ZENSHIN 2013/01/01(No2566 p12)
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週刊『前進』(2566号1面1)(2013/01/01 )
全国学生とともに反原発の先頭に
新自由主義うち破る学生運動を
全学連新年座談会/激闘の2013年へ
(写真 10・19法大闘争で大学当局の暴力支配に学生1000人の怒りが爆発。解放感にあふれデモ)
全世界で労働者人民の決起が広がっている。大恐慌が深まる中、新しい年は階級的労働運動と学生運動の飛躍をかけた決戦の年だ。全学連は、つねに時代を切り開く先頭に立ってきた。キャンパスで〈新自由主義大学>の分断と抑圧をうち破る決起が始まっている。全学連の皆さんに、新年の抱負などを大いに語り合ってもらった。(編集局)
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出席者 (敬称略)
斎藤 郁真(委員長/法政大・法)
大森 靖之(副委員長/京都大・薬)
鈴木 研也(副委員長/広島大・理)
坂野 陽平(書記長/上智大・文)
洞口 朋子(書記次長/法政大・経)
松室 しをり(国際部/慶応大・文)
武田 雄飛丸(法政大学文化連盟委員長
・国際文化)
青野 弘明(東北大学生自治会委員長
・医)
▽司会 石田 真弓(副委員長/東北大・経)
(写真 11・27東北大学一日行動。大学当局のサークル活動破壊に反撃)
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学生の自治と団結へ大前進
10・19法大の闘い
石田 9月の全学連大会で、「100万人の反原発行動を」「『教育の民営化』と闘って学生自治会建設へ」と確認し、その闘いは秋に大きく進みました。1年間を振り返って、まずは法大の10・19闘争から。
斎藤 「自主法政祭での学祭規制とガチンコでぶつかろう」「教育の民営化の矛盾にストレートに『おかしい』と言おう」と闘いました。裏切り者の学祭実行委や法大当局との激突を重ね、闘いは10月19日に爆発しました。
当日は文化連盟の呼びかけに応え、大学当局のキャンパス中央封鎖に対して1千人の法大生が立ち上がり、暴力職員と激突しました。「法大解放集会」そのもので、新自由主義大学への怒りの爆発です。
武田 僕らは学祭説明会から排除されながらも、「絶対反対派」として最先頭で声をあげてきたことが10・19闘争で求心力をつくった。キャンパス内で絶えず闘う姿勢を見せることが本当に大事です。
洞口 あの集会は感動的でした。監獄大学の中心で学内大集会をやりました。その力は、学内で闘う主体にあるんです。当局の弾圧に負けずに踏んばり抜いたことが、この日の闘いに結実しました。粘り強い日々の闘いが、1千人の法大生を獲得しています。
法大当局も国家権力も「想定外」の事態に真っ青でした。当局は文化連盟を昼休みにキャンパスから暴力的にたたき出せば、集会はつぶせると踏んでいました。でも、それができなかった。大激突の中で法大生はどんどん集まってきた。どんな弾圧も学生の決起を抑えられない。これが法大闘争です。
武田 僕は2年半でちゃんと87単位とっていたんですが(笑)、でもこれまでの闘いの積み重ねがあり、仲間がいて、ここで頑張らないと、という気持ちでした。
10・19闘争に対して、直後の国際文化学部教授会で僕への「無期停学」処分が決められました。「学祭規制に反対した」ことが主な理由です。一方的な管理強化や都内主要大学学祭での飲酒規制という観点からも、これは法大だけの問題ではありません。
そして、「規制反対」をこえた学生の思いが10・19に爆発したと思うんです。大学が学生の声にまったく向き合わない中、「この指とまれ」の呼びかけを待っていた。それを「授業妨害」「迷惑行為」の一言で切り捨て、僕を「無期停学」にするあり方への反撃として、処分撤回闘争を闘います。
処分撤回の闘いは、学生がなめられずに誇りを取り戻す普遍的な闘いです。「大学で集会やるな」「学生は何も考えるな」というあり方への反乱です。
もう一つの処分理由は反原発です。10月6日に人間環境学部は、放射線影響研究所理事長の御用学者、大久保利晃を授業に呼んだ。他学部の学生は排除です。それに抗議したら「授業妨害」で「無期停学」。「地域に開かれた大学」どころか「資本と警察に開かれた大学」です。僕への処分はダイレクトに反原発闘争とも結びつきます。
斎藤 たぶん、「3・11」後に御用学者に抗議して処分されたなんて、武田雄飛丸君が初めてだよね。今の原発をめぐる攻防を象徴する闘いです。
洞口 やっぱり、大学として御用学者への批判は絶対にやらせないっていう階級意志ですよね。
斎藤 大久保は郡山市の原子力災害対策アドバイザーです。この処分の不当性を、金曜日の首相官邸前行動に集まっている福島の方たちにも広めたい。
鈴木 法大の中で武田君が立ち上がり、それに呼応する1千人の法大生の姿が素晴らしかった。動画を見た広大生も感動しています。
京大で同学会再建
石田 全学自治会同学会を再建した京都大はどうですか?
大森 5〜6月の全学選挙で3042票中2149票で信任され、7月の代議員会を経て、同学会再建に成功しました。
京大は日本帝国主義の中枢で、歴代の関西電力社長は京大出身、原子力ムラに取り込まれて、原発にも再稼働にも反対しない。僕たちは「大学奪還学生行動」という組織をつくって学生の手に大学を取り戻す闘いを始めました。副学長と反原発団交をやったら、「君たちは全学生の意志を代表していない少数派でしょ」「同学会じゃない」という理由で総長団交を拒否されました。それから学生自治会建設に突き進みました。法大の闘いの経験を糧に、全国大学の拠点化が始まったんです。
これに対し、京大当局は7月に「告示第5号」で同学会を非公認化しました。勝利に対する反動です。
「大学改革」攻撃については国際高等教育院という総長直轄の機構づくりに対し、総合人間学部の教授・学生の決起が始まりました。総長独裁に教授が反乱を起こした。また、思修館という全寮制大学院をつくり、ブルジョア的立場から「グローバルリーダーの育成」なるものをやろうとしています。社会を批判する大学の役割を全面否定し、学生を侮辱している。そういう学生たちの怒りがひとつになり、12月4日に総長室突入闘争が闘われました。
松室 同学会の生み出したものはとても大きいと思います。何よりも経営協議会から関西電力元社長の藤洋作を追放した勝利は大きい。その後釜にJR東海会長の葛西敬之が来ましたが、敵は明確に京大学生運動をたたきつぶし、再稼働のお先棒を担ぎ、資本家のためのエリート養成教育をやろうとしている。ここに「大学改革」の本質があります。
東北大で選挙勝利
青野 東北大は先日の自治会執行部選挙で信任をかちとりました。総投票数982票、信任数591票で、6割超の信任です。「大学の私物化を許さない」「大学の主人公は学生だ」「サークルの自由を守る」「キャンパスを反原発の砦(とりで)に」という主張が認められました。学生自治会に対する当局の中傷をはね返せた。当局には衝撃だし、新執行部が来年に踏み出す大きな一歩です。
石田 自治会が学生に信頼されていることが、毎年の選挙で示されるんだよね。
青野 入学前にもっていた東北大のイメージは「自主性、自由な大学」というものでしたが、実際には全然、違いました。闘う学生を寮からたたき出したり、自治会活動を担う1年生へ「呼び出し」と逆オルグをしたり、キャンパスで反原発集会をやらせないとか、その一方では御用学者の講演会は行う――こんな思想弾圧や分断攻撃を加える大学に、すごく怒りを感じました。原子力ムラに大学が完全に取り込まれています。御用学者を追い出さない限り、原発廃炉と再稼働阻止はできない。
石田 選挙では、自治会の闘いの蓄積を感じました。みんな青野君の訴えをよく読んで、友達と一緒に投票に来る人もいるし、サークル員は「自分たちの問題だ」と投票してくれた。
京大と東北大の勝利を経て、「次は自分のところで!」というものを全国の闘う学生の中に生み出していることが、とてもうれしい。
青野君は自治会委員長として立つことに悩んだと思うんですが、どうですか。
青野 そうですね。でも、自治会書記局員の1年生が当局の嫌がらせと対決して頑張っていることもあって、先輩として責任をとるのは当たり前のことだろうと決意しました。プレッシャーはありますが、自分の闘いは間違っていないという確信が芯(しん)に据われば、けっして折れることはないと思うんです。これから1年間、僕たちに「○=まる」を入れてくれた学生たちの期待にしっかりと応えるよう、全力で闘います。
全学連運動を大きくして、世界を変革したい。資本主義は絶対に原発を手放さない。それは、どの党が政権をとろうが変わらない。だから社会を根本的に変革する、革命を起こすことで原発をなくす。ここが、既成の運動と僕たちの運動の違いかなって思いますね。
武田 そこが全学連と民青の違いだと思う。大学を社会の中に位置づけ、最終的には革命しかないと言い切る。資本主義の問題として大学や原発を語る。それをちゃんと学生に伝えていくのは大事なことです。
原発御用学者を追放しよう
主流派への飛躍を
大森 東北大自治会や法大文化連盟の闘いの前進の中で、今度は私たちが主流派として問われてきます。真に学生の代表たりえるのか。どういう闘う組織をつくっていくか。実力で大学の規制をぶち破り、ひとつずつ取り返していくしかない。そういう確信が青野君や雄飛丸君にある。学生運動のリーダーへの飛躍が生み出されている。
武田 なんで10・19集会に1千人が集まったかというと、僕らが一貫してキャンパス内で真剣にやってきたことへの信頼があったんです。まずは怒りだし、行動ありきだと思うんですよ。その後で、どう理論と一体化させるか苦労すればいい。僕らは常に真っ向から声をあげてきたし、その姿勢は常に大学を問うている。それが学生に伝わって良かったです。
石田 全学連運動が復権する時代が始まっています。全学連は情勢分析やマルクス主義を大事にしますが、やっぱり運動体です。闘いをとおして団結を取り戻す、それを法大や京大、東北大で示せたことが1年間の偉大な前進だと思います。
福島大学の闘い
坂野 福島大では、法大集会直後の10月23日にキャンパスで元全日本運輸一般労組原子力発電所分会の斉藤征二さんの講演会を企画したんですが、教室使用が不許可になりました。また4月の岐阜環境医学研究所所長の松井英介さん、7月の山本太郎さんと森川文人弁護士の講演会でも申請を蹴られました。その一方、9月には福島県立医大副学長の山下俊一が学内で講演会をやっています。
山下を学内でのさばらせ、反原発の方々を排除する。「ふざけるな」という怒りと法大の高揚が合わさって、10月23日にキャンパス中央に福大生が葛藤をのりこえて初めて登場してアジったわけです。この決起は並大抵のことではありません。
福大当局は副学長を先頭に集会破壊に出てきました。しかも「学生の総意で集会を禁止する」と言いながら。それに対して福大生が「自分たちは福大のあり方を許せません」と反論したら、当局はグラグラ。許せないのは、「学生自治会も大学と同じで、あなた方の集会を許しません」と言ったことです。
武田 だったら自治会役員を連れてこいよ。(笑)
斎藤 立食パーティーしか活動してない自治会らしい。(笑)
坂野 福大では「三者自治」で学生を支配しています。御用自治会が当局にくみすることで福大が成り立っている。
石田 それ以降も福大生には呼び出しがあって、「金曜デモに行ったのか」とか、むちゃくちゃに私生活を侵害している。闘う福大生の存在に、心底から恐怖しているってことです。
広大で神谷追放へ
鈴木 広大は「No Nukes Hirodai」という運動体を立ち上げ、8・6ヒロシマの高揚を経て、9月に広大キャンパスで原子力学会弾劾闘争をやりました。広大の闘いは「福島とつながる」「御用学者・神谷研二(広大教授、福島県立医大副学長)の追放」「学生の力で大学を変える」の3本柱です。
広大当局は「福島県民のために神谷先生を派遣している」と言っていましたが、神谷は福島原発告訴団から犯罪人として刑事告訴された人物です。広大当局の「建前」はボロボロです。原発翼賛大学をうち破る、僕たちはその中心になりたい。
石田 「再稼働反対!」の首相官邸前20万人の歴史的うねりが始まりました。
坂野 反原発闘争の先頭に学生運動が立つ、階級的労働運動と一体化して反原発100万人決起をつくり出すというのが重要だと思うんです。7月16日の代々木公園17万人集会に参加して、その思いを強くしました。今は直接行動が時代を動かす時です。その先頭で青年・学生が闘いたい。
国際連帯の前進
松室 階級対立が全世界的な闘いではっきりする中で、これにどう立ち向かい、変革していくかが示されました。それは動労千葉の「外注化阻止・非正規職撤廃」の闘いであり、全世界の緊縮財政反対闘争であり、反原発20万人のうねりです。勝つのは私たち「99%」だということがみんなの確信になっていった。
ドイツから核廃棄物の最終処分場に反対するゴアレーベンの仲間が8・6ヒロシマに参加し、福島で現地の闘いを共有した。さらに環境団体エテコンが東電株主総会に乗り込んで、核戦争防止国際医師会議が福島現地で連帯した。国際連帯が発展して、国際部として、とてもうれしかったです。
石田 オスプレイ配備への沖縄の怒りの爆発があります。学生がどう反戦闘争を闘うか。
松室 9・9沖縄県民大会に参加して、全駐労の組織参加に感動しました。本当に若い人が多い。福島と沖縄の怒りは同じで、領土問題での排外主義を根底からひっくり返す力を実感しました。10万3千人という大結集で、基地労働者が動き始めたことで、沖縄情勢はさらに動いていきます。
斎藤 反原発闘争と反戦・反基地闘争を結合して闘う。オスプレイの全国での訓練も始まり、その中で三里塚闘争の本質もはっきりしてきます。すべての攻撃に私たちが一体的に反撃していく2013年にしたい。
鈴木 沖縄と原発で言えば、やはり日米安保問題です。問題は根本的で、僕らの要求は社会の根底的変革であり、安保粉砕であると。逆に、敵からすればなんとしても改憲をやる、原発再稼働で核武装政策を維持し、安保強化で侵略戦争に参戦する。それとの対決として2013年決戦があり、沖縄−福島−本土の団結をより一層強めなければなりません。
石田 国家権力の暴力性や国家との非和解性が鮮明になってきたと思います。仙台の金曜デモでも、「11月27日に、大学のルールを破って集会をやります」と宣言したら、市民から拍手喝采(笑)。闘っている人たちは、実力抵抗こそ正義だと実感しています。
斎藤 そういうものの意識化・理論化としてのマルクス主義ですよね。情勢が進めば階級性が深まり、闘いの中で共産主義を発見する。そこへ向かって体系的に行動を組織したい。
法大の不当処分撤回へ闘う
石田 では、2013年の抱負をお願いします。
斎藤 全学連は12・9拡大中央委員会で、@原発再稼働阻止の大決戦を爆発させ3・11福島現地に結集して闘う、A法大処分撤回闘争を爆発させる、B京大・東北大に続き学生自治会建設に全国で挑戦する、の三つの柱を確立しました。
武田 僕は「教育を取り戻す」ことをはっきりさせたい。そもそも学問は何のためにあるのか。4月19日の法大デモに決起した法大生が「ここから自分たちの大学をつくるんだ」と訴えた。これが全学連の教育観・大学観だと思うんです。闘争の中にこそ学問・教育がある。資本主義の大学に「真の学問」はありえない、現実を変える中に初めて学問はある、という立場で。御用学者がのさばる現状を見ても、闘うところからしか何も始まらない。
石田 僕らのマルクス主義は、当たり前だけど観念論ではないんだよね。現実との闘いが人格と乖離(かいり)しない。雄飛丸が決起したらすぐに「無期停学」。闘いを起こすと、どこの大学でも敵の集中砲火にあう。敵の攻撃は根本的に人間関係を破壊しにくる。時には悔しい思いもしますが、やっぱり団結して闘うことに、新自由主義をひっくり返す壮大な意味がある。団結すれば敵は脆弱(ぜいじゃく)だとも分かる。処分・逮捕でもつぶせない意志を法大闘争が示してきた。人間の可能性に依拠するのが全学連運動の誇りです。
坂野 青年・学生のエネルギーが全民衆を獲得する時代です。原発再稼働攻撃や改憲・戦争攻撃に対し、僕は「10・8羽田」や「激動の7カ月」のような、国家権力と激突しながら全社会を揺さぶっていく闘いをやりたい。戦争と原発をとめるために、全学連はガンガン実力行動に立つ。僕はそんな闘う全学連1千の部隊をつくり出したい。
その中で全学連の執行部・中央執行体制を強化し、青年・学生の力で不抜の革命党をつくりたい。夢いっぱいです。
京大で全学ストを
大森 僕は同学会副委員長ですが、2013年は松本総長打倒の全学ストライキをやりたい。最初は学生の利益を守るところから始まるが、反原発運動ともつながって、時代と切り結んで「原発推進大学と『教育の民営化』を問う」かたちで全社会に影響を与えるものをやりたい。ストライキを一発うつことで、大学内は一挙に二極化するし、ストライキで絶対に情勢を変えられる。
洞口 法大では武田君への処分撤回の大運動を爆発させたい。ここで勝負をかける。この処分は学生を黙って従わせるための攻撃です。「学生の怒りをなめるなよ」と言いたい。「大学の主人公は誰なのか」ということです。法大闘争は7年間で119人の逮捕−33人の起訴−13人の重処分に負けませんでしたし、武田君への処分は3万法大生の怒りに火をつける。11月の学祭期間中には規制と処分への怒りのメッセージが100枚以上集まり、学生が次々と武田君に「頑張れ!」と声をかけにきた。当局や裏切り者の学祭実と最も激しく闘う武田君を、法大生はずっと見てきたからです。一人の仲間への処分は、新たな決起を生みだす。それが処分撤回闘争です。処分撤回大運動を全国に拡大し、そして文化連盟の組織拡大をやりたい。勝負はこれからです。
武田 4月新歓での法大全国結集デモを10・19的に爆発させたい。キャンパスの中からの決起が大事です。「処分撤回と原発反対」の軸を立て、もう一回大集会を目指す。「御用学者を弾劾したら無期停学」なんて許せないし、法大生の原発反対の思いとも合流していく。壮大な見通しで頑張りたい。
12月6日に不当処分撤回を求めて法大当局を提訴しました。弁護士さんとも団結して、敵との力関係をひっくり返し、大学のあり方を根底的に告発する裁判闘争にしていきたい。3月29日には、一審で無罪判決をとった学生たちの暴処法裁判控訴審が始まります。支援・結集をお願いします。
坂野 雄飛丸の処分撤回闘争をとおして、全国学生が一丸となって、「一人の仲間も見捨てない」団結をつくりたい。
青野 この処分は人ごとではありません。同じ学生として法大当局のやり方に怒りがあるし、雄飛丸君を応援するのは当然です。雄飛丸君と同年齢という連帯感もあります。
10・19法大の解放感こそが自由な大学です。僕はそれが飛躍点になって自治会委員長に立候補したので、全力で武田君の処分撤回署名に取り組みたい。
そして、東北大では一番の課題は、組織拡大で当局との攻防に勝つことです。常に「新入生ウェルカム!」で新歓をやる(笑)。新しい仲間の獲得が最大の攻撃であり最大の防御である、と。
二つ目に、全国学生の闘いと団結して勝つことです。三つ目に、新自由主義に勝つことです。安倍政権は、原発再稼働、改憲、オスプレイ配備と沖縄新基地建設、消費大増税、社会保障解体と、あらゆる攻撃を推し進めようとする。全学連の闘いにはすごい展望がある。既成勢力が体制内化する中で、全学連は街頭での実力決起で、敵とガチンコで闘っていく。
(写真 1万6千人が結集した「原発いらない3・11福島県民大集会」。全学連はNAZENの先頭で闘った【郡山市】)
全学連1千人の闘う隊列を
広大の現実変える
鈴木 広大では、学長への申し入れと回答要求行動を重視したい。御用学者・神谷が福島を見殺しにし、広大経営協議会には軍需産業・三菱重工業の会長がいる。こういう現実を学生の力で変える。回答を求めてあらゆる闘いをやるつもりです。サークル自治運動も強化して、学生との団結をつくっていく。
大学での自殺が増えています。10月にも教授が教官棟から飛び降りた。その前は留学生。とにかく大学の中が、多忙化や人間関係の疎外で苦しいんですよ。大学がこれではダメだということも焦点化していく。
首都圏大学へ攻勢
松室 国際部の闘いとして、日本の反原発闘争に全世界の注目が集まる中、その最先頭で学生運動がバンと登場したい。11月のヨーロッパ・ゼネストでも、イタリアの学生は大学を占拠して闘った。学生が層として時代を動かすダイナミックな闘いをやりたい。その原動力は、法大処分撤回運動です。首都圏大学に攻勢的にうって出ます。
坂野 国際部活動を強化して、そこから大きな教訓も引き出したいですよね。
武田 向こうも「国際なんとか学部」って名付けて、「国際」って言えば人が集まるみたいなものがありますよね(笑)。こっちには内容があるんだから、国際部活動をもっと大きくできたら楽しい。
社会の根本的変革
斎藤 2013年は、原発再稼働を阻止し、処分を撤回させ、学生自治会をうち立てて具体的に勝利する年にしたい。
全学連としてもっと大きな闘いにうって出るためにも、やはり雄飛丸への処分撤回闘争です。これまでの法大闘争は、大闘争に対して逮捕・処分が相次ぐ関係が続いてきたけど、これをひっくり返す時が来た。その展望はある。5月31日に暴処法裁判でついに無罪判決をかちとりましたが、学生の闘いが裁判所すらもボロボロにし、巨大な力を持つところまで来た。そのすべての地平の上に、雄飛丸への処分を撤回させる。雄飛丸がまた法大キャンパスに堂々と入っていったら何が起きるのか、何ができるのか(笑)。闘って勝てることを最も厳しい場所でこそ証明したい。
そして、「再稼働阻止」の3・11二周年闘争に全学連は総決起し、反原発100万人行動の先頭に立つ。京大−東北大の自治会攻防に勝ち抜き、全学連1千人の闘う部隊をつくりたい。全国で原発御用学者を弾劾し、福島から山下俊一と神谷研二を追放する。
そして、三里塚現地行動隊の体制を強化し、市東さんの農地絶対死守の大決戦に突入します。全学連は実力闘争をやり抜きます。さらに、沖縄学生運動を爆発させたい。全学連は、社会を根本的に変える闘いの先頭で頑張ろう!(拍手)
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週刊『前進』(2566号1面2)(2013/01/01 )
新年特別号目次
革共同政治局の2013年1・1アピール
外注化阻止・非正規職撤廃でプロレタリア革命の勝利開け 9〜12面
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審始まる 2面
森川文人弁護士の新年メッセージ 3面
新自由主義打ち砕き世界革命へ 革共同国際労働者組織委員会 4面
市東さんの農地を実力で守りぬく 三里塚反対同盟の皆さんのアピール 5面
青年労働者座談会職場に団結つくり労働組合を甦らせる 6、7面
ふくしま共同診療所を開院 8面
獄中同志からの新年メッセージ星野文昭同志、福嶋昌男同志、中山崇志同志 8面
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週刊『前進』(2566号1面3)(2013/01/01 )
おことわり
本紙は本号を新年特別号(12n)として1月1日付で発行し、12月31日号、1月7日号は休刊します。次号は1月14日の発行です。
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週刊『前進』(2566号1面4)(2013/01/01 )
【要項】階級的労働運動の力で安倍超反動政権打倒へ
1・14革共同中四国政治集会
2013年1月14日(月・休日)正午開会(11時半開場)
広島市東区民文化センター1Fスタジオ1(広島市東区東蟹屋町10-31)
基調報告 秋月丈志 国鉄決戦を貫き世界革命への道を今こそ切り開こう
講 演 藤掛 守 革共同50年史と階級的労働運動の到達地平
主催 革命的共産主義者同盟中国四国地方委員会
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週刊『前進』(2566号1面5)(2013/01/01 )
前進速報版から
▼動労千葉鉄建公団訴訟控訴審始まる「事実直視し解雇撤回を!」@movie▼三里塚団結街道裁判、成田市の「類型論」の破綻を追撃
◎休刊中の最新ニュースは『前進』速報版に随時掲載
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週刊『前進』(2566号2面1)(2013/01/01 )
動労千葉鉄建公団訴訟 “事実直視し解雇撤回を”
控訴審の冒頭に堂々の陳述
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の第1回口頭弁論が12月17日、東京高裁民事12部(難波孝一裁判長)で開かれた。解雇撤回・JR復帰に向けた新たな闘いが始まった。
裁判所前に結集した動労千葉組合員と支援者を前に、動労千葉争議団の高石正博団長は「一審判決は、私たちが不当労働行為によって職場を奪われたことを認めた。不当労働行為を認めた以上、JRに戻すのが当たり前だ。自分たちの闘いが正しかったこと、JRに復帰するのが当然だということを裁判所に認めさせるために、今後ともご支援を」とあいさつした。参加者は反動の牙城(がじょう)=東京高裁に「1047名解雇撤回! JRに採用しろ!」と怒りのコールをたたきつけて裁判所に入った。
裁判の冒頭、動労千葉争議団の中村仁さんが意見陳述を行った。中村さんは「一審判決は、停職6カ月以上または停職2回という名簿不記載基準を策定してわれわれを採用候補者名簿から外したこと、それを指示したのが葛西敬之職員局次長(現JR東海会長)であったことを認定し、国鉄当局の不当労働行為を認めた。ここまで認定すれば解雇撤回以外の結論があるはずがない」と断じ、「この25年間、JR不採用になった怒りと悔しさを忘れたことはない。東京高裁は事実を事実として見て公正な判決を出すべきだ」と裁判官に迫った。
続いて原告代理人が控訴理由を陳述した。まず、採用候補者名簿からの排除と90年清算事業団解雇は密接不可分であることをあらためて明らかにし、名簿作成過程での不当労働行為を認定しながら「両者は一体のものではない」と強弁し90年清算事業団解雇を有効とした原判決の誤りを明快に指摘した。
そして、国鉄分割・民営化そのものが国家的不当労働行為であったというこの裁判の原点を強調し、消滅時効や損害賠償額認定の問題などにわたり原判決を全面批判した。最後に「不当労働行為に基づく解雇は無効であり被告の鉄道運輸機構は原状回復する義務がある。原告が他の採用候補者名簿記載者と同等、すなわちJR東日本職員の地位にあることを認めるべきだ」と解雇撤回・JR復帰の判決を求めた。
被告代理人である西綜合法律事務所の向井千杉は「本件基準の策定と名簿不記載が不当労働行為だと認めた原判決は致命的誤りだ」と悲鳴をあげ、一審判決への打撃感をあらわにした。
(写真 「1047名解雇撤回!勝利判決以外ないぞ!」と反動の牙城=東京高裁にコールをたたきつける動労千葉組合員と支援【12月17日 霞が関】)
外注化阻止の闘いと一体で
都内の会場で報告集会が開催された。
動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士は「現在の学説では、不当労働行為に対する救済は単なる原状回復でなく、『少なくとも原状回復』というのが主流の考え方だ。原告を名簿に記載されていた状態に戻すこと、つまり必然的にJR職員としての地位が回復されねばならない」と控訴審での課題を解説した。
支援に駆けつけた動労連帯高崎の和田山繁委員長は「私の所属する埼玉県の熊谷地区労で『1047名問題は終わっていない』と署名運動への協力を要請した。物販も非常に感触がいい。1047名闘争の持っている位置は非常に大きい。検修の外注化問題と一体で職場から闘いをつくっていく」とあいさつ。動労水戸の木村郁夫書記長も「動労千葉は労働運動の未来をかけ、国鉄分割・民営化に対して首をかけて2波のストに立った。こうした歴史のすべてがこの闘いには詰まっている。絶対に勝利しなければならない」と述べた。
