ZENSHIN 2013/04/15(No2580 p06)

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第2580号の目次

日本原燃の六ケ所再処理工場前で開かれた全体集会。全国から集まった300人の労働者が怒りを込めシュプレヒコールを上げた。(4月7日)=記事5面

1面の画像
(1面)
賃下げ・戦争と闘う5・1メーデーへ
ストと労働者国際連帯で新自由主義を打ち倒そう  マルクス主義青年労働者同盟
記事を読む  
4・9反核燃 青森・六ヶ所でNAZEN奮闘(4月9日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
【要項】 5・1新宿メーデー 記事を読む  
【要項】4・20、4・28、5・18、5・15 記事を読む  
(2面)
米日帝の朝鮮・中国侵略戦争阻止、改憲と原発再稼働狙う安倍打倒へ
4・28沖縄・憲法集会の成功を
記事を読む  
4・20尼崎事故弾劾闘争へ  一切の責任はJRにある 資本の専制支配を覆そう 記事を読む  
JR貨物の賃下げ阻止を 記事を読む  
外注化で安全が崩壊 JR西日本
重層的下請け化で重大事故続発  下請け会社はJRの半分の賃金(本紙/日高隆)
記事を読む  
(3面)
4・26全国ストで反撃を
もう我慢ならない 長時間労働 大幅賃下げ  自治労スト貫徹へ各地で攻防
記事を読む  
「日の丸・君が代」不起立闘争 不屈の抵抗広がる
解雇の脅し突き破る反撃 
記事を読む  
解雇4カ年弾劾 非正規では生きられない!
4・26ショーワ・ジェコー闘争へ(埼玉・小川徹)
記事を読む  
役員選挙を闘って 三浦半島教労部会
青年労働者の怒りと結びついて非正規化推進の規約改悪と対決(神奈川労組交流センター三浦半島教育労働者部会)
記事を読む  
闘いは進む 青年の職場から
自治体 人員削減ゆえの長時間労働うち破りたい  関東 立花潤
記事を読む  
(4面)
4・28沖縄・憲法闘争へ  「主権回復式典」徹底弾劾し改憲絶対阻止・安倍打倒を 記事を読む  
官邸前 政府と規制委に怒り  青森からの発言に歓声(4月5日) 記事を読む  
空港廃港まで農業続ける  3・27農地裁判 市東孝雄さんの最終意見陳述 記事を読む  
2013年日誌 4月2日〜8日
日銀、過去最大の量的緩和/北朝鮮ミサイルに「破壊命令」
記事を読む  
(5面)
4・6〜7青森「反核燃の日」 核燃サイクルへ怒りあふれ
六ヶ所と青森市で連続闘争(青森・坂井雅茂)(4月6、7日)
記事を読む  
福島原発事故 汚染水処理が完全破綻  海洋投棄狙う東電を許すな(城之崎進) 記事を読む  
4・25法大解放集会アピール
処分撤回・キャンパス奪還へ新自由主義大学に総反乱を〔マル学同中核派・法大支部〕
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
星野再審闘争 検察意見書弾劾・全証拠開示  4・22東京高裁包囲デモへ 記事を読む  
救援連絡センター総会 “改憲阻止が第一”  安倍との対決鮮明に掲げ(4月6日) 記事を読む  

週刊『前進』(2580号1面1)(2013/04/15 )

 賃下げ・戦争と闘う5・1メーデーへ

 ストと労働者国際連帯で新自由主義を打ち倒そう

 マルクス主義青年労働者同盟

 すべての労働者のみなさん! アベノミクスによる異常な株高と円安の一方、私たちの前にあるのは「将来も見通せない。今だって生きられない」という許しがたい現実です。安倍政権と資本家階級は解雇や賃下げ、非正規職化を好き放題に行い、掲げ句の果てに憲法を改悪し私たちを北朝鮮や中国への戦争に駆り出そうとしています。絶対に許せない! 今こそ労働者として怒りを爆発させよう! 私たちは動労千葉・動労総連合とともに連合や全労連、全労協に代わる労働運動の指導部、ストライキの指導部として名乗りを上げます。5月1日はストに入り新宿に結集しよう! 新自由主義の本丸・JRにデモをかけよう! 労働者の怒りのパワーで安倍政権を倒し、この腐り切った社会をひっくり返そう!

 4・26自治労スト貫徹を

 今、地方公務員の基本給7・8%、一時金の10%削減に対する怒りが全国で爆発しています。「何か悪いことをしたのか」「生活は火の車だ」「ここで何もやらなかったら労働組合の意味なんてない」――。自治体の労働組合の中で激しい議論が巻き起こり、賃下げ反対署名もどんどん集まっています。今回、賃下げを表明していない自治体においても、全国統一スト突入を決め準備に入る単組が次々と出ています。4・26自治労全国統一ストは、長年バッシングを受けてきた公務員労働者だけでなく、全労働者が新自由主義のもとで積もりに積もった怒りを爆発させる始まりの日になろうとしています。
 今回の賃下げは公務員だけにかけられた攻撃ではなく、全労働者にかけられた攻撃です。安倍政権は「公務員は優遇されている」と、自治体労働者と他の産別の労働者を分断して賃下げを強行し、それを突破口にすべての労働者への賃下げや首切りをやろうとしているのです。
 実際、この安倍政権の先陣を切っているのがJRです。JR貨物は全社員を対象に8%もの人件費削減を、労働組合をまったく無視してやろうとしています。国鉄分割・民営化破産のツケのすべてを労働者に押しつけようというのです。
 大阪・橋下徹市長や東京・猪瀬直樹知事が「今は職員の賃金を下げない」と言っているのは、自治体労働者を分断し抑え込むためであり、「賃下げや民営化はいつでもやれる」と労働者をなめきっているからです。
 またこの賃下げ攻撃は、「政令201号」による公務員労働者に対するスト権剥奪(はくだつ)と、その「引き替え」としての公務員の「身分保障」で戦後革命を圧殺し延命した日帝の戦後体制を、日帝の側から暴力的に破壊し社会全体を憲法停止状態にたたき込む大攻撃です。つまりアベノミクスとは賃金問題と同時に改憲・戦争への突入なのです。自治体労働者の4・26ストは安倍政権−国家そのものとの激突であり、戦争情勢への突入を革命情勢に転化する文字通り全国・全世界の労働者の未来を決する闘いなのです。
 支配階級は「公務員のストは違法」などと言うが、ふざけるな! 違法・無法の限りを尽くして労働者をこき使ってきたのは政府・資本家たちではないか! ストは労働者が団結して生き抜くための当然の権利なのです。自治体労働者は誇りと確信をもって全労働者の先頭で胸を張ってストに立ち上がろう!
 動労千葉はJR貨物の賃下げ攻撃に対して、JR貨物とJR東日本に分断された組合員が一つに団結して闘っています。ストに立ち上がって徹底的に闘う中でこそ、自治体労働者の中にある現業職と行政職の分断を動労千葉のようにのりこえ、団結することもできます。住民・利用者との対立も団結に変えられます。彼らも同じ労働者なのです。そして正規・非正規の分断をものりこえて、全労働者が一つになることができるのです。
 自民党・安倍政権は、政府の労働者支配を支えてきた連合さえも締め出して、楽天社長の三木谷浩史やパソナグループ取締役会長の竹中平蔵らとともに「成長戦略の本丸は労働の規制緩和だ」「公務員の岩盤を崩せ」「社長の報酬は安すぎる」などと叫び、解雇自由化・総非正規職化に突進しています。自治労に対しても一切譲歩する気配はありません。労働組合を解体するつもりなのです。
 われわれ労働者と彼らは完全に非和解です。望むところだ! ストをもって一体誰が社会の主人公なのか、誰のおかげでこの社会が成り立っているのかをこの連中に示してやろう。青年労働者を先頭に自治体・JR・教育・郵政―4大産別の労働組合から怒りを爆発させ、ストと労働組合をよみがえらせよう! そして労働者の国際的団結の力で、この腐り切った資本主義社会を全世界的に転覆する5・1メーデーに大結集しよう!

 8時間労働・食える賃金

 メーデーはその誕生から、資本家階級と非和解的に対決する最高の労働者国際連帯闘争でした。そのテーマは一貫して「8時間労働制」「食っていける賃金」、そして「労働者の国際的団結」だったのです。
 1886年5月1日、アメリカ・シカゴの労働者が「8時間は労働のために、8時間は睡眠のために、そして残りの8時間はわれわれの自由に!」を掲げて統一ストライキに立ち上がりました。その2日後、ストライキを行っていた労働者4人が警官により射殺され、これに抗議する暴動は労働者側4人、警察側7人の死者を出す壮絶なものとなりました。1890年からは第2インターナショナルの決定により、8時間労働制要求と労働者の国際的な闘いと団結の日として、ヨーロッパも含めた国際的メーデーが5月1日に行われるようになります。労働者階級が初めて「8時間労働制」をかちとるのは1917年、ロシア革命の最中です。労働者階級が長きにわたって血を流しながら闘い抜き、資本・権力を革命によって打ち倒しかちとったのが「8時間労働制」とメーデーなのです。
 日本における最初のメーデーは、ロシア革命の衝撃の中、1920年、上野公園で1万人の労働者が「8時間労働制の実施」「失業の防止」「最低賃金法の制定」などを訴えて闘いとられました。戦時下でメーデーは禁止されますが、敗戦直後の1946年5月1日、「働けるだけ喰(く)はせろ」と掲げた復活メーデーで東京に50万人が結集、19日の「食糧メーデー」には30万人が決起したのです。
 しかし1987年の国鉄分割・民営化と1989年の総評解散・連合結成以降、こうしたメーデーの原点は連合指導部によってどんどん失われていき、今や連合メーデーは闘いではなく「お祭り」「パレード」などと言われ、現場労働者・組合員の怒りとかけ離れたものにさせられてきました。その結果、8時間労働制などの労働法制が解体され、民営化・外注化・非正規職化を通した超長時間労働と超低賃金が強制され、たくさんの労働者が殺されてきたのです。メーデーの解体は労働運動の解体、労働者への権利侵害と一体で進んできたのです。
 今年のメーデーは、大恐慌の爆発と新自由主義の破綻という資本主義崩壊のど真ん中で闘いとられようとしています。約130年前のメーデー誕生の原点を革命的に復権する本物のメーデーとして「8時間労働制」の旗を高々と掲げ闘いとろう。
 また今年のメーデーは、北朝鮮・中国−東アジアを最大の焦点に戦争の危機が切迫する中で、これを打ち破る労働者国際連帯をつくり出す決定的な闘いです。米日帝も北朝鮮も軍事演習を激化させ「核攻撃」すら公言するとてつもない軍事的緊張がもたらされています。
 しかしどの国においても新自由主義攻撃のもとで労働者・農民・漁民に生きていけない状況が強制されているのです。この新自由主義に対する共通の闘いとして、それぞれの国の政府と資本に対してメーデーを闘い新自由主義を打倒する国際的団結をつくり出し戦争をとめよう。安倍政権による憲法改悪を阻止し、辺野古新基地建設阻止・沖縄米軍基地撤去へ闘おう。

 10万署名-6・9国鉄集会

 5・1メーデーを「国鉄メーデー」として闘おう。この4月スト情勢をつくり出したのは、動労千葉、動労水戸を始めとした昨年10月のJR検修業務外注化阻止闘争であり、これと一体となった全職場での外注化阻止・非正規職撤廃、解雇撤回の闘いです。これは26年間におよぶ国鉄分割・民営化反対・1047名解雇撤回闘争の上にかちとられた日本労働者階級の偉大な勝利の地平なのです。
 今、安倍政権のもと高裁は動労千葉の1047名解雇撤回・鉄建公団訴訟を、真実を押し隠したまま結審しようとしています。この策動を打ち破り、1047名解雇の張本人である現JR東海会長・葛西敬之を法廷に引きずり出す10万筆署名を4月ストと一体で5・1メーデーに向かって集中し、5・8鉄建公団訴訟控訴審に結集しよう。すべての闘いを6・9国鉄闘争全国運動大集会に結集させ、労働運動の新時代を切り開こう。
 また5・1メーデーを「反原発メーデー」として闘おう。文字通り命を削る被曝労働を、何重もの外注化・偽装請負のもとで、非正規職の青年労働者が強制されています。資本のもうけのためなら労働者の生存も自然も破壊してかまわないという資本主義はどこまでも腐りきっている! こうした国家・資本に対して、動労水戸は被曝労働絶対反対のストを打ち抜いています。3・11反原発福島行動13は、動労水戸や国労郡山工場支部の闘いを根底的な力として「フクシマの怒り」を解き放ちました。階級的労働運動の前進で全原発廃炉へ闘おう。この力で経産省前脱原発テント撤去を先端とする安倍政権の原発再稼働を絶対に粉砕しよう。
 1970年代の安保・沖縄闘争を基地労働者とともに本土で闘い、獄中38年を闘い抜く星野文昭さんを取り戻すことは、国境を越えた全労働者の課題となっています。星野奪還は沖縄闘争そのものであり、階級的共同性を奪還する闘いです。メーデー闘争の爆発で全証拠開示・再審開始をこじ開けよう。
 最後に、すべての闘いを通して真の労働者党を建設しよう。労働者の怒りがこれだけ満ちあふれている時代の中で、全階級を団結させ勝利するために階級的原則を貫く労働者党の存在が絶対に必要です。マルクス主義青年労働者同盟と革共同に結集し、階級的労働運動を全力で推進する中で職場の深部からともに不抜の労働者党をつくりあげよう。その最大の武器として機関紙『前進』を労働者の新聞として作り、読み、拡大しよう。5・1メーデーを闘い、ともに歴史と社会を変える闘いの巨大な一歩を踏み出そう!

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週刊『前進』(2580号1面2)(2013/04/15 )

 4・9反核燃 青森・六ヶ所でNAZEN奮闘

 〈上〉日本原燃の六ケ所再処理工場前で開かれた全体集会。全国から集まった300人の労働者が怒りを込めシュプレヒコールを上げた。〈下〉集会後、六ケ所村内デモでNAZENを含む100人が再処理工場の廃止を訴えた(4月7日)=記事5面

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週刊『前進』(2580号1面3)(2013/04/15 )

前進速報版から 前進速報版から

▼香港・非正規港湾労働者のストライキ支持で5000人がデモ▼季刊『共産主義者』176号まもなく発売▼「4・9反核燃の日」闘争。福島圧殺、原発再稼働と核燃サイクル推進に怒り

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週刊『前進』(2580号1面4)(2013/04/15 )

【要項】 5・1新宿メーデー

 公務員賃金7・8%引き下げ粉砕! 賃金破壊・首切り自由を許さない!
 民営化・外注化・非正規職化阻止! 今こそストライキと国際連帯を!
 闘う労働運動の復権をめざす

 5・1新宿メーデー

 ▼JR貨物本社抗議闘争
 賃金削減絶対反対! 国鉄分割・民営化のツケを労働者に転嫁するな!
 午後0時 JR新宿駅東南口集合(午後1時まで)
 ▼デモ
 午後2時 新宿中央公園「水の広場」集合(新宿区西新宿2―11)
 午後2時30分 デモ出発
 ▼集約集会
 民営化・外注化阻止・解雇撤回! 非正規職撤廃! 国鉄1047名解雇撤回へ
 10万筆署名運動を推進し、6・9国鉄闘争全国運動大集会へ総結集を!
 午後3時30分開場 3時45分開会
 新宿文化センター(新宿区新宿6―14―1)
 よびかけ 動労千葉・動労総連合

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週刊『前進』(2580号1面5)(2013/04/15 )

【要項】4・20、4・28、5・18、5・15

尼崎事故弾劾! 外注化・非正規化粉砕!

