ZENSHIN 2013/04/29(No2582 p10)
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週刊『前進』(2582号1面1)(2013/04/29 )
4・26自治労スト、労働組合再生へ突破口
賃下げ絶対反対へ全国で立つ
外注化と非正規職化やめろ
安倍打倒の本格的決戦に突入
4・26自治労全国ストライキ闘争は、歴史を開く感動的な決起としてかちとられた。全国で一斉に1時間ストや職場集会、ビラまきなどが行われ、安倍打倒の本格的決戦へ決意が固められた。闘いはこれからだ。安倍政権による改憲の先取りというべき地方公務員賃金7・8%引き下げの暴挙に対して、公務員労働者が誇りをかけて闘う時が来た。「怒っていいんだ。闘っていいんだ」。青年労働者を先頭に積もり積もった職場の怒りが解き放たれ、労働組合の闘う団結が急速によみがえりつつある。10・1JR外注化阻止決戦と3月ストに至る激闘がかちとった国鉄決戦の地平は4月ストライキ闘争として一気に拡大した。4大産別先頭に外注化阻止・非正規職撤廃、賃下げ絶対反対の5〜6月大闘争を闘い安倍打倒へ進もう。
(写真 賃下げを絶対阻止する! 4月26日、仙台市職労の仲間は市役所本庁舎で100人が結集する早朝集会をかちとった)
青年労働者の怒りが爆発
●仙台
4・26自治労全国統一闘争指令のもと、仙台市職労の仲間は市役所本庁舎で100人が結集する早朝集会をかちとった。 ある支部では、支部ニュースで”この賃下げを許したら、今年の新採は入職してたった数カ月で賃下げです。私たちが何もしなかったら、安倍政権は一気に攻撃をかけてきます。今でさえ、深夜に及ぶ残業で心身をすり減らしているのに、仙台市はますます『ブラック企業』化し、外郭職員を含むすべての労働者が有無を言わせぬ賃金カット攻撃にさらされるようになります。職場の主人公はわれわれであることを示しましょう!”と早朝集会への参加を訴えた。
いくつかの支部は、本部は4・26ストの先頭に立ってほしいと要求し、組合員と議論しながら4月26日を迎えた。
全国の83万自治労組合員とともに賃下げ絶対反対を貫き、新自由主義と闘う労働運動を登場させる新たな一歩を踏み出した。
(写真 愛媛県庁前に宣伝カーを横付けし、県職労がビラ配布と並行して時間前集会。賃下げへの怒りに満ちた発言が続いた)
●愛媛
愛媛県職労は、県庁前での早朝集会と全庁舎・主要職場ビラまきを行った。
7時半、県庁前に執行委員が集まり、宣伝カーを横付けして20人で集会を開始。自治労愛媛県本部の若宮委員長、愛媛県職労の宇都宮委員長が賃下げ絶対反対の決意を表明し、集会では怒りの発言が次々と出された。
庁内ビラまきから帰った組合員からは「すごく反応が良かった」「頑張ってくれと言われた」「もっと訴えの内容を入れていかなければ」と感想が出された。
さらに執行委員が県内の主要職場を訪問し、愛媛県職労機関紙を配布し、賃下げ絶対反対の闘いのスタートを切った。
●横浜
自治労横浜本部執行部は、24日の団体交渉での総務局長の「現時点では削減を考えていない」とする回答をもって、スト方針を倒した。
何か状況が変わったのか。むしろ安倍政権の側は労働組合破壊の攻撃を強めている。これに対する反撃が4・26全国統一ストだ。労組交流センター自治体労働者部会の仲間は始業時から1時間ストを打ち抜く決意を固めた。そして4・26当日福祉職場で働く仲間とともに始業時からの1時間のストに決起した。
4・26統一行動へ向けて何回も職場集会が開催された。実に10年ぶりと言われる朝立ち・ビラまき行動も取り組まれた。02年に登場した横浜市長・中田宏による激しい公務員バッシングは職場を萎縮させた。頭を下げ声を上げないことが当たり前のように思わされてきた。今回、支部執行委員が門前に立ったことが職場の雰囲気を変えた。
26日急きょ開催した支部昼休み報告会では組合員から「交渉結果、内容に単純に喜べない」「今後も攻撃が来る」「こんなに一生懸命働いているのにひどい」という声が上がった。労働者の怒りがあふれ出し、みんなの怒りが一つになる。この力が組合を変え社会を変える。連日の職場や組合内での激突と闘いの中に、党と労働組合の一体的建設の前進がある。
(写真 加須市役所通用口に組合旗を立てて早朝集会とビラまき。始業のチャイム後も続けられた)
●埼玉
加須(かぞ)市職では、通用口に組合旗が立てられ、腕章をした組合員が支援者に「ご苦労様です」と声をかけながら次々集まり、20人余りがビラをまき集会を行った。始業のチャイム後も続き、団結ガンバローと拳を上げた。さいたまユニオンと婦人民主クラブ全国協埼玉支部が支援激励行動を行った。
越谷市職は「地方公務員賃金削減反対! 4・26全国統一行動」という大きな幕を庁舎の壁に張り出し、青年を先頭に十数人がマイクでの訴えとビラまき行動に決起。青年部準備会は独自のビラを発行し訴えた。出勤してそのままビラまきに加わる青年もいた。さいたまユニオンと星野絵画展・越谷実行委員会が支援行動に立った。
(写真 自治労倉敷の真備【まび】支所前での7.8%賃金削減反対総決起集会に組合員と地域の労働者が参加)
●倉敷
自治労倉敷では、8時から「7・8%削減反対総決起集会」がもたれ、組合員と地域の労働者が参加した。集会では百本委員長が、「今回の賃金下げを絶対に許してはならない。闘いはこれからだ。ストライキで闘おう」と訴えた。
自治労倉敷は、各職場で討論を重ね、前夜には総決起集会を開催し、賃金削減に対する青年の怒りの声が上がった。
労働者の誇りと生活かけ
(写真 橋下市長による組合つぶしと対決する現場の激しい怒りを体現して職場集会【大阪市庁舎前】)
●大阪
大阪市職では、早朝の職場集会が各地で開催された。橋下市長による組合つぶし・団結破壊と対決して職場集会が開催されたこと自体が現場の怒りの激しさの表れであり、3〜4月の国鉄を軸とした外注化阻止の闘いと2・24橋下打倒集会が切り開いた地平である。
4・26ストライキに向けて、激しい怒りの声が大阪市職本部に対してたたきつけられた。
「7・8%の賃下げは生活をめちゃくちゃにする。この間、副業をした仲間や税金滞納に追い込まれた仲間が重処分の対象にされている。市バス運転手は20%も賃金をカット、現業労働者の最大25%カットに本部が合意するなど許せない」「今ストライキをやらずに何のための組合なのか」
市役所本庁、全区役所などにビラが配布され、とりわけ民営化・外注化の対象となる職場から怒りの声が寄せられた。
●東京
江戸川区を始め宣伝行動が取り組まれ、東京北部では精研労組、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会など地域の労組がともに区役所前でビラまきを行った。「極限的な多忙化や7・8%賃下げ攻撃は医療労働者への攻撃と同じ新自由主義攻撃だ。ひとつになって闘おう!」。精研労組は春闘ストライキに決起し支援連帯を求めて独自のチラシを作成して登場した。鈴コン分会は「ストに連帯して来ました」と元気にビラまき!
庁舎前には支援の赤旗が翻り、全体がストに入ったような雰囲気だ。参加者は「ストに入る攻防を闘い抜いて地域共闘としてやり抜いた。達成感がある」と感想や意気込みを語り、労働者としての一体感がかつてなく高まる行動となった。
5月スト−6・9国鉄大集会へ
4・26全国統一行動は、文字通り全国の闘いとなった。北海道、新潟、栃木、茨城、千葉、長野、静岡、愛知、京都、滋賀、奈良、兵庫、広島、徳島、福岡、沖縄をはじめ自治体労働者を先頭とする全国・全産別の総決起の闘いである。
大恐慌と大争闘戦の情勢に追い詰められた日帝・安倍政権の絶望的な賃金破壊・雇用破壊の階級戦争に立ち向かおう。4・26自治労統一ストライキ闘争方針が全国の単組・職場で必死に訴えられ、闘いが組織されていった。職場に怒りは充満している。その怒りに火を付ける時が来たのだ。
「労働者は闘っても勝てない」「ストライキを闘う力がない」。言い古されてきた敗北と屈服の思想を、マルクス主義の思想と時代認識・路線を武器に徹底的に議論し宣伝し、現場の怒りの先頭に立って行動を起こし打ち破る闘いが始まった。
賃下げ絶対反対のストライキの貫徹をめぐり、当局や体制内労組幹部によるスト圧殺策動との白熱的な攻防となった。ここで、党が職場の全労働者の怒りを体現し組織してストライキで闘い抜ける労働組合をつくり出せるかどうかが問われた。
すでにこの激闘の中で、「ストライキで闘わない自治労連は許せない」と脱退届を出して、自治労の労働組合に加盟してきた労働者が生まれている。けっしてこれまでの自治労組織が選ばれたのではない。真に闘う労働組合が求められているということだ。
労働組合を拠点として打ち固め組織する階級的指導部の建設と強力な労組活動家集団の形成が焦眉(しょうび)の課題となった。職場細胞と地区党建設、産別委員会建設が一切の土台だ。機関紙拡大がいよいよ決定的課題になった。何度もストに立ち上がる動労千葉・動労水戸に徹底的に学ぼう。労組交流センターの組織拡大や動労千葉を支援する会、国鉄闘争全国運動の活動が大きな力を発揮する時だ。
それは、労働者が労働者階級としての自信と誇りを取り戻していく闘いだ。公務員労働者は、長年にわたって積み重ねられてきた賃下げと人員削減、民営化・外注化・非正規職化と超長時間労働のもとで、懸命に仕事をしてきた。さらにその上に、政府の強権で労働者の誇りの一片すら奪う大幅賃下げの暴挙に対して、たまりにたまった怒りが根底から解き放たれる時が来た。外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否の闘いの中で、動労千葉・動労水戸がつくり出しつつある新たな反合理化・運転保安闘争の路線を自らの産別・職場で実践しよう。
闘いはまだ始まったばかりだ。労働者の怒りはこんなものではない。階級的労働運動の発展でプロレタリア革命の勝利を開こう。闘う5・1メーデーから自治労5月ストライキを闘い抜き、6・9国鉄闘争全国運動大集会の成功をもって、安倍打倒に攻め上ろう
(写真 ひとつになって闘おう! 地域の労組が自治体労働者とともに区役所前でビラまき【東京北部】)
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週刊『前進』(2582号1面2)(2013/04/29 )
前進速報版から
▼尼崎闘争/事故居直るJR西日本に怒り▼動労水戸不当労働行為粉砕裁判▼NAZEN杉並、高円寺で解放感にあふれ反原発デモ
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週刊『前進』(2582号1面3)(2013/04/29 )
【要項】5・18沖縄集会、5・19平和とくらしを守る県民大会
沖縄を「基地の島」から国際連帯の島へ! 新自由主義と闘う労働者の国際連帯で安保・沖縄闘争の勝利へ!「復帰」41年
5・18沖縄集会
5月18日(土)午後6時開場 琉球新報ホール(那覇市泉崎)
主催 「復帰」41年 5・18沖縄集会実行委員会(呼びかけ 国鉄闘争全国運動・沖縄)
関連企画 午後4時 国際通りデモ(県民広場出発)
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5・19平和とくらしを守る県民大会
5月19日(日)午後2時 宜野湾市海浜公園野外劇場(沖縄県宜野湾市真志喜) 主催 沖縄平和運動センター
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週刊『前進』(2582号2面1)(2013/04/29 )
4・20尼崎闘争 事故居直るJR西に怒り
“外注化許さぬ”400人がデモ
4月20日、尼崎事故から8年目の事故弾劾闘争がJR尼崎駅北口広場で闘われた。国鉄労働者を先頭に全国から400人が結集し、外注化・非正規職化阻止の第2ラウンドの決戦そのものとして打ち抜かれた。
今年の尼崎闘争は、動労西日本がJR西日本を打ち倒す闘う労働組合として登場した。また、4・26自治労ストライキに向けて闘争宣言を発する歴史的闘いになった。
午後1時、司会の国労東海の木村芳雄さんが開会を宣言。主催者あいさつとして、動労千葉の川崎昌浩執行委員が「107人を殺した尼崎事故に対して、闘う労働運動が時代の最前線に登場しなければならない。13春闘を外注化粉砕の第2ラウンドの闘いとしてストライキで闘った。それが4・26自治労ストライキにつながっている。労働組合が団結して闘えば時代を切り開ける。5・1メーデーから6・9国鉄全国集会に大結集しよう」と提起した。
国鉄闘争全国運動関西準備会を代表して、全国金属機械港合同の中村吉政副委員長が「橋下の職員アンケートが不当労働行為と認定されたが、橋下は居直っている。橋下の攻撃は全労働者への攻撃だ。団結権で闘えば恐れることはない。自信をもっていい闘いをしている。1047名闘争に全力を挙げ、ともに闘おう」とあいさつした。
(写真 事故責任を居直り、さらなる業務外注化と安全破壊に突き進むJR西日本を弾劾し事故の現場までデモ【4月20日 兵庫県尼崎市】)
山田書記長が基調を提起
基調報告を、今回初めて動労西日本の山田和広書記長が担った。山田書記長は「外注化・非正規職化と闘う労働運動の登場は、戦後労働運動の限界を突破する展望を切り開いた。3月の闘いの中で、闘う労働組合の組織が拡大している。JR西日本の歴代社長は『経営者には安全の責任はない。安全は現場の責任』と放言し、一層の外注化を進めている。外注化・非正規職化を阻止するため、国鉄闘争全国運動こそがJRの青年労働者を始め外注先の労働者を組織する闘いの先頭に立とう」「動労水戸の被曝労働拒否の闘いに続き、原発労働者を組織して闘おう。4・26自治労全国ストを貫徹し、6・9国鉄全国集会へ」と訴えた。
被災地から国労郡山工場支部の橋本光一さんが椎名千恵子さんと一緒に登壇。橋本さんは「郡山工場では主要な業務の外注化が進められてきた。『再雇用者の就職先確保』という敵の分断攻撃に対し、外注化絶対反対の組合員との団結をつくり闘っていく。組合員の労働者魂を信頼して闘いぬく」と決意を表明。椎名さんは「福島の矛盾は労働現場の矛盾と一緒です。福島では多くの人が怒りの声を上げ始めている」と3・11反原発福島行動以降の闘いの前進を報告した。
動労水戸の辻川慎一副委員長は「尼崎事故の責任を絶対とらせる。反合理化・運転保安闘争を貫く。資本主義とわれわれは非和解だ。完全に新しい時代が始まった。放射能汚染車両K544の車内の空間放射線量は0・2マイクロシーベルトで、福島現地と比べたら低い。しかし、動労水戸がこれを認めたら、福島の現実はすべて容認されてしまう。だから被曝労働を拒否して闘った。この闘いに青年が応えて立ち上がった。必ず勝てる」と勝利の核心を提起した。
1047名解雇撤回闘争からは、動労千葉争議団の中村仁さんが「外注先からJRに帰る闘いと一体で、不当解雇された自分も絶対にJRに帰る気概で闘う」と決意を表明。国労秋田闘争団の小玉忠憲さんが「屈辱的和解を拒否した。尼崎事故、羽越線事故の責任をJRは一切とっていない。分割・民営化絶対反対で団結し頑張ろう」と怒りを込めて訴えた。
動労西日本の大江照己委員長は「3〜4月春闘ストを闘ってきたが、闘いはこれからだ」と赤松賢一副委員長を紹介した。赤松副委員長は「3・25ストに続いて尼崎事故当日の4月25日にレールテックでストライキに立つ。外注化を粉砕し、安全と労働者の誇りを取り戻すために闘う」と宣言した。
共に闘う国労の会から、新潟、米子、千葉、東京、福知山の国労組合員が現場での闘いを報告し決意を明らかにした。
ス労自主のカンパアピールに続き、各団体が決意表明を行った。
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷新吾執行委員は「13春闘はストライキを打たずに勝利した。つねに“闘いはこれからだ”と闘い続ければ勝利できる。国鉄闘争に学んで闘いぬく」と力強く発言した。港合同から昌一金属支部の木下浩平書記長が、南労会争議の勝利を報告し「6・9集会の成功に進もう」と呼びかけた。
(写真 国鉄労働者を先頭に全国から400人が結集し、JR尼崎駅北口広場で総決起集会をかちとる)
“4・26ストに人生をかける”
八尾北医療センター労組の灰垣美佐子書記長、日教組奈良市、大阪市教組の教育労働者、大阪市職の労働者の決意表明に続き、自治労倉敷の百本敏昭委員長が「社会の主人公が労働者であることをはっきりさせるために4・26ストライキを人生をかけて闘う」と決意を明らかにし、全参加者が圧倒的な拍手で応えた。
全学連の決意表明に続き、国労兵庫保線分会の富田益行さんがまとめと団結ガンバローを行った。集会後、尼崎事故現場に向かうデモを意気高くやり抜いた。
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週刊『前進』(2582号2面2)(2013/04/29 )
動労水戸損賠訴訟 逃げるJRを追撃
“すべてのデータを出せ”
動労水戸不当労働行為粉砕裁判の第7回口頭弁論が4月19日、水戸地裁民事第1部(脇博人裁判長)で開かれた。運転士登用差別事件での最高裁判決の完全履行、昇進差別による損害の賠償をJR東日本に求めた裁判だ。この日は原告の組合員と執行部がストに入って参加、組合員の家族と支援も駆けつけた。
原告代理人の松田生朗弁護士はあらためて、水戸支社での全運転士の超過勤務手当、夜勤手当の平均データ開示を被告に求めた。被告代理人はあくまでデータ開示を拒み裁判長も「出さないとおっしゃってるので……」と被告に肩入れした。これに対して松田弁護士は「なぜここにこだわるのか。会社は当然、全データを持っている。それを開示すれば被告が最高裁判決を履行したのかどうかは即座にはっきりするからだ」と迫った。
原告は「動労水戸組合員はなぜ昇進試験に合格しないのか」、すなわち会社の一貫した動労水戸敵視を明らかにしてきた。第7準備書面では、東日本労組(旧鉄産労)の配転差別裁判(組合側勝訴)の資料を使い、「一企業一組合方針」のもとで会社と東労組がいかに他の労組を差別してきたかを明らかにした。国鉄分割・民営化を認める労組さえ差別されており、結成以来、国鉄分割・民営化反対を貫いてきた動労水戸が今も不当労働行為を受け続けていることを具体例を挙げて明らかにしたものだ。
国鉄時代から民営化後も含めた動労水戸への敵視政策を明らかにした原告側提出の第5準備書面に対しても、JR東日本側は一貫して認否を拒否している。松田弁護士が「黙っているということは認めるということだ」と述べると、被告側代理人は「国鉄とJRは別法人であり無関係」と言い放った。傍聴席から「同じじゃないか」と怒りの声が上がった。
総括集会で、代理人の葉山岳夫弁護士は「まさに『不誠実団交』そのものだ」と会社側の姿勢を弾劾した。同じく山本志都弁護士は「消滅時効」をも主張して損害賠償を逃れようとしている会社側を全面批判した。石井真一委員長も「動労水戸は結成以来、組合員の半数以上が売店などの関連事業に塩漬けされてきた。運転職場復帰後も、ずっと不当労働行為は続いている」と述べた。
集会後、組合員はJR水戸支社前で抗議行動を行い、この日の行動を終えた。次回口頭弁論は、6月28日午後1時30分から水戸地裁で開かれる。
(写真 「違法企業JRを許さないぞ!」。集会終了後、JR水戸支社に抗議闘争【4月19日 水戸市】)
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週刊『前進』(2582号2面3)(2013/04/29 )
5・8裁判闘争に大結集を
動労千葉鉄建公団訴訟 結審策動を打ち破る大攻防
強制出向無効確認訴訟 偽装請負の実態暴く証言に
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審と、動労総連合の強制出向無効確認訴訟の二つの裁判が5月8日、それぞれ東京高裁、東京地裁で開かれる。前回を上回る傍聴闘争への大結集を熱烈に訴えたい。
JR東海の葛西を証人調べしろ
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審は、口頭弁論3回目にして最大の山場を迎えている。第2回口頭弁論で東京高裁第12民事部の難波孝一裁判長は、あろうことか「論点は出つくしている。もういいでしょう」と述べ、次回での審理終結を予告した。原告と傍聴者は「真実を握りつぶすのか!」と激しく裁判長を弾劾した。
昨年の6・29一審判決は、原告の動労千葉争議団員が当初はJR採用候補者名簿に載っていたこと、国鉄分割・民営化に反対する動労千葉や国労などの組合員を排除するために不採用基準が策定されたこと、これを直接指示したのが当時の職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)だったことを認定した。そして「名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されたはず」とまで言明したのだ。
これらは、不当解雇から二十数年の時を経て、動労千葉鉄建公団訴訟で初めて認定された事実だ。この真実に目を向けることなく、1人の証人も調べずに審理を打ち切ることなど許されない。
なにが「論点は出つくした」だ。国鉄分割・民営化の真実は、いまだ明らかになっていない。一審で不法行為と認定された不採用基準策定が、具体的にいつ、どこで、誰によって行われたのかも闇の中だ。その中心中の中心にいた首切りの張本人=葛西を法廷に引きずり出して、すべてを白状させる必要があるのだ。
広範な人びとの呼びかけで始まった解雇撤回・JR復帰を求める10万筆署名運動は、「首切り自由を許すな!」「国鉄闘争の火を今こそもっと大きく!」を合言葉に、新たな広がりを生み出している。4・26ストに向かう自治体職場の中でも、「50人中、47人が協力してくれた」(ある交運職場での取り組み)など多くの署名が集まった。
不当解雇から26年、解雇撤回の原則を不屈に貫いてきた国鉄1047名闘争が、いよいよ輝きを増し、その本来の力を解き放つときが来ている。解雇と賃下げへの怒り、民営化・外注化・非正規職化への怒り、改憲・戦争への怒りのすべてを結びつける基軸こそ国鉄闘争であり1047名解雇撤回闘争だ。
この間、韓国の公共運輸労組連盟(15万人)が組織としてこの署名に取り組むことを決定した。公共運輸労組連盟は、公共、運輸、社会サービスの労働者を組織する民主労総の大産別だ。1980年代以降、世界を席巻した新自由主義攻撃に負けることなく、26年にわたって立ち向かい続けてきた1047名闘争は、世界的に見ても希有(けう)な存在なのだ。
だからこそ東京高裁は、具体的内容には一切踏み込まず、問答無用に審理を打ち切ろうとしているのだ。これは安倍政権下での雇用破壊、賃金破壊の攻撃と一体であり、その国家意思を体現した大反動だ。
5月8日には口頭弁論の前に署名提出行動も行われる。連休返上で10万筆署名運動を推進するとともに、大傍聴闘争で東京高裁を追いつめよう。
強制出向無効確認訴訟は、昨年10月1日にJR東日本が強行した検修・構内業務外注化で下請け会社に出向させられた動労総連合の組合員53人が出向の無効確認を求めた裁判だ。5月8日には、動労水戸の石井真一委員長が、半年間の闘いを通して明らかとなった外注化のでたらめきわまりない実態を証言する。
職場闘争と一体で外注化粉砕へ
何よりもこの裁判が、外注化・強制出向粉砕の職場闘争と一体で闘われていることが重要だ。
動労総連合を先頭とする外注化阻止闘争は、この2〜3月闘争でさらに大きな前進を切り開いた。十数年間にわたって止めてきた外注化が強行された現実と向き合い、組合員どうしの厳しい分断を打ち破ることは並大抵ではなかった。3月ストを打ち抜き、強制出向者をJR本体に取り戻すまで闘い抜く決意を固め、外注化阻止決戦の第2ラウンドの出発点を打ち固めたのだ。
またこの半年間の闘いで、JR東日本が業務委託しているグループ会社が、労働基準法も守らない違法企業であることが白日のもとに暴かれた。違法企業への出向命令は無効だ。
また、下請け会社には鉄道業務を受託する技術も経験もなく、実質的にはすべての委託業務をJR東日本が指揮・命令していることも、ますます明白になった。ストライキ対策のために、毎日、毎朝、検修・構内業務を細切れで発注する「日々発注」という卑劣なやり方こそが偽装請負の最たるものだ。
違法な業務委託と偽装請負をあくまで居直るJR東日本との闘いは、経団連による労働規制全面撤廃との最先端の攻防点だ。
連合を始めとする既成労働組合の屈服・容認、先兵化によって社会全体に蔓延(まんえん)した業務外注化と、それに伴う偽装請負こそ、職場の団結を破壊し、労働者から誇りを奪い、安全を破壊してきた元凶だ。
動労総連合を先頭とする外注化阻止闘争は、資本による合理化攻撃、民営化・外注化・非正規職化攻撃と闘い抜くことができなかった戦後労働運動の限界を現場から突き破る挑戦であり、新自由主義と闘う新しい労働運動を登場させ、労働者の資本への怒りを根底から解き放つ決定的な闘いなのだ。
闘う労働運動の復権に向けて5・1メーデー闘争、JR貨物本社への抗議闘争を全力で闘い抜き、5月8日の二つの裁判に全力で集まろう。この闘いをステップに、国鉄闘争全国運動6・9全国集会の圧倒的な成功へと突き進もう。
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週刊『前進』(2582号2面4)(2013/04/29 )
〈投稿〉 四条畷駅のストはJR追い詰め成功
動労西日本執行委員 中西剛
4月14日に四条畷駅(大阪府大東市)において行ったストライキは大変成功したと、私は思う。
まず第一に、日曜日などの休日ダイヤの日は、当番助役一人しか勤務していないが、この日に限り駅長・助役が全員出勤するという、異例の事態をつくったことだ。ストライキ通告を行った後に駅長・助役の出務表が勤務変更され、全員を出勤させたことが、私にとってまずひとつの勝利であると思う。
さらに、休日であるにもかかわらず本社・近畿統括本部・大阪支社の人事・労務担当の人間を、私一人のために動かしたことも勝利である。JR西日本の人事・労務担当の人間は、休日であったこともあり前回のストより大幅に減ったが、やはりJR西日本は動労西日本を恐れていることが明らかになった。
また、大阪府警の公安警察隊も、休日やのに監視とはご苦労なこったと思った。
今回のストライキは、前回のストライキで岡崎組合員が発した「ストは楽しい闘いだ」の一言が心に残っていたので、周到に準備した。何から話そうかと個条書きにして、ストライキ宣言はA4用紙4枚になった。
当日は、怒りのすべてをぶちまけてやろうと思い、ありのままに当局にぶちまけた。発言している時、当局の経営施策などを批判している時は、非常に気分がよかった。
前回同様、一人の力はみんなを動かせることも、すごいと感じた。
四条畷駅ストライキに駆けつけて下さった支援の仲間にも、一人ずつ感謝の言葉を言いたい。また、こちらからも支援をして絆(きずな)を深め、新自由主義自体を崩壊させ、労働者の手でこの国を変えていかなければならないとあらためて思った。
一般の労働者からもエールが送られ、感動した。多くの労働者がJR西日本のやっていることにあきれ、怒っている。
われわれはまず第一段階として、JR西日本という企業とあらゆる戦術を駆使して闘い、職場を労働者の手に取り戻さなければならない。
一般の労働者のビラの受け取りがよく、最後にはビラが1枚も残っていないことにも驚いた。
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週刊『前進』(2582号2面5)(2013/04/29 )
雇い止め解雇の撤回へ
4・7関西郵政春闘集会
組織拡大・拠点建設が前進
4月7日、大阪市内で関西郵政春闘集会がかちとられ、現場労働者を先頭に40人が結集しました(写真)。
昨年9月末、大阪・富田林局の3人の非正規労働者雇い止め解雇撤回の闘いが開始されました。集会は、この闘いを関西の郵政産別での階級的労働運動の新たな闘いと位置づけ、第2ステージに総決起していくものになりました。
郵政資本が打ち出した「郵政グループビジョン2021」と新人事・給与制度の本質は郵政10割非正規職化、外注化です。郵政資本が導入を狙う「新一般職」は安倍政権が唱える「準正社員」そのものであり、郵政資本は10割非正規職化の突破口と位置づけています。私たちは4月スト情勢の中から拠点建設で総括していくことを鮮明にして反撃を始めました。
集会では、富田林局での解雇撤回の闘いについて、9月末の雇い止め強行までにJP労組分会の数回にわたる職場集会が開かれ、それを通して現場労働者が「解雇は自分たちの問題でもある」と感じて「一人の首切りも許すな!」と非協力闘争に決起した経緯が報告されました。そして、解雇攻撃のきっかけは非正規の仲間が始末書を拒否したことにあり、労働運動として反撃していくべきことが確認されました。
処分乱発とノルマ強制は非正規職の首切りの口実とされていますが、3人の解雇との闘いは本務者自身にとっても決戦であり、正規職(本務者)・非正規職をあわせた全体の労務支配、そしてJP労組本部の制動をぶち破る闘いです。地区党と産別委員会の建設をかけ、闘いは新たな段階に入りました。JP労組を塗り替える闘いとして、5月16日から3人の解雇撤回を求める裁判闘争に打って出ます。
集会では、関西合同労組新大阪局分会の団交報告もありました。現場組合員がスキルダウンとパワハラに対して猛然と団交の場で決起し、組合に団結と自己解放の未来を見い出す中で、分会の組織拡大が進んでいます。職場の分断・競争と首切りの根源であるスキル評価を始め、一切の評価制度の撤廃と非正規職撤廃の闘いは一体なのです。
集会を通して、それぞれの局での闘いがバラバラにあるのでなく、全体の中での闘いとして押し上げられました。
新人事・給与制度の本質は団結破壊であり、逆に労組を塗り替える決定的チャンスです。攻撃を打ち破る力は階級的団結と職場の拠点化にあります。郵政労働者は4月スト、5月メーデーの先頭に立とう!
