ZENSHIN 2012/11/12(No2560 p08)

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第2560号の目次

集会・デモ禁圧うち破り 
20万人の先頭で「原発いらない福島の女たち」のかんしょ踊りが霞が関と永田町を席巻した。写真は文科省前(11月11日)

1面の画像
(1面)
反原発20万人霞が関占拠  “再稼働阻止・全原発廃炉”とどろく
動労千葉を先頭に訪韓闘争 速報8面(11月11日)
記事を読む  
東京都と裁判所を弾劾  弁護士会館前で次々と発言(11月11日) 記事を読む  
前進速報版 記事を読む  
(2面)
外注化阻止へ勝負はこれから 国際連帯で新自由主義を倒す 11・4全国労働者集会
労働組合を再生し社会変えよう(11月4日)
記事を読む  
全世界で民営化と激突 国際連帯アピール(11月4日) 記事を読む  
(3面)
外注化阻止へ勝負はこれから 国際連帯で新自由主義を倒す 11・4全国労働者集会
全原発廃炉!復興特区粉砕!(11月4日)
記事を読む  
(4面)
労働者の団結ですべてを変えられる
11・3千葉 国際連帯集会に300人  青年労働者軸に熱気と感動(11月3日)
記事を読む  
民主労総 反対同盟と交流会  “三里塚をわが闘いに”(11月2日) 記事を読む  
過酷事故が前提の「防災計画」  規制委は再稼働の先兵 記事を読む  
“子どもを避難させろ”  11・2文科省前行動(11月2日) 記事を読む  
福島県庁前 知事と山下に抗議
“安心なんてできない”(11月2日)
記事を読む  
(5面)
人事・賃金制度の抜本改悪に反対!
都労連が29分のスト  労組再生かけ11・15第2波へ(11月7日)
記事を読む  
圧倒的な冬期カンパ訴えます
闘う労働組合をよみがえらせ国鉄・反原発決戦に勝利しよう
記事を読む  
基地・労組めぐる攻防に勝利し沖縄労働運動の新時代開こう
革共同沖縄県委員会
記事を読む  
(6面)
反原発100万決起の先頭に立ち全国で学生自治会建設しよう
革共同中央学生組織委員会
記事を読む  
関西狭山集会 西郡の更地化許さぬ
地裁の高圧的態度を弾劾(投稿/西郡支部・植村清)(10月31日)
記事を読む  
広島狭山集会 “労働運動の力で勝つ”
狭山差別裁判に怒り新た(広島解放共闘・H)(10月31日)
記事を読む  
2012年日誌 10月30日〜11月5日
規制委、大飯活断層判断先送り/米、オスプレイ厚木使用も
記事を読む  
(7面)
11・4集会の巨大な地平発展させ第2ステージの外注化阻止決戦へ
安倍・石原・橋下ら改憲勢力打倒を
記事を読む  
11・23星野再審全国集会へ  全証拠開示大運動の力で無実の星野同志奪還しよう 記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
(8面)
非正規職撤廃へ日韓が連帯  11・11ソウル 非正規職撤廃へ日韓が連帯
民主労総3万が都心をデモ  動労千葉訪韓団が大会に合流(11月10、11日)
記事を読む  
「裁判員候補者通知」送るな!
最高裁デモに320人  大運動が呼びかけ 制度廃止へ追撃(11月9日)
記事を読む  

週刊『前進』(2560号1面1)(2012/11/12 )

 反原発20万人霞が関占拠

 “再稼働阻止・全原発廃炉”とどろく

 動労千葉を先頭に訪韓闘争 速報8面

(写真 集会・デモ禁圧うち破り 20万人の先頭で「原発いらない福島の女たち」のかんしょ踊りが霞が関と永田町を席巻した。写真は文科省前=11月11日)

(写真 午後3時以降は霞が関と永田町一帯を「原発なくせ! 再稼働反対!」の声が埋め尽くした。経産省前テントひろばにあふれかえった参加者。)

(写真 農水省前で浪江町の酪農家が「いとしい牛を餓死させた悲しみがわかるか!」と激しく訴えた)

(写真 5時過ぎに国会前に大集合した参加者。激しい雨を吹き飛ばし、「再稼働反対! 原発いらない! フクシマ返せ! 大飯を止めろ!」などのコールを2時間にわたり永田町に響き渡らせた)

 11月11日、午後からの激しい雨をものともせず20万人の労働者人民が国会・首相官邸前、霞が関一帯を占拠し闘いぬいた。野田政権は安全保障=核武装のための原発推進政策を加速させている。11日の100万人大占拠行動に対して、東京都と東京地裁・東京高裁は一体となり日比谷公園の使用を禁圧した。労働者人民はこの前代未聞の弾圧を打ち破って、再稼働阻止・全原発廃炉の決意をたたきつけた。

 経産省前など霞が関一帯で反原発の叫び

 日比谷公園や霞が関一帯には昼前から人びとが続々と集まった。午後1時、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の800人の仲間は、日比谷公園霞門向かい側の弁護士会館前に集まり、1時間近くにわたって東京都と裁判所のデモ禁圧攻撃を弾劾した。
 経産省テント前や霞が関の各省庁前では、それぞれ反原発行動が取り組まれた。3時15分、霞が関を一周する、経産省などへの申し入れ・抗議行動がテント前を出発した。「原発いらない福島の女たち」のかんしょ踊りの列が先頭に立った。女性たちが身につけたそろいの黒の法被と赤いたすきが目に鮮やかだ。後ろには、のぼりや旗を林立させたNAZENなどの長蛇の列が続き、「原発やめろ! 子どもを守れ!」とコールをとどろかせた。
 隊列は経産省前―文科省前―外務省前―農水省前―国会前のコースを堂々と進んだ。経産省前や外務省前、農水省前では猛烈な抗議の声をたたきつけた。農水省前では福島県浪江町の酪農家が「餓死してミイラ化した牛の姿を目の当たりにした。この悲しみがわかるか!」と政府と農水省を激しく弾劾し、「浪江町の無念、避難民の無念を晴らさなければならない。残りの人生をかけて原発をなくす!」と全身を震わせて発言した。

 国会正門前で午後5時から大集会を開催

 国会正門前は午後3時前から人びとで埋まった。大阪、滋賀、富山、広島、愛媛、鹿児島など原発立地・近隣府県を始め全国から集まった人びとが原発への怒りと原発廃絶の思いをアピールした。降り出した雨を熱気で吹き飛ばす発言が続いた。
 その間にも多くの人びとが途切れることなく詰めかけた。NAZENも続々駆けつけた仲間を加え、2千人に膨れあがり、国会前に合流した。
 午後5時から「国会正門前大集会」が始まった。さようなら原発1000万人アクションの呼びかけ人でルポライターの鎌田慧さんは「すべての再稼働を認めない。大飯を止める」と語った。同じく呼びかけ人で作家の落合恵子さんは「原発廃炉まで頑張ろう」と呼びかけた。
 福島第一原発から8`、警戒区域で立ち入りを禁止された富岡町から水戸市に避難している女性は白いタイベック(防護服)に身を包んで壇上に立ち、「私が着ているタイベックは1980円です。私の息子や福島第一で収束作業をしている作業員は同じものを着ています。紙です。寒いです。すぐに破れます。こんなものを着て作業をしている原発作業員のことを考えてください。私は一時帰宅する時もこれを着ています。フクシマは終わっていない。フクシマに関心を持ってください。私たちは負けません」と力を込めた。

 首相官邸前でも全国からの怒りが爆発

 首相官邸前でも午後3時から野田首相を直撃する行動が展開された。4時を過ぎても、5時を過ぎても官邸前に向かう人波は続き、財務省上の交差点までびっしりと人で埋まった。
 「再稼働反対!」「大飯を止めろ!」「大間はやめろ!」。ドラム隊のリズムに合わせた大音量のコールが官邸を包む。合間に、被爆地・広島、再稼働が狙われる伊方など全国から駆けつけた参加者が次々とアピールを行い、注目を集めた。
 3・11から1年8カ月。原発への怒りと危機感は収まらないどころか、ますます大きく燃え上がっている。この力で再稼働阻止・全原発廃炉へ、労働組合再生を軸に闘いぬこう。

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週刊『前進』(2560号1面2)(2012/11/12 )

 東京都と裁判所を弾劾

 弁護士会館前で次々と発言

 11日、NAZENを中心とする労働者・学生・人民800人は、当初予定されていたデモ集合時刻の午後1時に、日比谷公園霞門向かい側の弁護士会館前で不当な集会・デモ禁圧への抗議行動を行った。(写真)
 NAZENの富田翔子事務局次長が司会を務め、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会の三角忠事務局長、NAZENの織田陽介事務局長、ふくしま合同労組の後藤尚生さん、島根原発反対闘争を闘う土井淑平さん、ドイツのラーベン・ブロンシュタインさん、全学連の斎藤郁真委員長が発言。集会・デモは人民の人間的根源的な権利だ。デモ禁圧には何の正当な理由もない。日比谷野音はだれも使用していない。何が「施設の使用が予約されていて、公園の収容能力を超えている」(地裁)だ! 参加者たちは、東京都と東京地裁・高裁による反原発行動禁圧を徹底弾劾し、当日の行動を実力で貫徹することで弾圧を打ち破る決意を固めた。
 11日の行動の主催者、首都圏反原発連合は、午後1時に日比谷公園内に集合し霞門から出発する予定で、公園使用を東京都に申請した。ところが都当局は31日、「公園の管理上の支障」を理由に集合場所の使用を許可せず、東京地裁も高裁も都の主張を認めた。反原連は3、7月も日比谷公園からデモに出た。なぜ今回不許可なのか。労働者人民はNAZENを先頭に権利侵害を弾劾、20万人大占拠行動を実現し、デモ禁圧の大反動を完全に打ち砕いた。

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週刊『前進』(2560号1面3)(2012/11/12 )

前進速報版

▼民主労総大会と前夜祭に動労千葉訪韓団が参加、連帯深める▼総合雑誌『序局』第3号発行される▼11・4労働者集会@movie

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週刊『前進』(2560号2面1)(2012/11/12 )

 11・4全国労働者集会

 外注化阻止へ勝負はこれから 国際連帯で新自由主義を倒す 

 労働組合を再生し社会変えよう

(写真 日・韓・米・独の労働者が一丸となり、都心を揺るがす戦闘的なデモに立った【銀座】)
 11・4全国労働者総決起集会は日・韓・米・独の国際連帯のもと5800人を結集し、新自由主義に立ち向かう労働者の強固な団結を生み出した。外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは新たな段階に入ったのだ。集会の冒頭、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の高英男副委員長の呼びかけで、今年、闘い半ばに逝去した全国金属機械労働組合港合同の大和田幸治事務局長と辻岡尚執行委員に、全参加者が黙祷(もくとう)をささげた。2人の遺志を受け継ぎ、闘う労働運動を必ず復権させると、参加者は厳粛に誓い合った。前号での国鉄千葉動力車労働組合の田中康宏委員長、関生支部の高副委員長、港合同の中村吉政副委員長の発言に続き、11・4集会での各発言を紹介します。(編集局)

 JR外注化粉砕の決意

 この怒り何倍にもして返す 動労千葉幕張支部支部長 山田護さん

 私たちの外注化阻止闘争に対する全国からのご支援、本当にありがとうございました。民主労総ソウル本部のみなさんが雨の中、日本大使館前で闘いを展開してくれて、本当にうれしくて涙が止まりませんでした。
 今回一番怒りを持ったのは、同じ職場で同じ仕事をしているのに、10月1日から違う制服を着せられ出向に出された組合員と、JRに残った組合員が分断されたことです。本当にふざけるな! こんなことは絶対に許しません。この怒りは何倍にもして返します。
 10月1日に外注化は強行されましたが、闘いはまだ始まったばかりです。JR側とCTS(千葉鉄道サービス)側のどっちがどこまで仕事をするのか。この仕事の責任者はどっちなのか。現場の責任者に聞いても何も答えられません。10月1日以降、職場では事故は起きるし、入出区は遅れ、矛盾だらけでガタガタです。外注化が破綻しているのは誰の目にも明らかです。安全のために早く元のJRに戻せ!
 外注化―強制出向差し止め訴訟も始まります。部屋代、ガス代、電気代、水道、風呂まで全部JRが払っています。管理者も労働者も全員出向で、道具も全部JRのもの。偽装請負のオンパレードです。出向協定も結んでないし、出向の同意もありません。こんな違法な強制出向は粉砕しなければなりません。
 JR当局は「出向協定を結んでなくても、就業規則に書いてあるから同意と見なす」と言っています。ふざけんな! 就業規則に書いてあれば何でもできるなら、労働組合なんかいりません。
 われわれは奴隷じゃない。だからこの外注化―強制出向差し止め訴訟は絶対に勝たなければならないし、勝って組織拡大につなげます。これからもご支援をよろしくお願いします。

 闘いは終わってはいない! 動労千葉青年部 渡辺剛史さん

 こんな規模の場所で話すのは初めてです。動労千葉青年部です。
 外注化阻止のために闘ってきましたが、残念ながら10月1日、当該になってしまいました。悔しい思いでいっぱいです。
 この間、日本も含めて、世界のみなさんからも多大なるご支援、ありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。
 よく田中委員長も言いますが、闘いは終わったわけではありません。私たちは1日でも早く元のJRの制服を着るために、これからも闘い続けます。今後ともご支援をよろしくお願いします。
(写真 外注化阻止の決戦を最先頭で闘いぬく動労総連合の青年労働者が演壇中央に陣取り意気高く決意を表明)

 労働者を守るのが労働組合 動労水戸 照沼靖功さん

 動労水戸は「10・1外注化阻止! 強制出向絶対反対」を掲げて、8月24日から4波のストを闘い抜き、羽部さんを獲得しました。羽部さんは「労働者を守る労働組合、それが原点」と力強く訴えています。今その当たり前のことをできていない労働組合が多い。「闘っても勝てない。反対ばかり言っても仕方ない」と現場労働者の怒りを抑え込んで資本と一体で外注化・非正規職化を推進する労組幹部が、労働運動を壊しています。
 9月14日の第3波ストで職場が大きく動きました。とりわけ青年がスト破りを拒んだことで職場は大混乱。管理者が動労水戸組合員のストの代務に入るところにまで会社を追い込みました。
 9月26日の第4波ストでは早朝から車両センター前で出向当該の組合員が「青年を守れないオヤジなんてカッコ悪い! 若い人たちは動労水戸と一緒に闘おう!」と力強く訴えました。
 外注化・非正規職撤廃の闘いは世界共通の闘いです。インドネシアを始め世界各地で労働者の闘いが広がっています。だから私たちは資本の攻撃に全力で立ち向かい、勝利する必要があります。
 外注化をめぐる闘いはまったく負けてません。闘いは10月1日で新たなスタートを遂げました。動労千葉や動労水戸の先輩の「国鉄分割・民営化絶対反対」の25年の闘いをここで終わらせてはいけない。ここからが勝負です。これは全国・全世界の全職種・職場で外注化・非正規職化を打ち破る闘いです。この会場にいるすべての人が、明日から自分の職場で闘う労働組合をよみがえらせ、職場で不屈に闘うことでのみ勝利できます。きょうの集会を「99%の労働者がたった1%の資本を倒す」闘いの出発点にしましょう。

 国労の再生をあきらめない 国労郡山工場支部 橋本光一さん

 私たちは「国鉄闘争で社会を変革する」と言って闘ってきました。なぜ国鉄なのか。資本家階級と労働者階級が日本の基幹交通産業・国鉄を戦場に激突してきたからです。2・1ゼネスト、松川事件、レッドパージ、マル生、国鉄分割・民営化など、国鉄職場を戦場に攻防が繰り広げられてきた、中曽根元首相いわく日本階級闘争の「203高地」だからです。今、がけっぷちの資本家階級に対し、労働者が国鉄で資本家を打ち破ることができれば、次の新しい社会への扉を開け放つことができるからです。
 だから国労を社会変革を担う労働組合にしなければならない。しかし国労幹部は4党合意、一括和解、4・9政治和解、そして総合労働協約締結で一切を資本に売り渡そうとしています。もう国労は死んでしまった。国労再生などかなわないのか。国労を労働組合としてよみがえらせることなんかもうできないんじゃないか――そういう悔しい思いをしている人がたくさんいます。
 でも現場は死んでいません。外注化に対しては多くの職場で、出向通知の受け取り拒否や苦情申告が闘われ、10月1日当日は東京、水戸、神奈川、新潟を始め多くの職場で「このままでは安全運行が確保できない」と職場抵抗闘争が展開され、業務が滞りました。郡山工場支部でも奮闘かなわず外注化は強行されてしまいましたが、意気消沈はしていません。みなしたたかに次の闘いを準備し、しかも「組織拡大をやろう」という話で盛り上がっています。
 私は今、現場組合員一人ひとりの顔を思い浮かべながら「国労は必ず再生できる」と確信しています。われわれは絶対に負けない。われわれが国労再生をあきらめれば、社会変革の扉を開けることはできないのです。プロレタリア革命の扉を開け放つため、闘う国労の再生を仲間とともに必ずやり遂げます。

