ZENSHIN 2013/03/04(No2574 p08)
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週刊『前進』(2574号1面1)(2013/03/04 )
3月決戦で雇い止め粉砕を
3・11反原発福島―3・14動労千葉集会―3・24三里塚闘争へ
インフレ・原発・改憲の安倍倒せ
独占的大資本や国家間の相互のつぶし合いと生き残りをかけた通商戦争、為替戦争、そして超金融緩和競争が激化している。2月22日に行われた日米首脳会談は、世界大恐慌の本格的激化のもとでの歴史的な大争闘戦時代への突入と、大恐慌の戦争への転化の情勢をまざまざと示した。この大情勢下で3月、労働者への激しい雇い止め攻撃が襲いかかっている。パナソニックやソニーなど大企業の「追い出し部屋」が雇用破壊を推進している。3月決戦の爆発で日帝政府・ブルジョアジーの大失業と戦争の攻撃と対決し、大量解雇、総非正規職化、インフレ、原発再稼働、改憲の安倍を絶対に打倒しよう。
階級情勢は一変している
「日米同盟は復活した」などという安倍の自画自賛は、会談が晩餐(ばんさん)会も共同記者会見もない惨たん(さんたん)たるものであったことの裏返しでしかない。そもそも「財政の崖」に追い詰められている米帝オバマも、実は安倍の相手をする余裕などなかった。今回の日米首脳会談の根底には、激しい日米争闘戦がある。
安倍が最大の焦点とした「TPP交渉への参加」は、「関税撤廃」をめぐり米帝との新たな通商戦争に突入することであり、普天間基地の県内移設や日米安保強化の合意は、対中対峙・対決を本質とする米新軍事戦略のもとで東アジアでの戦争危機の激化を意味する。そもそも脱落日帝の最大の破綻点こそ、日米安保同盟の矛盾と危機にあるのだ。
大恐慌と大争闘戦時代への突入は、一方で大失業と戦争を生み出す。その大失業攻撃はいま、早晩破裂することが不可避な「アベノミクス」のもとでの、資本による空前の「雇い止め」攻撃として激化している。3月決戦の階級的根底にあるものはこれとの闘いだ。
他方で大恐慌は全世界的な労働者階級の決起と反乱、革命的情勢をいよいよ成熟させる。日本の階級情勢も一変している。職場、地域、街頭のいたるところに、怒りと反乱の芽が満ちあふれている。3・11反原発福島行動、動労千葉の春闘スト、3・24三里塚闘争を柱とする3月決戦への総決起をかちとり、日韓米労働者の国際連帯と階級的労働運動を発展させ、安倍を打倒しよう。
動労千葉が3月春闘スト
動労千葉は3月1日、春闘第1波ストライキに立ち上がった。
千葉鉄道サービス(CTS)は、昨年10月1日の検修・構内業務外注化以降、36協定を締結していないのに労基法違反の超勤や休勤を強制してきた。動労千葉はこれに抗議し、労基署も違反を摘発した。するとCTSは、36協定を締結しないなら10・1外注化で新設した幕張運転車両所をつぶして元からあった幕張事業所に統合すると言い出した。狙いは労基法36条の過半数規定を使って、動労千葉から36協定締結権を奪うためだ。
技術も経験もないCTSは、JRからの出向者で業務を回す形で業務を受託した。そして幕張では、出向者を下請け会社の労働者から分断するためだけに運転車両所を別に作った。本来は直ちに36協定の協議に入らなくてはならないのに、これまでやってきたように労基法すら無視した不当・違法な事業所運営をやったのだ。10・1外注化の大破綻ということだ。動労千葉の闘いが、10・1外注化から5カ月にしてその破産を暴きだした。「事業所をつぶすならJRに戻せ」。3・1ストは組合員の腹の底からの怒りの決起だ。
外注化強行によって、労基署さえ「裁判の判例にもない取り扱いだ」と言うでたらめな年休抑制や偽装請負そのものの業務指示が横行している。これを放置したら尼崎事故のような大事故は避けられない。これに対して動労千葉は10・1外注化阻止決戦の地平を踏まえ、新たな反合・運転保安闘争論を確立し、安全問題と雇用問題を統一してJR体制打倒も鮮明に闘っている。
動労千葉は雇用破壊・大失業と戦争の危機に対決し、「3・16ダイ改阻止、外注化阻止・非正規職撤廃・1047名解雇撤回、13春闘勝利」を掲げ、3・14動労千葉総決起集会と第2波ストを構え、3月決戦の階級的基軸を打ち立てようとしている。
2・17労働者集会で強力に呼びかけられた「『解雇撤回・JR復帰』の高裁判決を求める署名運動」は、「首切り自由」を許さない大運動だ。全力で推進し、動労千葉鉄建公団訴訟での東京高裁・難波裁判長の結審策動を粉砕しよう。3月決戦から6・9大集会へ突き進もう。
3・11怒りの福島現地へ
「3・11」から2周年の福島大行動に総決起しよう。大恐慌下での日米首脳会談の全内容は、日米帝による原発政策維持と再稼働を狙うフクシマ圧殺攻撃としてあった。今も深刻な事態が続く福島原発事故の現実を直視し、これと徹底的に闘いぬく時だ。全世界が3・11に注目し、ともに行動を起こそうとしている。3・11反原発福島行動のブログに見られるようにドイツ、フランス、アメリカなど海外からの賛同も続々寄せられている。
だが、昨年の3・11郡山集会の呼びかけ人でありながら福島大副学長として全学連敵視政策を推進してきた清水修二は、「沖縄の基地とは違って原発は国から押し付けられたものではない。政府・東電の責任追及と県内原発廃炉を重ねない方がいい」「自民党とも一緒にやれる。政治運動にはしない」などと発言し、安倍と東電の手先になっている。
政府・東電の責任追及や政治運動の否定は、反原発闘争の非和解性からの逃亡だ。だから彼らは「大衆性」を言いながら、最も大衆的な団結体である労働組合を排除する。清水ら3・11福島行動に敵対する潮流の、混濁したイデオロギーに流れるものはこれだ。
しかし労働者人民の内部には、今や階級意識の大変動が起きている。それは反原発闘争の中でつかんだ、国家・政府に対する幻想との訣別であり、根本的な思想的レベルでの転換だ。そして今やこの階級意識の変化は、「ブラック企業」が横行し死亡原因の第1位が自死という青年労働者の現実と、総非正規職化攻撃で生きる希望を奪うブルジョアジーへの、限りない怒りとしても爆発している。
3月11日、原発即時廃炉・再稼働阻止へ、福島現地集会とデモに全国から大結集し、フクシマ圧殺攻撃をぶっ飛ばそう!
三里塚は農地死守の決戦
いよいよ三里塚農地死守の決戦が到来した。3・24全国集会に総決起しよう。
2・18の法廷証言で4時間にわたり不屈の意思を表明した市東孝雄さんと反対同盟、さらに全国の支援陣形に追い詰められた政府と成田空港会社は、2月20日早朝、機動隊と公安警察に守られた千葉地裁執行官を指し向け、市東さんの家と畑に無断で侵入し、「公示書」なる看板を設置した。成田空港会社の申し立てを受けた千葉地裁が、家と畑(100年近く耕作してきた!)の占有権を市東さんから取り上げた上で「使用を許す」というのだ。建物の中にまで立ち会いもなく入り込んで、トイレの中にまで看板を設置した。
成田空港会社はさらに、市東さんに東西両側から殺人的騒音を浴びせる第3誘導路の供用を3月7日に強行しようとしている。この「傲岸(ごうがん)不遜の態度」(反対同盟と顧問弁護団の弾劾声明)に対し、三里塚47年の怒りのすべてをたたきつけよう。
「札束と国家暴力」を振りかざした国策に実力で立ち向かい、不屈に闘い続けてきた三里塚闘争は、日帝の存立の根幹を揺るがしてきた。青年労働者・学生は、ここで闘いの思想を身につけた。日本の労働者人民は三里塚闘争で武装し、三里塚闘争とともに歩んできたのだ。3・7第3誘導路供用開始粉砕現地闘争から3・24全国集会へ、3・11福島闘争、動労千葉3月ストと一体の闘いとして、労農同盟の真価をかけて総決起しよう。農地強奪粉砕へ3・27行訴・農地法裁判の最終弁論闘争に決起しよう。
さらに焦りにかられた日帝・国家権力の星野再審・全証拠開示大運動への破壊攻撃、革共同の非合法・非公然体制解体の攻撃を粉砕し、星野闘争の前進をかちとろう。
最後に革共同は、2013年決戦勝利のための特別カンパを訴えます。ともに3月決戦に立ち上がり安倍を打倒しよう。
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週刊『前進』(2574号1面2)(2013/03/04 )
2・24大阪 “労組を再生し橋下打倒へ”
720人が御堂筋をデモ
2月24日、大阪市役所隣の中之島公園・女神像前で全国から720人の労働者・学生・市民が集まり、橋下打倒集会を開催した。
集会に続く御堂筋デモ(写真)は圧倒的注目を集め、中には民営化攻撃と闘う労働者が一生懸命手を振る姿もあった。
実行委員会が呼びかけたこの闘いを軸に、橋下徹大阪市長による大阪市丸ごとの民営化と解雇=10割非正規化攻撃に対する労働組合の決定的な反撃が始まった!
午後1時、処分撤回闘争を闘う豊中市職・深町加代子さんの司会で集会が始まった。冒頭、全日建運輸連帯労組・関生支部の武谷新吾執行委員が「橋下による攻撃は大阪だけの攻撃ではない。大交などによる合理化受け入れでだまされているが、今ここでこそ反対の陣形をつくりたい」とアピール。続いて全国金属機械労組港合同の中村吉政副委員長が「大きく闘いは広がっている。地域での懲戒処分反対の闘いも大きな反響を呼んでいる。橋下による働く権利と人権破壊に対して、その矛盾を突いて闘おう」と力強くあいさつした。
動労千葉の滝口誠特別執行委員は「本日をもって外注化阻止の第2ラウンドへの突入です。市労連幹部や連合幹部を打倒しなければ、労働者はもはや生きられない。戦闘的階級的闘いをこの13春闘の中につくろう」と3月決戦を訴えた。
続いて動労西日本の青年部3人が登壇。「外注会社になって事故が多発している。労働者を使い捨てするJR西日本のあり方を変えていくために、2人の青年労働者がストライキを決行します!」と宣言し、満場の拍手に包まれた。日教組奈良市の増田順計書記次長は「ひとりの首切りも許さない闘いとして講師解雇撤回闘争をやり抜いた。資本の攻撃を打ち破る団結をつくり、その闘いが見えたとき、労働者は結集してくる。殺人的労働に対してはストライキしかない」と訴えた。
基調報告を八尾北医療センター労組委員長の藤木好枝さんが行った。「この橋下打倒の闘いが柱となって、民営化攻撃の激突点から地殻変動ともいうべき闘いが始まっている。闘わない組合幹部の制動を突き破る決起が始まっている。民営化・外注化に対して絶対反対を貫く労働組合を登場させたとき、橋下の攻撃は必ず打ち破ることができる。国鉄の闘いは、困難だが矛盾だらけの現実に不屈に立ち向かい続けるなら、敵の弱点・破綻点をつかみ展望を切り開けることを示している。八尾北の勝利が示すとおり、闘う拠点があれば必ず労働者・住民はそこに結集してくる。安倍・橋下打倒の闘いを、生きることさえままならない青年の未来を奪い返す決戦として闘おう」
続いて、大阪で処分撤回闘争を闘う大阪市職・大阪市教組の労働者が発言した(3面参照)。
カンパアピールの後、次々と発言が続いた。「これまでとまったく違う現業廃止攻撃との闘い。労働組合が闘わなかったらあっという間にすべてを奪い去られる。労働組合が絶対反対で闘うのか、闘うふりをするだけなのかですべてが決まる」「退職金の大幅削減、賃金カットの攻撃に対して、本気で公務員労働者がストライキで闘う時が来た」「労働組合の復権をかけ、橋下打倒を突破口に全力で闘おう」「職場・キャンパスでの闘いを軸に反原発を闘おう」「フクシマの怒りと結びつき、3・11反原発福島行動を大成功させよう」。3月大闘争で安倍・橋下を打倒する気概が満ちた発言だった。
連合や自治労本部、日教組本部はもはや現場に渦巻く怒りを抑え込めない。8月自治労大会(大阪市)に向かって激突は不可避だ。闘う労働組合をつくりだし、闘いの火柱を打ち立てたとき、現場労働者の決起は堰(せき)を切って始まる。2・24はその決定的な出発点となった。3月大闘争の爆発へ攻め上ろう!
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週刊『前進』(2574号1面3)(2013/03/04 )
JRに戻せ!動労千葉が第1波スト
動労千葉は千葉鉄道サービス(CTS)の相次ぐ違法行為、外注化からわずか5カ月の事業所閉鎖―統合に抗議し春闘第1波ストに立つ。「違法企業JRを許さないぞ!事業所をつぶすなら直ちにJRに戻せ!CTS社長・後藤は出てこい!」。早朝から多数の組合員と支援が結集し、激しい怒りをJRとCTSにたたきつけた(3月1日 幕張車両センター前)=関連記事2面
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週刊『前進』(2574号1面4)(2013/03/04 )
前進速報版から
▼迎賓館・横田差戻し控訴審無罪へ!福嶋再審勝利!2・23総決起集会▼NAZENにいがた1周年集会▼鈴コンを迎え広島春闘集会
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週刊『前進』(2574号1面6)(2013/03/04 )
《要項》3・11反原発福島行動'13、3・24三里塚全国総決起集会
第3誘導路粉砕・市東さんの農地を守ろう!
3・24三里塚全国総決起集会
3月24日(日)正午 成田市天神峰 反対同盟員所有畑
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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第3誘導路供用開始粉砕!
3・7三里塚緊急現地闘争
3月7日(木)午後1時30分
市東さん宅南側開拓組合道路集合
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再稼働阻止! 未来のために立ち上がろう!
