ZENSHIN 2012/12/17(No2565 p06)
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週刊『前進』(2565号1面1)(2012/12/17 )
超反動新政権打倒を
大恐慌・政治危機・階級間激突をプロレタリア革命に転化しよう
労働者階級の団結破壊する北朝鮮ミサイル発射弾劾
闘う労働者階級人民は12・16衆院総選挙の過程を、原発即時廃炉への大運動と階級的労働運動の前進を原動力に、戦争・改憲と原発再稼働、労組破壊を叫ぶ安倍や石原・橋下、野田らを打倒する決戦として真っ向から闘いぬいた。その先頭に青年労働者と学生が立ち、新たな階級の指導部として誇り高く前進を開始している。野田政権に代わる超反動新政権の登場は、日帝の政治危機をますます深め、革命と反革命との激突情勢をさらに決定的に推し進める。2012年の勝利が切り開いた地平に圧倒的な確信をもち、プロレタリア革命をかちとる2013年の歴史的な決戦に突入しよう。
(写真 もんじゅを廃炉へ! 12月8日、NAZEN先頭に敦賀市内デモ=記事4面) 革命情勢の本格的な到来
世界大恐慌の激化は「一つとして明日に確信を持っている政府はない」「あらゆる政府は噴火山上に生きている」(レーニン『第二インターナショナルの崩壊』)という革命情勢を全世界に広げている。帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制の崩壊、帝国主義間・大国間の争闘戦、そして大失業と戦争という階級戦争の激化は、労働者階級の怒りを引き出し、革命情勢を本格的に到来させている。
12・16衆院総選挙が示したものは、脱落日帝の政治支配の完全な破綻と危機の全面的で果てしない爆発だ。そして日本階級闘争がプロレタリア世界革命の決定的な中心軸として登場するときが来たということだ。
すべてを規定しているのは大恐慌と3・11情勢だ。自民党・安倍晋三らは福島で総選挙の第一声を上げ、大震災と原発大事故という自らが引き起こした惨禍を逆用してでもペテン的に「票」をかすめ取ろうとした。しかし同時に彼らは、3・11が暴き出した新自由主義の現実、フクシマの怒り、何よりも2千万青年労働者の根底的な怒りからけっして逃れることができないことを示した。
今や、資本家が肥え太るためには社会そのものをぶっ壊しても構わないとする新自由主義への労働者階級の怒りがブルジョア議会とブルジョア国家にその「終わりの始まり」を突きつけている。原発推進勢力との絶対非和解の闘いの不屈の発展が日帝支配階級、全政党をぐらぐらに揺さぶっている。何よりも民主党政権を支えてきた連合が崩壊的危機に直面し、労働運動全体が大再編情勢を迎えている。
求められているのはプロレタリア革命への挑戦であり、その準備にいよいよ全力を挙げて突入することだ。闘う労働組合をよみがえらせ、4大産別(国鉄、全逓、教労、自治体)を先頭とする全産別と地域に階級的労働運動の拠点を建設し、これと一体のものとして労働者階級の革命党の本格的建設を進めることだ。
とりわけ衆院選過程で急速に進んだ安倍晋三の自民や石原慎太郎・橋下徹の維新など戦争・改憲勢力の登場は、革命的情勢の接近に対する日帝ブルジョアジーの非常な危機感と焦りを示している。この革命と反革命との真っ向からの激突情勢を労働者階級の総反撃と革命勢力形成への決定的チャンスとしてとらえて闘おう。敵が繰り出す絶望的な攻撃の一つひとつを巨大な階級的怒りの爆発に転じ、敵を墓穴にたたき込む闘いをやりぬこう。
戦争・大失業・総非正規化
帝国主義各国が実施してきたなりふり構わぬ恐慌対策は早くも破産し、世界経済は急激な収縮過程に突入している。収縮する市場をめぐって帝国主義間・大国間の争闘戦と侵略戦争・世界戦争への攻撃が激化し、同時に大量解雇、大失業、非正規職化攻撃の嵐が全世界的に吹き荒れている。この戦争と大失業は完全に一体であり、存亡の危機に立つ全ブルジョアジーによる労働者階級へのすさまじい階級戦争となって襲いかかっている。
米帝が直面する「財政の崖」は、米国債の暴落やドル暴落への引き金を引こうとしている。欧州危機の進展はEU解体情勢を引き寄せている。日帝は国際競争力の急激な低下の中で存立の危機に陥っている。今始まっている米欧日の金融の超緩和競争は本格的な争闘戦時代への突入を示している。世界経済の分裂化が進み、勢力圏の形成や資源の独占・略取を狙って政治的対立と軍事的対抗が激化している。
こうしたなかで12月12日の北朝鮮スターリン主義による人工衛星ロケット・弾道ミサイル発射実験の強行は、日米帝の戦争政策に絶好の口実を与えるものとなっている。帝国主義の核に核で対抗するスターリン主義の反人民的な核開発路線は、労働者階級人民の国際的団結を破壊し、反戦反核闘争に敵対するものだ。これに対して日帝は、米帝の新軍事戦略と一体となった自衛隊の「動的防衛力」への転換や南西諸島展開を一挙に進め、日帝自身の核武装と改憲、領土略奪の侵略戦争突入への道を必死にこじ開けようとしている。
反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命戦略こそ、この一切を突破する道だ。すでに全世界で世界革命に向けた労働者階級の革命的決起の巨大なうねりが起きている。今こそ日本の階級闘争がその最先端に躍り出る時を迎えたのである。
労働運動が光り輝く時代
こうした全情勢と対決する路線こそ階級的労働運動の全面的な復権と発展である。何よりも国鉄決戦を基軸に外注化阻止・非正規職撤廃、大量解雇粉砕の闘いに全産別・全職場で猛然と打って出ることである。同時にフクシマの怒りとますます固く結合し、「全原発廃炉」「再稼働絶対阻止」を掲げた100万人の大決起を闘いとることだ。今秋決戦が切り開いた地平をさらに発展させよう。
JRの現場では、10・1外注化のデタラメで破綻的な現実が日々明らかになり、これへの新たな怒りが全職場にふつふつと沸き起こっている。民営郵政では、過積載や車両整備不良などによる死亡事故が年間を通しておびただしい数で発生している。
また中央自動車道笹子トンネル崩落事故では、道路公団の民営化・外注化こそが安全崩壊の原因であることが明らかになっている。民営化により外注先への維持管理費30%削減が指示され、打音検査も行われないままに来ていたのだ。これを最先頭で推進したのが「石原の後継者」を自任する猪瀬直樹だ。また橋下徹のブレーンとなっている竹中平蔵は、人材派遣会社の会長として巨額の利益を得続けながら、今や「最低賃金を撤廃せよ」と叫んでいる。
こんな連中をどうして許せるか! 外注化は安全を破壊し、社会を崩壊させ、人を殺す。それでも目先の利益のために外注化を進めるのが新自由主義だ。この新自由主義への労働者階級の根底的な怒りが出口を求めて爆発し、議会と選挙、そして体制内労働運動という戦後の労働者支配そのものをぶち壊して前進している。
大恐慌の激化と労働者階級の怒りの大反乱の中で、労働運動が光り輝く時代がついに来た。外注化阻止決戦の中で国鉄を先頭に荒々しい再生を開始した階級的労働運動が戦後の体制内労働運動に代わって前面に登場する時代が始まった。「労働者が人間らしく幸せに暮らすためには、階級対立をなくして自らが支配者になる以外にない。つまり革命を起こす以外にない」――動労千葉の委員長だった中野洋氏のこの精神がそこに生き生きと脈打っている。
外注化阻止の国鉄決戦をさらに徹底的に闘い、4大産別を先頭にすべての産別・職場で外注化・非正規職化と対決する団結を拡大しよう。国鉄1047名解雇撤回闘争をよみがえらせた6・29東京地裁判決の地平を発展させ、解雇撤回・JR復帰を求める1万人署名を全職場に持ち込もう。国鉄闘争全国運動の発展を切り開こう。
そして拠点職場・拠点労組建設に全力をあげよう。その力は党と労働組合の一体的建設にある。この闘いを今こそ画期的に前進させよう。
階級的労働運動の復権を党綱領の基軸に据えた革共同の大発展をかちとろう。機関紙拡大と冬期カンパ闘争をすべての仲間に訴えよう。マルクス主義学生同盟とマルクス主義青年労働者同盟の強固な建設へ全力をあげて闘おう。
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週刊『前進』(2565号1面2)(2012/12/17 )
“原発即時廃炉に”
NAZEN杉並デモ 山本太郎さんと合流
12月16日の都知事選・衆院選投票に向かって選挙戦の真っ最中、毎月恒例のNAZEN杉並のデモが12月13日、意気高く闘われた。
この日のデモは、衆院選公示直前に杉並(東京8区)からの立候補を表明し、以来連日闘う俳優の山本太郎さんに連帯する闘いだ。山本太郎さんはNAZEN呼びかけ人でもあり、「原発即時廃炉」を掲げるただひとりの候補者として、連日、駅前や地域に大旋風を巻き起こしている。
「原発は即時廃炉以外に道はない。お金よりも命が大事。最大の力は99%の僕たちです。1%の人たちのために僕たちが犠牲になるなんてあり得ない! 原発の歴史をつくり続けてきた自民党の中枢にいる象徴的な石原ファミリー。ここを打ち破れば日本中に大きなエネルギーが生まれる。力を結集して社会を変えよう!」――山本さんの訴えを聴きに青年を中心に数百から千人が集まり街頭を熱くしている。
都知事選・衆院選立候補者の大多数は、自民党・民主党・維新などの原発・改憲・戦争勢力や、ついこの前まで「原子力の平和利用」と言っていたにわか(ペテン)脱原発勢力だ。選挙が終われば原発再稼働容認、核燃サイクル容認に戻るに違いない。山本太郎さんのように本気で福島の子どもたちや福島第一原発の低賃金・違法・危険な作業で最悪の事態を阻んでいる労働者たちのことを考えることなど、けっしてない。こんな連中が議員になっても原発を止められるはずがない。
この日のデモはまた、国際原子力機関(IAEA)と日本政府が12月15〜17日に郡山市で開く福島閣僚会議が「原子力は安全」をキャンペーンし原発再稼働への道を開こうとしていることに反対し、福島現地の闘いに合流するために行われた。
NAZEN杉並は北島邦彦さんをはじめ熱い思いでデモに立った。「今度の選挙ほど、どの政党にも入れたくない選挙はない」という怒りの民意を代表した山本太郎さんに応えて皆集まってきた。山本さんは杉並から立候補した理由を、杉並が反核闘争の発祥の地であり、自民党の石原伸晃がいて、自身がデモに参加したのが昨年4月の高円寺だったからだと演説で訴えている。NAZEN吉祥寺をはじめ東京各地からも労働者が駆けつけ、デモ隊は100人近くになった。
商店街を抜けて阿佐ケ谷駅前にデモ隊が出る。「原発廃炉!」のコールに沿道からの声援が飛ぶ。駅前のガード下に山本太郎さんとボランティアの青年たちも出てきて手を振る。デモ隊も旗を振り、歓声を上げて応える。一帯が反原発の解放的空間になり、公安刑事らは憔悴(しょうすい)の様子。デモ隊はますます元気に「原発いらない。石原いらない」などのコール。デモ後は山本太郎さんの駅前街宣に合流を果たした。子どもたちの命を守り、労働者が生きられる社会に変えるためにもっとつながろう!