 4・20全国総決起集会

 4月20日(土)午後1時 JR尼崎駅北口広場
 呼びかけ 動労千葉、国鉄闘争全国運動・関西準備会
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 「主権回復の日・政府式典」反対!

 福島・沖縄の怒りとつながり、国際連帯で改憲と戦争を阻もう 4・28全国集会

 4月28日(日)午後1時開会 ハイライフプラザいたばし(東京都板橋区板橋1―55―16 JR埼京線板橋駅西口1分)
 ◆沖縄から 水島満久さん(元全駐労マリン支部副委員長)
 ◆福島から ◆国会報告 西川重則さん ほか
 主催 とめよう戦争への道!百万人署名運動
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 沖縄を「基地の島」から国際連帯の島へ!
 新自由主義と闘う労働者の国際連帯で安保・沖縄闘争の勝利へ!

 「復帰」41年 5・18沖縄集会

 5月18日(土)午後6時開場 琉球新報ホール(那覇市泉崎1―10―3)
 主催 「復帰」41年 5・18沖縄集会実行委員会(呼びかけ団体 国鉄闘争全国運動・沖縄)
 【関連企画】5月18日午後4時 国際通りデモ(県民広場出発)
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 5・15平和とくらしを守る県民大会
 5月19日(日)午後2時 宜野湾市海浜公園野外劇場(沖縄県宜野湾市真志喜4―2―1)
 主催 沖縄平和運動センター

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週刊『前進』(2580号2面1)(2013/04/15 )

 米日帝の朝鮮・中国侵略戦争阻止、改憲と原発再稼働狙う安倍打倒へ

 4・28沖縄・憲法集会の成功を

 動労千葉、動労水戸を先頭とする動労総連合の決起が、階級闘争の前進を全力で切り開いている。この中で労働者階級は安倍政権の大量解雇と賃下げ、外注化・非正規職化、被曝労働強制と原発再稼働、戦争と改憲の大攻撃に対し歴史的反撃に立ち上がりつつある。4・26自治労全国統一ストを、体制内指導部の抑圧を打ち破り、階級的労働運動の大前進を開く決定的闘いとして貫徹しよう。国鉄・自治体・全逓・教労の4大産別を先頭に全職場から4月ストに立とう。その力で、動労千葉が呼びかける5・1メーデーを、青年労働者を先頭に「闘うメーデー」として打ち抜こう。米日帝国主義の朝鮮・中国侵略戦争策動、沖縄基地強化・改憲攻撃と対決し4・28沖縄・憲法闘争の大高揚をかちとり、安倍政権打倒へと攻め上ろう。

 7・8%賃下げは全労働者への攻撃

 一律7・8%という大幅賃下げへの現場組合員の怒りに突き上げられ、自治労本部は最大2時間の全国スト方針を打ち出した。
 これが打ち抜かれれば、1985年以来実に28年ぶりの全国ストだ。階級情勢は一変し、「スト絶滅」を狙ってきた連合と、連合を先兵として使ってきた資本家階級の労働者支配は大破綻する。国鉄分割・民営化以来、幾度ものストを打ち抜いて闘ってきた動労千葉の闘いが、いよいよ労働者階級全体の闘いとして大発展する時代がここから切り開かれる。4・26自治労統一スト貫徹のために全力で闘おう。
 安倍政権は1月24日、「東日本大震災」と「長引く景気の低迷」を口実に地方公務員の大幅賃下げを閣議決定した。政府の号令一下、全公務員労働者の賃金を一挙に引き下げる(月例給平均7・8%、一時金10%)ことがどうして許されるのか。すでにこの十数年、公務員人件費は削られ続け、公務職場は人員削減と労働強化、外注化・非正規職化の激しい攻撃にさらされ続けてきた。青年層の賃金は、すでに生活していけるかどうかのぎりぎりの水準だ。これをさらに政府の一方的決定で削るというのだ! アベノミクスなるものが、労働者階級を徹底的に犠牲にし、とことん資本家どもの利益追求を図るものであることがここにも露骨に表れている。
 これは6千万労働者総体に対する攻撃だ。公務員の賃金と身分保障(終身雇用)を最後的に破壊し、労働者階級全体の超低賃金化と「解雇自由」化を狙っているのだ。
 同時にこの攻撃は、自治労や日教組の解体を狙う大攻撃だ。安倍・自民党は3月の党大会で、「わが党に対して友好的な労働組合との関係強化を図る」との運動方針を決めた。自民党は旧総評系の自治労・日教組などを憎悪してその解体を狙い、連合内の労働組合を選別・分断してより一層の屈服と連合自体の分裂をも画策しているのだ。それはまた改憲・戦争の攻撃そのものでもある。
 こうした政府の強権的な公務員賃下げ攻撃と軌を一にして、全産別で一挙的な大幅賃下げ攻撃が強まっている。特にJR貨物は、労働組合に正式な提案すらしないで、一方的に「賃金の減額に踏み切る」と発表した。JR総連・日貨労がその先兵になっている。
 こんなことがまかり通るなら、あらゆる企業が一斉に大幅賃下げ競争を始める。猛然と反撃に立とう。動労千葉は絶対粉砕の決意を固め闘いに突入している。5・1メーデーの日、貨物本社抗議行動をともに闘おう。
 世界大恐慌と大争闘戦時代への突入の中で、一切の余裕を失った資本は、その凶暴な本質をむき出しにしてきている。国鉄分割・民営化攻撃以来の、労働者階級の未来をかけた決戦が到来している。勝利の道は、動労千葉のようにあくまで労働者の団結と自己解放の力に依拠して闘う中にこそある。二十余年、不屈に闘いぬかれてきた国鉄1047名解雇撤回闘争は、労働者の原点的闘いだ。解雇撤回・JR復帰の10万筆署名を推進し、国鉄闘争全国運動の6・9大集会に突き進もう。

 「アベノミクス」は破綻と破滅への道

 アベノミクスの「第1の矢」と称する「大胆な金融緩和」を担う日銀新総裁・黒田東彦は4日、量的緩和策として、日銀が市場に流す資金の量を2年間で130兆円分増やし、規模を2倍の270兆円にすると決定した。これは日銀が国家財政の赤字を穴埋めする「財政ファイナンス」への踏み切りであり、「銀行券ルール」なる長期国債買い入れの「歯止め」すら「凍結」し、長期国債や投資信託などを無制限に買い入れ、市場に膨大なマネーを投入してインフレにするという破滅的政策である。これはかつて「高橋財政」が第2次大戦前に行った政策で、日銀幹部自身「日銀が際限なく輪転機を回し、お金を刷る機械になってしまう」と嘆くほどとんでもない政策だ。
 だがこれで雇用や景気が「回復」するなどということはあり得ない。世界の帝国主義が直面しているのは世界大恐慌と大争闘戦であり、その根底には過剰資本・過剰生産力の問題が厳然としてある。実際、2月の貿易統計でも、円安下で輸出は前年同月比で減少しており、設備投資計画も前年比マイナスだ。円安による物価高騰と大幅賃下げだけが労働者に押しつけられている。
 毎月7兆円、国債発行額のなんと7割を日銀が買うというとんでもない事態の中で、インフレとバブル化、日本国債や円の暴落は早晩不可避であり、大争闘戦のもと大恐慌は止めどなく激化し、日帝は破滅に向かって突き進む。いよいよ労働者階級の闘いが帝国主義にとどめを刺す時が来ている。4月ストと4月大攻勢こそ決定的な勝負の時である。

 「主権回復式典」に沖縄・本土で闘おう

 米帝は、中国の体制転覆を最終的に狙う新軍事戦略と日米安保、それと一体のものとしてあるTPP(環太平洋経済連携協定)のもとで、対日争闘戦と同時に中国・北朝鮮へのすさまじい軍事重圧を強めている。1カ月以上にわたる大規模な米韓合同演習は北朝鮮への露骨な戦争挑発であり、またフィリピンとの合同軍事演習を開始して中国にも大重圧を加えている。これに北朝鮮スターリン主義・金正恩政権がとりわけ必死の対抗的軍事対応を強め、今や東アジアと日本周辺は一触即発の戦争危機にある。
 こうした中で、天皇出席のもと強行される4・28「主権回復の日」記念式典は、オスプレイ配備や辺野古新基地建設に反対する沖縄県民を、力ずくで押しつぶそうとする大攻撃だ。こんなことを絶対に許すな! 沖縄ではすでに政府式典に怒りが沸騰している。
 さらに安倍政権の改憲攻撃が激化している。衆院憲法審査会で、自民党は「結社の制限」を提案した。支配階級がどれほど労働者階級の団結と闘い、プロレタリア革命を恐怖しているかを示している。沖縄の労働者と連帯して4・28沖縄・憲法闘争を闘おう。
 福島第一原発では、冷却装置の停止事故に続き、放射能汚染水が地下にとめどなく漏れ出している。原発爆発事故から2年経過しても、「収束」どころか現在進行形で事故が継続し、放射能汚染が空に、海に、大地に広がっているのだ。福島で、全国で、怒りは沸騰している。しかも日帝・安倍は原発再稼働を策動し原発輸出にのめり込んでいる。NAZEN(すべての原発今すぐなくそう!全国会議=な全)の組織を全国に建設し、運動を広げ、全原発廃炉に突き進もう。
 何よりも4・26を頂点に4月ストと4月大攻勢、5・1メーデー、安倍打倒へ今こそ総決起しよう。解雇撤回・JR復帰の10万筆署名を推進し、6・9大集会へ! 
 そのためにこそ『前進』を「闘う労働者と学生の新聞」として、職場・地域・大学に持ち込み、闘いを組織し、大胆に勝利を切り開こう。

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週刊『前進』(2580号2面2)(2013/04/15 )

 4・20尼崎事故弾劾闘争へ

 一切の責任はJRにある 資本の専制支配を覆そう

 大事故は分割・民営化の帰結

 05年4月25日の尼崎事故は107人の乗員・乗客の命を一瞬にして奪った。鉄道史上最悪のこの事故は、国鉄分割・民営化の帰結であった。
 国鉄分割・民営化は闘う労働運動を解体するために強行された。職場における労働運動は解体され、JR資本による職場専制支配が貫徹された。JR西日本は運転士のささいなミスをあげつらって「日勤教育」を強行してきた。懲罰的にさらし者にされた労働者の中からは自殺者まで出た。
 その原点は国鉄分割・民営化にある。分割・民営化攻撃の中で200人の労働者が自殺に追い込まれ、闘う労働者は解雇要員として「人材活用センター」に収容された。
 尼崎事故弾劾の闘いは、JR資本の専制的職場支配を打ち破り、労働者が職場支配権を奪い返す攻防そのものである。
 00年から始まったJR東日本の設備部門の外注化は、レール破断の続発をもたらした。これに対し動労千葉は反合・運転保安闘争に決起し、何百`ものレール交換をJR東日本に強制した。「闘いなくして、安全なし」という労働運動の原則を発展させてきた闘いこそ、動労千葉の反合・運転保安闘争路線である。処分を恐れず体を張って闘うことで資本に安全を強制し、それによって職場支配権を労働者が奪還してきたのだ。
 この闘いの実績をもって、動労千葉は08年から尼崎事故弾劾闘争の主催者として登場した。
 他方、国労西日本本部の日本共産党は、「日勤教育は必要だ」とJR資本を擁護して「労使安全会議」に率先して飛び込み、社会主義協会派は「花束・焼香」デモに終始し、10年の4・9政治和解で路線的にも組織的にも崩壊した。

 井手・山崎らの居直り許すな

 JR西日本は外注先を含む全労働者に対し、「二度と尼崎事故のような事故を起こさないために自分はどうするのか」をカードに書かせて常に持ち歩かせ、毎朝点呼時の黙祷(もくとう)や事故現場での立哨などを強いている。事故の責任を労働者に押しつけ、事故を労働者支配の道具にし、資本を追及する労働者をパージする、実に悪らつな攻撃だ。
 事故から8年の今こそ「尼崎事故の全責任はJRにある」とあらためて資本に突きつけなければならない。山崎正夫前社長の「無罪」判決に乗っかって、井手正敬ら歴代社長は「経営者に安全管理の責任はない。すべて現場の責任だ」と法廷で言い放っている。尼崎事故という階級的犯罪の真相を、司法を含む国家は総ぐるみで隠蔽(いんぺい)しているのだ。
 尼崎事故を居直った日帝は、3・11福島原発事故を引き起こした。その責任のすべては国家と東電にある。何が「収束」「安全」「復興」だ!
 日々被曝を強いられている福島県民と連帯し、全産別で階級的労働運動をつくろう。原発と原発関連労働を担う建設労働者や自治体労働者の中に闘う労組を組織しよう。

 反合・運転保安闘争を貫こう

 国鉄分割・民営化は、当時40万人いた国鉄労働者を20万にする、つまり2人に1人の首を切る大攻撃だった。しかし、検査・修繕部門の大合理化には、その時点では着手できなかった。
 00年から始まるJR東日本の外注化は、「第2の分割・民営化」と言われるように、政府の規制緩和と相まって、分割・民営化でやり残したところに手を着ける大攻撃だった。しかもJRは、「シニア協定」で動労千葉を解体することに狙いを定めた。しかし動労千葉は、目的意識的な非協力闘争を職場で貫き、外注化を止め、逆に不当配属されていた仲間を職場に取り戻す偉大な勝利を実現してきた。
 昨年10・1の検修外注化との闘いは、12年間の外注化阻止闘争の成果の上に、波状的ストライキを始め労基署申告闘争や裁判闘争を含めて徹底的に闘われた。この中で動労千葉(動労総連合)はさらに団結を固め、その団結を外注先にも拡大しようとしている。
 外注化は偽装請負を不可避とし、指揮命令系統を破壊し、安全を解体する。その矛盾を突いて闘えば、外注化は粉砕できる。その手応えをつかんだ動労千葉は、新たな反合・運転保安闘争を創造しつつある。被曝労働絶対反対を貫く動労水戸や、非正規職撤廃を掲げて資本と闘う動労西日本に青年労働者が結集し、青年が先頭に立って組織拡大に進撃している。それは、動労千葉に即して言えば、分離・独立、分割・民営化との闘いに続く、「第3の奇跡」とも言うべき組織拡大・青年獲得戦に勝利するための闘いだ。
 これに続き、全産別の労働者は、自らの職場で創意あふれる反合・運転保安闘争をつくり出そう。全産別で吹き荒れる分断攻撃を打ち破り、職場支配権を取り戻そう。
 何よりも4・26自治労ストを貫徹しよう。労働運動の主流派をめざし、青年労働者の未来をかけた闘いとして尼崎事故弾劾闘争に結集しよう。

