ZENSHIN 2013/02/18(No2572 p06)

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第2572号の目次

法大入試情宣かちとる 2・5飯田橋 記事へ

1面の画像
(1面)
2〜3月決戦へ国際連帯を
大恐慌―大失業・核戦争危機に階級的労働運動で反撃しよう
被災地と共に3・11福島行動へ
記事を読む  
米新軍事戦略と釣魚台略奪で強まる東中国海での戦争危機
レーダー照射事件 労働者国際主義で対決を
記事を読む  
法大入試情宣かちとる2・5 飯田橋(2月5日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
【要項】2・24橋下打倒集会、3・1原発いらない杉並集会 記事を読む  
(2面)
安倍-橋下打倒の先頭に立つ
教育の民営化・非正規職化と対決し拠点労組つくろう
革共同教育労働者委員会
記事を読む  
経済財政諮問会議 総非正規職化を叫ぶ
解雇自由の“労働市場改革”(大迫達志)
記事を読む  
反原発大衆行動からも退散し“黒田忠誠運動”にのめり込み
情勢への「絶望」組織するカクマル
記事を読む  
(3面)
橋下打倒!2・24大阪闘争へ(下) 記事を読む  
猪瀬は石原以上の新自由主義者
地下鉄・水道など全面外注化狙う猪瀬打倒の東京決戦へ
記事を読む  
(4面)
農民会議が福島で総会
反原発と三里塚軸に 闘いと組織の発展誓う(1月26、27日)
記事を読む  
3・1ビキニデー杉並集会の成功を
原水禁運動発祥の杉並から反原発とNAZEN発展へ
記事を読む  
首相官邸へ「原発なくせ!」 記事を読む  
08年5・28法大弾圧 上告棄却の暴挙
法大闘争の勝利で反撃を(2月4日)
記事を読む  
2013年日誌 2月5日〜11日
東電、国会事故調に虚偽説明/チュニジア全土でゼネスト
記事を読む  
(5面)
3・11怒りの福島現地へ
反原発福島行動13呼びかけ人の訴えA
記事を読む  
国が線量測定値を改ざん 「除染」の名で被曝を強制
3・11福島へ/事故責任徹底追及を(中)(河東耕二)
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
3・8国際婦人デーアピール
福島の根底的怒りとつながりプロレタリア革命きり開こう
記事を読む  
星野同志の無実示す色・声・光  全証拠を開示せよA
声で特定はできない オレオレ詐欺が実証
記事を読む  
【要項】差戻し控訴審無罪へ!福嶋再審勝利!2・23総決起集会、3・8国際婦人デー行動 記事を読む  

週刊『前進』(2572号1面1)(2013/02/18 )

 2〜3月決戦へ国際連帯を

 大恐慌―大失業・核戦争危機に階級的労働運動で反撃しよう

 被災地と共に3・11福島行動へ

 世界大恐慌が大争闘戦時代を到来させ、大失業・戦争に転化しつつある内外の大激動情勢。それは世界的に労働者階級の闘いの飛躍を迫っている。労働運動の階級的な再生と創造こそが世界史の行方と未来を決める。この情勢の中で動労千葉は、外注化阻止・非正規職撤廃と組織拡大、大幅賃上げ、大量解雇粉砕をかけて13春闘期を3月ストライキで闘おうとしている。2・17国鉄集会の大成功をかちとり、2・24橋下打倒闘争に全国から総決起しよう。3・1ビキニデー杉並集会と3・11反原発福島行動、春闘、3・24三里塚集会を軸に3月大闘争を爆発させ、極右超反動の安倍・橋下を打倒しよう。

 反核・反原発の闘いを踏みにじる核実験

 北朝鮮スターリン主義・金正恩政権は2月12日、北朝鮮として3度目の地下核実験を強行した。これは世界の労働者人民の反戦・反核・反原発の願いと闘いを踏みにじるものであり、徹底弾劾しなければならない。
 今回の北朝鮮スターリン主義の核実験は、北朝鮮労働者人民の生活・生命を犠牲にし、核を帝国主義との取引材料にして体制の延命を図ろうとするものだ。だが北朝鮮の思惑がどうあれ、米日帝国主義の戦争政策に核をもって対抗することは、彼らに格好の軍事攻撃の口実を与え、戦争の危機を促進するだけである。
 もとより米日帝国主義こそ、東アジアにおける戦争の危機の元凶である。米新軍事戦略のもと米日帝は中国・北朝鮮の体制転覆を狙う侵略戦争策動を強めている。米軍は2月4日から3日間、韓国東海岸の浦項(ポハン)沖で米韓合同軍事演習を行った。北朝鮮の目と鼻の先での露骨な戦争挑発行動だ。
 大恐慌は大失業と戦争を生み出す。それがフランス帝国主義のマリ侵略戦争をも含め、今このような形で激化し進行している。米新軍事戦略と日帝の新たな領土略奪を引き金とした釣魚台(尖閣諸島)をめぐる日中激突情勢とも連動し、東アジアの軍事的緊張はかつてなく強まっている。
 帝国主義とスターリン主義の核(と原発)は、世界の労働者階級を分断し支配するための手段である。今労働者階級の課題は、核による分断・支配を打ち破り、帝国主義とスターリン主義のもとで奪われてきた労働者階級の階級的=国際的団結をよみがえらせることだ。そして大恐慌を反帝国主義・反スターリン主義世界革命に転化することだけが、大失業と戦争(核戦争)の破局を阻み、全人類を破滅から救い出す唯一の道である。
 では国際連帯の道はどうすれば開けるか? それは国鉄分割・民営化反対闘争以来30年近くの動労千葉の闘いがはっきりと示している。マルクス主義に立脚した階級的団結論と絶対反対論の立場を貫き、日常的な資本との職場闘争と政治的・階級的な決戦攻防を闘うことこそ、世界の労働者階級とつながる道だ。動労千葉はそれをベースに日韓米の労働者国際連帯を着実に前進させてきた。
 今その闘いは、新自由主義の核心的攻撃=外注化・非正規職化との攻防として激しく闘われている。資本家の手先=連合の労働者支配を打ち破り、動労千葉に続いて全国で階級的労働運動の前進をかちとろう。職場には青年をはじめ怒りが渦巻いている。それに火をつけ団結をつくり出す時だ。労働者階級が革命により政治権力を握り、社会を運営する主人公とならなければ、世界はもうどうにもならない。労働者の国際的団結と世界革命で帝国主義と残存スターリン主義を打倒し、人類史の未来を開こう。

 反合・運転保安闘争の真価発揮される時

 外注化阻止決戦の第2ラウンドは、第1ラウンドを超える激しい決戦だ。この攻防に絶対勝利しよう。動労千葉はストを含むあらゆる戦術を駆使して外注化を阻止し、強制出向を粉砕する決意を固めて闘っている。組合員のこの怒りと思いに肉薄しともに闘おう。そのためにも、10・1外注化阻止決戦の画期的地平の意義をしっかり確認し、前進しよう。
 田中康宏委員長は「日刊動労千葉」の新年のあいさつで次のように述べている。「動労千葉の組合員は25年間団結を守って闘い続け、いい勝負に持ち込んでいます。NTTとか他の企業で起きていることを見てください。もしわれわれが検修構内外注化問題でも徹底抗戦に持ち込んでいなかったら、今ごろは転籍を含めまさに全面的な攻撃になっていた。職場の団結を守りぬけば、必ず新たな展望をつかみとることができると確信しています」
 動労千葉の組合員は、「絶対反対だと言ってやりきった中での強行と、東労組みたいに賛成して外注化されるのかは、まったく違うと思うんだよね。やっぱり闘いの中でこそ労働者は団結することができると確信することが何よりも重要だと思う」と言っている。
 ここには、どの産別・職場でも教訓化できる重要な総括が語られている。▼新自由主義のもとでの合理化をめぐる資本との攻防は〈団結をめぐる死闘>であり、団結の防衛・強化を総括軸に闘うべきこと。▼闘争目標が直ちに実現しなくても長期戦の構えで闘えば必ず展望が開けること。▼ストライキ、職場闘争など組合員全員の総決起で闘う中でこそ組合の団結は守られること。闘わなければ団結は崩されること。▼そのように粘り強く闘ううちに敵の弱さ、もろさ、矛盾が表れ、勝利への転換をかちとることができること。
 外注化後の職場では、CTS(千葉鉄道サービス)もJRも、どっちも責任を持とうとせず、無責任な雰囲気が蔓延(まんえん)している。組合員は「外注化というのは職場をガタガタにしてしまうものなんだということをあらためて感じています。……いつか必ず取り返しのつかない重大事故が起きます。そんなことを許さないためにも闘わなきゃいけない」と決意を語っている(「日刊動労千葉」)。
 JR東資本は、金もうけと組合破壊のために、本業である鉄道業の重要部門(保線、電力、信号通信、土木、検修・構内業務など)を次々と外注化し、安全を切り捨ててきた。保線の合理化・外注化によってレール破断も頻発している。今また駅の全面外注化に突き進んでいる。動労千葉の反合理化・運転保安闘争は、このような資本の攻撃と全面的に対決し、労働者の誇りをかけて職場を労働者の手に取り戻す闘いである。今こそ反合・安全闘争路線で闘いぬき、勝利を切り開こう。

 福島の現実と怒りが反原発と革命の原点

 3・1ビキニデー杉並集会を大成功させ、3・11反原発福島行動に総決起しよう。8・6広島―8・9長崎がそうであるように、3・11に福島の地で反原発の行動を起こし声を上げることが決定的に重要だ。原発事故を風化させようとする日帝・安倍政権や連合など体制内勢力の策動を許さず、事故の責任を追及し、3・11福島に結集して闘おう。
 原発事故はまったく収束していない。法律では一般人の被曝許容限度は年1_シーベルトであるにもかかわらず、福島県民には「年20_シーベルト」基準が押しつけられている。こんな法律破りを平然と行い、裁判所もこれを追認している。「この国はまったく違法な行政措置を講じても平気な、大変恐ろしい国です」と、3・11行動呼びかけ人の井上利男さんは怒りを込めて弾劾している。
 東京電力は、津波前の地震動による原発の破壊を隠すために大うそをつき、国会事故調査委員会の現地調査を妨害し、政府もこれを黙認し、東電に巨額の税金を注ぎ込んで救済している。経団連は「原発稼働ゼロは到底不可能」と原発推進を叫んでいる(経営労働政策委員会報告13年版)。
 福島の怒りこそ、反原発闘争とプロレタリア革命の原点だ。再稼働阻止・全原発廃炉を闘う大衆闘争機関としてNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)を全国に結成し、その前進をかちとろう。
 3・24三里塚現地闘争への大結集運動を組織しよう。星野全証拠開示運動を全国に広げ、無実の星野同志奪還へ闘おう。
 機関紙活動の積極的展開を軸に、「党と労働組合の一体的建設」の闘いを推進しよう。

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週刊『前進』(2572号1面2)(2013/02/18 )

 米新軍事戦略と釣魚台略奪で強まる東中国海での戦争危機

 レーダー照射事件 労働者国際主義で対決を

 日帝・小野寺防衛相は2月5日、東中国海の釣魚台(尖閣諸島)周辺で、1月30日に中国艦船による海上自衛隊護衛艦に対しレーダーの照射が行われた、さらに1月19日にも海自ヘリコプターに中国海軍フリゲート艦からレーダーが照射されたと、突然発表した。
 この事態の背景には明らかに、米帝の新軍事戦略のもとでの中国への対峙・対決政策、北朝鮮への侵略戦争策動の強まりがあり、日帝による釣魚台の「国有化」宣言という新たな領土略奪攻撃がある。大恐慌と大争闘戦時代における日米帝国主義のすさまじい戦争政策の展開がある。またこの間、北朝鮮への侵略戦争を想定した米韓、米日、米日韓の軍事演習が黄海や日本海や太平洋地域で頻繁に強行されている。
  ◆  ◆
 防衛省と安倍は、1月30日のレーダー照射を1週間後にきわめて政治的に公表した。しかし日帝による釣魚台「国有化」という新たな領土略奪攻撃こそが中国スターリン主義の激しい対応を生み出しているのだ。
 昨年9月11日の釣魚台「国有化」宣言に対して中国で激しい反日デモが起きた。9月19〜20日には釣魚台の北方海域に中国海軍のフリゲート艦2隻が展開した。これに対し自衛隊は、通常の海自のP3C哨戒機態勢に加えて新たに空自の空中警戒管制機(AWACS)と早期警戒機E2C、海自の画像データ収集機OP3を釣魚台周辺上空に展開、中国の海洋監視船や海・空軍の動向を警戒する態勢にエスカレートした。
 今年の1月10日には、米海軍のP3Cと空軍のC130輸送機が中国軍の戦闘機に追尾されたことを受け、米空軍も釣魚台周辺にAWACSを投入した。
 これに中国は激甚に反応し、米軍機や自衛隊機に対する中国軍戦闘機の緊急発進もエスカレートし、1月14日には解放軍報が軍総参謀本部の全軍に対する「戦争の準備をせよ」との指示を伝えた。これは1979年の中国のベトナム侵攻以来のことだ。さらに内陸基地の戦闘機部隊が沿岸部・上海の空軍基地に移動した。
 また1月17日、小野寺防衛相はルース駐日米大使と防衛省で会談し、「(中国機への)警戒監視を強め国際的な基準で対応する」と説明。ルースは「重大な関心を持っている。事態の沈静化が大事だ」と述べ、「尖閣諸島は日米安全保障条約の適用対象だ」との立場を重ねて表明した。
 1月19日に海自ヘリコプターが中国フリゲート艦からレーザー照射を受けた日は、釣魚台の北方海上では中国フリゲート艦と海自護衛艦が近接距離でにらみ合い、空中では米AWACSが中国戦闘機に追尾され、自衛隊機が飛び立ち、米軍機と自衛隊が中国軍と事実上の戦闘状態に入っていた。「国有化」以前にはなかった軍事的緊張が東中国海で起きている。
  ◆  ◆
 安倍政権が今回、中国軍によるレーダー照射問題を世界に大々的に公表したその狙いは、釣魚台略奪を居直り、中国への排外主義をあおり、集団的自衛権行使に踏み込み、改憲・戦争への道を開くことにある
 12月26日の政権発足以後、安倍の米新軍事戦略支持、日米安保強化、自衛隊法「改正」や改憲への姿勢はいよいよ明確になっている。2月8日には安保懇を4年7カ月ぶりに再開、集団的自衛権行使の容認へ憲法解釈の見直しを検討し始めた。
 しかし一方で日米間には為替戦争(通貨戦争)やTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加問題など、激しい争闘戦がある。釣魚台問題への対応でも、米帝は日帝の独自の行動には釘(くぎ)を刺し、日中双方に「自制」を求め、情勢をあくまで米帝のコントロール下に置こうとしている。
  ◆  ◆
 求められているのは労働者国際連帯だ。領土問題の解決も、戦争を阻止する力も、一切は日米韓、中国の労働者階級の国際連帯と団結にかかっている。そこにのみ情勢打開の展望がある。大恐慌と大失業・戦争をプロレタリア世界革命に転化するために闘おう。

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週刊『前進』(2572号1面3)(2013/02/18 )

 法大入試情宣かちとる 2・5 飯田橋

 

 法大文化連盟と全学連は2月5日、裁判所による不当な入試情宣禁止仮処分を打ち破ってJR飯田橋駅前に登場し、情宣活動を展開。多くの受験生との結合をかちとっています。(写真)
 斎藤郁真全学連委員長は「安倍自民党政権は原発事故などなかったかのような態度で原発再稼働に動き、福島の人びとを日常的に被曝させています。改憲と戦争に向かっています。命よりも金もうけの新自由主義に怒りを抑えられません。3・11反原発福島行動に集まり、安倍を倒そう。社会を変えよう」と訴え注目が集まりました。
 (K)

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週刊『前進』(2572号1面4)(2013/02/18 )

前進速報版から 前進速報版から

▼NAZENヒロシマ結成1周年集会、佐藤幸子さんが福島報告▼北京の米自動車部品工場でスト▼チュニジアで反政府全国ゼネスト

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週刊『前進』(2572号1面5)(2013/02/18 )

【要項】2・24橋下打倒集会、3・1原発いらない杉並集会

 橋下による処分攻撃に反撃し、今こそ闘う労働組合をつくりだそう!
 民営化・外注化絶対反対!すべての非正規職を撤廃しよう!

