ZENSHIN 2012/10/22(No2557 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

第2557号の目次

(写真 10・13さようなら原発集会in日比谷 NAZENは450人が立つ 記事4面)

1面の画像
(1面)
国際連帯で新自由主義と対決
偽装請負弾劾し外注化阻止・非正規職撤廃へさらに闘おう
階級的労働運動の力で全原発廃炉へ
記事を読む  
米兵の女性暴行事件弾劾  労働組合先頭に沖縄基地撤去へ(10月16日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
さあ11・4は日比谷野音に大結集だ  “小さな炎も燎原の火に”
11・4集会実行委員会 関生支部1400人拡大を報告(10月13日)
記事を読む  
田中康宏動労千葉委員長の訴え 記事を読む  
鉄道運輸機構訴訟 高裁判決に反撃を
外注化阻止決戦に恐怖 6・29判決の転覆が狙い(10月11日)
記事を読む  
秋田 “JR・鉄運機構攻める”  極悪判決に怒り決起集会(投稿 秋田・TK)(10月14日) 記事を読む  
(3面)
世界から闘う労組が訪日  新自由主義と闘う11・4国際連帯 記事を読む  
首都圏青年労働者集会 非正規職撤廃の総反乱へ  JR・郵政の青年を先頭に(10月14日) 記事を読む  
都人勧 8年連続の賃下げ  11・4でスト闘える団結を(10月12日) 記事を読む  
(4面)
さようなら原発in日比谷  福島と大間から怒りの訴え
組合旗なびかせ6500人がデモ(10月13日)
記事を読む  
10・12官邸前 “大間建設やめろ”  伊方再稼働反対コールも(10月12日) 記事を読む  
公共サービス研究会が狙うもの  自治体業務の大半を外注化
“下請け会社”をつくり転籍(大迫達志)
記事を読む  
不当労働行為性明らかに  ジェコー解雇撤回裁判(1次訴訟)
委員長が意見書を提出し結審(埼玉・小川徹)(10月9日)
記事を読む  
2012年日誌 10月9日〜15日
日印が原子力で協力/IMF委「成長減速」に危機感
記事を読む  
訂正 記事を読む  
(5面)
中核派・福島大支部のアピール
キャンパスから御用学者追放し学生の力で原発翼賛大学変える
記事を読む  
市東さん農地裁判 “証人隠しを許さない”  千葉地裁を弾劾し市内デモ(10月15日) 記事を読む  
10・31狭山闘争に結集を  石川一雄さんと連帯し第3次再審闘争へ 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
星野再審へ異議申立補充書(上)  第2次再審棄却を批判する
証拠はうその供述だけ 全証拠開示へ大運動を
記事を読む  
星野再審へ高裁包囲デモ(10月18日) 記事を読む  
弾圧はね返し11・4へ  四日市 東海合同労組が街宣(10月14日) 記事を読む  
【要項】星野11・9最高裁デモ
【要項】迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審第5回
記事を読む  

週刊『前進』(2557号1面1)(2012/10/22 )

 国際連帯で新自由主義と対決

 偽装請負弾劾し外注化阻止・非正規職撤廃へさらに闘おう

 階級的労働運動の力で全原発廃炉へ

(写真 10・13さようなら原発集会in日比谷 NAZENは450人が立つ 記事4面)

 11・4労働者集会が迫った。残る2週間、全力で闘い、全国津々浦々から日比谷野音に万余の総結集をかちとろう。10・1JR外注化攻撃に5日間の波状ストと職場闘争で当局を追い詰め、外注化を破綻に追い込んだ動労千葉の闘いは、労働者階級の闘いの道筋と勝利の展望を示している。外注化阻止決戦は始まったばかりだ。偽装請負弾劾を切り口に全産別・全職場で、外注化阻止・非正規職撤廃へさらに決起しよう。11・4こそ外注化攻撃と闘い新自由主義を打ち破る国際連帯の大闘争だ。労働組合再生の道もここにある。沖縄米兵の暴行事件やオスプレイ配備への怒りも11・4にすべて総結集しよう。

 大恐慌下で労働者の決起

 大恐慌の激しい進行のもと、世界中で賃下げ、大失業、非正規職化、社会保障解体、戦争の攻撃が強まる中で、労働者階級が怒りのストとデモに立ち上がっている。インドネシアでは10月3日、日系企業の工場を含む200万人以上の労働者が歴史的なゼネストに決起し、賃上げ、派遣・請負労働の廃止、正社員化などを要求して闘いぬいた。南アフリカでも8月から鉱山・自動車・運輸などの労働者が続々とストに立ち上がる中で、トヨタ自動車工場の労働者が10月1日から3日間のストを闘い、「違法スト」とのキャンペーンをはねのけ、実力で5%以上の賃上げを獲得した。
 スペイン、ギリシャなどヨーロッパでも労働者の闘いが引き続き激化し、拡大している。この世界的な労働者の闘いの広がりは、新自由主義が全世界に膨大な賃金労働者を生みだし、資本主義創生期の原始的蓄積過程をも超えるような野蛮極まる搾取・収奪を強めていることに対する労働者の抵抗と反撃だ。抑圧と分断を打ち破って、労働組合のもとに団結して闘うことは、今や労働者の根源的な、生存をかけた欲求となりつつある。
 労働者は団結し、労働組合をつくって闘うことで、自らの巨大な力を自覚し、確信をもち、勝利の展望を押し開く。外注化阻止・非正規職撤廃をメインスローガンとする11・4労働者集会は、全世界の労働者階級の決起とひとつにつながり、新自由主義に総反撃し、闘う労働運動を復権する世界大会だ。
 新自由主義とは何か。最末期帝国主義の絶望的な延命形態だ。その核心は、労働者の団結と労働組合を破壊し、暴力と脅しで共同性と抵抗力を奪い、労働者を資本の極限的な搾取の対象とすることである。レーガンやサッチャーの徹底的な労働組合弾圧。日帝・中曽根の国鉄分割・民営化攻撃。総評などが闘わずに屈服していく中で、動労千葉はこの分割・民営化と断固としてストで対決し、労働組合の団結を守り抜き今日まで闘い続けてきた。それは全世界の労働者階級に共通する階級的な利益を守り抜く闘いだったのだ。
 大恐慌はこれからもっともっと本格化する。世界のブルジョアジーは今、欧州恐慌とそのアメリカ、日本、中国などへの波及が、世界的な「負の連鎖」となり、大恐慌がより本格的に激化する危機的情勢に震え上がっている。この中で彼らが真に恐れているのは、世界のプロレタリアートの革命的決起である。
 現在の大恐慌は新自由主義の破産の結果として爆発した。それでもなおかつ帝国主義は、新自由主義にすがりつく以外に延命の道がない。それがもたらすものは〈大失業と戦争>だ。労働者階級がプロレタリア革命に勝利しなければ、ブルジョアジーは労働者を大失業にたたき込むと同時に、全人類を破滅に引き込む帝国主義戦争や核戦争だってやりかねない。これを見据え、これと真っ向から対決し、勝利する道こそ、階級的労働運動の復権であり、革命党と労働組合の一体的建設の闘いである。断固、この道を進もう。
 11・4労働者集会の万余の大結集と、世界の労働者が国境をこえて団結する闘いの前進にこそ労働者階級の未来がある。

 〈解雇撤回・JR復帰〉を

 11・4労働者集会の画期的意義は何か。
 第一に、全産別・全職場と全世界の労働者階級の切実な共通のスローガンである〈外注化阻止・非正規職撤廃>を、真っ向から掲げて闘われる大集会だということだ。
 動労千葉、動労水戸を先頭に、組合員の総決起で闘いぬかれた10・1外注化阻止決戦は、職場支配権を実力で打ち固め、外注化を決定的破綻に追い込み、「労働者は新自由主義と闘って勝てる」ことを実践をもって示した。この10・1外注化阻止決戦とその勝利は、日本労働運動の画期をなした。しかも闘いはさらにこれから本格的段階に突入する。JRを先頭に全職場で外注化阻止・非正規職撤廃と偽装請負弾劾を闘って、闘って、闘い抜いて、11・4日比谷野音に結集しよう。これは連合の敵対を打ち破り、階級的労働運動を復権する歴史的意義をもつ闘いである。
 さらに11・ 4は、外注化阻止決戦の勝利と同時に、国鉄1047名解雇撤回とJR復帰の歴史的勝利をかけた大集会だ。動労千葉鉄建公団訴訟の6・29一審判決は国家的不当労働行為を初めて認定し、国鉄改革法粉砕の展望を押し開いた画期的判決である。この地平の転覆を狙った、国労秋田闘争団・小玉忠憲さんへの鉄道運輸機構訴訟の10・11控訴棄却に対する怒りとともに、6・29判決の高裁勝利に向けた「解雇撤回・JR復帰」署名運動を武器に、11・4総結集を訴え切ろう。
 第二に、11・4は階級的労働運動の組織拡大をかけた大決戦である。動労水戸と動労西日本は外注化阻止決戦のただ中で決定的な組織拡大を実現した。また何よりも関西生コン支部は、建設独占資本を揺るがした一昨年の139日間の産業ゼネストを引き継ぎ、組合員が全員組織者となって、昨年以来1400人を超える組合員の拡大を実現した。全組合員が団結して闘うならば、国家権力・資本の組合つぶしの攻撃をはね返して前進できる。11・4を青年労働者の獲得・結集を最大の軸にして〈組織拡大大会>として闘い取ろう。

 米・韓などから闘う労組が

 第三に、11・4は新自由主義と闘う国際連帯、世界的な労働者の団結をつくり出す大集会だ。韓国からは民主労総ソウル本部、アメリカからはILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル21が組織参加、ドイツからも労働者が参加する予定だ。
 韓国・民主労総は、傘下の全国鉄道労組が27日からKTX(韓国高速鉄道)民営化阻止を掲げ、ストライキに突入する。運輸、ガス、学校など公共部門の労働者も民営化、非正規職化阻止へ10〜11月に続々とストで闘おうとしている。
 アメリカ西海岸のILWUローカル21は、組合つぶしを狙った穀物輸出ターミナルの荷役作業の外注化に対して、穀物搬入阻止・線路座り込みなどで闘ってきた。この闘いは他産業を含む全労働者の圧倒的な共感を呼び、地域ぐるみの闘いとなっている。
 GDL(ドイツ機関士労組)は、ベルリン都市鉄道の民営化に反対して闘っている。GDLは「動労千葉の数十年間の闘いに重大な関心をもって注目してきた」と述べ、11月集会に全面的な支持を表明している。
 11・4日比谷野音で新自由主義と闘うこの世界の労働者・労働組合と大合流し、革命的な団結をさらに打ち固めよう。
 第四に、11・4は反原発・反失業の国際統一行動であり、反原発を軸に沖縄闘争、三里塚闘争、TPP(環太平洋経済連携協定)反対や消費大増税反対など、労働者人民の死活のかかった全課題の勝利をかけて、原発・領土・安保・改憲・戦争の極反動=野田政権を、自民党・安倍や日本維新の会・橋下らと串刺しで打倒する大集会だ。
 反原発闘争は、福島の怒り・闘いと徹底的に結合し、職場生産点から階級的労働運動の力で再稼働阻止・全原発廃炉を実力で闘い取ることの中に勝利の展望がある。反原発の現場から11・4への総結集をかちとろう。
 またも引き起こされた沖縄での米兵による女性暴行事件への怒り、オスプレイ沖縄配備強行への怒りを、すべて11・4日比谷野音に結集させよう。日帝の領土略奪、集団的自衛権・改憲=侵略戦争攻撃と対決し、米新軍事戦略粉砕、安保粉砕・基地撤去へ闘おう。
 11・4へあと2週間。職場、地域、街頭、キャンパスで闘って、闘って、闘い抜こう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号1面2)(2012/10/22 )

 米兵の女性暴行事件弾劾

 労働組合先頭に沖縄基地撤去へ

 10月16日に沖縄本島中部において、帰宅途中の20代の女性が2人の米海軍兵に襲われるという絶対に許すことのできない事件が発生した。この2人は補給業務の支援として嘉手納基地に14日から16日の予定で厚木基地から来沖し、事件を起こした当日にグアムへ向かう予定だったという。8月にも那覇市内で米海兵隊員が同じような事件を起こしたばかりだ。
 「危険なオスプレイが縦横無尽に空を飛んで、危険な米兵が地上にうようよしているのが今の沖縄の姿」――怒りの声が沖縄に充満している。10月1日に普天間基地への配備が強行されたオスプレイが、連日の試験飛行で沖縄の空をわがもの顔でじゅうりんしている中での今回の事件だ。
 11月には、米軍と自衛隊が共同で離島奪還訓練を沖縄(渡名喜村入砂島)で強行しようとしている。米日帝国主義の対中国対決=侵略戦争攻撃下で沖縄はすでに戦場そのものだ。
 誰もが1995年の少女暴行事件の時と同じ衝撃を受けている。「綱紀粛正」「再発防止」――この空疎な言葉が沖縄で一体何回繰り返されてきたのか。結局、「また同じような事件を米兵は起こしますよ」という開き直りの言葉でしかない!どれだけの屈辱を私たちは強いられてきたのか。女性の「許しません」という言葉は140万県民の怒りであり決意だ。絶対に許してはならない!
 9・9県民大会を引き継ぎ何度でも県民大会を開いて怒りの声を上げ、日米両政府に沖縄のなんたるかを思い知らせる時だ。今こそ労働組合が140万県民の「いのちを守る闘い」の先頭でオスプレイを撤去させ、「基地のない平和で豊かな沖縄」を実現しよう! 11・4労働者集会に「革命の火薬庫」=沖縄からの怒りの総結集を! 新自由主義への福島の怒り、全世界の労働者階級の怒りとひとつにつながろう。新自由主義と闘う労働組合の力で沖縄の米軍基地を撤去し、日米安保を粉砕するまで徹底的に闘おう!