3・11反原発福島行動'13
3月11日(月)正午開場
福島県教育会館大ホール(福島市上浜町10-38)
JR福島駅東口バス2番のりば「競馬場方面」行き「豊田町」下車徒歩5分
または3番のりば「東堀河町」行き「上浜町」下車徒歩2分
1時30分集会/3時15分デモ出発(→県庁→福島駅)
12時30分プレイベント/午後1時コンサート
主催/3・11反原発福島行動実行委員会
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週刊『前進』(2574号2面1)(2013/03/04 )
ダイ改迎え撃つスト配置
動労千葉定期委 “出向者をJRに戻せ”
13春闘の決戦方針を確立
動労千葉は第68回定期委員会を2月24日、千葉市のDC会館で開催し、以下のように13春闘方針を決定した。
第一に、千葉鉄道サービス(CTS)の幕張運転車両所閉鎖に対して3月1日に春闘第1波ストライキに立ち上がること、第二に、3・16ダイヤ改定時の久留里線ワンマン化絶対反対で闘うこと、第三に、春闘山場を3月13〜16日に設定し賃金要求も含めてストを配置して解決を図ることなどだ。あわせて3月14日に動労千葉総決起集会(午後6時、千葉市民会館地下ホール)を開催することも決めた。
(写真 討論では火の出るような怒りの発言が続いた。発言者は木更津支部の山中支部長【2月24日 千葉市】)
業務受託の資格もない違法企業
田中康宏委員長は冒頭あいさつで、この間の幾度もの職場討議と意思統一を踏まえて実践的に春闘の課題を提起した。
田中委員長は「先週、事態が一気に動きだした」と切り出し、CTSの業務運営について怒りを込めて報告した。
36協定(労基法36条に基づく労働時間延長に必要な協定)未締結のまま超過勤務、休日勤務を指示してきたCTSに対し、21日に千葉労働基準監督署が査察に入って違法行為を摘発した。するとCTSは、年休時季変更権を乱用して年休抑制を強行するとともに、強制出向させられた構内運転士などが属するCTS幕張運転車両所をつぶし、清掃労働者が所属する幕張事業所と統合すると言い出したのだ。事業所での動労千葉組合員の比率を下げるためだ。田中委員長は「組合に抗議され、労基署に違法行為を摘発されたら職場ごとつぶすなんて聞いたことがない。CTSには業務を受託する資格などない。幕張運転車両所をつぶすなら組合員をJRに戻せ」と声を強めた。
そして田中委員長は、(1)主要業務からの組合員排除、検査派出への相次ぐ強制配転とその職場丸ごとの外注化など13年間の外注化攻撃のすべてが不当労働行為だったこと、(2)外注化による根底からの安全破壊、(3)スト対策のために業務単位ではなく一つひとつの作業を日々発注するやり方は偽装請負そのものであり労働者の団結権、スト権を奪うものであること――の3点を挙げ「これらを徹底追及し外注化そのものを粉砕する第2ラウンドの闘いに具体的に突入する」と述べた。
また、新たな「雇用破壊元年」とも言える情勢下での13春闘の重要性を指摘し、とりわけ貨物会社での賃金抑制打破の闘いを強調した。
経過報告を繁沢敬一副委員長が、とりまく情勢を川崎昌浩執行委員が、方針を長田敏之書記長が提起した。長田書記長は3・1ストを始めとする春闘方針と同時に、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審勝利に向けた「解雇撤回・JR復帰の高裁要求署名」を軸に国鉄闘争全国運動を発展させようと強く訴えた。そして「これらの闘いを通してなんとしても組織拡大を実現しよう」と呼びかけた。
新たな反合理化・運転保安闘争へ
現場から火の出るような怒りの発言が続いた。
幕張支部の山田護支部長は「CTSによる36協定違反、幕張運転車両所閉鎖に組合員は本当に怒っている。当局は『出向の発令を、幕張運転車両所から幕張事業所に一括して読み替える』なんて言っているが、こんなことが認められるわけがない。法的にも問題にすべきだ」と発言した。車両技術分科会からは、CTSが対応できなくてJRに委託業務を戻して対応した例や、人手が足りなくてCTSの作業責任者が突然、作業者になるなど、偽装請負の生々しい実態が暴露された。
木更津支部の山中茂男支部長は3・16ダイ改時の久留里線ワンマン化に反対する支部の取り組みを報告、千葉機関区支部は貨物会社の賃金抑制に強い怒りを表明し「定昇に手をつけてきたらストで闘うべきだ」と意見を述べた。
総括答弁で田中委員長は「とりわけ安全破壊の問題は国土交通省への問題提起も含めて社会問題化する。一番厳格であるべき運転士への通告も単なる『情報連絡』と言い換えた。JR東日本運輸車両部が作った資料では『情報の提供とは仮にその情報がなくても(情報に従わなくても)、受託会社独自で契約業務を行うことができるような内容をあえて伝えることである』と書いている。JRとCTSがやっていることはめちゃくちゃすぎる。違法・不当な業務指示に対して現場から具体的な闘いを起こして違法性を突き出す。それを裁判の場にも持ち込む。ここを突破口に新しい時代の反合・運転保安闘争をつくろう」と訴えた。
現場の怒りに火が付き外注化阻止決戦の第2ラウンドがうなりを上げて始まった――そう実感させる力の入った定期委員会となった。
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週刊『前進』(2574号2面2)(2013/03/04 )
動労水戸損賠訴訟 会社のペテン暴く
第1波スト貫き傍聴闘争
動労水戸不当労働行為粉砕裁判の第6回口頭弁論が2月15日、水戸地裁民事第1部(脇博人裁判長)で開かれた。運転士登用差別事件での最高裁判決の完全履行、昇進差別による損害の賠償をJR東日本に求めた裁判だ。
組合員は2013年第1波ストに決起して傍聴に結集した。家族や支援も多数駆けつけた。
原告代理人の松田生朗弁護士が、提出した二つの準備書面の趣旨について述べた。
まず、87年の国鉄分割・民営化を前後する過程以降、一貫して動労水戸を嫌悪、敵視してきた国鉄当局―JR資本の姿勢をあらためて暴露、批判した。この26年間のあらんかぎりの不当労働行為を明らかにした重厚な内容だ。
さらに「最高裁判決が命じた差額賃金はすでに支払い済みだ」という被告・JR東日本の主張のペテン性を暴くために、前回提出した運転士の高野安雄副委員長のデータに加え、国分勝之副委員長が作成した運転士の勤務形態を丁寧に解説した書面も出した。どの運転士も乗務行路をローテーションで勤務するため、まんべんなく同じ確率で超過勤務・深夜勤務が発生する。会社は「検修職場での原告の勤務実績にもとづいて割増賃金を支払ったので最高裁判決は履行済みだ」と主張しているが運転士の勤務実態はそれとは根本的に異なる。当然にも会社はそれを知り尽くしており、会社側の主張はまさにトリック以外のなにものでもないことが暴かれた。
原告は再度、水戸支社の運転職場における割増賃金の平均値の開示を求めたが、被告はのらりくらりと拒否しデータを隠し続けた。
主任職はほぼ100%が東労組
さらに、動労水戸組合員への露骨な昇進差別について石井真一委員長が
発言した。水戸支社の四つの構内職場(水戸、勝田、土浦、大子)で働く全労働者の所属組合と、主任職・指導職・係職の比率を分析した数字を挙げ「四つの職場の主任職は100%近くが東労組の組合員だ」と、あからさまな組合差別の実態を証言した。まさに動かぬ証拠だ。
今回提出した書面は、いずれも当該組合員との議論を何度も重ね、代理人弁護士の奮闘を経て作成された決定打となる重要なものだ。もはや会社側は、すべての言い逃れを粉砕されていながら、破綻しきった従来の主張を繰り返しているにすぎない。
総括集会で石井委員長は「今日は会社を相当追いつめた。この裁判は、国鉄分割・民営化そのものと、それ以降のJRの26年間をわれわれの側が裁く闘いだ」と述べた。最後に木村郁夫書記長が13春闘を始めとする当面の方針を提起し、意気高くこの日の闘いを終えた。
次回の口頭弁論は4月19日、水戸地裁。
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週刊『前進』(2574号2面3)(2013/03/04 )
動労千葉鉄建公団訴訟 “真実を握りつぶすのか”
次回結審を叫ぶ高裁に怒り
国鉄1047名解雇撤回と強制出向無効確認を求める二つの訴訟が2月27日、それぞれ東京高裁、東京地裁で開かれた。動労総連合の組合員と多数の支援が駆けつけ傍聴席を倍する大結集となった。「1047名解雇撤回!」「外注化阻止・非正規職撤廃!」の怒りのコールが霞が関一帯を席巻した。
(写真 動労総連合の組合員と支援は、裁判に先立って裁判所前で集会を開催。東京高裁に向かい怒りのシュプレヒコールをたたきつけた【2月27日 霞が関】)
葛西を尋問し 復帰認めろ
午後2時半から動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の第2回口頭弁論が東京高裁第12民事部(難波孝一裁判長)で開かれた。
原告側はまず、被告の鉄道運輸機構が提出した控訴理由書に全面的な反論を加えた。そして、JR採用候補者名簿への不記載基準策定が明確な不当労働行為であり、それを指示したのが葛西敬之国鉄職員局次長(現JR東海会長)であることが一審で認定されたことを踏まえ、原状回復として名簿に記載されていた状態に戻すこと、すなわちJR職員としての原告の地位を確認することを真っ向から求めた。
被告代理人は、秋田闘争団・小玉忠憲さんの鉄道運輸機構訴訟で昨年10月11日に出された控訴審判決(設楽判決)を引き合いに出し「一審判決には理由がない」と弱々しく反論した。
ここで難波裁判長は、「論点は出つくしている。もういいでしょう」と述べ、あろうことか次回での審理終結を予告した。「ふざけるな!」「真実を握りつぶすのか!」。傍聴席から激しい抗議の声が上がった。
原告代理人は葛西らの証人採用をあらためて強く求め、今後、設楽判決への全面的な反論を行うことを宣言して裁判を終えた。次回は5月8日(水)午後2時30分から東京高裁824号法廷。
総括集会では難波裁判長の訴訟指揮に対する怒りが沸騰した。代理人の葉山岳夫弁護士は「不採用基準策定過程の真実を明らかにするためには葛西の証人採用が絶対に必要だ」と発言した。
10万人署名の旋風起こそう
動労千葉争議団の高石正博さんは「裁判長は最初から、もう審理してもしょうがないという態度だ」と怒りを表明し、同じく中村仁さんも「5月8日の裁判は山場だ。大きなうねりをつくり裁判所を追い詰めよう」と発言した。外注化阻止闘争の第2ラウンド突入と一体で、1047名闘争も一挙に決戦に入った。国鉄闘争全国運動が呼びかける10万人署名運動の大旋風を巻き起こそう。
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週刊『前進』(2574号2面4)(2013/03/04 )
強制出向無効確認訴訟 JRの横暴許せない
長田書記長 陳述に立つ
強制出向無効確認訴訟の第1回口頭弁論が午後1時15分から東京地裁民事11部(白石哲裁判長)で開かれた。JR東日本が昨年10月1日に強行した検修・構内業務外注化で下請け会社に強制出向させられた動労総連合の組合員53人が出向の無効確認を求めた裁判だ。
代理人の石田亮弁護士は冒頭、千葉鉄道サービス(CTS)幕張運転車両所での労基法36条違反など違法行為の数々を暴露し「こんな会社に強制出向させたJR東日本に原告は強い憤りを感じている」と発言した。
原告を代表して長田敏之動労千葉書記長が陳述を行った。長田書記長は、今回の出向が同意なき強制出向であり、出向4要件(経営状態の悪化、人事交流、技術指導、技術移転)にも当たらないこと、さらに戻る職場がない出向は違法であり、外注化で安全が破壊されていることなどを明らかにし直ちにJRに戻すよう求めた。最後に「私たちがこの訴訟を起こした思いはJRの横暴を絶対に許せなかったからだ」と声を強めた。
被告JR東日本の代理人は「就業規則に基づく正当な出向だ」と居直るとともに、「36協定の問題などが指摘されていたが、本件JR東日本の事件とどういう関係にあるのか」と横柄に言い放った。傍聴席から「違法企業に出向させているのはお前らじゃないか!」と激しい弾劾の声がたたきつけられた。
次回は5月8日(水)午後1時5分から東京地裁527号法廷。
裁判終了後の総括集会で、代理人の森川文人弁護士は「外注化自体を争う画期的な裁判が始まった。被告代理人が言っているのは”CTSがどんな違法行為をやっていようがJR東日本は関係ない”ということ。これが外注化の正体だ」と被告の姿勢を鋭く批判した。
動労水戸の石井真一委員長は「今日の裁判は、冒頭から36協定問題で敵の弱点を突き、大きな勝利を切り開いた。外注化は絶対にひっくり返せる」と述べ、動労千葉の田中康宏委員長は「動労千葉は3・1ストから外注化粉砕の第2ラウンドの闘いに入る。職場からの闘い、全国の仲間の決起、そして裁判闘争をひとつの力にして絶対に勝利しよう」と発言した。
”国鉄とJRは関係ない、JRとCTSは関係ない”と言いなし、一切の雇用責任を放棄し、労基法さえ踏みにじる下請け会社に労働者を突き落とす。これこそが民営化、外注化の本質だ。この日の二つの裁判は、1047名闘争と外注化阻止闘争が不可分一体であり、社会に渦巻くあらゆる怒りを結集する可能性を秘めた闘いであることを鮮明に示した。次回5月8日も同日裁判になった。大結集でJRと裁判所を包囲しよう。
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週刊『前進』(2574号2面5)(2013/03/04 )
久留里線ワンマン化反対
安全破壊する大合理化 地方切り捨て経費削減
運転士1人では安全は守れない
動労千葉は13春闘の重要課題として、久留里線ワンマン運転導入反対を掲げて闘っている。
久留里線(木更津〜上総亀山)は地域住民の生活に密着した路線で、年輩者や子ども、学生の利用も多い。JR東日本の相次ぐ要員削減により、駅員が配置されているのは木更津駅、横田駅、久留里駅だけで、その他の11駅は無人駅だ。昨年3月以降、終点の上総亀山駅さえ無人化された。しかも、ホームと車両に最大37センチもの段差があり、今でさえ客の乗り降りには運転士・車掌とも神経をすり減らしているのが現実だ。
JR東日本千葉支社は1月17日、2両編成の列車も含めて久留里線34本中、24本をワンマン化すると提案し、これに伴い木更津運輸区で7人の車掌を削減するとした。
木更津支部は2月に入り「運転士1人では安全は守れない!」と題したビラを作り、沿線の自治体、学校・幼稚園などを回って問題点を訴えた。ある自治体では「駅長から説明があったが昼間だけ実施すると聞いていた。朝晩の通勤時間帯も行うのか」とJRの説明がでたらめだったことに怒りの声が上がった。学校でも「この段差はひどい。この段差のために学生が靴をよく落としている」との声が寄せられ、他にも「公民館にビラを張ってもらう」「久留里線問題で活動している団体にも知らせる」など共感が広がっている。
ワンマン運転導入は、車掌を削減する大合理化であり、安全運行、ドアの開閉、運賃の収受や乗り越し精算など負担のすべてを運転士1人に押しつける労働強化そのものだ。ワンマン化されると、運転士がホームに設置されたミラーで乗降を確認しなければいけない。
2・24動労千葉定期委員会で、久留里線担当の運転士である木更津支部の山中支部長は「ワンマン化の訓練で実際にハンドルを握って分かったが、雨の時や夜はまったく人影さえ見えない。運転士にはすごいプレッシャーがかかる。また、実際にホームと車両の段差に幼稚園児がすっぽり入ってしまった例もある」と発言した。
また、久留里線では12月に新型車両が導入され、自動列車停止装置ATS−P型も導入されたばかりだ。その訓練さえ十分に実施されていない。駅にも人はいない。このまま一気に24本もの列車をワンマン化することなどとうてい無理な話だ。山中支部長は「今、ワンマン化したら事故が起きるのは目に見えている」と警鐘を鳴らし、3・16ダイ改時のワンマン化に絶対反対で闘う決意を示した。
(写真 日刊動労千葉から転載)
「経営構想X」の正体があらわに
ワンマン化の目的は何よりも人件費の削減にある。JRで本格的にワンマン運転が導入され始めたのは国鉄分割・民営化から1年後の1988年3月からだ。JR旅客各社は、都市部のもうかる路線では、安全を度外視した超過密ダイヤ設定と無謀なスピードアップを図り、他方、不採算路線では運行本数削減やワンマン化、バスへの転換などの地方切り捨てを進めてきた。
昨年公表されたJR東日本の「経営構想X」は、山手線23駅のホームドア設置を前倒しで進めることを明記しているが、これはさらに徹底した駅員削減と無人化、そしてワンマン運転化につながるものだ。長野支社の長野―塩尻間の普通列車17本も、3・16ダイ改時にワンマン化しようとしている。
ローカル線では当たり前のようにワンマン運転が拡大されてきたが、運転士の必死の努力でかろうじて安全が保たれている状態が当たり前であっていいはずがない。反合・運転保安の視点からワンマン運転導入に反対する動労千葉の闘いは、国鉄分割・民営化の本質、「経営構想X」の正体をあらためて全社会に突き出している。
動労千葉とともに、久留里線ワンマン化反対、3・16ダイ改合理化粉砕で闘おう。
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週刊『前進』(2574号2面6)(2013/03/04 )
中国で非正規職がスト
北京のGM系自動車部品工場
賃上げと正社員化かちとる
米系資本の自動車部品企業であるデルファイの北京の工場で、非正規労働者約400人が長期間の非正規雇用や低賃金、休暇、保険などをめぐって2月4日からストライキに突入した(写真)。4日間にわたるストの末、一律賃上げ、派遣労働者の正社員化などを認めさせた。中国の労働運動史上画期的な勝利だ。
デルファイは、米ゼネラルモーターズから分社した自動車部品生産の企業で、全世界で上位500社に入るといわれる大企業である。デルファイ北京工場には約500人の労働者がいるが、その95%が非正規労働者で、生産現場にいる労働者のほとんどが派遣労働者だという。「私はこの工場で10年以上働き、仲間の多くも8年、9年である。なのにずっと派遣労働者だ。工場と正式な労働契約を結びたい。この要求を不当だと思いますか?」と、労働者の1人は語っている。
今回の大ストライキに火をつけたのは、従来参加できていた会社の年末会から、今年は非正規労働者を排除したことであった。労働者はここで、ささやかな年末の報奨金を受け取ることを期待していたのだ。
会社はストライキに追いつめられ、労働者の要求ほぼすべてを認めた。@一律月給500元(約7000円)の賃上げ、A3年以上勤務した派遣労働者で望む者は労働契約を結んで正社員とする、Bすべての労働者の医療保険を会社負担で保障する、C休暇などの比較的小さな問題の解決――という中身であり、労働者の大勝利となった。
中国における労働争議は増加の一途をたどっており、特に非正規雇用問題は資本と体制を揺るがす大問題となりつつある。この中で中国スターリン主義は、昨年12月28日の第11回全人代常務委員会第30回会議で、「労働合同法」(労働契約法)を改め(今年7月1日より施行)、派遣制度への規制を厳しくし、また派遣労働者と正規職は「同一労働同一賃金」とすることを明記した。
こうした法がどこまで労働現場で現実となるかは大いに疑問もあるが、法改定を余儀なくされた背景には、非正規労働者の闘いの爆発が間違いなくある。
また同時に中国スターリン主義は、工会(中国の体制内労働組合)改革を掲げ、昨年広東省「経済特区」深せん市の163の企業で中国初の工会の自由選挙を行った。
これらの改革は、労働者の闘いに追いつめられた政府と資本が、闘いを体制内的に囲い込もうとする狙いが確かにある。だが、労働者はこうした策動を打ち破り、”闘えば勝てる”という確信をますます深め、デルファイの労働者のような激しい決起が続々と生み出されているのである。
「外注化阻止・非正規職撤廃」の闘いは、中国の労働者階級の闘いと団結していく道である。断固として外注化阻止の第2ラウンドの闘いに決起しよう!
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週刊『前進』(2574号3面1)(2013/03/04 )
民営化粉砕・橋下打倒へ 2・24大阪集会の特別報告
2・24橋下打倒集会(記事1面)は、民営化による首切りと労組破壊を進める橋下への怒りと決意あふれる発言が続きました。その中から大阪市職と大阪市教組の2人の労働者の特別報告を紹介します。(編集局)
ストライキで闘おう 「入れ墨」処分撤回を闘う 大阪市職労働者
橋下は交通局を民営化後、「本社」「運輸」「メンテナンス」「関連事業」「事務」の別々の会社に振り分けると言っています。これは現場労働者をバラバラにして労働組合を破壊するためです。バスも路線ごとにバラバラにする。「下水道経営形態変更」では、職場は同じなのに現場が「職員」と「新組織社員」に分けられます。建設局当局は「偽装請負に当たらないようにする」と言っている。偽装請負の回避は「職員」と「新組織社員」との間で日常的な会話すらさせないことでしか成り立ちません。
橋下は「自腹」などの「ミス」や、ささいな事故さえも現場の責任にし始めた。これが民営化ということです。地下鉄・バスやごみ収集車両が事故をひん発させ、保育所では子どもが死に、下水道があふれても、「自分に事故の責任はない」と免れるのだ。「たばこ一本」「数回のマイカー通勤」で停職などの重処分はその始まりです。
すべてを当局の責任として明らかにし、処分撤回を闘うのが労働組合の役割ではないですか。ストライキをやるだけの怒りと団結が職場にはあるんです。現場が出向・転籍拒否で団結すれば勝てる。ストライキという柱をぶっ立てればいくらでも戦術はあるはずです。
組合本部はユース部の三役候補もそろえられなくなっている。闘わない組合本部の下では団結は組織できないし、本部は現場から見向きもされません。こうした中で、入れ墨調査を拒否し、処分攻撃と闘っていることの意義がますます鮮明になってきました。
当初「逆らうなら解雇」と言わんばかりだった市長の迫力はもうありません。市労連委員長は最敬礼して握手を求めましたが、「職員アンケート」「入れ墨調査」とことあるごとに現場からは反撃がたたきつけられ、現場の怒りが橋下との力関係を変えてきたんです。現場には怒りも団結もある。足りないのは闘う執行部と方針だけです。
バス労働者の賃金が「高すぎる」と言われている。しかし賃金カットによって40代で基本給が20万円です。これは青年の未来を奪う攻撃です。こんなものは徹底的にたたきつぶし、労働者の未来を切り開こう。
(写真 橋下打倒の決意あふれ大阪市役所【演壇後方】の直近で総決起集会)
絶対反対貫く組合を 「君が代」不起立処分撤回を闘う 大阪市教組労働者
私は昨年の卒業式に教育の民営化・首切り攻撃への反撃として不起立を貫き、この1年間、処分撤回の人事委員会闘争を結集軸にしながら、大阪市教組をつくりかえる闘いに本格的に取り組んできました。
この中で私は多くのことを学びました。不起立に最も反対した職場の仲間が橋下の教育破壊に怒り、教育の民営化との闘いを最も切実に求めていることも分かりました。たった一人からでも絶対反対で闘えば、職場の仲間との真の団結をつくれることに確信を持つことができました。
教育現場のすべての職種に民営化・非公務員化攻撃がかけられています。「大阪市教育振興基本計画」は、学校に会社と同じ「経営マネジメント」なる理念を持ち込み、子ども・学校・教育労働者を数値目標でしばり、競争にさらし、金もうけのために教育を切り売りするものです。首長の権限を強化し、成果が上がらなかったり問題が起きた学校は、校長以下全職員の総入れ替え・処分・免職をする。これこそ橋下がやろうとしていることです。
また、退職金大幅カットは民営化の一大突破口です。教員の駆け込み退職を非難した下村文部科学大臣こそは、教育の民営化の根っからの信奉者であり、現場ではこんな都合のいい聖職者論の押し付けに対して「教師も労働者だ!」という怒りはすさまじい。賃下げや処分・解雇のやり方が民営化そのものであり、こんな攻撃を絶対に許すことはできません。
これらの攻撃に対して市教組本部や連合は「今は闘っても無駄。おとなしくしていた方が得」とばかりに何ひとつ闘う方針を出さない。おとなしくしていて守れるものなどありはしない。組合員はそんな幻想は持っていないし、闘いの方針を求めています。
橋下の弱点は労働者の反撃です。労働者の絶対反対の闘いを一番恐れています。私は不起立闘争の中でそのことを確信しました。教育の民営化に絶対反対で闘う労働組合の登場が今ほど求められている時はありません。
職場であらゆる団結破壊と闘うことで、逆に労働者の団結は強まると思います。連合支配をぶっ飛ばして闘う労働組合をよみがえらせましょう。
(写真 集会後、大阪市の労働者を先頭に力強く御堂筋デモ)
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週刊『前進』(2574号3面2)(2013/03/04 )
大争闘戦下の日米首脳会談
日帝がTPP交渉参加へ 安保強化で対中対決狙う
争闘戦とブロック化が進行
安倍が訪米し2月22日に日米首脳会談が行われた。この会談は、オバマの冷淡でビジネスライクな対応が象徴するように、大恐慌のもとで米日帝国主義が激しい争闘戦を行いながら、世界を戦争に引きずり込みつつあることを示した。
日米が確認した主な項目は次のとおりである。
(1)TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加に関し、「すべての関税を撤廃することが前提ではない」と確認する共同声明を発表。
(2)米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を含む米軍再編計画を、日米合意に基づいて着実に進めることを再確認。
(3)核実験を強行した北朝鮮に対し、追加制裁を含む国連安保理決議をめざす方針で合意。
(4)北朝鮮の弾道ミサイルへの対処として米軍の移動式早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」を日本国内に追加配備することで合意。
(5)釣魚台(尖閣諸島)に関し、日米両国の連携した対応と、アメリカの日本防衛義務を定めた日米安保条約第5条の適用について、ケリー国務長官が「揺るぎない立場」を表明。
(6)安倍が「30年代に原発稼働ゼロ」とした野田政権の方針を撤回することを米側に伝達。
以上のとおり、経済、軍事・外交、原発などの各政策について、実に反動的な内容で日米が合意したのである。
まず何よりも安倍政権はいよいよTPP交渉参加に大きく踏み出した。
生活・生業破壊のTPP参加
もともと米帝は「すべての関税撤廃」を交渉参加の条件として無条件に求めてはいない。それをさもアメリカが要求しているように見せかけ、安倍が訪米して「譲歩」をかちとったように演出した。これは日本国内の強い反対で阻まれていたTPP交渉への日本の参加を前に進めるための日米合作の芝居である。この共同声明を日本経団連の米倉弘昌会長は、「非常に良かった。ぜひとも政治の強いリーダーシップを発揮して、一刻も早くTPP交渉に参加してほしい」と大歓迎した。
TPPは没落にあえぐ米帝のむき出しの争闘戦政策の展開であり、排他的な勢力圏をアジア・太平洋地域に築くためのブロック化政策でもある。これに対して日帝は、自己の延命をかけてTPP参加に突き進むしかない。それがどんなに破滅的でも、農業や医療を壊滅させても、米帝との関係をぎりぎりのところで維持し、延命を図る以外にないのである。トヨタを始め日本の自動車資本は、弱体化している米自動車産業をにらみながら、米市場でも勝てるという絶望的な踏み込みによってTPP参加に進もうとしている。
だが、日帝のTPP参加は、圧倒的な労働者・農民・人民の犠牲の上に、一握りの独占的大資本が延命しようとする新自由主義の極致であり、クーデター的な暴挙である。もしもTPP参加によって多くの関税や法的規制が撤廃され、資本の「自由」化が進められれば、農業のみならず工業、医療、サービス、金融、保険など全産業分野が他国との激しい競争にさらされる。それによって農業・農民は壊滅的な打撃をこうむり、労働者の賃金はさらに下げられ、一層の雇用破壊、非正規職化、失業者増大などを引き起こすことは明らかである。絶対に阻止しなければならない。
中国・北朝鮮への戦争政策
同時に米帝のTPP政策は、「新軍事戦略」と一体である。米帝は残存スターリン主義・中国をかつてのソ連のように追い詰め崩壊させることを大戦略にして中国と北朝鮮への対峙・対決政策を展開している。それが「新軍事戦略」の核心である。日米首脳会談はこの点でも(2)〜(5)のように、中国・北朝鮮との軍事的対決を一層進めることで合意した。
直ちに米韓両軍は3月1日から陸海空3軍21万人を動員し朝鮮戦争を想定した米韓合同軍事演習「フォール・イーグル」を開始した(4月末まで)。併行して北海道では陸自と沖縄の米海兵隊が日米共同訓練を行っている。北朝鮮へのすさまじい戦争挑発である。
さらに安倍政権は、辺野古沖の埋め立て申請を3月中にも沖縄県知事に行う方針だ。また原発についても、自民党は福島原発事故を引き起こした張本人でありながら、「30年代稼働ゼロ」方針を撤回し、原発維持を米帝に約束した。これは再び原発事故を引き起こす道であり、絶対に許すことはできない。
だが、日米帝国主義のTPP推進と辺野古新基地建設、原発再稼働の前には労働者人民の巨大な怒りと闘いが立ちはだかっている。日帝が焦りに駆られて強行の道を進むならば、それは日本の階級闘争を国論二分的=内乱的激動にたたき込む。
階級的労働運動と国際連帯の前進で安倍政権を打倒しよう。
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週刊『前進』(2574号3面3)(2013/03/04 )
金属労働者の13春闘アピール
大量解雇・労組破壊うち破るストライキに立ち上がろう!
