ZENSHIN 2012/12/10(No2564 p06)
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週刊『前進』(2564号1面1)(2012/12/10 )
原発即時廃炉へ大運動を
戦争・改憲と労組破壊を叫ぶ安倍・野田・石原・橋下を倒せ
青年・学生と労組が先頭で闘おう
12・16衆院選は、労働者階級人民の怒りに追いつめられた支配階級による巻き返しをかけた階級戦争の正体をますますあらわにしている。この中でしかし、今秋外注化阻止決戦の歴史的地平を引き継ぐ階級的労働運動の前進が次々と闘いとられている。原発再稼働と改憲・戦争に一切をかけて突進する支配階級と全面対決し、全原発即時廃炉、改憲阻止、外注化阻止・非正規職撤廃、大量解雇阻止の闘いの大発展を切り開く時が来た。闘う労働組合の再生と労働者階級自身の手による革命的労働者党の建設をやりぬこう。12月の激闘を全力で闘い、歴史を決する2013年の決戦へ突き進もう。
対北朝鮮の臨戦態勢弾劾
12・16衆院選は、世界大恐慌の深化と3・11情勢のもとで支配階級が破綻と崩壊のふちからしかけた階級戦争である。しかしそれは同時に、新自由主義と必死に闘った2012年の労働者階級人民の力が野田政権を打倒した中での、支配階級のあがきである。野田打倒に至る闘いの核心は、10・1JR外注化阻止決戦の爆発、11・4労働者集会への渾身(こんしん)の決起だ。
衆院選過程は、世界大恐慌とそのもとでの帝国主義間・大国間の争闘戦に追いつめられ破綻した日帝ブルジョアジー=支配階級と、労働者階級との死活をかけた階級的激突、階級決戦の過程である。民営化・外注化・非正規職化、原発再稼働、TPP(環太平洋経済連携協定)、消費増税、改憲・戦争の攻撃に突き進む日帝ブルジョアジーと、労働者階級人民の間には、どんな妥協も成立する余地がない。両者は絶対非和解だ。
日帝野田政権は、北朝鮮スターリン主義の人工衛星ロケット・弾道ミサイル発射実験予告に対し、自衛隊に破壊措置命令を発し、沖縄にPAC3(地対空誘導弾パトリオット)を配備、臨戦態勢に突入した。日米韓で国連安保理に対北朝鮮制裁強化決議案を提出することも決めた。北朝鮮スターリン主義の反人民的な核武装化政策に付け込み、排外主義を扇動して人民動員を図り、侵略戦争準備を公然と進める日米の帝国主義と全政党を打倒しよう。
同時に日帝支配階級は、労働者人民の怒りと闘いを選挙と議会の枠内に押し込み、闘いの発展を圧殺しようと必死になっている。そのためならどんなうそもペテンも平気で口にし、まやかしの「脱原発」さえ掲げている。その一方で、今次衆院選をあわよくば原発再稼働と戦争・改憲攻撃の全面展開への突破口に転じようと全力を挙げている。その先頭に立っているのが自民党の安倍や日本維新の会の石原・橋下らの極右勢力だ。
国防軍、核武装の公言許すな
この間の安倍や石原の言動は絶対に許すことができない。安倍は、憲法9条を破棄して自衛隊を「国防軍」とすることを選挙公約として公然と打ち出した。中国などに対して領土略奪のための戦争をしかけることを想定し、そのために憲法の制約をすべて取り払う必要があるというのだ。また「輪転機をぐるぐる回して、日本銀行に無制限にお札を刷ってもらう」などと言い、日帝がかつて中国侵略戦争と第2次大戦の戦費調達のためにとった政策の復活さえも求めている。
さらに石原は、日本維新の会の代表に就任した直後の講演で、「今の世界の中で核を持っていない国は外交的に圧倒的に弱い」「核兵器に関するシミュレーションぐらいやったらいい」とまで言い放った。これは日帝の核武装に本格的に踏み込むという宣言であり、労働者人民への真っ向からの挑戦だ。
今や彼らは、日帝の陥った体制的危機を突破するには再び外に向かっての侵略戦争に乗り出すしかないと本気で考えている。原発推進・核燃料サイクル推進もこれと完全に一体である。だからこそ、闘う労働組合の破壊や福島現地の闘いの圧殺、労働者階級への階級戦争にますます一切をかけて突き進んでいる。
民主党の野田も、その点では安倍や石原・橋下らと基本的に同じだ。原発推進であり、戦争・改憲そのものである。ただ連合の労働者支配を通じてその目的を貫徹しようとするところから、一層ペテン的な装いをこらしているにすぎない。みんなの党など他の諸政党もすべて同様だ。
日本共産党や社民党などの体制内野党は、支配階級のこうした恐るべき動きと対決するどころか一層の屈服を深めている。「脱原発」や「卒原発」などの言葉が飛び交っているが、そのどれもが実際には「即時廃炉」を否定し、再稼働を「やむなし」と容認していくものでしかない。とりわけ日本共産党の原発反対はインチキだ。「原子力の平和利用」を一貫して賛美し、日帝の原発推進を裏で支えてきたのが共産党である。その歴史を偽造して、票集めのためにのみ「廃炉」を口にするなど許されない。
こんなやつらの「命より金」の政治や口先だけの政治はもうごめんだ! ブルジョア議会制度の全体がこの腐敗にまみれていることをはっきりさせよう。労働者階級が掲げるスローガンは「全原発の即時廃炉」と「1%が99%を支配する社会の転覆」である。この立場から全政党のうそとペテンを徹底的に暴き、断罪して闘おう。とりわけこの衆院選を原発推進と改憲・戦争への転換点にしようと必死にあがく極右勢力を、労働者階級の巨大な怒りの爆発によってぶっ飛ばそう。
外注化阻止決戦の第2ラウンドに突入した階級的労働運動の白熱的前進と、「フクシマの怒り」と結合した首相官邸前行動の不屈の継続を軸とする反原発闘争の発展こそが、その原動力だ。とりわけ反原発闘争は正念場を迎えている。「原発からの即時撤退、廃炉」を今こそ真っ向から掲げ、福島の子どもたちへの被曝強制を打ち破る闘いを展開しよう。NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)はその先頭に立とう。何よりも原水禁運動発祥の地である東京・杉並を、反原発・反核闘争の拠点としてよみがえらせる闘いに挑戦しよう。
労組再生し解雇と闘おう
大恐慌の進行は、今日ついに帝国主義間・大国間の激烈な争闘戦、大独占体間のつぶしあい、世界経済・世界市場の収縮化・分裂化・ブロック化の過程に突入している。帝国主義の戦争衝動が激烈に高まっている。
国際争闘戦のすさまじい圧力を受けて電機などの基幹産業で正社員の労働者が次々と解雇され、路頭にほうり出される時代が始まりつつある。大独占体は大恐慌の中でつぶれていたはずなのに、政府に救済されて生き残り、巨額のマネーの氾濫(はんらん)でぼろもうけした。その上でさらに大量解雇と外注化・非正規職化を強行して、労働者をどん底に追い込んで生き延びようとしている。
もはや本当に団結して闘わなければ殺される。しかし10・1外注化阻止の国鉄決戦が示したように、労働者が職場から団結して闘いぬけば、必ず勝利への道は切り開かれる。すでに〈国家と議会〉に対する幻想は完全に吹き飛んでいる。
「労働者が生きるためには、職場と社会の権力を労働者がとるべき情勢に突入したといっても過言ではないと思います。全世界の労働者が権力をとった瞬間から、労働者が労働者らしく人間らしい世の中に生まれ変わらせることができます。私たち労働者はけっしてみすぼらしい存在ではありません。堂々と胸を張って、誇り高く団結して闘って生き抜こう」(12・1集会での鈴木コンクリート工業分会の訴え)
階級的労働運動をとことん発展させ、労働組合をよみがえらせ、新自由主義と闘って闘って、日本と世界の未来を自ら決定していくこと――すべての労働者人民が生きる道はここにある。
国鉄と反原発で勝利しよう
決戦場は職場生産点であり、キャンパス、街頭にある。外注化阻止の第2ラウンドに突入した国鉄決戦はその最大の戦場だ。ここで絶対に勝利しよう。4大産別を始めあらゆる職場で外注化・非正規職化と闘おう。
12・14〜16の福島を先頭とする反原発決戦の巨大な発展を切り開こう。日本政府と国際原子力機関(IAEA)の福島閣僚会議を粉砕しよう。この会議は国際的な圧力で米帝の核独占と日帝の核・原発政策を維持・推進し、福島の怒りを圧殺するために行われようとしている。反原発闘争への国際帝国主義の凶暴な攻撃、反動的な挑戦だ。さらに全国各地にNAZENを結成して闘おう。
12・12国労闘争団(員)組合員籍奪還裁判闘争を闘い、12・17動労千葉鉄建公団訴訟控訴審に総力で結集しよう。衆院選情勢に『前進』で勝負し、恒常的な機関紙配布網を建設し、すべての闘いを冬期財政決戦の勝利に結実させ闘おう。
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週刊『前進』(2564号1面2)(2012/12/10 )
鈴コン解雇撤回1カ年決起集会 “非正規の団結拡大を”
全国キャラバン出発を宣言
(写真 鈴コン分会員が解雇撤回と非正規職撤廃の闘いを報告し、勝利への決意を表明。組合員拡大と全国キャラバン出発を宣言した【12月1日 東京・豊島区民センター】)
突き抜けるような明るさを爆発させ、爆笑の次の瞬間、深い確信になる。あっと言う間の2時間余りに感じたという参加者もいた。12月1日、「解雇撤回・非正規職撤廃 鈴コン闘争勝利へ 解雇1カ年決起集会」が東京・豊島区民センターをあふれさせる185人の参加でかちとられた。
鈴木コンクリート工業分会と、7月15日に結成された鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議は、昨年11月からの組合つぶしの解雇攻撃にうちかち、団結と共闘の輪を着実に広げて集会に臨んだ。
解雇当該の鈴コン分会三役と職場に残って闘う組合員が「鈴コン分会の報告と訴え」と決意表明を行った。▽国鉄闘争、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは全国・全世界の労働者の共通の闘いである▽大失業の本格化は団結して闘うことで新自由主義を倒せる時代が来たことを示している▽職場と社会を変える力は自分たち労働者の中にある――と胸を張って提示した。
支援・連帯共闘会議の呼びかけ人からは代表の花輪不二男さん(世田谷地区労顧問)が主催者あいさつ。全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部の高英男副委員長からの戦闘的なメッセージの紹介。呼びかけ人はみな「これは自分たち自身の闘いだ」と異口同音に言う。団結の力だ。
動労千葉の繁沢敬一副委員長と動労水戸の石井真一委員長は連帯のあいさつで外注化阻止決戦の第2段階の大攻防をリアルに報告した。この1年の外注化阻止・非正規職撤廃の大決戦への突入と、三労組共闘、11月労働者集会と一体のものとして鈴コン集会があることが示された。
弁護団の木下徹郎弁護士、藤田正人弁護士は、鈴コン解雇撤回裁判の仮処分段階の2回の勝利決定は1年間の闘いの前進、現場攻防の力を示していると語った。
集会前に板橋区で社前闘争(記事3面)が敢行されたことが報告された。社前闘争は「労働者を解雇したら痛い目にあうこと、高くつくこと」を鈴コン資本に思い知らせたに違いない。
首都圏7組合が連帯の報告
共闘会議事務局は、裁判支援の団体署名が150を超え、共闘会議会員も目標に向かって半年で大きく前進しており、さらに職場・地域で拡大しようと訴えた。
支援・連帯共闘会議に加わった首都圏の7組合が衝撃的に登場した。「連帯してたたかう職場から」の闘争報告で7組合の労働者が次々と発言した。生の労働者の姿と熱意、あふれるばかりの闘う気概――。鈴コン支援・連帯共闘会議の運動の真骨頂が示された。会場の一体感は尋常ではない。鈴コン分会のような闘いはどんな職場でも必ずできると瞬間的に確信がわいてくる。
郵政非正規ユニオンをはじめ精研労組、さいたまユニオン行田分会、東京西部ユニオンアメリカンアパレル分会、この数カ月の間に、あるいは先月、闘いに決起した労働者が次々と登場。正社員の非正規化、デタラメな解雇、職場閉鎖、賃下げなどなど労働者が生きていけない理不尽な攻撃に対して、泣き言を言うのではなく「ふざけるな」と堂々と立つ。暗さは微塵(みじん)もない。労働者の団結だけが武器だ。首都圏の職場生産点全体、電機・自動車など全産業の膨大な労働者の怒りのマグマの一端が見える。「俺たちは奴隷じゃない」と徹底して闘う鈴コン分会の闘いが新たな仲間を引きつけている。
労働者はどんな時代に生きているのか、核心は何なのかをつかんだら立ち上がる。鈴コン分会の「解雇撤回・非正規職撤廃」「地域・産別・ナショナルセンターの枠を越えて闘う労働者の団結を」「非正規職撤廃は正規ももちろん全労働者の課題」「職場で徹底して闘い労働組合をよみがえらせてこの社会を変えよう」「本当の労働者の党をつくろう」の訴えは必ず広がる。勝つ道を示している。支援・連帯の輪は安倍・野田・石原・橋下を根底から打ち倒す階級的労働運動を鍛え育てている。
鈴コン分会と共闘会議は来春闘へ全国キャラバンに出ると宣言した。動労千葉のように闘おう! 鈴コン分会のように闘おう! 誰でもどこでも闘える。堂々と胸を張り、誇り高く団結して勝利の2013年へ突き進もう!
(投稿/東京西部ユニオン Y・K)
(写真 全員でインターナショナルを斉唱し団結を固めた) ---------------------------------------------------
週刊『前進』(2564号1面3)(2012/12/10 )
前進速報版から
▼放射性廃棄物処分場反対!矢板市民集会に8千人▼広島で「内部被曝を考える」講演会▼総選挙の欺瞞を弾劾し11・30官邸前行動
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週刊『前進』(2564号1面4)(2012/12/10 )
【要項】「福島閣僚会議」抗議アクション、12・15さようなら原発世界大集会
「福島閣僚会議」抗議アクション
私たちを抜きに、福島のことを決めるな!