 1047名解雇撤回へ

 JR復帰への風穴を開けた 動労千葉争議団 中村仁さん

 6月29日に自分たちの裁判の判決が出ました。われわれを名簿から外したのは不当労働行為だと裁判所が認定しました。不当労働行為なんだから、解雇が撤回されて今は本当はJRにいるはずです。だけどそれを認めず、解雇撤回はなりませんでした。
 しかし、不当労働行為を認めさせたのは大きな大きな風穴が開いています。これだけに頼るわけではありませんが、高裁に向けた解雇撤回を求める署名を全国の労働者、労働組合にお願いしています。ぜひ万を超える数にしてたたきつけたい。よろしくお願いします。
 われわれの解雇撤回の闘いは、なぜ闘い続けられるのか。われわれは労働者だから、解雇を絶対に許さない。絶対に資本と闘い続けたいと思います。
 われわれが解雇撤回をかちとることが正義につながり、そして今苦しんでいる東北や福島の闘いになる。みなさんと一緒に現場で、職場で日々闘うことが、福島につながり東北につながることだと思っています。ぜひ、福島と一緒に闘いましょう。われわれは「絶対にフクシマを忘れない」ということで闘っていきます。非正規の解雇を許さない闘いを貫いた時に、福島とも連帯できると思います。
 私は解雇撤回をかちとってJRに復帰します。動労千葉の外注化阻止の闘いと一体で、出向に出された仲間をJRに戻す闘いをこれからも続けます。
(写真 1047名解雇撤回・JR復帰へ、動労千葉争議団、和解拒否国労闘争団が不屈の闘志をたぎらせた)

 資本に引導を渡す時が来た 国労小倉地区闘争団 羽廣憲さん

 鉄道運輸機構を相手取った裁判の10月11日の東京高裁判決は、国家権力の意思丸出しの超反動判決でした。1047名のうち小玉原告ただ1人だけが時効が成立していると言い、JR東日本が採用しなかったのは適法だとした。6月の動労千葉の画期的反動判決を消し去ろうとする国家意思の表れです。
 国鉄労働運動を完全につぶすまで、支配階級は枕を高くして寝られないのです。だから闘う組合をつぶすまで攻撃をやめない。10・1検修全面外注化も、闘う組合を一掃し団結を破壊し尽くして、9割の労働者を非正規職化してボロもうけするための攻撃です。
 私たちは生身の人間であり、怒りは爆発寸前です。労働者を食わせられなくなった資本に引導を渡す時がやってきたのです。国家と資本に対する怒りの炎は、フクシマと必ず合流できる。フクシマの現実と向き合い、すべての原発を廃炉にする闘いと労働者階級の階級的怒りで、支配階級をぶっ飛ばしましょう。
 国労5・27臨大闘争弾圧を仕掛け、私たちから組合員資格を奪った国労本部を、組合員の手でつくり変えます。私たち原告団と「共に闘う国労の会」はがっちり団結して、国鉄分割・民営化絶対反対・1047名解雇撤回まで闘い続けます。

 完全勝利までもう一歩だ 動労千葉顧問弁護団長 葉山岳夫さん

 東京地裁は6月29日、動労千葉の高石さん・中村さんらの解雇撤回・損害賠償裁判の判決を出しました。国鉄労働者1047名の解雇撤回を求めて闘ってきた裁判です。判決は解雇撤回も国鉄分割・民営化の不当労働行為性も認めなかった、明らかに反動判決です。しかし今までの判決をのりこえた点があります。
 第一に、国鉄当局は1987年1〜2月時点では動労千葉9人を採用候補者名簿に記載していたこと、JR東海の葛西会長や国鉄職員局幹部らが不採用基準を突然作成して動労千葉組合員をJR不採用としたことは不当労働行為であることを、明確に認定しました。
 第二に、この不採用基準は動労本部・鉄労と国鉄当局が結託して策定したものだと認めました。第三に、不採用基準が策定されなければ原告らはJRに採用されたはずだと認め「JR職員としての賃金を支払え」と命じました。すなわち、JRに不採用の法的責任があることを認めたのです。
 国鉄闘争全国運動は1047名解雇撤回・JR復帰闘争を断固継続して闘ってきました。画期的反動判決の画期的部分はその成果です。完全勝利までもう一歩です。
 控訴審が12月17日から始まります。連帯して「動労千葉・鉄建公団訴訟、解雇撤回・JR復帰の判決を求めるための東京高裁あて署名」へのご協力をお願いします。

 国鉄闘争全国運動から

 労働者の誇りを示す運動を 国鉄闘争全国運動呼びかけ人 伊藤晃さん

 動労千葉・動労水戸の外注化阻止闘争は、日本の反合理化闘争の新しい形を切り開きました。これまでの反合理化闘争は合理化が強行されたら終わり、闘争は一段落、社会は問題を忘れ去りました。ところが今度の闘争は外注化が強行されても終わらない。組合は「本当の闘争はこれからだ」と言っています。
 実は私たちはこういう闘いを初めて見たわけではない。かつて国鉄分割・民営化の強行をもって一段落としない1047名の労働者がいたわけです。この労働者たちが不当解雇と争い続けて四半世紀です。この闘争は社会が問題を忘れ去ることを許しませんでした。
 国鉄闘争全国運動は、外注化・非正規化の広がりに対して労働運動が抵抗できない中で、労働者が持つ力を示すためにつくられました。
 「社会の現実は闘争がなくてもわかっている」と言う人がいるが、そうではない。悲惨と苦しみは知られても、そこに同時に労働者の闘う意志と力、誇りがあることは知られていない。これを知らせることができるのは労働者の運動だけです。
 闘いたいと思っている労働者に労働組合の存在を感じさせることができれば、労働者の闘う意志を引き出すことができる。関西生コンや動労千葉の闘いはそれをよく示しています。その時、社会全体は、労働者がただ打ちひしがれて苦しんでいるだけのものではないことを知るのです。
 動労千葉も関西生コンも港合同も、当たり前の労働組合として活動してきただけです。しかしその普通の労働組合の存在が労働者の心を揺り動かすのです。
 そういう労働組合を全国の職場につくり出す、その将来に確信を持ち、新自由主義を包囲する全世界の労働者の鎖をつくり上げましょう。

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週刊『前進』(2560号2面2)(2012/11/12 )

 全世界で民営化と激突 国際連帯アピール

 非正規・解雇のない世の中に

 韓国から/民主労総ソウル地域本部本部長 イジェウンさん

 非正規職、整理解雇のない世の中、労働が尊重される世の中のために連帯しましょう。福島原発事故以後、大きな苦痛を受けている同志の皆さんに心から慰労と激励の言葉を送ります。
 資本は経済危機を理由に公企業民営化、外注化を推進しています。非正規・低賃金労働者を拡大して、雇用不安の中で失業者を量産して費用負担を労働者民衆に転嫁しようとしているのです。
 通信、ガス、電力、水道、鉄道など公企業部門の民営化・外注化に私たちは反対します。派遣労働者であれ期間制労働者であれパート労働者であれ、どんな非正規職もわれわれは反対します。
 資本と結託したエリート権力が大衆の意志に反する新自由主義的市場経済を押し付け続ける現在の姿を終わらせなければなりません。福島原発事故以後、日本はもちろん全世界的に脱原発闘争が活発に展開されています。人類を滅亡の道に追いやる原子力発電所の稼働と建設に反対します。
 非正規職、整理解雇のない世の中、労働が尊重され、すべての領域で公共性が確保される世の中、核のない世の中のために、国境の壁を崩してともに連帯できたらと思います。トゥジェン!

 米軍はアジアから撤退せよ

 アメリカから/運輸労働者連帯委員会 スティーブ・ゼルツァーさん

 日本と同様、アメリカの労働者は民営化・規制緩和、TPPなどの反動攻勢下にあります。
 伊藤忠などが設立した穀物輸出ターミナル(EGT)は、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)のハイヤリング・ホールの弱体化に手をつけました。太平洋西海岸の穀物会社は、EGTが強要したのと同じ屈服的協約の締結を策しています。オバマ大統領はワシントン州ロングビューでのいかなるスト・連帯行動も阻止するため、沿岸警備艦を動員しました。
 アメリカの民主・共和両党は、日本の自民・民主両党と同様、郵政、教育、すべての公務の民営化をたくらんでいます。
 沖縄での女性暴行事件は、沖縄人民に対する長きにわたる犯罪の一部です。私たちは沖縄、日本、全アジアからの米軍の撤退を要求します。
 福島で爆発した放射線爆弾は、わが政府と東電、GE、ベクテルなどの企業が造ったのです。
 太平洋をはさむ私たちがこの世界的惨事に打ち勝つために団結すれば、大きな力を持つことができます。言葉ではなく行動です。団結しよう! ガンバロー!

 ダラ幹に抗し民営化に反対

 ドイツから/ベルリン都市鉄道民営化反対行動委員会 ラーベン・ブロンシュタインさん

 私たち「ベルリン都市鉄道民営化反対行動委員会」は、民営化の進展によって生活と職場が脅かされる中、これと闘うために、戦闘的で階級意識をもったベルリン都市鉄道の労働者によって、労働組合の枠組みを越えて2011年の年末に結成されました。
 私たちは、経営による攻撃ばかりか、ダラ幹たちの攻撃にもさらされています。私たちの唯一の砦(とりで)は、仲間の労働者一人ひとりです。
 私たちは、最も厳しい条件のもと生き死にをかけて闘っている労働者のことを考えるべきだと思います。ここで特に私が言いたいのは、ギリシャの仲間のことです。
 世界の労働者の一つひとつの闘いは私たち皆の闘いであるべきです。

 滞日・在日外国人労働者の発言

 ■スリランカ

 今日は労働者が権利のために闘い団結する集会です。日本で働く権利を持たない労働者として、私たちも“一緒に頑張ろう”と参加しています。
 全国で約3千人の仮放免者がいます。人間ならば誰でも働く権利があります。でも日本の入管は“あなたたち仮放免者は人間じゃない”と労働を禁止しています。力を合わせて頑張りましょう。

 ■ビルマ

 ビルマ人も日本人も世界のみんなが人間です。日本人の問題は私たちの問題であり、ビルマ人の問題は日本人の問題です。今世界の平和が危ない。だからみんなで平和のために闘いましょう!

 ■クルド

 21世紀の今もクルドの言葉は禁止です。政府に捕まって刑務所に入れられます。自分の言葉でしゃべり、自分の文化で自由に生きていきたい。
 いまトルコの刑務所内で自由を求め、命がけのハンストを闘っています。今日で55日目です。
 シリアでは200万人以上のクルド人が住む地域にアメリカとトルコが戦争をしています。クルディスタンの独立が怖いからです。誇り高きクルド民族はトルコ政府に絶対に頭を下げません。皆さん、クルドとともに頑張ってもらいたいです。

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週刊『前進』(2560号3面1)(2012/11/12 )

 11・4全国労働者集会

 外注化阻止へ勝負はこれから 国際連帯で新自由主義を倒す 

 全原発廃炉!復興特区粉砕!

(写真 10・1JR外注化阻止決戦を闘い抜いた動労千葉、動労水戸、国労の労働者が登壇。外注化粉砕へ新たな決意を固めた)

(写真 NAZENと被災地、沖縄のデモ隊。福島の怒りをともにして原発廃炉を訴えた)

 被災地・反原発の訴え

 命守らない国信用できない 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表 佐藤幸子さん

 昨年の3・11以降、外での子どもたちの活動は制限されてきました。子どもにとって自然の中で命の尊さ、自然の不思議さ、美しさに感動を受けることは教室での勉強以上の学びの場です。それができない。
 漁民が漁に出られない、農民が田畑で農作業ができない、労働者が工場でお店で働けない。自分で選んだわけではないこの現実を受け入れることができずにいます。そのために、引きこもりとなり、認知症、肥満、うつ病、自殺が増え、そして家庭崩壊。想像もしなかったことが次々と起こります。補償金がもらえれば解決することではないのです。
 原発事故後、「放射能安全神話」をつくり出し、事故が起こっても大丈夫、福島はこんなに元気にがんばっています、と言わんがばかりの福島県の対応にも、心ある人びとは怒っています。
 もう、国も県も私たちは信じることができません。子どもたちの命を守ろうとする姿勢が見えないのです。
 私たち福島に住まざるを得ない多くの県民は、けっして県民同士分断されてはなりません。子どもたちの命を守るためにあらゆる人びととつながらなければなりません。
 福島があらゆる矛盾を抱えたこの国の変革の先頭に立たなければならないと覚悟しています。日本の未来を必ず私たちの手に取り戻しましょう。

 生きぬくため診療所つくる 福島診療所建設委員会事務局長 渡辺馨さん

 私たちは福島の現実に根ざして、診療所建設運動を進めてきました。みなさんのご支援のお陰で、「ふくしま共同診療所」の年内開設が見えてきました。
 この診療所は、労働者・住民・医師の文字通り共同でつくる診療所です。子どもたちの未来を取り戻す、福島で生きぬくための診療所です。被曝と闘い、国・政府と闘うより所の診療所が必要です。労働者・生活者のための医療を取り戻す、「命より金」という新自由主義と闘う拠点です。
 国・東電の責任を徹底的に追及し、原発の再稼働阻止、全原発廃炉をかちとり、腐りきった社会を変えていきましょう。
 多くの県民が避難したくてもできない中で、放射線被害・被曝の危険性はないかのようなデマが流されています。福島の子どもたちに甲状腺がんの初期症状が現れても、山下俊一福島県立医大副学長は「独自の検査は遠慮して下さい」と医師会に圧力をかけ、県民健康調査と甲状腺検査では、結論ありきのシナリオができていました。
 「死すべきは基地である」「死すべきは原発である」「労働者は死んではならない」。フクシマの原発事故との闘いとオキナワの基地撤去の闘い、非正規職撤廃の闘いは同じ新自由主義との闘いです。「反原発・反失業・非正規職撤廃」を掲げて闘う労働組合と一緒に、今の社会のあらゆる矛盾と向き合い、住民とともに歩む診療所を建設します。全国全世界の民衆の共同の闘いでこの事業を成功させましょう。ご協力お願いします。

 特区・非正規化と対決しぬく 仙台市職員労働組合青葉支部支部長 引地真理子さん

 昨年、仙台市当局は大震災直後の大混乱の最中、闘う支部つぶしを目的に、私に対して人事異動を強行しました。
 きちんとした研修もないまま震災関連の業務もどんどん増え、窓口対応が本当に大変でした。消耗して夜眠れなくなり、うつ状態と診断され職場を休み、9月に職場復帰しました。震災以降、市職員の9割がストレスを感じ、5割が抑うつ状態となり、病気休暇をとる職員が激増しています。
 私はこの復興特区攻撃がもたらしている現実を打ち破るために、市職労本部役員を担おうと、病休中でしたが「復興特区攻撃反対! 過重労働・人員削減・民営化・非正規職化反対!」を真っ向から掲げ選挙に立候補しました。私は次点で落選しました。しかし、最下位当選者とは25票差、有効投票数の約5割、800名近い投票がありました。本当にうれしかった。負けた気がしません。組合員とともに闘う決意を新たにしました。
 「メンタルは個人責任」という市当局に対し、私は公務災害認定闘争に立ち上がり、申請書を提出しました。復興特区攻撃でたくさんの仲間が苦しんでいるこの現実を絶対に打ち破りたい。
 市当局は、税務職場を集約するとして各区役所から200名もの税務関係職員を市役所本庁に配転・集中する大合理化を強行しました。職場丸ごと委託・外注化―非正規職化へと道を開く攻撃を許さず市職労を闘う組合としてよみがえらせるために奮闘する決意です。

 被曝労働強制の原発は廃炉 元全日本運輸一般労働組合原子力発電所分会 斉藤征二さん

 私は、30年前に全日本運輸一般労働組合関西地区生コン支部にお世話になって労働組合を結成しました。原発分会を結成して2年で私たちはクサビを打たれ、分解してしまいました。その悔しい思い、そして原発の中の実態を全国に行って若い人たちに伝えています。
 原発というのは、隠してだまして被曝させ労働者を雇っているんです。労働者を切り捨てる吸血鬼のような利権集団は、私たちの闘いの中ですべて排除していく、そして原発をすべて止める。これしかありません。
 労働組合というのは闘うということなんです。「人の痛みはわが身の痛み」。私たちが生きていくためには、すべての人が手をつなぎ一本の鎖になって闘う、こういう団結力が必要ではないでしょうか。政治は本当に崩壊しています。野田政権も行き詰まっています。政治を変える時です。
 私も72歳ですが、命ある限り原発の中の実態を訴え、50基の原発を廃炉にする。稼働すれば放射性物質をまき散らすんです。みなさんの健康をむしばむ。今日集まったみなさんの団結があれば必ず、すべての原発を廃炉にすることができると思います。
 闘う労働組合、闘う労働者をめざして、私も微力ながらがんばっていきたいと思います。