(関西・M)
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週刊『前進』(2582号3面1)(2013/04/29 )
安倍「教育再生」粉砕へ闘おう
公立学校の民営化が本格始動非公務員化・大量解雇を狙う
安倍首相が議長を務め「成長戦略」を策定する「産業競争力会議」が「公立学校の民営化=公設民営学校の解禁」を打ち出した。「教育再生」を「最重要課題の一つ」と掲げ、「教育再生実行会議」にもとづき教育改革攻撃を進める安倍政権が、教育の民営化に本格的に動き出したのだ。
特区で公設民営学校解禁を産業競争力会議が提言
産業競争力会議は4月17日の第6回会合で「国家戦略特区(アベノミクス特区)」を創設する方針を決めた。東京都と大阪府・市、愛知県の3大都市圏を皮切りに、規制緩和と民営化を大々的に推し進めていこうというものである。
同会議では、小泉政権時代に経済財政諮問会議を仕切った慶應大学教授・竹中平蔵が「世界一ビジネスのしやすい事業環境に」と題する提言で、「これまで官業として運営されてきたインフラで、利用料金の伴うもの(空港、有料道路、上下水道、公営地下鉄等)について、民間開放を推進」と打ち出し「官業の民間開放の一環として、公立学校の民間委託(公設民営)」を明記した。
また「『アベノミクス戦略特区』(仮称)の推進」の項でも、「公設民営学校についてもまず特区での推進を検討」と提起。「具体的な規制改革・税政改革等の項目例」として、東京都、大阪府・市、愛知県における規制緩和の項目を列挙し、大阪府・市における「公設民営学校の解禁」を示している。
公設民営学校とは、設置者は地方公共団体だが、教育活動を含む管理運営を丸ごと民間企業に委託し、そこで働く教職員の身分は非公務員となる。アメリカでは公立学校の公設民営学校化に伴い、教育労働者の大量解雇が吹き荒れている。
同提言は、安倍の直接指示のもと、竹中が東京都知事・猪瀬直樹や大阪市長・橋下徹、愛知県知事・大村秀章らと協議を重ねて出された。竹中自身が17日の記者会見で「橋下市長らとも連絡を取り合って情報収集した上で提言した」と述べ、橋下は同提言について「非常にうれしい。ありがたい」と応じている。
公設民営化をめぐっては、小泉政権時代の04年の中教審答申が、設置者管理主義の例外として幼稚園と高校の公設民営化を容認し、指定管理者制度に倣った委託先指定手続きの法制化を提起した。しかし、文科省は、委託契約方式は認めず、自治体が土地建物を提供して民間主体が学校法人を設立する「公私協力学校」方式に限定、私学助成をつけないこともネックとなり、この方式も広がってこなかった。
今回は、安倍が議長となって「特区諮問会議」を、さらに担当大臣や知事・市長、民間代表による「総合本部」を設置して、トップダウンで水道・地下鉄、そして公立学校の民営化を推し進めようとしているのだ。
戦後教育行政の大転換へ国家・首長に巨大な権限
教育再生実行会議においても、戦後教育行政を大転換させる攻撃が打ち出されている。同会議は2月26日の第1次提言「いじめの問題等への対応について」に続き、4月15日に第2次提言「教育委員会等の在り方について」を発表した。
第2次提言は、首長が教育長の任命・罷免を直接に行うとし、教育長が教育行政のすべてに決定権を持つとした。教育委員の公選制が廃止されて以降、形骸化してきたとはいえ、まがりなりにも決定機関であった教育委員会をただの諮問機関とし、独立行政委員会としての教育委員会制度は廃止されることになる。戦後の教育行政制度の大転換である。
現行の教育委員会制度では、首長が教育委員を議会の同意を得て任命し、教育委員会が教育長を任命する。教育委員は、4年の任期中に罷免されず、同一政党所属者が定数の過半数とならないよう制限されている。
府知事時代の橋下と維新の会が府議会に提出した当初の教育基本条例案には、教育長以外の教育委員は、辞職の意向を表明して「抵抗」し、教育目標を含む教育振興基本計画は教育委員会と協議して決定するものと修正された。現府知事・松井は教育長の任期満了を待って、今年3月、橋下の学生時代からの友人で、府立高校卒業式で「君が代」斉唱時に「口元チェック」をした民間人校長、中原徹を教育長に起用したが、それにも現行制度による手続きが必要だった。
だが今後は、橋下のような首長が就任とともに息のかかった教育長を任命し、教育目標や使用する教科書を専決で決定することも可能となる。
国家・首長による教育の管理統制を飛躍的に強化するとともに、橋下らを先兵として首長主導で民営化を推進していくことを狙うものである。
また同提言は、「教職員の人事権について……市町村に移譲する」「指令都市について……教職員の人事権者と給与負担者を一致させる」として、すでに人事権を持つ政令指定都市については、県費負担制度を廃止する方向を示している。
自治体の財政難口実に非正規化
これまで教職員の賃金は3分の1を国庫負担金で賄い、残り3分の2を都道府県が負担してきた。学級編成基準の規制緩和と相まって、自治体の財政難を口実に、教育労働者の非正規職化が促進されることは必至だ。
また、「我が国にふさわしい地方教育行政や学校教育の第三者評価の仕組みについて検討する」として、イギリスの教育水準局(Ofsted)をモデルとすることを示唆している。イギリスでは、「『不適切』と認定された学校は……Ofstedの定期的監査を受ける。……改善の進まない学校には閉校措置が取られる」。学力テストや学校選択制をテコとして学校間競争を組織し、水準に達しない学校への制裁措置として廃校・民営化を進めるもので、教育労働者の解雇・組合破壊の最大の武器となっている。
道徳を教科化し検定教科書作成
これに先立つ教育再生実行会議の第1次提言「いじめの問題等への対応について」は、「道徳の教科化」を打ち出した。この提言を受けて文科省は4月から有識者会議「道徳教育の充実に関する懇談会」を設置し、来年度は『心のノート』を全面改定した教科書を作成、15年度からは道徳の検定教科書を作成するとしている。
子どものいじめは、競争と選別の教育体制、パワハラやいじめが横行する大人社会のありようにこそ原因があり、「規範意識」の徹底で解決する問題ではない。「道徳の教科化」とは、道徳内容を国が学習指導要領で細かく規定し、教科書で教え込むなど、思想統制そのものだ。
安倍は、国会答弁でも、教科書検定基準について「改正教育基本法の精神が生かされていない」と批判、自民党は「教科書検定制度の見直し」について、党教育再生実行本部の中に特別部会を設置して、「近隣諸国条項」の見直しに進もうとしている。
准免許制度の導入を狙う3〜5年もの「試用期間」
自民党はさらに、教員免許制度の重大な改悪を検討している。教員志望者に「准免許」を与えて学校に配属し、3〜5年の「試用期間」をへた後に「本免許」を与えるインターン制度を導入するというものである。
現行の教員免許制度では、大学などの教員養成課程を卒業時に教員免許が与えられる。従来、終身免許として与えられていたものだが、07年の教員免許法改悪によって、09年度から10年ごとの更新制が導入され、失職者も続出している。
正規採用から1年間の「条件付採用」期間に、退職強要と解雇が乱発され、管理職のパワハラで精神性疾患や自死にまで追い込まれる新採教員があとを断たない。
「准免許」制度は、新採教員の不安定雇用期間を大幅に引き延ばし、管理職に服従しない教員を排除し、使い捨てにするとともに、教育労働者全体を徹底した管理と抑圧のもとに支配しようとするものだ。
日教組委員長が賃下げの先兵に
一昨年5月、公務労協議長として国家公務員の7・8%賃下げに合意したのは日教組前委員長・中村譲だった。そして地方公務員への7・8%賃下げが狙われている今、現委員長・加藤良輔も何の闘争方針も打ち出していない。4・26自治労ストに続き、教育労働者はストで闘おう。
現場には、青年教育労働者を先頭に「このままでは生きていけない。働き続けられない」という深刻な思いが沸き立っている。闘う教組をつくり出すことこそ、この現実を突き破る唯一の力だ。
安倍政権の民営化・非正規化・賃下げの大攻撃と対決する団結を職場からつくり出そう。
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安倍政権の「教育改革」
■産業競争力会議
・官業の民間開放の一環として、公立学校の民間委託(公設民営)。
・「国家戦略特区(アベノミクス特区)」を創設し、大阪府・市で先行して公設民営学校の解禁へ。
■教育再生実行会議
◎第1次提言「いじめの問題等への対応について」道徳の教科化へ。
◎第2次提言「教育委員会等の在り方について」
・教育長の任命・罷免を首長が直接に行う。
・教職員の人事権を市町村に移譲、政令指定都市については県費負担制度を廃止へ。
■自民党
◎教科書検定制度の改悪。「近隣諸国条項」の見直しへ。
◎教員免許制度の改悪。教員志望者に「准免許」を与えて学校に配属し、3〜5年の「試用期間」をへた後に「本免許」を与えるインターン制度の導入へ。
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週刊『前進』(2582号3面2)(2013/04/29 )
電通労働者委員会アピール
被曝労働の強制を拒否し新賃金制度を粉砕しよう
JR外注化阻止決戦と3・11反原発福島行動を柱とする1〜3月決戦が生み出した4月スト情勢は、5・1メーデーと5・15沖縄闘争、6・9国鉄全国集会を跳躍台にストの力で安倍を打倒する5〜7月の歴史的決戦情勢を切り開いている。被曝労働の強制を拒否し、賃金破壊を許さず職場から労働組合をつくり変えていく闘いは待ったなしだ。福島と沖縄の怒りと一つになって、NTT労働者は闘い抜こう。
高線量地域で電話回線復旧の強制に怒り
動労千葉・動労総連合の外注化阻止・非正規職撤廃の3月ストの歴史的闘いの中でかちとられた3・11反原発福島行動は、福島を中心に日本と世界から1350人が参加し福島の怒りを解き放つ感動的な集会とデモとなりました。3・11福島が、8・6広島、8・9長崎と並ぶ国際的な闘いの日となったのです。
3・11福島行動は、闘う労働組合が原発絶対反対を掲げ、福島圧殺の分断攻撃との激しい党派闘争に勝ち抜いて実現されました。被災地・福島における5大拠点建設(労組、農民、学生、NAZEN、医療)を必死で推進し、ふくしま共同診療所を「希望の診療所」として開院することができたことは決定的でした。
3・11の原点に立ち、住民を分断する「安心・安全」「復興・除染」キャンペーンを許さず、国や東電に闘いを挑みました。被曝労働拒否で職場の団結をつくり、反原発闘争の中心に労働組合が座って闘い抜きました。
3・11から2年。福島第一原発事故は収束するどころか放射性物質を今も拡散し続けています。除染の限界が明らかです。核燃料プールがいつ崩落するかもしれないと言われる中で、今も16万人の人びとが避難生活を余儀なくされています。
こうした中で政府と福島県は、警戒区域見直しで原発周辺地域の立ち入り禁止を解除しようとしています。福島第一原発から20`メートル圏内にあって今なお高線量の放射能が計測され、上下水道も復旧していない浪江町、大熊町、双葉町、富岡町、楢葉町に住民を帰そうとしているのです。
これは、電話回線と電話交換所を保守している私たちNTTの職場の問題にもなります。NTT東日本本社は「警戒区域解除の指示が出たから災害復旧作業をしてくれ」として、これまでタイベックス(防護服)を着て作業をしていた地域に、これからは何も気にせず入れというのです。
まさに被曝の強制そのものです。除染はまったくされていません。警戒区域解除で、青年労働者、女性労働者も出入りさせられるのです。
「労働環境を本社自らが調査し安全の確保をしなければならないのではないか」「電話交換所の除染もまったくなされず生活もできないところに電話回線の復旧を強制するNTT東日本のあり方は許せない」「現場労働者の命の問題だ」。いま職場から抗議の声が上がっています。
原発と被曝労働の問題は命のかかった労働組合の課題です。しかしNTT労組中央は、現地で作業する労働者の労働環境について何の取り組みもしていません。3・11福島の地平の発展をかけ被曝労働拒否の3月ストを闘った動労水戸の闘いに続き、職場から闘いを巻き起こして階級的労働運動をつくり出す決定的な情勢が到来しています。
高齢者雇用を掲げ賃下げに協力する本部
安倍政権と日本経団連によるベアゼロ・賃下げ、雇用破壊攻撃が吹き荒れ、連合傘下の労組が軒並み屈服している中、NTT労組中央は賃下げ攻撃の先兵となっています。NTTグループ主要8社の労資は、「65歳まで継続雇用するため」と称して、組合員18万人を対象に現役世代の人件費を抑制する賃金制度を13年秋から導入することで合意しました。
まずNTTドコモやNTTコミュニケーションズ、NTTデータと持ち株会社の4社で、14年3月末に60歳定年を迎える1千人弱を新しい継続雇用制度の対象とし、全社員に対して年功要素の強い基準内賃金を圧縮し、成果反映を強める賃金制度に転換。40〜50歳代を中心に賃金カーブの上昇を抑えて60歳から65歳の賃金原資を確保しようというのです(図)。
NTT労資はこの10年間、「構造改革」として11万人の子会社化と50歳退職・再雇用制度を強行し大量の労働者を現場から放逐。新規採用もなく高齢化が進み、技術・知識・経験を持った労働者が大量に不足してしまいました。中央本部は「基本認識が甘かった」として制度を見直すとしましたが、その新制度は「65歳まで安定して働く仕組みづくり」と称して労働条件の徹底した改悪と賃金切り下げを行い青年の未来を奪うものです。
国鉄分割・民営化と一体で進められた電電公社の民営化から27年。その間、職場は間断のない合理化の嵐に見舞われてきました。新自由主義の最先端を行く外注化・分社化・非正規職化の攻撃でした。合理化攻撃の極致としてあった「構造改革」は、NTT労組の協力と電通労働者の抵抗がないことを前提にしたものでした。
しかしそれは職場にあらゆる矛盾を引き起こしました。青年を直撃する賃下げ攻撃は労働者の怒りを巨大な規模でつくり出しています。「これだけ人が減らされても仕事は減らない」「会社の都合で真っ先に派遣労働者が切り捨てられる」「NTTの子会社化と外注化は賃金を切り下げるだけ。今からでも反対すべきだ」「組合は何をやっているのか」「組合費ばかり取られて現場のことを何もやらない」「ストライキぐらいやれよ」。現場の怒りを職場全体の闘いに組織し階級的労働運動で資本の支配を根本からひっくり返す時代が来ました。
福島と沖縄の怒りと結合し労組の再生へ
大恐慌と大争闘戦下の新自由主義攻撃が全世界の労働者に襲いかかっています。米帝は新軍事戦略をもって対中国・対北朝鮮の戦争を構え、沖縄の米軍基地強化=オスプレイ配備と辺野古新基地建設の攻撃を強めています。安倍政権は、労働者に対する階級戦争と一体で国家主義を扇動しています。沖縄が本土と分断された4月28日を「主権回復の日」として政府主催の記念式典を強行する安倍政権に対し、怒りを込めて「屈辱の日」沖縄大会が開催されました。5・15沖縄闘争が決定的です。
被災地・福島の切り捨てと沖縄に対する攻撃は一体です。
3・11で約2万人の生命が奪われ、数十万人が家と職と家族、古里を奪われ、震災関連死は2300人を超えています。今もなお子どもたちの命と未来が奪われ続けています。政府は放射能汚染ゴミを福島に押しつけ、ゼネコンは除染やがれきで巨額の金もうけをし、口をそろえて原発再稼働を要求しています。これは福島棄民であり、帝国主義による虐殺以外のなにものでもありません。
3・11福島と5・15沖縄は一体の闘いです。「生き抜くために団結し、闘いの中で実力をつける」労働組合の本領を発揮する時代が来ました。ストライキで闘う労働組合をつくりだそう。5〜7月決戦で安倍政権を倒そう。
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週刊『前進』(2582号3面3)(2013/04/29 )
闘いは進む 青年の職場から
民間 国際連帯貫き5・15沖縄闘争へ総結集を!
