ZENSHIN 2013/03/11(No2575 p06)

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第2575号の目次

10万筆署名運動とメーデーへ 3・3首都圏青年労働者春闘集会=記事2面

1面の画像
(1面)
解雇撤回・JR復帰を求める10万筆署名運動を推進しよう
福島の怒りと闘いを全国・全世界へ
記事を読む  
3・1集会 杉並から反核反原発を
ビキニの怒りと440人が一つに(東京西部・飯野依子)(3月1日)
記事を読む  
第3誘導路供用に反撃(3月7日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
【要項】3・11反原発福島行動、3・24三里塚全国総決起集会 記事を読む  
(2面)
解雇撤回・JR復帰の判決要求し10万筆署名の旋風を
東京高裁の結審策動を打ち破ろう
記事を読む  
首都圏青年春闘集会 生きるために労組つくる
雇用・賃金破壊と闘う熱意(3月3日)
記事を読む  
動労千葉 幕張でストに突入  “事業所閉鎖ならJRに戻せ”(3月1日) 記事を読む  
動労水戸 MTSの違法行為追及  出向者を先頭に春闘第1波 スト(3月6日) 記事を読む  
闘いは進む 青年の職場から
自治体 雇い止め阻止! 賃下げ反対のスト貫徹へ
仙台市役所・動労千葉を支援する会 M
記事を読む  
(3面)
強制配転と雇い止め・解雇阻止する職場からの闘いを
「郵政グループビジョン2021」に総反撃しよう!  革共同全逓委員会
記事を読む  
民営化・非正規化・賃下げと闘い労組拠点を建設しよう
革共同自治体労働者委員会
記事を読む  
東北春闘集会 被災地に労組甦らす
3・11福島への総決起誓う(みやぎ連帯ユニオン・K)(2月24日)
記事を読む  
広島春闘集会 闘う労組の力示そう
鈴コン分会迎え団結強化(広島連帯ユニオン・O)(2月23日)
記事を読む  
(4面)
3・24三里塚集会に全国から参加を  市東さんの農地を絶対守ろう 記事を読む  
2013年日誌 2月26日〜3月4日
名護漁協に埋め立て同意申請/武器輸出を大幅緩和
記事を読む  
(5面)
第五福竜丸元乗組員 大石又七さんインタビュー
ビキニ事件隠蔽が福島に直結 事故責任はっきりさせるべき
記事を読む  
東西で国際婦人デー集会(3月2、3日) 記事を読む  
生活破壊の“アベノミクス”  3月大量雇い止め 「輸入インフレ」も始まる 記事を読む  
国際労働運動 4月号  学生自治会をともに建設しよう 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
星野闘争 全証拠開示せよ  120人がデモで東京高裁包囲(3月5日) 記事を読む  
【要項】 迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審 3・25最終弁論公判 記事を読む  
反原発金曜行動 米仏から連帯参加  “励まされました”と発言(3月1日) 記事を読む  
ビデオ国賠 ニュース映像採用  証拠ビデオ隠滅を追及(3月5日) 記事を読む  
『前進』読者への獲得こそ党建設に直結すると確信
『革共同の機関紙活動』を読むB
記事を読む  
「新たな捜査手法」批判する  盗聴の全面化司法取引導入 狙いは労働運動 記事を読む  
警視庁公安の集会弾圧許すな(3月2、5日) 記事を読む  

週刊『前進』(2575号1面1)(2013/03/11 )

 解雇撤回・JR復帰を求める10万筆署名運動を推進しよう

 福島の怒りと闘いを全国・全世界へ

 福島原発事故から2年。あらゆる課題や反動をも希望に変え、今や福島に闘いの旗が立っています。資本主義・帝国主義の終わりが始まり、大恐慌下に世界中の政府が危機と矛盾を労働者に押し付け延命しようとする攻撃と総対決して、3・11反原発福島大行動が闘われます。3・1動労千葉スト、林立する労働組合旗、そして世界からの反原発のメッセージは、全原発廃炉の原動力はここにありを示しています。全国にNAZENを結成しましよう。特に解雇撤回・JR復帰の10万筆署名運動が決定的です。3・14動労千葉集会と第2波スト、3・24三里塚闘争を闘い、3月決戦で安倍を打倒しましよう。
(写真 10万筆署名運動とメーデーへ 3・3首都圏青年労働者春闘集会=記事2面)

 汚染水の海洋放出を計画

 安倍政権が原発推進と再稼働に執念を燃やす中で、福島原発事故は収束に向かうどころか、手もつけられないほどの惨状です。しかも東京電力は福島第一原発で発生した大量の汚染水を4月に海洋放出する計画すら発表しました。
 東電によれば敷地内の汚染水は36万d。放射性トリチウムだけで1d当たり10億〜50億ベクレルの汚染水としています。汚染水は地下水の流入分だけで毎日400d増えており、仮にこの分を海洋放出するだけで毎日4千億〜2兆ベクレル以上の放射性物質が放出されることになります。現在、大気への放出は毎日約3億ベクレル弱とされているので、海洋放出はその数千倍です。
 トリチウムは半減期が約12年でベータ線を出しますが、化学的には水素と同じで酸素と結合し放射能を持った水を作り出します。だから「水」として人体に吸収されやすく、猛烈な内部被曝を起こします。
 福島での健康被害が拡大しています。2月14日、福島県健康管理委員会は約3万8千人の検査で3人目の甲状腺がんを発表、さらに7人を「8割の確率でがん」と診断しました。女子7人、男子3人とすべて子どもです。今まで「甲状腺がんは大人のがん」「数十万人に1人」と言ってきたことと違う事態なのに、同委員会は「今回の福島の甲状腺がんは原発事故と関係ない」と発表しました。
 これに対して福島県民は、「県は信用できない」と怒りを込めて抵抗しています。200万福島県民を対象にした「健康管理調査」の実施率は2年かかって23・2%、0歳から18歳までの「健康診査」でさえ、2012年度実施率は今年1月末で20・7%にとどまっています。
 このような中で開院した「ふくしま共同診療所」こそ、福島の現実と寄り添い、労働者家族の健康・生活と闘いを守る力です。全国の支援でさらに診療所建設を発展させましょう。

 権力や体制内勢力の反動

 こうして反原発の怒りと闘いが高揚し、福島現地のねばり強い努力と闘いが続く中で、今これを切り崩すための「過激派キャンペーン」が3・11福島行動をめぐって強まっています。しかしそれは、再稼働阻止・全原発廃炉へ非和解的な闘いが前進していることへの、国家権力や体制内勢力の焦りの表れなのです。
 国鉄分割・民営化攻撃の真っ最中の1986年3月30日、当時の首相・中曽根康弘は高崎市で講演しました。「昭和24、25年になると、暴力共産党が……発電所の爆破をやるんじゃないかと、発電所の職員の家に行って、……こういって、この電産労組の中の我われと共鳴する人たちが『みどり会』というのを作って電源を防衛しました」
 風間丈吉、鍋山貞親、佐野学など戦前の日本共産党の転向者らが重要な役割を果たし、敵側の700人が電産労組切り崩しに送り込まれました。こうした「過激派宣伝」による切り崩しは、今も昔も同じです。しかしもう通用しません。
 中曽根が電産労組を攻撃して、1954年3月1日のビキニ水爆実験の翌日、国会に提出したのが、ウラン235の縁起をかついだ2億3500万円の原子力予算案でした。しかしその後、全国各地の反原発闘争や70年安保・沖縄闘争の高揚で、原発推進が思うようにいかなくなりました。
 そこで中曽根は、今度は首相として動労カクマルを使って労働組合を切り崩し、国鉄分割・民営化を強行しました。そして総評解散・連合結成に追い込みました。以来連合は原発を容認し推進しています。
 これに対して、闘う国鉄労働者は動労千葉を先頭に分割・民営化粉砕のために壮烈な闘いを展開してきました。それは、原発に反対する最深部での闘いそのものでした。
 だが、この時カクマルに屈した潮流は、その後、三里塚闘争や国鉄闘争に敵対し転落と腐敗を深めていきました。
 国鉄分割・民営化と闘い抜いたこの国鉄闘争の水脈があったからこそ、労働者人民は福島原発事故に対して、ただちに福島と全国で闘いの火の手を上げることができたのです。動労水戸の被曝労働拒否の闘いは、原発労働者の決起と原発廃炉の道を切り開くものです。

 「36協定」と動労千葉スト

 動労千葉の3・1春闘第1波ストのきっかけは、JR千葉鉄道サービス(CTS)幕張運転車両所での「36協定」問題でした。労働者の1日の労働時間は「8時間以内」と決められています。超勤や休日勤は例外的に協定を結んだ場合にのみ許されます。これが労働基準法第36条に基づく「36協定」です。
 CTSはこの協定を結ばず超勤や休日勤を自由に命じようとし、違法性が明らかとなり、労働基準監督署の調査が入ると、事業所を閉鎖しました。ここでの問題の核心は労働組合つぶしと長時間労働の問題です。
 これはJRだけでなくすべての労働者の大問題です。動労千葉の3月ストは全労働者の未来のかかった闘いです。
 すでに多くの労働者が健康をそこない、自殺に追い込まれています。原因の大部分は長時間労働です。「東証1部上場の売り上げ上位100社の7割が、過労死ライン(超勤月80時間)以上の残業を社員に認めている」(昨年7・25付東京新聞)。数週間も家に帰れない労働で退職や自殺に追い込む「ブラック企業」も横行しています。
 過労死するまで働かせて解雇も自由。外注化で非正規職にして会社は事故責任も取らず、御用組合がそれを容認する。この構図の行き着いた先が原発事故でした。郵政の非正規労働者が3月末の雇い止めを通告されたり、時給200円ダウンの契約更新が強制されたりしています。自治体や学校でも外注化と大幅賃金削減攻撃がかけられ、学生には就職難と奨学金返済が襲っています。
 しかしこんな社会を変えていく闘いが始まっています。職場で労働組合を、大学で自治会をよみがえらせる闘いです。
 さらに「解雇撤回・JR復帰」の高裁判決を求める大署名運動が始まっています。この署名運動は、闘う潮流が御用組合の幹部に代わって職場支配権を握り、闘う労働組合をつくりよみがえらせます。ビキニ事件を機に原水爆禁止署名運動に立ち上がった杉並の母たちに学び、カバンに署名板を入れて、血の通った1筆1筆を集めましょう。一大署名運動の旋風を起こし、その力を5月8日の裁判で東京高裁にたたきつけましょう。

 権力・金に負けぬ三里塚

 原発は全国17カ所に55基建設されましたが、山口県の豊北や新潟県の巻など25カ所で阻止し、建設されたところでも闘いは続いています。問題の核心は「札束と国家権力に負けるか負けないか」です。この太い柱を打ち立てたのが三里塚闘争です。市東孝雄さんの農地を守る闘いは労働者の生活を守り原発を阻止する闘いそのものです。3・24三里塚現地闘争は大決戦です。全国津々浦々から総決起しましょう。
 警察権力は2〜3月のすべての闘いに異様な数の監視態勢をとりました。階級的労働運動と反原発闘争への恐怖の表れです。それは通信盗聴の全面化、室内盗聴、司法取引、防犯カメラ、メール解析など、法制審の特別部会で進む「新たな捜査手法」の導入と一体の攻撃です。核心はすべて階級的労働運動をめぐる攻防です。追い詰められた国家権力の攻撃を打ち破り、星野再審・全証拠開示大運動を推し進め、大反撃しましょう。
 辺野古新基地建設阻止、オスプレイ配備・訓練反対! TPP参加阻止! 13春闘勝利! 3月決戦を国際連帯と階級的労働運動で闘いましょう。その組織化の力として、『前進』を大胆に広めましょう。
 最後に2013年決戦勝利の特別カンパを心から訴えます。ともに安倍打倒へ決起しましょう。

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週刊『前進』(2575号1面2)(2013/03/11 )

 3・1集会 杉並から反核反原発を

 ビキニの怒りと440人が一つに

 3月1日、東京・セシオン杉並大ホールで「ビキニ水爆実験・被ばくから59年−原発いらない杉並集会」がNAZEN杉並を始めとする実行委員会の主催で行われた。
 警視庁公安が異様で違法な監視態勢を敷いたが、闘う弁護士がこれを逆監視する中、開会のかなり前から続々と参加者がつめかける。労働者の生活や命を見捨てて何が国家の安全だ! 警察こわくて原発なくせるか! 集会参加者は440人。公安警察も真っ青だ。この日午前、外注化への怒りのストに立った動労千葉も結集した。
集会は、DVD「原発はこうして導入された」の上映に続き、集会実行委の三角忠さんが「福島原発事故の2周年を前にビキニデーの闘いを考えよう」と主催者あいさつを行った。続いて、俳優の山本太郎さんが第五福竜丸の元乗組員・大石又七さんにインタビューした場面が映し出された。大石さんは、静かな口調の中に被爆の悲しみ、日米政府によるビキニ事件の隠蔽(いんぺい)と乗組員の切り捨てへの怒り、孤立の中で放射能への恐怖や差別と闘い続けた生きざまを語った。(3面に要旨)
山本太郎さんは「3・1は3・11や広島・長崎と同じ、核・原発について考える日にしなければ。来年の3・1には参加します」と参加者に熱いメッセージを寄せ、これに会場が沸いた。

 3・11行動へ訴え

 集会のメインは、井上利男さん(「ふくしま集団疎開裁判の会」)の講演「福島県郡山市からの報告〜原発被災地をおおう『国際原子力マフィア』の影〜」だ。井上さんは映像を使いながら、「原発事故はなかった。放射能は安全」とこの期に及んでも原子力政策にのめり込む原子力マフィア(文科省・ICRP〔国際放射線防護委員会〕・政府・裁判所・福島県立医大・IAEA〔国際原子力機関〕など)を断罪した。ビキニと福島が重なった。そして井上さんは「生き抜くためにあきらめずに闘おう! 3・11を風化させるな!」と3・11福島行動への参加を訴えた。
 昨年末に開院したふくしま共同診療所の医師が「福島県民がチェルノブイリ基準の避難権利区域(年間1_シーベルト以上の被曝線量)に住んでいる。避難・保養も含めて相談できる診療所にしたい」と、診療所建設への協力を訴えた。診療所への熱烈なカンパアピールの後、NAZENの織田陽介事務局長が「3・11福島現地行動へ職場・地域から駆けつけよう。東京・首都圏の運動をより大きくつくろう」とまとめた。杉並での画期をなすビキニデー集会となった。

 安倍は倒せる!