(東京西部・飯野依子)
(写真 12月13日のNAZEN杉並のデモ。衆院選を戦う山本太郎さんの阿佐ケ谷駅前街宣に合流した。15日に始まる「原子力安全福島閣僚会議」にも抗議)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2565号1面3)(2012/12/17 )
都革新とNAZEN 山本太郎さんを支持し戦う
衆院選終盤の14日、荻窪駅北口で山本太郎候補が「今回の選挙は命を守ろうとする者と命を奪おうとする者との戦い。石原ファミリーを倒そう」と呼びかけ、大拍手を浴びた。午後6時、沢田研二さんが登場。数千人の聴衆に「まず何よりも原発を止めなければならない」と語り、山本太郎さんへの支持拡大を訴えた(次号に続報)
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週刊『前進』(2565号1面4)(2012/12/17 )
前進速報版から
▼都革新が山本太郎候補支持を訴え▼国労組合員資格確認訴訟、第6回口頭弁論開く▼中国・延安で石油労働者が非正規職化反対デモ
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週刊『前進』(2565号2面1)(2012/12/17 )
外注化粉砕へ新たな挑戦
動労千葉の組合員に聞く
“意地でもJRに戻る” 分断許さず原則貫いて
JR東日本による検修・構内業務の外注化強行から2カ月余り。外注化強行で、仕事上も、組合員の団結の面でも激しい分断が強いられる中、動労千葉は外注化阻止決戦の第2段階の勝利に向けて新たな挑戦を始めている。原則を貫き、職場で粘り強い闘いを展開する幕張支部の関道利本部執行委員、青年部の渡辺剛史さん、京葉支部の繁沢敬一本部副委員長に話を聞いた。
(写真 10・1動労千葉総決起集会で前列に並んだ強制出向の対象者。発言は幕張支部の山田護支部長)
JR丸抱えの実態はまさに偽装請負
千葉支社では91人(うち動労千葉44人)の労働者が千葉鉄道サービス(CTS)に出向させられ、管理者13人も含めれば104人がCTSに出向、駅などに設置された検査派出も含めれば8職場に配置されている。
幕張車両センターでの構内業務に就いていた関さん、渡辺さんはJRを休職し、新設された「CTS幕張運転車両所」に強制出向させられた。車両清掃を行うCTSの労働者はこれまでと同じCTS幕張事業所に所属し、JRからの出向者とは分けられた形だ。動労千葉と下請け労働者の合流・結合を恐れたのだ。
「出勤する場所は今までと同じ幕張の庁舎で、ロッカーもJRと出向者が混在したままの状態。JRとCTSのエリアは簡単なパーテーションで仕切られている程度」(関さん)だという。人数の少ない派出などでは詰め所も風呂も、湯沸かしポットまでなにもかもJRとCTSが同じものを使っている。
京葉車両センターで働く繁沢さんは、出向の対象に入れることを狙った仕業検査の「見習い」を指名ストで完全に粉砕し、現在もJR本体で臨時の検査などを行う機動班の仕事に就いている。職場の状況について「京葉ではJRとCTSは庁舎2階の同じところにいる。それぞれの机は会社ごとのエリアに分けたが、その間には衝立もない」と語る。さらに「構内業務がCTSにそっくり移った形で、やっている仕事は外注前とまったく同じだが、外注化で要員体制はきつくなった。これまでは、その仕事ができる人間をぐるぐる回してこなしてきたが、直営・外注に区分されたので今は互いの仕事に手を出せなくなったから」(繁沢さん)。これは幕張でも同じだ。
さらに繁沢さんは、京葉でのでたらめな作業指示を問題にした。「作業変更や追加指示を幕張では紙でやっているが、CTS京葉事業所では無線による口頭で済ませている」。口頭による指示は間違いが発生するもとになる。動労千葉が改めるよう求めたが改善されていない。
幕張での作業指示の流れは下図のようになっている。JR側の構内計画担当者が1日の作業ダイヤを組み、「日報」の形でCTS側に作業を指示する。この日報に基づき、それぞれの仕事を誰がやるのかをCTSの作業責任者が割り振る。
外注化強行後、しばらくは職場は大混乱した。本線からの入区、本線への出区の遅延も発生した。「外注化前は、構内の『日勤1』と呼ばれる担当者が構内作業を統括し、スムーズに進むよう作業の手順などを工夫して回してきた。しかし外注化されたことで構内計画が出した作業ダイヤを下請け側は変えられない」(関さん)からだ。
“指示書通りの作業しかしない”と確認
その後、JR側管理者とCTS作業責任者の両方が「日勤1」にずっと張り付くようになった。作業が乱れそうになったら、その場で作業の手順を変更する。渡辺さんは「この辺りはグレーゾーン。かなり微妙なことをやっている」と偽装請負の疑いを指摘した。
渡辺さんはさらに「本線に影響が出ようが、おれたちが焦って作業を早く終わらせることはしない。この辺は、他労組と動労千葉では認識が違う。他労組は本線に当たり(遅延)を出したらまずいという意識があるのか、なんとか現場をうまく回そうと動いてしまっている。動労千葉は意思統一をして日報どおりの作業しかやらない」
関さんも「本線運転士が『遅れを出さないように運転する』という意識が強いように、外注化以前は、出区が遅れそうな時は飯の途中でも全員総出で列車の入れ換えをやった。『残り時間15分だ。どうするか』とみんなで知恵を絞ってね。それが良いか悪いかは別にして検修にも検修のプライドがあるから。でも『これからはそういうのはなしだよ』と意思統一している。指示書を確認しないと動かない。それで本線に当たりが出ようが、それは現場の責任じゃない」と語る。
関さんはさらに「おれの思いは『今はCTSの制服を着て仕事をしてるけど絶対にこれに慣れちゃいけない』ということ。毎日着てるから嫌でもだんだん慣れてくるし仕事も落ち着いてくる。『JRに戻るんだ』という強い気持ちを持ち続けるためにも、こういう原則を全組合員が貫徹することがすごく大事なんだ」と述べた。渡辺さんも「原則を曲げないというのは具体的には一つひとつの仕事を巡ってなんです。『指示書を見せなければおれは動かないよ』という姿勢を当局に見せつける」と同じ思いを語った。
動労千葉、国労、東労組で合議し、関さんがCTS幕張運転車両所の職場代表になった。CTS当局と36協定(労働基準法第36条にもとづく超過勤務、休日労働に関する労資協定)を巡って交渉中だ。協定は未締結だが、すでに違法な超過勤務が発生している。「新事業所発足なんだから何が起こるか分からない。何かあれば、すぐに交渉する必要がある。会社は年度末まで結んでくれと言ってきているが『36協定は1カ月単位だ』と言っている。CTSの担当者は『毎月来るんですか……』と嫌がっているけど」と関さん。
東京地裁が差し止め仮処分棄却
組合全体としては、本線運転士も含めて全員で取り組めるような闘争方針を検討中だ。「出向者も本線運転士も同じような目線で取り組める闘争を組みたい。誰もが『確かにそうだよね』と思えるような方針を立てるのが重要なところ。そうなった時に初めて、みんなができる闘いになるから」と関さん。
東京地裁民事11部は、動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の組合員が申し立てていた、外注化・強制出向差し止めの仮処分請求を11月22日付で棄却する決定を出した。東京地裁は、出向で年間休日が減少することなどの労働条件の不利益変更については、出向中に特別加算金(月2500円)が出るから「不利益の程度は軽微なものにとどまっている」と言いなした。出向4要件(経営状態、人事交流、技術指導、技術移転)にも当てはまらず違法出向だという動労総連合の主張もまったく検討せず、会社の主張を羅列しただけの反動決定だ。動労千葉は決定を徹底弾劾するとともに、本裁判での勝利に向け闘いを始めている。
外注は矛盾だらけ 本当の勝負に出る
最後に今の思いと決意を語ってもらった。
渡辺さんは「外注化は絶対に許したくなかった。意地でもCTSには行きたくなかったですから」と強い怒りと悔しさをにじませた。「おとしめられているという意識がかなり強いです。朝のあいさつに始まり、JR本体とのやりとりにも、見下されてる感じが出ているんですよね。幕張じゃなく他区から乗り入れている乗務員は、制服が違えばJRからの出向者かどうか分からない。一言のあいさつもない時があります。そういうことがこれまでと全然違う」と語る。「3年後には必ずJRに戻る。意地でも戻るという気持ちでやってます。シニア協定との闘いで、動労千葉のもとで原則を貫いて闘ったために、定年後の再雇用を拒否され職場を辞めていった先輩もいる。そういう闘いがあって、おれも今ここにいる。出向期限の3年後には本当に勝負しなければいけない」
関さんは「年輩の組合員には『青年部の連中だけでも戻してやりたい』という気持ちが強い。それも分かる。だけど、それはやっぱり違う。絶対に全員が戻る。そういう気持ちでやんないと青年部も戻れない」と述べ、渡辺さんも「青年部のみんなも、おれたちだけが戻ってもしょうがないと、そういう意識です。『みんなで戻る』というのが動労千葉の闘い。それが組織拡大につながる」と語った。
繁沢さんは「東労組はあたかも『もう外注化はこれで終わり』『3年でJR本体に戻れる』かのような宣伝している。東労組の若い人はその宣伝を信じちゃってる面もある。実際に外注化を強行されたことに対する悔しさや、ある種のダメージもある。しかし、構内業務は丸ごと外注化されたわけだから戻るところはない。10・1外注化は、普通だったら成り立たないようなめちゃくちゃなもの。しかし当局は、どんなに準備不足でも10月1日という日を区切って強行した。だから矛盾だらけだ。新たな外注化を許さない闘いとともに、本訴に突入する外注化・出向差し止め裁判でも絶対に勝たないといけない」と今後の闘いへの強い気持ちを示した。
「経営構想X」と全面的な対決へ
確かに検修・構内業務の外注化は強行された。しかし、動労千葉の組合員は、闘いの意志をくじかれるどころか、激しい団結破壊攻撃に怒りを燃え立たせて立ち向かっている。2000年以来の12年間の闘い、そしてこの1年の決戦攻防を闘い抜く中で、全組合員が「こんな攻撃は必ず粉砕できる」ということに、これまで以上に固い確信を持った。なによりもここにこそ、10・1外注化阻止決戦の勝利の地平が示されている。
JR東日本が打ち出した「グループ経営構想V」のもと、検修、駅、車掌も含めたさらに全面的な外注化攻撃との激突が始まる。こんなでたらめな外注化を許しておいたら安全はさらに根底から崩壊し、第2、第3の尼崎事故が必ず起きる。第2の分割・民営化攻撃との闘いは、いよいよこれからが本番だ。
「外注化が強行されても絶対にあきらめない。必ずJRに戻る」――外注体制を打ち砕く新たな挑戦を開始した動労千葉の闘いに学ぼう。4大産別を始めとする全産別の職場で、外注化阻止・非正規職撤廃の具体的な闘いをつくり出そう。
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動労千葉鉄建公団訴訟
訴訟審第1回口頭弁論
12月17日(月)午前11時
東京高裁824号法廷
※午前10時 裁判所前に集合
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週刊『前進』(2565号2面2)(2012/12/17 )
動労総連合定期大会 青年が議論を牽引
組織拡大へ新体制を確立
動労総連合は12月9、10日、千葉市内で第27回定期大会を開いた。動労総連合はこの1年、動労水戸や動労西日本で青年の新たな組合加入をかちとった。今大会は青年が議論を牽引(けんいん)し、本格的な組織拡大の手応えを感じさせる歴史的な場になった。
あいさつに立った君塚正治委員長は「動労千葉鉄建公団訴訟の6・29判決は、本来なら動労千葉争議団はJRに採用されていたはずだと言った。これは大きな一歩。しかし解雇撤回は認めなかった。誰が見ても矛盾だ。この矛盾を打ち破るのは職場生産点での闘いであり国鉄闘争全国運動を大きくすることだ」と訴えた。そして「JR東日本が外注化を強行したのは、それに協力した労働組合がいたからだ。安全は脅かされ偽装請負も平然とやられている。闘う余地はたくさんある。しかし本当の決着はわれわれが最大多数の組合になることだ」と力説した。
石井真一副委員長(動労水戸)が経過報告を、川崎昌浩書記長(動労千葉)が情勢と運動方針を提案した。
討論では、外注会社の作業責任者が業務の内容や安全の基本をまったく把握していない現実や、列車が遅れた場合にもJRと外注会社間の発注書のやりとりで時間をとられ遅延はさらにひどくなる実態などが怒りをもって語られた。中間答弁で川崎書記長は、こうした現実の一つひとつを摘発して闘うとともに、強制出向粉砕の本裁判にも打って出ると提起した。
動労水戸に結集した青年は「ライフサイクルも今回の外注化も、東労組は賛成した。組合員を出向に出す組合は明らかにおかしい。だから動労水戸に加入した。その選択は間違いではなかった」ときっぱりと述べた。
動労西日本に加入した青年の1人は「福知山線事故をきっかけに発病し休職した。会社が復職を認めないので個人で裁判を闘い復職した。西労組は私の問題を何も取り組まなかった。まともな労働組合は動労西日本しかない」と加入の経緯を語った。もう1人の青年は「外注会社に出向に出されているが、外注先には鉄道業務をする能力はない。外注会社をJRに吸収しなければ矛盾は解消できない」と断言した。
ライフサイクルとの闘いを巡っても実践的な議論になった。答弁に立った川崎書記長は「動労千葉に結集した青年には『強制配転に反対し全組合員が闘うことだけは保障する』と話し全力で闘った。1人のために全員で闘うのが労働組合だ。配転が強行されても、闘って胸を張って駅に乗り込むのと、打ちひしがれて配転されるのでは全然違う。われわれがどう闘うかに青年は注目している」と強調した。動労水戸の代議員も「青年を組織するとは、その人の人生を引き受けること。人まかせではなく自分が責任をとって運動を進めた時、組織拡大につながる」と教訓を語った。
大会は運動方針とスト権を満場一致で確立した。役員改選では、長年、重責を担ってきた君塚委員長が顧問に退き、新委員長に田中康宏動労千葉委員長を選出した。
13春闘を前にした今大会で動労総連合は、本格的な組織拡大で結成の理念を現実のものとする新たな挑戦に打って出た。
(写真 退任あいさつで「今後は顧問として闘いの前面に立つ」と述べる君塚前委員長【12月10日 千葉市】)
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週刊『前進』(2565号2面3)(2012/12/17 )
解雇撤回・JR復帰へ
物販と一体で署名運動広げ鉄建公団訴訟に勝利しよう
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審が17日から始まる。この闘いは、解雇撤回・JR復帰をかちとるとともに、国鉄闘争の一掃を狙った4・9政治和解の大反動を最後的に打ち破り、JR体制打倒に向けた現場からの総反乱を切り開くものだ。その歴史的位置をあらためて訴える。
1047名闘争と国労の解体を狙い全面外注化
1987年の国鉄分割・民営化は、国労をつぶし、総評・社会党をつぶし、国鉄労働運動を根絶することを狙った攻撃だった。しかしそれは、動労千葉の闘いが国鉄1047名解雇撤回闘争を生み出したことによって貫徹できなかった。
したがって「第2の分割・民営化攻撃」である2000年に始まるJRの全面外注化は、国鉄労働運動を今度こそ根絶することを絶対的目標に据えていた。生き残った国労と1047名闘争をつぶすことで動労千葉もつぶし、すべての抵抗勢力を最後的に一掃する――これが外注化攻撃の核心的狙いだった。
設備や検修など全部門での外注化攻撃を開始したJR東日本は、「外注化の推進を約束しなければ定年後の再雇用はしない」というシニア協定の締結を各労組に迫った。
国労本部は、JR東労組とともにシニア協定を締結し、国労の大拠点であった保線や電力、信号通信など設備部門の外注化に率先協力し、現場の国労組合員を外注会社への出向に追いやった。それは国労の職場闘争の最後的解体の過程だった。
こうした国労の職場生産点での団結と戦闘力の根絶こそ、国労本部の4党合意受諾(00年)、4者4団体の結成と動労千葉の排除(06年)、4・9政治和解(10年)による1047名闘争切り捨ての全過程と表裏一体であり、それを根底で規定している。