動労千葉の田中康宏委員長は「新たな闘いが始まった。初心に返り、勝ちにいく裁判として全力で闘う。外注化攻撃との闘いもこれから本格的な段階に入る。年内に外注化と強制出向差し止めの裁判を提訴する。この二つの闘いを軸に、闘う労働運動復権に向けて闘おう」と集会をまとめた。
次回の裁判は2月27日(水)午後2時30分から東京高裁で開かれる。
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週刊『前進』(2566号2面2)(2013/01/01 )
安倍・石原うちのめす大決起
衆院選・杉並 山本太郎さん7万票獲得
全原発廃炉・改憲反対を訴え
(写真 〈上〉山本太郎さんがJR高円寺駅北口で大街宣〈下〉「世界を変える時は今だ」。駆けつけた無数の青年がエネルギーを爆発させた【12月15日】)
全国から青年が駆けつけた
都革新とNAZENは12月16日投開票の衆院選で、東京8区(杉並区)で立候補した山本太郎さんの選挙戦をともに闘った。「全原発を廃炉に! 改憲反対!」の闘いをもてる力を振り絞って前進させた。最終盤は、杉並と首相官邸前を起点に猛然たる闘いが展開された。山本さんは7万超の票を獲得し、石原伸晃と安倍・自民党などを震え上がらせた。1票1票がすごい決起であり、成立した瞬間から崩壊的危機にある超反動政権を根底から撃つものだ。マスコミは「脱原発の意志つなぐ」「石原を猛追」と報じた。この中に福島をはじめとする全国の労働者階級人民の思い、決意が込められている。
選挙の結果、極反動の安倍・自民党が前回より少ない得票数、戦後史上最低の投票率で衆院の議席と権力を簒奪(さんだつ)した。膨大な労働者階級人民が、この選挙結果に一層の怒りの決起を始めることは間違いない。これは客観的分析ではない。ともに全力で闘う中で得た実感だ。
山本選挙は、崩壊・野合・分裂を繰り広げた諸政党の末期的姿とは根本的に違う。一人ひとりの決起が団結を求めて次々と決起を生む「選挙を超えた闘い」となった。12日間の闘いはドラマの連続だった。大変な時、決戦の時こそ真の友は誰かが分かる。なによりも山本太郎さんが「この選挙は命を売り渡そうとする1%の者と、命を守ろうとする99%の2極の闘いだ」と言い切って登場した。3・11以来、葛藤(かっとう)しながら反原発の行動に立ち上がった自分の姿を飾らずに赤裸々にし、仕事が無くなることへの迷いを断ちきるプロセスは普遍的で自己解放的だ。
多くが非正規職の3けたを超える青年たちが寝袋ひとつで駆けつけ、日々の出会いを力にした。原発への怒り、3・11で暴かれた「すべてがウソ」への怒りにこだわり、「福島の子どもたちと住民への緩やかな殺人を絶対許さない!」と訴えて闘った。それは、今回の衆院解散・総選挙(とその結果)の持つ反動性への正面からの反撃だ。都政を革新する会はその思いをともにし、杉並をはじめとするNAZEN、ユニオン、全国の仲間に呼びかけこの12日間をともに闘えたことに確信を新たにしている。
杉並から反原発の大運動を
そもそも今回の総選挙は、「命よりも金もうけ」の新自由主義が大破綻して大恐慌を招き、さらに3・11大震災と原発大事故に打ちのめされ、崩壊的危機にたたき込まれた支配階級が打って出た階級戦争だ。その選挙結果は、労働者民衆を抑え込むものとなるのか。けっしてそうはならない。労働組合の本来の階級性を取り戻す闘いが必ず巻き起こる。それが大衆運動をより爆発させる。こうした可能性と展望を示したのが山本選挙だ。支配階級に骨の髄まで屈した連合幹部どもを打ち破り闘う労働組合をよみがえらせる闘い、そして、福島の怒りをともにし「すべての原発いますぐなくそう」の運動を杉並・東京・全国に広げることが急務だ。
山本さんは杉並で立候補した理由として自民・石原ファミリーとの対決とともに、杉並が原水爆禁止署名運動発祥の地であること、自らの初デモが一昨年4月の高円寺だったことをあげている。
「原発なくして社会を変えよう」は今やすべての闘いを含む呼びかけとなった。私たちは徹底して全原発廃炉、改憲阻止の旗を掲げ、超反動政権と対決して闘う。7万人決起の背後には、2千万青年労働者、6千万労働者階級の怒り、自ら立ち上がろうとする無数の意志がある。青年をはじめとする膨大な労働者階級の決起は、ついに日本でも60年、70年を超える革命的情勢を生んでいる。
革命に恐怖し、東京を戦争・改憲の牙城にしようとする自公や維新、日帝資本と闘う戦場として歴史は再び東京・杉並を焦点にした。都政を革新する会はその闘いの先頭に立つ決意だ。労働者は必ず立ち上がる。青年は決起と団結を激しく求めている。ともに勝利の2013年としよう。
(都政を革新する会 北島邦彦)
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週刊『前進』(2566号2面3)(2013/01/01 )
団結街道裁判 「類型論」の破綻を追撃
封鎖・廃道の違法性明らか
12月18日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)において団結街道裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・学生・市民が法廷を埋めて闘った。
成田市は2010年5月に、天神峰の市東孝雄さんをはじめ近隣の農民・住民の生活にとって必要不可欠の道であった「団結街道」を封鎖・廃道にし、成田空港会社(NAA)に格安で払い下げた。これは、第3誘導路工事と一体の、市東さんに対する追い出し攻撃以外のなにものでもない。
被告の成田市側は、路線廃止処分を六つに類型化し、本件は5番目の「公共事業等の公益上の目的のために必要な土地で、路線を廃止しても支障ないと判断できる場合」にあたるという「類型論」を主張してきた。
それならこれまでの具体的事例を挙げてみろ、と反対同盟顧問弁護団が釈明を求めると、市の代理人は「事例を列挙する必要はない」「列挙は意義のないこと」などと逃げに終始してきた。つまり被告自らが、前例のない違法な処分だったと認めたに等しい。
この日の法廷でも市側が「類型論についてはこれ以上主張することはない」と居直りの発言をすると、弁護団は徹底的に弾劾し、傍聴席からも怒りの声が飛んだ。
多見谷裁判長は市側の主張の破綻を認めながら、弁護団の追及を和らげることに腐心し、市側に「もう一度主張をまとめて提出を」と促した。
次回期日は3月12日(火)として閉廷。
近くの会場で反対同盟の総括集会が開かれた。最初に北原鉱治事務局長があいさつに立ち、13年の農地決戦を見すえ「必ず勝つ!」と意気込みを示した。
続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団一人ひとりが、「類型論」を破綻に追い込んだ勝利の手応えを語った。また、動労千葉の滝口誠さんが連帯発言を行い、「衆院選の結果が示したものは連合の労働者支配の完璧(かんぺき)な崩壊だ」と総括し、新たな年の闘いに向けた決意を表した。
関実、市東さんの農地取り上げに反対する会の発言に続き、最後に萩原進事務局次長がこの1年の激闘への支援・連帯に感謝の意を表した上で、「福島、沖縄、三里塚を前面に押し立て、”右傾化”を打ち砕こう」と訴え、2012年最後の裁判闘争を締めくくった。
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週刊『前進』(2566号2面4)(2013/01/01 )
東日本解放共闘総会 “狭山・西郡の勝利へ”
非正規職撤廃に未来が
部落解放東日本共闘会議の第21回総会が12月15日夕、東京・品川のきゅりあんで開催された。昼の反原発日比谷集会から駆けつけた仲間、反原発を掲げて衆院選に立候補した山本太郎さんの当選に向けて闘う渦中の仲間など62人が参加した。 司会は大西文夫事務局次長(東京西部ユニオン書記長)が務めた。
田中康宏議長(動労千葉委員長)は主催者あいさつで「『西郡支部1千名建設を実現する』と胸を張って提起できるところまで八尾北・西郡闘争が前進した」と報告、「新自由主義のもとで労働者を分断する部落差別攻撃がどれだけ激化し、生きていくことができない現実が強制されているのか」と怒りを込めて語り、10・1JR外注化阻止決戦を闘い抜いた地平を踏まえて「狭山闘争・西郡闘争に勝利する力、部落完全解放、すなわち労働者階級の解放をめざす力はここに宿っている」と言明した。最後に「解放共闘がこれからの時代を切り開く存在になろう」と呼びかけた。
部落解放同盟全国連西郡支部のメッセージが紹介された後、岩本正治事務局長(東京労組交流センター共同代表)が議案を提起した。岩本さんは活動報告で、無実の石川一雄さんと連帯し狭山第3次再審闘争に勝利するために、労組交流センターが東京高裁要請行動を始め狭山現地調査、学習会などに取り組んできたことを強調した。方針では「資本主義は、部落民を労働市場から排除するのではなく積極的に吸収する。同時に分断し労働市場全体の最底辺に組み敷く」と批判、「労働者階級への分断と団結破壊攻撃を打ち破り、新自由主義がもたらす大失業、外注化・非正規職化攻撃との闘いを正面課題にする。新自由主義と闘う部落解放の新たな全国組織建設を進める。そのために国鉄闘争・反原発闘争を先頭で闘い、労働組合を再生させよう」と力を込めて提起した。
決意表明では、東京労組交流センターが「部落の非正規の仲間を合同労組に組織する」、動労千葉は「動労総連合は闘って組織を拡大している」、動労水戸は「出向先の水戸鉄道サービスの清掃労働者と一体となって、外注化反対、非正規職撤廃、労働条件改善に取り組む」、全学連は「1%と99%の闘い。山本太郎選挙を全力で闘っている」と述べた。
杉並支部は青年を含め3人が発言。「職場で団交を始めた。それが選挙戦でも生きている」「階級に責任をとることを訪韓闘争で学んだ」「非正規職撤廃に部落青年の未来がある」。品川支部は「狭山闘争に勝利する。支部員の解雇撤回闘争を進める」と述べた。
全議案を拍手で採択、体制を強化した13年度の役員が紹介され承認された。外注化阻止・非正規職撤廃・解雇撤回を貫き、狭山闘争、八尾北・西郡闘争の勝利へ闘う体制を打ち固めた。
(写真 岩本事務局長の議案提起に集中して聴き入る解放共闘の仲間たち【12月15日 東京・品川区】)
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週刊『前進』(2566号3面1)(2013/01/01 )
私たちを抜きに決めるな
福島閣僚会議に女たちが抗議
(写真 「原発いらない福島の女たち」の横断幕を先頭にJR福島駅前まで歩いた意気高いデモに大きな注目【12月14日 福島県庁前】)
12月14〜16日、「原発いらない福島の女たち」の呼びかけで「原子力安全に関する福島閣僚会議」への抗議アクションが行われた。スローガンは「私たちを抜きに福島のことを決めるな」だ。
福島閣僚会議は15〜17日、日本政府の主催、IAEA(国際原子力機関)共催により郡山市のビッグパレットふくしまで開かれた。福島原発事故の「知見・教訓」をもとに原発の「安全」を強化し、全世界で原発政策を維持・継続し、福島県民にさらに被曝を強いる暴挙である。福島における反原発運動をねじふせようという巨大な圧力に抗して、福島の女たちは真っ向から声を上げ、直接行動で反撃をたたきつけたのだ。
(写真 「命が大切だから原発はいらない。今守りたいものがあるなら原発はいらない」と歌う【12月15日 郡山市ビッグパレット前】)
市内デモうち抜く 14日福島
14日は福島市の県庁前のもみじ山公園に集合。県外避難者や経産省前テントひろばの仲間、青森や広島、福井など各地の人びとが続々集まり、150人に膨れあがった。
呼びかけ人の椎名千恵子さんが開会を宣言し、佐藤幸子さんがオープニングあいさつに立った。佐藤さんは「高線量の場所にみなさんをお呼びしたことを心苦しく思いますが、お母さんたちはここで『この場所にいていいのか』と日々迷いながら暮らしています。あきらめるわけにはいきません。子どもを守るために何十年、何百年、何万年も放射能と闘わなければならない。福島の子どものことを忘れず、美しい福島の自然を目に焼き付け、今後の活動の糧としてください」と訴えた。
黒田節子さんが県庁申し入れ行動を報告。呼びかけ人を始め女たちの怒りに満ちたリレートークが続いた(発言別掲)。
続いて参加者が一つの輪となってかんしょ踊りを踊った。命が脅かされていることへの怒り、福島の声を封じ込めようとする巨大な圧力への怒りを込めたパワーみなぎる踊りの輪となった。
県庁前から繁華街を通って福島駅にいたるデモに出発。警察の規制を吹き飛ばすエネルギッシュなデモ隊に沿道の人びとの注目が集まる。日ごろは声を潜めている住民も誰もが自らや子どもたちの健康被害について深刻な思いを抱えている。その思いのすべてを引き受けて「原発いらない!
フクシマ返せ! 子どもを守れ!」のシュプレヒコールが力強く響いた。
デモ解散地の福島駅前広場では1時間近く集会が開かれた。放射能に汚染された浪江町で400頭の牛を飼っている酪農家が「人生をかけて原発をなくす」と表明。富岡町から水戸市に避難中の女性の発言が続いた。
最後に椎名さんが「きょうの行動は終わらない行動。明日、郡山でお会いしましょう」と呼びかけ、参加者は勝利をかみしめながら散会した。
会場前で直接行動 15日郡山
15日は朝7時に集合、閣僚会議会場のビッグパレットに向かった。ビッグパレットは事故直後から原発近隣住民の避難所となり、今も道一つ隔てて川内村民と富岡町民のの巨大な仮設住宅群がある。苦しみ続ける被災者の目前で開かれる閣僚会議をどうして許せるか!
9時、ビッグパレット入り口近くの交差点に陣取って、抗議アクションが始まった。雨の降る中で黒田節子さんが「殺人者集団・IAEAが福島に拠点を設けることなど絶対に許せない。私たちの反原発の熱い思いは、こんな雨ではまったくくじけません。世界中に私たちの怒りを伝えましょう」と呼びかけた。
県内各地の女性、避難者、全国から集まった人びとの発言が続いた。福島診療所建設委員会の渡辺馨事務局長は「福島県内と全国の子どもたちを守るために『ふくしま共同診療所』を開設しました。子どもたちの未来を守るために一緒に闘いましょう」と呼びかけた。
寒さを吹き飛ばす熱い発言に続いて、ここでもフクシマの根底的な怒りを解き放ち、輪になってかんしょ踊りを踊った。
IAEAへの申し入れ行動では地元の女性が次々と発言した。「ただ一つ重要なお願いをしたい。私たちを抜きに福島のことを決めないでください!」の叫びには、ひときわ大きく「そうだ!」の声が上がった。
その後もマイクでの訴えが続いた。ふくしま集団疎開裁判の会の井上利男代表は「体が放射線によって破壊されていくとしても、私たちは自分自身で考え、自分の良心に従って行動します。放射線は体を貫いても、私たちの心を貫くことはできません。この精神の遺伝子は、必ずや私たちの子どもたち、孫たちに伝わるはずです」と訴えた。
午後2時。抗議アクションの終了時間を迎え、福島の女たちが並んで、歌い始めた。「命が大切だから原発はいらない。今守りたいものがあるなら原発はいらない」。深い思いを込めた歌声にみなで唱和した。
最後に黒田さんが「私たちはいろいろな傷を抱えてきたけれど、きょうは福島は福島だけじゃないと実感しました。目と目を合わせ手と手をつないで支援してくださることに感激しています」とあいさつ。全重圧を吹き飛ばして闘いぬいた福島の女たちに、参加者は熱い拍手と声援を送った。
(写真 寒さと雨を吹き飛ばす怒りと熱気で二重三重の輪になって「かんしょ踊り」【15日 郡山】)
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IAEAは来るな
福島の女たちのアピール
■14日・福島
●三春町在住・武藤類子さん 私の家のすぐそばに福島県環境創造センターができてIAEAが常駐するという。IAEAはチェルノブイリ事故の時は健康被害データを外に出させなくさせました。福島の健康被害が隠蔽(いんぺい)されていくことは本当に恐ろしいことです。黙っているわけにはいかない。一緒に歩んでいきましょう。
●西郷村在住・地脇美和さん 政府とIAEAの合意文書案は、原発事故のリスクを減らすために各国が技術や人材支援を強化し、原発導入を進める新興国にインフラや人材面で支援すると強調しています。IAEAは福島にはいりません。
●郡山市在住・人見やよいさん IAEAは「福島は安全。人が住んでも大丈夫」ということを国際的に認めさせるために来る。IAEAも福島県も国も「福島の教訓を生かす」と言うが、福島の教訓とは核を世界から放棄するということにほかなりません。私たちは声を上げ続けます。
●郡山市在住の女性 嫌なものは嫌だ。黙っていねえぞ。原発はいらない。線量計で測ったら、ここはポケットの中で毎時0・87マイクロシーベルト、地表は1・36マイクロです。こんなところで子どもたちを遊ばせていいのか。小さい子どもはお散歩をしたら転ぶし、けがもします。佐藤雄平知事、こんな危険なところに子どもをおかないでください。
●福島市在住の女性 明日の郡山には154カ国から1千人の関係者が来る。先日、友達が「息子は仕事がなくて、除染作業に行くことになった」と打ち明けてくれました。仕事がなくて、福島の人たちが被曝労働に従事せざるを得ないんです。私たちの生活と原発は絶対に相いれません。
●警戒区域・富岡町から水戸市に避難中の女性
「双葉郡の人間は東電から賠償をもらい、仮設住宅で昼間から酒をかっくらってパチンコ屋に行っている」と非難される。でも想像してほしい。1年9カ月、仕事を奪われ仮設生活で疲れ切った人が酒を飲みパチンコをして、どこが悪いのか!
私は双葉郡の避難者だから、月10万円の賠償金を使って原発反対の行動をします。環境省の役人や東電の社員は「双葉郡は再稼働のため除染するしかないけど、中通りは除染してもしょうがない」と言っているんです。一緒に声を上げましょう!
■15日・郡山
●旧警戒区域から田村市に避難中の女性 事故後に私たち福島県民は、この地球を覆う海の水ほど大量の涙をこぼしてきました。今まで広島・長崎の原爆投下やチェルノブイリ、核兵器と原発で人類が流した涙はどれほどのものでしょうか。洪水や津波は、核や戦争によって人びとが流す悲しみと怒りの涙の塊です。あくまでも核を進めようとする人たちに私は断固として抗議します。
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週刊『前進』(2566号3面2)(2013/01/01 )
労働者・民衆とともに闘う
森川文人弁護士の新年メッセージ
「司法改革」絶対反対貫き改憲阻止・全原発廃炉へ
「司法改革」絶対反対を貫き、労働者・民衆とともに改憲阻止・全原発即時廃炉へ闘う「憲法と人権の日弁連をめざす会」の森川文人弁護士から新年メッセージをいただいた。(編集局)
民衆反乱と革命におびえる政府
時代が大きく動き始めています。確かに私たちにとって厳しい時代ですが、資本家階級にとっても存亡の危機の時代です。政府や資本は、この大恐慌情勢を戦争と労働者への攻撃で突破しようと必死です。民衆の反乱、革命に心底おびえているのです。自民党や維新の会などが、集団的自衛権の行使を可能にするとか、憲法9条2項を改め自衛隊を「国防軍」と位置づけるなどと改憲案を声高に叫んでいます。また原発についてもさまざまな欺瞞(ぎまん)を凝らしながら、結局はその存続・推進の立場に立ち、核武装に踏み込む発言まで出てきており、原発存続=核武装へむき出しの姿勢をあらわにしています。
私たち弁護士の職場では何が起こっているか。「司法改革」、すなわち弁護士激増政策、ロースクール(法科大学院)、裁判員制度など、いずれも破綻の淵(ふち)にあり、最後のあがきとの闘いの最中です。まずはこの「司法改革」攻撃に真正面から立ち向かい、私たち弁護士自身の手でこれを倒すことが、いわば私たちにとっての「職場の闘い」として展望を開くものと確信しています。私たちが自らの誇りと生存のために闘うことが求められているのです。
弁護士の窮乏化と出願者の激減
弁護士の急激な増員政策の結果(1999年1・6万人から2012年3・2万人へ倍増)、今や弁護士の窮乏化は世間の常識となるほど、借金苦・就職難・仕事不足が深刻になっています。
さらに06年に始まったロースクール(法科大学院)制度は、当初、70%程度の司法試験合格率とうたわれながら、昨年も合格率が25・1%と低迷しています。法曹になるための経済的・時間的コストがあまりにも過大です。ロースクールの学費200万円(国立)〜540万円(私立)や司法修習期間の費用(貸与制)で、弁護士になる時点で数百万円の借金を負っている新人弁護士の存在は当たり前になっています。また弁護士になるにはロースクール適性試験→ロースクール→司法試験→司法修習→資格取得というプロセスが必要であり、その期間は4年7カ月から5年7カ月もかかります。これでは経済的に余裕がある者でなければ法曹を志すことができません。
そのうえ、法曹資格を得ても弁護士への就職率は60%程度。即独(ソクドク。いきなり独立開業が強いられる)、ノキ弁(給与などなしで軒先=机などの使用だけ許される)、宅弁(タクベン。自宅開業)は当たり前で、1980年代のピーク時5万人超の法曹出願者が今は1万5千人(3分の1)です。弁護士総体の業務量も激減し、仕事あさりと過労が常態化する中で、若者にとって弁護士はもはや職業としての魅力すら失っています。
80年代の国鉄分割・民営化に始まり、「政治改革」(小選挙区制など)を経て、構造改革の「最後のかなめ」(2001年6月「司法制度改革審議会意見書」)とされたのが「司法改革」です。労働組合を解体し、弁護士自治を解体すること、すなわち労働者・民衆の結集点となる社会的連帯の解体が目的でした。
弁護士の団結と自治の解体狙う
攻撃の対象は弁護士の団結であり、弁護士自治です。弁護士自治の本質は「弁護士の登録や資格審査は弁護士会が行い、公権力が介入することはない」という点にあります。戦前は司法大臣が弁護士への監督権を握り、検察や裁判所が弁護士の懲戒を司法大臣に請求していました。この歴史を総括し、弁護士は戦後、自治を獲得しました。
自治は弁護士会が労働者・民衆の側に立って国家権力や大資本と闘うための保障であり、国家権力から独立して存在するためのものです。だから弁護士自治は国家権力・資本にとって邪魔なのです。
そして今、弁護士自治の問題として「3分の1要件」廃止問題が大きな焦点になっています。日弁連会長選挙においては会員の最多得票に加え、3分の1を超える単位会で最多票を得ることが当選の要件とされていますが、日弁連執行部はこれを「再投票」において廃止しようと企てています。これは少数単位会の意思も尊重(単位会対等原則)して日弁連が運営されてきたという「連合会」としての自治のあり方を破壊する攻撃です。
確かに昨年の日弁連会長選挙は、4人が立候補し(私も候補者として原発反対、改憲阻止、司法改革反対を掲げて闘いました!)、再選挙にまでもつれ込み、マスコミから「決められない日弁連」と批判されました。執行部はこの「批判」に屈服したのです。重要な争点を巡って意見がたたかわされ、徹底的に民主的手続きが尽くされることは、団結・自治のためにはむしろ必要なことであり、力の源泉です。
99%の労働者・民衆と共に闘う
私たち「憲法と人権の日弁連をめざす会」は、90年代後半に「司法改革」が始まって以来、「司法改革」絶対反対の闘いを貫いてきました。民衆を強制的に「裁く側」に回そうとする裁判員制度も改憲攻撃そのものとして反対し、弁護士と民衆の共同の闘いとして「裁判員制度はいらない!大運動」を大きく前進させています。
一昨年初頭、チュニジア、エジプトで始まった革命、「アラブの春」の先頭に弁護士が民衆とともに立ちました。そして「99% 1%」をスローガンに階級対立を明確にした「オキュパイ・ウォールストリート」運動ともアメリカの弁護士団体「ナショナル・ローヤーズ・ギルド」が結びつき始めています。
日本においては、一昨年の3・11までは10万人規模のデモや集会は遠い外国でのことと思われていましたが、ついに10万人規模の人びとが首相官邸前(6・29、11・11)や代々木公園(7・19)に意志を持って集まり始めました。多くの弁護士がそれらのデモや集会に参加しました。原発について私たちは、これまで住民の訴えを退け続け原発推進政策を支えてきた裁判所の責任を徹底的に追及し、日弁連として原発即時廃止・再稼働阻止を明確に意思表示する運動を開始しています。
また郵政非正規ユニオンにおける不当労働行為や雇い止め攻撃に対する都労委での闘い、JR検修業務外注化=「出向」攻撃に対する動労千葉―動労総連合の法廷闘争なども始まりました。法大暴処法弾圧の全員無罪判決を始め大学における新自由主義攻撃との闘いにも勝利しています。
私たち弁護士は、新自由主義攻撃の「最後のかなめ」である「司法改革」にとどめを刺す闘いを貫き、改憲阻止、全原発即時廃炉を闘います。私たちの日弁連を取り戻し、世界の99%の労働者・民衆とともにその未来を切り開きます。
(憲法と人権の日弁連をめざす会・森川文人)
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週刊『前進』(2566号3面3)(2013/01/01 )
12・15日比谷 東京で閣僚会議弾劾
5千人が「原発廃炉」へデモ
福島現地とひとつになり、「福島閣僚会議」を弾劾する闘いが東京で行われた。12月15日午後1時から日比谷野外音楽堂で「Nuclear Free Now 実行委員会」主催の「さようなら原発世界大集会」が開かれ、冷たい雨を突いて労働組合や若者、親子連れなど1800人が駆けつけた。
冒頭、呼びかけ人でルポライターの鎌田慧さんが「今この瞬間も福島の人たちは非常に苦しんでいる。これをつくりだしたのは自民党の原発推進策だ。原発は全部つぶす。これからも闘っていきましょう」と訴えた。同じく呼びかけ人で評論家の内橋克人さんは「私たちの運動の成果で、各地の原発直下の活断層を無視できなくなった。前に進みましょう」と述べた。
作家の落合恵子さんはメッセージで「3・11を忘れない。福島を忘れないようにしましょう!」と呼びかけた。賛同人で法政大学教授の田中優子さんは「明日以降、この運動はさらに必要になる。皆さんと一緒に闘っていきたい」と語った。
海外からのゲストの発言の後、福島から参加した「ハイロアクション福島」の大賀あや子さんが福島の現状を報告し、「フクシマは終わっていない。私たちを抜きに福島のことを決めるな」と訴えた。閉会あいさつを呼びかけ人で作家の澤地久枝さんが行った。「私たちは政治を変えていく権利を持っています。勝つために頑張りましょう」
集会終了後、午後2時半から首都圏反原発連合呼びかけの「脱原発世界大行進2」が行われた。日比谷公園内で催されている「脱原発世界会議2」のさまざまな反原発企画の参加者も加わり、デモは5千人を数えた。
NAZENは200人が横断幕や全学連旗を先頭に行進した。原発への怒りを解き放ち闘いを呼びかける元気いっぱいのデモとコールは街頭の人びとの注目を集めた。
超反動自民党安倍政権打倒、再稼働阻止、全原発廃炉へ闘いは続く。
12・14官邸・国会前行動も
衆院選・都知事選過程も金曜行動が熱く闘われた。12月14日、首相官邸・国会前、霞が関一帯で「原発なくせ!」「再稼働反対!」の叫びがとどろいた。
国会前には衆院選に東京8区(杉並区)から立候補している山本太郎さんが駆けつけ、「今もこうして熱を失わずここに通い続けていただいてありがとうございます。こうやっている間にも被曝し続けている子どもたちがいる。原発は止めるしかない。即時廃炉しかない。今が頑張り時だ!」と力強く訴えた。
また女子高校生は「どうしたら原発をなくせるか考えました。それは国会前行動やデモに参加することでした。原発をなくすまで一緒に頑張りましょう」と呼びかけた。若い男性は「今日は絶対に来なければいけないと思って来ました。この活動を続けていきましょう」と発言した。
金曜行動を続けよう!