沖縄 崎浜進
●安倍に沖縄の怒り爆発
安倍内閣の誕生は沖縄の闘いを激しく焦点化させています。安倍内閣は発足直後に「オスプレイ配備維持・辺野古新基地建設強行」を決定したばかりか、米軍占領下に置かれた「4・28屈辱の日」を「主権回復の日」として式典を行うことを決定しています。さらに北朝鮮のミサイル発射を利用したPAC3配備などの激しいイデオロギー攻撃が日常的に行われています。本当に許すことができません。
この動きに沖縄の怒りは爆発しています。政府式典に抗議する沖縄大会が4月28日に沖縄で行われます。「戦争か革命か」――沖縄と全世界の労働者をめぐって大きく時代の激動が開始されたことを、私は沖縄の地で感じています。
自治体労働者への賃金7・8%カットは、JR貨物労働者や「準公務員」の基地労働者を含む全労働者への前代未聞の賃下げであり、ギリシャの緊縮策と同等の攻撃です。これは労働法を最後的に解体し、労働者の諸権利をはぎ取り、憲法9条改悪への道を開くという明確な意図をもった攻撃です。そのために安倍は4・26自治労スト後に「4・28式典」を用意したと言って間違いありません。5・1メーデーの位置が決定的であることも鮮明になりました。
●国境を越えた団結
それは同時に、自治体労働者のストと沖縄の闘い、国鉄の闘い、全世界の労働者の闘いがまさしく一体であることを示しています。新自由主義政策は凶暴に進められるほど、労働者の分断という壁を取っ払い、万国の労働者が団結する条件をつくり上げているのです。
だからこそ今年の5・15沖縄闘争の獲得目標は鮮明です。「労働者の国境を越えた団結で新自由主義と対決し、基地撤去・原発廃炉・プロレタリア革命を!」です!
●非正規職撤廃で闘い基地撤去へ
政府は沖縄に基地を固定化するために“基地建設とパックの振興策”という形で「経済特区」「IT特区」を沖縄県内に新設し、沖縄の労働者の約半数、青年にいたってはデータ上6割ですが実感としては8割が非正規職と言われる状況をつくり出しました。これは自治体・学校など主要な組合を破壊するためであり、基地労働者の団結を破壊し基地内の労働者を流動化させる狙いをもって行われました。
しかし基地労働者の流動化は「諸刃(もろは)の刃(やいば)」です。私たちが基地内外に労働者・労働組合の拠点をつくり出した時に、基地撤去と革命の現実的な実体が生み出されます。
では、どうやって私たちの「刃」となる闘いをつくり出すのか。
沖縄の職場も“ブラック企業”が当たり前、違法行為がオンパレードの現場だらけです。例えば、現場で起こるミスや労災事故は企業の合理化が生み出したものですが、すべて現場の意識の問題とされ、長時間労働や退職の強要が日常化しています。契約更新時の賃下げ・就業規則改悪も当たり前です。その中で心を病み自殺を考える仲間が多くいます。
私たちはこの状況に「反合・運転保安闘争」の中身を対置して現場の団結をつくり、各職場における労組結成に成功しています。重要なことは一つひとつの職場の問題と徹底的に向き合い、現場の仲間との議論を通して資本と非和解の路線をつくり上げることです。
沖縄ではオスプレイが飛び回り、福島では放射能がばらまかれ、全国の職場では事故が多発しています。「非正規職撤廃・外注化絶対反対」のスローガンのもと、“命を守る闘い”に福島の仲間たちとともに立ち上がる時です。その中身こそが「国際連帯」なのです。星野文昭さんこそ国境を越えた団結の象徴なのです。5・15に多くの仲間たちとご参加ください!! もっと詳しく沖縄の闘いを紹介させていただきます。お楽しみに!!
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週刊『前進』(2582号4面1)(2013/04/29 )
5・22集会へ弁護士対談 裁判員制度廃止は改憲阻止の闘い
武内/戦前とは違う、われわれがいる
(写真 武内更一さん たけうち・こういち/東京弁護士会所属。憲法と人権の日弁連をめざす会事務局長)
集まって声を出すことが力発揮/森川
(写真 森川文人さん もりかわ・ふみと/第二東京弁護士会所属。動労総連出向無効確認裁判、法大裁判など弁護団)
裁判員制度が09年5月21日に始まって4年。「裁判員制度はいらない!大運動」と「憲法と人権の日弁連をめざす会」共催の「改憲阻止、そして裁判員制度廃止」集会が、東京・霞が関の弁護士会館2階講堂クレオで開かれる。集会に向け「改憲阻止・裁判員制度廃止を訴えて、時代に切り込む」と意気込む、武内更一弁護士と森川文人弁護士に語り合ってもらった。(編集局)
戦争の時代の「司法参加」
森川 時代が世界規模で激動している。この時代の中で弁護士はどういう役割を果たしていくべきだろうか。
武内 「憲法と人権の日弁連をめざす会」と「裁判員制度いらない!大運動」の共催で学習会をやっていますが、4月に私が「戦争と『司法参加』」というテーマで発表しました。
「司法改革」と裁判員制度を推進する人たちの中では、戦前の日本でも陪審員制度をやっていたんだから、今の日本でできないはずはないという議論がずっとあった。でも、陪審員制の時代は治安維持法が制定されて、その後法定刑に死刑まで導入されていく時代。しかも、中国大陸への侵略戦争が進められていく時代。それと「司法の民主化」「国民の司法参加」が両立して進むのか、という問題意識でした。
「大正デモクラシー」の時代、一番わかりやすいのが原敬。「平民宰相」と言われて、当時の政友会の総裁がいかにも政党の民主的な手続きで首相になったというイメージがある。でも違うんです。原敬は、天皇の「御沙汰」で組閣を命じられたと日記に書いている。実際には明治維新の元老、帝国陸軍創設者の山縣有朋が原敬を指名した。これはただごとじゃない。
その前の首相、寺内正毅は米騒動で辞任しています。明らかに人びとの怒りや決起を抑え込むための人事です。
1917年にロシア革命が起きて、18年に日本はシベリア出兵をし、その影響で米の買い占めが起きて米騒動。
原敬は17年10月22日の日記にロシア革命に接し「民主主義の勃興は実に恐るべし」と思ったと、しかし強圧的に抑え込まないで一定程度改革をし、大事に至らないようにしていこうと思うと書いている。
今、有事立法もでき、改憲が狙われている。こういう時代に司法改革だ、司法の民主化だと、まさに相似形です。
今こそ国際連帯
森川 陪審制も裁判員制度と同じように、民衆動員として利用された。1923年には関東大震災があった。それを今で言う「ショックドクトリン」的に使って、社会主義運動と在日朝鮮人・中国人労働者を虐殺する大弾圧をやった。
5・22集会の大事なテーマに国際連帯があります。新大久保で「在特会」などが排外主義デモをやっている。こういう時代こそ、民衆レベル、労働者レベルの国際連帯が求められている。
武内 司法改革で弁護士が激増したために、弁護士がやるべき仕事がなくて、あぶれている。その中で、政府、法務省の検討会がまだまだ仕事があると言っている領域は、企業、自治体、それに「海外展開」の三つ。
日弁連も宇都宮会長の時代から中小企業の海外展開、進出を支援する弁護士を育成すると、そういう研修支援をしています。昨年の日弁連会長選挙でも森川さん以外の候補者はみんなそう言ってました。
森川 そうだね。実際は海外経済侵略ですよ。中国を始め、現地で労働者のデモとか闘いがある時に、弁護士がどっち側に立つのか、具体的に問われている。戦前の弁護士もどんどん窮乏化して「満州」に行くしかないとなって大政翼賛的に動いた。
武内 殺し合いをさせられるのは、結局、労働者人民。領土とか企業の展開と言っても、現地の労働力を安く使う気だから、こちらの労働者も切り捨てられるし、侵略先の労働者も搾取される。お互い労働者同士、どっちもいいことはない。
森川 3・11で何が変わったかと言うと、やはり、政府や東電とか大資本は、何も信じられないという意識が広がってきた。まさに階級意識の転換だと思う。
弁護士の困窮化は切実で、多くの若い弁護士が奨学金やらロースクールやら、司法研修所でも借金を背負って、マイナスからスタートしている。弁護士事務所への就職率も低い。そういう厳しい中でどちらの側に立つかが問われている。
武内 権力は、弁護士登録をしないで、人権など言わない「法曹有資格者」なるものを言い出した。もともと弁護士会という自治団体を壊して、人権擁護の理念で一致する弁護士を分断しようという狙いで司法改革をやってきた。しかし、われわれも頑張ってきたから、際どいところにはいるけれど、まだ押し返している。戦前とは違う、われわれがいる。
森川 動労千葉のように。
武内 絶対反対で。
森川 「めざす会」が弁護士会の動労千葉のように闘い続けたがゆえに、新自由主義攻撃の一環である「司法改革」を押し返している。
今、世界中が革命情勢ですよ。日本でも、いつでも20万人集まれるという実感、感触をつかみました。その中に自分が、弁護士がいないと、と思いますね。
制度自体を廃止すべきだ
武内 アンケートでは「裁判員なんてやりたくない」という声は、制度が始まる前も7割台、制度が始まったら8割台に増えた。3・11があって、今アンケートをやれば9割を超えると思います。マスコミも最高裁も、どこもアンケートをしなくなった(笑)。
ただし、自分はやりたくないけれども、裁判員制度自体はあってもいいんじゃないか、という意見がまだかなりあると思われる。「裁判員制度はつぶすべきだ」というのを多数にしなければいけない。
森川 権力は労働者民衆を分断しようとしています。裁く者と裁かれる者、正規・非正規などいろいろな形で労働者民衆が結びつかないように分断ばかりやっている。だとすれば、きっちりと団結していくこと、そこと弁護士もつながっていく。ここに活路はある。
武内 彼らの言う「国民参加」で刑事裁判が適正になったのか。むしろ刑罰は重くなっている。裁判員裁判で検事の求刑よりも重い判決がどんどん出ている。精神的な障害を有している人たちに対する刑罰も、危険だから長く刑務所に入れておいた方がいいんだという判決が出ました。また、裁判の後で、もっと重い刑になるように少年法を改正すべきだと言った裁判員がいた。そんなふうに使われて刑事司法がどんどん厳罰主義になる。
森川 だから結局は、裁判員制度の中で頑張るのは限界がある。制度自体を廃止するという闘いを、既成事実だからと思わないで、しっかり闘うべきだと思います。
武内 戦前の陪審員制は始まって2年ぐらいで利用者が激減したけれども、それでも存続した。しかし、15年たったら第2次世界大戦が始まって、役目が終わって「停止」になった。
森川 司法は結局、戦前・戦中から何も反省していない。横浜事件では、敗戦直後、進駐軍が来る前に治安維持法違反事件の判決を出して、その判決文を裁判所の裏で燃やした。再審を請求したら、判決がないからできませんという、とんでもない話。国家賠償請求を今やっています。司法は危機の時代にはとても悪い役割を果たす。その一角にある弁護士会がきっちり民衆の立場で闘っていくことが大事です。
武内 歴史的に見ても、現代社会においても、司法は権力です。そう思って徹底的に批判する、批判的な目で見ることが必要です。
めざす会の本領発揮の時
武内 5・22集会の意義について強調したいのは、改憲阻止のテーマ。裁判員制度は、改憲のための制度です。国民を国策に従わせる、その意識を植え付け、改憲や戦争体制を担う国民をつくる制度だと思いますので、今、裁判員制度をつぶすことは、改憲阻止の闘いそのものです。敢然と改憲阻止を訴えて、安倍政権、改憲勢力に対して闘うという意思を示す必要がある。
森川 当たり前なはずなのに、改憲阻止ってわれわれの他に誰が言っているのだろうか、護憲なんて久しく聞かない。改憲阻止や国際連帯、そういう声を仲間たちと示すために集まる。これがすごいし、正しいことだ。
この2年ぐらい、議会制民主主義という幻想をぶち破って、エジプトのタハリール広場を始め大衆が直接集まって声を出すということが力を発揮しています。
武内 支配層は一番これが怖い。国会前で反原発の声を上げているけど、やはり一緒に声を上げる人がいると元気になる。力が出る。弁護士会館講堂「クレオ」をあふれさせましょう。3・11福島集会みたいにね。
森川 その集会で「僕で最後にしたい」と福島の高校生が発言した。全国からこんなにたくさん集まった、確信をもった、と。それは福島に行ったこっちも同じだ。お互いが自分の考えていること、やっていることを確信する。仲間がいて、集まることで、確認していく。それが団結の意味だと思う。
武内 あの彼の言葉でこっちもやる気にさせられた。3・11はデモもすごくよかった。1千人以上のデモがずっとつながって歩いた。
森川 とにかく思いついたら、自分で声を上げることです。僕も子どもの入学式で座りました。今は不起立じゃない。「君が代」やる前にみんな立たされているからアクションを起こして座わらなければならない。
自治体労働者に対する賃下げ攻撃がありますが、公務員バッシングという敵のキャンペーンを打ち破って、やはりそこを階級的に、分断攻撃に屈せず団結していく。
武内 国立大学。今は独立法人ですが、国家公務員の7・8%賃下げに便乗して、すでに教員の賃下げが行われ、次々と訴訟が起こされている。
森川 東大でも5年間勤めた非正規の講師が雇い止めになった。解雇無効の裁判をやる予定ですが、これが新自由主義大学の実態だ。むき出しの解雇自由、労働法制を変えてお墨付きを与えようとしている。
武内 解雇されずに残った人も過重労働を強いられ、自殺も出ている。
森川 労働者がいなきゃ社会は回らないわけだから、そこに勝機があるという確信を持つことだ。原則的に闘うことが大事な時代だ。
JRの外注化も、JRが業務を手放し責任を放棄していく。資本にとって先のない、刹那(せつな)的なやり方だ。
武内 対抗勢力として積極的に闘ってきた「めざす会」の本領発揮の時代が来た。とにかく勝機はわれわれにある。分断の時代は終わった!
森川 5月22日、「クレオ」にみんなで集まり、改憲阻止の意思を見せつけよう。
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週刊『前進』(2582号4面2)(2013/04/29 )
団結ひろば 投稿コーナー
一人でも合同労組で闘えば職場は変わる 東京・福祉労働者 玉置進吉
4月5日、都内で「ベストライフ闘争報告集会」を開催し、地域の労働者、医療・福祉の仲間35人が集まり、大成功しました。集まった仲間はみんな医療・福祉の現状に怒りを込めて発言し、一人でも労働組合に入って闘えば職場を変えることができると、確信を持って発言しました。
合同労組のホームページを見て他職場から新しい労働者が参加しました。「未払い残業代請求などの闘いを見て、労働組合は必要なのだと現場労働者に思ってもらえるようになった」などの報告がありました。ほんとに元気づけられました。
福祉職場の現実は新自由主義そのもの。私の勤務する有料老人ホーム・ベストライフでは、人員不足で超多忙でありながら低賃金で極限的な労働強化を強いています。
私に対する退職強要を契機に合同労組の分会を立ち上げました。初めての団体交渉で退職強要をハネ返し、人員不足・低賃金に対して交渉を積み重ねてきました。介護労働者の処遇改善のための国の補助金をめぐっても、不誠実な団交を繰り返す会社を追及し、ようやく一時金の支給をかちとりました。
しかしサービス残業を拒否して、未払い残業代を追及したところ、会社は業務に時間がかかったこと、失敗などを「就業規則違反」だとして10項目もあげ、「処分」恫喝で抑え込もうとしました。私はこの攻撃を労働組合つぶしとしてとらえ、断固反撃を開始しました。社会を根底から変えるために頑張ります。
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第13期党学校で マルクス主義を学び実践で豊かに展開へ 倉野幸司
今期の党学校で学んだことのひとつは、マルクス主義の学習とは今日の階級闘争の実践の中にあるということです。19世紀の幾百万の労働者階級の闘いとともに、マルクス主義の体系が形成されました。労働者階級がプロレタリア革命を闘いとる重要な指針であり、共産主義社会建設を成し遂げるイデオロギーです。マルクス主義を闘いとることによって労働者階級は、真の意味で社会の主人公になったと思います。私たちは必死で学び尽くすことがとても重要と思いました。
そして私たちは今日、幾千万の労働者階級とともに革命的共産主義運動という現代革命のマルクス主義を必死の格闘を通して創造しています。身が震えるほどの感動です。私たちはマルクス主義を生きた学問として、階級闘争の実践の中で学び、その真髄を実践の中で豊かに展開していくことだと思いました。
共産主義論の提起と討論がありました。私は未来社会論と思っていました。しかしそれだけではなくて、労働者階級がプロレタリア革命−プロレタリア独裁−共産主義社会建設を闘いとるためには、今日の階級社会の中で、労働組合の中や党の中で、あらゆる闘う団体の中で共産主義的団結、金ではなく人間的関係として団結を闘い取ることで、私たちは勝利することができると思います。
私は今、合同労組で解雇撤回闘争をともに闘っていますが、当該労働者とともに労働組合の団結を強固にかちとって勝利します。
第13期党学校で 労働者階級の解放は労働者自身の事業だ 新里千夏
党学校への参加は2度目でしたが、一番学んだことは、「労働者階級の解放は労働者自身の事業である」「党と労働組合の一体的建設」「階級的労働運動路線でプロレタリア革命を」ということの重要性を心の底から確信できたことです。
それは、60年代から2010年代に至る動労千葉の闘いに凝縮していて、そこに党の50年史も凝縮しているということだと思います。「党と労働組合の一体的建設」という問題をここまではっきりさせたのはわれわれだけ、それは動労千葉の存在と闘いが大きいということです。
「党・労働組合・ソビエト」ということも労働組合の先頭で闘う労働者党員の存在と闘いを通して、党がそれと一体となって労働者の自己解放のエネルギーを解き放つことの重要性を確信することができました。
講師の奥深い提起と革命にかけた情熱に敬意を表したいと思います。
その上で、党学校には、労働運動を先頭で闘う現場の労働者同志こそ参加してほしいと思いました。労働者指導部の存在と闘いがプロレタリア革命の成否を決するからです。
革命情勢が成熟しつつある中で、30年代をのりこえて革命を勝利させるために、労働者階級の自己解放的決起と結びつく党と労働組合の一体的建設をなんとしてもやり遂げたいと決意を新たにしました。
第13期党学校で わが党は本気で革命をやろうとしている 杉原美子
今回の党学校で学んで一番感激したのは、わが党は、本気で日本革命をやる決意なんだということが分かったことです。
60年安保も70年安保も、自分としては主流派として闘ってきました。首をかけ、人生をかけ、血と汗を流して闘ったと自負していました。
しかし今、革命情勢の壁にはね返されている。隣の一人をオルグできないというジレンマに陥ってしまった。だからこそ、党学校へ入って一から勉強したかったのです。(「70の手習い」! いつまでも20歳のつもりなのになあ!)
何よりもうれしかったのは、「非正規職撤廃」を労働者の団結の軸とすると言い切ったことです。現在の新自由主義との闘いの核心にこの闘いをおき、党と労働組合の重心をおくと言い切ったことの意味は限りなく大きいと感じます。しかもこれが、韓国民主労総の闘いに学んだ結果と知って超うれしいです。
鈴コンやアメリカン・アパレル、郵政の非正規ユニオンなどの闘いの持つ意味、労働者の胸に直に響く意味の根底性です。そして大きくは、動労千葉の闘いがわれわれの闘いの中軸にドンとすわっていることのデカさだと思います。
結論として、今、人間らしく生きたいと苦悩する労働者階級とともにあること、共感し、ともに闘い、ともに喜び、涙を流し、資本と闘い抜くことの中に、一切の希望、革命の鍵があるということを再確認しました。
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週刊『前進』(2582号4面3)(2013/04/29 )
2013年日誌 4月16日〜22日
韓国北部で普天間所属のヘリ炎上/自民公約「改憲」前面に
●大飯原発差し止め却下 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)をめぐり、大阪地裁の小野憲一裁判長は、関電を相手取り運転差し止めを求めた地元住民らの仮処分申し立てを却下した。(16日)
●軍事境界線近くで米軍ヘリ炎上 韓国北部の北朝鮮との軍事境界線に近い江原道鉄原郡の射撃訓練場で、米軍普天間基地所属のCH53E大型ヘリコプターが着陸に失敗し、炎上した。事故機は米韓軍事演習「フォールイーグル」に参加していた。乗組員21人のうち、運航していた5人は在沖海兵隊第31海兵遠征部隊に所属。(16日)
●「都バス運行、24時間化」 猪瀬直樹東京都知事は、ニューヨークで地下鉄とバスの24時間運行をしている大都市交通公社を視察、「東京も公共交通を24時間化する」と表明。(16日)
●首相、70〜74歳の医療費負担の引き上げ明言 安倍晋三首相は70〜74歳の医療費の窓口負担を現行1割から2割に引き上げる考えを示した。(16日)
●維新、憲法96条以外も「改正」目指す公約 日本維新の会の浅田均政調会長は、みんなの党と策定する参院選共通公約に憲法「改正」要件を緩和する96条「改正」、衆院再可決要件を緩和する59条「改正」、「道州制」「地方政府」を明記するようにする92、94条「改正」を盛りこむ考えを示した。(16日)
●「政府主催4・28式典」に抗議集会
沖縄県那覇市で「政府主催4・28主権回復式典の中止を求める集会」(主催同集会実行委)が開かれ、約300人が「政府は沖縄の屈辱の日を忘れるな」などと抗議の声を上げ、国際通りをデモ行進。同日、東京でも式典を批判する集会があった。(17日)
●米上院委、グアム移転費の凍結提言
米議会上院軍事委員会は報告書で、在沖縄米海兵隊9千人をグアムなどに移転させる予算を凍結すべきだとした。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設を「はるか先」と表現するなど、見通しが立たないことを理由としている。(17日)
●自民公約「改憲」が前面 自民党は7月参院選の公約で、憲法「改正」や道州制導入を前面に打ち出す方針を固めた。党参院選公約検討委員会が役員会合で案をまとめた。(18日)
●貿易赤字、最大の8兆円 財務省が発表した2012年度の貿易統計(速報)によると、貿易収支は8兆1698億円の赤字だった。赤字額は11年度の4兆4千億円を大幅に上回り、過去最大になった。(18日)
●麻生副総理ら靖国参拝 麻生太郎副総理と古屋圭司拉致問題相が靖国神社に参拝した。新藤義孝総務相も20日に参拝しており、第2次安倍内閣の3閣僚の参拝が明らかになった。靖国神社は21日から春季例大祭で、安倍首相は同日、「真榊(まさかき)」を奉納した。(21日)
●オスプレイ配備計画撤回訴え、三連協が初の住民大会 沖縄市と嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」が96年発足以来、初の住民大会を開催。約1600人がオスプレイ嘉手納配備に断固反対し、計画撤回を要求した。(21日)
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週刊『前進』(2582号5面1)(2013/04/29 )
4・25法大解放闘争 6学友を不当逮捕
学生運動の前進に恐怖した弾圧
怒りの集会とデモを貫徹
(写真 文化連盟委員長の武田君ら6学生の逮捕という大弾圧を敢然とはね返し、法大生を先頭に全国学生が法大包囲デモを貫徹した【4月25日 東京・千代田区】)
4月25日、法政大学文化連盟が呼びかけ「不当処分撤回! 大学の主人公は学生だ! 4・25法大解放総決起集会&法大包囲デモ」が闘われた。
これに対し、警視庁・国家権力は斎藤郁真全学連委員長、武田雄飛丸文化連盟委員長をはじめ6人の学友を不当逮捕する大弾圧を強行した。午前11時半頃、法大市ケ谷キャンパス付近で東北大学学生自治会委員長の青野弘明君をまず令状逮捕。さらにデモ出発の直前、封鎖されたキャンパスから法大生が全国の学生との合流を続々と開始するや、突然機動隊が襲いかかり、殴る、蹴る、地面に引き倒すなどの暴行をはたらいたあげく、5人の学生を逮捕したのだ。また同日午後、学生の個人宅をはじめ全国で一斉に家宅捜索を行った。
キャンパスを1千人が実力で解放した昨年の10・19法大解放総決起集会に対する露骨な報復弾圧であり、その中心を担った武田君らへの許し難い狙い撃ち逮捕だ。
さらに、全国の大学で前進する学生自治会建設の闘い、昨年の京都大学同学会の再建とそれに続く広島大学自治会再建の闘いに恐怖し、国家意思をむき出しにして襲いかかってきたのだ。そのことは広大の学生自治会準備会代表・百武拓君を青野君に続き令状逮捕したことからも明らかだ。
さらには、安倍政権と国家権力はこうした全国学生の闘いが、4・26自治労全国ストと一体となって爆発することを心底恐れ、今回の弾圧に手を染めたのだ。まさに、すべての労働者人民への改憲を先取りした階級攻撃であり、絶対に許すことはできない! すべての学生と労働者人民の未来をかけ、この弾圧を絶対に打ち破ろう!