 100万人の行動が歴史動かす すべての原発いますぐなくそう!全国会議事務局次長 富田翔子さん

 原発事故から1年半以上たっても、最悪の状況は何ひとつ変わっていません。しかし生きることをあきらめるわけにいかない。3・11以降、政治を動かしてきたのは問い続け行動し続けてきた人びとです。私たちです。数十万規模で立ち上がっている人びとが100万になった時、必ず歴史は動き、すべての原発をなくすことができます。
 今日は、私も非正規職の職場でつくった組合の仲間と一緒に来ています。労働運動なんて知らなかった若者たちが、反原発で街頭で闘い、その闘いを職場に持ち帰りました。被曝を強制され続ける福島と原発で働く人たちの矛盾は、非正規の私たちが毎日直面する矛盾とひとつだからです。
 お互いの命を守り、生かし合う、人間本来の生き方を取り戻すしかない。フクシマが、非正規の若者が、ともに生きられる社会を自分たちの手で一から闘いとる時です。
 皆さんの職場、地域、キャンパスの底力を街頭に結集させて下さい。11・11の100万人の国会周辺を占拠する行動に対し、東京都はデモ出発地点の使用を禁止してきました。この反動をぶっとばすには数の力しかありません。
 そして来年の3月11日を見据えて、福島の怒りをたたきつける再稼働絶対阻止の闘いを続けることです。12月15〜17日、政府はIAEA(国際原子力機関)を福島に呼んで閣僚会議をやろうとしています。弾劾行動に立ち上がろう。

 連帯あいさつ

(写真 オスプレイ配備を弾劾する沖縄行動団)

(写真 三里塚反対同盟と全国農民会議が登壇)

 基地撤去以外に答えはない 沖縄行動団 富田晋さん

 沖縄は、オスプレイ配備強行と米兵による暴行事件を契機に「基地撤去以外に答えはない」と怒りを燃やしています。基地労働者を中心とした労働組合の組織戦として闘われた9・9沖縄県民大会は10万3千人が決起し、「領土問題」で国際的な労働者の団結に分断を図ろうとした資本家の思惑を打ち破り、闘いは継続されています。
 放射能におびえる福島の子どもたちと、オスプレイが飛ぶ空におびえる沖縄の子どもたちは何も変わりません。
 沖縄の労働者は40%以上が非正規であり、“社会保障と給与が保障されている”との理由で基地労働者になりたいという若者は後を絶ちません。しかし基地労働者とは労働法の適用除外の労働者であり、「いつでも解雇できる」存在です。それほどまでに沖縄の労働者全体が困窮しています。
 私たちはこの現実に立ち向かうために職場に労働組合を結成しました。
 安保同盟の実体である米軍基地の存在こそ、日米の資本家による世界支配を可能としています。その基地と安保を固定化するための非正規化、外注化です。それは国鉄分割・民営化から始まっています。つまり、国鉄闘争全国運動を拡大する闘いは安保をなくす闘いそのものです。基地労働者の闘いを押し立て、基地を撤去し新しい社会をつくり出そう。

 国策に屈せず農地守りぬく 三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長 北原鉱治さん

 3・11以降、日本の社会は価値観が根本から変わりました。「国策」の名のもとに「絶対安全」とされてきた原発が爆発し、福島を中心に激しい被害を発生させ、今なお10万人以上の人びとが避難生活を強いられているのです。「国策」なるものの実態は、権力者や大資本の利益優先であることが誰にも否定できない形で暴露されたのです。
 私たちが46年間にわたり闘ってきた成田空港反対闘争も構図はまったく一緒です。「公共事業のため」との美名で三里塚現地ではおびただしい農民・労働者・学生・市民がけがを負わされ、逮捕され、死者まで出ました。しかしその実態は権力者のための私利私欲の空港です。さらに朝鮮半島で有事の時には、米本土から飛来する数十万単位の米兵の空輸基地に変貌(へんぼう)します。
 「国策」に屈服することなく46年間闘いぬいてきた三里塚闘争の真価が発揮される時代が来ました。沖縄、労働者と連帯して闘います。
 三里塚は市東孝雄さんの農地を守る決戦に突入しました。私たちはこの地で農業に生きがいを見いだし、耕し続けたいと叫んでいるのです。それを圧殺する国家権力とは実力で闘います。それが三里塚46年の原則です。ともに闘いましょう。

 裁判員制度をぶっ飛ばす時 憲法と人権の日弁連をめざす会代表/弁護士 高山俊吉さん

 新自由主義攻撃の照準は、闘う労働組合の根絶と改憲の実現にきっちり定められていました。
 司法の世界の新自由主義攻撃は90年代半ばから「司法改悪」という形で突き進みました。弁護士激増、ロースクール、司法支援センター、そして裁判員制度。裁判員制度はバラバラに孤立させた国民を、秩序を維持する権力者の側に立たせることを狙っています。危機を深めるこの国が、国民一人ひとりの「内なる武装」「内なる改憲」を必死に展開している。改憲は「そのうちに来る」のではなく、いま私たちの目の前にあります。裁判員制度は現在進行中の改憲そのものです。裁判員制度の廃止を要求する行動は改憲阻止・反戦の闘いそのものです。
 制度は崩壊と敗退のまっただ中にあります。私たちがそこまで追い込んだのです。裁判員をやってもいいと答えた人が候補者のわずか5%という裁判もある。拒絶のステージから廃止要求のステージに大きく場を変える時が来ています。


 戦争・改憲阻む国際的連帯を とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長 西川重則さん

 日本の戦後67年の今日、驚くべきことに「尖閣諸島」問題について、「(中国と)戦争を辞さず」「戦争前夜?」などの発言がマスコミの記事に見られるのです。
 率直に言って今、憲法改悪に基づく戦争が再び起こってもおかしくない思想が再び教育されようとしています。
 日本では戦争中の1940年11月23日、労働組合が解体された後、大日本産業報国会が創立されました。そして、侵略・加害の立場で、「敵国」の労働者を同じ労働者でありながら、武力によって殺りくしました。
 私たちは、ともに平和を創り出すために、国境を越えた「共なる戦い」をし戦争絶対反対の国際連帯による大運動を展開しなければなりません。
 野田首相も、自民党の安倍・石破氏も、日本維新の会の橋下氏も、国政に再び挑む石原氏もすべて改憲を狙っています。絶対に阻止しましょう。

 決意表明

 ●大阪市職員労働組合組合員 赤田由行さん

 今や橋下大阪市長の攻撃よりも現場の反撃の方が注目されています。市役所前はガレキ処分反対のテントが占拠し、市役所前は9・16橋下打倒集会をもって労働者の闘いの場に転化しました。
 「政治活動禁止」を口実とした弾圧に、1人からでも労働組合がいかに闘うべきかを体現して「組合活動への不当な介入をするな」と反撃し、当局を追い詰めました。
 自分を含めた6人の入れ墨調査拒否者の存在が団結の結集軸に変わりつつあります。組合大会ではいくつもの支部から処分撤回の取り組みをやれという声が出ました。支部長選挙ではストで闘うべきだという自分への支持が拡大しました。「橋下打倒! 処分撤回!」を合言葉に闘う労働組合をよみがえらせよう。
(写真 決意を述べる全国から集まった労働者・学生)

 ●大阪市教職員組合組合員 沼田祐子さん

 私は今年3月の卒業式で、橋下市長の教育の民営化攻撃に反撃して「君が代」職務命令を拒否し不起立を貫きました。
 橋下は服務規律に従わない者を処分し解雇すると言っている。労組つぶしと団結破壊を目的にした不当労働行為そのものです。しかし橋下は、労働者の絶対反対の反撃を一番恐れているのです。
 大阪市内の教育現場では教研集会や分会会議に学校を使わせないという攻撃や、生徒や保護者に授業アンケートを取り教員評価に反映させる攻撃がかけられています。労働者は闘う方針を求めています。労働組合が本気で闘うことが必要です。来年2月の橋下打倒集会にぜひ結集して下さい。

 ●東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会分会長 内尾稔さん

 今年7月、鈴コン闘争支援・連帯共闘会議が結成されました。この場を借りてお礼いたします。
 昨年9月のストライキに対する出勤停止処分に、私たちが連日社前・駅前で抗議宣伝をやったら、資本は組合役員を解雇しました。ただちに東京地裁に地位保全を申し立て、今年2月に解雇者に1年間賃金を仮払いしろという決定をかちとり、会社側の異議も10月3日に却下されました。
 ついに時代の扉をこじ開けました。鈴コン分会は、自分たちの解雇撤回闘争を通して、非正規職撤廃の先頭に立ち続けます。団結して闘った時の力は無限大です。ともに闘いましょう。

 ●郵政非正規ユニオン委員長 齋藤裕介さん

 郵政非正規ユニオン、数は少ないですが、激しい闘いの中で資本の攻撃によってひざを突いた仲間はひとりもいません。僕たちの団結は2年たった今も守られています。
 この闘いは郵政40万人に広がっています。青年労働者は今の世の中に黙っているつもりはありません。関西では、雇い止め・解雇を言い渡されても、職場でかちとってきた団結を打ち固め、広げていく闘いとして裁判闘争に打って出ます。
 僕たちに残されているのは命と誇りしかありません。でも、この命も誇りも資本に明け渡すつもりはありません。闘う労働組合を復権させ、この腐った社会を、僕たち青年の力で変え、すべてを取り戻しましょう。

 ●全日本学生自治会総連合委員長 斎藤郁真さん

 新自由主義攻撃は大学でもかけられ、資本による大学・学問の商業化が急速に進み、学生をがんじがらめにしています。
 原発の是非を学生同士が議論することすら難しい今のキャンパスの「平穏」とは、福島で御用学者が行っている「平穏」な殺人行為と一体です。
 10・19法大解放集会が法大学内から感動的な決起として打ち抜かれたことに恐怖した法大当局は、中心で闘った武田雄飛丸君を無期停学処分にしました。法大生−全国学生とともに、武田君への処分を撤回させる大闘争を巻き起こします。
 この時代を切り開く学生運動の復権をかちとり必ず全国に学生自治会をつくり出す決意です。

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週刊『前進』(2560号4面1)(2012/11/12 )

 労働者の団結ですべてを変えられる

 11・3千葉 国際連帯集会に300人

 青年労働者軸に熱気と感動

 11・4全国労働者総決起集会に先立ち、3日に千葉市内で労働者国際連帯集会が開かれた。韓・米・独からの仲間を迎え、在日・滞日外国人労働者を含む300人が結集したこの集会は、11・4と一体の企画であり、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いが世界の労働者の普遍的課題であることを鮮明にし、新自由主義と闘う労働者階級の国際的団結を新たな段階に押し上げた。
 主催者としてあいさつした動労千葉の田中康宏委員長は、「日本の支配者は領土問題で国家主義・排外主義・戦争を徹底的にあおっている。われわれの原点は、かつて日帝がやった侵略戦争を絶対に繰り返さないことだ。闘う労働組合をよみがえらせなければ戦争は止められない」と訴えた。また、外注化阻止決戦に触れ、「労働者の団結した力は新自由主義に立ち向かえることを示したかった。外注化が強行され、職場は悔しさと怒りにあふれている。しかし動労千葉の団結、組合員の闘う意志は打ち砕かれていない」と述べた。そして、この闘いに連帯し、ソウルの日本大使館前で抗議闘争を貫徹した民主労総ソウル地域本部に心からの感謝を表明。「労働者が国際連帯を取り戻せば必ず社会を変えられる」と力説した。
 動労水戸の石井真一委員長は、外注化阻止をストライキで闘う中で青年労働者が組合に結集したと報告。また、JRが労働者に一層の被曝を強いようとしていることを徹底的に弾劾した。
 動労千葉国際連帯委員会の山本弘行さんは、釣魚台(尖閣諸島)や独島(竹島)を略奪した日帝の歴史を説き明かし、「労働者には国境も領土もない。職場生産点で組合的団結を取り戻そう」と訴えた。
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人の李東碩(イドンソク)さんは「動労千葉と民主労総ソウル地域本部の努力で、労働運動の国際化という点で今年は歴史を変える年になった。労働運動もグローバル化しなければならない」と提起し、「世界革命に向けた労働運動の新しい始まりを。労働者の労働者による労働者のための21世紀のコミューンの建設を」と高らかに呼びかけた。
 子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの椎名千恵子さんは、IAEA(国際原子力機関)が12月に福島県で日本政府と国際会議を開こうとしていることを弾劾、これへの抗議行動を呼びかけた。
(写真 300人が結集し新自由主義と闘う国際的団結を固めた労働者国際連帯集会【11月3日 千葉市】)

 公共部門の民営化やめろ

 集会の熱が高まる中、韓国・民主労総ソウル地域本部の30人の代表団が登壇した。イジェウン本部長が発言に立ち、まず、激しい労組つぶしの攻撃と対決する韓国労働運動の現状を報告した。会計事務所が労組つぶしのマニュアルを作り、その指南を受けた経営者による労組解体攻撃が横行しているという。労働者の置かれている状況は韓国も日本も同じだ。
 また、「労働弾圧の即刻中止、非正規職を直ちに正規に、公共部門の民営化をやめろ。これらの課題に世界レベルで一緒に取り組んでいく」と発言を結んだ。
 保健医療労組梨花女子大病院支部のイムミギョン支部長は、28日間のストでイミョンバク政権による労組破壊攻撃を打ち破り勝利したと報告。公共部門の民営化で医療も医療保険も崩壊している現実を述べ、民営化に絶対反対すると宣言した。
 公共運輸労組国立オペラ合唱団非正規支部のムンデギュン支部長は、イミョンバク政権により合唱団が解体され解雇された経過を語り、勝利まで闘う決意を表明した。支部長を始め同支部員3人が朗々たる歌唱を披露し、会場を魅了した。

 新自由主義に反撃しよう

 アメリカからはILWUローカル21(国際港湾倉庫労組第21支部)の2人の労働者が発言に立った。いずれも20代の若い組合活動家だ。
 2人は、日米韓の合弁企業、穀物輸出会社EGTとの闘いの中で日本の労働者が連帯闘争に立ったことに謝意を表し、「われれが今持っているものは、すべて闘いの中で手に入れたものだ。行動は言葉よりも雄弁だ」「世界中の労働組合に直接行動を呼びかけたい」「団結すればすべてを変えられる。労働者の団結、連帯こそが経営者を脅かす」と訴えた。
 運輸労働者連帯委員会(TWSC)のスティーブ・ゼルツァーさんは、新自由主義への反撃が全米で巻き起こっていることを報告した。さらに、沖縄や韓国から米軍基地を撤去せよと訴え、日本の原発政策を支える米政府を強く弾劾した。
 ILWUローカル34のホアン・デルポソさんは「労働者は共同体の中でこそ生きていける」と述べ、多国籍企業による賃金・労働条件切り下げの攻撃に国際的な団結で立ち向かおうと訴えた。
 ドイツからベルリン都市鉄道民営化反対行動委員会のラーベン・ブロンシュタインさんが参加し、ドイツ機関士労組組合員のメッセージを読み上げた。労組ダラ幹の抑圧に抗して民営化に反対して闘うドイツ鉄道労働者の現状に、参加者は労働者の直面する課題はどの国でも共通だと実感した。ギリシャ労働者階級との連帯が強調された。

 闘う労働組合の復権を!

