ZENSHIN 2012/10/15(No2556 p06)
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週刊『前進』(2556号1面1)(2012/10/15 )
大恐慌は大失業と戦争だ
11・4集会に万余の結集かちとり新自由主義=日帝・野田打倒しよう
非正規職撤廃・原発再稼働阻止へ
(写真 10・7三里塚 市東さんの農地死守へ総決起 市東孝雄さんを始め三里塚反対同盟の決意に応え、全国から結集した労農学人民970人が農地強奪攻撃を打ち破ることを宣言した。雨が上がった空へ拳を突き出し団結ガンバローを三唱【成田市東峰】=記事5面)
11・4労働者集会をもって日本階級闘争はまったく新たな段階に突入する。世界大恐慌が生み出す大失業と戦争の時代に、革命的労働者党の建設と階級的労働運動の一体的推進の闘いの飛躍をかけて総決起する時が到来した。新自由主義への全世界の労働者階級人民の耐え難い怒りと生きるための決起が、まさに燎原(りょうげん)の火のごとく広がっている。外注化阻止・非正規職撤廃と国際連帯を最大の柱とする11・4集会は、戦後労働運動を根底から塗り替える闘いだ。全国すべての産別・職場、地域、キャンパスから、反原発闘争の現場から、11・4日比谷野音に万余の大結集を実現しよう。
世界共通のスローガン
インドネシア初の10・3ゼネストは、全国21県・市、約80の工業団地で200万人以上の決起として爆発し、多くの日系企業を含む工場が操業停止に追い込まれた。ゼネストは、インドネシア労働者評議会が呼びかけ、@派遣・請負労働の禁止、A正社員化による健康保険と社会保障の拡充、B最低賃金の引き上げなどの要求を掲げて打ち抜かれた。かつてインドネシアでは「左翼の絶滅」をかけて大弾圧が強行されたが、今や労働者階級は生きるために新自由主義攻撃と対決する巨大な闘いに立ち上がっている。
新自由主義の世界的展開が生み出したこの労働者階級の決起と、激化する革命的激動情勢に切り結び、今こそ階級の大地に身を置き、革命的情熱をたぎらせて、一切の出発点、土台である職場生産点から、闘う労働組合の再生と、党と労働組合の一体的建設の飛躍をかけて、11・4労働者集会に全力で大結集しよう。
10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃をかけた5日間の壮絶な闘いは、動労千葉、動労水戸を先頭に歴史的な階級決戦として圧倒的に貫徹された。それはJR外注化阻止の国鉄決戦を本格的・全面的に新たな段階に押し上げ、勝利の展望を開いた。この闘いの全体が11・4集会へ向かう全力を挙げた総力戦だった。
11・4集会の巨万の大結集への道は、この10・1外注化阻止決戦の感動的地平を全産別、全職場、全地区、全戦線へとなだれを打つように拡大し、全力で物質化していく中で切り開かれる。今や外注化阻止・非正規職撤廃と解雇撤回は、民主労総ソウル地域本部イジェウン本部長の以下の連帯メッセージにあるとおり、新自由主義と闘う全世界の労働者階級の共通のスローガンそのものとなっている。
「鉄道民営化に失敗した英国の事例で見られるように、民営化は国民のための政策ではありません。利潤追求と営利を優先視する財閥と資本のための政策です。安全無視、労働者への責任転嫁、雇用不安、低賃金、長時間労働を強要するJR東日本は、10月1日外注化施行を中断しなければなりません」
外注化阻止・非正規職撤廃を全世界、全産別、全職場で闘うことは、資本主義の「墓掘り人」であるとともに社会の真の主人公である労働者階級が、新自由主義を崩壊に追い込み、最末期帝国主義に革命的な引導を渡す歴史的な闘いだ。その歴史的宣言=転換点となるものこそ今年の11・4集会だ。これを万余の巨大な結集をもって闘い取ろう。
外注化阻止決戦の勝利
10・1JR外注化阻止決戦は、動労千葉の12年間の外注化阻止の闘いの全蓄積の上に、「絶対阻止」の渾身(こんしん)の決起として闘い抜かれた。それは動労千葉の全組合員の資本への怒りを爆発させ、団結を維持・強化し、強制出向=転籍攻撃に労働運動史上初めて集団訴訟を起こすとともに、強制出向の事前通知の受け取りを拒否する闘いとして爆発した。
この闘いは、労働者が職場に乗り込んではストライキ、乗り込んではまたストライキという、〈職場抵抗闘争からストライキへ〉の比類のない、戦闘性と創造性に富んだ、すさまじい闘いの地平を切り開いた。この外注化阻止決戦は、何よりも国鉄分割・民営化25年に対する大反撃であり、その革命的決着をかけた闘いである。しかも外注化攻撃との攻防は、全面外注化(=10割非正規化)の実施に向けて、これからが決戦の本番であり、さらに全産別で激化していくのだ。
JR東日本は、東京など4支社(東京、横浜、八王子、大宮)提案の計画の中身を見ても、今はまだ外注化しないとされている業務についても、今後数年間にわたり、特に「東北縦貫線」の工事完了とされる2014年度を大きな節目にして、全面的な外注化を狙っている。
外注化・非正規職化の強行は、帝国主義にとって侵略や戦争でしか得られないような超過利潤を生み出す。労働者は極限的に搾取・収奪される。だからこそ外注化・非正規職化は、大恐慌から絶望的にはい上がろうとしている日帝ブルジョアジーの最大の命綱となっているのだ。
大恐慌のさらなる激烈な進行と3・11大震災・原発事故情勢は、ますます新自由主義の絶望的凶暴化と外注化・非正規職化の強行なしには国際争闘戦の中で生き残れないという、どん詰まりの危機に日帝ブルジョアジーを追い込んでいる。動労千葉を先頭とする外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは、大恐慌下での全世界的な資本と賃労働との激突の最先端の切り羽となっている。この攻防に労働者階級の歴史的勝利の突破口がある。
外注化阻止決戦の階級的な迫力が生み出したとも言える動労千葉鉄建公団訴訟の6・29一審判決は、国鉄改革法粉砕の展望を押し開き、4・9政治和解の反革命を粉砕し、国鉄労働者を先頭にして全労働者に解雇撤回と新たな団結をつくり出す道をこじ開けた。
外注化阻止・非正規職撤廃と一体の決戦として今こそ、1047名解雇撤回・JR復帰へ、和解を拒否し不屈に闘う動労千葉と4名の国労闘争団員の決意と呼びかけに応え、11・4労働者集会の巨万の決起を絶対に実現しよう。
福島の怒り引き受けて
原発は「地上に置かれた原爆」である。しかも福島原発事故の放射線総量は熱量計算で広島原爆の約30倍。さらに原爆の場合、拡散した放射性物質は1年後に1000分の1に減るが、原発事故では10分の1程度にしか減らない。その上に新たな放射能が放出され続ける。この原爆以上に危険で大変な原発が爆発し、ヒロシマ・ナガサキ・ビキニに続く大量汚染・大量被曝と人民虐殺、生活、産業、地域の大規模破壊が引き起こされている。この大惨事を強制した日帝支配階級に怒りを爆発させ、彼らを根こそぎ打倒する反原発の闘いに決起しよう。革命の主体である労働者階級こそが福島の怒りと苦しみに真っ向から向き合い、それを引き受け、福島とともに闘い、動労水戸のように職場から団結し実力決起しよう。
原発再稼働への怒りを爆発させ、再稼働阻止・全原発廃炉へ、野田政権を打倒しよう。野田とともに原発推進と戦争・改憲の極右=自民党・安倍や日本維新の会・橋下をぶっ飛ばそう。3・11に行き着いた政・官・財・司法・マスコミ・大学・労働組合幹部らの腐敗しきった社会構造を暴き出し、すべてに責任をとらせ、打倒しよう。11・4は反原発・反失業の一大国際統一行動でもある。
11・4集会まで3週間、すべてを組織拡大決戦として集約し闘い抜こう。@自らの職場で職場闘争に決起し、組合づくりや組織拡大へ全力で闘う。A6・29判決の高裁勝利をめざす「解雇撤回・JR復帰」の署名を、あらゆる職場、労組に持ち込み、職場から4・9反革命をうち破る総決起をつくり出す。B11・4ビラと機関紙『前進』を最大かつ最良の武器に、職場・街頭で貪欲(どんよく)に11・4結集を訴え、組織する。こうして11・4を、総力を挙げての〈組織拡大大会〉として闘い取ろう。
外注化阻止・非正規職撤廃こそ、11月集会のメインスローガンだ。同時に国際連帯が決定的に重要になった。9・27民主労総ソウル地域本部の渾身の連帯行動に応え、11・3国際連帯集会をいまひとつの11月集会としてかちとろう。呼びかけ3労組との団結をうち固めよう。すべての力を11・4へ結集しよう。
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週刊『前進』(2556号1面2)(2012/10/15 )
10・5全国一斉捜索-10・8東海弾圧
闘いに追いつめられた権力の労働運動弾圧に11・4で反撃を
10月5日、警視庁公安部らは「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」なるまったくのデッチあげ容疑でA同志の逮捕令状をとり、それを口実に前進社の本社・支社など全国8カ所に違法な家宅捜索を一斉に強行した。
なかでもB同志の住居への家宅捜索は断じて許すことができない。警視庁公安1課の奥宏樹は、B同志が自宅を出て誰もいなくなった時を狙ってコソドロ同然に住居に侵入した。鍵をこじ開け、立会人も不明なまま好き勝手に住居を荒らし回った。B同志は弾圧事件と何の関係もない。その上、警視庁が不当に押収した物はアルバイトに関係する物ばかりだ。違憲・違法な暴力を行使する腐敗きわまる警察を断じて許してはならない。
さらに8日、三重県警は東海合同労組三重支部で闘うC氏を、まったく正当な賃貸契約を「詐欺」とするデッチあげの容疑で不当逮捕し、東海合同労組本部など5カ所の家宅捜索を強行した。今年1月の神奈川労組交流センター弾圧とまったく同じ、労組へのデタラメきわまりない政治弾圧である。満腔(まんこう)の怒りをもって弾劾する。
東海地方の闘う労働者たちは、この間、国鉄決戦と反原発闘争の先頭に立ってきたC氏と労組への弾圧に怒り、直ちに反撃に立ち上がっている。
今回の弾圧は外注化阻止決戦の爆発と11・4総決起への憎むべき弾圧だ。だが闘いの爆発を弾圧で押しとどめることなどけっしてできない。
外注化阻止決戦への恐怖と反動
世界大恐慌と3・11情勢のもと日本帝国主義の危機は深まる一方だ。この日帝・野田政権に対し動労千葉、動労水戸、動労総連合は10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃の国鉄決戦の爆発をたたきつけた。さらに反原発闘争が全原発廃炉までやむことのない不屈の闘いとして燃え盛り、野田政権を絞め上げている。
とりわけ動労千葉を始めとする10・1外注化阻止・非正規職撤廃の渾身の闘いは、大恐慌にあえぐ日帝と総資本に根底的な打撃を強制し、労働者階級に勝利の展望を明々と示している。これまでの労働運動は、出向命令には結局、目に見えない鎖につながれたように応じ、争議を収束させてきた。だが今次10・1外注化阻止決戦は、出向拒否を実力で貫き、敗北の歴史を革命的に覆した。JR職場に青年労働者の怒りの大反乱を生み出し、外注会社の非正規職労働者への労組の拡大を図っている。そして全面外注化を阻み外注業務をJRに戻す新たな闘いに突入している。強制出向・転籍、外注化・非正規職化を粉砕する勝利の展望を切り開いているのだ。
外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは国際主義的な闘いである。新自由主義の絶望的延命の骨格的政策である外注化(民営化、派遣・請負)・非正規職化は、労働者階級を分断し、団結を破壊し、労働組合をズタズタにしてきた。だが全世界で労働者が反撃の闘いを巻き起こしている。
10・1外注化強行が大破綻するなか、JRはなおも全面外注化を強行しようとしている。安全崩壊は必至だ。この荒廃と崩壊の現実は全産別、全職場を覆っている。非正規職が大半を占める青年労働者に闘う労働組合への加入と11・4労働者集会への結集を訴えよう。
階級的労働運動の発展こそ回答
大恐慌の一層の深化、世界経済の収縮、帝国主義間争闘戦とブロック化、大失業と貧困、帝国主義戦争は不可避である。急迫する情勢に革命的に立ち向かうために、いま階級的労働運動再生の闘いを推進しているのだ。今次弾圧は日帝支配階級の絶望的な悲鳴、階級支配の破綻を取り戻そうとするあがきだ。この悪辣(あくらつ)な弾圧への革命的な反撃として11・4労働者集会への万余の結集をかちとろう。
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週刊『前進』(2556号1面3)(2012/10/15 )
前進速報版から
▼中国・富士康で労働強化に抗議のストライキ▼高崎車両センターへのビラまきに、外注化への怒りの声続々▼11・4へ各地で集会
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週刊『前進』(2556号1面4)(2012/10/15 )
【要項】10・19法大キャンパス大集会&デモ
学祭規制撤回! 処分阻止! 弾圧職員たたき出せ!