 1954年3月1日のアメリカの水爆実験による第五福竜丸乗組員の被爆を契機に東京・杉並から始まった原水爆禁止の署名運動は、原水禁運動へ発展した。3・1は、8・6や8・9を闘いの日にする出発点となった。しかし、アメリカの見舞金20万j(7億2000万円)支払い、原子力技術と原子炉の供与、これへの体制内勢力の屈服のもとで、ビキニ事件と、当時太平洋で操業していた856隻の漁船・乗組員の被爆は隠蔽されてきた。原発導入は内部被曝を無視抹殺し、原水禁運動を腐らせ、55基の原発建設と福島第一原発の事故に至った。
 ビキニと福島はつながっている。2年目の3・11を前に3・1を呼び覚まし、大石さんの闘い、福島の怒りとつながり、労働組合をよみがえらせれば、反原発闘争の根絶を狙う安倍をぶっ飛ばせる。
 集会に向けて中小の学習会、デモを行い、集会前の2週間は宣伝カーが区内を駆けめぐった。街頭宣伝に参加した仲間は「今までで一番たくさんビラを受け取ってもらった」、初参加者は公安の監視に対して「あれ、警察だったんですか。それだけ力ある運動だと見られてるんですね」と感想を寄せた。
 原発と放射能に怒り、雇い止めや長時間労働の中で必死に闘いと団結を求めている膨大な青年たちとさらに深く結びつく大きな出発点となった。
 (東京西部・飯野依子)
(写真 「3・11福島現地行動へ駆けつけよう」。福島からの訴えに続いてNAZENの織田事務局長が熱く呼びかけた。安倍政権打倒へ現地行動を成功させようという決意が会場全体に満ちあふれた【3月1日 東京・杉並】)

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週刊『前進』(2575号1面3)(2013/03/11 )

 第3誘導路供用に反撃

 3月7日、三里塚反対同盟の呼びかけで成田第3誘導路供用開始に対する緊急現地闘争が闘われた。労農学110人が市東孝雄さんの農地死守と3・24への大結集を誓った(詳報次号)

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週刊『前進』(2575号1面4)(2013/03/11 )

前進速報版から 前進速報版から

▼中国日系アルミ工場で1000人がストライキ▼全世界から3・11福島行動へ賛同署名が殺到▼第3誘導路供用に三里塚で緊急行動

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週刊『前進』(2575号1面5)(2013/03/11 )

【要項】3・11反原発福島行動、3・24三里塚全国総決起集会

再稼働阻止! 未来のために立ち上がろう!
3・11反原発福島行動
 3月11日(月)正午開場
 福島県教育会館大ホール(福島市上浜町10−38)
 JR福島駅東口バス2番のりば「競馬場方面」行き「豊田町」下車徒歩5分
        または3番のりば「東堀河町」行き「上浜町」下車徒歩2分
 1時30分集会/3時15分デモ出発(→県庁前→福島駅)
 12時30分プレイベント/午後1時コンサート 
 主催/3・11反原発福島行動実行委員会

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第3誘導路粉砕・市東さんの農地を守ろう! フクシマ連帯・原発再稼働許すな! 沖縄へのオスプレイ配備反対・基地撤去! TPP絶対反対! 軍事空港粉砕・改憲阻止!
3・24三里塚全国総決起集会
 3月24日(日)正午
 成田市天神峰 反対同盟員所有畑(JR成田駅東口から会場直行チャーターバス11時20分発往復800円・片道500円)

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週刊『前進』(2575号2面1)(2013/03/11 )

 解雇撤回・JR復帰の判決要求し10万筆署名の旋風を

 東京高裁の結審策動を打ち破ろう

 山本事務局長が緊急アピール 6・9まで3カ月勝負

 動労千葉鉄建公団訴訟の重大局面にあたり、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長が出した緊急アピールを掲載します。(編集局)
 2月27日、解雇撤回・JR復帰を求める鉄建公団訴訟控訴審で、なんと難波裁判長は「結審予告」をしてきました。次回裁判が行われる5月8日までの2カ月が決戦です。大署名運動へのみなさんの決起を心から訴えます。
 一審の6・29判決では、動労千葉の9人を含む全員が名簿に記載されていたにもかかわらず、葛西職員局次長(現JR東海会長)の指示で排除されたことが明らかになりました。
 葛西の指示による不当労働行為がなければ、全員がJR東日本に採用されていたのです。真実を明らかにするためには、この葛西を証人に採用することが絶対に必要です。
 国鉄分割・民営化から26年、ついに明らかになった真実を踏みにじることなど、絶対に許せません。ここまで真実が明らかになれば、解雇は撤回以外にないじゃないですか。しかし、一審判決ではJRは関係なく、解雇は有効というものでした。
 同日に開かれた出向命令無効確認訴訟でも、CTSの36協定を巡る不法行為につき「JR東日本と法律的にどう関係あるのか」と。ここでもまた「JRには関係ない」です! こんな主張がまかり通っていいはずがありません。
 分割・民営化によって、どれだけの労働者が首を切られ、悔しい思いをしてきたのか。それ以降、どれだけの労働者が非正規に突き落とされ、苦しめられてきたのか。本当に、今こそ決着をつけなくてはなりません。
 この闘いを社会問題化して、署名運動で大旋風を巻き起こしましょう。本当に10万筆の署名を集めきりましょう! 
 そして、次回裁判の1カ月後は6・9全国集会です。ここに会場があふれるほどの大結集を実現して、勝利判決をもぎ取りましょう!
 署名運動へのみなさんの総決起をあらためて訴えます。
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 全国運動の10万筆署名の方針

◎全国一斉統一行動(3月16日)
各地域・職場で署名運動を盛り上げていくため、全国一斉に署名運動の統一行動を設定します。最初の行動日として3月16日(土)を設定したいと思います。4月、5月にも各1回設定します。ぜひご協力ください。
◎行動の報告を集中してください
全国で運動を一体的に進めるために事務局まで各地域・職場の報告を集中してください。事務局で集約し、全体に報告していきます。
◎署名集約日を設定します(4月末)
結審の狙われる次回裁判前に提出行動を設定します。第2次署名集約日を4月30日に設定します。署名の集中をよろしくお願いします。


 『動労千葉33』発行

 外注化阻止への指針

 動労千葉が機関誌『動労千葉33』を発行した。本誌には、1月27〜28日に行われた動労千葉の全支部活動者研修会での講演などが収められている。
 田中康宏委員長の講演は、「世界経済の『負の連鎖』」が始まり、新たな「雇用・賃金破壊元年」になろうとしている13年の情勢を説き明かし、外注化阻止闘争の第2ラウンドに向けて、動労千葉の原点である反合・運転保安闘争路線を発展させることを提起している。
 埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫さんの講演は、アベノミクスが国家と中央銀行を利用した新自由主義推進であることを暴き、「体制」危機は、「体制」変革のチャンスであることを訴えている。
 また、2月7日の国鉄闘争全国運動呼びかけ人会議での議論を紹介し、6・9全国集会の成功を訴えている。
 本誌は、動労千葉がどのような「時代認識と路線」のもとに階級的労働運動復権の先頭に立っているのかを学べる、格好のテキストである。ぜひとも購読してほしい。
◆A5判158n◆頒
価600円◆注文先・動労千葉/千葉市中央区要町2−8DC会館/TEL043-222-7207 FAX043-224-7197/E-mail doro-chiba
@doro-chiba.org

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週刊『前進』(2575号2面2)(2013/03/11 )

 首都圏青年春闘集会 生きるために労組つくる

 雇用・賃金破壊と闘う熱意

 3月3日、千葉市DC会館で首都圏青年春闘集会が開かれ、13春闘と13年前半の決戦方針を打ち立てた。それは、@3月決戦で雇い止め解雇を阻止し安倍政権を打倒する、A国鉄1047名解雇撤回の10万筆署名の先頭に立つ、B8時間労働制・生きられる賃金を要求する5月メーデー行動に決起する、Cすべての力を6・9国鉄闘争全国運動大集会へ――だ。
 集会には、雇用・賃金破壊、外注化・非正規職化の攻撃に、怒りと悔しさをかみしめながら職場で立ち上がった青年労働者が大結集した。「生き抜くために労働組合を自らの手で復権する」(基調報告)。団結の拡大で勝利を切り開くと確信に燃え、安倍と資本家への総反撃を開始した。
 司会は東京東部ユニオンと東京西部ユニオン、はつらつとしたあいさつで集会は始まった。
 全学連の坂野陽平書記長が3・11福島―3・24三里塚への結集を呼びかけ、鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議に結集する合同労組の仲間が連帯あいさつを行った。「労働組合の原点は怒りだ」と訴える共闘会議呼びかけ人の花輪不二男さんと壮年労働者からの発言は、「老・壮・青」一丸となった春闘総決起態勢をつくり上げた。
 全国からの連帯メッセージが読み上げられた後、医療労働者が基調を提起(要旨別掲)。青年に生きられない現実を強制する新自由主義に対して、体全体から怒りをほとばしらせた。参加者の誰もが“自分のことだ”と実感させる内容だ。春闘の四つの方針を提起し、生存権と団結権をめぐって階級決戦に突入する戦闘宣言を発した。
 職場からの春闘報告が続いた。

 JR職場軸に外注化粉砕へ

 JR外注化粉砕へ動労千葉と動労水戸の青年労働者が大きな拍手に包まれて登壇した。
 3・1春闘第1波ストの高揚も冷めやらぬ中、動労千葉青年部が発言に立った。外注化以降の検修職場の実態について「本当に矛盾だらけ。業務は指示書、指示書で、自分たちが自由に意見交換しながらやってきたことが閉ざされた。これで安全が守られるか」と怒りをたぎらせた。そして「3・1ストはジャブだ。さらにワン・ツー、ワン・ツーと春闘を持ち上げていく。(外注職場の矛盾に)慣れないことと組織拡大で闘う」と決意を表明した。
 動労水戸の青年労働者も、外注化によってまともに業務が回らなくなったことに対して、「JRとMTS(外注会社)に分断したことが一番の原因だ。職場は偽装請負のオンパレード。JRこそ『ブラック企業』だ」と徹底弾劾。職場には、出向先の労働者のみならずJR本体の労働者の怒りも渦巻いているという。「職場に戻って仲間をつくって闘う。組織拡大はたいへんだが絶対に負けない。労働者の団結があれば絶対に変えられる」と確信をもって訴えた。
 動労千葉のストを先頭に各職場も決戦局面に突入している。7・8%賃下げ攻撃と闘う自治体労働者は、「過密労働、度重なる賃下げで青年はストレートに怒っている」と報告。だが組合幹部はストで闘う気概もない。「春闘で青年部を絶対に再建して、ストを貫徹する」と宣言した。
 交通労働者は、都営交通の民営化攻撃に絶対反対で闘う決意を表明。

 メーデー闘争に決起するぞ

 郵政では、職場全体を揺るがす反乱が労働組合の闘いとして始まっている。年40万円もの賃下げ=退職勧奨の攻撃と闘う非正規の青年労働者は、「事故も全部現場の責任にされる。備品はない、人は死ぬ。処分で減給13%は労基法違反だ。組合執行部を逃がさないで徹底的にやる」と力を込めた。郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長は、「4万6千人が雇い止めにされて僕たちは黙っちゃいない。メーデーで郵政本社に討ち入るぞ」と熱烈に呼びかけた。
 精研労組青年部は、“経営の定期昇給廃止は総非正規化の攻撃”とはっきりさせ、正規・非正規の分断をのりこえ春闘に決起している。
 そして請負契約解除の攻撃に立ち向かうちば合同労組の非正規職労働者は、一言一言かみしめながら職場丸ごとの解雇攻撃と闘う決意を述べた。「誰でもできる仕事を7年間やってきたけど、頭にきている」「労働者をなめてかかったらどうなるか思い知らせてやりたい。そうじゃないとまた同じことを言われ、もやもやしながら生きていくことになる。職場の仲間を守ります」。労働者の誇りをかけた決起だ。
 最後に、ちば合同労組が「13春闘勝利へ職場から総決起しよう」と集会をまとめ、団結ガンバローでしめくくった。
(写真 職場の春闘報告を行う青年労働者。どの職場にも怒りが渦巻いている【3月3日 DC会館】)
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 基調提起(要旨) 闘って展望を開こう

 今日、共有したいことはこの社会に対する腹の底からの怒りだ。「アベノミクス」で労働者の生活がよくなるなど、まったくのうそだ。目の前では賃下げ、雇い止め解雇。もはや子どもを産むどころか結婚さえできない非正規の若者が激増しているではないか! 若者の死因のトップが「自殺」という現実ではないか! 私たち青年労働者は未来だけでなく、今現在ですら奪われている。こんな社会はすぐにでも終わらせよう!
 問題は、本来ひとつである労働者が、資本の攻撃によりバラバラに分断され競い合わされていることだ。分断をのりこえ怒りをひとつに団結させて資本にたたきつけるのが労働組合だ。それは簡単なことではない。しかし資本家たちは「10割非正規化」と言っている。逃げ道などない。だからどんな困難も引き受けて闘おう。国鉄1047名解雇撤回闘争を闘う先輩方が、闘い続ける姿と展望を示し続けている。
 私たちは充分奪われてきた。非正規職にたたき込まれ、長時間労働、低賃金と解雇にさらされ、文句を言えば仕事を奪われる。明日職場に行ったら事故で殺されるかもしれない。職場に行く前に自ら死を選択してしまうかもしれない。私たち労働者が立ち上がることで失うものは何もない。失うものは「賃金と首切りの恐怖」によって縛られた奴隷状態だけだ。私たちが獲得するのは全世界だ。闘い続ける限り物心両面において必ず生きていける。展望は必ず切り開かれる。

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週刊『前進』(2575号2面3)(2013/03/11 )

 動労千葉 幕張でストに突入

 “事業所閉鎖ならJRに戻せ”

