ZENSHIN 2013/03/18(No2576 p06)
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週刊『前進』(2576号1面1)(2013/03/18 )
福島の怒りを3月安倍政権打倒へ
3・11反原発福島行動に1350人
農地死守! 3・24三里塚に大結集を
動労千葉第2波ストから10万筆署名へ
(写真 「3・11を忘れない」。参加者は会場からあふれた 【3月11日、福島市上浜町の福島県教育会館大ホール】)
(写真 佐藤さん、椎名さん先頭に福島市内デモ)
(写真 動労千葉は14日、春闘第2波の3・14〜17連続ストに突入した。総決起集会には310人が結集、ストに入った組合員が登壇し外注化粉砕へ強い決意を表明した【3月14日 千葉市】=詳報次号)
東日本大震災と福島原発事故から2年目の3月11日午後、福島市の福島県教育会館大ホールにおいて「3・11反原発福島行動13」が実行委員会の主催で行われ、1350人が怒りあふれる集会とデモをやり抜いた(2、3面に発言要旨など関連記事)。2年目の「3・11」の福島現地行動をねじふせようとするあらゆる圧力と分断策動を突き破って闘いぬかれた同行動は、福島と全国、そして全世界の根底的な怒りと巨大なエネルギーを解き放ち、「3・11をけっして忘れない! 原発再稼働を絶対に許さない!」という大闘争となった。
3・11の原点に戻る日
会場の目の前を阿武隈川が穏やかに流れている。右手遠方には雪の残る安達太良山。早春の陽光を浴びて川面がキラキラ光る。ゆったりと泳ぐ水鳥たち。だが対岸は年間20_シーベルト以上に放射能汚染された渡利地区だ。福島市一帯、さらに福島県全域が放射線管理区域に匹敵する地域も含む高線量地帯である。その福島現地での怒りの3・11反原発行動だ。
開会前から会場は満杯になった。通路に座る人、後方で立ち見の人。2階ロビーに臨時にいすが並べられ、扉が開け放たれた。午後0時30分からのプレイベントとコンサートは、原発への怒りとともに時に涙を誘い時に場内を笑いに包み、実に明るく解放的だ。
1時30分、陶芸家で伊達市の会田恵さんの開会あいさつで本集会が始まった。主催者あいさつに立った福島市の椎名千恵子さんが「今日の集会への賛同が3月8日現在で、全国から団体・個人含めて408、世界からはアメリカ・ドイツ・オーストラリア・韓国・南アフリカから団体・個人含めて430。国際連帯の中にこの時間があります」と高らかに報告。会場からウォーという歓声と拍手が上がった。
間を置かず、椎名さんは呼びかけた。「8・6広島、8・9長崎、5・15沖縄、ここに3・11福島をけっしてはずしてはならない。福島第一原発はまだ収束していません。被曝を強いる者たちの責任を追及しましょう。3・11はこの原点に立ち戻る日です。叫びましょう。腹の底から怒りましょう。福島から反原発の声をけっしてなくさない『3・11』にしましょう。今日の集会とデモを成功させましょう」
体張って再稼働阻止へ
全国からのアピールに移った。脱原発わかやまネットワークの寺井拓也さん、大間原発反対・あさこはうすの小笠原厚子さん、反戦被爆者の会の下田禮子さん、全国農民会議共同代表で本宮市の鈴木光一郎さん、オスプレイ反対全国キャラバンが闘いの報告と並々ならぬ決意を表明した。小笠原さんは「大間原発を止めることが日本を変える」と語り、全国農民会議の発言では、三里塚反対同盟の市東孝雄さんも壇上に立った。
メッセージ紹介の後、福島からのアピールが行われた。浪江町・希望の牧場代表の吉沢正巳さんは「今年こそ勝負の年だ。原発の時代をのりこえよう。再稼働阻止へ体を張って闘う。みんなで頑張ろう!」と原発への怒りの鬼となり叫んだ。
動労水戸平支部の国分勝之さんは被曝労働と対決してストを闘い青年を組織してきたことを報告、「労働者は労働組合をつくって闘って生きることができる」と確信も固く訴えた。国労郡山工場支部の橋本光一さんは「国労郡山工場支部として今日の3・11福島行動に団体賛同を決めました。原発のない社会をつくりましょう。労働組合はその先頭で闘います」と労働者魂あふれる呼びかけを行った。
福島の学生・高校生たちがずらりと壇上に並んだ。「あの町の現実をほかにもつくってしまうのはあまりに残酷だ。僕らで最後にしたい」「だまし続けてきた人たちに怒りを感じる」「福島で生きる学生として原発反対の声を上げていく」。悔しさ、悲しみ、怒り、そして決意に満ちた若々しい声が会場の隅々まで響き、「頑張れ!」「そうだ!」と心からの声援が飛んだ。学生・高校生、青年労働者の登場は未来を開く力を示した。
2時46分、地震発生時に合わせ、震災・原発事故とその関連で亡くなった人びとに黙祷(もくとう)をささげた。津波にのまれた人、福島第一原発で命を落とした原発労働者、「原発さえなければ」と自死に追い込まれた酪農家、仮設住宅で亡くなったお年寄り。大震災・原発事故とこの2年で、新自由主義と原発政策により実に2万人を超える労働者民衆が殺された。「原発を絶対になくす。この理不尽な社会を根本から変える」――全員が思いを強くした。
かんしょ踊りがリード
福島からのアピールの最後に、ふくしま共同診療所医師の布施幸彦さんと福島診療所建設委員会の川俣町・佐藤幸子さんが発言に立った。布施さんは「昨年12月1日、診療所が開院しました」との報告に続けて「甲状腺検査を行って子どもを守っていく」など五つの目標を掲げて活動していると伝え、「さらに募金を集めて、誰でも集まれる大きな病院をつくっていきたい」と支援を呼びかけた。佐藤さんは「希望の診療所が立ち上がった。本当にうれしい。夢と希望がないと福島県民は生きていけない。診療所をこれからもよろしくお願いします」と訴えた。参加者の誰もが診療所建設を喜び、もっと大きく本格的なものにしようと誓った。
カンパアピールの後、ふくしま合同労組委員長の市川潤子さんが集会宣言を読み上げ、最後に「原発いらない、命が大事」の歌を全員で熱唱。デモに打って出た。
先頭は佐藤さん、椎名さんを始めとした女性・学生たちのかんしょ踊りの隊列。福島県庁前を通り、福島市の繁華街を進むデモはどこでも市民の注目を浴びた。ビルの窓から両手を大きく振る人があり、病院前では白衣の看護師たち7〜8人が手を振って声援。ある看護師は「胸がいっぱいです」と胸に手を当てた。
解散地点のJR福島駅前で椎名さんが「この地から大勢の皆さんの参加によって原発反対の声を上げることができました。この声が世界に響きわたることと思います」とアピール。困難をのりこえて実現した集会・デモの成功の感動と尽きせぬ思いがほとばしった。吉沢さんは「みんなのため、子どもたちのために体を張ろう。そういう人生で行こう」と周囲を圧する迫力。全国から駆けつけ、ともに闘った人たちの心も椎名さん、吉沢さんとまったく一緒だ。
3・11福島行動は世界とつながり全原発の廃炉までやむことのない闘いとして歴史に刻まれた。
福島の怒りを3月安倍政権打倒へ! 3・24三里塚現地に全国から結集し、農地を死守しよう。
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週刊『前進』(2576号1面2)(2013/03/18 )
前進速報版から
▼3・11反原発福島行動13@movie▼動労千葉が春闘第2波連続ストに突入▼台湾全土で20万反核デモ▼NAZENさっぽろ結成集会
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週刊『前進』(2576号1面3)(2013/03/18 )
【要項】3・24三里塚全国総決起集会
第3誘導路粉砕・市東さんの農地を守ろう!
フクシマ連帯・原発再稼働許すな!
沖縄へのオスプレイ配備反対・基地撤去!
TPP絶対反対! 軍事空港粉砕・改憲阻止!
3・24三里塚全国総決起集会
3月24日(日)正午
成田市天神峰 反対同盟員所有畑
(JR成田駅東口から会場直行チャーターバス11時20分発往復800円・片道500円)
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週刊『前進』(2576号2面1)(2013/03/18 )
3・11福島集会の発言
再稼働を阻止し未来のために闘おう
今年こそ勝負の年だ
(写真 県内と全国からの大結集で参加者は会場からあふれ、熱気と高揚感の中で全参加者が福島の怒りと思いをひとつに共有した【福島県教育会館】)
(写真 デモ解散地点の福島駅前は解放感に満ち、「原発いらない」の声がとどろいた)
「3・11反原発福島行動13」は1350人の結集で大高揚しました(記事1面)。福島原発事故を風化させ責任追及をあいまいにする一切の策動と対決し、政府・東電への怒りあふれる行動としてかちとられました。集会の発言(要旨)を紹介します。(編集局)
開会あいさつ
ならぬものはならぬと叫ぶ 陶芸家・伊達市 会田恵さん
3・11反原発福島行動にこれだけたくさんの人においでいただいて、心から感謝いたします。
9日は明治公園の「さようなら原発大集会」に1万5千人が参加、10日は全国150カ所で反原発の行動があり、日比谷野音の集会には4万人が参加しました。そして今日、3月11日にこの福島の地から声を上げることができるのは本当にうれしいことです。「もう原発はいらない」と一緒に声を上げてください。
福島の事故が原発の安全神話を崩しました。まだ近寄ることもできない現状は、原発はとうてい人間の手に負えないことをはっきり示しました。
先日、実行委員長の椎名さんと新聞社まわりをした時に、ロビーに張られた「八重の桜」の大きなポスターにはこう書かれていました。「ならぬものはならぬのです」−−私はこの言葉こそ、今の政府に突きつけたいと思います。
今日は日本中、世界中の人たちと思いをひとつにして、どんなに強い向かい風が吹いてこようとも迷わず前に進みましょう。「原発をなくすまで絶対にあきらめない」という小さくとも燃え続ける火種を私たち一人ひとりが胸の内に秘めて、「ならぬものはならぬ」と叫び続けましょう。
主催者あいさつ
未来に向かう若者こそ希望 3・11行動実行委員会 福島市 椎名千恵子さん
2年目の「3・11」に福島で、「再稼働阻止! 未来のために立ち上がろう」と声を上げる行動をこれだけ多くの人とともに実現したことは、とても大きな意味を持っていると思います。8・6広島、8・9長崎、5・15沖縄、ここに3・11福島をけっしてはずしてはならない。福島では今も放射能が降っているんです。雨が降ろうがやりが降ろうが、平日であろうが寒かろうが、やっぱり3・11なんです。
今もまだ原発から1時間あたり1千万ベクレルのセシウムが漏れ続けています。被曝を強いる者たちの責任を追及しましょう。あきらめてはいけない。福島原発事故をなかったことにさせてはいけない。3・11はこの原点に立ち戻る日です。
すでに未来に向かって答えを出している中学生がいます。彼は保養活動のために古民家修復の作業をして「友達も連れてきて保養させたい」とはりきっています。この姿は希望そのものです。
今日は同じような思いを持つ若者たちも登壇します。この世代とともに、今日は自分の思いをしっかりと表しましょう。叫びましょう。腹の底から思い切り怒って闘いましょう。福島から反原発の声をけっしてなくさない「3・11」にしましょう。
福島からのアピール
覚悟決めた!人生かけ闘う 希望の牧場代表・浪江町 吉沢正巳さん
僕の牧場は福島第一原発から直線で14`。浪江町は放射能で全町民が追い出されました。
浪江町は長い間の反対運動で原発建設を食い止めてきた。その浪江町に放射能が流れて来てしまった。東京電力は情報をよこさず握りつぶした。国は3月11日夜に大熊町、富岡町、双葉町のバスの手配をしたが、浪江町にはいっさいそういうことをしなかった。
浪江町の水源地である大柿ダムは放射能で真っ赤に汚染されているし、浪江町ではもう二度と米づくりなんかありえないだろう。誰のせいだ!
僕の牧場には今も350頭の牛が生きている。立ち入り禁止区域で10軒の農家が、国の殺処分指示に従わずに700頭の牛の面倒を見ています。
70軒の酪農家と400軒の和牛農家が牛を見捨てて逃げざるを得ず、「牛に申し訳ない」と避難所で泣いていた。でもその避難は正しい選択だったと思います。そして僕たちだって自分たちの牛たちを捨てられない。これもまぎれもなく正しい選択のひとつだったと思う。もうこれは経済の問題ではなく、牛飼い農家の意地の問題として体を張って闘うしかない。
今年こそ勝負の年だ。残りの人生かけて原発の時代をのりこえよう。原発再稼働に巻き込まれてなるものか。再稼働阻止へ体を張って闘う、広く深い連帯と実力が必要だ。それが再稼働の逆流をひっくり返す確かな力になるだろう。
僕たちは原発の生きた証人だ。14`先の原発を見ながら僕は覚悟を決めた。頑張ろう!