10・19法大キャンパス大集会&デモ
10月19日(金)12時40分/デモ出発13時30分
法政大学市ヶ谷キャンパス正門前集合
主催/法政大学文化連盟、全学連
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週刊『前進』(2556号2面1)(2012/10/15 )
11・4集会へ動労総連合が訴え
(写真 検修部門外注化阻止へ9・26ストに決起し勝田車両センターで働く仲間に訴える石井委員長)
11・4全国労働者総決起集会への結集を呼びかける訴えが、動労総連合傘下の3労組委員長から寄せられました。外注化阻止・非正規職撤廃へ総力で闘う動労総連合のアピールに応え、11・4までの3週間を闘いぬこう。(編集局)
青年の怒りは満ちている 動労水戸 石井真一委員長
今年の11月全国労働者総決起集会は特別な意味を持っている。世界の誰もが「こんな社会では生きていけない。もうこんな社会はごめんだ」と思っているからだ。
福島第一原発事故で資本家が築いてきた虚構はすべて崩れ落ちた。「原発は安全」「電気が足りないから原発が必要だ」「放射能は安全だ」「原発事故は収束した」。すべてうそだ。これまで刷り込まれてきた「一生懸命勉強していい大学に入って一流企業に入れば将来は安泰だ。だから逆らわず疑問も持たずにまじめにやれ」というのは、もう誰にも通用しない。
福島第一原発事故は何も収束していない。なのに政府は「収束した」「電車も走っている」「除染したから大丈夫だ」とうそを並べて、汚染された地域に戻させようとしている。しかし10月1日現在、原発から30`圏内にある広野町に戻った人は11%だ。
チェルノブイリ原発事故より速いスピードで、被曝による健康被害は進んでいる。すでに子ども1人に甲状腺がんが見つかり、調査した子どもの4割に異変が起きている。恐ろしいことだ。
「大飯原発の再稼働をやめろ」という幾十万の人びとの声を踏みにじり、野田政権は再稼働に踏み切った。さらに大間原発の工事再開も決めた。原子力規制委員会は大間原発工事再開について「(建設を)待ちなさいということはない」と言う。もううんざりだ。
民主党も自民党も橋下も、やろうとしているのは資本家の利益を守り、労働者人民を抵抗させず、だまして搾り取るための政治だ。「原発いらない福島の女たち」の佐藤幸子さんは「お金が大事な人と命が大事な人との闘いだ」と鋭く原発事故を巡る闘いを評している。その通りだ。
社民党や日本共産党も民主党らと同類だ。資本家との共存を願い、お互いうまくやろうとしているだけだ。だから社民党と日本共産党が牛耳る国労本部は、1047名解雇撤回を投げ捨て、お金をもらい和解した。国家的不当労働行為を免罪し、首を切られた組合員を排除する。地に落ちている。絶対に許せない。
被曝労働の強制に団結して反撃
動労水戸が3・11大震災から闘ってきてつかんだことは、うそだと分かっていながら仕方ないと思わされてきたことを、団結した労働者の力で打ち破ることができるということだ。広野駅に半年放置されていた電車4両を回送して交番検査をやれと命じる会社に対し、動労水戸は「職場の労働者を被曝させていいのか」「会社の言いなりになっていいのか」と、腹の底から怒り、本気になって闘いに決起した。それによって東労組から1人の青年が立ち上がり、動労水戸に結集した。交番検査は阻止され、今日に至るも電車4両に手を着けることができない。現場のすべての労働者の怒りを体現して闘い、現場の管理者では対抗できない力関係を確立した。
その中で右往左往したのが東労組カクマルや国労幹部だ。8月、大子のラジエター清掃問題でも最初は反対と言ったが、最後は会社の手先になった。国鉄分割・民営化の時も同じだった。もう化けの皮ははがれている。
8月末、東労組に決別して29歳の運転士が動労水戸に加入した。青年の怒りは充満している。この流れは止まらない。
今、検修・構内外注化のまっただ中だが、国鉄分割・民営化の時より職場は怒りに満ちている。分割・民営化の時は「国労や動労水戸にいれば必ず首を切られる。助かりたかったら国労・動労水戸を脱退せよ」と言われたが、今回は東労組も国労も動労水戸も、みな戻ることのない出向を強いられる。やり方はデタラメ、違法行為のオンパレード。水戸鉄道サービスの脆弱(ぜいじゃく)さとデタラメさは日々明らかにされている。面白い闘いになっている。
どの職場でも闘い始めれば情勢は切り開ける。11月4日、そういう認識を一致させ、社会を根底からひっくり返す闘いに立ち上がろう。11月4日、日比谷に集まろう。そこから世界は変わる。
偽装請負摘発し追及する 動労連帯高崎 和田山繁委員長
10月1日、高崎車両センター籠原派出では34人全員が高崎鉄道サービス(TTS)に強制出向させられました。当日は、JRもTTSもかなりの数の管理者が職場に来ていました。その中で職場に乗り込んだ漆原芳郎副委員長は、「制服も体に合わない。いったいどうなっているんだ」と、点呼前から自分の点検する電車が入ってくるぎりぎりまで抗議を続けました。翌日からは、国労も含めてみんなが抗議する状況になった。東労組組合員からも不平不満がかなり出ているけれど、それに対して東労組役員は何も言えない状態です。
1日以降、TTSの作業責任者が作業指示を出すことになりますが、作業責任者の1人はゴリゴリのカクマルです。自ら作業責任者を買って出て外注化を推進している。
職場ではいろいろな矛盾が噴出しています。10月1日にTTSは、超過勤務の休日出勤をすべて破棄して交番表を作り直してきました。今までは、誰かが年休を取った場合、その穴埋めに交番表で休日指定されていた人が出勤すると、休日出勤の超過勤務手当が支払われていた。ところがTTSは、その扱いをやめると言ってきた。これによる減収は月数万円にもなります。
もう一つは、食事作りの問題です。籠原派出は全員が朝出勤して翌日朝までという勤務形態です。だから夕食や翌日の朝食は、職場でお金を集めて当番で作ってきた。ところが東労組役員は、外注化されたら食事作りはやめろと言って、東労組組合員に圧力をかけた。これに対して、職場の過半数が今までどおり食事作りを継続しようとなりました。1日はちょうど漆原副委員長が食事当番で、断固として今までどおり貫徹しました。東労組の役員クラスの人間だけが、食事作りの仲間から外れていった。
東労組カクマルは外注化の先兵
強制出向の事前通知の過程で、動労連帯高崎は当該の労働者に相談会を呼びかけました。相談会には組合を越えて多くの仲間が集まり、「作業責任者がおかしな指示をしてきたらメモに取り、偽装請負を摘発しよう」と打ち合わせました。
この相談会にもカクマルが監視に来て参加を妨害しようとした。彼らは外注化に協力することで資本との結託体制を維持しようとしています。その腹は見え見えです。
動労連帯高崎は昨年9月、偽装請負の告発をやりました。偽装請負を徹底追及しようと考えています。TTSには、以前から外注化されていた業務に就いている労働者や清掃作業に携わっている労働者がたくさんいます。その人たちも組織する。高崎鉄道サービス労組籠原分会の分会長はれっきとしたカクマルですが、これと対決して闘っていく方針です。
熊谷地域でも反原発集会が取り組まれています。埼玉にはジェコーやショーワの非正規労働者の闘いがあり、私はその支援する会の代表です。国鉄分割・民営化以降、新自由主義のもとで労働者派遣法がつくられ非正規職が拡大していった。連合が労働者を抑えつけるものでしかないこともはっきりしています。
11・4全国労働者総決起集会に向けて、職場で外注化と原則的に闘うことはもちろんですが、非正規労働者にも闘いを呼びかけていく。動労千葉の物販に協力してくれたすべての労働組合にも参加を訴えます。11・4集会は、外注化阻止・非正規職撤廃に向けて、労働者の固い団結をつくる闘いです。新自由主義を覆す大きな団結をつくり出しましょう。
契約社員制度撤廃へ闘う 動労西日本 大江照己委員長
外注化の嵐が全国の職場で吹き荒れている。鉄道職場では、駅業務を始め客室乗務員などにも外注化が広がり、運転保安上も看過できない状況が各職場で見られる。
特に、車両の保守管理を主な業務とする運転職場に下請け・外注化が集中していることは、安全を最大限保証しなければならない検査・修繕部門の労働者にとって、居ても立ってもいられない状態だ。その切迫した思いは職場に満ちている。
労働者は、管理監督者と違って直接労働をしている。だから責任をもって仕事をしているのであって、手抜き作業などはしない。自らの受け持った仕事に誇りと責任をもち、労働者同士で協力しながら業務を遂行しているのだ。管理者には仕事の勘所(ツボ)など分かるはずもなく、ただただ社員の管理しか頭の中にないのが現実だ。
外注化と相関関係にあるのが下請け・孫請けである。そして、契約社員に見られる非正規雇用の実態を見ないわけにはいかない。自分の職場が外注化によってなくなるのは、仕事を失うのと同じだ。仕事を続けるために外注先に転籍し、元の職場に帰ることもできなくなってしまう。
11・4全国労働者総決起集会は、非正規雇用が拡大する現実に真っ向から闘いを挑み、外注化の嵐を吹っ飛ばす労働者の一大イベントである。職場でともに汗する仲間に呼びかけ、1万人の結集をなんとしてもかちとろうではないか。
青年労働者2人が組合に加入!
時代の転換期に同じ闘いを共有できる仲間を信じ、動労千葉を柱とした揺るぎない闘いを全力で支えることこそ、労働者としての本分ではないだろうか。
動労西日本は、本部再建から3年の2012年、2人の青年労働者の組合加入を実現した。彼らの思いは「一人ひとりの思いを大切にする組合」である。「労働組合は単なる闘いの手段ではない。労働者が弱いから団結しているだけでもない。労働組合として団結することで、労働者一人ひとりが人間として誇りをもって生きることができる。そこには社会を変える力さえある。労働者にとって労働組合とは単に手段や方法じゃなく、生きていくすべそのものです」(動労千葉第41回定期大会での田中康宏委員長のあいさつ)。2人の青年労働者の動労西日本への加入は、まさにこのことを示している。
動労西日本は本部再建以降、山田和広副委員長の「雇い止め解雇」撤回闘争を、組織を挙げて闘ってきた。それが青年労働者の心をつかんだのだ。JR西日本の契約社員制度撤廃=非正規職撤廃まで闘う決意である。
あらゆる職場に闘いの芽は存在する。労働者は闘うことによって職場生産点の改善をかちとることができる。このことを労働者は敏感に感じ取っている。この労働者としての本質を大切にし、職場からの闘いを今こそ実現しようではないか。その最初の集約点が11・4日比谷野音だ。
自らの存在を堂々と明らかにし、闘う活動家であることに誇りをもって、日比谷野音への結集を誘いかけることは重要な事業だ。外注化・非正規職化に反対し、「99%対1%」の現実をひっくり返す闘いができるのは労働者である。
いざ、仲間との連帯を信じ切り日比谷に結集しよう。11・4労働者集会の大成功の証言者として、そのエネルギーを職場に持ち帰り、非正規雇用粉砕・契約社員制度撤廃・すべての外注化粉砕に向けて闘いを展開しよう。動労西日本はその先頭に立つことを明らかにする。
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週刊『前進』(2556号2面2)(2012/10/15 )
6・29判決の画期性 葉山弁護士核心を語る
「JRの法的責任」を実質上認定 国鉄改革法を突き破る控訴審へ
6月29日に東京地裁が出した動労千葉鉄建公団訴訟の一審判決の意義について、動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士に語っていただいた。「解雇撤回・JR復帰を求めるための東京高裁あて署名」を武器に、11・4全国労働者総決起集会への万余の結集を実現しよう。(編集局)
不採用基準の不法性認めた
動労千葉鉄建公団訴訟の一審判決(6・29判決)は、国鉄分割・民営化と国鉄改革法自体が、新自由主義攻撃を貫徹するために中曽根康弘元首相らによって強行された国家的不当労働行為であるという原告側の主張をまったく認めませんでした。判決はまた、国鉄清算事業団が1047名解雇の一環として動労千葉組合員9人を1990年4月に解雇したことを、有効だとしました。この2点において、承服しがたい反動判決です。
他方、3点ほど、かちとったものがあます。
一つに、87年2月2〜7日の間に、国鉄職員局次長だった葛西敬之(現JR東海会長)が主となって不採用基準を策定し、いったんJR採用候補者名簿に登載されていた動労千葉組合員9人を名簿から削除した国鉄の行為を、明確に不当労働行為と認定しました。
二つに、不採用基準が国鉄当局と鉄道労連(現JR総連)との結託によって策定されたという驚くべき事実も、認定しました。分割・民営化に賛成した動労本部や鉄労などの改革労協は、87年2月2日に鉄道労連の結成大会を行い、そこで「国鉄改革を妨害する不良職員は採用するな」という特別決議を上げた。本州と四国などJR4社は定員割れで、当局は「希望者全員を採用するが、配属で動労千葉などを差別する」という方針をとっていた。これに鉄道労連は猛然と反発し、労働者の首切りを要求して当局を突き上げたのです。
三つに、不採用基準の策定という不当労働行為がなければ原告はJRに採用されていたはずだから、JR職員としての賃金を損害賠償として支払えと命じました。国労闘争団の鉄建公団訴訟では、慰謝料しか認めていません。しかし今回初めて、JR職員としての賃金支払いが認められた。
ただし判決は、JR職員としての賃金支払いについて、「バックペイとは性格が異なる」とし、「原告らは労働能力自体を喪失したわけではない」とか「再就職するのに相当と考えられる合理的期間の賃金相当額のみを認めるのが相当」とかの不可解な理由で、3年分に切り縮めた。不当労働行為による解雇なら、バックペイとして定年退職時までの賃金を払えというのが当たり前です。
そもそも、不採用基準が不当労働行為だと言うなら、清算事業団送りも清算事業団からの解雇も無効となるはずです。ところが判決は、解雇無効の訴えを退けた。ここには明らかに矛盾がある。
そういう形であれ「JR職員としての賃金を払え」とした判決には大きな意味がある。実質的にJRの法的責任を認め、国鉄改革法の枠組みを突き破ったのです。
「葛西の指示」を暴いた闘い
不採用基準は、「停職2回ないし停職6カ月以上の処分を受けた者は名簿に記載しない」というものですが、「ただし、勤務の状況や業務に対する取り組みにおいて特段のプラス要素がみられる等、新事業体に採用しても良いと判断される者を除く」というただし書きがある。明白な差別です。だから、停職処分を受けていても、国労を脱退すると直ちに名簿に載せられた。そういう事例は多々ありました。
国労闘争団の鉄建公団訴訟判決は、不採用基準について「明確で合理性を有する」と判断していますが、明確では全然ない。明確なのは分割・民営化に反対する者は不採用、賛成する者は採用ということだけです。
裁判の当初から私たちは不採用基準に焦点を当てて闘ってきました。不採用基準を作った葛西の尋問を何としてもかちとろうと、裁判所に対し何度も食い下がりました。不採用基準には分割・民営化の反労働者性と不当労働行為性が明確に現れているからです。
しかし、裁判所は葛西の証人採用には絶対に応じなかった。そこでやむなく、国鉄職員局課長補佐として、葛西のもとで名簿作成の実務に当たった伊藤嘉道証人(証言当時、JR高崎支社長)を引き出すことにした。彼への尋問で、名簿からの削除を指示したのは葛西だったこと、これを受け伊藤ら職員局課長補佐が各鉄道管理局に電話で名簿からの削除を指示した事実が明らかになった。非常に切迫した形で、急きょ名簿からの削除が行われたということです。
控訴審の目標は“JR復帰”