 2・24橋下打倒集会

 2月24日(日)午後1時
 大阪中之島公園女神像前(市役所南側。地下鉄・京阪電車「淀屋橋」下車)
 集会後、難波までデモ行進
 主催 橋下打倒集会実行委員会

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【要項】3・1原発いらない杉並集会
 ビキニ水爆実験・被ばくから59年

3・1原発いらない杉並集会

 3月1日(金)午後6時30分〜 高円寺・セシオン杉並ホール(東京都杉並区梅里1―22―32)
 □福島県郡山市からの報告
  井上利男さん(ふくしま集団疎開裁判の会)
  「原発被災地をおおう『国際原子力ロビー』の影」
 □VTR上映(山本太郎さんによるインタビュー)
  大石又七さん(第五福竜丸元乗組員)
 主催/3・1原発いらない杉並集会実行委員会
      8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会

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週刊『前進』(2572号2面1)(2013/02/18 )

 安倍-橋下打倒の先頭に立つ

 教育の民営化・非正規職化と対決し拠点労組つくろう

 革共同教育労働者委員会

 民営化・労組破壊狙う「教育再生」

 安倍政権は、大恐慌の本格的激化と大争闘戦時代への突入、3・11情勢に規定された絶望的で危機的な政権である。生活保護の生活扶助費を3年間で670億円も削減する一方、防衛費の11年ぶり増額で軍拡と戦争・改憲、大増税の攻撃をかけている。原発推進・再稼働の「福島圧殺内閣」であり、資本家階級の利益を体現して徹底的に民営化・外注化・非正規職化を進めようとする政権である。
 今年は新たな「雇用破壊」元年ともいうべき攻撃と激突する年になる。労働者派遣法、労働契約法、高齢者安定雇用法の改悪で非正規雇用はますます不安定化し、正社員には「雇用規制改革」の名で「解雇解禁」が横行する。文字通り10割非正規化との対決だ。
 青年労働者は雇い止め解雇で「マクド難民」に追いやられ、正規職も「ブラック企業」のパワハラ、超過重労働ですりつぶされている。「もう我慢できない!」の怒りの声が爆発している。
 動労千葉・動労水戸は、青年労働者の反乱を組織する壮大な闘いとして外注化阻止決戦の第2ラウンドに突入し、3月ストライキへと突き進んでいる。労働組合をめぐる攻防がすべてを決める。教育労働者は、教育の民営化−外注化阻止・非正規職撤廃の闘いに立ち、階級的労働運動の拠点建設の一大飛躍をかけ2〜3月決戦を闘おう!
 教育の民営化攻撃は、小泉政権時代に本格的に開始された。04年の中教審答申は、公立学校の管理運営の包括的委託について、@対象を幼稚園・高校とする、A委託先は原則として学校法人とする、B委託の手続きは、指定管理者制度と同じく条例による、C教育委員会による点検・評価を実施し、是正措置や契約解除など適切な措置をとる、D教職員の身分は受託者に雇用された者となり、服務管理は就業規則による――など公設民営化の制度設計を示した。しかし文科省は、従来の私立学校の枠内にとどまる「公私協力学校」を代替案として示し、公設民営化の制度化はネグレクトしてきた。
 この過程、株式会社参入解禁と公設民営化の立役者だったのが、安倍内閣の文科相・教育再生担当相となった下村博文である。根っからの教育の民営化推進論者であり、第1次安倍内閣では教育再生会議をテコに免許更新制導入など改悪教育基本法を具体化させた。
(写真 佐賀県内で開かれた日教組教研全国集会で労組交流センター教労部会が情宣活動【1月26日】)

 橋下を先兵に教委制度改革

 安倍は、育鵬社版教科書を発行する日本教育再生機構理事長の八木秀次を始め極右で固めた教育再生実行会議を発足させ、「いじめ対策」を突破口に「教育委員会制度改革」を打ち出そうとしている。その狙いは民営化と労組破壊である。安倍と橋下・維新の会は、昨年の段階から職員基本条例や歴史教育をめぐって連携を強めてきた。安倍・下村の「教育委員会制度改革」を先取りしているのが橋下なのだ。

 非正規が過半数 命奪う学校現場

 教育の民営化の最大の目的は、教育公務員の非公務員化・非正規職化にある。教育公務員労働者をベネッセなどの民間雇用にして非正規職化し、低賃金でいつでも首切りできるようにして資本の使い捨てにしようとしているのだ。
 民営化の際に最大のネックになるのは、賃金など労働条件の承継である。だから今日かけられている退職金の大幅削減・賃下げは、民営化の一大突破口なのだ。「駆け込み退職」と騒ぎ立てるマスコミの非難は「教職員はほかの労働者とは違う」という“教師聖職論”そのものだ。「身を削り働いてきたのに、働いた方が損をする。『要らない』と言われたようだ」――これが現場の声だ。“長時間ただ働き残業でこき使い、管理強化で教育活動をがんじがらめにしておいて、何を言うか! 教師も労働者だ!!”と、“聖職論”を吹き飛ばす現場の怒りが爆発している。
 さらに教育の民営化は、教育労働者の非正規職化として激しく進行している。11年度の公立小中学校での非正規教員の割合は16%、11・2万人(文科省調査)で、ほぼ6人に1人だが、これは県費職員のみの数字である。市費講師・各種サポーター・支援員などの非正規職を含めると、公立学校もすでに非正規が過半を占める職場となっている。教員定数に占める非正規教員が全国で増加し、大阪府は、新規採用者の数をはるかに上回る定数内講師を採用している。この10年間で急速に、正規から非正規へ、常勤講師から非常勤へと置き換えられてきたのだ。
 現場では「いじめ」「学級崩壊」など、すべてが「個人責任」として背負わされている。毎日夜の9時・10時まで学校に残り、土日も残った仕事やクラブ指導のために出勤するなどの殺人的長時間労働とストレスにさらされ、多くの教育労働者が病に倒れ、休職(11年度8544人、うち精神疾患5724人)、早期退職に至っている。過労死も後を絶たない。05〜09年の5年間で在職死亡に追い込まれた公立学校の教育労働者は実に3100人だ。条件付採用教員に対するパワハラによる退職強要や、正式採用を拒否する解雇も横行している。評価制度で競争させ現場の団結を破壊し、免許更新制、「指導力不足」の名による研修所送り、分限処分など、ありとあらゆる攻撃の網を張り、退職へと追いやり、免職・解雇しようとしているのだ。
 教育の民営化攻撃は、青年教育労働者の未来を、命さえも奪っている。さらにその上に、公設民営化やバウチャー制度で、教育公務員の全員解雇・非公務員化・非正規職化を一挙に進めようとしているのだ。

 教員総入れ替えは大首切り攻撃

 生徒の死はつらく悔しい。体罰は絶対に許されない。だがそもそも大阪府知事時代に「口で言って聞かないと手をださないとしょうがない」と、体罰をあおってきたのは橋下市長である。生徒を死に追いやり、さらに教育の民営化・教育破壊を推進する橋下市長を断じて許すことはできない。
 大阪市立桜宮高校体育科は、「強い部活」を特色とする学校である。「体罰自殺」の背景には、「特色ある学校づくり」と称して学校間・教職員間で成果を競わせ、「3年連続の定員割れで廃校」「評価が悪ければ免職」という新自由主義教育改革がある。職場の団結は破壊され、教育労働者は自由闊達(かったつ)な討論と教育活動を奪われてきた。だから責任のすべては、橋下市長・当局にある。教育労働者が職場支配権を奪還することこそ、困難な教育課題を解決する道だ。
 ところが橋下市長は、教育委員会が学校を統制できないことが問題だと責任転嫁し、「予算凍結」をちらつかせて体育系の入試を中止させた。
 さらに、教育行政への市長の介入権限を強化し、教育委員会制度を実質的に解体する条例案を2月市議会に提出しようとしている。「校長は教育者でなく経営者になってもらわないと困る」「来年は原則、校長全員を外部から採用したい」などと言い、体育科教員の総入れ替えを要求している。越・大津市長も「いじめ自殺」を口実に「来年度に向けて、先生を入れ替えるべき」と教員の異動と処分を主張している。
 大阪市教育振興基本計画案では、首長の意向を貫徹する「校長の民間からの公募」「校長権限による教員公募・希望転任(FA)制」「特別免許状による民間からの登用」が打ち出されている。成績の上がらない学校は校長以下教職員の総入れ替え、廃校・民営化で全員解雇という米英型の教育の民営化に踏み出そうとしているのだ。
 橋下市長は、15年大阪都=府・市丸ごと民営化に向かって、交通、水道、清掃、保育所・幼稚園などの全面民営化を開始している。東京では猪瀬新知事のもとで地下鉄・水道の民営化、窓口業務の全面的外注化が進められようとしている。
 JR東の「経営構想X」による検修・駅の外注化攻撃との闘いを最大の焦点として、民営化、外注化、非正規職化をめぐる労働者階級と支配階級の大激突が始まっている。職場の団結を奪い返し、教育の民営化絶対反対で闘い、教育労働者こそ橋下・安倍打倒の階級決戦の先頭に立とう。

 絶対反対で闘い職場から反撃を

 大阪市職、大阪市従の労働者は、民営化に向けた処分・解雇攻撃への反撃に立ち上がっている。大阪市教組の労働者は、教育の民営化・首切り攻撃への反撃として不起立を貫き、処分撤回の人事委員会闘争を結集軸に、教組をつくり替える闘いに打って出ている。
 この闘いは、たった一人からでも路線を貫いて絶対反対で闘えば職場の仲間を獲得できることを実証した。時代認識と路線を貫く闘いは、体制内組合執行部と激突し、いったん職場で孤立しているように見えることもある。しかしそれは必ずや「もう一人の自分」を生み出し、階級的労働組合をつくり出す力となり、労働者階級全体を獲得するのだ。
 職場にかけられている攻撃との闘いを新自由主義の教育の民営化攻撃との闘いとして据え直し、地区党と教育労働者委員会で「職場でどう闘うか」を徹底的に討論し実践する中でつかんだ確信である。プロレタリア革命の拠点である階級的労働組合の拠点建設に向かって党と労働組合の一体的建設をかちとろう。革命が指呼の間に迫った今、党と労働組合の一体的建設は、一刻の猶予もない死活的課題となっている。民営化・外注化阻止、非正規職撤廃、解雇撤回を貫き、青年労働者との団結の拡大に総力を挙げよう。
 動労千葉・動労水戸を先頭とするJR外注化阻止決戦と一体で、教育の民営化・非正規職化との闘いをつくり出そう。2・24橋下打倒闘争、3・11反原発福島行動、3・24三里塚に全国から結集し、2〜3月決戦で安倍政権を打倒しよう。

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週刊『前進』(2572号2面2)(2013/02/18 )

 経済財政諮問会議 総非正規職化を叫ぶ

 解雇自由の“労働市場改革”

 安倍の「賃上げ要請」は大ウソだ!