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週刊『前進』(2580号2面3)(2013/04/15 )

 JR貨物の賃下げ阻止を

 JR貨物は一方的な大幅賃下げに踏み込もうとしている。JR貨物社長の田村修二は、3月に策定した「経営改革に向けて」と題する文書をもとに幹部社員に対して訓示を行い、「大変辛(つら)い選択になりますが、鉄道貨物輸送を将来にわたって継続・発展・進化させていくために、賃金の抑制に踏み切ることといたしました」と発言した。また、新入社員に対しては「平成25年度事業計画を作成するにあたり、賃金の減額に踏み切ることといたしました。……申し訳ない気持ちで一杯ですが、是非ご理解いただきたい」という手紙を送付した。
 一律大幅賃下げを画策しながら、JR貨物はそれを労働組合には正式に提案もしていない。にもかかわらず、これを既成事実のように通告するやり方は、まさに労組破壊そのものだ。
 現場には賃下げの詳細を隠しながら、JR貨物はJR総連・日貨労とだけは水面下の交渉を続けている。これも不当労働行為の最たるものだ。
 そもそも、賃金の一方的な切り下げは、それ自体が違法だ。だが、これまで多くの資本は、「労資合意」を盾に賃下げを強行してきた。日貨労も、賃下げにお墨付きを与えようと策している。この秘密交渉と、裏切り妥結をたくらむ日貨労カクマルを断じて許すな!
 JR貨物の労働者は、きわめて劣悪な労働条件と低賃金を強いられてきた。例えば、12年度のJR東日本の基準内賃金平均は34万3400円だが、貨物は27万2100円だ。一時金は東日本が年間5・51カ月分に対し、貨物は3・2カ月分だ。しかもJR貨物は10年度には定期昇給を半年間延伸している。
 JR貨物の経営が黒字になる見通しなどまるでない。国鉄分割・民営化そのものが破産しているのだ。だが、JR貨物と国土交通省は、その矛盾をひたすら労働者に押しつけてきた。
 JR資本は、賃下げ攻撃という点でも全資本の先頭に立っている。公務員労働者に対する7・8%賃下げと並び、JR貨物の賃下げとの闘いは階級決戦の一大焦点だ。
 今春闘でパナソニックは「定昇実施」で合意した直後に賃金2割削減を打ち出した。半導体大手のルネサスは7・5%賃下げと夏の一時金ゼロで労資合意、NHKも10%賃下げで合意した。アベノミクス下での「満額回答」がもてはやされたが、実際には今春闘ですさまじい賃下げ攻撃がかけられたのだ。
 動労千葉は5・1メーデーとJR貨物本社抗議行動を呼びかけている。この闘いに結集しよう。自治労4・26ストを貫徹し、賃下げに労働者階級総体の力で反撃しよう。

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週刊『前進』(2580号2面4)(2013/04/15 )

 外注化で安全が崩壊 JR西日本

 重層的下請け化で重大事故続発

 下請け会社はJRの半分の賃金

 JR本州3社の中で、最も経営基盤が脆弱(ぜいじゃく)なJR西日本は、3社の先頭を切って鉄道業務の外注化を進めてきた。その結果、施設部門や駅などにおいては底が抜けたような安全崩壊が進んでいる。
 動労西日本は、昨年12月23日に発生した新大阪駅構内(大阪市)での待避不良事故を重視し、JR西日本との団交で責任を追及してきた。夜間に線路調査をしていた労働者が、背後から来た貨物列車にひき殺されそうになった事故だ。たまたま後ろを振り向いて、列車の明かりを見て飛びのいたため助かったが、まさに紙一重だった。
 大規模な保線作業などを行う時は、その区間に列車が入ってこないように線路閉鎖(線閉)措置をとる。12月23日の事故では、間違った区間を閉鎖し、実際に労働者が入る区間の線閉をとっていなかった。なぜ、こんなとんでもない事故が起きたのか。
 当日の作業は、調査の計画立案―発注―施工計画作成―線閉措置―施工打ち合わせ―現場での調査という一連の作業が、JR西日本―大鉄工業(主任)―レールテック(監理員)―大鉄工業(線閉監督員)―調査会社と、三つの下請け会社に細切れに委託されていた。工事発注時にJRが間違った線路名を書いた「施工箇所内訳書」を作成したことが事故の直接の原因だ。しかし、どこかで間違いがあっても誰も気付かないような形で細切れに外注化し、重層的下請け構造をつくってきたことに根本的な原因がある。JR西日本による殺人行為そのものだ。

 現場把握する力失ったJR本体

 3月25日に初めてストに立った動労西日本の赤松賢一副委員長は、一昨年6月からレールテック大阪調査監理センターに出向させられている。99年のJR西日本入社以来、大鉄工業やレールテックへの出向、JR西日本復帰を繰り返し、累計ではついに出向期間のほうが長くなった。
 レールテックの前身は92年に設立された西日本機械保線株式会社で、04年にレールテックに社名変更、現在は社員1千人を超えるJR西日本の100%子会社だ。赤松副委員長は「JR西日本は外注化というより、ほぼ分社化の形でレールテックをつくった。仕事のやり方は偽装請負丸出しで、『待避不良』『触車』、そんなことばかり出てくる。社員の命が脅かされ、乗客(労働者)の命を預かっていることすら忘れている。すべてが崩壊に向かっている」とスト集会で危機感あらわに語った。
 さらに赤松副委員長は「長年にわたる外注化でJR本体にはもう現場での保線や土木の仕事をやる力もないし、現場を把握する力も失っている」と言い切る。それは、JRが12月23日のように間違った線路閉鎖の施工個所を指示していることからも明らかだ。現場での仕事のほとんどが外注化され、JR社員は下請け会社から上がってくる書類をにらみながら、計画とその進捗(しんちょく)を管理するだけというのが現状だ。
 他方、レールテックは自前で技術者を育成せずJRからの天下りと出向者で体制をつくっている。赤松副委員長が働く工事監理部門では、ある監理責任者が1人で年間40件もの工事を担当し、件数が多すぎで十分に掌握できない。その結果、JR西日本は、レールテックの監理責任者(JRの監督員と同格)と打ち合わせもせず、そのもとにいる監理員に直接指示を出す(偽装請負だ!)などむちゃくちゃなことをやっているのだ。

 尼崎事故の当時を上回る危機に

 待避不良事故や触車事故は、05年尼崎事故や06年伯備線事故後も頻発している。
 昨年2月3日には、JR山陰線・豊岡駅での除雪作業時に、下請け会社メンテックの5人の労働者が、線閉措置もなく見張り員もいない状態で除雪作業をやらされ、進来してきた列車にひき殺されそうになる触車寸前の事故が起きた。
 09年2月20日には、山陽本線・明石駅―西明石駅間で、作業中の労働者が列車にひき殺された。線路内で重機を使用する作業は、原則として夜間の線閉時間帯に行わなければならないのに、隣接線に列車が走っている時間帯に工事を強行した結果、起きた事故だ。JR西日本は、営業線近接工事に関する安全規定を改悪し「やむをえない場合は重機使用の作業でも線路閉鎖は不要」と安全基準を緩和していた。
 待避不良や触車事故の続発は、05年尼崎事故当時を上回る危機的状態であることを示している。外注化の長期固定化、下請け構造の重層化で、JR西日本は技術力、判断力を失い、根底から安全が崩れている。他方で、下請け会社は、極限的なコスト削減で最低限の安全策をとる余裕も奪われている。レールテックでは、年休もまともに取れず、早出残業や休日出勤で仕事をこなし、業務が集中するピーク時には対応不能に陥る。
 また外注化の中で保線や駅といった職種ごと、さらにはJR各社ごとに触車事故防止要領が変えられたり、「やむをえない場合には……」「簡易な検査の時は……」といった例外規定を次々と意識的につくって、JR自身が安全対策をいとも簡単に投げ捨てている。

 外注会社の青年組織し勝利する

 命の危険にさらされながら、レールテックの労働者には生活していけないほどの低賃金が強制されている。JR西日本社員のほぼ半分の水準だ。
 赤松副委員長はスト集会で「動労西日本は春闘で3万8000円の賃上げ要求を掲げましたが、それをレールテックの仲間に言うと『レールテックは5万円にしといてくれ』と。それだけ低賃金にあえいでいる。コスト削減のためだけに外注会社をつくり、JRではとうてい許されないことがレールテックで行われている。この事実をみんなに知ってもらいたい」と語った。そして「国鉄採用の先輩からすれば『甘い』と言われるかもしれないが、僕が会社に入ったころは、まだ未来に対して夢も希望も持てた。それが今や、なにもかもが奪われている。すべてを取り返す闘いのスタートが今日のストだ」と発言した。
 動労西日本は今年、JR関連会社の労働者も加入できるように規約を改正した。そこには、さらなる外注化を阻止するとともに、外注体制を内部から食い破って外注会社そのものをつぶしてやりたいという組合員の思いが貫かれている。
 4・20尼崎現地闘争は、新たな中期経営計画でさらに徹底的な外注化を宣言したJR西日本と正面から激突する闘いになった。JR体制は、安全面でも雇用破壊の面でも限界に達している。JRでも下請け会社でも、労働者の決起、とりわけ青年の決起は不可避だ。あらゆる職場から具体的な闘いを起こし、JR体制打倒へと突き進もう。
 (本紙/日高隆)

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週刊『前進』(2580号3面1)(2013/04/15 )

 4・26全国ストで反撃を

 もう我慢ならない 長時間労働 大幅賃下げ

 自治労スト貫徹へ各地で攻防

 4・26自治労全国スト貫徹へ、各地で激しい攻防が闘われている。安倍政権による公務員賃下げの歴史的攻撃に全国ストで立ち向かい、労働者階級の総反撃の突破口を切り開こう。絶対反対の闘いが職場の怒りを解き放ち、闘う労働組合をよみがえらせる。4・26ストへ突き進もう。
(写真 公務員賃金引き下げ反対! 怒りに燃えて集まった1060人の労働者【4月8日 広島県庁前】)

 現場に広がるスト求める声

 4・26自治労全国スト方針は歓呼の声をもって迎えられている。抑えつけられてきた労働者の怒りに火が付き、闘う団結が急速に広がっている。もう我慢ならない! 青年労働者を先頭に、労働者本来の荒々しい闘いが始まった。
 しかしこの決定的方針をいまだに現場に伝えない、許しがたい単組執行部が多く存在している。ただちに全国・全職場の労働者に事実を知らせ、決起を呼びかけよう。
 全国で4・26スト決起を呼びかけるビラの配布が始まった。手応えはものすごい。受け取りはほぼ100%だ。横浜や広島を始め、職場集会や総決起集会には、主催者の予想を超えて多くの組合員が結集している。職場の怒りが形となり、賃下げ絶対反対の支部・分会決議が次々と上がっている。動労千葉鉄建公団訴訟10万筆署名がまたたく間に集まる。ストライキで闘おうという機運が満ちつつあるのだ。

 収拾策動する本部と対決し

 全国の単組でストライキをめぐる真剣な議論が始まっている。それ自体が画期的なことだ。時代認識と路線、労働組合の存在意義をめぐる議論に発展している。労組・職場丸ごとの大衆的議論を徹底的に進め、職場のあらゆる怒りを解き放って、ストを貫徹しよう。
 安倍政権は、13年度政府予算案から地方公務員人件費を暴力的に削り取った。それは公務員360万人にとどまらず、公務員準拠の民間保育所や医療・介護・福祉、教育、清掃、水道、交通を始め、公務公共部門で働く全労働者を直撃する。公務員の「岩盤」を突き崩すことで年功賃金制と終身雇用制を最後的に解体し、超低賃金と首切り自由の社会に変える全労働者への攻撃だ。80年代の国鉄分割・民営化に匹敵しそれをも超える新自由主義の階級戦争、原発再稼働、沖縄新基地建設、TPP(環太平洋経済連携協定)推進と一体の道州制・改憲を先取りする違法不当な強権政治そのものである。
 この大攻撃に立ち向かうために、85年4・17公務員共闘1時間スト以来の全国ストライキとして4・26自治労ストは設定された。4・26ストを貫徹し、安倍政権に対する労働者階級の総反撃の突破口を開こう。
 自治労本部はこの決定的闘いとしての4・26ストの意義を必死で低め、あわよくば倒そうとうごめいている。日教組や自治労連、全教本部にいたってはストライキを問題にすらしていない。
 現場組合員は4・26ストを安倍政権との全面対決方針と受け止めた。しかしそれがいつの間にか「自律的な交渉と合意を求める」「各自治体首長との交渉次第」とすりかえられ、「まだ首長の対応が定かでないからストライキ設定は早すぎるのでは」と4・26スト方針をあからさまに打ち消す議論まで出されている。
 しかし逆に、13年度政府予算案が成立していない4月の時点で全国自治体の現場労働者の強烈な反撃をたたきつけることは、決定的なのだ。
 今、動労千葉の3月ストライキを先頭に、賃下げと首切りに対する必死の春闘ストが闘われている。自治労組織の総力を挙げた全国一斉ストライキこそ正しい方針だ。

 あふれる怒りを解き放とう

 職場では人員削減で超勤が100時間を超え、病休者が続出している。大恐慌下の資本救済のためには「異次元」の財政投入・超金融緩和を行う一方で、公務員労働者にはこれまでの大攻撃に加えて、さらに大幅賃下げ攻撃を振り下ろす。「これほどの仕打ちは就職して以来初めて。理不尽の極みだ」(自治労横浜A支部執行委員)
 もはや屈服とあきらめの時は終わった。現場労働者の積もり積もった怒りを解き放つストライキこそが必要なのだ。
 青年労働者の怒りが爆発している。公務員賃下げ絶対反対の闘いは、全労働者の未来をかけた崇高な闘いとなった。4・26自治労全国ストライキが階級決戦情勢をさらに決定的に押し上げる。安倍打倒へ、嵐のようなストライキを何波にもわたってたたきつける時代を切り開くのだ。全欧1千万人ゼネスト闘争の先頭に立つギリシャの公務員労働者に続き、自治体労働者・教育労働者は胸を張って闘い抜こう。闘う労組拠点と青年部の建設をかちとろう。

