ZENSHIN 2013/01/14(No2567 p06)
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週刊『前進』(2567号1面1)(2013/01/14 )
“原発とめよう!” NAZEN杉並新年第1波闘争
NAZEN杉並は1月10日、安倍政権への怒りを燃やして杉並区阿佐谷で新年第1波デモに立った。衆院選での山本太郎氏7万票獲得の反原発のうねりと結びつき、「安倍を倒して原発とめよう!」の力強いコールが響き渡った。参加者は、杉並から反核運動をよみがえらせる決意も新たに、3・1ビキニデー集会、3・11福島現地闘争への総決起を誓った
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週刊『前進』(2567号1面2)(2013/01/14 )
1〜3月決戦で安倍を倒せ
国鉄・反原発・星野全証拠開示運動=13年3大決戦勝利へ進もう
国鉄全国運動2・17労働者集会へ
2013年はプロレタリア世界革命の勝利を切り開く階級決戦の激動の年として幕を開けた。最末期帝国主義は崩壊の崖っぷちに立ち、大恐慌の危機にのたうち回っている。今こそ労働者階級が階級的労働運動の力で国家権力・ブルジョアジーを打倒し、プロレタリア独裁権力を打ち立てるべき時だ。1・1革共同政治局アピールで高らかに発した、「外注化阻止・非正規職撤廃でプロレタリア革命の勝利開け」「国鉄・反原発決戦と星野全証拠開示運動の爆発で安倍超反動政権打倒へ」「全国に闘う労組拠点を建設しよう」の時代認識と路線、決戦方針をもって、2013年階級決戦に猛然と躍り出よう!
安倍への怒りは必ず爆発
昨年12月の衆院総選挙をへて登場した安倍政権は超反動の極右政権である。それは一方で戦争と改憲、日米安保強化、排外主義とナショナリズム、原発推進・再稼働強行、消費大増税の実施などの超反動政策に突き進み、他方では首切り・大失業、外注化・総非正規職化、労組破壊の攻撃を凶暴に推進してくる。
また大恐慌にあえぐ日帝資本を救済するために、大々的な公共事業や超金融緩和(建設国債の無制限の日銀引き受けなど)、2%のインフレ・ターゲット政策といった放漫財政とインフレ政策にも訴えてきている。
しかしそれは必ず、大恐慌の本格化のもとで日帝・新自由主義の危機と破産をより促進し、階級間矛盾を激化させ、労働者人民の怒りを激しく爆発させる。
年末年始過程で世界を震撼(しんかん)させた米帝の「財政の崖」は、問題が先送りされただけで、米国債が2月半ばにもデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が強まっている。基軸国・米帝は今やドル暴落とインフレ爆発という破滅の道に向かって確実に転落しつつある。
世界は今や帝国主義間・大国間の生き残りをかけた歴史的な大争闘戦時代に突入した。それは世界経済の分裂化・ブロック化を促進し、大恐慌をより本格的に激化させ、大失業と戦争への攻撃を加速する。同時にそれは革命情勢を全世界的に成熟させるのだ。
日米安保体制強化を真っ向から掲げる安倍は、集団的自衛権行使容認とともに「普天間移設先は名護市辺野古で進める」と早々と公言し、沖縄への一大圧殺攻撃に踏み切ろうとしている。だが沖縄と本土の労働者人民の昨年を超える沖縄闘争への決起は不可避だ。また安倍政権の原発再稼働と原発新増設への策動は、反原発闘争をより巨大に爆発させる。
さらに選挙公約で「聖域なき関税撤廃を前提にする限り反対」といって農民票、地方票をかすめ取った安倍にとって、日本経団連などブルジョアジーが早期交渉参加を求めるTPP(環太平洋経済連携協定)問題は、大きな破綻点になっていく。また改憲・核武装や歴史問題の反動的見直しなどは、アジア諸国および米帝との間で矛盾と危機を爆発させかねない、深刻極まるテーマである。
安倍は、自らのすべての超反動政策が労働者階級人民とのかつてない激突を不可避とすることに恐れおののいている。したがって安倍は、7月参院選に向け、日帝ブルジョアジーの延命の道を新自由主義的な海外戦略に求めるとともに、労働者への徹底的な階級圧殺攻撃を激化させてくる。勝負は前半決戦だ。1〜3月の闘いで極右超反動の安倍を倒そう。
第2ラウンドの外注化阻止決戦
1・1政治局アピールで明らかにしたように、2013年決戦の第一の課題は、JR全面外注化粉砕の第2ラウンドを階級的労働運動の再生をかけた階級決戦として全党総決起でかちとり、絶対に勝利することだ。
2012年の闘いが切り開いた地平は実に偉大でる。革命的共産主義運動は階級的労働運動として自己を貫徹する段階をついに切り開いた。日本階級闘争は階級的労働運動の前進を通してプロレタリア革命へと突き進む過程に突入したのだ。
ここでは国鉄決戦こそ階級決戦の基軸である。国鉄決戦という「環」を握りしめ、ここでの死闘に勝ち抜いた時に、階級情勢はその根幹と土台において巨大な転換が可能となり、暗雲を切り裂いて労働組合の再生の道を一挙に切り開くものとなる。動労千葉が血みどろになって闘ってきた外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは、外注化が新自由主義攻撃の極限的形態として労働者と労働を分断し団結を徹底的に破壊する攻撃であることを突き出した。この闘いの第2ラウンドに勝利する道は、この分断を打ち破る「動労千葉の団結」の強化・拡大にこそある。
職場抵抗闘争の強化・発展を土台に、JR全体の総反乱をさらに推し進め、この職場闘争と結びついて裁判闘争を前進させ、何よりも青年労働者の獲得と組織拡大、そして外注先の労働者との団結と組織化への新たな挑戦を、動労千葉と一体となって全党あげてやり抜くことこそ、勝利を闘いとる道である。
JR東日本の「グループ経営構想X」との闘いは安倍政権との最大の攻防点だ。電機・自動車などの製造業が総崩壊状況に陥る中で、今や日帝の「成長戦略」は鉄道・新幹線、原発、水事業のインフラ・パッケージ輸出にかかっている。そしてこの「海外戦略」のために、徹底的なコスト削減を貫くJR労務支配を強めようとしている。インドなどへの新幹線輸出に金もうけと延命の道を見いだし、外注化・非正規職化、労組破壊の最先端に立つJR資本との闘いこそ最大の激突点だ。
その上で決定的なのは1〜3月、大量の雇い止め・解雇と大幅賃下げが労働者階級に襲いかかることだ。パナソニックやシャープなどの電機大手では、国鉄分割・民営化時の人材活用センターと同じ「追い出し部屋」がつくられ、分断と団結破壊で退職を迫る非人間的行為が横行している。
改正高齢者雇用安定法の施行をてこに、大幅賃下げの「NTT型賃金」を全産業に広げようとしている。改正労働契約法は、5年を超えて正規雇用となる前に首にするJR東のグリーンスタッフ制度の法制化そのものだ。JRが雇用破壊と戦後賃金体系の解体の先頭に立ち安倍の新自由主義攻撃を貫こうとしている。生活保護の削減攻撃も絶対に許せない。
動労千葉を支援する会の「外注化阻止ニュース」を全JR労働者に手渡し、怒りの大反乱を組織しよう。2・1ライフサイクル強行阻止と2・17国鉄集会から、駅の全面外注化を焦点とする4・1外注化阻止決戦へ攻め上ろう。
〈4大攻防〉に勝ち抜こう
安倍政権は「福島の女たち」の椎名千恵子さんが言うように「福島圧殺内閣」である。茂木敏充経済産業相は原発の新増設計画を進めると早くも公言している。また核燃サイクルの延命のために、韓国など東アジアの原発から出る使用済み核燃料を青森県六ケ所村の再処理施設で再処理しようとしている。手抜きと偽装の除染が暴露されても、石原伸晃の環境省は調査すらせずゼネコンに好き放題やらせている。核と原発の推進機関・IAEAと連携し、福島に放射能研究拠点をつくり、福島の子どもたちや労働者人民をモルモット化しようとしている。どれもこれも許せない。
福島の非和解的怒りと官邸前の20万人、100万人の怒りが本格的に結合した時、反原発闘争は日帝・新自由主義を打倒する巨大な階級決戦に発展する。3・11福島現地闘争に全国から総結集しよう。3・1ビキニデー杉並集会の大成功をかちとろう。全国に反原発闘争の大衆的な闘争組織としてNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)をつくり発展させよう。
星野全証拠開示運動は日帝・国家権力との力関係をひっくり返し階級情勢を攻勢的につくりだす今年の大決戦だ。『国際労働運動』2月号の特集は、星野同志の無実・無罪を誰もが納得する内容で完全に立証し、同時に日帝・国家権力と労働者階級との非和解性を徹底的に明らかにしている。この特集号を学習し、確信をもって全証拠開示運動を階級的労働運動の課題として推進しよう。
三里塚闘争、沖縄闘争、八尾北・西郡決戦、裁判員制度廃止の闘いを先頭とする改憲阻止闘争を階級的力関係を転換させる4大攻防として心血を注ぎ闘おう。農地強奪粉砕へ3・24三里塚現地闘争への大結集運動を組織しよう。1・27東京沖縄集会(日比谷野音)に決起しよう。2・24橋下打倒闘争で八尾北・西郡決戦に勝利しよう。
2013年決戦の一切の集約点は組織拡大だ。党は労働組合の先頭に立って資本と非和解的に闘い、マルクス主義で膨大な労組活動家集団を形成していく。その組織化の基軸的武器が機関紙『前進』だ。機関紙を拡大しよう。闘う青年労働者・学生は革共同に結集し、プロレタリア革命の勝利へ先頭で闘おう。
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週刊『前進』(2567号1面3)(2013/01/14 )
動労総連合 “強制出向は無効だ”
組合員53人が東京地裁に提訴
動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の組合員53人が12月26日、JR東日本が強行した検修・構内業務外注化に伴う強制出向の無効確認を求めて東京地裁に提訴した。
今回の強制出向をめぐって3労組は、強制出向の差し止めを求めて8月26日に東京地裁に仮処分を申し立てていた。しかし東京地裁は11月22日、「強制出向させられた労働者に対する不利益は軽微だ」と一方的に決めつけて申し立てを却下した。この不当な棄却決定を受けて今回、3労組は本訴訟に踏み切った。
午後1時に東京地裁前に集合した組合員と支援は、最強の布陣を整えた弁護団とともに東京地裁に入り、民事部に訴状を提出した。
(写真 提訴後の記者会見で発言する動労千葉の田中康宏委員長【中央】【12月26日 東京・霞が関】) 雇用と安全の破壊許さない
手続きを終え、3組合の代表と弁護団が司法記者クラブで記者会見を行った。
会見の冒頭、動労千葉の田中康宏委員長が、2000年以降のJR東日本での業務外注化の経過や、受託した下請け会社には電車の検査修繕や構内入れ換えの技術も経験もなく完全な偽装請負であることなどを明らかにした上で、「この出向は必然的に転籍に行き着かざるをえない。直接には出向の無効確認を求める裁判だが、非正規雇用が蔓延(まんえん)する今の社会のあり方そのものを問う裁判だと考えている。鉄道の安全にとって枢要をなすメンテナンス部門を、ひたすらコストを削減するために2次下請け、3次下請けへと外注化した時、鉄道の安全が根底から崩壊することは火を見るより明らかだ」と述べた。そして「この裁判は競争原理が蔓延する今の社会に対する本質的な問題提起だ」と強調した。
続いて動労水戸の国分勝之副委員長が「すでに外注化実施から3カ月近くが経過したが現場はガタガタで、JRの存在なしには成立しない業務委託だ」と述べ、自ら出向当該である動労千葉の長田敏之書記長も「形式的に下請け会社の作業責任者を置いているが、『偽装請負隠し』のためとしか言いようがない」と、現場の生々しい現実を暴露した。
同席した代理人の森川文人弁護士は「外注化によって現場での仕事は分断、寸断されている」と述べ、石田亮弁護士も「最大の問題は、仕事ごと労働者が出向に出され、戻る職場がないこと。実質的な転籍と言わざるをえない」と、今回の外注化・強制出向の問題点・違法性を指摘した。会見場には代理人の鈴木達夫弁護士、花澤俊之弁護士も駆けつけた。
新自由主義への新たな挑戦
会見後、弁護士会館で総括集会が行われた。
この場で鈴木達夫弁護士は「外注化・強制出向の問題は、戦後の労働運動が目をそらしてきた課題だ。そもそも外注化・強制出向の何が問題なのか、現場で働く労働者の気持ちや視点に立ち、一から丁寧に闘いを組み上げていく必要がある。今まで誰もやらなかった新自由主義に対する新たな挑戦であり、同時に、全世界の労働者が直面している課題だ。いまの社会を覆いつくしている外注化・非正規職化に風穴を開けよう」と、この訴訟の持っている位置を鋭く突き出した。
強制出向の当該である動労千葉の関道利執行委員は、職場における取り組みを紹介しながら「あらためて気を引き締め、必ずJRに戻る決意で闘う」と述べ、動労水戸の坂場力男執行委員も「裁判闘争と一体で、現場からの闘いで外注化・強制出向の問題性を明らかにしていく」と決意を述べた。
最後に動労千葉の田中康宏委員長が「外注化阻止闘争の第2ラウンドが今日から本格的に始まった。労働者全体にとって大きな挑戦でもあり、暗中模索の闘いでもある。ここからさらに前に一歩進もう」とこの日の闘いをまとめた。
(写真 東京地裁前に結集した組合員と支援)
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週刊『前進』(2567号1面4)(2013/01/14 )
前進速報版から
▼中国・南方週末の出版労働者がスト▼韓国・パククネ新政権と対決し「希望バス」が再始動▼東北石けん闘争、地労委結審一日行動
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週刊『前進』(2567号2面1)(2013/01/14 )
外注化阻止を貫き労働運動再生へ