 2月5日、安倍政権は経済財政諮問会議で、「正社員終身雇用偏重の雇用政策から多様で柔軟な雇用政策への転換」を打ち出した。マスコミが宣伝する「賃上げ要請」など大ウソだ。大恐慌と大争闘戦下であえぐ日本帝国主義は解雇自由と労働者10割非正規化の「雇用破壊」を宣言した。絶対に許してはならない。
 国鉄決戦を基軸とする外注化阻止・非正規職撤廃の13春闘ストライキと階級的労働運動の復権こそ、6千万労働者の回答としなければならない。

 正社員終身雇用の撤廃うち出す

 諮問会議で原発企業である東芝社長の佐々木則夫(経団連次期副会長)や三菱ケミカルホールディングス社長の小林喜光、日本総研理事長の高橋進ら民間議員は、雇用・所得政策の3番目の矢として「労働市場改革」を掲げ、労働移動=首切りの円滑化を叫んで正社員の終身雇用制の廃止と解雇規制撤廃を打ち出した。
 彼らの言う“正規と非正規という二元的な雇用システムをやめて、二つのタイプの間を行き来ができる多元的な雇用システムを目指す”とは、労働者をすべて非正規職化するということだ。
 労働者の首を自由に切り非正規職化して、賃上げなどあるはずがない。「雇用破壊」と「賃金破壊」は一体である。再チャレンジ担当大臣兼内閣府特命担当大臣(規制改革)の稲田朋美は「規制改革は成長戦略の一丁目一番地の課題」と言い切った。これが安倍の成長戦略であり、労働者に対する階級戦争だ。

 社会保障の解体と大増税を狙う

 さらに諮問会議は、政労資一体の共同戦略を1番目の矢とし、「若者・女性が活躍できる雇用の場の創造」を2番目の矢として「雇用形態に関わりなく公平な社会保障制度・税制の構築」をせよと言い、雇用保険についても再検討するとした。
 伊藤元重東大教授は、超金融緩和と湯水のような公共投資が国家財政を破局に向かわせているのに、「中長期の財政健全化の道筋」は「社会保障が本丸」と強調。東芝社長の佐々木は、「社会保障給付は25年になると149兆円になる。消費税を含む歳入改革と公共、民間ともに負担が少なくなるような社会保障給付の効率化、重点化をお願いしたい」と主張した。
 生活保護を始め社会保障を雇用保険まで解体して労働者と家族を貧困にたたき込む。どんなに劣悪な労働条件でも受け入れなければ生きられない状況を強制し、年金・社会保険制度改悪と消費増税で、低賃金・失業中の労働者からも徹底的に収奪しようというのだ。

 解雇・非正規職化と闘う13春闘へ

 雇用破壊と賃金破壊、社会保障制度解体の階級戦争に、6千万労働者の怒りを爆発させる時だ。
 安倍は“産業界、労働界と意思疎通を密にし、これまでと次元の違う政策を大胆に取り組んでいく”と強調した。経労委報告が掲げた「労使一体となって危機に立ち向かう」と同じだ。労働者の反乱を恐れ連合の協力に望みを託しているのだ。現に、連合や自治労本部、カクマルなどは、民営化・外注化・非正規職化を前提とした「非正規職の待遇改善」を掲げ、全員解雇・総非正規職化攻撃の先兵役をかって出ている。外注化阻止・非正規職撤廃こそが勝利の路線だ。反合理化・運転保安闘争路線で闘う労働組合をよみがえらせ、階級決戦を闘い抜こう。
 (大迫達志)
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 労働市場改革の概要

 改革、概要
雇用形態、正規・非正規の間を円滑に行き来できる環境整備を
正社員の退職、解雇に厳しい規制を改め労働移動の仕組を整備する
若者・女性、雇用形態に関わりなく公平な社会保障・税制の構築

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週刊『前進』(2572号2面3)(2013/02/18 )

 反原発大衆行動からも退散し“黒田忠誠運動”にのめり込み

 情勢への「絶望」組織するカクマル

 カクマルの組織的・路線的な危機と混乱は極限まで行き着いている。反革命通信『解放』の新年号は「反ファシズムの戦線を築け」なる大見出しを掲げつつ、大恐慌論や新自由主義論などの時代認識は皆無であり、もっぱら安倍政権登場への「絶望」を組織している。彼らは大衆運動的な「ブレ」により、すでに反原発の金曜日行動からも退散し、ひたすら黒田帰依運動=忠誠運動に宗教的にのめり込み、階級情勢とは完全に無縁な敵対的存在となり果てている。

 「由々しき事態」と安倍の登場に絶望の植田琢磨

 第一に、カクマル『解放』新年号でまず特徴的なことは、日本の労働者は安倍政権という「ネオ・ファシスト政権を選択してしまった」「極めて由々しき事態である」などと、労働者階級への不信を表明し、「絶望」を組織していることだ。そもそもカクマルは、総選挙前には小沢の「日本未来の党」を「卒原発、脱増税、福祉重視の公約を掲げている」と賛美し、期待を表明していたのだ(『解放』2248号1面)。
 『解放』新年号で議長・植田琢磨は、カクマルが革共同から脱落・逃亡して「50周年」の集会に向け、次のように言っている。「日本の人民が、戦後半世紀以上にわたって悪行のかぎりをつくしてきた自民党にまたもや政権を委ねることを選択したというこの厳然たる事実は……極めて由々しい事態である」。彼らの情勢認識は労働者への不信と絶望だ。
 カクマルの50年とは何か。それは、一方での本多延嘉革共同書記長(当時)の虐殺をはじめ数え切れないほどの労働者革命家と闘う学生・人民への白色テロであり、他方では日帝・中曽根と結託して国鉄分割・民営化=20万人の大量首切りと国鉄労働運動の破壊、総評解体の先兵となったことである。
 これは二つにして一つの反革命だ。日帝の今日にいたる新自由主義攻撃は、国鉄分割・民営化という「ショック・ドクトリン」によって本格化した。革共同はこれを一片のあいまいさもなく見据え、カクマル反革命と血を流して闘い抜いた。このカクマルの類例のない反革命を見据えられなかったあらゆる政治勢力は、今日、カクマルと同様、大恐慌情勢や新自由主義攻撃とまったく闘うことができずにいる。
 国鉄分割・民営化の先兵というカクマルの歴史的犯罪は、今日もカクマルの最大の弱点をなしており、全労働者が弾劾している。
 かつてJR総連の松崎明は、「自殺者が3万人、圧倒的多数はその(資本の)犠牲者ですよ。身につまされますね」と言った。今日の新自由主義の引き起こしている全現実は、国鉄分割・民営化を抜きには語れない。自分がその元凶であることを棚に上げ、こんな言辞を平気でうそぶいてきたのが松崎だ。

 「反ファシズム」を叫んで日共に「統一」よびかけ

 第二に、カクマルは『解放』新年号以来、2012年12月総選挙の結果を受けて、「ネオ・ファシズム」論や「反ファシズム統一戦線」をかつてなく激しく叫び始めている。カクマルは、“わがたたかう労働者の奮闘に支えられた公務員労組や一部の民間労組”への「安倍ネオ・ファシスト政権」の攻撃を打ち破れなどとつぶやいている。
 では日帝・資本の手先であるカクマルが呼びかける「反ファシズム統一戦線」とは誰との「統一」か?
 実はそれは「(日共の)下部党員、『全労連』組合員」「共産党の労働者党員たちは……統一戦線を築け!」ということでしかない。「一部の民間労組」とはJR総連カクマルだ。要するに「統一戦線」の相手は日共とJR総連である。だが日本共産党に呼びかけるこんな「統一戦線」など最初から破産したものでしかない。
 確かにカクマルと日本共産党には共通項がある。日共は3・11の後も「今すぐ原発止めろと言うのは無責任」というくらい戦後一貫した原発推進派であった。またカクマル黒田は1959年の『現代における平和と革命』で、「人類の知性は、ついに原子力の解放に成功した」と宣言し、1996年の同書の改版あとがきでは、念入りにも「『人類知性の最高の成果の一つ』である原子爆弾」と原子力や原爆を繰り返し賛美してきた人物だ。
 カクマルは3・11以後の反原発運動で、「放射能の危険性をもっぱら強調するにとどまる傾向におちいった」が、その後原発事故の原因は「『安全対策』が資本家的合理性の枠内でしかおこなわれてこなかったこと」にあったと、事実上の原発推進論に転落した。
 カクマルが首相官邸前の金曜日行動など反原発闘争の高揚にのっかり、それが大衆運動的な「ブレ」として内部で大問題となって、行動から撤退したのも、こうした黒田の原子力賛美からして当然の事態だったのだ。
 第三に、カクマルには、大恐慌論も新自由主義論も時代認識もまったくない。『解放』新年号で情勢論らしきものと言えば、「国家財政破綻と金融危機、世界的不況」といった実にお粗末極まりない代物だけだ。彼らは大恐慌論や新自由主義論を否定し、それに敵対している。だから極右超反動の安倍政権が登場するや「由々しき事態」だとなり、1980年の鈴木内閣登場以来、30年以上も叫んできた「ネオ・ファシズムの嵐」なるものを、またぞろ騒ぎ立て始めるのである。
 だがこの「ネオ・ファシズム論」は「冬の時代」論と一体で「だから闘うな」と大裏切りに走る道具立てでしかない。
 世界大恐慌は、最末期帝国主義の絶望的延命形態である新自由主義の大破産として、資本主義の最後を告げる事態である。しかも大恐慌は大失業と戦争を生み出すと同時に、世界的な革命情勢を成熟させる。世界の労働者は嵐のように決起している。いっさいは労働者階級自身の事業としてのプロレタリア世界革命にかかっているのだ。
 だからこそカクマルは、大恐慌も新自由主義論も必死に否定し、日帝・資本のファシスト先兵として立ち振る舞うのだ。彼らは08年のリーマン・ショックで情勢に追いつめられ、「国際金融大恐慌勃発前夜の世界経済」という上・下の柳津論文(08年10月27日付『解放』)を出した。だが結論は「現在の危機は、1929年大恐慌の“再来”という事態ではありえない。それは29年大恐慌とは形態・性格と歴史的位相を異にする」というもので、大恐慌の現実を真っ向から否定した歴史がある。

 “カクマル思想を南無阿弥陀仏のように唱えよ”

 第四に、『解放』新年号の実践方針らしきものとして「非正規雇用労働者の抜本的処遇改善」のスローガンがある(「郵政労働者委員会」アピール)。だが今日、体制内のすべての勢力が非正規職そのものの撤廃ではなく「非正規職の処遇改善」を言い立てながら、実際は資本に総屈服し、外注化・非正規職化の攻撃を推進している。カクマルは「抜本的」という形容詞をつけて体制内勢力の「左」の顔を装っているが、東労組カクマルがJR全面外注化の最先兵となっている犯罪性を労働者から覆い隠すことは断じてできない。
 第五に、最大の問題は黒田忠誠運動である。反原発運動の現場などから全国的に逃亡して、カクマルがのめり込もうとしているのは、「同志黒田の遺志をうけつぎ奮闘せよ」(植田)という黒田帰依=忠誠運動だ。植田はカクマル思想を「“南無阿弥陀仏”のように唱えつつ、自分の頭が自然にそう動くようになるようにしなければならない」と説教をたれ、黒田への宗教的な帰依=忠誠運動を叫んでいる。マルクス主義とは縁もゆかりもない。
 革共同からカクマルが脱落・逃亡して50年。カクマルはすべてにわたって破産し、JR資本との反革命的結託体制も崩壊し、平成採の青年労働者の反乱にも痛撃されている。新自由主義の先兵=反革命カクマルを、国鉄決戦・外注化阻止決戦と反原発決戦の爆発、階級的労働運動の発展で打倒し、プロレタリア世界革命の勝利を切り開こう。

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週刊『前進』(2572号3面1)(2013/02/18 )

 橋下打倒!2・24大阪闘争へ(下)

 2・24橋下打倒闘争への地区党の格闘の中で、大阪市では現場からの激しい怒りの噴出と階級的労働運動派とが結びつき「外注化阻止の第2ラウンド」が始まっている。これと同じ闘いが全国の拠点職場で火を噴くことは間違いない。資本家階級と安倍政権は、JR東日本を先頭に全産業で全面外注化と民営化、「10割非正規職化」の攻撃を仕掛けてきている。これとの闘いは労働運動史を塗り替え、新自由主義を打ち破る歴史的挑戦だ。大恐慌の本格的激化と大争闘戦時代の到来の中、2・17国鉄集会に続き、2・24橋下打倒闘争への全国からの大結集をかちとり、3・11反原発福島行動13、動労千葉ストを始め3月大闘争で安倍・橋下を打倒しよう。最終回は大阪の自治体労働者、教育労働者からのアピールを掲載します。
(写真 昨年の9・16橋下打倒闘争。大阪市の労働者を先頭に御堂筋を戦闘的にデモ)

 現場の怒り労組の闘いに 自治体労働者

 全面外注化との激突が始まった

 「2015年度大阪都構想実施」に向け、交通局・保育所・ごみ収集の民営化、上下水道・港湾の経営形態の変更、区役所の窓口民間委託などが一斉に動き出し、例外なくすべての職場が大混乱にたたき込まれようとしています。黒字事業も含めてすべてを「『民でできるものは民へ』が原則だ」(橋下徹大阪市長)と強調し、外注化・民営化を進めるでたらめさ。それと一体で「いやならやめろ」と言わんばかりの賃金カット、重処分の連続、病休制度改悪、退職金引き下げ、非正規労働者の解雇。こんな労働者の命を奪う攻撃はもう我慢がなりません!
 今始まっていることは「市長が代わるまで我慢すればなんとかなる」というレベルではありません。民主党・野田政権が打ち出した「期限の定めのない雇用契約を正規とするのではなく、有期を基本とした雇用契約とすべき」(国家戦略会議フロンティア分科会)という「10割非正規職化」攻撃が、2013年版経労委報告の中に貫かれ、安倍政権のもとで極限的に激化しています。今やあらゆる既成政党が労働者の徹底的な非正規化と民営化を競いあっている状況です。
 団結して闘う以外に労働者の未来はありません。民営化・外注化絶対反対、非正規職撤廃を闘う労働組合の登場こそがすべての未来を切り開きます。国鉄をめぐる全面外注化攻撃との対決とまったく同じ攻防が、今、大阪市の労働組合をめぐって始まっています。
 この1年で情勢は変わりました。当初「逆らうなら解雇」と言わんばかりだった橋下市長の迫力はもうありません。市長としては、昨年1月4日に市労連・中村義男委員長(大阪交通労組委員長)に頭を下げさせて、労働組合を飼いならしたと思ったのかもしれません。しかし、市長にとって予想もしない決起が次々に起きました。「職員アンケート」は、現場1千人の抗議集会でシュレッダー行きになり、入れ墨調査は当初513人が未提出など、現場からの反撃が橋下にとって大きな脅威となってきたのです。この怒りを労働組合の闘いとして形成できるかどうかが勝負です。

 組合幹部の制動を食い破る決起

 地下鉄・バスの民営化について大阪交通労組委員長は「雇用や市民の足が守られるなら経営形態にはこだわらない」「交通局長は雇用を守ると言っているので『安心しろ』と伝えている」などと、まったく無責任なことを言っています。
 何が「雇用を守る」でしょうか! 他の民営化に対して市職本部はいまだに方針を出しませんが、絶対反対で闘わずに「雇用を守る」ことなどできません。
 現場労働者はこれに対して激しい怒りをたたきつけています。
 「交通局長が職場に来て『今の時代、給料450万で御の字だと思え。外国ではバスの運転手は200万でやってる。再雇用もあるんだから何の不満があるのか』と言った。40歳の仲間は賃金20%カットで基本給20万5000円やで。何が『優遇されてる』や!」「これまでは地下鉄もバスも一緒にやってきたのに今はバラバラ。組合本部の本音は地下鉄だけは守るためにバスは切り捨てるってことや。そんなことじゃ地下鉄も守れへん」「今年1月に自分は研修所に送られた。3年前に『発車します』って1回言わなかったことがその理由。こんな理不尽なことに反発したら『このままやったら分限になるで』『反省文書いたら許したる』と言ってきた。組合が何も取り組もうとしてないからこんなことがまかり通るんや」
 こうした怒りが現場には激しく渦巻き、組合幹部の制動を食い破る決起が始まっています。

