ZENSHIN 2013/02/25(No2573 p06)
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週刊『前進』(2573号1面1)(2013/02/25 )
争闘戦と戦争の日米首脳会談弾劾、国際連帯・階級的労働運動の前進を
3・11反原発福島行動に総結集しよう
(写真 農地奪うな!300人が千葉地裁包囲 2月18日、農地裁判開廷に先立つ千葉市内デモに三里塚反対同盟を先頭に動労千葉、国労闘争団など300人が雨をついて決起【記事4面】)
2月12日のオバマ一般教書演説と22日の日米首脳会談が示したことは、世界大恐慌下での帝国主義の生き残りをかけた大争闘戦の激化と、戦争情勢の強まりである。特に日米首脳会談では、@TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加、A日米合意に基づく普天間県内移設、B原発政策維持と再稼働、C北朝鮮制裁での連携など、超反動的な内容がテーマとなった。だがその根底には激しい日米争闘戦がはらまれている。大恐慌と大失業・戦争の情勢に立ち向かい、国際連帯と階級的労働運動の発展をかちとろう。2・17国鉄集会と2・18千葉地裁闘争の感動的な成功から、いよいよ3月決戦だ。2・24橋下打倒闘争を打ち抜き、13春闘、3・1ビキニデー集会と3・11反原発福島行動、3・24三里塚現地闘争に総決起しよう。
東アジアでの戦争危機に日韓米国際連帯で闘おう
世界大恐慌の深化が帝国主義間・大国間の激しい争闘戦とつぶし合い、さらには戦争に転化してきている。それは一方で、金融緩和競争と自国製品の輸出競争力強化を狙う通貨戦争=為替戦争として火を噴き、他方ではフランス帝国主義のマリ侵略戦争や東アジアでの戦争(核戦争)の危機として現実化している。
米帝オバマは一般教書演説で政権2期目の政策目標を打ち出した。そこではTPP推進を強調するとともに、「北朝鮮の挑発的な行動は、さらなる孤立や世界の断固たる行動を招く」「イランの核保有阻止のため、必要なことはすべてやる」と朝中両国とイランを恫喝した。対中対峙・対決を核心とする米帝の「新軍事戦略」のもとで、日帝が新たな領土略奪攻撃に踏み切り、釣魚台(尖閣諸島)をめぐる日中の戦争的対立が激化し、北朝鮮は対抗的な核実験を強行した。東アジアの情勢は極度に緊迫している。
また、中国では労働争議の激発とともに、今回の北朝鮮の核実験への抗議行動が闘われている。これに対して中国スターリン主義は、人民の怒りが中国政府自身の核武装・原発大増強政策に向けられることを恐れて、この闘いを必死に押しつぶそうとしている。
まさに大恐慌の本格化の中で、帝国主義もスターリン主義も末期的な危機を深め、労働者階級に犠牲と矛盾を集中し、大失業と戦争の攻撃を強めている。この攻撃を打ち破り、帝国主義とスターリン主義の支配を世界革命で打倒し、核も原発も戦争も失業もない世界をつくり出す道は、階級的労働運動と国際連帯だ。11月労働者集会を水路とする国際連帯は動労千葉労働運動が切り開いてきた地平である。
今こそ日韓米を軸に国境を超えた労働者の団結を強化・発展させよう。階級的団結論と絶対反対論と労働者国際主義を貫き、外注化阻止決戦の第2ラウンドと反原発闘争を一体的に推進し、3月決戦の勝利へ全力で決起しよう。
動労千葉の闘いを先頭に3月ストライキへと進撃
2・17労働者集会は、3年前に国労本部など4者4団体派が全面屈服して逃亡した国鉄1047名解雇撤回闘争の危機(4・9政治和解)を真に戦闘的にのりこえるものとしてかちとられた。結集した労働者は、自分たちこそが国鉄闘争、いや日本労働運動に責任をとりきる主流派勢力となって前進していく決意と確信を打ち固めた。26年間、不当解雇に屈せず、アルバイトや物販運動をやりながら職場復帰をめざしてきた動労千葉争議団と国労闘争団、そして動労千葉こそ階級的労働運動の最先端の牽引(けんいん)車である。
1047名闘争は圧倒的に労働者の魂を揺さぶり、共感を獲得する闘いだ。実際、多くの青年労働者がこの闘いを知り、支援に立ち、労働運動に続々と合流している。だから国鉄闘争全国運動は展望あふれる運動だ。「解雇撤回・JR復帰」の署名運動をいよいよ全国で大発展させる時だ。
また、動労千葉・動労水戸・動労総連合の10・1外注化阻止闘争は、確実にJR東資本と東労組を追い詰めている。外注化と強制出向の手先となっている東労組に対して、「資本の言いなりになるのが労働組合か!
なんのための組合か」という青年労働者の怒りが爆発している。青年からの追及を恐れて、組合幹部が逃げ回る職場も生まれている。東労組の職場支配が崩壊し始めているのだ。
さらに、外注化が強行された千葉の検修職場では、JRとCTS(千葉鉄道サービス)の責任体制も混乱し、当局の無気力・無責任が職場に広がっている。「こんなことでは必ず事故が起きる」と、動労千葉は反合・運転保安闘争路線を新たに打ち立て、外注化・強制出向粉砕の決意を固めて闘っている。
郵政職場でも自治体職場でも、資本・当局の手先と化した組合幹部に青年労働者の怒りが爆発し、階級的労働運動の再生と創造の条件は満ち満ちている。最も原則的、階級的に闘う者が、職場の仲間の心をつかむのだ。山が大きく動き始めた! この認識をはっきりと持ち、動労千葉の3月ストを先頭に大胆な攻勢にうって出よう。
雇用・賃金の破壊に反撃を
「雇用破壊元年」ともいうべき激しい大量解雇と賃下げ、非正規職化の攻撃が強まっている。経済財政諮問会議では、安倍や原発大企業出身の民間議員らが「日本の企業は新陳代謝が足りない」などと議論している。これは資本こそ生命体であり、労働者はその犠牲となって当然だという主張だ。一体、労働者をなんだと思っているのか!
これと一体で規制改革会議は、解雇規制の見直し(首切りの自由化)の具体化を策動している。
日立は「競争力をつけている新興国企業と闘える給与水準でなければならない」とさらなる賃下げを叫び、JR東日本は「経営構想X」で「利益を確実に創出し続ける、筋肉質で俊敏な経営体質をつくりあげます」と全資本家に向けアピールしている。安倍政権が叫ぶ「成長戦略」とは、雇用破壊、賃金破壊を極限まで強めるということだ。
民営化・外注化阻止と非正規職撤廃を4大産別−全産別で闘い、この3月、労働者の根底からの怒りを大爆発させよう。
3・11福島行動にドイツなど続々と国際的な賛同
大震災・原発事故から2年目の3・11反原発福島行動へ全国から大結集しよう。
福島県の県民健康管理調査の検討委員会が13日に開かれ、2人が新たに甲状腺がんにかかっていると報告された。これで計3人となった。ほかの7人もがんの疑いがあるとして検査が継続されている。甲状腺検査は18歳以下(原発事故当時)を対象に11年度に約3万8千人を対象に実施したもの。「約4万人から3人」の割合は、子どもの甲状腺がんの発生率(100万人に1人)をはるかに超えている。原発事故の影響は明らかだ。そして今も多くの子どもたちが一般人の法定被曝許容限度(年間1_シーベルト)を超える汚染地域に住まわされ、通学を強制されている。
東電も国もなんの責任もとっていない。断じて許せない。3・11大結集で東電と安倍政権に、腹の底からの怒りをたたきつけよう。3・11には国際的にもドイツやアメリカを先頭に続々と賛同が寄せられている。
全国から大結集の機運が高まる一方で、反動と敵対も強まっている。それは、3・11反原発行動が原発事故の責任を徹底追及し、高線量の福島の現実を告発し、帝国主義の原発推進政策と真っ向から激突する闘いだからだ。一切の反動を打ち破り、福島の怒りと固く結びつき、全原発廃炉と子どもたちを被曝から守る闘いを発展させよう。
3・11へ、3・1ビキニデー杉並集会を大成功させよう。全原発廃炉へ闘うNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の発展をかちとろう。
3月決戦の決定的な柱として3・24三里塚闘争に総結集しよう。農地法を農地取り上げの手段とする攻撃は新自由主義そのものだ。第3誘導路供用攻撃と対決し、3・24全国人民総決起の力で、市東さんの農地と営農を断固として守り抜こう。
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週刊『前進』(2573号1面2)(2013/02/25 )
2・17労働者集会 “外注化阻止の第2ラウンドへ”
650人が大結集 新たな反合・運転保安闘う
(写真 職場闘争貫き解雇撤回の大署名運動を 国鉄闘争全国運動の一段の飛躍と新たな闘いへの決意をみなぎらせ、団結ガンバローを三唱【2月17日 東京都墨田区】)
「国鉄分割・民営化で不当解雇から26年/2・17労働者集会」(呼びかけ/国鉄闘争全国運動)が2月17日、東京・墨田区のすみだ産業会館サンライズホールで開かれた。650人が会場を埋めつくし、熱気と感動、新たな闘いへの決意みなぎる決起集会として大成功をかちとった。(集会発言2面)
司会は、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長と、動労千葉の長田敏之書記長がつとめた。
主催者あいさつで呼びかけ人の3氏が、国鉄闘争全国運動の一段の飛躍の必要性を強く訴えた。元国労九州本部書記長の手嶋浩一さんは「解雇自由の攻撃が強まり、闘わなければ奴隷になるしかない時代だ」と訴え、日本近代史研究者の伊藤晃さんは「労働者が自らの存在意義や尊厳に目覚め、労働者が労働者階級になっていく重要な場としてこの全国運動はある」と述べた。愛媛県職労の宇都宮理委員長は「国鉄分割・民営化で突きつけられた課題は、いまや全労働者共通の課題になった。公務員攻撃、さらに伊方原発再稼働に対して組合として闘っていく」と決意を語った。
控訴審の勝利へ熱烈な訴え
闘争報告に立った田中康宏委員長は、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審での解雇撤回・JR復帰に向けた闘い、昨年10月に強行された検修・構内業務外注化を粉砕する外注化阻止闘争の第2ラウンドの闘い、安倍政権下での“新たな雇用破壊元年”と言うべき資本攻勢との対決の3点について述べ、「全国のあらゆる地域・職場から闘いを起こし、国鉄分割・民営化からの二十数年間やられてきたことに決着を付けよう」と熱烈に訴えた。
1047名解雇撤回闘争の当該が登壇し、一段と大きな拍手が沸いた。代表して動労千葉争議団の中村仁さん、国労旭川闘争団の成田昭雄さんが、あらためて26年前の解雇に思いをはせ、怒りに体を震わせながら解雇撤回・原職復帰への決意を語った。動労千葉顧問弁護団の葉山岳夫弁護士は、6・29東京地裁判決の意義を語り、控訴審闘争を全人民的な闘いに発展させようと訴えた。
次に6・29判決を受けてスタートした「解雇撤回・JR復帰を求める高裁署名運動」の呼びかけ人の訴えが行われた。二十年以上にわたり国鉄闘争を支援してきた立場から「国鉄闘争はいまだ終わっていない」「労働運動の原則を据えた、多くの賛同を得られる幅広い運動を」「署名運動への熱烈参加を呼びかける」と呼びかけ、運動の拡大を実感させた。同じく呼びかけ人の自交総連北海道地連の杉本一郎書記長は「動労千葉労働運動を全職場に広げていく闘いとして署名運動の担い手に」とアピールした。
職場から外注体制粉砕する
カンパアピールに続きJR職場からの決意表明に移った。
強制出向の当該である動労千葉の関道利執行委員、動労水戸の石井真一委員長、動労連帯高崎の漆原芳郎副委員長が闘いの先頭に立つ決意を語った。さらに動労千葉木更津支部の岩瀬恵一副支部長は3月ダイヤ改定での久留里線ワンマン化阻止の闘いを報告、動労千葉青年部、動労水戸、動労西日本の青年労働者の発言が続いた。ライフサイクル強制配転から3年となる動労千葉青年部の滝厚弘さんは習志野運輸区運転士への原職復帰をかちとったことを勝利感いっぱいに報告した。
さらに強制出向無効確認訴訟代理人の石田亮弁護士が「現場でも勝利し法廷でも勝つ」と語り、森川文人弁護団長は「外注化は、追いつめられた資本による絶望的攻撃だ」と述べた。
決意表明では、まず橋下徹大阪市長との闘いの最前線から大阪市職の赤田由行さんが発言。さらに東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会を先頭とする闘う4つの合同労組の組合員が登壇すると参加者は大きな拍手と声援で応えた。国鉄闘争全国運動・東京東部の会の代表、全学連の斎藤郁真委員長が決意を表明、全金本山労組の長谷武志副委員長が閉会あいさつと団結ガンバローで集会を締めた。
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週刊『前進』(2573号1面3)(2013/02/25 )
前進速報版から
▼三里塚裁判2・18一日行動@movie▼2・17国鉄集会 動労千葉からの報告@movie▼北朝鮮核実験に中国の労働者が怒りの行動
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週刊『前進』(2573号2面1)(2013/02/25 )
2・17労働者集会での発言
解雇・非正規職化許さない
職場から闘い起こす意欲みなぎる
(写真 〈上〉動労千葉争議団、和解を拒否して闘う国労闘争団員、弁護団が決意を表明 〈下〉強制出向の当該を先頭にJR本体の組合員が新たな闘いへの突入を宣言した【2月17日 東京都墨田区】)
2・17労働者集会は「国鉄1047名解雇撤回」と「民営化・外注化粉砕、非正規職撤廃」の闘いが文字通り融合・一体化した素晴らしい集会になった。JRを先頭に全産別の労働者が結集し、新たな闘いの火の手を上げた合同労組の仲間も多数駆けつけた。国鉄闘争がその本来の力を生き生きとよみがえらせ、いよいよ国鉄分割・民営化からの26年間に革命的決着をつける闘いが始まったのだ。動労千葉はその先頭で新たな時代の反合・運転保安闘争への突入を宣言した。2〜3月闘争を闘い抜き、国鉄闘争全国運動6・9全国集会の空前の成功へ突き進もう。集会での発言を紹介します。(編集局)
解雇撤回へ闘う
控訴審で勝利し絶対JRに戻る 動労千葉争議団 中村仁さん
不当解雇から26年です。当時、私は千葉運転区支部で青年部長をやっていました。多くの若い仲間が駅などに強制配転させられていました。明日が全然見えませんでした。「闘えば全員首だ」と言われる中、動労千葉は2波のストライキを貫徹しました。28名が解雇されました。私も2度の停職処分にされ、私にはJRへの採用通知は来ませんでした。私たちは不採用になったけど、闘い抜いて他の動労千葉組合員がJRに採用されたことをずっと誇りに思ってきました。
動労千葉鉄建公団訴訟の6・29東京地裁判決は”国鉄当局の不当労働行為があったから中村はJRに行けなかったんだ”ということを認定したわけです。絶対に高裁で勝ってJRに復帰したい。この闘いは、動労千葉争議団の9人や動労千葉だけの問題ではなく、労働者全体の問題だからです。労働者としての誇りでひとつに団結して闘いましょう。
2月27日には出向無効確認訴訟と鉄建公団訴訟控訴審があります。絶対にJRに復帰し、同時に今、千葉鉄道サービスに取られている仲間をJRに取り戻します。
基本を曲げずに解雇撤回を貫く 国労旭川闘争団 成田昭雄さん
4者4団体は、解雇撤回を下ろし「雇用・年金・解決金」の3本柱でやれば解雇撤回が付いて来るんだと言ってきた。来ましたか? 年金が回復しましたか? これが現実なんです。基本を曲げたらこうなるんです。解雇された者は解雇撤回しかありません。