いわきで闘う新労組を結成 動労水戸平支部 国分勝之さん
みなさん、悔しいですね! どうして働く労働者が放射能におびえ、子どもの健康の心配をして生きなければいけないのか。誰がこんなふうにしたんだ。2年間、ずっとそう感じてきました。
私たち動労水戸は、JRに対して幾度もストライキで闘ってきました。会社は常磐線の運転を原発の近くまで再開させました。「警戒区域が解除されれば安全だ」と言う国や行政のお先棒を担いで、JRが運転を再開する。それは私たち乗務員や検修労働者にも放射能を浴びて労働しろということです。
労働組合としてそんなことは許せない、若い労働者に被曝労働をさせないと闘ってきました。そうした中で、動労水戸に青年労働者が加わりました。労働者はこういう時だからこそ労働組合をつくって、闘って生きることができるんです。
動労水戸は昨年1月、いわき市に平支部事務所を開設し、今年の2月23日にはいわき合同ユニオンを立ち上げました。これからJRだけではなく、地域の労働者とともに闘っていきます。
全原発廃炉へ労組が先頭に 国労郡山工場支部 橋本光一さん
2年前の震災直後、私は組合事務所から組合員全員に電話で安否を確認し、食料や日用品の供出を募って仙台まで支援物資を運びました。全組合員が協力してやり抜きました。そこには政党や派閥など関係なく、あったのはお互いを思いやる気持ちとみんなで支え合って生き延びようという団結でした。昨年3・11郡山集会の時もそうでした。その気持ちは今でも変わっていません。
今日も「過激派の集会だ」なんて変な宣伝がされていますが、本気の闘いを恐れる人たちは、いつの時代もそうやって妨害してくるものです。しかし国労郡山工場支部は本気で闘う人たちですから、支部として団体賛同を決めました。
労働組合の役割が問われています。原発を動かしているのも、今福島第一原発で決死の覚悟で収束作業にあたっているのもすべて労働者です。原発労働者が団結して闘う労働組合をつくりストを構えて闘う、そういう情勢をつくることがわれわれ労働組合の使命です。
原発のない社会をつくるため、労働組合が先頭で闘います。私たちは絶対にあきらめない。絶対負けない。労働者や市民の人間的団結で希望ある未来を絶対につかもう。
■福島の学生
●福島大学の学生
原発事故の後、私は原発に対して無関心であったことを悔やみました。しかし、後悔していても原発は止まりません。私は福島で生きる学生として、原発反対の声を上げていこうと考えました。
安倍政権が進めようとしている原発再稼働、新規建設、海外輸出……事故を経験した者として許すことはできません。
御用学者にも責任があります。放射能安全神話を振りまく福島医大の山下俊一や、事故の責任をあいまいにしようとする福島大学の清水修二。彼らには福島の怒りがわからないのでしょうか。
3月11日は福島から声を上げる日。この福島の地から原発はいらないと発信していきましょう。
●浪江町から避難中の高校生
震災当時14歳だった私は、浪江町から避難し、今は二本松市にいます。昨年9月に一時帰宅で帰りました。僕が活動している理由のひとつは「僕らで最後にしたい」という思いです。あの町の現実をほかにもつくってしまうのはあまりにも残酷すぎます。僕たちは生き証人です。原発の被害を受けて生きてきた記憶を持つ生き証人として、これからも活動していきます。
●福島市の大学生
私は今怒っていることがあってこの壇上に立っています。「原発はクリーンなエネルギーだ」と教えられてきました。「火力発電は木を切ってしまう」と。しかし、木を守って私たちが得たのはなんだったのでしょうか。木どころか土地もなく、私たちは今困っています。ずっとだまし続けてきた人たちに怒りを感じます。震災後の東電の対応、ネット上での福島の人への中傷が許せません。こんな現実をつくったのは、震災後の政府の対応のせいです。私はもう原発はいりません。
ふくしま共同診療所から
誰もが集まれる医療拠点を ふくしま共同診療所医師 布施幸彦さん
ふくしま共同診療所を昨年の12月1日についに開院できました。
私たちの診療所はいくつかの目標があります。まず一番大事なことは、福島の子どもたちの甲状腺のエコー検査をやって、その子どもたちを守っていくこと。すでに100人を超える検査を行って、4〜5月まで予約が入っている状況です。
二つ目に、仮設住宅回りです。特に浪江や飯舘から避難している人びとの健康を守りたいということで回っています。三つ目は、福島の人びとのための普通の診療もしています。四つ目に、被曝労働をしている人たち、特に福島第一原発で大変な思いをしている労働者の健康を守りたいということです。五つ目に、被曝に関する情報を集めたセンターとしてさまざまな治療ができる、そういう拠点をつくりたい。
まだ始まったばかりですが、誰もが集まれる病院をつくっていきたいと考えますので、ご支援よろしくお願いします。
子どもたちの希望の診療所 福島診療所建設委員会 川俣町 佐藤幸子さん
みなさん、2年目の3・11福島の地においでくださいましてありがとうございます。
みなさんの募金を寄せていただいて、ふくしま共同診療所を開院することができました。子どもたちの希望の診療所です。本当にうれしく思います。新聞にも「募金診療所」などと何回も報道してもらいました。そうした報道を見た時、本当にうれしく思いました。
それまで何を言われてきたか。私が呼びかけ人として診療所建設を訴えている姿を応援してくれる人ばかりではありませんでした。福島に必要な診療所をつくろうとして協力してくれる人たちに対して、被災地に心を寄せているならそんなことは言えないだろうというようなことまで言われました。でもそれに負けずに、昨年12月についに診療所を開院できたんです。
私は川俣町で「やまなみ農場」という名前で農業をしていたんですが、3・11原発事故で閉鎖せざるを得ませんでした。「ひとつできなくなった分、新しいことをひとつやろう。子どもたちを守っていこう」と思って、診療所建設の運動を始めました。そして希望の診療所が新しくできました。本当にうれしいことです。
この福島が被曝地となってしまった今この時代だからこそ、夢が、希望がなければ私たち福島県民は生きていけません。その希望となる診療所を、これからもみなさん、どうぞよろしくお願いします。
全国からのアピール
苦闘の末に原発建設阻んだ 脱原発わかやまネットワーク 寺井拓也さん
紀伊半島の和歌山から参りました。和歌山県には現在原発が1基もありません。しかし、かつて四つの町の5カ所に原発計画がありました。今から46年前、二十数年にわたる熾烈(しれつ)な闘いが繰り広げられました。昨年『原発を拒み続けた和歌山の記録』という本が出版されましたが、この執筆の途中で私の胸に迫ってきたのは、原発を止めるために立ち上がった何万人、何十万人という人びとの苦闘でした。こうした苦しい闘いはもちろん和歌山に限ったことではありません。もう駄目かという危機を幾度ものりこえて、1lの可能性があれば絶対にあきらめない。この闘いによって、現在の原発ゼロの和歌山があるのだと思います。
私たちは一歩も引き下がることはできません。この闘いには子どもたちの命がかかっています。最後の1lの望みがある限り、あきらめることはできません。ともに前進しましょう。
福島の人びとと一緒に歩む 大間原発反対 あさこはうす 小笠原厚子さん
私は事故後、ぜひ一度福島に来たいと思っておりました。
私の母は亡くなるまで30年間、大間原発と闘ってまいりました。大間原発の敷地内の地権者157人のうち156人が買収に応じて、母だけが応じなかったのです。そのことで、当初母の土地から50bしか離れていなかった原子炉が200b移動になり、計画がすべて白紙になり、当初の稼働計画も全部変更になりました。もし母が土地買収に応じていたら、今ごろ大間原発は動いていました。
母は「一回事故が起きたらもう二度と元に戻らねんだど。おらの生活も子どもも畑も海もなんにもなくなっちまうんだ!」、そう言って会社(電源開発)に立ち向かっていきました。どんなことをしてもこの土地は守る、大間は守る、海は守る、原発は絶対に建てさせない、そういう思いでたった一人で頑張ってまいりました。
福島の事故が起きて2年。福島のみなさん、本当によく頑張りました。これからは一緒に原発を止める、新しい原発は造らせない、再稼働は絶対させない、そういう思いで一緒に歩んでいきたいと思います。私は母が命をかけて守った「あさこはうす」を守りながら、大間原発と闘ってまいります。私は大間原発を止めることが日本を変えると信じています。これからも、子どもたちを守っていきましょう。
再稼働の安倍政権を倒そう 反戦被爆者の会 下田禮子さん
広島から来ました、下田禮子と申します。私は15歳の時、被爆しました。二度とこんな思いを世界の誰にもさせたくないと思い、反戦反核を訴えてきました。
当時、政府はただ「新型爆弾」だと言うだけで、ただピカっと光ってドンというたから「ピカドン」というだけで、放射能のことはいっさい秘密でした。終戦後もGHQの検閲が厳しく、私たちは放射能が何なのかもわからずに、そこに住み、そこのものを食べてきたわけです。
だから私たちは、今回の福島のことも非常に情けなく思います。事故の速報を聞いた時は、本当に体から血の気が引くような思いがしました。本当に涙しました。
安倍政権は再稼働をやろうとしています。そして輸出までしようと考えています。だから私は、こういう安倍首相のようなのは絶対にぶっ飛ばさなければいけないと思います。そして、私たちが望むような社会が来るようにみなさんと一緒に頑張りたいと思います。みんなで手を取り合って、本当に住みよい社会がくることを願ってやみません。
希望のために闘い続けよう 全国農民会議共同代表 鈴木光一郎さん
本宮市で酪農を営んでいる農民です。3・11から今日までのさまざまな問題を突破して、農民の夜明けと未来をかけて、みなさんとともに闘う組織「全国農民会議」を結成しました。私たちは反TPP(環太平洋経済連携協定)、反原発、そして何より三里塚と連帯して、みなさんとともに頑張っていく覚悟です。
福島第一原発は収束などとはとても言えない非常に困難な状況にあります。原発大災害は本当に恐ろしい。避難者は15万人にも及び、県外避難者は5万人を超えています。この人びとのことを思うとき、あきらめや風化ということを希望に変えるためには、闘うしかないということです。
原発・TPP・三里塚――そこから見えてくるものは、まったくずさんな国策の破綻です。まさに資本主義は最終段階を迎えています。私たち人民が声を上げ抜いていくことが必要です。
3月24日、三里塚で市東さんの農地を守るために決起します。全国のみなさん、私たちとともに闘いましょう。全国農民会議はこれからです。若い人たちの大結集を呼びかけます。
(写真 三里塚反対同盟の市東孝雄さん【左】をはじめ全国農民会議のメンバーが登壇。発言は鈴木代表)
福島を出発点に全国を回る オスプレイ反対全国キャラバン
福島の集会で沖縄について紹介できることをありがたく思います。私たちは2010年から「普天間基地即時閉鎖、辺野古をやめろ、海兵隊いらない」という意見広告を行ってきました。本日この福島を東日本の出発点として、今年はオスプレイ反対の全国キャラバンを行います。沖縄と福島と全国の方々とつながってどんどん声を大きくしていきたいと思います。
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集会宣言
農民は、春が来ても鍬をもてない
漁民は、イカリを海におろせない
酪農家は、子牛の誕生を喜べない
労働者は、非正規と被曝労働を強いられる
子ども達のいのち、私たちの日常、未来を奪われている福島の現実。
疾病、分断、錯綜、目を背けたくなるほど厳しい現実がある
しかし、私たちは、揺るがない。立ちはだかる壁を階段にして超えていこう
今日私たちは、「3・11」を、反原発メモリアルデーとして、
8・6広島、8・9長崎に続く、核兵器、原発、すべての核廃絶を誓う日、
そして「3・11」を忘れない、忘れさせない日にすることを、
市民、農民、漁民、労働者とともに、ここに宣言いたします。
2013年3月11日
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週刊『前進』(2576号3面1)(2013/03/18 )
全世界から3・11福島に熱烈な連帯
ノーモア・フクシマ! 海外からのメッセージ
(写真 3・11集会を大成功させ福島市の中心街をデモ)
3・11福島行動への国際賛同署名が行動を成功させる大きな力になった。スローガンは「すべての原発を廃止せよ! われわれの未来のためにともに闘おう!/すべての原発の即時停止!/すべての核兵器、原発、原子力産業を全世界で直ちに廃絶しよう!/全世界が連帯した闘いを!/ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ビキニ、ノーモア・フクシマ!」。賛同署名は全世界で反原発闘争を闘う仲間たちの間で一気に広がった。韓国、アメリカ、ドイツ、オーストリア、スイス、フランス、イギリス、スウェーデン、スペイン、そしてオーストラリア、トルコなどから熱烈なメッセージを添え、続々と主催者の元に届けられた。ドイツだけで400以上、全体は450を超えた。これは、あらゆる困難をのりこえて闘う福島はもちろん、全原発の廃炉へ闘う労働者人民を激励する国際連帯行動だ。署名とメッセージの一部を一部抄訳で紹介します。(編集局)
韓国
韓国からは、個人・団体を合わせて計29の賛同署名が寄せられた。
民主労総ソウル地域本部のイジェウン本部長や公共運輸労組・連盟副委員長でソウル本部元本部長のイジェヨンさんを始め、昨年ソウル本部を代表して来日した保健医療労組のキムスギョンさん、金属労組KEC支会のオムジョンフムさん、キリュン電子分会などからだ。サイバー労働大学のキムスンホ代表も含まれている。「非正規職のない世の中づくりネットワーク」など、非正規職撤廃のために闘う九つの団体や労組から団体としての賛同が寄せられた。
●保険医療労組ソウル地域本部 キムスギョンさん
私たちの健康な暮らし、後世のために原発に反対します。汚染を受けないきれいな世の中で暮らしたいです。
福島行動の成功を願い心から賛同します。
ファイティング!