 外注化絶対反対の大義掲げ闘う

 橋下市長が「2015年度まで」として、「スピード感」をもってことを進めようとしているのは、その内実がボロボロだからです。「下水道経営形態変更」では、職場は同じなのに現場が「職員」「新組織社員」に分けられます。建設局当局は「偽装請負に当たらないよう、指揮命令系統は明確にします」と言っていますが偽装請負になることは目に見えており、逆に偽装請負の回避は「職員」「新組織社員」との間で日常的な会話さえさせないということでしか成り立ちません。
 民営化・外注化されてきたすべての職場でこれと同じことが起きてきました。団結を解体した結果、安全は崩壊してきました。尼崎事故、笹子トンネル事故やボーイング787の連続的故障・事故は、民営化・外注化の結果起きています。闘わなければ社会そのものが崩壊します。この矛盾を暴き、大義を掲げて絶対反対で闘う時です。
 2・24橋下打倒集会は、この社会丸ごとの民営化・外注化攻撃との全面激突です。国鉄闘争を軸に、青年労働者の根底的決起で安倍・橋下を打倒しましょう。

 闘う労働組合取り戻そう 教育労働者

 パワハラで病休・退職に追い込む

 橋下市長による公的部門の全面的民営化・非公務員化攻撃は、教育現場も例外ではありません。給食の民営化が推進され、2015年度からは市立幼稚園の民営化も強行されようとしています。すべての職種に民営化=公務員解雇攻撃=非正規職化攻撃がかけられています。
 この間の橋下市長による職務命令や処分の乱発は、労働者の団結を破壊し労働組合を根こそぎ一掃する攻撃です。ありとあらゆる理由をつけて教育公務員の解雇攻撃を進めようとしています。まずは、被処分者を今後の解雇者名簿の筆頭に載せようとしているのです。これから全面化する教育公務員の処分・解雇攻撃の始まりであり、労働者として絶対に許すことはできません。
 昨年末に出された「大阪市教育振興基本計画」では、「学校協議会」の意見を受けて、校長が学校経営の計画を立てマネジメントする、目標達成のために外部人材や民間教材をどんどん導入する、目標に達しない学校や「問題」の起こった学校は校長以下全職員を総入れ替えしたり統廃合にさらすというものです。子ども・学校・職員を数値目標でしばり、競争にさらし、金もうけのために教育を切り売りするものです。
 職場ではすでに、校長が組合員に対して「あなたは学校の経営方針に合わないから、他に行ってくれ」と言い放つという露骨な強制配転攻撃が始まっています。こういうパワハラで病気休職に追い込まれ、「自主退職」や「分限免職」に追い込まれている!
 すでに大阪市の教育労働者の病気休職(とりわけ精神疾患)の割合は全国一、生活保護世帯数の割合も全国一です。教育労働者は、困難を抱えた子どもたちと向き合い、個人でストレスを抱え、長時間労働の末、自らも病気で倒れていく現状です。「病休者の割合を全国平均以下にする」という橋下流の数値目標は、病休者の首切り宣言であり、本当に許せません。

 誇り・意欲を奪う授業アンケート

 さらに大阪府教委は「評価・育成システム」を改訂し、来年度から「授業力評価」を導入しようとしています。保護者や生徒への「授業アンケート」は、教員や学校たたきに生徒や保護者を動員するもので、本来の生徒や保護者との信頼関係を破壊します。
 アンケート結果から一人ひとりの教員の評価を数値化し、低評価者にはすべてを「教員個人の能力や責任の問題」にして「自主退職」や「分限免職」を狙う制度です。制度の導入を黙って受け入れていたら、労働者は意欲や誇りを奪われ、競争に駆り立てられて心身ともにボロボロにさせられてしまいます。
 大阪市は「市立幼稚園の民営化」にともない、「現在の職員は小学校などへの異動を検討する」などと言っていますが、これほどのデタラメはありません。まったく職種も資格も違う「小学校への異動」など現実にはありえません。実際には労働者に「自主退職」を強要するものでしかないのです。
 退職金大幅カットの攻撃も、労働者を「自主退職」せざるを得ないところに追い込み、丸ごと非正規職に置き換えるとんでもない攻撃です。とりわけ青年労働者の生きるすべも未来も根こそぎ奪い去るものではありませんか!

 労働組合にこそ状況変える力が

 「教育の民営化」に絶対反対で闘う労働組合の登場が、今ほど死活的に求められている時はありません。労働組合は、組合員へのいかなる不利益をも見逃さず、処分攻撃に反対して闘うべきです。
 ところが市教組本部は、橋下による「組合活動へのいかなる便宜供与も認めない」という攻撃の前に震え上がり、自ら闘うことを放棄して、現場組合員を攻撃の前にさらしているのです。こうした労働組合のあり方こそが現場に絶望を組織しているんじゃないですか!
 職場において、あらゆる団結破壊の攻撃と闘うことで、逆に労働者の団結は強まると思います。そうした労働組合こそ、この状況を変える力があると思います。連合支配をぶっ飛ばして今こそ闘う労働組合を取り戻しましょう。
 多くの青年労働者が非正規職労働の現実に激しく怒り、生き抜くために自ら声を上げ始めています。すでに学校現場における非正規職労働者は、あまりの低賃金の中でコンビニなどのバイトをせざるをえない状況にたたき込まれています。絶対反対を貫いて闘う労働組合の登場がその根底的な思いと結びつく決定的なチャンスを迎えています。
 闘い方は無限にあります。何よりも労働組合が絶対反対の立場に立つかどうかが鍵です。私たち教育労働者も「おかしいことはおかしい!」と声を上げ、労働組合の団結と闘いをよみがえらせましょう!

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週刊『前進』(2572号3面2)(2013/02/18 )

 猪瀬は石原以上の新自由主義者

 地下鉄・水道など全面外注化狙う猪瀬打倒の東京決戦へ

 猪瀬直樹は12月の東京都知事選でブルジョアジーや自公、維新の会に取り入り、連合東京の支持も取り付けて都知事に初当選、石原慎太郎の後を襲った。そして極右超反動安倍政権とともに石原前知事以上の新自由主義攻撃に踏み込んでいる。しかし、2020年東京オリンピック招致、東京地下鉄一元化・民営化など目玉政策への積極的支持者はごくわずかだ。石原と同様、猪瀬は都労連労働者の存在と怒り、闘いを何よりも恐れている。しかも、世界大恐慌が世界革命に転化する革命的情勢が到来している。昨秋、29分スト(時間内集会)を復権させた都労連労働者の怒りを解き放ち、外注化阻止・非正規職撤廃決戦を爆発させて安倍、橋下もろとも猪瀬を打倒しよう。

 外注化・非正規化で殺される労働者

 都における外注化・非正規職化は各局で激しく進行している。都営地下鉄においては駅業務の半分が財団法人東京都交通局協力会に委託されている。協力会労働者は食べていけないような低賃金しかもらえない。また車両検査、変電設備などの保守管理業務は東京交通サービス株式会社(TKS)への委託が進んでいる。都バス営業所の4分の1の営業所・支所は、はとバス株式会社に業務委託されている。
 専務的非常勤職員は知事部局だけで1800人いると言われる。この制度は、5年で使い捨ての契約社員制度であるグリーンスタッフがJR東日本に導入された1年後の2008年採用から「更新は4回まで」とされ、事実上5年の雇用年限を設定した。その5年目の今年3月、298人の労働者が雇い止め対象になっている。都はJRとともに、昨年改悪された労働契約法での4回更新制の首切り制度を先取り実施していたのだ。都は学校事務職などにも専務的非常勤職員を導入しようとしている。
 外注化による死亡事件が続発している。1月、清掃工場で業務受託会社のそのまた下請けの労働者が炉内で1人で作業している最中に転落、スクリューコンベヤーに巻き込まれて死亡し、数時間後に発見される悲惨な事故が発生した。昨年9月に続く死亡事故だ。業務委託=外注化拡大が引き起こしたものだ。
 都営地下鉄では咋夏、東京交通サービスの青年労働者が設備点検中に通気口から転落死した。そして都・区の多くの労働者が精神疾患での病気休職・退職や、現職死亡に追い込まれている。
 外注化は雇用を破壊し安全を破壊する。外注化と闘わなければ殺されるということなのだ。
 外注化・非正規職化こそ最大の労組解体攻撃であり、猪瀬=都当局と都労連の労働者との最大の激突点である。動労千葉のように外注化・非正規職化に対し一からの反撃に立ち上がるときだ。

 「ユニクロのように」雇用・賃金破壊

 猪瀬は『都政新報』の新年インタビューで「職員の意識改革」を叫び、「ローソンや楽天、ソフトバンク、ユニクロのような“良い民間”と同じような意識を持て」と言い放った。
 ローソンは「名ばかり店長」による異常な長時間労働と残業代不払いを訴えられ敗訴すると、フランチャイズ化で労働者を「個人事業主」にし、残業代支払いを逃れようとする悪質企業だ。楽天はある部署の新規採用者の半数を1年で退職に追い込んだ。ソフトバンクも同様だ。ユニクロは究極のブラック企業だ。新採が鬱病(うつびょう)で大量に辞めさせられ、大量採用した青年をパワハラ漬けの研修で追い詰め、「従順」な者だけを選別し、他は「自己都合退職」に追い込む。
 都も同じだ。学校では今、新規採用の教育労働者が1年間「条件付き任用」として実質的に非正規職状態に置かれ、その間に校長のいじめ・パワハラを受け、研修漬けにされ、一昨年だけで93人もの教育労働者が退職に追い込まれた。自主退職を拒否した労働者は実質校長権限で解雇された。
 猪瀬は副知事時代から都営地下鉄の民営化、東京メトロとの一元化を主張してきた。国鉄分割・民営化と同様、地下鉄の一元化・民営化の最大の狙いは東京交通労働組合(東交)の解体にある。

 猪瀬こそ笹子事故の張本人

 「『国立』のメトロ、『公立』の都営を完全な『私立』にする」(ちくま新書『地下鉄は誰のものか』猪瀬直樹著)。猪瀬は、都営とメトロを全面的にブルジョアジーの食い物にしようとしているのだ。そのために「持ち株会社による一元化」をぶち上げている。
 猪瀬は同書で、道路公団民営化で「3割のコスト削減した」と吹聴している。しかしこの道路公団民営化とコスト3割削減こそ安全崩壊、笹子トンネル事故の原因だ。各道路会社は点検マニュアルから点検頻度の詳細な規定を削除し、たった2行の「状況・状態に応じて」に変えた。05年の点検から打音検査は行われなくなり、今回の大事故に直結した。
 猪瀬らは官僚や族議員をあげつらいながら、道路公団労働者の大リストラと組合つぶしを強行した。その結果、道路3社の役員数と報酬はともに6倍に膨れ上がった。道路公団民営化とは労働者の大量首切りと安全の切り捨て、資本家による公的資産の食いつぶしとぼろもうけだったのだ。
 また東京都は政府の成長戦略のもと「水道局の海外展開」を打ち出し、鉄道、原発と並ぶ水道のパッケージ型インフラ輸出に乗り出し、商社など60社とともに、タイ、インド、インドネシア、ベトナム、マレーシア、モルジブなどへの水侵略を始めた。都は外注会社の東京水道サービス株式会社(TSS。都が51%出資する第3セクタ−)に水道局労働者を離籍出向させる手法で激しい組合解体攻撃を仕掛けている。

 国鉄決戦と一体で職場から大反撃を

 昨年11月の国会会期末のどさくさの中、国家公務員の退職手当大幅削減法案が1時間の審議で成立した。これに追随して都も平均272万7千円に及ぶ都職員退職手当の大幅削減を強行した。埼玉県などでは2月からの退職手当削減に多くの労働者が怒りと抗議の退職で防衛・対抗している。
 そして、東京23区の区職労(特区連)と東京清掃労組の労働者に退職手当大幅削減と賃金制度改悪攻撃がかけられ、現業労働者を先頭に激しい怒りが噴出、特区連は29分スト(時間内集会)、東京清掃は1時間ストを設定し闘いに立った。
 安倍政権の地方公務員給与削減や教職員給与の国庫負担金削減の中で、猪瀬は東京都が地方交付税不交付団体だから職員給与を下げない、国庫負担金削減でも都は教員給与を下げないと言っているが、そもそも前任の石原は8年連続賃金カットを続けた。猪瀬も「これからもムダは削る」と賃下げの意図を隠さない。雇用破壊・賃金破壊に対して、今こそ都労連の真価を発揮する時だ。
 前出のインタビューで猪瀬は「メトロの賃金が高すぎるからそれを下げればいい。都営の賃金を下げる必要はない」と、東京メトロ労働者と都営地下鉄労働者との分断を図り、「だから東交には協力してほしい」と労働組合に屈服を迫っている。ここに、猪瀬が東交を始め現場労働者の怒りと闘いをいかに恐れているかが示されている。実際に青年を先頭に東交現場の怒りは極限まで高まり行動が始まっている。
 猪瀬は、橋下が大阪で強行している極悪の丸ごと民営化・全員解雇・全員非正規職化、労働運動と労働組合の根絶と同じことを東京でやろうとしている。
 しかし、猪瀬の破綻はすでに始まっている。石原や橋下があおってきた体罰と暴力が大社会問題化し、それにより資本家救済のためのオリンピック招致が危機に陥っている。石原の教育再生会議を引き継ぐとした猪瀬の教育政策も破綻は必至だ。
 また、原発を巡って、いくら猪瀬が「電力自由化」や東電資産分捕りでごまかしても、東京電力の最大株主である東京都の知事として、橋下と同じく原発再稼働推進論者であることはとっくにばれている。都の労働者が今立ち上がれば猪瀬などひとたまりもないのだ。
 また昨年10・1JR外注化阻止決戦での動労千葉・動労水戸を先頭にした首都圏のJR労働者の総反乱は東京の労働者の心を揺さぶっている。
 都労連が最大の国鉄闘争支援勢力としての底力を発揮し、国鉄闘争全国運動とともに外注化・非正規職化と非和解で闘えば必ず勝てる。職場から闘いを起こし、公・民、正規・非正規、ベテランと青年の分断をのりこえる階級的団結で、安倍・橋下・猪瀬を串刺しにして打倒しよう。東京のいたるところにに党と労働組合の拠点を建設しよう。
 (武田圭介)

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週刊『前進』(2572号4面1)(2013/02/18 )

 農民会議が福島で総会

 反原発と三里塚軸に 闘いと組織の発展誓う

 全国農民会議総会・全国農民交流集会が1月26日〜27日の2日間にわたって福島県二本松市で開かれた。三里塚に連帯し、全原発廃止をめざし、TPPに反対する志をもつ農民・農業関係者らが全国から一堂に会し、闘いの発展と組織の前進を誓い合う場となった。
 雪の降りしきる26日午後、第1部として全国農民会議第1回総会が開かれた。議案では「福島農民の怒りを共有する中から、われわれは農民を主体とする新たな運動を決意し、……全国農民会議を結成した」と力強く確認し、旗揚げから1年の行動を総括し、闘う農民の組織としてますます前進することが提起された。議案、結成趣意書、規約、会計報告などが承認され、役員体制として福島の鈴木光一郎さん、千葉の小川浩さんが共同代表となることが拍手で確認された。
 ただちに小川さんがあいさつに立ち「農民が農民として生きられる社会をめざし、主体的に闘うことが求められている」と共同代表を担う決意を述べた。

