ本番
4・26直後から、福岡や千葉、埼玉など全国の自治体首長が次々と公務員賃金大幅削減を打ち出した。これに対し自治労は5月8日、各県本部ごとに統一行動日を設定し、上限1時間ストを配置し闘うことを決定した。賃下げ絶対反対・スト貫徹の決戦の第2ラウンドはこれからだ。
昨年10・1JR外注化阻止決戦から1〜3月にいたる闘いが4月ストライキ情勢を切り開いた。4・26ストライキ闘争は全国の闘う労働者の総決起で闘い抜かれ、26日当日には自治労傘下単組の約半数、817の単組が一斉に29分間スト(時間内集会)か集会、早朝ビラまき行動に決起した。28年ぶりとなる自治労80万組合員の全国スト大闘争は、階級的労働運動と労働者国際連帯で改憲・戦争の安倍政権を打倒する5〜7月決戦情勢をこじ開けた。5・1新宿メーデーはストライキで闘う労働運動の新たな戦闘宣言を発した。
安倍の公務員賃金削減攻撃とは何か。公務員労働者を血祭りにして、全労働者の賃金・雇用・労働時間規制のすべてを破壊しようとする国家暴力の発動であり、階級戦争だ。帝国主義の生き残りのために戦後公務員制度という「岩盤」を崩し、全労働者の非正規職化を狙う歴史的攻撃である。それは国鉄分割・民営化の矛盾の集中点であるJR貨物労働者の大幅賃下げと一体の攻撃だ。
賃下げの最大の狙いは労働者の団結破壊だ。逆に4・26自治労ストは、新自由主義の団結破壊を打ち破り闘う労働組合を再生する闘いであった。
勝利の力は絶対反対で闘う労働者の階級的団結にある。社会と職場を動かしているのは労働者だ。ストライキは労働者の根底的な共同性・団結力・組織力を示す。安倍政権の賃下げはこの団結と共同性を破壊し、労働組合を「何の力にもならない」ものにおとしめようとする攻撃だ。
絶望的危機にかられた安倍の攻撃の本質的弱さを見抜き、真っ向から立ち向かうことで労働者が勝利を開く時代が始まる。時代認識を固めスト貫徹へ全国の職場・労働組合で猛然と組織化を進めた。闘いは革命的共産主義運動と階級的労働運動の前進をかちとる必死の格闘の連続だった。連日の白熱的闘いをとおして、ストライキこそ労働者の怒りを解き放ち敵の攻撃を打ち破る武器であり「革命の学校」であることをつかんでいった。
現場労働者の怒りバネに拠点・青年部建設へ前進
4・26自治労全国ストライキ闘争は第一に、現場の怒り、悔しさ、思いが組合の闘いとして表現されていない現実を打ち破り、階級的団結を全国の単組で急速にかちとられていった。
「ストライキってどういうこと」「勝てるの」「連日深夜まで仕事なのにそれをやめるのか」。若い世代はストライキの経験がない。多くの組合では討論し行動する基本的な活動も空洞化している。同僚との会話もない職場もある。賃下げ絶対反対の闘いは、労組執行委員会や支部の昼休み集会、活動家の会合などあらゆる場で討論を全力で組織することから始まった。
激しい怒りがあっても、闘わなかったらあきらめや敗北主義に陥ってしまう。徹底した討論と行動をとおして時代認識と路線、賃下げの中身と攻撃の核心をつかんだ仲間たちは「ここで立ち上がらなかったら組合は終わりだ」「敵の攻撃と労働者は非和解だ。団結して前に進もう」と立ち上がった。青年の怒りが前面に登場した。正規職労働者がスト貫徹に向けて奮闘し、非正規職労働者との分断を打ち破って団結が広がっていった。
第二に、自治体労働者の激しい怒りを解き放つ闘いとなった。
民営化・外注化・非正規職化、人員削減と過重労働、人事評価制度による分断の中で倒れる多くの仲間たち。被災地では、3・11大震災と福島原発事故から2年を経ても不眠不休の仕事が続いている。自治体労働者は、何千人、何万人の人びとの悲しみと悔しさに向き合い、何千頭の家畜を処分し、何十万人の被災者・避難者の思いとともに働いている。この現実に追い打ちをかけるような大幅賃下げ攻撃。
当局は団交の場で「公務員賃金は無駄金」とまで言い放った。労働者の仕事と誇りをすべて踏みにじる暴言だ。絶対に許せない。4・26ストは、労働者の怒りを解き放つ闘いの始まりとなった。職場細胞の労働者は現場の怒りに励まされ先頭に立って闘い、地区党は一体となって総決起した。
第三に、賃下げ絶対反対でストを貫徹するのか否かをめぐる既成労組幹部との対決をとおして、彼らのダメさ加減と裏切りを暴き出し、労働組合を現場労働者の手に取り戻す闘いを繰り広げた。
それは闘う労組拠点・青年部建設への挑戦と飛躍をかけた闘いとなった。現場組合員の生の声を伝え賃下げ絶対反対を訴える支部や青年部の独自ビラを全国の職場で配り、4・26当日も青年労働者が先頭で闘った。
単組幹部の多くは自治労本部の全国統一スト指令も知らせず、賃下げの中身も隠そうとした。この責任放棄と闘争破壊が、全国ストを訴える労組交流センターのビラや執行委員会・支部代表者会議での対決をとおして、誰の目にも明らかとなった。社民党や共産党=自治労連は「ストは打てない」「力がない」「ストをやったらより激しいバッシングが来る」などと言って、現場労働者・青年労働者のほとばしる怒りを抑え込もうと全力を挙げた。執行部として全国ストを貫徹するために奮闘するのではなく、闘わない理由を現場組合員のせいにし、当局とのなれ合い関係を維持するためにストを倒すことに躍起となったのだ。
しかし労働者の怒りは我慢の限界を超えた。職場討論での核心問題は二つだ。一つは、安倍政権による国家暴力の発動とも言うべき大攻撃に対し、「国家の不当介入に対し地方自治を守れ」として当局と一体となれば賃下げは回避できるかのように描くパートナー路線では立ち向かえないということだ。公務員賃金削減は1千万人の関連労働者の賃下げに直結し、6千万労働者階級への賃金破壊攻撃である。「私たちのために、みんなのために」を合言葉に闘うギリシャの公務員労働者のように全労働者の先頭で胸を張って闘おうと訴えた。
二つに、労働組合とは何なのかを真正面から問題とした。「組合員の怒りに依拠して団結を拡大して敵の攻撃をはね返すのが労働組合だ。今こそ労働組合として立ち上がろう」と訴えた。社会を動かし職場を動かしているのは労働者であり、ストライキこそ、財政破綻のツケのすべてを労働者に押し付ける新自由主義の攻撃に立ち向かう最大の武器だ。ここに労働者階級の勝利の道がある。
全国の職場でスト実現し6・9国鉄集会へ闘おう
賃下げ絶対反対・スト貫徹の決戦はいよいよこれからだ。
4・26はストライキで闘う労働組合を全国につくり出す巨大な総稽古(げいこ)の場としてあった。もはや現場の怒りを押しとどめることはできない。大恐慌の本格的爆発とアベノミクスの大破産が迫っている。
国鉄決戦と結合して自治労5〜6月ストを打ち抜き、改憲と戦争の安倍打倒へ突き進もう。労働者の力を信じず、安倍との対決から逃げ回って参議院選挙に流し込もうとする幹部から労働組合を取り戻し、階級的労働運動で勝負しよう。全職場で反合理化・運転保安闘争路線を打ち立て、現場の怒りを解き放って闘おう。『前進』を拡大し、青年の大結集を実現しよう。6・9国鉄闘争全国集会を跳躍台に、安倍打倒の大決戦を胸躍らせて闘い抜こう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号3面2)(2013/05/13 )
バス・地下鉄24時間運行
「3大都市圏新特区」に反撃を
資本家の天国労働者は地獄
政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)は、竹中平蔵(人材派遣業のパソナグループ会長、慶應義塾大学教授)や長谷川閑史(やすちか・武田薬品工業社長、経済同友会代表幹事)らを筆頭に、「アベノミクス戦略特区」(高度規制改革・税制改革特区)を掲げ、東京・大阪・愛知の3大都市圏などを例に挙げて、官製市場打破・官業の民間開放、政府資産の売り渡しと労働法制改革をぶちあげた。
地下鉄の一元化や都営交通(バス・地下鉄)の24時間化、ハローワーク民間開放(東京)、法人税大幅引き下げ、公設民営学校の解禁、上下水道・地下鉄などの統合・運営民営化(大阪)や労働時間規制緩和(未来型雇用特区)、農業拠点特区、医療ツーリズムなど、その具体例は全面的だ。「世界一ビジネスのしやすい事業環境を先行して実現する」と称し、“雇用制度など全国展開できない場合は特区で先行する”と公言している。憲法と現行法体系すら踏みにじり、資本家にとって天国、労働者にとっては地獄となる社会への大転換を狙っている。
雇用制度、労働条件などは、国際先端テストを行って最も低い最先端基準に合わせ、必要な規制制度改革を早急に実施するという。首切り自由であり、最低賃金制すら解体される。「24時間眠らない街」(猪瀬直樹東京都知事)と称して、労働者は24時間、死ぬまで働かされることになる。
輸出競争力のため民間開放
こうした全面的民営化・民間開放と労働者に対する雇用破壊・賃金破壊は、大恐慌と大争闘戦の中で破滅に突き進む日本帝国主義の延命のための絶望的な攻撃だ。
竹中平蔵は、4月17日の第6回産業競争力会議で「立地競争力の強化に向けて」と称して「利用料金の伴うもの(空港、有料道路、上下水道、公営地下鉄など)について民間開放を推進」する提言を行った際に、「コンセッション(インフラ運営市場の民間開放)による我が国建設産業の競争力強化」と題する参考資料を提示した(図参照)。そこでは、2030年までの世界のインフラ投資は、合計約5400兆円(年間約304兆円)の市場であり、道路、電力、水道がその7割を占めるとした上で、公共インフラの運営権を民間に開放することで運営経験が蓄積され、業界再編・集約化(コスト削減)が進み、インフラ輸出で海外勢と勝負できる日本企業が確立されるとしている。
JR東のグループ経営構想Xを手本に、民営化・外注化・非正規職化と労働規制撤廃を強行し海外インフラ市場をめぐる死闘に勝とうということだ。労働組合の存在をめぐる決戦は不可避だ。
竹中提言は「直ちに全国展開が困難な場合、特区で実験的導入」「最終的には、道州制のもと、地域が独自性を発揮して成長していく」とした。
道州制・改憲の先取り攻撃