JR東「経営構想X」と対決を
日帝の「戦略資本」として外注化・海外侵略・安全破壊で延命を狙う
決戦の2013年が始まった。JR東日本「グループ経営構想X(ファイブ)」との激突こそ、2013年1・1アピール〈外注化阻止・非正規職撤廃でプロレタリア革命の勝利開け〉の最大の戦場だ。JR東日本は日本帝国主義の延命をかけた戦略的企業として、全面外注化とグローバル化、鉄道輸出に絶望的な突進を始めた。国鉄決戦第2ラウンドの死闘に、青年を先頭とする全労働者の怒りを解き放って総決起し、階級的労働運動の本格的復権と労組拠点建設に向け進撃しよう。「グループ経営構想X」批判シリーズ第1弾として、今回はJRを先端とする階級戦争攻撃との対決を鮮明にさせる。
「第2ラウンド」は駅業務の全面外注化との一大決戦だ
JR東日本は、昨年10月30日、「グループ経営構想X〜限りなき前進〜」を打ち出した。大恐慌と3・11大震災・原発事故情勢に対応した経営構想として、復興需要を食いものに過去最高益となった7〜9月期の決算報告と一体で発表した。
JR東は、国鉄分割・民営化を「私たちの変わらぬ『出発点』」として闘う労働組合の解体こそ原点であると確認した上で、3・11を「第二の出発点」と位置付け、「東日本大震災という試練に立ち向かった『自信と誇り』を胸に……日本を元気にするため新たなスタートを切る」などと言い放ち、資本の”持続的成長の無限の可能性を追求する”とした。
JR東は、復興需要と高放射線量区間での列車運行・被曝労働強制とともに、エキナカ事業とスイカ・ICカード事業の上に、「新たな事業領域への挑戦〜グローバル化〜」をぶち上げた。大規模ターミナル駅開発、住宅サービス、医療・健康、教育、宅配、行政サービス、保育・介護事業を展開し、M&A(企業合併・買収)と「世界に伸びる」海外鉄道プロジェクト=国際市場争奪戦に打って出ると宣言した。全労働者に対する雇用破壊の国内階級戦争と国際争闘戦を、日本帝国主義の最先端で担おうということだ。
転籍の強要に必ず至る攻撃
攻撃の核心は、鉄道の安全の要をなす施設、検査修繕・構内業務、さらに駅業務の全面外注化・非正規職化、グループ子会社への出向・転籍と退職強要、超低賃金化である。経営構想の12年度実績に対する14年度の営業収益目標は、運輸業がわずか0・8%増にすぎないのに対し、駅スペース活用事業は5・9%増、ショッピングオフィス事業は9・7%増としている。世界最大の乗降客数を有する新宿駅を始め全駅の外注化に手をかけ、そこに活路を見出そうとしているのだ。
「グループ経営構想X」の言う「新たな人事賃金制度の定着」「組織運営の効率化」「一体感のあるグル―プ経営」「人材交流」「ダウンサイジング」とは、徹底したコスト削減・人件費削減であり、出向・転籍と分断・団結破壊以外の何ものでもない。
さらに「地方路線の運営効率化」「低稼働設備の撤去や設備のスリム化」とは不採算路線と設備の切り捨ての公然たる宣言である。
反合・運転保安闘争で反撃へ
「技術革新」と「効率化」をかざしたコスト削減で、安全崩壊は極限にまで行き着く。JR東日本は10月31日の投資家・アナリスト向け説明会で、”無人運転を実施しているヨーロッパの技術も取り入れながら、この10年くらいの間に新しい列車制御システムを常磐線各駅停車に導入し、仙石線で導入した無線列車制御システムを首都圏で展開する”と言い放った。運転士を含む究極の人員削減だ。さらに鉄道メンテナンス作業の効率化、新幹線の時速360`化を始めとする高速化と増発、これまで以上の徹底した駅員削減・無人化とワンマン運転化につながる山手線23駅のホームドア設置を前倒しで進めるとしている。
何が「究極の安全」に向けた取り組みだ。福島第一原発事故が暴きだした”技術安全神話”のウソを重ね、資本の利益を最優先して05年の尼崎事故や羽越線事故、昨年過去最悪件数に達したJR東の労災死亡事故、民営化・外注化・コスト削減による中央道笹子トンネル事故のような大事故を何度でも引き起こすこととなる。今こそ、職場・生産点における反合理化・運転保安闘争の復権と本領発揮の時である。
まさに「グループ経営構想X」こそ、大恐慌の進行と3・11情勢によって追いつめられた最末期帝国主義の絶望的な延命策、新自由主義の究極の姿であり、労働者の肉を食らい、血を滴らせながら生き延びようとする資本のむき出しの本質そのものである。
大量首切り-外注化・非正規職化の最先端をになうJR
革共同政治局の2013年1・1アピールは、〈外注化阻止・非正規職撤廃でプロレタリア革命の勝利開け〉と呼びかけた。革命的情勢が急速に接近している。10・1外注化阻止決戦を頂点とする闘いをもって、名実ともに国鉄決戦が階級決戦の最大・最高の戦場となった。時代認識と革命戦略にかかわる問題として「グループ経営構想X」との闘いを位置付け、総力を挙げて闘い抜こう。
安倍政権との最大の激突点
野田民主党・連合政権の崩壊の上に成立した極右安倍政権は、安定政権などではおよそない。大恐慌が本格的な爆発過程を迎え大争闘戦時代の到来の中で脱落し追いつめられた日本帝国主義の絶望的な破産の上に立つ超危機的政権である。階級矛盾はこれから全面的に爆発していく。日帝・安倍のなりふりかまわぬ改憲と戦争、民営化・外注化、大量解雇・非正規職化、超低賃金化と団結破壊の階級戦争攻撃は、労働者階級の根底的な決起を引き出し、階級的労働運動復権の条件をつくり出す。その階級決戦の焦点として国鉄決戦があるのだ。
日本経団連の13年版経営労働政策委員会報告は、戦後の年功序列型賃金・定期昇給制度の最後的廃止とともに、年金支給年齢の繰り上げに伴う「65歳までの雇用義務化」を口実に「60歳を超える雇用の賃金原資の確保」などと称して、外注化・非正規職化の推進と一体で正社員労働者の徹底的な賃金削減をぶち上げようとしている。
NTTグループでは、資本が実施をめざす人事・賃金制度の大改悪を始め、子会社への出向・転籍と退職強要、労働者の9割の非正規職化と超低賃金化攻撃が常態化しつつある。賃金制度が改悪されれば、NTTグループの青年労働者にとってはもはや定昇などありえず、たとえ正規職であろうと手取り10万円そこそこの生活が一生続く。それだけでなく強制出向によっていつでも首切りが可能となる。NTT労組中央が言い続けてきた「NTTグループの安定した経営基盤の確立が雇用の安定・確保と働きがいのある職場をつくる」という大うそが根本から崩壊している。
セブン&アイ・ホールディングスは16年2月までに傘下のイトーヨーカ堂の正社員を半分に減らし、パート労働者の比率を9割にして人件費を100億円減らすとした。パート労働者に業務のほとんどを任せ、正社員はセブン・イレブンの店舗に出向させて自主退職に追い込むことが公然と言われている。パナソニックやシャープなど電機資本を先頭に、派遣・有期雇用労働者の大量雇い止めとともに、国鉄分割・民営化時の「人材活用センター」への不当配転と草むしりや社訓の唱和、反省文書きなどとうり二つの退職強要が全面化しつつある。これこそ「希望退職」の実態であり、労働者の誇りを切り裂いて退職に追いやる許しがたい攻撃だ。
日本経団連は、「日本経済の6重苦」などと称して、「円高と高い法人税率、自由貿易協定への対応の遅れ、環境規制、電力不足」を叫んで原発再稼働を策すとともに、解雇規制、派遣・偽装請負規制、最低賃金規制など労働規制の撤廃を叫んでいる。昨年3月29、30日のJAL解雇撤回訴訟反動判決や10月18日のショーワ不当労働行為再審査中労委棄却決定、今年1月7日のJAM神奈川ジェコー労組解雇撤回訴訟反動判決など、労働者の団結権を踏みにじって解雇自由の社会に変え、生存権すら否定する反動判決・反動決定が続いている。しかしこれらすべては、日帝支配の危機そのものに根ざしたものだ。労働者を犠牲にしてしか生き延びられないところまできているということだ。
まさに階級決戦だ。動労千葉・動労総連合は、外注化阻止決戦に総力決起し、反合理化・運転保安闘争を柱とする強固な職場抵抗闘争と一体で、外注化・強制出向無効訴訟と鉄建公団訴訟を闘い、組織拡大を進めている。国鉄決戦こそ大恐慌・大失業情勢下の階級的反撃の最強の拠点であり、その闘いの継続は日帝・JR資本の最大の破綻点になっている。
安倍政権打倒の闘い、大阪・橋下徹市長や東京・猪瀬直樹都知事を先兵とする道州制=自治体丸ごと民営化・外注化による公務員全員解雇・非正規職化との激突は、こうした情勢の中で闘われる。その最大の戦場として、国鉄決戦が闘われているのだ。
新幹線「パッケージ輸出」に官民一体でのめり込む日帝
「グループ経営構想X」は、鉄道輸出=海外侵略を柱に掲げた。
すでに日本帝国主義は大恐慌と大争闘戦時代への突入の中で、製造業を中心とする「輸出立国」崩壊の危機からの突破をかけて、原発輸出・鉄道輸出・水ビジネスに官民一体となって突き進もうとしてきた。3・11福島原発事故で原発輸出が困難に陥る中、鉄道輸出で活路を開こうと、一昨年11月1日にJR東日本を中心にJR西日本、東京メトロと私鉄各社、さらに大阪市交通局まで加えて日本コンサルタンツ株式会社を設立(表)。海外展開を進めて、インドだけで6兆円、アジアを中心に20年には世界で22兆円規模の鉄道プロジェクトを当て込み、そこに参画しようとしている。
11月20日、当時の野田首相はインドのシン首相と会談し、フランスから奪い取る形でインド高速鉄道計画に1兆円規模の日本の新幹線システムを採用するための協議を進めることで一致し、貨物鉄道計画でも合意した。JR資本は戦略的資本として、政府と一体で最大の通商戦争となっている鉄道市場争奪戦に打って出ているのだ。
鉄道輸出・水ビジネスは、国内における民営化・外注化・非正規職化と一体だ。下水道をめぐっては東京都下水道サービス株式会社による全面民営化が画策され、橋下大阪市長による下水道の15年完全民営化・株式会社化と職員全員の転籍・選別採用、非正規職化攻撃との激突が始まった。大阪市交通局完全民営化が日程に上り、猪瀬都知事は都営地下鉄と東京メトロの一元化・民営化をぶち上げている。JR東は、鉄道輸出とともに「国内グローバル化」を掲げて、医療、教育、行政サービス、子育て支援と介護事業にまで手を伸ばそうとしている。これと対決する民営化・外注化・非正規職化阻止の決戦が全面的に火を噴こうとしているのだ。
青年の怒りを軸に総反乱へ
もはや資本の「持続的成長の無限の可能性」などありえない。まして労働者の置かれた現実はすでに限度を超えている。青年労働者にとって、結婚すること、子どもをつくることはもとより、生きていくこともできない状況だ。多くの労働者が殺されている。誰もが人生をかけ、人間としての誇りをかけて闘いに立ち上がる寸前の情勢にある。いったん火がつけば一気に燃え広がる。問題は、この怒りを組織する労働組合の闘いだ。
今や青年労働者の中から、絶望をのりこえ「自分たち自身で労働組合をつくって闘う」「生き抜くために賃上げを掲げて春闘を闘おう」という声が巻き起こっている。それは戦後革命期に匹敵する激しい怒りと闘いの時代の到来を告げ知らせるものだ。10・1JR外注化阻止決戦と青年労働者の反乱、反原発・反失業の数百万人の決起は、資本の支配を根底から打ち破る闘いとして発展している。雇用破壊、安全崩壊と社会全体の解体にまで至った新自由主義に対する根底的で非和解的な決起が始まっている。
全労働者の未来をかけて、JR東「グループ経営構想X」と対決し、外注化・非正規職化の一つひとつの攻撃に、職場生産点から絶対反対の闘いをたたきつけよう。2・1ライフサイクル(強制配転)阻止、4・1外注化阻止・組織拡大の決戦を闘い抜こう。国鉄1047名解雇撤回!2・17労働者集会の成功をかちとり、JRを先頭に郵政、教労、自治体を始め全国・全産別・全職場で闘い抜こう。13年前半の国鉄決戦の爆発で極右・安倍政権にとどめをさそう。党と労働組合の一体的建設を進め、階級的労働運動の復権と闘う労組拠点建設へ。青年労働者を先頭に、13春闘に総決起しよう。
(大迫達志)
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週刊『前進』(2567号2面2)(2013/01/14 )
2・17労働者集会に総結集を
1047名の解雇を撤回させ大首切り攻撃に立ち向かおう
国鉄労働者7628人のJR不採用が通告された1987年2月16日から26年を期して2・17労働者集会が、すみだ産業会館で開かれる。国鉄型解雇の攻撃が自治体や教労を始めいよいよ全社会化する中で例年にも増して重大な位置を持つ集会になった。「国鉄1047名解雇撤回」「外注化阻止・非正規職撤廃」の2013年第1波闘争として大結集・大成功をかちとろう。
JR復帰実現する大運動をつくり出そう
国鉄1047名闘争は2012年、分割・民営化から25年にして画期的な前進を切り開いた。動労千葉鉄建公団訴訟の6・29東京地裁判決だ。動労千葉や国労など国鉄分割・民営化に反対する労組所属の職員を不当に差別するために国鉄当局がJR不採用基準を作成し、当初は名簿に記載されていた動労千葉争議団の原告らを名簿から排除したことを初めて認定させたのだ。
しかも、それを直接指示したのが、現JR東海会長の葛西敬之(当時の国鉄職員局次長)だったこと、「本件名簿不記載基準が策定されなければ原告らは採用候補者名簿に記載されJR東日本に採用されたはずである」ことまで認めさせた。2010年4・9政治和解の大反動を打ち破り、国鉄闘争全国運動の力で1047名闘争の新たな展望をこじ開けたのだ。
にもかかわらず6・29東京地裁判決は、90年清算事業団解雇をあくまで有効とし、わずか3年分の差額賃金支払いを命じるにとどめた。不当労働行為は原状回復が絶対的原則だ。原告を名簿に記載されていた状態に戻すこと、すなわちJR職員としての地位を直ちに回復させなければならない。
控訴審の第2回口頭弁論期日は、2月27日午後2時30分から東京高裁で開かれる。2・17集会は高裁での勝利に向けた決起集会だ。
雇用全面破壊の経営構想Xを打ち破れ!
