ZENSHIN 2013/04/08(No2579 p06)
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週刊『前進』(2579号1面1)(2013/04/08 )
ストを貫徹しメーデーへ
労働者国際連帯でオバマと安倍の戦争策動うち破ろう
解雇撤回JR復帰 10万筆署名大運動を
全国でストライキが闘われている。労働者をモノとして扱って恥じない資本への激しい怒りと憎しみ、そして労働者としての誇りをかけた決起だ。3月決戦は多くの労働者に生きる希望を示し、4月スト情勢を生み出した。絶対反対論、階級的団結論、そして労働者国際連帯こそが新自由主義と闘える団結を生み出す。いよいよ勝負の時だ。階級的労働運動の大飛躍をかけて、4・26自治労スト貫徹を頂点とする4月スト−4月大攻勢に総決起し、5・1メーデーへ突き進もう。解雇撤回・JR復帰を求める10万筆署名を職場・地域・街頭で推進し、国鉄闘争全国運動の6・9大集会に向け全力で闘おう。
(写真 解雇撤回!渋谷で春闘行動 記事2面) 労働者の怒り爆発と4・26スト情勢
動労千葉、動労水戸、動労西日本を先頭とする国鉄労働者の3月決起は無数の労働者の魂をつかみ、4月スト情勢を生み出した。
2012年10・1のJR検修・構内業務外注化は、この12年間激しく闘って外注化攻撃を阻止してきた動労千葉とそれを軸とする階級的労働運動を解体する大攻撃だった。戦後労働運動とすべての党派・勢力が民営化・外注化の強行によってつぶされてきた。しかし動労千葉を先頭とする3月ストは、10・1以降5カ月の死闘を貫き、現場労働者の怒りに徹底的に依拠し、雇用破壊・安全破壊と対決して、これまでの労働運動の歴史をのりこえるストライキとして闘われた。
これは、数々の苦闘を経てきた動労千葉の歴史においても画期をなす闘いだった。大恐慌の爆発にあえぐ最末期の資本主義・帝国主義が「解雇の自由」を叫び、労働者を総非正規職化して延命しようとするまさにこの時に、外注化と闘い、非正規職化を阻止する闘いが可能であることを現実の闘いで示したのだ。
今や階級的労働運動が全労働者の怒りと結びつく情勢が到来した。それが4月ストライキであり、5・1メーデー闘争だ。公務員と民間労働者を問わず、全国で無数の3月末の雇い止めが強行されている。
ハローワーク(公共職業安定所)では、相談員など非正規公務員の労働者約1割に当たる2200人がこの3月限りで職を奪われた。2月下旬の突然の「通告」以降、窓口で失業者の相談に対応しながら、自らも土曜日に窓口を開けているハローワークを見つけ、仕事探しすることを強いられた。「任用」に基づく非正規公務員には雇い止め規制すらなく、当局の思いのままだ。こうした二重三重に労働者を踏みにじる理不尽な攻撃に、根底的な怒りが全国で爆発している。階級的労働運動がそれと結びつく巨大なチャンスが到来したのだ。
公務員の賃下げは全労働者への攻撃
今こそ階級的労働運動の大飛躍をかけて自治体、教労を先頭に4大産別決戦の大躍進をかちとるべき時だ。すべての労働者の未来をかけて、4・26自治労統一ストを現場からの怒りの総決起として打ち抜こう。
地方公務員の7・8%賃下げ、一時金1割削減、退職金400万円削減は、戦後労働運動史にもない大攻撃だ。360万人の公務員と公務員賃金に準ずる立場の労働者を合わせて、約500万人もの労働者への生活破壊の大攻撃が今回の大幅賃下げだ。これこそ大恐慌下で新自由主義の破綻にあえぐ資本家階級と安倍政権のやり口である。
ところが現場労働者の怒りに突き上げられて自ら打ち出したスト方針に、当の自治労幹部は恐怖し、地方交付税の交付団体であるか否かや交付税の多い少ないでスト方針の必要性を決めたり、そもそもスト方針を組合員に知らせないなど、スト圧殺に全力を挙げている。許し難いことだ。今必要なのは、地方交付税をてこに賃下げを強制する安倍政権そのものに、すべての怒りと反撃を集中し、自治労八十数万組合員がギリシャのような統一ゼネストに立つことではないのか。
そもそも自民党は、5年間の「集中財政再建期間」に、国・地方合わせて年間2兆円の公務員人件費を削減することを政権公約としている。4・26ストは、これから始まる大々的な賃下げ攻撃に対し、反撃の突破口を開けるか否かをかけた天王山の闘いだ。
しかも人勧制度さえ無視する今回の地方公務員への賃金破壊の大攻撃は、ブルジョアジーの言う公務員制度の「岩盤」を突き破り、民間を含む全労働者に賃金破壊、雇用破壊、生存破壊を強制する。さらに公務員労働者の総非正規職化、医療・年金・福祉や教育の破壊は、何よりも地方自治の最後的解体と道州制導入への道である。
4・26自治労ストを貫徹できる力は現場労働者の怒りと団結だ。「自律的労使関係」なるものの先取りとして、国家公務員の7・8%賃下げに同意し、その後一貫して人事院勧告の不実施まで要求し、今日の事態を導いたのは、紛れもなく自治労や日教組、国公連合の体制内幹部どもだ。彼らにはこの攻撃と闘う時代認識も路線もない。あるのは東電幹部と同様の無責任と労働者への裏切りだけである。
4月ストは全労働者の未来をかけた大決戦だ。国鉄労働者の外注化阻止の闘いが「雇用と安全」に対する恒久的な職場実力闘争として発展しているように、公務員賃金をめぐる攻防は高原的な闘争に必ず発展する。ギリシャなどヨーロッパの労働者が公務員を中心にゼネストで対決している。そのような決定的な階級情勢をなんとしても切り開こう。
「アベノミクス」は黒田日銀の「異次元」の金融緩和で破滅の道に突入した。安倍を打倒する重大局面が到来している。
「一つの工場でストライキが起こりさえすれば、たちまち非常に多数の工場で一連のストライキが始まる場合が、しばしば起こる。ストライキの精神的影響力はそれほど偉大であり、一時的にであれ奴隷たることをやめて金持ちと平等の権利を持った人間となっている自分の同僚たちの姿は、それほど労働者に伝染的に作用するのだ!」
「ストライキは、雇い主の力は何にあり、労働者の力は何にあるかを、労働者に教える。ただ自分の雇い主のことだけ、自分の身近な同僚のことだけを考えるのでなく、すべての雇い主のこと、資本家階級全体と労働者階級全体のことを考えることを教える」(レーニン「ストライキについて」)
資本主義と資本家階級の時代は終わった。労働者階級の時代が来ている。3月決戦の地平を引き継ぐ4月ストと4大産別決戦の前進で、労働者階級の司令塔として怒りを束ね、プロレタリア革命を切り開こう。
6・9国鉄大集会の歴史的な成功へ
大恐慌の激化と、帝国主義とスターリン主義の戦後体制の最後的崩壊の中で、職場生産点での闘いを基礎に階級的労働運動が全世界を獲得する路線をもって登場する時が来ている。
米帝は、新軍事戦略とTPP(環太平洋経済連携協定)で対日争闘戦とブロック化、対中対峙・対決の戦争政策へと全力で突っ込んできている。とりわけ新軍事戦略のもとでの米日韓体制による北朝鮮と中国への戦争策動の切迫は、まさに一触即発の情勢にある。これと闘う最大の道こそ、この間、動労千葉労働運動が切り開いてきた日米韓を軸とする労働者国際連帯の路線と闘いだ。
米軍は米韓合同軍事演習「フォールイーグル」(韓国軍20万人、米軍1 万人)に核搭載可能なB52爆撃機を参加させたのに続き、ステルス性能を持ち核弾頭搭載ミサイルも運搬可能なB2爆撃機も投入した。それは米ミズーリ州の基地から離陸し、朝鮮半島の爆撃訓練を終えてそのまま帰還するという、あからさまな実戦演習だ。これに対し北朝鮮も対抗的な動きを激化させている。情勢はまったく予断を許さない。労働者国際主義を発展させ闘うことが待ったなしに求められている。
反原発闘争は、動労水戸の被曝労働拒否・フクシマ連帯のストライキとその勝利を最先端に、国家・資本と非和解的に闘いぬかれている。福島の怒りとは、何よりも原発事故で高線量外部被曝と内部被曝を日々強いられていることへの根底的な怒りだ。それは全東北、全関東、全日本、全世界の怒りでもある。
だからこそ反原発闘争は、労働者国際主義と階級的労働運動路線を貫くことによって発展するし、勝利できるのだ。動労水戸に続き、職場からの闘いを組織しよう。NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の建設を全国で推進しよう。
3月決戦の地平を発展させ、あらゆる反動を打ち破って4月ストを貫徹し、5・1メーデーに総決起しよう。同時に10万筆署名運動を猛然と推進し、国鉄闘争全国運動の6・9大集会へすべてを集約して闘おう。
革共同の『前進』こそ時代認識と路線を真っ向から提起し、労働者の決起と闘う組織建設を進める最大の武器だ。『前進』を全党・全労働者の力で作り、拡大しよう。
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週刊『前進』(2579号1面2)(2013/04/08 )
5・1メーデー方針を決定
動労千葉が呼びかけ団体
全労働者の未来をかけた歴史的決戦の幕が切って落とされた。3月31日に東京都内で開かれたメーデー闘争実行委員会は、4・26自治労ストライキ貫徹を頂点に5・1メーデーに向かって、公務員労働者の賃下げ・首切りと真正面から闘う決戦態勢を整えた。
実行委員会には東京労組交流センター、合同・一般労組全国協議会、首都圏青年労働者集会実行委員会を始め多くの労働者が参加。この日の春闘渋谷アクションの高揚も冷めやらぬ中、5・1メーデー闘争のもつ歴史的な位置について強力な意志一致が行われた。
冒頭、動労千葉の田中康宏委員長が「これまでの延長線上にない闘いが求められる」として、公務員賃金7・8%引き下げが「全労働者を地獄にたたき落とす攻撃」であることを明らかにした。
田中委員長は「国家の決定ひとつで公務員など500万人の賃下げが強行される未曽有の攻撃だ。このあと限度を超えた賃下げと首切り、非正規職化が全労働者に襲いかかる。橋下大阪市長や猪瀬東京都知事らによる民営化―全員解雇・労組破壊、JR貨物での1割賃下げなどが始まっている」と述べ、「国鉄分割・民営化を10倍する規模」の決戦局面を迎えていることを明らかにした。「何百万人の怒りを結集させる」階級的労働運動の復権をかけた闘いの始まりである。
田中委員長は、「非正規職撤廃のために4大産別決戦を構え直そう。ともに闘おうと公務員労働者を圧倒的に激励して歩こう」と提起。そして動労千葉の3月ストを「全労働者の非正規化を阻止する決意表明だ」と総括し、「全労協・連合・全労連でもない、われわれのメーデーをやろう。マスコミ・支配階級・労組幹部が言わないアベノミクスの本質を僕らが言って、闘う展望を示そう」と総結集を呼びかけた。
この提起を受け、青年労働者実行委員会は「労働時間と賃金をめぐる闘いは労働組合の原点だ。8時間労働で生きられる賃金をよこせと闘おう。10万筆署名をもって自治体に入り、ストを広げよう」と訴えた。
東京の自治体労働者は「都と区と一部の市は地方交付税をもらっていないから今回、賃下げしないと言うが、これから必ず賃下げしてくる。連合はこのことを言わない。全労働者の課題として闘う」と決意を固めた。
また、この日ストに立った青年は「メーデーもストで街を制圧したい」と述べ、金属労働者は「ストの意義はみんなと団結することにある」と実感を込めて語った。
「少数でも結集軸になれる」「労働組合として闘う姿をみせる」――春闘勝利の地平をもってメーデー闘争に躍り込む決意が次々と示された。
5月1日はJR貨物社前闘争を始め各所で行動し、14時、新宿中央公園集合。デモ後、新宿文化センターで集約集会。呼びかけは動労千葉。ストを復権し総結集しよう。
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週刊『前進』(2579号1面3)(2013/04/08 )
法大入学式 新入生が処分に怒り
4月3日、豪雨と強風の中で、法政大入学式に法大文化連盟と全学連は登場し、圧倒的な情宣を貫徹しました。文化連盟旗を打ち立て、武道館に向かう新入生に対しアジテーションとビラまきを行い、処分撤回と4・25法大デモへの決起を訴えました。新入生の注目のもと、多くのビラが手渡されました(写真右はマイクを握る全学連の坂野陽平書記長。左は新入生にビラを渡す全学連の学生)。
坂野書記長は「アベノミクスなど大ペテンです。学生は安倍政権と対決し、生き方をかけて学生運動に立ち上がろう」と元気よく訴えました。「原発御用学者を生み出し続けてきた大学の責任を追及し、大学を変えよう。原発御用学者を批判した法大生の武田君への無期停学処分を撤回させる中に大学を変える道があります」。
すでに多くの新入生が処分撤回署名をしています。誰もが武田君への無期停学処分に驚き、怒りを表明しています。それは、学生の存在をないがしろにし暴力で学生の自主性を奪おうとする法大当局のあり方への怒りです。「おかしいことに声を上げて処分なんて許せない」と多くの新入生が声を上げています。法大当局はこの声に震え上がるがよい。文化連盟と全学連は新入生の怒りとさらに結びつきます。
「不当処分撤回!大学の主人公は学生だ!規制はいらない!原発なくそう」を掲げ、法大文化連盟は4月25日に法大デモを呼びかけています。すべての学生の皆さん! ともに大学を取り戻す闘いに立ち上がろう。安倍政権をぶっ飛ばし、新自由主義大学の学生支配をひっくり返す解放的な闘いを、4月25日法政大学で実現しよう。
(首都圏学生・K)
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週刊『前進』(2579号1面4)(2013/04/08 )
前進速報版から
▼3・24三里塚全国総決起集会@movie▼香港で非正規の港湾労働者が賃上げ求めストライキ▼動労連帯高崎が外注化反対の抗議行動
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週刊『前進』(2579号1面5)(2013/04/08 )
【要項】4・28全国集会、4・20全国総決起集会
福島・沖縄の怒りとつながり、国際連帯で改憲と戦争をはばもう!
4・28全国集会
4月28日(日、沖縄デー)午後1時
ハイライフプラザいたばし(東京都板橋区板橋1―55―16 JR埼京線板橋駅西口1分)
◆沖縄から 水島満久さん(元全駐労マリン支部副委員長)
◆福島から ◆国会報告 西川重則さん ほか
主催 とめよう戦争への道!百万人署名運動
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尼崎事故弾劾! 外注化・非正規化粉砕!