00年の4党合意や10年の4・9政治和解は「JRに法的責任なし」を大前提にしたものです。これに対し、私たちの基本的立場は、JRと国鉄、国鉄を引き継ぐ鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄運機構)は一体のものだということです。
動労千葉については千葉地労委が「不採用者をJR東日本職員として取り扱え」という命令を出した。全国各地の地労委も国労や全動労組合員の不採用について同様の命令を出しています。しかし、JRが労働委員会命令の取り消しを求めて起こした裁判で、最高裁は03年12月、国鉄改革法を盾に、「国鉄が採用候補者名簿の作成にあたり組合差別をしたとしても、JRは使用者としての不当労働行為の責任を負わない」という不当な判決を確定させてしまった。動労千葉についても、04年10月に最高裁が同様の判決を出しています。
こうした中で鉄建公団訴訟は、鉄運機構を相手に「鉄運機構職員としての地位を認めろ」という形で闘わざるをえませんでした。JRを直接相手にした形ではないので、最初の請求は「鉄運機構は、原告のJRへの採用を求める要請書をJR東日本に交付せよ」というものでした。しかし、要請書を出せというだけでは明らかに不十分です。
6・29判決でJRの法的責任を実質上、認めさせるところまで押し込んだわけですから、控訴審では鉄運機構に対し「不当労働行為をしたのだから、原告をJRに採用させる義務があることを認めろ」と迫っていく。1047名解雇撤回・JR復帰という闘争路線を訴訟上表現すれば、こういう形になると思います。
6・29判決をもぎり取った動労千葉の闘いに、鉄運機構やJRはもとより、全資本家階級が震え上がっていると見て間違いありません。だから東京高裁は10月11日、国労秋田闘争団の小玉忠憲さんの鉄運機構訴訟で、資本家の階級意思を体現し、6・29判決の判断をことごとく覆す超反動判決を出しました。こうした反動を粉砕し、「JRに法的責任なし」を確定させた最高裁判決と国鉄改革法を実質的に覆すためには、現場の闘争と裁判闘争を結びつけていくことが不可欠です。
11・4日比谷に集まり団結を
6・29判決は、JRの検修業務外注化を阻止する闘いと重なり合う形で出されました。外注化は第2の分割・民営化攻撃そのものです。直接の利潤追求につながらない検修職場を外注化し、労働者を外注会社に出向させる。これは、帰るところを失わせるという意味で実質的な転籍ですし、広い意味での首切り攻撃です。安全も投げ捨てられる。尼崎事故も「稼げ」というJRの方針から引き起こされた。外注化は途方もない違法行為であり、不当労働行為です。
外注化との攻防と連動してこの裁判は闘われます。これはずっと昔のことを争っているのではなく、現在的な闘いです。
国鉄分割・民営化は、労働者をいったん解雇し選別的に採用する攻撃の端緒を切り開きました。今、大阪市長の橋下は、公務員労働者を大量に解雇する攻撃に乗り出しています。1047名解雇撤回・JR復帰の闘いは、道州制導入を始めとした新自由主義の攻撃に対する決定的な反撃です。
新自由主義は完全に行き詰まり、資本主義に明日はありません。凶暴な弾圧や抑圧に対して、労働者が団結して闘いぬく。団結が確保されていれば、不当な合理化や首切り攻勢に対決し、勝ちぬくことができます。その団結の中心軸に11・4全国労働者総決起集会は位置づけられると思います。”闘えば必ず勝てる”と全体で確認しあい、国境をも越えたより大きな団結をつくるため、11・4日比谷にぜひ集まって下さい。
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動労千葉鉄建公団訴訟 6・29判決の要点
1 国鉄当局としては、いったんは原告らを含む動労千葉所属組合員をも基本的には採用候補者名簿に記載する方向で動いていたにもかかわらず、改革労協側の姿勢に触発されるなどして、動労千葉等、分割・民営化に反対する労働組合に属する職員を不当に差別する目的、動機の下に、本件名簿不記載基準を策定したと推認するのが相当である。
2 本件名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されたはずであるといいうるから、上記不法行為に基づく損害として、原告らがJR東日本に採用されたであろうことを前提にした経済的利益(逸失利益)を観念する余地がある。
3 しかしながら、不法行為に基づく損害賠償請求権と、雇用契約関係の存続を前提としたいわゆるバックペイ(無効な解雇後の賃金)の請求権とは、もとよりその性質が異なるものであり……原告らが労働能力自体を喪失したわけではなく……一般的、客観的見地から再就職するのに相当と考えられる合理的期間の賃金相当額のみを認めるのが相当であると解される。
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週刊『前進』(2556号2面3)(2012/10/15 )
控訴棄却の反動判決弾劾
鉄道運輸機構訴訟
国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟につき、東京高裁第14民事部(設楽隆一裁判長)は10月11日、控訴棄却の反動判決を出した。(詳報次号)
同訴訟の一審判決は、国鉄清算事業団による90年4月の解雇を有効とし、JRに採用されたら得られたはずの賃金の損害賠償請求についても消滅時効で切り捨てる許し難いものだった。
今回の判決は、それをも上回る極悪の判決だ。東京高裁は動労千葉鉄建公団訴訟の6・29判決を徹底的に意識し、その内容をことごとく覆すためにこの判決を振り下ろしたのだ。判決はまず、不採用基準について合理的であり不当労働行為に該当しないと断定した。
また、小玉さんが受けた停職処分もについても、職場規律確立のためにはやむを得ないと言い放った。だが、その処分は、雪のためわずか数分遅刻したことや、管理者の不当労働行為に抗議したことなどを口実とするまったく不当なものだ。
小玉さんは判決後の集会で「判決はわれわれの闘いへの恐怖の表れだ」と喝破した。JRを大破綻に追い込んだ外注化阻止決戦が、大反動を引き寄せたのだ。だが、それで闘いがねじ伏せられるわけがない。怒りをばねに11・4集会に向けて闘いぬこう。
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週刊『前進』(2556号3面1)(2012/10/15 )
全産別で外注化阻止・非正規職撤廃を
11・4集会の万余の大結集へ全逓労働者こそ最先頭で闘う
革共同全逓委員会
動労千葉、動労水戸を先頭とする10・1JR検修・構内業務の外注化絶対反対の闘いは、やむことのない青年労働者の決起をつくりだし、戦後労働運動の限界をのりこえる、階級的利害をかけた決戦として闘いぬかれた。そして闘いは全面外注化阻止の新たな段階へ突入した。闘う全逓労働者はこの階級決戦をともに闘い、郵政民営化絶対反対―外注化阻止・非正規職撤廃・新人事給与制度導入阻止、JP労組本部打倒の闘いへ、11・4総結集へ、まなじりを決して突入している。
階級的労働運動復権を
今秋決戦の課題は、職場から立ち上がった正規・非正規の青年労働者とともに、国鉄闘争と反原発闘争を一体的に闘いぬき、その中で階級的団結を打ち固め、さらにその団結を拡大していくことにある。職場で外注化阻止・非正規職撤廃の闘いをやりぬいて、その力で11・4日比谷野外音楽堂への大結集を実現することにある。
最末期の帝国主義は絶望的な延命形態である新自由主義の外注化・非正規職化攻撃を、労働者階級に対する階級戦争として加え続けている。しかし、全世界で外注化阻止・非正規職撤廃、「生きさせろ」の闘いが爆発している。その最先頭で動労千葉、動労水戸を先頭に外注化阻止決戦が闘いぬかれている。外注化阻止・非正規職撤廃の闘いこそ、プロレタリア世界革命に向け全世界の労働者の団結をつくりだす戦略的な闘いなのだ。
国鉄労働運動と全逓労働運動は日本階級闘争を先頭で切り開く牽引(けんいん)車としてあった。大恐慌が深まり、大失業と戦争の攻撃が切迫するなかで、今こそJR外注化阻止決戦と民営郵政打倒の階級決戦に勝利し、階級的労働運動の復権をかちとらなければならない。JRで青年労働者の総反乱が起こっているように、郵政でも青年労働者の総反乱が起こっている。郵政非正規ユニオンの闘いの拡大として反撃は始まっている。
大恐慌と3・11情勢のもとで新自由主義攻撃は破産を深め、それに全国の現場の闘いが重なり、郵政民営化は破綻状況だ。郵政民営化はいまだ決着などついていない。民営郵政資本=斎藤・鍋倉らは、事業危機・赤字論を絶叫し、民営郵政の破綻の責任を労働者に転嫁しながら郵貯・簡保2社株式上場と郵便事業への徹底した合理化・非正規化を突破口とする完全民営化を狙っている。この本格的攻防がすでに始まっている。
郵政民営化は、連合全逓中央本部の屈服によって強行された。郵政民営化は「戦争と民営化―労働組合解体」攻撃そのものだ。われわれ闘う全逓労働者は郵政民営化絶対反対の闘いを全国の職場生産点で闘いぬいてきた。とりわけ「民営化の戦略的事業」として民営郵政と連合JP労組中央が一体になって進めたJPEXという日通ペリカン便との小包部門統合とその子会社化が、7千人を超える出向・労働条件の切り下げ攻撃であることを具体的に暴露・宣伝し、最後は現場の闘いで破産させたことは決定的だった。
この攻防で、斎藤・鍋倉らの無責任さと労使一体になったJP労組本部の正体を、現場の全国の組合員は怒りをもって実感した。つまり要員不足と非正規6割の職場の現実とあわせて、郵政民営化とはこういうことだと身をもって体験したのである。いまだ現場の労働者の戦闘性と団結は健在だ。
新人事・給与制度阻止!
新自由主義攻撃は、郵政職場においても10割の非正規職化への衝動を強めている。郵政資本は、集配労働者の団結の徹底的な解体計画を「郵便再生ビジョン1・2」で満展開し、集配部門の外注化まで突き進むものとして新人事・給与制度の導入を進めている。
新人事・給与制度は、大幅な賃下げと競争・分断で現場の労働者全員を事実上の非正規労働者にたたき込むものだ。新人事・給与制度で新たに導入される「新一般職」に、現場労働者のほとんどを置き換えようというのである。民営化後5年たっても手を付けることができなかった賃金体系の抜本的改悪によって、労働者の基礎的団結形態である労働組合を根絶しようという、まさに郵政民営化の最後の仕上げとも言うべき攻撃が新人事・給与制度である。
JP労組中央は、8月10日に出された会社の「中間回答」を受けて職場討議を行い、10月の第10回中央委員会で意見集約・再要求を作成するという。来年6月の全国大会で承認するという計画だ。
しかし現場労働者はだれひとりとして新人事・給与制度の導入を承認していない。この夏の各支部大会では反対の声があいつぎ、東京銀座支部や仙台東南支部をはじめ反対決議をあげた支部が続出した。連合JP労組中央が何をもくろんでも、現場の労働者が物を言い、分会・支部の団結を力に行動することで事態はまったく変わる。
郵政民営化から5年、職場はとんでもない状況だ。慢性的な要員不足による郵便事故、交通事故が多発している。しかしJP労組幹部は見て見ぬふりだ。その結果、資本の強権的な職場支配を許し、矛盾の多くは非正規労働者に集中され、自爆営業の強制、極限的な疎外労働の拡大、雇い止めの乱発となって襲いかかっている。だが非正規職労働者、青年労働者はもはや黙ってなどいない。この現実を覆す闘いが全国で始まったのだ。
新人事・給与制度の導入こそ、物の言えない職場、すべての労働者の非正規職化を狙った攻撃だ。外注化阻止・非正規職撤廃の職場抵抗闘争として新人事・給与制度粉砕の決戦を闘い、職場支配権を奪還しよう。
郵政非正規ユニオン組織拡大へ
郵政非正規ユニオンの結成は、日本郵政グループ全体で24万人にのぼる非正規職労働者の決起の号砲となった。今年7・1郵政非正規ユニオン東京協議会の結成、さらには8・5全国協議会の結成と、全国の郵政非正規労働者の本格的組織化=1千人組織建設の闘いが燎原(りょうげん)の火のように広がっている。
非正規職労働者は理不尽に雇い止め解雇されるかもしれないという攻撃に常にさらされ、正規職と同じ、否それ以上の労働をしながら低賃金と無権利状態のなかで奴隷のような非人間的労働を強制されている。そのなかで団結が奪われてきた。これに対して労働者は根底的怒りを蓄積させてきた。郵政非正規ユニオンの闘いは、非正規労働者が、「組合をつくって闘えば勝てる」「団結に生きる」ことを自らの闘いとして雷鳴のようにとどろかせた。
郵政をはじめとする非正規職労働者の決起と闘いは、非正規職撤廃の闘いが現代プロレタリア革命の核心的課題であることを突き出している。新自由主義は大恐慌を勃発(ぼっぱつ)、激化・拡大させ、さらに非正規職化攻撃を極限的に促進している。階級性解体・分断支配を貫き、労働者の誇りと団結を徹底的に奪う攻撃だ。
だからこそ非正規労働者は、自らの闘いとして資本による分断を打ち破る以外にない。非正規労働者は階級として団結することによって労働者の誇りと人間的共同性を取り戻し、資本の支配を根底からひっくり返していく主体そのものだ。正規職労働者と非正規職労働者の闘いを、民営郵政とそれを支えるJP労組本部打倒の闘いへと押し上げよう。
職場で徹底的に闘おう
野田政権の国家戦略会議は7月、労働者全員を有期雇用(非正規職)に切り替えて「40歳定年制」を導入するとの提言を打ち出した。資本主義・帝国主義の延命をかけて全面外注化と10割非正規化へ踏み出すという絶望的な階級戦争宣言である。郵政大リストラ―非正規職労働者の雇い止め解雇攻撃との闘いは、労働者階級の命運を決する歴史的決戦であり、10・1JR外注化阻止決戦と一体で闘いぬくことでプロレタリア革命をたぐり寄せる闘いなのだ。
原発に対する労働者人民の怒りは、国家と社会の根底的変革を求める歴史的な行動となって爆発している。それは首相官邸・国会前、霞が関一帯の占拠・包囲行動を先端に、全国で数万、数十万の行動として闘われている。闘う労働者はフクシマの怒りと苦しみを真っ向から引き受けて、原発事故の大惨事を強制した支配階級を根こそぎ打倒し一掃するために実力決起していこう。この立場に立ちきって、自らの職場で徹底的に闘っていこう。
今日、この新自由主義への怒りを革命に転じていく鍵は職場闘争にある。職場に闘う労働運動・労働組合を復権することだ。日常的実践の基盤を、資本による搾取と支配の場である職場生産点に置くことを基本に闘おう。この職場生産点の闘いのなかに、新自由主義のもとで生まれ育ってきた青年労働者とつながる鍵がある。この闘いを路線化し実践してきているのが動労千葉の反合理化・運転保安確立の闘いである。
11・4労働者集会は目前に迫っている。動労千葉の田中康宏委員長は、今年の11月労働者集会の性格を「闘う労働組合の組織拡大大会にしよう」と呼びかけている(第1回実行委員会)。
この立場に立って全逓委員会は11月集会1万人結集の先頭で闘う。党と労働組合の一体的建設を推進して、動労千葉に続く階級的労働運動の拠点建設を成し遂げよう。職場細胞建設の前進を土台に、11・4労働者集会1万人結集を何としても実現しよう。
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週刊『前進』(2556号3面2)(2012/10/15 )
全組合員が組織拡大に立ち11・4大結集を実現しよう
革共同合同・一般労組委員会
職場から根底的決起を生みだす
動労千葉、動労水戸、動労総連合の闘いは、JR東日本全体の検修職場からの大反乱をつくりだした。外注化を強行した10・1から全組合員がストライキに決起、外注先での偽装請負摘発・追及、外注先の労働者をも組織して外注化を完全につぶす闘いに突入した。これをすべての労働者がかつてない衝撃的な感動をもって迎えている。これが新自由主義と闘って勝つ労働運動だ!