(写真 デモ終了後、暴処法弾圧裁判控訴審を闘う増井真琴君がマイクをとり、法大当局と国家権力を弾劾)
青野君と百武君の奪還を
4・25法大集会・デモは、国家権力の弾圧をはね返して打ちぬかれた。
武田君は昨年10月、法大当局が開催した原発御用学者・大久保利晃(放射線影響研究所理事長)の講演会に抗議したことを理由に当局から無期停学の処分を受けた。また武田君は文化連盟委員長として、新自由主義大学の極限的腐敗と学内規制の一方的強化に抗議し、全法大生の先頭で声を上げてきた。この武田君への不当処分に対して、この間、処分撤回を求める署名が続々と集まった。その力が「一人の仲間も見捨てない! 大学の主人公は学生だ」という全国学生の声となり、4・25法大集会・デモとして爆発したのだ。
この日、法大当局は法大生のデモ参加を妨害するため、朝から正門前を封鎖し、中央広場を立ち入り禁止とした。武田君は昼休み開始と同時にマイクをとり「正門を開けろ!」と要求、さらに学内から鈴なりになって正門前に注目している多くの法大生に「一緒にデモに行こう!」と力いっぱい呼びかけた。これに追いつめられた法大当局は、国家権力との意思疎通のもと、武田君らを警察に売り渡したのだ。
「仲間を返せ!」「警察帰れ!」――機動隊の暴虐きわまる襲撃に文化連盟の学生が弾劾のコールを始めると、キャンパスから見ていた法大生が続々と正門前に結集した。ビラやネットで知ったという他大学生や高校生も合流してきた。この大量決起に恐怖し、焦った国家権力は不当にもデモ隊の周辺を機動隊の壁で囲み、デモ出発まで威圧し続けるという暴挙を重ねたのである。だが、こんなことで学生の怒りを押しとどめることはできない! デモ隊は国家権力の威圧をものともせず、市ケ谷の街に怒りのコールを響かせた。夕方には全国学生集会が開催され、不当逮捕された仲間を必ず取り戻す決意を全員が打ち固めた。
文化連盟と全学連は昨年以来、10・19法大解放集会の爆発をはじめ、京都大学や東北大学で学生自治会建設をかちとり、福島大学における原発反対・御用学者追放の闘いを前進させてきた。これに続き、広島大学における自治会再建への挑戦と沖縄学生運動の歴史的決起が始まった。
また、この闘いの前進の中で、全学連の新たな指導部が次々と登場した。4・25で不当逮捕された仲間はいずれも、法大および全国の大学で自治会建設の先頭に立ってきた若きリーダーたちだ。彼らのアピールが掲載された本紙2578号の「新入生歓迎特集」は、新入生の中にどんどん持ち込まれ、圧倒的な共感を生み出している。今回の弾圧は、こうした全国学生運動の破竹の進撃に対する、安倍政権と国家権力の恐怖にかられた治安弾圧である。
青野君、百武君をただちに奪還しよう。全学連と文化連盟は、新自由主義にトドメを刺し、安倍政権打倒の先頭に立つ。
(斎藤全学連委員長、武田文化連盟委員長ら4人の学生は4月26日夕方に奪還された!)
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週刊『前進』(2582号5面2)(2013/04/29 )
4・19金曜行動 原発なくすまで闘う
「今秋再稼働」(茂木経産相)に怒り
4月19日、首相官邸・国会前などで金曜行動が行われた。「原発やめろ!」「大飯を止めろ!」。官邸前は激しいコールの嵐だ。毎回参加している人、初参加者、家族連れなど、今回も多くの人が駆けつけた。
発言が始まった。年輩の女性がマイクを握り「安倍首相! あなたは3月に『安全が確認された原発から再稼働する』と言ったが、原発は安全じゃない。子どもたちを避難させろ! 大飯原発を止めろ!」と声を張り上げた。別の女性は「私は、都合で月に1回くらいしか来れないが、原発をなくすまで頑張らなければと思っている」と気概を語り、続けて「汚染水が処理もできない。結局は海に流されていくだろう。大地を汚し海を使えないようにして、その責任をどうとるのか。安倍首相は『防衛』とか『軍備』とか言うが、冗談じゃない。原発を止めろ!」と語気を強めた。
茂木敏充・経済産業相は23日、「今年秋に原発を再稼働する」と言い放った。絶対に許せない。5・1新宿メーデーの大勝利を実現し、労働者民衆の力で再稼働を絶対に阻止しよう!
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NAZEN杉並 高円寺の街をデモ
雨の中、NAZEN杉並の仲間が解放感あふれるデモで高円寺の街を席巻。デモ後の例会では、内部被曝から子どもを守るための具体的運動づくりなどが活発に議論された(4月20日)
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週刊『前進』(2582号5面3)(2013/04/29 )
山本太郎さん「決断」語る
首都新歓 トークセッション成功
4月19日、首都圏学生の新入生歓迎企画として、俳優の山本太郎さんと森川文人弁護士を招き、「山本太郎さんと語ろう 4・19トークセッション」を行いました。山本さんは冒頭「若い人は日本の未来。世の中を変えていきたいという純粋な思いを持った人たちに一番長生きしてほしい」と訴えました。
原発事故以降、反原発の闘いに人生をかけて立ち上がった山本さんの生き方、そこから発せられる情熱的な語りに参加者は引き込まれました。
山本さんは、原発事故の隠蔽(いんぺい)を図る政府を目の当たりにした怒りを語り、「この状況を変えなきゃと思った人たちがこの国を変える展望をつかんだ時に、健康でいてもらわないと困るんです」と訴えました。さらに、「大資本に頼らなくても自分らでやれるんだということを示すことが社会を変える契機になる」「若い人がこれだけ頑張ってくれて自分にも勇気になります」と、私たち学生への期待を語ってくれました。
森川さんからの「3・11後、人生を決断する過程はどうでしたか」との問いかけに答える形で、山本さんは「東電が使っている宣伝費は260億円。電力会社全体で1千億円。それに対して声を上げる決断をするのに3週間かかった。『仕事がなくなってしまうと言う自分』と『真実を知ってしまったのに声を上げないのかと言う自分』がいた。『人をだませても自分はだませないだろう』と後者の方が勝った。みんなで生きていたい。この社会は他者がいて初めて成り立つものだ」と、自らの原点を熱く語ってくれました。
最後に法政大学文化連盟委員長の武田雄飛丸君が4・25法大解放集会・デモへの決起をアピール。「学生が主体的に考え、行動することをどの大学も徹底的に奪っている。一方で学生運動や反原発運動を弾圧している。こういうあり方をふっ飛ばしたい。4月25日は新入生に対して、大学は自由にものが言える場なんだということを示したい」と訴えました。
私たちは山本さんと心一つに4・25法大闘争から5月沖縄現地闘争の爆発へ突き進みます。
(首都圏学生・HM)
(写真 山本太郎さんの熱のこもった語り口に、参加した多くの学生が引き込まれた【4月19日 都内】)
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週刊『前進』(2582号5面4)(2013/04/29 )
京大 今中哲二さんの講演会
平田同学会書記長 「共に自治会を」
4月24日、京都大学で原発問題に関する講演会が開催され、新入生を含む労働者、学生70人が参加しました。
講演会は京都大学全学自治会同学会の有志でつくる「翻訳プロジェクト」が主催。「翻訳プロジェクト」は昨年からチェルノブイリの被曝実態に関する研究をまとめた調査報告書の日本語訳の出版に協力しており、今回の講演会はその出版を記念して開催されました。
講師として、京都大学原子炉実験所の今中哲二さんを招きました。
冒頭、司会の学生があいさつに立ち「日本政府の原発事故対応は、内部被曝や低線量被曝の研究成果が生かされておらず、学問の腐敗というべき状況です。学生として学問の腐敗を許さないために翻訳部会を立ち上げました」とアピール。
続いて今中さんが講演を行い、「原発事故がとんでもない規模になることは1966年の『東海1号炉』運転開始時から試算されていた」「事故直後の3月15日には大変な汚染のあることがわかっていながら、なんの警告も出されなかった。国の中枢が機能しなくなっていた」と、政府の対応を批判しました。
質疑応答では、福島出身の学生から「今後どうすればいいか」と切実な質問も出されました。
今中さんは「除染ははっきり言ってお金の無駄遣い」「福島にとんでもない汚染があることは確かだが、わからない部分も多い。できるだけ慎重になるべきだとしか言えない」と答え、事故から2年を経た福島の現状と問題点を説明しました。
最後に、翻訳部会の代表である平田郁夫君がアピール。「原発問題の背後には大学の問題があります。京大も多額の原発マネーを受け入れ、経営陣に関西電力の関係者が入っていました。04年の法人化以降、原発だけでなくあらゆる面で同じことが起きています」「大学改革の矛盾が学生に押しつけられ、高い学費、膨らむ学資ローン市場となって現れています」「こんな時代だからこそ、ぜひ学生自治会を一緒にやろう。私は、学生が自分たちで議論し行動したときに、大学と社会を変えていけると確信をもっています」――この訴えに参加者から大きな拍手が送られ、講演会を締めくくりました。
(京大・H)
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週刊『前進』(2582号5面5)(2013/04/29 )
広大新歓 自治会の再建へ前進
佐藤幸子さん、神谷教授を断罪
広島大学では学生自治会再建に向けて、4月開講日から9日間で200枚近くもの自治会建設への意見・要望が集まっています。
「学生自治会のように上の立場からの圧力を気にせずに意見できる団体は必要だ」「原発反対」「原発事故に対する広島大学の対処を詳しく知りませんでした。もっと周知をした方がいい」「学費と学食を安くしてほしい」「学部を越えた交流を」――。学生生活に関することから福島原発事故に関する大学のあり方まで幅広い意見が寄せられています。
大学の法人化以降、経営協議会がわがもの顔で大学の方針を決定し、福島第一原発事故が起こった後でさえも、放射能安全キャンペーンを行う御用学者を福島へ送り出す大学のあり方が社会的に明らかになりました。そして、同時に「大学のあり方はこれでいいのか」という問いも学生の中からわき起こっています。
こうした中で私たちは4月19日、福島から佐藤幸子さんを招き、新入生歓迎講演会「フクシマから大学を問う」を開催しました。
佐藤さんは、3・11以後の文科省による年間20_シーベルト基準の設定や福島県立医大が実施する県民健康調査への不信、そして広大教授・神谷研二(県立医大副学長)への怒りを語りました。佐藤さんは、神谷教授が原発事故直後の11年3月31日、記者会見で「屋内退避区域以外の子どもはどんどん外で遊ばせてください」と発言していたことを明らかにし、原発事故は「教育の間違いから引き起こされた人災」だと訴えました。「自分が変わらなかったら世の中は変わらない」という佐藤さんの言葉に学生へ期待を感じました。
最後に、学生自治会準備会の百武拓代表が「広大に学生自治会をつくろう!」と提起。「学生の意見が反映される大学にしていこう」と意気込みを語りました。
広島大学自治会準備会はフクシマとつながった学生自治会建設へ向けてさらに前進していきます。
(広島大・H)
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週刊『前進』(2582号5面6)(2013/04/29 )
「新しい捜査手法」許すな
改憲の重要環をなす治安立法
1月29日、日帝・法務省は、盗聴の全面化や司法取引などを導入するために「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想」を発表した。この基本構想に沿って6月までに法案の具体的作業を進め、年内に要綱案を作成し、来年春の国会に提出することを狙っている。共謀罪や秘密保全法と併せて「新たな捜査手法」という戦争動員のための治安立法に突き進んでいる。これは安倍政権がたくらむ改憲の重要環をなす。戦後統治形態を根底的に転換し、労働者階級の団結と国際連帯の破壊を狙う凶悪な攻撃だ。5・1メーデーを成功させ、「新たな捜査手法」を絶対に粉砕しよう。
警察による盗聴を無制限に拡大
「新たな捜査手法」とは第一に、警察による無制限の盗聴である。現行の盗聴法(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律)は、薬物犯罪、銃器犯罪、組織的殺人などの捜査に限定されている。それを詐欺や窃盗など「通信傍受が必要かつ有用な犯罪に活用できるようにする」と、無制限に拡大しようとしている。
また、現行法では、警察官は盗聴するには通信事業者の施設に出向かなければならず、通信事業者の立ち会いも義務づけられ、令状の範囲内の会話しか盗聴できない。これを、盗聴対象の通信を全部自動的に警察の施設に送り込み、いったん全部記録した上で、立会人なしに、警察官だけが関与する中でフリーハンドで盗聴できるようにしようとしているのである。
さらに、事務所や車両などの中に盗聴器を仕掛けて室内の会話を盗聴することまで合法化しようとしている。警察官が事務所にコソ泥的に忍び込んで盗聴器を仕掛け、室内の会話まで盗聴することをどうして許せるか。
第二に、司法取引の新たな導入である。「司法取引」とは、仲間や組織の情報を権力に売り渡すことと引き換えに、不起訴にしたり、刑を軽くしたりすることを検事と取引することだ。加えて、刑事免責制度の導入である。現行法では、証人自身が罪に問われるような証言は拒否できるが、これを裁判長の命令で強制できるとし、その代わりに証人の罪は問わないとする。「仲間を売り渡せばお前だけは免罪してやる」という甘言で密告を制度化する。露骨な団結破壊であり、社会のあり方を根本から変えることを狙った攻撃である。
刑事司法制度を全面的に改悪
第三に、刑事司法制度の全面的改悪である。
一つは、転向・裏切り分子やスパイなどの証人の支援・保護だ。証人の住所や場合によっては氏名まで、弁護人にも開示しないというもので、いわゆる匿名証人だ。
また、現行のビデオリンク方式では、証人は被告人や弁護人が在席する場所と同一構内の当該裁判所には行かなければならないが、危害のおそれなどがあれば別の裁判所でも証人尋問を受けるようにするというのだ。証人のビデオリンク方式は、性犯罪の被害者保護を口実に設けられたが、現在では公安事件や三里塚裁判にまで拡大している。
二つには、出廷や証言を拒否する証人に対しては、不出頭、宣誓・証言拒絶に対して法定刑(現行は罰金または拘留)を引き上げ、懲役刑まで加えようとしている。証人の勾引要件も緩和して、不出頭のおそれがあるだけで勾引できるようにする。証人威迫や証拠隠滅などの法定刑引き上げも検討されている。
三つめの今ひとつ重大な攻撃は、被告人の法廷供述に「偽証罪」を適用するというものだ。これは裁判そのものを一変させる。被告人が法廷で無実の訴えをすれば偽証罪とされ、弁護人までが「共犯者」として処罰されかねない。そして、これまでの被告人質問は廃止され、被告人の発言の機会は制限されるのである。
新自由主義政策の破綻で危機に
以上のような、基本的人権を無視し、警察・検察権力の強大化に道を開く「新たな捜査手法」や「刑事司法改悪」が策動されているのは、新自由主義の破綻と労働者人民に対する階級支配の危機ゆえである。
昨年の10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃のスト決起から始まる半年間の闘いは、青年労働者を先頭とする全国のストライキとなって高揚し、6千万労働者階級の怒りに火がつく情勢を生みだしている。反原発闘争やオスプレイ配備に対する怒りは全国でますます広がっている。
今やあらゆる地域・職場において、日帝・安倍政権の限度を超えた攻撃に、労働者階級の根底からの怒りが燃え上がっている。
安倍政権による治安攻撃の激化を階級的労働運動の白熱的推進と国際連帯の力で粉砕しよう。4月20日、「新捜査手法反対連絡会議」が結成された。労働者階級の力で「新捜査手法」反対の大衆運動をつくり出そう。
(村上進一)
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週刊『前進』(2582号5面7)(2013/04/29 )
【要項】三里塚裁判、法大暴処法弾圧裁判第3回控訴審闘争
三里塚裁判傍聴を!
◎第3誘導路許可取消裁判
5月13日(月)午前10時30分 千葉地裁
◎天神峰ヤグラ裁判
5月21日(火)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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法大暴処法弾圧裁判 第3回控訴審闘争
5月9日(木)午後1時30分
東京高裁
(傍聴券配布のため30分前に裁判所脇に集まってください)
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週刊『前進』(2582号6面1)(2013/04/29 )
青年は新宿メーデーへ!
闘う労働組合とスト復権し非正規職撤廃・安倍打倒を
マルクス主義青年労働者同盟
4月26日、青年労働者を先頭とする全国の自治体労働者は、安倍政権による暴力的賃下げ攻撃に歴史的な第1波の統一行動で反撃を開始しました。しかし私たちの怒りはこんなもんじゃない。闘いはこれからです。闘う労働組合とストライキを復権し、真の労働者党をつくり出そう。5・1新宿メーデーに大結集し6・9国鉄大集会へ、職場からの決起で安倍政権を打ち倒そう!
JR貨物の賃下げと闘う
自治体労働者と、その関連も含めれば1千万人もの労働者に対する7・8%もの一斉賃下げは、公務員労働者への全面攻撃をとおした全労働者への賃下げと「準正社員」化=10割非正規職化の攻撃です。同時に地方自治破壊=改憲・戦争国家化の攻撃です。「公務員バッシング」という分断攻撃をのりこえ、4・26から賃下げ絶対阻止へさらに立ち上がろう。闘いに決起した労働者の怒りと闘いは御用組合幹部の思惑も吹き飛ばし、社会の根底的変革までやむことのない決起がついに始まりました。これまで下げられてきた賃金と労働者としての団結と誇りを、安倍とブルジョアジーから奪い返そう!
新宿メーデーを呼びかけている動労千葉・動労総連合に対する、JR貨物の賃下げ攻撃はこの公務員労働者への攻撃と完全に一体です。それは全労働者への賃下げであると同時に改憲・戦争の攻撃です。JRが日本帝国主義の戦略資本として、全労働者への賃下げと労働組合解体、改憲・戦争攻撃の最先兵となっているのです。
貨物には、帝国主義戦争の根幹をなす軍事物資輸送という重要な役割があります。近年、航空や自動車での物流が拡大し、実際に鉄道輸送の需要も減ってきています。国鉄分割・民営化当時から「安楽死させる」と言われてきたのがJRの不採算部門であるJR貨物なのです。しかし、巨額の税金を投入してまでその延命を図るのはなぜか。新自由主義としては切り捨てたいにもかかわらず、帝国主義としては貨物輸送がなければ戦争はできないからです。国鉄分割・民営化は国鉄労働運動解体という一点で、この矛盾を持ったまま強行されました。この日帝とJRが抱え続けてきた矛盾が、世界大恐慌という資本主義の崩壊の中で爆発しているのです。
JR貨物の破綻は国鉄分割・民営化は失敗だったということを明らかにします。それは同時に、国鉄分割・民営化以来、労働者を襲ってきた全面的な外注化・非正規職化攻撃に対し「団結して闘えば勝てる」という展望を全国、全世界の労働者に示すのです。この27年間にわたる国鉄闘争こそが「4・26ストライキ情勢」を切り開いたのです。だから日帝とJRはJR貨物を破綻させるわけにはいかず、そのツケのすべてを労働者の賃下げに転嫁しようとしているのです。
これに対し動労千葉・動労水戸は、JR貨物と東日本という分断をのりこえてひとつに団結し闘っています。JR貨物賃下げ粉砕の闘いは全労働者への賃下げ、非正規職化、首切り阻止の闘いであり、国鉄分割・民営化という新自由主義攻撃にとどめを刺す闘いであり、切迫する朝鮮侵略戦争を阻止する国際連帯の闘いでもあるのです。
原発再稼働阻止・全原発廃炉の闘いの土台にも国鉄闘争が確固として存在しています。動労水戸の被曝労働拒否の闘いは、ついに放射能汚染列車K544の運用策動を完全に粉砕しました。この闘いは電力9分割と電産労働運動の解体―戦後労働運動の限界をのりこえる歴史的な闘いです。ついに「全原発を止める労働運動」が登場しようとしているのです。国鉄分割・民営化と3年前の4・9政治和解をものりこえて闘ってきたからこそ、動労水戸はこのような闘いがやり抜けるのです。
国鉄決戦−1047名解雇撤回闘争の勝利こそが労働者階級の全面的な勝利を切り開きます。動労千葉・動労総連合とともに5・1新宿メーデーを闘いとろう。国鉄(JR)を先頭に自治体・郵政・教育の4大産別・全産別の職場で労働者の怒りと団結した姿を登場させる闘いの先頭に立ち、全国・全世界の労働者に6・9国鉄闘争大集会への大結集を呼びかける号砲を打ち上げよう。
安倍「成長戦略」と対決
1〜4月の日帝・安倍政権とブルジョアジーの攻撃を見すえるなら、安倍の掲げる「アベノミクス」が世界的な資本主義の崩壊の中で行われている絶望的な最後の延命策であることは明白です。
全世界で資本主義体制は崩壊のふちにあります。日帝・安倍政権とブルジョアジーは世界大恐慌と争闘戦時代に突入する中で追いつめられ、あがき、もがいています。
「黒田マジック」「異次元金融緩和」といわれている日銀の金融政策は国債(国の借金)の7割を日銀が引き受けるというギリシャと同じ財政破綻・債務不履行(デフォルト)へ突き進む破滅的政策です。そして6月に策定される安倍政権の「成長戦略」の核心は解雇・賃下げの自由化=「雇用の流動化」であり、医療・社会保障制度の徹底的な解体です。TPP参加、さらに鉄道、原発、水道や医療のパッケージ輸出を始めとする成長戦略の柱は、資本に対する全面的な規制緩和であり、その中心が労働規制の全面撤廃です。
また「アベノミクス戦略特区」なるものの中で猪瀬直樹東京都知事がぶち上げた「都営交通24時間化」は全社会的な8時間労働制の解体攻撃としてもあります。こうして長時間労働と低賃金が強制され、「競争力強化」の名のもとで労働者の生活と安全が根本から破壊されようとしています。
こうした金融・通貨、貿易などの争闘戦と一体のものとして安倍政権は改憲と戦争の攻撃を激化させています。とりわけ北朝鮮・中国へのすさまじいまでの戦争挑発をもテコとした戦時体制への突入攻撃が激しく行われています。
こうした中で、3月末をもって膨大な労働者が雇い止め・解雇されました。4月以降、この矛盾が労働者の生活破壊と同時に、人員不足から来る職場の安全の崩壊という形で、私たちが思っている以上の規模で激しく進行しています。それを必死でカバーしようとする結果、事故が起きる。それはすべて労働者の責任にされる。青年労働者をはじめとした労働者階級の怒りは沸点に達しています。この怒りを、労働者が分断ではなくひとつに団結し、生活も安全も社会そのものも崩壊させられている根本に対してたたきつける時なのです。
安倍政権の危機を引き寄せているのは新自由主義政策ですが、その延命のためには、また新自由主義攻撃を絶望的に激化させる以外になく、労働者の雇用と賃金、職場と社会の安全を破壊しまくっているのです。このように絶望的にもがく安倍政権を、5・1メーデーを突破口に5〜7月の闘いで打倒しよう。
6・9国鉄集会に集まろう
5・1メーデーを突破口とする5〜7月安倍打倒の闘いにあたって、1〜4月、私たちが切り開いた地平をあらためてはっきりさせよう。
私たち以外は誰も、どの労組も政治党派も昨年の10・1JR外注化阻止決戦を闘いませんでした。私たちが10・1を闘い抜き、外注化阻止・非正規職撤廃のJR―全産別の大反乱を巻き起こす中で4月ストライキ情勢をもつくり出し、確実に安倍を追いつめてきたのです。
なぜ今、経団連やブルジョアジーは必死になって“偽装請負を合法化しろ、解雇規制を撤廃しろ、8時間労働制を解体せよ”と絶叫しているのか? ここには彼らが国鉄分割・民営化で絶滅したはずの国鉄闘争が存在し、こうした労働法制を解体できなかったこと、そればかりか、大恐慌情勢の中でこの国鉄闘争を土台にして全産別でこれに続く闘いが広がり始め、4月ストライキ情勢が生み出されてしまった。だからこそ、彼らは4・26ストライキに震え上がっているのです。
私たちは、外注化・非正規職化・解雇に対する絶対反対を柱にして、職場のすべての労働者が団結できる反合理化・運転保安闘争路線の確立に向け、あらゆる努力と実践を全職場で闘ってきました。一つひとつは確かに小さなものかもしれない。しかし、それらはJRを最大の戦場としながら、確実に職場における労働者の怒りを引き出し、闘うことの圧倒的な正義性と展望を示し、合同労組や拠点労組の組織拡大もかちとっています。何よりも闘いをとおして「これからも不屈に『解雇撤回・原職復帰』で闘うことこそ、闘う労働組合の復権と全労働者の未来をかけて闘う、労働者としての当たり前の姿だということを証明していきたい」「絶対にあきらめず不屈に闘う姿が多くの労働者を獲得する絶好のチャンスが到来」(本紙前号「闘いは進む」)という生きた時代認識をつかみ取っていることが決定的です。こうした闘いが『前進』紙面に生き生きと躍動し始めています。『前進』を活用し、拡大しよう。機関紙を武器にして党と労働組合を一体的に建設しよう。
歴史的な4・26統一ストライキの地平から安倍の絶望的な新自由主義をさらに追いつめよう。動労千葉の闘いに学び、拠点労組を軸にして、同じ地区における労組の闘いや、産別を越えた共闘をつくりだそう。
点から線へ、さらに面−地域全体へと網の目に外注化・非正規職化阻止を闘う労働組合を拡大しよう。地区党のもとで「時代認識と路線」で一致し、資本と非和解的に闘い拠点労組と地区党を一体的に建設しよう。
マル青労同・マル学同、そして革共同に結集し、ともに5・1新宿メーデーから6・9国鉄全国運動大集会を大爆発させ、プロレタリア世界革命へ突き進もう!