2013年の最大の課題は何よりも、この1047名闘争と一体で、JR外注化阻止の第2段階の闘いに総決起することだ。2・17集会はその第1波総決起闘争だ。
JR東日本を先頭とするJR資本は、絶望的危機を深める日本帝国主義の生き残りをかけた戦略的資本としての位置を一気に強めている。一方で、海外への高速鉄道輸出を戦略事業に据えて侵略に踏み出し、他方で、国内階級戦争の先陣をもJR資本が担うということだ。つまり、国鉄分割・民営化の過程以上のめちゃくちゃな団結破壊と雇用破壊、今日的には偽装請負問題などの正面突破も含めて、政府・財界が狙う雇用全面破壊の先頭にJR資本が立とうとしているのだ。
JR資本と対決し、外注化阻止決戦の第2段階に勝利する鍵は、JR東日本の新たな経営計画「グループ経営構想X」との徹底対決にある。
「経営構想X」では外注化や子会社出向は当然の前提とされ、JR青年労働者の転籍と総非正規職化、徹底的な低賃金化へと至る攻撃が公然と宣言されている。その核心は労働者の団結をとことん破壊することにある。
当面する激突点は、青年運転士への2・1ライフサイクル強制配転、東京支社を中心とした4月1日の検修業務外注化だ。また、今年10月1日には千葉支社・水戸支社も含めて昨年強行できなかった検修業務外注化も狙われている。何よりも駅業務の全面外注化が決定的に焦点化する。
しかし「経営構想X」は、昨年の闘いによってあらかじめの破産を刻印されている。安全をとことん破壊し、地方を切り捨て、JRで働く青年労働者の誇りも未来も奪いつくすことでしか成り立たない経営構想に対して、昨年を上回るJR青年労働者の反乱は不可避だ。動労千葉や動労水戸、国労郡山工場支部を先頭に切り開かれた2012年の画期的地平を、検修部門だけでなく、運転士や車掌、駅業務も含めた全JR職場へ、さらには下請け会社の労働者の中へととことん拡大していこう。
それは、日本経団連、極反動・安倍新政権の階級戦争と最先端で激突する闘いであり、2千万青年労働者の決起の弁を開くものになる。
動労千葉−動労総連合は、外注化された業務をJR本体に取り戻し、新たな外注化を絶対に許さないために、@外注化阻止の職場抵抗闘争、A強制出向の無効確認を求める裁判闘争、B組織拡大闘争という柱を据え、職場からの闘いを総力で開始している。この闘いに続こう。全産別で外注化阻止・非正規職撤廃の具体的闘いをつくり出し、職場から資本と徹底的に対決しよう。
大恐慌が本格的な爆発過程に突入する中で、この2〜3月過程は、08年リーマンショック後を超える大量解雇攻撃が吹き荒れようとしている。この中から、臨界点を超えた労働者階級の怒りと闘いが、あらゆる地点から巻き起こることは間違いない。そして、「いったん全員解雇―新事業体を立ち上げ選別新規採用」という偽装倒産まがいの国鉄型解雇は、社会保険庁、全国の自治体病院や公営交通などを突破口にいよいよ全社会を襲おうとしている。
国鉄解雇撤回を首切り粉砕の闘いの軸に
こうした攻撃の原点にあるものこそ、国鉄分割・民営化であり、1047名の解雇だった。新たな1047名闘争の展望は、何よりも大首切りと非正規職化の攻撃が吹き荒れる今日の情勢のただ中に切り込み、新たな決起の開始と切り結ぶ必死の格闘の中にある。
戦後労働運動の中心を担ってきた国鉄労働運動の根絶を狙った国鉄分割・民営化は、戦後最大の労働運動破壊攻撃だった。この攻撃に震え上がった既成労組幹部は、政府・財界への奴隷的屈服を深め、逆に攻撃に率先協力することで自己保身と延命を図ってきた。こうした階級的力関係の後退、労働法制改悪を始めとする規制緩和を背景に2千万人もの非正規職労働者が生み出された。
1047名闘争こそ、現在の雇用関係と社会のあり方を根本的に問う闘いだ。それは労働者派遣法粉砕・非正規職撤廃の闘いと完全に一体の関係にある。
動労千葉の田中康宏委員長は、職場と地域に根を張った運動と組織をつくり出すと同時に、そのすべてを結集して労働者の大きな政治的力にしなければならないと繰り返し訴えてきた。その中心軸は、新自由主義政策の先駆であった国鉄分割・民営化攻撃と対峙し抜いてきた1047名闘争をおいて他にない。
年頭のジェコー解雇撤回訴訟判決(3面参照)にも見られるように”非正規職労働者は、どんな働き方をさせようが、いつ首を切ろうが構わない。団結権も生存権も認めない”と言わんばかりの攻撃が全社会で横行している。
こうした一つひとつの闘いに勝利するためにも1047名闘争の新たな発展が死活的に求められている。4・9反革命でいったんバラバラに分断された国鉄闘争支援勢力の再結集をかちとるとともに、超低賃金の無権利労働に怒りをたぎらせて決起を始めている青年労働者の中に新たな国鉄闘争陣形をつくり出そう。職場・地域でビラまき、解雇撤回・JR復帰要求の署名運動、全国運動の会員拡大、物資販売、学習会を展開し、オーソドックスな大衆運動として一から1047名闘争のうねりを起こそう。
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【要項】国鉄分割・民営化反対! 1047名解雇撤回! 民営化・外注化粉砕、非正規職撤廃!
国鉄分割・民営化で不当解雇から26年 2・17労働者集会
2月17日(日)午後5時
すみだ産業会館(墨田区江東橋3−9−10丸井共同開発ビル8階/JR錦糸町駅南口すぐ)
呼びかけ 国鉄闘争全国運動
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週刊『前進』(2567号3面1)(2013/01/14 )
ジェコー労組解雇撤回裁判 “勝つまで闘います”
超反動判決に怒りの宣言
1月7日、さいたま地裁熊谷支部(栗田健一裁判長)は、JAM神奈川ジェコー労働組合の高橋美和、屋代和彦両組合員が08年10月に、それまで期間従業員として就労していたジェコー株式会社から解雇されたことに対して、その不当性を訴え解雇撤回・原職復帰を求めた裁判で、原告の訴えを棄却する超反動判決を出した。絶対に許さない! 徹底的に弾劾し、最後の勝利まで闘い抜く。
「原告らの請求を棄却する」と裁判長が述べた直後から、法廷は怒りの声で包まれた。直ちに裁判所前の広場で抗議のシュプレヒコールがたたきつけられた。
多くの報道関係者が駆けつけた中、記者会見において、高橋さんは「裁判長は会社側なのかと非常に怒りを感じる。こんな判決を認めたら、ますます夜勤を強制されて体調を悪くする女性労働者を増やすことになる。絶対に勝つまで闘っていくので、最後までご支援をお願いします」ときっぱりと決意を述べた。
また屋代さんも「何の理由も告げず、わずか10秒で棄却するやり方で、こんなにひどい裁判は聞いたことがない」と怒りをあらわにした。
ジェコー労組の武田信義委員長は、「会社に対してもそうだが、国家権力に対してもものすごい怒りを感じる。裁判長は7年の夜勤専属強制をなんとも思わないのか! 解雇はリーマンショックを口実に組合の解体を狙った不当解雇。それを容認した判決は世の中の状況を反映したとんでもない反動判決だ。これから新たな闘いを始める。支援もともに闘っていただきたい」と、会社と国家権力、司法権力に対する戦闘宣言を発した。
記者会見の後、支援を含めた組合の緊急会議でJAM神奈川ジェコー労組は控訴して闘うことを決定した。
この日朝、行田市のジェコー本社の門前でビラまきをやりぬいて裁判に臨んだ労組と支援は、総決起集会終了後、再び門前に登場して判決を弾劾し控訴審闘争に打って出る戦闘宣言を発した。退勤する日勤労働者と出勤する夜勤労働者にビラを配り闘いを呼びかけた。
(写真 裁判後、控訴審勝利に向け総決起集会【1月7日 熊谷市】)
団結権・生存権を全面否定
判決文45nのうち、裁判所が争点について判断した部分はわずか8nしかない。実に空疎な判決文だ。
判決文は階級意思をむき出しにし、原告側の不当労働行為の主張をほぼ無視、多くの重要な論点についてあえて触れない卑劣な論法を駆使した。会社が否定し続けてきた偽装請負については認定したが、それは派遣法のもとでやればよいとして、違法行為を容認した。さらに、高橋さんが7年夜勤専属で健康を害したことについて、2人の医師の証人申請を却下しておきながら「証拠不十分」とした。破廉恥極まりない。
判決は、戦後労働裁判の地平を転覆し、派遣労働者の団結権も生存権も司法の名において否定し、「工場法以前」の状態をつくり出す文字通りの新自由主義判決である。しかし追いつめられているのは敵の側だ。怒りを爆発させ、国鉄決戦と一体でジェコー闘争を闘いぬこう。
(小川徹)
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週刊『前進』(2567号3面2)(2013/01/14 )
郵政職場で元旦ビラ
各地で現場労働者と交流
「明けましておめでとうございます」「元旦からご苦労様です」。1月1日早朝、バイクや自転車、徒歩で出勤してくる郵政労働者に次々とビラが手渡された。全国労組交流センターの仲間は今年も北海道から沖縄まで、全国の主要郵政職場への元旦ビラ配布行動を闘いぬいた。(写真)
昨年の全国の郵政職場での闘いに危機感を燃やした郵政資本は、全国労組交流センター全逓労働者部会や郵政非正規ユニオンのビラを恐れて回収しようとし、また郵政労働者を威圧してビラの受け取りを妨害しようとしたが、徒労に終わった。
労働者は「ご苦労様」とビラをしっかりと受け取って局舎に入っていく。ビラ配りは郵政の労働者への激励になっている。各地で労組交流センターの仲間との交流も実現された。
A局では労働者が仲間とビラを回し読みして、「書いてあるとおりだ。話がしたい」と電話してきた。B局では定年・再雇用で働いている労働者と「非正規の青年労働者の給料が安いのはひどい」と話になった。
郵政民営化の破綻が全国の郵政職場を覆っている。どこの職場も要員不足が限界を超えている。郵便が1日おきにしか配達されない地区があるのは当たり前になっている。集配労働者の交通事故が頻発し死亡者まで出ている。「明日は自分かもしれない」というのが多くの集配労働者の実感である。郵政労働者の怒りの噴出は不可避だ。
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週刊『前進』(2567号3面3)(2013/01/14 )
解雇撤回・組織拡大へ
東京西部ユニオン鈴コン分会
仕事始め直撃し社前闘争
1月7日、不当解雇撤回闘争を闘う東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会が、板橋区にある鈴木コンクリート工業の仕事始めを新年恒例の社前闘争で迎え撃ちました。寒さの厳しい朝でしたが、鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議代表の花輪不二男さんも参加して、地域のユニオン3労組の闘いになりました。
この日、午前8時開始が慣例の社前闘争を恐れて、会社は新年朝礼を7時50分からそそくさとやったそうです。
私が鈴コン社前闘争に参加するのは久しぶりでした。当該組合員の話は聞いていましたが、現場労働者の反応は3人の解雇直後とはまったく変化しており、鈴コン分会の粘り強い闘いがいかに現場に大きな影響を与えているかということを実感できました。
幾人もの生コンミキサーの運転労働者が私たちに手を振って現場に向けて出発していきます。会社はいつものようにビデオ撮影を行いましたが、ただ門扉の上にカメラを置いておくだけという体たらくで、こうした点からも職場の中と外との力関係が大きく変化していることがよくわかります。
昨年12月1日の解雇1周年集会を経て、鈴コン闘争支援陣形が大きく広がっています。そうであるからこそ、さらに闘いは激しく継続していきます。
昨年から始まっている解雇撤回の本訴、2月攻防となる賃金仮払いの継続、組織強化・拡大を闘いとる課題など、鈴コン闘争も2013年が正念場です。
(東京西部ユニオン・北島邦彦)
(写真 社前で力強くシュプレヒコール【1月7日】)
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週刊『前進』(2567号3面4)(2013/01/14 )
羽越線事故7カ年弾劾 4月外注化阻止へ
新潟支社前行動と集会