12月14日(金)午後1時30分 福島県庁申し入れ&スピーチ/
2時 かんしょ踊り/3時 オープニングデモ行進(福島市)
12月15日(土)
郡山市・ビッグパレットふくしま(閣僚会議会場)包囲行動
午前7時集合、午後2時解散
歌、ダイイン、リレートーク、かんしょ踊り、ヴィジー(無言の監視)等
午後6時 交流会(会場は郡山駅前・ビッグアイ)
12月16日(日)午後6時から 交流会 (会場はビッグアイ)
呼びかけ 原発いらない福島の女たち
12・15さようなら原発世界大集会
12月15日(土)午後1時
東京・日比谷野外音楽堂(12時40分からオープニング音楽演奏会)
2時30分 「Nuclear Free Now 世界大行進」
主催 Nuclear Free Now 実行委員会
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週刊『前進』(2564号2面1)(2012/12/10 )
外注化阻止決戦の第2段階を新自由主義の打倒かけ闘おう
JR東「経営構想」との全面対決へ
革共同国鉄委員会
11・4全国労働者総決起集会は、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを第2ステージに押し上げた。日・韓・米・独の労働者を束ねての国際連帯集会としても実現された11・4集会は、外注化・非正規職化との闘いが国境を超えた労働者階級の普遍的な課題であることも鮮明にした。最末期帝国主義の破綻的延命策としてある新自由主義との対決軸は、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いだ。新自由主義との闘いは、敵階級の凶暴な攻撃に対する即時的な防衛戦ではなく、絶望的破綻を深める帝国主義に対する積極的・攻勢的な闘いだ。ここにはプロレタリア世界革命の成否がかかっている。
党と階級の団結打ち固め革命の成否かけた決戦へ
JR東日本による10月1日の検査・修繕部門の外注化に対し、動労千葉・動労水戸(動労総連合)は全力で闘いに決起した。40人の被解雇者を抱えた動労千葉は、今回の外注化で新たに四十数人を強制出向に出されながら、必死に団結を維持してきた。これは並大抵のことではない。動労千葉に結集した組合員は、人生をかけて動労千葉を選択し、その団結に自己のすべてを託している。こうした身を切るような闘いの中で、外注化阻止の闘いを階級決戦に押し上げてきたのである。
われわれは、訪れた決戦情勢に立ち向かう存在として敢然と立っている。しかし、いまだに壁を突き抜けてはいないことも見据えなければならない。われわれに問われている核心問題は、党として外注化阻止決戦に一切をかけるということであり、そこでの揺るぎない党的一致を確立することだ。
自分の所属する労働組合が国労であろうと動労総連合であろうと、外注化阻止決戦を階級決戦としてとらえ、実践に着手することが必要なのである。そうしてこそ、自己を階級として打ち立たせることができる。この点でまだわれわれは、あいまいさを残していた。
しかし、外注化阻止の闘いは資本主義=帝国主義を打倒するまでやむことのない闘いだ。まさに「国家と革命」がストレートに問われるテーマなのである。今日の情勢の中では、あいまいであることは労働者階級の敵対物にすら転じかねない。もはや、一切のあいまいさは許されない。
外注化によって敵階級が狙っているのは、JR本体に残された労働者と強制出向を強いられた労働者を、徹底して分断することだ。制服が違うというだけではない。これまで共同して行っていた業務を恣意(しい)的に分割することで、仕事に対する責任感に裏打ちされた労働者としての誇りをとことんまで奪おうとするのが外注化攻撃だ。
これを打ち破るのは、資本との共同の闘いを貫くことで階級的団結を取り戻すことである。その一切の前提は、階級の最前線で闘う党の団結にほかならない。日本労働運動全体に責任をとる責任党派として登場するために何よりも必要なのはこのことだ。
4・9反革命を完全粉砕し責任勢力として躍り出る
外注化阻止決戦は、労働運動総体に対する解体攻撃として強行された2010年の4・9政治和解の反革命を根本的に粉砕する闘いだ。
4・9反革命は、国労運動を歴史的に終焉(しゅうえん)させるための大攻撃だった。それ以降、和解路線で全面的に屈服した国労は、もはやかつての国鉄労働組合とは異なる。職場から資本と闘い、労働組合を一から組織し直す構えと実践なしに、国労を労働組合として立て直すことはできない。
4・9反革命に対し、国鉄分割・民営化反対闘争の貫徹・継続をかけて国鉄闘争全国運動が結成された。外注化阻止決戦の第2ラウンドへの突入は、国鉄分割・民営化に決着をつける責任勢力としてわれわれが真に登場することを求めている。
JRの外注化攻撃は、資本と結託したJR総連カクマルの裏切りだけでなく、国労幹部の裏切りを決定的なテコとして強行されてきた。国労本部が2000年5月に4党合意を受け入れて1047名解雇撤回闘争の自己解体に走るや、JR東日本は同年11月に「ニューフロンティア21」を打ち出し、設備部門の外注化を軸とする“第2の分割・民営化”とも言える大合理化攻撃に着手した。これをことごとく容認し、率先推進してきたのが国労幹部だ。彼らは00年3月に「シニア雇用に関する協定」を結んだのを始め、「グループ一体となった業務体制の構築(運輸車両関係)に関する協定」や「設備部門におけるメンテナンス体制の再構築に関する協定」で、労働組合として合理化を推進すると資本に誓った。
こうした裏切りは、4・9政治和解後、一挙に加速した。国労東日本本部は今年2月、新人事・賃金制度について妥結し、10月23日には「総合労働協約」を締結した。しかも締結時期を10月1日にさかのぼるとしている。これは、検修外注化を国労として認めたことを示すために、あえてとられた措置だ。
われわれは4党合意以来の国労本部の裏切りに対し全力で闘ってきた。この過程で02年5・27臨大闘争弾圧が加えられ、これとの闘いの中でわれわれは自らの路線と階級性を守るために4者・4団体派との激烈な闘争を貫いてきた。その攻防は、最高裁反動判決が振り下ろされてもなお解雇撤回闘争を闘いぬく和解絶対反対の闘争団も生み出した。こうした闘いが今日の決戦を決戦たらしめたことは間違いない。
だが、情勢はこの地平に立ち止まることを許さない。資本と対決する外注化阻止決戦に全力で立つという観点から、われわれの現実を徹底的に総括し、今、なすべきことを鮮明にしきることが必要なのである。
駅業務や運転部門に及ぶ全面外注化を狙うJR東
JR資本の側も今、反革命的な階級決戦を仕掛けている。それが、JR東日本の「グループ経営構想X」だ。その全内容は、新自由主義をとことん貫き、徹底した業務の外注化を強行するというものだ。外注化のターゲットにされているのは、10月1日に強行実施できなかった機動班や構内計画などの検修業務とともに、駅業務だ。
JRは15年度までに山手線全駅にホームドアを設置するという。これが実施されれば、ホーム要員が不要になるだけでなく、車掌を廃止してのワンマン運転や動力車乗務員制度の解体に必ず行き着く。外注化の対象は全領域にわたる。駅ナカビジネスのためのショッピングモール運営会社に、駅の施設も駅員も丸ごと移し替えてしまうことさえたくらまれている。
14年度開業予定の東北縦貫線計画は、大合理化と完全にセットだ。これが完成すれば、田端と品川の2カ所に車両基地を持つ必要はなくなる。JRは階級的労働運動の伝統的拠点であった田町車両センターを廃止し、国の「国際戦略総合特区」構想や東京都の「アジアヘッドクォーター特区」構想に乗って、国鉄から受け継いだ資産を国際金融資本に売り渡そうとたくらんでいる。
だが、「グループ経営構想」には、JR体制のさらなる破綻がはらまれている。JRが大々的に打ち出した鉄道のパッケージ輸出は、この大恐慌下においては、業務の全域にわたる外注化と徹底したコスト削減なしには成り立たない。
だが、そのしょっぱなで検修外注化阻止の闘いがたたきつけられたのだ。外注化攻撃は、JRの膨大な青年労働者に人生の選択を迫っている。外注化・非正規職化とは、人間社会を根本から破壊する攻撃だ。青年の一生は奪われ、事故多発で労働者の生命はとことん踏みにじられる。これと対決する闘いには、青年を圧倒的に獲得できる展望がある。
しかもJR資本は、運転部門に及ぶ大合理化・外注化に踏み込もうとしているのだ。資本はカクマルの裏切りを利用するだけ利用はするが、もはや結託体制を維持し続けようとはしていない。
この時に、青年を真に引きつけるのは、階級性を鮮明にさせた労働運動・労働組合だけだ。どんなに困難であろうと、うまずたゆまず青年労働者を階級的労働運動に組織する闘いに挑戦しよう。ここで勝利してこそ、プロレタリア革命を引き寄せることができるのだ。
階級に全責任をとる存在に
われわれはこの決戦に全責任をとらなければならない。一単組、一産別、一地区の観点からものを見るのではなく、日本労働運動全体に責任をとる立場に立ちきらなければ、外注化阻止決戦は闘えない。これは、国鉄委員会のメンバーが地区党建設に全責任をとることと完全に一体である。
11・4を闘いぬいて、革共同は「国鉄決戦の党」として自らを打ち立てた。国鉄戦線という階級攻防の火点に立つ者として、わが国鉄委員会はその最先頭で闘う。職場でたった1人であろうと、真剣に闘えば全体を獲得できる。課題は無数にあり、やれることは無限にある。国労郡山工場支部の闘いを先頭に、国労職場でも、偽装請負告発の闘いや労災責任徹底追及の闘いが始まっている。どんなに小さくても職場からの資本との闘いに挑戦し、一つでも二つでも勝利をもぎり取ることが重要なのだ。この実践を総括し、さらなる実践方針を打ち立てるサイクルを確立することによって、産別委員会は階級の指導部として飛躍することができる。
労働運動とはつまるところ、ともに闘う仲間をつくり出す闘いだ。国鉄戦線は常に激しい党派闘争の戦場だ。資本の手先と化した腐敗した労組幹部との闘いは、資本との闘い以上に厳しいとも言える。これに勝ちぬくためには、自らが先頭で資本と闘い、その闘いをともにする仲間を党の路線で獲得する以外にない。すなわち、党と労働組合の一体的建設に、真っ向から挑戦しなければならないのである。
動労千葉鉄建公団訴訟の6・29判決で、国鉄1047名解雇の不正義性はあらためて引きずり出された。社会を覆う大失業攻撃のただ中で、もう一度1047名解雇撤回の旗を押し立てよう。動労千葉物販と国労原告団物販を武器に、全労働者の中に分け入ろう。
2月のライフサイクル強制配転の攻撃や4月のさらなる外注化を阻止する決戦に打って出よう。この中で、動労千葉を支援する会と共に闘う国労の会の会員拡大を実現しよう。プロレタリア革命の成否はわれわれの双肩にかかっている。
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週刊『前進』(2564号2面2)(2012/12/10 )
笹子トンネルの事故弾劾
民営化・外注化による虐殺だ
12月2日の中央自動車道笹子(ささご)トンネル(山梨県大月市)の天井崩落事故は9人もの労働者人民が亡くなる大惨事となった。
事故原因は1dもあるコンクリート製天井板を固定するつり金具の接合部のボルトが抜け落ちたことだ。笹子トンネルは75年の完成以来、37年が経過しており老朽化が進んでいた。日本道路公団時代の00年の点検では、足場を組みボルト接合部をハンマーでたたいて異常を確認する打音検査を相当数行っていた。民営化(05年10月)前後の05年9月と12年の検査では行われていなかった。
そもそも、打音検査はベテランでも問題個所を見つけるのは難しいと言われ、コンクリートや金属劣化の検査には超音波や電磁波レーダーの照射検査が有効とされている。しかし、笹子トンネルの天井は高く、経費削減のため下からライトを当て双眼鏡でのぞく目視検査にとどめていた。
一切は営利優先 危険個所も放置
高速道路の保守管理業務に携わる労働者によると「他の会社はちゃんと打音検査をやっているかのように報道されているが、どこの会社もやっていない。しかも、トンネル内は排気ガスのススだらけで目視検査ではヒビ割れていても見えない。たまたま今回は中日本で起きたが、どこで起きてもおかしくない」と言う。また、点検を行っている下請け会社が危険個所を見つけ修理の必要性を指摘しても、親会社はほとんど却下する。通行止めによる大規模工事が発生し営業収入減に直結するからだ。すべてが営利優先、「命より金」なのだ。
笹子トンネルを月に何度も利用する労働者がマスコミのインタビューで「あのトンネルはとにかく漏水がひどかった。1年前まで壁面を水が流れる程度だったが最近では車のフロントガラスや屋根に滝のように落ちてくることもあった」と述べている。トンネルを管理する中日本高速道路(NEXCO中日本)が知らないはずがない。明らかに放置してきたのだ。
規制緩和で解体された点検基準
NEXCO中日本は、民営化後の06年4月に点検マニュアル「保全点検要領」を策定したが、天井板の点検について「目視による確認をするなどの配慮が必要」としただけで打音検査は明文化していない。
こうした事態を許したのは監督官庁の国土交通省だ。国交省は、保守管理の点検基準を設けるだけで、各社がどのような点検マニュアルを作成しているかすら確認しておらず、完成検査時の耐久性チェックも実施していなかった。完全に丸投げしていたのだ。
これは、資本の利潤追求を一切に優先した規制緩和の結果だ。2000年を前後して鉄道、タクシー・バス・トラック、航空など交通運輸全般で一気に進められた。鉄道においては国土交通省令改悪(03年3月施行)で国の関与を最小限にとどめ、鉄道事業者の自己責任を基本に規制が抜本的に緩和された。05年の尼崎事故、そして今年4月29日の関越自動車道ツアーバス事故もこの中で引き起こされた。事故は規制緩和と競争原理、民営化・外注化を軸とする新自由主義政策を満展開してきたブルジョアジーによる虐殺そのものだ。
道路公団民営化で安全投げ捨て
