ZENSHIN 2012/11/19(No2561 p06)

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第2561号の目次

 11・11ソウル 動労千葉、3万のデモと合流(記事2面

1面の画像
(1面)
野田・安倍・石原・橋下打倒
外注化・非正規職化-大量解雇と闘い労働組合を復権しよう
再稼働阻止!大飯原発止めろ!
11・11ソウル 動労千葉、3万のデモと合流(記事2面)
記事を読む  
ストで闘う都労連の再生へ
1時間スト中止 悔しさバネに職場の団結を(11月7日)
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
【集会要項】11・23星野再審全国集会 記事を読む  
(2面)
動労千葉訪韓団 争議現場でエール交換
田中委員長“敵よりも一日長く”と訴え(11月11日)
記事を読む  
チョンテイル烈士追悼式  “この地の非正規職撤廃のために”(11月13日) 記事を読む  
JR東「経営構想」に反撃を
駅業務を丸ごと子会社に委託  新幹線輸出も大合理化が前提(長沢典久)
安全を解体する全面外注化の攻撃
記事を読む  
(3面)
解雇撤回・JR復帰へ 動労千葉鉄建公団訴訟
年内1万筆達成めざし全力で署名運動拡大を
記事を読む  
国鉄・反原発決戦に勝利するため圧倒的カンパを 記事を読む  
「8・6処分」広島人事委 研修欠席で支障なし
職務命令の不当明らかに
記事を読む  
中国で暴動とストの波  開会中の共産党大会を直撃(河原善之) 記事を読む  
(4面)
反原発闘争の路線的運動的発展へ
米新軍事戦略と日帝の原発政策
日米安保強化と核武装化狙い核燃サイクル護持に突き進む(島崎光晴)
記事を読む  
原発国際会議にNO!  12・14〜16福島・郡山現地行動へ 記事を読む  
大間現地闘争 原発建設工事やめろ
隣接地で集会、町中をデモ(青森 J)(10月1日)
記事を読む  
電源開発に申入書  受け取り拒否に怒り心頭(11月9日) 記事を読む  
【集会要項】2012もんじゅを廃炉へ!全国集会 記事を読む  
2012年日誌 11月6日〜12日
オバマ米大統領が再選/野田首相、年内衆院解散へ動く
記事を読む  
(5面)
サークル活動解体攻撃粉砕へ11・27東北大集会に大結集を
マル学同中核派・東北大学支部
記事を読む  
市東さん農地裁判
“農地強奪を阻止する”  萩原進さんが気迫の証言(11月12日)
記事を読む  
“廃炉へ!今すぐ”  11・11反原発行動での発言(11月11日) 記事を読む  
(6面)
脱落日帝の危機と改憲攻撃
野田・安倍・石原・橋下ら改憲勢力を階級的労働運動の力で打倒しよう(鳴海直也)
記事を読む  
全証拠開示を迫り再審勝利へ  11・23星野集会に結集を 記事を読む  

週刊『前進』(2561号1面1)(2012/11/19 )

 野田・安倍・石原・橋下打倒

 外注化・非正規職化-大量解雇と闘い労働組合を復権しよう

 再稼働阻止!大飯原発止めろ!

 11・11ソウル 動労千葉、3万のデモと合流(記事2面

 日帝・野田政権は11月16日、衆議院解散・総選挙という絶望的なかけに打って出た。だがそれは、支配階級の分裂・抗争を一層激化させ、日帝の危機と統治能力の崩壊をいよいよ促進する。解散・総選挙は、野田・安倍・石原・橋下などの極右勢力が戦争・改憲、原発再稼働、日米安保強化と核武装、道州制、民営化・外注化・非正規職化、さらには増税やTPP(環太平洋経済連携協定)など、新自由主義政策の絶望的凶暴化を競い合う、労働者人民への階級戦争そのものだ。労働者階級は、国鉄決戦と反原発決戦の爆発、階級的労働運動の再生と発展をもって解散・総選挙情勢と全面対決しよう。

 新自由主義の絶望的な凶暴化競い合う総選挙

 闘う労働組合と階級的労働運動の復権を高らかに宣言した11・4労働者集会、20万人決起で霞が関・永田町一帯を占拠した11・11反原発闘争、非正規職撤廃へ日韓労働者の固い団結をつくり出した11・10〜11訪韓闘争は、外注化阻止・非正規職撤廃闘争と反原発闘争が相互に強め合いプロレタリア世界革命に進む新たな地平を切り開いた。
 解散・総選挙には労働者人民の選択肢も未来もまったくない。労働者人民の未来と展望は、11・4集会でかちとった地平、すなわち外注化阻止・非正規職撤廃を全産別・全職場で闘い、動労千葉のような階級的労働運動を全産別で復権させ、反原発闘争の路線的・運動的な大発展をかちとることの中にある。
 解散・総選挙で、民主党政権を支える連合の危機もさらに深まり、労働運動の分岐と大流動が一挙に強まる。11・4労働者集会の地平でこの時代に立ち向かい、解散・総選挙情勢と徹底対決しよう。労働者の団結の前進、闘う労働組合の再生で、野田・安倍・石原・橋下ら極右・改憲勢力をぶっ倒そう!

 11・4大集会の感動と興奮がただちに職場に

 11・4労働者集会の感動と興奮は直ちに職場に持ち込まれ、11・4集会に参加した仲間が次々と『前進』の定期購読者になっている。ある労組では組合執行部全員に11・4労働者集会を報じた『前進』が渡され、「俺たちもストライキをやりたい」という声が上がっている。またある職場では初めて『前進』を広げて11・4集会の報告が行われ、「来週号も早く見たい」という反応だ。11・4集会の大高揚は「集会の感動とかちとった地平を職場の仲間に伝えたい」という意欲を爆発的に生み出している。
 11・4労働者集会は、外注化阻止・非正規職撤廃闘争こそが新自由主義を打ち破り、階級的労働運動を復権させる唯一の路線であることを宣言した。韓国、アメリカ、ドイツからきた仲間たちは、民営化・外注化・非正規職化が労働者に襲いかかり、医療や教育までもが資本の金もうけの手段になっている現実や、これと必死に闘っていることを訴えた。世界と日本で起きていることはまったく同じだ。全世界の労働者が団結し外注化阻止・非正規職撤廃を闘うことこそプロレタリア世界革命に勝利する道である。このことを11・4集会は鮮明に打ち立てた。
 特に10・1外注化阻止決戦を闘いぬいた動労千葉や動労水戸、それを先頭とする国鉄労働者の全員登壇と発言は、参加者に衝撃と感動、闘う勇気と展望を与えた。動労千葉や動労水戸を先頭にした外注化阻止決戦は国際連帯闘争を発展させ、新自由主義と闘って勝つ展望を切り開いている。
 外注化阻止・非正規職撤廃を、4大産別を先頭にすべての産別・職場で全力をあげて闘おう。外注化・非正規職化という視点から全現実をとらえなおし、路線と闘争方針を形成し、職場実践へと踏み込もう。
 今や民営化・外注化・非正規職化と無縁な職場はない。しかも外注化・非正規職化の現実は、解雇、労働強化、低賃金、偽装請負、労働基準法違反などのオンパレードだ。職場の仲間の不満や怒りは煮えたぎり、闘争課題は山積みだ。闘いを開始すれば、労働者の怒りに火をつけ、資本の職場支配をひっくり返す展望は切り開かれる。職場で闘うには、一緒に闘う仲間や組織が必要となる。職場闘争と闘う組織づくりは一体だ。資本に勝つためには闘う労働組合と労働者党が必要だ。そのためにこそ『前進』を活用しよう!
 職場に動労千葉を支援する会をつくり、外注化阻止・非正規職撤廃を闘っている職場から、多くの仲間が11・4集会に結集した。支援する会の会員を拡大すること、動労千葉物販や国労原告団物販を広げることが職場の団結をつくり出し、外注化阻止・非正規職撤廃を闘う力となる。物販を拡大し、国鉄闘争全国運動の会員を組織しよう。
 さらに国鉄1047名解雇撤回闘争が労働者の怒りの決定的な結集軸だ。動労千葉は、動労千葉組合員をJR不採用にしたのは不当労働行為であることを初めて裁判所に認めさせた(6・29判決)。12月17日から始まる東京高裁での闘いに向け、「解雇撤回・JR復帰」を求める大署名運動を職場・地域・労組にどんどん広げていこう。

 膨大な労働者層が闘う仲間と組織を求めてる

 11・4集会を前後して合同労組への労働相談が急増している。解雇やパワハラを受けた怒りの労働相談に加え、労働組合を職場につくって闘いたいという労働相談が増えているのだ。膨大な層の労働者が闘いを求め、ともに闘う仲間と組織を求めている。大恐慌下の新自由主義の絶望的凶暴化と3・11情勢は、反原発闘争への決起とともに、職場で資本と闘う運動と組織、勝利する路線を求める労働者を爆発的につくり出している。
 しかもこれはまだ始まったばかりだ。11月12日、政府は7〜9月期の国内総生産(GDP)が前期比マイナス0・9%、年率換算でマイナス3・5%であると発表した。これは世界大恐慌が今ひとつ激しい段階に入りつつあることを示している。すでに電機産業などで大量首切りが始まっている。世界大恐慌はいよいよこれから本格化するのだ。
 現在の大恐慌は、世界的な戦争情勢と同時に、これまでのレベルをはるかに超える外注化、非正規職、大失業を生み出す。実際に年末から来年3月に向かって大量解雇が行われようとしている。すでに来年3月末をもって請負契約打ち切り=全員解雇を言い出す資本が出ている。闘わなければ生きられない時代が来たのだ。
 欧州でのゼネストや23カ国一斉デモのように、青年労働者は闘いの先頭に立とう。関西生コン支部の高英男副委員長は「派遣・非正規労働者の増大やワーキングプアの拡大は、闘う環境を厳しくしているのではなく、団結できる環境が広がっているととらえる視点が重要です」と訴えている。世界大恐慌とは資本主義・帝国主義の「死の苦悶(くもん)」だ。腐り切った今の社会を根本から覆し、労働者が主人公の新しい社会をつくり出す時が来た。希望と展望をもって闘おう!

 政府・IAEAの「福島閣僚会議」粉砕しよう

 11・11反原発闘争の巨大な高揚を引き継ぎ、NAZEN(「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」=な全)を全国各地に組織し、反原発闘争の路線的・運動的発展を切り開くことが、今や決定的に求められている。反原発闘争は、国鉄決戦・外注化阻止闘争とひとつの巨大な階級決戦として、プロレタリア革命の勝利に向かっての戦略的な闘いだ。
 その反原発闘争は、今や次なる原発再稼働問題や大間原発建設再開、核燃料サイクル継続や日米安保強化・核武装を巡り大攻防になっている。とりわけ活断層の上に建つ大飯原発は直ちに止めろ!ということだ。
 12月15〜17日に福島県郡山市で日本政府とIAEA(国際原子力機関)の共催で「原子力安全に関する福島閣僚会議」が開かれようとしている。福島の怒りを圧殺し、福島に住んでも安全だと宣言し、原発再稼働と核燃料サイクル維持を強行する大攻撃だ。絶対に許すな。福島の怒りとひとつになって国際会議粉砕の闘いに決起しよう!
 原発労働は外注化・非正規職化と偽装請負の極限的な形態だ。福島第一原発で働いていた労働者が「高い放射線量で作業をさせたのは違法」として東電と関電工を労働基準監督署に告発した。原発労働者との団結へ自分の職場で外注化阻止・非正規職撤廃を闘おう。
 さらに11月こそは、無実の星野同志奪還に向けて全証拠開示の大運動をつくり出さなければならない。今や警察・検察・裁判所の反人民的な正体は「冤罪事件」「検察の証拠隠し」として暴かれている。11・23星野再審全国集会に大結集し、検察が隠し持つ全証拠を開示させ、星野闘争の勝利へ大前進しよう。
 最後に、機関紙活動を強力に推進し、それと一体のものとして冬期カンパ闘争に全面的に突入することを熱烈に訴えたい。11・4の地平から、党と労働組合の一体的建設へ全力で決起しよう。

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週刊『前進』(2561号1面2)(2012/11/19 )

 ストで闘う都労連の再生へ

 1時間スト中止 悔しさバネに職場の団結を

 都労連(5万人)は、人事・賃金制度の抜本改悪をめぐる秋季年末闘争において、11月7日に13年ぶりとなる29分間の勤務時間内職場集会(実質上のストライキ)を打ち抜いた。しかし、それに続く15日の第2波1時間ストを貫徹できないまま闘争を終結させた。
 大恐慌下の大量解雇、民営化・外注化・総非正規職化と労働組合解体攻撃との階級決戦において、国鉄闘争と反原発闘争を最焦点に、被災地における復興特区や大阪・橋下維新の会との攻防とともに、都労連の闘いは決定的な位置をもっている。29分間ストは職場にあふれる怒りの爆発の始まりだ。全職場で闘う団結をよみがえらせ、ストで闘う都労連の再生をかちとろう。
(写真 29分間ストに自信をみなぎらせ、翌朝の1時間スト貫徹へ「団結してがんばろう!」と拳を上げる都労連の労働者たち【11月14日 都庁モール】)