労働者階級の未来のために、とことんまで闘い抜く。動労千葉労働運動を全産別に波及させ、労働運動を復権させる闘いを革共同合同・一般労組委員会は組織し抜く。11・4労働者集会1万人結集を担い抜く。
すでに、動労千葉の全組合員あげた外注化阻止の闘いはJR当局と東労組カクマルをガタガタにし、強制出向の事前通知受け取り拒否など抵抗闘争は東日本全管内に広がっている。「青年労働者を絶対に守る!」と被曝労働絶対反対を貫いてきた動労水戸の闘いは、外注化阻止のストライキに対し平成採青年のすべてがスト破りを拒否するという根底からの決起を生み出した。青年自身、自らのクビを賭けなければこんなことはできない。
当局は青年を処分すれば、動労水戸に総加入してしまうから処分もできないのだ。外注化を絶対阻止して非正規職化をぶっ止める! 階級的労働運動が労働者階級を根底からとらえ、闘う団結に組織していく本格的な段階に入った! 全党がこの時代認識をもって、断固闘いを推し進めることが重要だ。
新自由主義は資本主義を延命させるために、とことん外注化・民営化・非正規職化を進める以外にない。原発での非正規下請け労働者への被曝労働強制・使い捨て・殺人攻撃こそ非正規労働の縮図だ。原発再稼働は「命より金」という資本家階級とその国家の正体をあからさまにした。だから、「原発を止めろ! すべて廃炉にしろ!」という巨万人民の怒りはとどまることはない。
労働者をモノとしてしか見ない新自由主義は人間も社会も破壊し尽くす。だから、「解雇撤回! 外注化阻止・民営化絶対反対・非正規職撤廃! 被曝労働拒否」の路線で真正面から闘うことが、新自由主義を打ち破る団結をつくる。労働組合を甦(よみがえ)らせるのだ。資本の手先となっている連合や全労連など体制内組合幹部をたたきのめし、団結して闘い生きることの素晴らしさに青年労働者を獲得することができる。
外注化阻止決戦が切り開いている階級的団結の闘いを、あらゆる産別職場に押し広げなくてはならない。この闘いと一体となって外注化阻止・非正規職撤廃で団結を拡大していくことが合同労組の決定的な役割だ。
(写真 7・15鈴コン支援・連帯共闘会議結成集会。分会員がそろって登壇)
分断をのりこえ非正規の団結を
10・1のその日、大阪では郵政近畿支社の前で、「支社長出て来い! 雇い止めを絶対許さんぞ! 解雇を撤回させるまで闘うぞ!」と怒りの声がとどろいた。T支店で、これまで「自主退職」強要を拒否してきた3人の契約社員に、近畿支社は一片の雇用期間満了通知で雇い止め解雇してきたのだ。
しかし、3人の団結した闘いは正規労働者の怒りの決起をバネに、正規・非正規を越えたJP労組分会員多数の決起をつくりだした。組合員の解雇に対して闘わない組合でいいのか! 一方的な大幅賃下げと闘わない組合でいいのか! 闘う労働組合を甦らせるうねりが始まっている。関西合同労組は郵政非正規部会を6月に結成し、非正規職労働者の団結を組織して、この決起を根底から支えてきた。
非正規職撤廃闘争の先頭に立つ東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会は、東京―全国を駆け回り、自ら「鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議」を組織している。「鈴コン闘争で東京の労働運動を変えてやる!」というものすごい意気込みで実際に連帯の輪を広げている。郵政非正規ユニオンは8・5広島で全国協議会を結成し、全国で組織を拡大し、実際に雇い止めを阻止する闘いを繰り広げている。
非正規職労働者は労働者自己解放の主体であり、分断を越えて正規職労働者の決起を呼び覚まし、闘う労働運動を甦らせる決定的な存在である。このことを動労千葉の12年にわたる外注化阻止闘争とともに、鈴コン分会や郵政非正規ユニオンの闘いが証明した。そこから階級的労働運動の「外注化阻止・非正規職撤廃」の路線が打ち立てられた。「外注化阻止・非正規職撤廃」は単なるスローガンではなく、とことん闘うことで新自由主義によって人間の尊厳を踏みにじられている青年労働者を獲得し、階級的に団結させることができることを示している。
新自由主義は外注化・非正規職化を進めることで、日本のみならず世界中に資本主義体制のもとでは生きていけない非正規職労働者=「資本主義の墓掘り人」を膨大につくりだしている。
党と労働組合の一体的な建設へ
資本による労組への分裂工作をのりこえて、鈴コン分会が強固な団結で闘って来られたのは、仲間の解雇を絶対許さないという分会員の怒りと闘いを党細胞建設に結実させたからだ。鈴コンの闘いにおいては、すべての非正規労働者の怒りを集約したものとして職場闘争を闘い抜いてきた。それが同時に党建設そのものだったのである。地区党の指導のもと、党と労働組合の一体的建設の勝利として、今日の鈴コン闘争の地平がある。
合同・一般労組全国協議会第3回臨時大会(4月28日)は、この鈴コン闘争を通して全国協の組織強化・拡大を目指し、団結していく大会だった。非正規職労働者が自ら労働組合を組織して資本と闘い、階級意識を獲得し、階級的団結をつくりだす。解雇撤回・非正規職撤廃の闘いを貫くことで労働組合の系列を越えて支援・連帯を拡大し、闘う労働運動を甦らせていく。そして全国の合同労組が「鈴コンのように闘う」労働組合・分会をつくっていくのだ。そのためにも鈴コン闘争を絶対に勝利させる。
外注化阻止・非正規職撤廃の国鉄決戦を全国協は自ら担い抜き、JR非正規職労働者を組織する運動方針を第4回大会(10月6日)で決定した。
郵政においても大阪T支店での闘いのように、非正規労働者の団結をつくることが同時にJP労組を揺り動かし、JP労組幹部を打倒して労組交流センター派の職場権力奪取−拠点建設の根底的原動力となる。そういうものとして、郵政非正規ユニオンを全国で強化・拡大していく局面に入った。
これらの闘いを推し進める上で重要なことは、地区党が全責任を負い、そのもとで産別委員会が路線の貫徹、実践方針について徹底議論し、一致し団結して取り組んでいく作風を確立することである。この中で、地区党−合同労組細胞の果たす役割は決定的であり、中央委員会−細胞建設論を踏まえ、獲得し獲得されるものとして徹底議論し、路線の一致をかちとることが必要だ。
革共同合同・一般労組委員会は時代認識と路線で一致し団結を強固にかちとり、全国協の組織拡大決戦に打って出る。動労千葉のように、関西地区生コン支部のように、組合員全員が組織拡大を実践し、1千人の隊列で11・4日比谷集会に登場するために、闘って闘って闘い抜く。
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週刊『前進』(2556号3面3)(2012/10/15 )
“郵政労働者は団結を”
東京集会 青年先頭に活発な討論
「郵政民営化絶対反対・非正規職撤廃! JR外注化阻止! すべての原発を廃炉に!」を掲げた郵政労働者集会が、郵政非正規ユニオンと全国労組交流センター全逓労働者部会の共催で、10月6日夕方から東京・品川区で行われた。会場には、このかん闘いに加わった青年を先頭に多くの労働者が郵政職場や地域から駆けつけて活発な職場報告と討論を行い、11・4労働者集会への結集を誓い合った。
主催者あいさつを郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長が行い、「僕たちは『闘っても勝てない、しかたがない』と言われてきた。しかし、闘って明るい社会も未来もつくっていく。明るく楽しく真剣に闘おう。郵政非正規ユニオン1千人建設実現を!」と決意を語った。
スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合(ス労自主)中央執行委員の中西敏勝さんが連帯あいさつに立ち、「ス労自主の12人の執行委員全員が、郵政非正規ユニオンを支える会の会員。ともに闘っていきたい」とあふれる思いを述べた。
基調報告をJP労組銀座支部の星野勝紀さんが行った。星野さんは職場における民営化攻撃との7年間の激烈な闘いを報告した上で、「民営郵政打倒とは、資本主義は終わりだという時代認識のもと、現場の労働者が職場を運営していくこと」「それは社会そのものを変革する闘い」と言い切り、「JR10・1外注化絶対反対の闘いとともに、社会を自らの手に取り戻す日まで、壮大な事業に着手した」「闘う団結を拡大していくことが、先端の闘い」「11・4労働者集会で、産別を越えた、国境を越えた団結をさらに強化拡大し、現場の労働者の手で未来を切り開こう」と意気高く訴えた。
職場からの報告と討論に移った。大阪のA局で闘う仲間は、職場での非正規職労働者3人の9月雇い止めに対して闘いぬき、「『自分たちは労働者なんや』と言い切って闘い、職場の雰囲気が変わった」「勝利した」と確信を込めて報告した。B局の非正規の青年労働者は、職場におけるパワハラ、要員不足による交通事故・郵便事故の多発、職場崩壊の現実を生々しく語り、「闘いを始める」と決意を表明した。C局の労働者は闘おうとしない組合幹部に対する怒りを述べ、「11・4労働者集会に参加したい」と語った。
福島の労働者は、3・11以降の福島の現実をつぶさに報告し、「国と東電に責任をとらせる。原発をなくすために人生をかける」と言い切った。E局の労働者は「同僚が『マルクスの話を聞かせてほしい』と言ってきた」と報告した。
なんぶユニオン委員長の宮里勝博さんが連帯あいさつに立ち、「合同労組をさらに強化し、郵政の非正規労働者とともに闘う」と決意を語った。
最後に、労組交流センター全逓労働者部会代表の岩本正治さんが「外注化阻止決戦に勝利し、11月労働者集会を成功させよう」とまとめを行い、会場が活気に包まれるなか集会を終了した。
(写真 若い仲間が中心となり、闘う郵政労働運動の新たな始まりを告げる集会となった【10月6日 東京・品川区】)
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週刊『前進』(2556号3面4)(2012/10/15 )
【要項】10・31狭山集会
寺尾差別判決38カ年糾弾! 狭山第3次再審
闘争勝利! 八尾北・西郡闘争勝利!