 動労千葉は3月1日、春闘第1波ストライキを打ち抜いた。千葉鉄道サービス(CTS)の相次ぐ違法行為、新設された幕張運転車両所の外注化からわずか5カ月での閉鎖(外注化前からあった幕張事業所に統合)という暴挙に抗議し、CTS幕張運転車両所に強制出向させられた組合員が始業から昼までのストを貫徹した。
 早朝からJR幕張本郷駅前でストを伝えるビラまきが行われ、そこに晴れやかな表情で組合員が次々と集まった。幕張支部の山田護支部長や青年部の発言に続き、駅へのライフサイクル強制配転から3月1日付で運転士に復帰した津田沼支部の滝厚弘さんが元気にあいさつした。
 8時過ぎには車両センター庁舎前に移動し、「違法企業CTSを許さないぞ! 事業所をつぶすならJRに戻せ! CTS社長・後藤慎悟は出てきて謝罪しろ!」とJRとCTSに怒りのコールを浴びせた。
 田中康宏委員長は「CTSには技術力も経験もない。労働基準法も守らず、労基署から摘発されて是正勧告が出たら、謝罪もせず事業所を閉鎖する。こんな会社は前代未聞というより恥さらしだ。こんな会社に安全のかかった大事な仕事を委託したJRの責任は重大だ」と述べた。
 幕張支部の組合員は「こんな会社を許しておくわけにはいかない。外注化以来、連絡系統もぐちゃぐちゃだ。こんなことでは必ず事故が起こる」と怒りをぶつけた。
 青年部組合員も、スト対策で庁舎前に並ぶ管理者に対して「こんなことしていたら、今の子どもが大きくなる頃には、世の中、非正規職ばっかりになってしまう。若い人のことを少しは考えろ!」と迫り、職場の仲間に「一緒に闘おう」と呼びかけた。ちば合同労組、動労千葉を支援する会、全学連も連帯アピールを行った。

 分断打ち破り怒り解き放つ 

 3・1ストは、外注化強行以来の積もりに積もった怒りを解き放ち、解放感に満ちた闘いとして打ち抜かれた。実際に外注化が強行され、仕事の上でも組織的団結の面でも、これまでとは次元を画する厳しい分断が強制されてきた。この攻撃とどう対決するかを巡り数え切れないほど職場討議が繰り返された。同時に、5カ月間のねばり強い職場抵抗闘争を通して敵の抱える矛盾や弱点がえぐり出され、業務外注化の許しがたい正体もますますはっきりした。3・1ストは5カ月間の闘いの到達点であり、外注化阻止決戦の第2ラウンドをこじ開ける重要な闘いになった。
 動労千葉は、さらなる職場闘争と第2波ストを構え、外注化そのものを粉砕する闘いに突き進んでいる。動労千葉の闘いに続こう。動労千葉が開催する3・14春闘総決起集会(千葉市民会館、午後6時)に集まろう。
(写真 車両センターの庁舎前で違法企業CTSとJRに怒りのコール【3月1日 千葉市】)

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週刊『前進』(2575号2面4)(2013/03/11 )

 動労水戸 MTSの違法行為追及

 出向者を先頭に春闘第1波スト

 動労水戸は3月6日、外注化された検修・構内業務をJRに戻すことや労働条件向上などを求めて春闘第1波ストライキに決起した。水戸鉄道サービス(MTS)への強制出向者を先頭に、勝田車両センターで働く組合員がストに入った。

 管理者が職場代表を選出?!

 午後1時、スト突入者を先頭に、各支部の組合員と支援が車両センター門前に続々と集まった。
 マイクをとった高野安雄副委員長が、MTSによる許しがたい労働組合無視の事実を暴露した。
 3月1日の動労水戸との団交でMTSは、労働条件変更について「組合には説明も同意を求めることもしない。就業規則の変更など大きな労働条件の変更については組合ではなく『従業員代表』に説明する」と回答したのだ。しかも、職場代表選出においても、とんでもない不正が発覚している。事業所所長などの管理者が、自ら同意書の署名を職員から取って回って「選出」と称している。完全な違法行為だ。
 ダイヤ改定にあたってもまともに訓練もやらない。さらに、勝田車両センターでは、構内運転士に「当直補助」業務が勝手に追加された。当直助役の仮眠時間帯に、作業責任者でもない構内運転士にJRからの作業発注を受け作業指示をさせるというのだ。でたらめにもほどがある。
 強制出向当該の組合員も、スト対策で門前に並ぶ管理者に「あんたらは『労働条件はなんの変更もない』とおれたちをMTSに送り出したが大うそじゃないか!」と怒りをたたきつけた。そして「JRは外注化で一切の責任を投げ出している。労災が起こっているのもすべて下請けだ。半年更新のパートの方もいる。現場に向き合って話を聞けよ。動労水戸はすべてのMTSの労働者とともに闘う」と訴えた。
 辻川慎一副委員長は、青年労働者を恫喝してスト破りに動員する当局を強く弾劾するとともに、職場で働く仲間に「ストライキで闘わなければ職場の安全も生活も守れない。闘わなければ当局に好きなようにやられるだけだ。いろいろ悩みもあるだろうけど、今こそ動労水戸に加入しともにストで闘おう」と訴えた。
 全学連の坂野陽平書記長も「外注化、非正規職化は学生にも身近な問題だ。全学連は動労水戸のストを強く支持しともに闘う」とアピール。組合員と支援はあらためて怒りのコールを上げた。
 総括集会で辻川副委員長は「MTSと団交をやっているのは動労水戸だけだ。職場のことをリアルに把握し、団交で追及し、それをすぐに職場に返す。半年間のこうした闘いの積み重ねで力関係をつくってきた。今日の闘いはジャブ程度だ。3月闘争をとことんやりきってJRとMTSに目にものを見せてやろう」と組合員に呼びかけた。
(写真 「組合無視許さない!」。勝田車両センター門前でこぶしを上げる組合員【3月6日 ひたちなか市】)

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週刊『前進』(2575号2面5)(2013/03/11 )

 闘いは進む 青年の職場から

 自治体 雇い止め阻止! 賃下げ反対のスト貫徹へ

 仙台市役所・動労千葉を支援する会 M

●3月末雇い止めとの闘いが始まった!
 「5年を超えれば無期雇用」の正体は、「5年を超える前に雇い止め」だった! 仙台市と外郭団体で働く非正規労働者を5年以内に雇い止めとする攻撃が激しくなっています。何が労働契約法の「改正」だ!
 この中で、仙台市職労に結集する非正規雇用の仲間が、3月末雇い止め阻止、有期雇用制度撤廃の闘いに立ち上がっています。3月4日には、外郭団体5労組の仲間が全庁舎前で“雇い止め反対”のチラシまきを取り組みました。労働組合の団結した闘いだけが現実を変革できる! 職場に勇気を与え、展望を示す闘いが広がっています。
●3・11以来急増する非正規青年労働者
 仙台市役所でも、リーマン・ショックと3・11大震災以降、20〜30代の非正規雇用が急増しています。多くの仲間は、公務員試験や資格試験に追われながら働いています。“学費・就活・奨学金”の三重苦の中で学生時代を過ごした世代が、今度は“資格・職歴・低賃金”に締め上げられ、「終わりのない就職活動」の中で職場を支えているのです。
 民営化のために正規採用を徹底的に削減してきた保育所では、臨職保育士の大量欠員が発生しています。昨年は数十人欠員の違法状態のまま新年度の保育が見切り発車されました。職場の4割を非正規雇用にし、毎年250人もの保育士を雇っては1年でクビにするという雇用破壊の極致です。
●「うつ病」の責任は当局にある!
 このような中で、仙台市役所では「うつ病」が職業病となって蔓延(まんえん)しています。36協定の適用すらなく、月100時間だろうと、200時間だろうと無制限に続く超過勤務。そして「公務員バッシング」の中で心をすり減らす労働が延々と続き、仲間の健康を破壊しています。とりわけ3・11以降は、どこの職場でも複数の仲間が病気休職しているというまったく異常な状態です。
 一切の責任は、非正規化・人員削減・過密労働を強いてきた市当局にあります。
 動労千葉を支援する会の仲間が開始した公務災害の認定を求める闘いは、職場で生きていけない現実へのすべての仲間の怒りを体現し、労働者としての尊厳をかけた闘いです。
●7・8%大幅賃下げ反対! ストライキで反撃しよう!
 安倍政権による退職金400万円削減、7・8%の大幅賃下げに対して、闘いを求める現場の地熱はいよいよ高まってきました。3月末雇い止め阻止! 賃下げ反対の4・26自治労ストライキを全国で闘いましょう! 被災地仙台から全力で闘います!

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週刊『前進』(2575号3面1)(2013/03/11 )

 強制配転と雇い止め・解雇阻止する職場からの闘いを

 「郵政グループビジョン2021」に総反撃しよう!

 革共同全逓委員会

 民営郵政はこの3月末、職場において階級的労働運動の先頭で闘う労働者に対し人事交流=強制配転攻撃で襲いかかろうとしている。さらに非正規労働者の3月末雇い止め解雇に向け、2月末から通告を開始した。それらの攻撃の基底にあるのが民営化の破産の中で郵政資本が打ち出した「郵政グループビジョン2021」だ。今まで以上の非正規化、首切り、低賃金、労働強化、団結破壊に突き進もうというのだ。職場丸ごと怒りの反撃を組織し絶対に粉砕しよう。

 郵政を食い物にして延命図る安倍政権を打ち倒せ

 労働者階級をとりまく内外の情勢は一つ目に、各国の恐慌対策が全面的に破産し、大恐慌の本格的爆発が不可避であり、大失業と帝国主義戦争の時代に突入していることだ。二つ目に、全世界で労働者階級が巨万のデモ・ゼネスト・暴動に立ち上がり、革命情勢が急速に成熟していることだ。この二つが世界の階級情勢の根底にある。
 これらの中で米帝・日帝・欧州帝、中国スターリン主義などの支配階級がやろうとしていることは第一に、自国帝国主義(スターリン主義)の生き残りをかけた国際的大争闘戦=通商戦争・為替戦争、アジアと世界の市場をめぐっての権益争いである。TPP(環太平洋経済連携協定)や釣魚台(尖閣諸島)などの領土問題もその表れだ。第二にやろうとしていることは「輸出による自国経済の再建」を掲げた国際的なコスト引き下げ競争だ。したがって新自由主義の攻撃の核心は民営化・外注化・非正規職化であり、労働者階級を極限的に犠牲にし、階級意識を解体し、労働組合の団結を破壊することが中心となる。全世界の労働者にとってこれが階級闘争上の完全な共通項だ。
 安倍は2月に訪米し、日米首脳会談を行った。その中身は、TPP交渉への参加を進めることであり、米軍普天間基地の名護市辺野古への移設推進、原発再稼働だ。TPPのアメリカ側からのターゲットこそ郵政の資産である。安倍もまた郵政民営化を推し進め、郵政を食い物にして日帝・資本と政権の延命のテコとしようと狙っている。財政赤字を賄うための国債を郵貯・簡保で購入するなど、郵政こそ安倍政権の破綻・危うさを体現している。それらを貫くために郵政労働者をとことん犠牲にしようというのだ。
 郵政民営化のさらなる破綻の深まり―郵政における闘いの爆発は不可避だ。昨年10・1外注化阻止決戦を闘いぬき、外注化阻止決戦の第2ステージを宣言して闘う動労千葉とひとつになり、全国の郵政労働者は4・1外注化阻止と、郵政における反合理化・安全闘争、非正規職撤廃闘争を全力で闘おう! 
 3・11反原発福島行動の大勝利の上に原発の再稼働を絶対に阻止し、今年前半決戦で安倍を打倒しよう。

 JR東の「経営構想X」を手本にさらなる非正規化

 07年の郵政民営化から6年目、民営郵政は「郵政グループビジョン2021」(1871年の郵便事業の創業から150周年を迎える2021年までの9年間に進める合理化計画)なるものを打ち出した。郵政民営化は1974〜5年恐慌をもって戦後発展の最後的な終焉(しゅうえん)を迎えた帝国主義が、新自由主義政策によって絶望的に延命するための攻撃だ。それは87年の国鉄分割・民営化に続く攻撃であり、その最大の核心は現場労働者の団結と階級意識をたたきつぶし、郵政の労働運動を根絶やしにすることにあった。
 民営郵政が連合JP労組中央と一体になり「戦略的事業」と位置づけて行った日通ペリカン便との小包事業の統合は、周知のように1千億円を超える赤字を出し大破綻した。この民営化の行きづまりとともに、さらにその上で重大化してきていることは、今日の大恐慌とむき出しの争闘戦への突入下、日帝の延命のための最重要の位置に民営郵政が押し上げられたことだ。この郵政資本の総路線とも呼ぶべきものが昨年10月1日に出された「2021」だ。
 「2021」は何を言っているか。第一に、「日本郵政株式会社株式の売却資金を東日本大震災の復興財源に充てる」ために早期に株式を上場し、「高い価格で売却」することが必要と叫び、そのために「企業価値の向上に務めていく」と宣言している。「東日本大震災からの復興」と称して資本家どもがやっていることは「復興」資金を食い物にし、膨大な利益を得ることだ。資本家どもはそのうえ強欲にも、郵政株の売却益にもハイエナのように群がり、膨大な利潤を吸い上げようとの魂胆だ。
 第二に、それを実現するために「サービス、マネジメント、社風」の「3つの改革を実行」するとしている。そこで書き連ねていることは「人事・給与制度改革」「新たな正社員職(『新一般職』という名の非正規職制度)の導入」「人事ローテーションの活性化」「愛社精神の醸成」……等々である。もうかる会社にするために、非正規化の一層の拡大、賃下げ、労働強化、そのための強制配転、職場の団結破壊をもくろんでいるのだ。今まで以上に、果てしなく郵政労働者を搾りつくせということだ。
 注目すべきは「2021」が手本としているのがJR東日本の「グループ経営構想X」であることだ。「2021」は「新たな事業分野の開拓」を提唱し、その軸として「不動産事業」を挙げている。「中央郵便局など、郵政グループが所有する優良な不動産」を利用してオフィスビルや商業施設に建て替え、利益を上げようというのだ。本来の鉄道業務を放り投げ「エキナカ」事業でもうけているJR東にならい、郵政資本も郵便事業そっちのけで「土地活用」で利益追求に走るということだ。同時にこれはJRと同様、外注化と非正規化を極限的に促進することである。徹底的に「コスト削減」を図り、利潤を上げ、資本を肥え太らせるというのだ。大恐慌下で日帝の延命のために、JRとともに郵政資本が先頭に立つということだ。