 全職員に一時金の格差付け

 都労連の秋季年末闘争は、人事評価(成績率)に基づく一時金の格差付けの全職員への拡大、55歳を超える職員の昇給抑制、三百数十万円という退職手当の大幅削減などとの大攻防だった。都当局は「人事制度の一体的構造改革」を掲げ、総額人件費の大幅削減を支給格差の拡大とセットで推し進め、能力・業績主義を全面化させて労働者をバラバラに分断し労働組合を解体しようとした。
 これに続いて職場丸ごと民営化・外注化、大量解雇・非正規職化の攻撃が激化することは必至だ。JRをはじめ郵政や医療、NTT、金属など全産別でフルアウトソーシングと10割非正規職化の攻撃が始まっている。
 都労連は一時金の格差拡大、55歳超昇給抑制、退職手当削減を切り縮めさせたものの第2波ストを貫徹できず、「人事制度の一体的構造改革」への踏み出しを許した。
 しかし、闘いはまだ終わっていない。これからが本格的な決戦である。
 29分間の時間内職場集会は、実質的なストであり、それを13年ぶりに貫徹した意義は決定的だ。

 29分スト貫徹の歴史的地平

 青年労働者の大半は時間内集会もストも経験していない。支部・分会執行部も含め大変な緊張感と集中性をもって闘争準備を進め、一丸となって時間内集会を打ち抜いた。職場の団結はここから始まる。
 都労連の29分間ストは、全国で苦闘する自治体労働者、全労働者に大きな勇気と力を与えている。9・16橋下打倒闘争、10・1JR外注化阻止決戦、11・4全国労働者総決起集会――全国・全産別における外注化阻止・非正規職撤廃決戦の出陣式――に続く号砲となった。国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる一昨年の「4・9政治和解」と昨年3・11大震災以降の階級闘争圧殺・労働組合解体の大反動を打ち破る実力闘争、ストライキの復権だ。
 新自由主義への怒りと闘いの意欲は職場に充満している。「闘ってもしょうがない」「勝てない」などという堕落した労組幹部の屈服・妥協のための言い訳は通用しない。闘う団結を総括軸に都労連の戦闘的再生をかちとろう。ストで闘う労働組合をつくり出そう。

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週刊『前進』(2561号1面3)(2012/11/19 )

前進速報版から 前進速報版から

▼再稼働阻止へ200人が伊方原発包囲行動▼大間原発建設工事即時中止求め集会・デモ▼市東さん農地裁判で萩原事務局次長が証言

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週刊『前進』(2561号1面4)(2012/11/19 )

【集会要項】11・23星野再審全国集会

フクシマ・オキナワの怒りと一体で獄中38年を打ち破れ
11・23星野再審全国集会
11月23日(金) 正午開場、午後1時開会
赤羽会館(JR京浜東北線赤羽駅東口)
主催/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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週刊『前進』(2561号2面1)(2012/11/19 )

 動労千葉訪韓団 争議現場でエール交換

 田中委員長“敵よりも一日長く”と訴え

(写真 金属労組、公務員労組など民主労総3万人がチョンテイル橋に集合【11月11日 ソウル】)

(写真 平和市場前からデモに出た動労千葉訪韓団【11月11日 ソウル】)

 「国際連帯がなぜ必要かを態度で示してくれたのが民主労総ソウル本部の9・27日本大使館抗議行動だった。ありがとうございました」、訪韓した動労千葉青年部の組合員が語ったこの言葉に国際連帯のすべてが詰まっている。自らの職場・現場で資本と闘い、新自由主義を打ち破ること、これが世界とつながる道だ。動労千葉訪韓団はソウルで3万人の大デモに合流するとともに長期争議座り込みテントなどを訪問し、エールを交換、新たな交流をかちとった。(本紙 室田順子)
 11月11日、午後4時からの民主労総大会に先立ち、午後2時にはソウル中心部、清渓川(チョンゲチョン)にかかるチョンテイル橋から大会会場のソウル駅前に向けてデモ行進が行われることになっていた。ソウルは前日とはうって変わり、朝から雨模様。
 冷たい雨の中、動労千葉は民主労総ソウル本部の案内で全国事務金融サービス労働組合ゴールデンブリッジ投資証券支部の座り込みテントを激励訪問し、さらにソウル市庁前の双龍(サンヨン)自動車焼香所、才能学習誌座り込みテントなどを訪問した。

 スト200日

 ゴールデンブリッジ投資証券支部のストライキは11月8日で200日を迎えていた。05年にブリッジ証券の大株主だったイギリス系投機資本BIHファンドが韓国から撤収しようと投資資金を回収し、会社清算を画策。これに対し労組が闘い、現会長のイサンジュンと「ブリッジ証券共同買収と経営に関する約定書」を結んで共同経営を約束した。イサンジュンは九老(クロ)工業団地で労働運動の経験があるなどと自らを売り込んでいた。しかし会長就任後、この約束を守らず、団体協約も一方的に解約する暴挙に出た。しかもこの労組破壊のやり口を伝授していたのが、今や韓国で悪名高い「創造コンサルタント」だったのだ。
 テントに招き入れられた動労千葉の田中康宏委員長は「争議現場に来るといつもお話しすることですが、敵よりも一日長く闘えば勝利できるということです。日本でもみなさんとともに外注化と闘い、非正規職撤廃を闘います」と激励し、団結ハチマキなどを贈った。
 11時半、動労千葉訪韓団はソウル市庁前広場に面した徳寿宮の正門、大漢門に集まった。
(写真 ゴールデンブリッジ投資証券支部を訪問【11月11日 ソウル】)

 双龍車焼香所

 その傍らには、09年5月から8月6日まで77日間の工場占拠ストライキを闘いぬいた金属労組双龍自動車支部の焼香所がある。政府・資本による整理解雇と暴力的労組破壊の中で組合員・家族ら22人もの犠牲者(病死、自殺など)が続いているのだ。
 10月10日から1カ月を超えるハンストを続けているキムジョンウ双龍車支部長のハンスト座り込みテントもここにある。
 動労千葉の田中委員長と組合員が代表して焼香した。まさに「解雇は殺人だ!」であり、「一緒に生きよう!」と呼びかけた整理解雇との闘いは、新自由主義攻撃へのストレートな怒りを束ね、世界の資本家どもを震え上がらせた闘いだった。労働者は死んではならない! 死すべきは資本であり、1%の資本家を生かすために99%を犠牲にしなければ成り立たないこの世界だ!
 民主労総大会で発言に立ったハンサンギュン前双龍車支部長も「(スト直後に逮捕、実刑となり)3年間、収監され、今の社会こそが大きな監獄だと知った」と語り、「今回の大統領選挙闘争では、双龍車支部が整理解雇撤回を掲げて先頭に立つから、民主労総を立て直すために団結しよう」と呼びかけた。
 すでに8日から双龍車解雇者20人が、ヨイドのセヌリ党舎前で無期限ハンストに入っている。要求は、双龍車問題解決のための国政調査を行えというものだ。
 だがなんと大会翌朝5時、数十人の警官隊が、セヌリ党舎内で座り込んでいたヤンドンギュ副委員長ら労組幹部4人を退去拒絶で連行するという暴挙におよんだ。組合員らはこのような弾圧には屈しないと、セヌリ党の大統領候補者パククネに戦闘宣言を発している。
(写真 双龍自動車支部の焼香所前で田中委員長を囲んだ訪韓団【11月11日 ソウル】)

 労働者大統領

 11月11日、「整理解雇・非正規職のない世の中労働者大統領選挙闘争本部」は正式に労働者大統領候補としてキムソヨン候補を選出した。キムソヨン候補は「高校卒業後、九老工業団地で20年働き、闘った」生粋の労働者だ。金属労組キリュン電子分会の前分会長であり、ソウル本部が取り組んだ9・27日本大使館前での動労千葉外注化阻止ストライキ支持・連帯行動には、ユフンヒ分会長とともに駆けつけ、弾圧する警察部隊と体を張って闘った一人だ。
 キムソヨンさんは「ある者はあなたに政策はあるのかと尋ねたりもする。私たちには多くの政策がある。現代車、双龍車、全撤連、障害者、非正規職闘争の仲間たちの要求と闘いが政策であり代案だ」と胸を張る。
 15日には全国非正規職労組の前・現幹部131人が「900万非正規職大統領キムソヨン候補とともに闘う」と宣言した。共同選対本部長のユミョンジャ才能教育支部長を始め、現代車、起亜車、双龍車、現代ハイスコ、トンヒオート、キリュン電子、学習誌、KBSなど、争議現場を率いる非正規職労組指導部が結集している。
 11月17日には、現代車非正規支会のチョンウィボン事務局長、チェビョンスン解雇者が高空鉄塔籠城(ろうじょう)を続ける蔚山(ウルサン)の現代自動車包囲行動が取り組まれる。鉄道、ガスなど公共部門の民営化攻撃との闘いも切迫している。東京とソウル、二つの11月闘争を国際連帯で闘った日韓労働者のスローガンは外注化阻止、非正規職撤廃だ! この道を進もう!
(写真 「労働者大統領」の横断幕を持って平和市場前からデモに出るキムソヨン候補(右から3人目。4人目はユミョンジャ才能支部支部長)

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週刊『前進』(2561号2面2)(2012/11/19 )

 チョンテイル烈士追悼式

 “この地の非正規職撤廃のために”

 11月13日、チョンテイル烈士の命日、磨石(マソク)牡丹(モラン)公園の民主墓地で「チョンテイル42周忌追悼式」が開かれた(写真)。ここには昨年亡くなった母イソソンさんも息子とともに眠っている。
 今年の第20回チョンテイル労働賞を受賞した金属労組双龍自動車支部を始め、民主労総、韓国労総の代表や多くの労働者・友人が駆けつけた。
 遺族を代表して弟のチョンテサムさんが「兄さん、とても会いたい」と語りかけ、「この地の非正規職撤廃のために鉄塔上で命がけ闘っている現代自動車の非正規職労働者たちがいます。キムジンスク同志のように必ず生きるという意志で降りて来るようにみなさんが力になってください」と、困難な闘いを続けている同志たちを思い、参列者に呼びかけた。

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週刊『前進』(2561号2面3)(2012/11/19 )

 JR東「経営構想」に反撃を

 駅業務を丸ごと子会社に委託

 新幹線輸出も大合理化が前提

 安全を解体する全面外注化の攻撃

 JR東日本は10月30日、新たな経営計画「グループ経営構想X」を打ち出した。「限りなき前進」というサブタイトルが付けられたこの計画は、10月1日に強行された検査・修繕部門の外注化に続き、鉄道業務の全面外注化を極限的に推し進めるという宣言だ。他方、11・4全国労働者総決起集会は、動労千葉(動労総連合)を先頭に、外注化阻止決戦の第2ステージへの突入を高らかに宣言した。国鉄決戦はまさにJR体制と真正面から激突する過程に入ったのだ。

 分割・民営化を上回る労組破壊へと突進

 JR東日本は90年10月の「フューチャー21」以来、00年11月の「ニューフロンティア21」、05年1月の「ニューフロンティア2008」、08年3月の「グループ経営ビジョン2020―挑む―」と、過去4回にわたり全般的な合理化計画を策定してきた。これに続く5番目の計画として打ち出されたのが、今回の「グループ経営構想X」だ。
 この経営構想は冒頭で、「東日本大震災を国鉄改革に次ぐ『第二の出発点』と位置づける」と叫んでいる。3・11大震災と原発事故をテコに、国鉄分割・民営化の時をも上回る労組破壊攻撃に突進するというのだ。
 経営構想は、「地域に生きる、世界に伸びる」をキャッチフレーズに掲げている。これは、JR資本の延命戦略の基本を示すものだ。
 その一切の前提は鉄道業務の全面的な外注化だ。JRは、検修外注化により業務が回らなくなり、鉄道の安全がとことん破壊されている現実をなんら省みない。それどころか経営構想は、次のように述べて一層の外注化を宣言している。
 「個々のグループ会社が役割・使命の達成に向け、自らの判断でその強みを最大限に発揮していく『水平分業』と、各社が連携し、グループ発展のために何ができるのかを常に考え行動する『全体最適』の2つの理念を徹底し、グループ価値の向上をめざします」「オペレーションにおける自由度の確保と責任の明確化を図るとともに、グループ共通の情報インフラの整備や積極的な人材交流により、一体感のあるグループ経営を推進します」
 ここでは、「積極的な人材交流」という言葉に示されるように、強制出向が当然の前提にされている。これは転籍の強要に至る攻撃だ。しかも、外注化が偽装請負という不法行為を必ず伴うことも、「水平分業」「全体最適」と居直っている。
 経営構想は「輸送障害件数を現在の3分の1まで減少させることをめざす」とうそぶくが、さらなる外注化を強行すれば輸送障害は激増する。まさにそれは大事故への「限りなき前進」にほかならない。