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週刊『前進』(2582号6面2)(2013/04/29 )
外登法・入管法と民族差別を撃つ関西交流集会
“全世界の労働者と共に闘う”
4・21大阪 国境越え310人が結集
在日・滞日の労働者先頭に
4月21日、第22回「外登法・入管法と民族差別を撃つ関西交流集会」が大阪市立浪速区民センターで開かれ、310人が結集した。
本集会の最大の柱は、この2年近く職場地域での実践と、実行委員会での学習会と討議を積み重ね、練り上げてきた基調報告だ。実行委員会を代表し登壇した仲間は、「その時が来た。全世界の労働者とともに闘おう」と話し始めた。
「在留カード制度は、在日だけでなく新たに入ってくる全世界の労働者への治安管理の攻撃だ。全労働者を非正規職化し、資本家だけがもうけるということだ。それが江田島事件ではっきりした。分断され孤立の中で彼らは闘っている。私たちの方から分断をうち破っていこう」
「改悪入管法24条退去強制は、労働組合の組織化や争議などを対象にしている。そこを恐れているからだ。それは帝国主義者だけではない。戦後革命期、在日労働者はあらゆる闘いの先頭にいた。それを、毛沢東、金日成(キムイルソン)、日本共産党などスターリン主義は、反民族的と押しつぶした。朝鮮戦争の開戦を止められたのに、帝国主義を打倒できたのにと悔しかった。今これをつくり出す時が来た。それが関西合同労組をはじめとした仲間たちの闘いだ」
「武器は労働者同士が向け合うものではなく資本家へ向けるものだ。外注化阻止・非正規職撤廃! 在日の仲間を先頭に4・26ストからメーデー、6・9国鉄集会へ突き進もう! 沖縄・三里塚、反原発、星野闘争、在留カード制度と労働者の団結で闘おう」
基調報告は参加者の圧倒的確信をつくり出した。
集会の司会は青年労働者と学生が務め、実行委員会を代表して橘日出夫さん(国鉄労働者)が開会のあいさつを行った。
(写真 新自由主義を打ち破る労働者の国際連帯集会にふさわしく、最後は肩を組んでインターナショナルを高らかに斉唱【4月21日 大阪市・浪速区民センター】)
ソウル本部と動労千葉から
熱い歓迎の声に迎えられ、韓国の民主労総ソウル地域本部副本部長で全国保健医療産業労組ソウル地域本部長のキムスギョンさんが、サービス連盟エルカコリア支部のハスクチョンさんと一緒に登壇し、連帯のあいさつを行った。「いま晋州(チンジュ)医療院廃業攻撃と激突している。真の狙いは『強硬路線労組の解放区だからつぶす』ということだ。私たちはどこまでも闘いぬく」(発言別掲)
これこそ戦争的緊張の中での国際連帯の闘いそのものだ。
続いて動労千葉の田中康宏委員長が訴えた。「10・1外注化強行から半年、議論し苦闘の中から新たな決意をうち固めた。アベノミクスは世界中に投機を求め貧困をつくり出す。賃金7・8%カットなど公務員関連1千万人におよぶ攻撃は解雇自由、全員非正規化だ。それは労働者の意識を一変させる。巨大に歴史が動く時が今だ。自らの職場から闘い、労働組合を取り戻し、青年たちの怒りと結合したら力は爆発的になる。世界中でともに闘おう」
関合労で闘う外国人組合員
いよいよ関西合同労組の登壇だ。黒瀬博匡委員長とともに、かねひろ運輸解雇撤回を闘う阪神支部の許用皓(ホヨンホ)支部長、日経サービス解雇撤回を闘う中国人労働者Yさん、関西空港島の機内食工場での退職強要と闘った台湾出身のFさんが報告に立った。
ホさんは、「私は13年間、解雇と闘ってきた。労働者は生きるために闘う。私は一個人ではない。すべての階級的労働者と連帯し、非和解で闘ったことがここに今私が立っているということだ。解雇撤回闘争に勝利した。大事なことは、朝鮮総連との分岐だ。彼らは労働者として闘うことを認めない。国境、国籍、民族を取っ払い労働者の解放のために闘う」と堂々と宣言した。
Yさんは、1度目はだまされて、2度目はYさんが関合労の先頭で闘っていることを嫌悪した資本によって、「上司の指示に従わない」「職場秩序を乱した」と懲戒解雇処分を受けた。「労働審判は組合から私を切り離し一人にするものだ。裁判所に抗議し取りやめにさせた。労働組合が大事。近くに労働組合の仲間がいたら江田島事件は起こらなかった」と決意を表明した。Fさんは、「労働組合は困った時だけでなく、他の組合員から学べるところ。一人ではない」と訴えた。
さらに、八尾北医療センター労働組合、自立労組京都、広島連帯ユニオン、びわこユニオン、京大熊野寮の学生から闘争報告がなされた。また、星野さんを取り戻す全証拠開示運動特別アピールを大阪・取り戻す会が、カンパ・アピールを婦人民主クラブ全国協関西ブロックが行った。
最後に実行委員会の仲間がまとめに立ち、集会決議を採択し、日・中・韓3言語で「団結ガンバロー!」を行い、インターナショナルを斉唱し閉会した。
前夜には、民主労総と医療福祉産別の労働者35人が交流した。日韓の医療現場の攻防を語り合い、国際連帯を深めた。
本集会は、大争闘戦(戦争と大失業)−革命の時代に、新自由主義を打ち破る労働者の国際連帯闘争として、歴史的な一歩を記した。
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週刊『前進』(2582号6面3)(2013/04/29 )
公共医療守りぬく
民主労総ソウル本部副本部長 キムスギョンさん
2月26日、慶尚南道知事が地方自治体が運営する34の地方医療院の一つであるチンジュ医療院の廃業を宣言しました。パククネ大統領が就任した翌日のことです。
保健医療労組は代議員大会を開いて廃業を阻止するために総力闘争を決意しました。
最初は赤字のためだと言って民営化が取り沙汰されました。私たちが闘いに立った後では、強硬労組、貴族労組のために廃業をしなければならないと言い変えました。
保険医療労組は3月14日、廃業方針撤回、公共医療死守のための1次集中闘争を展開し、27日には7百余名の民主労総組合員がともに2次集中闘争を行いました。男性組合員は丸刈りにし、女性組合員は断髪し、断食闘争を始めました。
それでも4月15日、チンジュ医療院を廃業する条例改正案が道議会常任委会議で強行通過。18日の本会議通過を阻止するために保健医療労組だけでなく金属労組、全教組など1千名の民主労総組合員らが集結して警察機動隊とぶつかって闘いました。そして本会議を流会させることに成功しました。半分の勝利はかちとりましたが、まだ闘いは終わっていません。
保健医療労組はチンジュ医療院廃業を阻み、公共医療を死守するためにどんな闘いも辞さずに闘います。トゥジェン!
(写真 発言するキムスギョンさん。右は民主労総サービス連盟のハスクチョンさん)
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週刊『前進』(2582号6面4)(2013/04/29 )
星野再審へ高裁デモ
4・22 130人が証拠開示迫る
4月22日、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議が呼びかけた東京高裁包囲デモが、130人で闘われました。
3月28日、東京高等検察庁は、証拠開示を全面的に拒否してきました。デッチあげた証拠のみで星野文昭同志を38年間も獄中に閉じ込め、無実の証拠は開示しないなど、断じて許せません。
日帝・国家権力は、安倍政権への怒りを蓄積した人民が星野闘争に合流することを心底恐怖し、今回も、大量の公安刑事を投入して闘いの圧殺を図ってきました。デモ出発前、共同代表の狩野満男さんは、公安刑事の闘争破壊策動を激しく弾劾するとともに、「星野さんを今年中になんとしても取り戻す」と固い決意を表明しました。
星野暁子さんは検察官の証拠開示拒否を弾劾し、裁判所と警視庁公安部による、重要な証拠であるビデオテープの「紛失」を追及しました。
動労千葉から4・26自治労ストライキへの連帯表明と、5・1新宿メーデー、6・9国鉄大集会への結集が訴えられ、全国労組交流センターは、「検察官が拒否している証拠開示をかちとるのは私たちの力だ。日本もギリシャのように闘おう」と呼びかけました。全学連、部落解放同盟全国連杉並支部が連帯のあいさつを行いました。
各地の星野救援会からは、大阪のメッセージ紹介の後、千葉、茨城、三多摩、三里塚から全証拠開示大運動を力強く推進していることが報告されました。共同代表の戸村裕実さんが、「証拠開示は市民の権利だ。証拠漁(あさ)りとは何だ、私たちには全証拠開示を求める権利がある」と検察官を強く弾劾しました。
「星野さんは無実だ」「検察はすべての証拠を開示せよ」「戦争・改憲の安倍政権打倒」「星野さんの再審をかちとるぞ」とシュプレヒコールを霞が関一帯にとどろかせてデモ行進。沿道から圧倒的な注目を浴びながらデモを貫徹しました。
デモに先立ち、裁判所前で昼休み街宣が行われました。「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」の同志たちの街宣とともに、30人で東京高裁前で展開し、権力犯罪を怒りを込めて弾劾しました。
5・1新宿メーデー、6・9国鉄大集会に総決起し、6・30星野全国集会に結集しよう。
(S)
(写真 「星野文昭さんは無実だ」「全証拠開示し再審開始を」の横断幕を先頭に130人が力強くデモ行進【4月22日 東京・霞が関】)
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週刊『前進』(2582号6面5)(2013/04/29 )
【要項】 5・1新宿メーデー
公務員賃金7・8%引き下げ粉砕! 賃金破壊・首切り自由を許さない!
民営化・外注化・非正規職化阻止! 今こそストライキと国際連帯を!
闘う労働運動の復権をめざす
5・1新宿メーデー
▼JR貨物本社抗議闘争
賃金削減絶対反対! 国鉄分割・民営化のツケを労働者に転嫁するな!
正午 JR新宿駅東南口集合(午後1時まで)
▼デモ
午後2時 新宿中央公園「水の広場」(新宿区西新宿2―11)
午後2時30分 デモ出発
▼集約集会
民営化・外注化阻止! 非正規職撤廃! 国鉄1047名解雇撤回へ
10万筆署名運動を推進し、6・9国鉄闘争全国運動大集会へ総結集を!
午後3時30分開場 3時45分開会
新宿文化センター(新宿区新宿6―14―1)
よびかけ 動労千葉・動労総連合
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週刊『前進』(2582号7面1)(2013/04/29 )
6・9国鉄集会へ全国大結集を
階級的労働運動と労働者国際連帯で改憲・戦争へ進む安倍を打倒しよう
全産別で反合・運転保安闘争の実践を
(写真 動労千葉は3月1日、JR東による検修部門の外注化と、千葉鉄道サービスの相次ぐ違法行為、外注化から5カ月の事業所閉鎖に抗議して、春闘第1波ストに立った【千葉市・幕張車両センター前】)
(写真 動労水戸は3月25日、放射能で汚染された車両【K544編成】にかかわる被曝労働を拒否して時限ストライキに立ち、K544の運用を停止に追い込んだ【ひたちなか市・勝田車両センター前】)
世界大恐慌と大争闘戦時代への突入、3・11大震災と福島原発事故の危機と矛盾の激化のもとで、労働者階級の怒りは非和解的に高まっている。13年階級決戦はプロレタリア革命勝利へ向けた白熱的な展開をかちとっている。安倍政権の階級戦争に対して、党と労働組合の一体的発展、階級的労働運動と国際連帯闘争を全力で推進することこそ、労働者階級を階級として力強く形成し、帝国主義者どもを革命の恐怖にたたき込んでいく闘いである。大恐慌がもたらす〈大失業と戦争〉攻撃の激化は、同時に革命情勢への急速な接近を意味する。動労千葉・動労水戸を先頭として打ち抜かれた外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否の3月ストライキと3・11反原発福島行動13の地平を発展させ、安倍打倒―13年決戦勝利へ5〜7月闘争を全力で闘おう。
T 動労千葉・動労水戸のストと〈3・11福島〉軸に開いた地平
(1) 検修外注化阻止・非正規職撤廃へ動労千葉がスト決起
動労千葉の3月ストライキは、こうした革命情勢の成熟の中で、階級的労働運動の炎を絶対に消すことなく、職場生産点から労働組合の再生と建設をかちとるものとして打ち抜かれた。それは日帝の新自由主義攻撃の核心でありJR東の最大の延命策である外注化・民営化・非正規職化攻撃を根幹から打ち破る闘いの端緒を切り開いた。
第一に、3月ストライキは、昨年10・1外注化阻止決戦が切り開いた画期的地平であった。10月の決起が外注化阻止の第2ラウンドを切り開き、3月ストライキの原動力となった。10・1外注化阻止決戦は、鉄道事業における検修・構内業務の全面外注化が安全を破壊し、また動労千葉の団結を破壊する攻撃であることに怒りに燃やし、全社会に訴えたストライキ決起であった。それは検修職場で外注化を13年間阻んできた動労千葉が、組合の団結を血みどろで守りぬいた死闘であった。それは資本の利潤と延命のためであれば、労働者の存在と生活を破壊し、誇りを奪い、団結を引き裂く新自由主義の核心部への根底的反撃であった。
動労千葉は、外注化と強制出向という新自由主義攻撃に対して、「絶対阻止」を一歩も引かずに貫き通し、不退転の意志と確信、怒りで団結した。こうした根源的で階級的な反撃こそ、労働者の尊厳と誇りを取り戻し、労働者自己解放の闘いを無限に広げていくのである。それは外注化阻止決戦の革命路線としての闘いの実現であり、プロレタリア革命に向かう壮大な階級形成の闘いであり、党と労働組合の一体的前進の飛躍を求める闘いである。
第二に、動労千葉の3月ストは、外注化・民営化・非正規職化の大攻撃に、戦後日本の労働運動が真っ向から闘いきれなかった現実をひっくり返して闘い抜かれた。特に合理化との闘いでは、強行されればそれで終わってしまった歴史を、動労千葉の10・1外注化阻止と第2ラウンドの闘いは根本的に塗り替えた。「どんなことがあっても外注化を粉砕してJRに戻る!」という労働者魂と怒りと執念が発揚された。それは、動労千葉が国鉄分割・民営化攻撃と唯一闘い抜いてきた蓄積の上に、反合・運転保安闘争の原点を貫いた闘いであった。同時に3月ストライキは、大恐慌と3・11情勢に立ち向かう時代認識と路線の確立・実践として、反合・運転保安闘争の新たな路線的発展をかちとったのである。
こうして3月ストは、CTS(千葉鉄道サービス)に強制出向された労働者とJRに残った労働者が分断を打ち破り、団結を強化し一体となって闘う画期的地平を切り開いた。
動労千葉は、外注化による労働者分断が生み出す運転保安の解体と偽装請負を徹底的に弾劾し、資本の破綻をつかんで離さず、職場生産点で攻勢的に闘い抜いた。これこそ反合・運転保安闘争の真骨頂である。
さらに外注先のCTSは、労働基準法36条に基づく36(さぶろく)協定の締結権を獲得する動労千葉の闘いに追い詰められ、なんと出向先の事務所を廃止するというとんでもなく卑劣な手段に訴えた。3月ストライキは、このあまりの暴挙に対する激しい怒りの爆発としてかちとられた。「36協定」問題は、外注先の資本との職場支配権の攻防をとおして、強制出向と外注化がどれほど破綻と不正義に満ちたものであり、労働の安全を破壊するものであるかを突きつけた。そして反合・運転保安闘争の発展と外注化・民営化・非正規職化と闘う展望を指し示したのである。実に歴史的創造的な決起であった。
反合・運転保安闘争は、党と労働組合の一体的建設のひな形であり、プロレタリア革命を引き寄せる闘いとなった。1・1政治局アピールで提起した「外注化阻止・非正規職撤廃でプロレタリア革命の勝利開け」の路線が、革命的情勢の煮詰まりの中で、現実化の突破口を切り開いたのだ。
組合の枠越えた青年労働者の闘い始まる
第三に、動労水戸、動労西日本、動労連帯高崎など動労総連合の3月ストライキ、国労郡山工場支部の3・11決起などが全国鉄労働者の先頭で闘い抜かれている意義を圧倒的に確認したい。こうした闘いは平成採の青年労働者に、組合の枠を越えた巨大な影響を及ぼし、JRの総反乱情勢をつくり出し、「第2の分割・民営化攻撃」との闘いの壮大な展望を切り開いている。これからJR東の外注化攻撃は、検修部門でも駅業務でもさらに全面化していく。外注化阻止・非正規職撤廃の闘いはこれから全面的・本格的に発展していくのである。
こうした外注化阻止の闘いと一体で、動労千葉の鉄建公団訴訟の昨年の6・29一審判決で、分割・民営化時の採用候補者名簿からの削除(解雇)は不当労働行為であったことを司法に認めさせた。この地平は、日本の戦後労働運動、国鉄労働運動にとって大きなインパクトを与えるとともに、国労本部など「4者4団体派」の1047名解雇撤回闘争の放棄(2010年4・9反革命)がいかに重大な誤りであるかを突きつけている。対極で動労千葉とともに闘い抜いてきた4人の国労闘争団員の不屈の闘いの正しさと、4・9反革命を打ち破ってきた国鉄闘争全国運動の発展の階級的意義を明らかにするものである。
鉄建公団訴訟の「解雇撤回・JR復帰」の10万筆署名運動は、1047名解雇撤回闘争の革命的な発展を切り開くものである。それは現在のストライキ情勢の中で、極右改憲の安倍政権を怒りを込めて打ち倒す「団結署名」である。だから、この署名運動は激しくすさまじい階級的激突である。
いまひとつ、3月ストライキと10万筆署名運動のうねりの中で、国労郡山工場支部を先頭に、国労の中から動労千葉の反合・運転保安闘争の立場に立ち、職場生産点から闘いが開始されていることをしっかりと確認したい。
(2) 自治労スト-4大産別決戦の発展と民間職場での激闘
こうした闘いは、新自由主義・日帝とJR東(資本)との対決をとおしてプロレタリア革命を切り開く質と量をもってかちとられている。この闘いが今や全国鉄(JR)労働者の闘いとなり、郵政、自治体、教労の4大産別決戦として発展し、民間の拠点職場でのストライキと職場闘争として拡大している。
自治体では、全労働者の賃金破壊、雇用破壊、10割非正規職化に直結する大幅賃下げとの闘いが4〜5月スト情勢を押し開いている。教労も同様に大決戦であり、一挙に民営化・非正規職化、組合破壊との攻防の最前線となっている。郵政では、「郵政グループビジョン2021」による総非正規職化攻撃への怒りの反撃が開始されている。医療・福祉産別の拠点建設、さらに東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会を先頭に合同一般労組の組織拡大は、職場生産点で闘う労働組合をつくり出す闘いとなっている。その力が動労千葉の闘いを支え、連帯し、さらにそれが必ず全産別の職場生産点の決起につながるという全階級的団結と決起の一体的構造がつくられている。ここに動労千葉、動労水戸、動労総連合の真の勝利を獲得していく道があり、まさに「外注化阻止・非正規職撤廃で世界革命を」の全階級的推進がかちとられていくのである。
動労水戸が被曝労働拒否で決定的なスト
いまひとつ3月の重大な闘いは、被曝労働を拒否した動労水戸のストライキ闘争である。動労水戸の3月闘争はまず6日、12日、14日の3波の春闘ストとして闘い抜かれた。この中で平成採青年労働者がスト破り反対に決起したことは決定的であった。追い詰められたJR資本は、被曝車両の運用強行という超反動攻撃にのめり込んだ。これはJR東日本が東京電力と結託し、常磐線の現在休止中の区間の営業運転を再開することで、福島県民を棄民として帰還させ、逆に避難している労働者人民への賠償金を削り取ろうという策動である。しかも内部被曝や低線量被曝の問題を抹殺し、JR労働者を被曝労働にかり立て、福島の怒りを圧殺しようという暴挙である。
これに対して3月25、26日、すさまじい反撃が展開された。資本とJR総連の「業務命令」を青年労働者を先頭に敢然と無視し、被曝車両K544の検修のための乗務や誘導を拒否する実力闘争が、ストライキ突入とともに行われた。そしてK544の運用強行を完全に粉砕したのだ。この動労水戸の「K544闘争」は、「3・11福島」をめぐる闘いの解体か発展かをかけた決戦にかち抜き、反原発闘争の巨大な発展を切り開く新たな出発点となった。実に偉大な勝利である。
3月の国鉄労働者のストライキ決起は、3・11福島の勝利の土台に労働組合があり、動労水戸の闘いがあることを示した。反原発闘争と国鉄決戦が一体で前進していく革命的推進構造を決定的に示している。また反原発・被曝労働拒否、非正規職撤廃の闘いは、福島の労働運動を階級的に奪還し、それと連帯する全国全世界の労働者階級の団結と連帯をとおしてかちとられる。
(3) 被曝と闘う労働者と結合した3・11反原発福島行動
こうした闘いを発展させた3・11反原発福島行動13は、3・11当日、福島との連帯を生命線として、全原発即時廃炉・再稼働絶対阻止として闘い抜かれた。この闘いは、3・11福島原発大事故を新自由主義の大破産として、「地上に置かれた原爆」の爆発としてとらえ、この新自由主義の国家と資本が今なお福島200万の労働者人民に襲いかかっている現実に対して、根源的な怒りを爆発させた。それは日帝が福島の怒りを圧殺しようとする攻撃を根底的に打ち破った。党派的大流動情勢に対しても、福島連帯闘争の革命的爆発をもって応えた。その最大の原動力は、現に被曝の地で働くプロレタリアートであり、闘う階級的労働運動の力である。それは国鉄決戦に立ち上がっている国労郡山工場支部であり、動労水戸の原則的・戦闘的な被曝労働拒否の闘いであった。
3・11は、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の本格的発展の出発点となっている。3・11福島行動に寄せられた韓国・民主労総ソウル本部を始めドイツ、アメリカなどの賛同は、NAZENがフクシマの怒りと一体となって進む運動体であるとともに、「全原発を廃炉へ」を国際的に実現する運動体であることを示した。
3・11反原発福島行動13は、労働者階級人民は新自由主義の国家・資本と非和解的に対決する以外に生きられないことをはっきりさせた。原発絶対反対で闘うことこそ、労働者階級人民の希望と展望を示す道である。それは階級的労働運動の前進と一体である。こうした闘いを全面的に体現するのがNAZENである。