 在日・滞日労働者からの訴えとしてビルマの民主化闘争を闘う仲間のメッセージが紹介された。東京ゼネラルユニオンの組合員は「組合が大きくなることで会社に勝てる」と訴えた。
 これらの発言に応え、全学連の坂野陽平書記長は新自由主義大学と対決し、全国で学生自治会を再建すると宣言した。
 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の星野暁子さんは、無実の星野文昭さんを奪還する闘いが国際的闘いに飛躍していることを強調し、11・23星野全国集会への結集を呼びかけた。
 動労千葉の長田敏之書記長が集会をまとめ、新自由主義攻撃の先端にある外注化と徹底対決すること、領土問題で戦争をあおる資本家に労働者の国際連帯で立ち向かうこと、そのためにも闘う労働組合を復権させ、組織拡大を実現することなどの実践方針を提起した。

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週刊『前進』(2560号4面2)(2012/11/12 )

 民主労総 反対同盟と交流会

 “三里塚をわが闘いに”

 11月2日、韓国・民主労総ソウル地域本部の労働者30人が、イジェウン本部長を先頭に今年も三里塚現地を訪れた。
 午前に成田空港に降り立った一行は、田中康宏委員長をはじめ動労千葉の出迎えを受け、休む間もなく成田市天神峰の市東孝雄さん宅前に駆けつけた。今回も大半が三里塚初体験者だ。昼食をはさんで現闘の同志の案内で、快晴のもと早速現地調査に臨んだ。
 市東さん宅わきの監視やぐらに上がると、目の前に第3誘導路が横たわる。来年3月の供用へ向け重機があわただしく動き回る工事現場を目の当たりにし、全員が怒りを共有した。
 さらに南台の市東さんの畑、東峰の開拓組合道路、東峰神社、東峰部落、横堀大鉄塔などを回り、頭上40bを飛ぶジェット機の騒音を体感しながら、国策の空港建設を破綻に追い込んでいることを確認した。
 夕方から現地の宿泊所で歓迎の催しが盛大に開かれた。まずビデオ「三里塚・大地の乱」が上映され、実力闘争の歴史が迫真の映像で伝えられた。現闘が用意した心尽くしの料理が振る舞われ、それぞれの顔もほころぶ中、農作業を終えた反対同盟が次々と駆けつけ、歓迎会が始まった。
 田中委員長の音頭で乾杯。続いて北原鉱治事務局長があいさつに立ち、自らの戦争体験を踏まえながら、「成田は有事の際には軍事空港となる。労働者・農民は連帯して戦争を絶対に阻止しよう」と訴えた。
 これに応え、イジェウン本部長が「三里塚の同志たちの闘いは必ずや権力の思惑を阻止するでしょう。東南アジアの軍事制覇を狙う米軍の基地を阻止する闘いが、韓国でも起きています。三里塚をわが闘いとして進みます」と決意を表した。
 田中委員長は動労千葉がジェット燃料輸送阻止闘争で反対同盟との血盟を培ってきた過程を振り返り、「労農連帯は動労千葉の宝。民主労総との連帯はもう一つの宝だ。この二つがあればわれわれは必ず勝利できます」と確信を語った。
 市東孝雄さんは「私は農民です。完全無農薬野菜を年間で56種作っています。祖父、父、私と3代90年耕してきた土地を、農地法を悪用して取ろうという裁判が行われています。労働者と農民、力を合わせて闘います」と力強く語った。
 さらに反対同盟から萩原富夫さん、宮本麻子さん、伊藤信晴さんが闘いの決意を述べた。
 民主労総と反対同盟の間で贈り物が交換され、韓国労働者の職場闘争の報告を含めたあいさつが続き、交流が深まった。北原さんの「ぜひ歌の披露を」との要請に応え、韓国側からは「ニムのための行進曲」「朝露」が、日本側からは「反対同盟の歌」が歌われた。
 さらに、会場設営や料理の準備にいそしんだ現闘の同志たちが紹介され、全学連三里塚現地行動隊の学生が農地を実力で守る決戦に立つ決意を表明した。
 全員の熱気あふれるインターナショナル斉唱で締めくくり、「トゥジェン(闘争)!」のコールが冷えた夜空に響き渡った。
(写真 反対同盟と民主労総、動労千葉が労農連帯と国際連帯でトゥジェン!【11月2日 千葉】)

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週刊『前進』(2560号4面3)(2012/11/12 )

 過酷事故が前提の「防災計画」

 規制委は再稼働の先兵

 全原発の即時廃炉しかない

 原子力規制委員会は10月31日、原発事故に備え自治体が策定する「地域防災計画」の基準となる「原子力災害対策指針」なるものを決定した。ここで「住民の避難区域をこれまでの原発から半径8〜10`から30`圏に拡大」「避難区域の対象は135市町村、約480万人」とうたっている。
 ”規制委員会は対策を万全にやっています。だから安心です。原発を動かします”――規制委員会はこのように言っているのだ。こんなもので労働者人民をだませると思ったら大間違いだ。
 福島原発事故では50`以上離れた福島市や郡山市まで、年換算で5〜10_シーベルト、あるいは20_シーベルト以上の高線量の放射能に汚染された。さらには250`も離れた千葉県・東葛地域のホットスポットを始め、関東全域まで放射能汚染されたではないか。ひとたび事故となれば「指針」などはるかに上回る範囲で避難せざるをえなくなるのだ。
 規制委員会が「対策指針」で行っている最大のペテンは、許せないことに福島のような「過酷事故」が起こることを前提として、事故が起こっても一時的な「避難」ですむように偽っていることだ。最大の核心問題である放射能問題の深刻さを意識的に無視している。
 原発事故がひとたび起これば大量の放射能が広範囲にまき散らされる。福島原発事故では、原子力安全・保安院の試算でさえ放射性セシウムだけでも広島原爆の約168・5倍もが放出された。
 福島原発事故で何が起こったのか。今、何が進行しているのか。何十万もの人びとが放射能から逃れるために死の恐怖と闘いながら、着の身着のままで家畜やペットも置き去りにし、家も捨てて逃げた。仕事を失い、全国に移り住んだ。8月2日現在でも16万人以上の人が避難生活を強制されている。過酷な避難所生活で亡くなった高齢者も数多い。何万もの人びとが生まれ育った古里への帰還をあきらめざるを得なくなった。家族がばらばらとなり、新たな学校になじめず登校拒否になった子どもも多い。
 今もって福島県の多くの地域が絶対に人が住んではいけない「放射線管理区域」をはるかに上回る放射能汚染地帯だ。これまでに第1次検査を受けた18歳以下の子どものうち昨年度検査した子どもの約36%、今年度検査した子どもの約44%に甲状腺異常が発見され、そのうち1人は第2次検査の結果、甲状腺がんと判明した。チェルノブイリ原発事故以上の速さで放射能の影響が進行しているのだ。
 福島の人びとは洗濯物も屋内に干し、子どもを外で遊ばせることも避け、マスクも手放せず、放射能におびえる生活を強制されている。今年の夏はチョウやトンボが姿を現さなかった。これも放射能の影響だ。
 福島第一原発では多くの労働者が何十_シーベルトもの被曝をしながら収束作業を行っている。この労働者たちの必死の闘いによって福島原発は今一度の破局を免れているというのが真実だ。それでも完全な廃炉まで何十年もかかる。

 活断層の上の「大飯」止めろ

 そもそも第2、第3のフクシマを起こす想定など許されない。必要なのは、原発事故のペテン的な「災害対策」ではなく、事故を起こす原発を今すぐなくすことだ。
 規制委員会は11月2日、大飯原発の直下にある断層が”地盤のずれを引き起こす活断層か否か”の調査を行った。それに基づく検討会を11月4日、7日に開催したが、結論を出さず、関西電力に追加調査を指示した。この断層調査も”安全を第一に考えている。慎重に踏査した結果、活断層ではないと判明した”と大宣伝するための演出だ。目的はあくまで大飯原発を動かし続け、さらに他の原発も再稼働することにある。
 4日の検討会で、調査団の一員の渡辺満久・東洋大教授は「明らかに活断層。原発をすぐに停止すべきだ」と言い切った。他の調査団員も真実の前にぐらぐらとなり、「活断層とみて矛盾はない」との合意を行った。にもかかわらず「活断層と断定はできない」と強弁して大飯原発を稼働させ続けている。大飯原発直下の断層は活断層であることがはっきりした。今すぐ大飯を止めろ!
 「断層と断定できないから大飯を動かし続ける」というのは本末転倒だ。車の運転をしていて「ブレーキの調子がおかしい。だがブレーキが故障していると断定できない。だから車をこのまま走らせる」というのと同じ論理だ。原発は自動車事故とはけた違いの事態を引き起こす。
 野田政権と規制委員会、関西電力に「大飯を今すぐ止めろ!」の弾劾の嵐をたたきつけ、大飯原発を止めさせよう。

 11・11大占拠に続き前進を

 原子力規制委員会は原発推進のための機関だ。かつての「原子力安全・保安院」が「安全」を名乗りながら原発推進機関だったのと同じだ。規制委員会の事務局である原子力規制庁の職員もほとんどが「安全・保安院」からの横滑りである。
 福島原発事故に対するフクシマと全国の労働者人民の怒り、首相官邸・国会前や全国の行動は野田政権を追い詰めている。野田政権は、「万全の態勢、慎重な判断」キャンペーンでそれを鎮静し、原発政策を推進する狙いで規制委を設置した。世界大恐慌が果てしなく深まり、帝国主義間・大国間争闘戦が激化する中、日帝は、日米同盟強化を軸に原発・核燃料サイクル・原発輸出を推進するという核武装化路線を死活をかけて推進している。原子力規制委員会はその先兵だ。
 地域防災計画の作成は原発再稼動の前提条件である。指針を作り実施するのは自治体労働者だ。自治体労働者は指針作り、防災訓練実施=動員に反対しよう。
 闘う労働組合を復権しよう。すべての労働者は福島とひとつになり、自治体労働者、原発労働者とともに闘おう。
 11・11「百万人大占拠」の勝利を引き継ぎ、首相官邸・国会前行動、全国の金曜行動をさらに前進させよう。

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週刊『前進』(2560号4面4)(2012/11/12 )

 “子どもを避難させろ”

 11・2文科省前行動

 11月2日夕、首相官邸・国会前、霞が関一帯で野田政権の原発推進に反対する金曜行動が闘いぬかれた(写真)。文科省前では福島県大熊町の女性が声を振り絞って訴えた。「親が苦しい中で子どもたちは『どうせ俺は原発で働くんだからね』『どうせ死ぬんだからね』と言っています。子どもたちを避難させてください」
 「文科省は子どもを避難させろ!」「福島を見殺しにするな!」「労働者を見殺しにするな!」。嵐のようなシュプレヒコール!
 ウクライナの調査から戻った男性が低線量被曝の子どもたちへの悪影響を報告し、集団疎開について「当然だ。ソ連政府でさえ逃がした。日本政府が逃がさないのは犯罪」と断罪した。
 疎開裁判弁護団長の柳原敏夫弁護士は、ジュネーブの国連人権理事会で福島の子どもたちに対する人権侵害の実状を訴えたことを報告し、国連職員が協力を申し出るなど、手応えがあったことを満面の笑みで明らかにした。

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週刊『前進』(2560号4面5)(2012/11/12 )

 福島県庁前 知事と山下に抗議

 “安心なんてできない”

 11月2日、福島市の椎名千恵子さんの呼びかけで毎月第1金曜日の県庁前アクション、「怒りのひろば」が行われました(写真)。「怒りのひろば」は、県民健康管理調査での事前秘密会議など、福島県民に被曝を強制し続ける県立医大副学長の山下俊一や佐藤雄平知事らに抗議する直接行動です。平日夕方にもかかわらず多くの人が集まりました。
 「福島県内の子どもの36%に甲状腺異常が見つかり、しかし次回は2年後の検査で大丈夫だという『検査結果』が親の元に送られています。私の子どもにもA2判定が来ました。安心なんてできません。『今回はA1・A2・B判定に分けたが、本来はA・B判定だけで十分なんだ』と開き直っていることがとても許せません」と発言する父親。「どんなこともまず子どもたちを逃がしてから」と手書きのプラカード。
 また県庁で働く労働者に対しても呼びかけました。「ちゃんとすべての情報を公開して」「子どものために避難と補償をちゃんと考えて」「私たちとともに佐藤雄平知事の足元から政策に反対と言いましょう」
 行動終了後、椎名さんは「ここでの声は絶対にあいまいにならない。許せない相手がいて、気持ちを分かってほしい相手がいる。怒りはより具体的になってもっと語りかけるようになる」とこの行動の意義を語りました。
 12月15〜17日に郡山市で政府、IAEA(国際原子力機関)共催の「原子力安全に関する福島閣僚会議」が開かれようとしています。より具体的なフクシマの怒りを県庁前から発信し続けていきます。
 (福島市 Y)

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週刊『前進』(2560号5面1)(2012/11/12 )

 人事・賃金制度の抜本改悪に反対!

 都労連が29分のスト

 労組再生かけ11・15第2波へ

 13年ぶり職場の怒りが爆発

 11月7日、都労連(東京都職員の労働組合の連合体、約5万人)は人事・賃金制度の抜本改悪と国を超える退職手当大幅削減に反対し、事実上のストライキとして29分間の勤務時間内職場集会を打ち抜いた。都知事に就任し公務員攻撃を振りかざした極右・石原慎太郎を直撃した99年11月の1時間スト以来の、13年ぶりのストライキだ。次は15日の1時間ストに向け闘いが進んでいる。
 29分間とはいえ、ストライキの意義は絶大だ。たまりにたまった怒りが解き放たれ、初めてストを経験する青年労働者をはじめ、全労働者が生き生きと闘い抜いた。職場を動かしているのは知事や幹部職員ではない。現場の労働者だ。その当然の事実を心の底から実感する瞬間だ。職場の団結がよみがえり労働組合を再生していく。団結の力が都当局の理不尽な攻撃を打ち砕く。絶望的な危機に陥っているのは資本主義であり、都当局の側だ。闘う労働組合こそ、社会主義の学校である。
 都当局によってかけられている攻撃はきわめて重大だ。都当局は「もはや労使双方が立ち止まったり後戻りはできない」として成果・業績主義を全面化する人事・賃金制度の抜本改悪を狙っている。人事評価に基づいて降格と賃下げ、分限免職処分すら可能とする歴史的転換を主張してきた。
 その立場から、8年連続の賃下げとともに“国の制度と一線を画した構造見直しを行う”として退職手当を400万円以上引き下げる国家公務員以上の大幅削減案を提示してきた。国家公務員についてはまだ国会も通っていない。その国に先行し、金額を国よりさらに月給5カ月分以上下げたうえに、役職が上なほど支給を増やす支給格差を一層拡大するというのだ。4期途中で辞めた石原の退職金は総額1億5千万円を超える。労働者の退職金は賃金の後払い分だ。そこからさらにむしり取ろうとすることなど絶対に許されない。

 全員解雇・非正規化との決戦

 狙っているのは大阪・橋下の入れ墨調査処分や政治活動規制と同じだ。労働者を分断し処分を乱発して労働組合を解体する。丸ごと民営化、全員解雇・非正規職化に突き進もうということだ。
 都でも、清掃の区移管に続き、病院や福祉施設の統廃合と公社化が進められ、交通、水道も含め全面的な民営化・非正規職化が迫っている。都労連が解体された時、人員削減と過重労働は極限まで進み公務災害が続出する。自治体全職員の受け皿会社(株式会社)への出向・転籍、総非正規職化が現実となる。その時、青年労働者をはじめ民間も含む全労働者が超低賃金・非正規職にたたき落とされることとなる。絶対に負けるわけにはいかない。逆に今闘えばひっくり返せるのだ。
 9・16橋下打倒闘争を突破口に10・1JR外注化阻止決戦と11・4労働者集会の大高揚がかちとられた。本格化する世界大恐慌のもと、新自由主義の根幹である外注化・非正規職化攻撃との本格的全面的な階級決戦が始まっている。都労連労働者も先頭で決起しよう。15日の第2波ストを貫徹し、労働者の敵、石原後継・猪瀬直樹副知事体制を打ち倒そう。労働組合の再生をかちとろう。

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週刊『前進』(2560号5面2)(2012/11/12 )

 圧倒的な冬期カンパ訴えます

 闘う労働組合をよみがえらせ国鉄・反原発決戦に勝利しよう

 全国の『前進』読者、闘う労働者人民のみなさん。革共同は圧倒的な冬期カンパを心から訴えます。
 新自由主義の破産がもたらした〈大恐慌〉のもとで、全世界で労働者人民が立ち上がっています。ゼネスト、職場占拠、デモの波が世界中に広がりつつあります。労働者階級は〈闘わなければ生きられない〉状況がますます強まっているのです。
 帝国主義は絶望的に〈大失業と戦争〉、賃下げ・首切り・外注化・非正規化に突き進む以外にありません。来年2013年は、全世界の労働者階級の未来をかけた壮大な階級決戦の年になるでしょう。階級的な労働組合運動をよみがえらせ、その団結の力で絶対に勝利しましょう。そのために圧倒的な資金が必要です。未来をここにかけて、ぜひとも熱のこもった渾身(こんしん)のカンパをお願いします。