12月24日、JR羽越線事故弾劾闘争が50人の参加で打ち抜かれた。羽越線事故とは05年12月25日に羽越本線の北余目(きたあまるめ)駅―砂越(さごし)駅間で起きた列車脱線事故で、5人の乗客が殺された。同事故から7年を期して、共に闘う国労の会、動労千葉を支援する会・新潟が行動を呼びかけた。
まず新潟駅前でビラを配り、JR新潟支社前で「羽越線事故弾劾! 事故を風や雪のせいにするな! 外注化・偽装請負をやめろ! グリーンスタッフの雇い止めをやめろ! 1047名解雇を撤回しろ」とシュプレヒコールをたたきつけ、JRの青年労働者の注目の中で駅周辺をデモした。
その後、「犠牲者5人の羽越線事故から7年JRの安全を問う12・24集会」を開催した。
JR関連労働者が司会を務め、主催者を代表して国労新潟県支部の星野文男執行委員が「昨年2月の大根原踏切事故(飯山線、新潟県中魚沼郡津南町)で2人のJR労働者が懲戒解雇されて禁固刑を受けた。またしても責任をとらないJRの経営陣は許せない。2月ライフサイクル、4月外注化を阻止しよう」とあいさつした。1・19伯備線事故弾劾集会への結集を呼びかける動労西日本の山田和広副委員長のメッセージが紹介された。
動労総連合強制出向差し止め訴訟主任代理人の石田亮弁護士が講演した。石田弁護士はJRの検修外注化が偽装請負であることを暴き、「村上ファンドの村上世彰は『アウトソーシングの時代』の中で、人を『負の遺産』と呼び切り捨てを主張した」と語り、外注化は賃金と労働条件の切り下げ・転籍が狙いであることを明らかにした。
国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは「羽越線事故で亡くなった遺族に対してJRは謝罪すらしていない」と弾劾し、国労郡山工場支部の橋本光一さんは「外注化阻止で職場の団結をつくり出してきた」と生き生きと報告した。全金本山労組の長谷武志副委員長は「12・16衆院選は労働者が新たな党を求めていることを示した。われわれにとってチャンスだ」と述べた。
新潟市再任用解雇撤回裁判を闘う斎藤実さん、パワハラと闘う非正規職の青年労働者が決意を語った。郵政労働者はJP職場でバイク事故が多発していることを報告し、「青年が職場から闘おう」と呼びかけた。動労千葉を支援する会・新潟の坂場信雄代表の団結ガンバローで締めくくった。
(新潟・増田)
(写真左 JR新潟駅前で「事故を風や雪のせいにするな!」などとシュプレヒコール【12月24日】)
(写真右 「羽越線事故から7年/JRの安全を問う12・24集会」を開催)
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週刊『前進』(2567号3面5)(2013/01/14 )
東北石けん労組地労委結審 団結を守り抜けば勝てる
解雇撤回へ1日行動
12月14日、東北石けん不当解雇撤回を求める地労委闘争の結審を迎え、勝利命令をたぐり寄せるための1日行動を打ち抜きました。
早朝、名取市の畑惣商店名取工場の門前に東北各地から35人の仲間が集まり、就労要求行動を行いました。肌寒い気温は4年前のストライキを思い出します。”資本と労働者は非和解だ。絶対に解雇を撤回させて労働者の反乱を広げてやる”と誓った原点を振り返りながら、みなで「ただちに解雇を撤回し組合員を就労させろ!」と叫び、職場に戻る決意を会社に鮮明に突き付けました。
続いて、仙台市の宮城県労働委員会の審問には傍聴席数を超える50人が参加。当該が4年間の闘いの一切をかけてつくり上げた渾身(こんしん)の最後意見陳述書は、資本の組合差別の不当労働行為を徹底的に暴き、傍聴席の全員が「ナンセンス! ふざけるな!」と怒りをたたきつけ、公益委員や資本を圧倒しました。最後意見陳述の内容すべてに参加者全員が勝利を確信しました。
夕方からは「東北石けん闘争勝利! 12・14総決起集会」を、4年間の東北石けん闘争のすべてを総括し、勝利へ向けて一丸となって闘う決意を込めて開催しました。
基調では東北石けん労組の小原豊書記長が組合結成以降の格闘をとおしてつかんだ確信を提起しました(写真右)。「解雇前年の07年に労働組合をつくったが、社長の『それなら廃業する』という脅しにいったん屈してしまった。しかし新工場への移転に際して『ここで屈したら労働者としても人間としても終わってしまう』という思いで闘ってきた。闘いの中で資本の悪逆さを知り、労働者と資本は非和解であることをつかみ、仲間との団結にかけて闘いぬいてきた。東北石けん闘争は、労働組合は『解雇撤回・職場復帰』の原則を貫いて団結を守り抜いて資本と闘えることを立証してきた」と、確信を込めて提起しました。
集会に駆けつけた東京西部ユニオン鈴コン分会の仲間、ふくしま合同労組、国労秋田闘争団・小玉忠憲さん、そして地元の労組が連帯のあいさつを行いました。
クライマックスは当該労働者3人の決意表明です。以前は「労働組合は面倒くさそうだな」と思っていたという青年労働者が、「解雇攻撃の中で仲間と団結し、資本への怒りを爆発させて闘ってきた」と語りました。
4年間の闘いは、地元と全国に闘う団結を強化・拡大すると同時に、何よりも被災地で解雇絶対反対を貫くみやぎ連帯ユニオンの組織拡大をかちとってきました。この地平に誇りを持って、絶対に勝利をもぎり取りましょう!
(みやぎ連帯ユニオン・H)
(写真 東北石けん労組が「解雇を撤回し組合員を就労させろ」と声を上げた【12月14日 名取市】)
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週刊『前進』(2567号3面6)(2013/01/14 )
原職復帰かちとったぞ
3年間の仕事外し打ち破ってハンドルを取り戻しました!
ちば合同労組 綿貫 透
霊きゅう車の運転手に復帰 50万賠償金も
昨年10月1日、私は3年間にも及ぶ仕事外し=解雇攻撃、労働組合運動弾圧を粉砕して、ついに原職の霊きゅう車の運転手に復帰する大勝利をかちとりました!
この大勝利に続いて12月14日、「停職処分の無効確認」と「仕事外しで受けた損害への賠償」を請求した訴訟の判決で、千葉地裁松戸支部は「3年近くの仕事外しは管理職の不法行為」と認定し、柏市当局に対して50万円の賠償金を支払うことを命じたのです。これに対して柏市当局は控訴できず、完全に敗北を認めました。
2009年、東葛中部地区総合開発事務組合(=柏市役所)は、自治体業務の全面民営化・非正規職化を強行するために、民営化絶対反対で闘う私から霊きゅう車運転のハンドルを奪い、雑用も含めた一切の仕事をさせない攻撃に踏み出しました。管理者は「綿貫が労働運動を二度としないと約束しないと運転させない」と公言し、これに私が屈服しないと、今度はビラまきや門前闘争を口実にして1カ月の停職処分を強行してきたのです。
これは民営化・非正規職化に反対する私に処分を加え続けて解雇するか、仕事外しで自主退職に追い込むことを狙った、民営化のための首切り攻撃です。
公務員360万人首切り攻撃、公務員職場における民営化・外注化・非正規職化攻撃との最先端の攻防です。私は、自分だけでなく全労働者の階級的利害をもかけて、3年間の仕事外しと全力で闘いぬき、原職復帰という大勝利をかちとったのです!
連日7時間45分、目の前の壁を見続けて
この3年間は、非人間的な仕事外しと対峙しぬいた日々でした。職場に行って毎日行うことは、勤務時間の7時間45分間、目の前の壁を見続けることでした。電話に出ることも、職場の仲間に話しかけることも、雑用をやることも、本を読むことも禁止されました。管理者は「何もしないという業務を行うことが業務」と言ったこともあります。私の存在を周りから見えなくするために、私の目の前に隔離用のホワイトボードまで置かれ、職場で回す回覧物を見ることからも除外されたのです。
管理者は毎日、私の動向を記した「管理職ノート」を作成していました。管理者は、私が勤務時間外で駅頭ビラまきをしたことを柏警察署に通報したり、動労千葉物販を申し込んだ同僚に対して申し込みを取り消すように迫りました。さらに管理者は「綿貫さんは労働運動に取りつかれている」とまで言い放ったのです。管理者は、私あての郵便物を盗み、組合関係の郵便物が来ないように、私に無断で転居届を提出することまでやりました。書ききれないほどの不当労働行為とパワハラの繰り返しでした。
3年間の仕事外しは、労働者にとって屈辱的で精神的負担の大きい攻撃です。本来業務の霊きゅう車の運転をさせずに、その分の仕事を同僚にやらせて過重な負担を与え、それでも回らない時は民間の霊きゅう車を税金で発注して、なし崩し的に霊きゅう車運転の民間委託を強行したのです。
私がちば合同労組に加盟し、団体交渉で「仕事外しをやめろ」と要求すると、管理者は印刷物の訂正用シール張りや廃棄書類のシュレッダーかけを気まぐれ的に命じ、「仕事を与えた」などと言ってきました。
こういう中では、自分が勝っているのか負けているのかもわからないし、周りの会話が全部悪口に聞こえてくることもありました。周りの仲間と話し合いを持とうにも拒絶されます。当局は私がこうした現実に屈服し、自主退職していくことを狙っていたのです。
しかし私は韓国・民主労総の「99回負けても100回目に勝つ」という労働歌を口ずさみ、「三里塚の一坪共有地のように、今に自分の机を焦点にさせるぞ」と自分を奮い立たせて、出勤することを闘いとして踏ん張りました。
地域の仲間と「ビラまき停職処分を許さない会」「動労千葉を支援する会・東葛」を結成し、訴訟の傍聴や市役所などへのビラ配布を行い、さまざまな職場に訪問し続け、主要な組合行事には必ずビラまきを行いました。そこで多くの労働者が声をかけてくれ、仕事外しに怒ってくれました。街頭宣伝をやれば、団結署名が多くの労働者から寄せられました。「公務員バッシングは打ち破れる」と確信したし、「自分は間違っていない」と確信し、ものすごい力になりました。
「原職復帰させる予定はない」と公言する当局に対して、当局の不当労働行為を弾劾していくことに加え、職場の仲間との分断をのりこえて職場に団結をつくるにはどうしたらいいかをめぐって、合同労組でくりかえし議論しました。
みんなと団結したいことを自分の方から訴えること、職場のあらゆる人にあいさつをきちんとすることから始め、労働者と徹底的に結びつくこと、そして労働者としてきっちり仕事はやっていくことなどを議論しました。
本来の霊きゅう車運転でない「雑務」であっても、きっちり仕事をやるようにしました。機会あるごとに、職場の仲間に「一緒に仕事がしたい」と訴え続けました。そうしているうちに、仲間の見る目も変わってきました。
職場では、私の仕事外しが始まったころとは比べものにならないほど人員が削減され、労働強化が進んでいました。私に仕事を与えないことが矛盾となっていったのです。
仕事外しに屈せず、生き生きと職場に登場する私に対して、追い詰められた管理職は「誰が綿貫を支えているのか」などと犯人探しまで始めて、職場の仲間にも「あなたは裏では綿貫とつながっているのだろう」と攻撃するという事態となりました。こうした事態が職場の仲間の怒りをかきたて、職場の矛盾を拡大し、当局との力関係を変えていきました。そして動労千葉を支援する会の拡大もかちとりました。
絶対反対貫く動労千葉労働運動を実践し
こうした中で、ついに昨年10月1日、霊きゅう車運転という原職への復帰をかちとりました。3年ぶりの霊きゅう車運転に対し、周りの仲間が丁寧に仕事を教えてくれたり、多くの人が復帰を喜んで声をかけてくれます。このことだけでも正義性は明白だし、「闘ってきてよかった!」と心から実感しています。
人員削減や完全民営化の話が出てくる中で、実は周りの労働者も同じ攻撃を受けていて、闘っていたのだと思います。時には反動的な態度や「無関心」を装っていたとしても、現場労働者とは絶対に結びつけるということを闘いの中で気づかされました。
最初から展望が見えなくても、資本や当局と絶対反対で闘えば、当局に打撃を与え、必ず勝利できることを闘いの中でつかみました。これこそが動労千葉労働運動の実践だと思います。
霊きゅう車の運転を始めてから18年目の初春を原職復帰で迎えていることの勝利性は今も日に日に実感しています。
2013年はいよいよ民営化・非正規職化との激突の年です。職場から闘う労働運動をつくり出すために全力で闘いぬきます!