4月23日の第7回産業競争力会議で長谷川閑史は「人材力強化・雇用制度改革」の中で「世界標準の労働移動型ルールに転換するため」と称して「職種限定、地域限定、プロジェクト限定や3年超の有期雇用など多様な労働契約について、時間管理のあり方も含めた雇用形態(契約)を特区で試行」と言い放った。3・11大震災後の復興特区攻撃がそうであったように、実質改憲に等しい違法不法を「特区」で先行実施・既成事実化し全面化していく手法を取ろうとしているのだ。
アベノミクス戦略特区は、「国のあり方を変える」道州制・改憲攻撃の突破口であり、「公務員の岩盤を崩す」公務員賃金破壊や原発再稼働、TPP、沖縄新基地建設、対中国・北朝鮮侵略戦争準備と一体の攻撃だ。
安倍政権を階級的労働運動の力で打ち倒す時だ。6・9国鉄闘争全国集会を跳躍台に、国鉄―4大産別を先頭とするストライキで安倍打倒へ突き進もう。
(大迫達志)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号3面3)(2013/05/13 )
派遣切りから4年/ショーワ・ジェコー行動
団結し解雇撤回する
非正規職撤廃へ戦闘宣言
「職場をさんざんたらい回しにされた揚げ句、6カ月で解雇された。団交に応じて謝罪しろ!」
4月26日昼過ぎ、埼玉県行田市富士見工業団地のホンダ系部品メーカー・ショーワ本社工場前で、派遣労働者として働き09年に解雇された一般合同労組さいたまユニオン組合員の怒りの声が響き渡りました。
「非正規では生きられない!/派遣切りから4年/ショーワ・ジェコー弾劾行動」の開始です。呼びかけたのはさいたまユニオンとJAM神奈川ジェコー労組が軸となった実行委員会。ショーワと同時期、期間従業員を解雇した同工業団地のトヨタ系部品メーカー・ジェコーも許さないと、全国から延べ150人が駆けつけました。
さいたまユニオンの田畑典保委員長は、ショーワによる不当労働行為の救済申し立てを却下した昨年10月の中央労働委員会決定と資本に忠誠を誓う御用組合を弾劾。「全金本山34年、国鉄1047名解雇撤回26年の闘いに学び、勝利まで闘う」と、非正規職撤廃・派遣法撤廃への新たな戦闘宣言を発しました。
工場包囲デモと屋内集会の後、ジェコー本社工場に向けてデモに出発。「派遣切りを許さないぞ。労働者はともに闘おう」「安倍政権打倒!」「自治労ストと連帯するぞ!」。工場から工場へ赤旗を翻して進み、ジェコー本社を包囲し「7年間の夜勤強要を許さないぞ。解雇を撤回しろ!」と声を張り上げました。
ジェコー門前でジェコー労組の武田信義委員長は、09年の期間従業員一斉解雇とそれに先立つ組合員への狙い撃ち解雇など、ジェコー資本による不当労働行為の数々を暴きました。「解雇は非正規労働者の正社員化要求に対する徹底的な妨害攻撃、人として当たり前の要求に対する侵害だ」と弾劾。解雇撤回を求めた第1次訴訟での反動判決(1月7日、さいたま地裁熊谷支部)を徹底批判し、「労働組合の在り方も問われている」と核心を突き出しました。
夜勤専属を5年間強制され解雇されたジェコー労組行田分会長は、日雇い派遣労働を強いられている現状に怒り、「解雇を全国・全世界の労働者が許さない」と、団結して解雇撤回まで闘う決意をたたきつけました。
ともに闘ったのは、外注化阻止・非正規職撤廃の3月ストを打ち抜いた動労千葉を始め、全金本山労組や3月ストに立った日本機械工業労組などの金属産別の労組、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会などの合同労組、郵政非正規ユニオンです。
この日はまた、大幅賃下げ絶対反対!自治労全国統一スト闘争日でした。さいたまユニオンは早朝から県下の加須(かぞ)市職と越谷市職で、関東の仲間は地元で市職・区職への支援・激励に取り組んだ上で、終日行動をやり抜きました。
世界大恐慌下で、労働者階級の根底からの決起がついに始まりました。そして正規職・非正規職を越えた団結を職場で先駆的につくり出してきたジェコー闘争が、ショーワ闘争とともに、自治労80万組合員と結合しました。自治労ストと連帯して闘った4・26行動は、非正規職撤廃・労働者派遣法撤廃への道を指し示す歴史的な闘いになりました。
(さいたまユニオン K)
(写真 派遣切りを弾劾し解雇撤回へ闘う決意をたたきつけた【4月26日 埼玉県行田市ショーワ門前】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号3面4)(2013/05/13 )
「郵政2021」粉砕を@
郵政民営化の破産を居直り搾取強化へ団結破壊を狙う
日本郵政は昨年10月1日、「郵政グループビジョン2021」なる長期経営計画を発表した。
全逓労働者は今春、動労千葉・動労水戸―動労総連合の3月ストライキ決起、4・26自治労ストから5・1メーデーの成功をともに実現した。同時に「郵政民営化絶対反対」「強制配転反対」「雇い止め阻止」を職場で全力で闘い、団結を固め、多くの青年労働者を階級の指導部として登場させた。この攻防を何よりも「郵政グループビジョン2021」との最先端の闘いとして打ち抜き、勝利の展望を鮮やかに指し示している。
JR東と並び非正規化推進
日本郵政の「2021」は第一に、世界大恐慌と争闘戦の激烈な進行の中で、JR東「グループ経営構想X」と並び、郵政資本が自らと安倍政権の生き残りのために労働者への攻撃の先頭に立つことを宣言したものだ。「2021」は「新たな正社員職」を掲げ、規制改革会議や産業競争力会議が提唱する「雇用の多様化、準正社員化」「労働時間、賃金の多様化」を真っ先に実行しようとしている。
しかも連合JP労組本部はこの攻撃の先兵となり、「2021」を率先推進しようとしている。JP労組のシンクタンク「JP総研」は昨年10、12月、「郵便創業150年目の再生」など二つの研究会報告を発表した。この二つの報告は、資本のものかと錯覚するほど「2021」とうり二つだ。「2021」との闘いは、JP労組本部を打倒し闘う全逓を復権する闘いと一体だ。「2021」との闘いは、郵政労働者だけではなく労働者階級の未来をかけたものだ。
「2021」は第二に、郵政民営化の大破産の産物であり、そののりきり策として出されたものだ。
「2021」は冒頭で、郵政の「経営環境は大変厳しい」として「平成23年度の状況は、郵政事業が公社化された平成15年度と比べて、郵便物数は23・2%減少、貯金残高は23・9%減少、保険保有契約数は43・0%減少」「このまま事業の縮小傾向が続きますと、早晩深刻な事態を招く」と絶望的な悲鳴を上げている。
民営化の破綻の根底にあるのは世界大恐慌と争闘戦だ。TPP(環太平洋経済連携協定)では農業とともに郵政事業(金融2事業と国際物流)も対象となり、日米争闘戦の激突点になっている。
この中で郵政資本は労働者の搾取を極限的に強め、「コスト削減」で生き延びようとしている。
さらに郵政民営化の破産を開き直り、完全民営化を目指すとしている。「日本郵政株式会社株式の売却資金を東日本大震災の復興財源に充てる」と称し「早期に上場」を目指す。資本家どもが郵政資産に群がり餌食にしようと狙っているのだ。そのために「投資家に評価される魅力的な会社になることが必要」と叫んでいるのだ。
人事交流=強制配転と闘おう
「2021」は第三に、今後の事業展開として郵便・銀行・保険の「既存3事業」に加えて「新規事業へも進出」と書き連ねている。だが「新規事業」なるもの自体に展望があるわけではない。「新規事業への進出」とは、外注化・子会社化を推進し、後述する「グループ横断的な人事交流」=出向・配転・転籍を強行することだ。それをもって「必要なコスト削減を行い」、郵政労働者を極限的に搾取・収奪することに唯一の「展望」を見いだそうというのだ。これはJR東日本の「グループ経営構想X」とまったく同じ攻撃だ。
「2021」は第四に、これらの一切の結論として郵政資本が労働者から誇りを奪い、職場の団結を破壊し、郵政労働運動を解体することを狙っている。
「2021」が最も力を込めているのが「サービス、マネジメント、社風の3つの改革」だ。特にその基軸は「マネジメントの改革」だ。ここでは「人事・給与制度改革」を掲げ、徹底的な低賃金化と団結の解体で「競争力があり、収益性の高い民間企業への転換を図る」と真っ向から宣言している。さらに「改革のための3つのステップ」として「新たな正社員職の導入など雇用形態の多様化」「人事ローテーションの活性化」「グループ横断的な人事交流」を挙げている。
特にここで「人事ローテーション」「人事交流」を強調していることはきわめて重要だ。
07年の郵政民営化に先駆けて郵政資本が行ってきたのが「人事交流」という名の強制配転攻撃だ。それは活動家つぶしの攻撃であり、労組解体攻撃そのものであった。新自由主義攻撃の最先端を行く「解雇自由」「9割非正規化」「アジア並みの低賃金」に対する郵政労働者の総反乱を徹底的な分断と団結破壊、活動家パージ・労組解体でのりきろうというのだ。強制配転阻止・非正規職撤廃の闘いは、「2021」攻撃を粉砕する最大の攻防点だ。
資本との日常的な攻防で職場支配権を奪い返し、闘う支部・分会拠点をつくり上げよう。
------------------------
郵政グループビジョン2021
■郵政民営化の破産を自認
「このまま事業の縮小傾向が続きますと、早晩深刻な事態を招く」
■低賃金化と9割非正規化、解雇自由
を目指す
「人事・給与制度改革……により経営基盤を強化」
「新たな正社員職の導入など雇用形態の多様化」
■団結破壊と労働運動の解体を宣言
「社員の意識改革を進め、新しい社風を創造」
「人事ローテーションの活性化」
「グループ横断的な人事交流」
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号4面1)(2013/05/13 )
2学友奪還勝利の地平から沖縄闘争−自治会建設決戦へ
5〜7月闘争の課題 革共同中央学生組織委員会