10・31狭山集会
東京 10月27日(土)午後6時30分
きゅりあん(JR京浜東北線・東急
大井町線・りんかい線大井町駅前)
主催 部落解放東日本共闘会議
関西 10月31日(水)午後7時
西郡第三集会所(八尾市幸町5−44)
主催 部落解放同盟全国連合会西郡支部
八尾北医療センター労働組合
関西労働組合交流センター
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週刊『前進』(2556号4面1)(2012/10/15 )
福島健康調査 “原発事故と因果関係なし”
秘密会意見調整に怒り爆発
マスコミの報道で、福島の子どもたちに対する県当局による大量殺人と言うべき犯罪行為が明らかとなり、福島県民の怒りが爆発している。
福島県が実施中の県民健康管理調査について、検討委員会の委員らを秘密裏に事前に集め、「がん発生と原発事故に因果関係はない」と結論付けるシナリオまで準備していたというのだ。
検討委員会は昨年5月に設置され、山下俊一・福島県立医大副学長を座長に、広島大や県立医大などの御用学者、国の担当者ら19人で構成。これまで開かれた8回の公式会議の前にそれぞれ30分〜2時間、「秘密会」を開催し、本会議のシナリオというべき議事進行表などを配り、認識のすり合わせ、議論の指示や予行演習をやっていた。配布資料は回収、議事録も残さず、存在自体を口止めする秘密会合だ。
特に、今年9月11日の会議では、同日、子どもの検査で甲状腺がん患者が初めて確認されたことを受け、「因果関係はない」とする結論を導き出すため、検討委員にあらかじめ決めた質問をさせ、県立医大の担当者に答えさせた。
昨年7月に福島県当局が作成し「取扱注意 第3回『県民健康管理調査』検討委員会 進行」と記されたA4判2nの進行表には、「○○委員」(○○は原本では実名)の「結語」として「内部被曝については、合計しても1_シーベルト未満であり、相当に低いと評価。他の地域の住民では、さらに低いと思われる」などと発言内容が指示がされている。別項目では○○委員に対して「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)再現データ(3月15日の課題)の質疑に終始しない。SPEEDIの話題のみが着目される可能性あり、そうならないよう願います。またそうなった場合は、『線量評価委員会』で検討とそらしてください」とまで露骨に指示しているのだ。
検討委員会を傍聴した「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」代表の佐藤幸子さんは、「不気味なほど意見が出ない。おかしい」と疑問を抱いていたと報道された。
こんな国・県当局と山下俊一ら御用学者の謀議で、あたかも原発事故による放射能被害などないかのように描き出して責任逃れを続け、福島の子どもたち、すべての人びとを高放射能汚染下に放置し続けてきたのだ。きわめて悪質で意図的な殺人行為だ。
事実が明らかになるや福島の人びとの怒りは爆発した。ただちに県当局や県立医大・山下俊一への激しい追及・弾劾行動となった。ところが事態の「徹底調査」を約束した県当局は、たった40人だけの調査で10月9日に調査結果を発表。準備会の開催や議事進行表の作成などの事実関係は認めつつ、「事前の意見調整の事実はなかった」「議論の誘導はなかった」とする居直りに終始した。これが許せるか! 国や県当局の責任逃れを許さず、福島の怒りと一つになり、労働者の闘い、労働組合の力で「健康管理調査」の名による殺人行為をやめさせよう。
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週刊『前進』(2556号4面2)(2012/10/15 )
“山下俊一解任を”
子ども福島ネットワーク 県知事に緊急抗議
10月9日、福島県民健康管理調査の検討委員会が行っていた「秘密会」を弾劾するために20人で福島県庁へ行ってきました。県側は秘書課長らが対応しましたが、肝心の県民健康管理調査の責任者は議会での説明を理由に私たちの前には現れませんでした。
まず「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」が県知事・佐藤雄平にあてて、山下俊一(県放射線健康リスク管理アドバイザー)をただちに検討委座長及び福島医大副学長から解任することなど7項目を求めた要望書を提出しました。
県側は「秘密会」について“見解のすり合わせの意図はなかった”と言いましたが、これに対して怒りの追及が始まりました。今回の行動を呼びかけた子ども福島ネット代表の佐藤幸子さん、佐々木慶子さんらが「なぜ山下俊一氏がまだ検討委員会の座長なんですか? 彼のシナリオどおりに福島県民は被曝を強制されているんですよね?」「あなたは『反対意見があることをわかっている』と言うが、行われている政策は山下氏の主張に沿っている。山下氏を辞めさせられないんですか!」「その会議の資料をすべて回収したなんて許せない」と徹底的に追及しました。しかし課長は「個人的には理解でき、またそのような要望があったと伝える」と、いつもと同じ対応を繰り返すばかりでした。
また低線量被曝の影響がないなどとはけっして言えないにもかかわらず、「子どもに渡したガラスバッジは規制値を超えていない」「甲状腺のしこりは心配ない」と言い続け、私たちの不安に向き合うことはありませんでした。
課長が「今後も含めて影響がどうなのかはわからない」と言うと、佐藤さんは「実際には2_シーベルトを超えて被曝している子どもがいる。わからないことだらけなのだから、そのとおりに発表しなさい。『混乱する』などと言うが、今の方が一層混乱している」と厳しく批判しました。
今回の行動で、やはり検討委は山下俊一の影響下にあり、それに対して意見を言わないメンバーばかりで固められていることがはっきりしました。私たちの手で一刻も早く山下俊一を打倒しようとあらためて決意しました。
(福島 Y)
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週刊『前進』(2556号4面3)(2012/10/15 )
10・5文科省前 疎開裁判の会が抗議行動
“子どもたち避難を”
10月5日、首相官邸・国会前、文科省前などに多くの労働者民衆が駆けつけた。「大間原発建設やめろ!」「福島の子どもたちを救え!」と抗議行動を行い、霞が関一帯はこれまでにも増して怒りの渦に包まれた。
文科省前ではふくしま集団疎開裁判の会の人たちが抗議・宣伝活動を行った。冒頭、弁護団長の柳原敏夫さんが裁判の経緯と現状を報告した。
「この裁判は郡山市の子どもたちの救済を求める仮処分裁判です。現在は仙台高裁で裁判が行われている。高裁での裁判は普通は書面審理だけだが、10月1日、審尋(審理)があり、お母さん2人が、なぜ裁判を起こしたのか理由を話した。この後、琉球大学名誉教授の矢ケ崎克馬氏、医師の松崎道幸氏の話を聞いてほしいと申し入れたが裁判所は退けた。山下俊一の証人尋問も申し入れたが『現在のところはやらない』と退けた」
「仙台高裁は、11月26日にも審尋を行うと決めた。高裁は、即座に却下してもいいものを、子どもたちの甲状腺検査の結果と全国の市民の声を無視できずにいる。これからも声を大きくし、福島の実態を伝え、避難をかちとっていこう」
続いて、毎日新聞がスクープした「秘密会」を演劇で再現し、批判した。福島県の県民健康管理調査についての公開の検討委員会の前に「秘密会」が行われていたことが判明した。そこで、子どもたちの甲状腺異常について「原発事故との因果関係はない」と打ち合わせ、検討委での質疑の「シナリオ」まで作っていた。「殺人会議だ! 未来に対する犯罪だ!」と徹底的に弾劾した。
「ウラ会議をやめろ!」「今すぐ疎開をさせろ!」。激しい怒りのシュプレヒコールが文科省にたたきつけられた。
7時に文科省前での行動を終え、デモで財務省上まで移動。そこでさらに抗議・宣伝行動を展開した。
毎週金曜日夜の行動は今や全国各地で闘われている。再び原発推進に突っ走り始めた政府・財界に対して、何十万もの人びとが絶対反対を掲げて不屈に立ち上がっている。新自由主義を食い破るJR外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの画期的地平は階級的労働運動の本格的復権を告げ知らせている。国鉄決戦を土台にして、帝国主義の打倒まで続く反原発闘争が燃え広がっている。11・4労働者集会に大結集し、11・11反原発100万人大行動へ!
(写真 「子どもを逃がせ!」。青年・学生らが文科省庁舎入り口まで迫り弾劾した【10月5日 霞が関】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2556号4面4)(2012/10/15 )
労働者の力で原発なくそう 11・4集会へ大結集を B
被曝労働絶対反対で闘おう
動労水戸に続く職場の決起を
これは非正規職撤廃の闘いだ
伊方廃炉へ闘う愛媛県職労
原発労働者の決起が始まる
9月21日付の東京新聞で福島原発労働者(Aさん、四十代半ば)のインタビュー記事が掲載された。Aさんが語る現実は東電・政府への、はらわたが煮えくりかえるような怒りなしには読めない。「下請けが鉛板で線量計を覆って(被曝を隠して)いた事件は氷山の一角。線量が限度に達して職を失うことを恐れている人たちはいる」。被曝線量上限が労働者の健康を守る基準ではなく、解雇、すなわち労働者の生活を奪う「基準」となっているのだ。下請け=非正規職であるがゆえに、目前の生活のため、文字通り生命を削る。これほどの転倒があるだろうか!
結論としてAさんは「健康面での一生の保障、ピンハネを許さない賃金管理」「準公務員並みの雇用体制」を要求した。原発労働者が生きるための要求として「下請け労働=非正規職撤廃」が公然と宣言された。また『国際労働運動』8月号でインタビューに答えた原発労働者・前川原沢夫さんは「仲間内で……『ストをやろうか』という話をしているんです」と語った。命がけで福島第一原発事故の収束に当たっている労働者の中から団結と闘争、そして闘いの路線が生み出されはじめている。
今年5月までに福島第一原発で働いた作業員は2万2千人を超える。1日あたり約3千人。すでに30人が熱中症などで倒れ、亡くなった(殺された!)労働者は5人。死因は「心不全」「急性心筋梗塞」と発表されている。東電と政府は被曝との関連を必死に否定しているのだ。20_シーベルト以上の被曝をした労働者はすでに4千人を超えている。しかも、これらの数字はすべて東電の発表であり、ほんの一部だ。
これまで隠されていた「被曝隠し」「偽装請負」などの許し難い収束作業の実態が労働者自身によって暴かれはじめた。首相官邸前の20万人、7・16の17万人という巨万の反原発決起がこうした情勢を促進している。必要なのは、「俺たちは使い捨てのモノじゃない!」と団結し、被曝労働の下請け化=非正規職化を認めてきた電力総連・連合の支配を打ち破り、闘う労働組合を公然と登場させることだ。
8月5日、広島市内で開かれた「すべての原発いますぐなくそう全国会議」(NAZEN)結成1周年集会で、元原発労働者で全日本運輸一般労働組合原子力発電所分会の分会長だった斉藤征二さんは「被曝を分け合って原発を支えている」原発労働者に思いを寄せながら、今こそ原発下請け労働者の労働組合が必要であり、心を一つにして闘おうと訴えた。
(写真 再稼動するな! 廃炉にしろ! 愛媛県職労を先頭に伊方原発へ申し入れ【5月6日】 )
被曝労働拒否でストライキ
こうした福島原発労働者と結びつく労働組合の闘いも始まっている。その先頭に立っているのが動労水戸だ。
7月30日、JR東日本水郡線営業所運輸科で強行された気動車(ディーゼルカー)の除染作業に反対し、動労水戸大子(だいご)支部の組合員がストライキに決起した。この日の作業は中止に追い込まれ、他労組の青年がスト破りを拒否する画期的な事態も生まれた。翌日以降、動労水戸は除染作業が終了するまで、当日朝に行われる作業指示が組合員に出されたら一人であってもその場で指名ストに入るという、かつてない連日のストライキを貫徹した。
JR水戸駅と郡山駅を結ぶ水郡線は気動車なので、夏場のオーバーヒート対策としてエンジンのラジエーター(冷却装置)を通常は夏前に清掃する。しかし、水郡線は高線量地域を走行するためラジエーターには放射性物質を含むチリが付着している。水戸支社は当初、チリを圧縮空気(エア)で吹き飛ばそうとしたが、「チリを吸い込み、内部被曝する」と現場から怒りの声が上がり、昨年から1年以上にわたって作業を中止してきた。
会社は今年6月になって、「エアの代わりに高圧蒸気と水で洗い流す方法に変更するから問題ない」と説明した。しかし管理者が行ったテスト洗浄は雨ガッパ、ゴーグル、マスクの「完全防備」での作業。危険な除染作業であることを会社も認めているのだ。汚染の隠蔽(いんぺい)までも発覚する中で、動労水戸は「仲間を被曝から守るためには絶対反対で闘うしかない」とストライキに突入したのだ。動労水戸は3月にも、女性車掌が放射能汚染地域での列車乗務と被曝を強制されたことに対して怒りのストライキに立ち上がっている。
被曝を強制する資本や当局の責任をはっきりさせ、職場から被曝労働絶対反対で闘う動労水戸の闘いこそ、原発労働者との最大の連帯だ。さらに10・1JR外注化阻止決戦で開始されたJR青年労働者の大反乱は、必ず原発労働者に波及していく。
全原発の廃炉以外にない!