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週刊『前進』(2567号4面1)(2013/01/14 )
党と労働組合の一体的建設を
地方委員会から2013年の決意(上)
外注化阻止決戦に決起し勝利の路線で橋下を倒す
革共同関西地方委員会
今年2013年はまさにプロレタリア世界革命をわが手にすべき決定的瞬間を迎えています。
米帝オバマをはじめ全世界の帝国主義者・資本家どもとその手先が青息吐息で年を越さざるをえなかった。逆にわれわれ労働者階級は、資本家どもの残虐で卑劣きわまりない攻撃に怒りを燃やし、世界のあらゆる地で団結を強めながら闘いぬいている。勝利はわれわれ労働者階級のものだ。
安倍極反動政権を1−3月にも打倒しよう。絶対に打倒できる。安倍は就任以来、改憲・日米同盟・賃金破壊・非正規職化の新自由主義攻撃を矢継ぎ早に打ち出している。しかし、労働者階級は安倍を絶対に許しはしない。安倍の凶暴さは日本資本主義の強大さを示しているのではない。完全に崖っぷちにたたき込まれた全世界の帝国主義同様、いやそれ以上に危機にのたうちまわっている。安倍は野田以上に絶望的な末路をその最初から味わうことになる。いや、必ずそうしてやる。
その核心こそ、昨年来のJR外注化阻止決戦の地平だ。動労千葉・動労水戸を先頭としたJR外注化阻止決戦は、われわれ労働者階級の勝利の道筋を明々と指し示した。最末期帝国主義の最悪の延命形態である新自由主義、その核心的攻撃である外注化・非正規職化・労組破壊攻撃と闘いぬいて勝利する路線と運動を登場させた。
国鉄分割・民営化攻撃との闘いをとおして、戦後の体制内指導勢力、ありとあらゆる党派が瓦解(がかい)した。革共同のみが生き残り、今、革命勝利の時代に労働者階級の最先頭で闘っていると誇りをもって宣言することができる。労働者階級を主語にして言えば、戦後の長き屈従の時代から、ついに本物の解放の武器と時代を手にすることに勝利しようとしている。われわれ革共同は、真に労働者階級の党として死力を尽くして決戦の先頭に立つ。労働組合をめぐる攻防に断固勝利する。
昨年、関西地方委員会は、国鉄闘争全国運動を全力で担いながら外注化阻止・非正規職撤廃でJRに闘う労働組合を登場させるために全力で闘いぬいた。外注化・非正規職化攻撃のもとで青年労働者を「地獄のスパイラル」とも言える出向―転籍・非正規化の渦の中にたたきこみ、団結をバラバラにし、いじめ抜いて病気に追い込み、果ては自死に至らしめる。そうしたJRの現場からついに青年の怒りが支配を打ち破ってあふれ出たのだ。「たたかう労働組合」の存在が青年労働者の希望だ。
また、国鉄闘争の発展として橋下打倒に総決起してきた1年でもあった。橋下は新自由主義の最悪の先兵として、外注化・非正規職化・労組解体攻撃に突入してきた。しかし一見凶暴に見える攻撃も労働者が絶対反対で団結を崩さなければ必ず勝利できることをつかみとった過程でもあった。この闘いの中で、八尾北・西郡決戦を階級闘争の最前線の闘いとして押し上げ、八尾北・西郡決戦の路線的確立と前進をとおして大阪市をめぐる大決戦を切り開いた。橋下反革命との闘いを2013年決戦でプロレタリア革命の巨大な爆発へと転化しよう。
さらに、特筆すべきは、3月、6月と連続して襲いかかった国家権力による弾圧に対して総力で決起し、粉砕したことである。核心は、弾圧を外注化阻止決戦―階級的労働運動解体としてとらえ労働者階級自身の生存をかけた決起として闘いぬいたことだ。国家権力の弾圧は新自由主義の切っ先そのものだ。団結を崩されなければ絶対に勝利できる。
星野同志の闘いは労働者階級の希望だ。全証拠開示大運動で星野同志を必ず奪還しよう。
2013年決戦勝利の核心は、プロレタリア革命に勝利する党の建設にある。『前進』新年号で提起された「党と労働組合の一体的建設」こそ、ついにつかんだ地平だ。この力でプロレタリア革命に勝利する階級的労働運動を圧倒的に登場させよう。青年労働者・学生は革命の旗頭として最前線に進出しよう。JR外注化阻止決戦勝利、全原発を廃炉へ、星野全証拠開示大運動の爆発を先頭に3・11フクシマ、3・24三里塚の大爆発をかちとろう。関西地方委員会は全党の最先頭で闘いぬく。
動労西日本を団結の砦とし動労千葉派の拠点の建設へ
革共同中四国地方委員会
大恐慌・大不況と3・11情勢は階級対立をどこまでも激化させ、ついに戦後議会支配も連合支配も崩壊させた。そして安倍超反動政権が、丸裸にされたブルジョア独裁として階級決戦の戦場に引き据えられた。安倍超反動政権は、大恐慌と大争闘戦の激しい波にのまれながら新自由主義攻撃の絶望的推進に向かう以外にない。外注化・非正規職化、インフレと増税、大失業、福島圧殺と原発再稼働、安保・沖縄、改憲・戦争――その全面で階級間激突の火花が散り、数十万、百万規模の怒りの大衆的実力行動が爆発し、プロレタリア革命情勢が全速力で成熟していくことは不可避だ。
今この時、プロレタリア革命を引き寄せる鎖の「決定的環」こそ、国鉄決戦を軸とする外注化阻止・非正規職撤廃の闘いである。この環をわれわれは動労千葉を先頭とする昨年の10・1外注化阻止決戦の死闘的貫徹を通して、しっかりとつかんだ。われわれは、全党・全階級の総力を結集し、外注化阻止決戦の「第2ラウンド」を階級的労働運動の再生か絶滅かをかけた階級決戦として闘いぬく。
労働から人間的共同性を最後の一片まではぎ取り、労働者をすりつぶし、社会が社会として成り立つ土台を掘り崩すことによってしか延命できなくなった資本主義。この資本の支配を打ち砕く階級的労働運動、階級的労働組合は今こそ必要であり、今こそ可能だ。革共同は、動労千葉とともに労働組合の復権=労働運動の階級的再生に一切をかける。マルクス主義と革命的共産主義運動のすべてがここにある。
外注化阻止決戦の第2ラウンドの闘いを組織拡大に、労働組合における拠点建設に結実させなければならない。危機と孤立を深めるブルジョアジーを包囲する無数の階級的労働組合の拠点を築き上げるのだ。これこそプロレタリア革命の本格的準備そのものだ。何よりも10・1外注化阻止決戦に勝利した根源的力であり、今や世界プロレタリアートの階級的拠点ともなっている「動労千葉の団結」そのものの強化・拡大をかちとることだ。全国のすべての産別・地域で、動労千葉と一体化し、自らの職場で国鉄決戦=外注化阻止・非正規職撤廃の闘いに立とう。
中四国各地の全産別・職場で外注化阻止・非正規職撤廃の闘い、解雇撤回の闘いが展開され、組合内に動労千葉を支援する会、国鉄闘争全国運動をつくり出す闘い、動労千葉派の拠点建設の闘いが始まっている。中でも昨年組織拡大をかちとった動労西日本をJR青年労働者の団結の砦(とりで)とし、青年労働者を獲得する「分離独立の闘い」を西日本で貫く。動労千葉とともに偽装請負粉砕に決起した国労共闘米子の闘いもこの闘いとひとつだ。
原発再稼働阻止の最大の焦点は愛媛の伊方原発だ。動労千葉と団結し、動労水戸とともに被曝労働絶対反対を貫く愛媛県職の闘いを軸に、「NAZEN愛媛」が結成されようとしている。ヒロシマは福島の怒りとさらにさらに一体化し、8・6を反核反原発の世界大会としてかちとる。御用学者追放・新自由主義大学粉砕を貫く学生自治会を広島大学に建設する闘いに挑戦する。ふくしま共同診療所建設運動の決定的推進力となった高陽第一診療所を、被曝から命と健康を守る「西の拠点」としてさらに発展させよう。
歴史的な徳島刑務所包囲闘争から1年、星野同志奪還への前進をプロレタリア革命への前進そのものとしてかちとってきた。全証拠開示の大運動を階級的労働組合再生の闘いと一体で推進しよう。
一切の闘いの土台は、党と労働組合の一体的建設にある。機関紙こそ党と労働組合を結びつける環だ。6千万労働者階級、2千万青年労働者と結びつく「集団的組織者」としての機関紙への一大変革を中央と細胞の一体的努力で成し遂げよう。
中四国地方委員会は、マル青労同・マル学同を党と革命の未来を決する階級の指導部集団として圧倒的に建設し、プロレタリア革命への全国的・世界的な階級形成の決定的一翼を担いぬく。
新自由主義と対決する沖縄闘争で安倍の攻撃迎え撃つ
革共同沖縄県委員会
2012年、「復帰」40年の沖縄闘争は、世界大恐慌と3・11情勢下において、新自由主義との本格的対決を開始した第1年として歴史的な勝利を実現した。それは「4・9政治和解」と対決して、徹底的に国鉄決戦を闘いぬく中でつかみ取った時代認識と路線の勝利であり、同時にどこまでもオキナワがフクシマとともに闘いぬくという実践的立場から切り開いた地平だ。
沖縄闘争=安保・沖縄闘争は2012年の反原発の20万人決起と一体の闘いだ。この闘いの渦中でわが沖縄県委員会は、結成以来の40年余の激闘と72年のペテン的「返還」体制=5・15体制を、新自由主義攻撃との全面的対決の歴史としてとらえ返した。さらに新自由主義攻撃の先兵=カクマルとの闘いの勝利を確認した。
〈新自由主義と対決する沖縄闘争>――この路線的到達地平は、70年安保・沖縄決戦をのりこえるプロレタリア世界革命の勝利に向けた新たな挑戦である。
2013年の沖縄闘争=安保・沖縄闘争は、米帝の新軍事戦略と日帝の動的防衛協力=対中国侵略戦争との闘いになる。日帝・安倍政権は、日米同盟の強化を前面に押し出し、集団的自衛権の行使や国防軍創設を絶叫している。改憲攻撃が具体的に開始されている。そして安倍は首相就任前に辺野古への新基地建設を公言した。しかしこれらすべての攻撃は、没落米帝と脱落日帝の新自由主義攻撃の危機と破綻の現れだ。沖縄県委員会と沖縄の労働者階級は、この安倍の「宣戦布告」を迎え撃ち必ず勝利する。
2013年の沖縄闘争の第一の課題は、国鉄労働者とともに国鉄決戦に総決起することである。10・1JR外注化阻止決戦で戦後労働運動をのりこえる階級的労働運動の歴史的挑戦が開始された。平成採の青年労働者との団結をつくり出す闘いに沖縄県委員会も総決起しよう。国鉄闘争全国運動・沖縄を発展させ国鉄決戦の勝利で沖縄闘争の勝利を切り開こう。
第二の課題は、「外注化阻止・非正規職撤廃」の闘いをすべての職場で巻き起こし、沖縄に階級的な拠点労組を建設することである。基地労働者を先頭に、NTTで、自治体で、教労で、そして何よりも青年労働者の非正規職撤廃の闘いをさらに発展させよう。動労千葉物販を武器に、新自由主義と闘う労働組合を沖縄の階級闘争の最前線に登場させよう。
第三の課題は、オスプレイ配備撤回・普天間基地撤去、辺野古新基地建設阻止へ、職場・学園から青年労働者と学生の決起をつくり出していくことだ。辺野古は今年、歴史的決戦を迎える。オスプレイ配備への10万決起の怒りがさらに深く大きく発展していくことは必至である。
すべてを新自由主義との闘いとして一体のものとして闘うことが勝利の道だ。職場の怒りを解き放ち労働者の団結を打ち固め拡大していこう。これがオスプレイ配備を撤回させ、普天間基地の返還を実現し、辺野古への新基地建設を阻止する具体的な闘いだ。基地労働者を先頭とした全沖縄の労働者階級の職場生産点での新自由主義と闘う団結をよみがえらせ、沖縄米軍基地撤去=日米安保粉砕まで闘いぬこう。
第四の課題として、星野同志の奪還に総決起していこう。沖縄県委員会は全証拠開示の大運動を全力で闘い、「星野文昭さんは無実だ」を140万県民の声にする。
そしてこれらの闘いの渦中で強大な沖縄県委員会建設に勝利しよう。この間実践的につかみ取ってきた〈中央委員会−細胞建設論>と地区党建設論でどこまでも闘いぬこう。この地区党=沖縄県委員会を「時代認識と路線」で一致した労働者階級人民の最高の団結形態として建設することが勝利の道である。この団結を生み出す武器である『前進』を140万県民に大胆に持ち込んでいこう。
新自由主義を根底から打ち破る力は、青年労働者と学生の存在と闘いの中にある。青年労働者と学生はマル青労同・マル学同に結集し、沖縄の労働運動・階級闘争の先頭に立とう!