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週刊『前進』(2580号3面2)(2013/04/15 )

 「日の丸・君が代」不起立闘争 不屈の抵抗広がる

 解雇の脅し突き破る反撃 

 今春2〜3月、大阪・東京を始め全国各地の卒業式で、「日の丸・君が代」強制に反対する教育労働者の不起立闘争が堂々と打ちぬかれた。
(写真 都立校卒業式の不起立での被処分者への「再発防止研修」に抗議【4月5日 水道橋・教職員研修センター前】)

 「民営化反対」訴えて 大阪

 大阪府では、橋下徹が大阪府知事時代に制定した「日の丸・君が代」条例が教職員への起立と斉唱を命じ、さらに昨年3月に成立した「職員基本条例」が「同一の職務命令違反3回で分限免職」と明記している。
 しかしこうした脅しを突き破って、今年の卒業式でも12人の教育労働者が不起立を貫いた。大阪府教委はうち10人に戒告処分を下し、昨春に続き2回目の不起立をした2人には減給10分の1(1カ月)の処分を下した。さらにそのうちの1人については、定年退職後の職を奪う再任用拒否という二重処分を下した。
 他方、職員会議で「教育の民営化・非正規職化攻撃への対決として『日の丸・君が代』強制にも反対して闘う」と発言したにもかかわらず、校長が「起立・斉唱」を命じる職務命令を出さず、処分が下せなかった職場もある。
 また昨春卒業式で不起立を理由に処分された大阪市の教育労働者の学校では、ステージを使わずに卒業生も在校生・保護者・教職員もフロアーに並んで行われる「フロアー形式」の卒業式を市教委・管理職がつぶそうとしてきたことに対し、職場の労働者が団結して反撃してうち破った。
 大阪市長・橋下や維新の会は、入れ墨調査や「君が代」起立・斉唱命令などの理不尽な職務命令に服従させることで、労働組合を民営化・首切りに対する闘わざる屈服に追い込もうとしてきた。しかし、処分・解雇の脅しに屈しない教育労働者の力強い反撃がつくり出されているのだ。

 猪瀬・都教委を圧倒 東京

 東京では03年「10・23都教委通達」から10年目の卒業式で、昨春を上回る6人が不起立で処分された。不起立1回目が1人、2回目が2人、3回目が2人、4回目が1人である。
 東京の不起立をめぐっては最高裁が昨年1月16日、1回目の不起立者への戒告処分を容認、2回目以上の不起立者への減給処分や停職処分を取り消しながらも、根津公子さんへの停職3カ月処分は容認するという、極悪の分断判決を下した。
 この最高裁判決を受けて、昨春卒業式をめぐる処分では減給以上の処分を出せずに、4回目の不起立者についても戒告処分としたが、今春は4回目の不起立者に「減給10分の1(1カ月)」の処分を発令した。1・16最高裁判決は「秩序維持」を最優先する抜け道だらけの判決であり、結局は教育委員会に処分裁量権のフリーハンドを与えたものだった。
 今回の減給処分について、都教委は「戒告では秩序の維持が困難」と述べ、都知事・猪瀬は「歌いたくないなら起立して口パクやればいい。そんなレベルの話がわからないのは教師としてふさわしくない」と敗北感をあらわにした。免職の脅しを突き破って貫かれる不起立は、確実に猪瀬や都教委を追い詰めている。

 40秒のストを本物のストへ

 教育を丸ごと破壊する民営化攻撃が全国で推し進められ、職場には非正規職労働者が激増している。不起立処分は、教育労働者の全員解雇・選別採用のために職場の団結を破壊し、労働組合をたたきつぶすことを狙うものである。
 しかし今春の闘いは教育労働者が職場支配をめぐる攻防にまったく負けていないことをはっきりと示した。職場を回しているのは現場労働者であり、労働者が絶対反対を貫いて団結して闘い続けることによって、敵の攻撃は必ず破綻するのだ。
 不起立を続ける教育労働者は、職場に団結をつくり出す核となっている。減給処分を受けた都立校の教育労働者は、職場の同僚から「立派なことだと思う」と声をかけられるなど、さまざまな好意的な声が寄せられたと報告している。
 東京では「10・23通達」直後に不起立した被処分者を、不起立させないために担任からはずし続けるという事態も続いてきた。しかしそれではいよいよ職場が回せなくなって、卒業学年の担任になり2回目の不起立をした被処分者もいる。
 処分撤回闘争を組合の課題に押し上げ、首切り・賃下げに立ち向かう団結を職場からつくり出そう。「40秒間のストライキ」を本物のストライキへと発展させよう。

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週刊『前進』(2580号3面3)(2013/04/15 )

 解雇4ヵ年弾劾 非正規では生きられない!

 4・26ショーワ・ジェコー闘争へ

 4・26自治労全国ストライキと一体で、4・26ショーワ・ジェコ−弾劾闘争が呼びかけられている。昨年の4・27行動に続いて、今年は一般合同労組さいたまユニオンとJAM神奈川ジェコー労組が中心となった非正規職撤廃4・26行動実行委員会が主催し、動労千葉や全金本山労組を始め全国の闘う労組が結集する全国闘争だ。
 ショーワ・ジェコー闘争は、労働者派遣法体制下におかれた非正規労働者と正規労働者が結合した非正規職撤廃・派遣法撤廃の闘いとして、06年から闘い抜かれてきた。国鉄決戦を先頭とする外注化阻止・非正規職撤廃の闘いと一体である。
 国鉄分割・民営化攻撃と連動して、1970年代末から総評全国金属への解体・大合理化攻撃が吹き荒れた。トヨタ系部品メーカー・ジェコーでは川崎工場移転・不当配転、2交代制導入(夜勤導入)と外注化攻撃がかけられた。これと闘い団結を守り抜いたジェコー労組は06年以降、埼玉県行田市への工場移転を機に大量導入された派遣・請負労働者を組織し、正規職化を求めて闘った。追い詰められたジェコー資本は、直接雇用をかちとった組合員を全員解雇する労組つぶしの不当労働行為に出てきた。
 ジェコー労組はこの攻防の中で行田地域の派遣労働者の組織化を進め、リーマン・ショック後の派遣切りに立ち向かうホンダ系部品メーカー・ショーワの労働者と結びついた。闘いはさいたまユニオンに結集したショーワの派遣労働者のスト決起、ジェコー労組の解雇撤回ストへと発展した。
 この闘いはまた、夜勤労働という資本主義の犯罪的労働形態との闘いの呼びかけと開始だった。
 中央労働委員会は昨年10月18日、解雇撤回を目指してショーワとの団体交渉を求めたさいたまユニオン組合員の訴えを棄却した。また、さいたま地裁は1月7日、解雇撤回を求めたジェコー労組組合員の訴えを棄却した。ショーワ中労委反動命令、ジェコー反動判決を打ち破る道は階級的労働運動の復権と労働組合の再生にある。
 今やショーワ・ジェコー闘争は、国鉄決戦と結合して、4・26自治労ストとの歴史的な合流を果たそうとしている。安倍政権は「公務員の身分保障という岩盤を突き崩す」ことをもって、労働者総体を「解雇自由」の非正規職とし、雇用破壊・賃金破壊を極限まで推し進めようとしている。資本主義の断末魔としての破綻した新自由主義の極限化だ。
 4・26自治労全国ストとショーワ・ジェコー闘争の合流こそ、6千万労働者階級が非正規職撤廃・外注化阻止・生存権死守でストライキに立ち上がる情勢が来たことを示している。総反乱は始まった! 解雇・賃下げ、非正規化、団結破壊に腹の底からもっと怒ろう! 労働者の団結で労働者派遣法を撤廃させよう。4・26自治労ストとショーワ・ジェコー弾劾行動を打ち抜いて、5・1メーデーに決起しよう。
 (埼玉・小川徹)
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【要項】 ショーワ・ジェコー弾劾行動
 非正規では生きられない! 派遣切りから4年
 ショーワ・ジェコー弾劾行動
 4月26日(金)正午〜 ショーワ行田本社工場正門前抗議行動・包囲デモ(行田市藤原町1-14-1)
 午後2時〜 集会
 午後4時〜 ジェコー弾劾デモ/通用門前抗議行動(行田市富士見1-4-1)
 主催 非正規職撤廃4・26行動実行委員会

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週刊『前進』(2580号3面4)(2013/04/15 )

 役員選挙を闘って 三浦半島教労部会

 青年労働者の怒りと結びついて非正規化推進の規約改悪と対決

 この2〜3月の三浦半島地区教職員組合役員選挙において、三浦半島教育労働者部会の仲間が委員長・副委員長(2人)・書記長の三役に立候補し、「教育の民営化絶対反対・非正規職撤廃! 闘う労働組合をつくり出そう!」と全組合員に真正面から訴え、全力で闘いぬきました。
 今回が9回目の挑戦ですが、転換的な選挙を闘い抜き、新たな手応えを得ました。選挙結果は三役4候補への支持率が13%でした。世代交代が進む中で200人もの組合員の固い支持が続いていることは大変大きなことです。しかしこの壁を突破できなかったことは悔しい限りです。

 非正規組合員の権利剥奪が争点

 今年の役員選挙では、現執行部が提案してきた組合規約改悪が大きな争点でした。
 現執行部は「組合の意思決定をともなう機関会議を非正規職員に委ねられない」として、被選挙権や選挙権という組合員権の全面剥奪(はくだつ)を打ち出してきたのです。規約改悪を急ぐ現執行部は、現行規約の「大会の審議を経て」という改廃手続きすら無視して、今回の規約改悪を進めようとしました。
 執行部が非正規職組合員の組合員権の全面剥奪を提案したのは、非正規職の雇い止め攻撃とはけっして闘わないという宣言です。実際、現執行部は「執行役員に立候補して当選しても、雇用がなければ資格を失うことになる」と発言しました。非正規職組合員が雇い止めとなっても組合は争わないということです。これは非正規職化を労働組合が促進するものです。
 国労本部による闘う闘争団員の組合員資格剥奪をめぐって裁判が闘われています。組合が解雇撤回を闘う組合員を排除することは、労働者の団結を破壊する、労働組合の根本的な変質を意味します。これが連合労働運動の実態です。
 私たちはチラシを持って3度にわたって100分会を直接訪問し、職場会を訪問するなどして、この規約改悪が今日の資本権力による非正規職化攻撃を追認するものであること、正規・非正規の分断を打ち破って労働組合が非正規職撤廃闘争を闘うべきこと、全組合員の反対投票で規約改悪を阻むべきこと、さらに正規・非正規が今こそ職場から団結して階級的労働組合をつくり出すべきこと、労働組合のあり方が労働者とりわけ青年労働者の未来を決することなどを必死で訴えました。

 「今までで一番頑張れた選挙」

 現場からは4候補に、「今の執行部は非正規組合員が権利を主張したらまずいと考えている」という怒りの声や、非正規組合員の「規約改悪に反対するみなさんを支持します」という推薦も寄せられました。また執行部に対して、多くの分会から「これは地公法違反・憲法違反ではないのか」という指摘が続出しました。正規・非正規を問わず職場で団結をつくるために奮闘する組合員にとって、この規約改悪は執行部による分会の団結破壊にほかなりません。
 民営化・非正規職化は何よりも労働組合破壊、現場労働者の団結破壊です。そして労働者にとって団結こそが闘う武器です。それを組合の側が破壊することをどうして許せるでしょうか。
 今回の選挙では、この民営化・非正規職化に対して職場・分会の団結をかけて、“職場に組合を。闘いは職場から”を本格的に実践し、現場からの反乱の第一歩を築くことができたと考えています。だからこそ、候補者を先頭に「今までで一番頑張れた選挙戦」と言い切れます。
 その結果、組合規約改悪に対して、318票(21・7%)の反対票が投じられました。2割以上の組合員があいまいさなく「非正規組合員の切り捨てに絶対反対」の意思を示したのです。闘えば闘っただけ必ず組合員は応えてくれるという自信になりました。

 労働者の団結こそ青年の展望だ

 また今回の選挙戦を三教組の中に闘う団結を拡大する選挙戦としても意識的に闘いぬきました。選挙戦の渦中で、非正規組合員との出会いや具体的な団結が生まれ、規約改悪に分会丸ごと反対する拠点も生み出され、コンピューター合理化や新自由主義教育との闘いをめぐり青年労働者との討論も広がりました。このことが大変重要です。
 多くの青年労働者が、公務員バッシングや公教育への攻撃、闘わない労働組合がつくり出す失望の中で悩み苦しみながら、しかし自らの労働を奪い返し誇りを持って生きていくために、必死に闘っています。この断固たる立場や怒りはけっして半端なものではなく根底的なものです。この青年労働者の怒りと結合する寸前まできていることを痛感しています。一切は私たちの変革と飛躍にかかっています。闘いはこれからです。
 動労千葉を先頭に国鉄闘争が外注化後も闘い抜かれています。さらに青年の未来をかけて雇用破壊・賃金破壊と対決する4月ストとメーデー闘争が新たな決意で呼びかけられています。国鉄決戦と反原発を非和解的に闘う労働組合が次々と生み出された時、社会を変えることができます。
 今、大きな意識転換が社会でも、職場でも始まっています。青年労働者は、社会を変える路線と団結する労働者の組織に展望を見いだすのです。
 退職金400万円削減と7・8%賃下げに対する現場労働者の怒りの激しさに追い詰められ、自治労中央本部は4・26全国統一スト方針を打ち出しました。
 ストライキで力関係を変えよう。今こそ労働組合の出番です。職場で闘い、職場の団結をつくり出し、連合指導部をぶっ飛ばし、一日一日を決戦として階級的労働組合をつくり出しましょう。
 (神奈川労組交流センター三浦半島教育労働者部会)

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週刊『前進』(2580号3面5)(2013/04/15 )