(写真 〈上〉さようなら原発世界大集会【12月15日 日比谷】 〈下〉デモ【銀座】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2566号3面4)(2013/01/01 )
前進社国賠 捜査報告書開示せよ
警視庁の違法捜索を弾劾
12月14日、前進社不当捜索国家賠償請求訴訟の第9回期日が東京地裁民事第1部(渡部勇次裁判長)で行われた。警視庁は09年10月23日、10・16法大集会を「公安条例違反」とデッチあげて前進社の家宅捜索を強行し、手当たり次第にCDやUSBメモリー、フロッピーディスクなど記録媒体1223点を含む1418点もの大量のものを押収した。本訴訟はこれらの捜索・押収が違法であると訴え、国家賠償を求めたものだ。
原告と弁護団は、デタラメな捜索・押収に関する警視庁の資料をすべて明らかにしろと求めてきた。しかし警視庁は開示を拒み、裁判所もそれを容認してきた。そのため法廷は昨年7月から開かれていなかった。
再開された今回の法廷で、原告代理人の弁護団は警視庁らの情報開示拒否とそれを追認する裁判所を弾劾し、あらためて捜査報告書の開示を求めた。原告の同志は、自宅の捜索の経験をとおして警視庁の捜査報告書の開示拒否を弾劾した。
今年10月5日、同志が朝10時に外出するのを見計らって警視庁公安1課の奥広樹らがコソ泥同然に侵入し、捜索容疑と無関係なものを押収していった。「鍵はどうしたのか。立会人は誰か」と問うても「鍵は鍵屋に頼んだ。立会人は消防署の署員だ」と答えるのみで、どこの鍵屋なのか、どこの消防署の誰なのかも明らかにしない。
人の自宅に勝手に侵入することが許されるのか。警視庁は何を持ち去ったのだ。何を写真撮影したのだ。盗聴器を仕掛けた疑いだってある。そもそも捜索の容疑と原告は何も関係ない。このような捜索・差し押さえの違法性を明らかにするためには、捜査報告書や立会人票を明らかにさせる以外にない。前進社国賠においても全資料の開示をあらためて求めた。
次回は2月21日午後1時半から。違法な捜索を弾劾し傍聴に集まろう。
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週刊『前進』(2566号4面1)(2013/01/01 )
新自由主義打ち砕き世界革命へ
国際的団結の力で職場を組織しよう
革共同国際労働者組織委員会
(写真 職場闘争報告に共感の輪が広がった11・3労働者国際連帯集会【千葉市】)
11月労働者集会には韓米独の階級闘争の火点から各代表団が参加した。特に10・1JR外注化攻撃をわがこととし、9月27日に日本大使館前で動労千葉スト支持・連帯を表明した民主労総ソウル本部の登場は感動的だった。外注化・非正規職化との闘いは新自由主義の核心を撃っている。エジプト、中国、欧州などで続く革命、ストライキ、デモの大波は、すべて新自由主義への労働者人民の怒りの決起だ。世界大恐慌の激化の中、国際連帯、国際的団結は途方もない力を発揮していく。この力を積極的に生かし、職場・地域で階級的労働運動を組織していこう。
階級的労働運動が築いた10年の日韓米労働者連帯
既成の体制内労働運動の国際連帯は、幹部同士の交流や集会への儀礼的な参加にとどまっている。しかし、03年11月集会が初めての日米韓国際連帯集会として開催されて以来の10年間は、まったく違う。労働組合の本来の姿、「労働組合は組合員のもの」という原則を取り戻し、組合員自身が具体的な闘いの中で交流してきたのだ。
新自由主義は資本主義の最末期だ。労働者階級が200年以上かけて闘いとってきた基本的権利の全面的な剥奪(はくだつ)、そして全世界的な争闘戦の激化、大戦争への突進以外に資本の行く道はなくなっている。だから、労働者の生きる道は全社会を根底から変えること以外にない。全社会の変革には労働者の丸ごと決起が必要だ。
労働者は、現代世界の支配者=資本家階級と最も直接的に日々対峙し、闘う存在だ。労働者こそが現在の支配体制を打倒する主体だ。労働者は、社会の生産・交通の担い手なのだから、必ず自分たちの力で社会を運営できる。
動労千葉も、この労働者階級の縮図であり、普通の労働者の集団だ。その動労千葉が丸ごと、支配階級が国家を挙げた総攻撃として仕掛けた国鉄分割・民営化に直面し、それとの闘いの中で潜在力を発揮し、自信と仲間への信頼、団結を深めてきた。この動労千葉が全世界の労働者からの信頼を獲得したのだ。だからこそ、韓国、アメリカの労働者と深い信頼関係を築くことができたといえよう。
(写真 11・4労働者集会後、動労千葉とともに国際連帯を訴えてデモする韓米独の労働者【東京・日比谷】)
民営化と闘う動労千葉が軸
アメリカは、帝国主義世界体制の基軸であり、74−75年恐慌によるこの体制の絶体絶命の危機こそが新自由主義を生み出した。また日本帝国主義にとって日米同盟とアジア戦略は死活的である。
その日韓米3国で闘う労働者が団結すれば、必ず勝利する。
日本の中曽根政権による国鉄分割・民営化は、米レーガン政権のPATCO(連邦航空管制官労組)の全員解雇・労組破壊、英サッチャー政権の大量閉山・炭鉱労組破壊と並ぶ、「世界の新自由主義の3大突破口」だ。この3大突破口との闘いを唯一継続し、階級闘争の最前線に立ち続けてきた動労千葉への信頼がこの3国連帯を可能にした。
ソウル本部が動労千葉支持
03年に初めて訪米・訪韓した時から、動労千葉訪問団は、組合事務所だけでなく、職場や闘争現場で組合員と交流してきた。
韓国・民主労総ソウル本部の訪日団も、毎年数十人の規模で三里塚現地で反対同盟と交流し、動労千葉で組合員と交流している。例えば08年には動労千葉と全国労組交流センターは、金属労組ハイテクコリア支会の日本遠征闘争をともに闘い、また訪韓団は同支会の高空篭城(ろうじょう)闘争の現場に駆けつけて支援している。12年春には金属労組亀尾(クミ)支部KEC支会は、動労千葉を受け入れ労組として日本遠征闘争を闘い、帰国後に解雇撤回をかちとった。KEC支会は動労千葉とともに東京西部ユニオン鈴コン分会や精研労組の闘争現場を訪問して現場組合員同士が交流した。
08年からは、両国のランク&ファイルの活動家が参加して千葉とソウルで日韓理念交流会を積み重ねてきた。
「外注化阻止・非正規職撤廃」の路線は、このように相互に闘いを吸収する中から生み出されたのである。
だからこそ、民主労総ソウル本部は、10・1JR検査・修繕部門全面外注化攻撃との対決を「動労千葉の存亡がかかった闘い」としてとらえ、日本大使館前に総決起したのだ。多くのランク&ファイル活動家の先頭に、03年以来の歴代のソウル本部長が全員参加した。翌日以降も連日、大使館前抗議闘争が続けられた。外注化・強制出向の最大の当該職場、動労千葉幕張支部の山田護支部長も11・4集会の壇上で「民主労総ソウル本部のみなさんの日本大使館前での闘い、本当にうれしくて涙が止まりませんでした」と感謝した。強制出向させられた悔しさの中であくまでも復帰を求めて闘い続ける組合員に、この国際的団結は限りない激励になっている。また、JR総連の青年労働者を動労千葉に組織化するための巨大なエネルギー源だ。
(写真 民主労総ソウル本部が日本大使館前で動労千葉の外注化阻止ストを支持表明【9月27日 ソウル】)
34年ゼネストの伝統生きる
米ILWU(国際港湾倉庫労組)のランク&ファイルの闘いも動労千葉とともにある。
07年にサンフランシスコのILWUローカル10の組合会館で行われた「戦争阻止労働組合国際会議」で動労千葉代表団は、「労働者の力は生産点にある」「職場で闘って戦争を阻止する」「2大政党制と闘い、労働者の独立した勢力をつくる」「労働運動をよみがえらせる」ことを討論した。この07年サンフランシスコ会議に基づき、ローカル10を中心とした戦闘的な組合員はILWU内での討論を組織し、08年5月1日にはイラク・アフガニスタン戦争の中止を要求して西海岸の全港湾を閉鎖した。ILWU本部が体制内化し、民主党との一体化を深めて港湾封鎖に反対する中で、港湾部会全体を獲得していったのだ。
11〜12年には、ILWUローカル21が巨大穀物商社の外注化・労組破壊攻撃に対して、「敵が一線を越えるなら、われわれも法を破って闘うのが34年ゼネストの教訓だ」と実力決起し、全米を揺るがす巨大な港湾占拠・封鎖闘争を切り開いた。労組破壊企業に参加しTPP(環太平洋経済連携協定)を推進する伊藤忠に対し、動労千葉は弾劾闘争を行い、固い国際的団結を築いた。
ドイツの階級闘争と結合し
欧州金融危機が激化する中、反原発運動が燃え上がるドイツの闘いも非常に重要だ。
3・11後、ドイツの反原発運動は「フクシマは警告している」「フクシマとの連帯」を掲げて巨万のデモを繰り広げ、メルケル政権を「脱原発」宣言に追い込んだ。
この反原発運動の軸になっているのがゴアレーベン核廃棄物処分場反対同盟だ。
この反対同盟派遣団は、12年1月に横浜で開かれた脱原発世界会議に参加し、動労千葉労働運動と接して相互信頼を深めた。そして8月に再来日して8・6ヒロシマ大行動や動労千葉での原発学習会、福島現地調査・交流を行った。
体制内労組指導部と対決して新自由主義と原則的に闘う「ベルリン都市鉄道の民営化に反対する行動委員会」は、ストライキ共和国と呼ばれるほど巨大なストの波を先頭で切り開いたGDL(ドイツ機関士労組)の組合員を軸にしたランク&ファイルの労組横断組織である。欧州の中軸ドイツで、その階級闘争の焦点にいる労働者たちが、11・4集会に代表を送ったのだ。
(写真 「世界の核施設を全部止めろ!」と開かれたゴアレーベン現地集会【12年4月28日】)
在日・滞日外国人と共同闘争
数十カ国・地域出身の在日・滞日外国人労働者は、6・20−7・9在留カード導入反対の法務省デモ、10・9東京入管デモを闘い、11月集会に大結集した。在留カードは極限的な非正規職として外国人労働者を大量導入するものであり、外国人の治安管理を強化し、日本人労働者との分断を図るものだ。在日・滞日外国人労働者と団結し、合同労組・ユニオンでともに闘いぬこう。
外注化阻止・非正規職撤廃は世界共通のスローガン
動労千葉は外注化を12年間にわたって阻止してきた。全国で千葉の検査・修繕だけがまったく外注化できない状態をJR資本に強制してきた。
この闘いの蓄積と国際連帯で吸収したものに基づいて「外注化阻止・非正規職撤廃」を提起した。だから、これは世界の労働者の普遍的な路線と言える。
74-75年恐慌で外注化に転換
そもそも”外注化”は70年代までは大きな流れになっていなかった。
74−75年恐慌からの延命をかけて日本が自動車を始めとして対米輸出にラッシュをかける中で、米国の代表的企業であったビッグスリーも追い込まれ、再編過程に入っていった。
GM(ゼネラルモーターズ)は、もともと多くの自動車組み立て会社を合併(水平統合)し、また原材料、部品の会社も合併(垂直統合)してつくられた会社である。外注化の反対、内製率の向上を追求してきた。フォードも製鉄所まで併設し、内製率を徹底的に高めてきた。そこには、独占利潤追求の動機とともに、1カ所での一貫大量生産によって効率を高める技術的な要請もあった。
しかし、これを逆転させ、内製化から外注化に方向転換したのだ。外注化にはもともと無理がある。危機に陥った資本主義の労働者に対するがむしゃらな攻撃だ。だから、労働者が団結して闘えば必ず勝利する。
79年、UAW(全米自動車労組)は、「雇用維持と引き替えに」組合側から労働条件の譲歩を申し出るという「譲歩交渉」路線に転換した。
結果は雇用維持どころか、一層の雇用破壊と外注化だった。そして、30年代以来の戦闘的な闘いの伝統を持つUAWが、ここまで資本に屈服することによって、全産業の資本が労働組合に「雇用か労働条件か」の二者択一を迫る道を開いたのだ。
この時期から急速に、伝統的工業地帯から労働組合の伝統が弱い地域への工場移転が加速されるようになった。組合員を丸ごと解雇し、非組合員の労働者に置き換えるためだ。実際には労働者の技術の蓄積の問題があるから、簡単には工場閉鎖・移転はできない。だが既成労組幹部の屈服により、資本は工場閉鎖の脅しで労組を譲歩交渉に引き込むことができるようになったのだ。
そして、実際に行われた外注化は技術の空洞化をもたらし、生産過程を劣化させていった。また、労働運動の伝統がない地域への工場移転も必ず新たな労働運動の誕生に直面し、外へ外へ移転を繰り返すしかなくなった。
絶対に労組をつくらせない極悪の労務政策・労働条件で有名な米スーパー最大手のウォルマートでも労組は12年10月、12の州にまたがる巨大ストライキに決起した。
ウォルマートで巨大なスト
同社は、外注先を中国から、もっと労組弾圧が暴力的でもっと賃金が安いバングラデシュに委託を移していた。今そこが世界最大の繊維産業集積地になっている。ところが、そこで12年11月、安全要求を弾圧してきたウォルマートブランドの委託工場の火災で100人以上の労働者が焼き殺され、巨大な怒りのデモが続発している。どんな圧殺も突破して労働者は決起する。「資本の楽園」はもうどこにもない。世界の労働者の団結で大反撃に打って出る時だ。
どの職場でも資本が労働者を屈服させるために使う言葉は同じだ。「国際競争に勝つため」「会社がなくなったら元も子もない」。これへの回答は「国際的団結」「資本主義の打倒」だ。
10年間、ともに11月集会を闘う中でますます強化されている日韓米独の労働者の強力な信頼関係がこの回答の正しさの最大の説得力だ。
(写真 ウォルマートで入店阻止ピケットを張る労働者たち【11月23日 米カリフォルニア州マラマウント】)
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週刊『前進』(2566号5面1)(2013/01/01 )
市東さんの農地を実力で守りぬく
三里塚反対同盟新年のアピール “来るなら来い”の気概で
農業切り捨てのTPP阻止を
(写真 千葉地裁の証人隠しを弾劾し市内デモに立ち上がった反対同盟【10月15日】)
(写真 市東さんの南台の畑にデモが到着し「ここを絶対に守りぬく」と誓い合った【10月7日】)
「農地死守・実力闘争」の原則を貫いて47年、三里塚芝山連合空港反対同盟から市東さん農地決戦を闘う新年のアピールが寄せられた。労農学人民の力で悪らつな農地強奪攻撃を粉砕しよう。裁判闘争と現地攻防を全力で闘い、3・24三里塚全国集会に大結集しよう。(編集局)
農地死守は正義だ 事務局長 北原鉱治さん
三里塚は闘い続けて47年、成田空港の完成を断固として阻んでいる。今振り返ってみるとこのように長くなるとは思ってはいなかったが、もともと農民の農地を奪って国際空港を建設するなどという「国策」には、いかなる正義・正当性もなかったということだ。だから空港の現状は完全空港化にはほど遠い。「有事」の名のもとに軍事空港として、大量の米軍・米兵を受け入れる基地として成田が利用されることは間違いない。
農民が農地を死守して闘うことにこそ、誰も否定できぬ正義がある。長い闘いの年月は紆余(うよ)曲折はあったが、この道を選んできたことは間違っていなかったと確信を新たにする。
天神峰の市東孝雄さんに今攻撃が集中している。早期結審、早期判決が狙われており、いずれ市東さんの農地の囲い込みが強行されることを今から想定しなければならない。
一昨年の現闘本部破壊・撤去の時のように、敵は不意打ちを狙い、あるいは夜陰に乗じて乗り込んでくる。一人の農民の生活・営農を国家が押しつぶすことなど断じて許してはならない。
全国のみなさん。ともに立ち上がってください。特に学生諸君は、自分が失敗することをおそれずに自由に闘ってもらいたい。
私も3月には91歳になるが、勝利へ向けてまだまだ生きる。
国際情勢は激動の中にある。労働者と農民が手を組み闘うことは、世界を動かす力を持つ。その勝利は疑いない。真の世界の平和がその時訪れるだろう。
反原発・沖縄と結び 事務局次長 萩原進さん
衆院選で自民党が圧勝し維新の会が議席を伸ばした。だがこれで右翼的反動的勢力が社会を思いどおり支配することができるのか。実際には民衆は既成政党すべてに失望している。
昨年は反原発闘争が霞が関・永田町一帯を席巻し、全国に拡大した。さらに沖縄米軍基地、増税、憲法などの課題をめぐり、民衆と支配層との激突は避けられない。
そして今、成田空港自体が大きな火種となっている。経営はますます危機に陥り、実際に稼ぎをあげているのは本来の旅客営業ではなく、テナントなどの副収入。さらに、顔色を変えて格安航空(LCC)の誘致にいそしんでいる。LCCのために飛行時間制限を緩和しろ、24時間空港にしろなどと叫んでいる。極限的コスト削減のために労働者の賃金を下げ、安全も無視し、その先に待つのは先のトンネル事故と同じ大惨事だ。そうした中で軍事空港としての性格もますます浮き彫りにならざるを得ない。
三里塚は、今この情勢の中で闘う人びとすべての共通の課題だ。動労千葉を先頭とする労働運動と連帯しながら、改憲阻止、反原発、沖縄の闘いと結合することで、三里塚はすべての闘いの勝利の保証となる。自民党はTPPについてごまかしていたが、結局は推進し、農民を切り捨て、労働者の首切りや非正規化を進めることは目に見えている。すがるものがなくて自民に票を投じた人びとも、そのときに必ず変わることを確信し、市東さんの農地決戦への決起を訴えよう。
裁判闘争の陣形をさらに強固にして毎回の法廷を真剣勝負として闘い、同時に三里塚現地において「来るなら来い」という気概で態勢を整えなければならない。そして3・24全国集会の大結集へと上りつめよう。
47年誇り高き闘い 天神峰 市東孝雄さん
私の農地をめぐる裁判に毎回多くの方々が駆けつけてくれて、心から感謝します。
私は父祖から受け継いだ農地を耕してきただけですが、NAAはそれを明け渡せと迫っています。現闘本部となりの南台の畑、そして家の前の天神峰の畑、作業場などを全部奪おうとしています。NAA(旧空港公団)は、代々耕作を行ってきたわが家には秘密にして旧地主から違法に土地を買収し、しかも位置の特定もデタラメ、裁判に出された書類も偽造というのが現実です。
裁判所もNAAを後押しするような裁判を進めており、許すことはできません。私も全力で闘ってきましたが、一人でがんばっても限度がある。ぜひみなさんの知恵と力を貸してください。
空港は公共事業といわれてきましたが、実際には今の成田空港は単なる金もうけの企業です。昨年6月にNAA社長に就任したのは元JR東日本副社長、「駅ナカ」の商売で当てた夏目誠で、もうけ第一の風潮は一層あらわになっています。そんなものに農業を明け渡すことが、どうしてできるでしょうか。
2010年、TPP推進派の前原外相は「GDP1・5%の第一次産業のために98・5%が犠牲になってもいいのか」と暴言を吐きました。自民党と維新はTPPに「慎重」を装ったり「国益にならなければやめる」と言ってるが、本音は推進、農業を金もうけの犠牲にしようとしている。
三里塚闘争は過去のものではなく、47年誇り高く続いている現在の闘いであることを、ぜひとも広めてください。私も沖縄・福島と連帯し、全力で闘います。あの裁判長のこと、すでに判決文ができているかもしれないが、2月18日の私の本人尋問ではそれを覆すつもりで証言します。
未来をかけた決戦 東峰 萩原富夫さん
市東さん農地決戦のために、できることをすべてやる。これを回避して三里塚の今後はない。市東さんを守るために最後の決意をこめて立ち上がる。その本気さを権力にも裁判長にも知らしめ、震え上がらせるくらいでないといけない。
三里塚・成田の問題に今関心がある人は、率直に言って少ない。ただ待っているだけでは人は集まってこない。3・11以降、民衆の意識は間違いなく変わった。反原発集会に数万、数十万の人びとが続々集まる。農民・労働者をはじめとした、命と生活がかかった決起だ。このうねりとつながることが三里塚に求められている。
今ある福島とのつながりをさらに広げて、反原発の現場、経産省前とかにもどんどん出ていって、反対同盟が具体的に目に見える形で立つことが肝心だ。実際問題、同盟員は人数も限られているし日々の農作業も大変ではある。だけど三里塚が47年間国家権力と闘ってきたこと、土地収用法に基づく事業認定を失効させたこと、これは本当にすごいことなんだ。本気で訴えれば人も変わる。これが三里塚という一地域、市東さんという一個人のことではなく、農民、労働者、学生全体の未来がかかっていることを全力で訴えたい。
学生諸君には、新歓闘争で三里塚のDVDを上映するとか、がんがん宣伝することを期待する。
新自由主義粉砕を 白枡 伊藤信晴さん
反対同盟の総決起で、必ず市東さんの農地を守りぬく。第3誘導路は3月31日に供用開始予定で、歩調を合わせるように千葉地裁民事3部・多見谷裁判長は3月に農地裁判結審を狙っている。
80年代のレーガン、サッチャー、中曽根政権においてあらわになった新自由主義政策は、資本の利益を一切に優先させ、社会と人間をずたずたにしてきた。もうけを価値の基準にする風潮をはびこらせてきた。市東さんに対する農地強奪攻撃は、この新自由主義の行き着いた先だ。
空港が利益を出すために、農地・農業・農家はじゃまだと言って襲いかかっている。経団連は農地法をさらに改悪して、企業が農業をもっと自由に食い物にできるようにしようとしている。もうからない農業はTPPでつぶせというのだ。
だが農業は人間生活の土台であり、安易に数字や金額で置き換えることなどできない。
農地裁判での萩原進さんの第1回目の証言は、そういう農業の本質を開拓農民の生活や苦労も交えて語り、充実した素晴らしい内容だった。農地決戦は、新自由主義の価値観を労働者と農民の連帯で打ち砕く突破口だ。
ここで農業続ける 婦人行動隊 鈴木加代子さん
私は父ちゃん(夫・謙太郎さん、12年1月に逝去)の背中を追っかけて、この地で娘と一緒に農業を続けていくしかない。機械は苦手で支援連の人たちに頼むことが多いけれど、どんなに大変でも私はこの暫定滑走路騒音直下の菱田に一軒残ったこの家から離れるつもりはまったくない。
父ちゃんは頑固だった。目立つ人ではなかったが、第一線で闘ってきた。市東孝雄さんが三里塚に帰ってきたときに、私も父ちゃんも市東さんの闘う心意気が本物だと感じたから、ずっと一緒にやってきた。空港推進派にとってはわが家の存在と部落に立ってる「空港絶対反対」の看板が目障りでしょうがないだろうが、脅しや金なんかで信念は曲げられないよ。
市東さんが置かれている立場は、本当に厳しい。日々ジェット機の騒音と警察の監視を受け、母屋を残して目の前の農地全部取ってやるぞと迫られながら、それを拒否して闘っていることがどれだけすごいことか。ここで孝雄さんとともに反対同盟が踏ん張りきれるかどうかが、各地の闘いにも大きく影響する。
どうかみなさん、全国から三里塚現地に、そして裁判傍聴に一人でも多く集まりともに闘ってください。お願いします。
原発・空港なくそう 婦人行動隊 宮本麻子さん
裁判では反対同盟側は当然のことを主張しているのに対して、NAA側は居直ったり卑劣なだんまりを決め込んだり……。本当に許せません。特に石指証人の時のビデオリンク方式の強行は、今思い出しても怒りに震えます。市東さんが「農地取り上げは私に死ねということだ」と訴えているのに、まともに聞こうともしない。
今農業・農民がおとしめられています。家族経営はつぶれても大規模経営が残ればいい、食糧は輸入でいい――こんなひどい主張がされている。
福島で果樹農家を営む私の実家の周囲では、木の皮をはいだり、高圧洗浄水を当てたりして除染を進めていますが、それで福島が受けた被害が和らぐものでは到底ありません。人間の生きていく基本をつくるのが農業。それを踏みつぶす原発や空港こそなくさなければならないものです。
昨年も三里塚に韓国から民主労総がやってきて、三里塚との連帯を表してくれました。私の福祉職場でも、人件費削減があの手この手で進められていますが、11月労働者集会で世界の労働者はひとつだと強く実感し勇気が湧きました。
今年を全原発廃炉の年にしましょう。農地決戦に勝利しましょう。
農業は人間の基礎 婦人行動隊 木内敦子さん
私はこの間、福島の子どもたちを受け入れる保養プロジェクトに携わっています。三里塚の野菜が届いたり、動労千葉の組合員が差し入れに来てくださったりと、これまでの仲間のつながりの大切さが実感されます。
あの原発事故によって言葉に尽くせない被害を受けた福島の人たちに、寄り添い続けることが大切だと感じています。
そうした中で三里塚のことを積極的に話したりしていますが、「応援します」とはよく言われても、現地に足を運び農地を守る決戦をともに闘うまでにはなかなか到りません。
でも三里塚はなんと言っても日本民衆の闘争史の土台に存在し続けてきました。けっして反対同盟だけの闘いではなく、全人民にとって絶対におろそかにできない財産です。闘う人を引きつけるものが必ずあります。
福島ではある農民の方から「7代先の子孫のために自分は頑張る」という言葉を聞きました。農業は人間の存在の基礎にあり、絶対に原発とは相いれないものだとあらためて感じました。
一昨年私はアフリカに行く機会があり、そこでも自然とともに誇りをもって生きている人びとの姿に感銘を受けました。
私もこの時代にしっかりと生きるために、市東さんの農地決戦を闘いたいと思います。
強制執行許さない 森田恒一さん
私は今、市東さんの農地裁判のこと、そして農地強奪の暴力が襲ってきたらどう闘うのかを、寝ても覚めても考えている。あの現闘本部裁判でも明らかなように、反対同盟側に理があり勝って当然の裁判も、国策裁判となると、恐るべき理不尽が大手を振ってまかりとおる。
市東さんに対し近い将来農地明け渡しの判決が出たとして、ある日執行官がNAAや大量の警察機動隊とともに訪れて、まず杭打ちから始める。それをこちらはどうやって体を張って阻止するのか。そういうことが常に頭から離れない。
現闘本部の時は東京高裁が仮執行宣言を付け判決確定前に破壊・撤去を強行したが、市東さんの農地に対しては絶対そんなことをさせない。
選挙では自民党が圧勝し、あの戦争好き右翼・石原の維新の会も伸びた。実に最悪の政局だ。自衛隊を国防軍にする、憲法改悪すると息巻いて、彼らが引っ張っていく先は戦争だ。私は95歳だが、子や孫が戦争のためにひどい目に遭うことなど、許しておけない。私も闘いの先頭に立つ。
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週刊『前進』(2566号5面2)(2013/01/01 )
■農地決戦に向けた詩
“おれは市東孝雄”
三里塚教会信徒 戸村義弘さん
俺は市東孝雄
耕す土地にも地番がある
戸籍にも彫られている
天下に恥じない農民だ
それがここ(法廷)では被告人だ
国策とは農民殺し
収用法の期限が切れて
農地法まで使って農地略奪
「耕す者の権利」は
いつどこへ吹っ飛んだ
(中略)
俺は百姓
天からもらった生業だ
親子三代この仕事に生きてきた
まじめに耕す野良人を
大地は抱いて離さない
土地は金だと買いあさる生命路線の分断者(資本主義)
弱肉強食推進の新自由主義
一億八千万円 過ぎた補償だと
「生き甲斐」まで買いたたきにやってきた
人間性発展を実現する
社会の創造目指して
人権・平和・共同・連帯
実力闘争で未来を築こう
カネは汚辱だ
「命(ぬち)ぞ宝」
12月2日
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週刊『前進』(2566号5面3)(2013/01/01 )
12月11日〜17日
海兵隊水陸訓練に陸自が初参加/衆院選投票率は戦後最低
●燃料棒同士が接触 東京電力は、新潟県の柏崎刈羽原発5号機の使用済み核燃料プールに保管していた燃料集合体1体で燃料棒が曲がって接触していたと発表した。(12日)
●北朝鮮ミサイル発射、安保理が非難
北朝鮮が人工衛星ロケット・弾道ミサイルを発射した。日本政府は強く非難し、国連安全保障理事会は安保理決議に「明確に違反する」と非難する非公式談話を発表した。(12日)
●全16原発の予測図訂正 全国16原発で重大事故が起きた場合に放射性物質がどう広がるかを示した予測図に誤りが相次いで見つかった問題で、原子力規制委員会は、全16原発で気象データなどの入力ミスなどが見つかり、すべての予測図を訂正した。(13日)
●尖閣、空自が緊急発進 防衛省によると中国国家海洋局の航空機1機が尖閣諸島(釣魚台)の南約15`の「日本領空」に入ったため航空自衛隊の戦闘機が緊急発進した。中国機が「日本領空」に入ったのは自衛隊が統計を取り始めた1958年以来初。(13日)
●米海兵隊水陸訓練に陸自が初参加
陸上自衛隊は、在沖米海兵隊が沖縄県内の米軍基地や沖縄周辺で17日から実施する水陸両用訓練に、研修として陸自の幕僚監部や隊員約20人が初参加すると発表。1月15日からは米海兵隊と陸自の訓練を米カリフォルニア州で実施し自衛隊員が米側のオスプレイに初搭乗する可能性も公表した。(14日)
●東通、活断層の可能性高まる 東北電力東通原発(青森県)の敷地内の断層の調査を終えた原子力規制委員会の調査メンバーは、活断層との見方を強めた。(14日)
●敦賀活断層指摘「根拠が不十分」
電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は、原子力規制委員会が日本原子力発電敦賀原発(福井県)の原子炉建屋直下に活断層がある可能性を指摘した判断に対して、「十分な根拠が示されたとは理解できていない」と述べた。(14日)
●廃炉調査受け入れ 政府と国際原子力機関(IAEA)が共催する「原子力安全に関する国際会議」が福島県郡山市で始まり(〜17日)、約120の国と機関が参加。共同議長の玄葉光一郎外相は、東京電力福島第一原発の廃炉についてIAEAの国際専門家調査団の受け入れを表明した。(15日)
●福島に原子力対応拠点 福島県とIAEAは、アジア地域の原子力災害に備え、緊急対応を訓練できるほか放射線測定器や防護服を備蓄する「IAEA緊急時対応能力研修センター」を13年にも福島県に設けることで合意。(15日)
●衆院選で自民党単独過半数に 第46回衆院選挙が投開票され、自民党が単独過半数(241議席)を大幅に上回る294議席を獲得した。(16日)
●投票率戦後最低 総務省は今回の衆院選(小選挙区)の投票率が59・32%になったと発表した。(17日)
●改憲要件緩和へ意欲 自民党の安倍晋三総裁は、改憲の発議要件を衆参の3分の2以上から過半数に引き下げることに意欲を示した。(17日)
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週刊『前進』(2566号5面4)(2013/01/01 )
【要項】2013年新年旗開き(三里塚)
1月13日(日)
◎敷地内デモ
午前10時30分
市東さん宅南側の開拓組合道路
◎団結旗開き
午後1時 レストラン「ハナマサ」(成田市並木町大久保台219)
主催 三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2566号6面1)(2013/01/01 )
職場に団結つくり労働組合を甦らせる
青年は労働者党建設の先頭に立つ
(写真 11・4全国労働者総決起集会で、動労総連合の青年組合員が、登壇した国鉄労働者を背に、JRの外注化攻撃を粉砕して闘いぬくと力強く決意を述べた)
(写真 7月16日、代々木公園での反原発集会を17万人とともに闘い、青年を先頭にデモするNAZENの隊列)
マルクス主義青年労働者同盟の第9回大会が行われた。大会は同盟結成から10年目の到達地平を打ち固め、階級的労働運動の本格的全面的な発展を切り開く新執行体制を確立した。世界大恐慌下、日本の青年労働者はいかに闘うのか。「外注化阻止・非正規職撤廃・解雇撤回を闘い、あらゆる職場で労働組合をよみがえらせよう」をテーマに、闘う青年労働者に大いに語ってもらった。
青年労働者座談会
出席者
安積慶吾 JR
九賀徹哉 JR
長坂典明 JR・非正規
関 雄一 郵政・非正規
砂塚宏行 郵政
志川隆一 自治体
津村亜紀 自治体
幸村 駿 医療
皆藤さくら 合同一般
原山 健 被災地・合同一般
村沢明夫 司会
JRで青年の反乱が始まった
反対貫くのが労働組合
村沢 2012年は10月1日のJRの検査・修繕部門の外注化をめぐる闘いをJRをはじめ全国でつくり出してきました。10・1外注化攻防はどうでしたか。
安積 残念ながら10月1日、外注化は強行されたんですが、われわれは全然負けていない。9月のストライキでは、職場の若い人が先頭になってスト破りを拒否してくれた。本当に職場の人たちが怒りに怒っている。それがこの決起で本当にわかりました。それまではストを打っても「またやってるよ」という反応だったのが、「どんどんやれよ」に変わったんです。職場の若いのが怒りをあらわにした。これだけで本当に勝ったと思いました。
村沢 職場のみんなはどんなところに怒っていたんですか。
安積 一番は、出向に出されて3年で戻ってこれないんじゃないかということ。自分の今いる職場が丸ごと委託されるわけだから。だけど「会社も大変みたいだから」と外注化はしょうがないとも言っている。でも外注化というのは非正規職化につながっていく。今の社会の中で起きようとしているのは、全部の労働者を非正規職にするということです。国鉄分割・民営化で労働組合を破壊して、労働者の団結を破壊してきた中での今度の外注化。分割・民営化の時に出た自殺者だとかを二度と出しちゃいけないというのが、若い人にすごく伝わったと思います。
村沢 10月1日後、職場の状況はどうですか?