4・20全国総決起集会
4月20日(土)午後1時 JR尼崎駅北口広場
呼びかけ/動労千葉、国鉄闘争全国運動・関西準備会
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週刊『前進』(2579号2面1)(2013/04/08 )
動労連帯高崎 清掃業務追加を阻止
職場の怒り背にTTSに抗議
動労連帯高崎と動労千葉を支援する会・熊谷の主催で4月1日、「偽装請負・違法出向弾劾、外注化阻止!籠原駅前抗議行動」が行われた。さいたまユニオンや群馬合同労組、全逓労働者、東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会の仲間2人も駆けつけJRを徹底的に弾劾した。
検修・構内業務の外注先である高崎鉄道サービス(TTS)は、ダイヤ改定を期に点呼場所を駅から1`も離れた場所に変更したり、4月1日から強制出向者に新たに清掃業務をやらせることを狙っていた。早朝からビラをまき、これを徹底弾劾すると、JRやTTSの労働者が次々とビラを受け取り、解雇撤回の10万筆署名に応じ、2月に行われた偽装請負の学習会報告集も買っていった。構内作業に従事する労働者はみな口々に、点呼場所の変更で通勤時間が早くなることに怒りと不満の声を上げた。組合の枠を越え、外注化への怒りはますます高まっている。
午前9時、動労連帯高崎の漆原芳郎副委員長が仕事を終えて合流した。漆原さんは「TTSは今日から私たちに清掃業務の見習いを始めさせようとしていたが、急に延期を発表した。理由は言わないが私たちの闘いの結果だと思う。しかし、点呼場所の変更は強行した。遠くから電車で通っている人が多いので、そういう人たちは朝1本早く、帰りの電車も1本遅くと実質的な拘束時間が延ばされた。私たちはあくまでも点呼場所を元に戻すよう求め闘う」と述べた。
さらに「構内業務で日常的にJRからの直接の指揮命令、偽装請負が横行している。会社は『偽装であるかどうかはJRと鉄道サービスの問題だ』と、現場労働者には関係ないような言い方をしている。しかし実際に働いているのは私たちだ。あくまでも反対し、偽装請負を摘発していく。こういう状況を1日も早く解消させるため、これからも頑張っていきます」と決意表明した。
職場全体の圧倒的な怒りを背景にしているだけに、漆原副委員長の報告には、外注化の理不尽さへの怒りとともに勝利感がみなぎっていた。
さらに鈴コンの労働者も「月に20万円にも満たない賃金では結婚して子どもを育てることなどできない。未来のために外注化・非正規職化と闘おう」と訴えた。外注化反対、非正規職撤廃を真正面から掲げて闘う、元気いっぱいの抗議行動となった。
検修・構内業務の外注化強行から半年、現場労働者はこれに屈服するどころか、ますます外注化への怒りを強め、その矛盾を暴き、破産させていく新たな運動を籠原の職場でも勝利的に前進させている。今回の外注化阻止の抗議行動に対する、JRやTTSの労働者のうれしそうな笑顔がすべてを物語っていた。
職場で団結を拡大し、偽装請負を内側から打ち破る闘いは、いよいよこれからだ。
(写真 JR籠原駅前で職場の仲間に訴える動労連帯高崎の漆原副委員長【4月1日 埼玉県熊谷市】)
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週刊『前進』(2579号2面2)(2013/04/08 )
動労西日本 新採に組合加入訴え
JR西の入社式で大情宣
動労西日本と支援は4月1日、入社式に参加するJR西日本の新入社員労働者に動労西日本への加入を訴える宣伝行動を20人でやり抜いた(写真)。JR西日本本社付近の新入社員全員が通る交差点に布陣し、青年部が中心になり訴えた。
闘う労働組合の登場を恐れるJR西日本は、この日も新入社員を吹田研修センターに前泊させ、アドバイザーと称する人事・労務担当者の統率のもと、「護送船団方式」で隊列を組ませて会場に入らせた。組合紹介リーフを取らせないためだ。
しかし、こんなやり方はもはや通用しない。動労西日本青年部の圧倒的なアジテーションが、JR西日本の卑劣なやり方を吹っ飛ばして新入社員に届いた。3月春闘ストライキを打ち抜き、JR西日本の外注化・非正規化攻撃と真っ向から対決し、組織拡大闘争を闘い抜いてきた動労西日本青年部の自信と確信が青年労働者の心をつかんだのだ。実際、組合紹介のカラーリーフは予想を超えて新入社員の手に渡っていった。
またこの日、国労、JR総連・西労、建交労の体制内3労組が初めて登場した。会社と一体となって新入社員全員に加入を強制するJR連合・JR西労組を除いた全労組が出てきたのだ。これ自身、動労西日本がこの間、鮮烈に登場して闘い抜いたことがつくりだした情勢だ。動労西日本はこの激突にも完全に勝利した。体制内労組は自分たちの闘いを訴えることができないからだ。
動労西日本は前日の3月31日にもJR吹田駅前で組合紹介リーフを配布した。新入社員を前泊させるための結集時間に合わせた闘いだ。ここでも会社側は隊列を組ませて強行突破する方針を取ったが、次々に新入社員がリーフを受け取った。
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週刊『前進』(2579号2面3)(2013/04/08 )
3・31渋谷 「解雇撤回」とどろく
スト決起の青年らがデモ
「解雇撤回! 仕事を返せ! 生活返せ! 安倍政権は今すぐやめろ!」。3月31日、東京・渋谷のど真ん中で非正規職の青年労働者を先頭に怒りの叫びがとどろいた。東京西部ユニオンと郵政非正規ユニオンの呼びかけ、合同・一般労働組合全国協議会の協賛で、春闘渋谷アクションのデモと解雇撤回・JR復帰10万筆署名の街頭宣伝が120人の参加で意気高く行われた。
この年度末、どれほど多くの労働者の首が切られたことか。ハローワークでも2200人、東京都専務的非常勤職員298人など全国で解雇の嵐が吹き荒れている。これがアベノミクスだ。この日の闘いは解雇への怒りを総結集した行動だ。
東京西部ユニオン加盟のアパレル業界の労組分会長も、31日をもって雇い止め解雇された。職場は販売店。従業員のほぼ全員が非正規雇用で20代の青年だ。会社は、組合つぶしのために仕事上の「ミス」をデッチあげ雇い止めしてきた。分会は解雇を絶対に許さないと職場の仲間を組織し、全力で闘い抜いてきた。そして31日。分会長は職場の仲間と全非正規職労働者の思いを一身に背負い、怒りのストライキに終日決起した。
「職場を動かしているのは私たちだ。なのに私を首にしようとしている。絶対に許せない。職場の仲間がいっしょにデモをしてくれる。この社会を変える大きな一歩だ」。分会長がデモ出発前に力強く訴える。
「私たちに正義があれば労働者は絶対にここに集まり団結する!」。雇い止め解雇粉砕で闘う介護労働者も続く。この3月、それぞれの職場で資本を圧倒し労働者の団結を打ち固めてきた勝利感と解放感が満ちている。
いよいよ代々木公園からデモに出発。郵政非正規ユニオンと、赤と黒の服装で統一したアパレル業界の分会が先頭に立つ。「解雇撤回!」「仕事が好きだ」「仲間が好きだ」「人間らしく生きたいだけだ!」。渋谷の人波の中をはつらつとしたデモが進む。大注目だ。分会の職場の客も沿道から合流してきた。「絶対に勝てます」――デモ初参加者の感想だ。4月ストからメーデー闘争へさらに闘い抜こう!
(写真 デモに先立って渋谷駅前で解雇撤回10万筆署名の街頭宣伝を行った【3月31日】)
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週刊『前進』(2579号2面4)(2013/04/08 )
「解雇自由」と総非正規化が安倍「成長戦略」の正体
4月ストと10万筆署名で反撃を
安倍政権は「経済再生戦略」の柱に、@大胆な金融緩和、A機動的な財政政策、B「成長戦略」の「三つの矢」を掲げ、さらにC「4本目の矢」と称して社会保障制度の解体に突き進もうとしている。これらの中心にあるのが「成長戦略」だ。
その中身は、ただただ規制緩和の強行だ。「アベノミクス」による超金融緩和で株式や不動産はバブル的に高騰しているが、それはどこかで必ずはじける。安倍が打ち出せる唯一の「成長策」は規制緩和以外にない。
安倍は規制緩和を「成長戦略の1丁目1番地」と位置づけ、農業、医療、教育など全分野にわたりそれを押し貫こうとしている。その柱は何よりも「労働市場の流動化」を叫んでの解雇規制の撤廃=「解雇の自由化」と総非正規職化だ。
この攻撃の当面最大の対象にされているのが公務員労働者だ。規制改革会議委員のニチレイ会長・浦野光人は、「公務員の身分保障を取り払い流動化することが前提にないと、民間の中だけの流動化を考えていてもうまくいかない。まさにそれが岩盤だ」と述べた。
その「岩盤」をぶち抜くために仕掛けられたのが、公務員労働者に対する7・8%賃下げ攻撃だ。安倍は、公務員の身分保障を最終的に解体することで、すべての労働者に対する解雇規制を取り払おうと狙っている。
労働組合の存立基盤の解体狙う
安倍の「成長戦略」の司令塔になっているのが産業競争力会議だ。経済再生担当相の甘利明は、同会議の目標を「世界で一番企業が活動しやすい国」をつくることだとぶち上げた。
同会議では、武田薬品会長の長谷川閑史が「解雇自由の原則を労働契約法にも明記」すべきと主張し、ローソン社長の新浪剛史は「(整理解雇の)4要件すべてを満たすことは、世界経済に伍(ご)していくという観点からは大変厳しい」「勤務態度が著しく悪く、または結果を著しく出せていない社員は……解雇が会社として検討しやすくなる柔軟な要件を入れる」と言い放った。
今春闘でローソンが、20歳代後半から40歳代の正社員に限って年収の3%増を打ち出したことがもてはやされた。だがそれは、解雇規制の撤廃と表裏一体の関係にある。そもそも、膨大な非正規労働者の低賃金・長時間労働の上に成り立っているのがコンビニエンスストア業界だ。しかも、コンビニ業界は御用労組の存在さえ認めない経営方針でも知られている。ローソンのペテン的「賃上げ」は、労働組合の存在基盤を根本から破壊することが目的だ。
事実、安倍政権は連合すら敵視し、その存在意義の解体や分裂を画策するに至っている。
小泉政権下で郵政民営化を主導し、今や人材派遣会社パソナの会長に納まった竹中平蔵も、同会議で「労働移動型の解雇ルールへのシフト」を唱え、解雇の金銭解決制度の導入を主張した。日本総研理事長の高橋進は「地域や職務を限定した正社員をつくる」と述べた。「地域・職務限定」とは、真っ先に解雇の対象になるということだ。これは、実際には非正規職と何も変わらない。
「ブラック企業」として悪名高い楽天社長の三木谷浩史は「日本は社長の給料が低すぎる。リストラにしろ、合併にしろ、大変なことなので……経営者サイドにもインセンティブを出してほしい」とまで放言した。
これらの主張に対して安倍は「雇用支援策を、雇用維持型から労働移動支援型へ大きくシフトさせたい」と応じた。
産業競争力会議と連動してもたれている規制改革会議は、労働法制改悪の具体案に踏み込んでいる。そこでは、労働時間規制の撤廃、地域・職種限定社員制度の導入、労働条件不利益変更への規制の見直し、派遣労働の期間制限の緩和、医療分野での派遣労働の解禁、解雇の金銭解決制度の導入、有料職業紹介事業の規制緩和などが検討対象に上げられている。
自治労全国スト貫徹し総反乱へ
こうして安倍は、国鉄分割・民営化以来の新自由主義攻撃の総仕上げに乗り出してきた。
しかし、動労千葉・動労水戸を先頭とするJRの検修外注化阻止の決戦は、新自由主義に対する労働者階級の反撃の突破口をこじ開けた。3月春闘ストを経て、この闘いは全労働者階級を巻き込んで発展しつつある。年度末雇い止めを通告された青年労働者は、至る所で怒りのストに立った。その血叫びは、7・8%という歴史的な賃下げに対する全公務員労働者の怒りの決起を生み出そうとしている。
二十数年来の資本家階級の攻撃に対し、労働者階級が総反撃に立つ時が来た。自治労4・26全国ストが貫徹されれば、総反乱情勢はさらに大きく切り開かれる。自ら闘ってこそ「公務員バッシング」は粉砕できる。
「解雇自由」の突破口になったのは国鉄分割・民営化による1047名解雇だ。スト情勢の中で動労千葉鉄建公団訴訟での解雇撤回・JR復帰の判決を求める10万筆署名に全力で取り組み、解雇規制の撤廃をたくらむ安倍政権を打倒しよう。
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週刊『前進』(2579号2面5)(2013/04/08 )
安倍の医療福祉破壊と闘う
新自由主義との闘いの最前線で職場拠点を打ち固め4月ストへ
革共同医療福祉労働者委員会
動労千葉ストを先頭とする外注化阻止・非正規職撤廃・解雇粉砕の3月決戦が、青年労働者の激しい怒りと自己解放性を解き放ち、全階級情勢を揺るがし、一大階級決戦に突入しました。同時に、「復興キャンペーン」を真っ向から打ち破り、フクシマの根底的怒りと結びついて、3・11反原発福島行動が階級的労働運動の路線的勝利として実現されました。原発御用学者・山下俊一らが進める「医療特区」―新自由主義医療と対決し、福島と全国の労働者人民の力で被曝と闘う医療拠点=ふくしま共同診療所が建設されたことは重大な意義があり、私たち医療福祉産別も全力でともにこの闘いを前進させる決意です。医療福祉労働者は4月ストの先頭に立ち、職場闘争を非妥協的に闘おう。国鉄闘争全国運動6・9全国集会に組合旗を打ち立てて結集しよう。
「医療の成長産業化」叫びTPP参加狙う
安倍政権は、原発再稼働・辺野古新基地建設・改憲に突進するとともに、争闘戦での生き残りをかけ、原発・鉄道・水インフラの輸出と並んで医療介護事業の輸出を進めようとしています。
「医療の成長産業化」の要こそ「保険診療と自由診療の併用(混合診療)の範囲の拡大」「iPS再生医療の推進」(規制改革会議)などの医療の全面的規制緩和です。公的保険制度の解体による医療の「市場化」であり、労働者階級から医療を奪い、医療労働者に対して徹底した雇用破壊をもたらすものです。
そして、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加表明こそ、これまでの医療のあり方を根底からひっくり返す大攻撃です。全労働者階級の生死をかけた決戦情勢が到来したのです。
TPP交渉に関する「外国貿易障壁報告書」では日本について、「厳格な規制によって……医療サービスへの外国アクセスが制限されている」と指摘しています。米韓FTA(自由貿易協定)では、医薬品・医療機器の価格決定などは申請者(米国製薬・医療機器資本)の要請に応じて見直す独立の機関を設置しています。これは日本の医薬品や医療機器資本の要求でもあります。
TPP参加によって、医薬品・医療機器の公定価格の原則撤廃、混合診療の全面解禁と、株式会社による病院経営の解禁が狙われています。これは医療を米日大資本の金もうけの場に変えるものです。病院は利益を上げるための激しい競争にたたき込まれ、医療労働者には一層の賃下げと首切り・非正規職化、労働強化が襲いかかります。そして公的医療保険を空洞化し、労働者階級から医療を奪う大攻撃です。さらに医療の輸出産業化へ突き進もうとしているのです。絶対に許すことはできません。
公的保険制度解体し非正規職化と強労働
2000年から始まった介護保険制度は、民間企業の導入と登録ヘルパーに象徴される膨大な非正規職労働者を生み、介護市場をつくりだしました。東電、ワタミ、JRを始め、いまやあらゆる産業の大資本、生協までが介護市場やスポーツジム、配食、サプリメント、住宅改造などの医療生活産業に参入し、労働者の大半を非正規雇用に追いやり、あくなき利潤追求をしています。