もう一回、足元を見ましょう。国鉄分割・民営化は、われわれ鉄道職員に対してだけかけられた攻撃ではありません。交通弱者を生み、街をさびれさせ文化がなくなり、多くの非正規職を生み出した。若い方から年輩の方まで、すべての人にかけられた攻撃だということが分割・民営化の最大の争点だと思います。闘わない労働組合がこういう状況をつくったんです。昨年秋から全国を回ってきました。2・24橋下打倒闘争、3・11福島にも行きます。全国どこへでも行きます。同時に、国労原告団物販へのご協力をよろしくお願いします。
不当労働行為は原状回復が原則 動労千葉顧問弁護団長 葉山岳夫さん
昨年の6・29判決は、JR不採用基準の策定そのものを不当労働行為と認定しました。そうであるならば、原状回復として解雇は撤回されなければならない。判決は矛盾に満ちています。
この判決は「国鉄分割・民営化反対、解雇撤回・原職復帰」の旗を掲げて闘ってきた国鉄闘争全国運動の大きな意義と可能性を示しました。
この四半世紀、国鉄方式の解雇や、非正規雇用化の嵐が吹き荒れ、労働運動は一定後退させられてきました。第2の分割・民営化というべき外注化阻止闘争と連帯した、全人民的な闘いが要請されています。1047名闘争に心を寄せてきた全国の仲間の呼びかけで、高裁での解雇撤回・JR復帰を求める新しい運動も始まっています。一層の取り組みを弁護団としてもお願いしたい。安倍超反動政権打倒の闘いと連帯し裁判闘争勝利へ全力で闘う決意です。
外注化粉砕する
CTSの違法な超勤指示に抗議 動労千葉執行委員 幕張支部 関道利さん
私は外注化で強制出向させられた側です。当局は毎日、一つひとつの業務を発注する形でスト対策を打っています。こんなやり方に断固反対して不当労働行為として追及していきます。
私が千葉鉄道サービス(CTS)幕張運転車両所の職場代表になり、この間、36協定締結をめぐってCTSと交渉してきました。ずっと未締結のまま超過勤務、休日勤務が行われてきています。会社は「他の事業所での協定を準用した」とでたらめを言い、「労基署にも確認した」とうそをついて強行してきました。組合が抗議・申し入れを行い、労基署にも違反申告を行いました。21日には労基署が職場に調査に入ります。休勤も超勤も指示できなくなったCTSは、すでに確定している年休も含めて取り消すなど年休時季変更権を乱用しています。
このようにCTSは仕事もできない、労務政策もできない会社です。これからも職場から外注化粉砕で全力で闘います。
必ず勝つと今年初のストを貫徹 動労水戸 石井真一委員長
2月15日に今年第1波ストに決起して不当労働行為粉砕裁判を闘いました。国鉄分割・民営化に反対した者は首というのが敵階級の意思でした。だから動労千葉、国労、全動労の仲間が解雇された。当時、松崎と組んで鉄道労連初代会長になった志摩好達は「本来採用すべきでない人たちを採用したのだから、この人たちを絶対に本務につけないこと。もし本務についてドライバー(運転士)や車掌をやるといつストライキをやるか分からない」と主張した。こういう主張に基づいて、われわれは採用はされたけど売店やベンディングセンターに送られ、運転士登用差別、昇進差別を受けてきたんです。
私も今、下請け会社に出向させられています。この間、雪で列車が大混乱したのも外注化が原因です。ポイントなどの雪を溶かす融雪灯をJRと下請けのどっちがつけるかもはっきりしていない。輸送が混乱したらダイヤも戻せない。これが検修・構内業務外注化の現実です。36協定の扱いも千葉と同様、でたらめです。清掃の労働者、下請けの労働者が団結して闘えば必ず勝てます。この道を進もう。
偽装請負を職場から摘発し闘う 動労連帯高崎 漆原芳郎副委員長
高崎では約60人が高崎鉄道サービス(TTS)に出向させられました。私が働いているTTS籠原事業所では、構内関係の34人全員が出向させられました。
TTSとの団交では、動労連帯高崎が先陣を切ってやってきました。プロパー育成の計画もはっきりしない。籠原ではTTSもJRも詰め所が同じで、JR助役の机の隣にTTSの作業責任者の机がある。本当にでたらめな外注化であり、偽装請負そのものです。
これからも職場から偽装請負を摘発し、外注化粉砕の立場でがんばっていきたいと思います。
動労千葉の報告
反合・運転保安を掲げ春闘ストライキに立つ
田中康宏委員長
長い長い闘いへのご支援に、あらためてお礼を申し上げます。
昨年、動労千葉鉄建公団訴訟で6・29東京地裁判決が出ました。解雇撤回を拒否した反動判決ですが、国鉄当局のJR不採用基準策定を明確な不当労働行為と認定しました。「不採用基準が策定されなければJRに採用されていたはずだ」と言うなら解雇撤回・JR復帰以外の結論はないはずです。解雇を撤回し、国鉄改革法を打ち破る一歩手前まで来ました。高裁での勝利へ、一層のご支援をお願いします。
私たちは、全鉄道業務を外注化する攻撃に立ち向かい、千葉では足掛け13年間、外注化を止めてきました。しかし昨年10月、千葉でも外注化が強行されました。職場は悔しい思い、怒りの気持ちでいっぱいです。
この間、現場の知恵と力を結集して新しい闘いに立ち上がることを決意しました。徹底的な職場討議を行い、その闘いの方向性が二十数年間、動労千葉がやってきた反合理化・運転保安闘争の中にあることも再確認しました。新しい時代の反合・運転保安闘争は運転保安の問題と同時に、雇用破壊の問題を敵の最大の弱点・矛盾として突く闘いです。
今回の外注化は、十数年間の攻撃の過程全体が不当労働行為そのものです。当局は、団結破壊のために主要な仕事から動労千葉組合員を外し、次々と支部役員を強制配転しました。多くの組合員が小さな検査派出に配転され、今度の外注化で派出業務がそっくり外注化されました。十数年間かけて仕事から外し、外注職場に配転して出向させる。このすべてが不当労働行為です。
2番目は運転保安の問題です。外注化はひどい職場をつくりました。トータルに職場に責任をもつ管理者はゼロになりました。列車はひとつの指揮・命令系統のもとに動かさなければぶつかります。しかし、構内ではCTSとJRの労働者が入り乱れて働き、当局は偽装請負隠しのために一番厳格に運転法規で定められていた運転の「指揮・命令」を単なる「情報提供」と言い換えてごまかしている。こんなことが通用するはずがありません。
さらに当局は毎日毎日、発注書兼指示書なるもので何十もの業務を発注している。こんな委託がありますか。動労千葉のスト対策のために偽装請負そのものの方法を取ったのです。これも通用するはずがない。スト権にかかわる問題です。これらを徹底的に追及し、今春闘で外注化そのものを粉砕するストに立ちます。
みなさんの職場でも同じことが起きているはずです。安倍政権のもと、今年は新たな雇用破壊元年になります。公務員労働者を焦点にした攻撃も全面的に始まっている。国鉄闘争を中心に、どんな小さな火でも全国の地域・職場に無数の闘いを起こす。それは必ず闘う労働組合が息を吹き返すきっかけになるはずです。6月9日に国鉄闘争全国運動の全国集会を開きます。3年間続けてきた国鉄闘争全国運動がこれまでの枠を突き破り、会場を満杯にして、全国に無数のつながりをつくる。6・9集会までの数カ月間で、そういうところまで絶対に持っていきましょう。動労千葉も、この春闘から外注化阻止の第2ラウンドの闘いに入ります。
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週刊『前進』(2573号2面2)(2013/02/25 )
国鉄全国運動 大発展への手応え
活動者交流会で終日討論
2・17労働者集会に先立って国鉄闘争全国運動の全国活動者交流会が、すみだ産業会館で開かれた。北海道から沖縄まで約40団体から150人が集まり、終日にわたる熱のこもった議論が行われた。
事務局が経過と会員数の現状、決算を報告し「4・9政治和解に抗し、新自由主義の対抗軸となる新しい労働運動を展望して大きな前進をかちとってきた。しかし、現状に満足しているわけにはいかない。今が正念場だ。国鉄闘争の歴史的大きさを再確認し、全国運動の真価を発揮すべき時だ」と提起した。
動労千葉の田中康宏委員長の報告、参加した呼びかけ人からの問題提起に続き、各地の代表から活発に意見が出された。
6・29東京地裁判決の持つインパクト、物販闘争と一体で署名運動に取り組んだ手応え、地域共闘のねばり強い取り組みなどが次々と語られた。今年の交流会の際立った特徴は、自治体や医療・福祉職場を始め具体的な職場闘争とその教訓が、かつてない分厚さで報告されたことだ。
討論の中で、動労千葉争議団、和解を拒否して闘う国労闘争団員も報告と決意表明を行った。この中で国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは、国鉄分割・民営化渦中での自らの職場反合闘争を振り返り「動労千葉型労働運動、反合・運転保安闘争路線は、どんな産別のどの職場でも通用する闘いだ」と提起した。
最後に、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長が「国鉄型解雇、外注化・非正規職化は、誰にとっても人ごとじゃなくなってきつつある。職場・地域にあった一定の壁が崩れつつある」と議論をまとめ、国鉄闘争全国運動6・9全国集会に向かう過程を以下の二つの方針で闘おうと呼びかけた。第一は、動労千葉鉄建公団訴訟の控訴審勝利へ解雇撤回要求の署名運動に全力で取り組むこと、第二は、民営化・外注化、非正規職化阻止へ、動労千葉の反合・運転保安闘争路線を武器に全産別のあらゆる職場から具体的な闘いを起こすことだ。この提起を全参加者が確認し、互いに奮闘を誓いあった。
(写真 自治体や医療・福祉を先頭にした職場での具体的闘いが数多く報告され、飛躍の方向性が浮き彫りになった)
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週刊『前進』(2573号2面3)(2013/02/25 )
中川、大工原を追及
郵政非正規ユニオン 都労委審問でうそ暴く
郵政非正規ユニオンつぶしを狙って行われた雇い止め解雇の撤回を求める東京都労働委員会の第3回審問が2月14日に開かれた。この日も傍聴席は支援共闘の労働者で満杯だった。
今回の証人尋問は、東京多摩局業務企画室長・中川陽二と、元東京多摩局ゆうパック担当課長の大工原重良。いずれもユニオンに対する不当労働行為の張本人だ。中川は不当な雇い止め解雇を仕組み、その後の団体交渉では、うそとごまかしの対応で不当解雇を開き直ってきた人物である。大工原は「バイトの分際で組合なんかつくりやがって」と齋藤裕介委員長に対する暴言とつぶし攻撃を行ったあの大工原だ。
最初の証人・中川に、組合側代理人である酒井健雄弁護士の尋問が鋭く突き刺さった。これまで中川は、自分は2011年4月に東京多摩局に赴任してきたから、2〜3月の齋藤委員長に対する最初の雇い止め通告とその後の事実上の雇い止め撤回・雇用継続の経緯、そしてその際に齋藤委員長とその仲間たちの雇用期間が6カ月から3カ月に一方的に変更された経緯について知らないとしらばくれていた。ところが中川は、当時東京支社の労務担当で東京多摩局を含む多摩地域の労務担当の調整役として派遣されていたのだ。
「知らない」どころか、すべて掌握していたはず。それどころか、いつでも雇い止めできるように3カ月雇用にこっそりと変更させたのだ。「なぜ3カ月にしたのか? それも齋藤委員長と、後に組合結成に参加する労働者を選別して」「団体交渉で組合が要求した資料の開示をことごとく拒否したのはなぜか?」。次々と突きつけられる質問に中川はまったく答えられなかった。最後は完全にノックダウン状態。部下に肩を抱かれて退席する始末。
大工原も「そんなことは言ってない、やってない」とうそを繰り返したが、これに森川文人弁護士の尋問が突きつけられた。大工原暴言事件の直後に齋藤委員長が組合員に事件を知らせたメールをはじめ、具体的証拠を突きつけて尋問するや、答えに窮して絶句。うそと矛盾が暴かれ、傍若無人に暴言と暴力をふるっていた大工原は借りてきた猫のように縮こまる始末だ。齋藤委員長も怒りをこめて尋問に立ち、「あなたは当時、私に対して『赤旗振った連中と一緒にやるのか!』と言ったが、今日はその仲間が大勢駆けつけている。同じせりふを言ってみよ」と追及すると、日頃あれほど傲慢(ごうまん)にいばりくさっていた大工原は何も言えなかった。
次の第4回審問(3月14日)は輸送ゆうパック課長・井上真二だ。この人物も直接手を下した張本人のひとり。今回に続いて徹底的に追及し、不当な雇い止め解雇と組合攻撃を粉砕しよう。
(写真 勝利感あふれる総括の後、齋藤委員長の音頭で団結ガンバロー【2月14日 都庁】)
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週刊『前進』(2573号2面4)(2013/02/25 )
2・3大阪 “職場全体の組織化へ”
自治体・教労討論集会を開催
2月3日、自治体労働者・教育労働者討論集会が大阪市住吉区で開かれ、18労組から60人が結集した。新たな参加者が10人近く集まり、この間の路線的闘いが確実に青年労働者や職場の仲間を獲得しつつあることを確信させるものとなった。
まず、大阪市職と大阪市教組の労働者が「自治体の民営化との闘い」「教育の民営化との闘いとしての不起立」について報告した。それを受けた白熱的討論で、橋下市長こそ自治体丸ごと民営化・10割非正規職化の最先兵であり、これとの対決は全労働者の課題であることが浮き彫りとなった。大阪市当局が、交通局や下水道の民営化のために強行している20%賃金カットや分限免職を目的とする研修所送りへの怒りが噴出していること、自治体職場での非正規労働者の実態などが明らかとなった。
また、「君が代」不起立をどういう立場で闘うかをめぐって討論が行われた。教労現場でも、非正規職化、賃下げと殺人的長時間労働、処分・免職攻撃がすでに激しく進んでいること、「桜宮高校事件」での当該教員の懲戒免職・校長の入れ替えなど、教育労働者を非公務員化・非正規職化して低賃金でこき使う「教育の民営化」が全面的に始まったこと、不起立もこうした教育の民営化との闘いを職場でつくりだすものであることが明らかとなった。
「非正規職撤廃で闘えば正規も非正規もない。労働組合がどう闘うかが重要で、青年も結集してきている」「最も激突した人が集会にきた。絶対反対で分岐をつくり獲得する、路線的に闘うとはこういうことなんだ」「一人の力でなく労働組合の力が大切。執行委員として組合で闘ってきたことの大きさがわかった」「熱い討論をする人たちですね」などの意見・感想が出され、集会での大衆的討論で路線を深める画期的集会となった。1人から始まり今はたとえ少数でも、絶対反対を路線的に貫く闘いは職場全体、労働運動全体を獲得できる。こうした実感と展望をつかむことができた。また、階級的な労働組合をつくりだすことの大きさも鮮明になった。
「入れ墨処分」「不起立処分」撤回を求める闘いは、怒り、闘いを求める労働者の結集軸になり階級的労働組合をつくりだす核となりつつある。
動労千葉・動労水戸が10・1JR外注化阻止決戦で切り開いた地平の上に、動労千葉の1〜2月の闘い、2・17国鉄集会の成功と一体で、「JR外注化阻止決戦の第2ラウンドとその全産業化」の闘いの火ぶたを切ることに成功した。
職場全体・組合全体を組織する挑戦を開始し、3月決戦に打って出る決起集会として、2・24橋下打倒集会に結集しよう!