安積 10月1日を迎えてから本当に職場は問題だらけ。10月1日早々、制服もまともに用意できてない。必要な道具すら準備できてない。外注会社には鉄道の構内や検修の業務を請け負うだけの体制がまったくないということが明らかになりました。作業責任者が指示を出せないんですよ。っていうか作業を理解してない。だから1週間ぐらいは職場の中がガタガタでした。職場の労働者が怒って決起したら、これだけ強いんだと実感しましたね。
村沢 九賀さんはどうですか。
九賀 外注化とライフサイクルは別問題と考えやすいんですけど、両方とも共通していることが一つあるんです。東労組の連中がすべて協定を結んでいることです。
安積 今回10・1の外注化にあっては、東労組が「外注化はいつやるんだ」って会社にけしかているんです。労働者を守るのが労働組合なのに、労働者を売り渡す。もうそんな組合は労働組合って言えない。
長坂 そう。はっきりいって西労や西労組もただの金集め集団。解雇されそうになった人も「会社と対立するつもりはない」とか、労働協約に縛られているとの理由で守らない。結局その人は、解雇を許さないという動労総連合に加入した。「動労総連合が正しい労働組合の運動なんだな」と言っていた。労働者を守るのが労働組合の原点だとはっきりしました。
九賀 労働組合は保険じゃないけど保険にもなっていないのが東労組。分割・民営化から25年たつけど変わらない。東労組はただの利権集団ですね。
安積 東労組は闘う意志はまったくないんですよ。「すでに一部、委託されているからしょうがない」とか。そんなこと言ったら、どんどん外注化されちゃう。それを取り返すんだってやっていくのが普通だろって。東労組の幹部は資本と一体となって自分だけは生き残ろうとしか考えてない。
津村 今回の10・1というのは既成労組幹部の裏切りによって強行されたというのがでかいよね。
安積 それしかない。あと国労も本当にひどかった。真っ先に外注化に妥結したからね。
津村 2010年の4・9政治和解を中途半端に見たらいかんというのが外注化阻止決戦でよりはっきりした。
村沢 「しょうがない」と言って現実に屈服していく既成労組の限界に対して、僕らは絶対反対で闘って労組復権の環をつかんできた。現在の職場の状況はどうなっていますか。
安積 今は落ち着いてきちゃっている部分もあります。でも落ち着き始めた頃にまたばたばたしたり。例えば出向社員のボーナスの明細が出向先の外注会社の管理者から渡されるという話になったときに、「こんなの偽装請負だろ」ってみんなで受け取りを拒否するとなった。
村沢 これから次々と矛盾が出てきますね。
安積 会社は出向者に対して不利益なことは何もないんだと言ったにもかかわらず、外注会社は旅費規程(出先での仕事に行った際に出る手当)はないから旅費はつけませんという話になったり。
津村 むっちゃ労働条件が変わってるやん。
安積 休みも5日間減ったんです。
村沢 動労西日本でも青年労働者が労災認定を要求してストライキに立ち上がりましたね。
長坂 JR西日本ができてから平成採の正社員では初のスト。しかも本社のおひざ元で。彼は動労西日本に入ってから、管理者に36協定を結んでないから必ず定時に帰れとしつこく言われている。彼の存在自体がJR西日本にとって脅威になっている証拠です。
安積 うちは定時に帰れとは言われないなあ。
幸村 当局が言えない力関係があると思う。
安積 今、若い人は上の人にはあまり逆らわないけど、おかしいことにふざけるなと言えば、相手は何も言えなくなる。そこで力関係ができてくる。
幸村 うちなんかは管理職がまともに口をきいてくれなくなっちゃった。
志川 へたなこと言ったらビラに書かれてしまうと。
幸村 そうそう。資本は俺の背後に労働組合の姿を見てるわけよ。
正規・非正規の分断破り
村沢 自治体、郵政でもJRと一体で外注化阻止決戦を闘いましたね。
志川 9・16橋下打倒闘争の総括も入れ墨調査攻撃に絶対反対で闘ったことにあるんです。まず解雇攻撃だと徹底的にみすえて絶対反対で闘った。職場にいけば「勝手に調査を拒否したんでしょ」と個人的な問題として扱われる。でも橋下は5月に入れ墨で解雇できると具体的に検討していた。どう見てもこれは個人的な問題ではないわけです。それに対して当初513人が調査アンケートを提出しなかった。大半が意識的な無回答です。橋下の組合つぶしや処分攻撃に対して裁判闘争も含めて決起がどんどん始まっている。でも組合本部は労働組合としての方針を出さないんです。だから僕らはすべては労働組合の問題なんだと鮮明にさせていった。そうすることで闘いの結集軸になれる。それが組合をよみがえらせることだとますます確信しました。
「政治活動規制条例」による入れ墨調査拒否に関する当局からの呼び出しに対しても、労働組合つぶしのための不当労働行為だととらえて9・16を組織化したんです。
村沢 橋下打倒署名は全国で集まったよね。
志川 でも職場は簡単ではない。やっぱり体制内労組の重圧が職場に一番くるんですよね。そこの全重圧を引き受けて闘うという覚悟がいるし、この動と反動のうねりのぶつかりあいの中で9・16や11・4労働者集会に現場からの決起が生まれたんです。
関 郵政は、誰もが辞めたがるような職場環境です。年賀状の営業ノルマは正社員は1万2千枚、非正規は2千枚、3千枚。「自爆」はコンプライアンスで郵便法で禁止されていますなんて言っている隣で別の管理職が売れなかったら「自爆」しろと言う。毎日パワハラを受けてどんどん病気になっていく。バイクも過積載でひっくり返る寸前で、タイヤもツルツル。欠区が増え配れない。人員補充もしない。交通事故が起きて仲間が死んでいくというのがここ2、3カ月で一気に増えている。職場に行けば殺される状況。
幸村 まさに新自由主義職場だ。
関 JP労組が闘わないから見殺しにされているんです。だから郵政の労働者は仕事を辞めてよかったとなる。非正規の青年は仕事に誇りをもてないし、少しでも賃金や雇用条件のいい職場に行きたいとなる。3カ月間しか雇用がない状態で組織しなくてはいけない。JP労組に所属している本務者が本気で変えようとならないと、うまくいく話じゃない。正規と非正規の壁を越えられないジレンマが続いている。
志川 うちの地区でも同じ課題にぶつかっている。非正規の青年労働者だったり委託先の労働者を組織しようとしてもそう簡単には進まない。今回、動労千葉が委託先まで組織化するという闘いに入った。うちでも委託元の自治体労働者と共同して闘おうとなって展望が開けている。
関 動労千葉が外注化阻止・非正規職撤廃を掲げて全体も本気で闘ったことは、非正規の僕にとってはすごい励みになったし、闘う原動力にもなっている。郵政非正規ユニオンは小さい労働組合だけど、郵政の巨大資本が全力でつぶしにかかってくる。労働組合の闘いで郵政の不法・不正が明るみに出ることを恐れているんです。
幸村 郵政非正規ユニオンの闘いは産別も超えている。うちの職場でも雇い止め・解雇撤回を闘っている労働者がいるんだけど、郵政非正規ユニオンの雇い止め・解雇撤回の闘いを通して自分の闘いが位置づくんだよね。それですごい空気入っている。
村沢 被災地での闘いはどうでしたか?
原山 12年の3・11郡山の反原発1万6千人集会では労働組合旗が林立していて労働組合の力はあらためて強いなと思いました。7・16代々木公園にも17万人集まった。非正規職で未来が見えないという若者も世の中おかしいと決起が始まっている。
村沢 この力で野田を打倒した。
原山 自分は今、解雇撤回を闘っています。会社解散・全員解雇、選別再雇用という国鉄分割・民営化型の組合破壊のための解雇です。この闘いを全労働者階級の問題ととらえ国鉄闘争と一体で闘っている。労働組合で団結して闘えば解雇は撤回できることを実証したい。この闘いを土台にして震災解雇にあった仲間の解雇撤回もかちとった。復興特区攻撃がある中で、僕らの闘いは労働者の怒りの結集軸になろうとしている。それを確信しました。
“時代認識と路線”で勝負する
村沢 12年10・1を闘い抜いての課題は?
安積 若い人が怒りをあらわにしたけれども、まだ組織拡大には壁があるんだなっていうことです。
長坂 JR西日本でいえば西労組のやり方には反発しているんだけど「上の役職に就きたいからこの組合は離れられない」という人もたくさんいる。
九賀 12年4月に新人事・賃金制度が導入されて、等級制の給与が廃止になった。外注化を進める上で管理職配置が必要になるから、管理職を増やす賃金制度にしたということ。だから試験にうまく受かってやりすごそうということが起きていますね。
村沢 闘わない組合に不満があるけど、「自分の生活を考えたら、闘う組合に合流するとまでならない」と。そこをどう突破していくか。
幸村 新賃金制度の導入を見ても資本は階級性の解体を常に考えている。その分断にのっかりたい労働者の気持ちも確かにある。出向に行っていいポストについて年金をもらう……。でもこの人生設計がその通りいくのかってことです。
志川 やっぱり時代認識の問題だと思うんだよ。うちの組合の執行部は下水道の民営化はいいことだ、入れ墨調査で解雇はないとか必死に言ってくる。この背後にあるのは資本あっての労働者という時代認識。でも現場は解雇攻撃だとつかんでいる。それを具体的な闘いで暴き出すのが入れ墨処分絶対反対の闘いです。この中でいっしょに組合を変えていこうという仲間が膨大に生まれている。そこに結集軸があるかないかでまったく違う情勢が切り開かれると思うんです。
幸村 そう考えたら10・1外注化阻止決戦というのは、どう考えても勝利しているんだよ。こんな雑でデタラメな外注化をこのタイミングで、なぜやらなければいけなかったのか。それは資本が追い詰められているからだよ。
志川 橋下もそうやし。
幸村 動があれば職場ではすごい反動もくる。そこで俺たちは勝ってるのか負けているのかといったら、どう考えても破綻的なのは向こうの方なんだよね。うちの労働者もそうだけど、闘うと必ず反動がくる。資本主義が永遠に続くというふうに見ていると展望が見えなくなるけど、資本主義はガタガタになっているじゃないかと見る。資本主義の終わりの表れが職場で起きているということ。ここを抜きにした議論だけだと戦術議論になっちゃう。
皆藤 そうそう。こうしたらうまくいくとかじゃないんだよね。
幸村 労資全体の攻防の中で、どういう位置にあるのかはっきりしないと、いつまでたっても「勝っているか負けているかわからないけどとにかく闘い続けなくては」となっちゃう。
関 ピンチは資本、チャンスは労働者。安倍や橋下や石原と労働者、どっちがまともなんだということだよね。
職場の団結に責任とる
皆藤 うちの職場の人も選挙の話になったときに、『前進』を見せて社会のあり方を全部変えるために労働組合をつくって職場を自分たちで変えていくしかないと話をしたら、同僚は今の職場や国のあり方、連合にすごい怒りだした。勇気を出してつっこんだ議論をしたら同僚の怒りがわかった。職場のことだけ見ていると行き詰まっちゃう。でも世界で起きていることと、自分たちが今、職場でやっていることがつながっているんだと話をしていくとそこで自信をもつ。時代認識と路線とはどういうことなんだろうってこの1年間もんもんとしていた。それがわかったのが外注化阻止決戦なんです。
一同 おお!(驚嘆)
皆藤 うちの合同労組の非正規職の分会でも、派遣先の会社が業務契約を切るという攻撃をかけてきている。非正規職撤廃の闘いを進めるために、その攻撃の本質、背景を見て闘いを組織していきたい。合同・一般労組全国協議会の全国の闘いを学んでいかしていく。そういう議論を深めていくことが大事だと思っているんです。
幸村 そう見ていくと、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会ってすごいと思う。あの支援陣形の広さ。この解雇撤回をかちとったら非正規職を撤廃できるという展望があるから、労働者をひきつけてやまない。みんながその気になったら勝つし、その気にならなかったら負ける。これが結局、階級攻防なのかなって。職場の力関係にしても、例えばみんなが残業代の請求当たり前じゃないかってなると管理者も文句を言えない。逆にみんながその気になっていないと資本もごりごり攻撃してくる。
10・1外注化阻止でプロレタリア革命の可能性がつまっているとはっきりしていくと、もっともっと力を出すことができる。労働者の力はすごいんだよ。
志川 職場ではみんなやられたい放題なんだけど、やられてからどうするのかっていうのが労働組合の勝負所だと思うんですよね。
一同 そうなんですよ。
津村 闘いの総括も時代認識でするということですよね。それができるのが地区党だと思うし、時代認識と路線で職場の団結に責任をとり続けるというのが党建設だと思う。そこが据われば無限の闘いがやれる。
外注化粉砕・非正規職撤廃へ
村沢 2013年、外注化阻止・非正規職撤廃・解雇撤回の闘いはいよいよ第2ラウンドに入ります。13年をどう闘いますか。
安積 10・1というのは外注化の終わりじゃない。むしろこれから全面化していきます。この外注化攻撃はまさに第2の国鉄分割・民営化だと思うんです。分割・民営化反対の25年間の闘いを継続させたい。継続だけじゃなく、青年の手でどんどん大きくしていかなければいけない。でないと原発もなくならないし、非正規職も撤廃できない。職場で闘いを呼びかけていきたいですね。
九賀 会社は賃下げ、競争、人の心なんか思いやらない。もう人間性がなくなる。基本に立ち返って、青年で俺らどうやるかという話をしてから、組織拡大をしていきたいですね。人間として生き、仕事をするためにがんばりたい。そのために組合活動が必要です。一番魅力あるのは団結。今の世の中を見てもひしひしと感じる。
村沢 13年の前半戦は2・1ライフサイクルの深度化粉砕の闘いと、4・1JR外注化阻止の闘いが決戦になりますね。
幸村 まずJRの攻防を全産別・全職場の攻防としてとらえていくことが重要だと思います。大恐慌下の日帝は労働者を総非正規職化して徹底的に搾り取って生き延びようと、JRを先頭に外注化を強行してきた。JRはまさに日帝の中枢・最先端です。JR東日本が出した「経営構想V」を徹底的に対象化して粉砕していく。それぞれの職場もJRの攻防からとらえて、ライフサイクルの深度化粉砕・外注化阻止の大運動をただちに始めよう。
村沢 ライフサイクルの深度化はどういう攻撃としてありますか。
安積 駅の外注化と一体だと思うんですよ。今、山手線の駅を全部ホームドア化して駅を外注化してどんどん人員削減をしていこうとしている。それでホームを見きれるはずがない。改札はグリーンスタッフで非正規にして、ホームドアを設置できないような駅は、運転士をライフサイクルの制度でぐるぐる回す。
長坂 西日本においては駅の外注化をするにあたって契約社員制度というのを導入して、外注化を進める基盤をまずつくったわけです。外注会社をいきなりつくったとしてもまったくノウハウがない。新しく社員教育していたら金がかかるし施設もいる。だから直接雇用の契約社員を教育して、非正規でいつでも首を切れる状況にしておいて5年たったら全部、外注会社にもっていく。JRの契約社員と外注会社の社員が、改札口としては別の場所だけど同じ一つの駅にいるという構図になっている。
皆藤 偽装請負じゃん。
安積 そんなのはJR東日本もありますよ。どこでも起きている。私鉄では、普通列車の運転士が特急列車が通過する間、乗務している車両から降りてホームを監視するというのが普通になっている。
長坂 その関係でいえば、列車の両数を減らして、4両編成を2両編成にしてそれでワンマンで乗れとか、ばんばんやっている。運転士が運賃収集とか改札も全部一人でやる駅もある。
安積 どんだけ運転士を労働強化するんだ。しかも運転職場の人員に余裕がないのに、なんでそこからライフサイクルでわざわざ駅に出すのかということ。もう2徹3徹当たり前みたいな状態で運転士を回しているんです。
志川 高速バスといっしょだね。
村沢 大事故が起きてしまうよ。
安積 車両の検査が切れていることを分かってて営業に使っていることもある。安全の崩壊です。民営化・外注化がもたらしたものなんですよ。会社はいつも安全・安定輸送と言ってるけど何一つ守られていない。この矛盾と本当に闘っていかなければいけない。
(写真 11・4労働者集会をかちとり都心をデモ行進する青年の隊列)
全産別で反合闘争を!