事故の根本原因は道路公団の民営化にある。道路公団の民営化は小泉純一郎が首相になった01年以降に強力に推進された。内閣府に民営化推進委員会が設置され、新日鉄名誉会長・今井敬や、当時のJR東日本会長・松田昌士、現在都知事に立候補している猪瀬直樹らが委員に就いた。05年10月に4公団が分割・民営化され6つの高速道路株式会社(東日本、中日本、西日本、首都、阪神、本四)になった。
NEXCO中日本は、20の子会社と14の関連会社を抱え、検査や保守などは下請け・孫請け会社にやらせ、低賃金の不安定雇用で労働者を酷使してきた。民営化後はパーキングエリアなどの事業から利益を上げようとし、高速道路の管理運営会社ではなくサービス産業のようになっている。JRが駅ナカビジネスに体重をかけているのと同じだ。直接には利益を生まない道路の検査や保全の費用は削られ、原発と同様の重層的な下請け構造のもと下請け・孫請け労働者の安全も命も徹底的に軽視され、道路利用者の安全も投げ捨てられてきたのだ。
膨大な社会資本が崩壊の危機に
コンクリート構造物の耐用年数は長くて50年と言われている。60年代から70年代に一挙に建設が進んだ高速道路やトンネル、橋梁(きょうりょう)、自治体の庁舎や学校・公民館、水道管やガス管なども含めた膨大な社会資本がいっせいに耐用の限界を迎える。更新には巨額の費用がかかる。放っておけば同様の事故が各地で次々と起きる。新自由主義政策のさらなる推進で延命をはかる日本帝国主義には、この問題を解決できない。
笹子トンネル事故は、帝国主義のもとでは労働者人民はもはや生きていけないことをあらためて突き出した。福島第一原発事故で、福島の子どもたちの集団疎開を認めず高放射線量下に放置し、避難した人たちの生活も保障しないままに日帝は原発の再稼働と建設再開を進めている。外注化と非正規職化で労働者は超低賃金に突き落とされ、年金も医療・福祉も教育もすべてが破壊されてきた。労働者階級人民が生きぬくために、今こそ革命が必要だ。
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週刊『前進』(2564号2面3)(2012/12/10 )
動労水戸 “出向者をJRに戻せ”
外注先とJRでともにスト
動労水戸は11月30日、10・1外注化後初めて、JRとMTS(水戸鉄道サービス)の双方でストライキに立ち上がった。
(写真 「違法企業JRを許さないぞ!」。水戸支社に怒りのコールをたたきつける組合員【11月30日 水戸市】)
MTSに業務遂行能力なし
JRは「外注化しても労働条件は変わらない」としてきたが、10月1日以降、現場ではさまざまな問題が噴出している。
動労水戸は10月30日、11月14日にMTSと団交を行い、外注化自体の撤回を求めるとともに、MTSでの労働条件や安全対策について追及した。
この中で、MTSの今後の経営計画やプロパー社員育成計画は今も白紙状態であることが明らかになった。今後、MTSが請け負った業務を自前でやっていくためには約80人のプロパー社員が必要だ。しかしプロパーの採用計画さえ「いま準備している最中」、育成計画や会社としての中期経営計画も「検討中」「出せない」という回答だ。
また、外注化後の現場の混乱について追及されるとMTSは「10月1日から業務を始めるにあたってはJRのバックアップが必要だった。自前でできる体制はつくっていきたい」と回答し、自前で業務遂行できる体制などまったくなかったことを自認した。設備の使用についても「JRからの無償貸与」と回答した。すべてをJRに頼りっぱなしのMTSの実態があらためて暴露された。
勝手に5千円の手当カット
30日朝からストに決起した組合員は水戸地裁に結集し午後からの裁判に臨んだ。
その後、市内の会場で総決起集会を開催した。
石井真一委員長は11・4労働者集会までの闘いを勝利的に総括するとともに今後の闘いの方向性を提起した。
石井委員長は「検修・構内外注化との闘いはこれからだ。MTSのプロパー採用計画はいまだ白紙、仮に採用され経験を積んだとしても技術認定試験を受けられるのは4年後だ。さしあたり出向期限は3年とされているが、そもそも成り立っていない。黙っていたら今後も次々と仲間が帰るあてのない出向に駆りたてられる」と述べた。
さらに「いまだ庁舎の仕切りもなければ、トイレ・風呂・休養室、光熱費さえ混同されたまま。年間休日が5日減らされ、JRでは取れた『半休』(年休を午前または午後の半日だけ取る)もMTSでは取れない。検修・構内作業をまったく理解していない作業責任者が配置されて現場は大混乱し、観光キャンペーンで水郡線をSLが走るのにMTS側とは打ち合わせもなかった。こんなことを続けていたら必ず大事故が起こる」と怒りを込めて語り、外注業務をJRに戻すこと、来年にも狙われている誘導業務外注化や、運転士のライフサイクル強制配転、駅業務外注化拡大との闘いを呼びかけた。
勝田車両センターでMTSに強制出向させられた組合員が「今日、MTSで初めてストに入った」と発言し拍手が沸いた。発言の中で、JRでは支給されていた「旅費」(出先での仕事に行った際に出る手当)が一方的にカットされていることが報告された。JRは「MTSには『旅費』規定がないから出ない」と居直っているという。1人あたり月に約5千円の賃金カットになる。
集会後、組合員はJR水戸支社に断固たる抗議の声を上げた。「外注化絶対反対! 出向者をJRに戻せ! JRは偽装請負をやめろ! 外注化推進の東労組を許さないぞ!」。寒風を吹き飛ばす力強いシュプレヒコールがたたきつけられた。
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週刊『前進』(2564号2面4)(2012/12/10 )
動労水戸損賠訴訟 言い逃れ許さない
組合差別の証拠突きつけ
動労水戸不当労働行為粉砕裁判の第5回口頭弁論が11月30日、水戸地裁民事第1部(脇博人裁判長)で開かれた。運転士登用差別事件での最高裁判決の完全履行、昇進差別・賃金差別による損害の賠償をJR東日本に求めた裁判だ。朝からストに決起した組合員を先頭に、家族会や支援、動労千葉組合員も駆けつけ傍聴席を埋めた。
原告代理人の松田生朗弁護士は「会社側の主張は最高裁での確定判決とまったく整合性がない。確定した救済命令は『運転士として勤務したら得られたであろう賃金』の全額を支払えというものだ」とあらためて会社側の姿勢を批判した。
JR東日本は「超過勤務手当、夜勤手当の差額分は支払い済み」と主張しているが、それは原告が車両職として検修職場で働いた実績に基づくもの(運転士職と車両職の賃金差額分のみ)だ。運転士として勤務したら実際にはより長時間の超勤や夜勤が発生する。会社は、水戸支社の運転士が実際に乗務した勤務時間数の平均データ提出を求められても一貫して拒み、ごまかそうとしてきた。組合側は、運転士である高野安雄組合員の過去の賃金明細、超勤・夜勤手当の一覧表を証拠として提出した。
また原告側は、昇進差別・賃金差別についても動労水戸結成以来の差別の実態を暴露する数々の証拠を提出した。
動労水戸は国鉄分割・民営化直前の86年11月、動労水戸地本青年部の23歳から29歳までの青年によって結成された。地本青年部時代からすさまじい解体攻撃を受け、民営化が強行された87年4月1日には辻川慎一委員長(当時)を含む執行部3氏が、いわき市内の職場などに強制配転された(その後、最高裁まで争い不当労働行為が確定)。その後も、そば屋や売店、ベンディングセンターなど09年まで22年間も不当配転が継続された。動労水戸は、このすべての攻撃に団結の力で打ち勝ち粉砕してきたのだ。
原告側は、3氏の強制配転をめぐる裁判資料、動労水戸組合員の強制配転年表、職場における差別的昇進試験の結果、主任職は東労組に偏っていることを明確に示した構内社員名簿など、有無を言わせぬ証拠を突きつけた。次回は2月15日午後1時25分から水戸地裁。
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週刊『前進』(2564号3面1)(2012/12/10 )
自治体労働運動の再生へ
外注化・非正規職化絶対反対貫き職場拠点建設進めよう
革共同自治体労働者委員会
2012年、10・1JR外注化阻止決戦と11・4労働者集会をかちとり、階級的労働運動は新たな段階に入った。国鉄決戦を先頭に全国・全産別・全職場で外注化阻止・非正規職撤廃決戦を闘って党と労働組合の一体的建設を推し進め、プロレタリア世界革命に向かおう。世界大恐慌の本格的爆発はこれからだ。戦争と大失業、職場丸ごと民営化・外注化、公務員全員解雇・総非正規職化の新自由主義攻撃に対する職場の怒りを総結集し、階級的団結の力で決戦の13年を闘い抜こう。
JR外注化阻止を闘って路線を確立
わが闘う自治体労働者は、11・4労働者集会をこれまでを画然と超える闘いの上にかちとった。
第一に、10・1JR外注化阻止決戦を自らの決戦として闘い、これとひとつのものとして職場での闘いに突入し、〈外注化阻止・非正規職撤廃〉の闘いの路線を打ち立てたことである。
JR全面外注化攻撃とは何か。それは資本主義の最後の延命策であり、国鉄分割・民営化以来の全攻撃の上に、労働者からすべてを奪いつくす究極の攻撃である。JR外注化阻止こそ全労働者の全面的・普遍的な決戦課題なのである。
JR外注化攻撃は、個々の資本の利潤追求というレベルを超え、労働者を分断し、労働者の連帯と共同性を破壊し尽くし、資本の奴隷へと突き落とす攻撃である。安全が崩壊し社会がどうなろうと構わない。資本は人間である労働者を「工場法」以前の奴隷状態にたたき込み、その抵抗を最後的に絶滅させようとしている。ここに新自由主義攻撃の柱である外注化・非正規職化の核心がある。
しかしそれは労働者が闘わないことを前提にして成り立っているに過ぎない。労働者が団結して闘えば新自由主義攻撃を必ず破産させ粉砕することができる。この点こそ新自由主義の本質的破産性である。それを実証したのが動労千葉の反合理化・運転保安闘争路線であり、10・1外注化・強制出向攻撃を根底で打ち破った闘いだった。動労千葉・動労総連合の闘いは、労働組合が新自由主義と闘い勝利する道を鮮明に指し示した。
〈外注化阻止・非正規職撤廃〉の闘いは、全産別・全労働組合の共同・共通の闘いだ。闘う自治体労働者は、10・1JR全面外注化攻撃に対して、自らの職場生産点での死闘と一体で闘い抜いたのである。
復興特区、大阪橋下との対決を貫いて
第二に、10・1外注化阻止決戦の上に11・4労働者集会を〈組織拡大大会〉と位置づけ、全国で拠点建設・組織拡大に圧倒的に踏み込んだことである。
全国の自治体労働者は被災地・仙台における復興特区攻撃との死闘と、8月末自治労函館大会闘争、9・16大阪・橋下打倒闘争を跳躍台に、全国の職場で闘いを繰り広げた。
新自由主義を全面化する公務員全員解雇・10割非正規職化(=道州制)の歴史的攻撃に職場生産点から立ち向かって、闘う労働組合をよみがえらせ、連合支配を打ち倒す闘いに全力で決起した。これと一体で、職場に強固な党細胞を建設する闘いに踏み込んでいった。
職場生産点こそ
われわれ以外の全党派・政治潮流が、新自由主義との最大の激突点である職場生産点での闘いから逃げ、反原発、沖縄、反戦のポーズでごまかそうとしている。しかし大恐慌と3・11大震災の情勢下で帝国主義が新自由主義攻撃を一層激化させ、階級戦争を全面化させる中では、どんなペテンも通用しない。われわれは最も困難な職場生産点から闘いを組織する実践を開始したのだ。これが国鉄闘争解体を狙った一昨年の4・9政治和解攻撃を根底から打ち破る闘いだったのである。
職場丸ごと民営化・外注化・非正規職化攻撃に絶対反対を貫き、階級的団結を総括軸に闘う中でつかんでいったものは決定的であった。
仙台市職労においては復興特区攻撃との正面からの激突として、極限まで人員削減された職場で通常業務に加えて膨大な復興業務を課せられ、「労働者の9割がストレスを感じ、5割が抑うつ状態に」追い込まれている現実に立ち向かった。組合活動家の強制配転と過重・超長時間労働の強制で、会議の設定すら困難にさせる組織破壊に対して、それ自体が攻撃であることを明確にさせ、正規・非正規の分断を打ち破り、労働組合の団結をよみがえらせる闘いを貫いてきたのである。
大阪市職においては、橋下徹市長の不当極まる団結破壊・処分攻撃に対して労働組合の再生をかけて断固たる闘いに突入した。橋下の足元を揺るがす市庁舎前での9・16橋下打倒集会は、公務員攻撃に立ち向かう全国の闘いの号砲となった。新自由主義に対して労働者は屈しない。決然と闘いに立つことで現場の怒りを燃え上げらせることができることを身をもって示したのである。
神奈川においても、今年4月、横浜市当局による区役所生活保護課窓口への警察OB配置攻撃に対して、現場の労働者は「警察OB配置絶対反対、警察OBではなくケースワーカーの増員を」を掲げ、労働者の誇りをもって闘う団結をよみがえらせ、労組中央本部の裏切りを許さない職場を挙げた闘いをやりぬいて窓口配置を阻止した。このことは決定的であった。
全国の自治体で警察OBの窓口配置が次々と進められているなかで、政令市で公然と火の手を上げ、〈ランク&ファイル〉による職場からの絶対反対の闘いとして勝利したのである。重要なことはこの闘いが正規・非正規の分断を打ち破り、労働組合再生の道を切り開きつつあることだ。
税務一元化阻止
横浜市当局は「効率的な執行体制」「納税者の利便性の向上」を掲げ、来年4月に横浜市の18区役所の納税業務の大半を集約し、9月に開設する納税事務処理センター(仮称)へ移管する攻撃を強行しようとしている。その目的は人員削減・労組破壊であり、全面外注化・非正規職化への布石にほかならない。神奈川・黒岩祐治県知事が進める神奈川臨調・全面民営化と一体の攻撃だ。
これに対し、闘う自治体労働者は組合定期大会会場でのビラ配布をもって断固として反対の声を上げ、闘いを開始した。
区役所税務課ではこの間、市民税特別徴収業務、法人市民税業務、償却資産業務などが移管され、人員削減が強行されてきた。これ以上の削減は絶対に認められない。