 ■外注化は粉砕できる

 世界は革命情勢です。基軸国・米帝は国家財政の破綻とイラク・アフガニスタン侵略戦争の敗北、帝国主義軍隊の崩壊という建国以来の危機に突入しました。毎年1兆j(80兆円)もの財政赤字を出し続け、ドル大暴落への道を転がり落ちています。EUも、ギリシャ、スペインをはじめとする政府債務危機が拡大し、ユーロ圏崩壊の前夜です。さらに、中国のバブル経済がついに実体経済の下降・崩壊を始めました。
 そうした中で、最も深刻な危機に突入しているのが日帝です。電機、自動車などの製造業は軒並み国際争闘戦に敗退し、ついに貿易赤字に転落し、世界経済から転げ落ち、脱落する事態が進んでいます。日帝の深部からあらゆる反動が噴き出し、戦争と改憲が呼号されています。
 この情勢に、私たちは全世界プロレタリアートと国際的につながる闘いとして、11・4全国労働者集会を5800人の大結集で闘いとり、新自由主義を打ち倒すプロレタリア革命への道を切り開きました。
 第一に、10・1JR外注化攻撃にストライキと職場闘争で反撃し勝ち抜いた動労千葉、動労水戸を先頭に国鉄労働者が大挙登壇し「労働者は団結すれば新自由主義と闘って勝てる」ことを高らかに宣言しました。動労千葉の田中康宏委員長は、「12年間闘ってきた外注化が強行され、職場は悔しくて怒りの声があふれています。だけど私たちは負けていません。団結はますます強まっています。こんな外注化は絶対粉砕できると確信しています」と力強く報告しました。10・1外注化阻止決戦は戦後労働運動を塗り替える決定的な地平を切り開いたのです。
 第二に、労働組合の日常的闘いと団結の強化を基礎に、職場支配をめぐる資本との攻防に勝利し、労働組合の階級的強化・拡大を実現していく闘いが開始され、その中から多くの青年労働者が結集しました。階級的労働運動復権の力強い闘いです。
 第三に、新自由主義と闘う国際連帯、全世界の労働者の団結をつくりだす集会としてかちとられました。外注化・非正規化との闘いは全世界の労働者の共通の課題です。さらに、反原発・反失業、新自由主義へのすべての怒りを結集し、被災地から、福島から、沖縄から火を吐くような訴えがありました。
 いよいよこれからが階級決戦です。石原都知事の突然の辞任・新党策動で、野田、安倍、橋下などの反動政治家が出そろいました。資本家階級の危機感はこれほどまでに深いのです。しかし、私たちはまったく負ける気がしません。絶対に彼らを打倒します。戦争・改憲・10割非正規化の道を労働者階級人民の団結した力でぶっ飛ばしましょう。革共同はその先頭で闘います。

 ■革共同の決意と実践

 革共同は、みなさんに冬期カンパをお願いするにあたり、以下のことを決意し、総力で実践します。
 第一に、10・1JR外注化阻止決戦で切り開いた闘いをさらに発展させ、来年2月のライフサイクル強制配転、4月の再度の検修・構内業務外注化―強制出向攻撃を、国鉄労働者とともに党のすべてをかけて闘い、必ず粉砕します。さらに、郵政、自治体、教労を軸に階級的労働運動の不抜の拠点を必ずつくり出します。革命党の建設と労働組合をよみがえらせる闘いは、どちらもプロレタリア革命の成否を決する核心的課題です。革共同は断固としてこの闘いに挑戦し、反帝・反スターリン主義の党、労働者階級の党に飛躍することを誓います。
 第二に、日本から世界から原発を全廃する闘いに総力で取り組みます。福島第一原発事故などなかったかのように原発再稼働・工事再開に突き進む日帝・野田政権への怒りは充満しています。福島200万県民と固くつながり、放射線被曝下に苦闘する労働者階級と子どもたちの未来を取り戻すために闘います。とりわけ、福島の診療所建設の闘いを成功させるために、あらゆる力を集中します。
 戦争・改憲を呼号する野田、安倍、橋下、石原と真っ向から対決し、打倒しましょう。労働者階級は革命に必要なすべてのものを生み出すことができる真に革命的な階級です。その力を発揮して、どんな困難・試練も団結の力で立ち向かい、のりこえ、前進しましょう。
 新自由主義攻撃に直面する労働者階級の現実は、まさに〈生きることが闘い〉となっています。プロレタリア革命への希求は社会を覆い尽くしています。そうであればこそ労働者階級の未来を切り開くための、かけがえのない冬期カンパです。労働者階級人民の革命への支持・参加の表明として、そして非合法・非公然の党の建設に勝利するために、金額の大小にかかわらず、資金の拠出を訴えます。財政闘争はまた、正規労働者と非正規労働者が団結するあかしのひとつとしてもあります。
 圧倒的カンパを心からお願いします。

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週刊『前進』(2560号5面3)(2012/11/12 )

 基地・労組めぐる攻防に勝利し沖縄労働運動の新時代開こう

 革共同沖縄県委員会

 11・4全国労働者総決起集会は全世界から5800人が結集し、新自由主義と闘う労働者階級の出陣式として闘い取られた。沖縄の闘う労働者は、オスプレイ配備の強行=3・11情勢下の沖縄闘争=安保・沖縄闘争の勝利へ、この「世界労働者大会」に合流してともに闘う決意を打ち固めた。いよいよ新自由主義と闘う労働組合の登場に向けての歴史的挑戦に、決意も新たに打って出よう!
(写真 10万人が結集した怒りの9・9沖縄県民大会。オスプレイ配備絶対反対を宣言【宜野湾市】)

 新自由主義と対決する沖縄

 2012年の沖縄闘争は、昨年の3・11=東日本大震災と東電福島第一原発事故という人類史にとっても未曽有の事態に対して、そして何よりも「トモダチ作戦」=米日帝国主義の対中国対決=中国侵略戦争情勢と根底的に対決する路線を形成した飛躍の一年であった。10月1日の普天間基地へのオスプレイ配備の強行と、10月16日の米兵による女性暴行事件が示したことは、沖縄が戦場そのものであるということだ。この事件を受けて在日米軍の全兵士に夜間外出禁止令が出された。が、そのわずか半月後の11月2日に、今度は嘉手納基地所属の空軍兵が未明に酔っぱらって民家に侵入し男子中学生の頬を平手で張り飛ばす事件が起こった。「綱紀粛正」「再発防止」とは一体どこの言葉か! もはや日米両政府や米軍に何か「お願い」をしてもまったく意味がないことは明らかだ。
 このいわば戦時下の階級闘争の最大の攻防点は、「民営化・外注化と非正規職化、偽装請負」=新自由主義との非和解的闘いとして、労働組合をめぐる攻防を決定的に押し上げている。
 この新たな沖縄闘争論の提起を実践的に可能にしたのは、新自由主義との最大の対決点である国鉄決戦を、沖縄闘争の勝利の基軸的闘いとして据えきったことにある。
 一昨年の4者4団体による「4・9政治和解」という反革命は日本の労働運動と階級闘争の一大転換点であった。沖縄の労働運動と階級闘争もまた、体制内指導部の雪崩うつ転向による危機を迎えた。労働組合の体制内指導部は民営化攻撃に率先協力し、民主党への幻想をあおり、何よりも「米軍基地撤去」の原則を投げ捨て、「県外・国外移設論」を叫び始めた。
 それに対して、沖縄県委員会に結集する労働者を先頭とした国鉄決戦=国鉄1047名解雇撤回闘争への決起と動労千葉と一体となった闘いは、一昨年の北中城村議選での保育所民営化絶対反対の勝利から昨年の「国鉄闘争全国運動・沖縄」の結成へとつながり、「3・11」に対してもたじろぐことなく新たな激動情勢との対決を開始した。この国鉄1047名解雇撤回闘争への闘う労働者の主体的決起は、10・1JRの外注化阻止決戦と一体となった「民営化・外注化と非正規職化、偽装請負」との闘いとして発展し、さらにフクシマとの連帯をかけたNAZEN沖縄の結成を実現した。また農民戦線での挑戦もこの闘いの中から開始されている。それは三里塚闘争の勝利に向けた沖縄の地における新たな闘いの開始だ。
 「復帰」40年の5・15沖縄闘争は、この間の闘いの前進を路線的に総括し、世界大恐慌と3・11情勢と対決し、新自由主義と闘う沖縄闘争を宣言する画歴史的な闘いだった。
 われわれは72年のペテン的返還体制=5・15体制こそ、沖縄の戦闘的な労働運動・労働組合に対する日帝の新自由主義攻撃であるととらえ返した。だからこそ国鉄闘争の勝利=沖縄闘争の勝利であり、労働組合をめぐる攻防に一切の決着点があることをはっきりさせた。そしてこの闘いの最大最良の武器が動労千葉の物販闘争であり、「動労千葉を支援する会」の結成であることを実践的につかみ取ってきたのである。

 職場生産点で外注化阻止を

 普天間基地への10・1オスプレイ配備強行が示したことは、新自由主義の行う絶望的な中国侵略戦争の出撃拠点として、米日帝は沖縄を徹底的に活用しようとしていることである。そして10・29臨時国会での野田の所信表明演説にあるように、むしろオスプレイ配備強行を逆テコにして、辺野古新基地建設を正面突破しようとしている。辺野古新基地建設こそ究極の新自由主義攻撃だ。この沖縄への新自由主義攻撃に対して叩きつけられたのが9・9県民大会の10万人決起だ。「いのちを守る闘い」=生きるための不退転の闘いが爆発的に開始されている。
 この「いのちを守る闘い」に勝利し、沖縄の米軍基地を撤去し日米安保を粉砕する道はどこにあるのか? それは新自由主義攻撃の核心である労働組合への攻撃=団結破壊である「民営化・外注化と非正規職化、偽装請負」を職場生産点での団結の力で打ち破っていくことである。10・1外注化阻止決戦で切り開いた地平から、新自由主義と闘う労働組合が時代の最先頭に登場することだ。
 オスプレイ配備への140万県民の怒りをあくまでも体制内的に収斂(しゅうれん)させようとする攻撃が、「保革を超えた」「超党派の」「島ぐるみ」という名のもとで激しく進められている。オスプレイ配備が強行されたその日、名護市では窓口業務の一部民間委託が強行された。「市民サービスの向上」の名のもとに行われた民営化・外注化攻撃は、うるま市に続いて県内2例目と報道されている。また、一昨年の北中城村議選以降も不屈非妥協に攻防が闘われてきた保育所の民営化は、労働組合への激しい攻撃として開始されている。これは社民党など「革新」政党と自治労沖縄県本部の歴史的な大裏切りだ。「沖縄革新」はその最後のポーズすらかなぐり捨てて、「超党派」の錦の御旗のもと、労働組合破壊攻撃=新自由主義攻撃の最後の番犬としての本性をむき出しにし始めた。新自由主義攻撃の核心である「民営化・外注化と非正規職化、偽装請負」と闘わず、むしろその攻撃にさおさす輩(やから)どもの「オスプレイ配備反対」のペテンを徹底的に暴ききらなければならない。4・4派=体制内指導部による労働組合破壊に対して、職場生産点から闘う労働組合をよみがえらせよう。
 動労千葉・動労水戸・動労連帯高崎と国労郡山工場支部を先頭として闘われているJRの外注化阻止決戦は、新自由主義と闘う新たな階級的労働運動の歴史的挑戦である。この闘いに労働組合が勝ち抜いたとき、新自由主義はその最期の時を迎える。それは沖縄の米軍基地を撤去し日米安保を粉砕する闘いそのものだ。10・1外注化阻止決戦で切り開いた地平を沖縄においても全産別で普遍化して闘っていこう。
 沖縄の労働者階級の闘いも新自由主義攻撃との決戦に突入している。非正規職撤廃を掲げて闘いを開始した青年労働者の闘いは、資本との厳しい攻防に勝ち抜き団結を拡大している。全駐労の旗のもとに結集する基地労働者はAAFES(米軍の福利厚生組織)の再雇用パート化撤回へ、7・13ストライキを引き継ぐ闘いへと前進している。また、このストライキ時の180人の年休を無給とした攻撃にも一歩も引かずに闘っている。さらには「格差給」「語学手当」完全廃止撤回の闘い、HPT(時間制臨時従業員)の常用雇用切り替え要求など、基地労働者の生活と権利を守る闘いは米軍・防衛省との全面激突に入っている。その中でオスプレイ配備に対して、地本定期大会で委員長が「県民と歩調を合わせるのがわれわれのこれまでの運動の歴史でもある。その視点を忘れずにやっていこう」と呼びかけた。「基地の島」の現実と矛盾を体現した基地労働者が、オスプレイ配備と中国侵略戦争情勢下で「いのちを守る闘い」=沖縄の労働運動と階級闘争の前面に登場しようとしている。

 NTT決戦に総決起しよう

 とりわけ資本と体制内労組指導部が一体となって「民営化・外注化と非正規職化、偽装請負」攻撃をかけてきたNTTが決戦を迎えている。NTT労組中央本部は「採用から65歳まで働きがいをもって安心して働き続けられる制度」の確立に向けた取り組みと称して、NTT資本からの「今後の事業運営等を踏まえた処遇体系の再構築」(一次提案)を受けて「処遇体系の再構築に向けた基本的枠組み」を7月の第15回定期大会で決定するとともに、会社からの具体的水準等を盛り込んだ提案(二次提案)を受け、次の臨時中央委員会で「要求の前進的決着(!)」を図ろうとしている。
 NTTは99年のNTT分割(中期事業計画)と「新賃金制度」(00年)から「新3カ年計画」=「構造改革(50歳定年制)」(01年4月)、「中期経営戦略」(04年11月)、「働き方・処遇の見直し」(05年5月)、「新中期経営戦略」(08年5月)と矢継ぎ早に攻撃をかけてきた。
 01年の「構造改革」もその核心は「アウトソーシング」であった。現在NTTグループは、持ち株会社(NTT)の下にグループ会社が27社、連結子会社は776社、NTT西日本だけでもグループ会社は39社に上る。
 今回の「処遇体系の再構築」の核心は「フルアウトソーシング」である。組合オルグでは「設備系→ホームテクノ」「営業系→マーケティングアクト」「法人系→新規会社」との説明がされている(NTT西日本の場合)。「NTTマーケティングアクト」(NTT西日本のグループ会社)とは構造改革時に設立された人材派遣会社だ(02年5月創設)。NTTのほとんどの契約社員は「アクト」である。そのため営業系の正規職の労働者が「偽装請負対策」として「アクト」に次々と出向させられている。
 賃金制度も組合オルグでは「50歳以上は今まで通り」「50歳以下は減給」ということで、実際月3〜4万円減給となるという。その対象者(49歳以下)からは、「50歳以上は(元々)3割カットだから、それに比べたら……」という声もあるようだが、これまでよりいい賃金制度になるわけがない。なによりも「採用から65歳まで……」と言いながら、定年はあくまでも60歳であって65歳まで延長するということではなく、また「新たな60歳超継続雇用スキーム」は「具体的には別途扱う」とされている。つまり、60歳定年以降の処遇体系についてはまったくの白紙状態。だから「採用から65歳まで……」というのもまったくの空手形にすぎない。
 さらに沖縄で必ず問題となるのが、「帰郷実費の見直し」「流動手当(仮称)の創設」である。どちらも「柔軟な人員配置」「人員流動」をその目的としている。ということは、かつての離島事業所廃止(00年12月22日)を沖縄に丸ごと適用するということだ。離島事業所廃止の時は11月27日〜12月1日に会社説明と組合オルグが行われて、12月22日には事業所を廃止するという強硬方針だった。
 この「処遇体系の再構築」が来年4月実施ということで進められている。そして7月にはNTT労組の組織改編が狙われている。沖縄総支部を廃止し、分会に「格下げ」するというのだ。これは「処遇体系の再構築」と一体の攻撃である。
 このようなNTTの「民営化・外注化と非正規職化、偽装請負」に対して不屈に闘いを展開してきたのがNTTで闘う労働者だ。非正規職労働者による労働組合の結成や、職場での動労千葉物販の取り組みは、「民営化・外注化と非正規職化、偽装請負」との闘いそのものだ。この闘いの呼びかけに多くのNTT労働者が共感しともに闘ってきた。沖縄のNTT労働者の闘いは、動労千葉の外注化阻止決戦と一体で闘われてきたのだ。
 何よりもNTTの労働者の中には全電通以来の闘う魂が今もなお息づいている。かつて全電通青年会議は、全軍労牧港支部青年部と並んで戦闘的階級的な青年労働者が主導権を握って果敢に闘ってきた。その闘いがNTT労組沖縄総支部を今日まで守り抜いてきた。沖縄総支部は闘う沖縄のNTT労働者の財産でありいまこそ闘う伝統をよみがえらせるときが来た。
 11・4労働者総決起集会の成功から、「民営化・外注化と非正規職化、偽装請負」と闘う労働組合を職場生産点からつくり出し、体制内指導部の裏切りと敵対を打ち破って、オスプレイを撤去するまで闘おう。辺野古への新基地建設を阻止し、沖縄の米軍基地を撤去し、日米安保を粉砕する階級的労働運動を我と我が手でつくり出そう。闘う沖縄の労働者は革共同沖縄県委員会に結集して、沖縄の労働運動の新時代をともに切り開き、必ず勝利しよう!