●公共運輸労組・連盟副委員長、ソウル本部元本部長 イジェヨンさん
子どもたちの未来のために原発稼働は防がなくてはならない!
2013福島反原発行動の闘争を積極支持します。
●金属労組キリュン電子分会
日本の同志たちの原発再稼働阻止と未来のための原発反対闘争決意大会を心から歓迎します。
現在韓国では、日本の福島原発事故があったにもかかわらず、その危険性に対してわれ関せずとしている実情です。そればかりか、イミョンバク政権は任期中ずっと緑色成長と緑色未来を口にしながら、あたかも原発の増強だけが自然を保護する緑色エネルギーだと虚偽広告と政策を誇示することにきゅうきゅうとしました。
こうして、ついには70〜80代のおばあさん、おじいさんが住んでいる平和な田舎の村に大型の送電鉄塔建設を推進し、暮らしの場を踏みにじって強制的に追い出しているのが実情です。これに対し、おばあさん、おじいさんが全力で抵抗して送電鉄塔反対闘争をしています。
国民の生活の場を奪い、生命に脅威を与える危険な送電鉄塔を建設するということは、すべての国民を恐怖と不安に震えさせる危険な原発を拡大稼働するという日本とひとつも異なりません。
韓国でも、生命を奪う原発に反対する闘いを力強く展開していけるよう最善を尽くします。私たちは日本の労働者たちの原発反対闘争を支持します。韓日連帯で原子力発電所のない世の中をともにつくっていきましょう!
●亀尾(クミ)市 オムジョンフムさん(金属労組KEC支会)
人びとを死に追いやっている原発は絶対稼働されてはなりません。
国が荒廃して、人びとが生きることができない死の都市をつくりだしても悔いないのか!
環境にやさしいクリーンエネルギーでも十分に日本の未来を準備することができます。
政府は国民の声に耳を傾けて下さい!
●非正規職のない世の中づくりネットワーク
反核・反戦は全世界の労働者たちの念願です。資本が支配する世の中で、労働者の生存権は闘争で闘い取るしかありません。反核・反戦も全世界の労働者の連帯と闘争で闘い取ることができます。隣国の日本の福島原発事故はひとごとではないと考えます。
韓日両国の労働者の国際的連帯で二度とこのような災害が繰り返されないようにしなければなりません。
韓国の「非正規職のない世の中づくりネットワーク」は、日本の非正規職労働者たちとの連帯をとおして、核のない世の中をつくっていきます。
同志たちの闘いに積極的支持を表明します。
アメリカ
アメリカからは、毎月11日にサンフランシスコの日本領事館前で抗議行動を行うなどカリフォルニア州で活発に活動し、アメリカの反原発運動をリードしている反核行動委員会や、イラク戦争で息子を失い闘いに立ち上がった「反戦の母」シンディー・シーハンさん、運輸労働者連帯委員会のスティーブ・ゼルツァーさんらから署名が届いた。反核行動委員会は椎名千恵子さんが訪米した際の受け入れ団体だ。
●「反戦の母」 シンディー・シーハンさん
同志のみなさん、みなさんの持続的かつ勇敢な反核の闘い、福島破壊に対する責任追及の闘いに心から敬意を表します。
3・11福島行動にもろ手を挙げて賛同します!
●反核行動委員会
アメリカの民衆は、福島原発メルトダウン2周年集会に際し、放射能に汚染され、日本だけでなく全世界をも脅かす放射線の悪夢にずっと直面させられている避難民の方々や子どもたちを守るため、日本の民衆に連帯します。
福島から人びとを避難させるための補償要求の運動を支持し、多くの県で放射能汚染がれきを焼却させようとする安倍首相の計画に反対します。さらに、東電やアメリカ政府に支えられた日本政府、IAEA(国際原子力機関)などに反対する闘いをともに闘います。
私たちアメリカ人も、ネバダで核実験が行われ、原発から放射能が漏れ、放射性物質をまきちらして海や大地や空気を汚染し続けても、放射能について心配する必要はないんだ、と何十年もの間、教えられてきました。原発や核兵器設備からの放射能漏れが労働者と地域を汚染しても、私たちは警告もされず、守ってももらえなかった。
みなさんは一人ぼっちではありません。私たちは誓います。人類や環境を脅かし人の命を奪う原子力産業や技術による、これ以上の人災から私たちの世界を守るため、一丸となって行動することを。
●アメリカ鉄道労働者連帯
鉄道労働者連帯(RWU)は、3・11への賛同とともに、ここにみなさんへの連帯のあいさつを送ります。核兵器、原発、核産業と対決するみなさんの闘いが拡大し、全世界の人民のための安全な職場とコミュニティーをつくり出す闘いと結合されんことを!
ドイツ
ドイツからは、 反原発闘争の総本山・ゴアレーベンの核廃棄物処分場建設反対同盟の現委員長や前委員長、ゴアレーベンと並ぶドイツの反原発運動の拠点グロナウでウラン濃縮工場に反対して闘っている人びとから賛同が寄せられた。
また核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の医師たちや「原発に反対する母親たち」など、多数の反原発団体・環境団体に所属する人びとからも署名が送られてきた。このことで3・11福島行動13は、ヨーロッパ最大の反原発運動が存在するドイツの闘う人びとから圧倒的な支持を得た。
●ゴアレーベン核廃棄物処分場建設反対同盟委員長 マルティン・ドナートさん
全世界の核施設を即時停止せよ! ノーモア・チェルノブイリ! ノーモア・フクシマ!
●ゴアレーベン核廃棄物処分場建設反対同盟前委員長 ケアスティン・ルーデックさん
言論の自由は基本的人権です。デモを禁止することは誰にもできません。
ゴアレーベンから日本の反原発運動に連帯のあいさつを送ります。
●バイエルン自然保護同盟、原発に反対する母親たち エリザベート・フィッシャーさん
福島事故のあと日本は、原発が全部止まっても何とかやっていけることを証明しました。ところが、人びとの危惧(きぐ)にもかかわらず、なおも何基かの原発が再稼働されようとしていることは恥ずべきことです。
原子力エネルギーは危険であり、制御不可能です。核燃料廃棄物の処理も、全世界でなんら解決がついていません。政府は目先の利益のために自国民の生活と健康を脅かすべきではありません。
●イギリス
イギリス教組元議長のメアリ・コンプトンさんらの教育労働者国際連帯サイトには、3・11行動への賛同署名の呼びかけが転載された。
オーストラリアほか
オーストラリア、トルコ、アフリカからも賛同が寄せられた。
トルコの国際労働者連帯協会(UID−DER)を中心としたトルコの労働者たちは、『動労千葉震災レポート』を読んで反原発1千万人署名に取り組み、これまでに数万筆を送ってくれた。日本の原発輸出を現地でくい止めるために闘っており、今回も3・11行動の賛同署名を送ってくれた。
●オーストラリア学生環境ネットワーク サリー・スチュアートさん
オーストラリア学生環境ネットワーク(写真)は、原子力産業に反対するみなさんの行動に対する支持と連帯を表明します。
原子力産業はここ、オーストラリアにおいて極度に破壊的です。私たちは、原子力産業が出している有害物質の危険性について、また先住民地域における不正なウラン採掘について、ウラン廃棄物の先住民地域への廃棄について、見てきました。それらは数千年間も土地と水を汚染します。
これらすべての理由で、私たちはみなさんの原子力産業に反対する行動を強く支持します。私たちは日本政府が自国の民衆の要求を聞き、この危険な産業から手を引くことを願っています。私たちは、世界が採掘産業から再生可能なエネルギーに転換していくことを展望しています。
こうした理由で、オーストラリア学生環境ネットワークは、3月11日の集会に強く賛同します。
●トルコ国際労働者連帯協会(UID−DER)
みなさんの友人=トルコの労働者階級は、福島の惨事以降、みなさんが遂行する反原発の勇敢かつ断固とした闘いをもろ手を挙げて支持します。
私たちは国際労働者連帯協会として、トルコの労働者たちにみなさんの声を伝えると同時に、トルコの原発に反対して闘っています。
自らの利益のためなら人類と自然を破局に突き落とすことをいとわない資本主義の搾取の体制の中に、私たちは生きています。資本主義の搾取階級は、福島の子どもたちと家族の命など、なんとも思っていないことを自ら実証しました。これはまさに殺人的な体制であり、世界中の労働者がこの殺人体制、その原発と核武装拡大政策と対決して団結していかなければなりません。私たちは、このことは可能であり、労働者階級はいつの日か必ず勝利することを確信しています。
労働者階級の国際的な闘いに勝利を! 国際的階級連帯の前進を!
●反核NGO アースライフ・アフリカ・ケープタウン
私たちはみなさんと連帯しともに闘います。
南アフリカも六つを超す原発の脅威に直面しており、私たちは国際的な連帯でこの脅威を排除していくことができると考えています。
心を込めて私たちの気持ちを日本のみなさんにお送りします。
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週刊『前進』(2576号3面2)(2013/03/18 )
3・9明治公園 “フクシマは私たち自身”
労組を中心に1万5千人
3月9日正午から東京・明治公園において「つながろうフクシマ!さようなら原発大集会」が1千万署名市民の会主催で行われ、1万5千人が結集した。会場には福島を先頭に北海道から九州・沖縄まで、自治労や日教組、交通運輸など多くの労働組合が組合旗・のぼりを押し立て大隊列で陣取った。労組交流センターの労働者やNAZENの若者、全学連も駆けつけ闘いぬいた。
第1部のリレートークの最後に、福島県双葉町の前町長・井戸川克隆さんが飛び入りで発言に立った。井戸川さんは「チェルノブイリの状態を福島に来させようとしている勢力」を弾劾し、「福島県民が被曝させられても何の制裁も受けずにいる加害者に心から怒りを覚える」と憤りをあらわにした。
第2部の冒頭、2年前の3・11大震災と福島第一原発事故により無念の死を遂げざるを得なかった人びとに黙祷(もくとう)をささげた。
作家の大江健三郎さんは、「幾人のクラスメートが、被爆者たちが内部被曝のために原爆症を発症し、死んでいったか」と書いた、長崎の被爆者である作家の林京子さんの小説を紹介しつつ、「もう一度放射性物質で子どもらを殺させはしない」と強い気持ちを表明した。さらに「広島、長崎、そして福島をナカッタコトにしようとする連中と闘う」「もう一台の原子炉も再稼働させない」と揺るぎない決意を語った。
作家の落合恵子さんは、「再稼働と原発の輸出が公然と語られ、オスプレイが日本中を飛行し、憲法改悪の危険が迫っている」と警鐘を乱打した後、「それでも私たちはくじけません。力強く、果敢に毎日を反原発デーにしていきましょう。原発反対だけでなく、この犠牲のシステムそのものを変えていこう」と力強く呼びかけた。さらに「誰がフクシマを忘れることなどできるでしょうか。沖縄が私たち自身であるように、フクシマは私たち自身です」と渾身(こんしん)の叫びを行った。
集会後、2コースに分かれてデモ行進。「再稼働反対!」「原発なくせ!」「子どもを守れ!」のコールが週末の繁華街にとどろいた。
(写真 全国から集まった1万5000人が福島を忘れず福島とつながり、すべての原発をなくすまで闘い続ける強い意志を固めた【3月9日 東京・明治公園】)
日比谷・霞が関に4万人 10日
翌3月10日、午後1時から首都圏反原発連合主催の「原発ゼロ☆大行動」が日比谷野外音楽堂で開催され、多くの労働者民衆とともにNAZENの仲間たちも闘いぬいた。集会とデモには約4万人が参加、その後、経産省前などで抗議行動、午後5時から7時まで国会前大集会を行った。この日も労働組合が中心となり「再稼働やめろ!」「フクシマ返せ!」の声を霞が関一帯にとどろかせた。
3・9、10の両日、労働者民衆は、「3・11反原発福島行動13」の大勝利と奥深く結びつき、「フクシマ圧殺」の攻撃を打ち破った。労働者民衆の原発への怒り、極右・超反動安倍政権の再稼働への怒りは激しく燃え盛っている。さらに闘おう!