協会派や日本共産党の現場役員は、動労千葉の外注化阻止のストライキに対して一貫してスト破りを続け、「組織を守るためにスト破りをやって何が悪い」と平然と言ってのけるまでに階級性を解体されてしまっている。外注化攻撃とはなによりも国労を根絶するためにかけられた攻撃だったのだ。
また、シニア協定、4・9政治和解と、国労本部が今年10月に締結した総合労働協約は一体である。総合労働協約を結ぶということは、今後一切闘わないということを資本に誓うものであり「労使共同宣言」そのものだ。その締結は、国労の現場における団結と闘いが根絶されJR総連以下の御用組合へと転落してしまったことを示す墓標に他ならない。
JR総連傘下の青年を獲得する組織拡大決戦へ
だが第三者的に「国労は死んだ」と言ってすますことは許されない。われわれは革命党であり、階級の指導部たらんとする者だ。今日の国労の現実を自らの責任として見据え、その限界をのりこえる動労千葉型の労働運動を、労働実践の中でつくり出していかなければならない。
動労千葉は自ら血を流しながら、シニア協定の締結を拒否し、外注化攻撃と12年間にわたって闘い、団結を守り抜いてきた。そして、4・9政治和解の大反動に抗して国鉄闘争全国運動を立ち上げ、1047名闘争破壊攻撃をぎりぎりのところで跳ね返し、今も全労働者階級の結集軸として仁王立ちしている。そして動労千葉の外注化阻止の闘いは、4・9政治和解を拒否する4人の国労闘争団の決起をも生み出していった。
なによりも、動労千葉のストライキに応えて平成採の青年労働者がついに立ち上がった。青年労働者たちは、家まで押しかけてスト破りを強要するJR当局に対し、「処分されてもスト破りはできない」とスト破りを拒否し抜いた。国鉄労働者の闘う魂は平成採に受け継がれ今も生きている。このことに絶対的確信を持って新たな闘いに立ち上がろう。
4・9政治和解と国労本部の総合労働協約締結をもって時代の歯車が一つ大きく回ったことを認識しなければならない。
かつては、国労本部の屈服と動労千葉の闘いとを対抗的な基軸に1047名闘争は展開してきた。だが今日の基軸は、「外注化阻止・非正規職撤廃、1047名解雇撤回」の闘いでJR総連傘下の青年労働者を獲得することにある。新たなステージに移行したのだ。
動労千葉のストライキも今日においては平成採の決起を生み出すために闘われている。動労千葉が08年の定期大会で打ち出した第2次国鉄決戦突入の大号令の核心もここにある。第2次国鉄決戦は組織拡大決戦なのだ。
現在、車両センター所長や助役といった管理者としてJR総連カクマルがもぐり込んでいるが、それはただの当局ではない。平成採の反乱をたたきつぶすために意識的に送り込まれた真性カクマル分子だ。
彼らは、一貫して平成採を反革命的に組織するために暗躍してきた。デマで分断し、当局としての権力を最大限に利用して恫喝し、カクマル式労働運動論で青年を組織する。カクマルが組織の命運をかけて送り込んできた組織者であり政治家である。そういう存在としてJR総連カクマルを見据えなければならない。
1962年の三河島事故をきっかけに始まった動労青年部の運転保安闘争は、カクマル松崎の裏切りによって体制内的に集約されていった。この過程は、当時の革共同にとって大きな労働運動的実体を占めた動労を巡る、松崎派と中野派(故中野洋動労千葉前委員長)の大路線闘争と組織攻防戦の過程だった。この攻防が、63年革共同第3次分裂(黒田=カクマル派の脱落・逃亡)の決定的契機となる。
その後、動労千葉地本は1972年に始まる船橋事故闘争を通して反合理化・運転保安闘争路線を確立する。それは動労本部の壁、戦後労働運動の限界をのりこえていく闘いそのものだった。
動労千葉はその後、動労本部カクマルとの激烈な組織内攻防を闘いつつ、三里塚農民との労農連帯をかけた成田空港へのジェット燃料貨車輸送阻止闘争、さらに動労本部からの分離独立闘争を闘い抜く。
反合・運転保安闘争の飛躍が問われたジェット燃料輸送阻止闘争、さらに国鉄分割・民営化反対闘争、そしてこの間の外注化阻止闘争で動労千葉が切り開いた地平を、今こそ全産別で物質化しなければならない。それは革共同第3次分裂から問われ続けてきた、戦後労働運動の限界を突破する闘いそのものだ。
JR職場にこそ「支援する会」を打ち立てよう!
革命情勢の到来の中で中間的なものは解体され、革命と反革命のむき出しの激突が始まっている。JR総連カクマルの支配を打ち破り、平成採青年労働者の反乱を革命的に組織できるのは動労千葉労働運動だけだ。
国鉄闘争全国運動を飛躍的に発展させ、4大産別のあらゆる職場、なによりもJR職場に「動労千葉を支援する会」を建設しよう。青年労働者を動労千葉を支援する会に組織し、JR総連内部から青年労働者の総反乱を生み出そう。それは新たな「分離独立」の闘いを不可避とする。動労千葉―動労総連合を全国に建設するということだ。青年労働者の獲得を巡るJR総連との組織攻防戦に全力で突入しよう。
その最大・最良の水路は動労千葉物販だ。動労千葉鉄建公団訴訟控訴審での「解雇撤回・JR復帰の判決を求める高裁署名」と物販を一体的に活用しよう。署名をきっかけに物販の注文が復活する例が何件も生まれている。また、『日刊動労千葉』や動労千葉を支援する会が発行する『外注化阻止ニュース』を全国のJR職場に配布する闘いも、いよいよ重要だ。
外注化阻止・非正規職撤廃の闘いをさらに進め、反原発闘争に示された非正規職青年労働者の反乱を労働組合に組織しよう。4大産別における外注化・非正規職化阻止の闘いと、青年労働者の非正規職撤廃の決起との結合を実現しよう。職場での支援する会建設を軸に国鉄闘争全国運動の発展を切り開こう。
〔菅沼光弘〕
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週刊『前進』(2565号3面1)(2012/12/17 )
団結破壊に職場から反撃を
新人事・給与制度導入粉砕し非正規ユニオン1千人建設へ
革共同全逓委員会
10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃を掲げた決戦は、動労千葉を先頭に闘いぬかれ大勝利した。11・4労働者総決起集会は、国際連帯のもと、5800人の結集で画期的な地平をかちとった。わが全逓労働者も全国各地での苦闘の中から断固として結集した。とりわけ集会で登壇し、闘いの檄を飛ばした郵政非正規ユニオンをはじめとする非正規職の郵政労働者が、新たに結集した仲間とともに決起したことは決定的である。11月労働者集会は新たな闘いの合図となった。2013年決戦に向け、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの第2ステージへと進撃していこう。
外注化・非正規職化との全面対決へ
JR東日本は新たな大攻撃として「グループ経営構想X−限りなき前進」を打ち出した。それは、2013年4・1外注化、2月ライフサイクル、10・1外注化、さらに14年〜15年にいたる2〜3年がかりの膨大なJR労働者、とりわけ青年労働者への大攻撃である。青年の未来を奪い、第2、第3の尼崎事故を引き起こす許しがたい攻撃だ。しかし、10・1決戦と11・4集会をかちとることによって、われわれは勝ちぬいている。
外注先に強制出向させられた労働者は、闘いの炎を燃やし続けている。組織拡大に総力を挙げて決起している。「本当に闘っているところはどこなんだ?」と現場労働者は見ている。外注化阻止・非正規職撤廃の路線のもと、元の職場への復帰をかちとる不屈の闘いが、平成採の青年労働者を獲得するのだ。
全逓委員会は、外注化阻止・非正規職撤廃の第2ステージの闘いを郵政職場の現場から闘い抜く。それは民営郵政=齋藤・鍋倉体制とJP労組中央本部の結託体制を打ち破る闘いである。それは職場細胞の建設を基礎にして、労働組合を労働者の手に取り返していく闘いである。破綻している民営郵政と闘い抜いて、団結破壊・競争と分断の攻撃である新人事・給与制度導入を粉砕して葬り去ることだ。階級的労働運動路線のもと、不屈に立ち上がり13年決戦に突進していこう。
郵政民営化との攻防の核心は、新自由主義の攻撃との闘いである。第2の国鉄分割・民営化を推し進める攻撃と郵政の分割・民営化の攻撃とは一体である。
現場の闘う全逓労働者は健在である。日通ペリカン便との宅配統合もJPEX設立・子会社化も、現場労働者の根強い抵抗によって大破産をとげた。郵政資本は、宅配統合の破綻で1千億円を超える赤字を出しながらその経営責任を居直り、正規職に対してはボーナスカットの賃下げ、非正規職に対しては雇い止め・解雇で襲いかかり、新人事・給与制度で競争と分断の攻撃をかけてきている。だが、現場には「もう我慢ならない」という怒りが渦巻き、次つぎと反撃を開始している。「絶対にこの職場を変えてやる」と誰もが考えている。
東京多摩局で始まった郵政非正規ユニオンの闘いが、首都圏と全国で拡大している。非正規労働者が闘いの主体として自ら立ち上がり、自らの労働組合をつくり出すという画期的闘いである。この闘いは今や全国に拡大している。
問題は、まだまだ結合をかちとれていない労働者が膨大かつ無数にいることである。11月集会をかちとった総括と方針は、労働者階級の組織建設・組織拡大だ。それは、ここでこそ最も求められている。断固、この道を進もう。
郵政職場こそ巨大な闘いの震源地だ
6千万労働者、とりわけ2千万青年労働者の多くが「非正規」を強制され、明日をも知れぬ生活に新自由主義によってたたき込まれている現実がある。それが3・11以降の情勢の中で、毎週金曜日に10万を超える労働者が首相官邸・国会周辺に集まるという形で噴き出している。その中で、全逓の旗を見つけて郵政の非正規の仲間が駆け寄ってきた。職場の仲間に聞いてみたら「自分も行っていた」ということがいくつも起きている。
今や百万人が集まったら事態はがらっと変わる情勢が訪れている。エジプトに始まり、今現在欧州では1千万人のデモとストライキが巻き起こっているではないか。「こんな政権はいらない」「こんな生活にしたのは誰なんだ」という血の叫びが、音をあげて情勢を動かしている。
「パンと平和と土地を」と掲げたロシア革命のように、「われわれ99%の世の中にしよう」と全世界の労働者階級人民が、資本の利益優先のブルジョア階級と資本主義に対して「NO」と言っているのだ。1917年ロシア革命から100周年を待たずして、何が起きてもおかしくない情勢が到来している。
そうして見るとき、非正規労働者が6割を超え、職場によっては8割9割となっている郵政職場こそ、こうした闘いの震源地なのだ。いまや圧倒的多数となった非正規労働者こそ、本質的に新自由主義と非和解に激突し、これを打ち倒さずにはおかない闘いの主人公だ。郵政非正規ユニオンが呼びかける「1千人組織建設」の方針こそ、すべての全逓労働者の方針である。
賃下げ、競争と分断の大攻撃
郵政資本とJP労組中央本部が結託して導入を目指している「新人事・給与制度」は、大幅賃下げ、競争と分断、そしてすべての郵政労働者を「新一般職」と称する非正規職にたたきこむことが狙いだ。
現在支給されている調整手当や業務関連手当は廃止されて業績手当にされる。「業績手当」は、チームと個人にポイントによって配分されるとしている。チームとは現在の班のことだが、班長には「1日1時間半の班長専担時間の確保」が指示されている。欠員補充がない中では、班長は配達業務に出られない。班長ができなくなった業務を班仲間に押し付け、それで確保した時間で営業計画や班員のポイント評価をやらせるのだ。
「貢献度の計り方」によると曜日別基準物数を決定して、時間内に配ったか、超勤を使ったかどうかで毎日ポイントを付けるとなっている。他人の応援を受けたらマイナスポイントとなる。「ポイントによる評価」は相対評価で行い、全体の7割が平均で、1割がD・E評価で必ずマイナス評価にしなければならない制度だ。こんな制度は、職場の団結を破壊しバラバラに分断する労働組合解体の攻撃だ。絶対に認められない。粉砕の対象である。
さらに集配局の配達専門局化と郵便内務合理化のネットワーク再編が襲いかかり、昨年度は富山西局で施行、本年度は新岩槻局、来年度は新川崎局が新設されようとしている。これらの先には、全面外注化があることは間違いない。これらを葬り去るまで闘おう。
強制配転阻止の職場実力闘争を
闘う全逓労働者に対し強制配転の攻撃がかけられている。会社の意にそわず闘う者には「じゃまだ。出ていけ」と言わんばかりに、まるでごみやペットボトルのように掃き捨てようとしている。仲間の悩みや苦しみを聞き、職場の仲間意識を大事にして、ともに闘おうと先頭に立ち、上司に意見を言い、労働条件改善を要求する者に対する攻撃だ。これこそ労働組合つぶし、分断とパージそのものだ。
わが全逓委員会は、このような強制配転攻撃に対して断固として闘いに立ち上がることを宣言する。当該同志と一体となり、職場で闘いを巻き起こす。活動家パージ・労働組合つぶし攻撃には物ダメ・ストライキの職場実力闘争を復権し、職場支配権を奪取するために闘うのだ。ここに全逓委員会の飛躍がかかっている。
労働者は救済の対象ではなく、自らマルクス主義的に団結して闘いに立ち上がる主体だ。人事交流反対・不当配転反対に総力で決起し、強制配転攻撃をはね返そう。
職場細胞の実践が労組拠点建設の力
いま革共同には、プロレタリア権力樹立に向かって労働運動を組織できる党になること、労働組合と党の一体的建設を本当にやりきることが問われている。そうした観点から、新自由主義との闘いにおいてプロレタリア階級がブルジョア階級を倒す階級として自己を打ち立てる不断の闘いを推進し、階級的団結論と階級形成論を確立し、より深めていくことである。
それは階級形成の闘いとして労働組合の再生を徹底的に推し進め、そのために体制内の日和見主義潮流とどこまでも闘いぬくことである。労働組合の不抜の拠点を建設する目的意識性である。
核心は職場細胞(労働者細胞)建設であり、職場細胞を「中央委員会と細胞建設」論として確立することだ。拠点職場細胞が地区党の中心に位置することであり、地区党を中央委員会と一体となった階級的団結の最高の形態として闘いとる。党と労働組合の一体的建設に、血のにじむような実践が注がれなければならない。
第一に、マルクス主義を体現した機関紙『前進』を職場の中に広め、時代認識と路線で訴えかけ、フラクションをつくりあげることだ。
第二に、全逓の職場ビラを継続的定期的に発行し、全国の職場にまききり、闘う方針と路線を鮮明にさせること。これが現場労働者が一番待ち望んでいることだ。
第三に、動労千葉物販や動労千葉を支援する会の組織化を進め、国鉄闘争全国運動を全職場に押し広げていくことだ。
第四に、フクシマの怒りと連帯し、反原発闘争を百万人決起の大闘争にに飛躍させていくことだ。
第五に、郵政非正規ユニオンを支える会の組織化と郵政非正規ユニオン1千人建設を、よりいっそうの決意と実践で、ねばり強く広範にやりぬくことである。とりわけ重要なのは、青年労働者の獲得と組織化である。
これらの闘いの実践をとおして、全職場に強固な細胞を建設しよう。党と労働組合の一体的建設を推し進め、階級的労働運動の拠点建設の前進で、2013年の第2ステージを国鉄決戦を基軸に闘おう。全逓委員会は外注化阻止・非正規職撤廃の最先頭で闘い抜く。
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週刊『前進』(2565号3面2)(2012/12/17 )
郵政非正規ユニオン 都労委で資本を圧倒
齋藤委員長ら陳述、傍聴満杯
郵政非正規ユニオンの東京都労働委員会闘争が1年半に及ぶ調査が終わり、いよいよ証人審問が始まりました。第1回目は12月6日に行われました。この事件は、現在郵政で吹き荒れる雇い止めや企業犯罪を行うために、新しい労働組合が結成された事実そのものを殲滅(せんめつ)するという当局の行動から始まりました。
こちらの訴えは「不当労働行為」「報復的不利益扱い」「団体交渉不誠実問題」など、東京多摩支店の不当弾圧すべてに対する「救済申し立て」、目的は郵政の現実の全社会への暴露です。
昨年6月10日に結成した「郵政非正規ユニオン」に郵政資本は、文字どおりの組合殲滅戦を強行しました。組合員はすべて雇い止め! 組合の3役まで雇い止めにし、私に対しては、委員長として「団体交渉」「労働委員会への申し立て」の最中における雇い止め!