小泉の「聖域なき構造改革」から急速に進んだ診療報酬のカットは、病院経営を悪化させ、特に中小病院では大幅な赤字が累積し、介護報酬の削減とともに、04年の国立病院の独立法人化や、06年「3・17ショック」といわれる診療報酬の切り下げにより、09年には医療機関や老人福祉事業の倒産件数はピークに達しました。民医連を含む病院経営者は、なりふり構わず病院給食や院内保育所の外部委託などの合理化を強行してきました。「診療報酬のカット↓外注化・非正規職化↓診療報酬のさらなるカット」という悪循環で公的保険制度は解体されてきました。給食費の「保険外し」=自己負担化と給食のセンター化によるコスト削減はそのことを象徴しています。
看護現場は、過労死や流産が多発し、人員不足と強労働で事故と隣り合わせです。現に、夜勤時に精神科の病院では人が足りないため、患者の過量服薬事故や放火事件、殺人未遂事件まで起こっています。人員不足で、見守りが必要な患者や利用者のベッドをナースステーションの前に移動していますが、朝食時に人が足りないため誤飲や転倒事故が絶えません。
体制内組合指導部の屈服のもと、ただでさえ少ない看護師を夜勤ができないと非正規職にし、本来あってはならない夜勤専門の看護師を非正規雇用で募集し働かせることまで起こっています。新自由主義の経営手法を導入した経営は「中小病院では仕事の枠を越えてオールマイティーで働く」「食事を作るだけでなく弁当の配食もやってもらう」「看護師と看護助手の枠を越えて業務を見直す」と医療のあり方や安全すら無視し、人員削減と労働強化を徹底的に進めようとしています。
新自由主義が金もうけのために安全も無視し、外注化・非正規職化で医療福祉現場をずたずたにすることに対し、「もう我慢できない」と青年を先頭にした反撃が始まっています。「事故の責任は労働者にはない」と職場の仲間に呼びかけ決起した闘い。赤字を口実にした給食の外部委託=解雇攻撃を職場全員の決起で打ち破った闘い。栄養科の非正規職の雇い止めに50波にわたるストで職場全体の団結を形成した闘い。さらに介護職場での残業代申請など、一見ささやかに見える闘いが職場・地域を越えて共感を呼び、燎原(りょうげん)の火のように広がる現実性をつかみました。
「社会保障拡充運動」で資本に屈した日共
「病院経営の危機」という攻撃が強まる中、鋭い路線的分岐が進んでいます。とりわけ日本共産党・医労連本部は「社会保障拡充運動」路線で民営化に賛成し団結破壊の手先になってきました。
60年安保闘争の高揚の中で闘われた60年病院ストやニッパチ闘争(夜勤の「2人勤務・月8日まで」を掲げた実力闘争)で、医療労働者は権力と病院資本の妨害をはねのけ、逮捕も辞さずストライキに決起しました。ところが、この決起を否定し、医療単価を引き上げ病院収入を増大させて賃上げを獲得しようというのが医労連の社会保障拡充運動です。その結果、高度成長期の一定の賃上げと引き換えに「資本の支払い能力論」にひれ伏し、大規模化した病院の合理化攻撃に次々と屈服していったのです。
大恐慌の深化と新自由主義攻撃の末期的激化の中、その路線的破産は完全に明らかとなりました。日本共産党の「社会保障拡充運動」路線を根底的に批判し、今こそわれわれの階級的労働運動路線の実践で取って代わらなくてはなりません。
新自由主義は、規制緩和と民営化・外注化・非正規職化を徹底することで医療と福祉を金もうけの市場にしようとしています。もはや非和解です。動労千葉の反合理化・運転保安闘争路線に学び、労働組合の原則を貫くことで団結を拡大し、職場支配権を奪取する闘いにこそ勝利の道があります。外注化・非正規職化攻撃に屈した日共・医労連本部を打倒し、八尾北医療センター労組に続いて労働者、患者・地域住民の階級的拠点を建設しよう。
ストライキを復権し拠点建設かちとろう
時代は大きな転換点に来ています。新自由主義に対して全世界で労働者階級が立ち上がっています。新自由主義による医療福祉解体に対する根源的反乱が開始されているのです。今こそ時代認識と路線を鮮明にし、4大産別の闘いとともに、地域の労働者・患者・地域住民の階級的拠点をつくるチャンスです。
医療福祉労働者委員会は、「聖職論」などの体制内思想を批判し、〈私たちは賃金労働者だ>〈資本と非和解の闘いで階級的団結の先頭に>(医療福祉労働者委員会結成宣言)と、職場生産点での闘いを進めてきました。医療福祉現場が新自由主義との最前線の戦場となった今こそ、自らが階級の指導部として決起し、職場を階級的労働運動の拠点として打ち固める攻勢に出よう。
権力・資本との非和解の闘いを貫いて出獄した広島連帯ユニオン草津病院支部の中山崇志委員長とともに、闘う労働運動の拠点を建設しよう。地区党を軸に党と労働組合の一体的建設を機関紙を武器に進めよう!
国鉄決戦こそ、階級決戦の戦略的基軸です。職場で国鉄闘争10万筆署名運動と物販運動を創造的に推進しよう。ストライキを復権し、5・1メーデーを闘おう。闘う労働組合を建設し、国鉄闘争全国運動6・9全国集会に大結集しよう!
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週刊『前進』(2579号3面1)(2013/04/08 )
職場に団結をつくり出し 4・26スト貫徹へ
横浜の自治体職場での闘い
横浜市の闘う自治体労働者は地方公務員に対する戦後史上最悪の賃下げ攻撃にストライキで反撃するために奮闘しています。この賃下げ攻撃は国家財政赤字の責任を公務員に転嫁するまったく不当な生活破壊の攻撃であり、公務員労働運動破壊を通じて労働運動全体をつぶす新自由主義の絶望的な攻撃です。全国の自治体労働者が一斉にストライキに立ち上がれば賃下げを粉砕し、日本の階級闘争と労働運動を戦闘的に再生させ、安倍政権を打倒できるのです。
自治労本部は2月27日の拡大闘争委員会で4月26日全国統一ストライキの方針を確立しました。しかし本部は、この方針の実行を各県本部・単組にまかせ、自らはストを回避しようとうごめいています。現場組合員の怒りを組織し、団結してストを貫徹しましょう。
(写真 自治体労働者部会のビラ)
議論して実行に
横浜市当局・林文子市長は、ラスパイレス指数をも理由にあげ、退職金400万円の大幅削減に続き、基本給を7・8%どころか11%も下げようとしています。攻撃は全職員に及び、管理職も対象になっています。「これでは生活できない」と現場から激しい怒りが噴出しています。
3月18日の自治労横浜総決起集会、21日の市労連(自治労横浜・横浜市従・横浜水道・横浜交通・市大病院・浜高教)総決起集会には「動労千葉を支援する会・横浜自治体労働者」のビラ、「退職金削減絶対反対!ストライキで闘う方針を確立しよう」と訴える神奈川労組交流センター自治体労働者部会のビラがまかれ、圧倒的な共感をつくり出しました。すでに環境支部(清掃)や支援する会会員のいる職場4支部で削減反対決議や態度表明が出されました。総決起集会でも怒りの表明が相次ぎました。
支援する会定例会では『前進』を読み合わせ、現場の状況を報告しながらどう現場から闘いをつくっていくのかを繰り返し議論しています。
自治労は84年スト以来、全国ストをやっていないため、50歳代初めまでの組合員はストのやり方すら知りません。しかし、4月は異動と新入職員が入り、一番忙しい時期ですが、送別会や歓迎会などで積極的に4・26ストを訴えよう、4・26当日の支部職場決起集会の場所を確保しよう、4・26当日の方針を組合員に周知徹底しよう、など実践的な提案が出ました。また労組交流センター自治体部会の討議資料を組合員に持ち込み、ストの背景や意義について共有することが重要だと意思一致されました。
市従にスト訴え
現場では「無駄なエネルギーを使いたくない」「本部はどうせやらないでしょう」という重さ、あきらめの一方で、「ここでやるのが組合でしょう」「言っていることはその通りだ」という闘う機運が起こっています。メンタル不調で長く休んだ後復職した人が「隣の人とストライキをやりたい」と言っています。
ストの嵐の中に新入職員が入ってきます。ここでストをやれば「よくやってくれた」となり、長く鬱積(うっせき)した雰囲気だった職場が活気づきます。
神奈川県労組交流センター自治体部会は、動労千葉物販に協力している支部や職場に入り、解雇撤回・JR復帰10万筆署名を要請するとともに、支部での賃金削減反対決議を上げストライキをともに闘おうと職場オルグに入ります。
10万筆署名は、3月18日の自治労横浜決起集会で40筆、21日の市労連決起集会で18筆集まりました。賃金削減攻撃に対して闘いの方針を打ち出さない市従(自治労連)への怒りは深く、多くの市従労働者が署名に応じました。
ストライキは、職場の主導権が当局ではなく労働者にあること、労働者が社会の真の主人公であることをはっきりさせます。4・26ストを打ち抜き6・9国鉄全国運動集会へ。全国のすべての自治体労働者の皆さん、腹を固めて闘いましょう。
(神奈川・野田利一)
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週刊『前進』(2579号3面2)(2013/04/08 )
処分・解雇、非正規職化、労組つぶし 教育民営化に反撃を
大阪の教育労働者の闘い
大阪市職労働者の入れ墨調査拒否処分撤回、大阪市教組労働者の「君が代」不起立処分撤回の二つの闘いを軸とした、大阪市長・橋下と維新の会による民営化・労組つぶしとの闘いは、2・24橋下打倒集会とデモで大きく前進しました。労組アンケート「違法」の人事委員会裁定に対する橋下のジグザグの動揺に、橋下打倒の展望を見ることができます。2・24は世界中の労働者の民営化との闘いと連帯し、動労千葉・動労水戸・動労西日本の外注化粉砕闘争、3・11反原発福島行動とともに闘われました。
関西の教育労働者は安倍内閣・橋下大阪市政の新自由主義政策と真正面から闘って勝利できる闘い方を自分たちの手でつかみ、それを目に見える前進として確認することができたと思います。
4月1日の初任者辞令交付式(大阪市・大阪府)で配られた関西労組交流センター・教育労働者部会の「教労ニュース」は次のように訴えています。
「大津『いじめ問題』や大阪市立桜宮高校『体罰問題』での生徒の死は、辛く悔しくてなりません。だからこそ、今始まっていることの本質を明らかにする必要があると思うのです。そもそも、体罰を容認してきたのは橋下市長や文科省です。市立桜宮高校体育科は、カリキュラムと結びついた強い部活を特色としてつくられ、教育労働者は評価され成果を求められ、土日も働き、競争を強いられてきました。一切の責任は、教育労働者をこの状況に追いやった大阪市当局・政府にあります。また、15〜39歳の死因のトップが自殺という新自由主義・資本主義によって青年の未来が奪われている結果でもあります。にもかかわらず今回のような問題が起これば、学校と教職員の責任にして体育科をつぶし、当該教員の処分・懲戒免職、傷害・暴行罪での書類送検、校長を始め13人もの教員の入れ替え・配転を行いました。……橋下市長は、高校生たちの訴えを踏みにじり、生徒の死さえ利用して、教育労働者と生徒・保護者を分断し、教職員の団結・労働組合つぶしを行い、処分・免職、病気・退職に追いやる『教育の民営化』攻撃を実行に移したのです」
怒りに堪えない攻撃が日々かけられています。「いじめ」「体罰」処分、長時間労働・過重労働、賃金と退職金の削減、「授業評価」――これらはすべて民営化、外注化・非正規化、労組破壊を進めるものです。
全国で「体罰アンケート」が行われました。調査の結果、大阪府では110人が処分・注意を受けました。労働組合が反対しなかったからです。
ある教組ではアンケート結果に対して組合員講師が校長から事情聴取を受けました。講師の相談を受け、この教組は「許せない! 処分・解雇のための調査は絶対反対」と解雇攻撃を絶対許さない闘いをしました。労働組合がこのように闘えば阻止できるのです。このことを聞いた他の労組の組合員からも「そのとおりですね」と共感が寄せられています。
また別の職場では、まだ労働組合として組織的に反撃できない悔しい思いで「体罰校内研修」に参加した労働者が、沈黙を破って「この忙しい時期にどうしてこんな研修を入れたのか! 意見が出ないのはなぜだかわかりますか? 教育委員会への不信です。処分のための研修じゃないですか。ささいなミスまでも個人の責任にして処分・解雇していくやり方は認められません。本音の言えないこんな研修に、みんな怒っているんです。何でも話し合える職場づくりこそ必要なのではないですか?!」と発言し、研修の雰囲気は一変しました。一人からでも本質を明らかにして非和解で闘えば、職場から労働組合を階級的に再生していけるのだと思います。
「生活できない」現実がとりわけ青年労働者・非正規労働者に襲いかかっています。ベネッセが調べた中学校教員の学校にいる時間は07年で1日平均11時間48分! こんな長時間の過重労働が続けば業務上の「ミス」は誰にでも起こります。それをすべて個人の責任とし、処分・解雇、退職に追い込む。病気になっても休みも取れず休職・退職に追い込まれるのも在職死亡・自殺も、すべて教育の民営化攻撃の結果です。私たちは「労働者全員の問題として階級的に団結して闘う」という方針を討論し、職場労働者・労働組合の闘いとして実践してきました。
原則的に闘って、その結果悔しい思いをすることもありますが、職場で具体的に闘って労働者の階級的団結が前進すれば、それは大きな勝利です。着実に成果が現れ、勝利する展望が見えるようになりました。
分会会議を開くことも困難な状況の中から、分会の具体的な闘いの方針をつくり上げる必要があります。そのためには地区党・教労委員会での徹底討論が必要です。大阪市での橋下打倒闘争の前進は、地区党・教労委員会での討論からつくり出されたと言えます。いよいよ闘いが劇的に発展していく情勢が来ました。一つの職場・組合の闘いの前進がすべての職場の闘いに結びつくようになりました。
(関西・I)
(写真 「橋下打倒!」を掲げて行われた2月24日の御堂筋デモでは、教育労働者が先頭に立った)
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週刊『前進』(2579号3面3)(2013/04/08 )
闘いは進む 青年の職場から
自治体 7.8%賃下げ反対! 青年部結成しストを
関東 真壁久美子
自治労本部は2月にスト批准投票を実施し、73%の批准率で「闘争指令権を中央闘争委員長(自治労中央執行委員長)に委譲する」と決定しました。そして今回の賃下げ攻撃について「4月26日にストライキを配置した上で、4月22〜25日を闘争のヤマ場とする」方針を出しました。
現場に降りない自治労スト方針
しかし! ストライキ方針を出したものの、内実は現場に丸投げです。まったく何の取り組みもない単組や情報が流れていない単組もあります。
私たちの組合執行委員会でもストライキはまったく議題にならず、委員長に問いただしても「うちは無理だよ」「かけ声だけじゃできない」「まずは署名だけでも」と言います。組合として学習会もやらない。組合員の意識が高まらないのも当然です。現場に丸投げの本部方針や、それを理由に取り組まない単組執行部の対応は本当に許し難いけれど、「現実を見据えて、私たち自身が現場で宣伝し、声をかけ、怒りを組織するしかない!」とあらためて痛感しています。
現場の怒りこそ絶対に正しい!