 闘いは進む 青年の職場から

 自治体 人員削減ゆえの長時間労働うち破りたい

 関東 立花潤

 庁舎から駐車場へ向かう途中で後ろを振り返ると、建物の5分の1ほどの窓にまだ明かりがついている。いつも大体同じだ。もう夜の10時も過ぎている。自分の仕事が終わらない。そもそも自分一人では仕事は完結しない。だから当たり前のように残業。なんだかんだで10時。そのうち、それも賃金に含まれているような感覚にされて、昇進するとさらに残業代はつけにくくされる。
 「仕事は人についてくる」とはよく言ったもので、ある担当者に仕事がどんどん集中してしまう。入庁後、そんな職場を見て「どう考えてもおかしい。なんとかしたい。組合にはそういう力があるはずだ」と思い、しばらくしてから組合の支部役員になった。
 人数の多い世代が退職し始めたら、職場から一気に人が減り、平均年齢がぐっと下がった。この10年間で職員数は1千人減り、非正規職員が600人を超えた。
 「仕事を整理するか、今まで職員5人でやってきた部署を3〜4人にして、簡単な仕事は臨時職員に任せて効率的にやるしかない」と言い放った人事課長もいた。「自分たちで人員を減らしておいて、その言いぐさはないだろう」と思った。
 数年前、残業が多い事務所を対象に36協定(労働基準法第36条にもとづく超過勤務、休日労働に関する労資協定)が試行された。でも2年くらいで消滅した。自分が働いていた事務所でも機能しなかった。若手が多い課にはできるだけ作業を回さないようにした。
 別の事務所で、残業が多すぎる職員がいて、仕事のやりくりをしたこともあった。一人ひとりが別の仕事をしているから相当大変だったと思う。「なぜ人の仕事をやらなければならないのか」との声もあったと聞く。
 「東証一部上場の売り上げ上位100社の7割が時間外労働80時間以上を認める協定を結んでいる」と新聞が報じた。民間では36協定が殺人的な長時間労働と人減らしの道具になり果てたのかと思ったが、自治体職場も実情はほぼ同じだ。
 当局は一昨年の交渉で「36協定を締結しよう」と言い始めた。残業代縮減のためであり、メンタル関係のアンケートで「問題がある」とされた職員が半数を超えたからだろう。しかし問題の原因は職員の減らしすぎにある。36協定締結は組合が要求してきたことだが、最近は時間外勤務の管理を問題にして、不払い残業代の問題に焦点をしぼってしまった。そもそも組合は36協定試行の実態さえもつかみ切れていない。
 すべてのつけは今の、そしてこれから入ってくる青年労働者へ回される。自分も長時間労働の真っただ中の一人。仕事に責任を取るためにも、自分が闘うしかない。団結をかちとるために。その実践として4・26ストライキ貫徹へ全力を投じたい。

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週刊『前進』(2580号4面1)(2013/04/15 )

 4・28沖縄・憲法闘争へ

 「主権回復式典」徹底弾劾し改憲絶対阻止・安倍打倒を

 米帝の新軍事戦略のもとで、米日帝国主義が中国・北朝鮮に軍事重圧を激しく加え、一触即発の戦争危機をつくりだしている。その中で、帝国主義間争闘戦からの脱落の危機にあえぐ日帝・安倍政権は、労働者人民に階級戦争をしかけ、改憲の攻撃を強めている。4・28沖縄・憲法闘争が決定的に重要な闘いとなった。「とめよう戦争への道!百万人署名運動」が主催する「福島・沖縄の怒りとつながり、国際連帯で改憲と戦争を阻もう!4・28全国集会」(要項1面)に参加しよう! そして全国で4・28闘争、5・1メーデー、5・15沖縄闘争を闘い、極右改憲の安倍政権を打倒しよう!

 沖縄の怒りと結び4・28を闘いの日に

 4・28闘争は第一に、「主権回復の日」4・28政府式典に対する怒りを爆発させ、沖縄の労働者階級人民とともに安倍政権に反撃をたたきつける日である。
 安倍は「アメリカと交渉することもかなわなかったという状況にあった……あの時の判断があり、(主権回復が)沖縄の復帰ということにつながっていった」(3月12日の衆院予算委)と言ったが、二重三重に許せない。
 沖縄は、第2次大戦−日米戦争において天皇ヒロヒトと軍部の決定により「本土防衛」の「捨て石」とされ、住民を総動員した凄惨(せいさん)な地上戦の果てに20万人余が犠牲になった。終戦後、米帝は沖縄をアジア支配のための軍事拠点とすべく、住民から暴力的に土地を奪い、基地建設を開始した。これに対し、日帝は「アメリカが沖縄をはじめ琉球の他の諸島を軍事占領し続けることを希望する」という「天皇メッセージ」(1947年9月)をもって応え、沖縄を米帝支配下に進んで売り渡した。
 そして52年4・28サンフランシスコ講和条約と日米安保条約の発効に際し、沖縄は日本から分離されてアメリカの支配下に置かれた。以後20年にわたり、沖縄の住民は憲法さえ適用されない軍政下で塗炭の苦しみを強いられたのだ。
 この一連の過程を安倍は「あの時の判断」として正当化し、「沖縄の復帰につながった4・28」などと言っているのである。絶対に許せない。
 まさに4・28こそ、沖縄に犠牲を集中し、その後の「基地の島」の固定化の出発点となった日である。だからこそ沖縄の人びとはこの日を「屈辱の日」と呼び、本土「復帰」前から4・28沖縄デー闘争を闘ってきたのである。
 ここで重要なことは、日帝・支配階級が、沖縄県民の怒りの火に油を注ぐようなやり方しかできないところに追いつめられていることである。階級支配の破綻は極限に達しているのだ。安倍は4・28政府式典と一体で、オスプレイの追加配備(7月)と辺野古新基地建設(さらには南西諸島への自衛隊基地建設)強行の攻撃をかけている。だが、沖縄の怒りを国家暴力で圧殺することは絶対にできない。沖縄では、政府式典と同時刻に抗議大会を開催することが決まった。4・28を日米安保粉砕の歴史的起点にしよう。新自由主義と闘う労働者の国際連帯で、安保・沖縄闘争の歴史的勝利をきり開こう。

 改憲は統治形態の転換をかけた攻撃

 4・28闘争は第二に、改憲絶対阻止・安倍打倒を高々と掲げて闘うということだ。
 安倍は「憲法も教育基本法も、主権を失っている期間にできた」(3月8日の衆院予算委)と主張し、「主権回復した際に、直ちに自主憲法の制定と国防軍の創設をすべきだった」(安倍も加わっている主権回復記念日制定議員連盟の設立趣意書)と表明した。さらに「憲法第96条の改正で、憲法改正の可能性が出てくる」(4月9日の衆院予算委)と、96条改憲から着手することをあらためて主張した。
 こうした中で石原と橋下を共同代表とする日本維新の会は初の党大会を開き(3月30日)、「日本を孤立と軽蔑の対象に貶(おとし)め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正する」というおぞましい綱領を採択した。
 これらは現行憲法の全面否定であり、改憲衝動が支配階級の中で極点に達していることの表れである。
 こんにちの日帝の改憲攻撃とは、戦後憲法体制下の労働者支配のあり方を暴力的・クーデター的に全面転換する新自由主義の攻撃としてある。例えば日本維新の会は「統治機構の作り直し」(維新八策)を最大課題として主張し、日本経団連は「統治制度の抜本的な見直し」を掲げて道州制導入を求めている。問題となっていることは、限界に達した階級支配の危機である。
 激化する新自由主義は労働者階級の最低の生存条件さえ破壊してきた。すなわちそれは、日帝・支配階級が自己の延命のために、戦後憲法下での階級支配の前提条件そのものをぶち壊してきたということである。青年労働者の怒りや不満の広がりと爆発を戦後的・憲法的秩序の中に抑え込むことなどとうていできない。残るは国家暴力による支配しかない。つまり、民主主義の仮面など捨て去って、ブルジョア独裁むき出しの暴力的な統治形態に転換するということだ。この衝動が歴史的な改憲攻撃となって噴出しているのである。改憲と「アベノミクス」は完全に一体の攻撃だ。
 この改憲をめぐる激突は、本質的にも現実的にも革命の問題に発展せざるをえない。だからこそ支配階級は「新たな捜査手法の導入」などの治安弾圧強化を推し進めている。「階級的労働運動路線の全面的推進で、日帝の戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう」という戦略がよりリアルな実践テーマとなっている。その課題に断固として挑んでいこう。

 国際連帯で戦争と改憲を阻止しよう

 4・28闘争は第三に、全世界の労働者階級の国際連帯、労働者国際主義をしっかりと打ち立てて闘うことである。
 日帝・安倍政権の改憲と戦争の攻撃は、国益主義と排外主義の扇動の中で進められる。実際に「北朝鮮の脅威」をめぐって、あるいは釣魚台(尖閣諸島)をめぐって排外主義があおられ、日米共同の侵略戦争策動が進められている。こうした情勢の中で展望を語れる闘いでなければならない。
 労働者階級人民にとって改憲反対と戦争反対は直結している。「日本はかつて残虐なアジア侵略戦争を行った。それを繰り返してはいけない」という従来の反戦運動の意義を踏まえつつ、反戦運動の内実の発展を切り開いていこう。
 いま世界で起こっている、そしてこれから起ころうとしている戦争は、世界大恐慌と大争闘戦のもとで帝国主義、大国同士が資源・市場・労働力を奪い合って激突することによって起こる戦争である。そういう情勢の中で、それぞれの国で労働者が「生きさせろ!」の闘いに立ち上がっている。同じような状況に置かれ、同じ敵と闘っている。だから「労働者階級は国境を超えてひとつになって、戦争と大失業を強制する資本家階級を打倒しよう」と呼びかけることだ。
 戦争になれば、日本と中国・朝鮮・アメリカの労働者人民が分断され対立させられて、互いに殺し合う関係に突き落とされてしまう。そういう戦争に絶対反対だ、その戦争を阻止するために、国際連帯で各国の支配階級に立ち向かおうと訴えよう。
 4・28政府式典に対して「真の主権回復を求める集会」を対置したり、日帝の代弁者となって「尖閣は日本の領土」と叫ぶ日本共産党では、日帝の改憲・戦争攻撃と闘えるはずもない。
 階級的労働運動の力で新しい改憲阻止闘争を切り開こう。日共が描いているように、明文改憲案が国会で発議されて、国民投票で決戦になるということではない。そんな待機主義ではけっして闘えない。新自由主義の改憲攻撃との激突は、すでに労働組合をめぐって、大震災被災地をめぐって、沖縄をめぐって、原発をめぐって激しく闘われている。青年労働者を先頭にした「生きさせろ!」の闘いこそ改憲・戦争阻止の最大の力だ。
 安倍政権の安保・沖縄、原発、改憲攻撃との闘いは、まさに国際階級闘争のテーマとなっている。4・28沖縄・憲法闘争を全力で闘おう。

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週刊『前進』(2580号4面2)(2013/04/15 )

 官邸前 政府と規制委に怒り

 青森からの発言に歓声

 首相官邸・国会前での金曜行動がますます熱を帯び広範な人びとの参加で闘い抜かれている。4月5日、首相官邸・国会前行動では青森県から駆けつけた男性、ドイツ人の参加者、さらに何組もの親子連れなど多くの人が「大飯を止めろ!」「再稼働反対!」の怒りのコールを繰り返した。
 首相官邸に向け発言が始まった。青森の男性は「東京の人たちと連帯するために青森から来ました!」と第一声。さらに「青森にいくつ核施設があると思いますか。むつ市では使用済み核燃料の中間貯蔵施設が建設中。大間原発は建設が再開されました。六ケ所村にある使用済み核燃料はどうするんですか!」と、原発と核施設の密集地となっている青森の現状を告発した。続いて「私たちは東京と、そして世界とつながっています。私もこの冬、青森の金曜行動にほとんど参加してきました。猛吹雪の気温零下の中で市民に訴えてきました。東京の皆さんも大変でしょうが、全国で闘っている反原発の皆さんに連帯してください。世界に連帯してください」と胸に迫るメッセージ。参加者の胸には、自分たちの行動が全国・全世界とつながっていることの確信と感動がいっぱいに広がり、官邸前は一斉に拍手と歓声に包まれた。
 年輩の女性は「今、原子力規制委員会は原発の新安全基準で『特定安全施設に5年間の猶予期間を設ける』と言っているが、めちゃくちゃなことをやるな。その前に大飯原発を止めろ! 大飯原発の敷地の下には活断層がある。あそこで事故があったら関西全域が住めなくなる。使用済み核燃料もどうするんだ!」と規制委員会を激しく弾劾した。
 国は3月29日、経産省前テントの代表2人に対しテントの撤去と土地の明け渡しを求め、東京地裁に提訴した。絶対に許せない! 
 自治体労働者の4・26ストを先頭に4月決戦を打ちぬき、経産省前テントを守り抜こう。安倍政権の原発推進策動を阻止しよう!
(写真 多くの参加者が「福島を忘れない」「全国、全世界と連帯しよう」と訴えた【4月5日 霞が関】)

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週刊『前進』(2580号4面3)(2013/04/15 )

 空港廃港まで農業続ける

 3・27農地裁判 市東孝雄さんの最終意見陳述

 三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんは3月27日の農地裁判最終弁論で、6年間にわたる裁判闘争の集大成として、成田空港会社の悪らつ非道な農地取り上げ攻撃を弾劾し、あらためて「農地死守」の不動の決意をたたきつけた。労農連帯の真価をかけ、市東さんとともに7月29日の反動判決粉砕へ向け闘おう。市東さんの意見陳述書を掲載します。(見出しは編集局)
(写真 開廷を前に千葉地裁包囲デモの先頭に立ち裁判勝利への気概を示す市東孝雄さん【3月27日】)

 卑劣なやり口に抗議する

 私がこの法廷で証言した2日後の先月20日、千葉地方裁判所の執行官が無断で私の建物に踏み込んで、「占有を解いて、執行官に引き渡さなければならない」と書いた紙を貼りました。作業場、ハウス、離れなどは私のものなのに、あのような貼り紙を貼られなければならないのか、私は、はらわたの煮えくりかえる思いです。
 いったい、正義はどこにあるのか! と私は叫びたい。
 また、今回の準備書面で、空港会社が仮執行宣言を求めていることに対しても強く抗議し、その撤回を要求します。空港会社は、仮執行宣言の根拠として誘導路の効率化とGSE(航空機の清掃などのための特殊車両置き場)/ULD(航空貨物用コンテナ置き場)計画の遅れをあげています。しかし空港会社の欲望のためや、つじつま合わせの架空の計画のために、裁判の確定をまたずに私から畑を奪うなどというおごったやり方に我慢できません。