(大阪・K)
(写真 新たな仲間も結集し、大衆的討議を通して闘いの路線が深まる画期的討論集会になった【2月3日 大阪市住吉区】)
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週刊『前進』(2573号3面1)(2013/02/25 )
雇用破壊・団結破壊と対決し非正規職撤廃・派遣法粉砕へ
革共同合同・一般労組委員会
大恐慌と大争闘戦下で存亡の危機に立つ帝国主義の階級戦争に対する労働者の根底的な反撃が始まった。その最先端は、国鉄決戦を戦略的基軸とする4大産別決戦であり、合同・一般労働組合の闘いだ。外注化阻止・非正規職撤廃、労働者派遣法粉砕の旗を高く掲げ、雇用破壊・団結破壊と正面から対決し、青年労働者、全労働者の未来を切り開こう!
(写真 ショーワ工場正門前で全国の仲間とともに解雇撤回を求めシュプレヒコール【12年4月27日】)
4・1JR外注化阻止を国鉄と一体となり闘おう
米日帝は中国・北朝鮮の体制転覆を狙う侵略戦争策動を強めている。安倍政権は釣魚台(尖閣諸島)略奪を居直り、排外主義を扇動し、改憲・戦争への道を開こうとしている。大恐慌と争闘戦は大失業と戦争の果てしない激化をもたらす。だがそれは帝国主義が全世界労働者階級の決起で打倒される時代が到来したことを示している。
1月8日、日本経済再生本部が内閣府に設置され、9日に経済財政諮問会議が3年ぶりに再開。23日、規制改革会議が発足した。規制改革会議では「雇用が流動化しやすい、そういった環境をつくっていくという点で雇用関係の規制の見直しというのは非常に重要」(翁百合・株式会社日本総合研究所理事)、「労働に関する規制というのが、これは企業が人を雇うときにも、あるいは人が育つときにも競争するときにも弊害になっている」(佐々木かをり・株式会社イー・ウーマン代表取締役)とする意見が飛び交った。解雇規制撤廃=解雇自由=10割非正規化を成長戦略の最大の柱とする日帝ブルジョアジーのむき出しの階級意思だ。
だが現在、情勢の主導権を握っているのは、革共同と動労千葉を先頭とする階級的労働運動派だ。「時代認識と路線」で武装し実践する労働者党が〈革命的共産主義運動と階級的労働運動の統一的推進>と〈党と労働組合の一体的発展>を闘い抜けば、労働者の階級的団結を革命に向かって広大に形成していくことができる情勢が到来している。
10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃の決戦は、労働者の力を根底から引き出し、新自由主義攻撃に立ち向かう路線を生み出している。
動労千葉は反合理化・運転保安闘争路線を新たな地平で実践していく地点に立った。それは、大恐慌―3・11情勢下の新自由主義攻撃に対する反合・運転保安闘争路線であり、安全破壊と雇用破壊を仕掛けてくる資本と非和解的に闘い、新たな団結を創造していく闘いである。JR東日本「グループ経営構想X」、経労委報告13年版、日本経済再生本部、経済財政諮問会議、規制改革会議との全面対決を貫く闘いである。
4・1JR外注化は全労働者を非正規職にたたき込む大攻撃だ。4・1外注化に対して、合同・一般の仲間は全国の駅・JR職場でビラを配り、動労総連合・国労共闘の闘いと一体になって組織化の闘いに突入しよう。
動労千葉を先頭とする外注化阻止・非正規職撤廃・組織拡大の闘いと西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会、郵政非正規ユニオンのような闘う労働組合をよみがえらせる具体的実践は、労働者階級の中に深く根付きつつある。外注化・民営化阻止、非正規職撤廃を掲げた階級的労働運動の発展とその職場・地域での実践と組織拡大こそが、この腐りきった新自由主義を打倒する唯一の路線だ。
団結権否定と首切り自由の派遣法を粉砕しよう!
昨年10月18日、中央労働委員会は、一般合同労組さいたまユニオンのショーワ不当労働行為救済申立事件再審査を棄却、さらに1月7日、さいたま地裁熊谷支部は、JAM神奈川ジェコー労組が訴えていた解雇撤回訴訟で棄却判決を下した。
株式会社ショーワ(ホンダ系自動車部品工場)もジェコー株式会社(トヨタ系自動車部品工場)も、ともに埼玉県行田市富士見工業団地に本社を置く。
ジェコーの正規労働者からなる神奈川ジェコー労組は、請負・派遣労働者を組織し、06年から組合要求として派遣労働者の正社員化を闘い、偽装請負を告発して直接雇用化を実現するという先駆的闘いを行った。ところがジェコー資本は、7年間夜勤専属を強制された組合役員である期間従業員当該の女性派遣労働者が健康を害し出勤できなくなると、それを口実に08年、雇い止め攻撃を加えてきた。
折からのリーマンショックによって、大量の派遣労働者が路頭に放り出される中で、ジェコー労組のオルグ活動が、隣接するショーワで働く派遣労働者をも組織し、「派遣切り」に対して派遣先を相手にストライキをたたきつけるという画期的な闘いへと発展した。
それは、関西合同労組の森精機での闘いと並んで、派遣労働という極悪の労働者支配に対して、派遣先責任を追及して実力闘争に立ち上がる歴史的な闘いだった。ジェコーでも、ショーワでも、派遣労働の最大の矛盾点である派遣先の雇用責任、労働安全責任をついて闘った。
ショーワの事件を担当した中労委会長の菅野和夫は「同種の案件が8件継続している中で、中労委として、『労働者派遣先の使用者性』について、はじめて〈考え方>を示したい」「派遣先は派遣労働者の使用者ではないから団体交渉に応じなくてよい」として組合側の訴えを棄却する決定を打ち出した。これは、相次ぐ派遣労働者の闘いが、派遣先への直接雇用要求を始め、派遣先の雇用責任を問うものとして闘われていることに対する恐怖の表れだ。だからこそ中労委決定は、労働者派遣法が派遣労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権の一切を否定し、派遣先が違法行為をやっても派遣先の責任を免除する法制度であることを国家意思として宣言したのだ。
戦後制定された労働基準法と職業安定法は、中間搾取=労働者供給事業の禁止を定めた。しかしこれらの法律が施行されて間もない1952年に職業安定法施行規則第4条が改悪され、社外工などの事業場内下請け事業が公然と復活することになった。偽装請負は禁止されていたにもかかわらず、違法な労働者供給事業は70年代には第3次産業にまで拡大していった。日帝はこれを取り締まるのではなく、職安法の原則を一部解体・修正するものとして派遣法の創設に踏み切った。偽装請負の実態を追認・合法化する形で制定されたのが派遣法なのである。
職安法44、45条の労働者供給事業の禁止は全否定されたわけではなく、例外的に「労働者派遣法」という形で合法化されたにすぎない。だが派遣法は、制定時(85年第102回国会)の「社会労働委員会議事録」で明らかなように、@派遣労働者の労働条件は派遣元が決定する、A派遣先には使用者責任はなく団交応諾義務もない、B派遣法下でも派遣先が使用者になることがあるが判断は労働委員会や裁判所に委ねるべき、として問題をあいまいにさせてきた。だから労働委員会や裁判において信じがたい不当な命令や判決が出されているのである。
派遣法は「有期労働契約」とともに、憲法28条の団結権、労働基準法や職安法を否定した現代版団結禁止法である。非正規労働者を非正規労働者たらしめている元凶が派遣法であり、有期労働契約である。労働者の怒りが充満している。労働契約法、高齢者雇用促進法など資本の解雇自由を促進する法律を労働者の団結で粉砕していこう!
地域労働運動との共闘の要としての合同労組運動
動労千葉、動労水戸が職場・生産点で10・1外注化をめぐって闘い抜いたことによって、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは国鉄を最先端に全産別で闘われる第2ラウンドへと突入した。こうした中で合同労組運動の位置は決定的となった。
今、多くの労働者が非正規職に突き落とされ、いつ解雇されるかわからない状況で働かされている。正規職で雇われたとしても、パワハラやセクハラ、長時間残業、サービス残業などで、過労死や自死に追い込まれる労働者が膨大に生み出されている。新自由主義は、労働現場における人間性を破壊しながら、徹底した搾取・収奪を行う攻撃だ。内閣府が矢継ぎ早に設置した種々の会議は、こうした攻撃を既成労組幹部を抱き込みながら、さらに推し進めることを宣言している。生産現場で派遣法違反や偽装請負があろうと、労働者をどのように働かせ低賃金を強制しても一切責任をとらない資本のあり方を追認し、それを法体系、国家の体制として整備しろと絶叫しているのだ。
郵政をはじめ多くの職場で労災や事故が多発している。昨年5月の関越道のバス事故、年末の笹子トンネル天井崩落事故、品川・新江東の清掃工場での死亡事故など、資本はその責任の一切を労働者に押し付けている。ふざけるな! 責任は、規制を撤廃し、外注化・非正規職化を進め、安全対策を一切投げ捨てた帝国主義・資本の側にこそある。労働者の生きる権利すら奪い取られてたまるか! 資本と労働者との関係は絶対非和解であり、労働者は闘わなければ生きていけない。
だからこそ、革共同の路線を貫く労働運動として合同労組を組織し拡大していくことが決定的だ。それは地区党建設の闘いと一体である。組織された労働者の隊列で新自由主義を打倒する闘いが求められている。それを細胞−地区党−産別委員会の総力を挙げた決起でつくり出すことだ。合同・一般労働組合全国協議会の1千人組織建設と拠点労組建設は、21世紀革命の命運を決する13年の最重要の闘いだ。
それは、徹底して職場・生産点、地域での拠点建設の闘いを貫くことだ。JAM神奈川ジェコー労組の闘いがショーワの闘いへと拡大して地域全体をまきこんで拡大し、鈴コンや郵政非正規ユニオンの闘いが地域全体や産別全体へと発展しているように、合同労組運動はいくつかの事業所に拠点支部、拠点分会を形成しながら、一つの地域であらゆる産別、事業所、あらゆる職種の労働者を組織していったとき本格的威力を発揮する。
この3月には大量解雇攻撃が行われようとしている。これは、非正規職のみならず、正規職も含めた6千万労働者とりわけ2千万青年労働者にかけられた攻撃である。「資本家に責任はない」と行政や司法が非正規雇用護持のために必死になろうが、労働者がユニオンに結集し、解雇攻撃に対して職場生産点で次々とストライキに決起するならば、反動攻撃は必ず粉砕できる。正規・非正規の分断をのりこえた労働者階級の根底からの怒りを爆発させよう!
反合・運転保安闘争路線で安全・雇用破壊と対決し、組織を拡大する一大決戦に打って出よう。地区党が中軸となって、4大産別はじめあらゆる産別職場に外注化阻止・非正規職撤廃の団結を組織していこう。
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週刊『前進』(2573号3面2)(2013/02/25 )
パンと自由! 新たな革命を!