自治体の労働組合も被曝労働絶対反対の立場から「全原発廃炉」へ闘っている。8・6ヒロシマ大行動で愛媛県職労委員長の宇都宮理さんは「愛媛県職員労働組合は、労働者の被曝の犠牲の上に成り立つ原発を許すことはできません」と発言した。
愛媛県職労は2月24日、愛媛県当局に対し「労働安全衛生の確保」という労働組合の当たり前の要求として「原子力災害対策業務に関する申し入れ」を行った。「原子力安全対策業務においては、職員の労働安全衛生が守られることはなく、人体・生命に危険を及ぼす業務とならざるを得ないことからも、ただちに伊方原発を停止し順次廃炉にするよう、四国電力に要請すること」(3月6日付組合機関紙「県職通信」)
愛媛県当局は「労働安全衛生」に関する事項について労働組合との団体交渉を拒否することはできず、ペテン的にであれ、「危険な職務命令はおこなわない」と表明せざるを得なかった。このことは伊方原発再稼働を狙う野田政権と愛媛県・中村時広知事にものすごい打撃を与えている。愛媛県職労はこの交渉をバネにして3・11福島と伊方現地の原発反対の闘い、さらに8・6ヒロシマ大行動に組合決定で取り組んでいる。
他の自治体でも、「公務員の守秘義務」を振りかざした放射能汚染の隠蔽に対して、これを打ち破って堂々と当局を弾劾する闘いが起こっている。「被曝労働反対」「全原発の廃炉」は職場の労働者のみならず、地域の住民を被曝から守る闘いでもある。全人民を獲得し、勝利できる闘いなのだ。労働組合が被曝労働反対、全原発廃炉で立ち上がることこそ、反原発100万決起と全原発廃炉への最短の道だ。
11・4で政府・東電に反撃を
あらためて第一に、核・原発と人類は相いれない。低線量だろうと放射線は、生物を細胞・遺伝子レベルで傷つけ、健康に重大な影響を与える。がれきの輸送や除染など、すべてが被曝労働であり。また住民への被曝の拡散である。絶対反対の立場以外にない。
第二に、資本や政府・当局は、原発事故や放射能汚染、労働者の被曝について一切責任をとらない。放射能汚染の隠蔽など平気でやる。放射能や被曝に立ち向かう力を人民、社会から奪い続けることなしに、原子力産業−帝国主義は延命できないのだ。「放射能は安全」デマをまき散らす山下俊一福島県立医大副学長ら御用学者は労働者・労働組合の敵だ。山下体制を打倒し、被曝労働と闘う拠点としての福島診療所建設を、労働組合の闘いとしてかちとろう。
第三に、資本・当局に対し、団結して徹底的に闘い、原発事故と放射能汚染、被曝のすべての責任をとらせる以外に「放射能から命を守る闘い」はできない。放射線や被曝は「自然現象」ではない。政府や東電をはじめとする資本が強制しているのだ。「被曝労働拒否」とは、被曝そのものを避けるとともに、被曝を強制する資本や政府・当局への徹底的な責任追及であり、闘いを通して職場支配権を奪還するきわめて攻勢的な闘いだ。
第四に、だからこそ「外注化阻止・非正規職撤廃」を掲げた11・4労働者集会こそ、被曝・被曝労働を強制する野田政権・東電に対する最大の反撃だ。動労水戸や愛媛県職労、そして集会を呼びかける全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合や福島で闘う原発労働者をはじめとする労働者人民と固く団結し、11・4労働者集会に巨万の結集をかちとろう。
(松本洋人)
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週刊『前進』(2556号4面5)(2012/10/15 )
8・6―8・9全国実行委など “大間原発建設やめろ”
電源開発本社に抗議
10月10日夕刻、東京・銀座の電源開発(Jパワー)本社に対し、青森県の大間原発の建設再開即時中止を求めて緊急抗議行動が展開された。地元青森・北海道と連帯し、なんとしても建設を止めたい一心で40人が駆けつけ闘い抜いた。
建設再開中止の申し入れは3団体。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会が「核武装と金もうけのためのフルMOX大間原発絶対反対」を、東京中部労組交流センターが「労働者の被曝労働なしに成り立たない原発絶対反対」と訴え、さらにNAZENが「今回の暴挙は必ず未来の審判を受ける。建設計画を白紙に戻せ」と激しく弾劾した。
「労働者は一つだ。共に大間原発反対を」と書かれたビラが退勤する労働者に配られるなか、参加者が次々と抗議の発言を行った。大間原発の建設予定地で土地を売らなかった地権者に対して電源開発がしてきたありとあらゆるいやがらせ。10月1日、大間原発建設再開を宣言し、大間町役場で地権者の手紙すら受け取らず、逃げ去った北村雅良社長。「なんとひどい会社だ」「ふざけるな!」――電源開発への怒りの声が渦巻いた。
「今後は集会にとどまらない大間原発建設に反対する行動を提起していく」と、青森から駆けつけた仲間は地元の不退転の決意を紹介した。
「もっと現地行動に合流するとともに、電源開発本社がある東京でできることはいくらでもある」「Jパワーがあきらめるまで闘い続けましょう」。電源開発本社への闘いの意義を共有し、「ただちに建設をやめろ!」のシュプレヒコールを一斉にたたきつけて闘争を締めくくった。
(写真 “建設計画を白紙に戻せ”。大間原発建設中止を求め緊急抗議行動【10月10日 銀座】)
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週刊『前進』(2556号4面6)(2012/10/15 )
10月2日〜8日
インドネシアで200万人ゼネスト/オスプレイ、沖縄で初訓練
●福島健康調査で秘密会 福島県の県民健康管理調査について専門家が議論する検討委員会を巡り、県が委員らを事前に集め、秘密裏に準備会を開いていたことが分かった。(3日)
●再稼働の判断はせず 原子力規制委員会は原発の再稼働について安全性を確認するのが役割で、再稼働の判断はしないとの見解を示した。(3日)
●大間原発の断層現地調査を検討 建設工事が再開される大間原発について、原子力規制委員会の田中俊一委員長は「現地調査を含めた判断ができるようにしたい」と述べた。(3日)
●テヘランで数千人デモ イランの首都テヘランで物価高に抗議する市民や商人たち数千人がデモ。(3日)
●インドネシア200万人ゼネスト
インドネシアで複数の労組が賃金引き上げや派遣・請負労働の廃止などを訴えゼネストやデモを実施した。全国約200万人の労働者が参加。(3日)
●トルコ、砲撃受け死者 シリア側から飛来した砲弾がトルコ側で爆発し、住民5人が死亡。トルコは報復としてシリア側の陣地を砲撃した。(3日)
●アジア太平洋へF35を優先配備 米国のカーター国防副長官は最新鋭ステルス戦闘機F35をアジア太平洋地域に優先配備する意向を示した。(3日)
●オスプレイが沖縄で初訓練 沖縄に配備された米新型輸送機MV22オスプレイが訓練飛行を始めた。(4日)
●「再稼働は規制委が判断」 前原誠司国家戦略相は、政府が原発再稼働の是非を判断せず、原子力規制委員会が安全だと確認した原発を再稼働させる方針を示した。(4日)
●上関原発建設白紙に 山口県上関町で中国電力が建設を計画している上関原発について、山口県の山本繁太郎知事は、予定地周辺海域の埋め立て免許更新を認めない方針を言明。(5日)
●最終処分の場所、選び方を再検討
長浜博行環境相は、高濃度放射性物質に汚染された「指定廃棄物」を埋める最終処分場の候補地の選び方などを再検討する考えを示した。(5日)
●復興予算で官庁改修 東日本大震災の復興予算が全国の官庁施設約100カ所の耐震補強などに約120億円使われ、来年度予算でも60億円要求されていることがわかった。(6日)
●オスプレイ配備完了 米軍岩国基地に一時駐機していたMV22オスプレイ3機が普天間飛行場に配備され、普天間に全12機がそろった。(6日)
●韓国弾道ミサイル延長 韓国が弾道ミサイルの射程制限を現在の300`から800`に拡大することで米国と基本合意に達した。(6日)
●首相が福島視察 野田佳彦首相は福島県の福島第一原発を訪れ、4号機の建屋に入った。同県楢葉町の汚染土壌の仮置き場も訪ねた。(7日)
●ミンダナオ和平へ合意 フィリピンのアキノ大統領は反政府組織モロ・イスラム解放戦線(MILF)との間で自治政府の樹立による恒久和平を目指すことで合意したと発表。(7日)
●チャベス氏4選 ベネズエラの大統領選で現職のウゴ・チャベス氏(58)が4回目の当選を果たした。(7日)
●福島第一原発2号機に温度計 東京電力は福島第一原発2号機で、原子炉圧力容器付近を測る温度計を事故後初めて設置したと発表。温度計は相次ぐ故障で残り一つだった。(3日)
●新中国大使に木寺氏起用へ 野田内閣は、丹羽宇一郎駐中国大使の後任に木寺昌人官房副長官補(59)を充てる方針を固めた。(5日)
●東電テレビ会議、映像を一部開示
東京電力は、福島第一原発事故の社内テレビ会議の録画映像の一部を、同社ホームページで一般に開示。(5日)
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週刊『前進』(2556号4面7)(2012/10/15 )
訂正
前号4面の反原発連載論文2段6行目の「岩手県石巻市」は「宮城県石巻市」の誤りでした。おわびし訂正します。
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週刊『前進』(2556号5面1)(2012/10/15 )
10・7三里塚 “市東さんの農地実力で守る”
労農学970人が決戦誓う
福島・沖縄と怒りひとつに
10月7日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する三里塚全国総決起集会が成田市東峰で開かれ、切迫する農地強奪攻撃との実力対決を意気高く宣言した。前夜からの雨が降りやまぬあいにくの天気をついて、会場の萩原進・反対同盟事務局次長の畑には、全国から970人の労働者・農民・学生・市民が駆けつけた。目の前の成田空港暫定滑走路には、数分間隔でジェット機がごう音を立て着陸している。
正午に萩原富夫さんの司会で集会が始まった。最初に森田恒一さんが開会宣言に立ち、「農地裁判が国策裁判である以上、どれほど理不尽でも裁判所は国を勝たせるだろう。機動隊を伴った執行官が市東さんの畑に押し寄せたとき、実力で阻止する以外ない!」と強烈に訴えた。
続いて、萩原富夫さんから「萩原進事務局次長は風邪がひどくこの場に参加できない」との報告があり、主催者あいさつと基調報告を兼ねて北原鉱治事務局長が登壇した。北原さんは、市東孝雄さんの農地を守る大闘争に立ち上がることを決然と明らかにした。
(写真 空港敷地ど真ん中の畑で集会をかちとった三里塚反対同盟は、「農地死守」の決意も新たに意気高くデモに出発【10月7日 成田市東峰】)
動労千葉からスト勝利報告
次に、特別報告の最初に、10・1JR外注化阻止決戦をストで闘いぬいた動労千葉の田中康宏委員長が立った。検修部門の外注化を12年間ストップさせてきた非妥協の闘いの手応えを語り、10・1外注化強行が敵の破綻の表れであることを明らかにし、「外注化攻撃との決戦は全労働者の未来をかけたもの」と強調した。さらに鉄建公団訴訟の6・29東京地裁判決の画期的意義、韓国民主労総ソウル本部の日本大使館前での国際連帯行動を報告し、11・4全国労働者総決起集会への大結集を熱く訴えた。
特別報告として沖縄の知花昌一さん、関西実行委の永井満さん、山本善偉さんの発言に続き、大きな拍手に迎えられて天神峰の市東孝雄さんが登壇した。「私は先祖が培ってきた土地・農業を受け継いできた。どこに自分の非があるか! ふざけるんじゃない」と闘志をあらわにした。
これに応えて、市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会の会員の人びとが壇上に勢ぞろいし、代表があいさつした。群馬の青柳晃玄さんは9・9群馬集会の大成功を高らかに報告した。
緑色ののぼりを林立させて全国農民会議が登壇し、福島、山梨、新潟、千葉の農民が発言した。反原発、TPP阻止、市東さんの農地決戦を自らの課題として全力で闘う決意を表し、若手の事務局員もエネルギッシュな発言で会場を沸かせた。
反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士は、農地裁判の証人調べでテレビ会議方式を強行する多見谷裁判長を鋭く弾劾し、10月15日の裁判への結集を呼びかけた(要項別掲)。さらに登壇した弁護団全員が裁判勝利へ決意を述べた。
婦人行動隊の木内敦子さん、鈴木加代子さんのカンパアピールに続き、司会を宮本麻子さんに交代して、住民団体・共闘団体の発言に移った。最初に、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの椎名千恵子さんが「この地に立ち、これが国との闘いであると分かる」と共感を表し、「三里塚では土地が、沖縄では空が、福島では子どもたちの命が奪われようとしている」と理不尽な国策への心からの憤りを語った。
続いて、福島診療所建設委員会事務局長の渡辺馨さんが、御用学者・山下俊一の安全デマを断罪し、診療所開設が急務となっていることをアピールした。
婦人民主クラブ全国協議会のメンバーが大挙登壇して、新代表の三浦正子さんがマイクを握り、農地死守の闘いへの限りない連帯を表明した。
徳島刑務所で無期投獄攻撃と闘う星野文昭さんのメッセージを妻・暁子さんが読み上げ、不屈の革命家魂を全参加者が共有した。
野戦病院の再建への協力の呼びかけに続き、全学連の斎藤郁真委員長が決意表明に立った。「市東さんの農地を奪う攻撃を許さない。全学連は現地行動隊を先頭に実力をもって闘う!」との力強い宣言に、会場は拍手と歓声で沸いた。
第3誘導路に怒りの大デモ
野平聰一さんの集会宣言読み上げに続き、太郎良陽一さんがスローガン採択を行い、闘いの方針として農地死守決戦のただ中での来春3・24三里塚全国集会への大結集、そして当面する最も重要な行動として10・15農地裁判への傍聴とその開廷に先立つ千葉市内デモが確認された。雨がすっかり上がった壇上に反対同盟が勢ぞろいして、力強く団結ガンバローを三唱しデモに出発した。
頭上40bの真上を飛ぶジェット機のごう音、大量動員された機動隊と公安警察、訪れるたびに破壊・変形される地形、なによりも第3誘導路の周囲を威圧するたたずまいに接し、デモ隊の怒りは高まった。額に汗して働く一農民の生活と営農を、こんなもので否定しようというのか。
デモの到着地点である南台の畑では、最初に着いた市東さん自身がデモ参加者を次々とねぎらった。市東さんの笑顔と豊かな黒い土に接し、全参加者は「農地死守」をあらためて誓った。
(写真 〔上〕闘争心をあらわに市東さんがアピール〔下〕南台の畑で「この土地を守る」と誓う)
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市東さんの決意に応え 事務局長 北原鉱治さん
47年にわたる三里塚闘争は、国家権力と国策に対して真っ向から立ち向かってきた。多数の負傷者、逮捕者を出しながら、ひるまず闘ってきた歴史だ。
市東さんに今、裁判の早期判決で農地を取り上げようとする攻撃がかけられている。これに対して、決意を込めて立ち上がる時だ。
彼らは市東さんの家と畑を誘導路ではさみ、空港に囲い込んで、「さあこれで生活できるならしてみろ」と迫っている。一体この空港はなんだ。だれがここまで山野を破壊したのか! だが市東さんは、闘い続ける姿勢を明らかにしている。
TPPは日本農業を解体するものだ。他力本願ではなく、声ある者は声を、勇気ある者は勇気を出して立ち上がろう。動労千葉も全国の労働者に闘いを呼びかけている。勇気をもって未来のために闘おう。
デタラメ空港つぶす 天神峰 市東孝雄さん
第3誘導路の工事がわが家の目の前で行われ、毎日重機が動いています。向こうは工事の認可は取ったからいいんだと言うわけだが、法律的にもデタラメであり、国策だから無理やり押し通すだけ。反対する者は裁判にかけられ、裁判所は公正ではなく権力・NAAと一体で襲ってくる。本当にはらわたが煮えくりかえる思いです。
私は何をしたわけでもない、ただ祖先から培ってきた土地を守り、営農をしてきただけ。どこに自分の非があるというのか! ふざけるんじゃないと言いたい。
沖縄のオスプレイ配備阻止や原発反対では、数十万人の民衆が動いています。三里塚にもまた、3千人、4千人という人びとを集め、このデタラメな空港をつぶすまで闘いましょう。
私の闘いは私だけの問題ではない。皆さん自身の問題として一緒に闘って頂けるよう、ご支援よろしくお願いします。
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【要項】10・15市東さん農地裁判
千葉地裁・多見谷裁判長の訴訟指揮弾劾!