 現場労働者の怒りと結び団結うち固め拡大しよう

  郵政資本が今春、策している戦闘的労働者に対する強制配転こそ「2021」攻撃そのものだ。昨年の東京・銀座局での闘う労働者に対する局内配転攻撃や、一昨年の横浜における配転攻撃に続く攻撃であり、すでに攻防は始まっている。
 現在、郵政職場はどこでも極端な労働力不足にある。郵政労働者は昼休みも取れないほど仕事に追いまくられ、1日3時間以上もの超勤は当たり前だ。そういった中で死亡事故を含む交通事故が頻発(ひんぱつ)している。「明日は自分かも知れない」というのが郵政労働者の実感だ。無念にも職場を去らざるを得なかった労働者もいる。また自死、過労死、精神疾患に追い込まれた労働者もいる。この仲間たちの無念の思いは必ず晴らさなければならない。
 郵政労働者の我慢は限界を超えつつある。「ロッカー点検拒否」や「労働力不足を何とかしろ」などの要求として郵政労働者の闘いが全国で始まっている。郵政資本が3月末に狙っている強制配転攻撃は戦闘的労働者に対する個別的な攻撃ではない。郵政労働者の奥深い怒りが一挙に噴き出す情勢の中で、この怒りと階級的労働運動が結びつくことを恐れる郵政資本の絶望的なあがきにほかならない。したがって、強制配転攻撃を粉砕し、職場からの大反乱、職場の団結強化―拡大に転ずることは可能だ。
 郵政の非正規労働者に対する3月末の雇い止め・解雇攻撃も「2021」の攻撃だ。勤務中の交通事故により休職中の非正規労働者を雇い止めにするなどとうてい許されない。労働者を甘く見るな! さらにこの間、攻撃は直接に雇い止めを通告する手段だけでなく、「スキルダウン」によって賃金を大幅に引き下げ、「自主退職」に追い込む実に卑劣な手口が増加している。スキルダウンとは非正規労働者の職務の習熟度を、管理職の恣意(しい)的判断で引き下げるものだ。
 その結果、時給にして200円、年収にすると40万円もの大幅賃下げとなる。「いやなら会社をやめろ」と追い出す攻撃だ。非正規労働者を大量に職場からたたき出し、より安い賃金で採用して利益を上げようというのである。郵政の悪行は悪名高い東芝やパナソニックを上回る「追い出し部屋」であり、郵政こそ第一番の「ブラック企業」だ。断じて許せない!
 しかし今、郵政非正規ユニオンを始めとして、非正規労働者とその家族が生きるための、そして労働者としての誇りをかけた、一歩も引き下がることのない決然たる闘いに全国で立っている。強制配転攻撃を必ず粉砕しよう! 雇い止め解雇を絶対に阻止しよう!
 資本に対する怒りをバネに不屈に闘いぬく幾多の青年労働者が登場している。郵政非正規ユニオン1000人組織建設を総力を挙げて成し遂げ、名実ともに郵政で働く非正規労働者の組合への飛躍を実現しよう! JP労組中央を打倒する職場からの総反乱をなんとしてもつくりだし「郵政グループビジョン2021」を粉砕しよう!
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【表】主要上場企業の土地資産(2011年3月末 単位は兆円)

@JR東海 2・4
AJR東日本 2・0
B三菱地所 1・6
C三井不動産 1・6
D住友不動産 1・5
E日本郵政グループ 1・5
Fトヨタ自動車 1・2
GNTTグループ 1・1
日本郵政は郵便事業そっちのけで、JRや大不動産会社と並ぶ土地資産で大もうけをたくらむ

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週刊『前進』(2575号3面2)(2013/03/11 )

 民営化・非正規化・賃下げと闘い労組拠点を建設しよう

 革共同自治体労働者委員会

 動労千葉の3・1春闘第1波ストをもって、外注化阻止・非正規職撤廃をストライキで闘う時代がこじ開けられた。2・24橋下打倒闘争の大高揚を突破口に、全国の自治体で職場丸ごと民営化・外注化による全員解雇・非正規化、大幅賃下げと団結破壊に対する大反撃が始まっている。国鉄決戦と結合して絶対反対で闘い抜き、青年部再生・労組拠点建設をかちとろう。
(写真 全国から720人が結集し労働組合旗を掲げて大阪市庁舎前で橋下打倒集会【2月24日】)

 すべての職場に怒り充満

 JRに続き、全国の職場で公務員360万人首切りと対決し、民営化・外注化阻止、非正規職撤廃決戦に立つ時が来た。
 自治体職場で、人件費削減を掲げた外注化・民間委託、非正規職化がまるで当然のように広がっている。これに対し、社会保険庁や呉市営バス、各地の市立病院で、民営化・事業譲渡による分限免職や雇い止めを受けた現場労働者の怒りに満ちた決起が続いている。
 人員削減と外注化・非正規職化、過重労働の中で清掃・水道・交通・保育など現業職場で重大事故が続発し、労働者が次々と病気休職、退職に追い込まれている。この耐えがたい現実に対して、被災地の仙台市職を先頭に労働組合の闘いを取り戻す苦闘が続けられている。人事評価制度による分断と団結破壊で人間的つながりがズタズタにされ、「ブラック企業」さながらのパワハラが横行し、労働者が自死に追い込まれている現実を、職場の団結を取り戻し労働組合の力で打ち破る闘いが始まっている。
 民営化・外注化による業務の破綻も重大だ。税など収納事務コンピューターシステムの丸投げ業務委託によって人員不足が当たり前となり、委託したシステムのミスで法令違反が発生し、そのための謝罪や処分まで現場に押しつけられている。偽装請負が日常化し、法令順守を建前としながら違法な偽装請負が堂々と行われている。これに対する外注化反対・偽装請負弾劾が「闘っても勝てない」とする労組幹部の敗北主義を突き崩すランク・アンド・ファイルの闘いとしてA区職を始め現場から始まっている。
 青年労働者は、業務委託が当然とされる職場に配属され、長時間労働を強制され、細分化された業務の中で分断・孤立させられている。自分たちに未来などあるのか。いったいこのままでいいのか。すべての職場に怒りが充満している。闘う青年部の再生を軸に、青年が自らの手で労働組合を変え、未来を切り開く闘いが始まっている。闘う団結を取り戻し、自治体職場で外注化阻止・非正規職撤廃の反合理化闘争を巻き起こそう。

 学校給食民営化との闘い

 自治体における非正規職撤廃、民営化・外注化阻止は、丸ごと民営化・全員解雇攻撃にさらされている現業職場や保育職場を始め最重要の闘争課題である。この闘いは、自治労・自治労連本部が「雇用確保」と称して攻撃に屈服・協力し、条件闘争に切り縮めて済ます余地などもはやない。
 日帝・安倍政権と大阪・橋下徹市長、東京・猪瀬直樹知事、足立区・近藤やよい区長らを先端とする民営化・公務員攻撃は、コスト削減にとどまらない自治体労働運動を絶滅する階級戦争だ。自治体職場における反合理化・運転保安闘争として、階級的団結を総括軸に、絶対反対を貫き通す闘いが求められている。
 現業職場で非正規職化が急速に進行している。自治労の調査でも学校給食職場では64・1%が非正規職となっている。退職補充も闘いきれずに、非正規職で補うことを容認してきた結果だ。そして非正規職化の先は丸ごと民営化による全員解雇攻撃である。
 民営化された職場は、もはや学校給食というには程遠い現状にある。給食工場と化し、食の安全も学校教育の一環という理念も何もない。決まった数を決まった時間に作るだけで、それすら実際にはできていない。労働者の誇りさえ奪われる。
 しかし食の安全問題こそ、給食職場の合理化攻撃の最大の弱点である。
●元の職場に戻せ!
 B市職では、市営の学校給食センターが民営化され、そこで長年働いてきた非正規職労働者がいったん全員解雇され、民間企業に有期雇用で採用された。職員のほとんどが市職労に加盟していたにもかかわらず、資本は採用前に組合脱退強要の不当労働行為を仕掛けて大半の組合員を脱退に追い込んだ。市職労が絶対反対で闘えなかったがゆえの重大な敗北だ。
 民営化を契機に時給が一気に引き下げられた。夏休み期間中は無給とされた。経費削減最優先で、指示書になければ衛生管理、調理・配送の手順や原則もデタラメとなり、子どもや保護者からは「給食費が上がったのに料理がまずくなった」という不満が噴出した。設備メンテナンスや業務の改善要求も無視される。有期雇用に加え、入札次第では雇用継続すら約束されていない。
 現場労働者は怒りを燃え上がらせ、「まともな給食を作りたい」「元の職場に戻せ」「賃金を上げろ」「正規職にしろ」と闘いに立ち上がった。残った組合員を中心に新たに労働組合を結成し、偽装請負を弾劾し、資本と当局との真っ向からの闘いが開始された。民営化された職場の労働者が労働組合を結成し、民営化絶対反対で決起したことは決定的であった。
●民営化絶対反対の路線
 この闘いの経過から何を総括し教訓とするか。
 核心問題は、現場の闘いにおける時代認識と路線の決定的な重要性である。民営化は、当該職場の団結破壊であると同時に、市職労全体に対する破壊攻撃であった。攻撃の全体像、時代認識を明確にするなら、国鉄分割・民営化と外注化・非正規化の大攻撃に立ち向かった動労千葉の闘いがそうであるように、労働組合の総力を挙げて絶対反対を貫き、団結を総括軸に闘い抜くことが求められていた。闘いの路線のあいまいさが、行政職中心の組合執行部と現業との分断を広げ、現場を組合不信に陥らせ、資本による許しがたい不当労働行為を許したのだ。
 自治労本部は民間委託を前提に、「直営だろうと民営だろうと雇用が確保され『同一労働・同一賃金』が達成できれば良い」などと言い続けてきた。現場労働者が怒りをバネに労働組合を結成して闘おうとすることに対してまで「もう少し資本との関係が落ち着いてから組合結成をすべき」などと妨害してきた。いったいこれが労働組合本部のとるべき態度か。資本と労働者階級は絶対的に非和解である。階級意識、時代認識と路線の問題だ。当局・資本の攻撃に協力する自治労本部の腐った路線を現場の怒りと団結で打ち破り、市職労総体を闘う労働組合として再生し、階級的労働運動を復権することこそが求められている。
 安全破壊と雇用破壊が民営化攻撃の最大の弱点だ。JRに戻せ! 外注化された千葉鉄道サービス(CTS)の職場で貫徹された動労千葉の3・1ストライキは、全労働者に希望を与えている。委託されてしまったとしても闘いは終わりではない。絶対反対を貫く中から団結を取り戻し、職場の全労働者の組織拡大も可能となるのだ。「民営化・外注化粉砕! 非正規職撤廃! 元の職場に戻せ!」をスローガンに断固闘い抜こう。

 スト貫徹し青年部再生へ

 400万円もの退職手当削減、7・8%賃下げと一時金10%削減の攻撃は、公務員人事・賃金制度の全面破壊の開始であり、自治体の民営化・外注化・非正規職化、全員解雇・労組解体と一体の大攻撃である。この大幅賃下げ攻撃と闘いぬけなければ、次は全員解雇攻撃であり、6千万労働者全体の賃金破壊・雇用破壊に直結する。
 賃下げ攻撃の全容が明らかとなるや、青年から激しい怒りと闘いを求める声が上がった。「これじゃ非正規並みの賃金になる」「ますます賃金が減らされたらどうやって暮らしていけばいいのか」「絶対とめよう」「このために労働組合ってあるんでしょう」「ストライキってどうやるのか」
 自治労本部は、現場の怒りに火が付く中で追い詰められ、4・26全国ストライキ方針を出した。
 しかし、彼ら自治労本部、公務労協幹部が民主党政権と一体となり、「財政再建」と称して民営化・外注化・非正規職化と公務員人件費削減を進め、「復興財源」を口実に国家公務員の賃金、一時金、退職手当の大幅削減に賛成した事実を忘れることはできない。
 自治労本部は、2月22日の臨時労働条件担当者会議で、「(これまで)ひっ迫する財政を一人一人の組合員の業務量の増加や臨時・非常勤等職員による対応などの懸命の努力で支えてきた」「国に先駆けた行政改革や給与削減の努力をしてきた」と恥知らずにも公言した。新自由主義がもたらした財政破綻の責任を“共有”し、財政再建のために“国の介入を許さず、自主的に”賃下げや人員削減、非正規職化を進めるということだ。
 資本主義擁護の立場から「行政改革や給与削減」に率先協力する自治労本部を倒し、絶対反対のストライキを全国の職場から巻き起こそう。
 国鉄決戦こそ、階級決戦の戦略的基軸だ。動労千葉の検修外注化粉砕・第2ラウンドの闘い、国鉄1047名解雇撤回・鉄建公団訴訟署名運動と結合し、絶対反対の職場討議と行動を重ね、ストライキを復権して闘う労働組合を再生しよう。
 労組拠点建設の最大の課題は闘う青年部再生である。青年労働者が、3・11後の限度を超えた職場と社会の現実に労働者としての根源的な怒りをたぎらせている。団結して闘う青年部の再生を。職場細胞建設を軸に、地区委員会、産別委員会での路線的一致をかちとり機関紙を武器に労組拠点建設を進めよう。

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週刊『前進』(2575号3面3)(2013/03/11 )

 東北春闘集会 被災地に労組甦らす

 3・11福島への総決起誓う

 「外注化と闘うぞ!」「『非正規職はしょうがない』なんてことはないぞ!」青年労働者のシュプレヒコールが風雪を切り裂いて響きました。東北の闘う労組の大部隊は、集会の大成功の感動で仙台市内デモをやりきりました(写真)
 2月24日の東北春闘集会には120人が結集、被災地に労働組合をよみがえらせる闘いの着実な前進を実感させました。
 みやぎ連帯ユニオン東北石けん分会副分会長の成田勝さんが、「本日は橋下打倒闘争と一体で闘おう。私は解雇撤回まで闘います」と呼びかけ人あいさつをしました。
 3・11反原発福島行動呼びかけ人の井上利男さんは、放射能汚染の中で子どもたちや住民が暮らしている福島の現実に警鐘を鳴らしました。
 動労水戸の石井真一委員長は検修外注化後の職場の現実を暴き、動労水戸の青年組合員は「青年は本気で怒っている」と述べ、被曝労働を強いるJRを弾劾しました。
 特別報告に立った国労郡山工場支部の橋本光一さんは職場の外注化と闘う決意を述べ、3・11への結集を訴えました。
 八戸市から20人を超える組合員が参加した南部バス労組は「春闘で安倍の攻撃と闘う」と宣言。
 ふくしま共同診療所、福島・星野さんをとりもどす会、東北大学学生自治会の青野弘明委員長が連帯あいさつをし、全金本山労組、ふくしま合同労組、仙台市職労の仲間、清掃労働者、JP労組の仲間、教育労働者が決意を表明。公務部門の民営化などの攻撃に職場からの闘いが始まっていることを示しました。
 「3・11反原発福島行動を成功させる決議」「全証拠を開示させ星野さんを奪還する決議」を上げ、青年労働者の音頭で団結ガンバローを行い、3・11への総決起を誓いました。
 (みやぎ連帯ユニオン・K)