1カ月タダ働きという賃下げに怒らない労働者はいません。「何か悪いことをしたのか」「残業が多くて疲れているのにもうやってられない」「生活は火の車だ」――この怒りの声は絶対に正しい!
非正規・失業・ブラック企業が蔓延(まんえん)する中で「公務員はまだいい」と言われ続け、自治体労働者はそうしたバッシングにある意味慣れてきてしまった面があると思います。「公務員はたたかれてもしかたない」と。こうして過重労働や低賃金への怒りは押しつぶされてきたのです。
でもやはり今こそはっきりさせるべきです。1987年の国鉄分割・民営化以降26年の間に、どれだけ公務職場が民営化され、非正規職化が進んできたか。人員が極限まで減らされ、どれだけメンタルの疾患が増加してきたか。そしてそこまでやっても財政はまったく改善せず、むしろどんどん悪化し、それでも「労働者が悪い」とたたかれてきたのです。
もう我慢ならない! 「財政健全化」なんて言って、やっていることは財政破壊であり地方自治破壊であり、労働運動つぶしじゃないか。責任は私たちにあるんじゃない。「国がやってきたことのツケを労働者に押しつけるな!」とすべての労働者の先頭で自治体労働者こそが怒る時です。
ストをやれない理由なんて、言い出したら山ほどある。でも組合員のせいにするのはやめよう! 執行部が必死さを見せることが必要です。組合役員が必死で「これはとんでもない攻撃だ」「ストライキやって当然なんだ」「労働者全体の問題なんだ」と組合員の先頭で一番怒ること、ちょっと困難に見えてもスト配置を具体的に準備することが、本当に組合の復権につながると思います。
若い世代はストなんて聞いたことも見たこともない。ストライキをやって役員が処分されるくらいのことがあって初めて、組合への不信感が信頼に変わるのではないでしょうか。
初めて朝ビラを配って解放感!
私自身執行委員の一人として、こうした議論を執行委員会で始め、やっと組合として20年ぶり(!)の朝ビラと、「給与削減反対」の全員署名の取り組みが始まりました。全体に呼びかける賃金学習会も設定されました。朝ビラを役員としてやるのは初めてですが、十数人が時間を決めて、赤い腕章を付けマイクで訴えながらビラを配り、正直感動しました。「こういうことをやると、何より執行委員が団結するんだな」と感じました。
自治労には行政職、現業職、非常勤職員とさまざまな職員が加盟しています。ともすると行政の効率化を実施する側の職員と、合理化される現業職、要求を出す非正規職員と、労働者同士が対立させられてきました。でも今回の賃下げ攻撃は全部が一丸となって闘う大チャンスです。闘って、分断をのりこえて、団結を取り戻そう!
この賃下げは何より青年にとって大問題です。そもそも4月に入った新入職員に、いきなり7月から賃下げなんてよく言えたものです! 「そもそも全然上がらない」「生活保護は3年間で7・3%。うちらはいきなり7・8%下げるのか」「アベノミクスでよくなるわけがない」と国の政策そのものに対する怒りがわき出ています。「自分の賃下げも困るが、それが次の世代にまで強制されることはさすがに黙っていられない」と青年が立ち上がり始めています。ここにすべての展望があります。
青年が闘いの主体になる賃下げ阻止闘争を全国で巻き起こそう。そのためにも一つの拠点、一つの青年部をつくり上げるという飛躍が必要です。
4・26ストライキを新しく入庁した仲間とともにやりたい! でも今の組合のままでは無理だ! 労働組合を生まれ変わらせる闘いとして、スト貫徹・青年部結成に突き進みたいと思います。
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週刊『前進』(2579号3面4)(2013/04/08 )
卒業式から排除許せぬ
千代松市政の教育民営化と闘う
大阪・泉佐野市議会議員 国賀祥司
泉佐野市教育委員会は、3月の市立小中学校卒業式から私を排除した。泉佐野市始まって以来の暴挙である。
私が2月27日に中藤辰洋教育長に強く抗議したところ、排除の理由は「国歌斉唱時に起立しない」からだという。日本共産党は起立するようになったので招待したという。
私には何の話し合いもせず、こっそりと小中学校長に招待状を出さないように指示したことがわかった。条例にも法律にも来賓に起立を強制する規定はない。
私は1986年に泉佐野市議になってから毎年、卒・入学式に来賓として出席してきた。当初は卒・入学式に「日の丸」掲揚も「君が代」斉唱もなかったが、99年に「国旗・国歌法」成立が強行されてから徐々に拡大してきた。私は「君が代」斉唱時には必ず教育労働者とともに着席してきた。当初は反戦闘争の一環として、橋下徹が大阪府知事になってからは教育の民営化に反対して着席してきた。
この暴挙は突然起きたわけではない。11年4月に千代松大耕が泉佐野市長になってから、教育民営化攻撃が始まった。
条例制定して起立・斉唱強制
昨年12月には「国旗・国歌条例」を制定し、教育労働者と市職員に起立と斉唱を義務づけた。大阪府・大阪市に次いで全国で3番目である。
昨年10月には全国で初めて学力テストの学校別成績の公表を強行した。これに対して市教委や教育労働者が抗議した。また民営化と闘う市職員と私の闘いも千代松を追い詰めていった。
今年3月市議会には「教育委員を5人から7人に増やす」という教育委員定数条例案を提出した。地方教育行政組織法は「教育委員会は、五人の委員をもつて組織する」となっている。ただし書きで「六人以上の委員をもつて組織することができる」としているだけで、9割の市が5人である。7人の市は5市しかない。その意図は教育委員会への介入である。議会で私が追及しても、教育長はその理由をまともに答えられなかった。
また施政方針では「教育行政基本条例を制定する」と表明した。教育行政基本条例は、全国で大阪府と大阪市しか制定していない。杉並区では前区長・山田宏が制定しようとしたが反対が強くて制定できなかった。大阪府・大阪市の基本条例は首長が教育振興基本計画などで教育行政に介入できるように規定している。さらに教育委員を首長が罷免できる条項を入れている。
橋下が大阪市でやっていることは、教育の民営化攻撃そのものである。服務規律に従わない教育労働者を処分し、いつでも賃下げ自由・首切り自由の非正規職労働者に置き換える、そして塾の講師などを非正規職講師としてどんどん入れていく民営化攻撃である。
これに対して大阪市教組の沼田祐子さんが職場の仲間に呼びかけて不起立闘争を闘った。すると橋下の脅しは崩れていった。労働者が処分を恐れずに立ち上がることを橋下は最も恐れている。
私は、沼田さんの闘いを支持しともに闘う。そして泉佐野市職の労働者とともに千代松を打倒する闘いをますます拡大していく決意である。
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週刊『前進』(2579号3面5)(2013/04/08 )
金属労働者の春闘報告
3月ストから4月春闘本番へ 日機に続きストで闘おう
職場から怒りの反乱が始まった
動労千葉は13春闘の統一回答日である3月14〜17日に第2波ストを打ちぬいた。動労水戸も4波にわたる春闘ストを打ちぬいた。ストライキで階級的労働運動の存在と力を示した。
金属産別JAMの職場では、バルブ製造のNTN労組の5千人がリストラに抗議して3月21日に半日ストを闘った。消防車製造の日本機械工業労組は3月26日に1時間ストを貫徹し大きな勝利をかちとった。外注化を許さず子会社からの出向を原則禁止する文書を交わし、正社員の採用を約束させた。それらを背景に、昨年より1千円増の賃上げ、一時金も1万3千円増、07年の賃金カット分の戻しは昨年の2倍をかちとった。
世界大恐慌の深まりの中、団結破壊と雇用破壊の新自由主義攻撃に労働者の怒りは頂点に達し「ストライキを!」のマグマのような流動が資本主義の支配を揺るがしている。欧州諸国はギリシャを先頭にストライキの嵐の中にある。
日本でも大リストラが進行し、工場移転や非正規職導入が拡大している。「解雇自由」の攻撃が激化し、13春闘で労働者の反乱、ストライキが巻き起こりつつある。だから、「革命のヒドラ」が宿るストライキの圧殺が政府・資本・連合の最大の眼目となった。
労働者のストライキを押しつぶすため、安倍政権は異例の行動に出た。2月12日、安倍首相は経団連の米倉弘昌会長、経済同友会の長谷川閑史代表幹事、日本商工会議所の岡村正会頭と会談し「業績が改善している企業は報酬の引き上げを検討してほしい」と要請した。賃上げを政府が要請するなど前代未聞だ。
この動きに呼応してローソンが2月7日に一時金増額と賃金3%引き上げを発表し、3月4日にセブン&アイ・ホールディングスがセブンイレブンやイトーヨーカ堂などでのベースアップを発表した。マスコミはアベノミクスをもてはやした。3月13日にはトヨタ自動車や日産などが一時金満額回答を出し、自動車・電機ともに主要企業は定期昇給維持を回答。NTTグループ6社の一時金も満額回答だ。日本郵政グループは一時金を0・3カ月アップの3・3カ月とすることで妥結。牛丼チェーンすき家もベア実施を発表した。
ローソンなどは「政権の要請に賛同した」と強調し、トヨタ自動車も「安倍政権の要請は重要な判断要素の一つ」と発表した。連合の古賀伸明会長は13日、「『所得向上でデフレを脱却すべきだ』というわれわれの主張に政府が同一認識に立った」と安倍の賃上げ要請を評価。衆院予算委員会で麻生副総理は「共産党と自民党が一緒になって『賃上げを』というのは歴史上初めて」と述べ共産党は「一致するところが多い」と応じた。まさに政労資一体で春闘を演出した様相となった。
だがローソン従業員20万人のうち正社員は3300人に過ぎず、残り98・5%は対象外の非正規労働者だ。2・31%賃上げのニトリも対象は正社員だけである。
(写真 ストライキで全員で工場構内デモを行う日本機械工業労組組合員【3月26日 東京都八王子市】)
政労資が一体で春闘解体を狙う
労働者と資本の最大の攻防点である賃上げを政府が介入して決めるあり方は異様である。資本が労働者のために賃上げを行うことなどありえない。「賃上げ要請」の本質は労働者の反乱やストを圧殺するための予防反革命だ。民主党政権を倒した労働者の反乱が連合支配を崩壊させたことへの危機感が表れている。
賃上げが闘いではなく政府と資本の「温情」によって決まるという構図は、労働組合の存在や役割を終わらせる攻撃だ。労働組合は「無意味」なものとなり、アベノミクスが賃上げを生むという虚構がつくられる。
パナソニックでは定昇確保で妥結した後に残業や出張手当の削減が打ち出され、パイオニアは半年間の定昇延期を決め、富士通も同様の協議が始まった。「満額回答」の見せかけは春闘終了後に凶暴な姿に転化した。
春闘では曲がりなりにもスト権が確立され、闘争態勢が確立される。しかし春闘を終わらせて労働者の手足をしばった時点でリストラを強行する労働組合破壊の悪質な攻撃がまかり通っている。連合幹部は、この攻撃に協力することで資本の庇護(ひご)を求めている。13春闘が春闘解体の場になっているのだ。
金属産別では大リストラが横行している。ミシンメーカーのJUKIではグループ会社と合わせ329人が希望退職。ミツミ電機では千歳工場への移転で厚木事業所160人と山形事業所90人が異動対象となった。エンジンバルブ製造の日鍛バルブは60人の人員削減を公表。鉄骨・橋梁(きょうりょう)製造の駒井ハルテックでは希望退職に59人が応じ、輪転印刷機械製造の東京機械製作所も49人が希望退職とされた。だが労働組合は何の抵抗もしていない。
5・1メーデーに総決起しよう
資本攻勢の激化とスト禁圧情勢の中で、春闘を当たり前に闘うことが新自由主義と全面的に対決することになった。政労資一体となった春闘解体の攻撃に抗する闘いこそ、動労千葉・動労水戸のストライキである。さらに自治労では4・26全国ストが準備されている。攻撃に屈せず動労千葉に連帯するストライキ闘争が広がっている。
連合幹部の屈服に逆比例して、労働者の根底的革命性が爆発し生産現場でストライキが起きている。現場労働者が執行部をのりこえる戦闘性を発揮し、労働組合本来の力をよみがえらせている。執行部の動揺を正して階級的に屹立(きつりつ)させ、意気軒高と闘う方針をつくり上げている。日本機械工業労組のストは職場の怒りを解き放って実現された。このストに連帯し職場で闘おう。
中小民間では4月が春闘本番だ。断固としてストライキ闘争を貫徹して、5・1メーデーを労働者の手に取り戻そう。6・9国鉄全国運動集会に金属労働者は総結集しよう。
(東京・青山翼)
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週刊『前進』(2579号4面1)(2013/04/08 )
全国・全世界の団結でフクシマの怒り解き放った3・11反原発行動
革共同福島県委員会
全国のみなさんの大結集で成功を収めた「3・11反原発福島行動13」の興奮から、早くもひと月になろうとしています。私たちはこの3週間あまり、JRの外注化をめぐる日々の攻防、動労千葉の「解雇撤回・JR復帰」を求める10万筆署名運動、3・24三里塚闘争、ふくしま合同労組の団体交渉など休む間もなく激しい闘いの日々を過ごしながらも、今年の3・11攻防の総括論議を深めてきました。その間に「3・23県民大集会」にも参加し、先日は3・11反原発福島行動実行委員会の反省会も行われました。そうした地平の上で、今後の闘いの教訓になればとの思いで若干の提起をさせてもらいます。
敵をあいまいにしないことこそ「3・11」の原点
今回の3・11反原発福島行動13にいたる過程は、周知のように国家権力・資本、そしてそれに連なる勢力との激しい党派闘争の連続でした。
自民党・安倍政権による原発再稼働へのなりふり構わぬ攻撃は、福島原発事故を過去のものにしようとするすさまじいまでの「復興」「除染」「安心・安全」キャンペーンによって、住民の間にいく層もの分断をもたらしています。「あきらめ」と「無力感」を強制しようとするこの攻撃に対しては、闘いの原則を貫くことが何よりも求められました。
それは「忘れさせよう」という敵の攻撃に対して、何度でも何度でも「3・11の原点」に立ち返ることでした。「原発絶対反対、再稼働絶対反対」を貫くことであり、最も重要なことは敵をあいまいにしないということでした。
福島では昨年の秋口以降、診療所が、中核派が、実態を何も知らない者たちによって、まるでマルクスの『共産党宣言』冒頭に出てくる「妖怪」さながらに「現代の妖怪」としておどろおどろしく宣伝されました。
震災と原発事故から2年がたち、「フクシマの怒り」と表現されてきた人びとの思いも、もともと複雑だったものがますます複雑化しています。「3・11後の新たな活動家」と言われる人たちの中にも、「強大な」敵との闘いに疲れ、弱音を吐く人たちも出始めていました。そうした人たちが手近なところに敵をつくることに逃げ込もうとしたとも言えますが、許せないことに、そうした人たちの心理にもつけ込みながら、衆院選結果を受けて階級への自らの絶望をごまかし、反中核派キャンペーンを率先して繰り広げたのが、いわゆる体制内諸党派でした。