 この地で農民として生き闘う

 続いて第2部として農民交流集会が行われた。最初に、福島診療所建設委員会の渡辺馨さんが連帯発言を行い、ふくしま共同診療所の開院から2カ月の現状を述べ、「県内の農業従事者も被曝問題に直面している。全国農民会議とともに、生きるための闘いを福島の地から開始したい」と訴え、3・11福島への大結集を呼びかけた。
 続いて「除染と補償の実態」と題して、福島農民の現状を果樹農民、福島市の農協職員、本宮市で酪農を営む鈴木光一郎さんが報告した。放射能被害とその影響は一朝一夕に解決するはずもなく、その中で国・行政の無責任な対応と闘いつつ食物の安全を追求している苦悩と苦闘、原発への怒りが率直に語られた。鈴木さんは「福島の現実はまだまだ報道されていない。来年も再来年も放射能との闘いが続くが、この地で農民として生きて闘っていく。このまま再稼働が進められたら第二の福島事故は必ず来る。絶対に許せない!」と怒りをあらわにし、3・11福島への結集を訴えた。
 質疑応答の中で三里塚反対同盟事務局次長で三里塚産直の会の萩原進さんが立ち、「福島農民の血の叫びが体に響いた」と切り出した。原発事故は千葉の農家にも大きなダメージを与えた。成田市行政が農作物の線量検査の実施を渋るのに対し、「測定・調査をきちんと行い現状を明らかにせよ」と厳しく追及してきたことを、萩原さんは報告した。そして「農家がばらばらに補償をもらうだけではそれで終わりにされる。福島の人たちに十二分に補償を出させるように、東電・政府の責任を徹底追及して闘う。そのために農民同士が連帯しなければならない」と訴えた。
 さらに、全国からの発言が続き、司会を務める山形の小関恭弘さんが「労働者と連帯し、既存の運動の枠をこえて闘う農民運動をつくろう」とこの日の議論を締めくくった。
 夜は盛大な交流会となり、参加者は杯を交わして夜がふけるまで胸襟を開いて語り、農民としての苦労を分かち合った。

 3・11福島から3・24三里塚へ

 翌27日は、第3部として総合討論が行われ、最初に三里塚反対同盟の市東孝雄さんが発言に立った。「第3誘導路が200億円もかけて造られたが、私の家を空港の中に囲い込み、追い出すためのもの。本来農民を守るべき農地法を悪用して土地を取り上げるなど、絶対に許せない。原発と闘う福島、基地と闘う沖縄とひとつになって私も闘う」と農地死守の決意を述べた。
 続いて萩原進さんが市東さん農地決戦の現局面をつぶさに報告し、市東さんの闘いを支え、同時にそれを全国農民会議の拡大強化として実現することを熱を込めて訴えた。
 全国からの参加者は次々と、反原発・反TPP・三里塚連帯を自らの課題として闘う中で、農業・農民が直面する厳しい状況に立ち向かっていく決意を表した。全学連三里塚現地行動隊の学生、全国農民会議事務局を担う青年も若々しい発言を行い、3・11反原発福島行動、3・24三里塚全国総決起集会への大結集を誓い合った。
 最後に萩原進さんが、@自分の地域で現在を倍する農民会議の会員を獲得しよう、A全県下に農民会議をつくることをめざそう、B農民会議の力で反対同盟製作の市東さんパンフを3千部まききろう、という具体的組織方針を呼びかけ、全体の拍手で確認された。
 日本農民の未来、労農連帯の発展をかけて、全参加者が確信と決意を共有する2日間となった。
(写真 結成から1年間の行動を総括し、農民会議のさらなる発展へ全参加者が決意【1月26日】)

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週刊『前進』(2572号4面2)(2013/02/18 )

 3・1ビキニデー杉並集会の成功を

 原水禁運動発祥の杉並から反原発とNAZEN発展へ

 3・1ビキニデー集会をなぜ杉並で開催するのか? この集会が3・11反原発福島行動と一体の闘いであるのはなぜか? ビキニ事件とそれを契機にして展開された原水爆禁止運動の歴史から、現代に継承すべき階級的課題をつかんでいきたい。その課題の鮮明化こそ、3・1ビキニデー杉並集会の大成功と、3・11反原発福島行動への原動力をつくり出していくと確信する。

 ビキニ事件の隠蔽今日の福島と同じ

 1954年3月1日、南太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁において強行された米軍のブラボー水爆実験は、米軍の予測をも大幅に上回る(3倍以上とも言われている)戦慄(せんりつ)すべき破壊力を示し、文字通り「人類絶滅兵器」の誕生を意味した。この時、ロンゲラップ島・ウトリック島の住民240人は甚大な被爆を強制された。米軍は実験直後にこれらの島の人びとを強制避難させ、3年後の57年に帰還を許可したが、死産や流産が頻発し、甲状腺がん、新生児の内臓障害・身体障害が多発した。
 これらは明らかに内部被曝による疾患であるが、82年の米政府報告書でも「死の灰のマーシャル諸島の人びとへの影響は少ない」と、内部被曝の影響と米政府の責任を否定している。ようやく86年になって、米政府は1億5千万jで「マーシャル諸島核賠償基金」を設置し、一定の補償は始まったが、被爆の責任を認めたものではなく、あくまでも居住地を核実験場にしたことへの財産上の補償でしかない。
 マグロ漁船第五福竜丸(静岡県焼津漁港)をはじめ、水爆実験当時操業していた漁船員と漁獲されたマグロは、大量の放射能を含む被爆を強いられた。しかし、これらの漁船員は、現在に至るも「被爆者」の認定を受けることもなく、責任追及の術さえ奪われている。そして、この被爆の事実は隠蔽工作にさらされていった。
 当時の米駐日大使アリソンは、被害者の治療と完全な調査のためのあらゆる協力を約束したが、「死の灰」に含まれる放射性元素を日本政府には知らせなかった。また、「マグロの放射能汚染は第五福竜丸の漁獲以外では確認されず、海洋中の放射能はそのうちに無害になる」と発表した。さらには、米政府は第五福竜丸の引き渡しや沈没処理を要求するなど、ビキニの被爆の事実そのものを闇に葬ろうとしたのだ。
 その行き着いたところが55年1月4日の日米交換公文への署名であった。法律上の責任に関係なく200万jを「慰謝料」として米政府が支払い、そのうちから第五福竜丸乗組員のみに各200万円前後を見舞金として支払うというものだった。「死の灰」を浴びた他の漁船員の被害補償はすべて抹殺された。
 しかし、東京港・三崎港などに水揚げされた第五福竜丸以外のマグロからも高い放射能が検出され、全国の港で大量の被爆魚類が廃棄処分となった。さらには、ビキニ環礁から3000`メートル離れた場所で操業していた漁船からも高い放射能が検出された。5月中旬からは日本の太平洋側で、強い放射能を含んだ降雨が確認された。水爆による放射能被曝の広範さは戦慄すべき事態であり、「放射能に脅える『無知』」などとする日米”専門家”の誤りとウソが実証されたのだ。
 こうした被曝を隠蔽しようとする光景は、まさに3・11直後に福島の人びとと私たちが体験したものであり、いまなお政府・資本によって継続されている抹殺攻撃だ。許しがたい現実ではないか! 60年の歳月を飛び越えて、再び被曝の事実、したがって将来にわたる深刻な被害が隠蔽されようとしているのだ。
 第五福竜丸元乗組員・大石又七さんの「ビキニの証人」としての行動は、米日の核政策―事実の隠蔽と虚偽の流布という、帝国主義のありようそのものとの対決であり、まさしく革命的な闘いだ。福島の人びとの怒りと一体の怒りがそこに存在している。

 労働組合が支えた原水禁運動の高揚

 ビキニ事件直後から、全国各地で自然発生的な水爆実験禁止・原子兵器反対の署名運動が始まった。とりわけ、事件から半年後の9月23日、第五福竜丸無線長・久保山愛吉さんが病院で亡くなったことが報じられると、核に対する全人民的な怒りの声が一気に日本中を覆い尽くした。原水爆禁止署名運動はたちまち全国運動へと発展し、55年8月6日の第1回原水爆禁止世界大会へと結実していった。
 こうした中で、杉並はその署名数の急速な増大と運動の担い手の広範さによって、「原水爆禁止運動の発祥地」として多くの人びとに記憶されることになる。54年5月9日、杉並公民館において水爆禁止署名運動杉並協議会(議長・安井郁)が発足し、以後急速に署名が拡大、6月の会議では署名数が早くも全区民の7割=26万筆に達したと報告された。
 この際、公民館などを拠点に主婦のグループがつくられ、学習会や署名運動が取り組まれていったことがよく知られているが、同時に労働組合による取り組みが決定的な波及力となった。当時の杉並には、気象研究所(気象庁)、機械技術研究所(通産省)、蚕糸試験場(農林省)の国の機関があり、それぞれに労働組合の支部が存在して活動していた。とりわけ気象研究所労組の団結力は強く、レッドパージによる共産党員名簿提出命令に対しても、日本共産党中央方針に反して3人だけ名簿に登録し、他は残して力を保持するという現場的抵抗が闘われた。こうした労組破壊に対する怒りがビキニ事件への怒りと合流し、水爆禁止署名運動が労働組合でも取り組まれるようになった。
 こうした国公労組のみならず、都職杉並支部(後に杉並区職労となる部分を多数含む)や都教組杉並支部(日教組)も署名運動に取り組み、岩崎通信労組も署名協議会に参加していた。こうした労働組合の闘いが「主婦の署名運動」を底で支えていた。
 また、この運動の底流に原爆への怒りと戦争反対の意識が存在していた。世田谷地区労顧問・花輪不二男さんも、当時都庁職の青年活動家として取り組んだ署名運動の熱気を、NAZEN杉並の学習会で次のように語っている。「街頭でも職場でもどこに行っても、『いやあ、よく来た』と言って署名してくれた。……そこには右傾化する日本とアメリカへの憤激があったんだ」

 全国でNAZEN組織を建設しよう

 原水禁運動という形で爆発した全人民的な反核運動は、それまで米占領軍のプレスコード(報道統制)や被爆者差別によって隠蔽されてきたヒロシマ・ナガサキの現実の掘り起こしを実現した。
 だが、それにもかかわらず原水禁運動は、一方ではビキニ事件の責任を日米政府に対して徹底追及することも、またビキニの被爆者を守り抜くこともあいまいにされ、他方では「原子力の平和利用」論を容認して原発導入を許していくことになった。今日、私たちが福島の現実に立ち向かい、全原発廃炉を実現する新たな反原発・反核運動をつくりだしていくためにも、この原水禁運動の限界を絶対にあいまいにすることはできない。
 何より、その最大の責任は「原子力の平和利用」の推進を一貫して主張し、「ソ連核実験支持」を掲げて原水禁運動を分裂させたスターリン主義=日本共産党にある。また、杉並の署名運動の開始当初から代表的人格であった安井郁・原水協代表理事も「ソ連の原爆支持」論を公然と主張した。さらに、日共に対抗して「いかなる国の核実験にも反対」と主張した社会党も、本紙前号吉井論文で指摘したとおり、ビキニ事件の被爆者をヒロシマ・ナガサキの被爆者と分断し、切り捨ててきた。こうした社共による党利党略の泥仕合が、どれほど被爆者の思いを踏みにじり、反核闘争の高揚を妨害してきたことか。この歴史が、今日の福島の現実へとつながっているのだ。
 今、反原発運動が空前の規模で大高揚している(日帝の根底的危機を引きずり出している)中で、原水禁運動の壁をのりこえ、反原発運動を帝国主義との対決として発展させ、同時に内部被曝から命を守りぬくこと、子どもたちの命と未来を守りぬくことが求められている。
 NAZENの闘いは、ヒロシマ・ナガサキ・ビキニの被爆者が訴え続けた「核と人類は共存できない」という原点に立ち返るとともに、労働者階級の団結した力で福島の現実に立ち向かい、全原発の廃炉をめざす階級的な運動として始まった。大石又七さんとともに広島の地で結成大会をかちとり、福島の怒りを共有し、新たな反原発・反核運動として発展してきたNAZENが、その真価を問われるのはまさにこれからだ。
 今こそ、闘う労働組合をよみがえらせる闘いと一体で、全国にNAZENを建設しよう。3・1ビキニデー杉並集会から3・11反原発福島行動へ、杉並を先頭に全国から大結集しよう!
 〔NAZEN杉並 北島邦彦〕

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週刊『前進』(2572号4面3)(2013/02/18 )

 首相官邸へ「原発なくせ!」

 2月8日、東京をこの冬一番の厳しい寒さが襲った。だが「原発なくせ!」「福島の子どもたちを今すぐ逃がせ!」の声は衰えるどころかますます激しさを増し燃えさかっている。午後6時から首相官邸・国会前、文科省前など霞が関一帯で抗議行動が始まった(写真)。斎藤郁真委員長を先頭に全学連の学生や、NAZENの仲間も叫びを上げた。
 官邸前では60代の男性が「私は心配で心配でならない。日本中で地震が起こっている。本当に、いつ破綻が来ないとも限らない」と危険を訴え、「若い人たちに申しあげたい!」と一際大きな声。「あなたたちがこのように叫んでいるのはまったく正しい。安倍などというインチキ野郎と心中する必要はまったくありません。生きるためにすべての原発を止めましょう!」と、青年労働者・学生に向かい大きな期待を込めて呼びかけた。

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週刊『前進』(2572号4面4)(2013/02/18 )