国鉄・反原発・星野を闘い労働者階級の党建設する
革共同九州地方委員会
九州地方委員会は、昨年、全国の国鉄闘争の最先頭で決起するとともに、福島現地と固く連帯して反原発闘争の高揚を推進し、運動の組織的な前進を闘いとってきた。
2013年の年頭に当たり、九州地方委員会は国鉄闘争を基軸に反原発の闘いをより一層推し進めるとともに、さらに星野文昭同志奪還闘争に全力で決起する決意を明らかにする。
「外注化阻止・非正規職撤廃」の昨年1年間の闘いが切り開いた地平は、日本の労働者階級の階級的な怒りと団結を促し、ブルジョア支配の極限的な危機を体現した反動安倍政権を打倒する壮大な労働者階級の決起を生み出そうとしている。新自由主義の中で膨大に生み出された非正規雇用の怒りが全社会を覆っている。昨年の11・4集会に示されたように、「外注化阻止・非正規職撤廃」のスローガンは、今や革命のスローガンであり、全世界の労働者階級の闘いと団結の共通のスローガンである。
欧州恐慌―EU危機、米経済の破局、中国バブルの崩壊……。2013年は大恐慌の本格的な爆発の年になろうとしている。この末期的な帝国主義、現代世界の崩壊という情勢を真っ向から迎え撃ち、“労働者がこの全社会を獲得する”立場と運動をわれわれはしっかりと手にしているのである。
九州地方委員会は、1047名当該を先頭に国鉄闘争が切り開いたこの歴史的な壮大な地平を喜びをもってしっかりと受け止めるとともに、全産別・全職場で「外注化阻止・非正規職撤廃」の第2ラウンドの闘いを推し進め、動労千葉派の労組拠点建設に全力で取り組んでいく。ますます国鉄全国運動の最先頭に立ち、この「外注化阻止・非正規職撤廃」の闘いを一層全力で闘いぬく決意である。
そして2013年、福島原発事故2周年を迎える中で、昨年巨大な組織的前進をかちとった福岡と長崎での反原発闘争を、労働者階級の階級的な闘いとしてさらに大胆に推し進めていく。福岡でのNAZEN福岡の結成、そして長崎でのNAZENナガサキの結成は、九州での反原発闘争の爆発的な運動的組織的前進を生み出した。それは福島現地と固く結びついた大衆運動として大きく発展し、ふくしま共同診療所建設を最先頭で進めるとともに、北九州でのがれき反対闘争の継続的な高揚をかちとっている。福島からの避難者の闘いとも結びつき、玄海原発、川内原発の再稼働を阻止し廃炉に向けた新たな闘いが九州で始まっている。NAZENナガサキは、被爆者の闘いとしても発展し、フクシマとナガサキの被爆地の怒りが結びついた新たな闘いが力強く開始されている。
この反原発闘争の歴史的な高揚、組織的な前進を踏まえ、九州地方委員会は今年の「3・11」を巨大な決戦として構え、その爆発に全力を挙げる。国鉄決戦と一体で推進し、8・9長崎闘争を、歴史的な大集会として実現する。
「党と労働組合の一体的な建設」の課題に、九州地方委員会は真っ向から挑戦する。今何よりも求められているのは党を「労働者階級の党」として真に建設することであり、これはそれと一体の課題である。この闘いを最大の課題としてはっきりさせ、総力を注いで闘いぬく。
星野闘争は国家権力との闘いであるとともに、党建設上からもきわめて重要な闘いである。71年11・14渋谷暴動は革共同の誇るべき闘いであり、それを最先頭で担ったのは労働者であり、労働者階級の歴史的な決起だった。その報復弾圧を受けたのが星野文昭同志なのである。したがって「党と労働組合の一体的な建設」という立場からも、星野闘争は決定的であり、2013年を星野同志奪還の年としなければならない。その先頭に九州地方委員会は立つ。
歴史は音を立てて、新たな時代の到来を告げ知らせている。新自由主義は、帝国主義の断末魔の悲鳴である。求められているのは「組織! 組織! 組織!」である。何よりも青年労働者の組織化が鍵である。来るべき蜂起のために、九州地方委員会は青年を獲得し、「労働者階級の党」の建設をかけて、必死で闘いぬく。
(写真 昨年の8・6ヒロシマ大行動――原爆ドーム前から出発した野田首相弾劾デモ)
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週刊『前進』(2567号4面2)(2013/01/14 )
12月18日〜31日
経団連が定昇解体方針/オスプレイ、6割超が違反飛行
●辺野古アセス補正提出 沖縄防衛局は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価(アセスメント)の補正した評価書を県に提出した。県には提出直前に連絡するだけの「不意打ち」だった。(18日)
●もんじゅ点検漏れで居直り 日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の機器に約9700件の点検漏れがあった問題で、鈴木篤之機構理事長が「ミスはやむを得ない」と発言したことが原子力規制委員会の会合で報告された。(19日)
●経団連、定昇見直し言及 経団連が春闘に向けての経営側の指針を示す「経営労働政策委員会(経労委)報告」の最終案が明らかになった。「定期昇給(定昇)制度の見直しを聖域にすべきではない」とし、賃下げの可能性に言及した。(20日)
●米兵8人が東電を提訴 福島第一原発事故後の「トモダチ作戦」で米海軍艦の乗員8人が、東京電力の虚偽の説明で被曝し、直腸からの出血や甲状腺異常など健康を害したとして、損害賠償を求める訴えを米カリフォルニア南部地区連邦地裁に起こした。(21日)
●グアム移転費が米上院通過 米上院本会議は、総額6330億j(約53兆3千億円)の2013会計年度(12年10月〜13年9月)国防権限法案を可決した。下院は20日に可決しており、オバマ大統領が署名すれば成立する運び。尖閣諸島(釣魚台)は日米安全保障条約第5条の適用対象と明記する条文も盛り込まれている。(21日)
●普天間、辺野古に 自民党の安倍晋三総裁は、米軍普天間飛行場の移設問題に関し「名護市辺野古に移設する方向で地元の理解を得るため努力したい」と述べ、日米合意に沿った県内移設を目指す考えを示した。(21日)
●オスプレイ、違反飛行6割超 沖縄県基地対策課は、オスプレイの飛行実態を、県と市町村が10月1日〜11月30日に目視調査した結果を公表。確認された517件のうち318件(61・5%)が運用ルールを定めた日米合同委員会合意違反とされ、合意違反の常態化が裏付けられた。(25日)
●東通原発「敷地に活断層」結論 東北電力東通原発(青森県東通村)の敷地内に活断層がある可能性が高いとの判断を示した原子力規制委員会の専門家チームが東北電力の反論を聴いたが、判断は変わらなかった。(26日)
●辺野古への移設、早期に手続き 菅義偉官房長官は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、地元の理解を得た上で早期に手続きを進めたいとの認識を示した。(27日)
●防衛省、自衛隊へのオスプレイ導入を検討 防衛省はオスプレイの自衛隊への導入を検討するため、2013年度予算案に調査費を計上する方針を固めた。(30日)
●中国船2隻が尖閣周辺に 尖閣諸島(釣魚台)周辺に中国の海洋監視船2隻が相次いで入った。政府が9月に尖閣諸島の国有化宣言をしてから20回目。政府は首相官邸の情報連絡室を官邸対策室に格上げした。(31日)
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週刊『前進』(2567号5面1)(2013/01/14 )
「無期停学」処分許すな
武田君処分撤回闘争の爆発を
安倍政権打倒!-3・11福島へ
マル学同中核派・法政大学支部
激動の2013年が始まった! 法大生と全国学生は「3・11」2周年の福島現地闘争に総決起しよう! 昨年の京都大と東北大での革命的自治会執行部樹立の勝利に続き、新自由主義大学への反乱を巻き起こそう! 何よりマル学同中核派・法大支部は、法大闘争7年の全地平をかけて、文化連盟新委員長・武田雄飛丸君への「無期停学」処分撤回闘争を爆発させる。
安倍再登場は労学の怒りに火をつける
2013年は、極右・安倍政権との大激突だ。安倍政権の登場は、階級闘争の大高揚をかちとる大チャンスだ。そもそも安倍は、06〜07年の階級的労働運動と法大闘争の爆発に直撃され、労働者人民の怒りに圧倒されてボロボロになって政権を放り出した脆弱(ぜいじゃく)な人物だ。安倍の再登場は、膨大な労働者・学生の怒りに火をつける。今こそ福島−沖縄の怒りとともに闘おう。階級的労働運動と学生運動の力で安倍は打ち倒せる!
世界大恐慌の危機にあえぐ帝国主義は、矛盾と犠牲を労働者民衆に押しつけて生きのびようとしている。「大失業と戦争」の激化の中で、全世界で「生きさせろ!」の反乱が爆発している。それはまさに「99%」の団結で「1%」の支配を覆す闘いであり、「命よりカネ」の社会をひっくり返す闘いだ。それは、プロレタリア世界革命の勝利まで止むことはない。
大恐慌と「3・11」、そして安倍政権の登場は、学生の生き方を真っ向から問うている。われわれは全国300万学生に訴えたい。霞が関を埋め尽くす反原発100万人デモの実現、労働者階級の国際的団結を打ち固める11月労働者集会、そして新自由主義大学との対決に勝ちぬく法大闘争の中に学生の未来はある!
処分・弾圧をうち返した法大闘争7年
2013年の法大闘争の最大の課題は、武田雄飛丸君(国際文化学部3年)への「無期停学」処分を3万法大生の総決起で撤回させることだ。その力は、法大生と全国学生があらゆる分断をのりこえ一つに団結する中にある。大学・教育を取り戻す力もここにある。
武田君は昨年10月19日の法大キャンパス1千人集会とそれに対する報復処分について、「大学が学生の声にまったく向き合わない中、『この指とまれ』の呼びかけを待っていた。それを『授業妨害』『迷惑行為』の一言で切り捨て、僕を『無期停学』にするあり方への反撃として、処分撤回闘争を闘います」と語り、「処分撤回の闘いは、学生がなめられずに誇りを取り戻す普遍的な闘いです。『大学で集会やるな』『学生は何も考えるな』というあり方への反乱です」(本紙新年号・座談会)と訴えている。
法大闘争7年は、不当処分との激しい闘いだった。06年の5学生への処分に始まり、これまで実に13人の学生に停学・退学の処分が下されてきた。度重なる処分こそ新自由主義大学=法政の象徴であり、「学生は大学に黙って従え」という凶暴性だ。しかしそれは同時に、処分でしか学生の怒りを抑えられない脆弱性でもある。法大生の不屈の戦闘性は、当局が処分にかけた狙いを根幹でぶち破ってきた。
処分理由としての「迷惑行為」「授業妨害」という言葉にこそ、新自由主義の学生観が表されている。規制に反対する集会・デモは「迷惑」「妨害」でしかないというのだ。とことん学生の主体性を否定し、人間存在をおとしめている。
これに対し法大闘争は、「大学の主人公は学生だ!」という誇りをかけて闘ってきた。「一人の仲間も見捨てない!」というスローガンこそ、法大闘争が生みだした最高の武器であり、生きたマルクス主義だ。新自由主義を全否定し、新たな人間観と生き方を提起している。新自由主義は学生同士の競争をあおり、団結を解体してきた。しかし法大闘争は、当局−資本とのあいまいさのない激突の中から「仲間のために声をあげる」という人間本来の共同性を取り戻し、大学・教育・社会を変える闘いとして発展してきた。「処分」は学生支配の最後の手段であり、処分への怒りをバネに団結を拡大させれば敵の攻撃は無力化する。
処分撤回闘争は新たな闘う主体を次々と獲得し、10・19法大1千人集会はその最高の到達点だった。法大当局と国家権力が「絶対にやらせない」と禁圧してきたキャンパス内決起をついにかちとったのだ。7年間の法大闘争は、いかなる処分や弾圧も、学生の闘いをつぶすことなどできないことを示してきた。
その人格的象徴こそ、斎藤郁真全学連委員長(法学部・退学処分)であり、武田雄飛丸君だ。
大学の腐敗は「3・11」で全社会的に明らかになった。新自由主義のもと、大学は「金もうけの場」へと堕落し、学問や教育はブルジョアジーの好き勝手に利用されてきた。昨年法大で行われた原発御用学者講演会を弾劾したことが武田君への処分理由の一つになっている。「3・11」への反省もなく、今なお学問や教育をかたって「緩やかな殺人」が行われている。福島の現実は、キャンパスの中にこそある。
「フクシマの怒り」に応え、キャンパスから新自由主義大学=原発推進大学を粉砕しよう。原発をなくし社会を変える闘いと、大学を学生の手に取り戻す闘いは一つだ。
法大闘争は、06年3月14日以来の7年間で、延べ119人の逮捕と33人の起訴という未曽有の大弾圧をはね返してきた。資本主義・新自由主義の「常識」である競争や分断に対し、学生の誇りと人間性・階級性をたたきつけてきた。
2013年、法大闘争は「再びの10・19決起」を実現し、実際に処分を撤回させて新段階に突入する。
御用学生団体を打倒し文連の組織拡大へ
法大闘争の蓄積は全国大学に波及し、「3・11と原発事故」という世界史的事態を受け、原子力ムラの中核である原発推進大学と御用学者の存在を徹底弾劾し、京大での同学会再建(昨年6月)と東北大自治会選挙の勝利(同12月)をかちとった。それは、新自由主義=「教育の民営化」=大学改革攻撃との対決だった。われわれは今年、全国のうねりを再び法大キャンパスへと還流させ、処分撤回闘争を通した文化連盟の本格的な組織拡大へと挑戦する。
文化連盟は法大当局による学友会再編(解体)過程の08年4月に非公認化された。各サークルに対する財政的な恫喝も含めた激しい脱退強要攻撃を経て、08年5月に当局肝いりのCSK(サークル支援機構)という御用学生団体がつくられた。それは学生の団結をバラバラに解体し、大学の決定権を学生から奪いとる攻撃であった。
文化連盟は斎藤郁真委員長(当時)のもとに新たな闘う執行部を確立し、非公認化や処分・逮捕の攻撃に屈せず、学生の利害を体現して闘い続けた。一方、CSKや学祭実は「学生団体」とは名ばかりで、すべての意思決定を大学当局が牛耳る構造のもとでとめどなく屈服と腐敗を極めた。
その行き着いた先が、学祭実の超反動化(昨年の文化連盟実力排除と学祭規制・飲酒規制強行)であり、法大生の怒りの爆発だった。CSKや学祭実が法大当局の最悪の先兵であることが誰の目にも明らかになり、それに対する闘いの方針が鮮明になった時、学生は必ず決起する。CSK−学祭実を法大生の手に奪い返すことが、法大学生自治会建設の展望だ。その一切が文化連盟の組織拡大にかかっている。
2013年、第一に、法大生は「3・11」2周年の福島現地闘争に全力で決起する。核と人類は相いれない。福島原発事故は何も解決していない。原発再稼働攻防は、福島圧殺を狙う安倍政権との全面激突だ。福島大の学友と心から連帯し、全学連の大隊列を福島の地に登場させよう!
第二に、2・15法大処分撤回裁判に法大生は大結集しよう。武田君への処分撤回裁判がいよいよ始まる。勝利のカギは、キャンパスでの闘いだ。処分撤回署名を首都圏−全国に拡大しよう! 同時に、外注化阻止・非正規職撤廃へ闘う国鉄労働者と団結し、2・17国鉄集会へ集まろう。
第三に、3・24三里塚闘争に大結集しよう!
「農地死守・実力闘争」を貫く反対同盟との血盟を打ち固め、市東さんの農地強奪を実力で阻止しよう!
われわれは世界革命勝利に向かって三けたの支部建設に挑戦する。法大生−全国学生はマル学同中核派に結集し、学生運動の大爆発を切り開こう!