5月5日の2学友(青野弘明君、百武拓君)奪還をもって、国家権力・警視庁・法大当局による4・25法大弾圧は完全に粉砕された。全国の労働者・学生の団結による歴史的勝利だ。法大闘争と全学連運動の前進を押しとどめようと百パーセント不当な弾圧に踏み込んだ国家権力は、当該2学友の完全黙秘・非転向の闘いと全国からの断固たる反撃に恐怖し、消耗し、算を乱して敗走した。半年以上も前の「事件」をデッチあげて令状逮捕までしながら、10日間の勾留延長すらつけられないぶざまな姿をさらした。2同志奪還の大勝利は、安倍超反動政権打倒の5〜7月決戦への号砲だ。全国学生はこの高揚を引き継ぎ、5月沖縄現地闘争の爆発から京都大−広島大における学生自治会決戦の勝利へ真一文字に突き進もう。
4・25法大弾圧粉砕の勝利
4・25法大弾圧は、警視庁公安部・検察の脅しや転向強要に屈しない2学友の戦闘精神で粉砕された。06年以来、7年超で125人もの学生が不当逮捕されながらも、全員が例外なく完全黙秘で闘い団結を守り抜いている。これこそ法大闘争の真骨頂だ。そしてそれは、逮捕「容疑」である「昨年10月19日の建造物(法大キャンパス)侵入」なるものがデタラメであり破産していることを突き出している。
「10・19の建造物侵入罪」とは、”キャンパスで集会をやることが罪””全国学生が法大生とともに声をあげることが罪”と言っているに等しい。そんなことはまったく通用しないことを、弾圧粉砕で国家権力と法大資本にたたきつけた。
4・25弾圧は、プロレタリア革命の時代の学生決起に対するブルジョア支配階級の恐怖だ。法大当局の正門封鎖(キャンパス封鎖)や公安刑事・機動隊の集会破壊のみならず、全国の学生個人宅や闘争拠点数十カ所への家宅捜索攻撃で、組織と運動そのものを壊滅させようという「暴処法型」弾圧だった。
しかし、4・25法大闘争が弾圧をはね返してすさまじい勢いでうち抜かれたこと、多くの法大生が合流し権力を逆包囲したことで敵の意志はうち砕かれた。法大当局が4月冒頭からキャンパスに大音量で放送していた「過激派」「巻き込まれるな」宣伝とは、法大生の主体性や誇りを奪い、学生に当局の下僕になれと強いるものだった。しかし、法大生は毅然としてそれを拒否し、堂々と集会に合流した。増田総長のわめく「自由と進歩」などペテンであると見抜き、法大文化連盟の旗のもとに結集をかちとっている。4・25闘争の高揚こそが弾圧粉砕の基盤となった。
4月25日に不当逮捕された6人のうち4人は翌日取り戻したが、権力は青野・百武両君を勾留し続けた。それは、2人が「3・11世代」の象徴的人格だからだ。「3・11大震災と原発事故」は、破産した新自由主義の姿を暴き、「生きるために闘う」青年労働者・学生を膨大に生み出したのである。
「3・11」への怒りとは帝国主義打倒とプロレタリア革命への欲求であり、学生自治会運動を闘う2学友はその息吹を体現する「3・11世代」であり、革命への希望・展望そのものだ。それゆえ、国家権力はたまらず弾圧に踏み出し、あえなく破産したのだ。
法大闘争の力が全国に拡大
敵が昨年10・19法大闘争の地平の破壊に焦点を合わせたことは、偶然ではない。10・19法大闘争は「処分撤回」と「学祭規制撤廃」を掲げ、文化連盟のキャンパス内決起のもとに1千人の法大生が合流した闘いだった。法大生自身の力でキャンパスを奪い返す自己解放闘争と一体で全国学生は闘った。10・19闘争の高揚感が、多くの学友の価値転換と人生決断をつくり出した。
とりわけ先頭に立った武田雄飛丸君(法大文化連盟委員長)との団結形成が決定的だった。だからこそ、法大当局は直ちに武田君へ「無期停学」処分を振り下ろし、4・25弾圧で10・19闘争をなきものとしようとした。しかし10・19闘争の革命性は断固守り抜かれ、4・25闘争へ発展した。「10・19→4・25」の荒々しさと団結の中に、学生の生き方がある。
4・25弾圧粉砕の地平から全国学生運動は新たな段階に突入する。全学連は300万学生の主流派へ飛躍しよう。昨年来、われわれはマルクス主義学生同盟中核派・福島大支部再建(4月)、法大暴処法弾圧無罪判決(5月)、京都大同学会再建(6月)、10・19法大闘争、東北大学生自治会新執行部樹立(12月)、法大文化連盟新執行部樹立(12月)と闘いを推し進めてきた。その「扇の要」が10・19法大闘争だ。今年冒頭には「広島大学生自治会再建」と「沖縄学生運動創成」を最重要課題としてうち出した。核心は、法大闘争の鉄火でうち鍛えられた団結が、全国で学生自治会建設へ結実し始めたことだ。新自由主義大学を根底から覆す学生反乱の組織化だ。
日帝ブルジョアジーのいかなる反動も、このうねりを押しとどめることはできない。世界大恐慌下での最先端的激突としての法大で弾圧を粉砕した。安倍超反動政権の攻撃は薄っぺらでもろいものであり、団結した闘いをたたきつけるならば崩れ去るものでしかない。日帝の危機はそれほど深い。全国学生は5〜7月、安倍政権打倒の闘いの先頭に立ち、組織拡大の大躍進を実現しよう。
広大に不抜の学生自治会を
武田君への不当処分撤回
全国学生は4月新歓決戦で、法大、福島大を先頭に、学生の主体性の一切を認めない当局の団結破壊攻撃と対決し、新入生を中心に生き方をかけた決起をつくり出してきた。あらためてつかんだことは、法大での不当処分(逮捕−起訴)を許さず、「一人の仲間も見捨てない」団結をつくり出すことが、新自由主義大学への最も強力な反撃となるということだ。
法大闘争7年の求心力とは、処分・弾圧への怒り、「教育」とはおよそ言えない監獄大学の現実への怒りを、団結へと転化してきたことにある。学生への「停学」「退学」処分に新自由主義大学の腐敗が凝縮している。処分とは当該学生のキャンパス追放という暴力的措置であるばかりか、運動内に分断を持ち込んで団結を破壊し、新たな決起を抑え込むという意味で全学生への攻撃だ。それは、「教育的措置」を掲げて学生を大学からたたき出し、学生を処分し続けることでしか当局の支配が成り立たない破産形態でもある。
不当処分への怒りは、当局が私有しているキャンパスを、学生自身の行動で奪い返す欲求を生み出す。「仲間のために声をあげる」という当たり前の人間的思いを生み出し、団結と誇りがよみがえる。処分への怒りは、処分撤回を実現する運動と組織すなわち学生自治会建設を希求する。武田君への不当処分を撤回させよう。
反原発闘争を100万人規模で爆発させることと並び、法大不当処分撤回闘争を拡大すること、新自由主義の矛盾の象徴である処分・原発と闘い学生自身の団結組織をつくること。これが法大闘争7年の発展形態としての、全国での学生自治会建設への挑戦だ。この闘いは「福島−沖縄−三里塚」とつながる政治的決起と一体で、安倍打倒・改憲阻止へと攻め上る。
5〜7月決戦で安倍を倒せ
全国学生の5〜7月の決戦方針は何か。
一つに、2同志奪還の勝利の高揚を学友のもとに持ち込もう。
二つに、法大当局の責任を追及し、武田処分撤回闘争の爆発をかちとろう。2同志奪還は処分撤回の巨大な力だ。全学ストライキを目指す10月法大闘争の爆発と法大学生自治会建設へ突き進もう。白熱化する暴処法弾圧控訴審に勝利しよう。
三つに、闘う沖縄大生と連帯し、5月沖縄現地闘争へ総決起しよう。
四つに、5〜6月の京都大学全学自治会同学会選挙に勝利しよう。
五つに、最大の決戦の環は、弾圧粉砕の勝利をバネに、広島大に不抜の学生自治会を建設することだ。2学友奪還への広大生の大衆的決起が敵階級と広大当局を震え上がらせている。
六つに、階級的労働運動のうねりと一体化し、6・9国鉄闘争全国集会に結集しよう。
総じて、勝負は21世紀革命を貫徹する指導部を建設することだ。全学連中央執行委員会の強化と一体で、全国大学にマル学同支部をつくろう。4・25弾圧粉砕は闘う労働者・学生に巨大な展望を示した。勝利をつかみとるのはわれわれだ。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号4面2)(2013/05/13 )
法大弾圧 青野君と百武君を奪還
法大、東北大広島大、京大 不当逮捕・捜索に大反撃
5月5日、4・25法大集会を破壊するために昨年10・19法大1千人集会での「建造物侵入」をデッチあげられて不当逮捕されていた青野弘明東北大学学生自治会委員長と、百武拓広島大学学生自治会準備会代表の釈放をかちとった。先に奪還された4学生とあわせて、4・25弾圧を完全粉砕する大勝利だ! 全国学生運動の指導部を狙った4・25弾圧は、6学生全員の奪還を突きつけられ、完全に破産した。
この弾圧を粉砕した力は、何よりも獄内外で打ち抜かれた完全黙秘・非転向の闘いだ。今回の弾圧では、全国の学生宅や自治会室、サークルボックス、寮に一斉捜索が行われた。逮捕の見せしめで学生を恫喝し、裏切りの供述を引き出すことを狙った団結破壊=組織壊滅型の弾圧だ。これに対し、獄内の6人はもとより獄外の仲間たちも完黙を貫き、一糸乱れず権力の不当な呼び出しなどを粉砕した。
弾圧を粉砕したもうひとつの力は、新自由主義を打ち破る学生自治会建設の大前進だ。4・25集会当日、法大当局によるキャンパス封鎖と警視庁公安部による集会禁圧を打ち破り、多くの学生が合流し、権力は逆に法大生たちに包囲された。学生を権力に売り渡す大学への怒りは燃え上がり、文化連盟の求心力は決定的に強まっている。
広島大学・文化サークル連合は逮捕弾劾・即時釈放の声明を全会一致で権力・当局にたたきつけ、東北大学では自治会書記局が拡大。京大熊野寮は不当な捜索を徹底弾劾し、警察部隊を敗走させた。全学連の新たな指導部を狙った弾圧は逆に巨大な大衆的反撃をたたきつけられ大破産した。
今や4・25弾圧は、それを打ち破った全学連に対する共感と合流を生みだすものへと転化し、学生自治会建設の機運を圧倒的に高めるものとなっている。4・25弾圧との勝利の地平から、5月沖縄闘争−6・9国鉄全国集会へ! 法大文化連盟の組織拡大、京大同学会選挙、広島大学学生自治会建設に勝ち抜き、安倍政権打倒へ突き進もう!