 08年5・28法大弾圧 上告棄却の暴挙

 法大闘争の勝利で反撃を

 法大08年5・28「暴行」デッチあげ弾圧裁判の上告審において、最高裁判所第一小法廷(山浦善樹裁判長)は2月4日、「上告棄却」の反動的決定を行った。徹底的に弾劾する。
 08年5・28弾圧とは、法大門前でガードマンに対し「暴行」を行ったというデッチあげをもって5人を不当逮捕し、うち法大生の新井拓君、中島宏明君の2人が起訴された事件である。法大文化連盟が斎藤郁真君を委員長とする新執行体制を確立した直後の出来事だ。法大闘争は、06年3・14弾圧での29人の不当逮捕を出発点に、監獄大学解放の闘いとして発展していた。学生のあらゆる自主的団結形態を解体しようとする当局の攻撃に対し、文化連盟は08年3月、全団体の総意で団体存続を決定した。当局による切り崩しと、暴力職員、ガードマンや「ジャージ部隊」と呼ばれた正体不明の集団による文字通りの暴力支配と連日激突しながら、キャンパスに「文化連盟ここにあり」と歴史的な登場を開始した。それは、06年以来の法大弾圧の破綻を確定するものだった。
 5・28弾圧の翌日には全国学生による5・29法大学内デモが闘われ、両日で38人の逮捕、15人の起訴を出しながら、獄の内外を貫いて法大闘争は前進した。それは、階級的労働運動の前進と一体で、学生があらゆる分断と抑圧を振り払って共同性を取り戻していく闘いそのものだった。法大闘争が掲げた「一人の仲間も見捨てない」の闘いは、今日、すべての学生と青年のスローガンそのものである。
 5・28弾圧の公判闘争は十数回に及び、09年9月には法大裁判で最初の無罪判決をかちとった。国家権力は二審で逆転有罪判決(11年2月)を出したが、法大生−全国学生の不屈の決起を止めることはできなかった。
 最高裁の反動決定への最大の反撃は、法大闘争と階級的労働運動の前進である。青年労働者が掲げた「労働運動の力で革命やろう」のスローガンに、「学生は団結しよう。労働者とともに革命やろう」の闘いで応えたのが法大闘争だ。この闘いの前進こそ反動をうち破る力だ。断固闘おう。

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週刊『前進』(2572号4面5)(2013/02/18 )

 2013年日誌 2月5日〜11日

 東電、国会事故調に虚偽説明/チュニジア全土でゼネスト

●オスプレイ、ボトル落下 在沖米海兵隊と沖縄防衛局によると、米軍普天間飛行場から離陸した同飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22 オスプレイから、滑走路南西側の基地外の民間地に個人用「ウオーターボトル」(飲料水ボトル)が落下した。(5日)
●中国、海自に火器管制レーダー 小野寺五典防衛相は、東中国海で1月30日に中国軍艦が海上自衛隊護衛艦に対し、射撃用の火器管制レーダーを照射したことを明らかにした。(5日)
●東電、国会事故調に虚偽説明 東京電力が昨年2月、福島第一原発1号機の現地調査を決めた国会事故調査委員会に、原子炉が入る建物の内部は明かりが差し照明も使えるのに、「真っ暗」と虚偽の説明をしていたことがわかった。1号機原子炉建屋の非常用復水器が津波の来る前に地震で壊れた可能性があるとして、国会事故調は調査を決めていたが、これを理由に断念した。(7日)
●自衛隊法「改正」案、政府提出の方針 安倍内閣は、在外邦人保護を強化するためとして自衛隊法「改正」案を提出する方針を決めた。(7日)
●チュニジア全土、抗議のゼネスト
野党幹部の暗殺事件が起きたチュニジアで、事件に抗議するゼネストが全土で行われた。最大労組チュニジア労働総同盟(UGTT)の呼びかけに応じる形。首都チュニスでは大半の商店が店を閉めた。バスなど公共交通機関の運行も限定的。(8日)
●カンボジア支援、経団連が意向示す
 カンボジアを訪れている日本経団連のメコン使節団は、首都プノンペンの首相府でフン・セン首相と会談した。米倉弘昌会長は、電力の安定供給や港湾、鉄道、道路の整備に対し、協力する意向を示した。(8日)
●集団的自衛権、論議再開 安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)が首相官邸で5年半ぶりに開かれ、集団的自衛権の行使容認に向けて一歩踏み出した。(8日)
●米で離島奪還の日米共同訓練 陸上自衛隊と米海兵隊は、カリフォルニア州沖合のサンクレメンテ島の演習場で敵に奪われた離島を奪還するシナリオの日米共同訓練を行った。(10日)
●東電、釈明も虚偽 東京電力が、国会事故調査委員会に「真っ暗」と虚偽説明をして福島第一原発1号機の現地調査を妨げた問題で、この問題への東電の釈明も、虚偽の内容で構成されていることがわかった。国会事故調側から明るさについて質問があって説明したというのは虚偽で、東電の方から話を切り出していた。(10日)
●サウジに原子力支援 中東訪問中の茂木敏充経済産業相は、原発建設計画があるサウジアラビア政府と、原発関連の人材育成などで協力することで合意した。福島第一原発事故後の11年末、民主党政権はベトナムやヨルダンなど4カ国と原子力協定を結んだ。安倍首相も1月、ベトナムと原発建設で協力する方針を再確認。福島第一原発事故後、将来の原発輸出を視野に入れて外国に新たな原子力分野の支援を申し出るのは今回が初めて。(11日)

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週刊『前進』(2572号5面1)(2013/02/18 )

 3・11怒りの福島現地へ

 反原発福島行動13呼びかけ人の訴えA

 労組で団結し反原発闘う 国労郡山工場支部/郡山市 橋本光一さん

 支部で3・11賛同を決めた

 国労郡山工場支部として3・11反原発福島行動に組織賛同することが決まりました。多くの組合員と一緒に参加できるよう頑張ります。
 昨年の3・11集会へ向けては、支部執行委員会で「2万人集まらなければおれたちはこの国の政府から捨てられる。10割動員で全員で行こう」と決めました。10割なんて異例のことです。さらに支部から国労の全国の地本に参加要請を送った。これも国労の常識から外れた「掟(おきて)破り」でした。
 組合員からは「2万人集まって何になる?」とか「集会で原発事故が収束するなら世話ねえよ」とか、いろんな声が出た。一生懸命説明したけれど、組合員は説明なんかで納得なんてしない。でも、文句を言いながら「動員だからしょうがねえな」と来るわけです。
 だけど来てみたら駅から、郡山ではあり得ない大渋滞。開成山球場に着いたら「こんなにぎやかな集会は見たことない。東京や大阪からも来てる。おお、国労も各地から来ている」。そうすると組合員が「おれたちは主催者。全国の国労に要請を発して、おれたちがこれだけ集めたんだ」とだんだん胸を張ってくるんです。「意味あるのかって言ってたの、あんたじゃねえ?」とか思ったけど(笑)。僕自身「組合員ってこれほど変わるのか」と感動しました。
 県内では原発反対派への圧力がすごくて、思い切り「原発反対」を叫んでいるのは表面的には少数派。だけど労働組合は反原発を組合員全体の闘いにできる。「しょうがねえな」と思って来た組合員が、集会に参加して意識ががーんと変革される。ここが労働組合のすばらしいところです。
 だから当然「また今年もやる」と思っていたのに、県平和フォーラムから3月23日の「原発のない福島を!県民大集会」の指示が下りてきて、「なぜ3月11日じゃないの?」とびっくり。そういう思いがあって、3・11福島行動への組織賛同を働きかけたんです。
 職場では外注化攻撃との闘いが焦点です。職場の門前でもビラを配って「外注化絶対反対」とがんがん訴えてきました。

 職場で「外注化絶対反対」貫く

 郡工は今では国労が少数派ですが、多数派の東労組組合員も元々は国労組合員で、国鉄分割・民営化の「3人に1人の首切り」の大攻撃を国労で一緒にくぐり抜けた労働者です。だから東労組の人にも「外注化で安全を揺るがせにしてはいけない」という訴えが響く。僕は下請け会社の労働者を含めて、郡工で働く650人全員を対象に訴えているつもりです。
 反合闘争というのは本来は単なる経済闘争ではない。動労千葉は「反合理化・運転保安確立」を掲げてきた。「安全」という資本の弱点をついて「合理化絶対反対」を貫くところが核心です。
 国労も含めて動労千葉以外の組合は「反合理化」を掲げても、例えば会社の10人配転提案に対して「5人にしてくれ」と交渉して妥結してきた。だけど合理化と安全の問題は1ミリたりとも譲ってはならないテーマです。検修職場の労働者の労働条件が切り下げられたら、安全な車両は出せない。鉄道ってボルト1本を締めなかっただけで脱線するかもしれないし、それで人が死ぬわけだから。「合理化絶対反対」を貫いて労働条件や生活を守り抜くことは、鉄道の安全を守ることに直結しています。
 郡山工場は国鉄の時代は仙台鉄道管理局の管轄ではなく本社工作局の直属組織で、採用も郡工の独自採用。国労郡工支部は支部独自で団交権も持っていた。そういう経緯もあって郡工支部は今でも国労仙台地本福島県支部の一分会にはならずに独立した支部です。組合員はいまだに「地本の単なる下部組織じゃない。おれたち郡工支部には歴史と伝統がある」というプライドを持っている。頼もしいものです。
 本来、職場における反合・運転保安闘争と1047名の解雇撤回闘争は、国鉄分割・民営化絶対反対を貫く一体の闘いです。だけど国労本部は1047名闘争と職場闘争を切り離してきた。「分割・民営化されちゃったのに、『JR復帰』を求め続けるやつらは邪魔だ」と本気で思ってきた。そこが全然違う。僕たちはあくまでも国鉄分割・民営化に絶対反対。職場の闘いと1047名闘争をともに闘っていきたいと思っています。
(写真 昨年の3・11集会で国労郡山工場支部の旗がひときわ高く翻った【郡山市開成山野球場】)

 仲間を信頼し前進し続ける

 労働者を本当に信頼しているのかどうか――これは労働運動の核心問題です。労働者ってやっぱり「群れてなんぼ」。文句もいっぱい言うけど、仲間と一緒にやりたいという気持ちも確固としてある。絶対に信頼できる。だけど今の国労本部の幹部は組合員を信用せず、極端に言えば「カネでしか動かない」と思っているんです。
 職場の同僚は家族の顔もそれぞれの生活も全部知っている。理屈だけでは済まない。だから家族のことで一緒に泣いたりもする。そういうことも全部ひっくるめて労働組合の団結なんです。
 僕には別にカリスマ性も何もないけど、本気になることはできる。3・11以降の闘いをとおして、とにかく前に転がるしかないと思いました。組合員にいっぱい文句を言われながら、不器用でも泥まみれになっても、だけどごろごろ前に向かって転がっていくしかない。格好悪くても失敗してもいい。「とにかく前に転がれば、足りないところは必ず誰かが補ってくれる。労働者ってそういうものだ」と周りの労働者を信用できるようになった。僕自身が本当に変わったところです。
 なんとしても3・11を成功させたいので、全国から集まってください。

 3・11当日にこだわりたい 3・11反原発福島行動13呼びかけ人/川俣町 佐藤幸子さん

 被曝し続ける子どもたち

 2011年3月11日は広島・長崎につぐ3番目の原子爆弾が落とされた日です。私は11年の8・6広島、12年の8・6広島と8・9長崎に行きました。その日、広島と長崎に全国・全世界から多くの人が集まるのを見て「福島もこうしなければ」と思ってきた。だから「今年も3・11当日にどうしても行動を起こしたい」と思ったんです。
 先日、川俣町の自宅の除染作業がありました。「永久に住まないかもしれないから必要ない」と言ったんですが、町は枝を下ろし、草を刈り、木の葉を集め、袋に詰めて、家の目の前の「仮・仮・仮置き場」に置く。周りの山も、隣の家のかやぶき屋根もそのままなのに、それで「除染が終わった」と言う。除染とは単なる「移染」でしかないことは、県民は今やみんな知っています。
 県は「空中には放射性物質は飛んでないから、マスクもいらない」と言い、学校では屋外活動も制限されていません。
 ところが切り干し大根から1`あたり3000ベクレルの放射性セシウムが検出されたことを受けて県は昨秋、「加工過程で付着したちりが原因」と発表した。空中に放射性物質を含んだちりが飛んでいることを認めたんです。切り干し大根には放射性物質が付着するのに、子どもは大丈夫だというのでしょうか?
 健康被害は子どもたちだけではありません。高齢者の心筋梗塞(こうそく)が増え、元々持病があって亡くなる方も多いですね。
 先日、私と子どもの甲状腺検査をしました。子どもからは見つからなかったが私はのう胞と結節が一つずつありました。避難した日の違いだと思います。子どもたちは3月13日に山形市に避難させたが、私は17日まで川俣町にいて、雪が降った15日も仕事で外にいましたから。初期の対応が大切ということです。
 だけど事故直後は全情報が隠され、多くの県民は被曝のことなどまったくわからなかった。44%の子どもの甲状腺からのう胞や結節が見つかって多くの親が「あの日、子どもを水汲みに連れて行かなければ……」と苦しんでいます。

 「帰村」「復興」圧力に抗して

 今は「帰村」「帰還」の圧力がすごい。昨年末に県外に避難する人への助成金が打ち切られ、県外避難者が県内に戻る場合には家賃の補助を出すことが決まった。”県外に出るな。県内に戻ってこい”ということです。
 すぐに抗議に行きましたが、県側は「要望を持ってくるのはあなたがただけではないから」と言う。「『避難の助成を打ち切れ』という要望が出ているんですか」と聞いたら、「出ている」と。”復興のために県民の流出を防げ。福島第二原発を稼働させろ”と求めている人たちがいるんです。恐ろしいことです。
 その話を聞いて、広島で聞いた話を思い出しました。1950年代、米政府と読売新聞・正力松太郎らが”被爆者こそ原子力の平和利用の恩恵を受けるべき”と大宣伝し、広島の平和記念資料館で「原子力平和利用博覧会」を開いたそうです。”これこそ未来の夢のエネルギーだ”と。ビキニ事件をきっかけに原水爆反対運動がまき起こり、広島で初の原水爆禁止世界大会が開かれた直後の55年11〜12月です。
 同じことがこれから福島で始まるということです。財界も政界も”原発の被害にあった福島こそ原子力エネルギーの恩恵を受けるべき”と動き始めるのでしょう。許せない思いでいっぱいです。
 子どもたちを放射能から守る福島ネットワークは今も放射線測定を続け、結果をホームページにアップしています。福島市渡利地区や桜の名所だった花見山、伊達市小国(おぐに)地区など、毎時1マイクロシーベルトを超えるホットスポットはいたるところにあります。

 2年目の福島を見てほしい

 子どもたちの健康被害はこれから現れてきます。避難・疎開、せめて保養をしなければならない。無意味な除染にかけるお金を子どもたちの避難・疎開、保養に使ってほしいと切に願います。
 私たちはこういう現実の中で生きています。2年たった福島の風景を見てほしいし、そこに住む人たちの話を聞いてほしい。3月11日、福島の地にぜひ来てください。
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【要項】3・11反原発福島行動'13

 再稼働阻止! 未来のために立ち上がろう!