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週刊『前進』(2575号3面4)(2013/03/11 )

 広島春闘集会 闘う労組の力示そう

 鈴コン分会迎え団結強化

 2月23日、広島連帯ユニオンと広島県労組交流センターが春闘総決起集会を広島市で共催し60人が結集した(写真)
 広島連帯ユニオンの鈴木範雄委員長が「ユニオン100人建設を目指し職場で闘おう」と開会を宣言した。獄中の広島連帯ユニオン草津病院支部の中山崇志委員長からのメッセージが紹介され、広島連帯ユニオンの壹貫田康博書記長が「13春闘アピール」を提起した。
 東京西部ユニオン鈴コン分会の吉本伸幸書記長と会計の鈴木善弘さんが満場の拍手の中で登壇し、それぞれに「必ず現職復帰し非正規職撤廃の先頭で闘う」「楽しく闘おう。職場を労働者のものにしよう」と訴えた。
 広島連帯ユニオンの宮原亮青年部長は、広島県保健医療推進機構と闘い「雇い止め解雇を阻止した」と宣言した。
 広島連帯ユニオン草津病院支部は、患者による「放火」と「殺人未遂」という重大事故の隠蔽(いんぺい)に走る病院資本に対し「全責任は病院にある」と徹底追及してきた闘いを報告した。
 学習塾で働く青年部の仲間は「授業から外され時給720円で働かされている。怒りをバネに労働運動の若手として頑張る」と述べ、広島市役所で働く仲間は職場での動労千葉物販の取り組みを紹介した。高陽第一診療所労組の委員長は「福島診療所建設、反戦・反核・反原発の先頭で闘う」と表明。広島連帯ユニオンの森実智恵美執行委員は春闘ストのスト権を確立したと報告した。
 動労西日本委員長・広島県労組交流センター代表の大江照己さんが「隣の仲間に労組に入ろうと呼びかけ、ストで労組の力を示そう」とまとめた。参加者は直ちに13春闘の職場闘争に入った。
 (広島連帯ユニオン・O)

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週刊『前進』(2575号4面1)(2013/03/11 )

 3・24三里塚集会に全国から参加を

 市東さんの農地を絶対守ろう

 3月7日の第3誘導路供用開始攻撃に対し、反対同盟と労農学人民は緊急現地闘争に決起し、市東孝雄さんへの卑劣・悪らつな追い出し攻撃を許さず、農地を守り空港を廃港へと追い込む不屈の意志をたたきつけた。今回、三里塚反対同盟の3氏に加え、47年の歴史をもつ三里塚闘争にゆかりの深い3氏からの3・24大結集への熱烈なアピールをいただいた。市東さん農地決戦の正念場にあたり、日本労働者階級・農民の未来をかけ、全原発廃炉・福島連帯、反TPPの闘いと一体で立ち上がることを呼びかけている。これに断固応え、全国から北総大地に駆けつけよう。労農学連帯の力で、市東さんの農地を絶対に守り抜こう。直ちに3・27農地裁判最終弁論に大結集し、反動判決粉砕へ闘おう。(編集局)
(写真 トラクターを先頭に千葉市内をデモし、市東さんの農地を守る反対同盟の決意を示した【2月18日】)

 反対同盟は訴える

 47年の闘いに正義あり 反対同盟事務局長 北原鉱治さん

 市東さんの畑は大正時代から3代続いて耕作されてきた土地だ。そこには農民の血と汗がしみこんでいる。今その土地を奪うために、NAA(成田空港会社)と国家権力はあらゆる卑劣な手口で襲いかかってきている。第3誘導路を市東さん宅の目の前に通し、空港内に囲い込み、追い出しをはかるとは、人道にもとる暴挙だ。
 2月18日の市東さんの裁判においては、トラクター3台を先頭に千葉市内デモを敢行し、農地死守の決意を示した。千葉市民の多くが激励の声を送ってくれた。
 市東さんは農民としての誇りにかけて、堂々たる証言を行った。
 千葉地裁・多見谷寿郎裁判長はこれまで、NAAの肩をもつ不公平な訴訟指揮を行ってきた。裁判が最終弁論を残していよいよ大詰めを迎える中で、多見谷は最後的にNAAの手先に成り下がるのかどうかが問われている。われわれは反動判決を絶対に許さない。
 成田空港の建設は住民の生活をふみにじり、農民の農地を暴力的に奪って進められてきた。これに対し体を張って闘ってきた反対同盟47年の歴史は圧倒的に正しかった。数千人の逮捕者を出し、流血の闘いを経ながら、「空港絶対反対・農地死守」の原則を貫いてきた。その正しさゆえに、成田空港はいまだ完全空港にはほど遠い危険な欠陥空港としての無様な姿をさらしている。
 最近では、深夜早朝の飛行制限を取り払って騒音被害を拡大しようとする策動に対し、空港周囲の農民・住民が反対の声を次々と上げている。
 命を金に換えることはできない。安倍政権が進めるTPP参入は、日本農業の解体をもたらす。三里塚はTPP反対の闘いの先頭に立つ。
 3・24は全国の労働者と農民が一体となって生きる権利を主張する場である。今の政治と社会状況に展望を見いだせない青年労働者・学生諸君は、三里塚の大地に立ち、ここに希望があることをしっかりと体感してほしい。ともに闘おう。

 反動判決は絶対許さぬ 反対同盟事務局次長 萩原 進さん

 反対同盟は新年旗開きで市東さん農地決戦に全力で突入することを宣言した。市東さん自身も腹を固めている。
 空港公団=NAAは市東さんには地代を地主に運ばせておきながら、15年間も土地の買収を隠し、農業委員会にも届けず、突如マスコミにリークして市東さんを裁判に訴えた。農地法は戦後、農民が血と汗と涙でかちとったものだ。その農地法を逆手にとって、土地を明け渡せと迫っている。そのために書類の偽造、署名の偽造まで行った。しかも畑の位置特定も間違っている。
 本来こんな違法・脱法に満ちた訴訟はとっくの昔に棄却されて当然だが、空港問題だとそれがまかり通る。そして市東さんを追い出すために、家のすぐ脇に第3誘導路を造った。こんなやりたい放題のデタラメを許しておいていいのか!
 そんな形でやるしかないところに敵は追いつめられている。羽田の国際化と相まって成田の没落は進んでおり、日本の表玄関などという位置から完全にずり落ちた。ショッピングセンターとしての収益を空港本来の収益に匹敵する大きさにしたいと、社長自ら述べている。こんな空港に公共性などひとカケラもない。
 NAAは、天神峰の隣に位置する取香部落の半分を駐機場と特殊車両の置き場所にするために、土地の買収に入った。金に糸目を付けず空港の形を整えようとしているが、そうでもしなければもたない危機なのだ。そんなものを造って、あるいは格安航空を呼び込み、30万回飛べますと言い張ったところで、世界的大不況の中で展望はまったくない。
 そして何より市東さんが空港廃港まで闘うと決意を表している。確かに三里塚裁判は国策裁判だが、国策だからと、なんでも力ずくで押し通すようなことを今ここで粉砕しよう。絶対に反動判決を出すことを許さない! そのために何をしたらいいのか、一人ひとりが真剣に考えてほしい。
 マスコミは三里塚をなかなか取り上げようとしないが、だったら取り上げざるをえない状況をつくる。年頭の記者会見で私は3・24に1500人集めると宣言した。大変だけどこれをなんとしても集めきろうじゃないか。そして3・27最終弁論にも、2・18を上回る人数で、裁判所を十重二十重に包囲しよう。反動判決を出したら大変なことになるぞという意志をたたきつけよう。同時に、現地での攻撃を迎え撃つ態勢を構築しよう。
 福島、沖縄と連帯し、動労千葉との労農連帯を一層強固に、三里塚は生きるための権利をかけて最先頭で闘う。

 ここで農地耕し続ける 反対同盟・天神峰部落 市東孝雄さん

 2月18日の農地裁判では多くの方々が裁判所を包囲してくれました。心から感謝します。
 私は、これまで自分が農業を営み闘ってきた思いを証言として存分に語りました。最後に多見谷裁判長ら裁判官に、「判決の前に天神峰の地に立ってもらいたい。判決はそれから書いてほしい」と述べました。この言葉が裁判長にどこまで通じたかは分かりませんが、NAAによる追い出し攻撃がいかにデタラメか、そして私が誠実にひとりの農民として土にまみれて野菜を作ってるか――このありのままを見ずにNAAの言いなりで反動判決を出すことは、絶対に認められません。
 私の畑では年間で50種類以上の野菜を完全無農薬有機栽培で作っています。そのため歳月を費やして土を作り続けてきました。丹精込めて育てた新鮮で安全な野菜を消費者のもとに届ける、それが農民としての喜びであり誇りです。
 ところがNAAはそうした農民の生きがいを奪おうと、農地法を悪用して私を裁判に訴え、明け渡しを迫ったのです。
 小作人に無断で農地を売り飛ばし、さらにそのことを15年間もひた隠しにして旧地主が地代をだまし取る――一体どこの世界にこんなデタラメがありますか!
 そして、うちの目と鼻の先をジェット機がひっきりなしに走行しているのに加え、3月7日からは第3誘導路で東西からわが家を挟み込み、圧力を加えているのです。この第3誘導路には120億円も使われているが、銚子電鉄は5億円あれば再生可能と言われます。なによりそんなお金があるのなら、放射能被害と闘う福島のために使うべきではないですか。
 私はこれからもここで農地を耕し続け、「空港絶対反対」を貫いた父の遺志を受け継ぎます。どんな違法、デタラメな攻撃にも屈しません。ますます闘志がわくばかりです。
 今日本の農業は大きな苦境に立たされています。TPPは日本の農家を滅ぼすものです。企業が農業に参入してくるのは、もうけることだけが目的です。
 福島の農民の話を聞いて、原発事故の被害の大きさを実感しました。沖縄に行ったときは、良い土地がみんな米軍基地に取られている現実を目の当たりにしました。私は自分の農地を守り、福島、沖縄と連帯し闘います。そして動労千葉を先頭とする労働者の闘いとも結びつきます。
 2月20日早朝、警察を引き連れてきた千葉地裁執行官がうちの畑や建物に無断で立ち入り、「告示書」という看板を14カ所設置しました。裁判が大詰めを迎える中で、向こうも追いつめられたのでしょう。私はもちろんこんなことではびくともしませんが、私ひとりでは勝てません。みなさんの力が必要です。
 私の農地問題を訴えるカラーパンフができました。またタブロイド判のカラービラもできました。ぜひこれらを活用してください。そして3・24全国総決起集会に全力で駆けつけてください。よろしくお願いします。

(写真 天日干しの切り干し大根を仕上げる市東さん。寒さと良い風で最高のできだ【2月5日 天神峰】)

 福島とつながって

 日本農民の未来かけて 全国農民会議共同代表 小川 浩さん

 1968年2月26日、成田市の市営グラウンドで反対同盟などの主催で空港反対の総決起集会が開かれました。これから農家としてどうやっていくのかを考えていた22歳の私は、やじ馬としてそこにいました。全学連と機動隊が衝突したとき、後ろの方にいた私は機動隊に引っ張り出されて暴行を受け、頭に何針も縫う大けがを負いました。そのことで三里塚を自分の問題として感じるようになっていきました。
 当時日本共産党・民青は三里塚を暴力集団・トロツキスト呼ばわりして排除しながら、千葉県の農村青年を組織しようとしましたが、私は萩原進さんらとともにそういう集会に抗議に行ったりして、次第に運動に参加していったのです。
 日本の農業は今、高齢化し後継者が育っていないとか、まるで農家の努力不足でそうなったような言い方がされますが、農業の危機の原因は農政にあることをはっきりさせるべきです。
 61年に農業基本法ができて「農業の近代化を」などと呼号されながら、一方で安い農産物がどんどん輸入され、日本の農業は苦境に追いやられてきました。中曽根政権のころ、国鉄の赤字とともに食糧管理制度の赤字が騒がれ、食管制度そのものが廃止され、米の値段はかつての半分に下がっていきました。この上TPPで関税が撤廃され「自由化」されれば、苦しい中でこれまで努力を重ねてきた農家もつぶれてしまう。そうなれば本当に農業は壊滅です。
 労働者には外注化・非正規職化などが進められる中で、安い輸入農産物は労働者の賃金低下につながります。食糧問題は労働者の賃金問題なのです。今労働者と農民が向き合って互いを理解し、連帯を深め合う時です。
 空港建設による農地取り上げと闘う三里塚、原発事故による放射能被害と闘う福島の現実は、日本農業の縮図です。福島では多くの農家が避難を余儀なくされ、廃業せざるを得なかった。「原発さえなければ」と書き残し自らの命を絶った人もいます。千葉県においても被害は広範囲にわたっています。農民が農民として生きることさえ困難なこの状況に、三里塚、福島とつながって立ち向かわなければなりません。
 市東さんにかけられた土地・営農・人生を奪おうとする攻撃は市東さんひとりの問題ではない。だからこの農地決戦に全国の農民が立ち上がる意義は決定的であり、ここに日本農民の未来が見えてくると思います。
 私たち全国農民会議に集う農民も、3・24三里塚に全力で結集し、市東さんとともに闘います。