(写真 奪還された青野君【左】と百武君)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号4面3)(2013/05/13 )
新入生歓迎集会が大成功
東北大 弾圧に怒り爆発 福島の闘いに熱く連帯
東北大学学生自治会は青野弘明委員長を含む2人の仲間が4・25法大闘争で不当逮捕されている中で、翌26日、「二年後の福島――母親と医師が語る現実と希望」と題して新歓講演会を開催。福島の佐藤幸子さんと、ふくしま共同診療所の医師である布施幸彦さんをお呼びしました。
佐藤さんからは、フクシマの現状と3・11以来の2年間の経験が生々しく語られ、布施さんからは、山下俊一をはじめとした御用学者の支配下にある福島の医療体制との闘いとして、ふくしま共同診療所をつくったという意義が語られました。
マスコミなどが語らない事実を聞いて、参加した新入生が話に引き込まれ、質問や意見が次々と出されました。
印象的だったのは、佐藤さんが「国策と闘えば色々な形で『弾圧』のようなものがある。闘うには覚悟が必要だ」と、今回の法大での弾圧に引き付けながら反原発の闘いを語ったことです。新入生からも「お二人が決意を持って行動されていることに感動しました」という感想が出されました。
この日は、朝7時から2時間におよぶ自治会室への警察の不当捜索が行われ、さらなる新歓破壊攻撃がかけられましたが、自治会執行部の仲間をはじめ多くの学生が抗議行動に駆け付けて闘いました。前日の法大の状況には及ばないものの、多くの学生が注目し、数十人の人だかりができ、声をからしながら訴える仲間に、のどアメをくれる女子学生が現れました。昼休みは福島大の仲間も駆け付けてくれる中で、初めてキャンパスでマイクを握る仲間も出て、緊急抗議集会のような状況になりました。
こうした闘いの中で、自治会書記局に入ることを決断する新入生が生まれています。弾圧への怒りで仲間が拡大し、「見せしめ」という弾圧の核心が打ち破られています。さらに新入生との団結を固め、自治会の強化・発展をかちとります。
(東北大・I)
(写真 新入生歓迎講演会で布施医師の講演を熱心に聞く学生たち。右は佐藤さん【4月26日 仙台市】)
富山大 中嶌哲演さん講演 当局の妨害をうち破る
4月23日、富山大学新入生歓迎講演会が学生自治会、NAZEN北陸の共催で行われました。
富山大学学生自治会は「非公認で存在しない」「カルト団体・悪徳商法」という富大当局の誹謗(ひぼう)中傷と真っ向から対決して、逆に「原発カルト」と化した富大当局に対し学生の団結を求め、正門前でのねばり強い情宣活動で情勢を切り開いてきました。
4・23集会は富大生の運動の前進を象徴する集会でした。富大当局の反動・弾圧をのりこえ、初参加の学生、新入生が集まりました。また労働組合、富山の反原発、放射能汚染ガレキ受け入れ反対の仲間がかけつけ大成功しました。
何よりも、「原発設置反対小浜市民の会」の中嶌(なかじま)哲演さんの特別講演は、物静かだが気迫あるすばらしい講演でした。
「原発銀座」と呼ばれる福井県若狭で40年間、原発反対を訴えてきた中嶌さんは、政党・党派による分裂の時も、一貫して一番苦しんでいる被爆者や原発労働者の立場に立ち、闘いを前進させてきました。その経験は圧巻でした。また、40年間闘い続けられたのは「若狭の現実がそれを迫らせたのはある。他人のためというのもあるが、自分自身の問題だからだ。本当の持続力が必要だ」と語ってくれました。
3・11福島原発事故から2年たち、原発の再稼働阻止・廃炉を闘いとっていくためにも中嶌さんのような闘いが本当に重要だと感じました。
さらに、斎藤郁真全学連委員長のアピールは、法大闘争のスケールの大きさとその意義で参加者全体を獲得し、参加した女性が「学生は彼のように闘おう」と感想を述べる場面もありました。
富大生の「大学・学生が社会に物申す力が奪われている。学生は団結して闘う。それが学生自治会だ」という発言のように、大学当局との力関係を転換させ5〜7月を闘います。
(富山大・K)
沖縄大 基地・原発なくせ 元全軍労労働者が講演
4月26日、新入生を迎えて元米軍基地労働者の水島満久さんと全学連の坂野陽平書記長の講演会が大成功しました。
水島さんは、「私はこう生きてきた」と題して、復帰闘争を青年労働者として闘った経験を当時の時代状況を交えながら話してくれました。
19歳の時に大阪で就職しようとしたものの、復帰前の沖縄でパスポートがおりずに本土での就職を断念、沖縄で基地労働者となりました。それがベトナム戦争当時のアメリカの基地労働者確保策でした。しかし、ベトナム戦争に負けると大量解雇が始まります。この経験から「基地は沖縄の人びとの生活のためではなく戦争のため」と喝破しました。無権利だった基地労働者が米軍と激突しながらストライキに立ち上がり、全国の労働者を揺り動かしていったこと、全軍労牧港支部で初の青年部を結成し、米軍高官に「米軍基地が墓場になった」と言わせる基地内ストを打ち抜いてきた歴史を生き生きと語りました。最後に「基地労働者を鍛えてきたのは連帯と共闘。『基地を県外に』『平等に』では基地は一坪も撤去できない。国際連帯でこそなくせる」と強調しました。
坂野書記長は「本土の学生と沖縄の学生が団結して基地も原発もなくそう。学生が先頭で社会を根本的に変えよう」と題してアピール。「法大では昨年ついに学生の怒りが爆発。武田君への処分も昨日の6学友逮捕も、恐れず立ち上がれば打ち破れる。安倍の改憲攻撃との闘いだ」「すべての学生が団結する学生自治会をつくろう」と熱弁をふるいました。
ここで6人中4人の釈放が伝わり、会場は高揚。最後に主催した学生が「沖大でも自治会をつくりたい。残りの2人を取り戻そう! 5月18日〜20日、沖縄に全国から学生が来る。集会・デモに参加しよう!」と提起しました。5月沖縄現地闘争へ沖大生は立ち上がります。
(沖大・U)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号4面4)(2013/05/13 )
官邸前行動 原発を輸出するな!
チェルノブイリ27年弾劾
4月26日、首相官邸・国会前などで反原発金曜行動が取り組まれた。27年前の1986年のこの日は、チェルノブイリ原発事故が起きた日だ。
官邸前では午後6時から抗議行動が始まった。「原発やめろ!」「再稼働反対!」の激しいコールが官邸に向け発せられた。
年配の女性がマイクを握り、「今日はチェルノブイリで原発事故が起こった日です。あの時、『日本の原発は型が違うから安全だ』と言った。だが安全じゃないことが分かった。特に日本は地震の活動期に入っている。一日も早く原発をやめろ!」と声を張り上げた。「そうだ!」の声が一斉に上がった。
5月3日も多くの労働者民衆が首相官邸前に結集し闘いぬいた。この日は国会前行動は取りやめ、官邸前に集中しての行動となった。
東京・立川市から参加した女性は「安倍首相が外国に原発を輸出するのは本当に無責任だ。絶対にこれをやめさせる。そして国内の原発もすべて廃炉にさせる。それまで頑張りたいと思います」ときっぱりと宣言。「頑張ろう!」の声援があちこちから飛んだ。
郡山市から参加した若い女性は「安倍首相に言いたい。私は福祉の仕事で、人手が足りない中で高齢者の世話をしている。放射能汚染された福島で、必死で支えあって暮らしている人が大勢いることを忘れるな。福島でつらい思いをしたので、原発はいらない!」と声を振り絞った。
(写真 連休中も多くの人が駆けつけ、安倍の原発推進と再稼働攻撃を弾劾【5月3日 首相官邸前】)
福島事故後初の原子力協定
安倍首相は中東を訪問し、トルコとアラブ首長国連邦(UAE)で、原発輸出に必要な原子力協定を結ぶことを確認した。福島原発事故後、原子力協定の新規署名は両国が初めてだ。原発輸出を許すな。再稼働を絶対に阻止しよう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号4面5)(2013/05/13 )
2013年日誌 4月23日〜5月6日
オスプレイ追加配備を確認/トルコへ原発輸出
●168議員が靖国参拝 超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の168人が「春季例大祭」で靖国神社に集団参拝。議連に記録がある1989年以降で最多。(23日)
●石巻に水産特区認定 宮城県石巻市で漁協に入らなくても企業が漁業に参入できることになった。同県が申請していた「水産業復興特区」を復興庁が認めたため。(23日)
●防衛新大綱、自民が提言案 自民党の安全保障調査会・国防部会は、安倍政権が年内に策定する新防衛大綱への提言案をまとめた。敵基地攻撃能力の保有のほか、集団的自衛権の行使検討など改憲を見据えた内容。(23日)
●B787運航再開許可 バッテリーのトラブルで運航を停止していたボーイング787型機について、米連邦航空局が運航停止措置を解除したのを受け、国土交通省は全日空と日本航空に対して正式に運航再開を許可した。トラブルの原因は不明のまま。(26日)
●海洋権益確保へ基本計画策定 安倍政権は、今後5年間の海洋政策の青写真を示す海洋基本計画を閣議決定した。排他的経済水域の権益や資源の確保を鮮明に打ち出した。(26日)
●2人の死刑執行 谷垣禎一法相の命令で確定死刑囚2人の刑が執行された。3人に執行した2月21日から2カ月余のハイペース。(26日)
●オスプレイ追加を確認 日米両政府は、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機を今夏に山口県の岩国基地に陸揚げし、その後、沖縄県の米軍普天間基地に配備することを確認。(29日)
●韓国国会が靖国参拝を糾弾 韓国国会は麻生太郎副総理ら日本閣僚らによる靖国神社参拝と、安倍首相の歴史認識を巡る発言を糾弾する決議を採択した。(29日)