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号1面3)(2012/10/22 )

前進速報版から 前進速報版から

▼青年が牽引し、広島で10・13労働者総決起集会▼10・7三里塚全国集会@movie▼10・5首相官邸前行動@movie

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号2面1)(2012/10/22 )

 さあ11・4は日比谷野音に大結集だ

 “小さな炎も燎原の火に”

 11・4集会実行委員会 関生支部1400人拡大を報告

 11・4全国労働者総決起集会の第3回実行委員会が10月13日、都内で開かれた。動労千葉の外注化阻止闘争、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の組織拡大闘争の教訓、さらには全産別での職場実践、青年労働者の決起の胎動が語られ、今年の11・4集会の決定的位置と、巨大な可能性が示された。
 まず呼びかけ4団体から問題提起が行われた。
 全国金属機械労働組合港合同の中村吉政副委員長は、9・16橋下打倒集会の高揚に触れ「あれ以降、橋下の人気、彼の表情に陰りが見える。闘えば、彼が奪ってきた権利を復活できる局面だ」と述べ、「労働組合の真価が問われている。私たちも地域での争議を始めとする闘いの前進をかちとり11・4集会に結集したい」と決意を示した。
 関生支部の高英男副委員長が、昨年以来の組織拡大が1400人に達したことを報告すると、参加者から驚きの声と拍手が起きた。高副委員長は「なぜこれだけ拡大できたのか。ひとつは危機意識の共有です。『組織拡大ができなければ10年後の関生支部はない』と執行部が不退転の決意で提起し、それが各ブロックや分会執行部の危機意識となって全組合員を動かした」と語った。
 さらに「もうひとつは今の情勢をどう見ているかだ」と述べ、「11月集会を含め、なかなか戦線が横に広がらないのは、われわれ自身が情勢に負けているからではないか」と鋭く問題を提起し、「絶望的にしか見えない現象でも弁証法的に見ると必ずそこには可能性がある。大阪市職で入れ墨調査を拒否して処分された人が”3万人のうちたった6人”と見るか”橋下が全国を席巻している中で6人も決起した”と見るかでがらりと変わる。職場で基本的な要求をしっかり組織すれば、たとえ小さな炎でも必ず燎原(りょうげん)の火となって広がる情勢だ」と語った。
 基調提起で動労千葉の田中康宏委員長は、外注化阻止闘争の経過と教訓を詳細に語り「外注化・非正規職化は粉砕できる、その力を労働者・労働組合は持っているとあらためて確信した。われわれが力を持った時、間違いなく時代は動き始める」と述べた(発言要旨別掲)。
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人の山本弘行さんは「問われているのはわれわれの構えだ。どの職場にも闘いの芽は無数にある。職場と地域で動労千葉を支援する会、国鉄闘争全国運動の拡大に全力を尽くし、そのすべてを11・4日比谷に集めよう」と訴えた。
 討論では、関西の教育労働者が9・16橋下打倒闘争への取り組み過程で組合員を拡大したことを報告、「9・16のビラは『これはおれの気持ち』『留飲が下がった』と同僚の心をとらえた。われわれがつくってきた労働運動を多くの労働者が待ち望んでいる」と確信をもって語った。
 外部委託された給食センターの仕事を自治体直営に戻す闘い、医療職場での非正規職化や雇い止めとの闘い、郵政職場での闘いの前進などが報告され、東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長は、解雇撤回闘争の現状と職場での安全闘争の取り組みを明らかにした。
 発言の最後に、国労旭川闘争団の成田昭雄さんが「全国どこへでも駆けつけ1人でも多く11・4集会に組織する」と強い決意を示した。
 最後に高副委員長が「少数が多数を支配する原理は、労働者を差別や格差で分断すること。しかし新自由主義は、そういうものをどんどんなくしている。団結する要因を相手側が与えてくれている。これが情勢負けしないものの見方だ」と発言した。
 港合同・昌一金属支部の木下浩平書記長は、9・29関西青年労働者集会に触れ「発言者の顔ぶれがガラッと変わった。新たな青年層が闘いと団結を求めて結集してきている。確信をもって11・4集会に登り詰める闘いを」とまとめた。
 田中委員長の音頭で団結ガンバローを行い、11・4までの残された期間を全力で奮闘することを誓い合った。
(写真 11・4へ決戦態勢を固めた実行委員会【10月13日 東京】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号2面2)(2012/10/22 )

 田中康宏動労千葉委員長の訴え

 11・4を“組織拡大大会”に

 われわれが力を奪い返した時、間違いなくこの時代は動き始める。そのことに私は絶対的確信を持っています。
 今年の11月労働者集会の性格は、闘う労働運動、階級的労働運動の組織拡大大会です。関西生コン支部がその見本を示してくれています。情勢や職場の困難に負けないで立ち向かうこと、自らの職場から闘いを起こし、団結を拡大し、それをひとつの大きな力に結合して闘う労働運動を復権させる。それが11月集会の目的です。
 国際連帯闘争も大きく発展しています。10・1外注化を巡って、動労千葉のスト期間中ずっと韓国の民主労総ソウル本部が「外注化・非正規化との闘いは全世界の労働者共通の課題だ」と訴えて日本大使館前で闘ってくれた。涙が止まらないぐらいうれしかった。やってきた闘いは間違っていなかったとあらためて確信を持ちました。
 また、去年大闘争を展開したILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル21が組織参加を決定してくれました。ドイツからも機関士労働組合が代表を派遣してくれます。
 反原発、反失業、オスプレイ沖縄配備を巡る闘い、反橋下の闘い、それぞれが、ひとつ火が着けばどこから闘いが燃え上がってもおかしくない現状です。ひとつ欠けているのは、労働組合が力を取り戻すことです。これができたらすべてが生きてくる。力を得て動き出します。それをつくるのが11月集会です。
 情勢も大きく変化しています。

 奈落へと進む資本主義体制

 IMFと世界銀行の年次総会では「世界経済の『負の連鎖』が働き始めた」と言っています。彼ら自身、資本主義は奈落の底に突っ込んでいくと言わざるをえない。領土を巡る衝突もこうした事態を背景に起きている。
 自民党の総裁選では、安倍―石破という極右体制ができました。一方、民主党・連合政権が目の前で崩壊しようとしています。支配階級は、最後の延命の道として究極の新自由主義政策に突っ走る以外にありません。すでに壊れてしまっている社会をさらに崩壊させる。そこに労働者が団結を取り戻すチャンスが生まれる。その条件はもう山ほどできています。

 外注化粉砕できると確信

 外注化阻止闘争へのご支援、本当にありがとうございました。全力で闘い抜きましたが10・1外注化は強行されました。しかし、けっして強がりではなく、こんな攻撃は粉砕できる、その力を労働者・労働組合は持っているということを、これまで以上に固く確信しました。組合員がそのことを教えてくれました。
 千葉では91人が強制出向になり、うち44人が動労千葉組合員でした。9月24日からの出向のための教育訓練に指名ストを配置しました。そうしたら現場の組合員は「職場から逃げているようだ」と納得しない。「東労組や国労の組合員に闘っている姿を見せられる闘争をしなかったらだめじゃねえか」と。国鉄・分割民営化以降、ストに入ると職場から排除されるんです。それで、スト突入時間を決めずに闘いに入った。
 毎日、教育訓練の場に乗り込み「団交も終わってないのに断じて認めない」とわんわん抗議する。やれる限りやり抜いて「業務命令だ」「処分だ」と言われたら、自分で「○時○分、ストライキに入ります」と指名ストに入る。強制出向者の44人は特別な活動家でもなんでもない。県下の各職場では、その日に訓練を受けるのは1人や2人のところもある。この方針を全員が完璧にやりきって「こういう闘いがしたかったんだ」と言うわけです。僕はこれで「勝った」と思いました。
 直前の定期大会で、本部としては「現場が納得するまで1カ月でもストをやるよ。でもストでは決着はつかない。ここまで来たら下請け会社に乗り込んで、こんな外注化を強行したら列車はまともに動かなくなるという状況まで持ち込まなかったら決着はつかない」と決戦段階での方針をどうするのかを投げたら、現場は「本部に任せるよ」と言いながら納得した目つきをしてない。大会が終わってからもう一度議論して決めた方針が波状的ストライキです。

 5日間の波状スト打ち抜く

 10月1日は、朝から職場に乗り込み抗議闘争をやり昼からストに入る。2日昼までストを打ち抜き、もう一回職場に乗り込む。翌日またストに入る。組合員は各職場でものすごい闘いを展開しました。事前の教育訓練を拒否したまま乗り込んだから、当局は就業規則や内規の説明から始めるしかない。就業規則1ページ、内規1ページで3時間も4時間も抗議する。管理者は一言も答えられない。出区が遅れて快速列車が15分遅れたり、ディーゼル機関車の検査ができなかったりで職場はガタガタになりました。
 12年間の闘いの中で、組合員一人ひとりが外注化攻撃の本質、それとの闘いの重要性、さらにどう闘えばいいのかを含め全部自らのものにしていた。今も職場は毎日ガタガタです。見ていて下さい。こんな外注化は必ず粉砕してみせます。

 労働運動復権の展望示す

 もう一度、闘いの原点に返らなければいけないと思っています。国鉄分割・民営化攻撃から始まった新自由主義攻撃のもとで労働組合は後退を続けてきました。だけど、それを言っているだけではだめだというのが外注化反対闘争の原点でした。どうやったらこの情勢の中で闘う労働組合を復権できるのか。それを自らの職場で示したい。こうやって闘えば新自由主義攻撃を跳ね返すことができるし、階級的労働運動の復権は可能だと示したかった。それができなかったら、非正規職撤廃のスローガンや「正規、非正規の連帯」なんてうそになる。
 労働組合は、資本や国家が総力を挙げて攻撃してきた時、それに立ち向かって団結を守り抜くことができる存在なのか否かがずっと問われてきました。たいがいは「そんなこと無理だ」と言われてきた。僕は今回の外注化阻止闘争について「見てくれ! できるじゃないか」と言いたい。確かに外注化はやられた。職場は悔しさと怒りで満ちている。だけど闘いの意志は全然打ち砕かれていない。全然屈していない。労働者はそういう力を持っているんだということを、現場の組合員が教えてくれたんです。
 外注化阻止闘争はこれから第2ステージに入ります。その出陣式が11・4集会です。12年間かかってまだ雇用先を移しただけです。動労千葉をつぶすことも、雇用や賃金の破壊もできなかった。転籍し非正規職化するまであと何年かかるのか。粉砕してみせますよ。
 これからは下請け会社も組織化します。非正規職撤廃と階級的労働運動の復権に向けた新たな挑戦です。外注化・強制出向差し止め訴訟も大勝負になる。外注化・偽装請負を粉砕して業務を本体に戻せたら、少なくとも運転・検修職場では東労組は崩壊する。ここまでやり抜いた時に階級的労働運動復権の姿が具体的に見えてくる。
 あらゆる矛盾が臨界点に来ています。労働者の側がここで踏ん張り切って団結を広げ始めたら間違いなく敵の側が崩れ始める。そういう意味では一番苦しい時かもしれない。でも本当に無限の可能性に満ちた情勢です。

 国鉄改革法の壁うち破ろう

 国鉄分割・民営化から25年、本当に悔しい思いをしながら打ち破れなかったのが国鉄改革法の壁でした。「全員解雇―選別再雇用」というやり方が、すべての労働者に当たり前のようにのしかかる状況を生み出したのが国鉄分割・民営化であり国鉄改革法でした。
 動労千葉鉄建公団訴訟の6・29判決は、その壁を破る一歩手前まで来た。もう一歩進めて、国鉄分割・民営化攻撃に決着をつける新たな闘いを開始したい。東京高裁での「解雇撤回・JR復帰」判決を求める署名運動を開始しました。呼びかけ・賛同がこれまでになく広がっています。
 和解を拒否しともに闘っている国労秋田闘争団の小玉忠憲さんの事件で11日、ひどい高裁判決が出ました。6・29判決への反動です。時効で切った上で、さらに中身に踏み込んで6・29判決が認定したことを全部覆しました。この高裁判決をもう一回覆す。
 この闘いは4・9政治解決でいったんバラバラにされた国鉄闘争支援陣形を、もう一回再団結させる闘いです。つまり、闘う労働運動再結集運動です。11月集会が目指した課題に、重要な柱が具体的な形でもう一本立ったということです。
 今日、関生支部の高さんは「このままでは関生支部の10年後はない」と執行部が訴え、その危機感から組織拡大闘争を決断したと提起しました。われわれが11月集会を軸に進めてきた運動も同じです。このままだったら10年後はない。だけど情勢は僕らに無限の可能性を与えている。ここでやり抜き、時代を変え、未来をつかみとる。今年の11・4労働者集会を、その出発点にしましょう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号2面3)(2012/10/22 )

 鉄道運輸機構訴訟 高裁判決に反撃を

 外注化阻止決戦に恐怖 6・29判決の転覆が狙い

 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟につき、東京高裁第14民事部(設楽隆一裁判長)は10月11日、控訴棄却の反動判決を出した。この判決は、動労千葉鉄建公団訴訟の一審判決(6・29判決)を徹底的に意識し、その内容をことごとく覆した極悪の反動判決だ。
 08年3月に出された鉄道運輸機構訴訟の一審判決は、国鉄清算事業団による90年4月の解雇を有効とし、JRに採用されたら得られたはずの賃金相当額の損害賠償請求についても、消滅時効を盾に全面的に切り捨てた。
 これに対し、小玉さんは控訴して闘ってきた。10年の4・9政治和解で小玉さん以外の原告は訴訟を取り下げたが、小玉さんは闘争を継続した。その小玉さんに、東京高裁は階級的憎悪もあらわに超反動判決を振り下ろしてきたのだ。