 新幹線輸出と駅ナカビジネスで延命図る

 外注化のターゲットにされているのは、10月1日に強行実施できなかった機動班や構内計画などの検修業務とともに、駅業務だ。
 JRは15年度までに山手線全駅にホームドアを設置するという。ホームドアはすでに目黒駅、恵比寿駅に設置され、12月22日には大崎駅、来年3月には池袋駅での運用開始が予定されている。これが実施されればホーム要員は基本的に不要になる。これを手始めに駅の全面外注化を強行し、同時に国労を最終的に解体(連合化)しようとしているのだ。
 JRが最終的に狙っているのは、駅ナカビジネスのためのショッピングモール運営会社に、駅の施設も駅員も丸ごと移し替えてしまうことだ。
 JR東日本は「中央ラインモールプロジェクト」と称して中央線の立川駅−三鷹駅間の高架下の商業開発に着手した。同時に八王子支社管内の各駅では、駅ナカビジネスのために設立された子会社の社員をJRに出向させて駅本体の営業業務を担わせる施策を始めている。これは、やがてはJRの駅員を子会社に出向・転籍させるための布石だ。雇い止めされたグリーンスタッフ(契約社員)を一層の低賃金で「東日本環境アクセス」に雇い、駅業務に従事させているのも、こうした計画の一環だ。
 JR東日本は「ニューフロンティア21」以来、駅ナカビジネスやスイカなどの金融事業を収益の中心に位置づけることを狙ってきた。今回の経営構想でも、12年度実績に対する14年度の営業収益目標は、運輸業は0・8%増に過ぎないのに対し、駅スペース活用事業は5・9%増、ショッピングオフィス事業は9・7%増とされている。
 これに加え、JRが収益拡大の柱に置いているのは、鉄道の海外輸出だ。経営構想は、「海外の鉄道プロジェクトに積極的に参画し、グループの成長をめざす」として、ブリュッセル事務所の新設やシンガポールでの拠点整備を大々的に打ち出した。国内市場の拡大が見込めない中で、経営構想は「海外の鉄道マーケットは今後年平均2・5%で成長し、2020年には22兆円規模への拡大が見込まれる」と言う。昨年11月の「日本コンサルタンツ」の設立や、今年4月の東急車輌を買収しての「総合車両製作所」の設立は、新幹線のパッケージ輸出や海外からの車両受注にJRが社運をかけたことを示している。
 野田政権の「日本再生戦略」でも新幹線輸出は原発輸出と並び日帝資本の海外展開の柱に位置づけられた。しかし、ことはそう簡単ではない。JRなど日帝資本にとって最も有望な進出先と見られていたブラジル新幹線計画も、建設費を安く見積もるブラジル政府と各国資本との間で折り合いがつかず、頓挫している状態だ。結局、JRは徹底的な外注化で低コストを押し出す以外にない。

 復興特区攻撃と原発推進の最先兵がJR

 経営構想は、東日本大震災に触れ、「私たちは、地域社会の一員として、地域の皆さまとともにあるべき未来を考え、元気な地域を築く」と言う。JRの言う「元気な地域」とは、資本が好き放題に労働者を搾取・収奪できる場所ということだ。JRは復興特区攻撃の先頭に立っている。
 これは、野田政権の原発推進政策と一体だ。経営構想は、「福島第一原子力発電所事故による警戒区域を含む、常磐線広野−原ノ町間の復旧については、国が実施する除染作業の進捗(しんちょく)状況、地域の皆さまの帰還状況などを勘案しながら検討を行う」と言う。「除染すれば問題ない」とうそぶく野田政権の攻撃の先頭に立ち、広野以北での営業運転の再開をもくろみ、労働者と乗客にさらなる被曝を強いようとしているのだ。
 経営構想は、「地域との連携強化」とうそぶく一方、「地方路線の運営効率化」のため「鉄道以外の輸送モードの導入」を図るとあからさまに言い放った。JRがバス輸送への転換を打ち出した気仙沼線・大船渡線・山田線については鉄道復旧など初めから拒否し、それ以外のローカル線もどしどし切り捨てていくというのだ。
 他方、常磐・宇都宮・高崎各線を東京駅に乗り入れさせる東北縦貫線計画は、品川開発プロジェクトと連動して、国際戦略総合特区構想につながっている。階級的労働運動の歴史的拠点であった田町車両センターを廃止し、法人税減税を売り物に品川・田町地区を国際金融資本に明け渡そうというのだ。これがさらなる外注化のテコとなることは間違いない。
 JR資本は、こうした形でこの3〜5年の決戦を宣言してきた。これを支えているのが東労組カクマルや国労東日本本部の裏切りだ。だが、この構想を根幹で打ち砕く闘いは、外注化阻止決戦としてすでに激しく開始されている。鉄道業務を投げ捨て、安全を破壊し、労働者から誇りを奪うこの経営構想に対して、青年労働者の反乱は必ず起こる。動労千葉、動労水戸、国労郡山工場支部を先頭とする外注化粉砕の闘いは、すべてのJR職場に拡大する。
 JRには、どんなに破綻的でも大恐慌下でこの経営構想を貫く以外に延命の道はない。だから、そこにはJR体制にとって命取りになりかねないものがはらまれている。
 外注化阻止の闘いは検修部門だけでなく駅業務を始めとした全職種にわたる決戦になった。来春2月のライフサイクル強制配転と4月のさらなる外注化を阻止するため、一層団結を固めて闘いぬこう。
 (長沢典久)

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週刊『前進』(2561号3面1)(2012/11/19 )

 解雇撤回・JR復帰へ 動労千葉鉄建公団訴訟

 年内1万筆達成めざし全力で署名運動拡大を

 6・29地裁判決に広がる注目

 9月末から始まった「動労千葉・鉄建公団訴訟、解雇撤回・JR復帰の判決を求めるための東京高等裁判所あて署名」は現在、200団体を超える署名が集まっている。国鉄闘争全国運動の事務局には、この間、一日も欠かすことなく毎日、署名用紙が入った郵便が届いてる。
 署名の呼びかけ・賛同の陣形も全国各地・各界各層に広がっている。国労闘争団関係を始め、教組や清掃労組など、これまで長年にわたり1047名闘争に心を寄せてきた人びとや団体が続々と加わっている。
 動労千葉鉄建公団訴訟の東京地裁判決(6・29判決)は大きな注目を浴び、あらためて1047名解雇撤回へ向けての闘いの機運が盛り上がっている。
 6・29判決は、「停職6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者はJR採用候補者名簿に記載しない」という不採用基準により動労千葉組合員をJR不採用とした国鉄の行為を、不当労働行為と明確に認定した。
 そして、この不採用基準が、国鉄当局と鉄道労連(現JR総連)との結託によって策定された事実もはっきりと認めた。
この地平を守りぬき、解雇撤回・JR復帰の高裁判決をかちとることは、一昨年の1047名解雇撤回をめぐる政治和解を超え、1047名闘争の勝利へ向け大きな展望をつくりだす。

 12・17控訴審第1回弁論へ

 動労千葉鉄建公団訴訟の控訴審は、東京高裁で12月17日から始まる。
 6・29判決に打撃を受けた被告の鉄道運輸機構(旧国鉄清算事業団)は、この判決を覆そうとして、控訴理由書で次のように叫び立てている。
 「国鉄の分割・民営化によって新企業体として設立されるJRにあっては、国鉄改革の主旨を理解し、民間企業としての経営基盤を確立し得るよう、規律の維持に務めるとともに業務に意欲的に取り組む企業意識をもった社員が必要とされた」「新事業体として設立されるJRにおいては、国鉄と同じ轍(てつ)を踏まないよう職場規律の維持、確立が特に求められていることにかんがみ、JRの採用予定人員枠に余裕があるか否かにかかわらず、職場規律の確立・維持の観点から明らかに不適当な者はJR各社の業務にふさわしい者には当たらないとし、従前国鉄において重い懲戒処分を受けるような非違行為のあった者……は、採用候補者として名簿に記載しないこととした」
 つまり、「職場規律確立」のためには、国鉄分割・民営化にストライキで反対して停職処分を受けた動労千葉組合員を排除したのは当然だというのだ。こんな居直りが認められるか!
 今やJR東日本の検査・修繕業務の外注化により指揮命令系統は破壊され、職場は混乱に次ぐ混乱を重ねている。鉄道を安全に運行するための「規律」を自ら破壊しているのがJRだ。動労千葉を始めとする闘う国鉄労働者こそが、JR資本と闘う中で鉄道労働者としての誇りをかけて、安全をぎりぎりのところで確保してきたのだ。JRや鉄道運輸機構に今さら「職場規律」を口にする資格などまったくない。
 1047名解雇の不正義性が今ほど明らかになっている時はない。外注化・非正規職化に立ち向かう職場の闘いと結合し、1047名の解雇撤回・JR復帰を実力でもぎり取ろう。
 東京高裁は10月11日、国労秋田闘争団・小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟で6・29判決を全面的に覆す判決を下した。司法権力は、外注化阻止を軸とする国鉄決戦の前進に恐怖し、その圧殺に全力を挙げ始めた。この反動と全面対決する闘いは、全労働者階級を鼓舞・激励するものになる。
 1047名闘争に心を寄せ、ともに闘う気持ちをもった人びとは全国に膨大にいる。動労千葉の6・29判決の存在とその意義を知らせ、署名運動を提起することが急務になっている。
 署名運動はまだ始まったばかりだ。年内1万筆を目標に全国で署名運動を展開し、国鉄闘争全国運動の2千人会員実現へ全力で闘いぬこう。
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署名運動の呼びかけ人・賛同人(11月12日現在)
【呼びかけ】
足立 実(東京東部労働組合元委員長)
石ア義徳(国労鳥栖闘争団)
伊藤 晃(日本近代史研究者)
入江史郎(スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合委員長)
李 東碩(広島大学大学院総合科学研究科准教授)
宇都宮理(愛媛県職員労働組合委員長)
大野義文(元安芸労働基準監督署長)
大口昭彦(弁護士)
荻野富士夫(小樽商科大学教授)
鎌倉孝夫(経済学者・埼玉大学名誉教授)
北原鉱治(三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長)
鬼頭宏一(島根大学名誉教授)
金 元重(韓国労働運動史研究家)
清井礼司(弁護士)
倉田芳浩(「国労秋田闘争団と共に闘う会」共同代表/秋田市議会議員)
高 英男(全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部副委員長)
小玉忠憲(国労秋田闘争団)
斉藤征二(元全日本運輸一般労組関西地区生コン支部原子力発電所分会長)
斉藤貴男(ジャーナリスト)
崎浜秀俊(元沖縄県高教組副委員長)
佐藤幸子(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人)
椎名千恵子(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人)
東海林武敏(「国労秋田闘争団と共に闘う会」共同代表)
下山房雄(九州大学名誉教授・JR東日本株主会前会長)
白井佳夫(映画評論家)
新藤宗幸(千葉大学名誉教授)
杉本一郎(自交総連北海道地連書記長)
鈴木達夫(弁護士・法大弾圧弁護団長)
清野和彦(元福島県教職員組合委員長)
末光道正(八尾市議会議員)
芹澤壽良(高知短期大学名誉教授)
手嶋浩一(元国労九州本部書記長)
高橋 浩(東京一般労働組合東京音楽大学分会分会長)
高山克己(元国労新潟地方本部副委員長・元新潟県労働組合評議会政治局長)
高山俊吉(弁護士・憲法と人権の日弁連をめざす会代表)
竹内良夫(東洋大学名誉教授)
田中 学(東京大学名誉教授)
富崎正人(弁護士)
中江昌夫(元国鉄動力車労組副委員長)
中西五洲(元全日自労委員長)
中村吉政(全国金属機械労働組合港合同副委員長)
成田昭雄(国労旭川闘争団)
西田 節(元総評オルグ・東部一般統一労働組合委員長)
西村正治(弁護士)
根津公子(東京「君が代」不起立被処分者)
花輪不二男(世田谷地区労働組合協議会顧問)
葉山岳夫(動労千葉顧問弁護団長)
羽廣 憲(国労小倉闘争団)
藤井 鉉(くすの木クリニック院長)
藤田正人(弁護士)
伏見 忠(東京「日の丸・君が代」被処分者)
堀川 忠(自交総連SK労組委員長)
前嶋 登(富士地区労働組合会議議長・元全日建中央副執行委員長)
三留理男(写真家)
宮城盛光(沖縄県北中城村議・元全軍労牧港支部)
安田浩一(ジャーナリスト)
山村ふさ(元日教組書記次長)
山本弘行(動労千葉を支援する会事務局長)
矢山有作(元衆議院議員)
わたなべひろやす(福岡県直鞍地区平和と人権を守る会共同代表)
全金本山労働組合
全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部
日の丸自動車交通労働組合
婦人民主クラブ全国協議会
八尾北医療センター労働組合
【賛同】
有賀信勇(弁護士)
川村 理(弁護士)
北村小夜(障害児を普通学校へ全国連絡会世話人)
黒田節子
小関傳六(弁護士)
佐々木勉(元国労函館闘争団)
嶋田久夫(弁護士)
清水雅彦(日本体育大学准教授・憲法学)
鈴木 亨(筑波大学教職員組合元委員長)
高嶋伸欣(琉球大学名誉教授)
内藤 隆(弁護士)
永嶋靖久(弁護士)
山崎吉男(弁護士)
横田 厚(元国労釧路闘争団)
ちばシティバス労働組合
東京清掃労働組合有明工場支部
東京二十三区清掃一部事務組合労働組合足立支部
ST合同労働組合
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【動労千葉鉄建公団訴訟】
 第1回口頭弁論
 12月17日(月)午前11時 東京高裁

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週刊『前進』(2561号3面2)(2012/11/19 )