(写真 集会・デモと霞が関一帯での抗議行動を終えた労働者民衆が国会前に続々と結集【3月10日】)
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週刊『前進』(2576号3面3)(2013/03/18 )
3・9〜11 世界各地で反原発集会とデモ
台湾で政権揺るがす20万人決起
3月9〜11日、世界各地で福島原発事故2周年の反原発国際連帯行動が闘われた。
台湾では9日、首都・台北での10万人を始め4カ所で計20万人を超える反原発デモが行われた(写真左)。台北では長大なデモ隊が中正祈念堂を出発、「反核政策に転換しろ!」「台湾の農産物を守れ!」「第4発電所建設反対!」などのシュプレヒコールを上げながら総統府周辺を行進した。「推進派議員をリコールするぞ!」との訴えもあった。母親や青年・学生・労働者がデモの主役となり、終日、意気高く闘った。反原発デモは台中、高雄、台東でも行われ、馬英九政権を激しく揺さぶっている。
台湾では現在6基の原発が稼働中で、新たに第4原発2基が建設中だ。中国(香港を含む)は200基の原発を建設し世界最大の原発大国になることをめざしている。だが台湾の反原発闘争が中国の反原発闘争に大きく影響することは必至だ。
韓国でも9日、ソウル中心部で数千人が東日本大震災の犠牲者を追悼するとともに核と原発の廃絶を訴える集会を行った。広島・長崎の被爆者やその子孫らも参加し、合唱で「核兵器も核発電所(原発)もない世界を」と呼びかけた。
インドでは11日、政府が4月稼働をめざしている南部タミルナド州クダンクラム原発(2基)の周辺で漁民ら2500人以上が稼働阻止を掲げて海上をデモを行った。
欧州各地でも大規模な反原発行動が闘われた。
トルコでも、建設計画中のアククユ原発(4基)を人間の鎖で包囲する行動が取り組まれた。
ドイツでは9日、原発や放射性廃棄物貯蔵施設の周辺4カ所で2万8千人が反原発行動に立ち上がった。要求は現在稼働中の9原発を2022年を待たず今すぐ止め、廃炉にすることだ。北西部のグローンデ原発の周り40〜60`を約2万人が人間の鎖で囲み「あなたの家の前で大事故が起きることを想像してください」と呼びかけ、即時停止・廃炉を訴えた(写真右)。北部のヒルデスハイムでも人間の鎖で原発を取り囲み、福島に住む母親たちの手紙が読まれ、日本語で「原発反対」とスローガンを叫んだ。
フランスのパリでは9日、26の反核団体が呼びかけ2万人以上が約40`の人間の鎖をつくった。フランス電力(EDF)や原子力独占体アレバ、経済財政産業省の前など市内18カ所で集会を開いた後、一斉に手をつなぎ、「原発はもう要らない」「フクシマを繰り返すな」と声を上げた。
イギリスでも9日、ロンドンで在留日本人など300人が「ノーモア・フクシマ」「放射能から子どもを守れ」と叫んで反原発デモを行った。10日にも南西部ヒンクリーで核軍縮運動(CND)や核阻止連合を中心に1千人がEDFの新規原発建設に反対しデモした。参加者は8基の新規原発建設をやめろと訴えた。
ベルギーでも10日、ティハンゲ原発に向かって反原発デモが行われた。
原発と核の廃絶を求めて全世界の労働者人民の闘いが高揚している。国際連帯で闘おう。
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週刊『前進』(2576号4面1)(2013/03/18 )
3・24三里塚に全国から大結集しよう
市東さんの農地・営農を守れ 安倍改憲政権打倒へ進もう
3・27農地裁判・千葉地裁包囲へ
三里塚闘争は今、まさに決戦の時を迎えている。それは「国策」と真っ向から闘い続けた三里塚47年の歴史をかけた決戦であるとともに、労働者人民からあらゆる権利を奪い、命を奪う新自由主義との階級決戦である。市東孝雄さんの農地決戦は、非正規化、大失業と闘う労働者、TPP(環太平洋経済連携協定)に抗する農民、そして反原発、沖縄の闘いと完全に一体である。1週間後に迫った3・24三里塚全国集会と3・27農地裁判最終弁論闘争は、この決戦の行方を決するひとつながりの闘いだ。1350人が結集した3・11福島闘争の歴史的成功を引き継ぎ、動労千葉の3月ストライキと一体で3・24全国集会に1500の大結集をかちとり、3・27農地裁判・千葉地裁包囲へ総決起しよう。
農地奪う反動判決阻止を
市東さん農地裁判(行政訴訟・農地法裁判)は、2月18日の市東さん本人の証言を経て、反動判決を打ち破る決戦局面に突入した。われわれはあらためて、この裁判闘争を現地実力闘争と一体のものとして、反動判決絶対阻止へ闘い抜くことを宣言する。
市東さんと三里塚芝山連合空港反対同盟は年初より不屈の闘いを決意し、闘いの檄(げき)を発している。2・18証言闘争ではトラクターデモ、力強くひるがえる反対同盟と全国農民会議ののぼり旗、裁判所包囲の「人間の鎖」、サウンドデモなど創意あふれる豊かな闘いを実現した。この闘いが市東さんの証言の力となり、力強い法廷証言が闘う陣形をさらに強固なものとした。決戦勝利にかける反対同盟と全三里塚勢力の意気込みが、地底からわき上がっている。これはまた3・11から2周年を迎える東北の被災地と福島―反原発闘争、沖縄のオスプレイ・反基地闘争、労働者階級の闘いと全一体のものとして闘いとられた。
3・24全国集会−3・27最終弁論闘争を闘うために、2点確認したい。
第一は、なによりも判決攻防に突入した市東さんの農地裁判闘争を絶対勝利の確信のもとに闘いぬくことである。
市東さん農地裁判は、これまでNAA(成田空港会社)と千葉県を圧倒して闘いぬかれてきた。
この裁判の最大の争点は、事業認定が失効し土地収用法が適用できなくなった市東さんの農地を、農民の権利を守るための農地法で強制的に取り上げることが許されるのかという大問題である。これは戦後の憲法体系を踏み破る暴挙であって、これ自体が資本のもとにすべてを従属させる新自由主義攻撃そのものだ。公共事業のために個人の土地を収用する土地収用法と、戦後の農地改革を経て自作農創設と小作権者の保護のために作られた農地法では、まったく正反対、法の目的が全然違うのだ。
そもそも、88年の市東東市さん(孝雄さんの父)の合意のない秘密買収自体が農地法違反であり、農耕者でもないNAAがその後、農地を保持することなど許されない。地代を旧地主に受け取らせだまし取っていた上に、地権者づらをして、明け渡し請求する資格など、NAAには初めからないのだ。
裁判闘争は、89年12月の事業認定失効を前にして追いつめられたNAAの違法を暴き全面的に立証した。NAAと千葉県に肩入れする司法権力の反動判決を粉砕し、なんとしても勝利しよう。
しかもこの裁判闘争は、新農政のもとで進められてきた小規模農家の切り捨てと企業の農業参入、TPPなどの攻撃との闘いでもある。戦後憲法とともに生まれた農地法の精神を解体する攻撃は、教育基本法や労働法の改悪と完全に一体であり、改憲攻撃そのものである。「国策」を掲げ「公共性」の粉飾をこらして襲いかかる、むき出しの暴力を絶対に許すな。市東さんの農地問題は、市東さんの問題にとどまらず、労働者階級人民の課題としてあることを徹底的にはっきりさせて闘い抜こう。
2・18証言闘争を闘ったわれわれは、さらに仮執行宣言をも含む反動判決の粉砕に向けて3・27法廷へと突き進まなければならない。市東証言をベースに、5年間の裁判闘争の争点を絞り上げた弁論と、これに呼応した戦闘性と大衆性をもった大闘争を実現しよう。
確認の第二は、この農地取り上げ攻撃と一体のものとしての闘争解体攻撃を全国大結集の力で打ち破ることである。
国家暴力砕く決戦突入集会
2月20日、NAAの意を受けた千葉地裁執行官が早朝、市東さんの敷地と建物に無断で踏み入り「公示書」なるものを設置した。農地と、市東さんの所有物であるすべての建物の占有を取り上げ、市東さんに「貸し与える」というのだ。心底から怒りがこみあげる。こんな決定などまったく無意味だ。これは不屈に闘う市東さんへの脅迫そのものではないか。
さらに日帝・国家権力とNAAは、3月7日に第3誘導路の供用を開始した。市東さん宅に東西両方から大騒音と振動を浴びせかけ、生活そのものを破壊する攻撃にほかならない(左写真)。取香地区の空港拡張策動は市東さんをさらに空港敷地の中に囲い込む攻撃だ。これらの闘争解体攻撃を総力で粉砕しよう。
だがこれらはNAAの破産と敗北の結果だ。
暫定滑走路1本に対してターミナルと滑走路を結ぶ誘導路が3本も必要という異常さ。取香地区拡張計画は経営危機にあえぐNAAがLCC(格安航空)に傾斜する結果の事態である。東側誘導路建設のための東峰の森破壊と拡張、暫定滑走路の北ずらしと延伸の2度の拡張といった、まったく場当たり的な計画変更! ぶざまな空港の姿そのものではないか。
こうした攻防は、日々勝利してきた三里塚闘争が国家暴力を真っ向から打ち砕く闘いであり、われわれは反対同盟との血盟にかけて断固として打ち破るのだ。
市東さんに屈服を強要して闘争解体をねらう攻撃を粉砕し、3・27大裁判闘争へ向けて、3・24全国集会を今夏今秋を見据えた決戦突入集会としてかちとろう。
TPP=農業破壊許すな
三里塚闘争は「農地死守・実力闘争」を掲げ、日帝のアジア侵略のための国策と対決してきた。農民としての権利を守り土地収用法を粉砕することの意義は、強権的に土地を取り上げることが画策される被災地の闘いに通じる。TPPは米新軍事戦略下の対中国の争闘戦であり、影響はすべての産業分野に及ぶが、とりわけ農業は資本による徹底した収奪にさらされる。市東さんの農地闘争はその先端的攻防だ。
また、反戦の思想は沖縄の反基地の闘いと一体であり、動労千葉とともに打ち立てた労農連帯は革命に向けた労農同盟の萌芽(ほうが)である。
こうした闘いであるがゆえに、三里塚は安倍政権の闘争解体攻撃と最先端で激突しているのだ。
安倍政権は、最悪の超反動政権だ。今回、有権者の24%の得票で政権を手にした安倍は、なんら人民の信任を得ていない。しかし、すでに原発推進、TPP交渉参加へ突き進み、さらに「尖閣・竹島」をめぐる挑発的な軍事行動、改憲への言及など本性をあらわにしている。「危機突破」が全人民の課題であるかのように言いなして、ブルジョアジーの利益のために、生活保護の見直しや労働力の流動化=10割非正規化など、新自由主義政策を極限まで推し進めようとしている。
労働者階級人民の怒りの決起は不可避だ。問われているのは安倍の強権の前に「闘っても勝てない」「闘ったらつぶされる」という敗北主義を打ち破り、新自由主義攻撃と真っ向から対決することである。
動労千葉の反合理化・運転保安闘争は、資本の攻撃と全面的に対決し、職場での分断攻撃を打ち破りながら、労働者の誇りをかけて職場を労働者の手に取り戻す闘いを前進させている。
3・11反原発福島行動は棄民政策に対する県民の怒りと一体となって、原発事故収束キャンペーンを打ち破る福島現地の怒りの火柱として大結集を実現した。
こうした闘いと一体で「国策」と真っ向から実力で闘い、47年間闘い勝利し続けてきた三里塚闘争の爆発が安倍を打倒する道である。安倍は三里塚農民の怒りの爆発が、全国の労働者や農民の日帝に対する怒りの炎に油を注ぐことに心底から恐怖している。この恐怖を現実に転化する闘いとして、安倍政権に対する怒りの総反乱として3・24集会をかちとろう。
労農同盟発展させ革命へ
農地決戦勝利に向けた宣伝戦の中で、かつて三里塚を闘ったという多くの人びとと出会った。非正規・長時間労働に怒る若者から「こういう闘いがあったんですね」という声を幾度となく聞いた。
三里塚闘争は全人民の闘いであり、そして今がまさに総力を結集して闘うべき時なのだ。眼前にある農地決戦は人民の未来を切り開く闘いである。
新自由主義の分断を真に打ち破る革命に向けた団結=労農同盟が求められる今、反TPP、反原発を掲げ、三里塚を闘う農民の闘う組織「全国農民会議」が正式に旗を揚げた。組合旗を林立させて結集する労働者と全国農民会議に結集する農民のがっちりとしたスクラムを3・24集会で実現し、日帝打倒へ攻めのぼろう。
残り1週間、街頭、キャンパス、職場、地域に反対同盟のパンフとビラをとことん持ち込み、3・24−27の参加を呼びかけ、安倍政権に対するあらゆる怒りを三里塚に結集しよう。戦争・改憲攻撃もろとも安倍超反動政権をうち倒そう。