にもかかわらず市当局は11月末、納税業務に携わる各区役所の正規職115人のうち、94人を財政局の納税事務処理センターに移管し、残った21人を1人ないし2人に振り分けて各区の収納担当に転換するという計画を組合に提示してきた。
現場からは怒りの声が沸きあがっている。「区に残ることになった人が納税業務をやった上で、収納業務をやることは不可能」「当局は来年4月から収納業務の研修をやるといっているが不安だ」。収納に携わる労働者からも「収納と納税は仕事の方向、質がまったく異なる。両方を同時にやれるはずがない」。(注)
しかし市当局は「管理運営事項」だとして、有無を言わせず計画を強行しようとしている。しかも4月をもって区役所から財政局へ移管する労働者を9月のセンター開設までの間、区役所に派遣勤務させるというのだ。
何が「効率的な執行体制」だ。何が「納税者の利便性の向上」だ。「整合性」や「合理性」などひとつもない。当局が狙っているのは徹底的な労働者の分断であり、労働組合の破壊である。
今、全国の自治体で税務を中心に集約化(合理化)、センター化が猛烈な勢いで進められている。仙台市役所でも攻撃が始まっている。センター化・集約化が職員をさらなる強労働に追い込み、職場を破壊することは明らかだ。
すでにコンビニエンスストアによる業務の代行が進んでいる。次に来るのは納税業務全体の外注化・非正規職化だ。今年7月27日に政府の肝いりで初回研究会を行った日本公共サービス研究会が示した自治体業務の全面外注化そのものだ。そこでは、役所の全窓口、会計・出納、納税・国保、介護、入札・契約などの全面的な外注化構想が論議されている。攻撃の核心は、自治体業務のほとんどを受け皿会社(株式会社)に全面的に外注化し、「偽装請負を避ける」ため専門知識を持つ自治体職員を退職出向・転籍=全員解雇・非正規職化させることだ。JRとまったく同じ手口が使われようとしている。
しかし現場には怒りがあふれている。一切は職場生産点の攻防だ。現場の怒りを総結集して闘えば攻撃を打ち破ることはまったく可能である。「税業務のセンター化絶対反対」の声が職場から上がり、決戦は開始された。組合・支部の壁を越え、団結して闘おう。
全国に動労千葉を支援する会作ろう
第三に、動労千葉労働運動の精神、労働組合の再生と労働者の団結を総括軸に、階級的労働運動路線を貫いて前進をかちとったことである。特に動労千葉を支援する会の意義は決定的である。
全国の自治体職場で結成された動労千葉を支援する会は、物販闘争を基礎に、例会の定期的開催、路線的討議、労組をめぐる方針形成をやり抜いてきた。この闘いの中で、地区党建設を土台にした党と労働組合の一体的建設が実現されていった。職場での動労千葉を支援する会運動こそ、階級的労働運動を復権させる展開軸といってよい。
神奈川労組交流センターと横浜市職の仲間にかけられた12年1・11弾圧を打ち破った力も動労千葉を支援する会の組織的闘いにあった。弾圧が労働組合全体にかけられた攻撃であることを明確にさせ、職場の団結、全国の同志と地区党の総決起で粉砕し勝利したのである。
中央委員会と細胞の一体的建設、産別委員会建設と拠点建設、そして一切を地区党建設として闘いとっていった。何よりも自治体労働者委員会建設が圧倒的に前進した。現場労働者同志が悪戦苦闘のなかで指導部集団を形成し、地区党の中軸を担う階級の指導部として力強く登場した。「仙台、大阪に続け」と自らの職場で奮闘し、反原発闘争でも先頭で闘った。
物販闘争を進め職場に動労千葉を支援する会をつくろう。自治体労働者の中に4けたの『前進』読者をつくりだそう。
1047名解雇撤回の動労千葉鉄建公団訴訟6・29判決の地平を100万人の国鉄闘争支援陣形に押し広げよう。それ自体が階級的労働運動を復権し、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの壮大な発展を切り開く。連合支配を打ち破ってストライキで闘う労働組合を再生し、公務員全員解雇攻撃を打ち破ろう。国鉄と反原発を闘い、決戦の2013年に進撃しよう。
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注
納税業務は、納税を促す通知書や納税証明書の発行など。収納業務は、差し押さえなどを含む税金の整理など。
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週刊『前進』(2564号3面2)(2012/12/10 )
国鉄決戦を軸に労働者の総反乱起こす大カンパを
世界大恐慌の本格的爆発と戦争・大失業が迫るなか、全世界で労働者階級がストとデモに立ち上がっています。日本でも10・1JR外注化阻止決戦の爆発と11・4労働者集会の歴史的な成功をもって階級闘争は新たな段階に突入しています。新自由主義攻撃を絶望的に強める帝国主義を打倒するときです。勝利の鍵は革命的共産主義者同盟を革命党として本格的に建設し、階級的労働運動の歴史的大前進をかちとることです。『前進』読者、闘う労働者のみなさん! 革共同の強大な建設と革命勝利のために絶大なカンパを寄せられるようお願いします。
新自由主義粉砕を
12月2日の中央自動車道笹子トンネルのつり天井崩落事故は、民営化・外注化、規制撤廃、労組破壊、金もうけ優先、人命無視の新自由主義が引き起こしたものです。日本道路公団と中日本高速道路は笹子トンネル完成以来36年間、一度も補修をせず、保守点検もしていないに等しい状態を続けてきたのです。JR尼崎事故、福島第一原発事故、関越道バス事故、笹子トンネル事故は新自由主義のもと、起こるべくして起こったのです。
それだけではありません。新自由主義は社会に貧困を急拡大させています。生活保護受給者は2011年に200万人を超え、その後も増え続けています。賃金は、OECD(経済協力開発機構)統計では先進国中では唯一1997年から一貫して低下し続けています。11年度国民生活調査では「生活が苦しい」が過去最高の61%、特に子どものいる世帯では69・4%と過去最多を記録しています。07年に83万人だった長期失業者は、10年に121万人、11年109万人です。それが完全失業者に占める割合は、07年32・3%から10年36・3%、11年38・4%に上昇。15〜34歳の青年層の長期失業者は07年の32万人から10年には46万人と急増しています。電機などの主要な製造業で正社員の大量解雇が始まりました。年間自殺者数は13年連続で3万人を超え、「20歳〜40歳代前半の、社会で活躍する若年〜中堅層の自殺率が近年上昇の傾向にある」「非正規雇用が増加するなど、若い世代を支えるセーフティネットが脆弱になっている」(12年版厚生労働白書)と指摘されています。
なぜこういうことになったのか。80年代半ばの国鉄分割・民営化を始めとする中曽根政権の臨調・行革攻撃すなわち新自由主義攻撃に対して動労千葉を除く労働組合が闘わずして敗北してきた結果です。いまや連合労働運動は国家・資本の利益を守り、労働者を支配する道具に成り下がっています。民営化・外注化、非正規職化・低賃金化、合理化・大量解雇が労働組合のさしたる抵抗もないなかで進められています。
社会は労働者の労働で成り立っています。しかし資本主義社会では、人間を人間たらしめている労働がもっぱら資本の搾取対象とされ、利潤獲得の手段にされています。労働者はそれに抵抗し、命と権利を守るために労働組合をつくり、団結して闘ってきました。この労働組合を敵視し破壊・解体するのが新自由主義です。その新自由主義に屈服した連合のもと、労働者は職場でものも言えない奴隷状態におかれています。それでは安全も命も守られるはずがありません。こうした新自由主義の帰結が福島第一原発事故であり、笹子トンネル事故なのです。
階級的労働運動で
ならば絶望しかないのか? そんなことはありません。動労千葉・動労水戸―動労総連合はJR外注化阻止決戦をストで闘い、11・4労働者集会で意気軒昂として登壇しました。ヨーロッパでも1千万人が新自由主義に対するゼネストをたたきつけました。中国やインド、中東、アフリカでも資本と反動政府に対する労働者のストや暴動が続発しています。全世界で労働者・労働組合が新自由主義への怒りの反撃に立っています。
総選挙では数え切れないほど多くの政党が乱立しています。これは支配階級の動揺、分裂し、展望喪失を示しています。世界大恐慌の爆発に追い詰められた彼らは、排外主義と改憲、戦争、原発再稼動、大増税、労組破壊を強め、極右化して突破しようとしています。そのような政党はもはや労働者人民の選択肢から除外されています。
社会を変えるのはブルジョア政党や議会、選挙ではありません。社会の本当の主人公、労働者とその闘いなのです。労働者が自らの力に目覚め、誇りを取り戻し、一階級として団結して闘えば、資本主義・新自由主義を打ち倒し、労働者人民が人間的に生きられる社会をつくり出すことが必ずできます。
歴史的な反原発闘争のうねり、JR外注化阻止・非正規職撤廃の闘いとその全産別化、非正規職労働者の反乱が開始されました。党と労働組合を一体的に建設し、階級的労働運動を大きく前進させるときです。革共同は2013年、国鉄決戦を基軸に全産別・全地域に労働者階級の大反乱をつくり出し、福島の怒りを拠点に反原発闘争を大高揚させ、革命をたぐり寄せる決意です。この革共同に絶大なカンパをお寄せください。
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週刊『前進』(2564号3面3)(2012/12/10 )
鈴コン分会、社前闘争
“解雇の撤回まで何度でも”
12月1日、鈴コン闘争勝利へ!解雇1カ年決起集会の前、午後3時に、鈴木コンクリート工業分会と共闘会議は、板橋区舟渡の鈴木コンクリート工業志村工場前に集まった。最寄りの浮間舟渡駅前から組合旗をなびかせて押し寄せたことに対して、後で会社の業務無線で「赤い旗がいっぱい向かったぞ」と流されていたと知ったが、資本がやったことは、門の内側にビデオカメラを設置したことだけ。職制も誰も対応できない状態だった。
土曜日のこの時間、現場に向かう車とこの日の最終で戻るミキサー車が交互に出入りする。
分会のマイク宣伝に、多くの労働者が笑顔や「今日は多いな」という顔で会釈。中にはVサインも。ほとんど非組合員や日々雇用の労働者だ。
分会の訴えに続き、初めて参加した共闘の労働者がマイクを握り、「自分も運転手で解雇と闘っています。みなさん、安全運転でがんばってください。必ず解雇撤回の勝利までお互いにがんばりましょう」と訴える。
共闘会議代表の花輪不二男さんが会社に諭すように語る。「分会が要求していることは、当たり前の常識的なことだ。会社の態度はこの塀の中で今までは通用してきたかもしれないが、労働者にけっして有利でない裁判所でさえも2度にわたって『会社の解雇はおかしいから賃金を払え』と決定し、今会社は3人に賃金を出している。世間では会社の理屈は通用しない。解雇を撤回しないようであれば何度でもここに来ざるを得ない。会社はそのことを肝に銘じるべきだ」。そうだ!と仲間が叫ぶ。
労働者は運転席や作業場で仕事に就きながら、じっと門前集会を聞いている。
部隊は途中からの参加者も40人近い。神奈川や八王子、地元東京北部など多くの仲間の連帯発言を受け、1時間の解雇撤回1カ年抗議社前闘争をやりぬいた。
(東京西部ユニオン・YS)
(写真 解雇撤回まで闘い抜くぞ! 鈴コン分会と共闘会議は社前闘争に決起【12月1日 板橋区】)
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週刊『前進』(2564号3面4)(2012/12/10 )
12・1鈴コン集会 発言
仲間が増えている
主催者あいさつ 花輪不二男さん
今日は非常に楽しく鈴コンの社前闘争を展開しましたが、多分会社は、私たちの演説よりは職場の雰囲気が変わってきたことに対して、脅威を感じていると思います。
1年間で、解雇された三役のみなさんが、こう言っては失礼ですけど非常に成長し、今や自分たちでどんどん鈴コンの闘争を訴えるようになりました。共闘会議の基盤が広がっています。鈴コンだけの闘いだけではなく闘う労働組合を牽引(けんいん)する、そういう役割を自覚し始めています。蔓延(まんえん)している非正規のこの現状を絶対に許さない、われわれは奴隷にならないということで仲間が増えていることを非常に頼もしく思っています。
非正規の問題はナショナルセンターの枠を越えて闘っていかなければいけない。今や労働者が首を切られても守れない労働組合がたくさんある。こういうことではダメです。われわれとともに闘う労働組合をつくることを目指しています。今の枠の中で闘おうということになれば、鈴コンは勝てません。勝つためには、どこへでも、あいさつに行く。枠を越えて労働者と結びつき始めれば、それは徐々にボディブローとして効いてくるはずです。大きな目標をめざして共闘会議の発展を期していきたい。
分会からの報告
●内尾稔分会長
当該3名が解雇され、この1年間、飛び回りました。多くの支援と共闘のおかげで日に日に支援が拡大しています。情勢は、この年末の解散・総選挙や極右の動き等、資本家たちは、首切りと全労働者の非正規職化、労働組合解体攻撃に躍起になっています。脱原発や原発ゼロを掲げている政党が数々ありますが、実際に原発を撤去するのは労働者。ウソや口先だけの政治家どもに何ができるんだ。世界と一つに日本の労働者が立ち上がらないわけはありません。
私たちは関西生コン支部の組織をあげた連帯に応えます。動労千葉の闘いは、私たちと一体の闘いです。地域の共闘もさらに強めます。共闘会議は、われわれの解雇撤回・原職復帰とともに、怒っている多くの仲間との団結をどんどん進める運動です。労働者の手に職場と社会を奪いかえそう! 今日は、熱い仲間の訴えを聞き、私たちの脇を固める陣形が生まれたと思います。さらに各ユニオン、非正規職の労働者の闘いを示し、正規の組合も動かしたいと思います。
●分会組合員
今日仕事中、業務用無線で「赤い旗を持っているのがそっちに向かったぞ」って。何とか現場から戻り、社前闘争を見ることができました。