 3・11反原発福島行動'13

 3月11日(月)正午開場
 福島県教育会館大ホール(福島市上浜町10-38)
 JR福島駅東口バス2番のりば「競馬場方面」行き「豊田町」下車徒歩5分、または3番のりば「東堀河町」行き「上浜町」下車徒歩2分
 12時30分プレイベント/午後1時コンサート
 1時30分集会/3時15分デモ出発(→県庁前→福島駅)
 主催/3・11反原発福島行動実行委員会

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【要項】つながろうフクシマ!さようなら原発大行動

 つながろうフクシマ! さようなら原発大行動

 3月9日(土)明治公園
 午後2時開会(正午よりトーク&ライブ)
 3時15分パレード出発
 主催/さようなら原発一千万署名 市民の会

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【要項】0310原発ゼロ☆大行動

 0310原発ゼロ☆大行動

 3月10日(日)日比谷野外音楽堂
 午後1時集会 2時デモ出発
 5時〜7時 国会前行動(その他各省前にて抗議)
 主催/首都圏反原発連合

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週刊『前進』(2572号5面2)(2013/02/18 )

 国が線量測定値を改ざん 「除染」の名で被曝を強制

 3・11福島へ/事故責任徹底追及を(中)

 安倍極右超反動政権のもとで、「復興」が大宣伝され、原発再稼働・原発輸出の攻撃が激化している。その中で東電が国会事故調査委員会に虚偽説明し調査を妨害したことが明るみに出た。犯罪に犯罪を重ねる東電・国に対するフクシマの怒り、労働者人民の怒りは燃えさかる一方である。原発推進にどこまでもしがみつく資本家階級。これを打倒することなしに労働者階級人民の現在も未来もないことがますます鮮明になってきた。日帝支配階級の事故責任を徹底的に追及する第2回目として、放射能汚染の実態と「除染」問題をとりあげる。

 「移住権利ゾーン」が東北・関東の広範囲に

 環境省は、汚染状況重点調査地域マップ(図)をホームページに掲載している。放射性物質汚染対処特措法・除染実施計画にもとづき、1時間あたり0・23マイクロシーベルト以上の地域について重点的に調査測定が必要な市町村として指定されているのが、汚染状況重点調査地域だという。
 この値を年間1_シーベルトに該当する線量と称している。
 年間1_シーベルト以上とは、チェルノブイリ周辺3カ国が1991年に制定した移住権利ゾーンに相当する。移住が問題になるほどの放射能汚染地域が今も、福島をはじめ宮城・岩手・茨城・栃木・群馬・千葉・埼玉など東北・関東圏にわたって広範囲に存在している。ところが、国も東電も誰一人としてこの責任を取ろうともしない。逆に国は福島の子どもたちの「集団疎開」要求に全面敵対し妨害している。子どもたちをこれ以上、放射線のもとに曝すな! 一刻も早く避難させろ!
 政府はこれら地域に対し、表土の削り取り、建物の洗浄、道路側溝等の清掃、枝打ち及び落葉除去等をとおして放射能の除染を行うとしている。だが、そもそも政府は除染が可能だとは思っていない。「除染」は、「復興」キャンペーン、フクシマと全国の怒りの圧殺、原発再稼働が狙いだ。除染完了後の放射線量の増加、屋根やベランダの除染の対象外化、仮置き場の行きづまりなど、すでに除染対策の破綻が明白になった。除染作業に従事する労働者に対するピンハネの横行、安全を無視した被曝労働の強制、手抜き除染の命令……。このどこが「人びと及び環境を守る」と言えるのか。除染は原発事故・被曝強制の張本人である国と企業・ゼネコンの犯罪行為の温床となっているだけだ。
 そのなかで、「除染」労働者と住民の告発・抗議の決起が開始され、「除染対策」のまやかしが次々とあばかれている。この「除染」に対する怒りを断固共有し、被曝責任を徹底的に追及していこう。

 文科省が「2割低く表示させろ」と業者に要求

 放射線計測器は、被曝を避ける対策にとって不可欠のものだ。ところが、これとは逆に原発現場では労働者に被曝をむざむざ強いる不正使用が常態化してきた。3・11後、その一端が明るみに出始めている。福島第一原発内で事故処理作業をする下請け労働者に対し、線量計を鉛で覆うことを強要し、累積被曝線量を低めに偽装する企業犯罪が発覚した。原発はこうした労働者への無数の被曝犯罪の堆積物なのだ。
 さらに驚くべきことに放射線計測器の不正使用は、東電とその下請け企業だけでなく、「総合モニタリング(放射線量の測定)計画の司令塔」を自称する文部科学省自身も行っていたというのである。福島原発事故を契機に、文科省によりモニタリングポスト(環境の放射線数値を自動観測する設備)が各地に多数設置された。福島県内では570カ所で、これをもとに放射線量が発表されてきた。ところが、なんと肝心の放射線測定値がまったく信用できないものだった。
 同装置の設置後、除染請負のゼネコンがモニタリングポストを高圧洗浄機で洗い、土台の土を入れ替えたりするのを地元の人びとが目撃している。さらにモニタリングポストの表示値が自前の線量計で計った値より低いという疑問の声が相次いだ。そして、世界仕様にのっとった「アルファ通信社」製の放射線測定器の契約解除に関連した、文科省のとんでもない犯罪行為が指摘されている。同測定器は内蔵するソフトで放射線量を計算して表示する仕組みだが、文科省が数値を2割も低く表示するよう改ざんを要求したという。これは国家犯罪以外のなにものでもない。こんなことが許せるか! 

 モニタリングポストのうそが実態調査で判明

 昨年10月5日、市民と科学者の内部被曝問題研究会は、「放射線モニタリングポストの実態調査」の内容と結果を記者会見で発表した。同調査によって、モニタリングポストの値が、住民がさらされている環境放射線の真の値より半減しているという事実が明々白々となった(表参照)。
 相馬・南相馬51カ所、郡山48カ所、飯舘18カ所などで、独自の調査が行われた。計測方法は以下のとおり。@モニタリングポストに最近接して測る。A除染されている範囲内のモニタリングポストから2bと5bの地点で測る。B除染されていない周辺地点を測る(最大で15b)。
 住民がさらされている実際の放射線量は、Bの測定で確認できる。表に示されている汚染程度の値を見ると、年間2〜87_シーベルトだ。チェルノブイリ基準では、年間1〜5_シーベルトが移住権利ゾーン、年間5_シーベルト以上が移住義務ゾーンとなっている。これと年間1_シーベルト以上の汚染状況重点調査地域の図も合わせて見た時、3・11原発事故による放射能汚染の深刻な現実があらためて浮き彫りになる。政府は「除染」をカモフラージュにしてこの事実をおし隠そうとしている。日帝政府の放射能汚染犯罪を絶対許すな!
 研究会は調査結果から、文科省がモニタリングポストの計器目盛を正しい目盛りの90%に低減化するように作為していると判断した。この指摘にあわてふためいた文科省は、装置内のバッテリーが原因と言いなし、675カ所で改修工事を行うと発表せざるをえなくなった。
 さらに問題なのは、表で歴然としているように、住民線量(住民が実際にさらされている放射線量)に対するモニタリングポスト値がいずれの調査地域においても平均して半分の値を示していることだ。これほどかけ離れた放射線量の低減は、なんといってもモニタリングポスト周囲の除染による結果以外のなにものでもない。同調査報告書は、実地確認でモニタリングポスト設置場所の90%以上で除染が実施されたことを明記している。できるだけ放射線量を低く見せかけるために、計測の原器としてあるモニタリングポストに対しても、このような大がかりな偽装工作が文科省主導でやられていたのだ。
 これが「除染」の正体だ!  子どもに年20_シーベルト基準を押しつけるばかりか、放射線量測定方法までねつ造してむざむざ被曝を強制する文科省に、巨万労働者民衆の弾劾の嵐をたたきつけよう。

 再稼働狙う国・東電を許すな

 1月の「福島民報」のインタビューで、悪名高い御用学者の田中知(日本原子力学会福島特別プロジェクト代表)が、福島県民の受けている放射線量について「低線量で大きな影響はない」とし、「県内の除染を加速させる提言を強める」と発言している。虚偽のポニタリングポスト測定値などをもとに放射線量を実際よりできるだけ低く見せかけ、局所的・アリバイ的な「除染」で「復興」をあおり、原発の全面的再稼働へ突き進もうというのだ。
 「原発=安全」のうそ八百を並べたて、核大惨事を引き起こしたやつらが、なんら事故責任をとらず、逆に「除染」の名のもとで被曝を強制し続け、原発を推進することなど、まったく言語道断だ。「死の灰」という猛毒を大量にまき散らしておきながら、それを「無主物」と言い放ち、さらに事故調査を妨害した東電資本の罪業は悪質きわまりない。
 東電・国の原発事故責任を徹底的に追及し、腐りきった一切の核犯罪組織集団を打倒し解体しつくそう。
 3・1―3・11闘争の大成功をかちとり、100万決起の実現で安倍をぶっ飛ばそう。   
 〔河東耕二〕
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 放射能モニタリングポストの測定結果

場所、汚染程度年間mSv、計器メモリ%、住民線量に対するモニタリングポスト値%
郡山、2.36〜11.6、90、45〜73
飯館、17.42〜86.75、90、40〜60
相馬・南相馬、2.36〜28.1、90、50〜60
※計器メモリ:モニタリングポスト計器目盛の正しい目盛に対する百分率
※住民線量に対するモニタリングポスト値:住民の受ける放射線量率を100%とした場合のモニタリングポスト値の百分率
(出典:内部被曝問題研の「放射能モニタリングポストの実態調査」)

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週刊『前進』(2572号6面1)(2013/02/18 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 過労死に反撃し団交闘って現実変えよう 茨城県労働組合交流センター 岩澤仁志

 私たちと交流を深めているO運輸の仲間は昨年、労働組合を立ち上げ11月労働者集会に参加しました。
 組合は今、昨年11月に起きたBさんの過労死の問題をめぐって会社と激しく闘っています。
 Bさんは会社の矛盾をしわ寄せされ、残業の毎日でした。その日、Bさんは車の下にもぐって整備作業をしていたところ、誰にも気づかれず心臓マヒで息を引き取りました。同僚が車の下から引き出した時にはかなりの時間がたっていました。安全確保と負担軽減のために作業補助にもう一人はつけなければいけません。偶然の事故ではなく、安全を無視した業務指示で「会社に殺された」のです。
 会社はこの事件をもみ消し、事実そのものをなかったことにしようとしました。職場に救急車が来たにもかかわらず、労基署に一切の届け出をしません。Bさんの家族には「騒ぐと会社がおかしくなり、まわりが迷惑する」と圧力をかけました。亡くなった現場には、花も線香もそえられません。
 Bさんは組合員ではありませんでしたが、組合員のCさんは激怒し、会社幹部に直接抗議に行きました。すると会社はCさんのこの行動とすでに処分が終わっている過去の事故を合わせて「1週間の出勤停止」という懲戒処分をおろしてきました。Cさんは会社と断固対決し、1週間の就労闘争をうちぬき堂々と職場復帰。組合は処分撤回の団交を行いました。
 会社は「組合が騒ぐといろいろ調べが入って会社がおかしくなる」とキャンペーンしています。しかし、仕事中に仲間が死んで花の一本も立たない職場がまともであるはずがありません。労働組合に結集し、会社と闘って現実を変えるしか労働者の生きる道はありません。
 私たち県労組交流センターはO運輸の闘う労働者とともに、Bさんとご家族の無念を晴らし、立ち上がった労働者・組合との団結、勝利のための団結を全力で築き上げていきます。

 全証拠開示運動呼びかける星野学習集会 広島星野文昭さんを救う会事務局 A

 1月27日夕、広島市東区民文化センター中会議室に広島県下から約50人が集まって、「すべての証拠を開示せよ! 再審無罪実現しよう! 1・27星野再審広島学習集会」をかちとりました。
 昨年11・23星野再審全国集会で全証拠開示大運動を各地で労組や闘う仲間に広げ、その運動と団結の力で星野再審無罪をかちとろう、という運動方針が確認されました。
 大恐慌の中でアルジェリアをはじめ全世界で労働者が立ち上がっています。また安倍政権の成立によって3月大量解雇の情勢がきています。この真っただ中で星野文昭さんを取り戻す大運動を開始したことは決定的なことです。そのための格好の武器が『国際労働運動』2月号の「星野文昭さんは無実だ」総特集号です。
 集会では、昨年の星野闘争をビデオで振り返りました。司会を高陽第一診療所労組の仲間が務め、冒頭に反戦被爆者の会の下田礼子さんと、「星野そば」(物販)を発案し昨年2月プリズン・ウォークを闘い、原発再稼働反対のハンストをやり抜いた福崎裕夫(やすお)さんがあいさつしました。続いて、組合つぶしの弾圧と闘う中山崇志さん(広島連帯ユニオン草津病院支部委員長・山口刑務所在監)からのメッセージを司会が読み上げました。
 『国際労働運動』2月号の学習は、広島救う会事務局の仲間が担当しました。2時間にわたって全内容を読み合わせ、解説しました。
 提起を受けて増上昭典さんが「全証拠開示大運動を自分自身の闘いとして、何より自分の職場や地域に広げよう! 職場や大学に権力をうち立てる闘いとして星野全証拠開示運動に全力で取り組もう。その武器は『国際労働運動』と署名、そして絵画展です。団結して闘おう」と熱烈に訴えました。最後に広大生が自治会再建の闘い、反原発−原発推進の御用学者追放の闘いと一体で星野全証拠開示運動を闘うとの決意を表明しました。
 全参加者は、次は自分が組織して職場で学習会を行って署名を集め運動を広めようという気概に燃えていました。

 『共産主義者』を読み組織建設の鬼となる 東京 栗山 翔

 『共産主義者』最新号は、4・9政治和解から3年、3・11から2年、10・1決戦の地平がぎゅっと詰まり、一言で言って空気が入りました。
 宮城、福島両県委員会論文がお勧めです。同志の顔を思い浮かべて読みました。文字通り生き死にのかかった被災地における、同志たちの切歯扼腕(せっしやくわん)が伝わります。労働者としての誇りが迫ってきます。この素晴らしい同志たちとともにわが党があるということに感動せずにはいられません。
 さらに、ぎりぎりとした攻防からつかんだ地区党の意義と、この団結で絶対に勝利できるのだということが熱烈に訴えられています。職場生産点での必死の闘いから、党の死活性がいきいきと描かれているのを読むと、「階級はその闘いをとおして自らの力で党をつくりだす」とは、こういうことなのだろうと思いました。
 「職場・労働組合の仲間を腹の底から信頼し、長時間・過重労働の渦中でも、仲間を思い、いつも仲間とともにある、この労働者階級の誠の『愛情』と『信頼』を体現するのが、革命党=労働者党」「団結の拠点、団結の中心としての党=中核派の実体をつくらないといけない。結局はここに行きついた」――3全総での「本物の労働者党をつくるのだ」という情熱がここにつながっています。しかも今度は大恐慌と3・11情勢下で反合・運転保安闘争路線という革命の路線を握って。
 ぜひ読んで、被災地の同志と固く団結し、組織建設の鬼として3・11福島へ!