 国鉄・反原発決戦に勝利するため圧倒的カンパを

 日本労働運動の反転攻勢をつくった2012年の闘い

 すべての『前進』読者の皆さん。革共同をますます労働者階級の党へと変革し、国鉄決戦と反原発決戦の爆発でプロレタリア革命を切り開くため、革共同に圧倒的な冬期カンパを寄せてくださるよう訴えます。
 今年、革共同と日本の闘う労働者・労働組合は、日本階級闘争の胸躍る新たな地平に突入しました。動労千葉、動労水戸を先頭とする外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは、青年の新たな結集と、全国のJR職場での総反乱情勢をつくり出しました。
 外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは、全産別、全職場に拡大し日帝・新自由主義を決定的に追いつめています。ここにすべての労働者、特に青年労働者を過酷な現実にたたき込んでいる最前線の闘いがあるからです。またそれは、世界中の労働者が直面している新自由主義の核心的攻撃であるからこそ、日米韓欧のすべての闘いと一気につながったのです。
 大阪では9月16日に労働者1千人のデモが橋下を直撃し大きな反撃の道を開きました。すべての闘いが11・4全国労働者集会に結集し、「団結して闘えば勝てる」という確信をもって、新自由主義の核心である外注化・非正規職化との闘いは第2ステージに突入しました。
 11月11日には権力のデモ禁圧の暴挙をうち破って、20万人が霞が関一帯を制圧し、事実上の国会包囲デモが爆発して反原発運動も新たな段階をかちとりました。革共同は100万人規模で立ち上がる人びととともに、福島現地、青森・六ケ所と結合して、全面再稼働をめぐる新たな激突の先頭に立ちます。
 さらに動労千葉訪韓団はそれら一切をひっさげて、韓国・民主労総3万人の大集会に合流し、固く深い国際連帯も新たな地平を実現しています。
 来年はまちがいなく世界帝国主義と残存スターリン主義の崩壊と、全世界プロレタリアートの総反乱の時になります。
 小差で再選されたオバマは、いきなり今年最大の株下落で迎えられました。オバマは大失業と戦争にますますのめり込む以外にありません。労働者階級との激突は不可避です。

 戦争と大失業に階級的労働運動の復権で立ち向かおう

 ヨーロッパの労働者たちは、生存をかけたゼネストに決起し、ヨーロッパ革命が現実のものになっています。残存スターリン主義下の中国でも、あらゆる水路をとおして体制を揺るがす地鳴りのような労働者の決起が爆発しています。
 かつて新自由主義の最初の血塗られたクーデターでいったんは壊滅させられたインドネシアの労働者階級は、日帝資本による外注化・非正規職化という究極の新自由主義に対し空前の400万人ゼネストに立ち上がりました。まさに世界は革命情勢です。
 こうした中で日本では、極悪の反動勢力が前面に出て来ました。しかし、野田・民主党はもちろんのこと、安倍・自民党、橋下・維新の会、そして石原「太陽の党」など極右・改憲勢力に何の展望もありません。彼らは、すでに破綻した新自由主義の手先でしかないからです。
 階級的労働運動路線を貫き、労働組合を再生し、絶対反対で団結して闘えば日帝・新自由主義を打倒することはできます。2012年を攻勢的に闘いぬいたからこそ、革共同は確信をもって「労働者階級の勝利の時代が来た」と言い切れるのです。

 党と労働組合の一体的建設の要は財政闘争にある

 労働者自身が革命的労働者党をつくる道にこそ、労働者階級の展望があります。その基礎は職場・生産点につくられる階級的労働組合であり革命党の細胞です。革共同はますます確信も固く、党と労働組合の一体的建設、青年労働者の階級的指導部が生き生きと闘う拠点建設を全力で推進します。現場労働者の闘いに深く密着しともに闘い、労働組合の再生にすべてをかけて、その組織拡大をかちとり、本物の労働者党の強大な建設を必ず実現します。
 この革共同を、既成政党を圧倒する存在として建設する闘いにすべての労働者人民は参加してください。「労働者階級の解放は、労働者自身の事業である」(綱領草案)のです。
 とりわけ、党と労働組合の一体的建設を本格的にかちとるためには、財政規模の拡大がまったなしに問われています。機関紙『前進』を数倍の規模で発行し、労働者人民の中へ持ちこまねばなりません。労働運動は具体的であり、系統的で大量のビラ・組合機関紙の弾丸が職場の労働者を激励し資本を追いつめていく必要があります。
 大恐慌はこれから本格的に激化し、賃下げ・解雇の嵐が激しく襲いかかるでしょう。財政闘争こそプロレタリアートの団結の強さの証であり、勝利に向かっての試練なのです。財政闘争で新自由主義を震え上がらせよう。革共同に絶大なカンパを集中してください。

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週刊『前進』(2561号3面3)(2012/11/19 )

 「8・6処分」広島人事委 研修欠席で支障なし

 職務命令の不当明らかに

 10月29日、広島の教育労働者、倉澤憲司さんの「8・6処分」(09年8月6日の年休を取り消され、8・6ヒロシマ大行動に参加したことをもって戒告処分を受けた)を撤回させる広島県人事委員会の第5回口頭審理が行われた。
 今回は、県教委の研修担当者だった諸藤孝則証人に対し、倉澤さんと広教組、高教組の組合員2人を含む代理人4人が、4時間近くに及ぶ反対尋問を行い、処分の不当性を証明する数々の証言を引き出した。
 これまでの審理で、倉澤さんの8月6日の年休を認めず研修に出席するよう職務命令を出した校長は、「研修は1日欠席しただけでも終了しない」と認識していたことが明らかになっている。校長はそうした認識を持っていたために、自分自身でも「異常だった」と認めるほど執拗(しつよう)な研修出席の職務命令を出したと証言している。
 しかし諸藤証人は、反対尋問で「倉澤さんの研修は終了しているのか」と尋ねられるとしぶしぶ「終了しています」と答え、「1日の欠席でも終了しないという校長の認識は正しいのか」と追及されると、「間違っている」と認めざるをえなかった。また8月6日の研修に出席しなくても、研修には何の支障もなかったことも明らかになった。要するに校長が倉澤さんの年休権行使を認めず、職務命令を発しなければならなかった正当な理由は何もなかったのである。
 また諸藤証人は、8月6日という日に平然と研修を入れてきたことについては、「配慮が足りなかった」とマスコミ報道されている県教委のコメントすら認めようとせず、「日程上やむをえなかった」と居直った。倉澤さんが処分された翌年からは8月6日の研修をやめたのも、単に「日程に余裕ができたから」だというのだ。県教委にとって8月6日の「原爆の日」とは、その程度のものでしかないのだ。
 こうした県教委の「8・6」に対する認識と対応、教育労働者が8・6の反戦反核集会に参加することへの敵視と弾圧こそ、「8・6処分」の本質だ。このことを明らかにするために、倉澤さんらは、8・6ヒロシマ大行動呼びかけ人である被爆者の下田禮子さんを証人として申請してきた。これに対し県教委側は「不要」との意見を出し、人事委員会も同様の姿勢であった。
 しかし、倉澤さんらは「8月6日」という日に研修を入れてきた県教委の姿勢こそ糾(ただ)されるべきとし、ついに下田さんの証言を認めさせた。「8・6」を争点にして闘ってきた倉澤さんの闘いがかちとった大きな勝利だ。下田さんの証言は、被爆者を先頭とする反戦反核の闘いに敵対する県教委の反動性をあばき出し、処分の不正義性、不法性を全面的に明らかにするだろう。
 次回審理は下田さんと倉澤さん本人の証言だ。口頭審理最大のヤマ場である。12月25日(火)午後1時半、広島県庁東館6階審理審問室に集まろう。
 (投稿/広島県労組交流センター教育労働者部会)

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週刊『前進』(2561号3面4)(2012/11/19 )

 中国で暴動とストの波

 開会中の共産党大会を直撃

 深セン市の工場で千人が暴動、破壊

 11月8日から北京で、武装警官や解放軍、140万人に上る民間をも動員した超厳戒態勢の中で中国共産党第18回全国代表大会が開催された。この大会は、新たな習近平体制を確立する歴史的な大会とされているが、欧州恐慌の爆発、対日関係のあつれきの激化などによる中国経済の急激な破産とバブル経済の崩壊の中で、中国スターリン主義の末期的な危機を象徴する大会となった。
 何よりも決定的なことは、この大会の中で労働者のストライキが次々と爆発したことだ。中国共産党大会は、まさに労働者の怒りのるつぼの中で開かれたのである。 
 翌9日には、世界最大の受託生産企業(外注による生産企業)である富士康の広東省深セン(センは「土」へんに「川」)市龍華の工場で、監獄工場への怒りの千人規模の暴動が発生、工場が徹底的に破壊され一部施設が放火された(写真上)。この日にはまた、青海省黄南チベット族自治州同仁県で1万人規模の大デモが爆発した。このチベット人の大デモと富士康労働者の暴動は、中国スターリン主義に大打撃を与え、大会を大きく揺さぶった。
 さらに同じ9日、広東省東莞市大朗鎮にある毛織物工場で、労働者が未払い賃金の支払いを要求し、弾圧で動員された警察官と激突した。11日には深セン市にある儀軍電線ケーブル有限会社が、休日の昼間に秘密裏に機械を運び出して工場を移転し、残業代など賃金を支払わないまま労働者を解雇しようとしていることに対して大抗議闘争が起きた(写真下)

 劣悪な労働環境に怒りが広がる

 これに先立ち、11月1日には、浙江省杭州市、江蘇省南通市、重慶市などで労働者が未払い賃金の支払いなどを求めてストライキに立った。2日には広州市、4日には広東省東莞市で労働者のスト、デモが闘われた。また広東省雲浮市にあるアディダスの工場では、労働者が事実上の自主労組をつくってストライキに決起している。
 中国の労働者の労働環境は著しく劣悪だ。低賃金、賃金未払い、首切り、さらに栄養不足、過労、ストレスなどが労働者の命と生活を破壊していることに対して、連日のようにストライキが爆発し、共産党大会を弾劾したのである。
 こうした労働者の怒りに追いつめられた中国スターリン主義は、大会への農民工の代表の出席を前回(5年前)の3人から25人に増員し、労働者の怒りを体制内的に取り込もうとした。だが、25人は全代表数2270人の1%である。およそ彼らの意見が反映するわけもなく、こうしたペテン的な政治への怒りも爆発している。
 まさに今回の共産党大会は、中国スターリン主義に対する労働者階級と被抑圧民族の怒りの決起を促進し、連日の激突となった。中国スターリン主義は労働者階級によって遠からぬ将来倒されること、倒されなければならないことをこの事態は示している。国際連帯闘争を中国労働者との連帯をかけて推進しよう。
 (河原善之)

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週刊『前進』(2561号4面1)(2012/11/19 )

 反原発闘争の路線的運動的発展へ

 米新軍事戦略と日帝の原発政策

 日米安保強化と核武装化狙い核燃サイクル護持に突き進む

 日本の財界と米帝が「ゼロ」方針に猛反対

 野田政権は、関西電力大飯原発の再稼働、電源開発大間原発、東京電力東通原発、中国電力島根原発の建設再開に続き、高速増殖炉「もんじゅ」の継続に踏み込もうとしている。「もんじゅ」はプルトニウムを燃料として高純度のプルトニウムを造る施設で、核燃料サイクルと称する軍用プルトニウム確保政策の中心を占める。
 野田政権は9月14日に「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指す「革新的エネルギー・環境戦略」をまとめたが、素案段階で明記されていた「もんじゅの廃止」を取り消した。これを受けて11月8日、「もんじゅ」を推進する日本原子力研究開発機構が文部科学省の作業部会で、今後10年ほど運転を続ける計画案を提出した。日帝は、核武装のための核燃料サイクル政策の絶対的な護持・推進にしゃにむに突っ込みつつある。福島の怒りと結びつき、階級的労働運動をよみがえらせて、こうした攻撃を打ち破ろう。
 野田政権は9月14日にペテン的な「30年代に原発ゼロ」戦略を決めたが、当初予定していた閣議決定はとりやめた。この過程で日本の資本家階級と米帝がこの戦略に猛然と反対する動きを見せた。9月18日には経団連・経済同友会・日本商工会議所が共同記者会見をし、原発ゼロ方針の撤回を求めた。これに同調して9月21日には連合の古賀伸明会長が、正式決定したエネルギー政策で原発再稼働を認め、「30年代ゼロ」方針についても批判した。また、9月初めに野田と会談したクリントン米国務長官は「原発ゼロ」方針にくぎを刺した、と言われる。
 しかし、その後も野田は「30年代ゼロ」方針を言い続けている。それは、3・11以降、特に大飯原発再稼働以降の巨万の反原発・脱原発の声に直面して、ペテン的にでも「ゼロ」と言わないと政権が持たないからだ。
 野田は10月末の所信表明演説で、「あたかも福島原発事故がなかったかのように原発推進を続けようという姿勢も、国民生活へのさまざまな影響を度外視して即座に原発をなくそうという主張も、明日への責任を果たすことにはなりません」と言っている。「即座に原発をなくそうという主張」と行動が労働者人民のものとなっていることを、野田も認めざるを得ないのだ。
 11・11を上回るもっと巨大な決起をたたきつけ、こんなペテン的「ゼロ」政策を野田政権もろとも粉砕しよう。