チュニジアで全国ゼネスト
労働者が革命後最大の決起
チュニジアで2月8日、極右イスラム政治勢力による反政府派の政治家、ショクリ・ベライド氏の暗殺に抗議する全国ゼネストが爆発した。ベライド氏は6日に極右の銃撃に遭い殺された。抗議ゼネストは、米帝や仏帝に支援されたムスリム同胞団系政府の革命勢力抹殺攻撃に対する労働者階級の反撃の闘いだ。
抗議ストは、チュニジア労働総同盟(UGTT)が呼びかけ、この35年間で最大の全国24時間ゼネストに発展した。全国の工場、交通機関、学校、銀行、商店などの活動を停止させ、労働者は街頭に打って出た。首都チュニスでは10万人がデモに立ち上がった。
2011年のチュニジア革命の時にも実現しなかった全国ゼネストが闘われたことは、ムスリム同胞団系アンナハダ党を軸にした現連立政権への労働者人民の怒りがベンアリ前政権にもまして激化していることを示している。そして、かつて政府の協力者であったUGTTの中で左派が力を蓄え、力関係を変えてきたことにより、UGTTの戦闘力が着実に強まったことを示している。
現支配体制への怒りが爆発
アンナハダ党は11年のチュニジア革命後、党に所属する「革命防衛同盟」と呼ばれるテロ組織や極右反動のイスラム政治勢力であるサラフィストを使って、革命的な労働者や活動家、労働組合に白色テロ襲撃をしかけ、労働者階級の闘いを抑え込もうとしてきた。これに対する怒りがべライド氏暗殺を機に爆発したのだ。
チュニスで行われたベライド氏の葬儀には5万人以上の人びとが参列し、抗議のデモ行進に転化し、次第に膨れ上がった。参加者は口々に「新たな革命を」「政府打倒」「パンと自由と社会正義を」と叫びながら、弾圧のために出動した軍隊や機動隊の制動をはねのけて墓地に向かって行進した。
同様の抗議デモは南部のガスファ、スースなどでも行われた。チュニジア革命の発祥の地シディ・ブージでも1万人が抗議デモに立ち上がった。各都市でアンナハダ党の事務所や警察署、知事公邸などが攻撃され、警察が対応不能に陥り、軍隊が投入された。
反米帝、政府打倒の闘いへ
この闘いは、単に極右イスラム政治勢力や政府による白色テロや弾圧に抗議して爆発したものではない。労働者人民は革命後に権力を奪ったアンナハダ党が、エジプトのムスリム同胞団を基盤とするムルシ政権と同様に、労働者人民の生活を破壊してきた新自由主義政策を推進し続け、さらに新たに国際通貨基金(IMF)の支援と引き換えに労働者人民に過酷な緊縮政策を押し付けようとしていることに激しい怒りを爆発させたのだ。労働者全体の失業率がすでに17%を超え、青年労働者の失業率が40%にのぼる中で、追い打ちをかけるような緊縮政策は労働者人民にとって到底耐え難い。
また、米帝や仏帝が一方でリビアやシリア、マリ、アルジェリアで労働者の闘いを圧殺するために政治介入と侵略戦争を行いながら、他方でエジプトの自由公正党ムルシ政権やチュニジアのアンナハダ党を軸とする連立政権を全面的に支援していることに労働者人民は怒りを爆発させた。自由公正党もアンナハダ党もムスリム同胞団が基盤だ。さらに仏帝のマリ侵略戦争は労働者の怒りを決定的に呼び起こした。
労働組合の決定的な役割
2月8日のゼネストは、革命後も依然としてUGTTの中央指導部を握っている体制内勢力が、労働者人民の怒りの爆発が新たな革命に発展しかねないことを恐れ、闘いを体制の枠内に抑え込むために呼びかけたものであった。
だが、UGTT傘下の多くの労働組合の中に革命的影響力を着実に拡大してきた戦闘的左翼的潮流は、ランク&ファイルの労働者を組織し、UGTT指導部の思惑を超えて巨大な打撃力をもつ反政府全国ゼネストへと闘いを発展させる重要な役割を果たした。
今後の闘いの成否は、UGTTを真に革命的で戦闘的な労働組合のナショナルセンターへと再編し、労働者階級の闘いをプロレタリア革命に向かって前進させることができるか否かにかかっている。また、この過程で労働者階級の革命的前衛党を建設することができるか否かにかかっている。
チュニジアの労働者階級は2・8全国ゼネストが示すように確実にこの道を進んでいる。そして、このチュニジアの労働者階級の労働組合を基盤とした闘いは、エジプトやアルジェリア、全中東の労働者階級に巨大な革命的影響を与えるであろう。 (丹沢望)
(写真 反政府派の政治家の葬儀に集まった5万人超が抗議デモ【2月8日 首都チュニス】)
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週刊『前進』(2573号3面3)(2013/02/25 )
13年決戦特別カンパの訴え
外注化阻止・非正規職撤廃、国際連帯で勝利開くために
『前進』読者のみなさん。すべての労働者・農漁民・市民のみなさん。
年末カンパへのご協力に深く感謝いたします。その支援を土台にして勝利の2013年を進撃しています。外注化阻止・非正規職撤廃、国際連帯の闘いを持続し、さらに徹底的に推し進めるための13年決戦特別カンパを訴えます。
●青年の死因トップは自死の現実
ギリシャやスペインで若者の失業率が6割に達しました。日本でも労働者全体の4割は非正規職です。新卒者でも、昨春大学を卒業した約56万人のうち、正規雇用は33万5千人。それも「名ばかり正社員」や「ブラック企業」を含めてのことです。しかも、3人に1人が数百万円もの奨学金・教育ローンを背負っています。
こうして、退職や病気、自死に追い込まれる青年が激増。今や日本の15歳から40歳未満までの年齢層で死因の1位が自死です。
就職しても職場はさらに過酷です。合理化攻撃は労働災害を激増させ、年間労働災害死傷者数は11年度、11万4千人を超えました。
公務員は、長年働いて勤め上げる寸前に退職金を大幅にカットされ、その上に年金支給も先送りされ、人生設計が破壊されています。それ以前に、青年が失業・低賃金で結婚さえ困難な状態に直面しています!
病気になっても医者にかかれない、職を失って住む場所もない労働者家族が増えています。こんな現状は変えよう! 闘っていっしょに未来を取り戻すための特別カンパを訴えます。
●安倍極右政権は弱さの表れ
安倍政権の登場を、社民党や共産党、カクマルは支配階級の強さのように描きますが、これは労働者階級に屈服を迫るデマコギーです。世界大恐慌下の1930年代、絶望的な危機にあえぐドイツ資本家階級がヒトラーに政権を託したように、今次世界大恐慌下で日本の資本家階級も極右安倍に政権を託したのです。
実際、労働者を食べさせることもできない安倍政権には支配を担う資格さえない! それはアメリカや中国などでも同じです。だから彼らは労働者の反乱を抑え、だますために戦争さえも起こそうとしています。連日の「領土・領空侵犯」「レーダー照射」「北朝鮮のミサイル発射・核実験」などの本質はここにあります。労働者の団結を破壊するために、核戦争さえ起こしかねないのが帝国主義であり、新自由主義なのです。
戦争・改憲を叫ぶ安倍政権を倒す思い切った額のカンパをお願いします。
●猛然たる反撃が始まった
世界中で労働者の闘いが広がっています。その中で今、世界が注目するのが動労千葉の反合理化・運転保安闘争と国際連帯闘争であり、フクシマと反原発、そして革共同の闘いです。
今まで世界中の労働組合が合理化攻撃に「反対」はしながらも「しょうがない」と受け入れてきました。一方、動労千葉は13年にわたってJR東日本の外注化攻撃と闘い、組合の団結を守ってきました。昨年10月1日の検修・構内業務外注化と労働者の非正規職化に反対して、動労水戸や動労連帯高崎をはじめJRの全職場で労働者がともに立ち上がり、全国的な反乱を起こしました。この闘いは、自治体や学校、郵政や民間職場の労働者を励まし、2月24日には「橋下打倒」の大阪・御堂筋デモが実現しました。全国で合同労組などの組合結成も続く中、動労千葉は外注化阻止の第2ラウンドに入り、3月ストライキを宣言。労働者の未来を先頭で開いています。
日韓米の国際連帯は、第2次大戦の「当事国」の労働者がスクラムを組む史上最強の反戦闘争です。福島現地と反原発の闘いは、原発と核にすがる支配階級を追い詰めています。だからこそ、ここに原子力ムラの意を体した反動が襲いかかっています。
3・11福島現地行動−動労千葉3月ストを、職場の仲間を組織して闘おう。
●世界革命のカギを握る革共同に渾身のカンパをお寄せください
今、世界中の労働者階級がぶつかっている問題は「ソ連とは何だったのか? あれがマルクス主義、社会主義なのか?」という問題です。さらに労働者民衆の怒りを束ね、革命に進む「路線」とそれを実現し継承・発展させる「組織」の建設の問題です。
ギリシャなどで100万人規模のストやデモを実現しながら革命に届かない階級闘争の課題もここにあります。
革共同は1957年、反スターリン主義の旗を掲げ、日本帝国主義打倒の闘いに立ち上がることをもって誕生しました。以降、60年−70年安保闘争、80年代以降の国鉄分割・民営化との闘い、国家権力・反革命との闘い、労働者階級自己解放の思想としてのマルクス主義の復権――五十数年におよぶ革共同の闘いの歴史は世界中の労働者階級が注目しています。11月の国際連帯集会や理念交流、日常的な国際的共闘も「反帝国主義・反スターリン主義、世界革命」の現実性を示しています。
今回、13年決戦特別カンパを訴えるのは、ひとり日本階級闘争の課題としてだけではありません。世界中の労働者階級が空前の規模で立ち上がる一方で、世界の帝国主義・大国が侵略戦争を進めている今、それを阻止し世界革命への大道を切り開く路線と責任が革共同にあるからです。この壮大な闘いこそが、安倍政権の大失業と総非正規職化、改憲・戦争攻撃や原発推進を打ち砕く力です。
革共同は、この闘いを階級的労働運動路線、すなわち労働組合をよみがえらせる闘いとして貫きます。それを国家権力や右翼・反革命から守るには非合法・非公然の党が必要です。これを実現するための資金を寄せてください。
みなさん! 子どもたちが生きていけないこの現実を労働者自身の手で変えよう! 未来を取り戻す闘いへの特別カンパを心から訴えます。
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週刊『前進』(2573号4面1)(2013/02/25 )
3・24三里塚へ「農地守れ」の叫び
農地裁判 市東さんが堂々の証言
3台のトラクターがデモ先導
2月18日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で、三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの農地裁判(行政訴訟と農地法裁判を併合)が開かれ、市東さん本人への尋問が行われ、労農学市民300人が全力で連帯する一日行動としてかちとられた。
午前10時、小雨が降り続く千葉中央公園で、萩原富夫さんの司会で総決起集会が始まった。最初に北原鉱治事務局長が発言に立ち、「祖父の代から耕された農地が奪われることを許さない」と千葉市民に訴えた。
続いて反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が、「農地強奪の判決を絶対に出させない」と法廷闘争への意気込みを表した。動労千葉の田中康宏委員長は、「新たな反合・運転保安闘争を掲げたストに入る」と決意を表した。さらに連帯発言を受けてデモに出発。
この日は3台のトラクターが力強いエンジン音を響かせて、デモを先導した。デモの先頭には市東さんが立ち、千葉の繁華街に「農地を守れ」の叫びがとどろいた。デモは千葉地裁正面を制圧し、続いて地裁を包囲する「人間の鎖」行動を展開した。参加者は雨をものともせず怒りで手をつなぎあい、「反対同盟の歌」を大合唱した。
(写真 千葉地裁に迫るデモをトラクターが先導し、三里塚農民の意気を示した。運転するのは反対同盟の萩原富夫さん【2月18日 千葉市】)
天神峰に立て!
午後1時30分開廷。弁護団の質問に答え、市東さんは自らの営農の現状を述べた。
年間で50種類もの野菜を完全無農薬で栽培している。一番の苦労は土壌づくり。堆肥を畑にまきながら辛抱強く土をつくってきた。天神峰と南台の畑は市東さんの農地の約6割だ。「これらを私から取るということは、産直の中でつくってきた人間関係をも破壊することだ」と弾劾した。
天神峰と南台が小作地であるのは、父・東市さんが敗戦後に激戦地ビルマからの復員が遅れたから。それがなければ、農地解放で市東家の所有になって当然だった。
孝雄さんは、父から「手に職をつけろ」と言われて県内の飲食店に勤めていた。農業は二つ年下の弟が継ぐはずだった。だが弟は1972年に交通事故で不慮の死を遂げた。その悲しみを胸に秘め、東市さんは「空港絶対反対」を貫いて闘った。東市さんが99年に亡くなると、孝雄さんは天神峰に戻り農業を継いだ。「おやじがやってきたことを尊敬していた。おやじが守ってきたものを長男の私が守るのは当然と考えた」
最初の3年は農家として苦闘が続いた。4年目でようやく軌道に乗り、自信がついた。
03年12月に突如、市東さんは自分の耕作地の底地の登記が空港公団(現在の成田空港会社=NAA)に移ったことを新聞報道で知らされた。買収はすでに1988年に秘密裏に行われていた。「小作人に無断で農地を売り払っておきながら、何食わぬ顔で地代を受け取っていた」と市東さんは旧地主への怒りを語った。公団は転用目的で土地を取得しながら、15年も「放置」していた。明らかな農地法違反だ。
農業・農民を守るべき成田市農業委員会、千葉県農業会議がNAAの手先となり、市東さんの訴えを退け、契約解除申請にお墨付きを与えたことを、市東さんは農民として根底的に断罪した。
そして、NAAが今になって空港の拡張へ向け天神峰隣の取香地区で用地買収交渉を始めたこと、第3誘導路建設、殺人的騒音、団結街道封鎖など数々の営農と生活への破壊を批判した。
4時間もの証言の最後に市東さんは、人生をかけた決意をたたきつけた。「農地法を悪用して農地を奪うなど絶対に認めない。私はこの地で死ぬまで農業を続け、生きる権利をかちとる。福島、沖縄と気持ちはひとつだ。動労千葉を先頭とする労働者との連帯を貫き、空港廃港まで闘う。裁判長、判決を出す前にぜひ天神峰の地に立ってもらいたい!」
法廷は熱い感動と大きな拍手に包まれた。次回3月27日(水)には最終弁論が行われる。
3・27最終弁論
開廷中も雨の中、市内デモと地裁前でのリレートークなど、法廷内外一体の闘いが続いた。午後6時30分、全体が合流して報告集会が行われた。
市東さんは疲れも見せずに「これからもみなさんと弁護団の力を借りて廃港まで闘います」と笑顔であいさつし、拍手と声援を受けた。続いて弁護団全員が発言し、証言の大成功を確認した。
最後に萩原進事務局次長がまとめを行った。「今日は千葉の霞が関にあたる場所を三里塚デーに変えた。反動判決を絶対に出させてはならない。第3誘導路供用開始日の3・7現地闘争を闘い、3・24全国集会には必ず1500人を集めよう! 最終弁論の3月27日にも再び大結集で地裁を包囲しよう」と全身全霊で訴え、全参加者を奮い立たせた。
(写真 4時間もの証言を終え、報告集会で不動の決意を述べる市東孝雄さんに惜しみない拍手が送られた。右は葉山岳夫弁護士)
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【闘争要項】
第3誘導路供用開始粉砕!