●年内にIAEAへ報告 原子力規制委員会は、福島第一原発事故の原因を調査する検討会の初会合を開き、報告書を年内にまとめ国際原子力機関(IAEA)に提出することを決定した。(1日)
●UAEと原子力協定署名 安倍政権は、アラブ首長国連邦(UAE)と原子力協定を結んだ。東電福一事故後、他国との締結は初めて。日本は今後、原発関連技術を輸出する。(2日)
●原発安全検証へ新組織 茂木敏充経産相は、国の原子力規制委とは別に、電力会社が中心になって原発の安全性を検証する新たな組織の設置を検討する考えを表明した。(3日)
●元裁判員女性、国提訴へ 福島地裁郡山支部で死刑判決を言い渡した3月の裁判員裁判で裁判員を務め急性ストレス障害になった女性が、国家賠償請求訴訟を起こすことが分かった。(3日)
●米が普天間代替施設の維持費を年198億円要求 米政府が普天間飛行場の代替施設移転後の年間維持費約2億j(約198億円、現在の普天間維持費の約70倍)を日本に負担するよう求めていることが分かった。(3日)
●トルコへ原発輸出 日本・トルコ両首脳は原発新設で日本に排他的交渉権を与えるとした共同宣言に署名。福一事故後、日本企業が主導する原発受注が確定するのは初めて。(3日)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号5面1)(2013/05/13 )
6・9国鉄集会に全国総結集を
自治労5〜6月スト貫徹しよう 改憲と辺野古新基地建設の安倍倒せ
5・1新宿メーデーは動労千葉・動労総連合の呼びかけで、ストライキで闘う青年労働者を先頭に「闘うメーデー」の復権として大成功しました。5月5日には、4・25法大解放闘争で令状逮捕された2学生を奪還しました。安倍政権打倒の5〜7月決戦は、この感動的な勝利をもって火ぶたを切ったのです。労働者や学生の闘いが時代を動かし、革命情勢をいよいよ成熟させています。反原発闘争でデモが当たり前になったように、今やストが日常になる時です。5〜7月、階級的労働運動と労働者国際連帯の力で改憲・戦争に突き進む安倍政権を打倒しましょう。全産別・全職場で反合理化・運転保安闘争を実践し、国鉄闘争全国運動が呼びかける6・9国鉄大集会(2面にアピールと要項)に全国から総結集しましょう。
公務員大幅賃下げ攻撃との一大決戦
6・9国鉄闘争全国集会は、安倍政権による雇用破壊・賃金破壊・超長時間労働に怒りを爆発させ、闘う労働組合が総結集する歴史的な集会です。階級的労働運動の再生を心から求め、職場で資本と闘うすべての労働者と労働組合は、6・9集会に結集して団結を打ち固め、さらに勝利を切り開きましょう。
とりわけ自治体労働者は、歴史的な大幅賃下げ攻撃をぶっ飛ばすために、6・9集会に最先頭で結集しましょう。公務員賃金の月例給7・8%削減、一時金1割削減は、関連する労働者を含めて1千万人の労働者に対するとんでもない賃下げ攻撃です。安倍政権は、この公務員への攻撃を突破口に、6千万労働者全体の賃金や雇用、労働時間規制のすべてを破壊しようとしています。政府が地方公務員労働者の一律賃下げを決定するのは国家暴力の発動であり、改憲の先取りです。
2013年度予算の成立をもって、5〜6月地方議会で賃下げのための条例改悪が狙われ、7月から大幅賃下げが強行されようとしています。5〜7月こそ、この歴史的な賃下げ攻撃との大決戦です。自治労4・26全国統一ストの地平を発展させ、全国の自治体職場で第2波、第3波のストをたたきつけましょう。自治体労働者のストこそ、国家機構の中からの反乱であり、プロレタリア革命の現実性を示す闘いです。自治体労働者は、歴史を動かす使命感をもって全労働者にストで勝利の展望を示しましょう。
安倍政権は今、産業競争力会議や規制改革会議などで、限定正社員制度、解雇の金銭解決、残業代ゼロ法など、「解雇と超長時間労働の自由化」「労働者10割非正規職化」に向けた議論をしており、それを成長戦略として6月に発表しようとしています。
こうした攻撃に対して、すでに大阪市長・橋下を最先兵にした自治体業務の丸ごと民営化による「全員解雇・10割非正規職化」との攻防が全国で激しく闘われています。日帝と安倍政権による雇用破壊・賃金破壊・長時間労働への労働者の怒りを、今こそ6・9集会に総結集しましょう。
反合・運転保安の資本と闘う根源性
動労千葉や動労水戸の3月ストは、外注化で強制出向された労働者とJR本体の労働者が団結して決起し、労働組合の違いを超えた青年労働者の総反乱情勢を生み出しています。JR資本による「スト破り命令」や「業務命令」を青年労働者が拒否し、当局も処分ができない力関係をつくり出しています。
この動労千葉や動労水戸の闘いの中に、労働組合のもっている無限の可能性と、反合理化・運転保安闘争路線の勝利性が示されています。反合・運転保安闘争路線は、命や安全問題を切り口にして反合理化闘争を闘う路線であり、労働を武器に労働者の誇りと職場支配権を取り戻し、労働者階級の無限のエネルギーを解き放つ闘いです。動労千葉の闘いに学び、全産別・全職場で今こそ反合・運転保安闘争を実践しようではありませんか。
雇用破壊・賃金破壊の歴史的な出発点が国鉄分割・民営化攻撃でした。しかしその攻撃の歴史的な破産と矛盾が今、JR貨物の経営危機と賃金1割削減攻撃として爆発しているのです。今こそあらためて国鉄分割・民営化絶対反対を掲げ、全労働者の力を結集して、国鉄1047名解雇撤回・JR復帰をかちとる時です。解雇撤回・JR復帰を求める10万筆署名運動を職場と労組、地域、街頭で推進し、6・9大結集をかちとりましょう。
解雇撤回・JR復帰を求める動労千葉鉄建公団訴訟控訴審は5月8日、東京高裁・難波孝一裁判長が、国鉄分割・民営化における採用差別で首を切った張本人・葛西敬之(現JR東海会長)の証人調べを拒否し、結審を強行しました。絶対に許せません! これに怒りの大反撃をたたきつけるのが6・9集会です。国鉄闘争全国運動の大発展へ、動労千葉の夏季物販に取り組み、動労千葉を支援する会を全国でさらに広げましょう。
6・9国鉄大集会はまた、安倍政権による改憲攻撃や辺野古新基地建設を、階級的労働運動を軸とした労働者人民の総決起で粉砕する集会です。安倍は7月参議院選挙をもって参議院でも3分の2の改憲勢力の結集を狙っています。この中で、改憲をめぐる攻防の核心は、「労働運動の壊滅か、それとも階級的労働運動の再生か」にあります。
国鉄分割・民営化を強行した元首相・中曽根は攻撃の狙いが“国鉄労働運動をつぶし、総評・社会党を解体して、改憲を行うことにあった”と公言しています。安倍政権も、改憲を強行するために7・8%賃下げを行い、自治労や日教組の解体を狙っているのです。
しかし闘う自治体労働者は今、その歴史的使命を自覚し、人生をかけた決起を開始しました。4・26自治労全国ストは、自治体労働運動再生の本格的な決戦の始まりです。
労働者を戦争に駆り出す改憲攻撃
改憲攻撃で墓穴を掘るのは安倍政権です。安倍の破綻と危機性が今や噴出し始めました。改憲や戦争で生き延びようとしているのは、労働者人民に大失業と生活破壊を強制している資本家階級です。だが戦争で殺し合いをさせられるのは、労働者人民です。最末期帝国主義の絶望的な延命形態である新自由主義こそ、社会を崩壊させ、労働者が生きていけない現実をつくった元凶です。
改憲攻撃は、世界大恐慌と大争闘戦時代への突入、3・11大震災と福島原発事故で崩壊の危機にある日本帝国主義支配階級が、体制の絶望的な延命をかけて、労働者人民を再び三たび帝国主義戦争に引きずり込む許しがたい攻撃です。
安倍政権がふりまく国益主義・排外主義と労働者の分断を絶対に許さず、階級的労働運動と労働者国際連帯、そして学生運動の爆発で、安倍政権による改憲攻撃を絶対に粉砕しましょう。賃金破壊・雇用破壊への怒り、戦争や改憲に対する怒りを、安倍にたたきつけましょう。改憲への踏み切りは、「戦争か、革命か」をめぐる本物の革命情勢を引き寄せます。今こそ腐り切った資本主義社会を根本からひっくり返し、労働者が主人公の新しい社会をつくるために闘う時です。
そのために、青年労働者を先頭にして階級的労働運動を全産別でつくり出し、それと一体で革命に勝利する労働者の党を建設しましょう。学生戦線は反原発・安倍打倒の最前線に立ち、法大決戦に勝利し、全国に闘う学生自治会を建設するために決起しましょう。
5・15沖縄闘争に全国から大結集し、辺野古新基地建設を阻止し、新自由主義と闘う沖縄闘争を国際連帯闘争として発展させましょう。5・22裁判員制度廃止!全国集会に結集しましょう。反原発闘争、三里塚闘争、星野同志奪還闘争、八尾北・西郡決戦など、すべての闘いが5〜7月に大決戦を迎えます。一切の闘いを6・9集会の大成功に集中し、その高揚の力でさらなる勝利を切り開くのです。
機関紙『前進』を全面的に活用し、特に労組活動家の中に爆発的に広げましょう。すべての青年労働者と学生は革共同に結集し、プロレタリア世界革命の勝利へ、ともに闘いましょう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号5面2)(2013/05/13 )
4・28集会 安倍の改憲策動と対決
「政府式典」弾劾し420人集う
4月28日、東京・板橋区のハイライフプラザいたばしホールで、「『主権回復の日・政府式典』反対!/福島・沖縄の怒りとつながり、国際連帯で改憲と戦争を阻もう 4・28全国集会」(主催/とめよう戦争への道!百万人署名運動)が開催され、会場を埋める420人が結集した。
司会からの開会あいさつに続いて「裁判員制度はいらない!大運動」の中島偉晴さん(6面に発言)、「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」の織田陽介事務局長がそれぞれ連帯あいさつに立った。織田さんは「改憲は敵の危機。多くの人たちが過激に立ち上がる過程にある。この力に依拠して、社会を変えていこう」と訴えた。