彼らは三里塚闘争からの逃亡と敵対、国鉄1047名解雇撤回闘争の破壊と裏切りの2010年4・9政治和解など、階級決戦からことごとく逃げ回ってきた連中です。その本音は「国策とは闘っても勝てない」「福島で診療所なんてつぶされるに決まってる」というものでした。
3・11後の反原発闘争が「絶対反対」の非和解性を極めざるを得ないことに恐怖した国家権力・資本の意思と有無通じながら、反原発運動や診療所建設運動などに悪意ある分断を持ち込むことが彼らの役割となっていきました。「分断を越えて」などという白々しい発言の陰で、診療所や3・11反原発福島行動13へのおぞましい妨害が数々行われました。彼らが3・23県民大集会の呼びかけ人代表・清水修二氏の「福島に全国政治を持ち込ませるな。政治闘争化したら負ける」などという絶望の組織化に与(くみ)したことは必然でした。
ふくしま共同診療所が生きぬく闘いの拠り所
しかし、そうしたごまかしや中途半端な妥協が許されないのが3・11が突きつけた現実です。
何万人という人を殺され、今も殺され続けている現実をとおして、労働者人民は、国家と資本の本質を嫌というほど胸に刻みました。頼れるのも、未来を開く力も、労働者階級の団結であることを実感としてつかみました。国労郡山工場支部の橋本光一さんの3・11福島行動での発言が、その確信を見事に表現していました。大恐慌情勢下で今、この確信が根底的に労働者階級人民の意識をとらえています。敵はそのことに恐怖するがゆえに「復興」によって階級の団結をたたきつぶそうとしているのです。
しかし被災・被曝の現実は絶対にごまかすことはできません。福島の労働者人民は、日々この現実と向き合い、生きぬく闘いをくり広げているのであり、闘わなかったら殺されるのです。この切迫感が、ふくしま共同診療所を実現したとも言えます。
診療所や3・11反原発福島行動13への悪意に満ちたキャンペーンに心を痛めながら診療所見学に来られた方が、壁に掲げられた診療所の理念を読んで「ここはあったかいね」と発したというエピソードは、本当に闘う者こそが労働者人民に安心や信頼をもって迎えられることを示しています。
やりもしないうちから「絶対につぶされる」「保険診療なんて認められるわけがない」「行政とはうまくやればいいんだ」と、支配階級との激突を恐れ、労働者人民の怒りの底力に信頼を置かなかった人たちが、敵の分断攻撃にまんまと乗せられていきました。
その中でふくしま共同診療所が現実に開院し、山下俊一や県立医大に負けないで原則を貫いていることが、人びとに「あたたかい」と感じてもらえるよりどころとなり、敵の分断攻撃に対して揺るがない確信を守りぬいていったと言えます。
労働組合こそが全原発廃炉の力
それと一体で動労水戸や国労郡山工場支部といった労働組合が、階級への信頼を踏まえて闘いの軸に座りきっていることが、3・11反原発福島行動13の成功を根底的なところで保証しました。呼びかけ人や実行委員の中でも、いわゆる市民集会にしか参加したことがなかった人たちが、「橋本光一さんの発言が一番良かった。労働組合の姿が見える初めての集会だった」「『被曝労働させるな!』とデモで言えてスカッとした。あのくらいの人数になると言いたいことが言える。全国の人と活動できてよかった」と権力・資本と非和解で闘う労働組合の全国からの登場に素直に感動する姿は、私たちにとっても感動でした。階級的労働運動こそが反原発闘争を切り開く力であることを実証したと言えます。
毎週金曜の駅前行動の積み重ねも大きな力となりました。毎週の行動を半年以上も続けていることがもたらす仲間同士の間での変化、そして街頭の変化を、集会の成功をとおして実感することができました。あきらめない姿、継続する姿が「フクシマの根底的な怒り」に力を与え、呼びかけ人を先頭とした権力にも体制内諸党派にも負けない感動的決起を実現し、フクシマの怒りと全国・全世界が団結する画期的勝利を実現したのです。
階級への信頼、党の変革と飛躍が成功の原動力
今、世界で、日本で、歴史的な階級意識の激変が生まれています。それを主体的に物質化できるかどうかが私たちに問われています。その意味で革共同の階級的団結、革命情勢に対応した党の変革と飛躍が今年の3・11の原動力となったことをあらためて確認する必要があります。
とりわけ福島県委員会の階級的団結と総決起、学生戦線の縦横無尽の活躍は決定的でした。「これだけの少人数で、あれだけのものをやりきったことは本当にすごい。人間の持つ底力を感じた。一人ひとりが自分の役目を果たして、力以上のものを出していた。『必要ない人』なんて一人もいなかった」。これは実行委員会の反省会で出された意見です。同じような感想が何人もから、いろいろな場で出されたことが特徴的です。
私たちはとりわけこの2年間、拠点建設を闘える地区党の建設をテーマに格闘してきましたが、一つの職場に地区のメンバーが総がかりで向き合い、その団結の力で、現場の労働者が拠点化攻防を闘い抜くことができるという地平を築き上げてきました。
党派性=大衆性の立場貫き勝負
正しい時代認識も正しい路線も、現実に実践されなければ意味がありません。最後は現場の団結です。党自らが団結を取り戻し、その力で労働者階級と呼吸し、真の団結をかちとっていく、この闘いを粘り強く積み上げてきました。党だからあらかじめの団結が保証されているなどということはあり得ません。今、団結や信頼を腹いっぱい味わったことのない青年を前に、「おじさん」も「おばさん」も戸惑いの連続です。しかし、今を一緒に闘うことで彼らと一体化することは必ずできます。
これらは3・11情勢下における党と労働組合の一体的建設の闘いそのものでもありました。機関紙とマルクス主義でストレートに組織していくことに挑戦してきました。
福島の現状に即して言えば、「妖怪物語」に自ら終止符を打つ闘いへの踏み出しです。「党派性こそが大衆性なのだ」という時代認識で勝負してきました。労働学校の威力は絶大でした。この中で新たな革命家人生を決断した同志を迎え入れ、読者を増やし、その力で3・11行動の原則的で大衆的な大成功も実現しえたのです。
新自由主義の容赦ない進行は、階級的怒りのルツボを生み出し、予想される大激動は主体的力量をはるかに超えたものになります。しかし、3・11をうちぬいた地平は、それらすべてを党の変革と飛躍に転じることを可能にしています。労働者階級の根底的な怒りに信頼を置き、ともに闘うことです。
浪江町の希望の牧場代表・吉沢正巳さんの3・11行動での発言や『前進』インタビューに涙が出るのは、腹の底からの敵への怒りと階級的共同性・人間的共同性への限りない信頼を感じるからです。
3・11反原発福島行動13は本当にいい闘いでした。フクシマの怒りそのものでした。
だから今、国鉄決戦と反原発決戦をトコトン意識的に貫いて階級的労働運動と労働組合をよみがえらせるために闘うのだという決意を新たにしています。一切の攻防は被災地フクシマの怒りと階級的労働運動・革命的共産主義運動との結合に収斂(しゅうれん)されていくと確信するからです。フクシマが革命の根拠地・階級的労働運動の拠点となるか否かにかかっていると感じるからです。
3・11反原発福島行動13に参加してくださった全国のみなさん、本当にありがとうございました。団結して闘い抜きましょう。
(写真 〈上〉怒りと力にあふれデモ出発【福島県教育会館】〈下〉福島を先頭に1350人が結集した反原発大集会)
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週刊『前進』(2579号4面2)(2013/04/08 )
経産省前テントを守ろう
福島と結ぶ反原発の拠点「仮処分」−撤去攻撃許すな
狙いは再稼働
自民党安倍政権・経済産業省の意を受け東京地裁は3月14日、経産省前テントへの「仮処分決定」の告示を行った。これは経産省前テントの撤去をたくらむものであり、原発の再稼働攻撃そのものだ。
3月14日早朝、東京地裁の執行官が経産省前テントを訪れ、「仮処分決定」についての掲示を行った。これは国が今年2月18日に提出した「占有移転禁止仮処分申立書」を東京地裁が認めたものだ。この「処分」は「占有」者を固定し、裁判の相手を固定するという意味がある。また申立書の末尾には「明渡請求訴訟の準備中」とあり、「仮処分」は「明渡」―テント撤去のための布石と言える。仮処分自体がテント撤去攻撃であり、安倍政権はそれを突破口に原発の再稼働に突き進もうと狙っているのだ。断じて許せない。
翌3月15日には、テントひろば代表の淵上太郎氏と正清太一氏の自宅に、経産省から「テント設置による使用料金相当損害金の国庫納付」と称する納付告知書用紙が送達された。金額は合計1105万9090円という巨額だ。なんとテントの「使用料」として1100万円以上の大金を支払えというのだ。やくざまがいの、国家権力を笠に着た恐喝にも等しい行為ではないか。怒り心頭とはこのことだ。
さらに3月19日、茂木敏充経産大臣から淵上氏あてに、2012年7月12日付けの国有地使用願いに関する再審査申請に関して、「却下通告」の文書が送達された。
「福島の大事故の重要性・緊急性からみて……経産省前テントはどうしても必要なもの」と、淵上氏らは2011年9月13日、経産省に対し「国有地使用許可申請」を行った。だが経産省は「不許可」を決定し、「審査請求」に対しても「請求棄却」、さらに「再審査願い」に対して今回、却下通告をしてきた。
経産省前テントは抵抗権の行使であり、労働者民衆の大義に根ざすものだ。正義は原発に反対して闘う労働者民衆と経産省前テントの側にある。原発再稼働に突き進む安倍政権と経産省こそ断罪されなければならない。
(写真 撤去策動への3・22抗議集会)
ハンスト貫く
福島原発事故から半年後の2011年9月11日、1300人が参加して経産省包囲行動が大成功をおさめた。同日夕刻にテント1張りを立て、現在は計3張りのテントで闘いを貫いている。
同年12月1日から昨年9月11日までは「原発いらない福島の女たち」の椎名千恵子さんたちによる「未来を孕(はら)むとつきとおかのテントひろば行動」が行われ、テントを守りぬき、野田政権と真っ向から闘いぬいた。大飯原発再稼働の動きが激しくなった昨年春には同じく「原発いらない福島の女たち」が呼びかけた再稼働阻止のリレーハンストが3月31日から5月5日まで経産省前テントを中心に全国で取り組まれ、多くの労働者民衆とともに全原発停止の歴史的勝利を成し遂げた。
設置以来1年半余り、経産省前テントは、フクシマを始め全国の原発反対を闘う人びとの交流の場、拠点となり、首相官邸・国会前行動を支え続け、野田民主党政権―安倍自民党政権の再稼働攻撃と真っ向から対峙しぬいている。
世界大恐慌が激しく進展し日本帝国主義の破滅的危機が深まる中で、安倍政権と資本家階級は生き残りをかけて再稼働に突き進もうとしている。7月、原子力規制委員会による「新安全基準」の施行、それに基づく「審査」を経て再稼働というのが安倍政権の狙いだ。
絶望的あがき
労働者民衆はこの3月、極右超反動の安倍政権と真っ向から闘い、新たな時代の扉を押し開いた。福島圧殺攻撃をうち砕き、3・11反原発福島行動に1350人が結集し、豊かで感動的な勝利を実現した。福島の闘いと根底でつながり、数万の労働者民衆が3・9、3・10の反原発行動に立ち上がった。
特筆すべきは労働者階級の荒々しいストライキの時代が始まったことだ。動労千葉・動労水戸・動労西日本は外注化阻止・春闘勝利のストライキに立ち上がった。動労水戸は労働者や利用者に被曝を強制するJR東資本を弾劾して闘った。さらに民間や、非正規労働者の雇い止め反対ストが闘いぬかれ、4・26自治労ストライキ情勢を切り開いている。
労働者階級の本格的決起と反原発闘争が結合する時代の到来に安倍政権はおののいている。テント撤去の策動はなんの展望もない絶望的あがきだ。3月22日のテントひろばでの抗議集会には約300人が駆けつけ(前号既報)、この場で淵上氏は「私たちは皆さんとともに闘う」と宣言した。福島県双葉町から東京に避難している女性は「テントひろばを守るために一緒に頑張りましょう」と声を振り絞って訴えた。
「仮処分」攻撃に労働者民衆の憤激は高まっている。この攻撃をうち砕き、逆に再稼働反対の巨万の決起を実現し、再稼働を絶対に阻止しよう。
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週刊『前進』(2579号4面3)(2013/04/08 )
3・29官邸前 民衆の力なめるな
参加者増え2年目突入
3月29日、安倍政権の原発再稼働に反対する首相官邸前での金曜行動は大規模なものになった。官邸前での抗議行動は昨年3月29日に第1回目が行われ、今回から2年目に入った。29日は「初心に戻る」意味で国会前での行動は取りやめ、官邸前に集中しての抗議行動だ。今回、参加者は大幅に増大した。今冬の厳しい寒さの中を頑張りぬき毎週闘いぬいた人たちに、若者・女性を中心にさらに多くの人が加わったのだ。福島の女性や避難者、原発立地の地元からの参加者、海外からの参加者、家族連れ、初めて参加した人、NAZENの仲間たちや全学連の学生が「原発やめろ!」「再稼働反対!」の発言とコールを繰り返した。
スピーチが始まった。福島から参加した女性は「原発から8`の富岡町から来ました。このままでは、本当に国に殺されます。東電は福島第一、第二原発を廃炉と言わず『検討中』と言っている。また動かそうとしているのだ、本当に許せない! 安倍首相になんか福島に来てほしくない。うそばかり言うな!」と全身で怒りを表明した。
フランスから来た女性は「毎月バスチーユの前で原発反対のデモをしている。皆さんを応援しています」と心からのアピール。埼玉県から参加した介護労働者の青年は「今日で22回目の参加です。民意は原発反対であり、それはまったく衰えていない。私のような今までデモには縁がなかった普通の人びとが毎週集まるこの力を政府は恐れるべきだ。私たちはだまされない! 民衆の力をなめてはいけない!」と、再稼働に突き進む安倍政権に対し巨万の労働者民衆の怒りの噴出は不可避と確信させる発言。
この日の首相官邸前は再稼働攻撃への怒りと「原発をなくすまで闘いぬく」気概が参加者全員にいっそうみなぎった。それは、一人ひとりがコールを叫ぶ表情、突き上げるこぶしに端的に表れた。フクシマを先頭に再稼働攻撃を打ち砕く巨大な闘いが始まった。
(写真 再稼働攻撃への怒りと「絶対阻止!」の決意みなぎるコール【3月29日 首相官邸前】)
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週刊『前進』(2579号4面4)(2013/04/08 )
2013年日誌 3月26日〜4月1日
柏崎刈羽原発4月再稼働を断念/南北朝鮮関係は「戦時状況」
●米暫定予算が成立 米国の今年9月末までの暫定予算が成立。3月27日に予算が切れて政府機関が次々閉鎖される危機は回避された。(26日)
●韓国軍が最高度防衛準備態勢を発令
韓国軍は北朝鮮の局地挑発に備えた最高度の防衛準備態勢「珍島犬1」を発令、約7時間後に解除。(27日)
●原発事故原因、新事実なし 東京電力福島第一原発事故の原因について調べている日本原子力学会の事故調査委員会は、独自調査はせず、想定を超える津波で冷却機能が失われたのが原因とする中間報告を発表した。(27日)