3・24天神峰・三里塚現地に1500の全国大結集を実現し、3・27最終弁論大闘争へ! 農地強奪実力阻止・安倍打倒の戦闘宣言を発し、日本革命の扉を押し開いていこう。
〔白川賢治〕
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市東さん宅と第3誘導路
@暫定滑走路(B) A天神峰現闘本部跡と市東さんの畑(南台) B「へ」の字誘導路 C団結街道跡(黒い破線) D市東さん宅と畑 E畑(萩原進さんほか) F東峰開拓組合道路 G機動隊宿舎 H供用開始された第3誘導路 I県道44号(小見川県道) (11)取香2号線(旧小見川県道)
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週刊『前進』(2576号4面2)(2013/03/18 )
3・7三里塚 新誘導路に怒りのデモ
同盟・支援110人が緊急闘争
3月7日、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで、第3誘導路供用開始に対する緊急現地闘争が闘われた。晴天だが強い風にあおられ土ぼこりが舞う中、市東孝雄さん宅の南側に位置する東峰開拓組合道路に、反対同盟と労働者・学生・市民110人が結集した。ここも空港敷地に大きく食い込み完全空港化を阻む闘争拠点だ。
午後1時30分、司会の萩原富夫さんが「たった今小型機1機が第3誘導路を通った。供用開始を許さず本日のデモを闘おう」と第一声を上げた。
北原鉱治事務局長が発言に立った。「千葉地裁の執行官が市東さんの住居や畑に無断で立ち入り、14カ所に告示書なる看板を設置していった。この人権侵害を許さない。第3誘導路供用に反撃しよう。労働者と農民は連帯して社会を変えるために闘おう」と訴えた。
続いて動労千葉争議団の中村仁さんが連帯発言に立ち、「動労千葉は外注化攻撃と闘い、3・16ダイヤ改正に対し第2波ストに立つ。市東さんの闘いに連帯し、出向を強制されている仲間をJRに呼び戻す」と決意を表した。
さらに関西実行委、婦人民主クラブ全国協議会、市東さんの農地取り上げに反対する会が発言した。婦民全国協は3・1国際婦人デー闘争の成功を報告した。
「農地強奪・営農破壊を許さない/第3誘導路供用開始粉砕」と大書した横断幕を高く掲げ、反対同盟を先頭にデモに出発。市東さんの手にも、反対同盟のえんじ色ののぼりが握られている。
旧小見川県道に出ると、目の前に市東さんの天神峰の畑が広がる。その一角にあるビニールハウスの脇には、千葉地裁執行官が立てた「公示書」看板が見える。
デモの進行方向には第3誘導路が横たわっている。まるで巨大な城壁だ。まさに市東さんの生活と営農を空港内に囲い込み、圧力を加えるために造られた壁にほかならない。デモ隊は第3誘導路を横切るトンネルをくぐりながら怒りを倍加させた。
南台の市東さんの畑に到着。手入れが行き届いた土と作物を全員が目の当たりにした。その畑のど真ん中で、支援団体のアピールが行われた。
全学連の坂野陽平書記長が口火を切り、「2月18日の闘いで情勢は大転換した。敵の攻撃の激化は、同時に空港の破綻の始まりだ。3・24三里塚へ全力で闘おう」と呼びかけた。締めくくりに萩原進事務局次長がマイクを握り、全力で訴えた。「ストで闘う動労水戸、動労千葉のような戦闘的労働運動とともに農民・漁民・市民が闘うという構図が求められている。三里塚、福島、沖縄はそうした闘いが実現できる有利な土俵を築いている。3・24集会に向けてカラーパンフ、ビラをさらに活用し、1500人結集を徹底的に追求してほしい。今それが市東さんを守る力となる!」
この熱烈なアピールに全参加者が奮い立った。
再びそこから出発し、NAAが土地買収を狙う取香地区を通って開拓組合道路までのデモ行進をやりぬいた。
(写真 「第3誘導路供用開始粉砕」の気迫に燃え反対同盟先頭にデモ【3月7日 成田市】)
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週刊『前進』(2576号4面3)(2013/03/18 )
団結街道裁判 市道廃止の根拠示せ
早期結審策動と徹底対決
3月12日、反対同盟が団結街道廃止処分の許可取り消しを求めて成田市とNAAを訴えている団結街道裁判の第10回弁論が、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で開かれた。市東さん農地裁判の緊迫化とあいまって、団結街道裁判も早期結審策動との対決となりつつある。反対同盟・顧問弁護団とともに、前日の3・11福島行動に参加した労農学が傍聴に駆けつけ、ともに闘った。
午前10時30分開廷。冒頭に多見谷裁判長が成田市側をけん制するポーズを装いつつ、「今後、新しい主張は認めないのでそれに従うように」と言明した。
前回法廷で、市側がいわゆる類型論を、反対同盟側の批判を浴びて維持できなくなり、事実上撤回した経緯を受けて「もう類型論は主張するな」との趣旨だ。しかし真意は反対同盟側の求釈明をけん制するものだ。結審を急ぐ裁判長の姿勢を露骨に示したのだ。
類型論とは、市道を廃止する場合の六つの類型を成田市が示し、「その一つにあてはまるから、市道廃止処分が適法だ」と主張するものだ。ところが前回、団結街道廃止がどの類型にあてはまるのかを市は示すことができず、結局類型論は破綻したのだった。
破綻を取り戻すためにこの日市側が出してきた準備書面14に対して、弁護団が猛然と批判した。この準備書面は2年前に出された準備書面1とまったく変わらない。成田空港の公共性を述べ立てて、「空港のためなら市道の廃止は自由にできる」と露骨に主張するものだ。まさに農地裁判での「成田空港フリーパス」論(NAAの申請はフリーパスで許可する)の市道版だ。
弁護団は「公共性を一般的に述べ立てたところで、それが一般市民の生活に不可欠な市道の廃止と即結びつくものではない。どういう要件で、市道廃止が適法と主張するのか、具体的に回答せよ」と回答を迫った。
ここで裁判長が成田市救済に乗り出す。「新たな主張は認めないとさっき述べたのだから、すでに出ている主張で回答になっている。新たな回答の必要はない」と。弁護団は不当な訴訟指揮を弾劾し、求釈明に回答することを約束させた。
次回期日、6月18日(火)を決めて閉廷。
弁護士会館で開かれた報告会では、北原鉱治事務局長のあいさつに続き、弁護団が多見谷裁判長の早期結審策動を弾劾した。動労千葉、関実、市東さんの会、全学連三里塚現地行動隊が連帯発言を行い、特に行動隊の学生の若々しい決意に大きな拍手が送られた。
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【要項】3・27農地裁判・千葉地裁包囲闘争
3月27日(水)
午前10時 千葉市中央公園で集会・デモ
午後1時30分 市東さん行政訴訟・農地法裁判開廷
(最終弁論) 千葉地裁
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週刊『前進』(2576号4面4)(2013/03/18 )
2013年日誌 3月5日〜11日
オスプレイ、本土で低空訓練/北朝鮮制裁決議を採択
●オスプレイ本土低空訓練 米軍の新型輸送機オスプレイ3機が、和歌山県から四国上空に設定した「オレンジルート」と呼ぶ経路を使って本土初の低空飛行訓練を開始。岩国基地(山口県)を拠点に8日まで。(6日)
●4・28「主権回復の日」として政府式典 安倍首相は衆院予算委でサンフランシスコ講和条約が発効した日に当たる4月28日を「主権回復の日」として政府主催の式典を開く方針を明らかにした。(7日)
●北朝鮮制裁決議を採択 国連安保理は緊急の公式会合を開き、3度目の核実験を2月12日に強行した北朝鮮に対する制裁決議を全会一致で採択した。人、物資、資金を通じて締めつける厳しい内容。(7日)
●南北不可侵合意を破棄 北朝鮮の祖国平和統一委員会は声明を出し、国連の制裁決議に関して米韓を非難し、11日から南北間の不可侵に関するすべての合意を破棄すると宣言。(8日)
●除染計画の達成困難 環境省は、放射線量が高く住民が避難している福島県の11市町村で国直轄で行う除染の進捗(しんちょく)状況を初めて公表。着手した4市町村でも、飯舘村の宅地は12年度計画分の1%にとどまるなど大幅に遅れている。来年3月の除染完了の目標達成は厳しい状況。(8日)
●日本人陸上輸送を提言 自民・公明両党は、在外日本人「保護」のための自衛隊法改正に関する政府への要請事項をまとめた。航空機と船舶に限られていた日本人の輸送を陸上でも認める内容。要請を受け、安倍政権は同法改正案の今国会提出をめざす。(8日)
●原発避難6年以上5万4千人 福島県の避難指示区域の再編に伴い、少なくとも事故から6年、今後4年は帰還できない住民が約5万4千人にのぼることが分かった。(10日)
●長期裁判、裁判官だけで 裁判員制度の見直しを議論している法務省の検討会が、判決まで100日を超えるような長期間の審理が必要な事件を対象から外し、裁判官だけの裁判とする仕組みの導入を検討していることが分かった。(10日)
●名護漁協同意受け、埋め立て申請へ 日米両政府が普天間飛行場の移設先とする名護市辺野古の埋め立てに、名護漁協が同意。これを受け安倍内閣は、3月末か4月初めに仲井真知事に埋め立てを申請する方針。(11日)
●米韓合同演習始まる 米韓両軍は合同軍事演習「キー・リゾルブ」を開始した。演習には韓国軍約1万人、米軍約3千人が参加し、指揮系統の確認を中心に21日まで実施する。(11日)
●首相「普天間移設は県外困難」 安倍首相は衆院予算委で、普天間飛行場の県外移設について「海兵隊は各部隊の一体性の維持が求められる。普天間の航空部隊を切り離し、県外に移すのは困難」と述べた。(11日)
●「原発事故は人災」1650人が提訴 福島第一原発事故で平穏な生活を奪われたとして、福島県の住民や避難者ら1650人が国と東電を相手取り、計約53億6千万円の損害賠償や原状回復などを求めて福島、東京、千葉地裁など四つの地裁・地裁支部に集団提訴した。(11日)
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週刊『前進』(2576号5面1)(2013/03/18 )
解雇撤回・JR復帰の10万署名で階級的労働運動の前進きり開け
4・1外注化粉砕し6・9大集会へ
一発のストライキが情勢を変える! 3・1動労千葉第1波ストを転回点に、2013年決戦は戦後史を根底から塗り替える一大激突の過程へと突入した。ストのもつ根源的力、青年の怒りの激しさ、プロレタリアートの本質的暴力性、階級性、自己解放性に、安倍や日帝ブルジョアジーは心底震え上がっている。「怒りと闘いの日」として大高揚した3・11福島行動から反原発の闘いをさらに発展させよう。3月大量雇い止め攻撃を階級的団結の力ではね返そう。3・24三里塚闘争に総決起しよう。そして4・1JR外注化阻止と、解雇撤回・JR復帰判決を求める10万筆署名運動への全力決起を訴える。
3月ストと10万筆署名は労働組合を甦らせる闘い
動労千葉は3・1第1波に続き、3・14〜17第2波連続ストに突入した。まずこの動労千葉ストの意義をしっかりと確認したい。
(1)外注化は、そこで働く労働者を転籍させ、非正規職に突き落とすまで終わらない。JR本体には何も残らなくなるまで進行する。徹底的に闘い続けることが求められる。
(2)外注化、強制出向そのものが違法行為、不当労働行為であることがはっきりした。JRに戻れず、労働条件も変わる出向が就業規則だけで強制される。それは出向のための4要件(技術指導、職業能力開発、経営状況、人事交流)にも何ひとつ該当しない。
(3)検修・構内外注化はそのすべてが明白な偽装請負だ。JRは「指示」を「単なる情報提供」と言い換え、JR作成の「作業日誌」(入換計画書)を「発注書」という名称に変更し、偽装請負をごまかそうとしている。
(4)その結果、業務委託とは言えないデタラメな外注化が日々の現実となっている。その日に何十という数の入換業務や仕業検査業務の一つひとつが委託・発注され、しかもそのすべてが「発注兼指示書」というめちゃくちゃな形式で行われる。
(5)その結果は、取り返しのつかない安全破壊となる。JRが指揮命令していないという形をとるため指揮命令系統が崩壊し、JRとCTS(JR千葉鉄道サービス)という別会社が勝手に列車を動かすことになる。