動労千葉の3・1ストをもって13春闘の激闘が本格的に始まった。国鉄を始め全産別で次元を画する雇用・賃金破壊、団結破壊との攻防が闘われている。金属産別でも全職場で、外注化、工場移転と遠隔地配転、退職勧奨、倒産攻撃などあらゆる手口での大量解雇・労組絶滅攻撃との死闘となっている。労組拠点建設を進め、13春闘を労働組合と党建設の一体的推進として闘おう。
動労千葉のストに続き職場の反撃を
13春闘過程で、かつてない大量解雇攻撃が進行している。世界大恐慌の深化は、全世界で大失業と非正規職化を激化させている。だが、労働者は資本の攻撃に黙っている存在ではない。賃労働と資本の関係を転覆する闘いに決起する存在だ。
昨年末の総選挙で、労働者の怒りが民主党・連合政権を倒した。連合支配の崩壊が始まった今こそ、労働者の決起を巻き起こす闘いが、リアルに求められる。階級的労働運動の復権であり、党と労働組合の一体的建設の闘いだ。時代は、資本主義社会を転覆し賃金奴隷制を打破する階級的労働運動と革命的共産主義運動の登場を求めている。
動労千葉の13年間にわたる外注化阻止闘争の勝利のうえに闘い抜かれた10・1JR外注化阻止決戦の地平が、階級情勢全体を規定している。動労千葉は、究極の合理化攻撃である外注化の強行に対して、現場の怒りを爆発させ絶対反対で闘って組織拡大を実現した。そして、出向先の千葉鉄道サービス(CTS)で外注化の矛盾を突き資本の支配を崩す3・1春闘第1波ストライキに決起した。戦後日本労働運動が越えることができなかった壁を打ち破る、外注化粉砕・非正規職撤廃の反合理化闘争の新たな闘いだ。
反合理化・運転保安闘争路線でこそ、労働者が誇りを取り戻し職場の主人公として闘うことができる。国鉄決戦を基軸に職場生産点で労働者の壮大な反撃が始まった。全産別の職場で階級攻防に勝ち抜く力が、国鉄決戦を勝利させる。金属の職場は、資本とのむき出しの激突に入った。階級的労働運動の全面的発展が熱望され、全職場で外注化阻止・非正規職撤廃の闘いが求められている。
全職場で雇用破壊・団結破壊と激突
13春闘は、4大産別を焦点に全職場で、次元を画する資本の階級戦争との激突となっている。
1月7日、さいたま地裁熊谷支部(栗田健一裁判長)は、ジェコー資本(トヨタ系自動車部品製造会社)による期間従業員・JAM神奈川ジェコー労組組合員の解雇撤回を求める裁判の判決で棄却決定を出した。非正規労働者の団結権や生存権を否定する極反動判決だ。とくに、行田分会の高橋美和分会長(当時)が7年間の連続夜勤で健康を害されたことについても労災を証明する証拠がないとし、病気欠勤を口実に強行した労組役員、組合員に対する選別解雇の不当労働行為をも否定した。
さいたま地裁熊谷支部は、非正規職と正規職の共同の闘いの中に、革命の胎動を感じているからこそ、資本の意思を体現した反動判決を出したのだ。非正規職はおろか全労働者の権利を奪う極反動判決であるがゆえに、闘いの中で必ずや全階級的な怒りに転化する。
この反動判決に対して当該の高橋美和さんは「裁判長は会社側なのかと非常に怒りを感じる。こんな判決を認めたら、ますます夜勤を強制されて体調を悪くする女性労働者を増やすことになる。絶対に勝つまで闘う」と決意を表明した。
ジェコーの闘いは、さいたまユニオンのショーワ資本(ホンダ系自動車部品製造会社)による「派遣切り」との闘いととともに職場・地域の団結と連帯を生み出し、奪われた労働組合を取り戻す闘いを切り開いている。
世界恐慌の危機にあえぐ資本は、非正規職労働者の存在抜きには、利益を出すこともできなくなった。全労働者の3分の1を超える非正規職労働者が社会の大半の富をつくっている。もはや非正規職労働者は同情される存在ではない。非正規職労働者の現実は、まさにパンドラの箱だ。資本に最も都合のよい極悪の雇用形態だが、労働者の根底的な怒りと闘いをもって最後に飛び出すのは、労働者解放の「希望」だ。労働組合を取り戻して決起するとき、この社会はひっくりかえる。
●組合つぶしとの闘い
全金本山労組は、本山資本(バルブ製造会社)の「工場移転・首切り合理化・組合つぶし」と34年間(1万2千日)にわたって闘い抜いて職場に復帰した。
資本は、御用組合の第二組合が全金本山労組を攻撃するために作った争議記録ビデオを、社員教育と称して新入社員に見せていた。全金本山労組はこれを摘発し、資本の不当労働行為を激しく追及しながら、第二組合を批判して組織拡大の闘争を職場で闘っている。組合差別の賃金格差の是正をかちとり、さらに被災地の労働組合、地域の団結の拠点として反原発を闘い、動労千葉物販を始め労組オルグの先頭で闘っている。
全金本山労組は、争議解決=組合の崩壊・消滅というこれまでの争議組合の限界をのりこえる階級的発展をかちとって前進している。
●希望退職・非正規職化
金属産別のA職場では、収益が黒字であるにもかかわらず、資本が将来の赤字見通しを口実にかけてきた希望退職提案を拒否し、組合員への希望退職募集について阻止することに成功した。
しかし資本は「名ばかり管理職」としてあった工場内の管理職への退職勧奨を強行。その欠員の穴埋めとして行ったことは、派遣労働者による置き換えであった。管理職に対する退職勧奨の次に来るのは、全労働者への選別解雇と賃下げ、非正規職化であり、むき出しの労組解体攻撃となることは明白だ。
「派遣社員を正社員の代替要員にしてはならない」という原則破壊の攻撃に対し、労働組合としての団結を固め、13春闘で正社員補充要求闘争を全力で闘っている。資本の攻撃を打ち破る強固な労働組合建設が待ったなしに問われている。
闘う労組拠点建設めざし職場細胞を
さらに金属産別・JAMのB職場では、「奪われたものを取り戻す」をスローガンにして、闘いが進められている。
それは、ここ数年の資本による退職金削減、賃金カット、一時金減額、工場移転策動、組合組織破壊などで奪われた労働組合の団結を回復する闘いであり、「合理化には勝てない」とする敗北思想と根底から対決する闘いだ。大恐慌下の企業の倒産危機というリアルな現実と対決し、党細胞と職場労働者との生きた交通関係を回復する闘いである。
職場細胞は、春闘や秋闘を、自らが階級の指導部として成長する実践の場と位置付けた。職場闘争とは何であり、党と労働組合の一体的建設とはどういうことかを学び、団結を総括軸に置く闘いと、具体的な闘争の前進をかちとるという両面を実現することであった。闘いの一つひとつが、党と労働組合の一体的建設であった。
職場では、企業の債務超過の影響で希望退職や採用抑制が行われ、人員不足による残業が増大していた。東日本大震災の影響による100時間超の残業は、最少の人員で最大の利益を得ようとする資本の攻撃の結果であったが、資本は職場の「人員増要求」を逆手にとり、「人員不足解消」と称して非正規職導入を狙った。低賃金で子会社に雇った労働者を本体に出向させようとした。
子会社からの出向攻撃との対決は、非正規職をつくらせない闘いとして党細胞に突きつけられた。それは「企業利益のためには非正規職導入は必要であり、仕事も軽減できる」という資本のイデオロギーにとらわれている労働者を、「非正規職撤廃」という階級的労働運動の思想と路線で奪い返す闘いでもあった。
無権利・低賃金の非正規職導入という資本の根源的な攻撃は、労働組合に屈服を迫る団結破壊の攻撃である。多くの労働組合は非正規職導入に協力することで、資本の合理化攻撃と闘えなくなり、「合理化には勝てない」という思想を労働者に強制してきた。
だが、党細胞と執行部は「資本の人員削減が残業を増大させ、逆に生産を阻害し、安全と技術が維持されない状況を生み出している」と正社員採用要求の正当性を訴え、職場の労働者の支持を集めた。組合の残業協定締結拒否の戦術と合わせて闘いが展開される中で、資本の策動を粉砕し、正社員採用の約束をさせたのである。
さらに12秋闘で、債務超過を口実とした資本の壁と闘うことになった。具体的には一時金抑制による資本の利益の最大化の攻撃であり、「利益はすべて債務超過解消に」という資本の強欲との対決だった。資本の振る舞いは、労働者の怒りを燃え上がらせるものとなった。労働組合の1・2カ月の一時金要求に資本は、「債務超過解消が優先だ。組合がどんなに闘っても無駄だ。1・1999カ月で妥結しろ」と迫ってきたのである。
この資本の横暴に対して党細胞と執行部は「債務超過解消優先という会社の言い分を認めて妥結するか、それともわずか200円だが、1・2カ月を譲らず闘いを継続するか」を職場の労働者に提起した。組合員は闘争方針をめぐって真剣に論議し秋闘を自らの闘争としていった。200円という金額のために、労働者の意地と誇りをかけて立ち上がった。会社の組合破壊攻撃に対し、屈服を拒否して闘うことを選択し全組合員の力で1・2カ月をかちとった。
問題は金額でなく、労働者の闘う意志の形成であり党細胞と組合への結集力の高まりだった。この闘いの中で党細胞は、職場の労働者が自らの力で階級性と戦闘性を取り戻すことを実感した。まさに労働者階級の実体は職場の労働者だ。それは数年間の労働組合と党細胞の苦闘を一瞬で吹き飛ばす事態だった。労働者は確信を深めて13春闘に突き進んでいる。
●職場に党を建設する!
歴史は私たちが経験したことのない時代を迎えている。この激動の中でプロレタリア革命に向けた闘いと組織が生まれる。労働組合の階級的再生と深く固く結びついた革共同の職場細胞の登場が求められている。
資本の攻撃は議会や街頭で起きているわけではない。世界恐慌の現実は職場で起きている。職場闘争や職場細胞建設を訴えるのは、帝国主義を打倒し、革命を実現する力と現実が職場にあるからであり、職場での攻防を抜きに資本の打倒はないからだ。
重要なのは職場の現実をマルクス主義的にとらえ、細胞を建設する闘いを貫くことだ。職場細胞の建設と階級的労働運動の実践は一体である。職場の組合活動が党への組織化となり、労働組合を建設・強化する活動が革命への組織化となる。時代認識と路線で武装し、階級的労働運動を担う指導部を、地区党と産別委員会の力で形成しよう。13春闘を闘い、国鉄闘争と連帯しながら、職場細胞と労働組合の一体的建設を進め、プロレタリア革命を手繰り寄せよう!