 労農連帯で闘いぬこう 反戦共同行動委員会代表 三角 忠さん

 1968年に私は三一書房に入り、出版関連の労働争議を闘い、特に70年に始まる光文社闘争を積極的に闘いました。そして76年2月に出版労働者連帯会議を結成しました。その年の11月に光文社闘争は歴史的な勝利を収めます。
 77年の4・17三里塚全国集会は第一公園を埋め尽くす2万3千人が結集しましたが、私は出版労働者連帯会議として80人くらいを引き連れ、車に分乗して参加しました。この時カクマル派が京葉道路に重油をまくなど結集妨害を行い、到着が遅れるという事態がありました。それから三里塚は本格的に出版労働者連帯会議の活動の一つの中心となりました。
 それに先立って私は「農と農村を解明しない限り都市と労働者について分からない」との思いから、『講座 農を生きる』全5巻を三一書房から私の編集で75年に出しました。その中で第4巻の第6章「農民のコミューンとしての共同体は可能か」という文章を反対同盟の戸村一作委員長に寄せていただき、戸村さんとは親しい関係になりました。「三里塚はかくも激烈に権力と闘っているが、農民がコミューンとしての共同体をつくるという志向性を持たねば勝利はない」というのが、この文章の核心だと思います。私は労働運動に全力を投じる一方、農に大きな関心とかかわりを持ち続けてきました。
 61年の農業基本法に始まり、日帝は農業を切り捨て、日本農業を成り立たなくして、ついに今日TPPにまで進もうとしています。
 連合はTPPに賛成。なぜなら安い農産物が輸入されれば賃上げがなくても生活は成り立つ。だから春闘も闘わない。これが連合の労働運動だ。三里塚は軍事空港反対の闘いであり、農業切り捨てとの闘いであり、また動労千葉が労農連帯のきずなを守っているように、労働運動の進むべき道をも照らしています。
 市東さんは「1億8千万円の補償を受け取るよりも、1本100円の大根を作り続ける」と述べました。ここには47年の農民闘争の根本精神があると思います。有機農業でつくられた消費者=労働者との結びつきは、かけがえのないものです。その土地をむざむざ明け渡すわけにはいかない。この市東さんとともに闘いたいと願い、私は「市東さんの農地取り上げに反対する会」にも積極的にかかわっています。
 「3・24に1500人を集めよう」という萩原進さんの檄(げき)に、なんとしても応えたい。労働者・労働組合も学生も、全力で駆けつけようじゃないですか。

 人民の共闘と結集の砦 革命的共産主義者同盟 鎌田雅志さん

 70年代初め、三里塚、沖縄、ベトナム戦争、公害問題などで社会は騒然としていた。高校生の私は三里塚少年行動隊や大木よねさんの闘いを衝撃的に受けとめた。
 75年に横浜国大に入学して学生運動を始め、初逮捕が77年5月6日の鉄塔決戦。鉄塔破壊への反撃の第1弾としてデモに出て、機動隊に突っ込んで逮捕され、7カ月の獄中闘争を闘った。
 78年の開港阻止決戦、動労千葉のジェット燃料貨車輸送阻止闘争と、三里塚の激闘は続き、82年の全学連大会で私は委員長に就任した。その時「成田空港突入・占拠・解体」のスローガンを真正面から打ち出した。それをいかに実現するのか、具体的なイメージはできていなかったが、とりあえず「10年の獄中闘争」を覚悟した。
 2期工事着工攻撃の激化の中で、全国の大学で三里塚の路線をめぐる大衆的な論議をやって大結集を呼びかけ、実際に学生の三里塚結集は倍増した。84年の秋から実力デモを通して機動隊と激突し、85年10・20に至る。三里塚第一公園を1万4900人の参加で埋めた10・20集会で私は「中曽根の先兵・機動隊をせん滅し第3ゲートへ進撃せよ」と呼びかけ、武器を携えた労働者学生は三里塚交差点を中心に機動隊を徹底的に打ち倒した。この10・20と浅草橋闘争の件で、私は16年間の獄中闘争を闘った。
 故・市東東市さんは「鎌田が出てくるまでは」と自分の畑の脇で桃の木を育ててくれていた。「星の木」の隣には実は「鎌田の木」もあった。東市さんは、カクマルとの激戦地である横国大での集会にも何度も足を運んでくれた。東市さんが亡くなってから、孝雄さんが後を継ぐとの知らせを獄中で聞き、「これで三里塚は勝てる!」と感激し確信した。
 三里塚は日帝の階級支配の根幹を揺るがし続けてきた。全人民の共闘と結集の砦(とりで)としてそびえ立ち、空港絶対反対・農地死守・実力闘争、軍事空港粉砕の路線を貫いてきた。三里塚を抜きに革共同の歴史、日本階級闘争の歴史を語ることはできない。三里塚の勝利を願う人は膨大にいる。その人たちとのつながりをも再びつくりだす時だ。
 農地をめぐる現在の攻防は、47年の三里塚闘争史上最大の決戦だ。血と汗と人生がしみこんだ農地は、金に換えることはできない。これを奪うことは農民に死ねということだ。労働者階級、とりわけ青年労働者・学生がこの闘いに触れたとき、必ず階級意識と革命思想を呼び覚まされる。
 3・24の大結集を実現し、市東さんの農地を絶対に守りぬこう。

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週刊『前進』(2575号4面2)(2013/03/11 )

 2013年日誌 2月26日〜3月4日

 名護漁協に埋め立て同意申請/武器輸出を大幅緩和

●イラン、米と直接交渉方針 核開発問題をめぐり、イランが米国と直接交渉を進める方針を決めた。これを受け、1980年に国交を断絶した両国の代表が初めて接触した。(26日)
●名護漁協に同意申請 沖縄防衛局は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に伴う埋め立てへの同意を求めて、辺野古海域の漁業権を持つ名護漁協に申請書を提出した。(26日)
●原発運転延長、4月に基準案 原子力規制委員会は、運転開始から40年を超えて例外的に運転延長する際の判断基準案を4月にまとめることを決めた。(27日)
●東電、被曝記録2万人分未提出 福島第一原発で事故後に働いた約2万1千人が浴びた放射線量について、東京電力が全国の原発作業員の被曝記録を一元的に管理する公益財団法人「放射線影響協会」にまったく提出していないことがわかった。(28日)
●一部乳児、がんリスク増 世界保健機関(WHO)は、東電福一原発事故による被曝の健康影響に関する報告書を発表。大半の福島県民では、がんが明らかに増える可能性は低いと結論づけた。一部の地区の乳児は甲状腺がんのリスクが生涯で約70%、白血病なども数%増加すると予測した。(28日)
●オスプレイ訓練、6日から本土で 
在日米軍は、6〜8日、普天間飛行場に配備した新型輸送機オスプレイ3機を岩国基地(山口県岩国市)に移し、低空飛行訓練をすることを防衛省に伝えた。(28日)
●原発再稼働を表明 安倍晋三首相は衆参両院の本会議で施政方針演説を行い、「安全が確認された原発は再稼働する」と表明した。(28日)
●TPP年内締結、米が意欲 米通商代表部は年に一度の通商報告書を米議会に提出した。環太平洋経済連携協定(TPP)について今年末までの締結にあらためて意欲を示した。日本のTPP参加についても引き続き調整していく考えを明記した。(1日)
●米国の支出強制削減が発動 1月1日に発動予定だった、米政府の支出を21会計年度(20年10月〜21年9月)までに1兆2千億j(約110兆円)強制削減する措置が発効した。(1日)
●武器輸出、大幅に緩和 安倍内閣は最新鋭ステルス戦闘機F35の自衛隊導入を機に、国内で製造した部品の輸出を武器輸出三原則の例外として認める官房長官談話を発表した。公明党も容認した。(1日)
●共通番号法案、閣議決定 安倍内閣は国民一人ひとりに番号を割り振って納税実績や年金などの情報を一元的に管理する共通番号法案を閣議決定し国会に提出した。2016年1月の利用開始を見込む。(1日)
●2米兵に懲役10年と9年 沖縄県本島中部で昨年10月、女性を暴行してけがを負わせた米海軍の2被告に、那覇地裁は懲役10年と9年の判決を言い渡した。(1日)
●オスプレイ行動範囲拡大 米軍普天間飛行場のオスプレイ飛行隊長は、今夏にオスプレイを強襲揚陸艦に積んで運用を始め、「太平洋全域に行く」ことを明らかにした。(3日)

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週刊『前進』(2575号5面1)(2013/03/11 )

 第五福竜丸元乗組員 大石又七さんインタビュー

 ビキニ事件隠蔽が福島に直結 事故責任はっきりさせるべき

 3・1ビキニデー杉並集会のために、第五福竜丸元乗組員の大石又七さん(写真)がビデオ・インタビューに答えて訴えた内容を掲載します。 (編集局)
   ◇   ◇   

 ビキニ事件の意味は重大だった

 ――ビキニ事件の当時と比べて、今の福島原発事故をどう感じますか。
 ビキニ事件が持っている内容というのは、放射能問題であり、核兵器の問題であり、また原発にもつながっていたんだと、後になっていろいろ分かってきた。ビキニ事件を隠蔽(いんぺい)したことが、今度の福島の被曝にも大きな影響を与えている。ビキニ事件がいかに大事な事件だったのか。正面から問題にしなければいけなかったと思うんです。
 ――「死の灰」を浴びてから、症状が出始めたのはいつですか。
 被爆したその日の晩からありました。ただ、被曝ということに関してはまったく無知だった。今でこそ、放射能の恐さや内部被曝の問題がある程度分かっていますが、当時は世界の人も、科学者も、核実験をした指導者たちも詳しいことは分からなかったんですね。
 この半世紀、手探りでいろいろ分かってきて、(内部被曝は)非常に恐いということ、そのまま見過ごせない問題なんだということが、時間が経てば経つほどはっきりしてきました。
 ――被爆者であることで差別を受けましたか。
 まず、私たちは若かったので結婚問題です。被爆したことは隠さなければ不利になるので、みんな自分から隠したんです。当時は隠すので一生懸命だったんです。
 当時、当然アメリカが補償してくれると思っていたから、被爆したほかの船も一斉に声を上げ、一般の反対運動も盛り上がりました。しかし、その時に一緒になって反対運動に加わっていた人たちが、アメリカが補償しないとはっきり言った時点で、自ら口をつぐんでしまった。補償しないと言っているのに声を上げても不利な結果だけが残る。自分だけでなく、家族や子どもにまで影響が及んできますので、みんな我慢して、じっとこらえながら亡くなっていったと思うんです。

 沈黙破り事件を伝え歩いてきた

 それを私は一人ずつ見送ってきました。なんとしてもこんな理不尽なことは発表して残さないと、何事もなかったかのように消されてしまう。
 まだ世の中に核兵器があり、原発があり、これから起こりうることももっと大きく内在している。ビキニ事件を伝えなければ、大変なことがこれからも起こってしまう。そう思って、微力ながらあちこちでお話をしてきたんです。

 原発事故の責任戦争責任と同じ

 ――今の福島原発事故とビキニ事件との間に似た部分はありますか?
 ビキニ事件と変わりないと私は思っています。責任問題も事件の恐さも同じだと思っています。
 これから内部被曝の問題が表面化したら、そう簡単に解決する問題ではないと思うんです。それに対する責任が誰にあるのか。その辺がはっきりしていないのがおかしいと思う。
 戦争責任の問題と似たところがありますね。そういう意味では、日本は「戦争の国」なんですよね。戦争で力を発揮した人が「英雄」として神社になったり神様になったりしてたたえられている。だからまた戦争が起こるのではないかと思うけど、今度は核兵器のある戦争。それが分かっているのか。安倍首相が北朝鮮などに対してどういう考え方を持っているのか、とても心配です。
 福島でも放射能がいっぱいばらまかれて住民が苦しめられている。若い人はそこにいてはいけないと思うんですよ。放射能は人間がかわいそうだなどと妥協してくれませんからね。それに対してみんなもっと真剣に立ち向かわなければいけないと思います。

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週刊『前進』(2575号5面2)(2013/03/11 )

 東西で国際婦人デー集会

 大石さんが熱く講演

 東京 「安倍打倒」掲げデモ

 3月2日、東京の国際婦人デー集会が杉並産業商工会館で開催された。第五福竜丸の元乗組員でビキニ事件の被爆者である大石又七さんを招き、前日のビキニデー集会に続いて反核運動の発祥の地・杉並での開催となった。今年の国際婦人デーのタイトルは「安倍政権打倒!」と鮮明だ。
 集会には会場満席の165人が結集。婦人民主クラブ全国協議会杉並支部の鍛冶淳子さんの司会で開会し、動労千葉と家族会からのメッセージが読み上げられ、さっそく大石さんの講演に入った。大石さんは「私はビキニでの被爆をとおして納得いかない部分を勉強した。世の中本当に間違っている。集会字幕に安倍政権打倒とあるが、安倍は戦争犯罪人の一族であり、矛盾だらけのことを言っている。こんな人が国の中心にいることは心配。労働者の手で安心して暮らせる国にしていかないといけない」と訴えた。
 続いてふくしま合同労組委員長の市川潤子さんが報告に立ち、3・11当日に現地に立つことの大切さ、ふくしま共同診療所建設の意義とそれに対する反動との闘いをつぶさに語った。3・11福島現地行動に向けて、全国の仲間への熱い決起の呼びかけが伝わってきた。
 集会の基調報告は東京労組交流センター女性部長の石田訓子さんが行った。安倍政権の凶暴だが破綻的な新自由主義政策を暴露し、これに対して動労千葉を先頭に外注化・非正規職化と闘う労働者・労働組合が反撃に立ち上がっていることを報告。自らの職場で闘って団結をつくることこそ、原発をなくし、戦争・改憲を阻止する展望だと提起した。
 連帯あいさつでは、三里塚反対同盟婦人行動隊の宮本麻子さんが、市東さんの農地死守の大決戦に入ったことを訴え、3・24闘争への結集を呼びかけた。星野暁子さんは、獄中の星野文昭さんの不屈の闘いを伝え、全証拠開示運動で星野さんをとりもどそうと発言。
 JAM神奈川ジェコー労働組合行田分会からは、女性労働者への解雇攻撃と裁判所の反動判決に対する怒りが語られ、また東京東部ユニオンの介護職場の女性労働者は職場のパワハラ・セクハラとの闘いを報告。均等法以降の、労基法も無視した攻撃と闘う若い女性労働者たちの姿に全体がひとつになった。全学連の内田しをりさんは法政大学の処分撤回闘争を報告、部落解放同盟全国連杉並支部からは田中れい子さんが発言、NAZEN杉並として婦民全国協杉並支部の長谷川佐千子さんが決意を表明した。
 最後にまとめと行動提起を婦民全国協関東ブロックの福島幸子さんが行い、3・11福島と3・24三里塚への総決起を誓って集会を閉じた。
 集会後、安倍政権の危機を体現するような公安警察権力を、女性たちは力強く終始圧倒してデモと街宣を貫徹した。これが国際婦人デー行動だ!
(写真 集会後、強風をついて阿佐谷を意気高くデモ行進。「安倍打倒」の横断幕と訴えに沿道から熱い声援が寄せられた【3月2日 杉並】)