 農地は農民の命 汗流し耕した畑

 私は証言で裁判長に対して、判決を書く前に天神峰の畑に立ってほしいと訴えました。農地というものが、普通の土地とはまったく違う生きた土であること、その土は農家の日々の労働によってつくり出され、人間はその土から生み出される作物によって生きている、――ビデオでも明らかにされたこのことを、実感としてとらえてほしいと念願します。
 空港会社は私の畑を、単なる空港予定地としてしか見ておらず、強制執行で取り上げればいいと考えているのであり、千葉県も成田市も住民を守る立場を忘れて加勢しています。
 しかし東峰地区の人びとを含めて私たち農家の思いは違います。農地は農民にとっての命です。畑はみんな同じように見えるかもしれませんが、それぞれまったく違います。何年にもわたって汗を流し、自分の思う畑に作り上げるのです。私の場合、長い年月をかけてつくった畑から完全無農薬の有機野菜が生まれ、それを待つ消費者のもとに届けられます。
 空港の「公共性」を言うのなら、農業と農地にはそれに優るとも劣らない公共の価値があると、私は強く訴えたいと思います。
 離作補償で近隣農家の平均収入の150年分だとかの勝手な計算はまったく人を愚弄(ぐろう)するものであり、私に農業をやめろということであって、絶対に受け入れることはできません。

 農地法悪用は許されない

 私は農地法で農地を取り上げることがどうしても納得できません。
 1988年、空港公団は空港予定地にかかるこの農地を土地収用法で強制収用しようとしました。結局それができなかった空港公団は、この畑が賃借地であることに目を付けて、農地法20条の賃貸借の解約で取り上げようとしてきたわけですが、裁判所はこれを本当に正当な訴えと認めるのでしょうか?
 私の畑は大正の始めから3代100年近く、耕作してきた農地です。父親の戦地からの帰還が遅れたために農地解放からは外れてしまいましたが、その間に農地法が制定されました。これによって小作人の権利は、所有権と同等の力をもつと聞かされてきました。農地法は農地と農民の権利を守る法律です。
 ところが空港会社はこの農地法を使って農地を取り上げようとしています。これは、土地収用法を使った強制収用とまったく同じです。農業をやめろということであり、到底認めることはできません。
 1988年の農地の秘密買収、書類の偽造と15年間にわたる地代のだまし取り、農地を空港用地に転用しないで農地として持ち続けてきた事実。空港会社は、農地法にもとづいて適法に農地を取得し保有してきたとは、とても言えません。この違法な空港会社が、耕作者の私に対して明け渡しを請求することがどうしてできるのでしょうか。
 農業委員会も農業会議も、空港会社の違法の数々にフタをしたまま手続きを進めてきました。位置の特定が間違っているから調べてほしいという私の必死の訴えさえ取り上げませんでした。それどころか、GSE/ULDでは、千葉県が空港会社に助け船を出して架空の計画を作らせました。

 住民の生活破壊する空港の暴挙

 第3誘導路が供用を始めてから約3週間、騒音は徐々に激しくなってきました。東峰地区の入会地である「東峰の森」をつぶし、200億円をかけて建設した誘導路はもう使われません。いったいなんのために3本も誘導路を造ったのか? 空港建設に反対する私たち農家へのいやがらせです。
 他方、当初から地元住民に約束してきた深夜早朝の飛行時間制限を、国と空港会社はLCC(格安航空会社)の便宜のために撤廃しました。飛行直下の住民には夜などなくてもかまわない、住民の健康などどうでもいいという姿勢です。
 取香地区では空港を広げるための買収に入ったことが報道されました。暫定滑走路の関係で、空港敷地の拡張はこれが4度目です。すべて空港建設の行きづまりがもたらしました。それによって森が壊され地区が分断され、家や畑が空港の奥深くコンクリートで囲まれ、騒音がどんどん拡大しています。
 空港なら、何をやってもいいというものではないはずです!
 この裁判は農地の賃貸借の解約と知事の許可決定の不当・無効を争う裁判ですが、この裁判で明らかにされた違法・不当の数々は、いま申し上げた住民の生活破壊とひとつのことだと思います。

 農地取り上げ絶対許さぬ

 1993年6月に空港公団は収用裁決等の強制収用のための手続きを取り下げ、事業認定処分も失効し、土地収用法によって農地を取り上げられなくなったと聞いて喜び、安心して天神峰で農業ができると思い、父東市が99年1月に死亡した後、父の遺志を継ぎ、天神峰に帰りました。
 私は、私の家が90年にわたって農業を続け、有機無農薬の産直農業で生計を立て誇りをもって生きています。今回の小作地の解約許可処分は、私のもっとも大事な天神峰と南台の2カ所の畑を取り上げることにより、農民として消費者に安全な野菜を育てている農地を奪い、かつ農民として農業に生きる権利を奪い、生存権を全面的に侵害するものであります。
 市太郎、東市、私と3代90年にわたり連綿と守り続けてきた農地を空港に必要だから取り上げるなどということを認めるわけにいきません。
 日本国憲法にも農地法にも違反する無効なものです。私はこのような小作権解約攻撃を絶対に許すことはできません。
 私はこの裁判は、耕す者に権利ありの裁判だと信じています。私は何がなんでも天神峰でこれからも農家を続けていきます。親父の遺志でもあります空港廃港まで続けていきます。
 耕す者に権利あり!
空港のコンクリートを引きはがし、元の農地にして返せ! ――裁判長に私たち農民の声よ届け、と念じます。
 私の農地裁判は、TPP・農家つぶしと闘う全国の農民、放射能に負けずに頑張る福島・被災地、基地撤去を求める沖縄の人たち、そして多くの労働者との連帯の証であることを最後に申し上げて私の陳述とします。
 以上。

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週刊『前進』(2580号4面4)(2013/04/15 )

 2013年日誌 4月2日〜8日

 日銀、過去最大の量的緩和/北朝鮮ミサイルに「破壊命令」

●北朝鮮が黒鉛炉再稼働を宣言 北朝鮮の原子力総局報道官は、07年の6者協議の合意により停止していた黒鉛減速型原子炉を「再稼働する措置をとる」と発表した。(2日)
●経産省、関電・九電の値上げ容認
経済産業省は、関西電力と九州電力の家庭向け電気料金の33年ぶりとなる抜本値上げを認めた。(2日)
●産業競争力会議、「アベノミクス特区」提言へ 産業競争力会議は企業が農業に参入する際の規制緩和などを地域限定で進める「アベノミクス特区」を提言する方針を固めた。(3日)
●米、グアムに迎撃ミサイル 米国防総省は、北朝鮮のミサイルに備えるため、新型の移動式ミサイル防衛(MD)システムを数週間以内にグアムの米軍基地に配備すると発表。(3日)
●核燃施設の稼働延期 原子力規制委員会事務局は日本原燃に対し、12月に施行される新基準に適合しなければ六ケ所再処理工場の完成とむつ中間貯蔵施設の操業開始(いずれも10月予定)を認めないと伝えた。(3日)
●量的緩和過去最大の130兆円 日本銀行は、金融政策決定会合で新たな量的緩和を決定、日銀が市場に流す資金の量を2年で130兆円分増やし、規模を2倍にすると発表。(4日)
●自民、憲法審査会で首相権限強化主張 自民党は衆院憲法審査会で改憲草案を説明し、国防軍の最高指揮権を首相が閣議に諮らずに行使できる専権事項とすることなどを主張。(4日)
●普天間オスプレイ、米比合同演習へ
 5日から17日にかけてフィリピンで行われる米比合同演習「バリカタン」に使用するため、普天間飛行場からオスプレイ4機が飛び立った。(4日)
●「普天間返還22年度またはその後、県内移設を条件に」日米合意 日米両政府は沖縄・嘉手納以南の米軍6施設・区域の返還・統合計画に合意した。普天間飛行場の返還は名護市辺野古移設を前提に「2022年度またはその後」と明記。(5日)
●福島第一汚染水漏れ120d 東電福島第一原発内の地下貯水槽から放射能汚染水が漏れた問題で、東電は漏れた量の推定を約120d、放射能は約7100億ベクレルと発表した。事故前の年間排出上限の約3倍で、11年12月の事故収束宣言以来最大。(6日)
●防衛相、ミサイル破壊命令 小野寺五典防衛相は北朝鮮の弾道ミサイル発射に備え、自衛隊に破壊措置命令を出した。ミサイル発射予告がない段階での命令は異例。(7日)
●PAC3、沖縄に常時配備へ 空自の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が4月下旬から沖縄に常時配備されることが分かった。(7日)
●4・28政府式典、沖縄で抗議大会開催へ 沖縄県議会の野党・中立系5会派は「4・28『主権回復・国際社会復帰を記念する式典』に抗議する沖縄大会」を政府式典と同時刻に宜野湾海浜公園で開催することを決定。18日に実行委員会を結成する。(8日)
●日米韓イージス艦展開 北朝鮮の弾道ミサイル発射に備え、海上自衛隊はイージス艦2隻を日本海に展開。日米韓併せて7隻のイージス艦が情報収集などを目的に展開している。(8日)

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週刊『前進』(2580号5面1)(2013/04/15 )

 4・6〜7青森「反核燃の日」 核燃サイクルへ怒りあふれ

 六ヶ所と青森市で連続闘争

 4月6〜7日、2013年「4・9反核燃の日」が青森市内と六ケ所現地で闘われた。福島圧殺と改憲・戦争、核武装のための原発再稼働と核燃サイクル推進への怒り、労組つぶしと雇用破壊への怒りが、安倍政権打倒へ向かう一つの怒りの塊となった。結成1周年を迎えたNAZEN青森の奮闘は全体を牽引(けんいん)した。

 NAZEN青森が集会

 4月6日午後5時、青森市文化会館でNAZEN青森結成1周年集会が開催された。昨年に続き、南部バス労組書記長が司会を務め、委員長の間山正茂さんが開会あいさつを行った。
 集会のメインは、福島県飯舘村の長谷川健一さんの「原発に〈ふるさと>を奪われて」と題した講演だ。長谷川さんは、酪農家、区長、県酪農組合の役員の立場で、3・11当時の国、県、村と村民の動きをつぶさに見てきた。3月14日役場に行ったら、職員が「大変なことになっている。40マイクロシーベルトある」と言った。しかし、国や県はSPEEDI、米軍提供の情報を隠し、住民を無用に被曝させた。学者が村に入って安全説法をし、村民が普通の生活に戻っていった中で、雨どい下1000マイクロシーベルトが測定された。近くで子どもが外で遊んでいた。結局4月11日に避難設定が出されたが、その前日には、近畿大学の教授が「子どもが外で遊んでも大丈夫。マスクもいらない」と講演。その翌日の避難命令に村民はふざけるな!と怒った。長谷川さんは、牛を屠畜(とちく)しないために国とやり合って、近隣酪農家に引き取ってもらったこと、相馬市の酪農家仲間が「原発さえなければ」と書き残して自殺したこと、隣地区の102歳のおじいちゃんが計画的避難方針が出た後に「俺がいたら足手まといだべ」と一番良い服を着て自ら命を絶ったことなどを話した。最後に「実際にふるさとを奪われ、初めてその本当の意味が分かった」と講演タイトルの意味を語られた。福島の「ずうずう弁」、がらがら声で率直かつ簡潔に話す長谷川さんの話はズッシリと心に響いた。
 講演に先立ち、NAZEN青森共同代表の岩田雅一牧師が「これから1年をどう闘うか」を提起。90年代有事法制とPKO派兵を軸にした戦争国家化と92年東海村への返還プルトニウム搬入(核入手)を一体でとらえ、90年代を時代の転換期と確認。それから20年後の安倍政権の登場を新たな転換期として認識しようと訴えた。六ケ所再処理工場を軸とした下北半島核基地化を撃つ青森の闘いは、安倍自民党政権との決戦の一環であると提起した。
 共同代表の中道雅史さんが、むつ中間貯蔵施設と大間原発との闘いが原発再稼働阻止、核燃サイクル粉砕にとって重要な闘いであることを訴え、集会を終えた。集会は60人の結集で成功した。

 再処理工場門前に300人

 翌7日、六ケ所再処理工場門前で抗議集会が行われた。
 NAZEN青森は独自の前段集会を開催した。8・6−8・9反戦反核統一実行委の三角忠事務局長は、広島、長崎、ビキニが核燃サイクルにつながっていて、一体として闘わなければならないと提起。福島・百万人署名運動の長沢宏さんは、ふくしま共同診療所開院を報告し、さらなる協力を訴えた。NAZEN青森の仲間は、「福島のような事故が起これば、下北半島は壊滅する。絶対に止めよう」と訴えた。
 全体集会は自治労の大部隊も含め300人の結集で闘われ、再処理工場に向かって怒りのシュプレヒコールを上げた。
 集会後、六ケ所村内デモへ。今年は県内市民運動有志でつくられた「みらいアクション青森」主催のデモで、労組動員部隊も参加し、雨が降る中100人のデモが打ち抜かれた。窓から手を振る老夫婦や写メをとる若者がいた。
 6日には青森市内で、午前中に80人の結集で市民集会、午後に労組動員を軸に1236人の結集で2013年「4・9反核燃の日」全国集会が開かれ、山本太郎さんもかけつけた。NAZENの仲間は、福島診療所リーフレットや7・8%賃下げ粉砕ストを呼びかけるビラをまき、解雇撤回・JR復帰10万筆署名を集めて闘った。
 (青森・坂井雅茂)
(写真上 NAZEN青森結成1周年集会。長谷川健一さんが3・11当時の飯舘村の現実をつぶさに語った【4月6日】)
(写真下 「4・9反核燃の日」全国集会に1236人が参加し、核燃施設と原発にノーの意思を表した【4月6日 青森市】)

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週刊『前進』(2580号5面2)(2013/04/15 )

 福島原発事故 汚染水処理が完全破綻

 海洋投棄狙う東電を許すな

 福島第一原子力発電所の汚染水対策がついに破綻した。地下貯水槽の水漏れが相次いだことで、東京電力はその使用の中止を宣言した。追い詰められた東電は汚染水の海洋投棄を強行しようとしている。断じて許すな。東電と政府の事故責任を徹底追及し、原発再稼働を阻止しよう。
(写真 建設途中の地下貯水槽。穴を掘って防水シートを張っただけのもので、底面にはコンクリートを打つものの側面はそのままだ)

 産廃用の貯水槽が“水漏れ”