それは戦後体制のもとでの「核の平和利用」論、そして内部被曝や低線量被曝の問題の抹殺との全面的で根底的な激突であり、原水禁・原水協の戦後の体制内運動を全面的に突破する運動が求められる。ヒロシマ・ナガサキとの結合とともに、3・1ビキニ集会はその決定的出発点となった。
(4) 星野闘争、三里塚、沖縄、八尾北と司法戦線の前進
1〜4月決戦は、国鉄・反原発・星野再審の3大決戦として推進され、さらに三里塚、沖縄、八尾北・西郡、司法・弁護士戦線の4大攻防の死活的前進という全任務体系の戦略的、相乗的、一体的発展としてかちとられている。革命情勢の急接近に対して、この全任務体系をプロレタリア革命の立場から実践することが求められている。
特に13年決戦で、全証拠開示をめぐる激闘に絶対に勝利し、星野文昭同志奪還をかちとることを、革共同はあらためて断固として決意する。階級的労働運動の推進と党と労働組合の一体的発展こそ、星野同志奪還をかちとる力である。なぜなら星野同志奪還は、プロレタリア革命に向かった階級的力関係の転換によって可能だからである。
三里塚反対同盟の市東孝雄さんの農地をめぐる農地死守の攻防は春から夏への決戦となった。3・24三里塚闘争は、農地死守の「絶対反対」で闘う反対同盟の47年間の闘いをあらためて全社会、全世界に訴える出発点となった。分断・団結破壊、賃下げ・解雇と闘う労働者階級との労農連帯の団結の強化・形成にこそ、三里塚闘争の勝利の道がある。
「新自由主義と闘う沖縄闘争」の新地平は、階級的労働運動の実践が切り開いている。この階級的労働運動は基地労働者の決起を核心に据えて、さらに沖縄闘争を国際連帯闘争へと押し上げている。階級的労働運動と国際連帯をもって、米軍基地撤去・安保粉砕の歴史的勝利を切り開こう。
八尾北・西郡闘争は、橋下反革命との闘いの最前線で民営化・道州制導入、公務員攻撃と闘い、階級的労働運動の推進を土台に、「新自由主義と闘う部落解放闘争」と医療拠点建設を推進している。
安倍政権による改憲攻撃の本格的激化に全力で立ち向かうことは死活的となっている。4・28を「主権回復の日」として「祝う」政府式典は、改憲勢力による総決起であり、沖縄への圧殺攻撃である。北朝鮮ミサイルへの「破壊措置命令」や「集団的自衛権行使」、「武器輸出三原則」の廃棄などは、すべて改憲の先取りである。絶対に許してはならない。
3月決戦は、4月ストライキ情勢―4月大攻勢の爆発へと発展し、13年決戦をプロレタリア革命へ進撃する一大跳躍台に押し上げた。それゆえにこの激動情勢は、革命への準備をかちとる党と労働組合の一体的発展を死活的な課題として突きつけている。
団結して闘い労働者の誇りを取り戻そう
公務員賃金の月例給7・8%、一時金1割、退職金400万円削減の大幅賃下げは、360万公務員を始め1千万人にも及ぶ規模の賃金を一挙に引き下げるすさまじい攻撃である。これは公務員を血祭りにあげて6千万労働者階級総体の賃金、雇用、労働時間規制のすべてを破壊しようという、新自由主義の極致をいく国家暴力の発動、階級戦争である。公務員制度という戦後体制の「岩盤」を右から破壊し、国鉄分割・民営化をはるかに超える規模で、360万公務員の「全員解雇・総非正規職化」をもって、全労働者の10割非正規職化を果たそうというのだ。
この公務員賃下げと一体で、JR貨物の賃下げ攻撃が強行されようとしている。貨物問題こそ、国鉄分割・民営化の矛盾の最大の集中点であり、新自由主義の破綻の典型である。貨物賃下げは、その行き着いた攻撃である。
だが、この攻撃の背後には帝国主義として体をなさない日帝の危機と破綻がある。先日のG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)で破滅的な財政赤字の「15年度で半減」「20年度でゼロ」というほとんど不可能な「国際公約」を課せられた安倍が、絶望的突進として消費大増税、社会保障解体とともに、公務員大攻撃をしかけているのだ。さらにその先端に外注化・民営化、非正規職化、JR貨物の賃下げ攻撃がある。
社会の土台をぶち壊すようなこの大攻撃は、労働者を徹底的に分断し、労働者の誇りを根こそぎ奪うことなしには貫徹できない。だから逆に、分断・団結破壊と徹底的に闘い、労働者の誇りと尊厳、団結を奪い返して闘うならば、この新自由主義攻撃を打ち破り、労働者階級の革命的な階級形成を巨大な規模でつくり出すことができる。
この大攻撃を打ち破るために、労働者階級の団結と誇りをかけて闘うことは、自然と人間との物質代謝を人間自身の行為によって媒介する根源的な活動としての労働を寸断・分断し、資本の価値増殖運動に従わせる資本制社会を打倒し、労働と労働者の共同性を奪還していく闘いなのである。
その最大の武器こそストライキである。共同性と団結力・組織性を本来的にもち、社会と生産の主人公である労働者階級が、資本と非和解的な存在であることを示す中で、労働者の誇りと団結、共同性を奪還していく闘いがストライキである。
ストライキの実践は、労働者階級全体に闘いの方向を示し、労働者階級全体を獲得し、階級的労働運動路線が職場の怒りと結合し、職場権力をかちとり、拠点建設に勝利していく闘いである。4月スト、5・1新宿メーデーから6・9国鉄闘争全国運動集会の成功へ進撃しよう。
U 超金融緩和とTPP=争闘戦で大恐慌は激化し破滅へ向かう
(1) 没落深めバブル再崩壊の恐怖におののく米帝オバマ
歴史的に未曽有な世界大恐慌は、帝国主義、それも最末期帝国主義の絶望的延命形態としての新自由主義のもとで累積された巨大な過剰資本・過剰生産力の矛盾が、新自由主義的金融政策の暴走と破綻によってついに爆発したものである。
今日、米日を始めとする株高が声高に宣伝され、「世界経済危機はのりこえられた」などという大合唱が報じられている。だがそれは、大恐慌対策の万策尽きたFRB(米連邦準備制度理事会)、日銀、ECB(欧州中央銀行)など米日欧の中央銀行が競って歯止めなき超金融緩和政策を展開し、国公債を無期限・無制限に購入し、余剰マネーを大洪水のように金融市場に流し込んでいることによるものであり、まさに株式バブル、資産バブルの現実である。
それは現在の大恐慌下では、必ずインフレの爆発と国債の暴落を不可避とする。すなわち、今は世界大恐慌がリーマン・ショック時などをはるかに超える本格的大爆発を引き起こす前夜情勢なのだ。実際、バーナンキ(FRB議長)も、日本の安倍・黒田(日銀総裁)も、現在のバブルの大崩壊の恐怖におののいている。要するに、大恐慌のもとでの超長期大不況で滅亡に追い込まれるくらいなら、現状が打開できそうなことはなんでもするという、自暴自棄的でウルトラな超金融緩和政策に突進しているのである。
この大恐慌は、戦後世界体制の基軸国としての力を失いつつあった米帝に決定的打撃を与えただけでなく、世界経済の分裂化を急速に進行させ、それがまた真に本格的な世界大恐慌を爆発させるものとなるのである。それは大失業を生み出し、帝国主義諸国の財政赤字の累積をつくり出し、ドル暴落の危機さえ切迫させるものとなっている。帝国主義政府がひたすら財政投入と超低金利政策を強行しても、独占的企業体の延命を一時的にもたらすのみであって、根底的な過剰資本・過剰生産力の整理など行われないのだ。したがって雇用や住宅市場は、本質的になにひとつ改善されず、ましてや無期限・無制限の国債購入などは株式バブルや資産バブルの大崩壊を引き起こすだけである。
「米帝経済は回復基調だが、『財政の崖』が懸念材料だ」などという話もとんでもない。米財政の巨大な累積赤字の正体は、大恐慌の現実そのものだ。その累積赤字はどんどん巨大化し、そしてバブルの大崩壊は、大恐慌のさらなる大爆発につながるのだ。
(2) ギリシャ―南欧の危機でユーロ体制は崩壊の瀬戸際
今次大恐慌は世界大恐慌である。米帝がバブル大崩壊の前夜にあるとすれば、EU(欧州連合)、日本、中国、そして世界諸国はすでに臨界を越えて大崩壊過程に突入している。その世界的危機が再び米帝にはね返り、これによって米帝自身、最後的に瓦解(がかい)するしかない。世界大恐慌の真の破局への突入である。
独仏を軸とする経済ブロックであるEUではギリシャの財政破綻が爆発し、ユーロ体制(共通通貨体制)は崩壊の危機に突入した。この危機はドイツ主導の「財政緊縮」路線でひとまず抑え込まれたが、危機はイタリア・スペインに波及した。こうして欧州恐慌は、社会経済危機となり階級対立の激化をとおしてさらに深刻化している。
この欧州恐慌の中でECB総裁ドラギは、超金融緩和政策によって、崩壊寸前の欧州諸銀行の危機を一時的に抑え込んだ。しかしドイツはユーロ体制堅持の名のもとに「緊縮財政」路線を諸国に強制し、ユーロ安体制の利益をむさぼる道を進んだ。これは、EU諸国・ユーロ圏の実体経済を深刻な不況に追い込んだ。経済成長率はマイナス(12年通年)となり、失業率はユーロ圏17カ国で12%(今年1月)に達し、スペインやギリシャでは3割に迫るという、まさに大恐慌レベルそのものとなった。
こうして欧州恐慌とユーロ危機は決定的段階に突入した。第一に、イタリアは2月の総選挙の結果、政治危機が収拾のつかない段階となり、経済危機の全面的爆発のもとで、労働者階級の革命的決起が開始されている。第二に、キプロスが3月に国家的大破綻の危機に追い込まれた。EU・IMF(国際通貨基金)から100億ユーロ の支援を受ける条件として、2大銀行の事実上の破綻処理に追い込まれた。銀行の解体・再編は、関連する諸企業の多数を破産させ、大量の失業者を生む。キプロスは今や社会的政治的解体の危機に入った。第三に、今やフランスが独仏連合的状況から脱落する危機に突入した。フランスは労働者階級の怒りによって「緊縮財政」をとりきれない中で財政赤字は激化し、失業率は10%を超え、急激に脱落国家化しつつある。第四に、こうしたEUの解体的危機はドイツにとっても崩壊的危機であり、ドイツ・プロレタリアートの歴史的決起を不可避とする。それは欧州において、誇るべき闘いの歴史をもつギリシャ労働者を先頭とする総決起と労働運動の新たな革命的段階をもたらすであろう。
(3) 「アベノミクス」の破綻と労働者の怒り爆発は不可避
大恐慌下、最大の破綻国家は「アベノミクス」の日帝である。
「アベノミクス」なるものは大恐慌論的に言えば、米欧の超金融緩和政策に追い詰められ巨額の財政赤字と円高地獄にあえいでいた日帝が、ついに2%インフレ目標を掲げて超金融緩和政策に突入したということである。これは、財政収支上の制約を事実上無視して、経済のインフレ的浮揚に一切をかけていくということである。大量の国債をいったん銀行に押しつけ、それを日銀が無制限に買い取る方式をとるとしているが、これは事実上、完全な日銀の国債引き受けである。
この点、戦前の「高橋財政」(1931〜36年、高橋是清蔵相の財政・金融政策)が理想化されているが、高橋は制度的に国債の日銀引き受けと軍事インフレの道を開いてしまった人間である。そしてこの高橋が暗殺されることで、さらなる超インフレ化、財政の無制限放漫化と破滅への道が開かれたのである。「アベノミクス」は高橋財政よりももっと破綻的であり、紛れもない戦争への道である。
重要なことは、日帝・安倍は事実上、米帝との金融緩和戦争、為替戦争の激突に突入してしまったことである。これから米帝の対日争闘戦の重圧は極限的に激化する。2%物価上昇目標というとてつもない政策がもたらすインフレ化と経済的きしみの中で、日帝国債の暴落が発生し、爆発する危険が一挙に強まる。そして、それはアメリカを巻き込む大恐慌の第二幕の時代を開く。
TPPと安保は一体日米は死闘戦に突入
今や大恐慌は、完全に帝国主義間・大国間の相互つぶし合いの争闘戦に突入している。日帝が体制の存亡をかけた為替戦争に踏み切り、大恐慌下の保護主義的な近隣窮乏化政策の口火を切った中で、TPP(環太平洋経済連携協定)を軸とする米帝のきわめて帝国主義的でブロック化的な通商政策が、今、日帝と世界を揺るがしている。米帝オバマは、基軸国として世界経済をどうするという立場を投げ捨て、米国を輸出国家として再建すること、そのために米製造業を他を圧倒するものに再編し他国の勢力圏を奪い、絶対的強者として米帝を再生させることを強烈に打ち出している。また、そのために必要な軍事体制も強化し、対中国の軍事体制をアジア・太平洋に構築し、中国を包囲・制圧し、最終的にはソ連のように変質させ解体することを狙っている。そのための戦争体制を構築しようとしている。
米帝のTPP政策の本質は、このように米帝を絶対的最強国家として再建することをめざす帝国主義的通商政策であり、安保・軍事政策と一体不可分のものである。TPPは、帝国主義的通商戦争の米帝式ルールの中に日帝をとらえ込み、日帝の内外の勢力圏、権益を最大限抑え込み、米帝がそこに割り込むことを狙っている。
しかし日帝にとっては、米帝との経済関係を抜きにしては帝国主義体制はそもそも成り立たない。だから日帝は米帝の対中国包囲網に、あらゆる意味で参加していく以外に選択肢はない。TPPでは大きくは米帝の要求を容認しながらそれに参加し、米帝との協調に身を委ね、その枠内で日帝的な通商政策を推進し、帝国主義としての延命を絶望的に追求するしかないのだ。
4月12日のTPP交渉参加に関する日米合意では、コメなどを関税撤廃の例外とする欺瞞(ぎまん)は成り立たず、すべては7月に参加して以降の交渉次第ということになった。日本の農業と農民の生活・生業を根底から破壊しさる方向へと大きく踏み出したのである。日帝は自動車という日帝製造業の生命線で米の要求をのみ、さらに郵政や保険制度、医療制度、あるいはISD(投資家対国家の紛争解決)制度など米帝ルールに追随せざるをえない。このように追随する以外に、日帝は大恐慌下の争闘戦を戦えないのだ。これはTPP的条件での日米の全面的で死闘的な争闘戦への突入である。そしてそれは日本の労働者・農民・人民に対する、日帝の金融・独占体の延命と勢力圏形成のためのすさまじい階級戦争宣言にほかならない。
このようにTPPはひとつの安保同盟でもあるので、日帝は日米争闘戦で遅れをとらないためには、安保防衛政策の上ですさまじい反動的飛躍を実現しなければならない。ここに安倍政権が安保防衛政策、戦後憲法体制の全面的改変、集団的自衛権、武器輸出三原則などの反動的転換へと突進せざるをえない必然性がある。また、沖縄の辺野古新基地建設強行への踏み切りがある。さらに安倍政権は7月参院選の勝利に一切を集中し、日本維新の会などの改憲勢力も合わせて3分の2の議席を狙う攻撃を強めている。TPPへの踏み切りは、60年安保、70年安保を超えるような安保上のすさまじい踏み切りなのである。
鉄道パッケージ輸出に死活をかける日帝
以上の為替戦争、ブロック化と安保体制づくり以外にも、すさまじい帝国主義的通商戦争が軍事(兵器輸出)を含めて全世界で進行している。ひとつは石油、天然ガス、石炭、金属やレアアースなどの資源獲得競争が激化していることである。
いまひとつの重大な争闘戦は、原発、鉄道、道路、水道などの社会的インフラのパッケージ型輸出合戦である。日帝はここに国際争闘戦での脱落的現実の突破をかけ、とくに新幹線・都市鉄道・地下鉄など鉄道のパッケージ型輸出のラッシュに突入している。これは日帝にとって成長戦略のトップに位置するといってよい。インドでの高速鉄道、貨物専用鉄道、地下鉄など、ベトナムのハノイ地下鉄や新幹線、インドネシアのジャカルタ近郊都市鉄道の信号・運行システム、ブラジル、モンゴル、台湾、中国、シンガポール、ウクライナ、米国のワシントン〜ニューヨーク〜ボストン高速鉄道、テキサスの新幹線型高速鉄道、カリフォルニアの鉄道車両など、すさまじいばかりである。
こうしたパッケージ型輸出は、海外でのコスト競争力を強めるために、国内における徹底したコスト削減と利潤拡大を求め、外注化・民営化、非正規職化、低賃金化攻撃をなお一層激化させる。日帝の新自由主義的延命の戦略的中枢に明らかに鉄道事業関連、とりわけJRがすわってきている。そうした戦略的大きさをもって打ち出されたのが、JR東日本の「グループ経営構想X」である。
安倍が「解雇規制の緩和」「解雇自由の原則の法的明記」と叫ぶ「成長戦略」は、公務員7・8%賃下げやJR貨物の1割賃下げなどの賃金破壊と完全に一体である。TPPは、規制緩和や成長戦略の強行を、日帝の後に引けない絶体絶命的な攻撃として激化させる。この中でJR東の「経営構想X」はさらに国策ともいうべき位置を占めるものとなり、国鉄決戦は一層重大な階級決戦となる。全力で闘い、勝利しよう。
(4) 北朝鮮・中国侵略戦争策動に国際連帯で対決しよう
世界大恐慌、大争闘戦は、大失業と戦争に行き着く。米帝オバマは米韓軍事演習の大々的展開と経済制裁の戦争重圧によって、北朝鮮キムジョンウン体制の絶望的冒険的あがきを引き出し、それをえじきにして北朝鮮・中国に対する一層の侵略戦争策動を激化させている。この戦争突入情勢には、北朝鮮スターリン主義の崩壊的危機とともに、米帝の激しい没落の危機があり、さらに中国スターリン主義の崩壊的危機をも加速させている。
米帝は危機突破をかけて、対中国対決を核心とする東アジア重視の新軍事戦略を全面的に発動するとともに、この過程に日帝を引きずり込みながら、日帝独自の核武装や戦争遂行は絶対に抑え込もうとしている。
これに対して、日帝はどの帝国主義よりも深刻な危機からの突破と延命をかけ、米帝以上の凶暴性をもって、日米同盟を水路に北朝鮮・中国への戦争策動を遂行しようとしている。
安倍政権は、北朝鮮による弾道ミサイル発射の動きに対して、4月7日に自衛隊に破壊措置命令を出した。これは北朝鮮の発射予告がない段階で出す異例の命令であり、しかも発令の事実も内容も公表しないという措置である。まさに憲法を停止させる実質的な「国家非常事態法」の発動であり、「集団的自衛権」行使の戦争体制への突入である。さらに安倍は改憲策動を激化させている。改憲手続きを規定した96条を改悪し、発議要件を各議院の総議員の3分の2から2分の1に改悪する策動を、日本維新の会を先兵に開始している。この改憲攻撃と一体で、公務員7・8%賃下げの「公務員制度改革」攻撃が進められているのだ。
この情勢に対して、まさに階級的労働運動と国際連帯の力で闘うことが求められている。
V 階級的労働運動と学生運動の爆発かちとり5〜7月決戦へ
(1) 反合・運転保安闘争路線を全国の職場で貫徹しよう
2013年決戦は、1〜3月決戦の地平を引き継ぎ、革命的情勢を本物の革命に転化するための試練と栄光を引き受けて、革命的共産主義運動と階級的労働運動の一体的建設に踏み出すことが問われている。革命への強烈な思いと熱情をもって2千万青年労働者、6千万の労働者階級とともに階級決戦を闘い、組織することである。その中心に党と労働組合の一体的建設を職場生産点で不屈かつ強靭(きょうじん)に実践し抜いた階級の指導部が立つ。プロレタリア革命の勝敗を分かつ、この最大のテーマに踏み込んで、5〜7月決戦へ進撃しよう。
動労千葉、動労水戸―動労総連合の外注化阻止・非正規職撤廃、1047名解雇撤回、被曝労働拒否の大ストライキは、新自由主義・日帝の絶望的延命策動と対決し、これを打ち破る可能性と展望を示した。
日本帝国主義は末期的で絶望的な凶暴化を強め、労働者階級の階級的団結、労働組合的団結を根底から一掃することで延命しようとしている。労働者階級が血と汗の歴史をとおして獲得してきた権利、労働法制を「規制緩和、民営化、成長戦略」などと称して真っ向から解体し、労働者階級を分断し、解雇の自由化、10割非正規職化、超低賃金を強制する階級戦争を全面化させている。「アベノミクス」などというものは、つまるところ労働者階級へのこうした攻撃によって、日帝・資本家階級が一日でも命を永らえようという悪あがきにほかならない。
安倍政権は1%対99%の階級的激突に対して”1%が社会の主人公”だと強弁し、凶暴化しているのだ。この日帝・安倍の攻撃の中心に据えられているのが成長戦略であり、その中軸こそJR資本の国家的な大合理化路線であり対外的には鉄道事業のパッケージ型輸出である。これは原発、水道設備、道路・橋りょう工事などのインフラのパッケージ型輸出と一体である。国鉄決戦は紛れもなく日帝・新自由主義の存立基盤と激突しているのである。
こうした攻撃を支えているものは既成の労働運動の屈服である。これまで社会民主主義やスターリン主義の支配下にあった労働運動が、大恐慌の中で帝国主義労働運動に引きつけられ、決定的に変質している。団結破壊、雇用破壊、生活・労働条件の破壊攻撃の前に、彼らはなすすべもなく、かつての「第2インターナショナルの崩壊」などもかすむほどに屈服しているのである。
もちろん、労働者階級そのものが本質的に変質したわけではない。あまりにひどい資本と権力の攻撃に、今や労働者階級の怒りは爆発寸前である。いや、すでに爆発を始めている。この巨大な怒りが階級的団結として組織される環に、今春国鉄決戦で再確立・再創造された〈反合理化・運転保安闘争〉路線を位置づけて、今こそ「外注化阻止の国鉄決戦で世界革命へ」の道を真一文字に突き進もう。
動労千葉の反合・運転保安闘争の意義
動労千葉の反合・運転保安闘争の原点は、1972年の船橋事故闘争にある。戦後革命期以来日本労働運動の中軸に位置してきた国鉄闘争は、一貫して大合理化に次ぐ大合理化の嵐のような攻撃に直面してきた。そして三河島事故(62年)や鶴見事故(63年)が相次ぐ中で、67年の5万人合理化と機関助士廃止攻撃は当時の動労千葉青年部の実力ストライキを始めとして大闘争になった。体制内労働運動の壁を突き破って合理化反対闘争を具体的実践的にいかにつくり出すのかという大テーマを、合理化(=労働強化)と安全無視に対する闘いを結合させて闘い勝利したのが船橋事故闘争だった。日帝経済の高度成長期に動労カクマルを始め体制内の全勢力は口では「合理化反対」と言いながら、結局は「合理化・効率化は社会の発展であり、生産力の発展である」として容認・屈服し、「物とり」主義に転落していった。船橋事故闘争で動労千葉が確立した〈反合理化・運転保安闘争〉路線は、体制内勢力のこの反合闘争の裏切り・屈服を弾劾しのりこえる階級的労働運動の歴史的出発=快挙というべきものだった。動労千葉の70年代の三里塚ジェット燃料貨車輸送阻止闘争、85〜86年国鉄分割・民営化絶対反対のストライキ、そしてその後の2001年以来13年間にわたる検修・構内業務の外注化阻止闘争は、〈反合理化・運転保安闘争〉路線を土台にして壮絶かつ営々たる大闘争として打ち抜かれてきた。