幸村 事故に対して闘うのがすごい重要になってくる。「利用者のための安全を守る」という理屈に対して、「労働者の安全を守って何が悪いんだ」という闘いを対置できるか。
病院なんかはここの踏み込みはけっこう重要。うちの病院でも、徹底したもうけ体質にするということで50人ぐらいがこの3年で減らされた。そうしたら事故が1・5倍までバーンと跳ね上がった。それで経営はJRの「日勤教育」と同じことをやる。カンファレンスというんだけど、事故報告書を検討して「みなさん気をつけましょう」と。でも事故の責任は誰にあるのか。人が少なくなっているから事故が起きているわけで、この本質を突かせないように労働者が悪いんだと労働者にすりこんでいく。13年はこことの対決ができたらいい。
事故問題は、正規・非正規関係ない。だから正規・非正規の分断を越えた決起をつくりだすテコになる。
村沢 民営化・外注化・非正規職化や偽装請負が事故をもたらしたものだとはっきりさせて労働組合の闘いにすることですね。
皆藤 06年に起きた幕張車両センターの事故との闘いで、動労千葉はJR資本に責任があるんだと言い切った。動労千葉の反合理化・運転保安闘争路線を全産別で闘いたい。
幸村 例えば年金窓口でも殴られる事件が起きている。
志川 生活保護の窓口で刺されたりとか。これを労働者の反合・安全闘争として闘う。
村沢 そこで資本・当局は窓口を民営化すればいいという。「そういう危ない仕事は違うところにやらせます」などと言いながら非正規化を進める。それで生活保護以下の賃金の労働者を生み出そうとしている。これに立ち向かえるのは労働組合しかない。
原山 原発労働と同じ構図。しかも腐った労働組合がそれを進めてきた。
津村 JRは安全を投げ捨てて駅ナカ事業でもうけて、どんどん鉄道会社じゃなくなっている。
関 郵便物をシュレッダーにかけるような事態が起きる一方で、資本は郵貯でもうける。郵便局は配達が本来業務だろ。郵政も終わっている。
村沢 12月2日に起きた笹子トンネル事故、教育での「いじめ問題」。新自由主義のもとであらゆる社会事業が崩壊している。
皆藤 外注化阻止・非正規職撤廃・解雇撤回で闘うというのは、労働者の命と安全を守ることを前面に出していくということですよね。
労組の原動力は青年だ
村沢 そういう労働運動を全国につくりだしていくのが各地で行われる青年労働者集会だと思うのですが。
幸村 2・1ライフサイクルの深度化、4・1外注化に対してどう勝ちぬくのかということを据えて、産別を超えて青年労働者が団結を固めていくものとしてやっていきたいですね。実行委員会1回1回をみんなで意志一致して実践するというのをどんどんやっていく。
志川 関西では2・24橋下打倒集会があります。橋下が民営化攻撃に突き進んでくる中で、JR同様、民営化・外注化反対の闘いが問われる情勢に入っている。これを徹底的に餌食にしてこの2カ月、そして4・1外注化阻止に向かって闘っていきたい。
津村 外注化・非正規化の攻撃が進めば進むほどこっちの中身も団結も深まって一つの階級的労働運動にしぼりあげていける。10・1外注化阻止決戦でつかんだ闘い方です。
関 郵政では雇い止め阻止決戦でまいたビラの結果、今まで労働組合を見たこともない人からの電話が殺到した。雇い止めでもう家族を養えないからのっぴきならないんだと。どんどん芽が出始めている。それを一つのうねりにしていくのが青年集会です。
長坂 やっぱり労働組合の原動力は青年です。でも青年は労働組合のことを知らない。非正規職化が進む中でどんどん貧困層につきおとされてしまう。だから「労働組合って何」ってことから始めて、青年がこの国を変えるんだというぐらいまでにやらなければいけないと思うんです。そのために青年集会を取り組みたいですね。
(写真 2月26日の関西青年労働者集会に結集した関西生コン支部青年部などの労働者は、梅田までのデモに立ち橋下打倒の声をとどろかせた)
1000人のマル青労同必ずつくる
村沢 マル青労同は結成10年目に入りました。
砂塚 僕たちは大まじめに労働組合を語って実践をする中で、ついに労働者党・革命党の建設を青年労働者自らが欲求するところまできた。マル青労同がやってきたことは「マルクス主義の学習と実践」「闘う労働運動、労働組合をつくりだす」という2本柱でした。労働運動の中にマルクス主義をよみがえらせる。これが連合打倒の路線なわけですよ。連合はそもそもがマルクス主義の否定から始まっているわけだから。
敵の攻撃に絶対反対で立ち向かい労働者自身が階級性を取り戻す闘いをやってきたわけです。現場の労働者にもまれながら、本当にともに闘う仲間を求めて職場細胞建設として同志をつくってきた。それを勝利へ結びつけるには、職場まかせ、産別まかせではなくトータルな中身で論議されないといけないということで激しく地区党を求めてきた。マル青労同1千人建設こそ労働者党・革命党建設、党と労働組合の一体的建設そのものだといえる。革共同の階級的労働運動路線の推進とはマル青労同1千人建設にあったということです。
津村 総選挙の結果が示していることは連合支配の崩壊。青年労働者が労働者党を欲しているということと、総選挙情勢が本当に今かみあっている。
志川 職場の仲間と旅行に行ってテレビを見ていたら、各党の原発政策が出ると「どこもいつ止めるとかはっきり言ってないやん」とワーワー言ってさ。やっぱり本物を求めている。9回大会でマル青労同が外注化阻止・非正規職撤廃・解雇撤回の路線と地区党建設の先頭に立つということで一致した。本当に情勢に間に合った。
幸村 そもそも民主党・野田政権を打倒したということは、それを支えてきた連合、体制内労働運動を打倒したということだと思うんだよね。そして今度の選挙でとどめを刺した。そういう中で労働者は闘う労働組合と党を本当に求めている。自分たちが最先頭でその情勢を切り開いてきたことに確信をもって、そこに責任を取りきるマル青労同を1千人建設していきたい。
地区党の組織者として
皆藤 地区党というのが今大会で自分の中では座った。10・1外注化という分断攻撃の激しさに、JRの青年労働者の団結をつくっていくには、地区党が一丸となって「労働者は一つだ」と階級性をむき出しにして立ち向かう。マル青労同1千人建設といった時にただ若い人を集めればいいというのではなくて、その一人ひとりが地区党の団結を組織していく、階級的労働組合をつくっていくということ。国鉄決戦というのはそういう決戦だと思う。それを地区党と全マル青労同の力でやっていくのが13年の大きな柱です。そこがあって初めて職場で一歩踏み出す勇気になる。
志川 うちなんかでいえば例えば処分撤回闘争をどう闘うのかを地区で議論してきた。産別委員会も意識的に掛け合わせていくことで、9・16橋下打倒闘争に地区全体が決起した。この過程が地区党建設そのものです。
原山 地区党建設とは職場の闘いを路線化していくことなんですよね。全労働者階級の利害に立って職場闘争を位置づけていく。そうした時に拠点職場も建設していける。
長坂 僕にとって党というのは資本主義を変えていく展望としてある。産別や職場や組合が違ってもみんな同じ問題をかかえていると思うんですよ。産別なら産別、職場なら職場の枠にとどまってしまうのを超えて、労働者が労働者階級として団結して資本主義を変えていく力を組織していくために党が必要なんだと思う。
志川 大会では「職場の仲間に党のオルグを本気でやろうとした時、その中身が組合のオルグと同じになった」という発言があった。それは普段から組合の闘いを路線と時代認識で勝負してきたからだと思う。だから、そこの職場の青年は確信をもって11月集会に毎年来る関係がつくられている。時代認識と路線、マルクス主義で労働組合も党もつくっていくということです。
幸村 うちの職場でも、職場の攻防を闘うには11月集会に行かないと勝てないとすごい自然に出てきた。すべての攻防を外注化阻止・非正規職撤廃・解雇撤回の路線を目的意識的に貫いて闘ってきたからです。この目的意識性こそ党建設だと思うんだよ。
関 時代は青年が切り開くべきだし、自分たちが責任を持とうという立場がものすごく決定的。紫陽花(あじさい)革命が起こっている時に、今その紫陽花が枯れるか咲くかという時に、どこが革命を言っているかといったら僕たち革共同しかないし、ともに闘っているマル青労同しかないんですよ。闘う背中を見せなかったら誰もついてこない。でもマル青労同というのは職場闘争の実践で鍛え抜かれている。自分みたいにマルクスはあんまり好きではないと言った人間が、現実的に闘っていく中で組合で団結してきた。郵政という巨大資本はその団結をいまだ粉砕できない。団結力がいかに大事か。青年が闘えば勝てるんです。革命は政治家ではなく、労働者自身の事業です。だから全国の青年労働者はマル青労同に結集してともに闘おうと呼びかけたい。
村沢 13年も団結を固めて闘っていこう。ありがとうございました。
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週刊『前進』(2566号7面1)(2013/01/01 )
国際労働運動 2月号
全証拠開示で星野さん奪還を
本号を手にしたら、まず表紙を見て欲しい。本号の表紙は特別にカラーにした。星野文昭さん無実の核心は「色」「色の違い」にあるからだ。
左側にいる背広上下が「きつね」色の人は、71年11・14渋谷闘争時に機動隊員を殴打していたデモ隊員の服装をしている。右側にいる背広上着が「薄青」色の人が星野さんの服装だ。殴打者は「きつね」色、星野さんは「薄青」色の背広。こんなに色が違う。星野さんは殴打者ではない。星野さんの無実を明らかにする決定的な事実だ。
第1章は、「無実の決定的証拠」として、「色・声・光」の3点を暴く。「声」とは、「火炎びんを投げろ」という声は「星野さんの声だった」という2人の少年のねつ造された供述のことだ。「光」は、星野さんが殴打現場から離れた十字路に立って、NHK方向で車のフロントガラスが光るのを見た事実だ。
第2章は、星野文昭さんと暁子さんの訴え。全人民を魂の底から、星野さんを取り戻す運動に獲得する豊かな内容だ。
第3章は、鈴木達夫弁護団長を始め再審弁護団の訴え。星野再審闘争の地平が鮮明に提起されている。
第4章は、全証拠開示大運動の賛同人からのアピール。藤田城治弁護士が全証拠開示大運動の意義について全面的に提起している。弁護団は証拠開示を実現し成果をあげてきた。検察は星野さんの無実を証明する証拠を隠している。それを全証拠開示大運動で開示させることが星野さん奪還の道だ。図表、写真を多数使い、読みやすさに留意して作成した。
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週刊『前進』(2566号8面1)(2013/01/01 )
獄中同志の新年メッセージ
新社会実現の年に 徳島刑務所 星野文昭
今日の大恐慌、3・11情勢のもと、野田、安倍、石原、橋下をはじめとした資本主義・帝国主義が、改憲・戦争、大増税・非正規・原発の暗黒しか労働者人民に強いられなくなっているのは、既に全面的に命脈が尽きているということだ。今年を、確信をもって労働者人民の団結した力でそれらの攻撃もろとも彼らを打倒し、労働者人民が主人公となる新社会を実現する歴史的な年にしよう。
そして今、1%の資本家が命より金もうけの新自由主義によって、もはや99%の労働者人民を生きさせることができなくなることによって、生産を担い社会を動かしている労働者、99%が団結し立ちあがり、資本からすべてを奪い返すことによって人間本来の共同社会を取り戻す、人類史的チャンスを手にしている。
60・70年闘争によって、スターリン主義・社会民主主義・体制内のクビキから自らを解き放ち、労働者人民の力で世の中を変える闘いが歴史的に登場した。このことへのあらゆる反革命、星野無期を粉砕することと一つに、今日の、労働者人民の団結した力で労働者人民が主人公の新社会を実現する闘いを発展させ、勝利しよう。
私たちのこの闘いの中に、団結の中に、人間として生きる誇りがあり、自らの自己解放=人間解放の力を獲得し、解き放ち、人間的未来を手にする道がある。その深い確信をもち、どこまでも信頼し合い、学び合い、力を合わせ、誰もが人間らしく喜びをもって生きられる社会をともに実現しよう。
(71年11・14沖縄返還協定批准阻止・渋谷暴動闘争戦士。デッチあげ殺人罪で87年に「無期懲役」判決が確定。獄中から無実を訴え、96年に再審請求。昨年3月に第2次再審請求が棄却、異議申立中。徳島刑務所在監、獄中38年。66歳)
勝利者として下獄 府中刑務所 福嶋昌男
昨年3月5日、最高裁は私の上告を棄却しました。ほんとうに許せません。しかし弁護団、事務局、家族、支援者の皆さんと一体となった闘いで、裁判の内容は勝っています。必ずや再審を実現し、無罪をかちとる決意です。
下獄に際しては、「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」をはじめ、各地の皆さんが歓送会を開いてくれました。そして、再会を約束しました。無実の身で下獄するのはくやしいですが、私は勝利者として下獄闘争を闘い抜きます。獄中にはほぼ毎日というくらい、ハガキ、手紙などが届きます。明日の作業・生活への元気をもらっています。多くの同志、支援者の皆さんの激励に感謝します。
11・4全国労働者総決起集会は職場からの総結集がかちとられ、特に、動労千葉の外注化阻止決戦の力が全体を牽引(けんいん)しており、2013年の闘いの展望をさし示しています。また、11・11反原発闘争20万の決起は全原発廃炉の道と日帝の核武装阻止をこめて闘われていると思います。この二つの闘いのうねりが結びついて、2013年は労働運動の力強い前進・高揚となることはまちがいありません。
再審請求にむけた準備が弁護団、事務局の力で着実にかちとられています。筆跡・指紋で、再審への道が大きく開かれています。私は健康をより回復しつつ、外の闘いと連帯し、獄中闘争に頑張ります。再審にむけ前進します。
(迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判で実刑12年。2012年5月17日下獄、府中刑務所在監)
出獄し職場復帰へ 山口刑務所 中山崇志
2012年は、大飯原発再稼働、岩国・沖縄でのオスプレイ配備など政府・資本に対してたまりにたまった労働者階級人民の「怒」が一気に爆発した1年でした。
爆発した労働者人民の「怒」は労働者人民の決起となり60年70年代を思わせる大規模な集会・デモへと発展しました。いや、それ以上かもしれません。
2013年は、国家権力と資本家階級のあらゆる分断攻撃との真っ向勝負です。それにうち勝ち労働者階級の団結を固めプロレタリア世界革命へ獄内外一体で突き進む1年にしましょう!
私は闘う労働組合への大弾圧によって、職場の金員紛失問題を「窃盗事件」にすりかえられ、現在、山口刑務所で獄中生活を強いられています。 私はこの弾圧に対して、真っ向から勝負し、完黙・非転向を貫き1日1日闘い抜いています。
私は、このデッチあげ事件で、「懲戒解雇」され職場から排除されました。私を職場から排除しても、犯罪者のレッテルを張られても広島連帯ユニオン草津病院支部組合員は、1人も脱退することなく、逆に団結を強化して組織を拡大して組合を守り抜きました。
しかし草津病院支部の闘いは、まだまだ道半ばです。支部は、必ず職場生産点の職場支配権を握り、私は職場復帰をかちとります。この闘いを成し遂げるまでには、全国の同志の支援・共闘が必要ですので、団結よろしくお願いします。
最後に、この間大変忙しい中で、私や草津病院支部への支援、連帯、激励などをしていただき心底から感謝しています。私は、2013年3月19日に山口刑務所を満期で出獄します。出獄後、必ず皆さんと合流します。合流する時まで、獄内外一体で闘いましょう!
(広島連帯ユニオン草津病院支部委員長 山口刑務所在監)
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週刊『前進』(2566号8面2)(2013/01/01 )
ふくしま共同診療所を開院
福島診療所建設委員会事務局長 渡辺 馨
被災・被曝から子どもたちの命と健康を守る拠点つくる
全国のみなさん! とてもうれしいお知らせです。
12月1日、JR福島駅西口に念願の「ふくしま共同診療所」をついに開院しました。子どもたちを放射能から守りたい、という福島の人びとの切実な願いと全国の人びとの熱い思いがつながった、この1年間の奮闘の結晶です。
「ふくしま共同診療所」という名前のとおり、労働者・市民・住民、そして医師、スタッフが忌憚(きたん)なく意見を出し合って共同でつくる診療所です。被災・被曝から子どもたちの命を守り、労働者・生活者のための医療を取り戻す診療所です。自然医学・予防医学も取り入れながら、今の福島の中で人間本来の生きる力を取り戻し、被災・被曝と向き合って福島で生き抜くための、心と闘いのよりどころです。全国の避難と保養のネットワークの現地拠点としても期待されていることは言うまでもありません。
(写真 12月1日に開院したふくしま共同診療所) 住民と医師の共同の闘いで
私たちは「福島の子どもたちの命を本気で守りたい」という一点で、福島の人たちと県内外の医師とともに福島診療所建設委員会を結成しました。そして「福島の子どもたちの命と健康を守ろう。福島で生き抜くための診療所をつくろう」をスローガンに全国・全世界に呼びかけて、福島診療所建設基金運動を進めてきました。
この1年間、労働者・市民・住民が力を合わせて、さまざまな妨害に打ち勝ってここまでこぎつけました。約1千人のみなさんから、4千万円近くもの支援が寄せられました。本当にありがとうございます。この場をお借りしてあらためてお礼申し上げます。
マスコミも「募金診療所が開院」と大きく報じました。まさにその通り労働者・市民が自力でかちとった診療所です。
「子どもたちの希望の診療所」
診療所開院に先立って11月23日に行われた見学会と開院記念レセプションには、県内、全国からたくさんの人が集まってくれました。診療所の見学会にはご近所の住民や、二本松・郡山など県内各地から多くの人に参加していただきました。参加者から「これは福島の子どもたちの希望の診療所ですね」と自然に出てきた言葉に、本当に心から待ち望まれていたんだなと、あらためて実感しました。
多くの人たちが避難したくてもできない中、放射線被害も被曝の危険性もまったくないようなデマが執拗(しつよう)に流されています。
しかし現実には、18才以下の福島の子どもたちへの甲状腺検査では、4割を超えて結節(しこり)やのう胞などの症状が現れています。この状況に、「ミスター100_シーベルト」の異名をとる福島県立医大副学長・山下俊一らは、県内の医療機関に県立医大以外では独自の甲状腺検査をさせないように圧力をかけています。さらに県民健康管理調査・甲状腺調査の検討委員会では「原発事故との因果関係はない」という結論ありきのシナリオまでつくっていたことが明るみに出ました。ふくしま共同診療所はこうした現実と向き合っていく「前線基地」です。
開院直後に甲状腺エコー検査にお子さんを連れてきたお母さんが「県立医大はもちろん、どこのお医者さんも信じられない。ここ以外では子どもを診せられません」と語ったそうです。親たちが、住民たちが安心して集える場がついにできたのです。
日本政府とIAEA(国際原子力機関)は12月15〜17日、「原子力安全に関する閣僚会議」をこともあろうに郡山で開催しました。IAEAは福島県に2カ所の拠点を設け、”被曝と除染の研究拠点にする”と言っています。”あきらめて原発事故による放射能汚染の現実と共存しろ”ということです。
”これだけの事故になっても死んだ人間は一人もいない”と言いなし、”原発事故が起きても除染すれば人間は生きていける”かのように描き、原発の再稼働と原発輸出にお墨付きを与えるための大攻撃です。福島で行われていることは、究極の「棄民化」です。
手を携え団結して生き抜く
「原発絶対反対! 今すぐなくせ」と訴えて国会や首相官邸前を取り囲む20万人の決起。大失業と戦争の時代の中で多くの青年が「生きさせろ! 青年の未来を返せ」と根底的な決起を始めています。労働組合の再生と拠点建設が待ったなしで求められています。
すさまじい被曝労働を強いられている原発労働者を始め、一切の矛盾の集中点であるフクシマにふくしま共同診療所が存在することの意義は絶大です。
今、「復興」の名のもとに、さまざまなあきらめや分断が組織されようとしています。そうしたあきらめと分断をのりこえて、福島におけるあらゆる住民がともに手を携え、団結を強めていくことが本当に求められています。診療所は、地域におけるそうした闘いの拠点としての位置をおのずと持っていくことになると思います。
動労千葉を先頭に外注化・非正規職化との本格的な闘いが第2ステージに入りました。福島の診療所建設の闘いもこれからが第2ステージです。
本格的な建設へご支援を!
今回開院した診療所は、福島の現状の深刻性から緊急にテナントビルに開設した、「仮設」診療所です。地域における総合医療の拠点、相談・学習の拠点となるべき「研修センター」(仮称)を併設した本格的な診療所の建設が次の目標です。医療機器もスタッフ体制ももっと充実させなくてはなりません。
県内外の避難者を始めとしたすべての労働者・住民の地域拠点としての診療所建設は、これからが本格的な闘いです。全国の皆さんのさらなるご支援をお願いします。
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週刊『前進』(2566号9面1)(2013/01/01 )
革共同政治局の2013年1・1アピール
外注化阻止・非正規職撤廃でプロレタリア革命の勝利開け
国鉄・反原発決戦と星野全証拠開示運動の爆発で安倍超反動政権打倒へ
全国に闘う労組拠点を建設しよう
(写真 世界の労働者が結集し、労組復権を宣言した11・4全国労働者総決起集会【東京・日比谷】)
(写真 17万人が集まった7・16さようなら原発大集会後、デモに立つNAZEN隊列【東京・渋谷区】)
はじめに
内外の大情勢は世界大恐慌が本格的爆発過程へと突き進む中で、階級矛盾・階級間対立が激化し、革命的情勢の成熟期の到来を告げている。労働者階級自身の事業としてのプロレタリア世界革命によってしか、危機の現代を突破し、世界史・人類史の未来を切り開くことができない革命的な大激動の時代がやって来た。
2012年12月の総選挙で野田・民主党は壊滅的に惨敗し、安倍・自民党と公明党が325議席という、衆院での再可決と改憲の発議が可能な3分の2超の議席を獲得して「大勝」した。これは一方では、日帝・野田政権の原発再稼働、消費大増税、オスプレイ配備、大失業と外注化・非正規職化などの超反動政策に対する、労働者人民の怒りの爆発の結果である。しかし他方でそれは、自民党・公明党のバブル的な勝利が「民意」であるということなどを断じて意味しない。
今回の選挙結果は、そもそもマルクスが『フランスの内乱』で言っているように「支配階級のどの成員が議会で人民を代表し、踏みにじるべきかを、数年に1度きめる」という点にブルジョア議会選挙の本質があることに加えて、今回、自民党が4割の得票で実に8割の議席をかすめ取ったことに示されるように、小選挙区制(プラス部分的比例代表)というブルジョア的にも最悪の選挙制度のトリックによって生み出されたものである。
この1年、労働者階級人民は反原発闘争への巨万の決起の開始の中で、ブルジョア議会や選挙、国家や資本に対して、もはやいかなる幻想も抱かず、幾百千万の大衆的規模でその本質を見抜き、階級意識を覚醒(かくせい)し、歴史的な総決起へと踏み出してきている。衆院選の投票率がわずか59・32%と、戦後最低を記録したことは、ブルジョア的な議会と政治に対する不信と拒否の表現そのものである。
この衆院選において、都政を革新する会とNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)は、東京8区(杉並区)で立候補した山本太郎氏を断固支持して闘った。山本氏は7万票以上を獲得して、自民党の石原伸晃を追いつめた。原発絶対反対を掲げて立ち上がったこの闘いは、福島の怒り、官邸前20万人の決起と結びついた一個の巨大な大衆闘争であり、非和解的な階級的決起、プロレタリア革命を切り開く闘いであった。
12月衆院選の結果、自民党・公明党を軸として野田政権に輪をかけた超反動の安倍新政権が成立した。だがこの政権は与党が圧倒的多数の安定政権などではない。逆に大恐慌・大不況と3・11大震災・原発事故情勢にさらに激しく規定され、脱落日帝・新自由主義の絶望的破産の上に立つ超危機的政権である。総選挙が示したことは、日帝政治危機が極点に達しているということだ。これから本格的に階級的矛盾が爆発していく。戦後体制のあらゆる枠組みが最後的に崩壊していき、新たな巨大な激突と階級決戦が始まる。
その中で超反動・極右の安倍新政権は、一方で戦争と改憲、日米安保体制強化、排外主義とナショナリズム、原発推進・再稼働、消費大増税(実施)などの極反動政策に突き進み、他方では、首切り・大失業、民営化・外注化・非正規職化、労組破壊の攻撃を一層強める。また大々的な公共事業と超金融緩和(建設国債の無制限の日銀引き受け、輪転機による円=紙幣の大増刷)に示される、破滅的なインフレ政策にも訴えてくる。
しかしそれは日帝・新自由主義の危機と破産をさらに激しく促進し、労働者階級人民の怒りをより極限的に爆発させずにはおかない。
2013年は冒頭から、何よりも労働組合の再生をかけた国鉄決戦−外注化阻止・非正規職撤廃の階級決戦の年であり、その第2ラウンドに突入し勝利する年だ。ここでの2千万青年労働者、6千万労働者階級の嵐のような決起は不可避である。反原発闘争も20万人から100万人決起へと必ず拡大・発展する。プロレタリア世界革命に向けた前進を、誰も押しとどめることはできない。
革共同は、労働者階級の大地に深く根ざした革命的労働者党として、労働組合復権の歴史的大事業をかちとり、この胸躍る革命的激動情勢に勇躍打って出ることを、全国・全世界の労働者階級との団結をかけて固く誓う。
T 階級的労働運動と労働組合を甦らせるために闘った1年間
(1) 10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃の歴史的決戦
革共同は、2012年を通して階級的労働運動と労働組合を不死鳥のように甦(よみがえ)らせるために、国鉄決戦を総力で闘い抜いてきた。国鉄決戦を基軸に、国鉄決戦と反原発決戦を有機的に一体的に闘い、プロレタリア世界革命を切り開くために全力を尽くしてきた。
今日の世界大恐慌は、最末期帝国主義の絶望的延命形態である新自由主義の矛盾の最終的で全面的な爆発だ。そして3・11情勢−原発大事故は、新自由主義がもはや人類の生存の基礎的条件である自然と社会のすべてを破壊しかねないところまで、その破産と腐敗を深めていることを突き出した。この世界大恐慌情勢と3・11情勢は、資本主義・帝国主義の歴史的生成以来と言える革命的情勢を地球的規模で生み出している。2012年の闘いはこの情勢とかみあい、これをプロレタリア革命=世界革命へと転化する闘いの勝利を引き寄せる決定的環をついにつかみ取った。
昨年の10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃の歴史的決戦は、並大抵の闘いではなかった。それはJR資本と日帝ブルジョアジーが87年の国鉄分割・民営化以来積み上げてきた全矛盾を、JRにおける検修部門の全面外注化・民間委託化という形で突破しようとした、まさに第2の国鉄分割・民営化攻撃そのものとの真っ向からの激突であった。大恐慌と3・11情勢に追いつめられたJR資本と日帝ブルジョアジーは、新自由主義的な絶望的延命をかけ、4・9反革命の上に、新自由主義下の資本家の凶暴性と破綻性をさらけ出しながら、検修部門の全面外注化に踏み込んだのだ。これは国鉄における階級的労働運動の火を、今度こそ全面的に消し去ろうとする攻撃であり、まさしく新自由主義と階級的労働運動の生死をかけた激突としてあった。