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週刊『前進』(2574号4面1)(2013/03/04 )
市東さんの農地を守れ!3・24三里塚へ
最大の決戦を迎えた現地に全国から大結集かちとろう
フクシマ・沖縄の怒りと固く結び
2月18日、市東さん農地裁判において千葉地裁包囲闘争が圧倒的に打ち抜かれた。市東孝雄さんの証言の迫力、トラクターデモを先頭とした全一日の多彩な行動、こうした反対同盟の決起に応えた動労千葉、動労水戸、国労共闘を始めとする労働者および農民・市民の決起。デモと沿道の人びととの熱い交歓。田中康宏・動労千葉委員長は「三里塚は最大の決戦を迎えた。3・24までを1カ月間決戦として闘おう」と決戦の先頭に立つ檄を飛ばした。2・18闘争は三里塚闘争の新段階への扉を確実に切り開いた。三里塚闘争は安倍政権の進める超反動政策と対決する柱となり、青年・学生、福島・沖縄と結びつく決定的な陣形を生み出しつつある。この闘いをさらに推し進め、反動判決を絶対に許さない3・24現地集会への大結集をかちとろう。3・24全国集会の成功を切り開くと同時に、その力で3・27最終弁論闘争へ進もう。
(写真 雨の中、反対同盟と支援の仲間が「人間の鎖」で千葉地裁を包囲【2月18日】) 新たな地平開いた千葉地裁包囲闘争
反対同盟は2013年、格段の決意をもって闘いに臨んだ。1月13日の新年旗開きでは「47年の闘いのすべてを市東さんの農地を守る決戦にかける」と決意を語り、「半年間の非常臨戦態勢」を宣言、その突破口として2・4〜2・18千葉地裁闘争を据えた。
この2013年決戦に勝利するために、反対同盟は従来の枠を拡大する宣伝戦を決意した。カラー刷り・A4判の市東さんパンフレットを1万部以上も印刷し、全国津々浦々へ行きわたらせている。マスコミへの情報発信も強化した。反対同盟の決起に応え、三里塚現闘・全学連三里塚現地行動隊を先頭とする三里塚闘争支援連絡会議は、街頭宣伝の頻度を3倍に増やし、対象地域も拡大して不眠不休で奮闘した。
こうして迎えた2・18千葉地裁包囲闘争が、完全に新たな地平を切り開いたのだ。
雨が降りしきる中、法廷内外一体で闘われた一日行動は、まさに千葉の霞が関にあたる場所を三里塚の日に変えた。早朝からの裁判所前、駅前での街宣活動ではビラが吸い込まれるように受け取られ、市東さんパンフレットが次々と売れた。40年ぶりのトラクターデモ、初めてのサウンドデモは千葉市民の圧倒的な注目を浴びた。人間の鎖、リレートークは文字通り裁判所を包囲した。
何よりも市東さんの4時間にわたる歴史的証言は圧巻だった。6年間の集大成として国・空港会社に対する怒り、農地に対する思いのすべてを多見谷寿郎裁判長にぶつけた。完全無農薬・有機栽培で年間50種類もの野菜を育てる誇り。消費者との共同性を破壊する農地取り上げに対する怒り。日帝の農業政策への怒り。空港会社の言いなりとなる成田市農業委員会・千葉県農業会議への怒り。耕作者に無断で農地を取り上げることは完全に違法であること。福島・沖縄への思いが余すところなく語られた。
「ウソのない、丹精こめて作った野菜を消費者に届けることが喜びであり、やりがいだ。農地取り上げは自分だけの問題ではない。産直を通した消費者との結びつきも絶たれる。信頼関係を破壊する農地取り上げは絶対に許せない」「企業が農業をやりたいというのは利潤・利益が目的だ。もうからなければやめてしまう。その後の農地はどうなるのか」「TPPに参入すれば日本の農業はつぶれる。日本に農業はいらないと言わんばかりの政府・政策は認められない」
「親父が苦労して、出稼ぎにまで行きながら作った農地だ。空港のために明け渡すわけにはいかない。工業のための農業切り捨てを認めるわけにはいかない。福島の原発事故、沖縄米軍基地に憤りを感じている人とつながり続けるため、動労千葉を先頭とする労働者との労農連帯を貫き、空港廃港まで闘う。裁判長、判決を出す前にぜひ天神峰の地に立ってもらいたい!」
2・18は市東さんの鮮明かつ熱烈な農地強奪阻止の戦闘宣言と、それに連帯する法廷外でのあらゆる方法を駆使した闘いによって、「三里塚47年の闘いの底力」を参加したすべての人に実感させた。
そして反動判決をたくらむ裁判長を追い詰めたのだ。
白熱的現地攻防がNAA追い詰める
市東さん農地決戦の前進に伴って、現地攻防が激化している。裁判闘争直後の20日早朝、千葉地裁の執行官と機動隊が市東さんに何の断りもなく勝手に畑やハウス、トイレの中にまで入り込み、公示書を取り付けていく暴挙を行った。
また、3月7日の第3誘導路の前倒し供用開始攻撃は、市東さんの家と畑を両サイドから囲い込むものであり、断じて許すことはできない。しかし、市東さんの闘志を強めこそすれ「追い出す」ことなど不可能だ。
さらに、成田空港会社(NAA)が成田市取香(とっこう)地区への空港拡張を計画していることも暴かれた。市東さんの家をさらに厚く空港の中へと囲い込む攻撃である一方、取香地区の予定地内には2軒の民家が存在しており、「おれの代で立ち退く気はない」と反発している。空港反対闘争の拡大にすらつながりかねない綱渡り政策だ。
また空港会社は、深夜・早朝の飛行時間制限を早朝5時から深夜0時までに緩和するための攻撃を開始したが、騒音下の住民からの強烈な反撃にあっている。成田市は2月7日から11日まで6カ所で説明会を開いたが「賛成」はゼロ。どこでも反発の声が噴出し、出席した小泉一成成田市長が「想像を上回る厳しい反応」と認めざるをえない状況に陥っている。中でも下総地区は説明会そのものを拒否している。
「空港城下町」と化した成田市では、騒音下住民が、何度も騒音拡大策をのまされてきた。しかし、ここに来て、ついに堪忍袋の緒が切れかかっている。
さらに成田空港の経営そのものが盤石ではない。成田空港の年間飛行回数は2012年にやっと20万回を超えたのが実態だ。27万回化だとか30万回化との宣伝は、危機をとりつくろうための「虚勢」だった。そして、空港会社社長への元JR東日本副社長・夏目誠の抜擢(ばってき)だ。駅ナカ・ビジネスで出世した夏目を社長に起用することで、「副業」に血道をあげて「5割の利益を確保する」というところにまで追いつめられている。夏目の掛け声は「成田を日本一のショッピングセンターに」だという。
これらに共通する最大の危機は、成田空港がその建前上の「公共性」すら急速に失っていることだ。騒音下地区の声がそのことを示している。「格安航空会社の利益のためになぜ騒音下住民の健康が犠牲にされなければならないのか」と。
以上の現地攻防で、攻勢に立っているのは、市東さんの農地決戦を先端とする反対同盟と労農学の闘いであることは明らかだ。成田空港は1966年閣議決定に始まる計画そのものの矛盾とその後の国家犯罪の繰り返し、それを告発し続ける三里塚の絶対反対の闘いによって決定的に追いつめられている。
TPP参加を狙う超反動安倍打倒へ
「国策」の前に立ちはだかってきた三里塚闘争は、今や安倍政権打倒の一つの柱になろうとしている。外注化強行による「安全破壊」「雇用破壊」の現実と対決する、新しい時代の反合・運転保安闘争路線の確立に向け職場で闘う動労千葉・動労水戸を先頭とする闘い。これらと並び、市東さんの農地強奪阻止を掲げる三里塚闘争は新自由主義に断を下すもう一つの柱といっても過言ではない。
空港のための農地取り上げは、農地法によって保護された農地を国家・資本が奪うという新自由主義の最先端の攻撃である。三里塚闘争は、新自由主義を打倒する労農同盟を根底において準備する闘いとしてあった。
農民が農民としての自覚を取り戻し革命的に決起することは、プロレタリアートの勝利(革命、プロレタリア独裁)に不可欠の決定的位置を持っている。動労千葉と反対同盟が切り開いてきた闘いは、三里塚とともに闘う新たな農民運動の組織として結成された全国農民会議へと発展している。
安倍政権が参入を狙うTPP(環太平洋経済連携協定)は、オバマ政権が「雇用の創出」を掲げてアジア・太平洋へ軍事力をシフトする「新軍事戦略」と一体の対中対峙・対決政策として展開されている。まさに争闘戦の最大の焦点だ。逆に言えば、そこに国際的な団結を生み出す巨大なチャンスがある。
また、TPPは「国のあり方」を丸ごと転換させる新自由主義の極致とも言うべき攻撃であり、農業・医療・環境・雇用という人間が生きることの根幹を破壊して資本がもうけるあり方は、労働者・農民とは絶対に相いれない。
原発再稼働・新規建設に反対し、オスプレイ配備に反対し、TPP・復興特区と対決する被災地や沖縄を先頭とした農民・漁民・労働者の闘いと三里塚闘争を結びつけよう。3・11フクシマと一体で3・24集会への参加を訴えよう。
青年労働者と学生を先頭に
三里塚闘争は3・11後の世界に生きる青年・学生の新たな価値観・闘いの規範となろうとしている。三里塚闘争に触れ、魅力を感じた青年労働者・学生は、ともに国家権力・資本主義打倒の闘いに立ち上がる決意を固めている。自らの職場・キャンパスの現実と市東さんが置かれている現実が実は同じものだったと気づいた時、三里塚闘争47年の歴史は本当に重みを持ってくる。「絶対反対」を掲げ続けたからこそ勝ち抜けたのだ。三里塚闘争に触れた青年・学生は必ず自らの職場での闘いに決起する。
国家権力をなぎ倒して勝利している三里塚に来ることで、闘うことの素晴らしさを実感できる。青年・学生を層として獲得し、三里塚現地に大隊列を登場させられるか否かに今後の情勢の一切がかかっている。
3・24集会に労組旗、自治会旗を林立させ国家権力を震え上がらせる戦闘的な大部隊を登場させよう。市東さん農地裁判の3・27最終弁論で再び千葉地裁を包囲しよう。
〔荒川亘〕
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週刊『前進』(2574号4面2)(2013/03/04 )
市東さんの畑に無断で「公示」看板
反対同盟・弁護団が弾劾声明
2月20日早朝、千葉地裁執行官が市東孝雄さんの畑に無断で侵入し、「公示書」なる看板を設置した。この暴挙に対し三里塚芝山連合空港反対同盟と反対同盟顧問弁護団が出した声明を紹介します。市東さんの農地強奪絶対阻止へ、3・24三里塚現地集会に結集しよう。(編集局)
(写真 市東さんに無断で敷地内に張り出された千葉地裁の「公示書」【写真は反対同盟ブログから】)
弾劾声明
2月20日午前7時、千葉地方裁判所執行官が市東孝雄宅前(天神峰)の畑、ならびに南台の畑に断り無く侵入し、「公示書」なる看板を設置した。天神峰では建物の中にまで立ち会いもなく入り込み、壁に看板を設置した。
反対同盟と顧問弁護団は、満身の怒りを込めてこの暴挙を弾劾する。いったい、市東さんには人権がないというのか。早朝、機動隊と公安警察を引き連れた執行官が突然現れて、市東さんに告知無く敷地内に侵入したばかりか、建物内に入り込み看板を設置するなどということがどうして許されるのか。しかもその数は、トイレの中まで含めた14カ所の仰々しさだ。作業のすべてが終わった後に、母屋の扉をアリバイ的にノックし、市東さんが気づかなかったことをいいことに「留守だ」などと呟(つぶや)いて、立ち去るということが、あっていいはずがない。(これらの事実は同行したマスコミから聴取した)
そもそも、この「公示書」の内容自体、まったく認めることはできない。成田空港会社の申し立てを受けて千葉地裁が行った仮処分の内容は、
@物件の占有を他人に移転または占有名義の変更を禁止する
A執行官が債務者(市東さん)の占有を解いてこれを保管することとし、債務者に限り使用を許す
というものだ。「公示書」が物件として掲示したものは、天神峰の農地5筆と7件の建物・工作物(出荷場、農機具置き場、別棟、旧鶏小屋3カ所、トイレ、育苗ハウス、野菜貯蔵用コンテナなど)である。南台は農地3筆と堆肥場である。
天神峰と南台の畑は、100年近く市東家が耕作し続けている農地であり、建物等は市東家が建てた営農に不可欠の生産手段である。仮処分の決定は、農地と生産手段のすべてを強奪しようと目論む空港会社の申し立てを受け入れ、司法権力が市東さんの小作権に基づく占有権限を取り上げるというまったく不当きわまりない決定なのだ。そうしておいて「使用を許す」などと、傲岸不遜の態度はまったく認めることができない。これは市東さんの人権を踏みにじる暴挙である。
□ □
成田空港会社は、市東孝雄宅に東西両側から騒音を浴びせる第3誘導路の供用を3月7日に強行しようとしている。さらに取香地区に空港敷地を拡大する買収策動にうごめいている。これは市東宅を空港敷地の中に取り込む、人権破壊の攻撃だ。北延伸と東側誘導路建設に明らかな通り、空港会社は住民に断り無く空港敷地の拡張を強行してきた。そして今回の取香と、いったい際限のない拡張がどうして許されるのか。かつて黒野空港会社社長は「これまでのことは単なる空港建設の手法や生活環境の問題にとどまらず、人間としての名誉、尊厳に触れる問題。深くお詫びし、反省する」「二度とやってはいけないと強く決意」と公式に表明したが、それらはまったくの欺瞞であり、空港会社の体質は公団時代とまったく変わっていないのだ。まさに「人間の尊厳」を踏みにじってやまない、不当看板を即刻撤去せよ!
全国のみなさん。これら暴挙の数々は、2・18法廷証言で不屈の意思を表明した市東孝雄さんとわが反対同盟、地裁を包囲し抗議した全国の支援陣形においつめられたあげくの暴挙である。3・7第3誘導路供用開始粉砕現地闘争、3・24全国集会で反撃し、3・27行訴・農地法裁判の最終弁論へ。総決起することを訴える。
2013年2月21日
三里塚芝山連合空港反対同盟
三里塚芝山連合空港反対同盟顧問弁護団
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週刊『前進』(2574号4面3)(2013/03/04 )
第3誘導路裁判 基準超える騒音追及
3・7供用開始への反撃誓う
2月19日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で第3誘導路認可取り消し訴訟の弁論が開かれた。反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、前日の2・18農地裁判・千葉地裁包囲闘争の勝利感をみなぎらせてこの日の法廷闘争を闘った。
反対同盟側は前回、成田空港による騒音が「航空機騒音環境基準」「成田市公害防止条例」に違反している問題を追及した。成田市の条例によれば規制基準は朝夕(午前6〜8時および午後7時から10時)では55デシベル、夜間(午後10時から翌朝6時)は50デシベルだ。ところが、市東孝雄さん宅は、この基準値をはるかに上回る騒音に襲われている。最大で100デシベルの騒音が観測されているのだ。これは前回提出した「騒音測定調査」によっても明らかだ。この上、第3誘導路の供用を開始することになれば、この違法状態がさらに悪化する。
この日の弁論でも、成田空港会社(NAA)の「騒音の被害は大したことはない」という居直りを、弁護団は反撃の準備書面を提出し追及した。次回期日は5月13日。
閉廷後に近くの会場で裁判報告会が、伊藤信晴さんの司会で開かれた。北原鉱治事務局長は連日の闘いをねぎらいながら、「市東さんの家と農地を空港内に囲い込み、生活を奪おうとする攻撃を許してはならない。今労働者と農民が強く結びついて社会を変える時だ」と訴えた(写真)。
顧問弁護団の葉山岳夫弁護士は「騒音環境基準について、国やNAAはこれは単なる目安だ、目標だ、などと居直っている。とんでもないことだ! 3月7日には第3誘導路の供用を強行し、市東さんの生活を脅かし空港の内部に閉じ込めて追い出しを図ろうとしている。だが、市東さんの闘いによって空港は次々と矛盾を露呈している。今や騒音問題が周辺住民に大問題となって襲いかかっている。“空港絶対反対”を貫いてきた反対同盟の真価を発揮し、成田空港の矛盾を拡大し、粉砕する時だ」と弁護団の強い決意を表した。
弁護団全員が法廷の解説と裁判勝利への決意を述べたのに続き、動労千葉の後藤俊哉さん、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会、市東さんの農地を守る沖縄の会などが連帯発言を行った。
3・7緊急現地闘争で第3誘導路供用開始に反撃をたたきつけ、3・24全国総決起集会へ全力で結集することを、最後に参加者全員が大きな拍手で固く誓い合った。
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週刊『前進』(2574号4面4)(2013/03/04 )
2013年日誌 2月19日〜25日
防衛局、辺野古埋め立て申請へ/TPP交渉で日米共同声明
●胆管がん、労災認定 印刷会社で働いていて胆管がんになったとして、労働者や遺族らが労災認定を求めていた問題で、厚生労働省は、大阪の印刷会社で働いていた16人について労災を認める方針を固めた。(19日)
●甲状腺検査の短縮検討 福島県の子ども36万人が対象の甲状腺がん検査について、原子力規制委員会の検討チームは、被曝線量や居住地などにより実施期間を短縮すべきだとする総括案を出した。当初は全員、生涯にわたり検査する計画だった。(19日)
●貿易赤字1兆6294億円 財務省は、1月の貿易収支が1兆6294億円の赤字になり、比較可能な1979年以降で最大になったと発表した。貿易赤字は七カ月連続。(20日)
●ボーイング787、バッテリー配線ミス 国土交通省運輸安全委員会は、高松空港に緊急着陸した全日空機(ボーイング787型)から配線上のミスが見つかったと発表した。バッテリーの炭化との関連は否定。(20日)
●3人の死刑執行 谷垣禎一法相は、土浦連続殺傷事件などの3人の死刑を21日朝に執行したと発表。(21日)
●電力9社、原電支援へ 沖縄電力を除く9電力会社は、日本原電が資金繰りに行きづまらないよう、1200億円超の規模の債務保証や資金支援をする方針を固めた。(21日)
●ネット選挙運動解禁へ 自民、公明両党は、インターネットによる選挙運動を電子メールを除いて全面解禁する公職選挙法改正案を与野党協議会に提出。維新の会や社民党などが同調、民主党も妥協点を探っており、今国会で成立する見通しとなった。(22日)
●F35、飛行全面停止 米国防総省は、最新鋭ステルス戦闘機F35のエンジン部分に亀裂が見つかったため、米軍が運用する51機のF35すべての飛行を一時停止すると発表した。(22日)
●辺野古埋め立て申請、防衛局が漁協に伝達 沖縄防衛局は、普天間飛行場の辺野古移設に向け、24日からの週にも公有水面埋め立てを県に申請する方針を政府が固めたことを、名護漁業共同組合に伝えた。防衛局は、埋め立て申請に必要な同意書をまだ同漁協から取り付けていない。(22日)
●TPP交渉参加へ 安倍普三首相とオバマ米大統領はホワイトハウスで首脳会談を行い、日本のTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加について、「あらかじめすべての関税撤廃の約束を求められない」とする共同声明を発表した。(23日)
●仮設入居4年に延長へ 厚生労働省は、東日本大震災の仮設住宅の入居期限を1年間延長し、14年度末までとする方向で検討に入った。(24日)
●北朝鮮制裁決議案で米中合意 北朝鮮の3度目の核実験に対する国連安保理の決議をめぐり、米中両国が基本合意に至った。国連憲章第7章には直接言及せず、過去の制裁決議を強化することで大筋合意。(25日)
●宜野座漁協、辺野古移設反対へ 名護市辺野古の南方で漁業を営む宜野座漁業協同組合は、米軍普天間飛行場の辺野古移設反対で3月中に漁民大会を開催する方針を決めた。同漁協の反対決議や大会開催は初めて。(25日)
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週刊『前進』(2574号5面1)(2013/03/04 )
全学連の大躍進のために
戦後学生運動の教訓と課題
革共同は全学連の同志と共に革命勝利の大事業に挑戦する
木崎冴子
(写真 法大キャンパスで1千人集会をかちとった後、デモに出発する全学連と文化連盟【2012年10月19日】)
1月全学連拡大中央執行委員会での木崎冴子同志の講演は戦後学生運動の教訓と歴史的課題を鮮明にさせた。以下に掲載します。大恐慌と大争闘戦の時代、全学連の大躍進をかちとるために闘おう。(編集局)
(写真 1967年10・8羽田闘争。空港に通じる弁天橋を封鎖する機動隊の装甲車の上には革共同の大旗が翻った)
革共同50年史の底流には一貫して学生運動が
06年3・14以来の法大闘争、11年3・11以来の全学連の闘いは、21世紀の現代革命において決定的な位置をもっている。マルクス主義学生同盟(マル学同)中核派が主導権をとった全学連は、1966年12月の全学連再建大会から大きく歩み出した。