3・7三里塚緊急現地闘争
3月7日(木)午後1時30分
市東さん宅南側開拓組合道路集合
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週刊『前進』(2573号4面2)(2013/02/25 )
反対同盟、全国に招請状
全国の労働者、農民、闘う仲間のみなさん。市東孝雄さんの農地取り上げとの闘いがいよいよ決戦の時を迎えました。3・11大震災と福島原発爆発から2周年を前にして、安倍内閣は歴史の歯車を逆に回す一大反動を強めています。闘う民衆が連帯し共同して「国策」「国益」の名による逆流に立ち向かうことが今ほど求められている時はありません。反対同盟は3月24日に「国策」=空港建設と対決し身体を張って農地を守る全国総決起集会を開催します。大結集を呼びかけます。
市東さんの農地取り上げ攻撃は耕作地の6割、農業生産手段のすべてに及びます。作業場、農機具置き場、育苗ハウス、野菜の貯蔵所、会合のための離れ(別棟)等をすべて奪い、市東さんに農民としての「死」を強制するものです。
これらを農地と農民の権利を守る農地法の違法適用によって行おうとしています。この攻撃は、かつて例を見ない国家犯罪です。2月18日、市東孝雄さんは怒りに満ちた証言で法廷を圧倒しました。土に生きる農民の権利を満天下に告げる感動的な証言でした。
この不屈の闘いにおいつめられた空港会社は、3・7第3誘導路供用を強行しようとする一方、天神峰・取香(とっこう)地区で新たな空港拡張の策動に入りました。これは市東さんはじめ住民を空港の拡張によってさらに包囲し、圧殺する新たな移転強要攻撃です。東側誘導路の建設(2009年)、滑走路の北延伸(2010年)、横堀地区の誘導路拡張(2011年)そして今回の西側への拡大。まさに東西南北への際限のない空港の拡張を意味します。
さらに、国土交通省とNAAは、住民との約束をホゴにする一方で、成田空港の年間飛行回数の拡大を野放図に展開し、格安航空会社(LCC)の利益のためと称して、深夜・早朝の飛行制限を緩和しようとしています。今ですら短い静かな夜を削り、われわれ住民の健康を犠牲に航空会社の金もうけを優先しようというのです。
成田空港の「公共性」なるものは、完全に崩壊しました。全国の同志、農民、労働者のみなさん。2・18法廷証言と地裁包囲を出発点にわれわれは新たな闘いに突入しました。閣議決定から47年、半世紀に及ぼうとする三里塚闘争は、価値観の転換を突きつけた3・11と原発攻防、沖縄、そして極反動の安倍政権との闘いのただ中で、すべての民衆、労働運動と連帯し発展する闘いに突入します。反戦・反核・反基地闘争の砦、脈々と受け継がれる民衆闘争の歴史、絶対反対の実力闘争、三里塚が堅持してきた真価が未来に向かって解き放たれる時がきました。
三里塚への攻撃は、福島・原発と基地沖縄、TPP(環太平洋経済連携協定)、そして非正規労働者の生きていけない現実・労働組合破壊と一体です。いま怒りは地を覆い、闘いの新たな息吹となって噴き出そうとしています。三里塚の農地死守・実力闘争の意義と役割はきわめて大きく、闘いが人々の共感を限りなく広げるものと確信します。反対同盟とともに車の両輪として闘い続ける動労千葉、動労水戸の組合員。労働組合の真価をかけた国鉄1047名解雇撤回、非正規職撤廃に向かうストライキに連帯して闘おう。
さまざまな階層の人々がいまこそ大胆に連帯し、巨万の力を生み出そう! 反対同盟はなによりも被災地・福島の闘いと連帯します。反原発・反TPPの全国農民会議に闘う農民を糾合しよう。オスプレイの普天間配備を許すな! 沖縄を始めとする反戦・反基地闘争、関西を始めとする住民運動、市民運動と連帯しさらにすそ野を広げよう。あらゆる差別・抑圧を粉砕し、排外主義を打ち破り、韓国やアメリカ、全世界の労働者・農民と連帯して闘おう。
戦争と改憲の政治を進める安倍内閣と対決しよう。市東さんの農地を守る闘いからすべてを切り開く3・24全国集会へ1500人の結集を! 3・7第3誘導路供用開始阻止の現地闘争をうち抜き前進しよう。
2013年2月20日
記
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【集会名称】
第3誘導路粉砕・市東さんの農地を守ろう! フクシマ連帯・原発再稼働許すな! 沖縄へのオスプレイ配備反対・基地撤去! TPP絶対反対! 軍事空港粉砕・改憲阻止!
3・24全国総決起集会
【日時】3月24日(日)正午
【会場】成田市天神峰 反対同盟員所有畑
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2573号4面3)(2013/02/25 )
原発推進大学と対決し自治会建設で勝負する
マル学同中核派・富山大学支部
3・11反原発福島行動まであと2週間。全国学生の大結集で歴史的な闘いを実現しよう。マル学同富山大支部は「フクシマの怒り」と結びつき、「原発推進の富山大学当局弾劾! 御用学者追放!」の闘いでキャンパスを学生の手に取り戻す。同時にこれは、法大に次ぐ「監獄大学=富大」との06年以来の学生支配攻撃と決着をつける闘いである。その核心は学生自治会建設だ。富山大から3・11福島行動に大合流し、反原発100万決起の先頭に立とう。
「放射能安全」論をふりまく当局
2〜3月は安倍政権との一大決戦であり、特に3・11福島現地行動の爆発をかけた大激突だ。
富山大学は、安倍政権の登場と軌を一にして、原子力ムラとして露骨にその姿をあらわし、原発再稼働に全力をあげている。2月5日には「放射線を正しく怖がり、賢く使うために」と題する公開講演会を学内で行った。座長は近藤隆・富大医学部教授で、授業や学外セミナーで「放射能は安全」論を振りまいてきた極悪の人物だ。
「フクシマを風化させない」と称する講演会は、放射能の一般的知識と「復興」を語るのみで、現に福島に住み、怒り、被曝強制と闘い抜いている労働者、学生、農民、子どもたちの存在を絶対に語らない。大学・学者として、「学問」の名で原発を推進してきた主体的な反省もまったくない。その理由は明白だ。富大当局は、富大生が「フクシマの怒り」と結合して立ち上がることを何が何でも防ごうとしているのだ。
さらに許し難いのは、理学部・工学部の学生を単位で縛り(授業に組み込んで感想レポート提出を強制する)、講演会に動員したことだ。しかも富山大の「権威」を振りかざし、富山県下の小・中・高校の教員にも参加を呼びかけた。まさに原子力ムラの構造をフルに使ったやり方で、富山大が北陸における原発推進のイデオロギー的な軸になるということだ。
さらに3月6日には、富山大学が主催して「震災から2年を迎えて――大学の果たす役割」と称するシンポジウムを開催する。なんとその第一講演者は、山下俊一や神谷研二を副学長に任命して福島県民への殺人的被曝を強いた福島県立医大学長兼理事の菊地臣一であり、第二講演者は核融合科学研究所所長・小森彰夫だ。小森の講演は「未来を拓(ひら)く新エネルギー」などと題して、核兵器開発にも直結する核融合研究を礼賛するものだ。
まさに、富山大学は一方で「フクシマの怒り」を抑え込んで反原発闘争に敵対し、他方でどこまでも原子力にしがみついていこうというのだ。こんなことが「大学の果たす役割」なのか!
富大生の決起が当局追いつめる
今や、富大当局は新自由主義大学の正体をむき出しにし、原発推進の最悪の先兵として登場してきている。
しかし、ここには凶暴性と脆弱(ぜいじゃく)性が露呈している。追いつめられているのは当局の方だ。
2月5日の公開講演会の際には、当局はガードマンと富大職員を20人も動員し、学生自治会・全学連の仲間を「学内立ち入り禁止」にした。この富大当局の姿は、闘う学生を暴力的に排除することによってしか御用学者・大久保利晃の講演会を開けなかった法大当局と完全に重なる。学内から怒りの決起があれば、直ちに大学当局の本質は暴き出される。
2月17日の富山市主催の震災ガレキ受け入れ説明会では、「放射能の安全性」を説明するために西村克彦・理工学部教授が登場したが、市民・学生の怒号が飛び交い講演は破綻した。われわれ富大生は、反原発・御用学者追放の闘いを学内で貫きつつ、労働者・市民と広範な統一行動を行いながら、「原発再稼働阻止! 震災ガレキ受け入れ反対」の闘いを牽引(けんいん)してきた。歴史的にも、富山−北陸の階級闘争の根底には常に富大生の決起がある。富大学生運動が階級的拠点として立っている。
自治会を建設し安倍打倒へ進む
3・11福島行動を爆発させ、06年からの富大決戦の決着をつける時がきた。1月31日、金沢高裁での富山大生・仲井君退学処分裁判で反動判決が下された。内容は地裁判決を支持し、「債務者(仲井)が学外の活動に熱中するあまり学業を怠った」から退学処分だというのだ。あまりにもデタラメな内容だが、ここには富大学生運動への支配階級の恐怖がにじみ出ている。学生自治会と仲井君が問題にしてきたのは「教育の民営化」と原発推進大学=富大であり、裁判所と大学当局はこの内実に触れることはまったくできない。われわれは学内からの学生反乱でこの反動判決に応える! 反原発闘争の爆発で決着をつける。
富大支部は、東北大−京大に続いて学生自治会建設の強化・発展に勝利し、「原発再稼働阻止! 安倍打倒!」へ突き進む。ともに闘おう!
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週刊『前進』(2573号4面4)(2013/02/25 )
法大処分撤回裁判 法廷圧し武田君が陳述
全国学生が傍聴に大結集
2月15日、法政大学・武田雄飛丸君(国際文化学部)の無期停学処分撤回を求める裁判の第1回口頭弁論が闘いとられた。全国から結集した仲間、飛び入りやサークル全体で参加した学生で傍聴席は埋まった。
裁判の形態は訴訟内容(慰謝料額など)からすれば異例の合議方式。裁判長は前進社不当捜索国賠も担当した甲斐哲彦。対決構造は鮮明だ。
武田君の意見陳述は法廷を圧倒した。
「私にかけられた処分は内容的にも、手続き的にも不当である」「まず今回の処分は御用学者への批判を封殺するための処分であり、福島県民を中心とする民衆の怒りに敵対する処分である」
武田君によって「授業妨害」を受けたとされる御用学者とは、放射線影響研究所(放影研)理事長・大久保利晃である。大久保は3・11後、郡山市原子力災害対策アドバイザーとして「100_シーベルトまで安全」論をふりまき、住民に被曝を強制している人物だ。武田君は「御用学者の授業を密室で行い、学内で声を上げる学生を処分する姿勢は、まさに国家と資本に組み伏せられた原発推進大学の姿だ」と法大当局を弾劾した。
さらに武田君は、処分の本質が「飲酒規制強行などの学生管理強化」と「10・19集会への見せしめ」であることを暴き、「法大のあり方が1千人という数で問われた10・19集会」の意義とともに、処分の報復的性格を明らかにした。
最後に、処分を「法大闘争への攻撃である」と断じた。「法大闘争とは、教育を営利事業とし、『営業権』の前に学生の自由と団結権を奪おうとする大学の新自由主義的再編に対する闘いだった」「学生の存在がおとしめられ、大学が資本と国家に従属するあり方が続く限り、法大闘争は終わることはない」と宣言。再度裁判所と法大に処分の撤回を求めた。
裁判後の総括集会(写真)では、代理人弁護士からの力強い発言に続き、武田君が決意表明。「10・19のような集会を何度も打ち抜き、その力で傍聴席を埋めていく。各大学でも10・19のような集会をやろう。処分され、大学に入れないことを逆に武器にして、全国大学を飛び回りたい」
さらに東北大学、京都大学、富山大学、広島大学、三里塚現地行動隊、学内で闘う法大生の発言を受け、最後に斎藤郁真全学連委員長がまとめと方針提起。「武田君への処分をすべての学生に対する処分であり、自分への攻撃だととらえることが必要だ。みなが『もう一人の武田君』になり、各大学で学生自治会建設に踏み出そう。3・11福島現地行動と3・24三里塚現地闘争に集まろう」
法大闘争は新たな段階に入った。全国学生は武田君とともに闘おう!