●歴代3社長に禁錮3年求刑 107人が死亡した兵庫県尼崎市のJR宝塚線脱線事故(05年4月)で業務上過失致死傷罪で強制起訴されたJR西日本元会長の井手正敬ら歴代3社長に、指定弁護士は刑事責任は重いとして禁錮3年を求刑した。(27日)
●米韓合同演習にステルス爆撃機 在韓米軍は、韓国で実施中の米韓合同演習「フォール・イーグル」で核兵器を搭載できるステルス機のB2爆撃機が爆弾投下訓練をしたと発表。(28日)
●国連、コンゴに戦闘部隊派遣へ 国連安全保障理事会は、コンゴ(旧ザイール)で国連平和維持活動(PKO)、国連コンゴ安定化派遣団に武力行使部隊を加えることを全会一致で決議。同様のPKOは1990年代のソマリア以来のこと。(28日)
●浪江・小高原発建設を断念 東北電力は福島県の浪江・小高原発の建設計画を断念した。福島第一原発事故後、新設計画の断念は初めて。(28日)
●辺野古申請書を受理 沖縄県は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け、沖縄防衛局の埋め立て承認申請書を正式に受理し、可否審査期間が1年超となる可能性に言及。(29日)
●機密流出の罰則を強化 安倍政権は、国の機密情報を流出させた公務員への罰則を強化する秘密保全法案を次期国会に提出する検討に入ったことを明らかにした。(29日)
●柏崎刈羽原発、4月再稼働断念 東電は新潟県の柏崎刈羽原発7基を4月から順次、再稼働させる方針を断念したことを明らかにした。(29日)
●原発早期再稼働を提言 安倍政権の産業競争力会議で企業経営者ら民間議員が「原発を早期再稼働すべきだ」とする提言をまとめた。(29日)
●震災関連死、40人を認定 東日本大震災から1年を過ぎた後に亡くなり、震災関連死と認定された人が少なくとも40人おり、うち35人は原発事故に伴う福島県からの避難者だったことが復興庁のまとめで分かった。(29日)
●南北関係は「戦時状況」 北朝鮮は「政府・政党・団体特別声明」を出し、南北関係が「今から戦時状況に入り、すべての問題は戦時に準じて処理される」と宣言した。(30日)
●「主権回復の日」抗議大会 政府が4月28日に開催を予定している「主権回復の日」の式典をめぐり、沖縄県議会の野党会派は同じ日時に県内で抗議大会を開くことを決めた。(1日)
●東電、電事連に18億円 東電が福一事故後の11年度、電気事業連合会(電事連)に会費として18億円を支払い、電気料金に上乗せしていた。(1日)
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週刊『前進』(2579号5面1)(2013/04/08 )
4・28-5・15沖縄闘争のために
4・28政府「記念式典」を弾劾し労働者国際連帯を貫き闘おう
革共同沖縄県委員会
3月22日、安倍政権と防衛省は、辺野古新基地建設に向けた公有水面埋め立ての申請をまたしてもこそくな手段で沖縄県に提出した。一方で安倍政権は、米帝への沖縄売り渡しの「屈辱の日」である4・28を「主権回復の日」と強弁し、政府主催の記念式典を開催しようとしている。絶対に許せない。これは改憲攻撃そのものであり、4・28沖縄デーが政治的焦点化することは、革命が問題となっていることを意味する。今年の沖縄闘争は、昨年の「復帰」40年の闘いを超える歴史的大決戦となった。世界大恐慌と3・11情勢、何よりも大国間の大争闘戦の時代に、新自由主義と闘う労働者階級の国際連帯闘争として沖縄闘争=安保・沖縄闘争を闘おう。4・28−5・15沖縄闘争に向けて、課題と展望を明らかにしたい。
(写真 10万人を超える大結集で闘われた昨年の「9・9オスプレイ配備に反対する県民大会」【宜野湾海浜公園】) 米日帝国主義と全面激突
世界大恐慌がますます深まり、帝国主義間・大国間の争闘戦が激しさを増す中で、全世界の労働者階級に新自由主義攻撃が襲いかかっている。とりわけ米帝は対中国・対北朝鮮との対峙・対決=新軍事戦略を基本方針とし、そのために日米同盟の強化とTPP(環太平洋経済連携協定)をもってアジアの排他的勢力圏化に突き進んでいる。これは同時に日帝に対する激しい争闘戦でもある。
日帝もまた11年3・11大震災と原発事故の直撃で危機を深め、日米同盟の強化で延命を策している。安倍は「領土問題」を叫び、「強い日本をつくれ」「すべては国家のため」「この国に力を尽くしたい」と国家主義をあおり、その脈絡で沖縄にとっては「屈辱の日」である4・28を「主権回復の日」として記念式典を強行しようとしている。
これと一体で、安倍は2・22日米首脳会談で普天間基地の辺野古移設を「公約」し、3月22日の公有水面埋め立て申請を強行した。「地元の名護漁港の同意を取り付けた」などと言っているが、この「同意」自体に沖縄の怒りがまき起こっている。
また、昨年10月に強行配備された最新鋭輸送機オスプレイは連日実戦訓練を繰り返し、この夏までにさらに12機が追加配備されようとしている。
こうした米日帝国主義の攻撃に対して、今や沖縄の深い怒りが燃え広がっている。
95年10・21闘争の10万人決起を押しつぶすためのSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)最終報告(96年12月)以来、沖縄と本土の労働者階級の実力闘争によって、辺野古への新基地建設は16年以上にわたって阻止されてきた。米日帝のSACO路線は、「経済振興策」の名のもとで進められてきた沖縄の労働者階級への外注化と民営化・非正規職化、すなわち団結破壊攻撃と一体であり、とりわけ基地労働者への団結破壊、全駐労への組織破壊と一体であった。これらすべてが「復帰」以降かけられてきた沖縄への新自由主義攻撃の極限的な形態であった。
重要なことは、この激しい攻防に沖縄の労働者階級は勝ち抜いてきたし、だから必ず勝利できるという深い確信である。ここに確信を持つことのできない勢力は、民主党への政権交代にすべてを託して歴史的破産を遂げた。沖縄の「革新共闘」は新自由主義との闘いから逃亡した結果、闘う勢力への敵対と排除へと動いている。
労働者階級はこの闘いの中で新自由主義の「強さ」ではなく「弱さ」をつかみ取ってきた。歴代政権の様々な攻撃をすべて打ち破ってきた沖縄の闘いは、安倍政権をもその怒りの炎で焼き尽くすだろう。
4・28−5・15沖縄闘争は安倍打倒の闘いそのものである。
沖縄労働運動の決戦到来
沖縄の労働者階級は、戦後沖縄闘争をけん引してきた戦闘的な労働組合を破壊しようとするあらゆる攻撃を、現場労働者の力で打ち破ってきた。
とりわけ、最先端の攻防は基地労働者の闘いであった。米軍当局は、「復帰」闘争の主力部隊として登場した全軍労(全沖縄軍労働組合)を破壊するために、「復帰」前後の過程で基地労働者への大量解雇攻撃を強行した。多くの活動家が職場から追われ、組合の組織率もそぎ落とされた。さらに78年に全軍労は本土の全駐労(全駐留軍労働組合)と統合されるが、現場には闘いの息吹が息づいていた。
95年の10万人決起に際して日帝が何よりも恐れたのは、この歴史的な反乱に基地労働者が合流することであった。そこで日帝は「全駐労は職場なくせ運動をするのか」と主張する沖駐労(沖縄駐留軍労働組合)などの分裂組織を直接手引きし、全駐労の変質をもくろんだ。しかしこの攻撃は現場労働者の反撃を受けて完全に破産した。そして07年には「格差給・語学手当」全廃攻撃に対する2波の全国統一ストライキが闘い取られた。
基地労働者の決起こそ核心
今日、安倍政権は再びみたび基地労働者への攻撃を開始している。
07年に「格差給・語学手当」(基本給の10%)は廃止となったが、全駐労ストライキを受けて、米軍当局は激変緩和措置として5%(固定保障)を支給してきた。今回、これを3月31日をもって廃止するとしてきたのだ。また、08年3月31日時点での〈基本給+格差給・語学手当〉が現給保障水準とされ、それ以降の定期昇給によってもこの現給保障水準に達しない場合はこれを保障するとしてきたが、この現給保障も廃止すると言っている。08年から5年間たっても現給保障水準に達しない基地労働者は全国で6200人、沖縄はその半分の3000人以上と言われている。さらにそれに加えて「国家公務員に準ずる」として7・8%の賃金カットだ。そもそも、08年4月1日以降に採用された基地労働者には「固定保障」も「現給保障」もない。そしてAAFES(米陸軍・空軍が共同運営する福利厚生組織)の60歳再雇用労働者のパート化強行であり、ストライキ時の年休申請は不許可という攻撃だ。米帝による「嘉手納以南返還」も基地労働者への「大量解雇」をちらつかせた攻撃にほかならない。
このような大攻撃に対して全駐労中央本部は、起こっている事態も闘う方針も、組合員にまったく示さない態度に終始している。そのために現場では混乱も起きているが、問題は執行部が裏取引=手打ちをしていることだ。執行部は歴史的な大裏切りの道に踏み出している。
基地労働者をめぐる歴史的な決戦を迎えている。それは沖縄の労働運動と階級闘争の決戦の到来を意味する。今や「復帰」闘争から72年5・15体制下の闘い、とりわけ95年以来の闘いに決着をつける階級決戦が到来している。それは戦後沖縄の労働運動と階級闘争のすべてをかけた闘いの開始である。
求められていることは、戦後沖縄の闘いの総括とその歴史的飛躍である。労働者階級の国際連帯でプロレタリア世界革命へ一気呵成(かせい)に突き進んでいこう。この路線的飛躍をかけて、4・28−5・15闘争を闘おう。
新自由主義と闘う最前線
この間の沖縄闘争と国鉄闘争の歴史的結合、すなわち沖縄における階級的労働運動の実践が「新自由主義と闘う沖縄闘争」という新たな地平を切り開いた。重要なことは、新自由主義と闘うことは国際連帯闘争そのものであるということだ。動労千葉を中心に03年から開始された日米韓の3カ国の連帯闘争は、今日の世界大恐慌と帝国主義間・大国間争闘戦の時代に決定的な意味を持っている。そしてこの3カ国の連帯を基礎として、ドイツをはじめ新たな国際連帯が実現されている。3・11反原発福島行動はこの国際連帯の地平をさらに前に進めた。
今年の4・28−5・15沖縄闘争の課題は、こうした国際連帯の地平で沖縄闘争を闘うということである。新自由主義と闘う労働者の国際連帯で安保・沖縄闘争の歴史的勝利を切り開こう。
「最末期帝国主義の絶望的延命形態としての新自由主義」は、「1%」が「99%」を極限的に搾取する世界をつくりだした。しかし、同時に重要なことは、新自由主義の攻撃は全世界の労働者階級が団結する条件を圧倒的に成熟させているということだ。日帝も今や主要帝国主義からの脱落の危機にあえぎ、「借金大国」「貧困大国」と化している。その中で、外注化・非正規職化の攻撃と「アジア並み賃金」を要求する強搾取によって多くの労働者が、とりわけ青年労働者が使い捨てにされ、命を奪われている。この現実は、全世界の労働者の現実とまったく同じだ。だから闘いのスローガンも同じである。新自由主義攻撃の核心と対決する「民営化・外注化阻止、非正規職撤廃」は国際プロレタリアートの団結のスローガンだ。「万国のプロレタリア、団結せよ」――この『共産党宣言』の呼びかけが新自由主義の時代でこそよみがえるのだ。
沖縄に米軍基地が存在するということがいかなる意味を持ってきたか。帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制において、米帝と日帝の軍事同盟=日米安保同盟はきわめて大きな位置を占めてきた。沖縄米軍基地はその最大の実体である。アジア太平洋地域のみならず、中東にまでも展開している米軍の出撃・兵站(へいたん)基地として存在してきた沖縄米軍基地こそ、全世界の労働者階級人民を分断支配する「要石」だ。
沖縄闘争はこの分断支配を打ち破る闘いとして闘われてきた。だから沖縄闘争は、その本質において国際連帯が貫かれてきたのである。この沖縄闘争の真価が問われる時代が到来した。この闘いの担い手は、沖縄と日本の労働者階級であると同時に、アメリカの労働者階級であり、アジアと全世界の労働者階級だ。とりわけ基地労働者が、「日米安保の実体そのもの」として国際連帯闘争の要に位置している。
この間沖縄で激発している米軍人・軍属による「事件・事故」も、新自由主義のもとで「世界最強」の米軍の崩壊が始まっていることを示している。それは、アメリカの労働者とりわけ青年労働者の置かれている現実そのものだ。米軍基地撤去の闘いの中で、アメリカの労働者階級(軍服を着た労働者)との国際連帯が実践的に問われる。また安倍政権が「領土問題」を声高に叫ぶ中で、中国の労働者階級との連帯も待ったなしに問われている。4・28−5・15沖縄闘争を国際連帯闘争として闘おう。
労働者国際主義の復権へ
「新自由主義と闘う労働者階級の国際連帯で安保・沖縄闘争の歴史的勝利を」という提起は、戦後沖縄の労働運動と階級闘争の総括と飛躍をかけた挑戦である。それはスターリン主義をのりこえ、新自由主義の時代に労働者階級自己解放と労働者国際主義の思想を復権させるということだ。そしてそれは、戦後沖縄の闘いを労働者階級の国際連帯の立場から、「万国のプロレタリア、団結せよ」の思想とその実践において総括していくということだ。
その場合、最大の問題は日本共産党(沖縄人民党)=スターリン主義による米軍の「解放軍規定」とそれと一体の「沖縄独立論」である。戦後沖縄における「独立論」とはつまるところスターリン主義の問題なのだ。それは同時に「薩摩以来の沖縄への差別支配」という論理と一体である。「沖縄独立論」とは帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制(国際プロレタリアートの分断支配体制)と一体の思想だ。戦後沖縄の分離軍事支配を裏で支えたスターリン主義の歴史的犯罪をあいまいにしてはならない。
これが「沖縄独立論」やその亜流である「自立論」「反復帰論」「構造的沖縄差別論」等々の正体である。だから「沖縄独立論」は直接には本土の労働者階級への不信を語るのだが、実は沖縄の労働者階級への不信と一体なのだ。沖縄と本土の労働者階級の分断を積極的に組織するということは労働者国際主義の否定であり、帝国主義とスターリン主義への屈服と投降にほかならない。
戦後沖縄の労働者階級の闘いは、このような「独立論」「自立論」「反復帰論」等々を踏みしだいて前進してきた。それは労働者階級としての自己解放を求める闘いであり、国際的な存在としての沖縄の労働者階級が「復帰」闘争とそれ以降の新自由主義との対決を闘い抜いてきたということだ。これは、スターリン主義をのりこえ、労働者階級が勝利していくというテーマであり、反スターリン主義・革命的共産主義運動が階級的労働運動として前進していくということだ。つまり国際連帯闘争としての沖縄闘争の前進である。
沖縄を「基地の島」から「国際連帯の島」へ! 新自由主義と闘う労働者階級の国際連帯で安保・沖縄闘争の歴史的勝利へ! ここにこそ、「基地のない、平和で豊かな沖縄」を実現する道がある。沖縄の未来と希望は労働者階級の国際連帯の中にある。4・28−5・15沖縄闘争に全国で立ち上がろう。この闘いの先頭に沖縄の労働者階級が立とう。そして革共同沖縄県委員会をともに建設しよう!