62年9月の革共同第3回全国委員総会(3全総)で反革命カクマルが逃亡・分裂し、マル学同中核派は13人で出発した。革共同は66年9月、第3回大会で反帝国主義・反スターリン主義世界革命論を全面的に展開し、それに立脚して国際共産主義運動を革命的に総括。その地平で現代革命論を戦後世界体制の根底的動揺のもとでの安保・沖縄決戦論として提起した。時代を切り開く歴史的な大会だった。この提起は主客の情勢を一変させた。
マル学同中核派は「3回大会報告」を繰り返し学びつつ、激闘の渦中でもマルクス主義―初期マルクスを学習し摂取することに全力を挙げ、突出した組織戦に打って出て、全学連の革命的再建の道を切り開いた。そして三派全学連(マル学同中核派、社学同、解放派)の主導権を握り、主流派として立ち、日本階級闘争史上、不朽の67年10・8羽田闘争(注)を打ち抜いた。
この過程で、革共同のもとにマル学同中核派と全学連が全一体のものとして形成されたことで、学生運動が革命的共産主義運動の強烈なイデオロギー性と大衆性を獲得していった。こうした地平が戦後史上最大規模と言われる70年安保・沖縄決戦を爆発させ、学生運動を日本階級闘争において比類のない位置をもつものとして刻印したのだ。
13年は年頭以来、12年をも画然と超える革命的大激動に突入している。世界大恐慌と3・11情勢、戦争の危機と帝国主義間争闘戦の激化が日本と世界を覆い、新自由主義の絶望的延命策と階級的労働運動の革命的前進とが大激突している。この時、日本階級闘争の世界史的位置は決定的だ。
「国際帝国主義の最弱の環は日本帝国主義である。……日本の帝国主義としての最大の破綻点は、戦後憲法体制下の労働者支配の危機性と、安保・沖縄問題、すなわち日米安保同盟関係の矛盾と危機にある。……日帝は今や財政破綻国家であり、その政治支配体制は崩壊的危機にひんしている。戦後革命期以来、最大の革命的情勢が到来したのである」(革共同綱領草案)
日帝に「最弱の環」を強制し続けてきたものこそ革共同と日本の労働者階級と学生の連綿とした不屈の決起だ。綱領草案の提起を双肩に担って進撃しよう。
革共同50年史の革命的創造、発刊の闘いは日本革命−世界革命を引き寄せる、それ自身ひとつの大事業だ。革共同50年の歴史の底流には一貫して全学連運動が脈打っている。この歴史に肉薄し主体化すればするほど、06年3・14以来の法大決戦の意義は鮮明になる。それは、新自由主義とその大破綻に世界史的大反撃をたたきつけた、動労千葉に続く決起であり、不滅の意義をもっている。13年法大決戦を先端に、革共同は全学連の同志たちとともに革命的共産主義運動の大躍進に打って出たい。
大学での自治会運動をテコにして全学連結成
革共同の50年の歴史をどう見るか。
「われわれは革命に基本的に必要なものを、どちらかと言えば最小限の時間で必死に学び、革共同創立以来最短距離を歩んで今日の地平にたっている」(『清水丈夫選集第2巻』序文、99年刊)と言える。50年の歴史を土台にしつつ、06年から08年の「党の革命」をくぐり抜けて「外注化阻止・非正規職撤廃でプロレタリア革命の勝利開け」を革命路線として提示し、「国鉄・反原発決戦と星野全証拠開示運動の爆発で安倍超反動政権打倒へ」と提起するところまで到達したのである。
革共同は1917年ロシア革命から40年後の1957年に結成された。その源泉は、@解放を求めてやまない日本労働者階級の存在と闘争への無限の確信、A生きた階級闘争のなかでつかみとった労働者自己解放の思想としてのマルクス主義の復権、B国際共産主義運動とトロツキー反対派の闘いのとらえ直しだ。これらが中国・ソ連を始めとするスターリン主義への批判を革命的共産主義に高めた力だった。特に「スターリン主義は現代革命における反革命的打倒対象である」という認識に到達したことが、労働者党=革共同創成への歴史的決断を可能にした。
戦後革命期以来の日本階級闘争における学生運動の位置の大きさ、その地平と歴史的総括は、革共同50年史と一体のものとしてのみ初めて成し遂げることができる。それ以外は問題にならない。例えば21世紀に入ってからの、特に04年国立大学法人化以降の日本の学生運動や全学連創立時について論述した刊行物はことごとくが、現在に生きて学生運動の革命的再興に向かう内容がゼロ、というより妨害物でしかない。
レッドパージを粉砕
戦後革命期の嵐のような労働組合結成と労働者階級の決起のもとで、歴史上初めて自治会運動をテコにした全日本学生自治会総連合(全学連)が結成された(戦前は社会科学研究会のグループの連合体を「学連」と称していた)。大学での学費値上げ反対のストライキ闘争から全学連結成、レッドパージ反対闘争を通して、日本階級闘争に労働運動と並び戦闘的学生運動が打ち立てられた。
1948年9月の全学連の歴史的結成のバネになったのは、「戦争反対」「二度と戦争は許さない。戦争責任の追及」だった。学徒出陣と特攻隊で命を絶たれた学生たちの声が47年に東大戦没学生の手記『はるかなる山河に』として出版され、これが基になり48年、日本戦没学生の手記『きけ わだつみのこえ』が刊行される。このなかで戦争への怒り、悔しさが生々しくストレートに表され、戦争責任追及、階級闘争として発展していった。
今ひとつのバネは、国立大授業料の3倍値上げに示される生活破壊に対する、「生きていけない」というすべてをのみつくす怒りだった。戦争反対と責任追及を軸にして、48年、116校、30万人以上が参加した全国大学一斉ストライキが闘われ、同年9月に全学連結成に至るのである。
学生たちは45年夏から46年、47年と、戦争推進の中心にいた教授たちを追放し、戦前・戦中に学校を追われた教授たちを迎え入れる「戦争責任追及・大学の民主化」などを闘い、これが自治会建設の基礎になっていく。全学連結成と相まって、続発する労働争議の現場に支援闘争を組織していったのだ。
50年レッドパージ反対闘争は、マルクス主義系教授の追放を策すイールズ米民間情報教育局顧問への追放運動から始まった。東北大を先頭にイールズの大学巡回を断念させ、大学でのレッドパージを完全に粉砕した。朝鮮戦争に向かう大弾圧を学生運動が最後的にはね返したのだ。さらに朝鮮戦争下での闘いが52年東大ポポロ事件などの反動と弾圧を恐れず闘い抜かれた。
原水禁運動が大高揚
54年ビキニ事件から始まった原水爆禁止運動は、高校生を始めとして青年・学生の大闘争になった。これを今日に継承し、「原子力の平和利用」を粉砕しつくす反原発闘争を、フクシマと一体となって歴史的大闘争にしよう。その鍵は、反スターリン主義の学生運動が今度こそ階級的労働運動の創造と一体となって労働者階級とともに大学キャンパスから決起することだ。
57年の革共同結成の後、全学連の主導権は日本共産党・民青から反スターリン主義革命的共産主義の革命的左翼へと移った。他方で58年には共産主義者同盟(ブント)が結成され、59年の全学連大会でブントの唐牛健太郎委員長が選出された。60年には北小路敏委員長代行体制となった。
60年安保闘争は、@戦後革命期以来の大規模な政治闘争、特に国会突入−国会構内集会へと発展し、そのなかでA反スターリン主義の学生運動−革命的左翼が鮮烈に登場し、B帝国主義打倒の戦略がその先端で確立された闘いだった。しかし、その総括をめぐりブントは分解し、指導的翼は革共同に原則的革命的に獲得され、大合流した。
こうして、3全総から第3回大会、そして全学連再建を経て、67年10・8羽田闘争から激動の7カ月を闘い、70年決戦の爆発へと向かうのである。
70年安保・沖縄決戦は国家権力を震撼させた
現在行っている革共同50年史の研究、『本多延嘉著作選』『清水丈夫選集』は、革共同が21世紀プロレタリア革命の本当の勝負に打って出るための基礎的前提条件をどのように形成し、準備してきたのかを明らかにしている。
これまでの闘いは21世紀革命の前史である。革共同創成以来の革命的労働者党建設が”70年世代”と言われる骨格を形成してきたことを、今現在の全学連運動への教訓にしていくことが重要である。
さらに70年決戦の「政治犯」星野文昭同志が獄中で38年にわたり非転向を貫き闘っていることと固く連帯し、全証拠開示・即時奪還の全大学・全国を揺るがす決起を全学連の歴史的使命として自覚することである。星野同志奪還−解放は全労働者階級・学生の解放の闘いそのものなのだ。
67年10・8羽田−69年・71年の「二つの11月」、67年−69年の国鉄5万人合理化−機関助手廃止反対闘争−72年動労千葉「反合・運転保安闘争」に至る過程全体を包括的に見ていきたい。
「二つの11月」を戦取
70年決戦は質量ともに空前のスケールで大爆発した。70年末と73年に警察権力が発表した内容からその概況をとらえることができる。
・デモ動員数は延べ2千万人超
・1日当たりの最大動員数80万人
・国家権力の動員数は延べ1千万人に近い(うち死者6人、負傷者1万9千人)
・デモの逮捕者数3万6500人
・大学闘争は、68年116校、69年173校、70年176校、71年136校、72年132校
こうした規模の大闘争が66年の革共同第3回大会にもとづく「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」の戦略的総路線とスローガンのもとに打ち抜かれた。これらの闘いは、同時に沖縄で闘われた全島決起、ゼネスト、暴動的決起と相呼応しつつ、「二つの11月」に象徴される労働者階級人民の実力決起=内乱的決起として発展した。そして、68年10・21闘争への騒乱罪適用、69年4・28闘争と71年11月決戦に対する破防法弾圧(いずれも沖縄闘争に対し発動)という、敵権力の最後の手段をもことごとく無力化させたのだ。
全学連は当時、150万学生の主流派として不動の位置にあった。革共同は62年3全総から66年第3回大会をかちとって、67年10・8羽田を乾坤一擲(けんこんいってき)の大闘争としてすべてをかけて打ち抜いた。日大闘争、東大闘争を始めとして大学闘争が全国を席巻した。69年9月5日には全国全共闘が結成され、カクマルと日共スターリン主義を全面的に追放した。これらの闘いによって切り開かれた地平全体を「二つの11月」の力に転化していったのである。
反戦派労働者も立つ
69年10・21高田馬場−新宿闘争、11月蒲田−羽田闘争、71年11・14渋谷暴動闘争、11・19日比谷暴動闘争……。65年に結成された反戦青年委員会のもとに結集した反戦派労働者が巨大な規模で街頭で武装決起したことで「二つの11月」を勝利的に打ち抜いた。つまり、全学連が血を流して安保・沖縄をめぐる政治闘争を全社会問題化させつつ切り開いたものを、反戦派労働者の部隊は職場から武装決起し、敵権力に対する政治的蜂起戦として貫徹した。そこをくぐり抜けて決戦をやり抜いた力−思想をもってスターリン主義や民同の支配をのりこえ、革命的共産主義の党と階級本隊の強固な結合関係を形成していった。そして、階級闘争・労働運動全体を根底からつくり変えていく条件を切り開いた。ここに勝利の核心がある。
革共同は、当時、唯一の前衛党と認知されていた日共スターリン主義の裏切りと敵対を暴き、プロレタリア革命を成し遂げる革命的な労働者の党を建設する歴史的大挑戦に打って出た。戦後革命の敗北をのりこえ、60年安保をのりこえ、三井三池闘争の敗北と総評労働運動の限界をのりこえて、戦後労働運動=戦後階級闘争を全面的に塗り替えて革命まで突き進む主体的条件を切り開こうとした。そして実際やりきった。日帝権力は大敗北を重ねて、その地平と威力にうち震えたのである。
ベトナム反戦闘争も70年決戦の重要な契機だった。第2次大戦後の世界で、米帝によるベトナム侵略戦争は世界大戦級の大戦争だった。米帝は64年にトンキン湾事件をデッチあげ、これを口実にして全面的なベトナム侵略戦争にのめりこみ、75年ベトナム失陥=敗退まで続けた。そのなかで戦後世界体制の全矛盾を噴出させ、その動揺を促進し、崩壊を準備した。70年闘争は、歴史的には米帝のベトナム侵略戦争との対決として闘われた。「10・8」の歴史的意義もここにある。
党派闘争が決起促す
70年決戦の全過程が日共スターリン主義、カクマル、諸派・諸潮流との絶え間ない党派闘争の連続だった。党派闘争の貫徹と学生大衆の決起は連動していた。
68年9月から丸1カ月におよぶ日共スターリン主義による法大襲撃との大決戦では、日共の武装襲撃−占拠−第2自治会デッチあげを完全に粉砕した。法大生自身が大衆的に決起し、学生大会を戦取し、10・21ストライキを決定した。法大生は68年10・21新宿騒乱闘争に数千の規模で立ち上がった。ここでの勝利が法大を全学連の不抜の永続的拠点として打ち立てた。さらに東大での日共スターリン主義との攻防に突入、壮絶な死闘戦=激突に勝ち抜き69年1月の安田砦戦を打ち抜いた。
その上で決定的なのは、カクマルとの激突をやり抜いて「二つの11月」を貫徹したことだ。カクマルは、70年決戦の全過程で一時たりとも国家権力と闘うことなく、背後から闘争を解体するためにのみ襲撃を繰り返した。70年の歴史的大闘争は、そこに決起した巨大な規模の労働者・学生全体に日共スターリン主義とカクマルの反革命的正体を暴き出した。
70年決戦の徹底性・全面性は、武装蜂起的激しさをもち、戦後日帝の根本的弱点を突き、支配体制そのものを揺さぶる力をもっていた。その影響力は労働者階級本隊と、闘う全人民を完全にとらえていた。そのため革共同は必然的に、一方で国家権力による破防法弾圧、他方でカクマル反革命による白色テロ襲撃という二重の絶滅攻撃に直面した。
これを打ち破るために革共同は20年を超える内戦的死闘期に突入し、世界の階級闘争の歴史の上で前例のない内戦に勝利した(2001年革共同第6回大会で「勝利宣言」を行った)。労働者・学生が革命軍に結集し、地区の労働者同志を先頭とする全党の対カクマル戦争への総決起がこの偉大な勝利をもたらした。そしてプロレタリア革命の時代に突入しているのだ。
対カクマル戦に勝利
71年「12・4反革命」(注)に始まるカクマルの白色テロ襲撃の反革命的「徹底性」は、革共同への権力の破防法攻撃のもとで、戦後帝国主義の体制的崩壊期への突入に対応した〈新自由主義反革命〉の先取りとしての性格をもっていた。
カクマルを突き動かしたのは、70年決戦で生み出された大量の革命的労働者集団がそのまま職場で権威をもち労働組合権力を握り、革命への大道が切り開かれることへの根底からの恐怖であり、それが自らの死に直結することだった。これから逃れるためには国家権力の弾圧や資本あるいは御用組合による処分に頼るだけでは生ぬるい、カクマル自身が手を下し一人ひとりを白色テロで肉体を破壊し活動不能にする、揚げ句は生命を奪い存在そのものを抹殺するしかないというものだった(まさしく日本における「ショックドクトリン」とも言える)。
しかし、革共同はそうした白色テロにひるむことなくカクマル以上の徹底性をもって革命的に反撃し、内戦を最後までやり抜いた。そして動労千葉を先頭にした国鉄労働運動の力で革命的結着をつけた。カクマルに勝ち抜いたことが現在の革共同の到達地平の絶対的前提としてある。70年代―80年代―90年代、そして現在に至る動労千葉労働運動と国鉄決戦がカクマル打倒の橋頭堡(きょうとうほ)だ。これは革共同50年史の核心テーマである。
80年代をとらえるとき、70年代階級攻防の勝利、すなわち無数の労働者・学生と多くの革命家の血と汗をもってかちとり切り開いたものとして確認することが重要だ。〈国鉄・三里塚を軸とした80年代の死闘と挑戦―国鉄分割・民営化阻止闘争の歴史的決戦(新自由主義反革命に対する階級的反撃)〉を正しく位置づけるということでもある。
革共同の対国家権力・対カクマル戦の激烈な継続・拡大のなかで、それと同時一体的に国鉄分割・民営化絶対反対の動労千葉の歴史的決戦への突入が決断され、貫徹された。革共同は革命軍を軸にした武装闘争、三里塚を始めとする大衆闘争=大衆的武装闘争、そして国鉄決戦への労働者階級本隊の決起――これらを全一体でやり抜いた。
特に、85年3大蜂起戦(注)で動労千葉、三里塚に全学連が組織のすべてをかけて連帯し、超長期の獄中闘争も辞さずに立ち上がった。ここに日本階級闘争史において比類のない3大拠点が打ち立てられ、91年5月テーゼへと進んだのである。
法政大を先頭に新自由主義大学を打ち破ろう
最後に強調したいことは、新自由主義大学の現実を法大を先頭にして打ち破る時が到来していることだ。
新自由主義は一方でカクマルを先兵にし、他方で日共をその体制の補完物として組み込んできた。しかし85―87年国鉄分割・民営化決戦を通して、それだけではなく26年にわたる不撓(ふとう)不屈の国鉄決戦を通して、カクマルの生命力は完全に断たれた。日共スターリン主義も、ついに3・11情勢下でその大破綻と犯罪性が満天下に突き出された。戦後革命期に始まり、60年代―70年代―80年代から今日に至る巨大な反革命として延命し続けてきたスターリン主義を、新自由主義もろとも打倒しよう。
最末期帝国主義と新自由主義の完全な行きづまりのなかで、日共は大学の反動的変質に対して一度たりとも闘わないどころか、すべて容認してきた。御用学者もこれを前提にして存在し続けてきた。「3・11大震災と原発事故」という世界史的事態を前にして、カクマルと日共スターリン主義の歴史的犯罪性を満天下に暴き、これをバネに学生自治会建設を強力に進めよう。
カクマル黒田は、1959年の『現代における平和と革命』で「人類の知性は、ついに原子力の解放に成功した」と原爆・原発を称賛した。日本共産党・宮本顕治は1958年の第7回大会で「人類の未来に輝かしい展望を約束するオートメーションと原子力エネルギー」と言い放った。「原子力の平和利用」論は、こうしたやからによって吹聴されて、原発推進大学と御用学者を生み出し、55基もの原発の製造に至ったのだ。
2011年3・11以来の福島の根源的怒りと反原発の巨万の決起のもとで、革命的共産主義運動の先頭で「革命の現実性」を示し続けてきた全学連運動が、今こそ全原発を廃炉にし、新自由主義大学を打ち破るために歴史を塗り替える決起をかちとろう。
学生運動が戦後革命期以来の連綿とした歴史のなかで日帝支配階級に一貫して突きつけてきたことは、大学を帝国主義者や資本家の意のままにはさせない、「学問の自由」「真理の探究」「大学の自治」を認めろということだ。それは、70年闘争の学生決起の底流にもあった大テーマだ。第2次大戦への根底的反逆と、戦争を二度と絶対に許さないという圧倒的な思想とともに、「真理を放棄した大学に対する『真理の大学』の回復」の熱い欲求だった(『本多延嘉著作選』第6巻「早大闘争の意義はなにか―『真理の大学』を回復するために」)。
70年闘争を通して大学はマルクス主義の拠点になり、「大学を沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の砦にせよ」というところまで発展した。
世界大恐慌と3・11情勢に直面して、大学・教育をブルジョアジーが制するのか、それともプロレタリアート(マルクス主義)が自らの手に実力で取り戻すのか。これは21世紀革命の帰趨(きすう)を決する世界共通の巨大な課題だ。新自由主義大学を粉砕する闘いの前進が国際連帯を発展させてきた。この闘いは階級的労働運動・労働組合運動の前進とともに革命に直結する。
1千人の全学連部隊の登場が階級闘争・労働運動の局面をも劇的に突き動かす。1千人で法大に登場する、福島大に登場する。すべてが革命に向かって化学変化を起こす。
学生運動は学生共産主義者を生み出し、不抜の革命党建設とともに階級的労働運動を発展させる。革共同とともに革命の時代を開こう。全党の総決起で大恐慌と闘う学生運動の大躍進の時代を切り開いていこう。
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《解説》
●10・8羽田闘争 1967年10月8日の佐藤首相南ベトナム訪問阻止闘争。米帝のベトナム侵略戦争に日帝が参戦するための訪米に反対し、全学連は機動隊の阻止線を突破し、装甲車を乗っ取り、占拠し、京大生・山崎博昭君の虐殺をものりこえて闘った。
●71年「12・4反革命」 71年11月決戦直後の12月4日、カクマルが学費値上げ反対のバリケードストライキを闘う関西大学を襲撃し、京大の辻敏明同志、同志社大の正田三郎同志を、15日には三重大学で武藤一郎・革共同三重県委員長を虐殺したこと。その後の過程で3人の革共同政治局員に襲撃を策動した。広義にはこの一連の反革命的行為全体を指す。
●85年3大蜂起戦 85年の@成田空港二期工事阻止の10・20三里塚戦闘、A国鉄分割・民営化阻止の11・28〜29動労千葉ストライキと連帯した11・29全国一斉ゲリラ戦闘、B12・9横浜国立大における対カクマル戦闘。10・20戦闘は、労農学1万4千人が警視庁機動隊1万人を相手に、逮捕者241人という空前の弾圧をものともせず武装闘争を貫徹し、機動隊8個大隊を粉砕した。
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週刊『前進』(2574号6面1)(2013/03/04 )
再稼働阻止・全原発廃炉へ全国の力を
3・11怒りの福島現地へ
反原発福島行動‘13呼びかけ人の訴えC
決死救命、そして希望へ!