3人を職場に返して資本を徹底的に追い込むまで職場に残って闘い、40人ぐらいの職場で仲間を増やせば絶対に勝てます。
●鈴木善弘会計
1年間、四方八方に飛び回って労組回りをやってきました。今、大手の会社などでは、組合が小さくなっている状況です。私たちは小さい職場ですが、闘いながら作戦を練り、支援共闘会議も立ち上げ、陣形を整えて、枠を越え続けます。
●吉本伸幸書記長
みんな話がうまくなった。大勢集まってくれたことは、本当にありがたい。1年間闘い生きぬいて負けずにきた証拠です。今の情勢、俺らは職場で闘って労働組合をつくって、本当に労働者を代表する党もつくりましょう。分会と共闘会議は全国を駆け回ります。
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週刊『前進』(2564号4面1)(2012/12/10 )
来年を拠点建設の飛躍の年に
学校現場の非正規化と対決し職場に全責任をとる主流派へ
革共同教育労働者委員会
動労千葉・動労水戸を先頭とする10・1JR外注化阻止決戦は、全産業に吹き荒れる外注化・非正規職化攻撃を打ち破っていく勝利の道をさし示し、新自由主義と対決する階級的労働運動の巨大な発展の展望を切り開いた。11・4労働者集会で宣言された外注化阻止決戦の「第2ステージ」は、JRで開始された青年労働者の総反乱を押し広げて外注職場を奪い返していく闘いとともに、自治体、教労などの公務産別において「外注化阻止、非正規職撤廃闘争」を本格的に創造していくことが勝負となる。教育の民営化攻撃との闘いを最大のテーマに据えて闘ってきた今春以来の闘いの地平と教訓に踏まえ、2013年を教育労働運動における拠点建設の飛躍の年としよう。
非正規教員の激増と進む民間委託・外注化
教育労働者の非正規職化は、01年の義務標準法改定・04年総額裁量制導入により教職員定数の非正規への置き換えが可能とされたことを転機に急速に進行してきた。各自治体独自の少人数加配も大半が非正規教員で措置され、各種の指導員・支援員などを含めると、学校現場はすでに非正規職員が大多数を占める職場となっている。
非常勤講師は1000円そこそこの時間給で夏休みは無収入、社会保険も賞与もなく、バイトの掛け持ちで生活している「ワーキングプア」の実態にある。常勤講師として経験を積んで採用試験に合格しても、「条件付採用」期間に退職を強要され、管理職のパワハラで精神性疾患や自死にまで追い込まれる新採教員があとを断たない(表)。管理職が「講師からやり直せ」と正規教員を非正規職に突き落とす攻撃が横行する一方、これに屈せず、免職攻撃を受けて立って解雇撤回を闘う青年労働者が登場してきている。
他方で、非正規教員への依存度が高まったため、講師が不足して、担任不在・自習続きなど「教室に穴が空く」事態も続出している。正規教員には著しい労働強化がもたらされ、長時間労働と部活や地域行事による休日出勤を強いられている。
元をただせば、71年の給与特別法により、4%の調整給と引き換えに労基法37条を適用除外とされ、時間外・休日勤務手当を支払わないとされてきた経緯がある。日教組本部が「教育の自発性、創造性」の名による聖職者攻撃に屈し、職場の権利闘争を後退させてきた結果、臨時・緊急の行事、会議などに限るとする「限定4項目」は完全に空文化し、過労死ラインの超過勤務がまかり通っている。この長時間過重労働と業績評価制度、中間管理職設置による管理強化が相まって、精神性疾患による休職者は激増の一途をたどっている。
学校現場における外注化攻撃は、教育活動そのものに及んできている。定数のしばりがない給食調理員と用務員が真っ先に行革リストラの標的にされ、民間委託・外注化が進められてきた。学校事務も非正規労働者による欠員補充が常態化しており、「学校事務の共同実施」はこれを合法化するとともに、「共同事務センター」に集約した業務の外注化を進める攻撃だ。
神奈川臨調に示されるように、都道府県の人件費の過半を占める教職員人件費の大削減が狙われている。自治体の財政破綻が深まる中で、外注化・非正規職化攻撃の激化は必至だ。
ICT(情報通信技術)を活用した校務処理システムが導入され、授業や研修、部活の一部外注化も始まっている。行き着く先は、学校の管理運営の丸ごと外注化=公設民営化だ。
職場の労働者のすべての苦悩の元凶は新自由主義にあり、教育行政のすべての施策は民営化に向かっている。職場にかけられている攻撃を「教育の民営化・首切り攻撃」として明らかにし、闘いを開始しよう。非正規労働者の組織化に着手し、正規・非正規の分断を打ち破る団結をつくり出そう。
改憲と教育の国家統制を競い合う総選挙
自民・民主・「第三極」が入り乱れて「改憲と労組破壊」を競い合う総選挙は、大失業と戦争にしか出口がない脱落日帝の危機と凶暴化の集中的な表現だ。安倍・自民党が「国防軍」「集団的自衛権行使」「憲法改正」を叫べば、橋下・石原の日本維新の会は「自主憲法制定」「集団的自衛権行使」「防衛費1%枠撤廃」を叫び、ともに道州制と民営化を旗印に掲げている。
自民党の政権公約は、改悪教育基本法を錦の御旗に国家主義・愛国主義に基づく教育の国家統制の新たな強化をうち出している。史実を教えることを「自虐史観教育」と非難し、「教育正常化」に向けて政治活動への刑事罰導入や職員団体登録の抹消など組合弾圧を狙っている。日教組本部が屈服・転向しても、現場の教育労働者の抵抗を一掃できていない焦りといらだちを募らせているのだ。
公務員制度改革では、「公務員人件費2兆円削減」を掲げ、「3年連続『不良』評価で分限免職」、民営化に伴う「組織改廃時の分限免職」など、維新が公約する「職員基本条例の発展・法制化」に呼応する内容を盛り込んでいる。自民と維新の結託による教組弾圧、大阪型の民営化・首切り攻撃は、すでに全国で始まっている。
民主党も「防衛力整備」「日米同盟深化」を掲げ、「原発即時ゼロは無責任」と反原発闘争をののしっている。自民や維新と異なるのは、「協約締結権付与」と称して、首切りと賃下げを連合との労使合意でやるという点だけだ。
3・11は、「命より金もうけ」の資本主義社会の本質と支配のからくりを暴き出した。永田町を占拠する数十万人の反原発決起が、野田・安倍・石原・橋下ら極悪政治家どもをまとめてぶっ飛ばす力として成長している。フクシマの怒りは、原発推進派はもちろん「脱原発」「卒原発」の看板で再稼働を狙う連中とも絶対的に非和解だ。
動労千葉、動労水戸の外注化阻止・被曝労働拒否のストライキこそ反原発・反失業の先頭に立つ闘いであり、民営化・非正規職化と闘う労働組合の国際連帯の発展こそが排外主義を打ち破り、戦争を阻止する力なのだ。職場の団結をつくり出し、闘う労働組合をよみがえらせることこそ、総選挙に対するわれわれの回答だ。
民営化・首切りに団結強化で反撃した大阪
革共同教育労働者委員会は、橋下・維新の会の民営化・首切り攻撃との緒戦の激突をとおして、一見凶暴に見える新自由主義の攻撃を打ち破る路線と勝利の確信をつかみとってきた。
橋下や大阪府知事・松井は「民営化の際の全員解雇・選別採用」「職務命令違反3回で免職」を盛り込んだ職員基本条例を大阪府・市で制定し、「府・市丸ごと民営化、公務員全員解雇」に乗り出してきた。「労使関係アンケート」に始まり、「君が代」起立・斉唱や「入れ墨調査」などの理不尽極まる職務命令は、そのための踏み絵であり、職場の団結を破壊し、労働組合の闘わざる屈服・転向を引き出そうとする攻撃だった。
さらに橋下・松井は、管理運営事項に対する意見交換も禁圧する労使関係条例、懲戒免職を盛り込んだ政治活動規制条例を制定し、民営化をめぐる一切の労使交渉を拒否し、民営化反対の集会や宣伝活動も封じ込めることを策動してきたのである。
この悪辣(あくらつ)な攻撃に対し、大阪市教組内で闘う教育労働者は「君が代」強制を教育の民営化・首切り攻撃として暴露し、職場の怒りを組織しつつ、その最先頭で解雇の恫喝をはねのけて断固として不起立を貫いた。処分を辞さず「入れ墨調査」を最後まで拒否した大阪市職の労働者とともに、9・16大阪市庁舎前の橋下打倒集会に堂々と登場したのである。
政治活動規制条例による処分策動に対しては“橋下打倒の訴えは組合員としての自主的な活動であり、労働組合としての正当な行為である”としてはね返してきた。「処分撤回」を組合方針にするために闘うとともに、人事委員会闘争においても、職務命令と処分を団結権侵害と断罪し、「不起立は団結権の行使だ」としてその正義性を訴えている。
橋下に平身低頭し、一切の反撃を放棄する市労連・市教組幹部の屈服を突き破って、こうした闘いが職場の怒りを解き放ち、傲慢(ごうまん)さの陰に隠れた橋下の本質的な脆弱(ぜいじゃく)さを暴き出すものとなった。処分撤回闘争への支持と共感が広がり、闘う気運が生み出されてきている。
民営化と労組破壊攻撃に対してあくまでも団結の強化・拡大、労働組合再生で反撃していくことを、宣伝・扇動においても、組織戦術においても、人事委員会闘争の論理においても徹底して貫いてきたのである。この闘いは、従来の「日の丸・君が代」闘争、さらに言えば、戦後教育労働運動の教育運動的限界をのりこえる階級的労働運動としての新地平と言える。
支配階級の総力を挙げた新自由主義攻撃に対して、労働組合に存在する全党派がどう闘うのかが問われている。国鉄分割・民営化にも匹敵する試練の場で、革共同は職場生産点の怒りの最先頭で闘う党として屹立(きつりつ)しているのである。
職場を基礎に党・労働組合の一体的建設を
また、ある組合では、講師解雇に対して「解雇撤回・試験制度撤廃」を掲げて闘い、雇い止めを許さない画期的勝利を切り開いてきた。講師の契約更新拒否・不採用を「解雇攻撃」ととらえきることに始まり、「非正規職撤廃」の路線を譲らず貫く闘いだった。この闘いを通じて、組合を闘う組合へとつくり替え、県教組内にも急速に影響力を拡大している。「絶対反対」の路線を貫く闘いこそが組合員の誇りを圧倒的に発揚し、青年労働者の怒りと結びつき、組織拡大をかちとってきたのである。
こうした先進的闘いは、地区党・産別委員会で職場の課題をめぐって徹底して議論し、時代認識と路線で一致し、その中身で職場の労働者を組織してきたことによってかちとられてきた。革共同の細胞建設・マル青労同建設こそ、階級的労働運動建設を推進する決定的な土台である。機関紙活動を軸に党と労働組合の一体的建設を進め、プロレタリア革命への道を切り開こう。
連合・日教組本部は、民主党政権下で国家権力に入り込み、3・11以降の「国難打開」運動にのめり込むことで、今ひとつの決定的変質を遂げている。日教組においても、青年組合員の層としての本部に対する反乱が始まっている。非正規教員をめぐる労働相談がわれわれに集中する事態も生まれている。
職場の全労働者に責任を取りきる主流派への飛躍と転換をかちとろう。職場・分会における闘いの組織化を基礎に、階級的労働運動路線を体現する拠点を打ち立てていこう。
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2010年度条件付採用者「解雇」の実態(単位:人)
項目、全国、うち東京
年度末までに退職・免職された人数、296、86
事由別内訳
教特法12条による不採用、2、1
依願退職(ア+イ+ウ)、288、84
(ア)不採用→依願退職、20、18
(イ)病気(うち精神疾患)、101(91)、30(29)
(ウ)その他(自己都合)、167、36
死亡退職、3、0
分限免職、0、0
懲戒免職、3、1
欠格条項失職、0、0
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週刊『前進』(2564号4面2)(2012/12/10 )
文科省・官邸前 怒りの反原発行動
総選挙の欺瞞に断罪の声
11月30日夜、総選挙の大キャンペーンの中、首相官邸・国会前、文科省前などに多くの労働者人民が結集した。たたきつけられるシュプレヒコールの一つひとつに、事故を起こしてなお原発を推進する政府への怒りと、なんとしても原発を止めようという決意がみなぎっている。
文科省前では午後6時前から、ふくしま集団疎開裁判を闘う仲間が結集し、避難を求めて訴えが続けられた。福島や郡山に行ってきたという青年は、福島の現実をなんら伝えず総選挙についても極右勢力の主張であふれる報道を弾劾し、「最大の被害の福島をなぜ問題にしないのか」と総選挙の欺瞞(ぎまん)を暴いて断罪した。
福島からの避難者は、「安心・安全といわれてきたが、もう地元には帰れない」と怒りを爆発させ、「原発はさっさとゼロに」と訴えた。抗議に来た男性は、「文科省は中に入れて話を聞け!」と文科省を弾劾した。
疎開裁判を闘う弁護士からは、国連人権理事会の調査団ですら、情報を隠し被曝を強制する日本政府を批判する見解を示していることも報告された。「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報を公開せず、状況をさらに悪化させた」「年間20_シーベルトという基準値を使用したことは不適切」「(子どもの甲状腺検査について)2次検査を受けることもできず、要求しても診断書も受け取れない。事実上、自分たちの医療記録にアクセスする権利を否定された」と、そのあまりにも醜悪な実態が暴露されている。
そして、原発作業員について、「一部の作業員はきわめて高濃度の放射線に被曝した」「何重もの下請け会社が介在して、大量の派遣作業員を雇用している。その多くが短期雇用で、雇用契約終了後に長期的な健康モニタリングが行われることはない」と、被曝労働の実態も報告された。求められているのは、この被曝労働と対決し、労働者の命と生活を守る労働組合だ。
午後6時、官邸前でコールが始まった。「大間つくるな!」「大飯をとめろ!」「再稼働反対!」。気温が下がる中、熱いシュプレヒコールが鳴り響く。そして、15日の「さようなら原発世界大集会」にあわせて、「脱原発世界大行進2」への大結集が呼びかけられた。
ここに集まった労働者人民の声と行動こそが、稼働原発をいったんゼロにまで追い込んだ力だ。
15日、100万人の大行動を!