(写真 法大開講日、闘う法大生と全学連は正門前で不当処分撤回の熱いアピールを行った。写真下は先頭で決意を表す武田雄飛丸君【1月8日 市ケ谷】)
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週刊『前進』(2567号5面2)(2013/01/14 )
“大間原発工事中止を”
1・8東京 電源開発本社に抗議行動
2013年、大間原発の建設工事中止を求める闘いが新たな火ぶたを切った。1月8日、午後4時から東京銀座にある電源開発本社(Jパワー)に対し、昨年10月、11月に続く3回目の申し入れ抗議行動を15人の参加で断固闘い抜いた(主催は8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会)。
前回はガードマンを使って門前払いしたJパワーに、事前に申入書の受け取りを強く要求。これに対し、「申入書を持参した3人だけを社内に入れて応対する」とこそくな条件を出してきた。
統一実行委の三角忠事務局長とNAZENの織田陽介事務局長、東京中部労組交流センターの仲間3人が、新橋アクション、全学連を含め5団体の申入書を持ってビル内に入り、広報室・本田正人課長に対し、大間原発建設工事の即時中止、建設計画の白紙撤回を強力に申し入れた。
外では仲間がマイクで次々とJパワービルに弾劾をたたきつけた。「世界一危険な制御できないフルMOX、巨大な活断層の存在、電力不足の大うそ……、新設など絶対認められない」「大間原発から手を引け!」
「電源開発に対する抗議行動中」という見出しのビラを配った。受け取って「ここがあの大間原発の会社か」とビルを見上げる人、横断幕を掲げて抗議する参加者の列に激励する人など、熱い注目を浴びた。青森県大間近くの出身の女性が、カンパ1万円を寄せた。
申し入れ行動を終えて出てきた代表3人から報告が行われた。炉心建設予定地近くに位置し反対する人が住む「あさこはうす」については「敷地外だから建設工事に支障ない」と居直り、3・11福島原発事故のような事態をくり返すなという突きつけに対しては「哲学的な領域だから分からない」という許しがたい回答だった。
また追及の中で、電源開発は新型転換炉の開発をとおしてプルトニウムを扱ってきたことを告白。日帝の核武装に加担する核軍事会社としての正体が現れてきた。
安倍新政権打倒の闘いと一体で大間原発建設工事を中止させようと、全員で誓いあった。
(w)
(写真 「大間原発建設許さない」とJパワービルに向けてシュプレヒコール【1月8日 銀座】)
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週刊『前進』(2567号5面3)(2013/01/14 )
反原発金曜行動 “安倍やめろ”の叫び
自民党に怒りが噴出
12月21、28日の両日夕方から、首相官邸・国会前は安倍・自民党への怒りに染まった。
28日の行動は、超反動安倍内閣成立に真っ向から怒りがたたき付けられ、「安倍やめろ!」「原発止めろ!」の激しいコールが官邸・国会前にとどろいた。コールの合間には参加者が次々にマイクを握り「再稼働反対!」「自民党はおごるな、図に乗るな!」「安倍を倒せ!」と訴えた。降りしきる冷たい雨が吹き飛んでしまうほどの、安倍と自民党への根底からの怒りの噴出だ。
そもそも60基近くの原発と多くの核施設を造った張本人こそ自民党だ。安倍・自民党が労働者人民の前に引きずり出されたのだ。
首相官邸前では中年の男性が「自民党は、民主党への怒りと小選挙区制で300議席をかすめ取ったにすぎない。それで『自衛隊を国防軍にする』『憲法を改正する』『どんどん原発をつくる』と言っている。そんなことは国民は許さない!」と大演説。「そうだ!」の声が一斉に上がった。若い男性は「僕たちは原発を止めるまでデモを続ける!」ときっぱりと宣言した。
NAZENの仲間たちや「百万人署名運動」ののぼりを掲げた仲間たちもともに怒りの声を上げた。法大生などの全学連の学生は、鈴木研也副委員長を中心に「安倍打倒!」の連呼だ。
官邸前には行動開始時間の午後6時前から多くの人が駆けつけた。埼玉県から参加した女性は「この行動をもっともっと大きくしないといけない。安倍内閣を打ち倒す」と声を高めた。
国会前では郡山市から参加した森園かずえさんが福島の現状を報告し、「来年も皆さんとつながって声をつないでいきたい」と語った。主催団体の首都圏反原発連合の男性は「今日は人数も増えている。地下鉄『国会議事堂前』駅からなかなか外に出られなかった。この抗議行動が全国の人たちの力となり、励みになっている。来年もがんがんやっていきたい」と呼びかけた。
官邸・国会前が全国の灯台に
1週間前の21日は、総選挙での自民「圧勝」のペテンへの怒りが次々に語られ、「原発をなくすまで頑張ろう!」「金曜行動を発展させよう!」の発言が相次いだ。国会前では埼玉県から来た男性が「私は今猛烈に怒っています。原発政策の最大の責任者である自民党が政権に復帰してしまった。奴らは一度も謝罪したこともない。反省したこともない」と怒りをあらわにした。
若い女性は「ここの抗議行動はすごく大事です。ここで皆さんに会えて、勇気や力をもらっています。一緒にやっていきましょう」と訴えた。たんぽぽ舎の男性は福井で頑張っている尼さんの「東京の活動が一番励みになる」との言葉を紹介し、「官邸・国会前の行動が全国で頑張っている人たちの明かり・灯台となっている」と熱く呼びかけた。金曜行動をさらに全力で闘おう!
(写真 2012年最後の金曜日行動。安倍と自民党への怒りが渦巻いた【12月28日 首相官邸前】)
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週刊『前進』(2567号5面4)(2013/01/14 )
“最終処分場にNO”
矢板・高萩市民が都心デモ
12月20日、指定廃棄物(1`グラムあたり8千ベクレルを超える放射能を帯びた廃棄物)の最終処分場候補地の白紙撤回を求める集会が日比谷野外音楽堂で開催され、栃木県矢板市から300人、茨城県高萩市から150人余りの人々がバスを連ねて結集し、東京などの参加者も含め約600人が集まりました。
環境省が栃木、茨城両県にそれぞれ一方的に「最終処分場を造る」と発表したのが昨年9月。同月3日には矢板市塩田地区が、27日には高萩市上君田地区が「候補地」とされました。北関東の北部に位置する両市は、国道461号線が東西に結んでおり、その途中には被曝労働拒否と外注化阻止を闘う動労水戸の大子支部があります。
12月2日に矢板市で8千人、12月15日に高萩市で3千人が結集してそれぞれ総決起集会が行われたのに続き、この日は両市の市民団体が合同して都心での集会・デモに立ちました。会場には「処分場にNO!」「断固拒否」などの真っ赤なノボリが林立。矢板市民はピンク色の「断固拒否」のボード、高萩市民は鮮やかな黄色の「処分場白紙撤回」のボードを持って参加しました。
冒頭の主催者あいさつを行った矢板市民同盟会の小野崎俊行会長は、「本日の集会は、われわれの怒りを全国の人びとに知っていただくためです。(野音の舞台に向かって右手=西方向を指さしながら)あの高い27階建てのビルにわれわれを苦しめている環境省が入っています。『上から目線』そのもの。絶対に許すことはできません(会場から『そうだ!』と拍手)。民主党政権は崩壊しましたが、政権が代わったところでわれわれの決意はまったく変わっていない」と発言。両市民からの発言では、自然を破壊して子どもたちが安心して住めない場所にしようとしていることへの弾劾が相次ぎました。特に矢板の市民は、住民同意も相談もなしに国の一方的な「選定」で各県1カ所の処分場が決まってしまうことへの強烈な怒りを表明。地元からは全員が白紙撤回まで闘う決意を表明しました。
集会後のデモは、車体に「放射性廃棄物最終処分場にNO!」と大書したPRカーが先導。数十本の赤いのぼり旗がすごい迫力。「断固反対」と大書したむしろ旗も2本掲げられ、三里塚闘争の最初もこんな感じだったのかと思わせました。政治の中枢である霞が関の官庁街を堂々と突き進み、激しい怒りを政治家や官僚にたたきつけました。
(栃木・K)
(写真 矢板・高萩市民がこぶしを挙げ「処分場にNO」の意思を表明した【12月20日 日比谷野音】)
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週刊『前進』(2567号5面5)(2013/01/14 )
福島原発周辺 暴かれた「手抜き除染」
汚染土壌・草木などを投棄
福島第一原発周辺の市町村での除染事業で「手抜き」が行われていることが、除染作業に従事している労働者の証言などから明らかとなった。ペテン的な「除染」の名によるフクシマの怒りの分断と圧殺を許さず、怒りを倍加させて闘おう!
除染作業で取り除いた土・枝葉などや、建物などの洗浄に使った水は放射能に汚染されており、回収して保管しなければならない。にもかかわらず、多くの作業地点で川や除染区域以外の場所に捨てていたのだ。楢葉町の道路沿いの山林では、刈り取った草木の一部を崖下に放棄した。飯舘村では、駐車場の路面の高圧洗浄で使った水が側溝を経て川に流れ込み、一部は歩道に飛び散った。
だが政府・環境省はこの事実をすべて放置している。除染事業の現地本部である環境省福島環境再生事務所には、本格除染を始めた昨夏以降、苦情が殺到していた。だがその内容さえ記録もしていない。環境省本体も同様だ。12月26日に環境相に就任した自民党・石原伸晃は「判断材料が乏しい」と事実を認めず、無視を決め込む姿勢だ。
政府と東電にすべての責任
「手抜き除染」は現場で作業を行っている労働者の責任では断じてない。何よりも、大量の放射性物質で福島(東日本)を汚染させた福島原発事故こそ第一の問題であり、それがすべての出発点だ。国家暴力と金にまかせて原発政策を推進し、人類史に残る大事故を引き起こした歴代政府と東電(電力資本)にこそ一切の責任がある。
事故により数十の放射性核種が大気中や海洋に流出した。なかでも半減期が約30年のセシウム137は1・5京ベクレル流出。広島原爆で放出されたものの実に約169倍もの恐るべき量だ(一昨年8月26日に経済産業省が発表した数値。実際はこれをはるかに上回る)。また福島第一原発事故は収束しておらず、現在も膨大な量の放射性物質を流出させている。
第二の問題は、民主党も自民党も「除染」が可能と思っていないし、はなからやる気もないのだ。「除染」の範囲は建物や道路から20b内であり、風や雨ですぐ元通りになってしまう。「除染」の真の目的は原発再稼働であり、そのために事故「収束」と、福島は「安全」「復興」とアピールするのが狙いだ。
第三に、自民党こそ原発政策を推進し全国に原発や核施設を建設してきた張本人であり、安倍自民党政権を即刻打倒しようということだ。
安倍は党内きっての原発推進派=甘利明を入閣(経済再生担当相)させた。さらに首相就任直後から全原発の再稼働と新規建設を豪語し、首相秘書官には経産省で長年原発政策や原発輸出の中心に座ってきた今井尚哉と柳瀬唯夫を抜擢(ばってき)した。
だが4日の年頭記者会見では「(新規建設について)時間をかけて検討していきたい」と一転してトーンダウンした。年末の首相官邸・国会前行動など全国の人民の激しい怒りの直撃を受けて自信喪失状態だ。
福島圧殺攻撃を許さず、安倍を打倒しよう。再稼働絶対阻止、全原発を廃炉にしよう。
(写真 汚染された土や草木を集めて川などに捨てる「除染作業」の実態が明るみに)
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週刊『前進』(2567号6面1)(2013/01/14 )
団結ひろば 投稿コーナー
深夜11時間近く仕事 労働者主役の組合を 東京F郵便局 森内一郎
人がいない!!
どうにかしてくれ!
年末、郵政の職場は人がいない。ひどい状況になっている。契約(非正規)の人がやめたり、あるいは65歳雇い止めになった時に新しく人を入れないのだ。誰が考えてもさんたんたる状況になっている。
現場の労働者は休息を完全には取れない。法律で決められている休憩時間もちゃんと取れず、10分の時もある。また、夜勤の場合に仮眠も取れずに11時間も横になれず、休みは朝5時過ぎに15分位。真夜中に10時間45分も仕事をさせているのである。
なぜこういうことが起きるのか。それは郵政の株式上場に向けて「タンクロ」(単年度黒字)が求められているからだ。法律と常識を破ってもタンクロが必要なのか。ナンセンス!
郵政民営化とは、働いている人の健康を悪くさせる反面で、資本家にとっては金もうけの絶好のチャンスなのである。こんな許せないことは労働者の力でやめさせて、昔、全逓が強かった頃の職場を取り戻したい。
この忙しい時期に人手が足りなくて冬でも汗だくで働いているのに、仕事ができない管理職が腕を組んでただ立っているのである。こういう郵政のお荷物たちがいなくなれば少しは現場も改善されると思う。
私が入った頃の局の管理者は、忙しい時は現場の仕事を手伝ったのである。それも昔は組合が働く人の味方だったからだと思う。労働者が主役の組合をつくる必要がある。
組合に入り変わった誇り高き組合員たち 仙台 小倉 大
総選挙について職場の若い仲間と話していた時に、彼はこんなことを言ってました。
「組合に入る前は、選挙なんて誰に投票しても同じで違いも分かんないから自民党でいいやと思ってた。今は、自民党なんて大嫌いだし、候補者の主張の違いも分かるようになった。組合に入る前は興味もなかったけど、どの候補がどの政党とくっついて、今どうなったかも分かるよ。だから○○の反原発はウソ。だってこの前まで推進って言ってたもん」
これを聞いたときは、俺よりずっと詳しいな、労働組合やってきて良かったなと感じたよね。ウチの組合員は言うことは聞かないし、俺には厳しいし、思ったようにいかないことも多い組合活動だけど、組合に入って自分は変わったと話してくれた彼はちょっぴりうれしそうで、俺もうれしくなりました。
第二組合にも行かず、クビの脅しにも屈しないウチの組合員は、誇り高き愛すべき変わり者たちです。
三里塚の写真に感動 革命を現代にと思う S・O
前進を購読しているすべての闘う労働者階級の皆様! お疲れ様です!
私は今回、前進社の編集部に1枚の写真を依頼しました。中核旗がたなびく三里塚の写真(上、昨年の10・7闘争)が、かつての60年〜70年代の学生運動をほうふつとさせる写真だったので、欲しくなり連絡しました。写真、大変ありがとうございました。
私は大学を退学後、就職した職場で上司による同僚へのセクハラを告発し、その報復として解雇されました。その影響でうつ病を発症し、今もって治療中です。
その職場は大学関連の施設でしたが、「3・11」以降明らかになったように、当時から大学教授は「御用学者」そのもの、犯罪者集団であり、許すことができない労働者の敵です。私の不当解雇後にも、職場で重大な事件のもみ消しがあったと聞きました。
45年前、医学部から始まった東大闘争・大学闘争。「あの時、なし遂げることができなかった革命を現代に」と思い、中核派として闘っていきたいと思います!