 不採用基準を合理的と強弁

 動労千葉鉄建公団訴訟の6・29判決は、「停職6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者はJR採用候補者名簿に記載しない」という不採用基準により動労千葉組合員をJR不採用とした国鉄の行為を、不当労働行為と明確に認定した。
 小玉さんも同様に、不採用基準によってJR不採用とされた。だから、小玉さんのJR不採用も当然、不当労働行為となるはずだ。
 だが、今回の控訴審判決(設楽判決)は、不採用基準について「基準として客観的かつ明確なもの」「相応の合理性がある」とし、「停職処分を2回以上受けるということは重い非違行為を繰り返しているといえるのであるから、これらに該当する者を原則として採用に適さない者とする判断は常識にかなっている」とまで言い放っている。6・29判決を真っ向から否定してきたのだ。
 だが、小玉さんに対する停職処分は、雪のためわずか数分遅刻したことや、点呼の場であからさまに国労脱退を迫る管理者に抗議したことなどを口実とする、まったく不当なものだった。
 設楽判決は、処分の不当性を意識して、「処分事由を個別に分断して見れば、一見比較的軽微な非違行為と見られなくもない」と言っている。ところが判決は一転して、「当時の国鉄及びその職場を取り巻く状況をみると、職場規律の乱れがつとに指摘され……臨時行政調査会の答申や閣議決定においても職場規律の確立等が強く求められており……規律の順守が厳しく求められる状況にあった」から、厳しい処分も「やむを得ない」と決めつけたのだ。許しがたいことに判決は、「職場規律軽視の態度は相当に根深いもの」と小玉さんを非難してさえいる。
 判決はまた、損害賠償請求も消滅時効で否定した。ここでも、JR職員としての賃金相当額の損害賠償を命じた6・29判決は覆されている。
 6・29判決やこれまでの国労闘争団の鉄建公団訴訟判決は、「JRに法的責任なし」を確定させた03年12月の最高裁判決までは、JR不採用という不法行為の加害者はJRか国鉄かは判然としなかったとして、鉄道運輸機構側の時効に関する主張を退けている。ところが設楽判決は、国労秋田地本幹部により小玉さんの労働委員会への申し立てが妨げられ不可能とされた事情をことさらにあげつらい、権利行使をしていないから、損害賠償請求権は時効で消滅したと決めつけている。
 JR外注化阻止決戦はJRだけでなく全資本家を震え上がらせた。その外注化阻止決戦をたたき伏せ、6・29判決の取り戻しを図るために、設楽判決は出されたのだ。

 11・4大結集が労働者の回答

 国鉄分割・民営化は「国鉄の職場規律は乱れきっている」という支配階級とマスコミの大合唱のもとに強行された。だが「職場規律の乱れ」とは、労働者が職場を支配して大合理化などを貫徹させない状態のことだ。
 今、JRが強行した検修業務の外注化により、指揮命令系統は破壊され、外注会社は作業手順すら分からず、職場は混乱に次ぐ混乱を重ねている。およそ「職場規律」など問題にならない状態を、JR資本は自らつくり出してしまったのだ。偽装請負などの違法行為が無抵抗でまかり通ると夢想したJRの無謀な施策こそ、この大破綻を生み出した原因だ。
 だから司法権力は、日本帝国主義の最後の番犬としての姿をあらわにし、設楽判決で「職場規律を確立せよ」と絶叫した。だが、それは支配を貫徹できない支配階級の絶望的悲鳴でしかない。
 外注化阻止決戦をさらに徹底的に闘い抜き、動労千葉鉄建公団訴訟の「解雇撤回・JR復帰を求めるための署名」を武器に11・4労働者集会への万余の結集をかちとることこそ、勝利の道だ。

 解雇撤回への闘志たぎらせ

 判決当日、小玉さんを先頭に「共に闘う国労の会」は、東京高裁とJR東日本本社前での宣伝行動を貫徹、1047名解雇撤回・外注化阻止の戦闘意志をたたきつけた。
 法廷で設楽裁判長は「本件控訴を棄却する」と主文だけを読み上げて、そそくさと逃げ去った。その背に傍聴席から激しい怒りの声が浴びせられた。
 判決後の総括集会で小玉さんは、「判決は労働者には何の説得力もない政治的作文だ。われわれの闘いへの恐怖の表れだ」と喝破、「これで参ると思ったら大間違いだ。現場の闘いをつくり反撃することが回答だ」と宣言した。
 超反動判決への怒りをばねに、11・4集会に向けてさらに奮闘しよう。
(写真 判決を前に東京高裁に向けてこぶしを突き上げる小玉忠憲さんと支援者【10月11日】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号2面4)(2012/10/22 )

 秋田 “JR・鉄運機構攻める”

 極悪判決に怒り決起集会

 10月14日、40人が結集して秋田市ジョイナスで「国鉄1047名の解雇撤回!外注化阻止・非正規職撤廃!すべての原発をなくそう!秋田総決起集会」(写真)が開かれ、デモ行進が戦闘的にかちとられた。
 7月国労全国大会闘争のDVDが上映され、独自集会や伊東市民に大歓迎されたデモの映像が映し出されて闘う機運がみなぎる中、「ともに闘う秋田の会」共同代表のKさんが、「『前進』の記事を読み、小玉忠憲さんの強い思いや原動力を共有した。不当な解雇に至る事実を人びとに徹底的に明らかにすれば、必ず勝てる」と力強く開会のあいさつを行った。
 基調報告に立った国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは、「10月11日の鉄道運輸機構訴訟高裁判決は独断解釈で書きなぐった極悪の政治的作文だ。勝利に向かって闘い抜く私と、ともに闘う国労組合員・支援共闘の団結は強固で不動。追いつめられているのは国家とJR資本であり、あらゆる方法でJRと鉄運機構を攻めまくる」と不退転の決意を表明した。
 さらに「世界中の労働者階級がゼネストに決起している。社会の再生産構造すら破壊してやまない新自由主義に今こそ断を下そう。動労千葉の検修外注化阻止のストライキ、動労水戸の被曝労働絶対反対と組織拡大の闘いは、JR東日本―全国を揺るがしている。外注化阻止と国鉄1047名闘争こそ闘う労働運動をよみがえらせ、反原発闘争の勝利を土台で支える最先端の攻防だ。11・4に1万人が結集したらこんな社会は変えられる」と熱く訴えた。
 特別報告の第一は、鉄道運輸機構訴訟主任代理人の藤田正人弁護士。「10・11判決は、動労千葉の6・29判決を覆そうとあがく極悪の判決だ。法廷外での、職場・地域・街頭での攻めの闘いが重要だ。敵は外注化阻止闘争の広がりを恐れている。11・4の大成功を」と呼びかけた。
 特別報告の第二は、福島診療所建設委員会事務局。福島県の県民健康管理調査についての検討委員会の秘密会合で、子どもの甲状腺がんの発生と原発事故との因果関係はないとの見解を確認し、シナリオを作っていた山下俊一らの殺人行為を弾劾した。そして、「避難しようにも避難できない母親・子どもたちが集い、福島でともに生きることを語り問い直す場として診療所が切実に求められている。さまざまな妨害があっても、この秋、断固として診療を開始する。一層の御協力を」と訴え、全参加者の魂を揺さぶった。
 新潟、宮城、福島からの連帯あいさつに続き、青森からは10月19日の八戸集会と大間原発を撃つ20〜21日のツアーへの結集が呼びかけられた。
 集会後のデモ行進は、軽快なリズムコールで秋田駅前を一周、総団結で11・4集会に攻め上ることを誓い合った。
 (投稿 秋田・TK)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号3面1)(2012/10/22 )

 世界から闘う労組が訪日

 新自由主義と闘う11・4国際連帯

 世界大恐慌下、「外注化阻止・非正規職撤廃!」をメインスローガンに開催される11・4全国労働者集会には、日本国内のみならず、韓国、アメリカ、ドイツから、自らの職場・地域で資本の新自由主義攻撃と闘いぬいている労働組合・労働者がやって来る。11月3日には千葉市内で労働者国際連帯集会も開かれる。11・3−4へ、全力で結集しよう。(編集局)

 韓国 民主労総ソウル本部 動労千葉スト支持で決起

 動労千葉、動労水戸、動労総連合が総力で立ち上がった10・1JR外注化阻止決戦――この闘いを支持し連帯する感動的な決起が、民主労総ソウル本部によって取り組まれた。
 9月27日、イジェウン本部長以下、30人を超える組合員が「動労千葉のストライキ闘争を民主労総ソウル本部が支持し連帯します」の大横断幕を広げて、ソウルの日本大使館前で日本政府に対して「非正規職の量産を無視・強要する日本政府糾弾! 日本政府はJR外注化政策を即刻中断せよ! 1047名解雇撤回!」と要求した。さらに翌28日から10月1日まで、動労千葉を支援する現場活動家が連日、日本大使館前でリレー形式の1人デモを闘いぬいた。
 この連帯行動に動労千葉の田中康宏委員長は「涙が止まらないぐらいうれしかった」と語った。03年以来10年にわたって築き上げてきたソウル本部との交流が、民営化・外注化阻止の共同闘争を実現したのだ。まさにイジェウン本部長のメッセージにあるように「労働者は一つだ!」であり、「韓日労働者の団結と連帯で外注化阻止闘争に必ず勝利」する道が切り開かれたのだ。
(写真 10・27ストに向け全国鉄道労組5000人が総力決意大会。組合員が掲げるプラカードは「鉄道資産強奪阻止」【10月13日 ソウル駅前】)

 ◆全国鉄道労組がスト

 27日の日本大使館前には全国鉄道労組のパクテマン首席副委員長も駆けつけ、マイクを握ってKTX(韓国高速鉄道)の民営化阻止闘争を動労千葉とともに闘うことをアピールした。
 韓国でも民営化・外注化阻止が緊急課題となっている。12月大統領選を前にイミョンバク政権の新自由主義攻撃が激しく展開されているのだ。
 来る10月27日、全国鉄道労組はKTX民営化阻止を掲げ、全面ストライキに突入する構えだ。すでに同労組は9月25〜27日、「KTX民営化阻止と賃金団体協議戦取のための組合員総投票」を実施し、76・6%の賛成でスト権を確立。10月13日には組合員5千人がソウル駅前に集まり、鉄道資産回収および民営化撤回、賃金団体協議勝利のための第5次総力決意大会を開いた。
 10・27鉄道労組スト突入とともに公共運輸労組・公共運輸連盟が10月総決起闘争を始める。鉄道労組ストを皮切りに、11月には韓国ガス公社支部、全国社会保険支部、国民年金公団支部や学校非正規職労働者のストライキが計画されている。
 10月31日にはソウル中心部で3万人規模の「公共部門労働者総決起闘争」が開かれる。
 11・4日比谷から11・11ソウル・民主労総労働者大会へ、動労千葉とともに二つの11月、外注化阻止、非正規職撤廃の日韓連帯行動を闘おう!

 アメリカ ILWUローカル21 TPP=労組破壊と激突

 今年アメリカからILWUローカル21(国際港湾倉庫労組第21支部)の組合員で、ロングビュー一帯の諸労組の連合体である労組評議会の議長、カイル・マッキーさんらが、11・3、4集会に参加する。
 組合員220人のローカル21は、昨年来、全米の労働運動の焦点になっている。職場丸ごと団結し、資本と政府の労組破壊攻撃の最前線で闘いぬいたからだ。
(写真 ILWUローカル21と連帯し3万人がオークランド港を占拠・封鎖【昨年11月2日】)

 ◆港湾荷役を外注化

 数年前から建設計画が始まっていた巨大穀物輸出ターミナルの会社EGT(穀物輸出ターミナル)は、昨年、ターミナルの荷役作業の外注化を決定した。80年間もワシントン州ロングビューの港湾で働いてきたILWUローカル21の組合員を排除することだけが目的の外注化=偽装請負だ。
 ローカル21は自分たちの職場への攻撃を、全港湾への攻撃、そして労働者階級全体への攻撃と受け止め、支部丸ごとの大反撃に打って出た。穀物搬入阻止のために家族も線路を占拠して闘った。近隣の支部からは組合員が大挙かけつけた。
 この闘いは、他産業を含む全労働者の圧倒的な共感を呼び、オキュパイ運動が呼びかけたローカル21連帯・オークランド港占拠封鎖行動には3万人が参加した。
 オバマ政権は、軍の一部である沿岸警備隊まで動員し、ローカル21の闘いを弾圧しようとした。
 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)は、アメリカ帝国主義の対外的な争闘戦の戦略であると同時に、国内の労組破壊の戦略だ。
 新自由主義は30年以上かけて、労働法を改悪してきた。だがTPPは、個々の条項の改悪ではなく、労働法を事実上丸ごとスクラップにすることを狙っている。「国際条約は国内法に優先する」という理屈を使って、国内法をTPPの条文に置き換えてしまうのだ。
 EGTは、このTPPのためにつくられた企業だ。EGTはバンジー(3大穀物商社の一つ)、伊藤忠(日本の7大商社の一つ)、STX(韓国の海運会社)の3資本の合弁によってつくられた。

 ◆連帯・団結を重視し

 この資本と国家の総力を挙げた攻撃に体制内化した労働組合幹部は屈服しているが、ローカル21は”連帯・団結を闘いで守りぬく”というILWU労働運動を体現して闘いぬいている。ILWUは50年代の激しい「赤狩り」の弾圧の渦中で開かれた大会で「連帯(団結)が法律や労働協約より優先する」という「10の指導原則」を打ち立てた。08年には「イラク戦争反対」で米西海岸の全港湾を閉鎖した。
 ILWUローカル21とともに闘い、ともに勝利しよう!