今回の審問は、私、委員長の齋藤と渡貫博司書記長が証人に立ち、会社側を圧倒しました。組合結成の一切をなかったものにし、「非正規だからしょうがない」と労働者を屈服させようとした郵政のデタラメなやり方が暴かれた瞬間でした。
60人以上の共闘労組の仲間が応援に駆けつけてくれました。全員がそれぞれの組合の腕章をつけて詰めかけ、傍聴席が満席の状態で仲間であふれかえりました。
現行の労働法では労働組合が圧倒的に不利な状況ですが、審問では郵政非正規ユニオンと共闘労組全体の力で労働委員会に風穴を開けた瞬間を感じました。「緒戦は大勝利!」と全員一致で感じました。「労働法という敵の土俵での闘争では勝てない」というこれまでの常識が、「闘えば勝てる!」という認識に変わった一日でした。
渡貫書記長は審問で「今の非正規の青年が雇い止めという形で絶望して職場を追放される現状を変えるために、たとえ苦しい現実があっても後戻りはしない」と言い切りました。審問後の総括集会では、深夜勤務から徹夜で駆けつけてくれた三保清美会計部長も発言し、創立メンバーの固い絆と全国の共闘労組とが団結を再確認する素晴らしい一日となりました。
次回、来年1月24日の審問は大畠公彦・早川繁雄両執行委員が登場します。「当局のデタラメや強権を暴く。全逓労働運動もいまだ健在。青年労働者との合流で勝ちに行く!」と意気盛んです!
3回目の2月14日の審問ではいよいよ「非正規のクズどもが!」と言い放った「大工原」を始め、悪徳管理職がそろい踏み! すべての審問を圧倒的に勝利させ、労働運動で私たちが社会のルールを作るということを実現しましょう。
(郵政非正規ユニオン執行委員長 齋藤裕介)
(写真 審問後の総括集会で齋藤委員長が「社会のルールは労働者がつくる!」とアピール【12月6日 都庁】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2565号3面3)(2012/12/17 )
国労組合員資格訴訟 本部側に全面反論
矛盾暴かれ国労弁護団絶句
国労組合員資格確認訴訟の第6回口頭弁論が12月12日、東京地裁民事第11部(白石哲裁判長)で開かれた。
国労本部は2010年に4・9政治和解を強行し、その直後の同年7月の第79回全国大会で闘争団組合員を特別組合員にした。そして、翌11年7月の第80回全国大会で解雇撤回闘争の終結を宣言するとともに、組合員を「JR及び関連企業に雇用された者」に限定する規約改定を強行して、闘争団員から組合員資格を奪った。これに対し、和解を拒否して闘う4人の闘争団員が、同年11月に国労本部を相手にこの訴訟を起こした。
被告の国労本部はこの間、「組合規約に明文はないが、JRと雇用関係があることが組合員資格の前提」「雇用関係の回復ができないと判断される場合には、被解雇者の組合員資格もなくなる」と主張してきた。4・9反革命でJRの手先に転じ、ついに総合労働協約の締結に至った本部の恥知らずな姿が、ここにははっきりと表れている。
法廷では、原告の代理人弁護士が被告に真っ向から反論した。国労規約には「組合は、組合員名簿に登録されたものをもって組織する」と書かれている。国労結成当時の規約は「国鉄職員をもって組織する」となっていたが、1956年の大会で現在の形に改められた。これは、国鉄当局によって不当解雇された組合員を、労働組合として守りぬく闘いの中で実現されたものだ。原告代理人は、「被告の主張は国労の歴史を否定するものだ」と声を強めた。
国労本部は、闘争団員を79回大会で特別組合員としたことについて、「JRとの雇用関係が回復されれば一般組合員としての地位が回復される余地を残したもの」と述べている。原告代理人はその主張の矛盾を鋭く突いた。特別組合員には選挙権も被選挙権もない。これは「組合員は、労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取り扱いを受ける権利を有する」と定めた労働組合法に明らかに反する。つまり、特別組合員とされた時点で、闘争団員は組合員としての地位を確定的に奪われたのだ。これをごまかす本部の主張は決定的に破綻している。
原告代理人はさらに、規約上の手続きにないやり方で強行された組合員資格剥奪(はくだつ)は無効だと強調した。
原告側の迫力ある主張に押された裁判長は、「規約では、名簿に登録された人が組合員とされているが、原告らは組合員名簿から抹消されたのか」と本部側に問いただした。国労弁護団の宮里邦雄弁護士は「現時点で確認できない」としか答えられない。こんな基本的な事実さえ把握していないのだ。裁判長は「被告が組合員資格喪失事由を立証できなければ、原告の請求が認められる」と念を押した。国労弁護団は顔色を失った。
総括集会で小玉忠憲さん、羽廣憲さん、成田昭雄さんの各原告は、「手を緩めず、本部を最後まで追及する」と語った。
原告を先頭に「共に闘う国労の会」は、裁判前には東京地裁前で、裁判終了後はJR東日本本社前で宣伝行動に立った。JR東日本本社前では、「笹子トンネル事故の責任は道路公団民営化委員会の委員だったJR東日本元会長の松田昌士や都知事候補の猪瀬直樹にある」と徹底弾劾、JR東日本の「グループ経営構想X」と対決し、外注化を粉砕すると宣言した。
街頭の反応は一変している。ビラは吸い込むように受け取られ、1047名解雇撤回の署名やカンパも多く寄せられた。
(写真 原告の羽廣さん、小玉さんを先頭に国鉄1047名解雇撤回と国労本部弾劾を訴え宣伝行動【12月12日 東京地裁前】)
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週刊『前進』(2565号3面4)(2012/12/17 )
労働者の未来開くために革共同に絶大なカンパを
すべての『前進』読者のみなさん。支持者のみなさん。
革共同へのカンパの圧倒的集中で革命に勝利する党をつくり、2013年決戦の大前進をともに切り開きましょう。一人ひとりの心のこもったカンパが革命勝利の原動力です。絶大なカンパをよろしくお願いします。
衆院解散―総選挙をも契機に、日本階級闘争は新たな激動に突入しました。今こそ本格的な労働者階級の党が求められています。反動の牙城=国会を100万人のデモで包囲し、安倍・野田・石原・橋下らを打倒しよう!
新自由主義は、世界大恐慌の深まりの中で大失業と戦争の攻撃をさらに加速させるでしょう。しかし、日本と世界の労働者階級は「もう資本主義のもとでは生きていけない」と大反乱をたたき付けています。日本階級闘争は、新たな歴史、新たな次元へと突入しています。プロレタリア革命以外にいかなる解決も決着もない、革命的大激動期に突入したのです。革命勝利に必要なあらゆる闘いを前進させるため、革共同が今一番必要なもの、それは莫大な軍資金です。
全世界でスト激発
世界大恐慌は2013年、本格的爆発過程に突入します。08年のリーマンショック以降、米日欧など各国はなりふり構わぬ恐慌対策をやってきましたが、そのすべてが破産しました。ヨーロッパ恐慌を引き金として、世界経済は急激な収縮過程に入っています。そして、これは激しい帝国主義間の争闘戦を引き起こしています。帝国主義はプロレタリア世界革命で打倒されない限り、必ず世界戦争へと向かいます。同時に大量解雇、非正規職化攻撃という労働者階級への大攻撃として襲いかかります。
すでに日本では、電機を始めすべての産業で大量首切り攻撃が始まっています。シャープ2千人、パナソニック1万人、ソニー1万人、NEC1万人と「希望退職」という名の大量解雇攻撃です。下請けや取引先も含めれば、膨大な労働者への大攻撃です。
解雇は殺人です。1%の資本家どもは、99%の労働者人民とその家族を殺しても生き延びようとする犯罪者集団です。連合や全労連をはじめとした既成の労働組合(幹部)は、一切の闘いを放棄し、この現実を認めてきました。
しかし、全世界の労働者は「解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃」で生きるために立ち上がりました。ヨーロッパでは1千万人が緊縮プラン・増税反対のゼネストとデモに立ちました。アメリカ、中国や韓国をはじめとしたアジア諸国、エジプトでも労働者階級のストライキとデモが激発しています。
そして日本でも、反原発の100万人決起が始まりました。福島の怒りと結合した7・16代々木公園17万人決起、毎週の首相官邸前行動を先頭とした全国的な闘いは、ついに民主党・野田政権を打倒したのです。この闘いを根底的に支えたのは、階級的労働運動の前進と11・4労働者集会5800人結集、10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃闘争の爆発です。勝利の確信を持って2013年決戦へ踏み出そう。
国鉄決戦の勝利へ
私たち革共同は今年、みなさんとともに、重大な勝利を積み重ねてきました。
10・1JR外注化阻止決戦は、動労千葉を先頭とした国鉄労働者の闘いと結合した全人民の決起によって、敵の組合つぶしの狙いをはね返してうちぬかれました。この闘いは、動労千葉の「鉄建公団訴訟の6・29東京地裁判決」の勝利とともに2010年の4・9政治和解の反革命を根底的に粉砕しました。闘いはいよいよこれからです。JRを先頭に全産業・職場での外注化阻止・非正規職撤廃の第2ラウンドに突入しました。
また11・4労働者集会で示されたように、この外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは、全世界の新自由主義と闘う労働者階級の共同の路線として、国際連帯の闘いを大前進させています。
福島の怒りと結合した反原発闘争は連合・野田政権を打倒しました。原発への怒りの根底性・非和解性は、あらゆる体制内的支配をのりこえ、うち砕き、労働組合の革命的再生を必ず可能にします。
いま革共同は、青年労働者・学生の党として大きく転換を開始しています。
すべてのみなさん。革共同とともに2013年をプロレタリア革命への大飛躍の年にしよう! 労働組合と党の一体的建設を推進しよう。非正規職労働者、とりわけ青年労働者のみなさん。自らの未来を、自らの手で切り開こう。革共同は、非正規職労働者とともに闘います。
冬期カンパ決戦は全員決起の闘いです。職場の仲間に訴えてコツコツ集める財政闘争が職場支配権を握っていく闘いになるのです。あらためて絶大なカンパをお願いします。
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週刊『前進』(2565号4面1)(2012/12/17 )
もんじゅを廃炉へ
敦賀現地 労組先頭に800人で抗議集会
NAZEN、8・6-8・9実がデモ
12月8日、高速増殖原型炉「もんじゅ」がある福井県敦賀市で「2012もんじゅを廃炉へ!全国集会」(集会実行委員会主催)が開催され、全国から労働組合を先頭に800人が結集し闘いぬいた。
午前11時から、もんじゅを眼前に臨む白木海岸で現地抗議集会が行われ、地元の代表などが、もんじゅの廃炉を目指して頑張ろうと発言した。最後にもんじゅに向かってシュプレヒコール。その後、デモでもんじゅのゲート前に移動し、日本原子力研究開発機構に対する申し入れを行った。
NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)と8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会の仲間は集会とデモを牽引(けんいん)した。「もんじゅ運転再開阻止!」「核燃サイクル今すぐ止めろ!」「もんじゅを廃炉にしろ!」――選挙キャンペーンを打ち破って、日帝の核武装化政策そのものの核燃サイクルの根幹である高速増殖炉もんじゅに、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