このJR資本・日帝総資本の全体重をかけた、JRの検修外注化・民間委託化、偽装請負の公然たる強行、そのための不当極まる強制出向というとんでもない大合理化攻撃に対して、動労千葉を先頭に日本の労働者階級は、敵階級の狙いを根底的に粉砕する闘いに決起した。この間、数十年にわたり培われてきた階級的団結、労働組合的団結を武器にして真っ向から不屈に対決し、勝利的突破口を断固切り開いたのである。動労千葉が職場支配権をめぐる攻防で資本の意志を粉砕し、分割・民営化絶対反対を闘って25年、外注化を阻止し続けて12年というその画期的地平の土台にあるものこそ、反合理化・運転保安闘争である。まさにその闘いの革命的発展として今次の決戦は闘い抜かれたのである。
この戦後日本の労働運動史上たぐいまれな、民営化・外注化阻止・非正規職撤廃の階級的労働運動の前進は、反スターリン主義・革命的共産主義運動の50年の歴史の蓄積を通して、党と労働組合の一体的形成・確立という革命に向けてのマルクス主義的な階級形成論を革命的に再生するための、営々たる全党・全階級・全人民の闘いの実現として闘い取られ、推進されてきたものであった。
革命的共産主義運動と階級的労働運動は別々に存在するものではない。革命的共産主義運動はその具体的現実形態として、階級的労働運動、階級的労働組合の闘いによって自己を貫徹し、その現実性を開示するのだ。そのことで階級は革命的階級へと自己を形成していくことができるのである。今次の国鉄決戦、10・1外注化阻止決戦は、党と革命的共産主義運動の一切をかけて闘われた。それこそが、革命を実現する革命的共産主義運動たりうると確信して総決起したのである。
こうしたマルクス主義的な基軸を打ち立てて2012年を闘い、とりわけ10・1外注化阻止決戦を勝利的に打ち抜いたがゆえに、それは労働組合のもつ革命論的可能性を実践的に開示するものにもなった。10・1外注化強行に対して、職場で闘う一人ひとりの労働者が、組合員が、そのもっている階級性、戦闘性、積極性を発揮して闘い抜き、敵階級の攻撃の弱点や無準備性を見抜き、外注化強行過程での職場抵抗闘争を切り開き、JR資本に大打撃を与えるに至ったのだ。それのみならず新自由主義の極致としての外注化は労働者を徹底的に分断し、労働組合的団結を破壊することに対して、職場抵抗闘争の拡大・発展を通して、人間的共同性としての団結をかつてなく強固なものにしたのである。
10・1外注化阻止決戦をめぐる具体的攻防は、一方ではJR資本の無準備性と破綻性をつき出した。新自由主義政策の絶望性をあらわにした明白な違法行為、偽装請負、違法強制出向の連続であり、職場の労働者が反撃に立てば破産に追いやることが完全に可能であるということである。他方では労働組合の壁を越えた決起、とりわけ青年労働者の反乱の不可避性をつかんだことである。
「時代認識と路線」が、職場で苦闘する労働者の階級的魂に肉薄すれば、労働組合の違いを越えて闘いが発展する情勢が急速に形成され成熟し始めている。その先端に青年労働者の押しとどめることなどできない怒りがある。階級の闘いが階級の闘いを呼び起こし、運動と統一行動への道を切り開くという階級闘争の原理が、根本的に働く情勢が到来したのである。
この間の外注化阻止決戦を通してつかんだ「環」をしっかりと握りしめ、動労千葉を先頭に全党・全階級の総力を挙げて、JR労働者の募る怒りを大きな波、大きな力として現実化していくならば、外注化阻止・非正規職撤廃の革命的な大勝利をたぐり寄せることは絶対に可能である。
(2) 新自由主義攻撃と対決し11・4労働者集会かちとる
こうした10・1外注化阻止決戦=国鉄決戦の圧倒的地平とその無限の可能性を握りしめて、11・4全国労働者総決起集会はかちとられた。
ここでついに日本と世界の労働者、とりわけその先端で闘う労働者は、国鉄決戦・外注化阻止決戦の勝利的貫徹でつかみとった大合理化攻撃粉砕の「環」を、階級的労働運動の全面的爆発への「環」そのものとして、主体的につかみきった。それは「民営化、外注化、非正規職化」との闘いの革命的戦略的意義をつかみ取り、国鉄決戦で切り開かれた地平に立って、全産別・全職場における新自由主義の核心的攻撃を根幹からぶち破っていくことについて、11・4集会は圧倒的に確認したということだ。それは、革命的共産主義運動と階級的労働運動を一体的・全面的に前進させ、プロレタリア世界革命に向かって決起する展望をたぐり寄せるという、その革命論的意義を鮮明にするものになった。
11・4で動労千葉を先頭に国鉄労働者が大挙登壇し、外注化阻止・非正規職撤廃に向けて労働組合の復権を高らかに宣言したことは、日本と全世界の闘う労働者の魂をとらえた。文字通り世界革命のかかった闘いとして10・1地平を発展させ、勝利すると誓ったのだ。動労千葉労働運動が世界の労働運動の金字塔へと押し上げられる段階に入った。同時に11・4は国鉄決戦−外注化阻止・非正規職撤廃、1047名解雇撤回のもとで3労組共闘と国鉄闘争全国運動という革命的共闘関係を強固に確立し、これからの激動期の階級闘争を土台で支え抜くものを創造したのだ。
11・4はまた、国鉄決戦を圧倒的に貫徹し勝利する展望を押し開く中で、国鉄決戦と反原発決戦を一体的統一的に発展させる大きな一歩を踏み出した。反原発決戦は、福島・被災地の根源的怒りと結合しつつ、労働者階級の反原発闘争への職場生産点からの全面的決起を押し開いた時に、100万人デモの圧倒的爆発を可能にする。この戦略的展望を握りしめるものとして、福島現地から、あるいは原発労働者から、そしてNAZENからの革命的アピールを実現した。
さらに、国鉄決戦が「外注化阻止・非正規職撤廃・解雇阻止」の闘争として発展する中で、非正規職の労働者が労働組合をつくり、組織拡大をかちとり、地域共闘を広げて、11・4集会の重要な一翼を形成した。
非正規職化とは、単なる雇用形態の転換にとどまらない。労働者階級が長い歴史の中で血と汗の闘いでもぎとってきた生きるために必要な権利のすべてを奪い取り、生きるすべを失うほどの超低賃金を強制する大攻撃だ。労働力商品化の極致として、労働に対する労働者の誇りを奪い、ボロボロになるまで酷使し、資本の意のままに使い捨てる攻撃だ。
新自由主義の絶望的延命策とは、全労働者の9割から10割を非正規職に突き落とすことだ。いま切実に求められていることは、正規・非正規の分断の壁を突破し、労働者階級自己解放の思想であるマルクス主義を階級的労働運動の大地に取り戻して、階級として一つに団結し新自由主義を打倒することだ。そして2012年の階級的労働運動の実践の中から、こうした正規・非正規の団結を組織する非正規労働者の労働組合が力強く登場した。東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会、郵政非正規ユニオンを始めとして、動労千葉労働運動を体現する非正規職労働組合の真価はこれからますます発揮されていくであろう。
国際階級闘争も、2012年の戦略的前進を踏まえて、それを集約し発展させるものとして歴史的に打ち抜かれた。韓国民主労総ソウル地域本部が、10・1外注化阻止決戦を波状的ストライキで闘う動労千葉への支援行動をソウルで闘い抜くという地平は、労働者階級の国際連帯闘争として特筆されるべき地平だ。さらに11・4では日韓の団結を固め、ともに整理解雇と民営化・外注化・非正規職化に対する絶対非和解の怒りの決起をかちとろうと誓った。大恐慌下で欧州を始め全世界で巻き起こる新自由主義打倒の労働者・労働組合のストライキ、ゼネスト、デモのうねりのただ中で、11月労働者集会は国際労働者階級の団結にとって比類ない位置を占めつつあることを鮮明に示したのである。
(3) マル青労同結成から10年 新たな青年の指導部が登場
10・1外注化阻止決戦の勝利的展開と11・4労働者集会を通して、大恐慌と3・11情勢をプロレタリア革命に転じる路線的、綱領的確信を実践的につかみきった新たな青年の指導部がついに層厚く生み出された。これは、革命的共産主義運動50年の栄光と苦闘を土台にしながら、到来した革命の時代を2千万青年労働者、6千万労働者をなんとしても糾合してやまない階級の指導部の登場である。
マルクス主義青年労働者同盟の9回大会は、革命的共産主義運動と階級的労働運動の無限の発展の可能性を突き出した。マル青労同はその結成以来、「マルクス主義の学習とその実践」「闘う労働運動、労働組合をつくり出そう」という2本柱を打ち立て、その2本柱を不屈に職場生産点で貫いてきた。国家権力・資本と体制内労働組合の指導部の二重の岩盤を打ち破る闘いは、七転八倒の連続だった。だからこそ階級的労働運動、労働組合運動の挑戦としては、戦後労働運動のいついかなる時代をも超えた試練をくぐり抜けて、不抜の指導部が輩出されたのだ。
マル青労同の歴史的到達地平は、「マル青労同結成から10年の闘いの中で、マル青労同1千人建設が、党と労働組合の一体的建設の要であり、JR平成採の青年労働者を先頭に立ち上がった無数の青年の未来を決するものであり、その勝利に向かっての革命党・労働者党建設そのものであるということです」「労働運動の中にマルクス主義を復権し、階級的労働運動をよみがえらせる戦略的な大準備としての10年であった」(マル青労同9回大会議案)と、結成以来の闘いを総括したことに凝縮されている。それは、動労千葉労働運動とともに『革共同綱領草案』に体現されている地平そのものである。
とりわけ、JRを先頭にした4大産別の中から、そして「青年労働者の2人に1人が非正規」という、未来も希望もすべてを奪い尽くされながら日々殺されている非正規職の青年の中から、階級の指導部が登場したことは新たな革命の時代を象徴している。
(4) 反原発闘争を階級闘争の不抜の中心軸に押し上げた
2012年は、反原発闘争を国鉄決戦を土台にしながら階級闘争の不抜の中心軸に押し上げた。のみならず反原発闘争は、労働者の階級的決起を本格的にかちとり、学生運動が大学自治会建設のもとにキャンパスから大闘争に決起するや、国鉄決戦をも超える一大階級決戦に発展する可能性も突き出している。
原発は「地上に置かれた原爆」であり、それが3・11で実際に爆発し、実質的にはヒロシマ・ナガサキに続く大量虐殺を日本プロレタリアートに行っている。福島の現実をとらえればとらえるほど、この大惨事を引き起こした支配階級を根こそぎ打倒し一掃する闘いに総決起する以外に回答はない。戦後革命期に日本の労働者階級に問われたことと同じ問題が鋭く突きつけられている。まさしく国家と革命をめぐる階級激突なのである。
われわれは3・11一周年の郡山大闘争で、国家の責任を問い、すべての原発の廃炉を宣言した。そして再稼働をめぐる攻防は、6〜7月首相官邸・国会前、霞が関一帯を包囲する20万規模の大闘争を繰り返したたきつけ、7・16の17万人の大闘争ともあいまって、日帝政府中枢を根底から揺さぶり、昨年末ぎりぎりまでの怒りの闘いはさらに2013年へと発展しようとしている。「革新的エネルギー・環境戦略」とか「30年代ゼロ」とかの野田政権と原子力ムラ勢力のすさまじい開き直りを巨大な怒りの決起で粉砕し、野田政権を打倒した。しかし安倍、石原、橋下などは「安価」なエネルギーという新自由主義的絶対性と核武装への意志をあらわにして、再稼働へと突っ走ろうとしている。
しかし、すでに3・11以来のべ数百万人規模の労働者人民が反原発・核絶対反対で非和解的に立ち上がっている。これは戦後階級闘争史上たぐいまれな歴史的決起である。革共同は党をかけ、プロレタリア革命勝利をかけて、本格的かつ系統的に巨万決起の先頭に躍り出ていく。怒りで身を震わせ決起している人びとと真に連帯して、大衆的実力的に決起していこう。
2012年の反原発決戦でさらに強調したいことは、被曝労働との対決を全労働者の闘いに押し上げたことである。国鉄決戦における反原発決戦の内在的展開が、動労水戸の被曝労働絶対反対の波状的ストを生み出した。同時に、政府・行政の「がれき広域処理」政策のもとで、被曝労働が全国・全産別の労働者の職場闘争の対決点になっている。
こうした闘いの核心に、原発廃炉のカギを握る原発労働者の決起がある。原発推進の先兵である電力総連指導部を打倒し、被曝労働と対決する労働運動、労働組合をつくることが死活的課題である。被曝労働では、本来なら人間存在の生命の発露であるべき労働が、まったく逆に自らの存在と生命を抹殺するものになっている。人類史上で人間労働のこれほどの転倒はない。被曝労働絶対反対はこれから本格的攻防になっていく。それは国鉄決戦をも押し上げていくものにもなるのだ。
大恐慌が大失業と戦争を不可避とする中で、核と原発はますます帝国主義者の世界支配と争闘戦の武器になっていく。脱落日帝にとっては逆に、自らの生命線である日米安保と原発・核政策が、最大の破綻点になる。全原発廃炉とは、日帝打倒そのものであることを階級闘争場裏に突き出し闘い抜くことだ。
(5) 京大、東北大新執行部樹立先頭に全学連の大高揚期へ
学生運動、全学連運動は本格的な大高揚期に突入しつつある。何よりも昨年6月に京都大学全学自治会同学会の再建を、同12月に東北大学学生自治会新執行部の確立を、いずれも全学選挙における圧倒的な信任によってかちとったことだ。新自由主義攻撃の嵐の中で、学生自治会を甦らせているこの地平は、反原発20万人の怒り、うねりと一体であり、全国300万学生を丸ごと獲得する可能性を持っている。新自由主義との闘いは「革命」を生み出す階級的大激動の始まりである。
3・11と原発事故は、原子力ムラの中核としての大学の腐敗を突き出し、福島棄民化政策の最悪の担い手である御用学者への根底的な怒りを生み出している。「命よりもカネ」「学問の名による殺人」――ここに「教育の民営化」の究極の腐敗した姿がある。御用学者を追放し、大学・学生の誇りを取り戻す中に学生自治会建設の道がある。京大・東北大の闘いに続き、福島大でマルクス主義学生同盟中核派支部の建設をかちとり、広島大でも御用学者弾劾の闘いが大きく前進した。
そして法政大では、学祭規制粉砕の10・19キャンパス1千人実力決起をかちとるという歴史的闘いを実現した。大学当局とのあいまいさのない激突の中から、学生は新自由主義を打ち破る主体へ飛躍する。ここに法大闘争の真骨頂がある。大量逮捕と不当処分の乱発をもってしても学生の決起を押しとどめることのできない当局は10月23日に、闘いの先頭に立つ文化連盟・武田雄飛丸君(国際文化学部3年)に「無期停学」処分を下したが、これこそ3万法大生−全国学生の決起への大反動であり、さらなる怒りの爆発は不可避だ。5月には暴処法裁判で被告5人の完全無罪判決の大勝利をかちとった。このことも含め、法大闘争は新たな段階に突入している。
今こそ、新自由主義大学の全抑圧・分断攻撃と真っ向から対決し、学生自治会建設に挑戦しよう。80年代の国鉄分割・民営化と一体で開始された大学への新自由主義攻撃は、04年の国立大学法人化にまで行き着いた。それは一方において、「産学連携」の名のもとに大学・教育を国家権力とブルジョアジーが乗っ取り、「資本のための大学化」を推し進めていくということであり、他方で「学費・就活・奨学金」の三重苦に代表されるように、学生・保護者を徹底的に搾取の対象にしていくということだった。それは学生自治会・自治寮・サークル活動の破壊、すなわち団結破壊と一体で進行した。そうした矛盾の大爆発としても、福島原発事故があったのだ。
しかし、新自由主義大学および「教育の民営化」の全構造に対する人間的怒りの爆発として法大闘争は発展し、その闘いは反原発闘争のうねりと合流しつつ全国に拡大している。「すべての原発を廃炉に!」「教育を守れ!」の闘いの中から、学生の原初的団結が学生自治会として甦ろうとしているのだ。
戦後革命期には「戦犯教授の責任追及」「大学の戦争協力を繰り返すな!」「学生の生活防衛」のスローガンを掲げ、学生は一斉にストに立ち、全国の大学に学生自治会が嵐のように生まれた。まさにこうした革命期の学生運動が復権しつつあるのだ。
大恐慌と3・11情勢は、反スターリン主義・革命的共産主義で武装された若き学生共産主義者を次々と生み出し、それがまたプロレタリア革命に向けた党と労働組合の広大な陣形を構築してきている。のみならず革命的指導部のもとに全学連執行部が世代を一新させて力強く登場している。昨年の9月全学連大会と12月全学連拡大中央委員会は、300万学生の怒りを糾合した歴史的執行部を登場させた。革共同中央学生組織委員会を党中央細胞として建設し、21世紀の学生運動の本格的爆発を切り開こう。
(6) 全証拠開示の大運動広げ星野同志奪還の闘いが前進
1975年の不当逮捕以来、38年目の不屈・非転向の獄中闘争に突入している星野文昭同志を即時奪還する闘いは、2012年、勝利に向けての歴史的転換点をかちとった。
昨年の星野同志奪還の闘いは、動・反動・動の激突として展開された。2月5日に労組交流センターを中心とした600人による徳島刑務所包囲闘争が闘われ、星野闘争を全階級のものへと発展させる上で重大な地平をかちとった。それに対し3月30日、東京高裁によって第2次再審請求が棄却され、直ちに異議審決戦へ突入した。裁判闘争的には有罪の根拠と言われていた「背広の色」問題、「声の判断」問題が二つともに完全に崩れている。さらに「光」の問題でも星野同志の無実・無罪は証明されている。この戦略的地平を即時釈放へと発展させるために、全証拠開示の大運動が始まっている。
「全証拠開示大運動で無実の星野さんを奪還しよう!」の11・23星野再審全国集会をかちとり、いよいよ勝利をめざした新たな局面に入ろうとしている。全証拠開示運動は、圧倒的多数の弁護士と労働組合、さらに司法権力のデッチあげ弾圧と身を挺(てい)して闘ってきた人たちが続々と合流を開始した。星野闘争は新自由主義への根底的怒りと結合し、とりわけ国鉄決戦・反原発決戦と一体で、ついに日帝権力の全体重をかけた星野同志への超長期の獄中弾圧を打ち破る歴史的決戦を引き寄せた。星野同志の不屈の闘魂、家族の方々の決起、弁護団のすさまじい努力、星野救援運動の粘り強い展開が、密集した大反動の岩盤を打ち破りつつある。
星野闘争は、沖縄闘争の歴史的勝利と一体のものであり、労働者階級の自己解放闘争であり、新自由主義を食い破る闘いそのものだ。何よりも星野同志がそのことを獄壁を越えて革命的共産主義者として訴え続けている。新自由主義に断を下す国際プロレタリアートの決起と一つに結び、星野同志奪還に立とう。
(7) 三里塚、沖縄、弁護士戦線
三里塚は、10・7全国集会に動労千葉を先頭として全国から970人が結集、市東孝雄さんの農地死守・春期決戦勝利への決意を固めた。第3誘導路の13年3月完成・供用開始粉砕へ、TPP(環太平洋経済連携協定)反対、フクシマとの連帯、労農連帯を真っ向から掲げて闘った。11月2日には韓国民主労総と熱い連帯を実現し、11・4労働者集会では北原鉱治事務局長が農地死守・労農連帯の強化を訴えた。
11月12日の市東さんの農地裁判では萩原進事務局次長の証人尋問が行われ、農地法によるNAA(成田空港会社)の農地強奪攻撃を粉砕し、農地を死守する決意に満ちた証言が展開された。市東さんの農地裁判は、NAA、千葉県、裁判所を追いつめ、勝利的に闘われている。いよいよ決戦の時が来た。全国農民と労働者階級の総決起で農地強奪を完全に粉砕しよう。
2012年の沖縄は、新自由主義との最大の対決軸である国鉄決戦を沖縄闘争勝利の路線として確定することにより、新自由主義と闘う沖縄闘争を開始した。体制内指導部は「米軍基地撤去」の原則を投げ捨て「県外・国外移設論」を叫んで大破産した。
10・1オスプレイ配備強行・辺野古新基地建設攻撃に対し、9・9県民大会は10万人決起で反撃した。沖縄の労働運動が階級闘争の前面に力強く登場した。沖縄の生きるための不退転の叫びと闘いが爆発したのだ。
沖縄闘争が新自由主義と闘い、民営化・外注化・非正規職化、労働組合破壊攻撃と闘い勝利する道は、階級的団結を拡大し、基地労働者の決起を先頭に日米安保体制を根底から粉砕するために総決起することだ。非正規職撤廃を掲げた闘いが開始された。それは資本との攻防に勝ち抜き不屈に前進している。
弁護士戦線は、裁判員制度廃止へ全力で闘い、「生きた改憲阻止闘争」の先頭に立っている。全戦線の闘いは、労働組合に結集し、その先頭で闘うことで大きな前進をかちとってきた。
(8) 党と労働組合の一体的な建設に向かって闘いが進む
革共同の長きにわたる反スターリン主義・革命的共産主義の歴史の土台の上に、大恐慌と3・11情勢を革命に転化する飛躍の環として、党と労働組合の一体的建設の格闘がある。マルクス・レーニンの闘いに始まる世界革命への突破口もここで開かれる。
党は労働組合の闘いと結合する中でこそつくり出され、自らを真に「労働者階級の党」「マルクス主義の党」として形成・成長させていく。また労働組合は党と結びつくことによって自らの闘いの階級的意義と役割を自覚し、階級的団結をさらに強化・発展させていく。党の建設と労働組合の建設は、本質的にも現実的にも不可分一体である。
ここで重要なことは、「労働者階級の解放は労働者自身の事業である」ということを、全身で体得することである。労働運動、労働組合運動のただ中に党が飛び込み、内在化し、労働者階級の闘いの先頭に立ってその解放の闘いに決起していくことである。
そして労働運動の職場生産点での原則的創意的展開を通して、一人ひとりの労働者の持っている真に革命的階級としての内在的な力を全面的に開示していくことである。ここにすべての革命的共産主義運動の根源があり、出発点もあり、その豊かな発展もある。こうした立場に立って、最後に2012年の到達地平でいくつか強調しておきたい。
第一に、昨秋、革共同政治局が主催して第1回全国機関紙担当者会議を開催し、そのもとで全国の地方委員会で継続した機関紙担当者会議が闊達(かったつ)に闘い取られている。
一つには、機関紙活動を組織建設として遂行する環に配布網の確立がある。レーニンは苦闘を重ねつつ党と労働組合の一体的建設をたぐり寄せるとともに、その事業を機関紙活動、特に「受任者網」の建設と不可分一体のものとしてかちとってきた。
二つには、労働者細胞が職場で資本と原則的に闘うことが機関紙拡大の王道であることだ。機関紙は闘いの武器であり、職場で新自由主義攻撃と闘う中で機関紙拡大は成就する。それが細胞建設の突破口となる。
三つには、2千万青年労働者、6千万労働者を対象にした機関紙へと脱皮をかちとりつつ、その層を丸ごと対象にした拡大闘争を粘り強く推進することだ。非正規職労働者の全員が拡大対象である。そして今や昨年10〜11月の闘い、10・1外注化阻止決戦、11月労働者集会、11・11反原発20万人占拠闘争をくぐり抜けて、機関紙活動に「革命」が起こりつつある。
第二に、職場生産点で階級全体の利益を体現して、職場支配権を取る、組合権力を取る七転八倒の階級的労働運動の実践が、中央委員会と細胞建設の〈相互浸透と一体化>を内的欲求として打ち立てたことだ。職場生産点での死闘こそが革命の帰趨(きすう)を決する中で、細胞が自ら党を体現し、党を代表し、全国的普遍性と単一性をもって闘うことの重大性と勝利性が党的に横溢(おういつ)し始めた。こうした地平は、地区党建設、産別委員会建設において党創成以来の重要な前進を生み出し、指導部を輩出し、恐るべき力を秘めたものとして発展しようとしている。
第三に、党と労働組合の一体的建設での苦闘と前進が、非合法・非公然党の建設の闘いにおいて、開花しつつあることである。
非合法・非公然の党を守り抜き発展させる闘いは、昨年、日帝・国家権力との何波にもわたる死闘的激突に直面した。しかし、国鉄決戦と反原発決戦が結合して階級的労働運動路線の革命的発展をつくり出す中で、党と階級の主体的・自己解放的決起で弾圧を粉砕し、営々たる非合法・非公然党建設の歴史においても特に鮮やかな勝利をかちとった。
党と労働組合の一体的建設の到達地平は、非合法・非公然の党、マルクス主義の党、世界単一の革命的労働者党として革共同を鍛え上げ、それらが全一体となって発展する展望を押し開いた。党と階級は根源的に一体であり、階級全体の利害と切り離された党の利害など存在しない。この不動の確信に立って、非合法・非公然党の建設に邁進(まいしん)しよう。
U 世界は争闘戦時代に突入した 大恐慌は本格的な爆発過程へ
(1) 大恐慌対策の完全な破産
パリバ・ショック(07年8月9日)とリーマン・ショック(08年9月15日)を歴史的発火点として始まった世界金融大恐慌−世界大恐慌は、いよいよ本格的な爆発段階に向け、ドラスティックな展開過程をたどりつつある。
この間、大恐慌の震源地である基軸国・米帝を始め、米欧日帝国主義や残存スターリン主義・中国など世界各国は、大恐慌の大波にのみ込まれ、「死の苦悶(くもん)」(トロツキー)にあえぎながら七転八倒してきた。各国は米政府・FRB(連邦準備制度理事会)を先頭に大々的な恐慌対策を行い、天文学的規模の財政投入や超金融緩和政策を実施し、そのことによって最末期帝国主義とその絶望的延命形態である新自由主義は、巨大金融機関や大独占企業の延命を図ってきた。
しかし今やこうした未曽有の恐慌対策は完全に破産した。いかに財政投入や金融緩和を繰り返しても、それは大恐慌の根底にある過剰資本・過剰生産力の問題をなんら解決するものではなく、投資が投資を呼ぶような経済の自立的再建など到底不可能だからである。そして逆に大規模な恐慌対策は、米欧日や中国など全世界で財政危機・債務危機・金融危機を爆発させ、実体経済も収縮・減退とマイナス成長へと転落させてしまったのである。
この中で特に日帝は、釣魚台(尖閣諸島)の「国有化宣言」という新たな領土略奪=侵略・侵略戦争で自らが引き起こした日中関係の危機に痛撃され、自動車を始め対中貿易が最大で5〜8割も減少するなど最悪の状態に陥っている。
いよいよ不可避となった大恐慌の本格的爆発情勢のもと、諸帝国主義と中国など大国間の争闘戦が、独占的大資本と国家間の相互のつぶし合いと生き残りをかけて、かつてないほどの通商戦争、為替戦争、金融緩和競争を伴いつつ、今やいや増しに激化している。世界は帝国主義間・大国間の争闘戦時代に突入した。
この大恐慌の本格的激化は、一方で大失業と戦争を生み出し、他方では全世界的な労働者階級の決起と反乱、革命的情勢をいよいよ成熟させる。12月総選挙の結果はむしろ政治支配の危機と階級矛盾、階級間激突を極点まで激化する。国鉄決戦を基軸とした国鉄決戦と反原発決戦でこの大激動情勢に切り込み、プロレタリア世界革命への道を開こう。
(2) 超金融緩和で米帝経済はインフレ爆発とドル暴落へ
「財政の崖」の深刻さ
住宅バブル崩壊を契機とした大恐慌の震源地たる米帝の没落は、いよいよ深刻だ。米帝は基軸国でありながら、すでに20年以上も膨大な経常収支赤字を続け、世界最大の債務国に転落している。連邦財政の赤字額も、リーマン・ショックの08年以降の5年間ですでに5兆4630億jという途方もない規模となっている。米国債も中国、日本などの大量購入で成り立っている。さらに貿易の軸である耐久消費財など主力製造業はすでに完全に競争力を喪失し、リーマン・ショック以降は、GMなど自動車産業も政府の管理と支援で生き延びている状態だ。
この没落米帝の当面する最大の問題が「財政の崖」だ。「財政の崖」とはブッシュ政権以来の大型減税が12年末で失効(4千億j規模の実質増税)する一方で、13年1月から連邦予算の強制的削減措置が発効し、13年度の財政圧縮規模が総額6070億jに達する事態のことだ。米議会予算局は、この崖が現実化すると米経済は3%のマイナス成長に転落すると言っており、世界のGDP(国内総生産)の2割強を占める米経済の失速は、大恐慌の巨大な下押し要因ともなる。