(6)CTSは動労千葉の再三の指摘や申し入れも無視し、「36協定」を締結しないまま超勤や休日勤務を命じ続け、ついには千葉労基署も2月21日、CTSに対して労基法違反による是正勧告を行った。労働基準法に違反する取り扱いが行われていたということであり、CTSは違法企業ということだ。
(7)にもかかわらずCTSは謝罪を拒否したばかりか、「36協定を締結しなければ幕張運転車両所をつぶす」として、3月1日にはCTS幕張事業所への統合を強行した。
3・1第1波ストはこれに対する根底からの怒りの反撃であり、外注化阻止の最大の力を組織拡大に据え、JRにおける平成採の獲得と組織拡大、CTSの労働者の組織化をめざして真正面から打ち抜かれた。外注化阻止・非正規職撤廃と10万筆署名運動を真っ向から掲げた、歴史的闘いが始まったのだ。
勝利への壁を突き破った東京地裁の「6・29判決」
3・1ストライキはさらに、労働組合の存立のかかった普遍的課題をも明らかにし、解雇撤回・JR復帰の高裁判決を求める10万筆署名運動を、3〜4月決戦の最大の決戦課題に押し上げている。ストライキと署名運動こそ国際連帯のかかった闘いであり、労働組合の原点を力強く甦(よみがえ)らせ、それを真に確立していく闘いだ。
3・1ストに先立つ2月27日の動労総連合の強制出向無効確認訴訟(東京地裁)で、JR側は外注化のあまりにも不当・違法な現実を突きつけられ、「それは別会社がやったから関係ない」と強弁した。ここにこそ外注化の本質がある。外注化とは、資本のむき出しの違法・不当行為である。資本は労働者を分断し、団結を破壊することで、このむちゃくちゃな攻撃をかける。
それは国鉄分割・民営化における大量首切りという不当労働行為を、国鉄改革法23条を盾に「JRと旧国鉄は別」と強弁し、団結権を否定した論法と同じだ。今日の外注化攻撃は、国鉄分割・民営化以来のひとつながりの攻撃だ。これとの闘いは、分割・民営化攻撃と真正面から闘わず改革法23条の前に屈服してきたすべての体制内派の限界を突破して、戦後労働運動を根底から変革していく闘いそのものである。
外注化の中で資本は、労働者に超勤、休日勤を乱発し、不払い労働を蔓延(まんえん)させ、もうけ優先で好き勝手に長時間労働を強制してきた。不当労働行為による労働組合破壊、団結あるいは団結権の破壊と、それがもたらす賃金破壊と雇用破壊、長時間労働、労働時間制解体の攻撃が、今や非正規職を始め全労働者に襲いかかっている。これへの根源的怒りと生きるための闘いが全世界で巻き起こっている。
動労千葉鉄建公団訴訟の東京地裁6・29判決は、これまでの4者4団体派による訴訟の判決をのりこえて、不採用基準そのものが不当な目的・動機に基づいて策定されたものであることを明確に認定した。そして「名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されていたはずであるといいうる」と判断した。解雇撤回・JR復帰へ、壁をあと一歩で突き破る、決定的な勝利への突撃路を切り開いたものである。
労働者は国鉄全国運動の全面的登場を求めている
大恐慌下の「雇用破壊元年」とも言うべき大量雇い止め、大失業の攻撃が襲いかかっている。だがこれとの激闘は、すでにすさまじい勢いで闘いぬかれている。国鉄闘争全国運動が呼びかける6・9大集会(東京・文京シビックホール)の位置はいよいよ決定的だ。それは国鉄分割・民営化に決着をつけ、外注化と正面から闘う新たな時代の反合理化・運転保安闘争をつくり、全産別・職場に労働運動の新たな出発点を築く闘いだ。
大恐慌と新自由主義のもとで、労働者への攻撃が限界・限度を超えて進む中で、労働者の意識の変化が間違いなく起きている。問題はそれが、絶望に終わるのか、団結して闘う出発点に転化できるかだ。
どんな小さな火でも、労働者の反乱と決起は必ず闘う労働組合が息を吹き返すきっかけになる。ストライキと10万筆署名、そして6・9国鉄集会の大結集・大成功で、この歴史的勝利に向けた試練に断固挑戦し、絶対に勝ち抜こう。
国鉄闘争全国運動は、多くの心ある闘う人びとの決起を生み出している。分割・民営化から26年の2・17労働者集会では、国鉄闘争を長く闘ってきた署名の呼びかけ人から、熱烈なアピールが発せられた。
「署名運動への熱烈参加を皆さんに呼びかける」「国鉄闘争は終わっていない。皆さんとともに最後まで闘う」「闘うことなくしては、労働者は奴隷になっていくしかない」。今や4大産別を先頭に多くの労働者が、国鉄全国運動の発展を望み、その力で闘う労働運動を復権させるために闘おうとしている。
しかし他方では、権力や反動勢力が6・9大集会への敵対・破壊を狙って策動している。特に2・27強制出向無効確認訴訟と同じ日に開かれた動労千葉の鉄建公団訴訟控訴審(東京高裁)では、高裁・難波裁判長は5月8日の次回期日での結審を予告した。
今が勝負の時だ。3月決戦から4・1外注化阻止と10万筆署名運動に総決起しよう。
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週刊『前進』(2576号5面2)(2013/03/18 )
暴処法裁判 3・29控訴審へアピール
処分撤回!法大闘争爆発を
3月29日、一審で無罪判決を実力でもぎりとった法大「暴処法」(暴力行為等処罰ニ関スル法律)裁判の控訴審が東京高裁で行われます。傍聴席を埋め尽くす結集で裁判所と国家権力を圧倒し、控訴審も無罪をかちとろう!
(写真 一審無罪判決をかちとり勝利の喜びにあふれる被告団・弁護団【昨年5月31日】)
3・11福島行動で決意新たに
本裁判は、安倍政権による戦争と大失業攻撃に対する巨大な学生反乱の一環です。
3・11反原発福島行動は、安倍政権への怒りとして1350人の結集で大高揚しました。
原発事故から2年、福島のお母さんや農民、労働者・学生が分断や困難をのりこえて結集し「フクシマの怒り」を訴え、この感動的決起にあらためて「3・11を絶対に忘れない! 全原発廃炉へ!」と全参加者が決意を新たにしました。
福島大生は3・11集会で「原発事故の責任は、地震でも津波でもなく、自民党であり電力会社であり、御用学者です。福島から、彼らの責任を追及しなくてはなりません」と発言しました。
そして法大闘争では2月15日、文化連盟委員長に就任した武田雄飛丸君の処分撤回裁判が戦闘的に闘いとられました。
武田君は裁判の陳述で「今回の私に対する処分も、これまでのあらゆる処分と同様、学生運動に対する弾圧として存在している。学生運動を弾圧し、規制を強行するあり方と、反原発運動を弾圧し、御用学者を居座らせるあり方は、本処分に見られるように一体である。学生の存在がおとしめられ、大学が資本と国家に従属するあり方が続く限り、法大闘争は終わることはない」と訴えました。
問われているのは大学であり、学生の行動です。文化連盟を先頭とした法大闘争の「一人の仲間も見捨てない」という闘いが今こそ真価を発揮するときです。
09年に、増井真琴君(法大文化連盟前企画局長)に対し入構禁止を通告する大学正門の看板を「共謀して破壊した」として11人が不当逮捕、5人(増井君、恩田亮君、織田陽介君、新井拓君、内海佑一君)が起訴されたのが法大「暴処法」弾圧です。
「暴処法無罪」の画期的地平
06年の3・14法大弾圧から始まる法大闘争は、ついに戦前から学生運動と労働運動の破壊のためだけに存在し続けてきた「暴処法」を適用せざるを得ないところにまできたのです。「暴処法」は「多衆ノ威力ヲ示シ」とあるように、団結そのものを罪とする悪らつな弾圧法です。戦前は京都学連事件などで使われ、戦後においても東大ポポロ事件などの政治弾圧で適用されてきました。
この弾圧の核心は法大文化連盟の絶滅攻撃であり、法大生の団結破壊です。08年文化連盟決起以来の闘いがいかに当局・権力を追いつめたかを示しています。
しかし法大「暴処法」弾圧被告団は一歩もひるまず完全黙秘・非転向で闘い抜き、キャンパスで武田君など新たな闘う法大生の主体と結合し、昨年5月31日ついに3年にわたる裁判闘争の末に無罪をもぎとったのです。
無罪戦取の核心は第一に完全黙秘・非転向を貫いた被告団の団結した闘いであり、第二に敵のデッチあげの矛盾をついて闘ったことであり、第三に敵・権力を人格的に圧倒したことであり、第四になによりもキャンパスでの団結形成を軸に闘い抜いたことです。
国家権力は、3・11情勢下での巨大な人民決起と動労千葉の外注化阻止決戦、そして星野文昭同志再審へ向けた全証拠開示運動に追いつめられ、なりふりかまわぬ攻撃に出てきています。しかしそれは追いつめられたあがきでしかありません。
無実の星野さんを今年こそ何としても取り戻し、新自由主義攻撃を打ち砕く闘いのとりでとして法大闘争を大爆発させよう! 武田君の処分撤回裁判(次回5月17日、東京地裁)とともに法大「暴処法」控訴審を闘い抜こう!
ぜひみなさんの大結集をお願いします。
(法大「暴処法」弾圧被告団)
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週刊『前進』(2576号5面3)(2013/03/18 )
闘いは進む 青年の職場から
郵政 年40万円賃下げ!スキル評価制度に怒り
郵政非正規ユニオン委員長 齋藤裕介
郵政の職場では今、契約更新期間を迎えています。3月末雇い止めを打ち破る闘いが全国的に進む中で、「スキル評価制度」に対する現場の怒りが爆発しています。
期間雇用社員と呼ばれる非正規労働者は、通常6カ月ごとに雇用契約を繰り返していますが、期間満了が近づくと、「スキルシート」という評価票を提出させられます。「郵便物を大切に扱っているか」「他の社員の応援ができるか」などの項目があって、最終的には管理職が評価を決める。集配労働者の場合、A〜Cまでのランクにそれぞれ「習熟度有・無」があって六つのランク分けがされ、次の契約期間の賃金(1000〜1560円)が決められます。
最高ランクの「A有」から「A無」に下がった場合、時給200円カット、年間にすれば40万円の賃金切り下げ。アパートの家賃10カ月分です!
集配労働者は、分厚くて重い通販カタログや、大きすぎて郵便受けにも入らないアマゾンの荷物などをバイクに満載して、毎日暗くなっても配達しています。アマゾンなんて、佐川急便が「とてもじゃないが割に合わない」と放り出したものです。これを会社は「奪還した」なんて言って、喜々として受けている。当然しわ寄せは全部現場に来ます。バイクは過積載でブレーキは効かず、整備費用もケチるからタイヤはツルツル。交通事故、誤配などの郵便事故は後を絶ちません。側溝に突っ込んで命を失うという悲惨な事故も引き起こされてしまいました。「明日死ぬのはおれか、おまえか」なんてことが日常会話になっている。
そこに当局は時給200円カット。「嫌なら辞めろ」ということです。それでも辞めなければ暴力やパワハラの嵐。将来設計、生活設計なんか立てられません。「雇い止め」以上に、退職強要を受けて、または自ら見切りをつけて職場を去る青年労働者が膨大に存在します。スキル制度撤廃は、非正規職撤廃と直結したテーマなのです。
私を雇い止めにした東京多摩局の大工原課長は、「非正規のクズどもが組合なんかつくりやがって!」「赤旗振った連中と一緒にやるのか!」なんて暴言を吐いてきましたが、いざ労働委員会の審問に出てきて、その「赤旗振った連中」を目の前にしたとたんに小さくなってしまいました。中川業務企画室長は「労働組合と団体交渉をしたことなどない。立ち話がせいぜい」と言っています。会社の暴力的支配は、連合JP労組中央が屈服・協力することによって、かろうじて成り立っているにすぎません。
労働者が毎日感じている怒りは、「あきらめ」「絶望」と紙一重です。これを「展望」に変えることこそが、労働組合運動の真骨頂です。「絶対反対」で屹立(きつりつ)すれば、それは職場全体の怒りに広がっていく。団結の言葉が輝きを取り戻し、これまでの常識さえ覆す闘いが一瞬にして可能になるのです。
今、働く仲間に雇い止めの攻撃がかけられています。ただちに団体交渉を申し入れました。この仲間を、断固として守りたい。この時代を変えるのはわれわれ青年の怒りと闘う労働組合の団結です。巨大郵政にヒビを入れることはできる。今こそ闘いの時だ!