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週刊『前進』(2560号6面1)(2012/11/12 )

 反原発100万決起の先頭に立ち全国で学生自治会建設しよう

 革共同中央学生組織委員会

 11・4労働者集会は大恐慌と新自由主義攻撃を打ち破る労働者の国際的団結をつくり出した。これが生きたマルクス主義でありプロレタリア世界革命の展望だ。外注化阻止・非正規職撤廃闘争を全労働者に広げ、福島と連帯し反原発闘争を100万人規模で大高揚させよう。全国学生は闘う労働者と連帯し11・4集会に総決起した。その先端に法大キャンパスでの10・19大闘争があり、福島大生の感動的な学内決起があり、全学自治会を再建した京都大生の闘いがあった。この地平を広げ11・4集会と11・11反原発霞が関占拠闘争の息吹をキャンパスに持ち込み、学生自治会建設へ11〜12月を全力で闘おう。
(写真 11・4労働者集会の後デモに立つ全学連。武田君への処分撤回を掲げる法大、同学会を再建した京大、御用学者追放の先頭に立つ福島大、広島大など全国の学生が決起【千代田区】)

 全国の大学から11・4大結集

 9月全学連大会から11・4集会に至る2カ月間は、全国のキャンパスで新自由主義大学との闘いを大衆的に組織し、反原発闘争の高揚をかちとり、学生自治会建設の展望をつかみとる過程としてあった。全学連大会のメインスローガン「全原発廃炉、再稼働阻止! 
『フクシマの怒り』と連帯し、反原発の大運動を100万人の規模でつくり出そう!」「京都大学同学会再建の闘いに続き、全国大学に学生自治会を建設しよう!」「6年半の法大闘争の前進を踏まえ、新たな処分阻止−全処分撤回に向かって、10・19法大デモに集まろう!」を、中央執行委員会を先頭にガンガンと物質化していった。
 10・19法大キャンパス1千人集会を頂点に、新自由主義大学=法大の中心で巨大な学生決起が巻き起こっている。学祭規制と学生支配の強化、法大当局と裏切り者の御用学生団体にキャンパスがのっとられることに大衆的怒りが渦巻いている。文化連盟を中軸に革命的主体が屹立(きつりつ)した時、あらゆる恫喝や分断をはね返して学生は闘いに立ち上がる。3万法大生は闘いの呼びかけを待ち望んでいた。文化連盟・武田雄飛丸君への10月23日付「無期停学」処分こそ10・19闘争が法大資本のキャンパス支配を揺り動かし始めたことへの恐怖の現れだ。処分は法大生のさらなる怒りを引き出している。
 キャンパスで当局と非和解の対決を組織することが巨大な獲得力を発揮し、法大闘争は06年3・14以来6年半の全歴史をのりこえる決定的な段階に突入した。高揚のなかで新しい法大生が11・4集会に結集した。
 いま一つ、キャンパスでの反原発闘争を「御用学者の追放」「福島連帯」として貫いてきたことが11・4集会の組織化のバネとなった。闘う福島大生が呼びかけて山下俊一と福大当局を弾劾するキャンパス集会を打ち抜いたこと、広島大での神谷研二追放闘争が決定的だ。さらに、京都大からも原子力ムラの一角を占める松本総長打倒の闘いが開始された。
 御用学者の腐敗はすさまじい。福島県健康管理調査検討委員会の秘密準備会で、健康被害を抹殺するたくらみの中心に委員会座長の山下俊一(福島県立医大副学長)がいた。10月に秘密会の実態が暴露されて以降は取材を拒否し逃亡している。これが「大学」「教育」か! 人殺しの「医療」をあがめ奉る福島大や福島県立医大などぶち壊さなければならない。
 「こいつらはもはや『御用学者』という言葉すらも生ぬるい。人民の怒りで八つ裂きにされるべき極悪の殺人者だ!」「『現代の731部隊』が『大学人』の仮面をかぶって目の前に存在し活動している。問題は、われわれがこれをこなごなに粉砕する行動に立ち上がること、その一点だ」(『共産主義者』第174号・中央学生組織委員会論文)。
 原発と御用学者への怒りに燃え、毎週金曜日の首相官邸前行動の参加者の中から学生が続々と11・4集会に結集している。新自由主義大学への反乱、原発翼賛大学と御用学者弾劾の闘いが11・4集会への学生の結集を生み出し、学生自治会建設の展望を開いている。

 新自由主義大学を打ち破れ

 10・19法大闘争と11・4集会の大高揚から、われわれは300万学生を組織し学生自治会を建設する歴史的挑戦を開始する。昨年3・11以降の実践で格闘しながらつかみとった内容をはっきりさせることが重要だ。
 一つに、反原発闘争をキャンパスから巻き起こすことが決定的だ。反原発闘争は大学と社会を変える巨大な可能性を持っている。野田政権が原発再稼働−新原発建設−原発輸出に突き進んでいることが示すように、「原発推進か全原発廃炉か」は日本帝国主義の生死にかかわる。被曝労働を強制される労働者が団結して立ち上がること、原発政策の基軸を担う御用学者をキャンパスから追放し100万人決起を実現することが全原発廃炉をかちとる力になる。
 「3・11と原発事故」を受け、われわれは御用学者の存在が突き出した大学の底なしの腐敗に立ち向かい、「大学・教育はこれでいいのか」を問い直しながら闘ってきた。そして、御用学者・原発翼賛大学と闘うことが大学と教育を変革し、人間が生きるに値する社会を取り戻す道だとつかみとってきた。
 また、原発政策は日米安保強化−核武装−戦争−改憲攻撃と直結しているからこそ支配階級は絶対に原発を手放さない。反原発闘争は反戦闘争だ。日帝の戦争攻撃との最先端攻防であり、沖縄の基地撤去・日米安保粉砕の闘いと一体だ。学生運動がキャンパスを基盤に巻き起こす巨万の反原発闘争・反戦闘争は、日帝の戦争策動を打ち砕き日帝を打倒する闘いだ。
 二つに、新自由主義の大学支配を打ち破り学生自治会を建設する決定的な環は反原発闘争を大衆的に高揚させることだ。新自由主義の核心は労働者・学生の団結を解体し資本の搾取を貫徹することだ。職場で労働者が、キャンパスで学生が団結をよみがえらせることが自由主義を粉砕する。
 新自由主義による「教育の民営化」がもたらした腐敗の極みが原発翼賛大学だ。御用教授どもこそ新自由主義の権化であり資本の最悪の手先だ。全学連は昨年7月の東北大全国集会で「反原発闘争の爆発で新自由主義大学を変革し大学を奪還する学生自治会建設に突き進もう!」の路線を打ちち立てた。原発翼賛大学・御用学者への大衆的怒りと結合し、キャンパスでの具体的攻防に突入し、それを自治会建設へ結実させることだ。新自由主義大学への最大の反撃は、キャンパスに闘う拠点を建設することだ。6月の京大同学会再建はその先端での大勝利だった。
 「大学における『教育の民営化』は、東大・京大を先頭とする大量の御用学者の生産、原発・核武装の徹底推進とセットであり、福島第一原発事故という人類史的大犯罪にまで行き着いた。新自由主義の30年すべてが根本から破産した帰結だ。その全矛盾と学生の怒りのなかから、新自由主義大学をうち破る闘いが法大で生みだされ、それに続いてついに学生自治会が京大で大衆的に再建された。まさに、新自由主義は『革命』を生みだしたのだ」(同前)。

 教育の民営化に徹底反撃を

 三つに、法大闘争を「新自由主義大学との対決」として発展させてきたことが、これからますます威力を発揮する。新自由主義と闘う学生運動はできる! これが6年半の法大闘争の勝利的地平だ。これが「教育の民営化」と国立大学法人化のもとでの団結破壊攻撃への屈服イデオロギー―010―キャンパスでは闘えない――を突き破り、みずみずしい運動と訴えが大衆的求心力をつくり出してきた。原発翼賛大学をひっくり返す展望も法大闘争のなかにある。法大当局とのあいまいさのない激突をやり抜き、学生の団結のみに依拠してきたことが文化連盟の組織拡大の可能性を生み出した。「一人の仲間も見捨てない!」のスローガンで、処分撤回闘争を新自由主義の学生支配を打ち破る具体的闘いとしてかちとってきた。
 法大闘争の前進のなかに全学連運動の未来がある。法大闘争を全国に拡大することが新自由主義大学を粉砕し大学を学生の手に奪い返す原動力となる。
 四つに、「教育の民営化」がもたらす現実への300万学生の怒りは必ず大爆発する。大恐慌下で青年・学生が生きるため反乱を開始した。「教育の民営化」は学生への大失業・非正規職化攻撃だ。「教育を守れ! 取り戻せ!」は全労働者人民の心からの叫びだ。
 日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金制度で3カ月以上の返還延滞金額は昨年度末で12年前から約2・8倍に急増している。延滞者の半数以上が非正規雇用や失業中の青年だ。今年3月の大学卒業生56万人のうち、アルバイト・非正規職・失業状態が20%を超えている。大学・教育が労働者家族から高い学費をむしりとり、青年・学生を失業・非正規(半失業)状態に投げ込んでいる。支配階級は「教育の民営化」をさらに強化・拡大し、大学をより一層「戦争と大失業−非正規職化」攻撃に動員し、「国際競争力の強化」を絶叫して資本の奴隷化を進めようというのだ。
 もはや我慢も限界だ。新自由主義大学への巨大な反撃は必ずつくり出せる。反原発闘争の大高揚で学生自治会建設へと突き進もう。

 全国学生運動の大爆発へ!

 階級闘争にとって学生運動は決定的に重要だ。中央学生組織委員会は法大闘争と反原発闘争で切り開いた地平の上に、学生自治会建設を軸にした学生運動の爆発へと総力を挙げて突入する。
 新自由主義が青年・学生の未来を奪うからこそ変革のエネルギーは若者の中にある。青年・学生は自らの意思で未来を決める権利がある。学生運動が未来を指し示す強烈な社会変革性を持って登場した時に階級闘争は圧倒的に前進する。全学連運動は新自由主義大学と対決し300万学生を獲得する大衆性とともに、学生の可能性を奪うブルジョア思想やスターリン主義イデオロギーを粉砕するイデオロギーをもって登場しよう。外注化阻止決戦と一体で反原発闘争を大高揚させよう。
 11〜12月決戦と2013年決戦に勝利しよう。
 第一に、11・11永田町・霞が関占拠闘争の勝利を引き継ぎ、反原発100万人決起の先頭に全国学生が立とう。そのうねりを大胆にキャンパスに還流させよう。
 第二に、法大処分撤回の大運動を開始しよう。処分撤回闘争は巨大な可能性を持っている。処分撤回闘争のなかで法大文化連盟は法大生の団結の中心軸に発展する。敵の団結破壊の最後の攻撃が処分だ。それは全学生への見せしめだ。処分撤回闘争は新自由主義下での分断を打ち破って学生自身が主体性や人間的連帯を取り戻す決定的水路になる。ここに学生自治会建設の原型がある。
 第三に、11・4集会の感動をわがものとし、全国で猛然と学生自治会建設・強化の闘いに突入しよう。京大同学会が攻防の焦点だ。京大経営協議会への葛西敬之(JR東海会長)の登場は、同学会をたたきつぶし京大を原発再稼働の先兵としようとするものであり、同学会をめぐる攻防は日帝ブルジョアジー中枢=新自由主義との最重要の激突点へせり上がった。全国の力で勝ちぬこう。
 第四に、12月に予定される東北大学学生自治会選挙闘争に勝利し、福島大での自治会建設に挑戦しよう。その力で「3・11大震災2周年」の福島現地闘争へ攻め上ろう。
 最後に、新自由主義大学との激突の中からマルクス主義をよみがえらせ、強固な学生共産主義者の結集体としてマルクス主義学生同盟中核派を建設しよう。中央指導部建設を前進させ、全国大学にマル学同の旗を打ち立てよう。全国学生運動の大爆発へ、300万学生は団結して闘おう。

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週刊『前進』(2560号6面2)(2012/11/12 )

 関西狭山集会 西郡の更地化許さぬ

 地裁の高圧的態度を弾劾

 10・31全関西狭山集会が部落解放同盟全国連西郡支部・八尾北医療センター労働組合・関西労組交流センターの共催で開催された。地元を先頭に関西各地から闘う仲間が大結集し、会場の西郡第3集会所を熱気で埋めた。
 関西労組交流センターの主催者あいさつを受け、奈良市従業員労組の青年労働者、大阪・富田林局の雇い止め攻撃と闘う郵政非正規の青年労働者、京大の全学連の仲間が連帯あいさつに立った。続いて、石川一雄さんのメッセージを八尾北命と健康を守る会の森本静子会長が読み上げた。
 西郡支部の岡邨(おかむら)洋支部長が基調報告を行った。岡邨さんは「石川さんは仮出獄中であることをものともせず高裁前に立ち、全証拠の開示・再審開始を訴えている」「狭山闘争は新自由主義と真っ向から対決し、部落民だけでなく全労働者階級の解放の闘いとして前進している」と力強く訴えた。
 そして、「八尾北・西郡闘争は新自由主義の先兵・橋下と最先端で激突し、闘えば勝てることを示した」と確信を込め、「今、寝屋川では第二京阪道路沿線開発のために国守団地が更地化され、奈良では住民422人を裁判に訴え問答無用で住宅から追い出す攻撃がかけられている。ふざけるな! こんなものに殺されてたまるか。解同本部派や全国連本部は完全に敵の手先に成り下がっている。新しい全国組織をつくり、西郡支部とともに闘おう」と力強く呼びかけた。さらに、「ムラには怒りがあふれている。西郡更地化を許さない。八尾市は『福祉住み替え』を今すぐ行え。11月14日の対市交渉に参加しよう」と訴えた。
 住宅裁判を闘う当該は「うそとだましの八尾市を許さない。国鉄闘争とともにトコトン闘う」と戦闘宣言を発した。住宅追い出し・更地化と闘う当該は、「更地化のための住み替えなど絶対に応じない」と烈々たる決意を表明した。「福祉住み替え」要求で闘う当該は、「87歳で足も悪いのに4階(エレベーターなし)から替えてもらえない。空いてる部屋はいっぱいあるのに、順番待ちだから遅くなると言う。許せない」と八尾市と地区協を弾劾した。
 関西合同労組大阪東部支部、婦人民主クラブ全国協議会八尾支部に続き、八尾北労組の藤木好枝委員長が「5・24八尾北裁判勝利、10・1外注化決戦勝利の地平から、支部1千名建設に責任をとり、今こそ八尾市の労働者の獲得に打って出る」と決意を表明した。
 西郡支部・佃文弘青年部長は10・25住宅裁判での大阪地裁の高圧的な態度を弾劾した。「書記官が私たち当該に、本人確認のため身分証明書を見せろと言い放った。どういうことだ! 私たちにはうそはない。うそとだましと脅しで住宅からの追い出しをしているのは八尾市だ! 完全に私たちは八尾市、裁判所を追い詰めている」と確信を込めた。
 最後は西郡支部・森本政二書記長のまとめと団結ガンバローで熱気あふれる集会を締めくくった。
 (投稿/西郡支部・植村清)
(写真 狭山、八尾北・西郡闘争勝利へ決意を込めて森本書記長の音頭で団結ガンバロー【10月31日 八尾市】)

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週刊『前進』(2560号6面3)(2012/11/12 )

 広島狭山集会 “労働運動の力で勝つ”

 狭山差別裁判に怒り新た

 東京高裁・寺尾判決から38年目の10月31日、午後7時から広島市西区福島町の旧西隣保館(広島市西地域交流センター)で広島狭山集会が開催され、部落解放広島共闘会議に結集する闘う労働組合、婦人民主クラブ全国協広島支部の仲間らが集まった。
 広大解放研の学生が司会を務め、石川一雄さんの10・31メッセージが読み上げられた。
 広島解放共闘議長の富村寛久さん(元広教組組合員)が「狭山差別裁判は労働者を分断する新自由主義攻撃。労働者の自己解放を通してすべての被差別民衆の解放をかちとるために解放共闘は闘おう」と開会あいさつを行った。
 石川さんの闘いを報じた特集番組のビデオ上映後、広島解放共闘事務局が「狭山闘争を新自由主義との闘いの最前線に押し上げ、石川さんとともに階級的団結・人間的共同性を奪い返す闘いとして発展させ勝利させよう」という基調報告を提起した。
 その中で第3次再審闘争の現局面が報告され、「狭山差別裁判が今や日帝権力の新自由主義的階級支配の決定的な破綻点になっており、これを徹底的に突いて闘おう」と呼びかけられた。さらに非正規職撤廃こそ新自由主義と対決する部落解放闘争の正面課題であることが提起され、地域に労働組合の拠点をつくり、青年を先頭に西郡・八尾北に続く新たな部落解放の運動と組織をつくることを共同の決意とした。
 続いて広島連帯ユニオン青年部から宮原亮青年部長ら2人の組合員が発言した。宮原青年部長は、「狭山差別裁判に対する怒りがあらためてこみあげる。職場には外注化による正規と非正規の分断、理不尽な差別がある。職場から闘って団結をつくる」と述べた。同じく非正規で働く青年部員は、「石川さんのビデオを見て言葉にならないほどの怒りを感じた。労働運動の力で狭山闘争に勝利する。福島町にユニオンの拠点を」と決意を表明した。
 最後に、植野定雄広島労組交流センター事務局長が「寺尾判決は新自由主義攻撃の始まりだった。これと対決しぬいて階級的労働運動を再生する闘いをやってきた。広島でも動労千葉の10・1外注化阻止決戦と一体で職場や地域で新たな闘いを起こし、青年を先頭に団結をつくってきた。この力を11・4に総結集させよう」と、まとめと行動方針を提起した。
 狭山集会には必ず参加し、差別・分断を打ち破って団結しようと訴えてきた、獄中の広島連帯ユニオン・草津病院支部の中山崇志委員長との固い団結の意思も込めて、団結ガンバローを行った。
 (広島解放共闘・H)
(写真 正規と非正規の分断、理不尽な差別と職場で闘い団結つくると青年が決意【10月31日 広島市】)