9月14日に野田政権は「革新的エネルギー・環境戦略」として原発再稼働に加え、使用済み核燃料の再処理継続ともんじゅ継続を決定した。原子力機構は、もんじゅの運転を2013年末に再開する計画を発表した。
福島を繰り返すつもりか!――集会に参加した仲間は、激しい怒りをたぎらせて、終日の闘争をやりぬいた。核・原発を止めるのは選挙や議会ではない。福島の怒りと結びついた労働者・学生の職場・キャンパスからの団結した闘いだ。これこそが核と原発をなくし、未来を切り開くのだ。
午後1時半から、市内の「きらめき港館」でもんじゅ廃炉を求める全国集会が行われた。原子力発電に反対する福井県民会議からのもんじゅの現状と今後の闘いについての提起のあと、九州大学副学長の吉岡斉さん、核燃料サイクル阻止1万人訴訟原告団の佐原若子さんが報告を行った。青森から駆けつけた佐原さんは福島原発事故、そして六ケ所村の再処理工場と核燃料サイクルへの怒りを語った。
集会終了後、NAZENと8・6―8・9実行委員会の仲間は、敦賀駅までの市内デモを断固として行った。折からの猛吹雪の中を、「もんじゅは廃炉!」「核武装反対!」「フクシマ返せ!」のコールがテンポよく響いた。「一緒にデモでもんじゅ廃炉を訴えましょう」というデモ隊の呼びかけに応え、「こんな雪の中を福井でデモしてくれて、ありがとう」と全国集会に参加していた地元福井の青年労働者が合流した。
12・8もんじゅ闘争は、12月15日から17日に福島県郡山市において日本政府主催・国際原子力機関(IAEA)共催で開かれる「原子力安全福島閣僚会議」への抗議闘争と一体のものとして闘われた。「防護」や「健康管理」「除染」を掲げながら、住民にさらなる被曝を強制する攻撃を絶対に許さない。福島の怒りとひとつになり、労働者の職場からの決起をつくりだそう。
日米帝国主義の双方にとって原発と日米安保は一体の問題だ。第3次アーミテージ・ナイ報告で米帝は、「原子力を安全に、かつ責任を持って推進し、利用することは、日本の包括的な安全保障にとって重要な要素となる。……原子力研究開発における日米協力は不可欠である」と日帝に突きつけている。
これに対し日帝は、原発輸出と一体で核武装国家への本格的飛躍へ突進しようとしている。そのためにも反原発闘争の破壊と労働組合つぶしを狙っている。国家権力は、11・11反原発闘争でのデモ禁圧攻撃と同じく、今回の闘争においても、NAZEN、8・6―8・9実行委と集会参加者との合流を阻止しようとしていたが、もんじゅ闘争はそうした策動を打ち破って終日闘われた。
(写真 「もんじゅを絶対に廃炉にしよう!」。眼前に見える「もんじゅ」に800人の労働者人民の怒りは高まった【12月8日 敦賀市】)
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週刊『前進』(2565号4面2)(2012/12/17 )
“大飯原発止めろ”
再稼働阻止ネットが申し入れ
12月9日、再稼働阻止全国ネットワークなどによる関西電力大飯原発への抗議・申し入れ行動が数十人の参加で行われた。12月福島閣僚会議後に強まると予測される再稼働攻撃を見すえつつ、すでに稼働している大飯原発に強く抗議した。
手に手にのぼりやボードを掲げた参加者がゲート前に密集し、行動が始まった。最初に全国ネットの代表が11月2日に実施された大飯原発の断層調査の結果を踏まえ、「活断層の上の大飯原発をすぐに止めてください」と申し入れを行った。
続いて全国ネット参加団体である8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会の三角忠事務局長が申入書を読み上げ、「大飯原発をはじめ全国の原発は、日本が核武装するためのプルトニウムを大量生産してきた」「大飯原発の運転をただちに中止せよ」と、ひときわ声を強めた。
さらにNAZENの織田陽介事務局長が申し入れた。「原発立地の住民や原発で働く労働者とも手を携えて全原発の廃止まで闘う」と固い決意を語り、大飯原発の即時停止を強く要求した。
大飯原発の再稼働は絶対に許せない。闘う労働組合をよみがえらせ、労働者民衆の力で一刻も早く停止させよう。
(写真 8・6ー8・9実行委をはじめ阻止ネットやNAZENが関西電力に抗議【12月9日 福井県おおい町】)
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週刊『前進』(2565号4面3)(2012/12/17 )
金曜行動 “原子力ムラ出てけ”
規制委前でヒューマンチェーン
12月7日夕方から、原子力規制委員会が入るビルの前で「グレーは黒だ! 活断層の上の大飯を止めろ! 12・7規制委員会前ヒューマンチェーン」が再稼働阻止全国ネットワークなどの主催で闘われた。
規制委員会とその事務局である原子力規制庁は港区六本木にある「六本木ファーストビル」の2〜6階と13階に陣取っている。賃料は1カ月約4千万円。1年の家賃は5億円にもなる。すべて、大恐慌下で解雇・雇い止め、賃金カットに苦しむ労働者民衆から搾り取った税金だ。こんな高級オフィスビルの中で原発推進―再稼働―核武装化のために連日うごめいているのだ。抗議行動に駆けつけた労働者民衆の憤激は高まるばかりだ。
夕闇が迫る午後5時半、抗議行動が始まる。「大飯を止めろ!」「原子力ムラ出てけ!」。コールがオフィス街にとどろき、通行人が一斉に視線を向けた。
多くの参加者がマイクを握りスピーチを行った。「大飯は冬になったら雪が降って逃げられない。海からも陸からも逃げられない。大飯原発をすぐに止めろ!」「唯一の安全基準は原発をなくすことだ!」「福島県から県外へ新たに避難しようとする人の家賃補助の新規受け付けが12月28日で打ち切られようとしている。逆に県内へ戻る際は補助が継続する。露骨な足止め策だ!」。規制委員会を弾劾し、再稼働の停止と原発の廃止を訴える言葉が次々と発せられた。
怒りが最高潮に達する中、最後に参加者が手をつなぎ、ヒューマンチェーンで規制委員会を弾劾した。六本木での初めてのヒューマンチェーンは大成功だ。
この日は首相官邸・国会前、文科省前、財務省前などでも抗議行動が行われ、多くの労働者民衆が活気に満ちた闘いを展開した。首相官邸前や全国の闘いは政府と規制委員会、電力資本を追い詰め、原発政策の破綻を日々拡大している。
(写真 ウソとペテンで原発再稼働攻撃を進める原子力規制委を包囲し弾劾【12月7日 東京・港区】)
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週刊『前進』(2565号4面4)(2012/12/17 )
NTTが人事・賃金大改悪
現場にあふれる青年の怒りで超低賃金・出向強制ぶっ飛ばせ
NTT労組中央打倒し労働運動再生を
4月から15%の大幅賃下げ
「こんなんじゃ、やってられないよ!」。NTT資本による15%の大幅賃下げ、人事・賃金制度大改悪の提案に、青年労働者とともに40歳代の課長までが言い出した。現場の怒りはすさまじい。
すでにこの10年間、NTTは、業績悪化を理由に「構造改革」を掲げ、50歳を迎える正社員に対して〈50歳で退職、15〜30%の賃金カットを前提に地域の子会社に再雇用>か、〈全国配転を認め60歳定年まで残る>かの選択を迫り、ほとんどの労働者に退職と子会社での再雇用を強要してきた。それ自体がJR東日本の「ニューフロンティア21」と同時期にかけられた前代未聞の外注化・非正規職化、人件費削減と団結破壊の大攻撃だ。
それを今度は、年金支給年齢の引き上げによる60歳を超えた労働者の再雇用義務付けを口実に、人事・賃金制度の抜本的な改悪を提案してきた。定年を50歳から60歳に延ばして退職金支払いを遅らせたうえに、65歳までの人件費の原資などとして、来年4月から基本給を15%引き下げるというのだ。要は、60歳から65歳までの賃金分を労働者自身に負担させるということであり、資本にとってこれほど虫のいい話はない。さらに賃金構造と昇給・昇格制度を大改悪し、業績評価で賃金格差を拡大してバラバラに分断し、総人件費を一層削減しようとしている。
その結果、50歳代では100万円近い賃下げが見込まれる。青年労働者にいたっては、現行の賃金制度ですらグループ子会社に高卒で正社員採用された20歳代前半の月収は、手取り10万円そこそこだ。今後、最低ランクの額面賃金は12万1440円にまで切り下げられ、昇給も3年で頭打ちとなる。超低賃金が生涯にわたって続くこととなるのだ。
労働者分断し全面外注化へ
さらにこれまでなかった他府県への配転やグループ間・子会社への出向が、わずかばかりの手当などと引き替えに無制限に行われようとしている。それ自体が団結破壊と退職強要の大攻撃だ。
極悪のJRとともにNTTが、外注化・非正規職化をさらに全面的に推し進めようとしているのだ。どうしてこれが許せるか。
今やNTTは、内外の市場争奪戦で敗退を繰り返し存亡の危機に立っている。NTT東はこの10年間売り上げを年平均約700億円のペースで減らし続け、NTT西はさらに深刻だ。NTTドコモは今季、販売競争でひとり負けとなった。
資本としての絶望的な延命策は、さらに徹底した新自由主義攻撃だ。NTTグループは今後2年間で4千億円以上のコスト削減を打ち出し、NTT労組の許しがたい屈服と協力のもとで、グループ企業全体の全面外注化(フルアウトソーシング)と一層の非正規職化に突き進もうとしている。NTT西は、来年4月からの人事・賃金制度抜本改悪に続けて、7月からの「事業運営体制の見直し」を掲げ、全労働者の出向・転籍、総非正規職化を全面的に打ち出そうとしている。団結破壊が最大の狙いだ。
国鉄に先んじて85年に民営化されたNTT(旧電電公社)は、初代連合会長となった当時のNTT労組委員長・山岸章を筆頭とする労働組合幹部の全面協力のもとで、持株会社など八つの主要グループ企業を頂点に分社化・子会社化と非正規職化を進め、今年3月末時点で連結子会社は776社(社員数22万4250人、総資産19兆3897億円)に達した。NTT東・西が発足した99年に6万人を超えていた本体の正社員はすでに約1万1千人にまで激減した。子会社でも非正規職化が急速に進んでいる。
その結果、JRと同様に、極度の人員・コスト削減で現場の技術継承は途絶え、保守・点検業務は滞り、安全の崩壊で労災事故が多発し、外注・下請け企業による重大な情報流出犯罪まで起こるにいたった。技術を持つ労働者の大量退職期を迎え、今やNTTの事業存続にとって技術者の確保が必須の問題となっている。65歳までの雇用義務付けが問題なのではない。それをも口実に、全労働者を徹底的に分断して無権利・低賃金に追いやり、あくどく搾取し続けようとしているのだ。
国鉄と結合し青年の反乱を
NTT労組中央は、この階級戦争攻撃ともいうべき会社提案を「『採用から65歳まで働きがいをもって安心して働き続ける制度』の確立に向けた取り組み」などとして丸のみしようとしている。
しかし、そうした連合支配は最期の時を迎えた。インターネットや飲み屋での会話にとどまらず、いたるところで怒りと闘いを求める声が噴出している。その叫びは、「構造改革」をNTT労組中央が妥結しようとして大荒れとなった01年8月の定期大会時以上に切実で激しくなっている。
“このままだと一生、結婚できない。共働きでもだめだ。別の仕事もやらなかったら家族で食べていけない”
青年の怒りは資本と結託したNTT労組中央に対して向けられている。
“組合幹部は会社と同じだ。子会社や若手のことは何も考えてない。「退職再雇用阻止」とあおって結局は賃下げの算段をしているようなやつらに飼いならされるものか。組合の冊子に子会社の安い給与体系については「課題として受け止める」みたいな書き方がしてあったが、これはつまり「わかっちゃいるけど現状維持」ということだ。本体が賃下げになれば子会社はもっと下げられる。自分たちで組合つくろうぜ! もうストライキやるしかない!”