 福島と結び3・11へ

 関西 市川潤子さん怒りの訴え

 3月3日、関西の3・8国際婦人デー集会が約80人の参加で「エル・おおさか」で行われた。
 集会では、ふくしま合同労組委員長でNAZEN福島呼びかけ人である市川潤子さんよりお話を受けた。市川さんはまず、3・11東日本大震災から2年を経て、何も解決していない福島の現実を根底的怒りをこめて明らかにした。それは何よりも<復興〉<安全〉キャンペーンのもとでの徹底した分断だ。避難者の中でも、県外避難者は住宅支援が打ち切られていること、「除染」では何も解決できないにもかかわらず、「もう福島は大丈夫、安全」とキャンペーンされていること。これは住民の「福島に帰りたい」という気持ちを使って、実は「原発は安全=再稼働するぞ」という攻撃にほかならない。まさに今、福島では声をあげることそのものが生きるための闘いであるということが強く訴えられた。そして「復興県民大会」と称して開催される3・10集会(平和フォーラム系)や3・23集会に対して、あくまで3・11当日、「闘っても何も変わらない」という絶望をはね返し、怒りに変えて現地行動を闘う決意が表明された。
 さらに、市川さんが心の底から訴えたのが、昨年12月に開院したふくしま共同診療所の意義だ。新たに子ども2人に甲状腺がんが見つかる中で、診療所は絶対に必要であり、希望である。世界的にも注目が集まり、多くのカンパが寄せられている。全国の闘いの力でかちとった医療拠点だ。そしてこの闘いの力が、福島県立医大元副学長・山下俊一を退任させたのだということを真っ向から提起した。
 最後に「福島の現実はこの社会のあり方自体の根底的問題であり、国・東電への責任追及、そしてこの社会体制を根本から変えていく本気さが問われる時代だ。3・11福島現地行動に結集しよう!」と訴えた。
 婦民全国協関西ブロック・山本美知子代表が基調報告を行った。「福島の怒りとつながりながらこの1年闘ってきた。原発、外注化、非正規職化などすべての根本はひとつです。新自由主義による安全破壊を許さず、闘おう。安倍政権は超反動だが脆弱(ぜいじゃく)です。橋下の足元からも反撃が始まった。小さな闘いが全体の決起を巨大な団結として爆発させていく。職場、地域から声をあげ闘う仲間を増やそう!」
 その後、婦民八尾支部、泉州読者会、大阪北支部、さらに「君が代不起立」被処分当該の教育労働者・沼田祐子さんから闘いの報告を受け、参加者のフリートークが行われた。
 最後に、関西労組交流センター女性部長・灰垣美佐子さんが「敵をはっきりさせ、絶対反対を貫き、この社会を根底から変える闘いに立ちあがろう!」と提起、参加者全員が3月決戦を担い抜く決意をうち固めた。
(写真 福島の怒りとつながり、3月決戦を闘う決意を参加者全員が打ち固めた【3月3日 大阪市】)

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週刊『前進』(2575号5面3)(2013/03/11 )

 生活破壊の“アベノミクス”

 3月大量雇い止め 「輸入インフレ」も始まる

 「アベノミクス」は、一握りの資本家の利益のために、労働者人民の生活を破壊するものだ。それは早くも3月大量雇い止めと非正規職化、円安=「輸入インフレ」による値上げラッシュをもたらそうとしている。
 国際為替市場で円安が進んでいる。米経済の一定の「回復」などへの投資家の期待感や、争闘戦での日帝の敗北(1月の貿易赤字は過去最大、経済収支も急減)、安倍の超金融緩和と公共事業=財政赤字拡大などを背景に、ドルとユーロが買われて円が売られているからだ。これで燃料や穀物などの輸入価格が上昇し、多くの食料品、日用品に値上げが広がる勢いだ。(表1参照)

 石油、電気、食料値上げラッシュ

 ▼ガソリンは12週連続で上昇し、この間1gあたり10円値上がりした。灯油も13週連続の値上がりで1800円(18g)を超えた。
 ▼次に電気・ガスだ。電力10社と都市ガス4社は4月の料金値上げを発表した。燃料となる原油、LNG(液化天然ガス)、石炭の輸入価格はこの間、軒並み5〜10%上昇した。
 ▼ポリエチレンなど一部の石油化学製品も2月から値上げした。プラスチック製品に波及する。
 ▼そして食料だ。日本は食料の6割を海外から輸入しているから輸入価格上昇の影響は大きい。政府は輸入小麦を製粉会社に売り渡す価格を4月から約10%値上げすることを決めた。これで家庭用・業務用の小麦粉が値上げされる。パンやうどん・ラーメン、菓子などに影響が広がる。大豆の輸入価格上昇で豆腐、みそ、納豆、しょうゆなどが値上げされるだろう。
 輸入依存度が高いトウモロコシも家畜の飼料として使われており、牛肉や豚肉、バターやチーズの価格に波及する。また、ハウス栽培の燃料費、漁船の燃料費、陸上輸送費が上がり、野菜、魚の値段にはね返る。
 ▼このほか、鉄鋼製品やトイレ紙・ティッシュ紙なども大手資本が値上げに動いている。
 自動車・電機など輸出でもうける一握りの大企業は、この間の円安で巨額の利益を得た。一方、労働者人民にはこのような値上げラッシュが襲いかかる。また、価格競争が激しい業界では原材料費の値上がりを、人件費の削減=賃下げでカバーする攻撃を強めるだろう。こうして資本家階級は、すべての矛盾、犠牲を労働者階級に集中しようとしているのだ。

 2%物価上昇目標の超反動性

 安倍政権の「2%の物価上昇目標」がどれほど反動的であり、労働者人民の生活を破壊するものか。過去10年間、消費者物価が毎年平均2%上昇しているアメリカでは、食料、公共交通料金、医療費、電気料金、大学授業料、ガソリンなど日常生活に直結する品目が10年間で3割以上も上がった(表2参照)。これは労働者階級、とりわけ低賃金の労働者層の生活をきわめて困難に追いやっている。
 ましてや日本では、連合=体制内労働運動の屈服をも重大な要因として労働者の賃金は15年間、削られ続けているのだ。このまま賃下げ・非正規雇用化が続き、それに物価値上げが重なれば、もはや労働者階級は生きていけない! ところが安倍は、労働者階級がどれほど困窮しても、「世界で一番企業が活躍しやすい国をめざします」(2・28施政方針演説)などと言って、賃下げと雇用破壊、団結破壊の攻撃を一層強めようとしている。絶対に許せない。
 世界大恐慌のもとで帝国主義間・大国間の争闘戦が激化し、日帝は争闘戦からの脱落の危機にあえいでいる。その中で「アベノミクス」が破綻することは確実だ。そして、世界でも日本でも労働者階級は怒りを爆発させて闘いに立ち上がりつつある。一切の鍵は階級的労働運動の再生・創造にある。資本家の手先=連合をうち破り、今春闘で安倍政権を打倒しよう。階級的労働運動をよみがえらせ、社会を根本からつくり変えよう。

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 (表1)円安で広がる値上げ 
 輸入燃料高→電気、ガス、ガソリン、灯油、
 プラスチック製品
 陸運、海運、航空
 →野菜や魚介類、製品全般

 輸入穀物高→小麦粉→パン、めん類、菓子
  大豆→みそ、しょうゆ
  トウモロコシ→豚肉、牛肉、
  バター、チーズ、サラダ油
 他の輸入品も値上げになる。便乗値上げも

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 (表2)毎年2%の物価上昇。強まる生活破壊
 アメリカの場合(02年1月→12年11月の上昇率)
 食料33.6%、公共交通料金32.3%、電気料金44.1%、
 医療費49.7%、大学授業料98.7%、ガソリン206.7%
 ※この10年間アメリカの消費者物価は前年比平均2.4%上昇
 ※国際競争の激しい自動車やテレビなどの価格は下落
 (「週刊東洋経済」3月9日号より作成)

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週刊『前進』(2575号5面4)(2013/03/11 )

 国際労働運動 4月号

 学生自治会をともに建設しよう

 特集は、大学新入生に対する、福島の怒りと結びつき大学から原発御用学者を追放し、学生自治会をともに建設しようというアピールである。
 第1章は、福島で原発事故への怒り、放射能への不安を訴える200万県民に向かい放射能安全神話を振りまき、「県民健康調査」と称する福島圧殺の被曝データ調査をする福島県立医科大学の御用学者・山下俊一などの犯罪を徹底的に弾劾している。
 第2章は、新自由主義による大学改革攻撃が東大闘争などを破壊し、学生自治会を解体し、国立大学の法人化に至ったことを暴く。それが大学を原子力・電力産業の利益の先兵に仕立て上げた。断じて許せない。
 第3章は、日帝・国家権力の学生運動破壊の攻撃と闘い、御用学者追放・反原発闘争で大きく前進した法政大、京大、東北大、広島大、富山大、福島大の闘いを伝えている。京大は昨年6月全学自治会同学会を再建、法大は10・19に1000人学内集会の成功、東北大は12月自治会選の勝利をかちとった。失業と戦争をもたらす新自由主義を打倒する学生運動をともに闘おうと呼びかけている。
 ニューズ&レビューは、韓国・民主労総の韓進重工業のチェガンソ烈士闘争が妥結したこと、ソウル地下鉄労組が民主労組を取り戻した闘いを伝える。
 フランスでは年頭から大量解雇攻撃にデモとストライキの嵐が全土に吹き荒れていることを伝えている。
 世界経済の焦点は、安倍政権のインフレ政策批判。通貨戦争を激化させ、財政も破綻に追い込み危機をさらに激化させるものだ。

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週刊『前進』(2575号6面1)(2013/03/11 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 「ふくしま共同診療所こそ反原発の砦だ」 京都・ユニオン自立 U

 2月23日のNAZEN京都の第10回拡大定例会は、金曜行動などでの診療所への共感が拡大し、60人が結集、診療所建設と3・11福島大結集の決起集会になった。
 「『ふくしま共同診療所』が開院した。原発労働者との連帯も全原発の廃炉をかちとる道も、診療所運動の拡大と一体」だと、学生の仲間がまず基調報告。昨年4月の結成時に掲げた3大行動指針(@診療所建設A原発労働者との連帯、非正規職撤廃・外注化阻止B拠点建設=京大全学自治会再建・ユニオン自立の組織拡大)の一体的実践、とりわけ診療所建設のための基金運動とスタッフ募集運動を前進させようと呼びかけた。
 診療所建設委員会の渡辺馨事務局長は、「診療所こそ原発絶対反対の砦(とりで)であり、人びとの生きる希望だ。福島の怒りは世界の怒りに結びつく。福島はあきらめない。その最大の発信地が『ふくしま共同診療所』だ。新たに生み出した闘いの高揚をつかみ、3・11福島行動を大成功させよう」と訴えた。
 会場からの発言も金曜行動で「山下俊一には我慢ならない」と診療所建設に共感して参加した医療労働者、八尾北医療センター労組、高槻医療福祉労組の仲間と続いた。
 この春から、ふくしま共同診療所で勤務するAさんは「怒りと闘いがあふれる地での生きる決意や喜びと使命感」を表明し「未来をつくる子どもたちが被曝を心配して生きなければならない現実などあってはならない」ときっぱりと語った。

 飯舘村から酪農家の長谷川健一さん招いて 山梨 M

 2月24日、とめよう戦争への道!百万人署名運動・山梨連絡会、全国農民会議・山梨など7団体が呼びかける「つながろうフクシマ!なくそう原発!2・24講演会」が、福島県飯舘村の酪農家・長谷川健一さんを招いて甲府市で開かれ、50人が参加した。集会はNHK、毎日新聞や山梨日日新聞でも報道された。
 農民会議の代表が主催者あいさつをした後、長谷川さんが自ら撮った写真を示し、「福島、あの日、いま、これから」と題して90分の講演を行った。「住民は何も知らずに無用に放射能を浴び続けた」「子どもも大人も外にいた」と、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)などを隠してきた政府・県への激しい怒りを語った。牛舎で数十頭の牛が餓死、ミイラ化している写真は地獄図だ。「原発さえなければ」と牛舎のベニヤ板に白墨で遺書を残して自死した酪農家の友人。これが「飯舘で起こっている真実を伝えていかなければ」と自分を駆り立てるものとなったという。「除染モデルなどを見てきた。山が外され意味がない。まるでビジネスだ」。参加者を引きつけて離さない真実の重みの連続だ。
 講演後40分間の質疑応答をし、呼びかけ団体の発言を行った。「フクシマを風化させてはならない」という長谷川さんの言葉が強く心に残った。フクシマと連帯し、すべての原発廃炉へ闘おう。

 オスプレイ低空飛行訓練を岩国で弾劾! 広島 O

 沖縄人民の怒りの的となっている殺人機オスプレイが「訓練のため」と称して米軍岩国基地に飛来する! この一報を聞いて広島と岡山の闘う労働者は、断固、訓練初日の3月6日の朝、岩国現地行動に決起した。
 米軍は、「九州北部」で低空飛行訓練をやると発表しておきながら、前日になって「和歌山−四国」上空で訓練すると変更してきた。なんというデタラメか! オキナワの怒りが本土の人民とつながり、日米安保粉砕への怒りの決起につながることを日米政府は死ぬほど恐怖している証拠だ。
 沖縄労働者階級人民の怒りをわがものとして、私たちは、岩国基地北東の今津川漁港の川土手に結集して、岩国基地に向けて「オスプレイは来るな!」「低空飛行訓練をやめろ!」「沖縄配備絶対反対!」「沖縄とともに闘うぞ!」の怒りの声をたたきつけた。
 岩国基地は訓練のために対潜機・対潜ヘリや艦載機が爆音をあげて離陸や着陸をくり返している。その中を昨年12月に開港した「岩国錦帯橋空港」の民間エリアから旅客機が移動し、岩国基地の滑走路を使って離陸していく。危険な状況だ。
 われわれは、オスプレイ飛来の監視行動を続けている岩国市民とともに怒りを爆発させ、オスプレイの低空飛行訓練への抗議行動をやり抜いた。