 改憲・戦争の政策と一体で再稼働を狙う

 この間の「原発ゼロ」政策を巡る動向で3・11福島原発事故以降の日米帝国主義の原発・核政策が浮き彫りになってきた。まず日帝側からみると、日帝は福島原発事故によって大打撃を受けながらも、大恐慌下での帝国主義間・大国間の争闘戦(特に日米争闘戦)で生き残るために、核武装の偽装形態(あるいは潜在的な核保有形態)として原発推進・原発輸出を国策として進め続けることをあらためて決断した。同時に原発政策をも含めて日米同盟を強化しながら改憲・戦争政策を推進しようとしている。そのすべてが日本の資本家階級の利益のため、日帝の延命のためだ。
 日帝にとって原発は、戦後の初期の原子力政策の時から一貫して核武装の偽装形態としてあった。それは、「核は広島・長崎で実際に使われたうえ、戦後帝国主義の外交・軍事の基本手段にまでなった」(『国際労働運動』8月反原発総特集号38n)からだ。日帝は戦後、帝国主義的延命のための国策を、日米安保同盟と、核武装の偽装形態である原発推進に据えてきた。原発・核燃サイクルは米帝から押しつけられたものではない。70年代以来、日米争闘戦が激化する中でこの両者は矛盾を強めることとなったが、それでも日米安保強化と核燃料サイクル推進を基本政策として貫いてきた。
 日帝はこの間、福島原発事故によって原発政策が大打撃を受け、3・11後の米帝の「トモダチ作戦」による日帝制圧策の展開とも相まって、脱落帝国主義と化してきた。大恐慌下でそうした相互の死活をかけた日米の争闘戦が激化するなか、日帝は打開策・延命策を必死で求めるしかない。それが日米安保強化と改憲・戦争政策であり、同時に核燃料サイクルを絶対的に護持することだ。
 特に核燃料サイクルは、他帝国主義がすべて撤退しているにもかかわらず日帝だけが必死にしがみついている。電力会社でつくる電気事業連合会は「わが国は非核保有国の中で唯一、使用済み燃料を再利用する権利を認められていますが、一度放棄すると二度と得られない可能性があります」(9月の『Enelog』特別号)と核燃料サイクル死守を強調している。
 一方の米帝は、核・原発に関して日帝が独自に判断し政策決定することを問題外として認めず、同時に3・11で脱落帝国主義と化した日帝を見透かしつつ、一方で米中対峙・対決下における日米同盟強化と原発を巡る日米の連携に全力を挙げている。しかし他方で、日帝の核武装は絶対に許さない対日争闘戦を今まで以上に強めている。

 対中対峙対決で争闘と連携強める日米帝

 米帝は79年のスリーマイル島原発事故以来、原発を1基も新設しておらず、原発技術の更新で日帝に立ち遅れてきた。06年には東芝が米ウエスチングハウスを買収し、07年には日立が米ゼネラル・エレクトリックと原子力事業を統合し、日本資本が米原発事業を支える構図になった。
 しかし、米帝の核体制は既存の核兵器に依存しており、自身の核体制のために直接に日本の原発技術を必要としているわけではない。10年4月に8年ぶりに発表された「核態勢見直し(NPR)」は、新型核兵器を開発しない代わりに備蓄核兵器の寿命延長の研究を強化するとした。実際にオバマ政権は、製造した核兵器が正常に作動するかどうかの臨界前核実験を繰り返している。
 また米経済は、エネルギー的にも安価なシェールガスへの依存を高めており、原発を必須としているわけではない。この8月には、米国の電力企業大手エクセロン社がテキサス州南部のビクトリア市近郊に原発新設を計画していたが、計画をとりやめた。「天然ガス、石炭価格の低値推移が続く限り、米国内では原発の新設は純粋なビジネスとして事実上困難」(東芝幹部)と言う。世界的にもコスト面でシェールガス依存、原発離れが進む。原発に固執しているのは日帝だけであり、その狙いが核武装にあることは明白だ。
 米帝が最も危機感を募らせたのは、日帝がどんなにペテン的で、しかも何十年後であれ「原発ゼロ」策をとることは、中国の原発推進・原発輸出に絶好の機会を与え、中国の外交的・軍事的影響力の肥大化を引き起こしてしまう、ということである。米CSIS(米戦略国際問題研究所)のジョン・ハムレ所長は、「日本はこれまで核不拡散問題において、世界のリーダーであり続けてきた。日本が原発を放棄し、中国が世界最大の原子力国家になったら、日本は核不拡散に関する世界最高峰の技術基準を要求する能力も失ってしまう」(日経9・13付)と明言している。
 米帝は対中国の戦略的対峙・対決を最大の外交・軍事政策としており、今年1月には「アジア太平洋重視」の新軍事戦略を発表した。核を巡っても、中国自身の核兵器増強もさることながら、「核不拡散問題」、つまり中国による核関連輸出を最も警戒し、日米同盟の強化と原発での日米の連携強化で対応しようとしているのだ。
 このように、日米帝国主義の双方から原発と日米安保とが一体化している。それは大恐慌下の戦争情勢を加速させるとともに、革命的情勢をも促進する。日帝にとって日米安保と原発こそが最大の破綻点であり、その矛盾と危機が生み出す巨大な情勢のなかに日帝打倒の展望がある(『国際労働運動』8月号40〜41n参照)。こうした革命的な戦略を踏まえ、再稼働反対闘争の一層の高揚のために、毎週の金曜行動を闘うとともに、12・8もんじゅ廃炉全国集会に結集しよう。全国でNAZENを拡大・強化して闘おう。
 (島崎光晴)

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週刊『前進』(2561号4面2)(2012/11/19 )

 原発国際会議にNO!

 12・14〜16福島・郡山現地行動へ

 12月15〜17日、郡山市のビッグパレットふくしまで「原子力安全に関する福島閣僚会議」が開催される。日本政府が主催し、IAEA(国際原子力機関)が共催して、IAEA加盟154カ国の代表らが参加する。
 同会議に対して、「原発いらない福島の女たち」は12月14〜16日の3日間、福島市と郡山市で抗議行動を展開することを決め、全国の仲間に参加を呼びかけている(別掲)。閣僚級全体会合が開かれる15日には、会場のビッグパレットふくしま前で包囲行動・歌・ダイイン・リレートーク・かんしょ踊りなどを行う。
 同会議について外務省は、「国際的な原子力安全の強化に貢献することを主な目的とし、……福島原子力発電所事故から得られた更なる知見及び教訓を国際社会と共有し、……原子力安全の強化に関する国際社会の様々な取組の進捗(しんちょく)状況を議論する機会」と発表している。
 1年8カ月たった今も日々、大量の放射性物質をまき散らしている福島原発事故について何ひとつ反省しないどころか、まったく逆に、その「知見・教訓」を基に原発の「安全」を強化し、全世界で原発政策を維持・拡大していくための会議なのである。
 しかもその会議を、高線量のもとで日々、子どもたちが被曝させられている郡山市で開催するのは、フクシマの怒りと闘いを封じ込めようとする挑戦状にほかならない。
 1957年に設立されたIAEAはそもそも、アメリカを軸とした第2次世界大戦の戦勝国(旧連合国)が核兵器を独占するための機関であるとともに、53年に米大統領アイゼンハワーが行った「アトムズ・フォー・ピース」(原子力の平和利用)宣言に基づき米帝が全世界に原発を輸出し、核政策を推進するための国際機関だ。
 そしてIAEAの支配下にあるICRP(国際放射線防護委員会)勧告こそ、福島の子どもたちに年20_シーベルトの被曝限度を強いる根拠となったものだ。野田政権とIAEAによる原発政策推進のための国際会議など絶対に許せない!
 「原発いらない福島の女たち」の呼びかけに応えて、14日の福島県庁前、15〜16日の郡山に各地から集まろう!
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「福島の女たち」の呼びかけ
 「原発いらない福島の女たち」から全国の、世界中の皆さんへ
 女たちはIAEA(国際原子力機関)と政府主催の「原子力安全に関する福島閣僚会議」に抗議し、次のような非暴力アクションを全力で展開します。どうぞ、それぞれの地からつながって下さい、共に行動に参加して下さい。
■行動予定
◎12月14日(金)午後 福島県庁申し入れ/オープニングデモ行進(福島市)
◎12月15日(土)午前〜午後 郡山市・ビッグパレットふくしま(閣僚会議会場)包囲行動・歌・ダイイン・リレートーク・かんしょ踊り等/夜 フリーステージ&交流会(会場は郡山駅前・ビッグアイ)
◎12月16日(日)夜 フリーステージ&交流会(会場はビッグアイ)
■女たちの主張 「私たちを抜きに、福島のことを決めるな!」「避難の権利を認めて!」「私たちは本当のことを知りたい!」
■注意 郡山市はいまだに線量が高い所です。ご自身の判断で参加を決めて下さい。子どもと妊婦は参加を薦めません。屋外アクションには十分な放射能防護をして参加して下さい。

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週刊『前進』(2561号4面3)(2012/11/19 )

 大間現地闘争 原発建設工事やめろ

 隣接地で集会、町中をデモ

 11・11反原発100万人首都大占拠に連帯し、青森で「建設工事の即時中止を!11・11大間原発反対現地集会」を集会実行委員会が開催した。
 10月1日、電源開発は3・11以降休止していた大間原発の建設工事を強行した。多くの反原発の声を無視し、とりわけ福島県民の気持ちを踏みにじる行為だ。
 集会は大間原発敷地に隣接する一坪共有地で行われた。函館からも集まり、410人が会場をあふれさせた。
 原子力資料情報室の澤井正子さんが、「原発の立地審査指針には『人間が住んでいない所、周りは低人口、過疎地である所、人口密集地から離す』とあるが、大間はこれすら守っていない。放射能を難しく考える必要はない。福島原発事故を受けて簡単に答えは出るはず。もう二度と帰れない場所ができてしまった。日本の行く先を変えるため、沖縄のようにもっと反対の声を大きくしていきましょう」と訴えた。
 大間原発に反対して闘い続けてきた大間町民は、「大間は魚の種類も多い。大間原発が稼働したら壊滅するのでは。現地から声を上げられる人は少ない。たくさん集まり、これからも支援いただきたい」と呼びかけた。大間原発に反対する地主の会は、「大間町長は反対する人はいないと言うけど、半分ぐらいは反対。3・11福島原発事故から変わってきている。みんな言えないでいる。『言えないけど、言ってくれるあんた、がんばって』と言われた。声を出せる人が出していこう。力に変えていこう」と訴えた。
 主催者は「6年前から反対集会を行ってきた。前回30年ぶりのデモをやって本当によかった」と、継続した取り組みの重要性を訴え、これからもともに闘うことを全参加者で確認した。
 NAZENの仲間はデモの運営も担って闘った。380人が思い思いのプラカードや旗を持ち、町中に声を響かせた。「大間原発絶対反対! 子どもを守ろう! 大人が守ろう! 建設工事を今すぐ中止しろ! 大間のフルMOX発電は危険だ! 福島を返せ!」。町中が注目していた。家の中から手を振ってくれる人もいた。
 本州最北端の大間町(人口6千人)は自然が豊かで大間のマグロが有名だ。大間から下北半島をむつ市方面へ南下する道路は海岸沿いの道1本であるため、事故が起こった場合、避難するのは百二十パーセント困難です。大間原発建屋から1`ほどの所に住む人が「建設されてしょうがないという思いがありつつも、未来に、子どもに残すことには内心不安」と複雑な胸の内を話してくれました。国策に翻弄(ほんろう)されるあり方には我慢なりません。
 9日に、大間原発の建設を強行した電源開発本社(東京)に申し入れを行ったが、拒否されたとのこと。絶対に許せない。「大間原発建設を止める!」――この言葉をこの間ずっと叫んできたが言葉だけで終わらせたくない、絶対に絶対に現実のものにしたい、そう思った。ともにがんばりましょう。
 (青森 J)
(写真 〈上〉原発敷地に隣接する一坪共有地で集会。〈下〉380人のデモに町中が注目【青森県大間町 11月11日】)

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週刊『前進』(2561号4面4)(2012/11/19 )

 電源開発に申入書

 受け取り拒否に怒り心頭

 11月9日午後4時から東京・銀座の電源開発(Jパワー)本社に対し、大間原発の工事再開強行に抗議し即時建設中止を求める申し入れ行動が闘われた。10・10に続く2回目の抗議行動だ。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会とNAZENの呼びかけで30人が参加。「大間原発建設をただちにやめろ!」と大書きされた横断幕を中心に、組合旗や全学連旗、NAZENののぼりなどを押し立て、本社前に陣取った。多数の警備員がビルの内外に配置され、道路には公安刑事がたむろし、電源開発社員はひとりも姿を見せない。 
 居丈高に門前払いしようとする警備員。広報担当に電話で申し入れに来社した旨を伝えると、事前のアポイントもほごにし、申入書受け取りを初めから拒否、あげくのはては郵送しろという許しがたい対応に出た。
 この不誠実極まりない態度に「ふざけるな!」と全員が怒り心頭に発する中で、北村雅良社長に対する工事即時中止の二つの申入書をJパワービルに向け大声で読み上げた。8・6―8・9実行委の三角忠事務局長は「水力・火力発電を手がけてきた電源開発は、大間原発建設に手を染めることによって原爆製造のマフィアに成り下がった」と弾劾。NAZENの織田陽介事務局長は「フルMOXの原発建設には日本の核武装を絶対に手放さないという姿勢が見える。福島の人びと、青森・北海道の住民とともに断固、大間原発の建設を阻止する」と決意をたたきつけた。
 被爆地・長崎から駆けつけた仲間は、がれき搬入阻止、原発再稼働阻止の闘いの報告と決意を述べた。
 大飯原発再稼働阻止とともに、今や大間原発建設阻止が巨万人民のときの声となった。国家・民間暴力の陰に隠れ逃げまどい、3・11をなんら省みず、利権と安保・核武装のために世界一危険なフルMOXの大間原発の建設を強行する電源開発。この電源開発資本に「恥を知れ!」「大間原発を絶対なくすぞ!」と、参加者の怒りの叫びが最後の最後まで夕闇の銀座にとどろきわたった。 
(写真 電源開発本社に抗議【9日】)