しかしこの「財政の崖」の回避は、下院が共和党、上院は民主党が多数という「ねじれ」と両党の主張の対立で展望が開けないばかりか、結果的に事態がどう展開するにせよ、米財政とドルへの不信、米実体経済への大打撃とならずにはおかない。その上でこの問題の核心は、米帝の財政危機がいかに深刻であり、米帝と米経済がどれほどストレートに大恐慌のダメージを受けているのかという点にこそある。
住宅市場・雇用情勢
他方で、この間「米住宅市場に明るさ」「価格下落に歯止め」などと報道されている。これは「5年分の需要を先取り」した住宅バブルの崩壊からすでに5年以上が経過した上で、住宅減税の効果や決定的にはFRBの量的金融緩和第3弾(QE3)で住宅ローン担保証券(MBS)を大量に購入し始めている結果と言える。しかし全米でまだ1400万人が債務超過状態にあり、差し押さえ物件が市場に出回る「影の在庫」は住宅供給全体の6カ月分もある。住宅価格自体もピークよりまだ3割低く本格回復にはほど遠い。
いま一つ、米雇用統計で12年7月以降、非農業部門の就業者数が前月比で15万人前後に上昇し、完全失業率も10月7・9%、11月7・7%と一定改善している。確かにこれはこの間の財政・金融政策、QE1、QE2、QE3などの超金融緩和政策によるマネー氾濫(はんらん)の中で、一定生み出されている事態である。
しかし小売り業や自動車、エネルギー分野で多少の改善があるものの、化学、非鉄金属、電子部品などの製造業では雇用は厳しく、工場閉鎖、人員削減などのリストラは緩まず、むしろ激化している。さらに深刻なことは、失業率「改善」の中身は若者を中心に、職探しをあきらめた人が増えている結果でもあるということだ。またパートタイムの労働者が800万人も存在し、働きたいのに仕事が見つからない人が250万人もいるのだ。
暴走的政策=QE3
「財政の崖」と並ぶ米経済のもう一つの重大問題は、FRB議長バーナンキによるQE3の発動だ(12年9月)。QE1の1兆7000億j、QE2の6000億jに続くQE3の軸は、準国債としての住宅ローン担保証券(MBS)を月400億j、無期限・無制限に追加購入し市場に過剰マネーを流し込むというもので、ゼロ金利政策も期間延長し、短期国債を売って長期国債の保有割合を高める「ツイスト・オペ」の実施も1月まで継続する。さらにFRBは12月に、@失業率が6・5%未満になるまでゼロ金利政策を続け、A13年1月から毎月450億jの長期国債を市場から買い入れることを追加決定した。
この前代未聞の政策は、すでに米欧日がのめり込んでいる空前の金融緩和競争の最先端を行くものであり、財政出動が不可能で政策金利もゼロという異常事態の中でのインフレ化や再バブル化も辞さず、米経済の浮揚と膨張を狙ったまさに暴走的政策である。このQE3に象徴される超金融緩和は、インフレの爆発、ドルと米国債の暴落をついには不可避とし、大恐慌はいよいよ本格化していくのだ。
(3) 欧州恐慌爆発、中国バブル崩壊、脱落日帝の絶望的危機
足元での最大の火点
ギリシャ、スペイン、イタリアなど南欧諸国の債務危機の爆発として現実化した欧州恐慌は、大恐慌の今日的な最大の火点であり、リーマン・ショックに続く大衝撃としてある。
確かに、欧州中央銀行(ECB)による満期3年以下の国債の無制限の買い入れ決定(9月)、欧州安定メカニズム(ESM)の発足(10月)、ユーロ圏とIMF(国際通貨基金)によるギリシャ支援の再開(11月)などにより、金融市場に投機資金が一定回帰し、欧州の金融危機は一見、小康状態のように見える。しかし足元では全ユーロ圏で中小銀行の不良債権問題が新たに爆発し、ユーロ圏はそれへの公的資金注入と「銀行同盟」「銀行監督の一元化」の試みという両面作戦を迫られている。
その上で欧州恐慌は、今や実体経済の悪化に完全に転化している。EU委員会が11月7日に発表した12〜13年のGDP成長見通しでは、ギリシャのマイナス6%(12年)、4・2%(13年)を始め、ユーロ圏とEU全体がマイナス成長に陥っている。12年のプラス成長は独・仏のみで、それも1%以下であり実質ゼロ成長の水準でしかない。さらにユーロ圏の完全失業率は11〜12%に達し、特にギリシャとスペインはともに25%を超え、青年の失業率に至っては54〜55%以上、2人に1人が職を失うすさまじい状況にある。
もともとユーロ圏は、単一通貨のもとで財政は各国バラバラという矛盾を抱えている。しかも独・仏など中枢国が南欧や東欧を収奪し利益を得るという構造の中で、通貨統合により過剰な投機マネーがギリシャやスペインなどに流れ込み、住宅バブルや経済・財政の異常な膨張を生んだ。それが大恐慌への突入で破綻し、債務危機が爆発したのである。
昨年11月に米格付け会社ムーディーズが仏国債を最上位から1段階引き下げた。フランスはEU内・ユーロ内の争闘戦でドイツに敗北し、産業的基盤も弱体化して、今や「欧州の中心にある時限爆弾」(英誌エコノミスト)と言われるほど危機であり、ギリシャやスペインと同時にユーロを脅かす存在となっている。
さらに11月のEU首脳会議で、EU中期予算(14〜20年)の決定が、緊縮財政下の農業補助金の扱いなどをめぐって、EU予算への拠出額の多い英・独・北欧と、南欧・東欧およびフランスの対立により決裂した。また金融危機の押さえ込みで焦点となっている「銀行同盟」にイギリスは不参加を表明しており、今やEU内の英と独・仏間の争闘戦は、イギリスの「EU脱退」が現実化するレベルにあり、ユーロ崩壊・EU解体が現実化している。
中国2ケタ成長崩壊
世界第2の規模を持つ中国経済は、深刻な成長鈍化のただ中にある。昨年7〜9月期のGDP成長率は前年同期比7・4%となり、12年通年でも8%を割った。膨大な超低賃金労働者の搾取で2ケタ成長を続けてきた時代は、完全に過去のものだ。
巨大な過剰設備と生産能力(製造業の設備利用率は平均60%前後)、そして過剰供給を抱え、中国の港湾には石炭、鉄鉱石、綿花などの在庫が積み上がっている。インフレ退治の金融引き締めで不動産バブルの崩壊がすでに始まっている上に、最大の輸出相手である欧州の恐慌で輸出が激減し、鉱工業生産の伸びも3〜4年ぶりの低迷となっている。
中国のバブルと高成長を生み出してきた張本人は、一方で中央・地方政府の大々的な公共事業と国有企業による生産設備拡大競争であり、他方で米欧日や韓国・台湾など外国の資本と投機マネーだった。中国の生産の実に3割、輸出入の5割が外資系企業によるものだ。世界の大資本・大企業が中国を自分の生産工場とし、市場としてきたのだ。
こうした中で、中国の求人倍率は10年1〜3月期に1倍を超え、ついに労働力不足に転じた。都市と農村の格差、貧富の格差が拡大してきた一方で、労働力不足と労働者の闘いの爆発=権利意識の向上の両側面から、この間、賃金は急上昇した。そのため日本を始め外国資本は、賃金が中国の3分の1のベトナムや、5分の1のビルマ(ミャンマー)など、東南アジア・南アジア地域に生産拠点を移し始めている。残存スターリン主義・中国のこの間の特異と言える高成長は、大恐慌下で崩壊に直面している。
この中国の経済危機、不動産バブル崩壊のただ中でようやく成立した習近平総書記の新指導体制は、基底に労働者階級人民の反乱−スト・デモの激発を、内部には深刻な権力闘争と官僚層の金権腐敗問題(巨額の蓄財など)を抱えた、危機的で脆弱(ぜいじゃく)な体制だ。経済のバブルが崩壊し、米日帝の対中対峙・対決政策の展開のもとで残存スターリン主義体制の危機が爆発する時、それは大恐慌の本格的爆発に転化するものとなる。
「輸出立国」路線破産
日帝は大恐慌と3・11大震災・原発事故に直撃され、帝国主義の陣列と国際争闘戦から脱落的状況にたたき込まれてきた。日帝脱落の危機はこの間もさらに進行している。
日帝脱落を象徴する事態の第一は、GDPのマイナス成長化だ。12年7〜9月期のGDPは年率換算で3・5%の減となった。マイナス成長は2四半期連続であり、10〜12月期もマイナスの可能性が大きい。第二は、10月の貿易収支が過去最大の5490億円の赤字で、これで貿易赤字が4カ月連続となったことだ。最大の要因は輸出の不振で、特に自動車の対中輸出は前年同月比で82%も減少した。第三は、9月の経常収支が31年ぶりに赤字に転落したことだ。これらはまさに「輸出立国」の崩壊を告げる事態である。
さらに第四は、日帝製造業の根幹をなしてきた電機資本などの総崩壊的事態である。パナソニックの13年3月期の純損益の見通しが7650億円の赤字(2年連続で合計1兆5000億円)、同じくシャープが4500億円の赤字(これも2年連続)に転落したことが示すように、日帝家電や半導体は韓国・台湾などとの価格競争に敗北し、まさに崖っぷちにある。
こうした中で政府と日銀は、一方では「デフレ脱却」を叫び、超金融緩和でインフレ政策と放漫財政へ踏み込みつつある。実際に9月、10月と2カ月連続で追加金融緩和を強行し、国債などの買い入れ基金を91兆円に増やした。とりわけ総選挙で勝利した自民党・安倍が「無制限の金融緩和」へ破滅的に突き進むことは明白だ。また他方で日帝は、電機など輸出製造業の敗退的事態の中で、JR東日本を最大の戦略的企業とし、政府が先頭に立ちながら対インドを突破口に新幹線のパッケージ輸出に全力を挙げている。
さらに日帝の脱落、争闘戦での敗北は、経済だけでなく米帝の3・11「トモダチ作戦」が突き出したように政治・軍事・外交の全分野に及んでいる。日帝の政治危機は極点に達している。総選挙の結果が逆に促進する政治危機と階級矛盾の激化のただ中で、国鉄決戦・反原発決戦の爆発と階級的労働運動の発展をもって安倍超反動新政権を打倒しなければならない。
(4) 大恐慌が大失業と戦争へ
以上、具体的に見てきた大恐慌の現段階を踏まえて、2013年決戦に向け総括的に確認すべきことは何か。
第一に、世界はついに歴史的な大争闘戦時代に突入したということだ。しかもその先頭に没落を深める基軸国・米帝が立っており、「輸出倍増」と米製造業の復活を叫び、全面的な通商戦争、為替戦争(通貨切り下げ競争)を繰り広げている。またそれと一体のものとして未曽有の金融緩和政策がある。
しかも通商戦争の武器として「近隣窮乏化策」とも言われる保護主義政策が、関税引き上げや輸入数量制限から「バイ・アメリカン法」、破産企業への政府支援、公的資金注入、各種補助金の支給に至るまで、今や全世界に蔓延(まんえん)している。FTA(自由貿易協定)やTPPも、「自由」や「連携」をうたっているが、その本質は世界経済の排他的分断とブロック化・争闘戦政策そのものでしかない。
第二に、世界経済の収縮と大不況化、国家財政危機とゼロ金利・超低金利政策のもとで、今日、米欧日を先頭に全面展開されているQE3などの金融緩和競争は、全世界を放漫財政とインフレ経済にたたき込み、各国国債の暴落とドル大暴落を現実化させる。
ドル大暴落は1944年のブレトンウッズ協定以来のドル基軸体制の崩壊であり、米財政の大破綻と同時に世界経済の統一性の最後的解体、分裂化・ブロック化への突入となる。この過程と過剰資本・過剰生産力という二つの契機が結合し交差する地点で、大恐慌は真の奈落へと突き進むのである。
第三に、大恐慌は大失業と戦争を生み出すということだ。大失業攻撃はすでにギリシャやスペインを先頭に、1930年代を彷彿(ほうふつ)させるまでに激化している。しかもそれは全世界で現在進行する民営化・外注化・非正規職化と完全に一体のものとしてある。日本のブルジョアジーは破産した新自由主義にあくまでしがみつき、「工場法以前」「途上国並み賃金」を叫び、9割から10割の非正規化と超低賃金で国際的なコスト競争に生き残ろうと躍起である。
さらに「戦争」とは帝国主義的侵略戦争であり、帝国主義間・大国間の大戦争のことだ。基軸国・米帝を先頭に、帝国主義者どもは自分が延命するためだったら何でもする。大恐慌の本格化と争闘戦の死闘化、相互のつぶし合いという地獄絵のもとでは、ファシズムやヒトラーのようなものも登場するし、帝国主義者は核兵器に訴えてでも戦争をする。帝国主義者は福島原発事故が起きても、原発や核燃サイクルを手放さない連中だ。現に安倍、石原、橋下は、改憲や国防軍や核武装を公然と叫んでいるではないか。
第四に、大恐慌と戦争と言う場合、今日的にその基軸的位置を持つものこそ米帝オバマが11年11月にキャンベラ演説で打ち出した新軍事戦略だということだ。ここでオバマはアフガニスタン・イラク侵略戦争での基本的敗北の上に、アジア・太平洋地域を「最重視」するとし、中国スターリン主義への対峙・対決を貫く戦略に舵(かじ)を切った。
米帝の没落と財政的危機のすさまじさは、米帝がさほど軍事力を行使できないということを意味しない。逆に危機であればあるほど凶暴化する。これこそ世界戦争の最大の要因である。今や日・中・韓・台を合わせた東アジアは世界のGDPの2割以上を占め、半導体の5割強、液晶パネルの9割を生産する。米帝はこの地域の支配と勢力圏化を狙い、日米安保やTPP問題などで対日争闘戦を徹底的に貫きつつ、アジアから最大限の経済的利益を引き出し、最終的には対北朝鮮の侵略戦争をも含め、残存スターリン主義・中国の体制変更=転覆をやろうとしているのだ。
大恐慌の本格化と大争闘戦時代への突入は、世界経済の分裂化を促進し、勢力圏、領土、資源をめぐっての政治的、軍事的対立も激化している。こうした大恐慌と戦争情勢の根幹に、米帝の新軍事戦略と対中対峙・対決政策がある。このことを見据え、階級的労働運動路線の中に反原発とともに、安保、沖縄、改憲、三里塚、TPPなどの問題をしっかりと位置づけ、2013年の決戦を闘い抜こう。
(5) 全世界でデモとゼネスト
大恐慌はまた全世界的に政治支配の危機を激化させると同時に、帝国主義・新自由主義への労働者階級の怒りと闘いを爆発させ、主客両面から革命的情勢を成熟させている。
昨年の情勢で決定的だったのは、11月14日の欧州ゼネストだ。それはポルトガルとキプロスの労組が発案し、欧州労連(ETUC)が呼びかけて、スペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャなど23カ国で、40のナショナルセンターが一斉に1千万人規模のゼネストとデモに決起した。「緊縮政策反対」と「雇用と連帯」を求めたこの全欧州の統一行動は、まさに大恐慌下でヨーロッパ革命の炎が燃え上がったものとして決定的だ。
大恐慌下で「財政破綻」「国家の危機」という大重圧を打ち破り、年に6〜7回のゼネストを闘い抜くギリシャの労働者は、プロレタリア革命闘争の最先端に立つ存在だ。
アメリカの労働者は一昨年来、ウィスコンシン州の公務員労働者、西海岸の港湾労働者の決起とオキュパイ運動に続き、昨年秋にはシカゴ教組やウォルマート労働者が大ストライキを闘い、米大統領選を痛撃した。整理解雇と非正規職化に不屈に反撃してきた韓国・民主労総の労働者は、現代自動車ウルサン工場での高空籠城(ろうじょう)闘争に続き、11月20日からはサンヨン自動車ピョンテク工場前の送電塔で籠城闘争に決起し、「労働者が主人公となる大長征」を呼びかけた。
中国の労働者人民は、帝国主義資本の搾取とスターリン主義の抑圧、官僚層の腐敗に反撃して、全土で実に年10万件を超えるスト・デモ・暴動に決起している。一昨年2月革命を勝利させたエジプトの労働者階級は、ムスリムの革命簒奪(さんだつ)と軍の壁に激突し、新たな闘いを開始している。
さらに昨年の闘いで重要なのは、インドネシアでの日系企業などに対する外部依託・非正規雇用の廃止を要求した200万人以上のゼネスト、南アフリカ全土での鉱山スト、アルゼンチンでのインフレ反対の70万人デモなど、中国に続く新興大国で大恐慌下の新自由主義攻撃への闘いが爆発していることだ。
日本でのこの間の国鉄決戦・反原発決戦の爆発、動労千葉を先頭とした3労組共闘や、日韓米を軸とする国際連帯の発展は、このような国際階級闘争と完全に一体であり、その最先端を切り開く闘いなのである。
V 国鉄を軸に革共運動と階級的労働運動の本格的発展開こう
革命的情勢が急速に接近している。風が雷雲を吹き集めている。直ちに戦闘配置につかなければならない。われわれは、闘う労働者党への飛躍をかけて、階級的労働運動の再建、革命的共産主義運動と階級的労働運動の本格的飛躍的発展、党と労働組合の一体的建設をめざす歴史的課題に挑んできた。それは、新自由主義攻撃と体制内派・スターリン主義の裏切りによって解体されてきた階級的団結(党と階級の再結合)を再獲得する困難な闘いであった。それはまた、階級情勢と深く結合し、労働者階級自身の事業としての革命を勝利に導く革命的労働者党としての行動の能力を高め、実践の中からマルクス主義を再獲得する苦闘の連続でもあった。
われわれは、その闘いを国鉄分割・民営化攻撃との対決、新自由主義攻撃との対決として貫き、この1年、国鉄決戦=外注化阻止決戦を階級決戦として、全力を投入して闘い抜いて、階級的労働組合の再生・創造の具体的展望をつかみ取った。それは、戦後日本労働運動史上にかつてなかった民営化・外注化・非正規職化阻止の階級的労働運動の画期的な地平である。
(1) JR全面外注化阻止決戦の第2ラウンドに総決起を
2013年決戦の第一の課題は、全党・全階級の総力を結集し、国鉄決戦を階級決戦として爆発させ、革命的共産主義運動と階級的労働運動の本格的発展を切り開くことである。われわれはJR全面外注化粉砕の第2ラウンドの闘いに総決起する。第2ラウンドの闘いとは、階級的労働運動の再生か絶滅かをかけた階級決戦である。
国鉄分割・民営化から25年にわたる攻防を闘い抜いて、動労千葉−動労総連合が強固な団結を守って外注化阻止・1047名解雇撤回の旗を高々と掲げて意気軒高と闘い抜いていること、それのみならず、動労千葉、動労水戸、動労西日本が組織を拡大し、青年労働者の結集をかちとって前進していること自身の中に、戦後の日本労働運動が実現することができなかった決定的な地平が示されている。それは、この時代にあって、「民営化阻止、外注化阻止、非正規職撤廃、階級的労働運動再生」の死闘を、プロレタリア革命に勝利する決定的な位置をもつ階級決戦に押し上げている。
それは、今日の階級闘争の現実を根底からつくり変えていく闘いであり、具体的には、帝国主義の手下となっている勢力によって牛耳られた連合的な労働組合の現実を根底からひっくり返していく闘いである。
外注化とは、新自由主義の極限的形態として、労働者と労働を分断し、その団結を徹底的に破壊していく攻撃である。外注化は労働そのものを寸断し、職場を混乱と破壊に陥れる。労働者の存在や誇りを徹底的に蹂躙(じゅうりん)して落とし込め、そうやって分断を徹底的に貫こうとする。JR東での外注化はもはや外注化自身が目的ではなくなり、ひたすら動労千葉破壊のためにのみ強行されるのだ。資本としてこんなデタラメで自滅的なことがあろうか。これが新自由主義であり、10・1外注化強行以降の職場の現実である。だがここにJRの外注化攻撃の最大の破綻があり、12年間の動労千葉の闘いと10・1外注化決戦がそこまでJRを追いつめたのである。
第2ラウンドの勝利の道は、この分断を打ち破る、10・1外注化決戦に勝利した根源的力である「動労千葉の団結」そのものの強化・拡大にある。そこから一切の闘いを配置していくのだ。反撃は、まず職場抵抗闘争の強化発展をあくまでも土台にして、JR全体の総反乱をさらに推し進めることである。この職場闘争と固く結びついて、裁判闘争史上類例のない出向差し止め訴訟、そして解雇撤回・JR復帰をめざす鉄建公団訴訟に勝利していくことである。何よりも平成採の青年労働者の獲得と組織拡大、そして外注化先のCTS(千葉鉄道サービス)などの労働者との団結と組織化への新たな挑戦である。これらが一体となって、2・1の「ライフサイクルの深度化(強制配転)」阻止から次の4・1外注化阻止へと攻め上ることである。
ここで動労千葉の団結強化が、階級的労働運動派の団結強化となり、それがまた動労千葉の団結強化となり、全労働者の団結強化へと発展していく闘いが決定的に求められる。その場合、〈外注化阻止・非正規職撤廃〉を全産別の職場生産点における路線的・実践的課題として発展させることが重要だ。さらに今日ますます求められる外注化との闘いの一大社会問題化を全力でかちとることである。
この闘いは同時に、4・9反革命でいったんバラバラに解体された国鉄闘争支援陣形をもう一度再団結させる闘いだ。「国鉄方式」で首を切られ、非正規職に突き落とされた1千万を超す労働者の恨みをはらす大勝負がいよいよ始まる。われわれは、4・9反革命によってすべての体制内的勢力が崩れ落ちる状況をついて、その条件を国鉄闘争全国運動の開始と10・1外注化阻止決戦を通して築き上げてきたのである。だからこそ、全反動が国鉄闘争の解体にあらためて全力を挙げて襲いかかるであろうことは間違いない。しかし、革命はつねに密集した反動を打ち破って前進するものだ。
JR全面外注化阻止闘争、1047名解雇撤回闘争を全労働者階級の未来をかけた闘いとして組織しよう。動労千葉鉄建公団訴訟と動労総連合の外注化・強制出向無効訴訟が決定的な位置をもっている。すべての力を注ぎ込んで勝利しよう。この二つの裁判闘争に勝利した時、国鉄分割・民営化攻撃と国鉄改革法はわれわれの手で打ち破られ、日本労働運動の歴史は間違いなく巨大な規模で動き出す。さらに、「共に闘う国労の会」の闘いを前進させ、JRのあらゆる職場から組合の枠をも越えた総反乱をつくり出そう。
物販闘争の日本労働運動における歴史的意義をしっかりと確認しよう。動労千葉物販闘争を労働組合再生の決定的テコとしてますます拡大させよう。
「経営構想X」の正体
「3・11」以降の情勢の中で、国鉄−JRにおける闘いは日本階級闘争にとってますますその位置を大きくしている。JR東日本は「中期経営構想X」を発表したが、そのもつ意味は重大である。
「X」は、JR東日本にとって第一の転換点は分割・民営化であり、第二の転換点は3・11の大震災であったと提起している。それは震災や原発事故で鉄道が寸断され、大きな被害を受けたということではない。3・11によってJR東日本が、日帝の生き残りをかけた最大の戦略的企業、戦略的資本としての位置を一挙に占めるようになったのである。それまでも、原発、水事業、鉄道の3事業が数千億円〜数兆円規模の「パッケージ輸出」の3分野だと言われてきたが、原発事故後、海外での鉄道(新幹線)建設が最大の戦略事業になったのだ。
このJR東の生き残りをかけた「世界に伸びる」なる戦略資本化とは、同時に、日帝ブルジョアジーによる国内階級戦争の先陣をもJR資本が担うということだ。「X」とは、日帝・新自由主義の延命をかけた外注化・民営化・非正規職化と労組破壊の攻撃を、その最先端でJRが先頭を切って推し進めていくことの宣言である。それは国内に向かっては、偽装請負であろうが、違法な非正規化であろうが、安全の破壊であろうが、すべて容認されるという傲慢(ごうまん)な経営姿勢がさらに強まることである。財界が強行しようとしている40歳定年制などの、雇用のさらなる全面的破壊の先頭にJR東日本が立つということである。
逆に言えば、「X」でのフルアウトソーシングと非正規職化による徹底したコスト削減という理不尽な攻撃を強行するためには、動労千葉を始めとする労組解体を抜きに、JRの延命も日帝・新自由主義もありえない。その点ではこの「X」自体が、この間の外注化決戦で半ば破綻している。なおこの「X」の外注化が強行されれば、安全破壊は取り返しのつかない恐るべき水準に拡大する。そのことを押し隠すためにも「X」は、きわめて具体的で全面的な外注化プランを打ち出している。これを一つひとつ打ち砕く職場からの反乱と団結こそが決定的なのだ。
実際、検修・構内業務外注化に続き、駅業務の全面的な外注化が強行されようとしている。笹子トンネル事故は、国鉄分割・民営化方式をそっくりまねて民営化し、その後のJR「ステーションルネッサンス」をもまねてひたすら利潤を追い求めたことの必然的な帰結に他ならない。JRでも安全と雇用のすべてが瓦解(がかい)し始める。こうした現実と対決し、階級的労働運動の再生を求める新たな国鉄闘争を開始する時だ。
(2) 民営化・外注化・労組破壊は新自由主義の核心的攻撃
われわれは、動労千葉の12年間に及ぶ外注化阻止決戦の苦闘を通して、現代社会における革命の核心的な課題を路線的につかみ取った。すなわち、民営化・外注化が帝国主義の絶望的な延命策としての新自由主義の核心的攻撃であり、それは労働組合に対する徹底した攻撃を通して貫徹されるということだ。
現実に、日本の労働運動指導部は新自由主義攻撃とまったく対決できないままに屈服を深め、「パートナーシップ路線」や「攻めの民営化」などの名のもとにその協力者となっていった。その結果、労働法制を始めとした社会的規制の緩和を背景として2千万人もの非正規職労働者が生み出された。団結や社会的連帯を破壊されて競争原理の中にたたき込まれた労働者にとっては社会そのものが「戦場」と化し、14年連続で毎年3万人を超す自殺者=「戦死者」が出るという恐るべき現実がもたらされた。さらには、社会保障制度、教育、医療など、人間が人間として生きるために最低限必要な社会制度のすべてが徹底的に攻撃され、破壊された。
われわれは、こうした現実に抗して非和解的に資本との闘いを貫き、団結を維持し抜くことができた時にこそ、階級的労働運動が復権できるのだということをつかみ取り、その歴史的な闘いに挑戦することを決意したのである。
それは、国鉄分割・民営化を契機に始まった現実の全面的な総括にかかわる問題でもあった。動労千葉の12年間にわたる外注化阻止闘争、10・1外注化阻止決戦とは、そうした意味をもつ闘いであった。さらにそれは、革共同が戦後日本労働運動の限界をのりこえて進む決定的路線的地平を獲得する闘いでもあった。
戦後労働運動の歴史とは、動労千葉の故中野洋顧問がつとに訴えていたように、「闘えば分裂する」「資本や国家が全力で攻撃してきた時には団結を守り抜くことなど無理だから妥協するしかないのだ」と言われてきた歴史であり、反合理化闘争が攻撃的、非和解的に階級的団結を強化する方向で闘われたことが一度としてないのが現実である。動労千葉は、反合・運転保安闘争や三里塚ジェット燃料輸送阻止闘争、動労本部からの分離・独立闘争、国鉄分割・民営化反対闘争などを通して、こうした労働運動の悪しき「常識」を次々と覆して闘ってきた。この間の外注化阻止闘争は、大恐慌下で、反合・運転保安闘争路線を全面的に発展させる闘いであった。
そこに貫かれている核心問題は、労働者階級自身の思想としてのマルクス主義を現実の闘いの渦中で獲得し、それを階級的団結の拡大として実現していく点にある。つまり、徹底して自らを階級として形成していく闘いの路線である。
レーニンは、世界革命の実現に向けた執念の書としての『共産主義における左翼空論主義』において、党と労働組合の関係を次のように提起した。「労働組合を通じる以外に、労働組合と労働者階級の党の相互作用を通じる以外に、世界のどこにもプロレタリアートの発展は起こらなかったし、起こることもできなかった」「日和見主義と社会排外主義の度しがたい指導部の信用を完全に失墜させ、労働組合運動の中から追い出すまで必ず闘争を推し進めなければならない。この闘争がある程度まで進まないうちは政治権力を取ることはできない」「プロレタリアートの革命的な党は、指導者と階級および大衆とを完全に一つのものに結びつける術(すべ)を学ばないうちは、その名にふさわしいものとは言えない」と。
さらにレーニンは、ロシア革命の勝利を導いた革命党の規律が何によって打ち固められたかについて、階級意識や革命への献身性に加えて、広範な勤労大衆と結びつき溶けあう能力、大衆自身が自らの経験によってその正しさを納得するような政治指導の正しさを挙げている。そしてこれらの諸条件をつくり出すのが、真に大衆的で真に革命的な実践と密接に結びついてつくり上げられた革命理論だとしている。
革共同は、レーニンのこの厳しい指摘を自らのものとすることによって階級的労働運動路線を発展させ、党・労働組合・ソビエトの三位一体の軸として労働組合が革命に果たす決定的役割を明確にし、労働組合の復権=労働運動の階級的再生を具体的実践の中で党的目的意識性として貫いていくことに革命的労働者党の決定的意義があることを全体で確認してきた。こうした闘いを、新自由主義攻撃の最も暴力的な貫徹としてある国鉄分割・民営化攻撃との対決を軸に、4大(6大)産別決戦として貫くことを、現代における革命の決定的な路線としたのである。