非道許せない今日版「人材活用センター」 東京 穂積万作
パナソニックやシャープ、ソニーなどの電機資本や生命保険会社をはじめ大手企業で、正社員を自主退職に追いやるための「追い出し部屋」への配転が横行していることを知りました。
パナソニックでは、本社のある大阪府門真市から遠く離れた横浜市の子会社の一室に正社員113人が集められ、100台ほどの古い机とパソコンが並ぶがらんとした室内で終日待機し、要請があったときに携帯電話を段ボール箱に詰める作業などを繰り返す。
この部屋に送り込まれた人は、少し前に上司に呼ばれて「今の部署に君の仕事はない。希望退職に応じるか、異動を受け入れるか」と問われたとのこと。部屋の正式名称は「事業・人材強化センター」。どこが「人材強化」だ。パナソニックの子会社2社でこの部屋の在籍者は449人。配転後2カ月で32人が退社。
朝日生命保険が新設した「企業開拓チーム」での仕事は、社員が「自分で社外の出向先を見つけること」。
87年の国鉄分割・民営化の時に何千人もの労組活動家が「人材活用センター」に送り込まれ、同じようなことが強制されたことを思い出します。非正規職の大量雇い止めとともに、それを今、大恐慌下で主要資本が軒並みやって生き延びようとしている。こんな資本主義は倒すしかない。首切りに協力する御用組合幹部なんて絶対に許せません。職場の団結を拡大し闘おう!
主催者は星野さんの絵 フクシマとつながる 神奈川星野文昭さんを取り戻す会 河野由美
12月13〜16日、横浜市市民ギャラリーで「星野文昭絵画展」を開催しました。メイン企画は最終日の星野暁子さんと「原発いらない福島の女たち」の椎名千恵子さんを囲んだ交流会です。
「星野さんの絵の前で、椎名さんがフクシマを語る」――絵画展を企画した当初から夢に見た光景です。それは、何よりも徳島に拘留されている星野文昭さん自身が、描いた絵の力でフクシマとつながる、フクシマを闘うことでした。10・7三里塚闘争で椎名さんと暁子さんにお願いし、イメージを膨らませながら準備してきました。
16日当日、暁子さんは星野文昭さんとの出会いのいきさつ、26年間の二度の試練(上告棄却・無期確定と発病)などを渾身(こんしん)で語りました。2013年カレンダーに寄せた詩の朗読は椎名千恵子さんをスケッチにした詩です。
椎名さんは、14日から福島で開催されていた「原子力安全に関する閣僚会議」に対する抗議行動の報告、ふくしま共同診療所開設の大きな意味を話してくれました。時に拳を上げ、時に眼光鋭く、愛情にあふれる椎名さんのパワーに会場は圧倒されるようでした。
3・11は、すべての人たちの生き方、価値観を一変しました。会場に集まった人たちは皆そうです。暁子さんが言う「見せしめとしての38年ではなく、それをひっくり返し、日々無期に勝利してきた闘いとしてある」。椎名さんは「反転」と表現します。別れ際、椎名さんと「来年の3・11、あらゆる力を総結集して闘おう」と誓い合いました。
今回の絵画展は神奈川地区が心を一つにして実現しました。神奈川星野文昭さんを取り戻す会、神奈川労組交流センター、婦人民主クラブ全国協、各地区の反原発運動です。
星野無実の全証拠開示大運動を展開し、13年を必ずや星野奪還の年にしましょう。
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週刊『前進』(2567号6面2)(2013/01/14 )
星野再審 全証拠開示の大運動を
ビデオ国賠 証人申請却下を阻む
裁判所・警視庁を徹底追及
12月25日、東京地裁民事第45部(石井浩裁判長)で星野文昭同志のビデオ国賠第10回裁判が行われた。この日、藤田城治弁護士は、1977年にビデオテープを「預けた」仙波厚裁判官と「預かった」警視庁公安部公安総務課長の吉野準、それに成城大学法学部の指宿信教授ら4人を証人申請した。また星野同志の本人尋問を請求した。
裁判所は早期結審を狙い、今回期日で直ちにすべての証人申請を却下することを策動していた。これに対して藤田弁護士は、星野同志の証拠物へのアクセス権侵害を法律的に弾劾する「指宿意見書」を突きつけて、裁判所を追い詰めた。その迫力に裁判長は却下決定を出せず、被告(国・都)に対し、次回裁判で「指宿意見書」に反論するよう指示した。
「紛失」したというビデオテープには、1971年11月14日の沖縄闘争を報じるテレビニュースが録画されており、闘争現場の星野同志のデモ隊が撮影されていた。元々これは検察官が提出した証拠であった。
星野同志の裁判の第一審第49回公判(1977年)でビデオテープが上映された4日後に、裁判所は警視庁公安部にこれを「預けた」と言う。だが、そもそも裁判中の証拠は裁判所内で保管しなければならない。外部に出すことは違法である。
また「預かった」警視庁公安部は、証拠品を保管する場合には「帳簿」を作成することになっている。ところが「本件ビデオテープには、帳簿が存在しない」(!)と言うのである。まさに、これは裁判所と警視庁公安部が結託した証拠隠滅である。
弁護団の責任追及に対して、都(警視庁公安部)も、国(裁判所)も、「ビデオテープは星野同志の所有物ではないから、ビデオテープ紛失について、星野同志には国家賠償を請求する権利はない」と論点をすり替えようとしている。
これが強盗の居直りでなくて何か。星野同志はデッチあげを暴き、無実を晴らすために再審を闘っている。再審にとってすべての証拠が必要不可欠であることは言うまでもない。証拠を隠滅し、居直る裁判所と警視庁公安部を断じて許すことはできない。徹底的に弾劾する。
次回裁判は3月5日(火)午後2時半から、東京地裁527号法廷。
(写真 裁判後、星野暁子さんを先頭に証拠開示へ署名・カンパ活動【12月25日 東京地裁前】)
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ビデオ国賠
東京地裁は星野同志の裁判で検察側の証拠として採用したビデオテープを、裁判途中の1977年に警視庁公安部に「預け」た。しかし、これを警視庁公安部が「紛失」していたことが2008年5月に発覚した。再審弁護団は2011年4月、国(裁判所)と東京都(警視庁公安部)を相手に国家賠償を請求する裁判を起こした。ビデオテープ「紛失」は証拠隠滅であることを弾劾し、責任を追及して闘っている。
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週刊『前進』(2567号6面3)(2013/01/14 )
「星野さんは無実だ」 特集号を学習しよう
『国際労働運動』2月号は「星野文昭さんは無実だ」総特集号です。獄中38年、不屈の闘いを貫く星野文昭同志の無実は、これを一読すれば鮮明です。
表紙には、星野同志の無実の核心をなす背広の色が一目で分かるフルカラーの写真が掲載されています。機動隊員を「殴打」していた者が「きつね」色の背広を着ていたことは、通行人や付近の住人の目撃証言やKr自身の供述と法廷証言からも明らかです。しかし、星野同志は当日「薄青」色の背広を着ており、これは第1次再審請求で星野同志と弁護団が新証拠をもって最高裁に認めさせた事実なのです。
この一事をとっても星野同志の無実は明らかで、東京高裁は直ちに再審を開始しなければなりません。しかし高裁は、「服の色は見間違いだ。Krは声で星野さんと分かったのだ」と、再審請求を棄却したのです。
こんなデタラメな裁判は国家暴力そのものであり、広範な労働者人民の弾劾の声でたださなければなりません。全証拠開示大運動はこの国家の不正を断罪し、星野さんの釈放をかちとる闘いです。2月号を読み、周囲の人と読書会を開き、あらゆる団体や労働組合に運動を大胆に広めよう。
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週刊『前進』(2567号6面4)(2013/01/14 )
12・23沖縄 3千人がうまんちゅ大行動
オスプレイの配備に怒り
12月23日、オスプレイ配備強行や相次ぐ米兵犯罪に対する「怒りの御万人大行動(うまんちゅパレード)」が宜野湾市海浜公園の野外劇場で開催された。集会には自治労や高教組・沖教組などの多くの労働組合が参加し、3千人が会場を埋めて闘い抜いた。
集会終了後は、国道58号線を北上して普天間基地の大山ゲートまでの2`をデモ行進した。沿道やすれ違う車から激励の言葉やクラクションが鳴らされた。
沖縄労組交流センターの仲間たちは、会場入口でオスプレイ配備の中止と辺野古新基地建設阻止を訴えた。そして新自由主義と対決し、実際に勝利できる展望を国鉄決戦―動労千葉の外注化阻止決戦が切り開いていること、この闘いを先頭に闘う労働組合を甦(よみがえ)らせようとビラを配布して闘った。
青年先頭に非正規職撤廃へ
12月の総選挙で誕生した自民党安倍政権は普天間基地の辺野古移設を表明し、日本維新の会の橋下は辺野古移設を主張している。衆院解散―総選挙そのものが労働者階級に対するすさまじい階級戦争としてあった。新自由主義攻撃としてのオスプレイの沖縄配備、辺野古新基地建設の大合唱だ。オスプレイの沖縄配備強行は、米帝オバマ政権の新軍事戦略である対中国・北朝鮮への侵略戦争の具体的な発動だ。
しかし10・1オスプレイ配備強行と辺野古新基地建設に対する怒りは日を追うごとに高まっている。選挙や国会という議会制民主主義など、だれも幻想をもっていない。福島第一原発事故によって「すべてがウソだった」ことが暴かれた。新自由主義を打ち破り、この社会を変えることができるのは、労働者の職場における闘いを土台として、闘う労働組合を甦らせることの中にある。
沖縄におけるオスプレイ配備撤回・辺野古新基地建設阻止・基地撤去の闘いは、大失業と外注化・非正規職化攻撃と闘う青年労働者の闘いと一体のものだ。
今回の集会・デモには多くの青年労働者が参加している。そこにはオスプレイや辺野古移設に対する怒りとともに、「生きていけない」現実への怒りが渦巻いている。新自由主義のもとで「命を守り、生き抜く」ための闘いとしてある。
すでに青年労働者の中から非正規職撤廃を掲げて闘いが始まっている。この青年労働者たちの怒りと一体となって闘おう。2013年を新たな闘いを切り開く年としよう。
(沖縄・I)
(写真左 オスプレイ配備や相次ぐ米兵犯罪に怒りの拳をつき上げた大行動【12月23日 宜野湾市海浜公園】)
(写真右 集会終了後、沿道や走行車から激励を受けながら普天間基地の大山ゲートまでデモ行進)
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週刊『前進』(2567号6面5)(2013/01/14 )
強制送還するな!
在留カード粉砕で闘おう
チャーター機で
昨年12月19日、毎日新聞が「チャーター機で一気に強制送還」なる大見出しで「不法滞在者の強制送還を効率化するため、法務省は、一度に多数を帰国させられる専用チャーター機の活用方針を固めた」と報じた。
記事によると、送還費用は原則本人負担だが「送還拒否者は帰国する意思がないため国費を充てざるを得ない。また、機内で不測の事態が起きないよう付き添う2〜5人の入国警備官の航空券代も必要となる。現在の方法では送還拒否者が出発前の機内で大声を出すなどして航空会社から搭乗を拒否され送還が中止となることもある」。だから「法務省はチャーター機で帰国先が同じ100人程度を一度に帰国させる方法を検討し、コストを試算」したというのだ。記事は最後に法務省幹部が「コスト、安全の両面で一石二鳥の方法」と話したと結んでいる。
機内で殺された
2010年3月22日、ガーナ人男性、スラジュさんが国費送還中の航空機の中で死亡した。日本で家族とともに生きていくことを望み、送還を拒否していたスラジュさんの強制送還には、10人もの入管職員が同行していた。送還を拒むスラジュさんに対し、入管職員らは足手錠やタオル、結束バンド(職員の私物)などを使用してスラジュさんを押さえ込んだ。このような足手錠などの戒具を使うことは規則では認められていない。「機内で不測の事態が起きないよう付き添う」どころか、当の入管職員による暴力的制圧行為が外国人の命を奪ったのだ。
この痛ましい事件は、日本における入管行政が一貫して「外国人は煮て食おうと焼いて食おうと自由」という差別行政であることをあらためて突き出したものだった。スラジュさんの死の経過を究明するとともに治安管理ありきの非人間的な入管法・入管体制を解体するまで闘いぬかなければならない。
この事件で同年12月、入管職員10人が特別公務員暴行陵虐致死罪容疑で書類送検された。しかし昨年7月3日、千葉地検は職員10人全員に対し、嫌疑なしの不起訴処分を決定した。スラジュさんが死んだのは、もともとあった心臓疾患が原因であるとし、入管職員による制圧行為との因果関係はないという判断(!)だった。こんなでたらめが認められるか! 遺族は現在、スラジュさんの死の真相究明を求めて国と入国管理局職員を相手取った損害賠償請求訴訟で闘っている。
スラジュさん殺害事件以降、入管収容所の居房から毛布などです巻きにして連行するなどの強制送還は止まった。しかしこれまでも母国に送還されたら命の危険がある難民申請者を始め、必死の抵抗が繰り広げられてきたのだ。
在留カード破綻
昨年7月9日にスタートした新たな在留管理制度「在留カード」制度を見ても、日本の入管法・入管体制の破綻は明らかだ。戦後入管体制の抜本改悪として仕掛けられたのが在留カード制度だったが、その日、法務省は難民・仮放免者たちの怒りのデモに包囲された。「在留カード反対!」「仕事をさせろ!」「在留資格をよこせ!」の怒りの声がこだまし、闘って生き抜く戦闘宣言がたたきつけられた。
改悪入管法は09年7月8日、麻生政権のもとで自公民一致で成立した。「在留カード」については3年以内の施行とされたが、この3年間の猶予期間で法外滞在者の一掃とともに「在留カード」の対象とならない難民申請者を始めとする仮放免者をゼロにするつもりだったのだ。しかし、現在、法務省から「退去強制令書」が出されても送還を拒否して在留している仮放免者は、約3千人に上るといわれ、その中心に闘う仮放免者、難民申請者たちが確固として存在している。不屈に闘う彼らは、新自由主義が生み出した「資本主義の墓掘り人」だ。
11月労働者集会に結集しともに外注化阻止・非正規職撤廃を闘った在日・滞日外国人労働者との階級的団結こそ、新自由主義を打ち破る力そのものだ。それを“チャーター機で一気に強制送還”“一石二鳥”だと! 絶対に許せない。階級的団結を求め、在留カード制度の矛盾を突いて闘いぬこう!
(室田順子)
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