JR東日本の外注化攻撃は検修部門でもこれから大々的に進行し、かつ駅の外注化攻撃も全面化しようとしている。3月の動労千葉・動労水戸・動労総連合の画期的闘いは、JR東日本の青年労働者を始めとして、組合を越え、産別を越えて大きな求心力をもとうとしている。外注化という究極の合理化攻撃は、人間と業務を法的手続きや整合性の一片もかなぐり捨てて丸ごと分社化するに等しいものである。それは、自らの労働によって運転保安を守り抜き、社会を成り立たせている労働者の誇りを地にたたきつけ、怒りや感性もはぎとり、人間を破壊し、安全を破壊するものである。新自由主義の絶望的延命策は、腐りきった資本主義の本性をさらけ出すのである。資本主義社会では、人間の労働力が商品として売買され、労働が労働する人間自身の生きる喜びと誇りではなく、資本の価値増殖の手段に変質させられる。ここに賃労働と資本の根底的非和解性と非人間性があり、ブルジョアジーとプロレタリアートの潜在的内乱が宿っている。「われわれはプロレタリアートの発展の最も一般的な諸段階を描き出すことによって、現存の社会の中に潜む多かれ少なかれ隠然とした内乱が、ついに公然とした革命となって爆発し、ブルジョアジーの暴力的打倒をとおして、プロレタリアートが自分自身の支配をうち立てる地点にまで到達した」(マルクス『共産党宣言』)といえる情勢を掌中にしている。
〈反合理化・運転保安闘争〉路線の新たな闘いは、次のような地平を切り開いた。
(1)強制された外注化先での闘いとJR本体の労働者が、階級的団結と運転保安確立のために一体となって闘った。この時に当局・資本の「スト破り」も「業務命令」も無力化し、組合の違いをこえて職場支配権がうち立てられた。労働者階級と労働組合のもつ無限の自己解放的エネルギーと可能性を解き放った。
(2)「人間の労働とは何か」の本質的根本的問題を突き出した。鉄道の運行は指揮命令系統が厳格かつ一元的に管理されていなければ安全を保てない。その鉄道業務を、鉄道事業にまったく関係ない外注会社がJRの指揮命令系統から独立して行うことなど、到底不可能だ。そもそも人間の労働は本質的に、他の人間との協働として、社会的な活動として行われる。一人の孤立した作業であっても、他の無数の人間が繰り広げている労働と結びつき、一体化した活動として行っているのだ。人間はこうした労働を通じて社会を成り立たせ、歴史をつくってきた。人間の労働とは、人間にとって最も根源的な、生命そのものといえる活動にほかならない。資本主義社会で労働者は、労働によって生活と社会全体を成り立たせている真の主人公でありながら、「資本を増殖させる限りにおいて生きることを許される」という実に転倒した関係に置かれている。新自由主義の絶望的延命と外注化・非正規職化が突き出した現実は、資本にとって労働者はもはや人間ではなく単なる搾取材料でしかないということである。資本主義・新自由主義のこのリアルな破綻的現実を、この間の闘いは労働運動の真っただ中につき出したのである。
(3)マルクス主義を歪曲し、形骸化させたスターリン主義などの体制内労働運動の階級的犯罪性と破綻性を白日のもとにさらした。合理化(外注化・非正規職化)による労働の切断=細分化や非人間化は、3・11情勢もろとも帝国主義戦後体制の根本的欺瞞性を鮮明にした。合理化に屈服しそれを認めることは「原子力の平和利用」を「生産力と社会の発展」として認めることと本質的に一体である。動労千葉・動労総連合の反合・運転保安闘争は、こうした戦後体制と戦後階級支配の欺瞞性、あり方を根本から吹き飛ばす階級的労働運動を登場させた。
総じてこの間の死闘の中でつかんだことは、〈反帝国主義・反スターリン主義世界革命と反合理化・運転保安闘争路線の一体性〉である。両者の一体性の中に党と労働組合の一体的建設の最も奥深い根拠がある。反合・運転保安闘争こそ21世紀のプロレタリア革命の最短の道なのだ。ここに資本との絶対非和解を貫く労働運動の階級的団結の形成と強化・発展の道がある。国鉄決戦とともに、4大産別・全産別でおのおのの〈反合・運転保安闘争〉路線を実践的に貫徹しよう。
動労千葉、動労水戸の13年間にわたる民営化・外注化・非正規職化阻止の闘いは、労働運動の歴史にも前例のない闘いである。それは検修・構内業務のみならず、JR東日本全体の外注化政策を根底から揺るがしている。6月の郡山工場の外注化、10月の計画業務の外注化という、外注化のさらなる拡大を絶対に許さず、民営化・外注化攻撃をプロレタリア革命の不退転の意志で粉砕しつくそう。そのためにも、1047名解雇撤回・JR復帰の高裁判決を求める10万筆署名運動を全国的大運動として展開しよう。1047名闘争と外注化阻止は、国鉄分割・民営化体制を根底からうち破るひとつながりの決戦である。動労総連合の強制出向無効確認訴訟(東京地裁)で、JR側は外注化のあまりにも不当・違法な現実をつきつけられて、「別会社がやったから関係ない」と強弁した。それは、国鉄分割・民営化で行った国家的不当労働行為を国鉄改革法を盾に「JRと旧国鉄は別」と強弁し、団結権を否定した論法と同じだ。反合・運転保安闘争路線で国鉄分割・民営化体制に革命的決着をたたきつけよう。
10万筆署名を武器に6・9集会の大結集へ
さらに、4大産別全体が民営化・外注化・非正規職化との非和解の決戦に入っている中で、10万筆署名運動を始めとして国鉄決戦をプロレタリア革命の生死をかけて団結して闘うことがますます死活的になっている。その地平から4大産別を捉えれば、自治労4・26全国ストライキは「7・8%賃下げ絶対反対」「民営化・非正規職化絶対反対」を掲げた国家機構の内側からの反乱の始まりであり、いよいよストライキのもつ根源的な力、青年の激しい怒り、プロレタリアートの本質的暴力性、階級性、自己解放性を産別をこえて解き放つ情勢の成熟を迎えている。
とりわけJRを始めとする青年労働者が牽引(けんいん)車となり、労働者階級のリーダーとして立っていることは、階級的労働運動の到達地平であり、主流派への道が開かれているということだ。13年決戦の広大な展望は、マルクス主義青年労働者同盟に結集して闘う青年自身が、「血しぶきをあげながら前進してきた地をはうような闘いが2千万青年労働者の怒りと結合し、階級的労働組合を復権させることも新自由主義を粉砕することもまったく可能であるという自信と確信をつかんだ」(マル青労同4月中央委員会議案)ということにある。動労千葉、動労水戸が鋭く突き出したように、一人の青年労働者の「絶対反対」と「階級的団結」を求めてやまない決起は、労働組合の拠点建設と職場支配権の奪取にとってかけがえのない位置をもつ。すでに4大産別、合同労組、医療福祉産別で無数の青年労働者の一瞬にして歴史を塗り替えるような決起が始まっている。全国に渦巻く無数の怒りと決起、国鉄解雇撤回をわが闘いとして闘ってきた巨万の労働者の思い、そして動労千葉、動労水戸、動労総連合、国労共闘が押し開いた階級的労働運動の到達地平の一切を6・9国鉄闘争全国運動大集会に結実させよう。
6・9大集会は、7月参院選をめぐる階級的大激動の真っただ中で戦取されようとしている。日帝・安倍政権を6・9の大爆発をバネに参院選を待たずに打倒しよう。そのためにも、昨年10・1外注化阻止決戦、今年の3月外注化阻止の大ストライキをとおして切り開かれた外注化・民営化・非正規職化阻止の闘いを、〈反合・運転保安闘争〉路線に絶対の確信をもって驀進(ばくしん)しよう。徹底的に抑え込まれてきた労働組合を階級的に再生し創造していく闘いは、一切を切り開く、ついに発見された革命の大道である。階級的労働組合と革命党の一体的建設こそプロレタリア世界革命への最大最高の闘争である。党と階級の未曽有の力を集中して6・9集会の大成功から今夏今秋の決戦へ突き進もう。
(写真 「3・11を忘れない」。原発事故から2年目の「3・11反原発福島行動」に県民を先頭に全国から1350人が参加。怒りあふれる集会とデモを闘った。県教育会館で集会後、JR福島駅前までデモ)
(2) NAZENを全国に広げ再稼働阻止・全原発廃炉を
国鉄決戦を基軸に、国鉄決戦と反原発決戦を結合して、階級的労働運動と労働組合の拠点建設を強固なものにして、プロレタリア革命を切り開く闘いは、1〜3月の激闘をとおして新段階に突入しようとしている。
3・11二周年の怒りの福島現地闘争のうちぬきと、動労水戸の被曝労働絶対反対のストライキで汚染車両の運用を阻止している地平は、反原発闘争の新たな階級的発展を求めている。
2011年3・11原発事故は、新自由主義がもはや、人類の生存の基礎的条件である自然と社会のすべてを破壊しかねないところまで、その破産と腐敗を深めていることを突き出した。福島第一原発は事故後2年を経ても日々、大量の放射性物質をまき散らし、メルトダウンした核燃料は手もつけられず、その上に冷却装置の長時間停電や汚染水漏れ事故の続出という、惨澹(さんたん)たる現実を呈している。16万人が古里を追われ、住居を失い、仕事も生活も人生も破壊された。そのうえに200万県民は過酷な放射能にさらされ続けている。こうした現実に対してフクシマの怒りが戦後階級闘争を塗り替える根底性をもって大爆発することは不可避だ。原発再稼働や、TPPで加速される原発輸出の攻撃を反原発100万人決起で安倍政権もろとも粉砕しよう。
100万人決起の実現のためには、3・11二周年闘争と動労水戸ストが示したように、反原発闘争と外注化阻止、反合・運転保安闘争の一体的創造が求められている。膨大な原発労働者が被曝労働を強制され、命を削られ命を失っている現実、数え切れない労働者が被曝労働を強制されている現実に対して階級的労働運動の力で大反撃することが求められている。
全世界には437基の原発が存在し、広島型原爆をはるかに超える破壊力を持つ核弾頭が2万3千発も保有されていると言われている。3・11反原発福島行動は、「すべての核兵器、原発、原子力産業を全世界で直ちに廃絶しよう!」を掲げて450を超える国際賛同署名、アピールが寄せられるという画期的な国際連帯行動としてかちとられた。今夏8・6ヒロシマ大行動は、動労千葉、動労水戸の反合・運転保安闘争が生み出した地平を土台にして、全世界の原発を廃炉にする労働者階級の国際連帯大行動としてかちとろう。
反原発闘争は新自由主義との対決そのものであり、その決着はプロレタリア革命の勝利と一体である。現在の社会を根底的、全面的に覆して、人間が人間として生きられる社会、真に人間的な共同社会を全世界に打ち立てる闘いそのものである。帝国主義とスターリン主義が生み出した最凶悪の産物である核と原発を完全に廃棄することが、フクシマの現実をも真に突破するものになる。
今夏の反原発闘争を、戦後原水禁運動の屈服を根底から打ち破る闘いとして、全国津々浦々にNAZENを組織し、階級的労働運動の前進とひとつになって闘いぬこう。
(写真 星野再審へ3・5東京高裁包囲デモ)
獄中38年の星野同志を絶対に奪還しよう
2013年、獄中38年の星野文昭同志をなんとしても奪還しよう。日本の新自由主義は、70年安保・沖縄決戦で革命の現実性をつきつけられた日帝・国家権力の危機と恐怖を底流にして出発している。それが星野同志への報復弾圧の根源にある。しかし70年代、80年代、そして現在に至る革命的共産主義運動と階級的労働運動の一体的建設の地平は、新自由主義の大破綻を強制している。
無実の証拠を隠してデッチあげ無期弾圧を強行し、星野同志を38年間も獄中に閉じ込める新自由主義の非人間性、暴力性は絶対に許せない。これをプロレタリア革命への怒りの炎に転じ、獄壁を打ち破って星野同志と合流するために総決起しよう。全証拠開示のために、東京高裁への波状的デモ、署名運動、徳島刑務所包囲大デモを始めとして、党と階級のあらゆる英知を結集して行動を組織しよう。国家権力との死闘の最先端に星野同志奪還闘争がある。不退転かつ不動の信念と決起で星野同志を取り戻そう。
(3) 今こそ学生運動が反原発・安倍打倒の最前線に立とう
新自由主義と新自由主義大学の末期的凶暴性と破綻性は、21世紀のプロレタリア革命を先端で押し開く巨大な学生運動の登場を求めている。新自由主義と新自由主義大学を打倒する闘いは、学生運動のこれまでのすべての歴史を塗り替える革命的大飛躍としてある。
1%のブルジョアジーが全国の大学経営を独占的に牛耳り、一方では「エリート(グローバル・リーダー)育成の場」として階級戦争と帝国主義間争闘戦=「国際競争力の強化」を呼号し、他方では「10割非正規職化」のための労働力商品をつくりだす工場として大学を制圧しようとしている。1%のブルジョアジーが「大学(社会)の主人公」然として、大学と学生を激しい弱肉強食の競争と淘汰(とうた)にたたき込んでいる。学生を奨学金という借金地獄に追い込み、「1%」のための競争をあおっている。今や大学には「自殺防止対策室」が設けられ、「就活自殺」が後を絶たない。3・11大震災と原発大事故が突き出したように、新自由主義の三十数年間は社会が社会として成立しない状況をつくり出した。その一環として大学と教育の破綻も極限にまで行き着いている。
しかし、法大闘争7年間の地平と、3・11以来の全国の原発御用学者弾劾闘争が、300万学生の地の底からの怒りを引き出し、今や学生の闘いは新自由主義大学打倒へ突き進んでいる。そして新自由主義との全面激突の中から21世紀革命を担う大量の革命家が生まれている。
60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争を源泉とする日本学生運動に一貫して脈打っているものは「反帝・反スターリン主義プロレタリア世界革命」の現実性である。今こそ日本階級闘争の先端で「嵐の時代」が来たことを告げ知らせ、「革命の現実性」を実践で照らし出す。ここにこそ学生運動の革命運動における決定的な位置がある。世界大恐慌と3・11大震災―原発事故での歴史の大転換を学生こそ最も鋭敏に受け止め、自らの手で21世紀革命の扉をこじ開けよう。今年こそ全国拠点大学に学生自治会を建設し、大学を怒りのストライキのるつぼにたたき込み、反原発・安倍政権打倒の100万人決起を牽引しよう。
法大闘争の地平広げ全国に学生自治会を
8年目に突入した法大闘争は、武田雄飛丸君(文化連盟委員長)への「無期停学」処分撤回闘争を大きな焦点としながら、新自由主義攻撃との最も激しい激突点としてますます白熱化・加速している。
昨年10・19法大キャンパスでの1千人決起と全学連・文化連盟の不屈の闘いに追い詰められた国家権力と法大資本は、武田君への処分のみならず、4月新歓時から全面的な「反全学連・反文化連盟」キャンペーンを展開している。「過激派」「ビラを受け取るな」「巻き込まれるな」などと、キャンパス全体に連日大音量の放送を流している。反原発闘争の根拠地である福島大学でも同様の攻撃が行われている。これは「1人の決起」が全学生を獲得し、大学当局の暴力的学内支配を根底から揺さぶることに対する激しい恐怖の表れである。大学当局がもはや学生を獲得するイデオロギーも展望も何もないことを自己暴露した新自由主義大学と「教育の民営化」の行き着いたおぞましい姿である。
処分撤回闘争の大衆的発展をとおしてキャンパス支配権を学生が奪い返す――ここにマルクス主義の実践がある。武田君処分撤回裁判と、一審完全無罪をかちとった法大暴処法弾圧の控訴審が進行している。新自由主義と帝国主義国家権力そのものを打倒していく闘いとして、攻勢的に闘い抜こう。
法大闘争の全国的拡大方針こそ全国での学生自治会建設だ。京都大学同学会再建(昨年6月)と東北大学学生自治会新執行部樹立(12月)の地平を発展させ、今夏の広島大学学生自治会再建へと断固うって出よう。
われわれがめざす21世紀プロレタリア革命を切り開く拠点としての学生自治会は、一方における反原発闘争の空前の爆発と、他方における法大処分撤回闘争によって建設される。新自由主義大学が青年・学生の未来を奪っている現実と対決し、社会変革の主体としての学生の誇りを復権することだ。
そして、全学ストライキと学生自治会建設を一体でかちとろう。全学連運動は戦後革命と全国学生ストライキのるつぼの中で誕生した。70年安保・沖縄闘争は、キャンパスのバリケード封鎖から「大学を安保粉砕・日帝打倒の砦(とりで)に」という決定的地平を切り開いた。「キャンパスを取り戻す」ストライキの中から、新自由主義大学と闘う団結はよみがえる。ストライキこそ学生運動の最高の自己解放形態であり、学生自治会建設の最大の突破口だ。
政治闘争は権力闘争である。学生運動は、日帝国家権力と真っ向から激突する政治闘争の本格的爆発をとおして日本革命運動の主体へと飛躍する。そして、新自由主義の根底的破産の中で大学闘争と政治闘争はますます一体化し不可分一体のものとなっている。ここにおいて、「3・11」以降の反原発闘争のうねりをキャンパスに還流しマル学同支部建設をかちとった福島大学と、京都大学―東北大学の自治会建設の闘いは偉大な勝利の地平だ。われわれはこれを踏まえ今年、広大学生自治会建設と一体で、いよいよ沖縄学生運動の本格的創成に挑戦する。
さらに、全学連三里塚現地行動隊を強化・拡大し、反対同盟・市東孝雄さんの農地を死守する実力闘争の先頭に学生が立つ。
「福島―沖縄―三里塚」、そして8・6ヒロシマへ全学連の闘う部隊1千人を登場させよう。その力で9月全学連大会の歴史的成功へ向かおう。
法大闘争の高揚の中から次代を担う革命家集団が生み出されてきた。その中核に「3・11世代」が登場している。全国学生戦線は、法大闘争―反原発闘争―学生自治会建設運動を決戦的にうち抜き、革共同を「青年・学生の党」へと生まれ変わらせ、21世紀革命をつかみとる闘いの中軸となろう。
そのために重要なことは、一つに、ブルジョア・イデオロギーとスターリン主義イデオロギーをのりこえ、人間存在をよみがえらせるマルクス主義をわがものとし、300万学生のものとすることだ。二つに、その決定的武器として機関紙活動を推し進めることだ。学生戦線の機関紙活動は一変している。学生運動の息吹を生き生きと伝え、『前進』を自らの手でつくり出す感動をもって学生大衆の中に大量に『前進』を持ち込んで闘っている。旧来を2倍、3倍化する販売闘争が始まった。三つに、「革命の指導部」として最強の革共同中央学生組織委員会を建設し、全国大学にマル学同支部の拡大と発展をかちとることだ。
2013年、全国学生運動は大飛躍しプロレタリア革命へ進撃する。
(4) 階級的労働運動と結合し全戦線で新自由主義粉砕へ
安倍政権は、労働組合を解体し、国家主義・排外主義で侵略戦争・改憲攻撃を激化させている。絶望的な新自由主義攻撃を粉砕する道は、労働組合が全人民の先頭で闘う姿を示すことである。5月22日、改憲阻止・裁判員制度廃止への大集会を成功させよう。
TPP攻撃は、農業を破壊し、医療を荒廃させ、民営化・外注化・非正規職化で労働者人民を分断し、団結を破壊し、労働組合を解体する大攻撃だ。
さらに、日帝・安倍政権は国家主義・国益主義・排外主義をあおり、改憲攻撃を激化させている。改憲を始めとする新自由主義の破滅的攻撃を打ち破る力は、階級的労働運動と国際階級闘争の前進の力である
今年の沖縄闘争は、昨年の「復帰」40年の闘いを超える歴史的大決戦だ。5月18〜20日、新自由主義と闘う労働者階級の国際連帯闘争として安保・沖縄闘争を戦取しよう。
三里塚は、市東さんの農地死守決戦の本番を迎えている。労農連帯を強化・発展させ、日本革命・世界革命の拠点として、農地強奪攻撃を絶対に粉砕しよう。「なくそう原発!とめようTPP!」全国農民会議の第1回総会は、市東さんの農地取り上げ反対の闘いを農民の中に広げる活動を開始した。反対同盟主催の7・14全国集会(千葉市)に総結集し、7月29日の市東さん農地裁判判決の絶対的勝利をかちとろう。
参院選をひとつの区切りとして、日本階級闘争は日帝の帝国主義間争闘戦からの脱落・解体の危機の中で、日米安保同盟の軍事政策をも対決軸にして、すさまじい階級決戦、階級戦争に入っていく。日帝・安倍政権は、日帝の崩壊と労働者階級の革命的決起への恐怖から、参院選の結果次第で改憲攻撃に本格的全面的に突っ込んでくるであろう。
八尾北・西郡決戦は、八尾市行政の更地化攻撃と労働者階級の団結の力で対峙し勝利への道を闘いとっている。
入管闘争は、「在留カード」が労働者階級の分断攻撃であることをえぐり出し、合同労組運動へ結集し、在日・滞日運動の活動家の中に階級の指導部を建設しつつ、重大な前進を切り開いている。
女性解放闘争は、3・11福島の怒りとともに福島診療所建設運動と一体で歩んでいる。避難・保養のネットワークを全国につくり出すことは焦眉(しょうび)の課題である。
反軍闘争は、3・11福島での自衛隊員の被曝を隠蔽(いんぺい)する日帝と対決し、トモダチ作戦、新軍事戦略、北朝鮮侵略戦争など日米安保を水路に侵略戦争に突き進む自衛隊の現実を徹底的に暴露して闘っている。兵士の怒りと結合して前進する情勢である。障害者解放闘争は、新自由主義への怒りと結びつき闘いが開始された。今こそ被爆者解放闘争が国際連帯闘争の軸にすわることである。
6月都議選、7月参院選過程は、安倍政権打倒の決戦である。
このような階級戦争の急速な激化、革命と反革命の激突情勢の到来の中で、労働者階級の向かうべき道は明白である。革命的情勢の中で階級闘争の原則を不屈・非妥協に貫くことだ。革命的情勢の中で一切を決めるのは、労働者階級の革命に向かっての階級的団結、階級形成であり、その根幹は労働組合と党の一体的建設以外にない。
動労千葉を先頭に外注化阻止決戦=国鉄決戦を圧倒的に強化・発展させ、階級的労働運動の底力を確実にひとつの大きな力、階級的力へと強化していくことが歴史的使命である。
(写真 三里塚芝山連合空港反対同盟が主催した3・24三里塚全国総決起集会。「市東孝雄さんの農地を守ろう! 空港廃港へ!」と団結ガンバローを三唱した【成田市天神峰】)
W 青年労働者を最先頭に強大な階級の指導部を建設しよう!