革共同は、動労千葉とともに国鉄分割・民営化に真正面から対決し勝利し抜いた唯一の党であり、国鉄労働者とともに進み、歴史の試練に耐え抜いてきた党である。だからこそこうした鮮明な時代認識と路線を確立することができたのだ。
特に、大恐慌の激しい進行を背景とした帝国主義の絶望的危機は、究極的な新自由主義攻撃への突進として現れ、それは社会のすべてをのみ込むような民営化・外注化・労組破壊攻撃として公的部門の労働者への攻撃、「特区」攻撃として進む。だからこそ、国鉄闘争を軸とした4大産別決戦に党の総力を投入しなければならない。この闘いが前進し、現場での拠点建設が成功した時に、生きることができない現実の中から一斉に立ち上がり始めている非正規労働者の燎原(りょうげん)の火のような闘いも、真の意味で革命への決定的な主体的力を得ることになるのである。
4大産別決戦勝利を
国鉄決戦を基軸に、国鉄・郵政・教労・自治体の4大産別を先頭とする全職場で民営化・外注化阻止と非正規職撤廃の不退転の闘いに立ち上がろう。
この4大産別決戦は、ブルジョア独裁権力との接近戦である。そこでは並大抵ではない死闘を不可避とするが、「時代認識と路線」を鮮明に打ち立て、地をはうような一つひとつの職場の団結と青年労働者の獲得をかちとって進むならば、必ずや巨大な奔流となって発展することができる。4大産別でこそ、国鉄を先頭に労働組合再生と組織拡大を圧倒的に切り開こう。
全逓では、今やブラック企業と化した民営郵政に対し、民営化絶対反対、外注化阻止・非正規職撤廃、JP労組中央打倒の職場からの反乱をたたきつけ、総決起しよう。郵政非正規ユニオンの組織化を粘り強くかちとろう。
教労において、非正規職化攻撃は恐るべき勢いで進行している。さらに安倍・自民党は、教育の排外主義化、愛国主義化を決定的に推し進める。教育労働者の階級的団結を圧倒的に拡大し、労組権力獲得の挑戦をさらに断固として推進しよう。
自治体では、外注化・非正規職化、道州制・公務員制度解体、360万人首切り攻撃との全面的激突が開始されている。この中で、都労連の階級的再生をかけた攻防は決定的になっている。東京・猪瀬、大阪・橋下と対決し、国鉄決戦と反原発決戦の最先頭に立ち、労働組合の再生を全国でかちとろう。
合同・一般労組の闘いは、今日の外注化・非正規職化のすさまじい拡大の中で、巨大な組織拡大の展望をもっている。東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の闘いとその支援共闘の強化・拡大の闘いは、新自由主義と対決する新たな団結をつくり出している。この闘いを全国で拡大しよう。
医療・福祉産別は、医療・介護を成長戦略の柱とする新自由主義の延命との真っ向からの対決として闘われている。医療・福祉こそ、外注化阻止・非正規職撤廃闘争の最前線として不屈に闘おう。
NTT、金属、民間交運など全産別で今こそ階級的労働運動を白熱的に推進し、労働組合復権をかちとろう。
交流センターの位置
階級的労働運動の再生にとって、動労千葉と全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同の3労組のもつ位置と、労組交流センター運動のもつ位置が決定的であることをあらためて確認しよう。
大恐慌下の建設不況を「資本の側が弱っているのだから労働者にとってはチャンスだ」ととらえて、百数十日に及ぶ産業ゼネストをぶち抜きゼネコンを屈服させた関生支部の闘いは、大恐慌下での階級的労働運動の可能性を感動的に指し示す闘いであった。しかもそれに対する大弾圧をはね返し、昨年、1400人の組織拡大を実現したのだ。この闘いの中にこそ、マルクスが提起した歴史的存在としての労働者階級の力が示されている。
故大和田幸治事務局長を先頭として港合同が実現してきた闘いも、この時代にますます輝いている。中小零細企業に働く労働者が、使用者概念をも拡大して徹底的に資本との対決を貫く中で、経営をも蚕食していくほどの力をもつ「自覚的団結」を形成し、しかも地域を一つの労働組合のように組織した闘いは、階級的団結についての比類のない最も深い思想に基づいている。
全国労組交流センターは、国鉄分割・民営化攻撃の総括の中からわれわれが生み出した画期的な労働運動の全国組織である。それは、階級的労働運動を職場からつくり上げていくことをめざす大衆的な労組活動家の集団である。国際的に見ても、全国各県各地・各産別に組織をもつ階級的労働運動の全国的センターをもっていることは画期的な地平である。われわれはそのことを国際連帯闘争の中で教えられた。職場に分け入り組織しよう。今こそ労組交流センターの本格的な発展をかちとろう。
青年労働者・学生の組織化に党のすべての力を集中しよう。革命とは社会の根本的な変革を求める青年・学生の無限のエネルギーの爆発に他ならない。新自由主義攻撃のもとで、団結を破壊され、非正規職・ワーキングプアに突き落とされ、未来を奪われた青年労働者・学生が、その深い怒りの中から労働者階級として人間としての尊厳と誇りを取り戻し、自らの存在と階級的団結を取り戻した時、革命の第一歩は始まるのだ。帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制を打ち破ってプロレタリア独裁を実現し、階級なき社会を樹立する闘いは青年の力なしには実現できないものだ。マル青労同、マル学同の各1千人建設をなんとしても実現しよう。
さらに、自らが階級の指導部として飛躍し、また全地区・全産別に階級の指導部を建設する闘いに全党が総決起しよう。マルクス主義の労働学校・党学校を網の目のように組織し、全党がマルクス主義で武装して闘おう。
(3) 戦争・改憲と原発推進の超反動安倍新政権の打倒へ
革命的情勢が本格的に到来し始めている。政治危機の噴出と階級間激突が時代の基調となり、すべてをのみ込んで進む疾風怒涛(どとう)の時代が始まっている。革命的情勢はこうした激動の渦中で成熟し、決定的な激突点に向かって上りつめていくものだ。階級的労働運動再建に向けた困難な闘いへの挑戦を一切の土台に据え、戦争と改憲、原発推進、労組破壊の超反動安倍新政権打倒の闘いに、党の総力を挙げて立ち上がらなければならない。
反原発闘争は、福島現地と首相官邸・国会前を攻防の焦点としてますます非和解的に継続・発展している。帝国主義ブルジョアジーは、自らの支配の延命のためには200万福島県民を見殺しにすることもいとわない。3・11以降の日々の現実そのものが資本と国家の本質を明るみに引きずり出し、労働者人民の意識・価値観に巨大な流動化を生み出している。衆院選での山本太郎氏の闘いが示すように、献身的で勇敢な革命的決起を支持する気分が労働者階級の中に力強く高まっている。「国家と革命」が問題となり、数百万人を戦闘配置につける任務が問題となるような情勢が、急速に到来しようとしている。
原発事故と福島の置かれた現実そのものへの怒りの深さこそが、反原発闘争の原点である。革共同は、すべての怒りの先頭に立って闘い抜くことを決意した。反原発闘争の発展を体制内に押しとどめようとするあらゆる反動と断固として対決し、闘いの大衆的な爆発をつくり上げよう。
福島の子どもたちが、命がけで子どもを守ろうと固く決意したお母さんが、農民が、漁民が、労働者が、いったいどんな現実を強制され、これから強制されようとしているのか。福島の非和解的な怒りと官邸前を埋め尽くした20万の怒りの声が本格的に合流した時に、再稼働阻止、即時廃炉を求める闘いは間違いなくもっと巨大な爆発を開始する。この情勢の中でわれわれが階級的労働運動を再生・創成していった時に、反原発闘争は真の意味で階級的で革命的な闘いとなり、プロレタリア革命への決定的な口火を切るものとなっていく。
復興攻撃と断固対決し、被災地に階級的労働組合を組織しよう。NAZENを反原発闘争の階級的で大衆的な闘争組織として発展させよう。反原発100万人決起を本気でつくり出そう。学生戦線はその先頭に立とう。
ふくしま共同診療所が、国内外の圧倒的な注目のもとで開設された。闘いの拠点として、生き抜くためのよりどころとして発展させよう。
(4) 再審勝利・星野同志奪還の闘いは13年の決定的課題
1971年11・14沖縄返還協定批准阻止闘争の歴史的な爆発に大打撃を受けた日帝・権力は、デモ隊のリーダーとして最先頭で闘った星野文昭同志に報復弾圧を集中した。星野同志を機動隊せん滅の「実行犯」としてデッチあげ、「無期懲役」の攻撃を加え、38年間もの獄中を強制している。今始まった階級的大激動の中で星野同志奪還への道をこじ開ける闘いは、2013年の決戦全体において決定的位置を占めている。
星野同志は無実だ。星野同志は逮捕以来一貫して日帝権力と不屈に闘い続けてきた。第1次、第2次再審闘争を通して星野同志の無実は完全に明らかになっている。今や日帝・東京高裁は、法的にも論理的にも大破綻し、むき出しの国家暴力のみに依拠してデッチあげにしがみついている。星野同志をめぐる攻防は階級決戦として完全に煮つまり、文字通りの力勝負の段階に入った。2013年決戦の決定的柱の一つとして、全証拠開示大運動を爆発させよう。新自由主義と真っ向から激突して、星野同志を奪還しよう。
警察・検察は、莫大(ばくだい)な金と人を使って「証拠」を収集する。さらには「証拠」をねつ造したり、隠滅する。そして検事にとって都合のいい「証拠」のみを開示し、矛盾する「証拠」や無実の「証拠」は隠している。こうして多くのデッチあげ事件が強行され、無実の人が処罰され、長年にわたって獄に閉じ込められてきた。人の生命や権利や自由、真実や正義の実現よりも、ブルジョア支配体制の延命のために証拠を隠して労働者人民へのデッチあげ弾圧に走る。そんな国家は国家として終わりである。絶対に許すことができない。
今や、国家・司法権力に対して、労働者人民の根底からの怒りの決起が始まった。全国の弁護士が膨大な決起を開始している。国家権力と非妥協で闘い続けてきた星野同志への共感と期待が広がっている。
階級的労働運動を不屈に前進させ、反原発闘争・沖縄闘争・改憲阻止闘争と一体のものとして、その先頭に立って全証拠開示大運動を闘おう。2013年の激動で星野同志を奪還しよう!
(5) 新自由主義と対決する三里塚、沖縄、全戦線の闘い
大恐慌の進行は、今や帝国主義間・大国間のむき出しの争闘戦に突入している。大恐慌が生み出すものは大失業と戦争だ。帝国主義的軍事力をめぐるせめぎ合いが歴史の前面に登場してきている。昨年末の総選挙では、改憲と「国防軍の創設」を掲げた自民党・安倍極右反動政権が誕生したが、日帝の政治的危機はいよいよ極点に達し、すべての矛盾が沸騰点に向かっている。
日帝は唯一の延命の道として極限的な新自由主義攻撃に絶望的に突進する以外の選択肢を失っているが、それは社会の全面的な崩壊を促進する。反原発闘争、反失業闘争、安保・沖縄闘争、消費大増税やTPP反対の闘い、橋下・石原打倒の闘い、三里塚農民の闘いなど、どこから支配の決壊が始まってもおかしくない状況だ。原発・核武装政策、安保・沖縄政策、改憲攻撃との闘いは、日帝打倒に向けた日本革命の戦略課題である。われわれは、階級的労働運動路線のもと、安倍政権下で改憲攻撃と断固として対決し、超反動安倍政権を絶対に打倒する。
一方、民主党政権の瓦解で危機に立つ連合は、より一層財界と一体化しようとしている。だが、そこに闘う労働組合が息を吹き返す可能性が生まれてくる。階級的労働運動を登場させることができれば、時代が力を得て動き出す情勢が始まっている。大恐慌を革命に転化する絶好のチャンスの到来だ。
2013年、安倍政権打倒の闘いにとってきわめて重要な決戦場は、国鉄決戦と反原発闘争、星野奪還の全証拠開示運動であると同時に、三里塚、沖縄、さらに大阪における橋下との対決である。
市東さんの農地死守
三里塚闘争は、市東孝雄さんの農地死守をめぐる決戦がこの2013年、文字通りの正念場を迎える。日帝権力とNAAは司法権力を最大の手先に使い、どんな卑劣な手段を使ってでも市東さんの農地を強奪しようとありとあらゆる策動を強めている。第3誘導路の年度内完成・供用開始の攻撃も、その本質は市東さんへの追い出し攻撃だ。絶対に許してはならない。
だが敵権力は実際には、三里塚農民の怒りの爆発が、全国の労働者や農民の日帝に対する怒りの炎に油を注ぐことに心底から恐怖している。この恐怖を現実に転化する闘いを断固としてやり抜き、三里塚闘争を再び日帝権力との激突の最先端に押し上げよう。2月千葉地裁包囲闘争を全力でぶち抜き、年度内結審策動を粉砕し、仮執行付き反動判決を絶対に許さず、実力で粉砕し尽くそう。3・24三里塚現地全国集会に総結集して闘おう。
新自由主義が労働者への極限的な搾取とともにTPPによる農業・農民圧殺攻撃を強める中で、三里塚闘争の不屈の前進は全国の農民の魂を揺さぶるものに必ずなる。福島と反原発に連帯し、全国農民会議の闘いを前進させよう。労農同盟の大発展をかけて、2013年の三里塚農地死守決戦に勝利しよう。
沖縄の非和解的激突
沖縄の労働者階級人民の闘いは、安倍超反動政権の登場のもとで、日米帝とのますます非和解の激突に突入する。昨年10・1オスプレイ配備の強行は、米新軍事戦略の本格的発動であり、新自由主義の行う中国・北朝鮮への侵略戦争の凶暴かつ絶望的な出撃拠点として、米帝が沖縄を徹底的に活用しようとしていることを意味している。日帝はこの米帝と結託すると同時に、日帝自身の領土略奪のための侵略戦争に踏み出す拠点として沖縄を位置づけ、沖縄全島を一層の軍事監獄的状態にたたき込もうとしている。
これに対して、沖縄の全労働者人民の「いのちを守る闘い」が爆発的に開始されている。この闘いは、オスプレイ配備中止、辺野古新基地建設阻止、全基地撤去までやむことはない。決定的なのはその中心で、基地労働者の新たな決起が始まっていることだ。民営化・外注化・非正規職化の攻撃は沖縄においてこそ激しく進行しており、それは基地強化とも一体の攻撃である。これに対して青年労働者の中から非正規職撤廃を断固として掲げ、国鉄決戦と結合して新自由主義と全面対決する闘いがすでに始まっている。
沖縄における階級的労働運動の再生こそ、沖縄闘争の不屈の発展を切り開き、沖縄を日本革命の火薬庫へと押し上げていく道だ。このことを確信し、2013年、沖縄闘争の新たな発展段階を切り開こう。
八尾北・西郡決戦へ
安倍政権による改憲攻撃の前面化は、日本維新の会の石原・橋下らを最先兵とした団結破壊と労働運動絶滅の攻撃に一層拍車をかけてくる。その当面する最大の焦点は、八尾北・西郡をめぐる決戦だ。道州制攻撃の先取りとして仕掛けられた西郡の更地化攻撃と八尾北医療センターの明け渡し攻撃が、八尾北労組と西郡支部を先頭にした闘う部落大衆・地域住民の総決起によって打ち破られる中で、八尾北医療センターつぶしを狙う新たな攻撃が襲いかかっている。これを団結の力ではね返し、昨年9・16に続き道州制粉砕・橋下打倒へ攻め上ろう。
さらに全戦線で、日帝・安倍政権のあらゆる反動攻撃と全面対決して総決起しよう。その鍵は、全戦線での機関紙・会報の活動にある。『裁判員制度はいらない!全国情報』『星野再審ニュース』『無罪』『百万人署名運動全国通信』『外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実通信』『婦人民主クラブ』『RISE(ライズ)労働者・兵士ともに起ちあがろう!』『障害者解放』『西郡住宅闘争支援基金ニュース』などの読者網を広げ、地域の革命的拠点建設に踏み出そう。
とりわけ弁護士戦線は、改憲攻撃との対決の最前線だ。裁判員制度廃止の闘いを発展させよう。治安弾圧の激化と闘おう。
革命的情勢の成熟の中で、反軍闘争の着実な前進をかちとろう。
(6) 全国で学生自治会建設を
学生戦線は、「3・11」2周年の福島現地闘争大結集の先頭に立つ。
2013年冒頭から再稼働絶対阻止決戦の正念場だ。被曝労働を拒否する階級的労働運動の前進、全人民的怒りを結集するNAZENとともに、全原発廃炉−御用学者弾劾の激突の中から全国学生1千の闘う部隊をつくり出そう。そして、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いと一体で、核による階級支配を粉砕し、日米安保体制粉砕・日帝打倒へ上りつめる闘いとして反原発100万人決起をかちとろう。さらに、三里塚農地死守の決戦を始め、安倍政権打倒へ向けたあらゆる闘いの先頭に立とう。
そして、法大不当処分撤回の大運動を拡大しよう。文化連盟を中軸に闘われてきた処分撤回闘争と「一人の仲間も見捨てない」団結の核心は、新自由主義下での徹底した分断を拒否して団結を復権し、学生の主体性と自己決定権を取り戻していくことにある。そして、新たな闘う主体を続々と生み出していくことにある。反原発闘争と結合した処分撤回闘争の中から、法大学生自治会建設を実現しよう。
法大に続き、広島大、富山大、福島大、そして東大においても学生自治会建設・強化の闘いを圧倒的に前進させる2013年決戦としよう。京大と東北大における自治会攻防に勝ち抜き、新自由主義大学の背骨である御用学者を「フクシマの怒り」と連帯して粉砕する闘いを爆発させよう。「学問の自由」とは支配に対する抵抗であり、腐敗に対する抵抗の意志だ。「真理の大学」の復権は大学を学生の手に取り戻す中にある。社会変革をめざす学生の団結体としての学生自治会が、今ほど求められている時はない。
反原発闘争および「大学改革」との対決の中で、4月新歓決戦の高揚をかちとり、5月沖縄闘争へ大結集しよう。沖縄学生運動の歴史的創成をかちとろう。広島大の学生を先頭に8・6ヒロシマ闘争を大成功させよう。
あらゆるブルジョア思想とスターリン主義イデオロギーをのりこえ、マルクス主義を復権させよう。全国拠点大学に強固なマル学同中核派を建設しよう。全国学生は新自由主義と日本帝国主義を打倒する強力な決戦部隊として飛躍しよう。
(7) 国際連帯闘争を強めよう
国際連帯闘争の爆発的な発展をかちとろう。動労千葉を中心とした国際連帯闘争の画期的な前進は、国鉄分割・民営化、新自由主義攻撃との非妥協的な闘いを貫いて団結を守り抜いていることへの絶対的信頼を基礎に形成されている。そしてもう一点挙げるとすれば、反原発闘争、福島との連帯闘争の先頭に動労千葉・動労水戸が立っていることへの信頼だ。
10・1外注化阻止決戦ストライキのさなか、民主労総ソウル地域本部が「外注化・非正規職化との闘いは全世界の労働者の共通の課題だ」と訴えて、韓国の日本大使館前で連帯闘争を展開してくれたこと、同時期にインドネシアで派遣労働廃止・外注化阻止を掲げた200万のゼネストが闘われたことは、われわれが確立した闘いの路線が革命の展望を指し示す路線として国際的普遍性をもっていることを現実に示した。この道を進もう。
日帝の入管体制と対決しつつ不屈に生き抜き闘う在日・滞日外国人労働者との階級的団結の形成は、国際連帯の不可欠の一環である。合同労組への結集を武器に、分断攻撃の激化を打ち破って、ともに階級として一つに団結して闘おう。ここで示されたことは全戦線が合同労組運動に積極的に参加し、労働者階級とともに闘うことである。
プロレタリア世界革命の勝利に向かって、新たな革命的インターナショナルの創設に向けた戦略的闘いとして、国際部活動の圧倒的強化を闘い取ろう。
W プロレタリア革命勝利に向け労働者党の建設をかちとろう
労働者階級の解放は、労働者自身の事業である。そして労働者階級はその闘いを通して、自らの力で党をつくり出す。労働者の党を建設し、労働者階級の革命的な階級形成をかちとっていく上で最も重要なことは、階級的な労働組合の存在と復権、その指導部建設と組織拡大の闘いである。
2012年の国鉄決戦を基軸とする国鉄決戦と反原発決戦の卓越した前進は、階級の大地からくみ上げた無限の力を、労働組合再生の闘いへと発展させていく決定的出発点をつくり出している。今こそ、プロレタリア権力の樹立に向かって労働運動を組織できる党になること、党と労働組合の一体的建設を本当にやりきることだ。革命的共産主義運動は、階級的労働運動の白熱的な実践を通してのみ、全面的に貫かれる。ここにこそプロレタリア世界革命をたぐり寄せる決定的環がある。
細胞活動と地区党
この党と労働組合の一体的建設の闘いは、労働組合の革命的役割をしっかりと措定し、そこでの労働者自己解放と団結が出発点でなければならない。
そのような党と労働組合の一体的建設の基礎は、党の中央委員会と生産点の基本細胞の一体的形成にある。基本細胞は党の基礎組織であり、労働者階級の労働と生活に最も密接した形態で系統的組織的に活動し、労働者階級を党に不断に結びつける役割を果たす。この細胞に中央委員会は一体化し、溶け込み、同時に細胞は自らを中央委員会としてつくり上げていく。このもとで、階級の指導部が自己形成していくのである。
党の細胞活動は、労働組合の中で、日常不断の職場生産点の闘いにより労働者を階級的に団結させ、闘う労働組合活動家を大量につくり出し、革命の主体として形成し、その力で職場の支配権を資本から奪い、社会的生産を支配し、プロレタリア革命の勝利の決定的条件を形成していく。そして労働者階級全体の組織化と広大な階級的形成すなわちプロレタリア独裁をかちとる党・労働組合・ソビエトの一体的形成の土台と条件をつくり出すのである。
その軸となるのが地区党だ。この地区党を媒介にして産別委員会もつくられる。労働者階級に深々と根ざした細胞建設を一切の基礎にした時、地区党と産別委員会の建設はプロレタリア革命の現実性を開示する闘いとなる。
今日の帝国主義による新自由主義攻撃は、その絶望的凶暴性そのものの中にプロレタリア世界革命の条件を形成していく。そこでの一切の苦闘、格闘を引き受ける革命的労働者党建設の環として地区党建設があり、それは階級の大地からわき出るすべての課題を革命に向かって解決し、革命の現実性をグイグイと引き寄せていくのである。これは3全総(62年)へのラセン的回帰であるが、同時に2012年の党と労働組合の一体的建設の闘いが切り開いた党建設上の歴史的地平である。
非合法・非公然体制
革命情勢の急接近の中で、党の非合法・非公然体制の建設はますます重要な意義をもつ。この非合法・非公然体制建設をめぐる国家権力との闘いは、2012年、すさまじい激突として闘われた。ここでわれわれは、非合法・非公然体制論の圧倒的飛躍が求められた。すなわち非合法・非公然体制建設は階級的労働運動路線の根幹をなすものであり、労働者階級の革命への主体的決起の形態であり、生きるための闘いそのものであることをはっきりさせて闘った。
非合法・非公然体制建設の闘いは、日々権力と対峙し献身的にそれを担い抜いている同志とともに、プロレタリア革命に一切をかけた労働者同志の渾身(こんしん)の決起としてかちとられる。われわれはこの同志とともに、大恐慌を革命に転化する闘いに勝利するために、階級的労働運動路線で闘っている。この階級的労働運動路線の戦略的大きさを、今こそ徹底的にはっきりさせよう。
機関紙活動の飛躍を
2012年から2013年への大きな挑戦の死活的課題は、機関紙活動の変革と飛躍にある。ここに〈革命的共産主義運動と階級的労働運動の統一的推進>と〈党と労働組合の一体的発展>の実践的環がある。
革命党の機関紙とは、労働者自己解放の思想と階級的団結に立脚し、その生きた実践を恒常的、系統的、大衆的にかちとり、労働者階級を階級として形成していく武器である。「『生きた政治活動』はもっぱら生きた政治的扇動から始めるほかはなく、そして生きた政治的扇動は、頻繁に発行されて規則正しく配布される全国的新聞なしに不可能である」(レーニン『なにをなすべきか』)
とりわけ新自由主義との闘いにおいて、このことは格別の重要性をもっている。新自由主義の団結破壊と階級性の解体攻撃に対して、労働者階級が団結とその階級性を取り戻していく決定的武器が機関紙である。この機関紙をもって、労働者階級にとっての時代認識と進むべき道、闘いの路線を絶えず系統的に明らかにし、それを全国に定期的に伝えていくことによって、プロレタリア世界革命へ向けた階級形成と団結を大量に、全国的、全世界的にかちとっていくのである。
そのためには第一に、6千万労働者階級、2千万青年労働者の全体を機関紙購読者になる人びととして明確にし、対象化して接近していくことが必要である。彼らのすべてを読者として獲得するということは、新自由主義のもとでの労働者階級の苦しみと怒り、生きるための闘いのすべてに肉薄し、ともに格闘し、その自己解放的決起を引き出し、階級全体とあらゆる面で生き生きと呼吸する党になるということだ。新自由主義をもっと全面的、徹底的に暴露し、新自由主義との闘いの全課題について明らかにしていくことだ。そうした党と機関紙へと飛躍し、変革していくことが求められる。
第二に、全指導部が持てる力をこぞって投入し、新自由主義と闘う労働者階級全体に通用する機関紙への紙面改革を実現していくということだ。とりわけ産別指導部、労働者指導部が機関紙作成に総決起することである。現場の生々しい実践が毎号の紙面を埋める機関紙へと変革する。そのためにも全同志が機関紙への寄稿者・投稿者となり、作成者となって闘い抜こう。
第三に、機関紙こそ、マルクス主義の体現である。マルクス主義の労働者階級自己解放の思想が全労働者をとらえることによってこそ、階級全体をプロレタリア革命の主体として強固に形成していくことが可能になるのである。さらに言えば、プロレタリアートは、このマルクス主義の獲得を軸として、ブルジョアジーが人類の歴史において到達した地平(知識と文化)のすべてをも、労働者階級解放闘争の武器に転化して闘う。マルクス主義を体系として、科学としてとらえる意識性をもってこの課題に接近していこう。
機関紙活動こそ、中央委員会と基本細胞の一体化の生命線であり、「細胞を基礎にした地区党建設」の生命活動そのものである。プロレタリア革命へ向けた党建設の首尾一貫性、堅忍不抜性、目的意識性を決定的に保障するものこそ、機関紙である。機関紙の〈拡大、配布、読了>の実践こそが、党と労働組合を系統的に、不断に、強固に、深く結びつけ、労働者細胞を無数につくり上げ、いくつもの労働組合の拠点建設を推し進める。機関紙こそが党を団結させ、労働者階級を団結させていく。党活動が自己解放的に闘い抜かれるか否かは、この機関紙活動にかかっている。機関紙拡大闘争、機関紙財政闘争を圧倒的に強化し、不抜の党建設をかちとろう。
マルクス主義の復権
今日、大恐慌と新自由主義攻撃の絶望的激化が革命情勢の成熟を急速に引き寄せている中で、機関紙活動とともにマルクス主義の復権をかちとる学習活動が求められている。レーニンは1911年、ロシア国内の労働運動が新たな高揚期を迎えた中で、亡命先のパリに党学校を創設し、きたるべきプロレタリア革命の最大の準備を労働者階級への理論活動に据えた。新自由主義との生きるための闘いの真っただ中でこそ、イデオロギー活動は労働者階級の実践と決定的に結びつき、大量の闘う労働組合活動家を輩出するための死活的課題になってくる。党学校と全国各地の労働学校を発展させ、学習・理論活動を大いに強めよう。革共同の理論と実践のすべてを『革共同50年史』として生き生きと刊行しよう。
2013年はまた、国際部活動の全面的発展の年である。2012年の国際連帯の大前進は、労働者階級の革命党をまさに「世界単一の党」としてつくり出す闘いに挑戦すべき時代を切り開いた。国際部活動の圧倒的強化と飛躍的な前進をかちとろう。
最後に、2013年こそ、長期指名手配と不屈に闘う同志を守り抜き、獄中の福嶋昌男同志と固く連帯して闘おう。星野同志を奪還しよう。迎賓館・横田爆取裁判を始めとするデッチあげ弾圧粉砕の闘いに勝利し、プロレタリア世界革命に進撃しよう。
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