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週刊『前進』(2579号5面2)(2013/04/08 )
法大「暴処法」弾圧裁判 完全無罪へ団結
即時控訴棄却を要求
3月29日午後1時半、一審で無罪をかちとった法大「暴処法」弾圧裁判控訴審の第1回公判が傍聴席を埋め尽くす結集で行われました。それに先だって正午から被告団(新井拓君、織田陽介君、恩田亮君、内海佑一君、増井真琴君)を先頭とした文連・全学連による裁判所前大情宣を打ち抜きました。
昨年の5・30一審無罪判決に大打撃を受けた検事・国家権力は、恥知らずにも控訴し逆転有罪を狙ってきています。絶対に許せません。被告団は完全無罪をめざし闘い抜く決意です。
3・11反原発福島行動を頂点に、3・24三里塚闘争と動労千葉・動労水戸のストライキと3月決戦が安倍政権打倒の闘いとして圧倒的に打ち抜かれる中、これらの闘いと完全に一体で裁判闘争を打ち抜きました。
冒頭、増井君から被告団の意見書読み上げを要求しましたが、井上弘通裁判長はこれを蹴り、さらには抗議した傍聴人に退廷と構外退去を命じるなど国家意志をむき出しにして襲いかかってきました。しかし被告団と弁護団は一歩も引かず、2時間にわたる裁判闘争を闘い抜きました。
弁護団から検事の控訴趣意書への答弁書が読み上げられました。答弁書は、以下のような内容です。
「法政大学は……『民主法政』と称されてきた。しかしながら、いまやそれが完全に投げ捨てられ、大学当局と警視庁公安が結託した暴力支配がキャンパスを横行している。学生の政治活動やサークル活動、あらゆる自由な表現活動が敵視され、大学祭での飲酒まで規制された。そして、ここ数年の法政学生運動の逮捕者は、延べ119名、起訴者は33名という異様な数にのぼっている」「だが学生は、この理不尽極まる弾圧にけっして屈せず、『一人の仲間も見捨てない』の団結で決起した」「09年4月24日にも、『法大解放総決起集会』を法大正門を埋め尽くす法大生・全国学生でかちとった。……こうした闘いに対する権力・大学当局の報復が、上記の看板等を集団で損壊したとの口実をもってする同年5月15日の本件暴処法弾圧である」
さらに「証拠」とされるビデオ映像が解像度の極めて低いものであり「検察官による主観」であると断罪。また裏切り者・玉聞(ぎょくぶん)の証言が検事による誘導であり、そもそも被告人らと玉聞は「既知関係」ではないことなどを明らかにしました。最後に、被告人の意見書の要約を読み上げた上で即時控訴棄却、無罪確定を要求しました。
次回は4月17日。文化連盟と全学連は新入生と団結してキャンパスから闘いを巻き起こし、4・25法大解放総決起集会の爆発と一体で裁判闘争の勝利を断固闘いとる決意です。
(法大生・U)
(写真 完全無罪戦取へ被告団と弁護団が固く団結し、控訴審闘争を闘う決意を固めた【3月29日 東京高裁】)
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週刊『前進』(2579号5面3)(2013/04/08 )
新刊紹介 国際労働運動 5月号
国際連帯で闘う5・15沖縄闘争
【特集】
世界大恐慌の深化とともに帝国主義間・大国間の大争闘戦時代に突入し、東アジアの戦争危機が深まっている。日帝の釣魚台略奪をめぐる米日帝と中国の軍事対立、北朝鮮の核実験に対する国連制裁と米韓軍事演習による軍事的緊張がある。こうした中で沖縄は米軍オスプレイの演習激化に辺野古新基地建設促進の攻撃が加わり、労働者階級人民の怒りが高まっている。
本特集は、4・28闘争−5・15沖縄闘争方針を提起している。
第1章は、国際連帯で闘う沖縄闘争を打ち出した。昨年5・15沖縄闘争では「新自由主義と闘う沖縄闘争」を提起し、「民営化・外注化、非正規職化と闘う労働組合を沖縄の階級闘争の最前線に登場させよう」と呼びかけた。今年はそれを土台に、沖縄米軍基地こそ全世界の労働者階級を分断する「要石」であり、労働者の国際連帯で沖縄を「基地の島」から「国際連帯の島」に変えよう、その中心となるのは沖縄の基地労働者だと提起している。
第2章は、在本土沖縄出身労働者が、闘いの歴史的総括と「国際連帯で基地を撤去しよう」と訴える。
第3章は、東アジア戦争危機の下でのオスプレイの犯罪性を弾劾している。
【ニューズ&レビュー】
中国政府は、全国人民代表者会議で鉄道省解体、分割・民営化を決めた。その背後に人民の闘いがある。
【世界経済の焦点】
パッケージ型インフラ輸出とは鉄道とともに工業団地、物流基地、発電所、道路、港湾、商業施設などをパッケージで輸出することだ。詳しく展開している。
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週刊『前進』(2579号6面1)(2013/04/08 )
団結ひろば 投稿コーナー
ユニクロ柳井は若者使い捨てて巨大資産 茨城 江夏 碧
フォーブスで世界の資産家ランキングが発表された。日本人では昨年に引き続きユニクロの社長・柳井正が1位になっている。資産総額1兆2369億円とある。ちなみに前年は8000億円なので彼はこの1年間で4369億円も資産を増やしたことになる。
資産総額日本人3位の楽天・三木谷とともに(安倍総理が好きな)新自由主義下の立志伝中の人、と喧伝(けんでん)されている。
春、多くの若者が夢を抱いて入社する。でも、ユニクロではこの3年間で新入社員の5割が辞職に追い込まれている。5割! どう考えても尋常ではない。
若者に加重な成果を求めノルマを課す。開店から終業までの12時間労働はざら。実際は月240時間以上の超過労働をやらざるを得ないが、本部の「鉄の掟(おきて)」では240時間以上の超過労働は認められない。自らタイムカードを操作してのサービス残業。
正社員として入社した者は半年で店長になれる? 次々と試験を受けさせられ合格しない者は店長になれない。「ダメなやつ」と給与水準が落とされる。
新採で入り、辞職に追い込まれた5割の若者はどうなる? 非正規、派遣……揚げ句はネットカフェ難民どころかマクドナルド難民。どんなに悲しいことか。こんな世界は倒すべきだ。
柳井正が「民間企業の報酬が大きく下がっている中、公務員の給与は引き下げるべきだ」と発言している。1年間で4369億も資産を増やしたやつがふざけるな! 世界中でユニクロに関連した労働者が人格を破壊されるほど働かされた結果だ。こんなやから・体制は倒されるべきです。人間はつながりあってこそです。団結と連帯、闘う組織の建設を。
「シュレッダー」にもめげずに頑張る決意 首都圏 藤田耕助
JRのA駅の改札の青年労働者に週に一度、「外注化阻止ニュース」を渡してきました。
いろいろ討論をしようと思っていた矢先に、青年労働者がこう言ってきました。
「毎回、ビラを届けてくださって申し訳ないのですが、受け取ったビラはすべてシュレッダーに入れております」
ビックリした私は「どうしてですか?」
「会社の指示ですので。そもそもビラは受け取らないようにと言われていますが、受け取ってしまった場合は、シュレッダーにだすようにという指示でございます」「じゃあ、このビラはどうするのですか」「お持ち帰りいただくならシュレッダーには行きません。こちらに置いておかれるならシュレッダーに行かざるを得ませんが」「……」「業務命令なので、では失礼します」
ショックで放心しながら帰りました。
そのことを仲間に話したら、とくに動揺することもなく「いやあ〜大変ですね。でもよくあることですよ」「とにかく、めげずに持っていくしかないよ。何回も何回も持って行って。シュレッダーに回されても、不屈にやってれば、シュレッダーに行かなくなるでは」という話になりました。
それからも何度か行きましたが、ものすごく愛想良く笑って受け取ってくれるのですが、「シュレッダーに行くのかも知れない」と、念のために聞いてみました。
すると「そのようにさせていただいております」という返事が来た。それでも不屈にビラまきをしようと私は決意しています。
駅頭で『前進』購入し「ありがとう」の言葉 東京 野上 巌
きょう、T駅前で解雇撤回・JR復帰10万筆署名を呼びかけました。
時代が煮詰まってきたと感じたのは、青年たちの反応です。私の「解雇撤回の署名です」という声を聞いた青年労働者が近寄ってくるんです。
20代後半の2人連れの労働者、土木関係の仕事なんだとか。署名の後、『前進』を広げて「青年先頭に4月ストを」の大見出しを見せながら、「今、全国で首切りや賃下げに対して青年労働者が闘っています。だけどマスコミは全然報道しないでしょ。この新聞にはそういう闘いが載っています」と紹介すると、2人とも1部ずつ『前進』を買ってくれました。「ぜひ読んだ感想を聞かせて」と言うと、携帯番号を教えてくれて、次に会うことになりました。別れ際に彼らが言った「話を聞かせてくれてありがとうございます」の言葉が忘れられません。
地域の在日朝鮮人とともに集会に参加 東京・杉並 C
3月31日、高校無償化からの朝鮮学校はずしにNO!全国集会が、日比谷野外音楽堂を満杯にして行われた。私も地元の朝鮮学校を支える会の在日朝鮮人、日本人の仲間とともに参加した。
右翼の宣伝カーが口汚いマイク音を響かせる騒然とした雰囲気の中、緊張感のある感動的な発言が続いた。本集会に先立って、朝鮮大学生が壇上を埋め、「無償化からの排除は、日本で生きようとする自分たちと、日本人を分断するものだ。日本と朝鮮の未来のために声を上げ、声を合わせていこう」と呼びかけた。
実行委員会代表は「反動安倍政権の登場、右翼勢力の台頭という危機がある。岐路に立つ日本で、今日を人権と平和を守るすべての日本人と、在日の人びとが団結するスタートの日にしよう」と力強くアピール。
映画『ウリハッキョ』の監督であるキムさんは、韓国500団体の共同声明を「朝鮮半島は今一触即発の時。(無償化からの排除は)未曽有の攻撃であり、無差別弾圧であり世界の歴史的事件だ。真実に向かって顔を上げてください。韓国の良心が連帯の手を結び、世界に呼びかけます」
朝鮮高校代表は、「自分たちがこれから生き続ける日本が、より良い社会となるように、一人の人間として胸を張って生きたい」と決意表明。校長会代表、22人の全国オモニ会代表、各地からの発言が続き、銀座から東京駅、常盤橋公園までのパレードに出発した。
高校無償化からの排除とそれに追随した自治体の補助金打ち切り策動は、安倍政権の労働者切捨て、戦争と改憲政策の一環であり、絶対に許してはならない。在日朝鮮人を始めとする外国人との団結と連帯を、一層強くする決意を固めた一日だった。
第13期党学校で 全講座が実践的立場から50年史とらえる 坂田文也
第13期党学校全11回のすべての講座に参加しました。今期の党学校は『革共同50年史』作成のための活動そのものとして闘いとられた。全講座をとおして、徹底して実践的立場から革共同の50年をとらえ返すものとして行われたと思います。
反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命に勝利するために、これまでの革共同の50年が前史と言えるような展開と革命情勢の中にあって、時代認識と路線で徹底的に一致していくこと。階級的労働運動路線を貫くことで、党と労働組合の一体的発展・確立を実現していくこと。今日的到達地平から革共同の50年をとらえ返し、徹底して実践的に、これからの闘いの指針として『革共同50年史』の作成・発行は実現されなくてはなりません。
私も第13期党学校の受講生として、三里塚現闘の一員として、市東さんの農地攻防を焦点とする現下の攻防を全力で担い、労働者階級の特殊的解放が類的解放となることに確信をもって闘いぬいていこうと思います。
第13期党学校で 対カクマル戦の総括と歴史的意義鮮明に 友重 要
今期の党学校は、『革共同50年史』発刊への一環でもあるということで、非常に重厚な提起が多かったと思います。
党学校は、普段は時間があまりとれず、学べないような領域を学べる場所として、やはり有意義な場所であると思います。
とりわけ、大衆運動的領域において重要になってくる対カクマル戦の総括−その歴史的意義、背景などについてしっかりと展開されることはなかなかないため有意義であるし、また、党が党として自らをあいまいにしないために、このような激しい領域こそしっかり学ぶべきであると思います。
この1年で、またひとつ前に進めたと感じています。ありがとうございました!