次に、百万人署名運動事務局長の西川重則さんが、憲法審査会の傍聴を報告し、自民党の新憲法草案(昨年4月27日発表)の狙いを暴露した。とりわけ、第102条で「すべて国民は、この憲法を尊重しなければならない」とあることに警鐘を鳴らし、「国家を縛る憲法から国民を縛る憲法にしようとしている。絶対に認めることはできません」と訴えた。そして「労働組合であれ市民であれ、戦争を起こそうとする自国政府を止める責任があり、その責任と国際連帯の両方が重要です」と提起した。
続いて、福島県教職員組合副委員長・前双葉支部長の柴口正武さんが「学校現場から見るフクシマとフタバ」と題して講演。柴口さんは冒頭、「福島の高校生が、『忘れられることが一番こわい』と語っていました。それは福島県民の共通の思いです。政府式典を開催した安倍政権に怒りを感じます。それは福島に住む者の思いを無視して原発再稼働を明言したことにもつながる怒りです」と語り、いまだに高線量下で生活を強いられている福島の現実を詳細に明かした。終わりに「私たち教職員組合は、子どもたちを被曝から守るために闘っていきます」と決意を語った。
休憩を挟んで後半に入り、元全駐労マリン支部副委員長の水島満久さんが「カギを握る基地労働者。沖縄闘争の課題と展望」と題して講演。水島さんは、かつて全軍労牧港支部青年部(牧青)で闘った経験を踏まえ、全軍労闘争の地平が現在の基地労働者にも引き継がれ、07年と12年のスト決起になったこと、そして今まさに基地労働者をめぐる歴史的決戦となっていることを明らかにした。そして、「世界の労働者と連帯する闘いで米軍基地を撤去しよう。沖縄を『基地の島』から『国際連帯の島』へ! 『復帰』41年目の5・15沖縄闘争に集まろう!」と力いっぱい訴えて講演を締めくくった。
続いて、百万人署名運動事務局の川添順一さんが集会の基調提起に立ち、次のように訴えた。「政府式典の狙いは改憲への突撃路をつくることであり、沖縄に対して日米安保強化への屈服を迫ることです」「改憲とは統治形態の転換をかけた新自由主義の攻撃。労働者階級に対する、国家によるむきだしの暴力支配へと転換することが改憲です」「5月沖縄闘争、6・2反原発国会闘争、6・9国鉄大集会、6・16大間現地闘争をともに闘い、改憲阻止・安倍打倒のうねりを拡大しましょう」
最後にリレー・アピールとして、反原発闘争を闘う仲間、在本土沖縄の労働者、学生、青年、百万人署名運動連絡会の仲間が発言し、熱気に満ちた集会を締めくくった。
(写真 百万人署名運動事務局長の西川重則さんが、改憲に突き進む安倍政権を怒りを込めて弾劾した)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号5面3)(2013/05/13 )
青年・学生は5・15沖縄闘争へ
国際連帯の前進で基地撤去を
革共同沖縄県委員会
基地・戦争・生活破壊と闘う決戦へと突入
今年、1972年の本土「復帰」から41年目を迎える5・15沖縄闘争は、新たな歴史的決戦に入った。日帝・安倍政権は3月22日、辺野古新基地建設に向けた公有水面の埋め立て申請を強行し、96年12月のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)の最終合意以来、労働者階級の力で阻止され続けてきた辺野古への新基地建設に着手しようとしている。さらに4月18日には、北朝鮮のミサイル問題を口実にPAC3(地対空誘導弾パトリオット)の沖縄への恒常的配備を強行した。
そして戦争と改憲攻撃そのものとして、4・28を「主権回復の日」と称して「政府式典」なるものを開催した。4・28とは、沖縄の労働者人民にとっては(また本土の労働者階級人民にとっても)「屈辱の日」であり、「怒りの日」以外の何ものでもない。戦後の沖縄闘争はこの4・28を起点にして闘われてきたのだ。日帝・安倍はこれを反動的に転覆し、沖縄闘争の圧殺と「基地の島=沖縄」の一層の強化・拡大を推進し、改憲と戦争体制の構築をやり遂げようとしている。断じて許せない。
こうした攻撃の根底には、世界大恐慌の一層の深まりと帝国主義間・大国間の大争闘戦時代への突入、その中での脱落日帝としてのすさまじい危機がある。安倍は、「アベノミクス」と称する超金融緩和政策で経済のインフレ的浮揚をめざそうとしているが、その破綻は不可避である。それは、大量の国債を日銀に引き受けさせることで、すさまじいインフレを巻き起こし、国債の暴落に行きつくのである。
そして日米帝間の争闘戦の最大の柱であるTPP(環太平洋経済連携協定)への踏み込みで、日帝はついに対米帝の全面的死闘的な争闘戦に突入した。TPPへの参加は、大資本の延命のために一切の矛盾と犠牲を労働者階級人民に押しつけることを意味する。それは労働者人民に極限的な生活破壊をもたらし、とくに沖縄にとってはサトウキビなどの農業が壊滅的打撃を受ける。さらに医療や福祉の破壊をもって、ますます生きていけない状態を強制しようとするものだ。
そして重要なことは、米帝にとってTPP政策は、米帝を絶対的な最強国家として再建することをめざす帝国主義的通商政策であり、安保・軍事政策と一体不可分だということだ。
米帝は、新軍事戦略によって対中国・対北朝鮮の軍事体制を強化し、中国の包囲・制圧・解体を狙っているが、同時にこれは日帝に対する激しい争闘戦でもある。
だからこそ、日帝は一方でTPPに踏み込み、他方で安保防衛政策上のすさまじい反動的飛躍へと絶望的に突き進もうとしている。戦後憲法体制の全面的転覆、集団的自衛権や武器輸出三原則の転換、そしてその最大の攻撃の環が沖縄である。昨年から強行されているオスプレイ配備の増強や、辺野古新基地建設への踏み切り、PAC3の恒常的配備など、沖縄を戦争のための「基地の島」として一層強化しようとしている。これらすべてが、今や「戦争と革命」の問題として現出しているのである。われわれはこの決戦の中で日帝安倍を打倒していかなければならない。
(写真 4・28政府式典に抗議する「屈辱の日」沖縄大会に1万人が結集し、安倍政権に怒りの声をあげた【宜野湾市】)
基地労働者の大量解雇と賃下げ粉砕へ
世界大恐慌と帝国主義間・大国間争闘戦の時代において、沖縄闘争は決定的な位置を持っている。新自由主義と闘う沖縄闘争を国際連帯闘争として押し上げていくことが急務となっている。
第一に、基地労働者をめぐる決戦の到来である。戦後の沖縄の労働運動は、基地労働者の闘いを最先端的な攻防点として闘われてきた。とくに70年安保・沖縄闘争のただ中で「復帰」闘争の主力部隊として登場した全軍労(全沖縄軍労働組合)の闘いと組織を破壊するために、米軍は幾度にもわたる大量解雇攻撃をかけてきた。これに対して、全軍労は牧港支部を先頭に米軍の弾圧をはね返し、基地内決起を含む数次にわたる激しいストライキ闘争で反撃していった。この基地労働者の闘いが、72年5・15本土「復帰」−78年全駐労(全駐留軍労働組合)との組織統合の後も継続され、今日まで脈々と息づいているのである。
安倍政権は、沖縄闘争の中軸に基地労働者が登場することを恐れ、基地労働者への新たな攻撃に踏み切ってきた。公務員労働者への賃金カットと同様に、基地労働者への大幅賃金カットと60歳以上の労働者のパート化、非正規職化などである。さらに新たな大量解雇攻撃が策動されている。
沖縄の労働運動と階級闘争の一切をかけた闘いとして、基地労働者をめぐる歴史的決戦が到来したということだ。全世界で吹き荒れる新自由主義攻撃は、それが凶暴であればあるほど、万国の労働者があらゆる分断をのりこえて団結する条件を生み出している。「外注化反対・非正規職撤廃」は全世界の労働者階級のスローガンである。今こそ国際連帯の闘いで労働者階級が勝利する時代だ。基地労働者の闘いをその中心にしっかりと据えて闘おう!
第二に、沖縄米軍基地こそ、全世界の労働者階級を分断する元凶だということである。沖縄米軍基地は、アジア太平洋地域から中東・全世界に至る米帝の世界支配の「要石」である。沖縄闘争は、この分断支配を打ち破る闘いとして闘われてきた。そしてこの沖縄闘争の担い手こそ日本、アジア、そして全世界の労働者階級なのだ。労働者階級の国際連帯の力で、米軍基地撤去・安保粉砕の勝利をかちとろう!
そしてその闘いの要にいるのが基地労働者なのである。
沖縄を「基地の島」から「国際連帯の島」へ!
このスローガンのもと、5・15沖縄闘争を闘おう!
5・18〜20沖縄現地闘争に全国大結集を
4月28日、宜野湾市海浜公園野外劇場で開催された「政府式典に抗議する『屈辱の日』沖縄大会」(同実行委員会主催)に1万人を超える労働者民衆が大結集し、日帝・安倍に対して満腔(まんこう)の怒りを爆発させた。会場が満杯となり、多くの参加者が隣の広場にあふれ出るほどの大結集であった。「政府式典」を弾劾し、オスプレイ配備反対・普天間基地撤去、辺野古新基地建設反対の声が満場にこだまし、沖縄圧殺と改憲と戦争の道を突き進む日帝・安倍政権への怒りがたたきつけられた。
また東京でも、「『主権回復の日・政府式典』反対! 福島・沖縄の怒りとつながり、国際連帯で改憲と戦争を阻もう 4・28全国集会」(とめよう戦争への道!百万人署名運動主催)に会場からあふれる420人が大結集した。
決定的なのは、この怒りの4・28をもって、沖縄現地と一体となって闘う「在本土沖縄労働者会議」が結成されたことだ。新自由主義と闘う沖縄闘争、国際連帯闘争の担い手・牽引(けんいん)者として在本土沖縄出身労働者・青年の本格的決起が始まったのである。「基地の島」「大失業の島」である沖縄からの出稼ぎ労働者・定住労働者としての在本土沖縄出身労働者・青年は、沖縄の労働者階級の一部であり、日本と世界の労働者階級の一部である。したがって沖縄闘争と日帝打倒・プロレタリア革命の担い手なのである。歴史的決戦に入った沖縄闘争の勝利に向かって在本土沖縄労働者・青年の決起をつくり出そう! 合同労組への結集を呼びかけよう!