(全学連 JK)
(写真上 「原発いらない」と野田首相へ怒りの声を上げる)
(写真下 「大飯を止めろ」「大間つくるな」と全学連はともに闘った【11月30日 首相官邸前】)
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週刊『前進』(2564号4面3)(2012/12/10 )
NAZENヒロシマ 「内部被曝」で集会
“低線量でも健康被害”
12月1日、NAZENヒロシマは、広島大学原爆放射線医科学研究所教授の大瀧慈(おおたき・めぐ)さんを講師にお招きし、「内部被曝を考える」講演会を開催しました。約50人が会場を埋め、活発な質疑応答が行われました。
これまで原爆による死亡やがんなどの原因は、原爆炸裂直後の強烈な初期放射線(主に外部被曝)によるものがほとんどであり、残留放射線による間接被曝や「黒い雨」など放射性降下物、「死の灰」による低線量内部被曝による健康影響は「無視できるほど小さい」とされてきました。この低線量内部被曝の隠ぺいの上に、戦後の帝国主義とスターリン主義の核政策、原発政策があり、現在の福島見殺しの政策があります。
大瀧教授の講演は、客観的データ、事実をもってヒロシマの内部被曝の真実を暴き出し、「原発即時廃炉」へ闘うNAZEN運動に、確固とした理論的裏付けを与えるものとなりました。
大瀧教授は、原爆の初期放射線を浴びた量とがん発生の因果関係について統計学の立場から研究を続けてきました。そこから明らかになった事実は、「初期線量は、爆心からの距離の増大とともに急激に減少するが、直接被爆者のがん死亡危険度は、爆心からの距離が大きくなってもほとんど低下していない」「屋内被爆の方が屋外被爆に比べて、必ずしもがん死亡の危険度が低くなっていない」「爆心の西方(黒い雨降雨地域)の方が、東方よりがん死亡危険度が高い」ということでした。
つまり「初期放射線」だけでは、被爆者のがん死亡リスクの増加を説明できず、「黒い雨」などの残留放射線による内部被曝が大きく影響している可能性がある、ということです。また被爆時の年齢とその後数十年にわたるがん死亡危険度の関係も明らかにされ、子どもを内部被曝から守る闘いがいかに死活的課題であるかを、リアルにつかむことができました。
放射線影響研究所(旧ABCC)が保管する1万3千人分の「黒い雨」聞き取り調査の存在が明らかになりました。米日帝国主義が意図的にこの調査結果を隠ぺいしてきたのです。
今年、広島市・県は「黒い雨」指定地域を6倍に拡大し、救済の範囲を拡大するよう求める報告書を政府に提出しましたが、厚労省の検討委員会はまともな調査もせずに却下しました。被爆者は、さらに怒りを燃やして闘っています。
この「黒い雨」被爆者の闘いや大瀧教授らの研究によって、ヒロシマ・ナガサキの低線量内部被曝の実態が暴かれるならば、「被爆者のがんなどの発症は初期放射線量で決まる」として、そこから被曝の許容限度を導き出してきたICRP基準は根本から崩壊します。御用学者=山下・神谷らの「100_シーベルト以下安全」説、あるいは「年間20_シーベルト」基準は、被爆者抹殺政策の上に成り立つ核政策を維持するためにデッチあげられた恣意的な数値でしかないのです。まさに内部被曝の真実を暴く闘いこそ、米日帝国主義の核=原発政策を根本から打ち砕く闘いです。
講演と質疑応答の後、高陽第一診療所理事の森三郎さんから、ふくしま共同診療所開設の報告と支援の呼びかけが行われました。最後にNAZENヒロシマからの提起を広大の学生が行い、「原発をなくすのはウソつき議員らの選挙ではなく、私たち自身の行動だ。反原発100万人デモをつくりだす先頭にNAZENが立とう。被曝労働阻止・非正規職撤廃を闘う労働組合を再生しよう。学生は御用学者と闘う学生自治会をつくろう」と訴えました。
(広島大学 KM)
(写真 内部被曝問題の講演に熱心に聞き入る参加者。50人が参加し活発な質疑応答が行われた【12月1日 広島】)
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週刊『前進』(2564号4面4)(2012/12/10 )
11月27日〜12月3日
大熊町民96%「帰還困難」/エジプトで反ムルシ訴えデモ
●中間貯蔵調査受け入れ 福島第一原発事故の除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設について、福島県の佐藤雄平知事は、環境省が求めていた双葉郡内の候補地12カ所の現地調査を受け入れると表明した。(28日)
●査察受け入れをイランに要求 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は、イランの核兵器開発につながる活動を指摘した昨年11月の報告以来、関連軍事施設への立ち入り調査にイランが同意していないことを指摘、ただちに認めるよう求めた。(29日)
●パレスチナ「国家」決議を採択 国連総会(193カ国)本会議は、パレスチナの国連での資格を「オブザーバー組織」から「オブサーバー国家」に格上げする決議案を採択。日本など138カ国が賛成、米国など反対が9カ国、棄権は41カ国だった。(29日)
●イスラエル「入植住宅建設」 イスラエルのネタニヤフ首相が占領地の東エルサレムを含むヨルダン川西岸にユダヤ人入植住宅3千戸を建設することを決めたとメディアが報道。(30日)
●ヨウ素剤、30`圏で必要 原子力規制委員会は東京電力福島第一原発事故と同規模の事故を想定した周辺住民の被曝リスク予測を公表。甲状腺被曝を防ぐ安定ヨウ素剤は、放射性物質が放出される前に30`圏で服用する必要性があることを指摘した。(30日)
●大熊町民96%「帰還困難」 政府の原子力災害対策本部は、福島第一原発事故で全域が警戒区域となり全町民が避難している福島県大熊町の警戒区域を解除し「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」に再編、10日に実施すると決定。帰還困難区域内の住民は全体の96%。(30日)
●反ムルシ訴え数万人がデモ エジプト・ムルシ大統領が権限強化の大統領令を出したことなどに反発するリベラル派、「世俗派」の市民ら数万人がカイロのタハリール広場で集会を開いた。(30日)
●憲法案、15日国民投票 エジプトのムルシ大統領は、新憲法案の是非を問う国民投票を15日に実施すると発表した。(1日)
●北朝鮮が「衛星」発射予告 北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会の報道官は「地球観測衛星」を10日から22日の間に打ち上げるとの談話を発表。森本敏防衛相は破壊措置準備命令を自衛隊に出した。(1日)
●甲状腺被曝、最高1・2万_シーベルト 福島第一原発事故の復旧作業で最高1万1800_シーベルト超の甲状腺被曝をしている作業員がいたことがWHO報告で分かった。(1日)
●基地外飲酒を全面禁止 米兵による事件・事故の再発防止策の一環で、在沖米軍が、すべての軍人を対象に、基地外での飲酒とアルコール類の購入を全面禁止する新たな措置を取ったことが分かった。(2日)
●敦賀の断層、10日に判断 原子力規制委員会は、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査について、調査後の取材で断層が動く可能性を否定しなかった。日本原電の意見も聞いた上で10日に判断する。(2日)
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週刊『前進』(2564号5面1)(2012/12/10 )
総選挙と強まる改憲攻撃
国防軍・核武装狙う安倍・石原 闘う労働組合の力で打ち破れ
各政党が選挙公約や演説で改憲・戦争叫ぶ
改憲(戦争)攻撃の激化を示すものは、何よりも各党の選挙公約であり、安倍・野田・石原・橋下らが選挙戦で叫んでいる主張にある。
石原慎太郎は、日本維新の会の代表に座った3日後に日本外国特派員協会で講演し、「日本は核兵器に関するシミュレーションぐらいやったらいい」「核を持っていないと発言権が圧倒的にない」と、日本の核武装を声高に述べた(11月20日)。この核武装論は石原の一貫した主張だが、新党の代表として総選挙に臨む前の講演という意味では凶暴である。核=原子力政策は絶対に手放さないという日帝のあがきであり、米帝や中国への対決姿勢をあからさまに表したものである。民主党が公約で「原発ゼロで生まれ変わる日本」を唱えながら、「核燃料サイクル事業のあり方の見直し」「新たな原子力政策の確立」と言っていること(つまり原発輸出を含め、核政策は絶対にやめないということだ!)は、この石原発言と本質的に同じなのだ。
選挙公約の中で、改憲と戦争の政策を最も強く掲げているのは自民党と日本維新の会である。そして自民や維新だけでなく、民主党をはじめほとんどの党が日米同盟の強化と改憲(戦争政策)については基本的な方向性が一致している。
自民党の公約(表)の「外交・安全保障」の項では、まず「日米同盟の強化」を第一義的に掲げ、「米国の新国防戦略と連動して自衛隊の役割を強化し、日米新ガイドライン等を見直す」、「集団的自衛権の行使を可能とし、『国家安全保障基本法』を制定する」としている。さらに、「国家安全保障会議」を設置すること、自衛隊を拡充すること、改憲により自衛隊を国防軍にすること、「国際平和協力一般法」を制定することなどが出されている。安倍はオバマの再選が決まった11月7日に会見し、「政権奪還で日米同盟の強い絆を取り戻す」と言ったが、8月のアーミテージ・ナイ報告書を完全に意識した公約となっている。脱落・日帝にとっては日米同盟関係の強化を徹底的に推し進めながら、その中で改憲と核政策を軸とした独自の延命の道を探るしかないのだ。
自民党の今回の公約は、「憲法改正」の項がきわだってエスカレートしている。
2009年の公約(麻生政権時、前回の衆院選)では、改憲に関して「憲法審査会を早期に始動させ、…自民党新憲法草案に基づき、早期の憲法改正を実現する」とだけ書かれた。
自治体・教労の労組破壊が橋下らの狙い
2010年の公約(谷垣総裁時、参院選)では、「新しい時代にふさわしい国づくりのための自主憲法を制定します」と題し、「憲法審査会の始動」と「憲法改正原案の国会提出を目指す」ことが書かれ、9条2項の改正(「自衛軍」保持の明記)と96条改正(国会の発議要件の緩和)の2点にしぼった2005年の新憲法草案の概要を載せた。
ところが今回の公約では、「日本を取り戻す」とうたって、今年4月に打ち出した新たな改憲草案の要点を次のような表現で盛り込んだ。@天皇を元首とする国家であることを規定、A日章旗と「君が代」を国旗・国歌とする、B自衛権の発動を妨げないこと、国防軍を保持することを明記、C緊急事態条項を新設、D憲法改正の発議要件を衆参それぞれの過半数に緩和する。
「自衛権の発動を妨げないこと」とは、憲法で戦争をすることを認めることであり、こうしたことを選挙公約に書くこと自体が大攻撃である。
さらに安倍は、「(発議要件を)3分の2から2分の1に変える改正案をまず出したい」と明言し(11月30日の党首討論会)、憲法96条の改正を優先させる方針を示した。何がなんでも明文改憲の道をこじ開けようとしている。
さらに、国家公務員だけでない、「地方公務員法」を改悪して公務員の政治活動を規制するとしている。これも改憲・労組破壊の攻撃そのものである。
基本方針に「自主憲法制定」を掲げた日本維新の会は、自民党と同様の改憲・戦争政策を掲げているが、より反動的に道州制導入のための憲法改正、国家のシステムを変えるための公務員制度改革・教育制度改革を強調している。彼らの核心的狙いは自治体と教育の労組破壊にある。
「卒原発」を掲げて野合した日本未来の党も、日本版NSC「国家安全保障会議」の創設、安全保障基本法の制定、地域主権の推進などを唱えており、小沢一郎を中心とする改憲勢力そのものだ。
外注化阻止と全原発廃炉へ職場で闘おう
日米争闘戦のかつてない激しさが改憲・戦争攻撃を一層前面化させている。日帝・野田政権はこの11月、戦争政策を米帝のアーミテージ・ナイ報告書(前号6面を参照)に沿って一気に推し進めた。
一つめは、米軍オスプレイの普天間配備を強行し、日米合意事項をも無視した飛行訓練を実施させていることである。10月は12日間、83時間飛行した。11月に入って低空・吊り下げ訓練や夜間訓練が激増した。CH46ヘリとの交代が完了し、12月上旬から本格運用が始まる。
二つめは、日米新ガイドライン(防衛協力指針)の見直し協議が始まったことである。長島昭久防衛副大臣が訪米してカーター国防副長官、キャンベル国務次官補と会談(11月10日)、12月上旬から実務者協議に入ることを確認した。アメリカの新国防戦略に対応して、@自衛隊と米軍の役割分担の見直し、A南西諸島防衛の日米共同作戦体制づくり、B日米軍事演習の改革、C基地の共同使用などが課題になると言われている。
三つめは、南西諸島防衛を想定した日米共同演習が実施された(11月5〜16日)ことである。陸海空自衛隊からは3万8千人が、在日米軍からは約1万人が参加した。自衛隊が米軍艦船に乗り込んで横浜港から離島に向かう訓練や、在沖海兵隊との実弾射撃訓練、水陸両用車を使っての海を渡る訓練など、集団的自衛権の行使を完全に前提にした「日米の動的防衛協力の深化」の訓練が行われた。
四つめは、幹部自衛官を米サイバー防衛戦略軍に派遣することを決めたこと、陸自幹部学校の隊員40人が韓国を訪問して日韓防衛交流を行ったことである。日韓交流については「歴史問題」「竹島(独島)問題」を切り離して「やるべきことを進める」とし、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)締結など、日韓軍事協力の強化が狙われている。
五つめは、防衛省が国産無人偵察機の開発を決めて30億円の予算を計上したこと、政府が最新ステルス戦闘機F35の共同生産参加を決めたことなどである。昨年12月の武器輸出三原則の緩和以降、初の具体化としてあり、米帝の重要な要求の一つである。
総選挙情勢が表すものは、世界大恐慌と「3・11」下での日帝・支配階級の絶望的危機の姿である。彼らは日米同盟の強化と原発・核政策推進、改憲・道州制に突き進む以外に生き延びられない。それこそが民営化・外注化―非正規職化と並ぶ、新自由主義の凶暴な攻撃そのものだ。
闘う労働組合を復権し、「外注化阻止・非正規職撤廃」を高く掲げて階級的労働運動を前進・発展させよう。その力で安倍・石原を打倒しよう。福島・沖縄と連帯して再稼働阻止・全原発廃炉へ、職場・学園から闘いを起こそう。
〔鳴海直也〕
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改憲・戦争政策に関する自民党の主な公約
◎日米同盟の強化。「国家安全保障会議」の設置
◎集団的自衛権の行使を可能に。「国家安全保障基本法」を制定
◎自衛隊の拡充。改憲により自衛隊を国防軍に
◎米国の新国防戦略と連動し日米新ガイドライン見直し
◎「国際平和協力一般法」制定。サイバーセキュリティ対策強化
◎領土・領海防衛の法整備、尖閣諸島の実効支配の強化
◎「道州制基本法」の早期制定後5年以内の導入目指す
◎「地方公務員法」を改正し、一定の政治活動を規制
◎新しい憲法草案を基に改憲推進。96条改正案から提出
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週刊『前進』(2564号5面2)(2012/12/10 )
福島原発事故放射性廃棄物 処分場計画 白紙撤回を
矢板(栃木)で8000人集会
12月2日午前10時から栃木県矢板市の長峰公園で、「指定廃棄物最終処分場候補地の白紙撤回を求める矢板市民同盟会」が主催して大集会が開かれました。地元の人たちを中心に8千人が集まりました。政府・環境省は9月3日、突如一方的に指定廃棄物(除染などで出た放射性セシウム濃度が1`グラム当たり8千ベクレル超の汚泥など)の最終処分場候補地に矢板市の国有林野を選んだと発表しました。これに怒る市民が計画の白紙撤回を求めて大結集しました。
朝の矢板市の気温は3度。前日に降った雪がまだ残っていて白く輝いている会場に、人びとは歩いて、あるいは何度もピストン輸送されるバスなどでやって来ます。杖をついたお年寄りも、子供連れのお母さんも、中学生、高校生も……。栃木労組交流センターは会場の入り口で、「白紙撤回させるまでともに闘いましょう」と呼びかけるビラをまきました。
ビラまき隊に明るい声がかかります。「おはようございます」「がんばろう」「ごくろうさま」……。続々と押し寄せる人の波。30分もしないうちにビラはなくなってしまいました。
8月に、シャープが矢板にある栃木工場を大幅縮小すると発表しました。原発被害と大失業が同時に襲いかかり、街全体が新自由主義攻撃の矢面に立たされたともいえる格好です。