 ドイツ 機関士労組の仲間たち 鉄道民営化に反対し行動

 ドイツとの国際連帯は2012年、飛躍的な発展をとげている。エテコン(財団法人・経済と倫理)訪日と共同闘争(6月)、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部の訪日と動労千葉国際連帯委員会・NAZEN・医師・福島の仲間との友好的討議(8月)など。特に8・6広島を前後して、ドイツ反核運動の最強のとりでであるゴアレーベン核廃棄物処分場反対同盟からの参加があり、熱烈な日独共同闘争となった。
(写真 今年のメーデーデモを闘う「ベルリン都市鉄道の民営化に反対する行動委員会」)

 ◆スト共和国の原動力

 今年の11月集会には、ドイツ機関士労組(GDL)に所属する仲間が参加を表明している。GDLは、ドイツ鉄道(DBB=連邦政府の持ち株会社数社の連合体)の鉄道運転士、車掌の7割以上を組織し、組合員数は3万4千人。同労組は、新自由主義による実質賃金の低下、労働者の分断攻撃などに真っ向から対決し、2007〜08年、ドイツ全土を揺るがす数波の大ストライキ闘争を闘い、「ストライキ共和国ドイツ」を実現する原動力となった。
 ベルリンでは今、「都市鉄道」(ベルリンと周辺都市間を結ぶ鉄道網)を民営化する計画が推し進められているが、これに反対する鉄道労働者が、GDLを始め組合を超えて広範な「ベルリン都市鉄道の民営化に反対する行動委員会」をつくって闘っている。

 ◆国鉄集会に連帯声明

 彼らとの国際連帯は、昨年8月の動労千葉国際連帯委員会と全学連の訪独以来のことであり、今年のメーデーと6・10国鉄集会では心温まる連帯声明の交換にまで発展した。6・10集会への連帯アピールを紹介します。
 「現在、ドイツ連邦政府・ベルリン州政府・ドイツ鉄道は、伝統的なベルリン都市鉄道を破壊し民営化するプランを進めていますが、私たちはこれに対して闘っています。私たちは、全職場を守るために闘うとともに、ベルリン都市鉄道再建に向けた緊急プログラムを2017年までに実施させるために闘っています。
 私たちは、旧日本国有鉄道の破壊と民営化に対して、みなさんがすでに数十年間にわたって闘いぬいてきたことについて、重大な関心をもって注目してきました。
 私たちは、みなさんの要求とスローガンに全面的な支持を表明します。
 国鉄の分割・民営化反対! 国鉄1047名解雇撤回! 闘う労働組合の復権を! 新自由主義と闘う労働組合の全世界的ネットワークを形成しよう!」
 11月集会に参加するのは、この行動委員会に結集するGDLの仲間だ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号3面2)(2012/10/22 )

 首都圏青年労働者集会 非正規職撤廃の総反乱へ

 JR・郵政の青年を先頭に

 「組織拡大して外注化を粉砕する」。10・1外注化阻止決戦を闘い抜いたJRの青年労働者はこう戦闘宣言を発した。10月14日に千葉市で開かれた首都圏青年労働者集会は、JRを先頭に全産別から外注化阻止・非正規職撤廃・解雇撤回の青年労働者の総反乱を開始する熱気あふれる集会としてかちとられた。

 組織拡大で外注化止める

 集会冒頭に全学連の斎藤郁真委員長が連帯あいさつを行った。
 精研労組青年部書記長が基調を提起(要旨別掲)し、10・1外注化阻止決戦の勝利を高らかに宣言した。この勝利を巨万の労働組合の決起に結びつけていくのが11・4労働者集会だ。その先頭に青年労働者が立つことを、参加した200人全員が固く決意した。
 基調提起を受けて、JR青年労働者4人が拍手の渦の中を登壇し、外注化強行に対する戦闘宣言を発した。
 この決戦のさなかに東労組と決別し動労水戸に結集した運手士が発言し、加入の理由を次のように述べた。「労働者を守るのが労働組合だとずっと腹の中にあった。ライフサイクルの時も、東労組本部と会社で話が進んで、僕は非常に悔しかった。その思いを検修職場のみなさんに味わわせたくなかった」
 この日、動労水戸に結集して1年を迎えた青年は、外注化の強行で業務が破綻してもなんの責任も取らないJR資本を徹底弾劾し、「現場はみんな怒っている。動労水戸の先輩たちが25年以上も闘い続けてきた。それを引き継いでわれわれも闘う。非正規職をなくさなければ労働者は生きていけない」と力強く決意を表明。さらに「私も動労水戸への加入は悩んだが、それをのりこえたからこそ今、楽しくやれている。職場ではみんな暗い顔で仕事をしている。これで安全な仕事ができるのか。それを変えられるのは動労水戸、動労千葉、闘う労働組合だ」と自信をもって訴えた。
 動労千葉青年部は「千葉鉄道サービスから『今まで通り業務をやってくれればいい』と言われたが、指揮命令系統がすべて変わった中で『自分たちは今まで通りにできない』と当たり前のことを言って闘っている。業務は回らなくなった。外注化を止めるために組織拡大で頑張ります」と徹底した職場抵抗闘争で闘う決意を明らかにした。
 もう一人の青年部員も、外注化でまともに電車が運行されなくなったことを指摘し、「やっぱり闘う労働組合にみんなが結集するしかない」と確信を深めた。青年の決起にJR資本は完全に追いつめられているのだ。
 続いて強制出向差し止め集団訴訟主任代理人の青年弁護士・石田亮さんが発言。さらに国労闘争団の成田昭雄さんが国鉄1047名解雇撤回のアピールを行った。長期にわたる闘争団の闘いの歴史は青年の心を強烈にとらえた。また東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会の鈴木善弘さんが非正規職撤廃へともに闘う決意を述べた。

 正規・非正規の分断超え決起

 後半は各職場の闘いの報告だ。JR青年労働者の渾身(こんしん)の決起と一体になった闘いが、各職場でも爆発的に始まっている。
 まず郵政の正規職、非正規職の青年労働者が団結旗を持って全員登壇。郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長が「僕ら非正規職労働者は奪われるものは命と誇りしかないんです。でも僕たちは命も誇りも資本に渡すつもりはない」と熱烈にアピールした。団結破壊のための不当配転と闘う労働者は「絶対反対を組合全体の闘いにする」と宣言。非正規職の労働者は「人が足りず死亡事故が起きている。職場は『死人が何人出るのか。明日はおれか、隣のやつか』という状態だ」「(上司のパワハラを受けたが)僕らは当局に魂を売ることはありません」と闘志をたぎらせた。
 自治体、金属、医療・福祉産別でも外注化・非正規職化との闘いが職場で前進している。合同労組では、非正規職労働者が生き抜くために立ち上がっている。ちば合同労組は青年部を結成した。東京東部ユニオンの仲間は、自身の解雇撤回署名を1千筆集めた。東京西部ユニオン青年部の仲間は、分会を立ち上げ解雇撤回をかちとり職場に団結を拡大している。
 10・1JR外注化阻止決戦は、新自由主義を打ち倒す青年労働者の巨大な反乱とその指導部を生み出した。この労組復権のうねりを11・4労働者集会に向かって全国に拡大しよう!

 基調提起(要旨)

 10・1外注化阻止決戦は勝利した! 国鉄分割・民営化以来、資本とJR東労組という御用組合の支配を根底からひっくり返す平成採の大反乱が開始された。さらにJRを先頭に、あらゆる職場で外注化・非正規職化に対する闘いが拡大し、「世論二分情勢」をつくりだしている。
 この闘いは国境をも越えた。まさに外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは、全労働者を獲得し、資本を追いつめる攻勢的闘いだ。外注化・非正規職化と原発の継続で生き延びようとする野田政権と資本家を許さない! 非正規職では生きていけないという青年労働者の怒りを大爆発させよう。
 そのためにも「労働組合に結集し、労働組合に責任を取る」という立場に立とう。労働者の闘いの前進のためにやるべきことをやる。絶対に逃げ出さない。「労働組合をやる」とは労働者の人生を背負うことだからだ。
 勝利の展望は、国鉄分割・民営化に決着をつけること。その核心は国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利にある。6・29動労千葉鉄建公団訴訟判決では「JR不採用は不当労働行為」をついに認めさせた。これを武器に、11・4集会のチケットと自分の職場の闘いをもって地域の労組を回り、外注化阻止・非正規職撤廃・解雇撤回で闘う労働組合の巨大なネットワークをつくり出そう。青年こそが先頭に立とう。
(写真 10・1外注化阻止決戦を白熱的に闘い抜いたJRの青年労働者が登壇。「組織拡大して外注化を粉砕する」と戦闘宣言を発した【10月14日 千葉市】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号3面3)(2012/10/22 )

 都人勧 8年連続の賃下げ

 11・4でスト闘える団結を

 東京都人事委員会は10月12日、職員の給与に関する勧告を出した。例月級を8年連続で引き下げる許し難い賃下げ勧告だ。勧告は、都職員の給与は民間給与より0・32%、月額1336円高いとして、その是正を図ると強弁している。
 賃下げの柱は、住居手当の改悪だ。これまでは、都の職員住宅に住んでいる人を除き、扶養親族の有無や自宅か借家かを問わず、世帯主であれば8500円の住居手当が払われていた。それを改め、35歳未満で借家に住み、月1万5千円以上の家賃を払い、かつ世帯主である人に限って、月額1万5千円の住居手当を支給するという。
 勧告はこの改悪を「有為な人材を確保する」ためとし、青年層への優遇策のように押し出している。だが、新たな住居手当の条件に当てはまる労働者は、従来の支給対象者の16%ほどだ。「1万5千円への手当アップ」は見せ金にすぎない。大多数の労働者にとっては月8500円、年10万2千円もの大幅賃下げになるのだ。
 勧告はこの賃下げを「都民の理解と納得を得るため」と言う。理不尽な公務員バッシングの矢面に労働者を立たせようとしているのだ。
 勧告は、住居手当の減額によって捻出した原資の一部を基本給に上乗せし、平均給与削減幅を0・32%に調整するとしているが、給与の上乗せ幅は上級職ほど厚い。この措置について勧告は「職責・能力・業績の給与への反映を一層徹底する」と言い放っている。競争をあおり、労働者をとことん分断することが狙われている。
 勧告はまた、「時代の要請に応える給与制度の構築に向けて、今後とも、不断の取組を推進していかなければならない」と言い、賃金体系の抜本的な改悪の意図をあらわにした。大阪市長・橋下と連携する都知事・石原のもと、これが業務の民間委託をテコとした公務員の大量解雇・非正規職化の攻撃に向かっていくことは間違いない。
 毎年繰り返されてきた賃下げにより、10年前と比べて都職員の賃金は年間約80万円も引き下げられている。もう我慢の限界だ。今こそストライキで反撃に立つ時だ。
 動労千葉・動労水戸はJRの検査・修繕業務外注化に対しストライキと果敢な職場抵抗闘争を貫き、外注化を大破綻に追い込んでいる。反原発の20万人の決起が巻き起こるこの時代、公務員労働者が決然とストに立てば必ず圧倒的な労働者の共感を得ることができる。闘わなければ公務員攻撃にのめり込む石原や橋下を増長させるだけだ。
 11・4労働者集会に結集し、ストを闘える労組の団結を取り戻そう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号4面1)(2012/10/22 )

 さようなら原発in日比谷

 福島と大間から怒りの訴え

 組合旗なびかせ6500人がデモ

(写真 呼びかけ人と発言者を先頭に東電本店前、銀座をデモ)
 10月13日午後、「さようなら原発」1000万署名市民の会主催のさようなら原発集会in日比谷が東京・日比谷野外音楽堂で行われた。会場には、組合旗を押し立て駆けつけた自治体や教労などの労働組合を中心に6500人が結集し、集会後、東京電力本店前、銀座などを力強くデモ行進した。
 450人のNAZENの隊列の先頭には、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表世話人の佐藤幸子さん、ふくしま合同労組委員長の市川潤子さんが立った。青年労働者や全学連の学生を始めとする部隊は「ふくしま返せ!」「大間原発建設止めろ!」のコールをとどろかせた。

 再稼働・被曝強制に怒り

 オープニングコンサートに続き、午後2時から集会が始まった。呼びかけ人でルポライターの鎌田慧さんが主催者あいさつを行い、「今札幌で1万2千人の集会が行われている。原発に反対する運動はどんどん広がっている。再稼働は認めない。原発は絶対につぶす。被曝労働者をこれ以上つくらない」と述べた。同じく呼びかけ人で作家の落合恵子さんのメッセージが紹介された。「私たちの反原発の意志を思い知らせてやりましょう」。「訴え1」として東大大学院教授の高橋哲哉さんが「政府が原発維持に向かっていることに怒りを禁じえない。沖縄へのオスプレイ配備も同様だ」と弾劾し、「この国を、人の命と尊厳を大事にするものに変えていきたい」と語った。
 大きな拍手に迎えられ、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの森園かずえさんが登壇した。森園さんは「福島原発告訴団の告訴人になってほしい。ふくしま集団疎開裁判を知り、広げてほしい」と訴え「原発事故子ども被災者支援法が成立した」と報告した。そして「福島ではこの夏、昆虫の姿が見えなくなった。そんな中、郡山市ではマラソン大会やビール祭りが行われ、先日は霧雨が降る中で子どもたちが太鼓をたたきながら、おみこしを引いていた」と住民や子どもが被曝を強制されている現実を暴露。「どんなに『安全・安心キャンペーン』を張られても放射能への恐怖は消えない。福島第一原発で収束作業に当たっている労働者のことを絶対に忘れないでほしい」と切々と訴え、「原発はもう造っても再稼働してもいけない。皆さんと一緒に進んでいきたい」と心の底から叫びを発した。
 青森県大間から駆けつけた小笠原厚子さんが緊急アピールを行った。小笠原さんは、母親の故熊谷あさ子さんとともに大間原発建設反対に立ち上がり、強制収用から土地を守るためにログハウスを建てた。熊谷さん亡き後、小笠原さんはこの家を「あさこはうす」と名付け、守り続けている。
 小笠原さんは、「母は数々のいじめや嫌がらせに屈せず工事を14回も止め、原発を建設させなかった。原子炉の建設予定位置を200bも移動させ、工事計画を白紙に戻させて、再計画させた。稼働の予定を2年延期させた」と激しい闘いの歴史を振り返った。「政府は『再稼働はしない。新規増設は認めない』と言った。政府はうそつきだ」と大間原発の工事再開を弾劾し、「子どもたちが安心して生活できる国にしましょう」と呼びかけた。
 「訴え2」を呼びかけ人で作家の大江健三郎さんが行い、「私たちは原発をなくす決心を表明し続けている。私たちの反原発への行進は希望をつくるということ。頑張りましょう」と語った。閉会のあいさつを城南信用金庫理事長の吉原毅さんが行った。
(写真 自治体・教労を始め労働者が多数結集し日比谷野音を埋め尽くした【10月13日】