 Jパワー=電源開発本社に第4弾の抗議 東京 W

 2月14日、電源開発(Jパワー)本社に対し、大間原発(青森)の即時建設中止を求める第4回の申し入れ行動が闘われた。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委主催で参加者は15人。労働者民衆の怒りに戦々恐々の電源開発は、正門玄関の内外にガードマンを多数配置し、出入りする社員すらもシャットアウト。
 NAZEN全国会議、新橋アクション、全国統一実行委の3団体が中に入り、本田正人広報室課長にNAZEN杉並も含む4団体の申入書を手渡した。NAZEN織田事務局長が、@大間原発は絶対に事故を起こさないという見解なのか、A福島原発事故に対する責任があいまいにされている現状、およびBMOX使用済み核燃料の処理ができない状況について見解を求めたいと迫った。その回答は、@規制委の新基準に従う、A東電の問題だから関係ない、B使用済み核燃料の処理は国の仕事と、無責任きわまる内容だった。3・11で自分が大量にばらまいた「死の灰」を「無主物」と強弁して責任回避に汲々とする東電の卑劣な体質とまったく同一だ。
 外でのリレートーク、申し入れ報告をとおして電源開発への激しい弾劾の声が相次いだ。「原発をなくすために勇気を出してともに闘おう」と通行人と電源開発本社労働者に訴えるビラの受け取りは良好。回を重ねる度に怒りが累積し、「デモもやろう」との提起も出された。3・11福島行動を大成功させ、3月21日の第5弾対電源開発本社抗議行動を闘おう。

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週刊『前進』(2575号6面2)(2013/03/11 )

 星野闘争 全証拠開示せよ

 120人がデモで東京高裁包囲

 3月5日、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の呼びかけで今年第一波の東京高裁包囲デモが闘いとられた。全国から120人が結集。1〜2月に全国各地で取り組まれた学習会が、「星野文昭同志は無実だ」の確信を全体にみなぎらせている。
 警視庁公安刑事ら120人が全員マスクをつけ戦々恐々としている。これをものともせず、圧倒して闘いぬいた。
 デモ出発前、星野暁子さんが「70年安保・沖縄闘争の見せしめとして星野は無期攻撃をかけられた。しかし、星野は非転向を貫き、日々勝利してきた。それはみんなの希望だ。星野闘争は青年労働者の中に階級的団結をよみがえらせる闘いだ。本日の高裁包囲デモで東京高裁第12刑事部に証拠開示と真実に基づく審理を迫ろう」と宣言。全国救援会から岡山、徳島、新潟、千葉、東京東部が確信に満ちて発言した。福島からの3・11福島行動を呼びかけるメッセージが紹介された。
 続いて、全学連が「学習会で星野同志の無実をあらためて確信した。法大闘争、反原発、国鉄の闘いと一体で星野闘争を闘う」と決意表明した。さらに、全国労働組合交流センター、沖縄民権の会、動労千葉を支援する会、三里塚現闘から発言を受け、最後にシュプレヒコールをあげ、デモに出発した。
 日比谷公園霞門を出てすぐ、東京高裁と検察庁に向かって怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。「星野さんは無実だ! 獄中38年を許さないぞ」「東京高裁と検察は全証拠を開示しろ」「星野さんの再審を開始しろ」「星野さんと団結して闘うぞ」と、全学連の力強いコールが響き渡った。先導する太鼓の音が霞が関一体にとどろいた。

 再審開始求め署名提出行動

 デモ終了後、50人で東京高裁第12刑事部へ申し入れに行った。対応したのは訟廷管理官3人、不当にも部屋に入れる人数を20人に制限してきた。家族と全国救援会の人たちが、全証拠開示と再審開始を熱烈に要求した。120人がデモを闘ったことを告げると、「承知している」と応えるだけで、露骨に打撃感を吐露していた。10通の申入書を手渡した。同時に再審開始と全証拠開示を要求する署名8557筆、賛同719筆(うち弁護士256筆)を提出した。署名の数は累計で3万9317筆になった。
 全証拠開示大運動を爆発的に推進しよう。全国で圧倒的な署名運動を展開することだ。職場・学園で、地域の労働組合に署名を拡大しよう。2013年星野同志奪還へ全力で闘おう。
(写真 私服刑事どもの不当な弾圧を粉砕し「東京高裁と検察は隠し持った全証拠を開示しろ!」とシュプレヒコールを上げてデモ行進【3月5日 東京・霞が関】)

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週刊『前進』(2575号6面3)(2013/03/11 )

 【要項】 迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審 3・25最終弁論公判

 迎賓館・横田爆取弾圧裁判 差し戻し控訴審無罪へ
 3・25最終弁論公判に結集を
 3月25日(月)午前10時30分開廷/東京高裁429号

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週刊『前進』(2575号6面4)(2013/03/11 )

 反原発金曜行動 米仏から連帯参加

 “励まされました”と発言

 毎週金曜日、首相官邸・国会前行動が継続している。3月1日、金曜行動はいつもどおり午後6時から始まったが、途中から雨が降り出した。ずぶ濡れの人も目についたが、誰ひとり去らなかった。午後8時の終了時まで「原発なくせ」の発言と、「再稼働反対!」「子どもを守れ!」「安倍はやめろ!」の熱いコールが続いた。
 官邸・国会前行動は世界からも注目を集め、外国人も数多く参加している。
 この日の国会議事堂前行動では2人が発言に立った。アメリカ・アリゾナ州のナバホ族の青年は「地元のウラン鉱山で働いていた人たちがたくさんガンになりました。今、原発やウランの採掘を止めようと頑張っています。ここに来て、皆さんが福島原発事故を忘れないで頑張っている姿を見て励まされました。アリガトウ」。フランスからは、3人の子どもとともに来日した在仏日本人女性が「皆さんが頑張っていることをフランスに伝えます」と発言した。
 国際的団結ですべての原発をなくそう!
(写真 首相官邸前行動では「国民は必ず引きずり降ろす!」と安倍弾劾の発言も【3月1日】)

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週刊『前進』(2575号6面5)(2013/03/11 )

 ビデオ国賠 ニュース映像採用

 証拠ビデオ隠滅を追及

 3月5日、星野文昭同志のビデオ国賠第11回裁判が東京地裁民事第45部(石井浩裁判長)で開かれた。東京高裁包囲デモと署名提出行動を闘いぬいた全国の救う会や首都圏の労働者が傍聴席を埋めた。法廷に入れなかった人びとは廊下に陣取ってともに闘った。
 星野同志は、重要な証拠であるビデオテープを隠滅した東京地裁と警視庁公安部の責任を追及し弾劾するために、ビデオテープを「預けた」当時の裁判官と、「預かった」当時の警視庁公安総務課長などを証人申請している。今回は、被告の国(裁判所)と都(警視庁公安部)からそれに対する意見が出され、裁判長が証人棄却決定を下す可能性のある緊迫した法廷であった。
 星野同志の代理人弁護士は、2月8日に放映されたテレビニュースの映像を新たに証拠申請した。1971年11・14沖縄返還協定批准阻止闘争のニュース映像である。闘争当日、集会・デモを禁圧しようと、神山交番前で阻止線を張っていた機動隊を撃破して進撃する、星野同志率いるデモ隊が撮影されていた。
 これは隠滅されたビデオテープの映像の一部だ。弁護士は隠滅されたビデオテープの重要性を明らかにするために今回のニュース映像を証拠申請したのである。
 法廷を埋めた傍聴者の怒りと、藤田城治弁護士の迫力は、裁判長にニュース映像のDVDを証拠採用させるとともに、今回の裁判での証人棄却決定・早期結審の策動をうち砕いた。大勝利だ。
 焦りにかられた警視庁公安部は裁判所と結託し、十数人の公安刑事を法廷の廊下にまで侵入させ、傍聴者へのスパイ活動と威圧行動に出てきた。こんなことが許せるか! 怒りの弾劾行動で退散させた。
 次回期日は5月14日(火)午前11時、東京地裁527号法廷。傍聴闘争に決起しよう。

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週刊『前進』(2575号6面6)(2013/03/11 )

 『前進』読者への獲得こそ党建設に直結すると確信

 『革共同の機関紙活動』を読むB

 革共同は機関紙『前進』とともに歩んできた。『前進』は革共同そのものであるとともに、自分自身そのものだと強烈に感じました。この小冊子を読んだ感想です。
 書記長の基調提起で「今年(12年)の6〜7月に、10万、20万という反原発闘争の歴史的な大高揚がかちとられました。しかし一方で、われわれの機関紙活動がまだまだこれに追いついていないというギャップを突きつけられました。10万、20万の労働者階級の決起と、機関紙活動がいかに結びついていくのかということを見すえることが問われています」と確認されています。まったく同感です。
 この間の『前進』紙面の改善、向上は一段と進められてきていると実感しています。本当に労働者の立場に寄り添い、その思い、希望や怒りを語り、闘いの方向性を明確に示す新聞になってきていると思います。動労千葉の闘いは現場の躍動感あふれる攻防が伝えられ、鈴コンや郵政非正規ユニオンの闘いなどは非正規労働者の希望を伝えてくれています。ここ数週間の福島特集は、福島現地の激闘を手に取るように伝えています。
 この『前進』が拡大できないはずはない。そして『前進』の拡大は党建設と一体のものです。
 ここ数年『前進』を購読してきたある読者が、昨年末の総選挙の結果に怒りを爆発させ、党への結集を決意すると連絡してきました。直接の接点はあまりなかった読者です。つまり『前進』を読んでいるだけで入党したいという立場にまで意識を高めたのです。この例のように、読者に獲得することは党建設に直結することだと思います。
 地区党のあり方、とりわけ会議の中味が決定的であることは、A県委員会の報告でも明らかです。『前進』を基軸にした会議こそ、党員の『前進』に対する確信と自信、拡大の意欲を引き出すものです。
 ある同志が久しぶりに拡大オルグに挑戦しました。結果は拡大とはなりませんでしたが、大衆運動での継続的関係の再開をかちとりました。その同志の場合、『前進』をそれまでとは比べ物にならないほどに丁寧(ていねい)に読むようになっていました。そういう意欲をかきたてられるような会議にすること、それと地区党の具体的で計画的な方針が結合すれば拡大は必ず実現できると確信しました。
 まだまだ「壁」の前に挑戦できていない現実はあります。しかしその「壁」は自分でつくり出しているだけのものです。あらためて『前進』が示す時代認識と路線に確信をもち、そして党と自分自身に自信をもって挑戦したいと思います。
 「現場の労働者が『前進』をつくる」という提起もありました。これこそまさに『前進』を自分自身のものにしていく決定的要素であり、まさに10万、20万の、さらに6500万人の労働者階級全体の新聞に飛躍的に変革していく力です。
 これはレーニンが熱烈に訴えていた機関紙改革の核心でもありました。「以上に述べた改善を系統的に行うためには、あらゆる企業、あらゆる炭坑、あらゆる職場、あらゆる鉄道に、労働者寄稿家の網をつくり出す必要がある」「なによりもまず、第一に、まさに同紙の紙面の半分以上が工場や経営からの男女の労働者自身の手紙にあてられていた点にあった」などがその提起です。
 この間の大阪特集や福島特集などはそうした試みの具体的展開だと思います。また多くの読者が真っ先に「団結ひろば」から読み始めるという実態から考えても、この点に『前進』変革の核心があると思います。
 全党員、全読者が一体となって革命に向かっていける、そんな『前進』を発行し、大恐慌、大失業、戦争の時代を革命に転化しましょう。
 (九州地方委員会・MK)

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週刊『前進』(2575号6面7)(2013/03/11 )

 「新たな捜査手法」批判する

 盗聴の全面化司法取引導入 狙いは労働運動

 1月29日、法務省に設置された「法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会」は、「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想」を発表した。
 この特別部会は、再審無罪の続出や村木事件(障害者郵便制度悪用事件)の検察官による証拠改ざんなどに対する人民のごうごうたる弾劾を受け、「刑事司法のあり方を見直す」と称して設置された。当初は、取り調べの録音・録画(可視化)の推進などと言っていたが、実際には可視化と引き替えに新たな捜査手法という捜査権限の拡大を要求する議論が幅をきかせる場であった。
 発表された「基本構想」では、司法取引の導入の方向と、通信盗聴の拡大・簡易化と室内盗聴の導入という二つの方向を打ち出した。いずれも組織犯罪対策をねらいとするものである。
 司法取引では、いわゆる「自己負罪型」を排斥し、捜査協力型に限るものとして検討するとしている。自分の犯罪を申告するだけでは取引を許さず、他人を売り渡すことで初めて評価されて取引できるということである。他人をおとしめ売り渡すことを公然と慫慂(しょうよう=勧めて仕向けること)するというのは、露骨な組織つぶしの捜査手段であり、また、冤罪の温床になることが必至の制度である。
 通信盗聴は、1999年「犯罪捜査のための通信傍受法」が、大きな反対運動に迎え撃たれ、きわめて限定された形での成立を強いられた。対象犯罪は、薬物・銃器関連犯罪、集団密航、組織的殺人に限られて、通信事業所において、その管理者の立ち会いのもとで傍受しなければならない。そのため捜査側にとって使い勝手が悪いとして、傍受件数も少ないまま推移してきた。今回、このような限定を取り払い、全面的に使いやすく改めようとするのが今回の構想である。
 対象犯罪を拡大し、詐欺や窃盗にも無制限に広げようとしている。さらに、通信事業所で盗聴するのでなく、警察の施設にすべてを引き込んで、立ち会いもなくして盗聴することを認めようというのである。
 室内盗聴(会話傍受)は、住居内に盗聴器を設置して会話を盗聴する。例えば、@振り込め詐欺の拠点の事務所、A対立抗争時の暴力団事務所や幹部の使用車両、Bコントロールド・デリバリー(おとりの郵送)の配送物という三つの場面などが議論されている。そのような場面に限定すれば憲法上問題はないとして導入が検討されている。
 こうした捜査手法は、安倍政権で再度国会提出がねらわれている共謀罪や秘密保全法と一体のものとなる。
 大恐慌と大失業・戦争の情勢のもと、闘う労働運動の高揚を恐れる極右超反動の安倍政権は、労働運動を壊滅するための効果的な手段として、新たな捜査手法の本格的導入に踏み込んできているのである。それは、改憲攻撃の一環でもある。
 法制審特別部会は、6月までに実務メンバーによる個々の制度の具体化作業を行い、要綱案を年内に確定し、来年2月に公表、2014年通常国会に提出する予定で進めているのである。
 「新たな捜査手法」の導入を阻止する大きな闘いの渦を巻き起こさなければならない。

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週刊『前進』(2575号6面8)(2013/03/11 )

 警視庁公安の集会弾圧許すな

 は3・2国際婦人デー闘争時のJR阿佐ケ谷駅前。手に手にカメラを持ったマスク姿の警視庁私服刑事で埋まった。は3・5星野東京高裁包囲デモの出発点、日比谷公園霞門での光景だ。労働者・市民の集会・デモ参加に対する弾圧は絶対に許せない。怒りで粉砕しよう!

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