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週刊『前進』(2560号6面4)(2012/11/12 )

日誌'12 10月30日〜11月5日

 規制委、大飯活断層判断先送り/米、オスプレイ厚木使用も

●「高線量下の作業違法」 東京電力福島第一原発事故の収束作業で、高い放射線量の中で作業をさせたのは違法として、元作業員が元請け業者の関電工と東電に是正措置を取るよう労働基準監督署に申し立てた。(30日)
●線量計隠し現場へ 東電福島第一原発で起きた、線量計を鉛カバーで覆って被曝線量をごまかしてきた問題で、意図的なごまかしはなかったと厚労省が聞き取り調査結果を公表。(30日)
●日立が英原発会社を買収 日立製作所は英国の原子力発電事業会社ホライズンを買収すると発表した。(30日)
●交付税支払い延期 野田内閣は年4回に分けて払う地方交付税の11月交付分(約4兆円)の支払い延期を決めた。財源となる赤字国債を発行する特例公債法案が未成立のため。(30日)
●米、年末に借金上限に 米財務省は年末近くに米政府の債務(借金)額が法律で定めている上限に達するとの見通しを示した。(31日)
●重点区域、半径30`に 原子力規制委員会は原発事故時の防災対策の枠組みとなる原子力災害対策指針を決定した。「原子力災害対策重点区域」の目安を半径30`圏(現行10`圏)に拡大することが柱。(31日)
●退職金削減法案を決定 野田内閣は国家公務員の退職金を段階的に減らし、今より14・9%引き下げる法案を閣議決定した。(2日)
●事後同意見送りを決定 野田内閣は原子力規制委員長と委員の4人の人事について、臨時国会での事後同意を見送る手続きを閣議決定した。(2日)
●米兵、酔って進入・暴行 沖縄県読谷村で酒に酔った米兵が民家に侵入、中学生の顔を殴ってけがをさせ逃走を図った。藤村修官房長官は「起訴前の身柄引き渡しを要請する必要はない」との認識を示した。(2日)
●活断層の判断を先送り 関西電力大飯原発敷地内の断層について、原子力規制委員会の現地調査団は活断層との認識の一致に至らず。7日に再び会合を開いて議論する。(4日)
●また制限時間外飛行 沖縄県の米軍普天間飛行場に配備された垂直離着陸機MV22オスプレイが午後10時31分に同飛行場に着陸。騒音防止協定で制限されている午後10時以降の着陸は10月30日以来2回目。(5日)
●日米統合演習始まる 米軍と自衛隊の今年度の日米共同統合(実動)演習が開始。沖縄県のキャンプ・ハンセンでの合同実弾射撃訓練は初。(5日)
●オスプレイ厚木使用も オスプレイの本土訓練で米側が厚木基地(神奈川県)の使用を検討していることが分かった。(5日)
●除染手当、作業員に渡らず 福島第一原発周辺の除染で、税金から作業員に支払われる「特殊勤務手当」が本人に渡っていないことが判明。(5日)
●地方公務員に協約権提言 総務省の有識者会議は労使交渉などで給与を決める協約締結権を地方公務員に与えるべきとの報告書をまとめた。(5日)
●「生活保護も事業仕分け」 岡田克也副総理は生活保護費を事業仕分けの対象とする考えを示した。(5日)

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週刊『前進』(2560号7面1)(2012/11/12 )

 11・4集会の巨大な地平発展させ第2ステージの外注化阻止決戦へ

 安倍・石原・橋下ら改憲勢力打倒を

 11・4労働者総決起集会は5800人の大結集と日・韓・米・独の感動的な労働者国際連帯のもとに、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの第2ステージへの突入と闘う労働組合の再生を高らかに宣言し、歴史的な成功を収めた。この11・4集会の熱気は、直ちに11・9裁判員制度廃止・改憲阻止闘争(最高裁デモ)、11・11反原発100万人大占拠闘争、そして動労千葉を軸とする11・10〜12訪韓闘争へと引き継がれ、発展している。11・4集会は、10・1JR外注化阻止決戦を歴史的勝利として打ち抜いた地平の上に、外注化阻止・非正規職撤廃を、国鉄を先頭とする全産別・職場の決戦路線として打ち立てた。闘いはまさに始まったばかりだ。労働組合の組織拡大と国鉄決戦・反原発決戦の推進でさらなる勝利を押し開こう。

 国際連帯大集会

 11・4集会は国際連帯の圧倒的前進と同時に、「新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを!」と訴え、5800人の大結集でかちとられた。
 集会の柱は呼びかけ3労組の発言だ。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の高英男副委員長は「闘うことでしか生きられない時代は、分断を打ち破り団結するチャンス」として、「労働者が希望を持てる闘いを」と呼びかけた。国鉄千葉動力車労組の田中康宏委員長は「外注化が強行されて職場には悔しさと怒りがあふれているが、闘いはこれからだ。団結の力で絶対に外注化を粉砕してみせる」と確信も固く決意を明らかにした。全国金属機械労組港合同の中村吉政副委員長は「われわれ自身が働く者の権利を守り、職場・地域で先頭に立ち、非正規労働者の組織化に向けて奮闘しよう」とアピールした。
 労働組合の再生と組織拡大をかちとることが集会参加者、そして全労働者の共通の課題であることが熱烈に確認された。
 前段の青年集会は、青年労働者が新自由主義との闘い、労働組合再生の闘いの先頭に立っていることを示した。前日の国際連帯集会でも、ILWUローカル21の2人の青年労働者は、自らが実力闘争の先頭に立ち、職場管理権を維持したことを報告した。民主労総ソウル本部も青年労働者が主力である。
 10・1外注化阻止・非正規職撤廃の闘いに立った動労千葉を先頭とする国鉄労働者の全員の登壇は特に圧巻だった。JR外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの第2ステージ突入を宣言した。
 今ひとつの大きな柱は、NAZENと福島・被災地を先頭とする反原発闘争勢力の登場だ。彼らの怒りと訴えは、再稼働阻止・全原発廃炉の闘いを労働組合の復権を通して前進させることが勝利の道であることを明らかにした。11・4集会は11・11反原発大占拠への圧殺攻撃を弾劾し打ち破るものでもあった。
 さらに東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会、郵政非正規ユニオンは、国鉄闘争と外注化阻止決戦が非正規労働者の決起と組織化を前進させることを示した。大阪市職、大阪市教組の労働者は、9・16橋下打倒闘争を引き継ぎ、新自由主義攻撃を労働組合再生を通して打ち破る、新たな飛躍を指し示した。

 切り開いた地平

 11・4集会が切り開いた路線的な地平は何か。
 第一に、新自由主義攻撃との対決が外注化阻止・非正規職撤廃の階級決戦の第2段階に突入したことである。
 第2段階とは、JRの検修・構内業務外注化の強行自体が破綻していることを徹底的に暴き、外注化を根底から粉砕する闘いだ。11・4は来年の4・1全面外注化攻撃に立ち向かう出発点となった。それは偽装請負弾劾・告発をてこに職場支配権を固める日常的な闘いであり、2・1「ライフサイクルの深度化」発令との闘いであり、青年労働者の獲得・組織拡大の闘いであり、JRの新経営計画「グループ経営構想X」、駅をはじめとする全面的外注化、鉄道輸出、総非正規職化との闘いだ。
 さらに第2段階の課題は、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの4大産別をはじめ全産別での展開である。国鉄分割・民営化以来、徹底的に解体されてきた4大産別、全産別の労働組合を戦闘的階級的に再生させる闘いの本格化である。
 第二に、世界大恐慌の深化、戦争と大失業の時代を労働者の国際的団結で世界革命に転化する闘いが前進したことだ。
 米大統領選とオバマ再選は基軸帝国主義・米帝の決定的没落を表している。「財政の崖」が示す巨大な財政破綻、深刻な雇用の危機=大失業、さらに民主党・共和党の対立と国内分裂、そしてQE3が象徴する超金融緩和が不可避にもたらすインフレとドル大暴落。それらは大恐慌を一層奈落に突き落とすものだ。
 他方、8日に開幕した中国共産党第18回大会は、胡錦濤国家主席の政治報告で「海洋権益防衛」とともに2020年までに「国内総生産(GDP)と都市・農村住民の1人当たりの収入をそれぞれ2010年比で倍増させる」と打ち出した。だがこれ自体が国内支配の危機を示している。残存スターリン主義・中国のバブル崩壊と大動乱、政治体制の分裂的危機が大爆発する過程の始まりを意味する。
 こうした中で脱落帝国主義・日帝の政治支配は完全に破綻し、野田政権の崩壊的危機のもとで安倍晋三、橋下徹に続き極右ファシスト石原慎太郎が政治の前面に引き出されてきた。この日帝の極限的危機が、新たな領土略奪、日米安保強化、集団的自衛権の凍結解除、改憲・戦争の攻撃を激化させている。
 これらと真正面から対決するものとして11・4集会が打ち抜かれた。労働者階級の生存を奪う新自由主義攻撃、大恐慌下の大失業と戦争の攻撃と対決し勝利できるのは、階級的労働運動であり、労働者の階級的・国際的団結であり、労働組合再生の力である。11・4集会はそうした質と内容の大集会、大闘争だった。労働者の団結を一層強化・発展させよう。
 第三に、新たな反原発闘争の出発点を切り開く闘いとなったことだ。
 野田政権と日帝ブルジョアジーは、その延命をかけて原発再稼働に踏み切り、核燃料サイクル(再処理工場、もんじゅ)計画維持を決定、核武装化政策を絶対に放棄しようとしない。このことは反原発勢力や階級闘争、労働組合を絶滅する攻撃が一層激化することを意味する。労働組合の再生が求められている。
 野田政権の再稼働攻撃と原発政策は日米安保体制=日米同盟強化路線のもとで進められている。日帝は米帝の新軍事戦略のもとで軍事大国化=核武装化を進め、対中国、対北朝鮮、対アジアの侵略戦争・核戦争に備えようとしている。
 反原発闘争を国鉄決戦、外注化阻止決戦の第2段階と一体のものとして推進し、再稼働・原発輸出・核武装化阻止、日米安保粉砕の大闘争で新自由主義を打ち砕こう。

 組織総括と課題

 以上の政治的路線的な確認の上で、組織的な総括と課題は何か。
 第一に、5800人の結集は、10・1外注化阻止決戦を職場で必死に闘いぬいた結果としてかちとられた。闘わなければ団結は崩されていた。闘う以外に結集を増やすことはできない。情勢が求める万余の結集の実現に向かって直ちに次の挑戦に打って出よう。
 第二に、4大産別(国鉄、全逓、自治体、教労)の職場での闘いと組織化である。壁の突破は4大産別での攻防の勝利、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの前進と拡大にかかっている。
 第三に、労働組合における日常的恒常的な組織化だ。意識的な労働者を、動労千葉を支援する会や国鉄闘争全国運動の会員に組織しよう。その最大の武器は機関紙『前進』である。機関紙を拡大し、その配布網を作り出すことが鍵だ。
 第四に、拠点建設と細胞建設への本格的着手だ。それは党と労働組合の一体的建設の闘いによってかちとられる。地区党、産別委員会、中央委員会―細胞をトータルに建設しよう。特に非正規職の団結と組織化をかちとろう。
 第五に、万余の隊列を形成するためには階級的労働運動の拠点建設と同時にNAZENの全国組織としての建設が決定的である。学生運動は組織的前進と大衆的結集が可能であることを示している。
 11・4の巨大な地平からさらに11〜12月闘争に決起していこう。

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週刊『前進』(2560号7面2)(2012/11/12 )

 11・23星野再審全国集会へ

 全証拠開示大運動の力で無実の星野同志奪還しよう

 11・4全国労働者総決起集会は、全国・全世界から新自由主義と闘う労働組合・労働者が結集し、力強い団結を闘いとった。沖縄闘争を闘い、無実でありながら38年の獄中生活を強いられている星野文昭同志を解放する闘いは、階級的労働運動の前進と一体である。全労働者人民の生命と正義と権利を守る闘い、反戦・反基地闘争、反原発闘争の発展と合流し、11・23星野再審全国集会の大成功を実現しよう。

 全国で運動が拡大している

 無実の星野文昭同志の再審無罪・釈放へ、全証拠開示大運動が躍動的に前進を開始した。全国の弁護士からこの運動への賛同が寄せられ、すでに140人を超え、日々拡大している。全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部は、数回にわたり、1850筆を超える署名を集めてくれた。全国各地の街頭で、絵画展や星野集会で、出会った人たちが同僚・友人・家族などからそれぞれ数十筆の署名を集めて送ってきている。これらは、全証拠開示を求める運動が全人民的大運動に発展する可能性を示している。
 そもそも証拠は検察官の独占物ではない。真実を求める者のためにある。検察官が自己に不利な証拠を隠したままに裁判を強行し、無実の人に罪を着せるなど、断じてあってはならない。刑事裁判のそもそもの使命・目的が「無罪の発見」にあるのならば、「全証拠開示」は当然で必要不可欠な要求である。
 記憶に新しいところでは足利事件でも、布川事件でも、また最近では東電女性社員殺人事件でも、証拠開示が再審無罪に直結している。検察官が無実の証拠を隠すことで、国家は、長年にわたって被告人とされた人たちに筆舌に尽くしがたい苦闘を強いたのだ。ブルジョア支配体制を維持するために、労働者人民の人権や生命や真実を平気で踏みにじる、この腐りきった国家権力を断じて許すことができない。
 全証拠開示は、真実と正義を実現する要求であり、国家権力のデッチあげ攻撃や治安弾圧・司法反動と闘うすべての人びとの強い要求である。
 獄中38年を不屈に闘う星野同志自身が「全証拠開示大運動」の先頭に立っている。11・23星野再審全国集会の成功が一切のカギだ。

 暴かれた供述のデッチあげ

 星野同志の再審闘争は、本年3月30日、東京高裁によって第2次再審請求が棄却され、現在異議審の段階に入っている。
 一審の懲役20年という判決を覆して、星野同志に無期懲役刑を下した確定判決(1987年、東京高裁・草場良八裁判長)は、事件から3カ月後に取られたKrやAo、Arの「供述調書」を唯一の証拠としている。だがこれらの「供述調書」は、彼らの真実の記憶に基づくものではなく、捜査当局がデッチあげた作文である。
 星野同志の機動隊員殴打を供述したKrの記憶は、「きつね色の服の色を着た人が殴っていた」ということだけであった。それを取調官によって、「殴打していたのは星野」と強引に結びつけられたのだ。だが、星野同志はきつね色ではなく薄青色のブレザーを着ていた。第1次再審請求で、最高裁はこの事実を認めざるを得なかった。この時点でKr供述のデッチあげ性は明白となり、それを核心証拠とした確定判決は崩壊したのであり、再審を開始しなければならなかった。
 ところが最高裁は、服の色が間違っていようが有罪は揺らがないと、再審請求を棄却した。無期攻撃をあくまでも維持するという国家意思を貫くものだった。
 第2次再審請求では、Kr供述が取調官によって捏造(ねつぞう)された事実を、心理学者の厳島行雄教授(日本大学文理学部心理学研究室)の鑑定書で徹底的に明らかにした。厳島教授は、実験をも駆使して、人間の実際の記憶について全面的に明快に解明した。
 ところが、東京高裁・若原正樹裁判長は、およそ裁判の名に値しない理不尽な理由で3・30再審棄却決定を強行したのだ。棄却決定は、「不当な誘導でない限り、誘導は記憶喚起に有効だ」と、検察官による供述調書の捏造を容認し賛美する許しがたいものであった。また棄却決定は、「Krは、声を聞いて星野だとわかった」とか、「krは、星野の防衛隊で近くにいたからわかった」という言い逃れで、崩壊したKr供述を取り繕っている。ふざけるのもいいかげんにしろ!
 声を聞いて人を判別することは、目撃以上に誤認が多いことは常識だ。しかも、Krは、この闘争現場で初めて星野同志と会ったのだ。途中で機動隊との激突を挟みながら、代々木八幡駅から渋谷東急本店前まで駆け抜けたデモ隊は、当然にも入り乱れ、だれがどこにいるのかわからない状態であった。Krが星野同志と一緒にいたというのも、声で星野同志だとわかったというのも大ウソである。
 裁判所の決定は、ここまで脆弱(ぜいじゃく)性をさらけ出している。