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週刊『前進』(2561号4面5)(2012/11/19 )

【集会要項】2012もんじゅを廃炉へ!全国集会

ムリ・ムダ・危険なもんじゅは廃炉しかない!!
2012もんじゅを廃炉へ!全国集会
 12月8日(土)午前11時〜午後4時
 ●現地抗議集会と原子力機構申し入れ
 午前11時〜 白木海岸(福井県敦賀市)
 ●もんじゅ廃炉を求める全国集会
 午後1時30分〜4時 きらめき港館
主催 2012もんじゅを廃炉へ!全国集会実行委員会

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週刊『前進』(2561号4面6)(2012/11/19 )

日誌'12 11月6日〜12日

 オバマ米大統領が再選/野田首相、年内衆院解散へ動く

●規制委、拡散予測また訂正 全国16原発で重大事故が起きた場合の放射性物質拡散予測結果で、原子力規制委員会は九州電力玄海(佐賀県)、川内(鹿児島県)の2原発で放射能拡散方向が誤っていたと発表。九電がデータ提供の際に誤った説明をし、規制委が検証せずに使ったことが原因。(6日)
●野田首相、中国首脳と応酬 野田佳彦首相はラオスで「尖閣諸島がわが国の固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いがなく有効に支配している。解決すべき領有権の問題は存在しない」と主張。中国の楊潔鉉外相は日本の敗戦で釣魚島が中国に返されたとの立場を主張した。(6日)
●日台漁業交渉、困難に 台湾の馬英九政権は、釣魚台周辺海域での漁業権をめぐる対日交渉で、主権の主張を打ち出す方針を固めた。(7日)
●オバマ大統領再選 米大統領選は全米各州で投票、即日開票され、民主党のオバマ大統領が共和党のロムニー前マサチューセッツ州知事を破り、再選を決めた。(6日)
●オバマ米大統領、勝利演説 再選を決めたオバマ大統領は地元シカゴでの勝利演説で、党派対立をのりこえ経済の再生に取り組むと述べた。(7日)
●大飯原発、断層追加調査へ 関西電力大飯原発(福井県)の敷地内にある断層の問題で原子力規制委員会は専門家の評価会合を開いたが、活断層かどうかの判断がつかず、追加調査することにした。(7日)
●中国共産党大会開幕 中国共産党の第18回大会が北京の人民大会堂で開幕した。胡錦濤総書記(国家主席)が活動報告(政治報告)で、自らの「科学的発展観」を指導思想とすると宣言。20年までに国内総生産(GDP)と国民1人あたりの収入を10年比で倍増させるとの目標を掲げた。(8日)
●チベット族1万人デモ 中国青海省同仁県でチベット族が学生を中心に約1万人が地元政府庁舎前に集まリ、チベットの自由を求めた。(8、9日)
●韓国、原子炉部品に亀裂 韓国南西部の全羅南道にある霊光原発3号機で、原子炉格納容器内の部品に亀裂が見つかったことが明らかに。(9日)
●日米防衛協力ガイドライン見直し始動 長島昭久防衛副大臣がワシントンでカーター国防副長官、キャンベル国務次官補と会談。日米両政府の「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)再改定への動きが始まった。(9日)
●首相、年内解散の意向 野田首相は年内の衆院解散に踏み切る意向を固めた。民主党の輿石東幹事長と首相官邸で会談して伝えた。(11日)
●シリア反体制派が統一組織 シリアの反体制諸派を代表する新たな統一組織「反体制派と革命のシリア国民連合」がカタールで発足した。(11日)
●公債法案修正合意 民主、自民、公明3党は特例公債法案の修正で大筋合意した。赤字国債発行には毎年度、根拠法が必要だが、15年度までの4年間は自動的に発行を認める特例措置を盛り込む方針で法案の成立が確実になった。(12日)

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週刊『前進』(2561号5面1)(2012/11/19 )

 サークル活動解体攻撃粉砕へ11・27東北大集会に大結集を

 マル学同中核派・東北大学支部

 全国学生は11・4労働者集会−11・11反原発霞が関占拠の高揚をキャンパスに持ち込み、学生自治会建設・強化の闘いを前進させよう。11月11日、20万人の怒りが霞が関・国会を包囲した。反原発のうねりがついに野田政権を倒すところにまで発展している。日帝支配階級は反原発闘争に「革命の現実性」を見て弾圧を加えるが、それが逆に火に油を注いでいる。法政大・京都大の闘いに続き東北大学生運動の大爆発をかちとるため、11・27東北大集会に全国学友は駆けつけてほしい。そして、12月学生自治会執行部選挙を闘い抜き、歴史を変革する2013年決戦に突入しよう。
(写真 銀座を行進する東北大生と全学連【11月4日】)

 サ協の部室配分権の剥奪を狙う当局

 サークルをめぐる東北大当局との大激突の火ぶたが切られた。当局は7月20日、各サークル代表とサークル顧問教授を集めて突如「学生団体に対する説明会」を開催した。そのやり方は卑劣きわまりない。サークルの団結組織である文化部サークル協議会(サ協)には「説明会」開催の事実を伏せ、直前にポスターで告示。多くのサークル員が何を「説明」するのかさえ知らされずに集められた。
 しかも当日は、会場入り口に10人近くの教職員を配置し、参加学生の名前、学生証、団体名をチェックしてきた。反対派の学生を意識的に排除し、「サ協からの部室配分権の剥奪(はくだつ)」を拍手で採択しようとしたのだ。反革命クーデターそのものだ!
 しかし、サ協運営委員会の仲間が会場で抗議し拍手承認を粉砕すると、今度は7月26日に「学友会全学協議会」を開催し、「今後学友会が部室の配分・管理・運営を行っていくこと」(学生協ニュース67)を密室会議で決定したのだ。
 1965年の「キャンパス移転」攻撃に伴い、サークル棟(部室)の取り壊しが暴力的に行われた。それに対し、サークル員は文化部サークル協議会を結成し、8人の退学・停学処分者を出しながらもストライキを含む徹底抗戦で「大部屋共用方式」を阻止し、「1サークル1部室」のサークル棟(部室)をかちとった。90年代後半には350人大教室を埋める大衆団交を幾たびも実現し、恒久サークル棟を建設させ、部室の24時間使用も実現してきた。サ協とは、サークル員自身が権利を守るためにつくり出した団結形態であり、サークル棟の管理やサークル部室配分もサ協総会のもとに全サークル員の手で行われてきた。
 その歴史をねつ造する「説明会」の場で「総長特別補佐」東谷篤志は、「48サークルもの部室不足は、サ協が部室配分権を占有しているからだ」などと言っている。ふざけるな! 部室不足の原因は、大学当局がサ協の要求書受け取りを拒否し、サークル員の意見を無視・抹殺してきたからだ。97年の恒久サークル棟使用開始以降、15年にわたる「部室不足を解決する第2恒久サークル棟建設を!」の声を押しつぶしてきたからだ!

 規制反対の運動を東北大から全国へ

 大学・教育は誰のものなのか? 一握りの大学当局・資本家のものでは断じてない。国立大学法人化と「教育の民営化」のもとで、学問・研究も、生活の場である学生寮も、サークル活動もすべてが金もうけの道具にされている。授業料の高騰が学生にバイト漬けの生活を強制し、奨学金で借金まみれにされている。未来さえ奪い尽くされている。
 しかし、必要なことはあきらめることではなく、怒りを組織し団結することだ。11・27集会で、「大学の主人公は学生だ!」と示そう。
 第一に、部室配分権の剥奪=サークル活動解体を絶対に許さない。東北大から規制反対の大運動をつくり出し、全国でのサークル規制強化に反撃ののろしを上げよう。
 部室配分権の当局管理およびサ協破壊とは、サークル活動そのものを解体し、学生の団結の芽を一つ残らずつぶす大反動だ。全サークル員にかけられた攻撃だ。「大震災による倒壊・半壊」を理由に部室を取り壊し、数年後には地下鉄工事で仮サークル棟(34部室分)を取り壊すことまですでに計画されている。
 「説明会」で東谷篤志はサ協の誹謗(ひぼう)中傷に終始し、サ協に責任転嫁することで、サークル員の不満を学生同士の対立・分断に利用しようとした。大学当局はさらに際限なく規制を強化し、「部室が欲しければ大学の言うことに従え」とひたすら学生を奴隷にしていくのだ。
 サークル活動の主人公はサークル員だ! 当面する最大の激突点は、規制強化のための「内規」を認めないことで「非公認」と名指しされているサークルの、部室からのたたき出しを絶対に阻止することだ。サ協のもとに全サークルの団結を組織し、第2恒久サークル棟の建設をかちとろう。

 寮自治を貫き日就寮守ろう

 第二に、有朋(ゆうほう)寮廃寮阻止闘争(01〜06年)を引き継ぎ、絶対反対で闘う日就寮を守り抜こう。東北大当局は有朋寮のような闘いを絶対にさせないため、日就寮廃寮攻撃に全体重をかけてきた。入寮募集時の誹謗・中傷、食堂廃止攻撃、新入寮生や研究生への退寮強要……。それにもかかわらず日就寮が団結を堅持し、寮自治を貫徹していることは決定的だ。
 追い詰められているのは大学当局だ。暴力的には日就寮をつぶせないから、新入寮生への陰湿な入寮妨害を毎年のように繰り返している。今こそ反撃のチャンスだ。日就寮の寮生大量獲得−組織拡大を実現した瞬間に、一挙に力関係はひっくり返る。廃寮攻撃をうち破った日就寮闘争が全国に発展し、自治寮つぶしと対決する全国学寮闘争の展望となる。日就寮生と固く連帯し、組織拡大決戦に総決起しよう。

 反原発を闘い12月執行部選挙勝利を

 第三に、今こそ団結組織としての学生自治会をよみがえらせよう。京大同学会に続き、東北大学学生自治会が全国の学生自治会復権の闘いの先頭に立とう。一方で学生の自由を奪っておきながら、資本や御用学者が「自由」に大学を簒奪(さんだつ)する現実は許せない。新自由主義大学の決定的弱点である御用学者をキャンパスからたたき出そう。
 11・11反原発大行動へのデモ禁圧攻撃は、全国大学の現実そのものだ。福島大学では御用学者・山下俊一の講演会を大講義室で行わせ、福島大生が企画した原発反対の講演会に教室を貸さない、キャンパス集会さえ認めない。東北大当局は被災地の現実そっちのけでサークル破壊に熱中し、「医療分野を……製薬・医療機器資本による新薬開発・新機器開発を通した利潤追求・確保の場」(『序局』第3号鎌倉孝夫論文)とするための「東北メディカル・メガバンク計画」の旗振り役となっている。「命よりもカネ」「教育よりもカネ」「自由を奪って金もうけ」、こんな現実を学生の手でぶち壊そう。
 「3・11」から1年8カ月、東北大生は「弱肉強食」「自己責任」イデオロギーをはね返し、団結を取り戻すために闘ってきた。平然と「原発安全神話」「放射能安全神話」を垂れ流す大学教授への心底からの怒りを表してきた。キャンパスで闘えば、ただちに担当教授から呼び出し。これが私たちの求める「学問」「大学」なのか。
 東北大キャンパスでの反原発運動が、地域の反原発運動と結合し始めている。大学当局と原子力ムラを、学生・労働者・市民の怒りが包囲し始めている。「全原発を廃炉へ」の思いが、組織拡大の欲求を生み出している。今こそ学生自治会の大発展をかちとろう。
 11・27集会の高揚から12月学生自治会執行部選挙の勝利へ! 反原発の学生自治会をつくることは、新自由主義大学=原発推進大学への最大の反撃だ。11月27日をその突破口としよう。全国の学生は川内北キャンパスに集まろう!
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大学の主人公は学生だ!
11・27東北大一日行動
 11月27日(火)
 ★昼集会 正午 川内北キャンパス中央
 ★全国集会 午後6時 講義棟C106
主催/東北大学学生自治会
   東北大学文化部サークル協議会

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週刊『前進』(2561号5面2)(2012/11/19 )

 市東さん農地裁判

 “農地強奪を阻止する”

 萩原進さんが気迫の証言

 11月12日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で市東孝雄さんの行政訴訟・農地法裁判が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟事務局次長・萩原進さんの証人尋問第1回目が行われた。
 この日は朝から三里塚支援連絡会議が千葉駅頭の情宣活動に立ち、反対同盟のビラ1300枚をまいて、成田空港会社(NAA)による農地強奪策動と多見谷裁判長の早期結審策動を弾劾した。また、反対同盟の宣伝カーが地裁周辺をはじめ千葉市街を巡り、裁判支援を訴えた。
(写真 裁判所を圧倒した勝利の手応えを語る萩原さん。)

 農地は命だ!