職場に怒りが充満している。青年にとっては人生そのものがかかっている。ひとたび現場から闘いの火の手が上がれば空洞化の進むNTT労組中央の制動を粉砕して闘うNTT(電通)労働運動をよみがえらせることはまったく可能だ。10・1JR外注化阻止決戦の爆発が示した通り、青年労働者の反乱と闘う団結の拡大が全情勢を決することとなるのだ。
青年を先頭に現場の怒りを爆発させよう。JRや郵政、自治体をはじめ全産別で始まった人事・賃金制度の大改悪と真っ向から対決しよう。国鉄決戦を柱に外注化阻止・非正規職撤廃決戦に総決起し、NTT関連二十数万人の労働者、6千万労働者の未来をかけて闘い抜こう。
(大迫達志)
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解説
上の表はNTTグループ主要8社の一般職員の基準内賃金(基本給)額。子会社ではさらに減額が予想される。
高卒採用の初任給は12万1440円。ここから税・保険料などが引かれる。昇給は3年で頭打ちとなり、その後は、毎年の業績評価(A〜D)によって加給額(昇給額)が決まる。最低のD評価の場合はゼロないし減額となる。加給額は以前より切り下げられ、たとえ加給・昇格を繰り返そうと賃金の上限は低く抑えられている。以上が一時金や退職金の増減に影響する基本給部分となる。これに職務評価手当(仮称)、営業インセンティブ手当(仮称)、遠隔地への転勤・転居加算手当(仮称、新設)などが加わるとされる。
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週刊『前進』(2565号4面5)(2012/12/17 )
12月4日〜10日
エジプトでデモ隊衝突/防衛相が北朝鮮ミサイル破壊命令
●衆院選公示 第46回衆議院総選挙が公示され、主要12党、候補者総数1504人が12日間の選挙戦に突入した。原発や憲法、消費増税、経済政策などが争点に。(4日)
●エジプトでデモ隊衝突 エジプト・ムルシ大統領による大統領権限強化の大統領令に反発する野党勢力(世俗・リベラル派)のデモ隊とムスリム同胞団らイスラム主義者の大統領支持派のデモ隊がカイロ市内の大統領府前で衝突した。(5日)
●100_シーベルト超、20代で1・22% 東京電力は福島第一原発事故後1年間の作業員の年代別被曝量を明らかにした。発がんリスクが上がる100_シーベルトを超えて被曝した割合は、20代で1・22%、30〜50代で1%近くだった。(6日)
●米が未臨界核実験 米エネルギー省の国家核安全保障局(NNSA)は米ネバダ州の核実験場で核爆発を伴わない未臨界核実験を実施したと発表した。未臨界核実験は昨年2月以来で、オバマ政権下では4回目。(6日)
●発射ならイラン並み制裁提案へ 北朝鮮の人工衛星・長距離弾道ミサイル発射計画で、日米韓3カ国は北朝鮮が発射に踏み切った場合、国連安全保障理事会に対し、制裁措置を対イラン制裁並みの水準に引き上げる決議を行うよう求める方針を固めた。(6日)
●ミサイル破壊命令 北朝鮮の人工衛星・弾道ミサイル発射予告に対し、野田内閣は安全保障会議を開き、ミサイル破壊措置命令を出すと決定。これを受け森本敏防衛相が自衛隊に破壊措置命令を出した。海上自衛隊は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦3隻を日本海、東中国海に配備、航空自衛隊は沖縄県4カ所と首都圏3カ所に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備する。(7日)
●活断層の定義拡大へ 原発の耐震性評価の対象となる活断層について、原子力規制委員会は「12万〜13万年前以降に活動したもの」としている国の耐震指針での定義を改め、「約40万年前以降に活動したもの」とする方針を決めた。(7日)
●被曝隠し8社を偽装請負と認定 東京電力福島第一原発で鉛カバーを使った「被曝隠し」が行われた工事の下請け会社8社について、厚生労働省は違法な「偽装請負」の状態で作業員を働かせていたとして是正指導する方針を固めた。東電が否定してきた不正な多重請負構造が存在し、作業員の安全を脅かしていたと監督当局が認めたかたちとなった。(9日)
●発射期間を29日まで延長 北朝鮮の宇宙空間技術委員会報道官は、人工衛星・ミサイル発射実験の予告期間をこれまでの10〜22日から29日にまで延長するとの談話を発表した。(10日)
●敦賀原発廃炉の公算大 日本原子力発電敦賀原発(福井県)敷地内の断層を調査した原子力規制委員会は外部の専門家4人を交えた評価会合で、同原発2号機の原子炉建屋直下の断層は活断層の可能性が高いと判断した。同原発の再稼働は認められず、廃炉になる公算が大きくなった。(10日)
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週刊『前進』(2565号5面1)(2012/12/17 )
全学連拡大中央委員会 全国で学生自治会建設を
反原発100万人決起誓う
キャンパスを闘いの砦に
12・16選挙情勢に革命の必要性提起
12月9日、全学連拡大中央委員会が都内で開催された。「反原発100万人決起をかちとろう! 全国学生は団結し学生自治会建設へ!」をメインスローガンに、意気高くかちとられた。議長は全学連国際部の松室しをりさんだ。
総括議案の提起に立った坂野陽平書記長は、「12・16総選挙に対する回答とは何か」と切り出し、「目の前で問題になっていることは『問題の根本』であり天下国家のありようだ」「人間が人間として、生きることすらままならなくなっている。これは、資本主義社会という一歴史的社会に幕を引く時がきたということだ。それを弥縫(びほう)し、修正し、なんとか生きながらえさせようとすることにこそ最大の問題がある」「石原をはじめ、自民・民主、社民・共産、果ては未来の党に至るまで、口先では『問題の根本』を語りながら、実際の政策は『今が良ければそれでいい』『数年先がもうかればそれでいい』という政策ばかりだ」と弾劾した。
議会への絶望が広がり、他方で反原発闘争をはじめとする大衆運動の高揚の中で「自らの手によって社会を変えられる」という実感・情熱が労働者民衆の中から生まれ始めている、必要なことは国家と議会制民主主義の本質を徹底的に明らかにすること、根本的社会変革=革命の必要性を明らかにすることだと提起した。そして、昨年3・11以来の闘いの到達地平として「全学連運動と学生自治会運動の戦略的課題としてさらに反原発闘争を据えよう」と確認した。
情勢・方針議案を斎藤郁真委員長が提起した。世界大恐慌、帝国主義間・大国間争闘戦の激化の中で米帝の「新軍事戦略」「アジア重視」=対中国対決政策への転換がうち出され、戦争策動が激化していること、全世界的な闘いが始まっていることを明らかにし「大恐慌は、バブルを繰り返し、リストラ・非正規職化で『利益』を拡大してきた新自由主義の破産だ。今次大恐慌は後のない恐慌だ」「新自由主義の破産が生み出すものは『大失業と戦争(外への侵略戦争と内への階級戦争)』だ」「生きるための闘いの時代」と時代認識を鮮明にさせた。
「新自由主義はうち砕ける!」、全参加者が腹の底から確信した。
2013年決戦方針として、「原発再稼働阻止の100万人大行動を!」「最大の焦点は『3・11』2周年闘争だ。全国学生の大結集で勝負しよう」「学生の未来を奪う新自由主義大学を変える闘いに立ち上がろう。最大の決戦は法大3年・武田君への処分撤回闘争だ」「キャンパスを反原発・革命の砦(とりで)としていく中に、大学の再生の道がある」と提起し、京大同学会再建・東北大学生自治会の豊かな教訓に学び、全国に学生自治会を復権していこうと訴えた。
(写真 「私たちの闘いが情勢を動かしている。仲間を増やしてもっと大きな闘いを!」と確認し、2013年の闘いに向かって「団結ガンバロー!」【12月9日 東京】)
東北大、法大、福大、京大、次々勝利報告
続いて、東北大学学生自治会執行部選挙の勝利を「あおの統一候補」が特別報告。新委員長の青野弘明君は、「サークル規制と非公認団体からの部室剥奪(はくだつ)を許さない、キャンパスから反原発を掲げる、教育の民営化を許さない、これが東北大生に信任された。掲げた公約を絶対に貫く」「今後大学でも新自由主義的なものが推し進められる、原発再稼働の圧力も強まっていく。ここに負けないで、絶望しないで、闘って勝つ!」と烈々たる決意を表明した。新副委員長も「学生を監視して反対の声も上げさせない、大学はこんなところにまで堕(お)ちてしまったのか。本来、大学は公的に開かれている、しかも自由な学問の場だと思っていたのに、その実態が企業のため国のための場であったことに失望した。そういう大学のあり方は許せなかった。大学の主人公は学生だと思い立候補した」と続いた。
法政大学の武田雄飛丸君が処分撤回大運動のアピールを行った。「10・19集会に千人集まったのを当局は『迷惑行為』の一言で片付ける。徹底的に学生の主体性をおとしめている」「御用学者を呼んで、批判する人間は排除というあり方に抗議し処分された。反原発闘争と一体で大学の学生弾圧の現状をうち破っていきたい」
福島大学から、当局の卑劣な学生呼び出しと対決して反原発闘争を闘っていることが報告された。京都大学の学友は、寮生を先頭に鮮烈にうち抜かれた松本総長弾劾行動を報告し、新自由主義の大学改革を推し進める松本総長体制を覆す全学ストライキを闘う決意を語った。三里塚現地行動隊の仲間は、反対同盟・市東孝雄さんと団結し、全国学生は農地死守決戦を先頭で闘おうと檄(げき)を飛ばした。
自由討論では、広島大、富山大、徳島大、岡山大、東洋大をはじめ、全国から結集した仲間が自らのキャンパスでの闘いを生き生きと語った。
全学連千人部隊で社会ひっくり返す
最後に、斎藤委員長が発言に立った。「私たちの闘いが明確に情勢を動かしている。この時代に、全学連が法大闘争を闘いぬき新自由主義大学に屈服せずに闘う拠点、人格をうち立ててきたことが、どれほど多くの人に希望を与えられるのか。そういう可能性と展望をつかみとってきた」「全学連千人の部隊をつくり出そう。決戦に勝つために人を誘い、仲間を増やしてもっと大きな闘いをやっていく。最初は申し入れから始まるかもしれない。どんな行動でもいい。あらゆる大学で闘いを開始し、それを一つの闘いにつなげていく。千人の学生の登場をもってこの社会をひっくり返そう!」
大森靖之副委員長の音頭で団結ガンバロー。
今次拡大中央委員会は圧倒的な高揚と内容で成功した。一つに、「12・16情勢」と対決し、ブルジョア政党をのりこえる力強い労働者・学生の闘いをつくり出そうとはっきりさせた。二つに、「3・11」2周年の反原発福島闘争を大高揚させ、4月新歓決戦に躍り込む方針をうち立てた。三つに、法大処分撤回闘争の全国的拡大方針を確立した。四つに、京大−東北大に続き2013年を全国大学での学生自治会建設の画期的飛躍の年としようということだ。五つに、斎藤委員長−坂野書記長を先頭とする執行部を強固な中央指導部として確立した。
団結して全学連運動の爆発的高揚へ!
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週刊『前進』(2565号5面2)(2012/12/17 )
東北大学自治会選挙 自治破壊の攻撃ぶち破り
あおの新執行部信任
11月29日〜12月7日の東北大学学生自治会執行部選挙は、総投票数981票、うち信任592票を獲得した「あおの統一候補」が、新たな執行部として信任されました。
11月27日に行われた「大学の主人公は学生だ! 東北大一日行動」(2563号既報)の成功に続き、東北大学当局の自治破壊の攻撃を根底からうち破る決定的勝利です。本年6月の京都大学同学会再建に続く大勝利であり、全国大学に闘う学生自治会の建設を呼びかける号砲です。
(写真 拡大中央委で発言する東北大学生自治会の青野弘明委員長)
1年生が立候補
とりわけ今回の選挙で決定的だったのは、委員長候補として出馬した青野弘明君(医学部1年)を始め、「3・11」後に自治会活動に加わった若い世代が立候補し、当局による選挙妨害を敢然とうち破って闘いぬいたことです。そして、彼らが選挙戦の過程で日々飛躍をかちとりながら、一生懸命東北大生に訴えかけたことが、今回の勝利をもぎりとる最深の力となりました。
あおの統一候補は、「大学の主人公は学生だ!」をメインスローガンに、「@学内規制の強化反対・非公認サークルからの部室剥奪を許さない!Aキャンパスを反原発の砦に!B『教育の民営化』反対!」の3点を掲げ、大学当局との対決姿勢を鮮明にキャンパスに登場しました。
特に、当局が狙うサークル自治破壊、学生からの部室配分権の剥奪、そして学生支配のための学内規定=「内規」の適用に対し絶対反対の立場をはっきりと貫きました。
「私たちは大学が教育機関である以上、その主人公は学生であるべきだと考えていますが、それとは異なる現実がさまざまな場面で見られます。私たちはそうした状況を東北大生のみなさんと団結して変えていきたいと思います」
「長年、大学が原子力業界に牛耳られてきたことが、3・11以降、全社会的に暴露されました。これは大学の私物化の最たるものであり、その結果が昨年の福島第一原発の大事故の背景にあると思います。……これからも地域・全国の原発反対の行動と共闘してキャンパスの内外で反原発運動を貫きます」
「東北大では2000年に、当時の学生自治会が国立大学法人化(=教育の民営化)に反対して全学ストを貫徹しました。こうした力が東北大生の根底にはあり、それが今なお『内規』を貫徹させていないのだと思います。私たちは『教育の民営化反対!』をこれからも訴えていきます」
(統一候補声明より)
この旗幟(きし)鮮明な訴えに多くの東北大生が注目し、教室や食堂で次々と議論の輪が広がっていきました。特徴的だったのは、「サークルのことを訴えているから投票しよう」と隣の仲間に呼びかける学生や、何日も考えた末に投票所まで足を運んで投票していく学生など、主体的かつ目的意識的な学生の投票が選挙の終盤過程で急増していったことです。
当局が誹謗中傷
こうした東北大生の決起に恐怖した大学当局は、11月29日付「学生協ニュース」68なる文書で学生自治会選挙を誹謗(ひぼう)中傷し、例年多くの学生が投票してきた授業時間前のクラス投票を「授業妨害」などと決めつけてきました。しかし当局は、あおの統一候補の主張には何一つ言及することもできず、学生の前に出てくることさえできませんでした。
今回、選挙管理委員を担った東北大生は、こうした当局の自治破壊の攻撃に怒りをもって対決し、全学生に投票を呼びかけました。また、あおの統一候補は連日キャンパスのど真ん中に登場し、生き生きと学生に訴えました。結果、千人近い学生の投票をもって当局の選挙妨害=自治会つぶしの狙いはを完全に粉砕されました。
6割が信任の○(まる)
この勝利について、青野新委員長は選挙直後の全学連拡大中央委員会で次のような総括を提起しています。
「われわれ東北大学学生自治会は、入学式や学部別オリエンテーションの時から、ゴリゴリと当局から『カルト』『政治セクト』などと宣伝され、誹謗中傷されます。それなのに、6割の学生が信任の『○』を書きました。学生自治会が非公認化された2001年以降、12年間の闘いへの学生の信頼があるからこそ、当局の誹謗中傷の中、毎年の選挙で信任をかちとっているのだと思います」「この1〜2年の自治会をめぐる攻防はかなり激しく、寮生への退寮強要攻撃、サークルからの部室取り上げ、さらに自治会活動をやっている学生への呼び出しがあります。それらを一つひとつ粉砕して勝利してきました。その結果として今回の勝利があると総括しています」「親をも使った『呼び出し』という攻撃は、東北大学だけではなく、法政大学、福島大学でも同じです。この大学当局を断固粉砕しようと、僕はこの1年間、本当に怒りで沸騰するような、脳みそに血が上るような思いでした」「この1年間の闘いの総括、そして自分に何ができるのかを考えた上で、委員長に立候補させてもらいました」
“闘って勝つ!”