 闘う労働組合つくり勝利を

 野田政権と経団連は、一方で「すべての原発を今すぐなくせ!」の声が首相官邸前から全国へと拡大していることに追い詰められながらも、しゃにむに原発政策推進に突き進んでいる。10月1日、3・11で中断していた大間原発の工事を再開した。福島県民健康管理調査の検討委員会の「秘密会」を開き、「子どもの甲状腺がん発生と原発事故に因果関係はない」と強弁した。野田や資本家どもを絶対に打倒し、原発をなくそう!
 JR東日本の10・1外注化攻撃に対して、動労千葉や動労水戸が先頭に立って闘い、外注化阻止・非正規職撤廃闘争の勝利的地平を押し開いた。全労働者階級の心に響く闘いだ。動労水戸は被曝労働拒否のストライキも何度も闘い、労働組合として反原発闘争の先頭に立っている。
 動労千葉や動労水戸のような闘う労働組合を全国のあらゆる産別につくり出し、ストライキなどを駆使して闘うことこそ、反原発闘争を一層巨大に発展させ日帝を実力で打倒し原発をなくす道だ。11・4労働者集会はそのための集会だ。全国から集まり、大成功させよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号4面2)(2012/10/22 )

 10・12官邸前 “大間建設やめろ”

 伊方再稼働反対コールも

 「大間造るな!」「大間やめろ!」。激しいコールが何度何度も繰り返された。10月12日、首相官邸前一帯では大間原発建設工事再開への怒りが噴出した。「大間原発造るな」のさまざまなプラカードが掲げられた。
 コールがやみ、大間で不屈に反対を貫いている小笠原厚子さんがマイクを握った。「大間原発は世界で一番危険な原発です。子どもたちが安心して生活できるようにするのは大人の責任です。皆さん、大間原発の建設を一緒に止めましょう」と世界で唯一フルMOX燃料を使う危険な大間原発の建設再開を弾劾した。
 官邸前行動には、再稼働が狙われている伊方原発がある愛媛県からも2人の女性が参加し「命を犠牲にする原発はいらない。松山では毎週金曜日、県庁前で中村知事に『原発いらない!』と抗議をしている」と報告。官邸前に集まった全員が一斉に「伊方原発いらない!」「伊方原発再稼働反対!」と連呼した。
 「大間やめろ! 再建設だまされない!」の手作りのプラカードを掲げて参加した男性は「2030年代までに原発をゼロにするというのは見え見えのうそだ。政府は大間原発建設再開で原発政策を推進しようとしている。以前は職場では原発の話はできなかったが、今は同僚とも『原発の再稼働はおかしい』と話すようになった。みんなで反対に立ち上がろう」と語った。
 10月10日には、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会が呼びかけて、大間原発の建設主体である電源開発(Jパワー)本社に対する抗議行動が行われた。青森・大間現地や、津軽海峡をはさんだ北海道函館市などでも反対運動が高まりつつある。大間・函館―全国の闘いで大間原発建設を阻止しよう。いかなる原発の再稼働も許すな。
 12日の闘いは国会前でも闘いぬかれ、さらに闘いの炎は自民党本部前にも拡大した。
 ふくしま集団疎開裁判の会の人たちの抗議行動と裁判支援を訴える活動も文科省前と財務省近くで行われ、多くの人が参加した。
(写真 首相官邸前で発言する小笠原厚子さん【10月12日】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号4面3)(2012/10/22 )

 公共サービス研究会が狙うもの

 自治体業務の大半を外注化

 “下請け会社”をつくり転籍

 政府と自治体が規制突破へ連携

 10・1JR外注化阻止決戦の爆発は、全産別・全職場での外注化阻止・非正規職撤廃決戦突入の号砲となると同時に、労働運動再生の展望と11・4労働者集会への万余の結集の意義を明々と示している。
 復興特区と橋下・維新の会を突撃隊とする道州制=自治体丸ごと民営化・労組破壊の大攻撃は、現業一掃攻撃と並んで、税・福祉・戸籍窓口など自治体業務の大半、9割の公務員の下請け会社への退職出向・転籍、総非正規職化の攻撃として全国化しようとしている。公務員全員解雇攻撃との全面激突が始まったのだ。
 東京都足立区は、自治体の窓口業務や国保、戸籍など、専門定型業務の外部委託の手法を自治体連携で構築する「日本公共サービス研究会」を創設。7月27日の第1回会合では、38都道府県から152自治体が参加し、総務省や内閣府も出席、御用学者や全国の自治体からの報告が行われた。
 内閣府は、民営化推進のための「地方公共団体との研究会」を主導。昨年2月には、大阪市、足立区、柏市の担当者が「新たに公共サービス改革が見込める分野等について」の報告を行った。その中で柏市は、偽装請負問題の争議化で転換を余儀なくされた英語指導講師委託事業(ALT)の失敗事例の報告を行った。足立区はそれに呼応する形で「公務員の非流動性」や偽装請負問題など現行公共サービス改革法の限界をあげた。すでに職員定数を83年の6200人から3600人に減らし最終的には半分以下の3千人にするとしたうえで、“もはや現業の民営化・外注化など現行法の枠内でやれることはやり尽くした”と、現状のボランティアやNPOとの連携にとどまらない「高度ワークシェアリング・次世代アウトソーシング」を提唱した。また地方自治法や地方税法、公権力行使規制や個人情報保護規制、生活保護法などの法規制除外の特例措置を求めた。さらに公社・第3セクターを廃止し、複数自治体が出資し株式公開をめざす「行政ワークシェアリング会社」の設立や、現行では正規職員しか行えない自治体事務を民間・非正規職に担わせるための資格検定・職能評価制度の創設などを主張した。
 攻撃の核心は、自治体実務のほとんどを受け皿会社に全面外注化し、「偽装請負を避ける」ために専門知識を持つ自治体職員を退職出向・転籍=全員解雇・非正規職化させるということだ。その手口は、JR東日本の全面外注化・非正規職化攻撃とまったく同じだ。

 JRと同じ手口で偽装請負隠し

 足立区は報告の中で、人件費削減と雇用創出、「官製ワーキングプア」問題の解決、株式公開・売却益、業務展開による自治体財政への寄与をうたい、行政ノウハウの活用事例として東京都水ビジネス(東京水道サービス株式会社)や刑務所業務民間委託(株式会社プリズン)をあげた。
 しかし、自治体業務総体の株式会社化がもたらすものは、全労働者の雇用・賃金破壊、そして社会総体の破壊だ。すでに自治体職場では、3・11大震災以来「復興」の名で最大級の業務を強いられている被災地をはじめ、大量の人員削減と非正規職導入のもとで病休・公務災害(労災)が続出する過重労働が常態化している。それに加えて資本の論理がむき出しの究極の新自由主義攻撃が「高度ワークシェアリング・次世代アウトソーシング」の名で主張されている。

 11・4大結集の力で決戦勝利へ

 こんな理不尽でデタラメな攻撃は、労働組合が屈服・協力しない限りありえない。橋下打倒の闘いが示しているように、絶対反対で闘う方針こそが必要なのだ。
 動労千葉や動労水戸のJR外注化阻止の壮絶な闘いが実証しているように、労働組合として絶対反対で闘えば必ずや打ち破ることができる。業務を動かしているのは職制ではない。現場の労働者だ。労働者が労働組合に団結して闘うなら、当局・資本から職場支配権を奪い返し、社会全体すらわがものとすることができるのだ。
 ある自治体の民間・非正規職労働者は労働組合をつくって資本と対決し、民営化絶対反対・非正規職撤廃、直営に戻すことを求めて闘っている。そのとき自治労本部派遣のオルグは“今どき民営化反対とか直営に戻せとかではない。同一(価値)労働同一賃金論に基づき、正規と非正規の賃金シェアを求めるべき”などと異を唱え、当該の怒りの前に粉砕された。自治労本部徳永秀昭委員長の「正規と非正規の賃金シェアによる非正規職の処遇改善」なる主張は、内閣府や足立区の目指す全面外注化による全員解雇・非正規職化と完全に一体であり、それが現場の怒りで吹っ飛ばされたということだ。
 すべては労働組合の問題だ。職場をめぐる外注化阻止・非正規職撤廃の決戦をもって闘う労働組合をよみがえらせよう。
 11・4集会への職場からの大結集は決戦勝利の絶対的な課題となった。11・4は、外注化阻止・非正規職撤廃を闘う全世界の労働者の出陣式となる集会だ。そこに職場の仲間をどれだけ組織できるかだ。一切を組織拡大闘争として闘い抜こう。
 (大迫達志)
 -----------------------------------------

●足立区・21世紀生活創造特区構想
・自治体の外郭団体を株式会社化、5〜7年後に株式公開を行い外郭団体の自立と売却益収入
・設立初期の段階では自治体の係長クラスの優良実務経験者をスーパーバイザー的に積極的に受け入れ(退職派遣)
・非常勤・臨時職員に対し、本人の同意に基づく移籍を勧奨する
・公益法人等派遣条例を改正し、スキルの高い職員に職員については当該会社に退職出向

●行政のノウハウ活用事例
・株式会社プリズン
 元刑務官、元刑務技官により設立。刑務所民間委託コンサルティングや刑務作業請負業務など

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号4面4)(2012/10/22 )

 不当労働行為性明らかに

 ジェコー解雇撤回裁判(1次訴訟)

 委員長が意見書を提出し結審

 10月9日、さいたま地裁熊谷支部(栗田健一裁判長)で、トヨタ系部品メーカー・ジェコー期間従業員不当解雇事件の裁判(第1次訴訟)が開かれた。被告・原告双方が最終陳述を行い、結審した。陳述と併せて、原告らが所属するJAM神奈川ジェコー労働組合の武田信義委員長が、解雇の不当労働行為性をまとめた30n近い意見書を提出、証拠採用された。
 原告代理人は近日中に補充書面を提出する旨を述べた。
 武田意見書は以下の点を鮮明に突き出した。
 @原告の高橋美和組合員らと組合から、派遣労働者の組合加入通告とともに正社員化要求がなされたことに対して、被告ジェコー資本が拒否回答をした。その一方で、組合には知らせることなく「正社員登用制度つきの期間従業員制度」(A、B)を新設していた。
 A原告らと組合がジェコーの偽装請負を告発し、労働局が是正指導を行った。これに対しジェコーは80人の派遣労働者を新設した期間従業員(A、B)に採用するのではなく、別の「期間工」なる身分を設置しそこに雇用することでクーリングオフを試みた。
 Bしかし、それが果たせずに7カ月後には、さらに別の「正社員登用制度なし、考課選考あり」の「期間従業員制度」(C)を導入した。
 C原告に対する解雇・雇い止め(08年10月)はこの二つの期間従業員制度による差別選別によって行われたものであり、組合活動と偽装請負告発を理由とし報復を意図した不当労働行為である。
 武田意見書は、裁判の終盤になって釈明を求められたジェコーが期間工や期間従業員制度の詳しい説明を提出したことで判明した事実をもとに書かれた。これは、第2次訴訟(09年4月解雇)での、「リーマンショックによる経営危機」を理由とする元派遣労働者全員に対する雇い止めの不当労働行為性をも明らかにするものである。
 原告代理人は次の点を鮮明に主張した。
 高橋組合員は、7年以上も偽装請負で働かされており、派遣法上の雇用期間制限をはるかに超え黙示の雇用契約が成立しているから雇い止め・解雇は無効である。また、7年を超えて夜勤専属勤務を強要されている。契約上、請負、派遣であった時期も含めて、ジェコーには健康安全配慮義務があるが、その義務を怠っていた。高橋組合員の長期欠勤は夜勤ゆえの業務上の疾病が原因だ。雇い止めは労働基準法違反である。
 さらに、「連続欠勤30日を超えたら退職」なる理由は期間従業員の就業規則にもなく不当な差別的扱いであって解雇権の濫用である。原告、屋代和彦組合員についても同様である。
 ジェコー裁判は大詰めを迎えた。11・4集会に総力で結集し、その力で社前闘争、裁判闘争を闘い、解雇撤回をかちとろう。
 (埼玉・小川徹)
   ◇   ◇
◎第2次訴訟
12月17日(月)午前10時

◎第1次訴訟(判決)
1月7日(月)午後1時10分
いずれも、さいたま地裁熊谷支部

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号4面5)(2012/10/22 )