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週刊『前進』(2573号4面5)(2013/02/25 )
2013年日誌 2月12日〜18日
北朝鮮が核実験強行/「原発ゼロ目標」の見直し論議へ
●北朝鮮が核実験 北朝鮮の朝鮮中央通信は「3回目の地下核実験を成功裏に実施した」とし、「小型化、軽量化した原子爆弾を使った」と伝えた。日米韓などは一斉に非難し、日本政府は独自の追加制裁を決定。国連安全保障理事会は緊急会合を開き、報道機関向けの声明で強く非難した。(12日)
●F22が嘉手納基地に緊急着陸 米軍嘉手納基地に暫定配備されているステルス戦闘機F22ラプター1機が嘉手納飛行場に緊急着陸した。北側滑走路に着陸後、緊急車両が近づくのが確認された。嘉手納基地は今回の着陸について「予防着陸」とし、不具合の原因を明らかにしていない。(12日)
●韓国、弾道ミサイル配備へ 韓国国防省は、北朝鮮の核実験を受け、射程800`の弾道ミサイルを新たに実戦配備する計画を明らかにした。北朝鮮の全域が射程に入る。(13日)
●甲状腺がんが新たに2人 福島第一原発事故による放射線の影響を調べている福島県の県民健康管理調査の検討委員会が開かれ、18歳以下(事故当時)の2人が新たに甲状腺がんと確定したと報告された。昨年9月に判明の1人と合わせ、3人となった。ほかに7人ががんの疑いがあるとして福島県立医大が検査を続けている。(13日)
●生活保護、最多を更新 昨年11月に生活保護を受けていた人の数は214万7303人で、前月より4723人増えて過去最多を更新した。(13日)
●陸上自衛隊、オスプレイ初使用 陸上自衛隊と米海兵隊は、米カリフォルニア州で行っている日米共同訓練で、陸自隊員が海兵隊のMV22輸送機オスプレイに搭乗し、島を奪還する演習を行った。自衛隊員が訓練でオスプレイに搭乗するのは初めて。(14日)
●補正予算が衆院通過 緊急経済対策を盛り込んだ13兆円超の12年度補正予算案が衆院を通過した(14日)
●ギリシャ失業率、過去最悪の27%
ギリシャの昨年11月の失業率が27・0%と過去最悪を更新した。国家統計局が発表した。若年層はいっそう深刻で、15〜24歳の失業率は61・7%、25〜34歳は36・2%だった。(14日)
●原発ゼロ目標の見直し開始へ 経済産業省は総合資源エネルギー調査会を3月に開き、前民主党政権が掲げた原発ゼロ目標の見直し議論を始める方針を明らかにした。(15日)
●原子力規制委員長、国会が正式に同意 原子力規制委員会の田中俊一委員長らの国会同意人事が参院本会議で賛成多数で承認された。衆院でも14日に承認されており、正式に国会で同意された。(15日)
●米韓、独自制裁を協議 北朝鮮の核実験を受け、国連安全保障理事会のメンバーの米韓は、制裁強化の決議採択に向けて関係国への働きかけを強めている。だが、中国が慎重な姿勢をとり続けるなか、米韓は有志国による独自制裁も視野に協議を始めた。(17日)
●カザフ原発計画、日本原電が協力
日本原子力発電などが、カザフスタンと原子力発電所の導入に関する覚書を結んだと発表した。カザフは2020年代に原発の新規建設を計画している。日本側は原発輸出を視野に、立地調査や人材育成で協力する。(18日)
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週刊『前進』(2573号5面1)(2013/02/25 )
3・11怒りの福島現地へ
反原発福島行動‘13呼びかけ人の訴えB
皆で怒りの声をあげたい
ふくしま合同労組委員長/福島市 市川潤子さん
「職場に行くのが楽しい!」
ふくしま合同労組では3・11後に新しく分会を立ち上げました。公営の介護老人保健施設が民間に委譲され、全員解雇・再雇用方式で基本給は2割カット。「労働組合が必要だ」と分会を結成しました。
当初は、「まだ波風立てないで」という同僚の声に分会としても苦悩しました。でも労働条件の悪化やパワハラに嫌気がさし退職者が続出。分会の決断で組合全員で団交を始めました。夜勤手当を1回5千円のところ2千円しか支払ってこなかった契約違反を追及して、差額を1年半前までさかのぼって支払わせるなど、目に見える成果もかちとりました。50万円になった人もいます。
団交の中で、管理職が職場の労働者代表になっていることもわかった。是正を約束させたが、会社には任せず組合員が「違法を許さず、労働者代表を自分たちで決めよう」と訴えた結果、分会長が労働者代表に選ばれました。まだ少数派の分会ですが、団交で闘う姿を見て、職場の仲間が信頼してくれた結果です。
いま、労働契約法の改悪に合わせて「臨時職員雇用規程」に、「雇用通算期間は原則5年を超えることができない」という条項が入れられ、現場からは激しい怒りの声が上がっています。「非正規職撤廃」の決意に燃えて次の団交を構えているところです。
3・11後の福島だからこそ「このご時世で雇用があるだけでもまし」という空気を突き破って闘っていきたい。職場で闘いを始めて、組合員自身が団結のすばらしさを実感した。行動を起こすほど経営側がボロを出し、労働者の怒りが倍化する。何よりも分会員が「職場に行くのが楽しい」ととても元気に闘っています。それが一番の感動です。
高線量が続く職場での闘い
私は福島市内の病院で働いています。原発事故直後は小さい子どもがいる看護師さんが避難していったけれど、最近、避難した人が福島に戻ってきている。母子避難の二重生活が経済的にも困難になり、「本当は帰りたくないけど、帰らざるを得ない」と言うんです。他方、結婚してこれから子どもも生まれるという世代が「これからのことを考えると福島では暮らせない」と言ってこれから避難していく。私たちの生活は今も原発事故で揺るがされています。
職場は信夫(しのぶ)山のふもとでとりわけ線量が高い。事故直後は毎時20マイクロシーベルトもありました。病院は23万円もする線量計を買ったのに、計測結果を労働者に公表しない。同僚と一緒に「公表してほしい」と何度も申し入れに行ったけれど、「あなたたちは少数派。過敏になる必要はない」と拒み続けた。陰では「本当のことを知らせたらみんな辞めていくから知らせない」「除染は金がかかるからできない」と言っていた。ひどい話です。
何度も申し入れた結果、貸し出すことを約束させ、同時に病院で測った線量も公表するようになったけれど、屋外7カ所の1カ月の平均値だけ。ホットスポットも明らかにしない。だから自分たちで測っています。
今年1月には市が、病院のベビールームに通じる細い道を優先的な除染対象地区に指定した。除染の前日にその場所を測ったら、地表から10aで毎時5マイクロシーベルトありました。雨どいの下でたまっている。何カ所も測りましたが、去年と比べても線量は全然低くなっていない。職場の前にあるモニタリングポストの表示は毎時0・25マイクロぐらいですが、自分で測ったら0・5。私たちが車をとめている駐車場は0・9でした。
福島の労働者はみな、そんな高線量のところで働いている。しかも多くの職場で線量を測ってもいない。原発で働く労働者も、屋外で働く労働者も、とんでもない被曝労働を毎日続けています。
福島を覆う封じ込め圧力
原発事故から2年近くたち、福島では「放射能を気にする方がおかしい」という空気があおられています。
福島市の給食の米はこれまで会津産でしたが、「市産の米を使え」という農家の市議の圧力で4月からそうなってしまった。すごく心配している親や祖父母もいるけれど、「PTAで不安だと話したら冷たい対応をされた」とか「申し入れなんてやったら子どもがいじめられないか」という怖さもある。ある同僚は「なぜ命がけの思いをしなければ『放射能汚染が怖い』と言えないのか」と怒っていました。子どもの命がかかっていて、不安を持っている人はいっぱいいるのに、声を上げることが封じ込められているんです。
今も原発から放射性物質は出続けているし、たまっている。「命より金」の社会を根本から変えなければ、自分たちも生きていけないし、若い人や子どもたちの未来もありません。
私たちの世代で原発のない社会をなんとしても実現したい。それが一番の思いです。
3月11日当日に「原発再稼働なんて許さない。フクシマの私たちはすごく怒っている」と声を上げたいと思って3・11反原発福島行動を呼びかけ、組合としても組織賛同しました。
ぜひ全国から集まってください。
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週刊『前進』(2573号5面2)(2013/02/25 )
官邸前金曜行動 「安倍やめろ!」
寒風つき猛然と抗議
「原発とめろ!」「子どもを守れ!」のコールが、寒風吹きすさぶ霞が関一帯にこだました。2月15日、首相官邸・国会前などで安倍の原発政策に猛抗議をたたきつける金曜行動が行われた。
官邸前では中年の女性がマイクを握り、「安倍首相、聞いてますか? 福島の子どもたちにさらに甲状腺がんが出ました。あなたの所信表明演説を聞きましたが、福島や放射能の問題について何ひとつ触れなかった。まるで放射能も、福島第一原発事故も、苦しんでいる被害者も存在しないかのようです」と声を張り上げて弾劾。「何が『美しい国』だ。あなたは政治家の資格がない。さっさと辞めなさい!」と官邸に向けて叫んだ。
福島県が行っている子どもの甲状腺検査で、新たに2人が甲状腺がんと診断された。昨年9月に判明した1人と合わせて3人だ。ほかに7人が甲状腺がんの疑いがある。原発事故による放射能の影響であることは明白だ。福島の子どもたちを守ろう! 安倍を打倒し、全原発をなくそう!
(写真 寒さがピークを迎えたが、官邸前には多くの労働者民衆が駆けつけた【2月15日】)
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週刊『前進』(2573号5面3)(2013/02/25 )
3・11福島へ/事故責任徹底追及を(下)
労働者に被曝を強制し「除染」でゼネコン救済
安倍政権とブルジョアジーは福島県民をはじめとする労働者人民に被曝と被曝労働を強制し続けている。その基本手段が、実は外注−下請け化・非正規職化である。まさに「反合理化・運転保安闘争は、『反外注化』『反民営化』『被曝労働拒否』を貫く闘いである」(本紙2012年夏期特別号)のだ。労働者・労働組合こそが先頭に立って被曝労働拒否・全原発廃炉を高々と掲げ、3・11福島行動に大結集しよう。シリーズ最終回は外注化阻止決戦の第2ラウンド突入の地平から「被曝労働拒否」の闘いの意義を明らかにしたい。
(図 上、作業員の甲状腺局所の線量。 下、大手ゼネコンが受注した主な除染) 労働者の安全無視は非正規職化攻撃と一体
福島第一原発事故は何も収束などしていない。現場では現在、一日約3千人が作業に当たっている。3・11以来、12年末までに2万5千人が動員された。すべての労働者が被曝労働を強制されている。収束までには予想もできないほど多数の労働者が必要となる。1986年に起きたチェルノブイリ原発事故ではすでに50万人の労働者が収束作業に当たり、膨大な犠牲者を出してきたが、いまだ収束していない。
さらにこの間、事故直後の労働者被曝の極めて深刻な実態が明らかとなっている。東電によるWHO(世界保健機関)への報告によれば、100_シーベルトを超える甲状腺被曝をした労働者は少なくとも178人いる(グラフ参照)。最高は1万2千_シーベルトという超高線量だ。必ず深刻な影響が出てくる。除染労働においても労働者には被曝線量を通知しない実態が報道されている(東京新聞1・18付)。東電と安倍政権は労働者に被曝を強制し続け、しかしその責任は一切取らずに、原発の再稼働に突き進んでいるのだ。絶対に許すことはできない。
「食えない」ため被曝労働に
放射線による被曝はどんなに低線量のものであっても遺伝子を傷つけ、破壊するものであり、長期にわたって生命と人体に甚大な影響をもたらす。にもかかわらず、なぜ多くの労働者があえて「被曝労働」へと駆り立てられるのか。それは「誰かがやるしかない」といった使命感や政府による放射能安全キャンペーンによるものもあるが、よりストレートに言えば「食っていけない」からである。ほかに仕事がない、あっても賃金が安くて食っていけないという現実が全社会的にあるからだ。世界大恐慌下の大失業と非正規職化攻撃、つまり新自由主義攻撃こそが被曝労働を支えているのだ。
収束作業にせよ除染労働にせよ、沖縄や福島をはじめ全国から何重もの下請け業者、派遣会社が労働者をかき集める。違法派遣、偽装請負、経歴偽装の指示、被曝の隠蔽、危険手当のピンハネ、労働条件の提示さえないなどありとあらゆる違法行為が資本の好き放題にまかり通り、それらに一言でも反対の声をあげればあっさりと解雇される。
それだけではなく今や、すべての原発労働者が「テロリスト」扱いされ、監視の対象となっている。コスト削減が原発においてさえすべてに優先され、「役に立ちたい」と除染労働を担う労働者の思いが「手抜き除染」の指示で踏みにじられる。当然労働者の安全など問題にもならない。
そもそも「除染」そのものが1兆円をつぎ込んだ、世界大恐慌にあえぐゼネコン救済の「国家事業」だ(表参照)。そして「復興」キャンペーンのもと、JR東日本は今年8月、閉鎖されている常磐線の広野〜竜田(福島原発の最寄り駅である富岡の隣の駅だ!)間の運転再開を打ち出した。動労水戸はこれに絶対反対で立ち向かおうとしている。
歴史的生命力の尽きた安倍政権と資本は労働者の生き血をすするだけではなく、被曝を強制しながら生き延びている。この現実への原発労働者、除染労働者の怒りは、青年をはじめとする全世界の労働者階級の怒りと完全にひとつだ。全構造を吹き飛ばすプロレタリア革命の実現こそが、労働者階級の回答だ。
被曝労働拒否・原発反対は労組の死活的な闘い
外注化阻止決戦の第2ラウンドは、労働組合がすべての職場から被曝労働の責任を徹底的に追及し、被曝労働拒否を貫く闘いでもある。こうした労働組合の拠点を被災地・福島を先頭に全国につくりあげることこそが原発再稼働を阻止し、全原発を廃炉にする道だ。その先頭に立っているのが被曝労働拒否でストライキを打ち抜いた動労水戸であり、「被曝労働の一点で原発は絶対反対以外にない」と訴える愛媛県職員労働組合であり、3・11福島行動に組織賛同を決定した国労郡山工場支部である。これらの組合に共通しているのは、1987年の国鉄分割・民営化以来26年にわたって民営化・外注化・非正規職化と絶対反対で闘い抜いてきたことだ。
その上でとりわけ、昨年10月1日に強行されたJRの検修業務外注化に対する、動労総連合を先頭とするJR労働者の大反乱、これと一体となった労働者人民の闘いは、反原発闘争の圧倒的な展望をも切り開いた。
動労水戸の闘いに続こう
国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんは以下のように訴えている。「科学上の新しい画期的な発見であるから、これをどうしても技術に応用しなければならない、こういう技術が開発されたから、だからこれは絶対に生産過程に実現されなければならないなんて、そんな理屈はありませんよ。それが今度の原子力発電所の問題ではっきりしたでしょう」
「その場合、労働運動としては、一体何が必要であろうか。それは、『科学』が応用されてこれが動いているときに、『人間』の感覚からするとどうもおかしい、これは変だ、危ない、これはいつか事故が起こる、安全じゃない、こういうことを感ずる。その時に、その感じたこと、現場の感覚というものを率直に『科学』に対して対置すること」