労働者階級の根底からの決起が始まっている。4・26自治労ストに全国で多くの自治体労働者が決起した。1〜3月動労千葉・動労水戸―動労総連合を先頭とする外注化阻止・非正規職撤廃の闘いによって今、労働者階級の根底からの決起がうなりをあげて始まったのである。この決起に断固として続こう!
歴史的決戦に突入した沖縄闘争に勝利しよう!
新自由主義と闘う労働者と学生は国際連帯で安保粉砕・基地撤去を闘いとろう!
すべての労働者、とりわけ青年労働者と学生は5・18〜20沖縄闘争に決起しよう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号6面1)(2013/05/13 )
5・22改憲阻止・裁判員制度廃止へ
5・22「改憲阻止、そして裁判員制度廃止」集会への結集を呼びかける高山俊吉弁護士のメッセージと、裁判員制度はいらない!大運動の賛同人である中島偉晴(ひではる)さんが、とめよう戦争への道!百万人署名運動主催の4・28全国集会で行った発言要旨を掲載します。安倍政権の改憲攻撃に反撃する改憲阻止・裁判員制度廃止の5・22集会に大結集しましょう。(編集局)
立ち往生の裁判員制度
裁判員制度はいらない!大運動呼びかけ人 憲法と人権の日弁連をめざす会代表 高山俊吉さん
「本音隠して経済優先」と言われたが、1カ月に9兆円超も日銀から放出されたのに円相場は反騰し、住宅ローン金利や長プラレートも上昇した。借入志向や投資意欲などどこにあるか。新規発行国債の7割を買い占める「異次元」緩和で、日銀の市場破壊が独歩する風景が展開するだけだ。物価2%上昇が市場からも疑われる中、安倍の経済成長政策の柱に「安全が売り物」の原発輸出が躍り出た。ふざけるなと迎え撃とう。
中韓への強烈な敵対宣言、天皇利用の「4・28主権回復式典」断行、戦車上の迷彩服姿は改憲政権の本質をリアルに示す。だが、96条についても9条についても民意との乖離(かいり)が急速に進む。09年12月にも、政府・最高裁は、裁判員制度に国民の関心を引きつけようと、天皇に「裁判員制度の実施は有意義」と言わせた。しかし薬効甲斐なく、その目論見(もくろみ)は完全に破綻し、国民の批判の前に今や制度は無残な姿をさらけ出している。
この国を守る気概で国民の心を染め上げようという狙いは、激しい反撃を受けて「立ち往生」状態に陥った。5月22日の東京・霞が関の集会は、改憲阻止と反裁判員制度の私たちの取り組みが歴史的な進展を遂げていることを力強く確認する場になるだろう。
見直しではなく廃止に
裁判員制度はいらない!大運動賛同人 アルメニア高地・コーカサス民族問題研究家 中島偉晴さん
私は小学校に入る前の1945年5月25日、東京山手の大空襲に遭いました。あの時、「どの防空壕に避難したか」で生死の運命が分かれたんです。私はたまたま目黒の鳳神社の防空壕に入って助かった。多くの同い年の少年少女が犠牲になった。「とめよう戦争への道!百万人署名運動」にあらためて賛同したいと思います。
4月3日、菅官房長官が「(普天間基地移設の)唯一の案は辺野古への移設だ。理解を求める」と沖縄県知事に迫った。結局、沖縄のことを「戦利品としてアメリカに差し出す植民地」と見ていた昭和天皇・裕仁と同じではないですか。まったく許せません。沖縄・宜野湾海浜公園での抗議集会に連帯の意を表したいと思います。
3・11反原発福島行動13が、政府や東電の妨害を打ち破ってかちとられました。やはり「体制打倒」を鮮明にしていたからこそ、あの大デモがかちとられたと思います。私たちは来年も、3・11福島県内で相まみえましょう。
裁判員制度は改憲そのものです。見直しではなく廃止に追い込もうではないですか。
この裁判員制度の核心は、市民をして市民を裁かせるところにあります。「市民の司法参加」などと「民意」を装って人を裁判所に動員し、人を裁く体験をさせ、「国を支える人間」をつくるたくらみです。これは民衆を分断し、排外主義に取り込み、侵略戦争への急発進を狙うものです。裁判員制度廃止の闘いは、「改憲と戦争を阻止する闘い」です。
今や、裁判員制度の矛盾と破綻は隠しようのないものになっています。
昨年、最高裁は「(裁判員裁判は)審理の長期化が問題」と表明しました。公判前整理手続きも公判期日も審理が長すぎて、事件の滞留を招いている。この手続きは、被告人の防御権と弁護人の弁護権を侵害するものであり、刑事裁判の原則の破壊、「極めつきの憲法違反」です。
審理の実態を体験した弁護士によると、証拠とされる書証は全文朗読に長すぎるからという理不尽な理由で「検察官の捜査報告書」に代えられたと言います。「長い尋問は裁判員が眠ってしまう。公判が長引いて運営に迷惑」と尋問時間も制限されている。つまり、審理も評議もいつ終えるかをあらかじめ決めておいてから始めるというのです。こんなものは刑事裁判ではない! 多くの人びとにその実状を知らせようではないですか。
重要なことに、多くの人が「現代の赤紙だ!」と裁判員を峻拒(しゅんきょ)しています。この労働者民衆の直感による叫びを重視したいと思います。
総動員体制は「一人ひとりが拒む」ことで瓦解(がかい)する。これを組織的にやろうではありませんか。この闘いこそ、第1次大戦末期の1918年11月、イングランドへの出撃を拒否したドイツ・キール軍港水兵の反乱、これは6日後ベルリン・ゼネストへと続き、ドイツ革命の口火を切ったわけですが、このキール軍港水兵の闘いに劣らず、誇り高く尊い闘いだと思います。
私たちは昨年11月、「候補者名簿記載通知を送るな! 制度を廃止するぞ!」と三宅坂の最高裁に向けてデモをかけました。多くの市民が注目しました。私たちは心機一転、もっと大規模なデモを組織し、裁判員制度を絶対に廃止に追い込もうではありませんか。
最後に、5月22日の「裁判員制度廃止! 全国集会」への結集を呼びかけます。福島・沖縄の闘いと一体となり、国際連帯をかちとって「改憲と戦争への道」を阻止しようではありませんか!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号6面2)(2013/05/13 )
改憲・戦争の安倍政権と対決し 5・23狭山集会に集まろう
戦争と大恐慌の時代、2013年は部落解放闘争をめぐって歴史的分岐点を迎えました。新自由主義と対決する部落解放運動が、西郡住宅闘争から八尾北医療センター攻防15年の闘いの地平の上に全国的潮流として登場しようとしています。狭山差別裁判は、改憲・戦争へ向かう安倍政権と対決する闘いです。5・23狭山集会を新自由主義と対決する部落解放運動の跳躍台としてかちとりましょう。
今年5月23日で無実の部落民・石川一雄さんが不当逮捕されて50年になります。狭山差別裁判は、無実の部落民を殺人犯に仕立て上げる国家による部落差別であり、なんとしても覆さなくてはなりません。
狭山闘争は、一審「死刑」の判決に屈せず、二審冒頭「俺はやっていない」と叫んだ石川さんの決起から始まりました。石川さんの訴えは、70年安保・沖縄闘争の階級的高揚と結びついて、74年には部落大衆・青年労働者・学生10万人が東京高裁を包囲する大闘争に発展しました。部落大衆の地域ぐるみの決起が巻き起こり、動労千葉は「狭山差別裁判糾弾」と書いた列車を走らせ、各地で狭山ストライキが取り組まれました。東交の労働者は多くの逮捕者を出しながら戦闘的デモをうちぬき、全逓労働者は職場放棄で闘いました。学生も法政大学を先頭に一大学で数百人規模の決起がかちとられました。
寺尾判決は、部落差別が階級分断から階級的団結形成に転化することに恐怖した支配階級からの階級分断攻撃として下された差別有罪判決です。しかし、狭山闘争は解体されることなく、石川一雄さんの「無実」の訴え、国家権力に対する怒り、絶対非和解と階級的団結を心棒に営々と闘いぬかれています。そして、新自由主義による階級分断攻撃に対する絶対反対の闘いとして、今日ますますその階級性をとぎすましています。
現在、狭山第3次再審が重大な局面を迎えています。狭山闘争の勝利の道筋は、全証拠開示です。しかし、検察は証拠開示を拒み、裁判所は開示命令を出しません。
全証拠の開示は、初動捜査過程での部落への見込み捜査、部落青年を犯人に仕立て上げた全過程を明らかにするものです。被害者の足どりに関する証言や石川さんに罪を着せる「偽証」の関係調書、殺害現場とされる場所のルミノール反応報告書など一切の検証調書を明らかにしろということです。
星野再審闘争が切り開き、司法権力を揺るがしている星野全証拠開示運動と結びつき、狭山裁判の全証拠開示をかちとろう。階級的労働運動の力で狭山闘争勝利! 部落完全解放をかちとろう。
外注化・非正規化攻撃との闘いを部落解放運動の正面課題に据え、6・9国鉄闘争全国大集会の爆発から7・14西郡支部大会−新たな全国組織の結成へ突き進もう。5・19大阪、5・23東京、広島で開かれる5・23狭山集会に参加しよう。
-----------------------
【要項】 5・23狭山闘争
石川一雄さん不当逮捕50カ年糾弾!
狭山第3次再再審闘争勝利!