日誌'12 10月9日〜15日

 日印が原子力で協力/IMF委「成長減速」に危機感

●沖縄知事「安全策、実効性に疑問」
 仲井真弘多沖縄県知事は首相官邸に野田佳彦首相を訪ね、米新型輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場配備について「安全対策の実効性担保は無理がある」と、見直しを要請。(9日)
●IMF・世銀年次総会が開幕 国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会が仙台市で開幕した。(9日)
●原発建設、計画中の9基認めず 枝野幸男経済産業相は新増設が計画されている原発12基のうち未着工の9基の建設を認めない方針を提示。(9日)
●米NRCが原発公聴会 米原子力規制委員会(NRC)は蒸気発生器の破損で1月から停止中の米カリフォルニア州のサンオノフレ原発をめぐり公聴会を開いた。1千人が抗議。(9日)
●過酷事故対策、法制化へ 原子力規制委員会は定例会を開き、原発で炉心が損傷するような過酷事故への対策の法制化に向け議論を始めた。(10日)
●日本とインドが原子力で協力 日本とインド両政府は「日印エネルギー対話」の第6回会合を経済産業省で開き、原子力分野での協力を柱とする共同声明を出した。(10日)
●防衛艦船の寄港相互促進で一致 森本敏防衛相はシンガポールのウン国防相と防衛省で会談。アジア太平洋での災害支援協力などを念頭に、自衛隊とシンガポール軍の艦船の相互寄港を進めることで一致した。(10日)
●シリア機「軍用物資」輸送と断定
トルコ政府は、アンカラの空港に強制着陸させたシリア航空機から押収した貨物を「軍用物資」と断定。(11日)
●G7財務相・中央銀行総裁会議開幕
 主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が東京都内で開かれた。先進国の危機が新興国にも波及し、世界経済が減速しかねないとの認識で一致した。(11日)
●福島第一原発敷地内を公開 東京電力は福島第一原発を報道陣に公開した。敷地内は高濃度汚染水を処理した水をためるタンクでいっぱい。4号機付近の車内の放射線量は今回最高値の1_シーベルトを示した。(12日)
●原発事故「対処可能だった」 東京電力の原子力部門の改革のため同社が設置した「原子力改革特別タスクフォース」は福島第一原発事故について「事前に備えができていなかったことが問題で、対処は可能だった」との見解を明らかにした。(12日)
●エジプト大統領支持派と反対派が衝突 エジプトの首都カイロのタハリール広場でムルシ大統領の政策を批判する若者らと大統領の出身母体、ムスリム同胞団のメンバーらが衝突。約120人が負傷した。(12日)
●IMF委声明、成長減速に危機感
国際通貨金融委員会(IMFC)が東京で開かれ、世界経済の「成長は減速しており、非確実性と下ぶれのリスクが残っている」との危機感を示した共同声明をまとめた。(13日)
●リトアニア国民投票で原発反対6割超 リトアニアで新たな原発建設の賛否を問う国民投票が14日に行われ、「反対」が6割を超えることが確実となった。(15日)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号4面6)(2012/10/22 )

 訂正

 前号4面「県知事に緊急抗議」の記事で「11月9日」とあるのは「10月9日」の誤りでした。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号5面1)(2012/10/22 )

 中核派・福島大支部のアピール

 キャンパスから御用学者追放し学生の力で原発翼賛大学変える

 「福島の怒りと連帯し、キャンパスから御用学者をたたき出せ!」「新自由主義大学=原発翼賛大学を、学生の行動で変えよう!」――全国大学で闘いが前進している。9月19日に広島大学で日本原子力学会開催への抗議行動と申し入れが、7月の神谷研二追及に続いて闘われた。10月6日には法政大で大久保利晃(放影研理事長)弾劾闘争がうち抜かれた。岡山大学では10月10日、IAEA(国際原子力機関)、JAEA(日本原子力研究開発機構)などから御用学者が集う「環境・エネルギーシンポジウム」に対し抗議行動が闘われた。京都大学では、9月末をもって経営協議会から藤洋作(元関西電力社長)を追放し、新たに就任した葛西敬之(JR東海会長)との闘いが始まった。福島大生は「御用学者追放」の先頭に立つ。10・19法大デモを闘った力で10・23福大キャンパス集会をうち抜き、11・4日比谷野音へ攻め上る。
(写真 福島大生は県立医科大への申し入れ行動を行い「秘密会」徹底弾劾の要望書を突きつけた【10月12日】)

 反原発行動を罵倒する清水前副学長

 福島県が行う県民健康管理調査で、県当局が検討委員を事前に集め、「がん発生と原発事故に因果関係はない」とする意思一致を行っていた(本紙前号参照)。検討委員会座長・山下俊一、「秘密会」メンバー=神谷研二(福島県立医大副学長)の殺人者としての本性は明らかだ。
 この山下や神谷と呼応するように、福島大前副学長・清水修二が、再びその反革命性をむき出しにした。10月14日付『下野新聞』にある、「『反原子力ムラ』の危うさ」なる雑文がそれだ。
 清水は健康調査「秘密会」への批判も言及もなく、ただただ「原子力ムラの対極に、同じ体質の『反原子力ムラ』が形成されつつあるのではないか」「原発批判勢力が独善的・閉鎖的・排他的になる傾向がこのところ目につく」などと、行動を開始した労働者民衆に対して最大限の悪罵(あくば)を投げつける。「『犯人』と目される人々を法廷に引き出して、一人ひとり罪状を認定し、刑罰を科す作業が始まった。裁判官は『手の汚れていない』国民大衆である」と、人民が自ら「原子力ムラ」の腐敗を暴き断罪することに心底恐怖し、罵倒しているのだ。結局、清水の主張は、「御用学者」に協力しようということだ(実際、清水は副学長時にJAEAと連携協定を結んでいる)。
 また清水は、「原発の是非の議論と、放射線の健康被害の有無の問題を同一視して論じるのは間違っている」「そうした誤った論調が被害者同士の間に不幸な分断を生んでいるからである」と言う。これは清水自身が内部被曝の危険性を徹底的に軽視・無視していることの自己暴露だ。清水こそが、「低線量であれば問題ない」として避難を否定し、徹底弾劾されてきたのだ。
 「不幸な分断」だと? ふざけるな! 分断を持ち込んでいるのは政府・資本・御用学者だ。8月1日の「エネルギー・環境の選択肢に関する福島県民の意見を聴く会」では、ほとんどの発言者が政府と電力会社の原子力政策を批判した。怒りと責任追及で住民は団結できた。しかし清水は「それ(責任追及)で被災者の生活が改善するわけではない」と言い放つ。

 労働者に被曝労働させるな

 この清水こそ、今年の3・11福島県民大集会呼びかけ人で「脱原発」の仮面をかぶりながら、福大学内から原発反対勢力をたたき出そうとうごめき、学生同士を分断してきた張本人だ。
 彼らの本音は、山下俊一の次の言葉に示されている。「日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ」(毎日8・26付)。国家が崩壊しないように原子力政策を維持せよ、放射能被害を隠蔽せよ、という恫喝だ。
 だが、彼らが守りたい「国家」など、大恐慌のど真ん中でもう崩壊しているではないか。資本家どもこそがこの社会を崩壊させてきたのではないか。日本帝国主義は、外注化・非正規職化、原発輸出で延命しようとしているが、それは労働者へさらなる被曝労働を強制することだ。
 福島の労働者が、原発収束作業や除染作業に駆り出されている。1日あたり3千人が従事している原発収束作業の約6割が福島県民だ。事故で被曝させられた県民が、今を生きるために被曝労働させられている。そのほとんどが非正規職だ。原発こそ労働者を使い捨てにする資本主義−新自由主義の象徴だ。そんな社会こそ打倒しなくてはならない。

 学生集会禁圧する福大当局と闘うぞ

 10月12日、福大生は、福島県民健康管理調査の検討委員会が行っていた「秘密会」を弾劾し、座長・山下が副学長を務める福島県立医大への申し入れ行動に立った。
 10月23日には、元原発労働者の斉藤征二さん(元全日本運輸一般労組・原子力発電所分会長)の講演会を行う。
 この企画に対し、福島大当局はまたも教室使用申請を却下した。学生が企画した講演会だけでも今回で4度目だ。他方で、9月9日には山下俊一講演会を福大の大講義室で行わせている。追及する福大生を前に福大当局は、「(福大は)すべての人に開かれているわけではない『開かれた大学』だ」(施設課職員)と傲然と言い放った。山下俊一には開かれ、反原発の数十万人(しかも福島大生!)には閉ざされる大学とは何なのか! 原発推進大学の姿をさらけ出す福大当局へ、福大生は10月23日に徹底弾劾闘争を構える。
 法政大で、10・19デモが処分策動−学祭規制を粉砕するキャンパス解放闘争としてうち抜かれた。法大生が団結して立ち上がったときに、新自由主義大学はうち破れることを示した。法大を結集軸に、東北大ではサークル決戦が、京都大では同学会攻防が激しく闘われている。
 学生が自分たちの可能性と団結に依拠し、新自由主義と対決して組織と運動をつくり出すならば、当局支配などもろくも崩れ去る。

 11・4に大結集し全原発の廃炉へ!

 「どんなに安全・安心キャンペーンが張られても、地震があると一瞬で3・11の時に戻ります。原発事故後、窓に目張りをして揺れるカーテンを見て過ごした恐怖がよみがえります。二度と地震は起きませんか? 誰か断言できますか? 事故は収束していません! 人間の手に負えない原発をつくっても再稼働してもいけないのです」。
 10月13日のさようなら原発集会in日比谷で、子ども福島ネットの森園かずえさんは訴えた。核と人類は相いれない。反原発100万人行動を実現し、すべての原発をいますぐなくそう!
 9月の全学連大会で確認した「福島と連帯し全原発廃炉をかちとろう」「新自由主義大学と対決し学生自治会を建設しよう」の方針のもと、福島と全国大学の闘いは前進している。キャンパスで動労千葉のJR外注化阻止決戦のように闘って学生自治会を建設すること、何より福島から声を上げることが決定的だ。福大生はキャンパスで法大闘争のように闘い、10・23福島大集会に決起する。
 そして残る2週間、全力で闘いを拡大し、福島と全国の学生は11・4労働者集会(日比谷野音)へ総結集しよう!

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号5面2)(2012/10/22 )

 市東さん農地裁判 “証人隠しを許さない”

 千葉地裁を弾劾し市内デモ

 10月15日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・農民・学生・市民は、農地裁判での千葉地裁民事第3部、多見谷寿郎裁判長によるテレビ会議(ビデオリンク)方式での証人尋問強行に対して、千葉市内デモを貫徹し、午後からの法廷に臨んだ。
 この日の証人は、元国土交通省成田国際空港課長・石指雅啓。暫定滑走路の北延伸計画が進められていく過程で、統括責任者としてすべてを知る位置にあった人物だ。石指は「海上保安庁の要職にあり、現場を離れられない」から、神戸地裁に呼んで、千葉地裁に「テレビ中継」して尋問する――こんな手法は、裁判の直接主義・口頭主義の基本原則を破壊する証人隠しだ!
 午前11時50分、千葉中央公園で集会が始まった。最初に北原鉱治事務局長がマイクを握り、多見谷の訴訟指揮と拙速裁判を強く批判した。
 続いて反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が経過を報告した。9月10日の裁判での裁判官忌避申立に対し、千葉地裁は書面提出の翌日に却下し、即時抗告に対しても東京高裁がわずか3日後に棄却! このスピード処理について「記録も読まずに行われた。権力総体がグルになっての暴挙」と強く糾弾した。
 動労千葉の長田敏之書記長は、農地取り上げ攻撃に怒りをたたきつけ、11・4労働者集会への結集を呼びかけた。さらに、関実、群馬・市東さんの農地を守る会の決意表明を受けて、司会の萩原富夫さんが「地裁が土地強奪の執行機関になっていることを許さない。市東さんの農地を絶対に守ろう!」と訴え、シュプレヒコールの音頭をとった。
 ただちに市内デモに出発。宮本麻子さんが宣伝カーからアピールし、反対同盟を先頭にデモ隊が大通りを進んだ。千葉県庁前を通り、千葉地裁前では「裁判長は公正な裁判を行え!」の叫びが一層大きく響いた。
(写真 のぼりを掲げた反対同盟を先頭に110人のデモが千葉市中心を席巻し、農地強奪攻撃の手先となった千葉地裁を弾劾した【10月15日】)

 「テレビ中継」の証言に怒り

 午後1時30分開廷。弁護団はすかさず、「忌避」の特別抗告に対する最高裁決定を待たずに審理を強行する多見谷裁判長の違法を厳しく追及した。多見谷は「見解の相違。議論はしない」と居直る。「ビデオリンクやめろ! 証人をここに連れてこい!」と傍聴席からも激しい怒声が次々とたたきつけられる中、多見谷は強引にNAA側に主尋問を命じた。
 それは異様な光景だった。法廷には2台のモニター画面が設置され、神戸地裁にいる背広姿の石指証人が映し出され、尋問が進められる。画像と音声はあっても、実体はそこにない。書証をアップにして示すのにも手間がかかり、裁判官による画面のリモコン操作もあきれるほど不慣れでお粗末。これが「真っ当な裁判」でないことはだれの目にも明らかだ!
 弁護団の反対尋問が始まった。石指は国交省成田空港課長という国の担当責任者の重要な地位にあったことをごまかし、責任逃れの姿勢に終始した。暫定滑走路(平行滑走路 B)の北側延伸について「自分はNAAの許可申請を審査しただけ」「NAAが地権者と交渉するのを見守っていた」などと言いながら、「滑走路が短いと大型機が利用できず、わが国の競争力に影響を及ぼす」などと危機感を吐露した。国・国交省が主導し、石指の関与のもとで北延伸が進められたことは間違いない。
 そして石指は、何を聞かれても「話し合いを基本として進めてきた」「できるだけ話し合いで解決にあたってきた」と、「話し合い」を連呼し、あたかも対等な話し合いでことを進めてきたかのような白々しいセリフを並べ立てた。
 ふざけるのもいい加減にしろ! 金にあかして土地を買えるだけ買いあさり、滑走路、誘導路などをいびつな形で造り、反対している農民・住民の頭上に大騒音のジェット機を飛ばし、その圧力で立ち退きを迫る――これが国・国交省とNAAの常套(じょうとう)手段ではないか。なにより市東さんをこうして法廷に立たせ、「土地を明け渡せ」と迫っていること自体が国家暴力だ!
 弁護団は05年にNAAの黒野社長が東峰住民に「謝罪」の手紙を発した経緯や、北延伸案の決定過程をたどりながら石指を徹底追及した。画面上の石指が「話し合い」を口にするたび、傍聴席から弾劾の声が起こった。
 さらに石指は騒音問題については航空法第39条第2項「他人の利益を著しく害する」の要件にあたらないと言い張り、また暫定滑走路の構造的欠陥の数々(着陸帯の幅が狭い、滑走路南端を東側誘導路が横切る、管制塔から視認できない場所があるなど)について「問題ない」と突っぱねた。自分に責任が及びそうなことはすべて「記憶にない」と白を切った。
 石指証人への怒りの高まりに対し、裁判長は傍聴席に向け次々と退廷命令を発し、「予定時間を過ぎた」と尋問終了を促すが、弁護団は追及の手を緩めず、午後5時半までやり抜いた。
 尋問終了後、弁護団が申請していた鎌倉孝夫さんら2人の証人について、多見谷裁判長は「不採用」を通告し、早期結審への衝動を一層あらわに示した。
 次回農地裁判は、11月12日(月)に萩原進さんの証人尋問を予定。
(写真 総括集会で市東さんは、石指証人の無責任な言動に対し強い憤りを表した)

 “農地守るため奮い立とう!”