 福島第一原発は、原子炉圧力容器も格納容器も地震と津波によるメルトダウンと水素爆発で破壊され、冷却用の水を炉心にかけても全部が原子炉建屋地下に流れ出す状態だ。この高濃度の汚染水は建屋に無数にできたひび割れから流れ込む大量の地下水と混じり合ってより低いタービン建屋の地下に流れ込んでいる。
 この高濃度汚染水をくみ出して処理し、一部を再度冷却用の打ち水として使っている。だが処理した水はセシウムは一定減っているが、ストロンチウムなど大量の放射性物質が残っており、その扱いは膨大な被曝労働を強要するものだ。この汚染水は地下水が流れ込んだ分だけ増え続けている。そして量がなんと毎日400dにもなるという。これを場当たり的にタンクにため続けてきた。福島第一の広大な構内は汚染水のタンクだらけになっている。
 汚染水タンク自体、ボルトで組み立てた簡易型であって、数年すれば継ぎ目から汚染水が漏れ出す危険があると言われている。タンクの増設も限界に近づいていることから東電が「切り札」として持ち出したのが今回破綻した地下貯水槽だ。
 地下貯水槽と言えば聞こえはいいが、地面を縦横50b程度、深さ6b程度掘り下げて、それに防水シートを張っただけの代物だ。経費が安くあがる上に容量も大きいので東電はこれにすがりついてきた。だが施工した建設会社によれば、この工法は産業廃棄物の処分場用であって、水をためる使用実績はないという。
 山間につくられた産業廃棄物の処分場の防水シートが破れて有毒物質が流れ出す公害が相次いでいる。水漏れを起こすことは最初から分かりきっていたのだ。
 地下貯水槽には合計2万7100dの汚染水が保管されている。三つの貯水槽の水漏れが相次いで発覚したことで、東電も10日には地下貯水槽の使用を放棄すると言わざるを得なくなった。汚染水用の地上タンクの空きは2万2千dしかない。そこで東電は真水用のタンク7300d分を転用するとした。それでも余裕はわずか2千d余りであり、1日400dずつ増える汚染水は1週間で行き場を失う。まさに危機的事態だ。

 仮設配電盤など事故が続発

 このような東電のデタラメを追認してきたのが原子力規制委員会である。地下貯水槽方式を認めたのは廃止になった原子力安全・保安院だが、水漏れが発覚した後も更田(ふけた)豊志委員は「今後も貯水槽の使用を認める」などと東電を擁護したのだ。
 3月18日には大規模停電で核燃料プールなどの冷却装置が最大29時間も停止した。東電は事故直後に持ち込んだ仮設配電盤をトラックに載せたまま屋外で2年近くも使い続けていた。その仮設配電盤のすき間からネズミが入り込み、ショートしたと発表している。その他さまざまなトラブルが震災後2年を経て一斉に噴出している。
 福島第一原発でトラブルが続発している原因は何か。それは、事故から2年がたっても、仮設の設備で応急処置を重ね、問題が起きてから対処するという場当たり的な対応を続けているからだ。そして2年を経て仮設設備の寿命が次々に尽き始めているということだ。
 原発事故は収束などしていない。一歩間違えば破綻的事態を引き起こしかねないギリギリの状態が続いているのだ。

 トリチウムの放出をも策動

 東電は震災直後の4月には汚染水約1万1500dの海への放出を強行した。汚染水タンクの増設が限界に近づいている中、今回も汚染水の海洋投棄を狙っている。
 1月24日に東電は、汚染水について、処理装置で放射性物質を除去した後に海に放出する方針を原子力規制委員会の検討会で説明した。
 東電は放射性物質63種類のうち62種類を規制値以下まで軽減すると称する新たな装置を3月30日に試運転させ、7月以降の本格稼働をもくろんでいる。1月の規制委での説明はこの装置を前提にしたものだ。
 これは「多核種除去装置(アルプス)」と呼ばれ、1日最大約500dの処理能力がある。ただしトリチウム(注)は技術的に取り除けない。汚染水中のトリチウムの濃度は、1立方aあたり約1300ベクレル。国の排出基準値の同60ベクレルの20倍以上だ。そこで約20倍以上に薄めれば法律上は投棄できると強弁して海洋投棄を強行しようとしているのだ。
 日帝は青森県六ケ所村の核燃料再処理施設に対して、一連の工程の中で発生する気体・液体の廃棄物は、法令で定める限度を超えなければ、「合理的に達成できる限り低く薄めさえすれば全量を放出してもいい」という方針だ。この核燃方式が福島原発事故で発動される危険性が高い。
 この2年間でセシウム17兆ベクレルが海へ流出しているという調査結果もある。その結果、膨大な魚介類が汚染されており、漁民の怒りは深い。追い詰められた東電による汚染水海洋投棄を絶対に許してはならない。
 〔城之崎進〕
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 トリチウム
 陽子一つに中性子が二つ付いた元素。三重水素とも言う。この元素は自然界にはほとんど存在せず、半減期が約12年で放射能を持つ。陽子が一つなので化学的には水素そのものとして振る舞う。
 そのためトリチウムは酸素と化合して水となって容易に体内に取り込まれ、内部被曝を引き起こす。イギリスのセラフィールド再処理工場やフランスのラ・アーグ再処理工場周辺ではトリチウムを含む放射性物質の垂れ流しで重大な健康被害が発生している。

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週刊『前進』(2580号5面3)(2013/04/15 )

 4・25法大解放集会アピール

 処分撤回・キャンパス奪還へ新自由主義大学に総反乱を

 世界大恐慌−3・11情勢のもとで、安倍政権は「大失業と戦争」攻撃を激化させて、危機を暴力的に突破しようとしている。青年・学生の未来を奪って生き延びる、こんな資本主義はもう終わりだ! ストライキで職場・キャンパスを奪い返そう! 全国の学友は4・26自治労ストと一体で4・25法大解放集会の大爆発をかちとり、新自由主義大学への総反乱を開始しよう!
(写真 正門前で法大生に決起を呼びかける斎藤郁真全学連委員長と洞口朋子さん【4月8日】)

 武田君への無期停学処分粉砕を

 法大文化連盟が呼びかける4・25法大集会は、武田雄飛丸君(国際文化学部、文化連盟委員長)への「無期停学」処分を学生の力で撤回させる闘いだ。
 8年目に突入した法大闘争は、06年3月14日の、ビラまき・立て看板規制に抗議した学生29人逮捕と不当処分から始まった。文化連盟は、08年4月の非公認化と恩田亮副委員長(当時)への不当処分に対し、「一人の仲間も見捨てない!」と立ち上がった。法大闘争は、「他人を蹴落として生きろ」という新自由主義のむき出しの支配に対し、「仲間のために団結して声をあげる」という学生の大反乱だ。
 大恐慌と3・11、そして安倍政権の登場は、学生の生き方を問うている。大学は入学早々から授業・資格・就活で学生をがんじがらめにし、競争と分断をあおっている。青年労働者が使い捨てにされる「ブラック企業」の許しがたい現実は、キャンパスの中から生み出されている。「大学の役割は民間企業と同じだ。学生という原材料を仕入れ、製品として加工し、卒業証書という保証書をつけて企業へ送り出す。これが産学連携だ」(元首都大学東京理事長・高橋宏、05年の「21世紀大学経営協会」総会にて)――これが、学生を商品と扱って恥じない新自由主義大学の腐った本性だ。
 3・11で暴かれた原子力ムラの一角を占める新自由主義大学は、学生の行動を抑えつける一方、原発政策に加担し学問を金もうけの道具にしてきた。今も「放射能=安全」キャンペーンを推進して福島−被災地の人びとに被曝を強制し、原発再稼働の先兵になっている。こんな大学のあり方を絶対に認めない。
 原発・基地をなくして戦争を止め、社会を変える力はどこにあるのか? 昨年霞が関を埋め尽くした反原発20万人デモ、国境をこえて団結する労働者階級の闘い、そして新自由主義大学と闘う法大闘争の中にある。処分撤回闘争は、新自由主義と青年・学生が非和解であることの宣言だ。

 学生ストライキを今こそやろう

 さらに4・25法大集会は、ストライキをよみがえらせ、職場・キャンパスを青年・学生の手に取り戻す闘いだ。時を同じくして、26日には自治体労働者が大幅賃下げ攻撃に対する全国ストライキに決起し、28日には本土と沖縄で労働者階級人民が安倍政権の戦争・改憲攻撃に対する反乱に立ち上がる。ストもデモも経験したことがなかった若者が闘う喜びを取り戻して、全社会を揺るがす闘いを実現しよう。労働者と連帯し4・25法大闘争を爆発させよう!
 4月ストは、安倍政権の大量解雇・賃下げ攻撃への反撃であり、革命に向かって労働者・学生が職場・大学を占拠する歴史的闘いの始まりだ。
 アベノミクスや安倍バブルの正体は、青年労働者への大量解雇・賃下げであり、解雇の自由化=総非正規職化攻撃だ。公務員労働者の7・8%賃下げという戦後最大の賃金破壊−雇用破壊攻撃に対し、4・26自治労ストと動労千葉・動労水戸の闘いを頂点に、5・1メーデー闘争に向け波状的・攻勢的に進んでいく。
 「労働者がいったん決起した場合、社会のあらゆる生産が止まる。これは間違いない事実だ。そういう意味で労働者は社会の主人公である。つまり労働者階級自己解放の思想はマルクス主義以外にない」(中野洋著『甦る労働組合』)。社会の主人公は労働者であり、青年・学生の行動が歴史を動かすことを示そう!

 当局のデマ宣伝と徹底対決する

 4・25闘争でわれわれは法大当局に対し、昨年10・19に続いて再び1千人決起をたたきつける。
 法大当局は4月3日の入学式で、新入生に一方で「『自由と進歩』の理念」を語りながら、他方で文化連盟と全学連を名指しして「危険な学外団体だからかかわるな」「ビラを受け取るな」と恫喝した。また、文化連盟の学生が学内に入ろうとすると、弾圧教授・職員が7〜8人で取り囲み、「ビラを持っている者は入構させない」と妨害した。これが大学のやることか! 入学式に参加した法大新入生は、「『自由と進歩』を語りながら実際にやっていることは矛盾している」「大学の表と裏が見えた」と怒りを表明している。
 8日の開講以降、連日多くの法大生・新入生が処分撤回の署名をしている。法大当局は追いつめられ、なんと昼休みの大音量の構内放送で文化連盟を「業務妨害を繰り返す集団」と誹謗(ひぼう)中傷し、「トラブルに巻き込まれないように」と叫んでいる。これこそ当局の学生観だ。学生の主体的行動を否定し、「巻き込まれる」「だまされる」存在としか見ないのだ。
 福島大学でも「『反原発』などの主張を掲げた過激派団体」「東日本大震災の被災地支援、原発問題の勉強会などを装う勧誘にも注意が必要」という看板が新たにキャンパス内に設置され、「合宿・講演・勉強会・施設見学の誘い、……新入生歓迎会、学内外での集会などに注意」と大書している。要するに「学生は何もするな」「ひたすら、高い学費を納めて授業と就職活動さえやっていればいい」というのだ。こうした重圧をのりこえ、「3・11」2周年の反原発福島行動の先頭に福大生が立った。それを否定し、学生の反原発闘争への決起に恐怖しているのが今の大学だ。
 大学は「考えるな」「行動するな」と学生の目・耳・口をふさぐ一方、学生に対してなんの未来も提示できない。デマ宣伝や弾圧も、決起を抑えることはできない。
 法大闘争は、学生が「監獄大学=法大」の中から誇りと生き方をかけて立ち上がり、新自由主義大学の正体(=教育の民営化)を暴いてきた。法大闘争は、全国−全世界で闘う労働者階級とともに資本主義を打倒する歴史的闘いだ。新自由主義の鎖を引きちぎり、学生の行動で大学・社会を変えよう! 4月25日はその出発点だ!

 中核派に結集しともに闘おう!

  4・25に向かって、武田君の処分撤回闘争を大爆発させよう。武田君は、「処分を恐れず何度でもキャンパス集会をうち抜き、運動の力で処分を撤回させ、大学を学生の手に取り戻しましょう!」(本紙2578号新歓特集)と訴えている。法大−全国大学での処分撤回署名への取り組みを強めよう。
 そして、文化連盟の組織拡大へ挑戦しよう。文化連盟非公認化と同時に当局がつくったCSK(サークル支援機構)は、当局とより一体化して学生に規制を押しつけている。昨年の学祭規制(全面禁酒)に続き、今年からは新歓祭の縮小が一方的に強行された。サークル員の忍耐はもう限界だ。法大当局の学生支配は、このCSK―学祭実の先兵化で成り立っているにすぎない。法大生は闘う文化連盟の旗のもとに結集しよう!
 4・25の高揚から5月沖縄に三けたの学生の大部隊を登場させよう。法大−福島−沖縄を貫く固い団結をつくろう。そして、法大生と全国学友は、マルクス主義学生同盟・中核派に結集しともに闘おう!
 〔マル学同中核派・法大支部〕
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【要項】4・25法大解放総決起集会
 不当処分撤回! 大学の主人公は学生だ!

 4・25法大解放総決起集会

 4月25日(木) 12時40分集合
 法政大学市ヶ谷キャンパス中央
 午後1時30分 法大包囲デモ出発
 呼びかけ 法政大学文化連盟

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週刊『前進』(2580号6面1)(2013/04/15 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 新採の青年らに4・26自治体スト貫徹訴え 千葉 平 均

 4月5日、ちば合同労組は、柏市役所で新年度第1波のビラまきを行い、「7・8%賃下げ反対」と「4・26の全国自治体ストライキ」を訴えました。新規採用の青年労働者などに200部が吸い込まれました。地域の「動労千葉を支援する会」のメンバーもともに参加して、こちらも結束が深まりました。 
 柏市では今年度から3年間かけて平均400万円もの退職金の削減が強行されます(現業職は270万円と言われる)。その上に、安倍政権が強行しようとしている「基本給7・8%削減」が行われれば、青年層も高齢層も生活など成り立たなくなります。柏市長は賃金と年功序列制度に手をつけると公言しており、次には民営化と非正規雇用化が待っています。
 私自身へも、退職金削減が決定後の3月末に「情報提供」として当局から説明があったのですが、たった15分間で、しかも「千葉県市町村総合事務組合で決めたことだから、基礎自治体では団交議題にならない」などというのです。使用者責任はあくまでも基礎自治体です。
 自治労系の組合は「賃下げ提案はまだ出されていない」などと、今回のストについて何もしないありさまで、事実上当局の協力者になっています。何が提案されて強行されているのかほとんど知らされていない中で、具体的な中身の暴露のビラは非常によく読まれているようです。
 千葉には動労千葉、雇い止め撤回を闘う合同労組、三里塚、そして無数の闘う労働組合の拠点があります。メトロや郵政のストライキなどが一つになれば、「アベノミクス」を粉砕していくゼネスト情勢をつくることができるはずです。これからもビラまきと職場オルグで、「動労千葉や解雇撤回のストライキに続こう」と訴えていきます。