集会の前半は、地元の小学生、高校生ら若い人の発言。処分場候補地とされた地元・塩田の高校生は、「矢板は豊かな自然の恵みにあふれている。私はその中で育った。国は安全というかも知れないが、私はそうは思わない。万一のことがあれば農産物は食べられず、川で遊べなくなる。白紙撤回して考え直してほしい」と訴えました。
若いお母さんは、「候補地と言われただけで3カ月間、毎日不安の中で暮らしてきました。近所には体調を崩した人もいます。どれほど痛手なのか国に分かってほしい」と訴えました。お母さんの発言には身に迫るものがありました。
会場の長峰公園自体が、実は除染対象地です。県内でもこの矢板市を含め8つの市町が「除染対象地域」に指定されています。各家庭の裏庭などに仮置きされている黒いシートで覆われた廃棄物。こうした廃棄物の山をどうするのかは確かに深刻な問題です。しかし、”だから最終処分場を県内に”というのは居直り強盗の論理そのものです。
集会の最後に「ふるさと」を大合唱、そして、8千人がくるりと東京の方角に向きを変えて「断固拒否」のプラカードを掲げました。闘う労働組合を復権させること、そのために全力をあげよう、そして地元の人たちとともに「白紙撤回」をかちとろうと、誓いを新たにして集会場をあとにしました。
(栃木労組交流センター・K)
(写真 最終処分場候補地・塩田の住民はデモで会場に結集した【12月2日 矢板市】)
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週刊『前進』(2564号5面3)(2012/12/10 )
韓国・民主労総サンヨン労働者 高空籠城闘争に突入
“解雇者即時復職”を掲げ
韓国では、整理解雇と非正規職化に対する現場労働者の絶対非和解の怒りの決起が、ますます激しくわき起こっている。
現代自動車ウルサン工場での高空籠城(ろうじょう)闘争に続き、11月20日未明から、サンヨン自動車の解雇労働者がピョンテク工場前の送電塔に上がった。2年の服役を終えて8月に出所したハンサンギュン前支部長と、ムンギジュ整備支会長、ポクキソン非正規職支会首席副支会長の3人が、15万ボルトの電流が流れる30bの上空での籠城闘争に入ったのだ。
11月19日には、サンヨン車のキムジョンウ支部長がソウルの大漢門前で41日間のハンストの末に病院に運ばれた。整理解雇の不当性が国会の聴聞会でも暴露されているにもかかわらず、サンヨン資本は解雇者の復職を拒否し続け、すでに23人もの労働者を死に追いやった。政府もこれを無視し続けている。だが労働者は断じて屈服していない。怒りに燃え、真相究明と責任者処罰、死んでいった仲間たちへの最低限の補償、解雇者の即時復職を要求して新たな闘いに入っている。
「絶対に勝つ」
送電塔の上は冷たい風が激しく吹き、気温は零下で、座り込むための安定した足場もない。だが3人は「解雇されて3年半を路上で野宿して闘ったし、23人も死んだ。ここが野宿とどれほど違うのか。犠牲になった仲間よりどれほど危険なのか」(ムンギジュ整備支会長)と語り、解決の糸口が見えるまで降りない決意を示した。そして鉄塔の上から「解雇者復職」と書いた垂れ幕を掲げ、次のように訴えた。
「一握りにもならない資本家による搾取の方策として工夫された非正規職と、整理解雇による苦痛は、今この瞬間にもわれわれ労働者に加えられている過酷な刑罰そのものです」「すべての労働者が固く団結して闘い、また闘い、この奴隷のような生活のくびきを断ち切ろう!」「2009年のサンヨン車労働者の77日間闘争は正義でした。この闘いは終わっていません。野蛮と強欲の資本家に抵抗する全国の労働者の巨大な闘争を一緒につくりましょう!」
この闘いに、ウルサンで同じく高空座り込みを続けている現代自動車非正規職支会の労働者が連帯の手紙を送った。
「われわれはこれ以上退かないといって鉄塔に上がりました。そしてピョンテクとウルサンをつなぐ闘争の戦線になりました。今、私たちが味わう寒さと苦痛は、今後、私たちがかちとる勝利の日の喜びとなって戻ってくるようにしましょう。韓進重工業の希望バスで始まった全国の連帯がサンヨン車と現代車につながって、最後は資本と政府を降伏させて、即刻問題解決できるようにする私たちの役割が必要です」「厳しい寒さが来ても、連帯する仲間を信じ、今も闘う仲間たちを信じています。資本が私たちの闘争をさらに苦しめれば、われわれはその何倍もの力で希望を作り、必ず勝利します。仲間たち、がんばろう!」
これに先立ち、ウルサンでは17日に第3次現代車包囲闘争が闘われた。
(写真 送電塔に上がり高空籠城に突入したサンヨン自動車の解雇労働者【11月20日 ピョンテク】)
大長征の開始
各地から参加した労働者2千人が、籠城闘争が闘われている送電塔の下で集会を行い、翌日の午前1時まで連帯行動をやりぬいた。追いつめられた現代車資本は22日、送電塔の上で闘うチェビョンスン組合員に対し、大法院判決に従い正規雇用すると通告してきた。
だが会社側は、判決はチェビョンスン組合員ただ一人に対するもので、社内下請け労働者全員の正規職への転換を求めたものではないとなおも強弁している。このふざけたやり方に怒りを倍加させて闘いは続けられている。
24日には、サンヨン車闘争の勝利へ向けた「第4次汎国民大会」がソウル市内で開かれた。昨年、309日間のクレーン籠城を闘い抜いて劇的な生還をかちとった韓進重工業のキムジンスクさんが登壇した。「非正規職と正規職の単一化」をはじめ、全労働者・全人民の団結ですべての闘う労働者の勝利をかちとろうと呼びかけ、「これができれば政権ではなく世の中を変えられる。絶望の中で奇跡と希望をつくった私たちが力になろう」と訴えた。
籠城中のハンサンギュン前サンヨン車支部長はメッセージで、「サンヨン車の問題は全労働者の問題だ。私たちを単にかわいそうだと感じるのではなく、労働者が主人になる大長征をともに始めよう」と呼びかけた。
(写真 現代自動車包囲闘争に結集し、送電塔の下で集会を開いた労働者【11月17日 ウルサン】)
労働者の党を
韓国は今、12月19日の大統領選挙へ向けて与野党が激しい選挙戦に突入している。だが既成の野党が政権交代しさえすれば全問題が解決できるかのように語って票を集めようとすることに、「こんな政治屋どもに労働者の命と未来を任せることはできない」という現場の怒りが高まっている。
この中で、「労働者候補」として出馬したキリュン電子のキムソヨン前分会長は、「整理解雇・非正規職撤廃」と「財閥の資産没収・社会化」を真っ向から掲げ、現場労働者の手による新たな労働者党の建設を目標にすえて選挙戦を闘っている。これに対して韓国民衆運動の代表的人士である統一問題研究所のペクキワン所長は、「キムソヨンは命をかけて正しいことだけ言うのだと世の中に見せてくれ。200年の資本主義が世の中を滅ぼしたのだから、世の中をひっくり返せと話してくれ」と励ました。
韓国の労働者は根底的な社会変革を求め、あらゆる困難をぶち破って闘いに決起している。連帯し、ともに闘おう!
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週刊『前進』(2564号5面4)(2012/12/10 )
三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
12月10日【月】午後1時30分 千葉地裁
★萩原進事務局次長の証人尋問
◎団結街道裁判
12月18日【火】午前10時30分 千葉地裁
【傍聴券抽選のため1時間前に集合】
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週刊『前進』(2564号6面1)(2012/12/10 )
団結ひろば 投稿コーナー
原発事故責任ただす2次告訴行動に参加 福島市 小金沢幹子
福島原発事故の刑事責任を糾(ただ)すため福島原発告訴団は、11月15日、全国47都道府県の1万3262人による告訴を福島地検に行いました。
6月に福島県民1324人による告訴を行い8月に受理されましたが、それに続く第2次の告訴です。容疑は業務上過失致死傷などで、被告訴人は当時の東電幹部、政府関係者、学者など33人で前回と同じです。
告訴状提出後、報告集会が開かれ、北海道から九州・沖縄まで11の事務局から陳述書1通ずつの紹介と、告訴人1万3千人に及んだ組織経過の報告がありました。
「放射能をまき散らしたことに怒りをぶつけるのは市民としての義務」「避難移動の連続の中、義母は命を失った」「福島への応援でなく、福島とともに歩む」「全身全霊で呼びかけてきた。立件を心から祈っている」など、事故に対する悔しさ、怒りが語られ、フクシマへの心からの連帯が述べられると、会場にはハンカチで目を押さえる人が数多くいました。
被告訴人の刑事責任を糾すに至った時、そこには単に刑事責任を糾すにとどまらない、直接に国・東電を揺さぶる大きく確かな勢力が登場していると思います。もともとこういう力関係をめざしつつ民衆の怒りの陣形を大きくしながら、そのもとで闘ってこそ真の責任を糾すことができるのだと思います。
同時に、当然にも責任を糾す闘いは全原発即時廃炉の闘いとして力強く発展するものとしてあると思います。それは1万5千人に迫る告訴人の共通の認識だし、そういうものとして解き放たれたエネルギーをみなぎらせ、発揮すれば、民衆の中に大きく豊かな共感を呼び、告訴受理、強制捜査、起訴、処罰へと道を開くと思います。運動の展開がこのようになることを強く望みながら、この日の告訴行動に参加してきました。
飯舘・大熊の除染物焼却灰200万ベクレル 東京 北川海翔
政府・国際原子力機関(IAEA)の福島閣僚会議を前に、 日本原子力研究開発機構(JAEA)や大手ゼネコンが、飯舘村と大熊町で除染した落ち葉などの試験焼却を実施し、灰は最高で1`当たり238万ベクレルにもなりました! 細かくなった放射性物質がバグフィルターを素通りするためか「セシウムの収支は実測調査しない」などと言っています。
10月に長浜環境大臣が福島で中間貯蔵した除染土壌の「県外処分・広域処理(予算がつく!)」に言及した直後、野田首相が福島の除染の加速を指示し、石原都知事(当時)らは関東地方知事会議をわざわざ郡山で開いて、除染と最終処分場の福島県外での建設を国に要望しました。政府は大熊、双葉、楢葉3町の計12カ所を除染物中間貯蔵施設の建設候補地とし、県知事は11月に調査を受け入れました。「除染」では被曝労働が続くだけ。決起し始めた被曝労働者と団結しましょう。
今出ている9都道府県の処分場計画は、住民説明会を今年度内に終わらせるので、総選挙後に一気に来ます。仮設焼却炉が併設される予定なので、除染物を受け入れれば燃やされます。環境省の構想は処分場を各都道府県に造るもの。そのうちいずれかが、満杯になりかけている六ケ所村高レベル放射性廃棄物の処分場に代わるでしょう。今はその前哨戦です。
原子力ムラは10年後には始まる老朽原発の廃炉ラッシュをも視野に入れているはずです。奇跡的に高汚染を免れた自然豊かな福島県鮫川村でも、茨城との県境で焼却実験炉建設が始まりました。場所は行政にも知らされていないそうです。
私たちにとって安全基準は「100_や1_シーベルト」ではなく命を守れるかどうかです。
1047名解雇撤回の訴えに熱い手応え 東京 佐賀秀也
街頭は大恐慌・大失業の嵐が吹き6月頃から一変した。労働者は首切りにあい、身にしみて感じ身構えている。半端な訴えでは見向きもされない。そこに「国鉄1047名解雇撤回」で切り込む。するとどうだ。「ご苦労様です。長いですね、頑張って」などの声とともに、駆け寄ってくる人が多い。反原発署名の最盛期までとはいかないが、同レベルで応じてくれるではないか。やはり国鉄闘争は戦後最大の労働争議だ。世界最大・最長、100万人が支援した闘いだ。4・9反革命を吹き飛ばす底力が労働者の中に生き抜いている。全国運動呼びかけ人の拡大は、労働者魂は不滅だということを示している。
感動で心が温まる出会いも出てきた。「俺も労働運動やってきた。鬼の千葉動労は頑張ってるか」と1万円札を出し、「5千円分は物資を送れ。残りはカンパ」と立ち去る人。「私の夫は、○○事件の被告よ。頑張ってるのね」とアッと驚く某事件の関係者。いったん立ち去り戻って来て、「党派は嫌いだが運動は支持する。出版物を買う」という人。
場所にもよるが署名に応じる半分は若い人だ。「解雇撤回」に若者を引きつける魅力がある。
「あなたが生まれる前の事ですが」から切り出す説明は心が弾む。相手の話も聞くと「高校生ですが、学校も競争ばっかりで……」とか「就活やってますが良い返事がなくて」「来年行く学校が決まってないんです」「首切りだけはやめてもらいたい」などなど。これらの人には「労働者は悪くない。資本家が悪なんだ。世の中変えよう、変わるよ」と力を込めて話すしかない。お互いに「ありがとうございます」と言い合うと、少しは役に立ったと感じる。
年内に1万筆目ざし署名を街頭や職場に持ち込もう。
『前進』の反原発論文読み「あったかいね」 S地区 松川 実
先日、『前進』2562号4面の論文を読み合わせたときのことです。「反原発闘争はプロレタリア世界革命勝利の戦略的課題―日帝の改憲・核武装化と闘おう」という表題でした。
30年来の闘士である女性労働者のAさん。家庭では娘さんを育てながら親世代の介護もしている仲間です。彼女の感想は「なんか、あったかい論文だね」。一同、キョトンとしました。わたしも『前進』の討論で、「あったかい」という意見は初めて聞きました。
彼女は言いました。5章の「フクシマの怒りとどこまでも結合し」にグッときた。「労働とは……」のところがいい。さらに、「この世界を変革し、信頼関係を強めあい、自らの能力を発揮し、その過程で愛する仲間や家族をつくって次世代を育てていく価値創造的な歴史的行為」と私たち人間をとらえている。
その根本を成り立たせなくしているのが「核と放射能の現実である」「家族や仲間、故郷から引き裂かれ、収束作業で自己犠牲が強制される」。そして「福島の診療所をつくる闘いは、命を守りあうために手を取り合い、知恵と力を結集する医療の根本を打ち立てるとともに、国家・資本にたち向かうもの」
過酷で絶望的なほどの原発・放射能とのたたかいを、こういう風にとらえ、書ける革共同って、やっぱりマルクス主義的に人間をとらえているからなんだろうねえ。
先週、同じ場で「中堅世代から、仕事ができないと言われた。どうせ老兵は消え去るのみよ……」と言っていた彼女です。新自由主義職場で同僚との分断に打ちひしがれていた彼女は、今週は思い切って『前進』で話をしてみるそうです。
念願かない訪韓実現 言葉の限界越え感動 東京 高村宏信
念願であった訪韓闘争への参加が実現した。
韓国民主労総ソウル本部の労働者が11月労働者集会に合流して10年。三里塚には6年連続で訪問している。動労千葉を先頭とする労働運動と三里塚反対同盟農民の労農連帯の闘いに、毎年新しい組合員を組織して顔を見せてくれる姿に、強い連帯感と勇気を感じていました。労働者の団結を求め非正規職撤廃を掲げて闘う民主労総との国際連帯の闘いは、言葉の限界を超えて気持ちが通じ合う感動的なものでした。
田中委員長を先頭とする動労千葉訪韓団は50人。民主労総前夜祭、労働者大会とソウル市内デモ、理念交流会、訪韓団歓迎式、加えて知り合った民主労総組合員による飲み街での心のこもった接待と過密なスケジュールでしたが、一つひとつに今まで経験したことのない熱い連帯感と感動を覚えました。
ソウル清渓川チョンテイル橋からソウル駅前までの3万人のデモは横に20列以上の堂々たる行進、その中に自分がいることに感銘しました。大会では発言・律動・闘う劇などがオーロラビジョンで映される。資本の警備暴力と闘う労働者の真剣な様子がアップで映された時には、完全に見入ってしまうすごい緊張感と迫力を感じました。
長期闘争現場、金属労組サンヨン自動車支部のほか韓進(ハンジン)重工業やKEC、現代自動車の労働者の高空籠城の現場を訪問しました。これらの労働現場で闘う労働者の怒りは激しく、多くの労働組合の命がけの闘いが大デモの実現に至ったんだなと思いました。まさに民主労総の底力を見せつけるものを感じました。
軌を一にして全欧州で1千万人のゼネスト! 今こそ全世界の労働者と連帯して闘いを進めよう。
韓国労働者と時共有し歴史に参加できた 岡山大 A
11月10日から12日まで行われた訪韓闘争に参加しました。国際交流では、多くの韓国人とともに労働に関する共闘を行うことができました。
初日の前夜祭では、労働者のパフォーマンスを見ることができ、言葉は分かりませんでしたが、盛り上がりました。
2日目は会議室を借り、韓国の歴史や医療まで幅広い分野のお話を韓国の方から聞くことができ、とても勉強になりました。
12日は、20万人もの人びとと道路を占拠しての大集会とデモを行い、とても印象に残る時間を韓国の労働者と共有できました。
訪韓の後、『前進』でデモの写真を見て、ここに私が居たのかと思うと、歴史に参加できたのだなあ、良かったと思いました。
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週刊『前進』(2564号6面2)(2012/12/10 )
武田君への不当処分撤回!