希望の牧場代表/浪江町 吉沢正巳さん
原発事故で立ち入りが禁じられた警戒区域には「3・11」時点で約3500頭の牛がいた。避難命令で大半の農家が牛を見捨てて逃げるしかなかった。「餓死させるのはかわいそう」と野放しにした農家が結構いたけど、一時帰宅した人から「野良牛が迷惑」と苦情が出て、殺処分に同意せざるを得なかった。結局、約1500頭が牛舎につながれたまま餓死、約1400頭が殺処分、合わせて約3千頭が殺された。
だけど今も浪江町や富岡町、大熊町、双葉町で約10軒の農家が抵抗して牛を生かしている。
うちの牧場はもともと約330頭で和牛の肥育・繁殖をしていた。3・11後、栄養失調や事故で約150頭が死んだけど、ほかの農家に頼まれた牛を引き取り、自ら歩いてきた迷い牛を入れてやった。新しく生まれた牛もいて、今は約350頭。地上1bの空間線量は大体、毎時3マイクロシーベルト。ひどい場所は6〜7マイクロシーベルトある。
「3・11」1週後に東電へ抗議
11年「3・11」当日夜にはもう原発がおかしくなっていたけれど、国や東電は浪江町に情報を一切提供しなかった。その中で12日朝、浪江町長が防災無線で「25`先の津島に逃げよう」と呼びかけた。請戸(うけど)港は津波の被害がひどくて助けを呼ぶ声もまだあったのに、見捨てて逃げざるを得なかった。約9千人が12〜14日まで津島に避難したけれど、14日の3号機爆発で津島には大量の放射能が降りそそいだ。その日、おれはこの牛舎で原発が爆発した音を聞いたんだよ。
15日に町民は総崩れとなって、今度は二本松市東和(とうわ)に避難した。その渦中もおれは二本松市と牧場を行き来して、検問所のおまわりと言い合って「牛は水を飲まなきゃ死んじゃう。だからおれは行く」と無理やり通ったんだ。
だけどその15日に、大熊町にあったオフサイトセンター(緊急事態応急対策拠点施設)が逃げ出してしまった。敵前逃亡だ。腰抜けの原子力安全・保安院は何もできなかったんだ。
そして17日。牧場から第一原発を双眼鏡で見ていたら、ヘリコプターの放水でぶわっと白い水蒸気が上がった。放水作業をしている自衛隊員は何人か死ぬかもしれないと思ったよ。だけどこの危機を抑え込むために闘う心意気が必要だ。それで「東電に気合いを入れなきゃいけない」と思って、宣伝カーで東京に向けて出発した。その時にヘリコプターから見えるように牛舎の屋根と道路、タンクにスプレーで「決死救命を、団結!」と書いたんだよ。
18日に東電本店に乗り込み、わあわあ泣きながら「牛が死んじまう」と東電の総務主任に訴えたよ。「自分たちがつくった原発が爆発したのに、なんでお前らは逃げちゃうんだ。今はとにかく命をかけても水をかけることが必要だ。おれならホースを持って原子炉建屋に飛び込んでいくよ。闘え」と。総務主任も泣き出しちゃった。気合いがちゃんと伝わって、来てよかったと思ったよ。
それからは牛を放し飼いにして、餌を3日に1度運んだ。周りの牧場で牛が餓死していく地獄の光景を見て、「自分の牛舎ではそんなことはできない」と思った。警察がつくったバリケードを壊してのりこえたり、裏道から運んだり。警察に何回も連れて行かれて、始末書みたいなのも5〜6枚書かされたけど、「自分の牛に餌を運ぶのがどうして犯罪なんだ」と。
5月に政府が牛の殺処分を指示してからはなおさら「国の言いなりになんか絶対にならない」と思った。「野良牛にさせないため電気牧柵(ぼくさく)が必要だ」と交渉して、11年12月に電気を復旧させたのと同時に仮設住宅も引き払い、それから1年以上、警戒区域で暮らしている。
役場や警察、オフサイトセンターとは日々やり合いを続けてきた。「殺処分・餓死はやめよう/希望の牛達を生かして」と書いた看板を出したら「目的外立ち入りだ。片付けないと立ち入り許可証を出さない」と言われた。「『マスコミの同行取材はさせない』ことに同意しろ」と求められたこともある。この国は報道の自由のひとかけらもない恐ろしい国だ。福島の真実を隠すのはすべて再稼働のための動きだ。
おれ自身も被曝はしている。ホールボディ検査を15〜16回やって、最高で6600ベクレルあった。だけどセシウムの排出を促す水を大量に飲んだりして、今はセシウム134も137も300ベクレルまで落ちたよ。
(写真上 希望の牧場の入り口近くに置かれた巨大タンクには、11年3月、東電本店に向けて出発する時に吉沢さんが大書したスローガンがある)
(写真 「餌をくれ、餌をくれと訴えてくるんだよ」。牛舎にぎっしりと並んで牧草をはむ牛たち)
被曝牛と共にここに生きる
浪江町は原発立地を許さなかった土地だ。1960年代から東北電力の浪江・小高原子力発電所建設計画があったけれど、住民の長い反対運動で建設を阻んできた。
しかしその浪江町がチェルノブイリになってしまった。うちで作ったしいたけは4万ベクレルあった。東電に行った時に「お前らのせいだ。おみやげだ」と言って置いてきたよ。ここで作った米も野菜も山菜も、おれが生きている限り食えないだろう。
多くの避難者が「津波の被害者を見殺しにしてしまった」と泣きながら悩んできたし、今もむなしさや絶望感を抱えている。いまだに墓石も倒れたままで、亡くなっても納骨もできない。家は傾き、床にはきのこが生えている。請戸港なんて木っ端みじんに粉砕されたままだ。町のアンケートに「生きている意味がない。死にたい」と書いた人もいるし、自殺する人も何人か出ている。
おれは緊急避難の大混乱の中で逃げた人たちを非難するつもりはまったくない。だけどおれたちみたいに牛の世話を続けている農家もあっていいと思う。どの選択が正しいなんて決めつけることではないと思っている。
東電による牛の補償は昨年度末で終わったからこの牛はもはや何の金にもならない。だけどおれは一生ベコ屋だ。残りの人生すべて、原発事故被害の生きた証拠である被曝牛を生かしながら放射能と闘い、国と東電と闘っていく。被曝の現実を忘れさせずに国や東電の責任を追及していく。
希望の牧場のスローガンは「決死救命、団結!
そして希望へ」。深い絶望の町・浪江で「希望」を掲げるというのは、背伸びしている面もある。だけどこの地で原発事故の被害を訴え続けることが、おれなりの抵抗運動なんだ。この牛は日本全国と全世界に再稼働阻止を訴える抗議のシンボルだ。
3・11以降、渋谷駅前の街宣に40回くらい行った。「東京への電力供給のためにこんな目にあってしまった浪江の無念を考えてほしい」と訴え、希望の牧場へのカンパを呼びかける。聞きながら泣き出す人もいるし、カンパ箱に1万円札が入る時もある。
全国の原発立地自治体でも浪江の現実を訴えて回っている。柏崎刈羽原発のゲート前でも「おれはチェルノブイリになっちまった浪江から来た。次はお前らの番だよ」とがんがん訴えてきた。告発し続けないと風化させられてしまう。だから東京でも全国でも宣伝カーで訴え続けるんだ。
(写真 昨夏から牛の体に無数の斑点が。「こんな皮膚病はない。明らかに被曝の影響だ」と憤る)
原発をなくす広範な連帯を
今年は再稼働をめぐる勝負の年だ。反対運動の実力が問われる。経産省前テントひろばもぶっつぶしにくるかもしれない。そういう時に、最終的には実力阻止という気構えを持って闘わなきゃいけない。被曝牛を生かして国と東電の責任を追及し続け、原発をなんとしてもなくす連帯運動をつくる。おれの人生にはもうそれしかない。
今は世代も党派も越えて、一点、原発をなくすために広範な連帯運動をつくらなきゃいけない。おれたちの本気の行動によって道はつくられるし、希望は生まれると確信している。
3月11日はおれも牛とともに福島市に駆けつけます。全国のみなさん、力を合わせましょう。
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《取材メモ》「団結」「希望」掲げ生きる 吉沢さんの言葉に“人の熱”
2月の晴れた日、福島県浪江町にある「希望の牧場」を訪問した。福島市から南東へ車で約2時間。福島第一原発から14`メートルの地だ。途中、飯舘村は無人で田んぼや畑も荒れ放題だ。それが南相馬市原町区に入ると一転して表面上は「日常生活」が営まれている。11年秋に立ち入り禁止が解除されて住民の一部が帰宅したためだ。
しかしさらに南下して南相馬市小高区に入るとまたも無人の光景が広がる。小高区は12年4月に立ち入り禁止が解かれたものの「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」に3分割され、いまだ上下水道も復旧していない。
その小高区の南端に希望の牧場の入り口がある。「決死救命、団結」と書いた大型タイヤショベルと「吉沢牧場」のプレート。入り口から敷地内に入るとすぐに、今も立ち入りが禁止されている警戒区域・浪江町だ。巨大なタンクには「3・12浪江町無念/原発爆発14q地点/決死救命を、団結!」とスプレーで大書されている。
30fという広大な牧場のところどころで、牛がロールに群がって干し草をはんでいる。生まれてまだ数日の子牛が、母牛の乳房にじゃれついて乳を飲む。あまりに美しい光景だ。しかしこの土地は、地上1bの空間線量が平均して毎時3マイクロシーベルトを超える放射能汚染地帯なのだ。
希望の牧場代表の吉沢正巳さんは今58歳。牧場内を案内していただくと「ここから第一原発が見えるよ」。双眼鏡で放し飼いの牛の向こう側、遠く沿岸部を望むと、福島第一原発の1号機から4号機がすべて見通せる。
牛の体にはすでに異変が起きている。「去年8月ごろから、牛の体に斑点が鮮明に出てきた。40年近い牛飼い人生で、こんな斑点は見たことがない。今は斑点のある牛が7頭いる。皮膚病とは違う。明らかに被曝の影響だ。国はこういう現実をちゃんと調べるべきなんだ。全然向き合おうとしないけどな」
まきストーブを囲んでこの2年近くの闘いを語ってくださった吉沢さんの目には、何度も涙が浮かんだ。「浪江町の無念は必ず晴らす。二度と繰り返させない。そのために原発のない世界をつくる」。「団結」と「希望」を掲げて生きる吉沢さんの言葉は、人の熱にあふれていた。
(本紙・里中亜樹)
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週刊『前進』(2574号6面2)(2013/03/04 )
3・11を「怒りのフクシマ」に 御用学者追放へ自治会つくる
マル学同中核派・福島大学支部
全国学友のみなさん! 「3・11反原発福島行動13」は歴史を決する行動だ。支配者どもの「復興」「除染」「帰還」のかけ声のもとに反原発闘争が圧殺されるのか、それともフクシマの怒りを結集して福島が革命の拠点となるのか――「3・11」2周年の福島は歴史の分岐点に立った。3月11日、全世界の仲間と団結してすべての核と原発をなくすため、仲間をどんどん誘って大結集してほしい。3・11を「怒りのフクシマ」に! 現地から熱烈に訴えたい。
(写真 福島大学前期入試に全学連が登場。次々と署名・議論に応じる受験生たち【2月25日】)
3・11は社会の全矛盾を暴いた
「3・11」とは何だったのか? 私たちは「3・11」を受けて何を思い、何を誓ったのか? その原点にあらためて立ち返りたい。
3・11大震災と福島原発事故は、「原子力ムラ」の現実の暴露をとおして、国家と資本の正体を暴き出した。原発は徹底した地方切り捨ての上に建てられてきた。何重もの下請け構造をつくり電力会社や原子炉メーカー、大手ゼネコンは責任を取らず、被曝労働を強いられるのは無権利・超低賃金の非正規職労働者だ。金と暴力と国家権力をフル動員して、組織と闘いをたたきつぶした上に原発があった。それが「未来のエネルギー」などともてはやされた。すべてがウソだった。ウソにウソを塗り重ねてこの資本主義社会が成り立っていたのだ。
「3・11」を受けてもこの国の支配者たちは資本の利益を優先し、危機に瀕(ひん)した国家を守るために「復興特区」で地方を食い物にし、核と原発に固執している。
“政府や資本家に任せていたら殺される”。私たちは生き抜く闘いをとおして、資本家と労働者は非和解であり、資本家を打倒するしかないことをつかんだ。フクシマの怒りと結びついた労働者人民の怒りの決起が昨年5月に全原発停止をかちとり、民主党・野田政権を打倒した。自民党・安倍政権は「いつ再び20万人決起が起きて打倒されるか」と労働者階級の決起に恐怖している。
運動を分断する清水修二と対決
大学・教育者・学生こそ、反原発の闘いの先頭に立つべき存在だ。しかし現実はまったく逆にフクシマの怒りを分断したたきつぶそうとする最悪の役割を担っている。
そもそも大学は原発を「安全・安価」と言って次々と建設させてきた。3・11後は「低線量被曝は問題ない」として子どもたちに被曝を強制している。福島県民に百パーセントのウソをつき続ける御用学者が行っていることは「学問」に名を借りた“緩やかな殺人”だ。県民健康管理調査をめぐる「秘密会」はその最たるものだ。これに対してふくしま共同診療所が医療を学生・労働者に取り戻す拠点として屹立(きつりつ)している。
反原発運動の分断に全力で乗り出しているのが福島大学の清水修二教授(前副学長)だ。清水は昨年、3・11県民大集会の呼びかけ人でありながら「(すべての原発を今すぐなくすことは)できるわけない」と言い放った。反原発行動に立つ福島大生を監視し、転向強要などの弾圧を重ねた。今年はそれのみならず、福島全体の原発反対運動を変質させる極悪の役割を買って出ている。
2月9日に行われた「県内の全原発廃炉を考えるつどい」では、伊達市住民が「原発問題を福島の問題と限定したらよくない。過去は政府に戦争責任の追及をしきれなかったが、3月11日をめぐる運動はそういうあり方を変える機会。政府・東電の責任追及をしないと福島は切り捨てられる」と真剣に訴えると、清水は「(反原発闘争に)政治を持ち込ませない」と敵対し、“政府・東電を責任追及するな”と言い放った(発言別掲)。
こうして福島の闘いを内部から破壊する大学教授の存在を1秒たりとも許すことができない。
原発を止め社会を変える力はどこにあるのか。それは労働者・学生の団結と行動の中にある。昨年5月に全原発をストップさせた力は、首相官邸前行動などの民衆の行動だったではないか。政府・資本への「お願い」の先には未来はない。そんな幻想は「3・11」で吹き飛ばされている。
学生自治会をつくり御用学者を追放することも原発を止める力だ。キャンパスの支配権を学生が握り、御用教授の居場所をなくしてしまおう。全学連と福島大生は「フクシマの怒り」の体現者として勇躍決起しよう。
3・11を怒りと闘いの日としよう。8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ―3・1ビキニも、闘うことによって反戦・反核の闘いの結集軸となっていったのだ。
先日の福島大学の前期入試会場では「3・11」から2年間、積もりに積もった受験生の怒りが次々発せられた。以下は福島大受験生のメッセージだ。「原発は危険。過去として忘れ去ってはいけない」、「3・11を風化させてはいけない。自分たちが声をあげていくべき。目をそらしてはいけない」(秋田県出身)。「3、4、5年と声をあげ続けるためにもこの2年目にかかっている」(福島県出身)。「原発反対!! 若い世代よ立ち上がれ」(富山県出身)。「原発について考えよう! 福島だけじゃない」(茨城県出身)
全世界の仲間と団結して闘おう
世界の仲間も3・11フクシマに注目している。
「3月11日は最も大事な日付です。原発に依存した経済繁栄は略奪にもとづく繁栄であり、次世代にツケを払わせる。こんなエネルギー源をなお開発することは無責任極まりない。全世界の原発は廃止されて当然です。チェルノブイリ・フクシマを二度と許すな」(ドイツ、24歳の学生)。「私はずっと核に反対でしたが、かつては反対活動をあきらめていました。フクシマ以来、そんなことは終わりです。私たちは毎週月曜日に市中心部で抗議行動を行っています」(ドイツ、キール核施設反対市民運動のアンドレア・ラウシュさん)。「私たちはあなたたちの側に立って闘い続けます。あなたたちの闘いは決定的に重要で模範的な闘いです」(フランス、ストップ・フェッセンハイム原発のアリーネ・ブラウンさん)。「みなさんの持続的かつ勇敢な反核の闘い、責任追及の闘いに敬意を表します。3・11行動にもろ手を挙げて賛同します」(アメリカ、シンディー・シーハンさん)
3・11行動は福島と世界が結合しプロレタリア革命に向かう行動だ。
清水の策動など、こうした学生や世界から寄せられる根底的なメッセージに敗北している。
福島の矛盾に悩む学生たちは、小手先の改革や請願行動などになんの展望も見出してはいない。学生が権力を取りにいこう。全学連は法大闘争7年の不屈の地平に立ってそこに挑戦しよう。
清水が「(3・23を)福島の集会であることにこだわりたい」「政治的決起集会にならないように」「日本の政治構図を県内に持ち込ませない」と言っていることが、どれほど団結を破壊しているか。安倍は福島を切り捨てることで原発再稼働−核武装−改憲へ突き進もうとしている。あきらめを吹き飛ばして学生・青年は決起しよう。
2年目の3・11福島現地へ全国学友は大結集を! 団結をうち固め、3・24三里塚闘争―4月キャンパス新歓闘争―5月沖縄現地闘争へと攻め上ろう!
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《資料》 「県内の全原発廃炉を考えるつどい」 福島大学・清水修二教授発言
「今年は『原発のない福島を』という集会名称にして、あくまでも福島の集会であるということにこだわりたい。政治的決起集会にならないようにしたい」
「日本の政治構図を県内に持ち込ませないようにしないと絶対にうまくいかない。責任追及は福島県だけでできる。県内に敵をつくるのは賢明ではない。自民党でも県内であれば一緒にやれる。政治的運動だけにはしない方がいい」
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週刊『前進』(2574号6面3)(2013/03/04 )
NAZENにいがた
2・24 結成1周年集会
2月24日、NAZENにいがたは結成1周年集会が開催され、約50人が結集した。NAZENにいがた代表の青年があいさつし、福島診療所建設委員会の丹治満さん、新潟工科大学の深澤大輔教授が講演した。
丹治さんは「東電、行政の切り捨てに腹が立つ」「甲状腺異常が多数出ており、甲状腺がんの公表を小出しにしている」と述べて福島での診療所の重要性を明らかにし、深澤教授は「柏崎刈羽原発は反対では足りない、禁止にすべき」と、日本列島は千年に1度の活動期に入っており、新潟でM7・5の地震が近く発生することを地質構造から説き明かした。
カンパアピールでは青年労働者が「毎週、新潟駅前での『土曜行動』は解放的」と3・11への決起を訴えた。柏崎刈羽原発再稼働を問う県民投票運動を担った市民、放射性がれき搬入阻止を担った市民が発言し、最後にNAZENにいがたが今後の運動を提起、3・11総結集を訴えた。(NAZENにいがた・T)
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週刊『前進』(2574号6面4)(2013/03/04 )
【要項】つながろうフクシマ!さようなら原発大行動、0310原発ゼロ☆大行動
つながろうフクシマ!さようなら原発大行動
3月9日(土)明治公園
午後2時開会(正午よりトーク&ライブ)
3時15分パレード出発
主催/さようなら原発一千万署名 市民の会
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0310原発ゼロ☆大行動
3月10日(日)日比谷野外音楽堂
午後1時集会 2時デモ出発
5時〜7時 国会前集会(その他各省庁前にて抗議)
主催/首都圏反原発連合
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週刊『前進』(2574号7面1)(2013/03/04 )
原子力規制委は再稼働の手先
福島の放射線被曝を抹殺 規制委文書
怒りを3・11福島行動へ
原子力規制委員会の検討チームは2月19日、福島県が実施している県民健康管理調査について「適切」とする文書「東京電力福島第一原子力発電所事故による住民の健康管理のあり方に関する検討チーム議論の総括」をまとめた。この文書は福島原発事故による福島の放射能汚染を極めて過小に描き、チェルノブイリ事故における健康影響も子どもの甲状腺がん以外は否定している。怒りなしに読むことはできない。規制委の文書を徹底的に批判する。
県民健康管理調査を「適切だ」と強弁
2月13日、福島県県民健康管理調査検討委員会座長の山下俊一が辞意を表明し逃亡した。福島の女性たちを先頭とした福島と全国で沸き起こる怒りがついに山下を追放したのだ。「文書」が示すことは、それに替わり規制委員会が「国」の名をもって福島県民に対する攻撃の正面に立ったということだ。
原子力規制委員会が福島県民への被曝強制と原発再稼働の手先としての本性をいっそうあらわにしてきた。福島の子どもたち・福島県民は命の危険にさらされている。全国の労働者民衆は怒りの鬼となり、怒りを巨大な力にし、委員長の田中俊一を始め規制委員会を絶対に打倒しよう。
「国」のお墨付きを与える規制委
規制委員会の「議論の総括」なる文書は始めから終わりまで、うそとデマを書き連ねている。一つひとつが憎みて余りあるが、ここでは、とくに見過ごすことのできない点を批判する。
規制委は第一に、本論の冒頭で「福島県民健康管理調査は適切」と言い切っている。福島で放射線被曝による発症が始まった。子どもの甲状腺検査の結果、すでに3人の子どもが甲状腺がんであることが判明した。ほかに7人の子どもが甲状腺がんの可能性が高い。福島県の子どもたちの健康におそるべき事態が進行しているのだ。
これに対して福島県立医大教授の鈴木眞一は「(原発事故との因果関係は)考えにくい」と言い放った。子どもの甲状腺がんの発生は「100万人に1人」と言われている。疑いのある子どもも含めた10人は2011年度に受診した原発周辺13市町村の3万8114人の中から見つかった。通常の260倍以上という多さだ。放射線の影響を真っ向から否定した鈴木の暴言のどこが「適切」だ!