 郵政雇い止め許さず非正規職撤廃へ新風 東京南部 藤野ゆり

 3月23日、郵政非正規ユニオンと全国労組交流センター全逓労働者部会の主催で、3・23郵政春闘集会が行われた。外注化阻止・非正規職撤廃が動労千葉を先頭として闘われているが、それは全産別・職場での共通の闘いだ。40万郵政労働者の3分の1が非正規だ。
 3月末雇い止め攻撃がかけられている。A局では傷病中のBさんに不法不当な雇い止め、C局では試用期間中に十分な指導もなくDさんにパワハラ雇い止め。2人は攻撃への怒りと決意を私たちの前で初めて語った。新たな仲間の決起に集会は非常に盛り上がった。雇い止めは多くの職場で隠されつかめない。2人は私たちのビラに触発され連絡がとれて、それが明らかになったのだ。
 今、非正規への雇い止め・賃下げと正規への強制配転攻撃が一体で始まっている。正規同士の分断・非正規同士の分断が「もの言えない職場」にしている。決起した労働者を守り、支える団結が問われている。強制配転絶対反対・雇い止め粉砕の闘いは、郵政労働者の団結と勝利へ新たな展望を切り開く。
 産業競争力会議で解雇自由(金銭解決)、正規の非正規化(無期雇用だが賃金を非正規並に下げる「準正社員」)が話し合われている。9割を非正規化する攻撃だ。新自由主義攻撃下、労働者は闘わずに生きられない。非正規への賃下げ・雇い止めを正規と非正規が組合への団結破壊としてとらえて闘う時、展望は切り開かれる。
 JP労組本部を打倒する新たな闘いが始まっているのは決定的だ。

 驚くほど注目された官邸前の『前進』販売 首都圏学生 大高 健

 金曜日の首相官邸前反原発行動で、学生2人で『前進』を販売しました。午後8時に行動が終わって帰って行く参加者に、新入生歓迎号を広げて「御用学者を追放し、学生自治会建設に向け闘っています。今週号は学生特集です。ぜひ購読をお願いします」と呼びかけると、こちらが驚くほど注目されました。
 「若い人が少ないと思っていたが……」「法政に注目している。良いブログがあるね」「帰って良く読ませていただきます」など、学生への期待がとても大きいことを感じます。「お釣りはカンパするからいい」と言ってくれる方も何人もいます。10分ほどの間に8部が売れました。
 買ってくれる人は若い人から80代までの人です。反原発に不屈に立ち上がっている人たち、国家や資本に腹の底から怒って決起している労働者に『前進』が待ち望まれています。とくに労働組合として被曝労働絶対反対で立ち上がっている動労水戸の闘いや、御用学者を弾劾する学生の闘いが求められています。3・11報道号は、首都圏学生として100部以上を販売・配布しました。
 この春入学した学生との結合もどんどん生まれています。
 「キャンパスから原発を止めよう」と書いたオレンジ色の法大文化連盟旗を目印に来た1年生は、「安倍政権が登場したことをきっかけに自分も行動しないといけないと思った」と語っています。「高校の先生の影響で自分も大学に入ったら参加しようと思っていた」という1年生も官邸前に現われ、ともに闘い始めています。首都圏の学生は『前進』拡大闘争の先頭で決起します。

 星野学習会で全証拠開示の重要性を確信 木村誠一郎

 4月9日、弁護士会館での星野再審・全証拠開示大運動第2回学習会に参加しました。講師は関東学院大学の宮本弘典教授。第1回の金元重さんに続き、全証拠開示運動が全人民的な広がりをもって力強く前進していることを実感しました。
 講演は「戦後刑事司法改革の蹉跌(さてつ)―戦時刑事手続きの残照とその強化」です。戦後の司法は、戦争末期の簡易、迅速、即決の戦時司法がそのまま引き継がれ、とてもまともな司法の体をなしていない。当時、国家警察は廃止され、軍隊も解体された中で、国家は検察官の権限だけは保持することに執着しました。戦前でも認められていなかった検察官調書をそのまま証拠として採用できるようにしたこと、判決をどのように導いたかを明らかにするのに必要な証拠説明をなくしたこと、証拠を個条書きにするだけで良しとしたことなど、極めて問題のある司法のあり方だ、との提起は新鮮で多くを教えられました。
 星野再審では、物的証拠ではなく、闘争に参加した学生たちが権力支配下の密室の取調室で脅されて作られた供述調書が「証拠」として一人歩きしています。それらが「絶対的真実」だとしています。許せません。検察官と裁判官という国家の暴力装置が、星野さんへのデッチあげ、38年間も獄中に閉じ込めている元凶です。この司法のあり方を根本的に変えることが必要です。それができるのは星野全証拠開示大運動を労働者階級人民の力で拡大することによってです。国家権力と非妥協で闘い階級的団結と国際連帯で星野さんを獄中から解放しましょう。
 第3回学習会は、ゴビンダさんを支援してきた客野美喜子さんです。

 第13期党学校で 革共同50年の闘いに革命の現実性がある 竹山 順

 今期の党学校は、『革共同50年史』を作成するための学校でした。
 重要なことは、今日の到達地平を明確にし、そこから革共同50年の闘いを位置づけることでした。単に「あんなことがあった。こんなことがあった」と振り返るのではなく、党と労働組合の一体的前進、階級的労働運動路線の確立に向かって、1960年代以降の闘いのすべてが明確に組み立てられました。
 70年安保・沖縄闘争に、反戦派労働者が武器をとって決起したことの意義も鮮明になりました。逮捕・起訴された労働者のまわりに、「守る会」や「支える会」が職場を基盤にして続々とつくられました。その闘いは、戦後的労働運動の破産を根底的にのりこえるものでした。ここにこそ、「革命の現実性」があると確認することができました。
 そして、この闘いこそがカクマルを破滅の危機に追いつめ、反革命として純化させたのです。二重対峙・対カクマル戦が、新自由主義の先取りとしての反革命との闘いであることが明らかにされました。これは、腹の底から空気の入る確認でした。
 「50年」の闘いを通して、動労千葉の闘いの決定的意義が鮮明になりました。党と労働組合の一体的前進は、動労千葉の存在と闘いとして具体化されます。
 党学校で学んだことを実践的力にし、今こそプロレタリア世界革命の勝利へ向けて前進していく決意です。

 第13期党学校で 『50年史』刊行事業と一体の感動的な講義 高村宏信

 党学校には2期・2年連続で参加し、4月から3年連続で臨んでいます。
 第13期党学校では、冒頭『革共同50年史』刊行の事業と一体の闘いとして行うとの提起がされ、熱意をもって参加しました。『50年史』刊行の事業と一体の闘いに参加している歴史的な意義を痛感するとともに、課題の大きさに躊躇(ちゅうちょ)する自分があることもまた感じつつ、講義内容と正対してきました。
 「50年史」のテーマの中で、革共同50年の闘いの地平が紹介されたときは、その8割くらいの期間、自分も闘っていたこともあって、その感動は言葉では言い表すことができません。
 そして圧巻なのは、その50年の闘いを何によって、どのようにして、何を求めて闘ってきたのかについて、プロレタリア革命論と「党・労働組合・ソビエト」論を提起されたこと、世界大恐慌下、プロレタリア革命が現実のものとなっていることが明らかにされたことだと思います。
 そういう意味では、すごい刺激を受け、自分の確信と自信もよりしっかりしてきたとも思いますが、正直言って勉強不足は否めません。マルクス主義の理論でもっと武装し、実践していこうと決意しています。
 若い人もぜひ党学校に参加を!と言いたいところですが、自分の若い時期に参加したかった(といっても、党学校はまだ開校されていなかったと思いますが)という思いが強くあります。

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週刊『前進』(2580号6面2)(2013/04/15 )

 星野再審闘争 検察意見書弾劾・全証拠開示

 4・22東京高裁包囲デモへ

 証拠開示を拒否する検察許すな

 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」は、4月22日、本年第2波の東京高裁包囲デモへの総決起を呼びかけている。東京高裁・東京高検に怒りをたたきつけ、全証拠開示をかちとろう。獄中38年を不屈に闘う星野文昭同志を、今こそ取り戻そう。
 3月28日、検察官は一切の証拠開示を拒否する「意見書」を出してきた。機動隊員への殴打現場を目撃していた人たちの供述調書や、星野同志が撮影されている写真のネガは、事実を明らかにする重要な証拠であり、検察官が開示を拒否する理由は一切ない。ただただ、星野同志の無実が明らかになることに恐怖しているのだ。
 検察官は、「新規かつ明白な証拠」は弁護団が提出せよとのたまっている。しかし、10年の足利事件、11年の布川事件、12年の東電女性社員殺害事件と相次いだ再審無罪判決は、無実の証拠を検察官が隠していることを暴き出した。
 デッチあげ事件は、警察・検察の「捜査」や、裁判の誤りによって生起するものでは断じてない。検察官が無実の証拠を隠した上で、意図的につくり出されるものだ。星野同志は機動隊員を殴打していない。これが真実だ。ところが国家権力は、70年安保・沖縄闘争の爆発に大打撃を受け、最先頭で闘った星野同志に憎しみを集中させ、星野同志を機動隊員殴打の実行犯にするためにデモ参加者にうその「供述」を強制したのだ。
 無実の証拠を隠したまま、星野同志に死刑を求刑したり、38年間も投獄することは国家の凶悪な犯罪そのものだ。断じて許せない。
 新自由主義司法は、改憲・戦争攻撃と一体で、むき出しの国家暴力装置としての姿をあらわにしている。人間の自由、生命、権利、さらには正義や真実を踏みにじって、国家の延命のためにきゅうきゅうとしている。しかし、それはブルジョア国家の破綻の表れであり末期的現実そのものだ。
 安倍政権は労働者を非正規職にたたき込み、雇い止め、解雇、賃下げを強行し権利を剥奪(はくだつ)して、生きられない現実を強制してきている。TPP、原発の再稼働と輸出、オスプレイ配備強行、辺野古新基地建設策動、領土問題での排外主義の扇動など改憲・戦争に向かっている。
 これに対して、もうがまんならないという労働者階級人民の怒りの決起が始まっている。3月外注化阻止・非正規職撤廃、さらには被曝労働拒否のストライキに立ち上がった動労千葉・動労水戸を先頭にする闘いが、4月ストライキ情勢を生み出している。反原発闘争はフクシマの怒りと一体となって、国家・資本と非和解的に闘いぬかれている。

 署名が4万超にさらに推進を!

 無実の星野同志への38年間の投獄に対する怒りが、星野同志奪還、全証拠開示運動としてうなりを上げて大前進している。再審弁護団は、検察官「意見書」を粉砕し証拠開示をかちとるために、弁護団としての「意見書」を提出し、第2回の三者協議を要求する闘いに入った。
 全証拠開示を求める署名運動が全国で推し進められている。4月7日には、大阪市京橋で大阪・取り戻す会を中心に統一街宣が行われた。東京の杉並・三多摩・東部、さらに岡山、宮城、徳島などで街頭に打って出て、署名総数は4万筆を超えた。全証拠開示大運動には、弁護士270人を先頭に800人近い賛同が寄せられている。
 一方、警察権力は、第1波東京高裁包囲デモや4月5日の東京高裁前での情宣活動に対して、多数の警察官を動員して戦々恐々としている。
 星野同志奪還・全証拠開示運動は、非正規職撤廃、解雇撤回を闘う青年労働者の新自由主義への怒りと一体だ。絶対反対・階級的団結で日帝・国家権力と真っ向から激突する闘いだ。新自由主義に対するすべての怒りを4・22東京高裁包囲デモに結集しよう。
(写真 今年第1波の東京高裁包囲デモに先立つ集会で、星野暁子さんのアピールに聴き入る参加者【3月5日 日比谷公園】)
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【要項】東京高裁包囲デモ
 検察官「意見書」弾劾! 全証拠を開示せよ!
 東京高裁包囲デモ 4月22日(月)
 午後1時半 日比谷公園霞門集合(地下鉄霞ケ関駅B2出口)
 午後2時  デモ出発
 主催 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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週刊『前進』(2580号6面3)(2013/04/15 )

 救援連絡センター総会 “改憲阻止が第一”

 安倍との対決鮮明に掲げ

 反原発と一体で

 4月6日、救援連絡センター第9回定期総会が東京・渋谷区立勤労福祉会館で行われた。星野暁子さん、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議、迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会、革共同救対部を始め、反原発闘争への弾圧と闘っている救援会の人びと、治安弾圧と闘う人びとや、多くの弁護士ら70人が結集した。
 総会の司会は山本志都弁護士と運営委員が務め、最初に、葉山岳夫代表弁護士が主催者あいさつを行った。
 葉山弁護士は、安倍政権が無制限の国債発行に踏み切り、戦後レジームの脱却と言って戦争を仕掛け、改憲攻撃に突き進んでいることを弾劾し、改憲阻止闘争が第一の課題だと提起した。また、反原発闘争を改憲阻止闘争と一体で闘うこと、今年こそ制度廃止へ闘いの発展をかけて5・22裁判員制度廃止全国集会に結集しようと訴えた。さらに、共謀罪の今秋国会上程の動きや「新たな捜査手法」の導入策動を労働運動・市民運動の力で阻止する闘い、反原発闘争や三里塚闘争への弾圧の激化に対する完全黙秘の闘いの重要性を全面的に提起した。

 若い人の獲得へ

 続いて、山中幸男事務局長が救援連絡センターの活動報告と運動方針を提起した。
 山中事務局長は、国家権力の弾圧が激化する中で、弁護士の運営委員を拡充し、新人弁護士のオリエンテーションを実現したこと、一昨年の3・11以降、労働者階級人民の闘いの広がりと一体で、若い人の獲得に全力を挙げていることを報告した。そして、救援連絡センターの組織的強化が死活的であり、特に協力会員と機関紙『救援』読者の拡大をかちとろうとアピールした。
 会計報告、新運営委員の紹介をして、救援連絡センターの活動報告と方針を参加者全体の拍手で承認した。
 次に、昨年以来激化している関西での反原発闘争に対する弾圧と、警察留置場における保護房の実態が報告された。さらに経産省前のテント撤去の攻撃と闘う「経産省前テントひろば」代表の淵上太郎さんが、テント広場を守る決意を表明した。
 第2部は、2本の講演が行われた。最初は「フクシマからの報告」だ。今も放射線管理区域と同じ高レベルの放射線のもとで生活することを強いられている実態が報告され、力を合わせて原発をなくそうとの訴えがなされた。

 新捜査手法阻め

 続く講演は、遠藤憲一弁護士の「新たな捜査手法とは何か?」だ。通信盗聴の拡大・室内盗聴の導入、司法取引(他人を売り渡すと刑の減免)の導入、潜入捜査(スパイの合法化)の攻撃を暴き、4月20日の新しい捜査手法反対実行委員会結成集会への参加を訴えた。
 こうして救援連絡センターの総会は、安倍政権と対決する姿勢を鮮明に打ち出した。
 救援連絡センターは、1969年創設以来、完全黙秘・非転向の原則を堅持して、国家権力による弾圧との闘いの中心に座り続けてきた。新自由主義が破綻し、国家の凶暴性が激化する中で、労働運動、反原発闘争を闘う人びとにとって、救援連絡センターの存在と闘いはますます重要になっている。救援連絡センターのさらなる発展をともに闘いとろう。

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