法大当局弾劾しデモに立つ
12月6日、法大で不当処分と闘う文化連盟の武田雄飛丸君を先頭に、処分撤回を求める法大デモが闘われました。
武田君は処分の不当性を訴え国際文化学部へ再審査請求を行うも、教授会は11月27日付で却下の決定を下しました。ふざけるな! この不当な再審査却下への怒りを燃やし、文化連盟はついに東京地裁への提訴へと踏み切ることを決断。武田君の処分撤回を通じて法大闘争に、さらにそれを通じた全国の新自由主義との闘いに勝利するため闘いを開始しました。今回のデモはその第一歩です。
昼休み開始と同時に全学連委員長の斎藤郁真君と武田君が熱烈にアピールしました(発言別掲)。
そして、文化連盟は市ケ谷一周のデモを貫徹した後、法大弁護団の藤田城治弁護士・石田亮弁護士とともに東京地裁で提訴を行い、処分撤回への本格的な闘いへ踏み出しました。
藤田弁護士は「今回の訴状の中身は、要するに本来大学は自由な空間であり、反論ではなく暴力や処分で学外へ排除するのは許せないというものです。しかし裁判は権力の土俵であり、裁判での闘いを全力でやるとともに、やはりキャンパスの中で声を広げていくのが重要です。裁判もそういうものにしていきたい。仲間をどんどん増やしていきましょう」と訴えました。
石田弁護士は「学者だったら学生を論破するぐらいしたらどうなのか。討論すらなく処分はおかしい。裁判外での闘いも自分は駆けつけたい。がんばりましょう」と呼びかけました。
12・6法大闘争を突破口に2013年、武田君への処分撤回闘争を大爆発させていこう!
(法政大学 U)
(写真上 東京地裁に処分撤回の提訴。訴状を持つのが藤田弁護士。その右に立つのが石田弁護士【地裁前】)
(写真下 処分撤回へ第一弾の市ケ谷一周デモ。武田君がマイクを持って先頭に立った【12月6日 靖国通り】)
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御用学者への抗議は正当だ 全学連委員長 斎藤郁真君
処分の不当性は第一に、学祭規制に反対したことをもって処分されたということです。いまの学生への管理強化に対してすべての人の思いを乗せて闘った武田君への処分は、すべての学生への処分です。そして第二に、御用学者の講演会に対して武田君が抗議したことへの処分だということです。
10月6日に「100_シーベルトまでなら安全だ」と言って福島県民の切り捨て政策の先頭に立っている、実際に郡山市で除染アドバイザーをやっている大久保利晃(放影研理事長)が講演する授業が行われたことに対して、武田君は反原発の運動を闘っている立場からこの大久保の授業に参加しようとしたら、「人間環境学部の学生以外はこの授業には入れません」と排除されたわけです。ふざけるなという話です。あんなに学問の自由だとか批判があるなら正当に受けるとか言ってきたくせに、いざ御用学者の講演会に武田君が行ったら、そういう学生は中には入れませんと。こうしたあり方にいまの学問のペテンが示されていると思います。
みなさん、武田君への処分撤回の大署名運動を本日から始めていきます。今日はさらに東京地裁に、処分撤回を求める民事訴訟の提訴を行います。今日のデモはその一発目です。ぜひ多くの方に参加して頂きたい。
処分・規制撤回は当然の主張 国際文化学部3年 武田雄飛丸君
10月19日、学祭規制反対のデモを打ち抜き、1千人近くの学生が集まってくれました。
今日われわれはデモを行います。しかしこれだけの数の公安が税金を使って、あるいは弾圧職員が学費を使って、弾圧に来ているわけです。これが民主主義国家といえますか? 学生が、処分を撤回するという主張で、あるいは規制を撤回したいという主張でデモをするのは当たり前じゃないですか。
僕は、10月6日の御用学者・大久保利晃の講演会に対して抗議行動を行ったら「授業妨害」をデッチあげられて処分されました。いったい、御用学者を批判させないことをもって、どれだけの害悪が福島で垂れ流されているか。
みなさん。いま学生がなめられています。この前僕は東北大学に行ってきました。東北大学が言ってきたことは「自治会の活動に巻き込まれないように注意して下さい」ですよ。法政大学だってそうです。大学は学生に「ビラを受け取るな、話を聞くな、目をつむれ、耳をふさげ」と言っているわけです。目の前の現実に、ただただ無視することを強要される。これのどこが学問なんですか。
僕に処分を下した教授会は、その後僕に一回も話を聞くことすらせず、再審査をけってきました。彼らの土俵に乗っかって闘っていてもわれわれに明日はありません。ぜひ今日のデモに参加して下さい。新歓も含め、規制をこれ以上強化させないためにも、ともに闘っていきましょう。僕への処分を撤回させましょう。
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週刊『前進』(2564号6面3)(2012/12/10 )
非正規職撤廃を正面課題に 東日本解放共闘総会へ
12月15日、東京・品川で開催される部落解放東日本共闘会議第21回総会に結集しよう。案内状を紹介します。(編集局)
解放共闘に結集するみなさん、連日のご奮闘ご苦労様です。
11・4労働者集会は、労働者国際連帯のもと、新自由主義とたちむかう階級的団結が結実し、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの第2ステージ突入と労働組合再生の実現に向け、大成功を勝ちとりました。そして今、闘うみなさんは、この外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを職場で、キャンパスで実現していこうと決意もかたく、12月・年末〜年始、2013年に向かって、闘いを開始されていることと思います。
こうした闘いと一体で、部落解放東日本共闘会議は来る12月15日(土)、第21回総会(於 きゅりあん)を開催します。職場・地域、キャンパスから多くの闘う仲間の結集を訴えます。
世界大恐慌はますます深化し、アメリカ、ヨーロッパ、中国、アラブ、アジアで大動乱に突入しています。世界は革命情勢です。脱落日帝の政治支配はボロボロで破綻しています。労働者の階級的、国際的団結の重大性はますます増しています。
私たち解放共闘は、大情勢と闘い、2012年1年間の闘いで、新自由主義と闘う部落解放闘争を前進させてきました。10・31狭山集会では、新自由主義と闘う狭山闘争の路線を明らかにし、労働組合・労働運動の力で狭山闘争の勝利を勝ちとることを全労働者に訴えました。新自由主義との闘いは、その攻撃の激しさ、凶暴性に対し、受け身的・防衛的に闘うことではなく、新自由主義のもつ破綻性をとことん突く戦闘的攻撃的な闘いです。その戦闘的な闘いには階級的団結を求める自己解放的決起そのものがみなぎっています。八尾北・西郡の、絶対反対を貫き「闘えば勝てる」を示した闘い、石川一雄さんの不屈に闘う戦闘性がそれです。
今総会は、この新自由主義と闘う部落解放運動として勝ちとってきた路線と実践を確認し、2013年には「非正規職撤廃闘争を部落解放運動の正面課題」にすえて、闘いを前進させる方針を鮮明にさせることです。
解放共闘に結集する仲間のみなさん! 新たな闘いに突入した八尾北・西郡闘争、部落解放運動の全国組織の建設、狭山第3次再審闘争勝利を、2013年の闘いで絶対にもぎり取りましょう。第21回総会への参加を心から訴えて、ご案内とします。
2012年11月
部落解放東日本共闘会議
事務局長 岩本正治
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東日本解放共闘第21回総会
12月15日(土)午後6時開場 6時30分開会
きゅりあん・大会議室(JR・東急大井町駅東口すぐ)
主催 部落解放東日本共闘会議
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週刊『前進』(2564号6面4)(2012/12/10 )
中国・矢崎総業でストライキ
非正規強いる日系資本に怒り
中国・広東省汕頭市汕頭経済特区にある矢崎総業の子会社の自動車部品工場で、11月16日から10日を超えるストライキが闘いぬかれた。工場の移転話が持ち上がり、全面的な非正規雇用化と一時帰休の攻撃を受けた労働者たちは、会社側の暴行で負傷者を出しながら、仲間が警察に連行されると、ただちにデモに打って出て警察署を包囲し、弾劾した。
(写真 抗議行動に集まった労働者たち【11月24日 広東省汕頭市】)
搾取と抑圧への怒りの決起
矢崎資本は以前から多数の労働者を臨時工で雇い、低賃金を強いてきた。一切の福利厚生を保障せず、長年勤務した労働者を次々と解雇し、新人を雇うことで賃金を下げる手法をとってきた。8年前には始業15分前に出勤させ「朝礼」を強要。あまりのひどさに一時待遇の改善が図られたが、09年に一方的に労働協約を変更、会社都合で職場配置や待遇を自由に変えられるようにした。 今回のストライキは、こうした矢崎資本に対する労働者の積もりに積もった怒りの決起だ。しかし、それだけではない。
中国では1978年以降、トウ小平(トウは登におおざと)の「改革・開放」政策で矢崎のような帝国主義国の資本を呼び込み、労働者を搾取させるがままにして体制を維持してきた。「労働力の再生産」すら否定する新自由主義の、中国での土台をつくってきた。
労働者の不満や反発を抑えてきたのは中国共産党、中国政府であり、その末端組織の総工会(公認の労働組合)だ。こうしたスターリン主義の抑圧体制を突き崩すストを矢崎総業の労働者たちは打ちぬいたのだ。
低賃金求めて生産拠点移動
矢崎総業は、ワイヤーハーネスと呼ばれる自動車の“組み電線”の製造では世界でトップのシェアを持つ。何種類もの細い電線を束ねる手作業での生産が中心で、原価に占める人件費の割合が高い労働集約型産業だ。
矢崎が業界トップの座にあるということは、いかに低賃金、無権利で労働者を搾取してきたかを示している。実際、矢崎は、より低賃金の国・地域を求めて生産拠点を移すため、工場を閉鎖し労働者を放り出してきた。
矢崎は、2000年代に入りアフリカ大陸初の拠点をモロッコに設立したが、それは東欧の工場を統廃合し、地中海対岸の東欧諸国やトルコなどに比べ賃金が低い北アフリカに移転するためだった。矢崎は、モロッコに次いで09年にチュニジアに進出、沿岸部を避けてより賃金の低い、100`も内陸に入ったガフサに工場を設立した。
インドネシアでも闘い爆発
しかし、新自由主義の権化ともいうべき矢崎資本は、チュニジアで3年たつかたたないうちに、ストライキの嵐に見舞われて撤退した。中東革命の火ぶたを切った11年1月のチュニジア蜂起を担った労働者階級によって打倒されたのだ。
そして、10月3日、インドネシアの労働者階級400万人が派遣・外注化禁止、最低賃金引き上げなどを掲げて初のゼネストに決起した際、西ジャワ州タンゲランの矢崎の工場も直撃を受けた。8月に新工場を稼働させたばかりのインドネシアは、矢崎資本にとって生命線であり、墓場だ。
ゼネストの中心、三つの労組連合で成るインドネシア労働者評議会は12月5日、解雇者を先頭に数千人規模でジャカルタの日・韓両大使館前で同時デモに決起した。トヨタ資本などによる派遣労働者の不当解雇、さらに労組結成禁止の不当労働行為を徹底弾劾し、再雇用を要求した。
世界大恐慌の深まりは新自由主義を絶望的に推し進めるが、生きなければならない労働者を、外注化による派遣・非正規職撤廃の闘いへと決起させる。資本主義打倒へ国境を超えた団結をつくり出す。先頭で闘おう。
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