このような不退転の決意をもって東北大学学生自治会の若き執行部がうち立てられたことの意義は計り知れません。
さらに今回の自治会選挙は、野田・安倍・石原・橋下らが労働者人民を踏みにじって醜悪な泥仕合を演じる総選挙情勢と全面的に対決し、キャンパスから学生の団結をよみがえらせ、大学を反原発・革命の砦へと転化する決定的な第一歩として闘われました。
「既成政党や体制内政党は、国民に絶望しかもたらしていない。それをうち破って誰が求められているかというと、それはわれわれなんです。本当に闘う存在が今、求められている。今回の総選挙の結果、大学での新自由主義攻撃や原発の再稼働の圧力が強まっていくと思います。ここで負けないで、闘って勝つ! それがわれわれに求められています。その先頭で僕も闘います」(青野委員長、同前)
新執行部の決意は鮮明だ。東北大の勝利に続き、全国学生に闘う学生自治会をうち立てよう!
(東北大学・J)
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週刊『前進』(2565号5面3)(2012/12/17 )
三里塚農地裁判 NAAが「請求一部放棄」
市東さん“謝罪せよ”と弾劾
12月10日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で市東孝雄さんの行政訴訟・農地法裁判が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟をはじめ、労働者・農民・学生・市民が傍聴席を埋め、全力で闘いぬいた。
三里塚闘争支援連絡会議は開廷に先立って裁判所前に陣取り、「市東さんの農地を守ろう」と大書した横断幕を掲げて、リレートークで労働者・市民に訴えた。
この日は予定されていた萩原進事務局次長の証人尋問が延期となり、口頭弁論となった。成田空港会社(NAA)は12月7日付で突然「請求の一部放棄書」を出し、“市東家が一度も耕したことのない土地”として当初から土地の特定の誤りが問題になっていた「南台41−9」について「請求を放棄する」と言い出したのである。しかもその理由はというと、「NAAが占有を回復したから」というふざけきった言いぐさだ。
午後1時30分に開廷すると、ただちに市東さんが発言を求めて立ち上がった。「南台の畑の耕作について不当であるかのように言われてきたが、結局私が間違っていなかったことを認めるのか。それならNAAに対し謝罪することを強く求める」と怒りをたたきつけた。NAAの代理人弁護士が「請求放棄の理由については放棄書の通り」と居直りの弁を述べると、傍聴席から一斉に強烈な弾劾が浴びせられた。
さらにNAAは、団結街道沿いに建てられている監視やぐらを明け渡し対象物件に追加するという「訴えの変更」を申し立ててきた。NAAが明け渡しを求めている対象物件の中には、大看板ややぐらなど反対同盟が所有しているものが4件ある。市東さんに「明け渡せ」と迫り破壊・撤去をもくろむことなど許されない。反対同盟顧問弁護団は「変更」は断じて認められないと突きつけた。
さらに弁護団は、食糧を生産する農業こそが最も公共性を有するものであり、NAAや千葉県が「空港の公共性」を振りかざして、農地を取り上げ農民の生活を破壊することの違法性を明らかにした。
この日多見谷裁判長は双方に書面の提出を促しただけだったが、拙速審理で早期結審・早期判決をもくろむ姿勢はまったく変わっていない。
次回期日、来年2月4日に萩原進さんの証人尋問を行うことを確認し、閉廷した。
近くの会場で、伊藤信晴さんの司会で総括集会が開かれた。
冒頭に市東さんが立ち、気迫を込めてあいさつした。「NAAはあれだけ私の耕作が不当だと言って裁判にかけておきながら、紙っぺら一枚で“放棄した”と言う。謝る気もまったくない。絶対に許せない! 来年はもっと攻防が激しくなるでしょう。今年以上に皆さんにも傍聴に、現地にも来ていただいて、ともに闘いたいと思います」
この決意に参加者全員が熱い拍手で応えた。
葉山岳夫弁護士をはじめ、弁護団が法廷の応酬を解説し、NAAの違法で身勝手きわまりないやり口を断罪した。
質疑応答ののち、動労千葉、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは、鉄建公団訴訟控訴審勝利への決意を表し、国鉄闘争、反原発闘争と一体で2013年の三里塚をともに闘う意気込みを明らかにした。
2月4日の萩原さん証人尋問に続き、2月18日には市東さん本人の尋問が行われる。全力で傍聴に、また現地攻防に駆けつけ、市東さんの農地を絶対に守りぬこう。
(写真 「来年はさらに激しい攻防になるが共に闘う」と決意を語る市東孝雄さん【12月10日 千葉市】)
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三里塚裁判傍聴を!
◎団結街道裁判
12月18日(火)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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週刊『前進』(2565号5面4)(2012/12/17 )
戦争・改憲絶対反対
8・15実行委 杉並で講演集会
12月6日、戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会(8・15実行委)主催の「戦争と改憲に絶対反対―国益と排外に憲法は屈するのか―」と題する集会が杉並産業商工会館で開かれ、50人が集まりました。(写真)
71年前の1941年12月8日、日本は英領マレー半島コタバルとハワイ・オアフ島真珠湾の米・太平洋艦隊と基地に同時奇襲攻撃をかけ、日米開戦に突進しました。いま世界大恐慌のもとで米帝・オバマは対中国を念頭にアジア・太平洋地域にシフトする新軍事戦略を打ち出し、その一環として沖縄へのオスプレイの配備・日本全土での訓練を強行しようとしています。
集会は二つの講演を軸に行われました。一つは平和遺族会全国連絡会代表の西川重則さんの「安倍・橋下・石原らの改憲のもくろみ」、もう一つは労働者兵士行動委員会の片山武夫さんの「日米関係の今―真珠湾から71年/米・新軍事戦略とアーミテージ・ナイレポートは日本帝国主義に何をつきつけているのか?」です。
西川さんは、「安倍は首相の時に戦後体制からの脱却として、@改憲A教育改革B集団的自衛権を掲げ、国民投票法の成立と教育基本法の改悪をいずれも強行採決した。いま再び自民党の総裁として改憲を掲げている。橋下も『維新八策』で憲法改正を掲げている。石原は核武装論者であり、現憲法を全然認めていない。自民党の幹事長・石破茂も集団的自衛権を重視し、最強の軍事力保持を主張している」とし、「71年前の日米開戦と、それに先立つアジア侵略の正確な歴史の事実の認識のもとに、戦争絶対反対の論理の構築と運動をつくっていこう」「国境を越えてすべての労働者・国民が連帯し、戦争に反対することが今こそ必要だ」と訴えました。
片山さんは冒頭「世界は革命前夜情勢だ」と述べた後、アーミテージ・ナイレポートの全面的批判を行いました。「新戦略は、9・11同時テロ10周年を前にオバマが出した国家戦略の転換に基づくものだが、その根底には世界恐慌と国家財政の危機、イラク・アフガン戦争の敗退がある」と、そもそも破綻的であることを述べ、「恫喝とともに日本への争闘戦を根底的に激化させる、というのがアーミテージ・ナイ第3次報告書を貫くアメリカの意図だ」と述べました。
最後に実行委員会の鈴木達夫弁護士が「71年前の12・8、アジアをめぐって日米が激突した。今また米国がアジアを制圧しようと、日米関係の矛盾をはらみながら進んでいる。日帝は改憲―中国侵略に進むと見るべき。終戦直後に比すべき大激動情勢が訪れている。原発再稼働、消費増税、TPPに怒る人民の力に確信を持って闘おう」とまとめました。
(N)
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週刊『前進』(2565号6面1)(2012/12/17 )
団結ひろば 投稿コーナー
猪瀬の「高速管理費3割削減」で大事故に 東交労働者 山田治郎
笹子トンネル事故は偶然ではありません。道路公団民営化によって引き起こされた人災そのものです。
笹子トンネルは1975年の完成以来37年が経過し老朽化が進んでいました。道路公団時代の2000年の点検ではハンマーでたたいて確認する打音検査を行っていたのに、民営化(年10月)前後の05年と12年には行わなくなってしまいました。
実は、この道路公団民営化の旗を振ったのが都知事選に立候補している猪瀬直樹副知事です。02年、政府の道路関係4公団民営化推進委員会で、委員の一人だった猪瀬氏が「高速道路の維持管理費3割削減」を提案し、それがそのまま委員会の報告になったのです。
民営化によって安全問題が真っ先に切り捨てられました。「効率化」と言いながら、労働者の首切りと対極で、役員が増え、彼らへの報酬が拡大しました。民営化とは首切りと安全切り捨てとともに、資本家による公的資産の食いつぶしとボロもうけだったのです。
笹子トンネル事故の原因をつくった張本人の猪瀬氏が、都知事になって「都営地下鉄の民営化」を進めることなど絶対に許せません。都営地下鉄の民営化も、資本家たちをもうけさせるためのものです。なんと連合東京はこの猪瀬氏を推薦し、東交(東京交通労働組合)本部もまた協力している有様です。選挙がどうなろうと、こんなやつらは現場労働者の手でぶっ飛ばしましょう。
闘う団結でストライキのできる東交を取り戻します。
福島と千葉がつながる討論集会が大成功 千葉 K
12月1日、原発なくせ!ちばアクションが開催したティーチ・イン・ちばで、福島診療所建設委員会事務局長の渡辺馨さんの講演を聞きました。NTT労働者の渡辺さん自身の3・11直後の体験、いまの福島の実態など詳しく報告されました。とりわけ「昨年9月のIAEA国際会議に対し『福島医大は第2のABCCだ!』と闘う中から福島で起きている本質をつかんでいった」という実践的な報告が印象的でした。
参加者からの「衆院選でどの政党に入れればいいか?」という質問にも、「いま起きていることは選挙をめぐってだけではなく、全世界が一部の金もうけのために突き進むのか、もう1回人間として生き方を問い直すのかがかかっている」「根本から生き方を変える人たちが本当に力を持つことが重要」と明確に回答。最後に「どこに行っても『フクシマとつながって下さい』と言っている。福島はあきらめないし、福島には怒りを持った母親たちがいっぱいいる。そういう人たちと本当につながってほしい」という力強い発言で締めくくりました。
千葉県内医師が避難と保養の必要性を訴え、避難プロジェクト@ちばが1月保養プロジェクトへの参加を呼びかけ、ふくしま集団疎開裁判の11・26仙台高裁行動が報告されるなど、千葉からさまざまな形で福島につながろうという運動が始まっていることを感じさせる活発な集会でした。
ホットスポットを抱える千葉県でも、子どもたちの健康不安が寄せられ、ふくしま共同診療所開設に注目が集まっています。ちばアクションも、さまざまな形で寄せられた診療所建設基金を渡しました。今後も基金運動を広めていきたい。
LCC使った成田の24時間空港化許すな 東京 高村宏信
LCC(格安航空会社)は、関西空港では今年3月に、成田空港では7月に就航が開始されたようだ。成田では、14年度中に専用ターミナルの建設を目指しているという。最近の新聞に「ジェットスター・ジャパン(LCC)は遅延が重なり、制限時間までに成田へたどり着けず今月70便も欠航した。だから、門限見直し論議が行われている」という記事があった。欠航を避けるため、午後11時以降への運用時間延長を公然と求める、成田の24時間化に道を開く攻撃だ(成田の飛行制限は午前6時から午後11時)。分刻みの騒音公害を24時間まき散らすなど、絶対許せない。
LCCは、客室乗務員数もカット、経費をむりやり減らすことで従来の半分から3分の1といった低料金で運航する航空会社のことだ。徹底したコスト削減、もうけ優先、安全投げ捨て、非正規雇用推進のLCCは命より金もうけの典型だ。
最大の問題は安全性だ。LCCの「先達」アメリカのバリュージェット航空592便は、1996年に飛行中の機内の火災事故で墜落、乗員・乗客110人全員が犠牲になる大惨事を起こした。事故機は、機体が故障しながら修理を持ち越していた上、貨物室に酸素ボンベ144本を無許可で搭載、そこから火災が発生したという。恐るべき事態だ。JR尼崎事故や格安高速バスの事故、笹子トンネル天井崩落事故など、規制緩和の果て当然起きたことだ。
農地法で市東さんの農地を強奪し、欠陥の「へ」の字誘導路の直線化を狙い、LCC展開で成田の24時間飛行化、年間30万回化する攻撃を絶対に許してはならない。
生活保護全面改定で社会的弱者が犠牲に 東京 K
日本国憲法には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と記されています。
しかし、被生活保護者は、さまざまな正当〈一部の者は不当〉理由により職に就くことができず、自立もできないのです。正当理由で支給される生活扶助費は、あくまでも必要最低限の生活を送るために算定されたものであり、それをくつがえす理由もありません。
今年10月、財務省は、生活扶助費を大幅に減額すると同時に、医療費も本人の一部負担とする方針を固めました。その背景には、現在の日本経済に重くのしかかる未曽有の大不況があります。
被保護者の一人として、私の生活扶助費の使途を細かく説明します。
家賃5万3700円/光熱費9500円/たばこ(わかば)8千円/洗濯代2千円/健康補助食品2600円/雑費5千円、ほかに義理7千円/社交費約1万5千円〜2万円/食費約4万5千円。生活扶助費は月15万3千円(家賃込み)、出金15万3千円弱で毎月推移しています。
来年1月、財務省が被生活保護者に対する生活扶助費、医療費、ほかの具体的数値を全面改定することを、私は財務省への電話質問で告げられました。実施は13年4月とも伺いました。古今東西、何らかの災いが生じた場合、一番しわ寄せを受け犠牲者となるのは常に社会的弱者です。「弱い者いじめ」という悪しき歴史の繰り返しが現代に至るまで延々と行われ続けているとは……。
日本の現在の経済状態にかんがみ、生活扶助費の減額はごく少ない程度にとどめていただきたいと訴えます。