それだけではない。検討会は公式会議のたびごとに事前に30分〜2時間の「秘密会」を持ち、「シナリオ」と呼べるものまでつくり、予行演習さえ行っていた。特に昨年9月11日の、子どもの甲状腺がんが初めて確認されたのと同じ日の会議では「因果関係はない」と結論を導き出すための謀議までやった。さらに県当局は、モニタリングポストを実際の数値より低く出るように設定し、モニタリングポスト周辺だけを除染するなどして、実際の放射線量より50〜60%も低い測定値が出るように操作。放射能汚染を少なく見せようと画策していた。
これらの実にあくどい策謀の数々のどこをとれば「適切」なのだ! 規制委の「適切」なる文言はこれらの悪事を「正しい」とし、「国」のお墨付きを与え、「もっとやれ。次からは、ばれないようにしろ」と発破をかけているのだ。
チェルノブイリの健康影響でもウソ
規制委は第二に、「チェルノブイリ事故では小児甲状腺がん以外の放射線被ばくによる健康影響のエビデンス(証拠)はない」とチェルノブイリ事故の実相の隠蔽(いんぺい)を図っている。“だから福島も大丈夫だ。安心だ”として県民を欺く魂胆だ。
しかしこれも真っ赤なうそだ。1986年のチェルノブイリ原発事故での死者数は、諸説あるが、京都大学原子炉実験所助教・今中哲二さんは「10万人から20万人くらい、そのうち半分が放射線被曝によるもの」と推計している。
それだけではない。事故は周辺諸国にすさまじい健康被害をもたらし、現在も続いている。事故での放射線被曝による健康への影響について良心的な学者・研究者、運動家によって貴重な調査・研究がなされている。ここでは岐阜環境医学研究所所長で医師の松井英介さんの、北ウクライナの成人と10代の若者についての10万人あたりの疾病罹患(りかん)率の調査を紹介したい。それによると、1987年と1992年の比較では、内分泌系25・8倍、精神障害52・8倍、消化器系60・4倍、筋肉および骨96・9倍……と全身の組織で疾病が増加している。これらを見ただけでも福島県(東日本)の子ども・住民の今後を憂慮させるとてつもない数値だ。
インチキ極まる「被曝線量調査」
規制委は第三に、「福島県、あるいは県内外の特定の地域において……放射線による発がんリスクの明らかな増加が予測されるほどの被ばく線量は確認されていない」と書いている。この文言は3n目からの引用だが、ほとんど同じ文章が他に2カ所出てくる。
だがここで書いていることも百パーセントの虚偽、デマだ。何よりも県民の被曝線量の調査自体にインチキが隠されている。まず、この調査を行っているのが福島県県民健康管理調査検討委員会ということだ。先に徹底的に断罪したように、この委員会はうそとねつ造の限りを尽くしている。その一点だけでも、この調査の結果が作為に満ち、真実とかけ離れたものであると推測できる。
またこの調査は、ビキニ事件の被爆者を「モルモット扱い」した放射線医学総合研究所(放医研)が開発した評価システムを用いている。この「システム」なるものが県民から真実を隠すためのものであることは想像に難くない。このように「調査」自体、真実を反映しているとはまったく言えないが、次に述べるように、発表されているものを見ただけでもすでに福島県民がとてつもない被曝を被っていることが明瞭だ。
事故後4カ月間の個人の行動記録に基づいて調べる外部被曝の推計は昨年10月末段階で約23万4千人分が終わり、原発作業の労働者らを除くと、5_シーベルト以上の被曝は953人、最高は25_シーベルトだ。人が立ち入ってはならない放射線管理区域は年間に換算して5・2_シーベルト以上の場所だ。3・11からの4カ月間だけで千人に近い人が、それと同等か、それ以上の被曝をしているのだ。しかも調査は、福島県民約206万人のうち約11%の推計結果にすぎない。
福島原発事故により膨大な放射性物質が流出した。その結果、福島県の東半分はチェルノブイリの基準を当てはめれば強制避難区域に匹敵する汚染地帯となってしまっている。しかも現在も大量の放射性物質が流出し、福島の大地と海洋を汚染し続けているのだ。
「福島復興」攻撃の重圧をはね返そう
規制委は最後に、「復興、再生なくしてこの避難の真の解除と不安の解消はなし得ない」と、論理を転倒させてまで「復興」と言い放っている。「復興、再生」の虚構をつくり上げ、力ずくで「避難の解除」「不安の解消」をなすことが狙いだ。そのために「マラソン大会」や「キッズパレード」「こどもまつり」など悪魔の所業とも言うべきイベントを高線量下の各地で大々的に行い、子どもたちを被曝に追いやっているのだ。
その果てに、何万何十万の子ども・福島県民に健康被害が出ようが、あるいは避難をめぐって親子・兄弟・夫婦が引き裂かれようが、親戚・隣人との関係や地域のつながりが無惨に断ち切られようが、人生が破壊されようが気にもとめないというのか。「福島復興」の上に、原発再稼働と原発推進のためなら福島県民はどうなっても良いというのか。そんなことは断じて許さない。安倍や規制委のもくろみなど絶対にうち砕こう。福島の子どもたちを救うことと、原発再稼働反対・全原発の廃炉を求める闘いはひとつだ。福島と全国での階級的労働運動の前進で勝利の道を切り開こう。
私たちは「3・11」を忘れない。福島原発事故を引き起こした自民党政権と東電、原子力ムラの責任をあいまいにしない。3月11日福島に集まり、福島の人たちとともに大集会と大デモを成功させ「福島復興」攻撃の重圧に立ち向かおう!
共に生きるために立ち上がろう! 3・11反原発福島行動13に一人でも多くの人が駆けつけよう!
〔北沢隆広〕
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《資料》うそにまみれた規制委員会「文書」
■福島県民健康管理調査
「福島県民健康管理調査は……適切」
■放射線被曝による健康影響
「チェルノブイリ事故では小児甲状腺がん以外の放射線被ばくによる健康影響のエビデンス(証拠)はない」
■被曝線量
「福島県、あるいは県内外の特定の地域において……放射線による発がんリスクの明らかな増加が予測されるほどの被ばく線量は確認されていない」
■「復興、再生」
「復興、再生なくしてこの避難の真の解除と不安の解消はなし得ない」
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週刊『前進』(2574号7面2)(2013/03/04 )
金曜行動 「伊方を止めよう」
首相官邸・国会前で叫び
2月22日首相官邸・国会前などで、伊方原発などの再稼働と原発に反対する抗議行動が行われた。先週までの寒さが和らいだとはいえ、夕方以降は冷え込みが強い。だが、官邸・国会前は労働者民衆の「原発なくせ!」「再稼働反対!」の熱いコールがとどろいた。全学連やNAZENの仲間たちもともに叫びを上げ続けた。
官邸前でアピールが始まった。真っ先にマイクを握った若い女性は「原子力規制委員会は安全基準をつくって原発を動かそうとしている。そんなことを許さないために、私たちは毎週ここで抗議している。みんなであの官邸に向かって抗議の声をぶつけましょう!」と声を振り絞った。
年輩の女性が「私はあなたが見捨てた浪江町からやって来た」と、官邸の安倍に向かって弾劾の声を上げた。「女は誰も卵を持って生まれて来る。その卵が放射性物質で汚されたのではないかと、中学生の女子は悩んでいる。こんな思いをもうどこの誰にもさせてはならない。あなたたちは、原発を動かして経済を優先すれば国は豊かになると言った。私たちがこんな暮らしをしていてどこが豊かだ! 原発は絶対に動かしてはならない。私と同じ不幸を日本中の誰にもさせてはならない。このことを伝えたい。出てきなさい! 出てきて私の話を聞きなさい!」と、安倍と自民党に怒りをたたきつけた。
国会前でも多くの人が発言に立った。たんぽぽ舎の男性は「伊方は中央構造線があって地震の心配がある。今、日本は地震活発期です。政府は地震保険料を来年から15%アップすると発表しました。政府と損害保険会社が地震のリスクが高まったと判断したのです。しかも規制委員会の田中委員長は、『断層があっても原子炉の真下でなければ原発を認める』と発言しています。巨大地震のリスクが高まっている中で再稼働を許してしまえば第二の福島原発事故の大惨事が起こる。伊方を止めよう! 日本の原発を止めよう! 共に頑張りましょう」と訴えた。
(写真 プラカードやボードを掲げ「原発やめろ」のコールを首相官邸にたたきつけた【2月22日】)
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週刊『前進』(2574号7面3)(2013/03/04 )
新たな入管体制=在留カード粉砕
国際連帯で新自由主義うち破ろう
在日・滞日外国人労働者と団結拡大を
革共同入管闘争組織委員会
世界大恐慌下、焦りにかられた極右超反動・安倍政権は、領土問題など排外主義をあおって戦争と改憲への道を突っ走り、アベノミクスで大量首切り、外注化・非正規職化攻撃を満展開している。殺されてたまるか! 怒りに燃えて3月ストライキに決起した動労千葉とともに闘い、この闘いと結合して4月東西入管闘争に立ち上がろう。2013年、入管闘争方針は鮮明だ。第一に、国際連帯の豊かな発展を推し進め、新自由主義を打ち破ろう。第二に、在日・滞日外国人労働者との団結を阻む、新たな入管法・入管体制=在留カード制度を粉砕しよう。第三に、階級的労働運動路線のもと、在日・滞日外国人労働者とともに合同労組・ユニオンを強化しよう。この闘いを地区党建設として貫こう。
(写真 昨年の11・4労働者集会【日比谷野音】)
大恐慌下で戦争と改憲へ向かう安倍政権を倒せ
世界大恐慌と大争闘戦のただ中で東アジアは戦争の危機に直面している。対中対峙・対決を核心とする米帝の「新軍事戦略」のもとで米日帝の侵略戦争策動が激しく展開されている。
昨年9月の日帝による釣魚台(尖閣諸島)略奪宣言以降、日中激突情勢は一層煮詰まっている。1月、釣魚台での中国軍によるレーダー照射事件とそれ以降の戦争的緊張の激化。2月12日の北朝鮮による核実験の強行は、米帝の北朝鮮侵略戦争策動をより一層強める事態になっている。
安倍は2月22日、オバマとの日米首脳会談でTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加と日米軍事同盟強化、対中・対北朝鮮戦争政策を確認し、原発維持をうたい上げた。辺野古新基地阻止、オスプレイ反対を闘う沖縄の怒り、フクシマの怒り、農地死守で闘う三里塚の怒りを逆なでする暴挙であり、絶対に許せない。3−4月決戦で安倍政権を打倒しよう。
2月26日に発足した韓国・朴槿恵(パククネ)政権は、日帝・安倍政権と同様、階級基盤は脆弱(ぜいじゃく)だ。アベノミクスで急激な円安が進行しており、それが韓国経済を直撃している。
韓国階級闘争は、87年労働者大闘争以来の一大決戦期を迎えている。われわれは韓国労働者の闘いに連帯し、帝国主義とスターリン主義のもとで奪われてきた労働者階級の階級的=国際的団結をよみがえらせよう。
米帝のイラク侵略戦争に反対してアメリカ西海岸の全港湾を止めたILWU(国際港湾倉庫労組)。韓国・延坪島(ヨンピョンド)における南北砲撃戦の勃発(10年11月23日)に対してストライキ中の現代自動車ウルサン工場の前で「戦争はヨンピョンドではなく、このウルサンで起きている」と叫んだ韓国の労働者。この労働者たちや労働組合と動労千葉は国際連帯闘争を重ねてきている。さらに今、3・11反原発福島行動に対し世界中から賛同署名とメッセージが届いている。
03年以来、動労千葉は日常的な資本との職場闘争を闘うことこそ、世界の労働者階級とつながる道だとの立場を貫き、国際連帯闘争を闘いぬいてきた。動労千葉の国際連帯闘争は戦争が現実のものとして迫ってきている今だからこそ、ますます光り輝く団結となって労働者階級をひとつにつないでいる。
仮放免者たちが法務省を怒りのデモで包囲した
新たな在留管理制度=「在留カード」制度は、昨年7月9日その出発時点で破綻を刻印された。在留カード制度がスタートした日、法務省は難民・仮放免者たちの怒りのデモに包囲された。「在留カード反対!」「仕事をさせろ!」「在留資格をよこせ!」「生きさせろ!」の怒りの声がこだまし、生きるための戦闘宣言がたたきつけられたのだ。
09年7月に自公民一致で成立した改悪入管法は、新たな入管法を制定するに等しい抜本改悪であった。在日人民の憤怒の的だった外国人登録法を廃止し、外国人管理を法務省に一元化した。これは戦前、外国人管理を内務省が統括していたことを今日的に復活させた攻撃だ。外国人の治安管理は国家専権事項とする道州制そのものだ。
在留カード制度は、3年以内の施行とされたが、この3年間の猶予期間で法外滞在者の一掃とともに「在留カード」の対象とならない難民申請者を始めとする仮放免者をゼロにするつもりだったのだ。しかし現実はそうはならなかった。
現在、法務省から「退去強制令書」が出されている外国人は約1万人、そのうち送還を拒否して在留している仮放免者は約3千人といわれ、その中心に闘う仮放免者、難民申請者たちが確固として存在している。
チャーター機で強制送還するな
在留カード制度の破綻を取り繕うために出されてきたのが来年度予算に計上されたチャーター機による強制送還方針だ。
10年3月、ガーナ人男性スラジュさんが国費送還中の航空機の中で入管職員による暴力的制圧行為によって殺される事件が起きた。この事件で人権じゅうりんの強制送還の実態が明らかとなり、強制送還がストップしている。この取り戻しをかけてチャーター機で一度に百人を強制送還するという、人を人とも思わない方針を打ち出してきたのだ。絶対阻止だ。
在留カード攻撃は、全労働者の9割を非正規職にしようという日帝の究極の新自由主義攻撃そのものだ。外国人労働者のほとんどは初めから非正規職労働者だ。彼らを在留カードで治安管理し、3・11情勢下で「復興特区」や原発労働に安価・使い捨ての労働力として動員しようというのだ。
入管法・入管体制は、82年に「難民認定法および出入国管理法」が施行されて以来、新自由主義攻撃と連動して改悪されてきた。特に01年9・11以降は「テロ対策」を名目に米帝の愛国者法さながらに毎年のように改悪され、強化されてきた。00年4月に全面廃止された指紋押捺(おうなつ)制度が、07年に入管法のもとで復活した。そしてこの情報を日米一体の新システムでコンピューター管理しているのだ。
09年入管法改悪は、単純労働力禁止を建前としていた日帝の外国人労働力政策を抜本的に変えたものだ。研修・実習制度を技能実習制度として整備(10年施行)し、この技能実習生を在留カード制度で新設した「中長期在留者」の軸に据えて管理・掌握し、コントロール可能な低賃金労働力確保を狙ったのだ。
また日本経団連・米倉は11年1月、少子高齢化による人口減少を移民の導入で解決すべきと発言している。日帝とブルジョアジーは労働力減少を外国人労働力の導入で補完することを狙って在留カード制度を導入したのだ。
差別・分断許さず団結をとり戻す4月入管闘争を
新自由主義のもとで帝国主義による新たな侵略の激化が、難民や移住労働者を生み出している。入管闘争は、民族・国籍・国境などで分断されている労働者階級を一個の闘う軍勢として形成する闘いだ。
革共同は、70年7・7を前後する入管法国会上程阻止、制定阻止の闘いを70年安保・沖縄決戦と結合して闘いぬいてきた。5年に及ぶ入管法阻止闘争は、現実に入管法制定を阻止し続け、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」という連帯戦略に結実した。その具体化は階級的労働運動の実践の中にあるという立場を貫いて今日まで闘いぬいてきた。
75年、「北のスパイ」容疑で在日韓国人母国留学生事件が引き起こされると、直ちにその救援運動に参加し、ともに闘った。救援運動内部で革共同排除の悪辣(あくらつ)な分断攻撃が起きたが、それを跳ね返し、原則的に闘いぬいた。
80年以降の指紋押捺拒否闘争では、拒否者の闘いを守り抜く連帯行動を担い、指紋押捺拒否闘争を単に指紋問題にとどまらず、外登法・入管法−入管体制を粉砕する闘いとして継続させるべきだと論陣を張った。こうして90年5月、関西大学で1千人を超える参加を得て入管集会を開催するに至った。これ以降、在日朝鮮人・中国人と実行委員会を形成し、論議しながら具体的な闘いを積み重ねてきたのが、全国実行委運動だった。
それは文字どおり、在日朝鮮人の戦闘的潮流との共同闘争として始まり、既成の民族運動をのりこえ、日本の労働運動の力を背景にした新たな入管闘争を模索したものだった。この実行委員会運動の中で入管収容所に対する新たな運動も開始された。
06〜08年の「党の革命」では入管戦線も大きな試練に直面し、激しい攻防が不可避となった。「日本の労働者は差別・排外主義にまみれているから信用できない」というように労働者階級への絶望をあおり、動労千葉労働運動に悪罵(あくば)を投げ、血債主義と糾弾主義で労働者階級を分断しようと策動したのが塩川派だ。これと断固として闘い、07年7月テーゼから09年綱領草案をもって今日の地平に到達したのである。
08年4〜5月集会は「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者と団結しよう!」のスローガンのもと、「支配階級によって築かれた分断の壁を打ち砕き、民族・国籍・国境を越えた労働者階級の団結を固めていくのが、新たな、そして本来の入管闘争です」と宣言。以来、労働者階級の自己解放闘争を基軸にすえた階級的労働運動路線を貫く入管闘争として、春の入管集会と11月労働者集会を結集軸とする国際連帯闘争が発展してきたのである。
昨年の11・4労働者集会で登壇した滞日外国人は「今日は労働者が権利のために闘い団結する集会だ。入管によって働くことを禁止されているが私たち仮放免者も労働者だ。一緒に頑張ります」と言い切った。
4月の東西入管闘争の意義は絶大だ。今こそ労働者階級の国際連帯の発展で新自由主義を打ち破ろう! 外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会が呼びかける4月東西集会に集まろう!