大恐慌をプロレタリア世界革命への闘いに勝利する決定的な環こそ、党と労働組合の一体的建設だ。そのための当面する党建設的な課題は何か。
第一に、階級的労働運動を全産別で必死に実践することが勝利の基礎である。
自治労ストライキで教訓とすべきことは、自治体労働者細胞と地区党が必死で団結を固め闘うことで前進を切り開いていることである。自治体労働者がプロレタリア革命に直結している組織労働者そのものである姿を明らかにした。国鉄決戦が挑戦し切り開いている地平は、「社会を動かしているのは労働者であり、労働者が社会の一切の富をつくりだしている」ことを労働者が誇りをもって確認することであり、その誇りを踏みにじる資本への怒りを全労働者階級のものとして爆発させることである。労働の奪還をかけた闘いは階級闘争の最高の挑戦として闘われている。青年労働者はこの闘いの先頭に立とう。
第二に、したがって、階級の指導部建設の闘いに勝利することだ。この闘いは、党と労働組合の一体的建設の闘いそのものである。党と労働組合の一体的建設の鍵は、階級の指導部建設の中に解決の道がある。中央労働者組織委員会と一体で、全産別に階級の指導部を建設する闘いに勝利することである。
労働者同志が階級の指導部として地区党の中心にすわることで、党は本格的な労働者党として脱皮し飛躍することが可能となるのだ。
第三は、機関紙を党建設、労働者細胞建設の基軸にすえることである。すでにこの闘いがうなりを上げて開始された。そのために労働者同志が機関紙活動に責任をとる体制に大胆に移行することだ。地区党の労働者同志が機関紙活動に責任をとることは、機関紙財政に責任をとることになる。それはさらに党財政に責任をとる人格となるのだ。このことは労働者同志が時代認識と路線の体現者として登場することになる。この道に断固踏み出そう。
機関紙『前進』の改革は、全世界で読者と結合する闘いである。それは、大恐慌論・新自由主義論で全世界を分析することである。編集局の闘いが世界を変革する闘いと直結している。世界は革命情勢なのである。
精魂を込めた編集と印刷は必ず『前進』読者の琴線に触れる、そして荒々しい新たな力を生み出す。このことに確信をもって闘おう。
第四は、イデオロギー闘争である。今秋の『革共同50年史』刊行は、すべての闘う同志が五十余年の革共同の闘いと一体化する闘いである。これを武器としてプロレタリア世界革命の新たな時代に踏み出す闘いである。その刊行の闘いは階級的労働運動を『革共同50年史』の中心に位置づける闘いと一体である。
第五は、国家権力との死闘に勝利し、非合法・非公然党を建設する闘いである。
日帝国家権力は、星野同志に38年間もの獄中を強制し、迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判差し戻し控訴審での無罪戦取の闘いへの弾圧、デッチあげ指名手配、新たな捜査手法によるスパイ潜入策動など、非合法・非公然体制の解体を狙う攻撃を激化させている。これを打ち破る最深最強の力こそ階級的労働運動と国際連帯の力である。
最後に、革命闘争勝利の基礎は、青年労働者の結集をかちとり、青年労働者がプロレタリア革命の先頭に立つことである。徹底的で全面的な〈青年労働者の党〉の建設を推し進めよう。
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週刊『前進』(2582号10面1)(2013/04/29 )
韓国労働運動はパククネ政権と絶対非和解の大決戦に突入した
日韓労働者の国際連帯強め闘おう
革共同国際労働者組織委員会
(写真 保健医療労組は慶尚南道のホンジュンピョ道知事によるチンジュ医療院廃止の攻撃に「ホンジュンピョ糾弾」のボードを掲げ絶対阻止の闘いに突入した)
日帝・安倍政権の大量解雇・賃下げ・非正規職化と戦争・改憲攻撃に労働者階級の大反撃がたたきつけられる中、韓国においても新自由主義との大決戦が始まった。韓国民主労総は、パククネ(朴槿恵)新政権との全面激突の闘いに突入した。朝鮮半島をめぐる軍事的緊張の真っただ中で、資本の支配を根底から打ち倒す闘いが、国境を越えて同時に火を噴いているのだ。日韓労働者の国際的団結を今こそ強化し、この力で戦争を阻み、世界革命勝利への道を切り開こう。
医療戦線先端に「命より金」の新自由主義と全面対決へ
本年2月のパククネ新政権の正式発足から2カ月を経た現在、韓国の階級情勢は新たな激動過程に突入した。北朝鮮の核実験とそれを口実とした米帝による新軍事戦略の発動=東アジアにおける対中国・対北朝鮮の戦争突入策動が、朝鮮半島を一触即発の危機にたたき込んでいる。だがそれ以上に決定的なのは、この戦争情勢下で、韓国労働者階級のパククネ政権に対する絶対非和解の闘いが、今まさに激しく燃え上がっていることだ。
その軸となっているのは、整理解雇撤回・非正規職撤廃闘争の不屈の前進とともに、この間急速に焦点化してきた、公共部門の民営化と労組破壊をめぐる大激突である。
公立病院廃止撤回求め決起
パククネの大統領就任の直後に、チンジュ(晋州)医療院という地方の公立病院の廃止攻撃が始まった。朝鮮半島の南東に位置するキョンサンナムド(慶尚南道)の道知事が、大統領就任式翌日の2月26日に突如としてチンジュ医療院の廃業を発表。以後、数週間もたたないうちに医師・職員の解雇や入院患者の強制退院に踏み切り、4月3日には休業予告を強行した。
最大の狙いは、労働組合の破壊・解体にある。道知事は同病院が「強硬路線の労組が支配する解放区」となっていると言い、こんな病院はつぶせとあからさまに発言している。チンジュ医療院は、全国に34施設しかない地域公共病院の一つであり、その中でも金がなくて民間病院に行けない低所得層の患者たちや、介護する家族のいない高齢者などを積極的に引き受けてきた。イミョンバク(李明博)前政権は、医療を資本の金もうけの道具と化す露骨な政策を猛然と推進した。その前に立ちふさがったのが、チンジュ医療院のような公共医療の民営化絶対阻止を掲げて闘う医療労働者の存在と闘いだった。
これに対して、全国保健医療産業労働組合は直ちに、労組としての死活をかけた総力闘争に突入した。「金より命を」のスローガンを掲げ、患者会との団結をも組織して闘った。廃院になったら行き場を失う患者たちも労働者とともに決死の闘いに立ち上がった。4月18日には1千人が道議会を包囲、この日の本会議でチンジュ医療院廃院の議決を強行しようとした知事の思惑を実力で粉砕し、議会を流会にたたき込んだ。追いつめられた知事側は採決を延期すると発表し、決戦は5月以降に持ち越された。
公共部門30万労働者が集結
医療戦線で始まったこの激突は、イミョンバク政権の民営化・労組破壊攻撃を引き継ぐパククネ政権との全面激突の開始である。攻撃の核心は日本の安倍政権とまったく同じ、公共部門を全面解体して民間大資本に売り飛ばすものだ。この民営化・外注化を通して雇用と賃金を暴力的に破壊し、全労働者を総非正規職化と首切り自由の世界に一挙にたたき込もうとするものだ。そのために韓国労働運動の柱である民主労総の破壊・解体に、文字通り全体重をかけて襲いかかっている。
保健医療労組への攻撃と並んで、公務員労組や全教組(全国教職員労働組合)への攻撃も激化している。韓国政府は公務員労組に対し09年の結成以来、労働組合としての法的地位を認めることを拒否し続けている。パククネ政権の雇用労働部長官はそれに加えて全教組に対し、解雇者を組合から除名しなければ全教組の法的地位をも剥奪(はくだつ)するとの脅しをかけてきた。不当解雇撤回を闘う教育労働者を守り、支え、ともに闘うという労働組合として当たり前の活動を理由に、労組自体を非合法化するというとんでもない攻撃である。
だが闘う労働者は一歩も引かず、逆に根源的な怒りを爆発させて新たな闘いに立ち上がっている。4月11日には、公共運輸労組・連盟、公務員労組、全教組、保健医療労組など、民主労総傘下の7組織(組合員計30万人)が公共部門共同対策本部を発足させた。労働基本権獲得と民営化阻止を掲げて不退転の闘いに突入する戦闘宣言が発せられた。
非正規職撤廃と整理解雇の撤回が最大の階級的課題に
こうした闘いの原動力となり、魂となっているのは、サンヨン(双龍)自動車の解雇者や現代自動車非正規職の闘いに代表される、整理解雇撤回・非正規職撤廃闘争の不屈の継続と発展である。
09年、「解雇は殺人だ」と叫んで77日間にわたる工場占拠ストライキに決起したサンヨン自動車労組の闘いは、今なお韓国社会を揺るがしている。昨年秋から始まったピョンテク(平沢)工場での鉄塔籠城(ろうじょう)闘争は、ソウル大漢門前での座り込み闘争とともに、今や全労働者の怒りの結集点となっている。整理解雇の不当性とデタラメ性が暴かれる中で、真相究明と責任者処罰、死んでいった仲間たちとその遺族に対する最低限の補償、解雇者全員の復職という要求は、圧倒的な正義だ。それは資本と政権の腹に突き刺さったトゲであり、どんな弾圧を加えようと容易に抜くことはできない。
さらに、とりわけ非正規職撤廃闘争がここへ来ていよいよ大問題化している。最大の焦点は、生産現場にまんえんする偽装請負・不法派遣だ。現代自動車の社内下請け労働者が起こした裁判では、正規職と非正規職が完全に混在して働いている状態が違法と認定され、「2年以上勤務した非正規職は現代自動車の正規職」とする最高裁判決が確定した。だが資本はあの手この手で拒否を続け、それを政府も容認し続けている。これへの怒りはもはやすべての非正規職労働者をとらえ、新たな決起が続々と開始されている。
その先頭に立っているのは、現代自動車非正規職支会の不屈の闘いである。2010年11月、現代自動車ウルサン(蔚山)第1工場で闘われた25日間の工場占拠闘争は、正規職労組執行部の裏切りによって終結させられたが、そこで燃え上がった炎は今日、全社会に広がっている。この闘争を記録した『25日――現代自動車非正規職蔚山工場占拠闘争の記録』という本で、著者のパクチョムギュ氏はこの闘いを「労働者の心臓に杭(くい)を打ち込む資本家たちと、労働者を踏みにじり、ふんぞり返り、金を数える資本の論理をひっくり返すための『転覆』闘争だった」と書いているが、まさにここに非正規職撤廃闘争の核心がある。
すなわち非正規職撤廃闘争とは、資本によって「虫けら」「モノ」のように扱われてきた労働者が、労働者として、人間としての誇りを実力で奪い返す闘いだ。資本の分断支配を根底から打ち破って、労働組合の団結の力で人間社会の共同性を奪還していく闘いだ。資本は今やこの闘いの発展に恐怖し、昨年末の大統領選でパククネは自ら「非正規職問題の解決」を政権公約の一つに掲げた。しかしその内実は、新たな非正規職を形だけ変えて量産するというまったくのペテンにすぎない。そのことが暴露されるにつれ、再び激しい怒りがわき起こっている。
無期契約職のペテンに怒り
特筆すべきは、公共部門における闘いが本格的に開始されたことである。
公共部門では現在、政府の公式統計だけで36万人の非正規職労働者が働いている。パククネは昨年の総選挙と大統領選挙でこれをすべて「2015年までに正規職に転換する」と公約した。だがその中身は「無期契約職」の導入と外注化だ。無期契約職とは形式上「無期限の契約」となるだけで、賃金や労働条件は実際には非正規職と何も変わらないことが判明した。36万人のうちの2〜3割をこの無期契約職に転換し、残りは外注化によって大量に首を切る。そのことによって数字の上では非正規職を「ゼロ」にするというのである。
このふざけきったやり方に対し、公共部門労働者の怒りがついに爆発し始めた。4月2日、民主労総はもとより韓国労総や独立労組を含めた10万人が参加する「公共部門非正規連帯会議」の立ち上げが発表され、パククネの非正規対策は「無期懲役奴隷化」であるという弾劾の声が飛び交った。公共部門の労働者が、非正規職撤廃を共同の要求に掲げて対政府闘争に決起するのは初めてのことである。4月8日には、大学で清掃や警備などの業務についている非正規職労働者が政府庁舎前での座り込みに突入し、6月末には全面ストライキに突入すると宣言した。
今や、韓国社会を支配する10大財閥とその手先であるパククネ政権に対し、労働者階級の根源的な怒りがせきを切ってあふれ出す局面が始まろうとしている。だからこそパククネは、闘う労組の解体、民主労総の破壊にますます一切をかけて絶望的に突進しようとしているのだ。韓国情勢は完全に、資本家階級の側からも労働者階級の側からも、一歩も引くに引けない階級戦争の真っただ中に突入した。
新政権のもとで噴出する韓国支配体制の矛盾と危機
こうした中で、パククネ政権は早くも失速を開始し、その脆弱(ぜいじゃく)な正体を次々とさらけ出している。パククネの支持率は大統領選直後の56%から、2月下旬には44%、3月下旬には30%台へとあっという間に急落した。組閣も難航に難航を重ね、4月に入ってようやく内閣の形を整えたにすぎない。さらに国家情報院の前長官が大統領選挙過程でパククネ当選に有利となるよう世論操作を行っていたことが発覚し、もみ消しに必死となっている。
この危機は、単にパククネという一政権の危機にとどまるものではない。韓国における新自由主義とその破綻がもたらした構造的な矛盾と危機の噴出であり、体制的危機そのものだ。
韓国は日本以上に、巨大独占資本が圧倒的に支配する社会である。韓国経済を牛耳る10大財閥の総売上高がGNPに占める割合は、2005年の55%から11年には83%へと急増した。イミョンバク政権下の新自由主義攻撃の全面展開により、帝国主義資本と結託した一握りの大ブルジョアジーが労働者人民を極限的に搾取・収奪して肥え太ってきた結果である。その行き着いた先は、富者と貧者の間のすさまじい格差、二極分化と社会全体の崩壊だ。
こんな世の中ではもはや生きていけないという声は、すでに全土に満ちみちている。パククネの当選は、新自由主義攻撃の推進に道を開き、議会主義的腐敗にのめり込んできた既成の野党勢力が全面破産し、労働者人民の怒りと不信をたたきつけられた結果だ。そして、そのことに乗じたパククネが逆に「経済民主化」などのスローガンを掲げ、あたかも「改革者」であるかのような仮面をかぶって登場してきた結果なのだ。だが今や、そのペテンがはがれ落ちる時が来た。労働者階級の怒りの爆発を抑えることはもはや絶対にできない。
この間の朝鮮半島での一触即発の戦争的危機は重大だ。けっして甘く見ることはできない。欧州危機に示される世界大恐慌の進展と帝国主義間・大国間の大争闘戦時代への突入が、米日帝による対中国・対北朝鮮の侵略戦争策動に拍車をかけているからだ。それは北朝鮮スターリン主義政権の崩壊的危機をみすえて朝鮮半島全域を先制的に制圧するたくらみとしてしかけられていると同時に、韓国における労働者支配の重大な危機をもみすえ、これに対する予防反革命としてもしかけられている。
戦争は工場の中にこそある
この情勢を前にして、しかし決定的に重要なことは、「戦争は国内に、職場での資本との闘いの中にこそある!」という声が今、韓国労働者階級の中から断固としてわき上がっていることだ。2010年、ウルサン工場占拠闘争のさなかにヨンピョンド(延坪島)での南北砲撃戦が発生した際、闘う労働者は「戦争はヨンピョンドではなく、ここウルサンで起きている!」との叫びを上げた。今日の情勢もまったく同じだ。
パククネと右翼勢力が国家主義・排外主義をどんなにあおろうと、資本こそが最大の敵だということを、韓国の労働者階級に忘れさせることはけっしてできない。戦争への扇動は逆に、階級対立の激化、非和解化を一層促進するものとなっている。そして、北朝鮮スターリン主義の反人民的な核武装による瀬戸際的な政策は、この労働者階級の闘いの前進にとって最大の妨害物以外の何ものでもない。闘う韓国労働者の怒りは北朝鮮スターリン主義にも向けられている。
民主労総は4月10日に声明を発し、現在の戦争危機をもたらした元凶として米帝および北朝鮮当局、韓国政府の責任を追及し、「戦争の危機を助長するすべての勢力を反労働者民衆勢力とみなし」て、その一切と対決して闘っていくとの立場を明らかにした。この闘いに全力で応え、労働者階級の国際的団結の力で戦争を実力阻止する闘いに立ち上がろう。日帝・安倍政権の打倒へ総決起しよう。
革命的情勢の接近に準備を
今や、民主労総の闘い全体がひとつの歴史的な転換点を迎えている。一方では、民主労総内の体制内派やこれまで主流派だった勢力の中から、露骨な転向やパククネ政権との取り引きに走る動きさえもが始まっている。だが他方では、既成指導部の動揺や屈服・無方針などをのりこえて、現場から新たな階級の指導部が大量に創出されつつある。
韓国の労働者階級はこれまで、軍事独裁政権下でのすさまじい弾圧をくぐりぬけ、生きぬくための闘いの中から民主労組の結成を大変な苦闘を通して闘いとった。そして87年労働者大闘争を経て95年民主労総を設立し、階級闘争の中心に座って資本と権力を何度も追いつめる激しい闘いを展開してきた。だが資本の生き残りをかけた階級戦争としてしかけられてきた新自由主義との対決は、現代世界の全面的転覆=反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の立場に立ちきった労働者階級の党がなければ、闘いぬくことができない。この間の闘いは、この壁を実践的に突破する道がついに、新自由主義との絶対非和解の闘いを開始した現場労働者の闘いの中から切り開かれ始めたことを示している。
こうした全情勢が指し示す最も重要な結論は、日本と韓国における革命的情勢の急速な成熟であり、東アジアにおける巨大な革命的激動の接近である。
第2次世界大戦終結後の帝国主義とスターリン主義による朝鮮半島の分割から68年。1950〜53年の朝鮮戦争による南北分断の固定化から60年。資本主義・帝国主義の最末期の絶望的延命形態である新自由主義の破綻が世界大恐慌として爆発する中で、戦後世界体制の残された最後の支柱であった朝鮮半島の南北分断体制が今、最終的に崩壊していく時代が始まった。これを新たな世界戦争の火種に転化しようとする一切の勢力と非妥協で闘い、21世紀のプロレタリア世界革命の新たな突破口をここから、断固として押し開く時代を迎えている。
その鍵を握るのはただ一つ、労働者階級の国際的団結と階級的労働運動の発展である。団結した労働者の力で新自由主義を打ち破ること。その闘いを通して、革命的情勢を本物の革命に転化できる力を培うこと。そのための労働者階級の党の建設と、労働組合の建設を一体的に闘いとっていくことだ。
動労千葉を軸に10年にわたって積み重ねられてきた日韓労働者の国際連帯がその真価を問われる時代が来たことを肝に銘じ、国際連帯闘争の大発展をかちとろう。在日・滞日労働者との団結をその不可欠の一環として闘いとり、世界革命の新たな扉を押し開こう。
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週刊『前進』(2582号10面2)(2013/04/29 )
25日 現代自動車非正規職蔚山工場占拠闘争の記録
パク・チョムギュ著 広沢こう志訳
2010年11月15日から12月9日、韓国の現代自動車ウルサン工場の社内下請けの非正規職労働者が、正規職化を求めて25日間の工場占拠ストライキに立ち上がった。著者のパク・チョムギュ氏は、金属労組の団体交渉局長としてろう城現場で寝食をともにし「日記に書いた」。そして、できあがった一冊の本が『25日』。その本がついに4月1日、動労千葉国際連帯委員会の翻訳で労働者学習センターから発行された。
2010年7月22日、「2年以上勤務した現代自動車社内下請け労働者は不法派遣であり正規職である」と大法院(最高裁)判決が出た。「われわれは正規職だ!」と勢いづいた非正規職の青年労働者たちが労組に結集、11月15日、600人が第1工場ろう城ストライキに突入した!
以来25日、全州工場、牙山工場を含め1800人がともに闘った。最後までろう城現場を守った249人の戦士たちが誇り高く語る。「第2、第3の占拠ストをやり、非正規の『非』の字を聞いただけで会社の膝がガクガクするような闘いをやりましょう」「すごく誇りに思います」
この本の1ページ、1ページがストライキが生み出すきらきらと輝く体験で埋め尽くされている。「25日間の幸福な時間は終わった」。しかし今もウルサンの非正規職労働者が鉄塔の上で190日を超えて闘っている。
今、すべての同志、すべての労働者に読んでほしい一冊だ。
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労働者学習センター発行、A5判240頁。頒価1000円、10冊以上は800円。注文先は労働者学習センター(電話043−222−7207)
(写真 蔚山第1工場の組合員たち。ろう城を解くにあたり最後に撮影した【2010年12月9日】)
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