 戦時司法攻撃打ち破る闘い

 棄却決定は、星野同志と弁護団が「真実を明らかにするために、現場を目撃していた6人の民間人の調書を開示せよ」と要求していたことも無視した。
 裁判所と検察官は全証拠を開示せよ! 国家権力はきわめて意識的に星野同志を「犯人」にデッチあげた。その極悪の「捜査資料」は必ず存在する。また、Krらの取り調べが恫喝と誘導によるもので、ウソの供述を強制した証拠も絶対に存在する。
 世界大恐慌下で資本主義体制が危機に陥り、社会が根底から揺らぐ時、司法が支配の要として前面に出てくることを歴史は教えている。それはまさに戦時司法である。星野奪還闘争・全証拠開示大運動は、日帝の戦時司法、新自由主義攻撃と対決し打ち破る闘いだ。
 11・23星野再審全国集会への結集を、職場で、学園で、地域で、闘う労働者・学生・人民に訴えよう。11・23集会を大成功させて、星野同志奪還への道を何がなんでも切り開こう。
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 FumiAkikoカレンダー 2013

 星野文昭同志が描いた絵に暁子さんの詩をつけたカレンダーができました。今年、文昭同志は「被災地三部作」を描き上げ、暁子さんが被災地での人びとの思いを詩にしています。このカレンダーを多くの人に広げよう。

☆A4判(見開きA3判)フルカラー
 頒価1200円(5部以上は1部1000円)送料実費/注文先 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議/〒105-0004 東京都港区新橋2-8-16石田ビル4階 TEL03-3591-8224 FAX03-3591-8226 前進社でも扱います
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【要項】11・23星野再審全国集会
 フクシマ・オキナワの怒りと一体で獄中38年を打ち破れ

 11・23星野再審全国集会

 11月23日(金) 正午開場、午後1時開会
 赤羽会館(JR京浜東北線赤羽駅東口)
 主催/星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議

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週刊『前進』(2560号7面3)(2012/11/12 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 新システム反対保育集会で11・4のビラ 東京西部ユニオン 松木誉明

 11月3日、日比谷野音で開かれた新システム反対保育集会で、労組交流センターと婦人民主クラブの仲間は11月集会の宣伝を行いました。
 子ども・子育て新システムは、保育を金もうけにするために国や自治体の保育責任をなくし、公立保育所を全廃して、労働組合をつぶし、保育労働者の首を切り、非正規職に突き落とす攻撃です。公私連携法人によって労働者を全員解雇にさらすものです。
 8月に民自公3党が新システム関連法案成立を強行しましたが、全国で新システムの実施を阻止する闘いが取り組まれています。
 保育所で働く仲間がかわるがわるマイクを取り、新システムを保育現場に持ち込ませない闘いを訴えました。大阪・橋下打倒、国鉄解雇撤回の闘いと一つになって新システム実施を阻止しようと呼びかけました。橋下の入れ墨調査拒否処分と闘う赤田君の闘いが勝利の展望を切り開いていることを訴えました。
 宣伝を開始するや直ちに主催者が宣伝をやめるよう出てきましたが、私たちの主張をぜひ聞いて欲しいとリーフを渡して宣伝をやりきりました。
 共産党・全労連は公私連携法人で公立が全廃されることは取り上げますが、解雇には沈黙です。
 国鉄解雇撤回署名に次々と足が止まり、公立保育所全廃阻止・首切り反対の闘う方針が保育労働者に求められていることを確信しました。

 秘密保全法提出狙う国会前で対決を訴え 東京 T

 10月29日の臨時国会開会日に、共謀罪と一切の治安法に反対する国会闘争を行いました。ビラまき・座り込みの後に昼集会。基調提起では、政権の危機、戦争・改憲と治安弾圧の攻撃が激化している情勢の中、臨時国会で秘密保全法案の提出が狙われていることを暴露し、「汚い捜査手法」の導入策動、「モンスター化する共謀罪」を大衆運動の爆発で串刺しにしようと提起。また共謀罪とともに「テロ資金供与処罰法」(カンパ禁止法)の改悪も提出予定であり、国民総背番号制法案、一部実刑・保護観察法案など治安法ラッシュとの対決が呼びかけられました。
 国会傍聴に訪れた西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表)が連帯して発言しました。自民党・安倍が「総選挙の焦点は原発ではなく改憲」とうそぶくなか、「憲法審査会は重大段階。安倍が政権を取れば、現憲法を廃止し自民党の新憲法を作る準備はできている。改憲阻止へ行動しよう」と訴えました。
 反原発の現場からも発言があり、核燃と基地が集中する青森での反原発・反基地八戸集会と三沢基地抗議行動、大間原発絶対反対の闘いが報告されました。福島・沖縄を貫き、労働者が軸となり基地と原発を廃絶する展望を示す闘いの報告は耳目を集めました。
 闘う労働組合の再生こそ、こうした全攻撃を打ち破る最大の力です。11・4労働者集会の大成功から、国会闘争と百万人決起へと攻め上ろう。

 動労水戸の勝利性に確信深めた労働学校 茨城県西合同労組 K

 「動労千葉の田中康宏委員長が『10・1外注化の過程で団結が崩れることはなかった。これだけでもわれわれは勝利したんだ』というのを聞いて、ああなるほど、じゃあ水戸も負けていない。動労水戸は勝っていると思った」。動労水戸の照沼青年は、こう語った。
 11・4の1週間前に開かれた茨城県労組交流センターの労働学校での発言だ。現場の若者の苦悩と組合の壁を越えたスト破り拒否、組織化の展望について報告を受けた。
 今回は、組合に結集したてで初めて出席した青年や日立資本のもとの非正規雇用の労働者など、若者が多く参加し、平均年齢がぐっと下がり、質問、意見が百出。製薬会社の労組は「業績が伸びているのに給料を10%削る攻撃をはね返した」。自治労の青年は「団交に現場組合員が出にくい状況がある」。バス会社の労組は「既成事実を先行させあきらめさせる手口はどこの職場も同じ」。会計事務所の青年は「会社役員は数字を高めるために、雇用や給料を減らすことに何の罪悪も感じてない」……など。誰もが新自由主義に怒り、問題意識を共有した。
 外注化・出向の前日に県西合同労組大会にかけつけた動労水戸の石井委員長は、外注化実施前からの破たん性を暴露し、「勝てると思っています」と感触を述べた。
 10・1で新たな段階に突入したこの闘いは、全階級、勤労諸階層の普遍的課題であり、若者がその主要な担い手として、勝てる闘いだと思った。

 郵政新体制下の矛盾に現場の怒りは頂点 郵政労働者 由利 徹

 郵便事業会社と郵便局会社が統合して、早ひと月たちました。新体制のもとで、わがM局では、立て続けに交通事故が2件、そして郵便物の隠匿事件が起きてしまいました。
 朝礼が長い。毎朝20分。日没がどんどん早くなってくる中で、朝の時間は貴重です。そんなことは、管理職には関係ないことのようです。「年賀はがきの予約を取ってこい!」。まったく、奴隷扱いされているとしか感じません。
 交通事故はもちろんのこと、郵便物の誤配だって隠匿だって、ゆとりをもってしっかり仕事ができる環境だったら起きないような事例ばかりです。でも、全部「自己責任」。管理者は何も反省しない。現場の怒りは頂点にまで達しています。本来ならば、JP労組が先頭に立ってやるべきですが、まったくその気がない。年末要求に出すとは言っていますが。とにかくめちゃくちゃな労働環境です。労働者が一致団結しなければ、この環境を変えられません。
 全国で闘っている郵政現場の仲間のみなさん。苦労は多いと思いますが、私もみなさんとともに闘い、「労働者が主人公」を示すことができるようになりたい。JP労組本部を打倒し、取って代わることができるよう頑張りましょう。
 配転攻撃と闘う○局の仲間! あなたの姿をみんな見ています。握手。

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週刊『前進』(2560号8面1)(2012/11/12 )

 非正規職撤廃へ日韓が連帯 11・11ソウル

 民主労総3万が都心をデモ

 動労千葉訪韓団が大会に合流

(写真 大会会場のソウル駅前広場に向かってデモをする民主労総の闘う労働者【11月11日】)

(写真 「労働者に権利を」のプラカードを掲げ広場を埋めた3万人の労働者)

(写真 組合旗を掲げ、民主労総の労働者とともにデモする動労千葉訪韓団)

 11月11日、「整理解雇撤廃! 非正規職撤廃! 組合破壊中断! 労働者参政権保障!」を掲げた韓国民主労総労働者大会がソウル駅前広場で開かれた。動労千葉訪韓団50人は田中康宏委員長を先頭に、民主労総の大部隊とともに大会会場へ向けてのソウル市内デモを貫徹し、闘う韓国労働者との熱い合流をかちとった。大恐慌下で激化する新自由主義攻撃と不屈・非和解に闘う韓国の現場労働者との団結がさらに打ち固められた。
 11月11日午後2時、ソウル清渓川(チョンゲチョン)の平和市場前に労働組合の旗を押し立てて労働者が続々と結集してきた。あたり一帯が労組隊列で埋まっていく。チョンテイルの銅像も労働者の人波の中だ。ソウル駅前に向かってデモが出発した。先頭の横断幕に記されたスローガンは、「整理解雇撤廃! 労組破壊中断! 労働者参政権保障!」だ。金属労組の力強い大部隊が先頭を行く。
 ウルサンでは現代自動車非正規支会の労働者が高空籠城(ろうじょう)を続けている。第20回チョンテイル労働賞を受賞した金属労組サンヨン自動車支部は、支部長が長期のハンスト中だ。さらに多くの労働組合が命がけの闘いを続けている。闘う労働者の怒りは激しく、この力が大デモの実現に至ったのだ。まさに民主労総の底力を見せ付けるものだった。
 全国労働者大会は雨をも跳ね返す、3万人の怒りが燃え上がるものだった。サンヨン自動車支部のハンサンギュン前支部長も舞台に立ち、2009年のサンヨン自動車工場占拠闘争は負けたわけではないと総括、「サンヨンの闘いの火花があちこちの現場に広がっている。3年の収監生活で、今の社会こそが大きな監獄だと知った」と語り、団結して闘いぬかなければならないと訴えた。
 大会決議文で「私たちの闘争は労働を越え、時代の良心を明らかにしたチョンテイル烈士の闘争だ」と宣言。さらに▼チョンテイル烈士精神を継承し、反労働、反民衆、反統一政策を粉砕して、労働基本権争奪と労働が尊重される社会建設のために闘う、▼整理解雇撤廃、非正規職正規職化をはじめとする権利の保障、公共部門解雇者の原職復帰のための力強い連帯闘争を行うなどの闘争方針を決議した。
 大会直前の7日、キムヨンフン民主労総委員長が役員直接選挙制延期の責任を取り、辞任。さらに大統領選挙方針をめぐる攻防など、組織的課題を抱えた中で迎えた労働者大会だったが、大恐慌下で資本と闘う現場組合員の怒りが主導する大会となった。
 大会後、動労千葉訪韓団を前に田中委員長が、「改悪された労働法のもとで御用組合がつくられるような困難の中で民主労総は闘っている。この韓国の労働者と団結していけるのかどうか。これが今日の訪韓闘争の課題だった。労働運動なんだから困難が絶対につきまとう。その困難を日本の労働者が職場の闘いで突き破ってみせることが、日韓国際連帯だ。11月労働者集会の課題もここにある」と総括を提起し、「階級的労働運動の復権、民主労総との連帯をかけて団結ガンバロー!」と結んだ。

 前夜祭で闘志燃え

 争議渦中の労組から報告

 韓国民主労総労働者大会の前夜祭が、11月10日午後7時からソウル駅前広場で開かれた。
 日本での11・4全国労働者総決起集会をともに闘った民主労総ソウル本部のもとに、田中康宏委員長を団長とする動労千葉訪韓団が駆けつけた。50人あまりの訪韓団を前に田中委員長は「日韓労働者が今抱えている困難は同じ。11・4をともに闘ったソウル本部とともに、今度はソウルでともに闘いましょう」と呼びかけた。 
 労働者大会を前に韓国階級闘争は激しい闘いの渦中にある。キムジョンウ支部長のハンストが1カ月を超えた金属労組サンヨン自動車支部は8日、解雇労働者二十余人がヨイドのセヌリ党本部前で集団無期限ハンストに突入した。サンヨン自動車で強行された整理解雇の真相究明のための国政調査を要求しての闘いだ。9日には、全国学校非正規職労組連帯会議が賃金の予算確保と団体交渉を要求し、全面ストライキに突入した。
 前夜祭では、韓進重工業やサンヨン自動車、KECなど、今まさに激しい攻防を闘いぬいている労組から闘争報告が行われた。それぞれの労組が趣向をこらした律動や劇を披露した。
 済州島からは、海軍基地建設と闘う住民も参加して発言。原発反対などのアピールもあり、まさに労働者民衆が「同じ困難」と闘いぬいていることが鮮明に突き出された。
 「非正規職撤廃!」の黄色のゼッケンで登場した動労千葉のもとには、11・4に訪日した同志たちをはじめ、9・27日本大使館前で10・1外注化反対の連帯行動を担った同志たちが続々と駆けつけた。民主労総ソウル本部との日韓連帯は今年で10年、豊かな交流が日韓労働者双方の職場実践の前進につながっていることを物語っていた。
(写真 前夜祭。手前に動労千葉訪韓団とイジェウン・ソウル地域本部長【右から3人目】が並ぶ)

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週刊『前進』(2560号8面2)(2012/11/12 )

 「裁判員候補者通知」送るな!

 最高裁デモに320人

 大運動が呼びかけ 制度廃止へ追撃

 11月9日昼、「裁判員制度はいらない!大運動」の呼びかけで、都心のど真ん中を貫いて最高裁デモが闘われた。320人の怒りの隊列が色とりどりの旗、組合旗をひるがえして行進、「裁判員制度やめろ!」の声が官庁・オフィス街に響きわたった。昼休みで大勢街頭に出ている労働者の圧倒的な注目と共感を集めた。
 11月中旬に最高裁は全国約30万人の来年度の裁判員候補者に「名簿に載せた」という通知を出そうとしている。これはまさに「現代の赤紙(召集令状)」だ。絶対に許せない。私たちの「裁判員制度絶対反対!」「呼び出し状を送るな!」の声を最高裁にぶつけようと、この日のデモが闘われた。
 正午前、各地で裁判員制度の廃止に向けて闘ってきた労働者、学生、市民が日比谷公園霞門に集まった。天気は快晴、絶好のデモ日和だ。みんなの顔も明るい。デモ出発に先立ち、「大運動」呼びかけ人の高山俊吉さん(弁護士)がアピールした。
 「とうとうこの日が来ました。今日の行動は多くの人に注目されています。『納得できない』という全国の声を代表して今日のデモを頑張りましょう」「11月中旬に最高裁は全国の人びとに『名簿に搭載したぞ』という脅迫の書面を送ります。国民の税金をもって国民を脅迫するメッセージを送るのです。それに対する私たちの回答が、今日のデモです。沿道の皆さんと共感をかわしながらデモをしましょう」と呼びかけた。
 直ちにデモに出発した。デモの先頭には横断幕を広げて今井亮一さん(交通ジャーナリスト)、森川文人さん(弁護士)らが立った。動労千葉の旗や各地の合同労組、労組交流センターや全学連、星野全国再審連絡会議などの旗が翻る。
 弁護士会館前を通り、すぐに東京地裁・高裁前へ。ここで「裁判員制度はいらない!」「私たちは人を裁きません!」「裁判所には行きません!」のひときわ大きなかけ声をとどろかせた。さらに、外務省、財務省などの官庁街を通り、経産省前では反原発のテントで闘う人びととエールを交換した。首相官邸の脇を通るときには野田首相を弾劾して進んだ。
 赤坂見附交差点を右折して民主党本部の前を通り、灰色の最高裁の建物が見えてくると、デモ隊の熱気は一層高まった。「最高裁は呼び出し状を送るな!」「裁判員制度を廃止しろ!」と声を合わせて叫び、怒りのこぶしを突き上げた。
 さらに右折し、国会に向かって「国会は裁判員法を廃止しろ!」とシュプレヒコールを上げた。デモ解散地点で「大運動」事務局の武内更一さん(弁護士)が、「今日のデモは大成功でした。これからさらに各地で学習会などをやって確信を深め、裁判員制度を廃止まで追い込みましょう」とまとめて、この日のデモを終了した。
 裁判員制度は09年5月の施行以来3年半経過したが、被告の防御権の尊重という刑事裁判の原則の破壊、審理の遅滞、人民の拒絶の強まりなどあらゆる面で制度の危機・破綻は進んでいる。そもそも「国民」を無理やり国家の立場に立たせて人を裁くことを強制する制度など、絶対に許せない。裁判員制度反対の闘いは新自由主義を粉砕する闘いであり、いま現在の改憲阻止闘争そのものである。
 11・9最高裁デモの圧倒的な高揚を新たな出発点として、全国でさらに裁判員制度への怒りと拒絶の声を集め、制度廃止に向かって前進しよう。
(写真 昼休みの官庁・オフィス街に「裁判員制度廃止!」の声とどろく【11月9日】)

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