テレビ会議方式での証人尋問許すな!
10・15市東さん農地裁判
10月15日(月)
★千葉市内デモ
午前11時40分 千葉中央公園集合
★千葉地裁民事第3部
午後1時30分開廷(1時頃傍聴券抽選)
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週刊『前進』(2556号5面2)(2012/10/15 )
11・3労働者国際連帯集会へ
外注化攻撃と闘う“世界大会”
(写真 11・3労働者国際連帯集会のチラシ)
11・3労働者国際連帯集会(主催/11・4労働者集会実行委)が千葉市で開かれる。「労働者の国際連帯で新自由主義とたたかおう! 国鉄1047名解雇撤回! 外注化阻止・非正規職撤廃! 反原発・反失業をたたかう国際統一行動を!」のスローガンのもと、全国から11・3労働者国際連帯集会に集まろう! その大高揚をもって11・4大結集を実現しよう!
10・1JR外注化阻止決戦は、追い詰められたJR資本による外注化強行を職場闘争とストライキで迎え撃った動労千葉、動労水戸、動労総連合の闘いによって新たな攻防に突入した。
◆国境を越える団結
9月27日、韓国・ソウルの日本大使館前。「動労千葉のストライキ闘争を民主労総ソウル本部が支持し、連帯します」「JR外注化阻止! 非正規職撤廃! 強制出向反対!」の大横断幕を広げて民主労総ソウル本部が登場した。
警官隊の暴力的排除を跳ね返し、ソウル本部16万組合員を代表してイジェウン本部長が「労働者はひとつだ! 韓日労働者の団結と連帯で外注化阻止闘争に必ず勝利しよう!」とアピールした。この闘いは、闘う労働者階級の団結を領土問題などで分断することはできないことを示した。
今年も韓国から数十人の訪日団がやってくる。
アメリカからは、労働組合破壊と激突して闘う戦闘的労働組合のILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル21、運輸労働者連帯委員会の労働者たちが参加する。
さらにドイツからドイツ機関士労組(GDL)の仲間がやってくる! GDLはドイツ鉄道の運転士および車掌の7割以上を組織する組合員3万4千人の労働組合だ。
さらに労働組合で闘う在日・滞日外国人労働者、難民・仮放免者などが発言する。まさに世界の労働者が一堂に会する国際連帯集会だ。
11月3日(土)午後1時開場、1時半開会の労働者国際連帯集会(千葉市・千葉商工会議所第1ホール)に、闘う労働者は集まろう!
(写真 11・3労働者国際連帯集会のチラシイジェウン本部長【左】はじめ民主労総ソウル本部が動労千葉支援に立った)
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週刊『前進』(2556号5面3)(2012/10/15 )
共産主義者1744号
革命時代の行動原理示す11月集会の組織化の武器
共産主義者174号は、全体が11・4全国労働者総決起集会成功への渾身(こんしん)のアピールとなっている。全党の同志、闘う労働者人民のみなさんに広く活用を訴えます。
前半戦を総括し外注化阻止訴え
冒頭には、今秋開催された首都圏活動者会議の報告2本を掲載。
北野聡史同志の基調報告「国鉄・反原発を基軸に11月集会巨万の大結集へ」は、激動する2012年前半決戦を総括し、JR外注化阻止決戦を訴える内容となっている。欧州危機をはじめとする激しい内外情勢、今夏の反原発闘争の空前の高揚、「領土問題」をめぐる排外主義・愛国主義と対決する革共同の指針を提起。機関紙『前進』の改革と機関紙を軸とした組織活動に総決起することを転換的に訴えている。
松丘静司同志の特別報告「革命の時代における党と労働者階級の行動原理」は11・4へ向かっての飛躍をかけて打ち出されている。松丘同志は、党に問われていることは「徹底的に具体的に国家の本質、資本の本質をマルクス主義で暴露すること」であると繰り返し訴えている。さらに、外注化を阻止してきた動労千葉の12年間の闘いの地平を、「新自由主義の嵐のなかで、労働運動全体が本当に総屈服した状況のなかで、階級的労働運動はこうすれば復権できるんだということを闘いをもって証明した」と勝利的に総括している。そして、関西生コンの組織拡大の闘いに学び、「組合員全員がその気になることが鍵、それ以外に道はない」という実践的教訓を決定的な飛躍的課題として訴えている。ぜひ読んでほしい論文だ。
郵政民営化絶対反対7年の地平
さらに「新人事・給与制度粉砕! 非正規職撤廃の全逓決戦」と題する全逓委員会論文は、郵政民営化絶対反対を掲げた05年以来の7年間の闘いを総括し、現在の郵政非正規ユニオンをはじめとする郵政労働者の闘いの地平を大胆に提起している。郵政民営化との激闘の歴史的総括を全逓委員会で白熱的に論議し、満を持して今号に掲載した記念すべき論文だ。職場生産点の闘いの中で職場支配権をぬりかえてきた全国の郵政職場での実践的な闘いの教訓をふまえ、郵政民営化の総決算の攻撃としての新人事・給与制度との対決を訴え、それを軸とした郵政決戦を提起している。
革共同中央学生組織委員会論文は、9月全学連大会を総括し、今秋決戦に向けた学生戦線の決意を新たにした意欲作だ。福島・全国大学ではびこる「御用学者」を学生の立場から徹底的に批判し、福島と連帯した反原発闘争を闘い、学生自治会を建設する意欲がみなぎる論文である。京大同学会を再建した地平、法大闘争の白熱的展開をはじめとする今年前半決戦の地平が、新たな全学連運動の未来を切り開く展望を実践的に指し示している。
共産主義論から革命への道示す
好評だった『前進』夏季特別号掲載の共産主義論に、坂本千秋同志がプロレタリア独裁論などを大幅に加筆し発展させた「プロレタリア革命と共産主義」。『綱領草案』の地平をさらに前進させ、「資本とは何か?」「労働とは何か?」という根底的なところから共産主義をとらえ返し、マルクス主義の高さ、革共同半世紀の闘いの歴史からプロレタリア革命の道筋を明らかにしている。
巻末に、『前進』夏季特別号のアピールと情勢論文「大恐慌の現局面と革命的情勢の成熟」を収録。11月集会の巨万の結集に向け、今号を読破し、ファイトを燃やして闘いぬこう。
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週刊『前進』(2556号6面1)(2012/10/15 )
団結ひろば 投稿コーナー
原発告訴団“必ず責任取らせる”と全国集会 福島市 小金沢幹子
福島原発告訴団1324人は6月11日、東電幹部や政府関係者、学者など33人を業務上過失致死傷容疑などで福島地検に告訴し、8月1日に福島地検は告訴を受理しました。告訴団の武藤類子団長など事務局の力で告訴運動は全国に広められ、各地に事務局が設置され、11月15日には全国1万人の団員による第2次告訴が行われようとしています。
第2次告訴に向けて9月22日、「福島原発告訴団全国集会」がいわき市文化センターで開かれ、福島県内の告訴人と中国・四国を始め全国10個の事務局から300人が参加しました。
各地の事務局から“命を傷つけ、子どもや青年の未来を奪い、共同体や自然環境を破壊した責任は必ず問わなければならない”と、被告訴人の起訴と処罰に向けた決意、組織状況などが語られました。
第1次告訴の際、告訴人一人ひとりが陳述書に表した苦しみ、悔しさ、怒りは、検察を告訴受理に動かした武器だったに違いありません。さらにこの武器を生かして検察を決定的に突き動かしたのは、6月29日の官邸前デモが20万人に達したこと、代々木公園での7・16さようなら原発集会に17万人が結集し、全国各地で抗議行動が続いていることだと思います。命より金もうけを優先する再稼働に反対する民衆のこの決起は、新自由主義に対する非和解的で根底的な決起です。
33人の巨悪に必ず責任を取らせ罰に処することは、この何倍もの怒りの実力行動をともに闘い、その中で敢然と闘うことによってかちとられるのだと思います。
原発と事故に対する怒りの結集体である告訴団の一員として拡大を望み、自らも努力をしたいと思いながら帰路につきました。
証言集『黒い雨―内部被曝の告発』を読んで 被爆者青年同盟委員長 壹貫田康博
「科学的」とは、調べもせず、「分からない」とも言わず、何もなかったことにして切り捨てることか? 「黒い雨」の被爆者の証言集が被爆67周年の8月6日を前に発行された。第4号となるこの冊子には、被爆者が自らの原体験から原爆を告発し戦争責任を問う怒りがあふれている。自分の被爆体験を語ることは被爆者にとって容易なことではない。行間にある想いや言葉の奥にある怒りを注意深く読み取らなければ真実をつかむことはできない。
8年前に発行された第3号は、まさにそのような証言集だった。第4号を手にした時、第3号とはまったく違う寄せられた証言のストレートな怒りに驚いた。8年の間にあったことといえば言うまでもなく福島原発事故だ。今年5月29日、厚生労働省はあらためて「黒い雨」地域の拡大を否定した。フクシマの怒りとともに、あらためてヒロシマの怒りは爆発した。
同時に掲載されている専門家の言葉が、「黒い雨」被爆者の証言を際立たせている。政府の「科学的」シミュレーションで決められた「黒い雨」の範囲、「科学的」に認められていない内部被曝の影響……。ABCC(原爆傷害調査委員会、現放射線影響研究所)により内部被曝の研究を葬り去られ、80年の原爆被爆者対策基本問題懇談会答申では「被爆地域の指定は科学的・合理的な根拠のある場合に限って」と切り捨てられてきた。福島原発事故後の避難基準を20_シーベルトに決めた会議では、チェルノブイリ原発事故の影響で「科学的に認められるのは甲状腺がんのみ」と長瀧重信(元放影研理事長)が言い張り「客観的にみて明らかに、がん以外の病気が増えている」という主張は退けられた。今日フクシマを苦しめている被曝強制とまさに一体だ。
戦争の最も悲惨な行き着く先を体験した被爆者の怒りは、平和利用=原発推進によって抑え込まれてきた。しかし、ヒロシマの怒りの告発はけっして途絶えることはない。この証言集に証言を寄せた58人の被爆者の言葉に、フクシマと一体でヒロシマ・ナガサキの怒りが解き放たれた時、核と戦争によってしか成り立たない社会を変えることが現実のものとなることを実感した。
動労千葉ストと連帯JR博多駅前で訴え 九州 A
九州でも10月1日、国鉄全国運動・九州が、動労千葉のJR外注化阻止ストライキに連帯して街頭宣伝に決起しました。
JR博多駅博多口で職場帰りの労働者に、「JR外注化阻止」のビラと「11・4全国労働者集会」のチラシを渡し、動労千葉ストへの支援・連帯と国鉄1047名解雇撤回、反原発闘争への決起を呼びかけました。
マイクを握った国労小倉地区闘争団員の羽廣憲さんは「私は、国鉄分割・民営化で首を切られた解雇者です。25年間、解雇撤回を求めて闘っています。JRの外注化は安全の切り捨てです。偽装請負であり、非正規職化であり、許せない労働組合破壊です。この闘いは労働組合をよみがえらせる闘い。どうか動労千葉のストと、私たちの1047名解雇撤回闘争支援を」と呼びかけました。事務局も「国鉄分割・民営化以降、労働組合は死んだようになっています。外注化阻止の闘いは労働組合の再生を進める闘いです。11・4全国集会に結集しよう」と訴えました。
NAZEN福岡の仲間は「今、命よりカネと言う人たちと、カネより命と訴える人たちの闘いが起こっています。国鉄闘争も反原発も、カネより命を守る闘いであり、人間らしく、労働者らしく生きていこうとする闘いです。原発再稼働阻止と放射能汚染ガレキ拡散反対の闘いをひとつに、原発廃炉へ闘いましょう」と訴えました。最後に竹内良夫代表から「きょうの闘いを引き継ぎ、11・4労働者集会の成功へ」というまとめのあいさつで1時間半の行動を締めくくりました。
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週刊『前進』(2556号6面2)(2012/10/15 )
11・4へ 地区集会を開催
神奈川1千人動員の実現へ 神奈川 T
「JRは外注化をやめろ!非正規職をなくそう!国鉄闘争全国運動・神奈川集会」が10月5日、横浜市内で105人の結集で成功しました。
基調提起に立った全国運動・神奈川の二本柳実事務局長は「JR外注化阻止決戦を闘い抜き、11・4全国労働者集会1万人結集を実現するために、神奈川1千名動員を実現しよう」と冒頭に鮮明にさせ、JR外注化攻撃への歴史的総反乱を号砲として、4大産別を基軸に外注化反対・非正規職撤廃の分岐・大流動を巻き起こし、あらゆる職場から階級支配を転覆する大攻勢に打って出ようと訴えました。
「新自由主義に抗して」と題した講演で鎌倉孝夫さんは、新自由主義を、労働組合の暴力的解体を通して労働者を「モノ化」し、人間能力を略奪・破壊し、金もうけをすべての価値基準とする崩壊した社会だと断罪し、“カネ”対“命”の闘いに「労働者が負けるはずがない」と言い切り、参加者を勇気付けました。
特別報告では、動労千葉の川崎昌浩執行委員が10月1日以降の動労千葉の白熱的闘いを報告し、さらに闘う国労闘争団・成田昭雄さんは国鉄分割・民営化反対の原点を貫き三つの裁判を闘うと発言。その後、各産別・団体の職場報告がなされ、最後に青年労働者が「抵抗のエネルギーで、新たな社会をつくり出す闘いを開始する」と決意表明。国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんが「職場に拠点をつくろう。何かしたい、何ができるかと仲間と討論し、それができたときに拠点となっていく。11月集会は集約点であり出発点だ」と11・4集会への全力決起を訴えるまとめを提起しました。
新たな青年の決起と組合の参加で、神奈川における階級的労働運動の新たな開始を告げる集会でした。
北部・西部で地域連帯集会 精研労組 I
東京北部・西部労働者集会が10月5日、池袋で100人の結集で行われました。私たち東京武蔵野病院・精研労組(精神医学研究所附属東京武蔵野病院労働組合)はこの日、指名ストに突入し、雇い止め抗議の昼休み集会と定期大会をかちとった上で、夜の集会の準備・設営から交流会まで組合として担いました。
この集会は、私たちの職場で3年間で5件も起こっている非正規労働者の雇い止めに対する怒りの場であるとともに、同じ板橋区で雇い止め・非正規職闘争を闘い抜いている東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会などとの地域連帯集会として行われました。