 休憩なしで4時間の法廷闘争をやりぬいた反対同盟、弁護団、傍聴・支援者は、近くの会場に集まり、伊藤信晴さんの司会で総括集会をもった。
 最初に市東孝雄さんがあいさつに立ち、「今日は怒りを通り越してあきれた。権力は力ずくで抑えつけておいて、“話し合いをしてきた”とは、人をなめた言いぐさだ。いよいよ萩原さんと私の本人尋問に入りますが、一層ご支援をお願いします」と決意を表し、大きな拍手を受けた。
 多見谷の訴訟指揮と対決した弁護団一人ひとりの発言に続き、最後に萩原進事務局次長がまとめを行った。「率直に言って、10・7全国集会の結集人数はあまりにも少なかった。本当に市東さんの農地を守るため、こんな姿でいいのか。悪天候は言い訳にならない。雨の日を選んでやつらは来ることもある。いよいよ敵が襲ってきた時に、どうしたら勝てるのか、どうやって市東さんを守るのか。もう一度考え、肝に銘じ、奮い立ってほしい!」と鋭く訴えた。
 参加者はこの渾身のアピールを受けとめ、決意をこめた拍手で応えた。
-------------------------
【要項】三里塚裁判傍聴を!
◎第3誘導路許可取消裁判
 10月23日(火)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん耕作権裁判
 10月29日(月)午前10時30分 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため1時間前に集合)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号5面3)(2012/10/22 )

 10・31狭山闘争に結集を

 石川一雄さんと連帯し第3次再審闘争へ

 無実の部落民・石川一雄さんに対する東京高裁・寺尾正二裁判長の1974年の無期懲役判決から10月31日で丸38年だ。徹底糾弾する。国家権力の部落差別と非妥協で闘う石川さんは、破綻した新自由主義を絶望的に推進する日本帝国主義を追いつめている。連帯し狭山第3次再審闘争に立とう。東京、大阪、広島の狭山集会に結集しよう。

 新自由主義攻撃と闘う狭山闘争

 1963年、石川さんは24歳で別件逮捕され狭山事件(女子高校生誘拐殺人事件)の犯人にデッチあげられた。狭山差別裁判は、被差別部落への集中見込み捜査から始まる、警察・検察・裁判所が結託した国家権力による部落差別だ。73歳の今もなお「殺人犯」扱いの石川さんは、半世紀にわたりこの国家犯罪を徹底的にあばき糾弾し、不屈に闘っている。
 寺尾判決が出されたのは、戦後発展が行き詰まり全世界で新自由主義政策への転換が始まる情勢のもとでだ。労働基本法改悪などで労働者人民が闘い取ってきた権利を奪い保護的政策をなくし、資本が自由に無制限に極限的に搾取し収奪し社会を自ら破壊していく、最末期帝国主義の絶望的延命政策が始まるときだ。
 「同和問題の解決は国の責務」(同和対策審議会答申)として特別措置法のもとで進めてきた同和対策事業もその例外ではない。新自由主義の核心は労働者階級の基礎的団結形態である労働組合を解体することであり、そのために同時にあらゆる団結形態、社会的つながりを破壊するのだ。
 70年代、国鉄、全逓を先頭に労働者は職場で合理化・労組破壊と闘い、安保・沖縄、三里塚闘争を闘った。そして、獄中の石川さんと連帯し狭山差別裁判糾弾闘争に決起する。その頂点が日比谷公園を11万人が埋めた74年9月の公判闘争だ。
 74〜75年恐慌に直撃され新自由主義への転換が迫られた資本家階級の前に立ちはだかる狭山闘争。74年10月の寺尾判決は資本家の階級意志を体現した、労働者階級への攻撃だ。 

 攻勢に立ち国家権力追い詰める

 81年に第2次臨時行政調査会が設置され民営化・労組破壊が本格化した。同時に、82年に同和対策特措法が失効し地域改善対策協議会を設置、部落に対する新自由主義攻撃が始まった(地対協路線)。その最先端が部落の更地化を狙う同和住宅解体だ。89年に総評が解散し連合が結成され、90年には国鉄清算事業団から1047名が解雇された。労働運動を変質させる攻撃とそれへの労組幹部の屈服が進行したこの時期、石川さんには再審請求取り下げと引き替えの仮出獄攻撃がかけられた。しかし、屈服を拒否して94年末に堂々と仮出獄を果たした。
 石川さんは06年、東京高裁に第3次再審請求を行い、09年に弁護団・裁判所・検察官による3者協議が始まってからは、高裁前に自ら立ちマイクを握って「全証拠の開示・再審開始」を訴えている。資本・国家権力と裁判闘争で闘う労働者人民と合流しつつ、高裁第4刑事部・小川正持裁判長を果敢に攻めている。
 09年12月の一部証拠開示勧告を受けてから12年10月までに検察は76点の証拠を開示。そのうち逮捕当日石川さんが書かされた「上申書」(自分は犯人ではないと明記)は決定的だ。弁護団は上申書と真犯人が残した脅迫状の筆跡と日本語能力を対比させ石川さんの無実を明らかにした新証拠・鑑定書を提出している。
 しかし、検察は殺害現場とされた雑木林の「血痕反応検査」報告書などは「不見当」(見当たらない)と返答。「『殺害現場』を裏付ける客観的証拠が『ない』ということ自体が私の無実を明らかにしている」(石川さんの12年5・23アピール)。石川さんは無実だ。高検が隠し持つ全証拠を開示させ直ちに高裁に再審を開始させよう。
 新自由主義との闘いは、その凶暴性に受動的・防衛的に対応するのではなく、その破綻性を徹底的につく攻勢的闘いだ。不当逮捕・取り調べに抗する否認供述、ハンガーストライキ。二審冒頭での「俺は殺(や)っていない!」という無実の叫び。孤立無援の状態から始まった石川さんの闘いは、差別裁判を護持しようとする国家権力との非和解を貫く「絶対反対」の闘いだ。その不屈性、戦闘性と階級性、自己解放性に満ちた闘いは、日帝国家権力・資本家階級の部落民支配と労働者支配を打ち破っている。 

 非正規職撤廃へ11・4に結集を

 部落差別は労働者同士を分断し対立させ団結を破壊する、労働者階級に対する攻撃だ。新自由主義と闘う狭山闘争は、資本との最大の激突点・職場で分断を打破し、対立を止揚して団結を回復させる闘いだ。
 また狭山闘争は「石川命、わが命」の言葉通り、すべての部落民の生き死にをかけた闘いだ。新自由主義によりムラを解体され、非正規職に突き落とされてきた部落民の共同性を取り戻し、資本主義を転覆する階級闘争の主体として部落民を登場させる。部落差別との闘いを国家と資本に「絶対反対」を貫き階級的団結を形成する闘いとしてやりぬくことは、全人民的普遍性をもつ。
 世界大恐慌が深まり、野田政権が打ち出した「10割非正規化」は「極限的な搾取と収奪をやる。命は保障しない」という宣言だ。あらゆる職場で外注化阻止・非正規職撤廃を闘い、国際連帯を発展させることが資本主義の息の根を止める。再稼働を阻止し全原発を廃炉にする。戦争と改憲を阻止し、狭山闘争に勝利する土台をつくる。
 すでに動労千葉、動労水戸を先頭に外注化阻止決戦が火を噴いている。診療所廃院・全員解雇−更地化と対決する八尾北・西郡決戦に勝ちぬこう。非正規職撤廃を正面課題に新自由主義と闘う新たな部落解放運動の全国組織をつくろう。10・31狭山集会を成功させ、11・4労働者集会1万人結集をかちとろう。

-----------------------------

【要項】10・31狭山集会
寺尾差別判決38カ年糾弾! 狭山第3次再審
闘争勝利! 八尾北・西郡闘争勝利!
 10・31狭山集会

東京 10月27日(土)午後6時30分
 きゅりあん(JR・東急大井町駅前)
 主催 部落解放東日本共闘会議

関西 10月31日(水)午後7時
 西郡第三集会所(八尾市幸町5−44)
 主催 部落解放同盟全国連合会西郡支部
   八尾北医療センター労働組合
   関西労働組合交流センター

広島 10月31日(水)午後7時
 広島市西地域交流センター
 主催 部落解放広島共闘会議

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号6面1)(2012/10/22 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 JCO臨界事故弾劾13周年の行動に参加 東京 小林保光

 9月30日、東海村臨界被曝事故から13周年のこの日、水戸市で開催された集会に呼応・連帯して40人ほどが経済産業省前で犠牲者追悼と抗議行動を行った。
 事故の起きた午前10時35分に黙祷(もくとう)をささげ菊の花を献花、経産省に向け「JCO臨界被曝事故弾劾! 国と動燃は責任を取れ!」と声を上げた。同時に、福島原発事故と原発再稼働への怒りが語られ、「日本の核武装化反対!」「すべての原発を廃炉に!」「オスプレイの沖縄配備反対!」などの発言が続いた。村上達也・東海村長と脱原発とうかい塾の相沢一正代表のメッセージも紹介された。
 1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工工場JCOで臨界事故が起きた。現場で作業に当たっていた3人の労働者が大量被曝し、そのうち大内久さん(35歳。18シーベルト被曝)と篠原理人さん(40歳。10シーベルト被曝)が、筆舌に尽くしがたい苦しみの末に亡くなった。
 放射能が大量に放出され、近隣住民に「避難要請」「避難勧告」などが出されたが700人近くが被曝させられた。この事故は住民に対する避難措置がなされた国内初の原子力事故であり、事故による住民の健康被害が具体的に論議された最初のケースだ。
 2000年10月、茨城県警はJCO東海事業所社長ら6人を逮捕し、03年3月に法人としてのJCOに罰金100万円、6人には執行猶予付き有罪判決が下されたが、「事故は作業員の人為的ミス」とされ、核燃料サイクル機構や原子力安全委員会の犯罪は免責された。また、JCOは事業の閉鎖や農産物への風評被害(00年3月時点で約130億円)などに対しては補償したが、健康被害を訴えた住民の要求は拒否した。事故現場から120b離れて工場を経営していた大泉昭一・恵子夫妻が02年9月にJCOと親会社である住友金属鉱山を訴えたが、一審、二審とも敗訴。10年5月、最高裁で敗訴が確定した。昭一さんは11年2月7日に死去(享年82)。3・11福島原発での核爆発事故の1カ月前であった。
 95年「もんじゅ」事故、99年JCO事故、07年中越沖(柏崎沖)地震による柏崎刈羽原発放射能漏れ事故……と、恐るべき事故は連続していた。にもかかわらず、原子力マフィアはこれを無視し、3・11を引き起こした。9・30への無念と怒りを胸に、全原発の廃炉、核施設の廃止への決意を新たにした。 

 集団疎開裁判に参加話を聞き切実さ迫る 仙台 西川久未

 ふくしま集団疎開裁判とは、ふくしまの子どもたちが郡山市に対し、放射能被害の不安のない地域で教育を受けられるよう求めている裁判です。10月1日に、仮処分としては異例の仙台高裁での審尋が開かれることになり、昼12時から夜8時半まで行われたアクションに私も参加しました。
 まずは野外集会とデモ。山本太郎さんも来ました。自主避難の経済的、精神的困難さ。自治体が子どもたちを集団避難させなければ、健康被害はおさまらない。頭では分かっていましたが、いろいろな人の話を聞いていたら、その切実さが迫ってきました。郡山市の子どもたち14人が「集団疎開させろ」と仮処分を申し立てたのに対し、福島地裁郡山支部は昨年12月16日に、放射能の危険基準は100_シーベルトという説を持ち出して、訴えを認めなかったのです。
 しかし、現に甲状腺検査でも異常な数値が出ているし、がんと診断された子どもも1人います。それを「除染しているから福島から出るな」というのは国を挙げての殺人行為ではないでしょうか!
 デモの盛り上がりとは裏腹に、高裁は審尋で、放射線量について一切触れず、隣室で待機していた矢ケ崎克馬先生や松崎道幸先生の意見も聞かず、「証人尋問に山下俊一を呼びたい」という要求にも「今のところ考えていない」と言ったようですが、次回期日が決まり、ここでおしまいじゃないところに希望が持てると思いました。
 夜の講演会の最後に、「原発問題は、お上の言うことに逆らわない、自分の頭で考えないように育ててきた教育にまず問題があるのではないか」と意見を述べた人がいて、まさにその通りだと思いました。
 しかし、今回の事故とその対応で、「お上の言うことを信じちゃいけない」とみんな身にしみていますから、自分の頭で考えて行動するのはこれからです。これまで何もしていなかった人たちがデモに出ている、その事実が物語っている。私も「しっかりつながって、すべての原発がなくなるまで頑張ろう!」と思いを確認しました。

 フクシマを見捨ててなにが「領土」だ! NAZEN杉並 新崎尚

 マスコミあげての「領土」を巡る排外主義煽動(せんどう)。反原発の数十万人の闘いをつぶす意図が明らかなのに、反原発デモに来ている人の中にも「中国けしからん」と主張する人も時々いて、正直がっかりしたりもします。しかし、フクシマの闘いが数十万人の闘いの軸になれば安っぽい「領土」の煽動なんか簡単に粉砕できる! ふくしま集団疎開裁判の文科省前の金曜日行動に3週続けて参加し、そう確信しました。
 「山下俊一は36%の子どもたちの甲状腺にしこりが見つかっても安全と言い張り、福島県民が再検査に来ても断るように全国の病院に文書を出している。山下がやっていることはホロコーストだ!」「日本は暴力国家。でも彼らと同じになってはいけないから絶対に運動は非暴力じゃなきゃダメ! だけど本当は勝俣も西沢も4号機のプールに沈めてやりたい!」「福一の作業員の6割は福島県民。ピンハネされて日当8千円でも自分がやらなきゃと使命感を持ってやってます。廃炉廃炉とデモで言いますが誰がやるのか? 自分や身内なのか? その思いをちょっと抱いてくれるだけでも全然この官邸前の運動が変わってくる」。必死に共有して応えていきたい。
 子どもたちの集団疎開と福島診療所の建設運動。一見違うようだけどフクシマの怒りを抱いて原発をなくしたい! その思いで固くつながっていきたい。
 「デモに反原発以外の主張を持ち込まないで」という団体もありますが、フクシマの闘いはこの社会の根本的変革以外には原発をなくす道がない!と見抜いています。
 「フクシマ見捨てて何が領土だ!」「被曝労働もう限界!」「ピンハネやめろ!」「闘う組合よみがえらせよう!」のコールにこれまでの官邸前デモでも感じなかった熱いリアクションを感じました。明るく大衆的で、かつ福島の怒りにばっちりかみ合うNAZENの運動をつくりたい!