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週刊『前進』(2572号6面2)(2013/02/18 )

 3・8国際婦人デーアピール

 福島の根底的怒りとつながりプロレタリア革命きり開こう

 2013年、極右超反動安倍政権の登場に対して労働者階級人民は大反撃に決起している。反原発の国会官邸前行動は福島の根底的怒りとつながり、原発再稼働反対、増設・輸出反対で継続されている。沖縄県民10万人決起はオスプレイ配備反対・辺野古新基地阻止へ怒りをたぎらせ、三里塚農民を始め全国の農民が市東さんの農地死守、TPP反対の闘いに決起している。何より動労千葉・動労水戸を先頭とした10・1外注化阻止・非正規職撤廃決戦の地平が、大恐慌下の2−3月大量雇い止め攻撃に対して闘う労働組合の姿勢を示している。安倍政権は足元からグラグラだ。この中で福島の生きるための根源的決起がある。プロレタリア革命を開く3・8国際婦人デー行動を大成功させ、3月決戦で安倍政権を打倒しよう。

 労働者人民の声は「安倍政権打倒」だ

 大恐慌下、争闘戦激化の中登場した安倍政権が危機に追い詰められて繰り出す政治すべてに労働者階級人民の怒りが爆発している。
 安倍がデフレ脱却を掲げて押し出してきた金融緩和・インフレ政策は、1%の資本家のみに資金を投入し、国の借金を膨大化させ、そのツケをすべて労働者階級にしわよせするものだ。労働法制の改悪を通じて、外注化・非正規職化を徹底しようとしている。非正規職化は言い換えれば労働者を常に失業・半失業状態におくことだ。資本の賃下げ・解雇やりたい放題では労働者は生きられないが、新自由主義とはその延命のために、労働者など死んでもかまわないとするのだ。フルアウトソーシングで社会の機構そのものが崩壊させられる。人間労働の根幹が壊され、労働者と労働そのものが分断され、安全などが真っ先に犠牲にされる。笹子トンネル事故が象徴している。
 インフレ政策そのものも帝国主義間の争闘戦をさらに激化させるものでしかない。福島事故の責任は原発政策を進めてきた自民党にこそ真っ先に問われなければならないが、安倍政権は東南アジア訪問で原発廃炉どころか、再稼働・増設、海外輸出を強行しようとしている。対中国問題では、尖閣諸島をめぐり日米争闘戦を含みながら日米軍事同盟強化、改憲・戦争に突っ走っている。
 これら超反動の動きは安倍自民党政権の強さの表れなのか、まったくそうではない。資本主義・帝国主義が破綻し、その最弱の脱落日帝の危機に追い詰められた姿そのものだ。本質は危機そのものだ。
 「資本主義は誕生したその時から労働者階級の血をしたたらせてきた」というが、資本主義最末期の帝国主義は自ら退場することもできず悶絶(もんぜつ)している。全世界で今、真の社会の主人公である労働者階級人民が歴史的決起を開始している。帝国主義の戦後体制を打倒する時が来た。この時代認識に立って安倍政権を打倒しよう。

 新自由主義に対決「勝つまで闘う!」

 新自由主義は破綻している。しかしなお資本は外注化・非正規職化にしがみつき労働者階級人民に襲いかかってきている。外注化・非正規職化は矛盾と破綻の固まりであり、労働組合破壊・団結破壊である。偽装請負のオンパレード、安全無視は大事故と背中合わせだ。
 この現実を職場から徹底弾劾し、外注化阻止・非正規職撤廃で闘ってきた動労千葉や動労水戸は、階級的労働運動の力として被曝労働強制に絶対反対で闘い、10・1外注化阻止決戦を闘いぬいた。その地平からさらに今、4・1外注化阻止の第2ラウンドの闘いを反合・運転保安闘争を掲げて闘っている。
 女性労働者を7年間、夜勤専門で働かせた上、闘いに立ち上がったら解雇などというジェコー裁判の超反動判決に対して、当該女性労働者は即刻「勝つまで闘う!」と宣言した。そもそも夜勤専門の職場での女性の労働など、国鉄分割・民営化と一体のものとして出てきた労基法無視の派遣法や均等法以来のことだ。資本主義は労働者を生かしておくことができないだけでなく、次世代の労働者を生み出すことさえ切り捨てているものなのだ。
 闘う以外に労働者人民は生きられない。いや闘ってこそ、労働者階級人民の未来を切り開くことができるのだ。絶対反対と、資本と非和解で闘う労働者の団結を資本はもっとも恐れているのだ。
 3・11東日本大震災と福島第一原発事故から2年になろうとしている。原発事故はまったく収束せず、十数万の避難者は二度と戻らぬ故郷の現実を突きつけられ、子どもたちは日々放射能の恐怖のもとでの生活を余儀なくされている。「経済再生」は資本家だけのものであり、労働者も農民も漁民も踏みにじられていることが誰にもわかる形で明らかになった。「地上に置かれた原爆」=原発への怒りは深く広がっている。
 この2年間で何が明らかになったか。
 第一は、事故の責任当該の国・東電がまったく責任をとろうとせず、むしろ「復興」でさらに資本はもうけ、御用学者は放射能被害さえ研究の対象にし、原発輸出さえたくらんでいることだ。
 第二は、フクシマの根源的怒りは非和解的に発展していることだ。「福島圧殺」の現実に真っ向から立ち向かい、けっしてあきらめず、絶望ではなく怒りを怒りとして表すことで希望と展望を切り開いてきた。
 特に女たち・母親たちは、3・11後、文科省への直接抗議から始まり、経産省前に断固として座り込み、3・11の1周年を「原発いらないフクシマ」として闘い、IAEA(国際原子力機関)抗議闘争などを展開し続けた。この闘いが20万人を超える反原発闘争を生み出す原動力になってきた。そして8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ、3・1ビキニとともに本年3・11を現地フクシマで闘いぬこうと呼びかけている。原発・核武装を絶対に手放そうとしない帝国主義に対して、絶対反対・非和解の闘いを貫くものだ。
 改憲・戦争に突進する命より金もうけの社会をひっくり返していくには、階級的労働運動で全職場から外注化阻止・非正規職撤廃で立ち上がり、労働者が社会の主人公として団結を回復しヘゲモニーを奪い返していくことだ。

 階級的労働運動と革命党建設は一体

 帝国主義・新自由主義の攻撃は破綻している。いよいよ追い詰められた安倍政権は、命より金もうけの政治、改憲・戦争、労働者階級の分断と圧殺の政治へむかっていかざるをえない。生き抜くためには、あらゆる領域で戦後階級闘争のすべてをのりこえる闘いが問われている。絶対反対と、資本家階級との非和解の闘いが必要だ。
 4・9政治和解に屈服した当時、「労働運動は革命運動とは違う。だから妥協するのだ」と言った体制内労働運動指導部の言葉を忘れることができない。労働者は資本のもとで殺されようが、モノとして奴隷のように扱われようが資本の下僕のままでいろというのか? 絶対に否だ。「資本主義社会の転覆と真の人間的な共同社会=共産主義社会建設の諸条件は圧倒的に成熟している。問題はただ一点、この変革の主体である労働者階級が、自らの歴史的使命と力に対する自覚と誇りに目覚め、資本の支配を転覆する闘いに総決起していくことにある。……職場生産点での資本との日常的闘いと自らの党をつくりだして闘う、権力奪取へむけた革命情勢の煮詰まりの中で、他の諸階級・諸階層の人民をも獲得しプロレタリア権力の母体となるソビエトを作り出し発展させる」(『共産主義者』174号坂本論文)。
 革命情勢の圧倒的成熟の中で階級的労働運動と労働者の闘う党を一体的に建設し、地域の拠点を形成していこう。特に地区党を時代認識と路線で一致する階級意識の最高の結集体としてつくりあげていこう。
 地区党は、団結を求めるすべての領域を担い、革命的拠点建設に突き進む中で新自由主義の矛盾の一切を背負って闘う全階級・全階層の結集体だ。女性労働者・労働者家族は、地区党のもとで合同労組や拠点労組建設に突入するや自己解放的な決起を開始している。また職場・地域に根ざして労働者階級の怒りをまさに体現し、地域の団結の核となって非和解の闘いを開始している。階級的な婦人運動の役割もそこにある。
 1917年ロシア2月革命の火ぶたを切った、3・8国際婦人デー行動を組織したペトログラードの女性労働者・労働者家族たちの闘いがまさにそれだった。長く続いた帝国主義戦争に疲弊(ひへい)した労働者街の怨嗟(えんさ)の声、怒りと要求をトコトン知り尽くした女性たちの手によって「パンと平和」を求めたデモが組織され、瞬く間に革命の炎が燃え広がった。
 2013年3・8国際婦人デーをプロレタリア革命勝利を開く闘いとしよう。国鉄、反原発、星野闘争の3大決戦の先頭に立ち、マルクス主義で武装し、機関紙を軸に組織を徹底的に拡大していこう。
 〔深沢史子〕

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週刊『前進』(2572号6面3)(2013/02/18 )

 星野同志の無実示す色・声・光

 全証拠を開示せよA

 声で特定はできない オレオレ詐欺が実証

 「色・声・光」シリーズ@で、機動隊員を殴打したのは星野文昭同志であるという鉉供述は、「服の色」問題で決定的に破産していることを明らかにした。今回は、「色」の破綻の上に持ち出された「声」は、もっと脆弱(ぜいじゃく)で矛盾的であり、「声」で星野同志を特定することは到底できないことを明らかにする。
(写真 昨年10・18東京高裁包囲デモ)

 デッチあげの破綻きわ立つ

 第1次再審で最高裁は、鉉供述が星野同志の「服の色」について間違っていること認めざるをえなかった。ところが「服の色は間違ったが、声や後ろ姿でも、殴打者が星野さんであると分かった」という許しがたい言い逃れに走り、あくまで「殴打者」=星野同志であることに固執している。
 第2次再審でも東京高裁は、「声で分かった」と言い張り、昨年3・30再審棄却決定を強行した。
 「服装の色」による特定が崩壊したために、今度は苦し紛れに「声」を持ち出し、「声」にしがみついているのだ。「声」による特定は、より一層矛盾を深め、デッチあげの破綻を際立たせている。
 そもそも、「声」で人物特定はできない。最新の心理学を含む学術的な成果を踏まえても、声による犯人識別は、よほど信頼できる特別の事情がない限り採用してはならないとされているのだ。「振り込め詐欺(オレオレ詐欺)」が、これだけ話題になっているのにさらに激増していることに示されるように、他人の声を、自分の息子や夫の声だと簡単に思いこんでしまう。
 また、声に関する記憶は、目撃記憶よりさらに不安定であり、時間の経過とともにどんどん減衰し変容してしまう。さらに、記憶を喚起する時の誘導によって、まったく別のものにすり替わってしまうことも明らかにされている。声で人を特定することは不可能なのだ。
 さらに、11・14闘争の現場は、さまざまな音や声の飛び交う喧噪(けんそう)の中であった。機動隊との激突の経験で、鉉自身の興奮と情動性は極度に高まっていた。その上、鉉は星野同志とは当日初対面であり、星野同志の声をあらかじめ聞き知っていたわけではまったくないのだ。そういう中で、星野同志の声であると特定することなど絶対にできない。
 確定判決が星野同志に無期懲役刑を下したもう一つの理由は、「火炎びんを投げろ」と指示したということであるが、これもまったくのデッチあげである。

 「火炎びんを投げろ」もウソ

 星野同志は、機動隊員殴打の現場とは10b離れた十字路にいた。そこで星野同志は、NHK方向の機動隊の動きを注視し、機動隊が襲撃してくる前に、バラバラになったデモ隊員をまとめて、一刻も早く渋谷駅方向へ向かうことに意識のすべてを集中していた。機動隊員を殴打したこともなければ、「火炎びんを投げろ」と指示したこともない。
 取り調べで検察・警察に「星野さんが火炎びんを投げろと指示した」と、デッチあげ供述を強制された と は、裁判の法廷では「星野さんの声を聞いていない」ときっぱり証言し、取り調べ段階の供述を明確に否定している。
 このように、裁判所・検察・警察は、科学も真実の証言も無視し、むき出しの国家暴力で真実をねじ曲げ、理不尽極まりないデッチあげを強行しているのだ。

 3・5高裁包囲デモに参加を

 動労千葉、動労水戸、動労総連合が闘いぬいた10・1外注化阻止決戦の地平は、新自由主義と不屈に対決する労働運動を登場させ、2013年の階級決戦情勢全体を根底で規定している。
 その中で、星野奪還・全証拠開示運動は、『国際労働運動』2月号の学習運動を全国で推進し、2013年3大決戦(国鉄、反原発、星野闘争)を闘いぬく新たな活動家を大量に生み出している。星野同志へのデッチあげは、70年安保・沖縄闘争の爆発への報復だ。70年を超える労働者階級人民の団結の形成・拡大こそ、星野同志を奪還する道だ。
 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議が呼びかける、本年第1波の3・5東京高裁包囲デモに決起しよう。星野文昭同志を奪還しよう。
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【要項】3・5東京高裁包囲デモ〈全1日行動〉

3・5東京高裁包囲デモ〈全1日行動〉
3月5日(火)午前11時30分 日比谷公園・霞門結集
 午後0時15分 デモ出発
 午後1時30分 署名提出行動
 午後1時40分 第11回ビデオ国賠開廷(東京地裁527号法廷)

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週刊『前進』(2572号6面4)(2013/02/18 )

【要項】差戻し控訴審無罪へ!福嶋再審勝利!2・23総決起集会、3・8国際婦人デー行動


差戻し控訴審無罪へ! 福嶋再審勝利!

2・23総決起集会

日時 2月23日(土)午後1時開場 1時30分開会
場所 初台区民会館(京王新線初台駅下車5分)
主催 迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会

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2013年3・8国際婦人デー行動

■3・2東京 安倍政権打倒! 女たちの大集会&デモ
 3月2日(土)午後1時半開始 4時デモ
 杉並産業商工会館・講堂(JR阿佐ケ谷駅下車)
 講演 大石又七さん(第五福竜丸元乗組員)
    市川潤子さん(ふくしま合同労組委員長)
 主催 3・8行動実行委員会
 連絡先 東京労組交流センター女性部/婦民全国協・関東ブロック

■3・3関西 福島の怒りと結びつきすべての原発今すぐなくそう!
 外注化阻止・非正規職撤廃! 福島圧殺内閣・安倍政権打倒!
 橋下打倒! 革命的大動乱の今、労働者・民衆に力あり!
 3月3日(日)午後2時〜 エル・おおさか 本館709
 福島から 市川潤子さん(ふくしま合同労組委員長)
 主催 3・8国際婦人デー実行委員会

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