精研労組委員長が「新自由主義と闘おう。国鉄1047名闘争の激しい攻防をやり抜いている動労千葉を軸とする階級的労働運動路線が、今また10・1外注化阻止の闘いを切り開いている。これと一体となり非正規職撤廃・外注化阻止を闘おう。正規であろうが非正規であろうが労働者が現場を動かしている。職場でひとつになり、地域とつながり行動すれば雇い止め解雇攻撃も打ち破れる」と提起。鈴コン分会は「自分たちは当たり前の主張をしている。3日には東京地裁で最終的な賃金の仮払い決定を、資本の保全異議をはねのけて認めさせた。職場で過積載拒否など安全闘争も闘っている。闘って団結すれば労働者は勝てる」と力強く発言しました。
雇い止め労働委員会を闘う当該、職場安全闘争を闘っている栄養科の仲間、鈴コン支援共闘会議、地域の労働組合からも連帯あいさつがありました。
非正規社会をなくせと訴え 東京東部 相馬修
10月5日、錦糸町のすみだ産業会館で「非正規社会をなくせ!10・5東部集会」が開催された。
冒頭、動労千葉の外注化阻止の闘いの最新ビデオが上映された。
司会は国鉄闘争全国運動東京東部の会共同代表の佐藤賢一さん(江戸川区職労)。基調報告で同じく共同代表の米山良江さん(「日の丸・君が代」不起立被解雇者)は「『非正規社会をなくせ』――これは青年の未来がかかった重大なテーマです。そして『外注化阻止!非正規職撤廃!』は今日、すべての労働組合の最大の課題になっています」と述べ、11・4集会への決起を訴えた。
続いて動労千葉の繁沢敬一副委員長と東京西部ユニオン鈴コン分会の内尾稔分会長から二つの特別報告だ。繁沢さんは、外注化を必ず阻止してみせると固い決意を述べた。特に青年部の闘いのすごさを語ってくれた。内尾分会長は東部の労組回りの中からすぐに賛同署名に応じる労組が出てきたことなどを勝利感をもって語った。
動労千葉新小岩地域班、江東区職、人事評価D評価と闘う江戸川区職労の仲間、東部ユニオンの雇い止め解雇撤回闘争を闘うJR千葉鉄道サービス分会、アイ介護サービスの解雇当該、東交、都校職組、反原発を闘う仲間の発言が続く。最後は、東部の会の仲間が「実践あるのみ」と11・4総決起を呼びかけて集会をまとめた。参加者は60人。カンパは2万円を超えた。集会前の錦糸町駅前街宣で出会った青年労働者が最後まで交流会に残り11・4集会参加を約束。外注化阻止・非正規職撤廃の闘いが青年労働者の心をとらえることに確信を持った。
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週刊『前進』(2556号6面3)(2012/10/15 )
ビデオ国賠 「紛失」居直る国と都
無実の証拠の隠滅は明らか
東京地裁民事第45部(石井浩裁判長)で10月9日、星野ビデオ国賠第9回裁判が闘われた。
これは、星野文昭同志の一審で証拠採用されたビデオテープ2巻を警視庁公安部が「紛失(=証拠隠滅)」したことに対し、東京都と国の責任を追及する裁判だ。
東京高裁が、証拠開示請求中にもかかわらず第2次再審請求を棄却(3月30日)したことの不当性と違憲性は明らかだ。全証拠開示を求める労働者人民の怒りが高まる中で、ビデオ国賠は国と都の権力犯罪を追及し、再審を開始させるための決定的闘いとなっている。
第9回裁判に先だって提出された被告の都と国の準備書面は、星野同志の無実を示す重要な証拠が映っている可能性のある証拠物を「紛失」したことに対して、およそ無責任を決め込む怒りになしに読めないものだ。
国の準備書面は、裁判官が損害賠償請求で責任を問われるのは「違法又は不当な目的をもって権限を行使」したなど特別な場合であるが、今回はそうではないと基本的に答弁を拒否している。
そもそも国側は、なぜビデオテープを警視庁に保管委託したのかという釈明要求に、裁判所にはビデオテープを保管するための特別な設備がないからだなどというふざけきった答弁をしてきた。これに弁護団から、さらに怒りの追及がなされたことへの答弁がこれだ。「紛失」に裁判所の責任はないとでも言うのか!
他方、被告東京都の準備書面で重大な事実が明らかになった。@本件ビデオテープのダビングテープは存在しない。Aビデオテープの管理責任者は保管を開始した公安総務課長であった。B「管理のための帳簿は作成したのか、どこで保管していたのか、保管状況は定期的に確認していたのか」などの釈明要求には「本件ビデオテープの保管状況に関する帳簿等が存在しないため回答できない」と回答した。
しかし、「警視庁においては、通常、保管品を保管する際に保管状況を明らかにする帳簿類を作成し、毎月一回証拠品の点検を実施している」と言うのである。つまり本件ビデオテープは通常の証拠品のように扱われず帳簿すら作成しなかったのだ。そもそも、裁判の証拠品のビデオテープをダビングしていないことなどあり得ない。これは裁判所と警視庁公安総務課長が、星野同志の無実の証拠を隠滅したということではないのか。
星野同志の無実を百も承知で無期判決を下すため、検察官のつくったストーリーに沿った供述調書をデッチあげ、それと矛盾する証拠は隠匿・隠滅する。これは裁判所も一体となった国家権力の犯罪だ。次回のビデオ国賠裁判は12月25日。
星野同志奪還のため、全証拠開示を求める署名運動を全労働者階級人民の巨万の運動として爆発させよう。11・4労働者集会を全力で闘い抜き、その力で11・23星野再審全国集会を成功させよう。10月18日、東京高裁包囲デモに集まろう。
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【要項】第3回東京高裁包囲デモ
全証拠を開示し星野再審を開始せよ!
第3回東京高裁包囲デモ
10月18日(木)正午 日比谷公園霞門集合 12時45分デモ出発
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週刊『前進』(2556号6面4)(2012/10/15 )
在留カードやめろ!
仮放免者の会 東京入管に向けデモ
「入管は長期収容するな! 家族を返せ! 仲間を返せ!」「在留資格を認めろ! 難民を認めろ!」「仮放免者に仕事をさせろ! 在留カードやめろ!」
7・9在留カード制度実施から3カ月、外国人登録証返納期限とされた10月9日、仮放免者の会主催の東京入管デモが120人を超える参加者で闘いぬかれた(写真)。牛久入管収容所問題を考える会(牛久の会)、外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会(全国実)、さらに動労千葉やなんぶユニオン、湘北合同労組など各地の合同労組・ユニオン、全学連も駆けつけた。
JR品川駅港南口から東京入国管理局へ、怒りのシュプレヒコールを上げながらデモは進んだ。東京湾の運河にかかる港南大橋を渡ると東京入管の放射状の建物が見えてくる。8階から上が入管収容所だ。デモ隊が建物を周回すると、背伸びをして手を振る被収容者たちが見える。中からと外から指笛と歓声で感動的な交流が実現した。「ガンバレー!」「収容するな!」「わーっ!」
デモ後、仮放免者の会は東京入管に対し、処遇改善と仮放免、再収容を行わないこと、在留資格付与などを要求した。
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週刊『前進』(2556号6面5)(2012/10/15 )
法政大で連続闘争
“武田君への処分阻止を”
「キャンパスで当局と激突し、反原発運動の大爆発と学生自治会の復権をかちとろう!」――第73回全学連大会提起の実践として、10・1外注化阻止闘争の大高揚と一体で法政大でも激しい闘いが打ち抜かれています。
10月5、6日、法大キャンパスで文化連盟・全学連による連続的な集会が闘い抜かれました。
5日昼休み、「国際文化学部3年・武田君への処分阻止、学祭規制撤廃」を掲げて、当該学生を先頭にキャンパス中央で集会を行いました。
この日は武田雄飛丸君ら文化連盟の仲間が国際文化学部に提出した「武田君への処分警告文を撤回しろ」という申入書の回答期限日でした。これに対して国際文化学部は完全にゼロ回答。怒りに燃えた武田君らはマイクを持って門前から学内に突入し、学生センター長・鈴木良則(法学部体育教師)を始めとした弾圧教職員を徹底追及。武田君は「理由も説明できないのに(不当処分によって)授業に出られない学生が二けたもいます。そんな中で学祭の規制が強化されようとしています。これ以上の大学の理念の放棄を許すわけにはいきません。かつて全学連は戦犯追放と学生の生活防衛を掲げて決起しました。今こそ学生運動が必要です。『3・11戦犯教授の追放、学生の生活防衛、僕への処分阻止、学祭規制撤廃』で学生は今こそ立ちあがろう!」と訴え、学生の圧倒的注目の中、断固として学内集会を打ち抜きました。
この闘いは08年の「一人の仲間も見捨てない、これ以上の大学の暴挙は絶対に許さない」というスローガンのもと闘われた文連決起を想起させる闘いそのものです。ついに新たな世代が決起を開始したのです。
6日には法大で行われた御用学者・大久保利晃(放影研理事長)講演会弾劾行動に、武田君らを先頭に文化連盟・全学連が決起しました。文化連盟を排除する一方で御用学者は学内に呼ぶ法大当局の姿こそ、今の大学と社会のあり方を示しています。門前集会とともに会場前でも武田君らが大久保弾劾をたたきつけました。10・5〜6の闘いの大高揚から10・19法大デモ―11・4労働者集会へ全国学生は総決起しよう!
(法政大・U)
(写真 講演会の会場前で武田君【右から2人目】らが当局を徹底弾劾【10月6日 法政大】)
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週刊『前進』(2556号6面6)(2012/10/15 )
11・9最高裁デモに結集を
候補者名簿登載通知送るな!裁判員制度廃止へ!
「裁判員制度はいらない!大運動」の事務局から11・9最高裁デモの呼びかけが発せられました。11・4労働者集会と一体で全力で
参加しよう。 (編集局)
裁判員候補者名簿に名前を登載したことを伝える時期(11月中旬)が近づきました。対象は約30万人。08年に始まって5回でその数は合計150万人近くになりました。有権者人口の1・5%、六十数人に1人が候補者名簿に載せられたことになります。
裁判は地方裁判所で行われ、とりあえず最高裁は関係がないのに、通知書の封筒の真ん中に「最高裁判所」の大きな文字が躍っています。「最高裁発」の権威で国民を圧倒しようという悪らつな狙いがあります。
●狙いは誰の目にも明確に
裁判員裁判は終末期を迎えました。公判前整理手続きが長引いて公判が始まらず、今や1年分の重大事件が滞留しています。刑事裁判官が少ない各地の裁判所では人手が足りなくなり一般の刑事事件の処理も遅れています。裁判長は、最高裁の審理促進の大号令のもと、被告人の人権への配慮などうち捨てて対象事件の早期終結を追求しています。
今年7月の大阪地裁の裁判は、社会に迷惑になる者は長く刑務所に入れるという結論を出し(アスペルガー患者の殺人事件)、元検察高官はこれを「裁判員裁判の成果」と賞賛しました。裁判員裁判の本質は、この社会の構成員を徹底的に分断し、そこに「社会の安全」の論理を持ち込む究極の新自由主義攻撃です。この国を守るのは自分だという意識を国民に植えつけるという制度の狙いは、戦争の時代の改憲構想の一環に位置づけられるでしょう。
●反撃が一気に強まった
9月、鳥取地裁の裁判員裁判は、わずか6人の裁判員と4人の補充裁判員を選任するのに、700人の県民を候補者名簿から選びました。700人という多数を選んだのは、多くの県民が裁判員就任を拒んでいることをよく知る裁判所の対応でした。選任当日に裁判所に残った県民の数はわずか5%の38人。制度開始以来最低の応諾率に、制度推進の先頭に立つNHKは、出頭者の少なさを大きく報道しました。彼らも危機感をあらわにしています。
●ここで終わりにさせよう
破綻した制度の延命を必死になって追求する当局は、ここまで厭(いと)われても性懲りもなく、そして恥知らずにも「最高裁の権威」をかざして、あらためて30万人の国民に恫喝文書を送ろうとしています。
私たちは5回目の裁判員候補者名簿登載通知を許しません。「裁判員制度はいらない!大運動」は、全国各地で裁判員制度の廃止を求める行動を一層強め、特に東京では、昨年に引き続き、名簿登載通知を発送しないことを最高裁に要求する「11月最高裁デモ」を敢行します。この国の司法と裁判のありように疑問や批判を持つすべての人々のご参加を歓迎します。
●みんなの拒否から廃止へ!
11月9日(金)正午から1時半まで、日比谷公園の霞門を出発し、東京地裁・高裁、外務省、経産省、文科省、首相官邸横、自民党・民主党本部横、最高裁横、国会前と、文字どおりこの国の統治と政治の要所を一巡する「ゴールデンコース」の昼デモを行います。
多くの皆さんに訴えます。原発推進の最高裁の権威は3・11で地に落ちました。マスコミを巻き込んだ必死の巻き返しもむなしく、裁判員はいやだと思う人々がどんどん増えています。その皆さんの思いを制度廃止要求の大運動にブレークさせ、みんなの力でこの制度を1日も早く潰(つぶ)しましょう。
「1人の拒否をみんなの拒否へ、みんなの拒否で制度の廃止!」
(写真 昨年の11・11最高裁デモ)
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【要項】11・9最高裁デモ
11・9最高裁デモ
11月9日(金)正午 日比谷公園霞門
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週刊『前進』(2556号6面7)(2012/10/15 )
【要項】迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判 差し戻し控訴審第5回公判
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判
差し戻し控訴審第5回公判
10月22日(月)午後1時30分(429号法廷)
◎午後1時 東京高裁傍聴券配布所集合
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