「本来つながっている生産過程、たくさんの労働者が有機的につながりを持って、ひとつの生物体みたいなつながりを持って一緒に仕事をしているわけでしょう。外注化というのは、そいつをバラバラに切り離すことです。バラバラに切り離して、その一つひとつを外注化して、下請けを使う。下請けを使うときには、そのバラバラに切り離された『個別労働』を低く評価して、低く評価されたものをまた呼び込んできて、資本の都合によって結びつける(中略)。私たちが考える運動というのは、そういう下請け労働まで含んだ『結合労働』、それを私たちの手で回復することであろうと思う。下請けまで含んだ、外注先の労働者まで含んだ、その職場での団結、組合の形成、そういうことだろうと思います。これから、その方向に向かって日本の労働運動は進まなければいけない」(機関誌『動労千葉』32)
また愛媛県職の宇都宮理委員長は「原発の問題を掘り下げていけば、『被曝労働』を認めるのかどうかという一点に行き着きます。『被曝労働』という過酷さゆえに下請けに仕事が回され、下請け労働者はみな非正規雇用です。(中略)このように労働者の犠牲の上に成り立つ原発は、どうしても認めることはできない」「あらゆる職場で労働組合が声をあげ、現場の実態をもって『被曝労働』を追及していけば、原子力発電は必ず止められると思います」(『序局』第3号)と訴えている。
動労水戸、愛媛県職、国労郡山工場支部に続き、あらゆる職場で「外注化阻止・非正規職撤廃」「被曝労働反対、全原発廃炉」で闘い、原発絶対反対を労働組合の基本原則へと高めていこう。3・11福島行動へ労働組合が大結集し、安倍打倒・全原発廃炉の決定的な闘争にしよう。
〔松本洋人〕
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作業員の甲状腺局所の線量(100ミリシーベルト超)
ミリシーベルト、人数
100〜200、15人
200〜500、69人
500〜1000、50人
1000〜2000、32人
2000〜10000、10人
10000超、2人
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大手ゼネコンが受注した主な除染
発注者、受注額(億円)、事業者
南相馬市、400.0、竹中工務店JV
伊達市、142.0、大林組、清水建設、西松建設など
広野町、64.0、清水建設
福島市、29.0、大林組JV、三井 住友JVなど
福島県、1.5、大成建設
内閣府、81.0、大成建設JV、鹿島JV、大林組JV
環境省、6.0、大成建設
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週刊『前進』(2573号5面4)(2013/02/25 )
NAZENヒロシマ 結成1周年で集会
福島の佐藤幸子さんを迎え
2月11日、広島平和記念資料館会議室において、NAZENヒロシマ結成1周年集会が開催され、100人が集まりました。昨年末に急逝された元福島県教組委員長の清野和彦さんを招いての結成から1年、今回福島の佐藤幸子さんを迎え、新たなスタートを切りました。
呼びかけ人の反戦被爆者の会・下田礼子さんのあいさつの後、セイブザイラクチルドレン広島代表の大江厚子さんが「3・11は、8・6―8・9とともに人類史において絶対に消すことのできない日付となった。3・1ビキニ事件以来分断されてきた反核と反原発の闘いをひとつにして、福島とともに全原発廃炉へ」と訴えました。
続いて佐藤幸子さんから約1時間の福島現地報告を受けました。福島の写真を映しながら「復興」どころか放射能汚染も、健康被害も、そして地域の崩壊も、ますます事態が深刻化していることを突き出しました。佐藤さんが暮らしていた村の美しい風景。しかしそこでは暮らせない。畑も耕せない。佐藤さんは終始、静かに語り続けられましたが、無念さと怒りが胸に染みます。
また「除染・復興」のウソを暴き、「除染作業をやっている人も元農家だったりして、つらい思いをしている。原発さえなければと命を絶った農家の人が何人もいる」と弾劾。佐藤さん自身も含む甲状腺異常の多発、心筋梗塞(こうそく)などの病気で亡くなる人が増えていることも語られましたが、「亡くなっても口をつぐんでいる」ということです。かつての広島・長崎の被爆者がそうさせられたように。
困難と向き合いながら、ふくしま共同診療所という「命の拠り所」をつくり、3・11福島行動への結集を呼びかける佐藤さんに、会場全体から拍手が送られました。
NAZENヒロシマから、福島の子どもたちの保養と避難のプロジェクトに取り組む室本けい子さん、ふくしま共同診療所とともに闘う高陽第一診療所医師の吉田良順さんと仲間の医師、被爆者の山口元さんと被爆二世の中島健さんがアピールをしました。最後に広島大学「No Nukes HIRODAI」の学生が、神谷教授ら原子力ムラ、IAEAと結託する原発御用教授追放の闘いを報告し、「8・6には反原発の世界大会を」と行動を提起しました。
集会後、平和記念資料館前から広島のメインストリートを通って原爆ドーム前までデモ行進。若者をはじめ多くの広島市民の注目を浴び、飛び入りもありました。
NAZENヒロシマは3・11福島に全力で参加します。
(広島・K)
(写真 NAZEN結成1周年集会後、佐藤幸子さんを先頭に広島の繁華街を力強くデモ【2月11日】)
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週刊『前進』(2573号5面5)(2013/02/25 )
NAZEN愛媛を結成
伊方原発の再稼働阻止へ
2月10日、福島から佐藤幸子さんを迎えて松山市でデモと集会を行い、NAZEN愛媛を結成しました。この間松山でともにデモや、毎週金曜日の「伊方原発再稼働阻止・愛媛県庁前行動」に参加してきた仲間が参加し、30人で結成集会をかちとりました(写真)。
佐藤さんは、3・11以後の福島の現実がますます深刻になっていることを報告しました。自分の介護福祉施設から子どもがいるヘルパーさんを真っ先に避難させたために仕事が回らなくなり、その矛盾が「受け入れできない」という形で高齢者に集中していること。その中で働く者のいさかいや分断が生まれ、それと必死に闘いながら原発反対の声を上げ続けていること。経済的・社会的な理由で福島に居住する子どもを守るために、ふくしま共同診療所が昨年12月に開院した経緯などを熱く語りました。
その後参加者との討論で、内部被曝問題の重大性、診療所建設基金にカンパし開院レセプションに参加した農民の「さらに施設の充実のために支援を続けよう」という声など真剣な討議が行われました。
最後に全国NAZEN呼びかけ人の愛媛県職労・中村副委員長から、NAZEN愛媛結成宣言が提起され、3・11反原発福島行動へ参加しよう、愛媛県庁前金曜行動を継続・拡大し、伊方原発再稼働を絶対阻止し、被曝労働を許さない労働組合の闘いを組織する決意が表明されました。
NAZEN愛媛は翌11日、伊方原発地元の人たちが呼びかける「11日ゲート前座り込み」に参加し、闘いの第一歩を踏みだしました。「再稼働一番手」と言われる伊方原発の再稼働阻止へ、全国の仲間と団結して闘います。3・11福島で会いましょう!
(愛媛・H)
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週刊『前進』(2573号5面6)(2013/02/25 )
ビキニ集会訴えてデモ
NAZEN杉並
NAZEN杉並が2月17日、毎月恒例の反原発デモを杉並区阿佐谷で行った。今回は3・1ビキニデー杉並集会を呼びかけるデモだ。日曜日の昼時で人通りも多い中、「放射能から子どもを守ろう」というスローガンと3・1ビキニデー集会のポスターが貼られた宣伝カーと、デモ隊に大きな注目が集まった。青年労働者のはつらつとしたデモコールに、店から身を乗り出して声援を送る労働者、手を振る沿道の人など、デモへの反応は上々だ。原発推進の安倍政権への怒りが噴出しているのだ。
3・1ビキニデー集会に向かって、「ビキニの怒り」を貫き福島の現実に立ち向かう新たな反核運動のうねりが、杉並から始まっている。3・1集会に大結集しよう!
(写真 ビキニデー集会を訴えるNAZEN杉並のデモに沿道から熱い注目【2月17日 阿佐谷】)
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週刊『前進』(2573号5面7)(2013/02/25 )
【要項】つながろうフクシマ!さようなら原発大行動、0310原発ゼロ☆大行動
つながろうフクシマ!さようなら原発大行動
3月9日(土)明治公園
午後2時開会(正午よりトーク&ライブ)
3時15分パレード出発
主催/さようなら原発一千万署名 市民の会
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0310原発ゼロ☆大行動
3月10日(日)日比谷野外音楽堂
午後1時集会 2時デモ出発
5時〜7時 国会前集会(その他各省庁前にて抗議)
主催/首都圏反原発連合
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週刊『前進』(2573号6面1)(2013/02/25 )
団結ひろば 投稿コーナー
オスプレイ訓練反対 日本原演習場で集会 岡山 本原太郎
2月11日、岡山県の陸上自衛隊日本原基地撤去を求める現地集会が開催された。主催は地元農民と美作地区の自治労や教職員組合らの共闘会議で220人が参加した。
日本原演習場は、朝鮮侵略戦争のための演習場として日露戦争の前に二つの部落を強制移転させ開設された。2006年からは日米共同演習が行われ、08年には迫撃砲の実弾射撃訓練も再開、中国山地のブラウンルートとしてオスプレイの訓練も狙われている。日本原農民は演習場内の耕作地や民有地、入会権を守り抜き、2・11現地闘争は1970年のりゅう弾砲の実弾射撃訓練以来、毎年闘われている。
集会では、大石和昭弁護士が「今の情勢で闘いが続けられていることが重要」と連帯あいさつ、今年1月に亡くなった奥鉄男さんへの黙祷(もくとう)を行った。日本原農民の内藤秀之さんは「年間175日の実弾射撃訓練が行われ、12万人以上が訓練に参加。昨年はフクシマと連帯し保養プロジェクトの親子と演習場内耕作地でサツマイモの草取りを行った」と報告し、搾りたての牛乳を参加者にふるまった。
労組青年ら20人が「日本原基地撤去」などを訴え、特別決議「オスプレイ訓練反対」「すべての原発を廃炉に」と集会アピールが採択された。
集会後、約50人が駐屯地正門までデモ行進。動労西日本の山田和広書記長を先頭に、外注化・非正規職撤廃を訴えるビラを全参加者にまき、全国農民会議、全学連の岡大生とともに闘った。
柏崎刈羽原発反対の歴史学び闘いを決意 東京西部 武川義人
1月26日のNAZEN杉並の学習会「柏崎刈羽原発反対闘争の歴史」に参加しました(40人が参加)。安倍反動政権が誕生し、原発の再稼働や新規建設が狙われています。なかでも柏崎刈羽原発の再稼働は政府と東電にとって最大の要です。
柏崎刈羽原発の反対闘争の歴史をよく知らなかった私には絶好の機会でした。講師のわかりやすい資料と説明で当時の闘いがイキイキと伝わってきます。当時から柏崎の原発反対運動と三里塚反対同盟は交流があったことや、党派闘争が避けられなかった歴史が克明に語られました。当時の社会党や日本共産党、また動労本部カクマルの原発に対する考え方は、安全でないから反対(安全なら賛成の裏返し)です。特に日本共産党の役割は犯罪的です。昨年12月の総選挙の時、阿佐ケ谷駅頭街宣で「わが党は一貫して原発に反対してきた」という話を聞いて講師は「うそを言うな」と一喝したとのこと。
今回知ったのは柏崎刈羽原発が軟弱な地盤の上に建設されたので建屋の1〜4階部分が地下になっていることです。新潟中部地震を上回る地震が来れば、あの時のような被害ではすみません。原発が稼働することは、技術的に処理できない高レベル放射性物質を大量に蓄積することです。人類と核は共存できません。
NAZEN杉並は3月1日にビキニ被曝問題を本格的によみがえらせようと訴えました。3・1集会を成功させ、3月11日の福島現地闘争に私も参加します。
星野無実の学習会をどんどん広げよう! 広島大 U
1月29日、『国際労働運動』2月号で学生仲間で学習会を行いました。
星野さんが先頭で闘った70年安保・沖縄闘争が、沖縄の解放のため本土で一体となって戦後体制を揺るがしたこと。闘いの爆発に恐怖して、16歳からの少年を逮捕し、拷問的な取り調べで「供述」をねつ造、星野さんを犯人に仕立て上げた手法。そして、星野さんの無罪を決定づける「色・声・光」の3点。今回の全証拠開示大運動は決定的です。これらの学習を通して、70年安保・沖縄闘争に感動し、冤罪をデッチあげた権力に怒りを持ち、星野さんの無罪を確信しました。
ある学生は星野さんの闘いと真剣に向き合い、「星野さんが時代の先頭で闘ったように、自分も今年ブレイクスルーする必要がある」と決意を新たにしました。初めて星野闘争の中身に触れた別の学生は、「警察がむちゃくちゃなことをやるのは分かっていたけど、裁判所までが一緒になってやってるとは」と国家権力の本性に驚き、怒り、弁護士をはじめ広範な賛同を得ていることに納得していました。
星野闘争は星野暁子さんが言われる通り、「見せしめとしての38年ではなく、それをひっくり返し、日々無期に勝利してきた闘い」であり、星野闘争に触れ学ぶ学生を獲得すると実感しました。2013年決戦を闘う元気を得ました。学習会を拡大し、星野さんを必ず奪還しましょう。
退職手当削減反対で現場は闘う力示した 東京 山田昌子
国、都の妥結により東京23区(特別区)の公務員退職手当削減が1月に提案されました。現業系は事務職の2倍の削減率で最高400万円削減、経過処置3年です。現業職は5年前の給料表9%削減以降はマイナス勧告で下がりっぱなし。その上退職時の削減など到底受け入れられません。
特別区の各区職労は特区連という連合組織で区長会と賃金や統一交渉事項を闘っています。
2月15日には特区連は29分の職場集会、東京清掃労組は1時間のストライキを構えて闘いました。私の組合は自治労連系ですが連日の朝ビラを行い、私もその合間に自前の「団結しよう」ビラで反対を訴えました。共産党系執行部は本気ではありませんが、現場の怒りは強く、区職独自の総決起集会には現業労働者が中心に結集しました。
特区連と東京清掃が共闘し1月18日に文京シビックホールで1600人の歴史的総決起集会を開催。2月12日には中野サンプラザに1800人が結集。清掃の労働者は赤いハチマチをしめ、私たちは特区連のゼッケン。2階席には各区職労ののぼりや独自の横断幕も。
特区連の書記長はストライキを含む闘いでと発言しましたが、15日の29分職場集会は削減幅を圧縮したとして中止。時間内職場集会がなくなって10年、東京の自治体でやれたらどんなに展望が開けたか。うちの組合でもその態勢を準備し当局に通告していました。やればできたのです。悔しさと同時に現場に闘う力はあると確信しました。
狙われている本給削減の攻撃には、本格的な闘いを準備していきます。
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週刊『前進』(2573号6面2)(2013/02/25 )
星野同志の無実示す 色声光
全証拠を開示せよB
犯行現場にいなかった同日同時刻の光が証明
今回は、「光」問題こそが星野文昭同志の無実を決定的に確定づけていることを明らかにする。
星野同志は第2次再審請求の陳述書で以下のように述べている。