第13期党学校で 起きている事態の中に限りない可能性が 菅田幸雄
第13期の全11回の講義を受け、これで党学校で3年間学びました。
のべ30回以上にわたる講義のすべてが刺激的でした。それを可能にしたのは、まず何よりも講師の迫力と、その回に全力投入して準備している姿でした。毎回の資料は驚くほど多量で、これを毎日の闘いの中で準備していることに頭が下がる思いでした。
もう一つは、講師の熱意と一体での受講生の集中した学習姿勢でした。自分も一員として学ぶことができたことは幸せでした。
今、労働相談や反原発闘争で毎週新しい人と会いますが、多くの場合、暗い怒り、未来への絶望と背中合わせの人も多い。同じ現実と向き合いながらも、それを帝国主義・新自由主義の危機の深さととらえ、起こっている事態の中に労働者の限りない可能性を見出していくことができるのは、この3年間の学習の結果だと思っています。
地区の反原発闘争や労働運動の中で、この2年間に約150回の学習会を組織してきましたが、その内容の骨格は、この3年間の党学校で学んできたものを、大衆学習会として展開したつもりです。党学校(と労働学校)こそ、すべての闘いを切り開き、怒りを展望へと組織していく強力な推進力だと確信します。3年間どうもありがとうございました。
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週刊『前進』(2579号6面2)(2013/04/08 )
星野再審 全証拠を開示せよ
“開示しない”と検察
4・22高裁包囲デモで反撃を
星野奪還闘争は、2013年決戦をめぐる国家権力との闘いの最先端で、激しい攻防を繰り広げている。1〜2月、『国際労働運動』の「星野さんは無実だ」特集号(2月号)の学習会運動によって星野文昭同志が紛れもなく無実であることに確信を深め、3・5東京高裁包囲デモを闘った。署名8557筆と賛同署名719筆(累計3万9317筆)を提出した。
こうした闘いによって、3月13日の三者協議で、裁判官は検察官に証拠開示を促す発言をせざるをえなかった。
だが3月28日、検察官は、再審弁護団が要求していた現場目撃者11人の供述調書と、写真のネガについて「証拠開示は一切必要ない」と、全面的に開き直った「意見書」を出してきた。絶対に許すことができない。
第1次、第2次再審闘争によって、星野同志を無期懲役とした確定判決そのものが大きく揺らいでいる。確定判決は星野同志に無理やり「きつね色」の服を着せて機動隊員殴打の「実行犯」とした。ところが第1次再審特別抗告審で最高裁は、核心証拠である鉉供述の「星野同志はきつね色の服を着ていた」が誤りであり、星野同志が「薄青色の服」を着ていたことを認めた。しかし、鉉が星野同志の防衛隊として中野駅から近接して行動していたから「星野=殴打者」に揺らぎがないとした。最高裁はデタラメな理由を持ち出して、「星野=殴打者」とあらためて決めつけたのだ。
では問うが、「薄青色の服」を着た人が殴打していたという目撃供述が、一つでもあるのか? 鉉を始め、他のデモ参加者の「供述」にも、民間の現場目撃者の証言にも「薄青色の服」はない。
民間の現場目撃者は、わかっているだけでも11人いる。その供述調書が開示されれば、星野同志の無実は一層明らかになる。だからこそ検察官は、その開示を拒否しているのだ。
さらに検察官は、星野同志が写っている写真のネガの開示も拒否している。機動隊員殴打現場の先、東急本店前で撮影された写真に写っている星野同志は、白い紙で巻かれた細い鉄パイプを握っている。その鉄パイプは何の損傷も汚れもなくきれいであり、明らかに殴打していない証拠そのものだ。ところが検察官は、その写真がピンぼけであることをいいことに、「殴った痕跡らしきものがある」などと事実を百八十度ねじ曲げて主張した上で、ネガの開示を拒否しているのだ。
ふざけるのもいい加減にしろ。星野同志は無実だ。無実の証拠を隠して、デッチあげ無期を強行し、38年間も獄中に閉じ込めている国家権力の非人間性、むき出しの暴力を絶対に許さない。
今や、強引な国家暴力で、破綻している新自由主義の延命を策す司法権力に対する激しい怒りが渦巻いている。裁判所や検察庁が、正義も真実も踏みにじり、証拠捏造(ねつぞう)や証拠隠滅を行い、デッチあげを意図的につくり出す実態が明るみになっている。
また、裁判所は「原発は安全」という判決を出し続けてきた。84%がやりたくないと言い、破綻している裁判員裁判を、無理やり強行しているのも裁判所だ。
動労千葉・動労水戸の外注化・非正規職撤廃、被曝労働拒否の3月ストライキは、4月ストライキ情勢を生み出した。安倍政権による解雇、賃下げ、非正規職化、改憲・戦争攻撃に、もうがまんならないと労働者階級が反撃を開始している。 すべての怒りとひとつになり、星野同志奪還・全証拠開示運動を、4月大攻勢の一環として闘いぬこう。検察官意見書に大反撃し、全証拠開示をかちとろう。労働者階級の団結こそその力だ。
星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議は、3・5高裁包囲デモに続き、4・22東京高裁包囲デモを呼びかけている。
4月22日(月)午後1時30分、日比谷公園霞門集合(デモ出発2時)に総結集しよう!
(写真 3・5デモ【写真】に続く4・22東京高裁包囲デモで検察が隠し持つ全証拠を開示させよう!)
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週刊『前進』(2579号6面3)(2013/04/08 )
前進社国賠 異様な弾圧を弾劾
次回から違法実態追及
3月29日、前進社国賠裁判の第11回口頭弁論が東京地裁民事第1部(渡部勇次裁判長)で行われた。原告の同志を先頭に、この日の弁論は、極右超反動安倍政権打倒の1〜3月決戦の一環として闘いぬかれた。
09年10月23日、警視庁は法大闘争を口実に前進社に対する家宅捜索を強行し、膨大な電磁的記録媒体などを中身の確認もせず片端から押収した。その数は千数百点にも上る。この前代未聞の権力犯罪を、国家賠償請求という形で弾劾する闘いが前進社国賠裁判だ。
法廷で原告の同志は、安倍政権のもと、警視庁による弾圧がエスカレートしている現実を徹底的に暴き出した。3月2日に杉並区内で開かれた3・8国際婦人デー集会と、同5日に「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」が呼びかけて行われた東京高裁包囲デモに際し、警視庁公安一課の警察官らは全員がマスクで顔を隠し、一般市民の迷惑などお構いなしに歩道や通路を占拠して、集会参加者やデモ参加者の写真撮影に夢中になった。原告の同志は、その様子が写った写真を示して、警視庁を怒りを込めて弾劾した。
そして、この裁判を安倍打倒闘争そのものとして闘い、全国の労働者・農民・学生・市民とともに国際連帯と階級的団結の拡大をかちとると不動の決意を述べた。
今回の裁判で、被告の都(警視庁)は準備書面(5)と捜索差押許可状請求書、捜索差押許可状などを出してきた。準備書面(5)は、”押収物はすべて捜索の容疑とされた公安条例違反に関連性があると認めて押収した”などと言っている。
だが、警視庁は09年10月23日、法政大学での公安条例違反デッチあげ逮捕を口実にした前進社家宅捜索で、マルクス・レーニンの学習文献や別件の裁判記録、さらには音楽が入ったメディアまで押収したのだ。その事実を隠す開き直りは断じて許せない。うそに基づく警視庁のデタラメな主張を絶対に粉砕しよう。
裁判終了後の昼休み、裁判所前で前進社に対する違法な捜索と、弾圧のエスカレートを徹底弾劾する情宣活動が行われた。同日に開かれた法大暴処法裁判控訴審第1回公判とともに裁判所を包囲する闘いとなった。
安倍政権は、解雇・賃下げ、戦争・改憲、原発再稼働、TPP(環太平洋経済連携協定)推進、オスプレイ配備、辺野古新基地建設、三里塚農地強奪に突進している。その先兵として、労働者人民の前に醜悪な姿をさらしているのが警視庁だ。
警視庁による弾圧のエスカレートを許さず、1〜3月決戦の勝利の地平を打ち固め、安倍政権打倒へ攻め上ろう。
前進社国賠裁判は、次回からいよいよ違法捜索の実態を暴き弾劾する闘いに入る。原告の同志を先頭に、警視庁の違法・不当な捜索・差し押さえの実態を徹底的に明らかにする。次回裁判は、5月10日(金)午前10時30分開廷。東京地裁415号法廷に集まろう!
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週刊『前進』(2579号6面4)(2013/04/08 )
神奈川労組交流センター 黒岩県知事に抗議
朝鮮学校補助金打ち切りに
3月28日、私たち神奈川労組交流センターは、朝鮮学校に対する補助金打ち切りを決定した神奈川県・黒岩祐治知事に対する抗議・申し入れ行動に決起しました。その後、阿部孝夫川崎市長に対しても抗議・申し入れ行動を行いました。
黒岩知事は2月13日、「国際社会が強く反対する中で(北朝鮮による)3回目の核実験が強行された。これ以上補助金を継続することは県民の理解が得られない」「そういうこと(補助金打ち切り)を学ぶということも教育の一環」と公言し、県内の朝鮮学校5校に対する補助金約6300万円について、13年度予算案への計上を見送ることを決定しました。これは、30年以上支給してきた補助金を突如打ち切るという暴挙です。
午前10時、教育労働者、地域でがれきや放射能被曝から子どもを守る取り組みを行う仲間、とめよう戦争への道!百万人署名運動・神奈川県連絡会など8人で県庁内の知事室を訪問しました。
知事は不在とのことで秘書と「県くらし文化部学事振興課」が応対に出てきました。まず「朝鮮学校への補助金削減・打ち切りに対する抗議・申し入れ書」を読み上げ、ただちに撤回することを強く申し入れました。
担当者は、今回の決定が黒岩知事の判断であること、「知事の苦渋の判断だった。補助金は打ち切るが、県は多文化共生への取り組みは今後とも継続して行っていく」と繰り返すばかり。
これに対して参加者から次々と怒りと弾劾の意見が出されました。「苦渋の選択というが、今回の決定は朝鮮学校をつぶすということだ。朝鮮学校は各種学校扱いであり日本人学校とは明らかに差別・区別されている。運営そのものが大変で保護者の努力で運営されている。県はそのことを十分知っているはずだ。補助金を継続することこそ県の判断ではないのか」
さらになぜ補助金打ち切りになったのかを学ぶことも「教育の一環」だと知事が発言したことは、絶対に許せません。「戦後、民族学校閉鎖と闘った阪神教育闘争では、1人の朝鮮人少年が警察とGHQによって虐殺された。攻撃は在日から始まっていずれ県民に向かうことになる」と、強く抗議しました。
最後に、黒岩知事に抗議・申し入れがあったことを伝えること、朝鮮学校への補助金削減・打ち切り措置を撤回することをあらためて強く求めて抗議行動を終えました。
川崎市長にも
続いて川崎に移動し、阿部川崎市長に対しても同様の抗議・申し入れ行動を行いました。
阿部市長は2月18日、「北朝鮮への抗議の意志を示し、朝鮮学校で勉強している人にも拉致被害者救済のキャンペーンに参加してほしい」「子どもに責任はなく、川崎市民であるので教育の保障をしていくことは重要。教育そのものへの支援をやめるのは極端だ」などと、朝鮮学校への補助金は継続すると言いながら、その補助金の一部で拉致された家族の著書を購入し、生徒たちに現物支給するという卑劣な決定を行ったのです。
担当所管である「こども本部子育て支援課」の責任者に、補助金打ち切りをしないこと、全額授業料として使うことを申し入れました。
黒岩知事は神奈川臨調で県の「財政危機」を口実に県有施設全廃、何よりも職員削減を打ち出し、続いて教職員の大幅削減を狙った教育臨調を発足させ道州制へ向けた民営化・外注化、非正規職化攻撃、組合破壊を強めています。黒岩は東京都知事・猪瀬や大阪市長・橋下と反動的に競い合い突出しようとしています。
今回の朝鮮学校への補助金削減・打ち切り攻撃はこうした攻撃と完全にひとつであり、全労働者に対してかけられた攻撃です。全国で抗議の声を上げよう。現場の怒りで4・26自治労ストライキをかちとろう。
差別・排外主義と闘い、分断を打ち破り団結して闘おう。何よりも職場で民営化・外注化・非正規職化攻撃と闘おう。この闘いこそ、在日・滞日外国人との最大の連帯であり、国際連帯の闘いです。4・14−4・21東西入管集会に参加しよう。
(神奈川労組交流センター・U)
(写真 黒岩県知事への抗議・申し入れ書を読み上げる神奈川労組交流センター代表【3月28日 神奈川県庁】)
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