 午後1時30分、反対同盟と労農学市民で傍聴席を満席にして開廷した。
 証言台の萩原進さんは顧問弁護団の問いに答えてまず、@成田空港建設が「国策」として農民の農地を土地収用法で強制的に奪って進められた暴挙、Aこの裁判で農地法を悪用して市東さんの耕作地を奪おうというNAAの悪らつさ、B3・11大震災・原発事故後に一変した情勢のもとで旧来の価値観のまま判断を下すことは許されないこと、の3点を裁判長に向かって突きつけた。
 萩原さんの住む東峰は戦後の開拓部落で、竹林が多い土地を必死に開墾し、食糧事情も悪く電気も水もない中で、農家は昼夜を問わず働いてきた。両親も堀之内の実家を出て東峰に開拓に入り必死に働き続け、進さんはそのもとで育った。
 高校を卒業した萩原青年は、農林省が省を挙げて取り組んだシルクコンビナート事業(大規模な近代的養蚕)に参加を決意する。そのために大きな借金もした。ところが突然決められた空港建設計画(1966年閣議決定)によって事業は中止となり、希望は打ち砕かれた。地元の農民で空港反対同盟が結成され、萩原さんは青年行動隊のリーダーとなった。
 空港公団と国家権力が外郭測量、ボーリング調査と問答無用で進めてくる中で、「これをどう迎え撃つのか。“無抵抗の抵抗”にとどまるのか。いや、集まって抗議するとなれば、体を張って実力で闘うところに自然と行き着いた」と萩原さんは述べた。
 そして71年第1次、第2次代執行との激突をつぶさに語り、とりわけ大木よねさんへの暴行と家屋の取り壊しへの強い怒りを表した。
 農民にとって農地とは何か、という問いに萩原さんは「命です」と迷いなく答えた。「市東さんの農地は先々代から90年かけて守りぬかれてきた。孝雄さん自身が十何年かけてつくってきた土だ。金に換えられるものではない。NAAの明け渡し要求がまかり通れば市東さんは現在の6割の農地、作業場、農機具置き場を失う。離作補償が1億8千万円で市東さんの年収150年分だなどという言いぐさは、農民を愚弄(ぐろう)している! 百姓をやめて死ねということだ。同じ農民として絶対に許せない。絶対に阻止する!」と気迫を込めて断言した。
 さらに、「三里塚産直の会」を立ち上げて生産者・消費者の一体的関係を形成してきたこと、農薬と化学肥料に依存した農業からの脱却をかけて完全無農薬の有機農業に取り組んできたこと、福島原発事故に直面し福島農民と連帯して大地をよみがえらせるために闘うと決意したことなどを語った。さらに東峰神社の立ち木伐採、暫定滑走路供用と北延伸、頭上40b飛行の殺人的騒音など、東峰地区にかけられてきた追い出し攻撃を、心底からの怒りで糾弾した。そして、かつて黒野NAA社長が東峰住民へ向けて出した「謝罪」の虚偽性を暴いた。
 「住民を無視し、力ずくで押し通し、既成事実の圧力で屈服を迫るという手法を続けている。だからこの空港は完成しないのだ! 確かにこちらは“少数派”だが、主導権を握り情勢を規定しているのはわれわれだ」と自信を示した。
 最後に萩原さんは裁判長をにらみすえ、「これは市東さん一人の裁判ではなく、全国の農民の未来がかかった裁判だ。空港建設が国策だと言うなら、農業はどうなんだ。農民は農地を失い、農業はつぶされ、TPPによって食べ物とさえ言えないようなものを子どもたちが口にする、それでいいのか。この裁判になんとしても勝つ。全国の農民とともに進む」と宣言し、この日の証言を終えた。法廷は熱い拍手に満たされ、裁判長は制止することもできなかった。
 次回12月10日(月)も萩原さんの証言が続くことを確認し閉廷した。

 熱気の報告会

 近くの会場で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。冒頭に市東さんが立ち、「今日の証言を聞き、国とNAAの行いのひどさがあらためて分かった。自分も負けられない。ますます勇気がわいてきました」と力強くあいさつした。
 続いて萩原さんが「当時を思い出して涙がこみ上げたあと、怒りがぐーっとわいてきた。人間は思いを内に秘めるのではなく、外に表し行動するのが大切と実感した」と語り、参加者全員が惜しみない拍手で称えた。
 葉山岳夫弁護士をはじめ、弁護団一人ひとりが発言し、歴史の重みがこもった萩原さんの証言が裁判所を圧倒し、勝利したことを確認した。
 最後に北原鉱治事務局長が立ち、「大正、昭和、現在を駆け抜け、事務局次長が述べた。裁判長よ、分かったか! いよいよ闘いは佳境。全世界の農民の明日がかかっている。がんばろう」とまとめ、熱気あふれる集会を締めくくった。
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 三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
 12月10日(月)午後1時30分 千葉地裁
 ★萩原進事務局次長の証人尋問
 (傍聴券抽選のため1時間前に集合) 

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週刊『前進』(2561号5面3)(2012/11/19 )

 “廃炉へ!今すぐ”

 11・11反原発行動での発言

(写真 全国から霞が関・永田町に駆けつけた20万人とともに「原発なくせ」と訴えて、経産省前から文科省前に向かうNAZEN【11月11日】)
 11月11日、全国から駆けつけた20万人の労働者人民が国会・首相官邸前、霞が関一帯を完全に占拠し闘いぬいた。「原発いらない福島の女たち」のかんしょ踊りを先頭に、「フクシマを忘れるな! すべての原発をなくそう!」と練り歩いた。東京都・裁判所・警察が一体となったデモ禁圧の狙いは完全に打ち砕かれた。労働組合を先頭に、再稼働を阻止し全原発をなくす闘いが政府・資本家階級と一層非和解的に発展している。11日は、心を揺り動かす発言、決意あふれる発言が各所でなされた。3人の発言を紹介します。(編集局)

 核兵器製造の狙いが さよなら島根原発ネットワーク 土井淑平さん

 私は、原発のある島根県と鳥取県でできた「さよなら島根原発ネットワーク」の一員です。
 島根原発は民主党政権が建設続行した3基の原発のひとつです。島根原発は、わずか8`離れたところに県庁所在地の松江市があります。そして30`圏内に鳥取県の米子市があり、20`圏内に境港市がある。島根県当局は、島根原発を動かすことを前提に30`圏内の40万人の避難計画を立てている。鳥取県にも6万5千人が住んでいて、避難計画を立ててくれと。つまり46万人の避難を前提にしないといけないような原発を認めようとしている。私は46万人の住人を人質に取っていると考えている。
 山口県の上関原発は新規建設計画の天王山です。さすがに民主党政権も新規は認めないと言っているが、安倍政権ができたら必ず復活させる。そういう状況だ。
 国・政府は産業界・財界の利益に奉仕するために国策として原発を推進している。もうひとつ大事なことは、核兵器製造の技術的能力を維持するために原発推進政策をとっている。歴代政府は、原発・もんじゅ・青森の再処理工場を核武装の技術的担保として位置づけている。
 大飯原発の活断層の調査で、東洋大学の渡辺満久教授は「これは活断層だ」と言ってます。活断層だと認めたら大飯原発を止めざるを得ない。これが今攻防点になっている。
 私の地元の島根原発も長い活断層がある。こういう原発はすぐ止めないといけない。再稼働を止めないといけない。そのためには声を上げないといけない。

 うそつく政府倒そう ふくしま集団疎開裁判の会代表 井上利男さん

 子どもの甲状腺検査で、甲状腺がんが1人見つかりました。ところが、調査責任者の福島県立医大・鈴木眞一教授は「チェルノブイリで甲状腺がんが発症したのは4年目以降。だから放射線の影響とは考えにくい」と発表しました。県立医大の山下俊一副学長が2000年に書いた論文では、チェルノブイリでは放射線の影響による甲状腺がんが1年後から発症したと書いているにもかかわらず、です。
 9月13日に県立医大に行ってそのデータを見せました。ところが応対した松井史郎特命教授は「それは新聞報道が間違っている。新聞社に抗議して下さい」と言った。松井教授は、“鈴木眞一さんの言っていることはうそである”と告白したわけです。福島県庁に行ってもなぜ放射線と関係ないのか説明できない。
 腹が立つことに、彼らは私たちが正しいことを訴えても、見くびっています。経産省も文科省も厚労省も「俺たちは権力を握っているから、うそをついても通用する。力のない君たちの声など押しつぶせる」という態度でいるわけです。
 はっきり言います。政府はもう腐りきっているし、国民を大事にしない。平気でうそをつく政府や福島県は倒さなければなりません。正しいことはいつか実現するはずだという信念の力で倒さなければなりません。

 牛を餓死させた無念 福島県浪江町の酪農家 Aさん

 あの原発の爆発音を聞いてしまった。噴き上がる噴煙を見てしまった。70軒の酪農家、400軒の和牛繁殖農家が牛を置いて逃げるしかなかった。たくさんの牛たちが牛舎の中で餓死してミイラとなってしまった。地獄の光景です。
 さまざまな放射性物質があの爆発で飛び散ってしまった。もう除染なんか意味がない。避難民10万人は仮設住宅や避難所で人生の終末を迎えるしかなくなっている。
 さらに今、国の指示のもとで牛たちの殺処分が行われています。絶対に屈しない。原発事故の生きた証人として僕は今、全国を回っています。浪江町の無念、警戒区域の無念、避難民の無念。悔しさ、無念は必ず晴らさなければいけない。
 今、牧場では放射能被曝と思われる牛たちの異変が起きています。そして福島の子どもたちに甲状腺の異常が始まっている。その実態を県立医大や国は隠蔽(いんぺい)している。
 子どもたちや孫たちの未来を守るために、日本の農業の安全な未来のために、僕たちはもう原発をのりこえなければいけない。年代を越え、若い人たちも年輩の人も連帯しよう。原発をのりこえる実力闘争こそ今必要です。残りの人生すべてをかけて今、僕は頑張っています。応援してください。みんなで頑張りましょう。(写真は、かんしょ踊りの先頭で霞が関と永田町を練り歩いた、浪江町からやってきた牛のレプリカ)

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週刊『前進』(2561号6面1)(2012/11/19 )

 脱落日帝の危機と改憲攻撃

 野田・安倍・石原・橋下ら改憲勢力を階級的労働運動の力で打倒しよう

 世界大恐慌の深まりと3・11情勢のもと、日帝は帝国主義列強から脱落した末に、未曽有の危機にあえいでいる。そこから生み出される激しい政治危機と階級闘争の激化の中で、追い詰められた野田首相はついに解散カードを切り、12月16日の衆議院選挙に踏み切った。この政治情勢が持つ意味は明白だ。野田・安倍・石原・橋下らの改憲勢力は〈原発・領土・TPP(環太平洋経済連携協定)・安保・改憲>の推進で競い合い、競争と野合を一気に加速させ、凶暴な新自由主義攻撃と改憲攻撃をますます激化させてくる。しかし、労働現場での不屈の闘いは、それらの攻撃を根底で打ち破ってきている。すなわち、階級的労働運動をよみがえらせることこそ、極右・改憲勢力を打倒する核心的な闘いなのである。
(写真 11・4全国労働者総決起集会で百万人署名運動の西川重則事務局長が改憲絶対阻止を訴えた)

 領土略奪・戦争競い合う極右

 都知事の座を放り投げた石原慎太郎は「太陽の党」を結成し、「憲法改正を次期総選挙の最大の争点に据えて戦う」「第三極の大連合をつくって100議席の獲得をめざす」と叫んだ。この石原のあがきこそ、脱落日帝の絶望性を象徴している。そもそも石原は、この4月にワシントンで、釣魚台(尖閣諸島)を「都が買い取る」とぶち上げ、日帝・野田政権による「尖閣の国有化」=新たな領土略奪に導いた張本人だ。この石原が、安倍・石破の自民党、橋下「日本維新の会」などと並ぶ改憲勢力として、まさに日帝の延命をかけて、再び国政の前面に躍り出てきたのだ。
 だが、石原や橋下のような極右ファシスト的政治家は、闘う労働者や労組の怒りと決起の前にはきわめて脆弱(ぜいじゃく)だ。だから労働者と労組の闘いを憎悪し、その圧殺のために「都教委10・23通達」や大阪府「職員基本条例」などの攻撃をかけてきたのだ。
 労働者階級人民の改憲・戦争への根底的怒りと決起は始まっている。
 新自由主義攻撃の行き着く先は大失業と戦争だ。だから新自由主義との闘いの決定的戦場として改憲・戦争阻止を据えていく必要がある。オスプレイ配備に対する沖縄の怒りは全国に拡大し、反原発闘争の歴史的展開は日帝の核武装阻止にも発展しようとしている。
 革命的労働者党と闘う労働組合はその先頭で決起し、労働運動をめぐる激突での勝利を切り開き、その地平を土台にして改憲攻撃との攻防に勝利していこう。