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週刊『前進』(2576号5面4)(2013/03/18 )
『革共同の機関紙活動』を読むC
現場労働者の投稿で紙面をつくる闘いを
関西A地区機関紙担当 S
労働者階級は、民営化・外注化、非正規職化によって、賃下げ、雇い止め=解雇、失業、半失業の状態に落とし込められています。労働者は労働組合に結集し、団結して資本家と闘うことで明日を切り開くことができます。
党と労働組合の一体的建設こそ、今、労働者に求められています。その鍵になるのが『前進』です。
わが地区における機関紙活動は現状維持が続いており、拡大にいたっていません。この状態をいかに突破していくのかが課題です。
第一に、機関紙の迅速な配布と、機関紙を読むことから始めることを提起しています。わが地区では機関紙が到着したら2日以内に配布するようにして、何部かまとめて配布するようなことはなくしていくことを確認しました。
第二に、現場労働者が機関紙『前進』をつくりあげる闘いを強調しています。現在の『前進』は労働者の闘いが掲載されるようになりましたが、具体的な闘いがまだ少ないと思います。
ロシア革命を勝利させた『プラウダ』(ボルシェビキの合法日刊紙、1912年〜14年発行)の特徴は、「まさに同紙の半分以上が工場や経営からの男女の労働者自身からの手紙にあてられていた点にあった」と言われています。全党の力で紙面の半分が現場労働者の投稿で埋まるような『前進』にしていきましょう。
第三に、労働者を『前進』を使った読者会に組織することです。わが地区においても、何組かの読者会を開催しています。読者会での議論を積み重ねることで、時代認識と路線への確信が深まります。このことは細胞建設にとって重要です。
党と労働組合の一体的建設にむかって『前進』を軸に闘いを巻き起こしていきましょう。
「闘えば勝てる」ことを青年の前に示そう
関西・学生 N
EU諸国での1千万人ゼネストをはじめ世界中で階級闘争が爆発している。日本階級闘争も反原発20万人決起など闘いは広がっている。革命情勢の今こそ、動労千葉に続く職場拠点権力を打ち立て、社会の現実への怒りをプロレタリア革命に転化する目的意識的な活動が求められている。
そのために全同志は機関紙活動を軸に据えて活動しよう。青年を獲得する機関紙への変革をかちとろう。
今やすでに2千万人の労働者が労組的団結を奪われ、非正規職に突き落とされている。非正規の圧倒的多数を占める青年労働者を獲得する機関紙への変革をかちとろう。
そのために全同志がもっと職場での実践を寄稿しよう。『前進』をもっと労働者の新聞にしなければならない。
中曽根が国鉄の分割・民営化の際に言っていた「意識改革」の中で労組が徹底的に体制内化し、青年のほとんどが労組の存在を知らず、または「正社員の利益だけを守る運動」として、非正規職の青年に労組への絶望が振りまかれてきた。連合をはじめとした体制内労組がいろいろな言い訳をしながら民営化・外注化を推進して非正規職を拡大し、資本家にお願いするだけの運動に落とし込めてきた労働組合のあり方を打ち破り、「闘えば勝てる」ことを青年の前に示さないといけない。それはJR外注化阻止決戦の中で動労千葉が示している。鈴木コンクリート工業分会や八尾北医療センターの闘いが示している。
さらに外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを全国の職場・大学で実践し、その闘いを『前進』に寄稿しよう。現場の労働者同志が自分の職場で起こっている資本の攻撃を階級情勢の中でとらえ、自分たちがそれと闘うことにどのような決定的な意義があるのかを訴え、闘った結果どういう前進がかちとられたのかを階級闘争全体から総括できる指導部になることが求められている。
階級的団結の武器として『前進』を職場・大学の仲間に持ち込もう。『前進』が労働者に通用するものか否かがそこで検証され、その内容を党内で議論し還元することで『前進』は労働者階級の機関紙になる。自分の職場で『前進』を広げることは、直ちに自らの実践が問われることになる。つまり職場で闘いをつくることと機関紙活動は一体のものだ。
関西のある拠点では、自分たちのこの間の闘いを執行部の会議で討論し、路線化して『前進』に寄稿した。それをもって『前進』討論が拠点の中で始まった。これこそが機関紙拡大の道だ。
すべての同志は党と労働組合の一体的建設の軸に機関紙活動を据えて闘おう! 自分も機関紙担当という任務を通じて、階級の指導部に飛躍するよう頑張っていきたいと思います!
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週刊『前進』(2576号6面1)(2013/03/18 )
労働組合が本領発揮の時が来た
労組交流センターが総会 3・9-10福島市
階級の指導部への飛躍かけ
全国労働組合交流センターは3月9〜10日、福島市内で第20回定期全国総会を開いた。3・11反原発福島行動の直前に行われた今回の総会は、労働者階級の指導部として労組交流センターを打ち立てる歴史的宣言を発した。階級的労働運動の実践の中から労働者階級の党を建設するという方針が確認され、プロレタリア革命に向けての重要な意思一致の場になった。
(写真 本格的組織拡大へ新執行体制を確立した全国労組交流センター総会【3月10日 福島市】)
労働者党建設を方針の軸に
総会は議長に被災地・宮城の労働者と青年労働者を選出して始まった。
闘いの基調を提起した辻川慎一代表運営委員(動労水戸)は、外注化阻止の動労水戸のストライキに触れ、「平成採の青年労働者がスト破りを拒否し、スト破りをしようとする東労組の年輩の組合員を激しく弾劾した。そこで開示されたものはプロレタリアートの暴力性と自己解放性だ」「プロレタリアートの強烈な暴力性、共同性をよみがえらせることが、この時代に対する回答だ」「労働者階級の党をつくることを方針の土台に据えよう」と熱く訴えた(発言要旨別掲)。
討論の最初に福島県労組交流センターの渡辺馨代表が特別報告に立った。渡辺さんは、3・11反原発福島行動を巡る激しい党派闘争の根本には、福島の怒りを圧殺しようとする攻撃があることを明らかにし、また外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは福島の闘いとひとつであることを強調して、「われわれは自らの力で生き抜き資本主義を打倒する。それを可能にするのが福島の怒りだ。交流センターが本領を発揮する時が来た」と奮起を促した。
大阪市職の青年労働者は、2・24橋下打倒闘争を闘いぬいた経験から「交流センターの路線は労働者に通用することをつかんだ」と断言し、「自前の組織をつくることに一切がかかった」と語った。沖縄労組交流センターの柿本博人代表は「沖縄でも国鉄闘争は威力を持っている」と述べ、沖縄闘争の主力は労働者階級であること、5・15沖縄闘争を国際連帯闘争として打ち抜くことを強調した。
総会の2日目には、星野全国再審連絡会議の星野暁子さんから連帯あいさつを受け、星野文昭さん奪還へ全証拠開示運動を全力で闘いぬくことを誓い合った。
国労郡山工場支部の橋本光一さんは、3・11反原発福島行動に支部としての賛同をかちとった闘いを報告し、郡山工場で本格的に始まったJRの外注化攻撃に立ち向かう決意を表明した。国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは「動労千葉鉄建公団訴訟の解雇撤回・JR復帰を求める10万筆署名に全国の交流センターが総決起すべきだ」と訴えた。
労組交流センター青年部は、「未来だけでなく現在を奪われているのが青年の現実」と怒りをほとばしらせ、時代に通用する交流センターへの飛躍の鍵は、青年が交流センターの指導責任を担うことだと決意を語った。
国鉄、全逓、自治体、教労の4大産別や医療・福祉、合同一般の各産別の発言は、全国で職場闘争がうねりを生じて開始され、組織拡大への粘り強い挑戦が貫徹されていることを示した。
田中康宏代表運営委員(動労千葉)が総括答弁に立ち、「交流センター建設の集約点を国鉄闘争全国運動の6・9集会に置こう」「解雇撤回・JR復帰判決を求める10万筆署名を、組織建設の運動として展開しよう」と強調した(要旨別掲)。
星野さん奪還へ特別決議
総会は、「世界大恐慌下での大失業と戦争の時代の到来、安倍改憲政権の登場に対し、外注化・民営化粉砕、非正規職撤廃、解雇撤回、原発絶対反対で階級的労働運動の新時代を切り開こう」を軸とする運動方針を満場一致で確立した。
「星野文昭さんを取り戻すために、全証拠開示署名運動に取り組む決議」「『解雇撤回・JR復帰』の高裁判決を求める10万人署名に取り組む決議」「労組交流センターの組織拡大を本格的に推進しよう」の3本の特別決議を満場の拍手で採択。さらに、労組交流センターの労働学校を開催することなど、重要な組織方針が確認された。
組織拡大への本格的な挑戦
総会は、全国の闘いを牽引(けんいん)し打ち抜いていく労組交流センターの機動的な新執行体制を打ち立てた。
2日間の総会には、体制内労組幹部を打倒し、階級的労働運動路線で労働者を組織することは可能だという確信と、労働者階級全体に責任をとりきる指導部に飛躍するという熱意が、終始満ちあふれた。「党と労働組合の一体的建設」は労組交流センターの組織的前進の中でこそかちとられることも明白になった。労組交流センターの組織を組織として確立し、本格的な組織拡大の実現へ、歴史的な挑戦が音を立てて始まった。
方針提起 辻川慎一 代表運営委員
労働者階級の共同性と暴力性甦らせることが時代への回答
生産止める威嚇
外注化阻止決戦の第2ラウンドは、3月の膨大な労働者の雇い止め、非正規職化との最先端の闘いとして闘われています。この時代、労働組合をつくり上げストライキをたたきつけることが本当に求められている。
ブルジョアジーは生活保護も雇用保険も、最後の命綱まで解体しつつ攻撃をかけている。その時になぜ、雇い止めされるのを待たなければならないのか。労働者は正規であれ非正規であれ生産を握っている。その生産を止める、労働を止めるという威嚇と実行なしに力関係は形成されません。
昨年9月、動労水戸の勝田車両センターでのストライキの中で、平成採がスト破りを拒否した。そして、スト破りをしようとする東労組の年輩の組合員を10人ぐらいの青年が取り囲んで「お前、何を考えているんだ」とものすごい弾劾をした。その激しさ、怒りが開示したものはプロレタリアートの暴力性と自己解放性です。彼らは自分たちの怒りを体現することを経験した。これは彼らにとって忘れることのない体験だと思います。
われわれが彼らの暴力性にもっと激しく反応しなければ、彼らにのりこえられてしまう。
昨年の衆院選で、ほとんど支持がないのに自民党が圧勝した。労働者階級大衆とブルジョア議会とがこれほど乖離(かいり)していること自身、ブルジョアジーの危機です。彼らは労働者階級の怒りに打倒される寸前だと強烈に自覚している。彼らには最後の手段としての暴力装置の全面発動しかない。だから改憲、排外主義、領土問題、戦争なんです。
労働組合を建設し、プロレタリアートの強烈な暴力性、共同性をよみがえらせることが、交流センターのこの時代に対する回答だと訴えたい。
すべての体制内派は「3・11集会は中核派の集会だ。福島の復興に水を差す集会だ」と言って、大震災と原発事故の惨禍をもたらした者の責任を追及し打倒するために闘っている者を、よってたかって否定しています。
JRの中でも、動労千葉・動労水戸と一緒に立ち上がろうとすると「あそこは中核派の組合だ」と異口同音に決起を押しとどめようとする。ここに現在の攻防の核心的な構造がある。
労働者階級はすべての既成政党に対して根本的に絶望しています。3月の攻防は、単に雇い止めや外注化と闘っているのではなく、階級的労働運動を貫徹する中で階級的な党をつくり上げるための闘いです。交流センターが挑戦しているのは、労働者階級が本当に命を託せる党をつくり上げていくことです。これを今年の方針の土台に据えなければいけない。
その場合、「かつてはすばらしい階級的労働運動があったが今は違う」というような認識を全部払拭(ふっしょく)しなければいけない。われわれは今、まったく新しいことに挑戦している。だから、浅薄に目先のことだけ見て、うまくいったとかいかないとか判断するような見方は捨て去らなければいけない。
階級を信頼して
既成政党、既成のすべての労働組合は、即座の結論が出ないと不安に陥る。そういう軽薄な、資本主義の末期的な思想や発想に対し、われわれは労働者階級に対する根本的な信頼を貫いて階級的労働運動を実践する。労働組合として通すべき筋を通す。最後の勝利に向けてギリギリと路線的な布石を打ち抜いていく。