5・23狭山闘争
■5・19全関西狭山集会
5月19日(日)午後2時
八尾市・幸第二公園
*雨天の時は桂人権コミュニティセンター
主催 全国連西郡支部・八尾北医療センター
労働組合・関西労組交流センター
■5・23狭山集会
5月23日(木)午後6時
東京・文京区民センター
主催 部落解放東日本共闘会議
■5・23広島狭山集会
5月23日(木)午後6時半
広島市西地域交流センター(広島市西区福島町 旧西隣保館)
主催 部落解放広島共闘会議
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号6面3)(2013/05/13 )
3同志の無実訴え街宣
6・27判決公判へ闘い続く
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し控訴審判決が6月27日に迫った。
須賀武敏、十亀弘史、板垣宏3同志は無実だ。26年間にわたる不屈の裁判闘争の地平で、絶対に無罪判決をかちとるための裁判所前街宣を、白熱的に闘っている。3同志を先頭に、家族、完全無罪をかちとる会の代表・支援者が東京高裁前に結集し、労働者人民に、裁判所に、徹底的に訴えている。火を噴くような3同志と支援者のアジテーションと圧倒的なビラまきが行われ、無罪判決を求める署名が続々と集まっている。
裁判所が冤罪に加担し、無実の3同志の自由を26年間も束縛し、人生を奪い続けている。この裁判所による犯罪を絶対に許してはならない。3同志の怒りが裁判所を揺るがし、日々情勢をつくり出している。
4月22日は38年間、冤罪の煉獄(れんごく)を強制されている無実の星野文昭同志を取り戻すために奮闘している星野救援会の仲間とともに30人で街宣を闘った(写真)。4月30日には、4・25法大解放集会の際に不当逮捕された2人の学生を奪還する全学連の街宣と一緒になり、圧倒的に高揚した。
共同代表の桜井善作さんの怒りと弾劾の訴えは人びとの心に響きわたった。「戦後、冤罪事件で無罪が確定したのは158件、今なお係争中が82件、合計250件の無実の人びとが警察・検察・裁判所による白を黒と言い張るデッチあげの人権蹂躙(じゅうりん)によって自由を束縛され、人生を奪われ続けて来た。冤罪をつくり上げて恥じない警察・検察・裁判所の横暴を許していたら明日の社会に希望がもてません。6月27日の判決公判で完全無罪をかちとり、裁判所に謝罪させ冤罪をなくし明日の社会に希望の持てる世直しをともに開始して勝利しよう!」
6・27判決での無罪戦取は、6・9国鉄集会、6・30星野全国集会と一体のものだ。職場・学園・地域の仲間に、友人に、心ある人びとに広め、巨大な労働者人民の怒りに転化し、6・27判決公判で完全無罪をかちとる情勢を切り開こう。
------------------------
【要項】6・27
迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審判決
6月27日(木)午後1時30分開廷 東京高裁429号法廷
午後1時 傍聴券配布所 集合
午前11時30分〜 裁判所前でビラまき街頭宣伝
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号6面4)(2013/05/13 )
異議申立補充書 星野文昭陳述書
星野再審へ新パンフ発行
星野文昭同志の再審闘争をめぐる、東京高裁・高検との白熱的攻防と、勝利の方針が全面的にわかる決定的パンフが発行されました。
昨年3月30日、東京高裁は第2次再審請求を棄却しました。これに対して星野同志と弁護団は、異議を申し立て、9月28日に異議申立補充書と星野同志の陳述書を提出し、全面的に反論しました。『異議申立補充書パンフ』はこれを全文掲載したものです。
何より星野同志自身の怒りと、真実の声が満載です。確たる事実を突き付けて、権力のデッチあげを根底から粉砕しています。その迫力、鋭さ、絶対反対の高潔さ、不屈の精神、勝利の確信にあふれています。
異議申立補充書では、証拠開示をしないままの棄却決定を「憲法違反」であると弾劾し、全証拠開示を明快に要求しています。憲法は、適正手続きを保障(31条)し、公平で迅速な公開裁判を受ける権利(37条)を保障しています。
捜査機関が収集したすべての「証拠」を検察が握っており、検察にとって都合の悪い証拠を隠している現実は、国家権力の横暴であり、違憲であることを論理的に展開しています。
また、星野同志の無実を「色」「声」「光」の観点から全面的に明らかにしています。これらの点を許し難いけちつけで否定した「棄却決定」の破綻性を全面的具体的に暴き切り、星野同志の無実を一層明らかにしました。
さらに、鉉供述が機動隊員に対する「殴打場面」を詳細に述べていることについて、心理学者の厳島行雄教授は「鑑定書」で、心理学的に、また実験結果をも踏まえて、それがまったく信用できないものであることを明らかにしました。
それに対して棄却決定は、密室の取調室における強制と誘導、1日14〜15時間、30数日間もの長時間、長期間の取り調べを賛美し、鉉供述は正しいと強弁してきました。これについても全面的に反論しています。
全証拠開示運動の本格的発展を闘い取る上で最良のパンフです。大いに活用し、労働者人民の中に圧倒的に拡大しよう。
☆
『異議申立補充書パンフ』/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議発行/頒価300円、5部以上は1部250円。
★前進社でも取り扱っています。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2583号6面5)(2013/05/13 )
団結ひろば 投稿コーナー
3年ぶりの郵便事業「タン黒」達成の実態 東京・F局 森内一郎
3年ぶりに郵便事業が単年度黒字(タン黒)になったと報道されているが、これはとんでもないことによって達成されたことなのである。それは、違法なスキルダウンで契約社員の人たちの時給を百円以上も下げたり、あるいは昼休みも完全に取れない状況で働かせたり、残業の申告をすると暴言を吐いて申告できないようにし、ただ働きをさせて達成したのである。
これらの原因はすべてが郵政民営化である。小泉純一郎が「民営になればパラダイスになる」とほざいていたが、それは資本家にとってパラダイスで、労働者にとってみればそれは自由が奪われ労働者の権利が完全になくなってしまったことである。
今年度の初日、集配課ではかなり欠区が出たとのことである。ちゃんと人を配置できなくて、そして労働者の人権を不安定にして黒字。ふざけるなと言いたい。それから文化的価値が高い旧東京中央郵便局の建物を壊して「KITTE」という建物を建てたことである。12日間で入場者百万人達成というが、本社・支社でやることがないやつらが何度も足を運んで達成させたのだと想像してしまう。
東京中郵時代は配達に行くのに移動距離が短くてすんだのに、統廃合で銀座局に移って移動距離が長くなって、配達が遅くなってしまい、そのエリアで仕事をしているお客さまに多大な迷惑をかけているのである。
資本家の言いなりのマスコミも郵政民営化で生じたさまざまな問題点を報道しない。ナンセンスである。郵政事業は資本家の金もうけの道具ではなく、人びとの生活を支える労働者のためのものだと思う。
全証拠開示こそ鍵!4・21星野解放集会 杉並 C
4月18日から22日、杉並・阿佐ケ谷地域区民センターで星野文昭さんを取り戻そう!東京連絡会主催の「星野文昭・暁子絵と詩展」が開催され、21日には「星野解放集会」も開かれ、翌22日の高裁デモと一体となり、星野さん奪還への新たな一歩を記しました。
集会は、星野誉夫さんの司会で始まりました。はじめに妻・星野暁子さんから徳島刑務所の厳しい冬を乗り切って、日々気力をみなぎらせて過ごす文昭さんの近況報告と、2人の出会いや「27年間ともに生きている実感(愛)」などが話されました。
続いて布川事件の元再審請求人・桜井昌司さんと、星野再審主任弁護人の岩井信さんの講演が行われました。
桜井さんは文昭さんと同年の67歳。ユーモアたっぷりのお話に引き込まれました。11年間の獄中生活を経て、再審無罪をかちとった体験から「検察の隠し持つ証拠をどう開示させたか」を、具体的にいきいきと語られました。司法界がいかに腐敗しているか、あえて言えば弁護士も含めて「裁く側」にいるかが、よくわかりました。それを打ち破ったのは、司法権力と権威を恐れることなく、自分で勉強し、毛ほどの可能性も見逃さず、支援や弁護士をも動かし、自らの手で無実の証拠を開示させた執念だったのだと感じました。桜井さんは星野さんの面会手紙国賠の原告にも加わっておられます。
岩井弁護士は検察の「証拠開示には応じない」という意見書の「詭弁(きべん)」を怒りをこめて弾劾し、全証拠開示で必ず星野さんは取り戻すことができると語りました。
「無実のゴビンダさんを支える会」の熊野里砂さんは、会を発展させ「無くせ冤罪市民評議会」を立ち上げ、星野さんの事件と連携して、冤罪を生み出す司法のシステムを変える闘いをすると発言。星野闘争の広がりと、重要性をあらためて痛感しました。
47年来の友人の私を星野さんと会わせろ 群馬星野文昭さんの再審を実現する会 伊藤成雄
4月25日、徳島刑務所に行き、星野暁子さんと2人で星野文昭さんとの面会を申し込みました。ところが30分間面会待合室で待たせた上、面会室の入り口で「伊藤さんは面会できません」と言われました。前田処遇首席なる人物から「刑務所長の裁量で面会を許すに至っていない」というまったく許せない理由で面会させないと言われました。「どうしたら面会が許されるのか」と問い詰めると「お答えできません」と逃げるのみです。
2006年に明治41年制定の旧監獄法が改定され、友人面会もできるようになりました。私も06年12月に、星野さんと面会しています。10年以降友人面会が制限され、自由な友人面会ができなくなっています。
私と星野さんは1966年の高崎経済大学入学以来、47年来の友人です。星野さんは月5回に制限されている手紙発信の内1回分を割いて、私に手紙を書いて面会を要望しているのです。その私を面会させないということは、獄中処遇が旧監獄法時代に戻り、いや旧監獄法以上に収容者の人権を無視したものになっているということです。
日本の獄中処遇が諸外国に比してとてつもなくひどいものであることはことあるごとに指摘されていますが、今回のような刑務所=法務省の仕打ちには怒り心頭です。
全証拠開示大運動の力で検察側の持つ全証拠を開示させ、星野再審を実現し、1日も早く星野さんを自由の身にしよう。
私は全証拠開示大運動に取り組むとともに、近いうちに再度、面会に挑戦します。
---------------------------------------------------