 対中対決に踏み込む米日帝

 改憲攻撃がここまで前面化しているのはなぜか。日米争闘戦と日米同盟関係を軸にしてとらえ返してみたい。
 米帝の没落は2008年のリーマンショックをもって一気に激化した。他方、イラク・アフガニスタン侵略戦争の敗北と撤退が体制的打撃を拡大した。こうした中で米帝オバマは、2010年2月のQDR(4年ごとの国防政策の見直し)で、「2正面軍事戦略」から対中国を念頭に置いた軍事戦略への大転換を打ち出した。
 これに対し日帝は「新防衛計画の大綱」の閣議決定(2010年12月)で対応、従来の「基盤的防衛力構想」から「動的防衛力の構築」に転換するとした。そこでは「島嶼(とうしょ)部における対応能力の強化」がうたわれ、自衛隊の南西諸島配備が画策された。
 その後に3・11大震災が起こった。米帝は沖縄海兵隊と第7艦隊を大動員して「トモダチ作戦」を敢行、日帝は自衛隊を10万人動員して米軍とともに有事体制を実践した。今年8月に出された「CSIS(戦略・国際研究センター)報告書/米日同盟―アジアの安定を保持する―」と題する「アーミテージ・ナイ・レポート」には、「(トモダチ作戦で)自衛隊と米軍は、集団的自衛の禁止規定に注意することなく行動した」「集団的自衛の禁止は、この同盟にとって障害物である」と書かれている。米帝は3・11を口実にして、日帝に集団的自衛権行使を禁止する内閣解釈の変更を強く迫っている。
 今年1月、オバマは「雇用の創出」をかけて「新軍事戦略」を発表、「アメリカは太平洋国家としてあることを戦略的に決定した」と言い、「エア・シーバトル(空・海戦闘)」という対中国戦争方針をとるとした。この最前線基地が、沖縄を始め日本列島全体だ。
 米帝はこの新軍事戦略と一体で、TPPで日本経済を制圧することも画策している。日帝はこの激烈な争闘戦に必死で対応している。これが改憲攻撃の前面化の根拠であり基本構造なのである。
 そのことは、オスプレイ普天間配備の強行に現れている。安保・沖縄闘争と改憲阻止闘争がいよいよ深く結びついてきた。基地労働者の怒りと決起に連帯し、オスプレイへの怒りを全国で組織して闘おう。

 反原発闘争の大高揚に恐怖

 改憲攻撃が前面化しているもう一つの理由は、日帝ブルジョアジーが3・11情勢を支配の危機として、つまり革命的情勢として認識したということがある。
 とりわけても反原発闘争だ。原発再稼働に対する怒りが爆発し、数十万人の大闘争が毎週、首相官邸前―国会周辺で闘われている。野田の再稼働宣言から半年たっても持続・拡大するこの闘いの先頭に立っているのは、圧倒的に非正規の青年労働者だ。この決起に恐怖し、追いつめられて改憲攻撃が激化しているのだ。日比谷公園からの11・11デモを禁止したのは石原なのだ。
 今年4月末、自民党、みんなの党、たちあがれ日本の3党が新たな改憲案を発表したが、そこで出されている新たな点は、国家緊急権の制定、労働三権の解体、結社の自由の否定を始めとした基本的人権の解体である。明白に労働組合の解体がその核心にある。
 国家緊急権とは、戦争や内乱、大災害の時に、最高権力者である首相にあらゆる権限を集中させ、憲法を一時的に停止することである。憲法の停止とは、国家権力への憲法的制約をなくし、憲法で保障された一切の人民の自由と権利を奪うことである。国家緊急権が発動されれば、例えば閣議決定だけで「一切の集会・デモは禁止。違反者は懲役○○年の刑」とすることが可能とされる。国家緊急権を憲法に盛り込む最大の狙いは、反戦反政府闘争を自由に鎮圧できる国家体制にすることだ。
 労働三権解体の明文化は、これまでの改憲策動では手をつけることができなかった。ところがついに、今回の自民党案において「公務員については、全体の奉仕者であることに鑑(かんが)み……(労働三権の)全部又は一部を制限することができる」とした。歴史的踏み込みである。
 また、結社の自由については、「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは認められない」としている。まさに破壊活動防止法の憲法条項化である。
 すでに憲法停止攻撃としての復興特区攻撃が進められており、裁判員という新たな義務を設けて人民を分断し、裁く側=国家権力の行使の側に強制動員する裁判員制度が、圧倒的な人民の拒否の中で強行されている。これとの闘いこそ、まさに今現在の生きた改憲阻止闘争だ。
 さらに、道州制は改憲攻撃のもう一つの柱である。橋下・日本維新の会は道州制導入を政策の一番に掲げているが、それは地方自治制度の破壊、戦後的国家統治の全面的破壊である。その目的は戦争を遂行できる国家統治機構に転換することであり、公務員労働運動を完全に一掃して労働者人民に対する支配と統制を強化することである。これらは「国のかたち」の大転換であり、全面的な改憲ぬきにはなしえない。
 重要なことは、道州制論議の進展と一体で、労組破壊と自治体の民営化がどんどん進められていることである。それ自体が道州制攻撃であり改憲攻撃だ。橋下打倒の闘いは改憲阻止のうねりをつくりだす決定的闘争だ。
(写真 裁判員制度廃止を求める11・9最高裁デモ。320人が生きた改憲阻止闘争を訴え都心をデモ行進)

 改憲阻止の主体は青年労働者だ

 改憲阻止闘争は、新自由主義を粉砕し、プロレタリア革命をたぐり寄せる闘いである。その担い手は労働者階級人民であり、何よりも新自由主義攻撃により膨大に生み出された非正規の労働者とりわけ青年労働者である。非正規労働者の怒りを徹底的に共有し、その団結を圧倒的にかちとって改憲阻止闘争を闘おう。その観点からも反原発闘争を闘おう。
 今日の改憲攻撃は、国鉄1047名闘争に対する2010年の4・9政治和解の大反動が引き出し加速していることを最も重視しなければならない。したがって、国鉄闘争全国運動の拡大を突破口に労働運動をめぐる激突に勝ち抜き、闘う労働運動の陣形を全国で拡大していくことが改憲阻止闘争の土台を形成し、その勝利の絶対不可欠の条件である。国鉄外注化阻止・反原発闘争と一体で改憲阻止・反戦闘争をつくり出そう。
〔鳴海直也〕

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週刊『前進』(2561号6面2)(2012/11/19 )

 全証拠開示を迫り再審勝利へ

 11・23星野集会に結集を

 11・4全国労働者総決起集会は、外注化阻止・非正規職撤廃を闘い抜いた動労千葉、動労水戸などの国鉄労働者を先頭に、全国、全世界から5800人の労働者が結集した。戦後労働運動の限界をのりこえ、労働運動・労働組合を甦(よみがえ)らせる戦闘精神が、会場全体に横溢(おういつ)した。
 この地平の上で、11・9裁判員制度はいらない!大運動の最高裁デモが打ち抜かれ、11・11反原発霞が関占拠に20万人が決起した。大恐慌が深化する中で11・23星野再審全国集会(要項1面)を画期的に成功させ、新たな階級決戦の12月へ、組織拡大を総括軸に大きな前進を闘いとろう。

 賛同は500人を超え日々拡大

 星野文昭同志奪還・全証拠開示大運動は、大発展する手ごたえをつかんで前進を開始している。賛同人は500人を超えた。弁護士は230人を超えて、日々増え続けている。関西生コン支部からは、1850筆の署名が寄せられている。労働組合を回って賛同署名を訴える闘いも躍動的に始まった。
 11・23全国集会にはそのすべてを結集させよう。各界で闘っている賛同人が、全証拠開示大運動の推進と星野奪還を熱烈に訴える。星野同志が渾身(こんしん)のアピールを発する。再審弁護団から、国家権力と全力で闘い切り開いた地平と、勝利の展望が確信をもって提起される。
 今日、検事がデッチあげのための「証拠」のみを出して無実の「証拠」を隠し、裁判所がそれを容認している現実に対して、労働者人民の怒りが爆発している。これは、資本の利益のために、労働者人民の生命も人権も、正義も真実もないがしろにする新自由主義の腐り切った国家への怒りそのものだ。
 福島200万県民に塗炭の苦しみを強制したのは、「原発安全」判決を出し続けた裁判所だ。11・11の反原発デモ禁止という憲法違反を容認したのも裁判所だ。パソコン遠隔操作事件で無実の人たちを「犯人」にデッチあげた警察・検察・裁判所。「東電女性社員殺人事件」では、否認し続けるネパール人のゴビンダさんを、国家権力は無実の証拠を隠し続けて15年間も獄に閉じ込めた。
 これらすべてに、心底から怒りがこみ上がる。まさに、日帝・新自由主義の危機と破綻の中であらわになっている、国家権力の絶望的凶暴性である。しかしそれは、論理も整合性もない、権力を笠に着たうそとペテンで成り立っているにすぎない脆弱(ぜいじゃく)なものだ。労働者の団結で必ず打ち破れる。
 星野奪還・全証拠開示大運動は、生命力が尽き果て、腐り切った日帝・国家権力と真っ向から対決し、打倒する闘いそのものだ。福島や沖縄の怒り、非正規職の青年労働者の怒り、国家のデッチあげ弾圧と闘う人たちの怒りと一体で、全証拠開示大運動・星野奪還の闘いを全国で巻き起こそう。11・23星野再審全国集会に総結集し、労働者階級人民の団結拡大をかちとろう。

 デッチあげはすでに明らか

  1971年、日米帝国主義は米軍基地の固定化を狙うペテン的な「沖縄返還」を強行した。沖縄では、全軍労を先頭に70万人が全島ゼネストに決起した。沖縄の闘いに連帯して、東京・渋谷に全国から青年労働者・学生・人民が総結集し、破防法攻撃、集会・デモ禁止攻撃を打ち破って闘った。星野同志は、デモ隊のリーダーとして最先頭に立ち、機動隊の壁を突破し、渋谷に集結していた万余の労働者人民・学生と合流した。
 日帝・国家権力は、この闘いに大打撃を受け、星野同志をデッチあげ逮捕した。物的証拠がない中で、でたらめな「供述調書」を唯一の証拠に、東京高裁は機動隊殺害の「実行犯」として星野同志に無期懲役を下した。
 第1次、第2次の再審闘争の前進で、「供述調書」が、強制と誘導によって捏造(ねつぞう)されたものである事実をあらゆる角度から明らかにし、権力のデッチあげを崩壊させた。星野同志の無実の主張も、客観的に証明してきた。本年3月の再審棄却決定は、追い詰められた東京高裁のあがきだ。
 われわれは怒りを倍加させ、さらなる大反撃に転じている。東京高裁包囲デモを波状的に闘い、全証拠開示大運動を全国いたるところ、あらゆる人びとに拡大する挑戦に打って出た。
 星野同志は無実だ。無実の星野同志に38年間もの獄中を強制している国家権力へ怒りを爆発させ、11・23集会に全国から結集しよう。星野同志を絶対に奪還しよう。
(写真 11・4労働者集会に結集し、星野暁子さんを先頭にデモに出た星野再審全国連絡会議【八重洲】)

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 11・4全国労働者集会
 星野文昭同志からのメッセージ

 今、労働者人民は、労働者人民の手で誰もが人間らしく生きられる条件を生み出しています。
 その労働者人民が団結して立ち上がれば、1%の資本家・富裕層に富が集中する、労働者人民から搾取するが故に大恐慌・大失業―戦争を引き起こす、そして彼らを救済し、その利潤第一のために企業減税・財政投入、規制緩和―労組破壊、民営化・外注化、非正規化・賃下げ、大増税、福祉・生活破壊、さらに戦争・核戦争・原発・基地を進めるという、命よりも金儲(もう)けの新自由主義によって労働者人民の人間的生活を破壊し尽くすまでになっている世の中を、必ず変えることができます。
 全世界で、反原発闘争はじめ労働者人民が立ち上がれば世の中を変えられるという確信が広がる中で、動労千葉、日米韓労働者の闘いが切り開いているような、全世界で協力し共同で全てを生み出し社会を動かしている全世界の労働者が一つに団結し立ちあがり、資本・権力を打倒して全てを奪い返して、誰もが人間らしく生きる社会を実現する、闘う労組・ソビエト・党を全職場、全地域、全世界に拡大し、勝利しよう。
 その力で、私の無実で無期をはじめ、全ての弾圧を粉砕し、勝利しよう。
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 フクシマ・オキナワの怒りと一体で獄中38年を打ち破れ

 11・23星野再審全国集会

 プログラム
■DVD上映
■第1部 全証拠開示大運動賛同人の発言
・全証拠開示の意義と闘い
 藤田城治(再審弁護人)
・客野美喜子(「無実のゴビンダさんを支える会」事務局長)
・金元重(千葉商科大学教授)
・大津幸四郎(映画カメラマン、『圧殺の森』撮影者)
・佐々木信夫(桜の聖母短期大学名誉教授、福島・取り戻す会呼びかけ人)
・恩田亮(法政大学「暴処法」弾圧裁判・無罪被告人)
・飯田英貴(全国労働組合交流センター事務局長)ほか
■第2部 星野文昭さんの闘いとともに
・星野文昭さんのメッセージ
 星野暁子
・徳島刑務所との闘い
 西村正治(再審弁護人)
・奥深山(おくみやま)闘争報告
・全国の救援会
■第3部 星野さん解放の方針と勝利の展望
・事務局報告
・再審弁護団の提起
 鈴木達夫、岩井信、和久田修、酒井健雄
・家族の訴え
 星野暁子、星野誉夫、星野修三
【主催】星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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