 札幌で1万2千人がさようなら原発集会 札幌 M・T

 10月13日、札幌の大通公園で行われた「さようなら原発北海道1万人集会」に参加しました。全国から1万2千人もの労働者、市民が集まり、広い会場には真っ赤な組合旗が林立し熱気にあふれました。入り口では「国鉄1047名解雇撤回」のゼッケンをつけた国鉄闘争全国運動の仲間がビラを配っていました。
 呼びかけ人の倉本恫さんほか3氏のお話、上田札幌市長の連帯のあいさつ、泊、大間、幌延からの発言がありました。それぞれの立場や視点、専門的知見によるお話は、考えさせられるものばかりでした。
 倉本恫さんは、「70年代の小学生は8時には寝ていた。電気の消費量は今の5分の2だった。勤務は4時までにし、早く帰宅して家族と食事を。今はリモコンに頼り少しの動作をサボるなど便利さを追い求め、それでいてジムで重い物を持ち上げたり前に進まない自転車をこいだり」と面白い表現で生活様式の見直しを提言しました。雨宮処凛さんは、「原発反対でも声をあげなければ賛成したことになってしまうと思って行動している。原発の問題と非正規の問題はつながっている」と新自由主義のもとで苦闘する労働者とともに闘うことを宣言しました。
 学者の小野有五さんは、原発が人類の生存と相いれないことを具体的に明らかにして原発反対を訴えました。がんの放射線治療一筋39年の医師、西尾正道さんは、ここまでなら浴びてよいという放射線の量などなく、どんなに少なくても被曝は問題であることを説き、被曝労働が避けられない原発の問題をはっきりさせました。
 明らかになったのは、核と人類は共存できないということです。原発との闘いは新自由主義との闘いであり、生きていくために社会の根底的な変革を目指す闘いです。すべての参加者はともに闘う決意を固めました。デモは長蛇の梯団(ていだん)が次々と繰り出し中心部を席巻、NAZENのノボリも見えました。

 市職青年部長が11・4チケット買い手応え 東京 取手行夫

 10月13日、日比谷公園で行われた「さようなら原発集会」で、『前進』の販売と11・4労働者全国集会へのオルグに決起しました。
 今回、私は集会に来た自治労の青年労働者と話をすることができました。青年はA県のB市役所に勤める自治体労働者で、青年部長を務めているとのこと。私は自分の所属する組合の名刺を渡し、話を聞きました。
 「青年部長なんて大変でしょう? どういうきっかけでなったのですか?」と聞くと、彼は「この年になって、そろそろやってくれと周りから薦められて」とはにかみ顔で答えた。「今、どんなことが職場の課題になっていますか?」と聞くと、「人事評価制度です。まだ施行はされていませんが、それを皆で許さない闘いをしています。後は、交通費の問題です。他県に働きに行っている職員に当局は交通費を出さないという。これは許されないと闘っています」と答えました。
 11・4集会のチケットを勧めると、「日程が合うか分かりませんが、カンパとして」とチケットを購入してくれました。『前進』と11・4のタブロイドも渡しました。
 短い会話でしたが、巨万の労働者の決起の真っただ中で彼のような労組活動家と闘いの課題を共有し、『前進』拡大と11・4への結集、労働組合再生と地区党建設を進めることは可能だという手応えを感じました。これは労働組合をよみがえらせる闘いです。同時に当該地区に紹介することで地区党建設につながります。
 11・4へ残り少ない日数ですが、集会結集と『前進』拡大をかちとり、職場拠点をつくるために奮闘します。

 半年ぶりの三里塚で一変した風景に驚く 東京 高村宏信

 市東さんへの農地強奪攻撃が迫る中、10月7日、三里塚全国集会にマイクロバスで参加しました。
 半年ぶりに現地に行って、市東さんの家をとりまく風景が一変しているのに驚いた。第3誘導路予定地にトンネルが完成。抜けると市東さんの自宅が見える。そこを過ぎると、またトンネル。現誘導路の真下だ。さらにそこを過ぎると轟音(ごうおん)とともに巨大な航空機が3分に1回飛んでいた。
 全国集会で北原事務局長は声の限り訴えた。「生きる権利の破壊に対して闘おう。市東さんを完全包囲した空港に対して声あるものは声を!
知恵あるものは知恵を!
勇気あるものは勇気を!」と。「農地を奪うことは私の命を奪うこと」と闘う市東さんに応えて、私は持てる力をすべて発揮しようと闘う決意を固めました。
 高さ4bのフェンスで取り囲まれた畑はビロードのような肥沃(ひよく)な土。市東さんが親子3代100年、精魂こめて耕作してきた畑だ。解散地点に市東さんの姿もあった。誰かが市東さんと記念写真を撮っていた。その畑を来春にも奪おうという攻撃がある。なぜ、だれが!
 30万人を超す避難者をそのままにして原発を再稼働させている政府。沖縄全県民の大反対を踏みにじり、オスプレイの配備を容認した政府。労働者の9割を非正規にして生活を奪おうとする政府。国家総がかりで農民殺しをしようとしている。市東さんの畑に立って怒りは頂点に達しました。

 友人が欧州でデモに出合う 東京東部 細川えり

 スペインを旅行した友人が9月15日、首都マドリードで大規模なデモに遭遇、そのとき撮った写真をもらいました。欧州でストとデモが爆発しています。ギリシャでは9月13日に2大労組がスト、26日には全国ゼネスト。スペインでは11日にカタルーニャ州で150万人、15日にマドリードで数万人がデモ。労働者が資本主義を打倒し革命に勝利する時代が来た。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号6面2)(2012/10/22 )

 星野再審へ異議申立補充書(上)

 第2次再審棄却を批判する

 証拠はうその供述だけ 全証拠開示へ大運動を

 9月28日に提出した星野文昭同志の「異議申立補充書」は、第2次再審棄却決定(本年3月30日)を全面的に批判・弾劾し、星野同志の無実を一層鮮明にした。今回から3回にわたってその内容を紹介します。
    ◇
 星野同志は1971年11・14沖縄返還協定批准阻止闘争を、沖縄と本土との連帯をかけて最先頭で闘った。政府は国会での返還協定批准にあたり、東京で集会・デモを禁止。機動隊の暴力で闘争圧殺を図り、池袋で永田典子同志を虐殺し、渋谷では逆に機動隊員1人が死亡した。デモ隊のリーダーだった星野同志は機動隊員死亡の実行犯にデッチあげられ、無期懲役刑が確定した(1987年)。証拠はデモ参加者6人のデッチあげられた供述調書だけだ。
 「補充書」は1章で「棄却決定」の結論が先にあったことを、2章で証拠開示しないで棄却したことの違憲性・不当性を弾劾し、決定の取り消しを強く求めている。
 星野同志に対するデッチあげ弾圧は、典型的な冤罪事件の証拠構造になっている。星野同志が機動隊員を殴打し火炎瓶投てきの指示をしたという証拠は、Krら「共犯者」とされた6人の少年たちの、強いられたうその「供述」だけだ。第三者の目撃供述や物的証拠はまったくない。
 この6人の中で、星野同志が機動隊員を殴打したというデッチあげの核心的証拠はKr供述である。Krは「殴打者はきつね色の服を着ていた」「このような服の人は星野さんしかいなかった」から「顔は見ていないが殴打者は星野さんだ」と供述していた。
 ところが、星野同志の服の色は「薄青色」で「きつね色」ではなかった。この服の色に関するKr供述の誤りを、第1次再審請求における星野同志と弁護団の闘いの前に、最高裁は認めざるを得なかった。これは星野同志をデッチあげた核心的証拠が崩壊したということである。
 この地平の上で第2次再審闘争が闘われている。そして、証拠開示請求で開示をかちとった写真の中に、殴打現場を過ぎた地点で写された星野同志の写真(一郎丸写真)があった。星野同志は鉄パイプを持っていたが、その鉄パイプには殴打の痕跡は何もなかった。
 しかし、「棄却決定」は、「鉄パイプの表面には不鮮明ながら損傷らしき痕跡が確認される」と述べている。このような言い草をどうして許せるか。鉄パイプには「損傷らしき痕跡」などまったくない。「損傷らしき痕跡」と言うのなら、なぜその証拠写真を鑑定するなど精査しないのか。

 結論が先の棄却

 無実がここまで明らかになったにもかかわらず証拠開示を行わず、証拠の精査もしないままの棄却決定は、結論が先にあったことを示している。
 星野同志が無実であるという事実に沿う新証拠が出現した以上、現場目撃者の供述調書は言うまでもなく、全証拠開示の必要性は一層高まった。検察官は国家予算を使い多数の人間を組織的に配置し、国家権力を行使して証拠を収集する。検察側と被告人・弁護人側の証拠収集能力には決定的な格差がある。この格差を残したままでの公正な裁判などあり得ない。
 国家権力が人民の生命・自由・財産を恣意(しい)的に奪うことなど許されない。人民が闘いの歴史の中で国家権力に強いてきたものこそ、被告人への適正手続きの保障(憲法31条)だ。証拠開示なき棄却決定など断じて許されない。
 再審は無辜(むこ=無実の人)の救済を目的とする制度であり、人権保障のための制度である。この観点からも全証拠の開示がなされるべきである。その上で、弁護団は現場目撃者の供述調書を具体的に特定して開示請求している。これすらも開示しないで再審請求を棄却した決定は、断じて認められない。
 職場、学園、地域、あらゆるところで証拠開示を訴え、証拠開示大運動を猛然と推し進め、東京高裁を包囲しよう。11・4労働者集会への結集と一体のものとして、11・23星野再審全国集会に全力で結集しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号6面3)(2012/10/22 )

 星野再審へ高裁包囲デモ

 10月18日、40人が日比谷公園霞門に集まり、異議審開始以来3回目の東京高裁包囲デモを闘った(写真)。
 「星野文昭さんは無実だ」「全証拠を開示せよ」「ただちに再審を開始せよ」のシュプレヒコールが霞が関一帯に響きわたった。9月28日の補充書提出に続き、高裁に労働者人民が心底からの怒りをたたきつけた。
 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」共同代表の狩野満男さんの司会で、デモ出発前に集会が開かれた。
 最初に星野暁子さんが3・30再審棄却決定に対する怒りを表明し、「全証拠開示を求める運動を大きく前進させ、その力で再審を開始させよう」と訴えた。斎藤郁真全学連委員長が力強い決意を表明し、福島から駆けつけた救う会の仲間が「正義と真実を踏みにじる棄却決定への怒りは、フクシマの根底的怒りと一体だ」と訴えた。最後に共同代表の戸村裕実さんがまとめを行った。
 星野同志を奪還するために、東京高裁に対して何度でもデモをかけて闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号6面4)(2012/10/22 )

 弾圧はね返し11・4へ

 四日市 東海合同労組が街宣

 10月14日、東海合同労組は、四日市駅前で街頭宣伝を行いました。(写真)
 8日、三重県警は、まったく正当な賃貸契約を「詐欺」とするデッチあげの容疑で三重支部で闘うA組合員を不当逮捕し、組合本部など6カ所にわたって家宅捜索を強行しました。
 今回の弾圧は、福島事故への怒りが沸き上がり、全原発の廃炉を求めて闘いが進むなかで、JR外注化阻止決戦の爆発が青年の反乱となって広がり始めたことに対する、警察権力の焦りにかられた反動にほかなりません。
 原発再稼働への怒り、世の中全部を「非正規」労働でつくりかえようとする政府や資本家に対する怒りが労働運動、闘う労働組合の再生と結びつこうとしています。A組合員は三重において青年労働者の組織化や国鉄闘争全国運動の先頭に立ってきました。そのA組合員に、三重県警は圧倒され、憎しみに燃えて事件の捏造(ねつぞう)ともいうべき政治的な弾圧に手をかけたのです。
 東海合同労組は、「組合活動に対する不当きわまりない妨害や弾圧を許さず、『再稼働阻止、全原発を廃炉に』『外注化・非正規職撤廃』を掲げ、11月労働者集会に向かって全力で闘う!」との戦闘宣言を発しています。東海の闘う仲間は、弾圧への怒りを力に変えて、11月労働者集会に向かって、全国の仲間とともに全力をあげた闘いに入ります!
 (東海合同労組・T)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2557号6面5)(2012/10/22 )

【要項】星野11・9最高裁デモ

【要項】迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審第5回

みんなの拒否から制度の廃止へ!
11・9最高裁デモ
 11月9日(金)正午 日比谷公園霞門
 主催 裁判員制度はいらない!大運動

 -----------------------------

 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判
 差し戻し控訴審第5回公判
 10月22日(月)午後1時30分(429号法廷)
 ◎午後1時 東京高裁傍聴券配布所集合

------------------------TOPへ---------------------------