『序局』の闘いの話がともかくおもしろい 東京 新谷洋介
「新自由主義と対決する総合雑誌」を掲げる『序局』がますますおもしろい。第3号は、これまでに増して読み応えがある。何より、座談会やインタビューが中心になっているのが、読みやすくていい。
福島の人とNAZENの人が座談会で議論しているのは、とてもアクチュアルでためになる。福島がいかに切り捨てられ分断されてきているかが具体的に提起される。
ゴアレーベン反対同盟の3人の話は、ドイツの反原発運動の実態がよく分かるし、その先進的な闘いの地から日本に来て、福島や広島との連帯を語り、日本の運動が不屈に前進していることに率直な感動を語っていることに励まされる。
動労千葉の田中委員長のインタビューは、10月1日の外注化の前のものだが、2000年以来12年間の営々たる闘いがあって今日があるということがよく分かった。
国労九州地本の元書記長、手嶋浩一さんの話は、痛快きわまる。
20歳のころにヤクザと立ち回りを演じ、その教訓として「命をかけて覚悟を決めたとき、決断し切ったときに脚の震えが止まっていたというのは、何事も命がけで事に処すれば自ずと道が開かれることを体感したこととして、私の人生の大きな教訓となっている」というのは、手嶋さんのまさに原点だろう。国労の裏切りの歴史と、そこでの手嶋さんの階級的原則的な闘いが生々しく語られていて、心躍る。
多くの人に読んでもらいたいと心から思う。
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週刊『前進』(2565号6面2)(2012/12/17 )
全証拠開示大運動を推進し無実の星野同志を奪還しよう
11・23再審全国集会が大成功
無実の星野同志を奪還しよう11・23星野再審全国集会は、東京・北区の赤羽会館に640人が大結集して、感動的、歴史的な成功をかちとった。全証拠開示大運動の賛同人が次々と発言した第1部から再審弁護団が訴えた第3部まで、参加者と発言者が完全に一体になり、「全証拠開示大運動を爆発させて、星野文昭さんをとり戻そう」という、星野奪還闘争の新段階を圧倒的に切り開いた。
この勝利は第一に、2・5徳島刑務所包囲デモの画期的打ち抜きから始まった2012年の激動の一切をかけた大飛躍として闘いとったことだ。
われわれは、第1次、第2次再審闘争で、星野同志へのデッチあげ攻撃を全面的に暴いてきた。にもかかわらず東京高裁は3月30日に第2次再審請求を棄却した。この決定は、追い詰められ、ボロボロになりながらも、星野同志への無期攻撃は何がなんでも貫こうとする、むき出しの国家暴力そのものであった。この国家暴力を打ち破り、星野同志を奪還する道は、全証拠の開示にある。東京高裁・検察に全証拠を開示させるために、全社会的な大運動を展開する闘いを決断して、労働者人民の真っただ中に躍り込んでいった。
現在、全証拠開示大運動の賛同人は680人を超えた。弁護士の賛同は240人に上っている。11・23集会で発言された賛同人の方々は、証拠開示の闘いの必要性と正義性を鋭く提起し、星野同志の奪還を熱く訴えた。こうして全証拠開示大運動が、巨大な可能性と勝利の展望を示しながら、力強く始まったのだ。
第二に、大恐慌情勢が激しく進行する中、外注化阻止・非正規職撤廃を闘う階級的労働運動の不屈の前進を土台に、反原発闘争、オスプレイ配備反対・沖縄闘争、改憲阻止闘争など、新自由主義と対決する労働者階級人民の闘いが、いたる所で巻き起こっている。星野同志の不屈の闘いが、非正規職労働者の怒りや、福島・沖縄の怒りと結合を始めたのである。
星野同志は沖縄闘争を闘い、死刑求刑−無期懲役という階級的報復攻撃を受けながら、獄中38年を不屈・非転向で闘い抜いている。星野同志は、「すべての人間が人間らしく生きられる社会をつくろう」と渾身(こんしん)のメッセージを送っている。資本主義社会の根底的変革を訴え、その階級戦士として徳島刑務所で闘っているのである。
この星野同志への感動と共感、さらには無実の星野同志を38年間も閉じ込める国家権力への怒りが労働者階級人民の「生きさせろ!」という闘いと根底で結び付き、星野奪還闘争を階級決戦の前面に押し上げたのだ。
全国・全職場で星野署名を
2013年、全証拠開示大運動の巨大な爆発をかちとり、無実の星野同志を奪還しよう。
世界大恐慌は一層深化・拡大し、帝国主義間・大国間争闘戦が激化し、世界戦争情勢が急速に煮詰まっている。ブルジョアジーは一切の矛盾を労働者階級人民に転嫁し、延命をはかっている。
全世界に「生きさせろ」という怒りがあふれている。まさに革命的情勢の到来だ。
だからこそ党と労働組合の一体的前進を力に、労働運動・労働組合をよみがえらせることこそが、新自由主義を打ち破り、労働者階級の勝利を切り開くのだ。
階級的労働運動が星野闘争を前進させ、同時に星野闘争が階級的労働運動を前進させるという絶好の情勢だ。
星野奪還・全証拠開示大運動に打って出よう。その闘いは、必ずや労働者人民の心をとらえて大爆発する。
全証拠開示大運動は、第一に星野同志を奪還する闘いである。星野同志は無実だ。無実の証拠は間違いなく検事が持っている。第二に国家権力・司法反動・改憲攻撃との真っ向からの闘いだ。新自由主義の破綻の中で、無実の証拠を隠し検察と一体でデッチあげを平気でやる裁判所のあり方が暴かれ、裁判所・司法権力の治安弾圧機関としての本質がむき出しになっている。正義も真実も人権も投げ捨て、ブルジョア支配体制の延命のために汲々(きゅうきゅう)としている裁判所の破綻性は明らかだ。
全証拠開示を求める署名を全国で闘いとろう。労働組合へ、あらゆる人びとの中へ分け入ろう。そして徹底的に東京高裁を攻め抜こう。
全国に救援会を結成し星野奪還闘争の巨大な発展を切り開こう。星野同志を必ず奪還しよう。
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週刊『前進』(2565号6面3)(2012/12/17 )
星野面会・手紙国賠 国の責任を徹底追及
“再審請求の妨害許さぬ”
12月7日、星野文昭同志の面会・手紙国家賠償請求訴訟の第5回裁判が東京地裁民事第38部(定塚誠裁判長)で開かれた。原告である星野暁子さん、金山克巳同志が出廷し、被告・国を徹底的に追及した。終了後、星野再審連絡会議の仲間たちは裁判所前で宣伝を行い、全証拠開示・再審開始を訴えた。
被告・国は「準備書面(3)」を提出した。しかし、その内容は、原告が追及してきた問題にまったく答えていない。西村正治弁護士が、原告「準備書面(4)」を年明けに提出して、徳島刑務所と国の責任を追及することを明らかにした。続いて、金山同志が「陳述書」を読み上げて、徳島刑務所を弾劾した。
原告が追及してきたのは、まず第一に、星野文昭同志は無期懲役受刑中という困難の中で再審請求を行っているのであり、その訴訟権や外部交通権をどう保証するのかという問題である。これは、本件裁判の核心問題だ。
第二は、2・5徳島刑務所デモに対する報復は許されないということである。
「準備書面(3)」は、これらについて一切答えていない上、徳島刑務所は「処遇法」が定めている1カ月2回以上の面会を実施する体制を備えていないことを明らかにした。
これらを追及する金山同志に対して、定塚裁判長は「内容にわたることは代理人を通して主張するように」と朗読の打ち切りを宣言し、「閉廷」の宣告もせずに法廷から逃げ出した。この姿に傍聴席は怒りの声で満ちあふれた。
裁判終了後、裁判所前で全証拠の開示を求める闘いへの賛同を訴えて、ビラをまき、マイクでアピールした。東京高裁に対して、「全証拠を開示しろ。再審を開始しろ」とシュプレヒコールをたたきつけ、この日の闘いを終えた。
面会・手紙国賠は、星野同志の健康と権利を守る重大な闘いだ。裁判の傍聴に結集し、星野同志との自由な面会をかちとろう。
次回は2月1日(金)午後1時半から705号法廷で行われる。
(写真 裁判終了後、東京地裁前で全証拠開示を求め情宣。道行く人びとが次々と署名【12月7日】)
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週刊『前進』(2565号6面4)(2012/12/17 )
獄中3同志に年賀状を
獄中38年の星野文昭同志(徳島刑務所)、5月に下獄して闘う福嶋昌男同志(府中刑務所)、来年3月19日に出獄する中山崇志同志(山口刑務所)に、年賀状を出そう!
☆星野文昭同志
徳島市入田町大久200−1
〒779−3133
☆福嶋昌男同志
府中市晴見町4−10
〒183−8523
☆中山崇志同志
山口市松美町3−75
〒753−8525
刑務所名は必要ありません。
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週刊『前進』(2565号6面5)(2012/12/17 )
FumiAkikoカレンダー2013
見開きA3判、フルカラー/1200円(5部以上は1部1000円)、送料実費。
(注文先)星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議(東京都港区新橋2-8-16石田ビル4階)。前進社でも扱います。
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週刊『前進』(2565号6面6)(2012/12/17 )
牛久入管の診療拒否で難民Aさんが緊急入院
牛久入管収容所問題を考える会 田中喜美子(寄稿)
外国人に対し、国家意志を強制する施設としての入管収容施設、東日本入国管理センター(茨城県牛久市。以下牛久入管)で重大な問題が起きています。スリランカ人難民申請者Aさん(41歳・男性)の身に起きたことは、現在の入管政策・牛久収容所の問題点を映し出しました。
彼は11月22日の仮放免後に緊急入院し、全身浮腫・心不全でICU(集中治療室)で治療する事態に追い込まれました。
Aさんは、昨年10月に品川入管に収容され、今年5月に牛久入管に移送され、収容され続けていました。今年9月にひざ下に浮腫が現れ、体調不良を職員に訴え、何度も入管内医師に診療を求める申請書を出しましたがなかなか診てもらえません。10月1日に初めて入管の医師が診察、尿検査・血液検査をしたが、「何もない」と言われ薬も出ません。その後も激しい痛みは治まらず、10月11日に再度入管内医師の診察を受けるが、「何の問題もないので足の上下にお湯の入ったペットボトルを置き暖めなさい」の指示のみ。何の改善もなく足の腫れは膝上まで広がりました。その後も全身に痛みが続き、入管内医師の診療を受けるも「何の問題もないから薬はいらない。あまり水を飲まないように」と言われました。
10月30日に入管内医師が「外部病院診察の指示」を出しましたが実現せず、11月12日に激しい痛みに耐えきれず訴えたところ、看護師に「外の病院はいつ行くか分からない。運動しなさい。エクササイズ、マッサージ、マッサージ」と言われ、本人も一生懸命運動・マッサージをしました。
11月20日にやっと外部病院診察が実現。尿検査、レントゲン撮影、痛み止めの薬が処方されましたが、診察の結果は本人には伝えられませんでした。直後の11月22日に仮放免。足がむくみ靴は履けず、スリッパで友人の肩を借りてやっと歩ける状態。26日、品川入管に仮放免後の手続きに出頭。その夜に緊急入院!
AさんがICUに入院した責任を誰が取るのでしょうか。許せません。少なくとも入管には病気治療のための特定ビザを出させたい。
(写真 「難民に人生を!」と訴えて開かれた牛久の会活動報告会で発言する田中喜美子さん【12月2日 つくば市】)
収容が病気をつくり悪化させる
牛久入管では、あまり評判の良くなかった常勤医師がこの春に辞め、交代制で医師が来ています。そもそも牛久入管は、退去強制令書が発付された外国人を「帰国までの一時的船待ち場」として収容する施設であり、本来長期収容を想定していません。しかしながら、難民や、家族が日本にいる、帰国を拒む人々が長期収容を余儀なくされています。
1人あたりの収容スペースは2畳程度、定員5人、10人の狭い居室にさまざまな国、民族、宗教、事情を抱えた人たちが収容されています。居室の鍵が開き、共用スペースの廊下に出られるのは運動時間約30〜40分を含め1日の内5時間半しかありません。さまざまなストレスを抱え込み入管の収容そのものが病気をつくり、悪化させます。
所持金の有無も含め、よほどの重病だと入管内医師が診断しなければ、外部病院に連れては行きません。しかも病院に行く時は腰縄手錠付きです。医師の前でも外しません。プライドはズタズタにされ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する方もいます。Aさんは、品川に7カ月、牛久に5カ月、1年2カ月の長期収容です。入管への収容がAさんを病気にしたのです。
生き抜く彼らに共感し面会継続
現在、牛久入管では面会事情が非常に悪化しています。外注化と人員削減が進み、面会担当の係官も不慣れで不親切になっています。私たちのような面会ボランティアは後回しにされていると感じます。そのことで、面会を希望する被収容者の便宜が著しく阻害されています。
Aさんには、牛久に移送された5月以降、面会申し込みをしていましたが、「そういう人はいません」と言われ、面会できたのは10月になって、彼の健康状態が悪化してからです。面会を保障するように当局への申し入れ・交渉を粘り強く続けています。
牛久入管からの仮放免がなかなか許可されない原因の一つに、保証人が見つからない、住む場所が見つからない等々があります。7月の在留カード制導入後、非正規滞在者や仮放免者は住むところ、仕事がなくなり、保証人の引き受け手を探すのも困難になっています。難民支援協会の発表で、50人以上がホームレス化していると言われています。この寒空に何ということでしょう。何が途上国支援ですか! 何がODA(政府開発援助)ですか! ビザ発行はもちろんですが、少なくとも仕事をする権利を認めさせましょう。
大恐慌下、非正規滞在者、仮放免中の難民申請者の居場所が奪われ、ますます劣悪な労働現場へ放り出されています。それでも、この地で未来のために必死で生き抜いています。私たちは、この生き抜く力への共感を持って牛久で面会活動を続けていきます。
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