「一貫して明らかにしているように、私は、終始十字路にいた。これは、一点の曇りのない事実だ。左手に2〜3名が1人の機動隊員を捕えている状況(中村現場)を見つつ、一直線に進み、その先に誰もいないことを確認して、そこに止まった。そこが、十字路だった」
「そして、私は、NHK方向に機動隊の部隊の姿を見た。十字路から見て、NHKあたりの路上に、NHKの建物のある方向から、左から右へ動いて出てきてるように見えた。路上で隊列を整えつつ、十字路方向に正対する形になった。この機動隊が私たちに攻撃してくるのは時間の問題だと思った。いつ攻撃してくるのか、ギリギリの緊張状態になった。この機動隊の動きから、一瞬も目が離せなくなった。今まさに機動隊が突撃してくる、という一刻を争う状況のなか、一刻も早く出発すること、それが私の思いの全てだった。路上に密集するほどデモ隊がそろったなと思った時、もうそこに止まっているわけにはいかなかった。一刻を争うので、すぐに『行くぞ』と声をかけて駆けだした」
「NHK方向の道は、のぼりつつ右に曲がっている感じで、そこを右から左に車が流れていて、その車のフロントが光っている光景を見ている」
機動隊の阻止線を突破した直後の緊迫した状況下で、沖縄返還協定の批准を阻止するため機動隊の襲撃からデモ隊を防衛し渋谷駅の労働者人民と合流を果たそうとした星野同志の固い意思が真実に満ちて語られている。
弁護団が十字路に立ち検証
この陳述書の真実性を裏付けるために、弁護団は09年11月14日午後3時20分前後、実際に十字路に立って検証した。そしてNHK方向の右上から降りてきた車が交差点近くに来ると、まさに光ったのである。
1971年11月14日は日の入りが午後4時36分、午後3時23分ごろの太陽は西南西で仰角約12度の高さだった。その方角からの太陽の光がNHK交差点の前を通過する車のフロントガラスに当たり、反射して十字路に跳ね返ってきたのだ。
11月14日、星野同志は陳述書の通り十字路にいたのであり、機動隊員の殴打には加わっていない。
これに対して東京高裁は「星野同志は十字路を通過しているのだから、その時に光を見ることもできるので、十字路に立っていたことの証明にはならない」と難癖をつけてきた。現実に合わないこじつけだ。長さ6bの交差点を通過する時間は歩いても数秒だ。その間に100b先の車の光が本当に見えるのか。弁護団らは昨年11月14日、これをも検証した。しかし、まったく見えない。光どころか通過する車すらわからなかった。
星野同志は終始十字路にいたのは動かぬ事実だ。星野同志が見たという「光」こそが、それを証明している。
証拠にも事実にも基づかず、荒唐無稽(こうとうむけい)な屁理屈(へりくつ)だけで星野同志のデッチあげを維持する裁判所に心底怒りが沸き上がる。ここまで明白な星野同志の無実を否定するのなら、裁判所は全証拠を開示しろ。星野同志の真実の声を聞け。
3・5高裁包囲デモに立とう
大恐慌と争闘戦の時代への突入の中で、超反動安倍政権と激突して2・17労働者集会が大成功した。これを基底に星野同志奪還・全証拠開示大運動が威力ある闘いとして発展し始めた。追い詰められた日帝・東京高裁の反動を踏みしだき、全証拠開示大運動をさらに前進させよう。
星野さんをとり戻そう!全国再審会議は3月5日に東京高裁包囲デモを呼びかけている。これに応えて労働者階級人民の怒りを東京高裁へたたきつけよう。星野同志奪還・全証拠開示を強力に求めて、3・5東京高裁包囲デモへ決起しよう。
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3・5東京高裁包囲デモ〈全一日行動〉
3月5日(火)午前11時30分 日比谷公園・霞門結集
午後0時15分 デモ出発
午後1時30分 署名提出行動
午後1時40分 第11回ビデオ国賠開廷(東京地裁527号法廷)
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週刊『前進』(2573号6面3)(2013/02/25 )
2・9富山再審集会 無罪かちとるまで闘う
検察の証拠隠し弾劾
富山保信同志の報告と決意
2月9日、富山再審集会「開示証拠が裏付けた暗示・誘導/ただちに再審開始を!/証拠はまだ隠されている」を東京・品川区で行いました。参加は初めての方7人を含む58人。お忙しい中を駆けつけていただきありがとうございました。
講演は供述分析の第一人者の浜田寿美男さん(発達心理学、法心理学、奈良女子大名誉教授)。冒頭、再審請求時の鑑定書提出、再審請求棄却決定に対する意見書提出、「新開示証拠を含めた目撃供述についての心理学鑑定」を提出した立場から「暗示・誘導は原審の時からはっきりしている」「こんな『証拠』で有罪とされたのではたまったものではない」と切り出し、そもそも目撃証言とは危険なものだという認識は心理学界ではいまや常識であることを紹介したうえで、捜査過程においていかに暗示・誘導が行われて富山=犯人がねつ造されたかが新開示証拠によっていっそう裏付けられたと、供述調書の文言なども取り上げながら具体的に指摘し、「もはや暗示・誘導の域を超えている」と断罪されました。
弁護団の葉山岳夫弁護士は、弁護団は原審段階から一貫して証拠開示を求めて闘ってきたこと、検察官は公判廷でうそまでついて証拠隠しに汲々(きゅうきゅう)としてきたこと、検察官は公訴提起から36年目にやっと68点の証拠を開示したが、私が犯人ではないことを証明する証拠をまだ隠していることを、検察官の言動を再現しながら弾劾されました。
両氏の講演、報告は明快で説得力に富み、参加された方から「わかりやすくて、よく理解できた」「無実を確信できる説明だった」「富山再審とは何なのか納得できた」という感想を直接聞くことができました。
わざわざ広島から上京してくれた中学・高校の同級生のカンパアピールには感謝あるのみです。そして、2011年3・11福島原発事故によって「みんなうそだった」ことが露呈したこの社会を根底から変革しようと闘っている全学連の斎藤郁真委員長の会場からの発言には大いに意を強くしました。
私は無実です。殺人罪弾圧は完全なデッチあげです。証拠開示が進めば進むほどデッチあげが破綻し、無実という真実が浮き彫りになっています。検察官が隠蔽(いんぺい)している私の無実証明証拠を開示させ、再審開始・無罪をかちとるまで闘い抜きますのでいっそうのご支援をよろしくお願いします。
(とみやまやすのぶ)
(写真 証拠を開示させ再審・無罪へ。富山同志の訴えに聞き入る参加者【2月9日 品川区】)
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富山再審闘争 富山同志は1974年10・3全逓潜入・反革命カクマル山崎完全せん滅戦闘へのデッチあげ「殺人罪」弾圧で10年の獄中闘争を完全黙秘・非転向で貫徹。東京高裁の再審請求棄却に対し異議審闘争中。
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週刊『前進』(2573号6面4)(2013/02/25 )
迅速で規則正しい機関紙配布は組織建設の始まり
『革共同の機関紙活動』を読む
プロレタリア世界革命に手の届く革命党への変革として、あらためて機関紙拡大闘争を細胞活動の基軸にすえることが熱望されている。この挑戦を言葉の上での確認に終わらせるのではなく、真に実体あるものとするために冊子『革共同の機関紙活動』は発行された。
われわれは革命的情勢が圧倒的に成熟する中、およそほかのすべての政治潮流のように、むしろそれにたじろぎ革命を彼岸化することとは無縁である。機関紙こそ革命党の実体であり、機関紙活動は党建設(党と労働組合の一体的発展)そのものである。断固として機関紙活動の飛躍で革命情勢をわがものとしよう。
革命党にとって機関紙とは何かについて、この冊子でも「集団的宣伝者および集団的扇動者であるだけでなくまた集団的組織者である」というレーニンの言葉が重ねて引用され、また「機関紙のなかに、階級闘争の継承性、発展性がある」と指摘されている。
このことについて「2013年1・1アピール」では、次のように提起している。
機関紙によって「新自由主義の団結破壊と階級性解体攻撃に対して、労働者階級が団結とその階級性を取り戻していく……、労働者階級にとっての時代認識と進むべき道、闘いの路線を絶えず系統的に明らかにし、それを全国に定期的に伝えていくことによって、プロレタリア世界革命へ向けた階級形成と団結を大量に、全国的、全世界的にかちとっていくのである」
つまり、「頻繁に発行されて規則正しく配布される全国的新聞」の発行は革命党の任務そのものであると言わなければならない。
その上で、機関紙の重要な性格として「規則正しく配布」されることが繰り返し述べられている。まさに、このことはいくら強調してもし過ぎることはない。「党生活上の三原則の中軸をなすものが機関紙活動」であり、その出発点はこの「規則正しく配布」することにあるからだ。そして、「配布は機関紙活動を成り立たせている根本活動」であり、「迅速な配布こそ最大の闘い」「配布は組織建設そのもの」「配布活動を通して、地区の細胞の現実を知る」と。だからこそ、「機関紙活動が柱にすわることによって、すべての活動を生き生きとおこなうことができ」るのである。
さらに、機関紙改革の決定的前提である「労働者寄稿家の網をつくり出す必要」を実現するためには、こうした配布活動がなくてはならないのである。レーニンは「苦闘を重ねつつ党と労働組合の一体的建設をたぐり寄せるとともに、その事業を機関紙活動、特に『受任者網』の建設と不可分一体のものとしてかちとってきた」。この「受任者網」こそ「われわれに必要な組織の骨組みとなる」のである。
配布活動とは、受任者網の中に自己を位置づけることでもある。革命家としての規律をつくり上げるのも、方針・実践・総括の定期的活動のサイクルを身につけるのも、そうした配布活動から始まるのである。
2012年の激闘を通して全党に、「全国的普遍性と単一性をもって闘うことの重大性と勝利性が党的に横溢(おういつ)し始めた」(1・1アピール)ことは、機関紙拡大闘争への圧倒的決起の主体的条件もまた成熟していることを示している。
革共同に結集しているすべての同志が『前進』に誇りを持っている。読み、読ませたいと思っている。その意欲が解き放たれたとき、拡大は一気に進む。機関紙活動の飛躍で「中央集権主義的な党活動の中心に、このような機関紙を据え……、労働者を中心とした全人民大会を毎週開催しているような状態」をつくり出そう。(中四国地方委員会機関紙担当・OK)
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週刊『前進』(2573号6面5)(2013/02/25 )
“真実の光をたたえ北斗星”
『国際労働運動』2月号「星野」総特集を読んで 西村豊行
『国際労働運動』2月号は「『星野文昭さんは無実だ』総特集」で、「全証拠開示大運動で星野さんを取り戻そう」の運動を進める上の優れた学習の武器になっている。特に表紙表の「Krが見た背広上下は『きつね色』」と「星野さんの背広上着は『薄青』色」の2枚のカラー写真。表紙裏には当時のデモ隊の最前列と「きつね色」の服装のデモ隊員写真が配されている。裏表紙の裏には、「本人しか知り得ない秘密の暴露」といわれる「NHK方面の車のフロントガラスの光」の問題が現場検証(2012年11月14日)と当時の写真のセット、同場面の図によって明らかにされ、圧巻である。
私は第U章の「星野さんと暁子さんの訴え」から読み始めた。昨年11・23星野再審全国集会への星野さんのメッセージだ。「私の獄中38年の闘い、2人の26年の闘いを、暁子が『見せしめとしての38年ではなく、それをひっくり返し、日々無期に勝利してきた闘いとしてある』と言うように……」と冒頭の一文にある。
暁子さんは訴えている。「週1回の手紙と月3回の面会で、奪われた日々の思いのすべてを傾け、交わし合う。そんな生活を、26年続けてきた。愛しあいながらも手も触れることができないのは、残酷だと思う。しかし、ともに生きる思いを一つに重ねてきた日々は、見せしめとしての38年・26年ではなく、それをひっくり返し、日々無期に勝利してきた38年・26年として、輝いている。心から抱きしめ、大切にしたい」。これは獄中の星野さんが強調した魂の言葉である。
この訴えは次のことを教えているのではないだろうか。星野文昭さんと暁子さんは、尊敬の念を抱く上にきずかれる、互いの対等な人格を認め合い、平等と共同の関係を創り上げている。このことが、困難と試練を乗り越える愛と不抜の団結を生んでいるにちがいない。そうして、階級の魂を奮い立たせる二つにして一つ(それは同時に一つにしてみんな)の力強いスクラムとなり、国家権力の理不尽で卑劣なデッチあげ攻撃との壮絶な闘いを鍛えているのであろう。階級としてのすごみを感じ、心を強く打ってあまりあるのだ。
第T章の「無実の決定的証拠」は特集の半分を割いている。「有罪認定」の根拠は「供述調書」のみであり、その「供述調書」が脅迫や誘導、強制によるデッチあげなのだ。証拠開示を実現するなら、「無実という真実」は不動のものとなり、「有罪認定」と「無期懲役判決」の根拠は完全に崩壊し、再審開始の血路は直ちに開かれることになる。そもそも証拠の隠蔽(いんぺい)は、無実・無罪への恐怖の所産である。始まった証拠開示大運動の持つ意味は決定的である。
第V章は、11・23集会での発言要旨。再審弁護団からの提起は鮮やかである。「後ろ姿と声で星野さんと識別できるとして、再審を退けた。後ろ姿からの人物特定など論外ですが、『声の記憶』(目撃に対し『耳撃』といわれる)ほど頼りにならないものはない」(鈴木達夫弁護団長)。「星野さんが殴打し、火炎びんを投げろと指示を出したとする物的証拠や第三者証言は全くない」(岩井信主任弁護人)。
ゴビンダさんの無罪や韓国で再審無罪をかちとった勝利の報告など、星野さんを支える多彩な人たちの感銘深い発言が収録されている。
無実の身には、38年間の不当な拘禁はそれ自体が拷問であり、あまりにも長すぎる。これほどの星野さんと階級への理不尽きわまりない侮辱は許されない。今こそ本当に奪還するための決起をと、2月号は力強く、鋭く提起している。
本稿の見出しは、星野文昭さんの母・故美智恵さんが2003年4月に刊行した句集『北斗星』に収録された一句である。私は当時次のように書いた。「北斗星の(息子の文昭さんを象徴し、無実のゆえに放つ)真実の光によって、自らもまた困難な歳月に打ちかって生きてきた道のりを、鮮やかに投影しているのである」(『部落解放闘争』35号)
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週刊『前進』(2573号6面6)(2013/02/25 )
【集会要項】2013年3・8国際婦人デー行動
2013年3・8国際婦人デー行動
■3・2東京 安倍政権打倒! 女たちの大集会&デモ
3月2日(土)午後1時半開始 4時デモ
杉並産業商工会館・講堂(JR阿佐ケ谷駅下車)
講演 大石又七さん(第五福竜丸元乗組員)
市川潤子さん(ふくしま合同労組委員長)
主催 3・8行動実行委員会 主催 3・8行動実行委員会
連絡先 東京労組交流センター女性部/婦民全国協・関東ブロック
■3・3関西 福島の怒りと結びつきすべての原発今すぐなくそう!
外注化阻止・非正規職撤廃! 福島圧殺内閣・安倍政権打倒!
橋下打倒! 革命的大動乱の今、労働者・民衆に力あり!
3月3日(日)午後2時〜 エル・おおさか 本館709
福島から 市川潤子さん(ふくしま合同労組委員長)
主催 3・8国際婦人デー実行委員会
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