われわれの日々の苦闘は、社会を根本から変える挑戦です。1人の青年が存在をかけて立ち上がることで、既成の構造はガラガラと崩れる。敵は1人を立ち上がらせないために全重圧をかけてくる。しかしどんなに反動がすごかろうと、われわれは必ずその1人をつくり上げる。これができたらブルジョアジーと体制内勢力を打倒できる。
一人ひとりの労働者、それぞれの職場を闘いの決定的な一環としてとらえ、「あなたが立ち上がることはこんなにすごいんだ」と位置づけきってに奮闘し抜いた時に、そこが階級の拠点になる。
そのために必要なのは、自分自身の闘いと存在に対する根本的な信頼です。現場労働者がだめだとか自分がだめだとかということを払拭しきれなかったら、その時点でブルジョアと体制内派に敗北しているんです。
次の世代つくる
究極の合理化が外注化です。資本は、運転士の労働、検修の労働を実に安易に考えている。だから丸投げ外注化の中で重大事故が続発する。労働者がかろうじて最後の一線を守っている。
外注化とは、安全なんかどうでもいい、青年労働者なんかどうしたっていいということです。青年はそれを目の前で見ている。しかし、動労水戸がストライキをやらなかったら、そのことも分からない。われわれが闘っているから、それがはっきりする。平成採がいつまでも立ち上がらないなんてことは、われわれが闘っている限りありえない。あと1人、動労水戸に来たら雪崩が起きるかも知れない。堤防決壊の寸前まで来ている。
交流センターの発展にとって重要なのは、次の世代をつくり上げることです。どんなに困難であろうと、青年を労働組合の指導部、組織者にすることが交流センターの決定的役割です。
青年の専従活動家がいますね。戦後労働運動には膨大な専従活動家が配置されていたけれど、全然成功しなかった。人に人生をかけさせておいて、自分は資本とうまくやろうとするから腐っちゃう。これが日本の労働運動をもう一つだめにしてきたんです。
労働運動に人生をかけたら、最後まで生き生きと闘って労働運動の指導者になる。同時に政治家になっていく。戦後労働運動のいい加減さと限界を突破するために、青年の専従活動家を徹底的に鍛え、育てていかなければいけない。
労働者階級は自らの指導部を持たなければ勝てません。戦闘的な共同性・暴力性・団結性を貫く運動の中枢として、交流センターの新執行体制をつくろうと訴えたい。
総括答弁 田中康宏 代表運営委員
交流センター組織建設の軸に6・9国鉄集会と10万筆署名を
2日間の総会の提起と議論の核心は、本当に勝負に打って出ようということでした。条件はすべて煮詰まっている。そこでわれわれが勝負に打って出る。そこで本当に一致できるのかどうかという討論だった。
国鉄分割・民営化強行後の89年に、動労千葉の中野洋前委員長と中立労連元議長の佐藤芳夫さんが呼びかけた組織が労組交流センターです。その原点を再確認したい。過去を振り返るためではなく、今まさに問われていることを明確にするためです。労組交流センターは、反連合、反全労連、自立・自闘・連帯の旗を掲げて、分割・民営化後、惨憺(さんたん)たる状況に陥った労働運動を新しくつくり直すために結成されました。
韓国民主労総や米・独との国際連帯が前進してきた。民主労総ソウル本部は17万人の組織。われわれが提起できるものは、突き詰めたら労組交流センターだった。世界には体制内幹部を食い破ろうとする戦闘的労働者はいっぱいいるが、交流センターのような組織を持っているのはわれわれだけです。
方針で、労働者階級には労働者階級の党が必要だと提起しました。労働者は、労働者の真の利益を代表する党を心底求めている。交流センターが発展したら本物の労働者階級の党を自らの力でつくることができる。
3年前の4・9政治和解の反革命に、われわれは見事に立ち向かった。その1年後に3・11が来た。何をすべきかは4・9との闘いがあったからたちまち明確になった。3・11と原発事故で資本主義の本質的矛盾が明らかになり、国家とは何かに気がついた膨大な労働者の決起が始まった。この情勢の中で飛躍する。
大阪で橋下が始めていることは全労働者の問題だ。橋下がやろうとしていることは、強制的な転籍を始め、全部違法だ。東京でも足立区を先頭に役所そのものを外注化する攻撃が始まる。この時、交流センターが本気になれば歴史は動く。
交流センター建設の集約点を、国鉄闘争全国運動の6・9集会に置いてほしい。6・9は一皮むけたものとしてかちとりたい。問われているのは福島と同じです。国鉄闘争はわれわれだけが戦線を守り、成果も上げている。しかし過激派キャンペーンがある。これを突き破れば、11月集会は1万人になる。国鉄闘争全国運動を2倍、3倍にして総結集させたい。解雇撤回・JR復帰判決を求める10万筆署名は、組織をつくる運動として本気で展開してほしい。
すべての産別で限度を超えた攻撃が始まる中で、これと本当に闘える労組交流センターをつくり上げよう。
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週刊『前進』(2576号6面2)(2013/03/18 )
団結ひろば 投稿コーナー
福島「吾妻連峰」仰ぎ決意と鎮魂のデモへ 科学ジャーナリスト 塩町一九
浜岡原発をかかえる静岡県から、先の「3・11反原発福島行動」のデモに参加した。
参加に先立ち、当日雪の朝、福島市内の県庁に隣接する紅葉山公園を訪れた。ここは放射能が全国でも、また福島県内と比べても高線量であることが知られている。そのことを設置されている放射線モニタリングポストで確かめたかったからだ。
毎時0・63マイクロシーベルト。年間に換算すると約2・7_シーベルトとやはり高い。これが公式記録だが、この数カ月、いっこうに下がる気配がないのに驚いた。一方、持参した簡易計測器の安定値では、3・9_シーベルトにもなった。許容限度の1・0_シーベルトをかなり超えている。こうした厳しい現実は、東京ではなく、福島にあってこそ実感できる。科学ジャーナリストとしてそう思う。
福島県庁前を通り、デモ行進したが、行進の内、外と交互に入れ替わりながらJR福島駅まで1時間ほど叫んだ。内にあっては、日本一危険な南海トラフ「浜岡原発」を一日も早く廃炉にしようと誓った。そして、行進の外にあっては「夢と希望 ふんばっぺ福島」という高々と掲げられた街角のメッセージに共感を覚えた。ここには県民の決意のほどがうかがえる。市内を静かに見下ろす雪の吾妻連峰の山々も同じ気持ちだろう。
連峰にかかる夕日を眺めながら、決意と鎮魂の現地デモとなった。雪山春遠からじ。
公平・中立をよそおうメディアや科学者たちとの闘いの始まりという意味で、私にとって未来への旅立ちでもあったように思う。
秋田新幹線で脱線!事故隠し絶対許すな 東京 戸田伊作
秋田新幹線「こまち25号」秋田行きが、3月2日午後4時5分に奥羽線の神宮寺−刈和野駅間で脱線事故を起こした。運転士が異音を感知、緊急停車させたが、先頭車両が脱線していた。けが人はなかったが、救援体制の不備・混乱で乗客は6時間も閉じ込められ、体調を崩した人が出た。
脱線は鉄道輸送上最もあってはならない事故だ。現場は悪天候で強い風雪だった。事故原因が除雪体制にあることは間違いない。
JR東日本は東北地方の保線や電力など保守部門を統合して保全区とし、経費と要員を削減し、さらに外注化を進めてきた。それらの矛盾が除雪にしわ寄せされた。事故の責任はJR本社と秋田支社にある。
直後に現地入りした国土交通省の事故調査委員は「在来線事故扱いする」と新幹線事故を打ち消し、原因不明のまま翌日から運転を再開させた。テレビなどでは「秋田新幹線に新型車両投入」「時速300`メートル」と、何もなかったかのようにキャンペーンを続けている。
新幹線の営業運転中の脱線事故は中越地震での上越新幹線「とき」(04年)以来だが、JR東の新幹線事故(運転阻害)はこの3年で急増している。最新のデータでも、部内に原因がある輸送障害が、11年度は21件(JR全体は33件)、うち車両故障は14件(同17件)に上る。「鉄道係員3件、車両14件、鉄道施設4件」と、あらゆる面で増え続けている。
新幹線脱線事故は起こるべくして起きた。JRの安全破壊を許さず、動労千葉とともに職場から反合理化・運転保安確立の闘いをまき起こそう。
個人事業主も労働者だ!勝利の展望開く ユニオン自立書記長 野村元延
私たちユニオン自立は、京都府労働委員会へ日本女子プロ野球機構による不当労働行為の救済申し立てを行っていましたが、これに対して1月28日、命令が交付されました。結論は棄却なのですが、私たちが調査・審問の過程で争っていた労働者性について、京都府労働員会は明確に認めました。大勝利です。
当該組合員Aさんは公式記録員として働いてきましたが、次年度の契約を会社が事実上拒否したため、2月下旬に組合分会を結成し団体交渉を申し入れました。
ところが会社は「貴組合にお願いしたいのは、本件が団体交渉を必要とする事案か否か、公式試合1試合あたり交通費込6000円という業務委託契約の関係しかなく、雇用ないし雇用に類似の関係がない」と、事実上、団体交渉を拒否してきました。
それだけでなく、A組合員のブログに対して会社は、「書いたことを認めろ。仕事をしたくないのか」といった、明らかに組合活動を嫌悪した支配介入を行ってきました。これに対して組合は、不当労働行為として3月に京都府労働委員会へ申し立てをしました。
私たちはこの労働委員会闘争の獲得目標として、「自己の労働力を売る以外に生活の糧を得られない者はすべて労働者である。それは名称のいかんを問わず、たとえ失業者であっても同じである。その者が労働組合に結集して団体交渉を申し入れるのは当然の権利である」と労働者性を認めさせることを軸に置きました。
当該も組合もこの勝利は、いま個人事業主という名目で労働者として扱われていない多くの仲間に、労働組合として団結し闘えば必ず勝利の展望は切り開けるという勇気を与えると思います。団結して闘いましょう!
NAZENナガサキ 斉藤征二さんが講演 長崎 南 常一
2月24日、長崎でNAZENナガサキ主催の「NAZENナガサキ1周年 日本で最初に原発下請け労働者の組合をつくった斉藤征二さん講演集会」が開かれました。
斉藤さんのお話で何よりも強烈に印象に残ったことは、“原発の配管をつるしている金具はコンクリートの天井に打ち込まれており、コンクリートの劣化によって、あの笹子トンネルのように天井から配管が落ちてくるという事故が起きかねない”という指摘でした。コンクリートは30年くらいで劣化するそうで、これからも大事故が必至ということです。
斉藤さんは「労働組合の原則は『他人の痛みは自分の痛み』。労働組合が団結して、市民や学生もその闘いに合流して、闘っていくことが重要だ」と強調しました。
集会では、NAZENナガサキ1周年の報告もあり、福島からの移住者も発言し、長崎で今新しい生き生きとした運動が始まっている息吹を感じました。
長崎は被爆地です。この被爆地・長崎が福島と結びつき反原発運動、反核闘争が前進していくことは、日本、さらには世界の反原発・反核闘争を推進する大きな力になると思います。原発労働者と連帯して、被爆地・長崎で「反原発」を闘っていくことの重要性を感じた集会でした。
福島に行って原発と闘う農民の姿に感動 沖縄・農民 M
1月26〜27日、福島で開かれた全国農民会議総会に参加しました。その前に、ふくしま共同診療所も案内してもらいましたが、思ったよりりっぱな施設で、安心するとともに感動しました。
農民会議の総会では、福島はじめ全国からの報告がありました。私は福島の報告に胸を打たれるとともに、東電や国のやり方は怒りなしに聞けませんでした。
三里塚反対同盟の萩原さん、市東さんからは、三里塚もいよいよ決戦を迎えるので全国から集まってほしいとの訴えがありました。
福島、三里塚、沖縄、そして全国の農民の連帯の力で原発、農地取り上げ、オスプレイ、TPP(環太平洋経済連携協定)、これらをすべて粉砕しなければ、農民として人間として生きられないと強く思いました。
私ごとですが、今回私は生まれて初めて雪を見ました。会場の周りは雪で真っ白でした。感動しましたが、この雪の中、農作業をするのはたいへんだろうなと思いました。
福島のテレビでは、天気予報のように放射線量が毎日報道されていて、びっくりすると同時に「放射能は当たり前」だと思わせようとしているのだと思いました。本当に許せない。
福島へ行って、原発の恐ろしさと、それに立ち向かって闘う農民の姿に感動しました。私も同じ農民として頑張らねばと強く実感しました。
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