〔全国集会/4月14日(日)横浜市鶴見公会堂、関西集会/21日(日)大阪市浪速区民センター、ともに午後1時開会〕
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週刊『前進』(2574号8面1)(2013/03/04 )
迎賓館・横田爆取弾圧裁判 差し戻し控訴審無罪へ
2・23総決起集会かちとる
2月23日、「差戻し控訴審無罪へ!福嶋再審勝利!2・23総決起集会」が迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会主催でかちとられた。
会場の東京・新宿区初台区民会館には須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志の3人の被告団を先頭に家族、支援者、友人ら80人が結集した。
いよいよ差し戻し控訴審最終弁論公判が3月25日に迫ってきた。さらに、被告団から判決公判が6月末になりそうだと報告されるや、集会は一挙に緊張感が走った。
国鉄決戦、反原発闘争、星野奪還・全証拠開示大運動と一体のものとして2013年前半決戦のど真ん中に3同志の闘いが据わったのだ。
日帝・安倍政権、東京高裁と徹底的に対決し、3・25公判から6月判決へ総決起しよう、必ずや逆転無罪をかちとろうと、集会参加者は不退転の決意を打ち固めた。
(写真 爆取デッチあげ弾圧と闘いぬいて26年、3・25最終弁論を前に完全無罪戦取へ総決起集会【2月23日 東京】)
26年の攻防に勝利の決着を
迎賓館・横田裁判闘争は、26年にわたって、獄中の福嶋昌男同志を含め4人の被告団、家族、支援者の固い団結のもと、国家権力とで激突し、不屈・非妥協に闘われてきた。日帝の新自由主義攻撃と真っ向から対決し、階級的労働運動と一体のものとして闘い、日々勝利を積み重ねてきた。今その激突に勝利の決着をつける「最後の決戦」をたぐり寄せている。
集会冒頭、共同代表の桜井善作さんと、新たに共同代表になった藤井高弘さん(1984年自民党火炎戦闘デッチあげ弾圧元被告、裁判で完全無罪をかちとる!)の2人があいさつした。桜井さんは「この裁判闘争は極反動安倍政権に魂を売った裁判所との対決だ。広範な大衆的結集の力で勝利をかちとろう」と檄(げき)を飛ばした。
救援連絡センター、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議、法政大学文化連盟から連帯のあいさつを受けた後、「東電女性社員殺人事件」の再審闘争で無罪をかちとった「無実のゴビンダさんを支える会」事務局長の客野美喜子さんから「ゴビンダさん再審無罪と司法の責任」と題して特別報告を受けた。
客野さんは「再審無罪をかちとったが、素直に喜べない。警察・検察は誤判の検証をしようとしないし、裁判所も判決で誤判原因に触れようとしない。司法に自浄能力がないなら市民が立ち上がり徹底検証する」と教訓と今後の決意を語った。
“法廷での力と広範な決起で”
最終弁論公判に向け、弁護団の藤沢抱一弁護士、山本志都弁護士と、4同志が決意表明。
板垣同志は、差し戻し控訴審闘争勝利の地平をあらためて明らかにした上で「法廷の力だけでは無罪をかちとることはできない。もっと広範な人びとの決起を実現し必ずや逆転無罪をかちとろう」と力強く訴えた。
十亀同志は「司法はもう一つの安倍政権だ。危機ゆえに凶暴を極めている。裁判所も体制の危機のもと、最先頭で人権じゅうりんをする機関であり、裁判官は労働者民衆の敵。私たちは安倍政権打倒の闘いと一体で闘おう。3人の無罪勝利が福嶋さんの再審勝利を引き寄せる。ともに闘おう」と毅然(きぜん)として発言した。
須賀同志は「私は必ず無罪をかちとる確信を持っている。ゴビンダさんの再審無罪に続く決意だ。命がけ、必死の公判闘争だったが、どんなに困難であろうと無罪をかちとれないことはない。このこと1本にかけ切って3・25から6月判決公判に向けともに闘いぬき勝利しよう」と会場を揺るがす迫力で語った。
獄中の福嶋同志は「本日の集会の力と3・25公判で無罪を手にしよう」というメッセージを寄せた。
続いて家族がともに闘う決意を語った。福嶋さんの弟、明宏さんは「兄貴は元気です。皆さんからの手紙に勇気をもらっています。再審闘争に向け、これからもよろしくお願いします」と明るくあいさつした。
十亀トシ子さんは「私たちも未来を確信して無罪をかちとりましょう」と呼びかけ、須賀陽子さんは「正義を貫いていけば必ず道は切り開かれる。これからが勝負」と奮起を促した。
会場からの発言が行われ、最後に呼びかけ人の三角忠さんが「国家権力による新たな弾圧宣言に対する全世界の労働者階級人民の戦闘宣言をここに打ち立てた」と感動的に集会を締めくくった。
3月25日(月曜日、午前10時30分開廷、東京高裁429号法廷)、最終弁論公判に全力で結集し、3同志の完全無罪をかちとろう。
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【要項】3・25最終弁論公判へ
3月25日(月)午前10時30分開廷/東京高裁429号法廷
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週刊『前進』(2574号8面2)(2013/03/04 )
前進社国賠 証拠隠しを追及
“警視庁は全資料を出せ”
2月21日、前進社不当捜索国家賠償請求訴訟の第10回口頭弁論が東京地裁民事第1部(渡部勇次裁判長)で行われた。今回、原告代理人弁護団は、被告(都=警視庁)の準備書面(1)に対する求釈明、事実認否および反論を行った。
原告弁護団は、「電磁的記録媒体」の内容を確認しないで差し押さえすることが許されないと指摘した上で、警視庁が本件捜索において千数百点に及ぶ記録媒体などを押収しておきながら、交付した押収品目録は著しく特定性を欠くずさんなものでしかないと弾劾。何を押収したのかという事実関係の確定のために、捜査報告書あるいは捜索差押調書などの適切な資料を提出せよと再々度強く要求した。
原告の同志は、「安倍政権は、領土問題をあおり立て、憲法改悪、国防軍の創設、原発再稼働を強行しようとしている。『アベノミクス』の正体は雇用破壊、労組解体、生活保護の削減、消費税増税だ。『人民に敵対する政府は打倒すべきであり、革命が必要だ』という声が福島で、沖縄で、全国で巻き起こっている。革命情勢の中、前進社への不当捜索は、闘う労働者の機関紙『前進』の発行に打撃を与える目的で行われた」と前進社国賠の意義を訴えた。
そして警視庁の証拠隠しを弾劾した。「労働者人民の税金を使って集めた証拠を独占し、都合の良いものだけを出すようなやり方は根本的に間違っている。証拠は国家権力の独占物ではない。『証拠隠し』によって数々の冤罪事件が起こっている。星野文昭さんの再審請求においても、重要な証拠であるビデオテープを警視庁公安部は『紛失』したと称して証拠隠滅を行っている。昨年3月の大阪府警によるたばこの吸い殻の紛失等々、枚挙にいとまがない。本件捜索においても、押収品目録にはフロッピーディスク『127枚』と記載しながら『117枚』の誤記、『SDカード』と記載しながら『アダプタ』の誤記などと被告(都)の準備書面(1)では訂正しているが、こんなでたらめな押収が許せるか。何をいくつ押収したか全部明らかにしろ。捜査報告書などの開示は本件国賠訴訟に不可欠だ」
次回弁論期日は3月29日。いよいよ前進社国賠訴訟は具体的な本格的攻防に突入する。安倍政権打倒の3月決戦としてこの裁判闘争を闘おう。
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週刊『前進』(2574号8面3)(2013/03/04 )
星野同志の無実示す 色声光
全証拠を開示せよC
70年安保・沖縄闘争を最先頭で闘った星野同志
返還協定阻止11・14渋谷闘争
1971年11月14日、星野文昭同志は目前に迫った沖縄「返還」協定の批准を阻止するために決起した。この日、1万2千人の機動隊が渋谷の街を制圧し、戒厳令にも等しい状況になった。それと激突して都内各所から労働者学生が渋谷に向かった。池袋駅では、大阪から上京した教育労働者永田典子同志が機動隊の襲撃で虐殺された。渋谷に突入した労働者学生は、待ち受けた数千の人民とともに深夜まで闘い抜いた。この日の逮捕者は313人に達した。
沖縄は日米安保の最大の実体であり、現在もなお米軍基地の74%が集中したままである。1960年代、全世界的なベトナム反戦闘争と一体となり、沖縄の労働者人民は歴史的な大闘争として本土復帰闘争を爆発させた。
分離支配の動揺とベトナム侵略戦争への怒りの爆発という危機的情勢に直面した自民党・佐藤政権は、沖縄の労働者人民の要求をのむかのようなポーズをとりながら、実際には復帰にかけた人民の願いを踏みにじり、米軍基地の永続化と日米安保の強化を図るペテン的な「返還」政策を強行した。その内実が明らかになると沖縄全島をあげた反対闘争が爆発した。71年5月に続き、11月10日には全島ゼネストが闘われた。その中軸を担ったのは全軍労の労働者であった。
(写真 71年11・14渋谷闘争)
労働運動塗り替える闘いへ
革共同は「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の戦略的総路線を確立し、70年安保・沖縄闘争に総決起した。69年と71年の「二つの11月決戦」において、反戦派労働者は全学連とともに武器を取り、国家権力・機動隊との激突の先頭で闘った。
職場を基礎として組織された労働者が、革命への過渡的要求として「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」のスローガンを真っ向から掲げて武装決起し、国家権力の弾圧を打ち破って闘ったのだ。
その闘いは、プロレタリア革命を成し遂げる革命的な労働者の党=革命的共産主義者の党を鉄火の試練の中で建設し、戦後労働運動=戦後階級闘争を全面的にのりこえて日帝との階級的対決を貫き、ついには革命そのものにまで突き進んでいく労働者階級の歴史的決起として今日的にとらえ返すことができる。
千人に近い反戦派労働者の被告団が出現し、それぞれの周りに「守る会」や「支える会」が形成され、70年安保・沖縄決戦を人生を懸けて闘いぬいた息吹が労働運動の中に荒々しく持ち込まれて、労働運動を階級的に塗り替える闘いが開始された。総評型労働運動が高度成長と合理化攻勢に屈服し、帝国主義的労働運動への全面的な変質を遂げつつある中で、それを左から全面的にのりこえる闘いが党と労働組合の一体的前進として壮大な規模で開始された。
この70年安保・沖縄決戦の巨大な闘いの中から革共同沖縄県委員会が建設され、帝国主義による本土・沖縄の分断を打ち破りプロレタリア革命に向かって突き進む戦略的地平が切り開かれた。
大運動の力で全証拠開示を
これらの闘いに追いつめられた日帝・国家権力は、@安保・沖縄闘争の圧殺をかけて2回にわたって破防法を発動し、A白色テロルを行使する反革命にまで純化したカクマルを使って、荒々しく始まった戦闘的労働運動の絶滅を狙った。同時にB星野同志に対して死刑求刑−無期懲役の攻撃をかけてきたのである。
革共同は、戦闘的労働者・労働組合と一体となって、この三重の反革命と闘いぬき、今日、新自由主義攻撃と闘ってプロレタリア革命に向かって前進している。
星野同志は獄中38年を不屈に闘い、敵の攻撃を根底的な地点で打ち破っている。70年安保・沖縄闘争の勝利の地平を守り、獄中からプロレタリア世界革命を訴えているのだ。星野同志を奪還する闘いは、労働者階級への分断攻撃を許さず、全労働者の団結をつくり出す闘いそのものである。全証拠開示運動は、星野同志の無実を示す証拠を隠して38年も獄に閉じ込め続けている日帝・国家権力に対する全人民の怒りを組織し、解き放つ闘いである。
星野文昭同志を取り戻す時が来た。世界大恐慌の深化と新自由主義の破綻の中で、国鉄決戦、反原発闘争を闘い、全証拠開示大運動を爆発させ、星野同志を労働者階級の手に奪還しよう。
(シリーズおわり)
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【要項】3・5東京高裁包囲デモ〈全1日行動〉
3月5日(火)午前11時30分 日比谷公園・霞門結集
午後0時15分 デモ出発
午後1時30分 署名提出行動
午後1時40分 第11回ビデオ国賠開廷(東京地裁527号法廷)
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週刊『前進』(2574号8面4)(2013/03/04 )
『前進』を軸にした活動が地区党の力を引き出す鍵
『革共同の機関紙活動』を読むA
『前進』は自分だ
パンフを読んで、あらためて『前進』こそ自分自身であり、自分と相手が団結することは『前進』で団結することなんだと思いました。
北海道の国労闘争団、全動労争議団は、成田昭雄さんを除いて金銭解決で闘争を終結させました。手放された労働者の魂は、成田さんとともに国鉄闘争全国運動・北海道がすべて引き受けて闘う時代が来ています。
『前進』は、動労千葉労働運動という実践に裏打ちされて、唯一、国鉄闘争勝利の説得力のある展望を提起し続けています。国鉄から始まった新自由主義を安倍政権が激しく進めている今、『前進』をすべての労働者の中に持ち込むことこそが私たちの任務です。
革共同書記長は基調提起で、新自由主義と対決して勝利するためには「党を変革しなければならない」とし、その方向性を地区党(党員)の力を自己解放的な決起として引き出すことが鍵だとしています。そのような地区党建設を機関紙活動によって、『前進』を基軸にした計画的、目的意識的活動によって実践しようと訴えています。
6千万労働者に
さらに、6千万労働者階級全体を対象にした『前進』に変革しようと提起されています。街で出会う青年労働者を私たちが『前進』の読者となる人だと見れるのかどうか、ここに核心問題があるとされています。そして、一人の青年労働者を読者として獲得することは一人の存在では終わらないとされ、同時に私たち自身が労働現場からの投稿者、作成者として『前進』を作っていくことで『前進』を労働者の新聞に変革していくことが訴えられています。
具体的な機関紙活動の実践方針として、「迅速な配布こそが最大の闘いです」とされています。私自身も仕事や活動の忙しさの中で、配布活動を後回しにしたり、2週分まとめてということもありました。
また、機関紙活動と財政闘争などの具体的取り組みについては「A県委員会の機関紙活動の報告」が大変参考になりました。必要な機関紙財政を地区の全同志の協力を得て再確立した教訓からは、労働者党員の力を信頼することを学びました。私もまだ第一歩ですが、労働者同志との討論を開始しました。早速、労働者同志の目の輝きが変わったのを実感しています。
生々しい記事を
最後に、現場労働者によって書かれた具体的で生々しい『前進』、「義理と人情」、共同性にあふれた新聞を作っていきたいという意見に大賛成です。私たちの周りにはそういうエピソードがたくさんあります。『団結ひろば』が具体的で生々しい記事で埋まったら、それだけで読者の拡大につながるはずです。
実は私も先日ハローワークの「みどりの窓口コーナー」という「障がいのある方専用の窓口」で、係員の労働者が最近の求人傾向についてあたかも「明るい話題」のように話していたことが印象に残っています。一方で「ブラック企業」が青年労働者を次々に心の病に追い込み、もう一方でその受け皿のようにさらに低賃金で働かせる求人が増えている現実を突きつけられた思いでしたが、その時はそれを投稿してみようとは思いませんでした。あまり敷居を高くしないことも大事だと思いました。
全国的に機関紙活動の強化と変革が全力で取り組まれていることは、革共同がプロレタリア革命をやり抜く本物の労働者党として、動労千葉のような階級的労働運動の拠点を全国につくり出すために必要だと思います。
全国の同志の皆さんと、『前進』を愛するすべての読者の皆さんとともに機関紙活動を強力に実践していきたいと思います。
(北海道・TS)
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週刊『前進』(2574号8面5)(2013/03/04 )
団結ひろば 投稿コーナー
王城寺原で米海兵隊実弾射撃演習やめろ 宮城 川内碧葉
2月17日、宮城県色麻町の王城寺原演習場での沖縄米海兵隊による155_りゅう弾砲の実弾射撃演習に反対する現地集会とデモ行進が行われました。主催はとめよう戦争への道!百万人署名運動・宮城県連絡会です。県内から30人が集まりました。
私たちはまず、演習場ゲートにて東北防衛局に対し、2月18日からの演習を中止するように怒りの申し入れをたたきつけました。「沖縄の痛みを分かち合う」という口実で、沖縄から本土5カ所に分散移転した今演習は、1997年に始まって今回で10回目です。沖縄にはオスプレイが配備され、安倍政権は沖縄・辺野古への新基地建設を狙っています。何よりも日本政府の「釣魚台国有化」以来、日本と中国が事実上の戦争状態に入っています。大恐慌下、領土・資源・勢力圏を争う侵略戦争がアジアで、アフリカで始まった今日、戦争ではなく革命によって危機に立つ資本主義を打ち倒す決意を新たにしました。
集会では、郵政で働く労働者、派遣労働者が「戦争動員を許さない。被災地で行われる戦争演習を阻止しよう。闘う労働組合をよみがえらせて戦争をとめよう。原発再稼働をとめてすべての原発を今すぐなくすために3・11福島へ駆けつけよう」とアピール。
集会後のデモ行進の先頭には王城寺原闘争に初参加の青年労働者が並び、寒風吹きすさぶ中、元気に打ち抜きました。現地の住民も家の外に出てきて、デモ隊に手を振って迎えてくれました。
福島の渡辺さん講演 震災2年の現状語る 東京 加治木寛久
2月16日、大井町きゅりあんで「原発止めろ!新橋アクション」の学習会企画として、福島診療所建設委員会事務局長・渡辺馨さんの「震災後2年を前にして、今フクシマで何が起きているか」と題した講演が行われました。仕事を終えて駆けつけた労働者など約50人が参加しました。
渡辺さんは最初に、開院したふくしま共同診療所が「5月まで診療申し込みの予約がいっぱい」との現状を述べ、それが深刻な状況の反映であることを語りました。福島県立医大は子どもの甲状腺調査を始めましたが、「問題ない。あとは2年後に」と突き放すだけで、被曝の影響を正しく知りたいという住民の切実な願いとかけ離れたもの。共同診療所が担うべき役割の大きさを参加者は理解しました。
さらに渡辺さんは3・11当日の体験、危険が続く福島第一原発、被曝を強いられる原発労働者、仮設住宅の過酷さ、ゼネコンぼろもうけの除染事業、「収束」「安全」「復興」キャンペーンなどの実態を語りました。そして「3・11は8・6広島と同じ重要な日」として大結集を呼びかけました。ビデオや写真を使いながら、時にユーモアを交えての渡辺さんの話に参加者は聞き入り、質疑応答も活発でした。
最後に主催者のまとめとして、宮里勝博・なんぶユニオン委員長が「3月11日は月曜だが、自力自闘で休みをとって全力で駆けつけよう」と訴え、福島の怒りと結びついたこの日の講演会の成功を全体の大きな拍手で確認しました。
不当逮捕粉砕し1泊2日で帰りました! 新潟地域一般労組委員長 鰕名一男
2月13日早朝に行われた新潟県警本部による私への不当な逮捕と2カ所への家宅捜索は、「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」という「被疑事実」でした。こんな不当でデタラメな弾圧を許すことはできない。
現在私が寝泊まりし、新潟地域一般労働組合と新潟県労組交流センターの活動を行っているマンションの一室を、昨年の6月、私名義で購入するために住民票を移したことが「犯罪」とする今回の弾圧は、私たちがこの間闘ってきたJR外注化阻止・非正規職撤廃闘争、反原発闘争の高揚に追い詰められた安倍政権と警察権力が焦りに駆られてしかけてきたものにほかならない。資本主義の世の中で住居を購入するために住民票を異動することは一般的に行われていることであり、犯罪にならない。
しかし、この事実を警察も検察も覆い隠し、ことさら住民票を異動したことだけを取り上げて「犯罪」としたのだ。
公安刑事は、完黙する私に対し、転向強要もできず、ただ隣に座る部下と雑談するのみというアリバイ的な取り調べに終始しました。夜の取り調べで窓から聞こえてきた地域の仲間たちの「がんばれ」の声に消耗し、「良いお仲間がいますね」と吐露する始末。
この弾圧のあまりの不正義性と私の完黙・非転向の闘い、外の仲間たちの警察・裁判所への抗議闘争、弁護士の奮闘などによって、新潟地裁は検事の勾留請求を却下し、私は逮捕翌日14日の深夜に釈放された。裁判所は勾留却下決定で、異動届の後にその住居を購入し、住んでいることをあげ、勾留は不要との判断をしている。
警察の今回の弾圧はこうして破綻した。しかし、私はこの弾圧を絶対に許さない。必ず2倍、3倍にして返す。権力がもくろんだ、私たちと労働者人民との分断を許さず、新潟の地で外注化阻止・非正規職撤廃闘争を闘う労組として地域一般労組を強化拡大する。東電・柏崎刈羽原発の再稼働を阻止する。
最後に、合同・一般全国協の仲間のみなさん、全国労組交流センターの仲間のみなさん。大量の激励メッセージ、本当にありがとうございました。短い獄中闘争でしたが、本当に勇気をもらいました。
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